以下、図面を参照して、本発明の貫通電極基板の詳細に説明する。なお、本発明の貫通電極基板は以下の実施形態に限定されることはなく、種々の変形を行ない実施することが可能である。全ての実施形態においては、同じ構成要素には同一符号を付して説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の構成について、図1を参照して説明する。図1(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100を上面から見た平面図である。図1(B)は、図1(A)のA−A’線の断面図である。なお、図1(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100は、基板102、貫通孔104、充填物105、絶縁層106及び108、ビア110及び112を備えている。なお、基板102の第1面102a及び第2面102b側それぞれに、更に配線構造体、電子部品等が搭載されていてもよい。
本実施形態においては、基板102は絶縁性を有するものであり、例えば、ガラス、サファイア、樹脂などを用いることができる。基板102は、その厚さに特に制限はないが、例えば、10μm〜1mmの範囲で適宜設定することができる。
貫通孔104は、基板102の第1面102aに配置された第1開口104a及び第1面102aの反対側の面である第2面102bに配置された第2開口104bを貫通する貫通孔である。貫通孔104は、第1開口104aから第2開口104bに向かって、その形状が一定ではなく変化している。言い換えると、貫通孔104は、第1開口104aから第2開口104bに向かって、その側壁の形状が一定ではなく変化している。貫通孔104は、典型的には、第2開口104bが第1開口104aよりも大きく、第1開口104aと第2開口104bとの間にくびれ(くびれ部)を有する。より具体的には、貫通孔104は、平面視における(即ち上面から見て)最小面積Mを有する最小開口部104c、断面視において(即ちA−A’断面で見て)貫通孔104の側壁が曲線によって変化している変曲点104d(変曲点104dを有する曲線)、及び平面視における(即ち上面から見て)最大面積Lを有する最大開口部104eを有している。本実施形態においては、貫通孔104の変曲点104dは貫通孔104の中心よりも第2開口104b寄りに配置されているが、これに限定されるわけでは無く、貫通孔104の変曲点104dが貫通孔104の中心よりも第1開口104a寄りに配置されるようにしてもよい。なお、貫通孔104は、基板102にエッチング加工、レーザ加工、サンドブラスト加工などを施すことにより形成することができる。貫通孔104は、その大きさに特に制限はないが、最大開口部104eの大きさが200μm以下とすることが、狭ピッチ化を実現するためには好ましい。
貫通孔104の内部には充填物105が配置されている。本実施形態においては、充填物105は導電性の材料であり、例えば、Cuなどの金属の析出物、Cuなどを含む導電性ペースト、導電性樹脂などの導電性材料が用いられる。充填物105としてCuなどの金属を用いる場合は、電解めっき充填法が用いられる。充填物105として流動性のある導電性ペースト又は導電性樹脂を材料として用いる場合は、ヘラやスクレイバーなどを用いて貫通孔104に導電性ペースト又は導電性樹脂を充填し、その後熱処理などを行うことによって充填物105を形成することができる。
絶縁層106及び108は、それぞれ、基板102の第1面102a上及び第2面102b上に直接あるいは中間層(図示せず)を介して配置されている。絶縁層106及び108は、例えば、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等の絶縁性樹脂材料により形成されており、ガス放出機能を有する絶縁物であればよい。絶縁層106及び108は、貫通孔104内で発生し放出されるガスを外部に放出させる(ガスを透過させる)気体放出部として作用する。絶縁層(気体放出部)106及び108の少なくとも一方は、基板102の第1面102a及び第2面102bに露出する充填物105に接触するように配置されている。また、貫通孔104の側壁と充填物105との間に空隙が存在する場合、絶縁層(気体放出部)106及び108の一部を貫通孔104の側壁と充填物105との間に配置し、つまり、貫通孔104の側壁と充填物105の間に絶縁層106及び108が入り込むようにしてもよい。絶縁層106及び108は、例えば、感光性の絶縁性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターニングがなされて形成される。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、上述したとおり、貫通孔104は、最小開口部104c、変曲点104d及び最大開口部104eを有している。そしてこの貫通孔104には充填物105が充填されている。図1に示す場合、第2面102b側の貫通孔104の部分の方が、第1面102a側の貫通孔104の部分よりも充填物105の存在量が多くなっており、それに伴い、放出されるガスの量も多くなる。第2面102b側の気体放出部106が充填物105に接触する面積が、第1面102a側の気体放出部108が充填物105に接触する面積よりも大きくなるようにして、第2面側の気体放出部108からのガスの放出量が多くなるようにしてもよい。さらに、第2開口104bは、第1開口104aよりも大きいことから、ビア110とビア112の径を略同一とすることにより簡便に上述の接触面積の関係を得ることができる。
