JP6642244B2 - シリンダブロック - Google Patents

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Description

この発明は、多気筒内燃機関のシリンダブロックに関する。
例えば、特許文献1には、ウォータジャケットを流れる冷却水を、隣接するシリンダボア間に通過させる連通路が設けられた多気筒内燃機関のシリンダブロックが開示されている。特許文献1に開示されたシリンダブロックでは、隣接するシリンダボア間にシリンダブロックの上面から斜め下方にシリンダブロック内のウォータジャケットに至る連通路が設けられている。連通路は、上端部の内径が下端部の内径より大きい段付きに形成され、連通路の上端部の長さは、下端部との接合部の周囲のシリンダボア間の厚みが下端部の周囲のシリンダボア間の厚みに等しくなるように、決定されている。
よって、特許文献1のシリンダブロックでは、隣接するシリンダボア間の厚みが薄くても、シリンダボア間に下端部の内径よりも上端部の内径を大きくした連通路を設けて、連通路の上端部及び下端部の周囲のシリンダボア間の厚みを等しくしている。特許文献1のシリンダブロックでは、必要な厚みを確保して剛性低下を抑制しつつ、冷却水との接触面積を増大させて、シリンダボア間の冷却効果の向上を図っている。
特開昭61−112768号公報
近年のエンジンでは、エンジン全体としての小型化や軽量化を図りつつエンジンの排気量を大きくしたいという要求があり、隣接するシリンダボア間の厚みが薄くなる傾向にある。隣接するシリンダボア間のボア間壁部が薄く形成されたシリンダブロックに、特許文献1の連通路を形成すると、シリンダヘッドに連通する大径の上端部の長さは短くなり、小径の下端部がウォータジャケットの下端部からピストン上死点の近くまで延びることとなる。従って、シリンダボア間のボア間壁部において、ピストン上死点付近を目標温度に制御しようとすると、その他の部分では過剰に冷却されることとなり、エンジンの燃費や性能が低下してしまう虞がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、シリンダボア間の連通路の冷却効率を制御して、シリンダボア間を適切に冷却することができるシリンダブロックの提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、一直線上に並設された複数のシリンダボアと、前記複数のシリンダボアの周囲を囲むように設けられ、冷却水を流すためのウォータジャケットと、前記ウォータジャケットの周囲に設けられた複数のヘッドボルト孔と、前記複数のシリンダボアのうち、隣り合うシリンダボアの間のボア間壁部に設けられて前記ウォータジャケットに連通する連通路と、を備えるシリンダブロックであって、前記連通路は、一端に前記ウォータジャケットに開口する入口開口部を備えるとともに他端に出口開口部を備え、前記ウォータジャケットの冷却水を前記入口開口部から前記出口開口部に向けて流すようにシリンダボア軸方向に対して傾斜状態で前記ボア間壁部の中心を横切って設けられており、前記出口開口部が前記ウォータジャケットの深さ方向における前記入口開口部よりトップデッキ面に近い側に位置しており、前記入口開口部は前記ウォータジャケットの深さ方向における前記ヘッドボルト孔の底部よりも深い位置に開口しており、前記連通路は、前記出口開口部に隣接する出口側通路の内径が、前記入口開口部に隣接する入口側通路の内径に比較して小さく形成され、前記連通路の少なくとも前記出口側通路は、前記出口開口部に向かって内径が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、連通路の入口開口部と隣接する入口側通路と比較して、出口開口部と隣接する出口側通路の冷却水の流速を大きくして、連通路の出口側通路の冷却効率が大きくなるように制御している。連通路を流通する冷却水とピストン上死点に隣接するシリンダボアの上端の周囲のボア間壁部の交換熱量がピストン下死点に隣接するシリンダボアの下端の周囲のボア間壁部と比較して大きくなっている。よって、連通路の冷却効率を制御して、連通路の出口開口部と隣接する出口側通路の周囲のボア間壁部と連通路の入口開口部に隣接する入口側通路の周囲のボア間壁部との温度差が少なくなるように、ボア間壁部を適切に冷却することができている。
