JP6636755B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明の一態様は、半導体装置、表示装置及び該表示装置を用いた電子機器に関する。または、本発明の一態様は、物、方法、又は製造方法に関する。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、電子機器、それらの作製方法、又はそれらの駆動方法に関する。とくに、本発明の一態様は、例えば、トランジスタ及び容量素子を有する半導体装置に関する。
液晶表示装置や発光表示装置に代表されるフラットパネルディスプレイの多くに用いられているトランジスタは、ガラス基板上に形成されたアモルファスシリコン、単結晶シリコン又は多結晶シリコンなどのシリコン半導体によって構成されている。また、該シリコン半導体を用いたトランジスタは、集積回路(IC)などにも利用されている。
近年、シリコン半導体に代わって、半導体特性を示す金属酸化物をトランジスタに用いる技術が注目されている。なお、本明細書中では、半導体特性を示す金属酸化物を酸化物半導体とよぶことにする。例えば、酸化物半導体として、酸化亜鉛、またはIn−Ga−Zn系酸化物を用いたトランジスタを作製し、該トランジスタを表示装置の画素のスイッチング素子などに用いる技術が開示されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2007−123861号公報 特開2007−96055号公報
本発明の一態様は、導電性を有する酸化物半導体膜を備えた半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、開口率を高めつつ容量値を増大させた半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、製造コストが低い半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置などを提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、トランジスタと、第1の絶縁膜と、一対の電極間に第3の絶縁膜を含む容量素子と、を有する半導体装置であって、トランジスタは、第1の絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜および第2の酸化物半導体膜上の第3の絶縁膜と、を有し、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜と重なるチャネル領域と、第3の絶縁膜と接するソース領域と、第3の絶縁膜と接するドレイン領域と、を有し、ソース領域およびドレイン領域は水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、または希ガスの一以上を有し、容量素子の一対の電極の一方が、第2の酸化物半導体膜を含む、半導体装置である。
また、トランジスタと、第1の絶縁膜と、一対の電極間に第3の絶縁膜を含む容量素子と、を有する半導体装置であって、トランジスタは、ゲート電極と、ゲート電極上の前記第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜および第2の酸化物半導体膜上の第3の絶縁膜と、を有し、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜と重なるチャネル領域と、第3の絶縁膜と接するソース領域と、第3の絶縁膜と接するドレイン領域と、を有し、ソース領域およびドレイン領域は水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、または希ガスの一以上を有し、容量素子の一対の電極の一方が、第2の酸化物半導体膜を含む、半導体装置も本発明の一態様である。
また、トランジスタと、第1の絶縁膜と、一対の電極間に第3の絶縁膜を含む容量素子と、を有する半導体装置であって、トランジスタは、ゲート電極と、ゲート電極上の前記第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜および第2の酸化物半導体膜上の第3の絶縁膜と、を有し、ゲート電極は、第2の酸化物半導体膜と電気的に接続され、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜と重なるチャネル領域と、第3の絶縁膜と接するソース領域と、第3の絶縁膜と接するドレイン領域と、を有し、ソース領域およびドレイン領域は水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、または希ガスの一以上を有し、容量素子の一対の電極の一方が、第2の酸化物半導体膜を含む、半導体装置も本発明の一態様である。
また、トランジスタが第3の絶縁膜上の第4の絶縁膜と、第3の絶縁膜および第4の絶縁膜に設けられた開口部を介して、ソース領域に電気的に接続される第1の導電膜と、第3の絶縁膜および第4の絶縁膜に設けられた開口部を介して、ドレイン領域に電気的に接続される第2の導電膜と、を有する上記の半導体装置も本発明の一態様である。
また、第4の絶縁膜、第1の導電膜および第2の導電膜上の第5の絶縁膜と、第5の絶縁膜上の第3の導電膜を有し、容量素子の一対の電極の他方が第3の導電膜を含む、上記の半導体装置も本発明の一態様である。
また、本発明の一態様の半導体装置は、容量素子が可視光において透光性を有する、上記の半導体装置である。
また、上記の半導体装置において、第1の酸化物半導体膜及び第2の酸化物半導体膜がIn−M−Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、SnまたはHfを表す)であることが好ましい。
また、上記の半導体装置において、第3の絶縁膜が窒素または水素を含むことが好ましい。
また、上記の半導体装置において、第2の絶縁膜が酸素を含むことが好ましい。
また、上記の半導体装置と、液晶素子とを有する表示装置も、本発明の一態様である。
また、上記の半導体装置と、スイッチ、スピーカ、表示部または筐体と、を有する電子機器も、本発明の一態様である。
本発明の一態様により、導電性を有する酸化物半導体膜を備えた半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、開口率を高めつつ容量値を増大させた半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、製造コストが低い半導体装置を提供することができる。また本発明の一態様により、新規な半導体装置などを提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の一態様を示す上面図及び断面図。 半導体装置の一態様を示す断面図。 半導体装置の一態様を示す上面図及び断面図。 半導体装置の一態様を示す上面図及び断面図。 半導体装置の一態様を示す断面図。 半導体装置の一態様を示す断面図。 半導体装置の一態様を示す断面図。 半導体装置の一態様を示す断面図。 バンド構造を説明する図。 半導体装置の作製方法の一態様を示す断面図。 半導体装置の作製方法の一態様を示す断面図。 半導体装置の作製方法の一態様を示す断面図。 半導体装置の作製方法の一態様を示す断面図。 CAAC−OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図、ならびにCAAC−OSの制限視野電子回折パターンを示す図。 CAAC−OSの断面TEM像、ならびに平面TEM像およびその画像解析像。 nc−OSの電子回折パターンを示す図、およびnc−OSの断面TEM像。 a−like OSの断面TEM像。 In−Ga−Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。 表示装置の一形態を示す上面図及び画素の一形態を示す回路図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 タッチセンサのブロック図及びタイミングチャート図。 タッチセンサを備える画素を説明する図。 タッチセンサ及び画素の動作を説明する図。 タッチパネルの方式を示す断面概略図。 タッチパネルの方式を示す断面概略図。 タッチセンサの電極の配置を示す上面図。 画素の一形態を示す上面図。 画素の一形態を示す断面図。 画素の一形態を示す回路図。 表示装置の一形態を示す上面図。 表示装置の一形態を示す断面図。 表示装置の一形態を示す断面図。 表示装置の一形態を示す断面図。 タッチパネルの構成を示す斜視図。 タッチパネルの構成を示す断面図。 タッチセンサの構成を示す上面図。 タッチセンサ電極の構成を示す上面図。 タッチセンサの構成を示す上面図。 タッチセンサ電極の構成を示す上面図。 発光素子の構成を説明する図。 表示モジュールを説明する図。 電子機器を説明する図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明の一態様は以下の説明に限定されず、本発明の主旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明の一態様は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、以下に説明する実施の形態において、同一部分または同様の機能を有する部分には、同一の符号または同一のハッチパターンを異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、膜の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
また、本明細書等において用いる第1、第2等の序数詞は、構成要素の混合を避けるために付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁膜」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「半導体」と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に低い場合は、「絶縁体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」とは境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の「半導体」は、「絶縁体」に言い換えることが可能な場合がある。同様に、本明細書等に記載の「絶縁体」は、「半導体」に言い換えることが可能な場合がある。または、本明細書等に記載の「絶縁体」を「半絶縁体」に言い換えることが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「半導体」と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に高い場合は、「導電体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」とは境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の「半導体」は、「導電体」に言い換えることが可能な場合がある。同様に、本明細書等に記載の「導電体」は、「半導体」に言い換えることが可能な場合がある。
なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、本明細書等においてパターニングとは、フォトリソグラフィ工程を用いるものとする。ただし、パターニングは、フォトリソグラフィ工程に限定されず、フォトリソグラフィ工程以外の工程を用いることもできる。また、フォトリソグラフィ工程で形成したマスクはエッチング処理後除去するものとする。
なお、本明細書等において、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い膜を指し、好ましくは酸素が55原子%以上65原子%以下、窒素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれるものをいう。窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い膜を指し、好ましくは窒素が55原子%以上65原子%以下、酸素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれるものをいう。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について、図1乃至図13を用いて説明する。
<半導体装置の構成例1>
図1(A)は、本発明の一態様の半導体装置100の上面図であり、図1(B)は、図1(A)の一点鎖線A−B間、一点鎖線C−D間、及び一点鎖線E−F間における切断面の断面図に相当する。なお、図1(A)において、煩雑になることを避けるため、半導体装置100の構成要素の一部(ゲート絶縁膜等)を省略して図示している。なお、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図1(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。
図1(A)の一点鎖線A−Bはトランジスタ150のチャネル長方向を示している。また一点鎖線E−Fはトランジスタ150のチャネル幅方向を示している。なお、本明細書においてトランジスタのチャネル長方向とは、ソース(ソース領域またはソース電極)及びドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)間において、キャリアが移動する方向を意味し、チャネル幅方向は、基板と水平な面内において、チャネル長方向に対して垂直の方向を意味する。
図1(A)、(B)に示す半導体装置100は、第1の酸化物半導体膜108を含むトランジスタ150と、一対の電極間に絶縁膜を含む容量素子160と、を有する。なお、容量素子160において、一対の電極の一方が第2の酸化物半導体膜111bであり、一対の電極の他方が導電膜123である。
トランジスタ150は、基板102上のゲート電極106と、ゲート電極106上のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜104と、絶縁膜104上の第1の酸化物半導体膜108と、第1の酸化物半導体膜108上の絶縁膜110と、絶縁膜110上の第2の酸化物半導体膜111aと、絶縁膜104、第1の酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a上の絶縁膜116と、を有する。なお、第1の酸化物半導体膜108は、第2の酸化物半導体膜111aと重なるチャネル領域108iと、絶縁膜116と接するソース領域108sと、絶縁膜116と接するドレイン領域108dと、を有する。
トランジスタ150において、ゲート電極106は第1のゲート電極として機能し、第2の酸化物半導体膜111aは第2のゲート電極として機能する。第2の酸化物半導体膜111aは、絶縁膜104、絶縁膜110に設けられた開口部142を介してゲート電極106と電気的に接続される。すなわち、ゲート電極106および第2の酸化物半導体膜111aは同電位となる。なお、トランジスタ150において、ゲート電極106と第2の酸化物半導体膜111aが各々独立して動作し、異なる電位を与えられる構成としてもよい。また、トランジスタ150がゲート電極106を有さない構成としてもよい(図1(C)参照)。
また、絶縁膜116は、窒素または水素を有する。絶縁膜116と、ソース領域108s及びドレイン領域108dと、が接することで、絶縁膜116中の窒素または水素がソース領域108s及びドレイン領域108d中に添加される。ソース領域108s及びドレイン領域108dは、窒素または水素が添加されることで、キャリア密度が高くなる。なお、第1の酸化物半導体膜108において、ソース領域108sおよびドレイン領域108dはチャネル領域108iとハッチングを変えて示している(図1(B)参照)。
また、トランジスタ150は、絶縁膜116上の絶縁膜118と、絶縁膜116、118に設けられた開口部141aを介して、ソース領域108sに電気的に接続される導電膜120aと、絶縁膜116、118に設けられた開口部141bを介して、ドレイン領域108dに電気的に接続される導電膜120bと、を有していてもよい。
なお、本明細書等において、絶縁膜104を第1の絶縁膜と、絶縁膜110を第2の絶縁膜と、絶縁膜116を第3の絶縁膜と、絶縁膜118を第4の絶縁膜と、後述する絶縁膜122を第5の絶縁膜と、それぞれ呼称する場合がある。また、導電膜112は、ゲート電極としての機能を有し、導電膜120aは、ソース電極またはドレイン電極の一方としての機能を有し、導電膜120bは、ソース電極またはドレイン電極の他方としての機能を有する。
また、絶縁膜110は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。また、絶縁膜110は、過剰酸素領域を有する。絶縁膜110が過剰酸素領域を有することで、第1の酸化物半導体膜108が有するチャネル領域108i中に過剰酸素を供給することができる。よって、チャネル領域108iに形成されうる酸素欠損を過剰酸素により補填することができるため、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
なお、第1の酸化物半導体膜108中に過剰酸素を供給させるためには、第1の酸化物半導体膜108の下方に形成される絶縁膜104に過剰酸素を供給してもよい。ただし、この場合、絶縁膜104中に含まれる過剰酸素は、第1の酸化物半導体膜108が有するソース領域108s、及びドレイン領域108dにも供給されうる。ソース領域108s、及びドレイン領域108d中に過剰酸素が供給されると、ソース領域108s、及びドレイン領域108dの抵抗が高くなる場合がある。
一方で、第1の酸化物半導体膜108の上方に形成される絶縁膜110に過剰酸素を有する構成とすることで、チャネル領域108iにのみ選択的に過剰酸素を供給させることが可能となる。あるいは、チャネル領域108i、ソース領域108s、及びドレイン領域108dに過剰酸素を供給させたのち、ソース領域108s及びドレイン領域108dのキャリア密度を選択的に高めることで、ソース領域108s、及びドレイン領域108dの抵抗が高くなることを抑制することができる。
また、第1の酸化物半導体膜108が有するソース領域108s及びドレイン領域108dは、それぞれ、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する以下の元素を一以上有することが好ましい。当該酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。上記酸素欠損を形成する元素は、絶縁膜116の構成元素がソース領域108s、及びドレイン領域108dに拡散する、または不純物添加処理によりソース領域108s、及びドレイン領域108d中に添加される。
不純物元素が酸化物半導体膜に添加されると、酸化物半導体膜中の金属元素と酸素の結合が切断され、酸素欠損が形成される。または、不純物元素が酸化物半導体膜に添加されると、酸化物半導体膜中の金属元素と結合していた酸素が不純物元素と結合し、金属元素から酸素が脱離され、酸素欠損が形成される。これらの結果、酸化物半導体膜においてキャリア密度が増加し、導電性が高くなる。
また、絶縁膜118、導電膜120aおよび導電膜120b上に、絶縁膜122、導電膜123がこの順で形成されている。絶縁膜116および絶縁膜118には、第2の酸化物半導体膜111bに達する開口部143が形成されており、開口部143を介して導電膜120bと第2の酸化物半導体膜111bが電気的に接続されている。第2の酸化物半導体膜111bは、例えば、画素電極としての機能を有する。また導電膜123は、例えば、コモン電極としての機能を有する。
なお、第2の酸化物半導体膜111bがコモン電極としての機能を有し、導電膜123が画素電極としての機能を有していてもよい(図2(A)参照)。図2(A)において、導電膜123は絶縁膜122に設けられた開口部144を介して導電膜120bと電気的に接続されている。また、第2の酸化物半導体膜111bの代わりに、第1の酸化物半導体膜108と同時に形成される第1の酸化物半導体膜108bが画素電極としての機能を有していてもよい(図2(B)参照)。また、第1の酸化物半導体膜108bがコモン電極としての機能を有し、導電膜123が画素電極としての機能を有していてもよい(図2(C)参照)。
また、コモン電極の機能を有する導電膜123に補助電極が接続されていてもよい。第2の酸化物半導体膜111bが透過型液晶表示装置の画素電極として機能する場合、該補助電極は第2の酸化物半導体膜111bと重畳しない位置に設けることが好ましい。例えば、導電膜123上に補助電極として機能する導電膜124が設けられていてもよい(図3(A)、(B)参照)。また、導電膜120a、120bと同時に形成できる導電膜120cが、導電膜123の補助配線として設けられていてもよい(図4(A)、(B)参照)。図4(A)、(B)において、導電膜120cは絶縁膜122に設けられた開口部145を介して導電膜123と電気的に接続される。なお、図3(B)、図4(B)はそれぞれ、図3(A)、図4(A)の一点鎖線A−B間、一点鎖線C−G間における切断面の断面図に相当する。
容量素子160は、絶縁膜110上の一対の電極の一方としての機能を有する第2の酸化物半導体膜111と、第2の酸化物半導体膜111上の誘電体膜として機能する絶縁膜116、絶縁膜118および絶縁膜122と、絶縁膜122上の一対の電極の他方としての機能を有する導電膜123と、を有する。すなわち、第2の酸化物半導体膜111bは、画素電極としての機能と容量素子の電極としての機能を有する。また導電膜123は、コモン電極としての機能と容量素子の電極としての機能を有する。
なお、第1の酸化物半導体膜108と第2の酸化物半導体膜111a、111bは、同一の金属元素を有すると好ましい。第1の酸化物半導体膜108と第2の酸化物半導体膜111a、111bを同一の金属元素を有する構成とすることで、製造装置(例えば、成膜装置、加工装置等)を共通に用いることが可能となるため、製造コストを抑制することができる。
また、図1に示す半導体装置100は、トランジスタ150のゲート電極として機能する第2の酸化物半導体膜111aと、画素電極として機能する第2の酸化物半導体膜111bを同様の材料を用いて同時に形成する。このような構成とすることで、該半導体装置を作製する工程数を減らし、製造コストを抑制することができる。
また、容量素子160は、透光性を有する。すなわち、容量素子160が有する、第2の酸化物半導体膜111b、導電膜123、及び絶縁膜116、118、122は、それぞれ透光性を有する材料により構成される。このように、容量素子160が透光性を有することで、画素内のトランジスタが形成される箇所以外の領域に大きく(大面積に)形成することができるため、開口率を高めつつ容量値を増大させた半導体装置を得ることができる。この結果、表示品位の優れた半導体装置を得ることができる。
なお、トランジスタ150において、第1の酸化物半導体膜108のチャネル領域108iは、ソース領域108sおよびドレイン領域108dと比較して抵抗率が高い。また、第2の酸化物半導体膜111a、111bは電極としての機能を有するため、第1の酸化物半導体膜108のチャネル領域108iと比較して抵抗率が低い。
ここで、第1の酸化物半導体膜108及び第2の酸化物半導体膜111の抵抗率の制御方法について、以下説明を行う。
<酸化物半導体の抵抗率の制御方法>
第1の酸化物半導体膜108及び第2の酸化物半導体膜111に用いることのできる酸化物半導体膜は、膜中の酸素欠損及び/又は膜中の水素、水等の不純物濃度によって、抵抗率を制御することができる半導体材料である。そのため、第1の酸化物半導体膜108及び第2の酸化物半導体膜111へ酸素欠損及び/又は不純物濃度が増加する処理、または酸素欠損及び/又は不純物濃度が低減する処理を選択することによって、それぞれの酸化物半導体膜の抵抗率を制御することができる。
具体的には、低効率を下げたい領域の酸化物半導体膜にプラズマ処理を行い、該酸化物半導体の膜中の酸素欠損を増加させる、および/または酸化物半導体の膜中の水素、水等の不純物を増加させることによって、キャリア密度が高く、抵抗率が低い酸化物半導体膜とすることができる。また、酸化物半導体膜に水素を含む絶縁膜を接して形成し、該水素を含む絶縁膜、例えば絶縁膜116から酸化物半導体膜に水素を拡散させることによって、キャリア密度が高く、抵抗率が低い酸化物半導体膜とすることができる。このとき、該酸化物半導体膜は、酸化物導電体(OC:Oxide Conductor)として機能する。例えば、第2の酸化物半導体膜111a、111bは、上記にように膜中の酸素欠損を増加させる、または水素を拡散させる工程の前においては半導体としての機能を有し、該工程の後においては、導電体としての機能を有する。
一方、第1の酸化物半導体膜108のチャネル領域108iは、絶縁膜110を設けることによって、水素を含む絶縁膜116と接しない構成とする。絶縁膜104、110の少なくとも一つに酸素を含む絶縁膜、別言すると、酸素を放出することが可能な絶縁膜を適用することで、チャネル領域108iとしたい酸化物半導体膜の領域に酸素を供給することができる。酸素が供給されたチャネル領域108iは、膜中または界面の酸素欠損が補填され抵抗率が高い酸化物半導体膜となる。なお、酸素を放出することが可能な絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜を用いることができる。
また、抵抗率が低い酸化物半導体膜を得るために、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて、水素、ボロン、リン、または窒素を酸化物半導体膜に注入してもよい。
また、抵抗率が低い酸化物半導体膜を得るために、該酸化物半導体膜にプラズマ処理を行ってもよい。例えば、該プラズマ処理としては、代表的には、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)、水素、及び窒素の中から選ばれた一種以上を含むガスを用いたプラズマ処理が挙げられる。より具体的には、Ar雰囲気下でのプラズマ処理、Arと水素の混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、アンモニア雰囲気下でのプラズマ処理、Arとアンモニアの混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、または窒素雰囲気下でのプラズマ処理などが挙げられる。
上記プラズマ処理によって、酸化物半導体膜は、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。該酸素欠損は、キャリアを発生する要因になる場合がある。また、酸化物半導体膜の近傍、より具体的には、酸化物半導体膜の下側または上側に接する絶縁膜から水素が供給されると、上記酸素欠損と水素が結合することで、キャリアである電子を生成する場合がある。
