JP6644642B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、膜厚1000nm以下の平坦膜と、多孔質体である支持膜とからなる積層体に関する。
近年、表面積が大きく、ナノメートルオーダーの厚みと、微小な物質を透過させる透過性とを有する自立性薄膜が、選択透過膜、マイクロセンサ、薬物送達用のフィルム等として用いることができるとして注目されている。そのため、透過性を有する自立性薄膜の製造方法が種々検討されており、水面キャスト法、シランカップリング剤を用いた界面反応法等が知られている。しかし、これらの方法により得られる薄膜は、通常、機械的な強度に乏しいこと、薄膜の大面積化が困難であること、得られる薄膜の精度にも限界があること等の問題がある。
自立性薄膜としては、特許文献1に記載される方法で製造される、厚さを100nm以下としても自己支持性を有するポリマー薄膜及び当該ポリマー薄膜が知られている。特許文献1に記載の方法では、支持体の表面に犠牲層を設け、当該犠牲層の表面にて組成物中の重合性化合物を連鎖重合させた後、犠牲層を除去することにより、支持体と重合させた組成物とを分離させてポリマー薄膜が製造される。
特開2008−285617号公報
確かに、特許文献1に記載の方法で製造される薄膜は、100nmの以下の極度に薄い膜であって自立性を有する。しかし、ナノメートルオーダーの薄膜である以上、依然として強度の問題は解決されていない。
また、このため、特許文献1に記載の薄膜を、気体の分離に使用しようとしても、分離時に膜の両側に差圧を生じさせると、膜の破断が生じやすい。
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであって、気体を透過可能な薄膜を備えつつ、気体の分離時に圧力が印加されても容易に破断しない、強度に優れる積層体と、当該積層体を分離膜として備える気体用フィルターと、当該フィルターを用いる分離方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、平坦膜と、支持膜とからなる積層体について、1000nm以下の膜厚を有し、1nm以上の開口径を有する貫通孔を有さない平坦膜と、表面粗さが100nm以下である多孔質膜であって、主面上の複数の開口の平均径が1000nm未満であり、主面の開口率が40面積%以下である支持膜と、を用いることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明の第一の態様は、平坦膜と、支持膜とからなる積層体であって、
平坦膜は、1000nm以下の膜厚を有し、1nm以上の開口径を有する貫通孔を有さず、
支持膜は、表面粗さが100nm以下である多孔質膜であり、
支持膜の主面上の複数の開口の平均径が1000nm未満であり、
支持膜の主面の開口率が40面積%以下である、積層体に関する。
本発明の第二の態様は、第一の態様にかかる積層体を分離膜として備える気体用フィルターに関する。
本発明の第三の態様は、第二の態様にかかるフィルターを用いて、固体−気体分離、液体−気体分離、又は気体−気体分離を行う、分離方法に関する。
本発明によれば、気体を透過可能な薄膜を備えつつ、気体の分離時に圧力が印加されてもよういに破断しない、強度に優れる積層体と、当該積層体を分離膜として備える気体用フィルターと、当該フィルターを用いる分離方法とを提供することができる。
本発明にかかる積層体を製造する方法を模式的に示す図である。
≪積層体≫
本発明に係る積層体は、膜厚1000nm以下の薄い平坦膜と、当該平坦膜を支持する支持膜とからなる。
以下、平坦膜と、支持膜とについて説明する。
[平坦膜]
平坦膜は、1000nm以下の膜厚を有し、1nm以上の開口径を有する貫通孔を有さない。
平坦膜の膜厚は特に限定されないが、1000nm以下が好ましく、500nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
平坦膜を備える積層体をフィルターとして用いる場合、平坦膜を良好に透過する気体と、平坦膜を透過しにくい又は透過できない気体、液体又は固体とが分離される。
この場合、所望する種類の気体が平坦膜をより良好に透過することにより、積層体による分離効率が向上するので、平坦膜の膜厚が薄い程好ましい。
平坦膜は、開口径1nm以上の開口を有さない。平坦膜を備える積層体は、気体の分離に使用され得る。平坦膜に開口径1nm以上の開口が存在すると、所望しない成分が積層体を透過しやすい場合がある。
平坦膜12の引張強度は、特に限定されない。積層体17をフィルターとして用いる場合の、平坦膜12の破断を抑制しやすい点から、平坦膜12の引張強度は1〜5GPaが好ましい。
なお、後述するように、平坦膜と支持膜とからなる積層体の製法としては、水を含む剥離液を用いる方法が好ましい。このため、剥離液への耐性の観点から、平坦膜と、後述する支持膜とについて、それぞれ、水に対する溶解速度は、1nm/秒以下であるのが好ましい。
