JP6643978B2 - 頭頚部がんの処置または予防において使用されるpi3キナーゼ阻害剤とパクリタキセルの組合せ - Google Patents

頭頚部がんの処置または予防において使用されるpi3キナーゼ阻害剤とパクリタキセルの組合せ Download PDF

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Description

頭頚部がんを処置するための、同時、個別、または連続的に使用される、(a)本明細書において定義される式(I)のホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬;前記組合せを含む医薬組成物;頭頚部がんを処置する医薬を調製するための前記組合せの使用;頭頚部がんを処置または予防する方法であって、それを必要とする対象にそのような組合せの共同治療有効量を投与することを含む方法;およびその商用パッケージ。
頭頚部がんは、上気道消化管から生じる全てのがんを含む。粘膜表面に由来する扁平上皮癌は、症例の90%超を表す。頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)の発生率は、過去30年にわたって次第に増加している。この癌は、世界中でがん発生率第5位の原因であり、がんによる死亡率の第6位の原因である。HNSCCの処置モダリティには、手術、放射線、および化学療法が挙げられる。進行したHNSCCでは、積極的な治療にもかかわらず、無病状態で3年間生存する患者はわずか35%〜55%に過ぎない。局所領域の再発が患者の30%〜40%に起こり、遠隔転移は、患者の12%〜22%に起こる。再発性/転移性HNSCCの緩和処置は、主として無効であり、ほとんど進歩していない。
HNSCCは、積極的な導入療法(例えば、5−FU、シスプラチン、およびドセタキセルとの組合せ)に対する高い反応率によって示されるように、化学療法感受性疾患であると見なすことができるが、再発時の結果は不良である。化学療法、手術、放射線療法、および補助ケアを組み合わせることによって一次処置が進歩したにもかかわらず、再発率は35〜50%の範囲である。患者は通常、局所に再発して、嚥下、食事、および会話の困難などの症状を発症する。再発疾患を有する患者の生存の中央値は6カ月であり、全身状態が良好な患者では10カ月に達し得る。このため、頭頚部がんを有する患者の臨床上の恩典を改善することは、患者のクオリティオブライフを改善するために重要である。
現在、頭頚部がん、特にHNSCCを処置するために、より有効な標的化処置が必要である。
式(I)の化合物とパクリタキセルの組合せは、頭頚部がんに罹患している患者、特にパクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんまたは頭頚部扁平上皮癌に罹患している患者に対して、それぞれの単剤療法と比較して改善された有効な処置を提供すると考えられる。
本発明は、頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、(a)本明細書において定義される式(I)のホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬に関する。
1つの実施形態において、本発明はさらに、頭頚部がんを処置または予防する医薬組成物または医薬を調製するための本発明の組合せの使用に関する。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんの処置または予防において使用される、(a)式(I)のホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物と、(b)パクリタキセル、またはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬を提供する。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんの処置または予防において使用される本発明の組合せを提供する。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんを処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に本発明の組合せの共同治療有効量を投与することを含む方法に関する。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんに対して合同治療効果のある量の本発明の組合せを含む医薬組成物に関する。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんの処置または予防において使用される、治療剤として本発明の組合せを、その同時、個別、または連続的投与のための説明書と共に含む商用パッケージをさらに提供する。
いくつかのがん細胞株に対する化合物AのIC50値を示す図である。 扁平上皮がん細胞における化合物A投与の結果を示す図である。
本発明は、頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、(a)本明細書において定義される式(I)のホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬に関する。
本明細書において使用される一般的な用語は、特に指定のない限り、以下の意味を有すると定義される。
用語「含む(comprising)」、および「含む(including)」は、本明細書において、それ以外であると明記している場合を除き、範囲を定めない非制限的な意味で使用される。
本発明を記述する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「1つ(a)」および「1つ(an)」、および「その」、ならびに類似の言及は、本明細書においてそれ以外であることを示している場合を除き、または本文と明らかに矛盾する場合を除き、単数形と複数形の両方をその範囲に持つと解釈されるべきである。化合物、塩、およびその他に関して複数形が使用される場合、これは1つの化合物、塩、またはその他も同様に意味すると解釈される。
本明細書において使用される用語「組合せ」または「組合せ医薬」は、式(I)の化合物、特に化合物Aと、パクリタキセルとが同時に独立して投与され得るか、または治療剤(すなわち、式(I)の化合物、特に化合物A、およびパクリタキセルならびにそれらの薬学的に許容される塩)が協同作用、例えば相乗作用を示すことができる間隔で個別に投与され得る、1つの単位投与剤形の固定された組合せまたは併用投与のためのキットオブパーツ(kit of parts)のいずれかを定義する。
用語「医薬組成物」は、本明細書において、哺乳動物に影響を及ぼす特定の疾患または状態を予防または処置するために、対象、例えば哺乳動物またはヒトに投与される少なくとも1種の治療剤を含有する混合物または溶液を意味すると定義される。
用語「薬学的に許容される」は、本明細書において、妥当な利益/リスク比に釣り合って、過度の毒性、刺激アレルギー反応、およびその他の問題となる合併症を生じることなく、健全な医学的判断の範囲内で、対象、例えば哺乳動物またはヒトの組織と接触させるために適した、化合物、材料、組成物、および/または投与剤形を意味すると定義される。
用語「組合せ調製物」は、特に、上記で定義した治療剤(a)と(b)が、独立して、または治療剤(a)と(b)の異なる量の異なる固定された組合せの使用により、すなわち同時にまたは異なる時点で投薬することができるという意味で「キットオブパーツ」を意味すると定義される。次に、キットオブパーツのパーツを、例えば同時に、または時間をずらして、すなわち異なる時点で、キットオブパーツの任意のパーツに関して等間隔または異なる間隔で投与することができる。組合せ調製物で投与される治療剤(a)と治療剤(b)の全量の比率は、例えば、処置される患者亜集団の要件または患者1人の要件に合わせて変化させることができる。
本明細書において使用される用語「併用投与」は、1人の患者に対する選択された治療剤の投与を包含すると定義され、治療剤が必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与されるわけではない処置レジメンを含むと意図される。
本明細書において使用される用語「処置する」または「処置」は、対象における少なくとも1つの症状を軽減する、減少させる、もしくは緩和する、または頭頚部がんの進行を遅らせる処置を含む。例えば、処置は、頭頚部がんの1つもしくはいくつかの症状の減少または頭頚部がんの完全な根治であり得る。本発明の意味において、用語「処置する」はまた、頭頚部がんを停止させる、発症(すなわち、頭頚部がんの臨床発現の前の期間)を遅らせる、および/または頭頚部がんを発症もしくは悪化させるリスクを減少させることを意味する。用語「予防」は、本明細書において、対象における頭頚部がんの発症または持続または悪化を必要に応じて予防する、遅らせる、または処置すること、またはその全てを意味するために使用される。
用語「共同治療効果」または「共同治療効果のある(共同治療有効〜)」とは、処置される温血動物、特にヒトにおいて好ましい間隔であるが、なおも(好ましくは相乗的)相互作用(共同治療効果)を示す間隔で、治療剤が個別に(時間をずらして、特に順序特異的に)与えられ得ることを意味する。この場合、中でも、両方または全ての治療剤が少なくとも特定の間隔で処置されるヒトの血中に存在することを示す血中レベルに従って決定することができる。
