以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(画像形成装置の全体構成の説明)
図1は、本実施の形態に係るシート供給装置200を備えた画像形成装置100を正面より視た概略正面図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置100を正面より視た概略断面図である。
図1及び図2に示す画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、記録用紙等のシートP(図2参照)に対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置108と、画像形成装置本体110と、シート供給装置200(いわゆる給紙装置、この例では大容量給紙装置)(図1参照)とを備えている。画像形成装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。詳しくは、画像形成装置100は、コピー機能、プリンター機能及びファクシミリ機能を備えた複合機とされている。
画像形成部102は、図2に示すように、露光ユニット1、複数の現像ユニット2〜2、複数の感光体ドラム3〜3、複数のクリーニング部4〜4、複数の帯電器5〜5、中間転写ベルトユニット6、複数のトナーカートリッジユニット21〜21及び定着ユニット7を備えている。
また、シート搬送系103は、給紙トレイ81、シート供給装置200、排出トレイ14及びシート排出装置400を備えている。
シート排出装置400は、シートPを予め定めた所定の搬送方向Y3に搬送して排出トレイ14へ排出する排出ローラー31を排出ローラー31の軸線方向(シフト方向)(奥行き方向X)に沿ってシフト移動させることにより排出ローラー31にて排出されるシートPを仕分けるシート仕分部300と、排出トレイ14の上部に空間SPを隔てて設けられた上部排出トレイ15とを備えている。なお、シート排出装置400は、排出トレイ14を備えていてもよい。
画像形成装置本体110の上部には、原稿(図示省略)が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の下部には原稿を読み取るための光学ユニット90が設けられている。また、原稿載置台92の上側には原稿読取装置108が設けられている。原稿読取装置108は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿読取装置108は、画像形成装置本体110に対して正面側開きで回動自在に取り付けられており、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで載置できるようになっている。
原稿読取装置108は、自動的に搬送される原稿又は原稿載置台92上に載置された原稿を読み取ることができる。原稿読取装置108で読み取られた原稿の画像は、画像データとして画像形成装置100の画像形成装置本体110に送られ、画像形成装置本体110において画像データに基づき形成された画像がシートPに記録される。
画像形成装置100において扱われる画像データは、複数色(この例ではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像ユニット2〜2、感光体ドラム3〜3、クリーニング部4〜4〜4、帯電器5〜5及びトナーカートリッジユニット21〜21は、各色に応じた複数種類(この例では4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(この例では4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)に設定され、これらによって複数(この例では4つ)の画像ステーションが構成されている。
帯電器5〜5は、感光体ドラム3〜3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。露光ユニット1は、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3〜3をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム3〜3の表面に形成する。トナーカートリッジユニット21〜21は、トナーを収容するユニットであり、現像ユニット2〜2の現像槽へトナーが供給されるようになっている。現像ユニット2〜2は、それぞれの感光体ドラム3〜3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーニング部4〜4は、現像及び画像転写後における感光体ドラム3〜3上の表面に残留したトナーを除去、回収する。
感光体ドラム3〜3の上方に配設されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラー62、中間転写ベルト従動ローラー63、複数の中間転写ローラー64〜64及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
