JP6646809B2 - 液体吐出用の吐出ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出装置で使用する液体吐出用の吐出ノズルに関するものである。
電子機器製造分野など各種の技術分野では、接着剤やクリームはんだなどの液体を液滴状態で吐出する液体吐出装置が広く用いられている。吐出対象の液体には高粘度のものが多いため、この種の液体を吐出対象とする液体吐出装置として、貯留室に収容された液体を加圧することにより吐出孔より吐出する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献例に示す先行技術では、ヘッド本体部に形成された開口部に一部が移動自在に挿入されこの移動により液体を押圧する第1部材(加圧部材)と、液体を吐出する吐出孔が設けられた第2部材(吐出ノズル)とによって液体が貯留される貯留室を形成し、第1部材と開口部との間をシール部材によって密封する構成を採用している。そしてこの構成により、液体の吐出時に貯留室に外部から空気が吸い込まれるのを防止することができ、安定した液体の吐出が維持できるようになっている。
特開2014−51080号公報
しかしながら上述の先行技術には、吐出対象の液体の変更などに伴うメンテナンス作業に際して以下のような問題があった。すなわち、液体吐出装置を継続して使用する過程においては、使用目的に応じて吐出対象の液体が適宜変更される。そして液体の変更に際しては、異種の液体が混合することを避けるため、貯留室に残存する液体を排出するとともに、貯留室や貯留室へ液体を導入する導入流路が設けられた吐出ノズルを洗浄するメンテナンス作業が行われる。
ところが上述構成の先行技術においては、液体吐出装置を構成するヘッド本体部、加圧部材および吐出ノズルの構成に起因して、吐出ノズルの洗浄が難しいという課題があった。すなわち上述の先行技術に示す液体吐出装置の吐出ノズルにおいては、貯留室へ液体を導入する導入流路が吐出ノズルの内部で直角に屈曲した形状で設けられていた。このため、洗浄ツールを導入流路内へ挿通させることが難しく、導入流路内の屈曲部には洗浄されずに液体が残留する場合があった。そしてこのように導入流路内に残留した液体が硬化して液体の導入を妨げるなどの不具合の原因ともなっていた。このように、従来の液体吐出用の吐出ノズルには、導入流路内に液体が残留しやすく液体の変更時の洗浄などのメンテナンス作業が難しいという課題があった。
そこで本発明は、液体の変更時の洗浄などのメンテナンス作業が容易な液体吐出用の吐出ノズルを提供することを目的とする。
本発明の液体吐出用の吐出ノズルは、貯留室の液体を加圧部材により加圧することにより液体を吐出する液体吐出装置で使用する液体吐出用の吐出ノズルであって、ヘッド本体部に着脱自在な板状部材であって前記加圧部材を包囲するとともに前記貯留室となる開口部を備えたスペーサと、前記開口部を塞ぐ状態で前記スペーサを介して前記ヘッド本体部に装着され、前記貯留室に液体を導入する導入流路と、前記貯留室の液体を外部へ吐出する吐出流路を有するノズル部材とを備え、前記スペーサには、パッキンを保持するための保持部が形成され、前記導入流路前記ノズル部材の側面に開口した入口部から出口部へ向かって直線状に傾斜している。
本発明によれば、液体の変更時の洗浄などのメンテナンス作業が容易な液体吐出用の吐出ノズルを提供することができる。
本発明の一実施の形態の液体吐出装置の構成説明図 本発明の一実施の形態の液体吐出装置の吐出ヘッドの断面図 本発明の一実施の形態の液体吐出装置の吐出ヘッドにおける貯留室の構成説明図 本発明の一実施の形態の液体吐出装置における吐出ノズルの分解斜視図 本発明の一実施の形態の液体吐出装置における吐出ノズルの斜視図
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1を参照して、液体吐出装置1の全体構成を説明する。図1において、液体吐出装置1は貯留室の液体を加圧することにより液体を吐出する機能を有するものであり、吐出対象の液体を供給する液体供給部2および供給された液体を吐出する吐出ヘッド3を備えている。