治療剤(例えば、式(I)の化合物およびパクリタキセルまたはそれらの薬学的に許容される塩)の組合せの「有効量」は、組合せによって処置される頭頚部がんのベースラインの臨床的に観察可能な徴候および症状に対して観察可能な改善を提供するために十分な量である。
本明細書において使用される用語「対象」または「患者」は、頭頚部がん、または頭頚部がんに直接もしくは間接的に関係する任意の障害に罹患するまたは罹ることができる動物を含む。対象の例には、哺乳動物、例えばヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、およびトランスジェニック非ヒト動物が挙げられる。好ましい実施形態において、対象はヒト、例えば頭頚部がんに罹患している、罹患するリスクを有する、またはおそらく罹患することができるヒトである。
用語「約」または「およそ」は、通常、所定の値または範囲の20%以内、より好ましくは10%以内、および最も好ましくは5%以内を意味する。または、特に生物系において、用語「約」は、所定の値の1対数(すなわち1桁)以内、好ましくは2倍以内を意味する。
本発明は、頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、(a)本明細書において定義される式(I)のホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)阻害剤化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬に関する。
WO07/084786は、PI3Kの活性を阻害することが見出されている特異的ピリミジン誘導体を記述する。化合物5−(2,6−ジ−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミン(本明細書において以降、「化合物A」と呼ぶ)は、式(I)の化学構造を有する。
化合物、その塩、PI3K阻害剤としてのその有用性、および化合物5−(2,6−ジ−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミンの合成は、その全体が参照により本明細書に組み入れられるWO2007/084786において、例えば実施例10として記載されている。
式(I)のホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤化合物は、遊離の塩基、またはその薬学的に許容される塩の形状で組合せ医薬に存在し得る。そのような塩は、化合物の最終の単離および精製の際に、または塩基もしくは酸官能基を、適した有機もしくは無機の酸もしくは塩基とそれぞれ個別に反応させることによって、インサイチューで調製することができる。式(I)の化合物の適した塩には、以下が挙げられるがこれらに限定されるわけではない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩。同様に、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などのハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル、および硫酸ジアミルなどの硫酸ジアルキル、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物、臭化ベンジルおよび臭化フェネチルなどのハロゲン化アラルキル、ならびにその他などの作用物質によって四級化することができる。
薬学的に許容される酸付加塩を形成するために使用され得る酸の例には、塩酸、ヒドロホウ酸、硝酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびにギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸、クエン酸などの有機酸、ならびにアスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸が挙げられる。
薬学的に許容される塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩およびその他などのアルカリおよびアルカリ土類金属に基づく陽イオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、およびその他が挙げられるがこれらに限定されるわけではない非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミン陽イオンが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。塩基付加塩を形成するために有用な他の代表的な有機アミンには、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミンおよびその他、ならびにアルギニン、リシン、およびオルニチンなどの塩基性アミノ酸が挙げられる。
好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、その塩酸塩形態である。
パクリタキセル(TAXOL(登録商標))は、抗腫瘍活性を有する天然物である。パクリタキセルは、ヨーロッパイチイ(Taxus baccata)からの半合成プロセスを通して得られる。パクリタキセルの化学名は、(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンを有する5β,20−エポキシ1,2a,4,7β,10β,13a−ヘキサヒドロキシタクス−11−エン−9−オン4,10,−ジアセテート2−ベンゾエート13−エステルである。同様に、パクリタキセルの一般形態およびパクリタキセルの様々な投与剤形が含まれる。パクリタキセルの様々な投与剤形には、ABRAXANE(登録商標)およびONXOL(登録商標)として販売されているアルブミンナノ粒子パクリタキセルが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
本明細書において以降、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩とパクリタキセルの組合せ医薬を、本発明の組合せと呼ぶ。
特に指定のない限り、または本文に明らかに示されている場合を除き、または適用外であると示されている場合を除き、本発明の組合せにおいて有用な治療剤に対する言及は、化合物の遊離の塩基と、化合物の全ての薬学的に許容される塩の両方を含む。
本発明は特に、頭頚部がんを処置または予防するための、それを必要とする対象に個別、同時、または連続的に投与するために有用な本発明の組合せに関する。
本発明はさらに、頭頚部がんを処置または予防する医薬組成物または医薬を調製するための本発明の組合せの使用に関する。
本発明は、頭頚部がんを処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に本発明の組合せの共同治療有効量を投与することを含む方法に関する。
本発明はさらに、頭頚部がんの処置または予防において使用される、治療剤として本発明の組合せを、その同時、個別、または連続的投与のための説明書と共に含む商用パッケージを提供する。
本発明は特に、それを必要とする対象における頭頚部がんを処置または予防するために有用な本発明の組合せに関する。本発明のこの実施形態において、本発明の組合せは、対象に式(I)またはその薬学的に許容される塩とパクリタキセルの組合せの有効量を含む組合せ治療薬を投与することを含む、頭頚部がんの処置または予防のために使用される。これらの治療剤は、組み合わせると有益な効果をもたらす治療有効投与量で投与されることが好ましい。投与は、個別、同時、または連続的であり得る。
1つの実施形態において、本発明の組合せは、頭頚部がんの処置または予防にとって有用である。用語「頭頚部がん」は、本明細書において、上気道消化管から生じる腫瘍の広いスペクトルを意味するために使用される。そのような腫瘍の例には、口腔、口唇、咽頭(鼻咽頭、中咽頭、および下咽頭を含む)、喉頭、副鼻腔、鼻腔、咽喉、および唾液腺のがんまたは腫瘍が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。さらに、腫瘍のタイプおよび使用される特定の組合せに応じて、腫瘍体積の減少を得ることができる。本明細書において開示される本発明の組合せはまた、腫瘍の転移ならびに微小転移の増殖および発生を防止するために適している。好ましい実施形態において、本明細書において開示される本発明の組合せは、頭頚部がんを処置または予防するために使用される。
さらなる実施形態において、頭頚部がんは扁平上皮癌である。頭頚部の扁平上皮癌は、本明細書において、扁平上皮細胞に始まる頭頚部のがんを意味するために使用される。頭頚部の扁平上皮癌の例には、口腔、口唇、咽頭(鼻咽頭、中咽頭、および下咽頭を含む)、喉頭、副鼻腔、鼻腔、咽喉、および唾液腺の扁平上皮がんまたは腫瘍が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
