JP6636562B2 - ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム - Google Patents

ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6636562B2
JP6636562B2 JP2018085593A JP2018085593A JP6636562B2 JP 6636562 B2 JP6636562 B2 JP 6636562B2 JP 2018085593 A JP2018085593 A JP 2018085593A JP 2018085593 A JP2018085593 A JP 2018085593A JP 6636562 B2 JP6636562 B2 JP 6636562B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
glass block
fiber
light
stokes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018085593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019192834A (ja
Inventor
真一 阪本
真一 阪本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2018085593A priority Critical patent/JP6636562B2/ja
Priority to PCT/JP2019/004627 priority patent/WO2019207902A1/ja
Publication of JP2019192834A publication Critical patent/JP2019192834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6636562B2 publication Critical patent/JP6636562B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/32Optical coupling means having lens focusing means positioned between opposed fibre ends
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/42Coupling light guides with opto-electronic elements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/05Construction or shape of optical resonators; Accommodation of active medium therein; Shape of active medium
    • H01S3/06Construction or shape of active medium
    • H01S3/063Waveguide lasers, i.e. whereby the dimensions of the waveguide are of the order of the light wavelength
    • H01S3/067Fibre lasers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/10Controlling the intensity, frequency, phase, polarisation or direction of the emitted radiation, e.g. switching, gating, modulating or demodulating

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Description

本発明は、デリバリファイバを光学的に結合可能なガラスブロック、そのようなガラスブロックとデリバリファイバとを備えた光ファイバ終端構造、及びそのような光ファイバ終端構造を備えたファイバレーザシステムに関する。
加工用のレーザ装置として、複数のファイバレーザユニットを備えたファイバレーザシステムが用いられている。このようなファイバレーザシステムにおいて、各ファイバレーザユニットによって生成され、各ファイバレーザユニットのレーザデリバリファイバを伝搬するレーザ光は、出力コンバイナにおいて1つの出力レーザ光に合波され、出力デリバリファイバの入射面に結合される。出力デリバリファイバの出射面には、ガラスブロック(例えば、特許文献1の図3に記載のガラスロッド63や、特許文献2の図3に記載のコアレスファイバなど)の入射面が光学的に結合されている。出力デリバリファイバを伝搬した出力レーザ光は、ガラスブロックの出射面から出射され、該出射面とワークとの間に介在する光学系により集光されたのちにワークに照射される。
特許文献1には、ガラスブロックの出射面に誘電体多層膜を設けることによって、該出射面においる出力レーザ光の反射率を低減する技術が記載されている。
また、特許文献2には、出力カプラの表面に、レーザ光の一部を反射し、残りを透過するような特性を有する誘電体多層膜を設ける技術が記載されている。
特開2012−68664号公報(2012年4月5日) 特開2005−303166号公報(2005年10月27日) 特開2016−186536号公報(2016年10月27日公開)
上述したようなファイバレーザシステムが備えているファイバレーザユニットの数と、各ファイバレーザユニットの定格出力とは、様々である。その一例としては、7個のファイバレーザユニットを備えており、各ファイバレーザユニットの定格出力が1kWであるファイバレーザシステムが挙げられる。すなわち、このファイバレーザシステムの定格出力は、7kWである。
このように高出力なファイバレーザシステムにおいては、その高い出力に起因して、各デリバリファイバ及び出力デリバリファイバの媒質において生じる誘導ラマン散乱、ならびに誘導ラマン散乱に起因するストークス発振が問題となる。各デリバリファイバ及び出力デリバリファイバの何れかにおいて閾値を超える誘導ラマン散乱が生じた場合、ストークス発振が生じる。その結果、各ファイバレーザユニットの出力、すなわちファイバレーザシステムの出力が不安定になり、ワークの加工を続けることができなくなる。また、場合によっては、ストークス発振に起因してファイバレーザシステムが故障することもある。このようなストークス発振は、出力デリバリファイバ及び各デリバリファイバを逆方向(ガラスブロックからファイバレーザユニットへ向かう方向)へ伝搬するストークス光を低減することによって、その発生の確率を低減することができる。
特許文献3の図1には、出力デリバリファイバの終端構造に設けられたレーザヘッドの内部に、不要光とラマン光とを分波する分波素子を配置したファイバレーザ装置が記載されている。ファイバレーザ装置、不要光、及びラマン光の各々は、それぞれ、本願明細書におけるファイバレーザシステム、出力レーザ光、及びストークス光と読み替えられる。分波素子を透過したストークス光は、ワークに照射され、分波素子により反射された不要光は、不要光伝搬用光ファイバによりレーザヘッドの外部へ導かれ、不要光処理部に結合される。不要光処理部は、不要光を熱に変換したうえで、その熱を拡散させることによって不要光を処理する。なお、特許文献3に記載された分波素子は、ラマン光を透過し、不要光を反射するバンドパスフィルタである。なお、特許文献3に記載のレーザヘッドは、本願明細書の出力ヘッドに読み替えられる。
しかし、特許文献3の図1に記載のファイバレーザ装置では、レーザヘッド(本願明細書における光ファイバ終端構造)の内部に分波素子を別個に設け、不要光伝搬用ファイバを用いて不要光をレーザヘッドの外部へ導く必要があった。したがって、このレーザヘッドには、更なるコンパクト化を図る余地がある。レーザヘッドは、ワークの近傍に配置される。加工時の自由度を高めるために、レーザヘッドをできるだけコンパクトにしたいとの要望がある。
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ストークス発振が発生する可能性を低減しつつ、よりコンパクトなガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステムを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るガラスブロックは、その両底面を入射面及び出射面として、前記入射面に対してデリバリファイバの出射面を光学的に結合した場合に、前記デリバリファイバから供給されたレーザ光を前記出射面から出射する柱状のガラスブロックであって、前記出射面は、前記レーザ光に対応するストークス光に対する反射率が前記レーザ光に対する反射率を上回る、ことを特徴とする。