開口であるビア110及び112は、それぞれ、絶縁層(気体放出部)106及び108に形成された穴である。説明の便宜上図示しないが、めっきやスパッタリングによって、ビア110及び112に配線が形成される。これらの配線が貫通孔104内に配置された充填物105とコンタクトし、これら配線同士が導通する。図1(b)に示すように、絶縁層(気体放出部)106及び108の開口であるビア110及び112は、それぞれ、基板102の第1開口及び第2開口と重畳するように形成される。言い換えると、絶縁層(気体放出部)106及び108の開口であるビア110及び112は、それぞれ、基板102の第1開口及び第2開口の直上に配置される。また、絶縁層(気体放出部)106及び108の開口であるビア110及び/又は112の一部が、それぞれ、基板102の第1開口104a及び第2開口104bと重畳するように形成されるようにしてもよい。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、上述したとおり、貫通孔104は、最小開口部104c、変曲点104d及び最大開口部104eを有している。そしてこの貫通孔104には充填物105が充填されている。第1開口104aと第2開口104bとの大きさに差を持たせることにより充填物の充填性を確保することができる。そして、充填物105に対して第1面102aの方向に力が作用する場合は、変曲点104dが存在することによって、充填物105が基板100から脱落することを防止することができる。また、充填物105に対して第2面102bの方向に力が作用する場合は、最小開口部104cが存在することによって、充填物105が基板100から脱落することを防止することができる。なお、本実施形態に係る貫通電極基板100においては、最小開口部104c、最大開口部104dの両方または何れか一方のみを有しているものであってもよい。よって、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、充填物105の充填性を確保し、かつ、充填物105が上下何れの方向へも脱落することを防止することができる。
また、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、上述したとおり、絶縁層(気体放出部)106及び108の少なくとも一方は、基板102の第1面102a及び第2面102bに露出する充填物105に接触するように配置されている。よって、絶縁層(気体放出部)106及び/又は108が、この貫通孔104内で発生し放出されるガスを外部に放出させることができ、貫通孔104内のガス溜まりに溜まるガスによる不具合を解消し、貫通孔104内の充填物105の脱落防止を可能とし、信頼性の高い貫通電極基板を提供することができる。
なお、貫通孔104の側壁と充填物105との間には空間が無いことが好ましいが、貫通孔104の側壁と充填物105との間に若干の空間や隙間が生じてしまう場合もある。このような空間や隙間が生じた場合であっても、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、充填部105の脱落防止が実現できる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る本発明の貫通電極基板200の構成について、図2を参照して説明する。図2(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200を上面から見た平面図である。図2(B)は、図2(A)のA−A’線の断面図である。なお、図2(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200は、基板202、貫通孔204、充填物205、絶縁層206及び208、導電膜207、ビア210及び212を備えている。なお、基板202の第1面202a及び第2面202b側それぞれに、更に配線構造体、電子部品等が搭載されていてもよい。
本実施形態においては、基板202は絶縁性を有するものであり、例えば、ガラス、サファイア、樹脂などを用いることができる。基板202は、その厚さに特に制限はないが、例えば、10μm〜1mmの範囲で適宜設定することができる。
貫通孔204は、基板202の第1面に配置された第1開口204a及び第1面202aの反対側の面である第2面202bに配置された第2開口204bを貫通する貫通孔である。貫通孔204は、上述した実施形態1と同様、第1開口204aから第2開口204bに向かって、その形状が一定ではなく変化している。言い換えると、貫通孔204は、第1開口204aから第2開口204bに向かって、その側壁の形状が一定ではなく変化している。貫通孔204は、典型的には、第2開口204bが第1開口204aよりも大きく、第1開口204aと第2開口204bとの間にくびれ(くびれ部)を有する。より具体的には、貫通孔204は、平面視における(即ち上面から見て)最小面積Mを有する最小開口部204c、断面視において(即ちA−A’断面で見て)貫通孔204の側壁が曲線によって変化している変曲点204d(変曲点204dを有する曲線)、及び平面視における(即ち上面から見て)最大面積Lを有する最大開口部204eを有している。本実施形態においては、貫通孔204の変曲点204dは貫通孔204の中心よりも第2開口204b寄りに配置されているが、これに限定されるわけでは無く、貫通孔204の変曲点204dが貫通孔204の中心よりも第1開口204a寄りに配置されるようにしてもよい。なお、貫通孔104は、基板102にエッチング加工、レーザ加工、サンドブラスト加工などを施すことにより形成することができる。貫通孔104は、その大きさに特に制限はないが、最大開口部104eの大きさが200μm以下とすることが、狭ピッチ化を実現するためには好ましい。
