以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
まず図1を参照して、本発明の実施形態における、情報処理システムの構成の一例について説明する。
PC100にはCADソフト(CADソフトウェアアプリケーション110)がインストールされている。また、ボルト挿入ツール(ボルト挿入ツール120)が記憶されており、CADソフトにアドオンされているものとする。
尚、CADソフトでは穴形状を作成するコマンドが幾つか盛り込まれているが、その中には穴の規格や種類、具体的にはJISや座ぐり穴、を設定することで穴形状を作成するコマンド(穴ウィザード)が存在する。このコマンドで作成された部位と穴情報(穴のパラメータ/穴の構成情報)はCADソフト上では1つのフィーチャ(穴フィーチャ)として記憶・管理されるものである。
穴ウィザード以外のコマンドで作成されたフィーチャも含めて、展開中の3次元モデル(3次元モデルの面)に対して作成されたフィーチャの一覧(実行されたウィザードの一覧)を図10のフィーチャ一覧1000に示す。また、当該フィーチャ一覧1000の中の穴フィーチャの一覧及びその構成情報を穴フィーチャ構成情報1010に示す。図10については後述する。
サーバ200には、PC100で展開するCADの3次元モデルに挿入するためのボルトの3次元モデルが記憶されている。
通常、CADソフト自体が管理している規格、パラメータのボルトがCADソフトの管理フォルダに保存されているが、例えば当該CADソフトの管理するボルト以外の、ユーザが用意したオリジナルのボルトを3次元モデルに挿入したいことがある。既存のCADソフトの機能では当該CADソフトの管理しているボルトを選択することしかできないため、オリジナルのボルトを選択して3次元モデル上に挿入・配置することができない。
よって本発明では、PC100に記憶されたボルト挿入ツールを起動し、サーバ200に記憶されたオリジナルのボルトの情報を取得して読み出し、どの穴にどのボルトを挿入するかの選択を受け付けて、当該どの穴にどのボルトを挿入するかの情報を3次元モデルを展開中のCADソフトに伝達して挿入処理を実行させることで、3次元モデルの挿入箇所に対して挿入する部品を容易に選択させ、当該部品の挿入処理を適切に実行させることができる。
ここでいうCADソフトの管理するボルトとは、CADソフトの画面上で穴に挿入する部品として選択可能なボルトであって、PC100のCADソフトのインストールされたフォルダ以下の階層に記憶されているボルトのことである。
図1に示すように、PC100とサーバ200はネットワーク(例えばLAN101)で通信可能に接続されている。以上が図1の説明である。
次に図2を参照して、本発明の実施形態における、各種装置のハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、図1に示したPC100、サーバ200に適用可能なハードウェア構成を示すブロック図である。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、当該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN101)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。以上が図2の説明である。
次に図3を参照して、本発明の実施形態における、各種装置の機能構成の一例について説明する。
CADソフト記憶部311は、CADソフトウェアアプリケーション110を記憶する記憶部である。ボルト挿入ツール記憶部312は、CADソフトにアドオンするボルト挿入ツール120を記憶する記憶部である。
穴情報取得部313は、ボルト挿入ツールがCADソフトに対し、CADソフトで展開中の3次元モデル(アセンブリ)の穴フィーチャの一覧を要求し、CADソフトから穴フィーチャの一覧を取得する取得部である。取得する穴フィーチャの一覧は、穴フィーチャ構成情報1010(図10)に示す。
ボルト情報取得部314は、ボルト挿入ツールがサーバ200の外部メモリからボルトの情報(例えば、図12のボルト分類1200に示すボルトの企画を含む分類の情報や、ボルト1210に示すボルトの構成情報)を取得する取得部である。
ボルト選択受付部315は、ボルト挿入ツールが図7、図8に示すようなボルト挿入画面において、穴情報取得部313で取得した穴情報の示す穴に挿入するボルトを、ボルト情報取得部314で取得したボルトの中から選択する選択指示を受け付ける機能部である。
ボルト挿入実行部316は、CADソフトがボルト挿入ツールからの指示を受け付けて、ボルト挿入ツールから指定された穴に、ボルト挿入ツールから指定されたボルトを挿入する処理を行う機能部である。具体的には、ボルト挿入ツールがボルト挿入画面においてボルトの挿入実行の指示を受け付けることで、各穴と各穴に挿入する部品として選択されたボルトの情報をCADソフトに送信し、また、CADソフトに対して、各ボルトの位置を各穴の位置に一致して配置するよう指示をする。当該指示を受け付けたCADソフトが、当該指示に従ってボルトの形状のデータを読み込み、展開中の3次元モデル上の、挿入する穴の位置にと同じ位置にボルトの位置情報を更新して、3次元モデルのファイルを更新(上書き)する。
ボルト情報記憶部321は、ボルトの情報を(例えば、図12のボルト分類1200に示すボルトの企画を含む分類の情報や、ボルト1210に示すボルトの構成情報)を記憶する記憶部である。以上が図3の説明である。
<第1の実施形態>
以下、図4及び図6〜図13を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図4の各ステップ(各処理)は、PC100のCPU201が、PC100にインストールされたCADソフトまたはボルト挿入ツールの機能を用いて実行するものとする。
まず図4を参照して、本発明の第1の実施形態における、ボルト挿入処理の流れについて説明する。
