JP6647269B2 - 溶剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、凍結することもなく乾燥性も良好で、さらに環境性・安全性の面で問題がなく、塗料や印刷インクの希釈及び溶解用途、部品製造・加工に使用される加工油の脱脂・洗浄用途で性能を発揮する溶剤組成物に関する。
塗料や印刷インクの希釈用、或いは加工油の脱脂用などに用いられる溶剤としては、石油系有機溶剤が用いられる。前記のような用途には、特に、トルエン、キシレン、ベンゼンなどが従来より用いられていたが、これら構造式にベンゼン環を有する有機溶剤は臭気が強く、さらに、人体に悪影響を及ぼすものであった。また、生態系への影響もあり、廃棄時においても特別な取り扱いを要するものであった。
そこで、溶剤としてトルエンなどを酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)で代替しようとする動きがあるが、これらの化学物質も有機溶剤中毒防止規則では、第二種有機溶剤に該当することから、危険情報の周知徹底や、作業環境の制限・指定、健康管理の指定など、使用に際しては作業者の負担がかかるようなものであった。
そこで、さらに一歩進めて、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)を炭酸ジメチル(DMC)で代用しようとする提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。この炭酸ジメチル(DMC)は、前記の有機溶剤中毒防止規則で管理対象となる化学物質に該当しないし、さらにPRTR制度の下においても、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質に該当することがない。
特開2009−293007号公報
上記のように炭酸ジメチル(DMC)は環境性・安全性の観点では問題のない化学物質ではあるものの、凝固点は4.65℃と比較的高いものであり、これを溶剤として使用すると、冬場の屋外での溶剤を用いる作業などで凍結してしまい、作業に支障をきたす恐れがある、という課題があった。
また、炭酸ジメチル(DMC)は、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)に比べて、沸点が高く、乾燥性の点で問題であった。溶剤の乾燥時間が長いと、それに比例して、溶剤を用いる作業の作業時間も長くなり、作業効率が悪くなる、といった課題もあった。
本発明は、上記の各課題を解決しつつ、環境性・安全性の面で問題がなく、塗料や印刷インクの希釈用途、加工油の脱脂用途、或いは金属部品の洗浄用途で十分な性能を発揮する溶剤組成物を提供することが目的である。
そのために本発明に係る溶剤組成物は、例えば、炭酸ジメチルと、イソヘキサンと、アルコールとが混合されて合計で100重量%となる溶剤組成物において、炭酸ジメチル50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなり、アルコールがエタノールであり、炭酸ジメチルが40〜47重量%と、イソヘキサン45〜48重量%と、エタノール6〜12重量%とが混合されてなることができる。
また、本発明に係る溶剤組成物は、例えば、炭酸ジメチルとイソヘキサンとが等量混合されることができる。
また、本発明に係る溶剤組成物は、例えば、炭酸ジメチルと、イソヘキサンと、アルコールとが混合されて合計で100重量%となる溶剤組成物において、炭酸ジメチル50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなり、アルコールがエタノールであり、炭酸ジメチルが45重量%と、イソヘキサン45重量%と、エタノール10重量%とが混合されてなることができる。
また、本発明に係る溶剤組成物は、例えば、炭酸ジメチルと、イソヘキサンと、アルコールとが混合されて合計で100重量%となる溶剤組成物において、炭酸ジメチル50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなり、アルコールがエタノールであり、炭酸ジメチルが47重量%と、イソヘキサン47重量%と、エタノール6重量%とが混合されてなることができる。
また、本発明に係る溶剤組成物は、例えば、塗料、インクの希釈及び溶解に用いる溶剤であることができる。
