<第1実施形態>
本発明者等は、何らかの不具合が、一部の検出素子に生じても、ヒトの存在に応じて、通行口を開くという自動ドアの本質的な機能を維持するための技術を開発した。第1実施形態において、自動ドアの本質的な機能を維持するための技術概念が説明される。
図1は、第1実施形態の制御装置100の概念図である。図1を参照して、制御装置100が説明される。
制御装置100は、自動ドアAMDを開くための開動作を実行する。制御装置100は、自動ドアAMDを閉じるための閉動作を追加的に実行してもよい。代替的に、自動ドアAMDの閉動作は、他の制御構造によって制御されてもよい。本実施形態の原理は、制御装置100が、自動ドアAMDの閉動作に関する制御を行うか否かによっては何ら限定されない。
制御装置100は、第1検出部200と、第2検出部300と、不具合検出部400と、切替部500と、を備える。第1検出部200及び第2検出部300は、自動ドアAMDを通行する通行者PSRを検出するように配置される。自動ドアAMDの前に通行者PSRが存在するときに、第1検出部200は、通行者PSRの存在を表す第1検出信号を生成する。第1検出信号は、第1検出部200から不具合検出部400へ伝達される。第1検出部200から不具合検出部400への信号伝達は、無線式であってもよいし、有線式であってもよい。本実施形態の原理は、第1検出信号の特定の伝達方式に限定されない。
不具合検出部400は、様々な手法を用いて、第1検出部200に生じた不具合を検出してもよい。たとえば、不具合検出部400は、第1検出信号によって表される情報を参照し、第1検出部200に不具合が生じているか否かを判定してもよい。第1検出信号が、自動ドアAMD前の通行者PSRの存在だけでなく、第1検出部200に組み込まれた電池の電力残量(以下、「電池残量」と称される)を表す信号を含むならば、不具合検出部400は、電池残量に関する情報を参照して、第1検出部200が適切に動作するのに十分な電力を有しているか否かを判定してもよい。第1検出信号が、不十分な電池残量を表すならば、不具合検出部400は、第1検出部200の不具合を表す不具合情報を生成してもよい。代替的に、或いは、追加的に、不具合検出部400は、第1検出信号の質を参照し、第1検出部200に不具合が生じているか否かを判定してもよい。たとえば、第1検出信号の信号強度が、過度に低いならば、不具合検出部400は、第1検出部200の不具合を表す不具合情報を生成してもよい。
不具合検出部400は、適切に設定された閾値を用いて、電池残量の不足や信号強度の不足を判定してもよい。残量閾値が、電池残量に対して、適切な値に定められるならば、第1検出部200が、完全に機能しなくなる前に、不具合検出部400は、不具合情報を生成することができる。強度閾値が、第1検出信号の信号強度に対して、適切な値に定められるならば、第1検出部200と不具合検出部400との間の通信が完全に遮断される前に、不具合検出部400は、不具合情報を生成することができる。したがって、「第1検出部200の不具合」との用語は、第1検出部200に実際に生じた不具合だけでなく、第1検出部200に生じそうな不具合をも意味する。
不具合情報は、不具合検出部400から切替部500へ出力される。不具合情報は、第1検出部200に不具合が発生したことを表す情報のみを含んでもよい。代替的に、不具合情報は、第1検出部200に生じた不具合の内容を表してもよい。たとえば、不具合検出部400が、第1検出部200の電池残量不足を検出するならば、不具合情報は、第1検出部200の電池残量不足を表してもよい。不具合検出部400が、第1検出信号の信号強度の不足を検出するならば、不具合情報は、第1検出信号の信号強度の不足を表してもよい。本実施形態の原理は、不具合情報によって表される特定の内容に限定されない。
「不具合」との用語は、電池残量や信号強度の不足だけでなく、自動ドアAMDの正常な動作に影響を与え得る様々な状態を表してもよい。たとえば、「不具合」との用語は、外乱ノイズに起因する第1検出信号の通信不良を意味してもよい。代替的に、第1検出部200が、レンズ、発光素子や受光素子といった光学素子を用いて形成されるならば、「不具合」との用語は、これらの光学部品の一部或いは全部の汚れに起因する動作不良を意味してもよい。更に代替的に、「不具合」との用語は、いたずらや他の不適切な操作によって生じた第1検出部200の故障を意味してもよい。本実施形態の原理は、「不具合」との用語に対する特定の定義に限定されない。しかしながら、上述の定義は、後述される様々な実施形態に適用されてもよい。
不具合情報が、第1検出部200に生じた不具合の内容を表すならば、不具合情報は、記憶媒体(図示せず)に記録されてもよい。作業者は、記憶媒体に格納された不具合情報を参照し、第1検出部200を適切且つ効率的に修繕することができる。
不具合情報が、不具合検出部400から切替部500へ伝達される前において(すなわち、自動ドアAMDが正常に動作している間)、第1検出信号は、不具合検出部400を通じて、第1検出部200から切替部500へ伝達される。このとき、第1検出信号は、自動ドアAMDを起動する有効な信号として取り扱われる一方で、第2検出信号は、自動ドアAMDを起動する有効な信号としては取り扱われない。切替部500は、第1検出信号に応じて、自動ドアAMDの開制御を実行するための開制御信号を生成する。開制御信号は、切替部500から自動ドアAMDへ出力される。自動ドアAMDは、開制御信号に応じて開く。
不具合情報が、不具合検出部400から切替部500へ伝達されると、切替部500は、不具合情報に応じて、通行者PSRの検出に第1検出部200を使用する第1検出モードから通行者PSRの検出に第2検出部300を使用する第2検出モードに切り替える。第2検出部300は、第1検出部200と同様に、自動ドアAMDの前の通行者PSRを検出するように配置されているので、通行者PSRが自動ドアAMDの前に存在するならば、第2検出部300は、自動ドアAMDの前の通行者PSRの存在を表す第2検出信号を生成する。第2検出信号は、第2検出部300から切替部500へ出力される。切替部500は、第2検出信号に応じて、開制御信号を生成する。開制御信号は、切替部500から自動ドアAMDへ出力される。自動ドアAMDは、開制御信号に応じて開く。
切替部500は、不具合情報を受信に応じて、第2検出部300を起動してもよい。代替的に、第1検出部200に不具合が生ずる前においても、第2検出部300は、起動され、自動ドアAMDの前の通行者PSRの存在に応じて、第2検出信号を生成してもよい。本実施形態の原理は、第2検出部300の特定の起動タイミングに限定されない。
通行者PSRの検出は、既知の様々な検出技術に依存してもよい。たとえば、第1検出部200は、通行者PSRの接触を検知する接触センサの機能を有してもよい。代替的に、第1検出部200は、通行者PSRによる光路の遮断を検出する光学センサ(反射型センサ及び/又は透過型センサ)や静電容量センサであってもよい。第2検出部300は、通行者PSRによる光路の遮断を検出する光学センサ(反射型センサ及び/又は透過型センサ)であってもよい。代替的に、第2検出部300は、取得された画像に基づいて通行者PSRの存在を判定するカメラセンサであってもよい。本実施形態の原理は、第1検出部200及び第2検出部300に用いられる特定の検出素子に限定されない。
<第2実施形態>
第1実施形態に関連して説明された不具合検出部は、第1検出信号を参照し、第1検出部に不具合が生じているか否かを判定する。代替的に、不具合検出部は、第1検出部の不具合の判定に、第1検出信号だけでなく、第2検出信号をも用いてもよい。第2実施形態において、第1検出信号及び第2検出信号を用いて、第1検出部に生じた不具合を検出する制御装置が説明される。
図2は、第2実施形態の制御装置100Aの概念図である。図2を参照して、制御装置100Aが説明される。第1実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第1実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第1実施形態と同様に、制御装置100Aは、第1検出部200と、切替部500と、を備える。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御装置100Aは、第2検出部300Aと、不具合検出部400Aと、を更に備える。第1検出部200と同様に、第2検出部300Aは、自動ドアAMDの前の通行者PSRの存在を検出する。通行者PSRが、自動ドアAMDの前に存在するならば、第2検出部300Aは、自動ドアAMDの前の通行者PSRの存在を表す第2検出信号を生成する。第2検出信号は、第2検出部300Aから不具合検出部400Aへ出力される。
第2検出部300Aによる通行者PSRの検出は、第1検出部200による通行者PSRの検出と同時に行われる。したがって、第1検出部200が正常に機能しているならば、不具合検出部400Aは、第1検出信号と第2検出信号とを受け取る。この場合、不具合検出部400Aは、第1検出信号を切替部500へ優先的に出力する。切替部500は、第1検出信号に応じて、開制御信号を生成する。
第1検出部200に不具合が生ずるならば、不具合検出部400Aは、第2検出信号のみを受け取る。第1検出信号の受信の不存在下で、第2検出信号の受信があるならば、不具合検出部400Aは、第1検出部200に不具合が生じたと判断する。この場合、不具合検出部400Aは、第2検出信号を切替部500へ出力する。切替部500は、第2検出信号に応じて、開制御信号を生成する。
代替的に、不具合検出部400Aは、第1検出信号と第2検出信号との間で信号強度を比較してもよい。第1検出信号の信号強度が、第2検出信号の信号強度よりも顕著に低いならば、不具合検出部400Aは、第1検出部200に不具合が生じたと判断してもよい。この場合も、不具合検出部400Aは、第2検出信号を切替部500へ出力する。切替部500は、第2検出信号に応じて、開制御信号を生成する。
上述の制御技術によれば、第1検出部200が正常に動作している間、第2検出信号は、第1検出部200の不具合を検出するための参照信号として用いられる。第1検出部200に不具合が生ずると、第2検出信号は、自動ドアAMDの前の通行者PSRの検出に用いられることとなる。
本実施形態の原理は、第1検出信号の解析を必ずしも必要としない。第1検出部200に不具合が生ずるならば、検出モードは、不具合の内容や不具合の原因とは無関係に、第1検出モードから第2検出モードへ切り替えられるので、電池残量や信号強度の不足だけでなく、第1検出部200として用いられる光学素子の汚れ、第1検出部200に対する不適切な操作や第1検出部200の部品劣化に起因する不具合の下でも、制御装置100Aは、自動ドアAMDを適切に制御することができる。
<第3実施形態>