液体供給部2は、液体5を貯留するシリンジ形状のタンク4および空圧供給源であるエアコンプレッサ6を備えている。エアコンプレッサ6は電空レギュレータによって所定の圧力に調整された空圧をタンク4に送給する。これによりタンク4内の液体5は空圧によって押し出され、液送管7を介して吐出ヘッド3に供給される。
吐出ヘッド3は、底板部9aを有し上側が開口したコ字形状の吐出ノズル装着部9を有しており、吐出ノズル装着部9の開口側には平板形状のベース部8が装着されている。ベース部8および吐出ノズル装着部9は、吐出ヘッド3の本体を構成するヘッド本体部10となっている。吐出ノズル装着部9の底板部9aの下面には、スペーサ16を介してノズル部材17が装着されている。スペーサ16およびノズル部材17は、液体5を吐出する吐出ノズル18を構成する。
吐出ノズル装着部9には、環状バネ13を介して加圧部材11が装着されており、さらに加圧部材11とベース部8との間には圧電素子よりなるアクチュエータ12が配設されている。アクチュエータ12はアクチュエータ制御部14によって制御されて上下方向へ伸縮動作を行い、ベース部8はアクチュエータ12の伸張時の上向きの反力を支持する。これにより、アクチュエータ12の下面に配設された加圧部材11は往復移動して、液送管7およびノズル部材17を介して貯留室S(図2、図3参照)に供給された液体5を、以下に説明する構成により吐出させる。
次に図2、図3を参照して、吐出ヘッド3の詳細構成を説明する。吐出ノズル装着部9は平板形状の底板部9aの両側端部から側板部9dを上方に延出させた構成となっており、側板部9dの上端部にはベース部8が固定装着されている。ベース部8の下面に上面を当接させたアクチュエータ12の下面には、加圧部材11が配設されている。
加圧部材11は円板形状の径大部11aから円柱形状の一端部11b(図4参照)を下方に突出させた形状を有している。加圧部材11を吐出ノズル装着部9に装着した状態では、吐出ノズル装着部9の底板部9aに設けられた円形の開口部9cに、一端部11bが往復動可能に嵌合する。この状態では、一端部11bの外周面のパッキン溝に装着された第2のパッキン19Bによって、開口部9cと一端部11bの外周面とが密封される。すなわち加圧部材11はヘッド本体部10にアクチュエータ12に駆動されて往復動可能に装着され、一端部11bがヘッド本体部10からアクチュエータ12による往復動方向に突出した構成となっている。また底板部9aの上面と径大部11aの下面との間には、環状バネ13が介在している。
吐出ノズル装着部9の装着面9bには、第1ガスケット20Aを介してスペーサ16が装着されている。スペーサ16は、ヘッド本体部10に着脱自在な所定の厚みを有する板状部材であり、スペーサ16には開口部9cと同径もしくはやや小径サイズの開口部16aが、スペーサ16の厚みを貫通して設けられている。加圧部材11がヘッド本体部10の吐出ノズル装着部9に装着された状態では、吐出ノズル装着部9から下方へ突出する一端部11bは、開口部16aによって包囲される。
図3に示すように、開口部16aの上部には第1のパッキン19Aを保持するための保持部16bが形成されている。保持部16bに第1のパッキン19Aを保持させることにより、第1のパッキン19Aはスペーサ16と加圧部材11の一端部11bの側面の間に位置する。これにより、貯留室Sの液体5が開口部9cの側面と一端部11bの側面との間の隙間に進入するのが防止される。
すなわち本実施の形態では、液体5がヘッド本体部10を構成する吐出ノズル装着部9に接触するのを防止するための第1のパッキン19Aを備えている。このように、第1のパッキン19Aを保持するための保持部16bを開口部16aの上部に設けることにより、保持部16bを形成するための加工を容易にするとともに、保持部16bに侵入した液体5やその他の異物の清掃を容易に行うことができる。
