JP6645526B2 - 鋼板形状計測装置および鋼板形状矯正装置 - Google Patents

鋼板形状計測装置および鋼板形状矯正装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板形状計測装置および鋼板形状矯正装置に関する。
鋼板の製造では、一般に、コールドレベラー、ホットレベラーと呼ばれる複数のロールを上下に配置し、これらのロールの間に鋼板を搬送することで、製造時に発生した反り、耳波等の形状不良を矯正する。しかし、一般に厚物材と呼ばれる厚さ40mm以上の鋼板の場合、先尾端部位の形状不良をコールドレベラーやホットレベラーでは、矯正しきれない。そのため、厚物材に形状不良が発生した場合には、鋼板をラインから外し、所謂オフラインで操作者が加圧装置(プレス機)を操作して形状矯正を行う。
鋼板の形状を矯正するためには、鋼板の形状を正確に計測する必要がある。鋼板の形状を自動計測する装置としては、例えば、特許文献1に記載されるように、複数の光学系距離計からなる計測装置を鋼板の搬送ライン上に設置し、この計測装置を通過する鋼板からの光の反射状態から鋼板表面までの距離、すなわち鋼板表面の高さを検出し、この高さを連続して測定することで鋼板表面の形状を計測するものがある。しかしながら、特許文献1に記載された鋼板形状計測装置は、オフラインでの形状計測には適さない。
これに対し、特許文献2では、オフラインで鋼板の形状を計測する形状矯正装置が提案されている。この特許文献2に記載される形状計測装置は、一つのレーザ光源からのレーザ光をミラーで転向し、転向されたレーザ光を走査して、静止した鋼板上の所定の検出点群を測定し、それらの検出点群データからの鋼板の形状を計測するものである。そのため、オフラインで鋼板が静止している状態でも鋼板の形状を計測することができる。
特開平5−237546号公報 特開2010−155272号公報
しかしながら、上記の特許文献2に記載の鋼板形状矯正装置では、鋼板形状計測装置の設置位置、向き等について具体的に記載されていない。そのため、特許文献2に記載の鋼板形状矯正装置で鋼板の形状を測定するには、まだ改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、精度良く鋼板形状を測定することが可能な鋼板形状計測装置を提供することを目的とする。また、形状矯正前後の搬送装置上の鋼板形状および形状矯正中の加圧ラム下の鋼板形状を精度良く測定し、精度良く形状矯正することが可能な鋼板形状矯正装置を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]鋼板を載置可能な形状測定領域が設定され、該形状測定領域上に載置された鋼板表面をレーザ光で走査して、前記鋼板表面上の所定の検出点群を測距し、得られた測距データから前記鋼板の形状を測定する鋼板形状計測装置であって、
送受光ユニットと、前記送受光ユニットから出射されたレーザ光を転向して鋼板表面へと反射させ、また、鋼板表面から再帰反射光を前記送受光ユニットへと反射させるミラーと、を有し、
前記形状測定領域が、前記ミラーが受光する前記レーザ光の前記鋼板からの再帰反射光の光量の低下率を表す影率が25%未満となる領域内にあることを特徴とする鋼板形状計測装置。
[2]前記ミラーは、前記送受光ユニットから出射された前記レーザ光の光軸に一致した第一の回転軸のまわりに回転可能であり、
該ミラーの回転により前記送受光ユニットから出射されたレーザ光の反射方向を変えることで、鋼板表面内の所定の第1の方向に沿って、レーザ光の照射位置を自在に調整可能であることを特徴とする[1]に記載の鋼板形状計測装置。
[3]前記送受光ユニットと前記ミラーとを保持する、前記第一の回転軸に直交する第二の回転軸のまわりに回転可能な回転台と、
前記第二の回転軸を中心に回転台を回転させる回転駆動部と、
を有し、
前記回転台の回転により、前記鋼板表面内の前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って、レーザ光の照射位置を自在に調整可能であることを特徴とする[2]に記載の鋼板形状計測装置。
[4]前記第二の回転軸は、
前記鋼板表面に垂直ではなく、
前記鋼板表面に平行な平面への前記第二の回転軸の正射影が、前記鋼板の長手方向となす角度をA度としたとき、A度が10度以上であることを特徴とする[3]に記載の鋼板形状計測装置。
[5]前記鋼板表面に平行な平面への前記第二の回転軸の正射影について、
前記影率が25%以上となる領域の端部の2本の直線で形成される角度をB度としたとき、
前記A度が、(B/2)度以上90度以下であることを特徴とする[4]に記載の鋼板形状計測装置。ただし、Bは0超え180未満である。
[6]前記A度が50度〜70度であることを特徴とする[4]または[5]に記載の鋼板形状計測装置。
[7]加圧ラムを備えたプレス機と、前記プレス機の入側及び出側に設けられ且つ鋼材を搬送する搬送装置とを有する鋼板形状矯正装置において、
前記プレス機の入側及び/又は出側に[1]〜[6]のいずれかに記載の鋼板形状計測装置を備え、
前記形状測定領域は前記入側あるいは出側の少なくとも一方の搬送装置上を含むように設定されているとともに、
前記入側あるいは出側に配置された鋼板形状計測装置のうちの少なくとも一方の鋼板形状計測装置の前記形状測定領域の一部が前記プレス機内にあることを特徴とする、鋼板形状矯正装置。
本発明の鋼板形状計測装置によれば、精度良く鋼板形状を測定することができる。また、本発明の鋼板形状矯正装置によれば、効率的に、形状矯正前後の搬送装置上の鋼板形状および形状矯正中の加圧ラム下の鋼板形状を精度良く測定し、精度良く形状矯正することができる。
