JP6642341B2 - コークス炉の炉蓋構造 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉の炉蓋構造に関するものである。
コークス炉の炉体設備においては、炭化室の両側の窯口に炉蓋が取り付けられている。炉蓋は、乾留後のコークスを押し出すために窯口に開閉自在に取り付けられている。炉蓋を窯口に取り付けた状態では、乾留過程中の炉内装入物が炉外へ流出するのを防止するとともに炉内装入物より発生したガスが大気へ漏洩するのを防止する等の役割を有している。
炉蓋構造において、炉外側に炉蓋本体金物が配置され、炉蓋本体金物の炉内側に炉蓋耐火物が内張りされている。炉蓋耐火物は炉蓋本体金物が高温に熱せられるのを防止するとともに、放散熱量の低下、炭化室端部の乾留遅れを防止する等の機能を果たしている。炉蓋耐火物の厚み(炉長方向)は通常400mm〜600mmであり、炉蓋本体金物からしっかりと支持され、炉蓋耐火物の脱落等が発生しないように取り付けられている。
従来の一般的なコークス炉の炉蓋構造は、炉蓋耐火物を定形耐火物煉瓦として形成し、炉蓋本体金物に接合された煉瓦ホルダー(支持金物ともいう)を用いて、炉蓋耐火物が炉蓋本体金物に接続されていた(特許文献1、特許文献2参照)。石炭乾留中には石炭から分離したタール分が流出し、乾留の進行に伴ってピッチ状となって主に煉瓦ホルダーの表面に付着する。特許文献3には、煉瓦ホルダーなどの表面にあらかじめピッチ、タール類の付着防止層を形成せしめた構造が開示されている。
また、特許文献2においては、定形耐火物煉瓦にかわってキャスタブル耐火物ブロック(釉薬なしのプレキャストブロック)を逆Y形状アンカーによって支持し、炉蓋内張として使用する方法も用いられている。
特許文献4においては、薄厚のコージライト質釉薬煉瓦を炉蓋本体金物に結合する方法が開示されている。同文献には、複数の厚さ150mm程度のコージライト質釉薬煉瓦を積層緊締した積層煉瓦を炉蓋本体金物に係止した炉蓋構造において、高さ方向に貫通して複数の耐火煉瓦を積層緊締する緊締部材を複数条設け、各緊締部材の高さ方向複数箇所に係止部材を固設したものが開示されている。
実開平1−106542号公報 実公平5−2587号公報 実開昭57−59831号公報 実開平3−38340号公報
従来の一般的なコークス炉の炉蓋構造である、煉瓦ホルダーによって炉蓋耐火物を保持する方法では、煉瓦ホルダー表面にタール、ピッチ類が付着するため、付着したタール、ピッチ類を除去する作業が必須であった。また、煉瓦ホルダーは鋳物製であるため、厚みが厚く比較的高価であり、炉蓋の放散熱を抑制する観点からも、煉瓦ホルダーを介しての熱放散が多いという問題があった。特許文献3に記載のように、煉瓦ホルダーなどの表面にあらかじめピッチ、タール類の付着防止層を形成させたとしても、問題解決には至らなかった。
また、特許文献2に記載のように、定形耐火物煉瓦にかわってキャスタブル耐火物ブロック(釉薬なしのプレキャストブロック)を逆Y形状アンカーによって支持し、炉蓋内張として使用する方法においては、炉蓋耐火物に定形煉瓦を用いる場合と比較し、耐火物表面へのカーボンの付着が多く、付着カーボンを定期的に除去しようとすると、この作業は耐火物を損傷させ、プレキャストブロックの寿命を短くするという問題があった。
特許文献4に記載の方法は、薄型の積層煉瓦を炉蓋本体金物に結合する方法を対象としている。高さ方向に貫通して設けた各緊締部材の高さ方向複数箇所に、係止部材を固設している。係止部材は、積層した薄型の煉瓦同士の当接面に配置しているので、係止部材が緊締部材に固設されていても、緊締部材及びそれに固設された係止部材を積層煉瓦構造の中に埋設することが可能である。しかし、炉蓋耐火物として薄型ではない大型の釉薬付きプレキャストブロックを用いる通常の方法においては、緊締部材及びそれに固設された係止部材を大型の釉薬付きプレキャストブロック内に埋め込むことは困難なので、特許文献4に記載の方法を用いることはできない。
