以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図59を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)1に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機1の正面図であり、図2はパチンコ機1の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機1の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機1の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機1においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機1の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機1においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機1の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機1の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機1が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機1の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機1では、第1入賞口64,第2入賞口140のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機1は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機1が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物140aおよび第2電動役物82を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口140のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機1では、球が第1スルーゲート66を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機1は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された第1電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の第1電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140および第3入賞口へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には第1電動役物140aが付随されている。この第1電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような第1電動役物140aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第1スルーゲート66に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第1スルーゲート66を通過させて第1電動役物140aを開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、パチンコ機1の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機1においては、第1入賞口64,第2入賞口140のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機1を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機1の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機1の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機1の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、各駆動モータ481,491,661,880が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機1の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機1の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図59を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図7及び図8は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、変位ユニット400の左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485と上下変位ユニット800の変位部材850とがそれぞれ退避位置に変位された状態が、図8では、スライドユニと400の左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485と上下変位ユニット800の変位部材850とがそれぞれ張出位置に変位された状態が、それぞれ図示される。
図5から図8に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、変位ユニット400、投影ユニット600、上下変位ユニット800がそれぞれ順に収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301に配設される正面視額縁形状のベース部材410と、そのベース部材410に変位可能に配設される左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485とを備え、これら左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485を、投影ユニット600の背面側に退避する退避位置と、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側に張り出す張出位置との間で変位させることができる(図7及び図8参照)。
この場合、変位ユニット400には、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を駆動する駆動手段(第1駆動モータ481及び第2駆動モータ491)が2個設けられ、駆動する駆動手段を選択することで、変位部材の変位態様を異ならせる(複数種類の変位態様を形成する)ことができる。かかる構造の詳細については後述する。
投影ユニット600は、変位ユニット400の正面に配設される正面視円環形状のベース部材610と、そのベース部材610の内周側に配設される円板状の投影板部材620と、投影板部材620の外周面から光を入射させる複数のLED651とを備える。投影板部材620は、光透過性材料からなり、第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認可能とされると共に、LED651から光が入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす態様で、投影板部材620の正面から出射させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
この場合、投影ユニット600には、LED651から照射された光の投影板部材620への入射の効率を高める構造が採用され、投影板部材620の正面から出射される光を強くする(模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる)ことができる。また、複数のLED651(照射ユニット650)をベース部材610に組み付ける際の作業性を高める構造が採用される。これらの構造の詳細については後述する。
上下変位ユニット800は、投影ユニット600のベース部材610における上部に配設される正面ベース820及び背面ベース830と、それら両ベース部材820,830に一端が回転可能に軸支される変位部材850とを備え、変位部材850の他端側を、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の上方となる退避位置および正面側に張り出す張出位置の間で変位させることができる(図7及び図8参照)。
この場合、上下変位ユニット800は、変位部材850を付勢する付勢ばねSPを備え、退避位置および張出位置の間の所定位置において、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とをつり合わせることで、つり合い位置(所定位置)を中心として、重力の作用と付勢ばねSPの弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材850に行わせる構造が採用される。かかる構造の詳細については後述する。
次いで、図9から図28を参照して、変位ユニット400について説明する。図9は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図10は、変位ユニット400の背面図である。
変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に締結固定されるベース部材410と、そのベース部材410に変位可能に配設される変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)と、その変位部材に駆動力を付与する複数(本実施形態では2個)の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)とを主に備え、上述したように、下駆動機構480(第1駆動モータ481)の駆動により変位部材を変位させる場合、上駆動機構490(第2駆動モータ491)の駆動により変位部材を変位させる場合、或いは、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)の両者の駆動により変位部材を変位させる場合で、変位部材を異なる態様で変位させることができるように形成される。以下、その構造の詳細について、図11から図18を参照して説明する。
まず、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、左変位部材420L及び右変位部材420Rの正面斜視図であり、図12は、左変位部材420L及び右変位部材420Rの背面斜視図である。
図11及び図12に示すように、変位ユニット400は、変位による演出を行う変位部材として形成される左変位部材420L及び右変位部材420Rを備え、それら左変位部材420L及び右変位部材420Rには、左従動部材430L及び右従動部材430Rと、台車部材440と、上部左ラック450L及び上部右ラック450Rとが連結される。
左変位部材420Lは、縦姿勢で配設される長尺状の部材であり、背面から突設される連結軸421と、上端に穿設される連結孔422と、下端に穿設される摺動溝423とを備える。連結軸421は、断面円形の軸であり、左従動部材430Lの連結孔431が回転可能に軸支される。即ち、左変位部材420Lの背面側には、左従動部材430Lの上端が回転可能に連結される。
なお、連結軸421は、左従動部材430Lの背面から先端が突出される長さ寸法に設定され、その突出された連結軸421の先端は、上駆動機構490の駆動アーム494における駆動溝494c(図17及び図18参照)に摺動可能に挿通される。即ち、上駆動機構490の駆動アーム494が駆動(回転)されると、駆動溝494cの内壁面が連結軸421に作用して、左変位部材420Lが変位される。
連結孔422は、断面円形の孔であり、後述する台車部材440の2本の連結軸441のうちの一方の連結軸441が回転可能に挿通される。即ち、左変位部材420Lは、台車部材440Lに対する相対的な姿勢変化(連結孔422の軸心を回転中心とする回転)が許容された状態で連結される。
摺動溝423は、左変位部材420Lの長手方向に沿って延設される溝であり、後述する下部左ラック488Lの駆動ピン488b(図15参照)が回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、下部左ラック488Lが停止された状態で、上駆動機構490のみが駆動される場合、又は、その逆の場合のいずれにおいても、ベース部材410に対する左変位部材420Lの姿勢の変化(回転)を形成可能とできる。
左従動部材430Lは、ベース部材410と左変位部材420Lとの間に架設されることで、左変位部材420Lの変位に従動される部材であり、一端(上端)に穿設される連結孔431と、背面から突設される摺動ピン432とを備える。
連結孔431は、断面円形の孔であり、上述したように、左変位部材420Lの連結軸421が回転可能に挿通される。摺動ピン432は、断面円形のピン(棒状体)であり、ベース部材410の側方に穿設される摺動溝410aに回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、左変位部材420Lが変位されると、その左変位部材420Lに対する相対姿勢を変化させつつ、左従動部材430Lを従動させることができる。
台車部材440は、ベース部材410の上側部分(上部中間部分410f及び上部正面部分410g、図17及び図18参照)に左右方向(幅方向)に沿って延設される被転動面を転動する部材であり、平行に並設される2本の連結軸441と、それら各連結軸441の両端にそれぞれ回転可能に軸支される4輪の転動輪442とを備える。よって、左変位部材420Lの上端は、台車部材440の各転動輪442が被転動面を転動することで、かかる台車部材440を介して、左右方向(幅方向)に沿って変位される。
なお、ベース部材410の被転動面は、鉛直方向上側を臨む略水平な平坦面として形成され、その被転動面に台車部材440の各転動輪442が載置される。即ち、左変位部材420は、台車部材440を介して、ベース部材410の被転動面に吊り下げられて状態で支持される。
上部左ラック450Lは、ベース部材410の上側部分(上部中間部分410f及び上部正面部分410g、図17及び図18参照)に左右方向(幅方向)に沿って延設される案内部を摺動する長尺板状の部材であり、台車部材440の2本の連結軸441がそれぞれ回転可能に挿通される2の連結孔451と、上部左ラック450Lの背面に長手方向に沿って刻設されるラックギヤ452とを備える。
ここで、右変位部材420Rは左変位部材420Lに対して、右従動部材430Rは左従動部材430Lに対して、上部右ラック450Rは上部左ラック450Lに対して、それぞれ略左右対称の形状に形成され、実質的に同一の構成とされるので、同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
但し、上部右ラック450Rは、その正面にラックギヤ452が刻設される。また、上部右ラック450Rは、連結孔451の形成部分が正面側へオフセットされ、上部左ラック450Lと前後方向の位置を違えて配設される。よって、上部左ラック450Lのラックギヤ452と上部右ラック450Rのラックギヤ452とは所定間隔を隔てて対向配置される。この場合、両ラックギヤ452には、ベース部材410に回転可能に軸支されるピニオンギヤ459が歯合される。
従って、左変位部材420Lの変位に伴って、上部左ラック450Lがベース部材410の案内部(図示せず)に沿って左右方向(幅方向、図19左右方向)へ変位(摺動)されると、その上部左ラック450Lの変位が、ピニオンギヤ459を介して、上部右ラック450Rに伝達されるので、右変位部材420Rを変位させることができる。
なお、本実施形態では、上部左ラック450L及び上部右ラック450Rの間に介設されるピニオンギヤ459の配設数が奇数個(即ち、1個)なので、左変位部材420L及び右変位部材420Rの変位方向を逆方向(互いが近接し合う又は離間し合う方向)とできる。但し、ピニオンギヤ459の配設数を偶数個として、左変位部材420L及び右変位部材420Rの変位方向を同方向としても良い。
次いで、複数の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)のうちの下駆動機構480について、図13から図16を参照して説明する。
図13及び図15は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図14及び図16は、変位ユニット400の背面斜視図である。なお、図13及び図14では、背面カバー412が装着された状態が図示され、図15及び図16では、背面カバー412が取り外された状態が図示される。また、図13から図16では、嵩上げカバー413の図示が省略される。
図13から図16に示すように、下駆動機構480は、第1駆動モータ481と、その第1駆動モータ481の駆動軸に取着されるピニオンギヤ482と、そのピニオンギヤ482が歯合される駆動ギヤ483と、その駆動ギヤ483と共にクランク機構を形成する駆動アーム484と、その駆動アーム484により駆動される突出部材485と、その突出部材485の背面に配設されるラックギヤ486と、そのラックギヤ486に先頭の歯車487aが歯合される歯車列(歯車487a〜487e)と、その歯車列の末尾の歯車487eに歯合される下部左ラック488L及び下部右ラック488Rと、を主に備える。
第1駆動モータ481は、左正面カバー411Lの正面に取着され、その左正面カバー411Lの背面から突出された第1駆動モータ481の駆動軸には、ピニオンギヤ482が取着(固設)される。駆動ギヤ483は、左正面カバー411Lの背面に、駆動アーム484は、ベース部材410の正面に、それぞれ回転可能に軸支される。
駆動ギヤ483は、その回転中心から偏心して位置すると共に背面から突設される偏心ピン483aを備える。駆動アーム484は、ベース部材410の支持軸が回転可能に挿通される軸支孔484aと、駆動ギヤ483の偏心ピン483aが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝484bと、それら軸支孔484a及び摺動溝484bが形成される側と反対側の端部における正面から突設される駆動ピン484cとを備える。
よって、第1駆動モータ481の駆動力により、ピニオンギヤ482を介して駆動ギヤ483が正方向または逆方向へ回転されると、その駆動ギヤ483の偏心ピン483aから駆動アーム484の摺動溝484bの一方または他方の内壁面が作用を受けることで、駆動アーム484が軸支孔484aを回転中心として正方向または逆方向へ回転され、駆動アーム484の駆動ピン484cが上昇または下降される。
突出部材485は、駆動アーム484の駆動ピン484cが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝485aを備え、スライドレールSLを介して、ベース部材410の正面に配設される。スライドレールSLは、伸縮式の直線案内機構であり、その伸縮方向を鉛直方向に沿わせた縦姿勢で配設される。なお、スライドレールSLは、ベース部材410の正面に配設される基端レールと、突出部材485の背面に配設される先端レールと、それら基端レール及び先端レールの間に介設され基端レール及び先端レールを互いに長手方向へ相対変位可能とする中間レールとを備える。
よって、駆動アーム484が回転され、その駆動アーム484の駆動ピン484cによって、突出部材485の摺動溝485aの内壁面が押し上げられる又は押し下げられると、スライドレールSLが伸縮され、突出部材485がベース部材410に対して鉛直方向に昇降される。
ラックギヤ486は、突出部材485の昇降方向に沿って刻設され、歯車列(歯車487a〜487e)は、先頭の歯車487aをラックギヤ486に歯合させた状態で、ベース部材410の正面と右正面カバー411Rの背面との間にそれぞれ回転可能に軸支される。よって、突出部材485が昇降されることで、ラックギヤ486の直線運動を利用して、歯車列(歯車487a〜487e)を回転させることができる。
下部左ラック488L及び下部右ラック488Rは、長尺板状の部材であり、その長手方向に沿って側面に刻設されるラックギヤ488aと、長手方向端部における正面から突設される駆動ピン488bとをそれぞれ備える。これら下部左ラック488L及び下部右ラック488Rは、上下方向に位置を違え、互いのラックギヤ488aを対向させた状態で、ベース部材410の背面と背面カバー412の正面との間に左右方向(幅方向、図19左右方向)に沿って摺動可能に保持される。
なお、歯車列の末尾の歯車487eは、隣接する歯車487dに同軸に固着され、ベース部材410に穿設される開口410bを介して背面側に突出されることで、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rのそれぞれのラックギヤ488aに歯合される。よって、上述したように、突出部材485の昇降に伴って、歯車列(歯車487a〜487e)が回転されると、その末尾の歯車487aの回転により、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rを互いに逆方向(互いが近接し合う又は離間し合う方向)へ直線運動させることができる。
下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bは、ベース部材410に穿設される直線状の挿通溝410cを介して正面側に突出されることで、上述したように、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423に回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rが直線運動されることで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)を変位させることができる。
なお、挿通溝410cの延設方向は、台車部材440の転動輪442が転動する被転動面と略平行に形成される。即ち、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの直線運動の方向は、後述する上部左ラック450L及び上部右ラック450Rの直線運動の方向と略平行とされる。
次いで、複数の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)のうちの上駆動機構490について、図17及び図18を参照して説明する。
図17は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図18は、変位ユニット400の背面斜視図である。なお、図17及び図18では、理解を容易とするために、ピニオンギヤ459及び上部右ラック450Rが上部中間部分410f及び上部正面部分410gの対向間に図示される。
図17及び図18に示すように、上駆動機構490は、第2駆動モータ491と、その第2駆動モータ491の駆動軸に取着されるピニオンギヤ492と、そのピニオンギヤ492が歯合される駆動ギヤ493と、その駆動ギヤ493と共にクランク機構を形成する駆動アーム494と、を主に備える。
ベース部材410は、その上部(正面視略額縁形状に形成される上辺部分)が、上部背面部分410eと、上部中間部分410fと、正面部分410gとを順に正面側に重ね合わせた分割構造として形成される。
第2駆動モータ491は、上部中間部分410fの上方へ張り出された部分の正面に取着され、その張り出された部分の背面から突出された第2駆動モータ491の駆動軸には、ピニオンギヤ492が取着(固設)される。駆動ギヤ493及び駆動アーム494は、上部中間部分410fの背面に回転可能に軸支される。
駆動ギヤ493は、その回転中心から偏心して位置すると共に背面から突設される偏心ピン493aを備える。駆動アーム494は、上部中間部分410fの支持軸が回転可能に挿通される軸支孔494aと、駆動ギヤ493の偏心ピン493aが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝494bと、それら軸支孔494a及び摺動溝494bが形成される側と反対側の端部に位置する直線状の駆動溝494cとを備える。
よって、第2駆動モータ491の駆動力により、ピニオンギヤ492を介して駆動ギヤ493が正方向または逆方向へ回転されると、その駆動ギヤ493の偏心ピン493aから駆動アーム494の摺動溝494bの一方または他方の内壁面が作用を受けることで、駆動アーム494が軸支孔494aを回転中心として正方向または逆方向へ回転され、駆動アーム494の駆動溝494cが左右に変位される。
上述したように、駆動アーム494の駆動溝494cには、左変位部材420Lの連結軸421の先端が摺動可能に挿通される。よって、駆動アーム494を駆動(軸支孔494aを中心として回転)させ、左右に変位される駆動溝494cの内壁面を連結軸421に作用させることで、台車部材440(転動輪442)を被転動面に沿って転動させ、左変位部材420Lの上端側を左右に変位させることができる。
この場合、左変位部材420Lが左右に変位され、台車部材440(転動輪442)が被転動面を転動されると、上述したように、上部左ラック450Lがベース部材410の案内部に沿って左右方向(幅方向、図19左右方向)へ変位(摺動)され、その上部左ラック450Lの変位が、ピニオンギヤ459を介して、上部右ラック450Rに伝達されることで、右変位部材420Rを変位させることができる。なお、台車部材440の転動輪442が転動する被転動面は、上部中間部分410fと上部正面部分410gとに形成される。
次いで、上述のように構成された変位ユニット400の動作について、図19から図28を参照して説明する。
まず、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)の両者を駆動して、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を変位させる第1の態様について、図19から図24を参照して説明する。
図19、図21及び図23は、第1の態様における変位ユニット400の正面図であり、図20、図22及び図24は、図19、図21及び図23の背面視における変位ユニット400の背面図である。
なお、図19及び図20は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が退避位置に配置された状態に対応し、図23及び図24は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が第1の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
図19及び図20に示すように、退避位置に配置された状態では、左変位部材420L及び右変位部材420Rが最外方(互いが左右方向に最も離間される位置)に配置されると共に、突出部材485が最下方に配置される。
この状態から下駆動機構480の第1駆動モータ481及び上駆動機構490の第2駆動モータ491がそれぞれ駆動されると、図21及び図22に示す状態を経た後、図23及び図24に示す状態(第1の態様における張出位置)まで、左変位部材420L及び右変位部材420Rが左右方向(幅方向)において互いに近接する方向へ変位されると共に、突出部材485が上昇される。なお、第1の態様における張出位置では、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が合体状態(三者の側面どうしが密着した状態)が形成される。
詳細には、図19の状態から、下駆動機構480の第1駆動モータ481が駆動されると、駆動アーム484が回転され、その駆動アーム484の駆動ピン484cが突出部材485の摺動溝485aの内壁面を押し上げることで、突出部材485が上昇される(図13及び図14参照)。
また、突出部材485が上昇されると、ラックギヤ486、歯車列(歯車487a〜487e)及びラックギヤ488aを介して、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rが変位(直線運動)され(図15及び図16参照)、それら下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bが、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423の内壁面に作用することで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)がベース部材410の挿通溝410cに沿って互いに近接する方向へ変位(直線運動)される。
一方、図19の状態から、上駆動機構490の第2駆動モータ491が駆動されると、駆動アーム494が回転され、その駆動アーム494の駆動溝494cの内壁面が左変位部材420Lの連結軸421に作用される。これにより、台車部材440が被転動面を転動され、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が右変位部材420Rへ近接する方向へ変位(直線運動)される(図17及び図18参照)。
また、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が変位されると、その変位が、上部左ラック450Lからピニオンギヤ459を介して上部右ラック450Rへ伝達されることで、右変位部材420Rの上端側(台車部材440)が左変位部材420Lへ近接する方向へ変位(直線運動)される(図11及び図12参照)。
なお、本実施形態では、左変位部材420L及び右変位部材420Rの左右方向(幅方向、図20左右方向)の変位量は、下端側の変位量が上端側の変位量よりも小さくされる(即ち、駆動ピン488bの可動範囲(挿通溝410cの延設長さ)が、台車部材440の可動範囲(被転動面の延設長さ)よりも短くされる)。
この場合、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側と上端側とが、退避位置(図19及び図20参照)から略同時に変位を開始し、かつ、第1の態様における張出位置(図23及び図24参照)に略同時に到達されるように、下駆動機構480及び上駆動機構490が駆動される。即ち、下端側(駆動ピン488b)よりも上端側(台車部材440)の左右方向の変位速度が速くされる。
これにより、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、縦姿勢に維持したまま非回転で左右方向へ平行に変位させるのではなく、その姿勢を回転させつつ左右方向へ変位させることができる。即ち、このように、姿勢を回転させつつ変位させることは、1の駆動手段の駆動力でスライド溝に沿って変位部材を摺動させる構成では不可能であり、本実施形態のように、2の駆動手段を利用することが始めて可能となったものである。
また、下端側(駆動ピン488b)よりも上端側(台車部材440)の左右方向の変位速度が異なる場合、駆動ピン488bと台車部材440との距離が変化されるところ、本実施形態では、摺動溝423が駆動ピン488bの直径よりも大きな長さで上下方向に延設される長穴形状とされるため、両者の距離の変化を吸収することができる。即ち、複雑な機構を設ける必要がなく、摺動溝423及び駆動ピン488bを回転可能かつ摺動可能に形成すれば良いので、製品コストの削減に加え、動作の信頼性と耐久性とを図ることができる。
図23及び図24に示す状態から下駆動機構480の第1駆動モータ481及び上駆動機構490の第2駆動モータ491がそれぞれ上述した場合と逆方向へ駆動されると、図21及び図22に示す状態を経た後、図19及び図20に示す状態(退避位置)まで、左変位部材420L及び右変位部材420Rが左右方向(幅方向)において互いに離間する方向へ変位されると共に、突出部材485が下降される。
次いで、下駆動機構480(第1駆動モータ481)のみを駆動して(即ち、上駆動機構490(第2駆動モータ491)は非駆動状態に維持して)、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を変位させる第2の態様について、図25及び図26を参照して説明する。なお、第2の態様の説明では、図19及び図20も適宜参照する。
図25は、第2の態様における変位ユニット400の正面図であり、図26は、図25の背面視における変位ユニット400の背面図である。なお、図25及び図26は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が第2の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
ここで、図19及び図20に示す状態(退避位置に配置された状態)では、上駆動機構490の駆動アーム494は、左変位部材420Lがその上端側(連結孔422の軸心)を回転中心として回転することを許容する姿勢で配置される。即ち、左変位部材420Lの連結軸421が駆動アーム494の駆動溝494cに沿って摺動することが許容される。
よって、この状態(図19及び図20に示す状態)から、下駆動機構480の第1駆動モータ481のみが駆動されると、図25及び図26に示すように、図駆動アーム484の駆動ピン484cが突出部材485の摺動溝485aの内壁面を押し上げることで、突出部材485が上昇されると共に、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bが、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423の内壁面に作用することで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)が互いに近接する方向へ変位(直線運動)される。即ち、第2の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、その上端側(連結孔422の軸心)を回転中心として、回転させることができる。
次いで、上駆動機構490(第2駆動モータ491)のみを駆動して(即ち、下駆動機構480(第1駆動モータ481)は非駆動状態に維持して)、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)を変位させる第3の態様について、図27及び図28を参照して説明する。なお、第3の態様の説明では、図19及び図20も適宜参照する。
図27は、第3の態様における変位ユニット400の正面図であり、図28は、図27の背面視における変位ユニット400の背面図である。なお、図27及び図28は、左変位部材420L及び右変位部材420Rが第3の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
ここで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423は、駆動ピン488bの直径よりも大きな長さで上下方向に延設される長穴形状とされ、左変位部材420L及び右変位部材420Rが上方へ持ち上げられることが許容される。
よって、図19及び図20に示す状態(退避位置に配置された状態)から、上駆動機構490の第2駆動モータ491のみが駆動されると、図27及び図28に示すように、駆動アーム494の駆動溝494cの内壁面が左変位部材420Lの連結軸421に作用され、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が右変位部材420Rへ近接する方向へ変位(直線運動)される共に、その変位が、上部左ラック450Lからピニオンギヤ459を介して上部右ラック450Rへ伝達されることで、右変位部材420Rの上端側(台車部材440)が左変位部材420Lへ近接する方向へ変位(直線運動)される。
即ち、第3の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、その下端側(摺動溝423側)を回転中心として、回転させることができる。また、第3の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rのみを変位させ、突出部材485は停止状態に維持することができる。
ここで、従来の遊技機では、ベース部材410に案内手段(例えば、案内溝)が延設され、その案内手段に沿って変位部材が変位(案内)可能に形成されるものであるため、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定されていた。そのため、変位部材の変位による演出がワンパターンとなり、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。駆動手段(例えば、駆動モータ)の駆動力(駆動速度)に強弱をつけて変化を設けたとしても、変位部材の変位速度が増減するだけであり、その変位態様(軌跡)は相変わらず一定であるため、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難である。
これに対し、本実施形態の変位ユニット400によれば、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)を備え、その駆動状態を選択(変更)することで、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を3種類の態様(第1の態様、第2の態様および第3の態様)で変位させることができる。即ち、変位部材の変位態様が一通りに限定される従来品のように、演出がワンパターンとならず、変位部材を少なくとも3通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
特に、第1の態様では(図19から図24参照)では、左変位部材420L及び右変位部材420Rに平行移動(直線運動)が支配的な変位を行わせることができる一方、第2の態様および第3の態様(図19、図25から図28参照)では、左変位部材420L及び右変位部材420Rに回転(回転運動)のみの変位を行わせることができ、その変位の運動形態を異ならせることができる。その結果、変位部材の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
この場合、従来品では、回転中心は一定のままで、その回転方向のみを異ならせることで、変位態様を異ならせるものは存在するが、本実施形態における第2の態様および第3の態様は、同一の回転中心でその回転方向のみが異なるというものではなく、回転方向が異なり、且つ、回転中心も異なって形成されるので(第2の態様では上端側が回転中心とされ、第3の態様では下端側が回転中心とされる)、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
また、第1の態様では、回転と平行移動(直線運動)とを組み合わせた形態で変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)が変位されるところ、かかる回転の方向が第3の態様における回転の方向と同方向とされる。そのため、第1の態様および第3の態様の初期段階(例えば、図21及び図27参照)では、変位部材どうしが近接する方向へ変位されるように遊技者に視認させることができ、その区別をつき難くできる。一方で、第1の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rの近接する方向への変位に伴い、突出部材485が上昇されるのに対し、第3の態様では、突出部材485を停止状態に維持することができる。即ち、左変位部材420L及び右変位部材420Rが互いに近接する方向へ変位された初期段階において、突出部材485が上昇されている場合には、第1の態様における張出位置まで変位部材が変位されることを遊技者に期待させることができる。
変位ユニット400は、台車部材440、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rがそれぞれ直線変位可能にベース部材410に配設(保持)されると共に、台車部材440に左変位部材420L及び右変位部材420Rの上端側(連結孔422)が回転可能に連結されると共に、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bが左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423)に回転可能かつ摺動可能に挿通される。
これにより、上述したように、左変位部材420L及び右変位部材420Rに、回転成分を含む直線運動(第1の態様)や、回転運動(第2及び第3の態様)を行わせるための構造を簡素化できる。例えば、曲線状の案内溝を設け、その案内溝に沿って変位部材を変位させることも考えられるが、このような曲線状の軌跡でスライド変位させる場合には、複雑な構造が必要となる(即ち、曲線状の軌跡であると、台車部材440に対応する部材、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rに対応する部材をそれぞれ曲線状に案内するための機構だけでなく、これら各部材440,488L,488Rに駆動力を継続して付与可能とする機構を設ける必要が生じる)。
これに対し、本実施形態では、台車部材440、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rを直線方向へ案内すれば良く、よって、台車部材440は平坦面としての被転動面により案内すれば良く、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rはラック・ピニオン機構を利用することができるので、それらの構造を簡素化することができる。よって、製品コストの削減と共に、耐久性と動作の信頼性の向上を図ることができる。
また、変位ユニット400によれば、第1の態様、第2の態様および第3の態様のいずれにおいても、左変位部材420L及び右変位部材420Rを案内する機構が共通とされ、具体的には、各変位部材420L,420Rの一端側(上端側)は、台車部材440が被転動面を転動することで案内され、他端側(下端側)は、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rがベース部材410と背面カバー412との間で摺動(直線運動)することで案内される。即ち、各態様に応じて異なる案内機構をそれぞれ設ける必要がなく、従って、異なる案内機構を切り替える構造も採用する必要がない。その結果、構造を簡素化して、動作の信頼性と耐久性とを高めることができると共に、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図29から図46を参照して、投影ユニット600について説明する。
初めに、図29から図32を参照して、投影ユニット600の全体構成について説明する。図29は、投影ユニット600の正面図であり、図30は、投影ユニット600の背面図である。また、図31は、投影ユニット600の分解正面斜視図であり、図32は、投影ユニット600の分解背面斜視図である。
図29から図32に示すように、投影ユニット600は、正面視円環形状のベース部材610と、そのベース部材610に回転可能に配設される円板形状の投影板部材620と、その投影板部材620の外周側を取り囲んで配設される複数の照射ユニット650と、投影板部材620を回転させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材620に伝達するための歯車列(歯車662〜664)と、を主に備えて形成される。
ベース部材610は、円環形状の背面ベース611と、その背面ベース611の正面に配設される円環形状の正面ベース612とを備え、それら背面ベース611及び正面ベース612の対向面間に形成される内部空間に、投影板部材620、照射ユニット650及び歯車列(歯車662〜664)が収納される。
なお、正面ベース612の正面視における内周縁より内側の領域(以下、「表示領域」と称す)では、投影板部材620が遊技者から視認可能であり、正面ベース612の内周縁より外側の領域(即ち、正面ベース612で遮蔽される領域)(以下、「表示領域外」と称す)では、投影板部材620が遊技者から視認不能とされる。
投影板部材620は、光透過性材料からなり、背面側に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)の表示を透過させて遊技者に視認させると共に、照射ユニット650から照射された光が外周面から入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす態様で、投影板部材620の正面から出射させ、遊技者に視認させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
投影板部材620の外周縁部には、ギヤ部材630及び溝形成部材640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。これらギヤ部材630及び溝形成部材640は、正面視円環状に形成され、投影板部材620と同心に配設される。
ギヤ部材630には、外周面に沿って複数の歯が刻設され、歯車列の末尾の歯車664が歯合される。溝形成部材640は、投影板部材620との間に周方向に連続する断面コ字状の案内溝641を形成するための部材であり、ベース部材610に回転可能に軸支される複数のカラーCが案内溝641に案内されることで、投影板部材620がベース部材610に回転可能に保持される。なお、ギヤ部材630及び溝形成部材640の詳細構成については後述する。
照射ユニット650は、投影板部材620の外周面から光を入射させるための発光手段(LED651)を複数備えるユニットであり、各LED651が投影板部材620の外周面を臨む(外周面に対向する)姿勢で複数(本実施形態では5個)が配設される。詳細には、本実施形態では、各LED651の照射方向の延長線が投影板部材620の略中心を通過する姿勢とされる。なお、照射ユニット650のベース部材610への取り付け構造の詳細については後述する。
駆動モータ661は、背面ベース611の背面側に配設され、その駆動モータ661の駆動軸には、歯車列の先頭の歯車662が連結(固着)される。また、歯車列の末尾の歯車664には、投影板部材620に配設されたギヤ部材630が歯合される。よって、駆動モータ661の駆動軸が回転されると、その回転が、歯車列(歯車662〜歯車664)を介して、ギヤ部材630に伝達され、投影板部材620が回転される。
次いで、図33から図38を参照して、投影板部材620の保持構造について説明する。図33は、背面ベース611の正面図である。図34は、正面ベース612及び照射ユニット650の背面図であり、図35は、正面ベース612の背面図である。
図33に示すように、背面ベース611は、円環形状の板部材の内縁部に立設される内側立設部と611aと、円環形状の板部材の外縁部に立設される外側立設部611cと、内側立設部611a及び外側立設部611cの間から立設される中間立設部611bと、その内側立設部611b及び内側立設部611aに取り囲まれる領域の内側凹溝611dと、内側立設部611b及び外側立設部611cに取り囲まれる領域の外側凹部611eと、所定の間隔を隔てて円環状の板部材から突設される規制突起611fと、を主に備えて形成される。
内側立設部611aは、円環形状の板部材の内縁部から正面側(図33紙面手前側)に立設されると共に、径方向に一定の厚みを備える。
外側立設部611cは、円環形状の板部材の外縁部から正面側(図33紙面手前側)に立設されると共に、径方向に一定の厚みを備える。
中間立設部611bは、内側立設部611a及び外側立設部611bの中間位置に立設される。また、中間立設部611bは、軸周りに7分割して形成され、それぞれの分割端部は外側立設部611cに連結される。
内側凹溝611dは、後述する投影板部材620の外縁部を内部に配置するための領域であり、円環形状の板部材と内側立設部611aと中間立設部611bとの3方向を取り囲まれて形成される。
外側凹溝611eは、後述する照射ユニット650を内部に配置するための領域であり、円環形状の板部材と外側立設部611cと中間立設部611bとの3方向を取り囲まれて形成される。
規制突起611fは、正面ベース612に軸支されるカラーCが、背面側にがたつくことを抑制する突起であり、カラーCの軸心に開口された穴の内径よりも大きい内径の円環状に形成されると共に、正面側に突出形成される。なお、本実施形態では、規制突起611fは、所定の間隔を空けて6か所形成される。
図34及び図35に示すように、正面ベース612の背面には、背面ベース611の内側立設部611a、中間立設部611b、外側立設部611c及び規制突起611fに対応して、内側立設部612a、中間立設部612b、外側立設部612c及び軸部612fが立設される。即ち、ベース部材610が組み立てられた状態では、背面ベース611の各立設部611a〜611cの立設先端面に、正面ベース612の各立設部612aから612cの立設先端面がそれぞれ重ね合されると共に、規制突起611fに軸部612fの先端が挿通される。
正面ベース612の背面であって、中間立設部611b及び外側立設部612cとの間の領域には、複数の保持ピン612gが立設される。保持ピン612gは、照射ユニット650の位置決め及び保持を行うための断面円形の軸状態であり、周方向に所定の間隔を隔てて配置される。
照射ユニット650は、上述したように、複数のLED651を備え、それら各LED651から照射された光を投影板部材620の外周面から入射させるためのユニットであり、投影板部材620の周囲に沿って配設される。即ち、投影板部材620は、その外周側が複数の照射ユニット650に取り囲まれる。
照射ユニット650は、正面ベース612の背面であって、中間立設部611b及び外側立設部612cとの間の領域に装着され、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合されることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に収容される。
図36は、図34の矢印XXXVI方向視における正面ベース612及び照射ユニット650の部分拡大断面図である。
図36に示すように、正面ベース612の中間立設部612bには、その立設先端側に略半円形状の切り欠き部612b1が切り欠き形成される。同様に、背面ベース611の中間立設部611bの立設先端側にも、切り欠き部612b1と同位相となる位置に、略半円形状の切り欠き部611b1が切り欠き形成される(図33参照)。
即ち、中間立設部611b,612bの立設先端面どうしが重ね合わされた状態(即ち、ベース部材610の組み立て状態)では、互いの切り欠き部611b1,612b2により正面視略円形の開口が形成される。これら円形の開口は、照射ユニット650の各LED651に対面する位置(同位相となる位置)にそれぞれ形成される。
よって、照射ユニット650の各LED651から照射された光は、中間立設部611b,612bの切り欠き部611b1,612b1により形成される円形の開口を通過して、投影板部材620の外周面へ入射される。なお、円形の開口は、LED651の発光部の直径よりも大きな直径に設定される。
次いで、図37及び図38を参照して、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640について説明する。
図37は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の正面図である。図38は、図37のXXXVIII−XXXVIII線における投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の部分断面図である。なお、図38では、上述した表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図37及び図38に示すように、投影板部材620は、正面視円形の板状体に形成される。投影板部材620は、外縁の一部に切り欠き部621と、光を乱反射させる反射部622を備える。
切り欠き部621は、カラーCを背面ベース611の規制突起611fに配置しやすくするため部分であり、投影板部材620の外縁の一部を径方向と直交する方向の直線状に切り欠いて形成される。
反射部622は、投影板部材620の内部がレーザー加工等により粗面加工された部分であり、投影板部材620の正面視における全域に模様や図柄等の形状に加工される。これにより、投影板部材620の内部に入射された光が反射部622に照射されると、反射部622の粗面により乱反射して遊技盤の表面側から出射される。
その結果、遊技者は、乱反射された光を視認しやすくなり、反射部622の形状を視認することができる。即ち、投影板部材620に光が入射されることで、反射部622の形状を投影板部材620の正面側に表示することができる。
ギヤ部材630は、投影板部材620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状の板状体から形成されると共に、外径寸法が投影板部材620の外径寸法よりも大きく設定されて、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。また、ギヤ部材630は、投影板部材620の背面側(図37紙面奥側)に配置されると共に、その軸が投影板部材620の軸と同軸上に配置される。
ギヤ部材630は、外周面に沿って刻設される歯部631と、背面側の側面の背面部632と、その背面部632の内周側(図38左側)の端部から正面側に傾斜される傾斜面部633と、を備える。
歯部631は、上述したように歯車664が歯合される歯面であり、ギヤ部材630の外周面に全周に亘って刻設される。
傾斜面部633は、背面部632の内周側(図38左側)の端部634から連設されると共に、正面側に傾斜する面である。また、傾斜面部633の正面側への傾斜角度は、LED651の光源A及び端部634を結んだ仮想線Bと背面部632との交差角度θ1が、背面部632を内周側に延長した仮想線C及び傾斜面部633の交差角度θ2と略同一に設定される(θ1=θ2)。
溝形成部材640は、投影板部材620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状に形成されると共に、断面が略L字に屈曲した形状に形成され、屈曲した内側が投影板部材620側に配置される。また、溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。さらに、溝形成部材640は、投影板部材620の正面側(図38上側)に配置されると共に、その軸が投影板部材620の軸と同軸上に配置される。
溝形成部材640は、断面略L字に屈曲した内側部分の一方の面の側面部641aと、断面略L字に屈曲した内側部分の他方の面の当接面641bと、正面側の側面の正面部642と、その正面部642の内周側(図38左側)の端部から背面側に傾斜される傾斜面部643と、を備える。
側面部641aは、投影板部材620の正面側(図38上側)の側面との対向間にカラーCを挟む面であり、投影板部材620の正面側の平面と軸周りに一定の対向間隔を隔てて形成される。
当接面641bは、側面部641aと投影板部材620との対向間に配置されるカラーCと当接して、投影板部材620を回転可能に保持する面であり、断面が側面部641aと直交すると共に、軸周りに円形に形成される。
よって、側面部641a及び当接面641bは、投影板部材620に配置されることで、カラーCを案内する案内溝641を形成することができる。即ち、案内溝641は、投影板部材620と溝形成部材640とを組み付けることで、投影板部材620と溝形成部材640との間に形成される。
傾斜面部643は、正面部642の内周側(図38左側)の端部644から連設されると共に、背面側に傾斜する面である。また、傾斜面部643の背面側への傾斜角度は、LED651の光源A及び端部644を結んだ仮想線Dと正面部642との交差角度θ3が、正面部642を内周側に延長した仮想線E及び傾斜面部643の交差角度θ4と略同一に設定される(θ3=θ4)。
次いで、図39及び図40を参照して、投影板部材620及びカラーCの説明をする。図39(a)は、投影ユニット600の背面図であり、図39(b)は、図39(a)のXXXIXb−XXXIXb線における投影ユニット600の部分拡大断面図である。図40(a)から図40(c)は、投影ユニット600の部分拡大断面図である。なお、図40(a)から図40(c)は、カラーCを正面ベース612の軸部612fへ取り付ける際の遷移状態が図示される。また、図39及び図40では、投影ユニット600から背面ベース611を取り外した状態が図示される。
図39(a)及び図39(b)に示すように、カラーCが軸部612fに配置された状態では、その径方向外側に突出した突出部C1が、投影板部材620の正面側(図39(b)下側)の側面と溝形成部材640の側面部641aとの対向間(案内溝641)に配置される。
また、カラーCの突出部C1の先端面と溝形成部材640の側面部641aとの間の距離寸法L1が、カラーCの軸部分と溝形成部材640の外周面との間の距離寸法L2よりも小さく設定される(L1<L2)。
よって、投影板部材620を回転可能にするために、溝形成部材640とカラーCとが所定の隙間を開けた状態で配置される際に、投影板部材620がその隙間の分、上下左右方向にずれたとしても、溝形成部材640の当接面641bをカラーCの突出部C1の先端と当接させることができる。その結果、カラーCの突出部C1の先端で投影板部材620を回転可能に保持することができ、投影板部材620をスムーズに回転させることができる。
次に、図40(a)からを図40(c)参照して、正面ベース612の軸部612fへのカラーCの取り付けを説明する。
図39(a)及び図40(a)に示すように、カラーCを軸部612fへ配置する際には、正面ベース612に投影板部材620を配置した状態で行われる。
ここで、正面ベース612への投影板部材620の配置は、正面ベース612の内側凹溝612dの内側に、溝形成部材640を配置することで行われる。即ち、内側凹溝612dの径方向の距離寸法は、溝形成部材640の径方向の距離寸法よりも大きく形成されており、内側凹溝612dの内側に溝形成部材640を配置することで投影板部材620の位置決めして配置できる。
次に、投影板部材620を回転させて、投影板部材620の切り欠き部621をカラーCを配置する軸部612f側に変位させる。即ち、切り欠き部621の位置を軸部612fと合わせることで、投影板部材620が配置された状態の正面ベース612にカラーCを配置することができる。
次に、軸部612fへのカラーCの配置は、カラーCの軸を軸部612fの軸に対して、背面側(図40(a)上側)を内周側(図40(a)左側)に傾倒させた状態で行われる。この状態で、カラーCの軸を軸部612fの先端に挿入すると共に、投影板部材620に対して内側に位置する突出部C1を切り欠き部621及び案内溝641の内側に挿入する。
この状態から、図40(b)に示すように、投影板部材620の内側に位置する突出部C1の先端を軸として反対側を正面側(図40(b)下側)に回転させる。これにより、カラーCの軸を軸部612fの軸と同心に配置することができる。
次に、図40(c)に示すように、カラーCを正面側(図40(c)下側)に変位させることで、カラーCの突出部C1の先端面と溝形成部材640の当接面とが対向する位置に配置される。この後、投影板部材620を回転させることで、カラーCを案内溝641の内側に配置することができる。
ここで、円形の回転部材の外縁に溝を形成して、その溝の内側に複数個のカラーを配置するものであると、カラーを配置するために、回転部材を持ち上げて(操作して)カラーを配置する必要があり、その組み付けに両手を使うため組み付けの効率が悪いという問題点があった。
これに対し、投影ユニット600では、投影板部材620に切り欠き部621が形成されることで、上述したように、カラーCを配置する際に、投影板部材620を持ち上げる(操作する)必要がない。よって、投影ユニット600の組み付けの効率を向上することができる。
このように組み付けられた投影ユニット600に、背面側から背面ベース611を覆設することで、投影ユニット600を組み立てることができる。
次に、図41から図43を参照して、LED651(光源A)から照射された光について説明する。
図41(a)から図43(b)は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の断面模式図である。なお、図41(b)、図42(b)及び図43(b)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図41(b)、図42(b)及び図43(b)では、光源Aからの光が投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図41から図43では、上述した表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図41(a)及び図41(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち投影板部材620の外面を照射する照射角度αの光は、投影板部材620にその外縁部の側面から入射される。投影板部材620に入射された光は、投影板部材620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で反射される。これにより、投影板部材620に入射された光は、投影板部材620の縁側から中央部に向かって進行することができる。よって、照射角度α1に照射された光源Aの光は、投影板部材2620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側(図41(b)上側)に出射される。
なお、この場合、投影板部材620の内部を進行する光が、投影板部材620と溝形成部材640又はギヤ部材630とが隣合う位置で投影板部材620の正面または背面に照射された際に、投影板部材620の正面または背面の側面から溝形成部材640又はギヤ部材630に入射して、投影板部材620の内部を進行する光の量が減少することが考えられる。
これに対し、本実施形態では、溝形成部材640及びギヤ部材630が、投影板部材620の光透過性材量の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、投影板部材620を進行する光は、投影板部材620と溝形成部材640又はギヤ部材630とが隣合う位置で投影板部材620の正面または背面に照射された際にも、投影板部材620の正面または背面の側面で全反射させることができる。よって、投影板部材620の縁部から入射された光の量が減少することを抑制できる。
即ち、屈折率の高い媒体を通過する光は、屈折率の低い媒体へ進む場合、入射角度が大きくされると屈折率の低い媒体へ入射されずに全反射される。投影ユニット600では、投影板部材620が板状体に形成され、その端面(縁部)から光が入射されるので、光の入射角度は十分に大きくされている。よって、投影板部材620から屈曲率の低い溝形成部材640及びギヤ部材630へ光は入射されず、投影板部材620の内側で全反射させることができる。その結果、投影板部材620を進行する光の量が減少することを抑制できる。
また、投影板部材620と空気との関係も同様に、空気の屈折率は、透過性材量よりも十分に小さい値(屈折率1)であることから、投影板部材620の内部を進行する光は、投影板部材620から空気中(大気中)に入射されず、投影板部材620の内側で全反射させることができる。その結果、投影板部材620を進行する光の量が減少することを抑制できる。
次に、図42(a)及び図42(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち溝形成部材640を照射する照射角度βの光は、溝形成部材640に入射される。
溝形成部材640に入射された光は、溝形成部材640の内部で反射させて、投影板部材620の軸心側に進行させることができる。この場合、溝形成部材640の側面と投影板部材620とが隣合う(面する)位置では、溝形成部材640の内部を反射させられていた光を投影板部材620側へ入射させることができる。
即ち、溝形成部材640と投影板部材620とが隣合わない位置では、溝形成部材640が、空気(大気)と隣合う様態であるため、側面に照射された光を反射させることができる。一方、溝形成部材640と投影板部材620とが隣合う位置では、投影板部材620の光透過性材量の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、照射された光を投影板部材620に入射させることができる。
溝形成部材640から投影板部材620に入射される光は、照射角度αの光と同様に、投影板部材620の内側側面に全反射されて進行することができる。なお、その理由は上記照射角度αの場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
よって、照射角度βに照射された光源Aの光も、投影板部材620を通過させ、反射部622で乱反射させて、遊技機正面側に出射できる。その結果、投影板部材620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材620から出射される光の強さ(光量)を増加することができる。
即ち、LED651の光源Aから照射される光は、投影板部材620の側端面から入射されるだけでなく、溝形成部材640に照射される光も投影板部材620の側端面から入射させることができ、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光源Aから照射された光のうちの投影板部材620の反射部622までの到達する光を増加させることができるので、反射部622で反射され投影板部材620の正面から出射される光の量を増加させて、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、LED651の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱影響を抑制できる。
また、溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認し難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
ここで、光源Aから溝形成部材640に入射する光は、上記した光源Aから投影板部材620に入射する光に比べて、溝形成部材640が光源Aと正面方向(図42(a)上方向)に位置がずれて配置される分、溝形成部材640の内側側面に照射される際の光の入射角度が小さくなる。これにより、溝形成部材640の内部を進行する光をその内側側面で、全反射させることが困難となるが、少なくとも光源Aから溝形成部材640に入射される光の一部は反射されて、上記した状態(光を溝形成部材640の内側側面で反射させる状態)を形成することできる。
また、溝形成部材640は、傾斜面部643を備えるので、照射角度βに照射されて投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。即ち、傾斜面部643は、上述したように、その交差角度θ4が、LED651の光源A及び端部644を結んだ仮想線Dと正面部642との交差角度θ3と同一に形成される(図38参照)ので、端部644に向かってLED651(光源A)から照射された光を反射させたあと、その光を傾斜面部643に沿って進行させることができ、照射角度βの光を投影板部材620側に反射させる面積を増加させることができる。その結果、投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。
さらに、溝形成部材640の外径は、投影板部材620の外径よりも大きく形成されるので、その分、光源Aからの照射角度βを大きくすることができる。よって、光源Aから照射された光を、溝形成部材640の外縁部で反射させて、投影板部材620の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。
図43(a)及び図43(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうちギヤ部材630を照射する照射角度γの光は、ギヤ部材630に入射される。
ギヤ部材630に入射された光は、ギヤ部材630の内部で反射されて、投影板部材620の軸心側に進行させられる。この場合、ギヤ部材630の側面と投影板部材620とが隣合う(面する)位置では、ギヤ部材630の内部を反射する光を、投影板部材620に入射させることができる。
即ち、ギヤ部材630と投影板部材620とが隣合わない位置では、ギヤ部材630が空気と隣合う(大気と接する)状態であるため、ギヤ部材630の内側側面に照射される光を反射させることができる。一方、ギヤ部材630と投影板部材620とが隣合う位置では、ギヤ部材630が投影板部材620の光透過性材料の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、照射された光を投影板部材620に入射させることができる。
ギヤ部材630から投影板部材620に入射される光は、照射角度αの光と同様に、投影板部材620の内部で全反射され、投影板部材620の軸心側に進行させられる。なお、その理由は、上記照射角度αの場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
よって、照射角度γに照射される光源Aの光は、投影板部材620を通過して、反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に出射される。その結果、投影板部材620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の量(光量)を増加することなく投影板部材620から出射される光の量を増加することができる。
即ち、LED651の光源Aから照射される光は、投影板部材620の側端面入射されるだけでなく、ギヤ部材630に照射される光も投影板部材620の側端面から入射させることができ、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光源Aから照射された光のうちの投影板部材620の反射部622までの到達する光を増加させることができるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光の量を増加させて、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、LED651の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱影響を抑制できる。
また、ギヤ部材630は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認され難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
さらに、光源Aからギヤ部材630に入射される光は、上記した光源Aから投影板部材620に入射した光に比べて、ギヤ部材630が光源Aと背面方向(図43(a)下方向)に位置がずれて配置される分、ギヤ部材630の内側側面を照射する際の入射角度が小さくされる。これにより、ギヤ部材630の内部を進行する光をその側面で、全反射させることが困難となるが、少なくとも光源Aからギヤ部材630に入射される光の一部は反射されて、上記した状態(光をギヤ部材630の内側側面で反射させる状態)を形成することができる。
ギヤ部材630は、傾斜面部633を備えるので、照射角度γに照射されて投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。即ち、傾斜面部633は、上述したように、その交差角度θ2が、LED651の光源A及び端部634を結んだ仮想線Bと背面部632との交差角度θ1と同一に形成される(図38参照)ので、端部634に向かってLED651(光源A)から照射された光を反射させたあと、その光を傾斜面部633に沿って進行させることができ、照射角度γに照射される光を投影板部材620側に反射させる面積を増加させることができる。その結果、投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。
また、ギヤ部材630の外径は、投影板部材620の外径よりも大きく形成されるので、その分、光源Aからの照射角度βを大きくすることができる。よって、光源Aから照射された光を、ギヤ部材630の外縁部で反射させて、投影板部材620の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。
次いで、照射ユニット650の詳細構成およびベース部材610への取り付け構造について、図44から図46を参照して説明する。
図44(a)は、照射ユニット650の上面図であり、図44(b)は、図44(a)の矢印XLIVb方向視における照射ユニット650の正面図である。また、図45(a)は、図44(a)の矢印XLVa方向視における照射ユニット650の背面図であり、図45(b)は、図44(b)のXLVb−XLVb線における照射ユニット650の断面図である。なお、図44及び図45では、ベース部材610(正面ベース612)に取り付けられる前の状態(即ち、基板部材652が弾性変形されていない状態)が図示される。
図44及び図45に示すように、照射ユニット650は、複数(本実施形態では8個)のLED651と、それら複数のLED651が正面に搭載される基板部材652と、その基板部材652の背面に配設される複数(本実施形態では各2個)の第1ブロック653及び第2ブロック654と、を備える。
基板部材652は、弾性変形可能な素材から正面視横長の帯状に形成される。LED651は、上述したように、投影板部材620の外周面から入射させるための光を照射する発光手段であり、基板部材652の正面へ照射面を向けた姿勢で複数が基板部材652の長手方向(図44(b)左右方向)に沿って等間隔に配設される。
第1ブロック653及び第2ブロック654は、基板部材652とベース部材610との間に介設される部材であり、基板部材652の長手方向中央側に2個の第1ブロック653が配設されると共に、それら第1ブロック653を挟んで基板部材652の長手方向両側に第2ブロック654がそれぞれ配設される。
第1ブロック653及び第2ブロック654は、樹脂材料から直方体状に形成され、基板部材652よりも高い剛性(弾性変形し難くい特性)を備える。そのため、ベース部材610(正面ベース612)への取り付け状態では、基板部材652の各ブロック653,654の隣接間に位置する部分のみを弾性変形させることができる。ここで、図46を参照して、第1ブロック653及び第2ブロック654について説明する。
図46(a)は、第1ブロック653の正面図であり、図46(b)は、図46(a)のXLVIb−XLVIb線における第1ブロック653の断面図である。また、図46(c)は、第2ブロック654の正面図であり、図46(d)は、図46(c)のXLVId−XLVId線における第2ブロック654の断面図である。
第1ブロック653は、正面視横長矩形の底壁部653aと、その底壁部653aの4辺から正面側へ向けて立設される側壁部653bとから、正面側(図46(a)紙面手前側)が開放された箱状に形成される。
4枚の側壁部653bのうちの対向する(底壁部653aの短辺から立設される)側壁部653bには、その正面側の端面に締結孔hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。また、締結孔hが凹設される側壁部653bとは別の側壁部653bどうしは、連結壁653cにより連結され、その連結壁653cの正面側の端面からは、突起653c1が突設される。
第2ブロック654は、正面視矩形の底壁部654aと、その底壁部654aの4辺から正面側へ向けて立設される側壁部654bとから、正面側(図46(c)紙面手前側)が開放された箱状に形成される。底壁部654aには、正面視矩形の開口654a1が穿設され、電気的な接続線が挿通可能とされる。
4枚の側壁部654bのうちの底壁部654aの短辺から立設される側壁部654bには、その正面側の端面に締結孔hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。また、底壁部654aの長辺から立設される側壁部653bどうしは、連結壁654cにより連結され、その連結壁654cには、その正面側の端面に締結孔hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。
第1ブロック653及び第2ブロック654には、底壁部653a,654aの長辺から立設される側壁部653b,654bのそれぞれの2カ所に挿通孔653b1,654b1が穿設される(図45(a)及び図46(b)参照)。挿通孔653b1,654b1には、正面ベース612の保持ピン612gが挿通される。これにより、正面ベース612に対する両ブロック653,654の配設位置の位置決め及びその配設位置での保持を行うことができる。
なお、第1ブロック653は、上下方向(図46(a)上下方向)中央を通る第1の仮想面(即ち、2か所の締結孔hの軸心をそれぞれ含む仮想平面)に対して対称、かつ、長手方向(図46(a)左右方向)中央を通ると共に第1の仮想面に垂直となる第2の仮想面に対して対称となる形状に形成される。
よって、1の基板部材620に対して2の第1ブロック653が配設される照射ユニット650において、第1ブロック653を共通化できるので、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、基板部材620に第1ブロック653を組み付ける際には、基板部材620に対して第1ブロック653が上下方向および長手方向の方向性を共に有さないので、組み立て作業時の作業性の向上を図ることができる。
同様に、第2ブロック654は、上下方向(図46(c)上下方向)中央を通る第1の仮想面(即ち、2か所の締結孔hの軸心をそれぞれ含む仮想平面)に対して対称となる形状に形成される。
よって、1の基板部材620に対して2の第2ブロック654が配設される照射ユニット650において、第2ブロック654を共通化できるので、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、基板部材620に第2ブロック654を組み付ける際には、基板部材620に対して第2ブロック654が上下方向の方向性を共に有さないので、組み立て作業時の作業性の向上を図ることができる。
図44及び図45に戻って説明する。第1ブロック653及び第2ブロック654は、それらの長手方向を基板部材652の長手方向に沿わせ、隣接するものとの間に所定間隔を隔てつつ、基板部材652の背面側にそれぞれ配設される。
詳細には、第1ブロック653及び第2ブロック654は、その正面を基板部材652の背面に重ね合わせ、基板部材652に穿設された挿通孔から挿通されたねじS1が締結孔hに螺合されることで、基板部材652の背面側に締結固定される。この場合、第1ブロック653の突起653c1は、基板部材652に穿設された挿通孔から正面側に突出される。
基板部材652には、LED651のみが正面に配設(搭載)され、他の電子部品やコネクターは、基板部材652の背面に配設(搭載)される。この場合、上述したように、第1ブロック653及び第2ブロック654は、正面が開放された箱状に形成され、その開放された側を基板部材652の背面に重ね合わせて配設される。即ち、両ブロック653,654は、基板部材652に重ね合わされる(配設される)側の面に凹部を備えるので、その凹部(内部空間)に、基板部材652に搭載される電子部品やコネクターを収容することができる。よって、電子部品やコネクターを両ブロック653,654により覆って保護することができるので、周囲の変位する部材(例えば、投影板部材620)が当接されて電子部品やコネクターが破損することを抑制できる。
また、基板部材652に形成される回路(パターン)は、その背面に形成される。よって、かかる回路についても、両ブロック653,654により覆って保護することができるので、周囲の変位する部材(例えば、投影板部材620)が当接されて回路が破損(断線)することを抑制できる。また、基板部材652のうちの両ブロック653,654が配設されない部分は、背面側へ凸となる湾曲形状に弾性変形される(曲げられる)ので(図34参照)、その分、回路を投影板部材620から離間させることができる。これにより、両ブロック653,654が配設されない部分についても、回路が破損(断線)することを抑制できる。
このように構成された照射ユニット650のベース部材610への配設方法(組み付け方法)について説明する。まず、照射ユニット650を、正面ベース612の背面であって、中間立設部611b及び外側立設部612cの間の領域に装着する。この場合、基板部材652を弾性変形させ(曲げ)つつ、正面ベース612の背面から立設される各保持ピン612gを、第1ブロック653及び第2ブロック654の各挿通孔653b1,654b1に挿通させる。
これにより、正面ベース612の背面に両ブロック653,654(即ち、照射ユニット650)を保持させると共に照射ユニット650の配設位置(即ち、LED651の照射方向)を所定の位置に位置決めできる(図34参照)。その後、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合わされることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に照射ユニット650が収容される。即ち、照射ユニット650がベース部材610に配設(組み付け)られる。
なお、本実施形態では、ベース部材610に照射ユニット650が配設された状態では、各LED651は、上述したように、投影板部材620の外周側に周方向等間隔に配設される。即ち、一の照射ユニット650におけるLED651の周方向間隔だけでなく、その一の照射ユニット650とその一の照射ユニット650に隣接する照射ユニット650とにおけるLED651の周方向間隔も他と同一の間隔とされる。
ここで、投影ユニット600は、複数のLED651から照射された光を投影板部材620の外周面から入射させる。そのため、複数のLED651を投影板部材620の外周面に沿って配設する必要がある。かかるLED651の配設(取り付け)は、その数が多いことに加え、各LED651の照射面(照射方向)をそれぞれ投影板部材620の中心へ向けた姿勢に調整して、各LED651をそれぞれ配設する必要があり、配設作業の手間が嵩む。
これに対し、本実施形態によれば、複数(本実施形態では8個)のLED651が、弾性変形可能に形成される基板部材652に搭載されるので、1の基板部材652(照射ユニット650)を正面ベース612(ベース部材610)に配設する(取り付ける)ことで、複数(本実施形態では8個)のLED651の配設作業を一度に完了することができる(図34参照)。よって、その分、LED651の配設作業の手間を抑制することができる。
また、第1ブロック653及び第2ブロック654の挿通孔653b1,654b1に背面ベース612の保持ピン612gが挿通されることで、基板部材652を、弾性変形された所定の姿勢に保持でき、LED651の照射面の方向を規定することができる(図34参照)。即ち、複数のLED651を、それらの照射面をそれぞれ個別に調整しつつ背面ベース612へ組み付ける必要がなく、両ブロック653,654の挿通孔653b1,654b1への保持ピン612gの挿通のみで、各LED651の姿勢(照射方向)を設定(調整)できるので、この点からもLED651の配設(取り付け)作業の手間を抑制できる。
この場合、照射ユニット650は、基板部材652よりも剛性が高く形成される第1ブロック653及び第2ブロック654を備え、それら両ブロック653、654が背面ベース612に保持されるので、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制して、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正して、かかる基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることを抑制して、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きを維持しやすくできる。
特に、各LED651は、基板部材652のうちの第1ブロック653又は第2ブロック654が配設される領域(即ち、正面視において4枚の側壁部653b,654bに囲まれる領域の内側)に配設される。よって、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制しやすくできる、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正しやすくできるので、基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制でき、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
また、各LED651は、基板部材652の正面に搭載される一方、第1ブロック653及び第2ブロック654は、基板部材652の背面に配設されるので、両ブロック653,654による基板部材652の姿勢を安定化する効果を得つつ、LED651をより投影板部材620の外周面へ近接させることができる。
ここで、LED651は、基板部材652の長手方向(図44及び図45左右方向)に沿って等間隔に配設される。即ち、照射ユニット650のベース部材610(正面ベース612)への取り付け状態では、投影板部材620の外周側にLED651を周方向等間隔に配設できるので(図34参照)、投影板部材620の外周面から入射される光の均一性を確保できる。
この場合、本実施形態では、第2ブロック654は、2か所に形成される締結孔hのうちの一方が、連結壁654cに形成されるので、その分、第2ブロック654の長手方向寸法を短くできる。また、第2ブロック654は、締結孔hが形成される側壁部653bを第1ブロック653側とする姿勢で基板部材652に配設される。即ち、締結孔hが形成されない側壁部653bを、基板部材652の長手方向両端側に位置させる。
これにより、LED651を基板部材652の長手方向に等間隔に配設して、投影板部材620へ入射させる光の均一性を確保しつつ、照射ユニット650の長手方向(図44及び図45左右方向)の全長を短くして、隣接する照射ユニット650の間に間隔を空ける(スペースを設ける)ことができる。この場合、かかるスペースを利用して、軸部612fを配設することができ、その結果、LED651と投影板部材620の外周面との距離を近接させやすくできる。
一方、第1ブロック653は、2か所に形成される締結孔hの両者が連結壁654cに形成されるので、かかる締結孔hとLED651との間の距離を短くできる。即ち、ねじS1による基板部材652の第1ブロック653への締結固定の位置を、LED651に近接させることができる。その結果、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みの影響をLED651に作用させ難くでき、また、基板部材652自身が有する反りや撓みをLED651近傍において特に矯正しやすくできる。よって、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制できるので、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
この場合、第1ブロック653では、2か所に形成される締結孔hの間隔が大きくなるため、それら2カ所の締結孔hの間での基板部材652の拘束が弱くなるおそれがある。これに対し、本実施形態では、締結孔hが形成される側壁部653bの間に連結壁653cを設け、その連結壁653cから突設される突起653c1を、基板部材652に穿設された挿通孔に挿通させる。よって、突起653c1及び挿通孔の係合により、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制しやすくできる、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正しやすくできるので、基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、ねじS1を別途設けることを不要として、部品点数を削減できるので、その分、製品コストの削減を図りつつ、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
なお、基板部材652の長手方向両端(長手方向の最外方、図45(b)の左端および右端)は、自由端とされる(即ち、第2ブロック654に拘束されない)ため、かかる長手方向両端に位置するLED651の姿勢が不安定となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、基板部材652の背面側に第1ブロック653及び第2ブロック654を配設し、基板部材652をその正面側に円弧中心が位置する方向に弾性変形させる(曲げる)ので(図34参照)、基板部材652の弾性回復力を、基板部材652の長手方向両端の背面を第2ブロック654の正面に押し付ける方向の力として作用させることができる。その結果、基板部材652の長手方向両端に位置するLED651の姿勢を安定化できる。
次いで、図47から図50を参照して、上下変位ユニット800について説明する。
図47は、上下変位ユニット800の正面図であり、図48は上下変位ユニット800の背面図である。また、図49は、上下変位ユニット800の正面斜視図であり、図50は、上下変位ユニット800の背面斜視図である。
図47から図50に示すように、上下変位ユニット800は、正面視矩形状の背面ベース830と、その背面ベース830の正面側に重ね合される正面ベース820と、背面ベース830の背面側に配置される駆動モータ880と、その駆動モータ880の駆動力により背面ベース830及び正面ベース820に対して回転させられる変位部材850と、その変位部材850へ駆動モータ880の駆動力を伝達する伝達機構860と、伝達機構860及び変位部材850とを連結する連結部材870と、変位部材850の軸孔851の前方に配置されると共に正面ベース820に取着されるカバー部材840と、を主に備える。
背面ベース830は、駆動モータ880に連結される伝達機構860の伝達ギヤ861が挿通可能な大きさに開口形成される開口831と、伝達機構860の伝達ギヤ862,863のそれぞれの軸心に突出形成される軸部832,833と、正面側に突設されると共に湾曲した形状に延設される背面側規制部834と、を主に備える。
開口831は、背面ベース830の背面側に取着される駆動モータ880の軸部が挿通される。これにより、背面ベース830の正面側に配置される伝達機構860に駆動モータ880の駆動力を伝達させることができる。
また、開口831は、伝達機構860の伝達ギヤ861の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、伝達ギヤ861が破損した際には、駆動モータ880を背面ベース830から取り外すことで、伝達ギヤ861を上下変位ユニット800から取り外すことができる。その結果、伝達ギヤ861が破損した際の部品交換の作業工程を少なくすることができる。
軸部832,833は、後述する伝達機構860の伝達ギヤ862、863がそれぞれ軸支され回転可能に保持されるための軸であり、背面ベース830から正面側に円柱状に突出形成される。
背面側規制部834は、後述する連結部材870の背面方向(図47紙面奥方向)の変位を規制する突起であり、背面ベース830の正面側に突設されると共に、後述する連結部材870の変位に沿った湾曲形状に延設される。
正面ベース820は、背面ベース830よりもやや大きい外形の正面視横長矩形状に形成される。正面ベース820は、正面側から背面側(図47紙面手前側から紙面奥側)に向かって凹設される軸支部821と、背面側の縁部に立設した側壁822と、背面側に突出する突起823と、背面側に突設されると共に湾曲した形状に延設される正面側規制部824と、背面側に突出する膨出部825と、を主に備える。
軸支部821は、後述するピン部材890の一端が挿入される軸孔であり、正面ベース820の正面視右側下方に凹設される。
側壁822は、背面ベース830と正面ベース820との間に後述する伝達機構860及び連結部材870を配置する隙間を形成するための壁部であり、伝達機構860及び連結部材870の前後方向の厚み寸法よりも大きな寸法で正面ベース820の上及び左右(下端以外の)の縁部に立設される。これにより、正面ベース820と背面ベース830とを締結した際に、その間に伝達機構860及び連結部材870を変位可能な状態で配置できる。
突起823は、後述する付勢ばねSPの一端側(図48上側)が係合される突起であり、円柱状に形成されると共に、正面ベース820の背面側に突出形成される。
正面側規制部824は、連結部材870の正面方向(図47紙面手前方向)への変位を規制する突起であり、正面ベース820の背面側に突設されると共に、連結部材870の変位に沿った湾曲形状に延設される。
膨出部825は、後述する付勢ばねSPと所定の間隔を空けて横隣りに配置される突壁であり、正面ベース820の下側端部から背面側に突出して形成される。
伝達機構860は、伝達ギヤ861〜863により構成される歯車列であり、それぞれ直列に歯合し合うことで、駆動モータ880から付与される駆動力が伝達ギヤ861,862を介して伝達ギヤ863まで伝達される。
伝達ギヤ863は、伝達ギヤ862と歯合する歯部863aと、連結部材870に連結される軸部863bと、軸を中心とした円弧状に突設される突設部863cと、その回転位置を検出するための板状体のセンサ検出板863dと、を主に備える。
歯部863aは、伝達ギヤ863の円形状の側面の3分の2程度に形成される歯合面であり、これにより、伝達ギヤ862から駆動力を伝達ギヤ863に伝達させることができる。
軸部863bは、連結部材870に連結される軸であり、背面側に円柱状に突出されると共に、伝達ギヤ863の回転軸と異なる位置(偏心した位置)に軸が配置される。
突設部863cは、連結部材870が正面方向に変位することを抑制するための突起であり、伝達ギヤ863の背面側の外縁部分に突出形成されると共に、伝達ギヤ863の軸を中心とした円形状に湾曲して形成される。
センサ検出板863dは、伝達ギヤ863の回転位置を検出するために、正面ベースに配置される位置検出用センサ(図示しない)の検出領域を遮る板であり、伝達ギヤ863の歯部863aが形成されない側面に径方向外側に突出形成される。
連結部材870は、伝達機構860の回転の駆動力を変位部材850に伝達する部材であり、正面視略C字状に湾曲して形成され、湾曲形状の一端(図48上端)に前後方向に貫通形成されたギヤ側連結穴871と、湾曲形状の他端(図48下端)に前後方向に貫通形成された変位側連結穴872と、湾曲部分の外側から上方に突出して形成された当接部873と、を備える。
ギヤ側連結穴871は、伝達ギヤ863の軸部863bが挿入される貫通孔であり、軸部863bの外径よりも大きい内径の円形状に形成される。これにより、伝達ギヤ863と連結部材870とを連結することができ、伝達ギヤ863の駆動力を連結部材870に伝達することができる。
変位側連結穴872は、後述する変位部材850の軸部853が挿入される貫通孔であり、軸部853の外径よりも大きい内径の円形状に形成される。これにより、連結部材870と変位部材850とを連結することができ、連結部材870の駆動力を変位部材850に伝達することができる。
当接部873は、変位部材850の前後方向の変位を規制するための突起であり、先端が背面ベース830の背面側規制部834と正面ベース820の正面側規制部824との対向間に配置される。
また、当接部873は、先端の前後方向の幅寸法が、背面ベース830の背面側規制部834と、正面ベース820の正面側規制部824との対向間の距離寸法よりもやや小さい寸法に形成される。よって、連結部材870が変位される際には、当接部873を、背面側規制部834と正面側規制部824との間隙の変位させることで、連結部材870が変位する際の抵抗が大きくなることを抑制できる。一方、連結部材870が前後方向に変位した際には、正面ベース820又は背面ベース830に当接することで、連結部材870の変位を安定させることができる。
カバー部材840は、変位部材850の一端側(図47右側端部)を保持する部材であり、正面視縦長矩形に形成され、間にピン部材890を介した状態で正面ベース820に締結される。また、カバー部材840には、背面側から正面側に向かって円形状に凹設された軸支部841が形成される。
軸支部841は、ピン部材890の正面側の端部を挿入することで、ピン部材890を回転可能な状態で保持(軸支)する溝であり、正面ベース820の軸支部821と対向する位置に形成される。これにより、ピン部材890が、正面ベース820の軸支部821とカバー部材840の軸支部841との対向間に配置されるので、上下変位ユニット800から脱落することを抑制することができる。
変位部材850は、正面側に装飾が施された部材であり、一端側(図47右側)が正面視横長矩形に形成され、他端側(図47左側)が正面視円形に形成される。変位部材850は、ピン部材890が挿通される軸孔851と、付勢ばねSPが連結される突起852と、連結部材870の駆動力を伝達する軸部853と、を備えて形成される。
軸孔851は、上述したように内部にピン部材890が挿通される貫通孔であり、変位部材の一端側端部に前後方向に貫通形成されると共に、その内径がピン部材890の外径よりも大きく形成される。よって、変位部材850は、軸孔851にピン部材890が挿通された状態で、ピン部材890が正面ベース820の軸支部821とカバー部材840の軸支部841との対向間に配置されることで、変位部材850を軸孔851の軸を中心に回転可能な状態で正面ベース820の前方に配置できる。
突起852は、付勢ばねSPの他端(図50下端)が係合される突起であり、変位部材850の背面側から突出形成される。また、突起852は、変位部材850が正面ベース820に配置されると、正面ベース820の突起823の下方から背面側に突出する位置に形成されると共に、その突出距離が、背面ベースの正面側の側面と略一致する位置まで形成される。よって、付勢ばねSPの長手方向を重力方向と平行にすることができる。その結果、変位部材850は、正面ベース820に対して常に重力方向上方に付勢される。
軸部853は、上述したように、連結部材870の変位側連結穴872に挿入される軸であり、変位部材850が正面ベース820に配置された状態では、正面ベース820よりも下方(図50下側)の位置に突出形成される。よって、変位部材850と連結部材870とを連結させることができ、変位部材850の駆動力を連結部材870に伝達させることができる。
ピン部材890は、上述したように、変位部材850の軸孔851に挿入される軸であり、変位部材850よりも硬度の金属の棒状体から形成される。これにより、変位部材850が変位する際に回転軸に力がかかった際に、回転軸が破損することを抑制することができる。
また、変位部材850が回転する際の軸部分の抵抗を、ピン部材890がそれぞれの軸支部821,841対して回転する際の抵抗と、変位部材850がピン部材890に対して回転する際の抵抗との2つに分割することができるので、一箇所の抵抗が大きくなることで部品が破損することを抑制できる。
次いで、以上のように構成された上下変位ユニット800の動作について、図51から図56を参照して説明する。図51は、第1位置における上下変位ユニット800の正面図であり、図52は、中間位置における上下変位ユニット800の正面図であり、図53は、第2位置における上下変位ユニット800の正面図である。
図54は、第1位置における上下変位ユニット800の背面図であり、図55は、中間位置における上下変位ユニット800の背面図であり、図56は、第2位置における上下変位ユニット800の背面図である。なお、図54から図56では、理解を容易とするために、背面ベース830を取り外した状態が図示される。
図51及び図54に示すように、変位部材850の他端側(図52左側)が上昇に配置された(第1位置)状態では、伝達ギヤ863の軸部863bが上方に配置されて、軸部863bに連結される連結部材870が上方に配置される。これにより、連結部材870の変位側連結穴872に挿入された変位部材850の軸部853が上方に配置されるので、変位部材850を上方に吊り上げた姿勢とされる。
また、第1位置では、伝達ギヤ863の軸心および軸部863bの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872を結んだ直線とが同一の直線上に配置される。
よって、第1位置では、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。その結果、変位部材850が第1位置に配置されたあとは、変位部材850のがたつきを抑制して、耐久性を向上することができる。
図51及び図54に示す状態から、駆動モータ880に電力が供給されて駆動モータ880が回転駆動され、各伝達ギヤ861,862,863(伝達機構860)が回転されると、伝達ギヤ863の軸部863bが下方に変位する。よって、伝達ギヤ863の軸部863bに連結された連結部材870のギヤ側連結穴871が、軸部863bの回転駆動に伴って下方に押し下げられる。その結果、連結部材870の他端側(図54及び図55下側)に形成された変位側連結穴872が変位部材850の軸部853を押し下げて、変位部材850を回転させることができる。
この場合、伝達ギヤ863が回転されることで、伝達ギヤ863の軸心および軸部863bの軸心とを結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872を結んだ直線とが公差する状態とされる。よって、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を解除できる。その結果、変位部材850を変位させる回転方向(図54右回転)に伝達ギヤ863が回転し始めた際には、変位部材850の重力により連結部材780のギヤ側連結穴871が引っ張られる力を、伝達ギヤ863が回転する方向に付与させることができる。その結果、第1位置からの変位の際にかかる駆動モータ880の消費エネルギーを抑制することができる。
次に、図52及び図55を参照して、変位部材850が図51及び図54に示す状態(即ち、死点に位置する状態)から変位させられたあと、駆動モータ880への電力の供給をオフした場合の説明をする。
図52及び図55に示すように、第1位置から変位させたのちに駆動モータ880への電力の供給をオフにした状態では、伝達ギヤ863の軸心(回転中心)と伝達ギヤ863の軸部863bとを結ぶ方向と、連結部材870のギヤ側連結穴871と変位側連結穴872とを結ぶ方向とが略直交する位置で、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とがつり合った状態(中間位置)とされる。
よって、第1位置から、後述する第2位置に変位部材850を変位させる際に、駆動モータ880への電力の供給をオフすることで、中間位置(つり合い位置)を中心として、変位部材850に作用する重量と付勢ばねSPの弾性回復力とによる往復変位を変位部材850に行わせることができる。即ち、変位部材850の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
一方、駆動モータ880へ電力を供給して、伝達機構860から連結部材870を介して変位部材850へ駆動力を付与すれば、上述した変位(等速円運動の正射影の運動)とは異なる態様で、変位部材850を第1位置および第2位置との間で変位させることができ、その分、変位のバリエーションを増やすことができる。即ち、駆動モータ880への電力供給をオンまたはオフして、伝達機構860から変位部材850へ駆動力を付与するか否かを切り替えるのみで、変位のバリエーションを増やすことができ、構造や制御を複雑化する必要がないので、製品コストの低減と信頼性の向上とを図ることができる。
また、上述したように、変位部材850は、軸孔851を軸とした回転変位とされるので、伝達機構860から変位部材850の駆動力の付与を解除して、変位部材850の重力の作用と付勢ばねSPの弾性回復力とよる往復変位を変位部材850に行わせる場合には、かかる変位部材850の他端側(図52左側)の変位を、鉛直方向の直線運動だけでなく、軸孔851を回転中心とする回転運動も組み合わせた変位とすることができる。その結果、かかる変位部材850に興趣のある変位を行わせることができる。
この場合、変位部材850に連結される連結部材870は、変位部材850の変位に伴って押し引き(上下方向に変位)されて、伝達ギヤ863を回転させるところ、その押し引きに伴って伝達ギヤ863の姿勢が変化されるため、押し引き方向のうちの回転部材を回転させる方向の力の成分の大きさを変化させることができる。即ち、変位部材850が、往復変位される際に、変位部材850が伝達機構860及び連結部材870から受ける抵抗の大きさを変化させることができる。その結果、変位部材850の往復変位の変位速度に変化を付与することができ、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
さらに、上述したように、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とがつり合った状態(中間位置)では、伝達ギヤ863の軸心および伝達ギヤ863の軸部863bの軸心を結んだ直線と、連結部材870のギヤ側連結穴871の軸心および変位側連結穴872の軸心を結んだ直線とが略直交する位置とされるので、押し引き方向の力のうちの伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分の大きさを、つり合い位置(中間位置)において最大とし、その力成分を、つり合い位置から押し引きのいずれの方向へ向かう場合も減少させることができる。即ち、変位部材850が往復変位される際に、変位部材850が伝達機構860及び連結部材870から受ける抵抗をつり合い位置を中心として、略対称に変化させることができるので、変位部材850の往復変位を継続させやすくできる。
図52及び図55に示す状態から、駆動モータ880に電力が供給されて、各伝達ギヤ861,862,863(伝達機構860)がさらに回転させられると、伝達ギヤ863の軸部863bがさらに下方に変位される。よって、軸部863bに連結された連結部材870のギヤ側連結穴871は、軸部863bの回転駆動に伴ってさらに下方に押し下げられる。その結果、連結部材870の他端側に形成された変位側連結穴872が変位部材850の軸部853を押し下げて、変位部材850を回転させることができる。
図53及び図56に示すように、変位部材850の他端側(図53左側)が下降位置に配置された(第2位置)状態では、伝達ギヤ863の軸部863bが下方に配置されて、軸部863bに連結された連結部材870が下方に配置される。これにより、連結部材870の変位側連結穴872に挿入された変位部材850の軸部853が下方に配置されるので、変位部材850を下方に押し下げた姿勢とさせることができる。
また、第2位置では、伝達ギヤ863の軸心および伝達ギヤ863の突設部863cの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872の軸心を結んだ直線とが同一の直線長に配置される。
よって、第2位置では、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。その結果、変位部材850が第2位置に配置された後は、変位部材850のがたつきを抑制して、耐久性を向上することができる。
次に、図57を参照して、伝達ギヤ863と連結部材870とについて説明する。図57(a)は、第1位置のおける伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図であり、図57(b)は、中間位置における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図であり、図57(c)は、第2位置における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図である。なお、図57(a)から図57(c)では、伝達ギヤ863の一部(連結部材870の前方に位置した伝達ギヤ863の突設部863c)が破線で図示される。
図57(a)に示すように、第1位置では、伝達ギヤ863の突設部863cが、連結部材870と前後方向に対向する位置に配置される。よって、背面ベース830と伝達ギヤ863との間に配置された連結部材870の前後方向の間隙を小さくできるので、連結部材870を背面ベース830又は伝達ギヤ863と当接させやすくできる。
従って、第1位置では、変位部材850を駆動させる際の抵抗を増やすことができる。その結果、第1位置では、変位部材850を上方に配置して、第3図柄表示装置81を遊技者から視認可能な退避状態を形成するため、変位部材850を停止した状態とすることが好ましいところ、変位部材850を駆動させる抵抗を増やして停止した状態を維持させやすくできる。
一方、図57(b)及び図57(c)に示すように、駆動モータ880に電力が付与されて伝達ギヤ863が一定以上回転させられた状態(伝達ギヤ863の突設部863cが第2駆動範囲θ6を駆動している状態)では、連結部材870と伝達ギヤ863の突設部863cとが前後方向に対向しない状態とされる。
よって、伝達ギヤ863が、一定以上回転させられると、伝達ギヤ863と背面ベース830との間に配置される連結部材870の前後方向の間隙を大きくできるので、連結部材870を変位させる際の抵抗を小さくすることができる。
従って、変位部材850を第1位置から第2位置に変位させる際には、第3図柄表示装置81の前方に短時間で変位させることが好ましいところ、連結部材870を変位させる抵抗を小さくして、変位部材850を第1位置から第2位置へ短時間で変位させることができる。
また、図57(c)示すように、第2位置では、連結部材870の当接部873cを伝達ギヤ863の歯部863aと当接させることができる。
ここで、上下に変位する変位部材を下方に変位させて停止させる際には、その変位部材の重力が停止の際の慣性力に付加させるので、変位部材を素早く停止させることができないという問題点があった。
これに対し、上下変位ユニット800は、変位部材850を第2位置へ変位させた際に、連結部材870の当接部873cを伝達ギヤ863に当接させることができるので、変位部材850の変位を停止させる際の力を、連結部材870が伝達ギヤ863と当接することで停止される力と、伝達ギヤ863の回転(駆動モータ880の駆動)を停止させることで停止される力との2つに分散することができる。その結果、変位部材850の第1位置から第2位置へ変位させられた変位部材850を第2位置で素早く停止させることができる。
次に、図58(a)から図58(c)を参照して、第1位置から変位する際の伝達ギヤ863と連結部材870とについて説明する。図58(a)から図58(c)は、第1駆動範囲θ5における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図である。なお、図58(a)から図58(c)は、第1位置からの遷移状態が図示される。また、図58(a)から図58(c)では、伝達ギヤ863の一部(連結部材870の前方に位置した伝達ギヤ863の突設部863c)が破線で図示される。
図58(a)から図58(c)に示すように、伝達ギヤ863が回転されて、伝達ギヤ863の軸部863bが第1駆動範囲θ5を変位する際には、第1位置から第2位置に変位するに従って、伝達ギヤ863の突設部863cと連結部材870とが対向した部分を少なくすることができる。
よって、伝達ギヤ863を、第1位置から回転させる際には、変位部材850を変位させる抵抗をその変位に伴って小さくさせることができるので、変位部材850の変位をスムーズに行うことができる。
また、第2位置から第1位置に変位部材850を変位させる際には、退避位置の第1位置に変位させつつ変位部材850の摺動抵抗を増やすことができるので、変位部材850を第1位置に変位させて停止させた際に変位部材850を素早く停止状態とすることができる。
即ち、変位部材850を変位させて停止させる際には、動作を停止させる慣性力により素早く停止状態を形成しにくいところ、停止する際の変位部材850の抵抗を大きくできるので、素早く停止状態を形成することができる。
一方で、伝達ギヤ863の軸部863bが、第2駆動範囲θ6を変位する際には、伝達ギヤ863の突設部863cと連結部材870とが前後方向に対向した位置に配置されていない状態を形成できるので、変位部材850を変位させる抵抗を小さくすることができる。その結果、伝達ギヤ863の軸部863bが、第2駆動範囲θ6を駆動する際には、変位部材850を素早く変位させることができ、変位部材850の張り出し動作による演出効果を高めることができる。
また、第2駆動範囲θ6において、伝達機構860からの変位部材850への駆動力を解除して、変位部材850を中間位置(つり合い位置)中心とする往復変位を行わせる場合には、突設部863cによる抵抗の発生を回避して、変位部材850の往復変位をスムーズに行うことができる。
次に、図59(a)から図59(c)を参照して、当接部873と正面ベース820及び背面ベース830とについて説明する。図59(a)は、図54のLIXa−LIXa線における上下変位ユニット800の断面模式図であり、図59(b)は、図55のLIXb−LIXb線における上下変位ユニット800の断面模式図であり、図59(c)は、図56のLIXc−LIXc線における上下変位ユニット800の断面模式図である。
図59(a)及び図59(b)に示すように、連結部材870の当接部873の先端は、正面ベース820の正面側規制部824及び背面ベース830の背面側規制部834との間に配置される。
即ち、正面ベース820の正面側規制部824及び背面ベース830の背面側規制部834は、連結部材870の当接部873の先端の変位に伴った湾曲形状に形成される。これにより、連結部材870の前後方向の変位が規制される。
ここで、連結部材870と変位部材850とは、軸部853を変位側連結穴872に挿入した状態とされるので、軸と孔との隙間の分、変位部材850の重力により前後方向に傾くことで、変位側連結穴872又は軸部853が変形するという問題点があった。
これに対し、上下変位ユニット800は、当接部873により前後方向に傾くことが抑制されるので、変位部材850をスムーズに変位させることができる。
また、図59(c)に示すように、変位部材850が第2位置に変位させられた際には、背面ベース830の背面側規制部834が連結部材870の当接部873と対向する位置に配置されていない状態とすることができる。
これにより、第2位置における連結部材870の当接部873と正面ベース820及び背面ベース830との間隙を大きくできる。その結果、第2位置から第1位置へ変位部材850を変位させる際の抵抗を小さくして、変位部材850を第2位置から変位させやすくできる。
さらに、上下変位ユニット800は、当接部873が変位部材850の軸部853の軸心と連結部材870のギヤ側連結穴の軸心とを結んだ略直線上であって、伝達ギヤ863及び連結部材870のギヤ側連結穴の軸心を挟んで変位部材850の軸孔851の軸心と反対側に配置される(図54参照)。
よって、正面ベース820及び背面ベース830に対して連結部材870が、がたつく場合に、正面ベース820及び背面ベース830に連結部材870の当接部873が当接されることで、伝達ギヤ863の軸部863b及び連結部材870のギヤ側連結穴871の傾きを抑制させやすくできる。その結果、駆動モータ880の駆動力を伝達機構860及び連結部材870を介して変位部材850にスムーズに伝達させることができる。
次いで、図60から図63を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、投影板部材620の外径寸法が、ギヤ部材630及び溝形成部材640よりも小さく設定される場合をしたが、第2実施形態では、投影板部材620の外径寸法がギヤ部材630及び溝形成部材640の外径寸法と同一に設定される。
初めに、図60及び図61を参照して、投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60(a)は、第2実施形態における投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の正面図であり、図60(b)は、図60(a)のLXb−LXb線における投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の断面模式図である。
図60(a)及び図60(b)に示すように、投影板部材2620の外周縁部には、ギヤ部材630及び溝形成部材2640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。投影板部材2620は、正面視円形の板状体に形成されると共に、その外径がギヤ部材630及び溝形成部材2640の外径と同一寸法に形成される。また、投影板部材2620は、外縁の一部に切り欠き部621と、光を乱反射させる反射部622を備える。
溝形成部材2640は、投影板部材2620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状に形成されると共に、その断面が外縁側から内縁側に凹となるコ字状に形成された案内溝2641を備える。また、溝形成部材2640は、投影板部材2620の正面側(図60(b)上側)に配置されると共に、その軸が投影板部材2620の軸と同軸上に配置される。さらに、溝形成部材2640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。
案内溝2641は、内側にカラーCを案内する溝であり、カラーCの突出部C1の軸方向寸法よりも、凹設幅が大きく形成される。よって、ベース部材610に回転可能に軸支される複数のカラーCが案内溝2641に案内されることで、投影板部材2620がベース部材610に回転可能に保持される。
次に、図61から図63を参照して、LED651(光源A)から照射された光について説明する。
図61から図63は、投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の断面模式図である。なお、図61(b)、図62(b)及び図63(b)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図61(b)、図62(b)及び図63(b)では、第1実施形態と同様に、光源Aからの光が投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図61から図63では、第1実施形態と同様に、表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図61(a)及び図61(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち投影板部材2620の外面を照射する照射角度α2の光は、投影板部材620にその外縁部の側面から入射される。投影板部材2620に入射された光は、投影板部材2620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で反射される。これにより、投影板部材2620に入射された光は、投影板部材2620の縁側から中央部(軸心)に向かって進行することができる。よって、照射角度α1に照射された光源Aの光は、投影板部材2620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に出射される。
なお、この場合、投影板部材2620は、第1実施形態における投影板部材620よりも、外形の寸法が大きく形成される。これにより、投影板部材2620の縁部をLED651(光源A)の近くに配置することができる。よって、第1実施形態の照射角度α1よりも、第2実施形態の照射角度α2を大きくすることができるので、その分、投影板部材2620に投射される光の量(光量)を増やすことができる。その結果、投影板部材2620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の量を増加することなく投影板部材2620から出射される光の量を増加させることができる。
図62(a)及び図62(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち案内溝641から正面側(図62(a)上側)の溝形成部材640を照射する照射角度β2の光は、溝形成部材2640の正面側の縁部に入射される。
照射角度β2の範囲に照射されて溝形成部材2640に入射される光は、溝形成部材2640の内部で反射されて投影板部材2620の軸心側に進行される。この場合、第1実施形態と同様に、溝形成部材2640の側面と投影板部材2620とが隣合う(面する)位置では、溝形成部材2640の内側側面に照射された光を投影板部材2620へ入射させることができる。
図63(a)及び図63(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち案内溝641の背面側(図62(a)下側)の溝形成部材2640を照射する照射角度Δ2の光は、溝形成部材2640の背面側の縁部から入射される。
照射角度Δ2の範囲に照射されて溝形成部材2640に入射される光は、溝形成部材2640の案内溝2641の側面に照射されて反射される。反射された光は、溝形成部材2640の側面と投影板部材2620とが隣合う(面する)位置の側面に照射されることで投影板部材2620へ入射させることができる。
即ち、案内溝2641を溝形成部材2640の外縁の側面に凹設することにより、案内溝2641と投影板部材2620との間から溝形成部材2640に入射される光を、案内溝2641の側面で反射させて、投影板部材2620へ入射させることができる。
よって、案内溝2641を、溝形成部材2640の外縁の側面に凹設して形成することで、そのカラーCを保持する役割と、光を投影板部材2620に集める役割とを兼用させることができる。
また、第1実施形態に比べて、照射角度Δが追加される分、溝形成部材2640から投影板部材2620に入射される光の量(光量)を増やすことができる。よって、投影板部材2620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材2620から出射される光の強さ(光量)を増加させることができる。
さらに、溝形成部材2640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認し難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
なお、LED651の光源Aから照射される光のうち、ギヤ部材630を照射する光については第1実施形態と同様であるのでその詳しい説明は省略する。
次に、図64から図66を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、ギヤ部材630及び溝形成部材640が、投影板部材620の外縁部全周に亘って接地した状態を説明したが、第3実施形態におけるギヤ部材3630及び溝形成部材640は、投影板部材3620に対して浮いた面が形成される。
初めに、図64及び図65を参照して、投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の形状について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64(a)は、第3実施形態における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640の正面図であり、図64(b)は、図64(a)のLXIVb−LXIVb線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面模式図である。
図65(a)は、図64(a)の矢印LXVa方向視における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の側面図であり、図65(b)は、図65(a)のLXVb−LXVb線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面図であり、図65(c)は、図65(a)のLXVc−LXVc線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面図である。
図64及び図65に示すように、第3実施形態における投影板部材3620は、正面視円形の板状体に形成され、その外周縁部にギヤ部材3630及び溝形成部材3640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。また、投影板部材3620は、その外径がギヤ部材3630及び溝形成部材3640よりも大きく形成され、その外側縁部に正面側および背面側に突出する突部3623が形成される。
突部3623は、外側縁部に向かうほど正面側(図64(b)上側)又は背面側(図64(b)下側)に突出する断面略三角形状に形成される。また、正面側に突出する突部3623は、その先端部がLED651の光源Aと、後述する溝形成部材3640に形成される凹溝3645の外縁端部とを連結する仮想線Fの線上に設定される。一方、背面側に突出する突部3623は、その先端部がLED651の光源Aと、後述するギヤ部材3630に形成される凹溝3635の外縁端部とを連結する仮想線Gの線上に設定される。
ギヤ部材3630は、正面視円環状の板状体に形成され、投影板部材620の軸と同軸上に配置される。また、ギヤ部材3630は、正面側(図64(b)上側)の側面に所定の間隔を隔てて凹設される凹溝3635と、周方向に所定の間隔を隔てて貫通形成されるねじ止め用の止め穴636と、を備える。
凹溝3635は、径方向に亘って凹設される溝であり、各止め穴636の周方両側に形成される。これにより、ギヤ部材3630を投影板部材3620に配置した際に、投影板部材3620とギヤ部材3630との間に隙間を形成することができる(図64(b)参照)。
溝形成部材3640は、正面視円環形状の板状体に形成され、投影板部材620の軸と同軸上に配置される。また、溝形成部材3640は、背面側(図64(b)下側)の側面に所定の間隔を隔てて凹設される凹溝3645と、周方向に所定の間隔を隔てて貫通形成されるねじ止め用の開口646とを備える。
凹溝3645は、径方向に亘って凹設される溝であり、ギヤ部材3630に形成された凹溝3636と対向する位置に形成される。これにより、溝形成部材3640を投影板部材3620に配置した際に、投影板部材3620とギヤ部材3630との間に隙間を形成することができる。
この場合、投影板部材3620と溝形成部材3640とが接地する面は、図65に示すように、投影板部材3620、溝形成部材3640及びギヤ部材3630を締結するボルトTを挿入する開口646と径方向に重なる面とされる。これにより、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640との間に隙間を形成した際に、その保持力が低下することを抑制することができる。即ち、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640との間に隙間を形成する際に、開口646の直径分、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640を接地することができるので、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640を挟持する保持面を確保することができる。
次に、図66を参照して、LED651(光源A)から照射される光について説明する。
図66(a)及び(b)は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の断面模式図である。なお、図66(b)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図66(b)では、第1実施形態と同様に、光源Aからの光が投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図66では、第1実施形態と同様に表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図66(a)及び図66(b)に示すようにLED651の光源Aから照射される光のうち、投影板部材3620の外面を照射する照射角度α3の光は、投影板部材3620の外縁の側面から入射される。
投影板部材3620に入射された光は、投影板部材3620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で全反射される。これにより、投影板部材3620に入射された光は、投影板部材3620の縁部から中央側(軸心側)に向かって、進行することができる。よって、照射角度α3に照射された光源Aの光は、投影板部材3620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に射出される。
この場合、第3実施形態では、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との間に隙間が形成されるので、投影板部材3620の側端面から入射された光を、反射部622に到達させやすくできる。その結果、投影板部材3620の側端面から入射された光を反射部622に到達させやすくできるので、反射部622で反射され投影板部材3620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
一方、照射角度α3以外の照射角度に照射される光は、溝形成部材3640又はギヤ部材3630に入射される。この場合、溝形成部材3640及びギヤ部材3630と投影板部材とは、上述したように隙間を隔てて配置されているため、溝形成部材3640又はギヤ部材3630に入射された光は、第1実施形態のように投影板部材620側に入射されない。
よって、LED651の光源A以外の光源の光が投影板部材3620側に投射された光を、溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射させることにより、投影板部材3620に光源A以外の光源の光が入射されることを抑制することができる。これにより、投影板部材3620の反射部622に施した表示が、LED651以外の光で浮かび上がる(表示される)ことを抑制することができる。
また、上述したように、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面(図65(c)参照)であるため、通常光が入射されない箇所を接地面とすることができる。
即ち、開口646には、ボルトTが挿入されるため、開口646の径方向外側から光を入射すると光はボルトTにより遮られ、LED651の光が反射部622側に入射されない。よって、LED651から溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射された光が、投影板部材3620側に入射されること確実に抑制することができる。
さらに、この場合、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面の全域に形成できるので、その接地面を確保でき、投影板部材3620に対して溝形成部材3640及びギヤ部材3630がずれることを抑制できる。
ここで、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との間に隙間を形成するものであると、その隙間から、LED651の光が投影板部材3620の軸心側に挿通されて、投影板部材3620の縁部から中央部に光が漏れ出す恐れがあった。
これに対し、第3実施形態の投影板部材3620の縁部には突部3623が形成されるので、LED651の光源Aの光が、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との隙間に照射されない。よって、投影板部材3620の縁部から中央部に光が漏れ出すことを抑制できる。
さらに、突部3623により、投影板部材3620の縁部側面の前後方向(図66(a)上下方向)の寸法を長くすることができるので、照射角度α3の角度を大きくすることができる。よって、投影板部材3620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材3620から出射される光の強さ(光量)を増加させることができる。
次いで、図67及び図68を参照して、第4実施形態における照射ユニット4650について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図67(a)は、第4実施形態における照射ユニット4650の上面図であり、図67(b)は、照射ユニット4650の断面図である。また、図68(a)は、第1ブロック653近傍における投影ユニット4600の部分拡大模式図であり、図68(b)は、第2ブロック654近傍における投影ユニット4600の部分拡大模式図である。なお、図67(b)は、図44(b)に対応する。また、図68では、照射ユニット4650がベース部材610に配設された状態が模式的に図示される。
図67に示すように、第4実施形態における照射ユニット4650では、第1ブロック653及び第2ブロック654が基板部材620に対してねじS2により締結固定される。この場合、ねじS2は、頭部の高さ寸法(図67上下方向寸法)が、LED651の高さ寸法よりも大きな寸法に設定される。即ち、基板部材620の正面からのねじS2の突出量が、LED651の突出量よりも大きくされる。
より詳細には、図68に示すように、ねじS2の頭部の高さ寸法は、一のねじS2とその一のねじS2に隣接するねじS2とのそれぞれの頭部に投影板部材620の外周面が当接(外接)された際に、それら2カ所のねじS2の間に配設されるLED651に投影板部材620の外周面が当接不能な寸法に設定される。
これにより、LED651をねじS2の頭部によって保護することができる。即ち、投影板部材620が回転される際に、例えば、寸法公差や組み付け公差に基づく径方向のがたつきにより、照射ユニット2650へ近接された場合には、投影板部材620の外周面をねじS2の頭部に当接させることで、LED651への当接を回避することができ、その結果、LED651が破損することを抑制できる。
特に、本実施形態では、投影板部材620が樹脂材料から形成されるのに対し、ねじS2が金属材料から形成されるので、投影板部材620が径方向へがたついた際にLED651を保護する効果を高めることができる。また、投影板部材620がねじS2に当接されたまま回転される形態が継続的に行われる場合には、投影板部材620が摩耗されるため、投影板部材620が径方向へがたついても、LED651へ当接されることを回避できる。
このように、ねじS2を利用して、LED651を保護できることで、中間立設部611b,612bの形成を省略することができる。よって、この場合には、複雑な形状が省略できることで、背面ベース611及び正面ベース612の形状を簡素化でき、その樹脂成形における成形性の向上を図ることができる。その結果、歩留りの向上を図ることができる。
また、ねじS2を利用して、LED651を保護できることで、部品の寸法公差や組立公差に起因する径方向のがたつきの許容量を緩やかとできるので、設計の自由度を高めることができる。即ち、LED651と投影板部材620の外周面とをより近接させることができ、その結果、LED651から照射される光を、投影板部材620の外周面へ効率的に入射させることができる。
次いで、図69から図76を参照して、第5実施形態の投影ユニット5600について説明する。第1実施形態では、投影板部材620が正面視円盤形状に形成され、その円の中心を軸に回転される場合を説明したが、第5実施形態では、投影板部材5620が正面視縦長矩形に形成され、一方向にスライド変位される場合を説明する。
初めに、図69から図71を参照して、投影ユニット5600の全体構成について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図69は、第5実施形態における投影ユニット5600の正面図である。図70は、投影ユニット5600の分解正面斜視図である。図71は、正面ベース5612の背面図である。図72は、投影ユニット5600の背面図である。なお、図72では、背面ベース5611を取り外した状態が図示される。
図69から図72に示すように、投影ユニット5600は、正面視円形状に形成されると共にその中央部分が開口されたベース部材5610と、そのベース部材5610の開口部分にスライド変位可能に配置される投影板部材5620と、投影板部材5620の外周面から光を入射させる照射ユニット650と、投影板部材5620をスライド変位させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材5620に伝達するための歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)と、を主に備えて形成される。
ベース部材5610は、正面視円形状に形成され、その中央部が横長矩形状に開口される背面ベース5611と、その背面ベース5611の正面に配設されると共に背面ベース5611と外形が略同一に形成される正面ベース5612とを備え、それら背面ベース5611と正面ベース5612との対向面間に形成される内部空間に、投影板部材5620、照射ユニット650及び歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)が収納される。
正面ベース5612は、上述したように、正面視円形状に形成される板部材であり、背面側の外側縁部に立設される外側立設部612cと、中央部に正面視横長矩形に開口される中央開口部5612hと、その中央開口部5612hの背面側縁部に立設される内側立設部612aと、中央開口部5612hの上方両端に突出形成される左右一対の保持部5612iと、その一対の保持部5612iの間から背面側に突出形成される2つの軸部5612kと、中央開口部5612hの下方から背面側に突出形成される摺動突起5612mと、を主に備えて形成される。
中央開口部5612hは、正面ベース5612の正面視中央部に横長矩形状に開口される。遊技者は、中央開口部5612hを介して投影ユニット5600の背面側に配設される第3図柄表示装置81の模様や図柄を視認できる。
保持部5612iは、後述する棒部材5625を保持するための突出部であり、中央開口部5612hの上方両端に正面ベース5612の背面側(図71紙面手前側)に突出形成される。また、保持部5612iは、その突出面に正面側(図71紙面奥側)に凹となる様態で凹んだ凹溝5612i1が形成される。
凹溝5612i1は、正面ベース5612の左右方向(図71左右方向)中央部から端部側に向かって断面円弧形状に凹設され、その凹溝5612i1の内径が、後述する棒部材5625の外径よりも大きく形成される。また、一対の凹溝5612i1は、上下方向(図71上下方向)の高さが同じ位置に形成され、その左右方向(図71左右方向)の端部間の距離寸法は、棒部材5625の軸方向寸法よりも大きく設定される。よって、凹溝5612i1の内周面に棒部材5625を配設したあとで、背面側(図71紙面手前側)から凹溝5612i1と対向する位置に棒部材5625の外径よりも大きい半径の溝を備えた保持部カバー5628を両端に配設することで、棒部材5625を正面ベース5612に配設できる(図72参照)。
軸部5612kは、後述する回転部材5670の回転軸となる突起であり、中央開口部5612hの上方に円盤形状の正面ベース5612の中心を通過する垂線を軸に対称の位置に配置される。
摺動突起5612mは、後述するラック5627の変位を案内する突起であり、中央開口部5612hの下側から背面側に円柱状に突出形成される。また、一対の摺動突起5612mは、円盤形状の正面ベース5612の中心を通過する垂線を軸に対称の位置に配置される。