本実施形態の鋼板形状矯正装置の概略構成を説明するための図である。 図1の鋼板形状計測装置のレーザ距離計の概略構成を説明するための図である。 鋼板形状計測装置による鋼板Sへのレーザ光の照射状態を示す模式図であり、(a)は影率が0%未満である状態を、(b)は影率が0%超〜50%未満である状態(部分影領域)を、(c)は影率が50%以上である状態(死角領域)を示す。 死角領域および部分影領域を説明するための図である。 図1の鋼板形状計測装置による鋼板の形状の測定範囲を説明するための図である。 図1の鋼板形状計測装置の設置角度と旋回角度の関係を示すグラフである。 鋼板形状矯正装置の第二の回転軸(x’軸)、第二の回転軸に直交し載置面に平行な軸(y’軸)、載置面に直交する軸(z軸)を説明するための図である。 第二の回転軸(x’軸)が載置面に平行な場合の、ミラー回転角による誤差の影響係数dz/dφの値を長手方向x−幅方向y座標上にマップ化した図であり、(a)はAが0°、(b)はAが30°、(c)はAが60°、(d)はAが90°の場合を、それぞれ示す。 検出点分布を示す図であり、(a)はAが90°である場合を、(b)はAが60°である場合を、それぞれ示す。 第二の回転軸(x’軸)が載置面に直交する場合の、ミラー回転角による誤差の影響係数dz/dφの値を長手方向x−幅方向y座標上にマップ化した図である。
以下、本発明の実施形態に係る鋼板形状計測装置および鋼板形状矯正装置について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の鋼板形状計測装置は、鋼板を加圧するための加圧ラムを有するプレス機と、プレス機の入側及び出側に設けられ且つ鋼板を搬送する搬送装置とを有する鋼板形状矯正装置に設けられている。鋼板形状計測装置は、鋼板を載置可能な形状測定領域が設定され、この形状測定領域上に載置された鋼板表面をレーザ光で走査して、鋼板表面上の所定の検出点群を測距し、得られた測距データから鋼板の形状を測定する。
そして、本実施形態の鋼板形状計測装置では、形状測定領域が、ミラーが受光するレーザ光の鋼板からの再帰反射光の光量の低下率を表す影率が25%未満となる領域内にとなるように設定されている。
図1は、本実施形態の鋼板形状矯正装置の概略構成を示す上面図である。この鋼板形状矯正装置は、鋼板Sをオフラインで形状矯正するものである。図1中、符号1は、鋼板Sの形状を矯正するプレス機であり、プレス機1の入側(図中、X軸負方向側)には入側ベッド3、プレス機1の出側(図中、X軸正方向側)には出側ベッド4が配設されている。ベッド3、4は、何れも鋼板Sを搬送するための多数のローラが鋼板Sの搬送方向に配設されており、このローラの回転状態を制御することで鋼板Sの搬送方向を制御することができる。すなわち、これらのベッド3、4が、鋼板Sの搬送装置を構成する。また、入側ベッド3及び出側ベッド4の側方には、鋼板Sの位置を検出する位置検出装置7が設けられている。位置検出装置7は、後述する形状計測装置と同様にレーザ光で鋼板Sを搬送方向に走査して鋼板Sの搬送方向への形状を計測し、その形状測定結果から鋼板Sがどの位置にあるかを検出する。
本実施形態の鋼板形状矯正装置のプレス機1では、加圧ラム2で鋼板Sを上から加圧し、主として鋼板Sに曲げモーメントを付与して鋼板Sの形状を矯正する。鋼板Sの形状は、入側ベッド3及び出側ベッド4の側方(図中、Y軸負方向側(Y軸正方向側でもよい))に設置された後述する鋼板形状計測装置5によって計測する。鋼板形状矯正のパラメータとしては、例えば、鋼板Sの形状から求めた差金隙間(所定長さの直線治具を鋼板表面に当てた時に生じるこの直線治具と鋼板表面との隙間の最大値)、加圧ラム2による加圧力、シムと呼ばれる敷板の位置と間隔、鋼板Sの位置が挙げられる。本実施形態の鋼板形状矯正装置におけるプレス機1による鋼板Sの形状矯正は、鋼板Sの下に2本のシムを敷き、そのシムの間の部分の鋼板Sを加圧ラム2で加圧する。加圧ラム2による曲げモーメントは、シムの間の部分の鋼板Sに生じる。本実施形態の鋼板形状矯正装置では、この曲げモーメントによる鋼板Sの変形量と加圧開放時の戻り量であるいわゆるスプリングバック量を加味して、前述した種々のパラメータを調整する。
入側ベッド3及び出側ベッド4の側方には鋼板形状計測装置5を設置し、出側ベッド4の側方には制御装置6を設置することができる。鋼板形状計測装置5は、一つのレーザ光源からのレーザ光を転向し、このレーザ光で鋼板S表面を走査して、鋼板S表面上の所定の検出点群について、測距、すなわち検出点群の各々の検出点までの距離の測定と、検出点群の各々の検出点の方位の測定とを行い、距離データと方位データとを対応づけて、該検出点群データから鋼板Sの形状を計測する。具体的構成としては、鋼板形状計測装置5は、レーザ光によって検出点までの距離を検出するレーザ距離計と、レーザ距離計で検出された距離データおよびその距離データ得た時のレーザ光照射の方位データから鋼板Sの形状を計測するコンピュータシステム(図示せず)を備えて構成される。レーザ距離計は、3次元にレーザ光を走査して走査範囲内にある各検出点までの距離を計測することができる。
レーザ距離計で距離を検出する方法には、周知の位相差法やTime of Flight法がある。位相差法は、強度変調したレーザ光を対象物に照射し、その反射光を受光センサで受光し、発振したレーザ光と受光した反射光の位相差から距離を算出する方法である。また、Time of Flight法は、レーザ光の入射パルスと反射パルスの時間差と光の速度から距離を算出する方法である。位相差法、Time of Flight法のいずれを採用する場合でも、レーザ距離計は、レーザ光照射装置と、レーザ光受光装置を備えることで、鋼板Sの各検出点までの距離を計測し、鋼板Sの形状を求めることができる。
