JP6651382B2 - 排水処理方法および排水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ホウ素を含む排水を処理する排水処理方法および排水処理装置に関し、特に、ホウ素を吸着除去するための吸着塔の再生に使用された再生用液の処理に関するものである。
ホウ素は排水の規制対象物質である。日本の環境省が定めた水質汚濁防止法におけるホウ素の排水基準は、海域で230mg/L、その他水域(河川などの淡水域)で10mg/Lである。
石炭をエネルギー源とする発電では、石炭に含まれるホウ素が排気から排水に移行して濃縮され、排水中のホウ素濃度が海域への排水基準を上回る濃度になることがある。そのため排水からホウ素を取り除く処理が必要となる。
ホウ素を取り除く方法として、ホウ素を凝集沈殿させて除去する方法、および、ホウ素を樹脂に吸着させて除去する方法(特許文献1)などがある。特許文献1は、石炭焚きボイラのホウ素含有排水のホウ素処理方法を開示している。特許文献1では、ホウ素選択吸着イオン交換樹脂を用いて、ホウ素を吸着除去している。
石炭焚きの発電所から出る排水は、高い濃度で塩素を含む(例えば20000ppm程度)。塩素の存在は、ホウ素が凝集沈殿する反応を阻害する。そのため、塩素濃度が高い排水を処理する場合、凝集沈殿によりホウ素を除去する方法は適していない。
樹脂を用いた方法は、排水中の塩素濃度に影響されずにホウ素を除去できる。しかしながら、ホウ素吸着に用いる樹脂は高価である。そのため、ホウ素を選択的に吸着させた樹脂は、定期的に再生処理を施して再利用されている。
特開昭58−81482号公報(特許請求の範囲)
特許文献1では、硫酸および水酸化ナトリウムを用いてホウ素選択吸着イオン交換樹脂を再生している。樹脂の再生には、例えば、樹脂により処理した排水量の約1.5倍程度の再生用液が必要となる。再生に使用された水は、そのまま廃水となる。よって、特許文献1のような方法で樹脂を再生する場合、多量の廃水が生じ、不経済である。これを解決するため、特許文献1では、メリーゴーラウンド方式で吸着操作を行うとともに、再生工程で出た廃水のうちの一部を原水側に返送している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、吸着塔の再生に用いた再生用液の廃棄量を減量できる排水処理方法および排水処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の排水処理方法および排水処理装置は以下の手段を採用する。
本発明は、吸着塔にホウ素を含む排水を通水して前記排水からホウ素を吸着除去する排水処理方法において、前記吸着塔に再生用液を通液して前記吸着塔を再生させる工程と、前記吸着塔から排出された排再生用液を、ホウ素濃度および水質評価パラメータの値に応じて分画A,分画B、分画Cに区別する工程と、前記吸着塔から排出された排再生用液のうち、ホウ素濃度が排水基準値の範囲外である前記分画Aを蒸発濃縮処理する工程と、前記吸着塔から排出された排再生用液のうち、ホウ素濃度が前記排水基準値を満たし、かつ、所定の水質評価パラメータの値が予め定めた回収基準以下である前記分画Bを回収して再利用に供する工程と、前記吸着塔から排出された排再生用液のうち、ホウ素濃度が前記排水基準値を満たすが、前記水質評価パラメータの値が前記回収基準を超えている前記分画Cを、前記吸着塔を通過した排水に合流させるか、または放流する工程と、を備えている排水処理方法を提供する。
排水を通水した後の吸着塔にはホウ素が吸着している。該吸着塔に再生用液を通液すると吸着塔からホウ素が溶離する。再生用液の通液開始から通液停止までの間、排再生用液のホウ素濃度は一定ではない。上記発明によれば、排再生用液はホウ素濃度および水質評価パラメータの値に応じて3種類の分画に区別する。
ホウ素濃度が排水基準値を満たさない分画Aは、蒸発濃縮処理により減量化される。これによりホウ素の廃棄物量を減量できる。分画Aは再生に使用された排再生用液の一部である。蒸発濃縮処理に供する液量が低減されているため、ホウ素の回収・廃棄のために費やされるエネルギー量を抑制できる。
