JP6645382B2 - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトとしてチェーンベルトを用いたベルト式無段変速機に関する。
従来、内燃機関を搭載した車両の変速機として、内燃機関から入力される駆動トルクを無段階の変速比で増減して出力するベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が知られている。CVTは、プーリ溝(V溝)を備えたプライマリプーリ(入力側プーリ)とセカンダリプーリ(出力側プーリ)とにベルトを巻き掛けている。CVTにおいては、プライマリプーリおよびセカンダリプーリのV溝幅を変化させることによってベルトの巻き掛け径が変化するので、CVTの変速比γを連続的に変化させることができる。CVTの変速比γは、最大変速比γmax(最Low)から最小変速比γmin(最High)の範囲内で連続的に変化する。
特許文献1には、チェーン式CVTにおいて、最大変速比γmax(最Low)の場合、および最小変速比γmin(最High)の場合に、ベルトと第1,第2のプーリシャフトのうちの一方との干渉を回避する制御を行う技術が開示されている。
特開2008−248935号公報
しかしながら、バルブボデーなどがフェールした場合、従来のベルト式無段変速機において、高い油圧が発生して各プーリに高い油圧が作用する可能性が考えられる。特にセカンダリプーリに高い油圧が作用すると、可動シーブが通常の使用負荷時で最大変速比γmaxになる位置よりもさらに固定シーブ側に移動する可能性がある。この場合、可動シーブと固定シーブとの間に挟持されたベルトの巻き掛け径が大きくなって、ベルトが押し出される可能性が生じる。
図9は、ベルトが押し出される従来の問題点を説明するための従来のベルト式無段変速機におけるシーブおよびベルトの略線図である。図9に示すように、従来のベルト式無段変速機100における1軸シーブ(プライマリシーブ)101および2軸シーブ(セカンダリシーブ)102には、ベルト103が巻き掛けられている。プライマリシーブ101は回転中心O1を中心に回転し、セカンダリシーブ102は回転中心O2を中心に回転する。ベルト103としては、チェーンベルトやプッシュベルトなどが用いられるが、ベルト103としてチェーンベルトを用いる場合、プッシュベルトに比して伸びが生じやすい。そのため、ベルト103としてチェーンベルトを用いた場合、軌道A(図9中破線)に示すようにベルト103の軌道の範囲をセカンダリシーブ102の外周の限界位置になる範囲に設定すると、上述したフェールの発生時にベルト103が伸びて軌道B(図9中一点鎖線)にまで拡がる可能性がある。ベルト103が軌道Bまで拡がって、ベルト103の巻き掛け径が増加すると、ベルト103がセカンダリシーブ102から外れたり外周端部(外周エッジ)に乗り上げたりするなどの問題が発生する可能性がある。
そこで、フェールが発生した場合においても、チェーンベルトからなるベルト103がセカンダリシーブ102から外れたり外周端部に乗り上げたりすることを抑制するために、ベルト103の伸びを考慮して最大変速比γmax(最Low)を設定する必要がある。この場合、軌道C(図9中実線)に示すように、ベルト103の伸びの分だけベルトの軌道に余裕を持たせて、軌道の範囲を拡げる必要がある。そのため、最大変速比γmaxは小さく設定する必要が生じ、結果的に変速比幅を小さくする必要が生じる。変速比幅が小さくなると、燃費や駆動力が悪化してしまい、車両の商品性が低下する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、チェーンベルトがシーブの外周端部に乗り上げたりシーブから外れたりすることを抑制でき、変速比幅を大きく維持することができるベルト式無段変速機を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係るベルト式無段変速機は、第1固定シーブと、前記第1固定シーブと同軸であって、作動油により駆動されて前記第1固定シーブとの間で第1移動軸に沿って移動する第1可動シーブとを有し、前記第1固定シーブと前記第1可動シーブとの間のチェーンベルトの挟圧力を変化させることにより、前記チェーンベルトの巻き掛け径を変化させる第1プーリと、第2固定シーブと、前記第2固定シーブと同軸であって、作動油により駆動されて前記第2固定シーブとの