JP6648401B2 - プレス成形装置、およびプレス成形方法 - Google Patents

プレス成形装置、およびプレス成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6648401B2
JP6648401B2 JP2014246657A JP2014246657A JP6648401B2 JP 6648401 B2 JP6648401 B2 JP 6648401B2 JP 2014246657 A JP2014246657 A JP 2014246657A JP 2014246657 A JP2014246657 A JP 2014246657A JP 6648401 B2 JP6648401 B2 JP 6648401B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall portion
press
vertical wall
thickness
support member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014246657A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015128793A (ja
Inventor
伸麻 吉川
伸麻 吉川
吉田 博司
博司 吉田
淳 新田
淳 新田
吉田 亨
亨 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2014246657A priority Critical patent/JP6648401B2/ja
Publication of JP2015128793A publication Critical patent/JP2015128793A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6648401B2 publication Critical patent/JP6648401B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、プレス成形装置、およびプレス成形方法に関する。
被加工材をプレス加工して、ハット状断面またはU字状断面を有するプレス成形品を成形するプレス成形装置が利用されている。成形されたプレス成形品は、例えば自動車などの車両の部品として用いられる。
車両の部品として利用されるプレス成形品においては、衝突安全性や車体剛性などを確保する観点から、成形品の一部の強度を大きくすることが求められている。そこで、下記の特許文献1のように、ハット状断面を有する被加工材からプレス成形品をプレス成形する際に、被加工材の材料を流動させて一部を増肉させる手法が用いられている。具体的には、被加工材の縦壁部の高さを縮ませて、縦壁部を増肉させている。
特開2008−296252号公報
ところで、縦壁部の高さを縮ませるようにプレス成形する場合には、縦壁部に座屈が発生しやすい。座屈が発生すると、適切な形状に増肉させた縦壁部を成形することが困難となる。なお、上述した特許文献1では、プレス成形時の縦壁部の座屈については、十分に検討されていない。
また、縦壁部の高さを縮ませるようにプレス成型する場合には、縦壁部と繋がったコーナ部に折れ込みが発生しやすい。折れ込みが発生すると、適切に増肉させたコーナ部を成形することが困難になる。なお、特許文献1では、プレス成型時のコーナ部の折れ込みについても、十分に検討されていない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、座屈や折れ込みの発生を防止しつつ、縦壁部およびコーナ部を適切に増肉させることが可能なプレス成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被加工材をプレス加工してプレス成形品を成形するプレス成形装置であって、被加工材は第1厚さの上壁部、縦壁部、および縦壁部と繋がった曲面のコーナ部を含むハット状断面またはU字状断面を有し、ハット状断面またはU字状断面の内側から被加工材を支持する第1支持部材と、縦壁部の下端部で被加工材を支持する第2支持部材と、第1支持部材とともに第2支持部材に対して相対的に下降することで、縦壁部の高さを小さくさせる一方で縦壁部およびコーナ部を第1厚さよりも大きい第2厚さに増肉させるプレス加工を実行するパンチ部材と、縦壁部を挟んで第1支持部材に対向し、プレス加工中に第1支持部材との間隔が第2厚さと同じ大きさ以下に保持されているパッド部材と、前記パッド部材を前記第1支持部材に向かって付勢する付勢部材とを備えるプレス成形装置が提供される。
上記のプレス成形装置において、前記被加工材は、長尺状の部材であり、前記パンチ部材は、前記縦壁部の長手方向の全体の高さを小さくさせる一方で、前記縦壁部の全体を前記第2厚さに増肉させても良い。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被加工材をプレス加工してプレス成形品を成形するプレス成形方法であって、前記被加工材は第1厚さの上壁部、縦壁部、および前記縦壁部と繋がった曲面のコーナ部を含むハット状断面またはU字状断面を有し、前記被加工材を前記ハット状断面または前記U字状断面の内側から第1支持部材に支持させるステップと、前記縦壁部の下端部で前記被加工材を第2支持部材に支持させるステップと、パッド部材を前記第1支持部材に向かって付勢する付勢部材によって、前記パッド部材と前記第1支持部材との間隔を、前記プレス加工中には前記第1厚さよりも大きい第2厚さと同じ大きさ以下に保持しつつ、前記第1支持部材とともにパンチ部材を前記第2支持部材に対して相対的に下降させることで、前記第1支持部材と前記パッド部材とに挟まれた前記縦壁部の高さを小さくさせる一方で前記縦壁部を前記第2厚さに増肉させるプレス加工を実行するステップを有するプレス成形方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、座屈や折れ込みの発生を防止しつつ、縦壁部およびコーナ部を適切に増肉させることが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態に係るプレス成形品の製造工程の一例を示す模式図である。 第1の実施形態に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第1の実施形態に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第1の実施形態に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 プレス成形品に関する3点曲げシミュレーションの条件を説明するための模式図である。 