JP6647479B1 - 通電構造およびパワー半導体モジュール - Google Patents

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Abstract

通電構造(1)は、第1通電ブロック(11)と、第2通電ブロック(12)と、複数の針金状部材(53)とを備えている。一対の針金状部材(53)の各々は、第1固定部(F1)と、第2固定部(F2)とを含んでいる。第1固定部(F1)と第2固定部(F2)との間の直線距離は、一対の針金状部材(53)の各々の第1固定部(F1)と第2固定部(F2)との間の部分(F3)の長さよりも短い。

Description

本発明は通電構造およびパワー半導体モジュールに関するものである。
電力変換器等で用いられるパワー半導体モジュールの通電構造の一つとして、ベースプレートと、カバープレートと、圧接ユニットと、半導体チップとで構成された通電構造がある。この通電構造では、ベースプレートとカバープレートとで圧接ユニットおよび半導体チップが圧接されて通電経路が構成されている。
上記通電構造は、例えば、特開2018−56244号公報(特許文献1)に記載されている。この公報には、導電性を有する板状部材(電極)と、板状部材に固定されかつ板状部材への接続方向に沿って伸縮自在な複数の圧接部材とを備えた圧接ユニットが記載されている。
圧接部材は、圧接部材の伸縮方向に沿って延びる導電性の第1通電部と、第1通電部の表面に対して摺動自在に接触するとともに板状部材に固定された第2通電部と、第1通電部に保持されており伸縮方向に沿って伸縮自在な一つまたは複数のばね部材とを備える。
特開2018−56244号公報
上記公報に記載された圧接ユニットでは、複数の半導体チップが電力を供給する。一部の半導体チップが誤動作した場合、パワー半導体モジュールに大電流(数100kA)が流れるおそれがある。大電流が流れた場合、大電流は減衰振動波形となるため、第1通電部および第2通電部では表皮効果により局所的に発熱密度が高くなる。この結果、第1通電部および第2通電部が溶解することによりアークが発生するおそれがある。そして、このアークによりパワー半導体モジュールが破壊されるおそれがある。
また、第1通電部および第2通電部に電流が流れた場合には、第1通電部および第2通電部に磁気吸引力が発生する。大電流が流れた場合、磁気吸引力が増大する。このため、増大した磁気吸引力により第1通電部および第2通電部が変形して破壊されるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電流に依存した局所的な発熱を抑制でき、かつ磁気吸引力により変形して破壊されることを抑制できる通電構造およびそれを備えたパワー半導体モジュールを提供することである。
本発明の通電構造は、第1通電ブロックと、第2通電ブロックと、複数の針金状部材とを備えている。第2通電ブロックは、第1通電ブロックに対向する。複数の針金状部材は、第1通電ブロックと第2通電ブロックとに接続され、かつ導電性を有し非直線形状である。複数の針金状部材は、第1通電ブロックおよび第2通電ブロックを挟んで向かい合うように配置された一対の針金状部材を含んでいる。一対の針金状部材の各々は、第1通電ブロックに固定された第1固定部と、第2通電ブロックに固定された第2固定部とを含んでいる。第1固定部と第2固定部との間の直線距離は、一対の針金状部材の各々の第1固定部と第2固定部との間の部分の長さよりも短い。一対の針金状部材の各々の第1固定部と第2固定部との間の部分は、第1通電ブロックと第2通電ブロックとの間に突き出すように変形した状態で、直接または間接に互いに接するように構成されており、高さ方向に連続して接する連続部分を有している
本発明の通電構造によれば、複数の針金状部材により表皮効果を緩和して局所的に発熱密度が高くなることを抑制することができる。また、第1固定部と第2固定部との間の直線距離は、一対の針金状部材の各々の第1固定部と第2固定部との間の部分の長さよりも短いため、磁気吸引力により一対の針金状部材の各々が変形して破壊されることを抑制できる。
実施の形態1に係るパワー半導体モジュールの構成を概略的に示す斜視図である。 実施の形態1に係るチップユニットの構成を概略的に示す斜視図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 図2のチップユニットの端子が短絡した状態を示す断面図である。 実施の形態2に係るパワー半導体モジュールの構成を概略的に示す斜視図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 図7のチップユニットの端子が短絡した状態を示す断面図である。 実施の形態2に係るチップユニットの変形例1を示す図6のIX−IX線に沿う位置での断面図である。 実施の形態2に係るチップユニットの変形例2を示す図9に対応する位置での断面図である。 実施の形態2に係るチップユニットの変形例3を示す図9に対応する位置での断面図である。 実施の形態2に係るチップユニットの変形例4の針金状部材の一例を概略的に示す斜視図である。 実施の形態2に係るチップユニットの変形例4の針金状部材の別例に示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下においては、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1〜図4は、実施の形態1に係るパワー半導体モジュールの構成を示す図である。図1は、実施の形態1に係るパワー半導体モジュールの構成を示すための外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係るチップユニットの構成を示すための斜視図である。図3は、実施の形態1に係るチップユニットの構成を示すための図2のIII−III線に沿う断面図である。図4は、実施の形態1に係るチップユニットの構成を示すための図2のIV−IV線に沿う断面図である。
以下、図の説明を容易にするためにXYZ座標を用いて説明する。図1のパワー半導体モジュールのX軸の矢印方向を+X方向、反対を−X方向とし、Y軸の矢印方向を+Y方向、反対を−Y方向とし、Z軸の矢印方向を+Z方向、反対を−Z方向とする。
図1を参照して、本実施の形態1に係るパワー半導体モジュール100の構成について説明する。なお、図1では、説明の便宜のため、導電性カバープレート3の一部が図示されておらず、第1通電ブロックの孔部も図示されていない。パワー半導体モジュール100は、縦方向および横方向にそれぞれサブモジュール101が2個ずつ配置されている。ただし、実施の形態1において、サブモジュール101の数は、4個に限定されるものではなく、その他の個数であっても良い。
サブモジュール101には、スイッチングチップ、フリーホイールダイオードチップ、ワイドバンドギャップチップなどの複数種の電力用半導体チップが使用されている。これらの電力用半導体チップを総称して半導体チップとする。
サブモジュール101には、チップユニット10が9個格納されている。サブモジュール101には、9個のチップユニット10を合成する通電経路が形成される。
図2および図3を参照して、サブモジュール101は、導電性ベースプレート2と、導電性カバープレート3と、チップユニット10と、金属板6とを備えている。導電性ベースプレート2は、略平板状に構成されている。導電性カバープレート3は、略平板状に構成されている。導電性ベースプレート2と導電性カバープレート3とは上下に配置されている。導電性カバープレート3は、導電性ベースプレート2の上に配置されている。チップユニット10は、導電性ベースプレート2と導電性カバープレート3の間に配置されている。チップユニット10は、半導体チップ4を含んでいる。半導体チップ4は、チップユニット10の下部に位置する。金属板6は、半導体チップ4の下に位置する。
また、サブモジュール101は、樹脂フレーム5を備えている。樹脂フレーム5は、導電性ベースプレート2と導電性カバープレート3とを位置決めする効果を有する。また、樹脂フレーム5は、導電性ベースプレート2と導電性カバープレート3との間のスペーサの効果を有する。実施の形態1において、図1に示すパワー半導体モジュール100は4個のサブモジュール101を合成する通電経路を構成している。
