配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質と、配列番号5、8、11、14、56、59、62、65、69、72、および75のアブラナ属DA1タンパク質のタンパク質配列のアラインメント。下線はUIM1、UIM2およびLIMドメインである。配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質の358番に相当する位置の保存されているアルギニン残基(R)を四角で示す。
配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質と、配列番号5、8、11、14、56、59、62、65、69、72、および75のアブラナ属DA1タンパク質のタンパク質配列のアラインメント。下線はUIM1、UIM2およびLIMドメインである。配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質の358番に相当する位置の保存されているアルギニン残基(R)を四角で示す(図1Aの続き)。
配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質と、配列番号5、8、11、14、56、59、62、65、69、72、および75のアブラナ属DA1タンパク質のタンパク質配列のアラインメント。下線はUIM1、UIM2およびLIMドメインである。配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質の358番に相当する位置の保存されているアルギニン残基(R)を四角で示す(図1Bの続き)。
配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質と、配列番号5、8、11、14、56、59、62、65、69、72、および75のアブラナ属DA1タンパク質のタンパク質配列のアラインメント。下線はUIM1、UIM2およびLIMドメインである。配列番号2のアラビドプシスDA1タンパク質の358番に相当する位置の保存されているアルギニン残基(R)を四角で示す(図1Cの続き)。
アブラナ属DA1−A1(菱形)、DA1−A2(丸)、DA1−C1(四角)、およびDA1−C2(三角)遺伝子の種々の組織におけるin silico相対的発現。1:子葉;2:2週間の根;3:2週間の茎;4:5週間、播種後33日(DAS)の茎;5:33DASの幼葉;6:33DASの頂端分裂組織および最幼葉;7:42DASの小花蕾(<5mm);8:42DASの大花蕾(>5mm);9:52DASの開花花;10:開花後14〜20日(DAF)の結莢期2;11:21〜25DAFの結莢期3;12:14〜20DASの種子期2;13:21〜25DAFの種子期3;14:26〜30DAFの種子期4;15:31〜35DAFの種子期5;16:42DAFの種子期6;17:49DAFの種子期7。
種々の突然変異体系統の組織における、播種後33日の幼葉(A)および播種後5週間、33日の茎(B)でのアブラナ属DA1遺伝子の相対的発現。値は、野生型での発現を超える突然変異体系統の発現を表す。黒いバー:突然変異体系統YIIN603における相対的発現;灰色のバー:突然変異体系統YIIN611における相対的発現;縦縞のバー:突然変異体系統YIIN612における相対的発現;横縞のバー:突然変異体系統YIIN609における相対的発現;斜線のバー:突然変異体系統YIIN615における相対的発現。
種々の突然変異体系統の組織における、播種後33日の幼葉(A)および播種後5週間、33日の茎(B)でのアブラナ属DA1遺伝子の相対的発現。値は、野生型での発現を超える突然変異体系統の発現を表す。黒いバー:突然変異体系統YIIN603における相対的発現;灰色のバー:突然変異体系統YIIN611における相対的発現;縦縞のバー:突然変異体系統YIIN612における相対的発現;横縞のバー:突然変異体系統YIIN609における相対的発現;斜線のバー:突然変異体系統YIIN615における相対的発現。
種々のDA1突然変異を有するアブラナ属系統における千粒重(TSW)(A)および莢の厚さ(PODT)(B)。TSW値およびPODT値は、野生型分離個体と比較した場合の違いで表す。
種々のDA1突然変異を有するアブラナ属系統における千粒重(TSW)(A)および莢の厚さ(PODT)(B)。TSW値およびPODT値は、野生型分離個体と比較した場合の違いで表す。
一般定義
千粒重(TSW)は、1000種子のグラム重量を意味する。
「作物植物」は、ブラシカ・ナパス(AACC、2n=38)、ブラシカ・ユンセア(Brassica juncea)(AABB、2n=36)、ブラシカ・カリナタ(Brassica carinata)(BBCC、2n=34)、ブラシカ・ラパ(syn. B.カンペストリス(campestris))(AA、2n=20)、ブラシカ・オレラセア(CC、2n=18)またはブラシカ・ニグラ(Brassica nigra)(BB、2n=16)などの、作物として栽培される植物種を意味する。この定義には、シロイヌナズナなどの雑草は含まない。
「DA1遺伝子」または「DA1対立遺伝子」、本明細書で使用される場合、At1g19270.1および配列番号1に記載されるシロイヌナズナのDA1遺伝子のコード配列と少なくとも80%の配列同一性を含んでなるコード配列を有する遺伝子または対立遺伝子である。
しかし、DA1遺伝子またはDA1対立遺伝子は、機能的DA1タンパク質をコードする必要はない。
「DA1タンパク質」または「DA1ポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、At1g19270.1および配列番号2に記載されるシロイヌナズナのDA1タンパク質のアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性を含んでなるタンパク質またはポリペプチドである。
「変異型DA1遺伝子」または「変異型DA1対立遺伝子は、本明細書で使用される場合、自然集団または育種集団中の植物には見られないが、突然変異誘発または遺伝子ターゲティングなどヒトの介入によって作出されるいずれのDA1遺伝子またはDA1対立遺伝子も意味する。変異型DA1対立遺伝子は、ノックアウトDA1対立遺伝子、および機能的DA1対立遺伝子を含んでなる。
「変異型DA1タンパク質」または「変異型DA1ポリペプチド」は、変異型DA1遺伝子または変異型DA1対立遺伝子によりコードされるDA1タンパク質またはDA1ポリペプチドである。
「完全ノックアウトda1遺伝子」または「ノックアウトda1対立遺伝子」は、本明細書で使用される場合、非機能的DA1タンパク質もしくは量が有意に減少したDA1タンパク質をコードするか、または活性が有意に低下したDA1タンパク質をコードするda1遺伝子またはda1対立遺伝子である。前記「完全ノックアウトDA1遺伝子」または「完全ノックアウトDA1対立遺伝子」は、DA1タンパク質をコードしていなくてもよく、または非機能的DA1タンパク質をコードしていてもよい変異型DA1対立遺伝子または変異型DA1遺伝子であり得る。これらの遺伝子または対立遺伝子は、不活性化遺伝子または対立遺伝子と呼ばれることもある。前記「完全ノックアウトDA1遺伝子」または「完全ノックアウトDA1対立遺伝子」は、WO2009/047525(引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されるda1−1変異型シロイヌナズナで過剰発現された際にda1−1表現型を回復しない。
「量が有意に減少したDA1タンパク質」とは、野生型DA1対立遺伝子により産生されるDA1タンパク質の量に比べて変異型DA1対立遺伝子を含んでなる細胞により産生されるDA1タンパク質の量における少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%(すなわち、この対立遺伝子によりDA1タンパク質が産生されない)の減少を意味する。
「機能的DA1遺伝子」または「機能的DA1対立遺伝子」は、本明細書で使用される場合、機能的DA1タンパク質をコードするDA1遺伝子またはDA1対立遺伝子である。前記「機能的DA1遺伝子」または「機能的DA1対立遺伝子」は、WO2009/047525(引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されるda1−1変異型シロイヌナズナにおいて、CaMV 35Sプロモーターの制御下で過剰発現させた際にda1−1表現型を回復する。
用語「核酸配列」(または核酸分子)とは、本発明によるタンパク質またはタンパク質断片をコードする一本鎖または二本鎖型のDNAまたはRNA分子、特にDNAを意味する。「内因性核酸配列」とは、植物細胞内の核酸配列、例えば、アブラナ属細胞の核ゲノム内に存在するDA1遺伝子の内因性対立遺伝子を意味する。「単離された核酸配列」は、もはやその天然環境ではない、例えば、in vitroまたは組換え細菌または植物宿主細胞内の核酸配列を意味して使用される。
用語「遺伝子」は、細胞内で、RNA分子に(例えば、イントロン配列を含んでなり、後にスプライシングされて成熟mRNAとなるmRNA前駆体に、または直接、イントロン配列を含まないmRNAに)に転写される、調節領域(例えば、プロモーター)に機能的に連結された領域(転写領域)を含んでなるDNA配列を意味する。従って、遺伝子は、プロモーター、例えば翻訳開始に関する配列を含んでなる5’リーダー配列、(タンパク質)コード領域(cDNAまたはゲノムDNA)および例えば転写終結部位を含んでなる3’非翻訳配列などの、機能的に連結された配列を含んでなり得る。「内因性遺伝子」は、「外来遺伝子」、「導入遺伝子」または「キメラ遺伝子」から区別するために使用され、ある植物属、種または品種の植物に由来し、その植物に形質転換により導入されたものではなく(すなわち、それは「導入遺伝子」ではない)、その属、種もしくは品種の植物に通常存在するか、またはそれが通常存在する別の植物属、種または品種の植物からその植物に、通常の育種技術または体細胞雑種形成、例えば、プロトプラスト融合によって導入された遺伝子を意味する。同様に、遺伝子の「内因性対立遺伝子」も、植物形質転換により植物または植物組織に導入されるものではなく、例えば、植物突然変異誘発および/または選抜により作出されるか、または植物の自然集団のスクリーニングにより得られるものである。
「遺伝子の発現」または「遺伝子発現」は、適当な調節領域、特にプロモーターと機能的に連結されたDNA領域がRNA分子に転写されるプロセスを意味する。その後、RNA分子は細胞内でさらに(転写後プロセスにより)、例えば、RNAスプライシングおよび翻訳開始およびアミノ酸鎖(ポリペプチド)への翻訳、ならびに翻訳終止コドンによる翻訳終結により処理を受ける。用語「機能的に発現される」は、本明細書では、機能的タンパク質が産生されることを示して使用され、用語「非機能的に発現される」は、有意に減少したもしくは機能(生物活性)の無いタンパク質が産生されること、またはタンパク質が産生されないことを示して使用される(詳しくは下記参照)。
用語「タンパク質」または「ポリペプチド」は互換的に使用され、特定の作用様式、サイズ、三次元構造または起源に関わらず、アミノ酸鎖からなる分子を意味する。従って、DA1タンパク質の「断片」または「一部」もなお「タンパク質」と呼ばれることがある。「単離されたタンパク質」は、もはやその天然環境、例えば、in vitroまたは組換え細菌または植物宿主細胞内にないタンパク質を意味して使用される。
本明細書で使用される場合、用語「対立遺伝子」は、特定の遺伝子座における遺伝子の1以上の別の形態のいずれかを意味する。生物の二倍体(または複二倍体)細胞において、ある遺伝子の対立遺伝子は染色体上の特定の場所または遺伝子座に位置する。相同染色体対の各染色体に1つの対立遺伝子が存在する。
本明細書で使用される場合、用語「相同染色体」は、同じ生物学的特徴に関する情報を含み、同じ遺伝子座に同じ遺伝子を、しかしながら、おそらくはそれらの遺伝子の異なる対立遺伝子を含む染色体を意味する。相同染色体は、減数分裂の際に対合する染色体である。ある生物の総ての生物学的特徴を提示する「非相同染色体」は1組となり、細胞内の組の数は倍数性と呼ばれる。二倍体生物は、2組の非相同染色体を含み、各相同染色体は異なる親から受け継がれる。複二倍体種では、本質的に2組の二倍体ゲノムが存在し、これにより、2ゲノムの染色体は「同祖染色体」と呼ばれ(同様に、2ゲノムの遺伝子座または遺伝子は同祖遺伝子座または遺伝子と呼ばれる)。二倍体、または複二倍体の植物種は、特定の遺伝子座に多数の異なる対立遺伝子を含んでなり得る。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロ接合型」は、2つの異なる対立遺伝子がある特定の遺伝子座に位置するが、細胞内の対応する相同染色体対上に個々に配置されている場合に存在する遺伝学的状態を意味する。これに対し、本明細書で使用される場合、用語「ホモ接合型」は、2つの同じ対立遺伝子がある特定の遺伝子座に位置するが、細胞内の対応する相同染色体対上に個々に配置されている場合に存在する遺伝学的状態を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子座」は、例えば、遺伝子または遺伝子マーカーが見られる染色体上の1または複数の特定の場所または部位を意味する。
「野生型」は、本明細書で使用される場合、自然界で最もよく見られる植物または遺伝子の典型的形態を意味する。「野生型植物」とは、自然集団または育種集団中の植物を意味する。「野生型対立遺伝子」とは、野生型植物中に存在する遺伝子の対立遺伝子を意味する。
本発明による「植物」という場合には常に、特に断りのない限り、植物部分(細胞、組織または器官、莢、種子、切断部分、例えば、根、葉、花、花粉など)、親の顕著な特徴(特に、種子重)を保持する植物後代、例えば、自殖または交配により得られる種子、例えば、雑種種子(2つの同系親系統を交配させることにより得られる)、ハイブリッド植物およびそれに由来する植物部分も本明細書に包含されると理解される。
「分子アッセイ」(または試験)は、本明細書において、一方または両方のDA1遺伝子座における1以上の特定のDA1対立遺伝子の有無を(直接的または間接的に)示すアッセイを意味する。一実施形態では、それは、特定の(野生型または変異型)対立遺伝子が、任意の個々の植物の遺伝子座においてホモ接合型であるかヘテロ接合型であるかを決定することを可能にする。
「繁殖材料(propagating material)を作出する」とは、本明細書で使用される場合、さらなる植物、植物部分または種子を生産するために当技術分野で公知のいずれの手段にも関し、とりわけ、栄養繁殖法(例えば、高取り法または取り木、株分け、(芽)接ぎ、マイクロプロパゲーション、ストロンまたはランナー、鱗茎、球茎、塊茎および根茎などの貯蔵器官、または発根挿し穂(straiking)、挿し穂(cutting)、ツインスケーリング(twin-scaling))、有性生殖(別の植物との交配)および無性生殖(例えば、無配偶生殖、体細胞雑種形成)が含まれる。
「突然変異誘発」とは、本明細書で使用される場合、植物細胞(例えば、複数のアブラナ属種子、または花粉などの他の部分など)に細胞のDNAに突然変異を誘発する技術、例えば、化学物質(例えば、エチルメチルスルホネート(EMS)、エチルニトロソ尿素(ENU)など)もしくは電磁放射線(中性子(例えば、高速中性子突然変異誘発の場合)、α線、γ線(例えば、コバルト60源により供給されるもの)、X線、UV光など)などの突然変異誘発物質との接触、T−DNA挿入突然変異誘発(Azpiroz-Leehan et al. (1997) Trends Genet 13:152-156)、トランスポゾン突然変異誘発(McKenzie et al. (2002) Theor Appl Genet 105:23-33)、または組織培養突然変異誘発(ソマクローナル変異の誘導)、またはこれらの2つ以上の組合せを施すプロセスを意味する。よって、1以上のDA1対立遺伝子の所望の突然変異誘発は、上記の方法の1つによって行うことができる。照射により作り出される突然変異は、転座または複合体再配列などの大きな欠失またはその他の総体的な傷害である場合が多いが、化学的突然変異誘発物質によって作り出される突然変異は、点突然変異などのより離散した傷害である場合が多い。例えば、EMSはグアニン塩基をアルキル化して塩基の誤対合をもたらす:すなわち、アルキル化されたグアニンはチミン塩基と対合して主にG/CからA/Tへの移行をもたらす。突然変異誘発後、既知の技術を用いて、処理細胞からアブラナ属植物を再分化させる。例えば、得られたアブラナ属種子は、従来の栽培法に従って植え付け、自家受粉後に植物に種子を形成させる。あるいは、例えば、Coventry et al. (1988, Manual for Microspore Culture Technique for Brassica napus. Dep. Crop Sci. Techn. Bull. OAC Publication 0489. Univ. of Guelph, Guelph, Ontario, Canada)により記載されているように、倍加半数性植物体を抽出して、すぐにホモ接合型植物を形成することもできる。このような自家受粉の結果として当世代または次世代で形成されるさらなる種子を採種し、変異型DA1対立遺伝子の存在に関してスクリーニングしてもよい。特定の変異型対立遺伝子に関してスクリーニングするためのいくつかの技術が知られており、例えば、Deleteagene(商標)(Delete-a-gene; Li et al., 2001, Plant J 27: 235-242)では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイを用いて、高速中性子突然変異誘発により生成される欠失突然変異体に関してスクリーニングし、TILLING((targeted induced local lesions in genomes);McCallum et al., 2000, Nat Biotechnol 18:455-457)は、EMS誘発点突然変異などを同定する。特定の変異型DA1対立遺伝子の存在に関してスクリーニングするためのさらなる技術は下記の実施例に記載されている。
用語「遺伝子ターゲティング」は、本明細書では、相同組換え、ミスマッチ修復または部位特異的突然変異誘発などの機構を用いる定方向遺伝子改変を意味する。この方法は、内因性配列または植物に従前に導入されている配列に置換、挿入および欠失を行うために使用することができる。遺伝子ターゲティングのための方法は、例えば、WO2006/105946またはWO2009/002150に見出すことができる。遺伝子ターゲティングは、ノックアウトDA1対立遺伝子などの変異型DA1対立遺伝子を作出するために使用することができる。
本明細書で使用される場合、用語「非天然」または「栽培型」は、植物に関して使用される場合、ヒトによって改変されたゲノムを有する植物を意味する。トランスジェニック植物、例えば、転写された際に、DA1遺伝子などの内因性遺伝子の発現を低減することができる生物学的に活性なRNA分子を生じる、従って、ヒトによって遺伝的に改変された転写領域を含んでなる、外因性核酸分子、例えば、キメラ遺伝子を含む、非天然植物である。加えて、突然変異誘発物質への暴露の結果として内因性遺伝子に突然変異、例えば、内因性DA1遺伝子、(例えば、調節エレメントまたはコード配列)に突然変異を含む植物も、ヒトによって遺伝的に改変されていることから、非天然植物と見なされる。さらに、例えば、同じ種またはブラシカ・ユンセアもしくはラパなどの別の種の植物を用いた、その植物の、マーカーを助けとする育種および選抜または遺伝子移入などの定方向育種プロセスの結果として、その特定の植物種には本来存在しない、内因性遺伝子、例えば、内因性DA1遺伝子における突然変異を含む、ブラシカ・ナパスなどの特定の種の植物も、非天然植物と見なされる。これに対して、一過性に過ぎないまたは天然の突然変異を含む植物、すなわち、ヒトによって遺伝的に改変されていない植物は、本明細書において定義されるような「非天然植物」ではなく、従って、本発明の範囲内に包含されない。当業者ならば、非天然植物は一般に天然植物と比べた場合に変更されているヌクレオチド配列を有するが、非天然植物はまた、そのヌクレオチド配列を変更することなく、例えば、そのメチル化パターンを改変することにより遺伝的に改変され得ることを理解している。
遺伝子またはタンパク質の「相同分子種(ortholog)」という用語は、本明細書では、その遺伝子またはタンパク質と同じ機能を有するが、それらの遺伝子を保有する種が分岐した時点から(通常)配列が分岐している(すなわち、それらの遺伝子は種分化により共通の祖先から進化した)別の種に見られる同族遺伝子またはタンパク質を意味する。従って、ブラシカ・ナパスDA1遺伝子の相同分子種は、他の植物種(例えば、ブラシカ・ユンセアなど)において、配列比較(例えば、全配列または特定のドメインにわたる配列同一性パーセンテージに基づく)および/または機能分析の両方に基づいて同定することができる。
「品種」は、本明細書ではUPOV条約に従って使用され、既知の最低順位の単一植物分類群内の植物グループを意味し、このグループは所与の遺伝子型または遺伝子型の組合せから生じる特徴の発現によって定義することができ、前記特徴の少なくとも1つの発現によって他の任意の植物グループから区別することができ、不変の状態(安定に)で繁殖させるためのその適合性に関する単位と見なされる。