支持間隔が200mmである場合の3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 支持間隔が300mmである場合の3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 支持間隔が600mmである場合の3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。 第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品の製造工程の一例を示す模式図である。 第1の実施形態の変形例に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第1の実施形態の変形例に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第1の実施形態の変形例に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第2の実施形態に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第2の実施形態に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第2の実施形態に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第2の実施形態の変形例に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第2の実施形態の変形例に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 第2の実施形態の変形例に係るプレス成形装置の構成の一例を説明するための模式図である。 その他の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 その他の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 その他の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 その他の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 その他の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。 その他の実施形態に係るプレス成形品の構成の一例を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
(1−1.プレス成形品の概要)
図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るプレス成形品10の構成の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係るプレス成形品10の構成の一例を示す斜視図である。
プレス成形品10は、多様な装置の部品として利用可能であるが、ここでは、自動車などの車両の部品として利用されるものとして説明する。例えば、プレス成形品10は、高い剛性が要求される自動車のセンターピラーとして利用される。かかる場合には、センターピラーの側面に対する衝撃の安全性などを確保するために、プレス成形品10の衝撃が作用する部位の剛性や強度を高くすることが必要である。
プレス成形品10は、プレス成形装置により平板(ブランクとも呼ぶ)に曲げや絞りなどの加工を加えることにより成形される。第1の実施形態において、プレス成形品10は、図1に示すように所謂ハット状断面で延びる長尺状の成形品である。具体的には、プレス成形品10は、上壁部12と、増肉された縦壁部13と、フランジ部14と、を有する。
上壁部12は、ブランク(図2に示すブランク70参照)の板厚と同一の厚みt1(例えば、1.6mm)に成形されている。上壁部12は、プレス成形品10の長手方向(図1のY方向)に沿って平らな矩形状の面となっている。
縦壁部13は、上壁部12に対して略垂直に形成された一対の壁部である。縦壁部13は、それぞれ上壁部12の幅方向(図1のX方向)の両端部に繋がっている。縦壁部13の厚みt2(例えば、2.0mm)は、後述するプレス成形装置により増肉されて、上壁部12の厚みt1よりも大きくなっている。これにより、プレス成形品10において縦壁部13の剛性や強度が高くなる。また、縦壁部13は、プレス成形装置による増肉の際に、ひずみにより硬くなる(加工硬化)ので、更に剛性や強度が高くなる。なお、厚みt1が第1厚さに該当し、厚みt2が第2厚さに該当する。
フランジ部14は、縦壁部13の下端部に繋がっている。フランジ部14は、上壁部12と同一の厚みt1に成形されている。フランジ部14には、例えば車両本体にプレス成形品10を締結するための締結穴(不図示)などが形成されている。
なお、プレス成形品10においては、図1に示すように、上壁部12と縦壁部13の間のコーナ部15、および縦壁部13とフランジ部14のコーナ部16も、増肉されている。具体的には、コーナ部15、16は、プレス成形品10の幅方向(図1に示すX方向)において縦壁部13と同一面となるように増肉されている。これにより、コーナ部15、16の剛性も、高くなる。
続いて、図2を参照しながら、上述した構成のプレス成形品10の製造方法の一例について説明する。プレス成形品10は、ブランク70に対して2回のプレス加工を施すことで、成形される。
図2は、第1の実施形態に係るプレス成形品10の製造工程の一例を示す模式図である。図2に示すプレス成形品10の製造工程は、準備工程S1として、ブランク70を準備するところから開始される。ここで、ブランク70は、板厚t1の平板であるものとする。
次に、第1成形工程S2において、ブランク70に対して1回目のプレス加工が行われる。1回目のプレス加工は、ダイやパンチを有するプレス成形装置による曲げや絞り加工などである。1回目のプレス加工が行われた一次成形品80は、板厚t1のハット状断面を有する長尺状の成形品である。すなわち、一次成形品80は、プレス成形品10の上壁部12に対応する上壁部82と、縦壁部13に対応する縦壁部83と、フランジ部14に対応するフランジ部84とを有する。ここで、縦壁部83の高さは、h1とする。また、上壁部82と縦壁部83のコーナ部85と、縦壁部83とフランジ部84のコーナ部86は、それぞれ曲面(いわゆるR面)となっている。