チップユニット10は、導電性ベースプレート2と導電性カバープレート3の間の通電経路を構成するものである。チップユニット10は、導電性カバープレート3からの圧接力により導電性ベースプレート2と導電性カバープレート3とを電気的に接続するものである。チップユニット10とともに半導体チップ4としてスイッチングチップおよびワイドギャップチップを用いたサブモジュール101およびパワー半導体モジュール100においては、例えば、サブモジュール内部に圧接部材以外に非図示の信号用の接続部材が配置されている。その接続部材の一端は半導体チップ4の信号端子、他端はエミッタ信号基板に接続される。
導電性ベースプレート2に金属板6を介して半導体チップ4が配置されている。半導体チップ4は、平板状に構成されている。半導体チップ4の+Z方向側の面には電極4aが設けられている。電極4aは第2通電ブロック12と電気的に接続されている。導電性ベースプレート2および導電性カバープレート3の各々は、例えば、表面処理を施した純銅を用いて形成される。導電性カバープレート3の+Z方向側の面には−Z方向に圧力がかかっている。この圧力によってチップユニット10は導電性ベースプレート2に圧接される。これにより、導電性ベースプレート2はチップユニット10を介して導電性カバープレート3と電気的に接続される。
チップユニット10の構成について詳しく説明する。チップユニット10は、通電構造1と、半導体チップ4とを含んでいる。半導体チップ4は、通電構造1に電気的に接続されている。通電構造1は、第1通電ブロック11と、第2通電ブロック12と、複数の針金状部材53とを含んでいる。通電構造1は、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12とが近づくように圧力が加えられた状態で通電を維持するように構成されている。
第1通電ブロック11および第2通電ブロック12は、導電性を有している。第2通電ブロック12は、第1通電ブロック11に対向する。複数の針金状部材53は、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12とに接続されている。複数の針金状部材53は、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12とが対向する方向に延在している。複数の針金状部材は、導電性を有している。複数の針金状部材53は、低抵抗導体である。複数の針金状部材53は、針金状部材53a〜53fを含んでいる。以下、適宜、針金状部材53a〜53fを第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fという。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fはそれぞれ同一の形状に構成されている。
第1通電ブロック11および第2通電ブロック12ならびに複数の針金状部材53は、例えば表面処理を施した純銅を用いて形成される。複数の針金状部材53の各々の厚みは、第1通電ブロック11の厚みよりも薄い。第1通電ブロック11は、正六角柱状に構成されている。第1通電ブロック11は、−Z方向から見て正六角形状に構成されている。第1通電ブロック11は、板状に構成されている。第1通電ブロック11には孔部11aが設けられている。孔部11aは円形に構成されている。孔部11aは、第2通電ブロック12が第1通電ブロック11に対向する方向(−Z方向)に、第1通電ブロック11を貫通している。孔部11aは、−Z方向から見て第1通電ブロック11の中央に配置されている。
第2通電ブロック12は、段付き形状に構成されている。第2通電ブロック12は、根元部12aと、張出部12bとを含んでいる。根元部12aは、第2通電ブロック12の−Z方向側に配置されている。根元部12aは、四角柱状に構成されている。根元部12aは板状に構成されている。張出部12bは、第2通電ブロック12の+Z方向側に配置されている。張出部12bは、正六角柱状に構成されている。第2通電ブロック12は、−Z方向から見て正六角形状に構成されている。第2通電ブロック12は、板状に構成されている。
第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の張出部12bの各々の正六角形は、合同である。これらの正六角形のそれぞれの辺は、互いに平行になるように配置されている。また、−Z方向から見て第1通電ブロック11の中心CPと第2通電ブロック12の中心CPとを結んだ線分(中心線CL)は、Z軸と略平行になるように配置される。
図3および図4を参照して、複数の針金状部材53の形状について説明する。複数の針金状部材53は、非直線形状である。つまり、複数の針金状部材53の各々は、直線形状ではなく、屈曲または湾曲している。複数の針金状部材53は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12を挟んで向かい合うように配置された一対の針金状部材53を含んでいる。一対の針金状部材53は、例えば、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dである。複数の針金状部材53の形状について、主に第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dを用いて説明する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの各々の一端は、第1通電ブロック11に固定されている。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの各々の他端は、第2通電ブロック12に固定されている。
一対の針金状部材53の各々は、第1通電ブロック11に固定された第1固定部F1と、第2通電ブロック12に固定された第2固定部F2とを含んでいる。一対の針金状部材53の各々は、第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3を含んでいる。第1固定部F1と第2固定部F2との間の直線距離は、一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の長さよりも短い。一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間に突き出すように変形した状態で、直接または間接に互いに接するように構成されており、高さ方向に連続して接する連続部分を有している。つまり、一対の針金状部材53の各々は、磁気吸引力により変形した際に、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間で、高さ方向(第2通電ブロック12が第1通電ブロック11に対向する方向)に連続して互いに接する部分である連続部分を有する長さで構成されている。本実施の形態では、一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、直接に互いに接するように構成されている。一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、磁気吸引力により第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間に突き出して互いに接続されるように構成されている。一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の幅は、第1固定部F1および第2固定部F2の各々の幅よりも狭い。
複数の針金状部材53の各々は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の各々の中心CPを通る中心線CLを中心とする同一円VC上に配置されている。つまり、複数の針金状部材53の各々と中心線CLとの同一円VCの径方向の距離は互いに等しい。複数の針金状部材53の各々は、同一円VC上において中心線CLに対して均等の角度で配置されている。複数の針金状部材53が6本の場合には、複数の針金状部材53の各々は、中心線CLに対して均等に60度の角度で配置されている。