さらなる実施形態において、頭頚部がんは、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、および/または白金製剤治療による以前の処置に対して抵抗性である。「パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、および/または白金製剤治療による以前の処置に対して抵抗性」という句は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、または白金製剤治療による処置を受けているにもかかわらず、前記がんまたは腫瘍に罹患している患者においてがんまたは腫瘍が進行することを意味すると定義される。前記白金製剤治療の例には、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、またはそれらの組合せによる以前の処置が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。がんが、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、および/または白金製剤治療による以前の処置に対して抵抗性であるとは、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、および/または白金製剤治療に曝露されているにもかかわらず、がんが増殖または進行することとして定義される。好ましい実施形態において、頭頚部がんは、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部の扁平上皮癌である。
好ましい実施形態において、本明細書において開示される本発明の組合せは、頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防するために使用される。
本明細書において開示される本発明の組合せは、予後の不良な患者、特に、頭頚部がんを有する予後の不良な患者を処置または予防するために適している。このため、さらなる実施形態において、頭頚部がんは頭頚部の扁平上皮癌である。好ましい実施形態において、頭頚部がんは、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部の扁平上皮癌である。
本発明の組合せは、例えばPI3Kαの増幅、PIK3CAの体細胞変異、PTENの生殖細胞変異もしくは体細胞変異、またはp85−p110複合体をアップレギュレートするように作用するp85−αの変異および転座などのホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ経路の遺伝子変化を有する頭頚部がんの処置または予防のために特に有用である。
このため、1つの実施形態において、頭頚部がんは、PI3Kαの増幅、PIK3CAの体細胞変異、PTENの生殖細胞変異もしくは体細胞変異、またはp85−p110複合体をアップレギュレートするように作用するp85−αの変異および転座を特徴とする。
さらなる実施形態において、頭頚部がんは、PI3Kαの増幅、PIK3CAの体細胞変異、PTENの生殖細胞変異もしくは体細胞変異、またはp85−p110複合体をアップレギュレートするように作用するp85−αの変異および転座を特徴とする、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部の扁平上皮癌である。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんを処置または予防する方法であって、それを必要とする対象に本発明の組合せの共同治療有効量を投与することを含む方法に関する。それぞれの実施形態において、特定の処置を必要とする対象は、そのような実施形態における同定された頭頚部がんに罹患している、または頭頚部がんと診断された対象を含むと理解される。
さらなる実施形態において、本発明は、PI3Kαの増幅、PIK3CAの体細胞変異、PTENの生殖細胞変異もしくは体細胞変異、またはp85−αの変異および転座を特徴とする頭頚部がんを処置または予防する方法であって、本発明の組合せの共同治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんを処置または予防する方法であって、本発明の組合せの共同治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。それぞれの実施形態において、特定の処置を必要とする対象は、そのような実施形態における同定された頭頚部がんに罹患している、または頭頚部がんと診断された対象を含むと理解される。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防する方法であって、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルの組合せの共同治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、PI3Kαの増幅、PIK3CAの体細胞変異、PTENの生殖細胞変異もしくは体細胞変異、またはp85−αの変異および転座を特徴とする頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防する方法であって、本発明の組合せの共同治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防する方法であって、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルの組合せの共同治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
がんの性質は、多病巣性である。ある特定の状況下で、異なる作用機序を有する薬物を組み合わせてもよい。しかし、異なる作用方式を有する治療剤の任意の組合せを単に考慮しただけで、必ずしも有利な効果を有する組合せが得られるとは限らない。
本発明の組合せ医薬の投与によって、例えば症状を緩和する、症状の進行を遅らせる、または症状を阻害することに関して、有益な効果、例えば相乗的治療効果が得られ得るのみならず、さらに驚くべき有益な効果、例えば本発明の組合せにおいて使用される医薬治療剤の1種のみを適用する単剤療法と比較して、より少ない副作用、より持続的な応答、改善されたクオリティオブライフ、または有病率の減少が得られ得る。
少なくとも1つの有益な効果、例えば治療剤(a)と(b)の効果を相互に増強する、特に治療剤(a)と(b)の1方または両方の効果のない投与量での、相乗作用(例えば、相加的効果より上)、追加の有利な効果、より少ない副作用、併用治療効果、および非常に好ましくは治療剤(a)と(b)の強い相乗効果が存在することが好ましい。
本明細書において使用される用語「相乗効果」または「相乗作用」は、例えばそれぞれの薬物を単独で投与した効果の単なる足し算より大きい効果をもたらす、例えば増殖性の疾患の症候性の進行またはその症状を遅らせる、式(I)の化合物、例えば化合物Aとパクリタキセルなどの2種の治療剤の作用を意味する。相乗効果は、例えばシグモイドEmax式(Holford, N. H. G. and Scheiner, L. B., Clin. Pharmacokinet. 6: 429-453 (1981))、ロエベ相加作用方程式(Loewe additivity)(Loewe, S. and Muischnek, H., Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114: 313-326 (1926))、および中央値効果公式(Chou, T. C. and Talalay, P., Adv. Enzyme Regul. 22: 27-55 (1984))などの適した方法を使用して計算することができる。上記で言及したそれぞれの式に実験データを適用して、薬物併用効果を評価するために役立つように対応するグラフを作成することができる。上記で言及した式に関連する対応するグラフはそれぞれ、濃度効果曲線、アイソボログラム曲線、および併用係数(combination index)曲線である。
本発明の組合せによって、本明細書において先に記述した有益な効果が得られることは、確立された試験モデルによって示すことができる。当業者は、そのような有益な効果を証明するために関連する試験モデルを選択することが十分に可能である。本発明の組合せの薬理活性は、例えば本明細書において以降本質的に記述される臨床試験または動物モデルにおいて証明され得る。
1種または複数の成分の間の相乗的相互作用を決定する場合、効果が得られる最適な範囲、および効果が得られるそれぞれの成分の絶対用量範囲は、処置を必要とする患者に対して異なる重量比範囲および用量で成分を投与することによって明確に測定され得る。ヒトの場合、患者に関して臨床試験を行う複雑さおよび費用のために、相乗効果に関する一次モデルとしてこの形態の試験を使用することは実行不能であり得る。しかし、1つの種において相乗効果が観察されれば、他の種における効果を予測することができ、本明細書において記述されるように、相乗効果を測定するために動物モデルが存在し、そのような試験の結果を同様に使用して、薬物動態/薬力学的方法を適用することによって他の種において必要な有効用量比範囲および絶対用量および血漿中濃度を予測することができる。腫瘍モデルとヒトにおいて観察される効果との間の確立された相関は、動物における相乗効果が、例えば異種移植片モデルによってまたは適切な細胞株において証明され得ることを示唆している。
適した臨床試験は、例えば頭頚部がんを有する患者における、オープンラベル非無作為化用量漸増試験または多施設無作為二重盲検プラセボ対照試験である。そのような試験は、本発明の組合せの活性成分の相加効果または相乗効果を証明することができる。増殖性疾患に及ぼす有益な効果は、これらの試験の結果を通して直接、または当業者に公知である試験設計の変化によって決定することができる。そのような試験は、特に、活性成分および本発明の組合せを使用する単剤療法の効果と比較するために適している。治療剤(a)を固定用量で投与して、治療剤(b)の用量を最大認容投与量に達するまで増加させることが好ましい。