PC100のCPU201は、操作者(ユーザ)によるCADソフトの操作を受け付けることによってCADソフトの起動、及び当該起動したCADソフトによる3次元モデルの展開・表示処理を行う。また、当該CADソフトの画面(例えば図6に示す3次元モデル表示画面600)において、ボルト挿入ツールの起動操作を受け付けることによりボルト挿入ツールを起動する(ステップS401)。
起動したボルト挿入ツールは、サーバ200にアクセスして、サーバ200の所定の記憶領域に記憶されているボルトの情報(図12に示すボルト分類1200と、ボルト1210)を取得する(ステップS402/部品取得手段に該当)。ボルト分類1200は、ボルト種類1201、規格1202、仕様1203、ボルトの外形寸法(呼び径)1204から構成される、呼び径1204を特定可能な、ボルト種類、規格、仕様の対応付け情報である。ボルト1210は、ボルトの形状をした部品のファイル名、ボルトの形状・呼び径を特定するためのボルト種類1212、規格1213、ボルト仕様1214、ファイル名1211の示すボルトの部品ファイルが記憶されているサーバ200上のファイルパス1205から構成されている。
ボルト挿入ツールは、CADソフトに展開中のファイル(展開中のファイルが複数ある場合は、アクティブになっているファイル(アクティブファイル))を問合せ、展開中のファイルの拡張子を取得し、展開中のファイルがアセンブリファイルか否かを判定する(ステップS403)。例えば、ファイルの拡張子=assyであればアセンブリファイルであり、part(又はSLDPRT)であれば部品ファイルである。3次元モデル表示画面600に表示される3次元モデルは、例えばアセンブリファイルが参照する部品ファイルの情報によって立体的に表現、描画される、各部品を組み合わせたモデルの形状のデータである。
展開中のファイルのうちアクティブなファイルを対象とすることで、どのファイルに対して部品を挿入するかをユーザに選択させる手間を軽減することができる。
尚、ここではファイルの拡張子を取得して展開中のファイルがアセンブリファイルか否かの判定を行うものとしたが、取得する情報は、展開中のファイルがアセンブリファイルか否か判断がつくものであればどのような情報でもよい。
ボルト挿入ツールは、展開中のファイルがアセンブリファイルでない場合(ステップS403でNO)、例えば部品ファイルの場合には、不図示のエラーダイアログを表示画面に表示する(ステップS413)。展開中のファイルがアセンブリファイルである場合(ステップS403でYES)、展開中の3次元モデルのファイルにボルトを挿入する操作をさせるべく処理をステップS405に進める。
なぜ展開中のファイルがアセンブリファイルでない場合にエラーを出すかについて説明する。ボルト等、何かしらの部品をある3次元モデルに挿入する場合、部品データそのものに他の部品を挿入することは考えづらいからである。例えばボルトの場合、穴の開いた板の部品ファイルそのものにボルトの部品ファイルを挿入すると、板の部品とボルトの部品が1つの部品ファイルとして構成・記憶されてしまう。通常、設計の自由度の確保のため、板、ボルト等の部品単位で自由に着脱が可能なように、挿入される部品(板の部品ファイル)と挿入する部品(ボルトの部品ファイル)は別々の部品ファイルとして記憶、管理されるものである。よって本実施形態では、アセンブリファイル以外のファイル(例:部品ファイル)に対して誤ってボルトを挿入して一体化させてしまわないようにアセンブリか否かの判定を行い、アセンブリでなければエラー表示する処理を行っている。
ボルト挿入ツールは、ボルト挿入画面を表示画面に表示する(ステップS405)。例えば図7のボルト挿入画面700を表示する。
そして、ボルト挿入ツールは、展開中のファイルのコンポーネントを全て取得し、メモリに記憶する。具体的には、ボルト挿入ツールがCADソフトで展開中のファイルの全てのコンポーネントをCADソフトに要求し、CADソフトが当該要求に応じて展開中のファイルの全てのコンポーネントの情報(例えば図10のコンポーネント一覧1020の情報)を外部メモリから読み出してボルト挿入ツールに送信し、ボルト挿入ツールがこれを受信して取得し、メモリに記憶する。
コンポーネント一覧1020について説明する。コンポーネント名1021は、コンポーネントの名称であり識別情報である。コンポーネントは、展開中の3次元モデル(アセンブリ)の中において、ある部品を参照していることを示す情報である。参照部品名1022は、コンポーネントが参照している部品のファイル名であり、識別情報である。当該部品のファイルはPC100の外部メモリに記憶されており、当該部品の記憶場所はファイル名と対応付けて別途記憶されているものとする。位置1023は、コンポーネントにより表される部品(参照部品)の、3次元モデル表示画面で表示する3次元空間上のX,Y、Z座標(配置位置)である。方向1024は、当該部品の角度(向き)である。
また、ボルト挿入ツールは、CADソフトで展開中のファイル(3次元モデル)のコンポーネントに対応付けて設定された全てのフィーチャの情報(例えば図10に示すフィーチャ一覧1000)を取得してメモリに記憶する。具体的には、ボルト挿入ツールがCADソフトで展開中のファイルの全てのコンポーネントに対応する全てのフィーチャの情報をCADソフトに要求し、CADソフトが当該要求に応じて展開中のファイルの全てのコンポーネントに対応する全てのフィーチャの情報を外部メモリから読み出してボルト挿入ツールに送信し、ボルト挿入ツールがこれを受信して取得し、メモリに記憶する。
フィーチャ一覧1000について説明する。フィーチャ名1002は、コンポーネント名1001の示すコンポーネント(部品)に適用・設定されたフィーチャの名称であり識別情報である。タイプ1003は、当該フィーチャが何のフィーチャ示す。タイプ1003=穴(HoleWiz)のフィーチャが穴フィーチャである。面ID1004は、フィーチャ名1002のフィーチャが設定されたコンポーネント名1001の示す部品の面の識別情報である。位置1005は、フィーチャ名1002のフィーチャが設定された面上のX,Y座標である。また、フィーチャの方向(例えば穴フィーチャの穴の軸方向)は、当該フィーチャの適用された面に直交する方向を示す単位ベクトルのX、Y、Z成分により特定可能なように記憶される。例えば、方向1006の値である。