投影板部材5620は、光透過性材料からなり、第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認可能とされると共に、LED651の光が入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で、投影板部材5620の正面から出射させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
投影板部材5620は、下方側の端部に左右方向に延設されたラック5627と、投影板部材5620の内部に形成される反射部622と、を備える。ラック5627は、ベース部材610の中央部の開口(正面ベース5612の中央開口部5612h)よりも下方に配設され、組み立て状態の投影ユニット5600の正面側から視認不可能な位置に配置される。また、ラック5627は、正面視横長矩形に形成され、その長手方向寸法が投影板部材5620の左右方向(図72左右方向)の寸法よりも長く設定される。これにより、投影板部材5620のスライド変位の可動範囲を投影板部材5620の左右方向寸法よりも大きくすることができる。
ラック5627は、歯車5668と歯合されるラックギヤ5627aがその下面に刻設されると共に、中央部に前後方向に貫通する摺動溝5627bが形成される。
ラックギヤ5627aは、駆動モータ661の駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介して伝達された際に、ラック5627(投影板部材5620)を左右方向に変位させるギヤ歯面であり、ラック5627の下面側の全域に形成される。
摺動溝5627bは、駆動モータ661の駆動によりラック5627が左右方向に変位された際に、ラック5627が傾くことを抑制するための溝であり、左右方向に長く開口され、その内部に、正面ベース5612の一対の摺動突起5612mが挿入される。これにより、ラック5627が背面ベース5611に対して変位される際に、その変位方向が規制されて、ラック5627がスライド変位される。なお、ラック5627(投影板部材5620)の詳しい動作の説明は後述する。
投影板部材5620の背面側の上方には、左右方向(図72左右方向)に延びる円柱状の棒部材5625と、その棒部材5625を挟んで投影板部材5620と対向する位置に正面視横長矩形状の正面カバー5626と、が配設される。
棒部材5625は、投影板部材5620の左右方向の長さ寸法よりも、左右方向に長く形成されると共に、背面ベース5611の外径よりも短く形成され、正面カバー5626と投影板部材5620との間に挟まれて、投影板部材5620に配設される。
正面カバー5626は、棒部材5625に案内される板部材であり、左右方向(図72左右方向)の長さ寸法が投影板部材5620の左右方向の長さ寸法と略同一に設定され、投影板部材5620との間に棒部材5625を挟んだ状態で、投影板部材5620に配設される。
正面カバー5626は、投影板部材5620と対向する側面に、正面側(図72紙面奥側)に凹むと共に、左右方向に亘って凹設された溝部5626aを備える。溝部5626aは、内側に棒部材5625が配置される溝であり、断面略U字状に凹設され、上下方向および正面側への凹設寸法が、棒部材5625の外径寸法よりも大きく設定される。
これにより、溝部5626aの内側に棒部材5625を配設することができる。これにより、棒部材5625に対して投影板部材5620を棒部材5625の軸方向にスライド変位可能に配設できる。
また、棒部材5625は、正面カバー5626の前方側の側面よりも、背面側に配置される。即ち、正面カバー5626の前面から棒部材5625が突出しない様態とできるので、投影板部材5620に凹設部分を形成することなく、投影板部材5620に正面カバー5626を配設できる。
ここで、正面カバー5626の前面から棒部材5625が突出した状態であると、投影板部材5620の背面側に棒部材5625を挿入するための溝を形成する必要がある。しかしながら、投影板部材5620は、その内部に入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で投影板部材5620の正面から出射させる部材であるところ、投影板部材5620に溝を形成して、その厚み寸法を部分的に小さくすると、厚み寸法が小さくされる分、投影板部材5620の内部に入射された光が進み難くなり、投影板部材5620の正面から出射される光量が減少するという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、投影板部材5620の厚みを変更することなく、内部に棒部材5625を配置した状態の正面カバー5626を投影板部材5620を配置することができる。その結果、投影板部材5620の内部に入射された光が進み難くなることを抑制して、投影板部材5620の正面から出射される光量が減少することを抑制できる。
また、棒部材5625は、上述したように、その両端が正面ベース5612に脱落不能に配設されるので、投影板部材5620は、正面ベース5612に対して棒部材5625の軸方向に摺動可能保持される。即ち、投影板部材5620は、左右方向(図72左右方向)にスライド変位可能な様態で棒部材5625に吊り下げられて配置される。
よって、駆動モータ661に駆動力が付与されると、その駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介してラック5627に伝達され、ラック5627が、左右方向にスライド変位される。ラック5627が左右方向にスライド変位されると、ラック5627に連結された投影板部材5620がそのスライド方向に変位できる。
照射ユニット650は、第1ブロック653が、投影板部材5620の上端面に沿った略直線状に配置されると共に、第1ブロックの前方に配設されたLED651が投影板部材5620の上端面と対向する位置に配置される。これにより、照射ユニット650のLED651から照射される光を、投影板部材5620の上端面から入射させて、投影板部材5620の反射部622の模様や図柄を浮かび上がらせることができる。
また、照射ユニット650の第1ブロック653が配設される正面ベース5612の側面は、背面側(図71紙面手前側)に背面視略矩形状に膨出する膨出部5612nが形成される。膨出部5612nは、第1ブロック653を背面側に嵩上げするための部分であり、その嵩上げ寸法が、後述する回転部材5670の板厚よりも大きく設定される。これにより、第2ブロック654と正面ベース6512との間の隙間に後述する回転部材5670を配設することができる。
また、膨出部5612nには、突起612gが形成される。照射ユニット650の第1ブロック653は、挿通孔653b1に突起612gが挿入されると共に正面ベース5612及び背面ベース5611に挟持されることで、照射ユニット5600に配設される。
照射ユニット650の両端に配設される第2ブロック654には、その正面側に回転部材5670が取着される。
回転部材5670は、正面視L字状に屈曲形成される板部材であり、屈曲部分を左右方向中央側に位置する状態で正面ベース5612に配設されると共に、長手側の一側に照射ユニット650の第2ブロック654が取着される。また、回転部材5670の屈曲部分には前後方向に貫通された貫通孔5671が形成される。
貫通孔5671は、正面ベース5612の軸部5612kが挿入される開口であり、軸部5612kの外径よりも大きい内径に形成される。よって、回転部材5670は、正面ベース5612に配設されると、正面ベース5612に対して軸部5612kを軸に回転できる。
ここで、回転部材5670には、照射ユニット650が取着されるので、正面ベース5612に対して回転部材5670が回転されると、照射ユニット650を変位させることができる。即ち、回転部材5670を変位させることで、照射ユニット650の基盤部材652を屈曲させて第2ブロック654を第1ブロック653に対して変位させることができる。
回転部材5670は、回転部材5670と正面ベース5612との間に介設された図示しない付勢ばねにより軸部5612kに対して一側の先端部分を下方に変位させる方向に付勢されて正面ベース5612に配設される。また、回転部材5670が配設される正面ベース5612の軸部5612kの下側には、背面側に突出する変位規制突起5612jが形成される。
変位規制突起5612jは、回転部材5670の一端側の下方への変位を規制する部材であり、その突出先端が正面ベース5612に配置された状態の回転部材5670よりも後方(背面ベース5611側)に位置すると共に、回転部材5670に取着された照射ユニット650のLED651よりも前方側(正面ベース5612側)に位置して形成される。これにより、回転部材5670の一端側の下方への変位は、回転部材5670が変位規制突起5612jによって規制されると共に、照射ユニット650のLED651から投影板部材5620側に照射された光が変位規制突起5612jに遮られることを抑制することができる。
次に、図73から図76を参照して、投影ユニット5600の動作について説明する。図73(a)は、第1状態における投影ユニット5600の正面図であり、図73(b)は、第2状態における投影ユニット5600の正面図である。図74(a)は、第1状態における投影ユニット5600の背面図であり、図74(b)は、第2状態における投影ユニット5600の背面図である。
図75(a)は、第1状態における投影ユニット5600の正面図であり、図75(b)は、第3状態における投影ユニット5600の正面図である。図76(a)は、第1状態における投影ユニット5600の背面図であり、図76(b)は、第2状態における投影ユニット5600の背面図である。なお、図74及び図76では、背面ベース5611を取り外した状態が図示される。また、第1状態から第3状態への変位動作は、第1状態から第2状態への変位動作と変位方向が左右反転しただけであるので、その詳しい説明は省略する。
図73(a)及び図74(a)に示すように、投影板部材5620が中央開口部5612hの左右方の略中央部に配置された第1状態では、左右方向両側に配設された回転部材5670が図示しない付勢ばねにより付勢されて一端側が下方に変位された状態とされる。これにより、回転部材5670に配設された照射ユニット650の第2ブロック654を、第1ブロック653に対して変位させることができ、第2ブロック654の前面に配設されるLED651の照射方向を投影板部材5620側に傾倒させることができる。その結果、投影板部材5620の左右側(図74(a)左右側)の側面から第2ブロック654の前面に配設されたLED651の光を入射させることができ、その分、投影板部材5620の正面から出射される光の光量を増加でき、投影板部材5620の模様や図柄をはっきりと表示することができる。
図73(a)及び図74(a)に示す状態から、駆動モータ661に駆動力が付与されて、その駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介して、ラック5627が正面視右方向(図73右方向)にスライド変位されると、ラック5627に連結された投影板部材5620も同様に右方向にスライド変位される(図73(b)及び図74(b)参照)。これにより、投影板部材5620が中央開口部5612hに対して正面視右側に配置された第2状態が形成される。
この場合、投影板部材5620の上端部正面側に配設された正面カバー5626が、スライド方向に配置される回転部材5670の正面視L字の他端側の側面と当接される。これにより、回転部材5670に対して、回転軸となる軸部5612kの軸周りに一端側を上方に押し上げる方向の回転モーメントを作用させることができる。よって、回転部材5670の一端側が上方に押し上げられるので、回転部材5670に配設される第2ブロック654も同様に第1ブロック653に対して変位されて、第1ブロック653の長手方向(図74(b)左右方向)と第2ブロック654の長手方向とが略同一の直線上となる位置まで変位される。
これにより、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配置されるLED651の照射方向を変位させて、投影板部材5620の上端面から入射される光量を多くすることができる。その結果、投影板部材5620の正面側から出射される光の光量を増加でき、投影板部材5620の模様や図柄をはっきりと表示することができる。
また、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配設されるLED651の照射方向を変位させることができるので、投影板部材5620の正面から出射される光の光量を変化させることができる。即ち、投影板部材5620に表示される模様や図柄の様態を変化させることができる。その結果、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
ここで、投影板部材を変位させた際に、その変位に伴って、別の位置に配設したLEDを点灯させることで、投影板部材の光量を一定に保つものであると、その変位に伴って、LEDの点灯または消灯とを制御する必要があり、投影板部材の変位が複雑になるほどLEDの制御が複雑になり、製品の信頼性が低下するという問題点があった。さらに、別の位置にLEDを配設する分、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、投影板部材5620の変位に伴って、LED651の照射する方向を変位させることができるので、投影板部材5620の位置を検出して、別の位置に配設したLEDを点灯または消灯するといった制御が必要ないので、LED651の制御を簡易とすることができ、製品の信頼性を向上できると共に、製品コストが嵩むことを抑制できる。
また、変位する被照射体(投影板部材)に光を照射するため、固定された照射体(LED)を被照射体の周囲に複数個配設したものであると、各照射体の照射範囲の間に光量の弱い部分ができてしまい、被照射体が変位した際に明暗ができてしまい遊技者の興趣を下げるという問題点があった。ここで、照射体の配置間隔を狭くすることで、上記した問題を解決することも考えられるが、この場合は、照射体を配設する個数が増加するために、製品コストが増加するという問題点があった。
しかしながら、第5実施形態では、投影板部材5620の変位に伴って、LED651の照射方向を変位させることができるので、投影板部材5620の変位動作にLED651の照射方向を追従させることができる。従って、投影板部材5620をその変位位置に関わらず常に安定して投影させることができる。その結果、投影板部材5620の変位に伴って光の明暗ができることを抑制して、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。さらに、LED651を配設する数を増加する必要がないので、製品コストが増加することを抑制できる。
また、上述したように投影板部材5620のスライド変位により、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の照射方向を変更させることができるので、駆動モータ661の駆動力を投影板部材5620のスライド変位させる駆動と、第2ブロック654を回転させる駆動とに兼用させることができ、第2ブロック654を変位させるための駆動手段を新たに設けることを不要とできる。その結果、製品のコストが嵩むことを抑制することができる。
さらに、照射ユニット650は、弾性変形可能な素材から形成される基盤部材652及び各ブロック653、654によって形成されるので、変位する第2ブロック654を別部材で形成する必要がない。よって、ユニットとして組み上げた照射ユニット650を正面ベース5612に配設したのちに配線を連結することで正面ベースに照射ユニット650を配設できるので、組み付けの際の工程を簡素化することができる。
一方、第2状態から第1状態に変位させる際には、駆動モータ661の駆動を反転させることで、ラック5627を中央開口部5612hの左右方向中央位置に変位される。よって、ラック5627に連結された投影板部材5620も同様にスライド変位されて第1状態が形成される。
この場合、第2状態への変位により一端が押し上げられた側(図74(b)左側)の回転部材5670は、正面ベース5612との間に介設された図示しない付勢ばねにより、投影板部材5620が左右方向中央位置にスライド変位するに従って、回転部材5670の正面視L字の一端側が下方に押し下げられて、軸部5612kを軸心に回転される。また、下方に変位される回転部材5670は、上述したように、変位規制突起5612jと当接されることで、その回転範囲が規制される。
図7及び図8に示す、第1状態から第3状態への変位は、上述したように、第1状態から第2状態への変位動作と変位方向が左右反転しただけであるので、その詳しい説明は省略する。なお、第3状態とは、投影板部材5620が中央開口部5612hに対して正面視左側に配置された状態(図75(b)及び図76(b)参照)である。
次に、図77から図80を参照して第6実施形態の投影ユニット6600について説明する。第1実施形態では、投影板部材620の中央部分全域が常に遊技者から視認可能に配設される場合を説明したが、第6実施形態では、投影板部材6620が部分的に遊技者から視認可能に配設される。
初めに、図77から図79を参照して、投影ユニット6600の全体構成について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図77は、第6実施形態における投影ユニット6600の正面図である。図78は、投影ユニット6600の正面分解斜視図である。図79は、正面ベース6612及び照射ユニット650を組み付けた状態における正面ベース6612の背面図である。
図77から図79に示すように、投影ユニット6600は、正面視円環状に形成されるベース部材6610と、そのベース部材6610に形成される開口から部分的に視認可能に配置される投影板部材6620と、その投影板部材6620の外周面から光を入射させる照射ユニット650と、投影板部材6620を回転させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材6620に伝達するための歯車列(歯車662〜664)と、を主に備えて形成される。
ベース部材6610は、円環形状の背面ベース611と、その背面ベース611の正面に配設される円環形状の正面ベース6612とを備え、それら背面ベース611及び正面ベース6612の対向間面に形成される内部空間に、投影板部材6620、照射ユニット650及び歯車列(662〜664)が収納される。
正面ベース6612は、第1実施形態の円環形状の正面ベース612の内縁部に正面視円環形状の遮蔽部材6612rが形成され、その遮蔽部材6612rの一部に前後方向に扇状に開口する開口部6612pが形成される。
開口部6612pは、その開口から背面に配置される投影板部材6620を視認可能にするための開口であり、正面視円環状に形成される正面ベース6612の軸を中心とした扇状に形成され、遮蔽部材6612rの全周の略1/6程度の長さで形成され、正面視右側に形成される。
照射ユニット650は、正面ベース6612の背面であって、開口部6612pの外縁部の中間立設部612b及び外側立設部612cとの間の領域に装着され、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合されることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に収容される。
投影板部材6620は、正面視円環形状に形成され、その内径が円環形状の正面ベース6612の内径よりも大きく形成される。また、投影板部材6620は、正面ベース6612の軸と同軸上に配設される。よって、投影ユニット6600が組み上げられた状態では、投影板部材6620の内縁部が遊技者から視認できないように配設される。
また、投影板部材6620に配設されるギヤ部材630及び溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612(遮蔽部材612r)の背面側に配設される)ので、遊技者から視認され難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
投影板部材6620は、光透過性材料からなり、背面側に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)の表示を透過させて、正面ベース6612の開口部6612pを通して遊技者に視認させると共に、照射ユニット650から照射された光が外周面から入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で、投影板部材620の正面から出射させ、正面ベース6612の開口部6612pを通して遊技者に視認させる。即ち、正面ベース6612の開口部6612pの内部空間に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
また、投影板部材6620は、その内部に光を乱反射する反射部6622を備える。反射部6622は、内部がレーザー加工等により粗面加工された部分であり、投影板部材6620の正面視における全域に模様や図柄等が投影板部材6620の周方向に複数個分割して形成される。なお、本実施形態では、反射部6622の模様や図柄等の形状が周方向に6分割して形成され、6形態の模様や図柄等の反射領域6622a〜6622fが形成される(図80参照)。
さらに、投影板部材6620は、外周縁部にギヤ部材630及び溝形成部材640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。これにより、第1実施形態と同様に、駆動モータ661の駆動力が歯車列(662〜664)を介してギヤ部材630に伝達することで、投影板部材6620を回転させることができる。
次に、図80を参照して、投影ユニット6600の動作を説明する。図80(a)から図80(c)は、投影ユニット6600の背面図である。なお、図80(a)〜図80(c)は、投影板部材6620の遷移状態が図示される。また、図80では、背面ベース611が取り外された状態が図示される。また、正面ベース6612の開口部6612p及び投影板部材6620の反射部6622(反射領域6622a〜6622f)が鎖線で図示される。
図80(a)に示すように、投影板部材6620が初期位置に配置された状態では、正面視(紙面奥から手前方向視)において正面ベース6612の開口部6612pの内側に投影板部材6620の反射領域6622aが配置される。よって、投影板部材6620の外縁部から照射ユニット650のLED651の光を入射させると、開口部6612pの内側に反射領域6622aの模様や図柄を表示させることができる。即ち、遊技者は、開口部6612pの内部に浮かび上がる模様や図柄を視認することができる。
この場合、LED651の光は、反射領域6622aと隣り合う反射領域6622b、6622fにも照射されるが、反射領域6622b、6622fの前面には正面ベース6612が配設されるため、遊技者が、反射領域6622b、6622fの表示を視認することはできない。よって、開口部6612pを通して投影板部材6620の模様や図柄を表示させることで、表示面以外の表示を遊技者が視認することがなくなり、他の領域が視認できることで遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
次に、図80(b)及び図80(c)に示すように、駆動モータ661に駆動力を付与すると、上述したように、その駆動力が歯車列(歯車662〜664)を介して投影板部材に伝達されて、投影板部材6620が回転される。投影板部材6620が回転することで、正面視における正面ベース6612の開口部6612pの内側に配置された、反射領域6622a〜6622fの模様や図柄が切替えられる。これにより、開口部6612pの内側に、複数の異なる模様や図柄を表示することができる。
ここで、被照射体(投影板部材6620)の前面に模様や図柄が印刷して、被照射体を変位させてその表示面を切り替えるものであると、被照射体の視認可能領域(開口部6612p)から、被照射体の模様や図柄の切替が見えてしまい、遊技者が、次にどの表示がされるのかを模様や図柄を切り替え終える前に分かることで、遊技者に被照射体の変位を最後まで楽しませることができないという問題点があった。
また、仮に被照射体に光を照射する光源(LED651)の電力をオフして、被照射体の表示面を暗くしたとしても、他の装置や店内の蛍光灯の光により、被照射体が照射されることで、遊技者から被照射体の模様や図柄が視認可能となっていた。
本願では、投影板部材6620が、光透過性材料から形成されており、照射ユニット650のLED651の光をオフすることで、投影板部材6620の模様や図柄を視認し難くして透明状態とすることができる。よって、投影板部材6620を回転させる際に、LED651の照射をオフすることで、投影板部材6620の模様や図柄の切替を遊技者から視認し難くすることができるので、遊技者に投影板部材6620の変位を最後まで楽しませることができる。
また、第6実施形態では、投影板部材6620が、正面視円環状に形成され、その中心を回転軸として回転されるので、投影板部材6620が、スライド変位する場合と比較して、正面ベース6612の開口部6612pを介して遊技者に視認させる模様や図柄の数を確保しつつ、投影板部材6620の配設に要するスペースを抑制できる。
即ち、投影板部材6620がスライド変位するものでは、左右または上下方向の配設スペースが限られるため、投影板部材6620の模様や図側の数を確保することが困難となるところ、円環形状に形成することで、模様や図柄の数を確保しつつ、投影板部材6620の配設に要するスペースを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600の照射ユニット650において、基板部材652に合計4個の第1ブロック653及び第2ブロック654が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1ブロック653及び第2ブロック654の合計の個数は、3個以下であっても良く、5個以上であっても良い。この場合、第1ブロック653及び第2ブロック654の割合は任意であり、第1ブロック653のみであっても良く、第2ブロック654のみであっても良い。
上記第1及び第2実施形態では、基板部材652の正面にLED651が配設されると共に背面に第1ブロック653及び第2ブロック654が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、LED651、第1ブロック653及び第2ブロック654を基板部材652の正面に配設しても良い。この場合には、第1ブロック653及び第2ブロック654の内部にLED651を収容すると共に、そのLED651から照射された光を、第1ブロック653及び第2ブロック654の正面に形成された開口から投影板部材620の外周面へ入射させる。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600のギヤ部材630及び溝形成部材640,2640が光透過性材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ギヤ部材630及び溝形成部材640,2640は、光透過性材料と非透過性材料との2層から形成されていてもよい。
例えば、ギヤ部材630の背面部632側および溝形成部材640,2640の正面部642側が非透過性材料の層で形成され、ギヤ部材630及び溝形成部材640,2640の投影板部材620,2620側が透過性材料の層で形成されていてもよい。この場合、非透過性材料の層により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材620,2620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、非透過性材料の層により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材620,2620に光を入射させず、投影板部材620,2620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材620,2620に入射されて投影板部材620,2620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
また、この場合、非透過性材料から形成される層が、反射率の高い金属材料や可撓性材料で形成される、或いは、非透過性材料の層と透過性材料の層との間に反射率の高い金属性材料や可撓性材料を介設することが好ましい。これにより、LED651からギヤ部材630及び、溝形成部材640,2640に入射された光をより投影板部材620,2620に反射させやすくできる。その結果、反射部622で反射され投影板部材620,2620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600のギヤ部材630の背面部632及び溝形成部材640,2640の正面部642が、空気(大気)と接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、背面図632及び正面部642にギヤ部材630及び溝形成部材640よりも反射率の高い部材(例えば、銀箔やアルミなど)のシールを添付、或いは、反射率の高い色(例えば白色等)の印刷を施してもよい。
この場合、シール又は印刷により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材620,2620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、シール又は印刷により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材620,2620に光を入射させず、投影板部材620,2620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材620,2620に入射されて投影板部材620,2620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
さらに、シール又は印刷により、LED651からギヤ部材630及び、溝形成部材640,2640に入射された光をより投影板部材620,2620に反射させやすくできる。その結果、反射部622で反射され投影板部材620,2620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
なお、シールを添付する場合は、そのシールをギヤ部材630の背面部632及び溝形成部材640,2640の正面部642から外縁側に突出させた様態で添付するものであってもよい。この場合、LED651から照射されて扇状に広がる光を、突出させたシール部分で反射させることができるので、LED651から照射される光を投影板部材620,2620に集光させやすくできる。
上記第3実施形態では、ギヤ部材3630と投影板部材3620との間および溝形成部材3640と投影板部材3620との間に空気層が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ギヤ部材3630と投影板部材3620との間および溝形成部材3640と投影板部材3620との間にギヤ部材630及び溝形成部材640よりも反射率の高い非透過性材料の板部材を介設してもよい。
この場合、投影板部材3620に入射された光は、反射率の高い非透過性材料の板部材により確実に全反射されて、投影板部材3620の縁部から中央側に向かって進ませることができる。よって、照射角度α3に照射された光の強さ(光量)が減少することを抑制することができ、反射部622で反射され投影板部材3620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
また、反射率の高い非透過性材料の板部材により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材3620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、反射率の高い非透過性材料の板部材により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材3620に光を入射させず、投影板部材3620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材3620に入射されて投影板部材3620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
上記第1実施形態では、上下変位ユニット800の変位部材850を付勢する手段がコイルばねである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ゴム状体の弾性体、ねじりバネ、板バネであっても良い。なお、その取り付け方法は、突起852と突起823とを連結して取り付ける様態、または、変位部材850の回転軸とベース部材820の軸支部821との間に取り付けられる様態が例示される。
上記第1実施形態では、上下変位ユニット800の変位部材850が一端に形成された軸孔851を軸に回転運動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位部材850が、正面ベース820に形成された案内溝をスライド変位するものであってもよい。なお、この場合、正面ベース820の案内溝の両端部が上下方向(重力方向)で異なる位置に形成される様態であれば、第1実施形態と同様に、変位部材850の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材850に興趣のある変位を行わせることができる。
上記第1から第3、6実施形態では、LED651の光の照射面を投影板部材620,2620,3620,6620の側端面と対向する位置に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、LED651の光の照射面をギヤ部材630,3630又は溝形成部材640,2640,3640の側端面と対向する位置に配設しても良い。
この場合も上記第1から第3、第5及び第6実施形態と同様に、ギヤ部材630,3630又は溝形成部材640,2640,3640の側端面から、LED651の光を入射させて、投影板部材620,2620,3620,6620の表面に模様や図柄を表示することができる。
また、LED651の光の照射面を投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面と、対向しない位置(即ち、LED651の光の照射面が投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面と前後方向に異なる位置)に配設して、LED651の照射する光の一部が、投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面に入射するように配置してもよい。
この場合、LED651の照射面と直交する方向に照射される光で投影板部材620,2620,3620,6620とは異なる他の非照射部材を照射しつつ、LED651の照射面から斜めに照射される光の一部を投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面に入射させることができる。即ち、LED651に投影板部材620,2620,3620,6620に模様や図柄を表示させる光と他の被照射体を照射させる光とを兼用させることができる。
上記第1から第3、第5及び第6実施形態では、LED651の光の照射面と投影板部材620,2620,3620,6620の側端面とが平行に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、LED651の光の照射面を、投影板部材620,2620,3620,6620に対して傾倒させても良い。
具体的には、LED651の光の照射面を背面側に向けて配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に照射される位置としてもよい。この場合、投影板部材620,2620,3620,6620の表面に模様や図柄などが表示された際に、LED651の光が正面視円環形状に形成された正面ベース612,6612の内縁から漏れ出すことを抑制できる。
また、LED651の光の照射面を正面側に向けて配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に照射される位置としてもよい。
さらに、LED651の光の照射面を背面側または正面側に向けて投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に対して傾倒させた状態で配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が溝形成部材640,2640,3640の側端面またはギヤ部材630,3630の側端面に照射される位置としてもよい。
他に、LED651の光の照射面を背面側または正面側に向けて投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に対して傾倒させた状態で配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が溝形成部材640,2640,3640の正面部632又はギヤ部材630,3630の背面部632に照射される位置としてもよい。
上記第5実施形態では、第2ブロック654の前面に配設されるLED651から照射される光を投影板部材5620の左右の側面から投影板部材5620に入射させることで投影板部材5620の正面から出射される光量を増加する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、投影板部材5620の左右から入射される光により投影板部材5620に表示される模様や図柄を、投影板部材5620の上端面から入射される光により投影板部材5620に表示される模様や図柄と異なるものとしても良い。
即ち、投影板部材5620の内部に空気層や非光透過性の材料を備えて形成して、反射部622の領域を分ける(例えば、3つの領域に分ける)ことで、投影板部材5620の上端部から入射される光は、第1の領域の反射部622により正面側から出射され、左側側面から入射される光は、第2の領域の反射部622により正面側から出射され、右側側面から入射される光は、第3の領域の反射部622により正面側から出射される様態とすることができる。これにより、投影板部材5620に表示される模様や図柄のパターンを複数個形成することができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
この場合、第1〜第3の領域を照射する光源(LED651)を被照射体(投影板部材5620)の周囲に複数個備えて、第1〜第3の領域を照射する(例えば、上部に配置された光源は上端部から光を入射させて第1の領域を照射し、左側に配置される光源は左端面から入射させて第2の領域を照射し、右側に配置される光源は右端面から入射させて第3の領域を照射する)こともできるが、その分、光源を複数個配設する必要があり、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、第2ブロック654の前方に配設されるLED651は、投影板部材5620のスライド変位により、第1ブロック653に対して回転されることで、第2ブロックの前方に配設したLED651の光の照射方向を変更させることができるので、第2又は第3の領域を照射する場合と、第1の領域を照射する場合との2つの領域を照射することができるので、その分、LED651の配設する数を減らすことができ、製品コストが嵩むことを抑制することができる。
上記第5実施形態では、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の光の照射方向を変更する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回転部材5670を新たに配設する駆動モータの軸部と連結して回転させても良い。
この場合、回転部材5670を投影板部材5620のスライド位置に関わらず回転させて、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の光の照射方向を変更することができるので、投影板部材5620の前方から出射される光量を部分的に多くする又は少なくすることができる。即ち、投影板部材5620に入射される光の方向を変位させて、投影板部材5620に表示される模様や図柄の表示の濃淡の変更を操作することができる。
上記第1実施形態では、正面ベース612及び背面ベース611の対向面間に、投影板部材620と、投影板部材620を照射する複数の照射ユニット650と、駆動モータ661の駆動力を伝達する歯車列(歯車662〜664)と、を1のユニットとして配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、正面ベース612及び背面ベース611の対向面間に、上述したユニット(投影板部材620、照射ユニット650、歯車列(歯車662〜664))を前後方向に2つ以上重ねた様態で配設しても良い。
この場合、それぞれの投影板部材620に模様や図柄を表示させることで、遊技者にそれぞれの投影板部材620の模様や図柄の表示を組み合わせた状態で視認させることができる。その結果、それぞれの投影板部材620の回転位置を変化させることで、複数の模様や図柄の表示パターンを形成することができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
上記第1実施形態では、投影板部材620を回転変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、投影板部材620を固定して照射ユニット650を変位させるものであっても良い。
上記第3実施形態では、ボルトTが配置された位置の投影板部材3620の側端部からは、LED651の光が中央側に入射されない様態とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボルトTを金属材料(例えば、鉄やステンレス)から形成して、その側面に投射される光を投影板部材3620の中央側に反射させるものであってもよい。この場合、投影板部材3620の中央部にLED651から照射された光を集光させやすくできる。
また、ボルトTを一定の間隔で複数個配設し、投影板部材3620の表面に模様や図柄が表示されない(LED651の光が入射されない)箇所を部分的に形成して、投影板部材3620の表示を区切るようにしてもよい。
また、上述したように、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面(図65(c)参照)であるため、通常光が入射されない箇所を接地面とすることができる。
即ち、開口646には、ボルトTが挿入されるため、開口646の径方向外側から光を入射すると光はボルトTにより遮られ、LED651の光が反射部622側に入射されない。よって、LED651から溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射された光が、投影板部材3620側に入射されること確実に抑制することができる。
この場合、照射ユニット650に配設されたLED651の光を照射した状態で照射ユニット650を変位させることで、遊技者に投影板部材620が変位(回転)しているように視認させることができる。
なお、この場合の照射ユニット650の変位は、スライド変位でも、回転変位であっても良く、第1ブロック653及び第2ブロック654に配設された各LED651の照射方向をそれぞれ異なる方向に変位させるものであっても良い。
<第1制御例>
次に、上述した各実施形態におけるパチンコ機10の第1制御例について、図81〜図123を参照して説明する。本第1制御例では、本パチンコ機10の主制御装置110において実行される特別図柄の抽選結果を示すための演出(変動演出)や、大当たり遊技が実行されていることを示すための演出(大当たり演出)を、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示させる構成としている。
本制御例では、大当たり遊技中の演出として、大当たり遊技が所定期間の間に複数回実行される場合において、その複数回の大当たり遊技に跨がった大当たり演出(連続大当たり演出)が実行されるように構成している。具体的には、第1入球口64や第2入球口140へ球が入球した場合に入球情報を記憶可能に構成し、大当たり遊技が実行される場合に、記憶されている入球情報に大当たりに当選している入球情報が存在しているかを判別し、大当たりに当選している入球情報が存在していると判別した場合に、複数の大当たり遊技に跨がるように連続大当たり演出が実行される。
このように構成することで、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容によって、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技結果を遊技者に示唆することができるため、遊技者に対して大当たり演出に興味を持たせることができる。
さらに、本制御例では、大当たり遊技が実行されるタイミングで記憶されている入球情報だけではなく、大当たり遊技中に新たに記憶された入球情報に基づいて大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。このように構成することで、より多くの入球情報を参照することができ、連続大当たり演出を実行させやすくすることができ、遊技者に対して大当たり演出に興味を持たせることができる。
加えて、本制御例では、大当たり連続演出として、大当たり遊技が実行される時点における入球情報の記憶数(保留記憶数)に基づいて、大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。
また、本制御例では、遊技状態が通常状態(低確率、電サポなし)よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態(高確率、電サポあり)、時短状態(低確率、電サポあり))となった場合に、その遊技状態が継続していることを示すための演出(バトル演出)が実行される構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が継続していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、上述したバトル演出を、遊技者に有利な遊技状態が終了するか否かを示唆する演出(バトルリーチ)と、そのバトルリーチの演出態様を決定するための演出(バトル前演出)とから構成している。このように構成することで、実際に遊技者に有利な遊技状態が終了する場合、例えば、大当たりの終了後に遊技状態が通常状態へ移行する通常大当たりに当選した場合以外の期間においてバトル演出を継続して実行させることができるため、遊技者に有利な遊技状態が継続していることに対する期待感や、遊技者に有利な遊技状態が終了したのではと思わせる不安感を遊技者に継続して抱かせながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示唆するための演出として、大当たり期待度の異なる複数の演出が実行されるように構成されている。これにより、どの演出が実行されるかによって遊技者に対して大当たりへの期待感を異ならせることができる。さらに、1つの変動演出の中に大当たりの期待度を段階的に示唆可能な期待度示唆態様を複数表示可能にし、1回の変動演出中に期待度示唆態様が可変するように構成されている。
加えて、本制御例では、1回の変動演出中に複数の期待度示唆態様が段階的に可変する量を合算して遊技者に示唆する期待度可変示唆演出が実行されるように構成している。このように構成することで、期待度可変示唆演出の演出内容を把握した遊技者に対して、どの期待度示唆態様がどの程度可変するのかを予測しながら遊技を行わせることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本制御例では、1回の変動演出中に実行される特定演出(例えば、枠ボタン22を操作させるPUSH表示演出)が実行されるタイミングを示唆する示唆演出として、特定演出(PUSH表示演出)が実行されるタイミングを具体的に報知するカウントダウン演出と、そのカウントダウン演出が実行されることを報知する前兆演出と、が実行されるように構成している。そして、1回の変動演出中において、上述した前兆演出の開始タイミング、特定演出の実行タイミング、及び、カウントダウン演出の期間を複数から決定可能に構成し、それぞれ決定された内容に基づいて前兆演出の演出態様及びカウントダウン演出の演出態様が設定されるように構成している。
このように構成することで、予め定められた一定期間の間、示唆演出を実行する構成に比べて、示唆演出を設定する自由度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
まず、図81を参照して、本第1制御例における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄1または特別図柄2)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本第1制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本第1制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
主表示領域Dmにおける正面視左上には、小表示領域Dn1が形成されている。この小表示領域Dn1は、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図85(a)参照)。つまり、本制御例では、小表示領域Dn1を案内表示領域Dn1として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域Dn1に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dn2が形成されている。この小表示領域Dn2は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dn2において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dn2に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図81(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図81(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第1制御例では、保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表示領域Dsには、保留図柄が最大4個表示される。
なお、本制御例では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としてもよい。
さらに、本制御例では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域Dmにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域Dsに表示されるように構成されており、副表示領域Dsに表示する内容によって、主表示領域Dmと副表示領域Dsとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64或いは第2入球口140に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、第2入球口140のいずれにも入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本制御例のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、第2入球口140のいずれかに対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、第1入球口64、第2入球口140に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。尚、詳細は後述するが、この副表示領域Dsは、第1表示領域Ds1と、その他、遊技内容や演出内容を遊技者に表示する第2表示領域Ds2とに区画されている(図102(a)参照)。この副表示領域Dsに表示された保留図柄は、実行中の変動表示が終了し、次の変動が開始される場合には、次の変動に対応する保留図柄(図81(b)の正面視で一番左に表示される保留図柄)を消去し、残りの保留図柄が左方向にシフトして表示される。
ここで、実行中の変動表示に対応する図柄(前回の変動中に一番左に表示されていた保留図柄)は、実行中図柄表示領域(図102の期待度表示態様Dk1が表示される領域)に表示される。これにより、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に報知することができる。
実際の表示画面では、図81(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。加えて、主表示領域Dmの右端および左端(有効ライン外)には、第3図柄の主図柄と副図柄との一部がそれぞれ3個ずつ表示される。
一方、第3図柄表示装置81にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、または第2入球口140へ入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsにおいても表示される。本制御例においては、第1入球口64への入球と、第2入球口140への入球とを、それぞれ最大4回まで保留可能に構成したが、保留球数の上限値は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値と、第2入球口140への入球に対する保留球数の上限値とは同一に限られない。第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値を第2入球口140への入球に対する保留球数の上限値よりも多くしてもよいし、逆に少なくしてもよい。また、副表示領域Dsにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図82(a)および図82(b)を参照して、本第1制御例において実行される各演出の流れについて大まかに説明をする。図82(a)および図82(b)は、パチンコ機10に設定される遊技状態と第3図柄表示装置81にて実行される演出内容との関係を模式的に示したタイミングチャートである。
図82(a)に示したように、本制御例では、パチンコ機10の遊技状態に応じて異なる演出が実行されるように構成されている。具体的には、遊技状態が「通常」である場合、即ち、遊技状態が大当たり中や、確変状態又は時短状態中では無い通常状態である場合には通常演出が実行され、遊技状態が「大当たり」である場合は、大当たり中演出が実行され、遊技状態が「確変又は時短」である場合、即ち、遊技状態が確変状態または時短状態である場合は、確変中(確変状態中、または時短状態中)演出が実行される。
このように構成することで、実行されている演出を見るだけで現在設定されている遊技状態を容易に把握することができ、分かり易い遊技機を提供することができる。なお、本制御例では、遊技状態に対応付けて各演出が実行されるように構成しているが、例えば、複数の遊技状態が設定されている場合に実行され得る共通演出を設けてもよい。これにより、実行されている演出を視認することで、現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となり、遊技者に有利な遊技状態が設定されていることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、図82では第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出内容(表示内容)が遊技状態に応じて異なることを説明しているが、演出内容に含まれる態様は、第3図柄表示装置81に表示される表示態様に限られるものでは無く、例えば、音声出力装置226により出力される音声の出力態様や、ランプ表示装置227により実行されるランプの発光態様も当然含まれるものである。
まず、大当たり遊技中に実行される演出について、図83〜図89を参照して説明する。まず、本制御例では、大当たり遊技が実行される時点における特別図柄保留球数および保留記憶されている入球情報の内容(例えば、当たりに当選している入球情報があるか否かの判別結果)に基づいて、大当たり遊技中に実行される演出の内容が設定されるように構成している。
具体的には、複数の大当たり遊技が連続して実行される場合には、先の大当たり遊技(1回目の大当たり遊技)の内容を部分的に報知する演出(例えば、15ラウンドの大当たり遊技を実行する場合に、ラウンド数を5ラウンド分報知する演出)を複数の大当たりに跨いで連続して実行することで、複数の大当たり遊技が継続して実行されているように演出する大当たり中演出1と、個々の大当たり遊技に対応する演出を実行し、その複数の大当たり遊技間(先の大当たり遊技が終了し、次の大当たり遊技が実行されるまでの期間に行われる特別図柄変動期間中)に先の大当たり遊技のエンディング演出を継続して表示させることで、複数の大当たり遊技が継続して実行されているように演出する大当たり中演出2と、先の大当たり遊技が実行された時点で、次の大当たり遊技が実行されることを報知し、複数の大当たり遊技に対して継続した演出を実行する大当たり中演出3とが設定可能に構成されている。
ここで、図83(a)を参照して、上述した大当たり中演出1の内容について説明をする。図83(a)は、大当たり中演出1の流れを模式的に示したタイミングチャートである。この大当たり中演出1は、図83(a)に示したように、大当たり遊技(大当たり1)実行時において、保留球数が「3」(大当たり遊技中に新たな保留球を獲得可能な状態)で、且つ、既に獲得している保留球の中に当たりに当選している入球情報が含まれている場合に設定可能となる大当たり中演出である。
大当たり中演出1が設定された場合には、先の大当たり遊技(大当たり1((15ラウンド(R)))が実行される場合に、まず、大当たり1のラウンド数の一部(5ラウンド(R))を示す大当たり遊技演出(5R演出)が実行される。その後、次の大当たり遊技(大当たり2(10ラウンド(R)))が終了するまでの間、5R演出が継続して実行され、合計で25R分の大当たり遊技演出が実行されるように設定されている。
つまり、1回の大当たり遊技中に実行される演出内容(演出シナリオ)を一連の演出内容(演出シナリオ)として設定するのでは無く、所定期間(例えば、5ラウンド)単位で設定するように構成し、新たな演出内容(シナリオ)をその時点において保留記憶されている入球情報に基づいて設定するように構成している。
図83(a)を用いて具体的に説明をすると、大当たり1(15R)が開始されると、5R演出1(図85(a)参照)が実行される。この5R演出が開始されると、少なくとも5ラウンドは大当たり遊技が続くことを遊技者に報知する演出(確定ラウンド数報知)が実行される。そして、4R目まで大当たり遊技が進行すると、次の5R演出が実行されるか否かを示唆する示唆演出(図85(b)参照)が実行され、5R目において、次に5R演出が実行されるか否かの結果を報知する報知演出(図86(a)参照)が実行される。
図83(a)に示した例では、1回目の大当たりとして15ラウンドの大当たりが設定されているため、5R演出が3回実行される。ここで、3回目に実行される5R演出(5R演出3)は、次に実行される2回目の大当たりが開始されるまでの期間、即ち、1回目の大当たりのエンディング期間と、1回目の大当たり終了後に実行される特別図柄変動の変動期間中も実行されるように設定されている(図87(a)、図88(a)参照)。そして、2回目の大当たりの開始(2回目の大当たりのオープニング期間の開始)とともに、5R演出4が実行される。
これにより、大当たり遊技中に新たな保留記憶が発生し、その保留記憶に特別図柄の大当たりに対応する入球情報が含まれている場合には、その入球情報(例えば、ラウンド数)に基づいた新たな演出(上乗せラウンド数表示)を設定することが可能となる。よって、大当たり開始時にその大当たり中に実行される大当たり演出の内容を一連の演出シナリオとして設定する構成に比べて、大当たり中に実行される演出(上乗せラウンド数表示)を容易に可変することができる。
なお、図83(a)には、大当たり遊技中に5ラウンドの期間を1つの演出単位とした例が示されているが、1ラウンド毎に演出内容を設定するように構成しても良い。また、1ラウンド毎に入球情報の内容を判別する判別管理処理を行い、所定ラウンド毎(例えば5ラウンド毎)に演出内容を設定するように構成しても良い。また、新たな入球情報が発生した場合に、その入球情報の内容を判別し、大当たり中の演出内容を設定する際に用いる情報(大当たりの有無、ラウンド数)を記憶エリアに格納するように構成しても良い。
これにより、大当たり遊技中の演出内容を設定するタイミング(図83(a)では5ラウンド毎)において、一時的に処理負荷が増加してしまうことを抑制することができる。
ここで、大当たり中演出1の表示内容について、図85〜図88を参照して説明する。図85(a)は、大当たり中演出1が実行された直後に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図85(b)は、大当たり中演出1にて実行される5R演出が継続するか否かを示すための演出表示の一例を模式的に示した模式図であり、図86(a)は、新たな5R演出が実行されることを示すための演出表示の一例を模式的に示した模式図であり、図86(b)は、大当たり1が終了する1つ前のラウンドにおける表示画面の一例を示した模式図であり、図87(a)は、大当たり1のエンディング期間中における大当たりが継続する旨を示した表示画面の一例を示した模式図であり、図87(b)は、大当たり1のエンディング期間中における大当たりが終了する旨を示した表示画面の一例を示した模式図であり、図88(a)は、大当たり1終了後の特別図柄変動中における表示画面の一例を示した模式図である。
図85(a)に示したように、大当たり中演出1が実行されると、大当たりとなったことを示す「大当たり」の文字と、特別図柄の抽選で大当たりに当選したことを示す「777」で停止表示される第3図柄が主表示領域Dmに表示される。そして、主表示領域Dmの小表示領域(案内表示領域)Dn1には、球を右打ち領域に発射させることを案内するために「右打ち」の文字が表示され、主表示領域Dmの正面視右上側には、大当たり遊技のラウンド数を遊技者に報知するためのラウンド数表示領域Dm2に、現在実行中のラウンド数を示す実行中ラウンド数表示態様Dm3と、実行されることが確定している確定ラウンド数を示す確定ラウンド数表示態様Dm4とが表示される。
本制御例では、大当たり中演出1として、少なくとも5ラウンド分の大当たり遊技が実行されることを遊技者に予め報知する5ラウンド(R)演出が実行されるため、図85(a)に示したように、確定ラウンド数表示態様Dm4として「5」が表示される。
そして、大当たり遊技のラウンド数(実行中ラウンド数表示態様Dm3)が「4」になると、図85(b)に示したように、次のラウンド(5ラウンド目)に実行される上乗せ演出(図86(a)参照)の内容を示唆する演出(大当たり継続演出)が実行される。本制御例では、大当たり継続演出として、遊技者が選択可能な表示態様として「宝箱」を模した被選択画像Dm5〜Dm7が表示され、「矢印」を模した選択画像Dm8が被選択画像Dm5〜Dm7のそれぞれに対応するように表示される。遊技者は、被選択画像Dm5〜Dm7のそれぞれに対応するように表示される選択画像Dm8のうち、一の選択画像を選択することで3つ表示されている「宝箱」のうち、1つの「宝箱」を選択する。
詳細な説明は省略するが、本制御例では選択画像Dm8である3つの「矢印」のうち、1つの「矢印」の表示態様が規則的に可変されるように表示される。その可変された表示態様(可変表示態様Dm9)に対応する被選択画像Dm5〜Dm7が、遊技者が選択した被選択画像となり、遊技者は、任意の「矢印」が可変表示態様Dm9となった場合に枠ボタン22を操作することで、任意の被選択画像を選択するように構成されている。
なお、任意の被選択画像を遊技者が選択する手法は上述した内容に限られるものでは無く、それ以外の構成を用いても良い。例えば、第3図柄表示装置81に表示される被選択画像Dm5〜Dm7のうち任意の被選択画像の表示領域をタッチすることで選択可能となるように構成してもよいし、遊技者が枠ボタン22を操作することで、可変表示態様Dm9となる選択画像Dm8を選択できるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、被選択画像Dm5〜Dm7の表示態様として同一の表示態様を表示しているが、被選択画像毎に異なる表示態様を表示してもよい。この場合、通常とは異なる表示態様の被選択画像が表示される場合は、次の5R演出が実行され易くなるように構成するとよい。これにより、被選択画像が表示される段階で大当たり遊技が継続する期待感を高めることができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
被選択画像Dm5を選択した状態で、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンド目に突入すると、図86(a)に示した画面が表示される。図86(a)では、大当たり遊技の4ラウンド目に実行された大当たり継続演出にて選択した「宝箱」(被選択画像Dm5)のみが表示され、その「宝箱」の中から、確定ラウンド数表示態様Dm4に加算される上乗せラウンド数表示態様Dm10として「+5」が表示され、確定ラウンド数表示態様Dm4の値が「5」から「10」へと可変表示される上乗せ演出が表示されている。
このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技が少なくとも後5ラウンドは継続することを報知することができる。なお、図86(a)では、上乗せラウンド数表示態様Dm10として「+5」が表示される場合の表示画面を示したが、大当たり継続演出(図85(b)参照)において、選択した被選択画像に応じて、上乗せ用ラウンド数表示態様Dm10の内容が異なるように設定されている。これにより、遊技者を大当たり継続演出に意欲的に参加させることができる。
また、本制御例では、確定ラウンド数表示態様Dm4をラウンド数に対応する数値で表示しているが、内部的に設定されている大当たり遊技の残ラウンド数のうち、表示画面に表示させるラウンド数に対応して可変する表示態様であればよく、キャラクタの動作や色や大きさといった抽象的な表現を用いた表示態様を用いても良い。このように確定ラウンド数表示態様Dm4として抽象的な表示態様を用いることで、遊技者に対して大当たり遊技の残ラウンド数を予測させる楽しみを増やすことができる。
加えて、長期間遊技を行っている遊技者は、抽象的な表現を用いた表示態様の規則性を把握することができるため、他の遊技者よりも大当たり遊技の内容を把握しやすくなり、満足度を高めることができる。なお、この場合の大当たり遊技の内容としては、1回目の大当たりと2回目の大当たりとが継続して実行されているような演出が実行される大当たり中演出において、各大当たり遊技のラウンド数を表示態様の規則性によって把握できるようにするとよい。
このように構成することで、特に2回目の大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態が設定されるか否かを、2回目の大当たり遊技のラウンド数によって予測することができる。よって、長期間遊技を行っている遊技者に対して他の遊技者よりも有利な遊技情報を提供することが可能となり、長期間継続して遊技を行う意欲を高めることができる。
なお、図86(a)では、5ラウンド目のラウンド遊技が実行されている最中に確定ラウンド数表示態様Dm4に加算される上乗せラウンド数表示態様Dm10として「+5」が表示され、確定ラウンド数表示態様Dm4の値が「5」から「10」へと可変表示される例を示しているが、上乗せラウンド数表示態様Dm10が表示されるタイミングが、ラウンド遊技中以外のタイミング、即ち、5ラウンド目のラウンド遊技が終了し、6ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまでの間であるラウンド間インターバル期間となるように演出内容を設定しても良い。
また、図85(b)で示した大当たり継続演出において遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングを判別する手段を設け、操作タイミングが所定期間(例えば、枠ボタン22の操作が有効となってから3秒)以内である場合は、5ラウンド目のラウンド遊技中に上乗せラウンド数表示態様Dm10を表示し、操作タイミングが所定期間(例えば、枠ボタン22の操作が有効となってから3秒)を超えている場合、或いは、操作されなかった場合は、5ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間に上乗せラウンド数表示態様Dm10を表示するように構成しても良い。
このように、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングや操作の有無に基づいて上乗せラウンド数表示態様Dm10を表示するタイミングを異ならせることで、遊技者が演出に対して意欲的に参加することになり、演出効果を高めることができる。なお、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングや操作の有無に基づいて上乗せラウンド数表示態様Dm10を表示するタイミングを異ならせる構成であれば良く、例えば、所定のタイミング(4ラウンド目のラウンド遊技中の特定の1秒間)に遊技者が枠ボタン22を操作したか否かを判別する判別手段を設け、その判別結果に基づいて上乗せラウンド数表示態様Dm10を表示するタイミングを異ならせても良い。また、枠ボタン22に対する操作内容が所定の操作条件(例えば、4ラウンド目のラウンド遊技中の特定の1秒間の間に枠ボタン22を操作する)を満たした場合のみ、上乗せラウンド数表示態様Dm10に表示される値を異ならせるように構成しても良い。
次に、複数(2つ)の大当たり遊技が継続して実行されるように見せるための演出内容、つまり、1回目の大当たり遊技が終了してから2回目の大当たり遊技が開始されるまでの特別図柄変動期間中の演出内容について、図86(b)および図87(a)を参照して説明する。
まず、図86(b)に示したように、1回目の大当たり遊技の最終ラウンドの1つ前のラウンド(14ラウンド目)が開始されたことに基づいて、大当たり継続演出が実行される。図86(b)では、図85(b)に示した大当たり継続演出とは異なる演出態様が示されており、表示画面に表示される被選択画像の数と表示態様を異ならせている。具体的には、被選択画像の数を3つから2つに変更し、被選択画像Dm5の表示態様として通常よりも豪華な表示態様が設定されている。このように、大当たり継続演出の演出態様を異ならせることにより、実行される大当たり継続演出の演出態様によって大当たり遊技が継続する期待度を示すことができる。よって、遊技者が演出内容に注視することになり演出効果を高めることができる。
図86(b)では、大当たり継続演出のバリエーションを説明するために、図85(b)とは異なる演出態様を示しているが、1回目の大当たり遊技の最終ラウンドに対応する大当たり継続演出(14ラウンド目に実行される大当たり継続演出)として図85(b)と同一の演出態様も当然実行されるように設定されている。このように、1回目の大当たり遊技の途中に実行される大当たり継続演出と、1回目の大当たり遊技の最後に実行される大当たり継続演出とで同一の演出態様を用いることで、どのタイミングで1回目の大当たり遊技が終了したのか(1回目の大当たりが何ラウンドの大当たりであったのか)を、遊技者に分かり難くすることができる。
なお、上述した大当たり継続演出の設定方法以外にも、例えば、大当たり継続演出にて選択した被選択画像(「宝箱」)に応じて、今回の大当たり継続演出が大当たり遊技の最終ラウンドにて実行された大当たり継続演出であることを遊技者に示唆するように構成してもよい。
図86(b)に示した大当たり継続演出にて被選択画像Dm5を選択した状態で、最終ラウンド(15ラウンド目)に移行すると、図86(a)に示した上乗せ演出と同様の表示が実行され、その表示が図87(a)に示した通り、最終ラウンド終了後のエンディング期間の間も継続して表示される。そして、大当たりのエンディング期間が終了し(大当たりが終了し)、特別図柄の変動が開始されると、図88(a)に示した表示画面が表示される。
この図88(a)は、1回目の大当たり遊技が終了し、特別図柄が変動している期間中の表示画面の一例である。図88(a)に示したように、1回目の大当たり遊技が終了した後(特別図柄の変動が開始された後)も、上乗せ演出の表示が継続して実行される。小表示領域Dn2には、特別図柄の変動に対応する第3図柄の変動が表示される。そして、大当たり当選している特別図柄の変動が停止すると、小表示領域Dn2に大当たりに当選したことを示すための図柄の組み合わせ(例えば、「777」)が停止表示され、上乗せ演出表示が実行された状態を維持しながら次の大当たり遊技が開始される。
本制御例では、大当たり中の演出として上乗せ用演出が設定された場合には、実行中の大当たりに設定されているラウンド数と、保留内連荘となる次の大当たり(保留記憶されている大当たり)に設定されているラウンド数と、を合算して上乗せ演出の表示態様を設定可能に構成しているため、保留内連荘となる次の大当たりが開始されるよりも前に、即ち、1回目の大当たり中に次の大当たりに設定されているラウンド数も含めた上乗せラウンド数表示態様Dm10を表示することができる。
なお、上述した例では、大当たりの最終ラウンドから次の大当たりに当選するまでの期間(次の大当たりに当選し、その大当たりのオープニング期間を経過して1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるまでの期間)中、継続して上乗せ演出を表示する演出例を示したが、それ以外の演出を用いても良く、例えば、最終ラウンド(15ラウンド目)に上乗せ演出を完了させ、エンディング期間中(図87(a)参照)、及び、特別図柄変動期間中(図88(a)参照)は、ラウンド数が上乗せされたことを祝福する祝福演出を実行するようにしても良いし、最終ラウンド(15ラウンド目)、及び、エンディング期間中(図87(a)参照)に上乗せ演出を完了させ、特別図柄変動期間中(図88(a)参照)は、ラウンド数が上乗せされたことを祝福する演出を実行するようにしても良いし、最終ラウンド(15ラウンド目)は、14ラウンド目に実行される大当たり継続演出(図86(b)参照)を継続して表示し、エンディング期間中(図87(a)参照)、及び、特別図柄変動期間中(図88(a)参照)に上乗せ演出を実行するようにしても良い。
上述した祝福演出を実行する場合には、1回の大当たり中に上乗せ演出(例えば、5ラウンド目に実行される上乗せ演出(図86(a)参照))が実行されるラウンドの次のラウンド(例えば、6ラウンド目)にも同様の祝福演出を実行するように構成すると良い。これにより、上乗せ用演出が実行されている間に、何回の大当たりに当選したのかを遊技者が把握し難い演出、即ち、1回の大当たり中に実行される上乗せ演出の演出態様と、2つの大当たり間に実行される上乗せ演出の演出態様と、を同一(遊技者が識別困難な程度の誤差を除いて同一)にすることができる。
一方、上乗せ演出によって上乗せされるラウンド数が無い場合は、図87(b)に示した通り、上乗せラウンド数表示態様Dm10として「+0」が表示され、確定ラウンド数表示態様Dm4の値が「15」から可変されず、主表示領域Dmに「残念大当たり終了」のコメントが表示されて大当たりが終了する。
また、本制御例は、大当たり遊技中に実行される各ラウンド遊技間のインターバル期間(ラウンド間インターバル期間)として所定期間(例えば、1秒)が設定されるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、当選した大当たり種別に応じて大当たりラウンド数が同一であっても、ラウンド間インターバルの期間を異ならせるように構成しても良い。この場合、1回の大当たり中に設定されるラウンド間インターバルとして、5の倍数のラウンドが終了する前のラウンド間インターバル(例えば、5ラウンドと6ラウンドの間に設定されるラウンド間インターバル)を5秒とし、それ以外のラウンド間インターバルを2秒と設定する大当たり種別と、5の倍数のラウンドが開始される2つ前のラウンド間インターバル(例えば、3ラウンドと4ラウンドの間に設定されるラウンド間インターバル)を5秒とし、それ以外のラウンド間インターバルを2秒と設定する大当たり種別と、を設けるように構成すると良い。
また、上述したようにラウンド間インターバルを異ならせた大当たり種別を用いる場合は、長期間のラウンド間インターバルが設定されるタイミングで大当たり中の演出を切り替えるように構成すると良い。さらに、本制御例のように所定期間(5ラウンド分)を1単位として大当たり中の演出を実行する場合には、大当たりの開始(大当たりのオープニング期間の開始、或いは、1ラウンド目の開始)から最初に長期間のラウンド間インターバルが設定される(例えば、3ラウンド目の終了)までの間隔が大当たり中の演出の1単位分に満たないため、上乗せ演出以外の演出が実行されるように構成すると良い。
さらに、本制御例では、大当たり種別に関わらず、大当たりのエンディング期間として一定期間(例えば、1秒)が設定されるように構成しているが、このエンディング期間に対しても、設定される大当たり種別毎に異なるように構成しても良いし、大当たりのオープニング期間に対しても、設定される大当たり種別毎に異なるように構成しても良い。
このように、大当たり遊技の内容(大当たり遊技のラウンド数)は同一であるが、その大当たりに設定されるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間を、設定された大当たり種別に応じて異ならせるように構成し、且つ、複数の大当たり遊技を跨ぐように大当たり中演出を設定することで、遊技者に対して、1回の大当たり中演出が実行されている間に、大当たりに何回当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、先の大当たりが終了してから、次の大当たりに当選するまでの期間が異なる場合、即ち、先の大当たりの終了後、1回転目の特別図柄変動にて次の大当たりに当選する場合と、3回転目の特別図柄変動にて次の大当たりに当選する場合とで、大当たり間に実行される特別図柄変動期間が異なったとしても、大当たりに設定されるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間を、設定された大当たり種別に応じて異ならせるように構成することにより、遊技者に違和感を与えることが無く大当たり中演出を実行することができる。
次に、図83(b)に戻り、上述した大当たり中演出2の内容について説明をする。図83(b)は、大当たり中演出2の流れを模式的に示したタイミングチャートである。この大当たり中演出2は、図83(b)に示したように、大当たり遊技(大当たり1)実行時において、保留球数が「2」(大当たり遊技中に新たな保留球を獲得可能な状態)で、且つ、既に獲得している保留球の中に当たりに当選している入球情報が含まれていない場合に設定可能となる大当たり中演出である。
大当たり中演出2が設定された場合には、先の大当たり遊技(大当たり1((15ラウンド(R)))が実行される場合に、今回の大当たりが15Rであることを示す大当たり遊技演出(15R演出)が実行される。そして、大当たり遊技の終盤に設定されるエンディング期間中に表示されるエンディング演出を、大当たり1が終了してから、次の大当たり(大当たり2(10ラウンド(R)))が実行されるまでの間継続して(延長して)実行する。そして、大当たり2が実行される場合に、エンディング演出から10R演出へと演出内容が切り替わる。
この大当たり中演出2は、大当たり遊技中に新たに獲得した保留球に当たりに対応した入球情報が含まれている場合に、連続して実行される複数の大当たり遊技が継続して実行されるように演出するものである。つまり、大当たり1に対応する大当たり遊技演出は通常の大当たり遊技演出(15R演出)とし、大当たり遊技中に新たに獲得した保留球の入球情報に基づいて、エンディング演出の内容を可変させるだけで連続して実行される複数の大当たり遊技が継続して実行されるように演出することができる。
このように構成することで、複数の大当たり遊技機が継続して実行される演出(連続大当たり演出)を、大当たり遊技中に獲得した保留球に基づいて設定することができるため、連続大当たり演出を実行しやすくすることができ、演出効果を高めることができる。また、通常の大当たり遊技演出が実行されたとしても、遊技者が連続大当たり演出へと移行することを期待しながら大当たり遊技を行うことができる。
ここで、大当たり中演出2(図83(b)参照)における2つの大当たり間に表示される演出内容について、図88(b)〜図89(b)を参照して説明をする。図88(b)は、大当たり1回目のエンディング期間中に表示されるエンディング表示を模式的に示した図であり、図89(a)は、大当たり1回目が終了し、特別図柄の変動が開始された状態における表示画面を模式的に示した図であり、図89(b)は、特別図柄の大当たりに当選した状態における表示画面を模式的に示した図である。
図88(b)に示した通り、大当たり1回目のエンディング期間中に表示されるエンディング表示では、主表示領域Dmに今回の大当たりのラウンド数と、大当たり中に獲得した球数を示すための情報(獲得ポイント)が表示される。そして、大当たり遊技が終了し、特別図柄の変動が開始されると、図89(a)に示した通り、エンディング表示が継続して表示されると共に、大当たり遊技のラウンド数を遊技者に示唆するためのラウンド数表示領域Dm2に、現在実行中のラウンド数を示す実行中ラウンド数表示態様Dm3と、実行されることが確定している確定ラウンド数を示す確定ラウンド数表示態様Dm4とが大当たり中と同様に継続して表示される。加えて、第3図柄の変動を表示する小表示領域Dn2や、保留実行領域Dn3や、保留図柄表示領域Dn4が表示される。なお、図89(a)では、保留図柄表示領域Dn4のうち、左から2つ目の保留図柄(次々回に変動表示される丸印に3が付された保留図柄)が、大当たりに当選している状態を示している。
そして、特別図柄の大当たりに当選すると(丸印に3が付された保留図柄の変動表示が停止すると)、図89(b)に示した通り、主表示領域Dmに大当たりが継続することを(新たな大当たりが開始されることを)報知するための「大当たりはまだまだ続くよ」のコメントが表示されると共に、2回目の大当たりのラウンド数「10」を示すように確定ラウンド数表示態様Dm4の値が「15」から「25」へ可変表示される。また、小表示領域Dn2には大当たりに当選したことを示す第3図柄の組み合わせ「777」が停止表示される。
以上、大当たり中演出2において実行される演出の内容を説明したが、同様の演出を大当たり中演出1に用いてもよい。つまり、上述した大当たり中演出1では、大当たり継続演出として複数のラウンドを用いた演出を実行しているため、例えば、1回目の大当たりの最終ラウンドや、最終ラウンド終了後のエンディング期間中に、大当たりに当選する入球情報を含む新たな保留球を獲得した場合において、複数の大当たりを跨ぐように大当たり中演出を実行することが困難であった。このような場合において、上述した大当たり中演出2と同様の演出を実行することにより、複数の大当たりを跨ぐように大当たり中演出を円滑に実行することができる。
次に、図84(a)を参照して、上述した大当たり中演出3の内容について説明をする。図84(a)は、大当たり中演出3の流れを模式的に示したタイミングチャートである。この大当たり中演出3は、図84(a)に示したように、大当たり遊技(大当たり1)実行時において、保留球数が「4」(大当たり遊技中に新たな保留球を獲得不可能な状態)で、且つ、既に獲得している保留球の中に当たりに当選している入球情報が含まれている場合に設定可能となる大当たり中演出である。
大当たり中演出3が設定された場合には、先の大当たり遊技(大当たり1((15ラウンド(R)))が実行される場合に、次の大当たり遊技(大当たり2(10ラウンド(R)))の遊技内容も融合した大当たり遊技演出(25R演出)が実行される。
この大当たり中演出3は、大当たり遊技中に新たに保留球を獲得することができない状態、つまり、大当たり1が実行されるタイミングで既に、連続して大当たりに当選するか否かを判別可能な状態において実行される演出である。大当たり中演出3が実行された場合には、連続して大当たりに当選したことをいち早く遊技者に報知することができ、遊技者に安心感を与えることができるとともに、大当たり遊技中に新たに保留球を獲得することができない状態で、上述した大当たり中演出2が実行されてしまい、連続して大当たりに当選することに対して遊技者が過度に期待してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本制御例では、所定期間内(保留記憶内)で連続して大当たりに当選した場合に、複数の大当たり遊技が継続して実行されているように見せるための大当たり中演出を複数用意し、先の大当たり遊技が実行される時点での特別図柄保留球数や、保留記憶されている入球情報の判定結果に基づいて実行する大当たり中演出を設定するように構成している。
さらに、複数の大当たり中演出は、連続して大当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミングをそれぞれ異ならせている。これにより、連続して大当たりに当選したことを期待しながら大当たり遊技を最後まで楽しむことができる。
本制御例は、特別図柄の保留記憶数に空きがある状態(大当たり遊技中に新たに保留記憶可能な状態)で大当たり遊技が実行される場合は、大当たり遊技中に特別図柄の大当たりに対応する保留図柄が保留記憶されたとしても、複数の大当たり遊技が継続して実行されるように見せるための大当たり中演出を実行することができるため、大当たり遊技が実行される時点で保留記憶されている情報に基づいて、大当たり中演出を決定する場合に比べて、複数の大当たり遊技が継続して実行されるように見せるための大当たり中演出が実行され易くなり、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり中演出の1つとして、先の大当たり遊技にて実行されるラウンド数を複数回に分けて部分的に遊技者に報知可能としているため、今回の大当たり中演出が1回の大当たり遊技にて実行された演出なのか、複数回の大当たり遊技を跨いで実行された演出なのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、大当たり遊技が長く継続することを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技終了後の特別図柄変動期間中において、通常の特別図柄変動期間中と同様に、第3図柄の変動を表示する小表示領域Dn2や、保留実行領域Dn3や、保留図柄表示領域Dn4を第3図柄表示装置81に表示する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄変動期間中において大当たり継続演出が実行される条件が成立しているかを判別する手段を設け、その手段により大当たり継続演出が実行される条件が成立していると判別した場合には、特別図柄変動期間中でも、第3図柄の変動表示や上述した保留図柄関連の表示を行わない処理を実行したり、遊技者が内容を把握することが困難な態様(例えば、縮小表示や表示領域の移動)で表示させる処理を実行したりすると良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容に基づいて、1回目の大当たり遊技の終了タイミングと2回目の大当たり遊技の開始タイミングとを遊技者に把握され難くすることができる。
また、1回目の大当たり遊技におけるラウンド間インターバル中に、疑似エンディング表示と、第3図柄を模した疑似図柄を変動させる疑似変動表示と、変動中の疑似図柄を大当たりに対応する組み合わせで停止させる疑似停止表示と、疑似停止表示後に、疑似大当たり開始表示を実行する疑似遊技実行手段を設け、1回の大当たり遊技が実行されている間に、複数回の大当たりが実行されているように疑似的な演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、1回目の大当たりに当選した時点で第1図柄表示装置37a,37bに表示される特別図柄(本図柄)が、何ラウンドの大当たり遊技に対応した特別図柄(本図柄)であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、第3図柄表示装置81にて実行される大当たり中演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
次に、図84(b)を参照して、大当たり中演出1の別例について説明をする。図84(b)は大当たり中演出1の別例の内容を示したタイミングチャートである。本別例では、図83(a)に示した内容に対して、上乗せ用演出の内容が5R演出から10R演出に変更されている点と、大当たり開始時における当たり入賞(入賞情報格納エリア223aの当たりを示す入賞情報)の有無が異なる点と、で相違している。
具体的には、図84(b)に示した例では、特別図柄の保留球数(特別図柄2の保留球数)が「1」で当たり入賞が無い状態で大当たり1(15R)が開始され、最初の上乗せ用演出として10R演出1が実行される。そして、その10R演出1が実行されている間に、当たりに当選している入球情報が含まれている新たな保留球を獲得し(保留球数が「2」となり)、10R演出1の大当たり継続演出において、大当たり2に対応するラウンド数を合算したラウンド数を用いて10R演出2が実行されることを示す演出が実行される。
このような演出を実行することで、1つの上乗せ用演出が複数の大当たりを跨ぐように実行されるため(大当たり1の11R〜大当たり2の5Rまでの期間で1つの上乗せ用演出が実行されるため)、1回の大当たりに設定されているラウンド数を遊技者に把握させ難くすることができる。また、図84(b)に示した例によれば、複数の大当たりを跨ぐように実行される上乗せ用演出として10R分の演出を実行しているため、10R演出1と10R演出2を実行した後に、上述した図83(a)と同一の5R演出5を実行することができ、上乗せ用演出に用いるデータを共通化することができる。
なお、図83(a)、或いは図84(b)では上乗せ用演出の一例を示したものであり、上記例示した内容以外の上乗せ用演出も実行されるように構成されている。具体的には、上乗せ用演出は、5ラウンド分の期間を用いた5R演出、10ラウンド分の期間を用いた10R演出以外にも、7ラウンド分の期間を用いた7R演出や8ラウンド分の期間を用いた8R演出等が実行可能に構成されている。
このように上乗せ用演出として異なるラウンド数に対応させた複数の演出を用いることで、1回の大当たり中に実行されるラウンド数を遊技者に把握させ難くすることができ、遊技者に対して今回の大当たりがいつまで(何ラウンドまで)継続するのかを予測させながら、長く継続することを期待して遊技を行わせることができる。
また、単数又は複数の大当たりに対応して実行される大当たり中演出1が終了した時点において設定される遊技状態、即ち、大当たり中演出1に対応する最後に実行される大当たりの大当たり種別(確変大当たり、通常大当たり)に基づいて、実行される上乗せ用演出を可変させるように構成しても良く、例えば、大当たり中演出1が終了した時点において設定される遊技状態が確変状態であると判別した場合には、大当たり中演出1の序盤に実行される上乗せ用演出として、長いラウンド数に対応させた上乗せ用演出(例えば、10R演出)を設定し易くしたり、大当たり中演出1が終了した時点において設定される遊技状態が確変状態である場合にのみ実行される上乗せ用演出(例えば、7R演出)を実行したりするように構成しても良い。
このように構成することで、実行される上乗せ用演出によって、遊技者に対して大当たり中に実行されるラウンド数、および大当たり終了後に設定される遊技状態の両方を予測させることができ、演出効果を高めることができる。
図82に戻り、説明を続ける。本制御例では、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態又は時短状態)となった場合に、特定の演出(確変中演出、又は、時短中演出(以下、高確中演出と称す))が実行される。この高確中演出が実行されている期間は、所定の演出(バトル演出)が繰り返し実行される期間であり、バトル演出の結果に基づいて、遊技者に有利な遊技状態が終了するか否かを遊技者に報知する演出が実行される。
ここで、図90〜図97を参照して、高確中演出(継続演出)の内容について詳細に説明する。図90は、遊技状態が有利状態(確変状態又は時短状態)である場合に実行される高確中演出(継続演出)の流れのうち、大当たりに当選するまで継続して実行される高確中演出(継続演出)を示したタイミングチャートである。図90に示した通り、高確中演出(継続演出)中にはバトル演出が繰り返し実行されるように構成されている。バトル演出は、有利状態(確変状態又は時短状態)が終了するか否かを報知するための演出が特図変動1回転分の期間で実行されるバトルリーチ(図93〜図96参照)と、そのバトルリーチが実行される際の表示態様を可変させるための演出が特図変動複数回転分の期間で実行されるバトル前演出(図91、及び図92参照)とから構成されている。
詳細な演出内容は後述するが、バトルリーチでは、自身のキャラクタと相手のキャラクタが互いのHP値(継続値)を減少させる演出(攻撃演出)が複数回(3回)実行され、自身のキャラクタのHP値(継続値)が「0」となると(敗北パターンのバトルリーチの場合)、有利状態の終了条件(有利状態が終了する大当たりに当選、或いは、特別図柄の変動回数が設定された時短回数に到達)が成立したことを示し、相手のキャラクタのHP値(継続値)が「0」になると(勝利パターンのバトルリーチの場合)、有利状態が継続する大当たりに当選したことを示し、互いのHP値(継続値)が「0」にならない(引き分けパターンのバトルリーチの場合)場合は、高確中演出が継続して続行されることを示している。
また、バトル前演出では、バトルリーチが開始される時点での相手のキャラクタのHP値(継続値)を増減させる演出が実行される。このバトル前演出は、保留図柄の先読み結果や、バトル演出が繰り返し設定される回数に基づいて演出態様が設定されるように構成されており、その演出態様に基づいて、複数の特別図柄変動を用いたHP管理が実行される。
図91(a)は、高確中演出(継続演出)としてバトル演出が開始された場合における第3図柄表示装置81の表示内容を示した模式図である。バトル演出が開始されると、まず、バトル演出の前半パートであるバトル前演出が実行される。このバトル前演出は、バトル演出の後半パートであるバトルリーチの対戦相手の継続値(HP値)を増減させるための演出が実行される。
図91(a)に示したように、バトル前演出が実行されると、主表示領域Dmの中央左側に男の子のキャラクタDm11が表示されると共に、バトルリーチの対戦相手候補を選択するための相手選択態様が表示される。この相手選択態様には、バトルリーチの対戦相手となる相手候補として4種類のキャラクタA〜Dに対応する選択部Dm13〜Dm16が表示され、そのうちの一の選択部が選択される。なお、図91(a)では、キャラクタAに対応する選択部Dm13が選択されている状態を示している。
さらに、主表示領域Dmの右下側には、4種類のキャラクタA〜Dのそれぞれに対応する継続値(HP値)を示すHP表示領域Dm17が表示される。このHP表示領域Dm17は、HP値を横長のゲージで示す表示部と、数値で示す表示部(Dm18)とから形成されている。このHP表示領域Dm17に表示される値(表示態様)は、バトル前演出中の相手への攻撃に応じて可変(減少)するように可変表示される。
バトル前演出において、対戦する相手が選択されると、次に図92(a)に示す画面が表示され、相手のHP値を減少させる演出が実行され、HP表示領域Dm17には、選択表示された相手キャラクタに対応するHP表示を識別するための表示(キャラクタAに丸印)が為される。これにより、現在選択されている相手キャラクタのHP値がどれくらいであるかを遊技者に容易に把握させることができる。
また、このバトル前演出中は、相手キャラクタのHP値を減少させる演出のみが実行され、自身(キャラクタDm11)のHP値が減少することは無い。これにより、バトルリーチが実行するまでの間は、相手に攻撃を仕掛ける演出の結果、自身のHP値が減少してしまうことがないため、相手に攻撃を仕掛ける演出が多く実行されることを期待しながら遊技を行うことができる。また、バトル前演出中は自身(キャラクタDm11)のHP値が画面に表示されないため、実行される演出の結果、自身のHP値が減少してしまう不安感を遊技者に与えてしまう事態を抑制することができる。
なお、バトル前演出の演出態様は上述した内容に限るものではなく、自身のHP値を表示し、自身のHP値を減少させる演出を実行しても良いし、自身のHP値、或いは、相手のHP値を増加させる演出を実行しても良い。また、バトル演出の前半パートであるバトル前演出において相手のHP値が「0」になるまで減少させて、バトル演出の後半パートであるバトルリーチを実行しないまま大当たり(大当たり終了後に確変状態、又は、時短状態が付与される大当たり)を実行するように構成しても良い。
図92(a)では、キャラクタADm13に対してHPを「200」減少させる攻撃(主攻撃演出)を行ったため、HP表示領域Dm17のうちキャラクタAに対応する表示部Dm18aが、主表示領域Dmの演出内容に対応して「800」に可変表示される。
一方、図92(b)に示した表示例では、自身(キャラクタDm11)が攻撃を加える演出(主攻撃演出)以外に、猫のキャラクタDm20が登場し、追加攻撃(副攻撃演出)を行う演出も実行される。この場合、図92(b)に示した通り、キャラクタADm13に対してHPを「230」減少させる攻撃が行われ、HP表示領域Dm17のうちキャラクタCに対応する表示部Dm18cが、主表示領域Dmの演出内容に対応して「770」に可変表示される。
図92(b)に示した通り、このバトル前演出中は、対戦相手が途中で変更されることがあり、対戦相手が変更された場合には、現在の対戦相手が識別可能となるようにHP表示領域Dm18の表示(キャラクタAに丸印)が為される。
ここで、攻撃演出により減少するHPの値の設定方法について、簡単に説明をする。本制御例では、特別図柄の抽選結果や、保留記憶されている入球情報の事前判別結果(先読み結果)に基づいて、継続値管理手段によってバトル演出の結果や大まかな演出内容(HP値の減少値(100の位)、及び主攻撃演出)が決定されるように構成されている。そして、継続値管理手段により決定された演出内容(HP値の減少値、及び主攻撃演出)に対して、演出種類の多様化を図ることを目的として、演出設定手段によって抽選結果や先読み結果に影響を受けること無く詳細な演出内容(HP値の減少値(10の位)、及び副攻撃演出)が決定されるように構成されている。
そして、継続値管理手段によって決定された継続値(HP値)を記憶し、その記憶した継続値(HP値)に対して継続値管理手段を用いて継続値(HP値)を増減させるように構成している。
具体的には、上述した図92(a)では、継続値管理手段により継続値(HP値)を200減少させる演出(主攻撃演出)が設定され、演出設定手段によって継続値(HP値)の値を増減させない内容が設定された場合の表示例を示しており、バトル前演出として相手キャラクタADm13の継続値(HP値)を200減少させる主攻撃演出(キャラクタDm11の攻撃演出)が実行されている。
一方、上述した図92(b)では、継続値管理手段により継続値(HP値)を200減少させる演出(主攻撃演出)が設定され、演出設定手段によって継続値(HP値)の値を20減少させる演出(副攻撃演出)が設定された場合の表示例を示しており、相手キャラクタADm13の継続値(HP値)を200減少させる主攻撃演出(キャラクタDm11の攻撃演出)に加え、相手キャラクタADm13の継続値(HP値)を30減少させる副攻撃演出(猫のキャラクタDm20の攻撃演出)が実行され、合計でバトル前演出として相手キャラクタADm13の継続値(HP値)を230減少される演出が実行されている。
このように構成することで、継続値管理手段により設定される演出の数に対して第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される演出の数を増加させることができる。換言すれば、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される演出の数に対して、連続して継続値(HP値)の増減を行う演出の管理数を減少することができ、遊技制御の負担を軽減させることができる。
また、1回のバトル前演出中の対戦相手が変更された場合は、変更前の相手キャラクタのHPの値はそのまま継続表示される。よって、対戦相手が変更されて、再度、同じ相手キャラクタが選択される場合に、以前のHPの値から継続して演出を実行することができる。このように、バトル前演出中にバトルリーチの対戦相手になり得る相手キャラクタのHPを徐々に減少させてからバトルリーチを実行させるようにすることで、高確中演出において、頻繁にバトルリーチを発生させなくても、一連の演出を実行することができる。
加えて、バトル前演出中に、複数の対戦相手候補のHPの減少具合が偏った場合には、なるべくHPの値が少ない対戦相手とバトルリーチが実行されるように期待しながら演出を注視させることができる。
バトル演出の前半パートであるバトル前演出が終了すると、次に、特定の対戦相手とバトルを行うバトルリーチが実行される。このバトルリーチに勝利した(相手のHPを「0」にした)場合には遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たりに当選したことを示し、敗北した(自身のHPが「0」となる)場合には、遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定される当たりに当選したことを示す。また、特別図柄の抽選結果が当たりでは無いタイミングでバトルリーチが実行された場合には引き分け(自身も相手もHPが「0」にならない)となり、高確中演出が継続される。
このバトルリーチは、高確中(確変、時短中)に大当たりに当選した場合、または、高確中に所定条件が成立した場合(例えば、特図変動回数が所定回数に到達した場合や、バトルリーチ演出抽選に当選した場合)に実行されるように構成されており、バトルリーチの結果が引き分けの場合は、再度、バトル前演出に移行する。この場合、相手キャラクタのHPの値は全て初期値に設定される。つまり、バトル前演出は相手キャラクタのHPの値を減少させる演出が実行されることから、例えば、確変状態中に特別図柄の当たりに当選しない期間が長期間継続してしまうと、バトル前演出中に相手キャラクタのHPが「0」になることを防ぐために、相手キャラクタのHPを減少させる演出(攻撃演出)が実行され難くする必要があり、バトル前演出の演出効果を低下させてしまう虞があった。
本制御例では、特別図柄が当たりに当選した場合以外にもバトルリーチを発生させ、そのバトルリーチの結果として「引き分け」を設け、バトルリーチにて「引き分け」となった場合には、相手キャラクタのHPの値を初期値に戻してバトル前演出を再開するようにしているため、1回のバトル前演出が長期間実行されることで、バトル前演出の演出効果が低下してしまうという問題を解決することができる。また、バトルリーチの結果に「引き分け」を設けたことで、バトルリーチ中に期待度が低い演出が実行された場合においても、「引き分け」の可能性を残すことができる。
ここで、図93(a)〜図96(b)を参照して、バトルリーチ中に表示される第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。まず、図93(a)は、バトルリーチが開始された直後の表示画面の一例を示した模式図である。ここで、バトルリーチの演出内容について説明をする。本制御例のバトルリーチでは、自身或いは相手の攻撃が計3回実行され、最終的なHPの値によって結果が表示される演出が実行される。攻撃の種類には「強攻撃」、「中攻撃」、「弱攻撃」の3種類があり、それぞれ減少させるHPの値が異なるように設定されている。
バトルリーチが開始されると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmの上部に「バトル開始」の文字と、バトルリーチの今回のバトル回数を示す「一回目」の文字が表示される。その下側には自身のHPの値を示すHPゲージDm21と、相手のHPの値を示すHPゲージDm22が表示される。HPゲージDm21には、上限値である「1000」が表示され、HPゲージDm22にはバトル前演出にて減少させた値である「500」が表示される。
HPゲージDm21の下側には、蓄積ゲージDm23が表示される。この蓄積ゲージDm23は、相手に攻撃されたことに基づいて値が蓄積され、蓄積値が「MAX」に到達すると逆転演出が実行されバトルリーチに勝利する演出が実行される。この逆転演出を実行可能とすることで、3回のバトルが繰り広げられるバトルリーチ中において、相手側が優勢な演出が実行されたとしても最後まで大当たりへの期待を持たせることができる。
そして、主表示領域Dmの下方にはバトルリーチの進捗を示すための進捗表示領域Dm24が形成され、バトルリーチ中の攻撃演出の履歴が表示される。
次に、図93(b)を参照して、バトルリーチ中の1回目の攻撃が自身の場合の表示内容を説明する。図93(b)に示したように、主表示領域Dmにて自身のキャラクタ(男の子のキャラクタ)Dm11が相手のキャラクタDm15を攻撃(弱攻撃)する演出が実行され、HPゲージDm22の値が「500」から「300」へと減少する。そして、進捗表示領域Dm24にはバトル1回目が自身の攻撃であったことを示す「丸印」が表示される。
図93(b)に示したバトル1回目の演出に続き、バトル2回目の演出が実行されると、図94(a)に示した通り、バトル2回目の演出が表示される。ここで、図94(a)では、バトル2回目の演出として相手のキャラクタDm15が攻撃を行う演出が実行され、自身のキャラクタDm11の継続値(HP値)を示すHPゲージDm21の値が「1000」から「700」へと減少すると共に、蓄積ゲージDm23の値が半分(50)貯まる演出が表示される。そして、進捗表示領域Dm24には、バトル2回目が相手の攻撃であったことを示す「バツ印」が表示される。
次に、バトル3回目(最後のバトル)の演出が実行されると、図94(b)に示した通り、バトル3回目の演出が表示される。ここで、図94(b)では、バトル3回目の演出として主表示領域Dmにて自身のキャラクタ(男の子のキャラクタ)Dm11が相手のキャラクタDm15を攻撃(中攻撃)する演出が実行され、HPゲージDm22の値が「300」から「0」へと減少し、今回のバトルリーチが遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たりに当選したことを示すバトルリーチであったことを報知する。そして、小表示領域Dn2では、今回の特別図柄の抽選が大当たりであることを示すための第3図柄の組み合わせ表示として「777」が表示される。
本制御例におけるバトルリーチは、図94(b)に示したバトルリーチ(勝利パターン)以外にも、上述したように、引き分けパターンと、敗北パターンが設けられており、引き分けパターンのバトルリーチが設定されている場合は、例えば、図94(b)に示したバトル3回目の演出の代わりに、図95(a)に示した演出が表示される。図95(a)に示した表示例では、バトル3回目の演出として相手のキャラクタDm15が攻撃を行う演出が実行される。引き分けパターンのバトルリーチの場合は、自身のキャラクタDm11のHPゲージDm21の値が0まで減少せず(500まで減少)、自身も相手も継続値(HP値)が0にならないままバトルリーチが終了する。この場合は、新たなバトル演出が実行され、再度バトル前演出(図91参照)が実行される。
図95(a)に示した通り、バトルリーチの最終攻撃(3回目の攻撃)が相手の攻撃の場合であっても、自身の継続値(HP値)が0まで減少しない引き分けパターンを設けることで、バトルリーチの最後まで、遊技者に期待を持たせることができる。なお、図95(a)では、引き分けパターンのバトルリーチとして3回目の攻撃を相手が行うパターン、即ち、3回目の攻撃の時点で、遊技者に今回のバトルリーチが敗北または引き分けの何れかのパターンと思わせる演出を例示したが、それ以外に、引き分けパターンのバトルリーチとして3回目の攻撃を自身が行うパターン、即ち、3回目の攻撃の時点で、遊技者に今回のバトルリーチが勝利または引き分けの何れかのパターンと思わせる演出も実行される。この場合は、3回目の攻撃が行われる時点で、今回のバトルリーチで敗北することが無いため、遊技者を安心させることができる。
また、敗北パターンのバトルリーチが設定されている場合は、例えば、図94(b)に示したバトル3回目の演出の代わりに、図95(b)に示した演出が表示される。図95(b)に示した表示例では、バトル3回目の演出として相手のキャラクタDm15が攻撃を行う演出が実行され、自身のキャラクタDm11のHPゲージDm21の値が0まで減少し、蓄積ゲージDm23の値が上限(MAX)まで蓄積されることなくバトルリーチが終了する。
一方、図96(a)に示した通り、自身のキャラクタDm11のHPゲージDm21の値が0まで減少した場合であっても、蓄積ゲージDm23の値が上限(MAX)まで到達した場合は、主表示領域Dmの上部中央に「復活」の文字が表示され、自身のキャラクタDm11が立ち上がり、図96(b)に示した通り、相手のキャラクタDm15を倒す復活演出が実行される。
上述した通り、本制御例におけるバトルリーチ演出は、自身のキャラクタDm11のHPゲージDm21と相手のキャラクタDm15のHPゲージDm22の減少具合に加え、蓄積ゲージDm23の値によっても演出結果が可変するように構成しているため、バトルリーチの最後まで大当たりに期待を持たせることができる。
また、本第1制御例では、バトル前演出の内容(演出態様)を、バトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいて可変可能に構成している。具体的には、図97に示したように、HP表示領域Dm17の表示態様を可変させるように構成している。
ここで、図97を参照して、HP表示領域Dm17の表示態様について説明をする。図97(a)〜(d)は、バトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいて可変設定されるHP表示領域Dm17の表示態様を示した図である。
図97(a)は、HP表示領域Dm17の表示態様の一例を示した模式図であって、バトル演出中に相手のキャラクタが入れ替わらないパターンのHP表示領域Dm17の表示態様を示した模式図である。図97(a)に示した通り、HP表示領域Dm17には、同一の相手のキャラクタ(キャラクタADm13)のみが継続値(HP値)を異ならせて(「700」〜「1000」の4段階)表示されている。このようなHP表示領域Dm17が表示された場合には、バトル前演出の相手として必ずキャラクタADm13が設定されることになり、バトル前演出にて実行する自身の攻撃(図92(a)参照)によって、HP表示領域Dm17に表示される全てのHP値が減少する演出が実行される。
このような表示態様を用いることで、一度に複数のHP値が減少することになることから、実行される演出を派手にすることができる。また、同一のキャラクタADm13であっても、継続値(HP値)の初期値を異ならせているため、バトルリーチ発展時において、低い継続値(HP値)のキャラクタADm13が選択されることを期待させながら遊技を行うことができる。また、同一のキャラクタADm13に対して、継続値(HP値)の初期値を異ならせることで、同一のキャラクタADm13に対して、大当たりに対する期待度を複数設定することができるため、例えば、大当たり期待度毎に異なる相手キャラクタを設定する場合に比べて、キャラクタを表示するための画像データの種類を削減することができる。
次に、図97(b)に示した模式図は、通常のHP表示領域Dm17の表示態様(図91参照)と比べて、各キャラクタA〜Dの表示される順番を異ならせた表示態様を示した模式図である。このような表示態様を用いる場合は、例えば、バトル演出中に相手キャラクタとしての選択度合いをHP表示領域Dm17に表示される位置によって異ならせるように構成した場合において、バトル演出中に選択され易い相手キャラクタを可変させることができる。さらに、バトル演出が実行されている間も、HP表示領域Dm17に表示されている各キャラクタA〜Dの表示順番を可変するように構成しても良い。
図97(c)は、通常のHP表示領域Dm17の表示態様(図91参照)とは異なる相手キャラクタが表示される表示態様を示した模式図である。図97(c)に示した通り、相手キャラクタE及びFが表示される本表示態様では、通常の相手キャラクタA及びBよりも継続値(HP値)の初期値が低い特別相手キャラクタとして相手キャラクタE及びFが選択可能に表示される。このように構成することで、今回のバトル演出において、バトルリーチに勝利することを遊技者に期待させることができる。
また、図97(d)は、通常のHP表示領域Dm17の表示態様(図91参照)に対して、選択可能な相手キャラクタの数を減少させた表示態様を示した模式図である。このような表示態様を用いることで、バトル前演出において選択される相手キャラクタの選択肢を減少するため、バトルリーチ発展時の相手キャラクタの継続値(HP値)を予め(バトル前演出中に)減少させやすくすることができる。
以上、説明をしたように、本制御例ではバトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいてHP表示領域Dm17の表示態様を可変設定するように構成することで、バトル演出のバリエーションを増加させ、演出効果を高めるようにしているが、例えば、HP表示領域Dm17の表示態様によって、遊技者に対して今後の遊技結果を示唆するように構成しても良い。
例えば、図97(c)にて上述した特別相手キャラクタEがバトルリーチの相手に選択された場合には、敗北パターンのバトルリーチが実行されない用に構成すると良い。これにより、バトル前演出において相手キャラクタの継続値(HP値)を減少させる演出に加えて、バトルリーチにて選択される相手キャラクタに対しても遊技者に興味を持たせることができる。また、図97(a)に示した表示態様において相手キャラクタAの代わりに相手キャラクタEが設定される場合には、バトル演出が実行されたタイミングで今回のバトル演出期間中に敗北パターンのバトルリーチが実行されることが無くなるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に勝利パターンのバトルリーチが実行される入球情報が含まれている場合には、選択されることで勝利パターンのバトルリーチが実行される特定相手キャラクタが含まれる表示態様を表示するようにしても良い。
また、遊技者が操作可能な枠ボタン22に対する操作結果に基づいてHP表示領域Dm17の表示態様を可変設定させるように構成しても良い。この場合、枠ボタン22の操作を受け付けるまでは図91に示した通常のHP表示領域Dm17の表示態様が表示され、バトル前演出中に枠ボタン22を操作させる操作演出を実行し、その操作演出に対する操作結果に基づいてHP表示領域Dm17の表示態様を、例えば図97(a)〜(d)に上述した表示態様へと可変させるように構成すると良い。
なお、図97(a)〜(d)を参照して上述した例では、異なる継続値(HP値)が設定された場合であってもHPゲージの長さを一定の長さに構成しているため、例えば継続値(HP値)を「100」減少させる場合に、設定されている継続値(HP値)に応じてHP値ゲージの減少割合が異なるように可変表示されるが、そのような表示態様に限ること無く、設定された継続値(HP値)に対応した長さでHPゲージを表示するように構成してもよい。また、HPゲージの長さで残りの継続値(HP値)を容易に把握させるために、HPゲージの長さに応じて、HP値ゲージの表示態様(例えば、色)を可変させるように構成しても良い。
以上説明をしたように構成することで、遊技者に対してバトル演出が繰り返して実行される場合であっても、その演出態様を異ならせることができ、遊技者が演出内容に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、バトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時(バトル前演出設定時)における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいてバトル前演出の演出態様を可変設定するように構成しているが、それ以外の条件を用いて演出態様を可変設定しても良く、例えば、バトル演出を実行可能な遊技状態として、第1遊技状態(例えば、確変状態)と、第1遊技状態よりは遊技者に不利となる第2遊技状態(例えば、時短状態)と、を判別可能に構成し、バトル演出設定時(バトル前演出設定時)における遊技状態が第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかを判別した結果に基づいて演出態様を設定しても良いし、バトル演出設定時(バトル前演出設定時)において保留記憶されている入球情報を判別し、その判別結果として、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態へと移行することを示す入球情報があるか否かの判別結果に基づいて演出態様を設定しても良い。
次に、図98〜図101を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の遊技状態が通常状態に設定されている場合に実行される演出である示唆演出について説明をする。この示唆演出は、特別図柄の変動に対応して第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動演出にて大当たり期待度の高さを示すための特定演出が実行されることを遊技者に事前に示唆するための演出であり、前半パートの前兆演出と、後半パートのカウントダウン演出とから構成される演出である。
まず、図98及び図99を参照して、示唆演出中に第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される内容について説明をする。図98(a)は、示唆演出の前半パートである前兆演出が開始された時点における表示画面の一例を示した模式図であり、図98(b)は、前半パートである前兆演出が終了し、後半パートであるカウントダウン演出が開始された時点における表示画面の一例を示した模式図であり、図99は、示唆演出(カウントダウン演出)が終了し、特定演出が開始された時点における表示画面の一例を示した模式図である。
図98(a)に示した通り、示唆演出が開始されると、副表示領域Dsにて前兆演出が実行される。図98(a)に示した例では、「車」を模したキャラクタDc1が、左から右方向に進行する動的演出が実行され、キャラクタDc1が「ゴール」の文字が表示される到着地点Dc3に到着することで、カウントダウン演出に切り替わるよう演出が実行される。
そして、キャラクタDc1が到着地点Dc3まで移動する際の移動経路として、直線上の経路を示す第1経路Dc2aと、蛇行した経路を示す第2経路Dc2bの何れかが設定されるように構成されており、図98(a)に示した例では、第2経路Dc2bが選択され、キャラクタDc1が蛇行した経路に沿って移動する動的演出が実行されている。
ここで、詳細な説明は図100を参照して後述するが、本第1制御例では、示唆演出のうち前半パートである前兆演出の開始タイミングを複数の地点から選択可能に構成されており、前兆演出が実行される期間が不定であるため、前兆期間演出が実行される期間の長さに応じてキャラクタDc1の経路が選択されるように構成している。これにより、前兆演出が実行された場合において、カウントダウン演出が開始されるタイミングを視覚的に把握することができる。
なお、図98(a)では、前兆演出として、カウントダウン演出が開始されるタイミングを示唆する演出を用いているが、それ以外の演出を前兆演出として用いても良く、例えば、カウントダウン演出が実行されることを遊技者に示唆する演出や、カウントダウン演出の期間を示唆する演出や、カウントダウン演出の対象となる特定演出の種類を示唆する演出を用いてもよい。つまり、示唆演出として今後実行される演出に関する情報を事前に報知する演出であれば良い。
前兆演出が終了すると、図98(b)に示した通り、主表示領域Dmの上方に「カウントダウン開始」のコメントが表示され、副表示領域Dsでは、キャラクタDc1が到着地点Dc3に到着し、カウントダウン期間が3秒間であることを示す「3」の文字がカウントダウン表示領域Dc4に表示される。これにより、遊技者に対して、今回のカウントダウン演出が「3」から始まる演出である点、及び、特定演出が実行されるタイミングを具体的に報知することができる。
なお、図98(b)に示した例では、カウントダウン期間が3秒間であるカウントダウン演出を示しているが、本第1制御例では、それ以外のカウントダウン期間(例えば、7秒間)が設定されているカウントダウン演出も有しており、カウントダウン期間が長い程大当たり期待度が高くなるように設定されている。このように構成することで、示唆演出のうち前半パートである前兆演出中は、カウントダウン演出が開始されるタイミングと今回の変動パターンを予測しながら、長いカウントダウン期間が設定されたカウントダウン演出が実行されることを期待させることができる。
図98(b)に示したカウントダウン演出が終了すると、図99に示した通り、副表示領域Dsのカウントダウン表示領域Dc4にカウントダウン期間が終了したことを示す「0」の文字が表示され、主表示領域Dmでは、特定演出として枠ボタン22を模した画像が表示される操作演出が実行される。
次に、図100及び図101を参照して、本第1制御例の示唆演出として実行される前兆演出およびカウントダウン演出を設定する流れについて説明をする。本第1制御例では、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に報知するために示唆演出が実行され、その示唆演出の後半パートに実行されるカウントダウン演出では、対象となる特定演出の実行タイミングを正確(具体的)に報知する演出(図98(b)参照)が実行され、前半パートに実行される前兆演出では、特定演出が実行される旨を直接的、或いは間接的に示唆する演出(図98(a)参照)が実行される。
ここで、従来から第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動演出において、所定タイミングで特定演出が実行されることを遊技者に示唆(報知)するための示唆演出を予め定められた所定期間実行する構成が用いられていた。このように示唆演出が実行される期間を予め定めてしまうと、変動演出において実行される他の演出(例えば、示唆演出よりも高い当たり期待度を示唆する演出)と実行期間が重複してしまう場合に禁則処理を施して示唆演出が実行されないようにする場合があった。また、示唆演出が実行される期間を確保できないタイミングで実行される特定演出に対して示唆演出を実行することが出来ないという問題があった。
上述した問題を解決するために、予め定められた所定期間を異ならせた複数の示唆演出データを用意してしまうと、記憶容量が増加し、更に、変動演出を設定する際の処理が煩雑になるという新たな問題が発生する。
そこで、本制御例では、示唆演出の実行タイミングと終了タイミングとを別々に設定し、示唆演出が実行される期間が調整可能となるように構成している。具体的には、示唆演出の対象となる特定演出の実行タイミングに基づいて示唆演出の終了タイミング(後半パートであるカウントダウン演出の終了タイミング)を設定し、示唆演出の開始タイミング(前半パートである前兆演出の開始タイミング)を複数の地点から設定可能に構成している。
このように構成することで、実行される期間を予め設定することなく示唆演出を実行することができる。また、示唆演出の開始タイミングを複数の地点から設定可能に構成しているため、例えば、特別図柄の抽選結果に基づいて示唆演出が実行される期間を可変(例えば、大当たりに当選した場合には示唆演出が実行される期間を長く設定)したり、他の演出の実行タイミングに応じて示唆演出の開始タイミングを可変させたりすることが可能となる。よって、示唆演出を設定する際の自由度を高めることができる。
図100(a)は、60秒の変動時間が設定されている変動演出において示唆演出を実行する流れを示したタイミングチャートである。図100(a)に示した例では、変動開始から10秒後或いは20秒後に示唆演出を開始可能なタイミングが設定され、変動開始から33秒後に特定演出である「PUSH演出」が実行されるように設定されている。そして、特定演出が実行されるタイミング(変動開始から33秒後)で、カウントダウン演出(実行期間3秒)が終了するように、カウントダウン期間(変動開始から30〜33秒)が設定される。そして、今回の変動が大当たりに当選した場合であるため、複数の開始タイミングの中から、示唆演出期間をより長く設定可能なタイミング(変動開始から10秒後のタイミング)を、示唆演出の開始タイミングとして設定する。
これにより、図100(a)に示した例では、変動開始から10秒後に前兆演出(演出期間20秒)が実行された後に(変動開始から30秒経過後に)、カウントダウン演出(演出期間3秒)が実行される。そして、カウントダウン演出の演出期間の終了タイミングで特定演出(「PUSH演出」)が実行される。なお、今回の変動が大当たりに当選していない場合は、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)として、示唆演出期間が短くなるタイミング(変動開始から20秒後のタイミング)が設定される。
このように、所定の変動演出の特定タイミングで実行される特定演出を対象に示唆演出を実行する場合において、特別図柄の抽選結果に基づいて示唆演出の開始タイミングを設定する構成を用いることで、示唆演出期間の長さを特別図柄の抽選結果に基づいて可変させることが可能となり、遊技者に対して演出期間の長さを意識させることができる。よって、演出効果を高めることができる。
また、示唆演出期間の長さを可変させる場合であっても、示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出期間、つまり、特定演出の実行タイミングを具体的(正確)に報知する演出を実行する期間は、特定演出の実行タイミングに基づいて設定されるように構成しているため、示唆演出の効果が低下することを抑制することができる。
即ち、示唆演出期間の長さを可変する場合には、示唆演出の前半パートである前兆演出が実行される期間のみが可変するように構成している。この前兆演出は、上述したように特定演出が実行される旨を直接的、或いは間接的に示唆するものであり、その演出期間の長さを変更しても、示唆演出の後半パートに実行されるカウントダウン演出によって特定演出が実行されるタイミングを遊技者に確実に報知することができる。
次に、図100(b)を参照して、図100(a)を参照して上述した変動演出Aとは異なる変動演出Bにて実行される示唆演出の流れについて説明をする。図100(b)は、変動演出Bにて実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図100(b)に示した変動演出Bは、上述した変動演出Aとは異なり、示唆演出の対象にし得る特定演出が複数設定されている変動演出である。この変動演出Bにて実行される変動演出の設定方法について、上述した変動演出Aと相違する点を中心に説明する。変動演出Bには、変動開始から10秒後或いは20秒後に示唆演出を開始可能なタイミングが設定され、変動開始から26秒後或いは30秒後に特定演出を実行可能なタイミングが設定されている。
変動演出Bでは、変動開始から26秒後に実行可能な特定演出として男の子のキャラクタが第3図柄表示装置81の表示画面全体を覆うように大きく表示される「カットイン演出」(図示せず)と、変動開始から30秒後に実行可能な特定演出として「PUSH演出」(図99参照)と、が設定可能に構成されている。この2つの特定演出は大当たり期待度が同一に設定されており、設定される示唆演出に対応した方の特定演出が実行される。
図100(b)に示した変動演出では、上述した図100(a)と同様に、特別図柄の抽選結果に基づいて示唆演出が実行される期間が設定されるように構成され、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、示唆演出の開始タイミングとして変動開始から10秒後のタイミングが、特定演出として、変動開始から40秒後に実行される「PUSH演出」が設定され易くなるように構成している。
より具体的には、大当たり期待度が高い順に、上述した示唆演出が最も大当たり期待度が高いパターンであって、次いで、変動開始から17秒後のタイミングを示唆演出の開始タイミングとして設定し、「PUSH演出」を特定演出として設定するパターン、変動開始から10秒後のタイミングを示唆演出の開始タイミングとして設定し、「カットイン演出」を特定演出として設定するパターン、変動開始から17秒後のタイミングを示唆演出の開始タイミングとして設定し、「カットイン演出」を特定演出として設定するパターンの順で大当たり期待度に対応して示唆演出が設定される。
さらに、図100(b)に示した変動演出Bでは、設定された示唆演出期間の長さに応じて、カウントダウン演出の開始タイミング(カウントダウン期間の長さ)も可変可能に構成しており、最も大当たり期待度の高い演出パターンが設定された場合には、カウントダウン演出の開始タイミングを、特定演出が実行される7秒前に設定し、カウントダウン演出を開始した直後に第3図柄表示装置81の副表示領域Dsのカウントダウン表示領域Dc4(図98(b)参照)に「7」の文字を表示するカウントダウン演出が実行される。
また、本第1制御例では、複数の変動演出を跨いだ示唆演出を実行可能に構成している。この複数の変動演出を跨いで実行される示唆演出の流れについて図101を参照して説明をする。図101は、連続する特別図柄変動2回分に対応した変動演出を跨いで示唆演出が設定される場合の演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図101に示した通り、本制御例では、変動演出実行中に新たな保留記憶を獲得した場合に、新たに獲得した保留記憶に含まれる情報(当否判定結果、変動パターン等)を事前に判別(先読み)し、その判別結果に基づいて該当する保留記憶に対応する変動演出よりも前に実行される変動演出の演出態様を設定可能に構成している。
具体的には、保留記憶が無い状態で変動演出C(変動時間30秒)の変動が開始され、変動開始から15秒経過したタイミング(変動演出Cの残期間が15秒の状態)で、第1入球口64或いは第2入球口140に球が入球し、新たな保留記憶(次回の変動演出に対応する保留記憶)を獲得すると、その新たな保留記憶に含まれる情報に基づいて、示唆演出を実行するか否かを判別する。
ここで、次回の変動演出が示唆演出を実行する変動演出であると判別した場合には、現在の変動演出の残期間が所定期間(例えば、10秒)以上であるかを判別する。図101に示した例では、新たな保留記憶を獲得したタイミングが変動演出Cの残期間が15秒のタイミングであるため、現在の変動演出の残期間が所定期間以上であると判別し、現在の変動演出における所定タイミング(変動開始から20秒経過したタイミング)に示唆演出の開始タイミングを設定し、次回の変動演出(変動演出D)において、変動開始から5秒後に実行される特定演出(特定演出C)を対象としてカウントダウン演出(演出期間3秒)を設定する。
上述したように、連続して実行される変動演出(変動演出C,D)を跨いで示唆演出の開始タイミング及び示唆演出の終了タイミング(特定演出の開始タイミング)を設定することで、変動演出Cが変動開始から20秒経過すると、示唆演出の前半パートである前兆演出が、変動演出Cが終了するまでの期間(10秒間)実行される。そして、変動演出Dの変動開始タイミングからカウントダウン演出が実行されるまでの期間(2秒間)も前兆演出が継続して実行され、その後(変動演出Dの変動開始から2秒後)、カウントダウン演出が3秒間実行された後に、特典演出Cが実行される。
図101に示した例によれば、特定演出が実行される変動演出の前に実行される変動演出において示唆演出を実行することができるため、変動演出の序盤(例えば、変動開始から5秒後)に実行される特定演出に対しても示唆演出を実行することができる。よって、示唆演出の自由度をより高めることができる。
さらに、図101に示した例において、新たな保留記憶を獲得したタイミングが変動演出Cの残期間が所定期間未満(10秒未満)の場合(例えば、図101に示した追加入賞Bのタイミングの場合)には、変動演出Dの特定演出Cを対象に示唆演出を実行する期間を確保することが出来ないため、特定演出Cを対象とした示唆演出が設定されないように構成している。
なお、上述した例では、追加入賞したタイミング(新たな保留記憶を獲得したタイミング)に基づいて、次回以降の変動演出において実行される特定演出を対象に示唆演出を実行するか否かを判別する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、追加入賞したタイミング(新たな保留記憶を獲得したタイミング)に基づいて、次回以降の変動演出において特定演出を実行するタイミングを可変させるように構成してもよい。
このように構成することで、複数の変動演出を跨いで実行される示唆演出を設定し易くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、図101では、複数の変動演出を跨いで実行される示唆演出の一例として、変動演出実行中に、次回の変動演出の開始条件が成立した場合における示唆演出の流れについて説明をしたが、それ以外の条件で複数の変動演出を跨いだ示唆演出を実行するようにしても良い。
例えば、次回の変動演出の開始条件が成立している状態で、次々回の変動演出の開始条件が成立した場合において、次々回の変動演出内の何れのタイミングを特定演出の実行タイミングとして設定し、現在実行中の変動演出の残期間、或いは、次回の変動演出が実行される期間の何れかのタイミングに示唆演出を実行するタイミングを設定するように構成しても良い。
この場合、現在実行中の変動演出において実行される演出、および、次回の変動演出中に実行される演出の内容を判別し、その判別結果、及び、次々回の変動演出に対応する特別図柄の抽選結果に基づいて、示唆演出の開始タイミングを設定するように構成すると良い。このように構成することで、例えば、現在変動中の変動演出と、次回の変動演出とを一連の演出とする連続演出が設定されている場合には、次々回の変動演出に向けて示唆演出を実行せず、現在変動中の変動演出の終了タイミング、即ち、次回の変動演出の開始タイミングにおいて、特別な演出を実行することが設定されている場合には、次回の変動演出期間内で示唆演出の開始タイミングを設定し、現在変動中の変動演出、および、次回の変動演出において、示唆演出の設定を禁止する要因が無い場合には、現在変動中の変動演出の残期間、或いは次回の変動演出の期間の何れかに示唆演出の開始タイミングを設定することができる。
また、次回(次々回)の変動演出の開始条件が成立した場合に、その変動演出が大当たり当選に対応する変動演出であるかを判別し、その判別結果に基づいて示唆演出の開始タイミングを実行中の変動演出の残期間、或いは、次回(次々回)の変動演出の実行期間の何れかに設定するようにしても良い。これにより、1回の変動演出期間よりも長い期間の示唆演出期間を容易に設定することができる。
なお、本第1制御例では、1つの特定演出を対象に示唆演出を実行する構成としているが、複数の特定演出を対象に示唆演出を実行するように構成してもよい。この場合、共通の前兆演出が実行される前兆期間と、複数の特定演出のそれぞれに対応してカウントダウン演出を実行するカウントダウン期間と、を設定するように構成するとよい。このように構成することで、幾つの特定演出を対象に示唆演出が実行されたのかを予測しながら遊技を行うことができ、演出効果を高めることができる。
加えて、前兆演出が実行されている間に、特定演出を対象としない疑似的なカウントダウン演出(疑似カウントダウン演出)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、どのタイミングで実行される特定演出に対して、示唆演出が実行されたのかを分かり難くすることができる。
次に、図102〜図104を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の遊技状態が通常状態に設定されている場合に実行される演出である期待度示唆演出について説明をする。この期待度示唆演出は、大当たりの当選期待度を段階的に報知可能な期待度表示態様を複数表示する期待度表示演出と、その期待度表示態様の表示態様を可変させる(大当たりの当選期待度が高い表示態様に可変させる)ための期待度上昇演出とから構成される演出である。
まず、図102(a)を参照して、本第1制御例の期待度示唆演出に用いられる期待度表示態様について説明をする。図102(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される期待度表示態様の一例を模式的に示した模式図である。図102(a)に示した通り、本制御例では、複数の期待度表示態様Dk1〜Dk3が表示される。
期待度表示態様Dk1は、実行中の変動演出に対応する情報を示す実行中表示を用いて大当たり期待度を示しているものであって、図102(a)では、大当たり期待度を示す「LV2」が表示されている。この期待度表示態様Dk1は、詳細は後述するが、変動演出が開始されてから10秒後に表示されるものであり、複数の期待度表示態様Dk1〜Dk3の中で最も早く表示画面に表示される。
期待度表示態様Dk2は、変動演出中に登場するキャラクタを用いて大当たり期待度を示しているものであって、図102(a)では、大当たり期待度を示す「LV1」が表示されている。この期待度表示態様Dk2は、詳細は後述するが、変動演出が開始されてから24秒後に表示される。
期待度表示態様Dk3は、変動演出の内容や進捗情報を示すセリフ表示を用いて大当たり期待度を示しているものであって、図102(a)では、大当たり期待度を示す「LV2」が表示されている。この期待度表示態様Dk3は、詳細は後述するが、変動演出が開始されてから36秒後に表示される。
なお、図102(a)では、各期待度表示態様を段階的に示すLV表示で示しているが、大当たり期待度を段階的に報知可能な態様であれば良く、例えば、大当たり期待度に対応させて各表示態様の色や、動的演出の速度や、出力される音量や光量の大きさを段階的に可変させる構成を用いても良い。また、成長過程や変身過程を示す演出態様を最終態様に向けて段階的に可変させる構成を用いても良い。
また、期待度表示態様Dk1に表示される実行中表示については、例えば、副表示領域Dsの第1表示領域Ds1に表示される保留図柄表示の表示態様を継続して表示するように構成してもよい。これにより、保留図柄表示中にその保留図柄の表示態様を可変させる演出(保留図柄予告演出)が実行された場合に、可変された保留図柄の表示態様を継続して実行中表示として用いることができるため、遊技者に対して実行中の変動表示と、保留図柄表示との関係を分かり易くすることができる。
期待度示唆演出が実行されると、図102(a)に示した期待度表示態様Dk1〜Dk3が表示される期待度表示演出に加え、期待度表示態様Dk1〜Dk3の表示態様を可変(上昇)させるための期待度上昇(上乗せ)演出が実行される(図102(b)参照)。
図102(b)に示した通り、期待度上昇(上乗せ)演出が実行されると、まず、期待度設定演出として、異なる上昇(上乗せ)値が表示される選択領域Dk4a〜Dk4cを有した表示態様(ルーレット)Dk4が回転表示され、ルーレットDk4が停止した際に矢印Dk5に指定された選択領域に表示されている上昇(上乗せ)値が設定される。
