JP6644865B2 - 医療用システム - Google Patents

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Description

本発明は、医療用システムに関する。
病院内において患者の状態をモニタする種々の技術が知られている。その一つとして、患者に送信機を装着し、当該送信機によって患者の状態を測定して、表示装置に送信する技術がある。表示装置には、患者の状態が表示され、看護師等の医療スタッフは、ナースステーション等の離れた場所から患者の状態をモニタできる。
近年では、患者の生体情報に加えて、患者の位置情報を送信機から送信し、表示装置で患者の位置をモニタする技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術により、患者がトイレ等の病室以外の場所にいる場合であっても、患者の状態に異常が発生した際、医療スタッフは異常が発生した患者の位置を把握して当該患者の元に向かうことができる。また、情報へのアクセスを容易化する観点から、上記の表示装置を携帯可能とし、各医療スタッフに携帯させることも提案されている。これにより、例えば、医療スタッフが病室での看護等のためにナースステーションの外にいるときでも、患者の状態を監視できるようになる。
特開2012−011176号公報
しかしながら、上記の表示装置を携帯する複数の医療スタッフが、ナースステーション外の別々の場所にいる場合、アラームが発生した際に各医療スタッフが適切に連携をとれず、無駄な対応が発生してしまう虞がある。例えば、アラームが発生し、ある医療スタッフが既にアラームの起因となった患者の元に到着して処置を行っているのに、他の医療スタッフが重複して当該患者の元へ向かってしまうことが考えられる。
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、異なる場所にいる複数の医療スタッフが、適切に連携して患者に対応できる医療用システムを提供することを目的とする。
医療用システムは、送信機と、複数の携帯端末とを有する。送信機は、患者に装着されて当該患者の生体情報を取得し、自機の位置に関する位置情報を取得すると共に位置情報および生体情報を送信する。携帯端末は、複数の医療スタッフそれぞれに携帯され、ネットワークを介して送信機から送信された位置情報および生体情報に基づいて患者の所在位置および状態を表示する。携帯端末は、当該携帯端末を携帯する医療スタッフが所在位置に向かうことを示す操作を受付ける受付部と、受付部において操作を受付けたとき、当該操作を受付けたことを示す情報を複数の携帯端末のうちの他の携帯端末に送信する送信部と、患者に装着された送信機に近づけられたときに、当該患者の任意の生体情報を、ネットワークを介さずに送信機から直接受信する受信部と、受信部において受信された任意の生体情報を表示する表示部と、を有する。
医療用システムは、送信機と、複数の携帯端末とを有する。送信機は、患者に装着されて当該患者の生体情報を取得し、自機の位置に関する位置情報および加速度センサーによって検出された患者の動作に関する動作情報を取得すると共に位置情報、動作情報および生体情報を送信する。携帯端末は、複数の医療スタッフそれぞれに携帯され、送信機から送信された位置情報、動作情報および生体情報を受信し、位置情報、動作情報および生体情報に基づいて患者の所在位置および状態を表示する。携帯端末は、動作情報に基づいて判断される患者の転倒リスクに応じて、転倒リスクがある場合、患者の所在位置と対応付けて患者への対処の表明を受付ける受付部を有する。
本発明によれば、携帯端末は、医療スタッフが患者の所在位置に向かうことを示す処置表明操作を受付け、当該処置表明操作を受付けたことを示す情報を他の携帯端末に送信する。これにより、様々な場所にいる医療スタッフ同士が適切に連携して患者に対応できる。
第1実施形態に係る医療用システムの概略構成を示す図。 携帯端末の概略構成を示すブロック図。 携帯端末の機能を示すブロック図。 携帯端末のハードウェア構成例を示す図。 第1実施形態に係る医療用システムにおける処理の手順を示すシーケンス図。 図5に示されるステップS102の処理において携帯端末に表示される画面の一例を示す図。 図5に示されるステップS105の処理において携帯端末に表示される画面の一例を示す図。 図5に示されるステップS108の処理において携帯端末に表示される画面の一例を示す図。 医療スタッフが携帯端末のチャネル受信機能を使用して患者の処置を行う様子を示す図。 医療スタッフが転倒リスク上昇中の患者の処置を行う様子を示す図。 携帯端末のモニタ表示機能を説明するための図。 リストバンド型携帯端末の概略構成を示す図。 眼鏡型携帯端末の概略構成を示す図。 第2実施形態に係る医療用システムの概略構成を示す図。 第3実施形態に係る医療用システムの概略構成を示す図。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る医療用システムの概略構成を示す図である。
第1実施形態の医療用システムは、例えば病院に設けられる。
図1に示すように、医療用システム100は、識別情報発信機200(200a、200b、200c、200d、200e)、送信機300(300a、300b、300c、300d、300e)、アンテナ400、受信モニタ500および携帯端末600(600a、600b、600c)を有する。各構成について説明する。
<識別情報発信機200>
識別情報発信機200は、病室、トイレ、廊下等の病院内の各所に設置される。識別情報発信機200には、それぞれ固有の識別情報が設定される。識別情報発信機200は、当該識別情報を、位置IDとして繰り返し発信する。
