JP6648228B2 - ポータブルミルク泡立て器 - Google Patents

Description

本発明は、飲料に使用されるミルクを泡立たせるためのポータブルデバイスに関する。

泡立てミルク（気泡が混入したミルク）は、コーヒーまたは同様の飲料の調製にしばしば使用される。ミルクに空気を取り入れることで味が向上する。これとは対照的に、まったく泡立てられていないミルクは、味わいのない傾向になる。伝統的に、ミルクを泡立てる方法は、ミルクが発泡するまでミルクを泡立てることである。

ミルクを泡立てるための機械が発明され、近代的なカフェで人気がある。これらの機械は、基本的に約６０℃の温度で温かい蒸気の流路を提供し、マグカップのミルクに吹き付けることで泡を作ることができる。卵のような味を与えるミルクの変性を避けるために、温度はあまり高温にはできない。ユーザは、蒸気に対してある角度でミルクのマグカップを保持し、そのミルクは、蒸気の力によってマグカップ内で旋回する。蒸気が回転するミルクに注入されると、気泡が形成されてミルクに閉じ込められ、泡ができる。

欧州特許公報０３２９２９号「ミルク泡立て自動装置」は、ミルクと蒸気を混合するための複雑な内部構造を有する自動装置を開示している。しかし、このデバイスはポータブルではなく、カフェで最もよく使用されている。別の先行技術文献米国特許公報７６００４６７号「ミルク加熱泡立て自動装置」は、ポータブルではない産業用ミルク泡立て器を開示している。

ポータブルミルク泡立て器は、通常広々として自然なエリアのピクニックで調理台や電気のような設備がなくても泡立て器が使え、カップでカフェオレの泡を楽しみたい人に非常に便利である。現在、これらのピクニックをしている人は、ミルクは彼らがピクニックエリアに向かう前には泡立っていたに違いないが、飲む頃には泡の消えたカフェオレを楽しむことしかできない。ボウルと泡だて器をミルクの泡立てのために持っていく選択肢は、エレガントな解決策ではない。さらに、ミルクは、それがかなり混ぜられて飲み物を冷まさないために、泡立てたときには暖かい方が好ましい。

したがって、ミルクの泡立てに使える空気または蒸気の温かい流路を提供するために使用可能なポータブルデバイスを提供することが望ましい。

第１の形態では、本発明は、第１の端部および第２の端部を有するシリンダーと、第１の端部はシリンダーの外側にあり、第２の端部は実質的にシリンダー内に延びており、シリンダー内に空気を圧送するための第１の端部に接続されたピストンと、シリンダー内の内容物を排出するために第２の端部に設けられた注ぎ口と、その注ぎ口は、第１の端部および第２の端部を有し、注ぎ口の第１の端部は、注ぎ口を通って出ていくシリンダー内の内容物を分散させるために寸法決めされた孔を有し、第２の端部は、シリンダー内に内容物を入れるための開口部と、注ぎ口を介してシリンダー内の内容物の放出を制御する排出弁とを備えている、ポータブルミルク泡立て器を提供する。

シリンダーは湯で満たされることができ、湯の上部にできた空間の空気を湯から発する熱によって加熱することができる。ポンプにより、より多くの空気がシリンダー内に押し込まれる。上部にできた空間内の結果的に加圧された空気は、注ぎ口から放出される。注ぎ口をマグカップのミルクに沈めることによって、ミルクは熱い空気によって渦巻かれ、泡立ちを作り出すことができる。

好ましくは、第２の注ぎ口端部は、シリンダーの内部空間の長さの少なくとも半分まで延びる。これにより、適量の湯がシリンダー内に注ぎ込まれ、湯の上部にできた空間内の空気を十分に加熱することができる。実際には、第２の注ぎ口端部の長さは、異なる実施形態において変化してもよい。一般に、第２の注ぎ口端部は、液体が注ぎ口に流出することがないシリンダー内の液体の最大水準を決定する。従って、第２注ぎ口端部が短いほど、上部にできた空間が大きくなり、シリンダー内に収容できる液体の量が少なくなる。逆に、第２注ぎ口端部が長くなればなるほど、上部にできた空間が小さくなり、シリンダー内に収容できる液体の量が増える。シリンダー内に液体を多く入れることにより、より多くの湯がより少ない空気量を加熱することが可能になるが、上部にできた空間を大きくすることにより、より多くの空気が加圧され、より長い時間にわたって放出される。

好ましくは、排出弁は、無線で開閉を制御可能である。無線制御は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）またはＷｉｆｉなどの無線通信を使用してスマートフォンから実行することができる。

