JP6652410B2 - 摩擦材 - Google Patents

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Description

本発明は摩擦材に関し、更に詳しくは、産業機械、鉄道車両、貨物車両、乗用車等のブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等に用いられる摩擦材に関する。
摩擦材は、ディスクブレーキやドラムブレーキなどのブレーキ、あるいはクラッチ等に使用され、ディスクブレーキ等の相手材と摩擦することにより制動の役割を果たしている。摩擦材に求められる特性としては、例えば、摩擦係数が高いこと、高負荷、高温時等で摩擦係数の低下が少ないこと(フェード特性)、制動時に異音や鳴きが発生しにくいこと、相手材攻撃性が低いこと等が挙げられる。
摩擦材は、補強作用をする繊維基材、摩擦作用を与えかつその摩擦性能を調整する摩擦調整材、これらの成分を一体化する結合材などの原材料からなっている。摩擦材の摩擦特性を調整する材料として、例えば、アルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア等の無機摩擦調整材、合成ゴムやカシュー樹脂等の有機摩擦調整材、黒鉛や二硫化モリブデン等の固体潤滑材等が挙げられる。
アルミナは、摩擦材の制動特性を改善するために広く使用されており、例えば、特許文献1には、α−アルミナを70〜95重量%含有し、残部として遷移アルミナと不可避不純物を含有する仮焼アルミナ粒子を摩擦材組成物全量に対し0.2〜5.0重量%含有する摩擦材が提案されている。また、特許文献2には、無機質摩擦調整剤として活性アルミナを含み、有機質摩擦調整剤としてフッ素系ポリマーを含んでなる摩擦材組成物の加熱加圧成形物からなる摩擦材成形物であって、活性アルミナとしてγ−アルミナを使用することが記載されている。また、特許文献3には、無機質摩擦調整剤の一部にα−アルミナとγ−アルミナとをα−アルミナ:γ−アルミナ=1:20〜1:5(重量比)で含有し、かつ結合剤の一部又は全部にシリコーン含有フェノール樹脂を用いてなる摩擦材組成物及び該摩擦材組成物を加熱加圧成形してなる摩擦材が提案されている。
一方、湿度環境の変化により摩擦係数が変化し、摩擦特性が不安定になることがあり、湿度環境変化下での摩擦特性を安定させることが望まれている。例えば、特許文献4には、湿度によって摩擦係数が大きく変化することのない摩擦材として、非ウィスカー状のチタン酸化合物塩と生体溶解性の無機繊維を有する摩擦材が提案されている。
特開2013−163714号公報 特開2011−17016号公報 特開2004−346179号公報 特開2007−277418号公報
上記従来技術のように、摩擦材にα−アルミナのような硬質の材料を用いることで制動特性を向上させることが可能であるが、相手材攻撃性の抑制が不十分となる場合がある。従来技術において、相手材への攻撃性を考慮しつつ湿度環境の変化による摩擦係数の変化を安定させるという試みはなされておらず、両特性を満足させる摩擦材が望まれている。
そこで、本発明は、湿度環境の変化に対する摩擦係数の安定性を高め、且つ、相手材への攻撃性を抑制することのできる摩擦材を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、θ−アルミナを主成分とするアルミナ粒子を摩擦材に含有させることで、湿度環境の変化による摩擦特性の変化を安定させることができ、また、相手材への攻撃性も抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(2)により達成されるものである。
(1)繊維基材、摩擦調整材及び結合材を含有する摩擦材であって、前記摩擦調整材としてθ−アルミナ粒子を主成分とするアルミナ粒子を含有し、前記θ−アルミナ粒子を摩擦材中に1質量%以上含有することを特徴とする摩擦材。
(2)前記θ−アルミナ粒子が、40〜150m/gの比表面積を有することを特徴とする前記(1)に記載の摩擦材。
本発明によれば、湿度環境の変化による摩擦係数の変化を抑制することができるため、夏場や冬場等の使用環境が変化した場合であっても、該環境からの摩擦特性に対する影響を受け難く、安定した摩擦特性を維持することができるとともに、相手材への攻撃性も抑制されるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の摩擦材について詳細に説明する。
