本節は、開示の概要を示すものであり、その範囲全体又はその特徴の全ての包括的開示ではない。
1つの形態において、本開示は、本体、プランジャ、ファスナハウジング、バネ及び弾性可撓性タブを含むファスナカートリッジを提示する。本体は、内部空洞を形成できる。プランジャは、内部空洞内に配置でき、内部空洞内で軸方向に移動可能とすることができる。ファスナハウジングは、本体の第1軸端部から延びることができ、かつ、ファスナ室を含むことができ、ファスナ室は、複数のファスナを受け入れる形状を持ち、複数のファスナは、ファスナ室の長手軸とファスナの長手軸とが同一線上になるようにファスナ室の中に配列される。ファスナ室は、ファスナとファスナハウジングとの間の相対的回転を防止しかつ本体に対するプランジャの軸方向の移動に応じてファスナがファスナ室の中で長手軸に沿って移動できるようにする形状を持つことができる。バネは、第1方向へプランジャを付勢してファスナの1つと当接させることができ、かつバネから最も離れたファスナハウジングの遠位端においてファスナ室の出口へ向かってプランジャを押すことができる。弾性可撓性タブは、プランジャ及びファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにし、かつ第1方向と反対の第2方向へのファスナの移動を制限できる。
いくつかの実施形態において、弾性可撓性タブは、バックストップ要素に取り付けられる。
いくつかの実施形態において、バックストップ要素は、ファスナハウジング内に配置される。
いくつかの実施形態において、バックストップ要素は、ファスナハウジングの少なくとも一部分を受け入れ、その周りに円周状に延びる。
いくつかの実施形態において、バックストップ要素は、長手軸から外向きに曲がってファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにする複数の弾性可撓性タブを含む。弾性可撓性タブは、ファスナの1つの頭部に干渉して、第2方向へのファスナの移動を制限する。
いくつかの実施形態において、弾性可撓性タブは、プランジャに取り付けられ、ファスナ及びプランジャの第2方向への移動を制限するために本体の複数の戻り止めと係合可能である。
いくつかの実施形態において、弾性可撓性タブは、ファスナハウジング遠位端部においてファスナハウジングに取り付けられ、第2方向へのファスナの移動を制限するためにファスナと係合可能である。
いくつかの実施形態において、弾性可撓性タブは、プランジャに対して半径方向外側に配置され、第2方向へのプランジャの移動を制限するためにプランジャに形成された複数の戻り止めと係合可能である。
いくつかの実施形態において、ファスナカートリッジは、本体の第2軸端部から延びかつドライバと係合するように構成されたシャフトを含む。
いくつかの実施形態において、ファスナの各々は、ファスナとファスナハウジングとの間の相対的回転を防止するためにファスナ室の形状に適合する形状を有する頭部を含む。
いくつかの実施形態において、プランジャは、先端がファスナ室の中に少なくとも部分的に受け入れられているとき、プランジャとファスナハウジングとの間の相対的回転を防止するためにファスナ室の形状に適合する形状を持つ先端を含む。プランジャの先端は、例えば平頭スクリュードライバの構造又は十字頭スクリュードライバの構造を持つことができる。
いくつかの実施形態において、プランジャは、先端及びファスナの少なくとも1つが少なくとも部分的にファスナ室内に配置されるファスナ前進位置と、ファスナがファスナ室内に存在せず先端の少なくとも一部分がファスナ室の出口から突出しているドライバ位置との間で移動可能である。
いくつかの実施形態において、プランジャの一部分は、プランジャ全体がファスナ室を通り抜けるのを防止するサイズを持つ。
いくつかの実施形態において、ファスナハウジングは、ファスナ室の出口においてファスナ室の中へ半径方向内向きに突出する複数の非可撓性タブを含む。非可撓性タブは、ファスナの1つの頭部と係合して、このファスナの1つが不注意で出口の外へ全面的に通過するのを防止できる。非可撓性タブは、ファスナの前記1つの頭部を変形させて、使用者による加圧に応じてファスナの前記1つをファスナ室から放出できる。
いくつかの実施形態において、プランジャは、バネの一部分を受け入れる空洞を含む。
いくつかの実施形態において、ファスナの少なくとも1つの先端は、当該ファスナに隣接するファスナの頭部の凹部に受け入れられる。
いくつかの実施形態において、ファスナカートリッジは、シャフトを本体に接続するアダプタを含む。アダプタは、シャフトに取外し可能に係合する。
いくつかの実施形態において、シャフトの端部は、本体の内部空洞内に受け入れられ、ファスナの1つの頭部の1つ又は複数のスロットに係合する形状を持つ先端を含む。プランジャは、シャフトの前部端部とファスナハウジングとの間に配置できる。
いくつかの実施形態において、アダプタは、シャフトの環状凹部とスナップ式に係合する複数の可撓性タブを含む。
別の形態において、本開示は、シャフトとファスナハウジングとプランジャとを含むことができるツールを提供する。シャフトは、ドライバに係合するように構成できる。ファスナハウジングは、回転に関してシャフトに対して固定でき、その中で軸方向に整列しかつシャフトの長手軸に沿って配列された複数のファスナを受け入れる形状を持つファスナ室を含むことができる。ファスナ室は、ファスナとファスナハウジングとの間の相対的回転を防止しかつその中でファスナが長手軸に沿って移動できるようにする形状を持つことができる。プランジャは、ファスナの1つと当接して、ファスナの1つを長手軸に沿って第1方向へファスナ室の出口へ向かって押すことができる。ツールは、プランジャ及びファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにしかつ第1方向と反対の第2方向へのファスナの移動を制限するための手段も含むことができる。
いくつかの実施形態において、プランジャは、プランジャの先端及びファスナの少なくとも1つが少なくとも部分的にファスナ室内に配置されるファスナ前進位置と、ファスナ室の中にファスナがなく先端の少なくとも一部分がファスナ室の出口から突出するドライバ位置との間で移動可能である。
いくつかの実施形態において、手段は、プランジャに取り付けられて、第2方向へのファスナ及びプランジャの移動を制限するためにプランジャを収容する本体の複数の戻り止めと係合可能な弾性可撓性タブを含む。
いくつかの実施形態において、手段は、ファスナハウジングの遠位端部においてファスナハウジングに取り付けられて、第2方向へのファスナの移動を制限するためにファスナと係合可能な弾性可撓性タブを含む。
いくつかの実施形態において、手段は、プランジャに対して半径方向外側に配置されて、第2方向へのプランジャの移動を制限するためにプランジャに形成された複数の戻り止めと係合可能である弾性可撓性タブを含む。
いくつかの実施形態において、手段は、ファスナハウジング内に配置されたバックストップ要素に取り付けられた弾性可撓性タブを含む。
いくつかの実施形態において、バックストップ要素は、長手軸から外向きに曲がってファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにする複数の弾性可撓性タブを含む。弾性可撓性タブは、ファスナの1つの頭部に干渉して、第2方向へのファスナの移動を制限する。
いくつかの実施形態において、手段は、ファスナハウジングの少なくとも一部分を受け入れてその周りに円周状に延びるバックストップ要素に取り付けられた弾性可撓性タブを含む。
いくつかの実施形態において、バックストップ要素は、長手軸から外向きに曲がってファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにする複数の弾性可撓性タブを含む。弾性可撓性タブは、ファスナの1つの頭部に干渉して、第2方向へのファスナの移動を制限する。
いくつかの実施形態において、ツールは、シャフトとファスナハウジングとの間に延びる管状体と、シャフトを本体に接続するアダプタと、を含み、アダプタは取外し可能にシャフトに係合する。
いくつかの実施形態において、シャフトの端部は、本体の内部空洞内に受け入れられ、ファスナの1つの頭部の、1つ又は複数のスロットと係合する形状を持つ先端を含む。プランジャは、シャフトの前記端部とファスナハウジングとの間に配置される。
いくつかの実施形態において、アダプタは、シャフトの環状凹部とスナップ式に係合する複数の可撓性タブを含む。
別の形態において、本開示は、ファスナの長手軸がファスナカートリッジの長手軸と整列し、ファスナが回転に関してファスナカートリッジに対して固定され、ファスナの最初の1つがファスナカートリッジの出口から外へ延びるようにファスナカートリッジの中に複数のファスナを配列することと、ファスナの最初の1つを物体の中へネジ式に打ち込むためにファスナカートリッジの長手軸を中心としてファスナカートリッジを回転させることと、ファスナの最初の1つをファスナカートリッジから分離することと、ファスナカートリッジがファスナの最初の1つから分離された後に第2のファスナをファスナカートリッジの出口から自動的に前進させることと、を含むことができる方法を提示する。第2のファスナは、人の作用なしに自動的に出口から前進できる。
いくつかの実施形態において、方法は、第2のファスナをファスナカートリッジから分離することと、ファスナカートリッジが第2のファスナから分離された後に第3のファスナをファスナカートリッジの出口から自動的に前進させることと、を含む。第3のファスナは、人の作用なしに自動的に出口から前進できる。
いくつかの実施形態において、自動的に出口から第2のファスナを前進させることは、ファスナカートリッジの長手軸に沿って第1方向へプランジャを移動することによってプランジャで第2のファスナを出口から押し出すことを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、第1方向と反対の第2方向へのプランジャ及び第2のファスナの移動を制限することを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、全てのファスナがファスナカートリッジから分離された後にプランジャの先端を出口から延ばすことと、プランジャの先端が出口から延びているとき別のファスナをプランジャの先端と係合することと、プランジャの先端を使用して前記別のファスナを打ち込むことと、を含む。
いくつかの実施形態において、方法は、ファスナの1つが不注意で全体的に出口を通り抜けるのを防止するためにファスナの1つの頭部をファスナカートリッジと係合することを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、使用者によって加えられた力に応じてファスナの1つをファスナカートリッジから分離するためにファスナの1つの頭部を変形することを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、ファスナカートリッジの本体からファスナカートリッジのシャフトを分離することであって、シャフトが別のファスナの1つ又は複数のスロットに係合する形状を持つ先端を含むことと、先端を他のファスナに直接係合しかつシャフトをドライバに直接係合して他のファスナを打ち込むことと、を含む。
いくつかの実施形態において、シャフトの先端は、シャフトが本体から分離される前には本体の空洞内に受け入れられる。
別の形態において、本開示は、上述のファスナカートリッジに使用されるように構成されるファスナを提示する。ファスナは、ネジ切り軸部と、ネジ切り軸部の端部に配置された頭部とを含むことができる。頭部は、複数の葉状体(lobes)を含むことができる。頭部は、ネジ切り軸部の反対を向く端面とテーパー面とを含むことができる。テーパー面は、端面とネジ切り軸部との間で軸方向に延びる。端面は、ソケット及びその中に形成された第1スロットを含む。第1スロットは、ソケットが第1スロットの中央部分を貫通するようにソケットに交差できる。第1スロットは、ソケットから半径方向外向きに2つの対向する方向へ延びることができる。頭部のテーパー面は、各々隣り合う葉状体の間に配置されかつ各々半径方向外向きに延びるリップによって画定された複数の凹部を含むことができる。
いくつかの実施形態において、葉状体は頭部の概ね十字形の周囲を画定できる。
いくつかの実施形態において、ネジ切り軸部は、ネジ切り軸部の先端が別の同様のファスナのソケットの中へ受け入れられるようにテーパー状である。
いくつかの実施形態において、頭部は、端面に形成された第2スロットを含む。第2スロットは、第1スロットに直交して延びて、ソケットと交差できる。
別の形態において、本開示は、シャフトに結合するように構成されたファスナカートリッジを提示する。ファスナカートリッジは、第1端部から第2端部まで延びる主ハウジングであって、第1端部から第2端部まで延びる開口を形成し、ロック口が外面から開口まで延びる、主ハウジングと、主ハウジングの周りに位置付けられたドライブクリップであって、ドライブクリップがベースとベースから延びる細長い脚と細長い脚から延びる突出部とを含む、ドライブクリップと、複数の非可撓性タブを含むファスナ室と複数の弾性可撓性タブを含むバックストップ要素とを含むファスナハウジングであって、ファスナハウジングが、複数のファスナを含むように構成され、複数のファスナが、ファスナ室の長手軸と複数のファスナの長手軸とが同一線上にあるようにファスナハウジングの中に配列される、ファスナハウジングと、主ハウジングに沿って移動してファスナカートリッジをツールのシャフトに結合するように構成されたロックスリーブと、を含む。
いくつかの実施形態において、ロックスリーブは、アンロック位置に相当する第1位置とロック位置に相当する第2位置との間で移動するように構成される。
いくつかの実施形態において、第1位置において、ロックスリーブは、ファスナ室に沿った第1場所においてファスナ室と係合し、ドライブクリップの突出部は、ロック口内に位置付けられるが、主ハウジングによって形成された開口内にはない。