一方、酸素欠損が補填され、水素濃度が低減された酸化物半導体膜は、高純度真性化、又は実質的に高純度真性化された酸化物半導体膜といえる。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体膜のキャリア密度が、8×1011個/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは1×1010個/cm未満であることを指す。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度を低減することができる。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×10μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。したがって、上述した高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜の領域をチャネル領域108iに用いるトランジスタ150は、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
絶縁膜116として、例えば、水素を含む絶縁膜、別言すると水素を放出することが可能な絶縁膜、代表的には窒化シリコン膜を用いることで、第1の酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a、111bに水素を供給することができる。水素を放出することが可能な絶縁膜としては、膜中の含有水素濃度が1×1022atoms/cm以上であると好ましい。このような絶縁膜を上記の酸化物半導体膜に接して形成することで、該酸化物半導体膜に効果的に水素を含有させることができる。このように、第1の酸化物半導体膜108及び第2の酸化物半導体膜111a、111bに接する絶縁膜の構成を変えることによって、酸化物半導体膜の抵抗率を制御することができる。
酸化物半導体膜に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合することで、キャリアである電子を生成する場合がある。
第1の酸化物半導体膜108のチャネル領域108iは、水素ができる限り低減されていることが好ましい。具体的には、チャネル領域108iにおいて、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm未満、好ましくは1×1018atoms/cm以下、より好ましくは5×1017atoms/cm以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm以下とする。
一方、第1の酸化物半導体膜108のソース領域108s、ドレイン領域108dおよび第2の酸化物半導体膜111a、111bに含まれる水素濃度は、8×1019以上、好ましくは1×1020atoms/cm以上、より好ましくは5×1020以上である。または、これらの酸化物半導体膜に含まれる水素濃度は、チャネル領域108iと比較して2倍以上、好ましくは10倍以上である。また、これらの酸化物半導体膜の抵抗率が、チャネル領域108iの抵抗率の1×10−8倍以上1×10−1倍未満であることが好ましく、代表的には1×10−3Ωcm以上1×10Ωcm未満、さらに好ましくは、抵抗率が1×10−3Ωcm以上1×10−1Ωcm未満であるとよい。
ここで、図1(A)及び図1(B)に示す半導体装置100のその他の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
<基板>
基板102の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を、基板102として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板102として用いてもよい。なお、基板102として、ガラス基板を用いる場合、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の大面積基板を用いることで、大型の表示装置を作製することができる。また、基板102として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタ150、容量素子160等を形成してもよい。
これらの他にも、基板102として、様々な基板を用いて、トランジスタを形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
なお、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
<第1の絶縁膜>
絶縁膜104としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、印刷法、塗布法等を適宜用いて形成することができる。また、絶縁膜104としては、例えば、酸化物絶縁膜または窒化物絶縁膜を単層または積層して形成することができる。なお、酸化物半導体膜108との界面特性を向上させるため、絶縁膜104において少なくとも酸化物半導体膜108と接する領域は酸化物絶縁膜で形成することが好ましい。また、絶縁膜104として加熱により酸素を放出する酸化物絶縁膜を用いることで、加熱処理により絶縁膜104に含まれる酸素を、酸化物半導体膜108に移動させることが可能である。
絶縁膜104の厚さは、50nm以上、または100nm以上3000nm以下、または200nm以上1000nm以下とすることができる。絶縁膜104を厚くすることで、絶縁膜104の酸素放出量を増加させることができると共に、絶縁膜104と酸化物半導体膜108との界面における界面準位、並びに酸化物半導体膜108のチャネル領域108iに含まれる酸素欠損を低減することが可能である。
絶縁膜104として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn酸化物などを用いればよく、単層または積層で設けることができる。本実施の形態では、絶縁膜104として、窒化シリコン膜と、酸化窒化シリコン膜との積層構造を用いる。このように、絶縁膜104を積層構造として、下層側に窒化シリコン膜を用い、上層側に酸化窒化シリコン膜を用いることで、酸化物半導体膜108中に効率よく酸素を導入することができる。
<第1の酸化物半導体膜及び第2の酸化物半導体膜>
第1の酸化物半導体膜108及び第2の酸化物半導体膜111a、111bは、少なくともインジウム(In)、亜鉛(Zn)及びM(Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、SnまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、またはジルコニウム(Zr)等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等がある。
第1の酸化物半導体膜108及び第2の酸化物半導体膜111a、111bを構成する酸化物半導体として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、第1の酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a、111bは、上記酸化物のうち、同一の金属元素を有していてもよい。第1の酸化物半導体膜108と、第2の酸化物半導体膜111を同一の金属元素とすることで、製造コストを低減させることができる。例えば、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで製造コストを低減させることができる。また同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることによって、酸化物半導体膜を加工する際のエッチングガスまたはエッチング液を共通して用いることができる。ただし、第1の酸化物半導体膜108と、第2の酸化物半導体膜111は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、トランジスタ及び容量素子の作製工程中に、膜中の金属元素が脱離し、異なる金属組成となる場合がある。
なお、第1の酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a、111bがIn−M−Zn酸化物であるとき、InとMの原子数比率は、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。
チャネル領域108iは、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタ150のオフ電流を低減することができる。
第1の酸化物半導体膜108の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、より好ましくは3nm以上60nm以下とする。第2の酸化物半導体膜111a、111bの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは30nm以上70nm以下、より好ましくは30nm以上50nm以下とする。
酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a、111bがIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:1.5、In:M:Zn=2:1:2.3、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:7等が好ましい。なお、成膜される酸化物半導体膜108の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%程度変動することがある。例えば、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される酸化物半導体膜の原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。また、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:7を用いる場合、成膜される酸化物半導体膜の原子数比は、In:Ga:Zn=5:1:6近傍となる場合がある。
チャネル領域108iとしては、キャリア密度の低い酸化物半導体膜を用いる。例えば、チャネル領域108iは、キャリア密度が1×1017個/cm以下、好ましくは1×1015個/cm以下、さらに好ましくは1×1013個/cm以下、より好ましくは1×1011個/cm以下の酸化物半導体膜を用いる。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、第1の酸化物半導体膜108のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
第1の酸化物半導体膜108において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、第1の酸化物半導体膜108において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、第1の酸化物半導体膜108におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、チャネル領域108iにおいて、二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、第1の酸化物半導体膜108のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。
また、チャネル領域108iに窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、当該酸化物半導体膜において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
また、チャネル領域108iにおいて、不純物元素を低減することで、酸化物半導体膜のキャリア密度を低減することができる。このため、チャネル領域108iにおいては、キャリア密度を1×1017個/cm以下、または1×1015個/cm以下、または1×1013個/cm以下、または1×1011個/cm以下とすることができる。
チャネル領域108iとして、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜を用いることで、さらに優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができる。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。あるいは、真性、または実質的に真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる場合がある。従って、当該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がプラスとなる電気特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)になりやすい。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、オフ電流が著しく小さい特性を得ることができる。従って、当該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる場合がある。
一方で、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、絶縁膜116と接する。ソース領域108s、及びドレイン領域108dが絶縁膜116と接することで、絶縁膜116からソース領域108s、及びドレイン領域108dに窒素または水素が添加されるため、キャリア密度が高くなる。
また、第1の酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a、111bは、非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、後述するCAAC−OS(C Axis Aligned−Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、後述する微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
なお、第1の酸化物半導体膜108および第2の酸化物半導体膜111a、111bが、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、及び単結晶構造の領域の二種以上を有する単層膜、あるいはこの膜が積層された構造であってもよい。
なお、第1の酸化物半導体膜108が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の領域のいずれか二種以上の領域を有する場合がある。また、混合膜は、例えば、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の領域のいずれか二種以上の領域の積層構造を有する場合がある。
なお、第1の酸化物半導体膜108において、チャネル領域108iと、ソース領域108s及びドレイン領域108dとの結晶性が異なる場合がある。具体的には、酸化物半導体膜108において、チャネル領域108iよりもソース領域108s及びドレイン領域108dの方が、結晶性が低い場合がある。これは、ソース領域108s及びドレイン領域108dに不純物元素が添加された際に、ソース領域108s及びドレイン領域108dにダメージが入ってしまい、結晶性が低下するためである。
<第2の絶縁膜>
絶縁膜110は、トランジスタ150のゲート絶縁膜として機能する。また、絶縁膜110は、酸化物半導体膜108、特にチャネル領域108iに酸素を供給する機能を有する。例えば、絶縁膜110としては、酸化物絶縁膜または窒化物絶縁膜を単層または積層して形成することができる。なお、酸化物半導体膜108との界面特性を向上させるため、絶縁膜110において、酸化物半導体膜108と接する領域は、少なくとも酸化物絶縁膜を用いて形成することが好ましい。絶縁膜110として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いればよい。
また、絶縁膜110の厚さは、5nm以上400nm以下、または5nm以上300nm以下、または10nm以上250nm以下とすることができる。
また、絶縁膜110は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、電子スピン共鳴法(ESR:Electron Spin Resonance)で観察されるシグナルが少ない方が好ましい。例えば、上述のシグナルとしては、g値が2.001に観察されるE’センターが挙げられる。なお、E’センターは、シリコンのダングリングボンドに起因する。絶縁膜110としては、E’センター起因のスピン密度が、3×1017spins/cm以下、好ましくは5×1016spins/cm以下である酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜を用いればよい。
また、絶縁膜110には、上述のシグナル以外に二酸化窒素(NO)に起因するシグナルが観察される場合がある。当該シグナルは、Nの核スピンにより3つのシグナルに分裂しており、それぞれのg値が2.037以上2.039以下(第1のシグナルとする)、g値が2.001以上2.003以下(第2のシグナルとする)、及びg値が1.964以上1.966以下(第3のシグナルとする)に観察される。
例えば、絶縁膜110として、二酸化窒素(NO)起因のスピン密度が、1×1017spins/cm以上1×1018spins/cm未満である絶縁膜を用いると好適である。
なお、二酸化窒素(NO)を含む窒素酸化物(NO)は、絶縁膜110中に準位を形成する。当該準位は、酸化物半導体膜108のエネルギーギャップ内に位置する。そのため、窒素酸化物(NOx)が、絶縁膜110及び酸化物半導体膜108の界面に拡散すると、当該準位が絶縁膜110側において電子をトラップする場合がある。この結果、トラップされた電子が、絶縁膜110及び酸化物半導体膜108界面近傍に留まるため、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせてしまう。したがって、絶縁膜110としては、窒素酸化物の含有量が少ない膜を用いると、トランジスタのしきい値電圧のシフトを低減することができる。
窒素酸化物(NO)の放出量が少ない絶縁膜としては、例えば、酸化窒化シリコン膜を用いることができる。当該酸化窒化シリコン膜は、昇温脱離ガス分析法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)において、窒素酸化物(NO)の放出量よりアンモニアの放出量が多い膜であり、代表的にはアンモニアの放出量が1×1018個/cm以上5×1019個/cm以下である。なお、上記のアンモニアの放出量は、TDSにおける加熱処理の温度が50℃以上650℃以下、または50℃以上550℃以下の範囲での総量である。
窒素酸化物(NO)は、加熱処理においてアンモニア及び酸素と反応するため、アンモニアの放出量が多い絶縁膜を用いることで窒素酸化物(NO)が低減される。
なお、絶縁膜110をSIMSで分析した場合、膜中の窒素濃度が6×1020atoms/cm以下であると好ましい。
また、絶縁膜110として、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi)、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl)、酸化ハフニウムなどのhigh−k材料を用いてもよい。当該high−k材料を用いることでトランジスタのゲートリークを低減できる。
<第3の絶縁膜>
絶縁膜116は、窒素または水素を有する。また、絶縁膜116は、フッ素を有していてもよい。絶縁膜116としては、例えば、窒化物絶縁膜が挙げられる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化フッ化シリコン、フッ化窒化シリコン等を用いて形成することができる。絶縁膜116に含まれる水素濃度は、1×1022atoms/cm以上であると好ましい。また、絶縁膜116は、酸化物半導体膜108のソース領域108s、及びドレイン領域108dと接する。したがって、絶縁膜116と接するソース領域108s、及びドレイン領域108d中の不純物(窒素または水素)濃度が高くなり、ソース領域108s、及びドレイン領域108dのキャリア密度を高めることができる。
<第4の絶縁膜>
絶縁膜118としては、酸化物絶縁膜を用いることができる。また、絶縁膜118としては、酸化物絶縁膜と、窒化物絶縁膜との積層膜を用いることができる。絶縁膜118として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn酸化物などを用いればい。
また、絶縁膜118としては、外部からの水素、水等のバリア膜として機能する膜であることが好ましい。
絶縁膜118の厚さは、30nm以上500nm以下、または100nm以上400nm以下とすることができる。
<導電膜>
導電膜120a、120bとしては、スパッタリング法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、熱CVD法等を用いて形成することができる。また、導電膜120a、120bとしては、例えば、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、ニッケル、鉄、コバルト、タングステンから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、マンガン、ジルコニウムのいずれか一または複数から選択された金属元素を用いてもよい。また、導電膜120a、120bは、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、マンガンを含む銅膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、マンガンを含む銅膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造、マンガンを含む銅膜上に銅膜を積層し、さらにその上にマンガンを含む銅膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
特に、導電膜120a、120bとしては、銅を含む材料を用いると好適である。導電膜120a、120bに銅を含む材料を用いると、抵抗を低くすることができる。例えば、基板102として大面積基板を用いた場合においても信号の遅延等を抑制することができる。
導電膜123としては、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを含むインジウム錫酸化物(In−Sn−Si酸化物:ITSOともいう)等の透光性を有する導電性材料を用いて形成できる。なお、導電膜120a、120bとして、これらの透光性を有する導電性材料を用いてもよい。また導電膜120a、120bを、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
導電膜124、導電膜120cとしては、導電膜120a、導電膜120bと同様の材料を用いることができる。
<第5の絶縁膜>
トランジスタ150の保護絶縁膜として機能する絶縁膜122としては、プラズマCVD法、スパッタリング法等により、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁膜を、それぞれ用いることができる。または、絶縁膜122として、第3の絶縁膜または第4の絶縁膜と同様の材料を用いることができる。
<半導体装置の構成例2>
次に、図1(A)、(B)に示す半導体装置100と異なる構成について、図5を用いて説明する。
図5(A)は、半導体装置100Aの断面図であり、図5(B)は、半導体装置100Bの断面図である。なお、半導体装置100A、および半導体装置100Bの上面図としては、図1(A)に示す半導体装置100と同様であるため、ここでの説明は省略する。
図5(A)に示す半導体装置100Aに含まれるトランジスタ150Aは、先に示す半導体装置100に含まれるトランジスタ150と絶縁膜110、及び第2の酸化物半導体膜111aの形状が異なる。具体的には、トランジスタのチャネル長(L)方向の断面において、トランジスタ150は、絶縁膜110、及び第2の酸化物半導体膜111aの形状がテーパ形状であるのに対し、トランジスタ150Aは、絶縁膜110、及び第2の酸化物半導体膜111aの形状が矩形状である。より詳しくは、トランジスタ150は、トランジスタのチャネル長(L)方向の断面において、第2の酸化物半導体膜111aの上端部が絶縁膜110の下端部よりも内側に形成される。別言すると、絶縁膜110の側端部は、第2の酸化物半導体膜111aの側端部よりも外側に位置する。一方で、トランジスタ150Aは、トランジスタのチャネル長(L)方向の断面において、第2の酸化物半導体膜111aの上端部と、絶縁膜110の下端部とが概略同じ位置に形成される。
トランジスタ150としては、第2の酸化物半導体膜111aと、絶縁膜110と、を同じマスクで加工し、ウエットエッチング法及びドライエッチング法を組み合わせて加工することで形成できる。トランジスタ150Aとしては、第2の酸化物半導体膜111aと、絶縁膜110と、を同じマスクで加工し、ドライエッチング法を用いて、一括して加工することで形成できる。
トランジスタ150のような構成とすることで、絶縁膜116の被覆性が向上するため好ましい。一方で、トランジスタ150Aのような構成とすることで、ソース領域108s及びドレイン領域108dと、第2の酸化物半導体膜111aとの端部が概略同じ位置に形成されるため好ましい。
図5(B)に示す半導体装置100Bに含まれるトランジスタ150Bは、先に示すトランジスタ150Aと比較し、第2の酸化物半導体膜111a、及び絶縁膜110の形状が異なる。具体的には、トランジスタ150Bは、トランジスタのチャネル長(L)方向の断面において、第2の酸化物半導体膜111aの下端部と、絶縁膜110の上端部との位置が異なる。第2の酸化物半導体膜111aの下端部は、絶縁膜110の上端部よりも内側に形成される。
例えば、第2の酸化物半導体膜111aと、絶縁膜110と、を同じマスクで加工し、第2の酸化物半導体膜111aをウエットエッチング法で、絶縁膜110をドライエッチング法で、それぞれ加工することで、トランジスタ150Bの構造とすることができる。
また、トランジスタ150Bの構造とすることで、第1の酸化物半導体膜108中に、領域108fが形成される場合がある。領域108fは、チャネル領域108iとソース領域108sとの間、及びチャネル領域108iとドレイン領域108dとの間に形成される。
領域108fは、高抵抗領域あるいは低抵抗領域のいずれか一方として機能する。高抵抗領域とは、チャネル領域108iと同等の抵抗を有し、ゲート電極として機能する第2の酸化物半導体膜111aが重畳しない領域である。領域108fが高抵抗領域の場合、領域108fは、所謂オフセット領域として機能する。領域108fがオフセット領域として機能する場合においては、トランジスタ150Bのオン電流の低下を抑制するために、チャネル長(L)方向の断面において、領域108fを1μm以下とすればよい。