次に、第2成形工程S3において、被加工材である一次成形品80に対して2回目のプレス加工が行われる。2回目のプレス加工は、後述するプレス成形装置100により行なわれる。2回目のプレス加工が行なわれることで、縦壁部83が厚みt2に増肉された二次成形品であるプレス成形品10が成形される。
具体的には、一次成形品80の縦壁部83の高さがh1からh2に縮む一方で、縦壁部83が厚みt2に増肉されている。この際、上壁部82と縦壁部83のコーナ部85、および縦壁部83とフランジ部84のコーナ部86も、増肉されている。この結果、縦壁部13、およびコーナ部15、16が増肉されたプレス成形品10が成形されることになる。
上述した第1の実施形態に係るプレス成形品10の製造方法により、板厚t1の平板のブランク70を利用して、縦壁部13を板厚t2に増肉させたハット状断面を有するプレス成形品10を成形できる。
ところで、成形品の一部を増肉させる製造方法としては、テーラードブランクが知られている。テーラードブランクは、板厚の異なる2枚の板をプレス成形前に溶接し、1枚のブランクとするものである。2枚の板のうちの厚肉の板が、剛性や強度が必要な部位に適用される。しかし、上記のテーラードブランクにおいては、成形品に2枚の板を溶接した溶接部が残る。
また、テーラードロールドブランクが知られている。テーラードロールドブランクは、
予め一部の厚みを異ならせたロール状のコイル(鋼板を巻きつけたもの)を用いたブランクである。しかし、かかる方法の場合には、特注のコイルが必要となる。
さらに、ブランクの剛性や強度の必要な部位にスチフナーと呼ばれる補剛材を設ける方法も知られている。しかし、かかる方法の場合には、補剛材を設けるため、部品点数が増えることになる。
これに対して、第1の実施形態に係るプレス成形品10の製造方法の場合には、溶接部が発生せず、特注のコイルを使用する必要が無く、部品点数が増えない。すなわち、簡易な製造方法により、自動車のセンターピラーに用いた際に衝撃が作用する可能性がある縦壁部13をブランク70の板厚t1よりも増肉させたプレス成形品10を成形できる。
(1−2.プレス成形装置の構成例)
図3〜図5を参照しながら、第1の実施形態に係るプレス成形装置100の構成の一例について説明する。プレス成形装置100は、被加工材である一次成形品80のプレス加工を実施することによって、二次成形品である縦壁部13を増肉させたプレス成形品10を成形する。
図3〜図5は、第1の実施形態に係るプレス成形装置100の構成の一例を説明するための模式図である。なお、図3は増肉のためのプレス加工の開始直前のプレス成形装置100の状態を示し、図4はプレス加工中のプレス成形装置100の状態を示し、図5はプレス加工終了時(パンチが下死点に位置する)のプレス成形装置100の状態を示している。
プレス成形装置100は、図3〜図5に示すように、ダイ110と、クッション120と、パンチ部材の一例であるパンチ130と、パッド部材の一例であるパッド140とを有する。なお、ダイ110とクッション120は、一次成形品80を支持する支持部材の一例である。より具体的には、クッション120がハット状断面の内側で一次成形品80を支持する第1支持部材の一例であり、ダイ110が縦壁部83の下端部で一次成形品80を支持する第2支持部材の一例である。
ダイ110は、プレス成形装置100の下ホルダ(不図示)に固定されている。ダイ110には、一次成形品80がセットされた際に、一次成形品80のフランジ部84(縦壁部83の下端部を含む)を支持するフランジ支持凹部112が形成されている。また、ダイ110には、その上でパッド140を移動させることが可能なパッド移動面114が形成されている。
クッション120は、プレス成形装置100の下ホルダによって移動可能に支持されている。クッション120は、セットされた一次成形品80を、ハット状断面の内側から支持する。具体的には、クッション120は、一次成形品80の上壁部82および縦壁部83の内側を支持する。クッション120は、バネなどの付勢部材122により上向き(方向D1)に付勢されている。
パンチ130は、プレス成形装置100の上ホルダ(不図示)によって移動可能に支持されている。パンチ130は、セットされた一次成形品80の上壁部82の上方に位置しており、プレス加工の際に下向き(方向D2;方向D1の反対方向)に下降する。パンチ130は、図3に示すようにクッション120との間で上壁部82を挟持した状態で、図4および図5に示すように二つのパッド140の間を方向D2に下降することで、一次成形品80をプレス成形する。このとき、パンチ130は、クッション120とともにダイ110に対して相対的に下降することで、一次成形品80の縦壁部83の高さをh1からh2へと小さくさせる一方で、縦壁部83の厚みをt1からt2へ増肉させるようにプレス加工する。縦壁部83の増肉の際に、コーナ部85、86も増肉される。なお、縦壁部83は、ひずみを生じながら増肉されるので、硬くなる(加工硬化)。パンチ130は、このようなプレス加工を、一次成形品80の長手方向の全体について実行する。
パッド140は、一次成形品80の縦壁部83の外側に位置し、縦壁部83を挟んでクッション120に対向する。パッド140は、ダイ110のパッド移動面114上に左右方向(方向D3または方向D4)に移動可能に設けられている。パッド140は、バネなどの付勢部材142により、縦壁部83に向かう方向D3に付勢されている。付勢部材142は、その一方の端部がパッド140と連結され、他方の端部がダイ110に連結されている。
このように付勢されたパッド140は、プレス加工中にクッション120との間隔が縦壁部83の増肉後の厚み(すなわち、厚みt2)以下に保持されている。具体的には、パンチ130によるプレス加工の際に、付勢部材142に付勢されたパッド140が、付勢部材142の付勢方向とは逆方向に移動しながら増肉中の縦壁部83に接触し続けるので、縦壁部83の座屈を防止できる。
なお、上記では、一次成形品80の縦壁部83およびコーナ部85、86を増肉させることとしたが、これに限定されず、縦壁部83のみを増肉させて良い。また、上記では、一次成形品80の長手方向の全体で縦壁部83を増肉させることにしたが、これに限定されず、縦壁部83の長手方向の一部のみを増肉させても良い。
(1−3.プレス成形装置の動作例)
次に、プレス成形装置100のプレス加工時の動作例について、引き続き図3〜図5を参照しながら説明する。本動作例は、図3に示すように、セットされた一次成形品80がクッション120、パンチ130、およびパッド140に挟持された状態から開始される。