また、連通路を流通する冷却水の冷却効果によって、少なくとも出口側通路の周囲のボア間壁部の温度をほぼ一定とすることができている。
また、上記のシリンダブロックにおいて、前記シリンダブロックは、前記シリンダブロックの外部に開口する外部開口部と前記ウォータジャケットに開口する接続開口部とを有し、前記連通路と同軸に形成された貫通路を備え、前記貫通路には前記ウォータジャケットを流れる冷却水の前記シリンダブロック外部への漏出を防ぐ封止部材が設けられている構成としてもよい。
この場合、プラグによる簡単な構成で、ウォータジャケットを流れる冷却水がシリンダブロックの外部へ漏出することを防ぐことができる。
また、上記のシリンダブロックにおいて、前記入口側通路は、第1内径を有するとともに前記入口開口部から前記トップデッキ面側に向かって延びており、
前記出口側通路は、前記第1内径よりも小さい第2内径を有するとともに前記出口開口部から前記ウォータジャケット側に向かって延びて前記入口側通路に接続されており、
前記入口側通路と前記出口側通路の接続部には段差部が形成されている構成としてもよい。
この場合、連通路全体を、入口開口部から出口開口部に向かうに従って内径を小さくしたテーパ状に形成する構成と比較して、連通路を容易に形成することができる。
本発明は、シリンダボア間の連通路の冷却効率を制御して、シリンダボア間を適切に冷却することができるシリンダブロックを提供することができる。
本発明の実施形態に係るシリンダブロックを示す上面図である。 本発明の実施形態に係るシリンダブロックを示す図1のA−A線断面図である。 本発明の連通路の内径とボア間壁部が受ける応力との関係を示すグラフである。 本発明の連通路の出口開口部の内径と冷却水とボア間壁部の交換熱量との関係を示すグラフである。 本発明のトップデッキ面からの距離とボア間壁部の温度との関係を示すグラフである。 本発明の参考例に係るシリンダブロックを示す断面図である。 本発明の変形例に係るシリンダブロックを示す断面図である。 本発明の変形例に係るシリンダブロックを示す断面図である。
以下、本実施形態に係るシリンダブロックを図面に基づいて説明する。
本実施形態では、直列4気筒型の内燃機関において、隣接するシリンダボア間のシリンダ筒壁が一体化されたシリンダブロックについて例示する。
図1及び図2に示す本実施形態のシリンダブロック10は、一直線上に並設された4つのシリンダボア12と、シリンダボア12を区画するシリンダ筒壁11と、シリンダ筒壁11の周囲に設けられ冷却水を流すためのウォータジャケット13とを備える。
図2の上方をシリンダブロック10の上方、図2の下方をシリンダブロック10の下方とする。図2に示すように、シリンダブロック10は、トップデッキ面(上面)としてのヘッド面14と、側面としての外周壁15とを備える。
図1及び図2に示すように、シリンダボア12は、ヘッド面14から上方に開口し、軸が上下方向に延在する円筒状の空間であり、4つのシリンダボア12は一直線上に並設されている。また、シリンダブロック10は、ヘッド面14に開口し、上下方向に延在する略円筒状の複数のヘッドボルト孔16を備える。ヘッドボルト孔16は、隣接するシリンダボア12間の並設方向を挟んで両側に設けられている。シリンダブロック10は、ヘッドボルト孔16に挿通されるヘッドボルト(図示しない)によりシリンダヘッド(図示しない)と締結されて、ヘッド面14においてシリンダヘッドと当接する。
隣接するシリンダボア12間のシリンダ筒壁11は一体化されてボア間壁部17が形成されている。ウォータジャケット13は、4つのシリンダボア12の周囲を囲むようにヘッド面14に開口して設けられている。ヘッドボルト孔16は、ウォータジャケット13の周囲に設けられる。シリンダブロック10は、4つのシリンダボア12の並設方向の一方の端部に入水路18を備える。入水路18は、シリンダブロック10の外部に設置されたウォータポンプ(図示しない)と接続され、シリンダブロック10のシリンダボア12の並設方向に沿って延在し、ウォータジャケット13と接続されて、冷却水をシリンダブロック10の内部に流入させる。