間で第2移動軸に沿って移動する第2可動シーブとを有し、前記第2固定シーブと前記第2可動シーブとの間の前記チェーンベルトの挟圧力を変化させることにより、前記第1プーリと連動して前記チェーンベルトの巻き掛け径を変化させて変速比を変更する第2プーリと、前記作動油の油圧を制御する油圧制御装置と、前記作動油の油圧のフェールによって、前記第2可動シーブが、前記変速比が最大変速比になる場合の前記第2可動シーブの位置に比して、前記チェーンベルトの巻き掛け径を増加させる方向に移動した場合、前記第2移動軸の方向に沿った前記第2可動シーブの移動を規制する規制部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るベルト式無段変速機によれば、ベルト式無段変速機が最大変速比になった場合よりもさらにチェーンベルトの巻き掛け径が増加する方向に可動シーブが移動することを規制部が規制しているので、チェーンベルトがシーブの外周端部に乗り上げたりシーブから外れたりすることを抑制でき、変速比幅を大きく維持することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態によるベルト式無段変速機が搭載される車両の一例を示す構成図である。 図2は、図1に示す囲み部分Dを拡大した略線図である。 図3は、図1に示す第2固定シーブ、第2可動シーブ、シーブ段差部およびシャフト段差部の部分を拡大して模式的に示す略線図である。 図4は、図3の囲み部分Eにおいて、シーブ段差部およびシャフト段差部の位置関係を説明するための略線図である。 図5は、図1に示す囲み部分Fにおいて、第1変形例を適用した略線図である。 図6は、図1に示す第2固定シーブ、第2可動シーブ、シャフト段差部、およびシーブ段差部の部分を拡大して模式的に示す略線図である。 図7は、図6の囲み部分Gにおいて、第2変形例によるシャフト段差部およびシーブ段差部の位置関係を説明するための略線図である。 図8は、図6の囲み部分Hにおいて、第2変形例による第1固定シーブの端部およびチェーンベルトを拡大して模式的に示す略線図である。 図9は、ベルトが押し出される従来の問題点を説明するための従来のベルト式無段変速機におけるシーブおよびベルトの略線図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
まず、本発明の一実施形態によるベルト式無段変速機を搭載した車両について説明する。図1は、この一実施形態によるベルト式無段変速機が搭載される車両の一例を示す構成図である。
図1に示すように、この一実施形態による車両Veは、ECU(Electronic Control Unit)10、エンジン11、トランスアクスル12、および一対の駆動輪13,14を備える。トランスアクスル12は、エンジン11から入力される駆動トルクを駆動輪13,14に伝達する動力伝達装置を構成する。一対の駆動輪13,14は、車軸15の両側に取り付けられている。ECU10は、エンジン11、およびトランスアクスル12を制御する。
トランスアクスル12は、トルクコンバータ18、前後進切換ユニット19、チェーン式無段変速機(チェーン式CVT)20、ギヤ機構21、デファレンシャル22、および車軸15を備える。トルクコンバータ18は、エンジン11から駆動トルクが伝達されるポンプインペラ24、ポンプインペラ24から駆動トルクが流体を介して伝達されるタービンランナ25、およびロックアップクラッチ26を備える。タービンランナ25は、駆動トルクを前後進切換ユニット19に出力する。前後進切換ユニット19は、タービンランナ25から入力される回転を正回転と逆回転とのいずれかに切り換えてCVT20に出力する。なお、CVT20は、無段変速機の一例である。
CVT20は、プライマリプーリ27、セカンダリプーリ28、チェーンベルト29、油圧コントロールユニット30、プライマリシリンダ31、セカンダリシリンダ32、プライマリシャフト33、およびセカンダリシャフト34を備える。前後進切換ユニット19から入力される駆動トルクは、第1移動軸としてのプライマリシャフト33に伝達される。CVT20は、プライマリシャフト33に入力された駆動トルクを無段階に変更可能な変速比で増減して、第2移動軸としてのセカンダリシャフト34に出力する。CVT20の変速比は、チェーンベルト29に対する挟圧力を変化させて、プライマリプーリ27とセカンダリプーリ28との溝幅(プーリ幅)を個別に変更することにより行われる。セカンダリシャフト34は、駆動トルクをギヤ機構21に伝達する。なお、プライマリプーリ27は第1プーリの一例であり、セカンダリプーリ28は第2プーリの一例である。