図1に示す例において、トイレT1、病室R1、廊下C1、トイレT2、病室R2には、それぞれ識別情報発信機200a、200b、200c、200d、200eが設置されている。識別情報発信機200a、200b、200c、200d、200eには、位置IDとしてそれぞれ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」が設定されている。
識別情報発信機200a、200b、200c、200d、200eは、それぞれ図1中に点線の枠で示すトイレT1、病室R1、廊下C1、トイレT2、病室R2の領域をカバーするような射程範囲において、自機に設定された位置IDを発信する。例えば、識別情報発信機200aは、トイレT1の領域内に届くように位置ID「A」を発信する。したがって、トイレT1内においては、識別情報発信機200aから発信される位置ID「A」が受信される。同様に、識別情報発信機200b、200c、200d、200eは、それぞれ病室R1、廊下C1、トイレT2、病室R2の領域内に届くように位置ID「B」、「C」、「D」、「E」を発信する。したがって、病室R1、廊下C1、トイレT2、病室R2内においては、それぞれ識別情報発信機200b、200c、200d、200eから発信される位置ID「B」、「C」、「D」、「E」が受信される。
識別情報発信機200が位置IDを発信するタイミングは、例えば、10秒プラスマイナス3秒等の一定期間内においてランダムなタイミングとしてもよい。あるいは、10秒間隔等の定期的なタイミングとしてもよい。
<送信機300>
送信機300は、患者に装着可能な装置であり、患者の状態を示す生体情報を検出して送信する。具体的には、送信機300は、心電図電極、プローブ等の測定部(不図示)を有し、測定部により患者の心電図信号、血中酸素飽和度、心拍数、血圧値、体温等の生体情報を検出する。送信機300は、検出された生体情報を、無線信号により送信する。
また、送信機300は、患者の動作を示す動作情報を検出して送信する。具体的には、送信機300は、自機の加速度を検知する加速度センサーを有し、送信機300が装着された患者の動作に伴い発生する自機の加速度を検出して送信する。
さらに、送信機300は、患者の所在する位置を示す位置情報を取得して送信する。具体的には、送信機300は、識別情報発信機200から送信された位置IDを受信可能に構成される。送信機300は、位置IDを受信した場合、受信した位置IDを患者の位置情報として送信する。送信機300は、複数の識別情報発信機200から複数の位置IDを受信した場合、受信した複数の位置IDを送信してもよい。あるいは、送信機300は、受信のサイクルタイム、例えば10秒間において最後に受信した位置IDのみを送信してもよい。あるいは、送信機300は、受信した複数の位置IDのうち、受信した際の無線信号の強度が最も高かったものを送信してもよい。
複数の送信機300は、相互に混信がないように、それぞれ異なる固有のチャネルが割り当てられており、チャネルにより各送信機300が識別される。チャネルは、例えば異なる周波数に対応している。
図1に示す例において、患者P1、P2、P3、P4、P5には、各送信機300a、300b、300c、300d、300eが装着されている。例えば、患者P1はトイレT1に所在し、識別情報発信機200aから送信される位置IDが届く範囲内にいる。したがって、患者P1に装着された送信機300aは、識別情報発信機200aから送信される位置ID「A」を受信する。送信機300aは、受信した位置ID「A」を、患者P1の生体情報および動作情報とあわせて、アンテナ400を介して無線信号により受信モニタ500へ送信する。同様に、患者P2〜P5にそれぞれ装着された送信機300b〜300eは、識別情報発信機200b〜200eから送信される位置ID「B」〜「E」をそれぞれ受信し、患者P2〜P5の生体情報および動作情報とあわせて受信モニタ500へ送信する。
<受信モニタ500>
受信モニタ500は、送信機300から送信される生体情報、動作情報および位置IDを受信し、受信した情報に基づいて、患者の状態、動作および所在位置を液晶ディスプレイ等の表示部に表示する。受信モニタ500は、各送信機300が通信する際に使用するチャネルに対応付けて、各送信機300が装着された患者の名称や患者ごとのアラームの発生条件等の患者情報を記憶している。したがって、受信モニタ500は、生体情報等を送信した送信機300のチャネルに基づいて患者情報を取得することにより、各患者の患者情報に対応付けて、各患者の状態や動作、所在位置等を表示できる。また、受信モニタ500は、送信機300から受信した情報や、受信した情報を解析して生成した情報等を、ネットワークNを通じて携帯端末600へ送信する。
ネットワークNは、例えば、イーサネット(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)等から構成される。ネットワークNは、携帯端末600が無線により受信モニタ500や他の携帯端末600と通信可能となるように構築される。ネットワークNは、個々の通信端末からの通信を集約するアクセスポイントを階層的に設けるスター型ネットワークであってもよく、あるいは、個々の通信機器同士が相互に通信することによりネットワークを構成するメッシュネットワークであってもよい。
<携帯端末600>
携帯端末600は、医療スタッフに携帯あるいは装着され、患者の状態、動作および所在位置等を表示する。また、携帯端末600は、医療スタッフからの各種操作を受付け、受付けた操作に基づく情報を、ネットワークNを介して受信モニタ500や他の携帯端末600へ送信する。また、携帯端末600は、最も近くにある送信機300のチャネルを自動的に取得し、当該送信機300から生体情報等を受信可能である。