いくつかの実施形態において、第1位置から第2位置へ移行するとき、ロックスリーブはファスナ室から離脱して、ロックスリーブがファスナ室に沿った第2場所においてファスナ室と係合するまで主ハウジングに沿って主ハウジングの第1端部へ向かって移動する。第2場所は、第1場所と比べて、主ハウジングの第1端部に近い。
いくつかの実施形態において、第2位置において、細長い脚は、本体を圧して潰れて、ドライブクリップの突出部がロック口を通して主ハウジングによって画定された開口の中へ延びるようにする。
いくつかの実施形態において、ファスナカートリッジは、主ハウジング及びファスナハウジング内に配置されかつ主ハウジング及びファスナハウジング内で軸方向に移動可能なプランジャと、バネであって、プランジャを第1方向へ付勢してファスナの1つと当接させてかつ当該バネから最も離れたファスナ室の遠位端部のファスナ室の出口へ向かってプランジャを押す、バネと、を含む。
いくつかの実施形態において、複数の弾性可撓性タブは、プランジャ及びファスナを軸方向に第1方向へ移動できるようにし、第1方向と反対の第2方向へのファスナの移動を制限する。
いくつかの実施形態において、ファスナ室の一部分は、ファスナとファスナ室との間の相対的回転を防止しかつ本体に対するプランジャの軸方向の移動に応じてファスナがファスナ室の中で長手軸に沿って移動できるようにする形状を持つ。
いくつかの実施形態において、複数の弾性可撓性タブは、ファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにするために、長手軸から離れて外向きに屈曲することによって第1の静止位置から第2の屈曲位置へ移行するように構成される。
いくつかの形態において、第1の静止位置において、弾性可撓性タブは、ファスナの1つの頭部に干渉して第2方向へのファスナの移動を制限するように構成される。
別の形態において、本開示は、ツールに結合されるように構成されたシステムを提示する。システムは、ファスナカートリッジを含み、ファスナカートリッジは、本体の第1端部から主ハウジングの第2端部まで延びる開口を形成する主ハウジングと、主ハウジングの周りに配置されたドライブクリップであって、ドライブクリップがツールのシャフトと係合するように構成された突出部を含む、ドライブクリップと、複数の非可撓性タブを含むファスナ室と複数の弾性可撓性タブを含むバックストップ要素とを含むファスナハウジングであって、ファスナハウジングが、複数のファスナを含むように構成され、複数のファスナが、ファスナ室の長手軸と複数のファスナの長手軸とが同一線上であるようにファスナハウジングの中に配列される、ファスナハウジングと、アンロック位置に相当する第1位置とロック位置に相当する第2位置との間で主ハウジングに沿って移動するように構成されたロックスリーブであって、ロック位置において、突出部がファスナカートリッジをツールに結合するためにシャフトと係合する、ロックスリーブと、を含む。
いくつかの実施形態において、ファスナカートリッジは、更に、主ハウジング及びファスナハウジング内に軸方向に移動可能に配置されたプランジャと、バネであって、第1方向へプランジャを付勢してファスナの1つと当接させかつプランジャを当該バネから一番離れたファスナ室の遠位端のファスナ室の出口へ向かってプランジャを押す、バネと、を含む。
いくつかの実施形態において、複数のファスナの各々は、ネジ切り軸部と、ネジ切り軸部の端部に配置され複数の葉状体と各々隣り合う葉状体の間に配置されかつ各々部分的に半径方向外向きに延びる変形可能リップ及び傾斜面の一方によって形成された複数の凹部とを含む頭部と、を含む。
いくつかの実施形態において、複数の非可撓性タブは、各々、ファスナの1つの変形可能リップ及び傾斜面の一方に係合して、ファスナの前記1つが不注意で出口から全面的に通過するのを防止するように構成され、非可撓性タブは、ファスナの1つの変形可能リップ及び傾斜面の一方を変形して、使用者によって加えられた力に応じて、ファスナ室からファスナの1つを放出するように構成される。
いくつかの実施形態において、複数の弾性可撓性タブは、ファスナが軸方向に第1方向へ移動できるようにするために長手軸から離れて外向きに曲がることによって第1の静止位置から第2の屈曲位置へ移行するように構成され、第1の静止位置において、弾性可撓性タブは、ファスナの1つの頭部に干渉して第2方向へのファスナの移動を制限するように構成される。
いくつかの実施形態において、ツールのシャフトは、溝を含み、ロック位置において、ドライブクリップの突出部は、シャフトの溝の中へ延びる。
いくつかの実施形態において、ファスナカートリッジがシャフトに結合されたとき、シャフトは、軸方向及び回転に関してファスナカートリッジに対して固定される。
別の形態において、本開示は、複数のファスナを含むファスナカートリッジをツールのシャフトに結合することであって、複数のファスナの長手軸がファスナカートリッジの長手軸と整列し、ファスナの最初の1つがファスナカートリッジの出口から外へ延び、ファスナカートリッジが出口の中へ半径方向に延びる複数の非可撓性タブと複数の可撓性タブとを含むことと、複数のファスナの最初の1つを物体へネジ式に打ち込むためにツールを介してファスナカートリッジの長手軸を中心としてファスナカートリッジを回転することと、複数のファスナの最初の1つをファスナカートリッジから分離することと、ファスナカートリッジが複数のファスナの最初の1つから分離された後にファスナカートリッジの出口から外へ複数のファスナの第2のファスナを自動的に前進させることであって、複数のファスナの第2のファスナが人の作用なしに自動的に出口から前進することと、を含む。
いくつかの実施形態において、複数のファスナの各々は、ネジ切り軸部と、ネジ切り軸部の端部に配置されかつ複数の葉状体と各々隣り合う葉状体の間に配置され各々部分的に半径方向外向きに延びる変形可能リップ及び傾斜面の一方によって形成される複数の凹部とを含む頭部と、を含む。
いくつかの実施形態において、複数のファスナの最初の1つをファスナカートリッジから分離することは、非可撓性タブが少なくとも部分的に複数のファスナの最初の1つの変形可能リップ及び傾斜面の一方を変形して複数のファスナの最初の1つをファスナカートリッジから分離するようにファスナカートリッジを後退させることを含む。
更なる応用分野は、本明細書における説明から明らかになる。本概要の説明及び具体例は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定するものではない。
本明細書において説明する図面は、全ての可能な実施形態ではなく、単に選択された実施形態を例示するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
実施形態例について、添付図面を参照して更に詳しく説明する。
実施形態例は、本開示が徹底的でありかつ当業者に本開示の範囲を充分に伝えるように、提示する。本開示の実施形態を充分に理解するために、具体的構成要素、装置及び方法の例などの多数の具体的詳細を示す。具体的詳細は採用する必要は必ずしもないこと、実施形態例は多様な形式で実現できること及び開示の範囲を限定すると解釈すべきではないことが、当業者には分かるはずである。いくつかの実施形態例において、周知のプロセス、周知の装置構造及び周知のテクノロジーについては詳細に説明しない。
本明細書において使用する技術用語は、特定の実施形態例を説明するためだけのものであり、限定的であることを意図しない。本明細書において使用される場合、単数形は、文脈上特に指示しない限り、複数形も含むことを意図する。「備える(comprise)」、「含む(include)」及び「有する(have)」は、包括的であり、明示される特徴、完成体、ステップ、作動、要素及び又は構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、完成体、ステップ、作動、要素、構成要素及び/又はそのグループの存在又は追加を排除しない。本明細書において説明する方法のステップ、プロセス及び作動は、実施順序として明確に指定されない限り、論じられる又は図示される特定の順序で実施することを必ず要求するものとは、解釈されないものとする。
ある要素又は層が、別の要素又は層「〜の上に(on〜)」、「〜に係合する(engaged to〜)、「〜に接続する(connected to〜)又は「〜に結合する(coupled to〜)」として記される場合、直接他の要素又は層の上にある、係合、接続若しくは結合されるか、又は、介在要素又は層が存在する可能性がある。これに対して、要素が、別の要素又は層「〜の直接上に」、「〜に直接係合する」、「に直接接続する」又は「に直接結合する」として示される場合、介在要素又は層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用されるその他の単語は、同様に解釈されるものとする(例えば、「の間に」と「の直接間に」、「の隣に」と「のすぐ隣に」など)。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、関連して列記される項目の1つ又はそれ以上の任意の全ての組合せを含む。
様々な要素、構成要素、領域、層及び/又は区分を説明するために本明細書において第1、第2、第3などの用語が使用される場合、これらの要素、構成要素、領域、層及び/又は区分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、単に1つの要素、構成要素、領域、層又は区分を別の領域、層又は区分から区別するためにだけ使用される。「第1」、「第2」及びその他の数値的用語は、本明細書において使用される場合、文脈上明確に指示されない限り順番又は順序を示唆しない。したがって、下で論じる第1要素、構成要素、領域、層又は区分は、実施形態例の教示から逸脱することなく、第2要素、構成要素、領域、層又は区分と言うこともできる。
「内側」、「外側」、「下方」、「下」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的な相対用語は、図に示される別の要素又は特徴(1つ又は複数)に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するために本明細書において便宜上使用できる。空間的な相対用語は、図面において示す方向に加えて使用時又は作動時の装置の様々な向きを包含することを意図することができる。例えば、図の装置がひっくり返される場合、他の要素又は特徴部の「下方」又は「下」として説明される要素は、他の要素又は特徴部の「上方」になる。従って、「下方」と言う用語例は、上方及び下方の両方の向きを包含できる。装置は、その他の方向(90°回転又はその他の向き)を向くことができ、本明細書において使用される空間的な相対用語は、状況に応じて解釈されるものとする。
図1〜10を参照すると、物体(図示せず)の中へ複数のファスナ14を打ち込むためにドライバ12(図1)に取外し可能に取り付けできるファスナカートリッジ10が示される。物体は、例えば、機械若しくは装置の構成要素、又は、人間若しくは動物の骨若しくはその他の組織である可能性がある。ドライバ12は、図1において、手動ドライバのハンドルとして示されるが、ファスナカートリッジ10は、例えばBiomet Microfixation製造のiQ(商標)Intelligent Driverなどの電動又は空気圧駆動ドライバに取り付けてこれによって駆動できることが分かるはずである。以下でさらに詳細に説明するように、ファスナカートリッジ10は、(1)複数のファスナ14のうちの1つを打込み準備完了位置に保持し、同時に1つ又は複数のファスナ14をスタンバイ位置に保持し、(2)打込み準備完了位置にあるファスナ14を物体の中へ打ち込むためにドライバ12からファスナ14へトルクを伝達し、その後(3)自動的にファスナ14の次の1つを打込み準備完了位置へ前進させる、ことができる。
図1〜3に示すように、ファスナカートリッジ10は、外側ハウジング又は本体16と、シャフト18と、ファスナハウジング20と、プランジャ22と、バネ24と、を含むことができる。ハウジング16は、内部空洞26を形成する概ね管状体である。空洞26は、ハウジング16の第1軸端部28から第2軸端部30まで延びることができる。ハウジング16は、1対の第1スロット又は戻り止め32と、複数の第2スロット又は戻り止め34と、を含むことができる。第1戻り止め32は、第2軸端部30から同距離であり、相互に180度離れて配置できる。第2戻り止め34は、相互に180度離れた1対の線形パターンに配列できる。
シャフト18は、その一端に配置されたカラー36を含むことができる。カラー36は、シャフト18が第2端部30から軸方向に延びるようにハウジング16の第2端部30において空洞26の中に受け入れられる。カラー36は、ハウジング16の空洞26と連通する凹部38を形成できる。カラー36は、ハウジング16に対してシャフト18を固定するために、第1戻り止め32とスナップ式に係合する1対の逆棘付きタブ(barbed tab)40を含むことができる。シャフト18をハウジング16に固定する他の方法(例えば、プレス嵌め及び/又は溶接)を採用できることが分かるはずである。いくつかの実施形態において、シャフト18は、ハウジング16と一体的に形成できる。図に示す実施形態において、シャフト18は、シャフト18を回転に関してドライバ12に対して固定する(それによって、ファスナカートリッジ10全体を回転に関してドライバ12に対して固定する)ためにドライバ12の中に受け入れられることができる突出部42を含む。シャフト18は、突出部42に加えて又はその代わりにドライバ12に係合するための他の特徴部を含むことができることが分かるはずである。
ファスナハウジング20は、ハウジング16に取り付けられて、ハウジング16の第1軸端部28から延びることができる。例えば、図3に示すように、ファスナハウジング20の一部分は、ファスナハウジング20をハウジング16に固定するために第1軸端部28において空洞26の中へプレス嵌めできる。ファスナハウジング20をハウジング16に永久的に固定するために1つ又は複数の溶接部を作ることができる。ファスナハウジング20をハウジング16に固定する他の方法(例えば、スナップ嵌めなど)を採用できることが分かるはずである。