また、たとえ、大型の釉薬付きプレキャストブロック内に高さ方向に貫通して設けた長手部材を複数埋め込み、当該長手部材を何らかの方法で炉蓋本体金物と接続することができたとしても、炉蓋耐火物中に当該長手部材の埋設部付近を通過する亀裂が形成され、炉蓋耐火物における亀裂部よりも炉内側の部分が離脱して炉蓋から脱落することがあった。即ち、炉蓋耐火物の寿命が短いという問題があった。
本発明は、炉蓋耐火物として大型の釉薬付きプレキャストブロックを用い、煉瓦ホルダーを設けることなく、炉蓋耐火物を炉蓋本体金物に接続し、かつ炉蓋耐火物中に亀裂が発生することを防止できるコークス炉の炉蓋構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)炉蓋耐火物を炉蓋本体金物に固定したコークス炉の炉蓋構造であって、炉蓋耐火物として釉薬付きプレキャストブロックを用い、当該釉薬付きプレキャストブロックを高さ方向に積層して炉蓋耐火物とし、各釉薬付きプレキャストブロックは、その上面と下面それぞれから高さ方向に向かう非貫通の縦穴を有し、当該縦穴と炉蓋本体金物接触面との間を貫通する炉長方向に向かう引き穴が形成され、炉蓋構造は縦棒と引きボルトとを有し、引きボルトの一方の先端は開口を有し、当該開口内に前記縦棒を貫通させることができ、引きボルトの他方の先端はボルト部分が形成され、前記引きボルトは釉薬付きプレキャストブロックの前記引き穴に挿入され、前記縦棒は釉薬付きプレキャストブロックの前記縦穴に挿入されているとともに引きボルトの前記開口を貫通しており、引きボルトの前記ボルト部分を前記炉蓋本体金物に接続することによって炉蓋耐火物を炉蓋本体金物に固定することを特徴とするコークス炉の炉蓋構造。
(2)上面側の縦穴先端と下面側の縦穴先端との間の距離は、前記釉薬付きプレキャストブロックの高さの0.3〜0.8倍の範囲内であることを特徴とする(1)に記載のコークス炉の炉蓋構造。
本発明のコークス炉の炉蓋構造は、炉蓋耐火物を構成する釉薬付きプレキャストブロック内に縦棒とそれを引き寄せる引きボルトを内蔵し、縦棒を配置する縦穴を高さ方向に非貫通とすることにより、亀裂に対するせん断面積が大きくなり、釉薬付きプレキャストブロックに亀裂が発生しても、脱落までの時間を長くすることができる。
本発明はまた、炉蓋耐火物としての釉薬付きプレキャストブロックを保持するために従来用いられていた煉瓦ホルダーを使用しないので、煉瓦ホルダーを経由しての炉内熱の放散がなく、炉蓋の断熱性が確保され、炉蓋本体金物の熱変形がなくなり、ガスリークが少なくなる。
本発明の炉蓋構造を示す図であり、(A)はA−A矢視平面断面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。 本発明の炉蓋組み立て前の構造を示す図であり、(A)はA−A矢視平面断面図、(B)はB−B矢視正面断面図、(C)はC−C矢視側面断面図である。 本発明の釉薬付きプレキャストブロックを高さ方向に積層した状況を示す図であり、(A)はA−A矢視側面図、(B)はB−B矢視平面図である。 炉蓋の最下段の釉薬付きプレキャストブロックについての本発明の炉蓋構造の一例を示す部分側面図であり、(A)は側面断面図、(B)はB−B矢視図、(C)は縦棒の側面図、(D)は横棒のD−D矢視断面図、(E)は横棒のE−E矢視図である。 比較例の炉蓋構造を示す図であり、(A)はA−A矢視平面断面図、(B)はB−B矢視部分正面図、(C)はC−C矢視部分側面図である。
図1〜図4に基づいて本発明の説明を行う。炉蓋構造については主に図1に基づいて、炉蓋組み立て前の各部材の構造については主に図2に基づいて説明する。
室炉式コークス炉においては、炭化室(炉幅450mm、炉高6m、炉長16m程度)内で石炭を乾留してコークスを製造する。炭化室の両側の窯口に炉蓋が取り付けられている。炉蓋は、乾留後のコークスを押し出すために窯口に開閉自在に取り付けられている。炉蓋構造において、炉外側に炉蓋本体金物2が配置され、炉蓋本体金物2の炉内側に炉蓋耐火物3が内張りされている。