また、本発明に係る溶剤組成物は、例えば、加工油の脱脂に用いる溶剤であることができる。
また、本発明に係る溶剤組成物は、例えば、部品の洗浄に用いる溶剤であることができる。
本発明に係る溶剤組成物は、有機溶剤中毒防止規則で管理対象となる化学物質や、さらにPRTR制度において、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質を含んでいないので、環境性・安全性に優れている。
また、本発明によれば、塗料や印刷インクの希釈用途及び溶解用途、加工油の脱脂用途、或いは金属部品の洗浄用途で十分な性能を発揮しつつ、凍結することもなく乾燥性も良好な溶剤組成物を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る溶剤組成物を構成する上で、基本となる化学物質として、人の健康や生態系に有害となるおそれが少ない化学物質である炭酸ジメチル(DMC)を選択した。ただし、この炭酸ジメチル(DMC)は、前記したように、凝固点が4.65℃と比較的高く、溶剤としての使用環境によっては凍結する恐れがあった。
そこで、炭酸ジメチル(DMC)に対して他の化学物質を混合することで凝固点を下げることを検討した。当該他の化学物質として何を選択するかについては、人の健康や生態系に有害となる可能性が少ないこと、沸点が低く乾燥性に優れていること、溶剤としての利便性が優れ実績があるものであること、などを勘案した。これらの観点から鋭意検討を重ねた結果、イソヘキサンが適切であることを本発明者は見出した。
なお、市販のイソヘキサンには、ノルマルヘキサンが1.5重量%〜5.0重量%が含まれており、本発明において用いられるイソヘキサンにも、ノルマルヘキサンが1.5重量%〜5.0重量%が含有していることを前提としている。ノルマルヘキサンはイソヘキサンに比べて、人の健康や生態系に対する影響が大きい。このため、炭酸ジメチル(DMC)にイソヘキサンを混合する際においては、安全性・環境性の観点で、イソヘキサンに含有されるノルマルヘキサンの影響が出ない程度の量とした。本発明に係る溶剤組成物では、そのような目安に基づいて、含有されるイソヘキサンは50重量%未満とされている。
また、本発明に係る溶剤組成物の凝固点の決定要因として炭酸ジメチル(DMC)単体の挙動が支配的とならないよう配慮されている。具体的には、溶剤組成物の凝固点が、炭酸ジメチル(DMC)単体の凝固点に近づいてしまわないようにするために、本発明に係る溶剤組成物で含有される炭酸ジメチル(DMC)の重量については、50重量%未満とされている。
溶剤組成物として、炭酸ジメチル(DMC)とイソヘキサンとを試験的に混合したところ、両者の相溶性に問題がある、という新たな知見を得た。そこで、両者の相溶性を高める物質として、エタノールを用いてみたところ、相溶性の改善効果があることを確認することができた。このため、実施形態に係る溶剤組成物では、主としてエタノールが用いられている。なお、エタノールに代えて、イソプロピルアルコール(IPA)を用い得ることは確認しており、前記相溶性を高める物質として、アルコール類を用い得る。このアルコール類としては、好適には、エタノール及びイソプロピルアルコールとからなる群から選ぶことができる。
以上から、本発明に係る溶剤組成物は、炭酸ジメチル(DMC)と、イソヘキサンと、エタノールなどのアルコールとが混合されて合計で100重量%となるものとした。ただし、イソヘキサンは、1.5重量%〜5.0重量%のノルマルヘキサンを含有している。
また、本発明に係る溶剤組成物は、炭酸ジメチル(DMC)50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなることが好ましい。より好ましくは、本発明に係る溶剤組成物は、炭酸ジメチルが40〜47重量%と、イソヘキサン45〜48重量%と、エタノール6〜12重量%とが混合されてなるものである。
さらに、本発明に係る溶剤組成物として、炭酸ジメチル(DMC)とイソヘキサンとが等量混合されてなるものが好ましい、という知見を得た。また、より好ましくは、本発明に係る溶剤組成物は、炭酸ジメチル(DMC)が45重量%と、イソヘキサン45重量%と、エタノール10重量%とが混合されてなるものである。または、本発明に係る溶剤組成物は、炭酸ジメチル(DMC)が47重量%と、イソヘキサン47重量%と、エタノール6重量%とが混合されてなるものである。