設計者は、第1実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な制御装置を設計することができる。第3実施形態において、例示的な制御装置が説明される。
図3は、第3実施形態の制御装置100Bの概略的なブロック図である。図1及び図3を参照して、制御装置100Bが説明される。第1実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第1実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
制御装置100Bは、自動ドアAMDを開く開制御を実行する。自動ドアAMDは、駆動部DRVと、扉体DORと、を含む。駆動部DRVは、制御装置100Bから駆動信号を受け取る。駆動部DRVは、駆動信号に応じて、扉体DORを、通行口PSG(図1を参照)を開く開位置へ変位させる。制御装置100Bから駆動部DRVへ伝達される駆動信号は、図1を参照して説明された開制御信号に対応する。
駆動部DRVは、モータや、扉体DORを駆動する駆動力を発生させる他の装置を含んでもよい。駆動部DRVは、駆動力を、扉体DORへ伝達するための様々な機構(たとえば、プーリとベルトとの組み合わせ)を含んでもよい。本実施形態の原理は、駆動部DRVの特定の構造に限定されない。
扉体DORは、駆動力によって、スライド式に変位されてもよいし、回動されてもよい。本実施形態の原理は、通行口PSGを開くための扉体DORの特定の動作に限定されない。
制御装置100Bは、第1起動センサ200Bと、第2起動センサ300Bと、不具合検出部400Bと、切替部500Bと、を備える。第1起動センサ200Bは、図1を参照して説明された第1検出部200に対応する。第2起動センサ300Bは、図1を参照して説明された第2検出部300に対応する。不具合検出部400Bは、図1を参照して説明された不具合検出部400に対応する。切替部500Bは、図1を参照して説明された切替部500に対応する。
第1起動センサ200Bに不具合が生じていないならば、制御装置100Bは、第1検出モード下で、駆動信号を生成する。第1検出モード下では、第1起動センサ200Bが、自動ドアAMDの前の通行者PSR(図1を参照)の検出に用いられる。第1起動センサ200Bに不具合が生ずるならば、制御装置100Bは、第2検出モード下で、駆動信号を生成する。第2検出モード下では、第2起動センサ300Bが、自動ドアAMDの前の通行者PSRの検出に用いられる。
第1起動センサ200Bは、不具合検出部400Bと切替部500Bとに通信可能に接続される。第1起動センサ200Bと不具合検出部400Bとの間の接続及び第1起動センサ200Bと切替部500Bとの間の接続は、無線式であってもよいし、有線式であってもよい。本実施形態の原理は、これらの接続に関する特定の方式に限定されない。
制御装置100Bが、第1検出モード下で動作している間において、第1起動センサ200Bが、自動ドアAMDの前の通行者PSRを検出すると、第1起動センサ200Bは、第1起動信号を生成する。第1起動信号は、不具合検出部400Bと切替部500Bとに出力される。不具合検出部400Bは、第1起動信号を参照し、第1起動センサ200Bに不具合が生じているか否かを判定する。不具合検出部400Bが、第1起動センサ200Bに生じた不具合を見出さないならば、切替部500Bは、第1検出モード下で、第1起動信号を駆動信号に変換する。したがって、第1起動信号は、第1検出モード下において、駆動部DRVを駆動し、扉体DORを、通行口PSGを閉じる閉位置から通行口PSGを開く開位置へ変位させるために用いられる。
不具合検出部400Bが、第1起動信号から、第1起動センサ200Bに生じた不具合を見出すと、不具合検出部400Bは、不具合情報を切替部500Bへ出力する。この結果、制御装置100Bの検出モードは、第1検出モードから第2検出モードへ切り替えられる。制御装置100Bが、第2検出モード下で動作している間において、第2起動センサ300Bが、自動ドアAMDの前の通行者PSRを検出すると、第2起動センサ300Bは、第2起動信号を生成する。第2起動信号は、第2起動センサ300Bから切替部500Bへ出力される。切替部500Bは、第2検出モード下で、第2起動信号を駆動信号に変換する。したがって、第2起動信号は、第2検出モード下において、駆動部DRVを駆動し、扉体DORを、通行口PSGを閉じる閉位置から通行口PSGを開く開位置へ変位させるために用いられる。
切替部500Bは、モード決定部510と、信号選択部520と、駆動信号生成部530と、を含む。制御装置100Bの初期設定或いは第1起動センサ200Bの修繕直後の設定は、制御装置100Bが、第1検出モード下で動作することを指定している。その後、モード決定部510が、不具合情報を、不具合検出部400Bから受け取ると、モード決定部510は、不具合情報に応じて、切替要求信号を生成する。切替要求信号は、モード決定部510から信号選択部520へ出力される。
信号選択部520は、第1起動信号及び第2起動信号のうち一方を、駆動信号生成部530へ出力される出力信号として選択する。信号選択部520が、切替要求信号を受け取る前、信号選択部520は、出力信号として、第1起動信号を選択する。したがって、第1起動信号は、信号選択部520から駆動信号生成部530へ出力される。駆動信号生成部530は、第1起動信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、駆動信号生成部530から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、駆動信号に応じて、扉体DORを駆動する。したがって、自動ドアAMDは、第1起動信号によって起動される。この間、第2起動信号は、無視される。
信号選択部520が、切替要求信号を受け取ると、信号選択部520は、出力信号として、第2起動信号を選択する。したがって、第2起動信号は、信号選択部520から駆動信号生成部530へ出力される。駆動信号生成部530は、第2起動信号に応じて、駆動信号を生成する。駆動信号は、駆動信号生成部530から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、駆動信号に応じて、扉体DORを駆動する。したがって、自動ドアAMDは、第2起動信号によって起動される。この間、第1起動信号は、無視される。
<第4実施形態>
通行者が、通行口を通過しているときに、扉体が通行口を閉じようとするならば、扉体は、通行者に衝突するおそれがある。制御装置は、扉体と通行者との間の衝突を防止するための安全制御を実行してもよい。第4実施形態において、安全制御を実行する例示的な制御装置が説明される。
図4は、第4実施形態の制御装置100Cの概略的なブロック図である。図1及び図4を参照して、制御装置100Cが説明される。第3実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第3実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第3実施形態と同様に、制御装置100Cは、第1起動センサ200Bと、不具合検出部400Bと、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御装置100Cは、安全センサ300Cと、切替部500Cと、を更に備える。安全センサ300Cは、図1を参照して説明された第2検出部300に対応する。切替部500Cは、図1を参照して説明された切替部500に対応する。
第3実施形態と同様に、切替部500Cは、モード決定部510と、信号選択部520と、を含む。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
安全センサ300Cは、通行口PSG(図1を参照)の近くに検出領域を規定する。通行者PSR(図1を参照)が、検出領域内に存在するならば、安全センサ300Cは、検出信号を生成する。検出信号は、安全センサ300Cから信号選択部520へ出力される。安全センサ300Cから信号選択部520へ出力される検出信号は、第3実施形態に関連して説明された第2起動信号に対応する。したがって、モード決定部510から切替要求信号を受け取った信号選択部520は、安全センサ300Cからの検出信号を、出力信号として出力する。
切替部500Cは、駆動信号生成部530Cを更に含む。駆動信号生成部530Cは、開信号生成部531と、閉信号生成部532と、タイマ533と、を含む。第1検出モード下において、第1起動信号は、出力信号として、信号選択部520から開信号生成部531へ出力される。第2検出モード下において、検出信号は、出力信号として、信号選択部520から開信号生成部531へ出力される。開信号生成部531は、第1起動信号又は検出信号に応じて、開信号を生成する。開信号は、開信号生成部531から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、開信号に応じて、扉体DORを閉位置から開位置へ変位させる。したがって、制御装置100Cは、第3実施形態と同様の制御原理に基づいて、自動ドアAMDを起動することができる。
自動ドアAMDの起動後において、安全センサ300Cは、通行者PSRが通行口PSGを通過している間、扉体DORが開位置から閉位置へ変位することを防止するために用いられる。このため、安全センサ300Cが生成した検出信号は、信号選択部520だけでなくタイマ533へも出力される。タイマ533は、検出信号に応じて、計時値を「0」に設定する。
通行者PSRが検出領域内に存在している間、安全センサ300Cは、検出信号を出力し続ける。したがって、通行者PSRが、検出領域から離れるまでの間、タイマ533は、計時値を「0」に維持する。タイマ533は、検出信号の受信がなくなると、計時を開始する(すなわち、計時値を増加させる)。
閉信号生成部532は、タイマ533の計時値を参照する。計時値が、タイマ閾値(>0)を超えるならば、閉信号生成部532は、閉信号を生成する。閉信号は、閉信号生成部532から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、閉信号に応じて、扉体DORを開位置から閉位置へ変位させる。
開信号生成部531は、出力信号の受信の後、タイマ533の計時値を参照する。計時値が、タイマ閾値以下であり、且つ、扉体DORが、開位置に到達していないならば、開信号生成部531は、開信号を生成する。計時値が、タイマ閾値以下であり、且つ、扉体DORが開位置に到達しているならば、扉体DORは、開位置に維持される。扉体DORが開位置から閉位置への変位を開始した後、安全センサ300Cが規定する検出領域から離れた通行者PSRが、検出領域に戻ってくるならば、タイマ533の計時値は、安全センサ300Cからの検出信号によって、「0」になる。したがって、このとき、駆動部DRVは、閉信号に代えて、開信号を受け取ることになる。この結果、駆動部DRVは、扉体DORを開位置に向けて変位させる。本実施形態において、要求信号は、安全センサ300Cからタイマ533へ出力される検出信号によって例示される。