用語「含んでなる」は、記載の部分、工程または成分の存在を明示するが、1以上の付加的部分、工程または成分の素材を排除しないものと解釈されるべきである。従って、ある特定の形質を含んでなる植物は、さらなる形質を含み得る。
用語が単数形(例えば、植物または根)で言及される場合には、複数形(例えば、複数の植物、複数の根)もそこに含まれると理解される。従って、要素を不定冠詞「a」または「an」により示す場合には、文脈がその要素が1つおよび1つだけ存在することを明らかに必要としない限り、その要素が2つ以上存在する可能性を排除しない。従って、不定冠詞「a」または「an」は通常、「少なくとも1つ」を意味する。
本発明の目的では、パーセンテージとして表される、2つの関連するヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の「配列同一性」は、最適にアラインされた2つの配列中の、同一の残基を有する位置の数を比較した位置の数で割った商(×100)を意味する。ギャップ、すなわち、ある残基が一方の配列には存在するが、他方の配列には存在しないというアラインメントの位置は、非同一残基を有する位置と見なされる。2配列の「最適なアラインメント」は、デフォルト設定(ギャップ・オープニング・ペナルティー=10(ヌクレオチドの場合)/10(タンパク質の場合)およびギャップ・エクステンション・ペナルティー=0.5(ヌクレオチドの場合)/0.5(タンパク質の場合))を用いるThe European Molecular Biology Open Software Suite (EMBOSS, Rice et al., 2000, Trends in Genetics 16(6): 276-277;例えば、http://www.ebi.ac.uk/emboss/align/index.html参照)にて、NeedlemanおよびWunschのグローバルアラインメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J Mol Biol 48(3):443-53)に従って見つける。ヌクレオチドの場合には、使用するデフォルト・スコアリング・マトリックスはEDNAFULLであり、タンパク質の場合には、デフォルト・スコアリング・マトリックスはEBLOSUM62である。
「実質的に同一」または「本質的に類似」とは、本明細書で使用される場合、上記に定義されるように最適にアラインされた際に少なくとも特定の最小パーセンテージの配列同一性(以下に詳しく定義される)を共有する配列を意味する。
「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」は、所与のヌクレオチド配列と実質的に同一のヌクレオチド配列を同定するために使用することができる。ストリンジェント条件は配列依存的であり、環境が異なれば異なる。一般に、ストリンジェント条件は、規定のイオン強度およびpHで、特定の配列の融点(Tm)よりも約5℃低いように選択される。Tmは、標的配列の50%が完全に一致するプローブとハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH下)である。一般に、ストリンジェント条件は、塩濃度がpH7で約0.02モル、かつ、温度が少なくとも60℃であるものが選択される。塩濃度が低いほど、および/または温度が高いほど、ストリンジェンシーは増す。RNA−DNAハイブリダイゼーション(例えば100ntのプローブを用いるノーザンブロット)のストリンジェント条件は例えば、0.2×SSC中、63℃、20分の少なくとも1回の洗浄、または同等の条件を含むものである。
「高ストリンジェンシー条件」は、例えば、6×SSC(20×SSCは、3.0M NaCl、0.3Mクエン酸Na、pH7.0を含有する)、5×デンハート液(100×デンハート液は、2%フィコール、2%ポリビニルピロリドン、2%ウシ血清アルブミンを含有する)、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および20μg/mlの変性担体DNA(平均120〜3000ヌクレオチド長の一本鎖魚類精子DNA)および非特異的競合因子を含有する水溶液中、65℃でのハイブリダイゼーションにより提供することができる。ハイブリダイゼーション後、高ストリンジェンシー洗浄を数段階で行ってよく、最終洗浄(約30分)は0.2〜0.1×SSC、0.1%SDS中、ハイブリダイゼーション温度とする。
「中等度ストリンジェンシー条件」は、約60〜62℃であること以外は、上記溶液中でのハイブリダイゼーションに等しい条件を意味する。中等度ストリンジェンシー洗浄は、1×SSC、0.1%SDS中、ハイブリダイゼーション温度で行ってよい。
「低ストリンジェンシー」は、約50〜52℃で、上記溶液中でのハイブリダイゼーションに等しい条件を意味する。低ストリンジェンシー洗浄は、2×SSC、0.1%SDS中、ハイブリダイゼーション温度で行ってよい。Sambrook et al. (1989) and Sambrook and Russell (2001)も参照。
詳細な説明
ブラシカ・ナパス(ゲノムAACC、2n=4x=38)は、二倍体祖先に起源するために2つの二倍体ゲノム(AゲノムとCゲノム)を本質的に含有する異質四倍体(複二倍体)種である。本発明者らにより、ブラシカ・ナパスがそのゲノムに4つのDA1遺伝子を含んでなること、およびAゲノムおよびCゲノムが、種子重に影響を及ぼすDA1遺伝子を含んでいることが見出された。
いずれの二倍体ゲノムについても、in vivoでは、ゲノム内の各DA1遺伝子座に各DA1遺伝子に対する2つの「対立遺伝子」が存在し得る(一方の対立遺伝子は一方の染色体上に見られる遺伝子配列であり、他方は相同染色体上に見られる)。これらの2つの対立遺伝子のヌクレオチド配列は、任意の所与の植物において同一であっても(ホモ接合型植物)または異なっていてもよい(ヘテロ接合型植物)が、各DA1遺伝子について存在する、あり得る異なる対立遺伝子の数は、全体としての種集団中では2よりもはるかに大きくなり得る。
本発明の一態様は、少なくとも2つのDA1遺伝子を含んでなり、第1のDA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子が変異型DA1対立遺伝子であり、前記変異型DA1対立遺伝子が、配列番号2の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸を含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする、アブラナ属植物またはその一部を提供することである。別の実施形態では、前記アブラナ属植物またはその一部は、4つのDA1遺伝子をさらに含んでなり、第1のDA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子は、配列番号2の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸を含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする変異型DA1対立遺伝子であり、かつ、第2のDA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子は、配列番号2の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸を含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする変異型DA1対立遺伝子であるか;または前記第2のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子は、完全ノックアウトDA1対立遺伝子である。特定の実施形態では、前記第1のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子は、配列番号2の358番に相当する位置にアルギニンの代わりにリシンを含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする。なおさらなる実施形態では、本発明によるアブラナ属植物は、変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型である。
なおさらなる実施形態では、本発明によるアブラナ属植物の第1のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子は、配列番号6と少なくとも80%の配列同一性を含む変異型DA1対立遺伝子、例えば、配列番号6と少なくとも91%の配列同一性を含む変異型DA1対立遺伝子、または配列番号8とも90%の配列同一性を含む変異型DA1タンパク質をコードする変異型DA1対立遺伝子である。別の実施形態では、本発明によるアブラナ属植物の第2のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子は、配列番号12と少なくとも90%の配列同一性を含む変異型DA1対立遺伝子、例えば、配列番号12と少なくとも91%の配列同一性を含む変異型DA1対立遺伝子;または配列番号14と少なくとも90%の配列同一性を含むDA1タンパク質をコードするDA1遺伝子の、変異型DA1対立遺伝子である。特定の実施形態では、本発明によるアブラナ属植物の第1のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子は配列番号8のタンパク質をコードするが、なおさらなる実施形態では、本発明によるアブラナ属植物の前記第2のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子は完全ノックアウトDA1対立遺伝子であり、前記完全ノックアウトDA1対立遺伝子は、2011番におけるCからTへの置換を有する配列番号12の配列を含んでなる。
さらなる実施形態では、少なくとも2つのDA1遺伝子を含んでなり、DA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子が完全ノックアウトDA1対立遺伝子である、アブラナ属植物またはその一部が提供される。さらに別の実施形態では、前記完全ノックアウトDA1対立遺伝子は、配列番号3と少なくとも96%の配列同一性を含むか、または配列番号6と少なくとも80%の配列同一性を含むか、または配列番号12と少なくとも80%の配列同一性を含むか、または配列番号5と少なくとも96%の配列同一性、もしくは配列番号8と少なくとも90%の配列同一性、もしくは配列番号14と少なくとも90%の配列同一性(sequenc identity)を含むタンパク質をコードする。
別の実施形態では、本発明によるアブラナ属植物またはその一部は、ブラシカ・ラパ、ブラシカ・オレラセア、およびブラシカ・ナパスからなる群から選択される。
さらなる実施形態は、千粒重が変異型DA1対立遺伝子を含まない対応する植物の千粒重に比べて有意に増大した、少なくとも1つの変異型DA1対立遺伝子を含んでなる本発明による植物を提供することである。
さらに別の実施形態では、そのリファレンスシードがNCIMBに受託番号NCIMB42114として寄託されている、本明細書によるアブラナ属植物由来の種子が提供され、さらに別の実施形態では、本発明によるアブラナ属植物の後代、または本発明による種子の後代が提供される。
また、NCIMBに受託番号NCIMB 42114として寄託されている種子から得られるまたは誘導し得る植物、例えば、NCIMBに受託番号NCIMB42114として寄託されている種子からの育種により得られるまたは誘導し得る植物も好適である。
少なくとも80%の配列同一性は、本明細書で使用される場合、少なくとも80%、もしくは少なくとも82%、もしくは少なくとも84%、もしくは少なくとも85%、もしくは少なくとも88%、もしくは少なくとも90%、もしくは少なくとも91%、もしくは少なくとも92%、もしくは少なくとも93%、もしくは少なくとも94%、もしくは少なくとも95%、もしくは少なくとも96%、もしくは少なくとも97%、もしくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性であり得、もしくは100%の配列同一性であり得る。
少なくとも90%の配列同一性は、本明細書で使用される場合、少なくとも90%、もしくは少なくとも91%、もしくは少なくとも92%、もしくは少なくとも93%、もしくは少なくとも94%、もしくは少なくとも95%、もしくは少なくとも96%、もしくは少なくとも97%、もしくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性であり得、または100%の配列同一性であり得る。
少なくとも91%の配列同一性は、本明細書で使用される場合、少なくとも91%、もしくは少なくとも92%、もしくは少なくとも93%、もしくは少なくとも94%、もしくは少なくとも95%、もしくは少なくとも96%、もしくは少なくとも97%、もしくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性、または100%の配列同一性であり得る。
少なくとも96%の配列同一性は、本明細書で使用される場合、少なくとも96%、もしくは少なくとも97%、もしくは少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性であり得、または100%の配列同一性であり得る。
千粒重は、本明細書で使用される場合、1000種子のグラム重量である。千粒重の有意な増大は、本発明による変異型DA1対立遺伝子を含まないアブラナ属植物の千粒重に比べて少なくとも5%、または少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも13%、または少なくとも14%、または少なくとも15%、または少なくとも18%、または少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%の増大である。
本発明による植物は、莢の厚さの増大をさらに伴ってもよい。莢の厚さの増大は、本明細書に記載される莢の厚さを測定するための方法を用い、本発明による変異型DA1対立遺伝子を含まないアブラナ属植物の値に比べて平均PODT値の少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも18%、または少なくとも20%、または少なくとも30%の増大であり得る。
本発明による植物は、千粒油重の増大、すなわち、1000種子当たりの油量の増大をさらに伴ってもよい。1000種子当たりの油量の増大は、本明細書に記載される莢の厚さを測定するための方法を用い、本発明による変異型DA1対立遺伝子を含まないアブラナ属植物の1000種子当たりの油量に比べて少なくとも5%、または少なくとも8%、または少なくとも10%、または少なくとも13%、または少なくとも14%、または少なくとも15%、または少なくとも18%、または少なくとも20%の増大であり得る。
本発明によるアブラナ属植物からの種子は、本発明によるアブラナ属植物を、同じ本発明によるアブラナ属植物からの花粉で受粉させることによって得られる種子、例えば、本発明によるアブラナ属植物を自家受粉させることにより、または隣接する本発明によるアブラナ属植物からの花粉で受粉させることにより得られる種子であり得ると理解され得る。前記種子はまた、本発明によるアブラナ属植物、別のアブラナ属植物、例えば、異なる変異型DA1対立遺伝子を有するアブラナ属植物からの花粉で、またはさらには本発明による変異型DA1対立遺伝子を含まないアブラナ属植物からの花粉で受粉させることによっても得ることができる。
本発明による変異型DA1対立遺伝子は、野生型核酸配列に対して1以上のヌクレオチド欠失、挿入または置換を含んでなる変異型DA1対立遺伝子であり得る。この1または複数の突然変異は、コードされるタンパク質のアミノ酸配列における1以上の変化(欠失、挿入および/または置換)の結果であり得る。
前記完全ノックアウトDA1対立遺伝子は、野生型核酸配列に対して1以上のヌクレオチド欠失、挿入または置換を含んでなる変異型DA1対立遺伝子であり得る。突然変異は、コードされるタンパク質が機能的DA1タンパク質でなくなるような、コードされるタンパク質のアミノ酸配列における1以上の変化(欠失、挿入および/または置換)の結果であり得る。
用語「位置」は、本発明で使用される場合、本明細書に示されるアミノ酸配列内のアミノ酸の位置、または本明細書に示されるヌクレオチド配列内のヌクレオチドの位置のいずれかを意味する。用語「相当する」は、本明細書で使用される場合には、位置が先行するヌクレオチド/アミノ酸の番号によって決定されるだけではないこともまた含む。
本発明においては、置換され得る所与のヌクレオチドの位置は、コード配列または遺伝子のエキソンおよびイントロンを含め、DA1配列中のどこかの欠失または付加的ヌクレオチドのために異なる場合がある。同様に、本発明においては、置換され得る所与のアミノ酸の位置は、DA1ポリペプチド中のどこかのアミノ酸の欠失または付加のために異なる場合がある。
よって、本発明においては、「相当する位置」または「位置に相当する位置」について、ヌクレオチド/アミノ酸が示された番号とは異なるが、類似の隣接するヌクレオチド/アミノ酸もやはり含み得ると理解されるべきである。交換、欠失または付加され得る前記ヌクレオチド/アミノ酸もまた、用語「相当する位置」により含まれる。
所与のDA1ヌクレオチド/アミノ酸配列中のヌクレオチド残基またはアミノ酸残基が別のDA1ヌクレオチド/アミノ酸配列のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列中のある特定の位置に相当するかどうかを決定するために、熟練者ならば、当技術分野で周知の手段および方法、例えば、手動またはBasic Local Alignment Search Tool or ClustalW (Thompson et al. (1994), Nucleic Acid Res., 22, 4673-4680)を表すBLAST(Altschul et al. (1990), Journal of Molecular Biology, 215, 403-410)もしくは配列アラインメントを作成するのに適した他の任意の好適なプログラムなどのコンピュータープログラムを使用することによるアラインメントを使用することができる。
配列番号2は、シロイヌナズナDA1タンパク質のアミノ酸配列であり、配列番号5、8、11、14および17は、ブラシカ・ナパス由来DA1のアミノ酸配列であり、配列番号56および59は、ブラシカ・ラパ由来DA1のアミノ酸配列であり、配列番号62、65、67、および69は、ブラシカ・オレラセア由来DA1のアミノ酸配列であり、配列番号72および75は、ブラシカ・ニグラ由来DA1のアミノ酸配列である。よって、配列番号2の358番のアミノ酸は、配列番号5および56の338番のアミノ酸に、配列番号8および59の353番のアミノ酸に、配列番号11および62の341番のアミノ酸に、配列番号14の352番のアミノ酸に、配列番号65および69の355番のアミノ酸に、配列番号72の340番のアミノ酸に、および配列番号75の357番のアミノ酸に相当する。DA1タンパク質の配列のアラインメントを図1に示す。
配列番号1は、シロイヌナズナ野生型DA1をコードするヌクレオチド配列であり、配列番号2は、配列番号1から導き出されたシロイヌナズナアミノ酸配列である。よって、配列番号1のヌクレオチド配列の1072〜1074番のコドンは、配列番号2の358番のアミノ酸をコードする。
配列番号3は、野生型ゲノムB.ナパスDA1−A1配列であり、配列番号4は、B.ナパス野生型DA1−A1のコード配列であり、配列番号5は、配列番号3および4から導き出されたB.ナパスアミノ酸配列である。よって、配列番号4のヌクレオチド配列の1012〜1014番のコドン、および配列番号3の1618〜1620番の相当するコドンは、配列番号5の338番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号5の338番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号3および4のヌクレオチド配列のそれぞれ1618〜1620番および1012〜1014番のコドンによりコードされている。
配列番号6は、野生型ゲノムB.ナパスDA1−A2配列であり、配列番号7は、B.ナパス野生型DA1−A2のコード配列であり、配列番号8は、配列番号6および7から導き出されたB.ナパスアミノ酸配列である。よって、配列番号7のヌクレオチド配列の1057〜1059番のコドン、および配列番号6の1671〜1673番の相当するコドンは、配列番号8の353番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号8の353番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号6および7のヌクレオチド配列のそれぞれ1671〜1673番および1057〜1059番のコドンによりコードされている。