式(I)の化合物は、1.0〜30mg/kg体重の範囲の用量で毎日投与されることが好ましい。1つの好ましい実施形態において、式(I)の化合物の投与量は、特に温血動物がヒト成人である場合、約60mg/日〜約120mg/日の範囲である。式(I)の化合物の投与量は、ヒト成人に関して約80mg/日〜約100mg/日の範囲であることが好ましい。式(I)の化合物は、適した投与量で1日1回連続的に(毎日)または間欠的に(例えば7日中5日)ヒト成人に経口投与され得る。
パクリタキセルに関して、ヒト成人における用量範囲は、ふさわしくは、約15〜200mg/m/週、例えば約50〜175mg/m/週、約60〜100mg/m/週、または約70〜100mg/m/週の用量範囲に対応する。用量は80mg/m/週であることが好ましい。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんの処置または予防において使用される、本発明の組合せの共同治療有効量と、任意選択で少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物または組合せ調製物に関する。この組成物または組合せ調製物において、式(I)の化合物の治療剤、特に化合物Aまたはその薬学的に許容される塩とパクリタキセルとは、同時に、しかし任意の適した経路によって個別にまたは連続的に投与される、1つの剤形または単位投与剤形で共に投与することができる。
本発明の組合せの治療剤の治療有効量は、同時または連続的におよび任意の順序で投与されてもよく、成分は、個別にまたは固定の組合せで投与されてもよい。例えば、本発明に従う頭頚部がんを処置または予防する方法は、共同治療有効量の、好ましくは相乗的有効量の、(i)遊離形態または薬学的に許容される塩形態の第1の治療剤の投与と、(ii)遊離形態または薬学的に許容される塩形態の第2の治療剤の投与とを、同時または任意の順序で連続的に含み得る。本発明の組合せの個々の治療剤は、治療の過程において異なる時期に個別に、または分割形態もしくは1つの組合せ形態で同時に投与することができる。それゆえ、本発明は、同時または交互の処置のそのような全てのレジメンを包含すると理解され、用語「投与する」は、それに従って解釈されるべきである。式(i)の化合物およびパクリタキセルは、個別に投与されることが好ましい。
本発明に従う医薬組成物は、それ自体公知の様式で調製することができ、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)に対する経口または直腸などの経腸投与および非経口投与にとって適した組成物である。または、治療剤が個別に投与される場合、一方は経腸製剤であり得、他方は非経口投与し得る。
新規医薬組成物は、例えば活性成分の約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%を含有する。経腸投与または非経口投与の併用治療のための医薬調製物は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤、または坐剤、およびさらにアンプルなどの単位投与剤形での調製物である。それ以外であると示している場合を除き、これらは、通常の混合、造粒、糖コーティング、溶解、または凍結乾燥プロセスによってそれ自体公知の様式で調製される。それぞれの投与剤形の個々の用量に含有される1種の治療剤の単位含有量は、複数の投与量単位の投与によって達成することができると認識される。
経口投与剤形の組成物の調製において、例えば散剤、カプセル剤、および錠剤などの経口固体調製物の場合には、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存剤、着色剤、またはデンプン、砂糖、結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、およびその他などの担体などの通常の薬学的に許容される任意の担体を使用してもよく、固体経口調製物は、液体調製物より好ましい。その投与の容易さのため、錠剤およびカプセル剤は、いずれの場合においても固体薬学的担体が明白に使用される最も有利な経口単位投与剤形を表す。
当業者は、ルーチンの実験によっていかなる不当な負荷もなく、投与剤形の特定の所望の特性に関して上記の担体の1種または複数を選択することができる。使用されるそれぞれの担体の量は、当技術分野において通常の範囲内で変化し得る。全てが参照により本明細書に組み入れられる以下の参考文献は、経口投与剤形を処方するために使用される技術および賦形剤を開示する。The Handbook of Pharmaceutical Excipients, 4th edition, Rowe et al., Eds., American Pharmaceuticals Association (2003); and Remington: the Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, Gennaro, Ed., Lippincott Williams & Wilkins (2003)を参照されたい。
薬学的に許容される崩壊剤の例には、デンプン、粘土、セルロース、アルギン酸塩、ゴム、架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドンまたはクロスポビドン、例えばInternational Specialty Products(Wayne,NJ)のポリプラスドンXL、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウム、例えばFMCのAC−DI−SOL、および架橋カルボキシメチルセルロースカルシウム、ダイズ多糖類、およびグアーゴムが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。崩壊剤は、組成物の約0重量%〜約10重量%の量で存在し得る。1つの実施形態において、崩壊剤は、組成物の約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
薬学的に許容される結合剤の例には、デンプン、セルロースおよびその誘導体、例えば微結晶セルロース、例えばFMC(Philadelphia,PA)のアビセルPH、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびDow Chemical Corp.(Midland,MI)のヒドロキシプロピルメチルセルロースであるメトセル、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、多糖類、およびゼラチンが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。結合剤は、組成物の約0重量%〜約50重量%、例えば、2〜20重量%の量で存在し得る。
薬学的に許容される滑沢剤および薬学的に許容される滑剤の例には、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、粉末セルロースおよび微結晶セルロースが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。滑沢剤は、組成物の約0重量%〜約10重量%の量で存在し得る。1つの実施形態において、滑沢剤は、組成物の約0.1重量%〜約1.5重量%の量で存在し得る。滑剤は、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在し得る。
薬学的に許容される増量剤および薬学的に許容される希釈剤の例には、製菓用砂糖、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、微結晶セルロース、粉末セルロース、ソルビトール、スクロース、およびタルクが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。増量剤および/または希釈剤は、例えば組成物の約0重量%〜約80重量%の量で存在し得る。
本発明の組合せにおいて使用される治療剤のそれぞれの有効投与量は、使用される特定の化合物または医薬組成物、投与様式、処置される状態、および処置される状態の重症度に応じて変化し得る。このため、本発明の組合せの投与レジメンは、投与経路ならびに患者の腎機能および肝機能を含む多様な要因に従って選択される。臨床医または医師は、状態の進行を緩和、阻止、または停止させるために必要な単一の治療剤の有効量を容易に決定および処方することができる。
毒性を引き起こすことなく有効性を生じる本発明の組合せの治療剤(a)と(b)、および任意選択で(c)の最適な比率、個々のおよび併用投与量、ならびに濃度は、治療剤の標的部位での利用率の動態に基づき、当業者に公知の方法を使用して決定される。
治療剤のそれぞれの有効投与量は、組合せ中の他の化合物と比較して化合物の1つのより頻繁な投与を必要とすることがある。それゆえ、適切な投与を可能にするために、パッケージ医薬品は、化合物の組合せを含有する1つまたは複数の投与剤形、および化合物の組合せの1つを含有するが、組合せの他の化合物を含まない1つまたは複数の投与剤形を含み得る。
本発明の組合せにおいて使用される治療剤を、1つの薬物として販売される形態で適用する場合、その投与量および投与方式は、本明細書において他所で言及されていない場合、それぞれの販売される薬物の添付文書に提供される情報に従うことができる。
増殖性の疾患を処置または予防するためのそれぞれの治療剤の最適な投与量は、公知の方法を使用してそれぞれの個体に関して経験的に決定することができ、疾患の進行度、個体の年齢、体重、全般的健康、性別、および食事、投与時間および投与経路、ならびに個体が摂取している他の薬剤が挙げられるがこれらに限定されるわけではない多様な要因に依存する。最適な投与量は、当技術分野において周知であるルーチンの試験および手順を使用して確立され得る。