本発明の摩擦材は、繊維基材、摩擦調整材及び結合材を含有する摩擦材であって、前記摩擦調整材としてθ−アルミナ粒子を主成分とするアルミナ粒子を含有し、前記θ−アルミナ粒子を摩擦材中に1質量%以上含有する。
繊維基材は摩擦材としたときの補強用に用いられ、繊維基材としては、有機繊維、無機繊維、金属繊維等が使用される。有機繊維としては、例えば、芳香族ポリアミド(アラミド)繊維、耐炎性アクリル繊維、セルロース繊維等が挙げられ、無機繊維としては、例えば、生体溶解性繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられ、また、金属繊維としては、例えば、スチール繊維、アルミニウム繊維、亜鉛繊維、錫または錫合金繊維、ステンレス繊維、銅又は銅合金繊維等が挙げられる。繊維基材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの繊維基材の中でも、アラミド繊維を単独で、又はアラミド繊維と他の繊維基材を組み合わせて用いることが好ましい。他の繊維基材として、生体溶解性繊維は人体への影響が少ない点から好適に用いることができる。このような生体溶解性繊維としては、SiO−CaO−MgO系繊維やSiO−CaO−MgO−Al系繊維、SiO−MgO−SrO系繊維などの生体溶解性セラミック繊維や生体溶解性ロックウールなどを挙げることができる。
繊維基材の含有量は、十分な機械強度を確保するため、摩擦材全体に対し1〜15質量%とすることが好ましく、2〜10質量%とすることがより好ましい。
摩擦調整材は、耐摩耗性、耐熱性、耐フェード性等の所望の摩擦特性を摩擦材に付与するために用いられる。
本発明の摩擦材は、湿度環境の変化、詳述すれば、絶対湿度の変化による摩擦特性を安定させるために、摩擦調整材としてθ−アルミナ粒子を主成分とするアルミナ粒子を含有する。
なお、「θ−アルミナ粒子を主成分とする」とは、θ−アルミナ粒子が50質量%以上の割合で含有することを意味し、好ましくは70質量%以上含有する。
また、絶対湿度とは、1mあたりの空気に含まれる水蒸気の量をグラム数で表した値である。
θ−アルミナ粒子は、ベーマイトや擬ベーマイト等の水酸化アルミニウム水和物を出発原料として、およそ800〜1000℃で焼成することにより得られる。出発原料を焼成すると脱水反応が起こり、θ−アルミナ粒子は脱水によりその結晶構造内に細孔が多く生じる表面構造となる。θ−アルミナ粒子を摩擦材中に含有させることにより、大気中の水分がθ−アルミナ粒子の調湿特性により、絶対湿度が変化した場合であっても摩擦特性に影響を与えることなく安定した摩擦特性を維持することができると推測される。また、前記細孔には高温制動時に有機物成分の熱分解によって生じたタール(液状分解物)やガスも吸着されるため、フェードによる効きの低下が抑制されると推測される。なお、本発明はかかる推測理論に制限されるものではない。
θ−アルミナ粒子の比表面積は、40〜150m/gであることが好ましい。θ−アルミナ粒子の比表面積が40m/gより小さくなると、調湿特性が十分に得られないため、本発明の所望の効果を得ることができず、また、タールやガスの吸着も少なくなるためフェード特性が低下する場合がある。そして、θ−アルミナ粒子の硬度が高くなり、相手材への攻撃性が増加する虞がある。比表面積が40m/g以上であることで、適度な研削特性と調湿特性が得られるため、絶対湿度の変化に対する摩擦係数の変化を抑制できる。また、制動時に発生するタールやガスも吸着されるため耐フェード性を有することができる。なお、本発明における比表面積は窒素ガス吸着によるBET法により測定した値とする。
また、比表面積は、大きくなりすぎると高湿度環境下での水分を吸着しすぎてしまって摩擦材表面の水分存在量が増えてしまうため、摩擦特性が不安定になる場合がある。また、後述する結合材のθ−アルミナ粒子への吸着量が多くなるため、摩擦調整材や繊維基材が十分に一体化されず、熱成形性も悪くなり摩擦材にクラック等が発生する恐れがあるため、150m/g以下であることが好ましい。
比表面積は、60m/g以上であることがより好ましく、120m/g以下であることがより好ましく、100m/g以下であることが更に好ましい。