平坦膜の材質は特に限定されない。加工の容易さ等から、平坦膜の材質としては樹脂が好ましい。樹脂は、積層体を用いて分離を行う際に、積層体を透過させる気体の種類に応じて、適宜選択される。
好適な樹脂としては、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂等が挙げられる。
また、イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物、イソプレン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物、エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体、エチレン−スチレン共重合体エチレン−プロピレン−1−ブテン−スチレン共重合体、及びポリスチレン等のスチレン系重合体も好ましい。
さらに、エチレン−ノルボルネン共重合体、プロピレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体、プロピレン−テトラシクロドデセン共重合体、エチレン−プロピレン−ノルボルネン共重合体、及びエチレン−プロピレン−テトラシクロドデセン共重合体等の環状オレフィン系共重合体も好ましい。
上記の樹脂が共重合体である場合、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。また、樹脂がスチレン由来の単位を含むブロック共重合体である場合、分子鎖の両端にスチレン由来の単位のブロックを有する、ブロック共重合体が好ましい。さらに、上記の好ましい樹脂は、分子鎖の両末端又は片末端に水酸基を有してもよい。
なお、積層体の主面の面積は3cm以上であるのが好ましい。従って、平坦膜の主面の面積も3cm以上が好ましく、10cm以上がより好ましく、30cm以上が特に好ましい。
なお、平坦膜の主面の面積と、積層体の主面の面積とは一致しているのが好ましいが、積層体の使用に支障が無い範囲で、平坦膜の主面の面積と、積層体の主面の面積とが異なっていてもよい。
[支持膜]
支持膜は、多孔質体からなる多孔質膜である。多孔質膜を支持膜として用いることにより、非常に薄い平坦膜が破断しないように、平坦膜が支持膜に支持されるとともに、分離対象の気体が平坦膜に到達するように、種々の流体を積層体の内部に流通させることができる。
以下、支持膜として使用される多孔質膜について説明する。
多孔質膜の材質は、特に限定されず、有機材料であっても無機材料であってもよい。所望する孔径や空隙率を有する多孔質膜の形成が容易であることから、多孔質膜の材質としては、有機材料が好ましい。かかる有機材料は、典型的には樹脂である。
樹脂としては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート等)、FR−AS樹脂、FR−ABS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドビスマレイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、シリコーン樹脂、BT樹脂、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレン、FR−ポリプロピレン、(メタ)アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、及びポリスチレン等が挙げられる。
樹脂の中でも、熱的又は化学的に安定で、機械的強度に優れる多孔質膜を得やすいことから、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、及びポリアミドイミドが好ましい。
なお、多孔質膜の材質としては、2種以上の樹脂が混合して使用されてもよい。
多孔質膜の表面粗さ(Ra)は、100nm以下であり、90nm以下であるのが好ましい。
多孔質膜の表面粗さは、5cm×5cmのサイズの多孔質膜の資料中の任意の3点の表面粗さの平均値として定義される。
支持膜として使用される多孔質膜の表面粗さ(Ra)が100nm以下であると、積層体製造時の、平坦膜と多孔質膜との剥離が生じにくい。
多孔質膜は主面上に複数の開口を有する。多孔質膜の主面上の複数の開口の平均径は、1000nm未満であるのが好ましく、900nm以下であるのがより好ましく、700nm以下であるのが特に好ましく、500nm以下であるのが最も好ましい。
多孔質膜の主面上の複数の開口の平均径は、多孔質膜の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率1000倍で観察し、画像解析ソフト(ImageJ)により開口部の面積を計測することにより求められる。
平均径は、10個以上の開口部の径の平均値として算出される。また、開口部の径とは、開口部の面積から算出される円相当径である。
