JP6636915B2 - ユビキチニル化タンパク質 - Google Patents

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Description

本願は、2013年10月11日出願、米国仮特許出願番号第61/890,054号、標題“Ubiquitinylated Proteins”に対して優先権を主張するものであり、その内容は全て本件に引用して援用する。
本願は、単離ユビキチニル化タンパク質組成物、および、単離ユビキチニル化タンパク質生成物を単独で、または、補完的治療剤と併用して投与することにより、免疫反応を刺激、増強、または促進する方法に関する。
ホストプロフェッショナルな抗原提示細胞(APC)による外来性抗原の交差提示(cross-presentation)は、腫瘍細胞由来の自己抗原または変異した自己抗原などの腫瘍関連抗原や、感染物質由来の外来性抗原に対する、T細胞免疫反応の開始と発展において中心的な役割を果たしている。期待される癌ワクチンとして、外来性抗原の交差提示を利用して、腫瘍に対する特異的な免疫反応を引き起こそうとするものが開発されている。
オートファジーは、細胞質の一部が、オートファゴソームと呼ばれる、大きさの範囲が0.5〜2μmの二重膜小胞で隔離される細胞プロセスである。このオートファゴソームの中身は溶解コンパートメント中で分解される。これは長寿命タンパク質の代謝回転を促し、同化に必要なアミノ酸プールの維持に不可欠である。オートファジー誘導の主要なマーカーは、サイトゾル型の微小管結合タンパク質1軽鎖3(LC3−I)を、一連のユビキチン様結合工程によって、オートファゴソームと強く結合する脂質化型(LC3−PE)へ変換することである。最近報じられたタンパク質、p62/SQSTM1(セクエストソームまたはp62)は、ポリユビキチンとLC3の両者に結合して、オートファジーによるユビキチン化タンパク質の分解を促進する。LC3とp62の相互作用は、オートファジーネットワークに一層の複雑さを加え、このバルク分解過程がこれまで考えられていたよりも選択的であるかもしれないことを示唆している。
B16メラノーマモデルにおいて、腫瘍細胞中でのオートファジーは、効率的な交差提示と、それに続く腫瘍免疫の誘導に重要である。オートファジーがブロックされると交差提示は著しく抑制され、オートファジーが促進されると高まる。更に、腫瘍から単離した、DRibble(小胞中のDRiPs)と呼ばれる、オートファゴソームを含む小胞は、交差提示試験およびin vivoワクチン研究において有力な抗原供給源の役目を果たす。オートファゴソーム含有(DRibble)ワクチンを製造する工程の重要部分が、ボルテゾミブを用いた細胞の処理であり、これによりプロテアソームがブロックされてユビキチン化(Ub)タンパク質が蓄積するようになる。
しかし、本願の発明者は、先行技術に開示されているDRibbleの製造および単離法が、オートファゴソームとその成分材料の数を多くしたものを製造および単離し、効果的なワクチンとして更に利用するには不十分であることに気付いた。データは、シャペロン(p62)と結合したユビキチン化タンパク質(SLiPs、DRiPsなど)が、ワクチンの効果に関与することを指摘している。ユビキチン化タンパク質を単離することで、オートファゴソームの免疫原性の高い部分を濃縮し、免疫原化合物として効率良くパッケージすることができる。
ある例では、哺乳動物に特異的免疫反応を誘発する方法を提示し、この方法は、膜結合オルガネラの不在下で、単離ユビキチニル化タンパク質を含む第1組成物の溶液を製造する工程を含み、単離ユビキチニル化タンパク質は1つ以上の特異性抗原を含み、更に、閾値量のポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含んでいる。単離ユビキチニル化タンパク質は、培養成長させた腫瘍由来細胞からアフィニティ精製され、腫瘍由来細胞は、培養成長する間、プロテアソームによるユビキチニル化タンパク質の分解が抑制されている。このようにして、古典的または非古典的MHCのいずれかによって拘束される、抗原特異的T細胞の交差提示および初回抗原刺激(priming)を行うため、免疫原性の高い短寿命タンパク質および欠陥リボソーム産物を樹状細胞に負荷(load)し得る。
前述の長所およびその他の長所、また本件に記載の特徴は、以下の詳細な記述より、単独で、あるいは添付図と関連させると、容易に明らかとなろう。
上記の概要は、詳細な記述に更に述べられている概念から選択したものを簡略な形で紹介するために提示されていることは当然である。請求項に挙げた対象物の主要または基本的特徴を特定しようとするものではなく、その範囲は、詳細な記述の後の請求項によって一意的に定義される。更に、請求項に挙げた対象物は、上で、あるいは、本開示のいずれかの部分で指摘した不都合を解決するものに限定されない。
プロテアソーム抑制剤の不在下でユビキチニル化タンパク質を輸送する細胞径路を示す概略図である。 プロテアソーム抑制剤の存在下でユビキチニル化タンパク質を輸送する細胞径路を示す概略図である。 ユビキチン結合タンパク質の例を示す概略図である。 ユビキチニル化タンパク質のアフィニティ精製に用いられる、GFP融合タンパク質を示す概略図である。 Vx3−GFP融合タンパク質に結合した単離ユビキチニル化タンパク質の蛍光像を示すデジタル画像である。 単離ユビキチニル化タンパク質を負荷した樹状細胞によるT細胞刺激を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質を負荷した樹状細胞によるT細胞刺激を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質を負荷した樹状細胞によるT細胞刺激を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質を負荷した樹状細胞によるT細胞刺激を示すグラフである。 