図2は、鋼板形状計測装置5のレーザ距離計の概略構成を説明するための図である。図2(a)に示すように、鋼板形状計測装置5のレーザ距離計は、レーザ光を出射するレーザ光源とレーザ光を受光する受光器とを有する送受光ユニットと、出射されたレーザ光の照射位置を鋼板S表面の所定の第1の方向に沿って自在に調整可能なように、レーザ光を反射することで進行方向を調整するレーザ光調整部と、回転軸を中心にレーザ光源とレーザ光調整部とを回転させて、第1の方向に直交する第2の方向に沿ってレーザ光の照射位置を自在に調整可能なようにレーザ光の進行方向を調整する、回転軸上に設置される回転駆動部と、を有する。
本実施形態の鋼板形状矯正装置のレーザ距離計の一例としては、図2(a)に示すように、送受光ユニット11が回転台12の上に搭載され、送受光ユニット11のレーザ出射口に周知のガルバノミラー(上記のミラーの一例である。)13(以下、単にミラー13とも云う)が配設される。ガルバノミラー13の回転軸は本発明における第一の回転軸に対応するもので、送受光ユニット11のレーザ出射口からのレーザ光の光軸に一致し、ガルバノミラー13の回転軸は回転台12の回転軸(本発明における第二の回転軸に対応)と直交する。なお、鋼板形状計測装置5では、入側ベッド3上や出側ベッド4上だけでなく、プレス機1の加圧ラム2下でも鋼板Sの形状を計測することができる。鋼板S表面からの再帰反射光はガルバノミラー13で反射されて、レーザ距離計の送受光ユニット11に届く。
図2(b)は、図2(a)を図の左側から見た図であり、装置構成要素の配置を説明するため、一部は透視図を示している。図2(b)の上下方向が、図2(a)の上下方向と一致する。図2(b)の中央部の丸がガルバノミラー13を備えた第一の回転軸であり、この丸を通り左右に伸びる直線は水平方向を示す線である。ガルバノミラー13は第一の回転軸(図2(b)の紙面に垂直な方向)を中心軸として360度回転し、レーザ光の照射方向を、この第二の回転軸を中心とした0度〜360度の範囲で転向することができる。回転台12は第二の回転軸(図2(b)の上下方向)のまわりを回転し、レーザ光の照射方向を、この第二の回転軸を中心とした0度〜360度の範囲で転向することができる。ガルバノミラー13の回転と回転台12の回転により、全方向に対してレーザ光を照射することが可能となっている。
ガルバノミラー13および回転台12の回転角度はエンコーダで測定されており、それぞれの回転角度測定結果から、レーザ光の照射方位が検出できる。そして、検出群の各々の検出点について、距離データと、その距離データを得たときの照射方位データを対応づけることで、鋼板Sの形状を計測する。
ガルバノミラー13の回転と回転台12の回転により、ガルバノミラー13からは全方位に対してレーザ光を照射することが可能となっているが、回転台12を第二の回転軸のまわりに回転するための回転駆動部14がレーザ光の光路の一部を遮るように回転台下に位置するため、回転駆動部14が邪魔となりレーザ光を鋼板形状計測装置5から外側に放射できない死角領域(影率が50〜100%である領域)および、ガルバノミラー13へ向かう鋼板Sからの再帰反射光の全てをガルバノミラー13で受光できない部分影領域(影率が0%超50%未満である領域)が生じる。レーザ光を照射できない領域(死角領域)および鋼板Sからの再帰反射光の全てをガルバノミラー13で受光できない領域(部分影領域)は、ガルバノミラー13の中心を頂点とした円錐体状に拡がり、死角領域内では形状を測定できない。また部分影領域のうち影率が大きい領域では、精度良く形状を測定することができない。影率がある値以上となる領域も、ガルバノミラー13の中心を頂点とした円錐体状に拡がる。
ここで、上記の影率とは、ミラー13の全面で再帰反射光を受光する場合の受光される再帰反射光の光量に対する回転駆動部14等の障害物の存在に伴うミラー13が受光する再帰反射光の光量の低下率のことを指す。
図3に示すように、送受光ユニット11から出射されたレーザ光Lは、ミラー13で転向され、鋼板Sに照射される。鋼板S表面での拡散反射により生じた再帰反射光Loutは、ミラー13に向かい、ミラー13に反射して送受光ユニット11で受光される。影率が0%である場合は、図3(a)に示すように、鋼板Sからの再帰反射光Loutをミラーの全面で受光できる状態のことを意味する。
一方、部分影領域(影率が0%超50%未満の領域)では、図3(b)に示すように、送受光ユニット11から出射され、ミラー13で転向されたレーザ光Lの全てのスポット領域が、障害物(回転駆動部)14に遮られることなく、鋼板S表面へと照射される。しかし、ミラー13へと向かう鋼板Sからの再帰反射光Loutを、鋼板Sとミラーとの間の障害物(回転駆動部)14の存在によりミラー全面で受光できない状態となっている。影率は、鋼板Sからの再帰反射光Loutを受光していないミラー面の面積のミラー全面の面積に対する割合である。
部分影領域において影率が増えると、受光素子が受光する再帰反射光の光量が減少し、外乱(ノイズ)の影響が大きくなるため、測定精度が悪くなる。ミラーが汚れた場合と同じ状態となる。本発明者らの検討によれば、影率が25%超となる部分影領域では、外乱(ノイズ)の影響が大きくなり、測定精度が悪いことがわかった。逆に、影率が25%未満の領域であれば、測定精度は十分に確保できることが確認された。