ファスナハウジング20は、ファスナハウジング20及びハウジング16の長手軸A1に沿って貫通するファスナ室44を含む概ね円筒体とすることができる。図3及び4に示すように、ファスナ室44は、設定された数のファスナ14の少なくとも一部分を受け入れることができる。ファスナ14の設定数は、ハウジング16の第2戻り止め34の対の数より1つ少ない数に等しくできる。図示する実施形態において、ファスナ14の設定された数は4である。
図2〜4に示すように、ファスナ室44は、ファスナ14の頭部46の形状に合致する形状を持ち(即ち、ファスナ室44は、頭部46の形状に合わせた形状を持つ)、それによって、ファスナハウジング20とファスナ14との間の相対的回転を防止しながら、ファスナ14が長手軸A1に沿ってファスナ室44を通過して移動できるようにする。図に示す実施形態において、ファスナ室44は、概ね、十字又はプラス記号(+)の形状を持ち、これに対応する形状のファスナ14の頭部46を滑動可能に受け入れる。即ち、各頭部46は、概ね十字形の頭部46周囲を形成する葉状体47を含むことができる(図4)。ファスナ室44及び頭部46は、ファスナハウジング20にファスナ14の頭部46を回転に関して固定する別の形状を持つことができることが分かるはずである。
図3及び4に示すように、ファスナ14は、ファスナ室44内に直列形に配列される。即ち、ファスナ14の長手軸は、ファスナ14がファスナハウジング20内に配置されたとき長手軸A1と同一線上にある。ファスナハウジング20は、ファスナ14がファスナ室44内に既に配置された状態でハウジング16に組立てできる。したがって、ファスナハウジング20が永久的にハウジング16に取り付けられる(例えば、溶接により)実施形態の場合、ファスナ14の全てが物体に打ち込まれた後、ファスナ室44に、ファスナ14を再装填できない可能性がある。ファスナハウジング20が取外し可能にハウジング16に取り付けられる(例えば、スナップ嵌めにより)実施形態の場合、ファスナ室44にファスナ14を再装填できる。
図3及び8に示すように、各ファスナ14は、ファスナ14の長手軸に沿って頭部46の中まで延びるソケット又は凹部48を含む。各ファスナ14のネジ切り軸部50は、ファスナ14が相互に入れ子式に納まるように、隣接するファスナ14の凹部48の中へ受け入れられるテーパー状の先端52を持つことができる。図4に示すように、ファスナ14の頭部46は、例えばプラス頭(十字形)又は平頭ドライバ先端を受け入れるように構成できる1つ又は複数のスロット54も含むことができる。頭部46のテーパー状外周面45は、陥没部又は凹部55(図5)を含むことができる。
図6及び7に示すように、ファスナハウジング20の遠位端部56は、ファスナ室44の出口59においてファスナ室44の中へ半径方向に延びる複数の非可撓性タブ58を含むことができる。非可撓性タブ58の各々は、打込み準備完了位置にあるファスナ14(即ち、ファスナ室44から外へ延びて、その先端52がファスナカートリッジ10の反対側を指すファスナ14)の凹部55の対応する1つの中へ受け入れられる。非可撓性タブ58と打込み準備完了ファスナ14のリップ60(即ち、部分的に凹部55を形成するリップ60)との間の干渉は、ファスナカートリッジ10と打込み準備完了ファスナ14との間の不注意の離脱を防止する(図7)。非可撓性タブ58は、剛性であり、弾性的に撓まない。以下で更に詳しく説明するように、リップ60は、ファスナ14がネジ式に物体の中へ打ち込まれた後にファスナ14を離脱するためにファスナカートリッジ10の使用者が加えた力に応じて、非可撓性タブ58によって変形可能である。いくつかの実施形態において、ファスナ14は、リップ60の変形をさらに容易にするために、ファスナハウジング20より柔らかい材料から作ることができる。
図2及び3に示すように、プランジャ22は、本体64から延びるシャフト62を含むことができる。プランジャ22は、ハウジング16の空洞26内をファスナ前進位置(図1、3及び8)とドライバ位置(図9)との間で移動可能とすることができる。シャフト62及び本体64は、長手軸A1に沿って軸方向に延びることができ、長手軸A1を中心とすることができる。シャフト62は、先端66がファスナ室44の中に受け入れられているとき回転に関してファスナハウジング20に対してプランジャ22を固定しながら、先端66が長手軸A1に沿ってファスナ室44の中を滑動できるように、ファスナ室44の形状に合致するような形状、サイズ及び配列を持つ複数の刃68を有する先端66を含むことができる。刃68はまた、ファスナ14のスロット54内に嵌合する形状、サイズ及び配列も持つ。先端66の遠位端部は、ファスナ14の1つの凹部48に受け入れられる突出部70を含むことができる(図8)。図2の先端66は、十字頭スクリュードライバの形状に構成された4つの刃を持つものとして示されるが、先端66は平頭スクリュードライバの形状に構成された2つの刃68を含むことが可能であることが分かるはずである。
プランジャ22の本体64は、先端66とは反対のシャフト62の軸端部に配置される。本体64は、シャフト62とは反対の本体64の軸端部に開口74を有する凹部72(図3及び8)を含むことができる。図3に示すように、バネ24は、部分的に凹部72内に受け入れられ、かつ部分的にシャフト18のカラー36の凹部38内に受け入れられる。このようにして、バネ24は、長手軸A1に沿ってプランジャ22をシャフト18から反対向きに付勢できる。
図2、3及び8に示すように、プランジャ22の本体64は、複数の弾性可撓性タブ76を含むことができ、その各々は、タブ76の遠位端に又はその付近に配置された逆棘78を含む。逆棘78の各々は、傾斜面80とストッパ面82(図8)とを含む。図3及び8に示すように、逆棘78は、ストッパ面82と複数のバックストップ面84の1つ(即ち第2戻り止め34を形成するバックストップ面84)との間の干渉が長手軸A1に沿ったシャフト18へ向かうプランジャ22の移動を防止するように、第2戻り止め34のいずれかの中に受け入れられる。逆棘78の傾斜面80は、タブ76が内向きに(即ち、長手軸A1へ向かって)屈曲できるようにして、プランジャ22が長手軸A1に沿ってシャフト18から反対向きに移動できるようにする。
引き続き図1〜10を参照して、ファスナカートリッジ10の作動について詳細に説明する。上述のように、ファスナカートリッジ10は、(1)同時に複数のファスナの1つを打込み準備完了位置に及び1つ又は複数のファスナをスタンバイ位置に保持し、(2)ファスナ14を物体への打込み準備完了位置へ駆動するためにドライバ12からファスナ14へトルクを伝達し、その後(3)ファスナ14の次の1つを打込み準備完了位置へ自動的に前進できる。
上述のように、ファスナカートリッジ10は、設定された数のファスナ14(例えば図示する実施形態においては4つのファスナ14)をファスナ室44内に配置した状態で初期組立できる。ファスナ14の最初の1つは、図3に示すように、当初、打込み準備完了位置にある。ファスナ14の最初の1つが打込み準備完了であるとき、プランジャ22の可撓性タブ76の逆棘78は、ファスナハウジング20の出口59から最も離れた対の第2戻り止め34の中に受け入れられる。
ファスナ14の最初の1つが打込み準備完了位置にあり、シャフト18がドライバ12に取り付けられた状態のとき、使用者は、ドライバ12を介してファスナカートリッジ10を回転させて、ファスナ14の最初の1つを選択された物体(機械若しくは装置の構成要素、又は、人体又は動物の骨若しくはその他の細胞)の中へネジ式に打ち込むことができる。シャフト18は回転に関してハウジング16及びファスナハウジング20に対して固定されるので、長手軸A1を中心としたシャフト18の回転(ドライバ12を介した)は、ファスナ14へトルクを伝達させる(ファスナ14の頭部46は、ファスナ室44と頭部46とが噛み合う形状を持つので回転に関してファスナハウジング20に固定される)。可撓性タブ76のストッパ面82と出口59から最も遠い戻り止め34のバックストップ面84との間の干渉は、ファスナ14が物体へ打ち込まれるとき、プランジャ22及びファスナ14が軸方向にシャフト18へ向かって移動するのを防止する。
ファスナ14の最初の1つが所望の深さまで物体の中へ打ち込まれた後、使用者は、ファスナ14の最初の1つのリップ60を変形してファスナ14の最初の1つの頭部46が完全にファスナハウジング20の出口59を通り抜けられるようにするために力を加えることによって、ファスナ14の最初の1つからファスナカートリッジ10を離脱できる。リップ60の変形は、ファスナ14が物体に埋め込まれた後に、ファスナ14の最初の1つからファスナカートリッジ10を引き離すことによって(又は、ファスナ14に対してファスナカートリッジ10を前後に揺らし、ファスナ14から引き離すことによって)実現できる。この引き離し及び/又は揺らしの行為によって、ファスナハウジング20の非可撓性タブ58は、ファスナ14の最初の1つのリップ60を変形させて、ファスナカートリッジ10をファスナ14の最初の1つから分離できるようにする。このような打込み準備完了位置におけるファスナ14の保持、及びファスナカートリッジ10からファスナを分離するための慎重なステップは、ファスナカートリッジ10からのファスナ14の不注意の分離を減少又は排除して、それによってファスナ14の落下又は紛失を減少または排除する。
ファスナカートリッジ10がファスナ14の最初の1つから分離されるとき、第2のファスナ14(即ち、図3においてファスナ14の最初の1つのすぐ後ろに配置されたファスナ14)は、プランジャ22によってスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ自動的に押される。即ち、ファスナ14の最初の1つがファスナカートリッジ10から分離されるとき、バネ24は、プランジャ22をファスナハウジング20の出口59へ向かって押し、それによって第2のファスナ14のリップ60がファスナハウジング20の出口59において非可撓性タブ58に当接するまでファスナ室44を通過して第2のファスナ14を前進させることができる。第2のファスナ14が打込み準備完了位置にあるとき(即ち、第2のファスナ14のリップ60が非可撓性タブ58に当接しているとき)、プランジャ22の可撓性タブ76の逆棘78は、ファスナハウジング20の出口59から2番目に遠い対である第2の対の戻り止め34の中へ受け入れられる(図8)。
第2のファスナ14が打込み準備完了位置にあるとき、使用者は、上述と同様に、物体の中へ第2のファスナ14を打ち込んで、その後第2のファスナ14からファスナカートリッジ10を分離できる。ファスナカートリッジ10が第2のファスナ14から分離されるとき、第3のファスナ14は、スタンバイ位置から打込み準備完了位置へ自動的に前進する。上記のプロセスは、第3のファスナ14を物体の中へ打ち込んで、第4のファスナ14を前進させて打ち込むために繰り返すことができる。
上述のように、ファスナ14は、スタンバイ位置から打込み準備完了位置へ自動的に前進する。即ち、ファスナ14がファスナカートリッジ10から分離されるとき、次のファスナ14は、使用者からの作用なしに、打込み準備完了位置へ自動的に前進する。即ち、使用者は、次のファスナ14を打込み準備完了位置へ前進させるために一切積極的処置を行う必要がない。
設定された数のファスナ14の最後の1つが物体へ打ち込まれて、ファスナカートリッジ10から分離されたら、プランジャ22は、図9及び10に示すドライバ位置へ自動的に前進できる(バネ24の力を受けて)。ドライバ位置において、プランジャ22の先端66は、ファスナハウジング20の出口59から外へ突出し、プランジャ22の可撓性タブ76の逆棘78は、ファスナハウジングの出口59に最も近い対の第2の戻り止め34の中に受け入れられる。逆棘78のストッパ面82とバックストップ面84との間の干渉は、シャフト18へ向かうプランジャ22の移動を防止する。更に、プランジャ22の本体64の直径は、ファスナ室44の中へ嵌合するには大きすぎるので、本体64は、ハウジング16の空洞26の中に留まる。
プランジャ22が図9及び10に示すドライバ位置にあるとき、ファスナカートリッジ10は、標準的なスクリュードライバとして機能でき、任意のファスナ14a(上述のファスナ14のように構成されたファスナだけでなく)を打ち込むために使用できる。例えば、プランジャ22がドライバ位置にあるとき,プランジャ22の先端66は、スクリューダイアル又はトレイから取り出したスクリュー14aに係合するか、又は、スクリュー14aは、先端66に手で装填できる。先端66は、ドライバ位置のときに回転に関してファスナ室44に固定されたままなので、ドライバ12を介してシャフト18に加えられたプランジャ22のトルクは、プランジャ22を介してスクリュー14aへ伝達できる(プランジャ22が例えば図3及び8に示すファスナ前進位置の1つにあるときのように、シャフト18からのトルクがファスナ室44の形状を介してファスナハウジング20によってファスナ14へ伝達されるのではなく)。
上述のファスナカートリッジ10と同様に、設定された数のファスナ14を保持し打込むために使用できる別のファスナカートリッジ110を、部分的に図11及び12に示す。ファスナカートリッジ110の構造及び機能は、以下に説明し及び/又は図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ10の構造及び機能と同様又は同じである。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ110は、主ハウジング116と、シャフト(図示せず)と、ファスナハウジング120と、プランジャ122(図12)と、バネ(図示せず)とを含むことができる。ファスナカートリッジ110のシャフトは、上述のシャフト18と同様又は同一とすることができ、操作可能に電動又は手動ドライバに結合できる。ハウジング116は、ハウジング116が第2戻り止め34を含まなくて良いことを除いて、上述のハウジング16と同様又は同一とすることができる。プランジャ122は、プランジャ122が可撓性タブ76を含まなくて良いことを除いて、上述のプランジャ22と同様とすることができる。ファスナカートリッジ110のバネは、上述のバネ24と同様又は同一とすることができる。