図2は、携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、携帯端末600は、CPU610、ROM620、RAM630、ストレージ640、表示部650、操作部660および通信部670を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス680を介して相互に接続されている。
CPU610は、ROM620やストレージ640に記録されているプログラムにしたがって、上記各部の制御や各種の演算処理を行う。CPU610は、プログラムを実行することによって、受付部および送信部として機能する。ROM620は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM630は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
ストレージ640は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。また、ストレージ640には、各送信機300が通信する際に使用するチャネルに対応付けて、各送信機300が装着された患者の名称や患者ごとのアラームの発生条件等の患者情報を記憶している。
表示部650は、例えば、液晶ディスプレイであり、患者の名称、状態、動作および所在位置等の各種情報を表示する。
操作部660は、各種入力を行うために使用される。操作部660には、表示部650においてタッチパネル方式によりソフトウェアとして実現される操作キーや、ハードウェアとして設けられる操作ボタン等が含まれる。
通信部670は、受信モニタ500等の外部機器と通信するためのインターフェースである。ネットワークNを介して受信モニタ500や他の携帯端末600等と通信するためのインターフェースとしては、例えば、イーサネット(登録商標)、Wi−FiまたはBlueTooth(登録商標)等の規格が用いられる。また、通信部670は、送信機300から送信される無線信号を受信するためのインターフェースを有する。
次に、携帯端末600の機能について説明する。
図3は、携帯端末の機能を示すブロック図である。
図3に示すように、携帯端末600は、生体情報解析部611、動作情報解析部612、位置情報解析部613、処置表明部614、チャネル受信部615およびモニタ表示部616として機能する。このため、ストレージ640には、生体情報解析部611、動作情報解析部612、位置情報解析部613、処置表明部614、チャネル受信部615およびモニタ表示部616に対応するプログラムが記憶されている。上記の携帯端末600の各機能は、それぞれに対応するプログラムをCPU610が実行することにより発揮される。
生体情報解析部611は、送信機300から送信された患者の生体情報を解析し、患者の状態を示すグラフ画像や数値等を表示部650に表示する。また、生体情報解析部611は、生体情報を解析することにより患者の状態に異常があるか否かを判断し、異常がある場合には、異常を示すアラームを発生させる。例えば、生体情報解析部611は、送信機300から送信された心電図信号を解析することにより、不整脈等の異常を検知することができる。
動作情報解析部612は、送信機300から送信された動作情報を解析し、歩行や転倒等、患者の動作を判断し表示部650に表示する。本実施形態では、動作情報解析部612は、送信機300から送信された加速度情報に基づいて患者の動作を判断する。
例えば、患者が歩行を開始した場合、送信機300は、加速度センサーにより歩行周期に伴う上下運動の加速度を検出し、検出した加速度を示す情報を、動作情報として送信する。したがって、動作情報解析部612は、送信機300から加速度を示す情報を受信した場合、患者が歩行を開始したと判断できる。この場合、動作情報解析部612は、表示部650に、患者の動作として患者が歩行中である旨を表示する。ここで、ストレージ640において、歩行を開始した患者のアラーム発生条件として歩行の状態が登録されている場合、動作情報解析部612は、アラームを発生させる。これにより、歩行が禁止されている患者や、歩行に介助が必要な患者が歩行を開始した場合に、医療スタッフが即時に把握し、必要な処置を行うことができる。
また、患者が転倒した場合、強い衝撃を受けた動方向に加速度変化が発生する。例えば、患者が転倒した場合、送信機300は自由落下に近い状態で垂直方向に位置変化する。送信機300は、通常、重力加速度による垂直方向の加速度を検出している。しかし、患者の転倒に伴う自由落下により、重力加速度が相殺される。このため、患者が転倒した瞬間は、送信機300の加速度センサーにより検出される垂直方向の加速度はゼロ値まで減少する。したがって、動作情報解析部612は、送信機300から受信する垂直方向の加速度がゼロ値まで減少した場合、患者が転倒したと判断できる。ここで、ストレージ640において、転倒した患者のアラーム発生条件として転倒の状態が登録されている場合、動作情報解析部612は、アラームを発生させる。これにより、患者が転倒したことを医療スタッフが即時に把握し、必要な処置を行うことができる。
なお、ここでは、送信機300から加速度情報を受信して、動作情報解析部612側で患者の動作を判断している。しかし、送信機300側で加速度情報に基づき患者の動作を判断し、動作情報解析部612は送信機300の判断結果を受け取ることもできる。この場合、動作情報解析部612は加速度情報から患者の動作を判断する必要がない。
位置情報解析部613は、送信機300から送信された位置IDに基づいて、患者が所在する位置である所在位置を特定し、表示部650に表示する。具体的には、携帯端末600は、各識別情報発信機200が発信する位置IDと、各識別情報発信機200が設置されている位置とを対応付けてストレージ640に記憶している。図1に示す例では、位置ID「A」、「B」、「C」、「D」、「E」には、それぞれ「トイレT1」、「病室R1」、「廊下C1」、「トイレT2」、「病室R2」が対応付けられている。したがって、位置情報解析部613は、患者P1に装着された送信機300aから位置ID「A」を受信した場合、患者P1の所在位置は「トイレT1」であると特定できる。