複数の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、長方形である。この長方形の長辺は、同一円VC上に配置されている。この長方形の長辺は、同一円VCの接線に沿って配置されている。なお、第2通電ブロック12の中心CPは、+Z方向において第1通電ブロック11の中心CPに重なっている。この長方形の短辺は、同一円VCの中心と接点とを結ぶ線に沿って配置されている。この長方形の短辺は、長辺に直交するように配置されている。長辺は、短辺に対して4倍以上8倍以下程度の長さとなるように構成されている。複数の針金状部材53の各々が短辺方向に弾性を有するように、短辺は2mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。
第1針金状部材53aは、第1通電ブロック11の側面に固定された第1固定部F1から−Z方向に延伸し、略90度の角度で+X方向に折り曲げられて延伸する。その後、第1針金状部材53aは、略90度の角度で−Z方向に折り曲げられて延伸し、略90度の角度で−X方向に折り曲げられて延伸する。その後、略90度の角度で−Z方向に折り曲げられて延伸し、第2固定部F2で第2通電ブロック12の側面に固定される。第1針金状部材53aの第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の形状は、+Z方向における当該部分の形状の中心を通る線VLに対して線対称に構成されている。この線VLは、第1通電ブロック11の−Z方向側の面および第2通電ブロック12の+Z方向側の面の各々に等距離かつ平行に配置されている。
第4針金状部材53dは、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の各々の正六角形の中心CPを通る中心線CLに対して、第1針金状部材53aと点対称に配置されている。
第1針金状部材53aの第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3における折り曲げ形状の合計長さの寸法は、第1通電ブロック11の側面から第1通電ブロック11の中心CPまでの距離の2倍の寸法と、第1通電ブロック11から第2通電ブロック12までの+Z軸方向の距離の寸法との和と等しいか、もしくは和よりも僅かに長くなるように設けられている。なお、第1通電ブロック11から第2通電ブロック12までの+Z軸方向の距離の寸法は、パワー半導体モジュール100が組み立てられた時の寸法である。
第2針金状部材53b、第3針金状部材53c、第5針金状部材53eおよび第6針金状部材53fについて説明する。第2針金状部材53bと第5針金状部材53eとは一対になっている。第2針金状部材53bおよび第5針金状部材53eの形状および位置関係は、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの形状および位置関係と同様の関係となる。第3針金状部材53cと第6針金状部材53fとは一対になっている。第3針金状部材53cおよび第6針金状部材53fの形状および位置関係は、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの形状および位置関係と同様の関係となる。第2通電ブロック12の根元部12aが半導体チップ4の電極4aに当接することにより、第2通電ブロック12は半導体チップ4と電気的に接続されている。
実施の形態1に係るパワー半導体モジュール100の動作について説明する。実施の形態1に係るパワー半導体モジュール100は、半導体チップ4が故障したときに高い信頼性を備えるためのものである。例えば、半導体チップ4が故障して、1つの半導体チップ4のみが短絡されたときについて考える。
パワー半導体モジュール100は電力変換器等のシステムで使用される。パワー半導体モジュール100を単なる抵抗と見立てたとき、パワー半導体モジュール100が使用されたシステムは単純なRLC直列回路と等価となる。パワー半導体モジュール100には複数の半導体チップ4が並列に組み込まれている。
半導体チップ4の1素子のみが短絡され、短絡された半導体チップ4に高電圧が印加された場合、RLC回路の電流波形は減衰振動波形となることが想定され、一時的に高周波の電流が流れることとなる。
チップユニット10に使用される第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fは、表面処理を施した銅で形成されている。交流電流が導体に流れるとき、電流密度が導体表面では高くなり、表面から離れ内側になるほど低くなるという表皮効果という現象が知られている。電流が導体表面に流れる電流の1/eになる距離を表皮深さという。例えば、銅線の場合、交流電流4〜5kHzに対して、表皮深さは1mm程度となる。
図5は、半導体チップ4の1素子のみが短絡したときの図2のIII−III線に沿う断面図である。図5を参照して、例えば、一対となる第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dには、同方向の大電流が流れるため、それぞれに大きな吸引力が働く。そのため、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、第1通電ブロック11の中心方向に大きく変形する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dはそれぞれ導電性ベースプレート2、互いに対向する第4針金状部材(第1針金状部材53aに対しては第4針金状部材53d)、導電性カバープレート3に沿って、張り付くように変形する。変形した第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fはそれぞれ変形した形状を保ちチップユニット10の通電を維持する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、磁気吸引力により変形した際に、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間で、高さ方向(第2通電ブロック12が第1通電ブロック11に対向する方向)に連続して互いに接する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの連続部分の長さは、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間での第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの長さの大部分を占めている。
次に、実施の形態1の作用効果について説明する。
実施の形態1に係る通電構造1によれば、複数の針金状部材53により表皮効果を緩和して局所的に発熱が高くなることを抑制することができる。つまり、パワー半導体モジュール100に搭載される複数の半導体チップ4の内、1つの半導体チップ4のみが故障のために短絡してチップユニット10に大電流が発生した場合でも、チップユニット10は第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fのように断面の小さい複数の通電経路を備えるため、表皮効果を抑制することが可能となる。したがって、電流密度分布の顕著な粗密が発生することにより局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することが可能となる。局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することにより、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの温度上昇を抑制することが可能となる。
仮に第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの温度上昇により第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが溶解して断線した場合、通電経路に隙間が発生することとなる。微小な隙間に高い電位差が生じた場合、アークが発生する。アークが発生するとパワー半導体モジュール100が破壊される可能性がある。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの溶解を抑制することは、パワー半導体モジュール100の破壊を抑制することにつながる。このため、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの溶解を抑制することにより高い信頼性を備える通電構造1を備えたパワー半導体モジュール100が可能となる。