配列番号9は、野生型ゲノムB.ナパスDA1−C1配列であり、配列番号10は、B.ナパス野生型DA1−C1のコード配列であり、配列番号11は、配列番号9および10から導き出されたB.ナパスアミノ酸配列である。よって、配列番号10のヌクレオチド配列の1021〜1023番のコドン、および配列番号9の1646〜1648番の相当するコドンは、配列番号11の341番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号11の341番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号9および10のヌクレオチド配列のそれぞれ1646〜1648番および1021〜1023番のコドンによりコードされている。
配列番号12は、野生型ゲノムB.ナパスDA1−C2配列であり、配列番号13は、B.ナパス野生型DA1−C2のコード配列であり、配列番号14は、配列番号12および13から導き出されたB.ナパスアミノ酸配列である。よって、配列番号13のヌクレオチド配列の1054〜1056番のコドン、および配列番号12の1686〜1688番の相当するコドンは、配列番号14の352番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号14の352番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号12および13のヌクレオチド配列のそれぞれ1686〜1688番および1054〜1056番のコドンによりコードされている。
配列番号54は、野生型ゲノムB.ラパDA1−A1配列であり、配列番号55は、B.ラパ野生型DA1−A1のコード配列であり、配列番号56は、配列番号54および55から導き出されたB.ラパアミノ酸配列である。よって、配列番号55のヌクレオチド配列の1012〜1014番のコドン、および配列番号54の1621〜1623番の相当するコドンは、配列番号56の338番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号56の338番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号54および55のヌクレオチド配列の1621〜1623番および1012〜1014番のコドンによりコードされている。
配列番号57は、野生型ゲノムB.ラパDA1−A2配列である、配列番号58は、B.ラパ野生型DA1−A2のコード配列であり、配列番号59は、配列番号57および58から導き出されたB.ラパアミノ酸配列である。よって、配列番号58のヌクレオチド配列の1057〜1059番のコドン、および配列番号57の1682〜1684番の相当するコドンは、配列番号59の353番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号59の353番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号57および58のヌクレオチド配列のそれぞれ1682〜1684番および1057〜1059番のコドンによりコードされている。
配列番号60は、野生型ゲノムB.オレラセアDA1−C1配列であり、配列番号61は、B.オレラセア野生型DA1−C1のコード配列であり、配列番号62は、配列番号60および61から導き出されたB.オレラセアアミノ酸配列である。よって、配列番号61のヌクレオチド配列の1021〜1023番のコドン、および配列番号60の1646〜1648番の相当するコドンは、配列番号62の341番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号62の341番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号60および61のヌクレオチド配列のそれぞれ1646〜1648番および1021〜1023番のコドンによりコードされている。
配列番号63は、野生型ゲノムB.オレラセアDA1−C2配列であり、配列番号64は、B.オレラセア野生型DA1−C2のコード配列のアイソフォーム1であり、配列番号65は、配列番号63および64から導き出されたB.オレラセアアミノ酸配列のアイソフォーム1である。配列番号68は、B.オレラセア野生型DA1−C2のコード配列のアイソフォーム3であり、配列番号69は、配列番号63および68から導き出されたB.オレラセアアミノ酸配列のアイソフォーム3である。よって、配列番号64および68のヌクレオチド配の1063〜1065番のコドン、および配列番号63の1658〜1660番の相当するコドンは、配列番号65および69の355番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号65および69の355番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号63のヌクレオチド配列の1658〜1660番のコドンにより、および配列番号64および68のヌクレオチド配列の1063〜1065番のコドンによりコードされている。
配列番号70は、野生型ゲノムB.ニグラDA1−B1配列であり、配列番号71は、B.ニグラ野生型DA1−B1のコード配列であり、配列番号72は、配列番号70および71から導き出されたB.ニグラアミノ酸配列である。よって、配列番号71のヌクレオチド配列の1018〜1020番のコドン、および配列番号70の1519〜1521番の相当するコドンは、配列番号72の340番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号72の340番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号70および71のヌクレオチド配列のそれぞれ1519〜1521番および1018〜1020番のコドンによりコードされている。
配列番号73は、野生型ゲノムB.ニグラDA1−B2配列であり、配列番号74は、B.ニグラ野生型DA1−B2のコード配列であり、配列番号75は、配列番号73および74から導き出されたB.ニグラアミノ酸配列である。よって、配列番号74のヌクレオチド配列の1069〜1071番のコドン、および配列番号73の1707〜1709番の相当するコドンは、配列番号75の357番のアミノ酸をコードする(この位置は、この場合にも、配列番号2の358番に相当する)。言い換えれば、配列番号75の357番のアミノ酸アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))は、配列番号73および74のヌクレオチド配列のそれぞれ1707〜1709番および1069〜1071番のコドンによりコードされている。
一実施形態では、配列番号2の358番に相当する位置のアミノ酸は、アルギニン(「Arg」(三文字コード)または「R」(一文字コード))の代わりにリシン(「Lys」(三文字コード)または「K」(一文字コード))である。
ある核酸配列が本発明のヌクレオチド配列とある特定の程度の同一性を有するかどうかを決定するために、熟練者ならば、当技術分野で周知の手段および方法、例えば、手動または用語「ハイブリダイゼーション」および相同性の程度の定義と関連して以下に詳しく記載するものなどのコンピュータープログラムを使用することによるアラインメントを使用することができる。
本発明の目的では、パーセンテージとして表される、2つの関連するヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の「配列同一性」または「配列相同性」(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)は、最適にアラインされた2つの配列中の、同一の残基を有する位置の数を比較した位置の数で割った商(×100)を意味する。ギャップ、すなわち、ある残基が一方の配列には存在するが、他方の配列には存在しないというアラインメントの位置は、非同一残基を有する位置と見なされる。2配列の「最適なアラインメント」は、デフォルト設定(ギャップ・オープニング・ペナルティー=10(ヌクレオチドの場合)/10(タンパク質の場合)およびギャップ・エクステンション・ペナルティー=0.5 (ヌクレオチドの場合)/0.5(タンパク質の場合))を用いるThe European Molecular Biology Open Software Suite (EMBOSS, Rice et al., 2000, Trends in Genetics 16(6): 276-277;例えば、http://www.ebi.ac.uk/emboss/align/index.html参照)にて、NeedlemanおよびWunschのグローバルアラインメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J Mol Biol 48(3):443-53)に従って見つける。ヌクレオチドの場合には、使用するデフォルト・スコアリング・マトリックスはEDNAFULLであり、タンパク質の場合には、デフォルト・スコアリング・マトリックスはEBLOSUM62である。
DA1タンパク質をコードする核酸配列
配列表に示すように、DA1−A1、DA1−A2、DA1−C1、およびDA1−C2の核酸配列はブラシカ・ナパスから単離されたものであり、DA1−A1、DA1−A2の核酸配列はブラシカ・ラパから単離されたものであり、DA1−C1、DA1−C2の核酸配列はブラシカ・オレラセアから単離されたものであり、DA1−B1、DA1−B2の核酸配列はブラシカ・ニグラから単離されたものである。野生型DA1配列が示されるが、これらの配列、およびこれらと本質的に類似する配列の変異型DA1配列も本明細書の下記および実施例に野生型DA1配列と比較して記載される。ブラシカ・ナパス、B.ラパ、B.オレラセアおよびB.ニグラ由来のゲノムDA1タンパク質をコードするDNAは、いずれのイントロンも含んでなる。イントロンを含まないアブラナ属DA1遺伝子のコード配列またはcDNA配列もまた配列表に示される。
「ブラシカ・ナパスDA1−A1遺伝子」、「BnDA1−A1遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−A1対立遺伝子」、「BnRDA1−A1対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−A1」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号3と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−A2遺伝子」、「BnDA1−A2遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−A2対立遺伝子」、「BnDA1−A2対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−A2」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号6と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−C1遺伝子」、「BnDA1−C1遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−C1対立遺伝子」、「BnDA1−C1対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−C1」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号9と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−C2遺伝子」、「BnDA1−C2遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−C2対立遺伝子」、「BnDA1−C2対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−C2」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号12と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ラパDA1−A1遺伝子」、「BrDA1−A1遺伝子」、「ブラシカ・ラパDA1−A1対立遺伝子」、「BrRDA1−A1対立遺伝子」または「ブラシカ・ラパ由来DA1−A1」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号54と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ラパDA1−A2遺伝子」、「BrDA1−A2遺伝子」、「ブラシカ・ラパDA1−A2対立遺伝子」、「BrDA1−A2対立遺伝子」または「ブラシカ・ラパ由来DA1−A2」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号57と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・オレラセアDA1−C1遺伝子」、「BoDA1−C1遺伝子」、「ブラシカ・オレラセアDA1−C1対立遺伝子」、「BoDA1−C1対立遺伝子」または「ブラシカ・オレラセア由来DA1−C1」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号60と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・オレラセアDA1−C2遺伝子」、「BoDA1−C2遺伝子」、「ブラシカ・オレラセアDA1−C2対立遺伝子」、「BoDA1−C2対立遺伝子」または「ブラシカ・オレラセア由来DA1−C2」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号63と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ニグラDA1−B1遺伝子」、「BniDA1−B1遺伝子」、「ブラシカ・ニグラDA1−B1対立遺伝子」、「BniDA1−B1対立遺伝子」または「ブラシカ・ニグラ由来DA1−B1」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号70と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ニグラDA1−B2遺伝子」、「BniDA1−B2遺伝子」、「ブラシカ・ニグラDA1−B2対立遺伝子」、「BniDA1−B2対立遺伝子」または「ブラシカ・ニグラ由来DA1−B2」、またはそれらの変異体核酸配列は、本明細書で使用される場合、配列番号73と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する遺伝子、対立遺伝子または配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−A1遺伝子」、「BnDA1−A1遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−A1対立遺伝子」、「BnRDA1−A1対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−A1」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号4と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−A2遺伝子」、「BnDA1−A2遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−A2対立遺伝子」、「BnDA1−A2対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−A2」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号7と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−C1遺伝子」、「BnDA1−C1遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−C1対立遺伝子」、「BnDA1−C1対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−C1」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号10と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ナパスDA1−C2遺伝子」、「BnDA1−C2遺伝子」、「ブラシカ・ナパスDA1−C2対立遺伝子」、「BnDA1−C2対立遺伝子」または「ブラシカ・ナパス由来DA1−C2」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号13と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ラパDA1−A1遺伝子」、「BrDA1−A1遺伝子」、「ブラシカ・ラパDA1−A1対立遺伝子」、「BrRDA1−A1対立遺伝子」または「ブラシカ・ラパ由来DA1−A1」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号55と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ラパDA1−A2遺伝子」、「BrDA1−A2遺伝子」、「ブラシカ・ラパDA1−A2対立遺伝子」、「BrDA1−A2対立遺伝子」または「ブラシカ・ラパ由来DA1−A2」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号58と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・オレラセアDA1−C1遺伝子」、「BoDA1−C1遺伝子」、「ブラシカ・オレラセアDA1−C1対立遺伝子」、「BoDA1−C1対立遺伝子」または「ブラシカ・オレラセア由来DA1−C1」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号61と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・オレラセアDA1−C2遺伝子」、「BoDA1−C2遺伝子」、「ブラシカ・オレラセアDA1−C2対立遺伝子」、「BoDA1−C2対立遺伝子」または「ブラシカ・オレラセア由来DA1−C2」、またはそれらの変異体核酸配列のアイソフォーム1コード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号64と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・オレラセアDA1−C2遺伝子」、「BoDA1−C2遺伝子」、「ブラシカ・オレラセアDA1−C2対立遺伝子」、「BoDA1−C2対立遺伝子」または「ブラシカ・オレラセア由来DA1−C2」、またはそれらの変異体核酸配列のアイソフォーム2コード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号66と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・オレラセアDA1−C2遺伝子」、「BoDA1−C2遺伝子」、「ブラシカ・オレラセアDA1−C2対立遺伝子」、「BoDA1−C2対立遺伝子」または「ブラシカ・オレラセア由来DA1−C2」、またはそれらの変異体核酸配列のアイソフォーム3コード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号68と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ニグラDA1−B1遺伝子」、「BniDA1−B1遺伝子」、「ブラシカ・ニグラDA1−B1対立遺伝子」、「BniRDA1−B1対立遺伝子」または「ブラシカ・ニグラ由来DA1−B1」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号71と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
「ブラシカ・ニグラDA1−B2遺伝子」、「BniDA1−B2遺伝子」、「ブラシカ・ニグラDA1−B2対立遺伝子」、「BniDA1−B2対立遺伝子」または「ブラシカ・ニグラ由来DA1−B2」、またはそれらの変異体核酸配列のコード配列は、本明細書で使用される場合、配列番号74と少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するコード配列を意味する。