処置表明部614は、医療スタッフが患者の所在位置に向かうことを表明する操作を受付け、当該操作が行われたことを示す情報を、他の医療スタッフが携帯する携帯端末600や受信モニタ500へ送信する。例えば、処置表明部614は、各患者の情報に対応付けて、携帯端末600を携帯する医療スタッフが患者の所在位置に向かうことを表明するためのボタンを表示部650に表示する。医療スタッフにより当該ボタンが押下された場合、処置表明部614は、その旨を示す情報を、他の医療スタッフが携帯する携帯端末600や受信モニタ500に送信する。
チャネル受信部615は、携帯端末600の最も近くにある送信機300のチャネルを自動的に取得し、当該送信機300から生体情報等の各種情報を受信する。例えば、チャネル受信部615は、操作部660のボタン押下等の所定の操作が受付けられると、受信するチャネルを順次切り替えつつ無線信号を受信する。チャネル受信部615は、受信した無線信号の強度が最も強いチャネルを、最も近くにある送信機300のチャネルとして取得する。ここで、無線信号の強度は、信号の発生源(送信機300)からの距離が離れるほど減衰する。そのため、各送信機300の発生源における信号の強度が同じであれば、携帯端末600aから最も近くにある送信機300のチャネルを使用して発信される信号が、最大の信号強度となる。したがって、チャネル受信部615は、無線信号の強度が最も強いチャネルを取得することにより、最も近くにある送信機300のチャネルを自動的に取得できる。チャネル受信部615は、取得したチャネルを通じて、送信機300から生体情報等の情報を受信する。
モニタ表示部616は、受信モニタ500と連携し、受信モニタ500の表示部において表示される画面と同様の画面を、表示部650に表示する。
次に、携帯端末600の機器構成について説明する。
図4は、携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。
図4に示すように、携帯端末600は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の汎用端末601と、送信機300との通信機能を有する通信モジュール602とから構成される。汎用端末601および通信モジュール602は、USB(Universal Serial Bus)等のインターフェース用コネクタや、Bluetooth(登録商標)等による無線通信を介して接続される。図4中に示される「Nアプリケーション」は、生体情報解析部611、動作情報解析部612、位置情報解析部613、処置表明部614、チャネル受信部615およびモニタ表示部616に対応するプログラムである。医療スタッフ等のユーザーが、汎用端末601に当該「Nアプリケーション」をインストールすると、汎用端末601の制御部は「Nアプリケーション」を実行し、汎用端末601の各部および通信モジュール602を制御する。これにより、上記の携帯端末600の各機能が実現される。携帯端末600をこのように構成することにより、医療スタッフが元々保有しているスマートフォン等の汎用端末を活用して携帯端末600を実現できる。ここで、医療スタッフの衣服のポケット等は、既に他の検査機器や通信機器等で占有されており、余分なスペースがないことが多い。そこで、上記のように既存のスマートフォン等を活用して携帯端末600を実現することにより、医療スタッフが携帯端末600を容易に所持できるようになる。
なお、携帯端末600は、上記構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。また、携帯端末600のハードウェア構成は、別体の装置である汎用端末601と通信モジュール602とを接続する構成に限定されず、例えば、一つの装置として一体的に構成されていてもよい。
<医療用システム100における処理の概要>
次に、第1実施形態に係る医療用システム100における処理の手順について説明する。
図5は、第1実施形態に係る医療用システムにおける処理の手順を示すシーケンス図である。図6は、図5に示されるステップS102の処理において携帯端末600aに表示される画面の一例を示す。図7は、図5に示されるステップS105の処理において携帯端末600bに表示される画面の一例を示す。図8は、図5に示されるステップS108の処理において携帯端末600cに表示される画面の一例を示す。図5のシーケンスチャートに示される各携帯端末600の処理は、各携帯端末600のストレージ640にプログラムとして記憶されており、各携帯端末600のCPU610が各部を制御することにより実行される。また、図5〜図8に示す携帯端末600a、600b、600c、患者P1、P3、P4、トイレT1、T2、廊下C1等は図1に示す概略構成図と対応している。
まず、携帯端末600aは、各患者の送信機300から送信された生体情報、動作情報および位置情報を受信する(ステップS101)。具体的には、携帯端末600aは、通信部670において、ネットワークN経由で生体情報、動作情報および位置情報を受信する。携帯端末600b、600cにおいても、携帯端末600aと同様に、生体情報、動作情報および位置情報が受信される。