また、第1固定部F1と第2固定部F2との間の直線距離は、一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の長さよりも短いため、磁気吸引力により一対の針金状部材53の各々が変形して破壊されることを抑制できる。
一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間に突き出して変形した状態で、直接に互いに接するように構成されており、高さ方向に連続して接する連続部分を有している。このため、磁気吸引力により一対の針金状部材53の各々が変形して破壊されることを抑制できる。
例えば、一対となる第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの各々では、第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、互いに中心線CLに対して点対称に配置されている。さらに、第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3における折り曲げ形状の合計長さの寸法は、第1通電ブロック11の側面から第1通電ブロック11の中心CPまでの距離の2倍の寸法と、第1通電ブロック11から第2通電ブロック12までの+Z軸方向の距離の寸法との和と等しいか、もしくは和よりも僅かに長くなるように設けられている。
第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dには、同方向に電流が流れるため、互いに引き付け合う方向に力が働く。第1針金状部材53aには−X方向に力が働き、第4針金状部材53dには+X方向に力が働くことになる。このとき、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、点対称かつ磁気吸引力に対する変形に十分な長さを備えているため、互いに接触することにより直接接続される。これにより、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dに発生する応力を緩和することが可能となる。
それぞれ一対となる第2針金状部材53bおよび第5針金状部材53eならびに第3針金状部材53cおよび第6針金状部材53fの形状についても同様にそれぞれに磁気吸引力が発生する。第2針金状部材53bおよび第5針金状部材53eならびに第3針金状部材53cおよび第6針金状部材53fは、点対称かつ磁気吸引力に対する変形に対して十分な長さを備えている。このため、変形してもそれぞれの第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPに向かって変位して、お互いが干渉して変形が抑制される。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は長方形であり、長方形の長辺は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLを中心とする同一円VC上に配置される。例えば、長方形断面の板バネ形状について考える。長方形断面において、断面二次モーメントの関係から短辺側に比べて、長辺側のほうが変形しにくい。従って、長辺側を同一円VC上に配置することにより、隣接する針金状部材53の影響を抑制しつつ、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心側に変位することが可能となる。このため、長辺方向の不要な変位を抑制することが可能となる。
複数の針金状部材53は偶数本の第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fを含んでいる。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが偶数本で構成されることにより、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLに対して、対向する位置に対となる針金状部材53を配置することが可能となるため、変位の方向を一方向に抑制できる。
また、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fは、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLを中心とする同一円VC上に配置され、かつ同一円VC上において中心線CLに対して均等の角度で配置されている。このため、隣接する針金状部材53から受ける影響を減少することが可能となる。
なお、実施の形態1では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLから離れる方向に突き出した例を示した。しかし、後述するように、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが、複数の曲げ部かつ複数の曲率を備えており、かつ第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLに向けて突き出した形状を備えることにより、同様の効果を得ることが可能である。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLに向けて突き出した方が、通電時の変位量を抑制することが可能となるため、針金状部材53が通電時に変形する際に発生する応力を減少させることが可能となる。このため、より信頼性の高いパワー半導体モジュール100が可能となる。さらに、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLに向けて突き出す形状であれば、チップユニット10の小型化も可能となる。
実施の形態1では、複数の針金状部材が6本で構成される例を示した。しかしながら、偶数かつ均等であれば本数が多いほうが表皮効果を抑制することが可能であるため、局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することが可能となる。現実的な設計の上では針金状部材の本数は16本以下が妥当であるが、チップユニット10の大きさ次第では、更に本数を増やすことも可能である。針金状部材は、奇数でも可能であるが、偶数の方が望ましい。針金状部材が奇数であっても均等配置されていれば合力で中央に均等に力が作用する。
実施の形態1では、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12は、正六角形で構成されているが、針金状部材53の本数が例えば16本の場合には、正16角形とすることが望ましい。すなわち、針金状部材の本数と同数の正多角形とすることが望ましい。
なお、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12とは、正多角形であることが望ましいが、必ずしも正多角形である必要はない。ただし、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との対向する辺は平行であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fはそれぞれ独立して形成され、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12にそれぞれ固定される例を示した。しかし、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fは必ずしも独立した形状である必要はなく、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1および第2固定部F2の少なくともいずれかが一体で形成されていてもよい。これにより、第1固定部F1および第2固定部F2の少なくともいずれかの部品点数を削減できる。この場合、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の第1固定部F1および第2固定部F2の少なくともいずれかを円筒形状とすることでも可能である。このような構成であれば、例えば正六角形の筒形状に比べて形状が単純であるため加工し易い。そのため、加工費が安くなる。したがって、低コストなパワー半導体モジュール100の実現が可能となる。
実施の形態2.