DA1−A1遺伝子またはDA1−A1対立遺伝子またはDA1−A1コード配列は、ブラシカ・ナパスDA1−A1遺伝子または対立遺伝子またはコード配列およびブラシカ・ラパDA1−A1遺伝子または対立遺伝子またはコード配列を含んでなることができ;DA1−A2遺伝子またはDA1−A2対立遺伝子またはDA1−A2コード配列は、ブラシカ・ナパスDA1−A2遺伝子または対立遺伝子またはコード配列およびブラシカ・ラパDA1−A2遺伝子または対立遺伝子またはコード配列を含んでなることができ;DA1−C1遺伝子またはDA1−C1対立遺伝子またはDA1−C1コード配列は、ブラシカ・ナパスDA1−C1遺伝子または対立遺伝子またはコード配列およびブラシカ・オレラセアDA1−C1遺伝子または対立遺伝子またはコード配列を含んでなることができ;DA1−C2遺伝子またはDA1−C2対立遺伝子またはDA1−C2コード配列は、ブラシカ・ナパスDA1−C2遺伝子または対立遺伝子またはコード配列およびブラシカ・オレラセアDA1−C2遺伝子または対立遺伝子またはコード配列を含んでなることができる。
配列表に配列番号3、6、9および12(B.ナパス)、配列番号54および57(B.ラパ)、配列番号60および63(B.オレラセア)および配列番号70および73(B.ニグラ)で示される核酸配列は、各アブラナ属種に由来する野生型DA1タンパク質をコードする。従って、これらの配列は、それらが単離されたアブラナ属植物に対して内因性である。他のアブラナ属作物種、品種、育種系統またはワイルドアクセッション(wild accessions)も、同じDA1タンパク質またはその変異体をコードする他のDA1対立遺伝子に関してスクリーニング可能である。例えば、核酸ハイブリダイゼーション技術(例えば、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件を用いたサザンブロット分析)またはPCRに基づく技術が、種々のブラシカ・ナパス品種、系統またはアクセッションなどの他のアブラナ属植物に対して内因性のDA1対立遺伝子を同定するために使用可能であるだけでなく、ブラシカ・ユンセア(AゲノムおよびBゲノム上のDA1対立遺伝子)、ブラシカ・カリナタ(BゲノムおよびCゲノム上のDA1対立遺伝子)の植物、器官および組織も他の野生型DA1対立遺伝子に関してスクリーニングすることができる。このような植物、植物器官または組織をDA1対立遺伝子の存在に関してスクリーニングするためには、配列表に示されるDA1核酸配列、またはこれらのうちのいずれかの変異体もしくは断片を使用してよい。例えば、全配列または断片をプローブまたはプライマーとして使用してよい。例えば、特異的または縮重プライマーを使用して、植物、植物器官または組織のゲノムDNAからDA1タンパク質をコードする核酸配列を増幅させることができる。これらのDA1核酸配列は、標準的な分子生物学的技術を用いて単離および配列決定を行うことができる。次に、その配列がどのDA1対立遺伝子に相当するか、およびその配列によりどのDA1タンパク質またはタンパク質変異体がコードされるかを決定するために、バイオインフォマティクス分析を用いて対立遺伝子を同定することができる。
核酸配列が機能的DA1タンパク質をコードするかどうかは、例えば、WO2009/047525(引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されているものなどのda1−1対立遺伝子を含んでなるアラビドプシス植物、またはDA1−A2もしくはDA1−C2遺伝子の変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型であるブラシカ・ナパス植物を用いる相補性検定(genetic complementation test)によるなどの、当技術分野で公知の組換えDNA技術によって分析することができる。
加えて、DA1核酸配列およびその変異体(またはこれらのいずれかの断片)は、核酸データベースを本質的に類似する配列に関するスクリーニングすることによってin silicoで同定可能であると理解される。同様に、核酸配列は、化学的に合成することもできる。本発明による核酸分子の断片もまた提供される。
変異型DA1タンパク質をコードする核酸配列
野生型核酸配列に対して1以上のヌクレオチド欠失、挿入または置換を含んでなる配列も、このような変異型核酸分子の断片と同様に提供される。このような変異型核酸配列は、以下に詳しく記載するように、様々な既知の方法を用いて作成および/または同定することができる。突然変異は、コードされるDA1タンパク質のアミノ酸配列における1以上の変化(欠失、挿入および/または置換)の結果であり得る。あるいは、核酸配列における突然変異は、コードされるDA1タンパク質の生物活性の、野生型タンパク質に比べての、有意な低下または完全な破壊の結果である。
一実施形態では、変異型DA1対立遺伝子は、配列番号2の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸、例えばリシンを含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする。
アルギニンをコードするコドンは、AGA、AGG、CGT、CGC、CGA、およびCGGである。当業者ならば、これらのコドンにおける種々の一重、二重および三重突然変異がアルギニンをコードしないコドンを生じ得ることがすぐに理解するであろう。
リシンは、コドンAAAおよびAAGによりコードされる。アルギニンをコードするコドンのいずれかにおける、リシンをコードするコドンを生じる一重突然変異は、従って、AGA=>AAAおよびAGG=>AAGである。アルギニンをコードするコドンのいずれかにおける、リシンをコードするコドンを生じる二重突然変異は、従って、AGA=>AAG;AGG=>AAA;CGA=>AAA;およびCGG=>AAGである。アルギニンをコードするコドンのいずれかにおける、リシンをコードするコドンを生じる三重突然変異は、従って、CGT=>AAA;CGT=>AAG;CGC=>AAA;CGC=>AAG;CGA=>AAG;およびCGG=>AAGである。
アラビドプシスDA1タンパク質では、358番のアルギニンは、コドンAGA(配列番号1の1072〜1074番)によりコードされ;BnDA1−A1タンパク質では、338番のアルギニンはコドンAGA(配列番号4の1012〜1014番、配列番号3の1618〜1620番)によりコードされ;BnDA1−A2タンパク質では、353番のアルギニンはコドンAGA(配列番号7の1057〜1059番、配列番号6の1671〜1673番)によりコードされ;BnDA1−C1タンパク質では、341番のアルギニンはコドンAGA(配列番号10の1021〜1023番、配列番号9の1646〜1648番)によりコードされ;BnDA1−C2タンパク質では、352番のアルギニンはコドンAGA(配列番号13の1054〜1056番、配列番号12の1686〜1688番)によりコードされ;BrDA1−A1タンパク質では、338番のアルギニンはコドンAGA(配列番号55の1012〜1014番、配列番号54の1621〜1623番)によりコードされ;BrDA1−A2タンパク質では、353番のアルギニンはコドンAGA(配列番号58の1057〜1059番、配列番号57の1682〜1684番)によりコードされ;BoDA1−C1タンパク質では、341番のアルギニンはコドンAGA(配列番号61の1021〜1023番、配列番号60の1646〜1648番)によりコードされ;BoDA1−C2タンパク質(アイソフォーム1および3)では、355番のアルギニンはコドンAGA(配列番号64および68の1063〜1065番、配列番号63の1658〜1660番)によりコードされ;BniDA1−B1タンパク質では、340番のアルギニンは、コドンAGA(配列番号71の1018〜1020番、配列番号70の1519〜1521番)によりコードされ;BniDA1−B2タンパク質では、357番のアルギニンはコドンAGA(配列番号74の1069〜1071番、配列番号73の1707〜1709番)によりコードされる。
アブラナ属DA1遺伝子のAGAコドンは、AAAコドン(一ヌクレオチド置換)またはAAGコドン(2ヌクレオチドの置換)に変異され得ることは明らかである。
特定の実施形態では、配列番号6の1672番のGがAに変異され、アルギニンをコードする1671〜1673番のAGAコドンの、リシンをコードするAAAコドンへの突然変異が生じる。この突然変異を含んでなる変異型DA1−A2遺伝子の配列は、配列番号15で示され、このような突然変異体DA1−A2遺伝子のコード配列は配列番号16で示され、このような変異型DA1−A2遺伝子によりコードされるタンパク質は配列番号17で示される。
さらに、第2のDA1遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるアブラナ属植物が提供され、この場合、前記第2のDA1遺伝子の変異型対立遺伝子は、完全ノックアウトDA1遺伝子である。また、完全ノックアウトDA1遺伝子を含んでなるアブラナ属植物も提供され、この場合、配列番号2の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸を含んでなる変異型DA1タンパク質をコードするDA1対立遺伝子は存在しない。
基本的に、野生型DA1タンパク質に対して少なくとも1つのアミノ酸挿入、欠失および/または置換を含んでなるDA1タンパク質をもたらす野生型DA1核酸配列における突然変異はいずれも、生物活性の有意な低下または不在をもたらし得る。しかしながら、DA1タンパク質におけるある種の突然変異、例えば、UIMドメインまたはLIMドメインなどの機能的ドメインの重要な部分が欠損している突然変異は、DA1タンパク質の生物活性の完全な破壊をもたらす可能性がより高いと理解される。
核酸分子は、
・「ミスセンス突然変異」、すなわち、あるアミノ酸の、別のアミノ酸での置換をもたらす核酸配列における変化;
・「ナンセンス突然変異」または「終止コドン突然変異」、すなわち、未熟終止コドンの導入、従って、翻訳の終結をもたらす(末端切断型タンパク質が生じる)核酸配列における変化;植物遺伝子は、翻訳終止コドン「TGA」(RNAではUGA)、「TAA」(RNAではUAA)および「TAG」(RNAではUAG)を含み、従って、(リーディングフレームにおいて)翻訳される成熟mRNAとなるべきこれらのコドンのうちの1つを生じるいずれのヌクレオチド置換、挿入、欠失も翻訳を終結する;
・その核酸のコード配列に付加された1以上のコドンによる1以上のアミノ酸の「挿入突然変異」;
・その核酸のコード配列において削除された1以上のコドンによる1以上のアミノ酸の「欠失突然変異」;
・その突然変異の下流において異なるフレームで翻訳される核酸配列をもたらす「フレームシフト突然変異」。フレームシフト突然変異は、1以上のヌクレオチドの挿入、欠失または重複などの様々な原因を持ち得る;
・スプライシングの変更をもたらすスプライス部位の変異、これは、mRNAプロセシングの変更、および結果として、おそらくは未熟翻訳終結と組み合わさった種々の長さの欠失、置換、または挿入のいずれかを含む、コードされるタンパク質の変更
などの1以上の突然変異を含んでなり得る。
本出願に定義されるように、「完全ノックアウトda1遺伝子」または「ノックアウトda1対立遺伝子」は、WO2009/047525に記載されるda1−1変異型シロイヌナズナで過剰発現された際にda1−1表現型を回復しないda1遺伝子またはda1対立遺伝子を意味する。
従って、この定義から、ノックアウトDA1タンパク質は、1以上のミスセンス、ナンセンス、挿入、欠失、フレームシフト、またはスプライス部位突然変異により提供され得ることが明らかである。
アラビドプシスDA1核酸(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列と本発明のDA1核酸配列、特に、アブラナ属DA1ゲノム配列(配列番号3、6、9、12、54、57、60、63、70、および73)、コード配列(配列番号4、7、10、13、55、58、61、64、66、68、71、および74)およびアミノ酸(配列番号5、8、11、14、56、62、65、67、69、72、および75)配列との最適なアラインメントは、これらのアブラナ属配列中において対応する保存されているドメインおよびアミノ酸の位置を決定することを可能とする(アラビドプシスDA1タンパク質配列と配列番号5、8、11、14、56、62、65、67、69、72、および75のアブラナ属DA1タンパク質配列とのアラインメントについては図1を参照)。
DA1対立遺伝子におけるナンセンス突然変異は、本明細書で使用される場合、対応する野生型DA1対立遺伝子のコードDNAおよび対応するmRNA配列に1以上の翻訳終止コドンが導入される、DA1対立遺伝子における突然変異である。翻訳終止コドンはTGA(mRNAではUGA)、TAA(UAA)およびTAG(UAG)である。よって、コード配列においてインフレーム終止コドンの生成をもたらすいずれの突然変異(欠失、挿入または置換)も、翻訳の終結およびアミノ酸鎖の末端切断を生じる。よって、完全ノックアウト変異型DA1対立遺伝子は、CAGからTAGへ、TGGからTAGへ、TGGからTGAへ、またはCAAからTAAへの突然変異などの一ヌクレオチド置換によってDA1コドン配列にインフレーム終止コドンが導入されるナンセンス突然変異を含んでなり得る(imay comprise)。あるいは、完全ノックアウト変異型DA1対立遺伝子は、CAGからTAAへ、TGGからTAAへ、またはCGGからTAGもしくはTGAへの突然変異などの二重ヌクレオチド置換によってDA1コドン配列にインフレーム終止コドンが導入されるナンセンス突然変異を含んでなり得る。完全ノックアウト変異型DA1対立遺伝子は、CGGからTAAへの突然変異などの三重ヌクレオチド置換によってDA1コドン配列にインフレーム終止コドンが導入されるナンセンス突然変異をさらに含んでなり得る。末端切断型タンパク質は、その突然変異の下流のコードDNAによりコードされているアミノ酸(すなわち、DA1タンパク質のC末端部分)を欠き、その突然変異の上流のコードDNAによりコードされているアミノ酸(すなわち、DA1タンパク質のN末端部分)を維持する。
本明細書の下記の表は、本明細書で提供されるブラシカ・ナパスDA1配列における可能性のあるナンセンス突然変異の範囲を示す。
明らかに、突然変異上記の表に示されるものに限定されず、DA1対立遺伝子には、配列表に示されるものおよび上記の表に挙げられたもの以外の類似の終結突然変異も存在し得ると理解される。
DA1対立遺伝子におけるミスセンス突然変異は、本明細書で使用される場合、1以上のコドンが、対応する野生型DA1対立遺伝子のコードDNAおよび対応するmRNA配列に変更されて、野生型DA1タンパク質における1以上のアミノ酸の、変異型DA1タンパク質における1以上の他のアミノ酸での置換をもたらすような、DA1対立遺伝子における任意の突然変異(欠失、挿入または置換)である。
DA1対立遺伝子におけるフレームシフト突然変異は、本明細書で使用される場合、その突然変異の下流において異なるフレームで翻訳される核酸配列をもたらす、DA1対立遺伝子における突然変異(欠失、挿入、重複など)である。
AD1対立遺伝子におけるスプライス部位突然変異は、本明細書で使用される場合、スプライス供与部位またはスプライス受容部位が変異を受けて、mRNAのプロセシングの変更、および結果として、種々の長さの挿入、欠失、置換を含み得る、または末端切断型となり得るコードされるタンパク質の変更をもたらす、DA1対立遺伝子における突然変異(欠失、挿入、置換、重複など)である。
特定の実施形態では、配列番号3の1385番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1385〜1387番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号3の1683番のGがAに変異され、トリプトファンをコードする1681〜1683番のTGGコドンの、TGA終結コドンへの突然変異を生じ;または配列番号3の1932番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1932〜1934番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号6の1744番のGがAに変異され、トリプトファンをコードする1743〜1745番のTGGコドンの、TAG終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号6の1998番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1998〜2000番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号6の1974番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1974〜1976番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号6の1874番のGがAに変異され、トリプトファンをコードする1872〜1874番のTGGコドンの、TGA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号9の1425番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1425〜1427番のCAGコドンの、TAG終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号9の1960番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1960〜1962番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号9の1670番のCがTに変異され、グルタミンをコードする1670〜1672番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号9の2004番のGがAに変異され、トリプトファンをコードする2002〜2004番のTGGコドンの、TGA終結コドンへの突然変異が生じ;または配列番号12の2011番のCがTに変異され、グルタミンをコードする2011〜2013番のCAAコドンの、TAA終結コドンへの突然変異が生じる。
本発明によるアミノ酸配列
シロイヌナズナDA1タンパク質は、N末端に2つのユビキチン相互作用モチーフ(UIM)と1つの亜鉛結合ドメイン(LIM)を含有する532アミノ酸のタンパク質をコードすると予測される(WO2009/047525およびLiら, 2008、前掲)。IUMは、ユビキチンと結合し、ユビキチン化を促進するという二重の機能を有する短いペプチドモチーフである。LIMドメインは、細胞骨格の組織化、器官発生およびシグナル伝達を含む様々な基本的生物プロセスに重要な関与を示す、タンパク質−タンパク質相互作用モチーフである。これら2つのUIMドメインと1つのLIMドメインの位置を図1に示す。
アブラナ科、特にアブラナ属種、特には、ブラシカ・ナパス、ブラシカ・ラパ、ブラシカ・オレラセアおよびブラシカ・ニグラ由来の野生型(機能的)DA1アミノ酸配列および変異型DA1アミノ酸配列(DA1タンパク質の生物活性の有意な的なまたは不在をもたらす突然変異などの1以上の突然変異を含んでなる)の両方が提供されるだけでなく、他のアブラナ属作物種由来のものも提供される。例えば、Aゲノムおよび/またはCゲノムを含んでなるアブラナ属種は、異なるDA1−Aアミノ酸またはDA1−Cアミノ酸をコードし得る。加えて、突然変異誘発法を用いて、野生型DA1対立遺伝子に突然変異を作出し、それにより、さらなる変異型DA1タンパク質をコードし得る変異型対立遺伝子を作出することができる。一実施形態では、野生型および/または変異型DA1アミノ酸配列は、アブラナ属植物内で(すなわち、内因的に)提供される。
配列表に示されるように、DA1−A1およびDA1−A2タンパク質のアミノ酸配列は、ブラシカ・ナパスおよびブラシカ・ラパから単離されたものであり、DA1−B1およびDA1−B2タンパク質のアミノ酸配列はブラシカ・ニグラから単離されたものであり、DA1−C1およびDA1−C2タンパク質のアミノ酸配列はブラシカ・ナパスおよびブラシカ・オレラセアから単離されたものである。野生型DA1配列が示されるが、これらの配列、およびこれらと本質的に類似する配列の変異型DA1配列も野生型DA1配列と比較して記載される。
上記のように、本明細書に記載のアブラナ属のDA1タンパク質は約511〜533アミノ酸長であり、いくつかの構造的および機能的ドメインを含んでなる。
