JP6637393B2 - 四重極型質量分析計及び質量分析方法 - Google Patents
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Description
選択イオン検出測定手法は、ターゲットとなる質量電荷比に対応した電圧を四重極質量電極に印加して、そのターゲットとなる質量電荷比のイオン強度を検出するものである。ターゲットが複数存在する場合には、各ターゲットの質量電荷比に対応して、一定期間毎に四重極質量電極の電圧を複数段階に変化させる。以下の説明では、選択イオン検出測定は、SIM(Selected Ion Monitoring)測定と称する。
SIM測定手法では、四重極質量電極に、ターゲットになる質量電荷比に対応した特定の電圧を印加して、測定が行われる。この場合、ある1つの質量電荷比に対応した電圧を一定時間四重極質量電極に印加して、多くのサンプリング値を取得し、各サンプル値を積分する処理が行われる。したがって、SIM測定時には、SN比の高い測定結果を得ることができる。
スキャン測定は、未知のサンプルに対して、どのような物質が存在するかを判断する定性分析に適している。
(1)イオン源により試料をイオン化させる工程。
(2)イオン源で発生したイオンを質量電荷比ごとに分析部で分離させる工程。
(3)分析部を通過したイオンを検出器で検出する工程。
(4)検出器で得たイオン検出信号を通過させて、フィルタ部で整形する工程。
(5)フィルタ部を通過したイオン検出信号から質量分析結果をデータ処理部で得る工程。
また、分析部で分離された特定の質量電荷比のイオンを検出器で検出させる選択イオン検出測定と、分析部で分離された所定範囲の質量電荷比のイオンを検出器で定量的に検出させるスキャン測定とを、制御部により選択的に実行させる。そして、制御部は、選択イオン検出測定を行う場合と、スキャン測定を行う場合とで、フィルタ部における通過させる信号の応答特性、又は通過させる信号の周波数帯域のうち少なくとも一方を変化させる。
1−1.質量分析計の構成例
まず、図1〜図7を参照して質量分析計の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1は、本例の質量分析計の構成例を示す図である。
そして、分析部140を通過したイオンiの強度が検出器150で検出される。イオン源120及びイオン光学系130には、制御ボード160から、出力が駆動信号として供給される。なお、制御ボード160とイオン源120及びイオン光学系130との間には、アンプなどの回路部品を配置してもよい。
Vs=±(V+Ucosωt)
ここで、Vは直流電圧、Uは高周波の交流電圧の最大値(ピーク値)である。ωは、ω=2π×fで定義される角周波数である(fは周波数)。制御部161は、印加電圧Vsを可変する際に、高周波交流電圧のピーク値Uと直流電圧Vの比率が一定になるように制御する。
この印加電圧Vsで、四重極質量電極141を通過する質量電荷比が決まる。
デジタルフィルタ回路170とフィルタ特性パラメータメモリ180の詳細構成については後述する(図2)。
次に、図2を参照してフィルタ部の一例を示すデジタルフィルタ回路170とフィルタ特性パラメータメモリ180の構成例を説明する。
図2は、デジタルフィルタ回路170とフィルタ特性パラメータメモリ180の構成を示す回路図である。
次に、上述した質量分析計100を用いた質量分析方法について図3〜図5を参照して説明する。
図5は、測定手順の例を示すフローチャートである。
次に、スキャン測定時とSIM測定時に、デジタルフィルタ回路170に設定する特性の例について図6及び図7を参照して説明する。
図6に示すように、ピーク信号の立ち上がり時間をTrとしたとき、そのピーク信号に含まれる周波数成分BWは、BW=0.35/Trで表すことができる。忠実な波形のデータを取得するためには、周波数成分BWの10倍程度の周波数帯域が必要になる。
図8A〜図8Cは、3つの方式のフィルタ回路の特性例を示す。図8Aは、各形式のフィルタ回路の群遅延特性を示し、横軸は周波数、縦軸は遅延量である。図8Bは、各形式のフィルタ回路の周波数特性を示し、横軸は周波数、縦軸はゲインである。図8Cは、各形式のフィルタ回路の波形歪み特性を示し、横軸は時間、縦軸はレスポンスである。