パワー半導体モジュール100の別構成について説明する。実施の形態2で記載されていない構成は実施の形態1と同様とし、実施の形態1と同様の構成には実施の形態1と同じ符号を付すこととする。実施の形態2では、特に言及しない限り、実施の形態1のパワー半導体モジュール100と同様の部分については説明を繰り返さず、主として異なる点を説明する。
図6〜図8は、実施の形態2に係るチップユニット10の構成を示す図である。図6はチップユニット10の構成を示す斜視図である。図7は、チップユニット10の構成を示す図6のVII−VII線に沿う断面図である。
図6および図7を参照して、チップユニット10の構成について説明する。チップユニット10は、通電構造1と、半導体チップ4とを含んでいる。通電構造1は、第1通電ブロック11と、第2通電ブロック12と、複数の針金状部材53とを含んでいる。複数の針金状部材53は、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fを含んでいる。
第1通電ブロック11および第2通電ブロック12ならびに複数の針金状部材53は、例えば表面処理を施した純銅を用いて形成される。第1通電ブロック11は、正六角柱状に構成されている。第1通電ブロック11は、板状に構成されている。第1通電ブロック11には孔部11aが設けられている。
第2通電ブロック12は、段付き形状に構成されている。第2通電ブロック12は、根元部12aと、張出部12bとを含んでいる。根元部12aは、第2通電ブロック12の−Z方向側に配置されている。根元部12aは、四角柱状に構成されている。根元部12aは板状に構成されている。張出部12bは、第2通電ブロック12の+Z方向側に配置されている。張出部12bは、正六角柱状に構成されている。第2通電ブロック12は、−Z方向から見て正六角形状に構成されている。第2通電ブロック12は、板状に構成されている。
第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の張出部12bの各々の正六角形は、合同である。これらの正六角形のそれぞれの辺は、互いに平行になるように配置されている。また、−Z方向から見て第1通電ブロック11の中心CPと第2通電ブロック12の中心CPとを結んだ線分(中心線CL)は、Z軸と略平行になるように配置される。
第1針金状部材53aは、第1通電ブロック11の側面に固定された第1固定部F1から−Z方向に延伸し、略100度の角度で−X方向に折り曲げられて延伸する。その後、第1針金状部材53aは、略100度の角度で−Z方向に折り曲げられて延伸し、略100度の角度で+X方向に折り曲げられて延伸する。その後、略100度の角度で−Z方向に折り曲げられて延伸し、第2固定部F2で第2通電ブロック12の側面に固定される。第1針金状部材53aの第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の形状は、+Z方向における当該部分の形状の中心を通る線VLに対して線対称に構成されている。線VLは、第1通電ブロック11の−Z方向側の面および第2通電ブロック12の+Z方向側の面の各々に等距離かつ平行に配置されている。
実施の形態2に係る通電構造1は、ブロック部材14を備えている。ブロック部材14は、一対の針金状部材53の各々の間に配置されている。ブロック部材14は、第1通電ブロック11との間に隙間をあけて配置されており、かつ第2通電ブロック12に接触している。ブロック部材14と一対の針金状部材53の各々との距離はそれぞれ等しい。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの内側には、外周が正六角柱状のブロック部材14が配置される。ブロック部材14の内周には、円形の孔部14aが設けられている。孔部14aは、第1通電ブロック11に設けられた孔部11aと同軸かつ同径である。
ブロック部材14の孔部14aおよび第1通電ブロック11の孔部11aに連続してバネ部材15が配置されている。ブロック部材14の底部にバネ部材15が載置されている。バネ部材15は、第1通電ブロック11を貫通して導電性カバープレート3に接している。このため、バネ部材15は、導電性カバープレート3を付勢する付勢力を発生させる。
ブロック部材14は、例えば銅で構成されている。ブロック部材14は、第2通電ブロック12に対して、位置決め溝等を介してXY面内方向の変位を抑制するように保持されている。さらに、組み立て時(通電時)にはブロック部材14と第1通電ブロック11とは、接触しないように、Z軸方向に僅かな隙間をあけて配置されている。ブロック部材14は、組み立て時に第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fにも接触しないように、隙間をあけて配置されている。
ブロック部材14は、テーパ部14b、14cを含んでいる。テーパ部14b、14cは、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の少なくともいずれかの側の端部に設けられている。実施の形態2では、ブロック部材14の側面に+Z方向側および−Z方向側に対称形状のテーパ部14b、14cが設けられている。テーパ部14b、14cは、Z軸方向における端部に近づくに従って広がるように構成されている。テーパ部14b、14cは、ブロック部材14の側面の直線部の両端から、それぞれ第1通電ブロック11の−Z方向側端部および第2通電ブロック12の+Z方向側端部を結んだ線分上に配置されている。テーパ部14b、14cは、Z軸に対して第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの曲げ角度よりも大きな角度を形成するように構成されている。
第4針金状部材53dは、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の各々の正六角形の中心CPを通る中心線CLに対して、第1針金状部材53aと点対称に配置されている。
本実施の形態では、一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、間接に互いに接するように構成されている。つまり、一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、ブロック部材14を介して互いに接するように構成されている。第1針金状部材53aの第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間の部分F3における折り曲げ形状の合計長さの寸法は、第1通電ブロック11の−Z方向側の側面端部からブロック部材14の側面の直線部の+Z方向側端部までの距離の2倍の寸法と、ブロック部材14の側面の直線部の+Z軸方向の長さの寸法との和と等しいか、もしくは和よりも僅かに長くなるように設けられている。
第2針金状部材53b、第3針金状部材53c、第5針金状部材53eおよび第6針金状部材53fについて説明する。第2針金状部材53bと第5針金状部材53eとは一対になっている。第2針金状部材53bおよび第5針金状部材53eの形状および位置関係は、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの形状および位置関係と同様の関係となる。第3針金状部材53cと第6針金状部材53fとは一対になっている。第3針金状部材53cおよび第6針金状部材53fの形状および位置関係は、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの形状および位置関係と同様の関係となる。第2通電ブロック12の根元部12aが半導体チップ4の電極4aに当接することにより、第2通電ブロック12は半導体チップ4と電気的に接続されている。
実施の形態2に係るパワー半導体モジュール100の動作について説明する。実施の形態2に係るパワー半導体モジュール100は、半導体チップ4が故障したときに高い信頼性を備えるためのものである。例えば、半導体チップ4が故障して、1つの半導体チップ4のみが短絡されたときについて考える。
図8は、半導体チップ4の1素子のみが短絡したときの図6のVII−VII線に沿う断面図である。図8を参照して、例えば、一対となる第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dには、同方向の大電流が流れるため、それぞれに大きな吸引力が働く。そのため、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、第1通電ブロック11の中心方向に大きく変形する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、ブロック部材14の側面形状に沿って、張り付くように変形する。変形した第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fはそれぞれ変形した形状を保ちチップユニット10の通電を維持する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、磁気吸引力により変形した際に、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間で、ブロック部材14を介して、高さ方向(第2通電ブロック12が第1通電ブロック11に対向する方向)に連続して互いに接する。第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの連続部分の長さは、磁気吸引力により変形した際に、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間でブロック部材14に張り付く長さである。具体的には、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間で、ブロック部材14に高さ方向に連続して接し、かつ第1通電ブロック11とブロック部材14とが形成する仮想平面に対して接する長さに構成されている。
