JP6654302B2 - 放射性汚染物の剥離洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は放射性汚染物の剥離洗浄システムに係り、より詳しくは、放射性汚染物の表面に付着した放射性物質を洗浄液に浸漬することによって剥離洗浄する放射性汚染物の剥離洗浄システムに関する。
2011年3月の東日本大震災に伴う、福島第一原子力発電所の原発事故による放射能漏れにより、環境中に多量の放射性物質が放出、拡散され、各種の産業分野が深刻なダメージを受けた。事故後に行われた除染作業により、放射能汚染地域の放射性汚染物の除染が進行し、事故直後は立ち入り禁止区域に指定された区域も、最近では帰還可能となったものが増えてきている。しかしながら、復興が進むに従ってまた新たな課題も発生し、原発事故の復興の為に解決しなければならない問題は、まだ山積している。
その新たな課題の一つとして、除染作業に伴って発生した大量の放射性汚染物の処理問題がある。
放射性汚染物の処理は、除染作業で発生した放射性汚染物を一時的に仮置場に収容し、中間処理施設で減容し、最終処理場で最終処理、保管するという基本方針が決まっている。しかしながら、中間処理場及び最終処理場の立地が未定である。また、一般廃棄物の場合に最も有力な減容手段である焼却は、密閉処理が原則である放射性汚染物の場合には採用することができない。このため仮置場に集積され放置されている放射性汚染物の減容は、ほとんど手が付けられておらず、大量の放射性汚染物が各所の仮置場に放置されたままになっている。
大量に発生した放射性汚染物の一つとして、放射能汚染された木材がある。
原発事故により拡散し、森林に降下した放射性物質は、事故直後は樹木の樹冠部の枝葉と樹皮に付着したが、現在では雨に洗われて放射性物質の大部分が林地の地面の粘土鉱物に吸着されて固定され、ほとんど流出しないと考えられている。このため、当面、人の立ち入らない森林は、放射性セシウムを保持する生態系であると見なされている(例えば非特許文献1〜3を参照)。
しかしながら、住民が利用する里山地区及び住居地域から20メートル以内の樹木は、伐採し、枯葉を収集し、汚染土壌を除去するという除染作業が行われた。その結果大量の放射性汚染物が発生することになった。この多量の汚染物の中、木材の放射性物質の大部分は樹皮に存在し、芯材は放射線量が比較的低いことが明らかになり、放射線量が基準値以下の芯材は、例えば合板の原料としての使用が検討されている。一方樹皮は依然として高い放射線量を示している。
ここで、樹皮の表面に付着した放射能は、洗浄することによって剥離させることが可能であると考えられる。また、木材の樹皮以外にも、放射性物質が表面に付着し、洗浄することによって剥離洗浄させて除染することが可能であると考えられる放射性汚染物がある。
しかし、洗浄により除染するためには多量の水が必要であり、通常の方法による洗浄は、放射能汚染物を水中に拡散させ、放射性汚染物の容積を更に拡大させるだけであるという問題がある。また、水素水による洗浄が提案されたが、効果が不充分である(例えば特許文献1を参照)。
固体の表面に付着した放射性汚染物を効率よく剥離洗浄する方法を提供することが求められていた。
特開2015−129065号公報
森林と林産物の放射能汚染、東京大学大学院 森林科学専攻、益守眞也、[インターネット]、http://www.agc.a.u−tokyo.ac.jp/radioecology/pdf/161121_radioecology.pdf♯search=%27%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD+%E6%A8%B9%E7%9A%AE%27(2018年3月8日検索) 福島原発事故による放射能汚染と森林、林業、木材関連産業への影響 日本学術会議 農学委員会 林学分科会、平成26年9月1日、[インターネット]、http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo−22−h140901.pdf♯search=%27%E6%A3%AE%E6%9E%97+%E6%94%BE%E5%B0%84%27(2018年3月8日検索) 水洗浄による放射性セシウム汚染土壌の除染方法移ついて、石井慶造、原子力委員会定例会議、2011年9月6日 [インターネット]http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo34/siryo1.pdf♯search=‘%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E6%B1%9A%E6%9F%93%E5%9C%9F%E5%A3%8C+%E9%99%A4%E6%9F%93’(2018年3月14日検索) 流体物理洗浄(1)、基本概念と微粒子の付着力、真田敏行、渡部正雄、The Chemical Times,2015(No2)、P17〜23。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、表面に放射性物質が付着した樹皮を洗浄液に浸漬し、付着した放射性物質を剥離洗浄後に分離することによって、放射性汚染物が付着した樹皮の放射線量を基準値以下に低下させて除染する放射性汚染物の剥離洗浄方法を提供することを課題とする。
また本発明は、洗浄後の洗浄液から分離された放射性洗浄水から放射性物質を分離して、濃縮された放射性汚染物を得ると共に、排水はそのまま川や海に放流できるように浄化することを課題とする。
更に本発明の放射性汚染物の処理システムは、放射線汚染物の放射線量を環境基準値以下まで除染して、放射性汚染物の再利用を可能にすること課題とする。
かかる課題を解決するためになされた本発明の放射性汚染物の剥離洗浄方法は、放射性物質が付着した樹皮から、洗浄水として化学式H を含む電解水素水を用いて、放射性物質を剥離洗浄する剥離洗浄工程と、洗浄後の洗浄液から、除染された樹皮と放射性洗浄水とを分離する分離工程と、分離された放射性洗浄水に高分子凝縮剤を混合することにより放射性物質を高分子凝縮剤に捕捉させて放射性物質捕捉物を生成する凝縮工程と、
凝縮工程の後、放射性物質捕捉物と排水とを分離する脱水工程と、を備え
前記化学式H を含む電解水素水は、電気導電率が500μS/cm以下である水を、100L/分の水を処理するのに100〜300V、50〜300Aの3相交流電力を用い、発生するジュール熱により80〜150℃及び1〜5気圧(但し、1気圧を除く)の加圧下で電気分解して製造したものであることを特徴とする。
また、前記化学式H を含む電解水素素水は、電気導電率が500μS/cm以下である水を、100L/分の水を処理するのに100〜300V、50〜300Aの3相交流電力を用い、発生するジュール熱により80〜150℃及び1〜5気圧(オ)(但し、1気圧を除く)の加圧下で電気分解して製造したものであることができる。
また、前記剥離洗浄工程では、放射性物質が付着した放射性汚染物を洗浄水に浸漬し、この浸漬状態で放射性汚染物を振動させることが好ましい。
また、前記剥離洗浄工程では、高分子凝縮剤として、ポリ(メタ)アクリルアミドを含むノニオン系凝縮剤と、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、又はポリ−γ−グルタミン酸を含むアニオン系凝縮剤と、ポリ(メタ)アクリル酸エステルを含むカチオン系凝縮剤と、ポリ(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む両性凝縮剤と、の内の少なくとも一つを用いることができる。
また、前記放射性汚染物は、放射性物質が付着した樹皮であることができる。
また、前記樹皮はチップに裁断された形態で用いられることが好ましい。
また、前記脱水工程後の排水は、川又は海に放水することができる。
本発明の放射性汚染物の剥離洗浄システムによれば、表面に放射性物質が付着した放射性汚染物を電解水素水に浸漬し、付着した放射性物質を剥離洗浄後に汚染物を分離することによって、放射性汚染物に付着した放射性物質を剥離洗浄し、除染後の汚染物の放射線量を基準値以下に低下させることができた。
また本発明によれば、洗浄液から分離した放射性物質を含む放射性洗浄水に高分子凝縮剤を加えて放射性物質を高分子凝縮剤に捕捉させて放射性物質捕捉物を生成させ、脱水処理することによって放射性物質捕捉物と排水とに分離することによって、放射性汚染物を放射性物質捕捉物に減容し、排水はそのまま川や海に放水することができた。