また、低抵抗領域とは、チャネル領域108iよりも抵抗が低く、且つソース領域108s及びドレイン領域108dよりも抵抗が高い領域である。領域108fが低抵抗領域の場合、領域108fは、所謂、LDD(Lightly Doped Drain)領域として機能する。領域108fがLDD領域として機能する場合においては、ドレイン領域の電界緩和が可能となるため、ドレイン領域の電界に起因したトランジスタのしきい値電圧の変動を低減することができる。
なお、領域108fをLDD領域とする場合には、例えば、絶縁膜116から領域108fに窒素または水素を供給する、あるいは、第2の酸化物半導体膜111a及び絶縁膜110をマスクとして、第2の酸化物半導体膜111a及び絶縁膜110の上方から不純物元素を添加することで、当該不純物が絶縁膜110を介し、第1の酸化物半導体膜108に添加されることで形成することができる。
<半導体装置の構成例3>
次に、図1(A)、(B)に示す半導体装置100と異なる構成について、図6乃至図8を用いて説明する。
図6(A)は、半導体装置100Cの断面図であり、図6(B)は、半導体装置100Dの断面図であり、図7(A)は、半導体装置100Eの断面図であり、図7(B)は、半導体装置100Fの断面図であり、図8は、半導体装置100Gの断面図である。なお、半導体装置100C、半導体装置100D、半導体装置100E、半導体装置100F、及び半導体装置100Gの上面図としては、図1(A)に示す半導体装置100と同様であるため、ここでの説明は省略する。
半導体装置100Cに含まれるトランジスタ150C、半導体装置100Dに含まれるトランジスタ150D、半導体装置100Eに含まれるトランジスタ150E、半導体装置100Fに含まれるトランジスタ150F、及び半導体装置100Gに含まれるトランジスタ150Gは、先に示すトランジスタ150Aと第1の酸化物半導体膜108の構造が異なる。それ以外の構成については、先に示すトランジスタ150Aと同様の構成であり、同様の効果を奏する。
図6(A)に示すトランジスタ150Cが有する第1の酸化物半導体膜108は、絶縁膜104上の酸化物半導体膜108_1と、酸化物半導体膜108_1上の酸化物半導体膜108_2と、酸化物半導体膜108_2上の酸化物半導体膜108_3と、を有する。また、チャネル領域108i、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、それぞれ、酸化物半導体膜108_1、酸化物半導体膜108_2、及び酸化物半導体膜108_3の3層の積層構造である。
図6(B)に示すトランジスタ150Dが有する第1の酸化物半導体膜108は、絶縁膜104上の酸化物半導体膜108_2と、酸化物半導体膜108_2上の酸化物半導体膜108_3と、を有する。また、チャネル領域108i、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、それぞれ、酸化物半導体膜108_2、及び酸化物半導体膜108_3の2層の積層構造である。
図7(A)に示すトランジスタ150Eが有する第1の酸化物半導体膜108は、絶縁膜104上の酸化物半導体膜108_1と、酸化物半導体膜108_1上の酸化物半導体膜108_2と、を有する。また、チャネル領域108i、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、それぞれ、酸化物半導体膜108_1、及び酸化物半導体膜108_2の2層の積層構造である。
図7(B)に示すトランジスタ150Fが有する第1の酸化物半導体膜108は、絶縁膜104上の酸化物半導体膜108_1と、酸化物半導体膜108_1上の酸化物半導体膜108_2と、酸化物半導体膜108_2上の酸化物半導体膜108_3と、を有する。また、チャネル領域108iは、酸化物半導体膜108_1、酸化物半導体膜108_2、及び酸化物半導体膜108_3の3層の積層構造であり、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、それぞれ、酸化物半導体膜108_1、及び酸化物半導体膜108_2の2層の積層構造である。なお、トランジスタ150Fのチャネル幅(W)方向の断面において、酸化物半導体膜108_3が、酸化物半導体膜108_1及び酸化物半導体膜108_2の側面を覆う。
図8に示すトランジスタ150Gが有する第1の酸化物半導体膜108は、絶縁膜104上の酸化物半導体膜108_2と、酸化物半導体膜108_2上の酸化物半導体膜108_3と、を有する。また、チャネル領域108iは、酸化物半導体膜108_2、及び酸化物半導体膜108_3の2層の積層構造であり、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、それぞれ、酸化物半導体膜108_2の単層構造である。なお、トランジスタ150Gのチャネル幅(W)方向の断面において、酸化物半導体膜108_3が、酸化物半導体膜108_2の側面を覆う。
チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面またはその近傍においては、加工におけるダメージにより欠陥(例えば、酸素欠損)が形成されやすい、あるいは不純物の付着により汚染されやすい。そのため、チャネル領域108iが実質的に真性であっても、電界などのストレスが印加されることによって、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面またはその近傍が活性化され、低抵抗(n型)領域となりやすい。また、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面またはその近傍がn型領域の場合、当該n型領域がキャリアのパスとなるため、寄生チャネルが形成される場合がある。
そこで、トランジスタ150F、及びトランジスタ150Gにおいては、チャネル領域108iを積層構造とし、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面を、積層構造の一方の層で覆う構成とする。当該構成とすることで、チャネル領域108iの側面またはその近傍の欠陥を抑制する、あるいはチャネル領域108iの側面またはその近傍への不純物の付着を低減することが可能となる。
<バンド構造>
ここで、絶縁膜104、酸化物半導体膜108_1、108_2、108_3、及び絶縁膜110のバンド構造、絶縁膜104、酸化物半導体膜108_2、108_3、及び絶縁膜110のバンド構造、並びに絶縁膜104、酸化物半導体膜108_1、108_2のバンド構造について、図9(A)乃至(C)を用いて説明する。なお、図9(A)乃至(C)は、チャネル領域108iにおけるバンド構造である。
図9(A)は、絶縁膜104、酸化物半導体膜108_1、108_2、108_3、及び絶縁膜110を有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。また、図9(B)は、絶縁膜104、酸化物半導体膜108_2、108_3、及び絶縁膜110を有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。また、図9(C)は、絶縁膜104、酸化物半導体膜108_1、108_2、及び絶縁膜110を有する積層構造の膜厚方向のバンド構造の一例である。なお、バンド構造は、理解を容易にするため絶縁膜104、酸化物半導体膜108_1、108_2、108_3、及び絶縁膜110の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)を示す。
また、図9(A)は、絶縁膜104、110として酸化シリコン膜を用い、酸化物半導体膜108_1として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108_2として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=4:2:4.1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108_3として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いる構成のバンド図である。
また、図9(B)は、絶縁膜104、110として酸化シリコン膜を用い、酸化物半導体膜108_2として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=4:2:4.1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108_3として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いる構成のバンド図である。
また、図9(C)は、絶縁膜104、110として酸化シリコン膜を用い、酸化物半導体膜108_1として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108_2として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=4:2:4.1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いて形成される酸化物半導体膜を用いる構成のバンド図である。
図9(A)に示すように、酸化物半導体膜108_1、108_2、108_3において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。また、図9(B)に示すように、酸化物半導体膜108_2、108_3において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。また、図9(C)に示すように、酸化物半導体膜108_1、108_2において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようなバンド構造を有するためには、酸化物半導体膜108_1と酸化物半導体膜108_2との界面、または酸化物半導体膜108_2と酸化物半導体膜108_3との界面において、トラップ中心や再結合中心のような欠陥準位を形成するような不純物が存在しないとする。
酸化物半導体膜108_1、108_2、108_3に連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。
図9(A)乃至(C)に示す構成とすることで酸化物半導体膜108_2がウェル(井戸)となり、上記積層構造を用いたトランジスタにおいて、チャネル領域が酸化物半導体膜108_2に形成されることがわかる。
なお、酸化物半導体膜108_1、108_3を設けることにより、酸化物半導体膜108_2に形成されうるトラップ準位を酸化物半導体膜108_2より遠ざけることができる。
また、トラップ準位がチャネル領域として機能する酸化物半導体膜108_2の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より真空準位から遠くなることがあり、トラップ準位に電子が蓄積しやすくなってしまう。トラップ準位に電子が蓄積されることで、マイナスの固定電荷となり、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。したがって、トラップ準位が酸化物半導体膜108_2の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より真空準位に近くなるような構成にすると好ましい。このようにすることで、トラップ準位に電子が蓄積しにくくなり、トランジスタのオン電流を増大させることが可能であると共に、電界効果移動度を高めることができる。
また、酸化物半導体膜108_1、108_3は、酸化物半導体膜108_2よりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、酸化物半導体膜108_2の伝導帯下端のエネルギー準位と、酸化物半導体膜108_1、108_3の伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下である。すなわち、酸化物半導体膜108_1、108_3の電子親和力と、酸化物半導体膜108_2の電子親和力との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下である。
このような構成を有することで、酸化物半導体膜108_2が主な電流経路となる。すなわち、酸化物半導体膜108_2は、チャネル領域としての機能を有し、酸化物半導体膜108_1、108_3は、酸化物絶縁膜としての機能を有する。また、酸化物半導体膜108_1、108_3は、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜108_2を構成する金属元素の一種以上から構成される酸化物半導体膜を用いると好ましい。このような構成とすることで、酸化物半導体膜108_1と酸化物半導体膜108_2との界面、または酸化物半導体膜108_2と酸化物半導体膜108_3との界面において、界面散乱が起こりにくい。従って、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタの電界効果移動度が高くなる。
また、酸化物半導体膜108_1、108_3は、チャネル領域の一部として機能することを防止するため、導電率が十分に低い材料を用いるものとする。そのため、酸化物半導体膜108_1、108_3を、その物性及び/または機能から、それぞれ酸化物絶縁膜とも呼べる。または、酸化物半導体膜108_1、108_3には、電子親和力(真空準位と伝導帯下端のエネルギー準位との差)が酸化物半導体膜108_2よりも小さく、伝導帯下端のエネルギー準位が酸化物半導体膜108_2の伝導帯下端エネルギー準位と差分(バンドオフセット)を有する材料を用いるものとする。また、ドレイン電圧の大きさに依存したしきい値電圧の差が生じることを抑制するためには、酸化物半導体膜108_1、108_3の伝導帯下端のエネルギー準位が、酸化物半導体膜108_2の伝導帯下端のエネルギー準位よりも0.2eVより真空準位に近い材料、好ましくは0.5eV以上真空準位に近い材料を適用することが好ましい。
また、本実施の形態においては、酸化物半導体膜108_1、108_3として、金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:3:2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いる構成について例示したが、これに限定されない。例えば、酸化物半導体膜108_1、108_3として、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]、In:Ga:Zn=1:1:1.2[原子数比]、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]、In:Ga:Zn=1:3:6[原子数比]、In:Ga:Zn=1:4:5[原子数比]、In:Ga:Zn=1:5:6[原子数比]、またはIn:Ga:Zn=1:10:1[原子数比]の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いてもよい。あるいは、酸化物半導体膜108_1、108_3として、金属元素の原子数比をGa:Zn=10:1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いてもよい。この場合、酸化物半導体膜108_2として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:1:1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、酸化物半導体膜108_1、108_3として金属元素の原子数比をGa:Zn=10:1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いると、酸化物半導体膜108_2の伝導帯下端のエネルギー準位と、酸化物半導体膜108_1、108_3の伝導帯下端のエネルギー準位との差を0.6eV以上とすることができるため好適である。
なお、酸化物半導体膜108_1、108_3として、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]の金属酸化物ターゲットを用いる場合、酸化物半導体膜108_1、108_3は、In:Ga:Zn=1:β1(0<β1≦2):β2(0<β2≦2)となる場合がある。また、酸化物半導体膜108_1、108_3として、In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比]の金属酸化物ターゲットを用いる場合、酸化物半導体膜108_1、108_3は、In:Ga:Zn=1:β3(1≦β3≦5):β4(2≦β4≦6)となる場合がある。また、酸化物半導体膜108_1、108_3として、In:Ga:Zn=1:3:6[原子数比]の金属酸化物ターゲットを用いる場合、酸化物半導体膜108_1、108_3は、In:Ga:Zn=1:β5(1≦β5≦5):β6(4≦β6≦8)となる場合がある。
<半導体装置の作製方法>
次に、図1に示す半導体装置の作製方法の一例について、図10乃至図13を用いて説明する。なお、図10乃至図13は、トランジスタ150および容量素子160の作製方法を説明するチャネル長(L)方向及びチャネル幅(W)方向の断面図である。
まず、基板102上にゲート電極106を形成する。次に、基板102およびゲート電極106上に絶縁膜104を形成し、絶縁膜104上に酸化物半導体膜を形成する。その後、当該酸化物半導体膜を島状に加工することで、酸化物半導体膜107を形成する(図10(A)参照)。
本実施の形態では、ゲート電極106として、スパッタリング法を用い、厚さ50nmの窒化タンタル膜と、厚さ100nmの銅膜との積層膜を形成する。なお、ゲート電極106となる導電膜の加工方法としては、ウエットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いればよい。ここでは、ウエットエッチング法にて銅膜をエッチングしたのち、ドライエッチング法にて窒化タンタル膜をエッチングすることで導電膜を加工し、ゲート電極106を形成する。
絶縁膜104としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、印刷法、塗布法等を適宜用いて形成することができる。本実施の形態においては、絶縁膜104として、プラズマCVD装置を用い、厚さ400nmの窒化シリコン膜と、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜とを形成する。
また、絶縁膜104を形成した後、絶縁膜104に酸素を添加してもよい。絶縁膜104に添加する酸素としては、酸素ラジカル、酸素原子、酸素原子イオン、酸素分子イオン等がある。また、添加方法としては、イオンドーピング法、イオン注入法、プラズマ処理法等がある。また、絶縁膜上に酸素の脱離を抑制する膜を形成した後、該膜を介して絶縁膜104に酸素を添加してもよい。
上述の酸素の脱離を抑制する膜として、インジウム、亜鉛、ガリウム、錫、アルミニウム、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、ニッケル、鉄、コバルト、またはタングステンの1以上を有する導電膜あるいは半導体膜を用いて形成することができる。
また、プラズマ処理で酸素の添加を行う場合、マイクロ波で酸素を励起し、高密度な酸素プラズマを発生させることで、絶縁膜104への酸素添加量を増加させることができる。
酸化物半導体膜107としては、スパッタリング法、塗布法、パルスレーザー蒸着法、レーザーアブレーション法、熱CVD法等により形成することができる。なお、酸化物半導体膜107への加工には、酸化物半導体膜上にリソグラフィ工程によりマスクを形成した後、該マスクを用いて酸化物半導体膜の一部をエッチングすること形成することができる。また、印刷法を用いて、素子分離された酸化物半導体膜107を直接形成してもよい。
スパッタリング法で酸化物半導体膜を形成する場合、プラズマを発生させるための電源装置は、RF電源装置、AC電源装置、DC電源装置等を適宜用いることができる。また、酸化物半導体膜を形成する場合のスパッタリングガスは、希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、希ガス及び酸素の混合ガスを適宜用いる。なお、希ガス及び酸素の混合ガスの場合、希ガスに対して酸素のガス比を高めることが好ましい。
なお、酸化物半導体膜を形成する際に、例えば、スパッタリング法を用いる場合、基板温度を150℃以上750℃以下、または150℃以上450℃以下、または200℃以上350℃以下として、酸化物半導体膜を成膜することで、結晶性を高めることができるため好ましい。
なお、本実施の形態においては、酸化物半導体膜107として、スパッタリング装置を用い、スパッタリングターゲットとしてIn−Ga−Zn金属酸化物(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、膜厚35nmの酸化物半導体膜を成膜する。
また、酸化物半導体膜107を形成した後、加熱処理を行い、酸化物半導体膜107の脱水素化または脱水化をしてもよい。加熱処理の温度は、代表的には、150℃以上基板歪み点未満、または250℃以上450℃以下、または300℃以上450℃以下である。
加熱処理は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガス、または窒素を含む不活性ガス雰囲気で行うことができる。または、不活性ガス雰囲気で加熱した後、酸素雰囲気で加熱してもよい。なお、上記不活性雰囲気及び酸素雰囲気に水素、水などが含まれないことが好ましい。処理時間は3分以上24時間以下とすればよい。
該加熱処理は、電気炉、RTA装置等を用いることができる。RTA装置を用いることで、短時間に限り、基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため加熱処理時間を短縮することができる。
酸化物半導体膜を加熱しながら成膜する、または酸化物半導体膜を形成した後、加熱処理を行うことで、酸化物半導体膜において、SIMSにより得られる水素濃度を5×1019atoms/cm以下、または1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm以下、または1×1018atoms/cm以下、または5×1017atoms/cm以下、または1×1016atoms/cm以下とすることができる。
次に、絶縁膜104及び酸化物半導体膜107上に絶縁膜110_0を形成する(図10(B)参照)。
絶縁膜110_0としては、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を、プラズマ化学気相堆積装置(PECVD装置、または単にプラズマCVD装置という)を用いて形成することができる。この場合、原料ガスとしては、シリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用いることが好ましい。シリコンを含む堆積性気体の代表例としては、シラン、ジシラン、トリシラン、フッ化シラン等がある。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化二窒素、二酸化窒素等がある。
また、絶縁膜110_0として、堆積性気体に対する酸化性気体を20倍より大きく100倍未満、または40倍以上80倍以下とし、処理室内の圧力を100Pa未満、または50Pa以下とするPECVD装置を用いることで、欠陥量の少ない酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、絶縁膜110_0として、PECVD装置の真空排気された処理室内に載置された基板を280℃以上400℃以下に保持し、処理室に原料ガスを導入して処理室内における圧力を20Pa以上250Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上250Pa以下とし、処理室内に設けられる電極に高周波電力を供給する条件により、絶縁膜110_0として、緻密である酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、絶縁膜110_0を、マイクロ波を用いたプラズマCVD法を用いて形成してもよい。マイクロ波とは300MHzから300GHzの周波数域を指す。マイクロ波は、電子温度が低く、電子エネルギーが小さい。また、供給された電力において、電子の加速に用いられる割合が少なく、より多くの分子の解離及び電離に用いられることが可能であり、密度の高いプラズマ(高密度プラズマ)を励起することができる。このため、被成膜面及び堆積物へのプラズマダメージが少なく、欠陥の少ない絶縁膜110_0を形成することができる。
また、絶縁膜110_0を、有機シランガスを用いたCVD法を用いて形成することができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)などのシリコン含有化合物を用いることができる。有機シランガスを用いたCVD法を用いることで、被覆性の高い絶縁膜110_0を形成することができる。
本実施の形態では絶縁膜110_0として、PECVD装置を用い、厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。
次に、絶縁膜110_0上の所望の位置に、リソグラフィによりマスクを形成した後、絶縁膜110_0、及び絶縁膜104の一部をエッチングすることで、ゲート電極106に達する開口部143を形成する(図10(C)参照)。
開口部143の形成方法としては、ウエットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いればよい。本実施の形態においては、ドライエッチング法を用い、開口部143を形成する。
次に、開口部143を覆うように、絶縁膜110_0上に酸化物半導体膜111_0を形成する。酸化物半導体膜111_0の形成時に酸化物半導体膜111_0から絶縁膜110_0中に酸素が添加される(図10(D)参照)。
なお、図10(D)において、絶縁膜110_0中に添加される酸素を矢印で模式的に表している。
酸化物半導体膜111_0の形成方法としては、スパッタリング法を用い、形成時に酸素ガスを含む雰囲気で形成することが好ましい。形成時に酸素ガスを含む雰囲気で酸化物半導体膜111_0を形成することで、絶縁膜110_0中に酸素を好適に添加することができる。なお、酸化物半導体膜111_0の形成方法としては、スパッタリング法に限定されず、その他の方法、例えばALD法を用いてもよい。
本実施の形態においては、酸化物半導体膜111_0として、スパッタリング法を用いて、膜厚が50nmのIn−Ga−Zn酸化物であるIGZO膜(In:Ga:Zn=4:2:4.1(原子数比)を成膜する。また、酸化物半導体膜111_0の形成前、または酸化物半導体膜111_0の形成後に、絶縁膜110_0中に酸素添加処理を行ってもよい。当該酸素添加処理の方法としては、絶縁膜104の形成後に行うことのできる酸素の添加と同様とすればよい。
次に、酸化物半導体膜111_0上の所望の位置に、リソグラフィ工程によりマスク140を形成する(図11(A)参照)。
次に、マスク140上からエッチングを行い、導電膜112_0と、絶縁膜110_0と、を加工する。その後、マスク140を除去することで、島状の酸化物半導体膜111と、島状の絶縁膜110とを形成する(図11(B)参照)。