ギヤ機構21は、セカンダリシャフト34に取り付けられた駆動ギヤ36、およびアイドラ軸37に設けられたアイドラギヤ38などを含む。アイドラギヤ38は、アイドラ軸37に取り付けられたピニオンギヤ39と一緒に回転する。ピニオンギヤ39は、デファレンシャル22を構成するファイナルギヤ40に噛み合っている。
チェーンベルト29は、図示省略した複数の金属製のリンクと、リンクを連結する複数の金属製のピンとを備えた無端状のベルトから構成される。チェーンベルト29は、プライマリプーリ27の溝とセカンダリプーリ28の溝とに掛け渡されており、プライマリプーリ27からセカンダリプーリ28に駆動トルクを伝達する。なお、複数列、例えば2列に配置された構成のチェーンベルトを使用してもよい。
プライマリプーリ27は、プライマリシャフト33と一体に形成された第1固定シーブ42と、プライマリシャフト33にボールスプライン43を介して軸方向に摺動自在に支持される第1可動シーブ44とから構成される。第1固定シーブ42と第1可動シーブ44とはプライマリシャフト33を同軸として設けられる。セカンダリプーリ28は、セカンダリシャフト34と一体に形成された第2固定シーブ45と、セカンダリシャフト34にボールスプライン46を介して軸方向に摺動自在に支持される第2可動シーブ47とから構成される。第2固定シーブ45と第2可動シーブ47とはセカンダリシャフト34を同軸として設けられる。セカンダリシャフト34は、プライマリシャフト33と平行に配置されている。セカンダリプーリ28の第2可動シーブ47は、リターンスプリング48によりセカンダリプーリ28の溝幅を狭める方向に付勢されている。
図2は、図1に示す囲み部分Dを拡大した略線図である。図2に示すように、セカンダリシャフト34の第2可動シーブ47との間における第2固定シーブ45側には、規制部を構成するストッパとしてのシャフト段差部34aが設けられている。第2可動シーブ47のボールスプライン46側の内周には、規制部を構成するシーブ段差部47aが設けられている。シャフト段差部34aとシーブ段差部47aとは、セカンダリシャフト34の軸方向から見て重なり部分を有するように形成されている。なお、シャフト段差部34aおよびシーブ段差部47aの具体的な詳細については後述する。
図1に示すように、プライマリプーリ27の第1可動シーブ44には、ピストン49が一体的に設けられている。ピストン49は、プライマリシリンダ31との間に油圧室50を形成する。また、セカンダリプーリ28の第2可動シーブ47には、ピストン51が一体的に設けられている。ピストン51は、セカンダリシリンダ32との間に油圧室52を形成する。プライマリプーリ27におけるチェーンベルト29に対しては、第1可動シーブ44の油圧室50に供給されるプライマリ圧の作動油によって挟圧力が作用する。セカンダリプーリ28におけるチェーンベルト29に対しては、第2可動シーブ47の油圧室52に供給されるセカンダリ圧の作動油によって挟圧力が作用する。
ECU10は、アクセル開度センサ53、エンジン回転数センサ54、タービン回転数センサ55、プライマリプーリ速度センサ56、セカンダリプーリ回転数センサ57、および位置センサ58などが接続されている。アクセル開度センサ53は、アクセルの開度の情報を出力する。エンジン回転数センサ54は、エンジン11の回転数の情報を出力する。タービン回転数センサ55は、タービンランナ25の回転数の情報を出力する。プライマリプーリ速度センサ56は、プライマリプーリ27の回転数の情報を出力する。セカンダリプーリ回転数センサ57は、セカンダリプーリ28の回転数(車速)の情報S1を出力してECU10に供給する。位置センサ58は、プライマリプーリ27の第1可動シーブ44の位置の情報を出力する。
ECU10は、それぞれのセンサから種々の情報が入力されることによって、エンジン11、および油圧コントロールユニット30などを個別に制御する。ECU10は、エンジン11と油圧コントロールユニット30との間において、信号線を介して必要な情報を入出力可能である。