腫瘍細胞から単離した単離ユビキチニル化タンパク質による、OVA特異性T細胞刺激を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質による、腫瘍特異性DRibble初回抗原刺激T細胞刺激を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質による、腫瘍特異性DRibble初回抗原刺激T細胞刺激を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質ワクチン接種を介した、in vivo腫瘍特異性T細胞誘導を示すグラフである。 単離ユビキチニル化タンパク質が誘導した炎症反応を示すグラフである。 MHC1a依存性および非依存性CD8T細胞が、単離ユビキチニル化タンパク質によってクロスプライミングできることを明示する、フローサイトメトリープロットを示す図である。 MHC1a依存性および非依存性CD8T細胞が、単離ユビキチニル化タンパク質によってクロスプライミングできることを明示する、フローサイトメトリープロットを示す図である。 MHC1a依存性および非依存性CD8T細胞が、単離ユビキチニル化タンパク質によってクロスプライミングできることを明示する、フローサイトメトリープロットを示す図である。 MHC1a依存性および非依存性CD8T細胞が、単離ユビキチニル化タンパク質によってクロスプライミングできることを明示する、フローサイトメトリープロットを示す図である。 単離ユビキチニル化タンパク質をワクチン接種した担癌マウスの生存数のプロットを示すグラフである。 CMV特異性抗原を発現している細胞から単離したDRibbleが、これらの抗原を効率的に運搬および交差提示することを示すグラフおよび図である。
この詳細な記述は、哺乳動物に特異的免疫反応を誘発する組成物および誘発方法に関する。特に、この記述は、1つ以上の特異性抗原を含む単離ユビキチニル化タンパク質を含む組成物に関する。例えば、プロテアソームでのユビキチニル化タンパク質の分解を抑制した腫瘍由来細胞から、ユビキチニル化タンパク質を単離してもよい。単離ユビキチニル化タンパク質には、短寿命タンパク質、欠陥リボソーム産物などの免疫原性の高い抗原が含まれ、これを哺乳動物に直接注射してもよく、あるいは、樹状細胞および/またはT細胞と共培養して、ワクチンとして、または他の免疫学的組成物として提供される細胞集団を得てもよい。
癌に対抗する非常に望ましい方法として、多くのタイプの癌性細胞で発現または過剰発現されるが、健康な正常細胞では発現されない、多数の腫瘍拒絶抗原に対する、広域スペクトラムの抗腫瘍T細胞反応を刺激することのできる、効果的な治療用癌ワクチンの開発が挙げられる。真の拒絶抗原である抗原の正体がまだ分かっていないため、これらの腫瘍拒絶抗原を濃縮する間接的方法が、有効な治療用癌ワクチンの開発に役立つと期待されている。腫瘍拒絶抗原としての役割を有し得る過剰発現抗原、非変異抗原、短寿命抗原の他にも、多くの癌細胞は、突然変異、転写、翻訳および/または翻訳後修飾のエラーのいずれかである、独自のタンパク質または誤訳タンパク質を産生する。これらのタンパク質は短寿命で、プロテアソーム依存型分解の標的となる。この詳細な記述では、プロテアソーム介在型分解に関わる普遍的なポリユビキチンタグを用いて腫瘍拒絶抗原を単離および濃縮する、新たな方法を開示する。単離したユビキチニル化タンパク質は、抗原特異的T細胞を刺激して、抗腫瘍T細胞介在免疫反応を引き出すことができる。実際に、これらのタンパク質を用いたワクチン接種は、乳癌の前臨床モデルで確立されている腫瘍の腫瘍退行に介在することができた。
図1Aおよび図1Bに、プロテアソーム抑制剤の存在下および不在下でユビキチニル化タンパク質を輸送する細胞径路の概略図を示す。タンパク質は、オートファジー径路またはプロテアソーム径路のいずれかによる分解の標的となり得る。一般に、短寿命タンパク質(SLiPs)及び欠陥リボソームタンパク質(DRiPs)はポリユビキチンタグで修飾され、熱ショックタンパク質(HSP−90など)に伴われて、分解のためのプロテアソームへ向かう。プロテアソーム介在型タンパク質分解径路は、細胞シグナリングの調整に、また、T細胞でのMHC−I拘束型抗原提示による直接細胞表面提示のためのペプチドの製造に、重要な役割を果たす。
損傷またはミスフォールドした長寿命タンパク質は、しばしば、オートファジー径路を経て処理される。タンパク質および損傷したオルガネラはファゴフォアに飲み込まれ、次にこれがリソソームと融合してオートファゴソームとなる。抗原提示細胞において、オートファジーは、内在性抗原と外来性抗原の両者の、MHC−II拘束型抗原提示に重要な役割を果たしている。食細胞では、トール様受容体が介在する認識と、先天性免疫反応の活性化に、オートファジーが必要である。
HSP−90が結合したペプチド(SLiPs、DRiPsなど)には、免疫原性の高いペプチドが含まれる。しかしこれらはプロテアソームによってすぐに分解されるため、必ずしも効率良く交差提示されない。プロテアソームを阻害剤(ボルテゾミブなど)でブロックすると、SLiPsおよびDRiPsはプロテアソーム分解から保護され、オートファジー径路へ向かう。オートファジーも阻害すると(塩化アンモニウムなどで)、SLiPsおよびDRiPsをアフィニティ精製して、免疫原性化合物として使用できる。
図2に、ユビキチン結合タンパク質の例を示す。ポリユビキチン鎖の各モノマーのC末端上の特異的リシン(K)結合が、タグの付いたタンパク質の運命を決定する。最も豊富なポリユビキチン鎖はK48結合型であり、これは閉構造をとり、S5a(26Sプロテアソームの調節複合体(19S)の構成要素)による、標的タンパク質分解のためのシグナルとして働く。その次に多いポリユビキチン結合型(K63)は、伸びた直線構造をとり、これは非プロテアソームドッキング部位として働くことができる。K63結合型タンパク質は、最近、腫瘍形成疾患および神経変性疾患に関与することが報告されている。p62は、内在性K63結合タンパク質で、これらのタンパク質をオートファゴソームへ輸送する働きをする。p62は、K48結合型タンパク質にも結合できる。プロテアソームがブロックされてK48結合型タンパク質の濃度が上昇すると、p62は、K63結合型タンパク質だけでなく、K48結合型タンパク質もオートファゴソームへ輸送し得る。このように、組み換えS5aおよびp62は、細胞溶解物からのポリユビキチニル化タンパク質のアフィニティ精製に利用できる。他のユビキチン結合タンパク質(TUBES、NEMO、オプチネウリン、TOLLIP、TOM1、Vx3など)をアフィニティタグで組み換え発現させると、結合したユビキチニル化タンパク質を効率的に回収することができる。文中では、細胞溶解物からのユビキチニル化タンパク質の単離に、S5aおよびVx3を含む構造体を用いているが、他のこのような構造体も使用できる。特に、下流の用途のための特定集団のユビキチニル化タンパク質の単離には、K48およびK63に特異なタンパク質、抗体、および/または、これらの組み合わせが用いられる。