一方、ホウ素濃度が排水基準値を満たしている分画Bおよび分画Cは、分画Aとは別の工程に供される。分画Bおよび分画Cは、水質評価パラメータの値により区別される。水質評価パラメータの値が予め定めた回収基準を満たす分画Bは、回収して再利用する。再利用可能な水質の分画Bを分画Cと区別して再利用することで、排再生用液の放流水量を低減できる。
分画Bは、分画Aとも区別されている。分画Aと分画Bとを区別せずに混合した場合、ホウ素濃度、塩素濃度、TDSが高くなり、再利用できないことが懸念される。上記発明によれば、分画Bを分画Aと区別することで、より確実に再利用可能な水量を確保できる。
分画Cは、排水基準を満たすホウ素濃度であるが、分画Cから再利用可能な水質の溶液を回収するのは困難であり、労力を要する。上記発明によれば分画Cを分画Aおよび分画Bと区別することで、排再生用液の放流水量を大きく減量できる。よって、あえて手間をかけて分画Cを再利用可能な溶液にする必要はない。
上記発明の一態様において、水質評価パラメータは、塩素濃度およびTDSとすることができる。その場合、前記回収基準を、塩素濃度50mg/L以下、かつTDS200mg/L以下とする。
上記回収基準を満たす水は、日本における上水道と同程度の水質となる。それにより、再利用の用途の幅が広がる。
上記発明の一態様において、前記分画Aを蒸発濃縮処理する際に生じた蒸気を回収し、前記分画Bとともに再利用することが好ましい。
蒸気を回収することで、使用された再生用液のうち、分画C以外の大部分を再利用できる。
また本発明は、ホウ素を含む排水を通水することで該排水からホウ素を吸着除去する吸着塔と、前記吸着塔に再生用液を供給する再生用液供給部と、前記吸着塔から排出された排再生用液を蒸発濃縮させる濃縮部と、前記吸着塔から排出された排再生用液を回収する回収部と、前記吸着塔から排出された排再生用液を前記吸着塔を通過した排水と合流させる合流経路、または前記吸着塔から排出された排再生用液を放流する放流経路と、前記排再生用液の流れを、ホウ素濃度および水質評価パラメータの値に応じて分画A,分画B、分画Cに区別するよう制御する制御部と、を備え、前記制御部が、ホウ素濃度が排水基準値の範囲外である前記分画Aを前記濃縮部に導き、ホウ素濃度が前記排水基準値を満たし、かつ、所定の水質評価パラメータの値が予め定められた回収基準以下である前記分画Bを前記回収部に導き、ホウ素濃度が前記排水基準値を満たすが、前記水質評価パラメータの値が前記回収基準を超えている前記分画Cを前記合流経路または前記放流経路に導く機能を備えている排水処理装置を提供する。
上記発明の一態様において、水質評価パラメータは、塩素濃度およびTDSとすることができる。その場合、前記回収基準は、塩素濃度50mg/L以下、かつTDS200mg/L以下である。
上記発明の一態様において、前記濃縮部で生じた蒸気を前記回収部へと回収する回収経路を備えていることが好ましい。
本発明によれば、吸着塔の再生により生じた排再生用液を分画して区別することで、排再生用液の廃棄量を減量できる。
実施形態に係る排水処理装置を説明する概略構成図である。 再生用液を通液する工程のフロー図である。 再生試験時に排出された排再生用液中のホウ素濃度と通液量との関係を示す図である。
以下に、本発明に係る排水処理方法および排水処理装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、排水処理装置を説明する概略構成図である。排水処理装置1は、前処理部2、ホウ素吸着塔(吸着塔)3、後処理部4、再生用液供給部5、濃縮部6、回収部7、合流経路8および制御部9を有している。
前処理部2は、ホウ素吸着塔3に入る前の排水(原水)を前処理できる。前処理は、凝集沈殿、ろ過、活性炭吸着、pH調整等である。前処理部2の後段には、第1排水経路10を介してホウ素吸着塔3が接続されている。第1排水経路10には、開閉バルブVが設けられている。
ホウ素吸着塔3は、ホウ素を選択的に吸着する樹脂が充填されてなる樹脂層を有している。該樹脂は、キレート樹脂であることが好ましいが、ホウ素に対応する陰イオン交換樹脂であってもよい。キレート樹脂は、例えばメチルグルカミン型のCRB03,CRB05(三菱化学株式会社製)、セリウム系ホウ素吸着剤READ−B(株式会社日本海水製)およびキレート系ホウ素吸着剤READ−B(MC)、READ−B(LC)(株式会社日本海水製)などである。キレート樹脂は、特定の金属イオンに対する選択性がイオン交換樹脂の場合よりもはるかに大きいという特長を有する。