θ−アルミナ粒子の平均粒子径は、1〜300μmであることが好ましい。θ−アルミナ粒子の平均粒子径が1μmよりも小さくなると、制動時の効きが充分に得られない場合がある。また、平均粒子径が300μmを超えると、相手材への攻撃性が高くなり、摩擦材の耐摩耗性が悪化する場合がある。平均粒子径は、20μm以上であることがより好ましく、250μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更に好ましい。
なお、θ−アルミナ粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定したD50の値により求めることができる。
アルミナ粒子は、上記したようにθ−アルミナ粒子を主成分として含むものであれば、その他のα−アルミナ粒子、β−アルミナ粒子、γ−アルミナ粒子、δ−アルミナ粒子等のいずれかが含まれていてもよい。
本発明において、θ−アルミナ粒子はアルミナ粒子の70質量%以上を占めることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。本発明において、アルミナ粒子がθ−アルミナ粒子のみで構成される(すなわち、θ−アルミナ粒子の割合が100質量%である)ことが最も好ましい。
本発明において、θ−アルミナ粒子は、摩擦材中、1質量%以上含有させる。摩擦材にθ−アルミナ粒子が1質量%以上含有していることで、湿度環境の変化による摩擦係数の変化を抑制することができる。θ−アルミナ粒子の含有量が1質量%に満たない場合は、本発明の所望の効果を得ることができないだけでなく、摩擦材の耐フェード性も十分に得られない傾向になる。θ−アルミナ粒子の含有量は、摩擦材中、2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上がより好ましく、6質量%以上が更に好ましい。また、θ−アルミナ粒子の含有量の上限値は、他の充填材料や要求される摩擦特性に応じて適宜決定されればよく、特に限定されないが、多すぎると摩擦材の成形性が悪くなったり、相手材への攻撃性が高くなったりする場合があるので、例えば、15質量%未満とすることが好ましく、14質量%以下がより好ましく、12質量%以下が更に好ましく、8質量%以下が特に好ましい。
本発明の摩擦材には、本発明の主旨に沿う限り、通常用いられるその他の摩擦調整材を使用することができる。
その他の摩擦調整材としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、バーミキュライト、マイカ、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム等の無機充填材、シリカ、マグネシア、ジルコニア、珪酸ジルコニウム、酸化クロム、四三酸化鉄(Fe)、等の研削材、アルミニウム、亜鉛、錫等の金属粉末、各種ゴム粉末(ゴムダスト、タイヤ粉末等)、カシューダスト、メラミンダスト等の有機充填材、黒鉛(グラファイト)、二硫化モリブデン、硫化錫、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の固体潤滑材等が挙げられる。これらの摩擦調整材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
摩擦調整材の含有量は、所望する摩擦特性に応じて、適宜調整すればよく、アルミナ粒子を含んだ摩擦調整材総量を、摩擦材全体に対し、60〜90質量%とすることが好ましく、65〜85質量%とすることがより好ましい。
結合材は摩擦材に含まれる繊維基材及び摩擦調整材を一体化するために用いられる。結合材としては、例えば、ストレートフェノール樹脂、エラストマー等による各種変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。エラストマー変性フェノール樹脂としては、アクリルゴム変性フェノール樹脂やシリコーンゴム変性フェノール樹脂、NBRゴム変性フェノール樹脂などを挙げることができる。これらの結合材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
結合材の含有量は、十分な機械的強度、耐摩耗性を確保するため、摩擦材全体に対し、5〜13質量%とすることが好ましく、7〜11質量%がより好ましい。