注ぎ口も取り外し可能であることが好ましい。これらの部品に解体することができるデバイスは、これらの部品の洗浄および乾燥のより容易さを可能にする。

好ましくは、ポンプには、第２の注ぎ口端部の開口部の下方に延在する長さを有するパイプが設けられる。これは、パイプの開口部がシリンダー内の水位より下にあり、ポンプがシリンダー内の湯（液体）の中に空気を導入できる可能性を提供する。これにより、空気と湯との間の熱交換がより確実になり、上部にできた空間に熱い空気が生成される。

本発明の可能な構成を示す添付の図面に関して本発明をさらに説明することは好都合であり、同様の整数は同様の部分を指す。本発明の他の構成も可能であり、その結果、添付の図面の詳細は、本発明の前述の説明の一般性に取って代わるものとして理解されるべきではない。
図１は、本発明の一実施形態を示す図である。 図２は、図１の実施形態の分解断面図を示す。 図３は、図２に示す空気ポンプの拡大図である。 図４は、図２に示す注ぎ口の拡大図である。 図５は、図４の注ぎ口の開口部を制御するために使用される弁の図である。 図６は、図１の実施形態と共に使用することができるスマートフォンアプリケーションのインターフェースを示す図である。 図７は、本発明の別の実施形態を示す。

図１は、ミルク泡立て器１００としての使用に適した持ち運び可能な手持ち空気噴霧デバイスである第１の実施形態１００を示す。ミルク泡立て器１００は、ホットコーヒーおよびチョコレート飲料のような様々な飲料を調製するためのミルク中での発泡を生成するために熱風の流路を提供するために使用可能である。

ミルク泡立て器１００は、シリンダー１０３を備える。図示のシリンダー１０３の上端には、加圧空気を生成するために空気をシリンダー１０３に圧送するためのピストン１０５が設けられている。シリンダー１０３の下端には、シリンダー内容物を排出するための注ぎ口１０７が設けられている。図１はまた、注ぎ口がミルクを泡立てるためにミルクのカップに浸漬される様子を示している。注ぎ口からミルクに放出された空気は、ミルクを旋回させて泡を生成する。後で詳述するように、熱い空気を供給するために、シリンダー１０３内の空気がポンプによって加圧される前に、湯がシリンダー１０３に注がれる。

図２は、ミルク泡立て器１００の側断面図である。シリンダー１０３は、手動で操作される圧縮チャンバの機能を提供する。手で作動可能な空気ポンプ１０５すなわちピストンは、図示のようにシリンダー１０３の上端に接続されている。好ましくは、手持ち空気ポンプ１０５は、ねじ取付２０１を介してシリンダー１０３に取り外し可能に接続される。好ましくは、注ぎ口はまた、ねじ取付２０３によってシリンダー１０３の下端に取り外し可能に接続される。シリンダー１０３は、手持ち空気ポンプ１０５と注ぎ口の両方が接続されている場合、空気が圧縮され得る気密空間を提供する。

図３は、ポンプ１０５の拡大図である。ポンプ１０５は、シリンダー１０３に気密に嵌合して閉塞するように寸法決めされた底板３０３に接続されたチューブ３０１を備える。カップ３０７の形態のヘッドを有するピストン３０５は、チューブ３０１内のプランジャとして機能する。ピストンを押すと、チューブ３０１内の空気が押しの方向に向かって駆動される。バネで留められた一方向弁３０９は、チューブ３０１の出口に設けられている。一方向弁３０９は、一方向弁３０９を通ってシリンダー１０３内に空気が押し込まれたときにのみ開くように付勢され、シリンダー１０３の逆方向に動く空気がチューブ３０１内に戻ってくるのブロックする。従って、一方向弁３０９からピストンを引き離すと、一方向弁３０９はチューブ３０１に対して閉じ、シリンダー１０３内の内容物が吸入されるのを防止する。これにより、チューブ３０１の内部に真空が形成される。一方向弁３０９から離れたチューブ３０１の上端付近に、少なくとも１つの孔３１１が設けられる。ピストンの端のカップが孔を越えて引っ張られると、チューブ３０１内の真空は、孔を通って入る周囲の大気からの空気によって置換される。再びピストンを押すと、チューブ３０１内の空気が一方向弁３０９を通過してシリンダー１０３に入る。このようにして、シリンダー１０３には手動で圧縮空気を充填することができる。

その他の実施形態では、手持ち空気ポンプの異なる構成を使用することができ、記載されたポンプ１０５は本発明を限定しない。

図４は、シリンダー１０３に接続された注ぎ口１０７の拡大図であり、ポータブルミルク泡立て器１００の動作を示している。シリンダー１０３と注ぎ口の間のねじ取付は気密である。好ましくは、シリンダー１０３内の内容物が高圧力下にあるとき、シリンダー１０３からの流体の漏出を防止するために、シリンダー１０３と注ぎ口との間にゴム充填材または同様の材料２００（図２参照）が備えられる。