この上昇(上乗せ)値は、期待度示唆演出中に表示される各期待度表示態様の表示態様を可変させる可変量を示すものであり、上昇(上乗せ)値として「1UP」が設定された場合は、各期待度表示態様の何れか1つに対して、現在表示されている表示態様よりも、大当たり期待度が段階的に1つ高い表示態様へと可変される演出が実行されることを示している。
このように構成することで、期待度上昇(上乗せ)演出が実行されることで、今回の期待度示唆演出中に表示される各期待度表示態様の可変量のみを報知することが可能となる。よって、遊技者は、既に高い大当たり期待度に対応する表示態様が表示されている期待度表示態様の期待度が更に可変(上昇)することを期待しながら期待度上昇(上乗せ)演出を楽しむことができる。
なお、本制御例では、期待度上昇(上乗せ)演出にて設定される上昇(上乗せ)値として、今回の期待度上昇(上乗せ)演出が実行されている間に可変(上昇)する各期待度表示態様の可変量を合算した値が設定されるように構成している。これにより、例えば、上昇(上乗せ)値として「3UP」が設定された場合に、1つの期待度表示態様の表示態様が3段階分可変するのか、3つの期待度表示態様がそれぞれ1段階分可変するのかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、遊技者に対して期待度示唆演出の演出結果を早期に把握されてしまうことを抑制し、演出効果を高めることができる。
次に。図103(a)を参照して上昇(上乗せ)値として「3UP」が設定された場合における演出内容について説明をする。図103(a)は、設定された上昇(上乗せ)値を用いて各期待度表示態様の表示態様を可変(上昇)させる場合の一例を示した模式図である。
図103(a)に示した例によれば、上昇(上乗せ)として「3UP」が設定され、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される期待度表示態様Dk1〜Dk3のそれぞれが1段階ずつ可変表示される。具体的には、期待度表示態様Dk1の表示態様が「LV2」から「LV3」に可変し、期待度表示態様Dk2の表示態様が「LV1」から「LV2」に可変し、期待度表示態様Dk3の表示態様が「LV2」から「LV3」に可変する。
なお、上述した図103(a)では、全ての期待度表示態様Dk1〜Dk3の表示態様を同時に可変させるパターンを例示しているが、各期待度表示態様Dk1〜Dk3の表示態様を異なるタイミングで可変させるように構成してもよい。この場合は、期待度上昇(上乗せ)演出にて設定された上昇(上乗せ)値のうち、何れかの期待度表示態様の表示態様を可変させた可変量に対応する値を減算した上昇(上乗せ)値を残上昇(上乗せ)として表示画面に表示される。このように構成することで、表示画面に表示される残上昇(上乗せ)値と、表示態様が可変されていない期待度表示態様とに基づいて演出結果を具体的に予測することができ、演出効果を高めることができる。さらに、同一の期待度表示態様に対して、タイミングを異ならせて複数回、表示態様を可変させるように期待度上昇(上乗せ)演出を実行するように構成しても良い。このようにすることで、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
また、本制御例では、1つの変動演出において異なるタイミングで表示される複数の期待度表示態様Dk1〜Dk3のそれぞれが継続して表示されることで、図103(a)に示したように表示画面に同時に表示されるように構成しているが、各期待度表示態様Dk1〜Dk3が同時に表示される期間を設けなくても良いし、複数の期待度表示態様Dk1〜Dk3の表示タイミングのうち、少なくとも一部の表示タイミングを同時に設定してもよい。
さらに、期待度上昇(上乗せ)演出において、上昇(上乗せ)値が設定される対象となる期待度表示態様を遊技者に報知するように構成しても良い(図103(b)参照)。この場合は、図103(b)に示したように、主表示領域Dmの上方に対象となる期待度表示態様を示唆する「少年のレベルを上げるよ」のコメントが表示される。このコメントが表示されることにより、遊技者は、今回の期待度示唆演出の対象となる期待度表示態様が何であるかを把握することができ、今後の演出の進展を予測しながら楽しんで遊技を行うことができる。
次に、図104を参照して、本制御例で実行される期待度表示演出の流れについて説明をする。図104は期待度表示演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。図104に示した通り、1つの変動パターン(スーパーリーチ60秒)において、大当たり当選の期待度を段階的に示す期待度表示態様Dk1〜Dk3がタイミングを異ならせて表示される。具体的には、期待度表示態様Dk1(期待度1表示)が変動開始から12秒後に表示され、期待度表示態様Dk2(期待度2表示)が変動開始から24秒後に表示され、期待度表示態様Dk3(期待度3表示)が変動開始から36秒後に表示される。
そして、各期待度表示態様Dk1〜Dk3の表示態様を上昇(上乗せ)させる期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が変動開始から5秒、17秒、29秒の何れかのタイミングで表示される。ここで、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)は、表示される(実行される)タイミングに応じて、期待度を上昇させる対象となる期待度表示態様が異なるように構成されており、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が実行された後に表示される期待度表示態様が対象となるように構成している。
具体的には、変動開始から5秒後に期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が表示された場合は、期待度表示態様Dk1〜Dk3の全てを対象とし、変動開始から17秒後に期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が表示された場合は、期待度表示態様Dk2,Dk3を対象とし、変動開始から29秒後に期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が表示された場合は、期待度表示態様Dk3のみを対象とした演出が実行される。
このように構成することで、表示タイミング(実行タイミング)を異ならせるだけで、同一の演出態様である期待度上昇演出の演出内容を異ならせることができる。また、複数の期待度表示態様を対象として期待度上昇演出が実行されるため、期待度上昇演出にて報知される期待度が、どの期待度表示態様の期待度をどれくらい上昇させるのかを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、上述したように、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)の対象を表示タイミングが後に設定されている期待度表示態様としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が実行された時点で第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている期待度表示態様を対象としても良いし、上述しら期待度表示態様を組み合わせたものを対象としても良い。このように構成することで、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)によってどの期待度表示態様の表示態様が可変するのか(期待度が上昇するのか)を遊技者が予測し難くすることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)の演出効果を高めるために、複数の期待度表示態様のうち少なくとも1つを遊技者が選択可能な選択手段と、その選択手段により選択された期待度表示態様が、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)により表示態様が可変される対象であるかを判別する対象判別手段と、選択手段により選択された期待度表示態様が期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)により表示態様が可変される対象であると対象判別手段により判別された場合に、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)によって表示態様を可変する可変制御手段と、を設けても良い。このように構成することで遊技者参加型の演出を提供することができ、意欲的に遊技に参加させることができる。
この場合、例えば、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)の対象となる期待度表示態様を示唆する示唆報知を、遊技者が選択手段により期待度表示態様を選択する期間よりも前の期間に実行する示唆報知手段を設けると良い。これにより、遊技者に対して選択手段のにより選択する対象範囲を限定することができ、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が実行される確率を高めることができる。
また、選択手段により選択された期待度表示態様が、期待度表示態様が期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)により表示態様が可変される対象ではないと対象判別手段により判別された場合に、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)にて設定された上昇(上乗せ)値を用いた異なる演出を実行する演出切替手段を設けた構成すると良い。これにより、既に表示画面に表示された上昇(上乗せ)値を遊技者に違和感を与えることなる消化することができる。
上述した異なる演出としては、例えば、保留記憶されている入賞情報の内容を遊技者に事前に報知するための演出や、特典を得るために遊技者が貯めている値(例えば、遊技レベルや経験値)を上昇させるための演出といった遊技者に有利となる演出でも良いし、期待度表示態様の期待度が下がるように演出態様を可変させる演出(期待度下降演出)といった遊技者に不利となる演出でも良い。
加えて、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)にて設定された上昇(上乗せ)値に対応させて、演出切替手段により切替られた演出の表示態様を可変させるように構成する手段を設けても良い。さらに、遊技者が選択手段による期待度上昇態様の選択を行わなかった場合には、対象ではない期待度表示態様が自動的に選択される構成にしても良いし、対象となる期待度表示態様が自動的に選択される構成にしても良い。なお、対象となる期待度表示態様が自動的に選択される場合であれば、選択手段により対象とならない期待度表示態様を選択した方が遊技者に有利となる演出が実行されるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して積極的に選択手段による期待度表示態様の選択を行わせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図105から図125を参照して、第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、パチンコ機10に設けられた主制御装置110の詳細について説明する。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図113参照)が設けられている。
ここで、まず、図113を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図126参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図136参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入球口140に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄2保留球格納エリア203bとが設けられている。上述した通り、本制御例では、第1入球口64、および第2入球口140に対し、保留球がそれぞれ最大4個まで設けられている。このため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口140のいずれかに球が入賞すると、各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。その後、特別図柄1保留球格納エリア203a、および特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値のうち、時間的に最も古いカウンタ値が実行エリアに移動されて、特別図柄1、または特別図柄2を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中等の特別図柄1の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64、または第2入球口140に入賞し、且つ、入賞した入球口に対応する保留球数が上限値(本制御例では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶される。また、対応する保留個数が上限値(本制御例では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、3個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本制御例では、保留球数の上限値は、第1入球口64、および第2入球口140に対してそれぞれ4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、第1入球口64と第2入球口140とで保留球数の上限値を異ならせてもよいし、上限値を設けない構成としてもよい。さらに、第1入球口64と、第2入球口140の何れかに対してのみ保留球格納エリアを設け、何れか一方のみ保留球を格納できるようにしてもよい。
図113を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜238)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜238の値を取り得るカウンタの場合は238)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜238の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜238の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図126参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図136参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口140に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に設けられた第1当たり乱数テーブル202a(図106(a)参照)に規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定される。
ここで、図106(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄1または特別図柄2の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図106(a)に示した通り、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、特別図柄1、または特別図柄2の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるかが判別されて、「7」であれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、特別図柄1、または特別図柄2の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「5〜9」の範囲内であるか判別されて、「5〜9」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。
ここで、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜238の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「7」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が239ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/239」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は5個あり、その乱数値である「5〜9」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が239ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/47.8」となる。
図113に戻って説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜199の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202c(図107参照)とに基づいて、大当たりA〜Kのいずれかの大当たり種別が選択されることとなる。
ここで、図107を参照して、第1当たり種別選択テーブル202cの詳細について説明する。図107に示した通り、この第1当たり種別選択テーブル202cには、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲毎に、選択される大当たり種別が対応付けて規定されている。より具体的には、図107に示した通り、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な確変状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が20個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
また、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜79」の範囲には、「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別である。大当たり中に実行されるラウンド数は、「大当たりA」よりも少ないが大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な確変状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が60個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は30%である。
対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜114」の範囲には、「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が100回設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が35個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は17.5%である。
また、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「115〜164」の範囲には、「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD」が選択される乱数値が50個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が選択される割合は25%である。
そして、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「165〜199」の範囲には、「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態が低確率状態で且つ時短状態では無い場合(通常状態である場合)には、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が設定され、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外(高確率状態または時短状態)の場合には、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が100回設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE」が選択される乱数値が35個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が選択される割合は17.5%である。
次に、対応する図柄種別が特別図柄2(特図2)の場合も、上述した特図2の場合と同様に、第1当たり種別選択テーブル202cに規定されている内容に基づいて「大当たりF」〜「大当たりK」が選択される。なお、詳細な説明は省略するが、対応する図柄種別が特図2の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)は、対応する図柄種別が特図1の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)に対して、ラウンド数が15ラウンドの大当たり(「大当たりF」)が選択される割合が高くなるように設定(選択割合が80%)されている。これにより、特別図柄の大当たりに当選した場合に、1回の大当たりにおいて遊技者が多量の球を獲得可能となる大当たりは、特図1よりも特図2で大当たりに当選したほうが高くなるため、特図1の抽選と特図2の抽選とで、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
一方、対応する図柄種別が特図2の場合には、対応する図柄種別が特図1の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)よりも不利となる大当たり種別(第1当たり種別)が選択される場合がある。具体的には、「大当たりI」〜「大当たりK」が選択された場合には、特図1の場合に選択される大当たり種別の中で最も少ないラウンド数である5ラウンドよりも少ない2ラウンドが設定される。
加えて、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が付与される大当たり種別である「大当たりH」、「大当たりJ」、「大当たりK」が選択された場合には、対応する図柄種別が特図1の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)において、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が付与される場合に設定される回数(時短回数)(100回)よりも少ない回数(50回や25回)が設定される。
このように、特図1の抽選で大当たりになった場合と、特図2の抽選で大当たりになった場合とで、実行される大当たり遊技の内容(ラウンド数)や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることにより、遊技を複雑にすることができるとともに、遊技者に常時過剰な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
さらに、大当たりに当選した時点における遊技状態に基づいて、大当たり終了後に設定される遊技状態が異なるように構成しているため、特別図柄の大当たりを目指す遊技において、設定されている遊技状態を意識しながら遊技を行うことになる。具体的には、同一の確率(例えば、低確率状態)で大当たり抽選が行われる遊技状態であっても、時短状態である場合と通常状態である場合とで大当たり終了後に設定される遊技状態が異なり、時短状態である場合のほうが遊技者に有利となる遊技状態が設定される。これにより、特定期間中(時短中)において特別図柄の大当たりに当選することを強く期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、特図1で大当たりに当選した場合と、特図2で大当たりに当選した場合とで、大当たり終了後に大当たり確率が向上する高確率状態が設定される割合が同一となるように第1当たり種別選択テーブル202cを規定しているが、これに限ること無く、高確率状態が設定される割合を異ならせても良い。また、第1当たり種別選択テーブル202cに基づいて大当たり種別(第1当たり種別)を選択し、その大当たり中に球を特定領域に通過させることで、大当たり終了後に確変状態(高確率状態)を付与する遊技機においては、特図1で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技と、特図2で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技とで、上述した特定領域への球の通過のし易さを異ならせるように構成してもよい。これにより、大当たりに当選した特別図柄によって、遊技者に付与される特典をより異ならせることができる。
さらに、大当たりに当選した特別図柄によって、遊技者に付与される特典を異ならせる方法として、例えば、大当たり遊技中に球が入賞可能となる可変入賞装置65(図2参照)を複数設け、実行される大当たりによって、その大当たり遊技中に球が入賞可能となる可変入賞装置65が異なるように構成してもよい。この場合、複数の可変入賞装置65への球の入賞のし易さや、球が入賞した場合に払い出される賞球数や、1回の開放動作を終了させる終了条件(入球数や制限時間)を異ならせるようにするとよい。これにより、大当たりに当選した特別図柄によって、遊技者に付与される特典をより異ならせることができる。
図113に戻って説明を続ける。停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64、または第2入球口140に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203a、または特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターンテーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図136参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図108、図109参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図108、図109参照)。この変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態に応じた複数の変動パターンテーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターンテーブルが設定されている。各変動パターンテーブルの詳細については、図108、および図109を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理(図126参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)66,67(以下、普通入球口(スルーゲート)67と称す)を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202b(図106(b)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202bに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。この第2当たり乱数テーブル202bの詳細について、図106(b)を参照して説明する。
図106(b)は、第2当たり乱数テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。この第2図柄当たり乱数テーブル202bにおいて、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は2個あり、その範囲は「5〜6」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が2個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/120」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜6」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口140に付随する電動役物140aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口140に付随する電動役物140aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物140aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口140へ球が入球し易い状態となる。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物140aが「1秒間×2回」だけ開放される構成としたが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
なお、詳細は、後述する普通図柄変動処理(図132参照)を参照して後述するが、本制御例では、普通図柄の抽選時(当たり判別時)における普通図柄の状態(低確率または高確率)に応じて、普通図柄の変動表示時間が決定され、普通図柄の変動が停止したタイミングにおける普通図柄の状態(低確率または高確率)に応じて、普通図柄が当たりに当選した場合に付与される特典の内容、即ち、電動役物140aの開放動作内容が決定されるように構成されている。
つまり、普通図柄の高確率中(時短状態中)に普通図柄の変動が開始される場合は、普通図柄の変動時間として短変動時間(例えば、3秒)が設定され、その短変動中に普通図柄の状態が低確率状態へと移行した場合(時短状態から通常状態へと移行した場合)は、短変動終了後に当たりを示す普通図柄が停止表示されたとしても、電動役物140aは普通図柄の低確率中(通常状態中)の開放動作(例えば、「0.2秒間×1回」)が実行される。
このように構成することにより、特別図柄の変動と、普通図柄の変動とが別個独立して実行されるパチンコ機10であって、特別図柄の抽選結果や抽選回数によって可変し得る遊技状態に基づいて普通図柄の変動時間や、当たり当選時の特典内容が決定される場合において、普通図柄の変動時間を普通図柄の抽選時の遊技状態に基づいて決定し、普通図柄の当たり当選時の特典内容を普通図柄の変動停止時(電動役物140aの開放動作時)の遊技状態に基づいて決定することができるため、普通図柄の動作内容と、設定されている遊技状態と、が相違する事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動制御としては、上述した本制御例の内容に限られることなく、他の制御を用いても当然良く、例えば、普通図柄の抽選時の遊技状態に基づいて、変動時間および特典内容(電動役物140aの開放動作内容)を設定するようにしてもよい。また、普通図柄の抽選時および普通図柄の変動停止時(電動役物140aの開放動作時)の何れも普通図柄の高確率状態(時短状態)である場合のみ、普通図柄の当たり当選時の特典(電動役物140aの開放動作内容)が遊技者に有利となる特典(例えば「1秒間×2回」)を設定するようにしてもよいし、普通図柄の抽選時および普通図柄の変動停止時(電動役物140aの開放動作時)が共に普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合のみ、普通図柄の当たり当選時の特典を遊技者に不利となる特典(例えば「0.2秒間×1回」)が設定されるようにしてもよい。
また、上述した複数の設定方法を切り替えて実行するように構成してもよく、例えば、普通図柄の高確率状態である確変状態中は、最も遊技者に有利となる組み合わせ(普通図柄の抽選時および普通図柄の変動停止時(電動役物140aの開放動作時)が共に普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合以外は全て遊技者に有利な特典が付与される組み合わせ)を設定し、普通図柄の高確率状態である時短状態中は、確変状態中よりは遊技者に不利となる組み合わせ(普通図柄の変動停止時(電動役物140aの開放動作時)が普通図柄の高確率状態である場合に遊技者に有利な特典が付与される組み合わせ)を設定するように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の高確率状態の中にさらに有利不利を設定することができ、遊技の興趣を高めることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図126参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図136参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図105(a)を参照して、本第1制御例におけるROM202の内容について説明する。図105(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第2当たり乱数テーブル202b、第1当たり種別選択テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、大当たり移行設定テーブル202e、および状態移行テーブル202fが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図106(a)参照)は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。第2当たり乱数テーブル202b(図106(b)参照)は、上述した通り、第2当たり乱数カウンタC4の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。第1当たり種別選択テーブル202c(図107参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、上述した通り、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。これらの各テーブルについては、各種カウンタの説明と共に既に詳述したので、ここではその説明を省略する。
変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。この変動パターン選択テーブル202dの詳細について、図108、および図109を参照して説明する。
図108(a)は、本第1制御例における変動パターン選択テーブル202dの構成を示したブロック図である。図108(a)に示した通り、本第1制御例における変動パターン選択テーブル202dは、遊技状態に関わらず大当たりに当選した場合の変動パターンを選択するために用いられる大当たり用変動パターンテーブル202d1と、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であって、外れに当選した場合の変動パターンを選択するために用いられる外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と、通常状態以外の遊技状態(確変状態、または時短状態)であって、外れに当選した場合の変動パターンを選択するために用いられる外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3と、特別図柄の抽選結果に関わらず特殊条件が成立した場合の変動パターンを選択するために用いられる特殊変動パターンテーブル202d4と、から構成されている。
まず、図108(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1の詳細について説明する。図108(b)に示した通り、大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図108(b)に示した通り、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「50〜179」の範囲に変動時間が60秒の当たりスーパーリーチ各種が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「180〜198」の範囲に変動時間が90秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。このように、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選した場合には、変動パターンとして、変動時間が30秒、60秒、90秒の何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
図108(b)に示した通り、大当たり用変動パターンテーブル202d1にて選択される変動パターン(変動時間)は、60秒(選択割合が約55%)、30秒(選択割合が約25%)、90秒(選択割合が約20%)の順で選択され易くなるように規定されている。これは、後述する特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される変動パターンテーブルの規定内容と関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、本制御例では、当選した大当たり種別に関わらず、大当たり用変動パターンテーブル202d1を用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が確変大当たりを示す大当たり種別である場合と、通常大当たりを示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図108(c)を参照して、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の詳細について説明する。図108(c)に示した通り、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2には、停止種別が「完全外れ」、「リーチ共通」の場合における変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図108(c)に示した通り、停止種別が「完全外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「99〜198」の範囲に変動時間が10秒の長外れが対応付けて規定されている。この、停止種別として「完全外れ」が選択された場合は、第3図柄表示装置81上に表示される第3図柄がリーチ状態になること無く停止表示される。
また、停止種別が「リーチ共通」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「149〜197」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ各種が対応付けて規定され、「198」の範囲に変動時間が90秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図108(d)を参照して、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の詳細について説明をする。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の抽選結果が外れであって、遊技状態が確変状態(時短状態)である場合に参照される。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3には、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2と同様に、停止種別が「完全外れ」、「リーチ共通」の場合における変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図108(d)に示した通り、停止種別が「完全外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」の範囲に変動時間が3秒の超短外れが対応付けて規定され、「191〜198」の範囲に変動時間が5秒の短外れが対応付けて規定されている。
また、停止種別が「リーチ共通」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「191〜198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ各種が対応付けて規定されている。つまり、遊技状態が確変状態(時短状態)の場合には、特別図柄の抽選結果が外れの場合において、90秒の変動時間が選択されることが無いように規定されている。よって、遊技状態が確変状態(時短状態)に、90秒の変動時間(変動パターン)が選択された場合は、特別図柄の大当たりに当選した場合のみとなる。なお、この場合には、第3図柄表示装置81にて大当たりを祝福する特典演出が実行される。これにより、遊技者に有利な遊技状態である確変状態(時短状態)中に長時間の変動パターンが実行された後に特別図柄の外れが報知され遊技者に不満を与えてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をしたように、遊技状態として確変状態(時短状態)が設定され、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3が用いられる場合には、遊技状態として通常状態が設定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2が用いられる場合よりも、特別図柄の変動時間が短くなるように設定しているため、遊技者に有利な遊技状態である確変状態(時短状態)中における特別図柄の抽選を効率良く行うことができる。なお、詳細な説明は省略したが、遊技状態として確変状態(時短状態)が設定されている場合は、通常状態が設定されている場合よりも、特別図柄が外れの際に、停止種別がリーチ外れとなる割合が低くなるように設定されている。よって、遊技状態が確変状態(時短状態)中は、リーチ外れの出現頻度が低下するため(変動時間が長い外れ変動が実行され難くなるため)、遊技者に有利な遊技状態である確変状態(時短状態)中における特別図柄の抽選をより効率良く行うことができる。
次に、図109を参照して、特殊変動パターンテーブル202d4の詳細について説明する。この特殊変動パターンテーブル202d4は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態または時短状態となる場合における特図変動4回転分の変動パターンを選択するための変動パターンテーブルであって、上述した連続大当たり演出中の特図変動(図89(a)参照)の変動パターンを選択する際に参照される。
図109に示した通り、特殊変動パターンテーブル202d4は、大当たり終了後の特別図柄(特図)変動回数、特別図柄の抽選結果、および、変動種別カウンタCS1の値に対応付けて変動パターンが規定されている。具体的には、大当たり終了後の1回目〜3回目の特別図柄変動では、特別図柄の抽選結果、及び、変動種別カウンタCS1の値に関わらず変動時間が0.5秒の超短外れ(超短当たり)が規定される。
大当たり終了後の4回目の特別図柄変動では、特別図柄の抽選結果が外れの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず変動時間が0.5秒の超短外れが規定され、特別図柄の抽選結果が当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲に変動時間が0.5秒の超短当たりが規定され、「180〜198」の範囲に変動時間が32.5秒の特殊当たりが規定される。
このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が確変状態または時短状態の場合に、特別図柄4回転分の変動を即座に実行することができる。これにより、上述した連続大当たり演出のように、複数回の大当たり遊技を用いて一連の大当たり演出を実行する場合に、大当たり遊技間に実行される特別図柄の変動期間を短縮することができ、演出効果を高めることができる。
また、詳細は後述するが、本制御例では、遊技状態として確変状態または時短状態が設定されている状態(連荘モード中)において、大当たり終了後に再度確変状態または時短状態が設定される大当たりに当選した場合に、特殊変動パターンテーブル202d4を用いて変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、確変状態(時短状態)が継続して実行される状態でのみ、大当たり終了後の所定回数(4回)分の特別図柄変動時間を短縮することができる。
これにより、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態にて、大当たり終了後に確変状態または時短状態が設定される大当たり(例えば、大当たりA〜大当たりD)に当選した場合、つまり、大当たり終了後に、特別図柄1の保留記憶が存在し、且つ、特別図柄2の保留記憶が無いため、特別図柄1の図柄変動が実行され易くなる状態では、大当たり用変動パターンテーブル202d1または外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3を参照して変動パターンが設定される。
一方、確変状態(時短状態)が設定されている状態にて、大当たり終了後に確変状態または時短状態が設定される大当たり(例えば、大当たりF〜大当たりK)に当選した場合、つまり、大当たり終了後に、特別図柄2の保留記憶が存在し、特別図柄2の図柄変動が実行され易くなる状態では、特殊変動パターンその特別図柄変動が0.5秒の超短変動に設定されることになる。
さらに、図109の特殊変動パターンテーブル202d4に示した通り、本制御例では、大当たり終了後の4回転目に当たり当選した場合の一部(約10%)の割合で、特殊当たりに対応する変動パターン(変動時間32.5秒)が選択されるように構成している。
このように構成することで、特殊変動パターンテーブル202d4を参照して変動パターンが選択される状態において大当たりに当選した場合に、前回の大当たり遊技から継続した一連の大当たり演出(連続大当たり演出)とは別に、連続して大当たりに当選したことを祝福する特別な演出を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して様々な大当たり演出を提供することができ演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、大当たり終了後の変動回数が4回目の一部において特殊当たり変動(32.5秒)が選択されるように特殊変動パターンテーブル202d4を規定しているが、これに限ること無く、大当たり終了後の変動回数が1〜3回目の一部においても特殊当たり変動(32.5秒)が選択されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選結果が外れの場合に、0.5秒以外の変動時間が設定される変動パターン(例えば、変動時間10秒)が選択されるように特殊変動パターンテーブル202d4を規定してもよい。このように構成することで、大当たり終了後の変動回数が4回に到達するまでに0.5秒以上の変動が実行された場合に、遊技者に対して大当たり当選に期待を持たせることができるため、特別図柄の変動時間を意識した遊技を行わせることができる。
次に、図110を参照して、大当たり移行設定テーブル202eの詳細について説明する。この大当たり移行設定テーブル202eは、大当たり終了後に設定される遊技状態を規定するためのテーブルであって、第1当たり種別選択テーブル202cを参照して選択された大当たり種別(大当たりA〜大当たりK)と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに対応付けて、状態移行ステータス(状態移行1〜状態移行9)が規定されている。
この大当たり移行設定テーブル202eは、後述する大当たり制御処理(図134参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合(S1211:Yes)に、参照され(S1213)、選択された状態移行ステータスにより、後述する状態移行テーブル202fに規定されている規定内容に則って遊技状態が設定される。
大当たり移行設定テーブル202eの内容について具体的に説明すると、大当たり種別が「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりF」、「大当たりG」、「大当たりH」の何れかであって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行1」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行2」が設定される。
状態移行ステータスとして「状態移行1」が設定された場合は、後述する状態移行テーブル202f(図111参照)の状態移行1テーブル202f1に規定される内容に基づいて遊技状態が設定され、「状態移行2」が設定された場合は、状態移行2テーブル202f2に規定される内容に基づいて遊技状態が設定される。
次に、大当たり種別が「大当たりC」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行3」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行4」が設定され、大当たり種別が「大当たりE」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行5」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行4」が設定される。
さらに、大当たり種別が「大当たりH」或いは「大当たりJ」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行6」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行7」が設定され、大当たり種別が「大当たりK」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行8」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行9」が設定される。
状態移行ステータスとして「状態移行3」〜「状態移行9」の何れかが設定された場合は、後述する状態移行テーブル202f(図111参照)の状態移行3テーブル202f3〜状態移行9テーブル202f9のうち、対応するテーブルに規定される内容に基づいて遊技状態が設定される。
ここで、図111(a)を参照して、状態移行テーブル202fの内容について詳細に説明をする。この状態移行テーブル202fは、特別図柄の変動回数に基づいて遊技状態や変動パターンテーブルといった状態ステータスを移行させるために用いられるテーブルであって、主制御装置110のRAM203に記憶される規定回数カウンタ203jの値に基づいて状態ステータスを移行させるものである。この状態移行テーブル202fは、大当たり制御処理(図137参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1211:Yes)、規定回数カウンタ203jを取得する際に参照され(S1214)、変動回数減算処理(図129参照)において、規定回数カウンタ203jの値が0であると判別した場合に(S409:Yes)、次の状態ステータスを設定するために参照される(S410)。
図111(a)は、本第1制御例における状態移行テーブル202fの構成を示したブロック図である。図111(a)に示した通り、本第1制御例における状態移行テーブル202fは、上述した大当たり移行設定テーブル202eを用いて設定された状態移行ステータス(「状態移行1」〜「状態移行9」)に対応した状態移行テーブル(「状態移行1テーブル202f1」〜「状態移行9テーブル202f9」)により構成されている。
まず、図111(b)を参照して、状態移行1テーブル202f1の詳細について説明する。状態移行1テーブル202f1は、状態移行ステータスとして「状態移行1」が設定された場合に参照されるテーブルであり、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST2(確変状態)」が規定されている。つまり、状態移行1テーブル202f1が用いられる状態(「状態移行1」が設定される状態)では、確変状態が次回大当たりに当選するまで継続して設定される。
次に、図111(c)を参照して、状態移行2テーブル202f2の詳細について説明する。状態移行2テーブル202f2は、状態移行ステータスとして「状態移行2」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行2テーブル202f2には、規定回数カウンタ203jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST2a(確変状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST2(確変状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST2a」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST2」が設定される。
ここで、状態ステータスとして「ST2a」が設定されている場合は、特別図柄の変動パターンを選択する際に、変動パターン選択テーブル202dのうち特殊変動パターンテーブル202d4が用いられるように設定されている。このように構成することで、継続して同一の遊技状態(確変状態)が設定されている状態において、特定期間のみ特殊変動パターンテーブル202d4を用いて変動パターンを選択する規則を予め設定することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減させることができる。
図111(d)は、状態移行3テーブル202f3の規定内容を示したブロック図である。状態移行3テーブル202f3は、状態移行ステータスとして「状態移行3」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行3テーブル202f3には、規定回数カウンタ203jの値として「100」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST3」が設定され(時短状態で特別図柄の変動回数が100回となるまで時短状態が設定され)、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。
図111(e)は、状態移行4テーブル202f4の規定内容を示したブロック図である。状態移行4テーブル202f4は、状態移行ステータスとして「状態移行4」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行4テーブル202f4には、規定回数カウンタ203jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3a(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「96」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで(特別図柄が4回変動するまで)状態ステータスとして「ST3a」が設定され、その後、特別図柄が96回変動するまで状態ステータスとして「ST3(時短状態)」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。これにより、大当たり終了後に時短状態(100回)が設定される場合において、最初に実行される4回分の特別図柄変動のみ特殊変動パターンテーブル202d4を参照して変動パターンを選択することができる。
図111(f)は、状態移行5テーブル202f5の規定内容を示したブロック図である。状態移行5テーブル202f5は、状態移行ステータスとして「状態移行5」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行5テーブル202f5には、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」が規定されている。つまり、大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されること無く、通常状態が設定される。
図112(a)は、状態移行6テーブル202f6の規定内容を示したブロック図である。状態移行6テーブル202f6は、状態移行ステータスとして「状態移行6」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行6テーブル202f6には、規定回数カウンタ203jの値として「50」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST3」が設定され(時短状態で特別図柄の変動回数が50回となるまで時短状態が設定され)、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。
図112(b)は、状態移行7テーブル202f7の規定内容を示したブロック図である。状態移行7テーブル202f7は、状態移行ステータスとして「状態移行7」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行7テーブル202f7には、規定回数カウンタ203jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3a(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「46」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで(特別図柄が4回変動するまで)状態ステータスとして「ST3a」が設定され、その後、特別図柄が46回変動するまで状態ステータスとして「ST3(時短状態)」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。これにより、大当たり終了後に時短状態(50回)が設定される場合において、最初に実行される4回分の特別図柄変動のみ特殊変動パターンテーブル202d4を参照して変動パターンを選択することができる。
図112(c)は、状態移行8テーブル202f8の規定内容を示したブロック図である。状態移行8テーブル202f8は、状態移行ステータスとして「状態移行8」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行8テーブル202f8には、規定回数カウンタ203jの値として「25」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST3」が設定され(時短状態で特別図柄の変動回数が25回となるまで時短状態が設定され)、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。
図112(d)は、状態移行9テーブル202f9の規定内容を示したブロック図である。状態移行9テーブル202f9は、状態移行ステータスとして「状態移行9」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行9テーブル202f9には、規定回数カウンタ203jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3a(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「21」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203jの値が「0」となるまで(特別図柄が4回変動するまで)状態ステータスとして「ST3a」が設定され、その後、特別図柄が21回変動するまで状態ステータスとして「ST3(時短状態)」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。これにより、大当たり終了後に時短状態(25回)が設定される場合において、最初に実行される4回分の特別図柄変動のみ特殊変動パターンテーブル202d4を参照して変動パターンを選択することができる。
以上、説明をしたように、本第1制御例では、特別図柄の大当たりに当選した場合に、当選した大当たりの大当たり種別と、大当たりに当選した時点において設定されている遊技状態と、に基づいて、大当たり終了後に設定される遊技状態や、大当たり終了後の特別図柄の変動パターンを選択するために用いる変動パターンテーブルを異ならせることができる。これにより、遊技の内容をより複雑にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、特殊変動パターンテーブル202d4を用いて変動パターンを選択する期間を、大当たり終了後の特別図柄変動1〜4回転分としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、大当たり終了直後に実行される特別図柄変動ではなく、大当たりが終了してから11回転目〜14回転目にて特殊変動パターンテーブル202d4を用いるように構成しても良い。このように構成する場合は、状態移行テーブルを、規定回数カウンタ203jの値として「10」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3a(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「46」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定された「ST1(通常状態)」とが規定されるように構成するとよい。このように構成することで、大当たり終了後11回転〜14回転目の変動パターンを、特殊変動パターンテーブルを用いて選択することができる。
このように、上述した状態移行テーブルの構成を用いることで、大当たりの終了を起点として設定される状態ステータスと、その状態ステータスが継続する特別図柄の変動回数(規定回数)とを対応付けて設定するだけで、遊技仕様を容易に設定することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、遊技仕様を変更する場合においても、状態移行テーブルの内容を変更すれば良いため、遊技仕様の変更を容易に行うことができる。
さらに、本第1制御例では、遊技状態として通常状態が設定される場合には(状態ステータスとしてST1が設定される場合には)、規定回数カウンタ203jの値として「0」が設定され、常に同一の変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル202d1或いは外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2)が参照されるように構成しているが、遊技状態が通常状態の場合に参照可能な変動パターンテーブルを複数設け、規定回数カウンタ203jの値に対応させて異なる変動パターンテーブルを参照するように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として時短状態が設定されている状態で、時短終了条件が成立し(例えば、特別図柄の変動回数が50回に到達し)、遊技状態が通常状態へと移行する場合に(状態移行6テーブル202f6にて規定回数カウンタ203jの値が「0」となった場合に)、状態ステータスST1に対応させて、規定回数カウンタ203jの値を「10」に設定する。
そして、状態ステータスST1が設定されている状態で規定回数カウンタ203jの値が「0」より大きい場合は、特殊変動(通常)パターンテーブルを参照して変動パターンを選択するように構成すれば良い。このように構成することで、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した直後に、いつもとは異なる変動パターンを選択可能となるため、遊技者に対して、遊技者に有利な遊技状態が未だ継続していると思わせることができる。
なお、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、特殊な変動パターンテーブルを参照する期間は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出の演出態様や、音声出力装置226から出力される音声態様や、ランプ表示装置227から出力される発光態様がその期間に対応した特殊な態様となるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対してより特別感を提供することができる。また、特殊な変動パターンテーブルが参照されている期間中に大当たりに当選した場合にも、通常の大当たり中の演出とは異なる特殊な演出態様を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して特殊な期間中に大当たりに当選したことを実感させることができ、演出効果を高めることができる。
本第1制御例では、個々の状態移行ステータスに対応させて、状態移行テーブルを設けているが、状態移行テーブルの設定内容が共通する箇所については、共通の状態移行テーブルを用いても良い。このように構成することで、主制御装置110のROM202が記憶するデータ量を削減することができる。
加えて、本第1制御例では、規定回数カウンタ203jの値に基づいて状態ステータスを可変させることで参照される変動パターンテーブルを切り替える構成を用いているが、それ以外の要素に用いて状態ステータスを可変させるようにしても良い。例えば、状態移行6テーブル202f6を参照している状態において、状態ステータスST3が設定され、規定回数カウンタ203jの値が「40」の場合に、特別図柄の抽選結果は外れではあるが、少量の特典(可変入賞装置65を短期間(例えば、3秒)開放する特典)を付与可能な抽選結果(所謂、小当たり)に当選すると、状態ステータスをST3からST3bに可変させ、規定回数カウンタ203jの値を「4」に設定し、状態ステータスST3bが設定し、規定回数カウンタ203jの値が「0」よりも大きい場合(「1」〜「4」の場合)は、小当たり後専用の変動パターンテーブルを参照する。参照する変動パターンテーブルを切り替えるようにしても良い。このように構成することで、小当たりに当選した後の所定期間(特別図柄が4回変動するまでの期間)のみ、専用の変動パターンを選択することができる。
なお、状態ステータスST3bが設定されている状態で、規定回数カウンタ203jの値が「0」になると、再度状態ステータスST3が設定されるように構成し、規定回数カウンタ203jの値として、状態ステータスST3bが設定されている間にカウントされた値分減算した「35」を設定するように構成することで、遊技状態として時短状態が設定される期間(特別図柄が50回変動するまでの期間)を変えることなく、その時短状態中に当選した小当たりに基づいて所定期間(特別図柄が4回変動するまでの期間)の間、専用の変動パターンを選択し、実行することができる。
また、詳細は図129を参照して後述するが、特別図柄の変動が実行される場合に規定回数カウンタ203jの値が減算するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果として上述した小当たりを有するパチンコ機10であれば、小当たりに当選した回数に基づいて規定回数カウンタ203jの値を減算するように構成してもよい。このように、特別図柄の変動回数ではなく、特別図柄の抽選結果に基づいて(特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果となった回数に基づいて)参照する変動パターンテーブルを切り替えることで、時短状態における特別図柄の変動回数の推移とは異なるタイミングで参照する変動パターンテーブルを可変することができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
次に、RAM203の詳細について、図105(b)を参照して説明する。図105(b)は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図105(b)に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、確変フラグ203gと、時短中カウンタ203hと、状態ステータス記憶エリア203iと、規定回数カウンタ203jと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、および変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3,CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3,CS1の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3,CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3,CS1の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有している。この特別図柄2保留球格納エリア203bには、第2入球口140への始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が格納される。
普通図柄保留球格納エリア203cは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄1の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値N1は、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して特別図柄1の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図130のS504参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄1の変動表示が実行される毎に、1減算される(図127のS210参照)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口140への入球に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄1の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203eの値N2は、特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、初期値がゼロに設定されており、第2入球口140へ球が入球して特別図柄2の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図130のS510参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄1の変動表示が実行される毎に、1減算される(図127のS205参照)。
これらの特別図柄1保留球数カウンタ203d(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図127のS206,S211、図130のS505,S511参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された特別図柄1、および特別図柄2の変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b1、特別図柄2保留球数カウンタ223b2によって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに保留図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図133のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図132のS705参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図133のS805)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図133のS803:No)。
確変フラグ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203gの値がオンの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示す。一方、確変フラグ203gがオフの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203gは、初期状態がオフに設定されており、「大当たりA,B,D,F,G,I」の終了タイミングとなる度にオンに設定される(大当たり制御処理(図137参照)のS1212)。一方、確変フラグ203gは、パチンコ機10の電源が遮断されるか、大当たりの開始が設定される度にオフとなる(特別図柄変動処理(図127参照)のS218)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図128参照)が実行されると、特別図柄1、或いは特別図柄2の抽選が実行される。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203gが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄1、或いは特別図柄2の抽選が行われる。一方、確変フラグ203gがオフであれば、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄1、或いは特別図柄2の抽選が行われる(図128のS303,S304参照)。
なお、本制御例では、遊技状態として確変状態が設定されている間は、普通図柄の時短状態も設定される。このため、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、確変フラグ203gと、時短中カウンタ203hの値と、が参照されて、普通図柄の時短状態であるか否かが判別される。具体的には、時短中カウンタ203hの値が1以上であるか、または、確変フラグ203gがオンであれば(時短状態、または確変状態であれば)、普通図柄の時短状態と判別されて、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる。一方、時短中カウンタ203hの値が0で、且つ、確変フラグ203gがオフであれば(時短状態でも確変状態でもなければ)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図132のS709,S710参照)。
時短中カウンタ203hは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203hの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203hの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203hは、初期値が0に設定されており、主制御装置110において特別図柄の大当たりに当選し、その大当たりの終了時に大当たり種別に対応した値が設定される(図137のS1212)。具体的には、大当たり種別が「大当たりC」の場合には、大当たりの終了時に時短中カウンタ203hの値として「100」が設定され、「大当たりH,J」の場合には、大当たりの終了時に時短中カウンタ203hの値として「50」が設定され、「大当たりK」の場合には、大当たりの終了時に時短中カウンタ203hの値として「25」が設定される。
なお、大当たり種別が「大当たりE」の場合には、大当たりに当選した時点の遊技状態によって、大当たり終了時に設定する時短中カウンタ203hの値が異なるように設定されており、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態(低確率時短あり)または確変状態(高確率時短あり)であれば、時短中カウンタ203hの値として「100」が設定され、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態(低確率時短なし)であれば、時短中カウンタ203hの値が設定されることがない。
その後、時短中カウンタ203hの値が0になるまで、特別図柄1、または特別図柄2の変動表示が終了する毎に1が減算される(図129のS402)。また、時短中カウンタ203hの値が1以上の場合であっても、大当たりに当選した場合には、その値が0にリセットされる(図127のS218)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203hの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203hの値が0であり、且つ、後述する確変フラグ203gがオフであれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図132のS709,S710参照)。
状態ステータス記憶エリア203iは、状態移行テーブル202fによって設定される現在の状態ステータス(ST)の情報を格納するための記憶領域である。この状態ステータス記憶エリア203iには、大当たり制御処理(図137参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1211:Yes)、つまり、大当たりの終了時点で、取得した状態ステータスが格納され、その後、変動回数減算処理(図129参照)において、特別図柄が変動する度に減算される規定回数カウンタ203jの値が0となった場合に(S409:Yes)、新たに設定された状態ステータスが格納される。
規定回数カウンタ203jは、特別図柄の変動回数が規定回数に到達したことを計測するためのカウンタである。この規定回数カウンタ203jは、大当たり制御処理(図137参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1211:Yes)、つまり、大当たりの終了時点で、取得した規定回数に対応する値が設定され(S1213)、その後、変動回数減算処理(図129参照)において、特別図柄が変動する度に減算される(S407)。この規定回数カウンタ203jの値が「1」から「0」となった場合に、対応する状態移行テーブル202fに規定されている内容に基づいて新たな状態ステータスが設定される。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
次に、図114から図119を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図114(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した模式図である。図114(a)に示した通り、ROM222は、変動パターンテーブル222aと、保留ランク選択テーブル222bと、大当たり中演出選択テーブル222cと、上乗せ数選択テーブル222dと、継続演出モード選択テーブル222eと、継続値主選択テーブル222fと、継続値副選択テーブル222gと、最終態様選択テーブル222hと、期待度選択テーブル222iと、期待度演出選択テーブル222jとを少なくとも有している。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動演出(変動表示)の態様に基づいて、変動演出(変動表示)の詳細な態様を選択するために参照されるテーブルである。この変動パターンテーブル222aから選択された変動演出の態様に基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される(図147のS3812参照)。
保留ランク選択テーブル222bは、特別図柄の保留状況に基づいた保留ランクを選択するためのテーブルであって、選択された保留ランクに基づいて大当たり中の演出が決定される。ここで、この保留ランク選択テーブル222bの詳細について、図115(b)を参照して説明する。
図115(b)は、保留ランク選択テーブル222bの規定内容を示した図である。図115(b)に示した通り、この保留ランク選択テーブル222bは、特別図柄2の保留球数(特別図柄の保留球数)と、特別図柄2の保留球に大当たりを示す入賞情報があるか否かの判別結果とに基づいて保留ランクが対応付けて規定されている。このように構成することで、大当たり中に実行される演出を、大当たり終了後に実行される特別図柄(特別図柄2)の変動結果(抽選結果)に基づいて決定することができる。
ここで、本制御例は、特別図柄1の保留球と特別図柄2の保留球とが両方存在する場合において、特別図柄2の保留球を優先して消化する処理が実行される(図127参照)ように構成している。つまり、特別図柄1の保留球が消化されるタイミングは不定となる。
よって、本制御例では、大当たり終了後に優先して変動する特別図柄2の保留球(大当たり終了後の変動順が確定している保留球)及び特別図柄2の保留球に含まれる入賞情報に基づいて保留ランクが選択されるように構成し、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動結果(抽選結果)に基づいた大当たり演出を実行可能としている。
なお、特別図柄1の保留球と特別図柄2の保留球とが両方存在する場合において、保留された順番(第1入球口64、第2入球口140に入球した順番)に保留球を消化する構成(所謂、入賞順消化)を用いたパチンコ機10であれば、特別図柄2の保留球数ではなく、全ての保留球数や、消化順に所定球数(例えば、4個)を対象として保留ランクを選択するように構成すれば良い。これにより、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動結果(抽選結果)に基づいた大当たり演出を実行可能とすることができる。
図115(b)を参照して、保留ランク選択テーブル222bの内容を具体的に説明すると、特別図柄(特別図柄2)の保留球数が「1〜3」であって、その中に当たりを示す入賞情報が「ある」場合は保留ランク「3」が選択され、当たりを示す入賞情報が「ない」場合は保留ランク「2」が選択される。
また、特別図柄(特別図柄2)の保留数が「4」であって、その中に当たりを示す入賞情報が「ある」場合は保留ランク「4」が選択され、当たりを示す入賞情報が「ない」場合は保留ランク「1」が選択される。なお、特別図柄(特別図柄2)の保留数が「0」の場合は、保留ランク選択テーブル222bを用いることなく保留ランク「1」が選択される。
保留ランク選択テーブル222bを参照して選択された保留ランクは後述する大当たり中演出選択テーブル222cにおいて参照される。次に、図115(c)を参照して大当たり中演出選択テーブル222cについて説明をする。この大当たり中演出選択テーブル222cは、大当たり中に実行される演出を選択するためのテーブルであって、当たり関連コマンド処理(図142参照)においてオープニングコマンドを受信し(S3301:Yes)、大当たり中演出設定処理(図143参照)を実行する場合に参照される(S3406)。
この大当たり中演出選択テーブル222cには、保留ランク選択テーブル222bにて選択された保留ランクと、第1演出カウンタ223y1とに対応付けて大当たり中演出が規定されている。具体的には、保留ランクが「1」であって、第1演出カウンタ223y1の値が「0〜99」の範囲には「通常当たり用演出」が規定されている。この「通常当たり用演出」は、1回の大当たり遊技中に完結する演出(図83(b)参照)であり、実行される大当たりの大当たり種別に対応した演出が実行される。
保留ランクが「1」であって、第1演出カウンタ223y1の値が「100〜149」の範囲には、「上乗せ用演出」が規定されている。この「上乗せ用演出」は、図83(a)にて上述したように、1回の大当たりにて実行されるラウンド遊技の数を部分的に表示(例えば、15ラウンド当たりの場合に、先に5ラウンド分表示)し、大当たり遊技が進行することで、残りのラウンド数(未表示分のラウンド数)を表示する演出である。
大当たり中に「上乗せ用演出」が実行された場合は、現在実行中の大当たりが何ラウンドの大当たりであるのかを遊技者に分かり難くすることができ、大当たり遊技中における演出を注視させることができる。さらに、本第1制御例の「上乗せ用演出」は、複数の大当たりに短期間で当選した場合(先の大当たり終了時に取得している入賞情報(保留図柄)に次の大当たりが含まれている場合)において、次の大当たりのラウンド数を先の大当たりのラウンド数に合算することにより、複数の大当たりを跨いで実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、「上乗せ用演出」が実行されている間に、大当たりに何回当選したのかを分かり難くすることができる。よって、「上乗せ用演出」によって、合計で何ラウンド分の表示がされるのかを楽しみながら遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例の「上乗せ用演出」では、1回の大当たりで実行されるラウンド数を分割して表示可能とし、且つ、複数の大当たりで実行されるラウンド数を合算して表示可能としているため、1回の「上乗せ用演出」が実行されている間に当選した大当たりの回数や、各大当たりで実行されるラウンド数を遊技者に分かり難くすることができる。これにより、例えば、1回の大当たり中に実行されるラウンド数が15ラウンドの場合に、大当たり終了後の遊技状態として必ず確変状態が設定されるパチンコ機10において、15ラウンドの大当たりに当選したことを分かり難くし、大当たり終了後にどの遊技状態が設定されるのかを予測させながら遊技を行わせることができる。
加えて、大当たり中に実行される演出として、大当たり終了後に設定される遊技状態を示唆する演出を用いる場合において、その演出の結果が表示されるよりも前に、1回の大当たり中に実行されるラウンド数を把握することで、大当たり終了後に設定される遊技状態が特定されてしまい演出効果が低下してしまう事態を抑制することができる。
次に、保留ランクが「2」であって、第1演出カウンタ223y1の値が「0〜49」の範囲には「通常当たり用演出」が規定されており、第1演出カウンタ223y1の値が「50〜149」の範囲には「上乗せ用演出」が規定されている。保留ランクが「3」であって、第1演出カウンタ223y1の値が「0〜49」の範囲には「通常当たり用演出」が規定されており、第1演出カウンタ223y1の値が「50〜99」の範囲には「上乗せ用演出」が規定されており、第1演出カウンタ223y1の値が「100〜149」の範囲には、「連続当たり用演出」が規定されている。
この「連続当たり用演出」は、図84にて上述したように、複数の大当たりに当選していることを先の(1回目の)大当たり遊技が開始された時点で遊技者に報知する演出(図84参照)である。ここで実行される「連続当たり用演出」としては、例えば、1回目の大当たりのラウンド数(例えば15ラウンド)と、2回目の大当たりのラウンド数(例えば10ラウンド)とを合算した値(例えば25ラウンド)が、1回の大当たり遊技が開始された(1回目の大当たりの1ラウンド目が開始された)時点で報知される演出が実行される。
このように「連続当たり用演出」を実行することで、遊技者に対して複数の大当たりに当選したことを早期に報知することができ、遊技者に優越感を与えながら安心して大当たり遊技を行わせることができる。
保留ランクが「4」であって、第1演出カウンタ223y1の値が「0〜49」の範囲には、「通常当たり用演出」が規定されており、「50〜149」の範囲には、「連続当たり用演出」が規定されている。
以上、説明をしたように、本制御例では、選択された保留ランクと、取得した第1演出カウンタ223y1の値に基づいて、大当たり中に異なる演出(大当たり中演出)を実行するように構成しているため、大当たり中に実行される演出に遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、選択される大当たり中演出によって、保留内に次の大当たりが含まれていることを遊技者に報知するタイミングを異ならせているため、例えば、先の大当たり遊技が終了したタイミングにおいて、次の大当たりに当選する保留図柄の有無(保留内連荘の有無)を報知するパチンコ機のように、特定のタイミングでのみ保留内連荘の有無を報知する場合に比べて、次の大当たり当選に対して期待を持たせながら大当たり遊技を実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、保留ランクに応じて選択される大当たり中演出の内容や割合を異ならせているため、遊技者に過度な期待を持たせることを抑制し、且つ、大当たり遊技中に第2入球口140に入賞した球の先読み結果も考慮可能な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
具体的には、保留ランクが「1」の場合、つまり、大当たり当選時に保留図柄数が上限値であって、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報が無い場合は、保留内連荘が実行されることが無いため、通常当たり用演出または上乗せ用演出の何れかが選択されるように規定し、通常当たり用演出が選択されやすくなるように選択割合を規定している。つまり、大当たりに当選した時点で保留ランクが「1」の場合は、遊技者に対して、保留内連荘への過度な期待を持たせることの無い「通常当たり用演出」、または、今回の大当たりが何ラウンドの大当たりであるのかを分かり難くする「上乗せ用演出」の何れかが実行される。
保留ランクが「2」の場合、つまり、大当たり当選時に保留図柄数が上限ではなく、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報が無い場合は、保留ランクが「1」とは異なり、大当たり遊技中に新たな保留図柄を獲得する可能性がある。よって、大当たり当選時において保留内連荘が確定していなくても、大当たり遊技中に保留内連荘が確定する場合に対応するために、保留ランクが「1」の場合よりも、「上乗せ用演出」が選択される割合が高く設定されている。これにより、大当たり遊技中に大当たりに当選する保留図柄を獲得した場合には、その旨を「上乗せ用演出」によって、遊技者に報知することができる。
保留ランクが「3」の場合、つまり、大当たり当選時に保留図柄数が上限ではなく、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報がある場合、即ち、保留図柄が上限ではなく、保留内連荘が確定している状態で大当たり遊技が実行される場合は、上述した「通常当たり用演出」と「上乗せ用演出」に加え、保留内連荘が確定していることを早期に報知可能な「連続当たり用演出」を選択可能にし、保留ランクが「4」の場合、つまり、保留図柄が上限で、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報がある場合は、「通常当たり用演出」、「連続当たり用演出」の何れかが選択されるように規定している。
即ち、既に、保留内連荘が確定している保留ランク「3」、「4」において、保留ランク「3」は、大当たり遊技中に新たな保留球(入賞情報)を獲得可能な状態であることから、「上乗せ用演出」を選択可能とすることで、あたかも、大当たり遊技中に獲得した保留球(入賞情報)によって、次の大当たりに当選したと遊技者に思わせることができる。
一方で、保留ランク「4」の場合は、大当たり遊技中に新たな保留球(入賞情報)を獲得することができず、大当たり遊技中に次の大当たりに当選することが無いため、「上乗せ用演出」が選択されず「連続当たり用演出」による演出が実行される。このように構成することで、大当たりに当選した時点の保留球数が上限の場合と、それ以外の場合、即ち、大当たり遊技中に新たな保留球を獲得可能な状態か否かの判別結果に基づいて大当たり中に実行される演出の選択肢を異ならせることにより、実際の保留状況に対して違和感のある演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、どの保留ランクが選択された場合であっても、「通常当たり用演出」が選択されるように規定しているため、「通常当たり用演出」が実行された場合であっても、保留内連荘の可能性を残すことができる。よって、最後まで遊技者に保留内連荘を期待させながら大当たり中遊技を実行させることができる。
次に、図116(a)を参照して、上乗せ数選択テーブル222dについて説明する。この上乗せ数選択テーブル222dは、大当たり中に実行される演出として、「上乗せ用演出」が選択された場合に、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される確定ラウンド数表示態様Dm4(図86(a)参照)に加算する値(上乗せラウンド数)を選択するためのテーブルである。
この上乗せ数選択テーブル222dは、当たり関連コマンド処理(図142参照)において、新たなラウンド数コマンドを受信した場合(S3304:Yes)であって、上乗せ演出フラグ223hがオンに設定されている場合(S3306:Yes)に実行される上乗せ演出中処理(図144参照)の一部処理にて参照される(S3506)。選択された上乗せ数は表示ラウンド数格納エリア223gのうち、確定ラウンド数表示態様Dm4に加算するための値を格納する領域に格納される(S3506)。
そして、実行中ラウンド数表示態様Dm3に表示される値(現在実行中の大当たりラウンド数)と確定ラウンド数表示態様Dm4に表示される値(実行されることが確定しているラウンド数)とが同じになった場合に、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている上乗せ数をラウンド数表示態様Dm10に表示する(図86(a)参照)。
図116(a)に示した通り、この上乗せ数選択テーブル222dは、大当たりの残ラウンド数と、当たり入賞の有無(保留内連荘が確定しているか否か)と、第2演出カウンタ223y2とに対応付けて上乗せ数が規定されている。具体的には、残ラウンド数の値が「5」の場合は、当たり入賞の有無、及び第2演出カウンタ223y2の値に関わらず、上乗せ数として「5」が選択される。
本第1制御例では、全ての大当たりのラウンド数(大当たり演出が実行される大当たりのラウンド数)が5の倍数(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)に設定されており、残ラウンド数が5ラウンドの場合は、このタイミングで残ラウンド数を確定ラウンド数表示態様Dm4に表示する必要があるためである。
残ラウンド数の値が「10,15」、当たり入賞が「あり」で、第2演出カウンタ223y2の値が「0〜49」の範囲には上乗せ数「5」が、「50〜99」の範囲には上乗せ数「10」が、「100〜149」の範囲には上乗せ数「15」が規定され、残ラウンド数の値が「10,15」、当たり入賞が「なし」で、第2演出カウンタ223y2の値が「0〜49」の範囲には上乗せ数「5」が、「50〜99」の範囲には上乗せ数「15」が、「100〜149」の範囲には上乗せ数「10」が規定される。
上述したように、残ラウンド数が同一の場合(例えば、「15」)は、当たり入賞の有無によって、選択される上乗せ数の割合が異なるように規定している。これにより、「上乗せ用演出」中に上乗せされる値に基づいて保留内連荘の有無を遊技者に予測させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
残ラウンド数の値が「20〜」、当たり入賞が「あり」で、第2演出カウンタ223y2の値が「0〜49」の範囲には上乗せ数「5」が、「50〜99」の範囲には上乗せ数「10」が、「100〜149」の範囲には上乗せ数「15」が規定されている。なお、本第1制御例では、1回の大当たり遊技で実行される大当たりラウンド数の最大値が「15ラウンド」に設定されているため、残ラウンド数の値が「20〜」であって、当たり入賞が「なし」となることが無い。よって、残ラウンド数の値が「20〜」であって、当たり入賞が「なし」の場合は、上乗せ数「−」が規定されており、選択された場合には、エラーコマンドが設定される。
ここで、エラーコマンドが設定された場合、即ち、実際に実行されるラウンド数の残りと、音声ランプ制御装置113が管理している残ラウンド数とが相違した場合には、上乗せ用演出を継続させた場合に遊技者に違和感を与える演出が実行される可能性が高いため、上乗せ用演出の実行を中止し、現在実行されている大当たりに対して主制御装置110から受信した情報に基づいて、現在実行されている大当たりに設定されているラウンド数と、現在実行しているラウンド数と、を第3図柄表示装置81の表示画面に表示する演出の実行を開始するように構成すると良い。これにより、遊技者に違和感を与えてしまう大当たり中演出が継続して実行されてしまう事態を抑制することができる。
次に、継続演出モード選択テーブル222eについて図116(b)を参照して説明する。図116(b)は、継続演出モード選択テーブル222eの内容を模式的に示した図である。この継続演出モード選択テーブル222eは、本制御例のパチンコ機10の確変、時短中に実行されるバトル演出(図90参照)のうち、バトルリーチ(最終態様)が実行されるまでの演出態様(バトル前演出の演出態様)を設定するための継続演出モードを選択するためのテーブルであって、変動表示設定処理(図147参照)の継続演出設定処理(S3806)において参照され(図149のS4005)、S4005の処理において選択された継続演出モードが継続演出モード格納エリア223mに格納される(S4006)。そして、継続演出モード格納エリア223mに格納された継続演出モードに基づいてバトル前演出の演出態様が設定される。
図116(b)に示した通り、この継続演出モード選択テーブル222eには、後述する継続演出設定カウンタ223qの値と、当たり入賞の有無(保留内連荘が確定しているか否か)と、第3演出カウンタ223y3の値とに対応付けて異なる継続演出モードが規定されている。
ここで、継続演出設定カウンタ223qは、1回の確変状態、または時短状態において継続演出が設定された回数をカウントするためのカウンタであり、確変状態または時短状態が長期間継続することにより、バトル演出が複数回実行されたことを判別するために用いられる。なお、この継続演出設定カウンタ223qの詳細な内容については図114(b)を参照して後述する。
継続演出モード選択テーブル222eに規定されている内容を具体的に説明すると、継続演出設定カウンタ223qの値が「1」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」に設定されている場合であって、第3演出カウンタ223y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「1」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「2」が規定されている。
一方で、継続演出設定カウンタ223qの値が「1」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」の場合には、第3演出カウンタ223y3の値に関わらず、継続演出モード「5」が規定されている。この継続演出モード「5」に該当するパターンとしては、大当たり終了後の最初にバトル演出が実行される1回転目が大当たりに当選した場合であり、遊技者に対して、特別感を提供するために、専用の継続演出モードが設定されている。
次に、継続演出設定カウンタ223qの値が「2〜5」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「なし」の場合は、第3演出カウンタ223y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「2」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「3」が規定され、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」の場合は、第3演出カウンタ223y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「2」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「1」が規定されている。
そして、継続演出設定カウンタ223qの値が「6以上」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「なし」の場合は、第3演出カウンタ223y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「3」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「4」が規定され、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」の場合は、第3演出カウンタ223y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「4」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「3」が規定されている。
本制御例では、継続演出モード選択テーブル222eを参照して選択された継続演出モードに基づいてバトル前演出の演出態様が設定されるように構成されており、例えば、バトル前演出(図91参照)において、自身のキャラクタの種類、選択可能に表示される相手キャラクタの種類や並び順、実際に選択される相手キャラクタの種類やHP値といったバトルリーチ発展時における表示態様に関係する演出態様や、バトル前演出中に表示される背景の種類や色、相手キャラクタへの攻撃パターンといったバトルリーチ発展時における表示態様には関係しない演出態様が選択された継続演出モードに基づいて設定される。
例えば、継続演出モード「5」が選択された場合(即ち、最初のバトル演出が実行される場合に、保留内に当たり入賞がある場合)は、遊技者に対して間もなく大当たりに当選することを報知するための演出態様が設定される。具体的には、保留内に大当たりに当選する入賞情報がある場合に設定されるプレミアキャラを自身や相手のキャラクタとして設定したり、相手キャラクタのHP値の初期値または途中経過値として特定の値(例えば、「777」や「333」)を表示したり、選択可能な相手キャラクタの組み合わせとして、全て同一のキャラクタを表示したりする。このような表示を行うことで、遊技者に対して、大当たりに当選することを複数の変動期間を用いて示唆することができる。
次に、図117(a)を参照して、継続値主選択テーブル222fの内容について説明をする。図117(a)は、継続値主選択テーブル222fの内容を模式的に示した図である。ここで、本制御例における継続値について説明をする。本制御例では遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態、又は時短状態)が設定されている状態では、その遊技状態が継続していることを示すための継続演出としてバトル演出が実行される。
このバトル演出では、有利な遊技状態が終了するか否かを示すためのバトルリーチ(最終態様)演出と、そのバトルリーチが実行されるまでの期間継続して実行されるバトル前演出とが実行され、バトルリーチ演出の結果、有利な遊技状態が終了しない場合には、再度バトル前演出が実行される。
バトル前演出中には、図92を参照して上述したように相手のHP値(継続値)を減少させる演出が第3図柄表示装置81にて実行される。このバトル前演出中に減少させた継続値に基づいてバトルリーチの演出態様(バトルリーチ開始時の相手のHP(継続値))が決定される。
本第1制御例では、このバトル前演出中に減少される継続値は、継続値主選択テーブル222fにより選択された値と、継続値副選択テーブル222gにより選択された値とを合算することで算出されるように構成されている。このように複数の値を組み合わせることで第3図柄表示装置81に表示する継続値を設定することで、継続値のバリエーションを増加させる場合の処理負荷を軽減することができる。
図117(a)に戻り、説明を続ける。継続値主選択テーブル222fでは、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たりに当選する特別図柄の変動が実行されるまでの残変動回数を判別した結果、及び現在表示されている継続値とに対応付けて選択する継続値が規定されている。
つまり、継続値主選択テーブル222fでは、特別図柄の抽選結果に基づいて継続値が選択されるように規定されている。これにより、バトル前演出中に可変される相手のHP(継続値)を引き継いでバトルリーチ演出を実行した場合に、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、ここで、バトル前演出中に実行される継続値の増減表示のバリエーションを豊富にするために、継続値主選択テーブル222fの内容をより複雑に設定した場合、例えば、本制御例では百の単位で継続値の管理を行っているが、それよりも細かい単位(十の単位)で継続値の管理を行ったり、特別図柄の抽選結果をより細分化し、その細分化した各抽選結果に対応付けて継続値を規定したりする場合では、継続値を選択するための処理負荷が高くなるという問題があった。しかしながら、バトル前演出の演出効果を高めるために継続値の増減表示のバリエーションを増加させる必要があった。
そこで、本制御例では、継続値主選択テーブル222fにて、継続値が選択された場合に、継続値主選択テーブル222fとは独立したテーブルである継続値副選択テーブル222gを用いて継続値主選択テーブル222fで選択した継続値をさらに可変させるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81に表示される継続値のバリエーションを増加させることができる。
また、詳細は後述するが、本第1制御例では継続値主選択テーブル222fを用いて選択された継続値の差分値に基づいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて継続値(HP値)を減少させる演出(攻撃演出)の演出態様が設定されるように構成している。そして、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには継続値主選択テーブル222fおよび継続値副選択テーブル222gを用いて選択された継続値が減少後(更新後)の継続値として表示されるように構成している。
そして、継続値主選択テーブル222fを参照して選択した値(継続値)で管理される攻撃演出と、継続値主選択テーブル222fおよび継続値副選択テーブル222gを参照して設定される継続値(HP値)の差分値とが相違することが無いように、継続値副選択テーブル222gにて選択される値の範囲を設定している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて継続値(HP値)を減少させる演出(攻撃演出)の演出態様を継続値主選択テーブル222fにて選択される大まかな継続値のみで管理したとしても、遊技者に違和感を与えることなく演出を実行することができる。
継続値主選択テーブル222fを用いて選択された継続値の差分値に基づいて設定される攻撃演出としては、具体的に、差分値が「0〜200」であれば「弱攻撃」(図92(a)参照)、「201〜400」であれば「中攻撃」、「401以上」であれば「強攻撃(図92(b)参照)」に該当する演出が実行されるように設定される。
これにより、例えば、継続値主選択テーブル222fにより選択される継続値の差分値が「中攻撃」の範囲(例えば、300)であるにも関わらず、表示される継続値の差分値が「弱攻撃」の範囲(例えば、200)となってしまい、特別図柄の抽選に基づく継続値の範囲と、実際に表示される継続値の範囲とが異なることを抑制することができる。
図117(a)に示した通り、継続値主選択テーブル222fには、当たり変動までの残変動回数と前回選択された継続値(現在表示されている継続値のうち、継続値主選択テーブル222fにて選択された値)とに対応付けて継続値が規定されている。具体的には、残変動カウンタ222tの値が「3」であって、前回選択された継続値が「1000」であれば「800」が選択され、「900」であれば「700」が選択されるように、差分値が「200」となる値が選択される。以下、同様に前回選択された継続値が「400」〜「800」であれば、差分値が「200」となる値がそれぞれ選択される。前回選択された継続値が「300」であれば、「200」が選択され(差分値「100」)、前回選択された継続値が「100」または「200」の場合は、差分値が「0」となる値が選択される。
次に、残変動カウンタ222tの値が「2」の場合は、前回選択された継続値が「300」〜「700」であれば、差分値が「100」となる値がそれぞれ選択され、前回選択された継続値が「100」または「200」の場合は、差分値が「0」となる値が選択される。残変動カウンタ222tの値が「1」の場合、即ち、次回の変動が当たり変動である場合は、前回選択された継続値が「300」〜「700」の場合は、差分値が「200」となる値が選択され、前回選択された値が「200」の場合は、差分値が「0」となる値(「200」)が選択され、前回選択された値が「100」の場合は、差分値が「100」となる値「0」が選択される。
以上、説明をしたように、本制御例では、継続値主選択テーブル222fに基づいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される継続値(HP値)のうち、大まかな(百の単位)値を選択するように構成されており、その差分値に基づいて攻撃演出の演出態様を設定しているため、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される継続値(HP値)、即ち、継続値主選択テーブル222fおよび継続値副選択テーブル222gを用いて選択された継続値(HP値)に基づいて攻撃演出の演出態様を設定するよりも、参照する値のパターンを減少することができ、演出を設定する際の処理負荷を軽減することができる。
次に、図117(b),(c)を参照して、継続値副選択テーブル222gとして用いられる第1継続値副選択テーブル222g1および第2継続値副選択テーブル222g2の内容について説明をする。図117(b)は、第1継続値副選択テーブル222g1の内容を模式的に示した図であり、図117(c)は、第2継続値副選択テーブル222g2の内容を模式的に示した図である。
継続値副選択テーブル222gは、上述したように、継続演出中における継続値の可変パターンを増加させるために用いられるものであって、継続値主選択テーブル222fにより継続値が選択された後に参照されるテーブルである。本制御例では、継続値主選択テーブル222fを用いて選択された継続値に、継続値副選択テーブル222gで選択された値を合算することで、第3図柄表示装置81に表示される継続値(演出上の継続値)が設定される。
本制御例では、継続値主選択テーブル222fを参照して選択された継続値が所定値(例えば、200)以下であるかを判別し、その判別結果に基づいて異なる継続値副選択テーブル222gを参照するように構成しており、継続値主選択テーブル222fを参照して選択された継続値が所定値(例えば、200)以上の場合は、図117(b)に示した第1継続値副選択テーブル222g1が参照され、所定値(例えば、200)未満の場合は、図117(c)に示した第2継続値副選択テーブル222g2が参照される。
図117(b)に示した第1継続値副選択テーブル222g1は、第4演出カウンタ223y4の値に対応付けて継続値が規定されている。具体的には、第4演出カウンタ223y4の値が「0〜39」の範囲では、継続値「0」が選択され、「40〜79」の範囲では、継続値「−10」が選択され、「80〜119」の範囲では、継続値「−20」が選択され、「120〜149」の範囲では、継続値「+20」が選択される。
これにより、継続値主選択テーブル222fを用いて選択された継続値に、第1継続値副選択テーブル222g1を用いて選択された継続値を合算させ、表示上の継続値の種類を増加させることができる。具体的には、継続値主選択テーブル222fを参照して、継続値を「1000」から「800」に減少(更新)させる場合には、選択された継続値(「800」)が所定値(例えば、200)以上であるため、第1継続値副選択テーブル222g1が参照される。第1継続値副選択テーブル222g1にて、「+20」の値が選択された場合は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに継続値(HP値)として「820」が表示される(図92(a)参照)。一方、第1継続値副選択テーブル222g1にて、「−20」の値が選択された場合は、継続値(HP値)として「780」が表示される。
このように、継続値主選択テーブル222fで選択された継続値に継続値副選択テーブル222gで選択された値を加算することで、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される継続値(HP値)のバリエーションを増加させることができる。
ここで、継続値主選択テーブル222fで選択された継続値が所定値(例えば、200)以下となった場合に、上述した第1継続値副選択テーブル222g1を参照して表示上の継続値(HP値)を設定してしまうと、継続値主選択テーブル222fにおいて継続値として「0」が選択された状態で、第1継続値副選択テーブル222g1にて「+20」の値が選択されてしまうと、攻撃演出としては相手キャラクタのHP値を「0」にする攻撃演出が実行されるのに対して、表示上の継続値(HP値)が「20」となる問題があった。
そこで、本制御例では、継続値主選択テーブル222fにおいて選択された継続値が所定値(例えば、200)以下であるかを判別し、所定値以下であると判別した場合は、第2継続値副選択テーブル222g2を参照するように構成している。この第2継続値副選択テーブル222g2は、図117(c)に示した通り、選択される値として「−20」〜「0」の範囲が規定されている。
図117(b)に示した第1継続値副選択テーブル222g1は、第4演出カウンタ223y4の値に対応付けて継続値が規定されている。具体的には、第4演出カウンタ223y4の値が「0〜39」の範囲では、継続値「0」が選択され、「40〜99」の範囲では、継続値「−5」が選択され、「100〜149」の範囲では、継続値「−10」が選択される。
ここで、上述した第1継続値副選択テーブル222g1と第2継続値副選択テーブル222g2との相違点について説明をする。第1継続値副選択テーブル222g1は選択され得る値として、継続値主選択テーブル222fにて選択された継続値(例えば、500)を加算する値(「+20」)と、減算する値(「−10」,「−20」)との何れも選択可能に構成している。一方で、第2継続値副選択テーブル222g2は選択され得る値として、継続値主選択テーブル222fにて選択された継続値(例えば、100)を減算する値(「−5」,「−10」)のみ選択されるように構成している。
このように構成することで、継続値主選択テーブル222fにて選択された継続値が所定値(例えば、200)より大きい場合は、表示される継続値(HP値)の範囲を広く設定することができ、継続値主選択テーブル222fにて選択された継続値が所定値(例えば、200)以下の場合は、表示される継続値(HP値)を遊技者に違和感を与えない範囲で設定することができるため、遊技者に違和感を与えない範囲で演出のバリエーションを増加させることができる。
上述した第1制御例の内容に加え、第1継続値副選択テーブル222g1により選択された値を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された値がプラスの値かマイナスの値かを判別する判別手段と、その判別手段の判別結果に基づいて、第1継続値副選択テーブル222g1と、第2継続値副選択テーブル222g2の何れを用いて値を選択するかを決定する決定手段と、を設けても良い。これにより、継続値副選択テーブル222gにより選択される値がプラス方向、或いはマイナス方向へと偏ってしまうことを抑制することができる。
本第1制御例では上述したように、継続値主選択テーブル222fにより選択される継続値に基づいて攻撃演出の態様を選択する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば継続値主選択テーブル222fにて選択された継続値が所定値(例えば、200)以下の場合に、実際に表示画面に表示されている継続値(HP値)と、継続値主選択テーブル222fおよび継続値副選択テーブル222gに基づいて設定された継続値(HP値)との差分値を算出する算出手段と、その算出手段により算出された差分値に基づいて攻撃演出の態様を選択する選択手段と、を用いた構成としても良い。
本第1制御例では、継続値副選択テーブル222gを音声ランプ制御装置113が有する構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、音声ランプ制御装置113には継続値主選択テーブル222fのみを設け、継続値副選択テーブル222gを表示制御装置114側に設ける構成としても良いし、攻撃演出の態様を選択する処理を表示制御装置114が行うように構成しても良い。このように構成することで音声ランプ制御装置113は継続値主選択テーブル222fを用いた継続値の更新管理のみを行えば良く、処理負荷をより低下させることができる。
なお、本第1制御例では、保留図柄の先読み結果として大当たりに対応する入賞情報があった場合に実行される上述した継続値主選択テーブル222fまたは継続値副選択テーブル222gを用いた継続値の設定以外にも、即ち、保留図柄の先読み結果として大当たりに対応する入賞情報が無い場合においても、演出的に継続値を可変させる処理が実行される。この演出上の継続値可変処理は、詳細な説明は省略するが、継続演出(バトル前演出)が継続して実行される期間や、主制御装置110から送信された変動パターンコマンドの種類によって可変後の継続値が選択されるように構成されている。
このように構成することで、継続演出(バトル前演出)が実行されている間に、継続値を減少させる演出を頻繁に実行することができ、遊技者が演出内容に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第1制御例では、継続演出(バトル前演出)としてバトルリーチ時に対戦し得る相手候補として4体(A〜D)の継続値が表示される(図91(a)参照)ため、例えば、継続演出(バトル前演出)にて演出的に特定の相手の継続値(HP)が大きく減少した場合であっても、他の相手を選択することで継続演出(バトル前演出)を継続して実行することができる。
このように構成することで、継続演出(バトル前演出)が長期間に渡って実行される場合(例えば、確変中に当たりに当選しない場合に)において、継続値のみが減少し続けてしまい。バトルリーチ演出の演出態様が乏しくなってしまうことを抑制することができる。
また、本第1制御例では、バトル前演出が長期間継続してしまうことを抑制するために、特別図柄が当たりに当選していない場合であっても、所定条件(例えば、特別図柄が10回以上変動する間バトル前演出が継続し、且つ、特別図柄の抽選結果として60秒の外れ変動パターンである場合)を満たした場合には、バトルリーチが実行されるように構成し、バトルリーチの結果として当たりに当選していなかった場合は、再度継続演出(2回目)が実行されるように構成し、継続値を初期化するようにしている。これにより、継続演出(バトル前演出)が長期間に渡って実行される場合(例えば、確変中に当たりに当選しない場合に)において、継続値のみが減少し続けてしまい。バトルリーチ演出の演出態様が乏しくなってしまうことを抑制することができる。
次に、図118(a)を参照して、最終態様選択テーブル222hについて説明をする。この最終態様選択テーブル222hは、上述した継続演出中に実行されるバトルリーチの演出態様を選択するためのテーブルであって、バトルリーチが実行される特別図柄変動の当否判定結果と、第5演出カウンタ223y5の値とに対応付けて異なる最終態様が規定されている。
具体的には、特別図柄の当否判定結果が大当たりで、且つ、その大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態または時短状態)が付与される場合は、第5演出カウンタ223y5の値が「0〜49」の範囲に最終態様「1」が、「50〜129」の範囲に最終態様「2」が、「130〜149」の範囲に最終態様「3」が規定されている。
特別図柄の当否判定結果が大当たりで、且つ、その大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態が付与されない場合は、第5演出カウンタ223y5の値が「0〜129」の範囲に最終態様「4」が、「130〜149」の範囲に最終態様「5」が規定され、特別図柄の当否判定結果が外れの場合は、第5演出カウンタ223y5の値が「0〜129」の範囲に最終態様「6」が、「130〜149」の範囲に最終態様「7」が規定されている。
また、特別図柄の当否判定結果が外れで、且つ、時短終了条件が成立する特図変動の場合は、第5演出カウンタ223y5の値が「0〜129」の範囲に最終態様「4」が、「130〜149」の範囲に最終態様「5」が規定されている。
ここで、最終態様選択テーブル222hを用いて選択される各最終態様の演出内容について、図118(b)を参照して説明をする。図118(b)は、最終態様選択テーブル222hを用いて選択された各最終態様の演出内容を説明した図である。本制御例では、バトル演出の最終態様(バトルリーチ)として図93〜図96を参照して上述したように、主人公のキャラクタ又は相手のキャラクタの何れかが合計で3回攻撃を行う演出が実行されるように構成されており、選択された最終態様に応じて異なる攻撃パターンが選択される。
具体的には、最終態様「1」〜「3」は、主人公のキャラクタが勝利する勝利バトルが実行される攻撃パターンが選択され、最終態様「1」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて主人公のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択され、最終態様「2」の場合は、1回目と3回目の攻撃機会で主人公が攻撃を行い、2回目の攻撃機会で相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択される。最終態様「3」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて相手のキャラクタが攻撃を行った後に、主人公が復活して相手のキャラクタを倒す攻撃パターン(復活演出(図96参照))が選択される。
なお、詳細な説明は省略するが、最終態様選択テーブル222hは、実行される変動演出の変動パターン(変動時間)毎に設けられており、例えば、変動時間が60秒の変動パターンでは、3回の攻撃で完結する最終態様(最終態様「1」および「2」)が選択され易く規定されており、変動時間が90秒の変動パターンでは、復活演出が選択され易く規定されている。ここで、変動時間が90秒の変動パターンで実行される復活演出では、最初の3回分の攻撃の演出データとして、変動時間が60秒の変動パターン(最終態様「5」)の演出データと同一のものが用いられる。これにより、演出データの共有化を図りデータ容量の削減を図ると共に、勝利バトルが実行される演出の前半(最終態様「3」の前半)と、敗北バトルが実行される演出(最終態様「5」)と、で同一の演出を実行することで、遊技者に対して演出の途中で演出結果を把握されてしまう事態を確実に抑制することができる。
図118に戻り説明を続ける。最終態様「4」,「5」は、主人公のキャラクタが敗北する敗北バトルが実行される攻撃パターンが選択される。この敗北バトルでは、バトルリーチの結果として主人公の継続値(HP)を示すHPゲージDm21が最終的に0になる演出が実行されるものである。最終態様「4」の場合は、1回目の攻撃機会で主人公のキャラクタが攻撃を行い、2回目と3回目の攻撃機会で相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択され、最終態様「5」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択される。このように、本制御例にて設定される敗北バトルの攻撃パターンでは、最後の1回の攻撃(3回目の攻撃)が実行されるまで、その他のバトル(勝利バトル、後述する引き分けバトル)と同一の演出が実行されるため、遊技者に対して演出の途中で演出結果を把握されてしまう事態を確実に抑制することができる。
最終態様「6」,「7」は、主人公の継続値を示すHPゲージDm21も、相手キャラクタの継続値を示すHPゲージDm22も0にならない引き分けバトルが実行される攻撃パターンが選択される。この引き分けバトルが実行されると、バトルリーチが終了し、次のバトル前演出が実行される。最終態様「6」の場合は、1回目の攻撃機会で主人公のキャラクタが攻撃を行い、2回目と3回目の攻撃機会で相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択され、最終態様「7」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択される。このように、本制御例にて設定される引き分けバトルの攻撃パターンでは、攻撃パターンとして他のバトル(敗北バトル)と同一の演出が実行されるため、遊技者に対して攻撃パターンだけでは無く、HPゲージの減少具合に注視させることが出来、演出の途中で演出結果を把握されてしまう事態を確実に抑制することができる。
なお、本制御例では引き分けバトル中に実行される攻撃パターンとして敗北バトルと同一の攻撃パターンが実行される演出が選択されるように構成しているが、その他のバトル(勝利バトル)と同一の攻撃パターンが実行される演出が選択されるように構成しても良い。これにより、3回目のバトルが実行された場合に、各攻撃機会(1〜3回目の攻撃機会)にて実行された攻撃パターンによって、今回のバトルリーチが勝利バトル或いは引き分けバトルの何れか(即ち、敗北が無いバトル)であることを遊技者に把握させることができ、遊技状態が通常状態に移行する心配をすること無く演出(バトルリーチ)を見ることができる。
次に、図114(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図114(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、状態格納エリア223eと、大当たり情報格納エリア223fと、表示ラウンド数格納エリア223gと、上乗せ演出フラグ223hと、表示延長フラグ223iと、変動回数カウンタ223jと、経過時間カウンタ223kと、継続演出モード格納エリア223mと、継続値格納エリア223nと、継続期間カウンタ223pと、継続演出設定カウンタ223qと、継続演出フラグ223rと、前兆設定フラグ223tと、演出カウンタ群223yと、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、特別図柄1に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)と、特別図柄2に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64、または第2入球口140に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、入球を検出した入球口の種別(第1入球口64、または第2入球口140)に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
なお、本第1制御例では、主制御装置110において、始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)に基づいて入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞に対応して予測された各種情報に、既に、特別図柄1保留球格納エリア203a或いは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されている各種情報を加えて入賞情報コマンドを設定する設定手段と、入賞情報コマンドを受信した場合に、既に、入賞情報格納エリア223aに格納されている各種情報(入賞情報)と、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種情報(入賞情報)とが合致するかを判別する判別手段とを設ける構成としてもよい。これにより、入賞情報格納エリア223aに格納されている各種情報(入賞情報)が適切に格納されているかを判別することが可能となる。
また、本第1制御例では、新たな始動入賞が発生した場合に入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知するタイミングは、上述したタイミング(入賞情報コマンドを設定したタイミング)に限定されるものでは無く、例えば、入賞情報コマンドを一時的に記憶する記憶手段を設け、始動入賞したタイミングに加え、定期的(例えば、5秒間隔)、遊技条件可変時(例えば、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合や、大当たり遊技が開始又は終了した場合等)、または、特別図柄の変動開始(又は停止)時に、記憶手段に記憶されている入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いても良い。このように構成することで、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を用いた演出(所謂、先読み演出)を適切に実行することができる。
本制御例では、入賞情報格納エリア223aに格納された各入賞情報に基づいて、先読み演出として、大当たり演出、バトル演出、期待度表示演出等の演出態様の設定等が実行される。このように、入賞情報格納エリア223aに格納された各入賞情報に基づいて各種演出(先読み演出)を実行することで、変動表示が開始されるよりも前から各保留球に対して遊技者に大当たりとなる期待感を抱かせることができる。また、複数回の変動表示期間を用いた長期間の演出を実行することも可能となる。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、図115(a)に示した通り、特別図柄1の保留球数をカウントするための特別図柄1保留球数カウンタ223b1と、特別図柄2の保留球数をカウントするための特別図柄2保留球数カウンタ223b2と、を有しており、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて各カウンタの値を更新する。
特別図柄1保留球数カウンタ223b1は、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄1の変動表示であって、主制御装置110において保留されている特別図柄1の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。同様に、特別図柄2保留球数カウンタ223b2は、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄2の変動表示であって、主制御装置110において保留されている特別図柄2の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dや特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223b1、および特別図柄2保留球数カウンタ223b2にて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223b1、または特別図柄2保留球数カウンタ223b2のうち、コマンドに対応するカウンタに格納する(図140のS3208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223b1、および特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223b1、および特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223b1、または特別図柄2保留球数カウンタ223b2に格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223b1、または特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b1、または特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223b1は、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更され、特別図柄2保留球数カウンタ223b2は、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される特別図柄1の変動パターンコマンド、または特別図柄2の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図140のS3202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図147のS3802参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図140のS3204参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図147のS3814参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
大当たり情報格納エリア223fは、実行される大当たりに関する情報を格納するためのエリアであって、今回実行される大当たりに関する情報(例えば、ラウンド数や大当たり終了後に移行する遊技状態等)を、主制御装置110から受信した場合に格納するためのエリアである。本制御例では、この大当たり情報格納エリア223fに格納されている情報に基づいて大当たり中に実行される演出の態様を設定している。
表示ラウンド数格納エリア223gは、大当たり中に表示されるラウンド数に関する情報を格納するためのエリアである。本制御例では図85(a)を参照して上述したように、大当たり中に上乗せ用演出が実行された場合に、実行中のラウンド数を示す実行中ラウンド数表示態様Dm3と、内部的に設定されているラウンド数を部分的に確定表示する確定ラウンド数表示態様Dm4とが、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されているラウンド数に関する情報に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるよう構成されている。
この表示ラウンド数格納エリア223gは、初期値として0が格納されており、主制御装置110から送信される当たり関連コマンドのうちラウンド数コマンドを受信し(図142のS3304:Yes)、上乗せ演出フラグ223hがオンに設定されている場合に(図142のS3306:Yes)実行される上乗せ演出中処理(図143参照)において、格納されている値(ラウンド数)を参照して、内部的に設定されているラウンド数と、確定ラウンド数との差分を算出し、その差分値に基づいて新たに決定された確定ラウンド数の値(ラウンド数)が格納される。
ここで格納されたラウンド数は、上乗せ表示処理(図145参照)において、ラウンド数が所定ラウンド数(ラウンド数n)である場合に、確定ラウンド数表示態様Dm4として表示されるように表示用上乗せ表示コマンドを設定する際に用いられる(図145のS3604参照)。そして、上乗せ用演出が終了した場合に、格納されている値が初期化される。
このように、本制御例では、新たなラウンドが開始される場合に上乗せ演出中処理(図144参照)を実行し、表示ラウンド数格納エリア223gに格納される確定ラウンド数を更新し、所定数(本制御例では5の倍数)のラウンドが開始される場合に確定ラウンド数表示態様Dm4の表示態様を更新するための表示処理が実行される。よって、常に(毎ラウンド)確定ラウンド数を更新しているため、確定ラウンド数表示態様Dm4の表示態様を更新する条件を追加したり、遊技者の操作に基づいて確定ラウンド数表示態様Dm4の表示態様を更新するか否かを選択したりすることで、確定ラウンド数の表示タイミングを異ならせた場合でも確実に対応することができる。
さらに、本制御例では、大当たり中に発生した追加入賞が大当たりに当選している場合には、その追加入賞に対応する入賞情報に基づいてラウンド数を事前に特定し、その事前特定結果の示すラウンド数情報も含めた合算ラウンド数により表示ラウンド数を設定するように構成している。
上乗せ演出フラグ223hは、上乗せ用演出が実行されていることを示すためのフラグであって、大当たり中演出として上乗せ用演出が選択された場合にオンに設定される。この上乗せ演出フラグ223hは、大当たり中演出設定処理(図143参照)において、大当たり中演出として上乗せ用演出を読み出した場合にオンに設定され(図143のS3408参照)、当たり関連コマンド処理(図142)においてラウンド数コマンドを受信した場合に(図142のS3304)、設定状態が判別される(図142のS3306)。そして、大当たり後演出設定処理(図146参照)において、保留内連荘が無いと判別された場合に(図146のS3703:No)、オフに設定される。
表示延長フラグ223iは、大当たり中の演出(大当たりのエンディング表示)を大当たり終了後に実行される特別図柄の変動期間中も延長して表示する状態を示すためのフラグであって、大当たり中の演出(大当たりのエンディング表示)を延長して表示する場合にオンに設定される。この表示延長フラグ223iがオンに設定されている状態、即ち、大当たり中の演出(大当たりのエンディング表示)を実行している間に、新たな大当たりに当選した場合は、その大当たりに関する情報(獲得球数やラウンド数)が、前回の大当たりに関する情報(獲得球数やラウンド数)から継続した表示態様で表示される。
この表示延長フラグ223iは、大当たり後演出設定処理(図146参照)において、今回実行された大当たり演出が通常当たり用演出であって、大当たり終了後の遊技状態が確変状態または時短状態の場合に(図146のS3709:Yes)、オンに設定される(図146のS3710)。そして、表示延長フラグ223iがオンに設定されてから特別図柄が4回変動した場合(図148のS3904:Yes)、或いは、経過時間が4秒となった場合に(図154のS5103:Yes)、オフに設定される(図148のS3905、図154のS5104)。