<実施例1>
[単離ユビキチニル化タンパク質の交差提示による未感作T細胞の刺激]
交差提示は、抗原をその中で合成していない細胞がその抗原を提示できることで、免疫反応を初回抗原刺激するための唯一の機構としての直接提示を不必要にする手段であることが明らかとなった。効果的な抗腫瘍免疫反応の発生には、ワクチン接種の際のメラノーマ抗原の交差提示が不可欠であることが実証されたことで、この知見が広がった。議論され、未だ分かっていない交差提示の要素の1つは、抗原の供給源と、それをプロフェッショナルな抗原提示細胞(APC)へ送達する方法である。いくつかのグループは、抗原供給源が細胞タンパク質であることを示したが、熱ショックタンパク質(HSPs)でシャペロン化されたペプチドであると主張するグループもある。更に、クロスプライミング(cross-priming)は、HSP90と併せて、プロテアソーム基質および安定な細胞質ペプチドの供与の両者から生じることが立証されている。短寿命モデル抗原系、およびタンパク質翻訳の阻害剤の両者を用いた実験は、短寿命タンパク質(SLiPs)および/または欠陥リボソーム産物(DRiPs)が、オートファジー依存型クロスプライミングに関連する抗原プールの不可欠な構成要素であることを示している。SLiPsの半減期が短く、APCへ供与されにくいため、この抗原プールの交差提示は一般に効率が悪い。興味深いことに、SLiPsが細胞表面のペプチド:MHC複合体の大部分を構成できるのは、SLiPsのこの時間的性質であり、これは、SLiPsがプロテアソームによってすぐに分解され、TAP1/2によりMHCクラスI分子上に負荷されるためである。プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)による腫瘍の処理は、これらの一時的なタンパク質を安定化して、これらを別の主要な分解径路、オートファゴソーム/リソソーム径路に向かわせる。
図3Aに、GFP−Vx3(A7)融合タンパク質の概略図を示す。Vx3は、3つの比較的堅固なユビキチン結合Vps27 UIMドメインを含むペプチドである。Vx3は、Lys63結合型ユビキチン種と、Lys48結合型ユビキチン種の両者と結合するが、Lys63連結型ユビキチン種は、より高い特異性で結合する。このように、GFP−Vx3(A7)を用いて、細胞溶解物からユビキチニル化タンパク質を結合およびアフィニティ精製することができる。GFP−Vx3(A7)は更に、タンパク質のアフィニティ精製に用いることができるN−末端ポリHisタグも含んでいる。
ある実験では、UbiLT3細胞を培養成長させ、200nMのボルテゾミブで24時間処理し、集めて溶解させた。10、30、または100μgの精製GFP−Vx3(A7)をUbiLT3溶解物に加え、一晩共培養した。次に、この混合物にニッケル樹脂を加え、一晩共培養した。遠心分離してニッケル樹脂を分け、上澄み液を通過画分として保存した。次に、ニッケル樹脂を低濃度のイミダゾール溶液で洗い、次に、結合タンパク質を高濃度イミダゾール溶液で溶離した。図3Bに、10、30、および100μgの精製GFP−Vx3(A7)について、投入画分、通過画分および溶離画分のデジタル画像の例を示す。
次に、単離ユビキチニル化タンパク質を樹状細胞(DC)に提示し、次いで、これを用いてT細胞に抗原を交差提示することができる。ある実験では、ヒトDCに、UbiLT3細胞、あるいは、サイトメガロウイルス構造タンパク質pp65を発現するよう改変したUbiLT3細胞(UbiLT3pp65)からの、単離ユビキチニル化タンパク質を負荷した。陽性対照として、精製したCMVタンパク質をDCに負荷し、陰性対照として、培地のみ(CM)を使用した。DCに6時間負荷を行った後、増殖したエフェクターT細胞を加えて16時間刺激した。次に、細胞内染色およびブレフェルジンA処理、次に、フローサイトメトリーを行って、IFN−γ産生についてT細胞を分析した。図3Cおよび図3Dは、UbiLT3pp65細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(LT3pp65)では、CD8T細胞(図3C)およびCD4T細胞(図3D)の両者で、pp65特異性IFN−γ産生を刺激できたが、UbiLT3対照細胞(LT3)では刺激できなかったことを示している。この結果は、単離ユビキチニル化タンパク質が、ワクチンとして機能するほかにも、ワクチン、癌、および/または特定病原体の感染に対する免疫反応をin vitroで監視および評価するために使用できることを示している。これは、例えば、特異性抗原を発現している細胞から誘導した単離ユビキチニル化タンパク質を樹状細胞に負荷し、その特異性抗原に対するワクチンで治療した患者から採取したT細胞に、負荷した樹状細胞を提示し、次に、採取したT細胞によるIFN−γ産生を評価することにより、行われる。
図4Aおよび図4Bに、DCのサブセットに、UbiLT3およびUbiLT3pp65のUb富化(enriched)画分、投入画分および通過画分を負荷した、同様の実験のグラフを示す。図4Aから分かるように、UbiLT3pp65では、溶離した単離ユビキチニル化タンパク質(溶離)が、UbiLT3pp65細胞溶解物単独(投入)よりも、CD8T細胞によるIFN−γ産生の刺激に、より効果があった。pp65特異性T細胞に誘発された刺激が最も小さかったのは、UbiLT3pp65細胞溶解物の通過画分、またはUbiLT3細胞溶解物のUb富化画分、投入画分および通過画分であった。