ファスナハウジング120は、ファスナハウジング120が、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナハウジング120のファスナ室144の中へ押し戻されるのを防止する弾性可撓性タブ176を含むことを除いて、上述のファスナハウジング20と同様又は同一とすることができる。可撓性タブ176は打込み準備完了位置のファスナ14がファスナ室144の中へ押し戻されるのを防止するので、スタンバイ位置にあるファスナ14及びプランジャ122が、ファスナカートリッジ110のシャフトへ向かって押されるのが防止される。
可撓性タブ176は、固定端178と自由端180とを含み、固定端178から軸方向に(ファスナハウジング120の長手軸A2に沿って)ファスナ室144の出口159へ向かってかつ半径方向内向きに長手軸A2へ向かって延びる。可撓性タブ176は、図11及び12に示すように、ファスナ14の1つが打込み準備完了位置にある(即ち、非可撓性タブ58と同様又は同一の非可撓性タブ158が打込み準備完了位置にあるファスナ14の凹部55に受け入れられる)とき、その公称静止位置にある。可撓性タブ176がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ176の自由端180は、打込み準備完了位置にあるファスナ14の頭部の半径方向最も外側の周囲に対して半径方向内側に配置される。したがって、タブ176の自由端180と打込み準備完了位置にあるファスナ14の頭部46との間の干渉は、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナ室144の中へ押し戻されるのを防止する。
打込み準備完了位置にあるファスナ14が物体の中へ打ち込まれた後、ファスナカートリッジ110がファスナ14から分離されるとき、プランジャ122は、上述のように、次のファスナ14をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ押す。ファスナ14がスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ前進するとき、ファスナ14の頭部46が自由端180の間を打込み準備完了位置まで通過するので、ファスナ14の頭部46は、タブ176の自由端180を押して半径方向外向きに(長手軸A2から離れる方向へ)屈曲できる。
図11及び12には図示しないが、プランジャ122は、図9及び10に示すプランジャ22のドライバ位置と同様のドライバ位置にプランジャを保持するために、可撓性タブ176と境界を成す戻り止めを含むことができる。
図13及び14は、上述のファスナカートリッジ10、110と同様に設定された数のファスナ14を保持し打込むためにドライバ12と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ210を示す。ファスナカートリッジ210の構造及び機能は、以下に説明し及び/又は図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ10、110の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については、重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ210は、主ハウジング216と、シャフト218と、ファスナハウジング220と、プランジャ222と、バネ224と、バックストップ要素225と、を含むことができる。図13及び14に示す実施形態において、ハウジング216及びシャフト218は、単一の統一体として一体的に形成されるが、いくつかの実施形態において、ハウジング216及びシャフト218は、相互に固定的に取り付けられた別個の構成要素とすることができる。ハウジング216は空洞226を含み、空洞の中に、バネ224及びプランジャ222が移動可能に配置される。バネ224の第1端部223は、シャフト218に隣接する空洞226の第1端部227に当接する。バネ224の第2端部229は、プランジャ222のフランジ231に当接し、それによってプランジャ222をファスナカートリッジ210の長手軸A3に沿ってシャフト218から反対向きに付勢する。
ファスナハウジング220は、テーパー状第1端部232と、第2端部234と、を含むことができる。凹部236は、第2端部234に形成でき、ファスナ室244は、凹部236から第1端部232まで延びることができる。ファスナ室244は、回転に関してファスナハウジング220に対してファスナ14を固定するために上述のファスナ室44と同様又は同一の形状を持つことができる。凹部236の直径は、概ね環状の出っ張り(ledge)246が凹部236の軸端部に形成されるようにファスナ室244の直径より大きくすることができる。ファスナハウジング220の第2端部234は、ハウジング216の1つ又は複数の溝又は戻り止め250とスナップ式に係合して、ハウジング216に対してファスナハウジング220を固定できる1つ又は複数の逆棘248を含むことができる。ファスナハウジング220が他の適切な任意の様式で(例えば、プレス嵌め、溶接など)ハウジング216に対して固定できることが分かるはずである。
プランジャ222は、フランジ231から長手軸A3に沿って延びるシャフト252を含むことができ、ハウジング216及びファスナハウジング220に対して長手軸A3に沿って軸方向に移動可能である。シャフト252は、上述のプランジャ22の先端66と同様、ファスナ14のスロット54(図4)の1つ又は複数と係合する形状を持つ先端254を含むことができる。先端66と同様、先端264も、ファスナ室244の中で滑動可能かつ回転不能に受け入れられる形状を持つ。シャフト252は、先端254とフランジ231との間でシャフト252の長さに沿って配列された複数の戻り止め256を含むこともできる。戻り止め256は、長手軸A3の周りに延びる環状戻り止めとすることができる。
バックストップ要素225は、ファスナハウジング220の凹部236内に配置されて出っ張り246及びハウジング216の軸端部に当接する環状部材とすることができる。バックストップ要素225は、外側体258と、1つ又は複数の弾性可撓性タブ260と、を含むことができる。可撓性タブ260は、固定端262と自由端264とを含み、固定端262から半径方向内向きに長手軸A3へ向かって及び軸方向に(長手軸A3に沿って)ファスナ室244の出口259へ向かって延びる。可撓性タブ260は、戻り止め256が移動して自由端264と整列するときに自由端264が戻り止め256の中へバネ式に嵌まるように、半径方向内向きへ付勢される。戻り止め256は、各々、プランジャ222がファスナハウジング220の出口259へ向かって移動するとき戻り止めが自由端264を越えて自由に移動できるようにしかつプランジャ222が反対方向に移動するとき戻り止め256が自由端264を越えて移動するのを防止する形状を持つ傾斜面266とストッパ面268とを含む。このようにして、バックストップ要素225及び戻り止め256は、プランジャ222が、打込み準備完了位置にあるファスナ14がシャフト218へ向かってファスナ室244の中へ押し戻されるのを防止しながら、ファスナ14をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ向かって前進させることができるようにする。
図15〜18は、上述のファスナカートリッジ10、110、210と同様に設定数のファスナ314を保持し打込むためにドライバ12と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ310を示す。ファスナカートリッジ310の構造及び機能は、以下で説明し及び/又は図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ10、110、210の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ310は、主ハウジング316と、シャフト318と、ファスナハウジング320と、プランジャ322と、バネ324と、バックストップ要素325と、を含むことができる。図15〜18に示す実施形態において、ハウジング316及びシャフト318は、単一の統一体として一体的に形成されるが、いくつかの実施形態において、ハウジング316及びシャフト318は、相互に取り付けられる別個の構成要素とすることができる。ハウジング316は空洞326を含み、その中に、バネ324及びプランジャ322が移動可能に配置される。バネ324の第1端部323は、シャフト318に隣接する空洞326の第1端部327に当接する。バネ324の第2端部329は、プランジャ322のフランジ331に当接し、それによって、ファスナカートリッジ310の長手軸A4に沿ってシャフト318から反対向きにプランジャ322を付勢する。
ファスナハウジング320は、ハウジング316の第1軸端部328に取付けでき、これから延びることができる。いくつかの実施形態において、ファスナハウジング320は、スナップ嵌めによってハウジング316に係合できる(例えば、ファスナハウジング320のタブ390は、ハウジング316の凹部333の中へスナップ式に嵌る)。ファスナハウジング320は、テーパー状第1端部332と、第2端部334と、を含むことができる。凹部336が第2端部334に形成され、ファスナ室344は、凹部336から第1端部332まで延びることができる。凹部336の直径は、概ね環状の出っ張り347(図18)が凹部336の軸端部に形成されるように、ファスナ室344の幅より大きくすることができる。ファスナ室44に関して以上で説明したように、ファスナ室344は、回転に関してファスナハウジング320に対してファスナ314を固定する形状を持つことができる。図18に示すように、ファスナハウジング320は、ファスナハウジング320に対してファスナ314が軸方向に(軸A4に沿って)移動できるようにしながらファスナ314とファスナハウジング320との間の相対的回転を防止するために、ファスナ室344の中へ延びてファスナ314の凹部355に係合する1対の突出部345を含むことができる。
図15及び16に示すように、ファスナハウジング320の第1端部332は、ファスナ室344の出口においてファスナ室344の中へ半径方向に延びる複数の非可撓性タブ358を含むことができる。非可撓性タブ358の各々は、打込み準備完了位置にあるファスナ314(即ち、ファスナ室344から延びて、その先端352がファスナカートリッジ310から反対向きを指すファスナ314)の凹部355の対応する1つの中に受け入れられる。非可撓性タブ358と打込み準備完了ファスナ314のリップ(例えば、リップ60と同様又は同一のリップ)との間の干渉は、ファスナカートリッジ310と打込み準備完了ファスナ314との間の不注意の離脱を防止する。
プランジャ322は、フランジ331から長手軸A4に沿って延びるシャフト353を含むことができ、ハウジング316及びファスナハウジング320に対して長手軸A4に沿って軸方向に移動可能である。シャフト353は、上述のプランジャ22の先端66と同様に、ファスナ314のスロット354(図18)の1つ又は複数に係合する形状を持つ先端351を含むことができる。
バックストップ要素325は、カラー370と、円筒形ステム374と、複数の弾性可撓性タブ376と、を有する概ね管状の部材とすることができる。カラー370は、ファスナハウジング320の凹部336の中に受け入れられ、ファスナハウジング320とハウジング316との間で軸方向に固定できる。タブ376は、打込み準備完了位置にあるファスナ314がファスナ室344の中へ押し戻されるのを防止する。可撓性タブ376は、打込み準備完了位置にあるファスナ314がファスナ室344の中へ押し戻されるのを防止するので、スタンバイ位置にあるファスナ314及びプランジャ322が、ファスナカートリッジ310のシャフト318へ向かって押されるのが防止される。
可撓性タブ376は、固定端378(ステム374に取り付けられる)と自由端380とを含み、固定端378から軸方向に(ファスナハウジング320の長手軸A4に沿って)ファスナ室344の出口359へ向かって及び半径方向内向きに長手軸A4へ向かって延びる。可撓性タブ376は、図15及び17に示すようにファスナ314の1つが打込み準備完了位置にあるときその公称静止位置にある。可撓性タブ376がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ376の自由端380は、打込み準備完了位置にあるファスナ314の頭部346の半径方向最も外側の周囲に対して半径方向内側に配置される。したがって、タブ376の自由端380と打込み準備完了位置にあるファスナ314の頭部346との間の干渉は、打込み準備完了位置にあるファスナ314がファスナ室344の中へ押し戻されるのを防止する。
打込み準備完了位置にあるファスナ314が物体の中へ打ち込まれた後、ファスナカートリッジ310がファスナ314から分離されるとき、プランジャ322は、上述のように、次のファスナ314をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ押す。ファスナ314がスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ前進するとき、ファスナ314の頭部346が自由端380の間を打込み準備完了位置まで通過するので、ファスナ314の頭部346は、タブ376の自由端380を押して半径方向外向きに(長手軸A4から離れる方向へ)屈曲できる。