上述したように、本制御例では、表示延長フラグ223iはオンに設定されてから特別図柄の変動回数が所定回数(4回)に到達、或いは、所定時間(4秒)経過の何れかの条件が成立した場合にオフに設定されるように構成されている。これは、表示延長フラグ223iがオンに設定されている期間は、大当たり中の演出が継続して実行される期間であり、且つ、その期間中に大当たりに当選した場合には大当たり中の演出が継続する(前回の大当たり演出を継続実行する)期間であるためである。
詳細に説明すると、表示延長フラグ223iをオフに設定する条件として、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、4回)に到達することのみを設定した場合では、大当たり終了時点で特別図柄の保留球数の値(特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数とを合算した値)が上述した所定回数(4回)未満であり、大当たり終了後に遊技者が球の打ち出しを中断してしまうと、大当たり終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(4回)に到達することなく遊技が中断することになり、大当たり中の演出が長期間継続してしまう事態が発生する虞がある。さらに、このような状態で遊技者が遊技を止めてしまった場合には、誰も遊技を行っていない状態であるにも関わらず大当たり中の演出が表示されてしまうため、新たな遊技者がそのパチンコ機10で遊技を行うことを躊躇してしまい、パチンコ機10の稼働を低下させてしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、特別図柄の変動回数に加え、時間経過(4秒)も、表示延長フラグ223iをオフに設定する条件として設けている。これより、大当たり中の演出が継続して表示され、且つ、複数の大当たりを跨いだ演出を実行可能とする期間を限定的な期間として設定することができる。これにより、表示延長フラグ223iがオンに設定されている限定的な期間において大当たりに当選しようと、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
変動回数カウンタ223jは、表示延長フラグ223iがオンに設定されている期間における特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この変動回数カウンタ223jは、表示延長フラグ223iがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図147参照)を実行し、延長管理処理(図148参照)が実行された場合に「5」の値が設定される(図148のS3902参照)。
経過時間カウンタ223kは、表示延長フラグ223iがオンに設定されている期間における経過時間をカウントするものである。この経過時間カウンタ223kは、大当たり後演出設定処理(図146参照)において、表示延長フラグ223iがオンに設定される場合に、カウンタ値として「4000(4秒相当)」が設定され(図146のS3711参照)、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図139参照)の演出更新処理(S3112)が実行される毎にカウンタ値が「1」減算される(図154のS5102参照)。
そして、演出更新処理(図154参照)において、経過時間カウンタ223kのカウンタ値が「0」となった場合に、表示延長フラグ223iをオフに設定する(図154のS5104参照)。このように構成することで、大当たり終了後の経過時間が所定時間(4秒)を経過した場合に、大当たり中の演出を終了し、各遊技状態に対応した通常の演出を実行することができ、限られた期間中で大当たりに当選しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、経過時間カウンタ223kのカウンタ値として4秒に相当する「4000」を設定しているが、設定する時間はこれに限られることは無く、例えば、3秒間であっても良いし、表示延長フラグ223iがオンに設定される毎に、複数の時間の中から1つを選択し、その期間を設定するように構成してもよい。また、経過時間カウンタ223kのカウンタ値に設定する値としては、大当たり終了後に実行される特別図柄2の4回転分の変動期間の合算よりも長く設定すると良い。このように構成することで、大当たり中に優先的に消化される特別図柄2の保留球数分の変動を、表示延長フラグ223iがオンに設定されている間に実行させることができる。
継続演出モード格納エリア223mは、継続演出が実行される場合に選択された継続演出モードを格納するための記憶領域である。この継続演出モード格納エリア223mは、変動表示設定処理(図147参照)において、表示延長フラグ223iがオフに設定されており、且つ、遊技状態が時短状態又は確変状態であると判別した場合に実行される継続演出設定処理(図149参照)において、継続演出モード選択テーブル222eにより選択された継続演出モードが格納され、最終態様選択テーブルにより清秋態様が選択されるまでの間(バトルリーチが実行されるまでの間)、継続演出モード格納エリア223mに格納されている継続演出モードに対応した演出(バトル前演出)が実行される。
継続値格納エリア223nは、本制御例にて実行される継続演出中に増減される継続値(HP値)のうち、継続値主選択テーブル222fにより選択された値を格納するための記憶領域であって、継続値格納エリア223nに格納されている継続値に基づいて、継続演出中の継続値(HP値)の更新(増減)処理が実行される。
なお、本制御例では、継続値主選択テーブル222fに基づいて継続値(HP値)を大まかに選択し、継続値副選択テーブル222gに基づいて継続値(HP値)の詳細な値を選択するように構成することで、継続演出中に表示される継続値の増減パターンを増加させているが、音声ランプ制御装置113内での継続値(HP値)の管理を継続値主選択テーブル222fに基づいて選択された継続値のみで実行するように構成しているため、継続演出中に表示される継続値(HP値)の種類に対して、管理対象となる継続値(HP値)の種類を削減することができる。
継続期間カウンタ223pは、継続演出フラグ223rがオンに設定されている期間を計測するためのカウンタであって、継続演出において最終態様(バトルリーチ)が頻繁に実行されてしまうことを抑制するために、用いられるカウンタである。
この継続期間カウンタ223pは、継続演出フラグ223rがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図147参照)が実行される毎に、即ち、特別図柄の変動が実行される毎に、継続演出設定処理(図149参照)において1加算される(図149のS4009参照)。そして、継続演出設定処理(図149参照)において、そのカウンタ値が「6」未満であると判別された場合には(図149のS4003:No)、最終態様(バトルリーチ)が選択されないように構成している。このように構成することで、継続期間カウンタの値が6以上、即ち、バトル前演出が実行されてから特別図柄の変動が6回実行されるまでは、最終態様(バトルリーチ)の選択が抑制される。
継続演出設定カウンタ223qは、遊技状態が確変状態または時短状態に設定されている間に、バトル演出が繰り返し設定された回数(継続演出フラグ223rをオンに設定した回数)を計測するためのカウンタであり、継続演出設定カウンタ223qの値に基づいて異なる継続演出モードが選択され易くなるように設定されている。これにより、継続演出が長期間実行され、バトル演出が繰り返し設定される場合において、同一態様のバトル演出が頻繁に実行されることを抑制することができる。また、継続演出設定カウンタ223qの値が特定の値(例えば、1)の場合にのみ実行される継続演出モードを設定することで、希少価値のある演出を遊技者に提供することができる。
この継続演出設定カウンタ223qは、継続演出設定処理(図149参照)において新たな継続演出モードを選択する際に参照され(図149のS4005参照)、継続演出モードを選択した場合に1加算される(図149のS4007参照)。そして、継続演出が終了した場合(遊技状態が通常状態に移行した場合、或いは、大当たりに当選した場合)に、そのカウンタ値が0にクリアされる。
継続演出フラグ223rは、継続演出の実行中において、継続演出モードが選択されていること(バトル前演出が実行されていること)を示すためのフラグであって、継続演出モードを選択した場合にオンに設定される。この継続演出フラグ223rがオンに設定されている間は新たな継続演出モードが選択されることなく、同一の継続演出モードにてバトル前演出が実行される。
この継続演出フラグ223rは、継続演出設定処理(図149参照)が実行される当初はオフに設定されており、継続演出モードが選択された場合にオンに設定され(図149のS4008参照)、オンに設定されている間は継続演出モードを選択するための処理がスキップされる(図149のS4004:Yes)。そして、最終態様選択テーブル222hに基づいて最終態様が選択された場合(即ち、バトルリーチが選択されバトル前演出が終了した場合)に、オフに設定される(図149:S4015参照)。
前兆設定フラグ223tは、複数変動を跨いでカウントダウン演出を実行する場合(図101参照)に、用いられるフラグであって、前兆演出期間中に変動表示が切り替わる場合にオンに設定される。この前兆設定フラグ223tがオンに設定されている場合は、変動表示設定処理(図147参照)にて実行されるカウントダウン演出設定処理(図152参照)において、新たな変動演出を設定する場合に、変動開始時から前変動の前兆演出が継続して実行されるように制御される。
この前兆設定フラグ223tは、入賞情報コマンド処理(図141参照)において、先読み情報として特定演出C(図101参照)を有するカウントダウン演出があり(図141のS3232,S3233参照)、現在実行中の変動表示の残変動期間が10秒以上であると判別された場合に(図141のS3234:Yes)、オンに設定される(図141のS3236参照)。
そして、カウントダウン演出設定処理(図152参照)において、演出態様を設定する際に参照され(図152のS4301参照)、S4301の処理において前兆演出フラグ233mがオンに設定されていると判別された場合に実行される複数変動演出設定処理(図153参照)において、演出態様を設定した後にオフに設定される(図153のS4405参照)。
演出カウンタ群223yは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ群223yには、少なくとも第1演出カウンタ223y1〜第6演出カウンタ223y6を有しており、何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続された乱数生成用のIC(図示せず)から取得した0から198の範囲の乱数値が格納される。乱数生成用のICの動作クロック(動作周波数)は、少なくとも各演出カウンタのそれぞれに対して、別々の乱数値に更新して判定を実行できる程度の動作クロック(例えば、1MHz)で動作可能なICが採用される。この演出カウンタ群223yの値は、連続予告演出の実行可否や、通常押下演出の予告種別の決定等、音声ランプ制御装置113で実行される各種判定を実行する場合に用いられる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域や状態を設定するための上述したフラグ以外のフラグが設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。具体的には、例えば、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられる電源断フラグが設けられている。この電源断フラグは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図138参照)において、電源断フラグがオンである場合は(図138の3008:Yes)、電源断フラグがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図138のS3009参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
次に、図120を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図120は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリ234aは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図155のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図155のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図125参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図157(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリ234aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口140への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。この電源投入時画像は、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される画像である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図155のS6003,S6004参照)。
ここで、図121を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図121は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図121(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図22(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図22(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図121(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図121(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口140に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図121(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球1640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図122を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図122は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図122(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図122(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図122に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図122(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図122(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図122(a),(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図122(a),(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図120参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の9種類の主図柄(図81(b)参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口140への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、数字が付されていない副図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない副図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「青年」や「女性」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、合算値格納エリア233k、前兆演出フラグ233mを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、大当たる中演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113が特別図柄変動1回分の期間(主制御装置110にて選択された変動パターン(変動時間))に対応する表示用変動パターンコマンドを表示用停止種別コマンドと併せて出力し、表示制御装置114が受信した各コマンドに対応した演出態様を設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、音声ランプ制御装置113が特別図柄変動1回分の期間(例えば、60秒)に対応する表示用変動パターンコマンドを複数個に分割(例えば、前半変動パターン(30秒)と後半変動パターン(30秒)して表示制御装置114に出力するように構成しても良い。このように構成することで、前半変動パターンが実行されている期間中に発生した遊技内容(例えば、遊技者による枠ボタン22に対する操作、新たな入球情報の獲得)に基づいて後半変動パターンに対応する表示用変動パターンコマンドを設定することができる。
加えて、上述した構成を用いることで、特別図柄変動1回分の期間に対応する表示用変動パターンコマンドを一旦出力した後に、追加の表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、追加の表示用変動パターンコマンドに対応させて演出内容を書き換える処理を行う必要が無くなり、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、上述したように音声ランプ制御装置113が特別図柄変動1回分の期間(例えば、60秒)に対応する表示用変動パターンコマンドを複数個に分割(例えば、前半変動パターン(30秒)と後半変動パターン(30秒)して表示制御装置114に出力する場合には、最初に出力される表示用変動パターンコマンドに併せて表示用停止種別コマンドを出力するように構成すると良い。
また、本制御例では、遊技状態が遊技者に有利な有利状態である場合に継続して実行される継続演出(図96参照)を実行するための表示用演出コマンドや、継続演出が終了するか否かを報知する演出(バトルリーチ)を実行するための表示用最終態様コマンドや、その他、遊技者に対して大当たりに当選している期待度を高めるための各種コマンドが音声ランプ制御装置113から出力されるように構成されており、それぞれ各種コマンドを受信した場合には、各種コマンドに対応する演出が表示される。
さらに、所定の表示用コマンドを受信したことに基づいて既に演出内容が設定されている場合であっても、その後に追加の表示用コマンドを受信した場合には、追加の表示用コマンドに対応する内容に演出内容を上書きするように構成している。これにより、表示用変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、所定期間(特別図柄の変動期間)に対応した期間分の演出を予め設定(作成)している状態で、その期間中に追加の表示用コマンド(例えば、遊技者による枠ボタン22に対する操作、新たな入球情報の獲得を示すための表示用コマンド)を受信した場合に、円滑に演出の表示内容を変更することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「1」から「9」の数字が付されていない副図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図123を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図123は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、青年の画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「朝ステージ」、「夕方ステージ」、「夜ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像(特殊背面A〜C等)を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図75の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図125参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図124を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図124は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図124のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図124のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図124の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図125参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図124の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図155参照)の中でオンに設定される(図155のS6005参照)。そして、転送設定処理の常駐画像転送設定処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図170(b)のS8005参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図157(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図157(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図157(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図158〜図166参照)および表示設定処理(図157〜図169参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図170(a)のS7901参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図170(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図171参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図125参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図125参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図125参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図167(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図169のS7305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図125参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図125を参照して、描画リストの詳細について説明する。図125は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図125示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図157(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図167のS7607参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図155のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図171参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図171のS8113参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図171のS8114参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図172のS8202参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図157(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
合算値格納エリア233kは、上述した継続演出(図91参照)において可変表示される継続値(HP値)として表示(合算値として表示)した履歴を格納(記憶)するためのエリアである。この合算値格納エリア233kに格納(記憶)された値(合算値)と、新たに受信した継続値(HP値)との差分に基づいて継続演出における表示内容(例えば、図92(a)に示した、減少値Dm12、HP表示領域Dm17の表示態様や、攻撃演出の演出態様)が決定され表示される。
つまり、本制御例では、音声ランプ制御装置113側で、前回設定した合算値を記憶せずに、表示制御装置114側に前回設定した合算値を記憶する手段(合算値格納エリア233k)を設けており、前回の合算値と今回の合算値との差分を表示制御装置114が算出し、算出結果に基づいた表示態様を表示するように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の構成を簡素化することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113側に継続値(HP値)の表示バリエーションを増加させるための演出値を設定する手段(継続値副選択テーブル222g、及び、図150のS4105〜S4107の処理)を設けているが、この演出値を設定する手段を表示制御装置114に設けても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の構成を簡素化することができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷をより軽減することができる。
前兆演出フラグ233mは、前兆演出が複数の特図変動を跨いで実行されるか否かを判別するためのフラグである。この前兆演出フラグ233mがオンであれば、前兆演出が複数の特図変動を跨いで実行される状態であることを意味し、オフであれば、前兆演出が複数の特図変動を跨いで実行されない状態であることを意味する。前兆演出フラグ233mは、音声ランプ制御装置113から送信される表示用追加前兆コマンドを受信した場合にオンに設定される(図166のS7505参照)。また、この前兆演出フラグ233mは、変動パターンこまんど処理の中で参照され(図159のS6501参照)、複数の特図変動を跨いで実行される前兆演出に対応する表示データテーブルを設定した後に、オフに設定される(図159のS6503参照)。これにより、複数の特図変動を跨いで前兆演出を実行することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、複数の特図変動を跨いで前兆演出を実行する場合は、前回の特図変動において実行された前兆演出の演出データ及びその演出データのうち実行済みの時点を記憶する記憶手段を有しており、今回の特図変動に対応する演出を設定する際には(図159のS6502)、上述した記憶手段に記憶されている演出データを参照して、前回の特図変動において実行された前兆演出が継続して表示されるように構成している。これにより、複数の特図変動を跨いで実行される前兆演出を遊技者に違和感を与えること無く表示することができる。
また、本制御例では、表示用変動パターンコマンドを受信したことに基づいて前兆演出を設定するように構成(即ち、変動パターンの一部として前兆演出を実行するように構成)しているが、これに限ること無く、前兆演出を実行することを示す表示用コマンドを受信した場合に、変動表示内容に関わらず、前兆演出をそのコマンドが示す期間中、或いは、前兆演出の停止を示す表示用コマンドを受信するまで表示するように構成しても良い。
<第1制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図126から図137のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図126は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では238)に達した場合に0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、238,199,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び始動入賞処理の詳細は、図127〜図131を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図132および図133を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図127を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図127は、特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいと判別した場合は(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b1、特別図柄2保留球数カウンタ223b2にそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図128を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S209)。S209の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合は(S209:No)、本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別された場合は(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトし(S212)、処理をS213へと移行する。
以上、説明をしたように、本制御例では、特別図柄の変動を開始する処理を実行する場合に、先ず、特別図柄2保留球数カウンタの値(N2)を取得し、特別図柄2保留球数カウンタの値(N2)が0の場合、即ち、特別図柄2の保留球数が0の場合に、次いで、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)を取得するように構成している。このように構成することで、特別図柄2の変動を優先して実行することができる。
なお、特別図柄の変動を開始する処理としては、本制御例の構成に限られることは無く、例えば、特別図柄1の変動を優先して実行するように構成しても良いし、特別図柄1および特別図柄2に優先順位を設定することく、例えば、球が第1入球口64或いは第2入球口140に入球した順番に従って特別図柄の変動を実行するように構成しても良い。この場合は、球が第1入球口64或いは第2入球口140に入球した順番を記憶する記憶エリアを設け、その記憶エリアに記憶されている順番(入球順)に従って特別図柄1保留球数カウンタ或いは特別図柄2保留球数カウンタの値を取得するように構成しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで共通の保留球数カウンタを用いるように構成しても良い。
さらに、特別図柄1と特別図柄2とが独立して同時に変動するように構成しても良い。なお、この場合は、何れか一方の特別図柄が大当たり中であると判別した場合に、他方の特別図柄の変動を停止(変動時間の減算を一方の大当たりが終了するまで停止)したり、他方の特別図柄の変動を破棄(変動時間が経過していない状態であっても、抽選結果を外れに書き換えて強制的に停止)したりするように構成すると良い。このように構成することで、同時に複数の特別図柄を変動させる構成において、一方が遊技者に有利な状態となった場合に、他方の特別図柄の変動を気にすること無く遊技を行うことができる。
図127に戻り説明を続ける。S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S214の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図128を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、特別図柄の種別(特別図柄1或いは特別図柄2)、および第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別(大当たりA〜K)が決定される。
本制御例では、大当たり種別(大当たりA〜K)に対応して第1図柄表示装置37のLEDの点灯パターンを異ならせることで、当選した大当たり種別を識別可能に構成している。具体的には、第1図柄表示装置37に設けられる複数のLED(例えば7個)のそれぞれを点灯又は消灯させることで、複数の点灯パターンを構成している。なお、第1図柄表示装置37の点灯パターンとして、点灯色を異ならせるように構成しても良い。さらに、第1図柄表示装置37は、複数のLEDの少なくとも1つを点滅表示させることで、特別図柄が変動していることを外部に報知するように構成しており、この点滅表示において用いられるLEDの点灯期間よりも、特別図柄が停止してから次の特別図柄の変動が実行されるまでに表示される点灯期間(特別図柄の停止状態を示すための点灯期間)の方が長くなるように構成している。これにより、遊技者に対して特別図柄が変動している状態であるか停止している状態であるかを把握させることができる。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口65aの開放シナリオを設定する(S217)。その後、確変フラグ203gをオフにリセットすると共に、時短中カウンタ203hの値を0にリセットして(S218)、大当たりの開始を設定する(S219)。S219の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図136参照)の大当たり制御処理(S1104)が実行された場合に、S1201:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
そして、S219の処理を終えると、次に、停止図柄に関する情報を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、変動回数減算処理を実行する(S221)。なお、変動回数減算処理については、図129を参照して後述する。その後、上述したS220処理へ移行し、本処理を終了する。
次に、図128を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図128は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図126参照)の特別図柄変動処理(図127参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S213)では、まず、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203aあるいは特別図柄2保留球格納エリア203b)の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203gがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203gがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203gがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。
確変フラグ203gがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5〜9」の5個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本実施例では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を共通にしているが、特別図柄1の抽選か、特別図柄2の抽選かに応じて大当たりとなる判定値を異ならせても良い。このように構成することで、特別図柄1では外れと判定される乱数値が特別図柄2では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本制御では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を同じ個数に設定しているが、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで大当たりとなる判定値の個数を異ならせてもよい。このように構成することで、特別図柄1と特別図柄2とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、確変フラグ203gがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」のみが設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」に一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定した場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202cに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜K)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲にあれば、大当たりA(ラウンド数が15ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別)であると判定し(図107参照)、「20〜79」の範囲にあれば、大当たりB(ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別)であると判定する。
また、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜114」の範囲にあれば、大当たりC(ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が100回設定される大当たり種別)であると判定し、「115〜164」の範囲にあれば、大当たりD(ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別)であると判定しする。
さらに、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「165〜199」の範囲にあれば、大当たりE(ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態が低確率状態で且つ時短状態では無い場合(通常状態である場合)には、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が設定され、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外(高確率状態または時短状態)の場合には、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が100回設定される大当たり種別であると判定する(図107参照)。
また、対応する図柄種別が特別図柄2(特図2)の場合も、上述した特図1の場合と同様に、第1当たり種別選択テーブル202c(図107参照)に規定されている内容に基づいて大当たりF〜大当たりKが判定される。
このS306の処理では、判定した大当たり種別(大当たりA〜K)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜K)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、上述した通り、変動パターン選択テーブル202d(図108参照)に規定されている。S307の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
一方、S305の処理において、特別図柄の大当たりではない(外れである)と判定した場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203aあるいは特別図柄2保留球格納エリア203b)の実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択テーブル202d(図108参照)の規定内容とを比較することにより、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。S309の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
S307の処理またはS309の処理が終了した後で実行されるS310の処理では、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図136参照)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理(図127参照)へ戻る。
次に、図129のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動回数減算処理(S221)を説明する。図129は、この変動回数減算処理(S221)を示すフローチャートである。この変動回数減算処理(S221)では、時短中カウンタ203h、および規定回数カウンタ203jが特別図柄の変動終了に基づいて減算される。
時短中カウンタ203hは時短状態が設定される残回数を計測するカウンタであって、大当たり終了後に遊技状態が時短状態へと移行する場合に時短回数が設定される。規定回数カウンタ203jは、状態移行テーブル202f(図111および図112参照)に設定される各シナリオを更新するためのカウンタであって、大当たり終了後に設定される状態移行テーブルの内容に基づいて規定回数が設定される。
図129の処理が実行されると、まず、時短中カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別する(S401)。時短中カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合(S401:Yes)、即ち、現在が時短状態である場合は、時短中カウンタ203hの値を1減算し(S402)、時短中カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S403)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図136参照)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドの一部として受信した残時短回数コマンドから、現在の遊技状態、即ち、時短状態の残時短回数を抽出し、状態格納エリア223eに格納する。
S403の処理を終えると、次に、時短中カウンタ203hの値が0であるか、つまり、S402の処理によって時短中カウンタ203hの値を1減算した結果、時短中カウンタ203hの値が0になったかを判別する(S404)。S404の処理において、時短中カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S404:Yes)、遊技状態を通常状態にし、対応する状態コマンドを設定し(S405)、S406の処理へ移行する。
一方、S404の処理において、時短中カウンタ203hの値が0ではない(1以上)であると判別した場合は(S404:No)、S405の処理をスキップしてS406の処理へ移行する。また、S401の処理において、時短中カウンタ203hの値が0より大きくない(0である)と判別した場合は、時短中カウンタ203hに関する処理(S402〜S405)をスキップしてS406の処理へ移行する。
S406の処理では、規定回数カウンタ203jの値が0よりも大きいかを判別する(S406)。S406の処理において、規定回数カウンタ203jの値が0よりも大きいと判別した場合は(S406:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算し(S407)、規定回数カウンタ203jの値を示す残変動回数コマンドを設定する(S408)。ここで設定された残変動回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図136参照)のS1101の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドの一部として受信した残変動回数コマンドから、各状態ステータスの残変動回数、即ち、遊技状態や参照する変動パターン選択テーブルが切り替わるまでの残変動回数を抽出し、状態格納エリア223eに格納する。
S408の処理を終えると、次に、規定回数カウンタ203jの値が0であるか、つまり、S407の処理によって規定回数カウンタ203jの値を1減算した結果、規定回数カウンタ203jの値が0になったかを判別する(S409)。規定回数カウンタ203jの値が0であると判別した場合は(S409:Yes)、状態移行テーブル202fに応じた状態移行を行い、対応する状態コマンドを設定する(S410)。
このS410の処理では、例えば、状態移行テーブル202fとして状態移行4テーブル202f4が設定されており、状態ステータスST3aに対して設定された規定回数カウンタ203jの値「4」が減算され「0」となり、状態ステータスがST3aからST3へ状態移行した場合に、状態ステータスST3を示す情報と、新たに設定される規定回数「96」を示す情報とを状態コマンドとして設定する。
そして、S410の処理を終えると、設定されている状態移行テーブル202fに応じて規定回数カウンタ203jの値を設定し(S411)、本処理を終了する。なお、S406の処理において、規定回数カウンタ203jの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S406:No)、規定回数カウンタ203jに関する処理(S407〜S411)をスキップして本処理を終了する。
次に、図130のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図130は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、第1入球口64または第2入球口140への入賞(始動入賞)の有無を判別し、始動入賞があった場合に、各特別図柄の保留球数の加算し、対応する各種カウンタの値を各保留球格納エリアに格納する処理と、その格納された各種カウンタの値から、特別図柄における抽選結果を事前に判別する先読み処理を実行する。
始動入賞処理(S105)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S501)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別すると(S501:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S502)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本第1制御例では4)未満であるか否かを判別する(S503)。
S503の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S503:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S504)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S505)。
ここで設定された保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b1に格納する。
S505の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S506)。なお、S506の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
一方、S501の処理において、球が第1入賞口(入球口)64に入賞(入球)していないと判別した場合(S501:No)、或いは、S503の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満ではない(4である)と判別した場合(S503:No)は、特別図柄1に関する始動入賞処理をスキップして、S507の処理へ移行する。
次いで、S507〜S512の各処理では、S501〜S506の各処理と同様の処理が第2入球口140への入賞(入球)に対して実行される。S507〜S512の各処理では、第2入球口140の入賞に対応する保留球を保留する処理が実行される点が異なっているのみであり、その他の処理についてはS501〜S506の各処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、S507〜S512の各処理が終了すると、先読み処理を実行し(S513)、本処理を終了する。
次に、図131を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図130参照)内の1処理である先読み処理(S513)について説明する。図131は、この先読み処理(S513)を示すフローチャートである。この先読み処理(S513)では、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)があった場合に、その入賞(入球)に対する特別図柄の抽選結果を事前に判別(先読み)し、その事前判別(先読み)結果音声ランプ制御装置113へ出力するためのコマンドを設定する処理が実行される。ここで設定されたコマンド(入賞(入球)情報コマンド)を音声ランプ制御装置113が受信することで、保留記憶されている入賞(入球)情報に対する演出を当該入賞(入球)情報に基づく特別図柄変動が実行されるより前の時点で実行することが可能となる。
この先読み処理(図131,S513)では、まず、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)があるかどうかが判別する(S601)。判別の結果、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)がない場合は(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)があると判別した場合は(S601:Yes)、特別図柄保留球格納エリアから、(特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b)今回の入賞に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、停止種別選択カウンタC3の値、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S602)。
次に、第1当たり乱数テーブル202a(図106(a)参照)に規定されている判定結果のうち、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に対応する当たり判定結果を取得し(S603)、第1当たり種別選択テーブル202c(図107参照)に規定されている判定結果のうち、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別判定結果を取得する(S604)。
S604の処理を終えると、次いで、停止種別テーブルに規定されている判定結果のうち、取得した停止種別選択カウンタC3の値に対応する停止種別判定結果を取得し(S605)、変動パターン選択テーブル202d(図108参照)に規定されている判定結果のうち、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応する変動種別判定結果を取得する(S606)。
そして、上述したS603〜S606の処理において取得した、当たり判定結果を示す当たり判定結果情報、当たり種別判定結果を示す当たり種別情報、停止種別判定結果を示す停止種別情報、変動種別判定結果を示す変動種別情報を含む入賞情報コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
上述したS602の処理でおいて取得される入賞(入球)情報とは、新たな入賞(入球)に対して特別図柄の抽選が実行された場合における抽選結果を事前に示すための情報であれば良く。特別図柄の抽選に用いられる各種選択テーブルを用いて事前に抽選結果を選択しても良いし、上述した各種選択テーブルと同一の選択テーブルを先読み処理用に設ける構成にしても良い。
また、S607の処理において入賞(入球)情報コマンドに、今回の先読み処理の対象となる入賞(入球)情報に基づく特別図柄変動が実行される際の遊技状態を示すための遊技状態情報を含めても良い。ここで、遊技状態情報について説明をする。本制御例では、遊技状態として通常状態と確変状態と時短状態とを設定可能に構成しており、各遊技状態に応じて、特別図柄の抽選結果(大当たり判定結果、大当たり種別、及び、変動パターン)や、音声ランプ制御装置113にて設定される第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される表示態様が異なるように構成されている。
さらに、本制御例では特別図柄の変動回数に基づいて遊技状態が移行されるように構成されている。具体的には、遊技状態として時短状態(100回)が設定された場合は、その状態で特別図柄の変動回数が100回に到達したことを条件に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行される。
このように構成された本制御例では、先読み処理の対象となる入賞(入球)に基づく特別図柄の抽選が時短状態中に実行されるか否かを判別し、その判別結果を遊技状態情報として入賞(入球)情報コマンドに含めて音声ランプ制御装置113へ通知するように構成している。これにより、遊技状態が時短状態中に、第1入球口64または第2入球口140に入賞(入球)した球に基づく特別図柄の抽選(変動)が、遊技状態が通常状態へと移行された後に実行される場合であっても、特別図柄の抽選(変動)が実行される際の遊技状態に対応した入賞(入球)情報コマンドを設定することができる。さらに、入賞(入球)情報コマンドとして、その入賞(入球)情報コマンドに対応する特別図柄の抽選(変動)が実行される場合の遊技状態に対応した入賞情報コマンドのみを設定し、音声ランプ制御装置113に出力することができるため、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するデータの容量を軽減することができる。
なお、先読み処理による入賞(入球)情報コマンドの設定方法は、本制御例の内容に限られること無く、受信した入賞(入球)情報コマンドの内容に基づいて音声ランプ制御装置113にて設定される演出(先読み演出)の内容が、遊技状態の移行により可変される特別図柄の抽選(変動)結果に対して矛盾してしまうという不具合を抑制することができる構成であれば良い。
例えば、主制御装置110の先読み処理において入賞(入球)情報コマンドを設定する場合に、複数の遊技状態に対応した入賞(入球)情報コマンドを設定可能に構成し、音声ランプ制御装置113にて入賞(入球)情報コマンドに対応する特別図柄の抽選(変動)が実行される際の遊技状態を判別し、その判別結果に対応した入賞(入球)情報に基づいて先読み演出の設定を行うように構成してもよい。これにより、主制御装置110の先読み処理において、遊技状態を先読みする処理を行う必要が無くなるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
加えて、上述した複数の遊技状態に対応した入賞(入球)情報コマンドとしては、例えば、大当たりの判定結果として、どの遊技状態であっても大当たりに当選する第1判定結果、遊技状態が確変状態の場合のみ大当たりに当選する第2判定結果、何れの遊技状態であっても大当たりに非当選である第3判定結果の何れかを設定し、音声ランプ制御装置113側で遊技状態に対応させて大当たりの判定結果を取得することができるように構成しても良いし、先読み処理にて取得した各カウンタの値を示す情報をそのまま入賞(入球)情報コマンドとして出力し、音声ランプ制御装置113が、受信した情報(主制御装置110が先読み処理にて取得した各カウンタの値を示す情報)に基づいて抽選結果を判別可能となるように構成しても良い。
次に、図132を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図132は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口140に付随する電動役物140aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口140に付随する電動役物140aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、現在が普通図柄の時短状態中であるかを判別する(S708)。具体的には、RAM203の時短中カウンタ203hの値が1以上であるか、または、確変フラグ203gがオンの場合に普通図柄の時短状態であると判別し、時短中カウンタ203hの値が0、且つ、確変フラグ203gがオフであれば、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別する。
S708の処理において、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S708:Yes)、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202bとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S709)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202bに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図106(b)の202b参照)。
一方、S708の処理において、普通図柄の時短状態中ではないと判別した場合は(S708:No)、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202bとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202bに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜6」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,7〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図106(b)の202b参照)。
次に、S709またはS710の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S711)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(S711:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S712)。このS712の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS714へと移行する。
一方、S711の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S711:No)、外れ時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S714の処理へ移行する。
S714の処理では、普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S714)、普通図柄の時短状態中であれば(S714:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S715)、本処理を終了する。一方、S714の処理において、普通図柄の通常状態であると判別した場合は(S714:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S716)、本処理を終了する。このように、普通図柄の高確率時(時短状態時)には、普通図柄の低確率時(通常状態時)と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなるので、普通図柄の抽選頻度が高くなる。よって、普通図柄の抽選で当たりとなる頻度が高くなることにより、第2入球口140に付随する電動役物140aが開放され易くなるので、第2入球口140へ球が入球し易い状態となる。
なお、詳細な説明は省略するが、普通図柄の遊技状態は特別図柄の大当たり中に当選した場合に、通常状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技者にとって有利となる大当たり中において、普通図柄の遊技状態も有利状態となり、遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。また、可変入賞装置65が開放し易い期間(特別図柄の大当たり期間)と、電動役物140aが開放し易い期間(普通図柄の当たり期間)とが重複し、遊技者にとって最も有利となる可変入賞装置65への球の入賞を、開放中の電動役物140aが阻害してしまう事態を抑制することができる。
上述した内容について、詳細に説明をすると、可変入賞装置65に入賞可能となるように球が流下する第1流路に電動役物140aを設けた場合、大当たり期間中に電動役物140aが開放されることで、第1流路を流下した球が電動役物140aに入賞してしまい、大当たり期間中に可変入賞装置65へ十分に球を入賞できなくなるという問題があった。そこで、例えば、可変入賞装置65の下方位置(下流側)に電動役物140aを配置し、大当たり期間中に(可変入賞装置65が開放している期間中に)第1流路を流下した球を可変入賞装置65に入賞させ易くする構成を用いることで上述した問題を解決することが可能となるが、この場合、パチンコ機10の構成に制限が掛かってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例は特別図柄の大当たり中に普通図柄を低確率状態(通常状態)へと移行するため、大当たり期間中に電動役物140aが開放し難くなり、上述した問題を解決することができる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S717)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S715の処理またはS716の処理によって予め設定された時間である。
S717の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S717:No)、本処理を終了する。一方、S717の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過したと判別した場合は(S717:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S718)。S718の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S712の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S718の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図136参照)の第2図柄表示更新処理(S1107参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S712の処理またはS713の処理で設定された表示態様で、停止図柄(普通図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示される。
次に、第2図柄表示装置83において現在実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S719)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S719:Yes)、次に、現在が普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S720)、時短状態中であると判別した場合は(S720:Yes)、第2入球口140に付随する電動役物140aの開放時間、および開放回数として、「1秒間×2回」を設定し(S722)、S723の処理へと移行する。一方、S720の処理において、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別した場合は(S720:No)、第2入球口140に付随する電動役物140aの開放時間、および開放回数として、「0.2秒間×1回」を設定し(S721)、S723の処理へと移行する。
S723の処理では、S721、又はS722の処理で設定された時間および開放回数の、電動役物140aの開閉制御開始を設定し(S723)、本処理を終了する。S723の処理によって、電動役物140aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図136参照)の電動役物開閉処理(S1105参照)が実行された場合に、電動役物140aの開閉制御が開始され、S721の処理またはS722の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物140aの開閉制御が継続される。一方、S719の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S719:No)、S720〜S723の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図133のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図133は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判別し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判別した場合は(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本第1制御例では4)未満であるか否かを判別する(S803)。
球が普通入球口67を通過していない(S801:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。なお、S805の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図134を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図134は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図135を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図135は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本第1制御例では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図136のS1114の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図136を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図136は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1107の各処理が実行され、その残余時間でS1110,S1111のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図126参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図126参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図127参照)や始動入賞処理(図130参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図130参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図137参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第1制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1104)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本第1制御例では、大当たり制御処理(S1104)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口140に付随する電動役物140aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1105)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図132参照)のS723の処理によって電動役物140aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物140aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物140aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS721の処理またはS722の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1106)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図128参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本第1制御例では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図128参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図128参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図132参照)のS715の処理またはS716の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図132参照)のS718の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図132参照)のS712の処理またはS713の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1108)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1108:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本第1制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1109)、既に所定時間が経過していれば(S1109:Yes)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1109:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1110,S1111)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1110)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第1制御例では238、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1111)。
ここで、S1101〜S1107の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1108の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1108:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図134のNMI割込処理が実行されたということなので、S1112以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1112)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1113)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1114)、RAM203のアクセスを禁止して(S1115)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1108の処理は、S1101〜S1107で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1110とS1111の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図135のS1001参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図137のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1104)を説明する。図137は、この大当たり制御処理(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1104)は、メイン処理(図136参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判別する(S1201)。具体的には、特別図柄変動処理(図127参照)のS219の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判別する。S1201の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1201:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1202)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1201の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1201:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S1203)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1203の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1203の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1203:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1204)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1204:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1205)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1206)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1204の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合は(S1204:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1207)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1207の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1207:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1208)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1207:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1209)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(大当たりに設定されている全てのラウンド遊技(例えば15ラウンド))が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。
S1209の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1209:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1210)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1209の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1209:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1211)、エンディング演出の終了タイミングで無いと判別した場合は(S1211:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1211の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合(S1211:Yes)、即ち、大当たり遊技が全て終了したタイミングであると判別した場合は、第1当たり種別選択テーブル202cに基づいて、確変フラグ203gおよび時短中カウンタ203hの内容を設定する(S1212)。このS1212の処理によって、当選した大当たり種別に対応した大当たり終了後の遊技状態(確変状態の有無、時短状態の有無および時短回数の設定)が設定される。
次いで、大当たり移行設定テーブル202eを参照し、今回当選した大当たり種別と、当選時の遊技状態とに基づいて状態移行先を選択し(図110参照)、選択された状態移行先に対応した状態移行テーブル202fに基づいて、状態ステータスと規定回数カウンタ203jを取得する(S1213)。例えば、遊技状態として「高確率時短あり(確変状態)」が設定されている状態で、大当たり種別として「大当たりG」に当選した場合は、状態移行先として「状態移行2」が選択され、状態移行テーブル202f(図111(a)参照)のうち、「状態移行2」に対応する状態移行2テーブル202f2(図111(c)参照)が参照される。
その後、大当たりが終了した後の特別図柄の遊技状態(高確率状態(確変状態)、低確率状態(通常状態))を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態指定コマンドを設定し(S1214)、大当たりの終了を設定して(S1215)、本処理を終了する。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図138から図154を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図138を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図138は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S3001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S3118の電源断処理(図139参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3002)。図139を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図139のS3115:Yes)、S3118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S3118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S3002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であって図139のS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3003:Yes)、S3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3003:No)、S3008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3003:Yes)、S3004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3003:No)、S3008へ移行する。
一方、S3002の処理において、電源断処理中フラグがオンであると判断した場合は(S3002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S3118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3005:No)、RAM223の異常を報知して(S3007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3008)。電源断フラグは図139のS3118の電源断処理の実行時にオンされる(図139のS3117参照)。つまり、電源断フラグは、S3118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S3009)、処理をS3010へと移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3009をスキップして、処理をS3010へ移行する。
なお、S3009のクリア処理をスキップするのは、S3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至った場合には、S3004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
S3010の処理では、RAM223の初期値を設定する(S3010)。次いで、割込み許可を設定し(S3011)、時間演出の実行期間(特定の時間帯)を判別するための基準の計時情報(基準時刻)を設定するための時間設定処理を実行して(S3012)、メイン処理へ移行する。
次に、図139を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図139は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS3101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1m秒以上経過していなければ(S3101:No)、S3102〜S3112の処理を行わずにS3113の処理へ移行する。S3101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S3102〜S3112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3113のコマンド判定処理、S3114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S3101の処理で1m秒以上経過していれば(S3101:Yes)、まず、S3103〜S3114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223b1および特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押下されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定するための処理である。ここで枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)の内容について説明をする。
この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)では、まず、枠ボタン22の押下を有効に扱う期間であることを示す有効期間フラグがオンに設定されているかを判別する。ここで、有効期間フラグがオンに設定されている場合は、次に、枠ボタン22の押下を検出したかを判別する。枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し、本処理を終了する。
なお、上述した有効期間フラグは、枠ボタン22の押下に基づいて実行される演出毎にそれぞれ設けられている。例えば、枠ボタン22の押下に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの背景を可変可能な期間であれば、その旨を示すための有効期間フラグ(第1有効期間フラグ)をオンに設定し、枠ボタン22の押下に基づいて第3図柄の変動演出態様を可変させる操作演出が実行されている期間(操作演出において枠ボタン22の押下を有効に受け付ける期間)であれば、その旨を示すための有効期間フラグ(第2有効期間フラグ)をオンに設定する。
さらに、上述した複数の有効期間フラグには、遊技者が枠ボタン22を押下した場合に付与される特典価値に対応して優先順位が予め定められており、複数の有効期間フラグがオンに設定されている場合は、オンに設定されている複数の有効期間フラグのうち優先順位が高い有効期間フラグに基づいて枠ボタン22の押下に基づく処理が実行されるように構成している。
このように構成することで、枠ボタン22の押下を有効に受け付ける期間が重複する場合、例えば、背景を可変可能な期間(第1有効期間フラグがオンに設定されている期間)と、操作演出が実行される期間(第2有効期間フラグがオンに設定されている期間)とが重複する場合に、優先順位が高く設定されている第2有効期間フラグに基づいて枠ボタン22の押下に基づく処理が実行されるため、遊技者に対して特典価値の高い演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
加えて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される演出も同様に、第2有効期間フラグがオンに設定されていることを示すための演出が実行されるように構成されており、優先順位が高く設定されている有効期間に対応した演出のみが実行されるため、遊技者は第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行されている演出を見ながら操作タイミングを間違えること無く枠ボタン22を押下することができる。よって、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
なお、本制御例では各有効期間フラグに優先順位を設定する方法として、予め各有効期間フラグに優先順位を設定する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)において、高い優先順位から順に有効期間フラグがオンに設定されているかを判別するように構成してもよい。これにより、例え、同時に複数の有効期間フラグがオンに設定されている場合であっても、優先順位の高い有効期間フラグに基づいて枠ボタン22の押下に基づく処理が実行されるため、遊技者に対して特典価値の高い演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)が終わると、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S3110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S3110の処理が終了すると、各種カウンタ更新処理が実行される(S3111)。この各種カウンタ更新処理は、音声ランプ制御装置113にて用いられる各種カウンタを更新するための処理が実行される。具体的には、演出カウンタ群223yに含まれる第1演出カウンタ223y1〜第6演出カウンタ223y6の各カウンタ値が同期することが無いように更新される。この第1演出カウンタ223y1〜第6演出カウンタ223y6は、それぞれ変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この第1演出カウンタ223y1〜第6演出カウンタ223y6は、0から149の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図136参照)が実行される毎に(1m秒毎に)、異なる値となるように更新処理が実行される。
なお、本第1制御例では、複数の演出を演出カウンタの値に基づいて選択する際に、更新値が異なる複数の演出カウンタを用いているため、メイン処理内で複数の演出を選択する場合であっても、同一のカウンタ値を参照してしまい、選択される演出が偏ってしまうことを抑制しているが、例えば、1回のメイン処理内の異なる処理において選択される複数の演出態様を同期させたい場合は、同一の演出カウンタを用いて演出態様を選択するように構成すればよい。
また、本第1制御例では、更新パターンが異なる複数のカウンタ(第1演出カウンタ223y1〜第6演出カウンタ223y6)を用いているが、例えば、1つの演出カウンタの更新値を用いてランダムな値を算出し、その算出値を用いて各演出を選択するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113が有するカウンタの数を削減することができる。この場合、例えば、演出カウンタの更新値のうち、下1桁目の値と、下2桁目の値と、1桁目の値に2桁目の値を乗した値の下1桁と下2桁目の値を加算した値というように、各値が規則性を有さないように算出するとよい。
S3111の処理が終了すると、次に、演出更新処理(S3112)が実行される。この演出更新処理は、音声ランプ制御装置113にて設定された各種演出を、経過期間に基づいて更新する処理である。この演出更新処理(S3112)では、特別図柄の変動に関わらず実行される演出(例えば、大当たり終了後に実行される表示延長演出)に対する制御が実行される。この演出更新処理(S3112)の詳細な説明については、図154を参照して後述する。
S3113の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S3113)。このコマンド判定処理の詳細については、図140を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S3114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において特別図柄変動に対応した演出(第3図柄の変動演出や、その他演出)を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図147を参照して後述する。
S3114の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3115の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S3115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3117)、電源断処理を実行する(S3118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3116)、RAM223が破壊されていなければ(S3116:No)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図140を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3113)について説明する。図140は、このコマンド判定処理(S3113)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3113)は、メイン処理(図136参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S3201)。変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S3201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンに設定し(S3202)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S3203)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図147参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を決定するために参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S3201の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S3201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S3204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S3204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S3205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S3206)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図147参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S3204の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合は(S3204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S3207)。そして、保留球数コマンドを受信していると判別した場合には(S3207:Yes)、受信した保留球数コマンドに対応する特別図柄(特別図柄1、または特別図柄2)の保留球数カウンタに、受信した保留球数コマンドに含まれている値を格納し(S3208)、本処理を終了する。具体的には、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄1に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b1に格納する。一方、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄2に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223b2に格納する。
なお、S3208の処理で特別図柄1保留球数カウンタ223b1、および特別図柄2保留球数カウンタ223b2の何れかの値が変更された場合には、更新後のカウンタ値を表示制御装置114に通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。この表示用保留球数コマンドにより、実際の保留球数を表示制御装置114に対して通知することができるので、第3図柄表示装置81の保留表示エリアDn4において、常に正確な個数の保留図柄を表示させることができる。
一方、S3207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S3207:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S3209)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S3209:Yes)、入賞情報コマンド処理を実行し(S3210)、本処理を終了する。
ここで、入賞情報コマンド処理(S3210)について図141を参照して説明をする。図141は入賞情報コマンド処理(S3210)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理(S3210)は、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であって、受信した入賞情報コマンドに含まれる情報を入賞情報格納エリア223aのうち対応する領域(入賞情報コマンドに対応する保留記憶エリア)に格納するための処理を実行する。
ここで、入賞情報コマンドに含まれる情報としては、特別図柄の当否判定結果に関する情報、停止種別に関する情報、変動パターンに関する情報といった、入賞球を対象とした情報となるが、それ以外の情報を含めても良く、例えば、既に入賞済みの球(過去に入賞情報コマンドを受信した)に関する入賞情報を含めてもよい。
入賞情報コマンド処理(S3210)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドの情報(先読み情報)を対応する入賞情報格納エリア223aに格納する(S3231)。入賞情報格納エリア223aは、上述したように、特別図柄1の入賞情報コマンドを最大で4個、特別図柄2の入賞情報コマンドを最大で4個、合計で8個の入賞情報コマンドを格納可能に構成されており、入賞情報コマンドを受信した順番に応じて指定の記憶領域に入賞情報コマンドが格納される。
次に、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる情報(先読み情報)として、変動時間が60秒以上の変動種別情報(リーチ以上の変動パターン情報)があるかを判別する(S3232)。S3232の処理において、変動時間が60秒以上の変動種別情報(リーチ以上の変動パターン情報)が無いと判別した場合は(S3232:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変動時間が60秒以上の変動種別情報(リーチ以上の変動パターン情報)があると判別した場合は(S3232:Yes)、次いで、特定演出C(図101参照)、即ち、変動開始から所定期間以内(例えば、5秒以内)に実行される特定演出(例えば、遊技者に枠ボタン22を操作させるための演出)を示す変動種別情報が有るかを判別する(S3233)。
ここで、特定演出Cがあると判別した場合は(S3233:Yes)、その後、現在実行されている変動表示の残変動時間が10秒以上あるかを判別する(S3234)。このS3234の処理では、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図139参照)において実行される液晶演出実行管理処理(S3110)によって管理される時間(設定されている変動時間に対する経過時間)に基づいて変動表示の残変動時間が判別される。
S3234の処理において、残変動時間が10秒以上あると判別した場合は(S3234:Yes)、実行中の変動表示に前兆演出を追加可能な期間が確保されている場合であるため、表示用追加前兆コマンドを設定し(S3235)、前兆設定フラグ223tをオンに設定し(S3236)、本処理を終了する。上述した処理を実行することにより、次回以降の変動表示にて実行される特定演出Cを対象とした示唆演出として、複数の変動表示を跨いだ前兆演出を実行することが可能となる。これにより、変動表示の序盤に実行される特定演出(例えば、変動開始から5秒後に実行される特定演出C(図101参照))、即ち、1つの変動表示だけでは示唆演出を実行する期間を確保できないタイミングで実行される特定演出に対しても複数の変動表示を用いて示唆演出を実行することができるため、示唆演出の発生頻度を高めることが出来ると共に、特定演出を設定可能な範囲を広げることが可能となり、変動表示に関する演出の自由度を高めることができる。
なお、S3234の処理において、残変動時間が10秒未満であると判別した場合(S3234:No)、即ち、実行中の変動表示に示唆演出を追加可能な期間を確保できない場合は、実行中の変動表示の表示態様を可変することなく、本処理を終了する。ここで、実行中の変動表示に示唆演出を追加可能な期間を確保できない場合は(S3234:No)、今回の入賞情報コマンド処理(S3210)においてカウントダウン演出があると判別した入賞情報に対応する変動表示を設定する際に、1つの変動表示だけで示唆演出が実行可能となる範囲(例えば、変動開始から15秒以上経過した範囲)内に特定演出を設定し、示唆演出を設定する。
このように構成することで、カウントダウン演出を実行することを示すための入賞情報が付与された変動に対して、その入賞情報が発生したタイミング(第1入球口64、或いは第2入球口140に球が入球したタイミング)によって、カウントダウン演出の演出態様を異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
本制御例では、変動表示の序盤に設定される特定演出(例えば、変動開始から5秒後に実行される特定演出C(図101参照))を、他の期間に設定される特定演出(例えば、変動開始から20秒後に実行される特定演出)よりも大当たり期待度が高いことを示す演出となるように規定している。つまり、特別図柄の大当たり当選に対応した変動パターンの方が、特定演出Cを実行可能な変動パターンが選択されやすくなるように規定している。
これにより、複数の変動表示を跨いで示唆演出が実行される場合に、遊技者に対して次回以降の変動で大当たりに当選する期待感を高めさせることができる。さらに、複数の変動を跨いだ示唆演出が実行されるように、遊技者に対して特別図柄の保留を意欲的に貯めさせることができる。
なお、本制御例では上述したように受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報、及び、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行するか否かを判別しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するか否かを判別し、実行すると判別した場合に、示唆演出として前兆演出を実行し、次の変動表示を開始するタイミングにおいて、特定演出の設定を行うように構成しても良いし、前兆演出が実行されている期間中における遊技者の枠ボタン22の操作内容に基づいて特定演出を設定(複数の特定演出から示唆演出の対象となる特定演出を設定)するように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出が開始された後の遊技状況(次変動の抽選結果や変動パターン、或いは、操作手段(枠ボタン22)への操作内容)に基づいて、示唆演出の演出態様を設定することができる。よって、示唆演出の演出態様を予め定めてから実行する構成に比べて演出の自由度を高めることができる。
また、本制御例では、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する例として、実行中の変動表示と、その変動表示中に入賞した入賞情報に基づいて次回実行される変動表示と、を用いた示唆演出を説明しているが、それに限ること無く、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する構成であれば良く、例えば、変動表示中に入賞した入賞情報が次々回に実行される変動表示の場合であれば、実行中の変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良いし、次回に実行される変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良い。この場合、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するタイミングを実行中の変動表示に設定するか、次回の変動表示に設定するかを判別する手段を設けると良い。
入賞情報格納エリア223aに格納された入賞情報は、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出の内容を選択する際に参照され、例えば、特別図柄の保留球数が表示される保留表示エリアDn4において、大当たりを示す入賞情報に対応する保留表示(保留図柄)を示唆するために、保留表示の表示態様を変化させる保留変化予告演出を設定したり、大当たりを示す入賞情報に対応する特別図柄よりも前に変動が開始される特別図柄の演出として大当たりを期待させる連続予告演出を設定したりする場合に参照される。
また、本第1制御例では、大当たりに当選した時点や、大当たり遊技中、大当たり終了時に入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を参照し、保留内に大当たりを示す入賞情報が含まれているか(保留内連荘の有無)を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中や大当たり終了後の演出を設定するように構成している。加えて、確変状態中に実行される継続演出においても、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、演出内容が選択されるよう構成している。
詳細な説明は省略しているが、本制御例では、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を参照した演出(先読み演出)を実行している場合には、その旨を示すフラグ(例えば、先読み演出中フラグ)をオンに設定し、その先読み演出中フラグがオンに設定されている場合には、新たな入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいた新たな先読み演出が実行されないように構成している。これにより、複数の先読み演出が間を開けること無く連続して実行されてしまい遊技者に違和感を与えてしまうという問題が発生することを抑制している。
なお、上述した問題を解決するための上述した内容以外の制御を用いても良く、例えば、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて設定される複数の先読み演出に優先ランクを付与し、現在実行されている先読み演出の優先ランクと、新たな入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいて設定可能な先読み演出の優先ランクとを比較して、優先ランクが高い先読み演出を実行するように制御しても良い。この場合、新たな先読み演出の優先ランクの方が、優先ランクが高いと判別した場合には、実行中の先読み演出が途中で終了することを遊技者に報知するための先読み演出切替報知を実行した後に、新たな先読み演出を実行させたり、実行中の先読み演出の演出態様を、当初設定していた終了タイミングよりも早めた短縮先読み演出態様に可変した後に、新たな先読み演出を実行させたりしても良い。
また、先読み演出の優先ランクとしては、大当たりに当選していることを示す入賞情報に対応する先読み演出の優先ランクは最も高くなるように、大当たりに当選している期待度が高い程、優先ランクが高くなるように設定するとよい。これにより。実行中の先読み演出が途中で終了した場合に、遊技者に大当たりに対する期待感を持たせることができ、次に実行される新たな先読み演出を注視させることができる。
図140に戻り説明を続ける。S3209の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S3209:No)、次に、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S3211)、当たり関連コマンドを受信した場合は(S3211:Yes)、当たり関連コマンド処理(S3212)を実行し、当たり関連コマンド処理の終了後、本処理を終了する。
ここで、当たり関連コマンド処理(S3212)の内容について、図142を参照して説明する。図142は、当たり関連コマンド処理(S3212)の内容を示したフローチャートである。当たり関連コマンド処理では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S3301)。そして、オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S3301:Yes)、大当たり中演出設定処理を実行し(S3302)、次いで、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を実行させるための、表示用オープニングコマンドを設定して(S3303)、本処理を終了する。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
ここで、オープニングコマンドを受信した場合(S3301:Yes)に実行される大当たり中演出設定処理(S3302)について、図143を参照してその内容を説明する。図143は、大当たり中演出設定処理(S3302)の内容を示したフローチャートである。この大当たり中演出設定処理(S3302)では、大当たり当選時の保留状況(入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報の内容や特別図柄2保留球数カウンタ223b2のカウンタ値(保留球数))に基づいて大当たり中に実行される演出を設定するための処理が実行される。
具体的には、特別図柄の大当たりに当選したことを示す入賞情報の有無を判別した結果と、特別図柄2の保留球数が上限値(4個)に到達しているか否かを判別した結果とに基づいて大当たり中演出選択テーブル222c(図115(c)参照)を用いて大当たり中に実行される演出が選択される。
大当たり中演出設定処理(S3302)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を抽出し(S3401)、次いで、特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値に基づいて現在の保留球数(特別図柄2の保留球数)を抽出し(S3402)、その抽出した保留球数(特別図柄2の保留球数)が0であるかを判別する(S3403)。
ここで、保留球数が0ではない(1以上)と判別した場合は(S3403;No)、抽出した入賞情報および保留球数に対応する保留ランクを保留ランク選択テーブル222bから読み出し(S3404)、後述するS3406の処理へ移行する。一方、S3403の処理において、保留球数が0であると判別した場合は、保留ランクとして「1」を読み出して、S3406の処理へ移行する。
保留ランク選択テーブル222bでは、大当たり終了時の保留内に再度大当たりに当選する(保留内連荘する)入賞情報が存在し得る期待度に基づいて保留ランクを選択するために、大当たり当選時において格納されている入賞情報に大当たり当選情報が含まれているか否かを判別した結果と、大当たり中に新たな入賞情報が格納される可能性があるか否か(保留球数が上限であるか否か)を判別した結果とに基づいて保留ランクが選択される。また、大当たり当選時において、保留球数が「0」の場合は、入賞情報が無いため、保留ランク選択テーブル222bを用いること無く、保留ランク「1」が設定される。
上述したように、本制御例では、大当たり中に実行される演出を選択する際に、入賞情報格納エリアに格納されている入賞情報の数、即ち、保留球数と、入賞情報の内容、即ち、当否判定結果とに基づいて保留ランクを選択するように構成している。ここで選択された保留ランクに基づいて後述するS3406の処理にて大当たり中に実行される演出が選択される。
このように構成することで、入賞情報格納エリアに格納されている入賞情報の数、即ち、保留球数と、入賞情報の内容、即ち、当否判定結果とに対応した演出を大当たり中に実行することができ、遊技者に対して大当たりに当選したことを祝福する演出に加え、大当たり終了後の遊技内容について示唆する演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たり中に実行される演出を、上述した内容で選択される保留ランクを参照する構成を用いているが、それ以外にも、例えば、入賞情報に含まれる大当たり数や、変動パターンの種別や、遊技状態(確変状態、時短状態、通常状態)の推移(保留球に対応する特別図柄の変動が全て終了した場合に決定され得る遊技状態)といった情報に基づいて保留ランクを選択するようにしてもよい。
さらに、上述した保留ランクに加え、今回実行されている大当たり種別や、大当たりの当選が所定期間内(例えば、特別図柄の変動回数が50回以内)に継続されている回数や、遊技者が有利な遊技状態が継続している状態で当選した大当たり回数といった、所謂連荘回数や、遊技者の操作手段に対する操作内容を示す操作情報を用いても良い。これにより、より様々な演出を大当たり中に実行することができる。
また、本制御例では上述した保留ランクに基づいて選択される大当たり中の演出が第3図柄表示装置81の主表示領域Dm全体を用いて実行されるが(図86(a)参照)、演出態様については遊技者が大当たり中に内容を把握できる態様であれば、これに限ることなく、主表示領域Dmの全体を用いて共通の大当たり中演出を実行し、主表示領域Dmの一部領域を用いて実行される副演出として上述した保留ランクに基づいて選択される大当たり中の演出を実行するようにしても良いし、第3図柄表示装置81以外の装置(例えば、サブ表示装置、ランプ装置、パチンコ機10の枠、音声出力装置)を用いて実行するようにしてもよい。これにより、大当たりに当選したことを示すための演出(大当たり中であることを示すための演出)を共通化しながら、保留ランクに基づいて、大当たり終了後の遊技内容を遊技者に示唆することができるため、大当たり中であることを遊技者に分かり易く報知し、且つ、大当たり終了後に期待を持たせる演出を実行することができる。
図143に戻り、説明を続ける。S3406の処理では、読み出した保留ランクと第1演出カウンタ223y1の値とに基づいて、大当たり中演出選択テーブル222cを参照して大当たり中演出を読み出す(S3406)。次いで、今回読み出した大当たり中演出が上乗せ用演出であるかを判別し(S3407)、上乗せ用演出であると判別した場合は(S3407:Yes)、上乗せ演出フラグ223hをオンに設定し(S3408)、読み出した大当たり中演出に対応する表示用大当たり中演出コマンドを設定し(S3409)、本処理を終了する。一方、S3407の処理において、今回読み出した大当たり中演出が上乗せ用演出ではないと判別した場合は(S3407:No)、S3408の処理をスキップして上述したS3409の処理へ移行する。
図142に戻り説明を続ける。S3301の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3301:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S3304)。ここで、ラウンド数コマンドを受信した場合は(S3304:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S3305)、その後、上乗せ演出フラグ223hがオンに設定されているかを判別する(S3306)。
ここで、上乗せ演出フラグ223hがオンに設定されている場合は(S3306:Yes)、新たなラウンドが開始されるタイミング(即ち、ラウンド数コマンドを受信したタイミング)において、上乗せ用演出に関する処理を実行する必要があるため、上乗せ演出中処理を実行し(S3307)、その後、表示用上乗せ演出コマンドを設定し(S3308)、今回抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S3309)、本処理を終了する。ここで設定された表示用上乗せ演出コマンドおよび表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
ここで、上乗せ演出中処理(S3307)の内容について、図144を参照して説明する。図144は、上乗せ演出中処理(S3307)の内容を示したフローチャートである。この上乗せ演出中処理(S3307)は、上述した大当たり中演出設定処理(図143参照)において、大当たり中の演出として上乗せ用演出が選択された場合に実行される処理であって、上乗せ用演出が実行されている場合に表示されるラウンド数表示態様Dm10(図86(a)参照)の表示態様を選択するための処理である。
この上乗せ演出中処理(S3307)は、当たり関連コマンド処理(図142参照)において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合(S3304:Yes)に実行される処理である。つまり、大当たり中において、新たなラウンドが開始される度に上述した上乗せ演出中処理が実行されるように構成されている。これにより、既に第3図柄表示装置81に表示されている確定ラウンド数表示態様Dm4及び実行中ラウンド数表示態様Dm3の進行具合に対応したラウンド数表示態様Dm10を選択することができる。
また、本制御例では、上乗せ用演出において表示するラウンド数として、実行中の大当たりに設定されるラウンド数(例えば、10ラウンド)に、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に含まれる大当たりのラウンド数(例えば、15ラウンド)を合算するように構成している。このように構成されている本制御例において、新たなラウンドが開始される度に上乗せ演出中処理(S3307)を実行することで、大当たり中に新たに格納された入賞情報が大当たりに対応している場合であっても、即座にその内容を反映させた上乗せ用演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
上乗せ演出中処理(S3307)が実行されると、まず、大当たり情報格納エリア223fに格納されている大当たりラウンド数、つまり、現在実行中の大当たりに設定されているラウンド数を読み出し(S3501)、次に、入賞情報格納エリア223aに格納されている全ての入賞情報を読み出す(S3502)。そして、その入賞情報の中に大当たりに対応する入賞情報があるかを判別する(S3503)。
ここで、大当たりに対応する入賞情報があると判別した場合は(S3503:Yes)、S3501の処理によって読み出されたラウンド数(現在実行中の大当たりに設定されているラウンド数)と、入賞情報の中に含まれている大当たりに対応するラウンド数と、を合算する合算処理(S3508〜S3511)を実行する。なお、合算処理については後述する。
一方、大当たりに対応する入賞情報がないと判別した場合は(S3503:No)、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている表示ラウンド数、即ち、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの確定ラウンド数表示態様Dm4として表示されている表示ラウンド数(図86(a)の場合では「10」)を読み出し(S3504)、S3501の処理にて読み出した当たりラウンド数からS3506の処理にて読み出した表示ラウンド数を減算する(S3505)。このS3505の処理によって、内部的に実行されることが確定しているラウンド数から、遊技者が認識可能に表示されているラウンド数(確定ラウンド数)を差し引いたラウンド数、即ち、遊技者が認識していないラウンド数(残ラウンド数)が算出される。
次いで、S3505の処理にて算出した残ラウンド数、および大当たりに対応する入賞情報の有無に基づいて上乗せ数選択テーブル222dを参照して表示ラウンド数を選択し、表示ラウンド数格納エリア223gに格納し(S3506)、上乗せ表示処理を実行し(S3507)、本処理を終了する。
一方、S3503の処理において、大当たりに対応する入賞情報があると判別した場合は(S3503:Yes)、合算処理が実行される。この合算処理では、まず入賞情報格納エリア223aに格納されている当たり入賞に対応するラウンド数を読み出し(S3508)、その後、S3501の処理において読み出したラウンド数と、S3508の処理において読み出したラウンド数とを合算した合算ラウンド数を算出する(S3509)。
次に、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている表示ラウンド数、即ち、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの確定ラウンド数表示態様Dm4として表示されている表示ラウンド数(図86(a)の場合では「10」)を読み出し(S3510)、S3509の処理にて合算した合算ラウンド数からS3510の処理にて読み出した表示ラウンド数を減算する(S3511)。このS3511の処理によって、内部的に実行されることが確定しているラウンド数から、遊技者が認識可能に表示されているラウンド数(確定ラウンド数)を差し引いたラウンド数、即ち、遊技者が認識していないラウンド数(残ラウンド数)が算出される。そして、上述したS3506の処理を実行した後に、上乗せ表示処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした上乗せ演出中処理(S3307)のうち、S3501の処理〜S3511の処理は、上乗せ用演出の実行中において、ラウンド数表示態様Dm10の表示態様を設定するための処理であり、上述したように大当たり中に新たなラウンドが開始(新たなラウンド遊技が開始)された場合に実行されるように構成している。これにより、ラウンド数に関する演出の表示態様を設定するための処理を最適なタイミングで実行することができる。
なお、ラウンド数表示態様Dm10として表示させるための表示態様を設定するための処理の実行タイミングや処理内容については、本制御例の内容に限られるものでは無く、例えば、本制御例では新たなラウンドが開始された場合に、上乗せ演出中処理を実行するように構成することで、入賞情報の判定処理(S3502,S3503の処理)と、表示ラウンド数の設定処理(S3504〜S3506、SS3510〜S3506の処理)と、を一体的に実行する構成としているが、入賞情報コマンドを受信したタイミングで上述した入賞情報の判定処理を予め実行し、その結果を一時的に格納し、その格納した結果を用いて上述した表示ラウンド数の設定処理を実行するように構成しても良い。
また、本制御例ではラウンド数コマンドを受信した場合(図142のS3304:Yes)に、上乗せ演出中処理を実行するように構成しているが、ラウンド遊技間(インターバル期間)中に、上乗せ演出中処理を実行するように構成してもよい。このように構成することで、様々な制御処理が実行される大当たり中において比較的処理量が少ないラウンド遊技間(インターバル期間)中に上乗せ演出中処理を実行することができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷が一時的に増大してしまうことを抑制することができる。
なお、この場合、既に受信している入賞情報コマンドに基づいて、次に実行されるラウンドのラウンド数を判別し、その判別結果に基づいて上述した上乗せ演出中処理を実行するように構成すればよい。さらに、本制御例では、新たなラウンドが開始される度に上乗せ演出中処理を実行するように構成しているが、特定のラウンド(例えば、偶数ラウンド、5の倍数ラウンド)が開始される場合にのみ実行されるように構成してもよいし、上乗せ演出中処理を実行するか否かの抽選を行い、その抽選結果に基づいて実行するようにしても良い。
本制御例では、新たなラウンドが開始される毎にS3501〜S3511の処理を実行するように構成しているが、例えば、S3502の処理の後に、前回のラウンドが開始された時点から新たな入賞情報が追加されているかを判別する処理を設け、新たな入賞情報が追加されていない場合は、S3503〜S3511の処理をスキップするようにしてもよい。これにより、毎ラウンド実行される処理を軽減することができる。
図144に戻り説明を続ける。S3506の処理を終えると、次に、S3506の処理において設定した表示ラウンド数に関する演出表示を実行するための処理である上乗せ表示処理(S3507)を実行し、本処理を終了する。ここで、上乗せ表示処理(S3507)について、図145を参照して説明する。
図145は上乗せ表示処理(S3507)の内容を示したフローチャートである。この上乗せ表示処理(S3507)は、上乗せ演出中処理(図144参照)において決定した表示ラウンド数(図144のS3508参照)に対応した上乗せ用演出の表示用コマンドを設定するための処理である。本制御例では、大当たり中のラウンド数が所定ラウンド数n(5の倍数のラウンド数、即ち、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)となった場合に、表示ラウンド数(確定ラウンド数表示態様Dm4)を更新し、所定ラウンド数n(5の倍数のラウンド数)の1つ前のラウンド数(即ち、4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)となった場合に、次のラウンド(所定ラウンド数n)において表示ラウンド数(確定ラウンド数表示態様Dm4)が更新されることを示唆する前兆演出(図85(b)参照)が実行される。
上乗せ表示処理(S3507)が実行されると、まず、今回のラウンド数がラウンド数の更新タイミング(確定ラウンド数を上乗せ表示するタイミング)となるラウンド数n(具体的には、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドといった5の倍数)より1少ないラウンド数n−1(4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)であるかを判別する(S3601)。今回がラウンド数n−1(4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)であると判別した場合は(S3601:Yes)、次のラウンドで確定ラウンド数を上乗せ表示するための前兆演出(図85(b)参照)を実行するために、対応する表示用上乗せ選択コマンドを設定し(S3602)、本処理を終了する。
本制御例では、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている表示ラウンド数に基づいて、上述した前兆演出(図85(b)参照)の演出態様を設定しており、例えば、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている表示ラウンド数が10以上の場合は、前兆演出中に表示される「宝箱」の数を減らした演出態様(図86(b)参照)や、前兆演出中に表示される「宝箱」の表示態様を豪華にした演出態様(図86(b)参照)が表示される。このように構成することで、前兆演出が実行された時点で、遊技者に対して上乗せ表示演出の演出内容を予測させることが可能となる。
なお、本制御例では表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている表示ラウンド数に基づいて前兆演出の演出態様が設定される構成としているが、それ以外に、例えば、内部的に確定しているラウンド数(保留内連荘が確定している場合は、保留内大当たりに設定されているラウンド数も合算したラウンド数)に基づいて前兆演出の演出態様を設定するように構成してもよい。これにより、前兆演出の演出態様と、表示ラウンド数を上乗せする上乗せ演出の演出態様とに基づいて内部的に確定しているラウンド数を遊技者に予測させることができ、大当たり中に実行される演出に対して継続して興味を持たせることができる。
さらに、本制御例では、前兆演出中に表示される「宝箱(被選択画像Dm5〜Dm7)」の表示態様を異ならせることにより、大当たり中に実行される上乗せ用演出の今後の展開を遊技者に示唆する構成を用いているが、それ以外の構成に対する表示態様を可変させても良く、例えば、「宝箱(被選択画像Dm5〜Dm7)」を選択する「矢印(選択画像Dm8)」の表示態様(例えば、色や大きさ)を可変させても良いし、音声やLEDの点灯パターンを可変させても良い。また、前兆演出が実行される期間を異ならせるように構成しても良い。
一方、S3601の処理において、今回のラウンド数がn−1ラウンド(4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)では無いと判別した場合は(S3601:No)、次に、今回のラウンド数がnラウンド(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)目であるかを判別し(S3603)、nラウンド(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)目であると判別した場合は(S3603:Yes)、表示ラウンド数格納エリア223gに格納されている表示ラウンド数に対応する表示用上乗せ表示コマンドを設定し(S3604)、本処理を終了する。また、S3603の処理において、今回のラウンド数がnラウンド目では無いと判別した場合(S3603:No)も、そのまま本処理を終了する。
上述したS3604の処理において設定された表示用上乗せ表示コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用上乗せ表示コマンドを受信すると、そのコマンドの内容に対応したラウンド数表示態様Dm10を第3図柄表示装置81に表示する。
なお、本制御例では、特定のラウンド(ラウンド数n)中に上乗せ演出中処理にて設定した表示ラウンド数を表示する(確定ラウンド数表示態様Dm4の表示態様を可変させる(上乗せさせる))構成としているが、それ以外のタイミングで確定ラウンド数表示態様Dm4の表示態様を可変させる(上乗せさせる)構成としてもよく、例えば、確定ラウンド数表示態様Dm4を上乗せ更新するか否かを決定するための抽選手段が、新たなラウンドが開始する度に抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、確定ラウンド数表示態様Dm4を上乗せ更新させる演出を実行するタイミングを設定してもよい。これにより、確定ラウンド数表示態様Dm4の内容が更新されるタイミングを不規則にすることが可能となり、遊技者に期待感を持たせながら継続して大当たり中の遊技を行わせることができる。
図142に戻り説明を続ける。S3306の処理において、上乗せ演出フラグ223hがオンではない(オフである)と判別した場合は(S3306:No)、上乗せ演出中処理(S3307)を実行する必要がないため、S3307,S3308の処理をスキップして上述したS3309の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S3304の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S3304:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S3310)。そして、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S3310:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S3311)、大当たり演出設定処理を実行し(S3312)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
ここで、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S3310:Yes)に実行される大当たり後演出設定処理(S3312)について、図146を参照して説明をする。図146は大当たり後演出設定処理(S3312)の内容を示したフローチャートである。この大当たり後演出設定処理(S3312)では、大当たりが終了して特別図柄の変動が実行される期間において、大当たり中に実行された演出を継続して実行するための処理であって、大当たり中に実行された演出に対応した大当たり後演出を設定するための処理である。
大当たり後演出設定処理(S3312)が実行されると、まず、状態格納エリア223eに格納されている情報から大当たり後の遊技状態を読み出し(S3701)、次に、上乗せ演出フラグ223hがオンに設定されているか否か、即ち、今回の大当たり中に実行された演出が上乗せ用演出であるかを判別する(S3702)。上乗せ用演出であると判別した場合は(S3702:Yes)、次いで、入賞情報格納エリア223aに大当たりに当選した入賞情報があるか(保留内連荘するか)を判別する(S3703)。
S3703の処理において、大当たりに当選した入賞情報があると判別した場合は(S3703:Yes)、表示用上乗せ演出大当たり後コマンドを設定し(S3704)、本処理を終了する。つまり、S3703の処理において、大当たりに当選した入賞情報があると判別した場合(S3703:Yes)は、図144の上乗せ演出中処理(S3307)のS3505の処理において算出した合算ラウンド数の全てが表示ラウンド数として表示されていない場合であるため、次の大当たりが実行されるまでの間(大当たり情報を含む入賞情報に対応する特別図柄の変動が終了するまでの間)、上乗せ用演出が継続して表示されるように表示用上乗せ演出大当たり後コマンドを設定する。
ここで設定された表示用上乗せ演出大当たり後コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用上乗せ演出大当たり後コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を実行しながら、上乗せ用演出を継続して実行する表示を開始する(図88(a)参照)。このように構成することで、大当たりが終了した後も、大当たり中に実行した演出を継続して実行することができる。
なお、本制御例では、1回の大当たりに設定されるラウンド数(例えば15ラウンド)に対しても表示ラウンド数(確定ラウンド数表示態様Dm4)を部分的に表示(例えば5ラウンド)するように構成しているため、第3図柄表示装置81に表示される上乗せ用演出の演出内容からは1回の大当たり中に実行されている上乗せ用演出なのか、複数の大当たり間(1回目の大当たりが終了してから2回目の大当たりが開始されるまでの間に実行される特別図柄変動期間)に実行されている上乗せ用演出なのかを把握し難くしている。このように構成することで、上乗せ用演出が継続して実行している間に当選した大当たりの回数、或いは、1回の大当たりに設定されたラウンド数を遊技者に分かり難く報知することができるため、上乗せ用演出が長く継続する(大当たりが長く継続する)ことを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
図146に戻り説明を続ける。S3703の処理において、大当たりに当選した入賞情報が無いと判別した場合(S3703:No)は、図144の上乗せ演出中処理(S3307)のS3505の処理において算出した合算ラウンド数の全てが表示ラウンド数として表示された状態であるため、上乗せ演出フラグ223hをオフに設定し(S3705)、表示ラウンド数格納エリア223gをクリアして(S3706)、本処理を終了する。
一方、S3702の処理において、今回の大当たり中に実行された演出が上乗せ用演出ではないと判別した場合は(S3702:No)、次に、今回の大当たり中に実行された演出が連続当たり用演出(図84参照)であるかを判別する(S3707)。ここで、連続当たり用演出であると判別した場合は(S3707:Yes)、表示用連続当たり用演出大当たり後コマンドを設定し(S3708)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用連続当たり用演出大当たり後コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用連続当たり用演出大当たり後コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を実行しながら、連続当たり用演出を継続して実行する表示を開始する。このように構成することで、大当たりが終了した後も、大当たり中に実行した演出を継続して実行することができる。
S3707の処理において、連続当たり用演出では無いと判別した場合は(S3707:No)、つまり、大当たり中に通常当たり用演出が実行された場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変又は時短状態であるかを判別し(S3709)、確変または時短状態であると判別した場合は(S3709:Yes)、表示延長フラグ223iをオンに設定し(S3710)、経過時間カウンタ223kの値に「4000」を設定し(S3711)、本処理を終了する。
ここで、S3710およびS3711の処理にて実行される内容について説明をする。本制御例では、図115(c)に示した大当たり中演出選択テーブル222cを参照して、大当たり中の演出が選択される。図115(c)に示した通り、通常当たり用演出は、保留ランク「1」〜「4」全ての状態、つまり、大当たりに当選した時点での入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報(保留図柄)に大当たりに当選している情報が含まれている場合(保留内連荘する場合)も、含まれていない場合(保留内連荘しない場合)も実行し得る演出として構成されている。