担体材料と組み合わされて1つの投与剤形を生成し得る本発明の組合せのそれぞれの治療剤の量は、処置される個体および特定の投与方式に応じて変化する。いくつかの実施形態において、本明細書において記述される治療剤の組合せを含有する単位投与剤形は、治療剤を単独で投与する場合に典型的に投与される組合せのそれぞれの治療剤の量を含有する。
投与回数は、使用される治療剤および処置または予防される特定の状態に応じて変化し得る。患者は、一般的に、当業者によく知られている、処置または予防される状態にとって適したアッセイを使用して治療的有効性に関してモニターされ得る。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんを処置または予防するための本発明の組合せの使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんを処置または予防するための本発明の組合せの使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防するための本発明の組合せの使用に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防するための、化合物Aまたはその薬学的に許容される塩とパクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬の使用に関する。頭頚部の扁平上皮癌は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性であることが好ましい。
1つの実施形態において、本発明は、頭頚部がんを処置または予防する医薬を調製するための本発明の組合せの使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんを処置または予防する医薬を調製するための本発明の組合せの使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防する医薬を調製するための本発明の組合せの使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防する医薬を調製するための本発明の組合せの使用に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、頭頚部の扁平上皮癌を処置または予防する医薬を調製するための、化合物Aまたはその薬学的に許容される塩とパクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬の使用に関する。頭頚部の扁平上皮癌は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性であることが好ましい。
その上、本発明は、頭頚部がんの処置または予防において使用される、活性成分として本発明の組合せを、その同時、個別、または連続的投与のための説明書と共に含む商用パッケージを提供する。
さらなる実施形態において、本発明は、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんの処置または予防において使用される、活性成分として本発明の組合せを、その同時、個別、または連続的投与のための説明書と共に含む商用パッケージを提供する。
さらなる態様において、本発明は、以下を提供する:
・ 頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、活性成分がそれぞれの場合において遊離形態または薬学的に許容される塩の形態で存在する(a)本発明の組合せと、任意選択で少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む組合せ医薬;
・ パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、活性成分がそれぞれの場合において遊離形態または薬学的に許容される塩の形態で存在する(a)本発明の組合せと、任意選択で少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む組合せ医薬;
・ 頭頚部がんに対して共同治療効果のある量の本発明の組合せと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物;
・ パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんに対して共同治療効果のある量の本発明の組合せと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物;
・ 頭頚部がんの処置または予防において使用される、(a)式(I)の治療化合物またはその薬学的に許容される塩の1つまたは複数の単位投与剤形と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ調製物;
・ パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である頭頚部がんの処置または予防において使用される、(a)式(I)の治療化合物またはその薬学的に許容される塩の1つまたは複数の単位投与剤形と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ調製物。
以下の実施例は、上記の本発明を説明するが、それらは本発明の範囲をいかなるようにも制限しないと意図される。本発明の組合せの有益な効果はまた、関連する技術分野の当業者に公知の他の試験モデルによっても決定することができる。
化合物Aおよびパクリタキセルと化合物Aとの組合せに対する頭頚部がん細胞株の感受性
図1に示されるように、二つのパネルを、化合物Aに対する感受性に関して個別に試験した。細胞株の大部分は、臨床的に適切な濃度(100mgの毎日投与で処置される患者に送達される濃度はおよそ1μMであると予想される)に一致する1μM未満のIC50を示す(赤色=KRAS変異体=UMSCC−74A。黄色=PI3KCA変異体=CAL33)。
図2に示すように、FaDu異種移植片(下咽頭扁平上皮癌)を化合物Aの30mg毎日投与(患者において100mgの毎日投与に相当する)によって処置すると、腫瘍組織におけるpAKTの阻害を示し、処置によるPI3K経路のダウンレギュレーションを確認する。頭頚部がん細胞株におけるパクリタキセルと化合物Aとによる処置は、いくつかの例において相乗作用の可能性を有する併用効果を示す。細胞を5×10個〜1×10個/ウェルの密度で24ウェルプレートに播種して、10%FBSおよび1%PSFを含むDMEM中で増殖させた。播種後当日(1日目)、1μmol/Lの化合物Aを連続10倍希釈して6つの濃度を得て、薬物を単独で、またはパクリタキセルの1つの濃度1ng/mLと共に添加した。データを無処置対照と比較した。薬物を添加した当日と、5日後に細胞を計数して、これらの2回の計数を比較した。細胞をトリプシン処理によって回収して、Coulter Z2粒子カウンター(Beckman Coulter Inc.,Fullerton,CA,USA)を使用して直ちに計数した。100×[1−(処置ウェル中での世代数/無処置対照での世代数)]として定義される増殖阻害の百分率を、既に公表されているように(Finn, et al., 2009)決定した。実験は二連で行った。以下の表は結果の詳細を示す。
臨床試験
以前の白金製剤処置レジメン後に進行した再発性または転移性HNSCCがんを有する患者を処置するための、(a)ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤である化合物Aまたはその塩酸塩と、(b)パクリタキセルとの組合せを使用する臨床試験。
(a)化合物Aまたはその塩酸塩と(b)パクリタキセルとを含む組合せに関する多施設無作為二重盲検プラセボ対照フェーズII臨床試験を、以前の白金製剤処置レジメン後に進行した再発性または転移性HNSCCがんを有する患者において実施する。以前の白金製剤による第1選択処置後に進行した再発性または転移性疾患である、組織学的/細胞学的に確認されたHNSCCを有する患者を、2つの異なる臨床群のアームに1:1の比率で無作為化して、2つの処置、すなわち(a)化合物Aまたはその塩酸塩とパクリタキセルとの組合せ、または(b)パクリタキセルと組み合わせたプラセボ、の1つを盲検的に受ける。およそ150人が試験に登録したが、併用処置の有効性は、より少ない患者総数の結果で評価してもよい。患者を、以前の処置方針番号(1対2)、および治験責任医師の所在地に従って階層化してもよい。患者は、疾患の進行(RECIST1.1によって評価)、許容されない毒性、死亡、または任意の他の理由による試験処置の中止(例えば、同意書の撤回、新規抗悪性腫瘍治療の開始、または治験責任医師の裁量で)が起こるまで、無作為化に従う試験処置を受け続ける。有効性および安全性モニタリングを、来院スケジュールに従って継続する。腫瘍の評価は、試験処置の開始後4週間で実施して、その後放射線像での進行が認められるまで6週間毎に実施する。
臨床試験に関して「前回の白金製剤処置レジメン後に進行した」とは、再発/転移の状況で白金製剤による化学療法を行っているにもかかわらず進行することとして定義される。
以下の組み入れ基準および除外基準は、試験に適格な患者を定義する。
組み入れ基準:本試験に組み入れるために適格な患者は、以下の基準の全てを満たしている:
1.患者は年齢18歳以上である;
2.いかなる治験関連活動も行う前に、書面でのインフォームドコンセントを地域のガイドラインに従って得る;