死角領域(影率が50〜100%である領域)では、送受光ユニット11から出射され、ミラー13で転向されたレーザ光Lの一部または全部が、障害物(回転駆動部)14により遮られ、鋼板S表面に照射されない状態となる。図3(c)はレーザ光Lの一部が障害物(回転駆動部)14に遮られている状態を示している。この死角領域では、レーザ光が鋼板Sに全く照射されないか、照射されたとしても照射されたレーザ光Lの光量自体が減少してしまい、さらに、ミラー13が受光すべき再帰反射光Loutについても、その多くが障害物(回転駆動部)14に遮られて、結果として送受光ユニットで受光する再帰反射光の光量が不足する。したがって、この死角領域では、鋼板形状の測定ができない。
図1に示すように、入側ベッド3の側方に設置された鋼板形状計測装置5、および、出側ベッド4の側方に設置された鋼板形状計測装置5は、それぞれ、鋼板の形状を測定可能な領域である形状測定領域A1、A2が設定されている。入側ベッド3の側方に設置された鋼板形状計測装置5についての形状測定領域A1は、入側ベッド3上の領域である。一方、出側ベッド4の側方に設置された鋼板形状計測装置5についての形状測定領域A2は、出側ベッド4上の領域およびプレス機1内の領域とされている。
そして、形状測定領域A1、A2はともに、鋼板形状計測装置5の影率が25%未満となる領域内にある。図1には、それぞれの鋼板形状計測装置5、5について、影率が25%以上となる円錐体領域を上方から見た領域B1、B2を示しているが、形状測定領域A1と影率が25%以上となる領域B1とは重複領域がない。また、形状測定領域A2と影率が25%以上となる領域B2とにも重複領域がない。つまり、形状測定領域A1あるいは形状測定領域A2の上に存在する鋼板Sについては、鋼板形状計測装置5からレーザ光が照射されると、ミラー13の全面で鋼板Sからの再帰反射光を受光できる。したがって、形状測定領域A1、A2それぞれの全域について、鋼板形状測定装置5、5で精度のよい鋼板形状測定を実施することができる。
鋼板形状計測装置5と測定対象の鋼板Sまでの距離が離れるほど、点群密度が低く、距離精度も悪くなるため、鋼板形状計測装置5と測定対象(鋼板S)間の距離は小さいほうが望ましい。したがって、鋼板形状計測装置5は、鋼板Sの測定範囲の長手方向の中央付近に設置するほうが望ましい。
図4は、死角領域および部分影領域を説明するための図である。本実施形態の鋼板形状矯正装置では、上記の死角領域および部分影領域の位置調整について鋭意検討されており、入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5については、死角領域および影率が25%以上の部分影領域に入側ベッド3が位置しないように、鋼板形状計測装置5が設置されている。また、出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5については、死角領域および影率が25%以上の部分影領域にプレス機1および出側ベッド4が位置しないように、プレス機1と鋼板形状計測装置5が設置されている。
図4中では、上記の第1の方向とは、X´軸正負方向のことを指し、第二の回転軸である回転軸12を回転させなくてもレーザ光を照射位置を走査可能な方向を指す。また、図4中、上記の第2の方向とは、Y´軸正負方向のことを指す。回転台12は、X´軸を中心にして回転する。なお、X´軸、Y´軸とは、それぞれ、Z軸を中心にして、X軸、Y軸を同じ角度分回転させた軸であり、回転台12の回転軸の鋼板S表面に平行な平面への正射影は、X´軸と平行である。
また、本実施形態の鋼板形状矯正装置では、上記の死角領域および部分影領域を考慮し、回転台12の上記の回転軸(第二の回転軸)が鋼板S表面に垂直ではなく、鋼板S表面に平行な平面への第二の回転軸の正射影が、鋼板Sの長手方向となす角度をA度(図4中の符号A参照)としたとき、死角領域+部分影領域の一部(影率が25%以上の領域)が、出側ベッド4やプレス機1と干渉しないように、A度が設定されている。例えば、A度が0度である場合、死角領域+部分影領域の一部(影率が25%以上の領域)が、鋼板形状計測装置5を通るライン方向線よりも出側ベッド4の側にも存在するようになる。A度を大きくしていくと、死角領域+部分影領域の一部の、鋼板形状計測装置5を通るライン方向線よりも出側ベッド4の側への重なり度合が小さくなっていく。出側ベッド4側への死角領域+部分影領域の一部の存在をなくすためには、A度が10度以上であることが好ましい。これにより、鋼板Sの測定可能範囲を大きくできる。
さらに、鋼板表面に平行な平面への前記第二の回転軸の正射影について、影率が25%以上となる領域の端部の2本の直線で形成される角度をB度(図4中の符号B参照。Bは0超え180未満である。)としたとき、回転軸の死角領域側の直線と、鋼板の長手方向(ライン方向)とにより形成される角度(すなわち、上記のA度)が、(B/2)度以上90度以下である。A度が(B/2)度以上90度以下であることで、鋼板Sの形状の測定精度がより高まる。
図5は、鋼板形状計測装置5による鋼板の形状の測定範囲の一例を説明するための図である。図5の最上図は、測定対象領域と、鋼板形状測定装置との位置関係を上面図として示すものである。図の左右方向が鋼板の搬送方向であり、鋼板の長手方向でもある。「プレス機下」と記された領域は、プレス機1の下方であり、そのほかの部分は、出側ベッド4の一部である。測定対象領域は、プレス機1の下方(プレス機中央部から鋼板搬送方向に対して前後各2m)、および、出側ベッド4のうちプレス機1の中央部直下から鋼板搬送方向に対して28m離れた位置までである。鋼板形状測定装置5の回転台12の中心軸(回転軸)は、プレス機1の中央部から鋼板搬送方向に対して14m、出側ベッド4の鋼板形状測定装置5側の端部から0.7mの位置にある。図中では、内部に多数に点が描かれた円として表示されている。