本実施の形態においては、導電膜112_0、及び絶縁膜110_0の加工としては、ドライエッチング法を用いて行う。
なお、酸化物半導体膜111_0、及び絶縁膜110の加工の際に、酸化物半導体膜111が重畳しない領域の酸化物半導体膜107の膜厚が薄くなる場合がある。または、酸化物半導体膜111_0、及び絶縁膜110の加工の際に、酸化物半導体膜107が重畳しない領域の絶縁膜104の膜厚が薄くなる場合がある。また、酸化物半導体膜111_0、及び絶縁膜110_0の加工の際に、エッチャントまたはエッチングガス(例えば、塩素など)が酸化物半導体膜107中に添加される、あるいは酸化物半導体膜111_0、または絶縁膜110_0の構成元素が酸化物半導体膜107中に添加される場合がある。
次に、絶縁膜104、酸化物半導体膜107、及び酸化物半導体膜111上に絶縁膜116を形成する。なお、絶縁膜116を形成することで、絶縁膜116と接する酸化物半導体膜107は、ソース領域108s及びドレイン領域108dとなる。また、絶縁膜110と接する酸化物半導体膜107はチャネル領域108iとなる。これにより、チャネル領域108i、ソース領域108s、及びドレイン領域108dを有する第1の酸化物半導体膜108が形成される。また絶縁膜116を形成することで、絶縁膜と接する酸化物半導体膜111は第2の酸化物半導体膜111a、111bとなる(図11(C)参照)。
なお図11(C)では、絶縁膜116の形成によって低抵抗化した膜および領域は、低抵抗化する前とハッチングを変えて示している。
絶縁膜116としては、先に記載の材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、絶縁膜116として、PECVD装置を用い、厚さ100nmの窒化酸化シリコン膜を形成する。
絶縁膜116として、窒化酸化シリコン膜を用いることで、絶縁膜116に接するソース領域108s、及びドレイン領域108dに窒化酸化シリコン膜中の窒素または水素を供給することができる。
また、絶縁膜116の形成前に、酸化物半導体膜107および/または酸化物半導体膜111に、不純物元素の添加処理を行う、または絶縁膜116の形成後に、絶縁膜116を介して、酸化物半導体膜107および/または酸化物半導体膜111に、不純物元素の添加処理を行ってもよい。
上記不純物元素の添加処理としては、イオンドーピング法、イオン注入法、プラズマ処理法等がある。プラズマ処理法の場合、添加する不純物元素を含むガス雰囲気にてプラズマを発生させて、プラズマ処理を行うことによって、不純物元素を添加することができる。上記プラズマを発生させる装置としては、ドライエッチング装置、アッシング装置、プラズマCVD装置、高密度プラズマCVD装置等を用いることができる。
なお、不純物元素の原料ガスとして、B、PH、CH、N、NH、AlH、AlCl、SiH、Si、F、HF、H及び希ガスの一以上を用いることができる。または、希ガスで希釈されたB、PH、N、NH、AlH、AlCl、F、HF、及びHの一以上を用いることができる。なお、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。
または、希ガスを添加した後、B、PH、CH、N、NH、AlH、AlCl、SiH、Si、F、HF、及びHの一以上を酸化物半導体膜107に添加してもよい。または、B、PH、CH、N、NH、AlH、AlCl、SiH、Si、F、HF、及びHの一以上を添加した後、希ガスを酸化物半導体膜107に添加してもよい。
次に、絶縁膜116上に絶縁膜118を形成する(図12(A)参照)。
絶縁膜118としては、先に記載の材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、絶縁膜118として、PECVD装置を用い、厚さ300nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。
次に、絶縁膜118の所望の位置に、リソグラフィによりマスクを形成した後、絶縁膜118及び絶縁膜116の一部をエッチングすることで、ソース領域108sに達する開口部141aと、ドレイン領域108dに達する開口部141bと、第2の酸化物半導体膜111bに達する開口部142を形成する(図12(B)参照)。
絶縁膜118及び絶縁膜116をエッチングする方法としては、ウエットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いればよい。本実施の形態においては、ドライエッチング法を用い、絶縁膜118、及び絶縁膜116を加工する。
次に、開口部141a、141b、142を覆うように、ソース領域108s、ドレイン領域108d、第2の酸化物半導体膜111b、及び絶縁膜118上に導電膜を形成し、当該導電膜を所望の形状に加工することで、導電膜120a、120bを形成する。なお、この時点でトランジスタ150が形成される(図12(C)参照)。
導電膜120a、120bとしては、先に記載の材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、導電膜120a、120bとして、スパッタリング装置を用い、厚さ50nmのタングステン膜と、厚さ400nmの銅膜との積層膜を形成する。
なお、導電膜120a、120bとなる導電膜の加工方法としては、ウエットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いればよい。本実施の形態では、ウエットエッチング法にて銅膜をエッチングしたのち、ドライエッチング法にてタングステン膜をエッチングすることで導電膜を加工し、導電膜120a、120bを形成する。
次に、導電膜120a、120b、および絶縁膜118上に絶縁膜122を形成する(図13(A)参照)。
絶縁膜122としては、先に記載の材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、絶縁膜122として、プラズマCVD装置を用い、厚さ100nmの窒化シリコン膜を形成する。
次に、絶縁膜122上に導電膜を形成し、当該導電膜を所望の形状に加工することで、導電膜123を形成する。なお、この時点で容量素子160が形成される(図13(B)参照)。なお、導電膜123の抵抗値が所望の値よりも高い場合は、導電膜123上に補助電極となる導電膜を形成してもよい。
導電膜123としては、先に記載の材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、導電膜123として、スパッタリング装置を用い、厚さ100nmのインジウム錫酸化物を形成する。
以上の工程により、図1に示す半導体装置100(トランジスタ150および容量素子160)を作製することができる。
なお、トランジスタ150を構成する膜(絶縁膜、金属酸化膜、酸化物半導体膜、導電膜等)としては、上述の形成方法の他、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、ALD法を用いて形成することができる。あるいは、塗布法や印刷法で形成することができる。成膜方法としては、スパッタリング法、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法が代表的であるが、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、有機金属化学堆積(MOCVD)法が挙げられる。
熱CVD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行う。このように、熱CVD法は、プラズマを発生させない成膜方法であるため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。
MOCVD法などの熱CVD法は、上記記載の導電膜、絶縁膜、酸化物半導体膜、金属酸化膜などの膜を形成することができ、例えば、In−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH)、トリメチルガリウム(Ga(CH)、及びジメチル亜鉛を用いる(Zn(CH)。これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(Ga(C)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(Zn(C)を用いることもできる。
また、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルアミドハフニウム(TDMAH、Hf[N(CH)やテトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどのハフニウムアミド)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O)の2種類のガスを用いる。
また、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH)など)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる。他の材料としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
また、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサクロロジシランを被成膜面に吸着させ、酸化性ガス(O、一酸化二窒素)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
また、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WFガスとBガスを順次導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WFガスとHガスとを用いてタングステン膜を形成する。なお、Bガスに代えてSiHガスを用いてもよい。
また、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、In(CHガスとOガスを用いてIn−O層を形成し、その後、Ga(CHガスとOガスとを用いてGaO層を形成し、更にその後Zn(CHガスとOガスとを用いてZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを用いてIn−Ga−O層やIn−Zn−O層、Ga−Zn−O層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、Oガスに変えてAr等の不活性ガスで水をバブリングして得られたHOガスを用いても良いが、Hを含まないOガスを用いる方が好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置のトランジスタおよび容量素子に適用可能な酸化物半導体の一例について説明する。
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体およびnc−OSなどがある。
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さない、などといわれている。
即ち、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。一方、a−like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定な構造である。不安定であるという点では、a−like OSは、物性的に非晶質酸化物半導体に近い。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一種である。
CAAC−OSをX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析した場合について説明する。例えば、空間群R−3mに分類されるInGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図14(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSでは、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)、または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、空間群Fd−3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAAC−OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
一方、CAAC−OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図14(B)に示すように明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGaZnOに対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図14(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OSに対し、CAAC−OSの被形成面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図14(D)に示すような回折パターン(制限視野電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnOの結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図14(E)に示す。図14(E)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、プローブ径が300nmの電子線を用いた電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図14(E)における第1リングは、InGaZnOの結晶の(010)面および(100)面などに起因すると考えられる。また、図14(E)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
図15(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって観察することができる。
図15(A)より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認することができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAAC−OSの膜を被形成面または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
また、図15(B)および図15(C)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図15(D)および図15(E)は、それぞれ図15(B)および図15(C)を画像処理した像である。以下では、画像処理の方法について説明する。まず、図15(B)を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理することでFFT像を取得する。次に、取得したFFT像において原点を基準に、2.8nm−1から5.0nm−1の間の範囲を残すマスク処理する。次に、マスク処理したFFT像を、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理することで画像処理した像を取得する。こうして取得した像をFFTフィルタリング像と呼ぶ。FFTフィルタリング像は、Cs補正高分解能TEM像から周期成分を抜き出した像であり、格子配列を示している。
図15(D)では、格子配列の乱れた箇所を破線で示している。破線で囲まれた領域が、一つのペレットである。そして、破線で示した箇所がペレットとペレットとの連結部である。破線は、六角形状であるため、ペレットが六角形状であることがわかる。なお、ペレットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
図15(E)では、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を点線で示し、格子配列の向きの変化を破線で示している。点線近傍においても、明確な結晶粒界を確認することはできない。点線近傍の格子点を中心に周囲の格子点を繋ぐと、歪んだ六角形や、五角形または/および七角形などが形成できる。即ち、格子配列を歪ませることによって結晶粒界の形成を抑制していることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
以上に示すように、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC−OSを、CAA crystal(c−axis−aligned a−b−plane−anchored crystal)と称することもできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物および酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011個/cm未満、好ましくは1×1011個/cm未満、さらに好ましくは1×1010個/cm未満であり、1×10−9個/cm以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<nc−OS>
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れない。即ち、nc−OSの結晶は配向性を有さない。
また、例えば、InGaZnOの結晶を有するnc−OSを薄片化し、厚さが34nmの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、図16(A)に示すようなリング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測される。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させたときの回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)を図16(B)に示す。図16(B)より、リング状の領域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc−OSは、プローブ径が50nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認される。
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると、図16(C)に示すように、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンを観測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc−OSが秩序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いているため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
図16(D)に、被形成面と略平行な方向から観察したnc−OSの断面のCs補正高分解能TEM像を示す。nc−OSは、高分解能TEM像において、補助線で示す箇所などのように結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさであり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(fine crystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
このように、nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
図17に、a−like OSの高分解能断面TEM像を示す。ここで、図17(A)は電子照射開始時におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図17(B)は4.3×10/nmの電子(e)照射後におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図17(A)および図17(B)より、a−like OSは電子照射開始時から、縦方向に延伸する縞状の明領域が観察されることがわかる。また、明領域は、電子照射後に形状が変化することがわかる。なお、明領域は、鬆または低密度領域と推測される。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OSおよびnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
試料として、a−like OS、nc−OSおよびCAAC−OSを準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有する。
なお、InGaZnOの結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、以下では、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnOの結晶部と見なした。なお、格子縞は、InGaZnOの結晶のa−b面に対応する。
図18は、各試料の結晶部(22箇所から30箇所)の平均の大きさを調査した例である。なお、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図18より、a−like OSは、TEM像の取得などに係る電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。図18より、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、電子(e)の累積照射量が4.2×10/nmにおいては1.9nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×10/nmまでの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。図18より、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.3nm程度および1.8nm程度であることがわかる。なお、電子線照射およびTEMの観察は、日立透過電子顕微鏡H−9000NARを用いた。電子線照射条件は、加速電圧を300kV、電流密度を6.7×10/(nm・s)、照射領域の直径を230nmとした。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られない。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満である。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満である。単結晶の密度の78%未満である酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnOの密度は6.357g/cmである。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm以上5.9g/cm未満である。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm以上6.3g/cm未満である。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置80について、図19乃至図31を用いて説明する。
図19(A)に示す表示装置80は、画素部71と、走査線駆動回路74と、信号線駆動回路76と、各々が平行または略平行に配設され、且つ走査線駆動回路74によって電位が制御されるm本の走査線77と、各々が平行または略平行に配設され、且つ信号線駆動回路76によって電位が制御されるn本の信号線79と、を有する。さらに、画素部71はマトリクス状に配設された複数の画素70を有する。また、信号線79に沿って、各々が平行または略平行に配設されたコモン線75を有する。また、走査線駆動回路74及び信号線駆動回路76をまとめて駆動回路部という場合がある。
各々の走査線77は、画素部71においてm行n列に配設された画素70のうち、いずれかの行に配設されたn個の画素70と電気的に接続される。また、各々の信号線79は、m行n列に配設された画素70のうち、いずれかの列に配設されたm個の画素70に電気的に接続される。m、nは、ともに1以上の整数である。また、各コモン線75は、m行n列に配設された画素70のうち、いずれかの行に配設されたm個の画素70と電気的に接続される。
図19(B)は、図19(A)に示す表示装置80の画素70に用いることができる回路構成の一例を示している。
図19(B)に示す画素70は、液晶素子51と、トランジスタ52と、容量素子55と、を有する。
液晶素子51の一対の電極の一方は、トランジスタ52と接続され、電位は、画素70の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子51の一対の電極の他方は、コモン線75と接続され、電位は共通の電位(コモン電位)が与えられる。液晶素子51が有する液晶は、トランジスタ52に書き込まれるデータにより配向状態が制御される。
なお、液晶素子51は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子51に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
液晶素子51を有する表示装置80の駆動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
また、表示装置80をノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASVモードなどを用いることができる。
本実施の形態では、主に横電界方式、代表的にはFFSモード及び後に説明するDPSモードについて説明する。
図19(B)に示す画素70の構成において、トランジスタ52のソース電極及びドレイン電極の一方は、信号線79に電気的に接続され、他方は液晶素子51の一対の電極の一方に電気的に接続される。また、トランジスタ52の第1のゲート電極は、走査線77に電気的に接続される。トランジスタ52は、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。また、トランジスタ52は第1のゲート電極と電気的に接続される第2のゲート電極を有する。すなわち、トランジスタ52において第1のゲート電極および第2のゲート電極は同電位となる。なお、第1のゲート電極と第2のゲート電極が各々独立して動作し、異なる電位を与えられる構成としてもよい。例えば、第2のゲート電極が走査線77とは異なる電位を与える機能を有する配線78と電気的に接続されていてもよい(図19(C)参照)。また、トランジスタ52が第1のゲート電極または第2のゲート電極を有さない構成としてもよい。