ECU10は、CVT20の変速比制御を行う。変速比制御は、車速とアクセル開度により特定される変速マップ上での動作点により、例えば目標変速比または目標入力回転数が決められる。ECU10は、例えば目標変速比あるいは目標入力回転数の値に対応する位置に第1可動シーブ44が可動するように制御指令をプライマリ圧として油圧コントロールユニット30に出力する。また、ECU10は、例えばエンジン11の出力またはアクセル開度などの車両Veに対する駆動要求量に応じた制御指令を、セカンダリ圧として油圧コントロールユニット30に出力する。
油圧制御装置としての油圧コントロールユニット30は、制御指令に基づいて、油圧室50にプライマリ圧の作動油を供給するとともに油圧室52にセカンダリ圧の作動油を供給する。これによって、プライマリプーリ27およびセカンダリプーリ28の溝幅が変更され、プーリ比が変更される。なお、プーリ比は、プライマリプーリ27の回転速度とセカンダリプーリ28の回転速度との比で算出される値である。変速比は、プーリ比にギヤ機構21のアイドラギヤ38のギヤ比を考慮した値となっている。
次に、以上のように構成された車両Veに搭載されたチェーン式CVT20における規制部について説明する。図3は、図1に示す第2固定シーブ45、第2可動シーブ47、シャフト段差部34a、およびシーブ段差部47aの部分を拡大して模式的に示す略線図であり、図4は、図3の囲み部分Eにおいて、シャフト段差部34aおよびシーブ段差部47aの位置関係を説明するための略線図である。
図3および図4に示すように、バルブボデーにフェールが発生していない状態でチェーン式CVT20の変速比が最大変速比γmaxになった時(以下、通常使用時)のシーブ段差部47aの位置は、実線で示される位置(図3,図4中、通常使用時)になる。一方、バルブボデーにおいてフェールが発生した場合、油圧コントロールユニット30から油圧室52に供給されるセカンダリ圧は通常の状態に比して高くなる。そのため、バルブボデーにフェールが発生している状態でチェーン式CVT20の変速比が最大変速比γmaxになった時(以下、フェール時)のシーブ段差部47aの位置は、シャフト段差部34aがない場合、破線で示される位置(図3,図4中、フェール時)になる。すなわち、フェール時には、シャフト段差部34aが設けられていない場合、第2可動シーブ47はフェール時の点線部分まで移動する。この場合、第2固定シーブ45および第2可動シーブ47に巻き掛けられているチェーンベルト29は、巻き掛け径が通常使用時に比して増加する方向に変化する。そのため、第2固定シーブ45および第2可動シーブ47の外周端部に乗り上げたり、場合によっては外れたりする。なお、上述した現象は、シーブ段差部47aがない場合も同様に生じる。
この点、本発明の一実施形態においては、セカンダリシャフト34にシャフト段差部34a、第2可動シーブ47にシーブ段差部47aを設け、シャフト段差部34aとシーブ段差部47aとを、セカンダリシャフト34の軸方向から見て重なり部分を有するように構成している。そのため、フェール時において、シーブ段差部47aはシャフト段差部34aに当接するので、第2可動シーブ47の移動はシーブ段差部47aがシャフト段差部34aに当接する位置に規制される。したがって、フェール時においても、第2可動シーブ47は、チェーンベルト29が第2固定シーブ45および第2可動シーブ47の外周端部に乗り上げるような位置まで移動することがない。これにより、チェーンベルト29が、第2固定シーブ45および第2可動シーブ47の外周端部に乗り上げたり外れたりすることを抑制できる。
また、フェール時において、第2固定シーブ45および第2可動シーブ47に巻き掛けられているチェーンベルト29の巻き掛け径は、通常使用時に比して大きく増加することが規制される。これにより、チェーン式CVT20における最大変速比γmaxでのチェーンベルト29の巻き掛け径、すなわちチェーンベルト29の軌道を、第2固定シーブ45および第2可動シーブ47の外周端の内側近傍に設定できるので、変速比幅を大きく維持することができる。