以下、全長平坦度測定モード、プレス機下測定モード、半長平坦度測定モードについて説明する。図5の上から2〜4番目の図において太線で囲まれた領域が、それぞれの測定モードにおける測定対象領域を示す。図5に示すように、全長平坦度測定モードは、板長最大28mの平坦度を測定可能なモードである。プレス機下平坦度測定モード(ラム下平坦度測定モード)は、加圧ラム直下の板の平坦度を測定するモードである。半長平坦度測定モードは、プレス機直下を含む鋼板全長の約半分強の領域として板長最大16mの平坦度を測定可能なモードである。どの測定モードを使用するかについては、鋼板Sの性質に応じて適宜設定することができる。
ここで、ある鋼板Sを対象として形状を計測する例を説明する。鋼板形状計測装置5の回転台12の回転軸を鉛直軸と平行に設置した場合、全長平坦度測定モードの鋼板Sを全長にわたって走査するための回転角(図5中、角α)は174度、プレス機下平坦度測定モードの加圧ラム2下の鋼板Sを走査するための回転角(図5中、角β)は35度(以下、「°」とも記す)、半長平坦度測定モードの搬送装置上の鋼板Sを走査するための回転角(図5中、角γ)は158度となる。
なお、ガルバノミラー13は高速に回転するが、回転台12の回転速度は比較的低速であるため、回転台12の回転角度の変化範囲が測定時間の長短を決定する。作業効率上からも測定時間は可能な限り短いほうがよい。したがって、測定のための回転台12の回転角度の変化範囲はできるだけ小さいほうがよい。
鋼板形状計測装置5の回転台12の回転軸を鉛直軸と垂直に設置した場合の、所定範囲の全長を測定するために必要な第二の回転軸まわりの回転角度(以下、旋回角度と称する)と、第二の回転軸と鋼板搬送方向とがなす角(A度)の補角である設置角度と、の関係を、全長平坦度測定モード、プレス機下平坦度測定モード、および、半長平坦度測定モードのそれぞれについて図6に示す。ここで、設置角度とは、図4に示した図において、180度から上記のA度を引いた角度である。旋回角度が大きい程、第2の回転軸回りの回転に要する時間が長くなり、測定が長時間化するため、測定効率は悪くなる。死角は55度であり、鋼板形状計測装置5の位置よりも出側ベッド4側に死角領域を発生させないための設置角度は23〜157度となる。また、影率25%以上の領域(図4における死角領域+部分影領域の一部)の角度(=B×2)は、90度であり、鋼板形状計測装置5の位置よりも出側ベッド4側に影率25%以上の領域を発生させないための設置角度は45度超135度未満となる。
図6から、設置角度30度のときプレス機下平坦度測定モードの旋回角度は約90度と、比較的大きくなり、プレス機下平坦度測定モードの測定効率は悪くなる。設置角度90度のときプレス機下平坦度測定モードの旋回角度は約5度で極小となるが、一方、全長平坦度測定モードの旋回角度は約155度で極大となる。設置角度150度のときプレス機下平坦度測定モードの旋回角度は約15度で比較的小さく、また全長平坦度測定モードの旋回角度は約140度である。これらの結果を総合すると、設置角度は90〜157度(上記A度として、23〜90度)が好ましい。なお、形状測定装置の特性や性能にも依存するが、旋回角度30度以下では旋回角度の大小にかかわらず測定に必要な時間がほぼ同じになること、また、設置角度が90度以上の場合には半長平坦度測定モードにおける旋回角度が単調に減少して効率が向上すること、なども考えると、設置角度157度の場合が最も効率的となる。
一方で、設置角度が135度以上であると、影率25%以上の領域が、ライン方向と直交する水平方向で、鋼板形状計測装置5よりも出側ベッド4側へと存在するようになるため、測定精度の観点からは好ましくない。したがって、測定精度および測定効率を両立する観点からは、設置角度は135度より若干小さい値となるように、具体的には90〜135度の範囲とするのがよい。言い換えると、A度は、45度〜90度の範囲とするのがよい。
さらに、鋼板形状計測装置には、ミラー13の第一の回転軸回りの回転角の誤差dφ(以下、単にミラー回転角誤差dφと云う)(rad)、回転台12の第二の回転軸回りの旋回角の誤差dθ(以下単に旋回角誤差dθと云う)(rad)、および、距離の誤差dr(m)の3成分の装置誤差がある。これら3成分の誤差の合計である装置誤差を最少限とするためには、前記A度は50°〜70°であることが好ましい。以下、その理由について説明する。
図7に示すように、回転台12の回転軸(第二の回転軸)を出側ベッド3、入側ベッド4の搬送面、すなわち、形状測定領域における鋼板Sの載置面と平行(鋼板S表面とは略平行)とし、この回転台12の回転軸(第2の回転軸)の方向をx’軸、上記載置面と平行な面内のx’軸と直交する方向をy’軸、高さ方向(鋼板Sの板面の法線方向)をz軸とすると、この場合の高さ方向の測定誤差は、以下の式(1)で表される。
ここで、x’は第2の回転軸方向座標(鋼板形状計測装置5から測定点までのx’軸方向の距離)(m)、y’は鋼板形状計測装置5から測定点までのy’軸方向の距離(m)、Zは鋼板形状計測装置5の設置高さ(鋼板形状計測装置5から測定点までのz軸方向の距離)(m)である。
距離誤差drの係数は、鋼板形状計測装置5と測定点までの距離が大きいほど小さくなる。このことは、高さ方向誤差dzに対する距離誤差drの影響が相対的に小さいことを意味しており、距離誤差drは無視してよい。旋回角誤差dθは、回転台12の旋回速度がミラー13の回転速度よりも比較的小さく、回転台12の旋回制御能力が高いため、装置誤差としては無視することができる。ミラー13は高速で回転させることができ、測定に要する時間を短くしようとして高速で回転させる場合には、ミラー回転角誤差dφが、距離誤差drや旋回角誤差dθに比べて非常に大きくなる。よって、ミラー回転角誤差dφのみを装置誤差の原因とみなすと、式(1)からミラー回転角による誤差の影響係数は、以下の(2)式で表すことができる。