シリンダヘッドは、シリンダブロック10の入水路18の近傍に設けられ、ウォータジャケット13と接続され、冷却水をシリンダブロック10からシリンダヘッドに流入させる出水路29を備える。ウォータジャケット13は、4つのシリンダボア12の並設方向を挟んで両側に4つのシリンダボア12の周囲に沿って波形状に伸びる往路20と復路21とを備える。往路20と復路21とは、シリンダブロック10における4つのシリンダボア12の並設方向の両方の端部において接続されている。往路20は入水路18と接続され、復路21はシリンダヘッドの出水路29と接続されている。
図1に示すように、シリンダブロック10のボア間壁部17は、シリンダボア12の軸方向に対して傾斜状態でボア間壁部17の中心を横切って往路20と復路21との間に設けられた断面正円状の連通路22を備える。連通路22は、ウォータジャケット13に連通し、図2に示すように、一端にウォータジャケット13の往路20に開口する入口開口部23と、他端にヘッド面14において開口する出口開口部24とを備える。なお、本実施形態では、出口開口部24は復路21に接続されていない。
連通路22は、入口開口部23がウォータジャケット13の深さ方向におけるヘッドボルト孔16の底部よりも深い位置に開口しており、出口開口部24がウォータジャケット13の深さ方向における入口開口部23よりヘッド面14に近い側である上方に位置している。連通路22は、入口開口部23に隣接する入口側通路としての第1連通路35と、出口開口部24に隣接する出口側通路としての第2連通路36とを備え、第2連通路36の内径は第1連通路35の内径に比較して小さく、連通路22の内径が入口開口部23から出口開口部24に向かって連続して小さくなるテーパ状に形成されている。
また、シリンダブロック10のボア間壁部17には、往路20と外周壁15との間において、シリンダボア12の並設方向と垂直方向に延在する断面正円状の貫通路25が設けられている。貫通路25は、一端に往路20に開口する接続開口部28と、他端にシリンダブロック10の外周壁15においてシリンダブロック10の外部に開口する外部開口部26とを備える。貫通路25は、接続開口部28がウォータジャケット13の深さ方向における外部開口部26よりヘッド面14に近い側である上方に位置し、外部開口部26から接続開口部28に向かって上方に傾斜する。貫通路25は、連通路22と同軸であって、一定の内径を備える。外部開口部26はウォータジャケット13の深さ方向におけるヘッドボルト孔16の底部よりも深い位置に開口する。貫通路25には、ウォータジャケット13を流れる冷却水のシリンダブロック10外部への漏出を防ぐ封止部材としてのプラグ27が嵌め込まれている。
以上の構成を有するシリンダブロック10の製造方法について以下に説明する。
シリンダブロック10は、例えばアルミ鋳造により、ウォータジャケット13を備えて形成され、アルミ鋳造後に、シリンダブロック10にシリンダボア12とヘッドボルト孔16とが加工される。さらに、ドリルによる穴あけ加工により、シリンダブロック10に貫通路25と連通路22とが形成される。貫通路25は、シリンダブロック10の往路20側下方の外周壁15に外部開口部26を形成し、外部開口部26から上方に傾斜する通路を形成し、往路20に開口する接続開口部28を形成して設けられる。連通路22は、往路20に開口する入口開口部23を形成し、入口開口部23から上方に傾斜する第1連通路35と第2連通路36とを形成し、ヘッド面14に開口する出口開口部24を形成して設けられる。そして、貫通路25に外部開口部26からプラグ27を嵌め込む。なお、プラグ27により貫通路25の一部を封止したが、例えば、貫通路25の外部開口部26から接続開口部28までを封止するプラグを用いてもよい。
以上の構成を有するシリンダブロック10の作用について以下に説明する。