図19(B)に示す画素70の構成において、容量素子55の一対の電極の一方は、トランジスタ52のソース電極及びドレイン電極の他方に接続される。容量素子55の一対の電極の他方は、コモン線75に電気的に接続される。コモン線75の電位の値は、画素70の仕様に応じて適宜設定される。容量素子55は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。なお、FFSモードによって駆動する表示装置80においては、容量素子55の一対の電極の一方は、液晶素子51の一対の電極の一方の一部または全部であり、容量素子55の一対の電極の他方は、液晶素子51の一対の電極の他方の一部または全部である。
<素子基板の構成例>
次に、表示装置80に含まれる素子基板の具体的な構成について説明する。まず、FFSモードによって駆動する表示装置80が有する複数の画素70a、70b、70cの上面図を図20に示す。
図20において、走査線として機能する導電膜13は、信号線に略直交する方向(図中左右方向)に延伸して設けられている。信号線として機能する導電膜21aは、走査線に略直交する方向(図中上下方向)に延伸して設けられている。なお、走査線として機能する導電膜13(図19(A)における走査線77)は、走査線駆動回路74と電気的に接続されており、信号線として機能する導電膜21a(図19(A)における信号線79)は、信号線駆動回路76に電気的に接続されている(図19(A)参照)。
トランジスタ52は、走査線及び信号線の交差部近傍に設けられている。トランジスタ52は、第1のゲート電極として機能する導電膜13、第1のゲート絶縁膜(図20に図示せず)、第1のゲート絶縁膜上に形成された第1の酸化物半導体膜18、それぞれソース電極及びドレイン電極のいずれか一方または他方として機能する導電膜21a、21b、チャネル領域18i上に形成された第2のゲート絶縁膜、及び第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極として機能する第2の酸化物半導体膜19aにより構成される。なお、第1の酸化物半導体膜18は、第2の酸化物半導体膜19aと重畳するチャネル領域18iと、導電膜21aと接する第1のソースドレイン領域18_1と、導電膜21bと接する第2のソースドレイン領域18_2と、を有する。また第2の酸化物半導体膜19aは、第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜に設けられた開口部を介して導電膜13と電気的に接続される。
導電膜13は、走査線としても機能し、第1の酸化物半導体膜18と重畳する領域がトランジスタ52の第1のゲート電極として機能する。また、導電膜21aは、信号線としても機能し、第1のソースドレイン領域18_1と重畳する領域がトランジスタ52のソース電極またはドレイン電極として機能する。また、図20において、導電膜13は、上面形状において端部がチャネル領域18iの端部より外側に位置する。このため、導電膜13はバックライトなどの光源からの光を遮る遮光膜として機能する。この結果、トランジスタに含まれるチャネル領域18iに光が照射されず、トランジスタの電気特性の変動を抑制することができる。
また、導電膜21bは、画素電極の機能を有する第2の酸化物半導体膜19bと電気的に接続される。また、第2の酸化物半導体膜19b上に絶縁膜(図20に図示せず)が設けられ、該絶縁膜上に導電膜29が設けられる。
導電膜29は、信号線と交差する方向に延伸する縞状の領域を有する。また、該縞状の領域は、信号線と平行または略平行な方向に延伸する領域と接続される。このため、表示装置80が有する複数の画素において、縞状の領域を有する導電膜29は各領域が同電位である。
容量素子55は、第2の酸化物半導体膜19b、及び導電膜29が重畳する領域で形成される。第2の酸化物半導体膜19b及び導電膜29は透光性を有する。即ち、容量素子55は透光性を有する。
容量素子55が透光性を有することで、画素70内に容量素子55を大きく(大面積に)形成することができる。従って、開口率を高めつつ、代表的には50%以上、好ましくは60%以上とすることが可能であると共に、容量値を増大させた表示装置を得ることができる。例えば、解像度の高い表示装置、例えば液晶表示装置においては、画素の面積が小さくなり、容量素子の面積も小さくなる。このため、解像度の高い表示装置において、容量素子に蓄積される容量値が小さくなる。しかしながら、本実施の形態に示す容量素子55は透光性を有するため、当該容量素子を画素に設けることで、各画素において十分な容量値を得つつ、開口率を高めることができる。代表的には、画素密度が200ppi以上、さらには300ppi以上、更には500ppi以上である高解像度の表示装置に好適に用いることができる。
また、液晶表示装置において、容量素子の容量値を大きくするほど、電界を加えた状況において、液晶素子の液晶分子の配向を一定に保つことができる期間を長くすることができる。静止画を表示させる場合、当該期間を長くできるため、画像データを書き換える回数を低減することが可能であり、消費電力を低減することができる。また、本実施の形態に示す構造により、高解像度の表示装置においても、開口率を高めることができるため、バックライトなどの光源の光を効率よく利用することができ、表示装置の消費電力を低減することができる。
次いで、図20の一点鎖線Q1−R1、及び一点鎖線S1−T1における断面図を図21に示す。図21に示すトランジスタ52は、トップゲート型のトランジスタである。なお、一点鎖線Q1−R1は、トランジスタ52のチャネル長方向、及び容量素子55の断面図であり、S1−T1における断面図は、トランジスタ52のチャネル幅方向の断面図である。
図21に示すトランジスタ52は、基板11上に設けられる第1のゲート電極として機能する導電膜13を有する。また、基板11及び導電膜13上に形成される絶縁膜12と、絶縁膜12を介して、ゲート電極として機能する導電膜13と重なる領域を有する第1の酸化物半導体膜18と、第1の酸化物半導体膜18上の第1の酸化物半導体膜18に含まれるチャネル領域18iと重畳する絶縁膜14と、絶縁膜14上の絶縁膜14と重畳する第2のゲート電極として機能する第2の酸化物半導体膜19aと、を有する。また絶縁膜12、第1の酸化物半導体膜18および第2の酸化物半導体膜19a上には、絶縁膜15、絶縁膜16がこの順で設けられる。導電膜21aは、絶縁膜15および絶縁膜16に設けられる開口部を介して、第1の酸化物半導体膜18に含まれる第1のソースドレイン領域18_1と電気的に接続される。導電膜21bは、絶縁膜および絶縁膜16に設けられる開口部を介して、第1の酸化物半導体膜18に含まれる第2のソースドレイン領域18_2と電気的に接続される。また、絶縁膜16、導電膜21aおよび導電膜21b上には絶縁膜17が設けられ、絶縁膜17上には導電膜29が設けられる。
トランジスタ52は、導電膜13を第1のゲート電極、第2の酸化物半導体膜19aを第2のゲート電極として、チャネル領域18iを上下の2つのゲート電極で挟むデュアルゲート構造のトランジスタである。
また、容量素子55は、絶縁膜14条の一対の電極の一方としての機能を有する第2の酸化物半導体膜19bと、第2の酸化物半導体膜19b上の誘電体膜として機能する絶縁膜15、絶縁膜16および絶縁膜17と、絶縁膜17上の一対の電極の他方としての機能を有する導電膜29と、を有する。
なお、本発明の実施形態の一態様の断面図は、これに限定されない。様々な構成をとることができる。例えば、第2の酸化物半導体膜19bは、スリットを有してもよい。または、第2の酸化物半導体膜19bは櫛歯形状でもよい。
本発明の一態様の表示装置80の構成は、実施の形態1で説明する半導体装置の構成を参照できる。すなわち、基板11の材料及び作製方法は、基板102を参照できる。導電膜13の材料及び作製方法は、ゲート電極106を参照できる。絶縁膜12の材料及び作製方法は、絶縁膜104を参照できる。第1の酸化物半導体膜18の材料及び作製方法は、第1の酸化物半導体膜108を参照できる。第2の酸化物半導体膜19a、19bの材料および作製方法は、それぞれ第2の酸化物半導体膜111a、111bを参照できる。導電膜21a及び導電膜21bの材料及び作製方法は、それぞれ導電膜120a及び導電膜120bを参照できる。絶縁膜15、絶縁膜16及び絶縁膜17の材料及び作製方法は、それぞれ絶縁膜116、絶縁膜118及び絶縁膜122を参照できる。導電膜29の材料及び作製方法は、導電膜123を参照できる。
<素子基板の構成例(変形例1)>
次に、表示装置80が有する、図20に示す画素とは異なる構成の複数の画素70d、70e、70fの上面図を図22に示す。
図22において、走査線として機能する導電膜13は、図中左右方向に延伸して設けられている。信号線として機能する導電膜21aは、一部が屈曲したくの字(V字)形状を有するように、走査線に略直交する方向(図中上下方向)に延伸して設けられている。なお、走査線として機能する導電膜13は、走査線駆動回路74と電気的に接続されており、信号線として機能する導電膜21aは、信号線駆動回路76に電気的に接続されている(図19(A)参照)。
トランジスタ52は、走査線及び信号線の交差部近傍に設けられている。トランジスタ52は、第1のゲート電極として機能する導電膜13、第1のゲート絶縁膜(図22に図示せず)、第1のゲート絶縁膜上に形成された第1の酸化物半導体膜18、それぞれソース電極及びドレイン電極のいずれか一方または他方として機能する導電膜21a、21b、チャネル領域18i上に形成された第2のゲート絶縁膜、及び第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極として機能する第2の酸化物半導体膜19aにより構成される。なお、第1の酸化物半導体膜18は、第2の酸化物半導体膜19aと重畳するチャネル領域18iと、導電膜21aと接する第1のソースドレイン領域18_1と、導電膜21bと接する第2のソースドレイン領域18_2と、を有する。また第2の酸化物半導体膜19aは、第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜に設けられた開口部を介して導電膜13と電気的に接続される。
導電膜13は、走査線としても機能し、第1の酸化物半導体膜18と重畳する領域がトランジスタ52の第1のゲート電極として機能する。また、導電膜21aは、信号線としても機能し、第1のソースドレイン領域18_1と重畳する領域がトランジスタ52のソース電極またはドレイン電極として機能する。また、図22において、導電膜13は、上面形状において端部がチャネル領域18iの端部より外側に位置する。このため、導電膜13はバックライトなどの光源からの光を遮る遮光膜として機能する。この結果、トランジスタに含まれるチャネル領域18iに光が照射されず、トランジスタの電気特性の変動を抑制することができる。
また、導電膜21bは、画素電極の機能を有する第2の酸化物半導体膜19bと電気的に接続される。第2の酸化物半導体膜19bは櫛歯状に形成されている。また、第2の酸化物半導体膜19b上に絶縁膜(図22に図示せず)が設けられ、該絶縁膜上に導電膜29が設けられる。
導電膜29は、第2の酸化物半導体膜19bと一部が重畳するように、上面図において第2の酸化物半導体膜19bとかみ合うように櫛歯状に形成されている。また導電膜29は、走査線と平行または略平行な方向に延伸する領域と接続される。このため、表示装置80が有する複数の画素において、導電膜29は各領域が同電位である。なお、第2の酸化物半導体膜19b及び導電膜29は、信号線(導電膜21a)に沿うように屈曲したくの字(V字)形状を有している。
容量素子55は、酸化物半導体膜19b、及び導電膜29が重なる領域で形成される。酸化物半導体膜19b及び導電膜29は透光性を有する。即ち、容量素子55は透光性を有する。
次いで、図22の一点鎖線Q2−R2、及び一点鎖線S2−T2における断面図を図23に示す。図23に示すトランジスタ52は、トップゲート型のトランジスタである。なお、一点鎖線Q2−R2は、トランジスタ52のチャネル長方向、及び容量素子55の断面図であり、S2−T2における断面図は、トランジスタ52のチャネル幅方向の断面図である。
図23に示すトランジスタ52は、基板11上に設けられる第1のゲート電極として機能する導電膜13を有する。また、基板11及び導電膜13上に形成される絶縁膜12と、絶縁膜12を介して、ゲート電極として機能する導電膜13と重なる領域を有する第1の酸化物半導体膜18と、第1の酸化物半導体膜18上の第1の酸化物半導体膜18に含まれるチャネル領域18iと重畳する絶縁膜14と、絶縁膜14上の絶縁膜14と重畳する第2のゲート電極として機能する第2の酸化物半導体膜19aと、を有する。また絶縁膜12、第1の酸化物半導体膜18および第2の酸化物半導体膜19a上には、絶縁膜15、絶縁膜16がこの順で設けられる。導電膜21aは、絶縁膜15および絶縁膜16に設けられる開口部を介して、第1の酸化物半導体膜18に含まれる第1のソースドレイン領域18_1と電気的に接続される。導電膜21bは、絶縁膜および絶縁膜16に設けられる開口部を介して、第1の酸化物半導体膜18に含まれる第2のソースドレイン領域18_2と電気的に接続される。また、絶縁膜16、導電膜21aおよび導電膜21b上には絶縁膜17が設けられ、絶縁膜17上には導電膜29が設けられる。
トランジスタ52は、導電膜13を第1のゲート電極、第2の酸化物半導体膜19aを第2のゲート電極として、チャネル領域18iを上下の2つのゲート電極で挟むデュアルゲート構造のトランジスタである。
図23に示す画素では、絶縁膜27及び導電膜29上に設けられる液晶の配向が制御される領域において、画素電極の機能を有する第2の酸化物半導体膜19bは絶縁膜14上に設けられ、コモン電極の機能を有する導電膜29は絶縁膜17上に設けられている。このように、異なる平面上に配設された一対の電極間に電界を発生させることで液晶の配向を制御する表示装置の駆動方法をDPS(Differential−Plane−Switching)モードと呼ぶことができる。
また、第2の酸化物半導体膜19bと、絶縁膜15、絶縁膜16および絶縁膜17と、導電膜29とが重なる領域が容量素子55として機能する。
図22及び図23に示す液晶表示装置は、第2の酸化物半導体膜19b及び導電膜29のそれぞれの端部近傍が重畳する構成によって、画素が有する容量素子を形成する。このような構成によって、大型の液晶表示装置において、容量素子を大きすぎず、適切な大きさに形成することができる。
なお、図24及び図25に示すように、第2の酸化物半導体膜19bがコモン電極の機能を有し、導電膜29が画素電極の機能を有していてもよい。また、第2の酸化物半導体膜19bと重畳する位置に絶縁膜14を設けない構成としてもよい(図25参照)。
また、図26及び図27に示すように、第2の酸化物半導体膜19bと導電膜29とが重畳しない構成としてもよい。表示装置の解像度や駆動方法に応じた容量素子の大きさによって、酸化物半導体膜19bと導電膜29との位置関係を適宜決定することができる。
図26に示す画素の構成において、容量素子55の一対の電極の一方は導電膜21cであり、導電膜21cは第2の酸化物半導体膜19bを介してトランジスタ52のソース電極およびドレイン電極の他方である導電膜21bと電気的に接続される。容量素子55の一対の電極の他方は、導電膜29と電気的に接続される。
また、図22及び図23に示す液晶表示装置は、酸化物半導体膜19bの信号線(導電膜21a)と平行または略平行な方向に延伸する領域の幅(d1)が、導電膜29の信号線と平行または略平行な方向に延伸する領域の幅(d2)よりも小さい構成としているが(図23参照)、これに限られない。図28及び図29に示すように、幅d1が幅d2より大きくてもよい。また、幅d1と幅d2が等しくてもよい。また、一の画素(例えば画素70d)において、酸化物半導体膜19bおよび/または導電膜29の、信号線と平行または略平行な方向に延伸する複数の領域の幅が、各々異なっていてもよい。
また、図30及び図31に示すように、コモン電極が酸化物半導体膜19bと同一の層上、すなわち絶縁膜14上に設けられていてもよい。図30及び図31に示すコモン電極19cは、酸化物半導体膜19bと同一の材料で同時に形成することができる。
図30に示す画素の構成において、容量素子55の一対の電極の一方は第2の酸化物半導体膜19bである。容量素子55の一対の電極の他方は、導電膜29と電気的に接続される導電膜21cである。
本発明の一態様の表示装置80の構成は、実施の形態1で説明する半導体装置の構成を参照できる。すなわち、基板11の材料及び作製方法は、基板102を参照できる。導電膜13の材料及び作製方法は、ゲート電極106を参照できる。絶縁膜12の材料及び作製方法は、絶縁膜104を参照できる。第1の酸化物半導体膜18の材料及び作製方法は、第1の酸化物半導体膜108を参照できる。第2の酸化物半導体膜19a、19bの材料および作製方法は、それぞれ第2の酸化物半導体膜111a、111bを参照できる。導電膜21a及び導電膜21bの材料及び作製方法は、それぞれ導電膜120a及び導電膜120bを参照できる。絶縁膜15、絶縁膜16及び絶縁膜17の材料及び作製方法は、それぞれ絶縁膜116、絶縁膜118及び絶縁膜122を参照できる。導電膜29の材料及び作製方法は、導電膜123を参照できる。
なお、本発明の一態様の表示装置がタッチセンサの機能を有していてもよい。具体的には、表示装置のコモン電極、例えば導電膜29がタッチセンサを構成する一対の電極のうち少なくとも一方の機能を有していてもよい。このとき、本発明の一態様の表示装置はタッチパネルとも呼ぶことができる。
以下より、本発明の一態様のタッチセンサまたはタッチパネルの駆動方法、モード、構成例、及び本発明の一態様の半導体装置の構成例について図面を参照して説明する。
[センサの検知方法の例]
図32(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図32(A)では、パルス電圧出力回路401、電流検出回路402を示している。なお図32(A)では、一例として、パルス電圧が与えられる電極421をX1−X6の6本の配線、電流の変化を検知する電極422をY1−Y6の6本の配線として示している。なお、電極の数は、これに限定されない。また図32(A)は、電極421および電極422が重畳すること、または、電極421および電極422が近接して配置されることで形成される容量403を図示している。なお、電極421と電極422とはその機能を互いに置き換えてもよい。または、パルス電圧出力回路401と電流検出回路402とは、互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路401は、一例としては、X1−X6の配線に順にパルスを印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量403を形成する電極421および電極422の間の電界に、変化が生じる。そしてパルス電圧によって容量403に電流が流れる。このとき、指やペンなどが近傍に存在するかどうかに応じて、この電極間に生じる電界が、指やペンなどのタッチによる遮蔽等により変化する。つまり、指やペンなどのタッチなどにより、容量403の容量値が変化する。その結果、パルス電圧によって容量403に流れる電流の大きさが変化する。このように、指やペンなどのタッチなどにより、容量値に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路402は、容量403での容量値の変化による、Y1−Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により容量値が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、電流量の総和を検出してもよい。その場合には、積分回路等を用いて検出を行えばよい。または、電流のピーク値を検出してもよい。その場合には、電流を電圧に変換して、電圧値のピーク値を検出してもよい。
次いで図32(B)には、図32(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図32(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図32(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なおY1−Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示している。なお、表示パネルにおいても、表示動作が行われている。この表示動作のタイミングと、タッチセンサのタイミングとは、同期させて動作することが望ましい。なお、図32(B)では、表示動作とは同期させていない場合の例を示す。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。
このように、容量値の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。なお、指やペンなどの被検知体は、タッチセンサやタッチパネルに接触せず、近接した場合でも、信号が検出される場合がある。
なお、図32(B)において、X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられた場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、複数の配線に同時にパルス電圧を与えてもよい。例えば、まず、X1乃至X3の配線にパルス電圧を与える。次に、X2乃至X4の配線にパルス電圧を与える。その次に、X3乃至X5の配線にパルス電圧を与える。このように、複数の配線に同時にパルス電圧を与えてもよい。そして、読み取った信号を演算処理することにより、センサの感度を高めることができる。
またパルス電圧出力回路401及び電流検出回路402は、一例としては、1つのICの中に形成されていることが好ましい。該ICは、例えばタッチパネルに実装されること、若しくは電子機器の筐体内の基板に実装されることが好ましい。また可撓性を有するタッチパネルとする場合には、曲げた部分では寄生容量が増大し、ノイズの影響が大きくなってしまう恐れがあるため、ノイズの影響を受けにくい駆動方法が適用されたICを用いることが好ましい。例えばシグナル−ノイズ比(S/N比)を高める駆動方法が適用されたICを用いることが好ましい。
なお、インセル型タッチセンサの場合には、表示部を駆動するための回路が設けられている。例えば、その回路は、ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路などである。これらの回路も、ICの中に形成されている場合がある。よって、パルス電圧出力回路401または電流検出回路402の少なくとも一つと、ゲート線駆動回路またはソース線駆動回路の少なくとも一つとが、1つのICの中に形成されていてもよい。例えば、ソース線駆動回路は、駆動周波数が高いため、ICの中に形成される場合が多い。また、電流検出回路402は、オペアンプなどが必要となる場合があるため、ICの中に形成される場合が多い。したがって、ソース線駆動回路と電流検出回路402とが、1つのICの中に形成されていてもよい。この場合には、ゲート線駆動回路およびパルス電圧出力回路401は、画素が形成されている基板上に、画素と一緒に形成されていてもよい。または、ソース線駆動回路と電流検出回路402とパルス電圧出力回路401とが、1つのICの中に形成されていてもよい。
また、図32(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量403のみを設けるパッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを備えたアクティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。
なお、図32においては、相互容量方式の場合の駆動方法について述べたが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、自己容量方式を用いてもよい。その場合には、パルス電圧出力回路401は、電流を検出する機能も有することとなる。同様に、電流検出回路402も、パルス電圧を出力する機能を有することとなる。または、状況に応じて、相互容量方式と自己容量方式とを切り替えて動作させてもよい。
[インセル型のタッチパネルの構成例]
ここでは、表示素子やトランジスタ等が設けられる基板(以下、素子基板とも記す)上に、タッチセンサを構成する一対の電極のうちの少なくとも一つを配置する例について説明する。
以下では、複数の画素を有する表示部にタッチセンサを組み込んだタッチパネル(いわゆるインセル型)の構成例について説明する。ここでは、画素に設けられる表示素子として、液晶素子を適用した例を示す。ただし、本発明の一態様は、これに限定されず、様々な表示素子を適用することができる。
図33は、本構成例で例示するタッチパネルの表示部に設けられる画素回路の一部における等価回路図である。
一つの画素は少なくともトランジスタ463と液晶素子464を有する。なお、画素はこれに加えて保持容量を有する場合もある。またトランジスタ463のゲートに配線461が、ソースまたはドレインの一方には配線62が、それぞれ電気的に接続されている。
Y方向に隣接する複数の画素が有する液晶素子464のコモン電極が電気的に接続され、一つのブロックを形成する。図33に示す電極471_1、471_2はY方向に延在して設けられ、液晶素子464が構成される領域(画素電極およびコモン電極が発生させる電界が液晶の配向を制御する領域)においてコモン電極として機能する。電極471_1、471_2によってコモン電極を共有する複数の画素を含むブロックをそれぞれブロック465_1、465_2とする。
また、ブロック465_1、465_2をまたいでX方向に隣接する複数の画素が有する液晶素子464のコモン電極が電気的に接続され、一つのブロックを形成する。図33に示す電極472_1乃至472_4はX方向に延在して設けられ、液晶素子464が構成される領域においてコモン電極として機能する。電極472_1乃至472_4によってコモン電極を共有する複数の画素を含むブロックをそれぞれブロック467_1乃至ブロック467_4とする。図33では画素回路の一部のみを示しているが、実際にはこれらのブロックがX方向及びY方向に繰り返し配置される。
このような構成とすることで、タッチセンサを構成する一対の電極と、画素回路が有する液晶素子のコモン電極とを兼ねることができる。すなわち図33では、電極471_1、471_2は、液晶素子464のコモン電極と、タッチセンサの一方の電極とを兼ねている。また電極472_1乃至472_4は、液晶素子464のコモン電極と、タッチセンサの他方の電極とを兼ねている。よって、タッチパネルの構成を簡略化できる。
なお、一つの画素が有する液晶素子464のコモン電極は、タッチセンサを構成する一方の電極または他方の電極のいずれか一方を兼ねることができる。換言すると、表示部が有する画素は、コモン電極がタッチセンサの一方の電極と兼ねる画素(第1の画素ともいう)と、コモン電極がタッチセンサの他方の電極と兼ねる画素(第2の画素ともいう)とを含む。よって、本構成例で示すタッチパネルの表示部において、第1の画素および第2の画素の配置に応じて、タッチセンサを構成する一方の電極および他方の電極の上面形状を任意の形状とすることができる。