3.患者は組織学的/細胞学的に確認されたHNSCCを有する;
4.患者はPI3K関連バイオマーカーの分析のために保存されたまたは新鮮な腫瘍組織を有する;
5.白金製剤化学療法に対して抵抗性(再発/転移の状況で白金製剤化学療法を行っているにもかかわらず進行することとして定義される)の再発性または転移性疾患を有する患者。セツキシマブによる前処置(化学放射線療法の一部、第1選択治療もしくは維持療法として、または単剤の第2選択レジメンとして)は許容される;
6.RECIST基準v1.1によって決定される測定可能な疾患。測定可能な疾患の唯一の部位が、既に放射線照射された病変である場合、疾患の進行の文書での報告および放射線療法終了後4週間が必要である;
7.以下によって示される適切な骨髄機能および臓器機能:
・ 好中球の絶対数(ANC)≧1.5×10個/L
・ ヘモグロビン≧9g/dl(輸血によって達成されてもよい)
・ 血小板≧100×10個/L(輸血によって達成されてもよい)
・ INR≦1.5
・ カリウム、カルシウム(血清アルブミンで補正)、およびマグネシウムは、その施設の正常範囲内(WNL);
・ アラニンアミノトランスフェラーゼ(AST)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ALT)は正常範囲上限より下または上限に等しい(または肝転移が存在する場合には<3.0×ULN);
・ 総血清ビリルビンは正常範囲上限より下またはそれに等しい(または肝転移が存在する場合には≦1.5×ULN;または正常なCBC計数結果(正常な網赤血球数および血液スメアを含む)、正常な肝機能検査結果、および診断時に他の関与する疾患プロセスの非存在(最終プロトコールの付録を参照されたい)を伴う非抱合型高ビリルビン血症のエピソードが存在することとして定義される確立されたギルバート症候群を有する患者では、総ビリルビン≦3.0×ULNで、直接ビリルビンは正常範囲より下または正常範囲内;
・ 血清クレアチニン≦1.5×ULN、または計算もしくは直接測定されたCrCl≧50%LLN(正常下限)
・ 絶食時血漿中グルコース(FPG)≦120mg/dL、または≦6.7mmol/L;
・ HbA1c≦8%;
8.ECOGパフォーマンスステータス≦1
9.患者は、経口薬剤を飲み込んで保持することができる(経口薬剤を飲み込むことができるが、胃または十二指腸栄養管を通してほとんど自己栄養の患者を含む)。
除外基準:本試験に適格である患者は以下の基準のいずれも満たさない:
1.患者は、任意のAKT阻害剤、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)阻害剤またはホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)経路阻害剤による処置をこれまでに受けたことがある;
2.転移性疾患の以前の処置の一部としてタキサンによる処置を受けていた患者;
3.再発/転移疾患のために1つより多くの前回の化学療法レジメン(すなわち、化学療法、生物剤/標的化剤に関連する化学療法)によって処置された患者。しかし、生物剤/標的化剤を含み得るアジュバント/ネオアジュバント化学療法および/または同時の化学放射線療法レジメンで処置された患者は適格であり、転移の状況で使用されるセツキシマブ単剤は許容される;
4.患者は症候性のCNS転移を有する。無症候性のCNS転移を有する患者は本臨床試験に参加してもよい。患者は、試験処置(放射線療法および/または手術を含む)開始の28日以上前までに、CNS転移に関するいかなる以前の局所処置も終了していなければならず、コルチコステロイド治療の安定な低用量を有していなければならない。
5.試験薬の開始前4週間以内に広域照射放射線療法を受けた患者、または試験薬の開始前2週間以内に緩和のために限局照射放射線療法を受けた患者、またはそのような治療の関連する副作用(脱毛を除く)からグレード1またはそれ以上回復していない患者;
6.任意の前回の抗悪性腫瘍治療の関連する副作用からグレード1またはそれ以上(脱毛を除く)回復していない患者;
7.試験薬の開始前14日以内に大手術を受けている、または主要な副作用から回復していない患者;
8.コルチコステロイドの長期投与(>5日)は、CYP3A4を誘導し得ることから、コルチコステロイドまたは別の免疫抑制剤による用量漸増処置または長期処置(>5日)を現在受けている患者;
・ コルチコステロイドの以下の使用は容認される:1回投与;パクリタキセルの標準的なプレメディケーション;局所塗布(例えば、発疹)、吸入噴霧(例えば、閉塞性気道疾患)、点眼または局所注射(例えば、関節内);
9.患者は試験処置の開始時に以下の薬物のいずれかによって処置されている:
・ 生薬を含む、イソ酵素CYP3A4の中等度および強力な阻害剤または誘導剤であることが知られている薬物(禁止されるCYP3A4阻害剤および誘導剤のリストを最終プロトコールに提供する);
・ トルサードドポアンツを誘導する公知のリスクを有する薬物。
注意:患者は少なくとも1週間強力な誘導剤を中止していなければならず、処置が開始される前に強力な阻害剤を中止しなければならない。試験処置開始前の異なる薬剤への切り換えは許容される。
10.処置、予防、またはそれ以外のために、ワーファリンまたは他のクマリン誘導体抗凝固剤を現在受けている患者。ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、またはフォンダパリヌクスによる治療は許容される;
11.患者は、パクリタキセル、パクリタキセルの標準的な前処置、または他のクレモフォア含有製剤に対して公知の過敏反応および/または禁忌を有する。
12.治験責任医師の判断で、臨床試験への患者の参加が禁忌である他の同時の重度のおよび/またはコントロールされない医学的状態(例えば、活動性またはコントロールされない重度の感染症、慢性活動性肝炎、免疫無防備状態、急性または慢性膵炎、コントロールされない高血圧症、間質性肺疾患等)を有する患者;
13.HIV感染症(検査は強制ではない)の公知の既往を有する患者;
14.以下の心異常のいずれかを有する患者;
・症候性のうっ血性心不全、
○ 文書で報告されたうっ血性心不全(ニューヨーク心臓協会の心機能分類III〜IV)、文書で報告された心筋症の既往;
○ マルチゲート(MUGA)スキャンまたは心エコー(ECHO)によって決定された左室駆出率(LVEF)<50%;
・ 登録前6カ月以内の心筋梗塞、
・ 不安定狭心症、
・ 重篤なコントロールされない心不整脈、
・ 症候性の心膜炎、
・ スクリーニングECGにおけるQTcF>480ミリ秒(QTcFの式を使用)、
・ QT時間を延長させる、またはトルサードドポアンツを誘導する公知のリスクを有する薬剤による処置を現在受けていて、処置を試験薬の開始前に、中止するまたは異なる薬剤に切り替えることができない。禁止薬物のリストを最終プロトコールに提供する。
15.試験薬の吸収を有意に変化させ得る消化管(GI)機能障害またはGI疾患(例えば、潰瘍疾患、コントロールされていない吐き気、嘔吐、下痢、吸収不良症候群、または小腸切除)を有する患者;
16.患者はPHQ−9質問票でスコア12以上を有する;
17.患者は、自殺を考えるまたは想像する可能性に関するPHQ−9質問票の質問番号9で「1、2、または3」の回答を選択する(PHQ−9の総スコアとは別に);
18.患者はGAD−7気分スケールスコア15以上を有する;
19.患者は、以下の医学的に報告された既往を有する:活動性の大うつ病エピソード、双極性障害(IまたはII)、強迫性障害、統合失調症、自殺を企てたことがあるもしくは考えたことがある、殺人を考えたことがある(例えば、自己または他人に害を加えるリスク)、または活動性の重度の人格障害(DSM−IVに従って定義)を有する患者は適格ではない。注意:ベースラインで進行中の向精神薬処置を受けている患者に関して、試験薬の開始前6週間以内に用量およびスケジュールを変更してはならない。
20.患者はCTCAEグレード3以上の不安を有する;
21.他の以前のまたは同時の悪性疾患(以下を除く;適切に処置された基底細胞がんまたは扁平上皮がん、または他の適切に処置された上皮内がん、または患者が3年以上無病である他の任意のがん)を有する患者;
22.治療レジメンに対する非遵守または同意書に承諾できない経歴を有する患者;
23.他の承認されたまたは治験中の抗悪性腫瘍剤を現在使用中である患者;
24.妊娠が受胎後から懐胎終了までの女性の状態として定義される、hCG臨床検査陽性(>5mIU/mL)によって確認された妊娠または授乳中の女性。ベースラインでhCGが上昇しているが腫瘍に関連すると判断された患者は、5〜7日後に再試験を行ってhCGレベルが予想される倍加を示さなければ、または膣の超音波により妊娠が除外される場合には適格である;
25.試験期間中および試験処置の最終投与後の以下に定義される期間非常に有効な避妊を講じない患者:
・ 男性は、有効な避妊法を使用すべきであり、試験中および処置後6カ月まで子供の父親となってはならず、製品ラベルに従ってパクリタキセル処置の前に精子保存に関する勧告を求めることが推奨される;
・ 生理学的に妊娠することができる全ての女性として定義される妊娠可能な女性は、試験中および試験処置の最終投与後少なくとも4週間、またはパクリタキセルに関する地域処方ガイドラインに明記されている期間(例えば、フランスおよび英国のPI/SmPCによればパクリタキセルの最終投与後6カ月間)、非常に有効な避妊を使用しなければならない;
・非常に有効な避妊は以下のいずれかとして定義される:
1.完全な禁欲:これは、対象の好ましい通常のライフスタイルに一致する場合[定期的な禁欲(例えば、暦日、排卵、徴候体温、排卵後法)と撤回は容認されない避妊法である]。