次に、シーブ段差部47aおよびシャフト段差部34aの位置関係の設定について説明する。すなわち、上述したように、第2可動シーブ47は、シーブ段差部47aがシャフト段差部34aに当接することにより、移動が規制される。そのため、図4に示すように、通常使用時におけるシャフト段差部34aの当接面における基準位置(0)からの軸方向距離L3は、少なくともシーブ段差部47aの当接面における基準位置(0)からの軸方向距離L1より小さくする(L3<L1)。これにより、通常使用時においては、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとが当接しないため、第2可動シーブ47の移動が規制されることがない。なお、基準位置(0)は、任意の固定位置とすることが可能であり、例えばプーリ基準位置を基準位置に設定するのが好ましい。また、以下の説明において軸方向距離は、基準位置(0)からの距離である。
また、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとの位置関係を設定する場合、チェーン式CVT20における各部品の製造ばらつきを考慮する必要がある。すなわち、各部品に製造ばらつきがあることから、シーブ段差部47aを形成する際に生じるばらつきにおいて、通常使用時に軸方向距離が最も小さくなる位置(バラツキ下限)を軸方向距離L1とする。その上で、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を、軸方向距離L1よりも小さくなるように設定する。これにより、第2可動シーブ47に製造ばらつきがあった場合でも、通常使用時において、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとを当接させないようにできる。
同様に、図4に示すように、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を、少なくともシャフト段差部34aが設けられていない場合の、フェール時におけるシーブ段差部47aの当接面における軸方向距離L2以上になるようにする(L2≦L3)。すなわち、この一実施形態においては、規制部を構成するシャフト段差部34aは、以下の(1)式の関係が成立するように設定される。
L2≦L3<L1 …(1)
これにより、通常使用時において、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとは当接しない一方、フェール時において、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとは必然的に当接することになり、第2可動シーブ47の大幅な移動が規制される。
また、チェーン式CVT20を構成する各部品の製造ばらつきを考慮すると、シーブ段差部47aを形成する際に生じるばらつきにおいて、フェール時に軸方向距離が最も大きくなる位置(バラツキ上限)を軸方向距離L2とする。その上で、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を、軸方向距離L2以上になるようにする。これにより、第2可動シーブ47に製造ばらつきがあった場合でも、フェール時において、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとを当接させることができる。
(第1変形例)
次に、本発明の一実施形態によるチェーン式CVT20の規制部における第1変形例について説明する。図5は、図1に示す囲み部分Fにおいて、第1変形例を適用した略線図である。図5に示すように、第1変形例においては、シーブ段差部に代えて、第2可動シーブ47のピストン壁に、つば部47bを設ける。また、フェール時につば部47bが当接するストッパ部34bが設けられる。ストッパ部34bは、第2可動シーブ47と同期して回転する部位であれば、種々の部位に設けることができる。第1変形例においてストッパ部34bは、第2固定シーブ45の一部に設けることが望ましい。第1変形例は、第2可動シーブ47のボールスプライン46側の内周に、シーブ段差部47aを形成できない場合に有効である。
(第2変形例)
本発明者は、上述した一実施形態を案出した際にさらなる検討を行った。本発明者は、通常使用時とフェール時とにおいてセカンダリ圧の油圧の差が小さかったり、シーブ角度θが小さかったりする場合の問題点に着目して、以下に説明する第2変形例を案出するに至った。すなわち、通常使用時とフェール時とで油圧差が小さかったり、シーブ角度θが小さかったりすると、チェーン式CVT20の各部品の製造ばらつきが大きい場合、軸方向距離L1,L2,L3において(1)式が成立し得ないことがある。(1)式が成立し得ない場合、一実施形態におけるシャフト段差部34aが設けられないことになる。第2変形例は、このような課題を解決するために案出されたものである。