ボルト挿入ツールは、穴の情報を取得してボルト挿入画面のリスト表示部にリスト表示(一覧表示)する(ステップS406)。
具体的には、ボルト挿入ツールが、フィーチャ一覧1000から穴フィーチャを取得して、穴フィーチャ構成情報1010に示すように穴フィーチャのリスト(一覧)にしてメモリ上に記憶する(構成情報取得手段に該当)。コンポーネント名1011、フィーチャ名1012は、コンポーネント名1001、フィーチャ名1002と同じである。穴タイプ1013は、穴フィーチャの穴が何の穴かを示す。当該穴タイプには例えば、穴、座ぐり穴、ねじ穴、皿穴、等の種類がある。規格1014は穴フィーチャの穴の規格である。穴種類1015は、穴タイプ1013の中の穴の種類を示す。穴仕様1016は穴の仕様の識別情報を示す。穴の径(例えば外径)は、当該穴フィーチャの穴タイプ1013、規格1014、穴種類1015、穴仕様1016の組み合わせに応じてCADソフトにおいて決定されており、穴の外径寸法1018に記憶されている。例えばPC100の外部メモリには、図11に示すように、CADソフトが管理する穴タイプ1101、規格1102、穴種類1103、穴仕様1104と、穴の外形寸法1105の対応付け情報が記憶されている。方向1017は、方向1006と同じであるため説明は割愛する。
ボルト挿入ツールは、図13の表示リスト1310に示すように、取得した穴フィーチャのフィーチャ名をボルト挿入画面の行に対応付けて記憶し、行ID1311の示すリスト表示部701上の行に、当該フィーチャ名1312の示す穴フィーチャの情報をそれぞれ表示し、リスト表示する。
具体的には、行ID1311の示す行の、コンポーネント名表示部702に穴フィーチャ構成情報1010のコンポーネント名1011を、穴ウィザード名表示部703に穴フィーチャ構成情報1010のフィーチャ名1012(行に対応するフィーチャ名1312)を、穴径表示部704に穴の外径寸法1018の値を、挿入するよう各表示部に対応付けて記憶し、表示画面に表示する。
挿入ボルト名1313は、行ID1311に対応するプルダウンリストで選択された、フィーチャ名1312の示す穴フィーチャに挿入するボルトのファイル名である。
ボルト挿入ツールは、ステップS407で、ステップS402で取得したボルトのファイル名1211を各行に対応するプルダウンリストに設定して記憶する。具体的には、プルダウンリスト1320に示すように、各行の行ID1321に対応するプルダウンリストごと(プルダウンリストID1322ごと)の当該プルダウンリストに表示する値を示す表示ボルト情報1323に、ステップS402で取得した全てのボルトのファイル名を挿入して記憶する。そして、ボルト挿入ツールは、表示中のボルト挿入画面においてプルダウンリスト表示部706に対するクリック操作を受け付けた場合に表示ボルト情報1323に設定されたボルトのファイル名のリストが表示されるように、ボルト挿入画面を更新する更新処理を行う(ステップS407)。
ボルト挿入ツールは、ステップS408で、ユーザからの操作(指示)を受け付け(ステップS408)、受け付けた指示がボルトの選択指示か判定する(ステップS409/選択指示受付手段に該当)。受け付けた指示がボルトの選択指示であった場合(ステップS409でYES)、選択されたボルトを、当該ボルトが選択された行のフィーチャ名と対応付けて記憶し(ステップS412)、処理をステップS408の前に戻す。具体的には、ある行のプルダウンリスト表示部に対するクリック操作を受け付けると、ボルト挿入ツールは図7のボルト挿入画面710に示すように、クリックされた行の表示ボルト情報1323に格納されているボルト(ボルトのファイル名)のプルダウンリストを表示し、プルダウンリストからボルトの選択を受け付けた場合に当該ボルトの選択指示を受け付けたと判定し、当該選択されたボルトを、当該ボルトが選択されたプルダウンリスト(プルダウンリストID1322)に対応する行(行ID1321=行ID1311)の挿入ボルト名1313に記憶する。ボルト選択後のボルト挿入画面800を図8に示す。
また、ボルト挿入ツールは、選択されたボルトの画像を取得してボルト画像表示部711に表示する。当該ボルトの画像は、ボルトのファイル名に対応付けてサーバ200の外部メモリに記憶されているものとする。
ボルト挿入ツールは、ステップS408で受け付けた指示がボルトの挿入実行指示か判定する(ステップS410)。例えば、ボルト挿入画面700における「ボルト挿入」ボタン711の押下指示を受け付けた場合に、ボルトの挿入実行指示を受け付けたと判定する。
ボルト挿入ツールは、ステップS408で受け付けた指示がボルトの挿入実行指示でないと判定した場合(ステップS410でNO)、処理をステップS408の前に戻す。
ステップS408で受け付けた指示がボルトの挿入実行指示であると判定した場合(ステップS410でYES)、ボルト挿入ツールは、各行に表示されているフィーチャ名の穴フィーチャ(穴)に、各行で選択されているボルトを挿入するようCADソフトに指示する(ステップS411)。CADソフトは当該指示を受け付け、展開中の3次元モデル上の該当する穴フィーチャの穴に選択されたボルトを挿入する。
具体的には、ボルト挿入ツールが表示リスト1310を外部メモリから取得して、フィーチャ名1312の穴フィーチャの位置に、当該穴フィーチャの方向と同じ方向で挿入ボルト名1313のボルトを挿入するよう、CADソフトのAPIを介してCADソフトに指示する。例えば、穴フィーチャの穴の軸と当該ボルトのコンポーネントの軸に平行合致をつけ、穴フィーチャの穴の位置と当該ボルトのコンポーネントの位置に一致合致をつけるようCADソフトに指示する。ボルトのコンポーネントの軸とは、ボルトのファイル自体に予め記憶されている軸フィーチャ(ボルトの軸をしめす情報)の示す軸である。また、ボルトのコンポーネントの位置とは、ボルトのファイル自体に予め記憶されている点フィーチャ(ボルトの配置する際に用いる位置/例えばボルトの頭部と円筒部とが接続されている接続部面(円)の中心点)の示す位置である。また、CADソフトに対して当該挿入ボルト名1313のボルトのファイルパス1215を送信する。