図34(A)は、X方向に延在する複数の電極472と、Y方向に延在する複数の電極471の接続構成を示した等価回路図である。なお、一例として、タッチセンサが、投影型であり、相互容量方式である場合を示している。Y方向に延在する電極471の各々には、入力電圧(または、選択電圧)または共通電位(または、接地電位、もしくは、基準となる電位)を入力することができる。また、X方向に延在する電極472の各々には接地電位(または、基準となる電位)を入力する、または電極472と検出回路と電気的に接続することができる。なお、電極471と電極472とは入れ替えることが可能である。つまり、電極471と検出回路とを接続してもよい。
以下、図34(B)、(C)を用いて、上述したタッチパネルの動作について説明する。
ここでは一例として、1フレーム期間を、書き込み期間と検知期間とに分ける。書き込み期間は画素への画像データの書き込みを行う期間であり、配線461(ゲート線、または走査線ともいう)が順次選択される。一方、検知期間は、タッチセンサによるセンシングを行う期間であり、Y方向に延在する電極471が順次選択され、入力電圧が入力される。
図34(B)は、書き込み期間における等価回路図である。書き込み期間では、X方向に延在する電極472と、Y方向に延在する電極471の両方に、共通電位が入力される。
図34(C)は、検知期間のある時点における等価回路図である。検知期間では、X方向に延在する電極472の各々は、検出回路と導通する。また、Y方向に延在する電極471のうち、選択されたものには入力電圧が入力され、それ以外のものには共通電位が入力される。
このように、画像の書き込み期間とタッチセンサによるセンシングを行う期間とを、独立して設けることが好ましい。例えば、表示の帰線期間にセンシングを行うことが好ましい。これにより、画素の書き込み時のノイズに起因するタッチセンサの感度の低下を抑制することができる。
なお、ここでは、1フレーム期間を、書き込み期間と検知期間とに分ける場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、1水平期間(1ゲート選択期間とも言う)を、書き込み期間と検知期間とに分けて動作させてもよい。
なお、電極471には、順にパルス電圧が与えられた場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、複数の電極471に同時にパルス電圧を与えてもよい。例えば、まず、1個目乃至3個目の電極471にパルス電圧を与える。次に、2個目乃至4個目の電極471にパルス電圧を与える。その次に、3個目乃至5個目の電極471にパルス電圧を与える。このように、複数の電極471に同時にパルス電圧を与えてもよい。そして、読み取った信号を演算処理することにより、センサの感度を高めることができる。
なお、図34においては、相互容量方式の場合の駆動方法について述べたが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、自己容量方式を用いてもよい。その場合には、パルス電圧を出力する回路は、電流を検出する機能も有することとなる。同様に、検出回路も、パルス電圧を出力する機能を有することとなる。または、状況に応じて、相互容量方式と自己容量方式とを切り替えて動作させてもよい。
[タッチパネルの方式について]
以下では、本発明の一態様のタッチパネルに適用可能ないくつかの方式について説明する。
なお、本明細書等において、タッチパネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能と、表示面に指やスタイラスなどの被検知体が触れる、または近接することを検知するタッチセンサとしての機能と、を有する。したがってタッチパネルは入出力装置の一態様である。よって、タッチパネルは、タッチセンサ内蔵型表示装置である、とも言える。
また、本明細書等では、タッチパネルの基板に、例えばFPC(Flexible Print Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が実装されたものを、タッチパネルモジュール、表示モジュール、または単にタッチパネルと呼ぶ場合がある。
本発明の一態様に適用できる静電容量方式のタッチセンサは、一対の導電膜を備える。一対の導電膜間には容量が形成されている。一対の導電膜に被検知体が触れる、または近接することにより一対の導電膜間の容量の大きさが変化することを利用して、検知を行うことができる。
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから、自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると、同時多点検出が可能となるため好ましい。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。
また、本発明の一態様のタッチパネルが有する表示素子としては、液晶素子(縦電界方式、または、横電界方式)、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を利用した光学素子、有機EL(Electro Luminescense)素子、無機EL素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子、電気泳動素子など、様々な表示素子を用いることができる。
ここで、表示装置には表示素子として横電界方式が適用された液晶素子を用いることが好ましい。なお、画素電極、および、コモン電極において、透明導電膜を用いる場合には、透過型の表示装置として使用することができる。一方、画素電極、または、コモン電極において、反射電極を用いる場合には、反射型の表示装置として使用することができる。なお、画素電極およびコモン電極の両方を反射電極としてもよい。または、画素電極およびコモン電極とは別に、反射電極を設けることによって、反射型の表示装置としてもよい。なお、反射型の表示装置において、バックライトの光が透過できる領域を設けることによって、半透過型の表示装置としてもよい。例えば、画素電極またはコモン電極の一部を透過電極とし、別の一部を反射電極としてもよい。なお、画素電極、または、コモン電極において、反射電極を用いる場合であっても、液晶の動作モードによっては、透過型の表示装置として使用する場合もある。
本発明の一態様の表示装置は、一対の基板の一方にタッチセンサを構成する一対の電極(導電膜または配線ともいう)の少なくとも一つを有することにより、表示パネルとタッチセンサとが一体となった構成を有する。そのため、表示装置の厚さが低減され、軽量な表示装置を実現できる。
図35(A)乃至図35(C)は、本発明の一態様のタッチパネル410のモードを説明する断面概略図である。
タッチパネル410は、基板411、基板412、FPC413、導電膜414、画素400a、画素400b、液晶素子420a、420b、着色膜431等を有する。
画素400aは液晶素子420aを備え、画素400bは液晶素子420bを備える。液晶素子420aは、導電膜419a、導電膜429a及び液晶423により構成される。また、液晶素子420bは、導電膜419b、導電膜429b及び液晶423により構成される。図35(A)および図35(B)において、導電膜419aおよび導電膜419bは、画素電極としての機能を有する。導電膜429aよび導電膜429bはコモン電極としての機能を有する。また図35(A)では液晶素子420a、420bとしてFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された液晶素子を用いた場合の例を示している。
導電膜419aおよび導電膜419bは同一面上に設けられている。または、導電膜419aおよび導電膜419bは、同一の導電膜により形成されている。導電膜419aおよび導電膜419b上には絶縁膜424が設けられている。導電膜429aおよび導電膜429bは同一面上、具体的には絶縁膜424上に設けられている。または、導電膜429aおよび導電膜429bは、同一の導電膜により形成されている。導電膜429aおよび導電膜429bは一例として櫛歯状の上面形状、またはスリット状の開口が1つ以上設けられた上面形状(平面形状ともいう)を有する。
タッチセンサは、画素400aが有する導電膜429aと、画素400bが有する導電膜429bとの間に形成される容量を利用して検知することができる。このような構成とすることで、液晶素子が有するコモン電極(429a、429b)を、タッチセンサとして機能する一対の電極と兼ねることができる。よって、工程を簡略化することができるため歩留りが向上でき、また製造コストを低減することができる。なお、導電膜429a、導電膜429bは、導電膜414を介して基板411側に取り付けられたFPC413と電気的に接続される。または、導電膜429a、もしくは、導電膜429bの少なくとも一つは、パルス電圧を出力することが出来る機能を有する回路と接続されている。また、導電膜419a、419bは、トランジスタ(図示しない)と電気的に接続される。そして、当該トランジスタは、駆動回路(ゲート線駆動回路、または、ソース線駆動回路)、または、FPC413と電気的に接続される。
例えば、図35(A)における導電膜429aおよび導電膜429bは、図21における導電膜29と対応している。また、図35(A)における導電膜419aおよび導電膜419bは、図21における第2の酸化物半導体膜19bと対応している。
なお、図35(A)では、導電膜419aと導電膜429a(または、導電膜419bと導電膜429b)は、互いに重なる領域を有している。この領域は、容量素子として機能させることが出来る。つまり、この領域は、画素電極の電位を保持するための保持容量として機能させることができる。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、導電膜419aと導電膜429a(または、導電膜419bと導電膜429b)は、表示に寄与する領域において(いわゆる開口部において)、互いに、重ならないようにしてもよい。つまり、表示に寄与する領域において(いわゆる開口部において)、電極の端部の位置が、上下で揃うようにしてもよい。
図35(B)に示すように、タッチパネル410が導電膜429aおよび導電膜429bに加えて、導電膜419aおよび導電膜419bも櫛歯状の上面形状、またはスリット状の開口が1つ以上設けられた上面形状を有していてもよい。なお、図35(B)における液晶素子420a、420bの駆動方式はIPS(In−Plane−Switching)モードである。このような構成とすることにより、保持容量の大きさを小さくすることができる。
例えば、図35(B)における導電膜429aおよび導電膜429bは、図27における導電膜29と対応している。また、図35(B)における導電膜419aおよび導電膜419bは、図27における第2の酸化物半導体膜19bと対応している。
また、図35(C)に示すように、導電膜419aおよび導電膜419bがコモン電極としての機能を有し、導電膜429aよび導電膜429bが画素電極としての機能を有していてもよい。図35(C)において、タッチセンサは、画素400aが有する導電膜419aと、画素400bが有する導電膜419bとの間に形成される容量を利用して検知することができる。なお、導電膜419a、導電膜419bは、導電膜414を介して基板411側に取り付けられたFPC413と電気的に接続される。または、導電膜419a、もしくは、導電膜419bの少なくとも一つは、パルス電圧を出力することが出来る機能を有する回路と接続されている。また、導電膜429a、429bは、トランジスタ(図示しない)と電気的に接続される。
なお、図35(B)においては、コモン電極および画素電極は、例えば、非透明な電極を用いてもよい。例えば、ゲート電極、または、ソース電極およびドレイン電極などにおいて使用される導電材料と同様な材料を用いてもよい。なぜなら、IPSモードでは、電極の上の液晶423には、電界が加わりにくい。よって、液晶423の配向を制御しにくい。よって、表示に寄与するような領域とはなりにくい。そのため、バックライトからの光を透過させる必要がない。そのため、透過型表示装置であっても、コモン電極および画素電極は、アルミニウム、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀などを用いて、構成してもよい。なお、これらの電極は、メッシュ状に形成してもよいし、ナノワイヤ―状に形成してもよい。また、コモン電極は、タッチセンサ用の電極としても機能する。そのため、出来るだけ、抵抗値が低いことが望ましい。よって、非透明な電極は、インジウム錫酸化物(ITOともいう)などの透明電極よりも抵抗値が低いため、望ましい。
なお、図35(A)乃至図35(C)においては、コモン電極および画素電極として、ITOなどの透明導電膜を用いてもよい。また、透明導電膜の上に、または、透明導電膜の下に、より抵抗値の低い導電膜を補助配線として設けてもよい。補助配線としては、例えば、ゲート電極、または、ソース電極およびドレイン電極などにおいて使用される導電材料と同様な材料を用いてもよい。具体的には、アルミニウム、モリブデン、チタン、タングステン、銅、銀などを用いて、構成してもよい。
なお、透明導電膜の上に補助配線を設ける場合には、ハーフトーンマスク(グレートーンマスク、位相差マスクとも言う)を用いて、透明導電膜と補助配線とを、1枚のマスクを用いて、形成してもよい。その場合には、補助配線の下には、必ず、透明導電膜が設けられるような構成となる。ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。透明導電膜と補助配線とは、別々のマスクを用いて、別々の工程で形成してもよい。
なお、図35(A)乃至図35(C)においては、コモン電極は、抵抗値の低い補助配線と接続してもよい。例えば、コモン電極と補助配線とは、それらの間に設けられている絶縁膜の開口部を介して、接続されている。例えば、補助配線およびゲート電極(またはゲート信号線)は、同一の導電膜により形成されてもよい。または、補助配線およびソースドレイン電極(またはソース信号線)は、同一の導電膜により形成されてもよい。
なお、例えば、基板412の上側に、フローティング状態の導電膜を配置してもよい。その場合の例を、図36(A)、図36(B)、図36(C)に示す。このように、導電膜428aを、画素400aのコモン電極と重なるように設ける。同様に、導電膜428bを、画素400bのコモン電極と重なるように設ける。これにより、容量素子が直列に設けられた状態となる。また、電界分布が適切な状態となるため、タッチセンサの感度を向上させることができる。また、被検知体が、基板412と近接、または、接触する場合に、被検知体が静電気を帯びている場合がある。そのような場合に、基板412の上側に、導電膜428a、および、導電膜428bなどを設けることにより、静電気の影響を低減することが出来る。
図37(A)は、図35(A)および図35(B)と対応している。図37(A)に示す構成では、タッチセンサはセンサ電極459aとセンサ電極459bとを有する。センサ電極459aは、画素400aにおいてコモン電極の機能を有し、画素400aが有する導電膜429aと同一の導電膜により形成される。またセンサ電極459bは、画素400bにおいてコモン電極の機能を有し、画素400bが有する導電膜429bと同一の導電膜により形成される。センサ電極459aは、画素400aにおいてスリット状の開口部426を1つ以上有する。またセンサ電極459bは、画素400bにおいてスリット状の開口部426を1つ以上有する。
センサ電極459aは画素400aのコモン電極として機能する大きさに島状に設けられ、一の方向(例えばX方向)に延在して設けられる配線453と電気的に接続される。また、センサ電極459bは、該一の方向と交差する方向(例えばY方向)に延在して設けられる。配線453は、例えば画素400a、400bが有するトランジスタのソース電極及びドレイン電極と同時に形成することができる。
また、図37(B)に示すように、センサ電極459aが一の方向(例えばX方向)に延在して設けられる配線453と電気的に接続され、センサ電極459bが該一の方向と交差する方向(例えばY方向)に延在して設けられる配線454と電気的に接続されていてもよい。このとき、センサ電極459aおよびセンサ電極459bはそれぞれ画素400a、400bのコモン電極として機能する大きさに島状に設けられる。配線454は、例えば画素400a、400bが有するトランジスタの第1のゲート電極と同時に形成することができる。なお、島状に設ける一のセンサ電極が、一の画素のコモン電極でなく、複数の画素のコモン電極として機能するように設けてもよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の液晶表示装置に適用可能な垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードで動作する液晶素子を備える画素の構成について、図38および図39を参照して説明する。図38は液晶表示装置が備える画素の上面図であり、図39は図38の切断線A1−B1における断面を含む側面図である。また、図40(A)は、液晶表示装置が備える画素の等価回路図である。
VA型とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。
本実施の形態では、特に画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されている。これをマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計という。以下の説明では、マルチドメイン設計が考慮された液晶表示装置について説明する。
図38のZ1は画素電極611bが形成された基板602の上面図であり、Z3はコモン電極671が形成された基板601の上面図であり、Z2は画素電極611bが形成された基板602とコモン電極671が形成された基板601が重ね合わされた状態の上面図である。
基板602上には、トランジスタ650とそれに接続する画素電極611b、及び容量素子661が形成される。トランジスタ650のドレイン電極620bは、絶縁膜616及び絶縁膜618に設けられた開口部641bを介して画素電極611bと電気的に接続される。画素電極611b上には、絶縁膜616、絶縁膜618および絶縁膜622がこの順で設けられる。
トランジスタ650としては、実施の形態1で説明するトランジスタ(トランジスタ150、トランジスタ150A乃至トランジスタ150G)を適用することができる。
容量素子630は、第1の容量配線である容量配線607と、絶縁膜604と、画素電極611bで構成される。容量配線607は、トランジスタ650のゲート配線606と同一の材料で同時に形成することができる。
画素電極611bとしては、実施の形態1で説明する抵抗率の低い酸化物半導体膜を適用することができる。すなわち、画素電極611bの材料及び作製方法は、実施の形態1で示す第2の酸化物半導体膜111bを参照できる。
画素電極611bにはスリット674を設ける。スリット674は液晶の配向を制御するためのものである。
トランジスタ651とそれに接続する画素電極612b及び容量素子662は、それぞれトランジスタ650、画素電極611b及び容量素子661と同様に形成することができる。トランジスタ650とトランジスタ651は共に配線620aと接続している。配線620aは、トランジスタ650及びトランジスタ651において、ソース電極としての機能を有する。本実施の形態で示す液晶表示パネルの画素は、画素電極611bと画素電極612bにより構成されている。画素電極611bと画素電極612bはサブピクセルである。
基板601には、着色膜673、コモン電極671が形成され、コモン電極671に接して突起675が形成されている。また、コモン電極671にはスリット672が設けられている。画素電極611b側には絶縁膜622上に配向膜677が形成され、コモン電極671及び突起675側には配向膜678が形成されている。基板602と基板601の間に液晶層680が形成されている。
コモン電極671は、実施の形態1で説明する導電膜123と同様の材料を用いて形成することが好ましい。コモン電極671に形成されるスリット672と、突起675とは、液晶の配向を制御する機能を有する。
スリット674を設けた画素電極611bに電圧を印加すると、スリット674の近傍には電界の歪み(斜め電界)が発生する。このスリット674と、基板601側の突起675及びスリット672とを交互に咬み合うように配置し、斜め電界を効果的に発生させて液晶の配向を制御することで、液晶が配向する方向を場所によって異ならせている。すなわち、マルチドメイン化して液晶表示パネルの視野角を広げている。なお、基板601側に突起675またはスリット672のいずれか一方が設けられる構成であってもよい。
図39は、基板602と基板601とが重ね合わせられ、液晶が注入された状態を示している。画素電極611bと液晶層680とコモン電極671が重なり合うことで、液晶素子が形成されている。
この画素構造の等価回路を図40(A)に示す。トランジスタ650とトランジスタ629は、共にゲート配線606、配線620aと接続している。この場合、容量配線607と容量配線609の電位を異ならせることで、液晶素子681と液晶素子682の動作を異ならせることができる。すなわち、容量配線607と容量配線609の電位を個別に制御することにより液晶の配向を精密に制御して視野角を広げている。
なお、図40(A)のトランジスタ650、651は第2のゲート電極が第1のゲート電極と電気的に接続されているが、これに限られない。例えば、第2のゲート電極がゲート配線606とは異なる電位を与える機能を有する配線4616と電気的に接続されていてもよい(図40(B)参照)。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態においては、先の実施の形態で例示したトランジスタを有する表示装置の一例について、図41乃至図44を用いて以下説明を行う。
図41は、表示装置の一例を示す上面図である。図41に示す表示装置は、第1の基板701上に設けられた画素部702と、第1の基板701に設けられたソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706と、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を囲むように配置されるシール材712と、第1の基板701に対向するように設けられる第2の基板705と、を有する。なお、第1の基板701と第2の基板705は、シール材712によって封止されている。すなわち、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706は、第1の基板701とシール材712と第2の基板705によって封止されている。なお、図41には図示しないが、第1の基板701と第2の基板705の間には表示素子が設けられる。
また、表示装置は、第1の基板701上のシール材712によって囲まれている領域とは異なる領域に、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706とそれぞれ電気的に接続されるFPC端子部708(FPC:Flexible Printed Circuit)が設けられる。また、FPC端子部708には、FPC716が接続され、FPC716によって画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706に各種信号等が供給される。また、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708には、配線710が各々接続されている。FPC716により供給される各種信号等は、配線710を介して、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708に与えられる。
また、表示装置にゲートドライバ回路部706を複数設けてもよい。また、表示装置としては、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を画素部702と同じ第1の基板701に形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ回路部706のみを第1の基板701に形成しても良い、またはソースドライバ回路部704のみを第1の基板701に形成しても良い。この場合、ソースドライバ回路またはゲートドライバ回路等が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を、第1の基板701に実装する構成としても良い。なお、別途形成した駆動回路基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法などを用いることができる。
表示装置が有する画素部702は複数のトランジスタ及び容量素子を有しており、実施の形態1で説明した半導体装置を適用することができる。また、ソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706は、複数のトランジスタ及び配線コンタクト部を有しており、実施の形態2で説明した半導体装置を適用することができる。
また、表示装置は、様々な形態を用いること、または様々な表示素子を有することが出来る。表示素子は、例えば、液晶素子、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)などを含むEL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)やデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)素子、MIRASOL(登録商標)ディスプレイ、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、圧電セラミックディスプレイなどのMEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。これらの他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していてもよい。また、表示素子として量子ドットを用いてもよい。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。量子ドットを用いた表示装置の一例としては、量子ドットディスプレイなどがある。電子インク又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
なお、表示装置における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、Rの画素とGの画素とBの画素とW(白)の画素の四画素から構成されてもよい。または、ペンタイル配列のように、RGBのうちの2色分で一つの色要素を構成し、色要素によって、異なる2色を選択して構成してもよい。またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加してもよい。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、バックライト(有機EL素子、無機EL素子、LED、蛍光灯など)に白色光(W)を用いて表示装置をフルカラー表示させるために、着色膜(カラーフィルタともいう。)を用いてもよい。着色膜は、例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、イエロー(Y)などを適宜組み合わせて用いることができる。着色膜を用いることで、着色膜を用いない場合と比べて色の再現性を高くすることができる。このとき、着色膜を有する領域と、着色膜を有さない領域とを配置することによって、着色膜を有さない領域における白色光を直接表示に利用しても構わない。一部に着色膜を有さない領域を配置することで、明るい表示の際に、着色膜による輝度の低下を少なくでき、消費電力を2割から3割程度低減できる場合がある。ただし、有機EL素子や無機EL素子などの自発光素子を用いてフルカラー表示する場合、R、G、B、Y、ホワイト(W)を、それぞれの発光色を有する素子から発光させても構わない。自発光素子を用いることで、着色膜を用いた場合よりも、さらに消費電力を低減できる場合がある。