回転台12の旋回軸(第二の回転軸)が鋼板Sの載置面と平行となる場合について、(2)式に基づき、A度を0°(x軸(ライン方向軸)とx’軸とが一致している)〜90°まで変化させた場合の、鋼板S表面上の(x、y)座標上の各領域における影響計数dz/dφの値をマップ化した例を図8に示す。ここでZの値(回転台12の旋回軸とミラー13の回転軸との交点の、鋼板Sの表面からの高さ)は、3mとした。また、(x,y)座標上の原点は、回転台12の旋回軸とミラー13の回転軸との交点とした。マップ化は、鋼板形状計測装置のある位置(x,y座標上の原点)のライン方向前後12m(計24m)、幅方向(ライン方向と直交する水平方向)6mの領域について行った。この領域は、実操業で形状を測定しなければならない鋼板Sの長さ、幅の最大値を勘案して設定した領域である。
(2)式に基づき、A度を0°とした場合の影響係数dz/φをマップ化した例を図8(a)に示す。この場合、鋼板形状計測装置5のミラー回転角誤差dφは19秒(9.2×10−5rad)であり、最も影響係数が大きくなる位置での高さ方向測定誤差dzは、
dz=dz/dφ×dφ=12m/rad×9.2×10−5rad=0.0011m=1.1mmとなる。誤差の許容範囲は0.8mm以下であり、高さ誤差が大きすぎる。
(2)式に基づき、A度が30°とした場合の、影響係数dz/dφをマップ化した例を図8(b)に示す。この場合、最も影響係数が大きくなる位置での高さ方向測定誤差は、
dz=dz/dφ×dφ=12.9m/rad×9.2×10−5rad=0.0012m=1.2mmとなる。誤差の許容範囲は0.8mm以下であり、半長モードでは高さ誤差が許容範囲内であるが、全長モードでは高さ誤差が大きすぎる。
(2)式に基づき、A度が60°とした場合の、影響係数dz/dφをマップ化した例を図8(c)に示す。最も影響係数が大きくなる位置での高さ方向測定誤差は、dz=dz/dφ×dφ=7.1m/rad×9.2×10−5rad=0.00065m=0.65mmとなる。誤差の許容範囲は0.8mm以下であり、全長モードでも高さ誤差が許容範囲内となる。
(2)式に基づき、A度が90°とした場合の、影響係数dz/dφをマップ化した例を図8(d)に示す。最も影響係数が大きくなる位置での高さ方向測定誤差は、dz=dz/dφ×dφ=6m/rad×9.2×10−5rad=0.00055m=0.55mmとなる。誤差の許容範囲は0.8mm以下であり、全長モードでも高さ誤差が許容範囲内となる。
以上のようにして、誤差の許容範囲を満足できる角度A度の範囲を検討したところ、50°〜130°であれば、装置誤差に伴う高さの測定誤差は許容範囲内となる。
一方で、鋼板Sの形状測定精度の向上のためには、鋼板S表面上の検出点群の密度も重要となる。すなわち、鋼板Sの長手方向(ライン方向)、幅方向ともに単位長さあたりの検出点の数が多ければ、より緻密に形状測定を行うことができる。鋼板Sの長手方向では、幅方向に比べて、表面の高さ位置の変化のピッチ(うねりのピッチ)が小さいという特徴がある。このことを踏まえると、検出点群のピッチは、鋼板Sの長手方向により小さくすることが好ましく、すなわち、長手方向の単位長さあたりの検出点数が多い方が好ましい。
図9(a)には、図8(d)の場合と同様に鋼板形状計測装置5を設置した場合、すなわち、角度A度を90°とした場合の、鋼板形状測定装置5からライン方向に最も遠い部位について検出点分布を示す。ここでは、ライン方向に最も遠い部位として、x=10〜12m、y=0〜2mの範囲を示している。
図9(a)から明らかなように、検出点の幅方向(y軸方向)の単位長さあたりの数は大きいが、長手方向(x軸方向)の単位長さあたりの数が小さい。つまり、長手方向の検出点のピッチは、幅方向の検出点のピッチより大きくなっており、具体的には62.5mmである。このような場合、鋼板Sの表面のうねりのピッチが、上述のとおり長手方向に沿った場合の方が幅方向に沿った場合よりも小さいにも関わらず、検出点のピッチは長手方向に沿った場合の方が幅方向に沿った場合よりも大きいのであるから、鋼板Sの形状の測定に対しては好ましくない。
さらに、位置検出装置7として鋼板形状計測装置5と同様の装置を用いる場合、長手方向の最上流側または最下流側の鋼板S上の検出点にもとづき、鋼板Sのライン方向位置の特定を行うこととなるが、図9(a)のように、長手方向の検出点のピッチが長いと、鋼板Sの端部位置の特定精度が悪くなる。図9の場合には、62.5mm間隔でしか鋼板Sの長手方向位置を特定できない。
図9(b)には、図8(c)の場合と同様に、鋼板形状計測装置5を設置した場合、すなわち、角度A度を60°とした場合の、鋼板形状測定装置5からライン方向に最も遠い部位について検出点分布を示す。ここでも、最も遠い部位とは、x=10〜12m、y=0〜2mの範囲である。
図9(b)に示すとおり、角度A度が60°の場合、検出点が最も密に並ぶ方向(単位長さあたりの検出点の数が最も大きい方向)は、長手方向(x軸)に対して60°傾いたの方向となる。この場合は、検出点群の最も密な方向がうねりのピッチが最も狭い方向に近づくため、A度が90°の場合(図9(a)の場合)に比べて、形状測定の精度は向上する。
また、位置検出装置7として鋼板形状計測装置5と同様の装置を用いる場合であっても、図9(b)の場合は、鋼板Sの端部位置の特定精度が図9(a)の場合よりも向上し、鋼板Sのライン方向位置の検出精度が良好となる。
以上説明した、鋼板Sの長手方向に小さいピッチの高さ変化に対応した形状測定を行う観点、および、鋼板Sの板端のライン方向位置の特定精度の観点からは、A度は50°〜70°とすることが好ましい。