本発明の放射性汚染物の剥離洗浄システムをに適用した場合に、放射線量が1162〜1621Bq/kgの放射性樹皮を除染した樹皮の放射線量は、89.4〜121.4Bq/kgに減少して一般産業廃棄物として廃棄可能となり、また肥料や土壌改善剤の原料と使用可能になり、更に排水の放射線量は、検出限界(1Bq/kg)以下であって川又は海に放水することができるようになり、放射性物質捕捉物は放射性樹皮の10倍以下(W/W)に減容することができた。
本発明の放射性汚染物の剥離洗浄システムの工程を示すブロック図である。 除染のために伐採され中間貯蔵施設仮置場に保管された木材の樹皮の保管状況を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に記載する。
この記載は本発明を説明するためのものであって、この記載によって本発明の技術範囲を限定するものではない。本発明は、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で、多様に変更して実施することが可能である。
図1は、本発明の放射性汚染物の剥離洗浄システムの工程を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の放射性汚染物の剥離洗浄システムは、放射性汚染物を電解水素水に浸漬して放射性物質を剥離洗浄する剥離洗浄工程(S−1)と、除染された汚染物及び放射性洗浄液を分離する分離工程(S−2)と、放射性洗浄液に高分子凝縮剤を混合することにより放射性物質を前記高分子凝縮剤に捕捉させて放射性物質捕捉物を生成する凝縮工程(S−3)と、凝縮された放射性物質捕捉物及び排水を分離する排水工程(S−4)と、を含むことができる。
[放射性汚染物]
本発明の方法で除染する放射性汚染物は、原発事故によって降下した放射性物質が付着し、或は2次汚染によって放射性物質が表面に付着した放射性汚染物であって、上記の電解水素水により剥離洗浄可能なものであれば、特に制限されない。
原発事故によって大気中に飛散したのち陸地に降下した放射性物質の大部分は、粘土鉱物のミクロ〜ナノオーダーの微粒子であるケイ酸塩鉱物に強く吸着されていると考えられるので(例えば非特許文献3を参照)、固体の表面に付着した放射性汚染物を除染するためには、粘土鉱物の微粒子を洗浄除去しなければならない。しかし、ミクロ〜ナノオーダーの微粒子は質量が小さいので、流体の噴射、摩擦、超音波等の物理的洗浄手段で洗浄除去するのには困難が伴う(例えば非特許文献4を参照)。
[電解水素水]
本発明で用いる電解水素水は、水素を含んでいるので水のクラスターが小さくなり、固体の表面と、付着した微細粒子と、の間に浸透して固体の表面に付着した微細粒子を剥離しやすくすると共に、化学式H で示されるマイナスに帯電した活性成分を含有しており、固体の表面に付着した微細粒子との間に浸透して固体の表面に付着した微細粒子を電気的な反発力で剥離させることによって、微細粒子を洗浄除去するという特徴を有している。
電解水素水の原料となる水は、無色透明で導電率が500μS/cm以下であることが好ましく、導電率が200μS/cmであることがより好ましく、最も好ましくは導電率が100μS/cm以下である。
電解水素水は、上記の清浄な水を、100〜300Vの高電圧、及び100L/分の水を処理するのに50〜300Aの3相交流電力を用い、発生するジュール熱により80〜150℃の高温及び大気圧〜5気圧で電気分解して製造した電解水素水である。電解水素水は、無色透明であることが好ましい。
[剥離洗浄工程]
放射性汚染物を、4〜20倍(重量/容積)の電解水素水を収容する洗浄槽中の水面下に15〜100℃で5〜600分間浸漬し、放射性物質を放射性汚染物の表面から剥離させて洗浄液中に移行させることによって剥離洗浄することが好ましい。
ここで用いる電解水素水の量が4倍以下では、電解水素水の量が少なすぎて十分な剥離洗浄ができず、また20倍以上用いても剥離洗浄効果は比例して増加しないので、経済的に好ましくない。
また、放射性汚染物を浸漬している間に、振動または攪拌することによって、更に剥離洗浄効果を向上させることができる。
また更に、複数の洗浄槽を収容する複数の洗浄槽を並設し、放射性汚染物を対向する順に一方の洗浄槽から他方の洗浄槽に順次浸漬させて複数回剥離洗浄操作を繰り返すことによって、剥離洗浄効果を向上させると共に、電解水素水の使用量を減少させることが可能である。