同様に、扉体DORが開位置から閉位置への変位を開始した後、他の通行者(図示せず)が通行口PSGを通過しようとするならば、安全センサ300Cは、当該通行者を検出し、検出信号をタイマ533へ出力する。この結果、タイマ533の計時値は、「0」になる。したがって、このとき、駆動部DRVは、閉信号に代えて、開信号を受け取ることになる。この結果、駆動部DRVは、扉体DORを開位置に向けて変位させる。
<第5実施形態>
設計者は、第4実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な制御装置を設計することができる。第5実施形態において、例示的な制御装置が説明される。
図5は、第5実施形態の制御装置100Dの概略図である。図4及び図5を参照して、制御装置100Dが説明される。
制御装置100Dは、タッチスイッチ200Dと、無目センサ300Dと、制御盤600と、を備える。駆動部DRVは、無目TSM内に配置される。扉体DORは、無目TSMの下方に配置される。
タッチスイッチ200Dは、扉体DORの前面に取り付けられる。タッチスイッチ200Dは、通行者(図示せず)の接触に応じて第1起動信号を生成する機械式センサである。タッチスイッチ200Dは、図4を参照して説明された第1起動センサ200Bに対応する。既知のタッチスイッチの様々な構造が、タッチスイッチ200Dに適用されてもよい。したがって、本実施形態の原理は、タッチスイッチ200Dの特定の構造に限定されない。
無目センサ300Dは、無目TSMに取り付けられる。無目センサ300Dは、複数の発光素子(図示せず)と複数の受光素子(図示せず)とを含む光学式センサである。無目センサ300Dは、複数の発光素子から検出光を出射し、扉体DORの前で検出領域を規定する。通行者が、検出領域内に入ると、複数の受光素子のうち一部は、通行者等によって変化された検出領域内からの反射光を受ける。この結果、無目センサ300Dは、検出信号を生成する。無目センサ300Dは、図4を参照して説明された安全センサ300Cに対応する。既知の無目センサの様々な技術が、無目センサ300Dに適用されてもよい。たとえば、無目センサ300Dは、複数のスポット領域を用いて規定された検知領域から通行者の進行方向を判別してもよい。この場合、通行者がドアDORに向かって移動するときだけ、無目センサ300Dは、検出信号を生成してもよい。この結果、無目センサ300Dは、タッチスイッチ200Dに不具合が生じたときに置いても、ドアDORの不必要な開閉動作を防止することができる。本実施形態の原理は、無目センサ300Dの特定の構造や無目センサ300Dによる特定の通行者検出技術に限定されない。
制御盤600は、タッチスイッチ200Dに無線式に接続される。制御盤600は、無目センサ300Dに有線式に接続される。制御盤600は、タッチスイッチ200Dからの第1起動信号及び無目センサ300Dからの検出信号に応じて、駆動部DRVを制御する。制御盤600による駆動部DRVの制御は、第4実施形態に関連して説明された制御原理に基づく。追加的に、制御盤600は、無目センサ300Dの発光パターンを制御してもよい。
制御盤600は、タッチスイッチ200Dからの第1起動信号を受信する受信素子(図示せず)を含んでもよい。加えて、制御盤600は、CPU(Central Processing Unit:図示せず)や他の演算素子(図示せず)を含んでもよい。制御盤600は、信号生成回路(図示せず)を更に含んでもよい。
制御盤600のCPUは、タッチスイッチ200Dから受け取った第1起動信号の信号強度を、強度閾値と比較するプログラムを実行してもよい。CPUは、強度閾値と第1起動信号の信号強度との間の比較結果に基づいて、第1起動信号及び検出信号のうち一方を選択するプログラムを実行してもよい。CPUは、受信から不受信への検出信号の受信モードの変化に応じて、計時を開始するタイマプログラムを実行してもよい。
制御盤600の信号生成回路は、第1起動信号又は検出信号に応じて、開信号を生成してもよい。加えて、信号生成回路は、上述のタイマプログラムの実行から得られた結果に応じて、閉信号を生成してもよい。
図6は、制御盤600が第1検出モード下で実行する処理を表す概略的なフローチャートである。図5及び図6を参照して、制御盤600の処理が説明される。
(ステップS105)
制御盤600(図5を参照)は、タッチスイッチ200D(図5を参照)からの第1起動信号を待つ。この間、扉体DOR(図5を参照)は、閉位置にある。制御盤600が、第1起動信号を受け取ると、ステップS110が実行される。
(ステップS110)
制御盤600は、第1起動信号の信号強度を、強度閾値と比較する。信号強度が、強度閾値よりも大きいならば、ステップS115が実行される。他の場合には、ステップS155が実行される。
(ステップS115)
制御盤600は、開信号を生成する。開信号は、制御盤600から駆動部DRV(図5を参照)へ出力される。駆動部DRVは、開信号に応じて、扉体DORを閉位置から開位置へ変位させる。制御盤600が開信号を生成すると、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
制御盤600は、検出信号を無目センサ300Dから受け取っているか否かを判定する。制御盤600が、検出信号を受け取っている間、ステップS120が実行され続ける。検出信号の受信がなくなると、ステップS125が実行される。
(ステップS125)
制御盤600は、計時を開始する。その後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
制御盤600は、計時値をタイマ閾値と比較する。計時値が、タイマ閾値よりも大きいならば、ステップS135が実行される。他の場合には、ステップS150が実行される。
(ステップS135)
制御盤600は、閉信号を生成する。閉信号は、制御盤600から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、閉信号に応じて、扉体DORを閉位置に向けて変位させる。制御盤600が閉信号を生成すると、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
制御盤600は、検出信号を無目センサ300Dから受け取っているか否かを判定する。制御盤600が、検出信号を受け取っているならば、ステップS115が実行される。他の場合には、ステップS145が実行される。
(ステップS145)
制御盤600は、扉体DORが、閉位置に到達したか否かを判定する。この判定には、扉体DORの位置を検出する位置センサや、駆動部DRVに用いられるモータの総回転量や、他の因子が用いられてもよい。本実施形態の原理は、扉体DORが、閉位置に到達したか否かを判定するための特定の手法に限定されない。
(ステップS150)
制御盤600は、検出信号を無目センサ300Dから受け取っているか否かを判定する。制御盤600が、検出信号を受け取っているならば、ステップS115が実行される。他の場合には、ステップS130が実行される。
(ステップS155)
制御盤600は、検出モードを、第1検出モードから第2検出モードに切り替える。その後、ステップS160が実行される。
(ステップS160)
制御盤600は、検出信号を無目センサ300Dから受け取っているか否かを判定する。制御盤600が、検出信号を受け取っているならば、ステップS115が実行される。他の場合には、ステップS165が実行される。
(ステップS165)
制御盤600が、第1起動信号を受信した時刻と略同時刻に検出信号を受信していないことは、タッチスイッチ200D(図5を参照)が通行者を検出する一方で、無目センサ300Dが通行者を検出していないことを意味する。このことは、通行者を検出する検出システムに何らかの異常が生じていることを意味する。したがって、制御盤600は、所定のエラー処理を実行する。たとえば、制御盤600は、ステップS105で受信した第1起動信号をエラー信号として処理してもよい。
図7は、制御盤600が第2検出モード下で実行する処理を表す概略的なフローチャートである。図5及び図7を参照して、制御盤600の処理が説明される。
(ステップS106)
制御盤600(図5を参照)は、無目センサ300D(図5を参照)からの検出信号を待つ。この間、扉体DOR(図5を参照)は、閉位置にある。制御盤600が、検出信号を受け取ると、ステップS115が実行される。
ステップS115乃至ステップS150までの処理は、第1検出モード下での処理(図6を参照)と共通する。
<第6実施形態>
第5実施形態に関連して説明された制御装置は、タッチスイッチからの第1起動信号の信号強度が、強度閾値以下になることを不具合として検出する。追加的に、又は、代替的に、制御装置は、タッチスイッチに組み込まれる電池の電力残量が、残量閾値以下になることを不具合として検出してもよい。第6実施形態において、検出された電池残量に応じて、検出モードを切り替える例示的な制御装置が説明される。
図8は、第6実施形態の制御装置100Eの概略的なブロック図である。図5、図6乃至図8を参照して、制御装置100Eが説明される。第4実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第4実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
制御装置100Eは、タッチスイッチ200Eと、無目センサ300Eと、制御盤600Eと、を含む。タッチスイッチ200Eは、図5を参照して説明されたタッチスイッチ200Dに対応する。無目センサ300Eは、図5を参照して説明された無目センサ300Dに対応する。制御盤600Eは、図5を参照して説明された制御盤600に対応する。
タッチスイッチ200Eは、電池210と、起動信号生成部220と、を含む。電池210は、起動信号生成部220に電力を供給する。起動信号生成部220は、電池210からの電力供給の下で、第1起動信号を生成する。
起動信号生成部220は、接触検知部221と、残量検出部222と、信号生成部223と、送信部224と、を含む。接触検知部221は、通行者(図示せず)による接触を検知し、接触信号を生成する。接触信号は、接触検知部221から残量検出部222及び信号生成部223へ出力される。
残量検出部222は、接触信号の受信に応じて、電池残量を検出する。電池残量の検出は、電池に残存する電力を検出するための様々な検出技術であってもよい。本実施形態の原理は、電池残量を得るための特定の検出技術に限定されない。
残量検出部222は、検出された電池残量を表す残量情報を生成する。残量情報は、残量検出部222から信号生成部223へ出力される。