デリバリファイバの出射面から出射され、ガラスブロックの入射面に入射したレーザ光及びストークス光は、開口数により定まる所定の角度で拡がりながらガラスブロックの内部を伝搬し、ガラスブロックの出射面に到達する。上記の構成によれば、ストークス光に対する反射率がレーザ光に対する反射率を上回るようにガラスブロックの出射面が構成されている。そのため、ガラスブロックの出射面に到達したレーザ光及びストークス光のうち、ストークス光は、ガラスブロックの出射面においてレーザ光よりも強く反射される。ガラスブロックの出射面により反射されたストークス光の一部は、ガラスブロックの出射面から入射面へ伝搬したあとに、デリバリファイバのコアに結合し得る。以下において、ガラスブロックの出射面において反射されたストークス光に起因し、デリバリファイバのコアに結合したストークス光(換言すればデリバリファイバを逆方向に伝搬するストークス光)のことを第1の戻りストークス光と称す。この第1の戻りストークス光の強度は、極めて低い。
また、上述したように、ガラスブロックの出射面に到達したレーザ光及びストークス光のうち、ストークス光がガラスブロックの出射面においてレーザ光よりも強く反射されている。そのため、ストークス光に対する反射率がレーザ光に対する反射率以下となるように出射面が構成されたガラスブロックと比較して、その本ガラスブロックの出射面から出射されたストークス光の強度は、抑制されている。ガラスブロックの出射面から出射されたストークス光の一部は、ワークの表面において反射され、且つ、ガラスブロックの出射面から入射面へ伝搬したあとに、デリバリファイバのコアに結合し得る。以下において、ガラスブロックの出射面から出射されたストークス光に起因し、デリバリファイバのコアに結合したストークス光(換言すればデリバリファイバを逆方向に伝搬するストークス光)のことを第2の戻りストークス光と称す。ガラスブロックの出射面において反射されたストークス光の場合と異なり、ワークの表面において反射されたストークス光の多くは、そのままデリバリファイバのコアに結合する。したがって、ストークス発振が発生する可能性を減少させるためには、第2の戻りストークス光の強度を低減することが重要である。
第2の戻りストークス光の強度は、ワークの表面のストークス光に対する反射率に比例し、また、ガラスブロックの出射面のストークス光に対する透過率の2乗に比例する。したがって、ガラスブロックの出射面のストークス光に対する透過率を下げること、換言すれば、この出射面のストークス光に対する反射率を高めることは、第2の戻りストークス光の強度を低減することを意味する。
以上のように、本ガラスブロックは、従来のガラスブロックと比較して、第1の戻りストークス光の強度をほとんど増大させることなく第2の戻りストークス光の強度を低減することができる。そのため、本ガラスブロックは、従来のガラスブロックと比較して、第1の戻りストークス光の強度と、第2の戻りストークス光の強度との和を低減することができるため、ストークス発振が発生する可能性を低減することができる。
また、上記の構成によれば、従来の出力ヘッドのように、レーザ光とストークス光とを分波する分波素子を別個に設ける必要がない。そのため、本ガラスブロックは、分波素子を別個に設ける場合と比較して、コンパクト化を図ることができる。
以上のように、本ガラスブロックは、ストークス発振が発生する可能性を低減しつつ、よりコンパクトなガラスブロックを提供することができる。
更に、本ガラスブロックは、メンテナンスフリーであるという副次的な効果を奏する。特許文献3の図1に示したレーザヘッドは、分波素子を含む空間光学系を含む。それに対し、本ガラスブロックは、空間光学系を含まない。特許文献3の図1に示したレーザヘッドにおいては、分波素子の角度を適切に調整する必要があり、定期的にメンテナンスを施すことが求められる。一方、本ガラスブロックは、柱状のガラスブロックの一方の端面である出射端面が、上述した所定の条件を満たすように構成されている。柱状のガラスブロックの一方の端面は、可動し得ないものであるため、本ガラスブロックは、メンテナンスフリーである。
また、本発明の一態様に係るガラスブロックにおいて、前記出射面には、前記ストークス光に対する反射率が前記レーザ光に対する反射率を上回る層状フィルタが積層されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ガラスブロックの体積を増加させることなく、ストークス発振が発生する可能性を低減することができる。
また、本発明の一態様に係るガラスブロックにおいて、前記層状フィルタは、前記ストークス光に対する反射率が10%以上であり、前記レーザ光に対する反射率が2%以下である、ことが好ましい。
また、本発明の一態様に係るガラスブロックにおいて、前記層状フィルタのカットオフ波長は、前記レーザ光に対応する波長と前記ストークス光に対応する波長との間に位置する、ことが好ましい。
レーザ光及びストークス光に対する反射係数、あるいは、カットオフ波長を上述したように構成することによって、ガラスブロックの出射面を透過し、ワークに至るストークス光を確実に抑制することができる。したがって、(1)ワークにおいて反射又は散乱され、(2)往路と逆の経路を通ることによって、デリバリファイバと改めて結合するストークス光の強度を確実に抑制することができる。すなわち、ストークス発振が発生する可能性を確実に低減することができる。
なお、本願明細書において、カットオフ波長は、反射係数が5%になる波長を意味する。
また、本発明の一態様に係るガラスブロックにおいて、前記入射面の面積は、前記出射面の面積を下回るように構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ガラスブロックの入射面近傍における体積を小さくすることができる。したがって、ガラスブロックの入射面近傍の熱容量を小さくすることができるので、ガラスブロックとデリバリファイバとを結合する方法として融着を採用する場合に、容易に融着を実施することができる。
また、本発明の一態様に係るガラスブロックにおいて、該ガラスブロックの表面のうち、(1)前記出射面と、(2)前記入射面のうち前記デリバリファイバの出射面が結合されることが予定されている領域とを除いた表面の少なくとも一部には、金属膜が積層されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、逆方向に伝搬するストークス光がガラスブロックの外部に漏洩することを抑制することができる。したがって、逆方向に伝搬するストークス光に起因する熱がガラスブロックの外部に影響を与える可能性を低減することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光ファイバ終端構造は、上述した何れか一態様に係るガラスブロックと、前記ガラスブロックの前記入射面に対して、出射面が光学的に結合されたデリバリファイバと、を備えている。また、前記ストークス光は、前記レーザ光が前記デリバリファイバを伝搬することに伴い生じるストークス光である。
上記の構成によれば、本光ファイバ終端構造は、上述した各態様に係るガラスブロックと同様の効果を奏する。
また、本発明の一態様に係る光ファイバ終端構造において、前記デリバリファイバは、その中間部に設けられたクラッドモードストリッパを備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、デリバリファイバに改めて結合したストークス光のうち、デリバリファイバのクラッドに結合したストークス光(クラッドモードとも呼ぶ)を除去することができる。そのため、逆方向に向かって伝搬するストークス光を更に抑制することができる。したがって、本光ファイバ終端構造は、ストークス発振が発生する可能性を更に低減することができる。
また、デリバリファイバがクラッドモードストリッパを備えていることにより、特許文献3の図1に記載のレーザヘッド(請求の範囲に記載の出力ヘッド1に読み替えられる)が備えている分波素子、不要光伝搬用光ファイバ、及び不要光処理部を設ける必要がない。したがって、本光ファイバ終端構造は、特許文献3の図1に記載のレーザヘッドと比較して、コンパクト化を図ることができる。
また、本発明の一態様に係る光ファイバ終端構造は、前記デリバリファイバの前記出射面から前記クラッドモードストリッパまでの区間に設けられ、該デリバリファイバが備えているクラッドの表面を覆う筒状のガラス管を更に備え、該ガラス管は、その一方の端面を介して前記ガラスブロックと光学的に結合しており、且つ、その他方の端面を介して前記クラッドモードストリッパと光学的に結合している、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ガラス管は、ガラスブロックの出射面において反射され、ガラスブロックの入射面に至ったストークス光のうち、デリバリファイバに改めて結合しなかったストークス光の少なくとも一部と結合する。ガラス管に結合したストークス光(デリバリファイバに改めて結合しなかったストークス光の少なくとも一部)は、ガラス管を逆方向に伝搬し、クラッドモードストリッパに至り、最終的にクラッドモードストリッパにより除去される。そのため、本光ファイバ終端構造は、デリバリファイバに改めて結合しなかったストークス光の少なくとも一部を確実に除去することができる。