後処理部4は、第2排水経路11を介してホウ素吸着塔3の後段に接続されている。第2排水経路11には、開閉バルブVが設けられている。後処理部4は、ホウ素吸着塔から排出された処理排水を後処理できる。後処理は、pH調整、ろ過、活性炭吸着等である。
再生用液供給部5は、再生用液を供給するための供給経路12を介してホウ素吸着塔3に接続されている。本実施形態において「再生用液」は、樹脂からホウ素を溶離するための第1溶液、該第1溶液をホウ素吸着塔から押し出すための第2溶液、ホウ素吸着塔内のpHを調整するための第3溶液、該第3溶液をホウ素吸着塔内から押し出すための第4溶液、およびホウ素吸着塔内を最終洗浄するための第5溶液の総称である。
第1溶液は、硫酸、硝酸、または塩酸である。第2溶液、第4溶液および第5溶液は、脱塩水、水道水、または工業用水である。第3溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはアンモニア水から適宜選択され得る。
再生用液供給部5は、例えば、再生用液を貯留するタンク(不図示)、および該タンクからホウ素吸着塔3に再生用液を送給する送給装置(不図示)で構成され得る。送給装置は、ポンプ等である。再生用液供給部5は、複数のタンク(不図示)を有する構成であってよい。各タンクには、それぞれ種類の異なる溶液が貯留されうる。
ホウ素吸着塔3には、再生用液を排出する排再生用液経路13が接続されている。排再生用液経路13には、開閉バルブVが設けられている。排再生用液経路13は、開閉バルブVの後段で第1枝路14、第2枝路(合流経路)8、第3枝路に分岐している。第1枝路14の一端は濃縮部6に接続されている。第2枝路8の一端は後処理部4に接続されている。第3枝路15の一端は回収部7に接続されている。第1枝路14、第2枝路8および第3枝路15には、それぞれ開閉バルブV,V,Vが設けられている。
濃縮部6は、排再生用液の分画Aを蒸発濃縮させることができる。濃縮部6は、例えば、蒸発濃縮装置、蒸発乾燥装置、蒸発乾固装置、逆浸透膜装置等である。
回収部7は、排再生用液の分画Bを回収して貯留するタンク等である。回収部7は、排再生用液の分画Bを回収して再利用先へ送る搬送経路であってもよい。
制御部9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
制御部9は、ホウ素吸着塔3から排出された排再生用液中のホウ素濃度および水質評価パラメータに基づき開閉バルブV,V,Vの開閉をさせて、排再生用液の流れを制御する。水質評価パラメータは、塩素濃度、TDS(Total Dissolved Solid)、ナトリウム濃度、硫酸濃度、カルシウム濃度等である。以降、水質評価パラメータとして塩素濃度およびTDSを選択したとして説明する。ホウ素濃度、塩素濃度およびTDSは、排再生溶液を分取して直接計測して得られた値であってよい。また、ホウ素濃度、塩素濃度およびTDSは、予備試験により得られたデータに基づいて時間換算された値であってよい。ホウ素濃度は、ホウ素濃度計により計測できる。塩素濃度は塩素イオン濃度計等により計測できる。TDSは電導度計等により計測できる。
制御部9は、ホウ素吸着塔3から排出される排再生用液のうち、分画Aを濃縮部6へ、分画Bを回収部7へ、分画Cを第2枝路8へと導くようブログラムされている。分画Aは、ホウ素濃度が排水基準値の範囲外である排再生用液である。分画Bは、ホウ素濃度が排水基準値を満たし、かつ、塩素濃度およびTDSが予め定められた回収基準以下である排再生用液である。分画Cは、ホウ素濃度が排水基準値を満たすが、塩素濃度およびTDSが予め定めた回収基準を超えている排再生用液である。
日本の海域におけるホウ素濃度の排水基準値の範囲は、230mg/L以下である。塩素濃度およびTDSの回収基準は、それぞれ1000mg/Lおよび4000mg/L、好ましくは50mg/L以下およびTDS200mg/L以下に設定するとよい。
排水処理装置1は、さらに、濃縮部6で生じた蒸気を回収部7へと回収する回収経路16を備えていることが好ましい。
次に、本実施形態に係る排水処理方法について説明する。
本実施形態に係る排水処理方法は、排水を処理する工程と、ホウ素吸着塔を再生する工程とを備えている。
(排水を処理する工程)