ファスナ314の全てが物体の中へ打ち込まれた後(即ち、ファスナ314の全てがファスナカートリッジ310から分離した後)、プランジャ322の先端351は、ファスナハウジング320の出口から外へ突出できる(即ち、プランジャ322は、以上に説明し図9に示すドライバ位置と同様のドライバ位置になれる)。プランジャ322がドライバ位置にあるとき、バックストップ要素325のタブ376は、先端351の出っ張り379と当接して、ファスナカートリッジ310がファスナを打ち込むためにドライバ位置で使用される間、プランジャ322がファスナ室344の中へ意図せずに押し戻されるのを防止できる。
いくつかの実施形態において、ファスナ314の全てが物体へ打ち込まれた後(即ち、ファスナ314の全てがファスナカートリッジ310から分離された後)、ファスナハウジング320及びバックストップ要素325をハウジング316から取り外して、更なるファスナをファスナ室344の中へ再装填できる。その後、バックストップ要素325及びファスナハウジング320をハウジング316に取り付け直して、上述のように再装填されたファスナを打ち込むことができる。
図19〜21は、上述のファスナカートリッジ10、110、210、310と同様に設定された数のファスナを保持し打込むためにドライバ12と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ410を示す。ファスナカートリッジ410の構造及び機能は、以下に説明し及び/又は図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ10、110、210、310の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ410は、主ハウジング416と、シャフト418と、アダプタ419と、ファスナハウジング420と、プランジャ422と、バネ424と、バックストップ要素425と、を含むことができる。ハウジング416及びシャフト418は、アダプタ419を介して相互に取付け可能な別個の構成要素である。アダプタ419は、ハウジング416の中へ受け入れられハウジングに取外し可能に係合する第1端部421と、シャフト418を受け入れこれに取外し可能に係合する第2端部423とを、含む。第1端部421は、ハウジング416の凹部429の中へスナップ式に嵌る1つ又は複数の逆棘427を含むことができる。第2端部423は、シャフト418の環状凹部433の中へスナップ式に嵌る複数の可撓性の逆棘付きタブ431を含むことができる。アダプタ419は、第1端部及び第2端部421、423を完全に貫通しかつシャフト418の噛合い部分437の形状に対応する形状を有する開口435を含むことができる。開口435及び噛合い部分437の各々は、相互に噛み合ってシャフト418とアダプタ419との間の相対的回転を防止する1つ又は複数の平坦面(図20)を含む。アダプタ419の第1端部421は、ハウジング416の端部において凹部439(図21)を形成する1つ又は複数の平坦面と噛み合う1つ又は複数の平坦面(図20)を含むことができる。アダプタ419とハウジング416との間及びアダプタ419とシャフト418との間の係合は、使用者がハウジング416及びアダプタ419をシャフト418から手で引き離せる及び/又は所望の場合ハウジング416をアダプタ419から引き離せるようにしながら、ドリル12及びファスナカートリッジ410の作動時にシャフト418及びハウジング416を相互に固定されたまま維持するために充分な強さである。
ハウジング416は空洞426を含み、その中にバネ424及びプランジャ422が移動可能に配置される。バネ424の一方の端部は、アダプタ419の第1端部421に当接し、バネ424の他方の端部はプランジャ422のフランジ428に当接し、それによって、ファスナカートリッジ410の長手軸A5に沿ってシャフト418から反対向きにプランジャ422を付勢する。
ファスナハウジング420は、ハウジング416の第1軸端部430に取り付けてこれから延びることができる。いくつかの実施形態において、ファスナハウジング420は、ハウジング416とファスナハウジング420との間の相対的回転を防止するために、ハウジング416のキー溝434(1つ又は複数の平坦面を有する)の中に受け入れられるキー部分432(1つ又は複数の平坦面を有する)を含むことができる。ファスナハウジング420は、ファスナハウジングを通過して軸方向に延びるファスナ室444を含むことができる。ファスナ室44に関連して上で説明したように、ファスナ室444は、回転に関してファスナハウジング420に対してファスナ14を固定する形状を持つことができる。即ち、ファスナ室444は、ファスナ14がファスナハウジング420に対して軸方向に(軸A5に沿って)移動できるようにしながら、ファスナ14が回転に関してファスナハウジング420に固定されるような形状を持つ。
図19及び20に示すように、ファスナハウジング420の第1端部452は、ファスナ室444の出口においてファスナ室444の中へ半径方向に延びる複数の非可撓性タブ458を含むことができる。スロット459(図20)は、隣り合う各対のタブ458の間に配置できる。非可撓性タブ458の各々は、打込み準備完了位置にあるファスナ14(即ち、ファスナ室444から外へ延びて、その先端52がファスナカートリッジ410から反対向きを指すファスナ14)の凹部55の対応する1つの中に受け入れられる。非可撓性タブ458と打込み準備完了ファスナ14のリップ60との間の干渉は、ファスナカートリッジ410と打込み準備完了ファスナ14との間の不注意の離脱を防止する。
プランジャ422は、フランジ428から長手軸A5に沿って延びる円筒形シャフト453を含むことができ、長手軸A5に沿ってハウジング416及びファスナハウジング420の間で軸方向に移動可能である。シャフト453は、ファスナ14の1つの凹部48内に嵌合する形状およびサイズを持つ先端451を含むことができる(図21)。
バックストップ要素425は、ベース470と、複数の弾性可撓性タブ476と、バックストップ要素425を軸方向に貫通する空洞477と、を有する概ね管状の部材とすることができる。ベース470は、ハウジング416の端部430の中に受け入れられることができ、ハウジング416の凹部479の中にスナップ式に嵌る逆棘478を含むことができる。タブ476の各々は、タブ476の遠位端部から半径方向内向きに延びるクリート(cleat)480を含むことができる。ファスナハウジング420は、バックストップ要素425の空洞477の中に受け入れられ、クリート480は、ファスナハウジング420のスロット459の中へ延びることができる。タブ476は、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナ室444の中へ押し戻されるのを防止する。可撓性タブ476は打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナ室444の中へ押し戻されるのを防止するので、スタンバイ位置にあるファスナ14及びプランジャ422は、ファスナカートリッジ410のシャフト418へ向かって押されるのが防止される。
可撓性タブ476は、ファスナ14の1つが図19及び21に示すように打込み準備完了位置にあるとき、その公称静止位置にある。可撓性タブ476がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ476のクリート480の半径方向最も内側の端部は、打込み準備完了位置にあるファスナ14の頭部46の半径方向最も外側の周囲に対して半径方向内側に配置される(図21)。したがって、タブ476と打込み準備完了位置にあるファスナ14の頭部46との間の干渉は、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナ室444の中へ押し戻されるのを防止する。
打込み準備完了位置にあるファスナ14が物体へ打ち込まれた後、ファスナカートリッジ410がファスナ14から分離されるとき、プランジャ422は、上述のように、次のファスナ14をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ押す。ファスナ14がスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ前進するとき、ファスナ14の頭部46がタブ476の間を打込み準備完了位置まで通過するので、ファスナ14の頭部46はタブ476を押して半径方向外向きに(長手軸A5から反対向きに)屈曲できる。
ファスナ14の全てが物体へ打ち込まれた後(即ち、ファスナ14の全てがファスナカートリッジ410から分離した後)、アダプタ419及びハウジング416は、(ファスナハウジング420、プランジャ422、バネ424及びバックストップ要素425と一緒に)シャフト418から取り外せる。その後、シャフト418のドライバ先端490(ファスナ14のスロット54の中に受け入れられる形状を持つ)を用いて、1回に1つずつファスナに係合して、これを打込むことができる。更に、ハウジング416に追加のファスナを再装填するか、又は、アダプタ419を介して、事前に装填されたハウジング416をシャフト418に取り付け直すことができる。
図22〜24は、上述のファスナカートリッジ410と同様に設定された数のファスナ14を保持し打込むためにドライバ12と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ510を示す。ファスナカートリッジ510の構造及び機能は、以下で説明し及び/又は図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ410の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ510は、主ハウジング516と、シャフト518と、ファスナハウジング520と、プランジャ522と、バネ524と、バックストップ要素525とを含むことができる。図22〜24に示す実施形態において、ハウジング516及びシャフト518は、単一の統一体として一体的に形成される。
ハウジング516は空洞526を含み、その中に、バネ524及びプランジャ522が移動可能に配置される。バネ524の第1端部523は、シャフト518に隣接する空洞526の第1端部527に当接する。バネ524の第2端部529は、プランジャ522のフランジ531に当接し、それによって、ファスナカートリッジ510の長手軸A6に沿ってシャフト518から反対向きにプランジャ522を付勢する。プランジャ522は、フランジ531から長手軸A6に沿って延びるシャフト553を含むことができる。シャフト553は、上述のプランジャ22の先端66と同様、ファスナ14のスロットの1つ又は複数と係合する形状を持つ先端551を含むことができる。
ハウジング516は、それ以外は、上述のハウジング416と同様又は同一とすることができる。更に、ファスナハウジング520及びバックストップ要素525は、上述のファスナハウジング420及びバックストップ要素425と同様又は同一とすることができる。
上述のように、バックストップ要素525のタブ576及びクリート580は、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナハウジング520のファスナ室544の中へ押し戻されるのを防止する。可撓性タブ576は、図22及び24に示すように、ファスナ14の1つが打込み準備完了位置にあるとき、その公称静止位置にある。可撓性タブ576がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ576のクリート580の半径方向最も内側の端部は、打込み準備完了位置にあるファスナ14の頭部46の半径方向最も外側の周囲に対して半径方向内側に配置される(図24)。したがって、タブ576と打込み準備完了位置にあるファスナ14の頭部46との間の干渉は、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナ室544の中へ押し戻されるのを防止する。
打込み準備完了位置にあるファスナ14が物体に打ち込まれた後、ファスナカートリッジ510がファスナ14から分離されるとき、プランジャ522は、上述のように、次のファスナ14をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ押す。ファスナ14がスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ前進するとき、ファスナ14の頭部46がタブ576の間を打込み準備完了位置まで通過するので、ファスナ14の頭部46は、タブ576を押して半径方向外向きに(長手軸A6から反対向きに)屈曲できる。
ファスナ14の全てが物体の中へ打ち込まれた後(即ち、ファスナ14の全てがファスナカートリッジ510から分離された後)、プランジャ522の先端551は、ファスナハウジング520の出口から外へ突出できる(即ち、プランジャ522は、以上で説明し図9に示すドライバ位置と同様のドライバ位置になる)。プランジャ522がドライバ位置にあるとき、バックストップ要素525のクリート580は、先端551の出っ張り552に当接して、ファスナカートリッジ510がファスナを打ち込むためにドライバ位置で使用される間、プランジャ522がファスナ室544の中へ意図せずに押し戻されるのを防止できる。
図25〜32Bは、上述のファスナカートリッジ10、110、210、310、410と同様に設定された数のファスナ613を保持し打込むためにドライバ12と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ610を示す。ファスナカートリッジ610の構造及び機能は、以下で説明し図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ10、110、210、310、410の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