CADソフトは当該指示とボルトのファイルパスを受け付け取得すると、アセンブリ上のフィーチャ名1312と同じ階層に挿入ボルト名1313を参照するコンポーネント(挿入ボルト名1313のファイルパス1215を参照先とするショートカット)を生成して記憶する。また、当該コンポーネントの3次元空間上の位置、方向(例えば図10の位置1023、方向1024)に、フィーチャ名1312の穴フィーチャの面ID1004、位置1005から特定される3次元空間上の穴フィーチャの位置の値、穴フィーチャの方向1017(穴フィーチャの軸方向)の値を設定して記憶する(例えば、穴フィーチャの穴の軸と当該ボルトのコンポーネントの軸に平行合致をつけ、穴フィーチャの穴の位置と当該ボルトのコンポーネントの位置に一致合致をつける)。
つまり、フィーチャ名1312の穴フィーチャの面ID1004、位置1005、方向1006(方向1017)を取得して、面ID1004、位置1005、から特定される穴フィーチャの位置に、方向1006(方向1017)の示す方向と同じ方向でボルトを挿入する(配置する)処理を行う。ボルト挿入前とボルト挿入後の3次元モデル表示画面をそれぞれ図9の900及び910に示す。以上が図4の処理の説明である。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、3次元モデルの挿入箇所に対して挿入する部品を容易に選択させることができる。
なお、アセンブリを用いたCADファイル(3次元モデルのファイル及び部品ファイル)の管理方法として、あるアセンブリのコンポーネントが参照している部品ファイルは、当該アセンブリと同じ階層かもしくは下の階層のフォルダに保存して管理することが行われている。当該管理の方法に従い、例えば、ステップS411で、上述したステップS411の処理と合わせて、ボルト挿入ツールが、挿入するボルトのファイルをサーバ200の外部メモリからコピーしてCADソフトで展開中の(ボルトを挿入する対象の)アセンブリファイルと同じ階層のフォルダに保存し、当該保存したファイルのファイルパスをCADソフトに通知するようにしてもよい。当該通知を受け付けたCADソフトは、ステップS411で作成するコンポーネントの参照先のファイルパスを、ボルト挿入ツールから通知されたPC100上の、展開中のアセンブリファイルと同じ階層におけるファイルパスに置き換えて記憶し、当該PC100上のファイルパスから挿入するボルトの部品ファイルを読み込んで(参照して)、上述したステップS411の通りに3次元空間上に配置して穴に挿入するようにしてもよい。
<第2の実施形態>
次に図5を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態における、穴及びボルトのフィルタリング処理の流れを示すフローチャートである。
本発明の第2の実施形態によれば、部品の挿入箇所の径を用いて、当該挿入箇所に対して挿入する部品を容易に選択させることができる。
例えば、抽出した穴の外径に近い外径のボルトを、当該穴に挿入するボルトの候補として選択可能に表示することで、ボルトの選択を容易にする。
第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する処理、データ、画面についての説明は割愛する。
図4のステップS408で指示を受け付けた場合に、図5の処理を開始するものとする。ボルト挿入ツールは、ステップS408で受け付けた指示が穴フィーチャの再取得指示か判定する(ステップS501)。具体的には、図7のボルト挿入画面における「穴ウィザード再取得」ボタン708の押下指示を受け付けた場合に、穴フィーチャの再取得指示がされたと判定する。
ステップS408で受け付けた指示が穴フィーチャの再取得指示であると判定した場合(ステップS501でYES)、穴ウィザードフィルタ部707においてチェックがされている穴フィーチャの穴タイプを取得する(ステップS508)。当該チェックは、チェックボックスに対するユーザからの操作指示を受け付けることで、ボルト挿入ツールが実行するものである(指定受付手段に該当)。初回起動時の初期設定では、全ての穴タイプのチェックボックスにチェックが入っているものとする。
ボルト挿入ツールは、CADソフトで展開中の3次元モデル(アセンブリファイル)のコンポーネントを全て取得する要求をCADソフトに送信し、CADソフトが当該要求を受け付けてCADソフトが展開中の3次元モデルの全てのコンポーネントの情報(例えば図10のコンポーネント一覧1020及び各コンポーネントに対応するフィーチャの情報であるフィーチャ一覧1000)を記憶部から取得してボルト挿入ツールに送信する。ボルト挿入ツールは当該コンポーネント一覧1020、フィーチャ一覧1000を取得する(ステップS509)。
ボルト挿入ツールは、ステップS509で取得したフィーチャ一覧1000の中からステップS508で取得した穴タイプ(穴ウィザードフィルタ部707においてチェックがされている穴フィーチャの穴タイプ)を持つ穴フィーチャを取得して、穴フィーチャのリスト(図10の穴フィーチャ構成情報1010)を作成して記憶部に記憶する。そして、図13の表示リスト1310に示すように、作成した当該穴フィーチャ構成情報1010の穴フィーチャのフィーチャ名をボルト挿入画面の行に対応付けて記憶し、行ID1311の示すリスト表示部701上の行に、当該フィーチャ名1312の示す穴フィーチャの情報をそれぞれ表示し、リスト表示する(ステップS510)。