[分離工程]
本発明の分離工程は、放射性物質が洗浄液中に移動して除染された汚染物と、放射性物質が移行した放射性洗浄液と、を分離する工程である。分離する方法は、放射性洗浄液が漏出しない方法であれば、汚染物の形状に応じて、適宜に選択することができる。
例えば実例として、ろ過法や、放射性汚染物が通過しないような金網でできた籠に放射性汚染物を収容して水層中に浸漬し、洗浄終了後に引き上げる方法を挙げることができる。
[凝縮工程]
また本発明の凝縮工程は、洗浄後の放射性洗浄液に凝縮剤を加えて、放射性洗浄液に分散する放射性物質を含む固体を放射性物質凝縮剤に捕捉させて放射性物質捕捉物を生成し、放射性物質捕捉物を分離させる工程である。ここで使用する凝縮剤は、放射性洗浄液に含まれる放射性物質を捕捉、分離し、本発明の目的に適うものであれば特に制限されないが、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、又はポリ硫酸第二鉄を含む無機凝縮剤と、ポリアミン、メラミン酸コロイド、又はジシアンジアミドを含む有機凝縮剤と、ポリ(メタ)アクリルアミドを含むノニオン系凝縮剤、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、ポリ−γ−グルタミン酸を含むアニオン系凝縮剤、(メタ)アクリル酸エステルを含むカチオン系凝縮剤、又はポリ(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルを含む両性凝縮剤を含む高分子凝縮剤と、から選ばれる1以上であることができる。
より好ましくは、凝縮剤は高分子凝縮剤であることができる。
[脱水工程]
脱水工程は、凝縮工程で生成され沈殿した放射性凝縮物と、排水とを分離する工程であり、例えば遠心分離装置を用いて行うことができる。分離された放射性凝縮物は、放射性汚染物の放射能が凝縮され減容されたものである。また排水の放射能は環境基準以下に低下させることができ、海や川に放流することができ、また農業用水などに用いることもできる。
[実施例]
(放射性汚染物)
以下に、本発明の一実施例として、里山地区及び住宅周辺地区の山林で伐採された樹木から剥がされ、フレキシブルコンテナパック(以下「フレコンパック」と記す)に充填されて中間施設仮置場(以下「仮置場」と記す)に集積された樹皮を例として、本発明の放射性汚染物の剥離洗浄システムによる放射能汚染物の除染、減容について詳細に記載する。しかしながら、以下の記載は本発明を明確に説明するためのものであって、本発明を何ら制限するものではない。本発明は、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
図2は、除染のために伐採され「フレコンパック」に充填されて「仮置場」に保管された木材の樹皮の保管状況を示す図である。
図2に示すように、「仮置場」には「フレコンパック」に充填された大量の放射性樹皮が集積されている。「フレコンパック」の耐用年限は日射条件では3年間とされている。「フレコンパック」にはシートがかけられ遮光、防水されているので、日射による「フレコンパック」の劣化や、雨水による放射能の漏洩は一応防がれているが万全ではなく、早急な対策が必要とされている。
(電解水素水)
本発明の電解水素水は、電解水素水製造装置(GFX11−MA001、株式会社エフ・オー・ラボ製)を用いて、水温3℃で導電率148μS/cmの水を5.0L/分の流量で、電圧200V、電流77.6〜83.8Aの3相交流(60Hz)で電気分解し、出口温度80〜92℃の電解水素水を得て、これを冷却して用いた。
(剥離洗浄工程)
放射線量の異なる放射能汚染された放射性樹皮3検体(A〜C)各5.0kgそれぞれをチップ化し、目開き2mmの金網を用いた金属製籠に均一に収容し、20℃の電解水素水50Lを容れた水槽の水面下に浸漬して1時間振盪して放射性物資を剥離洗浄した。
(分離工程)
て放射性物資を剥離洗浄した除染後の汚染物を収容した籠を水面上に引き上げて振盪して洗浄液を水切りした。次いで、金属製籠中の樹皮チップに、すすぎ液として電解水素水10Lを複数回に分割して均一に散布した後、各回毎に水切りし、更に水洗液として水10Lを均一に散布した後振盪し水切りして除染された汚染物及び放射性洗浄液を得た。