本発明による「DA−A1アミノ酸配列」または「DA1−A1変異体アミノ酸配列」は、配列番号5と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「DA−A2アミノ酸配列」または「DA1−A2変異体アミノ酸配列」は、配列番号8と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「DA−C1アミノ酸配列」または「DA1−C1変異体アミノ酸配列」は、配列番号11と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「DA1−C2アミノ酸配列」または「DA1−C2変異体アミノ酸配列」は、配列番号14と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ナパスDA−A1アミノ酸配列」または「ブラシカ・ナパスDA1−A1変異体アミノ酸配列」は、配列番号5と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ナパスDA−A2アミノ酸配列」または「ブラシカ・ナパスDA1−A2変異体アミノ酸配列」は、配列番号8と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ナパスDA−C1アミノ酸配列」または「ブラシカ・ナパスDA1−C1変異体アミノ酸配列」は、配列番号11と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ナパスDA1−C2アミノ酸配列」または「ブラシカ・ナパスDA1−C2変異体アミノ酸配列」は、配列番号14と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ラパDA−A1アミノ酸配列」または「ブラシカ・ラパDA1−A1変異体アミノ酸配列」は、配列番号56と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ラパDA−A2アミノ酸配列」または「ブラシカ・ラパDA1−A2変異体アミノ酸配列」は、配列番号59と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・オレラセアDA−C1アミノ酸配列」または「ブラシカ・オレラセアDA1−C1変異体アミノ酸配列」は、配列番号62と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明によるアイソフォーム1「ブラシカ・オレラセアDA1−C2アミノ酸配列」またはアイソフォーム1「ブラシカ・オレラセアDA1−C2変異体アミノ酸配列」は、配列番号65と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明によるアイソフォーム2「ブラシカ・オレラセアDA1−C2アミノ酸配列」またはアイソフォーム2「ブラシカ・オレラセアDA1−C2変異体アミノ酸配列」は、配列番号67と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明によるアイソフォーム3「ブラシカ・オレラセアDA1−C2アミノ酸配列」またはアイソフォーム3「ブラシカ・オレラセアDA1−C2変異体アミノ酸配列」は、配列番号69と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ニグラDA−B1アミノ酸配列」または「ブラシカ・ニグラDA1−B1変異体アミノ酸配列」は、配列番号72と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
本発明による「ブラシカ・ニグラDA−B2アミノ酸配列」または「ブラシカ・ニグラDA1−B2変異体アミノ酸配列」は、配列番号75と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。これらのアミノ酸配列はまた、配列表に示されるDA1配列と「本質的に類似する」または「本質的に同一である」と言うこともできる。
DA1−A1アミノ酸配列は、ブラシカ・ナパスDA1−A1アミノ酸配列およびブラシカ・ラパDA1−A1アミノ酸配列を含んでなることができ;DA1−A2アミノ酸配列は、ブラシカ・ナパスDA1−A2アミノ酸配列およびブラシカ・ラパDA1−A2アミノ酸配列を含んでなることができ;DA1−C1アミノ酸配列は、ブラシカ・ナパスDA1−C1アミノ酸配列およびブラシカ・オレラセアDA1−C1アミノ酸配列を含んでなることができ;DA1−C2アミノ酸配列は、ブラシカ・ナパスDA1−C2アミノ酸配列およびブラシカ・オレラセアDA1−C2アミノ酸配列を含んでなることができる。
よって、本発明は、その変異体および断片を含め、野生型、機能的DA1タンパク質の両方のアミノ酸配列、ならびにこれらのいずれかの変異型アミノ酸配列を提供する。
さらに、アミノ酸配列における突然変異は、対応する野生型DA1タンパク質の生物活性に比べて、DA1タンパク質の生物活性の有意な低下または完全な破壊をもたらし得る。DA1タンパク質の生物活性の有意な低下または完全な破壊。
機能的DA1タンパク質のアミノ酸配列。
配列表に示されるアミノ酸配列は、ブラシカ・ナパス由来の野生型DA1タンパク質である。よって、これらの配列は、それらが単離されたブラシカ・ナパス植物に対して内因性である。他のアブラナ属作物種、品種、育種系統またはワイルドアクセッションも、上記のように、同じアミノ酸配列またはそれらの変異体を有する他の機能的DA1タンパク質に関してスクリーニング可能である。
加えて、DA1アミノ酸配列およびそれらの変異体(またはこれらのいずれかの断片)は、アミノ酸データベースを本質的に類似する配列に関してスクリーニングすることによってin silicoで同定可能であると理解される。本発明によるアミノ酸分子の断片も提供される。
変異型DA1タンパク質のアミノ酸配列。
野生型アミノ酸配列に対して1以上のアミノ酸欠失、挿入または置換を含んでなるアミノ酸配列も、このような変異型アミノ酸分子の断片と同様に、本発明の別の実施形態である。このような変異型アミノ酸配列は、上記のように、様々な既知の方法を用いて作成および/または同定することができる。この場合にも、このようなアミノ酸分子は、内因性形態および単離された形態の両方で提供される。
一実施形態では、変異型DA1タンパク質は、配列番号5および56の338番、配列番号8および59の353番、配列番号11および62の341番、配列番号14の352番、配列番号65および69の355番、配列番号72の340番、ならびに配列番号75の357番に相当する位置に、アルギニン(Argninine)以外のアミノ酸、例えば、リシンを含んでなる。
特定の実施形態では、配列番号8の350番にアルギニンの代わりにリシンを含むDA1−A2タンパク質が提供される。この突然変異を含むDA1−A2タンパク質は配列番号17で示される。
一実施形態では、アミノ酸配列における突然変異は、野生型タンパク質に対してDA1タンパク質の生物活性の有意な低下または完全な破壊をもたらす。上記のように、基本的に、野生型タンパク質に対して少なくとも1つのアミノ酸の挿入、欠失および/または置換を含んでなるタンパク質をもたらすいずれの突然変異も、生物活性の有意な低下または不在をもたらし得る。
よって、一実施形態では、1もしくは複数の欠失または1もしくは複数の挿入が、in vivoにおいて活性が有意に低下したまたは不在である変異型タンパク質をもたらす1以上の欠失または挿入突然変異を含んでなる変異型DA1タンパク質が提供される。このような変異型DA1タンパク質は、野生型DA1タンパク質と比べて、少なくとも1、少なくとも2、3、4、5、10、20、30、50、100、100、150、175、180またはそれを超えるアミノ酸が欠失または挿入され、それにより、その1もしくは複数の欠失または1もしくは複数の挿入が、in vivoにおいて活性が有意に低下したまたは不在である変異型タンパク質をもたらすDA1タンパク質である。
別の実施形態では、末端切断が、in vivoにおいて活性が有意に低下したまたは不在である変異型タンパク質をもたらす末端切断型である変異型DA1タンパク質が提供される。このような末端切断型DA1タンパク質は、対応する野生型DA1タンパク質のC末端部分の機能的ドメインを欠き、対応する野生型DA1タンパク質のN末端部分を維持するDA1タンパク質である。
さらに別の実施形態では、1または複数の置換が、in vivoにおいて活性が有意に低下したまたは不在である変異型タンパク質をもたらす1以上の置換突然変異を含んでなる変異型DA1タンパク質が提供される。このような変異型DA1タンパク質は、特定の機能を有する保存されているアミノ酸残基が置換されているDA1タンパク質である。
本発明の一態様において、少なくとも2つのDA1遺伝子を含んでなり、第1のDA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子が、配列番号1の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸を含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする変異型DA1対立遺伝子であるアブラナ属植物が提供される。
AゲノムとCゲノムを含んでなる複二倍体ブラシカ・ナパスは、Aゲノム上の2つのDA1遺伝子(DA1−A1およびDA1−A2)とCゲノム上の2つのDA1遺伝子(DA1−C1およびDA1−C2)の4つのDA1遺伝子を含み、Aゲノムを含んでなる二倍体ブラシカ・ラパは、DA1−A1とDA1−A2の2つのDA1遺伝子を含み、Cゲノムを含んでなる二倍体ブラシカ・オレラセアは、DA1−C1とDA1−C2の2つのDA1遺伝子を含み、また、Bゲノムを含んでなる二倍体ブラシカ・ニグラは、DA1−B1とDA1−B2の2つのDA1遺伝子を含むことが判明した。従って、本発明に好適なのは、2つのDA1遺伝子含んでなり、第1のDA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子(at least one allele a first DA1 gene)が、配列番号1の358に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸を含んでなる変異型DA1タンパク質をコードする変異型DA1対立遺伝子である、二倍体アブラナ属植物である。前記変異型DA1対立遺伝子は、DA1−A1遺伝子の、DA1−A2遺伝子の、DA1−C1遺伝子の、DA1−C2遺伝子の、DA1−B1遺伝子の、およびDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子であり得る。より具体的には、DA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるブラシカ・ラパ植物、DA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるブラシカ・オレラセア植物、およびDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるブラシカ・ニグラ植物が好適である。前記アブラナ属植物の第2のDA1遺伝子は、野生型対立遺伝子を含んでなることができ、完全ノックアウトDA1対立遺伝子などの変異型DA1対立遺伝子も含んでなることができる。
本発明によるアブラナ属植物はさらに、4つのDA1遺伝子を含んでなるアブラナ属植物であり得る。本明細書には、4つのDA1遺伝子を含んでなり、そのうち2つがAゲノム上にあり(DA1−A1およびDA1−A2)、2つがCゲノム上にある(DA1−C1およびDA1−C2)、ブラシカ・ナパス植物が記載される。4つのDA1遺伝子を含んでなるさらなるアブラナ属植物は、異質四倍体ブラシカ・ユンセア(AゲノムとBゲノム)およびブラシカ・カリナタ(BゲノムとCゲノム)であってもよく、ここで、DA1遺伝子は、DA1−A1、DA1−A2、DA1−B1、DA1−B2(B.ユンセアの場合)、ならびにDA1−B1、DA1−B2、DA1−C1およびDA1−C2(B.カリナタの場合)であり得る。配列番号1の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸、例えばリシンを含んでなるタンパク質をコードする、DA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子、またはDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子、またはDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるアブラナ属植物が好適である。前記アブラナ属植物は、配列番号1の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸、例えばリシンを含んでなるタンパク質をコードする変異型DA1対立遺伝子であり得る第2のDA1遺伝子の変異型対立遺伝子をさらに含んでなることができ、または前記第2の変異型DA1対立遺伝子は完全ノックアウトDA1遺伝子であり得る。前記第2のDA1遺伝子の前記変異型DA1対立遺伝子は、第1のDA1遺伝子以外のDA1遺伝子のいずれの対立遺伝子であってもよい。好適な第2のDA1遺伝子は、DA1−A2、DA1−C2、およびDA1−B2遺伝子である。4つのDA1遺伝子を含んでなる本発明による好適なアブラナ属植物は、第1のDA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子および第2のDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子および第2のDA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるブラシカ・ナパス植物、または第1のDA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子および第2のDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子および第2のDA1−A2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるブラシカ・ユンセア植物、または第1のDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子および第2のDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子、もしくは第1のDA1−C2遺伝子の変異型対立遺伝子および第2のDA1−B2遺伝子の変異型対立遺伝子を含んでなるブラシカ・カリナタ植物であり、ここで、前記第1のDA1遺伝子の前記変異型対立遺伝子は、配列番号1の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸、例えばリシンを含んでなるタンパク質をコードし、前記第2の突然変異体DA1遺伝子の前記変異型対立遺伝子は、配列番号1の358番に相当する位置にアルギニン以外のアミノ酸、例えばリシンを含んでなるタンパク質をコードする突然変異体DA1遺伝子であるか、または完全ノックアウトDA1遺伝子である。
本発明のさらなる態様では、少なくとも3つのDA1遺伝子を含んでなり、DA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子が完全ノックアウトDA1対立遺伝子であるアブラナ属植物が提供される。従って、本発明に好適なのは、2つのDA1遺伝子を含んでなり、DA1遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子が完全ノックアウトDA1対立遺伝子である、ブラシカ・ラパ、ブラシカ・オレラセア、およびブラシカ・ニグラなどのアブラナ属植物である。前記完全ノックアウトDA1対立遺伝子は、DA1−A1遺伝子の、DA1−A2遺伝子の、DA1−C1遺伝子の、DA1−C2遺伝子の、DA1−B1遺伝子の、およびDA1−B2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子であり得る。より具体的には、DA1−A1遺伝子、DA1−A2遺伝子、またはDA1−A1遺伝子とDA1−A2遺伝子の両方の完全ノックアウト対立遺伝子を含んでなるブラシカ・ラパ植物、DA1−C2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子を含んでなるブラシカ・オレラセア植物、およびDA1−B1遺伝子、DA1−B2遺伝子、またはDA1−B1遺伝子とDA1−B2遺伝子の両方の完全ノックアウト対立遺伝子を含んでなるブラシカ・ニグラ植物が好適である。
また、4つのDA1遺伝子を含んでなり、DA1−A1遺伝子、DA1−A2遺伝子、DA1−C2遺伝子、もしくはDA1−C2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子、またはDA1−B1遺伝子もしくはDA1−B2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子、またはそれらの任意の組合せを含んでなる、ブラシカ・ナパス、ブラシカ・ユンセア、およびブラシカ・カリナタなどのアブラナ属植物も好適である。本発明による4つのDA1遺伝子を含んでなる好適なアブラナ属植物は、DA1−A1遺伝子、もしくはDA1−A2遺伝子、もしくはDA1−C2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子、またはそれらの任意の組合せを含んでなるブラシカ・ナパス植物;あるいはDA1−A1遺伝子、もしくはDA1−A2遺伝子、もしくはDA1−B1遺伝子、もしくはDA1−B2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子、またはそれらの任意の組合せを含んでなるブラシカ・ユンセア植物;あるいはDA1−B1遺伝子、もしくはDA1−B2遺伝子、もしくはDA1−C2遺伝子の完全ノックアウト対立遺伝子、またはそれらの任意の組合せを含んでなるブラシカ・カリナタ植物である。
本発明による方法
変異型DA1対立遺伝子は、当技術分野で慣例の一定範囲の方法を用いて、例えば、DA1ゲノムまたはcDNAの一部または全部を増幅するためのPCRに基づく方法を用いて、作出(例えば、突然変異誘発により誘導)および/または同定することができる。
突然変異誘発後、植物は、既知の技術を用いて処理種子から栽培するか、または処理細胞から再分化させる。例えば、突然変異誘発種子を、慣行栽培法に従って植え付け、自家受粉後に植物に種子を付けさせることができる。あるいは、例えば、Coventry et al. (1988, Manual for Microspore Culture Technique for Brassica napus. Dep. Crop Sci. Techn. Bull. OAC Publication 0489. Univ. of Guelph, Guelph, Ontario, Canada)に記載されているように、処理した小胞子または花粉細胞から倍加半数性植物体を抽出して、すぐにホモ接合型植物を形成することもできる。このような自家受粉の結果として当世代または次世代で形成されるさらなる種子を採種し、当技術分野で慣例の技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく技術(DA1対立遺伝子の増幅)またはハイブリダイゼーションに基づく技術、例えば、サザンブロット分析、BACライブラリースクリーニングなど、および/またはDA1対立遺伝子の直接配列決定を用いて、変異型DA1対立遺伝子の存在に関してスクリーニングしてもよい。変異型DA1対立遺伝子において点突然変異(いわゆる一塩基多型またはSNP)の存在に関してスクリーニングするために、当技術分野で慣例のSNP検出法、例えば、オリゴライゲーションに基づく技術、一塩基伸長に基づく技術、またはTILLINGなどの制限部位の違いに基づく技術を使用することができる。
上記のように、特定の野生型DA1対立遺伝子の突然変異誘発(自然発生的ならびに誘導型)は、結果として生じる変異型DA1対立遺伝子に1以上の欠失、挿入、または置換ヌクレオチド(以下、「変異領域」と呼ぶ)の存在をもたらす。従って、変異型DA1対立遺伝子は、野生型DA1対立遺伝子中の1以上の欠失、挿入、または置換ヌクレオチドの場所および構成によって特徴付けることができる。1以上のヌクレオチドがそれぞれ挿入、欠失、または置換された野生型DA1対立遺伝子の部位は、本明細書では、「変異領域または配列」とも呼ぶ。「5’または3’フランキング領域または配列」は、本明細書で使用される場合、1以上の欠失、挿入、または置換ヌクレオチドを含むDNAとは異なる少なくとも20bp、好ましくは、少なくとも50bp、少なくとも750bp、少なくとも1500bp、および最大5000bpのDNAの変異型(または対応する野生型)DA1対立遺伝子中のDNA領域または配列、好ましくは、変異型(または対応する野生型DA1対立遺伝子)中の変異領域のすぐ上流で隣接して位置するか(5’フランキング領域または配列」)、またはすぐ下流で隣接して位置する(3’フランキング領域または配列」)、変異型(または対応する野生型)DA1対立遺伝子由来のDNAを意味する。「連結領域」は、本明細書で使用される場合、変異領域と5’または3’フランキング領域が互いに連結されている変異型(または対応する野生型)DA1対立遺伝子のDNA領域を意味する。従って、「変異領域と5’または3’フランキング領域との間の連結領域にわたる配列」は、変異配列ならびにそれと隣接するフランキング配列を含んでなる。