具体的には、行ID1311の示す行の、コンポーネント名表示部702に穴フィーチャ構成情報1010のコンポーネント名1011を、穴ウィザード名表示部703に穴フィーチャ構成情報1010のフィーチャ名1012(行に対応するフィーチャ名1312)を、穴径表示部704に穴の外径寸法1018の値を、挿入するよう各表示部に対応付けて記憶し、表示画面に表示する。その後、処理を図4のステップS407に移行する。
ボルト挿入ツールは、ステップS408で受け付けた指示が穴フィーチャの再取得指示でないと判定した場合(ステップS501でNO)、ステップS408で受け付けた指示がボルトのフィルタリング指示か判定する(ステップS502)。
例えば、図7のボルト挿入画面のボルト挿入フィルタの欄において、「外径が近いボルトのみ選択」のチェックボックスにチェックが入った状態で閾値入力受付部709に対する数値の入力指示を受け付けた場合に、ボルトのフィルタリング指示を受け付けたと判定する。また、閾値入力受付部709に閾値の値が入力されている状態で、「外径が近いボルトのみ選択」のチェックボックスにチェックを入れる指示を受け付けた場合に、ボルトのフィルタリング指示を受け付けたと判定する。
当該閾値は、リスト表示部701に表示中の各穴フィーチャに対応するプルダウンリスト表示部706に各穴フィーチャの穴の外径からどの程度近い外径のボルトを表示するかを特定・決定するための数値であって、穴の外径を基準として、当該穴の外径からどの程度の近い外径のボルトをプルダウンリストに表示するかを特定するための値である。
例えば、閾値=±1mmの場合、外径1018(穴の外径寸法1018)が25.5mmの穴のプルダウンリストには、呼び径1204が24.5mm〜26.5mmのボルトが設定される。
ボルト挿入ツールは、ステップS408で受け付けた指示がボルトのフィルタリング指示でないと判定した場合(ステップS502でNO)、処理を図4のステップS409に移行する。ステップS408で受け付けた指示がボルトのフィルタリング指示であると判定した場合(ステップS502でYES)、閾値入力受付部709に入力されている値を図13のフィルタ閾値1300(閾値記憶手段に該当)に設定してPC100の外部メモリに記憶し、取得する(ステップS503)。また、プルダウンリスト1320の表示ボルト情報1323の情報を全て削除して、ステップS504以降の処理を実行する。
ボルト挿入ツールは、表示リスト1310のフィーチャ名1312に記憶されているフィーチャ名の穴フィーチャ、つまり、リスト表示部701に表示中の全ての穴フィーチャについてステップS504〜ステップS507の処理を実行する。
ボルト挿入ツールは、表示リスト1310のフィーチャ名1312のうち未処理のフィーチャ名1312の穴フィーチャ(穴フィーチャ構成情報1010の情報)を1つ取得する(ステップS504)。
ボルト挿入ツールは、ステップS402で取得して外部メモリに記憶したボルト1210の全てのボルトに対してステップS505〜ステップS507の処理を実行する。ボルト挿入ツールは、ボルト1210から未処理のボルトを1つ取得し(ステップS505)、ステップS504で取得した穴フィーチャの穴の外径と、ステップS505で取得したボルトの外径の差が閾値以内か判定する(ステップS506)。例えば、フィルタ閾値1300=±1mmで、穴の外径1018(穴の外径寸法1018)=25.5mmの場合、ステップS505で取得したボルトの外径(呼び径1204)が24.5mm〜26.5mmの範囲におさまる場合に、閾値の条件を満たす(閾値以内である)と判定する。
ステップS504で取得した穴フィーチャの穴の外径と、ステップS505で取得したボルトの外径の差が閾値以内であると判定した場合(ステップS506でYES)、ステップS504で取得した穴フィーチャのフィーチャ名1312に対応する行ID1311を特定し、当該行ID1311に対応するプルダウンリスト(プルダウンリストID1322)の表示ボルト情報1323に当該閾値以内であると判定されたボルトのファイル名を挿入して記憶する(ステップS507)。つまり、穴に対応するプルダウンリストに当該穴の外径から所定範囲内の外径を持つボルトを設定する。
ステップS504で取得した穴フィーチャの穴の外径と、ステップS505で取得したボルトの外径の差が閾値以内でないと判定した場合(ステップS506でNO)、処理をステップS505に戻して、未処理のボルトを取得する処理を行う。
ステップS505〜ステップS507の処理を全てのボルトに対して実行した後(つまり、ステップS504で取得した穴フィーチャ穴対応するプルダウンリストに当該穴フィーチャの外径から所定範囲内の外径を持つ全てのボルトを設定した後)、処理をステップS504に戻して未処理の穴フィーチャを取得する処理を行う。
ステップS504〜ステップS507の処理を全ての穴フィーチャ、全てのボルトに対して実行した場合、ボルトのフィルタリングを完了したものと判断して、処理を図4のステップS409に移行する。フィルタリング前後のプルダウンリストの様子をプルダウンリスト1320及びプルダウンリスト1330(フィルタ後プルダウンリスト)に示す。つまり、ステップS507の処理終了後にユーザからプルダウンリスト表示部706に対するクリック操作を受け付けると、ボルト挿入ツールは、クリックを受け付けた行のフィルタリング後のボルト名のリスト(図13のプルダウンリスト1330の表示ボルト情報のリスト)を選択可能に表示する(部品表示手段に該当)。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、部品の挿入箇所の径を用いて、当該挿入箇所に対して挿入する部品を容易に選択させることができる。
例えば、抽出した穴の外径に近い外径のボルトを、当該穴に挿入するボルトの候補として選択可能に表示することで、ボルトの選択を容易にすることができる。
なお、上述した第2の実施形態では、ユーザからの穴フィーチャの再取得指示、ボルトのフィルタ指示を受け付けることで、既にCADソフトから取得して表示されている穴フィーチャのフィルタリングとボルトのフィルタリングを行うものとしたが、例えばボルト挿入ツールの起動のタイミングで当該フィルタリングの処理を行うようにしてもよい。