まず、ホウ素を含む排水W1を前処理して排水W2とする。前処理は、凝集沈殿、ろ過、活性炭吸着、pH調整などの処理である。次に、排水W2をホウ素吸着塔3に通水する。ホウ素吸着塔3を通過した排水W3を後処理し、その後、系外へと放流する。後処理は、pH調整、ろ過、活性炭吸着などの処理である。
ここで、ホウ素吸着塔3に導かれた排水W2は、ホウ素吸着塔3に充填された樹脂層を通過することで、排水W2に含まれるホウ素が樹脂に吸着される。これにより排水W2からホウ素が除去される。
(ホウ素吸着塔を再生する工程)
定期的、または必要に応じてホウ素吸着塔3の再生を行う。ホウ素吸着塔3の再生とは、樹脂に吸着しているホウ素を溶離して、樹脂のホウ素吸着能を再生させる処理である。以下に例を示す。
まず、開閉バルブVおよび開閉バルブVを閉じ、ホウ素吸着塔3への排水W2の通水を停止する。
次に、開閉バルブVを開けてホウ素吸着塔3に再生用液を通液し、ホウ素吸着塔を再生する。図2に、再生用液を通液する工程のフロー図を示す。まず、第1溶液をホウ素吸着塔3に通液し、樹脂からホウ素を溶離させる(S1)。次に、第2溶液をホウ素吸着塔3に通液し、第1溶液により溶離させたホウ素をホウ素吸着塔3から押し出す(S2)。次に、第3溶液をホウ素吸着塔3に通液し、樹脂を再生すると同時にホウ素吸着塔3内に残存している第1溶液を中和する(S3)。次に、第4溶液をホウ素吸着塔3に通液し、第3溶液および第1溶液の中和物をホウ素吸着塔3から押し出す(S4)。最後に、第5溶液をホウ素吸着塔3に通液し、ホウ素吸着塔3内を洗浄する(S5)。
ホウ素吸着塔3を通過した再生用液は、排再生用液としてホウ素吸着塔3から排再生用液経路13に排出される。ここで、排再生用液の流れを制御し、ホウ素濃度、塩素濃度およびTDSに基づいて分画する。
排再生用液のホウ素濃度、塩素濃度およびTDSは、各パラメータに関して排再生用液を直接計測することで得る。また、予備試験により各パラメータの情報を取得し、該情報を時間と相関させておくことで、時間管理してもよい。その場合、タイマーで開閉バルブV,V,Vの開閉を切り替えることができる。
塩素濃度とTDSには正の相関関係があるので、いずれか一方を計測してもよい。
排再生用液のホウ素濃度が排水基準値の範囲外である場合、開閉バルブVを開放し、開閉バルブVおよび開閉バルブVを閉じて、排再生用液(分画A)濃縮部6へと導く。分画Aは、濃縮部で加熱し、濃縮・乾燥することで蒸発濃縮処理する。
濃縮されたホウ素を回収し、高純度のホウ素化合物として再利用するか、または、産業廃棄物として廃棄する。濃縮部6で生じた蒸気は、回収経路16を介して回収部7に回収するとよい。それにより、再利用できる水量を増やすことができる。
排再生用液のホウ素濃度が排水基準値を満たし、かつ、塩素濃度およびTDSが予め定めた回収基準以下である場合、開閉バルブVを開放し、開閉バルブVおよび開閉バルブVを閉じて、排再生用液(分画B)を回収部7へと回収する。
回収された分画Bは、ホウ素濃度、塩素濃度およびTDSがすべて低いため、そのまま再利用できる。再利用の用途としては工業用水、具体的には脱流硫設備補給水、工場の洗浄水などが考えられる。前処理により排水からフッ素、重金属類、油分などの有害成分が除かれている場合には、分画Bを工場の植栽に利用することもできる。
排再生用液のホウ素濃度が排水基準値を満たすが、塩素濃度およびTDSが予め定めた回収基準を超えている場合、開閉バルブVを開放し、開閉バルブVおよび開閉バルブVを閉じて、排再生用液(分画C)を第2枝路(合流経路)8へと導く。分画Cは後処理部で適宜後処理された後、系外へと放流される。
分画Cは、ホウ素濃度が低いが、塩素濃度およびTDSが高い。そのため工業用水として再利用するには別途、塩素濃度およびTDSを下げる処理が必要である。分画Cを分画Bと区別せずに混合することで、この混合溶液のTDSおよび塩素濃度が回収基準を超え再利用できなくなることが懸念される。よって、分画Bを分画Cと区別して回収することで確実に再利用できる水量を確保できる。分画Cは、ホウ素吸着塔3から排出された排再生用液の一部であり、その液量は全体の約4分の1程度である。よって、ここから別途手間をかけて水を回収するよりは、排水w3と合流させて放流した方が経済的である。分画Cは、適宜後処理を省略してそのまま系外へと放流してもよい。