ポータブルミルク泡立て器１００の注ぎ口１０７は、図示のようにシリンダー１０３の下端にねじ込むことができる底部４０１を備える。底部４０１は、丸い形状をしており、シリンダー１０３の口に螺合するのに都合のよいディスク状に形成されている。注ぎ口１０７は、底部４０１の中心を通って底部４０１の両側にある距離だけ延びている。

シリンダー１０３内に延在する注ぎ口の部分の長さは、湯が注ぎ口に乗り上げることなくシリンダー１０３内に収容され得る湯のレベルを決定する。注ぎ口の「内側」端部４０３は、注ぎ口内への空気および蒸気の自由な流れを可能にするように開いている。

シリンダー１０３の外側にある注ぎ口の他の端４０５は、注ぎ口の先端にある少数の孔４０７を除いて閉じられている。その孔は、それらを通過する流体を分岐させてそれぞれ注ぎ口の軸から離れるさせるように配置され、角度アルファ（α）を有する噴霧器４０９を形成し、それにより孔を通って散逸する加圧流体が発散方向に向けられる。

排出弁５００は、注ぎ口を通る流体の流れの通路を開閉する。一実施形態では、図５に示すように、排出弁５００は、中心から外れた孔５０３を有する単なる円形ディスク５０１である。孔５０３のサイズは、注ぎ口１０７の内部チャンネルと一致する。排出弁５００は、ディスク５０１の中心を通る軸の周りを回転する。ディスクの孔５０３は、ディスクを回転させることによって注ぎ口１０７と一列に並ぶように動かされ、シリンダー１０３内の内容物が排出される通路を開く。ディスク５０１をさらに回転させて、排出弁５００を注ぎ口１０７とずらして、通路を閉じてシリンダー１０３を密封することができる。

ミルク泡立て器１００を使用するためには、まずシリンダー１０３上のポンプ１０５を取り外し、シリンダー１０３内に内側注ぎ口端部４０３まで湯４１１を充填するが、注ぎ口にこぼれることはない。次いで、ポンプ１０５は、ネジ止めによってシリンダー１０３の上にしっかりと戻される。シリンダー１０３内の湯４１１は、湯４１１の上部にできた空間４１３内の空気を暖める。ポンプ１０５は、ピストンをシリンダー１０３の方へ、およびシリンダー１０３から遠ざけるように繰り返し移動させることによって、手動でシリンダー１０３内により多くの空気を入れるために使用される。シリンダー１０３内に所望の圧力が蓄積されると、排出弁５００が開かれて高温の加圧空気が注ぎ口の複数の孔を通って逃げることができる。その孔は、熱い空気を空気噴射の形で消散させるので、ミルクに泡を効果的に作り出すのに役立つ。

一実施形態では、シリンダー１０３内の湯の温度は８０℃以上であり、望ましい圧力は３バール（７５０.０６ｍｍＨｇの約３倍）である。しかし、ユーザがフィットすると考えられる他の温度を使用してもよい。

実施形態の変形例では、シリンダー１０３は、温度センサ２０５と、圧力センサ２０７と、「第１の」Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）通信装置２０９とをさらに備える。温度センサ２０５は、シリンダー１０３内の湯の温度を測定するために使用される。好ましくは、温度センサ２０５は、湯との接触を確実にするために、シリンダー１０３の上端よりもシリンダー１０３の下端の近くに設置される。逆に、圧力センサ２０７は、上部にできた空間の圧力の測定を確実にするために、シリンダーの上端の近くに、すなわちポンプ１０５の近くに設置される。シリンダー１０３内の温度および圧力の読み取り値は、第１のＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）通信装置２０９を介して、スマートフォンまたはポータブルコンピュータタブレットのような高性能デバイス１０６上で動作するソフトウェアアプリケーションに送られる。このようにして、ユーザは、上部にできた空間の温度および圧力を管理することができる。

好ましくは、排出弁５００のディスクは、シリンダー内に設置されたステップモーターによって制御され、シリンダー内にも設置された「第２の」Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）通信デバイス２１１によって制御される。第２のＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）通信デバイス２１１は、ステップモーターを制御して排出弁５００を開閉する。好ましくは、シリンダー１０３内の圧力が所定の圧力まで上昇していないときには、手動またはＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）作動のいずれであっても排出弁５００を開くことはできない。シリンダー１０３内の圧力が所定の圧力に達すると、高性能デバイス１０６内のソフトウェアアプリケーションは、ユーザが第２のＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）通信デバイス２１１に制御信号を送信して排出弁５００を電子的に開くことを可能にし、注ぎ口１０７を通って加圧された熱い空気を放出する。あるいは、排出弁５００を手動で操作することを、または排出弁５００を操作するために高性能デバイス１０６を手動で使用することをソフトウェアアプリケーションによって視覚的または音声的に報知する。