図5に、単離ユビキチニル化タンパク質が、未感作CD8T細胞に対する抗原の交差提示の効率的な抗原供給源であることを明示する、フローサイトメトリー分布プロットを示す。マウスB16メラノーマ細胞の1種であるB78/H1細胞を、R−GFP−OVAまたはR−GFPを発現するよう改変した。B78/H1細胞を培養成長させ、ボルテゾミブで処理し、集めて溶解させた。B78/H1溶解物だけでなく、正常肝組織溶解物からもユビキチニル化タンパク質をアフィニティ精製した。
マウスMutu−1940 DCに、アルミニウムナノ粒子のほかに、精製ユビキチニル化タンパク質(3、10、または30μg)または精製OVA(10、30、または100μg)を負荷した。次に、この負荷したDCを、CFSE標識OT−1遺伝子組み換えT細胞に提示した。T細胞の活性化は、CFSE希釈後、6日間共培養して評価した。
図5から分かるように、抗原発現細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(Ub−Vel−B78H1−OVA)でパルスしたDCは、低抗原濃度であっても、OT−1 CD8T細胞の刺激に効果がある一方、非抗原発現細胞または正常肝組織から単離したユビキチニル化タンパク質は効果がなかった。実際、低濃度(3μg/ml)において、Ub−Vel−B78H1−OVAから単離したユビキチニル化タンパク質は、10μg/mlの濃度の精製OVAと同程度の効果で、OT−1 CD8T細胞を刺激した。図5に示すデータは、ひとつの独立した実験のものであるが、再試でも同じ結果であった(図示せず)。
これらの実験は、単離ユビキチニル化タンパク質が、樹状細胞に取り込まれ、他の細胞成分の不在下で、T細胞に交差提示され得ることを示している。このように、単離ユビキチニル化タンパク質は、in vivoまたはin vitroのいずれでも、未感作T細胞中の免疫反応の初回抗原刺激に利用できる。
<実施例2>
[単離ユビキチニル化タンパク質の交差提示による腫瘍特異性T細胞の刺激]
歴史的に、癌ワクチンで誘導したT細胞は腫瘍の根絶にあまり効果がない。誘導T細胞は、腫瘍を認識して腫瘍拒絶抗原を発現できたとしても、しばしば、封鎖され、消散し、アポトーシスを受け、あるいは、単に、腫瘍を根絶できる程までに増殖できない。あるスペクトルの腫瘍拒絶抗原に対するT細胞の刺激に使用可能な、効果の範囲の広い腫瘍拒絶抗原を作ることで、増殖T細胞の治療効果を高めることができる。更に、腫瘍は、多数の抗原の発現を同時に低下させる必要があるため、あるスペクトルの腫瘍抗原に対する広い免疫反応は、腫瘍が免疫異物除去から逃れる可能性を小さくすると考えられる。
図6A〜図6Bに、単離ユビキチニル化タンパク質による、腫瘍特異性、DRibble初回刺激T細胞刺激のグラフを示す。Nu77−GFPCreマウス(脾臓の骨髄細胞系列細胞中、並びにTリンパ球およびBリンパ球中でGFPを発現するC57BL/6マウスの株)に、零ベクトル(null vector)(図6A)、または、B78/H1細胞由来のDRibble(図6B)をワクチン接種した。接種7日後、マウスを解剖して脾細胞を採取した。Mutu 1940 DCに、アルミニウムナノ粒子と、更に、PBS、あるいは、5、10もしくは30μgの、正常肝細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(Ub肝HS)、5、10もしくは30μgの、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(Ub−B78H1 HS)、5、10もしくは30μgの、ボルテゾミブ処理B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(Vel Ub−B78H1 HS)、または、5、10もしくは30μgの、B78/H1−OVA細胞由来のDRibbleのいずれかとを負荷した。次に、負荷したDCを、採取した脾細胞と共培養した。次に、CD8細胞、CD69細胞、GFP細胞について、フローサイトメトリー分析により、エフェクターT細胞の活性化を測定した。予めワクチン接種したマウスから採取した脾細胞について、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質では、エフェクターT細胞の濃度依存的活性化が見られ、ボルテゾミブ処理B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質では更に劇的な活性化が見られた。
この実験は、単離ユビキチニル化タンパク質がワクチンブースターとして使えることを示唆している。例えば、同種オートファゴソーム富化組成物を担癌患者に投与した後、患者自身の原発腫瘍細胞から誘導した単離ユビキチニル化タンパク質を含む組成物を投与してもよい。こうすると、ワクチン接種後にT細胞増殖を誘発できるため、ワクチンの効果を高めることができると考えられる。
図7は、単離ユビキチニル化タンパク質を用いたワクチン接種が介在する、腫瘍特異性T細胞のin vivo初回抗原刺激のグラフである。C57BL/6マウスに、培地(HS)、正常肝細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(HS Ub 肝臓)、または、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(HS Ub B78H1)をワクチン接種した。接種7日後、マウスを解剖して脾細胞を採取した。次に、脾細胞を、B78/H1細胞、H2−Dを発現するよう改変されたB78/H1細胞(B78H1Db)、H2−Kを発現するよう改変されたB78/H1細胞(B78H1Kb)、H2−DとH2−Kの両者を発現するよう改変されたB78/H1細胞(B78H1D)、または、抗CD3抗体(CD3)と共培養した。次に、CD8細胞、IFN−γ細胞について、フローサイトメトリーによりT細胞の活性化を測定した。