以下に、本発明者が案出した一実施形態によるチェーン式CVT20の規制部における第2変形例について説明する。図6は、図1に示す第2固定シーブ45、第2可動シーブ47、シャフト段差部34a、およびシーブ段差部47aの部分を拡大して模式的に示す略線図である。図7は、図6の囲み部分Gにおいて、第2変形例によるシャフト段差部およびシーブ段差部の位置関係を説明するための略線図である。図8は、図6の囲み部分Hにおいて、第2変形例による第2固定シーブ45cの端部とチェーンベルト29を拡大して模式的に示す略線図である。
まず、一実施形態において説明した軸方向距離L1,L2,L3において、(1)式が成立し得ない場合について説明する。すなわち、図7に示すように、製造ばらつきが大きい場合、通常使用時におけるシーブ段差部47aの軸方向距離は、軸方向距離L10〜L11のばらつきが生じる(図7中、通常使用時)。一方、シャフト段差部34aが設けられていない場合において、フェール時におけるシーブ段差部47aの軸方向距離は、軸方向距離L20〜L21のばらつきが生じる(図7中、フェール時(元形状の時))。この場合、上述した一実施形態のように、通常使用時において、シーブ段差部47aを形成する際に生じるばらつきにおいて軸方向距離が最も小さくなる位置(バラツキ下限)は、軸方向距離L11である。一方、フェール時に軸方向距離が最も大きくなる位置(バラツキ上限)は、軸方向距離L20である。ここで、上述したように、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとは、通常使用時において当接させず、かつフェール時において当接させる必要がある。この場合、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を、(1)式に相当する以下の(2)式に基づいて設定する必要がある。
L20≦L3<L11 …(2)
しかしながら、図7に示すように、各部品の製造ばらつきが大きいと、軸方向距離L20が軸方向距離L11より大きくなる場合がある(L11<L20)。この場合、上述した(2)式は成立し得ない。
そこで本発明者は、(2)式が成立し得るための方法を種々検討した。すなわち、本発明者は、図6に示すように、端部のチェーンベルト29側に曲部45crを形成した第2固定シーブ45c、および端部のチェーンベルト29側に曲部47crを形成した第2可動シーブ47cを案出した。それぞれの曲部45cr,47crは、図8に示すように、通常使用時におけるチェーンベルト29の到達位置におけるピンの接触範囲の外側に形成される。なお、曲部45cr,47crはテーパ状にしてもよい。また、図8中囲み部分に示すように、第2固定シーブ45cの端部と曲部45crとのつなぎ部分、および第2可動シーブ47cの端部と曲部47crとのつなぎ部分(図8中、図示せず)は、滑らかにつながるように形成される。つなぎ部分が滑らかでなくエッジが形成されていると、チェーンベルト29との接触面が端部に乗り上げ、第2固定シーブ45cおよび第2可動シーブ47cの端部が摩耗して、ベルトの戻り不良が発生するためである。
第2固定シーブ45cおよび第2可動シーブ47cの端部にそれぞれ、曲部45cr,47crを形成していることにより、フェール時において、チェーンベルト29が第2固定シーブ45cおよび第2可動シーブ47cの端部に乗り上げやすくなる。これにより、図7に示すように、フェール時において、シーブ段差部47aの移動量を増加させることができる。すなわち、フェール時におけるシーブ段差部47aの軸方向距離のばらつき上限(軸方向距離L20)は、軸方向距離L4まで低減する。したがって、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を、シャフト段差部34aが設けられていない場合において、フェール時でのシーブ段差部47aの当接面の軸方向距離L4以上にできる(L4≦L3)。同様に、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を、通常使用時の軸方向距離L11よりも小さくなるように設定する(L3<L11)。これにより、第2可動シーブ47に製造ばらつきがあった場合でも、通常使用時において、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとを当接させないようにできる。