スペーサ16の下面側には第2ガスケット20Bを介してノズル部材17が装着されている。ノズル部材17は開口部16aを塞ぐ状態でスペーサ16に装着され、この状態では、ノズル部材17の装着面17aと一端部11bの下端面11c(図3参照)との間に貯留室Sが形成される。すなわちスペーサ16は加圧部材11の一端部11bを包囲するとともに貯留室Sとなる開口部16aを備えた形態となっている。
なお、ここではスペーサ16の上面に第1ガスケット20A、下面に第2ガスケット20Bを装着する例を示したが、スペーサ16の下面の第2ガスケット20Bは必須ではなく、少なくともヘッド本体部10の吐出ノズル装着部9とスペーサ16の間に第1ガスケット20Aを備えていればよい。特に、スペーサ16がガスケット機能を有さない材料で形成されている場合は、第1ガスケット20Aを装着する必要がある。このように第1ガスケット20Aを備えることにより、洗浄液や飛び散って付着した液体5がヘッド本体部10とスペーサ16の間から侵入して、加圧部材11の一端部11bと底板部9aの隙間に入り込むのを防止することができる。一方、スペーサ16がゴム等のガスケット機能を備えた材料で形成されている場合は、第1ガスケット20Aと第2ガスケット20Bを特別に備える必要はない。
ノズル部材17の一方側の側面には、図1に示す液送管7と接続され内部に入口部22aを有するジョイント22が植設されている。入口部22aは、ノズル部材17の内部に設けられ貯留室Sに液体5を導入する導入流路23と連通している。すなわち導入流路23はノズル部材17の装着面17a(図3参照)に開口した出口部23aを介して、貯留室Sと連通している。出口部23aは貯留室Sに吐出対象の液体5を供給する供給孔として機能する。
ここで導入流路23はノズル部材17の側面に開口した入口部22aから出口部23aに向かって傾斜した形状となっている。これにより導入流路23はノズル部材17内部において屈曲部のない直線状に形成される。このため導入流路23内部において残留した液体5や異物などによる目詰まりが発生しにくい構造とすることができる。さらに液体の交換時などに必要とされるメンテナンス作業において、クリーニングピンなどのツールを導入流路23に挿通させて、容易に導入流路23の内部を清掃することが可能となっている。
ノズル部材17には、貯留室Sからノズル部材17の下面に設けられた吐出口24に連通して貯留室Sの液体5を外部へ吐出する吐出流路24aが設けられている。吐出流路24aは下方の径寸法が絞られたテーパ孔形状となっており、貯留室S側にいくに従って径が大きくなっている。ここで、吐出口24の位置は貯留室S内における中心位置から出口部23aと反対側に隔てた配置となっている。このような配置とすることにより、一端部11bを貯留室S内で往復移動させる液吐出において出口部23aから貯留室S内に供給された液体5は、貯留室S内にエアだまりを形成することなく全体を充填し、貯留室S内にエアだまりが残留することによる吐出不良を防止することができる。
液体吐出装置1による液体5の吐出に際しては、まず液体供給部2から液送管7および導入流路23を介して貯留室S内に液体5を供給する。次いでアクチュエータ制御部14によってアクチュエータ12を充電し、環状バネ13による付勢力に抗して加圧部材11を所定のストロークだけ伸張させる。これにより貯留室Sの容積が変化して、吐出流路24aを介して吐出口24から液体5が吐出される。そして吐出後にはアクチュエータ12を放電することによりアクチュエータ12の伸張を元に戻し、環状バネ13の付勢力により加圧部材11が押し上げられて次回の液吐出が可能な状態となる。すなわちアクチュエータ12、環状バネ13、アクチュエータ制御部14は、加圧部材11を往復移動させて貯留室Sの容積を変化させることにより、吐出流路24aから液体5を吐出させる駆動部15となっている。