また、本発明の一態様に係る光ファイバ終端構造において、前記ガラス管の外径は、前記ガラスブロックの前記出射面により反射されたあとに前記ガラスブロックの前記入射面に到達したストークス光のスポット径を上回り、前記ガラス管の前記一方の端面は、ガラスブロックの出射面に到達したストークス光のスポットを包含するように、前記ガラスブロックと光学的に結合されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ガラス管は、ガラスブロックの出射面において反射され、デリバリファイバに改めて結合しなかったストークス光の大部分と結合する。そのため、本光ファイバ終端構造は、デリバリファイバに改めて結合しなかったストークス光の大部分を確実に除去することができる。
また、本発明の一態様に係る光ファイバ終端構造において、前記ガラス管の外側面には、前記レーザ光及び前記ストークス光のうち少なくとも前記ストークス光を散乱する凹凸構造が形成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ガラス管に結合した逆方向に伝搬するストークス光の一部をガラス管の外部へ散逸させることができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーザ装置は、レーザ光を出射する1つのレーザユニットと、上述した何れか一態様に係る光ファイバ終端構造とを備えたレーザ装置であって、前記デリバリファイバの入射面が前記レーザユニットに対して光学的に結合されており、前記ガラスブロックは、前記レーザユニットから出射され、前記デリバリファイバから供給された前記レーザ光を該ガラスブロックの前記出射面から出射する、ことを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーザシステムは、それぞれがレーザ光を出射する1又は複数のレーザユニットと、当該1又は複数のレーザユニットの各々が出射した前記レーザ光を1つに合波する合波部と、上述した何れか一態様に係る光ファイバ終端構造とを備えたファイバレーザシステムであって、前記デリバリファイバの入射面が前記合波部に対して光学的に結合されており、前記ガラスブロックは、前記1又は複数のレーザユニットの各々から出射され、前記合波部により合波され、前記デリバリファイバから供給された前記レーザ光を、該ガラスブロックの前記出射面から出射する、ことを特徴とする。
これらの構成によれば、本レーザ装置及び本レーザシステムの各々は、何れも上述した各態様に係るガラスブロックと同様の効果を奏する。
また、本発明の一態様に係るレーザ装置において、前記レーザユニットは、複数の励起光源と増幅用ファイバとを備えたファイバレーザユニットである、ことが好ましい。
また、本発明の一態様に係るレーザシステムにおいて、前記1又は複数のレーザユニットの各々は、何れも複数の励起光源と増幅用ファイバとを備えたファイバレーザユニットであり、前記合波部は、1又は複数の入力ポートと、1つの出力ポートとを備えたコンバイナである、ことが好ましい。
本発明の一態様は、このようにレーザユニットとしてファイバーレーザユニットを採用したレーザ装置又はレーザシステムに好適である。
本発明の一態様によれば、ストークス発振が発生する可能性を低減しつつ、よりコンパクトなガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステムを提供することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係るガラスブロックを備えた出力ヘッドの断面図である。(b)は、(a)に示したガラスブロックの拡大断面図である。(c)は、(a)及び(b)に示したガラスブロックをデリバリファイバの側からみた矢視図である。 (a)は、図1の(a)に示したデリバリファイバが備えているクラッドモードストリッパの縦断面図である。(b)は、(a)に示したクラッドモードストリッパの横断面図である。 図1の(a)に示したガラスブロックが備えているショートパスフィルタの反射特性及び透過特性を示すグラフである。 (a)及び(b)は、それぞれ、図1に示したガラスブロックの第1の変形例の断面図及び第2の変形例の断面図である。 図1に示した出力ヘッドを備えたファイバレーザシステムの構成図である。 図1に示した出力ヘッドを備えたファイバレーザ装置の構成図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態に係るガラスブロック11について、図1〜図3を参照して説明する。図1の(a)は、本実施形態に係るガラスブロック11を備えた出力ヘッド1の断面図である。図1の(b)は、ガラスブロック11の拡大断面図である。図1の(c)は、ガラスブロック11をデリバリファイバ21の側(z軸負方向側)からみた矢視図である。図2の(a)は、デリバリファイバ21が備えているクラッドモードストリッパ22の縦断面図である。図2の(b)は、クラッドモードストリッパ22の横断面図である。図3は、ガラスブロック11が備えているショートパスフィルタ111の反射特性及び透過特性を示すグラフである。
図1の(a)〜(c)に図示した座標系は、デリバリファイバ21の中心軸及びガラスブロック11の中心軸に平行な方向(すなわち軸方向)をz軸方向と定め、z軸方向に直交する方向(すなわち径方向)のうち任意の方向をx軸方向と定め、x軸及びz軸の各々に直交する方向をy軸方向と定めている。また、ガラスブロック11の入射面11iから出射面11oへ向かう方向をz軸正方向とし、z軸正方向とともに右手系の直交座標系を構成するように、x軸正方向及びy軸正方向の各々を定めている。なお、入射面11i及び出射面11oについては、後述する。以下では、z軸正方向のことを順方向とも呼び、z軸負方向のことを逆方向とも呼ぶ。第2の実施形態において説明するファイバレーザシステムFLS(図5参照)において、出力レーザ光は、z軸正方向に添って伝搬するためである。
(ガラスブロック11)
図1の(a)に示すように、出力ヘッド1は、ガラスブロック11と、デリバリファイバ21と、ガラス管31と、外筒41とを備えている。デリバリファイバの中間部には、クラッドモードストリッパ22が設けられている。
出力ヘッド1は、光ファイバの出射側の端部を終端する光ファイバ終端構造であり、例えば、ファイバレーザシステムFLS及びファイバレーザ装置FLAの各々が備えている出力デリバリファイバODFの出射側の端部を終端するために利用可能である。図1の(a)に示した出力ヘッド1及びデリバリファイバ21の各々は、それぞれ、図5に示したファイバレーザシステムFLS及びファイバレーザ装置FLAの各々が備えている出力ヘッドOH及び出力デリバリファイバODFに対応する。
ガラスブロック11は、出力レーザ光の波長λを含む波長域において高い透過率を有し(すなわち低い吸収率を有し)、且つ、高い融点を有するガラスにより構成されている。また、ガラスブロック11を構成するガラス材料は、強度が高い出力レーザ光がデリバリファイバ21を伝搬することに伴い生じ得るストークス光の波長λを含む波長域においても、高い透過率を有することが好ましい。本実施形態においては、波長λとして、1.07μmを採用する。その場合、波長λは、1.12μmである。波長λ=1.07μmであり、波長λ=1.12μmである場合、ガラスブロック11を構成する材料としては、石英(クオーツとも呼ばれる)が好適である。
ガラスブロック11の形状は、図1の(a)〜(c)に示すように円柱である。本実施形態において、ガラスブロック11の直径は、9mmであり、その軸方向の長さは、20mmである。ガラスブロック11の両底面のうち一方の底面を入射面11iとし、他方の底面を11oとする。入射面11iは、x軸負方向側に位置し、出射面11oは、x軸正方向側に位置する。なお、ガラスブロック11の形状は、円柱に限定されるものではなく、マクロには円柱に見える形状(円柱状の形状)であってもよいし、角柱であってもよいし、図4の(a)に示すように円錐台であってもよい。すなわち、ガラスブロック11の形状は、柱状であれば如何なる形状であってもよい。
図1の(b)に示すように、入射面11iに対してデリバリファイバ21の出射面21oが結合されている場合、デリバリファイバ21を順方向に伝搬してきた出力レーザ光LFO及びストークス光LFSの各々は、所定の角度で拡がりながらガラスブロック11の内部を順方向に伝搬する。
ガラスブロック11において、出射面11oは、ストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を上回るように構成されている。具体的には、出射面11oには、ストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を上回るショートパスフィルタ111が積層されている。ショートパスフィルタ111は、請求の範囲に記載の層状フィルタに対応する。また、以下において、ショートパスフィルタ111のことをSPF111と記載する。ショートパスフィルタは、エッジフィルタと呼ばれるフィルタのうち、所定の波長(例えばカットオフ波長λ)よりも短波長側の光を透過し、該所定の波長よりも長波長側の光を反射するフィルタである。
SPF111は、図3に示すような反射特性(反射率の波長依存性)及び透過特性(透過率の波長依存性)を有することが好ましい。SPF111の吸収率をゼロとみなせる場合、反射率と透過率との和は、1になる。
SPF111は、複数の誘電体膜を積層することによって構成されている。すなわち、SPF111は、誘電体多層膜によって構成されている。各誘電体膜の誘電率及び膜厚を制御することによって、所望の反射特性を有するショートパスフィルタを設計することができる。