本発明は、炉蓋耐火物3として大型の釉薬付きプレキャストブロック4を用い、釉薬付きプレキャストブロック4を高さ方向に積層して炉蓋耐火物3を形成する場合を対象とする。図3は、釉薬付きプレキャストブロック4を高さ方向21に6段積層した炉蓋耐火物3を示す図である。炉蓋耐火物3の幅(炉幅方向22)は炭化室の炉幅に合わせて定められ、炉蓋耐火物3の厚み(炉長方向23)は400〜600mmであり、炉蓋耐火物3を構成する釉薬付きプレキャストブロック4も同様である。釉薬付きプレキャストブロック4の高さは800〜1100mm程度が採用される。従来、炉蓋耐火物としてこのような大型の釉薬付きプレキャストブロックを用いる場合、炉蓋耐火物を炉蓋本体金物に固定する手段としては前述の煉瓦ホルダーが用いられていた。これに対して本発明は、煉瓦ホルダーを用いずに大型の釉薬付きプレキャストブロックを炉蓋耐火物として炉蓋本体金物に固定することを特徴とする。以下、詳細に説明する。
本発明のコークス炉の炉蓋構造は、炉蓋耐火物3を炉蓋本体金物2に固定したものであって、上述のように炉蓋耐火物3として釉薬付きプレキャストブロック4を用い、釉薬付きプレキャストブロック4を高さ方向に積層して炉蓋耐火物3とする。
各釉薬付きプレキャストブロック4は、その上面14と下面15それぞれから高さ方向21に向かう非貫通の縦穴11を有する。図1、図2に示す例では、釉薬付きプレキャストブロック4の上面14と下面15それぞれから高さ方向21に向かう非貫通の縦穴11を、炉幅方向22に2個有する。また、縦穴11と炉蓋本体金物接触面13との間を貫通する引き穴12であって、炉長方向23に向かう引き穴12が形成されている。それぞれの縦穴11には引き穴12が設けられている。図1、図2に示す例では、それぞれの縦穴11に1個の引き穴12が設けられている。
本発明の炉蓋構造は、図1に示すように縦棒5と引きボルト6とを有する。引きボルト6の一方の先端は開口7を有し、開口7内に縦棒5を貫通させることができる。引きボルト6の他方の先端はボルト部分8であってボルトが形成されている(図2(A)参照)。縦棒5と引きボルト6のいずれも金属製とする。
図1に示すように、引きボルト6は釉薬付きプレキャストブロック4のそれぞれの引き穴12に挿入されている。縦棒5は釉薬付きプレキャストブロック4のそれぞれの縦穴11に挿入されているとともに、引きボルト6の開口7を貫通して配置される。炉蓋構造の構築に当たっては、まず引きボルト6を炉蓋本体金物接触面13の側から引き穴12に挿入し、引きボルト6の開口7の軸が縦穴11の軸と一致するように配置する。次に、縦棒5を縦穴11に挿入し、縦棒5が縦穴11と引きボルト6の開口7の両方を貫通するように配置する。
引きボルト6のボルト部分8を炉蓋本体金物2に接続することによって炉蓋耐火物3を炉蓋本体金物2に固定する(図1参照)。引きボルト6のボルト部分8を炉蓋本体金物2に接続するとともに、引きボルト6の開口7と炉蓋本体金物2との間の距離を調整することができる。引きボルト6を炉蓋本体金物2に接続した上で、引きボルト6のボルト部分8に螺合したナット16の回転を調整して締め込むことにより、引きボルト6の開口7が炉蓋本体金物2側に引き寄せられ、引きボルト6と縦棒5に支えられた釉薬付きプレキャストブロック4を炉蓋本体金物2に強固に固定することができる。
本発明は、上述のように、炉蓋構造が縦棒5と引きボルト6とを有し、引きボルト6の一方の先端は開口7を有し、開口7内に縦棒5を貫通させることができ、引きボルト6の他方の先端はボルト部分8が形成されている(図2(A)参照)。前述の特許文献4に記載の構造と対比すると、本発明の縦棒5は同文献の緊締部材に類似し、本発明の引きボルト6は同文献の係止部材に類似している。一方、同文献に記載のものは、係止部材が緊締部材に固設されており、その点が本発明との相違点のひとつである。同文献に記載のものは、係止部材を緊締部材にあらかじめ固設しているため、本発明のように、大型の釉薬付きプレキャストブロック内に係止部材を埋め込むことができない。具体的には、薄型の耐火物を用い、係止部材の配置位置を耐火物相互の当接面と一致させることによってはじめて、炉蓋構造が実現しているものである。それに対して本発明は、縦棒5と引きボルト6とは事前に固設されず、引きボルト6を引き穴12に挿入し、引きボルト6の開口7の軸が縦穴11の軸に一致するように配置し、その後に縦棒5を縦穴11に挿入して縦棒5が縦穴11と引きボルト6の開口7の両方に貫通するものである。このような構造を採用した結果として、炉蓋耐火物3として大型の釉薬付きプレキャストブロック4を用いているにもかかわらず、縦棒5と引きボルト6とで炉蓋耐火物3を炉蓋本体金物2に強固に固定できる。