続いて、携帯端末600aは、医療スタッフによる処置が必要な患者の状態および所在位置を表示する(ステップS102)。具体的には、携帯端末600aは、生体情報解析部611および動作情報解析部612において、受信した生体情報および動作情報を解析し、各患者の状態および動作を判断する。また、携帯端末600aは、位置情報解析部613において、受信した位置情報を解析し、各患者の所在位置を特定する。さらに、携帯端末600aは、解析した結果に基づいて、各患者について医療スタッフによる処置が必要か否かを判断する。携帯端末600a及び/又は受信モニタ500は、各患者毎に、予め状態および動作の解析結果に基づいて処置が必要か否かを判断する閾値を変更できる手段を備え、その閾値を超えた場合、携帯端末600aは、図6に示すような画面を表示部650に表示し、医療スタッフによる処置が必要と判断した患者の状態および所在位置を表示する。携帯端末600b、600cにおいても、携帯端末600aと同様に、図6に示すような画面が表示される。
図6に示す画面において、患者P1、P3、P4に関する情報が表示されている。
患者P1は、心停止状態であり、所在位置はトイレT1である。心停止状態はすぐに医療スタッフの処置が必要な状態であるため、「心停止」の文字を強調表示したり警告音を鳴らしたりする等のアラームが発生している。
患者P3は、正常な状態で歩行中であり、所在位置は廊下C1である。ここで、患者P3は歩行時に転倒するリスクが高い患者である。そのため、患者P3が歩行を開始した場合や歩行中の場合にはアラームが発生するように設定されている。したがって、図6に示す画面において、患者P3に関して「転倒リスク上昇」というアラーム表示が行われている。
患者P4は、正常な状態で静止しており、所在位置はトイレT2である。ここで、患者P4はトイレにおいて転倒するリスクがある患者である。そのため、患者P4のアラーム設定において、患者P4がトイレにいる場合には携帯端末600に表示されるように設定されている。したがって、図6に示す画面において、患者P4に関する情報が表示されている。
続いて、携帯端末600aは、看護師N1が患者P1の所在位置に向かうことを表明する操作を受付ける(ステップS103)。図6に示す画面においては、看護師N1が各患者の所在位置に向かうことを表明する操作を受付けるための「処置」ボタンが表示されている。図6に示す例では、患者P1がトイレT1において心停止状態となっている。したがって、トイレT1の近くにいる看護師N1は、患者P1に対応付けられた「処置」ボタンを押下し、患者P1の処置を行うためにトイレT1に向かう。看護師N1による患者P1への処置については、後述する。
続いて、携帯端末600aは、携帯端末600aにおいて患者P1の「処置」ボタンが押下されたことを示す処置表明情報を、携帯端末600b、600cへ送信する(ステップS104)。具体的には、携帯端末600aは、ネットワークN経由で、他の携帯端末600b、600cへ処置表明情報を送信する。
携帯端末600b、600cは、携帯端末600aから処置表明情報を受信すると、処置表明された患者P1について、表示内容を変更する(ステップS105)。具体的には、携帯端末600b、6000cは、図7に示すように、看護師N1により「処置」ボタンが押下された患者P1について、看護師N1が既に処置に向かっていることがわかるように表示内容を変更する。これにより、携帯端末600b、600cを携帯する看護師N2、N3が、看護師N1と重複して患者P1の処置に向かうことが防止される。
ここで、図7に示す画面には、患者P3が廊下C1において歩行中であり、転倒リスクが上昇していることが表示されている。したがって、廊下C1の近くにいる看護師N2は、患者P3に対応付けられた「処置」ボタンを押下し、患者P3の処置を行うために廊下C1に向かう。看護師N2による患者P3への処置については、後述する。
上記のように、携帯端末600bは、看護師N2が患者P3の所在位置に向かうことを表明する操作を受付ける(ステップS106)。
続いて、携帯端末600bは、携帯端末600bにおいて患者P3の「処置」ボタンが押下されたことを示す処置表明情報を携帯端末600cへ送信する(ステップS107)。ここで、携帯端末600bは、処置表明情報を、既に処置表明操作が受付けられている携帯端末600aにも送信してもよい。
携帯端末600cは、携帯端末600bから処置表明情報を受信すると、処置表明された患者P3について、表示内容を変更する(ステップS108)。具体的には、携帯端末600cは、図8に示すように、看護師N2により「処置」ボタンが押下された患者P3について、看護師N2が既に処置に向かっていることがわかるように表示内容を変更する。これにより、携帯端末600cを携帯する看護師N3が、看護師N2と重複して患者P3の処置に向かうことが防止される。その結果、看護師N3は、例えば、トイレT2にいる患者P4の様子を見に行くことができる。あるいは、看護師N3は、携帯端末600cのモニタ表示機能を使用して、他の患者の状態を確認することもできる。携帯端末600のモニタ表示機能については、後述する。
<看護師N1による患者P1への処置例> 図9は、医療スタッフが携帯端末のチャネル受信機能を使用して患者の処置を行う様子を示す図である。
図9に示すように、携帯端末600aにおいて、患者P1の「処置」ボタンを押下した看護師N1は、トイレT1にいる患者P1の元に到着する。看護師N1は、患者P1の状態を確認するために、患者P1の送信機300aに携帯端末600aを近づける。携帯端末600aのチャネル受信部615は、最も近くにある送信機300である送信機300aから、送信機300aが使用するチャネルを取得する。携帯端末600aは、取得したチャネルを通じて、送信機300aから患者P1の生体情報を受信する。携帯端末600aは、受信した生体情報に基づいて患者P1の状態を表示部650に表示する。これにより、携帯端末600aは、ネットワークN等の通信環境による伝送遅延やデータ容量制限といった影響を受けることなく、送信機300aから直接生体情報を受信して表示できる。したがって、看護師N1は、簡単かつ確実に患者P1の生体情報を確認しながら適切な処置を行うことができる。