まず、パンチ130が方向D2に下降し始め、一次成形品80に荷重が加わる。これに伴い、クッション120も、付勢部材122の方向D1への付勢力に抗い、方向D2に下降する。これによって、図4に示すように、荷重を受けた一次成形品80の縦壁部83は、方向D2において縮む一方で、方向D4(方向D3の反対方向)に膨らむ。
パッド140は付勢部材142によって方向D3に付勢されているが、縦壁部83が方向D4に膨らむ際にパッド140に対して縦壁部83から方向D4に力が作用する。これにより、パッド140も、付勢部材142の付勢力に抗い、方向D4に移動する。この際、付勢部材142に付勢されたパッド140が縦壁部83に接触した状態を維持するので、縦壁部83が撓んで座屈することを防止できる。この結果、縦壁部83を均一な厚さt2に増肉させることが可能となる。
そして、図5に示すようにパンチ130が下死点に達するまで、クッション120およびパッド140が移動し続ける。この際、付勢部材142の付勢力は、パッド140とクッション120との間隔がt2より大きくならないように調節されている。これにより、縦壁部83が厚みt2に増肉されることになる。この際、上壁部82と縦壁部83のコーナ部85、および縦壁部83とフランジ部84のコーナ部86も、増肉される。なお、縦壁部83は、ひずみを生じながら増肉するので硬くなる(加工硬化)。
一方で、パンチ130が下死点に達するまで、一次成形品80の上壁部82およびフランジ部84は、厚みt1を維持している。この結果、プレス成形が完了すると、図1に示すような縦壁部13、およびコーナ部15、16を増肉させた二次成形品であるプレス成形品10が成形される。
(1−4.有効性)
上述したプレス成形装置100により成形されたプレス成形品10の有効性について、プレス成形品10に関して3点曲げシミュレーションを実施した場合の解析結果を用いて説明する。
図6は、プレス成形品10に関する3点曲げシミュレーションの条件を説明するための模式図である。シミュレーションにおいて、プレス成形品10は、図6に示すように長手方向の両端側に位置する支持部材510に裏板520を挟んで支持される。この際、プレス成形品10は、フランジ部14において平板である裏板520に溶接で固定されている。そして、支持部材510に支持されたプレス成形品10の長手方向の中央側に、圧子530によって所定荷重を加える。これにより、プレス成形品10の荷重を加えられた部位が、変形および変位することになる。
以下では、図7〜図9を参照しながら、縦壁部13を増肉させた本実施例に係るプレス成形品10に関する解析結果と、縦壁部を増肉させていない比較例1に係るプレス成形品に関する解析結果とを比較して説明する。なお、シミュレーションは、プレス成形品を支持する二つの支持部材510の間の支持間隔が200mm、300mm、600mmの場合について、それぞれ行なっている。ここで、プレス成形品10の上壁部12およびフランジ部14の板厚は1.0mmであり、縦壁部13の板厚を増肉(1.2mm〜2.0mm)させている。比較例1に係る成形品の上壁部、縦壁部、およびフランジ部の板厚が均一であり、ここでは、1.0mmである。
図7は、2つの支持部材510の間の支持間隔が200mmである場合の3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。図8は、支持間隔が300mmである場合の3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。図9は、支持間隔が600mmである場合の3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。
図7〜図9の6つのグラフの横軸は、縦壁部13の板厚を示す。図7(a)、図8(a)、図9(a)の各グラフの縦軸は、プレス成形品が変位する最大荷重を示し、図7(b)、図8(b)、図9(b)の各グラフの縦軸は、プレス成形品が吸収する吸収エネルギーを示す。なお、解析結果としては、加工硬化を反映していない解析結果と、加工硬化を反映した解析結果とが示されている。図7〜図9を見ると分かるように、縦壁部13の板厚が大きくなるほど、プレス成形品10が変位する最大荷重や吸収エネルギーが大きくなる。また、加工硬化を反映させた場合には、最大荷重や吸収エネルギーが更に大きくなる。すなわち、本実施例に係るプレス成形品10は、変形し難く、エネルギーの吸収量も大きい。これにより、第1の実施形態に係るプレス成形品10を自動車のセンターピラーに利用した際に、衝突性能を向上させることができる。
次に、図10および図11を参照して、本実施例に係るプレス成形品10と、引張強さが異なる比較例2、3に係るプレス成形品とに関する3点曲げシミュレーションの解析結果について説明する。図10および図11は、3点曲げシミュレーションの解析結果を示すグラフである。
図10および図11に示す本実施例に係るプレス成形品10の解析結果は、図8Aおよび図8Bと同じである。比較例2、および比較例3の成形品については、上壁部、縦壁部、およびフランジ部の板厚が均一であり、ここでは、1.0mmと1.2mmの場合について解析している。ここで、比較例2の成形品は、引張強さ980MPa級の材料から成る。比較例3の成形品は、引張強さ1180MPa級の材料から成る。
図10および図11を見ると分かるように、本実施例のプレス成形品10は、引張強さ980MPa級の比較例2の成形品以上の特性を示す。また、プレス成形品10の縦壁部の板厚を1.2mmにした場合には、板厚1.2mmの引張強さ1180MPa級の比較例3の成形品と同等の特性を示す。このため、第1の実施形態に係るプレス成形装置100によれば、引張強さが低い材料を用いてプレス成形することで、引張強さの大きい材料に係る成形品と同様な特性を確保できる。このため、材料を軽量化しつつ、プレス成形品10の特性を維持できる。
(1−5.変形例)
図12〜図16を参照しながら、第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品20およびプレス成形装置150の構成例について説明する。
(1−5−1.プレス成形品の構成例)
図12および図13を参照しながら、第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品20の構成の一例について説明する。図12は、第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品20の構成の一例を示す斜視図である。図13は、第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品20の製造工程の一例を示す模式図である。