信号生成部223は、接触信号に応じて、第1起動信号を生成する。このとき、信号生成部223は、残量情報を第1起動信号に組み込む。したがって、第1起動信号は、通行者が、タッチスイッチ200Eに接触したことだけでなく、電池残量をも表す。第1起動信号は、信号生成部223から送信部224へ出力される。送信部224は、第1起動信号を、無線信号として、制御盤600Eへ送信する。送信部224は、タッチスイッチ200Eへの通行者の1回の接触に対し、第1起動信号を複数回送信してもよい。代替的に、送信部224は、他の送信パターンで、第1起動信号を送信してもよい。本実施形態の原理は、第1起動信号の特定の送信パターンに限定されない。本実施形態において、信号出力部は、送信部224によって例示される。
制御盤600Eは、第4実施形態に関連して説明された切替部500Cを含む。第4実施形態の説明は、切替部500Cに援用される。
制御盤600Eは、受信部610と、不具合検出部400Eと、を更に含む。受信部610は、第1起動信号を、送信部224から無線信号として受け取る(図6のステップS105に対応)。受信部610は、第1起動信号を、無線信号から電気信号に変換する。その後、第1起動信号は、受信部610から不具合検出部400E及び信号選択部520に出力される。
不具合検出部400Eは、強度比較部410と、残量比較部420と、を含む。強度比較部410は、第1起動信号の信号強度を、強度閾値と比較する(図6のステップS110に対応)。送信部224が、第1起動信号を複数回送信するならば、強度比較部410は、強度閾値よりも低い信号強度を有する第1起動信号の出力回数をカウントしてもよい。カウント数が、所定値を超えるならば、強度比較部410は、信号強度低下に由来する不具合情報を生成してもよい。図6を参照して説明されたステップS110において、残量比較部420は、第1起動信号を参照し、第1起動信号に組み込まれた残量情報を読み取る。残量情報が、残量閾値を下回るならば、残量比較部420は、電池残量の不足に由来する不具合情報を生成する。不具合情報は、不具合検出部400Eからモード決定部510へ出力される。
通行者が検出領域に入ると、無目センサ300Eは、検出信号を生成する。検出信号は、無目センサ300Eから信号選択部520及びタイマ533へ出力される。
切替部500Cは、第1検出モード下で、図6を参照して説明されたステップS115乃至ステップS165の処理を実行し、開信号及び閉信号を生成する。切替部500Cは、第2検出モード下で、図7を参照して説明された処理を実行し、開信号及び閉信号を生成する。
<第7実施形態>
制御装置は、複数のタッチスイッチを有してもよい。この場合、制御装置は、複数の扉体を連動させ、通行口を開いたり、閉じたりする自動ドアを制御することができる。第7実施形態において、複数のタッチスイッチを有する例示的な制御装置が説明される。
図9は、第7実施形態の制御装置100Fの概略図である。図9を参照して、制御装置100Fが説明される。第5実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第5実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
制御装置100Fは、左扉LDRと右扉RDRとを備える自動ドアAMEを制御する。左扉LDRは、制御装置100Fの制御下で、無目TSMの下方で左方に変位し、通行口(図示せず)を開く。左扉LDRは、制御装置100Fの制御下で、無目TSMの下方で右方に変位し、通行口を閉じる。右扉RDRは、制御装置100Fの制御下で、無目TSMの下方で右方に変位し、通行口を開く。右扉RDRは、制御装置100Fの制御下で、無目TSMの下方で左方に変位し、通行口を閉じる。
第5実施形態と同様に、制御装置100Fは、無目センサ300Dを備える。無目センサ300Dは、左扉LDR及び右扉RDRの前に検出光を照射し、検出領域を規定する。通行者(図示せず)が、検出領域に入ると、無目センサ300Dは、通行者の存在を検出する。第5実施形態の説明は、無目センサ300Dに援用される。
制御装置100Fは、左タッチスイッチ201と、右タッチスイッチ202と、制御盤600Fと、を含む。左タッチスイッチ201は、左扉LDRに取り付けられる。右タッチスイッチ202は、右扉RDRに取り付けられる。通行者が、左タッチスイッチ201及び右タッチスイッチ202のうち一方に接触すると、無目TSM内に配置された制御盤600Fの制御下で、駆動部DRVが起動される。この結果、左扉LDRの左方への変位及び右扉RDRの右方への変位が開始される。その後、無目センサ300Dは、安全センサとして機能する。
図10は、制御装置100Fの例示的な機能構成を表す概略的なブロック図である。図6乃至図8及び図10を参照して、制御装置100Fが更に説明される。第6実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第6実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
図8を参照して説明されたタッチスイッチ200Eと同様に、左タッチスイッチ201は、電池210と、起動信号生成部220と、を含む。したがって、タッチスイッチ200Eと同様に、接触検知部221が通行者の接触を検出すると、送信部224は、第1起動信号を送信する。第6実施形態に関連して説明された如く、第1起動信号は、残量情報を含む。
図8を参照して説明されたタッチスイッチ200Eと同様に、右タッチスイッチ202は、電池210と、起動信号生成部220と、を含む。したがって、タッチスイッチ200Eと同様に、接触検知部221が通行者の接触を検出すると、送信部224は、第1起動信号を送信する。第6実施形態に関連して説明された如く、第1起動信号は、残量情報を含む。
第6実施形態と同様に、制御盤600Fは、不具合検出部400Eと切替部500Cと、を含む。第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御盤600Fは、受信部610Fを更に含む。通行者が、左タッチスイッチ201に接触したとき、受信部610Fは、第1起動信号を、無線信号として、左タッチスイッチ201から受け取る。通行者が、右タッチスイッチ202に接触したとき、受信部610Fは、第1起動信号を、無線信号として、右タッチスイッチ202から受け取る。受信部610Fは、第1起動信号を、無線信号から電気信号に変換する。その後、受信部610Fは、第1起動信号を不具合検出部400Eと信号選択部520とに出力する。
制御盤600Fは、図6及び図7を参照して説明された処理を実行し、自動ドアAMEを制御する。不具合検出部400Eが、左タッチスイッチ201及び右タッチスイッチ202のうち少なくとも一方の不具合(たとえば、信号強度の低下や電池残量の不足)を検出すると、制御盤600Fは、検出モードを第1検出モードから第2検出モードに切り替える。制御装置100Fを修繕する作業者が、不具合を解消するまで、第2検出モードは、維持されてもよい。
<第8実施形態>
自動ドアは、空間を2つの空間(以下、「前空間」及び「後空間」と称される)に仕切る。制御装置は、前空間から後空間へ向かう通行者及び後空間から前空間へ向かう通行者の両方を検出してもよい。第8実施形態において、移動方向において相違する複数の通行者を検出することができる例示的な制御装置が説明される。
図11は、第8実施形態の制御装置100Gの概略図である。図11を参照して、制御装置100Gが説明される。第5実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第5実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
制御装置100Gは、前タッチスイッチ203と、後タッチスイッチ204と、前無目センサ301と、後無目センサ302と、制御盤600Gと、を備える。扉体DORは、前面DRFと、後面DRRと、を含む。前面DRFは、前空間に臨む。前面DRFとは反対側の後面DRRは、後空間に臨む。前タッチスイッチ203は、前面DRFに取り付けられる。後タッチスイッチ204は、後面DRRに取り付けられる。無目TSMは、前面TMFと、後面TMRと、を含む。前面TMFは、前空間に臨む。前面TMFとは反対側の後面TMRは、後空間に臨む。前無目センサ301は、前面TMFに取り付けられる。後無目センサ302は、後面TMRに取り付けられる。制御盤600G及び駆動部DRVは、前面TMFと後面TMRとの間に配置される。
前空間から後空間へ向かって移動する通行者(図示せず)は、前タッチスイッチ203に触れる。この結果、前タッチスイッチ203は、制御盤600Gと通信する。制御盤600Gは、前タッチスイッチ203との通信に応じて、駆動部DRVを起動する。この結果、扉体DORは、通行口(図示せず)を開く。
前無目センサ301及び後無目センサ302は、駆動部DRVの起動後、安全センサとして機能する。前無目センサ301は、前空間において、検出光を出射し、前検出領域を規定する。後無目センサ302は、後空間において、検出光を出射し、後検出領域を規定する。
前空間から後空間へ向かって移動する通行者(図示せず)が、通行口(図示せず)を通過する前、前無目センサ301は、通行者を検出する。したがって、通行者が通行口を通り抜ける前に、扉体DORは、通行口を閉じない。通行口を通過した通行者は、後検出領域に入る。したがって、後無目センサ302は、通行者を検出することができる。この結果、通行者が、後検出領域から脱出するまで、扉体DORは、通行口を閉じない。
後空間から前空間へ向かって移動する通行者(図示せず)が、通行口を通過する前、後無目センサ302は、通行者を検出する。したがって、通行者が通行口を通り抜ける前に、扉体DORは、通行口を閉じない。通行口を通過した通行者は、前検出領域に入る。したがって、前無目センサ301は、通行者を検出することができる。この結果、通行者が、前検出領域から脱出するまで、扉体DORは、通行口を閉じない。
図12は、制御装置100Gの例示的な機能構成を表す概略的なブロック図である。図6、図10乃至図12を参照して、制御装置100Gが更に説明される。第7実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第7実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
図10を参照して説明された左タッチスイッチ201と同様に、前タッチスイッチ203は、電池210を含む。前タッチスイッチ203は、電池210からの電力供給の下で、起動信号FASを生成する。第7実施形態の説明は、電池210に援用される。
前タッチスイッチ203は、起動信号生成部230を更に含む。図10を参照して説明された起動信号生成部220と同様に、起動信号生成部230は、接触検知部221と、残量検出部222と、を含む。第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