具体的には、図4のステップS406においてボルト挿入ツールが図5のステップS508〜ステップS510の処理を実行し、また、ステップS407においてボルト挿入ツールが図5のステップS503〜ステップS507の処理を実行することにより、ボルト挿入ツール起動後に最初に表示するボルト挿入画面において、既に穴フィーチャやボルトがフィルタリングされたボルト挿入画面700を表示可能である。
特に一度当該ボルト挿入ツールを使用した後に、ユーザが当該ボルト挿入ツールを再起動する場合、前回使用時に既に穴ウィザードフィルタ部707においてチェックが一部外されていたり、「外径が近いボルトのみ選択」のチェックボックスにチェックが入り且つ閾値入力受付部709に数値が入力されたりしていることが考えられるため、再起動のタイミングで自動で穴のフィルタリング、ボルトのフィルタリングを実行することが可能となる。また、当該起動タイミングでの穴のフィルタリング、ボルトのフィルタリングを行うことで、再起動後、ユーザに改めて「穴ウィザード再取得」ボタン708の押下指示、閾値入力受付部に対する数値の入力指示をさせる手間を軽減できる。
<第3の実施形態>
次に、図14を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。
本発明の第3の実施形態によれば、既に挿入されている部品を特定して表示することができる。
また、挿入されている部品を適切に削除させることができる。
第2の実施形態において、第1の実施形態、第2の実施形態と共通する処理、データ、画面についての説明は割愛する。
図14は、本発明の第3の実施形態における、ボルトの削除処理の流れを示すフローチャートである。
ボルト挿入ツールは、図4のステップS407の処理を実行した後、ステップS1401の処理を実行する。
ボルト挿入ツールは、リスト表示部701に表示している穴フィーチャの穴に合致している(穴フィーチャの穴の軸と位置に合致している)コンポーネントを取得する(ステップS1401)。例えば、穴フィーチャの穴に挿入されているボルトのコンポーネントの情報を取得する。具体的には、ボルト挿入ツールが表示リスト1310のフィーチャ名1312を全て取得してCADソフトに送信し、当該フィーチャ名1312の穴フィーチャ(穴フィーチャの穴)に合致しているコンポーネント(部品)をCADソフトに問い合わせる。CADソフトが当該問合せを受け付けて、表示リスト1310のフィーチャ名1312の穴フィーチャに合致しているコンポーネント名を特定してどの穴フィーチャ(フィーチャ名)の穴にどのコンポーネント(コンポーネント名、コンポーネントの参照している参照ファイル名の情報)が合致しているかを示すリストを作成してボルト挿入ツールに送信する。そしてボルト挿入ツールが当該リストを取得して記憶部に記憶し、各穴フィーチャの穴に合致しているコンポーネントが参照しているボルトのファイル名を特定する。
ボルト挿入ツールは、取得した各ボルトのファイル名を取得した各穴フィーチャのフィーチャ名1312に対応する挿入ボルト名1313に挿入して記憶する。そして、表示中のボルト挿入画面を更新し、プルダウンリスト表示部706に挿入ボルト名1313を表示する。例えば図15の1500のような画面を表示する。
図15の1500は、ボルト挿入画面700に「削除」ボタン1501と「一括削除」ボタン1502を加えたボルト挿入画面1500である。「削除」ボタン1501は、当該削除ボタン1502の行のプルダウンリストにおいて表示されているボルトを、展開中の3次元モデル(アセンブリ)から削除するためのボタンである。つまり、「削除」ボタン1501と同じ行の穴に挿入済みのボルトを削除するためのボタンである。「一括削除」ボタン1502は、リスト表示部701のプルダウンリストに表示されているボルトを一括で、展開中の3次元モデルから全て削除するためのボタンである。
ボルト挿入ツールは指示を受け付け(ステップS408/図4のステップS408と同じ)、受け付けた指示が暴ボルトの個別削除の指示か判定する(ステップS1403)。例えば、「削除」ボタン1501の押下指示を受け付けた場合に、個別削除の指示を受け付けたと判定する。
個別削除の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS1403でYES)、ボルト挿入ツールは、削除ボタンに対応する行の行ID1311の穴フィーチャのフィーチャ名1312を特定し、ステップS1401で取得したコンポーネントの中で、当該穴フィーチャに合致するコンポーネント(ボルトのコンポーネント名)を特定する(ステップS1408)。
ボルト挿入ツールは、ステップS1408で特定したコンポーネントのコンポーネント名をCADソフトに通知して、当該ステップS1408で特定したコンポーネントを削除するようCADソフトに指示し、当該指示を受け付けたCADソフトが指示されたコンポーネントを削除する(ステップS1406)。つまり、穴に挿入されているボルトの情報を削除する。CADソフトは当該コンポーネントの削除に応じて、3次元モデル表示画面上の当該削除したコンポーネントが参照していた部品(ここではボルト)を非表示にする。
コンポーネントの削除に応じた部品(ボルト)の非表示の様子を図16に示す。
ボルト挿入ツールは、当該削除した(削除するようCADソフトに指示した)コンポーネントのボルトのファイル名を、押下された削除ボタンの行(行ID1311)の挿入ボルト名1313から削除し、プルダウンリスト表示部706において当該ファイル名を非表示にする処理を行う(ステップS1407)。そして処理を図4のステップS408に移行する。
削除したボルトをプルダウンリスト表示部706において非表示にする様子を図15の1510に示す。なお、ボルト挿入ツールは、挿入ボルト名1313にボルトのファイル名が記憶されていない場合は、「削除」ボタン1501はグレーアウトして押下できないように表示するものとする。