次に、実施の形態2の作用効果について説明する。
実施の形態2に係る通電構造1によれば、複数の針金状部材53により表皮効果を緩和して局所的に発熱が高くなることを抑制することができる。つまり、パワー半導体モジュール100に搭載される複数の半導体チップ4の内、1つの半導体チップ4のみが故障のために短絡してチップユニット10に大電流が発生した場合でも、チップユニット10は第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fのように断面の小さい複数の通電経路を備えるため、表皮効果を抑制することが可能となる。したがって、電流密度分布の顕著な粗密が発生することにより局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することが可能となる。局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することにより、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの温度上昇を抑制することが可能となる。
仮に第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの温度上昇により第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが溶解して断線した場合、通電経路に隙間が発生することとなる。微小な隙間に高い電位差が生じた場合、アークが発生する。アークが発生するとパワー半導体モジュール100が破壊される可能性がある。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの溶解を抑制することは、パワー半導体モジュール100の破壊を抑制することにつながる。このため、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの溶解を抑制することにより高い信頼性を備える通電構造1を備えたパワー半導体モジュール100が可能となる。
また、第1固定部F1と第2固定部F2との間の直線距離は、一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の長さよりも短いため、磁気吸引力により一対の針金状部材53の各々が変形して破壊されることを抑制できる。
一対の針金状部材53の各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間に突き出して変形した状態で、ブロック部材13を介して間接に互いに接するように構成されており、高さ方向に連続して接する連続部分を有している。このため、磁気吸引力により一対の針金状部材53の各々が変形して破壊されることを抑制できる。
例えば、一対となる第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dの各々では、第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3は、互いに中心線CLに対して点対称に構成されている。さらに、通電構造1はブロック部材14を備えている。第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3における折り曲げ形状の合計長さの寸法は、第1通電ブロック11の−Z方向側の側面端部からブロック部材14の側面の直線部の+Z方向側端部までの距離の2倍の寸法と、ブロック部材14の側面の直線部の+Z軸方向の長さの寸法との和と等しいか、もしくは和よりも僅かに長くなるように設けられている。
第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dには、同方向に電流が流れるため、互いに引き付け合う方向に力が働く。第1針金状部材53aには−X方向に力が働き、第4針金状部材53dには+X方向に力が働くことになる。このとき、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dは、点対称かつ磁気吸引力に対する変形に十分な長さを備えており、かつブロック部材14で変形が抑制される。これにより、第1針金状部材53aおよび第4針金状部材53dに発生する応力を緩和することが可能となる。
それぞれ一対となる第2針金状部材53bおよび第5針金状部材53eならびに第3針金状部材53cおよび第6針金状部材53fの形状についても同様にそれぞれに磁気吸引力が発生する。第2針金状部材53bおよび第5針金状部材53eならびに第3針金状部材53cおよび第6針金状部材53fは、点対称かつ磁気吸引力に対する変形に対して十分な長さを備えている。このため、変形してもそれぞれの第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心に向かって変位して、ブロック部材14により変形が抑制される。
ブロック部材14はテーパ部14b、14cを含んでいる。テーパ部14b、14cは、ブロック部材14の上下の端部に設けられている。テーパ部14b、14cにより、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの必要な長さを削減できる。さらに故障通電時の変形量を抑制できるため、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの応力を緩和することが可能となる。したがって、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが応力で破断し難い構成となるため、低コストで信頼性の高いパワー半導体モジュール100の実現が可能となる。
バネ部材15は、導電性カバープレート3とブロック部材14との間に作用する付勢力(反発力)を備えている。したがって、導電性カバープレート3は、組み立て時には組み立て前に対して−Z方向に圧接して保持されるため、ブロック部材14の安定した保持が可能となるとともに、チップユニット10が半導体チップ4を圧接する力を補助することが可能となる。
第1通電ブロック11とブロック部材14との間には隙間があるため、ブロック部材14は、通常、通電経路として使用されない。しかし、故障通電時に第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが破断した状態で、ブロック部材14に張り付いたときには、ブロック部材14を非常通電経路として使用することが可能となる。これにより、信頼性が向上する。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は長方形であり、長方形の長辺は第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLを中心とする同一円VC上に配置される。例えば、長方形断面の板バネ形状について考える。長方形断面において、断面二次モーメントの関係から短辺側に比べて、長辺側のほうが変形しにくい。従って、長辺側を同一円VC上に配置することにより、隣接する針金状部材53の影響を抑制しつつ、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心側に変位することが可能となる。このため、長辺方向の不要な変位を抑制することが可能となる。
複数の針金状部材53は偶数本の第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fを含んでいる。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが偶数本で構成されることにより、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLに対して、対向する位置に対となる針金状部材53を配置することが可能となるため、変位の方向を一方向に抑制できる。また、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11の中心に対して同一円VC上に均等に配置されるため、隣接する針金状部材53から受ける影響を減少することが可能となる。
なお、実施の形態2では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLから離れる方向に突き出した例を示した。しかし、後述するように、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fが、複数の曲げ部かつ複数の曲率を備えており、かつ第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLに向けて突き出した形状を備えることにより、同様の効果を得ることが可能である。