起動信号生成部230は、信号生成部233と、送信部234と、を更に含む。接触検知部221が、前空間から後空間へ移動する通行者の接触を検出すると、信号生成部233は、起動信号FASを生成する。図10を参照して説明された信号生成部223と同様に、信号生成部233は、残量検出部222から残量情報を取得する。信号生成部233は、残量情報を、起動信号FASに組み込む。したがって、起動信号FASは、残量情報を含む。信号生成部233は、起動信号FASに固有の識別情報を与える。この結果、起動信号FASが、前タッチスイッチ203から出力された信号であることが判別される。起動信号FASは、送信部234によって、制御盤600Gへ送信される。
図10を参照して説明された右タッチスイッチ202と同様に、後タッチスイッチ204は、電池210を含む。後タッチスイッチ204は、電池210からの電力供給の下で、起動信号RASを生成する。第7実施形態の説明は、電池210に援用される。
後タッチスイッチ204は、起動信号生成部240を更に含む。図10を参照して説明された起動信号生成部220と同様に、起動信号生成部240は、接触検知部221と、残量検出部222と、を含む。第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
起動信号生成部240は、信号生成部243と、送信部244と、を更に含む。接触検知部221が、後空間から前空間へ移動する通行者の接触を検出すると、信号生成部243は、起動信号RASを生成する。図10を参照して説明された信号生成部223と同様に、信号生成部243は、残量検出部222から残量情報を取得する。信号生成部243は、残量情報を、起動信号RASに組み込む。したがって、起動信号RASは、残量情報を含む。信号生成部243は、起動信号RASに固有の識別情報を与える。この結果、起動信号RASが、後タッチスイッチ204から出力された信号であることが判別される。起動信号RASは、送信部244によって、制御盤600Gへ送信される。
制御盤600Gは、不具合検出部400Gと、切替部500Gと、受信部610Gと、を含む。通行者が、前タッチスイッチ203に触れると、受信部610Gは、起動信号FASを無線信号として、送信部234から受け取る。受信部610Gは、起動信号FASを、無線信号から電気信号に変換する。その後、受信部610Gは、起動信号FASを、不具合検出部400G及び切替部500Gへ出力する。通行者が、後タッチスイッチ204に触れると、受信部610Gは、起動信号RASを無線信号として、送信部244から受け取る。受信部610Gは、起動信号RASを、無線信号から電気信号に変換する。その後、受信部610Gは、起動信号RASを、不具合検出部400G及び切替部500Gへ出力する。
第7実施形態と同様に、不具合検出部400Gは、強度比較部410と、残量比較部420と、を含む。第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
不具合検出部400Gは、信号識別部430を更に含む。信号識別部430は、受信部610Gから受け取った信号を解析し、信号に含まれる識別情報を読み取る。受信部610Gから受け取った信号が、前タッチスイッチ203の信号生成部233が与えた識別情報を含むならば、信号識別部430は、不具合解析の対象が、起動信号FASであることを識別する。受信部610Gから受け取った信号が、後タッチスイッチ204の信号生成部243が与えた識別情報を含むならば、信号識別部430は、不具合解析の対象が、起動信号RASであることを識別する。
前タッチスイッチ203に不具合が生ずるならば、不具合検出部400Gは、前タッチスイッチ203に不具合が発生したことを表す不具合情報を生成する。後タッチスイッチ204に不具合が生ずるならば、不具合検出部400Gは、後タッチスイッチ204に不具合が発生したことを表す不具合情報を生成する。不具合情報は、不具合検出部400Gから切替部500Gへ出力される。
切替部500Gは、モード決定部510Gと、信号選択部520Gと、駆動信号生成部530Gと、を含む。不具合情報が、前タッチスイッチ203に不具合が発生したことを表すならば、モード決定部510Gは、前タッチスイッチ203に関して、検出モードを、第1検出モードから第2検出モードに切り替えることを決定する。この場合、モード決定部510Gは、前タッチスイッチ203に関して、第1検出モードから第2検出モードへの切替を要求する切替要求信号を生成する。不具合情報が、後タッチスイッチ204に不具合が発生したことを表すならば、モード決定部510Gは、後タッチスイッチ204に関して、検出モードを、第1検出モードから第2検出モードに切り替えることを決定する。この場合、モード決定部510Gは、後タッチスイッチ204に関して、第1検出モードから第2検出モードへの切替を要求する切替要求信号を生成する。
信号選択部520Gは、信号識別部521と、出力信号生成部522と、を含む。信号識別部521は、前無目センサ301、後無目センサ302、モード決定部510G及び受信部610Gに電気的に接続される。
通行者が、不具合が生じていない前タッチスイッチ203に触れると、信号識別部521は、受信部610Gから起動信号FASを受け取り、且つ、前無目センサ301から検出信号を受け取る。この場合、信号識別部521は、起動信号FASを出力信号生成部522に出力する。出力信号生成部522は、起動信号FASの受信に応じて、出力信号を生成する。
前タッチスイッチ203に不具合が生じた場合、第1検出モードから第2検出モードへの切替を要求する切替要求信号が、モード決定部510Gから信号識別部521へ出力された後、通行者が前検出領域に入ると、前無目センサ301が生成した検出信号が、信号識別部521から出力信号生成部522へ出力される。出力信号生成部522は、検出信号の受信に応じて、出力信号を生成する。
通行者が、不具合が生じていない後タッチスイッチ204に触れると、信号識別部521は、受信部610Gから起動信号RASを受け取り、且つ、後無目センサ302から検出信号を受け取る。この場合、信号識別部521は、起動信号RASを出力信号生成部522に出力する。出力信号生成部522は、起動信号RASの受信に応じて、出力信号を生成する。
後タッチスイッチ204に不具合が生じた場合、第1検出モードから第2検出モードへの切替を要求する切替要求信号が、モード決定部510Gから信号識別部521へ出力された後、通行者が後検出領域に入ると、後無目センサ302が生成した検出信号が、信号識別部521から出力信号生成部522へ出力される。出力信号生成部522は、検出信号の受信に応じて、出力信号を生成する。
出力信号は、出力信号生成部522から駆動信号生成部530Gへ出力される。駆動信号生成部530Gは、出力信号を開信号に変換する。開信号は、駆動信号生成部530Gから駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、開信号に応じて、扉体DORを駆動する。この結果、扉体DORは、閉位置から開位置へ変位する。
第7実施形態と同様に、駆動信号生成部530Gは、開信号生成部531と、閉信号生成部532と、を含む。第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
駆動信号生成部530Gは、タイマ533Gを更に含む。前無目センサ301及び後無目センサ302が生成した検出信号それぞれは、タイマ533Gへ出力される。タイマ533Gは、前無目センサ301及び後無目センサ302が生成した検出信号のうち一方を受け取ると、計時値を「0」にする。駆動信号生成部530Gは、図6を参照して説明されたステップS115乃至ステップS150の処理を実行し、開信号及び閉信号を生成する。駆動部DRVは、開信号に応じて、扉体DORを開位置に向けて変位させる。駆動部DRVは、閉信号に応じて、扉体DORを閉位置に向けて変位させる。
図13は、不具合検出部400Gの例示的な処理を表す概略的なフローチャートである。図12及び図13を参照して、不具合検出部400Gの処理が説明される。
(ステップS210)
不具合検出部400Gは、受信部610Gからの信号出力を待つ。不具合検出部400Gが、信号を、受信部610Gから受け取ると、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
強度比較部410は、受信部610Gから受け取った信号の強度を、強度閾値と比較する。受信部610Gから受け取った信号の強度が、強度閾値より大きいならば、ステップS230が実行される。他の場合には、ステップS240が実行される。
(ステップS230)
残量比較部420は、受信部610Gから受け取った信号が含む残量情報を読み出す。残量情報によって表される電池残量が、残量閾値よりも大きいならば、不具合検出部400Gは、処理を終了する。他の場合には、ステップS240が実行される。
(ステップS240)
信号識別部430は、受信部610Gから受け取った信号から識別情報を読み出す。識別情報が、起動信号FASを表しているならば、ステップS250が実行される。識別情報が、起動信号RASを表しているならば、ステップS260が実行される。
(ステップS250)
不具合検出部400Gは、前タッチスイッチ203に不具合が生じていることを表す不具合情報を生成する。不具合情報は、不具合検出部400Gからモード決定部510Gへ出力される。モード決定部510Gは、前タッチスイッチ203に関して、第1検出モードから第2検出モードへ検出モードを切り替えることを要求する切替要求信号を生成する。切替要求信号は、モード決定部510Gから信号識別部521へ出力される。
(ステップS260)
不具合検出部400Gは、後タッチスイッチ204に不具合が生じていることを表す不具合情報を生成する。不具合情報は、不具合検出部400Gからモード決定部510Gへ出力される。モード決定部510Gは、後タッチスイッチ204に関して、第1検出モードから第2検出モードへ検出モードを切り替えることを要求する切替要求信号を生成する。切替要求信号は、モード決定部510Gから信号識別部521へ出力される。
図14は、信号選択部520Gの例示的な処理を表す概略的なフローチャートである。図12乃至図14を参照して、信号選択部520Gの処理が説明される。
(ステップS310)
信号選択部520Gは、受信部610Gからの信号出力を待つ。信号選択部520Gが、信号を、受信部610Gから受け取ると、ステップS320が実行される。
(ステップS320)
信号識別部521は、受信部610Gから受け取った信号から識別情報を読み出す。識別情報が、起動信号FASを表しているならば、ステップS320が実行される。識別情報が、起動信号RASを表しているならば、ステップS370が実行される。
(ステップS330)