図25〜28に示すファスナカートリッジ610は、使い捨てファスナカートリッジとすることができる。ファスナカートリッジ610は、ドライバに結合されたシャフト618を受け入れることができる。図に示す実施形態において、シャフト618は、回転に関してドライバ12に対してシャフト618を固定するために(それによって回転に関してドライバ12に対してファスナカートリッジ610全体を固定するために)、ドライバ12の中に受け入れられる突出部42を含む。シャフト618は、ドライバ12に係合するために突出部642に加えて又はこれに代えて他の特徴部を含むことができることが分かるはずである。
ファスナカートリッジ610は、本体615と、アダプタ619と、プランジャハウジング617と、ファスナハウジング621と、バネ624と、複数のファスナ613と、を含むことができる。図25に示すように、ファスナカートリッジ610は、シャフト618に結合される。ファスナカートリッジ610及びシャフト618は、ファスナカートリッジ610のアダプタ619を介して相互に取付け可能な別個の構成要素である。アダプタ619は、本体615の中へ受け入れられ本体615に係合する第1端部621と、シャフト618を受け入れシャフト618と係合する第2端部623と、を含む。第1端部621は、本体615の凹部629の中へスナップ式に嵌る1つ又は複数の逆棘627を含むことができる。第2端部623は、シャフト618の環状凹部633の中へスナップ式に嵌る複数の可撓性逆棘付きタブ631を含むことができる。アダプタ619は、第1端部及び第2端部621、623を貫通しかつシャフト618の噛合い部分637の形状に合致する形状を有する開口635を含むことができる。開口635及び噛合い部分637の各々は、相互に噛み合ってシャフト618とアダプタ619との間の相対的回転を防止する1つ又は複数の平坦面(図26)を含む。アダプタ619の第1端部621も、本体615の端部に凹部639(図27)を形成する1つ又は複数の平坦面と噛み合う1つ又は複数の平坦面(図26)を含むことができる。
図27を参照すると、本体615は空洞626を含み、その中に、バネ624及びプランジャ622が移動可能に配置される。バネ624の一方の端部691は、アダプタ622の第1端部621の面693に当接し、バネ624の他方の端部692は、プランジャ622のフランジ628に当接し、それによってファスナカートリッジ610の長手軸A5に沿ってシャフト618から反対向きにプランジャ622を付勢する。
図26を参照すると、本体615は、外面に陥没部694を含むことができる。陥没部は、ファスナカートリッジ610をシャフト618に着脱するとき、使用者がファスナカートリッジ610を握るのを助けることができる。図示するように、ファスナハウジング621は、プランジャハウジング617と一体的に形成できる。但し、ファスナハウジング621及びプランジャハウジング617は、別個に形成することもでき、ファスナハウジング621は、プランジャハウジング617の第1軸端部630に取り付けられ、これから延びることができる。
図27及び28を参照すると、ファスナハウジング621は、これを軸方向に貫通するファスナ室644を含む。ファスナ室44に関連して以上で説明したように、ファスナ室644は、回転に関してファスナハウジング621に対してファスナ613を固定する形状を持つことができる。即ち、ファスナ室644は、ファスナ613がファスナハウジング621に対して軸方向に(軸A5に沿って)移動できるようにしながら、ファスナが回転に関してはファスナハウジング621に固定されるような形状を持つ。
ファスナハウジング621の第1端部は、複数の非可撓性タブ658(まとめて「非可撓性テーブル658」と呼ぶ)と、複数の弾性可撓性タブ676(まとめて「可撓性タブ676」と呼ぶ)と、を含む。1つの実施形態において、ファスナハウジング621は、2つの非可撓性タブ658と2つの可撓性タブ676とを含むことができる。図26において、スロット659を、各隣り合う非可撓性タブ658と可撓性タブ676との間に配置できる。即ち、隣り合う非可撓性タブ658及び可撓性タブ676は、スロット659によって分離できる。
ファスナハウジング621は、弾性可撓性タブ676の厚みが非可撓性タブ658の厚みより小さいように弾性可撓性タブ676に沿って段状部分660を含むことができる。例えば、2つの可撓性タブ676を横切るファスナハウジング621の直径は、2つの非可撓性タブ658を横切るファスナハウジング621の直径より小さくできる。可撓性タブ676により小さい厚みを与えることによって、可撓性タブ676を可撓性とすることができる。
1つの実施形態において、可撓性タブ676は、本体615の他の部分とは別個に形成して、その後、取り付けられることができ、可撓性タブ676を本体615に結合する接続ジョイントによって可撓性とすることができる。更に、可撓性タブ676は、本体615とは異なる材料で形成し、その後本体615に取り付けることができる。ファスナカートリッジ610は2つの非可撓性タブ658と2つの可撓性タブ676とを含むが、非可撓性タブ658及び可撓性タブ676の数は、これらに等しい又は相互に等しい数である必要はない。
可撓性タブ676は、打込み準備完了位置にあるファスナ613がファスナ室644の中へ押し戻されるのを防止する。可撓性タブ676は打込み準備完了位置にあるファスナ613がファスナ室644の中へ押し戻されるのを防止するので、スタンバイ位置にあるファスナ613及びプランジャ622がファスナカートリッジ610のシャフト618へ向かって押されることが防止される。
可撓性タブ676は、図25及び29に示すように、ファスナ613の1つが打込み準備完了位置にあるとき、その公称静止位置にある。図29は、図25のファスナカートリッジ610の一部分の可撓性タブ676に沿った断面図である。可撓性タブ676がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ676の突出部681の半径方向最も内側の端部(図26及び30)は、打込み準備完了位置にあるファスナ613の頭部646の半径方向最も外側の周囲649に対して半径方向内側に配置される(図29)。したがって、タブ676と打込み準備完了位置にあるファスナ613の頭部646との間の干渉は、打込み準備完了位置にあるファスナ613がファスナ室644の中へ押し戻されるのを防止する。
図27、28は、図25のファスナカートリッジ610の非可撓性タブ658に沿った断面図である。図27及び28を参照すると、非可撓性タブ658は、ファスナ室644の出口において半径方向にファスナ室644の中へ延びる突出部661を含む。非可撓性タブ658の各々は、打込み準備完了位置にあるファスナ613(即ち、ファスナ室644から外に延びてその先端652がファスナカートリッジ610から反対向きを指すファスナ613)の凹部655の対応する1つの中に受け入れられる。非可撓性タブ658と打込み準備完了ファスナ613のリップ660との間の干渉は、ファスナカートリッジ610と打込み準備完了ファスナ613との間の不注意の離脱を防止する。図27において、シャフト618は図示されない。図27及び28に示すように、非可撓性タブ658は、打込み準備完了位置にあるファスナ613のリップ660と係合して、ファスナカートリッジ610と打込み準備完了ファスナ613との間の不注意の離脱を防止する。
ファスナ613の最初の1つが所望の深さまで物体の中へ打ち込まれた後、使用者は、ファスナ613の最初の1つのリップ660を変形してファスナ613の最初の1つの頭部646がファスナハウジング621の出口659(図26)を完全に通り抜けられるようにするために力を加えることによって、ファスナ613の最初の1つからファスナカートリッジ610を離脱できる。リップ660の変形は、ファスナカートリッジ610をファスナ613の最初の1つから引き離すことによって(又は、ファスナ613が物体の中に埋め込まれた後にファスナカートリッジ610をファスナ613に対して前後に揺らしてファスナ613から引き離すことによって)実現できる。このような引き離し及び/又は揺らしの行為によって、ファスナハウジング621の非可撓性タブ658はファスナ613の最初の1つのリップ660を変形させて、ファスナカートリッジ610をファスナ613の最初の1つから分離できるようにする。打込み準備完了位置にあるファスナ613のこのような保持、及びファスナ613をファスナカートリッジ610から分離するためのこのように慎重なステップは、ファスナカートリッジ610からのファスナ613の不注意の分離を減少または排除し、それによってファスナ613の落下及び紛失を減少または排除する。いくつかの実施形態において、ファスナ613は、リップ660の変形をさらに容易にするためにファスナハウジング621より柔らかい材料で作ることができる。
図30A及び30Bは、ファスナ613の斜視図である。ファスナ613は、2つの凹部655と2つのリップ660とを含む。非可撓性タブ658の数は、少なくともリップ660の数に等しくなければならない。
図31を参照すると、図31は、プランジャハウジング617とファスナハウジング621とを含む本体615の正面図である。図31に示すように、ファスナハウジング621は、相互に直径方向に対向する2つの非可撓性タブ658を含む。2つの非可撓性タブ658は、2つの凹部655と整列し、突出部61は、ファスナ613のリップ660と整列しこれに干渉できる(図30A及び30B)。更に、ファスナハウジング621は、可撓性タブ676の遠位端部から半径方向内向きに延びる突出部681を含む2つの可撓性タブ676を含む。本明細書において論じるように、可撓性タブ676がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ676の突出部481の半径方向最も内側の端部は、図29に示すように、打込み準備完了位置にあるファスナ613の頭部646の半径方向最も外側の周囲649に対して半径方向内側に配置される。
プランジャ622は、フランジ628から長手軸A5に沿って延びる円筒形シャフト653を含み、プランジャハウジング617とファスナハウジング621とを含む本体615に対して長手軸に沿って軸方向に移動可能である。シャフト653は、ファスナ614の1つの凹部648(図31A及び31B)内に嵌合する形状およびサイズを持つ先端651を含むことができる。1つの実施形態において、プランジャ622は、オートクレーブ温度を受けたとき変形する材料で形成できる。例えば、オートクレーブは、設備に高圧及び高温(例えば、121℃)を加えることによって設備を滅菌するために使用される圧力室である。使用者が使用済みファスナカートリッジ610を滅菌しようとしたとき、ファスナカートリッジ610の使い捨てを促すために、滅菌温度を受けたとき変形するプラスチックなどの材料でプランジャを形成できる。プランジャ622は、滅菌後にプランジャ622の機能が使用不能となりファスナカートリッジ610を使用できないように、変形するように構成できる。
本明細書において論じるように、ファスナカートリッジ610は、逆棘付きタブ631が図28に示すようにシャフト618の環状凹部と係合するように、アダプタ619を通してシャフトを挿入することによってシャフト618に結合できる。打込み準備完了位置にあるファスナ613が物体の中へ打ち込まれた後、ファスナカートリッジ610がこのファスナ613から分離されるとき、プランジャ622は、上述のように、バネ624を介して、次のファスナ613をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ押す。ファスナ613がスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ前進するとき、ファスナ613の頭部464がタブ676の間を打込み準備完了位置まで通過するので、ファスナ613の頭部646は、タブ676を押して半径方向外向きに(長手軸A5から反対向きに)屈曲できる。
ファスナ613の全てが物体の中へ打ち込まれた後(即ち、ファスナ613の全てがファスナカートリッジ610から分離した後)、ファスナカートリッジ610(本体615、プランジャ622、バネ624、アダプタ619を含む)は、シャフト618から取り外すことができる。図32Aは、シャフト618に結合されたファスナカートリッジ610の一部分を示す。図32Aに示すように、逆棘付きタブ631は、シャフト618の環状凹部633内に受け入れられる。本明細書において論じるように、逆棘付きタブ631は、シャフト618がファスナカートリッジ610から取り外されたら、逆棘付きタブ631がもはやシャフト618と係合しないように形成できる。1つの実施形態において、逆棘付きタブ631は、各逆棘付きタブ631の断面積を減少するために内面に沿って溝640を有する。断面積を減少することによって、シャフト618から外す時変形を生ずるようにできる。例えば、ファスナカートリッジ610をシャフト618から外すために必要な力は、溝640に沿った薄い断面積に材料の降伏点を超えさせる。したがって、シャフト618が取り除かれた後、図32Bに示すように、逆棘付きタブ631は、開いたままであり、使用者がファスナカートリッジ610を再び接続しようとしても、シャフト618と係合しない。
シャフト618をファスナカートリッジ610に取り付けるためには、マウント力が必要であり、マウント力は、使用者にとっての取付け易さを向上するために最小化されることができる。ディスマウント力(即ち、シャフト618をファスナカートリッジ610から外すために必要な力)は、使用者が、ファスナカートリッジ610をシャフト618から離脱することなくファスナカートリッジ610をファスナ613から分離できるように離脱力(即ち、ファスナカートリッジ610からスクリューを離脱するために必要な力)より大きくすることができる。バネ624を介してファスナ613に作用するバネ力は、物体の中に挿入される前にファスナ613が飛び出すのを防止するために離脱力より小さくできる。更に、バネ力は、バネ624が次のスクリューを挿入のために順番待ちにできるように、可撓性タブ676の屈曲力より大きくできる。最後に、離脱力は、挿入済みファスナ613を取り外すことなくファスナカートリッジ610が挿入済みファスナ613から離脱できるように、例えば骨からファスナ613を引き出すために必要な力より小さくできる。