図3に示すように、SPF111は、ストークス光LFSに対する反射率が10%以上であり、出力レーザ光LFOに対する反射率が2%以下であることが好ましい。
また、図3に示すように、SPF111のカットオフ波長λは、波長λと、波長λとの間に位置することが好ましい。なお、本願明細書において、カットオフ波長λは、SPF111の反射率が5%となる波長を意味する。図3に示したSPF111のカットオフ波長λは、およそ1.09μmである。SPF111は、カットオフ波長λ近傍の波長域のうち長波長側の波長域に反射率が急激に増大するエッジを有する。
図3に示した反射特性を有するSPF111は、波長λに対応する反射率が0.1%であり、波長λに対する反射率が72.1%である。したがって、SPF111は、(1)出力レーザ光LFOのほぼ全てをそのまま透過し、(2)ストークス光LFSの72.1%を戻りストークス光LRSとして反射し、(3)ストークス光LFSの27.9%をストークス光LFS’として透過する。
特許文献1に記載されたガラスブロックの出射面に設けられた誘電体多層膜、及び、特許文献2に記載された出力カプラの表面に設けられた誘電体多層膜は、いずれも順方向に伝搬する出力レーザ光LFOがガラスブロックの出射面あるいは出力カプラの表面において逆方向へ向けて反射されることを抑制するために設けられたものであり、いわゆる反射防止(AR:Anti-reflection)膜である。AR膜は、幅広い波長域に含まれる光に反射率を低減し、透過率を高めるため、出力レーザ光LFOとストークス光LFSとのうちストークス光LFSを選択的により強く反射することはできない。
ストークス光LFSは、所定の角度で拡がりながら順方向に伝搬するので、戻りストークス光LRSは、前記所定の角度で拡がりながら逆方向に伝搬する。したがって、入射面11iにおける戻りストークス光LRSのスポットSRS(図1の(c)参照)の直径は、出射面11oにおけるストークス光LFSのスポットの直径の2倍となる。例えば、出射面11oにおけるストークス光LFSのスポットの直径(スポット径)が1.7mmである場合、スポットSRSの直径(スポット径)は、3.4mmとなる。
(デリバリファイバ21)
図1の(b)に示すように、デリバリファイバ21は、コア211と、内側クラッド212と、外側クラッド213とを備えたダブルクラッドファイバである。また、本実施形態においては、デリバリファイバ21としてマルチモードファイバを採用している。コア211、内側クラッド212、及び外側クラッド213は、何れも、石英製である。
デリバリファイバ21の一方の端面である出射面21oは、入射面11iに突き当てられた状態で融着されている。すなわち、入射面11iと出射面21oとは、光学的に結合している。なお、以下において、特に断りなく「結合」との用語を用いた場合、それは、「光学的な結合」を意味する。
図1の(a)に示すように、デリバリファイバ21の中間部には、外側クラッド213を除去した除去区間Iが設けられている。除去区間Iには、クラッドモードストリッパ22が設けられている。デリバリファイバ21の中間部は、デリバリファイバ21の両端部を除いた部分を意味する。
除去区間Iは、デリバリファイバ21の両端部を除いた部分であれば何れの部分に設けられていてもよい。ただし、後述する戻りストークス光LRS(図1の(b)参照)を早い段階で除去するという点では、除去区間Iは、出射面21oの近傍に設けられていることが好ましい。
図2の(a)に示すように、クラッドモードストリッパ22は、除去区間Iを覆う高屈折率樹脂体221、及び、高屈折率樹脂体221を支持する補強部材222を備えている。
図2の(b)に示すように、補強部材222は、上面にV字溝が形成された直方体状のブロックである。この補強部材222は、不透明材料、例えば、アルミナにより構成されている。アルミナは、熱伝導性が良く、線膨張係数が小さく、加工性が良いため、補強部材222の材料として好適である。
高屈折率樹脂体221は、例えば、補強部材222のV字溝に注入された高い屈折リスを有する樹脂を硬化させたものである。この高屈折率樹脂体221は、除去区間Iにおけるデリバリファイバ21の外側クラッド213の屈折率以上の屈折率を有する透光性樹脂により構成されている。
このように構成されたクラッドモードストリッパ22は、デリバリファイバ21を伝搬するモードのうち、内側クラッド212及び外側クラッド213に結合している光(例えばストークス光LFS及び戻りストークス光LRS)を除去することができる。
なお、本実施形態では、クラッドモードストリッパの一例としてクラッドモードストリッパ22を採用している。しかし、出力ヘッド1が備えているクラッドモードストリッパは、クラッドモードストリッパ22に限定されるものではなく、如何なるクラッドモードストリッパであってもよい。
(ガラス管31)
図1の(a)〜(c)に示すように、ガラス管31は、円柱状ガラス部材であり、本実施形態においては石英製である。ガラス管31は、デリバリファイバ21のうち、デリバリファイバ21の出射面21oからクラッドモードストリッパ22までの区間に設けられている。ガラス管31は、該区間において、その内壁面がデリバリファイバ21の表面(外側クラッド213の表面)に接し、且つ、デリバリファイバ21の前記表面を覆っている。
本実施形態において、ガラス管31は、デリバリファイバ21に対して焼き嵌めすることによって固定されている。具体的には、デリバリファイバ21に固定される前のガラス管31は、その内径がデリバリファイバ21の外径を上回るように構成されている。ガラス管31は、デリバリファイバ21に対して焼き嵌めされるときに、(1)自身のガラス転移点Tを超える温度まで加熱され、(2)ガラス転移点Tを超える温度まで加熱された状態のまま、自身の筒の内側にデリバリファイバ21を通され、(3)自身の外側面313に対して、圧力を加えられ、(4)ガラス転移点Tを下回る温度まで冷却される。以上の工程により、ガラス管31の内壁がデリバリファイバ21の表面に密着した状態で、ガラス管31とデリバリファイバ21とは固定される。
図1の(b)に示すように、ガラス管31は、その一方の端面である端面311を介してガラスブロック11と結合している。より具体的には、端面311は、出射面21oとともに入射面11iに融着されている。また、図2の(a)に示すように、ガラス管31は、その他方の端面である端面312を介してクラッドモードストリッパ22の高屈折率樹脂体221と結合している。高屈折率樹脂体221については、後述する。
図1の(c)に示すように、ガラス管31の外径は、スポットSRSのスポット径を上回ることが好ましい。また、端面311は、スポットSRSを包含した状態で、ガラスブロック11に結合されていることが好ましい。
また、ガラス管31の外側面313には、出力レーザ光LFO及びストークス光のうち少なくともストークス光を散乱する凹凸構造が形成されていることが好ましい。すなわち、外側面313は、その表面がすりガラス状に荒らされていることが好ましい。なお、ここでいうストークス光は、ストークス光LFS及び戻りストークス光LRSの双方を含む。
(外筒41)
図1の(a)に示すように、外筒41は、ガラスブロック11と、デリバリファイバ21と、ガラス管31とを収容する円筒形のガラス部材であって、出力ヘッド1の筐体として機能する。本実施形態において、外筒41は、石英製である。
図1の(a)において、クラッドモードストリッパ22の補強部材222は、外筒41の内部において宙に浮いているように図示されている。しかし、実際の補強部材222は、y軸方向負方向側に位置する2つの頂点2221,2222(図2の(b)参照)が外筒41の内壁411に接した状態で固定されている。この構成によれば、デリバリファイバ21の出射面21o及びガラス管31の端面311と、ガラスブロック11の入射面11iとを融着した融着点に掛かる負荷を大幅に低減することができる。
(まとめ)
以上のように、ガラスブロック11は、入射面11iに対してデリバリファイバ21の出射面21oを結合した場合に、デリバリファイバ21から供給された出力レーザ光LFO(請求の範囲に記載のレーザ光)を出射面11oから出射する柱状のガラスブロックである。出射面11oは、出力レーザ光LFOに対応するストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を上回るように構成されている。
出射面21oから出射され、入射面11iに入射した出力レーザ光LFO及びストークス光LFSは、デリバリファイバ21の開口数により定まる所定の角度で拡がりながらガラスブロック11の内部を伝搬し、出射面11oに到達する。上述のように、出射面11oは、ストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を上回るように構成されている。そのため、出射面11oに到達した出力レーザ光LFO及びストークス光LFSのうち、ストークス光LFSは、出射面11oにおいて出力レーザ光LFOよりも強く反射され戻りストークス光LRSとなる。戻りストークス光LRSの一部は、出射面11oから入射面11iへ伝搬したあとに、コア211に結合し得る。以下において、戻りストークス光LRSに起因し、デリバリファイバのコアに結合したストークス光(換言すればコア211を逆方向に伝搬するストークス光、図1の(b)には不図示)のことを第1の戻りストークス光と称す。ただし、戻りストークス光LRSの多くは、デリバリファイバ21のコア211に結合することなく散逸する。したがって、ストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を上回るように出射面11oが構成されている場合であっても、この第1の戻りストークス光の強度は、極めて低くなる。とはいえ、ストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を下回るように構成された出射面を有するガラスブロック(以下、従来のガラスブロック)を用いた場合と比較して、ガラスブロック11を用いた場合における第1の戻りストークス光の強度は、わずかに増大する。