ステップS330の実行前に、ステップS250(図13を参照)において生成された不具合情報によって生成された切替要求信号を受け取っていないならば(すなわち、第1検出モード)、ステップS340が実行される。他の場合には、ステップS360が実行される。
(ステップS340)
信号識別部521は、起動信号FASを、出力信号生成部522へ出力する。その後、ステップS350が実行される。
(ステップS350)
出力信号生成部522は、信号識別部521から受け取った信号を出力信号に変換する。
(ステップS360)
信号識別部521は、前無目センサ301から受け取った検出信号を、出力信号生成部522へ出力する。その後、ステップS350が実行される。
(ステップS370)
ステップS370の実行前に、ステップS260(図13を参照)において生成された不具合情報によって生成された切替要求信号を受け取っていないならば(すなわち、第1検出モード)、ステップS380が実行される。他の場合には、ステップS390が実行される。
(ステップS380)
信号識別部521は、起動信号RASを、出力信号生成部522へ出力する。その後、ステップS350が実行される。
(ステップS390)
信号識別部521は、後無目センサ302から受け取った検出信号を、出力信号生成部522へ出力する。その後、ステップS350が実行される。
<第9実施形態>
第8実施形態に関連して説明された制御原理によれば、複数のタッチスイッチそれぞれが、制御盤と通信する。代替的に、複数のタッチスイッチのうち一部は、制御盤との通信機能を有さなくてもよい。この場合、不具合解析のための演算処理は簡素化される。第9実施形態において、通信機能を有するタッチスイッチと通信機能を有さないタッチスイッチとを有する例示的な制御装置が説明される。
図15は、第9実施形態の制御装置100Hの概略図である。図15を参照して、制御装置100Hが説明される。第8実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第8実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第8実施形態と同様に、制御装置100Hは、前無目センサ301と、後無目センサ302と、を備える。第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御装置100Hは、前タッチスイッチ203Hと、後タッチスイッチ204Hと、制御盤600Hと、を更に備える。制御盤600Hは、無目TSM内に配置される。制御盤600Hは、前タッチスイッチ203Hと通信する一方で、後タッチスイッチ204Hとは通信しない。後空間から前空間へ移動する通行者(図示せず)が、後タッチスイッチ204Hに触れると、後タッチスイッチ204は、前タッチスイッチ203Hの通信機能を利用して、通行者が、後タッチスイッチ204に接触したことを制御盤600Hに伝達する。
図16は、制御装置100Hの例示的な機能構成を表す概略的なブロック図である。図6、図10乃至図16を参照して、制御装置100Hが更に説明される。第6実施形態及び/又は第8実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第6実施形態及び/又は第8実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
前タッチスイッチ203Hは、電池210Hと、起動信号生成部220Hと、を含む。第8実施形態と同様に、電池210Hは、起動信号生成部220Hに電力を供給する。加えて、電池210Hは、後タッチスイッチ204Hにも電力を供給する。後タッチスイッチ204Hは、電池210Hからの電力供給の下で動作する。
第6実施形態と同様に、起動信号生成部220Hは、残量検出部222と、信号生成部223と、送信部224と、を含む。第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
起動信号生成部220Hは、接触検知部221Hを更に含む。後タッチスイッチ204Hは、検知通知部245を含む。第6実施形態と同様に、接触検知部221Hは、通行者(図示せず)による接触を検知し、接触信号を生成する。接触信号は、接触検知部221Hから残量検出部222及び信号生成部223へ出力される。第6実施形態の説明は、接触信号に応じた第1起動信号の生成に援用される。
接触検知部221Hと同様に、検知通知部245は、通行者の接触を検知する機能を有する。通行者の接触を検知した検知通知部245は、通知信号を生成する。通知信号は、検知通知部245から接触検知部221Hへ出力される。接触検知部221Hは、通知信号に応じて、接触信号を生成する。接触信号は、接触検知部221Hから残量検出部222及び信号生成部223へ出力される。
第6実施形態と同様に、制御盤600Hは、受信部610と、不具合検出部400Eと、を含む。第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御盤600Hは、切替部500Hを更に含む。第6実施形態と同様に、切替部500Hは、モード決定部510を含む。第6実施形態の説明は、モード決定部510に援用される。第8実施形態と同様に、切替部500Hは、駆動信号生成部530Gを更に含む。第8実施形態の説明は、駆動信号生成部530Gに援用される。
切替部500Hは、信号選択部520Hを更に含む。切替要求信号が、モード決定部510から信号選択部520Hへ出力される前において、信号選択部520Hは、第1起動信号を出力信号として選択する。後タッチスイッチ204Hは、前タッチスイッチ203Hの送信部224を利用するので、前タッチスイッチ203H及び後タッチスイッチ204Hのうち少なくとも一方に不具合が生ずると、切替要求信号は、モード決定部510から信号選択部520Hへ出力されることとなる。切替要求信号が、モード決定部510から信号選択部520Hへ出力された後において、信号選択部520Hは、前無目センサ301から出力された検出信号及び後無目センサ302から出力された検出信号のうち一方を出力信号として選択する。
<第10実施形態>
前無目センサによって規定された前検出領域と、後無目センサによって規定された後検出領域と、の間に、広い空間が形成されることもある。この場合、通行者が、前検出領域と後検出領域との間の広い空間内で立ち止まるならば、扉体は、通行者と衝突することもある。第10実施形態において、前検出領域と後検出領域との間の空間の通行者の存在を検出することができる例示的な制御装置が説明される。
図17は、第10実施形態の制御装置100Iの概略図である。図17を参照して、制御装置100Iが説明される。第9実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第9実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第9実施形態と同様に、制御装置100Iは、前タッチスイッチ203Hと、後タッチスイッチ204Hと、前無目センサ301と、後無目センサ302と、を備える。第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御装置100Iは、制御盤600Iと、光電センサ700と、を更に備える。光電センサ700は、前無目センサ301によって規定された前検出領域と、後無目センサ302によって規定された後検出領域と、の間で光軸を規定する。光電センサ700は、光軸に沿って伝搬する検出光線を出射し、光路を形成する。通行者が、光路を遮ると、光電センサ700は、検出信号を生成する。検出信号は、光電センサ700から制御装置100Iへ出力される。光電センサ700から検出信号を受け取った制御装置100Iは、扉体DORを開位置へ変位させる。検出光が、光電センサ700から制御装置100Iへ出力されたときに、扉体DORが開位置にあるならば、制御装置100Iは、扉体DORを開位置に留めるための制御を行う。
図18は、制御装置100Iの例示的な機能構成を表す概略的なブロック図である。図6及び図18を参照して、制御装置100Iが更に説明される。第9実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第9実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第9実施形態と同様に、制御盤600Iは、受信部610と、不具合検出部400Eと、を含む。第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御盤600Iは、切替部500Iを更に含む。第9実施形態と同様に、切替部500Iは、モード決定部510と、信号選択部520Hと、を含む。第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
切替部500Iは、駆動信号生成部530Iを更に含む。第9実施形態と同様に、駆動信号生成部530Iは、開信号生成部531と、閉信号生成部532と、を含む。第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
駆動信号生成部530Iは、タイマ533Iを更に含む。第9実施形態と同様に、前無目センサ301及び後無目センサ302が生成した検出信号それぞれは、タイマ533Iへ出力される。タイマ533Iは、前無目センサ301及び後無目センサ302が生成した検出信号のうち一方を受け取ると、計時値を「0」にする。加えて、光電センサ700が生成した検出信号も、タイマ533Iへ出力される。タイマ533Iは、光電センサ700が生成した検出信号を受け取ると、計時値を「0」にする。駆動信号生成部530Iは、図6を参照して説明されたステップS115乃至ステップS150の処理を実行し、開信号及び閉信号を生成する。駆動部DRVは、開信号に応じて、扉体DORを開位置に向けて変位させる。駆動部DRVは、閉信号に応じて、扉体DORを閉位置に向けて変位させる。
<第11実施形態>
第4実施形態乃至第10実施形態に関連して説明された制御原理によれば、安全センサ(無目センサ)は、第2検出モード下において、起動センサとして機能する。この場合、扉体によって閉ざされた通行口を通過することを意図していないヒトが、安全センサによって検出されると、通行口が開かれることとなる。すなわち、扉体は、通行口を、不必要に開く。第11実施形態において、通行口の不必要な開放を引き起こしにくくする制御を行う例示的な制御装置が説明される。
図19は、第11実施形態の制御装置100Jの概略的なブロック図である。図19を参照して、制御装置100Jが説明される。第6実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第6実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第6実施形態と同様に、制御装置100Jは、タッチスイッチ200Eを備える。第6実施形態の説明は、タッチスイッチ200Eに援用される。