画像解析の再、膜内部の穴が見える等の理由により、表面の穴の外縁が不明確な場合には、色のコントラストピークで暗い領域から3本目のコントラストピークまでを選択して、多孔質膜表面の開口を特定した。
支持膜として使用される多孔質膜の表面の開口の平均径が過度に大きいと、積層体製造時の、平坦膜と多孔質膜との剥離が生じやすかったり、耐圧性に優れる積層体を得にくかったりする。
また、多孔質膜の表面の開口の平均径が過度に大きいと、積層体を、複数種の気体の分離に用いる場合に、複数種の気体の透過率の選択性が低下する場合がある。
多孔質膜の主面の開口率は、主面の面積に対して40面積%以下であるのが好ましい。
多孔質膜の主面の開口率は、多孔質膜の主面上の複数の開口の平均径の測定方法と同様の方法によって、画像解析により開口部の面積を計測することにより求められる。
多孔質膜の主面の開口率が40面積%超であると、平坦膜と多孔質膜との剥離が生じやすかったり、耐圧性に優れる積層体を得にくかったりする。
多孔質膜に存在する空孔の形状は、多孔質膜を支持膜として備える積層体を使用する場合に、支持膜表面の開口から平坦膜の表面まで流体が流通可能であれば特に限定されない。
例えば、多孔質膜は、厚さ方向に膜を貫通する多数の貫通孔を備える多孔質膜であってもよく、多数の空孔が相互に連通した構造(以下、連通孔と略称する)を備える多孔質膜であってもよい。
かかる多孔質膜としては、多孔質膜の製造が容易である点や、多孔質膜の主面の平均開口径や開口率が低くても、多孔質内に流体を良好に流通させやすい点から、球状孔が相互に連通した構造(以下、連通孔と略称する)を含む多孔質膜が好ましい。
孔の形状に関する球状は、真球状を含む概念であるが、必ずしも真球のみに限定されない。球状とは、実質的に真球状であればよく、孔部の拡大像を目視により確認した場合に略真球状と認識できる形状も、球状に含まれる。
具体的には球状孔では、孔部を規定する面が曲面であり、当該曲面により真球状又は略真球上の空孔が規定されていればよい。
多孔質膜が、球状の孔部を含む場合、当該球状の孔部の平均径は1000nm未満であるのが好ましい。
個々の球状孔は、典型的には、後述する樹脂−微粒子複合膜中に存在する個々の微粒子が後工程で除去されることにより形成される孔である。また、連通孔は、後述する多孔質膜の製造方法において、樹脂―微粒子複合膜中にそれぞれ接して存在する複数の微粒子が、後工程で除去されることにより形成される。連通孔における球状孔が連通する箇所は、除去される前の複数の微粒子が互いに接触する箇所に由来する。
多孔質膜の透気度は、支持膜が所望する透気度を有するように適宜設定される。支持膜の透気度(ガーレー透気度)は1〜300秒/100ccが好ましく、5〜200秒/100ccがより好ましい。透気度は、多孔質膜の開口部の平均径や、開口率を調整することにより調製される。
多孔質膜の製造方法は特に限定されない。好適な多孔質膜である、球状の孔部からなる連通孔を備える多孔質膜の好ましい製造方法としては、例えば、国際公開第2014/175011号や、特開2014−214767号公報に記載の方法が挙げられる。
≪積層体の製造方法≫
積層体の製造方法は、平坦膜と、支持膜とを、それぞれ破損させることなく積層出来る方法であれば特に限定されない。
好ましい積層体の製造方法は、
基板上に樹脂溶液を塗布して塗布膜を形成する工程(以下、「塗布工程」とも記す。)と、
塗布膜から溶媒を除去して、平坦膜を形成する工程(以下、「平坦膜形成工程」とも記す。)と、
平坦膜を、水を含む剥離液と接触させる工程(以下、「接触工程」とも記す。)と、
片方の主面にカバーフィルムを備える支持膜を、支持膜と、平坦膜とが接触するようにラミネートする工程(以下、「ラミネート工程」とも記す。)と、
平坦膜と、支持膜と、カバーフィルムとを含むカバーフィルム付き積層体を、基板から剥離させる工程(以下「剥離工程」とも記す。)と、
カバーフィルム付き積層体から、積層体を剥離する工程(以下、積層体取得工程とも記す。)と、を含む方法である。
以下、図1(図1A〜図1H)を参照しながら、積層体の好ましい製造方法に関する上記の工程について説明する。なお、図1は、積層体の製造方法に関する各工程を、基板10の断面方向から観察した断面により説明する図である。
<塗布工程>
図1A及び図1Bに示されるように、塗布工程では、基板10上に樹脂溶液を塗布して塗布膜11が形成される。樹脂溶液を基板10上に塗布する方法としては、例えば、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ、インクジェット装置、スリット塗布装置等の非接触型塗布装置を用いる方法が挙げられる。
塗布方法の中では、大面積の塗布膜11を形成する場合でも、厚さの均一な塗布膜11を形成しやすいことから、スリット塗布装置が好ましい。
塗布膜11の膜厚は、特に限定されず、塗布膜から溶媒を除去して形成される平坦膜12の膜厚に応じて適宜決定される。
基板10上の材質は、樹脂溶液や、後述する剥離液に溶解したり、樹脂溶液や、後述する剥離液により膨潤したりしない材質であれば特に限定されない。