以上の角度Aの好適範囲についての説明は、x’軸が鋼板Sの載置面に平行である場合についての検討結果である。x’軸を鋼板Sの載置面に平行として検討した理由は、その鋼板形状計測装置5をこのように設置することが、ミラー回転角の誤差影響が最も小さくなるからである。すなわち、鋼板形状計測装置5の回転台12の旋回軸が鋼板測定領域における鋼板Sの載置面と平行(鋼板S表面と略平行)となる鋼板形状計測装置5の設置方法は、ミラー回転角の誤差影響を小さくする。逆に、鋼板形状計測装置5の回転台12の旋回軸が鋼板Sの載置面と垂直(鋼板S表面と略垂直)となる場合、ミラー回転角の誤差影響が大きくなり、高速測定が不可能となるためである。
図10には、鋼板形状計測装置5の回転台12の旋回軸(x’軸)が載置面と垂直(鋼板表面と略垂直)となる場合の、鋼板S表面上の(x、y)座標上の各領域における影響計数dz/dφの値をマップ化した例を示す。鋼板形状計測装置5の設置位置は、図8の場合と同様であり、図10上の原点の上方3m(Z=3m)の位置に、回転台12の回転軸とミラー13の回転軸との交点があり、回転台12の旋回軸(x’軸)は、図10の紙面と直交する方向である。回転駆動部14が、z軸方向で鋼板Sの載置面と逆側となるように設置して、死角領域および部分影領域がz軸方向の搬送面側に存在しないようにすることを仮定している。図10を図8と比較すると明らかなように、回転台12の回転軸(x’軸)が鋼板Sの載置面(x−y平面)と垂直である場合には、ミラー回転角の誤差影響が大きい領域の面積が大きくなることがわかる。
したがって、鋼板形状計測装置5は、回転台12の回転軸(x’軸)が載置面と平行ことなるように設定されることがよいが、多少、平行から傾斜するように回転台12の回転軸(x’軸)が設定されていてもよい。なお、回転台12の回転軸が、鋼板Sの載置面に対して傾斜していたとしても、x’軸の載置面に対する傾斜角が鋭角側で10°以内であれば、図8、図9に示した検討結果と同様の結果が得られることが確認できている。
このように、本実施形態の鋼板形状矯正装置では、鋼板形状計測装置5に回転駆動部14が設けられることにより発生する影率が25%以上となる領域の位置を調整することで、鋼板形状計測装置5のレーザ光を照射させて、形状矯正前後の搬送装置上の鋼板形状および形状矯正中のプレス機1の下方、特に加圧ラム下の鋼板形状を精度良く測定することができる。すなわち、本実施形態の鋼板形状矯正装置では、プレス機1が、鋼板形状計測装置5のレーザ光における予め設定された影率が25%以上となる領域に位置しないように、プレス機1と鋼板形状計測装置5とを設置することで、形状矯正前後の搬送装置上の鋼板形状および形状矯正中のプレス機1の下方、特に加圧ラム2下の鋼板形状を精度良く測定することができる。
以下、図1に係る本発明の鋼板形状矯正装置を用いて、鋼板Sの形状を矯正する方法の例を説明する。先ず、入側ベッド3の形状測定領域A1内に鋼板Sを搬送し、この領域A1内に鋼板Sを載置した状態で、入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5により鋼板形状の測定を行う。この際、影率が25%以上となる領域B1は、形状測定領域A1と重複しないので、領域A1内において精度よく鋼板の形状測定が実施できる。入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5による形状測定の結果は、制御装置6に記録される。制御装置6は、記録された形状測定結果にもとづき、加圧ラム2により加圧すべき鋼板Sの位置(加圧位置)や、この位置(加圧位置)における必要加圧力を決定する。測定された形状に対する、この形状を矯正するために必要加圧力は、鋼板Sの鋼種や板厚毎に予め決められている。
次に、制御装置6は、加圧位置を加圧ラム2の位置に合わせるように鋼板Sを搬送し、必要加圧力にて加圧ラム2を鋼板Sに押し付けて形状矯正を行う。鋼板Sのある加圧位置に対して加圧ラム2による形状矯正を行った直後に、制御装置6は、出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5を用いて加圧ラム2による形状矯正を行った部位の形状測定を行う。この際、形状矯正を行った部位の測定は、プレス機1内に当該部位がある状態で行う。出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5の形状測定領域A2はプレス機1内を含み、かつ、形状測定領域A2内には、影率が25%以上となる部分影領域や死角領域が存在しないため、当該部位がプレス機1内にある状態で、加圧ラム2による形状矯正後の鋼板Sの形状矯正部位の形状測定を精度良く行うことができる。そして、形状矯正後の形状矯正部位の形状測定を行った結果にもとづき、形状矯正が十分である場合には、その他の形状矯正必要部位が加圧ラム2下の位置に来るように鋼板Sを搬送させ、その他の部位の形状矯正を進めて行く。矯正後の形状矯正部位の形状測定結果が、形状矯正不十分であった場合には、当該部位について再度加圧ラム2を押し付け、形状矯正を行う。この際、1回目の形状矯正後の鋼板形状の測定を、1回目の形状矯正を行った状態から鋼板を搬送することなく行うことができるので、形状矯正に要する時間を短時間化できる。なお、この場合、出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5の測定モードは、上述した旋回角度を小さく設定したプレス機下平坦度測定モードとすることがよい。このようにすることで、プレス機1内の鋼板Sの形状測定を必要最小限の時間で行うことができ、測定効率が向上する。