本実施の形態においては、表示素子として液晶素子を用いる表示装置の構成について、図42を用いて説明する。また、表示素子としてEL素子を用いる表示装置の構成について、図43を用いて説明する。
図42は、図41に示す一点鎖線U−Vにおける断面図である。図42に示す表示装置700Aは、引き回し配線部711と、画素部702と、ソースドライバ回路部704と、FPC端子部708と、を有する。また、引き回し配線部711は、配線710を有する。また、画素部702は、トランジスタ750及び容量素子790を有する。また、ソースドライバ回路部704は、トランジスタ752を有する。
例えば、トランジスタ750、トランジスタ752として、実施の形態1で説明するトランジスタ(トランジスタ150、トランジスタ150A乃至トランジスタ150G)を適用することができる。
本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有する。該トランジスタは、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを液晶表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
容量素子790としては、実施の形態1で示す容量素子160を用いることができる。容量素子790は透光性を有するため、画素部702が有する一の画素において容量素子790を大きく(大面積に)形成することができる。よって、開口率を高めつつ、容量値を増大させた表示装置とすることができる。
また、図42において、トランジスタ750上に、絶縁膜764、766、768が設けられている。
絶縁膜764、766、768としては、それぞれ実施の形態1に示す絶縁膜116、118、122と、同様の材料及び作製方法により形成することができる。また、絶縁膜122上に平坦化膜を設ける構成としてもよい。
また、配線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程で形成される。なお、配線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極と異なる工程で形成された導電膜、例えばゲート電極として機能する導電膜としてもよい。配線710として、例えば、銅元素を含む材料を用いた場合、配線抵抗に起因する信号遅延等が少なく、大画面での表示が可能となる。
また、FPC端子部708は、接続電極760、異方性導電膜791、及びFPC716を有する。なお、接続電極760は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程で形成される。また、接続電極760は、FPC716が有する端子と異方性導電膜791を介して、電気的に接続される。
また、第1の基板701及び第2の基板705としては、例えばガラス基板を用いることができる。また、第1の基板701及び第2の基板705として、実施の形態1で示す基板102と同様の材料を用いることができる。
第2の基板705側には、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜738と、カラーフィルタとして機能する着色膜736と、遮光膜738及び着色膜736に接する絶縁膜734が設けられる。
また、第1の基板701と第2の基板705の間には、構造体778が設けられる。構造体778は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の基板701と第2の基板705の間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられる。なお、構造体778として、球状のスペーサを用いていても良い。
また、本実施の形態においては、構造体778を第1の基板701側に設ける構成について例示したが、これに限定されない。例えば、第2の基板705側に構造体778を設ける構成、または第1の基板701及び第2の基板705双方に構造体778を設ける構成としてもよい。
表示装置700Aは、液晶素子775を有する。液晶素子775は、導電膜772、導電膜774、及び液晶層776を有する。導電膜774は、第2の基板705側に設けられ、対向電極としての機能を有する。表示装置700Aは、導電膜772と導電膜774に印加される電圧によって、液晶層776の配向状態が変わることによって光の透過、非透過が制御され画像を表示することができる。配向膜746は導電膜772および絶縁膜768上に設けられ、配向膜748は導電膜774に接して設けられる。
また、導電膜772は、トランジスタ750が有するソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜に接続される。導電膜772は、絶縁膜768上に形成され画素電極、すなわち表示素子の一方の電極として機能する。表示装置700Aは、基板701側にバックライトやサイドライト等を設け、液晶素子775及び着色膜736を介して表示する、所謂透過型のカラー液晶表示装置である。
導電膜772及び導電膜774としては、可視光において透光性のある導電膜、または可視光において反射性のある導電膜を用いることができる。可視光において透光性のある導電膜としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。また、導電膜772及び導電膜774として、実施の形態1で示す導電膜123と同様の材料を用いることができる。
なお、図41及び図42に示す表示装置700Aは、透過型のカラー液晶表示装置について例示したが、これに限定されない。例えば、導電膜772を可視光において、反射性のある導電膜を用いることで反射型のカラー液晶表示装置としてもよい。
なお、図42において図示しないが、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。
シール材712は、表示素子やトランジスタに対して不純物となる物質(水など)が、外部から侵入することを防止又は抑制する機能を少なくとも有する。なお、シール材に712別の機能を付加してもよい。例えば、構造を強化する機能、接着性を強化する機能、耐衝撃性を強化する機能などをシール材712が有していてもよい。
シール材712としては、硬化前に液晶層と接した場合でも液晶層に溶解しない材料を用いることが好ましい。シール材712として、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂などを適用できる。なお、上記樹脂材料は、熱硬化型、光硬化型のいずれでもよい。また、シール材712として、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂を混ぜた樹脂を用いてもよい。このとき、UV開始剤、熱硬化剤、カップリング剤などを混ぜてもよい。また、フィラーを含んでもよい。
また、シール材として、後述する接着層781と同様の材料を用いてもよい。
液晶層776に用いる液晶としては、実施の形態3に示す液晶素子51に用いる液晶を参照できる。
また、液晶素子を有する表示装置の駆動方法としては、実施の形態3に示す各種の駆動方法を適用することができる。
続いて、図41に示す表示装置が液晶素子の代わりにEL素子を含む場合の一点鎖線U−Vにおける断面図を図43及び図44に示す。なお、図42と同様の構成については図42の説明を援用できるため、以下では図42と異なる構成について説明する。
図43に示す表示装置700Bは、EL素子785を有する。EL素子785は、導電膜782、導電膜784、及びEL層786を有する。EL層786は、発光性の有機化合物または発光性の無機化合物を含む。導電膜782は絶縁膜783上に設けられ、反射電極としての機能を有する。絶縁膜783は平坦化膜としての機能を有する。また導電膜782上にEL層786、導電膜784がこの順で設けられる。導電膜784としては、可視光において透光性のある導電膜を用いることができる。表示装置700Bは、導電膜782および導電膜784に印加される電圧によってEL層786を発光状態、または非発光状態とすることで画像を表示することができる。
基板701および基板705は接着層781によって貼り合わされている。接着層781としては紫外線硬化型等の光硬化型樹脂、反応硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、嫌気型樹脂などの各種硬化型樹脂を用いることができる。これら樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
図43では接続電極760が、トランジスタ750、752の第1のゲート電極としての機能する導電膜と同じ工程で形成される導電膜、ソース電極およびドレイン電極と同じ工程で形成される導電膜、及び導電膜782の積層膜によって構成される例を示している。FPC端子部708において、各種の絶縁膜は接続電極760を構成する導電膜同士が電気的に接続されるように開口部を有する。
また図43では、容量素子790を構成する一対の電極が、トランジスタ750,752の第1のゲート電極として機能する導電膜と同じ工程で形成される導電膜、および第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜と同じ工程で形成される膜である例を示している。
また、トランジスタ750はチャネル領域よりも上側にゲート電極を有する。よって、トランジスタ750と重畳する位置に導電膜782を設けられるため、画素部702の画素の開口率を向上させることができる。
なお、図43はEL層786が発する光が基板705側へ射出されるトップエミッション型の表示装置であるが、本発明の一態様の表示装置がボトムエミッション型であってもよい。図44に示す表示装置700Cは、EL層786が発する光が基板701側へ射出される。ボトムエミッション型の場合、着色膜736及び遮光膜738はEL層786より下側、例えば絶縁膜768上に設けられる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に用いることができるタッチパネルについて図45乃至図50を用いて説明する。本実施の形態では、発光素子、具体的にはEL素子を用いたタッチパネルを例示する。
[タッチパネルの構成例]
図45(A)、(B)は、タッチパネル505の斜視図である。なお明瞭化のため、代表的な構成要素を示す。図46(A)は、図45(A)に示す一点鎖線M−N間の断面図である。
図45(A)、(B)に示すように、タッチパネル505は、表示部501、走査線駆動回路303g(1)、及びタッチセンサ595等を有する。また、タッチパネル505は、基板510、基板511、及び基板590を有する。
タッチパネル505は、複数の画素及び複数の配線311を有する。複数の配線311は、画素に信号を供給することができる。複数の配線311は、基板510の外周部にまで引き回され、その一部が端子319を構成している。端子319はFPC509(1)と電気的に接続する。
タッチパネル505は、タッチセンサ595及び複数の配線598を有する。複数の配線598は、タッチセンサ595と電気的に接続される。複数の配線598は基板590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509(2)と電気的に接続される。なお、図45(B)では明瞭化のため、基板590の裏面側(基板510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ595には、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。ここでは、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合を示す。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、タッチセンサ595には、指等の検知対象の近接又は接触を検知することができるさまざまなセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極591は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極592は、図45(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続された形状を有する。
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
配線594は電極592と交差して設けられている。配線594は、電極592を挟む二つの電極591を電気的に接続する。このとき、電極592と配線594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のムラを低減できる。その結果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁膜を介して電極592を、電極591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
なお、タッチセンサ595のより具体的な構成例については後述する。
図46(A)に示すように、タッチパネル505は、基板510、接着層503、絶縁膜504、基板511、接着層513、及び絶縁膜515を有する。また、基板510及び基板511は、接着層360で貼り合わされている。
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、基板590を基板511に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
また、電極591、電極592、配線594などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線や電極に用いる材料の抵抗値が低いことが望ましい。一例として、ITO、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメートル)、多数の導電体を用いて構成される金属ナノワイヤを用いてもよい。なお、透過率が高いため、表示素子に用いる電極、例えば、画素電極や共通電極に、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。
透光性を有する導電性材料を基板590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極591及び電極592を形成することができる。
電極591及び電極592は絶縁膜593で覆われている。また、電極591に達する開口が絶縁膜593に設けられ、配線594が隣接する電極591を電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線594に好適に用いることができる。また、電極591及び電極592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることができる。
なお、絶縁膜593及び配線594を覆う絶縁膜を設けて、タッチセンサ595を保護することができる。
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素302を有する。
画素302は、複数の副画素を有する。各副画素は、発光素子及び画素回路を有する。
画素回路は、発光素子を駆動する電力を供給することができる。画素回路は、選択信号を供給することができる配線と電気的に接続される。また、画素回路は、画像信号を供給することができる配線と電気的に接続される。
走査線駆動回路303g(1)は、選択信号を画素302に供給することができる。
画像信号線駆動回路303s(1)は、画像信号を画素302に供給することができる。
図46(A)に示すように、タッチパネル505は、基板510、接着層503、絶縁膜504、基板511、接着層513、及び絶縁膜515を有する。また、基板510及び基板511は、接着層360で貼り合わされている。
基板510と絶縁膜504は接着層503で貼り合わされている。また、基板511と絶縁膜515は接着層513で貼り合わされている。
基板510および基板511は、可撓性を有することが好ましい。
基板、及び絶縁膜に用いることができる材料については実施の形態1を参照することができる。また、接着層に用いることができる材料については、実施の形態5を参照することができる。
また、接着層には、紫外線硬化型等の光硬化型樹脂、反応硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、嫌気型樹脂などの各種硬化型樹脂を用いることができる。これら樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
画素302は、副画素302R、副画素302G、及び副画素302Bを有する(図46では副画素302Rのみ図示している)。また、副画素302Rは発光モジュール380Rを有し、副画素302Gは発光モジュール380Gを有し、副画素302Bは発光モジュール380Bを有する。
例えば副画素302Rは、発光素子350R及び画素回路を有する。画素回路は、発光素子350Rに電力を供給することができるトランジスタ302tを含む。また、発光モジュール380Rは、発光素子350R及び光学素子(例えば赤色の光を透過する着色膜367R)を有する。
発光素子350Rは、下部電極351R、半透過電極351Ra、EL層353、及び上部電極352をこの順で積層して有する(図46(B)参照)。なお、図46(B)は図46(A)における領域555の拡大図である。
EL層353は、第1のEL層353a、中間層354、及び第2のEL層353bをこの順で積層して有する。
なお、発光素子350Rにマイクロキャビティ構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるように配置された可視光を反射する膜(例えば、図46(B)における下部電極351R)及び半反射・半透過する膜(例えば、図46(B)における上部電極352)の間にEL層を配置してもよい。半透過電極351Raは光学調整層の機能を有し、副画素302R、302G、302Bの各副画素において該光学調整層を異なる膜厚とすることで、副画素ごとに特定の波長の光を効率よく取り出すことができる。なお、発光素子350Rにおいて、半透過電極351Raを設けない構成としてもよい。
例えば、発光モジュール380Rは、発光素子350Rと着色膜367Rに接する接着層360を有する(図46(A)参照)。
着色膜367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、発光素子350Rが発する光の一部は、接着層360及び着色膜367Rを透過して、図中の矢印に示すように発光モジュール380Rの外部に射出される。
タッチパネル505は、遮光膜367BMを有する。遮光膜367BMは、着色膜(例えば着色膜367R)を囲むように設けられている。
タッチパネル505は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に有する。反射防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
タッチパネル505は、絶縁膜321を有する。絶縁膜321はトランジスタ302t等を覆っている。なお、絶縁膜321は画素回路や撮像画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を抑制することができる層が積層された絶縁膜を、絶縁膜321に適用することができる。本実施形態では絶縁膜321が2層の積層の例を示しているが、絶縁膜321が単層であっても、3層以上の積層であってもよい。
タッチパネル505は、下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を有する。なお、基板510と基板511の間隔を制御するスペーサを、隔壁328上に有していてもよい。
走査線駆動回路303g(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む。なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
なお、タッチパネル505が備えるトランジスタ(例えば、トランジスタ302t、トランジスタ303t)としては、実施の形態1で説明するトランジスタ(トランジスタ150、トランジスタ150A乃至トランジスタ150G)を適用することができる。
[タッチセンサの構成例]
以下では、タッチセンサ595のより具体的な構成例について、図面を参照して説明する。
図47(A)に、タッチセンサ595の上面概略図を示す。タッチセンサ595は、基板590上に複数の電極531、複数の電極532、複数の配線541、複数の配線542を有する。また基板590には、複数の配線541及び複数の配線542の各々と電気的に接続するFPC550が設けられている。
図47(B)に、図47(A)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図を示す。電極531は、複数の菱形の電極パターンが、紙面横方向に連なった形状を有している。一列に並んだ菱形の電極パターンは、それぞれ電気的に接続されている。また電極532も同様に、複数の菱形の電極パターンが、紙面縦方向に連なった形状を有し、一列に並んだ菱形の電極パターンはそれぞれ電気的に接続されている。また、電極531と、電極532とはこれらの一部が重畳し、互いに交差している。この交差部分では電極531と電極532とが電気的に短絡(ショート)しないように、絶縁体が挟持されている。
また図47(C)に示すように、電極532が菱形の形状を有する複数の電極533と、ブリッジ電極534によって構成されていてもよい。島状の電極533は、紙面縦方向に並べて配置され、ブリッジ電極534により隣接する2つの電極533が電気的に接続されている。このような構成とすることで、電極533と、電極531を同一の導電膜を加工することで同時に形成することができる。そのためこれらの膜厚のばらつきを抑制することができ、それぞれの電極の抵抗値や光透過率が場所によってばらつくことを抑制できる。なお、ここでは電極532がブリッジ電極534を有する構成としたが、電極531がこのような構成であってもよい。
また、図47(D)に示すように、図47(B)で示した電極531及び532の菱形の電極パターンの内側をくりぬいて、輪郭部のみを残したような形状としてもよい。このとき、電極531及び電極532の幅が、使用者から視認されない程度に細い場合には、後述するように電極531及び電極532に金属や合金などの遮光性の材料を用いてもよい。また、図47(D)に示す電極531または電極532が、上記ブリッジ電極534を有する構成としてもよい。
1つの電極531は、1つの配線541と電気的に接続している。また1つの電極532は、1つの配線542と電気的に接続している。
ここで、タッチセンサ595を表示パネルの表示面に重ねて、タッチパネルを構成する場合には、電極531及び電極532に透光性を有する導電性材料を用いることが好ましい。また、電極531及び電極532に透光性の導電性材料を用い、表示パネルからの光を電極531または電極532を介して取り出す場合には、電極531と電極532との間に、同一の導電性材料を含む導電膜をダミーパターンとして配置することが好ましい。このように、電極531と電極532との間の隙間の一部をダミーパターンにより埋めることにより、光透過率のばらつきを低減できる。その結果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
または、透光性を有する程度に薄い金属または合金を用いることができる。例えば、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、またはチタンなどの金属や、該金属を含む合金を用いることができる。または、該金属または合金の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。また、上述した材料を含む導電膜のうち、2以上を積層した積層膜を用いてもよい。
また、電極531及び電極532には、使用者から視認されない程度に細く加工された導電膜を用いてもよい。例えば、このような導電膜を格子状(メッシュ状)に加工することで、高い導電性と表示装置の高い視認性を得ることができる。このとき、導電膜は30nm以上100μm以下、好ましくは50nm以上50μm以下、より好ましくは50nm以上20μm以下の幅である部分を有することが好ましい。特に、10μm以下のパターン幅を有する導電膜は、使用者が視認することが極めて困難となるため好ましい。
一例として、図48(A)乃至(D)に、電極531または電極532の一部(図47(B)において一点鎖線の円で囲んだ部分)を拡大した概略図を示している。図48(A)は、格子状の導電膜561を用いた場合の例を示している。このとき、導電膜561が表示装置が有する表示素子と重ならないように配置することで、表示装置からの光を遮光することがないため好ましい。その場合、格子の向きを表示素子の配列と同じ向きとし、また格子の周期を表示素子の配列の周期の整数倍とすることが好ましい。
また、図48(B)には、三角形の開口が形成されるように加工された格子状の導電膜562の例を示している。このような構成とすることで、図48(A)に示した場合に比べて抵抗をより低くすることが可能となる。
また、図48(C)に示すように、周期性を有さないパターン形状を有する導電膜563としてもよい。このような構成とすることで、表示装置の表示部と重ねたときにモアレが生じることを抑制できる。なお、ここでモアレとは、微細な幅で等間隔に設けられた導電膜等に、外部の光等が透過するとき、又は外部の光が反射するときに、回折や干渉により生じる干渉模様をいう。
また、電極531及び電極532に、導電性のナノワイヤを用いてもよい。図48(D)には、ナノワイヤ564を用いた場合の例を示している。隣接するナノワイヤ564同士が接触するように、適当な密度で分散させることにより、2次元的なネットワークが形成され、極めて透光性の高い導電膜として機能させることができる。例えば直径の平均値が1nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは5nm以上25nm以下のナノワイヤを用いることができる。ナノワイヤ564としては、Agナノワイヤや、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ等の金属ナノワイヤ、または、カーボンナノチューブなどを用いることができる。例えばAgナノワイヤの場合、光透過率は89%以上、シート抵抗値は40以上100以下Ω/□を実現することができる。