プレス成形品20も、図12に示すように所謂U字状断面で延びる長尺状の成形品である。具体的には、プレス成形品20は、上壁部22と縦壁部23とを有するが、図1に示すプレス成形品10のフランジ部14を有しない。このため、プレス成形品20を車両本体に締結するための締結穴は、上壁部22または縦壁部23に形成されることになる。
プレス成形品20においても、縦壁部23は、上壁部22の厚みt1よりも大きい厚みt2に増肉されている。また、上壁部22と縦壁部23の間のコーナ部25も、縦壁部23と同一面となるように増肉されている。これにより、縦壁部23およびコーナ部25の剛性が高くなる。
上述した構成のプレス成形品20も、図13に示すように、プレス成形品10と同様に、準備工程S11で準備された板厚t1の平板であるブランク70に対して、2回のプレス加工(図13に示す第1成形工程S12および第2成形工程S13)を施すことで成形される。すなわち、第1成形工程S12により、板厚t1のハット状断面を有する一次成形品80が形成される。そして、第2成形工程S13により、縦壁部が高さh2に縮んだ分だけ厚さt2に増肉された二次成形品であるプレス成形品20が成形される。
(1−5−2.プレス成形装置の構成例、および動作例)
図14〜図16を参照しながら、第1の実施形態の変形例に係るプレス成形装置150の構成および動作の一例について説明する。プレス成形装置150も、一次成形品80のプレス加工を実施することによって、二次成形品である縦壁部23を増肉させたプレス成形品20を成形する。
図14〜図16は、第1の実施形態の変形例に係るプレス成形装置150の構成の一例を説明するための模式図である。なお、図14は増肉のためのプレス加工の開始直前のプレス成形装置150の状態を示し、図15はプレス加工中のプレス成形装置150の状態を示し、図16はプレス加工終了時(パンチが下死点に位置する)のプレス成形装置150の状態を示している。
プレス成形装置150は、図14〜図16に示すように、ダイ160と、クッション120と、パンチ130と、パッド140とを有する。ダイ160は、フランジ支持凹部112が形成されていない点を除けば、図3〜図5に示すプレス成形装置100のダイ110の構成と同様である。また、プレス成形装置150のクッション120、パンチ130、およびパッド140の構成は、プレス成形装置100と同一である。このため、プレス成形装置150のダイ160、クッション120、パンチ130、およびパッド140の主な機能は、プレス成形装置100と同様である。
続いて、プレス成形装置150のプレス加工時の動作例について説明する。
本動作例においては、図14に示す状態からパンチ130およびクッション120が方向D2に下降し始め、一次成形品80に荷重が加わる。これによって、図15に示すように、一次成形品80の縦壁部83は、方向D2において縮む一方で、方向D4に膨らむ。この際、付勢部材142に付勢されたパッド140が縦壁部83に接触した状態を維持するので、縦壁部83が撓んで座屈することを防止できる。この結果、縦壁部83を均一な厚さt2に増肉させることが可能となる。
そして、図16に示すようにパンチ130が下死点に達するまで、クッション120およびパッド140が移動し続ける。この際、付勢部材142の付勢力は、パッド140とクッション120との間隔がt2より大きくならないように調節されている。これにより、縦壁部83が厚みt2に増肉されることになる。上壁部82と縦壁部83のコーナ部85も、増肉される。なお、縦壁部83は、ひずみを生じながら増肉するので硬くなる。
一方で、パンチ130が下死点に達するまで、一次成形品80の上壁部82は、厚みt1を維持している。この結果、プレス成形が完了すると、図12に示すような縦壁部23およびコーナ部25を増肉させた二次成形品であるプレス成形品20が成形される。
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係るプレス成形品は、コーナ部の厚み(図19参照)が第1の実施形態に係るプレス成形品10と異なる点を除けば、プレス成形品10と同一である。一方で、第2の実施形態に係るプレス成形装置は、第1の実施形態に係るプレス成形装置100と異なる。そこで、以下では、第2の実施形態に係るプレス成形装置の構成例、及び動作例について説明する。
(2−1.プレス成形装置の構成例)
図17〜図19を参照しながら、第2の実施形態に係るプレス成形装置200の構成の一例について説明する。プレス成形装置200は、被加工材である一次成形品80のプレス加工を実施することによって、二次成形品である縦壁部13を増肉させたプレス成形品10を成形する。
図17〜図19は、第2の実施形態に係るプレス成形装置200の構成の一例を説明するための模式図である。なお、図17は増肉のためのプレス加工の開始直前のプレス成形装置200の状態を示し、図18はプレス加工中のプレス成形装置200の状態を示し、図19はプレス加工終了時(パンチが下死点に位置する)のプレス成形装置200の状態を示している。
プレス成形装置200は、図17〜図19に示すように、ダイ210と、クッション220と、パンチ部材の一例であるパンチ230と、パッド部材の一例であるパッド240とを有する。なお、ダイ210とクッション220は、一次成形品80を支持する支持部材の一例である。より具体的には、クッション220がハット状断面の内側で一次成形品80を支持する第1支持部材の一例であり、ダイ210が縦壁部83の下端部で一次成形品80を支持する第2支持部材の一例である。
ダイ210は、プレス成形装置200の下ホルダ(不図示)に固定されている。ダイ110には、一次成形品80がセットされた際に、一次成形品80のフランジ部84(縦壁部83の下端部を含む)を支持するフランジ支持凹部212が形成されている。ダイ210の上面114は、パッド240と接触している。
クッション220は、プレス成形装置200の下ホルダによって移動可能に支持されている。クッション220は、セットされた一次成形品80を、ハット状断面の内側から支持する。具体的には、クッション220は、一次成形品80の上壁部82および縦壁部83の内側を支持する。クッション220は、バネなどの付勢部材222により上向き(方向D1)に付勢されている。