従来の一般的なコークス炉の炉蓋構造である、煉瓦ホルダーによって炉蓋耐火物を保持する方法では、煉瓦ホルダー表面にタール、ピッチ類が付着するため、付着したタール、ピッチ類を除去する作業が必須であった。また、煉瓦ホルダーは鋳物製であるため、厚みが厚く比較的高価であり、炉蓋の放散熱を抑制する観点からも、煉瓦ホルダーを介しての熱放散が多いという問題があった。本発明の炉蓋構造は、鋳物製の煉瓦ホルダーを使用しないので、タール、ピッチ類の付着が少なく、煉瓦ホルダーを経由しての炉内熱の放散がなく、炉蓋の断熱性が確保され、炉蓋本体金物の熱変形がなくなり、ガスリークが少なくなる。さらに、炉蓋耐火物としてキャスタブル耐火物ブロック(釉薬なしのプレキャストブロック)ではなく定形耐火物煉瓦(釉薬付きプレキャストブロック)を用いるので、炉蓋耐火物の表面へのカーボン付着が少なくなるという効果を有する。
また、本発明の特徴は、上述のように、上面14と下面15からそれぞれ設けた縦穴11が非貫通であり、縦穴11に挿入する縦棒5も高さ方向に非貫通である点である。前述のように、大型の釉薬付きプレキャストブロック4内に高さ方向に貫通する長手部材(特許文献4の緊締部材)を複数埋め込み、当該長手部材を何らかの方法(本発明の引きボルト6、特許文献4の係止部材)で炉蓋本体金物2と接続することができたとしても、図5に示すように、長手部材(縦棒31)を配置するための縦穴32を上面14側から下面15側まで貫通させる限り、炉蓋耐火物中に当該長手部材の埋設部(縦穴32)付近を通過する亀裂が形成され、亀裂部よりも炉内側の耐火物部分が離脱して炉蓋から脱落することがあった。即ち、炉蓋耐火物の寿命が短いという問題があった。炉幅方向22に並んで高さ方向21に貫通する2つの縦穴32の間を結ぶ面にせん断力が働き、炉長方向23に垂直な亀裂(炉幅方向22に平行な亀裂)が発生し、さらに亀裂の進行が促進されるものと推定される。
本発明において、上面14と下面15からそれぞれ設けた縦穴11が非貫通である。そのため、上面14側縦穴11先端24と下面15側縦穴11先端24の間には縦穴が設けられていない領域が存在するので、亀裂に対するせん断長さが長くなり、亀裂が進行しづらく、亀裂の進行を遅らせているものと推定される。
本発明の炉蓋構造の好ましい実施形態において、上面14側の縦穴11先端24と下面15側の縦穴11先端24との間の距離は、釉薬付きプレキャストブロック4の高さの0.3〜0.8倍の範囲内であると好ましい。これにより、釉薬付きプレキャストブロック4の高さ方向において、縦穴11を有しない領域長さを十分に保持することができるので、亀裂の発生を充分に抑制することができる。上下の縦穴11先端24間の距離を釉薬付きプレキャストブロック4の高さの0.5〜0.7倍の範囲内とするとより好ましい。ここにおいて、炉蓋本体金物接触面13から縦穴11までの距離(以下「縦穴配置深さ24」という。)は、釉薬付きプレキャストブロック4の厚みの1/3〜1/2程度とすると好ましい。
引きボルト6及び縦棒5の材質としては、縦穴配置深さ24が釉薬付きプレキャストブロック4の厚みの1/3程度の場合には普通鋼(SS400)を用いることができる。一方、縦穴配置深さ24が釉薬付きプレキャストブロック4の厚みの1/2程度の場合には、引きボルト6の炉内側先端及び縦棒5の温度が高くなるので、ステンレス鋼(SUS310S程度)を使用するのがよい。