<看護師N2による患者P3への処置例>
図10は、医療スタッフが転倒リスク上昇中の患者の処置を行う様子を示す図である。
図10に示すように、携帯端末600bにおいて、患者P3の「処置」ボタンを押下した看護師N2は、廊下C1にいる患者P3の元に到着する。看護師N2は、患者P3が転倒しないように患者P3を介助する。この場合、看護師N2は、両手を使って患者P3の介助をするために、手に持っていた携帯端末600bを、衣服のポケット等に収納する必要がある。ここで、本実施形態の携帯端末600は、上述のように、看護師N2が元々保有しているスマートフォン等の汎用端末を活用して実現可能であり、携帯端末600専用の新たな収納スペースを必要としない。したがって、看護師N2は、携帯端末600をポケット等に容易に収納でき、迅速かつ確実に患者P3を介助できる。
<携帯端末600のモニタ表示機能>
図11は、携帯端末のモニタ表示機能を説明するための図である。
図11に示すように、携帯端末600は、受信モニタに500において表示される画面と同様の画面を、表示部650に表示する。具体的には、携帯端末600のモニタ表示部616は、受信モニタ500と通信を行い、受信モニタ500に表示されている各患者の状態や動作、所在位置等を示す各種情報を取得し、表示部650に表示する。これにより、看護師は、病室等のナースステーション以外の場所にいても、各患者の状態等を容易に確認できる。
以上のように、本実施形態の医療用システム100によれば、携帯端末600は、医療スタッフが患者の所在位置に向かうことを示す処置表明操作を受付け、当該処置表明操作を受付けたことを示す情報を他の携帯端末600に送信する。これにより、様々な場所にいる医療スタッフ同士が適切に連携して患者に対応できる。
また、携帯端末600は、患者の位置情報および動作情報のうち少なくとも一つに基づいて患者の転倒リスクを判断し、転倒リスクがある場合、患者の所在位置と対応付けて、医療スタッフが患者に対応する旨の表明を受付ける「処置」ボタンを表示する。これにより、例えば、患者がトイレ等に向かって急いで歩行中の場合や、トイレにおいて介助が必要な患者がトイレに入った場合等、患者が転倒する危険性が高い状況を察知し、患者が転倒する前に適切な処置を行うことができる。
なお、上記の実施形態においては、送信機300に加速度センサーを設け、加速度の変化を検知することにより患者の転倒を検知する例について説明した。しかし、転倒を検知する方法はこれに限定されない。例えば、送信機300に気圧センサーを設け、気圧の変化を検知することにより患者の転倒を検知してもよい。送信機300は患者に装着されるため、患者が立っている状態から転倒すると、送信機300が位置する高さは急激に低くなる。位置する高さが低くなると、周囲の気圧が上昇する。したがって、気圧センサーにより気圧の急な上昇を検知することにより、患者の転倒を検知できる。あるいは、送信機300に角速度センサーを設けて患者の傾きを検知することにより患者の転倒を検知してもよく、上記のような複数のセンサーの検知結果を組み合わせて患者の転倒を検知してもよい。
また、上記の実施形態においては、携帯端末600が、生体情報解析、動作情報解析および位置情報解析を行うものとして説明したが、これに限定されない。携帯端末600の上記機能は、受信モニタ500や送信機300等の他の装置により実現されてもよく、ネットワーク上に別途設けられるサーバー等の機器により実現されてもよい。
また、上記の実施形態においては、携帯端末600は、図6等に示す画面において、医療スタッフによる処置が必要な患者の状態やアラーム等を表示するものとして説明したが、これに限定されない。携帯端末600は、例えば、常に全ての患者の情報を表示してもよく、あるいは、特定の患者の情報を選択的に表示してもよい。
また、上記の実施形態においては、携帯端末600は、ネットワークN経由で、他の携帯端末600へ処置表明情報を送信するものとして説明したが、これに限定されない。携帯端末600は、ネットワークN経由で、一度受信モニタ500へ処置表明情報を送信し、受信モニタ500が他の携帯端末へ処置表明情報を送信してもよい。あるいは、携帯端末600は、ネットワークNを介さずに、他の携帯端末600と直接通信を行い、処置表明情報を送信してもよい。
また、上記の実施形態においては、医療スタッフが手に持って使用する携帯端末600の例について説明したが、携帯端末600の実施態様は、これに限定されない。以下、携帯端末600の実施態様例について説明する。
図12は、リストバンド型携帯端末の概略構成を示す図である。図13は、眼鏡型携帯端末の概略構成を示す図である。
図12に示すように、携帯端末600は、リストバンド型として構成されてもよい。図12の例では、表示部650のかわりに、光線をスクリーンに投写することにより画像を表示する投写部651を設け、医療スタッフの手をスクリーンとして使用し患者の各種情報を表示している。このように、携帯端末600をリストバンド型とすることにより、使用時に、医療スタッフが携帯端末600を手で支持する必要がなくなり、介助等の作業が行いやすくなる。また、携帯端末600を衣服のポケット等に収納する必要もなくなり、携帯端末600の置き忘れ等も抑止される。さらに、携帯端末600の表示部650を、投写部651によって置き換えることにより、携帯端末600の省スペース、軽量化を図ることができ、医療スタッフの業務効率が向上する。