シリンダブロック10の外部に配置されたウォータポンプから送り出される比較的高圧の冷却水は、入水路18からシリンダブロック10の内部に流入し、ウォータジャケット13を流通する。冷却水は、入水路18の配置により、ウォータジャケット13の往路20を図1の矢印で示す方向に流れ、ウォータジャケット13の復路21を図1の矢印で示す方向に流れる。
このとき、ウォータジャケット13を流通する冷却水によって、シリンダボア12における燃料の燃焼により温度が上昇するシリンダボア12の周囲のシリンダ筒壁11が冷却される。そして、冷却水は、ウォータジャケット13の復路21からシリンダヘッドの出水路29を介してシリンダヘッドに流入する。冷却水はシリンダヘッドの内部を流通し、シリンダヘッドは冷却水によって冷却される。
また、比較的高圧の状態でシリンダブロック10の内部に流入した冷却水は、ウォータジャケット13を流通することによる圧力損失により、徐々に減圧される。ウォータジャケット13の往路20を流通する冷却水は、復路21からシリンダヘッドに流入する冷却水と比較して高圧である。よって、往路20とシリンダヘッドにおける冷却水の圧力差により、往路20を流通する冷却水の一部は、往路20に接続された連通路22を入口開口部23から出口開口部24に向けて図2の矢印で示す上方に向かって流れる。このとき、連通路22の周囲のボア間壁部17は、連通路22を流通する冷却水によって冷却される。さらに冷却水は、ヘッド面14に設けられた出口開口部24から出水路29を介してシリンダヘッドの内部に流入する。
図3は、連通路の内径と、ボア間壁部17が隣接するボアから受ける応力との関係を示している。図3からわかるように、連通路の内径が大きくなると、これに比例してボア間壁部17が受ける応力も大きくなる。即ち、連通路の内部を流れる冷却水の量を大きくするために連通路の内径を大きくすると、ボア間壁部17が受ける応力が大きくなる。ボア間壁部17は、隣接するボアから受ける応力が最大応力Pを超えるとボア間壁部17の剛性を維持できなくなるので、連通路の内径は、応力が最大応力Pとなる最大内径R1以下に設定される。なお、図3の関係はシミュレーションや実験により求めることができ、例えば、ボア間壁部の最小厚さを6mmとした場合、連通路の最大内径R1は3mmとなる。
連通路22を流通する冷却水による冷却効果は、冷却水と連通路22が形成されたボア間壁部17との熱伝達率によって決まる。熱伝達率は、連通路22を流通する冷却水の流速に影響される要素である。連通路22の内径を小さくすると冷却水の流速は大きくなり、冷却水の流速が大きくなると熱伝達率も大きくなる。冷却水とボア間壁部17との熱伝達率が大きいと、冷却水とボア間壁部17との交換熱量Qが大きくなる。
図4は、連通路の入口開口部を内径R3とした場合、出口開口部の内径の大きさと連通路を流通する冷却水とボア間壁部17との交換熱量Qとの関係を示す図である。図4からわかるように、出口開口部の内径がR3から小さくなると、連通路を流通する冷却水の流速が大きくなるので交換熱量Qが大きくなる。そして、出口開口部の内径が内径R2となるときに冷却水とボア間壁部17の交換熱量Qが最大となる。しかしながら、連通路の内径が内径R2より小さくなると、連通路の濡れ面積(表面積)が著しく小さくなるので、冷却水とボア間壁部17の交換熱量Qは、冷却水の流速よりも濡れ面積の大きさに影響されて減少してしまう。なお、図4の関係はシミュレーションや実験により求めることができ、例えば、入口開口部の内径R3を3mmとした場合、交換熱量Qが最も大きくなる出口開口部の内径R2は1mmとなる。
また、シリンダボア12の周囲のシリンダ筒壁11の温度は、シリンダヘッドに近い部位、すなわち、ピストン上死点に対応する部位ほど高くなる。シリンダ筒壁11の温度が上昇すると、そのシリンダボア12内に供給されている潤滑オイルの温度も上昇し、これに伴って潤滑オイルの粘度が低くなる。しかしながら、潤滑オイルの温度が高くなりすぎると、その粘度が適切な使用範囲を超えてしまい、オイル消費も大きくなってしまう。したがって、ボア間壁部17は、その温度が最も高温となるピストン上死点に対応する部位、詳しくは、ピストンが上死点にある場合のヘッド面14から僅かに下方に位置するトップリングに対応する部分において、潤滑オイルの粘度を適切な使用範囲に維持することができる上限温度T1以下にする必要がある。また、潤滑オイルは温度が低くなるとその粘度が高くなり、これに伴ってピストンの摺動抵抗が大きくなって燃費が悪化してしまう。このため、ボア間壁部17の温度は、潤滑オイルの粘度を正常な使用範囲に維持することができる下限温度T2以上にする必要がある。