図8A〜Cにおいて、特性f1はベッセル型フィルタ回路の特性例、特性f2はチェビシェフ型フィルタ回路の特性例、特性f3はバターワース型フィルタ回路の特性例を示す。
次に、図9を参照して、第2の実施の形態例にかかる質量分析計及び質量分析方法について説明する。
図9は、第2の実施の形態例にかかる質量分析計の構成例を示す図である。
次に、図10を参照して、第3の実施の形態例にかかる質量分析計及び質量分析方法について説明する。
図10は、第3の実施の形態例にかかる質量分析計の構成例を示す図である。
なお、上述した各実施の形態例で説明した構成や処理は、あくまでも好適な一例を示すものであり、本発明はここで説明した実施の形態例に限定されるものではない。
Claims (8)
- 試料をイオン化するイオン源と、
前記イオン源で発生したイオンを質量電荷比ごとに分離させる分析部と、
前記分析部を通過したイオンを検出する検出器と、
前記検出器で得たイオン検出信号を通過させて、整形するフィルタ部と、
前記フィルタ部を通過したイオン検出信号から質量分析結果を得るデータ処理部と、
前記分析部で分離された特定の質量電荷比のイオンを前記検出器で検出させる選択イオン検出測定と、前記分析部で分離された所定範囲の質量電荷比のイオンを前記検出器で定量的に検出させるスキャン測定とを、選択的に実行させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記選択イオン検出測定を行う場合と、前記スキャン測定を行う場合とで、前記フィルタ部における通過させる信号の応答特性、又は通過させる信号の周波数帯域のうち少なくとも一方を変化させる
質量分析計。 - 前記フィルタ部は、通過させる信号の応答特性、又は通過させる信号の周波数帯域のうち少なくとも一方が変化可能に構成されている
請求項1に記載の質量分析計。 - 前記フィルタ部は、複数の係数乗算器を備えたデジタルフィルタ回路であり、
前記制御部は、前記選択イオン検出測定を行う場合と、前記スキャン測定を行う場合とで、前記デジタルフィルタ回路における前記複数の係数乗算器の係数を切り換えて、通過させる信号の応答特性、又は通過させる信号の周波数帯域のうち少なくとも一方を変化させる
請求項1又は2に記載の質量分析計。 - 前記フィルタ部は、
前記スキャン測定を行う場合に用いられる第1フィルタと、
前記選択イオン検出測定を行う場合に用いられる第2フィルタと、を有し、
前記第1フィルタと前記第2フィルタは、通過させる信号の応答特性、又は通過させる信号の周波数帯域のうち少なくとも一方が異なる
請求項1に記載の質量分析計。 - 前記スキャン測定を行う際の前記フィルタ部は、信号が通過する帯域の応答特性が平坦に設定される
請求項1から4のいずれか1項に記載の質量分析計。 - 前記選択イオン検出測定を行う際の前記フィルタ部は、前記スキャン測定を行う場合よりも通過させる信号の周波数帯域が狭められる
請求項1から5のいずれか1項に記載の質量分析計。 - 前記選択イオン検出測定を行う際の前記フィルタ部は、特定の周波数よりも高域の高周波帯域をカットし、信号を通過させる帯域から信号を除去する帯域への変化が前記スキャン測定よりも急峻な応答特性及び周波数帯域に設定される
請求項6に記載の質量分析計。 - イオン源により試料をイオン化させる工程と、
前記イオン源で発生したイオンを質量電荷比ごとに分析部で分離させる工程と、
前記分析部を通過したイオンを検出器で検出する工程と、
前記検出器で得たイオン検出信号を通過させて、フィルタ部で整形する工程と、
前記フィルタ部を通過したイオン検出信号から質量分析結果をデータ処理部で得る工程と、を含み、
前記分析部で分離された特定の質量電荷比のイオンを前記検出器で検出させる選択イオン検出測定と、前記分析部で分離された所定範囲の質量電荷比のイオンを前記検出器で定量的に検出させるスキャン測定とを、制御部により選択的に実行させ、
前記制御部は、前記選択イオン検出測定を行う場合と、前記スキャン測定を行う場合とで、前記フィルタ部における通過させる信号の応答特性、又は通過させる信号の周波数帯域のうち少なくとも一方を変化させる
質量分析方法。
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