貫通孔204の内部には導電膜207及び充填物205が配置されている。導電膜207は貫通孔204の側壁側に配置され、導電膜207の一部は基板202の第1面202a及び第2面202bの上部に配置される。本実施形態においては、充填物205は絶縁性の材料であり、例えば、ポリイミド、ベンゾシクロブテンなどの有機材料や、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が用いられる。導電膜207は、例えば、めっき法、CVD法などの方法より形成することができる。充填物205は、例えば、吸引、推し込みなどの方法により形成することができる。
絶縁層206及び208は、それぞれ、基板202の第1面202a上及び第2面202b上に直接あるいは中間層(図示せず)を介して配置されている。絶縁層206及び208は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等の絶縁性樹脂材料により形成されており、ガス放出機能を有する絶縁物であればよい。絶縁層206及び208は、貫通孔204内で発生し放出されるガスを外部に放出させる(ガスを透過させる)気体放出部として作用する。本実施形態においては、絶縁層(気体放出部)206及び208は、基板202の第1面202a及び第2面202bに露出する充填物205を覆って接触するように配置されている。絶縁層(気体放出部)206及び208の少なくとも一方は、基板202の第1面202a及び第2面202bに露出する充填物205に接触するように配置されるようにしてもよい。また、貫通孔204の側壁と充填物205との間に空隙が存在する場合、絶縁層(気体放出部)206及び208の一部を貫通孔204の側壁と充填物205との間に配置し、つまり、貫通孔204の側壁と充填物205の間に絶縁層206及び208が入り込むようにしてもよい。絶縁層206及び208は、例えば、感光性の絶縁性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターニングがなされて形成される。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200においては、上述したとおり、貫通孔204は、最小開口部204c、変曲点204d及び最大開口部204eを有している。そしてこの貫通孔204には充填物205が充填されている。図2に示す場合、第2面202b側の貫通孔204の部分の方が、第1面202a側の貫通孔204の部分よりも充填物205の存在量が多くなり、放出されるガスの量も多くなる。よって、第2面202b側の気体放出部206が充填物205に接触する面積が、第1面側の気体放出部208が充填物205に接触する面積よりも大きくなるようにして、第2面側の気体放出部208からのガスの放出量が多くなるようにしてもよい。
開口であるビア210及び212は、それぞれ、第1面202a上及び第2面202b上の導電膜207上の207絶縁層(気体放出部)206及び208に形成された穴である。説明の便宜上図示しないが、めっきやスパッタリングによって、ビア210及び212に配線が形成される。これらの配線が第1面202a上及び第2面202b上の導電膜207にコンタクトし、これら配線同士が導通する。また、絶縁層(気体放出部)206及び208の開口であるビア210及び/又は212の一部が、それぞれ、基板202の第1開口204a及び第2開口204bと重畳するように形成されるようにしてもよい。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200においては、上述したとおり、貫通孔204は、最小開口部204c、変曲点204d及び最大開口部204eを有している。そしてこの貫通孔204には充填物205が充填されている。第1開口204aと第2開口204bとの大きさに差を持たせることにより充填物の充填性を確保することができる。そして、充填物205に対して第1面202aの方向に力が作用する場合は、変曲点204dが存在することによって、充填物205が基板200から脱落することを防止することができる。また、充填物205に対して第2面202bの方向に力が作用する場合は、最小開口部204cが存在することによって、充填物205が基板200から脱落することを防止することができる。なお、本実施形態に係る貫通電極基板200においては、最小開口部204c、最大開口部204dの両方または何れか一方のみを有しているものであってもよい。よって、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200においては、充填物205の充填性を確保し、かつ、充填物205が上下何れの方向へも脱落することを防止することができる。
また、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200においては、上述したとおり、絶縁層(気体放出部)206及び208の少なくとも一方は、基板202の第1面202a及び第2面202bに露出する充填物205に接触するように配置されている。よって、絶縁層(気体放出部)206及び/又は208が、この貫通孔204内で発生し放出されるガスを外部に放出させることができ、貫通孔204内のガス溜まりに溜まるガスによる不具合を解消し、貫通孔204内の充填物205の脱落防止を可能とし、信頼性の高い貫通電極基板を提供することができる。
なお、貫通孔204の側壁側に配置された導電膜207と充填物205との間には空間が無いことが好ましいが、導電膜207と充填物205との間に若干の空間や隙間が生じてしまう場合もある。このような空間や隙間が生じた場合であっても、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200においては、充填部205の脱落防止が実現できる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る本発明の貫通電極基板300の構成について、図3を参照して説明する。図3(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300を上面から見た平面図である。図3(B)は、図3(A)のA−A’線の断面図である。なお、図3(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300は、基板302、貫通孔304、充填物305、絶縁層306及び308、絶縁層307、ビア310及び312を備えている。なお、基板302の第1面302a及び第2面302b側それぞれに、更に配線構造体、電子部品等が搭載されていてもよい。