また、上述したように、出力レーザ光LFO及びストークス光LFSのうち、ストークス光LFSがガラスブロックの出射面11oにおいて出力レーザ光LFOよりも強く反射されている。そのため、従来のガラスブロックと比較して、ガラスブロック11は、出射面11oを透過しワークに至るストークス光LFS’の強度を抑制することができる。出力レーザ光LFO及びストークス光LFS’は、第2の実施形態において説明するように、空間光学系(図5には不図示)により集束されたのちに、加工対象物であるワークWの表面に照射される。
ワークWの表面に照射されたストークス光LFS’の一部は、ワークWの表面において反射される。ワークWの表面において反射されたストークス光LFS’の一部は、上記空間光学系により再び集束され、且つ、出射面11oから入射面11iへ伝搬したあとに、コア211に結合し得る。以下において、ストークス光LFS’に起因し、コア211に結合したストークス光(換言すればデリバリファイバを逆方向に伝搬するストークス光、図1の(b)には不図示)のことを第2の戻りストークス光と称す。出射面11oにおいて反射された戻りストークス光LRSの場合と異なり、ワークの表面において反射されたストークス光の多くは、そのままコア211に結合する。これは、ワークの表面において反射されたストークス光が上記空間光学系により再び集束されるためである。したがって、ストークス発振が発生する可能性を低減するためには、第2の戻りストークス光の強度を低減することが重要である。
ここで、第2の戻りストークス光の強度は、ワークの表面のストークス光LFS’に対する反射率に比例し、且つ、出射面11oのストークス光LFSに対する透過率の2乗に比例する。したがって、出射面11oのストークス光LFSに対する透過率を下げること、換言すれば、出射面11oのストークス光LFSに対する反射率を高めることは、第2の戻りストークス光の強度を低減することを意味する。そのため、従来のガラスブロックを用いた場合と比較して、ガラスブロック11を用いた場合における第2の戻りストークス光の強度は、明らかに減少する。
以上のように、ガラスブロック11は、第1の戻りストークス光の強度をほとんど増大させることなく第2の戻りストークス光の強度を低減することができる。そのため、ガラスブロック11は、従来のガラスブロックと比較して、第1の戻りストークス光の強度と、第2の戻りストークス光の強度との和を低減することができるため、ストークス発振が発生する可能性を低減することができる。
また、上記の構成によれば、従来のレーザヘッドのように、レーザ光とストークス光とを分波する分波素子を別個に設ける必要がない。そのため、本ガラスブロックは、分波素子を別個に設ける場合と比較して、コンパクト化を図ることができる。
以上のように、本ガラスブロックは、ストークス発振が発生する可能性を低減しつつ、よりコンパクトなガラスブロックを提供することができる。
更に、ガラスブロック11は、メンテナンスフリーであるという副次的な効果を奏する。特許文献3の図1に示したレーザヘッドは、分波素子を含む空間光学系を含む。それに対し、ガラスブロック11は、空間光学系を含まない。特許文献3の図1に示したレーザヘッドにおいては、分波素子の角度を適切に調整する必要があり、定期的にメンテナンスを施すことが求められる。一方、ガラスブロック11は、柱状のガラスブロック11の一方の端面である出射面11oが、上述した所定の条件を満たすように構成されている。出射面11oは、可動し得ないものであるため、ガラスブロック11は、メンテナンスフリーである。
また、出射面11oには、ストークス光LFSに対する反射率が出力レーザ光LFOに対する反射率を上回るSPF111(請求の範囲に記載の層状フィルタ)が積層されている、ことが好ましい。
この構成によれば、ガラスブロック11の体積を増加させることなく、ストークス発振が発生する可能性を低減することができる。
また、SPF111は、ストークス光LFSに対する反射率が10%以上であり、出力レーザ光LFOに対する反射率が2%以下である、ことが好ましい。
また、SPF111のカットオフ波長λは、出力レーザ光LFOに対応する波長λとストークス光LFSに対応する波長λとの間に位置する、ことが好ましい。
出力レーザ光LFO及びストークス光LFSに対する反射係数、あるいは、カットオフ波長λを上述したように構成することによって、出射面11oを透過し、ワークに至るストークス光LFS’を確実に抑制することができる。したがって、(1)ワークにおいて反射又は散乱され、(2)往路と逆の経路を通ることによって、デリバリファイバ21と改めて結合する戻りストークス光LRSの強度を確実に抑制することができる。すなわち、ストークス発振が発生する可能性を確実に低減することができる。
出力ヘッド1(請求の範囲に記載の光ファイバ終端構造)は、ガラスブロック11と、入射面11iに対して、出射面21oが光学的に結合されたデリバリファイバ21と、を備えている。
このように構成された出力ヘッド1は、ガラスブロック11と同様の効果を奏する。
また、デリバリファイバ21は、その中間部に設けられたクラッドモードストリッパ22を備えている、ことが好ましい。
この構成によれば、デリバリファイバに改めて結合した戻りストークス光LRSのうち、デリバリファイバ21の内側クラッド212及び外側クラッド213(請求の範囲に記載のクラッド)に結合した戻りストークス光LRSのうちクラッドを伝搬する戻りストークス光LRSを除去することができる。そのため、戻りストークス光LRSを更に抑制することができる。したがって、出力ヘッド1は、ストークス発振が発生する可能性を更に低減することができる。
また、デリバリファイバ21がクラッドモードストリッパ22を備えていることにより、特許文献3の図1に記載のレーザヘッド(本願明細書の出力ヘッド1に読み替えられる)が備えている分波素子、不要光伝搬用光ファイバ、及び不要光処理部を設ける必要がない。したがって、出力ヘッド1は、特許文献3の図1に記載のレーザヘッドと比較して、コンパクト化を図ることができる。
また、デリバリファイバ21の出射面21oからクラッドモードストリッパ22までの区間に設けられ、デリバリファイバ21の外側クラッド213の表面を覆う筒状のガラス管31を更に備えていることが好ましい。ガラス管31は、その一方の端面である端面311を介してガラスブロック11と結合しており、且つ、その他方の端面である端面312を介してクラッドモードストリッパ22と結合している、ことが好ましい。
このように構成されたガラス管31は、戻りストークス光LRSのうち、デリバリファイバ21に改めて結合しなかった戻りストークス光LRSの少なくとも一部と結合する。ガラス管31に結合した戻りストークス光LRS(デリバリファイバ21に改めて結合しなかった戻りストークス光LRSの少なくとも一部)は、ガラス管31を逆方向に伝搬し、クラッドモードストリッパ22に至り、最終的にクラッドモードストリッパ22により除去される。そのため、出力ヘッド1は、デリバリファイバ21に改めて結合しなかった戻りストークス光LRSの少なくとも一部を確実に除去することができる。
また、ガラス管31の外径は、出射面11oで反射されたあとに入射面11iに到達した戻りストークス光LRSのスポット径(スポットSRSの直径)を上回り、ガラス管31の端面311は、スポットSRSを包含するように、ガラスブロック11結合されている、ことが好ましい。
この構成によれば、ガラス管31は、出射面11oにおいて反射され、デリバリファイバ21に改めて結合しなかった戻りストークス光LRSの大部分(理想的には全部)と結合する。そのため、出力ヘッド1は、デリバリファイバ21に改めて結合しなかった戻りストークス光LRSの大部分(理想的には全部)を確実に除去することができる。
また、ガラス管31の外側面313には、出力レーザ光LFO及びストークス光(ストークス光LFS及び戻りストークス光LRS)のうち少なくともストークス光を散乱する凹凸構造が形成されている、ことが好ましい。
この構成によれば、ガラス管31に結合した戻りストークス光LRS少なくともの一部をガラス管31の外部へ散逸させることができる。
〔変形例〕
図1に示したガラスブロック11の第1の変形例及び第2の変形例について、図4を参照して説明する。図4の(a)及び(b)は、それぞれ、図1に示したガラスブロックの第1の変形例の断面図及び第2の変形例の断面図である。
図4の(a)に示すように、第1の変形例のガラスブロック11は、ガラスブロックの入射面11iの直径を縮小することによって得られる。第1の変形例のガラスブロック11において、入射面11iの直径は、ガラス管31の外径と等しい。なお、入射面11iと、出射面11oとは、同心円となるように配置されている。