本発明が対象とする炉蓋構造において、炉蓋耐火物3を構成する釉薬付きプレキャストブロック4は、高さ方向21の高さが800〜1100mm程度であり、炉蓋1の高さは6m程度であることから、釉薬付きプレキャストブロック4を高さ方向21に5〜7個積層して炉蓋耐火物3を構成する(図3参照)。本発明において、釉薬付きプレキャストブロック4内に挿入する縦棒5として、各釉薬付きプレキャストブロック4に埋設するように挿入することができる。あるいは、上下に積層する複数の釉薬付きプレキャストブロック4において、縦穴11を連通させ、連通した複数の縦穴11内に単一の縦棒5を挿入することとしても良い。また、上下に積層する複数の釉薬付きプレキャストブロック4において、縦穴11の位置を異ならせることによって連通させないこととすることもできる。この場合には、各釉薬付きプレキャストブロック4のそれぞれに個別の縦棒5を埋設することとなる。
本発明の縦棒5は、釉薬付きプレキャストブロック4の上面14と下面15それぞれに形成された非貫通の縦穴11内に埋設される。下面15側については、縦棒5が縦穴11から落下することがないように配慮する必要がある。引きボルト6で縦棒5を炉蓋本体金物2に引きつける力を付与したあとは、縦棒5が落下する可能性は軽減されるが、特に釉薬付きプレキャストブロック4を炉蓋本体金物2に施工する過程においては、縦穴11が鉛直方向を向いたときに内部の縦棒5が落下して抜け落ちる懸念がある。本発明において、縦穴11が釉薬付きプレキャストブロック4の下面15に位置する縦棒5を縦穴11に配置する前又は後に、縦穴11の下面15側開口部をモルタル耐火物17で閉鎖することにより、縦棒5の落下を防止することができる。さらに最下段の釉薬付きプレキャストブロック4の配置位置には乾燥孔が設けられることがあるので、最下段の釉薬付きプレキャストブロック4に設ける縦穴11の炉幅方向22位置は煉瓦の側面に近い位置とし、最下段以外の釉薬付きプレキャストブロック4に設ける縦穴11の位置よりも側面に近い位置とすることもできる。
また、縦棒5の一方の端部をボルト部分18としても良い。縦棒5を釉薬付きプレキャストブロック4の縦穴11内に配置した後、縦棒5のボルト部分18にナット19を螺合することにより、縦棒5を釉薬付きプレキャストブロック4に強固に結合することができる。特に、釉薬付きプレキャストブロックのうち、炉蓋の最下段に配置する釉薬付きプレキャストブロックについては、図4に示すように、端部にボルト部分18を有する縦棒5を用い、縦棒5を釉薬付きプレキャストブロック4に固定すると好ましい。最下段の釉薬付きプレキャストブロック4の下方には、釉薬付きプレキャストブロック4を保持する金属製のブリックホルダー20が配置される。ブリックホルダー20とそれに当接させた最下段の釉薬付きプレキャストブロック4を締結するように縦棒5のボルト部分18を固定することができる。即ち、縦棒5が下部へ脱落するのを防止のために縦棒5の上部に突起30を設け(図4(B)(C)参照)、引きボルト6に縦棒5が入る切り欠きを設けて(図4(D)(E)参照)、縦棒5挿入後、縦棒5を90°回転させて、縦棒5を固定する(図4(A)参照)。
炉幅450mm、炉高6m、炉長16mの形状を有する炭化室の窯口を開閉する炉蓋として、本発明を適用した。炉蓋本体金物2に固定する炉蓋耐火物3として、釉薬付きプレキャストブロック4を用いた。釉薬付きプレキャストブロック4は、その幅(炉幅方向22)が最大で400mm、厚み(炉長方向23)が550mm、高さ方向21の高さが900mmであり、釉薬付きプレキャストブロック4を高さ方向21に6個積層することにより、炉蓋耐火物3を構成する。釉薬付きプレキャストブロック4の材質はコージライトである。
炉蓋構造として、図1に示す本発明例と図5に示す比較例の2種類を準備した。