ファスナカートリッジ610がシャフト618から取り外されたら、シャフト618のドライバ先端690(ファスナ613のスロット654に受け入れられる形状を持つ)は、1回に1つファスナに係合しこれを打ち込むために使用できる。本明細書において論じるように、アダプタ619は、ファスナカートリッジ610がシャフト618から取り外されたらアダプタの逆棘付きタブ631がアダプタ627を形成する材料の降伏点を上回って、逆棘付きタブ631が開いたままになって1回しかシャフト618と係合できないように形成できる。したがって、ファスナカートリッジ610は、使い切り装置とすることができる。
図33〜42を参照すると、上述のファスナカートリッジ10、110、210、310、410、510及び610と同様に、設定された数のファスナ702を保持し打ち込むためにドライバ12(図1)と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ700を示す。ファスナカートリッジ700の部分の構成及び機能は、以下で説明し及び/又は図に示す例外を除いて、ファスナカートリッジ110、210、310、410、510及び610の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ700は、主ハウジング704と、ドライブクリップ720と、バネ716と、プランジャ714と、バックストップ要素とファスナ室710とを含むファスナハウジング711と、ロックスリーブ706と、を含むことができる。図33〜42に示す実施形態は、ファスナカートリッジ700をシャフト708に着脱するためのキーレス自己整列及びロック機構を示す。例えば、シャフト708は、ドライバ12(図1)に着脱するために使用されるドライバブレードとすることができる。本明細書において論じるように、ファスナカートリッジ700は、事前に整列することなくシャフト708をファスナカートリッジ700に挿入してファスナカートリッジに結合できるようにする。即ち、使用時に、使用者は、主ハウジング704に対するシャフト708の位置付けに配慮することなく主ハウジング704の中へシャフト708を挿入できる。シャフト708の丸い部分が主ハウジング704の対応する丸い穴の中に挿入されるので、整列の必要がなく、主ハウジング704に対するシャフト708の整列は意味がなく、ファスナカートリッジ700の使い易さを増す。その後、ドライブクリップ720及び主ハウジング704に被せてロックスリーブ706を前進させて、ファスナカートリッジ700をシャフト708に結合できる。本明細書において論じるように、ファスナカートリッジ700は、ハウジング704内でのシャフト708の位置付けに関係なくシャフト708に結合できる。
シャフト708は、フランジ740と、第1本体部分743と、第1本体部分743に形成された溝742と、第2本体部分744と、先端746と、を含むことができる。第1及び第2本体部分743及び744は、シャフト708が整列なしにファスナカートリッジ700に結合できるように円形の円周を持つことができる。更に、第1本体部分743は、第2本体部分の直径より大きい直径を持つことができる。本明細書において論じるように、溝742は、ファスナカートリッジ700がシャフト708に結合されたときファスナカートリッジ700を軸方向及び回転に関して固定できるようにする正方形の溝742とすることができる。
主ハウジング704は、第1端部722から第2端部724まで延びる開口719を含む。主ハウジング704は、フランジ726と、第1端部722寄りに配置された第1口728(例えばロック口とも呼ぶ)及びバネ保持口729と、第2端部724寄りに配置された第2口718と、を含むことができる。1つの実施例において、主ハウジング704は、2つの第1口728と4つの第2口718とを含むことができる。但し、任意の数の第1及び第2口728を使用できる。ファスナカートリッジ700は、ベース730とベース730から延びる細長い脚732とを含むドライブクリップ720を含むことができる。細長い脚732の端部において、ドライブクリップ720は、細長い脚732から延びる突出部734を含むことができる。1つの実施例において、突出部734は、実質的に細長い脚732に直交する。更に、突出部734は、第1突出部と第2突出部とが直径方向に対向し相互へ向かって延びるように、細長い脚732から突出する。但し、細長い脚732及び対応する突出部734との間の、他の数、位置付け及び間隔の実施形態を使用できる。
ドライブクリップ720は、主ハウジング704がベース730を通過して延びてかつ突出部734が第1口728の中へ延びるように、主ハウジング704上に取り付けられる。アンロック状態において、突出部734は、部分的に第1口728の中へ延びて、ハウジングに沿ったドライブクリップ720の位置を維持するが、主ハウジング704によって形成された開口719の中へは延びない。アンロック状態において、シャフト708は、円形円周を持つ第1及び第2本体部分743、744がハウジングの円形開口719内において軸方向及び回転に関して自由に移動できるように、主ハウジング704の中へ挿入できる。
シャフト708がファスナカートリッジ700の中へ完全に挿入されたら、即ちフランジ740がハウジング704の第1端部722に当接したら、ファスナカートリッジ700をロックできる。シャフト708がファスナカートリッジ700の中へ完全に挿入されたとき、シャフト708の溝742は、主ハウジング704の第1口728と整列する。ファスナカートリッジ700をシャフト708にロックするためには、ロックスリーブ706を、主ハウジング704の第1端部722へ向けてドライブクリップ720上で移動させる。ロックスリーブ706がドライブクリップ720及び主ハウジング704に沿って移動するとき、ロックスリーブ706は、細長い脚732を押して主ハウジング702に接して潰し、それによって、突出部734の一部分が第1口728を通過して主ハウジング704の開口719の中へ更にシャフト742の溝742の中へ延びるように、突出部734を更に第1口728の中へ押す。突出部734がシャフト708の溝742の中へ延びたとき、ファスナカートリッジ700は、軸方向及び回転に関してシャフト708に固定される。
図37〜38を参照すると、溝742は、4つの別個の溝782A〜Dを含み、図38A及び38Bに示すようにシャフト708の周りに「正方形溝」を形成する。溝742は、シャフト708の第1本体743の円形断面に形成される。各溝782A〜Dは、平坦部分781を含み、かつ傾斜側面784を含む。更に、各溝782A〜Dは、相互に区別される。図示するように、溝742は、各溝782A〜Dがピーク部分786によって分離されるようにカットされる。ピーク部分786は、シャフト708の第1本体部分743の非中断面である非カット部分とすることができる。更なる実施形態において、ピーク部分786は、第1本体部分743の直径に比べて僅かに小さいが、各溝782A〜Dを分離するのに充分な直径を持つことができる。
図38A〜Bに示すように、突出部734は、谷部分790と傾斜側面792とを含むV字形溝788を含む。更に、突出部734はリッジ794も含む。正方形溝742と突出部734のV字形溝788とは、主ハウジング704内のシャフト708の位置に関係なく協働し、どのような位置にあっても、突出部734は、軸方向及び回転に関して保証されながら溝742と係合できる。例えば、主ハウジング704に対するシャフト708の1つの整列において、突出部734のV字形溝788は、シャフト708のピーク部分786に跨り、突出部734の各リッジ794は、図38Aに示すように溝782A〜Dの1つの中へ延びることができる。主ハウジング704に対するシャフト708の別の整列において、突出部734は、突出部全体734が溝742の溝782A〜Dの1つの中へ延びるように、溝782A〜Dの1つと整列する。1つの実施例において、突出部734の幅は、溝782A〜Dの1つの幅に等しい。他の整列において、V字形溝788の傾斜側面794の一部分又はリッジ794は、シャフト708のピーク部分と係合できる。突出部734の形状は、ピーク部分786が突出部734に当たる場所に関係なく、主ハウジング704及びドライブクリップ720が図38A及び38Bに示す状態の1つに自己整列できるようなものである。例えば、シャフト708と突出部734との整列が図示する整列の中間的整列である場合、ピーク部分784及びV字形溝788の面とリッジ794の面との間の相互作用は、突出部734を図38A及び38Bに示す状態の1つに自己整列する。
ファスナカートリッジ700は、バネ716とプランジャ714とを含む。バネ716は、主ハウジング704内に移動可能に配置され、第1端部736から第2端部738まで延びる。プランジャ714は、フランジ748から長手軸A6に沿って延びるシャフト750を含み、主ハウジング704、ロックスリーブ706及びファスナハウジング711に対して長手軸A6に沿って軸方向に移動可能である。先端752は、ファスナ702の凹部800(図39A)の1つ又はそれ以上に係合する形状を持つ。1つの実施例において、バネ716の第1端部736は、バネ保持口729内に配置される。別の実施例において、第1端部736は、主ハウジング731内のバックストップ731に当接して配置できる。更に、第1端部736は、バネ保持口729内に配置してバックストップ731プに当接できる。バネ716の第2端部738は、プランジャ714のフランジ748から延びる突出部715の周りに配置され、ファスナカートリッジ700の長手軸A6に沿ってシャフト708から反対向きにプランジャ714を付勢できる。図35に示すように、バネ716は、シャフト708の一部分を受け入れる。本明細書において論じるように、シャフト708は、ファスナカートリッジ700がロック状態になるまで、バネ716内で軸方向及び回転に関して移動できる。
ファスナハウジング711は、ファスナ室710とバックストップ要素712とを含むことができる。ファスナ室710は、主ハウジング704の第2端部724に取り付けられ、これから延びることができる。ファスナ室710は、第1端部760から第2端部762まで延びることができる。ファスナ室710は、本体767と、チェンバ763を形成するチェンバ部分765とを含むことができる。本体767は、溝768と出っ張り766とを持つことができ、出っ張り766は、溝768と比べて第1端部760寄りに配置される。1つの実施例において、本体767は、第1端部760から出っ張り766へ向かって延びるキー面769を含む。キー面769は、スナップ嵌めによって主ハウジング704と係合できる突出部764を含むことができる(例えば、ファスナ室710の突出部764は、主ハウジング704の第2口718の中へスナップ式に嵌る)。
ファスナ室710は、回転に関してファスナハウジング711に対してファスナ702を固定する形状を持つことができる。ファスナ室710は、ファスナ室710に対してファスナ702が軸方向に移動できるようにしながらファスナ702とファスナハウジング711との間の相対的回転を防止するために、チェンバ736の中へ延びてファスナ702の凹部806(図39A、B及び40)に係合する1対の突出部770を含むことができる。
ファスナ室710の第1端部762は、チェンバ763の出口761においてチェンバ763の中へ半径方向に延びる複数の非可撓性タブ770を含むことができる。非可撓性タブ770の各々は、打込み準備完了位置にあるファスナ702(即ち、ファスナ室710から外へ延びその先端807がファスナカートリッジ700から反対向きを指すファスナ702)の凹部806の対応する1つに受け入れられる。非可撓性タブ770と打込み準備完了ファスナ702の凹部806との間の干渉は、ファスナカートリッジ700と打込み準備完了ファスナ702との間の不注意の離脱を防止する。
ファスナ室710のチェンバ部分765は、チェンバ765に沿って延びるリッジ767を含む。リッジ767は、ファスナ702の頭部802の凹部804内に位置付けられて、ファスナ室710内でのファスナ702の回転を防止するように構成される。リッジ767は、第1出っ張り778を形成し、本体767は第2出っ張り780を形成する。第1及び第2出っ張り778、780は、バックストップ要素712と相互作用して、本明細書において論じるように、ファスナ室710内でのバックストップ要素712の位置を維持できる。
図39A〜B及び40に示すように、ファスナ702は、部分的に傾斜面806によって形成される凹部804を含む。凹部804の傾斜面806は、ファスナカートリッジ700と打込み準備完了ファスナ702との間の不注意の離脱を防止するようなものである。図示する凹部804は傾斜面806を持つが、凹部804は、ファスナ14(図7)について本明細書において示すように、部分的に凹部を形成するリップとして形成することもできる。各凹部804の間に、頭部802は、頭部802の概ね十字形の周囲を形成する葉状体808を含むことができる。代替的に、ファスナ室710及び頭部802は、回転に関してファスナハウジング711に対してファスナ702の頭部802を固定するような形状を持てることが分かるはずである。
各ファスナ702は、ファスナ702の長手軸に沿って頭部802の中へ延びるソケット800を含む。各ファスナ702のネジ切り軸部803は、ファスナ702を相互に入れ子式に重ねられるように、隣接するファスナ702のソケット800の中に受け入れられるテーパー状先端807を持つことができる。ファスナ702の頭部802は、例えば、プラス(十字形)頭又は平頭ドライバ先端を受け入れるように構成される1つ又は複数のスロット801を含むこともできる。
バックストップ要素712は、ベース753とベース753から延びる複数の弾性可撓性タブ758とを有する概ね管状の部材とすることができる。ベース753は、エッジ754とフレア状タブ756と含むことができる。バックストップ要素712は、ファスナ室710内に受け入れられ、ファスナ室710内で軸方向及び回転に関して固定される。例えば、挿入時に、バックストップ要素712は、エッジ754がファスナ室710のリッジ767によって形成された第1出っ張り778に当接するまでファスナ室710の中へ挿入できる。更に、フレア状タブ756は、挿入時に潰れ、その後、タブがファスナ室710の本体767を通り抜けてファスナ室710の第2出っ張り780に当接すると拡張し、それによって、ファスナ室710内でのバックストップ要素712の移動を防止する。