以上のように、第1の変形例のガラスブロック11は、入射面11iの面積が出射面11oの面積を下回るように構成されている。換言すれば、第1の変形例のガラスブロック11は、入射面11iを上底面とし、出射面11oを下底面とする円錐台形状を有する。
この構成によれば、第1の変形例のガラスブロック11の入射面近傍における体積を小さくすることができる。したがって、ガラスブロック11の入射面近傍の熱容量を小さくすることができるので、ガラスブロック11とデリバリファイバ21とを結合する方法として融着を採用する場合に、容易に融着を実施することができる。
また、図4の(b)に示すように、第2の変形例のガラスブロック11は、ガラスブロック11の表面のうち、外側面11sと、入射面11iのうちガラス管31の端面311が結合されている領域を除いた領域に積層された金属膜12を更に備えている。端面311が結合されている領域は、デリバリファイバ21の出射面21oが結合されている領域を包含する。したがって、金属膜12は、出射面21oが結合されている領域には、形成されていない。なお、デリバリファイバ21を結合される前の状態のガラスブロック11において、出射面21oが結合されている領域は、出射面21oが結合されることが予定されている領域と言い換えられる。
この構成によれば、逆方向に伝搬するストークス光LRSがガラスブロック11の外部に漏洩することを抑制することができる。特に本変形例では、ガラスブロック11の表面のうち、ショートパスフィルタ111が積層されている領域と、ガラス管31の端面311が結合されている領域とを除いた全域に金属膜12が積層されている。そのため、ストークス光LRSがガラスブロック11の外部に漏洩することを防止することができる。したがって、ストークス光LRSに起因する熱がガラスブロック11の外部(すなわち出力ヘッド1)に影響を与える可能性を低減又はなくすことができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るファイバレーザシステムFLSについて、図5を参照して説明する。図5は、ファイバレーザシステムFLSの構成図である。ファイバレーザシステムFLSは、本発明の一実施形態に係る出力ヘッドOH(すなわち図1の(a)に示した出力ヘッド1)を備えている。
ファイバレーザシステムFLSは、加工対象物であるワークWを加工するためのレーザ装置であり、図5に示すように、n個のファイバレーザユニットFLU1〜FLUn、n個のレーザデリバリファイバLDF1〜LDFn、出力コンバイナOC、出力デリバリファイバODF、及び出力ヘッドOHを備えている。ファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとレーザデリバリファイバLDF1〜LDFnとは、互いに一対一に対応する。ここで、nは、1以上の任意の自然数であり、ファイバレーザユニットFLU1〜FLUn及びレーザデリバリファイバLDF1〜LDFnの個数を表す。なお、図5においては、n=7の場合のファイバレーザシステムFLSの構成例を示している。また、出力コンバイナOCは、請求の範囲に記載の合波部の一態様であり、n個の入力ポートと1つの出力ポートを備えている。出力コンバイナOCは、各入力ポートに入力されたn個のレーザ光を1つのレーザ光に合波し、合波したレーザ光を出力ポートから出力する。
ファイバレーザシステムFLSの出力デリバリファイバODF及び出力ヘッドOHの各々は、それぞれ、図1に示したデリバリファイバ21及び出力ヘッド1に対応する。
ファイバレーザユニットFLUi(iは1以上n以下の自然数)は、レーザ光を生成する。本実施形態においては、前方励起型のファイバレーザをファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとして用いている。ファイバレーザユニットFLUiは、対応するレーザデリバリファイバLDFiの入力端に接続されている。ファイバレーザユニットFLUiにて生成されたレーザ光は、このレーザデリバリファイバLDFiに入力される。
レーザデリバリファイバLDFiは、対応するファイバレーザユニットFLUiにて生成されたレーザ光を導波する。レーザデリバリファイバLDF1〜LDFnは、シングルモードファイバであってもよいし、モード数が10以下のフューモードファイバであってもよい。
本実施形態においては、フューモードファイバをレーザデリバリファイバLDF1〜LDFnとして用いている。レーザデリバリファイバLDFiの出力端は、出力コンバイナOCの入力ポートに接続されている。ファイバレーザユニットFLUiにて生成され、レーザデリバリファイバLDFiを導波されたレーザ光は、この入力ポートを介して出力コンバイナOCに入力される。
出力コンバイナOCは、ファイバレーザユニットFLU1〜FLUnの各々にて生成され、レーザデリバリファイバLDF1〜LDFnの各々を導波されたレーザ光を合波する。出力コンバイナOCの出力ポートは、出力デリバリファイバODFの入力端に接続されている。出力コンバイナOCにて合波されたレーザ光は、この出力デリバリファイバODFに入力される。すなわち、出力デリバリファイバODFの入射面は、出力コンバイナOCを介して複数のファイバレーザユニットFLUiに結合されている。
出力デリバリファイバODFは、出力コンバイナOCにて合波されたレーザ光を導波する。本実施形態においては、マルチモードファイバを出力デリバリファイバODFとして用いている。出力デリバリファイバODFの出力端は、出力ヘッドOHに接続されている。また、出力ヘッドOHとワークWとの間には、出力ヘッドOHから出射されたレーザ光をワークWの表面において集束するための空間光学系(例えば凸レンズ、図5には不図示)が設けられている。出力コンバイナOCにて合波されたレーザ光は、この出力ヘッドOHから出射され、上記空間光学系により集束された状態でワークWに照射される。
なお、本実施形態では、請求の範囲に記載の合波部の一例として出力コンバイナOCを採用している。しかし、本発明の一態様では、請求の範囲に記載の合波部の一例として、複数の凸レンズを含む空間光学系を採用することもできる。この空間光学系がn個の凸レンズにより構成されている場合、各凸レンズは、各ファイバレーザユニットFLUiのレーザデリバリファイバLDFiから出射されたレーザ光を集束させ、且つ、集束された各レーザ光を出力デリバリファイバODFのコアに結合するように配置されていればよい。
(ファイバレーザユニットの構成)
ファイバレーザシステムFLSが備えるファイバレーザユニットFLU1の構成について、引き続き図5を参照して説明する。なお、ファイバレーザユニットFLU2〜FLUnも、ファイバレーザユニットFLU1と同様に構成されている。
ファイバレーザユニットFLU1は、前方向励起型のファイバレーザであり、図5に示すように、m個の励起光源PS1〜PSm、m個の励起デリバリファイバPDF1〜PDFm、励起コンバイナPC、高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HR、増幅用ファイバAF、及び低反射ファイバブラッググレーティングFBG−LRを備えている。すなわち、ファイバレーザユニットFLU1は、共振器型のファイバレーザユニットである。励起光源PS1〜PSmと励起デリバリファイバPDF1〜PDFmとは、互いに一対一に対応する。ここで、mは、2以上の任意の自然数であり、励起光源PS1〜PSm及び励起デリバリファイバPDF1〜PDFmの個数を表す。なお、図5においては、m=6の場合のファイバレーザユニットFLU1の構成例を示している。
励起光源PSj(jは1以上m以下の自然数)は、励起光を生成する。本実施形態においては、レーザダイオードを励起光源PS1〜PSmとして用いている。励起光源PSjは、対応する励起デリバリファイバPDFjの入力端に接続されている。励起光源PSjにて生成された励起光は、この励起デリバリファイバPDFiに入力される。
励起デリバリファイバPDFjは、対応する励起光源PSjにて生成された励起光を導波する。励起デリバリファイバPDFjの出力端は、励起コンバイナPCの入力ポートに接続されている。励起光源PSjにて生成され、励起デリバリファイバPDFjを導波された励起光は、この入力ポートを介して励起コンバイナPCに入力される。
励起コンバイナPCは、励起光源PS1〜PSmの各々にて生成され、励起デリバリファイバPDF1〜PDFmの各々を導波された励起光を合波する。励起コンバイナPCの出力ポートは、高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HRを介して増幅用ファイバAFの入力端に接続されている。励起コンバイナPCにて合波された励起光のうち、高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HRを透過した励起光は、増幅用ファイバAFに入力される。
増幅用ファイバAFは、高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HRを透過した励起光を用いて、レーザ光を生成する。本実施形態においては、コアに希土類元素(例えばYb)が添加されたダブルクラッドファイバ(ラマンゲイン係数=1×10−13