本実施形態においては、基板302は導電性を有するものであり、例えば、シリコン等の半導体や、ステンレス等の金属などを用いることができる。基板302は、その厚さに特に制限はないが、例えば、10μm〜1mmの範囲で適宜設定することができる。
貫通孔304は、上述した実施形態1及び2と同様、基板302の第1面302aに配置された第1開口304a及び第1面302aの反対側の面である第2面302bに配置された第2開口304bを貫通する貫通孔である。貫通孔304は、第1開口304aから第2開口304bに向かって、その形状が一定ではなく変化している。言い換えると、貫通孔304は、第1開口304aから第2開口304bに向かって、その側壁の形状が一定ではなく変化している。貫通孔304は、典型的には、第2開口304bが第1開口304aよりも大きく、第1開口304aと第2開口304bとの間にくびれ(くびれ部)を有する。より具体的には、貫通孔304は、平面視における(即ち上面から見て)最小面積Mを有する最小開口部304c、断面視において(即ちA−A’断面で見て)貫通孔304の側壁が曲線によって変化している変曲点304d(変曲点304dを有する曲線)、及び平面視における(即ち上面から見て)最大面積Lを有する最大開口部304eを有している。本実施形態においては、貫通孔304の変曲点304dは貫通孔304の中心よりも第2開口304b寄りに配置されているが、これに限定されるわけでは無く、貫通孔304の変曲点304dが貫通孔304の中心よりも第1開口304a寄りに配置されるようにしてもよい。なお、貫通孔304は、基板302にエッチング加工、レーザ加工、サンドブラスト加工などを施すことにより形成することができる。貫通孔304は、その大きさに特に制限はないが、最大開口部304eの大きさが200μm以下とすることが、狭ピッチ化を実現するためには好ましい。
貫通孔304の内部には絶縁層307及び充填物305が配置されている。絶縁膜307は貫通孔304の側壁側に配置され、絶縁膜307の一部は基板302の第1面及び第2面の上部に配置される。本実施形態においては、充填物305は導電性の材料であり、例えば、Cuなどの金属の析出物、Cuなどを含む導電性ペースト、導電性樹脂などの導電性材料が用いられる。充填物305としてCuなどの金属を用いる場合は、電解めっき充填法が用いられる。充填物305として流動性のある導電性ペースト又は導電性樹脂を材料として用いる場合は、ヘラやスクレイバーなどを用いて貫通孔304に導電性ペースト又は導電性樹脂を充填し、その後熱処理などを行うことによって充填物305を形成することができる。
絶縁層306及び308は、それぞれ、基板302の第1面302a上及び第2面302b上に直接あるいは中間層(図示せず)を介して配置されている。絶縁層306及び308は、例えば、ポリイミド、ベンゾシクロブテン等の絶縁性樹脂材料により形成されており、ガス放出機能を有する絶縁物であればよい。絶縁層306及び308は、貫通孔304内で発生し放出されるガスを外部に放出させる(ガスを透過させる)気体放出部として作用する。絶縁層(気体放出部)306及び308の少なくとも一方は、基板302の第1面及び第2面に露出する充填物305に接触するように配置されている。また、貫通孔304の側壁と充填物305との間に空隙が存在する場合、絶縁層(気体放出部)306及び308の一部を貫通孔304の側壁と充填物305との間に配置し、つまり、貫通孔304の側壁と充填物305の間に絶縁層306及び308が入り込むようにしてもよい。絶縁層306及び308は、例えば、感光性の絶縁性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターニングがなされて形成される。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300においては、上述したとおり、貫通孔304は、最小開口部304c、変曲点304d及び最大開口部304eを有している。そしてこの貫通孔304には充填物305が充填されている。図3に示す場合、第2面302b側の貫通孔304の部分の方が、第1面302a側の貫通孔304の部分よりも充填物305の存在量が多くなっており、それに伴い放出されるガスの量も多くなる。よって、第2面側の気体放出部306が充填物305に接触する面積が、第1面302a側の気体放出部308が充填物305に接触する面積よりも大きくなるようにして、第2面302b側の気体放出部308からのガスの放出量が多くなるようにしてもよい。さらに、第2開口304bは、第1開口304aよりも大きいことから、ビア310とビア312の径を略同一とすることにより簡便に上述の接触面積の関係を得ることができる。