2.女性の不妊手術:試験処置を受ける少なくとも6週間前に両側の卵巣摘出(子宮摘出を伴うまたは伴わない)または卵管結紮を受ける。卵巣摘出のみである場合は、追跡調査のホルモンレベル評価によって女性の生殖状態が確認されている場合に限る。
3.男性パートナーの不妊手術(適切な精管切除後の射精物中に精子の非存在が文書で報告されている)[女性の試験対象の場合、精管切除した男性パートナーは、その患者の唯一のパートナーであるべきである]。
4.以下(両方a+b)の組合せの使用:
a.子宮内装置(IUD)または子宮内システム(IUS)の留置
b.バリア避妊法:コンドームまたは避妊用キャップ(隔膜または子宮頚部/膣円蓋キャップ)と共に殺精子剤の発泡剤/ゲル/フィルム/クリーム/膣坐剤。
注意:化合物Aは、ホルモン避妊薬の効果を減少させることから、ホルモン避妊法(例えば、経口、注射、植え込み)は容認されない。
適切な臨床プロファイルで(例えば、適切な年齢、血管運動症状の既往)自然の(自然発生)無月経が12カ月であれば、または少なくとも6週間前に両側の卵管摘出術(子宮摘出を伴うまたは伴わない)を受けた場合、女性は、閉経または妊娠可能でないと考えられる。卵管摘出のみの場合、追跡調査のホルモンレベル評価によって女性の生殖状態が確認された場合に限って、女性は妊娠可能ではないと考えられる。
スクリーニングは、処置開始前1〜35日以内に行われる(処置開始前1〜28日以内に行われる放射線腫瘍評価を除く)。再スクリーニングは、患者が処置相に入ることが登録されなかった場合に、患者あたり1回限り容認される。スクリーニングウィンドウにおける臨床検査評価の再検査は、既定の範囲外のスクリーニング結果に関して容認される。
主目的は、これらの上記同定患者における無憎悪生存(PFS)(局所放射線評価に基づく)に及ぼす化合物Aまたはその塩酸塩とパクリタキセルの1日1回投与の組合せの治療効果を推定することである。有効性の主要評価項目は、RECISTv1.1に従って再検討した局所放射線像によって評価される無増悪生存である。PFSは、無作為化から任意の原因による客観的な腫瘍の進行または死亡までの期間として定義される。進行日は、その前の欠測評価がわずか1回である任意のRECIST進行事象(すなわち、放射線像による進行または死亡)が観察される速いほうの時間である。
腫瘍の評価は、RECIST基準に基づいて行う。腫瘍の評価において、測定可能性は、少なくとも1つの測定可能な結節性または非結節性の病変が存在することとして定義され、孤立性病変に限定される場合、その悪性腫瘍的性質を、細胞学/組織学によって確実に確認すべきである。
副次評価項目は、全生存期間(無作為化から任意の原因による死亡日までの期間)、全奏功率(治験責任医師の評価に基づいて完全奏功(CR)または部分奏功(PR)の最良総合効果を有する患者の割合)、病勢コントロール率(治験責任医師の評価に基づくCR、PR、または安定な疾患(SD)の最良総合効果を有する患者の割合)、および奏功期間(応答者サブセット、すなわち治験責任医師の評価に基づいて確認されたCRまたはPRを有する患者に限って定義される。これは、文書で報告された最初の応答日から、基礎となるがんによる文書で報告された最初の進行または死亡として定義される事象の翌日までの経過時間である)の評価を含む。
スクリーニング後、患者を2つの処置群の1つに無作為化して、そのような無作為化は秘密にされる。患者を、(a)化合物Aまたはその塩酸塩とパクリタキセル、または(b)化合物Aにマッチするプラセボとパクリタキセル、のいずれかによって、疾患が増悪するまで、許容されない毒性、死亡が認められるまで、または任意の他の理由により試験を中止するまで処置する。予定日(1日目を除く)から±3日逸脱する来院および関連評価は、プロトコール違反ではない。MRI/CTスキャンは、サイクル2の1日目(±3日)、および疾患が増悪するまで、同意書の撤回まで、追跡調査不能となるまで、別の抗悪性腫瘍治療の開始または死亡まで、いずれか早く起こる時点まで6週間毎(±4日)に実施される。スクリーニング評価の一部として行われ、試験処置の初回投与の7日以内の臨床検査評価は、初回投与日に関して繰り返す必要はない。
化合物Aまたはその塩酸塩は、用量80mg/mのパクリタキセルを1週間に1回投与(1、8、15、および22日目)を組み合わせて、1日目に開始して連続投与スケジュールで1日1回、28日サイクルで経口投与される。化合物Aまたはその塩酸塩は、化合物Aの遊離の塩基の100mg用量で投与される。
パクリタキセルは静脈内注入によって投与される。パクリタキセルは、注射用多用量バイアルで供給される。パクリタキセルは、0.9%塩化ナトリウム注射液、USP、5%デキストロース注射液、USP、5%デキストロースおよび0.9%塩化ナトリウム注射液、USP、または5%デキストロンのリンゲル注射液を使用して最終濃度0.3〜1.2mg/mLとなるように希釈される。パクリタキセルは、各サイクルの1日目に標準的なプレメディケーション後に、毎週1時間(±15分)のIV注入として投与される。パクリタキセルの投与前、重度の過敏反応を防止するために、標準的な施設内実践または製品ラベルに従って、患者に前投薬を行う。抗過敏症治療を、各サイクルのECGの前に投与してもよい。選択肢には、デキサメタゾン20mgをパクリタキセル投与開始前12時間および6時間に経口投与、またはジフェンヒドラミン(または同等物)50mgをパクリタキセル投与開始前およそ30〜60分に静脈内投与、またはラニチジン50mgをパクリタキセル投与開始前におよそ30〜60分間IV投与、またはシメチジン300mgをパクリタキセル投与開始前およそ30〜60分にIV注射が挙げられる。シメチジンは、代替法が見出されなかった場合に限って1回用量で投与すべきである。パクリタキセルの投与時に過敏症が起こる場合、以下の処置ガイドラインに従ってもよい:
・ 軽度の症状(例えば、かなりの紅潮、発疹、蕁麻疹)の場合、厳重な監督下で注入を完了することが可能である。
・ 中等度の症状(例えば、中等度の発疹、紅潮、軽度の呼吸困難、胸部不快感、軽度の血圧低下)の場合、(1)パクリタキセルの注入を中止して、ジフェンヒドラミン25〜50mgのIV注射およびメチルプレドニゾロン125mgのIV注射を行う、(2)症状が寛解すると、パクリタキセル注入を当初の速度の10%の速度で15分間再開した後、当初の速度の25%で15分間注入する。さらなる症状が発症しなければ、注入が完了するまで当初の速度を継続する。
・ 重度の症状(例えば、処置を必要とする呼吸窮迫、全身性の蕁麻疹、血管浮腫、治療を必要とする血圧低下の1つまたは複数)の場合、(1)上記のようにパクリタキセル注入を中止して、ジフェンヒドラミンおよびメチルプレドニゾロンを投与する。必要であればエピネフリンまたは気管支拡張剤を使用する、または(2)パクリタキセルを患者に再チャレンジしてはならない。
化合物Aにマッチするプラセボは、1日目から開始して連続投与スケジュールで1日1回経口投与される。
処置は、疾患の増悪(RECISTv1.1に従って放射線像により確認)まで、または任意の他の理由による中止まで継続する。完全な処置サイクルは、化合物Aまたはその塩酸塩またはそのプラセボが1日1回与えられ、パクリタキセルが1週間に1回与えられる、暦日28日間として定義される。完全な処置サイクルの最後の日は29日である。次のサイクルの1日目は、29日目に始まる。有効性および安全性のモニタリングは定期的に行われる。腫瘍の評価は試験処置開始後4週目に実施して、その後放射線像によって進行が確認されるまで6週間毎に実施する。
有効性および腫瘍応答は、RECISTバージョン1.1に基づいて固形腫瘍の治療効果判定基準(RECIST)に関する具体的ガイドラインに従って決定される。
安全性は、身体検査、バイタルサイン、体重、パフォーマンスステータス評価、ECG、心臓の撮像、グルコースモニタリングを含む臨床検査、患者の採点した気分スケールの評価ならびに有害事象(重篤および非重篤)によってモニターする。
28日を超える化合物Aまたはその塩酸塩、またはプラセボの投与遅延を必要とする患者は、試験薬を永続的に中止する。グレード4有害事象の場合、回復時間に関わらず、試験薬を永続的に中止する。さらに、化合物Aまたはその塩酸塩の最大で3回の用量減少が以下のように許容されており、それぞれの用量は、化合物Aの遊離の塩基の用量を反映する。
連続スケジュールから間欠スケジュール(7日中5日)に変更する場合、化合物A処置を行わない日を2日間設けた後に行う。用量の変更および投与の中断は、以下のガイドラインにより容認される。
パクリタキセルの用量の変更は、有害事象がパクリタキセルによって引き起こされたことが疑われる場合に容認される。以下のガイドラインを検討すべきである:
・ パクリタキセルはANC>1,500/mm3(1.5×10個/L)で血小板が>100,000/mm3(100×10/L)の場合に限って投与されるべきである。
・ 生命を脅かす事象の場合には、パクリタキセルの中止を検討する。
・ 医学的管理下にもかかわらず、グレード3または4のAEが起こった場合:
・ 事象がグレード1またはそれより良好に寛解するまでパクリタキセルを保留した後、減少用量で再導入する。
・ 同じ事象のグレード3または4での2回目のエピソードの場合、パクリタキセルの中止を検討する。
・ 医学的管理下にもかかわらず持続するグレード2の非血液学AE(脱毛を除く)の場合、事象がグレード1またはそれより良好に寛解するまでパクリタキセルを保留した後、減少用量で再導入する。
・ パクリタキセルの最小用量が本試験において許容され、初回用量減少レベルは65mg/m(すなわち、パクリタキセルの唯一の用量減少は、65mg/mまで容認される)である。