1/W])を増幅用ファイバAFとして用いている。高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HRを透過した励起光は、この希土類元素を反転分布状態に維持するために用いられる。増幅用ファイバAFの出力端は、低反射ファイバブラッググレーティングFBG−LRを介してレーザデリバリファイバLDF1の入力端に接続されている。高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HRは、ある波長λ(例えば、1060nm)においてミラーとして機能し(反射率が例えば99%となり)、低反射ファイバブラッググレーティングFBG−LRは、その波長λにおいてハーフミラーとして機能する(反射率が例えば10%となる)。このため、増幅用ファイバAFは、高反射ファイバブラッググレーティングFBG−HR及び低反射ファイバブラッググレーティングFBG−LRと共に、波長λのレーザ光を発振する共振器を構成する。増幅用ファイバAFにて生成されたレーザ光のうち、この低反射ファイバブラッググレーティングFBG−LRを透過したレーザ光は、レーザデリバリファイバLDF1に入力される。
なお、本実施形態においては、前方励起型のファイバレーザをファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとして用いているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、本発明においては、後方励起型のファイバレーザをファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとして用いることもできるし、双方向励起型のファイバレーザをファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとして用いることもできる。
このように構成されたファイバレーザシステムFLSは、第1の実施形態において説明したガラスブロック11、及び、出力ヘッド1と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態において、ファイバレーザシステムFLSは、請求の範囲に記載のレーザユニットである各ファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとして、共振器型のファイバレーザユニットを採用している。しかし、ファイバレーザシステムFLSは、各ファイバレーザユニットFLU1〜FLUnとして、MOPA型のファイバレーザユニットを採用することもできる。MOPA型のファイバレーザユニットは、主発振(Master Oscillator:MO)部と、MO部の後段に配置されたパワー増幅(Power Amplifier:PA)部とを備えている。MO部は、種光を生成し、PA部は、種光のパワーを増幅することによってレーザ光を生成する。なお、MOPA型のファイバレーザユニットにおいて、MO部は、共振器型のファイバレーザユニットであってもよいし、半導体レーザユニット、固体レーザユニット、液体レーザユニット、及び気体レーザユニットの何れかであってもよい。
また、ファイバレーザシステムLFSは、請求の範囲に記載のレーザユニットとして、半導体レーザユニット、固体レーザユニット、液体レーザユニット、及び気体レーザユニットの何れかを採用してもよい。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係るファイバレーザ装置FLAについて、図6を参照して説明する。図6は、ファイバレーザ装置FLAの構成図である。ファイバレーザ装置FLAは、ファイバレーザユニットFLU1と、本発明の一実施形態に係る出力ヘッドOH(すなわち図1の(a)に示した出力ヘッド1)を備えている。
図6に示すように、ファイバレーザ装置FLAが備えるファイバレーザユニットFLU1は、ファイバレーザシステムFLS(図5参照)が備えているファイバレーザユニットFLU1と同じ構成を有する。したがって、本実施形態は、ファイバレーザユニットFLU1の説明を省略する。
また、ファイバレーザ装置FLAは、ファイバレーザシステムFLSと異なり、複数のファイバレーザユニットFLU1〜FLUnの各々にて生成されたレーザ光を合波する必要がない。したがって、ファイバレーザ装置FLAは、ファイバレーザシステムFLSが備えている出力コンバイナOCを省略することができる。その結果、ファイバレーザ装置FLAにおいて、出力デリバリファイバODFの入射端面は、ファイバレーザユニットFLU1に対して結合されている。なお、ファイバレーザシステムFLSの場合と同様に、ファイバレーザ装置FLAは、ファイバレーザユニットFLU1として、共振器型のファイバレーザユニットを採用してもよいし、MOPA型のファイバレーザユニットを採用してもよい。なお、ファイバレーザ装置FLAがファイバレーザユニットFLU1としてMOPA型のファイバレーザユニットを採用する場合、MO部は、共振器型のファイバレーザユニットであってもよいし、半導体レーザユニット、固体レーザユニット、液体レーザユニット、及び気体レーザユニットの何れかであってもよい。また、ファイバレーザ装置FLAは、請求の範囲に記載のレーザユニットとして、半導体レーザユニット、固体レーザユニット、液体レーザユニット、及び気体レーザユニットの何れかを採用してもよい。
このように構成されたファイバレーザ装置FLAは、第1の実施形態において説明したガラスブロック11、及び、出力ヘッド1、並びに、第2の実施形態において説明したファイバレーザ装置FLAと同様の効果を奏する。
本発明の一態様である出力ヘッド1に含まれる出力デリバリファイバODFの入射端面は、図5に示したように、少なくとも1つのファイバレーザユニットFLU1〜FLUnに対して、出力コンバイナOCを介して接続することもできるし、図6に示したように、1つのファイバレーザユニットFLU1に対して結合することもできる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、OH 出力ヘッド
11 ガラスブロック
11i 入射面
11o 出射面
111 ショートパスフィルタ(層状フィルタ)
12 金属膜
21、ODF デリバリファイバ
21o 出射面
22 クラッドモードストリッパ(CMS)
221 高屈折率樹脂体
222 補強部材
31 ガラス管
311 端面(一方の端面)
312 端面(他方の端面)
41 外筒
FLS ファイバレーザシステム
FLA ファイバレーザ装置

Claims (15)

  1. その両底面を入射面及び出射面として、前記入射面に対してデリバリファイバの出射面を光学的に結合した場合に、前記デリバリファイバから供給されたレーザ光を前記出射面から出射する柱状のガラスブロックであって、
    前記出射面は、前記レーザ光に対応するストークス光に対する反射率が前記レーザ光に対する反射率を上回る、
    ことを特徴とするガラスブロック。
  2. 前記出射面には、前記ストークス光に対する反射率が前記レーザ光に対する反射率を上回る層状フィルタが積層されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラスブロック。
  3. 前記層状フィルタは、前記ストークス光に対する反射率が10%以上であり、前記レーザ光に対する反射率が2%以下である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のガラスブロック。
  4. 前記層状フィルタのカットオフ波長は、前記レーザ光に対応する波長と前記ストークス光に対応する波長との間に位置する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のガラスブロック。
  5. 前記入射面の面積は、前記出射面の面積を下回るように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のガラスブロック。
  6. 該ガラスブロックの表面のうち、(1)前記出射面と、(2)前記入射面のうち前記デリバリファイバの出射面が結合されることが予定されている領域とを除いた表面の少なくとも一部には、金属膜が積層されている、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のガラスブロック。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のガラスブロックと、
    前記ガラスブロックの前記入射面に対して、出射面が光学的に結合されたデリバリファイバと、を備えており、
    前記ストークス光は、前記レーザ光が前記デリバリファイバを伝搬することに伴い生じるストークス光である、
    ことを特徴とする光ファイバ終端構造。
  8. 前記デリバリファイバは、その中間部に設けられたクラッドモードストリッパを備えている、
    ことを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ終端構造。
  9. 前記デリバリファイバの前記出射面から前記クラッドモードストリッパまでの区間に設けられ、該デリバリファイバが備えているクラッドの表面を覆う筒状のガラス管を更に備え、