図5は、ボア間壁部17に連通路を設けた場合における、シリンダブロック10のヘッド面14からの距離と、ボア間壁部17の温度との関係を示している。実線で示すグラフは、本実施形態の内径が入口開口部23から出口開口部24に向かって連続して小さくなるテーパ状に形成した連通路22の場合を示す。図5からわかるように、本実施形態では、連通路22の形状をその冷却効率がシリンダヘッド側に近いほど高くなるように設定しているので、ボア間壁部17の温度を、ピストン上死点に対応する部位である、ヘッド面14から距離D1だけ下方の図2に示す部位Aから、ピストン下死点に対応する部位である、ヘッド面14から距離D2だけ離れた図2に示す部位Bまで、上限温度T1と下限温度T2の範囲内の温度にすることができる。具体的には、連通路22を、その内径が入口開口部23から出口開口部24に向かって連続して小さくなるようにテーパ状に形成しているので、連通路22を流通する冷却水の流速が連通路22の出口開口部24と隣接する出口側通路で連通路22の入口開口部23と隣接する入口側通路よりも大きくなり、連通路22を流通する冷却水とボア間壁部17の交換熱量Qを、連通路22の出口側通路の周囲のボア間壁部17において連通路22の入口側通路の周囲のボア間壁部17よりも大きくしている。
図5の一点鎖線で示すグラフは、一定の内径を備える連通路とした比較例1の場合を示す。比較例1では、連通路を流通する冷却水の流速は一定であり、連通路を流通する冷却水とボア間壁部の交換熱量も一定である。図5からもわかるように、比較例1のようにピストンの上死点に対応する部位A(ヘッド面14から距離D1だけ下方の部位)においてボア間壁部17の温度が本実施形態と同様の上限温度T1と下限温度T2との間の温度になるように連通路の冷却効率を設定すると、比較例1の連通路の冷却効率は入口開口部から出口開口部まで一定であるので、ピストンの下死点に対応する部位B(ヘッド面14から距離D2だけ離れた部位)では過剰冷却となって、ボア間壁部17の温度は下限温度T2よりも低い温度となってしまう。
図5の二点鎖線で示すグラフは、一定の内径を備える連通路とした比較例2の場合を示す。比較例2では、連通路を流通する冷却水の流速は一定であり、連通路を流通する冷却水とボア間壁部の交換熱量も一定である。図5からもわかるように、比較例2のようにピストン下死点に対応する部位B(ヘッド面14から距離D2だけ離れた部位)において、ボア間壁部17の温度が本実施形態と同様に上限温度T1と下限温度T2との間の温度になるように連通路の冷却効率を設定すると、比較例2の連通路の冷却効率は入口開口部から出口開口部まで一定であるので、ピストンの上死点に対応する部位A(ヘッド面14から距離D1だけ離れた部位)では冷却不足となって、ボア間壁部17の温度は、上限温度T1よりも高い温度となってしまう。
本実施形態では、以下の作用及び効果を奏する。
(1)連通路22を、出口開口部24がウォータジャケット13の深さ方向における入口開口部23よりヘッド面14に近い側に位置しており、入口開口部23がウォータジャケット13の深さ方向におけるヘッドボルト孔16の底部よりも深い位置に開口するように形成した。さらに、出口開口部24に隣接する出口側通路の内径を、入口開口部23に隣接する入口側通路の内径と比較して小さく形成した。したがって、連通路22の入口開口部23と隣接する入口側通路と比較して、出口開口部24と隣接する出口側通路の冷却水の流速を大きくして、連通路22の出口側通路の冷却効率が大きくなるように制御している。連通路22を流通する冷却水とピストン上死点に隣接するシリンダボア12の上端の周囲のボア間壁部17の交換熱量Qがピストン下死点に隣接するシリンダボア12の下端の周囲のボア間壁部17と比較して大きくなっている。よって、連通路22の冷却効率を制御して、連通路22の出口開口部24と隣接する出口側通路の周囲のボア間壁部17と連通路22の入口開口部23に隣接する入口側通路の周囲のボア間壁部17との温度差が少なくなるように、ボア間壁部17を適切に冷却することができている。ボア間壁部17を適切に冷却することにより、シリンダボア12の変形を抑制することができ、シリンダボア12に収容されたピストンとシリンダブロック10との摩擦による内燃機関の動力損失を低減することができる。