あるいは、図13に示すように、携帯端末600は、眼鏡型として構成されてもよい。図13の例では、眼鏡の縁部分に投写部651を設け、眼鏡のレンズ部分をスクリーンとして使用して患者の各種情報を表示している。このように、携帯端末600を眼鏡型とすることにより、リストバンド型とした時の効果に加え、医療スタッフが患者を見ながら目線を変えることなくその患者の状態等を確認でき、医療スタッフの業務効率がより一層向上する。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の医療用システムについて説明する。なお、第1実施形態の医療用システムと同様の構成については、同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、送信機300は、アンテナ400を介して通信を行うものとして説明した。また、送信機300は、識別情報発信機200から位置IDを取得し、取得した位置IDに基づいて所在位置が特定されるものとして説明した。しかし、送信機300の通信方法および所在位置の特定方法はこれに限定されない。送信機300は、携帯端末600と同じネットワークを利用して通信し、また、そのネットワークによって所在位置が特定されてもよい。第2実施形態では、送信機300が携帯端末600と同じネットワークを利用して通信し、そのネットワークによって送信機300の所在位置が特定される場合について説明する。
図14は、第2実施形態に係る医療用システムの概略構成を示す図である。
図14に示すように、医療用システム110は、アクセスポイント210(210a、210b、210c)、サーバー220、送信機300(300a、300b、300c、300d、300e)、受信モニタ500および携帯端末600(600a、600b、600c)を有する。
アクセスポイント210は、例えば、Wi−Fi規格による無線接続機能やイーサネット(登録商標)規格による有線接続機能等を提供する無線LANルーターである。送信機300および携帯端末600は、アクセスポイント210が発信するWi−Fi接続用の電波を受信して利用することにより、無線での通信が可能となる。
サーバー220は、イーサネット(登録商標)規格による接続等を介してアクセスポイント210および受信モニタ500に接続されるコンピューターである。サーバー220は、送信機300から送信される位置情報に基づいて、送信機300の所在位置を特定する。
送信機300は、アクセスポイント210を介して無線での通信を行う。送信機300は、第1実施形態と同様に、患者の生体情報および動作情報を送信する。また、送信機300は、位置情報として、アクセスポイント210から電波を受信した際の信号強度を示す信号強度情報と、当該アクセスポイント210を識別するための情報であるアクセスポイント情報とを、サーバー220に送信する。アクセスポイント情報は、例えば、SSID(Service Set Identifier)、MACアドレス(Media Access Control address)等である。送信機300が複数のアクセスポイント210から電波を受信した場合、送信機300は、各アクセスポイント210から電波を受信した際の信号強度を、各アクセスポイント210を識別するための情報と対応付けてサーバー220に送信する。
サーバー220の記憶部(不図示)には、各アクセスポイント210の設置位置が記憶されている。また、サーバー220の記憶部には、アクセスポイント210が発信する電波を送信機300が受信した際の信号強度とアクセスポイント210から送信機300までの距離とを関係付けたテーブル情報が予め記憶されている。ここで、無線信号の強度は、信号の発生源(アクセスポイント210)からの距離が離れるほど減衰する。したがって、送信機300がアクセスポイント210から受信した無線信号の強度が強ければ、送信機300と当該アクセスポイント210との間の距離は短いことがわかる。一方、送信機300がアクセスポイント210から受信した無線信号の強度が弱ければ、送信機300と当該アクセスポイント210との間の距離は長いことがわかる。このような原理に基づく計算や実験での測定結果によって決定された信号強度と距離との関係を示す情報がテーブル情報として記憶される。
サーバー220は、送信機300から送信された信号強度情報およびアクセスポイント情報と、記憶部に記憶されているテーブル情報とに基づいて、送信機300の所在位置を特定する。例えば、送信機300が一つのアクセスポイント210に関する信号強度情報およびアクセスポイント情報を送信した場合、サーバー220は、送信機300が当該アクセスポイント210の設置位置から一定の距離をおいた位置にあると特定できる。また、送信機300が複数のアクセスポイント210に関する信号強度情報およびアクセスポイント情報を送信した場合、サーバー220は、それぞれのアクセスポイント210の設置位置から送信機300までの距離を特定できる。これにより、サーバー220は、精度よく送信機300の所在位置を特定できる。
サーバー220は、送信機300の所在位置を特定した後、送信機300の所在位置を示す情報を、携帯端末600へ送信する。
携帯端末600は、サーバー220、送信機300または受信モニタ500からアクセスポイント210経由で各種情報を受信する。携帯端末600は、受信した各種情報に基づいて、第1実施形態と同様に、患者の状態、動作、所在位置等を表示したり、処置表明操作を受付けたりすることができる。
以上のように、第2実施携帯の医療用システム110によれば、送信機300と携帯端末600とが、共にアクセスポイント210を利用して通信し、アクセスポイント210に関する情報に基づいて送信機300の所在位置が特定される。これにより、簡単な構成によって医療用システム110を実現でき、システム構築や保守運用の負担が低減される。