    該ガラス管は、その一方の端面を介して前記ガラスブロックと光学的に結合しており、且つ、その他方の端面を介して前記クラッドモードストリッパと光学的に結合している、
    ことを特徴とする請求項8に記載の光ファイバ終端構造。
  10. 前記ガラス管の外径は、ガラスブロックの入射面に到達したストークス光のスポット径を上回り、
    前記ガラス管の前記一方の端面は、ガラスブロックの出射面に到達したストークス光のスポットを包含するように、前記ガラスブロックと光学的に結合されている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の光ファイバ終端構造。
  11. 前記ガラス管の外側面には、前記レーザ光及び前記ストークス光のうち少なくとも前記ストークス光を散乱する凹凸構造が形成されている、
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の光ファイバ終端構造。
  12. レーザ光を出射する1つのレーザユニットと、請求項7〜11の何れか1項に記載の光ファイバ終端構造とを備えたレーザ装置であって、
    前記デリバリファイバの入射面が前記レーザユニットに対して光学的に結合されており、
    前記ガラスブロックは、前記レーザユニットから出射され、前記デリバリファイバから供給された前記レーザ光を該ガラスブロックの前記出射面から出射する、
    ことを特徴とするレーザ装置。
  13. 前記レーザユニットは、複数の励起光源と増幅用ファイバとを備えたファイバレーザユニットである、
    ことを特徴とする請求項12に記載のレーザ装置。
  14. それぞれがレーザ光を出射する1又は複数のレーザユニットと、当該1又は複数のレーザユニットの各々が出射した前記レーザ光を1つに合波する合波部と、請求項7〜11の何れか1項に記載の光ファイバ終端構造とを備えたレーザシステムであって、
    前記デリバリファイバの入射面が前記合波部に対して光学的に結合されており、
    前記ガラスブロックは、前記1又は複数のレーザユニットの各々から出射され、前記合波部により合波され、前記デリバリファイバから供給された前記レーザ光を、該ガラスブロックの前記出射面から出射する、
    ことを特徴とするレーザシステム。
  15. 前記1又は複数のレーザユニットの各々は、何れも複数の励起光源と増幅用ファイバとを備えたファイバレーザユニットであり、
    前記合波部は、1又は複数の入力ポートと、1つの出力ポートとを備えたコンバイナである、
    ことを特徴とする請求項14に記載のレーザシステム。
JP2018085593A 2018-04-26 2018-04-26 ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム Active JP6636562B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085593A JP6636562B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム
PCT/JP2019/004627 WO2019207902A1 (ja) 2018-04-26 2019-02-08 ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018085593A JP6636562B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019192834A JP2019192834A (ja) 2019-10-31
JP6636562B2 true JP6636562B2 (ja) 2020-01-29

Family

ID=68295239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018085593A Active JP6636562B2 (ja) 2018-04-26 2018-04-26 ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6636562B2 (ja)
WO (1) WO2019207902A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6675749B1 (ja) * 2019-12-13 2020-04-01 オンライン・ビジネス・ソリューション株式会社 円筒内面検査装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63265206A (ja) * 1987-04-23 1988-11-01 Fujitsu Ltd 光フアイバフイルタ
JPH0425804A (ja) * 1990-05-21 1992-01-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学接続構造
JP2002006348A (ja) * 2000-06-21 2002-01-09 Mitsubishi Electric Corp 光増幅器
US8982918B2 (en) * 2008-01-31 2015-03-17 Nkt Photonics A/S System, device and method for stabilizing the optical output power of an optical system
US9075243B2 (en) * 2011-03-01 2015-07-07 Ofs Fitel, Llc Method and system for ultrashort pulse fiber delivery using higher order mode fiber
JP6678286B2 (ja) * 2014-04-10 2020-04-08 アダマンド並木精密宝石株式会社 光ファイバアセンブリ及び光結合装置、光ファイバ結合装置
GB2540432A (en) * 2015-07-17 2017-01-18 Spi Lasers Uk Ltd Apparatus for combining optical radiation
JP6062018B1 (ja) * 2015-10-30 2017-01-18 株式会社フジクラ ファイバレーザシステム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019207902A1 (ja) 2019-10-31
JP2019192834A (ja) 2019-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5659644A (en) Fiber light source with multimode fiber coupler
JP6140072B2 (ja) レーザ装置および加工装置
US7409122B2 (en) End face structure of optical fiber, optical fiber laser, and laser processing apparatus
US20090323736A1 (en) High brightness laser module
US7106928B2 (en) Coupling high power optical sources to small diameter fibers
JP2007250951A (ja) ダブルクラッドファイバ及びそれを備えたファイバレーザ
GB2444091A (en) A Laser Amplifier
WO2018181133A1 (ja) クラッドモード光除去構造及びレーザ装置
JP5688565B2 (ja) ファイバレーザ装置と光増幅方法
WO2018199304A1 (ja) クラッドモードストリッパ
JP2021163814A (ja) 光ファイバ増幅器および光通信システム
JP6636562B2 (ja) ガラスブロック、光ファイバ終端構造、レーザ装置、及びレーザシステム
JP6357207B2 (ja) 光ファイバ及びファイバレーザ
JP2012209510A (ja) 光ファイバレーザ光源
WO2006098313A1 (ja) 光増幅器およびレーザ装置
JP4899705B2 (ja) 光増幅モジュール
WO2020203136A1 (ja) ファイバレーザ装置
US7724424B2 (en) Optical module and optical amplification module
JP2021136242A (ja) ファイバレーザ装置
JP5014640B2 (ja) マルチモードファイバ、光増幅器及びファイバレーザ
JP5202820B2 (ja) 光結合器、ファイバレーザ及び光ファイバ増幅器
JP2007123594A (ja) 光ファイバ型光増幅装置及びこれを用いた光ファイバ型レーザ装置
JP2003188444A (ja) 光増幅器
JP2019158934A (ja) 余剰光除去装置及びファイバレーザ
JP2007294534A (ja) 光学的モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6636562

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250