パンチ230は、プレス成形装置200の上ホルダ(不図示)によって移動可能に支持されている。パンチ230は、セットされた一次成形品80の上壁部82の上方に位置しており、プレス加工の際に下向き(方向D2;方向D1の反対方向)に下降する。パンチ230は、図3に示すように二つのパッド240の間を方向D2に下降することで、一次成形品80をプレス成形する。
パッド240は、一次成形品80の縦壁部83の外側に位置し、縦壁部83を挟んでクッション220に対向する。パッド240は、バネなどの付勢部材242により方向D2に(つまり、パンチ230の移動方向に沿って)付勢され、ダイ210の上面214と接触している。付勢部材242は、その一方の端部がパッド240と連結され、他方の端部がパンチ230に連結されている。
プレス成形装置200においては、付勢部材242に付勢されたパット240とクッション220の間の隙間が、縦壁部83の増肉後の厚さt2と同じ大きさに保持されている。このため、パンチ230によるプレス加工の際に増肉される縦壁部83が、パッド240に接触するため、縦壁部83の座屈を防止できる。
さらに、ダイ210のフランジ支持凹部212に隣接する部分には、一次成形品80の縦壁部83とフランジ部84のコーナ部86の増肉量を規制する規制凸部216が形成されている。同様に、パンチ230のパッド240に隣接する端部には、一次成形品80の上壁部82と縦壁部83のコーナ部85の増肉量を規制する規制凸部236が形成されている。規制凸部216および規制凸部236は、それぞれ増肉されたコーナ部85、86の厚みが、t2となるように形成されている。これにより、コーナ部85、86が増肉される空間が制限されることで、増肉の際にコーナ部85、86の折れ込みが発生することを防止できる。
なお、規制凸部は、ダイ210とパンチ230のいずれか一方にのみ設けられても良い。また、規制凸部が、第1の実施形態に係るプレス成形装置100に形成されても良い。かかる場合にも、増肉の際にコーナ部85、86の折れ込みが発生することを防止できる。
(2−2.プレス成形装置の動作例)
次に、プレス成形装置200の動作例について、引き続き図17〜図19を参照しながら説明する。
本動作例においては、図17に示す状態からパンチ230が方向D2に下降し始め、一次成形品80に荷重を加える。これに伴い、クッション220も、付勢部材222の方向D1への付勢力に抗い、方向D2に下降する。これによって、図18に示すように、荷重を受けた一次成形品80の縦壁部83は、方向D2において縮む一方で、方向D4に膨らむ。
そして、図19に示すようにパンチ230が下死点に達するまで、クッション220が移動し続ける一方で、パッド240の位置は、付勢部材242に付勢されてクッション220との間隔が一定になるように保持されている。このため、パッチ230が下降する前はパッド240に接触していなかった縦壁部83が、クッション220とパッド240の間を埋めるように膨らみ、パッド240に接触することになる。
この際、パッド240によって縦壁部83の方向D4への膨らみが規制され、大きく撓むことが無いので、縦壁部83が座屈することを防止できる。この結果、縦壁部83は、均一な厚さt2に増肉される。同時に、上壁部82と縦壁部83のコーナ部85、および縦壁部83とフランジ部84のコーナ部86も、増肉される。この際、規制凸部216、236によってコーナ部85、86の折れ込みが発生せず、コーナ部85、86も厚さt2に増肉される。
一方で、パンチ230が下死点に達するまで、一次成形品80の上壁部82およびフランジ部84は、厚みt1を維持している。この結果、プレス成形が完了すると、縦壁部13、およびコーナ部15、16を増肉させた二次成形品であるプレス成形品10が生成される。このように生成されたプレス成形品10も、前述した図7〜図11で説明したプレス成形品10と同様な特性を示し、自動車のセンターピラーに利用した際に衝突性能を向上させることができる。
(2−3.変形例)
第2の実施形態の変形例について説明する。以下では、図20〜図22を参照しながら、第2の実施形態の変形例に係るプレス成形装置250の構成および動作の一例について説明する。なお、プレス成形装置250により成形されるプレス成形品は、コーナ部の厚み(図22参照)が第1の実施形態の変形例に係るプレス成形品20と異なる点を除けば、プレス成形品20と同一である。
図20〜図22は、第2の実施形態の変形例に係るプレス成形装置250の構成の一例を説明するための模式図である。なお、図20は増肉のためのプレス加工の開始直前のプレス成形装置250の状態を示し、図21はプレス加工中のプレス成形装置250の状態を示し、図22はプレス加工終了時(パンチが下死点に位置する)のプレス成形装置250の状態を示している。
プレス成形装置250は、図20〜図22に示すように、ダイ260と、クッション220と、パンチ230と、パッド240とを有する。ダイ260は、フランジ支持凹部212および規制凸部216が形成されていない点を除けば、図17〜図19に示すプレス成形装置200のダイ210の構成と同様である。また、プレス成形装置250のクッション220、パンチ230、およびパッド240の構成は、プレス成形装置200と同一である。このため、プレス成形装置250のダイ260、クッション220、パンチ230、およびパッド240の主な機能は、プレス成形装置200と同様である。
続いて、プレス成形装置250のプレス加工時の動作例について説明する。
本動作例においては、図20に示す状態からパンチ230およびクッション220が方向D2に下降し始め、一次成形品80に荷重が加わる。これによって、図21に示すように、一次成形品80の縦壁部83は、方向D2において縮む一方で、方向D4に膨らむ。
そして、図22に示すようにパンチ230が下死点に達するまで、クッション220が移動し続ける一方で、パッド240の位置は、付勢部材242に付勢されてクッション220との間隔が一定になるように保持されている。このため、パッチ230が下降する前はパッド240に接触していなかった縦壁部83が、クッション220とパッド240の間を埋めるように膨らみ、パッド240に接触することになる。
この際、パッド240によって縦壁部83の方向D4への膨らみが規制され、大きく撓むことが無いので、縦壁部83が座屈することを防止できる。この結果、縦壁部83は、均一な厚さt2に増肉される。同時に、上壁部82と縦壁部83のコーナ部85も、増肉される。この際、規制凸部216によってコーナ部85の折れ込みが発生せず、コーナ部85も厚さt2に増肉される。
一方で、パンチ230が下死点に達するまで、一次成形品80の上壁部82は、厚みt1を維持している。この結果、プレス成形が完了すると、縦壁部23、コーナ部25を増肉させた二次成形品であるプレス成形品20が生成される。