基板10上の材質としては、ガラスや、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム等の金属のような無機材料や、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の種々の有機材料が挙げられる。
樹脂溶液に含まれる樹脂としては、溶媒に可溶であって、塗布膜11から溶媒を除去することにより平坦膜12を製膜可能な樹脂であれば特に限定されない。
ただし、水溶性樹脂を用いることはできない。水溶性樹脂を用いる場合、水溶性の平坦膜12が形成される。平坦膜12が水溶性であると、後述する接触工程において平坦膜12が剥離液13に溶解してしまい所望する構造の積層体17を形成できない。
また、剥離液13として、アルコールを含む水溶液を含む場合、平坦膜12が過度に剥離液に溶解しなければ、当該アルコールに可溶な樹脂を平坦膜12の材料として用いることができる。
樹脂溶液に含まれる溶媒は、樹脂の種類に応じて適宜選択される。
溶媒の好適な例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキシルアルコール等の脂肪族モノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;等が挙げられる。
平坦膜12の形成時に溶媒を除去する際に、塗布膜11の面積よりも平坦膜12の面積が小さくなる場合がある。この場合、溶媒の除去による収縮量を勘案して、塗布膜11の面積が定められる。
<平坦膜形成工程>
図1B及び図1Cに示されるように、平坦膜形成工程では、塗布膜11から溶媒を除去することで、平坦膜12が形成される。
溶媒を除去する方法は、平坦膜12に皺が生じたり、平坦膜12が熱劣化したりしない方法であれば特に限定されない。
溶媒を除去する方法としては、例えば、基板10上の塗布膜11を大気圧下、又は減圧下に加熱する方法、塗布膜11を、空気の気流や、窒素等の不活性ガスの気流にさらして風乾する方法、室温付近の温度において塗布膜11を減圧雰囲気に置く方法等が挙げられる。
塗布膜11を加熱して溶媒を除去する場合、加熱温度は、溶媒の沸点や、平坦膜12の材質等を勘案して適宜定められる。なお、加熱温度が高すぎたり、昇温速度が早すぎたりすると、平坦膜12に気泡が含まれたり、皺が生じたりするため注意を要する。
<接触工程>
図1Dに示されるように、接触工程では、平坦膜12を、水を含む剥離液13と接触させる。剥離液13は、水を含む液であって、平坦膜12や、支持膜14を溶解や膨潤させない液であれば特に限定されない。
剥離液13により平坦膜12を良好に濡らしやすい点から、剥離液13の表面張力は10〜75mN/mが好ましく、10〜50mN/mがより好ましい。
剥離液13の表面張力を調製する方法は特に限定されない。剥離液13の表面張力の調整は、典型的には水に対して、種々の添加剤を添加することにより行われる。
かかる添加剤のうち好適な例としては、水溶性有機溶媒や、界面活性剤が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれも使用することができる。
表面張力の調整に用いられる添加剤としては、剥離液13が乾燥した後、積層体17に付着物が発生しないことから、水溶性有機溶媒が好ましい。水溶性有機溶媒の中では、剥離液13の表面張力の調整や、乾燥が容易であることからアルコール類が好ましく、メタノール、エタノール、n−プロパノール、及びイソプロパノールがより好ましく、メタノール、及びエタノールが特に好ましい。
基板10上の平坦膜12をかかる剥離液13により濡らすことにより、後述する剥離工程で、平坦膜12の破れ等を生じさせることなく、カバーフィルム付き積層体16を基板10より容易に剥離させることができる。
基板10と平坦膜12との間の微細な隙間に剥離液13が侵入することにより、基板10と平坦膜12との間の接着力が低下するためと思われる。
平坦膜12を剥離液13と接触させる方法は特に限定されない。接触方法としては、平坦膜12上に剥離液13を塗布又は散布する方法、平坦膜12上に剥離液13を流通させる方法、平坦膜12を剥離液中に浸漬する方法等が挙げられる。
平坦膜12に接触させる剥離液13の温度は、平坦膜12を、膨潤させたり溶かしたりしない温度であれば特に限定されない。剥離液13の温度は、室温から大きくかけ離れた温度でなければよい。典型的には、0〜50℃程度であり、5〜45℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
<ラミネート工程>
図1E及び図1Fに示されるように、ラミネート工程では、片方の主面にカバーフィルム15を備える支持膜14を、支持膜14と、平坦膜12とが接触するようにラミネートする。