図7から分かるように、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質を接種されたマウスは、H2−D、H2−K、またはその両者を発現するよう改変されたB78/H1細胞を認識するT細胞を初回刺激した。この結果は、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質でのワクチン接種が、MHC−Iに拘束される形で、その腫瘍型に特異的なT細胞を、in vivoで効果的に初回刺激することを示唆している。
<実施例3>
[単離ユビキチニル化タンパク質による炎症反応刺激]
免疫学的アジュバントは、免疫反応の増強および/または調節のために、免疫炎症性反応を利用するものである。図8に、単離ユビキチニル化タンパク質が誘導した炎症反応のグラフを示す。末梢血単核細胞(PBMCs)を、96ウェルのプレートに、10細胞/ウェルで播いた。次に、PBMCを、5mMのATPおよび10ng/mlのリポ多糖類(ATP/LPS)、または、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質(5μg/mlまたは50μg/ml)と共に、一晩培養した。次に、各ウェルの上澄み液を取り出し、ELISAでIL−1βを分析した。図8から分かるように、IL−1βは、B78/H1細胞から単離したユビキチニル化タンパク質で濃度依存的に刺激された。IL−1βは炎症性サイトカインであり、このサイトカインの産生は、ユビキチニル化タンパク質の炎症性を証明している。炎症反応の誘導は、ワクチンアジュバントに良く知られる性質であり、ワクチン特異的免疫反応の発展を増強するよう働く。このように、単離ユビキチニル化タンパク質は、抗原の特性とアジュバントの特性の両者を備えることができる。T細胞が活動する部位において炎症を刺激することで、単離ユビキチニル化タンパク質由来のワクチンは炎症反応を起こし、これがワクチン特異的免疫反応の発生を強めると考えられる。
<実施例4>
[単離ユビキチニル化タンパク質が介在する、MHCクラス1a依存性および非依存性T細胞クロスプライミング]
腫瘍が免疫監視から逃れる主なメカニズムの1つは、MHCクラス1a分子の発現を低下または完全に欠失させることである。同時に、NK細胞またはCTLによる排除を逃れるためのメカニズムとして、しばしば、腫瘍細胞上に非古典的MHCクラス1b分子を発現増加する。従って、MHCクラス1aに依存せずに腫瘍細胞を認識するT細胞を初回刺激するワクチンならば、T細胞の標的となり得る拒絶抗原のスペクトルを広げて、腫瘍細胞が免疫異物除去から逃れる可能性を小さくできると考えられる。
B16メラノーマ細胞のB78/H1クローンは、古典的MHCクラスI分子(MHCクラス1a)の発現欠損を持つが、非多型MHCクラスI分子(MHCクラス1b)の発現は保有している。図9A〜図9Dに、MHCクラス1a依存性および非依存性CD8T細胞が、単離ユビキチニル化タンパク質によってクロスプライミングできることを明示する、フローサイトメトリープロットを示す。Nurr77GFPレポーターマウスに、B78H1メラノーマ細胞からのDRibbleまたは単離ユビキチニル化タンパク質のいずれかを15μg接種した。アルミナナノ粒子と共に、DRibbleは結節内に投与し、単離ユビキチニル化タンパク質は皮下に投与した。次に、初回刺激したCD8T細胞が、親B78H1細胞と、外来性H2−KまたはD分子を発現するよう形質転換されたB78H1細胞とを認識する能力を分析した。免疫付与から7〜10日後、注入したリンパ節または流入領域(draining)リンパ節を集め、リンパ球を、H2−DまたはKを発現しているB78H1またはB7H1腫瘍細胞を用いて刺激した。陰性対照および陽性対照は、培地のみ(CM)および抗CD3抗体(CD3)であった。フローサイトメトリー分析を行って、CD8T細胞がIFN−γを産生する割合(図9A〜図9C)、または、GFPおよびCD69発現の発現増加の割合(図9D)を求めた。MHCクラス1aB78/H1を用いてex vivoで刺激すると、DRibble(図9B)またはUbタンパク質(図9C)のいずれかで初回刺激したCD8T細胞の約4%がIFN−γを産生することができた。Dの発現は、IFN−γCD8T細胞の割合を更に上昇させた(Kの程度はより少ない)。マウスに正常マウス肝臓から単離したユビキチニル化タンパク質を免疫させた場合(図9A)、B78H1細胞またはB78H−D細胞のいずれで刺激しても、IFN−γ産生CD8T細胞は検出されなかった。B78H1細胞はTAP−2欠損であるため、これらのT細胞は、TAP−2に依存しないメカニズムで提示されるエピトープを認識する。GFP発現試験から、B78H1反応性IFN−γ産生CD8T細胞の大部分は、MHCクラス1a分子によって拘束されないことが明らかとなった。
<実施例5>
[腫瘍ワクチンとしてのユビキチニル化タンパク質]
腫瘍由来オートファゴソームを材料とするワクチン(DRibbleなど)は、全細胞ワクチンよりも広い抗腫瘍免疫反応を起こすために使用してもよいが、免疫原性の高いユビキチニル化タンパク質を単離および再パッケージングすることで、オートファゴソーム内にパッケージされているものより効果が高く、レパートリーの異なるT細胞を初回刺激できる、亜優性(subdominant)の、新しい潜在性抗原を含むワクチンが可能となり、これはオートファゴソーム調製工程の際に共に単離される細胞成分によって拘束されると考えられる。古典的マウス腫瘍モデルの多く(例えば、4T1またはB16BL6−D5)は免疫原性が乏しく、治療が難しい。ましてや、自然発生腫瘍は更に治療が困難となり得る。最近のデータは、腫瘍中に存在する変異の数が内在性免疫原性の程度に影響し得ることを示唆している。このことから、新しく自然発生した腫瘍にはほとんど変異が無く、免疫原性も更に低いと考えられる。
図10に、単離ユビキチニル化タンパク質を接種した担癌マウスの生存数をプロットしたものを示す。マウスに4T1乳腺腫瘍を植え付けた後、培地(ワクチン無し、プロット1010)、4T1細胞由来の未処理DRibble(プロット1020)、ユビキチニル化タンパク質の欠乏した4T1 DRibble画分(プロット1030)、または、4T1 DRibbleから単離したユビキチニル化タンパク質(プロット1040)を用いて免疫療法を行った。マウスには、培養成長させた後採取した25,000個の生存4T1腫瘍細胞を植え付けた。植え付け5日後、マウスに、上記のワクチン類の1つを結節当たり10μg加える免疫療法を行った。ワクチンを与えたマウスに、植え付け7日および9日後に同じ内容を追加投与した。