なお、上記の実施形態においては、サーバー220が送信機300の所在位置を特定するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、携帯端末600や受信モニタ500が送信機300の所在位置を特定してもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の医療用システムについて説明する。なお、第1実施形態の医療用システムと同様の構成については、同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、携帯端末600が無線通信を行うためのネットワークNは、識別情報発信機200とは別の構成として設けられるものとして説明した。しかし、携帯端末600が無線通信を行うためのネットワークは、これに限定されない。携帯端末600が無線通信を行うためのネットワークは、識別情報発信機によって構築されてもよい。第3実施形態では、識別情報発信機を利用して携帯端末600が通信を行うためのネットワークを構築する場合について説明する。
図15は、第3実施形態に係る医療用システムの概略構成を示す図である。
図15に示すように、医療用システム120は、識別情報発信機230(230a、230b、230c、230d、230e)、送信機300(300a、300b、300c、300d、300e)、アンテナ400、受信モニタ500および携帯端末600(600a、600b、600c)を有する。
識別情報発信機230a〜230eは、第1実施形態と同様に、送信機300の位置を特定するために位置ID「A」〜「E」を発信する。また、識別情報発信機230a〜230eは、それぞれ相互に通信可能に構成され、識別情報発信機230a〜230eを通信ノードとするメッシュネットワークを形成する。さらに、識別情報発信機230a〜230eは、携帯端末600とも相互に通信可能であり、識別情報発信機230a〜230eが構成するメッシュネットワークは、受信モニタ500にも接続されている。
携帯端末600は、識別情報発信機230a〜230eが構成するメッシュネットワークに接続することにより、受信モニタ500や他の携帯端末600と通信可能となる。携帯端末600は、送信機300または受信モニタ500からメッシュネットワーク経由で各種情報を受信する。携帯端末600は、第1実施形態と同様に、患者の状態、動作、所在位置等を表示したり、処置表明操作を受付けたりすることができる。
以上のように、第3実施形態の医療用システム120によれば、識別情報発信機230によりメッシュネットワークを構築し、当該メッシュネットワークを介して携帯端末600が無線通信を行う。これにより、例えば、既に識別情報発信機230やアンテナ400を導入している施設では、新たなネットワークインフラを構築することなく既存の設備を活用して医療用システム120を実現できる。
100、110、120 医療用システム、
200、230 識別情報発信機、
210 アクセスポイント、
220 サーバー、
300 送信機、
400 アンテナ、
500 受信モニタ、
600 携帯端末、
601 汎用端末、
602 通信モジュール、
610 CPU、
620 ROM、
630 RAM、
640 ストレージ、
650 表示部、
651 投写部、
660 操作部、
670 通信部、
680 バス。

Claims (5)

  1. 患者に装着されて当該患者の生体情報を取得し、自機の位置に関する位置情報を取得すると共に前記位置情報および前記生体情報を送信する送信機と、
    複数の医療スタッフそれぞれに携帯され、ネットワークを介して前記送信機から送信された前記位置情報および前記生体情報に基づいて前記患者の所在位置および状態を表示する複数の携帯端末と、
    を有し、
    前記各携帯端末は、
    当該携帯端末を携帯する医療スタッフが前記所在位置に向かうことを示す操作を受付ける受付部と、
    前記受付部において前記操作を受付けたとき、当該操作を受付けたことを示す情報を前記複数の携帯端末のうちの他の携帯端末に送信する送信部と、
    前記患者に装着された前記送信機に近づけられたときに、当該患者の任意の生体情報を、前記ネットワークを介さずに前記送信機から直接受信する受信部と、
    前記受信部において受信された任意の前記生体情報を表示する表示部と、
    を有する医療用システム。
  2. 患者に装着されて当該患者の生体情報を取得し、自機の位置に関する位置情報および加速度センサーによって検出された前記患者の動作に関する動作情報を取得すると共に前記位置情報、前記動作情報および前記生体情報を送信する送信機と、
    複数の医療スタッフそれぞれに携帯され、前記送信機から送信された前記位置情報、前記動作情報および前記生体情報を受信し、前記位置情報、前記動作情報および前記生体情報に基づいて前記患者の所在位置および状態を表示する複数の携帯端末と、
    を有し、
    前記各携帯端末は、
    記動作情報に基づいて転倒リスクがあると判断された場合、前記患者の所在位置と対応付けて前記患者への対処の表明を受付ける受付部と、
    を有する医療用システム。
  3. 前記携帯端末は、医療スタッフの腕部に装着可能なリストバンド型または頭部に装着可能な眼鏡型である請求項1または請求項2に記載の医療用システム。
  4. 前記携帯端末は、前記生体情報を解析し、解析結果に基づいて前記患者の状態が正常であるかまたは異常であるかを判断可能である請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用システム。
  5. 前記送信機から送信された前記位置情報、前記動作情報および前記生体情報に基づいて前記患者の所在位置、動作および状態を表示する受信モニタをさらに有し、
    前記携帯端末または前記受信モニタは、各患者毎に前記生体情報および前記動作情報に基づき対応が必要か否かを判断するための閾値を設定する設定部をさらに有する請求項2に記載の医療用システム。
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