そして、通常当たり用演出が実行された大当たり終了後の遊技状態が確変又は時短状態である場合は、表示延長フラグ223iをオンに設定し、大当たり中に表示されるエンディング表示を大当たり終了後の所定条件が成立するまで表示させるようにする(図89(a)参照)。このように構成することで、大当たりのエンディング表示が表示されている状態で特別図柄の変動が実行され、大当たりに当選した場合は、エンディング表示画面に大当たりに当選した旨を表示する(図89(b)参照)。これにより、通常当たり用演出が実行された場合であっても、保留内連荘に期待を持たせると共に、保留内連荘する場合に、大当たり中の演出を継続させて実行することができる。
さらに、本制御例では、大当たり終了後にも継続して大当たりエンディング表示を実行する期間として、特別図柄の変動回数が4回或いは大当たり終了後から4秒間のうち、何れかの条件が成立するまでの期間を設定しており、S3711の処理において、経過時間カウンタ223kに「4000」の値を設定することで、大当たり終了後から(特別図柄の変動が可能となる状態となってから)の時間経過をカウントするようにしている。
このように大当たりエンディング表示を実行する期間を、特別図柄の変動回数(例えば、4回)に基づいて設定するのではなく、大当たり終了後からの経過時間に基づいて設定することで、例えば、大当たり終了後に特別図柄の変動が実行されない場合(特別図柄の保留が無い場合)においても限られた期間のみ大当たりエンディング表示を実行させることができる。
なお、本制御例では、大当たり終了後に特別図柄の変動が実行されずに、大当たり終了後からの経過時間が所定期間(4秒)を経過した場合には、第3図柄表示装置81にデモ画面が表示されるように構成されている。
S3709の処理において、大当たり終了後の遊技状態が確変または時短状態では無いと判別した場合は(S3709:No)、大当たり後に実行される特別図柄の変動期間中に大当たり中に実行された演出を継続して表示する処理を実行することなく、表示ラウンド数格納エリア223gの値をクリアし(S3712)、本処理を終了する。
図142に戻り説明を続ける。S3310の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S3310:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S3313)、本処理を終了する。
図140に戻り、説明を続ける。S3211の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S3211:No)、次に、状態コマンドを受信したかを判別し(S3213)、状態コマンドを受信したと判別した場合は(S3213:Yes)、受信したコマンドから、現在の遊技状態を抽出し、状態格納エリア223eに格納する(S3214)。
なお、S3214の処理では、図137を参照して上述した主制御装置110が実行する大当たり制御処理(S1104)のS1214の処理において設定される状態指定コマンドを受信した場合には、現在の遊技状態とは別に、大当たり終了後に設定される遊技状態を格納する処理が実行される。このように構成することで、現在の遊技状態を示す状態コマンドと、所定条件が成立した場合(大当たりが終了した場合)に設定される遊技状態(予定遊技状態)を示す状態指定コマンドとを区分けして記憶することができる。また、大当たり終了後には、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信することになるが、その際に、現在の遊技状態を示す状態コマンドの内容と、予定遊技状態を示す状態指定コマンドの内容とが一致するかを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果に基づいて遊技状態の設定が適正に行われているかを判定する構成を用いても良い。これにより、例えば、大当たり終了後の遊技状態を不正に遊技者に有利な遊技状態に可変設定する不正行為を抑制することができる。
S3213の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S3213:No)、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S3216)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図147を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S3114)について説明する。図147は、この変動表示設定処理(S3114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S3114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図136参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S4014)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S3801)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3801:No)は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3813の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S3801:Yes)は、変動開始フラグ223cをオフに設定し(S3802)、次いで、コマンド判定処理(図140参照)のS3203の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する。
次に、表示延長フラグ223iがオンに設定されているかを判別し(S3803)、オンに設定されていると判別した場合は(S3803:Yes)、延長管理処理を実行し(S3804)、S3811の処理へ移行する。延長管理処理(S3804)は、大当たり中のエンディング表示を大当たり終了後も継続(延長)して表示する延長表示演出の終了タイミングを管理するための処理である。この延長管理処理(S3804)については、図148を参照して詳細な説明を後述する。
一方、S3803の処理において、表示延長フラグ223iがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3803:No)、次に、状態格納エリア223eに格納されている遊技状態を示す情報を読み出し、現在の遊技状態が確変又は時短状態であるかを判別する(S3805)。確変又は時短状態であると判別した場合は(S3805:Yes)、継続演出設定処理を実行し(S3806)、その後、S3811の処理へ移行する。継続演出設定処理(S3806)は、確変又は時短状態に実行される継続演出(バトル演出)(図91参照)の演出態様を設定するための処理である。この継続演出設定処理(S3806)については、図149を参照して詳細な説明を後述する。
S3805の処理において、遊技状態が確変又は時短状態では無いと判別した場合は(S3805:No)、抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンが期待度演出を実行する変動パターンであるかを判別する(S3807)。S3807の処理において、期待度演出を実行する変動パターンであると判別した場合は(S3807:Yes)、期待度演出設定処理を実行し(S3808)、S3811の処理へ移行する。期待度演出設定処理(S3808)は、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度を示唆するための演出(図102参照)の演出態様を設定する処理である。この期待度演出設定処理については、図151を参照して詳細な説明を後述する。
一方、S3807の処理において、今回の変動パターンが期待度演出を実行しない変動パターンであると判別した場合は(S3807:No)、抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンがカウントダウン演出を実行する変動パターンであるかを判別し(S3809)、今回の変動パターンがカウントダウン演出を実行する変動パターンであると判別した場合は(S3809:Yes)、カウントダウン演出設定処理(S3810)を実行し、S3811の処理へ移行する。カウントダウン演出設定処理(S3810)は、特別図柄の変動表示中に、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度が高いことを示唆するための特定演出が実行されるタイミングを遊技者に報知するための演出(図98参照)の演出態様を設定する処理である。このカウントダウン演出設定処理については、図152を参照して詳細な説明を後述する。
S3809の処理において、今回の変動パターンがカウントダウン演出を実行しない変動パターンであると判別した場合(S3809:No)、或いは、S3804,S3806,S3808,S3810の処理を終えた場合には、抽出した変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113の変動パターンテーブル222aから今回の変動表示態様を決定し(S3811)、対応する表示用変動パターンコマンドを設定する(S3812)。
S3812の処理を終えると、次に、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S3813)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3813:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理(S3114)を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S3813:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S3814)、次いで、コマンド判定処理(図140参照)のS3206の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3815)。
次に、S3815の処理において、取得した停止種別が大当たりを示す大当たり種別であるかを判別し(S3816)、大当たり種別であると判別した場合は(S3816:Yes)、大当たり情報格納エリア223fに取得した大当たり種別に対応する当たり情報(大当たりのラウンド数、大当たり後に設定される遊技状態に関する情報)を格納し(S3817)、S3818の処理へ移行する。一方、S3816の処理において、大当たり種別ではないと判別した場合は(S3816:No)、そのままS3818の処理へ移行する。
S3818の処理では、S3815の処理により抽出した停止種別を設定し(S3818)、その設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ送信するための表示用停止種別コマンドを設定して(S3819)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、変動表示設定処理(図147のS3114)において実行される延長管理処理(S3804)について、図148を参照して説明する。図148は延長管理処理(S3804)の内容を示したフローチャートである。この延長管理処理(S3804)では、大当たり終了後に継続して表示される大当たりエンディング表示の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に関する終了条件の成立の有無を管理する処理が実行される。
延長管理処理(S3804)が開始されると、まず、変動回数カウンタ223jの値が0であるかを判別する(S3901)。変動回数カウンタ223jの値が0であると判別した場合(S3901:Yes)、即ち、表示延長フラグ223iがオンに設定されてから1回目の変動表示を設定するタイミングである場合は、変動回数カウンタ223jの値に大当たりエンディング表示の表示終了条件(表示延長終了条件)として「5」を設定し(S3902)、本処理を終了する。
一方、S3901の処理において、変動回数カウンタ223jの値が0では無い(1以上である)と判別した場合(S3901:No)、即ち、表示延長フラグ223iがオンに設定されてから2回目〜4回目の変動表示を設定するタイミングである場合は、変動回数カウンタ223jの値を1減算し(S3903)、その後、変動回数カウンタ223jの値が「1」であるかを判別する(S3904)。変動回数カウンタ223jの値が「1」であると判別した場合は(S3904:Yes)、即ち、表示延長フラグ223iがオンに設定されてから5回転目の変動表示を設定するタイミングであると判別した場合は、表示延長の終了条件の1つである「特別図柄の変動4回まで」が成立している状態であるため、表示延長フラグ223iをオフに設定し(S3905)、本処理を終了する。
S3904の処理において、変動回数カウンタの値が「1」では無い(「2」以上である)と判別した場合は(S3904:No)、表示用延長演出コマンドを設定し(S3906)、本処理を終了する。このように構成することで、大当たりのエンディング表示が延長して実行されている間に、特別図柄の変動回数が表示延長の終了条件を満たした場合には、次の特別図柄変動に対応する変動表示が実行されるタイミングで表示延長フラグ223iがオフに設定され、延長演出(エンディング表示)を終了することができる。よって、特別図柄の変動表示中にエンディング表示が終了してしまい遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
本制御例では、大当たり終了後に確変又は時短状態が設定される場合に、専用の変動パターンテーブル(特殊変動パターンテーブル202d4)を用いることで、所定期間(大当たり終了後の1〜4回転)の間、特別図柄の変動パターン(変動時間)として短い変動時間(0.5秒)が選択されるように構成している(図109参照)。これにより、大当たり終了後に特別図柄の保留球の数が上限(4個)である場合には、延長演出の終了条件として経過時間(4秒)よりも、特別図柄の変動回数(4回転)に基づく終了条件が先に成立する。
よって、大当たりのエンディング表示が延長して実行されている期間中に多くの特別図柄を変動させ、特殊な演出(図89(b)参照)を見ようと、常に、保留球を確保した状態で遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、延長演出の終了条件の1つである経過時間に基づく管理については、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図136参照)において、定期的(1m秒毎)に実行される演出更新処理(S3112)において実行される。この演出更新処理(S3112)については、図154を参照してその詳細な説明を後述する。
次に、図149を参照して、変動表示設定処理(図147参照)において実行される継続演出設定処理(S3806)について説明する。図149は、継続演出設定処理(S3806)の内容を示したフローチャートである。この継続演出設定処理(S3806)は、確変又は時短状態中に実行される継続演出(バトル演出)の演出態様を設定するための処理である。具体的には、継続演出(バトル演出)として、確変又は時短状態が終了するか否かを報知する最終態様演出(バトルリーチ)の演出態様と、その最終態様演出(バトルリーチ)が実行されるまでの演出(バトル前演出)の演出態様とを、特別図柄の当否判定結果、変動パターン(変動時間)、および、バトル前演出の継続期間に基づいて、音声ランプ制御装置113のROM222に記憶されている継続演出モード選択テーブル222e、継続値主選択テーブル222f、継続値副選択テーブル222g、最終態様選択テーブル222hを参照して設定する処理が実行される。
本制御例は、確変又は時短状態が終了するまでの間、上述した継続演出(バトル演出)が繰り返し実行されるように構成している。このように構成することで、確変又は時短状態が長期間継続した場合に、1回の継続演出(バトル演出)が間延びしてしまい継続演出(バトル演出)中に実行される各演出(例えば、継続値(HP値)を増減させる演出)の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、継続演出(バトル演出)が繰り返し実行される場合、即ち、遊技状態が確変又は時短状態から移行することが無いタイミングで最終態様演出(バトルリーチ)が発生した場合には、最終態様演出(バトルリーチ)の演出結果として「引き分け」が選択され、再度バトル前演出が開始するように構成しているが、このように、継続演出を繰り返し実行する構成において、1回の継続演出期間が長期化することを抑制しようとした場合には、遊技状態が移行することを示すための最終態様演出(勝敗が付くバトルリーチ)、以外の最終態様演出(引き分けバトルリーチ)が頻繁に実行されてしまい、遊技者が最終態様演出に早期に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、前回最終態様演出(引き分けバトルリーチ)が実行されてからの経過期間(特別図柄の変動回数)を計測し、その計測結果が所定期間以内(例えば、特別図柄の変動回数が6回未満)の場合には、勝敗が付かない最終態様演出(引き分けバトルリーチ)が実行されないように構成している。これにより、短期間の間に頻繁に引き分けバトルリーチが実行されてしまい、遊技者が演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、引き分けバトルリーチの演出態様によって、特別図柄の保留内の当否判定結果や、確変又は時短状態の残期間を遊技者に示唆するように構成している。このように構成することで、引き分けバトルリーチに対しても遊技者に興味を持たせることが可能となり、継続演出全体の演出効果を高めることができる。
加えて、本制御例では継続演出(バトル演出)が繰り返し実行される回数を計測し、その計測結果に基づいて継続演出(バトル演出)の演出態様を設定するように構成している。これにより、確変又は時短状態が長期間継続し、継続演出(バトル演出)が繰り返し実行される場合において、異なる演出態様の継続演出(バトル演出)を実行させることができ、遊技者が演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、本制御例の継続演出設定処理(図149のS3806参照)で実行される処理を簡単に説明すると、まず、今回の変動表示にて、継続演出としてバトルリーチを実行するか、バトル前演出を実行するかを判別する処理(実行演出選択処理)を実行し、その実行演出選択処理による判別結果に基づいて、バトル前演出の演出態様を設定する処理(第1演出態様設定処理)或いは、バトルリーチの演出態様を設定する処理(第2(最終)演出態様設定処理)と、が実行される。
上述したように、本制御例では継続演出設定処理(S3806)が実行される毎に、今回の変動表示にてバトル前演出或いはバトルリーチを実行するかを判別するように構成しているため、バトル前演出からバトルリーチへの演出の切替を円滑に行うことができる。
図149に示した通り、継続演出設定処理(S3806)が実行されると、まず、今回の変動表示が当たり変動(特別図柄の大当たりに当選した変動)であるかを判別する(S4001)。ここで、当たり変動では無いと判別した場合は(S4001:No)、次に、今回の変動パターンが、変動時間が60秒又は90秒の変動パターンであるか(バトルリーチを実行可能な変動パターン)を判別し(S4002)、60秒又は90秒の変動パターンであると判別した場合は(S4002:Yes)、継続期間カウンタ223pの値が6以上であるかを判別する(S4003)。
S4003の処理において、継続期間カウンタ223pの値が6以上では無い(6未満である)と判別した場合は(S4003:No)、継続演出フラグ223rがオンに設定されているかを判別し(S4004)、継続演出フラグ223rがオンでは無いと判別した場合は(S4004:No)、つまり、継続演出が実行されていない場合は、継続演出モード選択テーブル222eに基づいて継続演出モードを選択し(S4005)、選択された継続演出モードを継続演出モード格納エリア223mに格納し(S4006)、継続演出設定カウンタ223qの値を1加算し(S4007)、継続演出フラグ223rをオンに設定する(S4008)。
上述したS4004の処理において継続演出フラグ223rがオンでは無いと判別する場合は、遊技状態として確変又は時短状態が設定されてから1回目の変動表示を設定する場合、或いは、前回の変動表示が最終態様演出(バトルリーチ)であり、今回の変動表示にて新たな継続演出(バトル前演出)を設定する場合である。
このような場合には、S4005の処理において、継続演出モード選択テーブル222eに基づいて、今回の変動表示から実行されるバトル前演出の演出態様(演出モード)が選択される。ここで、継続演出モード選択テーブル222eは、図116(b)に示した通り、継続演出が繰り返し実行された回数(継続演出設定カウンタ223qの値)、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報、第3演出カウンタ223y3の値に基づいて継続演出モード(モード1〜モード5)が設定されており、次回の最終態様演出(バトルリーチ)が実行されるまでの間、選択された継続演出モードに基づいたバトル前演出が実行される。
なお、本制御例では、継続演出フラグ223rがオフに設定されている場合に、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいて継続演出モードを設定し、特別図柄の変動が実行される毎に設定された継続演出モードに基づいて変動表示態様を設定する処理を実行する構成を用いているが、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいた演出を実行する構成であれば、本制御例で用いた構成以外でも良く、例えば、継続演出フラグ223rがオフに設定されている場合に、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいて今回実行される変動表示の表示態様から入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に対応する変動表示の表示態様までを予め設定するように構成しても良い。
一方、S4004の処理において、継続演出フラグ223rがオンに設定されていると判別した場合(S4004:Yes)、或いは、S4008の処理を終了すると、継続期間カウンタ223pの値を1加算する(S4009)。これにより、次回継続演出モードを選択する際の、継続演出設定カウンタ223qの値を異ならせることができ、連続して同一の継続演出モードが選択されることを抑制することができる。
なお、本制御例では、同一の継続演出モードが連続して選択されることを抑制し、且つ、特定のタイミング(継続演出設定カウンタ223qの値が1のタイミング)において、特定条件(保留内当たり)が成立した場合に、特定の演出(継続演出モード5)を実行可能とするために、継続演出設定カウンタ223qの値を1加算する構成を用いているが、同一の継続演出モードが連続して選択されることを抑制する目的を達成するために、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、継続演出設定カウンタ223qの値を加算する値を抽選(例えば、−5〜5までの値を抽選)で決定するように構成しても良い。このように構成することで、継続演出モードが選択される規則性を遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、遊技者による枠ボタン22への操作結果に基づいて継続演出設定カウンタ223qの値を加算するように構成しても良いし、大当たりの連荘回数(遊技状態が通常状態へと移行することなく大当たりに連続して当選した回数)や、継続演出モード選択時の特別図柄の抽選結果に基づいて継続演出設定カウンタ223qの値を加算するように構成しても良い。
S4009の処理を終えると、次に継続値設定処理を実行する(S4010)。S4010の処理において実行される継続値設定処理については、図150を参照してその詳細を後述する。S4010の継続値設定処理にて設定した差分継続値に対応する表示用演出コマンドを設定し(S4011)、本処理を終了する。S4011の処理では、継続演出のうちバトル前演出として第3図柄表示装置81に表示される表示内容を示す演出コマンドが設定される。具体的には、S4005の処理にて選択された継続演出モードに対応した表示態様と、S4010の処理にて設定された差分継続値に対応した表示態様とをまとめて表示用演出コマンドとして設定する。
S4011の処理にて設定された表示用演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、変動パターンコマンドとして表示用演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、バトル前演出の表示を実行する。
以上説明をした継続演出設定処理(S3806)におけるS4001〜S4003までの処理が実行演出選択処理に該当し、S4004〜S4011までの処理が、バトル前演出の演出態様を設定する処理(第1演出態様設定処理)に該当する。
一方で、S4001の処理において、今回の変動が当たり変動であると判別した場合(S4001:Yes)は、継続演出設定カウンタ223qの値をリセットし(S4012)、S4013の処理に移行する。また、S4003の処理において、継続期間カウンタの値が6以上であると判別した場合(S4003:Yes)、つまり、バトル前演出が特別図柄変動6回分以上継続している場合も、S4013の処理へ移行する。
S4013の処理では、バトルリーチ(最終態様)の演出態様を最終態様選択テーブル222hに基づいて選択し(S4013)、対応する表示用最終態様コマンドを設定する(S4014)。ここで設定された表示用最終態様コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用最終態様コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、バトル前演出にて表示された継続値(HP値)を用いたバトルリーチ(図93(a)参照)が実行される。このように構成することで、バトル前演出からバトルリーチへと遊技者に違和感を与えることなく演出を切り替えることができる。
S4014の処理を終えると、次に、継続演出フラグ223rをオフに設定し(S4015)、継続演出モード格納エリア223mをクリアし(S4016)、継続期間カウンタ223pの値を0にクリアし(S4017)、本処理を終了する。
以上説明をしたように、本制御例では遊技状態として確変又は時短状態が設定されている間に実行される複数の特別図柄変動に対応する変動表示としてバトル前演出を実行し、特定の1つの特別図柄変動(特別図柄の当たり変動や、60秒または90秒の変動時間が選択された外れ変動)に対して最終態様演出(バトルリーチ)を実行するように構成しているが、それ以外にも、例えば、複数の特別図柄変動に対応する変動表示を用いて最終態様演出(バトルリーチ)を実行するように構成しても良い。この場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報(保留内の当否判定結果や変動パターン)に基づいて(先読み結果に基づいて)最終態様(バトルリーチ)の演出態様を各変動表示に対応させて設定するように構成すると良い。これにより、複数の特別図柄変動に跨がって実行される最終態様演出(バトルリーチ)を円滑に実行することができる。
また、複数の特別図柄変動に跨がって最終態様演出(バトルリーチ)を実行する構成を用いる場合は、最終態様演出(バトルリーチ)にて表示される全ての表示態様を対象となる複数の特別図柄変動毎に予め定めて設定するように構成しても良いし、バトルリーチの演出内容、即ち、攻撃パターンや演出結果のみを予め設定しておき、継続値(HP値)の増減表示制御は特別図柄の変動表示が実行される毎に設定するように構成しても良い。これにより、先読み結果に基づいて予め設定する最終態様演出(バトルリーチ)の種類を削減することができる。
次に、図150を参照して、継続値設定処理(S4010)について説明をする。図150は継続値設定処理(S4010)の内容を示したフローチャートである。この継続値設定処理(S4010)では、継続演出中に可変表示される継続値(バトル演出におけるHP値)の値を設定するための処理である。本制御例では、この継続値の値(可変後の継続値の値)を設定する際に、特別図柄の抽選に基づいて選択される値(相手のHPの百の位の値)と、演出用の抽選に基づいて選択される値(相手のHPの十の位の値)とを合算するようにして設定している。これにより、表示される継続値のバリエーションを増加させることができる。
継続値設定処理(S4010)が実行されると、まず、継続値を変更するタイミングであるかを判別する(S4101)。なお、詳細な説明は省略するが、S4101では、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113の変動パターンテーブル222aより抽出した変動パターンが継続値を変更するパターンであるかを判別する。
なお、本制御例では、上述したように継続値(HP値)を変更させるタイミングを音声ランプ制御装置113の変動パターンテーブル222aより抽出した変動パターンに基づいて判別する構成を用いているが、これに加えて、継続値を変更しない変動パターンが連続して選択された回数を計測する計測手段を設け、その計測手段によって計測された回数が所定回数(例えば4回)となった場合に、強制的に継続値を変更させる強制変更手段や、上述した計測手段によって計測された回数が特定回数(例えば1回)の場合には、抽出した変動パターンに関わらず継続値を変更させない変更規制手段を設けても良い。このように構成することで、継続演出中(バトル前演出中)において継続値(HP値)が全く変更されずに遊技者が演出(バトル前演出)に飽きてしまう事態や、頻繁に継続値(HP値)が変更されてしまい演出内容が分かり難くなってしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、遊技者の枠ボタン22に対する操作結果や、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報の先読み結果に基づいて継続値変更タイミングを設定しても良い。また、第3図柄表示装置81に表示されている継続値(HP値)や、継続値主選択テーブル222fにより選択された継続値(HP値)の値に基づいて、継続値変更タイミングが設定される頻度を可変させても良い。
S4101の処理において継続値変更タイミングではないと判別した場合は(S4101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、継続値変更タイミングであると判別した場合は(S4101:Yes)、継続値主選択テーブル222fに基づいて継続値の百の位の値を選択し(S4102)、選択した継続値(継続値主選択テーブル222fに基づいて選択した継続値)を継続値格納エリア223nに格納する(S4103)。詳細な説明は後述するが、本制御例では、継続値が可変した場合に実行される演出(攻撃演出)の演出態様を、継続値格納エリア223nに格納されている値、即ち、継続値主選択テーブル222fに基づいて選択された継続値を参照して設定するように構成している。
次いで、S4102の処理において選択された継続値の値(百の位の値)が200以上であるかを判別し(S4104)、200以上であると判別した場合は(S4104:Yes)、第1継続値副選択テーブル222g1(図117(b)参照)に基づいて演出値(十の位の値)を選択し(S4105)、200未満であると判別した場合は(S4104;No)、第2継続値副選択テーブル222g2(図117(c)参照)に基づいて演出値(十の位の値)を選択する(S4106)。S4102の処理で選択された値とS4103の処理で選択された値とを合算した継続値を算出する(S4104)。
ここで、図117(b)及び図117(c)に示した通り、第1継続値副選択テーブル222g1と第2継続値副選択テーブル222g2とは、選択される演出値(十の位の値)が異なる様に構成されており、第1継続値副選択テーブル222g1は選択可能な演出値の範囲が「−20〜+20」に規定されており、第2継続値副選択テーブル222g2は選択可能な演出値の範囲が「−10〜0」に規定されている。つまり、第2継続値副選択テーブル222g2では、演出値として正の値(プラスの値)が選択されないように構成している。これは、バトル前演出において、例えば、継続値主選択テーブル222fに基づいて継続値(百の位の値)として「0」が選択された場合に、内部的には(継続値格納エリア223nに格納している値として)「0」が設定されているにも関わらず、演出値によって第3図柄表示装置81に表示される継続値(HP値)として「0」では無い(例えば、「20」)値が表示されてしまい遊技者に違和感を与える演出を実行してしまうことを抑制するための構成である。
このように、継続値主選択テーブル222fに基づいて選択された継続値(百の位の値)の値を判別し、その判別結果に基づいて選択可能な演出値の範囲を変える構成を用いることで、通常時(継続値が200以上)の場合は、継続値(HP値)の値をプラス方向にもマイナス方向にも可変させることが可能とし、演出のバリエーションを増加させると共に、継続値が200未満の場合は、継続値(HP値)の値をマイナス方向にのみ可変させるようにし、演出に矛盾が発生することを抑制している。
そして、S4105又はS4106の処理を終えると、次に、S4102の処理で選択した継続値(百の位の値)と、S4105又はS4106の何れかで選択した演出値(十の位の値)とを合算して継続値(HP値)を算出し(S4107)、算出した継続値(HP値)に対応した表示用合算コマンドを設定し(S4108)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本制御例では継続演出が実行されている間に可変表示(増減表示)される継続値(HP値)の可変管理を、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)、即ち、継続値主選択テーブル222fに基づいて選択された継続値(百の位の値)と、継続値副選択テーブル222gに基づいて選択された継続値(十の位の値)と、を合算した値では無く、継続値主選択テーブル222fに基づいて選択された継続値(百の位の値)のみで行うように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)の表示パターンに対して、継続値(HP値)の可変管理を行うパターンを少なくすることができ、処理負荷を軽減することができる。
さらに、本制御例では、継続値主選択テーブル222fに基づいて選択された継続値(百の位の値)のみで継続値(HP値)の可変管理を行ったとしても、継続値(HP値)の管理内容と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)の表示内容とが相違しないように構成しているため、処理負荷を軽減しながら好適に継続演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
また、本制御例の音声ランプ制御装置113では、継続値主選択テーブル222fおよび継続値副選択テーブル222gに基づいて継続値を選択し、選択された継続値を示す情報(コマンド)を表示制御装置114へ出力する。そして、継続値主選択テーブル222fを参照して選択した継続値のみを継続値格納エリア223nに格納し、格納した継続値に基づいて継続値の増減管理を繰り返し実行する。
詳細な説明は図164を参照して後述するが、本制御例では第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される継続演出の表示態様、具体的には、実行される攻撃パターン表示態様と、継続値(HP値)の可変(増減)表示態様と、を表示制御装置114が設定し、表示するように構成している。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力された継続値に関するコマンドを表示制御装置114が受信した場合に、その合算した継続値を記憶する領域(合算値格納エリア)を有しており、その合算値格納エリアに格納されている合算値と、今回受信した継続値に関するコマンドより算出した合算値との差分を算出し、その算出した差分値に基づいて攻撃パターン表示態様と、継続値(HP値)の可変(増減)表示態様とを設定し、表示するように構成している。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減しながら好適に継続演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、演出用の継続値を選択する継続値副選択テーブル222gを音声ランプ制御装置113に設け、音声ランプ制御装置113が演出用の継続値を選択するように構成しているが、演出用の継続値を選択する構成(例えば、継続値副選択テーブル222g)を表示制御装置114に設けても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷をより軽減することができる。
また、本制御例では、継続値主選択テーブル222fにより継続値が選択された場合に、併せて継続値副選択テーブル222gを参照して演出用の継続値を選択する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、継続値主選択テーブル222fによる継続値の選択が為されない場合(例えば、図149のS4104:Noの場合)であっても、演出用の継続値(十の位の値)のみを増減させるように構成してもよい。これにより、継続演出中に実行される継続値(HP値)の増減表示をより細かく設定することができ、演出効果を高めることができる。
本制御例では、継続値主選択テーブル222fにより選択される継続値として、現在の継続値(継続値格納エリア223nに格納されている継続値)よりも減少した値のみが選択されるように構成しているが、それに限ることなく、現在の継続値よりも増加した値が選択されるように構成してもよい。この場合、現在の継続値よりも増加した値が選択された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される継続演出の演出態様として、通常の攻撃演出ではなく、継続値(HP値)が回復する回復演出が実行されるように構成すると良い。このように、継続演出中に継続値(HP値)を増加させる構成を用いることで、継続演出中に実行される継続値(HP値)の増減表示のバリエーションを増加させることができると共に、継続値(HP値)を頻繁に可変(増減)させたとして継続値(HP値)が下限値(例えば「0」)に到達してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、継続演出中に可変表示される継続値としてキャラクタのHPを用いているが、それ以外にも、所定状態(例えば、遊技者に有利な有利状態(確変又は時短状態))が設定されているか否かを可変する値に基づいて遊技者に示唆する構成であれば良く、例えば、実行される演出の成功率(%)や、枠ボタン22に対する操作内容に基づいて設定される操作回数(回)を用いても良い。
さらに、本制御例では、継続値主選択テーブル222fにより選択された継続値の値が「0」の場合に、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される継続値(HP値)として「0」よりも大きな値が設定されてしまうことを防止するために、継続値主選択テーブル222fにより選択された継続値の値が所定値(例えば、200)未満の場合には、演出用の継続値としてプラスの値が選択されないように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、継続値主選択テーブル222fにより選択された継続値の値が「0」の場合には、演出用の継続値の選択(継続値副選択テーブル222gを用いた選択)を実行しないように構成しても良い。
また、本制御例のように、異なる制御装置(音声ランプ制御装置113、及び表示制御装置114)のうち、第1の制御装置(音声ランプ制御装置113)で大まかな演出内容を設定する処理を実行し、第2の制御装置(表示制御装置114)で具体的な演出の表示態様を設定する処理を実行することで所定の演出を繰り返し表示する構成においては、第2の制御装置(表示制御装置114)の処理結果を、第1の制御装置(音声ランプ制御装置113)へと出力し、次に、第1の制御装置(音声ランプ制御装置113)が大まかな演出内容を設定する処理を実行する場合には、第2の制御装置(表示制御装置114)から出力された処理結果が許容範囲内であるかを判別し、許容範囲内である場合は、そのまま次の演出内容を設定する処理を実行し、許容範囲外である場合は、前回の演出内容設定時に設定した大まかな演出内容に関する情報を補正し、その補正結果に基づいて、次の演出内容を設定する処理を実行し、次の演出内容を設定するタイミングにおいて、第2の制御装置(表示制御装置114)から出力されて処理結果を受信していない場合は、次の演出内容を設定するタイミングを延期する処理を実行するように構成してもよい。
このように構成することで、第2の制御装置(表示制御装置114)にて実行される処理により既に表示された演出態様に対応させて、次の演出を設定することができ、遊技者に違和感を与えること無く継続して演出を実行することができる。なお、この場合、第2の制御装置(表示制御装置114)から出力された処理結果が許容範囲外であると判別した場合に、その処理結果が許容範囲として設定された誤差範囲よりも広い範囲である限度範囲内であるかを判別し、その判別結果が限度範囲内である場合には、上述した補正を行うことで引き続き演出を設定可能にし、限度範囲外である場合には、上述した補正を行うこと無く演出を強制的に終了させるようにすると良い。
次に、図151を参照して、期待度演出設定処理(S3808)について説明をする。図151は、期待度演出設定処理(S3808)の内容を示したフローチャートである。この、期待度演出設定処理(S3808)は、特別図柄の変動演出中に表示される期待度表示態様の表示態様を可変させることで、今回の特別図柄変動が大当たりに当選しているか否かを遊技者に示唆する演出である(図102、及び図103参照)。
本制御例では、期待度演出として特別図柄変動の時間経過に対応して3種類の期待度表示態様Dk1〜Dk3(図102(a)参照)が表示されるように構成されている。そして、各期待度表示態様のうち、何れかの表示態様を期待度の高い表示態様に可変させるための期待度上昇態様Dk4を表示させて、期待度表示態様Dk1〜Dk3の何れかの表示態様が可変するよう演出を実行する。また、期待度上昇態様Dk4が表示されるタイミングを設定する表示タイミングを設定する処理も実行される。
ここで、本制御例では、上述した3種類の期待度表示態様Dk1〜Dk3が表示されるタイミングが異なるように構成しているため、期待度上昇態様Dk4が表示されるタイミングによって、期待度上昇態様Dk4によって表示態様が可変する期待度表示態様の対象を異ならせることができる。これにより、同一の期待度上昇態様Dk4を用いた場合であっても、その期待度上昇態様Dk4を表示させるタイミングを異ならせるだけで異なる演出内容とすることができ、画像データの記憶容量を軽減することができる。
なお、この場合、画像データ量の少ない静止画像(例えば、文字画像)のみ、期待度を上昇させる期待度表示態様に対応させて表示するように構成するとよい。これにより、少ないデータ量で分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本制御例では、期待度演出態様レベルに応じて3種類の期待度表示態様Dk1〜Dk3の基準となる表示態様を予め定めている。これにより、複数の組み合わせから構成される3種類の期待度表示態様Dk1〜Dk3の表示態様をセット化することができ、表示処理の処理負荷を軽減することができる。また、期待度演出態様レベルに応じて基準となる表示態様(基準表示態様)を定めているため、期待度の上昇具合が偏ってしまうことを抑制することができる。
加えて、変動パターンに基づいて設定される3種類の期待度表示態様Dk1〜Dk3の最終表示態様(期待度演出の終了後に表示され得る表示態様)と、期待度演出態様レベルに応じて設定される基準表示態様とにおいて、何れかの期待度表示態様に差がある場合に、期待度上昇態様Dk4が表示されるように構成しているため、遊技者に対して、既に高い期待度を示す期待度表示態様の表示態様がさらに高い期待度を示す表示態様へと可変することを期待させながら演出を実行することができる。
期待度演出設定処理(S3808)が実行されると、まず、期待度選択テーブル222iに基づいて今回の期待度を選択し(S4201)、次いで、期待度演出選択テーブル222jに基づいて、基準表示態様を設定するための期待度演出態様レベルを選択する(S4202)。期待度演出態様レベルを選択した後に、期待度演出態様レベルに予め定められている各期待度表示態様の表示態様と、実際の期待度演出態様(変動パターンに基づいて設定される各期待度表示態様の表示態様)との差分を抽出する(S4203)。
S4203の処理を終えると、差分があるかを判別し(S4204)、差分があると判別した場合は、期待度表示態様毎に差分を算出し(S4205)、その算出した差分の有無に基づいて期待度上昇態様Dk4の表示タイミングを決定する(S4206)。次いで、期待度表示態様毎の差分を合算し(S4207)、合算した差分に基づいて期待度上昇態様の表示内容(表示態様、表示タイミング)を決定し(S4208)、期待度演出を表示するための表示用期待度演出コマンドを設定し(S4209)、期待度上昇態様の対象となる期待度表示態様を報知するための表示良い期待度対象態様報知コマンドを設定する(S4210)。
上述したS4208の処理について具体的に説明をすると、まず、S4207の処理により合算された差分の値に対応する表示態様(例えば、「3UP」)を決定する表示態様決定処理が表示態様決定手段により実行される。また、差分が発生している期待度表示態様を差分判別手段により判別し、その判別結果に基づいて期待度表示態様を設定可能な複数のタイミングを決定し、その決定された複数のタイミングの中から1つのタイミングを、期待度選択テーブル222iを参照して選択された期待度に基づいて選択するように構成している。これにより、S4202の処理で設定された期待度表示態様の表示内容と、S4203の処理で設定された期待度表示態様の表示内容との差分を期待度上昇演出により補完可能な複数のタイミングの中から、一のタイミングを設定して期待度上昇態様Dk4を設定することができるため、遊技者に違和感を与えることなく演出のバリエーションを増加させることができる。
なお、上述した例では、各期待度表示態様の表示態様を先に決定し、その差分に対応した値に基づいて期待度表示態様Dk4の内容を設定する構成としているが、それ以外の構成として、先に期待度選択テーブル222iを参照して選択された期待度に基づいて期待度表示態様Dk4の表示態様を設定し、その設定内容に基づいて、各期待度表示態様の表示内容を決定するように構成しても良い。
次に、図152を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカウントダウン演出設定処理(S3810)について説明する。図152は、カウントダウン演出設定処理(S3810)の内容を示したフローチャートである。このカウントダウン演出設定処理(S3810)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図140参照)の中で実行され、受信した変動パターンがカウントダウン演出を実行する変動パターンであると判別した場合に実行される処理であって、変動表示中に実行される特定演出の実行タイミングを遊技者に示唆するための示唆演出として、特定演出の実行タイミングを正確に報知するカウントダウン演出の演出態様を設定する処理と、カウントダウン演出が実行されることを示唆するための前兆演出の演出態様を設定する処理と、カウントダウン演出の対象となる特定演出を決定する特定演出決定処理と、を実行する。
カウントダウン演出設定処理(S3810)が実行されると、まず、前兆設定フラグ223tがオンに設定されているかを判別する(S4301)。前兆設定フラグ223tがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S4301:No)は、今回の変動パターンに含まれる複数の特定演出のうち、示唆演出を実行可能なタイミングに設定されている特定演出を1つ設定する(S4302)。つまり、示唆演出を実行することが困難なタイミングで実行される特定演出(特定演出c(図101参照))以外の特定演出(特定演出a,b(図100(b)参照))のうち、何れかを設定する。
S4302の処理を終えると、次に、今回の変動パターンが当たりに当選している変動パターンであるかを判別する(S4303)。今回の変動パターンが当たりに当選している変動パターンであると判別した場合は(S4303:Yes)、前兆演出の開始タイミングとして前兆表示a(変動開始から10秒後のタイミング(図100(b)参照))を設定し(S4304)、S4303の処理において、今回の変動パターンが当たりに当選していない(外れ)変動パターンであると判別した場合は(S4303:No)、前兆演出の開始タイミングとして前兆表示b(変動開始から17秒後のタイミング(図100(b)参照))を設定する(S4305)。つまり、本制御例では、特定演出の実行タイミングを示唆する示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を当該変動の抽選結果(当否判定結果)に基づいて設定することができる。
なお、上述した例では、当該変動の抽選結果(当否判定結果)に基づいて、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を設定する構成を用いているが、それ以外の条件に基づいて示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を設定するように構成しても良く、例えば、遊技者の枠ボタン22に対する操作結果や、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報の判別結果(先読み結果)や、時刻を計時する計時手段(例えば、リアルタイムクロック)の計時結果や、過去の遊技履歴等に基づいて示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を設定するように構成しても良い。
このように、1つの変動表示(変動パターン)に、示唆演出(前兆演出)の開始タイミングとして設定可能なタイミング(示唆演出開始可能地点)を複数用意しておき、上述した様々な条件の成立に基づいて複数の示唆演出開始可能地点の中から1つを設定する構成を用いることで、実行される示唆演出の自由度を増すことができ、遊技の興趣を向上することができる。
S4304、或いはS4305の処理において、前兆演出(示唆演出)の開始タイミングを設定すると、次に、特定演出の開始タイミングと前兆演出(示唆演出)の開始タイミングとに基づいて、カウントダウン期間を設定する(S4306)。
本処理について図100(b)を参照して具体的に説明をすると、S4302の処理において今回の変動表示で示唆演出の対象とする特定演出が、特定演出a(変動開始から30秒後に実行される特定演出)に設定され、S4304の処理において前兆演出の開始タイミングとして前兆表示a(変動開始から10秒後のタイミング(図100(b)参照))が設定された場合は、カウントダウン期間として7秒が設定され、S4302の処理において今回の変動表示で示唆演出の対象とする特定演出が、特定演出a(変動開始から30秒後に実行される特定演出)に設定され、S4305の処理において前兆演出の開始タイミングとして前兆表示b(変動開始から17秒後のタイミング(図100(b)参照))が設定された場合は、カウントダウン期間として3秒が設定される。
次に、特定演出の開始タイミングと、設定されたカウントダウン期間とに基づいてカウントダウン演出が開始されるタイミング(カウントダウン演出の表示タイミング)を算出し、前兆演出の開始タイミングとカウントダウン演出の表示タイミングとの間隔、即ち、前兆演出が実行される前兆演出期間を算出する(S4307)。次いで、S4307の処理において、算出された間隔(前兆演出期間)が15秒以内であるかを判別し(S4308)、15秒以内である場合は(S4308:Yes)、前兆演出の演出態様(前兆演出態様)として短演出態様を設定し(S4309)、間隔(前兆演出期間)が15秒以内ではない(15秒よりも長い)と判別した場合は(S4308:No)、前兆演出態様として長演出態様を設定する(S4310)。
S4309、或いはS4310の処理を終えると、設定した態様(特定演出態様、カウントダウン演出態様、前兆演出態様)に対応する表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S4311)、本処理を終了する。
一方、前兆設定フラグ223tがオンに設定されていると判別した場合(S4301:Yes)、即ち、入賞情報コマンド処理(図141のS3210参照)において、既に前兆演出が実行されている場合(複数の変動表示を跨いで前兆演出が実行される場合)は、複数変動演出設定処理(S4312)を実行し、その後、上述したS4311の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図153を参照して、複数変動演出設定処理(S4312)の内容について説明をする。図153は、複数変動演出設定処理(S4312)の内容を示したフローチャートである。この複数変動演出設定処理(S4312)では、前回の変動表示中に実行された前兆演出を継続して実行する前兆演出継続実行処理と、その前兆演出に対応した特定演出に対したカウントダウン演出を設定する処理とが実行される。
複数変動演出設定処理(S4312)が実行されると、まず、特定演出として特定演出C(図101参照)を設定し(S4401)、カウントダウン期間を3秒に設定する(S4402)。そして、表示用前兆コマンドを設定する(S4403)。ここで設定された表示用前兆コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用前兆コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、今回の変動の開始と同時(遊技者が識別不能な程度の時間差を含む)に前兆演出を表示する。このように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く前回の変動表示から継続して前兆演出を表示することができる。
詳細な説明は省略するが、本制御例の表示制御装置114は、変動表示が終了するタイミングにおいて前兆演出を表示しているかを判別する手段(音声ランプ制御装置113から前兆設定フラグ223tがオンに設定されていることを示すコマンドを受信していることを判別する手段)と、その判別手段により変動表示が終了するタイミングにおいて前兆演出を表示していると判別した場合に、実行中の前兆演出データを、当該変動が終了したタイミングを示す時間データとともに一時的に格納する演出データ格納エリアと、表示用前兆コマンドを受信した場合に、演出データ格納エリアに格納されている前兆演出データを、前回の変動表示が終了した時点から再開して表示する再開表示手段と、を有しており、複数の変動を跨いで前兆演出を実行した場合に、一連の前兆演出(例えば、車を目的地に向けて走らせる演出(図98(a)参照))を途切らせること無く実行することができる。
さらに、本制御例では、特別図柄の変動表示を示す表示用変動パターンコマンドとして、表示用前兆コマンドを出力するように構成しているため、特別図柄の変動表示に対応させて複数の変動を跨いで実行される演出(連続演出)の表示処理を行うことができる。よって、従来の表示制御装置114の処理、即ち、特別図柄の変動表示が実行される毎に受信する変動パターンコマンドの内容に基づいて当該特別図柄変動が終了するまでの期間の演出態様を表示する処理を用いて連続演出を実行することができ、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。なお、このような構成において、特別図柄の停止期間(図柄確定期間(例えば、0.5秒))中にも動的表示を継続させる連続演出を実行する場合には、変動パターンコマンドに基づいて算出した変動時間に上述した図柄確定期間を加えた長さの連続演出が設定される。これにより、特別図柄の図柄確定期間中、即ち、連続する変動パターンの間の期間中も連続演出を円滑に実行することができる。
なお、複数の変動を跨いで前兆演出を実行した場合に、一連の前兆演出を途切らせないよう実行することができる構成であれば、本制御例以外の構成を用いても良く、例えば、前回の変動表示において前兆演出期間(前兆演出の終了タイミング)を設定することなく前兆演出を実行し、今回の変動表示においてカウントダウン演出が実行されるタイミングに基づいて前兆演出の終了タイミングを設定するように構成しても良い。
図153に戻り説明を続ける。S4403の処理を終えると、次に、表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S4404)、前兆設定フラグ223tをオフに設定し(S4405)、本処理を終了する。
次に、図154を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理(S3112)について説明する。図154は、演出更新処理(S3112)を示したフローチャートである。この演出更新処理(S3112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)の中で実行され、特別図柄の変動に関わらず、経過時間に基づいて制御される演出を設定するための処理である。
演出更新処理(S3112)が実行されると、まず、経過時間カウンタ223kの値が0よりも大きいかを判別する(S5101)。経過時間カウンタ223kの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S5101:No)、即ち、経過時間のカウントが実行されていない場合は、経過時間の計測に関わる処理をスキップしてS5108の処理へ移行する。
一方、経過時間カウンタ223kの値が0よりも大きいと判別した場合は(S5101:Yes)、経過時間カウンタ223kの値を1減算し(S5102)、次いで、減算後の経過時間カウンタ223kの値が0であるかを判別する(S5103)。ここで、経過時間カウンタ223kの値が0ではない(1以上である)と判別した場合は(S5103:No)、そのままS5108の処理へ移行する。
S5103の処理において、経過時間カウンタ223kの値が0であると判別した場合は(S5103:Yes)、次に、表示延長フラグ223iをオフに設定し(S5104)、現在が特別図柄の変動中であるかを判別する(S5105)。S5105の処理において、現在が特別図柄の変動中では無いと判別した場合は(S5105:No)、大当たりのエンディング表示の延長表示を終了することを表示制御装置114に通知するための表示用通常演出コマンドを設定し(S5106)、S5107の処理へ移行する。
一方、S5105の処理において、現在が特別図柄の変動中であると判別した場合は(S5105:Yes)S5106の処理をスキップしてS5107の処理へ移行する。このように構成することで、大当たり終了後に延長演出(大当たりのエンディング表示を延長して表示する演出)が実行されている場合において、延長演出の終了条件の1つである時間条件(4秒経過)が成立した場合に、特別図柄が変動していない場合は、即座に延長演出を終了し、特別図柄が変動している場合は表示延長フラグ223iをオフに設定し、次回の特別図柄変動開始時に延長演出が終了する。よって、特別図柄の変動中に急に延長演出が終了してしまい遊技者を困惑させる事態を抑制することが出来ると共に、特別図柄の変動中に延長演出が終了する場合における複雑な演出設定処理を実行する必要が無くなるため、処理負荷を軽減することができる。
S5108の処理では、その他演出の更新に関する処理が実行される。具体的には、例えば、リアルタイムクロック(RTC)より取得した時間情報に基づいた演出に関する処理が実行される(S5108)。その後、本処理を終了する。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図155から図172を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図155を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図155は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図156を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図156は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図155のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図155のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(図155のS6001参照)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図156に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101、およびS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図155の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図170(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図170(a)のS7702参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図157(b)参照)において、電源投入時画像が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図157(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図157(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64または第2入球口140へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図157(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図157(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図157(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図157(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図125参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図157(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図158〜図166を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図167〜図169を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図170および図171を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図125に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図172を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図158〜図166を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。図158は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図158に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図159(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図159(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、前兆演出フラグ233mがオンに設定されているかを判別する(S6501)。ここで、前兆演出フラグ233mがオンに設定されていると判別した場合(S6501:Yes)、即ち、前回の変動から継続して前兆演出が実行される場合は、変動開始時から前兆演出を実行するために、前兆演出に対応した変動表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定し(S6502)、前兆演出フラグ233mをオフに設定する(S6503)。
具体的には、前回の変動中に設定された表示データテーブル、および、その表示データテーブルに設定されている時間データから、前回の変動中に表示された期間を示すための表示済み期間情報を抽出した抽出情報を一時的に記憶する記憶手段を設け、S6502の処理において、前回の特図変動中に実行された前兆演出の続きが今回の特図変動において実行されるように構成している。これにより、前兆演出が複数の変動を跨いで実行される場合であっても円滑に前兆演出を表示することができる。
なお、本制御例では、前回の変動中に実行された前兆演出の内容を記憶し、その記憶された前兆演出の続きを今回の変動において実行する構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、前兆演出に対応する表示データテーブルを時間の経過に対応させた複数の演出ブロックに分け、前回の変動中に実行された演出ブロックを判別し、今回の変動において、前回の変動中に実行された演出ブロックの次に設定されている演出ブロックを実行するように構成しても良い。これにより、複数の変動を跨いで実行される前兆演出の管理を簡素化することができる。
また、本制御例では、複数の変動を跨いで実行される前兆演出として、2変動分の前兆演出のみ実行可能に構成しているため、S6501の処理において、前兆演出フラグ233mがオンに設定されていると判別した場合は、今回の変動が前兆演出の終了変動となるため、S6503の処理にて前兆演出フラグ233mをオフに設定しているが、例えば、前兆演出が特別図柄3変動分以上に跨がって実行されるように構成している場合であれば、前兆演出フラグ233mがオンに設定されている期間(特別図柄の変動回数)を判別可能なカウンタ(例えば、前兆演出カウンタ)と、実行されている前兆演出が何変動分継続するのかを記憶する記憶手段(例えば、演出継続回数記憶手段)と、を設け、変動パターンコマンド処理が実行される毎に、前兆演出カウンタの値を更新し、更新した値が演出継続回数記憶手段に記憶されている値に合致するかを判別し、合致すると判別した場合に、前兆演出フラグ233mをオフに設定するように構成すればよい。
S6501の処理において、前兆演出フラグ233mがオンではない(オフである)と判別した場合(S6501:No)、或いは、S6503の処理を終えると、次に、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの変動演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6504)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6504で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6505)。
次いで、S6504の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6506)、ポインタ233fを0に初期化する(S6507)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6508)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理(図159(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S6507の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6504の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6505の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
なお、本制御例では、前兆演出フラグ233mがオンに設定されている場合に(S6501:Yes)、前兆演出に対応した変動表示データテーブルと、変動パターンコマンドに対応した変動表示データテーブルとのそれぞれが対応する表示データテーブルバッファに設定され、表示データが重複する箇所については、前兆演出に対応した表示データが優先して表示されるように構成している。具体的には、前兆演出が実行表示されるレイヤが通常の変動演出が実行表示されるレイヤよりも優先して設けられており、それぞれのレイヤに対して表示処理が実行された場合に、前兆演出用のレイヤに表示された内容が遊技者に視認可能となる。
なお、前兆演出に対応する態様が通常演出に対応する態様よりも優先して表示される構成であればよく、上述した例以外の方法として、前兆演出用の表示データと、受信した変動パターンコマンドに基づいて設定される通常演出用の表示データと、を判別し、遊技者に視認させる表示データのみを表示データテーブルバッファに設定するように構成してもよい。
ここで、図158の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図159(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図159(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図157(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S6603)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図158に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用当たり関連コマンドがあるかを判別する。この表示用当たり関連コマンドは、大当たりに当選した場合に参照されるコマンドであって、具体的には、大当たりの開始を示すための表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンド等を受信した場合に実行される。
ここで、図160を参照して、当たり関連コマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図160は、当たり関連コマンド処理(S6409)の内容を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理(S6409)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
当たり関連コマンド処理(S6409)が実行されると、まず、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6701)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6701:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6702)、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理については、図161(a)を参照して詳細な説明を後述する。一方、S6701の処理において、表示用オープニングコマンドが無いと判別した場合は(S6701:No)、次に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S6703)。
S6703の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別した場合は(S6703:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行し(S6704)、本処理を終了する。このラウンド数コマンド処理(S6704)については、図161(b)を参照して詳細な説明を後述する。そして、S6703の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別した場合は(S6703:No)、表示用エンディングコマンドがあるかを判別し(S6705)、表示用エンディングコマンドがある場合は(S6705:Yes)、エンディングコマンド処理を実行し(S6706)、本処理を終了する。このエンディングコマンド処理については、図162を参照して詳細な説明を後述する。S6705の処理において、表示用エンディングコマンドが無いと判別した場合は(S6705:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図161(a)を参照して、図160の当たり関連コマンド処理において実行されるオープニングコマンド処理(S6702)について説明をする。図161(a)は、オープニングコマンド処理の内容を示したフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのオープニング演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、S6801の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、オープニングコマンド処理を終了し、本処理を終了する。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6804の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S8702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(例えば、15ラウンド分、10ラウンド分、5ラウンド分、2ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本制御例では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分、または2ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本制御例では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
次に、図161(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6704)について説明をする。図161(b)はラウンド数コマンド処理の内容を示したフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数ド処理では、まず、ラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのラウンド数演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。そして、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、本処理を終了する。
次に、図162を参照して、エンディングコマンド処理(S6706)について説明をする、図162はエンディングコマンド処理(S6706)の内容を示したフローチャートである。このエンディングコマンド処理(S6706)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理(S6706)では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのエンディング演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S7001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7002)。そして、S7001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7003)、ポインタ233fを0に初期化する(S7004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S7005)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このエンディングコマンド処理を実行することにより、特別図柄の大当たりが終了する際にエンディング演出を第3図柄表示装置81に対して表示させることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して認識させることができる。
ここで、図158の説明に戻る。S6408の処理において、表示用当たり関連コマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、背面画像変更コマンドがあれば(S6410:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図163を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図163は、背面画像変更コマンド処理(S6411)を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理(S6411)は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理(S6411)では、まず、背面画像変更フラグをオンに設定する(S7101)。これにより、通常画像転送設定処理(図171のS7603参照)において背面画像の変更を判別することができる。そして、背面画像種別(背面A〜C、および時間演出に対応する特殊背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S7102)、背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理(図171のS7603参照)では、S7101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B、または背面Cである場合は、それらの背面画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。なお、変更後の背面画像種別が背面Aの場合は、全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されているので、画像の転送は行わない。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜C、および時間演出に対応する特殊背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7102の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納される場合はない。しかし、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7102の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値へ直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定することが好ましい。
ここで、図158の説明に戻る。S6410の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、エラーコマンドがあれば(S6412:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図163(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図163(b)は、エラーコマンド処理(S6413)を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理(S6413)は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(S6413)では、まず、エラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラをオフに設定して(S7202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7202の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
図158の説明に戻る。S6412の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、継続値関連コマンドがあるかを判別し(S6414)、継続値関連コマンドがあると判別した場合は(S6414:Yes)、継続値関連コマンド処理(S6415)を実行し、S6401その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6420)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図164を参照して、継続値関連コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図164は、継続値関連コマンド処理(S6415)を示すフローチャートである。この継続値関連コマンド処理(S6415)は、音声ランプ制御装置113より受信した継続値関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
継続値関連コマンド処理(S6415)では、まず、受信したコマンドに対応した継続値表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定し(S7301)、合算値格納エリア233kに格納されている合算値(前回のコマンド受信時に設定した合算値)を読み出し(S7302)、今回受信したコマンドが示す合算値との差分を算出する(S7303)。
そして、S7303の処理において算出された差分に対応した攻撃パターンを示す表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7304)、今回受信したコマンドの値を合算値格納エリア233kに格納する(S7305)。なお、合算値格納エリア233kは、継続演出が実行されている期間中に受信したコマンドが示す合算値を、そのコマンドを受信した順番に記憶可能に構成されている。さらに、S7303の処理において算出された差分の値も記憶可能に構成されている。
これにより、例えば、受信した合算値の値が連続して所定条件を満たしている場合(例えば、連続して合算値のいずれかに7が付されている場合)や、S7303の処理において算出された差分の値が連続して所定数(例えば、300以上)である場合に、特別な攻撃パターン表示データテーブルを設定することができる。
S7305の処理を終えると、次に、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7306)。そして、S7301,S7304の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7307)、ポインタ233fを0に初期化する(S7308)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S7309)、継続値関連コマンド処理を終了し、本処理を終了する。
上述したように、本制御例では、音声ランプ制御装置113からは継続値(HP値)の合算値を示すコマンドが出力されるだけであり、前回の継続値関連コマンド処理において設定された合算値、および、その差分の値を、表示制御装置114側で判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81に表示する表示態様(演出態様)を表示制御装置114にて実行するように実行している。このように構成することで、継続演出(バトル演出)において、継続値(HP値)の表示の多様化を図りながら、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113が合算値を設定する手段を有し、表示制御装置114が前回設定された合算値と今回設定された合算値との差分を算出する差分算出手段と、その差分算出手段により算出された差分に対応する表示態様(攻撃パターン、減算数表示)を設定する手段を有する構成としているが、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる構成であればよく、例えば、音声ランプ制御装置113が、継続値(HP値)を可変させるため第1継続値(継続値主選択テーブル222fを用いて選択される継続値)を設定する手段を有し、それ以外の手段を全て(継続値(HP値)を可変させるための第2継続値(継続値副選択テーブル222gを用いて選択される継続値)を設定する手段、前回設定された合算値と今回設定された合算値との差分を算出する差分算出手段と、その差分算出手段により算出された差分に対応する表示態様(攻撃パターン、減算数表示)を設定する手段)表示制御装置114が有する構成としても良いし、上述した各手段のうち、攻撃パターンのみ音声ランプ制御装置113にて設定するように構成しても良い。
図158の説明に戻る。S6414の処理において、継続値関連コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、期待度演出関連コマンドがあるかを判別し(S6416)、期待度演出関連コマンドがあると判別した場合は(S6416:Yes)、期待度演出関連コマンド処理(S6417)を実行し、S6401の処理へ戻る。
ここで、図165を参照して、期待度演出関連コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図165は、期待度演出関連コマンド処理(S6417)を示すフローチャートである。この期待度演出関連コマンド処理(S6417)は、音声ランプ制御装置113より受信した期待度えんしゅつ関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
期待度演出関連コマンド処理(S6417)では、まず、受信した期待度演出関連コマンドが示す演出に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S7401)。次いで、S7401で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S7402)。
S7402の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7403)、ポインタ233fを0に初期化し(S7404)、コマンド判定処理に戻る。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて設定実行される期待度演出設定処理(図151のS3803参照)において、期待度演出の開始時点における表示態様(図102(a)参照)と、演出結果(最終表示態様)である表示態様(図103(a)参照)と、を示すための表示用期待度演出コマンドと、期待度演出において報知対象となる期待度表示態様を報知するための表示態様(図103(b)参照)を示すための表示用期待度対象態様報知コマンドと、が表示タイミングを示す情報を含めて設定される。
そして、期待度演出関連コマンド処理(図165のS6417)では、受信した各コマンドに対応する表示態様が各コマンドに含まれる表示タイミング情報に対応した表示タイミングで表示されるように表示設定される。具体的には、期待度演出が開始されるタイミングに対応して、期待度演出の開始時点における表示態様(図102(a)参照)が表示され、その後、期待度上昇演出に対応する表示態様(図102(b)参照)が表示される。その後、今回の期待度上昇演出を示すコマンドに、報知対象となる期待度表示態様を報知するための情報が含まれている場合は、その表示態様をコマンドに含まれる表示タイミング情報に対応した表示タイミングで表示する。その後、演出結果(最終表示態様)である表示態様(図103(a)参照)を表示する。
なお、複数表示される期待度表示態様のうち、期待度上昇演出の対象となる期待度表示態様が何れであるかを遊技者が選択可能に構成している場合は、その選択結果(正解または不正解)を示すためのコマンドが音声ランプ制御装置113から出力され、受信したコマンドの内容に基づいて、最終表示態様の表示の有無を決定する。つまり、遊技者の選択結果が正しい場合は、表示用期待度演出コマンドに含まれる各情報(表示態様を示すための情報、表示タイミングを示すための情報)を期待度演出関連コマンド処理(S6417)にて設定した通り実行し、遊技者の選択結果が正しくない場合は、表示用期待度演出コマンドに含まれる各情報(表示態様を示すための情報、表示タイミングを示すための情報)のうち、最終表示態様の表示に関する設定情報をクリアし、最終表示態様が表示されないように表示処理を実行する。
図158に戻り説明を続ける。S6416の処理において、期待度演出関連コマンドが無いと判別した場合は(S6416:No)、次に、カウントダウン演出関連のコマンドがあるかを判別する(S6417)。S6417の処理において、カウントダウン演出関連のコマンドがあると判別した場合は(S6417:Yes)、カウントダウン演出関連コマンド処理を実行し(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図166を参照して、カウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)について説明をする。図166は、カウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)の内容を示したフローチャートである。このカウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)は、音声ランプ制御装置113より受信したカウントダウン演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
カウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)では、まず、表示用追加前兆コマンドがあるかを判別し(S7501)、表示用追加前兆コマンドがあると判別した場合は(S7501:Yes)、即ち、前回の変動表示から継続した前兆演出を実行する場合は、その表示用追加前兆コマンドが示す演出に対応する追加前兆データテーブルを表示データテーブルバッファに設定し(S7502)、S7502で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S7503)。
S7503の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7504)、ポインタ233fを0に初期化し(S7509)、コマンド判定処理に戻る。
一方、S7501の処理において、表示用使い前兆コマンドが無いと判別した場合は(S7501:No)、受信した表示用カウントダウン演出コマンドに対応したカウントダウン演出データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7506)、S7506で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S7507)。
S7507の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7508)、ポインタ233fを0に初期化し(S7509)、コマンド判定処理に戻る。
図158に戻り説明を続ける。S6418の処理において、カウントダウン演出関連コマンドが無いと判別した場合は(S6418:No)、その他の表示用コマンドがあるかを判別し、その他の表示用コマンドがあると判別した場合は、各コマンドに対応する処理を実行する(S6420)。ここで、その他の表示用コマンドとしては、例えば、保留球数の増減を示す表示用保留球数コマンドや、複数の変動を跨いで特定の変動を対象とした演出(所謂、連続予告)を示す表示用連続予告コマンドや、音声ランプ制御装置113が有する時間計測手段(所謂、リアルタイムクロック)による計測結果に基づく時間演出を示す表示用時間演出コマンドがある。
表示用保留球数コマンドを受信した場合には、新規保留球数フラグをオンに設定する。そして、受信した表示用保留球数コマンドから保留球数を抽出し、抽出した保留球数に基づいて保留球数カウンタを更新することで、第3図柄表示装置81に表示される保留球数を更新表示する。また、表示用連続予告コマンドを受信した場合は、新規連続予告コマンドフラグをオンに設定する。そして、表示用連続予告コマンドから魚群背面と泡背面との配分を抽出する。次いで、抽出した配分に基づいて、連続予告情報格納エリアを更新し、更新内容に対応した連続予告を表示する。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6420の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図157(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図159(a)参照)、および停止種別コマンド処理(図159(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図159(a)参照)では、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図167〜図169を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図167は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図167に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7601)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7601:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S7602およびS7603の処理をスキップし、S7604の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7601:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7602)、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別し(S7603)、エラー発生フラグがオンであれば(S7603:Yes)、エラー判別フラグに基づき警告画像設定処理を実行する(S7604)。
ここで、図168を参照して警告画像設定処理について説明をする。図168は警告画像設定処理の内容を示したフローチャートである。警告画像設定処理が実行されると、エラー判別フラグに基づいて警告画像データを展開し(S7701)、エラー発生フラグをオフに設定し(S7702)、表示設定処理へ戻る。一方、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7603:No)、S7604の処理をスキップし、S7605の処理へ移行する。
図167のS7605では、ポインタ更新処理を実行する(S7605)。ここで、図169を参照して、ポインタ更新処理(S7605)の詳細について説明する。図169は、ポインタ更新処理(S7605)を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7801)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7801の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7802)。その結果、End情報であれば(S7782:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7803)、デモ用表示データテーブルであれば(S7803:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7804)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7805)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7803の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7803:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7806)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7802の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7802:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図167に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S7606)。ここでは、先に展開された警告画像などと共に、S7606の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7607)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7608)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7608:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7608:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7609)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7609:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、第3図柄の確定表示を設定するため、S7610〜S7615の処理を実行する。S7610の処理では、確定表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7610)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7611)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7612)。
S7612の処理が終了すると、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7613)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7614)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7615)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7615の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7615の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7609の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7609:Yes)、デモ演出の表示態様を設定するため、S7616〜S7621の処理を実行する。S7616の処理では、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7616)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7616:No)、デモ用表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7617)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7618)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7619)。
S7619の処理が終了すると、ポインタ233fを0に初期化し(S7620)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7621)、本処理を終了してV割込処理に戻る。
これにより、第3図柄の確定表示を開始してから所定時間(例えば、15秒間)が経過しても、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、表示用オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
次いで、図170、および図171を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図170(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7901)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば(S7901:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7902)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図170(b)を参照して後述する。
一方、S7901の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7901:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7903)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図171を参照して後述する。
次いで、図170(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7902)について説明する。図170(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7902)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S8001)、転送指示を送信していれば(S8001:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S8002)。このS8002の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S8002の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S8002:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S8002:Yes)、S8003の処理へ移行する。また、S8001の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S8001:No)、S8003の処理へ移行する。
S8003の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S8003)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S8003:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S8004)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
一方、S8003の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S8003:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S8005)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図157(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図157(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図157(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図158〜図166参照)、および表示設定処理(図167〜図169参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図171参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図170(a)のS7901:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図171を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7903)について説明する。図171は、この通常画像転送設定処理(S7903)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7605)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S8101)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S8102)、転送データ情報であれば(S8102:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S8103)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S8104)、S8105の処理へ移行する。
また、S8102の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S8102:No)、S8103、およびS8104の処理をスキップして、S8105の処理へ移行する。S8105の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S8105)、転送指示を設定していれば(S8105:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S8106)。
このS8106の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S8106の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S8106:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S8106:Yes)、S8107の処理へ移行する。また、S8105の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S8105:No)、S8107の処理へ移行する。
S8107の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S8107)、転送開始フラグがオンであれば(S8107:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S8108)、S8103の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S8113の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S8107:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S8109)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S8109:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S8109:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S8110)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233x対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S8111)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S8112)、S8113の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S8111の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S8113の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S8113)。このS8113の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S8113の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S8113:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S8113の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S8113:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S8114)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S8114の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S8115)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、大当たり演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図172を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図172は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、および転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、図125に示す描画リストを生成する(S8201)。即ち、S8201の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、または通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S8202)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S8202の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S8203)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図157(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をしたように、本第1制御例では、特別図柄の抽選結果を遊技者に示すための第3図柄変動表示において、特定演出(例えば、枠ボタン22を操作させるための「PUSH表示」)が発生するタイミングを報知するための示唆演出として、特定演出が設定されるタイミングに基づいて設定されるカウントダウン演出と、その示唆演出が開始されてから、カウントダウン演出が開始されるまでの期間に設定される前兆演出と、を実行するように構成している。
よって、特定演出が発生するタイミングを報知するための示唆演出を予め定められた期間実行する場合に比べて、示唆演出を実行する期間(前兆演出を実行する期間)を自由に設定することができる。
本第1制御例では、示唆演出を開始するタイミングと、示唆演出の対象となる特定演出とを、複数の中から選択可能に構成している。このように構成することで、様々な組み合わせにより、示唆演出が実行される期間を多彩に設定することができる。
さらに、示唆演出を開始するタイミングと、特定演出が実行されるタイミングとの間隔が所定期間(例えば、15秒)あるかを判別し、その判別結果に基づいて、前兆演出やカウントダウン演出の態様が可変するように構成している。これにより、実行される演出内容に基づいて遊技者が今後実行される演出を予測しながら遊技を行うことができる。
加えて、対応する特別図柄の抽選結果に基づいても、前兆演出やカウントダウン演出の態様が可変するように構成している。具体的には、特別図柄の抽選結果が当たりの場合には、カウントダウン演出が実行される期間として長い期間(例えば、7秒)が設定され易くなるように構成している。これにより、カウントダウン演出の態様により今回の変動表示が当たりに当選した特別図柄に対応するものであることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される演出の態様として、本第1制御例の態様以外を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が当たりの場合に、示唆演出期間が長くなる態様が設定されるようにしても良い。この場合、示唆演出が実行される期間(示唆演出期間)に応じて演出態様の一部が可変するように構成し、遊技者に対して示唆演出期間が長さと、特別図柄の抽選結果とが対応していることを分かり易く報知すれば良く、例えば、示唆演出中に表示されるキャラクタ等の表示態様の色が、経過期間の長さに応じて可変(青→黄→赤→虹色)するように構成したり、示唆演出中に表示される段階指標(例えば、期待度)を経過期間の長さに応じて可変するように構成したりしてもよい。
また、複数の特定演出のそれぞれを大当たり期待度が異なるように設定し、対象とする特定演出によって大当たり期待度を異ならせても良い。この場合、可変表示期間中の複数の地点に、特定演出を実行可能な箇所を設けておき、その複数の地点のうち、示唆演出の対象となる地点において実行される特定演出を特別図柄の抽選結果に基づいて設定するように構成しても良い。これにより、カウントダウン演出が開始され、遊技者に対してどのタイミング(可変表示期間中の地点)で実行される特定演出を対象にカウントダウン演出が実行されているかを把握された後にも、特定演出としてどの演出が実行されるかを分かり難くすることができ、最後まで示唆演出を楽しませることができる。
なお、本第1制御例では、示唆演出のうち前兆演出として実行される演出を、前兆演出の期間を示すための演出態様(カウントダウン演出の実行タイミングを示唆する演出態様)を用いているが、このように、遊技者に対して演出期間を示すための演出以外にも、例えば、今回の示唆演出の対象となる特定演出の内容を遊技者に示唆するための演出態様や、今回の変動表示において、カウントダウン演出が実行されることを遊技者に報知するための演出態様(報知態様)を設定するように構成してもよい。
また、本第1制御例では、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)と、示唆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の終了タイミング)とが別々に設定されるように構成しているため、複数の変動表示を跨ぐように示唆演出を実行することができる。これにより、変動表示の初期(例えば、変動開始から5秒)の地点に設定される特定演出に対しても、その1つ前の変動表示中に示唆演出の開始タイミングを設定することができる。これにより、示唆演出を設定する際の自由度を大きくすることができる。
上述した技術を用いる場合においては、既に保留記憶されている複数の入賞情報の内容に基づいて、複数の変動表示を跨ぐように示唆演出を設定しても良いし、特別図柄の変動表示が実行されている間に入賞した球(次変動となる入賞球)を判別する手段を設け、その判別手段により、残変動期間が所定期間以上ある場合に、複数の変動表示を跨ぐように示唆演出を設定してもよい。後者の場合は、保留記憶が貯めにくい場合(特別図柄の変動時間が短い場合や、第1入球口64、第2入球口140に球が入球し難い場合)であり、特別図柄が変動中に、1つ目の保留記憶(次変動に用いられる保留記憶)が発生する場合においても、複数の変動表示を跨ぐ示唆演出を実行することができる。これにより、示唆演出を実行する機会を増やすことができ、演出効果を高めることができる。
特別図柄の変動時間は、一般的に大当たりに当選した場合に長い変動時間が選択されやすく構成されおり、これに対応するように示唆演出が実行される示唆演出期間が長いほど、大当たり期待度が高くなるように構成されている。このように構成されている従来型パチンコ機10では、示唆演出が開始されるタイミングによって、今回の変動表示に対する大当たり期待度を予測されてしまうという問題があった。これに対し、本第1制御例では、示唆演出が開始されるタイミングと、示唆演出が終了するタイミングとをそれぞれ複数地点設けており、示唆演出が開始されるタイミングから示唆演出期間が予測できないように構成している。また、示唆演出期間が同一であったとしても、前兆演出が実行される期間と、カウントダウン演出が実行される期間とを可変可能に構成している。さらに、示唆演出の対象となる特定演出として、大当たり期待度の異なる特定演出のうち何れかの特定演出を選択可能に構成している。
このように構成された本第1制御例では、示唆演出が開始された後であっても、今回の示唆演出期間や、対象となる特定演出、さらには、前兆演出の期間やカウントダウン演出の期間を早期に予測されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
本第1制御例では、カウントダウン演出中に実行される演出態様として、数字が規則的(例えば、1秒毎)に減少されるカウントダウン表示を用いているが、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に正確に報知可能な構成であればよく、例えば、複数個に区画された領域が規則的(例えば、1秒毎)に埋まっていき所定期間経過後に特定演出が実行されるように構成してもよい。この場合は、区画された領域の数がカウントダウン演出の期間を示すための表示態様となる。また、これ以外の構成であってもよい。
本第1制御例では、カウントダウン演出中に表示される表示データとして、所定秒数(例えば、10秒)分の表示データを表示制御装置114のキャラクタROM234の記憶領域に格納しておき、今回実行される示唆演出に設定されるカウントダウン演出の期間を示す期間情報に基づいて、対応する分の表示データを表示するように構成している。このように表示データを有することで、記憶容量を軽減することができる。
なお、本第1制御例では、示唆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の終了タイミング)を、対象の変動演出に設定される特定演出の開始タイミングに基づいて設定するように構成しているが、カウントダウン演出の終了タイミングが特定演出の開始タイミングと合致すればよく、例えば、特定演出が一定期間(例えば、10秒)実行されるものである場合では、特定演出の終了タイミングに基づいて設定するように構成してもよい。
上述したように、本第1制御例では、示唆演出として実行されるカウントダウン演出の終了タイミングが特定演出の開始タイミングと合致するように、特定演出の実行タイミングに基づいてカウントダウン演出の終了タイミングを設定し、その設定された終了タイミングからカウントダウン演出を実行する期間(時間)を逆算してカウントダウン演出期間を設定している。これにより、所定期間のカウントダウン演出を特定演出の実行タイミングに対応させて容易に設定することができる。
上述した本第1制御例では、示唆演出を実行する期間として、前兆演出が実行される前兆演出期間とカウントダウン演出が実行されるカウントダウン演出期間とを、示唆演出が実行される前に、予め設定しているが、それ以外の方法を用いても良く、例えば、示唆演出が開始するタイミング(前兆演出が開始されるタイミング)と、示唆演出が終了するタイミング(カウントダウン演出が終了するタイミング、即ち、特定演出が開始されるタイミング)のみ予め設定しておき、前兆演出からカウントダウン演出へと切り替わるタイミングを、示唆演出が実行されてから設定する構成を用いても良い。
この場合、例えば、前兆演出中に枠ボタン22に対して所定の操作が実行されたことに基づいて前兆演出からカウントダウン演出に切り替わるように表示制御を実行するとよい。これにより、いち早くカウントダウン演出を実行させようと、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。また、特別図柄の抽選結果に基づいて、カウントダウン演出を実行可能な期間を予め定めておき、前兆演出中に枠ボタン22に対して所定の操作が実行されたタイミングが、カウントダウン演出を実行可能なタイミングである場合にのみ前兆演出をカウントダウン演出に切り替えるように構成し、前兆演出中に枠ボタン22を操作させる操作演出が様々なタイミングで実行されるように構成すると良い。このように構成することで、前兆演出中に実行される操作演出に対して遊技者を意欲的に参加させることができ、演出効果を高めることができる。
また、前兆演出中に特定演出を対象としない疑似的なカウントダウン演出(疑似カウントダウン演出)を実行するように構成しても良い。この疑似カウントダウン演出を実行することで、遊技者に対して前兆演出が終了したと思わせることができ、演出の今後の展開を予測し難くすることができる。このように疑似カウントダウン演出は、大当たりに当選している場合に実行し易く構成することで、実行されたカウントダウン演出が疑似的なものであることを期待させながら遊技を行わせることができるため、カウントダウン演出(疑似カウントダウン演出)が終了するまでの間、継続して実行されている演出に注視させることができる。
上述した第1制御例では、示唆演出として実行される前兆演出期間の長さを判別し、その判別結果に基づいて前兆演出期間の演出態様を設定するように構成しているが、前兆期間が実行される長さを判別しない構成を用いても良く、例えば、示唆演出が実行されるタイミングに基づいて、前兆演出の演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、前兆演出期間の長さを判別していないため、前兆演出として実行される演出態様として、どのタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えることの無い演出態様を用いると良く、例えば、道路を車が一定速度で走り続ける演出といった一定の規則で実行される動的表示態様を用いると良い。
このような演出態様を用いることで、前兆演出期間の長さを判別せずに前兆演出を実行したとしても、遊技者に違和感を与えることなくスムーズにカウントダウン演出に切り替えることができる。なお、このような演出態様を用いた場合であっても、上述したように前兆演出の経過期間に応じて演出態様の一部(上述した例では、車)の表示態様(例えば、色)が可変するように構成しても当然良い。
また、前兆演出が実行される前兆演出期間の長さの全てを予め判別するのでは無く、一部の期間の長さのみ判別するように構成しても良い。例えば、前半部分の第1前兆演出期間と、後半部分の第2前兆演出期間とに分け、第2前兆演出期間のみ、その期間の長さを予め判別するように構成しても良い。このように構成することで、前兆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の開始タイミング)から遡及する所定期間(第2前兆演出期間)の間のみ特定の前兆演出を実行することが可能となり、より円滑に前兆演出からカウントダウン演出へと演出を切り替えることができる。
以上、説明をしたように、上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(低確率、電サポなし)よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態(高確率、電サポあり)、時短状態(低確率、電サポあり))が設定されていることを示すための演出(バトル演出)が実行される構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が継続していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、上述したバトル演出を、遊技者に有利な遊技状態が終了するか否かを示唆する演出(バトルリーチ)と、そのバトルリーチの演出態様を決定するための演出(バトル前演出)とから構成している。このように構成することで、実際に遊技者に有利な遊技状態が終了する場合(例えば、特別図柄の抽選によって、遊技状態が通常状態へ移行することが決定された場合)以外の期間においてバトル演出を継続して実行させることができるため、遊技者に有利な遊技状態が継続していることに対する期待感や、遊技者に有利な遊技状態が終了したのではと思わせる不安感を遊技者に抱かせながら継続して遊技を行わせることができる。
さらに、上述したバトル演出中には、遊技者に有利な遊技状態(有利状態)が継続して設定されるか否かを示唆するための継続値(HP値)が増減する演出が実行される。この継続値(HP値)は、現在設定されている遊技状態、特別図柄の抽選結果、又は有利状態が設定される残期間等に基づいてその値が増減するように構成されている。
ここで、上述した継続値(HP値)の増減パターンを増やし、バリエーションに富んだ演出を実行するようにした場合、現在設定されている遊技状態、特別図柄の抽選結果、又は有利状態が設定される残期間と、表示される継続値(HP値)とを対応付けた複雑な管理をする必要があった。このような管理はパチンコ機10の処理負荷を増加させるものであり、処理負荷を軽減させながら演出のバリエーションを増加させることが求められている。
そこで、第1制御例では、上述した期待値(HP値)を、現在設定されている遊技状態、特別図柄の抽選結果、又は有利状態が設定される残期間等に基づて設定される値(主継続値(例えば、100の位の値))と、演出バリエーションを増加させることを目的として設定される値(副継続値(例えば、10の位の値)と、を合算したものを、継続値(HP値)として表示するように構成した。
このように、実際に管理して設定される値と、演出的に設定される値とを合算させることにより、第3図柄表示装置81に表示される演出の表示パターンを増加させることができる。
また、上述した第1制御例では、継続値の差分量に対応した表示態様(攻撃パターン)が表示されるように構成されている。この表示態様を表示することにより、遊技者に対して、継続値の増減具合を視覚的に報知することができるため、分かり易い演出を実行することができる。
第1制御例では、継続値の差分量に対応した表示態様(攻撃パターン)として、少ない差分量(例えば、50〜150の範囲)に対応した表示態様として「弱攻撃」と、大きい差分量(例えば、350〜550の範囲)に対応した表示態様として「強攻撃」と、その間の差分量(例えば、151〜349の範囲)に対応した表示態様として「中攻撃」と、を有しており、設定された表示態様(攻撃パターン)が実行されると、表示態様毎に異なる演出が実行され、その後、継続値が更新される。
つまり、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を把握することで、継続値(HP)の減少量(差分値)を大凡把握し、その後、更新された継続値によって具体的な数値を把握することになる。このような順序で表示することで、遊技者に対して遊技に関する情報を段階的に報知することが可能となり演出効果を高めることができる。
また、上述した第1制御例では、演出の制御負荷を軽減させるために、上述した表示態様(攻撃パターン)を設定する場合に、合算された継続値(HP)の差分値では無く、主継続値の差分値に基づいて表示態様(攻撃パターン)を設定するように構成している。このように構成することで、表示態様(攻撃パターン)を設定する際に用いられる継続値(更新前の継続値、更新後の継続値)或いは、差分値のパターンを減らすことができる。
なお、上述したように、継続値(HP値)の差分値に基づく表示態様(攻撃パターン)を、主継続値の差分値に基づいて設定する場合には、表示上の継続値(第3図柄表示装置81に表示される主継続値と副継続値とを合算した継続値)の差分値と、主継続値の差分値とが合致せず、見た目上の差分値の範囲とは異なる表示態様(攻撃パターン)が設定されてしまう事態が発生する問題があった。
上述した問題を解決するために、本第1制御例では、継続値(HP)の値を継続して複数回更新する場合において、表示上の継続値(HP)の差分値と、主継続値の差分値とが、設定される表示態様(攻撃パターン)が同一となるように構成している。このように構成することで、上述した問題を解決することができる。
さらに、第1制御例では、設定されている主継続値の値を判別する主継続値判別手段を設け、主継続値判別手段の判別結果に基づいて、演出用に設定される副継続値を選択するための選択テーブルを異ならせるように構成している。具体的には、主継続値の値が所定値(例えば、200)以上の場合は、副継続値として選択可能な範囲として「−20〜+20」が規定されている選択テーブルが参照され、所定値(例えば、200)未満の場合は、副継続値として選択可能な範囲として「−30〜0」が規定されている選択テーブルが参照される。
このように構成することで、主継続値が0となる場合において、副継続値としてプラスの値が選択されることを抑制することができる。
第1制御例では、上述したように、遊技者に有利な遊技状態が設定されている期間(有利期間)を示すための演出として第1演出(バトル前演出)と、第2演出(バトルリーチ)とから構成される単位演出(バトル演出)を実行するように構成している。第1演出では第2演出の演出態様を示唆するための演出が実行され、第2演出では有利期間が終了するか否かを遊技者に報知するための演出が実行される。
さらに、第1制御例では、有利期間が設定されている間に上述した単位演出が繰り返し実行されるように構成している。このように構成することで、有利期間中に第2演出を複数回実行することが可能となるため、遊技者に対して緊張感を持たせたまま有利期間中の遊技を行わせることができる。
また、有利期間が設定されている間に複数回の単位演出を実行可能とすることで、1つの単位演出が長期間継続してしまう事態が発生することを抑制することができる。これにより演出内容が間延びしてしまうことを抑制することができる。
なお、本第1制御例では、1つの単位演出が終了する条件(第2演出を実行させる条件)として、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(有利期間が終了してしまうことの契機となる抽選結果)である場合や、有利期間の残期間が0となる場合に加え、特別図柄の変動回数が所定回数以上となった場合を用いている。これにより、有利期間が終了する場合以外であっても第2演出が実行されるように構成しているが、それ以外の条件が成立した場合に第2演出が実行されるように構成してもよい。
加えて、有利期間が終了するか否かを報知するための第2演出が短期間の間に複数回実行されてしまうと、遊技者が第2演出に早期に飽きてしまうため、第1制御例では、演出を目的として実行される第2演出(疑似第2演出)が所定期間内に複数回実行されることを抑制している。具体的には、単位演出が実行されてからの特別図柄の変動回数をカウントし、そのカウンタ値が所定回数未満の場合には疑似第2演出を実行しないように構成している。これにより、遊技者が第2演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
上述した第1制御例では、変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度を段階的に示唆するための期待度演出態様を複数設け、期待度演出態様として表示されている何れかの演出態様を、その演出態様よりも大当たりである期待度を高く設定した演出態様へと可変させる期待度可変(上昇)演出が実行されるように構成している。
そして、上述した複数の期待度演出態様のうち少なくとも1つは表示されるタイミングが異なるように構成され、期待度可変(上昇)演出は、どの期待度演出態様の期待度が可変されるのかを遊技者が把握困難な表示態様で実行される。
このように構成された第1制御例では、期待度可変(上昇)演出が実行されることで、何れかの期待度演出態様の演出態様が可変(上昇)することが報知される。この状態において、遊技者は所望の期待度演出態様(例えば、既に大当たりである期待度が高く設定されている期待度演出態様)が更に可変(上昇)することを期待しながら演出を注視させることができる。
なお、第1制御例では、期待度可変(上昇)演出が実行されるタイミングを異ならせることで、対象となる期待度演出態様を可変させるように構成している。具体的には、期待度可変(上昇)演出が実行されるよりも後に表示される期待度演出態様が対象となるように構成している。これにより、期待度可変(上昇)演出が実行されるタイミングを遊技者に注視させることができる。
また、第1制御例では、期待度可変(上昇)演出が複数の期待度演出態様の演出態様を可変させることが可能となるように構成し、各期待度演出態様に対して可変させる可変量(段階)を合算した値を示すための可変量を表示するように構成している。これにより、期待度可変(上昇)演出が実行され、いずれかの期待度演出態様が可変することを把握した後に、今回の演出で期待度演出態様が可変する量を遊技者に把握させることができる。
さらに、期待度可変(上昇)演出が実行されてから、今回の演出において期待度を上昇させる対象を遊技者に報知する報知態様が表示されるので、遊技者に対象となる期待度演出態様を容易に把握させることができる。
上述した第1制御例では、大当たり期待度を段階的に表示可能な演出態様を有する期待度演出態様を複数設け、それぞれの期待度演出態様が異なる段階を表示可能となるように構成し、表示されている各期待度演出態様の表示内容を複合して把握することで今回の変動が大当たりに当選しているか否かを予測させるように構成している。
このように構成することで、大当たり期待度を示唆する態様を複雑にすることができ、遊技者に予測させる楽しみを提供することができるのだが、一方で、各期待度演出態様の表示内容を制御するための処理負荷が増加してしまうという問題があった。さらに、期待度を上昇させる演出態様が偏ってしまった場合、具体的には、複数の期待度演出態様のうち、1の期待度演出態様のみが大当たり期待度が高いことを示す演出態様に可変され、残りの期待度演出態様が、大当たり期待度が低いことを示す演出態様のままである場合に、大当たり当選に対して遊技者に過度な期待を持たせてしまい、演出内容に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、第1制御例では、複数の期待度演出態様において、期待度可変(上昇)演出により可変される前の期待度演出態様を複数のパターンで設定するように構成し、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される期待度に応じて、パターンで設定された期待度演出態様の期待度を可変(上昇)させるように構成している。このように構成することで、上述した複数の問題を解決することができる。
<第1制御例の演出追加例>
次に、図173から図181を参照して、第1制御例の演出追加例について説明する。本追加例では、上述した第1制御例に、枠ボタン22に対する操作内容に基づいて進行する演出(称号付与演出)を追加している。この称号付与演出は、枠ボタン操作を必要とする操作演出の発生回数と、その操作演出に対する枠ボタン22の操作回数(有効操作回数)と、操作演出が実行されていない期間中に操作された枠ボタン22の操作回数(無効操作回数)と、に基づいて、遊技者に付与する特典(称号)を異ならせるように実行される。
このような演出を用いることで、遊技者が枠ボタン22を指示通りに操作するだけではなく、それ以外の操作(非操作含む)をする楽しみを提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本追加例では、遊技者に付与された特典(称号)に基づいて、枠ボタン22を操作させる操作演出(例えば、役物ユニット(変位部材)450を落下させる演出)の出現頻度を可変させるように構成している。これにより、枠ボタン22を意欲的に操作している遊技者に対しては、操作演出を頻繁に出現させ、枠ボタン22を操作したくない遊技者に対しては、操作演出の出現頻度を低くすることが可能となる。
また、操作演出の出現頻度を予め遊技者が選択する技術を用いる場合に比べ、遊技中に実行される操作演出の操作結果に基づいて操作演出の出現頻度を遊技者の好みに合わせることができるため、遊技者が行う操作を軽減させることができる。
ここで、図173及び図174を参照して、本追加例で実行される操作演出について説明する。図173(a)は、本追加例で実行される操作演出の1つである会話演出を示す模式図であり、図173(b)は、会話演出において、枠ボタン22を操作した場合の演出内容を示した模式図である。
図173(a)に示した通り、本追加例では第3図柄表示装置81の表示画面の上方一部分を覆うように役物ユニット(変位部材)450が設けられている(詳細は、図2参照)。そして副表示領域Dsに枠ボタン22の操作を促す「ボタンPUSHでお話しできるよ」の文字が表示される。ここで、枠ボタン22を操作すると、図173(b)に示した通り、役物ユニット450がコメントをしているかのように主表示領域Dmに「こんにちは」の文字が表示される。このように、本追加例では役物ユニット450と会話を行える会話演出が実行される。なお、役物ユニット450は図173(b)に示した位置(初期位置)以外の位置(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の中央部を覆うように下降した位置)へと移動可能に構成されているため、例えば、役物位置を判別する判別手段と、その判別手段により判別された役物位置に対応する表示領域にコメントを表示させるコメント表示位置設定手段とを設けても良い。これにより、役物位置に関わらず、常に役物ユニット450がコメントをしているかのように主表示領域Dmに「こんにちは」の文字を表示することができる。