このような本発明に係る溶剤組成物は、塗料、インクの希釈、溶解に用いる溶剤、加工油の脱脂に用いる溶剤、金属などの部品の洗浄に用いる溶剤として用いる得ることを確認した。
以上のような本発明に係る溶剤組成物は、有機溶剤中毒防止規則で管理対象となる化学物質や、さらにPRTR制度において、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質を含んでいないので、環境性・安全性に優れている。
また、本発明によれば、塗料や印刷インクの希釈用途及び溶解用途、加工油の脱脂用途、或いは金属部品の洗浄用途で十分な性能を発揮しつつ、凍結することもなく乾燥性も良好な溶剤組成物を提供することができる。
[実施例]
本発明に係る溶剤組成物の効果を確認するために、第1試料乃至第8試料を準備した。準備された各試料の組成を表1に示す。
Figure 0006647269
第1試料乃至第4試料は、炭酸ジメチル(DMC)と、イソヘキサンと、エタノールとが混合されて合計で100重量%となるものである。そして、第1試料から第4試料が本発明に係る溶剤組成物に相当する。
なお、本明細書では、炭酸ジメチル(DMC)には、宇部興産株式会社社製炭酸ジメチルを用い、イソヘキサンには、JXTGエネルギー株式会社製カクタスソルベントFを用い、エタノールには、日本合成アルコール株式会社製99度合成無変性を用いている。
試料の作製にあたって、各化学物質の重量の計量器として株式会社島津製作所製ELB1200を用いた。各試料200mlを作製し、ねじ込み式の蓋を有する50ml透明ガラスビンにそれぞれ20mlずつ小分けにして、試験用のサンプルとした。
試料の作製手順としては、まず計量器の上皿天秤上に500mlビーカーを載せ、風袋引きをして計量器の表示数値をゼロにセットし、第1成分である炭酸ジメチル(DMC)を規定量計量する。その後、さらに風袋引きをして計量器の表示数値をゼロにセットし、第2成分(イソヘキサン)を計量する。同様に、第3成分(エタノール)を計量する。
全成分の計量後、ステンレス製マドラーを用いて混合具合が十分に均質となるように手動にて攪拌を行った。攪拌する回数は概ね30回程度である。攪拌し均質とした後に、50mlの蓋付き透明ガラスビンに20mlずつ小分けして、試験用のサンプルとした。
なお、計量器の最小表示値は0.1gであるため、規定数量の±0.1g以内を計量合格の基準として設定した。
また、第5試料は、炭酸ジメチル(DMC)50重量%と、イソヘキサン50重量%とが混合されて合計で100重量%となるものである。第5試料は、本発明に係る溶剤組成物に対する比較例として使用された。試料の作製では、前記の計量器が用いられ、第1成分である炭酸ジメチル(DMC)と、第2成分であるイソヘキサンが計量され、攪拌・混合がなされた。この第5試料は、50mlの蓋付き透明ガラスビンに20mlずつ小分けして、試験用のサンプルとした。
第6試料としては、メチルエチルケトン(MEK)単体を準備し、本発明に係る溶剤組成物に対する比較例とした。メチルエチルケトン(MEK)には、JXTGエネルギー株式会社製メチルエチルトン(MEK)を用いている。メチルエチルケトン(MEK)は、50mlの蓋付き透明ガラスビンに20mlずつ小分けして、試験用のサンプルとした。
第7試料としては、酢酸エチル単体を準備し、本発明に係る溶剤組成物に対する比較例とした。酢酸エチルには、昭和電工株式会社製酢酸エチルを用いている。酢酸エチルは、50mlの蓋付き透明ガラスビンに20mlずつ小分けして、試験用のサンプルとした。
第8試料としては、トルエン単体を準備し、本発明に係る溶剤組成物に対する比較例とした。本発明に係る溶剤組成物に対する比較例とした。トルエンには、JXTGエネルギー株式会社製トルエンを用いている。トルエンは、50mlの蓋付き透明ガラスビンに20mlずつ小分けして、試験用のサンプルとした。
1.凝固試験
蓋付き透明ガラスビンに小分けされた第1試料乃至第8試料の試験用サンプルに対して凝固試験を実施した。表2に凝固試験の結果を示す。
Figure 0006647269
本試験では、冷却コイルを有する冷却手段としてアズワン製ハンディークーラー202TNを用い、また、温度調整制御手段としてオムロン株式会社製デジタルサーモE5LDを用いて温度の制御を行った。
15Lの水浴に不凍液(50%エチレングリコール水溶液)を入れ、不凍液中に前記ハンディークーラーの冷却コイルを投入した。前記デジタルサーモを−10℃に設定して、一定時間(概ね2時間程度)放置し、温度が設定温度で安定するようにした。また、本試験で用いる水浴が15Lと比較的大きかったので、水浴内の温度が均一となるように、エアーポンプを用いてゆっくり水浴内の不凍液の攪拌を続けながら試験を実施した。