開口であるビア310及び312は、それぞれ、絶縁層(気体放出部)306及び308に形成された穴である。説明の便宜上図示しないが、めっきやスパッタリングによって、ビア310及び312に配線が形成される。これらの配線が貫通孔304内に配置された充填物305とコンタクトし、これら配線同士が導通する。図3(b)に示すように、絶縁層(気体放出部)306及び308の開口であるビア310及び312は、それぞれ、基板302の第1開口304a及び第2開口304bと重畳するように形成される。言い換えると、絶縁層(気体放出部)306及び308の開口であるビア310及び312は、それぞれ、基板302の第1開口304a及び第2開口304bの直上に配置される。また、絶縁層(気体放出部)306及び308の開口であるビア310及び/又は312の一部が、それぞれ、基板302の第1開口304a及び第2開口304bと重畳するように形成されるようにしてもよい。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300においては、上述したとおり、貫通孔304は、最小開口部304c、変曲点304d及び最大開口部304eを有している。そしてこの貫通孔304には充填物305が充填されている。第1開口304aと第2開口304bとの大きさに差を持たせることにより充填物の充填性を確保することができる。そして、充填物305に対して第1面302aの方向に力が作用する場合は、変曲点304dが存在することによって、充填物305が基板300から脱落することを防止することができる。また、充填物305に対して第2面302aの方向に力が作用する場合は、最小開口部304cが存在することによって、充填物305が基板300から脱落することを防止することができる。なお、本実施形態に係る貫通電極基板300においては、最小開口部304c、最大開口部304dの両方または何れか一方のみを有しているものであってもよい。よって、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300においては、充填物305の充填性を確保し、かつ、充填物305が上下何れの方向へも脱落することを防止することができる。
また、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300においては、上述したとおり、絶縁層(気体放出部)306及び308の少なくとも一方は、基板302の第1面302a及び第2面302bに露出する充填物305に接触するように配置されている。よって、絶縁層(気体放出部)306及び/又は308が、この貫通孔304内で発生し放出されるガスを外部に放出させることができ、貫通孔304内のガス溜まりに溜まるガスによる不具合を解消し、貫通孔304内の充填物305の脱落防止を可能とし、信頼性の高い貫通電極基板を提供することができる。
なお、貫通孔304の側壁に配置された絶縁層307と充填物305との間には空間が無いことが好ましいが、絶縁層307と充填物305との間に若干の空間や隙間が生じてしまう場合もある。このような空間や隙間が生じた場合であっても、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300においては、充填部305の脱落防止が実現できる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る本発明の貫通電極基板400の構成について、図4を参照して説明する。図4(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400を上面から見た平面図である。図4(B)は、図4(A)のA−A’線の断面図である。なお、図4(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400は、基板402、貫通孔404、充填物405、絶縁層406及び408、絶縁層407、導電膜409、ビア410及び412を備えている。なお、基板402の第1面402a及び第2面402b側それぞれに、更に配線構造体、電子部品等が搭載されていてもよい。
本実施形態においては、基板402は導電性を有するものであり、例えば、シリコン等の半導体や、ステンレス等の金属などを用いることができる。基板402は、その厚さに特に制限はないが、例えば、10μm〜1mmの範囲で適宜設定することができる。
貫通孔404は、基板402の第1面402aに配置された第1開口404a及び第1面402aの反対側の面である第2面402bに配置された第2開口404bを貫通する貫通孔である。貫通孔404は、上述した実施形態1乃至3と同様、第1開口404aから第2開口404bに向かって、その形状が一定ではなく変化している。言い換えると、貫通孔404は、第1開口404aから第2開口404bに向かって、その側壁の形状が一定ではなく変化している。貫通孔404は、典型的には、第2開口404bが第1開口404aよりも大きく、第1開口404aと第2開口404bとの間にくびれ(くびれ部)を有する。より具体的には、貫通孔404は、平面視における(即ち上面から見て)最小面積Mを有する最小開口部404c、断面視において(即ちA−A’断面で見て)貫通孔404の側壁が曲線によって変化している変曲点404d(変曲点404dを有する曲線)、及び平面視における(即ち上面から見て)最大面積Lを有する最大開口部404eを有している。本実施形態においては、貫通孔404の変曲点404dは貫通孔404の中心よりも第2開口404b寄りに配置されているが、これに限定されるわけでは無く、貫通孔404の変曲点404dが貫通孔404の中心よりも第1開口404a寄りに配置されるようにしてもよい。なお、貫通孔404は、基板402にエッチング加工、レーザ加工、サンドブラスト加工などを施すことにより形成することができる。貫通孔404は、その大きさに特に制限はないが、最大開口部404eの大きさが200μm以下とすることが、狭ピッチ化を実現するためには好ましい。