また、役物位置を判別する判別手段としては、近接センサを用いて役物ユニット450の位置を直接検知する手段でも良いし、役物ユニット450を駆動させるための駆動モータや、駆動モータの駆動力を伝達する伝達手段(プーリー等)の駆動状況(例えば、ステップ数)を検知する検知手段を設け、その検知手段の検知結果に基づいて役物位置を判別する手段でも良いし、役物ユニット450が動作シナリオに基づいて駆動する場合においては、その動作シナリオの進行状況に基づいて役物位置を判別する手段を用いても良い。最後者の構成を用いる場合は、動作シナリオの内容に基づいて現在の役物位置に加え、今後の役物位置も把握することが可能となるため、役物位置に合わせたコメントの表示位置を予め設定することができる。さらに、役物ユニット450の動作シナリオにコメントの表示位置に関する情報を予め対応付けて記憶させるように構成しても良いし、上述した手段を複数組み合わせても良い。
主表示領域Dmの右下側には、現在のレベル(設定値)を示すためのレベル表示領域Dr1と、現在の称号を示すための称号表示領域Dr2が表示される。ここで、レベル(設定値)とは、遊技履歴(遊技期間、遊技結果、演出内容等)に基づいて加算(上昇)される値であって、本追加例では「3級」〜「仙人」までのレベルが段階的に設けられており(図176(c)参照)、図173(a)では最も低い段階である「3級」が表示されている。
称号とは、上述したレベル(設定値)と、枠ボタン22に対する操作内容とに基づいて設定される特典である。詳細な説明は後述するが、この称号には複数の系統が設定されており、遊技内容(枠ボタン22の操作内容)により1つの系統が設定される。そして、各系統には各レベルに対応した固有の特典(称号)が設定されており、図173(a)では「初心者」が表示されている。
図173(b)では、図173(a)の状態で枠ボタン22が操作されたことに基づいて、役物ユニット450からコメントが表示されるとともに、レベル表示領域Dr1に表示されるレベルが上昇し「2級」が表示され、称号表示領域Dr2には「半人前」が表示されている。なお、役物ユニット450のコメント内容は、レベルや称号に応じて可変設定され、レベルや称号が高位になるほど、遊技者に有利となる情報(例えば、変動中の当たり期待度や現在の遊技状態といった遊技に関する情報)が表示されやすくなるように設定されている。これにより、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、本追加例で実行される操作演出の1つである、役物駆動演出の内容について、図174(a)を参照して説明する。図174(a)は役物駆動演出の内容を模式的に示した模式図である。図174(a)に示した通り、役物駆動演出が実行されると、枠ボタン22の操作を促す演出として、主表示領域Dmに「ボタンを押して役物を落下させろ」という文字が表示されるとともに、枠ボタン22を模した画像が表示される。
また、副表示領域Dsの第1表示領域Ds1に、役物駆動演出の検出結果を示唆する「落下したらチャンス」の文字が表示される。この役物駆動演出が実行されている期間中(枠ボタン22の操作有効期間中)に、枠ボタン22を操作し、役物が主表示領域Dmを覆う位置まで落下した場合に、変動中の特別図柄が大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する。このように、枠ボタン22を操作する操作演出において、枠ボタン22を操作することで、大当たりに当選したことをいち早く察知することができるように構成することで、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
本追加例では、上述したように意欲的に枠ボタン22を操作する場合と、操作しない場合とで異なる特典(称号)が付与されるように構成しているため、操作演出が実行された場合に、意欲的に枠ボタン22を操作するか否かを遊技者に選択させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本追加例では上述したように設定された称号系統に応じて異なる特典(称号)が付与されるように構成しているため、1つの称号系統で継続して遊技を行ったとしても、全ての特典(称号)を得ることができないように構成している。これにより、遊技者に付与される特典(称号)を全て獲得することを困難にし、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、称号系統は、枠ボタンの操作内容によって設定されるため、枠ボタン22の操作内容を工夫しなければ、全ての特典(称号)を獲得することができないよう構成している。これにより、遊技者に付与される特典(称号)を全て獲得することを困難にし、且つ、枠ボタン22の操作内容に基づいて実行される様々な演出を遊技者に提供することができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、上述したように様々な特典(称号)を得るためには、異なる称号系統を設定する必要があるため、現在の称号系統を初期化(枠ボタン22の操作内容の履歴を初期化)することが可能に構成しているが、今まで継続して行ってきた遊技に基づく全ての履歴を初期化してしまうと、遊技者のモチベーションが低下してしまうという問題が発生する虞があった。
そこで、本追加例では、全ての履歴を初期化するか、異なる称号系統が設定可能な段階まで履歴を消去するかを遊技者が選択することができる変更操作を有している。図174(b)は、この変更操作中の表示画面を模式的に示した模式図である。
図174(b)に示した通り、主表示領域Dmには、全ての履歴を初期化する際に選択する選択部を示す全消去選択態様Dr3として「最初から」の文字と、一部の履歴を消去する際に選択する選択部を示す一部消去選択態様Dr4として「途中から」の文字が表示される。ここで、全消去選択態様Dr3を選択すると、レベル表示領域Dr1に表示されるレベル(設定値)と、称号表示領域Dr2に表示される称号と、が初期値に設定される。この全消去選択態様Dr3は主に、異なる遊技者の操作履歴を消去する際に選択される。
一方で、一部消去選択態様Dr4を選択すると、異なる称号系統を設定可能となる段階まで遡った表示が、レベル表示領域Dr1及び称号表示領域Dr2に表示される。詳細な説明は後述するが本制御例では、レベル(設定値)が低位のうちは、どの称号系統であっても同一の特典(称号)が付与されるように構成され、レベル(設定値)が高位になると、複数の称号系統のうち1の称号系統がさらに複数の称号系統に分岐するように構成されている。
これにより、一部消去選択態様Dr4を選択した場合に遡って表示される内容は、一部消去選択態様Dr4を選択した際のレベル(設定値)や称号によって異ならせることができる。なお、この一部消去選択態様Dr4を選択しなければ設定されることが無い称号系統を設けても良い。これにより、レベル(設定値)を加算(上昇)させるだけではなく、減算(下降)させることも必要となるため、よりバリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
以上説明をしたように、本第1制御例では、大当たり遊技中の演出として、大当たり遊技が所定期間の間に複数回実行される場合において、その複数回の大当たり遊技に跨がった大当たり演出(連続大当たり演出)が実行されるように構成し、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容によって、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技結果を遊技者に示唆するように構成したが、大当たり遊技以外の特別遊技状態を有する遊技機、例えば、大当たり遊技よりも遊技者に付与可能な特典が少なく設定されている小当たり遊技を有する遊技機であれば、所定期間の間に小当たり遊技或いは大当たり遊技(以下、当たり遊技と称す。)が複数回実行される場合において、その複数回の当たり遊技に跨がった当たり演出(連続当たり演出)が実行されるように構成しても良い。このように、上述した第1制御例において、大当たりに当選したことを対象に説明をした内容については、大当たり以外の遊技結果(例えば、小当たり)を対象に実行しても良く、大当たり以外の遊技結果としては、従来周知構成として存在する種々の遊技結果が含まれる。
また、本第1制御例では、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技結果として、所定期間内(保留記憶内)で再度大当たりに当選するか否かを遊技者に示唆する構成としているが、それ以外の遊技結果を当たり遊技中に実行される当たり演出によって遊技者に示唆しても良く、例えば、保留記憶内で大当たり(小当たり含む)に当選する数や、当選する大当たり(小当たり含む)の特典内容(ラウンド数)や、保留記憶内で当選する大当たり(小当たり含む)終了後の遊技状態(確変状態又は時短状態)や、複数の遊技結果(大当たり、小当たり)を対象とする場合であればその遊技結果の種別や、実行される順番を示唆するように構成しても良い。
さらに、第1制御例では、大当たり遊技が実行されるタイミングで記憶されている入球情報だけではなく、大当たり遊技中に新たに記憶された入球情報に基づいて大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。このように構成することで、より多くの入球情報を参照することができ、連続大当たり演出を実行させやすくすることができ、遊技者に対して大当たり演出に興味を持たせることができる。
加えて、本制御例では、大当たり連続演出として、大当たり遊技が実行される時点における入球情報の記憶数に基づいて、大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。具体的には、大当たり遊技が実行される時点における入球情報の記憶数に基づいて、所定期間内(保留記憶内)で再度大当たりに当選することを示唆(報知)するタイミングが異なるように複数の大当たり演出が実行されるように構成している。
そのうち、特別図柄の保留球数(入球情報数)が上限ではない場合に実行され得る特定大当たり演出(上乗せ用演出)では、大当たり遊技中に新たな入球情報を獲得し、その入球情報が大当たりに当選している場合に、大当たり演出の内容を遊技者に気付かれないように可変することができる。
上述した特定大当たり演出では、1回の大当たり中に実行される大当たり遊技(複数回のラウンド遊技(例えば、15ラウンド遊技))を、部分的に報知(例えば、5ラウンド分報知)するように大当たり演出が実行されるため、特定大当たり演出が実行されている間に、何ラウンドの大当たり遊技が何回実行されたのかを遊技者に分かり難く報知することができる。よって、大当たり遊技に設定されたラウンド数によって、大当たり後の遊技状態を遊技者に事前に把握されることを抑制することができる。
本制御例では上乗せ用演出による大当たり遊技の上乗せ表示(ラウンド数の上乗せ表示)を所定ラウンド毎(5ラウンド毎)に実行するように構成している。そして、所定ラウンドにおけるラウンド間インターバル期間の長さを、他のラウンド間インターバル期間の長さよりも長く設定している。これにより、所定ラウンド毎(5ラウンド毎)に大当たりが終了するか否かを煽る演出を実行することができる。また、大当たり終了後に実行される所定回数分(4回転分)の特別図柄の変動が短縮時間(0.5秒)で実行されるように構成しているため、所定ラウンド毎(5ラウンド毎)のインターバル期間と、大当たり間の特別図柄変動期間とを遊技者に識別し難くすることができる。
なお、大当たり終了後に実行される所定期間分の特別図柄の変動期間が大当たりの当選の有無に関わらず常に一定となるように構成すると良い。具体的には、大当たり終了後4回転分の特別図柄の変動パターンを選択する変動パターンテーブルを、抽選結果が外れの場合は全期間0.5秒変動に規定し、抽選結果が大当たりの場合は、1回転目は2秒変動、2回転目は1.5秒変動、3回転目は1秒変動、4回転目は0.5秒変動が選択されるように規定すると良い。これにより、大当たり終了後4回転分の特別図柄の抽選結果に関わらず、所定期間(特別図柄が4回変動するまでの期間、或いは、大当たりに当選するまでの期間)を固定(2秒)することができる。この場合、所定ラウンド毎(5ラウンド毎)のインターバル期間も上述した所定期間(2秒)と合致させるように構成することで、より所定ラウンド毎(5ラウンド毎)のインターバル期間と、大当たり間の特別図柄変動期間とを遊技者に識別し難くすることができる。
また、第1制御例は、大当たり中に実行される大当たり演出として、大当たり遊技中(ラウンド遊技実行中)には、所定期間内(保留記憶内)で再度大当たりに当選することを示唆しない通常大当たり演出を有している。この通常大当たり演出が実行された場合は、大当たり遊技中の最終期間(ラウンド遊技終了後のエンディング期間)にて表示される終了表示態様が大当たり終了後の所定期間(特別図柄4変動分、或いは、4秒間)継続して表示される。そして、大当たり終了後に継続して終了表示態様が表示されている期間内に再度大当たりに当選した場合は、終了表示態様を経由して再度大当たり演出が開始される連続当たり用演出が実行される。
このように構成することで、大当たり遊技終了後の所定期間(特別図柄4変動分、或いは、4秒間)中に実行される特別図柄変動に対応する入球情報を、大当たり遊技終了後に獲得し、その獲得した入球情報が大当たりに当選していた場合にも連続当たり用演出を実行することができる。つまり、大当たりが連続して実行されることを示す連続大当たり演出の実行条件として、大当たり終了後に獲得した入球情報を含めることができるため、連続大当たり演出が実行される割合を増加させることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本第1制御例では、保留記憶内に大当たりに当選する入球情報があるか否かに基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しているが、それ以外に、保留記憶内に大当たりに当選する入球情報がある場合において、その大当たりが遊技者に有利な大当たりであるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良いし、保留記憶内の大当たりが実行された後の遊技状態として遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良い。さらに、今回実行される大当たり終了後に一旦遊技者に不利となる遊技状態(通常状態(低確率状態))が設定された後に、保留記憶内の大当たりが実行された後の遊技状態として遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良い。
このように構成することで、連続大当たり演出が実行された場合における遊技者へと付加価値をより高めることができ、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、上述した第2制御例のように、転落抽選の構成を有する遊技機においては、大当たりに当選した場合における遊技状態を遊技者が把握し難いため、上述した連続大当たり演出を用いて転落抽選の抽選結果を遊技者に報知するように構成しても良い。
具体的には、今回の大当たりに当選した時点における遊技状態を判別する手段と、今回の大当たり終了後に設定される遊技状態を判別する手段と、次の大当たりに当選するまでに実行される転落抽選の抽選結果を判別する手段と、を設け、上述した各判別手段の判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良く、例えば、今回の大当たりに当選した場合の遊技状態が特別図柄の低確率状態、即ち、転落抽選によって特別図柄の遊技状態が転落していた場合にのみ連続大当たり演出が実行されるように構成したり、今回の大当たり終了後には特別図柄の高確率状態が設定され、次の大当たりに当選するまでに、転落抽選によって特別図柄の遊技状態が低確率状態に移行すると判別した場合にのみ、連続大当たり演出が実行されるように構成したり、転落抽選によって特別図柄の遊技状態が低確率状態へ移行することなく、今回の大当たりに当選した遊技状態も次の大当たりに当選する場合も特別図柄の高確率状態である場合に連続大当たり演出が実行されるように構成しても良い。
本制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容を決定するために用いられる入賞情報として、大当たり遊技が実行される時点の入賞情報を用いているが、大当たり遊技が実行される時点としては、大当たり遊技が実行されることが確定した後のタイミングであれば何れのタイミングでもよく、例えば、大当たりに当選したことを示すための図柄が停止表示されたタイミングや、大当たり遊技が開始されたタイミングや、大当たり遊技が開始されてから大当たり演出が実行されるまでの期間(オープニング期間)内の所定タイミングでもよい。また、大当たりに当選した特別図柄の変動が開始されたタイミングや、その変動が実行されている期間内の所定タイミングでもよい。
また、本制御例では、遊技状態が通常状態(低確率、電サポなし)よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態(高確率、電サポあり)、時短状態(低確率、電サポあり))となった場合に、その遊技状態が継続していることを示すための演出(バトル演出)が実行される構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が継続していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第1制御例の追加例における電気的構成について>
次に、図175〜図177を参照して、第1制御例の追加例における音声ランプ制御装置113のROM222及びRAM223の構成について説明する。図175(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図175(a)に示した通り、本追加例におけるROM222は、上述した第1制御例におけるROM222の構成(図114参照)に対して、変動パターンテーブル222aの内容を一部変更した点と、称号系統選択テーブル222aa、称号選択テーブル222ab、役物動作レベル選択テーブル222acを追加した点で相違している。その他の構成については、第1制御例におけるROM222と同一である。
まず、図176(a)を参照して、本追加例にて追加した役物動作用の変動パターンテーブル222aの内容について説明をする。図176(a)は、変動パターンテーブル222a(役物用)の内容を模式的に示した図である。図176(a)に示した通り、変動パターンテーブル222a(役物用)は、後述する役物動作レベル選択テーブル222acにより選択された役物動作レベル(1〜3)と、抽出した変動パターン(a〜z)とに対応付けて役物動作頻度(低)〜(高)、及び(無)が規定されている。このように構成することで、同一の変動パターンが選択された場合であっても、役物動作頻度を可変させることができる。
次に、図176(b)を参照して、称号系統選択テーブル222aaの内容について説明をする。図176(b)は、称号系統選択テーブル222aaの内容を模式的に示した図である。この称号系統選択テーブル222aaは、枠ボタン22の有効操作と無効操作との割合と、操作演出実行時におけるボタン操作割合とに対応付けて複数の称号系統(1〜3)が規定されている。
図176(c)は、称号選択テーブル222abの内容を模式的に示した図である。この称号選択テーブル222abは、現在のレベル(設定値)(「3級」〜「仙人」)と、称号系統(1〜3)に対応付けて遊技者に付与する特典である称号が規定されている。ここで選択された称号が称号表示領域Dr2(図173(a)参照)に表示される。
図176(c)に示した通り、レベル(設定値)が低位(3級〜初段)の間は、どの称号系統が設定されていても、同一の称号が設定されるため、遊技者が現在設定されている称号系統を把握することができない。よって、遊技を開始してから直ぐに現在設定されている称号系統が把握されてしまい、称号系統を変更する操作が実行されることを抑制することができる。
次に、図177(a)を参照して、役物動作レベル選択テーブル222acの内容について説明をする。図177(c)は、役物動作レベル選択テーブル222acの内容を模式的に示した図である。この役物動作レベル選択テーブル222acにおいて設定された役物動作レベルは、図176(a)を参照して上述した変動パターンテーブル222a(役物用)を用いる際に参照される。
図177(a)に示した通り、役物動作レベル選択テーブル222acは、設定値(レベル)と、称号系統とに対応付けて役物動作レベルが規定されており、特に、複数の称号系統のうち、唯一、設定値が「仙人」まで到達可能な称号系統3において、役物動作レベル3が選択可能に構成されている。このように、特定の称号系統が設定されている状態でレベル(設定値)を上昇させた場合にのみ選択される役物動作レベルを設けることで、変動演出中に実行される役物動作に特別感を付与することが可能となり、演出効果を高めることができる。
図175(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図175(b)に示した通り、本変形例におけるRAM223は、上述した第1制御例におけるRAM223の構成(図114参照)に対して演出設定群223aaが設けられている点で相違している。その他の構成については、第1制御例におけるRAM223と同一である。
ここで、演出設定群223aaの内容について、図177(b)を参照して説明する。図177(b)に示した通り、演出設定群223aaには、操作演出回数カウンタ223aa1、有効操作回数カウンタ223aa2、操作割合格納エリア223aa3、称号系統格納エリア223aa4、設定値格納エリア223aa5、無効操作回数カウンタ223aa6、変更フラグ223aa7、役物動作レベル格納エリア223aa8が記憶されている。
操作演出回数カウンタ223aa1は、枠ボタン22の操作を必要とする操作演出が実行された回数をカウントするためのカウンタである。この操作演出回数カウンタ223aa1は、変動表示設定処理2(図178参照)において、操作演出を実行する変動パターンであると判別した場合に(図178のS3851:Yes)、1加算され、枠ボタン入力監視・演出処理2(図179参照)においてボタン操作割合を算出する際に参照される(図179のS5060)。そして、変更処理(図180参照)において、操作演出の履歴を変更(消去)する場合に、クリアされる(図180のS5103参照)。
有効操作回数カウンタ223aa2は、操作演出中に枠ボタン22が操作された回数をカウントするためのカウンタである。本制御例では、操作演出中の有効期間中に枠ボタン22を操作した回数分、有効操作回数カウンタ223aa2の値が加算されるように構成されており、枠ボタン入力監視・演出処理2(図179参照)において、操作演出の有効期間中に枠ボタン22を押下した場合に1加算され(図179のS5054参照)、ボタン操作割合を算出する際に参照され(図179のS5060参照)、さらに、有効操作割合を算出する際にも参照される(図179のS5061参照)。そして、変更処理(図180参照)において、操作演出の履歴を変更(消去)する場合に、クリアされる(図180のS5103参照)。
なお、本追加例では、操作演出中の有効期間中に枠ボタン22を操作した回数分、有効操作回数カウンタ223aa2の値が加算されるように構成されているが、例えば、枠ボタン22を連打させる操作演出であれば所定回数(例えば、20回)の押下、枠ボタン22をタイミング良く複数回操作される操作演出であれば成功率(例えば、50%)といった操作条件を満たしているかを判別し、その判別結果が操作条件を満たしている場合に有効操作回数カウンタ223aa2の値を1加算するように構成しても良い。これにより、実行される操作演出の内容に関わらず、公正にカウンタの値を加算することができる。
さらに、本追加例では、枠ボタン22に対する操作演出の指示内容(押下、連打、タイミング押し、長押し等)に関わらず、1つの有効操作回数カウンタ223aa2の値を加算するように構成しているが、例えば、枠ボタン22に対する操作演出の指示内容毎に有効操作回数カウンタ223aa2を設け、対応する有効操作回数カウンタ223aa2の値を加算するように構成しても良い。このように構成することで、枠ボタン22への遊技者の操作内容を示す操作履歴をより細かく分類することができるため、操作演出の内容、頻度をより遊技者に適したものに可変することができる。
操作割合格納エリア223aa3は、有効操作回数カウンタ223aa2の値(有効操作回数の値)と、後述する無効操作回数カウンタ223aa6の値(無効操作回数の値)とに基づいて、枠ボタン22の全操作回数のうち、有効操作回数が占める割合(ボタン操作割合)を格納するためのエリアである。この操作割合格納エリア223aa3は、枠ボタン入力監視・演出処理2(S4007)のS5060により算出されたボタン操作割合と、S5061の処理により算出された有効操作割合とが格納される(S5062参照)。
称号系統格納エリア223aa4は、上述した称号系統選択テーブル222aaを用いて選択された称号系統を格納するためのエリアである。
設定値格納エリア223aa5は、遊技内容や、変更操作に基づいて設定されるレベル(設定値)を格納するためのエリアである。
無効操作回数カウンタ223aa6は、枠ボタン22を操作有効期間(操作演出中の枠ボタン22の操作有効期間)以外のタイミングで操作した回数をカウントするためのカウンタである。
変更フラグ223aa7は、変更操作により、一部消去選択態様Dr4を選択した場合にオンに設定されるフラグである。このフラグがオンに設定されることにより、遊技者に対して、異なる称号系統が設定されるための枠ボタン22の操作方法を示唆する演出が実行される。
役物動作レベル格納エリア223aa8は、上述した役物動作レベル選択テーブル222acを用いて選択された役物動作レベルを格納するためのエリアである。この役物動作レベル格納エリア223aa8に格納されている役物動作レベルを参照して変動パターンテーブル222a(役物用)により役物動作演出(操作演出)の出現頻度が可変設定される。
<第1制御例の追加例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図178〜図181を参照し、第1制御例の追加例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。なお、第1制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図178を参照して、本追加例における変動表示設定処理2について説明する。
図178は、本追加例における変動表示設定処理2を示したフローチャートである。この本追加例における変動表示設定処理2のうち、S3801〜S3810、およびS3812〜S3817の各処理では、それぞれ第1制御例における変動表示設定処理(図147参照)と同一の処理が実行される。
変動表示設定処理2(図178参照)が実行されると、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3801〜S3810の処理を実行し、その後、今回の変動パターンが操作演出を有する変動パターンであるかを判別し(S3851)、操作演出を有する変動パターンであると判別した場合は(S3851:Yes)、操作演出回数カウンタ223aa1の値を1加算し(S3852)、S3853へ移行する。一方、S3851の処理において、今回の変動パターンが操作演出を有する変動パターンでは無いと判別した場合は(S3851:No)、S3852の処理をスキップしてS3853へ移行する。
S3853の処理では、抽出した変動パターンと役物動作レベルとに基づいて今回の変動表示態様を決定する(S3851)。具体的には、役物動作レベル選択テーブル222acに基づいて選択された役物動作レベルと、抽出した変動パターン(a〜z)とに基づいて、役物動作用の変動パターンテーブル(図176(a)参照)に規定されている役物動作頻度を設定し、今回の変動表示態様(変動演出表示と、役物動作の有無)を決定する。ここで決定された変動表示態様のうち、第3図柄表示装置81に表示される内容については、S3812の処理によって表示用変動パターンコマンドが設定され、音声ランプ制御装置113の各種処理で設定される表示用コマンドと同様に、表示制御装置114へと通知される、また、役物動作に関する内容については、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図139参照)において実行されるコマンド出力処理(図139のS3102参照)によって、役物ユニット450を駆動制御する装置(その他装置228(図4参照))へと通知される役物動作コマンドが設定される。S3853の処理を終えると、上述した第1制御例と同一のS3812〜S3817の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図179を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理2(S3107)の内容について説明をする。図179は、枠ボタン入力監視・演出処理2(S3107)の内容を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理2(S3107)が実行されると、まず、枠ボタン22が押下されたことを検出したかを判別する(S5051)。ここで、押下を検出していない場合は(S5051:No)、このまま本処理を終了する。一方、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S5051:Yes)、次に、現在が操作演出のうち会話演出(図173参照)の有効期間であるかを判別する(S5052)。会話演出の有効期間であると判別した場合は(S5052:Yes)、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S5053)、有効操作回数カウンタの値を1加算して(S5054)、S5060の処理へ移行する。
S5053の処理において設定される表示用押下コマンドは、役物ユニット450の位置、役物動作レベル、選択される称号に基づいてそのコマンドの内容が設定されるように構成されており、具体的には、役物ユニット450の位置を判別した結果に基づいて会話演出のコメント表示位置を設定し、役物動作レベルと選択される称号に基づいて表示されるコメントの内容を決定した表示用押下コマンドが設定される。ここで設定された表示用押下コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用押下コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、役物ユニット450の位置に対応した表示領域にコメントを表示するため、遊技者に違和感を与えること無く役物ユニット450と会話をしているような演出を表示することができる。
なお、本制御例では、会話演出の会話有効期間中に枠ボタン22を押下した場合に、表示用押下コマンドを設定し、役物ユニット450の位置に対応した表示領域にコメントを表示するように構成しているが、役物ユニット450が第3図柄表示装置81の表示画面の覆う複数位置に移動可能に構成されている場合は、役物ユニット450の位置と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている表示内容とを判別し、その判別結果に基づいて会話演出(コメント表示)を実行するタイミングを枠ボタン22の押下タイミングに対して異ならせるように構成しても良い。つまり、役物ユニット450の位置に対応して表示されるコメントの表示領域と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出の主要部分(例えば、大当たり期待度を示す表示や、停止する図柄を示す表示が為される表示領域)とが、重複すると判別された場合には、上述した各表示領域が重複しないタイミング、即ち、役物ユニット450の位置が移動することに基づいてコメントの表示領域が可変する、或いは、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出が進行して主要部分の表示領域が可変することで各表示領域が重複しないタイミングとなるまでコメントの表示を遅らせるように構成しても良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出と操作演出の1つである会話演出との何れも好適に実行することができ、演出効果を高めることができる。なお、上述した構成を用いること無く、役物ユニット450の位置に対応して表示されるコメントの表示領域と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出の主要部分(例えば、大当たり期待度を示す表示や、停止する図柄を示す表示が為される表示領域)とが、重複すると判別された場合には、会話演出を中止するように構成しても良い。
一方、S5052の処理において、会話演出の有効期間では無いと判別した場合は(S5052:No)、現在が操作演出のうち、役物動作演出の有効期間であるかを判別する(S5055)。役物動作演出の有効期間であるかと判別した場合は(S5055:Yes)、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S5056)、有効操作回数カウンタの値を1加算して(S5054)、S5060の処理へ移行する。
S5055の処理において、役物動作演出の有効期間では無いと判別した場合は(S5055:No)、次いで、変更有効期間であるかを判別し(S5057)、変更有効期間である場合は(S5057:Yes)、変更処理を実行し(S5058)、その後S5060へ移行する。尚、変更処理(S5058)の内容については、図180を参照して後述する。
ここで、S5057の処理において、変更有効期間ではないと判別した場合は(S5057:No)、今回の押下操作が操作演出の有効期間中ではないため、無効操作回数カウンタ223aa6の値を1加算して(S5059)、S5060の処理へ移行する。
S5060の処理では、操作演出回数カウンタ223aa1の値と、有効操作回数カウンタ223aa2の値とに基づいてボタン操作割合を算出する(S5060)。次に、有効操作回数カウンタ223aa2の値と、無効操作回数カウンタ223aa6の値とに基づいて、有効操作割合を算出し(S5061)、算出したボタン操作割合と有効操作割合とを操作割合格納エリア223aa3に格納する(S5062)。その後、称号設定処理を実行し(S5063)、本処理を終了する。
次に、図180を参照して変更処理(S5058)の内容について説明をする。この変更処理(S5058)は、変更操作の有効期間中(図174(b)参照)に枠ボタン22が操作された場合に実行される処理であって、遊技者の操作内容に基づいて各種情報(称号系統、設定値(レベル)、及び、称号系統を選択する際に参照されるボタン操作割合に関する情報、有効操作割合に関する情報)をクリアするための処理である。
変更処理(S5058)が実行されると、まず、今回の操作内容が全リセットか(全消去選択態様Dr3を選択したか)を判別する(S5101)。全リセットであると判別した場合は(S5101:Yes)、設定値格納エリア223aa5の情報を全てクリアし(S5102)、操作演出回数カウンタ223aa1、有効操作回数カウンタ223aa2。無効操作回数カウンタ223aa6、の値を全てクリアし(S5103)、称号系統格納エリア223aa4の情報をクリアし(S5104)、本処理を終了する。これにより、遊技者の操作内容に基づく全ての情報がクリアされ、レベル表示領域Dr1には初期値である「3級」が表示し、称号表示領域Dr2には初期値である「初心者」が表示される(図173(a)参照)。
一方、S5101の処理において、全リセットでは無いと判別した場合は(S5101:No)、操作内容が一部リセットか(一部消去選択態様Dr4を選択したか)を判別する(S5105)。一部リセットであると判別した場合は(S5105:Yes)、変更フラグ223aa7をオンに設定し(S5106)、設定値格納エリア223aa5の情報を初段に設定し(S5107)、S5103の処理へ移行する。S5105の処理において、一部リセットでは無いと判別した場合は(S5105:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、称号設定処理(S5063)について、図181を参照して説明する。図181は称号設定処理(S5063)の内容を示したフローチャートである。この称号設定処理(S5063)が実行されると、まず、称号系統選択テーブル222aaに基づいて称号系統を選択する(S5201)。そして、選択された称号系統を称号系統格納エリア223aa4に格納し(S5202)、次いで、操作演出回数カウンタ223aa1の値に基づいて設定値を決定し、設定値格納エリア223aa5に格納する(S5203)。
その後、表示用設定値コマンドを設定し(S5204)、称号選択テーブル222abに基づいて称号を選択し(S5205)、表示用称号コマンドを設定する(S5206)。次いで、変更フラグ223aa7がオンに設定されているかを判別し(S5207)、オンに設定されていると判別した場合は(S5207:Yes)、表示用操作指示コマンドを設定し(S5208)、変更フラグ223aa7をオフに設定し(S5209)、本処理を終了する。一方、S5207の処理において、変更フラグ223aa7がオンでは無い(オフである)と判別した場合は(S5207:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をしたように、上述した追加例では、枠ボタン22を操作させるための演出である操作演出の演出態様(例えば、出現頻度や演出内容)を、枠ボタン22の操作内容(操作履歴)に基づいて可変設定可能に構成している。これにより、操作演出の頻度を遊技者が所望する頻度に変更するための変更操作を遊技とは別に実行する場合に比べて、遊技者に煩わしさを感じさせることなく所望の演出態様を設定することができる。
このような遊技者の操作履歴に基づいて操作演出の演出態様を可変させるパチンコ機10においては、様々なタイプの遊技者に適した操作演出の演出態様を設定可能とするために、操作演出の演出態様を複数用意するものであるが、枠ボタン22に対して同一の操作(例えば、操作演出が実行される場合に、必ず必要量以上枠ボタン22を操作)を繰り返し実行している間は、同一の演出態様のみが設定されてしまい、遊技者に対して様々な操作演出を提供することができないという問題があった。
そこで、上述した追加例では、遊技内容を蓄積することにより異なる特典(称号)が遊技者に付与されるように構成し、さらに、その特典(称号)の種別を、少なくとも遊技者の枠ボタン22への操作内容(操作履歴)に対応させて異ならせるように構成している。
このように構成することで、異なる特典(称号)を獲得するために、枠ボタン22に対して様々な操作を実行することになる。そして、枠ボタン22に対して実行された様々な操作の内容に基づいて操作演出の演出態様が可変設定される。よって、遊技者に対して、枠ボタン22の操作内容(操作履歴)に基づいて可変設定可能に構成される様々な操作演出を提供することができる。
また、遊技内容を蓄積することにより異なる特典(称号)を付与させる構成を有するパチンコ機10においては、遊技内容の蓄積状況に応じて設定値(例えば、レベル)を段階的に可変設定し、設定された設定値(レベル)に対応した特典(称号)を付与する構成を用いることが一般的だが、設定値(レベル)が上限に到達した場合に、それ以上の特典(称号)を獲得することができなくなってしまい遊技意欲が低下してしまう虞があった。また、設定値(レベル)が上限に到達してしまうことを防ぐために、設定値(レベル)の上限を高く設定してしまうと、演出に対する記憶容量が増加するという問題があった。
そこで、上述した追加例では、枠ボタン22への操作内容(操作履歴)に基づいて、付与される特典(称号)が異なる複数の系統(称号系統)のうち、何れかの系統が設定されるようにし、設定値(レベル)と設定系統とに基づいて遊技者に付与する特典(称号)を決定するように構成している。これにより、単に遊技内容を蓄積しただけでは全ての特典(称号)を獲得することができないため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうこと抑制することができる。
さらに、上述した追加例では、過去の遊技内容を消去する消去手段を有しているため、現在設定されている系統とは異なる系統を設定させる場合に、過去に実行した操作内容(操作履歴)に基づいて系統が設定されることを抑制することができる。なお、本追加例では、過去に実行した操作内容(操作履歴)に基づいて系統が設定されることを抑制するために、過去の操作内容(操作履歴)を消去する消去手段を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、異なる系統の設定を希望する旨を入力し(枠ボタン22に対して所定の操作を実行することで入力し)、その場合には、所定期間(系統を設定する際に参照される操作履歴の期間)が経過するまでは、新たな系統の設定を行わないように構成しても良い。
また、上述した追加例では消去手段として、過去の遊技内容と操作内容とを全て消去する全消去手段と、一部を消去する部分消去手段とを有している。部分消去手段は、現在設定されている系統から異なる系統を設定する際に用いられるものであり、系統を設定する際に参照される過去の操作内容(操作履歴)を、異なる系統が設定可能な状態まで消去するように構成されている。これにより、異なる系統を設定する場合に、遊技を最初からやり直す必要が無くなるため、遊技者に対して異なる系統を意欲的に設定させることが可能となる。
なお、本追加例では、部分消去手段を操作した場合に、過去の操作内容(操作履歴)の一部を消去し、設定値(レベル)として初期値を設定する処理を実行する構成を用いているが、部分消去手段を操作することにより、遊技を最初からやり直すよりも(全消去手段を操作するよりも)、現在設定されている系統とは異なる系統が設定され易くなればよく、例えば、設定値(レベル)は継続した状態で過去の操作内容(操作履歴)の一部のみを消去するようにしてもよい。また、遊技者が所望する系統を指定し、指定された系統が設定可能な状態まで過去の操作内容(操作履歴)の一部を消去するようにしてもよい。
ここで、現在設定されている系統とは異なる系統を設定しようと、遊技者が部分消去手段を操作し、過去の操作内容(操作履歴)の一部を消去したとしても、後に実行される操作演出に対して、枠ボタン22を適切に操作しなければ異なる系統が設定されず、遊技者に不満感を与える虞がある。具体的には、部分消去手段を操作した後に、従来と同じ操作態様で操作演出を消化してしまうと、部分消去手段を操作する前に設定された系統と同一の系統が設定されてしまう虞がある。
そこで、本追加例では、部分消去手段を操作した後に、異なる系統が設定されるように遊技者による枠ボタン22の操作内容を案内する案内報知手段を設けている。この案内報知手段により報知される内容に基づいて操作演出を消化することで、容易に異なる系統を設定させることができる。加えて、案内報知手段は、異なる系統を設定するために、従来の操作内容とは異なる操作内容が報知されるため、案内報知手段による報知内容に従って操作演出を消化することにより、操作演出の演出内容も可変設定される。よって、遊技者に対して、今までとは異なる操作演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。
なお、案内報知手段により遊技者に報知される内容としては、単に、操作演出に対して今までとは異なる操作を促す内容でも、具体的に実行すべき操作内容を示す内容でもよい。また、案内報知手段による報知に加え、異なる系統が設定される条件が成立するまでの進捗を遊技者に報知するための進捗報知手段を設けても良い。これにより、異なる系統が設定されるように操作演出を消化しているかを遊技者が容易に把握することができる。
さらに、上述した追加例に設定されている系統に、設定されている系統と設定値(レベル)とが所定条件を満たしている場合に、所定の消去手段を操作した場合にのみ設定可能となる系統を加えても良い。このような系統を設けることで、例えば、設定値が上限に到達している状態で、全消去手段を操作した場合にのみ専用の系統を設定可能としたり、設定値として上限値より1つ下の設定値である場合に、部分消去手段を操作した場合にのみ専用の系統が設定されるようにしてもよい。
また、消去手段による消去タイミングに基づいて、設定可能となる系統を異ならせも良く、具体的には、大当たり遊技中や特定の変動演出が実行されている最中に消去手段を操作した場合にのみ、特別な系統が設定可能となるようにしてもよい。この場合、特別図柄の抽選結果に基づいて実行される変動演出が所定条件を満たした場合にのみ、上述した特定の変動演出が実行されるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、消去手段を操作するタイミングによって異なる系統を設定させることが可能となり、意欲的に遊技に参加させることができる。
上述した追加例では、各系統の各設定値(レベル)に対応させて特典(称号)を予め設定している構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、既に獲得済みの特典(称号)を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている特典(称号)に基づいて、付与する特典(称号)を設定するようにしてもよい。
上述した追加例では、遊技者に付与される特典(称号)の内容(称号の内容)として、現在設定されている系統の設定条件を示唆する内容を用いている。これにより、獲得した特典(称号)の内容を把握することで、異なる系統を設定するために必要な条件を予測することができる。
さらに、所定の遊技条件を満たした場合に、所望の系統を設定するために必要な条件を遊技者に報知するようにしても良いし、獲得可能な特典(称号)のうち、既に獲得した特典(称号)の数や割合を遊技者に報知するようにしても良い。これにより、全ての特典(称号)を獲得しようと遊技者の参加意欲を高めることができる。
上述したように、枠ボタン22への操作内容(操作履歴)に基づいて、付与される特典(称号)が異なる複数の系統(称号系統)のうち、何れかの系統が設定されるようにし、設定値(レベル)と設定されている系統とに基づいて遊技者に付与する特典(称号)を決定するように構成した場合では、付与された特典(称号)に基づいて現在設定されている系統を遊技者に把握され易くなるという問題があった。
これに対して、上述した追加例は、どの系統が設定されている場合であっても、設定値(レベル)が所定段階に到達するまでの間は、同一の特典(称号)が付与されるように構成している。これにより、設定値(レベル)が所定段階に到達するまでは(所定の系統が設定されてから一定期間の遊技を実行しなければ)、どの系統が設定されているのかを遊技者に把握され難くすることができる。
なお、上述した追加例において参照される枠ボタン22への操作内容(操作履歴)としては、例えば、操作演出が実行された回数を示すための操作演出回数情報、実行された操作演出に対する枠ボタン22への操作の有無を示すための操作実行回数情報、操作演出の成功回数(所定の操作条件を満たした回数)を示すための操作成功回数情報、操作演出が実行されていない期間中(操作有効期間外)に枠ボタン22を操作した回数を示すための無効操作回数情報、といった枠ボタン22に対する遊技者の操作状況を示すための情報であれば良い。
さらに、操作演出の内容として、単に所定期間内に枠ボタン22を押下させる押下演出以外にも、枠ボタン22を所定タイミングで操作させるタイミング操作演出や、所定期間内に枠ボタン22を所定回数以上操作させる連打操作演出、所定期間以上連続して枠ボタン22を押し続ける長押し操作演出を設けても良い。この場合、枠ボタン22への操作内容(操作履歴)を、実行された操作演出の種別毎に管理するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者が単に枠ボタン22を操作することを嫌っているか、それとも枠ボタン22に対する所定操作(連打、長押し、タイミング押し)を嫌っているかを詳細に判別することが可能になる。よって、操作内容(操作履歴)に対応した操作演出を設定する際に、より遊技者に適した操作演出を提供することが可能となり、遊技者に不満感を与えることを抑制することができる。
また、操作手段が複数設けられているパチンコ機10の場合は、各情報を操作手段毎に管理できるように構成しても良いし、全ての操作手段に対する操作内容を合算して管理できるように構成しても良い。さらに、大当たり期待度に応じて異なる操作手段を操作させる操作演出が実行される場合には、操作演出の実行回数や、操作手段の操作回数を示すための情報を大当たり期待度に対応させて管理しても良いし、大当たりに当選した場合に実行された操作演出のみを対象に操作内容(操作履歴)を管理するようにしても良い。
上述した追加例では、操作演出に対する操作手段(枠ボタン22)の操作内容に基づいて、操作演出の態様(実行頻度、演出態様等)と、付与する特典(称号)を決定する際に参照される系統と、設定値(レベル)とが設定されるように構成しているが、操作手段(枠ボタン22)の操作内容に基づいて、操作演出の態様(実行頻度、演出態様等)以外に、上述した系統或いは設定値(レベル)のうち何れか一方のみを設定するように構成しても良い。
上述した追加例では、遊技者が操作可能な操作手段として遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良いし、上述した操作手段を複数設けても良い。
上述した追加例のように、遊技者の操作内容(操作履歴)に基づいて操作演出の態様を可変させたり、所定の特典(称号)を付与したりする構成を用いる場合には、別の日に行った遊技の操作内容(操作履歴)を継続した状態で遊技を行えるように構成すると良く、具体的には、遊技を終了する際に所定の操作(終了操作)を行うことで、当日の遊技内容や操作内容に関する情報を遊技者が取得可能となるように構成(パスワード発行処理)し、その取得した情報に関連する出力情報をパチンコ機10に入力させることで、取得した情報から継続した状態の遊技を行わせることができるように構成すると良い。
<第2制御例について>
次に、図182から図188を参照して、本パチンコ機10の第2制御例について説明する。上述した第1制御例では、特別図柄の大当たりに当選し、その大当たり終了後に確変状態が設定される場合には、次の大当たりに当選するまでは確変状態が継続する遊技機について説明した。
これに対し、本第2制御例では、特別図柄の当否判定を行う大当たり抽選とは別に、確変状態(即ち、大当たり確率が高い高確率状態)から通常状態(即ち、大当たり確率が低い低確率状態)へと移行(転落)させる移行抽選(以降、転落抽選と称す。)が特別図柄の当否判定が行われる条件が成立する度に実行される遊技機について説明する。このように転落抽選の機能を有する遊技機では、確変状態(高確率状態)が設定されたとしても、その高確率状態が確実に継続する期間が設定されないため、特別図柄の変動が実行される度に遊技者に緊張感を与えることができる。
さらに、本第2制御例では、上述した第1制御例と同様に、確変状態が設定された場合は、大当たり確率が高確率になる高確率状態と、電動役物140aが開放しやすい時短状態とが設定されるように構成しており、たとえ、転落抽選に当選し、高確率状態から低確率状態に転落したとしても、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回に到達するまで)は時短状態が設定されるように構成した。これにより、大当たり終了後、直ぐに(例えば、3回転)転落抽選に当選したとしても、所定期間(100回転)は時短状態が設定されるため、電動役物140aの動作状況によって転落抽選に当選したことが遊技者に把握されることを抑制することができる。
また、詳細は後述するが、転落抽選は、特別図柄の大当たり抽選よりも前に実行されるように構成されており、転落抽選に当選した際の特別図柄の大当たり抽選は、低確率状態として実行される。つまり、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で転落抽選に当選した場合は、その特別図柄変動が開始される時点では遊技状態として通常状態(低確率状態、且つ、非時短状態)が設定されることになる。
この場合、転落抽選に当選した特別図柄の変動時間を用いて、転落抽選に当選したか否かを遊技者に示唆する演出を実行したとしても、電動役物140aの動作状況を見るだけで転落抽選の当否を容易に判別できてしまうという問題があった。そこで、本第2制御例では、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、転落抽選よりも先に大当たり抽選に当選した場合は、特別図柄の変動が開始されるよりも前に、遊技状態を通常状態へと移行させるように構成した。
このように構成することで、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、急に電動役物140aの動作内容が非時短状態の動作内容となった場合に、転落抽選に当選したのか、或いは、大当たり抽選に当選したのかを遊技者に把握させ難くすることができ、その特別図柄の変動が終了するまで遊技者に期待感を持たせることができる。
また、本第2制御例では、上述した第1制御例にて説明した継続演出を用いて、転落抽選の当否状況を遊技者に示唆可能な演出態様を設定することができるようにした。このように構成することで、遊技者が実行される演出をより注視することになり演出効果を高めることができる。
<第2制御例における電気的構成について>
次に、図182から図184を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2制御例におけるパチンコ機10では、第1制御例におけるパチンコ機10に対し、主制御装置110に設けられているROM202の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の内容とRAM223の内容とを一部変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図182(a)は、主制御装置110のROM202の内容を模式的に示したブロック図である。図182(a)に示した通り、本制御例におけるROM202は、第1制御例におけるROM202に対し、転落抽選テーブル202ba、転落用状態移行テーブル202bbを追加した点と、第1当たり種別選択テーブル202c(図107参照)において、大当たり終了後の遊技状態として「確変時短次回」と規定されていた内容を、「転落抽選当選まで確変、転落抽選当選或いは100回まで時短」と規定した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
転落抽選テーブル202baは、特別図柄の確変状態において、確変状態から通常状態へ転落させるか否かの判定(転落抽選)を実行する際に参照されるテーブルであり、転落と判定される乱数値(カウンタ値)が格納されている。特別図柄の確変状態では、特別図柄の抽選を実行する際に、毎回、この転落抽選テーブル202baが参照されて、通常状態へと転落させるか否かが判定される。ここで、この転落抽選テーブル202baの詳細について、図182(b)を参照して説明する。
図182(b)は、転落抽選テーブル202baの内容を模式的に示した図である。図182(b)に示した通り、転落抽選において転落と判定される乱数値(カウンタ値)が格納されている。具体的には、特別図柄の確変状態(高確率状態)において、通常状態(特別図柄の低確率状態)への転落に対応する判定値として「100,101」の2個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選を実行する際に、転落抽選カウンタ(図示なし)の値と、転落抽選テーブル202baに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とが比較され、値が一致した場合に通常状態へと転落する。なお、転落抽選カウンタ(図示なし)は、「0〜299」の範囲で定期的に(例えば、メイン処理(図136参照)が実行される毎に)更新されるループカウンタで構成されている。転落抽選カウンタの取り得る300個の乱数値(カウンタ値)のうち、転落と判定される乱数値が2個規定されているので、1回の転落抽選で転落と判定される確率は1/150である。なお、確変状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)は、「5〜9」の5個(図106(a)参照)であり、確変状態中に大当たりとなる確率は1/48なので、確変状態中に転落抽選で転落と判定される確率よりも、大当たりとなる確率の方が高くなるように設定されている。よって、1度確変状態に移行すると、通常状態へと転落するまでに複数回大当たりとなることを遊技者に期待させることができるので、確変状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
転落用状態移行テーブル202bbは、確変状態中において転落抽選に当選した場合に参照される状態移行テーブルである。なお、第1制御例において説明した状態移行テーブル202fと同一の要素についてはその説明を省略する。
図182(c)は、転落用状態移行テーブル202bbの内容を示した模式図である。図182(c)に示した通り、転落用状態移行テーブル202bbには、転落用状態移行1テーブル202bb1と、転落用状態移行2テーブル202bb2とが記憶されている。ここで、転落用状態移行1テーブル202bb1の内容について図182(d)を参照して説明する。
図182(d)は、転落用状態移行1テーブル202bb1の内容を模式的に示した模式図である。この転落用状態移行1テーブル202bb1は、第1制御例で説明した状態移行1テーブル202f1に対して、各状態ステータス中に転落抽選に当選した場合の状態ステータスを追加した点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0よりも大きい(最大で100)場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST3(低確時短あり)が設定され、規定回数カウンタの値はそのまま継続される。また、状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0の場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST1(低確時短なし)が設定される。
つまり、規定回数カウンタの値に100が設定され、その規定回数カウンタの値が0まで減算されるまでに転落抽選に当選したとしても、期待回数カウンタの値が0に減算されるまでは、時短状態が付与される。
次に、図182(e)を参照して、転落用状態移行2テーブル202bb2について説明をする。図182(e)は、転落用状態移行2テーブル202bb2の内容を模式的に示した模式図である。この転落用状態移行2テーブル202bb2は、第1制御例で説明した状態移行2テーブル202f2に対して、各状態ステータス中に転落抽選に当選した場合の状態ステータスを追加した点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、状態ステータスが「ST2a」で、規定回数カウンタが0よりも大きい(最大で4)場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST3a(低確時短あり特殊)が設定され、規定回数カウンタの値はそのまま継続される。また状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0よりも大きい(最大で96)場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST3(低確時短あり)が設定され、規定回数カウンタの値はそのまま継続される。また、状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0の場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST1(低確時短なし)が設定される。
つまり、規定回数カウンタの値に100が設定され、その規定回数カウンタの値が0まで減算されるまでに転落抽選に当選したとしても、期待回数カウンタの値が0に減算されるまでは、時短状態が付与される。
図183(a)は、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の内容を模式的に示した模式図である。図183(a)に示す通り、本制御例におけるROM222は、第1制御例におけるROM222に対し、継続演出モード選択テーブル222eに代えて継続演出モード選択3テーブル222eを設けた点、及び最終態様選択テーブル222hに代えて最終態様選択3テーブル222hを設けた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図184(a)を参照して、継続演出モード選択3テーブル222eについて説明をする。図184(a)は、継続演出モード選択3テーブル222eの内容を示した模式図である。この継続演出モード選択3テーブル222eは、上述した第1制御例の継続演出モード選択テーブル222eに対し、残期間格納エリア223bbに格納されている残期間(残変動回数)の値に対応付けて、継続演出モードの対応が選択される点で相違する。また、転落当選時の保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある場合は、転落抽選に当選後、即座に大当たりに当選(低確状態で大当たり)という特別な状態であるため、残期間に関わらず、特殊モードBを選択し、遊技者に特典演出を付与することができる。
次に、図184(b)を参照して、最終態様選択3テーブル222hの内容について説明をする。図184(b)は。最終態様選択3テーブル222hの内容を示した模式図である。この最終態様選択3テーブル222hは、上述した第1制御例で用いた最終態様選択テーブル222hに対して、転落フラグ222baの設定状況に応じて最終態様を異ならせている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図184(b)に示した通り、当否判定結果は外れの場合であっても、保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある場合は、今回の最終態様でその旨を示唆することができる。
図183(b)に戻り説明を続ける。図183(b)は、本第2制御例における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図183(b)に示す通り、本第2制御例におけるRAM223は、第1制御例におけるRAM223に対し、転落フラグ223ba、残期間格納エリア223bbを設けた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
転落フラグ223baは、転落抽選に当選したことを示すためのフラグであって、主制御装置110から転落抽選に当選したことを示す状態コマンドを受信した場合にオンに設定される。
<第2制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図185を参照して、本第2制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例の特別図柄変動開始処理(図128参照)に代えて、特別図柄変動開始処理3(S213)を用いた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特別変動開始処理3(S213)が実行されると、まず、第1制御例の特別変動開始処理(図128参照)と同様にS301,S302の処理が実行され、その後、転落抽選カウンタの値と、転落抽選テーブル202baに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とを比較し(S351)、転落抽選カウンタの値が転落に対応する乱数値に一致したか(転落に対応する抽選結果となったか)を判別する(S352)。
S352の処理において、転落に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S352:Yes)、確変フラグ203gをオフに設定することで遊技状態を通常状態に転落させ(S353)、転落したこと(遊技状態が通常状態に変更されたこと)を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S354)。
そして、第1制御例の特別変動開始処理(図128参照)と同様に、S303〜S307の処理を実行した後に、今回の大当たりは時短期間以降に当選したかを判別する(S355)。ここで、時短期間以降に当選した場合は(S355:Yes)、時短中カウンタ203hをリセットし(S356)、その後、第1制御例の特別変動開始処理(図128参照)と同様にS310,S311の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2制御例では、遊技者に有利な有利状態(確変状態)が設定されている場合に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、特別図柄の抽選(大当たり抽選)が実行される前に、遊技状態を有利状態から通常状態(有利状態よりは不利となる遊技状態)へと移行させるか否かを判別する転落抽選を実行するように構成している。
さらに、本制御例では電動役物140aが開放し易い状態(確変状態又は時短状態(以下、普通図柄の高確率状態と称す。))中において特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、対象となる特別図柄の変動を開始する前に普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成している。
以上説明をした第2制御例における主制御装置110の制御処理によれば、普通図柄の高確率状態を終了させる終了条件を2つ有することになる。具体的には、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数が所定回数(設定されている状態に付与される時短回数)に到達したことを1つ目の終了条件とし、遊技状態として確変状態が設定された場合に転落抽選に当選したことを2つ目の終了条件とし、上述した2つの終了条件が共に成立した場合に、普通図柄の高確率状態が終了するように構成している。なお、上述した2つの終了条件の成立の有無に関わらず、特別図柄の大当たりに当選した場合は、時短条件の終了条件が成立する。
つまり、例えば、大当たり終了後に遊技状態として確変状態(次回)、且つ時短回数100回が設定される大当たりに当選した場合であれば、特別図柄が100回変動したことが上述した1つ目の終了条件となり、転落抽選に当選したことが上述した2つ目の終了条件となる。具体的には、上述した例において、大当たり終了後の特別図柄変動10回転目で転落抽選に当選した場合は、その時点で2つ目の終了条件が成立するが、1つ目の終了条件が成立していないため、1つ目の終了条件が成立する(特別図柄が100回変動する)までは(2つの終了条件が共に成立するまでは)、普通図柄の高確率状態を継続する。そして、特別図柄の変動回数が100回に到達すると、2つの終了条件が共に成立し、普通図柄の高確率状態から低確率状態へ移行する。
一方、大当たり終了後からの特別図柄変動回数が100回を超えた状態(1つ目の終了条件が成立した状態)において、転落抽選に当選していない(2つ目の終了条件が成立していない)場合は、転落抽選に当選するまでの間、普通図柄の高確率状態を継続する。そして、転落抽選に当選した場合に(2つ目の終了条件が成立した場合に)、普通図柄の高確率状態から低確率状態へ移行する。
このように、普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるために必要な条件を複数(2つ)設けることで、普通図柄の状態移行タイミングを多様化することができる。加えて、上述した2つ目の終了条件のみが成立していない場合は(上述した例では、特別図柄変動回数が100回を超えている状態で普通図柄の高確率状態を設定している場合は)、どのタイミングで普通図柄が低確率状態へと移行されるか(転落抽選に当選するか)を遊技者が把握困難となるため、遊技者に対してなるべく長い間普通図柄が高確率状態となるように期待させながら遊技を行うことができる。
なお、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態(時短状態)を低確率状態(通常状態)へと移行させるための条件の1つとして、特別図柄変動回数100回を設定しているが、その回数を大当たり種別に応じて複数設定しても良く、例えば、「1回」,「25回」,「50回」と段階的に複数設定しても良い。このように構成することで、転落抽選の当選の有無と併せて、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了するタイミングを複数設けることができる。具体的には、大当たり終了後の特別図柄変動回数が所定回数(例えば、25,50,100回)に到達する前に、転落抽選に当選している場合は、特別図柄変動回数が所定回数(例えば、1,25,50,100回)に到達した際に、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了し、大当たり終了後の特別図柄変動回数として例えば25回が設定された場合は、特別図柄変動回数が25回を超えた時短で、転落抽選に当選した場合に即座に普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了する。
これにより、遊技者に対して普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了するタイミングを分かり難くすることができる。
さらに、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了する条件の1つとして、特別図柄の変動回数を用いているが、それ以外の終了条件を設けても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が、外れではあるが可変入賞装置65を短期間開放させる遊技が実行される抽選結果(所謂、小当たり当選)となった回数(可変入賞装置65が動作した回数)や、特別図柄の変動回数を特別図柄1と特別図柄2とで分けて計測し、特別図柄1の変動回数が10回、或いは、特別図柄1と特別図柄2の合算変動回数が100回に到達したことを終了条件として設定しても良い。
<第2制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図186及び図187を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、コマンド判定処理(図140参照)に代えてコマンド判定処理3(図186参照)を実行する点と、コマンド判定処理3(図186参照)のサブ処理として状態判別処理(図187参照)を追加した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図186のフローチャートを参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理3について説明する。コマンド判定処理3では、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理(図140参照)と同様に、S3201〜S3214の処理を実行する。
S3214の処理を終えると、次に、状態判別処理(S3251)を実行し、その後、S3215の処理を実行し、本処理を終了する。ここで、図187のフローチャートを参照して、状態判別処理(S3251)の詳細について説明する。この状態判別処理(S3251)では、転落抽選に当選した場合における音声ランプ制御装置113側の各種処理が実行される。
状態判別処理(S3251)が実行されると、まず転落を示すコマンドを受信したかを判別する(S3252)。この転落を示すコマンドは、主制御装置110の特別図柄変動開始処理3(図185参照)によって転落抽選に当選した場合(図185のS352:Yes)、設定される(図185のS354参照)。S3252の処理において転落を示すコマンドを受信していない場合は(S3252:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、転落を示すコマンドを受信した場合は(S3252:Yes)、現在が時短期間中であるかを判別する(S3253)。ここで、時短期間中であると判別した場合は(S3253:Yes)、次に、転落フラグ223baをオンに設定し(S3254)、残時短回数を算出する(S3255)。そして、算出した残時短回数を残期間格納エリア223bbに格納し(S3256)する。
次いで、保留内に大当たりに当選した入賞情報があるかを判別し(S3257)、あると判別した場合は(S3257:Yes)、残期間格納エリア223bbに特殊条件成立情報を格納する(S3258)。ここで残期間格納エリア223bbに特殊条件成立情報が格納されると、継続演出モード選択3テーブル222e(図184参照)を用いて継続演出モードを設定する場合に、特殊モードBが選択される。
S3258の処理を終えると、次に、遊技状態が通常状態であることを示すコマンドを受信したかを判別し(S3260)、通常状態を示すコマンドを受信したと判別した場合は(S3260)、転落フラグ223baがオンに設定されているかを判別する(S3261)。S3261の処理において、転落フラグ223baがオンに設定されていると判別した場合(S3261:Yes)、即ち、転落抽選に当選した状態で遊技状態が時短状態から通常状態へと移行したタイミングであると判別した場合は、転落フラグ223baをオフに設定し(S3262)、本処理を終了する。一方、S3260の処理において、通常状態を示すコマンドを受信していないと判別した場合(S3260:No)、或いは、S3261の処理において転落フラグ223baがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3261:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2制御例は、特別図柄の当否判定を行う大当たり抽選とは別に、確変状態(即ち、大当たり確率が高い高確率状態)から大当たり確率が低い低確率状態へと移行(転落)させる移行抽選(以降、転落抽選と言う)。を特別図柄の当否判定が行われる条件が成立する度に実行される遊技機について説明する。このように転落抽選の機能を有する遊技機では、確変状態(高確率状態)が設定されたとしても、その高確率状態が確実に継続する期間が設定されないため、特別図柄の変動が実行される度に遊技者に緊張感を与えることができる。
さらに、本第2制御例では、上述した第1制御例と同様に、確変状態が設定された場合は、大当たり確率が高確率になる高確率状態と、電動役物140aが開放しやすい時短状態とが設定されるように構成しており、例え、転落抽選に当選し、高確率状態が低確率状態に転落したとしても、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回に到達するまで)は時短状態が設定されるように構成した。これにより、大当たり終了後、直ぐに(例えば、3回転)転落抽選に当選したとしても、所定期間は時短状態が設定されるため、電動役物140aの動作状況によって転落抽選に当選したことが遊技者に把握されることを抑制することができる。
また、詳細は後述するが、転落抽選は、特別図柄の大当たり抽選よりも前に実行されるように構成されており、転落抽選に当選した際の特別図柄の大当たり抽選は、低確率状態として実行される。つまり、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で転落抽選に当選した場合は、その特別図柄変動が開始される時点では遊技状態として通常状態(低確率状態、且つ、非時短状態)が設定されることになる。
この場合、転落抽選に当選した特別図柄の変動時間を用いて、転落抽選に当選したか否かを遊技者に示唆する演出を実行したとしても、電動役物140aの動作状況を見るだけで転落抽選の当否を容易に判別できてしまうという問題があった。そこで、本第2制御例では、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、転落抽選よりも先に大当たり抽選に当選した場合は、特別図柄の変動が開始されるよりも前に、遊技状態を通常状態へと移行させるように構成した。
このように構成することで、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、急に電動役物140aの動作内容が非時短状態の動作内容となった場合に、転落抽選に当選したのか、或いは、大当たり抽選に当選したのかを遊技者に把握させ難くすることができ、その特別図柄の変動が終了するまで遊技者に期待感を持たせることができる。
また、本第2制御例では、上述した継続演出を用いて、転落抽選の当否状況を遊技者に示唆可能な演出態様を設定することができるようにした。このように構成することで、遊技者が実行される演出をより注視することになり演出効果を高めることができる。
なお、上述した第2制御例では、確変状態中に転落抽選に当選した場合であって、その転落タイミングが時短期間中であれば、転落後も継続して時短中に用いられる変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択するように構成することで、転落抽選に当選したか否かを遊技者に分かり難くしていたが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、図188に示すように、転落抽選に当選したことを契機に特別な変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択するような別例を用いてもよい。
ここで、図188を参照して、上述した別例の内容を説明する。図188(a)は、上述した別例を用いる場合における主制御装置110のROM202に設けられる変動パターン選択テーブル202dを模式的に示したブロック図である。図188(a)に示した通り、上述した別例では、転落後変動パターンテーブル202d5が追加される。
この転落後変動パターンテーブル202d5の内容を、図188(b)を参照して説明する。図188(b)は、転落後変動パターンテーブル202d5の内容を示した模式図である。図188(b)に示した通り、転落後変動パターンテーブル202d5は、時短期間中に転落抽選に当選した後、特別図柄の4回転の間用いられる変動パターンテーブルである。この転落後変動パターンテーブル202d5では、外れの場合であっても60秒の変動パターンが選択されやすく構成されている。よって、転落抽選に当選した直後は、バトルリーチが発生しやすくなる。これにより、バトルリーチが発生する度に、遊技者に緊張感を持たせながら演出を注視させることができる。
なお、この場合、バトルリーチの演出態様によって、転落抽選に当選していないことを報知する演出を所定の割合で遊技者に報知するように構成するとよい。具体的には、選択されるバトルリーチの対戦相手(相手キャラ)によって、転落抽選の当選の有無を示唆しても良いし、バトルリーチ中に実行される演出(攻撃パターン)によって、転落抽選の当選の有無を示唆しても良いし、バトルリーチの結果(引き分けバトルリーチ時の残りHPの値)によって、転落抽選の当選の有無を示唆しても良い。これにより、バトルリーチの結末として、大当たりに当選したか否かに加え、転落抽選に当選したか否かも気にすることになり、演出効果を高めることができる。
さらに、転落後変動パターンテーブルを用いている期間中に大当たりに当選した場合は、特殊当たりとして専用の演出態様が実行されるように構成するとよい。これにより、特殊当たりとして実行される演出態様を遊技者が見ることにより、転落抽選に当選した直後に低確率状態で大当たりに当選したことを容易に把握することができる。なお、この場合、特殊当たりに対応する変動パターンの変動時間を、その他の変動パターンテーブルでは設定され得ない変動時間にするとよい。これにより、変動時間の相違による違和感によって遊技者に転落後の即当たりを報知することができる。
<第1制御例にて説明した示唆演出の別例の説明>
次に、上述した第1制御例にて説明した示唆演出の別例について説明をする。上述した第1制御例では、前兆演出と、カウントダウン演出とから構成される示唆演出の演出態様を、特図変動が開始されるタイミングにおいて実行される変動表示設定処理(図147のS3114参照)の一部処理であるカウントダウン演出設定処理(図152のS3810)にて設定する構成を用いていた。これに対し、本別例では、特図変動が開始されるタイミングにおいて実行されるカウントダウン演出設定処理3(図189参照)にて、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)のみ設定し、前兆演出中に実行される枠ボタン22への操作に基づいて今回の示唆演出の対象となる特定演出を設定するように構成している。
このように構成することで、示唆演出の開始契機となる前兆演出の開始タイミングを特図変動の開始タイミングに設定し、その前兆演出が実行されている間(示唆演出が実行されている間)に、示唆演出の対象となる特定演出を設定することが可能となる。よって、予め定められた特定演出に対して示唆演出を実行する場合に比べて、示唆演出の演出態様を自由に設定することができ、演出効果を高めることができる。
さらに、上述した第1制御例と同様に、示唆演出として、特定演出が実行されるタイミングを大まかに報知する前兆演出と、特定演出が実行されるタイミングを具体的に報知するカウントダウン演出と、を実行可能に構成しているため、示唆演出が実行された後(前兆演出実行中)に特定演出が設定されたとしても、遊技者に違和感を与えることなく示唆演出を実行することができる。
<示唆演出の別例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図189及び図190を参照して、本別例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明をする。本別例では、上述した第1制御例に対して、カウントダウン設定処理(図152参照)に代えてカウントダウン演出設定処理3(図189)を用いた点と、枠ボタン入力監視・演出処理(図139のS3107)において実行される処理内容を、枠ボタン入力監視・演出処理3(図190参照)の処理内容に変更した点で相違する。それ以外の要素は上述した第1制御例と同一であり、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図189を参照して、本別例において実行されるカウントダウン演出設定処理3(S3810)について説明をする。図189は、カウントダウン演出設定処理3(S3810)の内容を示したフローチャートである。図189に示した通り、カウントダウン演出設定処理3(S3810)が実行されると、上述した第1制御例と同一のS4301〜S4305の処理を実行し、その後、今回の変動パターンに設定されている変動時間と、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)と、に基づいて前兆演出の演出態様を設定し(S4351)、表示用前兆演出開始コマンドを設定し(S4352)、本処理を終了する。一方、S4301の処理において前兆設定フラグ223tがオンであると判別した場合は(S4301:Yes)、上述した第1制御例と同様に複数変動演出設定処理を実行し(S4321)、その後本処理を終了する。
以上説明をしたように、本追加例では、特別図柄の変動開始時に実行される変動表示設定処理(図147のS3114参照)にて実行されるカウントダウン演出設定処理3(S3810)において、示唆演出の開始契機となる前兆演出の開始タイミングが設定される。これにより、示唆演出の対象となる特定演出を設定することなく前兆演出が設定される。
なお、本追加例では、今回の特図変動が大当たりに当選した変動パターンであるか否かに応じて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を可変させるように構成しているが、それ以外の条件を用いて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定しても良く、例えば、実行される変動パターンの長さに応じて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定しても良いし、1つの変動パターンに対して設定可能な示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を複数設け、その複数の示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)の中から1の示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を決定するための抽選を行う抽選手段を設け、その抽選手段の抽選結果に基づいて設定しても良い。さらに、今回の特別図柄の変動が開始されるよりも前に遊技者が枠ボタン22を操作した操作内容に基づいて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定しても良い。
さらに、現在設定されている遊技状態に基づいて、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を可変させても良い。具体的には、例えば、現在設定されている遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)である場合には、結果的に長い示唆演出を実行し易くするために前兆A(変動開始からの期間が短い地点(図100(a)に示す前兆パターンA参照))を設定するように構成するとよい。これにより、示唆演出の演出態様によって、当該変動の抽選結果に加え、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆することができるため、実行される示唆演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、上述した第2制御例のように、遊技者が気付かないうちに遊技状態が最も遊技者に有利な確変状態から時短状態へと移行(転落)する移行(転落)手段を有するパチンコ機10においては、その遊技状態を示唆するための演出となるため、より遊技者に興味を持たせることができる。
加えて、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定する方法として、変動パターンとしてスーパーリーチ、或いはスペシャルリーチに対応する変動パターンが設定された場合において、変動開始からの所定タイミング(例えば、5秒後、10秒後)のうち何れかのタイミングで示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)が設定されるように構成しても良い。
本追加例のように、示唆演出の終了契機(カウントダウン演出の終了タイミング)、即ち、示唆演出の対象となる特定演出の開始契機(開始タイミング)が設定されていない状態で示唆演出を開始する場合は、当該示唆演出の演出期間が設定されていない状態であるため、上述した第1制御例のように、設定される演出期間に基づいて前兆演出の演出態様を設定することができないという問題がある。
これに対して、本追加例では、S4351の処理において、今回実行される変動パターンの変動時間と、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)と、に基づいて前兆演出の演出態様を設定するように構成している。具体的には、今回の変動パターンが60秒以上であって、且つ、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)が前兆Aの場合には、前兆演出の演出態様として、長期間の前兆演出に対応する長演出態様(図98(a)の第2経路Dc2b)が設定され、それ以外の場合には、短期間の前兆演出に対応する短演出態様(図98(a)の第1経路Dc1a)が設定される。
このように示唆演出が実行し得る期間(示唆演出の開始契機と当該変動の変動時間とに基づく演出実行可能期間)に基づいて前兆演出の演出態様を大まかに設定することで、後に設定される特定演出(示唆演出の演出期間)に対して遊技者に違和感を与えることの無い演出態様を設定することができる。
次に、図190を参照して、本別例において実行される枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)について説明をする。図190は、枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)では、図189の処理において設定された前兆演出が実行されている間に実行される枠ボタン22への押下操作に基づいて示唆演出の演出態様を設定する処理が行われる。
図190に示した通り、枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)が実行されると、まず、枠ボタン22が押下されたかを判別し(S5051)、押下されていない場合は(S5051:No)、このまま本処理を終了する。一方、S5051の処理において枠ボタン22が押下されたと判別した場合は(S5051;Yes)、次に、現在が前兆演出期間中であるかを判別する(S5071)。
S5071の処理において、現在が前兆演出期間中では無いと判別した場合は(S5071:No)、その他枠ボタン操作に関する処理を実行し(S5078)、本処理を終了する。一方、S5071の処理において、現在が前兆演出期間中であると判別した場合は(S5071:Yes)、次に、枠ボタン22の押下内容に対応した特定演出を設定する(S5072)。
ここで、S5072の処理について具体的に説明する。本追加例では前兆演出が実行されている場合(即ち、図98(a)の表示がされている場合)に、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて遊技者に枠ボタン22を操作させる操作演出が実行される。この操作演出では、枠ボタン22の操作に基づいて前兆演出として副表示領域Dsにて表示されている車を模したキャラクタDc1の移動態様(移動速度や移動位置)を可変させる演出が実行される。そして、キャラクタDc1の移動に対応してスクロールする副表示領域Dsに、今回の示唆演出にて設定される特定演出の種類を示すための特定演出示唆態様が表示されキャラクタDc1が獲得した特定演出示唆態様に対応する特定演出が設定される。
ここで、前兆演出中に副表示領域Dsに表示される特定演出示唆態様は対応する特定演出の内容(例えば、PUSH演出)を遊技者が把握可能な態様(例えば、「PUSH」の文字が付された態様)で表示される。そして、この特定演出表示態様は、今回の特図変動パターンにおいて設定可能な特定演出(特別図柄の大当たり抽選の結果に対応した特定演出)に基づいて設定され、具体的には、図100(b)を参照して示したように、変動開始から26秒後に実行される「カットイン演出」と、変動開始から30秒後に実行される「PUSH表示演出」とに対応する特定演出表示態様が表示される。
なお、本追加例では、特定演出の態様と、その特定演出が実行されるタイミングとが対応付けられているが、特定演出の態様と、その特定演出が実行されるタイミングとを別々で設定可能に構成しても良い。このように構成することで、前兆演出中に実行される操作演出において表示される複数の特定演出表示態様のうち、どの特定演出態様を獲得すれば示唆演出の期間が長く設定されるのかを遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。よって、操作演出が終了した後にも、示唆演出の全容を分かり難くすることができ、遊技者に対して継続して示唆演出を楽しませることができる。
また、今回の特別図柄の変動パターンの内容(変動時間や大当たり抽選結果)に基づいて、操作演出中に獲得した特定演出表示態様に対応する特定演出の実行タイミングを設定するように構成しても良い。これにより、遊技者が所望する特定演出を選択することが可能となり遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。このような構成を用いた場合であっても、遊技者が選択した特定演出が実行されるタイミングを上述したように今回の特別図柄の変動パターンの内容(変動時間や大当たり抽選結果)に基づいて設定することで、特別図柄の変動中に実行される演出に対して遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
図190に戻り説明を続ける。S5072の処理を終えると、次いで、現時点からカウントダウン演出の開始タイミングまでの期間を算出する(S5073)。このS5073の処理では、S5072の処理において設定された特定演出の実行タイミングから逆算してカウントダウン演出(本追加例では3秒間)の開始タイミングを算出し、現時点からカウントダウン演出の開始タイミングまでの期間を算出する。つまり、前兆演出中に実行される操作演出中にいち早く枠ボタン22を操作することで、S5073の処理において算出される期間を長くすることができる。
次に、S5073の処理において算出された間隔が15秒以内であるかを判別し(S5074)、15秒以内であると判別した場合は(S5074:Yes)、現在実行されている前兆演出の演出態様を短演出態様に設定し(S5075)、一方、15秒以内では無い(15秒よりも長い)と判別した場合は(S5074:No)、現在実行されている前兆演出の演出態様を長演出態様に設定する(S5076)。
つまり、本追加例では、特別図柄の変動開始タイミングにおいて、まず、今回の変動パターンの内容(変動時間、大当たり抽選結果)に基づいて、大まかに前兆演出の演出態様を設定し(図189のS4351)、その設定した演出態様に沿って前兆演出が実行される。そして、その前兆演出が実行されている間であって、今回の示唆演出の対象となる特定演出が設定された時点において、示唆演出の残期間(前兆演出の残期間)に基づいて前兆演出の演出態様を可変させるように構成している。
このように構成することで、変動表示中に実行される特定演出に向けて示唆演出を違和感無く表示させることができる。また、操作演出中の操作内容に基づいて前兆演出の表示態様も可変させることが可能となるため、例えば、意図的に前兆演出態様として短演出態様が設定され易い(前兆演出の残期間が短い)タイミングである操作演出中の終盤に枠ボタン22を操作し、長演出態様が設定されるか否か(今回の変動パターンが長時間の変動時間であるか否か)を楽しんだり、逆に、意図的に前兆演出態様として長演出態様が設定され易い(前兆演出の残期間が長い)タイミングである操作演出中の序盤に枠ボタン22を操作し、長演出態様にて実行される前兆演出を楽しんだり、遊技者の要望に応じた演出を実行することができる。
S5075或いはS5076の処理において前兆演出態様を設定した後は、設定した演出態様に対応する表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S5077)、上述したS5078の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本追加例では、特図変動が開始されるタイミングにおいて実行されるカウントダウン演出設定処理3(図189参照)にて、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)のみ設定し、前兆演出中に実行される枠ボタン22への操作に基づいて今回の示唆演出の対象となる特定演出を設定するように構成している。
このように構成することで、示唆演出の開始契機となる前兆演出の開始タイミングを特図変動の開始タイミングに設定し、その前兆演出が実行されている間(示唆演出が実行されている間)に、示唆演出の対象となる特定演出を設定することが可能となる。よって、予め定められた特定演出に対して示唆演出を実行する場合に比べて、示唆演出の演出態様を自由に設定することができ、演出効果を高めることができる。
さらに、上述した第1制御例と同様に、示唆演出として、特定演出が実行されるタイミングを大まかに報知する前兆演出と、特定演出が実行されるタイミングを具体的に報知するカウントダウン演出と、を実行可能に構成しているため、示唆演出が実行された後(前兆演出実行中)に特定演出が設定されたとしても、遊技者に違和感を与えることなく示唆演出を実行することができる。
加えて、本追加例では、示唆演出の一部演出(前半に実行される演出)である前兆演出の演出態様を段階的に可変設定することが可能であるため、示唆演出全体の演出態様を違和感無く設定することができる。なお、本追加例では、示唆演出の一部演出(後半に実行される演出)として実行されるカウントダウン演出の演出態様を固定(3秒間のカウントダウン表示)しているが、これに限ること無く、今回実行される特定演出が設定されるタイミング(図190のS5073参照)における特定演出が実行されるまでの間隔を判別し(図190のS5074参照)、その判別結果に基づいて、カウントダウン演出の演出期間を設定(例えば、3秒または7秒)するように構成しても良い。
以上説明をした本追加例に、上述した第1制御例にて説明した構成や技術思想のそれぞれを追加しても良く、また、上述した第1制御例の内容と、本追加例の内容とをそれぞれ有するパチンコ機10を設けても良い。
<第1制御例にて説明した各種演出を第2制御例に用いた場合の説明>
次に、第1制御例の内容と第2制御例の内容とを組み合わせた場合における内容について説明をする。具体的には、転落抽選の抽選結果、或いは、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて事前判別される転落抽選の事前判別結果に基づいて、上述した第1制御例にて説明した各種演出の演出態様を設定する場合の内容について説明をする。
上述した第1制御例では、大当たり中の演出を設定する大当たり中演出設定処理(図143のS3302参照)において、特別図柄2の保留球数と、その保留球内に大当たりに当選する入球情報があるか否かの判別結果に基づいて、大当たり中演出選択テーブル222cを参照して連続大当たり演出を設定可能に構成しているが、転落抽選の構成を有する遊技機では、転落抽選の抽選結果、或いは、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて事前判別される転落抽選の事前判別結果も参照して大当たり中演出を設定するように構成すると良い。
具体的には、先読み情報として大当たりに当選する入賞情報と、転落抽選に当選する入賞情報と、を特別図柄変動が実行される順番に対応付けて判別可能な第2事前判別手段を設け、その判別結果として、大当たりに当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行された後に転落抽選に当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行されると判別した場合には、連続大当たり演出を設定しないように構成すると良い。これにより、連続大当たり演出が実行される場合には、その時点において保留記憶されている入賞情報には転落抽選に当選する入賞情報が無いことになるため、連続大当たり演出が実行された場合における付加価値をより高めることができる。
また、第2事前判別手段により、転落抽選に当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行された後に大当たりに当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行されると判別した場合に、連続大当たり演出を設定するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、転落抽選に当選したことを示唆する転落示唆演出を実行することなく大当たり連続演出を実行することが可能となる。よって、転落示唆演出が実行されることにより遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、大当たり当選時における先読み情報のうち、大当たり終了後の1回転目に対応する入賞情報に転落抽選に当選することを示す情報が含まれていると判別した場合には、その大当たり中の演出として大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定されることを示唆する演出を実行しないように構成すると良い。つまり、大当たり終了後の1回転目の特別図柄変動の開始タイミングにおいて転落抽選に当選した場合は、遊技者に有利となる高確率状態で特別図柄の大当たり抽選を一度も受けることが無い。このような状態において、大当たり中に大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定されることを示唆する演出を実行してしまうと、遊技者に過度な期待感を与えてしまうことになる。上述した構成を用いた場合には、遊技者に過度な期待感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に、上述した第1制御例では、遊技者に有利な遊技状態(確変状態又は時短状態)が継続して設定される期間を報知するための継続演出(バトル演出)を実行可能に構成し、その継続演出の演出態様(バトル前演出の演出態様、及び、バトルリーチの演出態様)を今回の特別図柄の抽選結果、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)、及び、1回の有利状態中(確変状態中又は時短状態中)に繰り返し実行されるバトル演出の実行回数に基づいて、継続演出(バトル演出)の表示態様が設定されるように構成しているが、転落抽選の構成を有する遊技機では、転落抽選の抽選結果、或いは、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて事前判別される転落抽選の事前判別結果も参照して継続演出の演出態様を設定するように構成すると良い。
上述した各制御例では、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図147参照)が実行されるタイミングで変動パターン(変動演出)を設定するように構成している。つまり、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいた変動パターン(変動演出)の設定も、特別図柄の変動開始タイミングで実行されるように構成している。この場合、特別図柄の変動を開始させるために特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ203d或いは特別図柄2保留球数カウンタ203e)の値を1減算した状態であることから、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)が上限数に到達している状態で変動パターン(変動演出)を設定することが出来ないという問題があった。
上述した問題を解決するために、音声ランプ制御装置113によって変動パターン(変動演出)を設定する構成として、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に関わらず、共通して実行される第1変動パターン(例えば、第3図柄を変動させる演出)を設定する第1変動パターン設定手段と、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて実行される第2変動パターン(例えば、保留内に当たりがあることを示唆する示唆演出)を設定する第2変動パターン設定手段と、を有し、変動開始タイミング、即ち、以下の構成を用いると良い。即ち、コマンド判定処理(図140参照)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動表示設定処理(図147参照)では上述した第1変動パターンのみを設定する。
そして、第1変動パターンに基づいて変動演出が実行されてから所定時間後(例えば、5秒後)に、第2変動パターン設定手段により、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて第2変動パターンを設定し、第1変動パターンで実行されている変動演出に対して、第2変動パターンを示す情報を追加した変動演出を実行する。このように構成することで、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて変動パターン(変動演出)を設定するタイミングを特別図柄の変動開始タイミングよりも遅らせることができる。
よって、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)が上限数に到達している状態で先読み情報に基づく変動パターン(変動演出)を設定することができ、先読み情報に基づく演出(先読み演出)を実行し易くすることができる。
なお、上述した第2変動パターン設定手段により、第2変動パターンを設定する処理が実行されるタイミングを、特別図柄の変動が開始されてから一定時間(例えば、3秒)経過後に設定しても良いし、第1変動パターン設定手段により選択された変動パターンに対応させて第2変動パターンの設定タイミングを異ならせるようにしても良い。このように構成することで、実行される変動パターンによって先読み演出を設定するタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して意欲的に保留球を貯留させることができる。
ここで、第1変動パターン設定手段により選択された第1変動パターンに対応して設定される実行タイミングとしては、例えば、第1変動パターンとして比較的長い変動時間(60秒以上の変動時間)が設定された場合は、第2変動パターンの設定タイミングを変動開始から15秒後に設定し、第1変動パターンとして比較的短い変動時間(30秒の変動時間)が設定された場合は、第2変動パターンの設定タイミングを変動開始から5秒後に設定すると良い。
加えて、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間が所定期間(例えば10秒)未満の場合は、第2変動パターン設定手段を実行しないように構成しても良い。このように構成することで、先読み演出を実行困難な変動時間が設定された場合には、当該変動中に対して先読み演出が追加されることが無く、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制することができる。
また、第2変動パターン設定手段により設定され得る第2変動パターン(先読み演出)として、短期間(例えば、2秒)で実行される短演出(例えば、コメント表示予告)と、長期間(例えば、20秒)で実行される長演出(例えば、チャンス目停止予告)と、を設定可能に構成している場合であっても、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間が所定期間(例えば10秒)未満の場合には、第2変動パターン設定手段を実行しないように構成することで、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間が所定期間(例えば10秒)以上の場合に第2変動パターン設定手段により第2変動パターン(先読み演出)が実行され易くすることができる。
なお、上述したように、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間に応じて、第2変動パターン設定手段を実行しないように構成する場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報のうち、既に第2変動パターン設定手段により第2変動パターンを設定するか否かの判別が実行された入賞情報と、実行されていない入賞情報とを識別可能に記憶するように構成し、第2変動パターン設定手段が実行される場合に、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報のうち、既に第2変動パターン設定手段により第2変動パターンを設定するか否かの判別が実行された入賞情報を除外して第2変動パターンの設定判別を実行するように構成すると良い。
また、上述した例に加え、第2変動パターン設定手段により設定された第2変動パターン(先読み演出)が表示制御装置114によって実行されたことを示す先読み演出実行コマンドを表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113が第2変動パターン(先読み演出)を設定したにも関わらず、先読み演出実行コマンドを受信できない場合(先読み演出が実行されなかった場合)は、次の変動において、再度、同一の入賞情報に対して第2変動パターン設定手段を実行するように構成すると良い。
特別図柄の始動入賞(第1入球口64、或いは第2入球口140)を複数記憶(保留記憶)可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された情報(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選(変動)が実行されるよりも前に(記憶手段に記憶された入賞情報に基づく特別図柄の抽選条件が成立するよりも前に)、記憶手段に記憶されている入賞情報の内容を事前に判別する事前判別手段(先読み手段)と、を有した遊技機において、事前判別手段の判別結果に基づいた変動演出(先読み演出)を実行する場合には、特別図柄の変動開始時に、事前判別手段の判別結果に基づいて今回の特別図柄変動の演出態様を設定する演出態様設定手段を設ける構成がある。
上述した構成を有した遊技機によれば、特別図柄の変動時間に対応した演出態様として事前判別手段の判別結果に基づいた演出態様を設定することができるため、実行される演出態様を、今回の特別図柄の抽選結果、及び、記憶手段に記憶されている入賞情報の判別結果の両方を示唆する内容とすることができ、遊技者に興味を持たせる演出を実行することができる。しかしながら、特別図柄の変動開始時に事前判別結果の判別結果に基づいた演出態様が決定されるため、記憶手段に記憶される入賞情報の数が上限数に到達していない状態で演出態様を設定しなければならないという問題があった。つまり、演出態様を設定するタイミングが、記憶手段に記憶されている最古の入賞情報(次の特別図柄変動に用いられる入賞情報)を用いて特別図柄の変動を実行するタイミング(記憶手段に記憶されている入賞情報が1つ減ったタイミング)であるため、記憶手段に記憶されている入賞情報の数が上限数に到達している状態で演出態様を設定することができず、事前判別手段の判別結果に基づいた変動演出(先読み演出)の実行頻度が低下してしまうという問題があった。
さらに、上述した構成では、特別図柄の変動を開始するタイミングに、記憶手段に記憶されている入賞情報の内容を判別する処理と、特別図柄の変動に対応する演出態様を設定する処理と、を実行する必要があり、短期間に処理が集中してしまい処理負荷が増大してしまうという問題があった。
また、事前判別手段の判別結果に基づいた変動演出(先読み演出)を実行する構成として、上述した構成以外にも、記憶手段に新たな入賞情報が記憶されたことに基づいて上述した事前判別手段による判別を実行し、その判別結果に基づいて、特別図柄の変動表示とは異なる事前判別結果を示すための演出(先読み演出)を実行する遊技機もある。
このような構成では、新たな入賞情報が記憶手段に記憶されるタイミングで先読み演出を実行することができるため、事前判別手段の判別結果に基づいた演出を円滑に行うことができる。しかしながら、実行される演出が事前判別手段の判別結果を示すための演出となってしまうことから、現在実行中の特別図柄の判別結果を示す演出と表示内容が重複してしまい、遊技者に対して分かり難い表示となってしまうという問題があった。また、新たな入賞情報が記憶手段に記憶されるタイミングで先読み演出を実行する制御を行うため、一時的に処理負荷が増大してしまうという問題がった。
上述した問題を解決するために、音声ランプ制御装置113によって変動パターン(変動演出)を設定する構成として、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に関わらず、共通して実行される第1変動パターン(例えば、第3図柄を変動させる演出)を設定する第1変動パターン設定手段と、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて実行される第2変動パターン(例えば、保留内に当たりがあることを示唆する示唆演出)を設定する第2変動パターン設定手段と、を有し、変動開始タイミング、即ち、以下の構成を用いると良い。即ち、コマンド判定処理(図140参照)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動表示設定処理(図147参照)では上述した第1変動パターンのみを設定する。
そして、第1変動パターンに基づいて変動演出が実行されてから所定時間後(例えば、5秒後)に、第2変動パターン設定手段により、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて第2変動パターンを設定し、第1変動パターンで実行されている変動演出に対して、第2変動パターンを示す情報を追加した変動演出を実行する。このように構成することで、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて変動パターン(変動演出)を設定するタイミングを特別図柄の変動開始タイミングよりも遅らせることができる。
<第3制御例>
次に、上述した第1制御例にて説明した継続演出の別制御例について説明をする。上述した第1制御例は、図90に示した通り、高確中(確変状態中、或いは時短状態中)にバトル演出(バトル前演出およびバトルリーチ)が繰り返し実行されるように構成されている。上述した第1制御例の制御内容では、特別図柄の抽選結果によってはバトルリーチを実行し得る変動パターン(変動時間が60秒以上となる変動パターン)や、バトルリーチを実行することができない変動パターン(変動時間が5秒となる変動パターン)が連続して選択されてしまう場合があった。上述した第1制御例では、遊技者の演出に対する興趣が低下してしまうこと抑制するために、バトルリーチを実行し得る変動パターン(変動時間が60秒以上となる外れ変動パターン)が所定期間内(例えば特別図柄が6回変動する間隔内)に複数選択された場合には、後者の変動パターンに対してバトルリーチを実行しないように構成することで、バトルリーチが無用に実行されてしまい、演出効果の低下を招くという問題を解決するように構成しているが、バトルリーチを実行し得る変動パターンと、バトルリーチを実行し得ない変動パターンと、を特別図柄の抽選結果に基づいてランダムに選択する第1制御例では、特別図柄の抽選結果次第では、バトルリーチを実行することができない変動パターン(変動時間が5秒となる変動パターン)が連続して選択されてしまい、バトル前演出が長期間継続してしまうという問題が残ったままであった。
そこで、本第3制御例では、遊技状態として確変状態中に継続演出(バトル演出)が実行されるように構成し、その確変状態中に実行される特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを選択する際に用いる変動パターンテーブルとして、バトル前演出が実行される(され易い)変動パターンテーブルと、バトルリーチが実行される(され易い)変動パターンテーブルとを予め定められた規則(変動シナリオ)に沿って用いるように構成している。
このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に、特別図柄変動回数が所定回数目(例えば、大当たり終了から14回転目)である場合に、必ずバトルリーチを実行することができ、上述した問題を解決することができる。さらに、本第3制御例では、確変状態が設定されている間に用いられる変動シナリオを内容の異なる複数の変動シナリオから選択して用いるように構成している。これにより、予め定められた変動シナリオに沿って変動パターンが選択される構成を用いた場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第3制御例では、同一の価値(大当たり遊技の内容、大当たり終了後に設定される遊技状態)を提供する大当たりに対して複数種類の大当たり種別を用意しておき、選択された大当たり種別に対応する変動シナリオに基づいて、大当たり終了後に実行される変動パターンを選択するように構成している。これにより、大当たりの種別に応じてその大当たり終了後に実行される変動シナリオを設定することができるため、大当たり終了後の1回転目の特別図柄変動から確実に変動シナリオに沿った変動パターンを選択することができる。
<第3制御例における電気的構成について>
次に、図191から図202を参照して、本第3制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第3制御例におけるパチンコ機10では、第1制御例におけるパチンコ機10に対し、主制御装置110に設けられているROM202の内容とRAMの203の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の内容とRAM223の内容とを一部変更した点と、表示制御装置114に設けられているキャラクタROM234の内容とを一部変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図191(a)は、主制御装置110のROM202の内容を模式的に示したブロック図である。図191(a)に示した通り、本制御例におけるROM202は、第1制御例におけるROM202に対し、変動シナリオ設定テーブル202caを追加した点と、第1当たり種別選択テーブル202cの内容を一部変更した点と、変動パターン選択テーブル202dの内容を一部変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図192を参照して本第3制御例における第1当たり種別選択テーブル202cの内容について説明をする。図192は本第3制御例における第1当たり種別選択テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。なお、上述した第1制御例にて用いた第1当たり種別選択テーブル202cと同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
本第3制御例における第1当たり種別選択テーブル202cでは、大当たり遊技の内容(ラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、に対応した大当たり種別(大当たりA〜大当たりK)を更に細分化した大当たり種別(大当たりAa〜Aj)が規定されている。具体的には、「大当たりA」が対応付けて規定されている第1当たり種別カウンタC2の値「0〜19」のうち、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,1」の範囲には、「大当たりAa」が対応付けて規定されており、「2,3」の範囲には、「大当たりAb」が対応付けて規定されており、「4,5」の範囲には、「大当たりAc」が対応付けて規定されており、「6,7」の範囲には、「大当たりAd」が対応付けて規定されており、「8,9」の範囲には、「大当たりAe」が対応付けて規定されており、「10,11」の範囲には、「大当たりAf」が対応付けて規定されており、「12,13」の範囲には、「大当たりAg」が対応付けて規定されており、「14,15」の範囲には、「大当たりAh」が対応付けて規定されており、「16,17」の範囲には、「大当たりAi」が対応付けて規定されており、「18,19」の範囲には、「大当たりAj」が対応付けて規定されている。
つまり、本第3制御例では、第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される20個の乱数値に対して、10種類の大当たり種別(大当たりAa〜大当たりAj)が均等に割り振られるように規定されており、それぞれの大当たり種別(大当たりAa〜大当たりAj)が選択される割合が1%となるように構成されている。
なお、詳細な説明は後述するが、本第3制御例では、「大当たりAa」〜「大当たりAj」の何れかが選択された場合には、「大当たりA」に規定される大当たり遊技(15ラウンド遊技)が実行され、その大当たり遊技終了後には「大当たりA」に規定される遊技状態が設定される。そして、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動パターン(変動時間)が、選択された大当たり種別(大当たりAa〜大当たりAj)によって異なるように構成されている。
このように構成することで、特定の大当たり遊技が設定された場合において、その大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動の変動パターンを異ならせることができるため、例えば、大当たり種別として「大当たりAa」が選択された場合よりも、「大当たりAj」が選択されたほうが、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され易くすることができる。即ち、同一の大当たり遊技内容で同一の遊技状態が設定される大当たり種別であっても、その大当たり遊技終了後の特別図柄変動における単位時間当たりの変動回数を大当たり種別によって異ならせることができるため、いち早く次の大当たりに当選したい遊技者に対して、大当たり遊技終了後の特別図柄変動が実行されるタイミングまで当選した大当たり種別に対する期待感を持たせることができる。
上述した「大当たりA」と同様に、第1当たり種別選択テーブル202cに規定されている「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりG」、「大当たりI」、即ち、大当たり遊技終了後に高確率状態、且つ時短状態(以下、確変状態と称す)が付与される大当たり種別に対しては、それぞれの大当たり種別の小分類である「a〜j」が均等に割り振られるように規定されている。一方、「大当たりC」、「大当たりH」、「大当たりJ」、「大当たりK」、即ち、大当たり遊技終了後に高確率状態、且つ時短状態が付与されない(低確率状態、且つ時短状態が付与される)大当たり種別に対しては、大当たり種別の小分類(a〜j)を規定せず、その大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)として共通の変動パターンが選択されるように構成している。
次に、図193(a)を参照して、本第3制御例における変動パターン選択テーブル202dの内容について説明をする。図193(a)は本第3制御例における変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。図193(a)に示した通り、本第3制御例では、第1制御例に対して、特殊変動パターンテーブル202d4を削除した点と、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202dc1、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2、第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3、特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4を追加した点で相違している。
ここで、図193(b)を参照して、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202dc1について説明をする。図193(b)は、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202dc1の内容を模式的に示した模式図である。この大当たり用(確変)変動パターンテーブル202dc1は、遊技状態が確変状態であり、且つ、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルである。
図193(b)に示した通り、変動時間が60秒又は90秒の変動パターンのうち、何れかの変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲には、変動時間が60秒の変動パターン(スーパーリーチ各種)が対応付けて規定されており、「180〜198」の範囲には、変動時間が90秒の変動パターン(スペシャルリーチ各種)が対応付けて規定されている。本第3制御例では、変動時間が60秒の変動パターンが選択された場合には、音声ランプ制御装置113によって3回の攻撃が繰り広げられるバトルリーチ(勝利バトル)が実行され(図94参照)、90秒の変動パターンが選択された場合には、3回の攻撃が繰り広げられた後に復活演出が行われるバトルリーチ(勝利バトル)が実行される(図96参照)。
次に、図193(c)を参照して、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2について説明をする。図193(c)は、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2の内容を模式的に示した模式図である。この第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2は、遊技状態が確変状態であって、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルの1つである。
図193(c)に示した通り、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2では、短い変動時間(例えば、3秒、5秒)の変動パターンが、長い変動時間(例えば、60秒)の変動パターンよりも選択され易くなるように構成されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲には、変動時間が3秒の変動パターン(短外れa)が対応付けて規定されており、「150〜197」の範囲には、変動時間が5秒の変動パターン(短外れb)が対応付けて規定されており、「198」には、変動時間が60秒の変動パターン(長外れa)が対応付けて規定されている。
つまり、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2では、変動種別カウンタC1の取り得る199個のカウンタ値(乱数値)のうち、198個の乱数値(「0〜197」の範囲)に対して、変動時間が短い変動パターンである短外れ(短外れa、短外れb)が規定され、残りの1個の乱数値(「198」)に対して、変動時間が長い変動パターンである長外れ(長外れa)が規定されていることから、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2を参照して変動パターンを選択する場合の殆ど(約99.5%)において、変動時間が短い変動パターンが選択される。
本第3制御例では、変動時間が3秒の変動パターン(短外れa)或いは5秒の変動パターン(短外れb)が選択された場合には、音声ランプ制御装置113によってバトル前演出(図91、図92参照)が実行され、そのうち、「短外れb」が選択された場合に、相手の継続値(HP値)を増減させる攻撃演出(図92参照)が実行される。なお、「短外れa」が選択された場合には、相手の継続値(HP値)を増減させる演出を実行することなく、例えば、自身のキャラクタと相手のキャラクタが会話をする演出や、相手のキャラクタを切り替える演出が実行される。また、「長外れa」が選択された場合は、3回の攻撃が繰り広げられるバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される(図94参照)。
次に、図193(d)を参照して、第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3の内容について説明をする。図193(d)は、第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3の内容を模式的に示した模式図である。この第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3は、遊技状態が確変状態であって、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルの1つであって、図193(d)に示した通り、変動時間が60秒又は90秒の変動パターンのうち、何れかの変動パターンが選択されるように構成されている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜197」の範囲には、変動時間が60秒の変動パターン(長外れa)が対応付けて規定されており、「198」には、変動時間が90秒の変動パターン(長外れb)が対応付けて規定されている。
図193(e)は、特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4の内容を模式的に示した模式図である。この特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4は、大当たり遊技状態が確変状態である場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルであって、特別図柄の抽選結果に関わらず、変動時間が0.5秒の変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れの場合は変動種別カウンタCS1の値の全範囲(「0〜198」)に、変動時間が0.5秒の変動パターン(超短外れ)が対応付けて規定されており、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合は変動種別カウンタCS1の値の全範囲(「0〜198」)に、変動時間が0.5秒の変動パターン(超短当たり)が対応付けて規定されている。
図191(a)に戻り説明を続ける。変動シナリオ設定テーブル202caは、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照する変動パターン選択テーブル202d(図193(a)参照)を、特別図柄の変動回数に対応させて規定した変動シナリオが、大当たり種別に対応付けて規定されているものである。この変動シナリオ設定テーブル202caは、主制御装置110が実行する大当たり制御処理(図137のS1104参照)において、エンディング演出の終了タイミング、即ち、大当たり遊技の終了タイミングであると判別した場合に(図137のS1211:Yes)、今回当選した大当たり種別に対応する変動シナリオを設定するために参照され、今回当選した大当たり種別に対応した変動シナリオが読み出され、変動シナリオ格納エリア203caに格納される。
ここで、変動シナリオ設定テーブル202caに規定されている変動シナリオの内容について、図194〜196を参照して説明をする。図194(a)は、変動シナリオ設定テーブル202caの内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ設定テーブル202caは、図194(a)に示した通り、大当たり種別(大当たり種別の小分類(a〜j))と、大当たり当選時の遊技状態とに対応付けて各変動シナリオ(変動シナリオ1〜変動シナリオ11)が規定されている。
つまり、本第3制御例では、当選した大当たり種別と、大当たりに当選した際の遊技状態とに応じて、大当たり終了後に実行される特別図柄変動の変動パターン(大当たり終了後に実行される特別図柄変動の変動パターンを選択する範囲)を異ならせることができる。よって、大当たりに当選した場合に、大当たり遊技の内容(ラウンド数)と、大当たり遊技後に設定される遊技状態と、に加え、大当たり遊技後に設定される変動パターンをも異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図194(a)に示した通り、大当たりに当選した際の遊技状態によって、大当たり終了後に設定される変動シナリオが異なるように構成されている。具体的には、大当たりに当選した際の遊技状態が時短なし状態(特別図柄の高確率状態、低確率状態共通)の場合は、何れの大当たり種別(大当たり種別の小分類(a〜j))が設定された場合であっても共通の変動シナリオ(変動シナリオ1)を設定し、大当たりに当選した際の遊技状態が時短あり状態(特別図柄の高確率状態、低確率状態共通)の場合は、設定された大当たり種別(大当たり種別の小分類(a〜j))に対応した変動シナリオ(変動シナリオ2〜11)を設定するように構成している。
このように構成することで、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合よりも、時短あり状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合のほうが、単位時間当たりの特別図柄変動回数を多くすることが可能となる。よって、遊技者に対して大当たりに当選した際の遊技状態をより意識させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第3制御例では、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ1)よりも、時短あり状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ2〜変動シナリオ11)のほうが、単位時間当たりの特別図柄変動回数が多くなるように各変動シナリオを構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選したほうが単位時間当たりの特別図柄変動回数が多くなるように各変動シナリオを構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短あり状態において確変大当たりに当選した場合にのみ設定され得る演出モードにおいて、特典映像を長く実行させることができる。
また、時短あり状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ2〜変動シナリオ11)のうち、一部の変動シナリオを、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ1)よりも単位時間当たりの特別図柄変動回数が少なくなるように設定しても良いし、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に、大当たり種別(大当たり種別の小分類(a〜j))に基づいて複数の変動シナリオが設定されるように構成しても良い。
次に、図194(b)〜図196(d)を参照して、変動シナリオ設定テーブル202caに規定されている各変動シナリオの内容について説明をする。図194(b)は、変動シナリオ1の内容を示した模式図である。まず、変動シナリオに規定されている内容について図194(b)を参照して説明する。変動シナリオは、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄の変動回数(即ち、大当たり遊技終了後の1回の特別図柄変動が変動回数1となる)と、その変動の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルと、が対応付けて規定されている。
また、本第3制御例では、上述した通り、大当たり遊技終了後に遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別に当選した場合に、変動シナリオ設定テーブル202caにより対応する変動シナリオが設定され、変動シナリオに規定されている内容に従って変動パターンの選択が行われるように構成している。
図194(b)に示した通り、変動シナリオ1では変動回数が「1〜4」の場合に参照される変動パターンテーブルとしてテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4)が規定され、変動回数が「5〜」の場合に参照される変動パターンとしてテーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3)が規定されている。
この変動シナリオ1は、図194(a)にて示した通り、遊技状態として時短状態が付与されていない状態において、大当たり種別(小分類)が付与されている全ての大当たりに当選した場合に設定される。変動シナリオ1が設定されると、大当たり終了後の特別図柄変動1〜4回転の間は、特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4(テーブルA)(図193(e)参照)が用いられ、特別図柄の抽選結果に関わらず変動時間が0.5秒の変動パターンが選択される。
そして、大当たり終了後の特別図柄変動5回転目以降は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(テーブルB)(図108(d)参照)が用いられ、変動時間が7秒〜90秒の外れ変動パターンが変動種別CS1の取得値に基づいて選択される。なお、変動シナリオ1は遊技状態が確変状態である場合に設定されるシナリオであるため、変動シナリオ1が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合は、上述したように、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202dc1を用いて変動パターンが選択される。
次に、図194(c)を参照して、変動シナリオ2の内容について説明をする。図194(c)に示した通り、変動シナリオ2では変動回数が「1〜4」の範囲に、上述した変動シナリオ1と同様にテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜13」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が規定され、変動回数が「14」の場合にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定される。
以後、変動回数が「199」に到達するまで、変動回数9回分にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が対応付けて規定され、変動回数1回分にテーブルD(第2外れ(確変)変動パターンテーブル202dc3)が対応付けて規定される。つまり、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が「5〜199」の期間は、テーブルCを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動を9回実行した後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるシナリオが繰り返し実行される。
このように構成することで、遊技状態として確変状態が設定されている期間中に実行されるバトル演出において、バトル前演出が実行される特別図柄変動(テーブルCを用いて短外れ(短外れa、短外れb)が選択された特別図柄変動)と、バトルリーチが実行される特別図柄変動(テーブルDを用いて長外れ(長外れa、長外れb)が選択された特別図柄変動)と、を予め設定することができるため、バトルリーチが実行される特別図柄変動に向けてバトル前演出の演出態様を可変させることができる。
また、本第3制御例では、テーブルCを用いて変動パターンを選択する場合に、僅かではあるが長外れa(60秒の外れ変動)が選択されるように構成している。これにより、予め変動シナリオを設定する場合において、意外性のあるタイミングでバトルリーチを実行可能に構成している。これにより、意外性のあるタイミングでバトルリーチが実行された場合(即ち、バトルリーチを実行可能な変動時間(60秒以上の変動時間)が選択された場合)において、遊技者に対して大当たりに当選したことを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、上述したように、変動シナリオを設定し、バトル前演出とバトルリーチとが実行される期間を予め設定可能とすることで、遊技者に対して違和感を与えることなく長期間(例えば、保留記憶の上限数よりも多い数の特別図柄変動が実行される期間)におけるバトル前演出の演出態様を設定することが可能となるが、バトル演出が実行される度に、毎回同一の変動シナリオに基づく演出が実行されてしまうと、遊技者がバトル演出そのものに飽きてしまうという問題があった。