本実施の形態では、複数の針金状部材が6本で構成される例を示した。しかしながら、偶数かつ均等であれば本数が多いほうが表皮効果を抑制することが可能であるため、局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することが可能となる。現実的な設計の上では針金状部材の本数は16本以下が妥当であるが、チップユニット10の大きさ次第では、更に本数を増やすことも可能である。針金状部材は、奇数でも可能であるが、偶数の方が望ましい。針金状部材が奇数であっても均等配置されていれば合力で中央に均等に力が作用する。
実施の形態2では、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12は、正六角形で構成されているが、針金状部材の本数が例えば16本の場合には、正16角形とすることが望ましい。すなわち、針金状部材の本数と同数の正多角形とすることが望ましい。
なお、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12とは、正多角形であることが望ましいが、必ずしも正多角形である必要はない。ただし、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との対向する辺は平行であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fはそれぞれ独立して形成され、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12にそれぞれ固定される例を示した。しかし、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fは必ずしも独立した形状である必要はなく、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1および第2固定部F2の少なくともいずれかが一体で形成されていてもよい。これにより、第1固定部F1および第2固定部F2の少なくともいずれかの部品点数を削減できる。この場合、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の第1固定部F1および第2固定部F2の少なくともいずれかを円筒形状とすることでも可能である。このような構成であれば、例えば正六角形の筒形状に比べて形状が単純であるため加工し易い。そのため、加工費が安くなる。したがって、低コストなパワー半導体モジュール100の実現が可能となる。
なお、実施の形態2では、ブロック部材14は銅で構成する例を示したが、高剛性材料であれば同様の効果を得ることは可能であり、樹脂の場合は非常通電経路としての機能は失うが、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの変形を抑制する機能を備えることが可能である。
次に、実施の形態2の変形例1〜4について説明する。実施の形態の2の変形例1〜4では、特に言及しない限り、実施の形態2のパワー半導体モジュール100と同様の部分については説明を繰り返さず、主として異なる点を説明する。
図9を参照して、実施の形態2の変形例1について説明する。図9は、実施の形態2の変形例1を示すための図6のIX−IX線に沿う断面位置での断面図である。図9は、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの断面形状の変形例を示すための断面図である。
実施の形態2の変形例1では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、円である。この円の半径は、想定されるシステムにおいて発生する故障モードの電流波形に対する表皮深さと同等あるいはそれ以上とすることが望ましい。
以上の構成により、実施の形態2の変形例1では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、円である。円形の断面は表皮効果に対して最も効果的な形状であるため、最も少ない断面積で高い発熱密度抑制効果を備えることが可能となる。
図10を参照して、実施の形態2の変形例2について説明する。図10は、実施の形態2の変形例2を示すための図6のIX−IXに沿う断面位置での断面図である。図10は、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの断面形状の変形例を示すための図である。
実施の形態2の変形例2では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、楕円である。この楕円の長軸は、想定されるシステムにおいて発生する故障モードの電流波形に対する表皮深さと同等あるいはそれ以上とすることが望ましい。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々における楕円の長軸は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLを中心とする同一円VC上に配置される。
以上の構成により、実施の形態2の変形例2では、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、楕円である。楕円の断面は矩形に比べて表皮効果に対して効果的な形状であるため、矩形に比べて少ない断面積で高い発熱密度抑制効果を備えることが可能となる。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々における楕円の長軸は、第1通電ブロック11および第2通電ブロック12の中心CPを通る中心線CLを中心とする同一円VC上に配置される。このため、隣り合う針金状部材53方向の影響を緩和することが可能となる。
図11を参照して、実施の形態2の変形例3について説明する。図11は、実施の形態2の変形例3を示すための図6のIX−IXに沿う断面位置での断面図である。図11は、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fおよび第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fの断面形状の変形例を示すための図である。
実施の形態3の変形例3では、複数の針金状部材53は、同一円VCの半径方向に重ねて配置された一組の針金状部材53を含んでいる。複数の針金状部材53は、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fおよび第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fを含んでいる。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々は、第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fの各々とそれぞれ一組に構成されている。第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々は、第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fの各々とそれぞれ同一円VCの半径方向に重ねて配置されている。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、長方形である。この長方形の長辺は、同一円VC上に配置されている。この長方形の長辺は、同一円VCの接線に沿って配置されている。この長方形の短辺は、同一円VCの中心と接点とを結ぶ線に沿って配置されている。長辺は短辺に対して4倍以上8倍以下程度の長さとなるように構成されている。複数の針金状部材53の各々が短辺方向に弾性を有するように、短辺は2mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。
第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fの外側の側面には、同一形状の断面を有する第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fがそれぞれ配置される。第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fの各々の第1固定部F1と第2固定部F2との間の部分F3の断面は、長方形である。この長方形の長辺は、同一円VC上に配置されている。この長方形の長辺は、同一円VCの接線に沿って配置されている。
以上の構成により、実施の形態2の変形例3によれば、パワー半導体モジュール100に搭載される複数の半導体チップ4の内、1つの半導体チップ4のみが故障のために短絡してチップユニット10に大電流が発生した場合でも、チップユニット10は第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fおよび第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fのように断面の小さい複数の通電経路を備えるため、表皮効果を抑制することが可能となる。したがって、電流密度分布の顕著な粗密が発生することにより局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することが可能となる。局所的に発熱密度が高くなる現象を抑制することにより、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fおよび第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fの温度上昇を抑制することが可能となる。