以上のようにして、形状矯正必要部位の全部について加圧ラム2による形状矯正が終了した後に、制御装置6は、出側ベッド4に鋼板Sを搬送し、出側ベッド4に鋼板S載置した状態で、出側ベッド4の側方の形状計測装置5により、鋼板Sの全長について形状測定を行い、形状矯正後の鋼板Sの形状に関して最終的な良否判定を行う。この際は、上述した全長平坦度測定モードにより測定が行われる。鋼板Sの全長が短い場合には、半長平坦度測定モードとしてもよい。
なお、図1に示した実施形態では、入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5の形状測定領域A1は、入側ベッド3上の領域とし、出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5の形状測定領域A2は、出側ベッド4上の領域およびプレス機1内の領域としているが、本発明はこれに限定されない。入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5の形状測定領域A1として、入側ベッド3上の領域およびプレス機1内の領域として、入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5によって、プレス機1内にある鋼板Sの形状を測定できるようにしてもよい。このようにすることで、上記の最終的な形状の良否判定のための形状測定を出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5が行っている間に、プレス機1内にある次材について、形状測定を入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5にて形状測定を行いつつ、プレス機1で形状矯正を行うこともできる。
つまり、入側ベッド3の側方の鋼板形状計測装置5と出側ベッド4の側方の鋼板形状計測装置5との両方について、プレス機1内を形状測定領域とすることで、入側ベッド3上にある鋼板S全長の形状測定、出側ベッド4上にある鋼板S全長の形状測定が行われていない方の鋼板形状計測装置5を用いてプレス機1内の鋼板Sの形状測定が実施できるようになるため、複数の鋼板Sの鋼板形状矯正を連続して行う際に、処理ピッチを短くすることができる。
ただし、処理ピッチを考慮しない場合は、プレス機1内を形状測定領域とする鋼板系ぞ用計測装置5は、入側ベッド3の側方あるいは出側ベッド4の側方のいずれかであってもよい。
また、上記実施形態では、入側ベッド3の側方、出側ベッド4の側方の両方に鋼板形状計測装置5を設置しているが、処理ピッチを考慮しなければ、入側ベッド3の側方、出側ベッド4の側方のいずれか一方のみに設置するようにしてもよい。
1 プレス機
2 加圧ラム
3 入側ベッド(搬送装置)
4 出側ベッド(搬送装置)
5 鋼板形状計測装置
6 制御装置
7 位置検出装置
11 送受光ユニット
12 回転台
13 ガルバノミラー
14 回転駆動部

Claims (3)

  1. 鋼板を載置可能な形状測定領域が設定され、該形状測定領域上に載置された鋼板表面をレーザ光で走査して、前記鋼板表面上の所定の検出点群を測距し、得られた測距データから前記鋼板の形状を測定する鋼板形状計測装置であって、
    送受光ユニットと、前記送受光ユニットから出射されたレーザ光を転向して鋼板表面へと反射させ、また、鋼板表面から再帰反射光を前記送受光ユニットへと反射させるミラーと、を有し、
    前記形状測定領域が、前記ミラーが受光する前記レーザ光の前記鋼板からの再帰反射光の光量の低下率を表す影率が25%未満となる領域内にあり、
    前記ミラーは、前記送受光ユニットから出射された前記レーザ光の光軸に一致した第一の回転軸のまわりに回転可能であり、
    該ミラーの回転により前記送受光ユニットから出射されたレーザ光の反射方向を変えることで、鋼板表面内の所定の第1の方向に沿って、レーザ光の照射位置を自在に調整可能であり、
    前記送受光ユニットと前記ミラーとを保持する、前記第一の回転軸に直交する第二の回転軸のまわりに回転可能な回転台と、
    前記第二の回転軸を中心に回転台を回転させる回転駆動部と、
    を有し、
    前記回転台の回転により、前記鋼板表面内の前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って、レーザ光の照射位置を自在に調整可能であり、
    前記第二の回転軸は、
    前記鋼板表面に垂直ではなく、
    前記鋼板表面に平行な平面への前記第二の回転軸の正射影が、前記鋼板の長手方向となす角度をA度としたとき、A度が50〜70度であることを特徴とする鋼板形状計測装置。
  2. 前記鋼板表面に平行な平面への前記第二の回転軸の正射影について、
    前記影率が25%以上となる領域の端部の2本の直線で形成される角度をB度としたとき、
    前記A度が、(B/2)度以上90度以下であることを特徴とする請求項に記載の鋼板形状計測装置。ただし、Bは0超え180未満である。
  3. 加圧ラムを備えたプレス機と、前記プレス機の入側及び出側に設けられ且つ鋼材を搬送する搬送装置とを有する鋼板形状矯正装置において、
    前記プレス機の入側及び/又は出側に請求項1又は2に記載の鋼板形状計測装置を備え、
    前記形状測定領域は前記入側あるいは出側の少なくとも一方の搬送装置上を含むように設定されているとともに、
    前記入側あるいは出側に配置された鋼板形状計測装置のうちの少なくとも一方の鋼板形状計測装置の前記形状測定領域の一部が前記プレス機内にあることを特徴とする、鋼板形状矯正装置。
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