図1に示す本発明例において、釉薬付きプレキャストブロック4には、その上面14と下面15のそれぞれに非貫通の縦穴11(内径20mm、深さ250mm)を2個有している。上面14側の縦穴11先端24と下面15側の縦穴11先端24との間の距離は、釉薬付きプレキャストブロック4の高さの0.5倍となる。また、それぞれの縦穴11には1個の引き穴12(内径35mm)が設けられ、引き穴12は炉長方向23に向かい、縦穴11と炉蓋本体金物接触面13との間を貫通している。縦棒5は外径17mm、長さは縦穴11の長さより若干短い長さとする。引きボルト6は、ボルト部分8を除いて外径30mmであり、ボルト部分8の反対側端部に内径20mmの開口7を有する。引きボルト6の長さは、引きボルト6を引き穴12に挿入したときに、開口7の軸が縦穴11の軸と一致する位置に配置され、ボルト部分8が釉薬付きプレキャストブロック4の炉蓋本体金物接触面13から突出し、炉蓋本体金物2との接続を行うことができる長さとする。縦棒5と引きボルト6はステンレス鋼(SUS304程度)製である。2個の縦穴11の炉幅方向22の間隔は200mmとし、縦穴11と炉蓋本体金物接触面13との間の距離は、2個の縦穴32のいずれも200mmとする。引き穴12の高さ方向21位置は、各端面から150mm位置とする。
図5に示す比較例において、縦穴32は上面14から下面15まで貫通しており、縦棒31は、上面14から下面15まで貫通する縦穴32のほぼ全長に見合う長さを有している。上記の点以外については、本発明例と同様である。
本発明例、比較例それぞれについて、まず引きボルト6を炉蓋本体金物接触面13の側から引き穴12に挿入し、引きボルト6の開口7の軸が縦穴11、縦穴32の軸と一致するように配置する。次に、縦棒5、縦棒31を縦穴11、縦穴32に挿入し、縦棒5、縦棒31が縦穴11と引きボルト6の開口7の両方を貫通するように配置する。縦穴11、縦穴32の上面14側と下面15側の端部については、モルタル耐火物17を充填し、縦棒5、縦棒31が縦穴11、縦穴32から引き抜かれないようにした。次いで、引きボルト6のボルト部分8を炉蓋本体金物2に接続することによって炉蓋耐火物3を炉蓋本体金物2に固定する。引きボルト6のボルト部分8にナット16を螺合して締め付けることにより、引きボルト6と縦棒5、縦棒31に支えられた釉薬付きプレキャストブロック4を炉蓋本体金物2に強固に固定する。
本発明例と比較例の炉蓋構造を有する炉蓋1をコークス炉の炭化室に配置し、コークスの乾留作業を実施した。
比較例の釉薬付きプレキャストブロックについては使用後直ぐにプレキャストブロックへ亀裂が発生し、3〜4年間の操業で脱落に至ってしまった。これに対し、本発明の釉薬付きプレキャストブロックは脱落までに掛かった時間は6〜8年間で、炉蓋耐火物の寿命延長が達成された。
1 炉蓋
2 炉蓋本体金物
3 炉蓋耐火物
4 釉薬付きプレキャストブロック
5 縦棒
6 引きボルト
7 開口
8 ボルト部分
11 縦穴
12 引き穴
13 炉蓋本体金物接触面
14 上面
15 下面
16 ナット
17 モルタル耐火物
18 ボルト部分
19 ナット
20 ブリックホルダー
21 高さ方向
22 炉幅方向
23 炉長方向
24 先端
30 突起
31 縦棒
32 縦穴

Claims (2)

  1. 炉蓋耐火物を炉蓋本体金物に固定したコークス炉の炉蓋構造であって、炉蓋耐火物として釉薬付きプレキャストブロックを用い、当該釉薬付きプレキャストブロックを高さ方向に積層して炉蓋耐火物とし、
    各釉薬付きプレキャストブロックは、その上面と下面それぞれから高さ方向に向かう非貫通の縦穴を有し、当該縦穴と炉蓋本体金物接触面との間を貫通する炉長方向に向かう引き穴が形成され、
    炉蓋構造は縦棒と引きボルトとを有し、引きボルトの一方の先端は開口を有し、当該開口内に前記縦棒を貫通させることができ、引きボルトの他方の先端はボルト部分が形成され、
    前記引きボルトは釉薬付きプレキャストブロックの前記引き穴に挿入され、前記縦棒は釉薬付きプレキャストブロックの前記縦穴に挿入されているとともに引きボルトの前記開口を貫通しており、
    引きボルトの前記ボルト部分を前記炉蓋本体金物に接続することによって炉蓋耐火物を炉蓋本体金物に固定することを特徴とするコークス炉の炉蓋構造。
  2. 上面側の縦穴先端と下面側の縦穴先端との間の距離は、前記釉薬付きプレキャストブロックの高さの0.3〜0.8倍の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の炉蓋構造。
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