この実験のため、4T1細胞からDRibbleを誘導した。簡潔に言うと、細胞をボルテゾミブ(200nmol/L)と塩化アンモニウム(10〜20mmol/L)で24時間処理した。300×gで7分間遠心分離し、細胞と細胞残屑を沈殿させた。正確なピペッティングにより、細胞または細胞残屑塊からDRibbleを取り出した。次に、懸濁液を7500×gで遠心分離して、DRibbleを沈殿させた。ナノベシクルとエクソソームを含む上澄み液を捨てた。
単離したDRibbleの画分を、氷上、5x−RIPA緩衝液に溶解させた後、超音波照射して膜を破壊した。4℃、13,000×gで12分間遠心分離して、溶液から膜を除いた。得られた溶液をPBSに1:10で希釈した。次に、市販のS5a結合ビーズを用い、4℃で一晩培養して、溶液からユビキチニル化タンパク質を捕集した。S5a結合ビーズを90% PBS/10%細胞溶解緩衝液で2回洗浄した。S5a結合ビーズに結合したタンパク質を、2M NaClを含むpH6.0(リン酸塩)の溶液中、56℃で30分間溶離させた。溶離液をPBSで繰り返し透析後、濃縮して1mg/mlの溶液とした。S5aはK−48結合型ユビキチンにより高い親和性を持つが、ウエスタンブロット法によれば、K−48結合型ユビキチン類およびK−63結合型ユビキチン類の両者とも溶離液中で検出された(図示せず)。
プロット1040から分かるように、Ub富化DRibble画分をワクチン接種した6匹のマウスのうち5匹は、植え付け後42日目も腫瘍が無かったが、対照群、未処理DRibble群、またはUb欠乏DRibble画分群のマウスは全て腫瘍が大きくなった。この結果は、DRibble中に含まれるユビキチニル化タンパク質が、DRibbleワクチンの治療的性質に不可欠であることを示唆している。ユビキチニル化タンパク質を単離することで、ワクチンの濃縮が可能となり、また、抗腫瘍活性の刺激において、より効果のあるものにできる。
<実施例6>
[病原体関連タンパク質を発現している細胞からのワクチンの誘導]
標的特異性ユビキチニル化タンパク質を得るもうひとつの方法は、特定のヒトまたは動物病原体(例えばHIV)のゲノムまたはゲノム成分を、ユビキチニル化タンパク質の産生に使用する細胞株に挿入することである。HIVタンパク質を発現している細胞から単離したユビキチニル化タンパク質をワクチンとして使用すると、免疫性を高め、またHIVゲノムを一掃できる可能性もある。このようなワクチンを、この病気に対抗するCMVベクターと組み合わせて使用してもよい。別のシナリオでは、特定のヒト病原体(例えば、ヒト型結核菌またはエボラ)のゲノムまたはゲノム成分を、ユビキチニル化タンパク質の産生に使用する細胞株に挿入してもよい。別の例では、特定の動物病原体(例えば、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス:PRRSV)のゲノムまたはゲノム成分を、ユビキチニル化タンパク質の産生に使用する細胞株に挿入してもよい。
図11に、CMV特異性抗原を発現している細胞から単離したDRibbleが、この抗原を効率良く運搬および交差提示することを明示する、グラフおよびプロットを示す。CEF−DRibbleを負荷した単球は、対照のE6E7−DRibbleよりもCD8T細胞を刺激し(2.4%対0.06%;p<0.01;プロット1110)、CD4T細胞を刺激した(0.56%対0.03%;p<0.05;プロット1120)。E6E7−DRibbleによる刺激では、無抗原群での頻度を超える反応の増加は見られなかった。これらの結果は、単核に負荷した場合、HEK 293 T由来DRibbleが、抗原特異的CD8T細胞およびCD4T細胞反応の両者にウイルス性抗原を交差提示したことを示している。CEF抗原ペプチドを欠いたHEK 293 T細胞由来のDRibbleによる記憶T細胞の明らかな非特異的刺激はなかった。
更に、癌患者から得たUbiLT3細胞株由来のDRibbleを使用した。CMVのpp65タンパク質を発現したUbiLT3株を作製し、これをCMVpp65抗原の供給源として用いてDRibbleを調製し、24人のドナーからのPBMCを刺激した。前述の細胞内染色法に従って、IFN−γCD8T細胞およびIFN−γCD4T細胞の割合を計算した。IFN−γCD8T細胞の平均割合は、UbiLT3 pp65 DRibble刺激群では0.24%であり、これと比べ、対照UbiLT3 GFP DRibbleで処理したT細胞の対応群では0.08%であった(p<0.01;プロット1130、フローチャート1150)。pp65 DRibble刺激でIFN−γを産生したCD4T細胞の平均割合は0.54%であり、これに対し、対照DRibbleで刺激したものは0.04%であった(p<0.01;プロット1140、フローチャート1150)。精製した組み換えCMV pp65タンパク質と比べて、UbiLT3 pp65 DRibbleは、記憶CD4T細胞のより良い刺激物であった(0.54%対0.39%、p<0.05、図2D,E)が、記憶CD8T細胞に対しては刺激が小さかった(0.24%対0.58%、p<0.01、図2C,E)。これらのデータは、HEK293T細胞およびUbiLT3細胞からのDRibbleを、溶出した(elutriated)単球に負荷、あるいは、ヒトPBMCに直接加えると、CD8T細胞およびCD4T細胞の抗原特異的活性化の強力な免疫原となることを示している。
これらの結果は、発現したウイルスタンパク質がDRibbleに向けられ、そこで交差提示のための抗原として使用され得ることを示している。ウイルスタンパク質を発現している細胞からユビキチニル化タンパク質を単離することで、より効果の高い免疫原を得ることができる。腫瘍抗原、ウイルス性抗原、細菌性抗原、その他の病原体抗原などの、様々な抗原を発現している細胞型を培養し、プロテアソームによるタンパク質の分解を抑制することができる。次に、ワクチン、免疫増強剤、T細胞プライマー、免疫学的監視薬、あるいはその他の免疫原性または治療用化合物として使用するため、これらの細胞からユビキチニル化タンパク質を単離することができる。