すすぎ液として用いた電解水素水は、回収して次ロットの電解水素水として用いることができる。また水洗液は、放射線量が基準値以下であれば放流し、基準値を超えていれば放射性洗浄液と混ぜて処理することが好ましい。
(比較例1)
実施例のAで用いた放射性樹皮を、実施例と同様に、但し、電解水素水の代わりに水道水を用いて剥離洗浄工程及び分離工程の操作を行って比較例1の試料を得た。
(評価)
実施例A〜C及び比較例の樹皮の除染前及び除染後の放射線量を測定した。
測定施設 食品分析センターつくば分室
測定方法 ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種
測定法(精密測定)
なお、表1の「検出せず」は、検出限界(1Bq/kg)以下であることを示す。
表1に、実施例(A〜C)各検体及び比較例の洗浄前の放射線量と除染後の放射線量を示す。
[表1]
Figure 0006654302
表1に示すように、実施例A〜Cの樹皮は、本発明の方法による除染によって放射性樹皮の放射線量が200Bq/kg以下に下がり、通常の産業廃棄物として廃棄処理することが可能になり、また、堆肥や土壌改善剤の原料として用いることができる。
[処理例]
(凝縮工程)
分離工程で生成した放射性洗浄液10Lに対してポリアクリルアミドアクリル酸共重合体である高分子凝縮剤1.0グラムを加えて6時間放置後、連続遠心分離機を用いて0.82kgの放射性凝縮物と、すすぎ液及び水洗液を含む72Lの排水と、を分離した。
放射性凝縮物は、水分を多く含んだペースト状であって、簡易測定によれば3000Bq/kg以上の放射線量を有するが、更に濃縮乾燥することによって微細な放射性物質が飛散する可能性があるのでそのまま密閉容器に収容した。
排水の放射線量は、検出限界(1Bq/kg)以下であって、川又は海に放水することができる。
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。

Claims (5)

  1. 放射性物質が付着した樹皮から、水洗浄水として化学式H を含む電解水素を用いて、前記放射性物質を剥離洗浄する剥離洗浄工程と、
    洗浄後の洗浄液から、除染された樹皮と放射性洗浄水とを分離する分離工程と、
    分離された前記放射性洗浄水に高分子凝縮剤を混合することにより前記放射性物質を前記高分子凝縮剤に捕捉させて放射性物質捕捉物を生成する凝縮工程と、
    前記凝縮工程の後、前記放射性物質捕捉物と排水とを分離する脱水工程と、
    を備え
    前記化学式H を含む電解水素水は、電気導電率が500μS/cm以下である水を、100L/分の水を処理するのに100〜300V、50〜300Aの3相交流電力を用い、発生するジュール熱により80〜150℃及び1〜5気圧(但し、1気圧を除く)の加圧下で電気分解して製造したことを特徴とする放射性汚染物の剥離洗浄方法。
  2. 前記剥離洗浄工程では、前記放射性物質が付着した放射性汚染物を前記洗浄水に浸漬し、この浸漬状態で前記放射性汚染物を振動させることを特徴とする請求項に記載の放射性汚染物の剥離洗浄方法。
  3. 前記凝縮工程では、前記高分子凝縮剤として、ポリ(メタ)アクリルアミドを含むノニオン系凝縮剤と、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、又はポリ−γ−グルタミン酸を含むアニオン系凝縮剤と、ポリ(メタ)アクリル酸エステルを含むカチオン系凝縮剤と、ポリ(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む両性凝縮剤と、の内の少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性汚染物の剥離洗浄方法。
  4. 前記樹皮は、チップに裁断された形態で用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射性汚染物の剥離洗浄方法。
  5. 前記脱水工程後の排水を川又は海に放水することを特徴とする請求項1に記載の放射性汚染物の剥離洗浄方法。
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