貫通孔404の内部には絶縁層407、導電膜409及び充填物405が配置されている。絶縁層407は貫通孔404の側壁側に配置され、絶縁層407の一部は基板402の第1面及び第2面の上部に配置される。導電膜409は貫通孔404の絶縁層407側に配置され、導電膜409の一部は基板402の第1面及び第2面の上部に配置される。本実施形態においては、充填物405は絶縁性の材料であり、例えば、ポリイミド、ベンゾシクロブテンなどの有機材料や、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が用いられる。導電膜407は、例えば、めっき法、CVD法などの方法より形成することができる。充填物405は、例えば、吸引、推し込みなどの方法により形成することができる。
絶縁層406及び408は、それぞれ、基板402の第1面402a上及び第2面402b上に直接あるいは中間層(図示せず)を介して配置されている。絶縁層406及び408は、ポリイミド等の絶縁性樹脂材料により形成されており、ガス放出機能を有する絶縁物であればよい。絶縁層406及び408は、貫通孔404内で発生し放出されるガスを外部に放出させる(ガスを透過させる)気体放出部として作用する。本実施形態においては、絶縁層(気体放出部)406及び408は、基板202の第1面及び第2面に露出する充填物405を覆って接触するように配置されている。絶縁層(気体放出部)406及び408の少なくとも一方は、基板402の第1面402a及び第2面402bに露出する充填物405に接触するように配置されるようにしてもよい。また、貫通孔404の側壁と充填物405との間に空隙が存在する場合、絶縁層(気体放出部)406及び408の一部を貫通孔404の側壁及び/又は絶縁層407と充填物405との間に配置し、つまり、貫通孔404の側壁と充填物405の間に絶縁層406及び408が入り込むようにしてもよい。絶縁層406及び408は、例えば、感光性の絶縁性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターニングがなされて形成される。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400においては、上述したとおり、貫通孔404は、最小開口部404c、変曲点404d及び最大開口部404eを有している。そしてこの貫通孔404には充填物405が充填されている。図4に示す場合、第2面402b側の貫通孔404の部分の方が、第1面402a側の貫通孔404の部分よりも充填物405の存在量が多くなっており、放出されるガスの量も多くなる。よって、第2面402b側の気体放出部406が充填物405に接触する面積が、第1面402a側の気体放出部408が充填物405に接触する面積よりも大きくなるようにして、第2面402b側の気体放出部408からのガスの放出量が多くなるようにしてもよい。さらに、第2開口404bは、第1開口404aよりも大きいことから、ビア410とビア412の径を略同一とすることにより簡便に上述の接触面積の関係を得ることができる。
開口であるビア410及び412は、それぞれ、第1面上及び第2面上の導電膜409上の207絶縁層(気体放出部)406及び408に形成された穴である。説明の便宜上図示しないが、めっきやスパッタリングによって、ビア410及び412に配線が形成される。これらの配線が第1面402a上及び第2面402b上の導電膜409にコンタクトし、これら配線同士が導通する。また、絶縁層(気体放出部)406及び408の開口であるビア410及び/又は412の一部が、それぞれ、基板402の第1開口404a及び第2開口404bと重畳するように形成されるようにしてもよい。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400においては、上述したとおり、貫通孔404は、最小開口部404c、変曲点404d及び最大開口部404eを有している。そしてこの貫通孔404には充填物405が充填されている。第1開口404aと第2開口404bとの大きさに差を持たせることにより充填物の充填性を確保することができる。そして、充填物405に対して第1面402aの方向に力が作用する場合は、変曲点404dが存在することによって、充填物405が基板400から脱落することを防止することができる。また、充填物405に対して第2面の方向に力が作用する場合は、最小開口部404cが存在することによって、充填物405が基板400から脱落することを防止することができる。なお、本実施形態に係る貫通電極基板400においては、最小開口部404c、最大開口部404dの両方または何れか一方のみを有しているものであってもよい。よって、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400においては、充填物405の充填性を確保し、かつ、充填物405が上下何れの方向へも脱落することを防止することができる。
また、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400においては、上述したとおり、絶縁層(気体放出部)406及び408の少なくとも一方は、基板402の第1面402a及び第2面402bに露出する充填物405に接触するように配置されている。よって、絶縁層(気体放出部)406及び/又は408が、この貫通孔404内で発生し放出されるガスを外部に放出させることができ、貫通孔404内のガス溜まりに溜まるガスによる不具合を解消し、貫通孔404内の充填物405の脱落防止を可能とし、信頼性の高い貫通電極基板を提供することができる。
なお、貫通孔404に配置された導電膜409と充填物205との間には空間が無いことが好ましいが、導電膜209と充填物405との間に若干の空間や隙間が生じてしまう場合もある。このような空間や隙間が生じた場合であっても、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400においては、充填部405の脱落防止が実現できる。
(第5実施形態)