ホウ素濃度の排水基準値の範囲は、日本の海域の場合230mg/L以下である。塩素濃度およびTDSの回収基準は、再利用の用途によって適宜設定するとよい。塩素濃度およびTDSが、それぞれ1000mg/Lおよび4000mg/Lである場合には、脱硫設備補給水として再利用可能である。塩素濃度およびTDSの回収基準は、それぞれ50mg/L以下および200mg/L以下とすることが好ましい。これにより、工場の洗浄水または工場の植栽として再利用可能である。
<再生試験>
ホウ素含有排水の模擬水を吸着塔に通水して樹脂にホウ素を吸着させた後、再生用液を吸着塔に通液して該樹脂を再生する再生試験を実施した。
吸着塔には、樹脂層を備えたアクリル製ジャケット付カラム(24.12φ×1000H)を使用した。樹脂層の高さは、725mmHとした。樹脂には、CRB05(5C102、三菱化学株式会社製)、320mL−Rを用いた。吸着塔において、給水口から樹脂層までの空隙水量は、0.47BV、樹脂層からサンプリング口までの空隙水量は、0.40BVであった。
模擬水は、脱塩水に、市販の試薬(HBO、MgCl・6HO、CaCl・2HO、NaCl、NaSO、NaOH)を溶解させて調製した。模擬水の組成を表1に示す。
Figure 0006651382
模擬水の通水は、空間速度(SV)2、線速度(LV)1.40m/h、温度25℃、で実施した。
模擬水の通水後、ホウ素を吸着させた吸着塔に、再生用液として第1溶液〜第5溶液を順次通液した。第1溶液は、0.5mol/Lの硫酸(HSO)とした。第3溶液は、1mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)とした。第2溶液、第4溶液および第5溶液は脱塩水とした。
表2に、再生用液の通液条件を示す。各工程における液温はすべて25℃とした。
Figure 0006651382
以下では、ホウ素吸着樹脂100mに通水し、1日に1回再生する場合を例として説明する。排水の通水および再生溶液の通液を1サイクルとし、これを計3サイクル実施した。本再生試験において、1サイクルで処理できた排水量は7.7BV(Bed Voiume,770m/d)であった。これに対し、樹脂再生に要した再生用液量は11.7BV(1170m/d)であった。BV(Bed Voiume)は、樹脂量と水再生用液量との比率を表す単位である。例えば、2.0BVは、1mの樹脂に対して2mの水再生用液を使用することを意味する。
各サイクルにおける樹脂へのホウ素吸着量および再生によるホウ素回収量を計測した。その結果、繰り返し再生処理をすることによる樹脂の吸着率の低下は10%程度に抑えられていた。また、樹脂に吸着したホウ素は、各サイクルすべてにおいて98%から100%の割合で回収されていた。これにより再生用液の通液により、劣化を抑制しつつ樹脂のホウ素吸着能を再生できていることが確認された。
図3に、再生試験時に排出された排再生用液中のホウ素濃度と通液量との関係を示す。同図において、横軸が再生用液の通液量(BV)、縦軸が排再生用液のホウ素濃度(mg/L)である。
図3によれば、硫酸を通液することにより排再生用液中のホウ素濃度が上昇し始め、S2の押出工程中にホウ素濃度は最も高くなった。その後、ホウ素濃度は徐々に低下し、S3の再生工程中には230mg/L以下となった。
本再生試験では、ホウ素吸着樹脂100mの再生で、全排再生用液1170m/dのうち、通液量5.5V以降に排出された620m/dにおいてホウ素濃度が排水基準以下、塩素濃度が15mg/L、TDS50mg/Lであった。よって、この620m/dについて分画Bとして回収し再利用できる。
残り550m/dのうち、通液量0BVから1.5BVに排出された150m/d、および通液量4BVから5.5BVに排出された150m/dは、塩素濃度が252mg/Lであったが、一方でホウ素濃度が排水基準以下であったことから希薄廃液(分画C)として系外へと放流できる。
残り250m/d(通液量1.5BVから4.0BVの間に排出された排再生用液)については、ホウ素濃度が排水基準を満たしていないため、分画Aとして区別し、蒸発濃縮処理後、産業廃棄物として処理すればよい。
上記によれば、分画Bおよび分画Cの総量は920m/dであるが、分画Bを分画Cと区別して回収することで、放流する水量が300m/d(約3割)まで低減できる。