一実施形態では、生体サンプルにおいて本発明の変異型DA1対立遺伝子を同定するための方法であって、前記生体サンプルを少なくとも2つのプライマーのセットを用いた増幅反応に付すことを含んでなり、前記プライマーの1つは、変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域を特異的に認識し、前記プライマーの他のものが変異型DA1対立遺伝子の変異領域を特異的に認識するか;または前記プライマーの1つが変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域を特異的に認識し、前記プライマーの他のものが、それぞれ変異型DA1対立遺伝子の3’もしくは5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識するか;または特異的プローブが変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識する、方法が提供される。別の実施形態では、生体サンプルにおいて本発明の変異型DA1対立遺伝子を同定するための方法であって、前記生体サンプルを少なくとも2つのプライマーのセットを用いた増幅反応に付すことを含んでなり、前記生体サンプルを、少なくとも1つの特異的プローブを含んでなる特異的プローブのセットを用いたハイブリダイゼーションアッセイに付すことをさらに含んでなり、前記プローブのセットが、前記プローブの1つが変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域を特異的に認識し、前記プローブの他のものが変異型DA1対立遺伝子の変異領域を特異的に認識するか;または前記プローブの1つが変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域を特異的に認識し、前記プローブの他のものが、それぞれ変異型DA1対立遺伝子の3’または5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識する場合を含んでなるか;または変異型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識する特異的プローブを含んでなる方法が提供される。
特定の変異型DA1対立遺伝子、または特定の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる植物もしくは植物材料、または特定の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる植物材料を含んでなる製品を同定するために開発したツールは、変異領域、分子マーカー、またはフランキングおよび/もしくは変異領域の配列を含んでなるゲノム領域の特定の制限地図など、対応する野生型DA1対立遺伝子のゲノムの特徴と比較した、特定の変異型DA1対立遺伝子のゲノムの特徴に基づく。
ひと度、特定の変異型DA1対立遺伝子の配列が決定されれば、分子生物学的技術によって、サンプルの核酸(DNAまたはRNA)中の変異型DA1対立遺伝子の5’フランキング、3’フランキングおよび/または変異領域内の配列を特異的に認識するプライマーおよびプローブを開発することができる。例えば、生体サンプル(例えば、植物、植物材料または植物材料を含んでなる製品のサンプル)において変異型DA1対立遺伝子を同定するためのPCR法を開発することができる。このようなPCRは、少なくとも2つの特異的「プライマー」に基づき、1つは変異型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域内の配列を認識し、他のものはそれぞれ変異型DA1対立遺伝子の3’もしくは5’フランキング領域内の配列を認識するか;または1つは変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域内の配列を認識し、他のものは変異型DA1対立遺伝子の変異領域内の配列を認識するか;または1つは変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域内の配列を認識し、他のものは、それぞれ特定の変異型DA1対立遺伝子の3’もしくは5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域にわたる配列を認識する(以下に詳しく記載する通り)。
これらのプライマーは好ましくは、最適なPCR条件下で、特定の変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域内の配列、変異領域内の配列、または3’もしくは5’フランキングと変異領域との間の連結領域にわたる配列を「特異的に認識する」15〜35ヌクレオチドの間の配列を有し、従って、特定の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる核酸サンプルから特異的断片(「変異型DA1特異的断片」または識別アンプリコン)が増幅される。このことは、最適なPCR条件下で植物ゲノムから、標的変異型DA1対立遺伝子だけが増幅され、他の配列は増幅されないことを意味する。
本発明に好適なPCRプライマーは下記のものであり得る:
・特定の変異型DA1対立遺伝子またはその相補物の5’または3’フランキング配列(すなわち、例えば、本発明の変異型DA1対立遺伝中の、欠失、挿入または置換された1以上のヌクレオチドに5’または3’側で隣接する配列、例えば、上記のナンセンス、ミスセンスもしくはフレームシフト突然変異に5’もしくは3’側で隣接する配列、または上記の表に示される終止コドン突然変異に5’もしくは3’側で隣接する配列、または上記に示したスプライス部位突然変異に5’もしくは3’側で隣接する配列、または上記に示した置換突然変異またはその相補物)から選択される少なくとも17の連続するヌクレオチド、好ましくは、20の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を含んでなる17nt〜約200ntの長さの範囲のオリゴヌクレオチド(5’フランキング配列を認識するプライマー);または
・特定の変異型DA1対立遺伝子またはその相補物の変異領域の配列(すなわち、例えば、本発明のDA1遺伝子またはその相補物における挿入または置換されたヌクレオチドの配列)から選択される少なくとも17の連続するヌクレオチド、好ましくは、20ヌクレオチドのヌクレオチド配列を含んでなる17nt〜約200ntの長さの範囲のオリゴヌクレオチド(変異配列を認識するプライマー)。
当然のことながら、プライマーは、記載の17の連続するヌクレオチドよりも長くてもよく、例えば、18、19、20、21、30、35、50、75、100、150、200nt長またはさらに長くてもよい。これらのプライマーは、記載のフランキング配列および変異配列のヌクレオチド配列から選択されるヌクレオチド配列から完全になってもよい。しかしながら、これらのプライマーの5’末端(すなわち、3’側に位置する17の連続するヌクレオチドの外側)のヌクレオチド配列の重要度は低い。従って、これらのプライマーの5’配列は、必要に応じてフランキング配列または変異配列から選択されるヌクレオチド配列からなってよいが、いくつかの(例えば、1、2、5、10)のミスマッチを含んでもよい。プライマーの5’配列は、さらに、例えば、制限酵素認識部位を表すヌクレオチド配列などの、フランキング配列または変異配列とは無関連のヌクレオチド配列から完全になってもよい。ミスマッチを含むこのような無関連の配列またはフランキングDNA配列は、好ましくは、100以下、より好ましくは50以下、またはさらには25ヌクレオチドの長さであるべきである。
さらに、好適なプライマーは、フランキング配列と変異配列との間の連結領域(すなわち、例えば、本発明の変異型DA1対立遺伝子における欠失、挿入または置換された1以上のヌクレオチドに5’または3’側で隣接する配列と挿入もしくは置換された1以上のヌクレオチドの配列または欠失した1以上のヌクレオチドとそれぞれ3’もしくは5’側で隣接する配列との間の連結領域、例えば、上記の本発明のDA1遺伝子中のナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異に5’または3’側で隣接する配列とナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異の配列との間の連結領域、または上記の表に示される、可能性のある終止コドン突然変異に5’または3’側で隣接する配列との間の連結領域、または上記に示されるスプライス部位突然変異、もしくは上記に示される置換突然変異に5’もしくは3’側で隣接する配列と、それぞれ可能性のある終止コドン突然変異もしくは置換突然変異の配列との間の連結領域)にわたるヌクレオチド配列を含んでなってもよいし、またはからなってもよく、ただし、前記ヌクレオチド配列は、変異領域またはフランキング領域に排他的に由来するものではない。
また、適切に選択されるPCRプライマー対は互いに相補的な配列を含んでなるべきでないことも、当業者にはすぐに明らかになるであろう。
本発明において、「配列番号Xで示されるヌクレオチド配列の相補物」は、シャルガフの規則(A←→T;G←→C)に従ってヌクレオチドをそれらの相補的ヌクレオチドで置換し、その配列を5’から3’の方向に、すなわち、示されたヌクレオチド配列と反対の方向に読み取ることによって、示されたヌクレオチド配列から誘導され得るヌクレオチド配列である。
特定の変異型DA1対立遺伝子を同定するために好適なプライマーの例は、実施例に記載される。
本明細書で使用される場合、「配列番号ZのX番〜Y番のヌクレオチド配列」とは、ヌクレオチドの両端を含むヌクレオチド配列を示す。
好ましくは、増幅断片は、50〜1000ヌクレオチドの間の長さ、例えば、50〜500ヌクレオチドの間の長さ、または100〜350ヌクレオチドの間の長さである。最適なPCR条件下でこれらのプライマーを用いて特定の変異型DA1対立遺伝子の特異的同定がなお可能である限り、特異的プライマーは、特定の変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域内の配列と、または変異領域内の配列と、または3’もしくは5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域にわたる配列と80〜100%の間で同一である配列を有してよい。しかしながら、許容されるミスマッチの範囲は、実験的に容易に決定することができ、当業者に公知である。
「変異型DA1特異的断片」の検出および/または同定は、例えば、ゲルまたはキャピラリー電気泳動後のサイズ評価または蛍光に基づく検出法によるなど、様々な方法で行うことができる。変異型DA1特異的断片はまた、直接配列決定することもできる。増幅されたDNA断片の検出のための他の配列特異的方法も当技術分野で知られている。
標準的なPCRプロトコールは、'PCR Applications Manual" (Roche Molecular Biochemicals, 第2版, 1999)および他の参照文献など、当技術分野において記載がある。特異的プライマーの配列を含め、PCRの最適条件は、各特定の変異型DA1対立遺伝子の「PCR同定プロトコール」に明示されている。しかしながら、PCR同定プロトコールのいくつかのパラメーターは、特定の実験条件に合わせて調整する必要のある場合があり、同等の結果を得るために若干の変更がなされる場合があると理解される。例えば、DNAの調製に異なる方法を使用する場合には、例えば、使用するプライマー、ポリメラーゼの量、MgCl2濃度またはアニーリング条件の調整を必要とする場合がある。同様に、他のプライマーを使用すれば、PCR同定プロトコールに関して他の最適条件が指定される場合がある。しかしながら、これらの調整は当業者には自明であり、上記に挙げたものなどの現行のPCR適用マニュアルにさらに詳説されている。
特定の変異型DA1対立遺伝子を同定するためのPCR同定プロトコールの例は、実施例に記載される。
あるいは、特異的プライマーは、生体サンプルにおいて特定の変異型DA1対立遺伝子を同定するための「特異的プローブ」に使用可能な変異型DA1特異的断片を増幅するためにも使用することができる。生体サンプルの核酸とプローブを、プローブと核酸中のその対応する断片のハイブリダイゼーションを可能とする条件下で接触させると、核酸/プローブハイブリッドが形成される。このハイブリッドの形成は検出可能であり(例えば、核酸またはプローブの標識)、これにより、このハイブリッドの形成は、特定の変異型DA1対立遺伝子の存在を示す。特異的プローブとのハイブリダイゼーション(固相担体上または溶液中)に基づくこのような同定方法は、当技術分野ですでに記載されている。特異的プローブは好ましくは、最適な条件下で、特定の変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域内および/または変異領域内の領域(以下、「変異型DA1特異的領域」と呼ぶ)と特異的にハイブリダイズする配列である。好ましくは、特異的プローブは、特異的領域のヌクレオチド配列と少なくとも80%、好ましくは80〜85%の間、より好ましくは85〜90%の間、特に好ましくは90〜95%の間、最も好ましくは95%〜100%の間の同一性(または相補性)を有する、10〜1000bpの間、50〜600bpの間、100〜500bpの間、150〜350bpの間の配列を含んでなる。好ましくは、特異的プローブは、特定の変異型DA1対立遺伝子の特異的領域と同一(または相補的)である約13〜約100の連続するヌクレオチドの配列を含んでなる。
本発明に好適な特異的プローブは以下のものであり得る:
・特定の変異型DA1対立遺伝子またはその相補物の5’または3’フランキング配列(すなわち、例えば、本発明の変異型DA1対立遺伝子における欠失、挿入または置換された1以上のヌクレオチドに5’または3’側で隣接する配列、例えば、上記のナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異に5’または3’側で隣接する配列、または上記の表に示される、可能性のある終止コドン突然変異に5’または3’側で隣接する配列、または上記に示されるスプライス部位突然変異もしくは上記に示される置換突然変異に5’または3’側で隣接する配列)、またはそれらと少なくとも80%の配列同一性を有する配列から選択される少なくとも13の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を含んでなる、13nt〜約1000ntの長さの範囲のオリゴヌクレオチド(5’フランキング配列を認識するプローブ);または
・特定の変異型DA1対立遺伝子またはその相補物の変異配列(すなわち、例えば、本発明のDA1対立遺伝子またはその相補物における挿入または置換されたヌクレオチドの配列)、またはそれらと少なくとも80%の配列同一性を有する配列から選択される少なくとも13の連続するヌクレオチドのヌクレオチド配列を含んでなる、13nt〜約1000ntの長さの範囲のオリゴヌクレオチド(変異配列を認識するプローブ)。
これらのプローブは、フランキング配列および変異配列の記載のヌクレオチド配列から選択されるヌクレオチド配列から完全になってもよい。しかしながら、これらのプローブの5’または3’末端のヌクレオチド配列の重要度は低い。従って、これらのプローブの5’または3’配列は、必要に応じてフランキング配列または変異配列から選択されるヌクレオチド配列からなってよいが、フランキング配列または変異配列とは無関連のヌクレオチド配列からなってもよい。このような無関連の配列は、好ましくは50以下、より好ましくは25以下、またはさらには20もしくは15以下のヌクレオチドの長さであるべきである。
さらに、好適なプローブは、フランキング配列と変異配列との間の連結領域(すなわち、例えば、本発明の変異型DA1対立遺伝子における欠失、挿入または置換された1以上のヌクレオチドに5’または3’側で隣接する配列と挿入もしくは置換された1以上のヌクレオチドの配列または欠失した1以上のヌクレオチドとそれぞれ3’もしくは5’側で隣接する配列との間の連結領域、例えば、上記の本発明のDA1遺伝子中のナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異に5’または3’側で隣接する配列とナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異の配列との間の連結領域、または上記の表に示される、可能性のある終止コドン突然変異に5’または3’側で隣接する配列、または上記に示されるスプライス部位突然変異、もしくは上記に示される置換突然変異に5’もしくは3’側で隣接する配列と、それぞれ可能性のある終止コドン突然変異もしくは置換突然変異の配列との間の連結領域)にわたるヌクレオチド配列を含んでなってもよいし、またはからなってもよく、ただし、記載のヌクレオチド配列は、変異領域またはフランキング領域に排他的に由来するものではない。
特定の変異型DA1対立遺伝子を同定するために好適な特異的プローブの例は、実施例に記載される。
特異的プローブとハイブリダイズする「変異型DA1特異的領域」の検出および/または同定は、例えば、ゲルまたはキャピラリー電気泳動後のサイズ評価または蛍光に基づく検出法によるなど、様々な方法で行うことができる。特異的プローブとハイブリダイズする「変異型DA1特異的領域」の検出のための他の配列特異的方法も当技術分野で知られている。
あるいは、1以上の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる植物または植物部分は、高速中性子突然変異誘発により作出された欠失突然変異体をスクリーニングするためにPCRを使用する「Delete−a−gene(商標)」法(Li and Zhang, 2002, Funct Integr Genomics 2:254-258に概説されている)、EMSにより誘発された点突然変異を、ヘテロ二重鎖分析による塩基対変化を検出するための変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)を用いて同定するTILLING(Targeting Induced Local Lesions IN Genomes)法(McCallum et al., 2000, Nat Biotech 18:455、およびMcCallum et al. 2000, Plant Physiol. 123, 439-442)などの他の方法を用いて作出および同定することもできる。記載のように、TILLINGは、突然変異のハイスループットスクリーニングを用いる(例えば、変異型−野生型DNAヘテロ二重鎖のCel 1切断とシーケンシングゲルシステムを用いた検出を使用)。従って、1以上の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる植物または植物部分を同定するためのTILLINGの使用、ならびにこのような植物、植物器官、組織および種子を作出および同定するための方法は本明細書に包含される。よって、一実施形態では、本発明による方法は、植物種子を突然変異誘発(例えば、EMS突然変異誘発)する工程、植物個体またはDNAのプール、対象領域のPCR増幅、ヘテロ二重鎖形成およびハイスループット検出、突然変異植物の同定、変異型PCR産物のシーケンシングを含んでなる。他の突然変異誘発および選抜方法もこのような突然変異植物を作出するために同様に使用できると理解される。
DA1対立遺伝子に突然変異を導入する代わりに、天然(自然発生的)突然変異対立遺伝子を当技術分野で公知の方法によって同定することもできる。例えば、天然突然変異DA1対立遺伝子の存在に関して複数の植物または植物部分をスクリーニングするためにECOTILLINGを使用してもよい(Henikoff et al. 2004, Plant Physiology 135(2):630-6)。上記突然変異誘発技術に関して、好ましくは、Aゲノムおよび/またはCゲノムを含んでなるアブラナ属種がスクリーニングされ、従って、同定されたDA1対立遺伝子は、次に、交配(種間または種内交配)および選抜により、ブラシカ・ナパスなどの他のアブラナ属種に導入することができる。育種系統または近縁種におけるECOTILLING天然多形は、DA1標的のPCR増幅、ヘテロ二重鎖形成およびハイスループット分析に植物個体または植物プールが使用される、上記のTILLING法によってスクリーニングされる。この後、必要とされる突然変異を有する個々の植物の選抜を行うことができ、これをその後、所望の変異型対立遺伝子を組み込むための育種プログラムにおいて使用することができる。
次に、同定された変異型対立遺伝子の配列を決定することができ、その配列を野生型対立遺伝子と比較して突然変異を同定することができる。場合により、上記に示したように機能を試験することもできる。このアプローチを用いれば、複数の変異型DA1対立遺伝子(およびこれらを1以上含んでなるアブラナ属植物)を同定することができる。次に、以下に詳しく記載するような交配および選抜法によって、所望の変異型対立遺伝子を所望の野生型対立遺伝子と組み合わすことができる。最後に、所望の数の変異型DA1と所望の数の野生型DA1対立遺伝子を含んでなる単一の植物を作出する。
PCRプライマーまたは特定の変異型DA1対立遺伝子の検出のための特異的プローブとして好適なオリゴヌクレオチドはまた、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するための方法を開発するために使用することもできる。