なお、上記では、プレス成形品10、20が、平坦な上壁部12、22をもつハット状断面またはU字状断面を有する例について説明した。しかし、プレス成形品の断面形状はこれらの例には限定されず、例えば図23に示すように上壁部が曲率をもったハット状断面またはU字状断面であっても良い。
図23は、その他の実施形態に係るプレス成形品50の構成の一例を示す斜視図である。プレス成形品50は、U字状断面で延びる長尺状の成形品である。プレス成形品50は、曲率をもった上壁部52と、縦壁部53とを有する。プレス成形品50は、U字状断面を有し板厚t1の一次成形品に対して、プレス成形装置によってプレス成形品10、20と同様に、縦壁部53が板厚t2に増肉されるようにプレス加工したものである。
また、上記では、プレス成形品10、20が、直線的な縦断面(ハット状断面またはU字状断面に直交する方向の断面)を有する例について説明した。しかし、プレス成形品の縦断面形状はこれらの例には限定されず、例えば図24、図25、および図26に示すように、湾曲した縦断面を有してもよい。
図24は、上方に湾曲した縦断面を有するハット状断面のプレス成形品10bの構成の一例を示す斜視図である。プレス成形品10bでも、プレス成形品10と同様に、上壁部12およびフランジ部14の部分の板厚t1に対して、縦壁部13が板厚t2に増肉されている。
図25は、上方に湾曲した縦断面を有するU字状断面のプレス成形品20bの構成の一例を示す斜視図である。プレス成形品20bでも、プレス成形品20と同様に、上壁部22の板厚t1に対して、縦壁部23が板厚t2に増肉されている。
図26は、上方に湾曲した縦断面を有し、かつ曲率をもった上壁部52を有するU字状断面のプレス成形品50bの構成の一例を示す斜視図である。プレス成形品50bでも、プレス成形品50と同様に、上壁部52の板厚t1に対して、縦壁部53が板厚t2に増肉されている。
また、上記では、プレス成形品10、20が、直線的な長手形状を有する例について説明した。しかし、プレス成形品の長手形状はこれらの例には限定されず、例えば図27、図28に示すように、湾曲した長手形状を有してもよい。
図27は、湾曲した長手形状を有するハット状断面のプレス成形品10cの構成の一例を示す斜視図である。プレス成形品10cでも、プレス成形品10と同様に、上壁部12およびフランジ部14の部分の板厚t1に対して、縦壁部13が板厚t2に増肉されている。
図28は、湾曲した長手形状を有するU字状断面のプレス成形品20cの構成の一例を示す斜視図である。プレス成形品20cでも、プレス成形品20と同様に、上壁部22の板厚t1に対して、縦壁部23が板厚t2に増肉されている。
<3.まとめ>
上述した第1の実施形態および第2の実施形態において、パンチ130、230は、第1支持部材(クッション120、220)とともに第2支持部材(ダイ110、210)に対して相対的に下降することで、被加工材(一次成形品80)の縦壁部83の高さを小さくさせる一方で、縦壁部83を第2厚さ(厚さt2)に増肉させるプレス加工を実行する。増肉される縦壁部83を挟んでクッション120、220に対向するパッド140、240は、例えば図3〜図5に示すように付勢部材142、242により付勢され、プレス加工中にクッション120、220との間隔が厚さt2以下に保持されている。
かかる構成の場合には、プレス加工により厚さt1から厚さt2に増肉される一次成形品80の縦壁部83が、付勢部材142、242により付勢されたパッド140、240に接触することになる。このため、増肉中の縦壁部83が撓むことを抑制できるので、プレス加工中に縦壁部83に座屈が発生することも防止できる。この結果、一次成形品80の縦壁部83を適切に増肉させることが可能となる。
また、パンチ130、230と第2支持部材(ダイ110、210)の少なくともいずれか一方に設けられる増肉規制部(規制凸部236、規制凸部216)は、増肉中のコーナ部85、86に接触してコーナ部85、86の厚さを第2厚さ(厚さt2)以下に規制する。これにより、コーナ部85、86が増肉される空間が制限されることで、増肉の際にコーナ部85、86の折れ込みが発生することを防止できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10、20 プレス成形品
12、22 上壁部
13、23 縦壁部
14 フランジ部
15、16、25 コーナ部
70 ブランク
80 一次成形品
82 上壁部
83 縦壁部
84 フランジ部
85、86 コーナ部
100、150、200、250 プレス成形装置
110、160、210、260 ダイ
120、220 クッション
122 付勢部材
130、230 パンチ
140、240 パッド
142 付勢部材

Claims (3)

  1. 被加工材をプレス加工してプレス成形品を成形するプレス成形装置であって、前記被加工材は第1厚さの上壁部、縦壁部、および前記縦壁部と繋がった曲面のコーナ部を含むハット状断面またはU字状断面を有し、
    前記ハット状断面または前記U字状断面の内側から前記被加工材を支持する第1支持部材と、
    前記縦壁部の下端部で前記被加工材を支持する第2支持部材と、
    前記第1支持部材とともに前記第2支持部材に対して相対的に下降することで、前記縦壁部の高さを小さくさせる一方で前記縦壁部および前記コーナ部を前記第1厚さよりも大きい第2厚さに増肉させるプレス加工を実行するパンチ部材と、
    前記縦壁部を挟んで前記第1支持部材に対向し、前記プレス加工中に前記第1支持部材との間隔が前記第2厚さと同じ大きさ以下に保持されているパッド部材と、
    前記パッド部材を前記第1支持部材に向かって付勢する付勢部材と
    を備えるプレス成形装置。
  2. 請求項1に記載のプレス成形装置において、
    前記被加工材は、長尺状の部材であり、
    前記パンチ部材は、前記縦壁部の長手方向の全体の高さを小さくさせる一方で、前記縦壁部の全体を前記第2厚さに増肉させる、プレス成形装置。
  3. 被加工材をプレス加工してプレス成形品を成形するプレス成形方法であって、前記被加工材は第1厚さの上壁部、縦壁部、および前記縦壁部と繋がった曲面のコーナ部を含むハット状断面またはU字状断面を有し、
    前記被加工材を前記ハット状断面または前記U字状断面の内側から第1支持部材に支持させるステップと、
    前記縦壁部の下端部で前記被加工材を第2支持部材に支持させるステップと、