そのような問題を解決するために、本第3制御例では、大当たりの遊技内容(ラウンド数)と、大当たり終了後に設定される遊技状態と、が同一の大当たり種別(例えば、「大当たりA」)に対して、異なる変動シナリオが規定されている複数の大当たり種別(例えば、「大当たりAa」〜「大当たりAj」)を設け、バトル演出中における変動シナリオの内容を遊技者が用意に把握できないように構成している。
これにより、変動パターンのシナリオ化によるメリット(遊技者に違和感を与えることの無い長期間演出の提供)を持ちながら、シナリオ化によるデメリット(演出の単調化)を抑制することができる。また、大当たりの遊技内容(ラウンド数)と、大当たり終了後に設定される遊技状態と、が同一の大当たり種別(例えば、「大当たりA」)に対して、複数の変動シナリオに構成しているため、大当たりの遊技内容や、大当たり終了後に設定される遊技状態を遊技者が把握した場合であっても、大当たり終了後にどの変動シナリオで特図変動が実行されているのかを把握し難くすることができる。よって、バトルリーチが実行された場合に、変動シナリオに基づく予め定められたバトルリーチ(引き分けバトル)なのか、大当たりに当選したことに基づくバトルリーチ(勝利、又は敗北バトル)なのかを分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、「大当たりA」,「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりG」、「大当たりI」の全てに対して、「a〜j」が付与された大当たり種別を規定しているが、各大当たりに対して規定される大当たり種別を異ならせても良く、例えば、「大当たりA」に対応する大当たり遊技が実行された場合には、特定の変動シナリオ(例えば、変動シナリオ2)のみ設定可能となるように構成しても良い。これにより、長期間遊技を行っている遊技者に対して、大当たりの遊技内容と、変動シナリオとの関係を把握させやすくすることができる。よって、特定の大当たり遊技(例えば「大当たりA」に対応する大当たり遊技)の終了後に、いつもとは異なるタイミングでバトルリーチが実行された場合に、大当たりへの期待感を高めることができる。
そして、特別図柄の変動回数が「200〜」の範囲に、テーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3)が対応付けて規定されている。このように構成することで、本制御例のように次回大当たりまで確変状態が継続するパチンコ機10において、変動シナリオを無限に作成する必要が無くなるため、主制御装置110のデータ容量を削減することができる。なお、本第3制御例では、確変状態における特別図柄の大当たり確率(約1/48(図106(a)参照)に対して、その確率の4倍以上の抽選を実行した場合に到達する変動回数「200」を超えると、テーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3)が実行されるように構成しているが、それ以上の変動回数に到達した場合にテーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3)が実行されるように構成しても良く、例えば、大当たり確率の10倍以上の抽選を実行した場合に到達する変動回数「500」を超えた場合に、テーブルBを用いた変動パターンの選択が実行されるように構成しても良い。
また、本第3制御例では、変動シナリオの上限である変動回数「200」を超えた場合に、テーブルBを用いた変動パターンの選択が実行されるように構成しているが、それ以外のテーブルを用いても良く、例えば、テーブルAを用いた変動パターンの選択が次回大当たりに当選するまで実行されるように構成しても良いし、変動シナリオの上限である変動回数「200」から変動回数「399」の期間はテーブルAを用いた変動パターンの選択が実行され、変動回数が「400」を超えた場合に、テーブルBを用いた変動パターンの選択が次回大当たりに当選するまで実行されるように構成しても良い。
なお、上述したように、本第3制御例では通常であれば大当たりに当選し得る抽選回数の範囲内における特別図柄変動に対してバトル演出を変動シナリオに基づいて実行するように構成しているが、変動シナリオの上限(変動回数「200」)を超えた場合には、第3図柄表示装置81において、バトル演出以外の演出が実行されるように構成すると良い。この場合、通常では遊技者が見ることのできない映像や音声が提供されたり、遊技者が収集しているポイントが付与されたりする特典演出が実行されるように構成すると良い。これにより、長期間に渡って大当たりに当選できなかった遊技者に対して特別な特典を付与することが可能となる。加えて、本第3制御例では、確変状態中に実行されるバトル演出を円滑に実行するために設定された変動シナリオに対応する変動パターンとは異なる変動パターンを用いて上述した特典演出を実行することが可能となるため、特典演出の自由度を高めることができる。
次に、図194(d)を参照して変動シナリオ3の内容について説明をする。図194(d)は、変動シナリオ3の規定内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ3は上述した変動シナリオ2(図194(c)参照)に対して、テーブルC、及びテーブルDを用いて変動パターンが選択される期間が異なるように構成されている。具体的には、変動シナリオ3では変動回数が「1〜4」の範囲に、上述した変動シナリオ2と同様にテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜9」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が規定され、変動回数が「10」の場合にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定される。
以後、変動回数が「190」に到達するまで、変動回数5回分にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が対応付けて規定され、変動回数1回分にテーブルD(第2外れ(確変)変動パターンテーブル202dc3)が対応付けて規定される。つまり、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が「5〜190」の期間は、テーブルCを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動を5回実行した後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるシナリオが繰り返し実行される。
このように構成することで、設定される変動シナリオの種別によって、変動シナリオに基づくバトルリーチ(引き分けバトル)が実行されるタイミングを異ならせることができるため、大当たりに当選したことに基づくバトルリーチ(勝利、又は敗北バトル)なのかを分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
そして、上述した変動シナリオ2と同様に、変動回数が「190〜198」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が規定され、変動回数が「199」の場合にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定され、変動回数が「200〜」の範囲に、テーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3)が規定されている。
このように、最後のバトルリーチ(変動回数が「199」の場合に実行されるバトルリーチ)に対応するバトル前演出の期間(変動回数が「190〜198」の期間)を大当たり種別に関わらず統一することで、どの大当たり種別が設定されている場合であっても実行される演出内容を統一させ易くすることができる。よって、バトル演出が終了することを遊技者に示唆する演出(バトル前演出やバトルリーチの演出態様を通常とは異ならせる演出)を大当たり種別毎に用意する必要が無くなるため、演出データの容量を削減することができる。
なお、全ての大当たり種別に対して、バトル演出が終了することを遊技者に示唆する演出(バトル前演出やバトルリーチの演出態様を通常とは異ならせる演出)を統一する必要は無く、少なくとも2つの大当たり種別に対してバトル演出が終了することを遊技者に示唆する演出(バトル前演出やバトルリーチの演出態様を通常とは異ならせる演出)が統一されるように変動シナリオを構成していれば、演出データの容量を削減することができる。
次に、図195(a)を参照して、変動シナリオ4の内容について説明をする。図195(a)は、変動シナリオ4の内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ4は、変動回数が「1〜14」までの期間において、上述した変動シナリオ2(図194(c)参照)と同一の内容が規定されており、それ以降に規定されている内容が変動シナリオ2とは異なるように構成されている。このように、複数の変動シナリオが大当たり終了後から所定期間の間、同一の内容を規定し、所定期間経過後に内容を異ならせるように構成することで、遊技者に対して、今回設定されている変動シナリオが何であるかをより分かり難くすることができる。
図195(b)は、変動シナリオ5の内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ5は、変動シナリオ2〜4とは異なり、テーブルAを用いて変動パターンが選択される変動回数「1〜4」の後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行される。つまり、バトル前演出を実行することなく、バトルリーチ(引き分けバトル)が実行される。このように構成することで、他の変動シナリオが設定された場合に比べてバトル演出に対して遊技者に大きな違和感を与えることができる。よって、バトル演出開始直後に実行されるバトルリーチに対して大当たりの期待感を高めさせることができる。その他の内容については、上述した変動シナリオ2〜4と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図195(c)は、変動シナリオ6の内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ6は、図195(c)に示した通り、テーブルAを用いて変動パターンが選択される期間を有していない点と、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が連続して設定されている点とで、その他の変動シナリオとは相違している。その他の要素については、上述した変動シナリオ2〜4と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、上述した変動シナリオ6に対しても、遊技者に変動シナリオを容易に把握されてしまうことを防ぐために、変動シナリオに規定される変動パターンテーブルを同一にし、各変動パターンテーブルに対応付けられた変動回数のみを異ならせた変動シナリオ7(図195(d)参照)を設けている。これにより、大当たり終了後にテーブルCを用いて変動パターンが選択される場合(即ち、大当たり終了直後にバトル演出が開始される場合)であっても、遊技者に対して、今回設定されている変動シナリオが何であるかを分かり難くすることができる。
次に、図196(a)を参照して、変動シナリオ8の内容について説明をする。図196(a)は、変動シナリオ8の内容を示した模式図である。変動シナリオ8は、図196(a)に示した通り、上述した変動シナリオ1〜7に対して、テーブルAを用いて変動パターンが選択される期間を長く設定している点で相違している。具体的には、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動回数が「1〜10」の範囲にテーブルAが対応付けて規定されている。このように構成することで、特別図柄の抽選結果に関わらず変動時間が0.5秒の変動パターンが選択されるテーブルAを用いて変動パターンを選択する期間を長くすることができるため、複数の大当たりを短期間に提供することができる。
また、このテーブルAが対応付けて規定されている期間中は、第3図柄表示装置81において、上述した第1制御例の延長表示と同様の表示、即ち、大当たり遊技の終了を示すエンディング画面が表示されるように構成している。これにより、複数回の大当たり遊技に対して一連の大当たり演出を実行することができる。
次に、図196(b)を参照して、変動シナリオ9について説明をする。図196(b)は、変動シナリオ9の内容を示した模式図である。この変動シナリオ9は図196(b)に示した通り、大当たり終了後に最初に規定される変動パターンテーブルを、テーブルAに替えてテーブルBとしている点で他の変動シナリオと相違している。このように構成することで、遊技者に対して大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定されていないと思わせることができる。その後、テーブルBが対応付けて規定されている期間(変動回数「1〜4」の期間)を経過すると、他の変動シナリオと同様にテーブルC及びテーブルDを用いた変動パターンが選択されるように構成し、選択された変動パターンに対応させてバトル演出が第3図柄表示装置81に表示されるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
図196(c)は、変動シナリオ10の内容を示した模式図である。図196(c)に示した通り、変動シナリオ10では、テーブルDを用いて変動パターンを選択する期間が設定されていない点で他の変動シナリオと相違している。つまり、この変動シナリオ10では、バトル演出が実行される期間中においてテーブルDを用いて変動パターンを選択されることがないため、変動シナリオに基づいて予め定められたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行されることが無い。
本変動シナリオ10では、テーブルCを用いて変動パターンを選択する際の変動種別カウンタCS1の取得値が「198」であり、変動時間が60秒の変動パターン(長外れa)が選択された場合、或いは、特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202dc1を用いて変動時間が60秒或いは90秒の変動パターンが選択された場合にバトルリーチが実行されることになる。よって、本変動シナリオ10が設定されている場合は、他の変動シナリオが設定されている場合に比べて、バトルリーチが実行された場合に大当たりに当選している確率を高くすることができる。
また、本第3制御例では、上述した第1制御例と同様に、特別図柄の抽選結果が大当たりであって、その大当たり終了後の遊技状態として確変状態が付与される確変大当たりと、その大当たり終了後の遊技状態として通常状態が付与される通常大当たりとを有しており、バトル演出中に実行されるバトルリーチでは、確変大当たりに当選した場合に勝利バトルが実行され、通常大当たりに当選した場合に敗北バトルが実行されるように構成されており、特別図柄の抽選結果が外れの場合に引き分けバトルが実行されるように構成されている。
つまり、本変動シナリオ10が設定されている場合は、他の変動シナリオが設定されている場合に比べて引き分けバトルが実行される頻度を低下させることができる。よって、バトルリーチが実行された場合の演出内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。なお、変動シナリオ10のようにテーブルDを用いることなく変動シナリオを設定する場合には、バトル前演出が長期間実行される虞があるため、例えば、テーブルCを用いて選択され得る変動パターン(変動時間が3秒〜5秒の変動パターン)よりも変動時間が短い変動パターン(例えば、変動時間が0.5秒〜1秒の変動パターン)が選択され得るテーブル(テーブルC2)を用いると良い。これにより、バトル前演出が継続して実行される期間を短縮することができる。
次に、図196(d)を参照して、変動シナリオ11について説明をする。図196(d)は変動シナリオ11の内容を示した模式図である。この変動シナリオ11は、図196(d)に示した通り、大当たり終了後に最初に規定される変動パターンテーブルを、テーブルCとしている点、大当たり終了後から所定期間経過後(特別図柄が249回変動した後)にテーブルAを規定している点、変動シナリオの上限回数を「400」としている点で他の変動シナリオと相違している。
変動シナリオ11によれば、上述した変動シナリオ10と同様にテーブルDを用いて変動パターンが選択される期間を有していないため、バトルリーチが実行された場合に大当たりに当選している可能性(勝利または敗北バトルが実行される可能性)を高めることができ、遊技者をバトルリーチの演出内容に注視させることができる。
また、大当たり終了後からの特別図柄変動回数が所定回数(399回)を超えた場合に、単位時間当たりの変動回数が最も高くなるテーブルAを規定しているため、遊技状態として確変状態が設定されているにも関わらず、大当たりに当選しない期間が長期間(例えば、大当たり確率の分母の値の10倍の回数の特別図柄変動が実行される期間)継続した場合に、遊技者が感じる不満感を抑制することができる。
以上、説明をしたように本第3制御例では、同一の大当たりが実行される大当たり種別に対して、複数(10種類)の変動シナリオを設定可能に構成し、変動シナリオに基づくバトルリーチ(引き分けバトル)と、特別図柄の大当たりに当選したことに基づくバトルリーチ(勝利、或いは敗北バトル)と、を分かり難くしているが、変動シナリオの種類はこれに限ることは無く、さらに多くの種類から変動シナリオを設定可能に構成しても良い。
また、本第3制御例では、バトル演出が実行される全ての期間に対して変動シナリオを定めて、バトル演出(バトル前演出、バトルリーチ)の内容を予め判別可能に構成しているが、バトル演出が行われる一部の期間(例えば、大当たり終了後から特別図柄変動が50回実行されるまでの間の期間や、バトル演出が終了するタイミングから逆算した特別図柄変動10回分の期間)のみ変動シナリオを定めるように構成しても良い。
本第3制御例では、当選した大当たり種別に基づいて特別図柄変動の変動シナリオを設定する構成を用いているが、それ以外に変動シナリオを設定(可変)する要素を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果は外れではあるが、遊技者に大当たりよりも少量の特典を付与する抽選結果(所謂、小当たり)となった場合に変動シナリオを設定(可変)するように構成しても良いし、上述した第2制御例にて用いた転落抽選手段により、転落に当選した場合に変動シナリオを設定(可変)するように構成しても良い。さらに、特別図柄変動の変動回数が所定回数(例えば、100回)に到達した場合に、変動シナリオを可変させるための抽選を行う手段を設け、その抽選結果に基づいて変動シナリオを設定(可変)するように構成しても良い。
次に、図191(b)を参照して、本第3制御例に用いられる主制御装置110のRAM203の内容について説明をする。図191(b)は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図191(b)に示した通り、本第3制御例のRAM203は、上述した第1制御例のRAM203に対して、変動シナリオ格納エリア203caを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動シナリオ格納エリア203caは、変動シナリオ設定テーブル202caを用いて設定された変動シナリオを格納するためのエリアである。本第3制御例では、変動シナリオ格納エリア203caに格納されている変動シナリオに基づいて特別図柄の変動パターンを選択している。この変動シナリオ格納エリア203caは、特別図柄の大当たりに当選した場合に、その当選した大当たり種別に対応する変動シナリオが格納され、特別図柄の変動が行われる毎に実行される変動回数減算処理4(図204参照)によって更新される(図204のS452参照)。このように、大当たりに当選してから(大当たりに当選したことを示すための特別図柄の変動を開始させる処理が実行されてから)、その大当たり終了後の特別図柄の変動が実行されるまでの間に変動シナリオが格納されるため、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動パターンを、変動シナリオ格納エリア203caに格納されている変動シナリオに基づいて確実に選択することができる。
次に、図197を参照して、第3制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図197(a)は、第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した模式図である。図197(a)に示した通り、本第3制御例のROM222は、上述した第1制御例のROM222に対して、継続値主選択テーブル222fと、継続値副選択テーブル222gと、を削除した点と、変動シナリオ記憶エリア222caと、第1継続値主選択テーブル222cbと、第2継続値主選択テーブル222ccと、第3継続値主選択テーブル222cdと、継続演出モード選択2テーブル222ceと、が追加されている点で相違している。なお、本第3制御例では、上述した第1制御例の継続演出(バトル演出)の変形例を示すものであるため、上述した第1制御例のROM222に設けられた各要素のうち、継続演出とは関連しない要素については、その記載を省略し、それ以外の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動シナリオ記憶エリア222caは、主制御装置110の変動シナリオ設定テーブル202caに規定されている複数の変動シナリオの内容を示すための情報が記憶されている領域であって、主制御装置110から出力される変動シナリオの設定状況を示すためのコマンド(例えば、大当たり種別を示すためのコマンドや、設定されている変動シナリオを示すためのコマンド)に基づいて、音声ランプ制御装置113側で変動シナリオを更新管理する際に用いられる情報が記憶されている。
この変動シナリオ記憶エリア222caは、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理4(図205参照)において変動シナリオに関連する関連情報を含む状態コマンドを受信したと判別した場合に(図205のS3271:Yes)、受信したコマンドに対応する変動シナリオが読み出され、変動シナリオ更新エリア223caに設定される(図205のS3272参照)。
このように構成することで、主制御装置110にて設定される変動シナリオと音声ランプ制御装置113で管理する変動シナリオとを同期させることができるため、主制御装置110により将来選択される変動パターン(設定されている変動シナリオに基づいて選択される変動パターン)を、音声ランプ制御装置113側で予め把握することが可能となる。よって、長期的な演出を遊技者に違和感を与えることなく容易に設定することが可能となる。
つまり、従来型の遊技機では、入賞情報格納エリア223aに格納されている複数の入賞情報の内容を判別し、その判別結果に基づいて、特定の入賞情報(例えば、入賞情報のうち3番目に特別図柄変動が実行される入賞情報)に対して、それよりも前に実行される特別図柄変動(入賞情報のうち1番目と2番目に実行される特別図柄変動)の変動期間を用いて長期的な演出を実行することを可能とするものであったが、例えば、入賞情報格納エリア223aに複数の入賞情報が格納されていない場合には、長期的な演出を実行することが困難となると共に、長期的な演出を実行可能な範囲の最大値が入賞情報格納エリア223aに格納可能な最大数の入賞情報に対応する特別図柄変動の変動期間となるため、演出期間に制限がかかるという問題があった。
これに対して、本第3制御例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)をシナリオ管理し、将来的に実行される特別図柄の変動パターン(変動時間)を容易に判別することができる。よって、長期的な演出に対して自由度を高めることができる。
また、本第3制御例では、音声ランプ制御装置113が変動シナリオ記憶エリア222caを有しているため、主制御装置110が設定される変動シナリオの内容を全て出力する必要が無く、設定される変動シナリオを示すための情報(例えば、当選した大当たり種別を示す情報や、設定される変動シナリオを複数の変動シナリオの中から指定可能な識別情報)を出力すれば良いため、主制御装置110が出力する情報のデータ量を削減することができる。
加えて、詳細な説明は省略しているが、本第3制御例では、パチンコ機10への電源供給が絶たれた場合(停電した場合)において、電源供給が復旧した場合に主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと電源供給が絶たれる寸前(或いは、電源供給が絶たれてから主制御装置110の処理が停止するまでの間)に記憶した遊技状態を出力する復旧処理を実行するように構成しており、その復旧処理において出力される遊技状態を示すための情報に、現在設定されている変動シナリオを示すための情報として、少なくとも、前回当選した大当たり種別、現在設定されている変動シナリオの何れかを示すための情報と、現在設定されている変動シナリオの更新状況、前回の大当たりが終了してから実行された特別図柄の変動回数の何れかを示すための情報と、含まれるように構成している。これにより、遊技中に停電等でパチンコ機10への電源供給が途絶えたとしても、その復旧後に主制御装置110に設定されている変動シナリオの更新内容と、音声ランプ制御装置113で管理する変動シナリオの更新内容とを容易に同期させることができる。
この場合、復旧処理として主制御装置110から出力された情報に基づいて音声ランプ制御装置113による変動シナリオの更新管理処理が復旧した後の所定期間(例えば、特別図柄が複数回(5回)変動するまでの期間や、変動シナリオに規定されている変動パターンテーブルが切り替わるまでの期間)の間を、主制御装置110に設定されている変動シナリオの更新内容と、音声ランプ制御装置113で管理する変動シナリオの更新内容とが正しく更新されているかを判別するための確認期間として用いると良い。これにより、より正確に変動シナリオの更新管理処理を復旧することができる。なお、上述した確認期間中は、変動シナリオに基づくこと無く、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて特別図柄の変動パターンに対応した変動演出と、復旧中であることを示すための復旧表示が実行されるように構成すると良い。これにより、実行中の特別図柄変動に対応した変動演出を第3図柄表示装置81に表示することができるため、遊技者に不快感を与えることを抑制することができる。
第1継続値主選択テーブル222cbは、継続演出(バトル演出)が実行されている場合における継続値(HP値)の更新処理を行う場合に参照するテーブルであって、バトルリーチが実行されるまでの期間(残期間)が所定期間以上の場合(例えば、バトルリーチに対応する特別図柄変動が実行されるまでの特別図柄変動回数が4回以上の場合)に、参照されるテーブルである。
ここで、本第3制御例における継続値の設定方法について、上述した第1制御例との相違点を中心に説明をする。上述した第1制御例は、音声ランプ制御装置113において継続値の更新管理を行うための主継続値と、第3図柄表示装置81に表示させる演出用の継続値(HP値)を設定するための副継続値とをそれぞれ対応するテーブルを参照して設定し、設定された主継続値と副継続値とを合算した合算値を算出し、その合算値を示すための情報コマンドを表示制御装置114へと出力するものであるのに対して、本第3制御例では音声ランプ制御装置113で主継続値の値のみを設定し、音声ランプ制御装置113にて設定された主継続値を示すための情報を含む情報コマンドを表示制御装置114へ出力し、表示制御装置114側で受信した情報コマンドに基づいて、副継続値を設定し、合算値を算出するように構成している。
つまり、本第3制御例では、継続値を繰り返し増加、減少させる場合において、特別図柄の抽選結果や変動シナリオに対応させるために管理する値である主継続値のみを音声ランプ制御装置113で選択、記憶するように構成し、それ以外の全ての処理を表示制御装置114で実行するように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を大きく軽減することができる。
ここで、図198を参照して第1継続値主選択テーブル222cbの内容について説明をする。図198は第1継続値主選択テーブル222cbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第1継続値主選択テーブル222cbには、現在の継続値(継続値格納エリア223n)に格納されている値(主継続値)に対して、選択される選択値(主継続値)が異なる割合となるように規定されている。
なお、この選択割合は、専用の演出カウンタ(図示せず)の値が取り得る範囲(例えば、0〜199)に対して、それぞれの値を振り分けることにより割合を設定している。また、第1継続値主選択テーブル222cbは、選択可能な選択値の下限が「400」に規定されている。これは上述したように、第1継続値主選択テーブル222cbは、残回数カウンタの値が4以上の場合、即ち、変動シナリオによって定められたバトルリーチが実行されるまでに少なくとも4回は特別図柄変動を行う必要がある場合に用いられるテーブルであることから、無用に低い選択値が設定されてしまい、継続値の増減演出の進行が滞ることを抑制するためである。これにより、残回数カウンタ223cbの値が3以下になった場合、即ち、間もなくバトルリーチが開始される場合において、継続値を増減させる演出を違和感無く実行することができる。
図198に示した内容を説明すると、継続値格納エリア223nに格納されている値が「1000」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「1000」が選択される割合が5%、「900」が選択される割合が50%、「800」が選択される割合が30%、「700」が選択される割合が10%、「600」が選択される割合が3%、「500」が選択される割合が2%に規定されている。
ここで、継続値(主継続値)の増減に対応して第3図柄表示装置81にて表示される演出の内容について説明をする。本第3制御例では、音声ランプ制御装置113にて選択された主継続値と、表示制御装置114にて選択された副継続値とを合算した合算値の増減に対応した演出が実行される。実行される演出は、上述した第1制御例と同様に主継続値の増減範囲と、合算値の増減範囲とが同一となるように副継続値が選択されるように構成されているため、実質、第1継続値主選択テーブル222cbを用いて選択された選択値(主継続値)によって第3図柄表示装置81にて表示される演出の内容が決定される。
具体的には、現在の主継続値が「1000」で、選択値が「1000」の場合は、「けん制」演出が実行され、表示画面上の継続値(HP値)が増減しない演出が実行される。なお、第1継続値主選択テーブル222cbにて主継続値を減少させない選択値が選択された場合は、その旨を示すコマンドが表示制御装置114に出力され、そのコマンドを受信した場合には、表示制御装置114にて副継続値の選択が行われないように構成している。これにより主継続値が減少しないにも関わらず、副継続値が選択されてしまい、表示上の継続値(HP値)が増減してしまう事態を抑制することができる。
次に、現在の主継続値が「1000」で、選択値が「900」〜「500」の場合は相手の継続値(HP値)を減少させる「攻撃」演出が実行される。この「攻撃」演出の詳細な演出態様は、現在の主継続値と、選択値との差分値によって設定され、差分値が100の場合は「弱攻撃」、200の場合は「中攻撃」、300の場合は「強攻撃」、400の場合は「強強攻撃」、500の場合は「最強攻撃」が設定される。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出内容により継続値(HP値)の減少幅を予測することができるので、遊技者に対して演出内容に興味を持たせることができる。
同様に、継続値格納エリア223nに格納されている値が「900」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「900」が選択される割合が10%、「800」が選択される割合が50%、「700」が選択される割合が30%、「600」が選択される割合が5%、「500」が選択される割合が5%に規定され、継続値格納エリア223nに格納されている値が「800」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「800」が選択される割合が20%、「700」が選択される割合が50%、「600」が選択される割合が20%、「500」が選択される割合が10%に規定されている。
また、継続値格納エリア223nに格納されている値が「700」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「900」が選択される割合が10%、「700」が選択される割合が30%、「600」が選択される割合が40%、「500」が選択される割合が20%に規定され、継続値格納エリア223nに格納されている値が「600」の場合には、「800」が選択される割合が10%、「600」が選択される割合が40%、「500」が選択される割合が40%に規定され、継続値格納エリア223nに格納されている値が「500」の場合には、「900」が選択される割合が10%、「700」が選択される割合10%、「500」が選択される割合が80%に規定され、継続値格納エリア223nに格納されている値が「400」の場合には、「900」が選択される割合が30%、「700」が選択される割合が20%、「500」が選択される割合が10%、「400」が選択される割合が40%に規定されている。
上述したように、継続値格納エリア223nに格納されている値が「700」〜「400」の場合においては、選択値が現在の継続値よりも高くなる場合がある。この場合は、表示画面上で実行される演出として、相手の継続値(HP値)が上昇する「回復」演出が実行される。この回復演出を実行することにより、予想外に継続値(HP値)が減少した場合において、再度、継続値(HP値)を増減させる演出を継続して実行することができる。
以上、説明をしたように、残回数カウンタ223cbの値が4以上の場合に用いられる第1継続値主選択テーブル222cbは、主継続値を徐々に減少させる演出(弱攻撃)が選択される割合を他の演出が選択される割合よりも高く設定している。これにより、長期間に渡ってバトル前演出が実行される場合でも継続値の増減演出を進展させることができる。また、「弱攻撃」が選択される割合を高く設定したとしても、上述した第1制御例と同様に、選択された副継続値に対応して表示画面上で実行される演出態様を可変させることができるため、遊技者に多彩な演出態様を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図197に戻り説明を続ける。第2継続値主選択テーブル222ccは、保留内当たりフラグ223ccがオンに設定されている場合、即ち、特別図柄が数回変動した後に大当たりとなる場合におけるバトル前演出の演出態様を選択する際に用いられるテーブルである。次に、図199を参照して、第2継続値主選択テーブル222ccの内容について説明をする。図199は、第2継続値主選択テーブル222ccに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図199に示した通り、第2継続値主選択テーブル222ccは、図198を用いて説明した第1継続値主選択テーブル222cbに対して、選択可能な選択値として「777」、「333」、「300」〜「0」を追加した点で大きく相違している。以下、第1継続値主選択テーブル222cbと相違する点を中心に説明をする。なお、第2継続値主選択テーブル222ccに規定されている内容のうち、第1継続値主選択テーブル222cbと同一、或いは、選択割合を異ならせただけの要素については、詳細な説明を省略する。
第2継続値主選択テーブル222ccは、保留内に大当たりに対応する入賞情報が存在することを事前に報知するために主継続値の値として「777」、「333」を選択可能に構成している。選択値として「777」、「333」が選択された場合は、その旨を示す専用のコマンドが表示制御装置114に出力され、そのコマンドを受信した場合には、表示制御装置114にて副継続値の選択が行われないように構成している。これにより第2継続値主選択テーブル222ccを用いて大当たりに当選することを示すための主継続値が選択されたにも関わらず、副継続値が選択されてしまい、表示上の継続値(HP値)が増減してしまう事態を抑制することができる。
なお、本第3制御例では、大当たりに当選することを示すための主継続値が選択された場合に、副継続値が値を選択することを禁止することで、遊技者に対して主継続値の値(「777」、「333」)を報知可能に構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、大当たりに当選することを示すための主継続値に関するコマンドを受信した場合に、表示制御装置114にて専用の選択テーブルを用いて副継続値を選択するように構成し、その専用の選択テーブルを用いて選択された値(副継続値)が「0」の場合にのみ、表示画面上の継続値(HP値)として、「777」、「333」を表示するように構成しても良い。この場合、上述した専用の選択テーブルが取り得る値として、例えば、主継続値が「777」の場合であれば、「23」、「13」を加算する値や、「7」、「17」を減算する値を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、副継続値として「0」以外の値が選択された場合には、継続値(HP値)の下一桁の値を「0」にすることが出来るため、主継続値として「777」が選択されたことを遊技者に把握させ難くすることができ、表示画面上に大当たりに当選することを示すための継続値(HP値)が表示されることの付加価値を高めることができる。
また、第2継続値主選択テーブル222ccでは、第1継続値主選択テーブル222cbとは異なり、選択値として「300」〜「0」を選択可能に構成している。これにより、バトル前演出において表示画面上に表示される継続値(HP値)が「300」よりも少なくなった場合には、間もなくバトルリーチが実行されることを遊技者に予測させることができる。なお、詳細は後述するが、第3継続値主選択テーブル222cd(残回数カウンタ223cbの値が3以下の場合に用いられるテーブル)においても、選択値として「300」〜「0」を、第2継続値主選択テーブル222ccよりも低い選択割合で選択可能に構成している。このように構成することで、さらに、大当たりに対する期待度を高めさせることができる。
なお、図199では現在の継続値や選択値として「1000〜800」のように複数の値をまとめて記載したが、実際には「1000」、「900」、「800」とで独立した内容が規定されているものであり、それぞれに規定されている内容が同一であるため、複数の値をまとめて記載しているものである。
また、第2継続値主選択テーブル222ccでは復活演出が実行される場合に、選択される値として、現在設定されている主継続値の値に関わらず「1000〜800」の値が選択される割合を高く設定している。これは、本第2継続値主選択テーブル222ccは大当たりに当選することを示すための主継続値として「777」、「333」が選択可能に構成されており、継続値(HP値)が復活した後のバトル前演出において、大当たりに当選することを示すための主継続値が選択可能な範囲まで継続値(HP値)を増加させることで、遊技者に対して再度大当たりに当選することを示すため主継続値が選択されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
図197に戻り説明を続ける。第3継続値主選択テーブル222cdは、残回数カウンタ223cbの値が3以下の場合、即ち、変動シナリオに基づいて設定されるバトルリーチが実行されるまでの残変動回数が3回以下の場合におけるバトル前演出の演出態様を選択する際に用いられるテーブルである。次に、図200を参照して、第3継続値主選択テーブル222cdについて説明をする。図200は第3継続値主選択テーブル222cdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図200に示した通り、第3継続値主選択テーブル222cdは、図199に示した第2継続値主選択テーブル222ccと類似する内容となっており、具体的には、大当たりに当選することを示すための主継続値(「777」、「333」)が選択される割合を「0」にした点と、選択値として「0」が選択される割合を「0」にした点と、全体的に選択値として低い値(「300」〜「0」)が選択される割合を低くした点と、で相違し、それ以外の内容については若干の選択割合の相違がある程度で同様である。
図197に戻り説明を続ける。継続演出モード選択4テーブル222ceは、継続演出におけるバトル前演出の演出態様(演出モード)を選択するためのテーブルである。ここで、図201を参照して、継続演出モード選択4テーブル222ceの内容について説明をする。図201は継続演出モード選択4テーブル222ceに規定されている内容を模式的に示した模式図である。継続演出モード選択4テーブル222ceは、上述した第1制御例の継続演出モード選択テーブル222eに対し、変動シナリオの上限に到達した場合(確変状態が設定されている状態で特別図柄の変動回数が200回を超えた場合)に専用の演出(モード6)が選択される点で相違する。それ以外の要素については同一であり、その詳細な説明を省略する。
つまり、本第3制御例では、大当たり終了後の特別図柄変動について、変動シナリオを設定し、設定された変動シナリオに規定されている変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。そして、主制御装置110のデータ容量を鑑み、変動シナリオは特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、大当たり確率の分母の数値を5倍した数値分の回数)となる範囲まで設定し、それ以降は次の大当たりに当選するまで特定の変動パターテーブル(テーブルB)を用いて変動パターンが選択されるように構成している(図194参照)。
このように構成された本第3制御例では、特別図柄の変動回数が上述した所定回数を超えた場合に、変動シナリオを用いた継続演出を実行することが困難となるため、特別な演出モードとして「モード6」が選択される。「モード6」が選択された場合には、バトル演出が終了し、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(テーブルB)に規定されている変動パターン(図108(d)参照)に対応した特定演出が実行される。この特定演出としては、例えば、バトル演出中に決着が付かなかった相手と和解しパーティが行われる演出のように、通常では見ることの出来ない演出が実行される。
なお、本第3制御例では、変動シナリオの上限となる特別図柄の変動回数を「200」、または「400」に設定し、確変状態において大当たりに当選しない期間が長期間となった場合にのみ上述した特定演出を実行し、遊技者に満足感を与えるように構成しているが、それ以外に、例えば、特定の大当たり種別(例えば、小分類「k」)で大当たりに当選した場合に設定される特定変動シナリオのみ変動シナリオの上限となる特別図柄の変動回数を「20」とし、上述した特典演出を容易に見えるようにしても良い。これにより、同一の大当たり遊技が実行される大当たり(例えば大分類「大当たりA」)に対して複数の大当たり種別(小分類「a」〜「k」)を設けた場合に、小分類毎に遊技者に付与する特典(特定演出の実行し易さ)を異ならせることができ、大当たりに当選した後も、当選した大当たり種別に興味を持たせることができる。
次に、図197(b)を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図197(b)は、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第3制御例のRAM223は、第1制御例のRAM223に対して、継続期間カウンタ223pを削除した点と、変動シナリオ更新エリア223ca、残回数カウンタ223cb、保留内当たりフラグ223cc、継続設定フラグ223cdを追加した点で相違している。なお、本第3制御例では、上述した第1制御例の継続演出に関する別制御例を説明しているため、RAM223に規定されている各要素のうち、継続演出に関与しない要素については、その記載を省略している。
変動シナリオ更新エリア223caは、主制御装置110に設定される変動シナリオ、及び、その変動シナリオの更新状況を、音声ランプ制御装置113側で把握するために更新管理される領域である。この変動シナリオ更新エリア223caは、コマンド判定処理4(図205参照)において、主制御装置110に設定される変動シナリオを示すための変動シナリオ関連情報を受信したと判別した場合に(図205:S3271:Yes)、変動シナリオ記憶エリア222caに記憶されている複数の変動シナリオから、受信した変動シナリオ関連情報に対応する変動シナリオが選択され、その選択された変動シナリオが設定され、変動表示設定処理(図147参照)が実行される毎に、変動シナリオの進行状況が更新される。この変動シナリオ更新エリア223caに設定された変動シナリオの更新状況に基づいて、継続演出設定処理4(図207参照)において、残回数カウンタ223cbの値が設定される。そして、大当たりに当選した場合に、設定された変動シナリオがクリアされる(図示せず)。
残回数カウンタ223cbは、変動シナリオに基づいて次にバトルリーチが実行されるまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、設定された値が0となった場合に、バトルリーチが実行されるように構成されている。この残回数カウンタ223cbは、継続演出設定処理4(図207参照)において、変動シナリオ更新エリア223caの情報に基づいて次にバトルリーチが実行されるまでの特別図柄の変動回数を算出し、その算出した値が残回数カウンタ223cbの値として設定される(図207のS4052)。
残回数カウンタ223cbに設定された値は、継続演出設定処理4(図207参照)が実行される毎に1減算され(図207のS4057参照)、継続演出としてバトルリーチを実行するかバトル前演出を実行するかを判別する場合に参照される。また、入賞情報コマンド処理(図206参照)において、保留内に当たり入賞があると判別した場合に(図206のS3251:Yes)、残回数カウンタ223cbの値が参照され、保留内の当たり入賞に対応する特別図柄変動と、残回数カウンタ223cbの値が0となった場合に実行されるバトルリーチに対応する特別図柄変動と、で先に実行される特別図柄変動が何れであるかを判別する(図206のS3253)。そして、バトルリーチが実行される場合にその値が0に設定(クリア)される(図207のS4060)。
保留内当たりフラグ223ccは、入賞情報格納エリア223aに、大当たりに当選する入賞情報が存在しているか否かを示すためのフラグであって、オンに設定されている場合に、入賞情報格納エリア223a内に大当たりに当選する入賞情報が存在していることを示している。
この保留内当たりフラグ223ccは入賞情報格納エリア223a内に大当たりに当選する入賞情報が存在している場合に必ずオンに設定されるものでは無く、大当たりに当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が、残回数カウンタ223cbの値が「0」となるよりも前に実行されると判別した場合(図206のS3253:Yes)に、オンに設定される。継続値設定処理4(図208参照)において、保留内当たりフラグ223ccがオンに設定されているかが判別され(図208のS4151参照)、オンに設定されていると判別した場合に(図208のS4151:Yes)、第2継続値主選択テーブル222ccに基づいて継続値の百の位が実行される。
継続設定フラグ223cdは、確変状態において、残回数カウンタ223cbの値が設定されているか否かを判別するためのフラグであって、オンに設定されている場合に残回数カウンタ223cbの値が設定されていることを示すものである。
この継続設定フラグ223cdは、継続演出設定処理4(図207参照)において、設定状況が判別され(図207のS4051参照)、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合に(図207のS4051:No)、残回数カウンタ223cbの値が設定された後、オンに設定される(図207のS4053)。一方、図207のS4051の処理において、オンに設定されていると判別した場合には(図207のS4051:Yes)、残回数カウンタ223cbの値を設定する処理がスキップされる。そして、バトルリーチが実行される場合に、残回数カウンタ223cbの値が0にクリアされる(図207のS4060参照)。
このように構成することで、残回数カウンタ223cbに既に値が設定されている状態において残回数カウンタ223cbの値を再設定してしまうことを防ぐことができる。これにより、残回数カウンタ223cbの値を設定した後は、継続演出設定処理4(図207参照)が実行される毎に、残回数カウンタ223cbの値を1減算する処理(図207のS4057参照)を実行するだけで主制御装置110に設定されている変動シナリオの更新状況と音声ランプ制御装置113が管理する変動シナリオの更新状況とを容易に同期させることができる。
また、入賞情報コマンド処理4(図206参照)にて実行されるS3254の処理において変動シナリオに対応しない値、即ち、大当たりに当選する入賞情報が実行されるまでの特別図柄変動回数を示す値が残回数カウンタ223cbに設定された場合に、その値に基づく減算を確実に実行することができる。
次に、図202を参照して、第3制御例における表示制御装置114の電気的構成の詳細について説明する。図202は、第3制御例における表示制御装置114のMPU221に設けられた電気的構成を模式的に示した模式図である。図202に示した通り、本第3制御例の表示制御装置114は、上述した第1制御例の表示制御装置114に対して、ワークRAM233に継続値格納エリア233caを追加した点と、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに第1継続値副選択テーブル234a3と、第2継続値副選択テーブル234a4とを追加した点で相違している。
継続値格納エリア233caは、音声ランプ制御装置113から受信した表示用継続値コマンドに基づいて算出した継続値を格納するための領域であって、継続値関連コマンド処理4(図210参照)において、算出した継続値が格納される(図210のS7305参照)。そして、最終態様コマンド処理(図211参照)において、今回実行される最終態様が勝利バトルではないと判別した場合に(図211のS8305:No)、格納されている値が参照される(図211のS8306参照)。
第1継続値副選択テーブル234a3および第2継続値副選択テーブル234a4は、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のROM222に設けられる第1継続値副選択テーブル222g1(図117(b)参照)及び第2継続値副選択テーブル222g2(図117(c)参照)と同一内容のテーブルであって、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている第4演出カウンタ223y4に替えて表示制御装置114のワークRAM233に設けられる演出カウンタ(図示せず)を用いている点で相違している。
<第3制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図203,204を参照して、本第3制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図127参照)に代えて、特別図柄変動処理4(図203参照)を用いた点、変動回数減算処理(図129参照)に代えて、変動回数減算処理4(図204参照)を用いた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図203を参照して、本第3制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理4(S104)について説明をする。図203は特別図柄変動処理4(S104)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理4は上述した第1制御例の特別図柄変動処理(図127参照)に対して、特別図柄の変動時間が経過し(S214:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合(S216:Yes)に実行される処理の内容が一部異なっている点で相違し、その他の要素については同一の処理が実行される。同一の要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理4が実行されると、まず、上述した特別図柄変動処理(図127参照)と同一のS201〜S216の処理が実行される。そして、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S216:Yes)、次いで、第1当たり種別選択テーブル202c(図192参照)を参照して選択された大当たり種別に基づいて特定入賞口の開放シナリオを設定する。具体的には、今回実行される大当たりの遊技内容(例えば、15ラウンド)、大当たりが開始されてから1ラウンド目が開始されるまでのオープニング期間、各ラウンド間のインターバル期間、最後のラウンド(例えば、15ラウンド目)が終了してから大当たりが終了するまでのエンディング期間を含めて、今回の大当たりにおいて特定入賞口が開放するシナリオが設定される。
S217の処理を終えると、次に、確変フラグ203g、時短中カウンタ203hをリセットし(S218)、大当たりの開始を設定し(S219)、大当たり種別に基づく状態コマンドを設定する(S251)。そして、上述した第1制御例と同一のS220の処理を実行して本処理を終了する。一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではない(外れである)と判別した場合も(S216:No)、上述した第1制御例と同一のS221の処理を実行し、S220の処理を実行し、本処理を終了する。
上述したS251の処理では、少なくとも今回当選した大当たりの大当たり種別を示すための情報が含まれる状態コマンドが設定される。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その状態コマンドから大当たり種別に関する情報を抽出し、抽出した情報に基づいてROM222の変動シナリオ記憶エリア222caに記憶されている変動シナリオから対応する変動シナリオを選択し、選択された変動シナリオを、変動シナリオ更新エリア223caに格納する。
このように構成することで、大当たり遊技が開始されるタイミングでその大当たり終了後にどの変動シナリオを用いて特別図柄の変動パターンが選択されるのかを音声ランプ制御装置113側にて把握することができる。これにより、例えば、大当たりが終了し特別図柄の変動が開始されるタイミングで変動パターンを示す情報コマンドと、今回設定される変動シナリオを示すためのコマンドを同時に出力する場合に比べて、確実に変動シナリオに対応した演出を設定することができる。
また、本第3制御例では、大当たり遊技が開始されるタイミングで設定される状態コマンドに、大当たり終了後に設定される変動シナリオを示すための情報を含めているため、その状態コマンドの内容に対応して大当たり中の演出を設定することもできる。よって、大当たり中に実行される演出によって遊技者に対して大当たり終了後に設定される変動シナリオを示唆することができるため、遊技者に対して大当たり中に実行される演出に興味を持たせることができる。
次に、図204を参照して、本第3制御例にて実行される変動回数減算処理4の内容について説明をする。図204は、変動回数減算処理4の内容を模式的に示したフローチャートである。変動回数減算処理4は、上述した第1制御例の変動回数減算処理(図129参照)に対して、変動シナリオ更新エリア223caに格納された変動シナリオを更新するための処理(S451,S452)が追加された点で相違し、その他は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図204に示した通り、変動回数減算処理4が実行されると、上述した第1制御例の変動回数減算処理(図129参照)と同一のS3709の処理401〜S411の処理を実行する。次いで、変動シナリオ更新エリア223caに変動シナリオが格納されているかを判別し(S451)、変動シナリオを格納していると判別した場合は(S451:Yes)、格納されている変動シナリオを更新し(S452)、本処理を終了する。一方、S451の処理において、変動シナリオを格納していないと判別した場合は(S451:No)、S452の処理を実行すること無く、本処理を終了する。
ここで、S452の処理において実行される変動シナリオの更新内容について、詳細に説明をする。まず、変動回数減算処理4(S204参照)は、特別図柄変動処理(S203参照)のサブルーチンとして実行されるものである。これにより、特別図柄の変動が開始されると判別した場合に確実に変動シナリオを更新することができる。
<第3制御例におけ音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図205〜図208を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図140参照)に代えて、コマンド判定処理4(S205)を用いた点、入賞情報コマンド処理(S141参照)に代えて、入賞情報コマンド処理4(図203参照)を用いた点、変動回数減算処理(図129参照)に代えて、変動回数減算処理4(図204参照)を用いた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図205の処理が実行されると、上述した第1制御例と同一のS3201〜S3214の処理が実行される。そして、S3214の処理を終えると、次に、受信した状態コマンドに変動シナリオを設定するための関連情報が含まれているかを判別し(S3271)、変動シナリオを設定するための関連情報が含まれていると判別した場合は(S3271:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる変動シナリオ関連情報に対応する変動シナリオを変動シナリオ記憶エリア222caから選択し、変動シナリオ更新エリア223caに格納する(S3272)。そして、表示用状態コマンドを設定し(S3215)、本処理を終了する。一方、S3271の処理において、変動シナリオを設定するための関連情報が含まれていないと判別した場合は(S3271:No)、S3272の処理をスキップして、S3215の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図206を参照して、入賞情報コマンド処理4について説明をする。図206は入賞情報コマンド処理4の内容を示したフローチャートである。
入賞情報コマンド処理4が実行されると、まず、受信した入賞コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリアに格納し(S3231)、今回受信した入賞コマンドに大当たりに対応する情報が含まれているか(当たり入賞であるか)を判別する(S3251)。S3251の処理において、当たり入賞であると判別した場合は(S3251:Yes)、入賞情報格納エリアの今回受信した入賞情報が格納された箇所に基づいて、今回受信した入賞情報に対応する特別図柄変動が実行される順番を算出する(S3252)。
そして、残回数カウンタ223cbの値が、S3252の処理にて算出された変動順よりも大きいかを判別し(S3253)、残回数カウンタ223cbの値のほうが大きいと判別した場合は(S3253:Yes)、残回数カウンタ223cbに設定されている値即ち、設定されている変動シナリオの内容に基づいてバトルリーチが実行されるまでの残回数(特別図柄変動回数)を示す値を、大当たりに当選したことに基づいてバトルリーチが実行されるまでの残回数に対応する値に可変設定する(S3254)。
これにより、実際にバトルリーチが実行されるまでの期間を柔軟に設定、判別することができるため、バトル演出中において、バトルリーチが実行されるまでの間継続して実行されるバトル前演出の内容(継続値の増減内容)を次回バトルリーチが実行されるまでの残期間に基づいて設定することができる。よって、演出効果を高めることができる。
S3254の処理を終えると、保留内当たりフラグ223ccをオンに設定し(S3255)、その他先読み処理を実行し(S3256)、本処理を終了する。一方で、S3251の処理において、今回受信した入賞コマンドが当たり入賞ではないと判別した場合には(S3251:No)、S3252〜S3255の処理をスキップし、S3256の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図207を参照して、本第3制御例における継続演出設定処理4の内容を説明する。図207は、継続演出設定処理4の内容を示したフローチャートである。この継続演出設定処理4(図207のS3806)は、継続演出中に実行される複数の演出の演出態様を設定するためのものである。継続演出設定処理4が実行されると、まず、継続設定フラグ223cdがオンに設定されているかを判別する(S4051)。継続設定フラグ223cdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4051:Yes)、次に、変動シナリオ更新エリア223caに格納されている情報に基づいて残回数カウンタ223cbの値を設定する(S4052)。
ここで、S4052の処理について説明をする。変動シナリオ更新エリア223caには、主制御装置110が設定する変動シナリオに対応した(同期した)変動シナリオが格納されている。そして、次にテーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるまでの特別図柄の変動回数を算出し、その算出した回数を残回数カウンタ223cbにセットする。これにより、残回数カウンタ223cbの値が変動シナリオに基づいて次にバトルリーチが実行されるまでの特別図柄の変動回数を示すことになる。
本第3制御例では、この残回数カウンタ223cbの値を判別し、その判別結果に基づいて継続値を設定する際のテーブルを可変させるように構成している。これにより、次回のバトルリーチが実行されるまでの期間(特別図柄の変動回数)に対応して設定される継続値を異ならせることができる。よって、当分バトルリーチが実行されない状況(残回数カウンタ223cbの値が大きい状況)であるにも関わらず、継続値が大きく減少してしまうといった事態が発生することを抑制することができる。
また、バトルリーチが間もなく実行される状況(残回数カウンタ223cbの値が小さい状況)では、バトルリーチにて勝利バトルが実行されることを遊技者に期待させるために継続値を大きく減少させることができる。
さらに、本第3制御例では、変動シナリオに規定されている情報(変動パターン情報)に基づいてバトルリーチが実行される特別図柄変動までの特別図柄の変動回数を予め判別するように構成しているため、特別図柄の保留球数や保留記憶された入賞情報の内容に関わらずバトルリーチが実行される特別図柄の変動を判別することができる。よって、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。
なお、詳細は後述するが、保留記憶された変動パターンの中に、変動シナリオを用いて予め判別されるバトルリーチ(引き分けバトル)が実行されるよりも前に実行される特別図柄変動において、変動時間が60秒で特別図柄の抽選結果が外れの変動パターン(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル(テーブルC)において変動種別カウンタCS1の値「198」を取得した場合に選択される変動パターン)や、特別図柄の抽選結果が大当たりであって、且つ、その特別図柄変動が実行されるまでに所定回数(2回)以上の特別図柄が実行されると判別した場合には、その特別図柄が変動されるまでの特別図柄変動回数に対応した値が残回数カウンタ223cbの値に設定される。これにより、変動シナリオに基づくこと無くバトルリーチが実行される場合、即ち、特別図柄の抽選結果に基づいてバトルリーチが実行される場合でも、そのバトルリーチまでに実行される特別図柄変動において(バトル前演出において)、適切に継続値を増減させることができる。
図207に戻り説明を続ける。S4052の処理を終えると、次に、継続設定フラグ223cdをオンに設定する(S4053)。上述したように、継続設定フラグ223cdがオンに設定されている間は、S4051の判別処理によって、S4052の処理が実行されないように構成している。これにより、既に残回数カウンタ223cbに値がセットされている状態において、残回数カウンタ223cbの値が再度設定されてしまうことを禁止している。よって、変動シナリオに基づかない残回数カウンタ223cbの値(特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、その大当たりとなる特別図柄変動に対応させて設定した残回数カウンタ223cbの値)が設定されている場合であっても、その値を継続して維持することができる。
S4053の処理を終えると、次いで、今回の変動(特別図柄変動)が大当たりに対応する当たり変動であるかを判別し(S4054)、当たり変動であると判別した場合は(S4054:Yes)、バトル演出の最終態様であるバトルリーチの演出態様を設定するために後述するS4013の処理へ移行する。一方、当たり変動ではない(外れ変動である)と判別した場合は(S4054:No)、次に、残回数カウンタ223cbの値が0であるかを判別する(S4055)。
ここで、残回数カウンタ223cbの値が0であると判別した場合(S4055:Yes)、即ち、今回の特別図柄変動が、変動シナリオに基づいてバトルリーチが実行される特別図柄変動(テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動)である場合は、後述するS4013の処理へ移行し、残回数カウンタ223cbの値が0ではない(1以上である)と判別した場合(S4055:No)は、次に今回の変動パターンが、変動時間が60秒の変動パターンであるかを判別する(S4056)。
S4056の処理では、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル(テーブルC)を用いて変動時間が60秒の変動パターン(長外れa)が選択されたかが判別され、変動時間が60秒の変動パターンであると判別した場合は(S4056:Yes)、後述するS4013の処理へ移行する。一方、60秒の変動パターン(長外れa)ではないと判別した場合は(S4056:No)、S4057の処理へ移行する。
つまり、上述したS4054〜S4056の判別処理では、今回の特別図柄変動に対応して設定する変動演出(第3図柄表示装置81に表示する演出)として、バトル前演出を設定するのか、バトルリーチを設定するのかが判別されており、S4054では、特別図柄抽選において大当たりに当選しているか否かを判別し、S4055では、特別図柄の変動シナリオに基づいてバトルリーチが設定されるか否かを判別し、S4056では、特別図柄の抽選において、外れに当選しているが特定の抽選結果であるか否かを判別している。
今回の特別図柄変動に対応して実行する変動演出がバトル前演出である場合には、残回数カウンタ223cbの値を1減算し(S4057)、次に、上述した第1制御例と同様にS4004〜S4008の処理を実行し、その後、継続値設定処理2を実行し(S4058)、本処理を終了する。この継続値設定処理2(S4058)の内容については、図208を参照して後述する。
一方、今回の特別図柄変動に対応して実行する変動演出がバトルリーチである場合(S4054,S4055,S4056の何れかにおいてYesの判別をした場合)には、最終態様選択テーブル222hに基づいて最終態様を選択し(S4013)、対応する表示用最終態様コマンドを設定し(S4014)、継続演出フラグ223r、継続設定フラグ223cd、保留内当たりフラグ223ccをオフに設定し(S4059)、残回数カウンタ223cbの値を0に設定し(S4060)、継続演出モード格納エリア223mに格納されている内容をクリアし(S3709の処理4016)、本処理を終了する。
次に、継続演出設定処理4(図207のS3806参照)において実行される継続値設定処理4(S4058)について図208を参照して説明する。図208は継続値設定処理4(S4058)の内容を示したフローチャートである。この継続値設定処理4(S4058)では、残回数カウンタ223cbの値および保留内当たりフラグ223ccの設定状況に応じて継続値を選択するための選択テーブルを決定する処理が実行される。このように、バトル前演出の演出態様として設定される継続値の選択範囲を、遊技状況に応じて異ならせることで、第3図柄表示装置81に表示される継続値(HP値)に対して遊技者に興味を持たせることができる。
継続値設定処理4が実行されると、まず、今回の変動が継続値変動タイミングであるかを判別する。本第3制御例では第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2(テーブルC)において、変動時間が5秒である短外れbが選択された場合に、継続値変動タイミングであると判別される。なお、本第3制御例では特別図柄の変動パターンとして、継続値変動タイミングであると判別される変動パターン(短外れb)と、継続値変動タイミングではないと判別される変動パターン(短外れa)と、を設けているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113に継続値を変動させるか否かを抽選する抽選手段を設け、同一の変動パターンに対して継続値を変動させる場合とさせない場合とを設定可能に構成してもよい。また、遊技者が枠ボタン22(操作手段)に対して所定の操作を行ったことが判別された場合に、継続値変動タイミングであると判別するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して遊技に意欲的に参加させることができる。
S4101の処理において、継続値変更タイミングであると判別した場合は(S4101:Yes)、今回の変動演出において継続値を増減(可変)させる演出態様を設定するための処理を実行するためにS4151の処理へ移行する。一方、継続値変更タイミングではないと判別した場合は(S4101:No)、そのまま本処理を終了する。
S4151の処理では、保留内当たりフラグ223ccがオンに設定されているかを判別する(S4151)。ここで、保留内当たりフラグ223ccがオンに設定されていると判別した場合は(S4151:Yes)、即ち、大当たりに当選する特別図柄に対応する入賞情報が保留内に存在する場合は、第2継続値主選択テーブル222ccに基づいて主継続値の値(HPの百の位)を選択し(S4157)、選択された主継続値の値が特定の値(「333」或いは「777」)であるかを判別する(S4158)。
S4158の処理において、選択された主継続値の値が特定の値であると判別した場合は(S4158:Yes)、その選択した値をそのまま第3図柄表示装置81に表示するために、表示制御装置114にて演出用の継続値(副継続値)が加算されない表示用特定継続値コマンドを設定し(S4159)、本処理を終了する。なお、図206を用いて上述した通り、特別図柄の保留内に大当たりに当選する特別図柄が存在する場合であっても、対応する特別図柄の変動が実行されるまでに、変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される場合は保留内当たりフラグ223ccがオンに設定されないため、第2継続値主選択テーブル222ccを用いた主継続値の選択がされることがない。これにより、変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行された直後にバトルリーチ(勝利又は敗北バトル)を実行することができる。よって、遊技者に意外性のある演出を実行することができる。
上述したように、本第3制御例では、保留内に存在する大当たりに当選した特別図柄と、変動シナリオに基づいてバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される特別図柄との変動順に基づいて、具体的には、先に実行される特別図柄変動に対応した内容で主継続値の値が選択されるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、保留内に存在する大当たりの種別を事前に判別し、その判別結果が所定の判別結果(例えば、勝利バトルが実行される確変大当たりに対応する判別結果)である場合と、所定の判別結果(例えば、敗北バトルが実行される通常当たりに対応する判別結果)である場合と、で主継続値の値を選択する選択テーブルを異ならせても良い。
具体的には、例えば、保留内に存在する確変大当たりに対応する特別図柄の変動よりも変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される特別図柄の変動のほうが先に実行される場合は、確変大当たりに対応する特別図柄の変動が実行されるまでの変動回数を残回数カウンタ223cbの値に新たに設定し、保留内に存在する通常当たりに対応する特別図柄の変動よりも変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される特別図柄の変動のほうが先に実行される場合は、既に設定されている残回数カウンタ223cbの値を変更しないように構成する。このように、実行される大当たりの種別(確変大当たり、或いは通常大当たり)に基づいて、当該バトルリーチが実行されるまでの間に選択され得る主継続値の値を異ならせることで、バトル前演出の演出態様によって大当たりの種別を予測させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
また、引き分けバトルとなるバトルリーチにおいて最終的に表示された継続値をそのまま引き継いで次のバトル演出の演出態様を設定するように構成してもよい。これにより、複数回繰り返して実行されるバトル演出に対して関連性を持たせることができ、遊技者に対して長期間に渡って実行される演出に興味を持たせることができる。
一方、S4151の処理において、保留内当たりフラグ223ccがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4151:No)、次に、残回数カウンタ223cbの値が4以上であるかを判別し(S4152)、4以上であると判別した場合は(S4152:Yes)、第1継続値主選択テーブル222cbに基づいて主継続値の値(HPの百の位)を選択し(S4153)、S4154の処理へ移行する。
また、S4152の処理において、残回数カウンタ223cbの値が4以上ではない(3以下である)と判別した場合は(S4152:No)、第3継続値主選択テーブル222cdに基づいて主継続値の値(HPの百の位)を選択し(S4156)、S4154の処理へ移行し、今回選択された主継続値の値に対応する表示用継続値コマンドを設定し(S4154)、S4155の処理へ移行する。
S4155の処理では、上述したS4153,S4156,S4159の処理において選択された主継続値の値を継続値格納エリア223nに格納する。これにより、次に継続値を設定するタイミングにおいて、今回選択された主継続値の値を読み出して新たな継続値を選択することができる。S4155の処理を終えると、本処理を終了する。
<第3制御例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図209〜図211を参照して、本第3制御例における表示制御装置114内のMPU231により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図158参照)に代えて、コマンド判定処理4(図209参照)を用いた点、継続値関連コマンド処理(図164参照)に代えて、継続値関連コマンド処理4(図210参照)を用いた点、最終態様コマンド処理(図211参照)を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、継続演出中(バトル前演出、バトルリーチ)に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)の値を表示制御装置114にて設定するように構成している点で相違している。このように、表示制御装置114にて表示画面に表示される継続値(HP値)の値を設定することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。なお、上述したように、特別図柄の抽選結果や、変動シナリオに基づいて設定される主継続値は音声ランプ制御装置113にて設定し、その設定した主継続値を示すためのコマンドを表示制御装置114に対して出力するように構成しているため、表示制御装置114に対して必要以上の情報(例えば、特別図柄の抽選結果を示すための情報や、変動シナリオの更新状況を示すための情報)を示すためのコマンドを出力する必要が無い。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理(継続値を設定するための処理、表示制御装置114へ出力するコマンドを設定するための処理)の負荷を軽減することができる。
まず、図209を参照して、コマンド判定処理4の内容について説明をする。図209はコマンド判定処理4の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理4では、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図158参照)に対して、継続値関連コマンドがある場合に実行される処理と、表示用最終態様コマンドがあるか否かを判別する処理を追加した点で相違する。
コマンド判定処理4が実行されると、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図158参照)と同一のS6401〜S6414の処理を実行し、S6414の処理において、継続値関連コマンドがあると判別した場合(S6414:Yes)は、継続値関連コマンド処理4を実行し(S6451)、S6401の処理へ移行する。S6451の処理において実行される継続値関連コマンド処理4については、図210を参照してその詳細な説明を後述する。
一方、S6414の処理において継続値関連コマンドが無いと判別した場合は(S6414:No)、次に表示用最終態様コマンドがあるかを判別し(S6452)、表示用最終態様コマンドがあると判別した場合は(S6452:Yes)、表示用最終態様コマンド処理を実行し(S6453)、その後、S6401へ移行する。
S6453の処理において実行される表示用最終態様コマンド処理については、図211を参照してその詳細な説明を後述する。一方、S6452の処理において表示用最終態様コマンドが無いと判別した場合は(S6452:No)、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図158参照)と同一のS6420の処理を実行した後に、S3709の処理6401へ移行する。
次に、図210を参照して、上述したコマンド判定処理4(図209参照)において実行される継続値関連コマンド処理4(S6451)の内容について説明をする。図210は継続値関連コマンド処理4の内容を示したフローチャートである。この継続値関連コマンド処理4では、継続演出が実行されている間に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)を設定し、表示するための処理と、継続演出中に実行される演出を表示するための処理とが実行される。
継続値関連コマンド処理4が実行されると、まず、今回受信したコマンドに表示用特定継続値コマンドがあるかを判別する(S7351)。この表示用特定継続値コマンドは、音声ランプ制御装置113において実行される継続値設定処理4(図208のS4058参照)において、主継続値として大当たりに当選することを示すための特定値(「333」、「777」)が選択された場合に出力されるものである。詳細な説明は後述するが、本処理において、表示用特定継続値コマンドがあると判別した場合には、音声ランプ制御装置113から出力された主継続値がそのまま表示画面に表示されるように構成している。これにより、主継続値として大当たりに当選することを示すための特定値(「333」、「777」)が選択された場合に、表示制御装置114にて副継続値を設定し、主継続値と副継続値とを合算された継続値を表示画面に表示してしまい、大当たりに当選することを示すための特定値(「333」、「777」)を遊技者に報知できない事態を防ぐことができる。
S7351の処理において、表示用特定継続値コマンドがないと判別した場合は(S7351:No)、即ち、表示用継続値コマンドを受信した場合は、今回受信したコマンドに対応する継続値(主継続値)を算出し(S7352)、算出した継続値(主継続値)が0であるかを判別する(S7353)。S7353の処理において、継続値(主継続値)が0ではない(100以上である)と判別した場合は、第1継続値副選択テーブル234a3に基づいて副継続値を選択し、S7356の処理へ移行する。なお、第1継続値副選択テーブル234a3に規定されている各副継続値については、上述した第1制御例の第1継続値副選択テーブル222g1(図117(b)参照)と同一であるため、その説明を省略する。
一方、S7353の処理において、継続値(主継続値)が0であると判別した場合は(S7353:Yes)、第2継続値副選択テーブル234a4に基づいて副継続値を選択し、S7356の処理へ移行する。なお、第2継続値副選択テーブル234a4に規定されている各副継続値については、上述した第1制御例の第2継続値副選択テーブル222g2(図117(c)参照)と同一であるため、その説明を省略する。
そして、S7356の処理において、受信したコマンドに対応する継続値(主継続値)と、S7354、或いはS7355の処理により選択された副継続値とを合算する(S7356)。上述したように、受信したコマンドに対応する継続値(主継続値)が0である場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)が0よりも大きい値となり得ない(即ち、副継続値として正の値を選択し得ない)副継続値が規定されている第2継続値副選択テーブル234a4を用いるように構成しているため、音声ランプ制御装置113にて選択された継続値(主継続値)の示す内容(相手の継続値(HP値)を「0」にし、今回のバトル演出にて確変大当たりに当選することを示す内容)に対して、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される継続値(HP値)が矛盾してしまう(「0」以外の値が表示されてしまう)事態を抑制することができる。
S7356の処理を終えると、次に、合算値格納エリア233kに格納されている合算値を読み出し(S7357)、S7356の処理にて算出した合算値と、S7357の処理にて読み出した合算値との差分を算出する(S7358)。そして、算出した差分に対応した攻撃パターン表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7359)、今回算出した合算値を、合算値格納エリア233kに格納し(S7360)、S7365の処理へ移行する。
一方、S7351の処理において、表示用特定継続値コマンドがあると判別した場合は(S7351:Yes)、次に、合算値格納エリア233kから合算値を読み出し(S7361)、S7352の処理において算出した継続値と、S7361の処理において読み出した合算値との差分を算出し(S7362)、算出した差分に対応した攻撃パターン表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7359)、今回算出した継続値を、合算値格納エリア233kに格納し(S7360)、S7365の処理へ移行する。
上述したS7360の処理、或いは、S7364の処理を終えると、次いで、S7352の処理で算出した継続値を継続値格納エリア233caに格納し(S7365)、その後、上述した第1制御例の継続値関連コマンド処理(図164参照)と、同一のS7306〜S7309の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図211を参照して、上述したコマンド判定処理4(図209参照)において実行される最終態様コマンド処理(S6453)の内容について説明をする。図211は最終態様コマンド処理の内容を示したフローチャートである。この最終態様コマンド処理では、継続演出(バトル演出)の結果を示すためのバトルリーチの演出態様(継続値(HP値)の表示態様)を設定する処理と、設定された演出態様を表示画面に表示するための処理と、が実行される。
最終態様コマンド処理(S6453)が実行されると、まず、受信したコマンドに対応した最終態様データテーブルを決定する(S8301)。受信したコマンドには、音声ランプ制御装置113において実行される継続演出設定処理(図149のS3806参照)において最終態様選択テーブル222h(図118(a)参照)に基づいて選択された最終態様を示すための情報が含まれており、その情報に対応する最終態様データテーブルをキャラクタROM234から読み出して決定する。
次に、合算値格納エリア233kに格納されている合算値、即ち、現在表示画面に表示されている継続値(HP値)を読み出し(S8302)、S8301の処理において決定した最終態様データテーブルの初期値データとして設定する(S8303)。このように、予め定められたパターン数のバトルリーチの演出態様(攻撃パターンの態様)に対応する演出データに対して、様々な値を設定可能な継続値(HP値)に関するデータを追加で設定可能に構成することで、バトルリーチの演出態様に関するデータ量を削減することができる。
S8303の処理を終えると、次いで、受信したコマンドに含まれる最終結果情報を読み出し(S3709の処理8304)、読み出した最終結果が勝利を示す情報であるかを判別する(S8305)。ここで、受信したコマンドに含まれる最終結果情報として、最終態様選択テーブル222h(図118(a)参照)に基づいて選択された最終態様を示すための情報を用いて、最終結果を判別するようにしても良いし、バトルの最終結果を示すための専用の情報を含めて表示用最終態様コマンド処理を実行するようにしても良い。
S8305の処理において、最終結果が勝利ではない(敗北、或いは引き分けである)と判別した場合は(S8305:No)、継続値格納エリア233caに格納されている継続値と、合算値格納エリアに格納されている合算値との差分を算出し(S8306)、決定した最終態様データテーブルの演出データのうち、1回目の自身の攻撃演出データの減算値を、算出した差分を加算した減算値に変更し(S8307)、S8308の処理へ移行する。
ここで、上述したS8306,S8307の処理内容について説明をする。本第3制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)を、音声ランプ制御装置113にて特別図柄の抽選結果に基づいて設定される主継続値と、表示制御装置114にて演出用に設定される副継続値とを合算することで作成するように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させながら、表示画面に表示される継続値(HP値)のバリエーションを増加させることができ、演出効果を高めることができる。しかしながら、継続演出(バトル演出)の結果を表示するバトルリーチにおいては、表示画面に表示される継続値(HP値)が限りなく「0」に近くなる状況が発生する場合がある。
このような場合において、例えば、音声ランプ制御装置113では特別図柄の抽選結果に基づいて相手の継続値(HP値)が「0」にならない主継続値が設定されたとしても、表示制御装置114にて設定される演出用の副継続値によって、表示画面に表示される相手の継続値(HP値)が「0」になってしまう虞があった。つまり、表示される継続値(HP値)が大きい間は、音声ランプ制御装置113にて設定、管理される主継続値と、表示画面上に表示される継続値(HP値)とに誤差があったとしても、演出面での悪影響は無く、寧ろ演出のバリエーションを増加させるという好影響を与えるものであるのに対して、表示される継続値(HP値)が小さくなると、音声ランプ制御装置113にて設定、管理される主継続値と、表示画面上に表示される継続値(HP値)との誤差が演出結果に矛盾を生じさせてしまい、遊技者に不信感を与える演出を実行してしまう虞があるという問題があった。
そこで、本第3制御例では、継続演出(バトル演出)の最終態様(バトルリーチ)の演出態様を設定する際に、今回の継続演出(バトル演出)の最終結果を判別し、その判別結果が勝利以外の場合、即ち、相手の継続値(HP値)が「0」にならない場合において、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差をバトルリーチ中の攻撃演出によって解消するようにしている。
これにより、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差を残したまま継続演出(バトル演出)の結果が表示されることにより発生する上述した問題を抑制することができる。なお、本第3制御例では、継続演出(バトル演出)の最終態様(バトルリーチ)として設定される1回目の自身の攻撃パターンにおいて、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差を解消するように構成しているため、残りの自身の攻撃パターン(例えば、2回目や3回目)の演出態様を共通化することができる。
また、今回選択されている最終態様(バトルリーチ)の演出態様として、自身の攻撃パターンが0回の演出態様が設定された場合は、バトルリーチ中に相手の継続値が減少することが無い演出態様であるため、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差を解消しなくても、表示画面上に表示される継続値(HP値)との誤差が演出結果に矛盾を生じさせてしまうという問題が発生することが無いため、S8307の処理において、攻撃演出データの変更処理が実行されないように構成している。
一方、S8305の処理において、最終結果が勝利であると判別した場合は(S8305:Yes)、S8306及びS8307の処理をスキップして、S8308の処理へ移行する。
S8038の処理では、S8301の処理において決定した最終態様データテーブルをデータテーブル格納エリア233bのカウントダウン演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S8308)。次いで、S8308の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S8309)。
そして、S8309の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された最終態様データテーブルに含まれる攻撃パターン表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S8310)、ポインタ233fを0に初期化する(S8311)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8312)、最終態様コマンド処理を終了し、本処理を終了する。
<第3制御例の別制御例について>
次に、図212〜図214を参照して、上述した第3制御例の別制御例について説明をする。上述した第3制御例では、大当たり種別に基づいて変動シナリオを設定し、設定された変動シナリオに基づいて変動パターンを選択することで、継続演出が実行されている期間中に、バトル前演出と、バトルリーチとを、効果的に実行することができるように構成していた。また、予め定められた変動シナリオに沿って実行される継続演出に対して遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制するために、変動シナリオを複数用意しておき、大当たり種別に対応して異なる変動シナリオを選択するように構成していた。
このように構成された第3制御例は、継続演出の演出効果を高めることができる構成ではあったが、複数の変動シナリオを記憶する記憶容量と、複数の変動シナリオに対応させて設定される複数の大当たり種別を記憶する記憶容量が増加してしまうという問題があった。特に、主制御装置110は、限られた記憶容量の中で遊技に関する様々な処理や、データの記憶をする必要があることから、記憶容量が増加することにより、他の処理やデータ記憶量を圧迫してしまい、結果として、遊技の興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して、本第3制御例の別制御例では、変動シナリオの数を削減したとしても、バリエーション豊富な継続演出を提供可能にするために、上述した第3制御例と同様に大当たり種別に対応して設定される変動シナリオに加え、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、所定期間(例えば、特別図柄変動10回転分)の間、異なる変動シナリオを用いた変動パターンの選択が行われるように構成した。
このように構成することで、1の変動シナリオが設定されている場合であっても、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となるタイミングによって、実行される継続演出の内容を異ならせることができる。また、複数の変動シナリオの組み合わせによって継続演出中の演出態様が設定されるため、記憶される変動シナリオの数を減らしたとしても、バリエーション豊富な継続演出を実行することができる。
<第3制御例の別制御例における電気的構成について>
ここで、図212〜図214を参照して、本別制御例における電気的構成について説明をする。本別制御例は、上述した第3制御例に対して、主制御装置110のROM202の内容を一部変更した点と、主制御装置110のRAM203の内容を一部変更した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図212(a)は、本第3制御例の別制御例における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図212(a)に示した通り、本別制御例では、上述した第3制御例に対して、小当たり種別選択テーブル202daを追加した点と、第1当たり乱数テーブル202aの内容を一部変更した点と、変動シナリオ設定テーブル202caの内容を一部変更した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本別制御例における第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選結果として外れであった場合の一部に「小当たり」と判別する範囲を設けている。この本別制御例における第1当たり乱数テーブル202aについて、図213(a)を参照して説明をする。図213(a)は、本別制御例における第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を示した模式図である。
図213(a)に示した通り、上述した第3制御例では、抽選結果として遊技状態が確変状態の場合に「外れ」が規定されていた第1当たり乱数カウンタ値C1の範囲(「5〜299」)の一部である「295〜299」の範囲に対して「小当たり」が規定されている。特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選した場合には、上述した大当たりよりは少ないが遊技者に有利となる特典が付与されるように構成している。
具体的には、特定入賞口65aに球が入球し得るように可変入賞装置65が短期間だけ開放動作される制御が実行される。なお、上述したように、「小当たり」は特別図柄の抽選結果が大当たりではない場合に選択され得るものであることから、「小当たり」に当選した場合に、パチンコ機10に設定される遊技状態が設定されることを無くすことができる。
次に、小当たり種別選択テーブル202daの内容について図213(b)を参照して説明をする。図213(b)は、小当たり種別選択テーブル202daの内容を示したものである。図213(b)に示した通り、本第3制御例の別制御例では、小当たり種別が複数から設定されるものである。具体的には、「0」〜「99」の合計で100個のカウンタ値のうち、何れかの値を取得し得る小当たり種別カウンタ値C5の取得値が「0〜49」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されており、「50〜99」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。
そして、「小当たりA」に当選した場合には、特定の変動パターンを実行するための変動シナリオが追加設定され、「小当たりB」に当選した場合には、特定の変動パターンを実行するための変動シナリオが追加設定されないように構成している。
次に、図214(a)及び図214(b)を参照して、本別制御例における変動シナリオ設定テーブル202caの内容を説明する。図214(a)は、変動シナリオ設定テーブル202caに記憶されている変動シナリオA1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図214(b)は、変動シナリオ設定テーブル202caに記憶されている小当たり後変動シナリオに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
本別制御例における変動シナリオ設定テーブル202caには、上述した2つの変動シナリオのみが記憶されており、特別図柄の抽選において確変大当たりに当選した場合には、その大当たり終了後に変動シナリオA1が設定され、変動シナリオ格納エリア203caに格納されるように構成している。また、確変状態中に実行される特別図柄2の抽選において小当たりに当選した場合には、小当たり後変動シナリオが設定され、変動シナリオ格納エリア203caに格納されるように構成している。そして、小当たり終了後に、小当たり後変動シナリオに規定されている特別図柄変動回数分、小当たり後変動シナリオに規定された内容に基づいて特別図柄の変動パターンが選択されるように構成している。
なお、詳細な説明は省略するが、本別制御例においても、上述した第3制御例と同様に変動回数減算処理4(図204参照)が実行され、特別図柄変動が実行される毎に(特別図柄変動処理4(図203参照)において、特別図柄の変動時間が経過したと判別される毎に)、変動シナリオ格納エリア203caに設定されている変動シナリオが更新されるように構成されている。
変動シナリオ格納エリア203caは、変動シナリオA1と小当たり後変動シナリオとが共に格納可能に構成されており、確変状態中に小当たりに当選した場合には、両方の変動シナリオが変動回数減算処理4(図204参照)により更新される。よって、確変状態中における小当たり当選回数に関わらず、変動シナリオA1を更新することができ、大当たり終了後からの特別図柄変動回数が200回に到達した場合に、テーブルBを設定することができる。
図214(a)に示した通り、変動シナリオA1は、変動回数が「1〜4」の範囲に、上述したテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜13」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が規定され、変動回数が「14」にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定される。
以後、変動回数が「195」に到達するまで、変動回数9回分にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が対応付けて規定され、変動回数1回分にテーブルD(第2外れ(確変)変動パターンテーブル202dc3)が対応付けて規定される。つまり、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が「5〜195」の期間は、テーブルCを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動を9回実行した後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるシナリオが繰り返し実行される。
そして、変動回数が「195〜198」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc2)が規定され、変動回数が「199」にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定される。そして、変動回数が「200〜」の範囲には、上述した第3制御例と同様にテーブルBが対応付けて規定される。
図214(b)に示した通り、小当たり後変動シナリオは、変動回数が「1〜9」の範囲に、上述したテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202dc4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜13」の範囲にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定され、変動回数が「10」にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202dc3)が規定される。そして、変動回数が10回を超えた場合に変動シナリオが終了するように構成している。なお、小当たり後変動シナリオが終了した場合は、同時に変動シナリオが更新されている変動シナリオA1に規定されている内容に沿って引き続き特別図柄の変動パターンが選択される。
以上説明をしたように、本第3制御例の別制御例では、特別図柄の抽選結果として小当たりに当選した場合に、所定期間(例えば、特別図柄10変動分)の間、異なる変動シナリオが設定されるように構成したため、小当たりに当選するタイミングに応じて、特別図柄の変動パターンを選択する際に用いられる変動パターンテーブルを異ならせることができる。よって、上述した第3制御例のように複数の変動シナリオを予め用意しなくても、様々なパターンの継続演出を提供することができる。
また、小当たりに当選した場合に用いられる変動シナリオの最後には、バトルリーチが実行される(され易い)変動パターンテーブル(テーブルD)が規定されているため、小当たりに当選したことにより、バトルリーチが長期間実行されなくなるという事態が発生することを防ぐことができる。
なお、本別制御例では、確変大当たり終了後に設定される変動シナリオとして1つの変動シナリオ(変動シナリオA1)を有する構成を用いたが、上述した第3制御例のように複数の変動シナリオを有する構成を用いても良い。このように構成することで、より多くのパターンの継続演出を提供することができる。加えて、本別制御例では、小当たりに当選した場合に、異なる変動シナリオを設定する小当たり種別(小当たりA)と、異なる変動シナリオを設定しない小当たり種別(小当たりB)とが同一の割合(50%)となるように構成しているが、を有しているが、各小当たり種別の振り分け割合は適宜設定すれば良く、小当たりに当選する確率、変動シナリオA1においてバトルリーチが実行される(され易い)変動パターンテーブル(テーブルD)が規定される間隔、小当たり当選時に提供される特典(賞球)の内容に基づいて設定すれば良い。
また、本別制御例では、特別図柄の大当たりに当選した場合と、小当たりに当選した場合とで、同一の可変入賞装置(可変入賞装置65)が開放される構成を用いているが、パチンコ機10に小当たり当選時にのみ開放される第2可変入賞装置を設けても良い。この場合、第2可変入賞装置が開放されたことを、可変入賞装置65が開放されたことよりも把握され難く構成すると良い、このように構成することで、継続演出中に小当たりに当選したことを遊技者に把握され難くすることができるため、多様なパターンの継続演出を違和感無く遊技者に提供することができる。加えて、この場合、小当たりに当選したことを示すための第3図柄の表示も遊技者に把握され難い表示態様、例えば、第3図柄停止タイミングにおいて、第3図柄を縮小表示したり、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて第3図柄よりも目立つ賑やかし演出を表示したりすると良い。
本別制御例では、特別図柄2のみ小当たりに当選するように第1当たり乱数テーブル202aを構成しているが、特別図柄1も小当たりに当選するように構成しても良い。この場合、特別図柄1と特別図柄2とで、小当たりに当選する確率を異ならせても良い。
以上説明をした第3制御例の別制御例では、特別図柄の抽選結果に基づいて予め定められた変動シナリオ(変動シナリオA1)とは異なる変動シナリオ(小当たり後変動シナリオ)を設定する条件として、特別図柄が小当たりに当選した場合を示しているが、それ以外の条件が成立した場合に、異なる変動シナリオを設定するように構成しても良く、例えば、上述した第2制御例にて用いた転落抽選に当選した場合に異なる変動シナリオを設定するように構成しても良い。
<第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例について>
次に、図215及び図216を参照して、上述した第1制御例で説明をした示唆演出(図100参照)の別制御例について説明をする。上述した第1制御例では、示唆演出の実行タイミングと終了タイミングとを別々に設定し、示唆演出が実行される期間が調整可能となるように構成している。具体的には、示唆演出の対象となる特定演出の実行タイミングに基づいて示唆演出の終了タイミング(後半パートであるカウントダウン演出の終了タイミング)を設定し、示唆演出の開始タイミング(前半パートである前兆演出の開始タイミング)を複数の地点から設定可能に構成し、実行される期間を予め設定することなく示唆演出を実行することで、示唆演出を設定する際の自由度を高めるように構成した。上述した第1制御例の示唆演出では、示唆演出の対象となる特定演出が実行されるタイミングを複数のタイミングから設定し、その示唆演出の実行タイミングに基づいて示唆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の終了タイミング)を設定し、示唆演出の実行期間を設定することで、様々な組み合わせの示唆演出を実行することができるものであった。
これに対し、本別制御例では、示唆演出の終了タイミングを設定しない状態で示唆演出を実行し、その示唆演出が実行されている期間中に成立する所定条件(枠ボタン22への操作内容)に基づいて、示唆演出の対象となる特定演出を決定し、決定された特定演出に向けてカウントダウン演出を実行するように構成している。このように構成することで、示唆演出実行中における遊技者の枠ボタン22への操作内容によって示唆演出の演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して意欲的に遊技に参加させることができる。
まず、図215を参照して、本別制御例における示唆演出の流れについて説明をする。図215は、示唆演出実行中の枠ボタン22への操作内容によって示唆演出の演出態様を可変させる場合の演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第1制御例における示唆演出の流れを示すタイミングチャート(図100参照)と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図215に示した通り、示唆演出を実行可能な特別図柄の変動が開始されると、変動開始から10秒後に示唆演出の前半パートである前兆表示(図98(a)参照)が13秒間実行される。この前兆表示がされている表示期間のうち後半の8秒間に対して枠ボタン22への押下操作を有効に判別するボタン操作有効期間が設定されており、このボタン操作有効期間中における枠ボタン22への操作内容によって、示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出の演出態様(表示態様、表示期間)が決定される。
具体的には、ボタン操作有効期間中は第3図柄表示装置81の表示画面に、「ボタンをタイミング良く押せ」というコメントが表示され、その表示に対して遊技者が枠ボタン22を操作した操作タイミングを操作タイミング判別手段により判別する。操作タイミング判別手段は枠ボタン22に対する遊技者の操作タイミングを複数段階に判別可能に構成されており、最もタイミング良く(例えば、指定のタイミングから前後に0.2秒の範囲で)枠ボタン22が操作(以下、ボタン操作Bと称す)されたと場合と、ボタン操作Bよりも指定のタイミングからずれた範囲(例えば、指定のタイミングから前後に1秒の範囲のうち、ボタン操作Bの範囲を除いた範囲)で枠ボタン22が操作(以下、ボタン操作Aと称す)されたと場合と、それ以外のタイミングでの枠ボタン22の操作、或いは枠ボタン22が操作されなかった(以下、ボタン操作なしと称す)場合と、に少なくとも判別することができる。
ここで、操作タイミング判別手段により、ボタン操作Aと判別された場合、即ち、ボタン操作有効期間中にボタン操作を行ったものの、操作タイミングが若干ずれていた場合は、今回の変動演出中に実行される特定演出のうち、特定演出b(変動開始から26秒後に実行されるカットイン表示)を対象としたカウントダウン演出が設定される。具体的には、カウントダウン演出として3秒間のカウントダウン表示が実行される(図98(b)の表示画面の第2表示領域に表示される値が「3」、「2」、「1」、「0」の順にカウントダウンする演出が実行される)。そして、そのカウントダウン演出にて表示される数値が「0」となるタイミングで特定演出bであるカットイン表示が表示される。
次に、操作タイミング判別手段により、ボタン操作Bと判別された場合、即ち、ボタン操作有効期間中にタイミング良くボタン操作された場合は、今回の変動演出中に実行される特定演出のうち、特定演出a(変動開始から30秒後に実行されるPUSH表示(図99参照))を対象としたカウントダウン演出が設定される。具体的には、カウントダウン演出として7秒間のカウントダウン表示が実行される。そして、そのカウントダウン演出にて表示される数値が「0」となるタイミングで特定演出aであるPUSH表示が表示される。
また、操作タイミング判別手段により、ボタン操作なしと判別された場合、即ち、ボタン操作有効期間中にボタン操作をしなかった、或いは、大きくずれたタイミングでボタン操作された場合は、カウントダウン演出を実行することなく、前兆演出が終了したタイミングで示唆演出が終了する(ガセ示唆演出)。
以上説明をしたように、本別制御例は、上述した第1制御例と同様に示唆演出の実行タイミングと終了タイミングとを異なるタイミング(条件)で設定するものであり、さらに、示唆演出のうち、前半パートである前兆演出実行期間中に成立する所定条件(枠ボタン22への操作内容の判別結果)に基づいて実行中の示唆演出の対象となる特定演出を決定し、示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出の演出態様(表示態様、表示期間)を設定するように構成している。これにより、遊技者に対して意欲的に遊技に参加させることができる。
また、本別制御例では、複数のタイミングで実行される特定演出(特定演出a、特定演出b)が実行されるタイミングが遅いほど、今回の特別図柄変動が大当たりに当選している期待度が高くなるように構成されている。よって、ボタン操作有効期間中にタイミング良くボタン操作を行ったほうが、大当たり期待度の高い特定演出を対象にカウントダウン演出が実行されるため、遊技者を安心させることができる。
つまり、図215では、特定演出aおよび特定演出bが実行される変動パターンを例に示しているが、本パチンコ機10に設定される複数の変動パターンの中には、特定演出bのみが実行される外れ変動パターンも存在していることから、図215に示した変動パターンにおいて、ボタン操作Aを行った場合には、示唆演出の対象が特定演出bになってしまい、遊技者に対して、今回の変動パターンが特定演出a、特定演出bが共に実行される変動パターンであるか否かを予め報知することができず、遊技者に不安感を持たせたまま演出が進行することになる。
しかしながら、ボタン操作有効期間中にタイミング良く枠ボタン22を操作した場合には、特定演出aを対象としたカウントダウン演出が実行されるため、遊技者に不安感を与えることなく、安心して遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作する遊技に参加させることができる。
なお、本別制御例では、1つの変動パターンとして特定演出aおよび特定演出bが実行される変動パターンにおいて、示唆演出の対象となる特定演出を、示唆演出が実行されてから成立する所定条件(枠ボタン22の操作内容)に基づいて決定するように構成しているが、示唆演出の対象とならなかった特定演出を表示しないように構成しても良い。また、1つの変動パターンとして特定演出aのみが実行される変動パターンにおいて、示唆演出の対象となる特定演出aが実行されるタイミングを、示唆演出が実行されてから成立する所定条件に基づいて決定するように構成しても良い。このように構成することで、枠ボタン22をタイミング良く操作できなかった場合に、タイミング良く操作できた場合に実行される示唆演出の内容を予測させ難くすることができるため、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
以上説明をした別制御例では、示唆演出が開始されてからの枠ボタン22の操作内容として、示唆演出の前半パートである前兆演出中に枠ボタン22をタイミング良く操作させるための操作演出を実行し、その操作演出中に枠ボタン22が操作されたタイミングに基づいて示唆演出の対象となる特定演出を決定し、決定された特定演出に対応するカウントダウン演出の演出態様を設定するように構成している。
この場合、操作演出として、第3図柄表示装置の表示画面に、操作演出の内容を示す表示態様として「タイミング良くボタンを押せ」という文字を表示し、操作演出の指定タイミングを示すための指標表示態様と、時間経過に伴って移動する移動表示態様とを表示し、移動表示態様が指標表示態様と重複したタイミングが最もタイミングが良いことを遊技者に示すように表示すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易く操作演出の内容を報知することができる。
また、操作演出に対する枠ボタン22の操作結果として、実際に枠ボタン22を操作したタイミングで移動表示態様を停止表示させ、指標表示態様との誤差を遊技者が視認できるように表示すると共に、その誤差範囲が許容範囲内であるか否か(ボタン操作Aに該当するか、ボタン操作Bに該当するか)を報知するための「エクセレント」や「グッド」の文字を表示すると良い。これにより、遊技者に対して操作演出の結果を分かり易く報知することができる。
以上説明をした例によれば、枠ボタン22の操作内容に基づいて示唆演出の演出態様を可変させるために、枠ボタン22の操作タイミングと、予め指定された指定タイミングとの誤差を判別する構成を示したが、予め定められた指定条件と、実際の操作内容とに基づいて示唆演出の演出態様を可変出来ればそれ以外の構成を用いても良く、例えば、操作演出が実行される期間内に枠ボタン22を操作(押下)した回数を判別し、その判別結果に基づいて示唆演出の演出態様を可変させるように構成しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段として、枠ボタン22以外の操作手段を設け、複数の操作手段のうち特定の操作手段を操作したか否かを判別し、その判別結果に基づいて示唆演出の演出態様を可変させるように構成しても良い。
図215に示した別制御例では、ボタン操作有効期間中の枠ボタン22に対する操作内容に基づいて示唆演出の演出態様(示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出の演出態様)を設定するように構成しているが、同様の効果を奏するために、ボタン操作有効期間中における押下操作が実行されたタイミングに基づいて示唆演出の演出態様を設定するように構成しても良い。ここで、図216を参照して、詳細に説明をする。
図216(a)は、示唆演出実行中の枠ボタン22への操作タイミング(押下タイミング)によって示唆演出の演出態様を可変させる場合の演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第1制御例および別制御例における示唆演出の流れを示すタイミングチャート(図100或いは図215参照)と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図216に示した通り、本別制御例では、示唆演出の前半パートである前兆演出期間中に設定されるボタン操作有効期間(8秒)が前半(2秒)、後半(6秒)に判別可能に区分けされている。ここで、ボタン操作有効期間中における枠ボタン22の操作タイミング(押下タイミング)に基づいて設定される示唆演出の演出態様について、図216(b)〜(d)を参照して説明をする。
図216(b)は、ボタン操作有効期間のうち前半(2秒)の期間内に枠ボタン22を操作(押下)した場合における示唆演出の演出態様を示したタイミングチャートであり、図216(c)は、ボタン操作有効期間のうち後半(6秒)の期間内に枠ボタン22を操作(押下)した場合における示唆演出の演出態様を示したタイミングチャートであり、図216(d)は、ボタン操作有効期間中に枠ボタン22を操作(押下)しなかった場合における示唆演出の演出態様を示したタイミングチャートである。
まず、図216(b)に示した通り、ボタン操作有効期間のうち前半(2秒)の期間内に枠ボタン22が操作(押下)されたと判別した場合は、示唆演出の対象を特定演出aとし、ボタン操作有効期間のうち前半(2秒)が経過してから1秒後までを前兆期間(8秒)に設定し、ボタン操作有効期間のうち、後半(6秒)が開始されてから1秒後から特定演出aが開始されるタイミングまでのカウントダウン演出の実行期間(12秒)として設定する。
このように、ボタン操作有効期間(8秒)に規定されている前半(2秒)、後半(6秒)の切替タイミングに対して、前半(2秒)の間に枠ボタン22を操作した場合に示唆演出の演出態様を切り替える(前兆演出からカウントダウン演出に切り替える)タイミングを1秒遅らせるように構成することで、前半(2秒)の終了間際に枠ボタン22を操作したと判別された場合であっても、演出を切り替えるまでの期間(1秒)を用いて円滑に演出を切り替える処理を実行することができる。
なお、この場合は、予め設定したボタン操作有効期間(8秒)のうち、後半(6秒)の期間に対して枠ボタン22の操作を無効とするボタン操作有効期間変更処理を実行する。これにより、予めボタン操作有効期間が設定されていた期間中にカウントダウン演出が実行したとしても、その最中の枠ボタン22への操作を無効にすることができる。
次に、図216(c)に示した通り、ボタン操作有効期間のうち後半(6秒)の期間内に枠ボタン22が操作(押下)されたと判別した場合は、示唆演出の対象を特定演出bとし、ボタン操作有効期間が終了するタイミングから特定演出bが開始されるタイミングまでのカウントダウン演出の実行期間(3秒)として設定する。そして、ボタン操作有効期間中に枠ボタン22への操作が無かった場合は、図216(d)に示した通り、示唆演出の対象となる特定演出を設定することなく、ボタン操作有効期間中に前兆演出(13秒)が実行され、その後、カウントダウン演出をすることなく示唆演出を終了する(ガセ示唆演出)。
以上、図216を参照して説明をしたように、ボタン操作有効期間中における枠ボタン22への操作タイミングに基づいて示唆演出の対象となる特定演出を設定するように構成したとしても、上述した図215と同様の効果を奏することができる。
なお、図216を参照して説明をした例では、ボタン操作有効期間(8秒)を、2つの期間(前半、後半)に区分けし、区分けされたそれぞれの期間に対して異なる時間(前半(2秒)、後半(6秒))を設定するように構成しているが、ボタン操作有効期間中における枠ボタン22への操作タイミングを識別可能に構成されていれば良く、例えば、ボタン操作有効期間を2以上の期間に区分け(例えば、3つに区分け)しても良いし、区分けされた期間に対して同一の時間を設定しても良い。また、ボタン操作有効期間(8秒)を、2つの期間(例えば、期間A(1秒)、期間B(1秒))に区分けし、期間Aと期間Bとを交互に設定するように構成しても良い。これにより、枠ボタン22に対してボタン操作を行ったタイミングが少しずれるだけで異なる示唆演出が実行されることとなり、演出効果を高めることができる。
以上、図215および図216を用いて説明をした第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例では、示唆演出実行中に成立する所定条件として、枠ボタン22に対する遊技者の操作態様(操作の有無、操作内容、操作タイミング)を設定しているが、それ以外の条件を設定しても良く、例えば、示唆演出実行中に発生した入賞(第1入球口64、第2入球口140への球の入球や、一般入賞口63への球の入球、スルーゲート67への球の入球(通過))情報の発生タイミングや、発生内容を所定条件として設定しても良い。これにより、特別図柄の変動中に遊技者が球の発射を停止してしまうという事態が発生することを抑制することができる。
また、図215および図216を用いて説明をした第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例では、1回の特別図柄変動中に示唆演出が完結する例を示しているが、例えば、上述した第1制御例の図101に示した通り、複数の特別図柄変動を跨いで示唆演出を実行するように構成しても良い。
<第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図217〜図219を参照して、本別制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本別制御例では、上述した第1制御例に対して、カウントダウン演出設定処理(図152参照)に代えて、カウントダウン演出設定処理5(図217参照)を設けた点、枠ボタン入力監視・演出処理5(図218参照)を設けた点で相違する。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図217を参照して、カウントダウン演出設定処理5の内容について説明をする。図217はカウントダウン演出設定処理5の内容を示したフローチャートである。カウントダウン演出設定処理5が実行されると、まず、今回の変動パターンが当たりであるかを判別し(S4303)、当たりであると判別した場合は(S4303:Yes)、変動開始から26秒後に特定演出b(カットイン)を、30秒後に特定演出a(PUSH)を設定し(S4371)、S4373の処理へ移行する。
一方、S4303の処理において、今回の変動パターンが当たりではないと判別した場合は(S4303:No)、変動開始から26秒後に特定演出b(カットイン)を設定し(S4372)、S4373の処理へ移行する。
S4373の処理では、変動開始から15秒〜23秒の期間にボタン操作有効期間を設定し(S4373)、今回の変動パターンに対応する前兆演出を設定し(S4374)、表示用前兆演出コマンドを設定し(S4375)、本処理を終了する。
次に、図218を参照して枠ボタン入力監視・演出処理5の内容について説明をする。図218は、枠ボタン入力監視・演出処理5の内容を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理5が実行されると、まず、枠ボタン22の押下を検出したかを判別し(S5051)、検出していないと判別した場合は(S5051:No)、本処理を終了する。一方、検出したと判別した場合は(S5051:Yes)、現在が第1前兆演出の有効期間中であるかを判別し(S5081)、第1前兆演出の有効期間中であると判別した場合は(S5081:Yes)、第1前兆演出中における枠ボタン操作関連の処理(S5082〜S5088)を実行し、第1前兆演出の有効期間中ではないと判別した場合は(S5081:No)、第2前兆演出中の有効期間中であるかを判別し(S5089)、第2前兆演出の有効期間中であると判別した場合は(S5089:Yes)、第2前兆演出中における枠ボタン操作関連の処理が実行される第2前兆演出設定処理を実行する(S5090)。一方、第2前兆演出中の有効期間中では無いと判別した場合は(S5089:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、第1前兆演出中における枠ボタン操作関連の処理(S5082〜S5088)について説明をする。まず、枠ボタン22を操作したタイミングと、前兆演出に設定された指定タイミングとの誤差を算出し(S5082)、その誤差が0.1秒以内であるかを判別する(S5083)。誤差が0.1秒以内である場合は(S5083:Yes)、特定演出aを演出対象に設定し(S5084)、変動開始から23秒〜30秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5085)、設定した態様に対応する表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S5077)、本処理を終了する。
一方、誤差が0.1秒以内では無いと判別した場合は(S5083:No)、次に、誤差が0.5秒以内であるかを判別し(S5086)、0.5秒以内であると判別した場合は(S5086:Yes)、特定演出bを演出態様に設定し(S5087)、変動開始から23秒〜26秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5088)、上述したS5077の処理へ移行し、本処理を終了する。S5086の処理において、0.5秒以内ではないと判別した場合は(S5086:No)、そのまま上述したS5077の処理へ移行し、本処理を終了する。
次に、枠ボタン入力監視・演出処理5(図218参照)において実行される第2前兆演出設定処理について図219を参照して説明をする。図219は第2前兆演出設定処理の内容を示したフローチャートである。第2前兆演出設定処理が実行されると、まず、現在が前半期間であるか、即ち、枠ボタン22が操作された期間が前半期間であるかを判別する(S5091)。S5091の処理において、前半期間であると判別した場合は(S5091:Yes)、特定演出aを演出対象に設定し(S5092)、前兆演出期間を8秒に設定し(S5093)、変動開始から18秒〜30秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5094)、本処理を終了する。
一方、前半期間ではないと判別した場合は(S5091:No)、次に、現在が後半期間であるか、即ち、枠ボタン22が操作された期間が後半期間であるかを判別し(S5095)、後半期間であると判別した場合は(S5095:yes)、特定演出bを演出対象に設定し(S5096)、前兆演出期間を13秒に設定し(S5097)、変動開始から23秒〜26秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5098)、本処理を終了する。一方、S5095の処理において後半期間ではないと判別した場合は(S5095:No)、前兆演出期間を13秒に設定し(S5099)、本処理を終了する。
<第1制御例で説明をした延長表示における音声ランプ制御装置113の制御処理の別例について>
次に、図220を参照して、大当たり終了後に設定される延長表示処理(大当たりのエンディング表示を大当たり終了後の特別図柄変動期間中も延長して表示する処理)の別例について説明をする。上述した第1制御例では、延長表示が実行されてから特別図柄の変動回数が所定回数(4回)に実行された場合、或いは、延長表示が実行されてから所定期間(4秒)が経過した場合に延長表示の終了条件が成立したと判別する構成を用いており、特別図柄の変動回数に基づく終了条件よりも先に、経過期間に基づく終了条件が成立した場合には、第3図柄表示装置81にてデモ表示を行い、短期間(0.5秒)の変動時間が設定される特別図柄変動が終了するまでデモ表示を継続するように構成していた。
これに対し、本別例では、特別図柄の変動回数に基づく終了条件よりも先に、経過期間に基づく終了条件が成立し、延長表示が終了した後に、短期間(0.5秒)の変動時間が設定される特別図柄変動が実行される場合において、短期間(0.5秒)の変動時間が設定される特別図柄変動の残り変動回数に基づいて変動演出を設定するように構成している。
具体的には、実際の特別図柄変動期間(0.5秒)よりも長い期間の変動演出が実行される特定期間演出が設定され、例えば、特別図柄の残り変動回数が2回(今回の変動を含む)の場合は、2秒の変動演出が設定され、特別図柄の残り変動回数が3回(今回の変動を含む)の場合は、3秒の変動演出が設定され、特別図柄の残り変動回数が4回(今回の変動を含む)の場合は、4秒の変動演出が設定される。
そして、特定期間演出である変動演出が実行されている間に次の特別図柄変動が実行される場合には、既に実行されている変動演出の残期間が新たに実行される変動演出の演出期間となるように変動演出が書き換えられるように設定される。
このように構成することにより、大当たり終了後に延長表示を実行し、大当たり終了後の所定期間(特別図柄変動4回、或いは、4秒間)の間に実行された特別図柄変動が大当たりに当選した場合に対して、違和感無く大当たり中の演出を継続させるために、大当たり終了後の所定回数分の特別図柄変動に対して短期間(0.5秒)の変動時間を設定した場合において、大当たり終了後の所定期間(4秒間)内に所定回数(4回)の特別図柄変動が実行されなかったとしても、遊技者に違和感を与えること無く特別図柄変動に対応する変動演出を実行することができる。
ここで、本別例における音声ランプ制御装置113の制御処理について、上述した第1制御例と相違する点について、図220を参照して説明をする。本別例では、上述した第1制御例に対して変動表示設定処理(図147参照)の内容を一部変更した点で相違し、その他の処理は同一である。同一の要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図220は本別例における変動表示設定処理6の内容を示したフローチャートである。変動表示設定処理6が実行されると、まず、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3801〜S3804の処理を実行する。S3803の処理において表示延長フラグ223iがオンではない(オフである)と判別した場合は(S3803:No)、次に、変動回数カウンタ223jの値が1以上であるかを判別する(S3871)。つまり、大当たり終了後に延長表示が実行されてから特別図柄が所定回数(4回)変動するまでの間に、所定期間(4秒)が経過している状態であるかを判別する。
S3871の処理において、変動回数カウンタ223jの値が1以上では無い(0である)と判別した場合は、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3811〜S3817の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S3871の処理において、変動回数カウンタ223jの値が1以上であると判別した場合は(S3871:Yes)、次に、変動回数カウンタ223jの値に対応する特定期間演出を決定し(S3872)、表示用特定期間演出コマンドを設定し(S3873)、変動回数カウンタ223jの値を1減算し(S3874)、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3812〜S3817の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本別例では、大当たり終了後に延長表示が実行されてから特別図柄が所定回数(4回)変動するまでの間に、所定期間(4秒)が経過した状態において、特別図柄変動が開始される場合には、残りの特別図柄変動回数(変動回数カウンタの値)に対応する特定期間演出を実行するように構成しているため、大当たり終了後の所定期間(4秒間)内に所定回数(4回)の特別図柄変動が実行されなかったとしても、遊技者に違和感を与えること無く特別図柄変動に対応する変動演出を実行することができる。
なお、上述した別例の構成を用いる場合には、延長表示を実行する期間(特別図柄変動回数)を、特別図柄2の保留上限数(4個)よりも多くしても良く、例えば、延長表示の終了条件の1つである経過期間(4秒)が経過するまでに実行し得る最大数の特別図柄変動回数(例えば、0.5秒変動を8回)を延長表示の終了条件に設定しても良い。これにより、大当たり中の演出を継続させる機会を増加させることができ、演出効果を高めることができる。
また、詳細な説明は省略するが、大当たり終了後に延長表示が実行されてから特別図柄が所定回数(4回)変動するまでの間に、所定期間(4秒)が経過した状態において、実行される特別図柄変動で大当たりに当選した場合は、0.5秒変動の特別図柄変動が実行された後に、大当たり遊技が開始されるが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、0.5秒の特別図柄変動期間に加え、大当たり遊技のオープニング期間を用いた変動演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、0.5秒以上の期間を用いて変動演出を実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第1制御例で説明をした期待度示唆演出の別制御例について>
次に、図221〜図225を参照して、上述した第1制御例の期待度示唆演出の別制御例について説明をする。本別制御例では、上述した第1制御例と同様に、1回の変動演出にて表示される期待度表示態様である期待度1表示Dk1〜期待度3表示Dk3がそれぞれ表示され得る演出期間と、各期待度表示態様が変動演出中に可変される可変量を合算した期待度上昇態様Dk4を表示可能な期間と、を1つの変動演出中に設定し(図221参照)、各演出期間に対して枠ボタン22の操作を有効にする操作有効期間を設定可能に構成している。
さらに、変動演出を設定する際に、3つの期待度表示態様を表示しない演出態様が選択された場合において、期待度上昇態様Dk4により獲得したポイントを用いて、保留図柄の表示態様を可変可能に構成している。このように構成することで、期待度上昇態様Dk4により獲得したポイントを実行中の特別図柄変動に対応する抽選結果以外の遊技結果に対して用いることが可能となるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
次に、図221〜図223を参照して、本別制御例における演出内容について説明をする。図221は、本別制御例における期待度示唆演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第1制御例の期待度示唆演出と同一の要素については、その説明を省略する。
図221に示した通り、期待度示唆演出が行われる変動演出が実行されると、変動開始から15秒経過した時点から10秒間、今回の変動演出における期待度上昇態様Dk4を報知するための期待度可変示唆演出が実行される(図102(b)参照)。そして、図221(b)に示すタイミングにおいては、図222(a)に示す表示画面が表示される。ここで、図222(a)を参照して、期待度示唆演出中に表示される表示内容について説明をする。
図222(a)は、期待度上昇態様Dk4が報知されてから期待度上昇演出が実行されるまでの期間における表示例を模式的に示した図である。図222(a)に示した通り、期待度上昇態様Dk4として獲得した値(本図では「3UP」)が、第2副表示領域Ds2に表示される。図221に戻り説明を続ける。その後、変動開始から33秒が経過した時点で5秒間の第1操作有効期間が設定される期待度上昇演出が実行される(図221(c)。この状態においては、図222(b)に示した表示画面が表示される。
そして、第1操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22を操作すると、図223(a)に示したように、期待度1表示Dk1の表示態様が可変されると共に、期待度上昇態様Dk4の値が減算表示される。このように各操作有効期間中に枠ボタン22を操作することで、対応する期待度表示の表示態様を可変させることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることが可能となる。また、図221に示した通り、期待度1表示は、複数の操作有効期間に跨がって表示されるものであることから、どの操作有効期間において枠ボタン22を操作した場合であっても、その表示態様が可変する可能性がある。これにより第1操作有効期間中に枠ボタン22を操作した場合に、期待度1表示Dk1の表示態様が可変しなかった場合や、可変量が少なかった場合、即ち、変動演出の途中段階(第1操作有効期間中)に、遊技者が早期に大当たりへの期待を無くしてしまうことを抑制することができる。
次に、図224及び図225を参照して、本期待度示唆演出の別制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。図224は、期待度演出設定処理7の内容を示したフローチャートである。期待度演出設定処理7が実行されると、まず、上述した第1制御例と同様に期待度選択テーブル222iに基づいて期待度を選択する(S4251)。そして、選択された期待度に基づいて期待度上昇態様Dk4にて付与するポイントを設定し(S4252)、期待度に基づいて第1期間、第2期間、第3期間のそれぞれにおいて実行される演出態様を設定する(S4253)。
S4253の処理を終えると、各期間(第1期間、第2期間、第3期間)において演出態様が設定されていない期間(空き期間)があるかを判別し(S4254)、演出態様が設定されていない期間(空き期間)がある場合は(S4254:Yes)、次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に当たりを示す入賞情報があるかを判別する(S4255)。ここで、当たりを示す入賞情報があると判別した場合は(S4255:Yes)、演出態様が設定されていない期間(空き期間)に、保留図柄を可変させるための保留図柄可変演出態様を設定し(S4256)、S4257の処理へ移行する。一方、S4254の処理において、演出態様が設定されていない期間がない場合(S4254:No)、或いはS4255の処理において、当たりを示す入賞情報がないと判別した場合は(S4255:No)、そのままS4257の処理へ移行する。
S4257の処理では、演出態様が設定された各期間に対して、枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間(第1操作有効期間、第2操作有効期間、第3操作有効期間)を設定し(S4257)、表示用期待度演出コマンドを設定し(S4258)、本処理を終了する。
以上説明をしたように、期待度演出設定処理7(S3808)では、期待度選択テーブル222iに基づいて選択された期待度を用いて、今回の変動演出にて用いる付与ポイントと、その付与ポイントを用いた演出態様とを設定するように構成している。そして、付与ポイントを用いた演出態様は、今回実行される変動演出の変動パターンに対応付けて規定されている複数の期間(第1期間〜第3期間)のそれぞれに、選択された設定の有無(演出態様を設定するか否か)、及び、演出態様の内容(設定する期待度表示態様の種別、表示態様)に基づいた演出態様で設定される。