分画Bと分画Cとを区別しないで放流した場合、1サイクルで放流される総水量は770m/d+920m/d=1690m/dである。一方、分画Bを分画Cと区別して回収した場合、1サイクルで放流される水量は770m/d+300m/d=1070m/dとなる。このことから本発明に係る排水処理方法によれば、1サイクルで放流される総水量を約4割程度の減量できることが確認された。
1 排水処理装置
2 前処理部
3 ホウ素吸着塔(吸着塔)
4 後処理部
5 再生用液供給部
6 濃縮部
7 回収部
8 第2枝路(合流経路)
9 制御部
10 第1排水経路
11 第2排水経路
12 供給経路
13 排再生用液経路
14 第1枝路
15 第3枝路
16 回収経路
W1 ホウ素を含む排水
W2 前処理排水

Claims (8)

  1. 吸着塔にホウ素を含む排水を通水して前記排水からホウ素を吸着除去する排水処理方法において、
    前記吸着塔に再生用液を通液して前記吸着塔を再生させる工程と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液を、ホウ素濃度および水質評価パラメータの値に応じて分画A,分画B,分画Cに区別する工程と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液のうち、ホウ素濃度が排水基準値の範囲外である前記分画Aを蒸発濃縮処理する工程と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液のうち、ホウ素濃度が前記排水基準値を満たし、かつ、所定の水質評価パラメータの値が予め定めた回収基準以下である前記分画Bを回収して再利用に供する工程と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液のうち、ホウ素濃度が前記排水基準値を満たすが、前記水質評価パラメータの値が前記回収基準を超えている前記分画Cを、前記吸着塔を通過した排水に合流させるか、または放流する工程と、
    を備えている排水処理方法。
  2. 前記水質評価パラメータが、塩素濃度およびTDSである請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記回収基準を、塩素濃度50mg/L以下、かつTDS200mg/L以下とする請求項2に記載の排水処理方法。
  4. 前記分画Aを蒸発濃縮処理する際に生じた蒸気を回収し、前記分画Bとともに再利用する請求項1から請求項3のいずれかに記載の排水処理方法。
  5. ホウ素を含む排水を通水することで該排水からホウ素を吸着除去する吸着塔と、
    前記吸着塔に再生用液を供給する再生用液供給部と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液を蒸発濃縮させる濃縮部と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液を回収する回収部と、
    前記吸着塔から排出された排再生用液を前記吸着塔を通過した排水と合流させる合流経路、または前記吸着塔から排出された排再生用液を放流する放流経路と、
    前記排再生用液の流れを、ホウ素濃度および水質評価パラメータの値に応じて分画A,分画B、分画Cに区別するよう制御する制御部と、
    を備え、前記制御部が、
    ホウ素濃度が排水基準値の範囲外である前記分画Aを前記濃縮部に導き、
    ホウ素濃度が前記排水基準値を満たし、かつ、所定の水質評価パラメータの値が予め定められた回収基準以下である前記分画Bを前記回収部に導き、
    ホウ素濃度が前記排水基準値を満たすが、前記水質評価パラメータの値が前記回収基準を超えている前記分画Cを前記合流経路または前記放流経路に導く機能を備えている排水処理装置。
  6. 前記水質評価パラメータが、塩素濃度およびTDSである請求項5に記載の排水処理装置。
  7. 前記回収基準は、塩素濃度50mg/L以下、かつTDS200mg/L以下である請求項6に記載の排水処理装置。
  8. 前記濃縮部で生じた蒸気を前記回収部へと回収する回収経路を備えている請求項5から請求項7のいずれかに記載の排水処理装置。
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