ボルト挿入ツールは、ステップS408で受け付けた指示が個別削除の指示でないと判定した場合(ステップS1403でNO)、受け付けた指示が挿入済みのボルトの一括削除の指示か判定する。例えば図15の「一括削除」ボタン1502の押下を受け付けた場合に一括削除の指示を受け付けたと判定する。
受け付けた指示が挿入済みのボルトの一括削除の指示でないと判定した場合(ステップS1404でNO)、処理を図4のステップS409に移行する。
受け付けた指示が挿入済みのボルトの一括削除の指示であると判定した場合(ステップS1404でYES)、ボルト挿入ツールは、表示リスト1310のフィーチャ名1312を全て取得して、ステップS1401で取得したコンポーネントであって、表示リスト1310のフィーチャ名1312と一致する名称の穴フィーチャに合致するコンポーネントを特定する(ステップS1405)。
ボルト挿入ツールは、ステップS1405で特定したコンポーネントのコンポーネント名をCADソフトに通知して、当該ステップS1408で特定したコンポーネントを削除するようCADソフトに指示し、当該指示を受け付けたCADソフトが指示されたコンポーネントを削除する(ステップS1406)。つまり、穴に挿入されているボルトの情報を削除する。CADソフトは当該コンポーネントの削除に応じて、3次元モデル表示画面上の当該削除したコンポーネントが参照していた部品(ここではボルト)を非表示にする。
ボルト挿入ツールは、当該削除した(削除するようCADソフトに指示した)コンポーネントのボルトのファイル名を、削除するよう指示したコンポーネントのボルトが挿入されていた(合致していた)穴フィーチャに対応する挿入ボルト名1313から削除し、プルダウンリスト表示部706において当該ファイル名を非表示にする処理を行う(ステップS1407)。そして処理を図4のステップS408に移行する。以上が図14の説明である。
本発明の第3の実施形態によれば、既に挿入されている部品を特定して表示することができる。
また、挿入されている部品を適切に削除させることができる。
なお、上述した第3の実施形態においては、展開中のファイルの穴フィーチャの穴に合致するボルトを全て取得してプルダウンリスト表示部706に表示し、自由に削除切るものとしたが、例えば、当該ボルト挿入ツール以外で挿入の指示をして挿入したボルト以外の部品(ボルト)がユーザの手動操作等により穴に挿入(合致)されている場合がある。
手動挿入したボルトは残しておき、ボルト挿入ツールで自動挿入したボルトのみ削除したいことが考えられる。
よって、例えば図17に示すように、ボルト挿入画面に「ツールで挿入したボルトのみ削除」ボタン1701を設け、当該ボタンの押下を受け付けることで、図17に示すように、当該ボルト挿入ツールで挿入したボルトのみを削除するようにしてもよい(図17において、BoltS.partは、ボルト挿入ツールが挿入したボルトではないものとする)。
具体的には、ボルト挿入ツールが、ステップS411でボルトの挿入を指示した穴フィーチャのフィーチャ名及び挿入を指示したボルトのファイル名を対応付けて外部メモリに記憶しておく。そして、ステップS1404で「一括削除」ボタン1502が押下されていないと判定した場合に(ステップS1404でNO)、ステップS408で受け付けた指示が、ボルト挿入ツールで挿入したボルトのみ一括削除する指示か判定する。例えば、「ツールで挿入したボルトのみ削除」ボタン1701の押下を受け付けた場合、ツールで挿入したボルトのみ一括削除する指示を受け付けたと判定する。「ツールで挿入したボルトのみ削除」ボタン1701の押下を受け付けた場合、ボルト挿入ツールは、外部メモリに記憶してある、過去に当該ボルト挿入ツールがCADソフトに対してボルトの挿入を指示した穴フィーチャのフィーチャ名とボルトのファイル名のペアを読み出す。そして、表示リスト1310のフィーチャ名1312と挿入ボルト名1313のペアを1つ取得し、過去に挿入した穴フィーチャのフィーチャ名とボルトのファイル名のペアの中に、当該取得したペアと一致ペアがあるか判定する。一致するペアがある場合、当該表示リスト1310から取得したフィーチャ名の穴フィーチャに挿入(合致)されているコンポーネントを特定し、削除対象のコンポーネントのリストに追加してメモリ上に記憶する。表示リスト1310中の全てのフィーチャ名1312と挿入ボルト名1313のペアに対して、当該一致の判定、及び一致すると判定された場合における削除対象のコンポーネントのリストへの追加・記憶処理を実行した後、当該リストに記憶されているコンポーネントの名称をCADソフトに送信して、CADソフトに対して当該コンポーネントを削除するよう指示する。CADソフトは当該指示を受け付けて、指示されたコンポーネントをアセンブリ上から削除する処理を行う。その後、処理をステップS1407に移行する。
また、そもそも、ボルト挿入ツールで自動挿入したボルトのみプルダウンリスト表示部706に表示するようにしてもよい。
具体的には、ボルト挿入ツールは、ステップS1401の後、ステップS1401で取得したコンポーネントの参照ファイル名と、当該コンポーネントのボルトが挿入(合致)されている穴フィーチャのフィーチャ名のペアを特定する。そして、当該特定したペア一致するフィーチャ名とボルトのファイル名のペアが、過去にボルト挿入ツールがCADソフトに挿入を指示したフィーチャ名とファイル名のペアと一致した場合に、当該一致したペアのファイル名を、当該一致したペアのフィーチャ名をフィーチャ名1312に持つ挿入ボルト名1313に設定して記憶する。そして、挿入ボルト名1313に記憶したボルトのファイル名をプルダウンリスト表示部706に表示するようボルト挿入画面の表示を更新する。
また、ボルト挿入ツールで挿入する、サーバ200上に記憶されているオリジナルのボルト(ボルト1210の示すボルト)のみを展開中のアセンブリから削除したいことが考えられる。よって、例えば、「ツールで挿入したボルトのみ削除」ボタン1701の押下を受け付けることで、図17に示すように、当該ボルト挿入ツールで管理しているボルト1210の示すボルトのみを削除するようにしてもよい(図17において、BoltS.partは、ボルト1210で管理されていない、例えばCADソフトが管理してPC100上のCADソフトと同じフォルダに記憶されているボルトであるものとする)。