図47(A)等では、電極531及び電極532の上面形状として、複数の菱形が一方向に連なった形状とした例を示したが、電極531及び電極532の形状としてはこれに限られず、帯状(長方形状)、曲線を有する帯状、ジグザグ形状など、様々な上面形状とすることができる。また、上記では電極531と電極532とが直交するように配置されているように示しているが、これらは必ずしも直交して配置される必要はなく、2つの電極の成す角が90度未満であってもよい。
図49(A)乃至(C)には、電極531及び電極532に代えて、細線状の上面形状を有する電極536及び電極537を用いた場合の例を示している。図49(A)において、それぞれ直線状の電極536及び電極537が、格子状に配列している例を示している。
また、図49(B)では、電極536及び電極537がジグザグ状の上面形状を有する場合の例を示している。このとき、図49(B)に示すように、それぞれの直線部分の中心位置を重ねるのではなく、相対的にずらして配置することで、電極536と電極537とが平行に対向する部分の長さを長くすることができ、電極間の相互容量が高められ、検出感度が向上するため好ましい。または、図49(C)に示すように、電極536及び電極537の上面形状として、ジグザグ形状の直線部分の一部が突出した形状とすると、当該直線部分の中心位置を重ねて配置しても、対向する部分の長さを長くすることができるため電極間の相互容量を高めることができる。
図49(B)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図を図50(A)(B)(C)に、図49(C)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図を図50(D)(E)(F)にそれぞれ示す。また各図には電極536、電極537、およびこれらが交差する交差部538を示している。図50(B)、(E)に示すように、図50(A)、(D)における電極536及び電極537の直線部分が、角部を有するように蛇行する形状であってもよいし、図50(C)、(F)に示すように、曲線が連続するように蛇行する形状であってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態5に示したEL素子785、および実施の形態6に示した発光素子350Rに用いることができる発光素子の構成例について説明する。なお、本実施の形態に示すEL層220が、他の実施の形態に示したEL層786およびEL層353に相当する。
<発光素子の構成>
図51(A)に示す発光素子230は、一対の電極(電極218、電極222)間にEL層220が挟まれた構造を有する。なお、以下の本実施の形態の説明においては、例として、電極218を陽極として用い、電極222を陰極として用いるものとする。
また、EL層220は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく、発光層以外の機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いることができる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜組み合わせて用いることができる。
図51(A)に示す発光素子230は、電極218と電極222との間に与えられた電位差により電流が流れ、EL層220において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまりEL層220に発光領域が形成されるような構成となっている。
本発明において、発光素子230からの発光は、電極218、または電極222側から外部に取り出される。従って、電極218、または電極222のいずれか一方は透光性を有する物質で成る。
なお、EL層220は図51(B)に示す発光素子231のように、電極218と電極222との間に複数積層されていても良い。n層(nは2以上の自然数)の積層構造を有する場合には、m番目(mは、1以上かつnより小さい自然数)のEL層220と、(m+1)番目のEL層220との間には、それぞれ電荷発生層220aを設けることが好ましい。電極218と電極222を除く構成が上記実施の形態のEL層117に相当する。
電荷発生層220aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料を用いて形成することができる。金属酸化物としては、例えば、酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等が挙げられる。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、または、それらを基本骨格とするオリゴマー、デンドリマー、ポリマー等など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、電荷発生層220aに用いるこれらの材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、発光素子230の低電流駆動、および低電圧駆動を実現することができる。上記複合材料以外にも、上記金属酸化物、有機化合物とアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを電荷発生層220aに用いることができる。
なお、電荷発生層220aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
このような構成を有する発光素子231は、隣接するEL層220同士でのエネルギーの移動が起こり難く、高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とすることが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易である。
なお、電荷発生層220aとは、電極218と電極222に電圧を印加したときに、電荷発生層220aに接して形成される一方のEL層220に対して正孔を注入する機能を有し、他方のEL層220に電子を注入する機能を有する。
図51(B)に示す発光素子231は、EL層220に用いる発光材料の種類を変えることにより様々な発光色を得ることができる。また、発光材料として発光色の異なる複数の発光材料を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を得ることもできる。
図51(B)に示す発光素子231を用いて、白色発光を得る場合、複数のEL層の組み合わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成であればよく、例えば、青色の蛍光材料を発光材料として含むEL層と、緑色と赤色の燐光材料を発光材料として含むEL層を有する構成が挙げられる。また、赤色の発光を示すEL層と、緑色の発光を示すEL層と、青色の発光を示すEL層とを有する構成とすることもできる。または、補色の関係にある光を発するEL層を有する構成であっても白色発光が得られる。EL層が2層積層された積層型素子において、これらのEL層からの発光色を補色の関係にする場合、補色の関係としては、青色と黄色、あるいは青緑色と赤色の組合せなどが挙げられる。
上述した積層型素子の構成において、積層される発光層の間に電荷発生層を配置することにより、電流密度を低く保ったまま高輝度発光が得られ、また、長寿命素子を実現することができる。
なお、発光材料としては量子ドットも用いることができる。量子ドットは、数nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×10個から1×10個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なり、用いる量子ドットのサイズを変更することによって容易に発光波長を調整することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、燐光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機化合物である量子ドットはその本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
量子ドットを構成する材料としては、周期表第14族元素、周期表第15族元素、周期表第16族元素、複数の周期表第14族元素からなる化合物、周期表第4族から周期表第14族に属する元素と周期表第16族元素との化合物、周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物、周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、周期表第14族元素と周期表第15族元素との化合物、周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、各種半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、四酸化三鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物およびこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア−シェル型、コア−マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア−シェル型やコア−マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるようにそのサイズを適宜調節する。結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトするため、量子ドットのサイズを変化させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調節することができる。量子ドットのサイズ(直径)は0.5nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至10nmの範囲のものが通常良く用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子ロッドはc軸方向に偏光した指向性を有する光を呈するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
ところで、EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散することによって発光効率を高めるが、ホスト材料は発光材料以上の一重項励起エネルギー又は三重項励起エネルギーを有する物質であることが必要である。特に青色燐光材料を用いる場合においては、それ以上の三重項励起エネルギーを有する材料であり、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料の開発は困難を極めている。ここで、量子ドットはホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア−シェル構造(コア−マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示モジュール及び電子機器について、図52及び図53を用いて説明を行う。
図52に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチパネル8004、FPC8005に接続された表示パネル8006、バックライト8007、フレーム8009、プリント基板8010、バッテリ8011を有する。
本発明の一態様の表示装置は、例えば、表示パネル8006に用いることができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネル8004及び表示パネル8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル8006に重畳して用いることができる。また、表示パネル8006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル8006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
バックライト8007は、光源8008を有する。なお、図52において、バックライト8007上に光源8008を配置する構成について例示したが、これに限定さない。例えば、バックライト8007の端部に光源8008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてもよい。なお、有機EL素子等の自発光型の発光素子を用いる場合、または反射型パネル等の場合においては、バックライト8007を設けない構成としてもよい。
フレーム8009は、表示パネル8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
図53(A)乃至図53(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
図53(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。図53(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図53(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤホン5013、等を有することができる。図53(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図53(E)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ5014、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図53(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図53(G)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。
図53(A)乃至図53(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図53(A)乃至図53(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
図53(H)は、スマートウオッチであり、筐体7302、表示パネル7304、操作ボタン7311、7312、接続端子7313、バンド7321、留め金7322、等を有する。
ベゼル部分を兼ねる筐体7302に搭載された表示パネル7304は、非矩形状の表示領域を有している。なお、表示パネル7304としては、矩形状の表示領域としてもよい。表示パネル7304は、時刻を表すアイコン7305、その他のアイコン7306等を表示することができる。
なお、図53(H)に示すスマートウオッチは、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。
また、筐体7302の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。なお、スマートウオッチは、発光素子をその表示パネル7304に用いることにより作製することができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。該表示部に、実施の形態3乃至5のいずれか一で示した表示装置を適用することができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
11 基板
12 絶縁膜
13 導電膜
14 絶縁膜
15 絶縁膜
16 絶縁膜
17 絶縁膜
18 酸化物半導体膜
18_1 ソースドレイン領域
18_2 ソースドレイン領域
18i チャネル領域
19a 酸化物半導体膜
19b 酸化物半導体膜
19c コモン電極
21a 導電膜
21b 導電膜
21c 導電膜
27 絶縁膜
29 導電膜
51 液晶素子
52 トランジスタ
55 容量素子
62 配線
70 画素
70a 画素
70b 画素
70c 画素
70d 画素
70e 画素
70f 画素
71 画素部
74 走査線駆動回路
75 コモン線
76 信号線駆動回路
77 走査線
78 配線
79 信号線
80 表示装置
100 半導体装置
100A 半導体装置
100B 半導体装置
100C 半導体装置
100D 半導体装置
100E 半導体装置
100F 半導体装置
100G 半導体装置
102 基板
104 絶縁膜
106 ゲート電極
107 酸化物半導体膜
108 酸化物半導体膜
108_1 酸化物半導体膜
108_2 酸化物半導体膜
108_3 酸化物半導体膜
108b 酸化物半導体膜
108d ドレイン領域
108f 領域
108i チャネル領域
108s ソース領域
110 絶縁膜
110_0 絶縁膜
111 酸化物半導体膜
111_0 酸化物半導体膜
111a 酸化物半導体膜
111b 酸化物半導体膜
112 導電膜
112_0 導電膜
116 絶縁膜
117 EL層
118 絶縁膜
120a 導電膜
120b 導電膜
120c 導電膜
122 絶縁膜
123 導電膜
124 導電膜
140 マスク
141a 開口部
141b 開口部
142 開口部
143 開口部
144 開口部
145 開口部
150 トランジスタ
150A トランジスタ
150B トランジスタ
150C トランジスタ
150D トランジスタ
150E トランジスタ
150F トランジスタ
150G トランジスタ
160 容量素子
218 電極
220 EL層
220a 電荷発生層
222 電極
230 発光素子
231 発光素子
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g 走査線駆動回路
303s 画像信号線駆動回路
303t トランジスタ
311 配線
319 端子
321 絶縁膜
328 隔壁
350R 発光素子
351R 下部電極
351Ra 半透過電極
352 上部電極
353 EL層
353a EL層
353b EL層
354 中間層
360 接着層
367BM 遮光膜
367p 反射防止層
367R 着色膜
380B 発光モジュール
380G 発光モジュール
380R 発光モジュール
400a 画素
400b 画素
401 パルス電圧出力回路
402 電流検出回路
403 容量
410 タッチパネル
411 基板
412 基板
413 FPC
414 導電膜
419a 導電膜
419b 導電膜
420a 液晶素子
420b 液晶素子
421 電極
422 電極
423 液晶
424 絶縁膜
426 開口部
428a 導電膜
428b 導電膜
429a 導電膜
429b 導電膜
431 着色膜
453 配線
454 配線
459a センサ電極
459b センサ電極
461 配線
463 トランジスタ
464 液晶素子
465_1 ブロック
465_2 ブロック
467_1 ブロック
467_4 ブロック
471 電極
471_1 電極
471_2 電極
472 電極
472_1 電極
472_4 電極
501 表示部
503 接着層
504 絶縁膜
505 タッチパネル
509 FPC
510 基板
511 基板
513 接着層
515 絶縁膜
531 電極
532 電極
533 電極
534 ブリッジ電極
536 電極
537 電極
538 交差部
541 配線
542 配線
550 FPC
555 領域
561 導電膜
562 導電膜
563 導電膜
564 ナノワイヤ
590 基板
591 電極
592 電極
593 絶縁膜
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
601 基板
602 基板
604 絶縁膜
606 ゲート配線
607 容量配線
609 容量配線
611b 画素電極
612b 画素電極
616 絶縁膜
618 絶縁膜
620a 配線
620b ドレイン電極
622 絶縁膜
629 トランジスタ
630 容量素子
641b 開口部
650 トランジスタ
651 トランジスタ
661 容量素子
662 容量素子
671 コモン電極
672 スリット
673 着色膜
674 スリット
675 突起
677 配向膜
678 配向膜
680 液晶層
681 液晶素子
682 液晶素子
700A 表示装置
700B 表示装置
700C 表示装置
701 基板
702 画素部
704 ソースドライバ回路部
705 基板
706 ゲートドライバ回路部
708 FPC端子部
710 配線
711 配線部
712 シール材
716 FPC
734 絶縁膜
736 着色膜
738 遮光膜
746 配向膜
748 配向膜
750 トランジスタ
752 トランジスタ
760 接続電極
764 絶縁膜
766 絶縁膜
768 絶縁膜
772 導電膜
774 導電膜
775 液晶素子
776 液晶層
778 構造体
781 接着層
782 導電膜
783 絶縁膜
784 導電膜
785 EL素子
786 EL層
790 容量素子
791 異方性導電膜
4616 配線
5000 筐体
5001 表示部
5002 表示部
5003 スピーカ
5004 LEDランプ
5005 操作キー
5006 接続端子
5007 センサ
5008 マイクロフォン
5009 スイッチ
5010 赤外線ポート
5011 記録媒体読込部
5012 支持部
5013 イヤホン
5014 アンテナ
5015 シャッターボタン
5016 受像部
5017 充電器
7302 筐体
7304 表示パネル
7305 アイコン
7306 アイコン
7311 操作ボタン
7312 操作ボタン
7313 接続端子
7321 バンド
7322 留め金
8000 表示モジュール
8001 上部カバー
8002 下部カバー
8003 FPC
8004 タッチパネル
8005 FPC
8006 表示パネル
8007 バックライト
8008 光源
8009 フレーム
8010 プリント基板
8011 バッテリ

Claims (5)

  1. 第1の絶縁膜上に設けられた、トランジスタと、一対の電極間に第3の絶縁膜を含む容量素子と、を有する半導体装置であって、
    前記トランジスタは、
    前記第1の絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の第1の金属酸化物膜と、を有し、
    前記酸化物半導体膜上および前記第1の金属酸化物膜上に、前記第3の絶縁膜が設けられ
    前記酸化物半導体膜は、
    前記第1の金属酸化物膜と重なるチャネル領域と、
    前記第3の絶縁膜と接するソース領域と、
    前記第3の絶縁膜と接するドレイン領域と、を有し、
    前記ソース領域および前記ドレイン領域は、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、または希ガスの一以上を有し、
    前記容量素子
    前記第1の絶縁膜上に設けられ、前記ソース領域および前記ドレイン領域の一方と電気的に接続する第2の金属酸化物膜と、
    前記第2の金属酸化物膜上の前記第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜上の第1の導電膜と、を有し、
    前記第2の金属酸化物膜は、画素電極としての機能を有する、半導体装置。
  2. 第1の絶縁膜上に設けられた、トランジスタと、一対の電極間に第3の絶縁膜を含む容量素子と、を有する半導体装置であって、
    前記トランジスタは、
    ゲート電極と、
    前記ゲート電極上の前記第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の第1の金属酸化物膜と、を有し、
    前記酸化物半導体膜上および前記第1の金属酸化物膜上に、前記第3の絶縁膜が設けられ
    前記酸化物半導体膜は、
    前記第1の金属酸化物膜と重なるチャネル領域と、
    前記第3の絶縁膜と接するソース領域と、
    前記第3の絶縁膜と接するドレイン領域と、を有し、
    前記ソース領域および前記ドレイン領域は、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、または希ガスの一以上を有し、
    前記容量素子
    前記第1の絶縁膜上に設けられ、前記ソース領域および前記ドレイン領域の一方と電気的に接続する第2の金属酸化物膜と、
    前記第2の金属酸化物膜上の前記第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜上の第1の導電膜と、を有し、
    前記第2の金属酸化物膜は、画素電極としての機能を有する、半導体装置。
  3. 第1の絶縁膜上に設けられた、トランジスタと、一対の電極間に第3の絶縁膜を含む容量素子と、を有する半導体装置であって、
    前記トランジスタは、
    ゲート電極と、
    前記ゲート電極上の前記第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上の第1の金属酸化物膜と、を有し、
    前記酸化物半導体膜上および前記第1の金属酸化物膜上に、前記第3の絶縁膜が設けられ
    前記ゲート電極は、前記第1の金属酸化物膜と電気的に接続され、
    前記酸化物半導体膜は、
    前記第1の金属酸化物膜と重なるチャネル領域と、
    前記第3の絶縁膜と接するソース領域と、
    前記第3の絶縁膜と接するドレイン領域と、を有し、
    前記ソース領域および前記ドレイン領域は、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、または希ガスの一以上を有し、
    前記容量素子
    前記第1の絶縁膜上に設けられ、前記ソース領域および前記ドレイン領域の一方と電気的に接続する第2の金属酸化物膜と、
    前記第2の金属酸化物膜上の前記第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜上の第1の導電膜と、を有し、
    前記第2の金属酸化物膜は、画素電極としての機能を有する、半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記トランジスタは、
    前記第3の絶縁膜上の第4の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜および前記第4の絶縁膜に設けられた第1の開口部を介して、前記ソース領域に電気的に接続される第の導電膜と、
    前記第3の絶縁膜および前記第4の絶縁膜に設けられた第2の開口部を介して、前記ドレイン領域に電気的に接続される第の導電膜と、を有する、
    前記第2の導電膜および前記第3の導電膜の一方は、前記第3の絶縁膜および前記第4の絶縁膜に設けられた第3の開口部を介して、前記第2の金属酸化物膜に電気的に接続される、半導体装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか一において、
    前記第3の絶縁膜は、窒素または水素を含む、半導体装置。
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