(2)連通路22を流通する冷却水の冷却効果によって、入口開口部23から出口開口部24まで連通路22の周囲のボア間壁部17の温度をほぼ一定とすることができている。したがって、ボア間壁部17の周囲において、温度に影響される潤滑オイルの粘度のバラツキがなくなり、潤滑オイルの粘度の調整が容易となっている。よって、連通路22の出口開口部24に隣接する出口側通路の周囲のボア間壁部17が過剰に冷却されて冷却効率が悪くなることを防止することができ、内燃機関の動力損失を低減することができている。また、連通路22の出口開口部24と隣接する出口側通路の周囲のボア間壁部17が過剰に加熱されてシリンダブロック10を流通する潤滑オイルの温度が上がり潤滑オイルが蒸発することによるオイル消費を抑制することができる。
(3)連通路22はボア間壁部17のヘッドボルト孔16の底部よりも深い位置からヘッド面14まで延在しており、連通路22を流通する冷却水によってボア間壁部17の全体を冷却することができる。
(4)連通路22の入口開口部23は、ウォータジャケット13の深さ方向におけるヘッドボルト孔16の底部よりも深い位置に開口する。したがって、貫通路25からさらにドリル加工することにより、容易に貫通路25と同軸であってボア間壁部17の中心を横切って設けられる連通路22を容易に形成することができる。
(5)貫通路25には封止部材としてのプラグ27が嵌め込まれている。したがって、プラグ27による簡単な構成で、ウォータジャケット13を流れる冷却水がシリンダブロック10の外部へ漏出することを防ぐことができる。
(6)連通路22は、入口開口部23がシリンダブロック10の外部から冷却水を流入させる入水路18と接続された往路20と接続され、出口開口部24が復路21と出水路29を介して接続されたシリンダヘッドの内部と接続され、往路20はシリンダヘッドの内部と比較して高圧にある。したがって、往路20とシリンダヘッドの内部との圧力差を利用することにより、冷却水を容易に入口開口部23から出口開口部24に向かって流通させることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、連通路を入口開口部から出口開口部に向かって内径が連続して小さくなるテーパ状に形成したが、この限りでない。特に高温となるピストン上死点に隣接するシリンダボアの周囲のシリンダ筒壁の交換熱量を他の部位と比較して大きくすることができれば良い。例えば図6に示す参考例のように、連通路30は、第1内径に設定され、入口開口部31と隣接する入口側通路としての第1連通部32を、第1内径よりも大きい第2内径に設定され、出口開口部33と隣接する出口側通路としての第2連通部34に、同軸となるように接続して形成しても良い。この場合、連通路全体を入口開口部から出口開口部に向かって内径が連続して小さくなるテーパ状に形成する構成と比較して、連通路30を容易に形成することができる。
○ 上記の実施形態では、連通路を、入口開口部から出口開口部に向かって内径が連続して小さくなるテーパ状としたが、この限りでない。特に高温となるピストン上死点に隣接するシリンダボアの周囲のボア間壁部の交換熱量Qを他の部位と比較して大きくすることができれば良く、連通部は少なくとも出口開口部に隣接する出口側通路において、出口開口部に向かって内径が連続して小さくなるテーパ状とすれば良い。例えば図7に示す変形例のように、連通路40は、入口開口部41に隣接する入口側通路としての一定の内径である第1連通部42と、第1連通部42と接続され、第1連通部42との接続部から出口開口部43に向かって内径が小さくなるテーパ状の出口開口部43に隣接する出口側通路としての第2連通部44とを備えるように形成しても良い。