具体的には、ボルト挿入ツールが、ステップS1404で「一括削除」ボタン1502が押下されていないと判定した場合に(ステップS1404でNO)、ステップS408で受け付けた指示が、ボルト挿入ツールで管理している、ボルト1210のボルトのみ一括削除する指示か判定する。例えば、「ツールで挿入したボルトのみ削除」ボタン1701の押下を受け付けた場合、ボルト挿入ツールで管理している、ボルト1210のボルトのみ一括削除する指示を受け付けたと判定する。「ツールで挿入したボルトのみ削除」ボタン1701の押下を受け付けた場合、ボルト挿入ツールはボルト1210を取得して、挿入ボルト名1313のボルトのうち、ボルト1210に記憶されているボルトの挿入ボルト名1313を特定する。そして、当該特定した挿入ボルト名1313に対応するフィーチャ名1312を特定して、当該フィーチャ名1312の穴フィーチャに挿入(合致)されているコンポーネントを特定し、当該コンポーネントの名称をCADソフトに送信して、CADソフトに対して当該コンポーネントを削除するよう指示する。CADソフトは当該指示を受け付けて、指示されたコンポーネント(ボルト1210のボルトを参照しているコンポーネント)をアセンブリ上から削除する処理を行う。その後、処理をステップS1407に移行する。
また、そもそも、ボルト挿入ツールで管理しているボルト1210の示すボルトのみプルダウンリスト表示部706に表示するようにしてもよい。
具体的には、ボルト挿入ツールは、ステップS1401の後、ステップS1401で取得したコンポーネントの参照ファイル名を特定し、当該参照ファイル名のうちボルト1210に一致するファイル名(ボルト)を特定して記憶する。そして、ステップS1403で当該ボルト1210に一致すると特定した参照ファイル名を、各コンポーネントが挿入(合致)されている各穴フィーチャの挿入ボルト名1313に記憶して、挿入ボルト名1313に記憶したボルトのファイル名をプルダウンリスト表示部706に表示するようボルト挿入画面の表示を更新する。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本発明の第4の実施形態によれば、ボルト挿入ツールにより挿入されたボルトと、それ以外の手段で挿入されたボルトを容易に確認できる。
第4の実施形態において、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と共通する処理、データ、画面についての説明は割愛する。
第4の実施形態における、ボルト挿入ツールにより挿入されたボルトと、それ以外の手段で挿入されたボルトの識別表示の様子の一例を図18に示す。
ボルト挿入ツールは、例えばステップS411の後、ステップS411で挿入(合致)するよう指示した穴フィーチャのフィーチャ名を特定して、当該フィーチャ名のフィーチャ(ステップS411でボルトが挿入された穴フィーチャ)に挿入(合致)されているボルトのコンポーネントの色設定を変更するようCADソフトに指示する。例えば、ステップS411でボルト挿入ツールの指示により挿入されたボルトとそれ以外のボルトとを識別可能にすべく、コンポーネントの色設定に赤色を設定するようCADソフトに指示する。CADソフトは当該指示を受け付けて、対象のコンポーネントの色設定を赤色に変更して記憶し、例えば当該色設定にしたがって、当該コンポーネントで参照して表示しているボルトを赤色に変色させて表示画面に表示する。
以上説明したように、本発明の第4の実施形態によれば、ボルト挿入ツールにより挿入されたボルトと、それ以外の手段で挿入されたボルトを容易に確認できる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
上述したように、本発明の実施形態によれば、3次元モデルの挿入箇所に対して挿入する部品を容易に選択できる。
例えば、展開中の3次元モデルの穴フィーチャの穴に、いずれのボルトを挿入するかを容易に選択可能にすることができる。
また、展開中のファイルのうちアクティブなファイルを対象とすることで、どのファイルに対して部品を挿入するかをユーザに選択させる手間を軽減することができる。
なお、本発明の実施形態においては、穴フィーチャの構成情報が方向1017(軸方向)の情報を持つものとしたが、例えば当該方向1017の情報をフィーチャが持っていない場合は、ボルト挿入ツールが、ステップS406で取得した穴フィーチャのスケッチの情報をフィーチャの情報の中から取得して(ステップS406でCADソフトから取得した穴フィーチャの情報の中には、当該穴フィーチャによってかたち作られる穴の形状(スケッチラインやスケッチポイント)の情報が含まれているものとする)、当該スケッチの開始点である位置1005から面に直行する方向に伸びたスケッチラインを特定して、当該スケッチラインの方向(板の面の表面から板の内側へと延びるベクトル)を穴フィーチャの軸方向として決定し、方向1017に格納することで、穴の方向を特定可能であるものとする。当該穴の方向の特定方法はあくまで一例であって、別の方法を用いるようにしてもよい。
また、本発明の実施形態においては、ボルトの情報(図12のデータ)はサーバ200の外部メモリに記憶されているものとしたが、例えばPC100の、CADソフトが管理するボルトが記憶されている領域とは別の領域に記憶し、当該記憶場所及び記憶されている図12の各情報をボルト挿入ツールが管理するようにしてもよい。
なお、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
また、上述した各種実施形態をそれぞれ組み合わせることで、各実施形態による複数の効果を一度に得ることが可能である。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
尚、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。