上に示した実験データおよび方法は、1つ以上の組成物および1つ以上の方法を可能にする。ある例では、哺乳動物に特異的免疫反応を誘発するよう形成された組成物を提示し、この組成物は、膜結合オルガネラを含まない、単離ユビキチニル化タンパク質の溶液を含み、単離ユビキチニル化タンパク質は1つ以上の特異性抗原を含み、更に、閾値量のポリユビキチニル化短寿命タンパク質(SLiPs)およびポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物(DRiPs)を含んでいる。SLiPsおよびDRiPsの閾値量は、in vivoおよび/またはin vitroで、未感作T細胞に免疫反応を初回抗原刺激するのに十分な量であってもよい。SLiPsおよびDRiPsの閾値量は、腫瘍特異性T細胞の増殖を刺激するのに十分な量であってもよい。SLiPsおよびDRiPsの閾値量は、抗原がT細胞に交差提示されるよう、in vivoまたはin vitroで樹状細胞に負荷するのに十分な量であってもよい。SLiPsおよびDRiPsの閾値量は、MHCクラス1aに依存しないT細胞のクロスプライミングを行うのに十分な量であってもよい。SLiPsおよびDRiPsの閾値量は、in vivoで抗腫瘍活性を刺激するのに十分な量であってもよい。更に、SLiPsおよびDRiPsの閾値量は、in vivoで炎症反応を刺激するのに十分な量であってもよい。
単離ユビキチニル化タンパク質は、培養成長させた腫瘍由来細胞からアフィニティ精製することができる。腫瘍由来細胞は、培養成長する間、例えば、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)を使用することで、プロテアソームによるユビキチニル化タンパク質の分解が抑制されたものであってもよい。一部の例において、腫瘍由来細胞は、培養成長する間、例えばリソソーム阻害剤を使用することで、リソソームによるユビキチニル化タンパク質の分解が抑制されたものであってもよい。
腫瘍由来細胞は哺乳動物の腫瘍から得ることができる。一部の例において、腫瘍由来細胞は、哺乳動物の腫瘍に由来する初代培養細胞であってもよい。一部の例では、腫瘍由来細胞を腫瘍細胞株から得てもよい。腫瘍由来細胞を、その腫瘍由来細胞に対して内在性でない1つ以上の特異性抗原、例えば、腫瘍特異性抗原、ウイルス性抗原、細菌性抗原、病原体抗原などを発現するよう改変してもよい。
別の例では、免疫原性試薬の製造法を提示し、この方法は、培養成長させている腫瘍由来細胞中のユビキチニル化タンパク質のプロテアソーム分解を抑制する工程と、培養成長させた腫瘍由来細胞から、膜結合オルガネラの不在下で、ユビキチニル化タンパク質を単離する工程と、を含み、単離ユビキチニル化タンパク質は1つ以上の特異性抗原を含み、更に、閾値量のポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含んでいる。この方法は更に、腫瘍細胞を溶解する工程と、得られた細胞溶解物から、組み換えポリユビキチン結合ペプチドを用いてユビキチニル化タンパク質をアフィニティ精製する工程と、組み換えポリユビキチン結合ペプチドからユビキチニル化タンパク質を溶離する工程と、を含むものであってもよい。
更に別の例では、哺乳動物に特異的免疫反応を誘発する方法を提示し、この方法は、単離ユビキチニル化タンパク質を含む第1組成物の溶液を製造する工程と、1つ以上の特異性抗原をT細胞に交差提示する工程と、を含み、単離ユビキチニル化タンパク質は1つ以上の特異性抗原を含み、更に、閾値量のポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含んでいる。この方法は更に、in vitroにおいて樹状細胞に第1組成物を負荷し、負荷樹状細胞を生成する工程と、負荷樹状細胞からT細胞へ抗原を交差提示する工程と、を含むものであってもよい。抗原は、in vivoまたはin vitroで、負荷樹状細胞からT細胞へ交差提示されてもよい。第1組成物は、哺乳動物に皮下注射され、あるいは、結節内、鼻腔内、静脈内に、または適当な別の手段で投与される。哺乳動物に特異的免疫反応を誘発することのできる第2組成物を哺乳動物に注入後、暫くして、第1組成物を注入してもよい。第2組成物は、DRibbleワクチンなどの、同種オートファゴソーム富化組成物である。特異的免疫反応は、古典的および/または非古典的MHCに拘束される抗原を標的としてもよい。
次の請求項は、ある種の組み合わせおよび下位の組み合わせが、新規および非自明と見なされることを特に指摘している。これらの請求項は、“1つの(an)”要素または“第1の”要素、あるいはその同等物について言及しているかもしれない。そのような請求項は、1つ以上のこのような要素の結合を含み、このような要素が2つ以上必要なわけでも、2つ以上を除くわけでもないことを理解すべきである。開示されている特徴、機能、要素、および/または、特性の、別の組み合わせおよび下位の組み合わせは、本請求項の修正により、あるいは、本願または関連出願の新たな請求項の提示によって主張することができる。このような請求項は、元の請求の範囲より、広く、狭く、同じ、または異なっていようとも、本開示の対象物に含まれるものとする。

Claims (27)

  1. 哺乳動物に特異的免疫反応を誘発するための組成物であって、
    前記組成物は、二重膜を含まない、単離ユビキチニル化タンパク質の溶液を含み、
    前記単離ユビキチニル化タンパク質は、1つ以上の特異性抗原を含み、更に、閾値量のK48結合型ポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびK48結合型ポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含むことを特徴とする、組成物。