制御装置100Jは、制御盤600Jを更に含む。第6実施形態と同様に、制御盤600Jは、受信部610と、不具合検出部400Eと、を含む。第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御盤600Jは、切替部500Jを更に含む。第6実施形態と同様に、切替部500Jは、モード決定部510と、駆動信号生成部530Cと、を含む。第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
切替部500Jは、信号選択部520Jを更に含む。第6実施形態と同様に、信号選択部520Jは、第1起動信号を受信部610から受け取る。信号選択部520Jは、切替要求信号をモード決定部510から受け取る。第1起動信号は、第1検出モード下で、出力信号として、信号選択部520Jから開信号生成部531へ出力される。第6実施形態の説明は、第1検出モード下での信号選択部520Jの信号選択処理に援用される。
制御装置100Jは、無目センサ300Jを更に備える。第6実施形態と同様に、無目センサ300Jは、検出信号を、タイマ533へ出力する。第6実施形態とは異なり、無目センサ300Jは、信号選択部520Jに出力しない。無目センサ300Jは、第1検出モード及び第2検出モード下を通じて、安全センサとして専ら機能する。
制御装置100Jは、予備起動素子710を更に備える。予備起動素子710は、図3を参照して説明された第2起動信号を生成する。第2起動信号は、予備起動素子710から信号選択部520Jへ出力される。第2起動信号は、第2検出モード下で、出力信号として、信号選択部520Jから開信号生成部531へ出力される。
図20は、制御装置101の概略図である。制御装置101は、図19を参照して説明された制御装置100Jの設計原理に基づいて構築されている。図19及び図20を参照して、制御装置101が説明される。
制御装置100Jと同様に、制御装置101は、タッチスイッチ200Eと、無目センサ300Jと、制御盤600Jと、を備える。タッチスイッチ200Eは、扉体DORに取り付けられている。無目センサ300Jは、無目TSMに取り付けられる。無目センサ300Jは、検出光を下方に出射し、検出領域を規定する。制御盤600J及び駆動部DRVは、無目TSM内に配置される。
制御装置101は、発光素子721と、受光素子722と、を更に備える。発光素子721及び受光素子722の組は、図19を参照して説明された予備起動素子710に対応する。
発光素子721及び受光素子722は、略水平に延びる光軸OAXを規定する。光軸OAXは、タッチスイッチ200Eと立体的に重なる。発光素子721は、光軸OAXに沿って伝搬する検出光線を出射する。発光素子721と受光素子722との間に障害物が存在しないならば、受光素子722は、検出光線を受光する。
扉体DORを開こうとする通行者は、タッチスイッチ200Eに触れようとする。この結果、通行者は、検出光線の光路を遮ることとなる。このとき、受光素子722は、検出光線を受光しない。
受光素子722は、検出光線の受光の有無に応じて、電圧レベルにおいて異なる第2起動信号を生成してもよい。たとえば、検出光線を受光している受光素子722は、高い電圧レベルの信号を生成することができる。検出光線の受光がない間、受光素子722は、低い電圧レベルの信号を生成することができる。モード決定部510(図19を参照)から信号選択部520J(図19を参照)への切替要求信号の出力の後、信号選択部520Jは、受光素子722からの低い電圧レベルの信号の受信に応じて、出力信号を生成してもよい。出力信号は、駆動信号生成部530Cへ適時に出力されるので、扉体DORは、扉体DORを開くことを意図する通行者の動作に応じて、開位置に向けて適切に変位することができる。扉体DORを開く意図を有さないヒトは、多くの場合、光軸OAXを遮る動作をしないので、扉体DORは、開位置に向けて不必要に変位しない。
図21は、制御装置102の概略図である。制御装置102は、図19を参照して説明された制御装置100Jの設計原理に基づいて構築されている。図19及び図21を参照して、制御装置102が説明される。
制御装置100Jと同様に、制御装置102は、タッチスイッチ200Eと、無目センサ300Jと、制御盤600Jと、を備える。タッチスイッチ200Eは、扉体DORに取り付けられている。無目センサ300Jは、無目TSMに取り付けられる。無目センサ300Jは、検出光を下方に出射し、第1検出領域を規定する。制御盤600J及び駆動部DRVは、無目TSM内に配置される。
制御装置102は、光センサ730を更に備える。光センサ730は、図19を参照して説明された予備起動素子710に対応する。光センサ730は、安全センサとして機能することもできる。この場合、安全センサの検出範囲は、閉じられたドアDORの近くまで拡がることとなる。したがって、通行者は、通行口を安全に通過することができる。
無目センサ300Jと同様に、光センサ730は、無目TSMに取り付けられる。光センサ730は、検出光を下方に出射し、第1検出領域より狭い第2検出領域を規定する。光センサ730は、無目センサ300Jと同様の検出技術を用いて、第2検出領域に入った通行者を検出することができる。
第2検出領域は、タッチスイッチ200Eに立体的に重なる。扉体DORを開こうとする通行者は、タッチスイッチ200Eに触れようとする。この結果、通行者は、第2検出領域に入ることとなる。したがって、光センサ730は、扉体DORを開くことを意図する通行者を検出することができる。この結果、光センサ730は、第2起動信号(図19を参照)を適時に生成することができる。扉体DORを開く意図を有さないヒトは、多くの場合、第2検出領域に入らない。したがって、扉体DORは、不必要に開きにくくなる。
無目センサ300Jは、様々な既知の検出技術を用いて通行者を検出してもよい。たとえば、無目センサ300Jは、複数のスポット領域を用いて規定された検知領域から通行者の進行方向を判別してもよい。この場合、通行者がドアDORに向かって移動するときだけ、無目センサ300Jは、検出信号を生成してもよい。この結果、無目センサ300Jは、タッチスイッチ200Eに不具合が生じたときに置いても、ドアDORの不必要な開閉動作を防止することができる。本実施形態の原理は、無目センサ300Jが用いる特定の通行者検出技術に限定されない。
<第12実施形態>
第11実施形態に関連して説明された予備起動素子は、タッチスイッチの不具合の検出のために用いられてもよい。第12実施形態において、予備起動素子をタッチスイッチの不具合の検出に用いる例示的な制御装置が説明される。
図22は、第12実施形態の制御装置100Kの概略的なブロック図である。図22を参照して、制御装置100Kが説明される。第11実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第11実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第11実施形態と同様に、制御装置100Kは、無目センサ300Jと、予備起動素子710と、を備える。第11実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御装置100Kは、タッチスイッチ200Kを更に備える。第11実施形態と同様に、タッチスイッチ200Kは、送信部224を含む。第11実施形態の説明は、送信部224に援用される。
タッチスイッチ200Kは、接触検知部221Kと、信号生成部223Kと、を更に含む。接触検知部221Kは、通行者(図示せず)による接触を検知し、接触信号を生成する。接触信号は、接触検知部221から信号生成部223Kへ出力される。信号生成部223Kは、接触信号に応じて、第1起動信号を生成する。第11実施形態とは異なり、第1起動信号は、残量情報を含まなくてもよい。第1起動信号は、送信部224によって送信される。
制御装置100Kは、制御盤600Kを更に備える。第11実施形態と同様に、制御盤600Kは、駆動信号生成部530Cを含む。第11実施形態の説明は、駆動信号生成部530Cに援用される。
制御盤600Kは、出力信号生成部630を更に含む。出力信号生成部630は、第1起動信号を、送信部224から受け取る。出力信号生成部630は、第2起動信号を、予備起動素子710から受け取る。
出力信号生成部630は、判定処理部631と、信号生成部632と、を含む。判定処理部631は、第1起動信号及び第2起動信号に基づき、タッチスイッチ200Kに不具合が生じているか否かを判定する。信号生成部632は、判定処理部631の判定結果に基づき、出力信号の生成パターンを変更する。出力信号は、出力信号生成部630から開信号生成部531へ出力される。
図23は、出力信号生成部630が実行する例示的な処理を表す概略的なフローチャートである。図22及び図23を参照して、出力信号生成部630の処理が説明される。
(ステップS410)
出力信号生成部630は、第2起動信号を待つ。第2起動信号が、予備起動素子710から出力信号生成部630へ出力されると、ステップS420が実行される。
(ステップS420)
判定処理部631は、第1起動信号の受信があるか否かを確認する。第1起動信号の受信があるならば、ステップS430が実行される。他の場合には、ステップS430が実行される。
(ステップS430)
信号生成部632は、第1起動信号を出力信号へ変換する変換処理を実行する。
(ステップS440)
信号生成部632は、第2起動信号を出力信号へ変換する変換処理を実行する。
本実施形態において、切替部は、判定処理部631によって例示される。第1検出モードは、ステップS430の処理によって例示される。第2検出モードは、ステップS440の処理によって例示される。切替部は、信号生成部632によって例示される。
<第13実施形態>
安全センサとして用いられる無目センサは、第11実施形態及び第12実施形態に関連して説明された予備起動素子としての機能を有してもよい。第13実施形態において、予備起動素子として機能する無目センサを有する例示的な制御装置が説明される。
図24は、第13実施形態の制御装置100Lの概略的なブロック図である。図22及び図24を参照して、制御装置100Lが説明される。第12実施形態と機能的に共通する要素に対して、同一の符号が付されている。第12実施形態の説明は、同一の符号が付された要素に援用される。
第12実施形態と同様に、制御装置100Lは、タッチスイッチ200Kと、制御盤600Kと、を備える。第12実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