図4は、吐出ノズル装着部9の装着面9bに組み付けられる部品を分解した斜視図を示している。すなわち、これらの部品を組み付ける際には、吐出ノズル装着部9の装着面9bから突出した加圧部材11の一端部11bに、第1のパッキン19Aを装着する。次いで、第2ガスケット20B、スペーサ16、第1ガスケット20Aおよびノズル部材17を重ねて、ノズル部材17の吐出面17bに設けられた締結孔17cに締結ボルト25を挿通させて、装着面9bに形成されたねじ孔9eに螺合させてねじ締結する。これにより図5に示すように、吐出ノズル装着部9の装着面9bには、スペーサ16、ノズル部材17を重ねた吐出ノズル18が、締結ボルト25によりねじ締結された状態となる。
上記説明したように、本実施の形態では、ヘッド本体部10に往復移動可能に装着され、その一端部11bがヘッド本体部10から往復移動方向に突出した加圧部材11と、ヘッド本体部10から突出する加圧部材11の一端部11bを包囲するとともに貯留室Sとなる開口部16aを備えたスペーサ16と、開口部16aを塞ぐ状態でスペーサ16に装着され、貯留室Sに液体5を導入する導入流路23と、貯留室Sの液体5を外部へ吐出する吐出流路24aを備えたノズル部材17とを備え、貯留室Sの液体5を加圧することにより液体5を吐出する構成の液体吐出装置1において、スペーサ16と加圧部材11の一端部11bの側面の間に、貯留室Sの液体5がヘッド本体部10に接触するのを防止するための第1のパッキン19Aを備えた構成としている。
これにより、第1のパッキン19Aによって一端部11bと吐出ノズル装着部9との間を密封することができ、液体5が一端部11bと吐出ノズル装着部9との間の隙間に入り込むことを防止することができる。これとともに、加圧部材11の一端部11bが吐出ノズル装着部9の装着面9bから突出していることから、メンテナンスに際してヘッド本体部10の吐出ノズル装着部9の清掃を作業性よく実行することができ、液体の変更時の洗浄などのメンテナンス作業が容易となる。
また吐出ノズル装着部9に装着される吐出ノズル18のノズル部材17を、貯留室Sに液体5を導入する導入流路23と、貯留室Sの液体5を外部へ吐出する吐出流路24aとを備えた構成とし、さらにノズル部材17における導入流路23の形態として、導入流路23がノズル部材17の側面に開口した入口部22aから出口部23aへ向かって傾斜した配置を採用している。これにより、導入流路23が屈曲部のない直線形状となり、導入流路23内部の目詰まりが発生しにくくなるとともに、液体の変更時の洗浄などのメンテナンス作業において導入流路23の清掃を容易に行うことができる。
本発明の液体吐出用の吐出ノズルは、液体の変更時の洗浄などのメンテナンス作業が容易であるという効果を有し、貯留室の液体を加圧することにより液体を吐出する分野において有用である。
1 液体吐出装置
2 液体供給部
3 吐出ヘッド
4 タンク
5 液体
8 ベース部
9 吐出ノズル装着部
9c 開口部
10 ヘッド本体部
11 加圧部材
11b 一端部
12 アクチュエータ
13 環状バネ
14 アクチュエータ制御部
15 駆動部
16 スペーサ
16a 開口部
17 ノズル部材
18 吐出ノズル
19A 第1のパッキン
19B 第2のパッキン
20A 第1ガスケット
20B 第2ガスケット
22a 入口部
23 導入流路
23a 出口部
24a 吐出流路
S 貯留室

Claims (2)

  1. 貯留室の液体を加圧部材により加圧することにより液体を吐出する液体吐出装置で使用する液体吐出用の吐出ノズルであって、
    ヘッド本体部に着脱自在な板状部材であって前記加圧部材を包囲するとともに前記貯留室となる開口部を備えたスペーサと、
    前記開口部を塞ぐ状態で前記スペーサを介して前記ヘッド本体部に装着され、前記貯留室に液体を導入する導入流路と、前記貯留室の液体を外部へ吐出する吐出流路を有するノズル部材とを備え、
    前記スペーサには、パッキンを保持するための保持部が形成され、
    前記導入流路前記ノズル部材の側面に開口した入口部から出口部へ向かって直線状に傾斜している、液体吐出用の吐出ノズル。
  2. 前記吐出流路は前記貯留室側にいくに従って径が大きくなっている、請求項1記載の液体吐出用の吐出ノズル。
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