特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、変異型および/または対応する野生型DA1特異的対立遺伝子の存在を判定するためのPCRに基づくアッセイを開発することができる。
特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、野生型DA1対立遺伝子を特異的に認識する2つのプライマーを、互いに対向する向きに、変異領域がこれらのプライマーの間に位置するように設計することができる。これらのプライマーは、それぞれ5’および3’フランキング配列を特異的に認識するプライマーであり得る。このプライマーのセットは、変異型ならびに対応する野生型DA1対立遺伝子の、同時の診断的PCR増幅を可能とする。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、野生型DA1対立遺伝子を特異的に認識する2つのプライマーを、互いに対向する向きに、それらの一方が変異領域を特異的に認識するように設計することができる。これらのプライマーは、野生型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域および変異領域の配列をそれぞれ特異的に認識するプライマーであり得る。このプライマーのセットは、変異型DA1対立遺伝子における変異領域の配列を特異的に認識する第3のプライマーとともに、変異型DA1対立遺伝子ならびに野生型DA1対立遺伝子の、同時の診断的PCR増幅を可能とする。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、野生型DA1対立遺伝子を特異的に認識する2つのプライマーを、互いに対向する向きに、それらの一方が5’または3’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識するように設計することができる。これらのプライマーは、野生型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング配列、および変異領域と3’または5’フランキング領域との間の連結領域をそれぞれ特異的に認識するプライマーであり得る。このプライマーのセットは、変異型DA1対立遺伝子の変異領域と3’または5’フランキング領域との間の連結領域をそれぞれ特異的に認識する第3のプライマーとともに、変異型DA1対立遺伝子ならびに野生型DA1対立遺伝子の、同時の診断的PCR増幅を可能とする。
診断的PCR増幅を可能とする。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態は、変異型および野生型DA1対立遺伝子を特異的に認識する別のプライマーセットを使用することによって決定することができる。
植物が変異型DA1対立遺伝子または対応する野生型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型である場合、上記の診断的PCRアッセイは、変異型または野生型DA1対立遺伝子のいずれかに典型的な、好ましくは長さにおいて典型的な単一のPCR産物を生じる。植物が変異型DA1対立遺伝子に関してヘテロ接合型である場合には、2つの特異的PCR産物が見られ、これは変異型および野生型DA1対立遺伝子の両方の増幅を反映している。
野生型および変異型DA1特異的PCR産物の同定は、例えば、ゲルまたはキャピラリー電気泳動後のサイズの評価によるか(例えば、野生型と変異型のDA1対立遺伝子から増幅された断片間でサイズの違いを生じる、いくつかの挿入または欠失ヌクレオチドを含んでなる変異型DA1対立遺伝子の場合、その結果、前記断片はゲル上で可視的に分離することができる);ゲルまたはキャピラリー電気泳動後に2つの異なる断片の有無を評価することによるか(それにより、変異型DA1対立遺伝子の診断的PCR増幅は、場合により、野生型DA1対立遺伝子の診断的PCR増幅から分離して行うことができる);増幅された断片の直接配列決定によるか;または蛍光に基づく検出法によって行うことができる。
特定の変異型DA1対立遺伝子の接合性を決定するために好適なプライマーの例は、実施例に記載される。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、変異型および/または対応する野生型DA1特異的対立遺伝子の存在を決定するためのハイブリダイゼーションに基づくアッセイを開発することができる。
特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、野生型DA1対立遺伝子を認識する2つの特異的プローブを、各プローブがDA1野生型対立遺伝子内の配列を特異的に認識し、変異領域が、これらのプローブにより認識される配列の間に位置するように設計することができる。これらのプローブは、5’および3’フランキング配列をそれぞれ特異的に認識するプローブであり得る。これらのプローブの一方、または好ましくは両方の使用は、変異型ならびに対応する野生型DA1対立遺伝子の、同時の診断的ハイブリダイゼーションを可能とする。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、野生型DA1対立遺伝子を認識する2つの特異的プローブを、それらの一方がDA1野生型対立遺伝子内の、変異領域の上流または下流、好ましくは変異領域の上流の配列を特異的に認識し、それらの一方が変異領域を特異的に認識するように設計することができる。これらのプローブは、野生型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域、好ましくは5’フランキング領域、および変異領域の配列をそれぞれ特異的に認識するプローブであり得る。これらのプローブの1つ、または好ましくは両方の、場合により、変異型DA1対立遺伝子における変異領域の配列を特異的に認識する第3のプローブとともに使用することで、変異型および野生型DA1対立遺伝子の診断的ハイブリダイゼーションが可能となる。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定するためには、野生型DA1対立遺伝子を認識する特異的プローブを、プローブが野生型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域、好ましくは5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識するように設計することができる。このプローブは、場合により、変異型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域、好ましくは5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識する第2のプローブとともに、変異型および野生型DA1対立遺伝子の診断的ハイブリダイゼーションを可能とする。
あるいは、特定の変異型DA1対立遺伝子の接合状態は、変異型および野生型DA1対立遺伝子を特異的に認識するプローブの別のセットを用いることにより決定することもできる。
植物が変異型DA1対立遺伝子または対応する野生型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型である場合、上記の診断的ハイブリダイゼーションアッセイは、変異型または野生型DA1対立遺伝子のいずれかに典型的な、好ましくは長さにおいて典型的な単一の特異的ハイブリダイゼーション産物、例えば、1以上のハイブリダイズDNA(制限)断片を生じる。植物が変異型DA1対立遺伝子に関してヘテロ接合型である場合には、2つの特異的ハイブリダイゼーション産物が見られ、これは変異型および野生型DA1対立遺伝子の両方のハイブリダイゼーションを反映している。
野生型および変異型DA1特異的ハイブリダイゼーション産物の同定は、例えば、ゲルまたはキャピラリー電気泳動後のサイズの評価によるか(例えば、野生型と変異型のDA1対立遺伝子からのハイブリダイズDNA(制限)断片間でサイズの違いを生じる、いくつかの挿入または欠失ヌクレオチドを含んでなる変異型DA1対立遺伝子の場合、その結果、前記断片はゲル上で可視的に分離することができる);ゲルまたはキャピラリー電気泳動後に2つの異なる特異的ハイブリダイゼーション産物の有無を評価することによるか(それにより、変異型DA1対立遺伝子の診断的ハイブリダイゼーションは、場合により、野生型DA1対立遺伝子の診断的ハイブリダイゼーションから分離して行うことができる);ハイブリダイズDNA(制限)断片の直接配列決定によるか;または蛍光に基づく検出法によって行うことができる。
特定の変異型DA1対立遺伝子の接合性を決定するために好適なプローブの例は、実施例に記載される。
さらに、PCRまたはハイブリダイゼーションに基づく増幅方法とは異なる特定の変異型DA1対立遺伝子に特異的な検出方法もまた、本明細書で提供される特定の変異型DA1対立遺伝子特異的配列情報を用いて開発することができる。このようなもう1つの検出方法は、Invader(商標)技術(引用することにより本明細書の一部とされる、例えば、米国特許第5,985,557「核酸の侵入的開裂(Invasive Cleavage of Nucleic Acids)」、同第6,001,567号「インベーダー指向開裂による核酸配列の検出に記載されている通り)としても知られる特定の核酸構造の侵入的開裂に基づくリニアシグナル増幅検出法、TaqmanなどのRT−PCRに基づく検出法、またはSNPlexなどの他の検出法を含む。簡単に述べれば、インベーダー(商標)技術では、標的変異型配列を、例えば、変異型配列または5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域にわたる配列のヌクレオチド配列を含んでなる、標識された第1の核酸オリゴヌクレオチドと、そして変異型配列のすぐ下流で隣接する3’フランキング配列を含んでなる第2の核酸オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることができ、ここで、前記第1のオリゴヌクレオチドと第2のオリゴヌクレオチドは少なくとも1つのヌクレオチドが重複する。このハイブリダイゼーションにより生じる二重鎖または三重鎖構造は、酵素(Cleavase(登録商標))による選択的プローブ切断を可能とし、標的配列が完全な状態で残る。切断された標識プローブはその後、おそらくは、さらなるシグナル増幅をもたらす介在工程を介して検出される。
本発明のさらなる目的は、生体サンプルにおいて請求項1または2に記載の変異型DA1対立遺伝子を同定するためのキットであって、プライマーまたはプローブのセットを含んでなり、前記プライマーの1つが変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域を特異的に認識し、前記プライマーの他のものが変異型DA1対立遺伝子の変異領域を特異的に認識するか;または前記プライマーの1つが変異型DA1対立遺伝子の5’もしくは3’フランキング領域を特異的に認識し、前記プライマーの他のものが、それぞれ変異型DA1対立遺伝子の3’または5’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識するか;または変異型DA1対立遺伝子の5’または3’フランキング領域と変異領域との間の連結領域を特異的に認識する特異的プローブを含んでなるキットを提供することである。
「キット」は、本明細書で使用される場合、本発明の方法、より詳しくは、生体サンプルにおける特定の変異型DA1対立遺伝子の同定、または特定の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる植物材料の接合状態の決定の実施を目的とする試薬セットを意味する。より詳しくは、本発明のキットの好ましい実施形態は、特定の変異型DA1対立遺伝子の同定のための上記のような少なくとも2つの特異的プライマー、または接合状態の決定のための少なくとも2つもしくは3つの特異的プライマーを含んでなる。場合により、前記キットは、PCR同定プロトコールにおいて本明細書に記載の任意の他の試薬をさらに含んでなり得る。あるいは、本発明の別の実施形態によれば、本キットは、特定の変異型DA1対立遺伝子の同定を目的に、上記のように、そこにおける特定の変異型DA1の存在を同定するために生体サンプルの核酸と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの特異的プローブ対立遺伝子、または接合状態の決定のための少なくとも2つもしくは3つの特異的プローブを含んでなることができる。場合により、本キットは、特異的プローブを用いて生体サンプルにおける特定の変異型DA1対立遺伝子を同定するための、任意の他の試薬(例えば、限定されるものではないが、ハイブリダイズバッファー、標識)をさらに含んでなることができる。
本発明のキットは、品質管理(例えば、種子ロットの純度)、植物材料または植物材料を含んでなるもしくは植物材料に由来する材料、例えば、限定されるものではないが、食品または飼料製品における特定の変異型DA1対立遺伝子の有無の検出も目的で、使用することができ、その成分を具体的に調整することができる。
用語「プライマー」は、本明細書で使用される場合、PCRなどの鋳型依存的プロセスにおいて新生核酸の合成をプライミングすることができるいずれの核酸も包含する。一般に、プライマーは10〜30ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであるが、それより長い配列も使用可能である。プライマーは二本鎖形態で提供してもよいが、一本鎖形態が好ましい。プローブはプライマーとして使用することもできるが、標的DNAまたはRNAと結合するように設計され、増幅プロセスで使用する必要はない。
用語「認識する」は、特異的プライマーに関して本明細書で使用される場合、特異的プライマーが本方法で示される条件(例えば、PCR同定プロトコールの条件)下で特定の変異型DA1対立遺伝子中の核酸配列と特異的にハイブリダイズし、それにより、特異性が陽性対照および陰性対照の存在により決定されることを意味する。
用語「ハイブリダイズする」は、特異的プローブに関して本明細書で使用される場合、そのプローブが標準的なストリンジェンシー条件下で特定の変異型DA1対立遺伝子の核酸配列中の特異的領域と結合することを意味する。標準的なストリンジェンシー条件は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載のハイブリダイゼーションのための条件またはSambrook et al., 1989 (Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbour Laboratory Press, NY)により記載されているような従来のハイブリダイズ条件を意味し、例えば、以下の工程を含んでなり得る:1)植物ゲノムDNA断片またはBACライブラリーDNAのフィルターへの固定、2)65℃、6×SSC、5×デンハート試薬、0.5%SDSおよび20μg/ml変性担体DNA中で1〜2時間の、前記フィルターのプレハイブリダイゼーション、3)標識されたハイブリダイゼーションプローブの添加、4)16〜24時間のインキュベーション、5)68℃、6×SSC、0.1%SDS中、30分1回の前記フィルターの洗浄、6)68℃、2×SSC、0.1%SDS中での前記フィルターの3回の洗浄(30ml中、30分2開、および500ml中、10分1回)、および7)−70℃で4〜48時間のX線フィルムへの露光。
本明細書において使用する場合、「生体サンプル」は、植物、植物材料または植物材料を含んでなる製品のサンプルである。用語「植物」は、任意の成熟段階の植物組織、ならびにそのような任意の植物から採取または任意の植物に由来する任意の細胞、組織、または器官,例えば、限定されるものではないが、任意の種子、葉、茎、花、根、単細胞、配偶子、細胞培養物、組織培養物またはプロトプラストを包含することが意図される。「植物材料」は、本明細書で使用される場合、植物から取得されるまたは植物に由来する材料を意味する。植物材料を含んでなる製品は、植物材料を用いて生産される、または植物材料が混入し得る食品、飼料または他の製品を意味する。本発明に関して、このような生体サンプルは、サンプルにおける核酸の存在を暗示する特定の変異型DA1対立遺伝子に特異的な核酸の存在に関して試験されると理解される。よって、生体サンプルにおいて特定の変異型DA1対立遺伝子を同定するための本明細書に言及される方法は、特定の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる核酸の生体サンプルにおける同定を意味する。
特定のDA1対立遺伝子は、ある植物から別の植物へ1以上の特定の変異型DA1対立遺伝子を移入することにより1つの植物において組み合わせ、1以上の特定の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる植物とすることができ、これらの植物から後代を得ることができ、ならびにこれらの植物から植物細胞、植物部分、および植物種子を誘導することができる。
2以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を1つの植物において組み合わせることができ、これは
a.上記のように、それぞれ1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなる2つ以上の植物を作出および/または同定する工程、
b.1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなる第1の植物と1以上の他の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなる第2の植物を交配させ、その交配からF1種子を採種し、場合により、上記のように、第1の植物に由来する1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を第2の植物に由来する1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子とともに含んでなるF1植物を同定する工程、
c.場合により、工程(b)を、選択された総ての変異型DA1対立遺伝子を含んでなるF1植物が得られるまで繰り返す工程、
d.場合により、
・上記のように、変異型DA1対立遺伝子の接合状態を決定することにより、F1植物が、選択された変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型かヘテロ接合型かを同定する工程または
・選択された変異型DA1対立遺伝子の1以上に関してホモ接合型である植物を下記工程の1つを実施することにより作出する工程
・上記のように、1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなるF1植物の、処理した小胞子または花粉細胞から倍加半数性植物を抽出する工程、
・1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなるF1植物を1世代以上(y)自殖させ、前記自殖個体からF1 Sy種子を採種し、上記のように、1以上の変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型であるF1 Sy植物を同定する工程
を含んでなる。
1以上の変異型DA1対立遺伝子は、
a.上記のように、1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなる第1の植物を作出および/または同定する工程.または上記のように、1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を1つの植物において組み合わせることによって第1の植物を作出する工程(ここで、第1の植物は、1以上の変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型またはヘテロ接合型である)、
b.1以上の変異型DA1対立遺伝子を含んでなる第1の植物と1以上の変異型DA1対立遺伝子を含まない第2の植物を交配させ、その交配からF1種子を採種し(ここで、前記種子は、第1の植物がある変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型であった場合には、その変異型DA1対立遺伝子に関してヘテロ接合型となり、また、第1の植物がある変異型DA1対立遺伝子に関してヘテロ接合型であった場合には、種子の半数はヘテロ接合型となり、種子の半数は不対性(azygous)となり、すなわち、変異型DA1対立遺伝子を含まない)、場合により、上記のように、1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなる第1のF1植物を同定する工程、
c.1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなるF1植物とその1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含まない第2の植物を1世代以上(x)戻し交配し、その交配からBCx種子を採種し、上記のように、毎世代、1以上の選択された変異型DA1対立遺伝子を含んでなるBCx植物を同定する工程、