    パッド部材を前記第1支持部材に向かって付勢する付勢部材によって、前記パッド部材と前記第1支持部材との間隔を、前記プレス加工中には前記第1厚さよりも大きい第2厚さと同じ大きさ以下に保持しつつ、前記第1支持部材とともにパンチ部材を前記第2支持部材に対して相対的に下降させることで、前記第1支持部材と前記パッド部材とに挟まれた前記縦壁部の高さを小さくさせる一方で前記縦壁部を前記第2厚さに増肉させるプレス加工を実行するステップと
    を有するプレス成形方法。
JP2014246657A 2013-12-06 2014-12-05 プレス成形装置、およびプレス成形方法 Active JP6648401B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014246657A JP6648401B2 (ja) 2013-12-06 2014-12-05 プレス成形装置、およびプレス成形方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013253463 2013-12-06
JP2013253463 2013-12-06
JP2014246657A JP6648401B2 (ja) 2013-12-06 2014-12-05 プレス成形装置、およびプレス成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015128793A JP2015128793A (ja) 2015-07-16
JP6648401B2 true JP6648401B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=53759971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014246657A Active JP6648401B2 (ja) 2013-12-06 2014-12-05 プレス成形装置、およびプレス成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6648401B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3594845B2 (ja) * 1999-08-10 2004-12-02 株式会社不二越 増肉プレス加工法
JP4697086B2 (ja) * 2005-12-01 2011-06-08 日産自動車株式会社 屈曲した角部を有する成形部品およびその製造方法並びに製造装置
JP5353065B2 (ja) * 2007-05-31 2013-11-27 日産自動車株式会社 プレス成形品、プレス成形品の製造方法および製造装置
JP5223619B2 (ja) * 2008-11-20 2013-06-26 日産自動車株式会社 プレス成形品、プレス成形品の製造方法および製造装置
JP5515279B2 (ja) * 2008-11-20 2014-06-11 日産自動車株式会社 プレス成形品、プレス成形品の製造方法および製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015128793A (ja) 2015-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6372592B2 (ja) プレス成形装置及びプレス成形方法
JP6069223B2 (ja) プレス成形品
KR101701082B1 (ko) 프레스 부품의 제조 방법 및 제조 장치
JP6028885B1 (ja) プレス成形方法及びプレス成形装置
JP4781380B2 (ja) プレス加工装置及びプレス加工方法
US11027781B2 (en) Hot-stamping formed article, structural member using the same, and manufacturing method of hot-stamping formed article
KR20170131607A (ko) 프레스 가공 장치, 프레스 가공 방법 및 프레스 성형품
JP5515774B2 (ja) ホットプレス成形方法、及びホットプレス成形装置
JP5515279B2 (ja) プレス成形品、プレス成形品の製造方法および製造装置
CN110475628B (zh) 热冲压成形品、使用该热冲压成形品的汽车用的构造构件及热冲压成形品的制造方法
WO2018180712A1 (ja) プレス成形装置及びプレス成形品の製造方法
WO2018180711A1 (ja) プレス成形装置及びプレス成形品の製造方法
EP3785817B1 (en) Manufacturing apparatus and manufacturing method for hat-shaped cross-section component
JP6648401B2 (ja) プレス成形装置、およびプレス成形方法
JP6052054B2 (ja) 金属板材の曲げ成形方法
JP2005095937A (ja) プレス型及びプレス方法
CN112496137B (zh) 具有弯曲凸部的帽型截面部件的制造装置及制造方法
CN110475625B (zh) 冲压成形装置及冲压成形品的制造方法
KR102348560B1 (ko) 프레스 성형장치
JP2011056526A (ja) プレス装置
JP3304523B2 (ja) 自動車用フレーム部材の製造方法
JP2004025256A (ja) 形状凍結性に優れたプレス加工方法およびそれに用いるフランジ加工工具
JP2020196033A (ja) プレス成形装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190308

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190419

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190422

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191023

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20191031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191230

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6648401

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151