このように構成することで、どの期間(第1期間〜第3期間)に、どの演出態様が実行されるのかを遊技者が把握することを困難にすることができる。また、期待度可変示唆演出期間中に期待度上昇態様Dk4として獲得した値を用いて表示態様を可変可能な期待度表示態様が表示される数も不定となるため、期待度上昇態様Dk4として獲得した値が少ない場合(例えば、2UP)であっても、実行される期待度表示態様の表示数が少なければ、その期待度表示態様に対して期待度上昇態様Dk4として獲得した値を使用することができるため、期待度可変示唆演出期間中の演出結果によって遊技者の遊技意欲を低下させてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本期待度示唆演出の別制御例では、図221に示した通り、期待度可変示唆演出期間が変動演出の序盤に1回実行される構成を用いているが、これに限ること無く、変動演出の中盤(例えば、第2操作有効期間(図221(d)参照)と、第3操作有効期間(図221(e)参照)との間)に設けても良い。このように構成することで、期待度可変示唆演出中に期待度上昇態様Dk4として獲得した値を用いた演出の対象となる期間を減少させることができるため、期待度上昇態様Dk4として大きな値(例えば3)を獲得した際に、大当たりへの期待度をより高めることができる。また、1回の変動演出中に期待度可変示唆演出を複数回(例えば、2回)実行するように構成しても良い。
さらに、本期待度示唆演出の別制御例では、操作有効期間が設定可能な複数の期間に対して、付与ポイントを用いた演出態様が設定されていない場合に、追加演出として保留図柄の表示態様を可変させる演出を追加する構成を用いているが、それ以外の内容を追加演出として用いても良く、例えば、遊技者が収集している値(例えば、上述した第1制御例の別例にて説明をした蓄積値(図176(c)参照)を加算するための演出や、現在の遊技状態を示唆するための演出を追加するように構成しても良い。
また、操作有効期間が設定可能な複数の期間の全てに対して、付与ポイントを用いた演出態様が設定されている場合であっても、遊技者が実行される演出を選択可能な演出選択手段(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に実行される演出を選択するための選択画面を表示し、遊技者が操作可能な操作手段により実行される演出を選択する手段)の選択結果に基づいて、実行される演出を可変させても良い。
図224を参照して説明をした期待演出設定処理7では、期待度可変示唆演出期間が変動演出の固定期間(図221に示す変動開始から15秒〜25秒の期間)に規定された表示用期待度演出コマンドが設定されるように構成しているが、それ以外の構成として、例えば、期待度選択テーブル222iを参照して選択された期待度を判別する判別手段の判別結果に基づいて、期待度可変示唆演出を実行する期間を複数の期間(例えば、図221に示す変動開始から15秒〜25秒の期間、図221に示す第1期間よりも後の期間(変動開始から40秒〜50秒の期間))のうち、何れかの期間を設定する期待度可変示唆演出期間設定手段を設けても良い。これにより、期待度可変示唆演出が実行されるタイミングを複数設定することができ、演出効果を高めることができる。
また、期待度選択テーブル222iを参照して選択された期待度以外の要素に基づいて上述した期待度可変示唆演出期間設定手段により期待度可変示唆演出が実行される期間を設定するように構成しても良く、例えば、遊技者が操作手段を操作した操作内容に基づいて期待度可変示唆演出が実行される期間を設定するようにしても良いし、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に含まれている情報に基づいて期待度可変示唆演出が実行される期間を設定するように構成しても良い。
次に、図225を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理7について説明をする。図225は、枠ボタン入力監視・演出処理7の内容を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理7が実行されると、まず、枠ボタン22の操作(押下)を検出したかを判別し(S5051)、検出した場合は(S5051:Yes)、次いで保留可変演出設定期間中であるかを判別し(S5901)、保留可変演出設定期間中であると判別した場合は(S5901:Yes)、保留図柄を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5902)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
一方、S5901の処理において、保留可変演出設定期間中ではないと判別した場合は(S5901:No)、第1操作有効期間であるかを判別し(S5904)、第1操作有効期間であると判別した場合は(S5904:Yes)、第1期待度表示(期待度1表示)Dk1を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5905)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
S5904の処理において、第1操作有効期間ではないと判別した場合は(S5904:No)、第2操作有効期間であるかを判別し(S5906)、第2操作有効期間であると判別した場合は(S5906:Yes)、第2期待度表示(期待度2表示)Dk2を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5907)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
S5906の処理において、第2操作有効期間ではないと判別した場合は(S5906:No)、第3操作有効期間であるかを判別し(S5908)、第3操作有効期間であると判別した場合は(S5908:Yes)、第3期待度表示(期待度3表示)Dk3を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5909)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本別制御例では、上述した第1制御例と同様に、1回の変動演出にて表示される期待度表示態様である期待度1表示Dk1〜期待度3表示Dk3がそれぞれ表示され得る演出期間と、各期待度表示態様が変動演出中に可変される可変量を合算した期待度上昇態様Dk4を表示可能な期間と、を1つの変動演出中に設定し(図221参照)、各演出期間に対して枠ボタン22の操作を有効にする操作有効期間を設定可能に構成している。
さらに、変動演出を設定する際に、3つの期待度表示態様を表示しない演出態様が選択された場合において、期待度上昇態様Dk4により獲得したポイントを用いて、保留図柄の表示態様を可変可能に構成している。このように構成することで、期待度上昇態様Dk4により獲得したポイントを実行中の特別図柄変動に対応する抽選結果以外の遊技結果に対して用いることが可能となるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
なお、本別制御例にて付与される付与ポイントは全ての操作有効期間において枠ボタン22を操作した場合に、全て使用可能となるよう設定し、枠ボタン22を操作しなかった分が変動終了時の残るように構成し、変動終了時の残った付与ポイントに対して、上述した称号付与演出の付与内容を可変させるようにしても良い。
上述した各制御例を説明する際に用いた「大当たり(大当たり遊技)の開始時(実行時)」という文言は、特別図柄の大当たり抽選に当選し、大当たり遊技が開始されることが確定しているタイミングを示す概念として用いているものであり、具体的には、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示すための図柄の組み合わせで特別図柄が停止表示(確定表示)したタイミングや、大当たりのオープニング期間が開始されるタイミングや、大当たりのラウンド遊技が開始されるタイミングなどが含まれる概念である。
上述した各制御例を説明する際に用いた「大当たり(大当たり遊技)の終了時」という文言は、大当たり遊技が終了するタイミングを示す概念として用いているものであり、具体的には、大当たりの最終ラウンドが終了したタイミングや、大当たりのエンディング期間が終了したタイミングや、大当たり終了後の1回目の特別図柄の抽選を行うタイミングなどが含まれる概念である。
このような概念で用いた各文言に対して、上述した各制御例において特定のタイミングを指定していない場合には、上述した各タイミングの何れかを適宜採用するように構成しても良い。
上述した各制御例において説明をしたパチンコ機10の構成について、適宜組み合わせて実施しても良く、例えば、上述した第2制御例にて用いた転落抽選を実行する転落抽選手段を有するパチンコ機10に対して、上述した第3制御例にて用いた小当たり抽選を実行する小当たり抽選手段を設けても良い。
また、上述した第2制御例にて用いた転落抽選手段は、特別図柄の大当たり確率を高確率状態から低確率状態へと移行(転落)させるための抽選を実行するものであるが、それ以外の要素に対して設定されている内容を移行(転落)させるために用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の当たり確率を高確率状態から低確率状態へと移行(転落)させるための抽選や、時短状態を通常状態へと移行(転落)させるための抽選を実行するように構成しても良い。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として遊技者が押下操作可能な枠ボタン22を用いているが、操作手段として枠ボタン22とは異なる構成を設けても良く、例えば、遊技者が前後方向に操作可能なレバー形状の操作手段や、遊技者が接触(或いは、近接)したことを検知するタッチセンサ式の操作手段や、遊技者の動きを撮影する撮影手段の撮影結果を判別するカメラ式の操作手段等を設けても良い。また、操作手段の数も1つに限られること無く、複数個設けても良い。
上述した各制御例では、実行される様々な演出を第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行する構成を用いているが、パチンコ機10の複数の表示手段を設け、複数の表示手段を用いて上述した様々な演出を実行するように構成しても良いし、上述した各制御例にて説明をした様々な演出のうち、少なくとも2以上の演出を実行可能なパチンコ機10においては、実行可能な2以上の演出から、実際に実行される演出を遊技者が選択可能に構成してもよい。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。また、複数種類の特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)の抽選(変動)が同時に実行されるパチンコ機(所謂、同時変動機)に実施してもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<投影ユニット600の投影板部材620を一例とする発明の概念について>
光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を有する光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備え、前記光透過部材の側端面から入射された光を前記反射部で反射させて前記光透過部材の正面から出射させる遊技機において、前記光照射手段から照射された光のうちの前記光透過部材の正面から出射される光の割合を高くする出射増加手段を備えると共に、その出射増加手段が表示領域外に配置されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を有する光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備え、光透過部材の側端面から入射された光を反射部で反射させて光透過部材の正面から出射させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−29735号公報)。この種の遊技機によれば、例えば、光透過部材を遊技領域における液晶表示装置の正面側に配設することで、通常の状態では、光透過部材を介して液晶表示装置の表示を遊技者に視認させる一方、所定の遊技状態が形成された場合には、光照射手段から照射した光を光透過部材の側端面から入射させ、光透過部材の内部を進行する光を反射部で反射させて、光透過部材の正面から出射させる。この場合、反射部は、複数の反射面から構成される群が複数配設され、各群が模様や図柄の形状をなす。よって、反射部で反射され、光透過部材の正面から出射される光を、模様や図柄として遊技者に認識させることができる。即ち、液晶表示装置の表示と共に、その液晶表示装置の正面に模様や図柄を浮かび上がさせる(表示する)ことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光が弱いという問題点があった。そのため、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことが困難となる。この場合、光照射手段の出力を大きくしたのでは、コストや消費電力が嵩むだけでなく、発熱量が大きくなり、他の部材や機器へ熱の影響を与えるという問題が生じる。
これに対し、遊技機A1によれば、光照射手段から照射された光のうちの光透過部材の正面から出射される光の割合を高くする出射増加手段を備えるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くできる。その結果、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、光照射手段の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱の影響を抑制できる。更に、出射増加手段は、表示領域外に配置されるので、遊技者から視認され難くでき、その分、外観を悪化することを抑制できる。
なお、光透過部材の反射部の形成位置は、例えば、光透過部材の背面であっても良く、或いは、光透過部材の内部であっても良い。
遊技機A1において、前記出射増加手段は、前記光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、出射増加手段は、光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えるので、光照射手段から照射され光透過部材の側端面に直接到達する光だけでなく、光照射手段から照射され外縁部材に反射された光も光透過部材の側端面から入射させることができ、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光照射手段から照射された光のうちの光透過部材の反射部まで到達する光を増加させることができるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、光照射手段の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱の影響を抑制できる。
更に、このように、出射増加手段が、光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えることで、遊技領域における他の装置が光を発光した場合には、かかる他の装置の光を外縁部材が遮って、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができる。よって、光照射手段を消灯させている場合(光透過部材に光を入射させず、光透過部材の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が光透過部材に入射されて光透過部材の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
遊技機A2において、前記外縁部材は、前記光透過部材の正面および背面のそれぞれに配設されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、外縁部材は、光透過部材の正面および背面にそれぞれ配設されるので、光照射手段から照射された光のうち、光透過部材の側端面に直接入射されず、光透過部材の正面側に外れる光および背面側に外れる光のそれぞれを、正面の外縁部材および背面の外縁部材によってそれぞれ反射させ、光透過部材の側端面から入射させることができる。よって、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率をより一層高めることができる。
更に、このように、光透過部材の正面または背面のそれぞれに外縁部材を備えることで、遊技領域における他の装置が発光した光が光透過部材の正面または背面のいずれの側から到達した場合でも、正面の外縁部材および背面の外縁部材のそれぞれによって遮ることができるので、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができる。よって、光照射手段を消灯させている場合(光透過部材に光を入射させず、光透過部材の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が光透過部材に入射されて光透過部材の正面に模様や図柄が表示されることをより確実に抑制できる。
遊技機A2又はA3において、前記外縁部材は、前記光透過部材の側端面よりも外方へ張り出して配設されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、外縁部材は、光透過部材の側端面よりも外方へ張り出して配設されるので、光照射手段から照射された光を、外縁部材の張り出した部分(光透過部材の側端面に連設される面)で反射させて、光透過部材の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率をより一層高めることができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記外縁部材は、前記光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果において、外縁部材は、光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材と外縁部材との境界で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
即ち、例えば、光透過部材と外縁部材とが同じ屈折率の材料から形成されると、光透過部材の側端面から入射された光が、光透過部材と外縁部材との境界で反射され難く、外縁部材へ透過されやすい。外縁部材へ透過された光は、その外縁部分の外面(空気との境界)で全反射(又は一部が反射)した後、光透過部材へ戻るが、外縁部材から光透過部材へ戻った光は、光透過部材の反射部へ向かう方向へ進行するものだけでなく、光透過部材の側端面へ向かう方向へ進行するものも含まれる。そのため、反射部に到達する光が減少される。これに対し、遊技機A4のように、外縁部材を、光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成することで、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材と外縁部材との境界で反射させやすくできる(又は、全反射させることができる)ので、反射部に到達する光を確保することができる。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて、前記外縁部材は、前記光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかの奏する効果において、外縁部材は、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
即ち、例えば、光透過部材と外縁部材との屈折率が同一または屈折率の差が比較的小さい場合に、それら光透過部材と外縁部材とが密着されていると、光透過部材の側端面から入射された光が、光透過部材と外縁部材との境界で反射され難く、外縁部材へ透過されやすい。外縁部材へ透過された光は、その外縁部分の外面(空気との境界)で全反射(又は一部が反射)した後、光透過部材へ戻るが、外縁部材から光透過部材へ戻った光は、光透過部材の反射部へ向かう方向へ進行するものだけでなく、光透過部材の側端面へ向かう方向へ進行するものも含まれる。そのため、反射部に到達する光が減少される。これに対し、遊技機A5のように、外縁部材を、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設することで、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる(又は、全反射させることができる)ので、反射部に到達する光を確保することができる。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、前記光透過部材を回転可能に支持すると共に前記光透過部材に回転駆動力を付与する回転機構を備え、前記外縁部材は、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面または内周面の周方向に沿って湾曲ラックギヤが刻設され、前記回転機構は、前記外縁部材の湾曲ラックギヤに歯合されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤを回転駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6のいずれかの奏する効果に加え、外縁部材が、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面または内周面の周方向に沿って湾曲ラックギヤが刻設され、その外縁部材の湾曲ラックギヤに歯合されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤを回転駆動する駆動手段とを回転機構が備えるので、駆動手段によりピニオンギヤを回転駆動することで、そのピニオンギヤの回転を湾曲ラックギヤを介して外縁部材に伝達でき、これにより、外縁部材と共に光透過部材を回転させることができる。よって、光透過部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、変位(回転)させた状態で遊技者に視認させることができる。
この場合、光照射手段から照射された光を光透過部材の側端面へ集光させる役割と、駆動手段の回転駆動力を光透過部材へ伝達して回転させる役割とを、外縁部材に兼用させることができるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減と構造の簡素化に伴う信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機A2からA7のいずれかにおいて、前記光透過部材を回転可能に支持すると共に前記光透過部材に回転駆動力を付与する回転機構を備え、前記外縁部材は、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面の周方向に沿って案内溝が凹設され、前記回転機構は、前記案内溝に沿って案内される複数の支持輪を備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A2からA7のいずれかの奏する効果に加え、外縁部材が、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面の周方向に沿って案内溝が凹設され、回転機構は、案内溝に沿って案内される複数の支持輪を備えるので、これら案内溝および支持輪の作用により、光透過部材の側端面を露出させた状態で、即ち、光透過部材の側端面から光を入射可能な状態で、光透過部材を回転可能に支持することができる。よって、光透過部材を回転させることで、光透過部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、変位(回転)させた状態で遊技者に視認させることができる。
この場合、光照射手段から照射された光を光透過部材の側端面へ集光させる役割と、光透過部材を支持輪と共に回転可能に支持する役割とを、外縁部材に兼用させることができるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減と構造の簡素化に伴う信頼性の向上とを図ることができる。
なお、支持輪は、回転可能に軸支されるものであっても良く、或いは、回転不能に固定されるものであっても良い。この場合、支持輪が案内溝に沿って案内される形態としては、回転可能に軸支された支持輪が案内溝に沿って転動する或いは摺動しつつ転動する形態や、回転不能に固定された支持輪が案内溝に沿って摺動する形態が例示される。
また、遊技機A7に従属する遊技機A8においては、湾曲ラックギヤが刻設される外縁部材を光透過部材の正面または背面の一方に、案内溝が凹設される外縁部材を光透過性部材の正面または背面の他方に、それぞれ配設することが好ましい。即ち、外縁部材が、光透過部材の正面および背面にそれぞれ配設されることで、光照射手段から照射された光のうち、光透過部材の側端面に直接入射されず、光透過部材の正面側に外れる光および背面側に外れる光のそれぞれを、正面の外縁部材および背面の外縁部材によってそれぞれ反射させ、光透過部材の側端面から入射させることができるからである。また、このように、光透過部材の正面または背面のそれぞれに外縁部材が配設されることで、遊技領域における他の装置が発光した光が光透過部材の正面または背面のいずれの側から到達した場合でも、正面の外縁部材および背面の外縁部材のそれぞれによって遮ることができ、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができるからである。
遊技機A8において、前記外縁部材は、その外周側が前記光透過部材の正面または背面と所定間隔を隔てて対向する形状に形成され、それら外縁部材と光透過部材との間の対向間が前記案内溝とされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、外縁部材は、その外周側が光透過部材の正面または背面と所定間隔を隔てて対向する形状に形成され、それら外縁部材と光透過部材との間の対向間が案内溝とされるので、光透過部材および外縁部材からなる構造体の小型化を図ることができる。即ち、光透過部材の正面または背面に案内溝の一方の内壁を担わせることで、外縁部材を断面コ字状に形成する必要がなく、外縁部材の厚み寸法を小さくできる。よって、その分、上述した構造体の小型化を図ることができる。
また、外縁部材は、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記光透過部材の側端面は、前記光透過部材の正面および背面に直交して形成され、前記光照射手段は、その照射面からの光の照射方向が前記光透過部材の側端面に直交する姿勢で前記照射面を前記光透過部材の側端面に対向させて配設されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A2からA9のいずれかの奏する効果に加え、光透過部材の側端面は、光透過部材の正面および背面に直交して形成され、光照射手段は、その照射面からの光の照射方向が光透過部材の側端面に直交する姿勢で照射面を光透過部材の側端面に対向させて配設されるので、光照射手段から照射され光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
<投影ユニット600の照射ユニット650を一例とする発明の概念について>
光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へそれぞれが照射面を向けた姿勢で前記対象部材の周囲に分散配置される複数の発光手段とを備えた遊技機において、前記複数の発光手段のうちの少なくとも2以上の発光手段が搭載されると共に弾性変形可能に形成される1又は複数の基板部材と、その基板部材を弾性変形された所定の姿勢で保持するベース部材とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へそれぞれが照射面を向けた姿勢で配置される複数の発光手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−29735号公報)。この遊技機によれば、発光手段から光を照射して対象部材の外周面から入射させることで、その入射された光を、光透過部材の内部を進行させ、反射部で反射させることで、光透過部材の正面から出射させることができる。この場合、本願出願人は、対象部材を、光透過性材料から円板形状に形成すると共に反射部を形成する一方、複数の発光手段を、円板形状(対象部材)の外周面に照射面を向けた姿勢で、対象部材の周囲を取り囲むように配設し、各発光手段から照射された光を対象部材の外周面から入射させる構造を考案した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の発光手段を対象部材の周囲にそれぞれ配設する必要があるため、その配設作業の手間が嵩むという問題点があることを新たに見出した。特に、複数の発光手段は、それぞれの照射面を対象部材の外周面へ向けた姿勢(即ち、それぞれが異なる向き)で配設する必要があるため、この点からも配設作業の手間が嵩む。
これに対し、遊技機B1によれば、少なくとも2以上の発光手段が搭載されると共に弾性変形可能に形成される1又は複数の基板部材と、その基板部材を弾性変形された所定の姿勢で保持するベース部材とを備えるので、1の基板部材をベース部材に配設することで、少なくとも2以上の発光手段の配設作業を完了することができる。よって、その分、発光手段の配設作業の手間を抑制できる。
また、ベース部材に基板部材を配設すると、かかる基板部材が弾性変形された所定の姿勢に保持されるので、発光手段の照射面の方向を規定することができる。即ち、複数の発光手段を、それらの照射面をそれぞれ個別に対象部材の外周面へ向けた姿勢で配設する必要がないので、この点からも発光手段の配設作業の手間を抑制できる。
遊技機B1において、前記基板部材よりも剛性が高く形成されると共に前記基板部材に配設されるブロック体を備え、そのブロック体が前記ベース部材に保持されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、基板部材よりも剛性が高く形成されると共に基板部材に配設されるブロック体を備え、そのブロック体がベース部材に保持されるので、基板部材の反りや撓みを抑制して、かかる基板部材の姿勢を規定しやすくできる。その結果、発光手段の姿勢が、基板部材の反りや撓みの影響を受けることを抑制して、発光手段の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きを維持しやすくできる。
遊技機B2において、前記発光手段は、前記基板部材のうちの前記ブロック体が配設される領域に配設されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、発光手段は、基板部材のうちのブロック体が配設される領域に配設されるので、発光手段の姿勢が、基板部材の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制できる。よって、発光手段の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
遊技機B2又はB3において、前記ブロック体は、前記基板部材に複数が所定間隔を隔てつつ配設されると共に、前記ブロック体どうしの間に位置する前記基板部材を弾性変形させた姿勢で前記ベース体に保持されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、ブロック体は、基板部材に複数が所定間隔を隔てつつ配設されると共に、ブロック体どうしの間に位置する基板部材を弾性変形させた(曲げた)姿勢でベース体に保持されるので、弾性変形した姿勢の基板部材をベース部材に直接保持させる場合と比較して、発光手段の姿勢(照射面の向き)を安定させることができる。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記発光手段は、前記対象部材に対面する前記基板部材の正面に配設されると共に、前記ブロック体は、前記対象部材と反対側となる前記基板部材の背面に配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、対象部材に対面する基板部材の正面に配設されると共に、ブロック体は、対象部材と反対側となる基板部材の背面に配設されるので、ブロック体による基板部材の姿勢を安定化する効果を得つつ、発光手段をより対象部材へ近接させることができる。
遊技機B5において、前記ブロック体は、前記基板部材の正面からねじにより締結固定され、前記ねじの頭部が前記基板部材の正面に突出されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、ブロック体は、基板部材の正面からねじにより締結固定され、そのねじの頭部が基板部材の正面に突出されるので、発光手段をねじの頭部によって保護することができる。即ち、例えば、可動する部材が基板部材の正面へ変位された場合には、その部材にねじの頭部を当接させ、発光手段に当接して破損することを抑制できる。
遊技機B6において、前記ブロック体は、少なくとも2本の前記ねじにより締結固定され、前記発光手段は、前記2本のねじの頭部の間に配設されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、ブロック体は、少なくとも2本のねじにより締結固定され、発光手段は、2本のねじの頭部の間に配設されるので、発光手段をねじの頭部によって保護しやすくできる。
なお、2本のねじは、可動する部材の変位方向に沿って配設されることが好ましい。このように配設されるねじの頭部の間に発光手段が配設されることで、可動する部材をねじの頭部に当接させやすくでき、発光手段を保護しやすくできるからである。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、前記ベース体またはブロック体の一方には、突起が突設されると共に、その突起を受け入れて嵌合される嵌合孔が前記ベース体またはブロック体の他方に凹設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B2からB7のいずれかの奏する効果に加え、ベース体またはブロック体の一方には、突起が突設されると共に、その突起を受け入れて嵌合される嵌合孔がベース体またはブロック体の他方に凹設されるので、突起を嵌合孔に嵌合させることで、ベース体へブロック体を配設することができ、その配設作業の手間を抑制できる。特に、複数のブロック体が基板部材に配設され、それらブロック体どうしの間を弾性変形させた(曲げた)姿勢で配設する場合には、一方のブロック体を嵌合により位置決め(仮固定)しつつ、基板部材を弾性変形させて(曲げて)、他方のブロック体を嵌合させる態様で作業できるので、かかる配設作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機B2からB8のいずれかにおいて、前記ブロック体は、前記基板部材に配設される側の面に凹部を備え、そのブロック体の凹部に、前記基板部材に配設される電子部品が収納されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B2からB8のいずれかにおいて、ブロック体が、基板部材に配設される側の面に凹部を備え、そのブロック体の凹部に、基板部材に配設される電子部品が収納されるので、電子部品をブロック体により覆って保護することができる。よって、例えば、可動する部材が電子部品に当接して破損することを回避できる。
<上下変位ユニット800を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に配設され第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備えた遊技機において、前記変位部材が前記第1位置から第2位置へ変位されるに伴って弾性変形される弾性部材を備え、前記変位部材は、重力の作用により前記第1位置から第2位置へ向かう方向へ変位される形態で前記ベース部材に配設され、前記駆動手段から前記変位部材への駆動力の付与が解除された状態では、前記第1位置および第2位置の間の所定位置において、前記変位部材に作用する重力と前記弾性部材の弾性回復力とがつり合うことを特徴とする遊技機C1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に配設され第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この場合、例えば、通常の状態では、変位部材を、遊技者から視認不能または遊技領域の外縁側となる退避位置(例えば、第1位置または第2位置の一方)に配置する一方、所定の遊技状態が形成されると、遊技領域に張り出す張出位置(第1位置または第2位置の他方)へ向けて変位部材を変位させ、張出位置へ向けて変位される変位部材の動作を遊技者に視認させる演出が行われる。しかしながら、上述した遊技機では、駆動手段の駆動力により変位部材を変位させる構成であり、変位部材が一定の変位速度で変位されるため、変位部材に興趣のある変位を行わせることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、変位部材が第1位置から第2位置へ変位されるに伴って弾性変形される弾性部材を備え、変位部材は、重力の作用により第1位置から第2位置へ向かう方向へ変位される形態でベース部材に配設され、駆動手段から変位部材への駆動力の付与が解除された状態では、第1位置および第2位置の間の所定位置において、変位部材に作用する重力と弾性部材の弾性回復力とがつり合うので、このつり合い位置(所定位置)を中心として、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせることができる。即ち、変位部材の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
一方で、駆動手段から変位部材へ駆動力を付与すれば、上述した変位(等速円運動の正射影の運動)とは異なる態様で、変位部材を第1位置および第2位置の間で変位させることができ、その分、変位のバリエーションを増やすことができる。即ち、駆動手段から変位部材へ駆動力を付与するか否かを切り替えるのみで、変位のバリエーションを増やすことができ、構造や制御を複雑化する必要がないので、製品コストの低減と信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機C1において、前記変位部材は、一端側が前記ベース部材に回転可能に軸支され、前記第1位置および第2位置の間で他端側を昇降させる形態で形成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、一端側がベース部材に回転可能に軸支され、第1位置および第2位置の間で他端側を昇降させる形態で形成されるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせる場合には、かかる変位部材の他端の変位を、鉛直方向の直線運動だけでなく、一端側を回転中心とする回転運動も組み合わせた変位とすることができる。その結果、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
遊技機C2において、前記駆動手段の駆動力を前記変位部材へ伝達する伝達手段を備え、その伝達手段は、前記ベース部材に回転可能に配設され前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一端が回転可能に連結されると共に他端が前記変位部材に回転可能に連結される連結部材とを備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、伝達手段は、ベース部材に回転可能に配設され駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一端が連結されると共に他端が変位部材に連結される連結部材とを備えるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせる場合には、その変位部材が連結部材を押し引きして回転部材を回転させるところ、その押し引きに伴って回転部材に対する連結部材の姿勢が変化されるため、押し引き方向の力のうちの回転部材を回転させる方向の力成分の大きさを変化させることができる。即ち、変位部材が往復変位される際に、変位部材が伝達手段から受ける抵抗の大きさを変化させることができ、その結果、変位部材の往復変位の変位速度に変化を付与することができ、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
遊技機C3において、前記変位部材に作用する重力と前記弾性部材の弾性回復力とがつり合う前記所定位置では、前記回転部材の回転中心と前記回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ方向に対して、前記回転部材および連結部材の連結位置と前記連結部材および変位部材の連結位置とを結ぶ方向が略直交することを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位部材に作用する重力と弾性部材の弾性回復力とがつり合う所定位置では、回転部材の回転中心と回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ方向に対して、回転部材および連結部材の連結位置と連結部材および変位部材の連結位置とを結ぶ方向が略直交するので、押し引き方向の力のうちの回転部材を回転させる方向の力成分の大きさを、つり合い位置(所定位置)において最大とし、その力成分を、つり合い位置から押し引きのいずれの方向へ向かう場合も減少させることができる。即ち、変位部材が往復変位される際に、変位部材が伝達手段から受ける抵抗をつり合い位置を中心として略対称に変化させることができるので、変位部材の往復変位を継続させやすくできる。
遊技機C3又はC4において、前記回転部材または連結部材の一方は、他方へ向けて突設される突設部を備え、前記第1位置および第2位置の間の可動範囲のうちの前記所定位置を含む中央側範囲を前記変位部材が変位される際には、前記突設部が前記回転部材または連結部材の他方に非対向とされ、前記中央側範囲よりも前記第1位置または第2位置に近い外側範囲を前記変位部材が変位される際には、前記突設部が前記回転部材または連結部材の他方に当接可能に対向されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、回転部材または連結部材の一方は、他方へ向けて突設される突設部を備え、第1位置および第2位置の間の可動範囲のうちの所定位置を含む中央側範囲を変位部材が変位される際には、突設部が回転部材または連結部材の他方に非対向とされ、中央側範囲よりも第1位置または第2位置に近い外側範囲を変位部材が変位される際には、突設部が回転部材または連結部材の他方に対向されるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、つり合い位置(所定位置)を中心とする往復変位を変位部材に行わせる場合には、中央側範囲において、突設部の摺動による抵抗の発生を回避して、変位部材の往復変位をスムーズに行わせることができる一方、駆動手段の駆動力により変位部材を変位させる場合には、外側範囲において、突設部を、回転部材または連結部材の他方に当接可能に対向させて、それら回転部材および連結部材の間のがたつきを抑制できる。
遊技機C5において、前記外側範囲は、前記中央側範囲よりも前記第1位置に近い側に設定されると共に、前記中央側範囲は、前記所定位置および前記第2位置を含む範囲に設定されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、外側範囲は、中央側範囲よりも第1位置に近い側に設定されると共に、中央側範囲は、所定位置および第2位置を含む範囲に設定されるので、変位部材が第1位置に変位された状態では、突設部を利用して、回転部材および連結部材の間のがたつきを抑制することで、変位部材の姿勢を安定化できる一方、駆動手段の駆動力により変位部材を第1位置から第2位置へ向けて変位させる際には、突設部の摺動による抵抗の発生を回避できるので、変位部材に作用する重力も利用しつつ、変位部材の変位をスムーズに行わせることができる。
例えば、第1位置を、変位部材が遊技領域の外縁側に退避される退避位置とし、第2位置を、変位部材が遊技領域の中央側へ向けて張り出される張出位置とする場合には、第1位置(退避位置)では、変位部材のがたつきを抑制して、外観の向上や耐久性の向上を図ると共に、他の部材の演出が阻害されることを抑制できると共に、変位部材を第1位置から第2位置(張出位置)へ向けて変位させる際には、第2位置まで速やかに張り出させる(変位させる)ことができ、その張り出し動作による演出効果を高めることができる。
遊技機C6において、前記第2位置では、前記回転部材の回転中心と、前記回転部材および連結部材の連結位置と、前記連結部材および変位部材の連結位置とが略一直線上に位置することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第2位置では、回転部材の回転中心と、回転部材および連結部材の連結位置と、連結部材および変位部材の連結位置とが略一直線上に位置するので、変位部材が連結部材を押し引きして回転部材を回転させようとしても、その押し引き方向が回転部材の回転中心へ向かう方向となり、回転部材を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。よって、変位部材を第2位置へ向けて変位させる際には、突設部の摺動による抵抗の発生を回避して、変位部材をスムーズ(速やか)に変位させることを可能としつつ、第2位置に配置された後は、上述した死点の作用により、変位部材のがたつきを抑制して、外観の向上や耐久性の向上を図ることができる。
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記連結部材は、前記ベース部材に当接可能に形成される当接部を備え、その当接部は、前記変位部材およびベース部材の連結位置と前記回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ略直線上であって、前記回転部材および連結部材の連結位置を挟んで前記変位部材およびベース部材の連結位置と反対側に配置されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に当接可能に形成される当接部を連結部材が備え、その当接部は、変位部材およびベース部材の連結位置と回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ略直線上であって、回転部材および連結部材の連結位置を挟んで変位部材およびベース部材の連結位置と反対側に配置されるので、ベース部材に対して変位部材ががたつく場合に、ベース部材に連結部材の当接部が当接されることで、回転部材および連結部材の連結部分(回転部材と連結部材の一端とが回転可能に連結される部分の軸支孔に対する回転軸)の傾きを抑制しやすくできる。その結果、駆動手段の駆動力を伝達手段を介して変位部材にスムーズに伝達することができる。
<変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えた遊技機において、前記駆動手段は、第1駆動手段と、第2駆動手段とを備え、前記第1駆動手段から付与される駆動力により前記変位部材が変位される場合と、前記第2駆動手段から付与される駆動力により前記変位部材が変位される場合とで、前記変位部材が異なる態様で変位されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この場合、例えば、通常の状態では、変位部材を、遊技者から視認不能または遊技領域の外縁側となる退避位置に配置する一方、所定の遊技状態が形成されると、遊技領域に張り出す張出位置へ向けて変位部材を変位させ、張出位置へ向けて変位される変位部材の動作を遊技者に視認させる演出が行われる。
しかしながら、従来の遊技機では、変位部材の変位による演出の効果が不十分であるという問題点があった。具体的には、従来の遊技機では、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定されているため、変位部材の変位による演出がワンパターンとなり、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。駆動手段の駆動力に強弱をつけて変化を設けたとしても、変位部材の変位速度が増減するだけであり、その変位態様(軌跡)は相変わらず一定であるため、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。
これに対し、遊技機D1によれば、駆動手段が、第1駆動手段と、第2駆動手段とを備え、第1駆動手段から付与される駆動力により変位部材が変位される場合と、第2駆動手段から付与される駆動力により変位部材が変位される場合とで、変位部材が異なる態様で変位されるので、変位部材の変位による演出の効果を高めることができる。即ち、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定される従来品のように、演出がワンパターンとならず、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
遊技機D1において、前記ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に前記第1駆動手段により駆動される第1部材と、前記ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に前記第2駆動手段により駆動される第2部材とを備え、前記変位部材の第1の部分および第2の部分が前記第1部材および第2部材に少なくとも回転可能にそれぞれ連結されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に第1駆動手段により駆動される第1部材と、ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に第2駆動手段により駆動される第2部材とを備え、変位部材の第1の部分および第2の部分が第1部材および第2部材に少なくとも回転可能にそれぞれ連結されるので、第1駆動手段の駆動力により第1部材がスライド変位される場合には、第2部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様を形成できる一方、第2駆動手段の駆動力により第2部材がスライド変位される場合には、第1部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様を形成できる。即ち、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
特に、遊技機D2によれば、二通りの変位態様が、回転中心を同一としその回転方向を異ならせることで形成されるのではなく、回転方向が異なり、且つ、回転中心も異ならせて形成されるので、変位部材の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
遊技機D2において、前記第1部材および第2部材が前記ベース部材に直線変位可能に配設されると共に、前記変位部材の第1の部分または前記第1部材の一方から突出される連結ピンが他方に形成される案内溝に回転可能かつ摺動可能に挿通されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1部材および第2部材がベース部材に直線変位可能に配設されると共に、変位部材の第1の部分または第1部材の一方から突出される連結ピンが他方に形成される案内溝に回転可能かつ摺動可能に挿通されるので、第1駆動手段の駆動力により第1部材を直線変位させるか第2駆動手段の駆動力により第2部材を直線変位させるかに応じて、第2部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様と、第1部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様とを形成できる。即ち、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
この場合、第1部材および第2部材がベース部材に直線変位可能に配設されるので、曲線状の軌跡でスライド変位させる場合のように複雑な構造とする必要がなく(曲線状の軌跡であると、第1部材および第2部材を曲線状に案内する機構だけでなく、曲線状に変位する第1部材および第2部材に駆動力を継続して付与可能とする機構とを設ける必要が生じる)、例えば、ラック・ピニオン機構を利用することができ、その構造を簡素化することができる。よって、製品コストの削減と共に、耐久性と動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機D3において、前記第1部材の直線変位の方向と、前記第2部材の直線変位の方向とが略平行とされることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第1部材の直線変位の方向と、第2部材の直線変位の方向とが略平行とされるので、第1駆動手段または第2駆動手段の一方のみを駆動して、変位部材全体を回転させる変位態様に加え、第1駆動手段および第2駆動手段の両方を駆動して、変位部材全体を直線変位(例えば、横行)させる変位態様を形成することができる。即ち、一の変位部材を少なくとも三通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
特に、遊技機D4によれば、変位部材の変位態様として、変位の種類(回転)は同じだが、その回転方向と回転中心の位置とを異ならせるものに加え、変位の種類自体を異ならせることができる(即ち、回転と直線変位とを形成できる)ので、変位部材の変位態様の変化をより一層大きくでき、遊技者の意表をつく演出を更に行いやすくできる。
遊技機D4において、前記第1部材および第2部材が前記第1駆動手段および第2駆動手段によりそれぞれ駆動される場合に、前記第1部材の変位速度と第2部材の変位速度とが異なる変位速度とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、第1部材および第2部材が第1駆動手段および第2駆動手段によりそれぞれ駆動される場合に、第1部材の変位速度と第2部材の変位速度とが異なる変位速度とされるので、変位部材の変位に、回転運動と直線運動とを含ませることができる。即ち、変位部材を、その姿勢を維持したまま、第1部材および第2部材の直線変位の方向と平行に変位(直線運動)させるのみでなく、その姿勢を回転させつつ直線運動させることができるので、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
なお、かかる回転運動と直線運動とを組み合わせた変位態様で変位部材を変位させることは、1の駆動手段の駆動力でスライド溝に沿って変位部材を摺動させる従来の構成では不可能であり、本発明のように、2の駆動手段を利用することが始めて可能となったものである。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、前記ベース部材に変位可能に配設される第2変位部材を備え、前記第1駆動手段の駆動力により前記変位部材が変位される際には、その変位部材と共に前記第2変位部材が変位される一方、前記第2駆動手段の駆動力により前記変位部材が変位される際には、前記第2変位部材が停止状態に維持されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位可能に配設される第2変位部材を備え、第1駆動手段の駆動力により変位部材が変位される際には、その変位部材と共に第2変位部材が変位される一方、第2駆動手段の駆動力により変位部材が変位される際には、第2変位部材が停止状態に維持されるので、第1駆動手段による変位態様と第2駆動手段による変位態様との装置(変化)を大きくすることができる。よって、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
<投影ユニット5600を一例とする発明の概念について>
光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へ向けて光を照射する光照射手段とを備えた遊技機において、前記対象部材または前記光照射手段の少なくとも一方または両方が変位可能に形成され、前記一方または両方の変位によって前記光照射手段による前記対象部材の照射態様が変化されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この遊技機では、変位部材の内部に光照射手段(LED)が配設されると共に、変位部材の正面(遊技者側の面)に光透過性材料からなる透光部が設けられ、その透光部を光照射手段により背面から照射することで、変位部材の一部(透光部)が発光している形態を遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、光照射手段により対象部材の照射態様が一定であるため、遊技者が視認する態様の変化が乏しく、興趣を持たせ難いという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、対象部材または光照射手段の少なくとも一方または両方が変位可能に形成され、一方または両方の変位によって光照射手段による対象部材の照射態様が変化されるので、遊技者が視認する態様を変化させることができる。その結果、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
なお、光の照射態様が変化される形態としては、例えば、光照射手段により照射される対象部材の位置が変化される形態、光照射手段の照射面から対象部材の照射位置までの距離が変化される形態、これらを組み合わせた形態などが例示される。
遊技機E1において、ベース部材を備え、前記光照射手段は、前記ベース部材に固定されると共に、前記対象部材は、前記ベース部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、光照射手段は、ベース部材に固定されると共に、対象部材は、ベース部材に変位可能に配設されるので、光照射手段の電気的配線を固定状態とすることができ、その分、断線の発生を抑制できる。
遊技機E2において、開口部を有し前記ベース部材に配設される遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材の開口部から前記対象部材の一部を遊技者に視認させると共に、前記対象部材は、光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、前記光照射手段から照射され側端面から入射された光を前記反射部で反射して前記対象部材の正面から出射することを特徴とする遊技機E3。
ここで、反射部は、複数の反射面から構成される群が複数配設され、各群が模様や図柄の形状をなす。よって、反射部で反射され、光透過部材の正面から出射される光を、模様や図柄として遊技者に認識させることができる。
遊技機E3によれば、遊技機E2の効果に加え、開口部を有しベース部材に配設される遮蔽部材を備え、遮蔽部材の開口部から対象部材の一部を遊技者に視認させるので、対象部材が変位されることで、対象部材の異なる部分を遮蔽部材の開口部から遊技者に視認させることができる。
例えば、反射部を構成する複数の群のうちの第1の群が開口部を介して視認可能となる第1位置と、第1の群とは別の群となる第2の群が開口部を介して視認可能となる第2位置との間で対象部材が変位可能とされる場合、対象部材を第1位置に配置することで、遮蔽部材の開口部を介して、第1の群により形成される第1の模様や図柄を遊技者に視認させる一方、対象部材を第1位置から第2位置へ変位させることで、遮蔽部材の開口部を介して遊技者に視認させる模様や図柄を、第2の群により形成される第2の模様や図柄に変更することができる。
この場合、対象部材は、光透過性材料から形成されるので、遊技者が視認する模様や図柄を変更するために、対象部材を変位させる際には、光照射手段からの光を非照射とすることで、対象部材が変位していることを遊技者に認識させ難くできる。
遊技機E3において、前記対象部材は、正面視円形状または円環形状に形成され、その円形状または円環形状の中心を回転中心として前記ベース部材に回転可能に配設されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、対象部材は、正面視円形状または円環形状に形成され、その円形状または円環形状の中心を回転中心としてベース部材に回転可能に配設されるので、対象部材がスライド変位可能とされる場合と比較して、遮蔽部材の開口部を介して遊技者に視認させる模様や図柄の数を確保しつつ、対象部材の配設に要するスペースを抑制できる。
遊技機E2において、前記対象部材は、光透過性材料から正面視円形状の板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、前記光照射手段から照射され側端面から入射された光を前記反射部で反射して前記対象部材の正面から出射するものであり、前記光照射手段は、前記対象部材の側端面へ照射面を向けた姿勢で前記対象部材の周囲に複数が分散配置され、前記対象部材が前記円形状の中心を回転中心として前記ベース部材に回転可能に配設されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、対象部材は、光透過性材料から円形板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、光照射手段から照射され側端面から入射された光を反射部で反射して対象部材の正面から出射するものであり、光照射手段は、対象部材の側端面へ照射面を向けた姿勢で対象部材の周囲に複数が分散配置されるので、光照射手段から光を照射させつつ対象部材を回転させることで、対象部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、回転させた状態で遊技者に視認させることができる。
遊技機E5において、前記複数の光照射手段は、前記対象部材の回転中心から等距離となる位置において周方向に分散配置されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、複数の光照射手段は、対象部材の回転中心から等距離となる位置において周方向に分散配置されるので、対象部材の回転位置(位相)に関わらず、対象部材の正面から出射される光を一定としやすくできる。即ち、対象部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を安定して形成することができる。
遊技機E1において、ベース部材を備え、前記光照射手段および対象部材は、前記ベース部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、光照射手段および対象部材は、ベース部材に変位可能に配設されるので、両者の変位の組み合せによって、光照射手段による対象部材の照射態様の変化のバリエーションを多くすることができる。よって、遊技者が視認する態様をより変化させることができ、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
遊技機E7において、前記対象部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段を備え、前記光照射手段は、前記駆動手段から付与された駆動力により変位された前記対象部材が当接されることで、前記対象部材と共に変位されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、対象部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段を備え、光照射手段は、駆動手段から付与された駆動力により変位された対象部材が当接されることで、対象部材と共に変位されるので、対象部材を変位させるための駆動手段を兼用することができ、光照射手段を変位させるための駆動手段を別途設けることを不要とできる。
<特徴F群>(カウントダウン予告を自由設定)
異なる演出期間のうち、一の演出期間を設定する演出期間設定手段と、前記一の演出期間内に設定される特定期間において特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることを事前に報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、所定の第1情報に基づいて前記報知演出の開始契機を設定し、前記第1情報とは異なる第2情報に基づいて前記報知演出の終了契機を設定する報知演出設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される演出のうち、特定の演出(例えば、カットイン演出)が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知する事前報知演出(カウントダウン演出)を実行可能に構成している遊技機がある。(例えば、特開2013−198568号公報)。
かかる従来型の遊技機では、特定の演出が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知することで、遊技者の大当たりに対する期待度を高めながら変動演出を実行することができるものであった。しかしながら、事前報知演出を実行すると判別した場合に、その事前報知演出を実行する期間(即ち、開始タイミングと終了タイミング)を設定するように構成されているため、演出内容が単調となってしまい、遊技者が演出に対して早期に飽きてしまうという問題があった。また、上述した構成を有する従来型の遊技機では、事前報知演出が実行されている間に、事前報知演出の演出態様を可変させる(例えば、事前報知演出の対象となる特定の演出を可変させる)ことが出来ず、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
遊技機F1によれば、特定演出が実行されることを報知するための報知演出の実行期間として、報知演出設定手段により、第1情報に基づいて開始契機が設定され、第2情報に基づいて終了契機が設定される。これにより、異なる複数の情報に基づいて報知演出を実行する期間が設定されるため、報知演出が実行される期間を自由に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記特定演出の実行情報を判別する実行情報判別手段を有し、前記報知演出設定手段は、前記実行情報判別手段により判別された前記特定演出の実行情報を前記第2情報とするものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、特定演出が実行されることを示すための実行情報を第2情報として報知演出の終了契機が設定されるため、特定演出の実行情報に対応した報知演出を設定することができる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定可能としながらも、実行される特定演出に対応した報知演出を実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記実行情報判別手段は、少なくとも、前記特定演出が実行されるタイミングを判別するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、特定演出が実行されることを示すための実行情報を第2情報として報知演出の終了契機が設定されるため、特定演出の実行タイミングに対応した報知演出を設定することができる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定可能としながらも、特定演出が実行されるタイミングを正確に報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F2またはF3において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出として、実行タイミングの異なる複数の前記特定演出のうち、1の前記特定演出を設定する特定演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2またはF3の奏する効果に加え、実行タイミングの異なる複数の特定演出に対して、その特定演出が実行されるタイミングに合わせた報知演出を容易に設定することができる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定可能としながらも、特定演出が実行される期間を正確に報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F1からF4において、前記報知演出設定手段は、前記第1情報に基づいて前記報知演出の開始契機を設定するタイミングとは異ならせて、前記第2情報に基づいて前記報知演出の終了契機を設定するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、前記報知演出の実行期間を異なるタイミングで設定することができるため、報知演出が実行される期間を自由に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記報知演出期間設定手段は、前記報知演出実行手段により前記報知演出が実行されている間に前記第2情報に基づいて前記報知演出の終了契機を設定するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、報知演出を実行してから、その報知演出の終了契機を設定可能とすることで、報知演出が実行されてから、その報知演出の実行期間を設定することになる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。また、報知演出が実行された時点ではどのタイミングで実行される特定演出を対象とした報知演出であるかを設定していないため、報知演出の内容を遊技者に事前に予測されてしまうことを確実に防止することができる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を操作させるための操作演出を実行する操作演出実行手段と、その操作演出実行手段により実行される前記操作演出中に前記操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記報知演出設定手段は、前記操作判別手段の判別結果に基づいて前記報知演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、操作演出中における操作手段の操作内容に基づいて報知演出の演出期間が設定されるため、遊技者の演出に対する参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記報知演出設定手段は、前記報知演出が実行される期間として、第1報知演出期間と、その第1報知演出期間の後に設定される第2報知演出期間とを設定するものであり、少なくとも、前記第2報知演出期間は、前記第2情報に基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかにおいて、報知演出が実行される期間のうち第2報知演出期間を第2情報に基づいて設定することができるため、報知演出期間を自由に設定可能な遊技機において、第2情報に基づいた演出を実行する期間を確保することができ、遊技者に分かり易い演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F8において、前記報知演出実行手段は、前記第2報知演出期間中に前記特定演出が実行されるまでの期間を経時的に示唆する経時演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、第2報知演出期間中に計時演出を実行することができるため、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機F9において、前記報知演出設定手段により設定された前記報知演出の演出期間を判別する報知演出期間判別手段と、その報知演出期間判別手段により判別された前記演出期間の長さに基づいて、前記経時演出が実行される期間を設定する経時演出期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、報知演出が実行される演出期間の長さに基づいて、経時演出期間設定手段により、経時演出を実行する期間が一定期間実行される経時演出を実行する契機として、特定演出の実行タイミングから一定期間減算したタイミングが決定されるため、演出期間設定手段により異なる演出期間が設定された場合であっても、特定演出の開始タイミングを正確に遊技者に示唆することができるという効果がある。
遊技機F8からF10のいずれかにおいて、前記報知演出設定手段は、前記第1情報に基づいて前記第1報知演出期間中に実行される第1演出の演出態様を設定するものであり、前記第1報知演出期間中において所定の演出可変条件が成立した場合に、前記第1演出態様を可変させる第1演出態様可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F8からF10のいずれかの奏する効果に加え、第1報知演出期間中に実行される第1演出の演出態様が、第1演出が実行されている間に成立可能な演出可変条件が成立した場合に可変される。これにより報知演出が実行されてから、その報知演出の演出態様を可変することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F11において、前記演出可変条件は、前記報知演出設定手段により前記報知演出の終了契機が設定された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、報知演出の終了契機を設定し、報知演出の演出期間が確定した場合に、第1演出の演出態様を可変させることができる。よって、設定された終了契機に対応した第1演出を実行することができ、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を操作させるための操作演出を実行する操作演出実行手段と、その操作演出実行手段により実行される前記操作演出中に前記操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記操作演出実行手段は、前記報知演出実行手段により前記報知演出が実行されている間に前記操作演出を実行するものであり、前記報知演出設定手段は、前記操作判別手段による判別結果に基づいて、前記第2情報を設定するものであることを特徴とする遊技機F13。
遊技機F13によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、報知演出中に実行される操作演出に対する操作内容に基づいて報知演出の終了契機が設定される。よって、遊技者の操作によって報知演出の演出期間を可変させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F13において、前記操作判別手段による判別結果に基づいて前記特定期間を設定する特定期間設定手段を有し、前記報知演出設定手段は、前記特定期間設定手段により設定される前記特定期間を示すための情報を前記第2情報とするものであることを特徴とする遊技機F14。
遊技機F14によれば、遊技機F13の奏する効果に加え、報知演出中に実行される操作演出に対する操作内容に基づいて特定演出が実行される特定期間が設定され、その設定された特定期間に基づいて報知演出の演出期間を可変させることができるため、実行される特定演出に対応した報知演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F14において、前記特定期間設定手段は、複数の所定期間の中から1の所定期間を前記特定期間として設定するものであり、前記特定演出実行手段は、前記特定期間設定手段により設定された前記特定期間に対応する前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F15。
遊技機F15によれば、遊技機F14の奏する効果に加え、特定期間設定手段により設定された特定期間に対応した特定演出が実行されるため、操作手段の操作内容によって異なる特定演出を実行することができる。よって、遊技に意欲的に参加させることができるという効果がある。
遊技機F15において、前記報知演出設定手段は、前記報知演出が実行される期間として、第1報知演出期間と、その第1報知演出期間の後に設定される第2報知演出期間とを設定するものであり、前記操作演出実行手段は、前記第1報知演出期間中に前記操作演出を実行し、前記第2報知演出期間の長さを、前記特定期間設定手段により設定された前記特定期間に対応させて可変させる演出期間可変手段を有するものである。ことを特徴とする遊技機F16。
遊技機F16によれば、遊技機F15の奏する効果に加え、第1報知演出期間と、第2報知演出期間とから設定される報知演出において、第1報知演出期間中に操作演出を実行し、その操作演出中の操作手段への操作内容に基づいて、第2報知演出期間の長さを可変することで報知演出の長さが可変される。よって、報知演出の長さを可変させる場合において、操作演出が実行される期間を確保することがでるため、遊技者に操作手段を操作させ易い演出を実行することができるという効果がある。
<特徴G群>(HP表示のバリエーション)
演出情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて、演出値を可変させる可変演出を実行する可変演出実行手段と、その演出実行手段により前記可変演出が実行される場合に、前記演出値を可変させるための第1演出値を決定する第1演出値決定手段と、その第1演出値決定手段により前記第1演出値が決定された場合に、前記演出値を可変させることが可能な前記第1演出値とは異なる第2演出値を決定する第2演出値決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、変動演出として、自キャラと敵キャラとが対戦する演出(バトル演出)を実行し、演出終了時におけるそれぞれの体力ポイントの値によって大当たりに当選したか否かの結果を報知する遊技機がある。(例えば、特開2015−9075号公報)。
かかる従来型の遊技機では、バトル演出中に自キャラ或いは敵キャラの体力ポイントを減少させる演出が複数回行われ、減少する体力ポイントを遊技者に対して大当たりに当選したか否かを煽り特定の演出が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知することで、遊技者の大当たりに対する期待度を高めながら変動演出を実行することができるものであった。さらに、バトル演出中に減少する体力ポイントを詳細に設定することにより、バトル演出の演出パターンを増加させ、バトル演出に対して遊技者が飽きてしまうことを抑制するものであった。しかしながら、従来型の遊技機では、表示画面に表示される詳細な体力ポイントを管理し、その管理した体力ポイントに基づいて次の体力ポイントを設定するように構成しているため、体力ポイントの減少管理を行うための処理量が膨大なものとなってしまうという問題があった。なお、バトル演出中に体力ポイントを減少させるパターンを少なくすることで、体力ポイントの減少管理を簡素化することは可能だが、この場合、バトル演出の演出パターンが減少してしまい、遊技者に早期に飽きられてしまうという問題があった。
遊技機G1によれば、複数の決定手段により決定された値に基づいて演出値を決定しているため、1の決定手段により演出値を決定させる場合よりも、演出値のバリエーションを増加させ易くすることができるという効果がある。
遊技機G1において、前記可変演出が継続して実行される特定演出状態を設定可能な演出状態設定手段と、その演出状態設定手段により前記特定演出状態が設定されている場合に、前記演出値を継続して可変更新する演出値更新手段と、前記第1演出値決定手段により決定された前記第1演出値を記憶可能な第1演出値記憶手段と、を有し、前記演出値更新手段は、前記第1演出値記憶手段に記憶された前記第1演出値に基づいて前記演出値を可変更新するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第1演出値と第2演出値とに基づいて決定される演出値を可変更新する場合に、その合算した演出値では無く、第1演出値のみを記憶し、その第1演出値に基づいて演出値が可変更新されるため、実際に表示される演出値(第1演出値と第2演出値とを合算した演出値)の表示パターンに対して、演出値更新手段により可変更新される値(第1演出値)のパターンを減らすことができ、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記演出値更新手段により可変更新される前記演出値の可変量に基づいた演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された演出態様を表示する演出態様表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、演出更新手段により可変更新された演出値の可変量に基づいた演出態様が表示されるため、実行される演出態様を見ることで、遊技者に演出値の可変量を分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機G3において、前記第1演出値は、演出値の一部であり、前記第2演出値は、前記第1演出値とは異なる値で構成されるものであり、前記第1演出と前記第2演出値と合算して前記演出値を算出する演出値合算手段を有しているものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、演出値の一部である第1演出値と、第1演出値とは異なる第2演出値とが演出値合算手段により合算されて演出値が決定されるので、より演出値を多様にできるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記判別手段による判別が実行された場合に、前記第1演出値決定手段により前記第1演出値が決定されるものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の奏する効果に加え、判別手段による判別が実行された場合に第1演出値が決定され、演出値が可変するため、その演出値の可変状況と判別手段の判別結果とに関連性があるように演出を実行することができる。よって、演出値の可変状況に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機G1からG5いずれかにおいて、前記第2演出値決定手段は、前記第1演出値決定手段が前記第1演出値を決定したことに基づいて前記第2演出値を決定するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、第1演出値が決定された場合に、第2演出値が決定されるため、第1演出値と第2演出値とを合算した演出値が表示される。よって、判別手段による判別が実行されたことで可変した演出値の可変量を遊技者に分かり難くさせることができ、予測する楽しさを提供することができるという効果がある。
遊技機G5またはG6において、前記第1演出値決定手段は、前記判別手段に判別結果に基づいて、前記第1演出値の可変量を異ならせるものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G5またはG6の奏する効果に加え、判別手段の判別結果に基づいて、演出値の可変量を異ならせることができるため、遊技者に対して演出値の可変量を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機G7において、前記第1演出値決定手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果である場合に、可変量が大きくなるように前記第1演出値を決定し易くするものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、演出値の可変量が大きい程、特典を付与させ易い状態となるため、遊技者に対して演出値の可変量を注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1からG8のいずれかにおいて、前記第2演出値決定手段により決定される前記第2演出値を選択可能な選択範囲として、第1範囲、或いは、その第1範囲とは異なる第2範囲を有する選択範囲記憶手段と、前記第1演出値決定手段により決定された前記第1演出値が所定値以上であるかを判別する決定値判別手段と、を有し、前記第2演出値決定手段は、前記決定値判別手段の判別結果に基づいて前記選択範囲記憶手段に記憶されている複数の選択範囲のうち1の選択範囲を選択して前記第2演出値を決定するものであることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G1からG8のいずれかの奏する効果に加え、第1演出値が所定値以上であるか否かに基づいて、第2演出値が選択される選択範囲を異ならせることができる。よって、演出値のバリエーションを増加させ易くすることができるという効果がある。
遊技機G9において、前記選択範囲記憶手段は、前記第2演出値として、前記第1演出値を増減可能な範囲が記憶されている第1選択範囲と、前記第1演出値を減少可能な範囲が記憶されている第2選択範囲とを有するものであり、前記第2演出値決定手段は、前記決定値判別手段の判別結果が、前記第1演出値が所定値未満であると判別した場合に、前記第2選択範囲を選択して前記第2演出値を設定するものであることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G9の奏する効果に加え、第1演出値が所定値未満の場合には、第1演出値を減少させる第2演出値が選択されることから、第1演出値と第2演出値とを合算させた演出値が、第1演出値よりも大きくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1演出値として下限値(例えば0)が決定される場合において、演出値として下限値よりも大きな値が決定されることを抑制することができ、遊技者に違和感を与えてしまう演出が実行されることを抑制することができるという効果がある。
<特徴H群>(転落抽選機の有利期間示唆報知)
所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果が所定の第1判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1判別手段による前記第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり易い高確率状態と、その高確率状態よりも前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり難い低確率状態と、を設定可能な確率設定手段と、前記確率設定手段により、前記高確率状態が設定されている状態において、前記所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第2判別手段を有し、前記確率設定手段は、前記第2判別手段による第2判別結果が所定の前記第2判別結果である場合に、前記低確率状態を設定するものであり、遊技状態として、前記所定の判別条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記所定の判別条件が成立し難い第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により、前記第1遊技状態が設定されている期間を報知するための期間演出を実行する期間演出実行手段と、を有する遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において、第1条件が成立した場合に前記第2遊技状態を設定するものであり、前記期間演出実行手段は、前記第1条件が成立したか否かを示すための第1演出と、その第1演出の演出態様を決定するための第2演出とから構成される前記期間演出を繰り返し実行するものであり、前記第1条件は、前記確率設定手段により前記低確率遊技が設定される第1要件と、前記第1遊技状態が設定される状態において前記第1判別手段により所定回数の判別が実行される第2要件と、を共に満たした場合に成立するものであり、前記第1要件または前記第2要件の成立情報に対応して、前記期間演出の演出態様を設定する期間演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したことに基づいて遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、当たりに当選する確率が高くなる確変状態)に設定し、その有利遊技状態が継続する期間が終了するか否かを演出(例えば、バトル演出)の結果によって遊技者に示唆する遊技機がある。(例えば、特開2011−143197号公報)。
かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態が継続する当たりに当選した場合に、自キャラが勝利する勝利パターンの演出結果が表示され、有利遊技状態が終了する当たりに当選した場合に、自キャラが敗北する敗北パターンの演出結果が表示され、当たりに当選していない場合(有利遊技状態が引き続き設定される場合)に、勝敗が付かない引き分けパターンの演出結果が表示されるようにバトル演出が実行されるため、バトル演出の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、有利遊技状態において長期間の間、当たりに当選することなく遊技が実行される場合には、結果として引き分けパターンの演出結果が表示されるバトル演出が実行され易くなり、バトル演出に対する遊技者の期待度が低下してしまうという問題があった。さらに、上述した従来型の遊技機では、抽選の結果、当たりに当選することなく特定の変動パターンが抽選された場合に、引き分けパターンのバトル演出が実行されるように構成されているため、その特定の変動パターンが連続して抽選された場合には、引き分けパターンのバトル演出が連続して実行されてしまいバトル演出に対する遊技者の期待度がより低下してしまうという問題があった。
遊技機H1によれば、第1遊技状態が設定されている状態において実行される期間演出のうち、第2演出の演出態様を第1要件と第2要件の成立情報に対応して設定することで、第2演出の演出態様に基づいて、第1要件と第2要件の成立の有無を予測することができる。これにより、期間演出が繰り返し実行される場合であっても、遊技者は、新たに実行される第2演出の演出態様に基づいて遊技状態を予測することができるようになる。よって、期間演出に対して早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機H1において、前記期間演出態様設定手段は、前記第1演出の演出態様を設定する第1演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1条件が成立したか否かを示すための第1演出の演出態様が、第2演出の演出結果に加え、第1要件または第2要件の成立の有無に基づいて設定されるため、第1演出の演出態様によって、第1条件が成立したか否かの結果と、第1条件が成立するまでの状況とを予測することができる。よって、第1演出の演出態様に遊技者をより注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、前記期間演出態様設定手段は、前記第2演出の演出態様を設定する第2演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、第1演出の演出態様を決定するための第2演出の演出態様が、第1要件または第2要件の成立の有無に基づいて設定されるため、第2演出の演出態様によって、第1条件が成立するまでの状況を予測することができる。よって、第2演出の演出態様に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件或いは前記第2要件のうち、何れかの要件が成立した場合に異なる演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、第1条件を成立させるための複数の要件のうち、何れかの要件が成立したことにより期間演出の演出態様が可変される。よって、期間演出の演出態様によって第1条件が成立するまでの期間を予測することができる。よって、期間演出の演出態様に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記第2要件が成立するまでの残期間を判別する残期間判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件が成立した場合における前記残期間判別手段の判別結果に対応した前記期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、第1条件が成立するまでの残期間に基づいて期間演出の演出態様が設定される。これにより、期間演出の演出態様によって第1条件が成立するまでの残期間を示唆することができる。よって、遊技者に対して危機感を持たせながら意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記期間演出実行手段は、所定の演出切替条件が成立した場合に実行中の期間演出を前記第2演出から前記第1演出へと切り替えるものであり、前記確率設定手段により前記高確率状態が設定されている場合と、前記低確率状態が設定されている場合とで、前記演出切替条件の成立のし易さを異ならせるものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、確率設定手段により高確率状態が設定されている場合と、低確率状態とが設定されている場合とで、第1演出が実行される頻度を異ならせることができるため、第1演出が実行される頻度に基づいて、現在設定されている確率状態を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記第1要件が成立してから所定期間の間、前記演出切替条件を成立し易くする条件設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、確率設定手段によって低確率状態が設定されてから所定期間の間は第1演出が実行され易くすることができる。よって、遊技者に対して、第1演出が実行される頻度に基づいて、現在設定されている確率状態を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH7のいずれかにおいて、前記期間演出実行手段は、前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果である場合に、前記第1演出を実行するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H1からH7のいずれかの奏する効果に加え、第1判別手段の判別結果が、特典遊技が実行される判別結果である場合にも、第1演出が実行されるため、第1演出が実行された場合に、特典遊技に当選したか否か或いは第1条件が成立したか否かの両方を意識しながら演出を注視することになる。よって、遊技者が実行される演出に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH8のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により継続して前記第1遊技状態が継続して設定されている間に実行される前記期間演出の回数を計測する回数計測手段を有し、前記第2演出態様設定手段は、前記回数計測手段により計測された前記期間演出の実行回数に基づいて前記第2演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H1からH8のいずれかの奏する効果に加え、期間演出が繰り返し実行される場合に、繰り返された回数に基づいて第2演出態様が設定されるため、第1遊技状態が継続して長期間設定される場合に、第2演出態様として同一の演出態様が繰り返し設定されることを抑制することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機H6からH9のいずれかにおいて、前記期間演出実行手段により前記第1演出が実行されてからの演出期間を判別する演出期間判別手段と、前記所定の演出切替条件が成立した状態において、前記演出期間判別手段により判別された演出期間が所定期間以内である場合には、前記期間演出実行手段により前記第1演出が実行されることを規制する演出規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H6からH9のいずれかの奏する効果に加え、演出切替条件が成立したとしても、前記第1演出が実行されてからの演出期間が所定期間以内であると判別された場合には、演出規制手段により第1演出の実行が規制される。これにより、頻繁に第1演出が実行されることを抑制することができるため、第1演出が実行されることに対して遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機H10において、前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果である場合に実行される前記第1演出は、前記演出規制手段による規制を受けないものであることを特徴とする遊技機H11。
遊技機H11によれば、遊技機H10の奏する効果に加え、特典遊技が実行される場合に実行される第1演出は、演出期間判別手段の判別結果に関わらず実行されるため、特典遊技が実行される場合の演出効果が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。また、前回の第1演出が実行されてから所定の演出期間内に再度第1演出が実行された場合に、特典遊技が実行される期待度を高めることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴J群>(期待度上昇演出の報知タイミングで対象演出を異ならせる)
所定条件が成立したことを示すための期待度を段階的に示唆可能な複数の期待度表示態様を表示手段に表示可能な期待度表示制御手段と、その期待度表示制御手段により表示された前記期待度表示態様を段階的に可変させる表示態様可変手段と、その表示態様可変手段により可変される可変情報を設定する可変情報設定手段と、前記複数の期待度表示態様のうち、少なくとも一の期待度表示態様が可変することを示唆する可変示唆演出を実行する可変示唆演出実行手段と、を有し、前記期待度表示制御手段は、前記複数の期待度表示態様のうち少なくとも何れかの期待度表示態様を異なるタイミングで前記表示手段に表示するものであり、前記可変示唆演出を実行するタイミングを設定する実行タイミング設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、その所定期間実行される演出にて表示画面に表示されるキャラクタの表示態様として、大当たりの期待度に対応した複数の表示態様を有し、今回の変動演出の大当たり期待度を、表示されるキャラクタの表示態様によって遊技者に報知する遊技機がある。(例えば、特開2013−248305号公報)。
かかる従来型の遊技機では、変動演出中に表示されるキャラクタの表示態様によって遊技者に対して大当たりの期待度を示すことができるため、実行される変動演出の演出内容に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。さらに、上述した従来型の遊技機では、複数の表示態様のうち、大当たりの期待度に対応した表示態様が表示される期待度表示態様を複数種類設け、各期待度表示態様の表示態様を複合的に判断することで遊技者に大当たり期待度を示唆することができるため、複数種類の期待度表示態様の表示態様に基づいて大当たり期待度を遊技者に予測させることができ、実行される演出内容に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるものであった。また、上述した構成を有する遊技機においては、期待度表示態様の表示態様を示唆するための示唆演出を実行可能に構成し、期待度表示態様としてどの表示態様が表示されるかを示唆するように構成し、変動演出として期待度表示態様がどの表示態様で表示されるかを遊技者に予測させる期待度表示態様事前示唆演出を実行する遊技機もある。また、期待度表示態様の表示態様とを、表示画面に一旦表示させた表示態様から可変させる遊技機もある。
しかしながら、複数種類の期待度表示態様を有する遊技機において、特定の期待度表示態様に対応した期待度表示態様事前示唆演出を実行した場合には、期待度表示態様事前示唆演出の対象とならない期待度表示態様が可変することを暗に否定することになり、演出効果を低下させてしまうという問題があった。
遊技機J1によれば、異なるタイミングで表示手段に表示される複数の期待度表示態様のうち、何れかの期待度表示態様が可変されることを示唆する可変示唆演出が可変示唆演出実行手段により実行される。その可変示唆演出の実行タイミングが実行タイミング設定手段により設定されるため、可変示唆演出の実行タイミングを異ならせることができる。これにより、可変示唆演出として同一の演出態様を用いたとしても、可変示唆演出の示唆対象となる期待度表示態様を異ならせることができるという効果がある。
遊技機J1において、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果である場合に、前記所定条件が成立するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、特典が付与される場合に、期待度表示態様が高期待度を示し易くすることができるため、遊技者が期待度表示態様の表示内容を注視することになる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、前記可変示唆演出は、段階的に可変される期待度表示態様の可変情報を報知するものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、可変示唆演出によって、対象となる期待度表示態様の可変情報を報知することができるため、遊技者に対して可変示唆演出を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記可変示唆演出は、前記期待度表示態様が実際に可変される程度を示すための可変量を少なくとも含む複数の可変量が表示されるものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、可変示唆演出として、複数の可変量が表示されるため、遊技者に対して表示されている複数の可変量のうち、より大きい可変量が実可変量となるように期待を持たせながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ4のいずれにおいて、前記可変示唆演出実行手段により実行される前記可変示唆演出の対象となる期待度表示態様を、前記可変示唆演出が終了する前に報知する対象報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4のいずれかの奏する効果に加え、今回実行される可変示唆演出の対象を事前に遊技者に報知することで、遊技者に対して実行される可変示唆演出を安心して楽しませることができるという効果がある。
遊技機J2からJ5のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果に基づいて、期待度種別を設定する期待度種別設定手段と、その期待度種別設定手段により設定された前記期待度種別に基づいて、前記複数の期待度表示態様のそれぞれに対して期待度を設定する期待度設定手段と、を有し、期待度表示制御手段は前記期待度設定手段により設定された前記複数の期待度表示態様の期待度のうち、少なくとも一部の期待度を示すための期待度表示態様を予め表示するものであり、前記可変示唆演出は、既に表示されている期待度と前記期待度設定手段により設定された期待度との差分を前記可変量として示唆するものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J2からJ5のいずれかの奏する効果に加え、既に表示されている期待度と、予め設定されていた期待度との差分を可変量として示唆する演出を実行するため、可変示唆演出として表示される可変量が少ない場合であっても、既に高い期待度が表示されている期待度表示態様を対象に、可変示唆演出が実行されていれば、特典が付与される可能性を高くすることができる。よって、可変示唆演出の演出内容だけではなく、現在の期待度表示態様の表示態様も抽選することになり演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J2において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を操作させるための操作演出を実行する操作演出実行手段と、その操作演出実行手段により実行される前記操作演出中に前記操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記表示態様可変手段は、前記操作判別手段による判別結果に対応して、前記期待度表示態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、操作手段への操作に対応して、期待度表示態様が可変されるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機J8において、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の取得条件が成立した場合に、入球情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得した前記入球情報を、前記所定の判別条件が成立するまでの間、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記入球情報に基づいて事前判別を実行する事前判別手段と、前記記憶手段に記憶された前記入球情報の数を示す入球情報数を表示する入球情報数表示手段と、を有した遊技機において、所定の追加条件が成立した場合に、前記操作判別手段による判別結果に対応して、前記入球情報数表示手段により表示された前記入球情報数を示すための表示態様を可変させる追加演出を実行する追加演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J8の奏する効果に加え、操作手段への操作に対応して、実行される追加演出によって、入球情報数を示すための表示態様も可変させることができるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機J9において、前記期待度表示制御手段により表示される期待度表示態様が所定の演出条件を満たしているかを判別する演出条件判別手段を有し、前記演出条件判別手段により前記演出条件を満たしていないと判別した場合に、前記追加条件が成立するものであることを特徴とする遊技機J10。
遊技機J10によれば、遊技機J9の奏する効果に加え、表示手段に表示される期待度表示態様が所定の演出条件を満たしていない場合に、追加演出が実行されるため、複数の演出に関連性を持たせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J10において、前記演出条件判別手段は、前記期待度表示制御手段により前記期待度表示態様が所定数表示されない場合に、前記演出条件を満たしていないと判別するものであることを特徴とする遊技機J11。
遊技機J11によれば、遊技機J10の奏する効果に加え、追加演出を実行することにより、実行される演出の数を補完することができるため、実行される演出数が少ないことにより遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴K群>(保留連時の大当たり演出)
所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の取得条件が成立した場合に、入球情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得した前記入球情報を、前記所定の判別条件が成立するまでの間、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記入球情報に基づいて事前判別を実行する事前判別手段と、を有した遊技機において、前記事前判別手段は、少なくとも前記特典遊技中における事前判別条件が成立した場合に前記事前判別を実行するものであり、前記事前判別手段の判別結果に対応して前記特典遊技中の演出態様を設定する演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動口に入球したことに基づいて入球情報を取得し、その入球情報を抽選条件が成立するまで保留可能な保留手段と、抽選条件が成立した場合に入球情報に基づいて所定の抽選を実行する抽選手段と、抽選手段の抽選結果が当たりに当選している場合に遊技者に有利となる当たり遊技を実行する実行手段と、を有する遊技機がある。そして、保留手段に保留されている入球情報を抽選手段による抽選が行われる前に事前に判別する事前判別手段を有し、事前判別手段によって当たり遊技中の終了時点で保留内に当たりが有ると判別した場合に、当たり遊技中の表示態様(ラウンド数)を継続して表示する遊技機がある。(例えば、特開2014−30737号公報)。
かかる従来型の遊技機では、保留内で再度当たりに当選した場合に特殊な演出を2回目の当たり遊技中に実行することができ、遊技者に満足感を与えることができる。しかしながら、大当たり終了時に保留されている入賞情報を判別する構成であり、1回目の当たり遊技中は当たり当選時に設定された演出が実行されるだけであるため、例えば、1回目の当たり遊技中に当たりに当選する入賞情報が保留されたとしても1回目の当たり遊技に対する演出を可変することが出来ず、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
また、複数の当たり遊技に対して演出を連続させるように構成しているが、1回目の当たり遊技と2回目の当たり遊技との切れ目を遊技者が容易に識別できる演出が実行されるだけであるため、当たり遊技中に連続して実行される演出中にどの程度の当たり遊技が実行されるのかを容易に予測出来てしまうという問題があった。
遊技機K1によれば、特典遊技中の演出態様が、その特典遊技中に実行される事前判別手段の判別結果に基づいて設定されるため、予め特典遊技中の演出態様を設定する場合に比べて、事前判別結果に対応した演出態様を設定する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機K1において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技は、複数の小特典遊技が実行されるものであり、前記小特典遊技が実行される場合に前記事前判別条件が成立するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、小特典遊技が実行される場合に事前判別条件が成立し、特典遊技中の演出態様が設定されるため、小特典遊技の実行状況に合わせて特典遊技の演出態様を設定することができる。よって、特典遊技中にその特典遊技の演出態様を設定したとしても遊技者に違和感を与えることなく特典遊技を実行させることができるという効果がある。
遊技機K2において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、異なる数の小特典遊技が実行される複数の前記特典遊技のうち、一の特典遊技を選択する特典遊技選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、特典遊技として、異なる数の小特典遊技が実行される複数の特典遊技から一の特典遊技が選択されるため、特典遊技の内容に変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K3において、前記事前判別手段は、前記事前判別の結果が所定の事前判別結果である場合に、前記記憶手段に前記特典遊技が実行される前記入球情報が含まれていること事前判別するものであり、前記演出態様設定手段は、前記事前判別手段により事前判別された前記特典遊技において実行される小特典遊技の数に対応して、前記特典遊技中の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、事前判別手段により判別された小特典遊技の数に応じて特典遊技中の演出態様が設定されるため、遊技者を特典遊技中の演出態様に注視させることができるという効果がある。
遊技機K3またはK4において、前記特典遊技選択手段により選択された前記特典遊技の小特典遊技の数を記憶する実行数記憶手段と、その実行数記憶手段に記憶されている前記小特典遊技の数のうち、少なくとも一部を報知する小特典遊技数報知手段と、前記実行数記憶手段に記憶されている前記小特典遊技の数と、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数との差分を判別する第1差分判別手段と、前記第1差分判別手段の判別結果に基づいて、前記小特典遊技数報知手段により報知される前記小特典遊技の数を設定する報知数設定手段と、を有することを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K3またはK4の奏する効果に加え、特典遊技(大当たり)中に実行される小特典遊技(ラウンド遊技)の数を部分的に報知することにより、1回の特典遊技中に実行される小特典遊技の数を遊技者に把握させ難くすることができ、特典遊技が実行されている間も、より多くの小特典遊技が実行されるよう期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K5において、前記事前判別手段により事前判別された前記特典遊技において実行される前記小特典遊技の数を前記実行数記憶手段に加算する加算手段を有するものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、特典遊技(大当たり)中に、事前判別手段により特典遊技が実行されることを事前判別した場合は、その事前判別された特典遊技において実行される小特典遊技の数が加算手段によって実行数記憶手段に記憶される。これにより、短い間隔で複数回の特典遊技が実行される場合において、先の特典遊技が実行されている間に報知される小特典遊技の数を、後の特典遊技において実行される小特典遊技の数を加味して設定することができる。よって、小特典遊技数報知手段により特典遊技中に報知される小特典遊技の数を見ることで、次の特典遊技が実行されるか否かを予測することができ、1つの特典遊技が終了した後の遊技に対して期待感を持たせることができるという効果がある。
遊技機K5またはK6において、前記小特典遊技が実行される場合に、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数を更新するかを判別する更新判別手段を有するものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K5またはK6の奏する効果に加え、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数を更新するかが更新判別手段により判別されるため、報知数設定手段により小特典遊技の数が設定されたとしても小特典遊技の数を更新しないことがある。よって、新たな小特典遊技が実行される場合に、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数が更新されなかったとしても、次に小特典遊技が実行される際に、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数が更新される可能性を残すことができ、より多くの小特典遊技が実行されるよう期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K7において、前記第1差分判別手段による判別結果が第1条件を満たした場合には、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数を更新させる強制更新手段を有するものであることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、第1差分判別手段による判別結果が第1条件を満たした場合には、強制更新手段により、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数を強制的に更新することにより、遊技者に安心して特典遊技を実行させる期間を設定することができるという効果がある。
遊技機K7またはK8において、既に実行された前記小特典遊技の数を報知する実行済小特典遊技数報知手段と、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数と、前記実行済小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数との差分を判別する第2差分判別手段と、その第2差分判別手段による判別結果が第2条件を満たした場合に、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数を更新させる強制更新手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K7またはK8の奏する効果に加え、第2差分判別手段による判別結果が第2条件を満たした場合には、強制更新手段により、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数を強制的に更新するため、小特典遊技数報知手段により報知される小特典遊技の数よりも、実行済小特典遊技の数が多くなってしまうことを防止することができるという効果がある。
遊技機K5からK9のいずれかにおいて、前記小特典遊技数報知手段は、前記特典遊技が実行されている期間のうち、特定期間中に前記取得手段が取得した前記入球情報の前記事前判別の結果が前記所定の事前判別結果の場合に、特定の小特典遊技数報知を実行するものであることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K5からK9のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技中が実行されている期間のうち、特定期間内に取得した入球情報が、事前判別の結果特典遊技に当選していた場合には、小特典遊技数報知手段により特定の小特典遊技数報知が実行される。よって、特典遊技中に入球情報を取得する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機K5からK10のいずれかにおいて、前記実行数記憶手段に記憶されている前記小特典遊技の数と、前記実行済小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数との差分を判別する第3差分判別手段と、一の前記特典遊技が終了した状態で、前記第3差分判別手段の判別結果が第3条件を満たしている場合に、前記一の特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間、前記特典遊技中に実行される演出を継続する演出継続手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K11。
遊技機K11によれば、遊技機K5からK10のいずれかの奏する効果に加え、第3差分判別手段による判別結果が第3条件を満たした場合には、演出継続手段により特典遊技中に実行される演出が継続して表示される。これにより、事前判別手段により前記特典遊技が実行されると判別された場合において、1回目の特典遊技が終了した後に継続して特典遊技中に実行される演出を表示することができるという効果がある。
遊技機K11において、前記特定条件は、少なくとも、次の前記特典遊技が実行されるまで成立しないものであることを特徴とする遊技機K12。
遊技機K12によれば、遊技機K11の奏する効果に加え、演出継続手段により、1回目の特典遊技が終了してから2回目の特典遊技が実行されるまでの期間において、特典遊技中に実行される演出を確実に実行することができる。よって、複数の特典遊技に対して一連の演出を実行することができるため、その演出が実行されている間により多くの小特典遊技が実行されるよう期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K5からK12のいずれかにおいて、前記判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、前記記憶手段に記憶された前記入球情報の数を判別する記憶数判別手段と、前記特典遊技中に実行される複数の演出態様を記憶する演出態様記憶手段と、を有し、前記記憶数判別手段が判別した前記入球手段の数に基づいて、前記演出態様記憶手段に記憶されている前記複数の演出態様から1の演出態様を選択する特典遊技演出態様選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機K13。
遊技機K13によれば、遊技機K5からK12のいずれかの奏する効果に加え、所定の判別結果である場合に、記憶手段に記憶されている入球情報数に基づいて特典遊技中の演出態様が選択されるため、特典遊技中において遊技者に様々な演出を提供することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機K13において、前記演出態様記憶手段は、前記複数の演出態様として、前記事前判別手段の事前判別の結果が前記所定の事前判別結果であることを前記特典遊技が開始された時点で遊技者に報知可能な第1演出態様と、前記特典遊技が終了した後に遊技者に報知可能な第2演出態様と、を少なくとも記憶するものであることを特徴とする遊技機K14。
遊技機K14によれば、遊技機K13の奏する効果に加え、特典遊技演出態様選択手段により選択される演出態様により、事前判別手段の事前判別の結果が所定の事前判別結果であることが報知されるタイミングを異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
<特徴L群>(遊技履歴で演出頻度を変更)
判定条件が成立した場合に判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示すための演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により特定の前記判定結果を示すための演出が実行された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、特定条件が成立した場合に、対応する遊技情報が履歴情報として記憶される記憶手段と、前記演出実行手段により実行される演出のうち、特定演出を実行させるかを前記履歴情報に基づいて決定する決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される変動演出として、遊技者が操作可能な操作手段の操作結果に基づいて演出態様が可変する操作演出を実行する遊技機がある。(例えば、特開2012−249877号公報)。
かかる従来型の遊技機では、操作手段への遊技者の操作内容に基づいて演出態様が可変されるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。しかしながら、操作手段を意欲的に操作しない遊技者に対して、操作演出が頻繁に実行されてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機L1によれば、特定演出の実行が履歴情報に基づいて決定されるので、遊技の進捗等により特定演出の実行頻度を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機L1において、前記特定演出の選択率が異なるように設定された複数の演出選択テーブルが設定された演出選択テーブル記憶手段を有し、前記決定手段は、前記履歴情報に対応した前記演出選択テーブルを決定するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、対応する演出選択テーブルを選択することで特定演出の選択率を切り替えることができるので、容易な制御で特定演出の選択率を可変させることができるという効果がある。
遊技機L1またはL2において、遊技者が操作する操作手段と、その操作手段に対して所定の操作がされたことを判別可能な操作判別手段と、を有し、前記演出の一つとして、前記操作判別手段により前記所定の操作が判別された場合に、演出態様を可変させる操作演出が設定されており、前記特定条件は、前記操作判別手段により前記所定の操作が判別されたことが少なくとも1の条件に設定されているものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1またはL2の奏する効果に加え、操作演出において操作手段を操作することで、演出態様が可変されるだけでなく、特定条件が成立し易くなるので、履歴情報を可変させることができ特定演出の実行割合に影響を与えることができるという効果がある。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、少なくとも前記履歴情報を蓄積可能な蓄積手段と、その蓄積手段による蓄積結果に基づいて所定値を上限に蓄積値を設定可能な設定手段と、その設定手段により設定される前記蓄積値に対応する蓄積特典系統を複数の蓄積特典系統の中から選択する選択手段と、その選択手段により選択された前記蓄積特典系統に対応する蓄積特典を付与する蓄積特典付与手段と、を有し、前記蓄積特典付与手段は、前記設定手段により新たな前記蓄積値が設定された場合には、前記選択手段により選択された前記蓄積値特典に対応する新たな蓄積特典を付与するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて複数の蓄積特典系統の中から一の蓄積特典系統を選択するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかの奏する効果に加え、蓄積された履歴情報に基づいて蓄積特典系統が選択され、その蓄積特典系統に対応する蓄積特典が付与される。これにより、履歴情報に基づいて、特定演出が実行される頻度の設定と、蓄積特典の付与との両方が実行されることになる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機L4において、前記蓄積特典付与手段により付与される前記蓄積特典は、前記選択手段により選択される前記蓄積特典系統毎に異なるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、蓄積特典系統によって付与される蓄積特典を異ならせることができるため、操作手段の操作内容を異ならせながら様々な蓄積特典を獲得する楽しみを遊技者に提供することができる。さらに、操作手段の操作内容を異ならせることで、演出頻度も異ならせることが可能となるため、実行される演出に対しても新たな楽しみを遊技者に提供することができるという効果がある。
遊技機L5において、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報を、前記選択手段により異なる前記蓄積特典系統を選択可能な状態まで消去可能とする履歴情報消去手段を有するものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、履歴情報を、異なる蓄積特典系統が選択可能な状態まで消去することができるため、履歴情報を全て消去する場合に比べて、次の蓄積特典系統を選択されやすくすることができる。よって、他の蓄積特典を獲得する意欲を高めることができるという効果がある。
加えて、履歴情報消去手段により、履歴情報が部分的に消去されることに基づいて、設定手段により設定される蓄積値も可変(減少)することになるため、蓄積値が予め定められた上限値に到達してしまい演出効果が低下してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機L4からL6のいずれかにおいて、前記選択手段によって特定の蓄積特典系統を選択させるための遊技内容を案内する案内手段を有するものであることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L4からL6のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により案内される遊技内容に基づいて遊技を行うことで、特定の蓄積特典系統が選択されるようになるため、遊技者に様々な蓄積特典を付与することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機L7において、前記案内手段は、前記操作演出の演出態様を可変させることで、特定の蓄積特典系統を選択させるための遊技内容を案内するものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、操作演出の演出態様が案内手段により可変されるため、操作演出の演出態様に従って操作手段を操作するだけで、異なる蓄積特典系統が選択されるようになる。よって、遊技者に対して様々な特典を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L8において、前記案内手段は、前記操作演出の演出態様として、前記操作手段に対して前記所定の操作を行わせることを報知する報知演出態様と、報知しない非報知演出態様と、のいずれかを用いて遊技内容を案内するものであることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、操作演出として、操作手段に対して所定の操作が行われ易い演出態様と、行われにくい演出態様とを実行することができるため、操作演出の演出態様に従って操作手段を操作するだけで、異なる蓄積特典系統が選択されるようになる。よって、遊技者に対して様々な特典を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L4からL9のいずれかにおいて、前記案内手段により案内される遊技内容に対応する前記特定の蓄積特典系統を、前記複数の蓄積特典系統の中から遊技者が選択可能な系統選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機L10。
遊技機L10によれば、遊技機L4からL9のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が所望する蓄積特典系統が選択されるように遊技内容を報知することができるため、演出効果をより高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA10,B1からB9,C1からC8,D1からD6及びE1からE8,F1からF16,G1からG10,H1からH11,J1からJ11,K1からK14,L1からL10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10,B1からB9,C1からC8,D1からD6及びE1からE8,F1からF16,G1からG10,H1からH11,J1からJ11,K1からK14,L1からL10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10,B1からB9,C1からC8,D1からD6及びE1からE8,F1からF16,G1からG10,H1からH11,J1からJ11,K1からK14,L1からL10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したことに基づいて遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、当たりに当選する確率が高くなる確変状態)を設定し、その有利遊技状態が継続する期間が終了するか否かを演出(例えば、バトル演出)の結果によって遊技者に示唆するものがある。この従来型の遊技機では、有利遊技状態が継続する期間を演出によって示唆することができるため、遊技者に対して実行される演出に興味を持たせることができる。これにより、興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2011−143197号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果が所定の第1判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1判別手段による前記第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり易い高確率状態と、その高確率状態よりも前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり難い低確率状態と、を設定可能な確率設定手段と、前記確率設定手段により、前記高確率状態が設定されている状態において、前記所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第2判別手段を有し、前記確率設定手段は、前記第2判別手段による第2判別結果が所定の前記第2判別結果である場合に、前記低確率状態を設定するものであり、遊技状態として、前記所定の判別条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記所定の判別条件が成立し難い第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により、前記第1遊技状態が設定されている期間を報知するための期間演出を実行する期間演出実行手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において、第1条件が成立した場合に前記第2遊技状態を設定するものであり、前記期間演出実行手段は、前記第1条件が成立したか否かを示すための第1演出と、その第1演出の演出態様を決定するための第2演出とから構成される前記期間演出を繰り返し実行するものであり、前記第1条件は、前記確率設定手段により前記低確率状態が設定される第1要件と、前記第1遊技状態が設定される状態において前記第1判別手段により所定回数の判別が実行される第2要件と、を共に満たした場合に成立するものであり、前記第1要件または前記第2要件の成立情報に対応して、前記期間演出の演出態様を設定する期間演出態様設定手段を有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記期間演出態様設定手段は、前記第2演出の演出態様を設定する第2演出態様設定手段を有するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2記載の遊技機において、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件或いは前記第2要件のうち、何れかの要件が成立した場合に異なる演出態様を設定するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記第2要件が成立するまでの残期間を判別する残期間判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件が成立した場合における前記残期間判別手段の判別結果に対応した前記期間演出の演出態様を設定するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記期間演出実行手段は、所定の演出切替条件が成立した場合に実行中の前記期間演出を前記第2演出から前記第1演出へと切り替えるものであり、前記確率設定手段により前記高確率状態が設定されている場合と、前記低確率状態が設定されている場合とで、前記演出切替条件の成立のし易さを異ならせるものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果が所定の第1判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1判別手段による前記第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり易い高確率状態と、その高確率状態よりも前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり難い低確率状態と、を設定可能な確率設定手段と、前記確率設定手段により、前記高確率状態が設定されている状態において、前記所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第2判別手段を有し、前記確率設定手段は、前記第2判別手段による第2判別結果が所定の前記第2判別結果である場合に、前記低確率状態を設定するものであり、遊技状態として、前記所定の判別条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記所定の判別条件が成立し難い第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により、前記第1遊技状態が設定されている期間を報知するための期間演出を実行する期間演出実行手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において、第1条件が成立した場合に前記第2遊技状態を設定するものであり、前記期間演出実行手段は、前記第1条件が成立したか否かを示すための第1演出と、その第1演出の演出態様を決定するための第2演出とから構成される前記期間演出を繰り返し実行するものであり、前記第1条件は、前記確率設定手段により前記低確率状態が設定される第1要件と、前記第1遊技状態が設定される状態において前記第1判別手段により所定回数の判別が実行される第2要件と、を共に満たした場合に成立するものであり、前記第1要件または前記第2要件の成立情報に対応して、前記期間演出の演出態様を設定する期間演出態様設定手段を有するものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏するものである。即ち、前記期間演出態様設定手段は、前記第2演出の演出態様を設定する第2演出態様設定手段を有するものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏するものである。即ち、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件或いは前記第2要件のうち、何れかの要件が成立した場合に異なる演出態様を設定するものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2要件が成立するまでの残期間を判別する残期間判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件が成立した場合における前記残期間判別手段の判別結果に対応した前記期間演出の演出態様を設定するものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記期間演出実行手段は、所定の演出切替条件が成立した場合に実行中の前記期間演出を前記第2演出から前記第1演出へと切り替えるものであり、前記確率設定手段により前記高確率状態が設定されている場合と、前記低確率状態が設定されている場合とで、前記演出切替条件の成立のし易さを異ならせるものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。