d.場合により、以上の選択された変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型であるBCx植物を下記工程の1つを実施することにより作出する工程
・上記のように、1以上の所望の変異型DA1対立遺伝子を含んでなるBCx植物の、処理した小胞子または花粉細胞から倍加半数性植物を抽出する工程、
・1以上の所望の変異型DA1対立遺伝子を含んでなるBCx植物を1世代以上(y)自殖させ、前記自殖個体からBCx Sy種子を採種し、上記のように、1以上の所望の変異型DA1対立遺伝子に関してホモ接合型であるBCx Sy植物を同定する工程
を含んでなる方法を用いて、ある植物から別の植物へ移入することができる。
第1および第2の植物は、ブラシカ・ナパス植物または別のアブラナ属作物種由来の植物などのアブラナ属植物であり得る。第1の植物は、ブラシカ・ナパス植物または別のアブラナ属作物種由来の植物などのアブラナ属植物であり得、第2の植物は、ブラシカ・ナパス育種系統または別のアブラナ属作物種由来の育種系統などの、アブラナ属育種系統由来の植物であり得る。「育種系統」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、雑種後代を生産するために使用される好ましい遺伝子型および/または表現型により、他の植物系統から区別可能なホモ接合型植物系統である。
本発明のもう1つの実施形態は、本発明による第1の親アブラナ属植物と第2の親アブラナ属植物を交配させること、および実った雑種種子を採種することを含んでなる、雑種種子の生産方法を提供することである。前記第2の親アブラナ属植物は、必ずしも必要ではないが、本発明による変異型DA1対立遺伝子を持ち得る。好適な第2の親アブラナ属植物は、第1の親アブラナ属植物と同じ変異型DA1対立遺伝子を有する植物である。
さらに別の実施形態では、本発明による第1の親アブラナ属植物と第2の親アブラナ属植物を交配させることを含んでなり、および場合により、生体サンプルを本発明による少なくとも2つのプライマーのセットを用いる増幅反応に付し、場合により、本発明による少なくとも1つのプローブとハイブリダイズさせることを含んでなる、本発明による変異型DA1対立遺伝子の有無を同定する工程をさらに含んでなる育種方法が提供される。前記第2の親アブラナ属植物は、必ずしも必要ではないが、本発明による変異型DA1対立遺伝子を持ち得る。好適な第2の親アブラナ属植物は、第1の親アブラナ属植物と同じ変異型DA1対立遺伝子を有する植物である。
本発明のさらなる目的は、アブラナ属種子の千粒重を増大させるための方法を提供することであり、前記方法は、アブラナ属植物に、本発明による第1のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子、および場合により、本発明による第2のDA1遺伝子の変異型DA1対立遺伝子を導入することを含んでなる。また、アブラナ属植物に本発明による1以上の完全ノックアウトDA1対立遺伝子を導入することを含んでなる、アブラナ属種子の千粒重を増大させるための方法も好適である。
前記変異型DA1対立遺伝子は、例えば、本明細書に記載される突然変異誘発または遺伝子ターゲティング法によって導入することもできるし、または前記変異型DA1対立遺伝子を含んでなるアブラナ属植物と交配させることによって導入することもできる。
さらなる実施形態では、アブラナ属種子の生産方法が提供され、前記方法は、本発明による種子を播種すること、前記種子から植物を栽培すること、および前記植物から採種することを含んでなる。種子は、標準的な農業慣行を用いて播種し、植物を栽培することができる。種子は、例えば、スウェイシング(swathing)上に、またはコンバイン収穫機を用いて採種することができる。
さらに、種子を生産するため、またはナタネ作物を生産するため、またはナタネ油またはナタネ油粕を生産するための本発明による植物の使用も提供される。さらに、本発明による種子からの油または油粕も提供される。
本発明のさらなる目的は、本発明による植物もしくはその一部または種子を得ること、および前記植物またはその一部から食品、飼料または工業製品を調製することを含んでなる、油、ミール、種実、デンプン、粉、もしくはタンパク質などの食品もしくは飼料、または生物燃料、繊維、工業用化学品、医薬、もしくは栄養補助製品などの工業製品の生産方法を提供することである。
本発明による植物は、グルホシネートアンモニウム(Liberty(登録商標)、Basta(登録商標)またはIgnite(登録商標))に対する耐性を付与するbarまたはpat遺伝子[引用することにより本明細書の一部とされるEP0242236およびEP0242246];またはトウモロコシ由来2mEPSPS遺伝子などの任意の改変型EPSPS遺伝子[引用することにより本明細書の一部とされるEP0508909およびEP0507698]、またはグリホサート(RoundupReady(登録商標))耐性を付与するグリホサートアセチルトランスフェラーゼもしくはグリホサートオキシドレダクターゼ、またはブロモキシニトリル耐性を付与するためのブロモキシニトリルニトリラーゼ、またはスルホニル尿素、イミダゾリノン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、トリアゾロピリミジンまたはピリミジル(オキシ/チオ)ベンゾエートに対する耐性を付与する任意の改変AHAS遺伝子などの除草剤耐性を付与する内因性遺伝子または導入遺伝子を含んでよく、例えば、現在Clearfield(登録商標)カノーラとして市販されているナタネイミダゾリノン耐性変異株PM1およびPM2がある。さらに、本発明による植物は、油含有率の上昇または油組成の改善(例えば、高ラウリン酸を得るための12:0ACPチオエステラーゼ増加)を付与する内因性または導入遺伝子、雄性不稔を得るための葯特異的プロモーターの制御下のバルナーゼ、もしくは雄性不稔の回復を付与するための葯特異的プロモーターの制御下のバルスターなどの、受粉制御を付与する内因性または導入遺伝子、オグラ型細胞質雄性不稔および稔性回復核因子などをさらに含んでもよい。
本発明による植物および種子は、下記の一覧から選択される化学化合物などの化学化合物でさらに処理してもよい。
除草剤:クレトジム、クロピラリド、ジクロホップ、エタメトスルフロン、フルアジホップ、グルホシネート、グリホサート、メタザクロル、キンメラック、キザロホップ、テプラロキシジム、トリフルラリン。
殺真菌剤/PGR:アゾキシストロビン、N−[9−(ジクロロメチレン)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(ベンゾビンジフルピル、ベンゾジフルピル)、ビキサフェン、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、クロルメコートクロリド、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothryrium minitans)、シプロコナゾール、シプロジニル、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、エピオキシコナゾール、ファモキサドン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルオピコリド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルチアニル、フルトリアフル、フルキサピロキサド、イプロジオン、イソピラザム、メフェノキサム、メピコートクロリド、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン、パクロブトラゾール、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロクロラズ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、セダキサン、テブコナゾール、テトラコナゾール、チオファネートメチル、チラム、トリアジメノール、トリフロキシストロビン、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・フィルムスI−1582株、枯草菌(Bacillus subtilis)、枯草菌GB03株、枯草菌QST713株、バチルス・プミルス(Bacillus pumulis)、バチルス・プミルスGB34株。
殺虫剤:アセタミプリド、アルジカルブ、アザジラクチン、カルボフラン、クロラントロニリプロール(Rynaxypyr)、クロチアニジン、シアントラニリプロール(Cyazypyr)、(β−)シフルトリン、γ−シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメトエート、ジノテフラン(Dinetofuran)、エチプロール、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルオピラム、フルピラジフロン、τ−フルバリネート、イミシアホス、イミダクロプリド、メタフルミゾン、メチオカルブ、ピメトロジン、ピリフルキナゾン、スピネトラム、スピノサド、スピロテトラマト、スルホキサフロール、チアクロプリド、チアメトキサム、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−(メチルカルバモイル)フェニル]−3−{[5−(トリフルオロメチル)−2H−テトラゾール−2−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、1−(3−クロロピリジン−2−イル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−(メチルカルバモイル)フェニル]−3−{[5−(トリフルオロメチル)−1H−テトラゾール−1−イル]メチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、1−{2−フルオロ−4−メチル−5−[(2,2,2−トリフルオルエチル)スルフィニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン、(1E)−N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−N’−シアノ−N−(2,2−ジフルオロエチル)エタンイミドアミド、バチルス・フィルムス、バチルス・フィルムスI−1582株、枯草菌、枯草菌GB03株、枯草菌QST713株、黒きょう菌(Metarhizium anisopliae)F52。
本明細書に言及または引用されている総ての特許、特許出願、および刊行物または公開(インターネット上での公開を含む)は、引用することによりそれらの全内容が本明細書の一部とされる。
209キロバイト(マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)で計測したサイズ)のファイル名「BCS 13-2002_ST25.txt」に含まれる配列表は、配列番号1〜配列番号75の75配列を含み、電子提出によりともに出願され、引用することにより本明細書の一部とされる。
特に断りのない限り、実施例では、総ての組換えDNA技術は、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NYならびにAusubel et al. (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USAの第1巻および第2巻に記載されているような標準プロトコールに従って実施される。植物の分子研究の標準的な材料および方法は、BIOS Scientific Publications Ltd (UK)とBlackwell Scientific Publications, UKにより共同出版されているR.D.D. CroyによるPlant Molecular Biology Labfax (1993)に記載されている。標準的な分子生物学的技術に関する他の参考文献としては、Sambrook and Russell (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第3版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY、Brown (1998) Molecular Biology LabFax, 第2版, Academic Press (UK)の第1巻および第2巻が挙げられる。ポリメラーゼ連鎖反応の標準的な材料および方法は、Dieffenbach and Dveksler (1995) PCR Primer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory PressおよびMcPherson at al. (2000) PCR - Basics: From Background to Bench, First Edition, Springer Verlag, Germanyに見出すことができる。
配列
配列番号1: シロイヌナズナDA1コード配列
配列番号2: シロイヌナズナDA1タンパク質配列
配列番号3: ブラシカ・ナパスDA1−A1ゲノム配列
配列番号4: ブラシカ・ナパスDA1−A1コード配列
配列番号5: ブラシカ・ナパスDA1−A1タンパク質配列
配列番号6: ブラシカ・ナパスDA1−A2ゲノム配列
配列番号7: ブラシカ・ナパスDA1−A2コード配列
配列番号8: ブラシカ・ナパスDA1−A2タンパク質配列
配列番号9: ブラシカ・ナパスDA1−C1ゲノム配列
配列番号10: ブラシカ・ナパスDA1−C1コード配列
配列番号11: ブラシカ・ナパスDA1−C1タンパク質配列
配列番号12: ブラシカ・ナパスDA1−C2ゲノム配列
配列番号13: ブラシカ・ナパスDA1−C2コード配列
配列番号14: ブラシカ・ナパスDA1−C2タンパク質配列
配列番号15: 1672番にGからAへの置換を含んでなるブラシカ・ナパスDA1−A2ゲノム配列
配列番号16: 353番にRからKへの置換を有するDA1タンパク質をコードするブラシカ・ナパスDA1−A2コード配列
配列番号17: 353番にRからKへの置換を有するブラシカ・ナパスDA1−A2タンパク質配列
配列番号18: DA1−A1−EMS03対立遺伝子およびその野生型対応物のためのプライマー1
配列番号19: DA1−A1−EMS03対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号20: DA1−A1−EMS03対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号21: DA1−A1−EMS03対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号22: DA1−A2−EMS01対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号23: DA1−A2−EMS01対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号24: DA1−A2−EMS01対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号25: DA1−A2−EMS01対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号26: DA1−A2−EMS05対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号27: DA1−A2−EMS05対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号28: DA1−A2−EMS05対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号29: DA1−A2−EMS05対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号30: DA1−C1−EMS02対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号31: DA1−C1−EMS02対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号32: DA1−C1−EMS02対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号33: DA1−C1−EMS02対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号34: DA1−C1−EMS03対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号35: DA1−C1−EMS03対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号36: DA1−C1−EMS03対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号37: DA1−C1−EMS03対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号38: DA1−C2−EMS02対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号39: DA1−C2−EMS02対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号40: DA1−C2−EMS02対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号41: DA1−C2−EMS02対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号42: DA1−C1−EMS04対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号43: DA1−C1−EMS04対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号44: DA1−C1−EMS04対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号45: DA1−C1−EMS04対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号46: DA1−A2−EMS02対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号47: DA1−A2−EMS02対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号48: DA1−A2−EMS02対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号49: DA1−A2−EMS02対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号50: DA1−A2−EMS03対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー1
配列番号51: DA1−A2−EMS03対立遺伝子およびその野生型対応物の検出のためのプライマー2
配列番号52: DA1−A2−EMS03対立遺伝子の検出のためのFAMプローブ
配列番号53: DA1−A2−EMS03対立遺伝子の野生型対応物の検出のためのVICプローブ
配列番号54: ブラシカ・ラパDA1−A1ゲノム配列
配列番号55: ブラシカ・ラパDA1−A1コード配列
配列番号56: ブラシカ・ラパDA1−A1タンパク質配列
配列番号57: ブラシカ・ラパDA1−A2ゲノム配列
配列番号58: ブラシカ・ラパDA1−A2コード配列
配列番号59: ブラシカ・ラパDA1−A2タンパク質配列
配列番号60: ブラシカ・オレラセアDA1−C1ゲノム配列
配列番号61: ブラシカ・オレラセアDA1−C1コード配列
配列番号62: ブラシカ・オレラセアDA1−C1タンパク質配列
配列番号63: ブラシカ・オレラセアDA1−C2ゲノム配列
配列番号64: ブラシカ・オレラセアDA1−C2コード配列アイソフォーム1
配列番号65: ブラシカ・オレラセアDA1−C2タンパク質配列アイソフォーム1
配列番号66: ブラシカ・オレラセアDA1−C2コード配列アイソフォーム2
配列番号67: ブラシカ・オレラセアDA1−C2タンパク質配列アイソフォーム2
配列番号68: ブラシカ・オレラセアDA1−C2コード配列アイソフォーム3
配列番号69: ブラシカ・オレラセアDA1−C2タンパク質配列アイソフォーム3
配列番号70: ブラシカ・ニグラDA1−B1ゲノム配列
配列番号71: ブラシカ・ニグラDA1−B1コード配列
配列番号72: ブラシカ・ニグラDA1−B1タンパク質配列
配列番号73: ブラシカ・ニグラDA1−B2ゲノム配列
配列番号74: ブラシカ・ニグラDA1−B2コード配列
配列番号75: ブラシカ・ニグラDA1−B2タンパク質配列