ラミネート方法は特に限定されず、周知の方法を採用できる。好適な方法としては、例えば、支持膜14や平坦膜12が破損しない程度の圧力で、ロール等を用いて、カバーフィルム15を備える支持膜14を平坦膜12に熱圧着させる方法が挙げられる。
この場合、熱圧着の条件は、ローラーの圧力は0.1〜10kgf/cmが好ましく、0.2〜5kgf/cmがより好ましい。ローラーの温度は、20〜120℃が好ましく、25〜100℃がより好ましい。
カバーフィルム15の材質は、支持膜14と積層可能な材質であれば特に限定されない。カバーフィルム15の材質は、有機材料であっても無機材料であってもよく、有機材料が好ましい。有機材料としては通常樹脂が使用される。
樹脂としては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート等)、FR−AS樹脂、FR−ABS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミドビスマレイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、シリコーン樹脂、BT樹脂、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレン、FR−ポリプロピレン、(メタ)アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、及びポリスチレン等が挙げられる。
これらの樹脂の中では、カバーフィルムの入手が容易である点で、ポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリイミド、及びポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
カバーフィルム15の厚さは、特に限定されない。カバーフィルム15の厚さは、例えば10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
片方の主面にカバーフィルム15を備える支持膜14を調整する方法は特に限定されない。周知の方法で、カバーフィルム15と支持膜14とをラミネートして、カバーフィルム15を備える支持膜14が調製される。
好適な方法としては、例えば、支持膜14が破損しない程度の圧力で、ロール等を用いて、カバーフィルム15と支持膜14とを熱圧着させる方法が挙げられる。
カバーフィルム15は、接着層(不図示)を介して支持膜14の主面の片面に貼り付けられるのが好ましい。つまり、カバーフィルム15と、支持膜14との間に、接着層が存在するのが好ましい。
接着層が存在する場合、後述の剥離工程において、平坦膜12と、支持膜14と、カバーフィルム15とを含むカバーフィルム付き積層体16を、基板10から剥離させる際に、カバーフィルム15のみが基板から剥離されることを防ぎやすい。
接着層を設ける方法は特に限定されない。好ましい方法としては、カバーフィルム15上、又は支持膜14上に、接着層の材質の溶液を塗布した後、溶媒を除去する方法が好ましい。
接着層形成時に、接着層の材質により、支持膜14の表面が塞がれることがないことから、接着層はカバーフィルム15上に設けられるのが好ましい。
接着層の材質は、カバーフィルム15と、支持膜14とを接着させることが出来る材質であれば特に限定されない。
接着層の材質の好適な例としては、非晶質ポリエステル、スチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂等が挙げられる。
接着層の材質が有機材料である場合、当該有機材料のガラス転移点は80℃以下であるのが好ましく、50℃以下であるのがより好ましい。
接着層の材質のガラス転移点がかかる範囲内の温度であれば、平坦膜12、支持膜14、カバーフィルム15等に悪影響がでない程度の低い温度で加熱しつつ、カバーフィルム15を備える支持膜14を平坦膜12にラミネートすることができる。
この場合、接着層が軟化し、カバーフィルム15と、支持膜14とが良好に接着される。
なお、カバーフィルム15を備える支持膜14をラミネートする前に、カバーフィルム15を備える支持膜14を接着層の軟化点以上に加熱してもよい、この場合も、カバーフィルム15と、支持膜14とが良好に接着される。
剥離液13で濡れた平坦膜12が、カバーフィルム15で被覆されることにより剥離液13の揮散が抑制される。このため、次の剥離工程において、平坦膜12と、支持膜14と、カバーフィルム15とを含むカバーフィルム付き積層体16を、基板10から良好に剥離させることができる。
<剥離工程>
図1F及び図1Gに示されるように、剥離工程では、平坦膜12と、支持膜14と、カバーフィルム15とを含むカバーフィルム付き積層体16を、基板10から剥離させる。
剥離方法は、特に限定されない。例えば、指やピンセット等によりカバーフィルム15の端部を把持して、カバーフィルム付き積層体16が基板10より剥離される。