本発明の摩擦材は、繊維基材、摩擦調整材及び結合材以外に、必要に応じてその他の材料を配合することができる。
本発明の摩擦材の製造は、公知の製造工程により行うことができ、例えば、摩擦材組成物の予備成形、熱成形、加熱、研摩等の工程を経て摩擦材を作製することができる。
ディスクブレーキ用ブレーキパッドの製造における一般的な工程を以下に示す。
(a)板金プレスにより鋼板(プレッシャプレート)を所定の形状に成形する工程
(b)上記プレッシャプレートに脱脂処理、化成処理およびプライマー処理を施し、接着剤を塗布する工程
(c)繊維基材と、摩擦調整材と、結合材等の粉末原料とを配合し、混合により十分に均質化した摩擦材組成物を、常温にて所定の圧力で成形して予備成形体を作製する工程
(d)上記予備成形体と接着剤が塗布されたプレッシャプレートとを、所定の温度および圧力を加えて両部材を一体に固着する熱成形工程(成形温度130〜180℃、成形圧力30〜80MPa、成形時間2〜10分間)
(e)アフターキュア(150〜300℃、1〜5時間)を行って、最終的に研摩や表面焼き、塗装等の仕上げ処理を施す工程
このような工程により、本発明の摩擦材を備えたディスクブレーキ用ブレーキパッドを製造することができる。
なお、本発明の摩擦材は、元素としての銅含有量が0.5質量%以下の、いわゆる銅フリーのノンアスベスト摩擦材にも好適に用いることができる。摩擦材には耐フェード性を確保するために、銅や銅合金の繊維又は粒子等の銅成分が添加されている。しかし、銅成分を含む摩擦材はブレーキ制動により銅成分が摩耗粉として空気中に放出されるため、自然環境への影響が指摘されている。そこで、自動車用ブレーキパッドへの銅等の使用を制限する取り組みがなされており、銅フリーの摩擦材が種々提案されている。
本発明では、θ−アルミナ粒子をアルミナ粒子の主成分として用い、摩擦材中1質量%以上含有させることで、上記したように制動時に発生したタールやガスがθ−アルミナ粒子の細孔に吸着されるため、銅の含有量が0.5質量%以下の摩擦材であっても耐フェード性を有することができる。
なお、本発明の摩擦材は、ロースチールの銅フリー材にも適用可能である。
本発明の摩擦材は、自動車などのブレーキパッドやブレーキライニング等の摩擦材として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
なお、本発明の実施例及び比較例で得られたブレーキパッドの試験方法は以下のとおりである。
(1)摩擦材の成形性
ブレーキパッドの作製において、摩擦材の熱成形時の成形性を、目視にて下記評価に基づき判定した。
〔評価基準〕
◎:クラックの発生がない。
○:しわが確認された(製品としての問題はない)。
×:クラックが確認された(製品としての使用は不可である)。
(2)絶対湿度条件別摩擦係数の測定
得られたブレーキパッドに対し、1/7スケールテスターを用いて、表1の試験条件に基づき、絶対湿度4g/m(冬場条件:気温10℃、湿度40%)と絶対湿度20g/m(夏場条件:気温30℃、湿度67%)の環境条件下にて試験を行った。
Figure 0006652410
各絶対湿度条件下にて、まず、制動時の効きを安定させるために、制動初期温度100℃で、初速度50km/hから終速度3km/hとなるまで減速度2.94m/sで制動し、これを100回繰り返して摩擦面の摺り合わせを行った。
次に、表1の制動条件1に基づき、制動初期温度50℃で、初速度20km/hから終速度3km/hとなるまで、液圧0.5、1.0、1.5、2.0MPaでそれぞれ制動させた。その後、同様に、制動条件2〜9に基づき制動させ、制動条件9の終了後、摩擦係数を測定した。
制動条件1〜9のサイクルを4回繰り返し、合計5サイクルの摩擦係数を得、その平均摩擦係数を求めた。
絶対湿度4g/mでの平均摩擦係数と絶対湿度20g/mでの平均摩擦係数の差を下記式より求めた。評価基準は以下の通りである。
Figure 0006652410
〔評価基準〕
◎:平均摩擦係数の差が、±5%未満
○:平均摩擦係数の差が、±5%以上±10%未満
△:平均摩擦係数の差が、±10%以上±15%未満
×:平均摩擦係数の差が、±15%以上
(3)空転ディスクロータ攻撃性(相手材攻撃性)