  2. 前記単離ユビキチニル化タンパク質は、培養成長させた腫瘍由来細胞からアフィニティ精製されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記腫瘍由来細胞は、培養成長する間、プロテアソームによるユビキチニル化タンパク質の分解が抑制されたものであることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記腫瘍由来細胞が、哺乳動物に由来する培養細胞であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の組成物。
  5. 前記腫瘍由来細胞が、前記腫瘍由来細胞に対して内在性でない1つ以上の特異性抗原を発現するよう改変されていることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記腫瘍由来細胞に対して内在性でない前記1つ以上の特異性抗原が、ウイルス性抗原を含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記腫瘍由来細胞に対して内在性でない前記1つ以上の特異性抗原が、細菌性抗原を含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  8. 免疫原性試薬の製造法であって、
    培養成長させている腫瘍由来細胞中のユビキチニル化タンパク質のプロテアソーム分解を抑制する工程と、
    培養成長させた前記腫瘍由来細胞から、二重膜の不在下で、ユビキチニル化タンパク質を単離する工程と、
    を含み、
    前記単離ユビキチニル化タンパク質は、1つ以上の特異性抗原を含み、更に、閾値量のK48結合型ポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびK48結合型ポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含むことを特徴とする、製造法。
  9. 更に、
    前記腫瘍由来細胞を溶解する工程と、
    得られた細胞溶解物から、組み換えポリユビキチン結合ペプチドを用いてユビキチニル化タンパク質をアフィニティ精製する工程と、
    前記組み換えポリユビキチン結合ペプチドから前記ユビキチニル化タンパク質を溶離する工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項8に記載の製造法。
  10. 前記腫瘍由来細胞が、前記腫瘍由来細胞によって内因性発現しない1つ以上の特異性抗原を発現するよう改変されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の製造法。
  11. 前記1つ以上の前記特異性抗原が、ウイルス性抗原を含むことを特徴とする、請求項10に記載の製造法。
  12. 前記1つ以上の前記特異性抗原が、細菌性抗原を含むことを特徴とする、請求項11に記載の製造法。
  13. 前記腫瘍由来細胞が、哺乳動物の腫瘍に由来する初代培養細胞であることを特徴とする、請求項9に記載の製造法。
  14. 前記閾値量は、インビボおよび/またはインビトロで、未感作T細胞に免疫反応を初回抗原刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記閾値量は、腫瘍特異性および/または癌特異性のT細胞の増殖を刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記閾値量は、抗原がT細胞に交差提示されるよう、インビボまたはインビトロで樹状細胞に負荷するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  17. 前記閾値量は、主要組織適合性複合体(MHC)クラス1aに依存しないT細胞のクロスプライミングを行うのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  18. 前記閾値量は、インビボで抗腫瘍活性を刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記閾値量は、インビボで炎症反応を刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  20. さらに、K63結合型ポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびK63結合型ポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  21. 前記閾値量は、インビボおよび/またはインビトロで、未感作T細胞に免疫反応を初回抗原刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  22. 前記閾値量は、腫瘍特異性および/または癌特異性のT細胞の増殖を刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  23. 前記閾値量は、抗原がT細胞に交差提示されるよう、インビボまたはインビトロで樹状細胞に負荷するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  24. 前記閾値量は、主要組織適合性複合体(MHC)クラス1aに依存しないT細胞のクロスプライミングを行うのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  25. 前記閾値量は、インビボで抗腫瘍活性を刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  26. 前記閾値量は、インビボで炎症反応を刺激するのに十分な量を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  27. さらに、K63結合型ポリユビキチニル化短寿命タンパク質およびK63結合型ポリユビキチニル化欠陥リボソーム産物を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
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