この際、基板10と直接接触する平坦膜12が、剥離液13で濡れていることによって、平坦膜12の破れ等を生じさせることなく、カバーフィルム付き積層体16を基板10より容易に剥離させることができる。
<積層体取得工程>
図1Hに示されるように、積層体取得工程では、平坦膜12と、支持膜14と、カバーフィルム15とを含むカバーフィルム付き積層体16から、平坦膜12と支持膜14とからなる積層体17を剥離させる。
カバーフィルム付き積層体16から積層体17を剥離させる方法は特に限定されない。好適な方法としては、例えば、カバーフィルム付き積層体の端部を湾曲させて、カバーフィルム15と積層体17との間に隙間を生じさせた後、積層体17及びカバーフィルム15の少なくとも一方を把持し、両者を剥離させる方法が挙げられる。
このようにして得られる積層体17は、薄い平坦膜12が良好に気体を透過させる一方で、支持膜14を備えるため、強度にも優れる。このため、積層体17は、気体を選択透過させることによる気体−気体分離や、気体を含む液体についての気液分離や、固体粒子を含む気体につての固気分離に好適に使用される。
≪気体用フィルター≫
前述の積層体は、気体用フィルターにおける分離膜として好適に使用できる。気体用のフィルターにより行われる分離としては、固体−気体分離、液体−気体分離、気体−気体分離が好ましく挙げられる。
積層体が分離膜に取り付けられる際には、積層体が破損しない限りにおいて、例えば、蛇腹状に折りたたまれたり、ロール状に丸められたりしてもよい。
前述の積層体を用いて分離を行うことにより、微小な固体粒子、微小な液滴を、気体から良好に分離できる。また、分子サイズの違いを利用して、例えば、水素やヘリウムのような分子サイズの小さな気体を、選択的に透過させることもできる。なお、ここでの選択的な透過とは、低分子量の気体のみしか透過させないことではなく、低分子量の気体を優先的に透過させることを言う。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
固形分濃度が2質量%であるポリアミック酸のN−メチルピロリドン溶液を、スピンコーターを用いてガラス製の基板上に塗布して塗布膜を形成した。形成された塗布膜を、80℃、1分加熱して、サイズ縦10cm×横10cm、膜厚100nmの平坦膜を形成した。
ポリアミック酸としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとに由来するポリアミック酸を用いた。
別途、サイズ15cm×15cm、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(カバーフィルム)と、サイズ5cm×5cm、膜厚20μmのポリイミド多孔質膜(支持膜)とが、膜厚10μmの非晶性ポリエステル(ガラス転移温度:50℃)からなる接着層を介して積層された積層体を調製した。
支持膜の材料としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとに由来するポリイミド樹脂を用いた。
また、支持膜としては、球状の孔部からなる連通孔を備える多孔質膜を用いた。
それぞれ前述の方法により測定した、支持膜の表面の開口の平均径は216nmであり、支持膜の表面の開口率は20.3面積%であり、表面粗さは86nmであった。
次いで、基板上の平坦膜に、濃度50質量%のエタノール水溶液(表面張力:28mN/m)を散布した。エタノール水溶液の散布後に、カバーフィルムと支持膜とを含む積層体を、ローラー圧力3kgf/cm、ローラー温度60℃、ローラー速度0.4m/分の条件で、平坦膜上に、支持膜を積層した。
積層後、カバーフィルムの端部を把持して、平坦膜と、支持膜と、カバーフィルムとを含む積層体を、基板から剥離した。次いで、得られた平坦膜と、支持膜と、カバーフィルムとを含む積層体において、平坦膜と、支持膜とからなる積層体を、カバーフィルム上に接着層が残るように剥離させた。
以上説明した方法により、樹脂薄膜である平坦膜と、多孔質体である支持膜とからなる積層体を、平坦膜に破損や皺を生じさせることなく製造することができた。
得られた積層体について、以下の方法に従って、耐圧性と、He/N選択比とを評価した。これらの評価結果を表1に記す。
<耐圧性、及びHe/N選択比評価方法>
まず、ガスホルダーを含むガスラインのガスホルダー部分に、積層体の試料を装着した。ガスホルダーを基準にして供給側には、ガスボンベ、面積式流量計、レギュレーター、圧力センサ、流量センサ、排気用ガスライン、及び排気用ガスライン末端のバルブが設けられていた。ガスホルダーを基準に透過側には、圧力センサ、及び精密膜流量計が設けられていた。
ガスボンベから試料に向けて、Nガスを供給し、面積式流量計、レギュレーターで供給ガスの流量を100ml/min、圧力200kPaに調節した。
この際、供給側圧力が圧力センサで200kPaに到達したものを、耐圧性○とし、200kPaに到達しなかったものを耐圧性×とした。
続いて、この条件で透過側の精密膜流量計でNガスの透過流量を測定した。同様の手順でHeガスの透過流量を測定し、得られた透過流量からHe/N選択比αを算出した。