図5(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の断面図である。また、図5(B)は、図5(A)における104fの部分の拡大図である。なお、図4(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100は、実施形態1に係る本発明の貫通電極基板100において、図5(A)に示すとおり、貫通孔104の第1開口104aの第1面との接続部分104fが曲面を有している。また、貫通孔104の第2開口104bの第2面との接続部分104gが曲面を有している。その他の構成については、実施形態1と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、貫通孔104の接続部分104f及び104gがそれぞれ曲面を有しているので、充填物405を充填し易くすることができる。
また、上述した他の実施形態2〜4においても、貫通孔の第1開口の第1面との接続部分が曲面を有するようにし、また、貫通孔の第2開口の第1面との接続部分が曲面を有するようにすることによって、本実施形態と同様の構成を採用することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の構成について、図6を参照して説明する。図6(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400を上面から見た平面図である。図6(B)は、図4(A)のA−A’線の断面図である。なお、図6(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100は、実施形態1に係る本発明の貫通電極基板100において、図5(A)に示すとおり、貫通孔104の変曲点104dが貫通孔104の中心よりも第1開口104a寄りに配置されている。その他の構成については、実施形態1と同様であるので、説明は省略する。
また、上述した他の実施形態2〜5においても、貫通孔の変曲点を貫通孔の中心よりも第1開口寄りに配置することによって、本実施形態と同様の構成を採用することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の構成について、図7を参照して説明する。図7(A)は、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100を上面から見た平面図である。図7(B)は、図7(A)のA−A’線の断面図である。なお、図7(A)及び(B)とも、説明の便宜上、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の一部を示している。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100は、実施形態1に係る本発明の貫通電極基板100において、図7(A)に示すとおり、気体放出部106及び108の開口(ビア)110及び112は、基板102側から離間するにしたがって平面視において(即ち上面から見て)面積が大きくなるように設けられている。言い換えると、断面視において(即ちA−A’断面で見て)、気体放出部106及び108と充填物105とのなす角度αが約45度〜約89度の角度を有している。その他の構成については、実施形態1と同様であるので、説明は省略する。絶縁層106及び108は、例えば、感光性の絶縁性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターニングがなされて形成されるが、この露光条件を調整することにより気体放出部106及び108の開口(ビア)110及び112は、基板102側から離間するにしたがって平面視において面積が大きくなるように形成できる。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100においては、上述したような構成を有することにより、開口(ビア)に配置される配線の段切れを防止することができる。
また、本実施形態に係る本発明の貫通電極基板100の概略平面図を図8(A)及び(B)に示す。本実施形態においては、気体放出部106及び108の開口(ビア)110及び112は、基板102側から離間するにしたがって平面視において(即ち上面から見て)面積が大きくなるように設けられており、充填物105上の開口(ビア)110及び112の面積を小さくすることができ、開口(ビア)110及び112と充填物105とのコンタクトを確保できるので、開口(ビア)110及び112を形成する際のアライメントずれによるコンタクト不良の可能性を小さくすることができる。
例えば、図8(A)は、充填物105上の開口(ビア)110が右側にずれた場合を示す。また、図8(B)は、充填物105上の開口(ビア)110が右側にずれて、開口(ビア)110の一部は充填物105上から外れてしまう場合を示す。図8(A)及び(B)に示す場合においても、開口(ビア)110及び112と充填物105とのコンタクトを確保できるので、開口(ビア)110及び112のアライメントずれによるコンタクト不良の可能性を小さくすることができる。