○ 上記の実施形態では、連通路をドリル加工により入口開口部から出口開口部に向かって内径が小さくなるテーパ状となるように形成したが、この限りでない。連通路をテーパ状となるようにすれば良く、例えば図8に示す変形例のように、連通路50をドリル加工により一定の内径を備えるように形成した後、連通路50にカラー51を挿入することにより、連通路50に、入口開口部52に隣接する入口側通路としての第1連通部53と、出口開口部54に向かって内径が小さくなるテーパ状の空間を区画して出口開口部54に隣接する出口側通路としての第2連通部55とを形成しても良い。
○ 上記の実施形態では、連通路の出口開口部をヘッド面に形成したが、この限りではない。圧力差により、冷却水を連通路の入口開口部から出口開口部に向けて流すことができれば良く、出口開口部をウォータジャケットの復路に設けても良い。
10 シリンダブロック
12 シリンダボア
13 ウォータジャケット
14 ヘッド面(トップデッキ面としての)
16 ヘッドボルト孔
17 ボア間壁部
22、30、40、50 連通路
23、31、41、52 入口開口部
24、33、43、54 出口開口部
25 貫通路
26 外部開口部
27 プラグ(封止部材としての)
28 接続開口部
32、42、53 第1連通部(入口側通路としての)
34、44、55 第2連通部(出口側通路としての)

Claims (3)

  1. 一直線上に並設された複数のシリンダボアと、
    前記複数のシリンダボアの周囲を囲むように設けられ、冷却水を流すためのウォータジャケットと、
    前記ウォータジャケットの周囲に設けられた複数のヘッドボルト孔と、
    前記複数のシリンダボアのうち、隣り合うシリンダボアの間のボア間壁部に設けられて前記ウォータジャケットに連通する連通路と、を備えるシリンダブロックであって、
    前記連通路は、一端に前記ウォータジャケットに開口する入口開口部を備えるとともに他端に出口開口部を備え、前記ウォータジャケットの冷却水を前記入口開口部から前記出口開口部に向けて流すようにシリンダボア軸方向に対して傾斜状態で前記ボア間壁部の中心を横切って設けられており、
    前記出口開口部が前記ウォータジャケットの深さ方向における前記入口開口部よりトップデッキ面に近い側に位置しており、
    前記入口開口部は前記ウォータジャケットの深さ方向における前記ヘッドボルト孔の底部よりも深い位置に開口しており、
    前記連通路は、前記出口開口部に隣接する出口側通路の内径が、前記入口開口部に隣接する入口側通路の内径に比較して小さく形成され
    前記連通路の少なくとも前記出口側通路は、前記出口開口部に向かって内径が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とするシリンダブロック。
  2. 前記シリンダブロックは、前記シリンダブロックの外部に開口する外部開口部と前記ウォータジャケットに開口する接続開口部とを有し、前記連通路と同軸に形成された貫通路を備え、
    前記貫通路には前記ウォータジャケットを流れる冷却水の前記シリンダブロック外部への漏出を防ぐ封止部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロック。
  3. 前記入口側通路は、第1内径を有するとともに前記入口開口部から前記トップデッキ面側に向かって延びており、
    前記出口側通路は、前記第1内径よりも小さい第2内径を有するとともに前記出口開口部から前記ウォータジャケット側に向かって延びて前記入口側通路に接続されており、
    前記入口側通路と前記出口側通路の接続部には段差部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダブロック。
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