ポータブルミルク泡立て器１００によって泡立てミルクを製造するステップは以下の通りである。
１.注ぎ口１０７を保持した底部４０１をシリンダー１０３の下端に螺合してシリンダー１０３を閉じることにより、注ぎ口１０７をシリンダー１０３の下端に設置する。
２.排出弁５００が閉位置に切り替えられていることを確認する。これは、排出弁５００を手作業で、または高性能デバイス１０６を使用してＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）によって電子的に切り替えることによって達成することができる。
３.シリンダー１０３内に湯を注ぐ。好ましくは、湯の温度は８０℃以上であり、湯の量はシリンダー１０３の容量の約１／５である。例えば、シリンダー１０３の内部容量が１０００ｍｌならば、使用される湯は２００ｍｌになる。ピクニックでは、ユーザは、実施形態で使用する湯の入った魔法瓶を運ぶだけでよい。
４.手持ち空気ポンプ１０５をシリンダー１０３の上部にねじ込み、シリンダー１０３を密閉する。
５.高性能デバイス１０６上で実行されるソフトウェアアプリケーションに所望の圧力を設定する。例えば、望ましい圧力を３バールに設定することができる。高性能デバイス１０６上で動作するアプリケーションは、シリンダー１０３内の現在の温度および圧力の読み取りを提供する。
６.手持ち空気ポンプ１０５を使用して、ユーザは手動で空気をシリンダー１０３に送り込み、シリンダー１０３内の上部にできた空間の圧力を増加させる。
７.上部にできた空間の圧力が所定のレベルに達したことを検出すると、高性能デバイス１０６上で実行されるソフトウェアアプリケーションは、排出弁５００を作動させて注ぎ口１０７を通して通路を自動的に開く。
８.注ぎ口１０７が開かれると、注ぎ口１０７の先端の複数の孔から加圧された空気と蒸気の噴霧が放出される。注ぎ口１０７の先端がミルクの表面の下に沈んでいると、空気と混合とミルクの回転により泡立ちプロセスが生ずる。

図６は、高性能デバイス１０６上で動作するアプリケーションの画面の例を示す。画面は、シリンダー１０３内の温度６０１および圧力６０３をリアルタイムで示し、望ましい圧力６０５をユーザが設定できるようにする。ユーザは、高性能デバイス１０６を使用して注ぎ口の弁の開閉６０７を手動で制御または高性能デバイス１０６から弁を制御することができる。画面は、弁の開閉状態６０９を常に示す。

図７は、ポンプ１０５が、第２の注出口端部の開口部の下方に延在する長さを有するパイプ７０１を備えた実施形態の変形例を示しており、ポンプ１０５は、シリンダー１０３内に収容された湯の中に空気を導入することができる。これにより、湯と上部にできた空間の空気との熱交換が改善される。

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、関連する技術分野の当業者であれば、本発明の範囲を限定するものではなく、請求項に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、構成または動作を行うことができる。

例えば、シリンダーには、周囲への熱の放熱を遅らせるジャケットが備えられてもよい。

また、ポンプは、バッテリ駆動のポータブルポンプであってもよい。

Claims (5)

1. 第１の端部と第２の端部を有するシリンダーと、
   前記シリンダー内に空気を圧送するために前記第１の端部に接続されたポンプと、
   前記シリンダー内の内容物を排出するために前記第２の端部に設けられた注ぎ口と、
   を備え、
   前記注ぎ口は、
   実質的にシリンダー内に延在し、前記シリンダー内の内容物を入れるために開いている第２の注ぎ口端部と、
   シリンダーの外側にあり、前記注ぎ口を通って出る前記シリンダー内の前記内容物を分散させるための寸法と位置の孔を有する第１の注ぎ口端部と、
   前記注ぎ口を通って前記シリンダー内の前記内容物の放出を制御する排出弁と、
   を有する、
   ミルク泡立て器。
2. 前記第２の注ぎ口端部は、前記シリンダーの内部空間の長さの実質的に少なくとも半分延在することを特徴とする請求項１に記載のミルク泡立て器。
3. 前記排出弁は、無線で開閉するように制御可能であることを特徴とする請求項１に記載のミルク泡立て器。
4. 前記注ぎ口は着脱可能であることを特徴とする請求項１に記載のミルク泡立て器。
5. 前記ポンプは、前記第２の注ぎ口端部の開口部の下方に延在する長さを有するパイプを備え、前記ポンプは、前記シリンダー内に収容された液体の中に空気を導入することができることを特徴とする請求項１に記載のミルク泡立て器。