また、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fおよび第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fのそれぞれに電流が流れる。このため、例えば、一組の第1針金状部材53aと第7針金状部材54aとを合成した形状に対して、発熱密度分布を抑制することが可能となる。これにより、温度上昇を抑制することが可能となる。
また、第1針金状部材53a〜第6針金状部材53fおよび第7針金状部材54a〜第12針金状部材54fの断面の長方形の長辺は、同一円VC上に配置される。このため、隣り合う針金状部材53方向の影響を緩和することが可能となる。
図12および図13を参照して、実施の形態2の変形例4について説明する。図12は、実施の形態2の変形例4の一例を示すための針金状部材の斜視図である。図13は、実施の形態2の変形例の別例を示すための針金状部材の斜視図である。図12および図13は、針金状部材の曲げ形状の変形例を示すための斜視図である。なお、針金状部は、実施の形態2と同様に、1個のチップユニット10に対して6個使用される。
図12を参照して、実施の形態2の変形例4の一例における針金状部材63について説明する。針金状部材63は、複数の曲げ部63a〜63eを含んでいる。具体的には、針金状部材63は、5箇所の曲げ部63a〜63eを備えている。複数の曲げ部63a〜63eの各々は、一対の針金状部材53が向かい合う方向に曲げられている。複数の曲げ部63a〜63eの少なくとも1つは、第1通電ブロック11と第2通電ブロック12との間に突き出すように構成されている。曲げ部63a、63eはそれぞれ同じ角度で曲げられている。曲げ部63b、63c、63dはそれぞれ同じ角度で曲げられている。曲げ部63b、63c、63dは曲げ部63a、63eよりも小さい曲率を備える。
図13を参照して、実施の形態2の変形例4の別例における針金状部材73について説明する。針金状部材73は、5箇所の曲げ部73a〜73eを備えている。曲げ部73a、73eはそれぞれ同じ角度で曲げられている。曲げ部73b、73dはそれぞれ同じ角度で曲げられている。また、曲げ部73cは第1通電ブロックの外周方向に大きなR形状を備えている。曲げ部73cはC字状に曲げられている。曲げ部73b、7dは曲げ部73a、73eよりも小さい曲率を備えている。曲げ部73a、73eは曲げ部73cよりも小さい曲率を備えている。
針金状部材63および針金状部材73に共通している点は、複数の曲率を備えた曲げ部63a〜63e、73a〜73eを備えている点である。曲げ部63a〜63e、73a〜73eの長さは、第1通電ブロック11の−Z方向側の側面端部からブロック部材14の側面の直線部の+Z方向側端部までの距離の2倍と、ブロック部材14の側面の直線部の長さの和と等しいか、もしくは僅かに長くなる。
以上の構成により、実施の形態2の変形例4によれば、パワー半導体モジュール100に搭載される複数の半導体チップ4の内、1つの半導体チップ4のみが故障のために短絡してチップユニット10に大電流が発生した場合でも、針金状部材63および針金状部材73は、磁気吸引力に対する変形に十分な長さを備えている。変形した針金状部材63および針金状部材73は、ブロック部材14で変位が抑制されるため、針金状部材63および針金状部材73に発生する応力を緩和することが可能となる。
また、複数の曲げ部63a〜63e、73a〜73eにより針金状部材63および針金状部材73の全長が長くなる。このため、X方向への曲げ部63a〜63e、73a〜73eの構成に必要な長さを低減することが可能となる。つまり、針金状部材63および針金状部材73のX方向に突き出す量を低減することが可能となる。このため、小型のチップユニット10を実現することが可能となる。したがって、小型のパワー半導体モジュール100を実現することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 通電構造、2 導電性ベースプレート、3 導電性カバープレート、4 半導体チップ、4a 電極、5 樹脂フレーム、6 金属板、10 チップユニット、11 第1通電ブロック、11a,14a 孔部、12 第2通電ブロック、12a 根元部、12b 張出部、14 ブロック部材、14a,14b テーパ部、15 バネ部材、53,63,73 針金状部材、63a〜63e,73a〜73e 曲げ部、100 パワー半導体モジュール、F1 第1固定部、F2 第2固定部、F3 部分、VC 同一円、VL 線。

Claims (15)

  1. 第1通電ブロックと、
    前記第1通電ブロックに対向する第2通電ブロックと、
    前記第1通電ブロックと前記第2通電ブロックとに接続され、かつ導電性を有し非直線形状の複数の針金状部材とを備え、
    前記複数の針金状部材は、前記第1通電ブロックおよび前記第2通電ブロックを挟んで向かい合うように配置された一対の針金状部材を含み、
    前記一対の針金状部材の各々は、前記第1通電ブロックに固定された第1固定部と、前記第2通電ブロックに固定された第2固定部とを含み、
    前記第1固定部と前記第2固定部との間の直線距離は、前記一対の針金状部材の各々の前記第1固定部と前記第2固定部との間の部分の長さよりも短く、
    前記一対の針金状部材の各々の前記第1固定部と前記第2固定部との間の前記部分は、前記第1通電ブロックと前記第2通電ブロックとの間に突き出すように変形した状態で、直接または間接に互いに接するように構成されており、高さ方向に連続して接する連続部分を有している、通電構造。
  2. 前記一対の針金状部材の各々の間に配置されたブロック部材をさらに備え、
    前記ブロック部材は、前記第1通電ブロックとの間に隙間をあけて配置されており、かつ前記第2通電ブロックに接触している、請求項1に記載の通電構造。
  3. 前記ブロック部材と前記一対の針金状部材の各々との距離はそれぞれ等しい、請求項に記載の通電構造。
  4. 前記ブロック部材は、前記第1通電ブロックおよび前記第2通電ブロックの少なくともいずれかの側の端部に設けられたテーパ部を含み、
    前記テーパ部は、前記端部に近づくに従って広がるように構成されている、請求項またはに記載の通電構造。
  5. 前記複数の針金状部材の各々の厚みは、前記第1通電ブロックの厚みよりも薄い、請求項1〜のいずれか1項に記載の通電構造。
  6. 前記第1通電ブロックには孔部が設けられており、
    前記孔部は、前記第2通電ブロックが前記第1通電ブロックに対向する方向に、前記第1通電ブロックを貫通している、請求項1〜のいずれか1項に記載の通電構造。
  7. 前記一対の針金状部材の各々の前記第1固定部と前記第2固定部との間の前記部分の幅は、前記第1固定部および前記第2固定部の各々の幅よりも狭い、請求項1〜のいずれか1項に記載の通電構造。
  8. 前記複数の針金状部材の各々の前記第1固定部と前記第2固定部との間の前記部分の断面は、円である、請求項1〜のいずれか1項に記載の通電構造。
  9. 前記複数の針金状部材の各々は、前記第1通電ブロックおよび前記第2通電ブロックの各々の中心を通る中心線を中心とする同一円上に配置され、かつ前記同一円上において前記中心線に対して均等の角度で配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の通電構造。
  10. 前記複数の針金状部材の各々の前記第1固定部と前記第2固定部との間の前記部分の断面は、長方形であり、
    前記長方形の長辺が前記同一円上に配置されている、請求項に記載の通電構造。
  11. 前記複数の針金状部材は、前記同一円の半径方向に重ねて配置された一組の針金状部材を含む、請求項または10に記載の通電構造。
  12. 前記複数の針金状部材の各々の前記第1固定部と前記第2固定部との間の前記部分の断面は、楕円であり、
    前記楕円の長軸が前記同一円上に配置されている、請求項に記載の通電構造。
  13. 前記複数の針金状部材の各々は複数の曲げ部を含み、
    前記複数の曲げ部の各々は、前記一対の針金状部材が向かい合う方向に曲げられており、
    前記複数の曲げ部の少なくとも1つは、前記第1通電ブロックと前記第2通電ブロックとの間に突き出すように構成されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の通電構造。
  14. 前記第1通電ブロックと前記第2通電ブロックとが近づくように圧力が加えられた状態で通電を維持するように構成された、請求項1〜13のいずれか1項に記載の通電構造。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の通電構造と、
    前記通電構造に電気的に接続された電力用半導体チップとを備えた、パワー半導体モジュール。
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