本明細書において論じるように、弾性可撓性タブ758は、打込み準備完了位置にあるファスナ702がファスナ室710の中へ押し戻されるのを防止する。可撓性タブ758は、打込み準備完了位置にあるファスナ702がファスナ室710の中へ押し戻されるのを防止するので、スタンバイ位置位あるファスナ702及びプランジャ714は、ファスナカートリッジ700のシャフト708へ向かって押されるのが防止される。
可撓性タブ758は、ベース753から軸方向に(ファスナハウジング711の長手軸A3に沿って)ファスナ室710の出口761へ向かって及び長手軸A3へ向かって半径方向内向きに延びる。可撓性タブ758は、図36に示すように、ファスナ702の1つが打込み準備完了位置にあるとき、その公称静止位置にある。可撓性タブ758がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ758の自由端759は、打込み準備完了位置にあるファスナ702の頭部802の葉状体808の半径方向最も外側の周囲に対して半径方向内側に配置される。したがって、可撓性タブ758の自由端759と打込み準備完了位置にあるファスナ702の頭部802との間の干渉は、打込み準備完了にあるファスナ702がファスナ室710の中へ押し戻されるのを防止する。ファスナ室710及びバックストップ要素712は図において別個構成要素であるが、相互に一体的に形成できることも想定される。
ファスナカートリッジ700は、ロックスリーブ706も含む。本明細書において論じるように、ロックスリーブ706は、2つの位置即ちアンロック位置とロック位置とを持つことができる。アンロック位置において、シャフト708は、主ハウジング704内において軸方向及び回転に関して自由に移動できる。ロックスリーブがロック位置になると、シャフト708は、主ハウジング704及びファスナハウジング711内で軸方向及び回転に関して固定される。ロックスリーブ706は、第1端部771から第2端部773まで延びる。第1端部771は第1フランジ772を含み、第2端部773は、第2フランジ774から延びる突出部776を持つ第2フランジ774を含む。図35において、ロックスリーブ706はアンロック位置にある。アンロック位置において、突出部776は、ファスナ室710の溝768の中へ延びて、主ハウジング704に沿ったロックスリーブ706の位置を維持する。更に、アンロック位置において、突出部734は、主ハウジング704の第1口728の中へ部分的に延びるが、主ハウジング704によって形成された開口719の中へは延びず、それによって、シャフト708が主ハウジング704内で自由に移動できるようにする。ロックスリーブ706をロック位置から移動するために、使用者は、主ハウジング704の第1端部722へ向かってロックスリーブ706を押して、ロックスリーブ706が主ハウジング704に沿って移動できるように突出部776を溝768から離脱させる。本明細書において論じるように、ロックスリーブ706が主ハウジング704の第1端部722へ向かって移動するとき、ドライブクリップ720の細長い脚732は主ハウジング704に接して潰れて、突出部734は第1口726を通過してシャフト708の溝742の中へ延びて、それによって、主ハウジング704に対して軸方向及び回転に関してシャフト708を固定する。
ファスナ702の最初の1つが所望の深さまで物体の中へ打ち込まれた後、使用者は、ファスナ702の最初の1つの傾斜面806を僅かに変形して、ファスナ702の最初の1つの頭部802がファスナ室710の出口761を完全に通り抜けられるようにするために力を加えることによって、ファスナカートリッジ700をファスナ702の最初の1つから離脱できる。傾斜面806の変形は、ファスナ702が物体に埋め込まれた後に、ファスナ702の最初の1つからファスナカートリッジ700を引き離すことによって(又は、ファスナ702に対してファスナカートリッジ700を前後に揺らして、ファスナ702から引き離すことによって)、実現できる。このような引き離し及び/揺らしの行為によって、ファスナ室710の非可撓性タブ770は、ファスナ702の最初の1つの傾斜面806を変形させて、ファスナカートリッジ700をファスナ702の最初の1つから分離できるようにする。このような打ち込み準備完了位置にあるファスナ702の保持及びファスナカートリッジ700からファスナ702を分離するためのこのように慎重なステップは、ファスナカートリッジ700からのファスナ702の不注意の分離を減少または排除し、それによって、ファスナ14の落下及び紛失を減少または排除する。
打込み準備完了位置にあるファスナ702が物体に打ち込まれた後、ファスナカートリッジ700が前記ファスナ702から分離するとき、プランジャ714は、上述のように次のファスナ702をスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ押す。ファスナ702がスタンバイ位置から打込み準備完了位置へ前進するとき、ファスナ702の頭部802は、ファスナ802の頭部802が可撓性タブ758の間を打ち込み準備完了位置まで通過するので、ファスナ702の頭部802は可撓性タブ758を押して半径方向外向きに(長手軸A3から反対向きに)屈曲できる。
いくつかの実施形態において、ファスナ702の全てが物体の中へ打ち込まれた後(即ち、ファスナ702の全てがファスナカートリッジ700から分離された後)、ファスナカートリッジ700は主ハウジング704から取り外せる。その後、別のファスナカートリッジ700をハウジング316に取り付け直すことができる。
図43〜49は、上述のファスナカートリッジと同様に、設定された数のファスナを保持し物体の中へ打ち込むためにドライバ12と一緒に使用できる別のファスナカートリッジ1000を示す。ファスナカートリッジ1000の構造及び機能は、以下に説明し及び/又は図に示す例外を除いて、上述のファスナカートリッジ110、210、310、410、510、610及び700の構造及び機能と同様又は同一とすることができる。したがって、いくつかの同様の特徴については重ねて詳細に説明しない。
ファスナカートリッジ1000は、主ハウジング1002と、ファスナハウジング1004と、プランジャ1006と、バネ1008と、バックストップ要素1010と、を含むことができる。ファスナカートリッジ1000は、本明細書において説明するように、ツールと係合するシャフト1012に結合できる。ハウジング1004及びシャフト1012は、相互に取付け可能な別個の構成要素である。ハウジング1004は、シャフト418を受け入れてシャフトと取外し可能に係合する第1端部1014を含む。第1端部1014は、シャフト1012の環状凹部1018の中へスナップ式に嵌る複数の可撓性逆棘付きタブ1016を含むことができる。ハウジング1002は、ハウジング1002の第1端部1014から第2端部1022まで延びる開口1020を形成できる。開口1020を形成するハウジング1002の一部分1026は、シャフト1012の噛合い部分1024と噛み合うように構成される。部分1026は、噛合い部分1024の形状に合致する形状を持つ。例えば、開口を形成する部分1026と噛合い部分1024とは、シャフト1024とハウジング1002との間の相対的回転を防止するために相互に噛み合う1つ又は複数の平坦面を含む。ハウジング1002とシャフト1012との間の係合は、ファスナカートリッジ100を伴うドリルの作動時にシャフト1012とハウジング1002とを相互に固定しておくのに充分な強さである。
バネ1008及びプランジャ422は、ハウジング1002内に移動可能に配置される。図示する実施形態において、バネ1008は伸縮バネである。バネ1028の第1端部1027は、プランジャ1006に引っ掛かるループ1028を含む。例えば、プランジャ1006は、プランジャの第1端部1032に凹部1030を含む。バネの第1端部をプランジャに結合するためのその他の構成が可能である。バネ1008の第2端部1030は、ファスナハウジング1004の第1端部1038に当接する。ハウジング1002内に配置されたとき、バネ1008の第2端部1030は、ハウジング1002の開口1020の中へ延びる突出部1042に当接する。1つの実施例において、バネ1006の第2端部1030は、バネ1006の残り部分に比べて大きい直径を有する。したがって、バネ1006が第2端部1022からハウジング1002の中へ挿入されたとき、ばね1006は、第2端部1030が突出部1042に当接するまでハウジング1002の中へ延びる。組み立てられたとき、バネ1008は、ファスナ702がファスナカートリッジ100から打ち込まれるときに、バネ1008が収縮してそれによってファスナカートリッジ1000の長手軸A6に沿ってシャフト1012から反対向きにプランジャ1006プランジャ422を付勢するように、伸縮しなければならない。
ファスナハウジング1004は、第1端部1038から第2端部1040まで延びることができる。ファスナハウジング1004は、ハウジング1002の第1端部1022に取り付けられ、第1端部から延びることができる。いくつかの実施形態において、ファスナハウジング1002は、ハウジング1002とファスナハウジング1004との間の相対的回転を防止するために、ハウジング1002のキー溝1046(1つ又は複数の平坦面を有する)に受け入れられるキー部分1044(1つ又はそれ以上の平坦面を有する)を含むことができる。ファスナハウジング1004は、軸方向に貫通するファスナ室1048を含むことができる。ファスナ室1048は、回転に関してファスナ702をファスナハウジング1004に対して固定するように形成されることができる。即ち、ファスナ室1048は、ファスナ702がファスナハウジング1004に対して軸方向に(軸A5に沿って)移動できるようにしながら、ファスナ702が回転に関してファスナハウジング1004に固定されるような形状を持つ。
図44、46及び49に示すように、ファスナハウジング1004の第2端部1040は、ファスナハウジング1004の出口においてファスナ室1048の中へ半径方向に延びる複数の非可撓性タブ1050を含むことができる。スロット1052を、隣り合う各対の非可撓性タブ1050の間に配置できる。非可撓性タブ1050の各々は、打込み準備完了位置にあるファスナ702(即ち、ファスナハウジング1004から外へ延びその先端807がファスナカートリッジ100から反対方向を指すファスナ702)の凹部800の対応する1つの中に受け入れられる。非可撓性タブ1050と打込み準備完了ファスナ702の傾斜面806との間の干渉は、ファスナカートリッジ1000と打込み準備完了ファスナ702との間の不注意の離脱を防止する。図ではファスナ702と一緒に示すが、ファスナカートリッジ100は、本明細書において説明するファスナ14と一緒に使用できる。
プランジャ1006は、第1端部1032から第2端部1034まで延びるシャフト1037を含むことができる。本明細書において論じるように、第1端部1032は、バネ1008の第1端部1027と係合できる凹部を含むことができる。プランジャ1006の第2端部1034は、ファスナ702の1つのスロット801内に嵌合する(図45及び46に示すように)サイズ及び形状を持つ。更に、プランジャ1006は、第2端部1034寄りに配置された突出部1036を含む。図48に示すように、ファスナハウジング1004はスロット1060を含む。スロットは、プランジャの突出部1036を受け入れて回転に関してプランジャ1006をファスナハウジング1004に対して固定するサイズ及び形状を持つ。
ファスナカートリッジ1000は、ファスナハウジング1004と相互作用するように構成されるバックストップ要素1010を含む。バックストップ要素1010は、各々噛合い部分1062と弾性可撓性タブ1064とを含む2つのバックストップ要素1010を含む。噛合い部分1062は、ファスナハウジング1004のバックストップ噛合い区分1051と噛み合うように構成される。図47に示すように、噛合い部分1062は、各バックストップ要素1010の弾性可撓性タブ1064がファスナハウジング1004の対応するスロット1052に沿って延びるように、バックストップ噛合い区分1051の周りを取り囲む。
バックストップ要素1010がファスナハウジング1004に結合されたとき、可撓性タブ1064は、打込み準備完了位置にあるファスナ702がファスナ室1048の中へ押し戻されるのを防止する。可撓性タブ476は、打込み準備完了位置にあるファスナ14がファスナ室1048の中へ押し戻されるのを防止するので、スタンバイ位置にあるファスナ702及びプランジャ1006は、ファスナカートリッジ1000のシャフト1012へ向かって押されるのを防止される。
可撓性タブ1064は、図45及び47に示すように、ファスナ702の1つが打込み準備完了位置にあるときその公称静止位置にある。可撓性タブ1064がその公称静止位置にあるとき、可撓性タブ1064の半径方向最も内側の端は、打込み準備完了位置にあるファスナ702の頭部802の半径方向最も外側の周囲に対して半径方向内側に配置される。したがって、弾性可撓性タブ1064と打込み準備完了位置にあるファスナ702の頭部802との間の干渉は、打込み準備完了位置にあるファスナ702がファスナ室1042の中へ押し戻されるのを防止する。
実施形態の以上の説明は、例示及び説明のために示す。以上の説明は、網羅的である又は開示を限定することを意図しない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、その特定の実施形態に限定されるものではなく、適用可能な場合には、明確に図示又は説明されなくても、交換可能であり、選択された実施形態において使用できる。上記の要素又は特徴は多様に変更可能である。このような変更は開示からの逸脱とはみなされず、このような全ての修正が本開示の範囲内に含まれるものとする。