また、上述した他の実施形態2〜4においても、図9〜図11に示すように、本実施形態と同様の構成を採用することができる。以下説明する。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板200は、実施形態2に係る本発明の貫通電極基板200において、図9(A)に示すとおり、気体放出部206及び208の開口(ビア)210及び212は、基板202側から離間するにしたがって平面視において(即ち上面から見て)面積が大きくなるように設けられている。言い換えると、断面視において(即ちA−A’断面で見て)、気体放出部206及び208と充填物205とのなす角度αが約45度〜約89度の角度を有している。その他の構成については、実施形態2と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板300は、実施形態3に係る本発明の貫通電極基板300において、図10(A)に示すとおり、気体放出部306及び308の開口(ビア)310及び312は、基板302側から離間するにしたがって平面視において(即ち上面から見て)面積が大きくなるように設けられている。言い換えると、断面視において(即ちA−A’断面で見て)、気体放出部306及び308と充填物305とのなす角度αが約45度〜約89度の角度を有している。その他の構成については、実施形態3と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態に係る本発明の貫通電極基板400は、実施形態4に係る本発明の貫通電極基板400において、図11(A)に示すとおり、気体放出部406及び408の開口(ビア)410及び412は、基板402側から離間するにしたがって平面視において(即ち上面から見て)面積が大きくなるように設けられている。言い換えると、断面視において(即ちA−A’断面で見て)、気体放出部406及び408と充填物405とのなす角度αが約45度〜約89度の角度を有している。その他の構成については、実施形態4と同様であるので、説明は省略する。
以上説明したとおり、本実施形態の何れの構成においても、充填物上の開口(ビア)の面積を小さくすることができ、開口(ビア)と充填物とのコンタクトを確保できるので、開口(ビア)を形成する際のアライメントずれによるコンタクト不良の可能性を小さくすることができる。
(第8実施形態)
第8実施形態に係る本発明の半導体装置1000の構成について、図12〜14を参照して説明する。本実施形態においては、上述した第1〜第7実施形態における貫通電極基板を用いた半導体装置1000について説明する。
図12は、本実施形態に係る半導体装置1000を示す図である。半導体装置1000は、3つの本発明に係る貫通電極基板100が積層され、LSI基板(半導体基板)500に接続されている。LSI基板500には、配線層502が設けられている。貫通電極基板100上には、例えば、DRAM等の半導体素子が配置されている。貫通電極基板100には配線層120が設けられている。図12に示すように、LSI基板500の配線層502と貫通電極基板100の配線層120とがバンプ1002を介して接続される。バンプ1002には、例えば、インジウム、銅、金等の金属が用いられる。また、図12に示すように、貫通電極基板100の配線層120と別の貫通電極基板100の配線層120とは、バンプ1002を介して接続される。
なお、貫通電極基板100を積層する場合には、3層に限らず、2層であってもよいし、あるいは4層以上であってもよい。また、貫通電極基板100と他の基板との接続においては、バンプによるものに限らず、共晶接合など、他の接合技術を用いてもよい。また、ポリイミド、エポキシ樹脂等を塗布、焼成して、貫通電極基板100と他の基板とを接着してもよい。
図13は、本実施形態に係る本発明の半導体装置1000の別の例を示す図である。図13に示す半導体装置1000は、MEMSデバイス、CPU、メモリ、IC等の半導体チップ(LSIチップ)600及び602、並びに貫通電極基板100が積層され、LSI基板500に接続されている。
半導体チップ6000と半導体チップ602との間に貫通電極基板100が配置され、バンプ1002により両者が接続されている。LSI基板500上に半導体チップ600が載置され、LSI基板500と半導体チップ602とはワイヤ604により接続されている。この例では、貫通電極基板100は、複数の半導体チップを積層して3次元実装するためのインターポーザとして用いられ、それぞれ機能の異なる複数の半導体チップを積層することで、多機能の半導体装置とすることができる。例えば、半導体チップ600を3軸加速度センサとし、半導体チップ602を2軸磁気センサとすることによって、5軸モーションセンサを1つのモジュールで実現した半導体装置を実現することができる。
半導体チップがMEMSデバイスにより形成されたセンサなどである場合には、センシング結果がアナログ信号により出力されるようなときがある。この場合には、ローパスフィルタ、アンプ等についても半導体チップ600、602または貫通電極基板100に形成してもよい。
図14は、本実施形態に係る半導体装置1000の別の例を示す図である。上述した2つの例(図12、図13)は、3次元実装であったが、この例では、貫通電極基板100を2次元と3次元との併用実装に適用した例である。図14に示す例では、LSI基板500には、6つの貫通電極基板100が積層されて接続されている。ただし、全ての貫通電極基板100が積層して配置されているだけでなく、基板面内方向にも並んで配置されている。
図14の例では、LSI基板500上に2つの貫通電極基板100が接続され、それらの貫通電極基板100上にさらに貫通電極基板100が接続され、さらに貫通電極基板10上に貫通電極基板100が接続されている。なお、図13に示す例のように、貫通電極基板100を複数の半導体チップを接続するためのインターポーザとして用いても、このよう2次元と3次元との併用実装が可能である。例えば、いくつかの貫通電極基板100を半導体チップに置き換えてもよい。
また、図12〜14の例おいては、貫通電極基板として第1実施形態に係る本発明の貫通電極基板100を用いる例を示したが、これに限定されるわけではなく、他の実施形態に係る本発明の貫通電極基板200、300及び/又は400を用いてもよい。
本実施形態に係る本発明の半導体装置1000は、例えば、携帯端末(携帯電話、スマートフォンおよびノート型パーソナルコンピュータ等)、情報処理装置(デスクトップ型パーソナルコンピュータ、サーバ、カーナビゲーション等)、家電等、様々な電気機器に搭載される。