一方、フェール時において、シーブ段差部47aとシャフト段差部34aとが必然的に当接することになり、第2可動シーブ47の大幅な移動を規制できる。以上により、(2)式が成立するように、シャフト段差部34aの軸方向距離L3を設定できる(図7中、L3設定可能範囲)。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、フェールが発生した場合に、チェーン式CVT20において変速比が最大変速比γmaxになった場合でも、チェーンベルト29が第2固定シーブ45および第2可動シーブ47の外周端部に乗り上げたり外れたりすることを抑制でき、変速比幅を大きく維持できる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた車両の構成はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる車両の構成を用いてもよい。
10 ECU
29 チェーンベルト
30 油圧コントロールユニット
32 セカンダリシリンダ
34 セカンダリシャフト
34a シャフト段差部
34b ストッパ部
45,45c 第2固定シーブ
45cr,47cr 曲部
47,47c 第2可動シーブ
47a シーブ段差部
47b つば部

Claims (2)

  1. 第1固定シーブと、前記第1固定シーブと同軸であって、作動油により駆動されて前記第1固定シーブとの間で第1移動軸に沿って移動する第1可動シーブとを有し、前記第1固定シーブと前記第1可動シーブとの間のチェーンベルトの挟圧力を変化させることにより、前記チェーンベルトの巻き掛け径を変化させる第1プーリと、
    第2固定シーブと、前記第2固定シーブと同軸であって、作動油により駆動されて前記第2固定シーブとの間でボールスプラインを介して第2移動軸の方向に摺動自在支持される第2可動シーブとを有し、前記第2固定シーブと前記第2可動シーブとの間の前記チェーンベルトの挟圧力を変化させることにより、前記第1プーリと連動して前記チェーンベルトの巻き掛け径を変化させて変速比を変更する第2プーリと、
    前記作動油の油圧を制御する油圧制御装置と、
    前記第2固定シーブの前記ボールスプラインの側の外周に設けられた段差部と、前記第2可動シーブの前記ボールスプラインの側の内周に設けられて前記段差部と当接可能なシーブ段差部とからなり、前記作動油の油圧のフェールによって、前記第2可動シーブが、前記変速比が最大変速比になる場合の前記第2可動シーブの位置に比して前記チェーンベルトの巻き掛け径を増加させる方向に移動した場合、前記第2移動軸の方向に沿った前記第2可動シーブの移動を規制する規制部と、を備える
    ことを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 第1固定シーブと、前記第1固定シーブと同軸であって、作動油により駆動されて前記第1固定シーブとの間で第1移動軸に沿って移動する第1可動シーブとを有し、前記第1固定シーブと前記第1可動シーブとの間のチェーンベルトの挟圧力を変化させることにより、前記チェーンベルトの巻き掛け径を変化させる第1プーリと、
    第2固定シーブと、前記第2固定シーブと同軸であって、作動油により駆動されて前記第2固定シーブとの間で第2移動軸に沿って移動し、かつ前記第2移動軸に略平行に突出したピストン壁が設けられた第2可動シーブとを有し、前記第2固定シーブと前記第2可動シーブとの間の前記チェーンベルトの挟圧力を変化させることにより、前記第1プーリと連動して前記チェーンベルトの巻き掛け径を変化させて変速比を変更する第2プーリと、
    前記作動油の油圧を制御する油圧制御装置と、
    前記ピストン壁の端部に設けられたつば部と、前記第2可動シーブと同期して回転する部位に前記つば部と当接可能に設けられたストッパ部とからなり、前記作動油の油圧のフェールによって、前記第2可動シーブが、前記変速比が最大変速比になる場合の前記第2可動シーブの位置に比して前記チェーンベルトの巻き掛け径を増加させる方向に移動した場合、前記第2移動軸の方向に沿った前記第2可動シーブの移動を規制する規制部と、を備える
    ことを特徴とするベルト式無段変速機。
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