加えて、パクリタキセルは、地域で規定する情報および実践に従って、必要に応じて調節された用量であるべきである。
患者のケアに必要な併用療法は以下を除き、容認される:
・ コルチコステロイドの全身処置は、局所塗布、吸入噴霧、点眼、または局所注射、デキサメタゾン4mgの抗炎症力以下のコルチコステロイドの全身投与、またはパクリタキセルのプレメディケーションを除き、容認されない。
・ CYP450酵素によって代謝される薬物はモニターしなければならない。
・ 特定の非酵素誘導抗てんかん薬
・ 他の抗癌治療または他の試験治療は容認されない
・ 造血増殖因子の予防的使用は容認されない。緊急時のみ容認される。
・ ワーファリンナトリウムまたは他の任意のクマリン誘導体抗凝固剤の治療用量は、容認されない。
・ 酵素誘導抗てんかん薬は容認されない。
・ トルサードドポアンツの公知のリスクを有する薬物は容認されない。
・ 中等度および強いCYP3A阻害剤は容認されない。
・ 生薬調製物/薬剤は容認されない。
患者は、以下のいずれかが起こると試験から撤退してもよい:有害事象、追跡不能、試験処置の非遵守、医師の決定、妊娠、進行性の疾患、プロトコール違反、スポンサーによる試験終了、技術的問題、対象/保護者の決定、死亡。患者は、以下のいずれかが起こると、試験を中止しなければならない:中止に至る試験処置の調節、禁止薬剤の使用、試験処置の予定される次の投与の意図される日から28日を超える中断。
疾患の進行により試験処置を中止した患者は全て、その進行をRECISTv1.1に明記された基準に従って文書で報告しなければならない。患者が疾患の進行、死亡、新規抗悪性腫瘍治療の開始、追跡不能、または有効性追跡調査に対する同意書の撤回により試験処置を中止しなかった場合、新規悪性腫瘍治療、疾患の進行、死亡、追跡不能、または有効性追跡調査に対する同意書の撤回まで腫瘍の評価を6週間毎に実施し続けなければならない。
加えて、試験処置の最後の投与後に与えられた全ての新規抗がん治療は、疾患の進行、死亡、追跡不能、または同意書の撤回まで電子症例報告書(eCRF)に記録される。
処置の中止後、安全性評価(すなわち、有害事象および/または重篤な有害事象の評価、同時投薬)のために患者全員と、試験処置の最後の投与後30日間連絡をとる。有害事象により処置を中断または永続的に中止した患者は、4週間少なくとも週に1回およびその後事象の寛解または安定化のどちらか早いほうが起こるまで4週間間隔で追跡する。
疾患の進行、死亡、新規抗悪性腫瘍治療の開始、追跡不能、または有効性追跡調査に対する同意書の撤回により試験処置を中断しない患者に関して、腫瘍の評価は、新規抗悪性腫瘍治療の開始、疾患の進行、死亡、追跡不能、または有効性追跡調査に対する同意書の撤回まで6週間毎に実施する。
患者は全員、処置中止理由にかかわらず、死亡、追跡不能、または生存追跡調査に対する同意書の撤回まで3カ月毎に生存状態に関して追跡する。生存情報を収集する前に、処置後期間終了時の情報(すなわち、有害事象、追跡不能、医師の決定、妊娠、プロトコール違反、技術的問題、対象/保護者の決定、死亡、試験適応に関する新規治療、進行性の疾患、スポンサーによる試験終了)を試験相の終了時に収集する。 以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。

[1]
頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、(a)式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬。
[2]
前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、ヒト成人に約60mg/日〜約120mg/日の範囲の投与量で投与される、[1]に記載の組合せ医薬。
[3]
前記パクリタキセルが、ヒト成人においておよそ約15〜200mg/m /週の範囲の投与量で投与される、[1]または[2]に記載の組合せ医薬。
[4]
前記頭頚部がんが、口腔、口唇、咽頭(鼻咽頭、中咽頭、および下咽頭を含む)、喉頭、副鼻腔、鼻腔、咽喉、および唾液腺のがんまたは腫瘍からなる群より選択される、[1]から[3]のいずれかに記載の組合せ医薬。
[5]
前記頭頚部がんが、頭頚部の扁平上皮癌である、[1]から[3]のいずれかに記載の組合せ医薬。
[6]
前記頭頚部がんが、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である、[1]から[5]のいずれかに記載の組合せ医薬。
[7]
頭頚部がんの処置または予防において使用される、[1]に記載の組合せ医薬の共同治療有効量と、任意選択で少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
[8]
頭頚部がんの処置または予防において使用される、(a)[1]に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の1つまたは複数の単位投与剤形と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩の1つまたは複数の単位投与剤形とを含む、組合せ調製物。
[9]
頭頚部がんの処置または予防において使用される医薬を調製するための、[1]に記載の組合せ医薬の使用。
[10]
頭頚部がんを処置または予防するための、[1]に記載の組合せ医薬の使用。
[11]
前記頭頚部がんが、口腔、口唇、咽頭(鼻咽頭、中咽頭、および下咽頭を含む)、喉頭、副鼻腔、鼻腔、咽喉、および唾液腺のがんまたは腫瘍からなる群より選択される、[9]または[10]に記載の使用。
[12]
前記頭頚部がんが、頭頚部の扁平上皮癌である、[9]または[10]に記載の使用。
[13]
前記頭頚部がんが、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である、[9]または[10]に記載の使用。
[14]
それを必要とする対象に[1]記載の組合せ医薬の共同治療有効量を投与することを含む、頭頚部がんを処置または予防する方法。
[15]
前記頭頚部がんが、口腔、口唇、咽頭(鼻咽頭、中咽頭、および下咽頭を含む)、喉頭、副鼻腔、鼻腔、咽喉、および唾液腺のがんまたは腫瘍からなる群より選択される、[14]に記載の方法。
[16]
前記頭頚部がんが、頭頚部の扁平上皮癌である、[14]に記載の方法。
[17]
前記頭頚部がんが、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である、[14]に記載の方法。
[18]
頭頚部がんの処置または予防において使用される、[1]に記載の組合せ医薬を、その同時、個別、または連続的投与のための説明書と共に含む商用パッケージ。

Claims (9)

  1. 頭頚部がんを処置または予防するための、同時、個別、または連続的に使用される、(a)式(I)の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩とを含む組合せ医薬であって、
    前記頭頚部がんが、頭頚部扁平上皮癌であり、
    前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、ヒト成人に約60mg/日〜約120mg/日の範囲の投与量で投与され
    前記パクリタキセルが、ヒト成人においておよそ約15〜200mg/m 2 /週の範囲の投与量で投与される、組合せ医薬
  2. 前記頭頚部がんが、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である、請求項に記載の組合せ医薬。
  3. 頭頚部扁平上皮癌は、口腔の扁平上皮癌または腫瘍である、請求項1または2に記載の組合せ医薬。
  4. 頭頚部がんの処置または予防において使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ医薬の共同治療有効量と、任意選択で少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  5. 頭頚部扁平上皮癌の処置または予防において使用され(a)請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の1つまたは複数の単位投与剤形と、(b)パクリタキセルまたはその薬学的に許容される塩の1つまたは複数の単位投与剤形とを含み、
    前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、ヒト成人に約60mg/日〜約120mg/日の範囲の投与量で投与され
    前記パクリタキセルが、ヒト成人においておよそ約15〜200mg/m 2 /週の範囲の投与量で投与される、組合せ調製物。
  6. 頭頚部扁平上皮癌は、口腔の扁平上皮癌または腫瘍である、請求項5に記載の組合せ調製物。
  7. 頭頚部がんの処置または予防において使用される医薬を調製するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ医薬の使用であって、前記頭頚部がんが頭頚部扁平上皮癌である、使用
  8. 前記頭頚部がんが、パクリタキセル、フルオロウラシル(5−FU)、白金製剤治療、またはそれらの組合せによる以前の処置に対して抵抗性である、請求項に記載の使用。
  9. 頭頚部がんの処置または予防において使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ医薬を、その同時、個別、または連続的投与のための説明書と共に含む商用パッケージ。


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