得られたブレーキパッドを、面圧0.06MPaでディスクロータ(材質FC200)に押し付け、室温(約20℃)、速度60km/hで制動をかけ、40時間後のロータ摩耗量(μm)を測定した。空転ディスクロータ攻撃性の評価基準は以下の通りである。
〔評価基準〕
◎:ロータ摩耗量が、10μm未満
○:ロータ摩耗量が、10μm以上15μm以下
△:ロータ摩耗量が、15μm超20μm以下
×:ロータ摩耗量が、20μm超
(4)摩擦試験
得られたブレーキパッドに対し、1/7スケールテスターを用いて摩擦試験を行い、第2効力及び第1フェードの摩擦係数を測定した。
第2効力は、JASO C 406:2000に準拠して、初速度130km/hでの第2効力における平均摩擦係数を測定した。第1フェードは、JASO C 406:2000に準拠して、第1フェードにおける最低摩擦係数を測定した。第2効力と第1フェードの評価基準は以下の通りである。
〔第2効力の評価基準〕
◎:平均摩擦係数が、0.45以上0.50未満
○:平均摩擦係数が、0.40以上0.45未満
△:平均摩擦係数が、0.35以上0.40未満
×:平均摩擦係数が、0.35未満
〔第1フェードの評価基準〕
◎:最低摩擦係数が、0.30以上
○:最低摩擦係数が、0.25以上0.30未満
△:最低摩擦係数が、0.20以上0.25未満
×:最低摩擦係数が、0.20未満
<試験例1>
(実施例1〜3、比較例1〜3)
表2に示す配合材料を、混合攪拌機に一括して投入し、常温で2〜10分間混合を行い摩擦材組成物を得た。その後、得られた摩擦材組成物を以下の予備成形(1)、熱成形(2)、加熱および焼成(3)の工程を経て、摩擦材を備えたブレーキパッドを作製した。
(1)予備成形
摩擦材組成物を予備成形プレスの金型に投入し、常温にて20MPaで10秒間、成形を行い予備成形品を作製した。
(2)熱成形
この予備成形品を熱成形型に投入し、予め接着剤を塗布した金属板(プレッシャープレート:P/P)を重ねて、150℃、40MPaで5分間加熱圧縮成形を行った。
(3)加熱、焼成
この加熱圧縮成形体に、150〜300℃、1〜4時間の熱処理を実施した後、研摩した。次いで、この加熱圧縮成形体の表面に表面焼き処理を施し、仕上げに塗装を行い、摩擦材を備えたブレーキパッドを得た。
上記作製した実施例1〜3、比較例1〜3のブレーキパッドについて、熱成形時の成形性を評価し、さらに絶対湿度条件別摩擦係数の測定と空転ディスクロータ攻撃性の試験を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006652410
表2の結果より、θ−アルミナ粒子の含有量が1質量%に満たない比較例1及びθ−アルミナ以外のアルミナを用いた比較例2、3は、絶対湿度条件別摩擦係数の差が大きく開き、相手材攻撃性との両立が出来なかったのに対し、θ−アルミナ粒子を摩擦材中1質量%以上含有する実施例1〜3は、絶対湿度条件別摩擦係数の差が±6以下であり、かつ相手材攻撃性も良好に抑制できることがわかった。
<試験例2>
(実施例2、4〜11)
表3に示す配合組成において、試験例1と同様にして摩擦材を備えたブレーキパッドを作製した。
得られた実施例2、4〜11のブレーキパッドについて、熱成形時の成形性を評価し、さらに絶対湿度条件別摩擦係数の測定、空転ディスクロータ攻撃性試験及び摩擦試験を行った。得られた結果を表3に示す。
Figure 0006652410
表3の結果より、実施例2、4〜11のいずれも絶対湿度条件別摩擦係数の差が±10以下であり、かつ相手材攻撃性も低く抑えられることがわかった。また、第2効力(高速効力)と耐フェード性も良好に保つことができることがわかった。

Claims (2)

  1. 繊維基材、摩擦調整材及び結合材を含有する摩擦材であって、
    前記摩擦調整材としてθ−アルミナ粒子を主成分とするアルミナ粒子を含有し、
    前記θ−アルミナ粒子が、40〜150m /gの比表面積を有し、
    前記θ−アルミナ粒子を摩擦材中に1質量%以上15質量%未満含有することを特徴とする摩擦材。
  2. 前記θ−アルミナ粒子の平均粒子径が、1〜300μmであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦材。
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