温度が安定したら、試験用サンプル20mlが封入されたガラスビンを水浴の中に入れて、約1時間放置し、試験用サンプルの温度が水浴の温度と同化するようにした。1時間経過後、水浴からガラスビンを取り出し、各試験用サンプルにおける凍結の有無を目視にて確認した。
凝固試験の結果、炭酸ジメチル(DMC)50重量%と、イソヘキサン50重量%とが混合された第5試料以外は、凍結(凝固)することがなかった。また、本発明に係る溶剤組成物である第1試料乃至第4試料はいずれも、―10℃で凍結することはなく、炭酸ジメチル(DMC)単体の凝固点よりは、凝固点が下がっていることが確認できた。
2.乾燥試験
蓋付き透明ガラスビンに小分けされた第1試料乃至第8試料の試験用サンプルに対して乾燥試験を実施した。表3に乾燥試験の結果を示す。
Figure 0006647269
乾燥試験は、25cm×25cmのステンレス製板に、0.5mlの試験用サンプルを注射器により滴下し、株式会社ダスキン製ワークホースを用いてステンレス製板全体に液体を伸ばし、液体が等量かつ全体にいきわたった時から、液体が完全に乾燥し目視できなくなるまでの時間をストップウオッチで計測した。このような観測試験の準備では、ステンレス製板の表面はイソプロピルアルコール(IPA)を用いて拭き、各試験で条件が変わらないようにした。また、試験は2回行い平均値を乾燥時間とした。
本発明に係る溶剤組成物である第1試料乃至第4試料については、概ね10秒程度の乾燥時間であり、脱脂作業、洗浄作業の溶剤として用いるような場合、作業者にとって乾燥が遅いと体感するような時間ではないと言える。
3.塗料の溶解試験
蓋付き透明ガラスビンに小分けされた第1試料乃至第8試料の試験用サンプルに対して塗料の溶解試験を実施した。表4に塗料の溶解試験の結果を示す。
Figure 0006647269
塗料の溶解試験に用いたのは、塗料(1)、塗料(2)の2種類である。塗料(1)としては、株式会社アサヒペン油性高耐久鉄部用黄色を用い、塗料(2)としては、大日本塗料株式会社スーパー油性鉄部・建物用白色を用いた。
次に、塗料の溶解試験の手順について説明する。試験用サンプル20mlが入った透明ガラスビンに、注射器で計量した2.5mlの塗料を投入して、透明ガラスビンに蓋をし、手によって10回ふって、透明ガラスビン内部の液体を攪拌した。攪拌を行った後、透明ガラスビンの底面が見えるように、蓋を下にした状態で透明ガラスビンをテーブルなどに静置して10分間放置した。そして、10分間放置後、透明ガラスビンの底面に、塗料が付着しているか否かを目視によって確認した。透明ガラスビンの底面に塗料が付着していなかった場合には○とし、透明ガラスビンの底面に塗料が付着していた場合には×とした。
本発明に係る溶剤組成物である第1試料乃至第4試料は、塗料(1)、塗料(2)の2種類の両方の塗料の溶解に有効であることが確認できた。本発明に係る溶剤組成物を除いて、塗料(1)、塗料(2)の2種類の両方に有効な溶解力を有する溶剤は、第8試料であるトルエンのみであり、本発明に係る溶剤組成物はトルエンと同程度以上の塗料の溶解力を有することが推定される。
以上のように、本発明に係る溶剤組成物である第1試料乃至第4試料は、塗料やインクの希釈及び溶解に用いる溶剤として利用し得ることが確認できた。
4.ブレーキ汚れ洗浄試験
蓋付き透明ガラスビンに小分けされた第1試料乃至第5試料の試験用サンプルに対して、金属部品の例としてタイヤホイールを用いて洗浄試験を実施した。表5に塗料のブレーキ汚れ洗浄試験の結果を示す。
Figure 0006647269
所定の年月使用した自動車のタイヤホイールには、ブレーキ時に発生する金属微粒子が付着する。ブレーキ汚れ洗浄試験では、このようなブレーキ汚れに対して、各試験用サンプルが有効であるか否かを試験した。
所定の年月使用した同一のタイヤホイールにおいて、共通の面積を有する5つの凹部のそれぞれが試験に用いられた。1つの凹部に、1種類の試験用サンプル10mlを滴下して、株式会社ダスキン製ワークホースを用いて、手で20回拭き取る動作を行った。目視によって、金属微粒子によるブレーキ汚れの洗浄度合いを判断した。黒色のブレーキ汚れが凹部に残っておらず、タイヤホイールの金属光沢が目視によって確認できた場合は○として、黒色のブレーキ汚れが凹部に残っている場合は×とした。