制御装置100Lは、無目センサ300Lを更に備える。無目センサ300Lは、主センサ素子310と、副センサ素子320と、を含む。第12実施形態と同様に、主センサ素子310は、安全センサとしての機能を担う。したがって、主センサ素子310が、通行者を検出すると、主センサ素子310が生成した検出信号は、タイマ533へ出力される。副センサ素子320は、図22を参照して説明された予備起動素子710としての機能を担う。したがって、通行者を検出した副センサ素子320は、第2起動信号を生成する。第2起動信号は、副センサ素子320から出力信号生成部630へ出力される。
図25は、制御装置100Lの概略図である。図24及び図25を参照して、制御装置100Lが更に説明される。
第12実施形態と同様に、扉体DOR上の無目TSMに取り付けられた無目センサ300Lは、主センサ素子310に用いられる発光素子から下方に検出光を出射し、第1検出領域を規定する。無目センサ300Lは、副センサ素子320に用いられる発光素子から検出光を出射し、第2検出領域を規定する。第2検出領域は、タッチスイッチ200Kに立体的に重なる。タッチスイッチ200Kに触れようとする通行者は、第2検出領域に入る。したがって、無目センサ300Lは、第2検出領域内の通行者を検出することができる。
第12実施形態に関連して説明された如く、制御盤600Kは、第2検出モード下において、第2起動信号に応じて、扉体DORを開位置へ変位させることができる。したがって、タッチスイッチ200Kに不具合(たとえば、機械的故障)が生じ、第1起動信号が出力されなくても、通行者は、正常なタッチスイッチ200Kに対する接触動作と同様の接触動作を行い、扉体DORを開くことができる。
<第14実施形態>
第5実施形態乃至第13実施形態に関連して説明された制御原理は、第1起動信号の生成のために、通行者からの力の付与を受ける機械式センサが用いられる。機械式センサに代えて、光学式センサが、第1起動信号を生成してもよい。第14実施形態において、光学式センサを用いて、第1起動信号を生成する例示的な制御装置が説明される。
図26は、第14実施形態の制御装置100Mの概略図である。図19乃至図21及び図26を参照して、制御装置100Mが説明される。
図26は、扉体DORに付された表示板GDPを示す。表示板GDPは、図20を参照して説明されたタッチスイッチ200Eと同一の位置に配置される。表示板GDPには、通行者の接触を促すメッセージ或いはマークが描かれている。したがって、扉体DORを開こうとする通行者は、表示板GDPに触れようとする。タッチスイッチ200Eとは異なり、表示板GDPは、第1起動信号を生成しない。
図26は、発光素子721と、受光素子722と、光センサ730と、を示す。図20を参照して説明された如く、受光素子722及び発光素子721の組は、略水平に延びる光路を規定する。図21を参照して説明された如く、光センサ730は、略垂直に延びる光路を規定する。すなわち、光センサ730は、受光素子722及び発光素子721の組によって規定される光路とは、方向において異なる光路を規定する。
通行者が、光センサ730の光路を遮ったとき、光センサ730は、図19を参照して説明されたタッチスイッチ200Eの代わりに、第1起動信号を生成してもよい。この場合、受光素子722及び発光素子721の組は、図19を参照して説明された予備起動素子710として用いられる。
代替的に、通行者が、受光素子722と発光素子721との間で規定される光路を遮ったとき、受光素子722及び発光素子721の組は、図19を参照して説明されたタッチスイッチ200Eの代わりに、第1起動信号を生成してもよい。この場合、光センサ730は、図19を参照して説明された予備起動素子710として用いられる。
本実施形態において、第1光学式センサは、光センサ730と受光素子722及び発光素子721の組とのうち一方によって例示される。第2光学式センサは、光センサ730と受光素子722及び発光素子721の組とのうち他方によって例示される。
<第15実施形態>
無目センサは、複数の発光素子と複数の受光素子とを備える。複数の発光素子それぞれは、複数の受光素子それぞれに対応付けられる。発光素子及び受光素子からなる複数の組の一部は、第2検出領域を規定するために用いられる。他の組は、第1検出領域を規定するために用いられる。通行者が、第2検出領域に入ると、第2検出領域を規定する発光素子及び受光素子の組は、第2起動信号を生成する。第2検出領域を規定する発光素子及び受光素子のうち一方が故障したとき、第1検出領域を規定する発光素子又は受光素子が、代替的な第2検出領域を規定するために用いられてもよい。第15実施形態において、代替的な第2検出領域を規定する無目センサを有する例示的な制御装置が説明される。
図27は、第15実施形態の制御装置100Nの概略図である。図27を参照して、制御装置100Nが説明される。
制御装置100Nは、無目センサ300Nと、制御盤600Nと、を備える。無目センサ300Nは、発光素子群330と、受光素子群340と、を含む。発光素子群330は、複数の発光素子(図示せず)を含む。複数の発光素子それぞれは、検出光を出射する。受光素子群340は、複数の受光素子(図示せず)を含む。複数の受光素子それぞれは、複数の発光素子それぞれに対応付けられる。
第13実施形態と同様に、制御盤600Nは、駆動信号生成部530Cを含む。第13実施形態の説明は、駆動信号生成部530Cに援用される。
制御盤600Nは、センサ制御部640を含む。センサ制御部640は、信号解析部641と、パターン記憶部642と、を含む。発光素子群330及び受光素子群340は、検出領域を規定する。受光素子群340は、通行者が、検出領域内に存在するか否かを表す検出信号を生成する。検出信号は、受光素子群340から信号解析部641へ出力される。
検出領域は、第1検出領域と、第2検出領域と、を含む。第1検出領域は、無目センサ300Nが安全センサとして機能するために規定される。第2検出領域は、無目センサ300Nが起動センサとして機能するために規定される。信号解析部641は、受光素子群340からの検出信号を解析し、通行者が、第1検出領域及び第2検出領域に存在するか否かを判定する。
通行者が、第2検出領域で検出されるならば、信号解析部641は、通行者が第2検出領域に存在することを通知する通知信号を生成する。この通知信号は、信号解析部641から開信号生成部531へ出力される。開信号生成部531は、通知信号に応じて、開信号を生成する。開信号は、開信号生成部531から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、開信号に応じて、扉体DORを開位置へ向けて変位させる。
通行者が、第1検出領域で検出されるならば、信号解析部641は、通行者が第1検出領域に存在することを通知する通知信号を生成する。この通知信号は、信号解析部641からタイマ533へ出力される。タイマ533は、通知信号に応じて、計時値を「0」に設定する。信号解析部641からの通知信号の受信がないならば、タイマ533は、計時値を増加させる。閉信号生成部532は、タイマ533を参照し、計時値がタイマ閾値を超えているならば、閉信号を生成する。閉信号は、閉信号生成部532から駆動部DRVへ出力される。駆動部DRVは、閉信号に応じて、扉体DORを閉位置に向けて変位させる。
図28は、パターン記憶部642に記憶された例示的なデータを示す表である。図27及び図28を参照して、制御装置100Nが説明される。
信号解析部641は、受光素子群340からの信号を解析し、第2検出領域を規定する発光素子及び受光素子の組に不具合が生じているか否かを判定する。たとえば、受光素子からの信号が失われるならば、信号解析部641は、受光素子に不具合が生じていると判定してもよい。あるいは、信号解析部641は、発光素子及び受光素子の複数の組の信号変化を解析し、特定の発光素子に関連する検出信号が特異的な信号変化をしていることを見出すならば、信号解析部641は、不具合が、当該特定の発光素子に生じていると判定してもよい。本実施形態の原理は、不具合を検出するための特定の検出方法に限定されない。
パターン記憶部642は、第2検出領域として利用可能な検出領域を規定することができる発光素子及び受光素子の組み合わせパターンを記憶する。図28に示されるように、初期設定(第1パターン)において、発光素子A及び受光素子Aの組が、第2検出領域を規定するために用いられる。この間、発光素子B,Cは、他の受光素子とともに、安全センサとして用いられる。受光素子Bは、他の発光素子とともに安全センサとして用いられる。信号解析部641が、発光素子Aの不具合を検出すると、信号解析部641は、パターン記憶部642を参照し、発光素子Bと受光素子Aとによって規定される検出領域を、第2検出領域として利用する(第2パターン)。信号解析部641が、受光素子Aの不具合を検出すると、信号解析部641は、パターン記憶部642を参照し、発光素子Cと受光素子Bとによって規定される検出領域を、第2検出領域として利用する(第3パターン)。
図29は、第1パターンから第2パターンへの切替を表す概念図である。図27乃至図29を参照して、第1パターンから第2パターンへの切替が説明される。
図29は、表示板GDPと、受光素子Aの受光領域と、発光素子A,Bの照射領域と、を示す。受光素子Aの受光領域と発光素子Aの照射領域との間の重畳領域は、表示板GDPに立体的に重なる。同様に、受光素子Aの受光領域と発光素子Bの照射領域との間の重畳領域は、表示板GDPに立体的に重なる。表示板GDPに触れようとする通行者は、これらの重畳領域に入ることになる。
初期設定(第1パターン)において、信号解析部641は、受光素子Aの受光領域と発光素子Aの照射領域との間の重畳領域を第2検出領域として利用する。発光素子Aに不具合が生ずるならば、信号解析部641は、受光素子Aの受光領域と発光素子Bの照射領域との間の重畳領域を第2検出領域として利用する。したがって、受光素子Aと発光素子Aとの間で規定される光軸が消失した後も、信号解析部641は、表示板GDPに触れようとする通行者を検出し続けることができる。本実施形態において、不具合検出部は、信号解析部641が実行する信号解析プログラムによって例示されてもよい。切替部は、信号解析部641が実行する参照信号パターン(図28)の変更プログラムによって例示されてもよい。第1光学式センサは、受光素子Aと発光素子Aとの組によって例示される。第2光学式センサは、発光素子Bと受光素子Aとの組によって例示される。
本実施形態において、第1光学式センサ及び第2光学式センサは、受光素子を共有している。このように、センサの一部が共有されても、投受光が別々に設定されているので、第1光学式センサ及び第2光学式センサは、2つのセンサとして機能することができる。当業者は、本実施形態の原理に基づいて、発光素子を、第1光学式センサと第2光学式センサとに共有させることもできる。
上述の様々な実施形態に関連して説明された制御原理は、様々な自動ドアの制御に適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明された自動ドアの制御に適用されてもよい。