He/N選択比αが10以上である場合を◎と判定し、2以上10未満である場合を○と判定士、2未満である場合を×と判定した。
〔実施例2〜8、及び比較例1〜9〕
平坦膜について、材質及び膜厚を表1に記載される通り変更することと、支持膜について、材質、表面の開口率(面積%)、及び表面粗さを表1に記載の通り変更することと、の他は、実施例1と同様に積層体を作成した。
実施例2〜4については、実施例1と同様に、耐圧性、及びHe/N選択比を評価した。これらの評価結果を、表1及び2に示す。
なお、積層体製造時に、平坦膜と、支持膜との間の膜間剥離が生じた場合には、耐圧性、及びHe/N選択比の評価を行わなかった。
なお、平坦膜の材質について樹脂1は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとに由来するポリアミック酸である。
樹脂2は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとに由来するポリイミド樹脂である。
樹脂3は、末端水酸基含有スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物である。樹脂4は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物である。樹脂5は、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体である。
樹脂3〜5を用いる場合、平坦膜形成用の樹脂溶液の調製には、溶剤としてデカヒドロナフタレン(デカリン)を用いた。
樹脂6は、ポリスチレンである。樹脂6を用いる場合、平坦膜形成用の樹脂溶液の調製には、溶剤としてプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(PGMEA)を用いた。
また、支持膜の材質について、PIは、前述の樹脂2と同様のポリイミド樹脂であり、PCはポリカーボネートであり、PESはポリエーテルスルホンであり、PTFEはポリテトラフルオロエチレンである。
支持膜について、PI多孔質膜は、球状の孔部からなる連通孔を備える多孔質膜である。PC多孔質膜は、厚さ方向に膜を貫通する貫通孔を多数備える多孔質膜である。
Figure 0006644642
Figure 0006644642
実施例と比較例とから、1000nm以下の膜厚を有し、1nm以上の開口径を有する貫通孔を有さない平坦膜と、表面粗さ(Ra)が100nm以下であり、主面上の複数の開口の平均径が1000nm未満であり、主面の開口率が40面積%以下である支持膜とからなる積層体であれば、膜間剥離を生じさせずに積層体を製造でき、耐圧性と、He/N選択比も優れることが分かる。
10 基板
11 塗布膜
12 平坦膜
13 剥離液
14 支持膜
15 カバーフィルム
16 カバーフィルム付き積層体
17 積層体

Claims (9)

  1. 平坦膜と、支持膜とからなる積層体であって、
    前記平坦膜は、1000nm以下の膜厚を有し、1nm以上の開口径を有する貫通孔を有さず、
    前記支持膜は、表面粗さが100nm以下である多孔質膜であり、
    前記支持膜の主面上の複数の開口の平均径が1000nm未満であり、
    前記支持膜の主面の開口率が40面積%以下である、積層体。
  2. 前記支持膜が、球状又は略球状の孔部が相互に連通する連通孔を有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記孔部の平均径が1000nm未満である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記平坦膜の水に対する溶解速度と、前記支持膜の水に対する溶解速度とが、それぞれ1nm/秒以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記支持膜の透気度が10〜300秒/100ccである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記平坦膜の引張強度が1〜5GPaである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記支持膜が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、及びポリフッ化ビニリデンからなる群より選択される1以上の樹脂からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を分離膜として備える気体用フィルター。
  9. 請求項8に記載のフィルターを用いて、固体−気体分離、液体−気体分離、又は気体−気体分離を行う、分離方法。
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