以上、本発明に係る溶剤組成物である第1試料乃至第4試料はいずれも、金属部品の洗浄に有効に活用することができることが確認できた。
5.加工油との相溶性試験
蓋付き透明ガラスビンに小分けされた第1試料乃至第5試料の試験用サンプルに対して、加工油との相溶性試験を実施した。表6に加工油との相溶性試験の結果を示す。
Figure 0006647269
加工油との相溶性試験に用いたのは、加工油(1)、加工油(2)の2種類である。加工油(1)としては、切削油であるJXTGエネルギー株式会社リライアカットFS 5を用い、加工油(2)としては、熱処理油であるJXTGエネルギー株式会社ユニクエンチCQT 10を用いた。
次に、加工油の相溶性試験の手順について説明する。試験用サンプル20mlが入った透明ガラスビンに、注射器で計量した加工油20mlを投入して、透明ガラスビンに蓋をし、手によって10回ふって、透明ガラスビン内部の液体を攪拌した。攪拌を行った直後、テーブルなどに静置して、透明ガラスビンの内部を目視によって確認した。目視によって、界面などが確認できず、透明ガラスビン内部の液体が1相の液体として認識される場合には○とし、一方、界面が視認でき透明ガラスビン内部の液体が2相の液体として認識される場合には×とした。
本発明に係る溶剤組成物である第2試料乃至第4試料を含む、加工油の相溶性試験に供された全ての試料で、加工油(1)、加工油(2)の両方の加工油に対して相溶性があることが確認できた。
以上のように、本発明に係る溶剤組成物である第1試料乃至第4試料は、加工油の脱脂に好適に用いる得ることが確認できた。
以上、本発明に係る溶剤組成物は、有機溶剤中毒防止規則で管理対象となる化学物質や、さらにPRTR制度において、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質を含んでいないので、環境性・安全性に優れている。
また、本発明によれば、塗料や印刷インクの希釈用途及び溶解用途、加工油の脱脂用途、或いは金属部品の洗浄用途で十分な性能を発揮しつつ、凍結することもなく乾燥性も良好な溶剤組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 炭酸ジメチルと、イソヘキサンと、アルコールとが混合されて合計で100重量%となる溶剤組成物において、
    炭酸ジメチル50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなり、
    アルコールがエタノールであり、
    炭酸ジメチルが40〜47重量%と、イソヘキサン45〜48重量%と、エタノール6〜12重量%とが混合されてなることを特徴とする溶剤組成物。
  2. 炭酸ジメチルとイソヘキサンとが等量混合されることを特徴とする請求項1に記載の溶剤組成物。
  3. 炭酸ジメチルと、イソヘキサンと、アルコールとが混合されて合計で100重量%となる溶剤組成物において、
    炭酸ジメチル50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなり、
    アルコールがエタノールであり、
    炭酸ジメチルが45重量%と、イソヘキサン45重量%と、エタノール10重量%とが混合されてなることを特徴とする溶剤組成物。
  4. 炭酸ジメチルと、イソヘキサンと、アルコールとが混合されて合計で100重量%となる溶剤組成物において、
    炭酸ジメチル50重量%未満と、イソヘキサン50重量%未満と、アルコールとが混合されてなり、
    アルコールがエタノールであり、
    炭酸ジメチルが47重量%と、イソヘキサン47重量%と、エタノール6重量%とが混合されてなることを特徴とする溶剤組成物。
  5. 塗料、インクの希釈及び溶解に用いる溶剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の溶剤組成物。
  6. 加工油の脱脂に用いる溶剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の溶剤組成物。
  7. 部品の洗浄に用いる溶剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の溶剤組成物。
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