中間転写ローラー64〜64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。中間転写ベルト駆動ローラー62は、中間転写ベルト従動ローラー63及び中間転写ローラー64〜64と共に中間転写ベルト61を張架し、回転駆動されることで、中間転写ベルト61が移動方向Mに周回移動され、それに伴い中間転写ベルト従動ローラー63及び中間転写ローラー64〜64が従動回転される。中間転写ローラー64〜64には、感光体ドラム3〜3上に形成されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加される。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3〜3に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム3〜3に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写することによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。ここで、転写ローラー10による中間転写ベルト61上からシートP上へのトナー像の転写にあたり、シートP上に転写されずに中間転写ベルト61上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去、回収される。
給紙トレイ81は、画像形成(印刷)されるシートPを予め収容しておくものであり、画像形成装置本体110における露光ユニット1の下方に1段又は複数段(この例では3段)に設けられている。また、シート供給装置200には、画像形成(印刷)されるシートPを積載トレイ221に積載して予め収容しておくものである。この例では、シート供給装置200は、大容量(例えば1000枚以上)のシートPを収容する大容量給紙装置とされている。大容量給紙装置は、例えば、大容量給紙カセットや大容量給紙トレイと称されるものである。なお、シート供給装置200については、後ほど詳しく説明する。
排出トレイ14は、画像形成装置本体110における画像形成部102の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みのシートPをフェイスダウンで集積する。排出トレイ14は、シートPの搬送方向Y3においてシートPを載置する載置面14aの上流側が下流側よりも低くなる構成とされている。排出トレイ14は、それには限定されないが、この例では、コピー機能で画像形成(印刷)されたコピー用のシートP及びプリンター機能で画像形成(印刷)されたプリンター用のシートPが排出される。そして、コピー用のシートP及びプリンター用のシートPは、排出トレイ14においてシート仕分部300により仕分けられる。
また、上部排出トレイ15は、画像形成装置本体110における画像形成部102において、排出トレイ14の上部に空間SPを隔てて設けられており、画像形成(印刷)済みのシートPをフェイスダウンで集積する。上部排出トレイ15は、排出トレイ14と同様、シートPの搬送方向Y3においてシートPを載置する載置面15aの上流側が下流側よりも低くなる構成とされている。上部排出トレイ15は、それには限定されないが、この例では、ファクシミリ機能で画像形成(印刷)されたファクシミリ用のシートPが排出される。
また、画像形成装置本体110には、給紙トレイ81〜81又はシート供給装置200から送られてきたシートPを、転写ローラー10及び定着ユニット7を経て、排出トレイ14に導くシート搬送路S1と、シート搬送路S1の定着ユニット7と排出ローラー31との間に位置する分岐部S1aから上方へ分岐して上部排出トレイ15に導く上部シート搬送路S2とが設けられている。シート搬送路S1の近傍には、ピックアップローラー11a〜11a,211a、一対の供給ローラー(11b,11c)〜(11b,11c),(211b,211c)、複数の搬送ローラー12a〜12a,12b、レジストローラー13、転写ローラー10、定着ユニット7におけるヒートローラー71及び加圧ローラー72、排出ローラー31が配設されている。
上部シート搬送路S2の近傍には、上部搬送ローラー12c及び上部排出ローラー36が配設されている。分岐部S1aの近傍には、分岐爪G1が設けられている。分岐爪G1は、定着ユニット7からのシートPを排出ローラー31に導く第1切替姿勢(図2の実線に示す姿勢)と、定着ユニット7からのシートPを上部シート搬送路S2に導く第2切替姿勢(図2の想像線に示す姿勢)とをとる。
また、上部排出ローラー36は、シートPを上部排出トレイ15に排出するように順方向に回転する一方、シートPを搬送方向Y3とは反対側に搬送(いわゆるスイッチバック)するように逆方向に回転するようになっている。画像形成装置本体110には、上部シート搬送路S2の途中の上部分岐部S2aからシートPの表裏が反転するようにシート搬送路S1のレジストローラー13よりも上流側に導く反転シート搬送路S3が設けられている。
反転シート搬送路S3の近傍には、複数(この例では4つ)の反転搬送ローラー12d〜12gが配設されている。上部分岐部S2aの近傍には、上部分岐爪G2が設けられている。上部分岐爪G2は、分岐部S1aからのシートPを上部排出ローラー36に導く第1切替姿勢(図2の実線に示す姿勢)と、上部排出ローラー36からスイッチバックしてくるシートPを反転シート搬送路S3に導く第2切替姿勢(図2の想像線に示す姿勢)とをとる。
搬送ローラー12a〜12a,12b、上部搬送ローラー12c及び反転搬送ローラー12d〜12gは、シートPの搬送を促進、補助するための小型のローラーであり、それぞれ、シート搬送路S1、上部シート搬送路S2及び反転シート搬送路S3に沿って設けられている。
また、給紙トレイ81におけるピックアップローラー11a〜11aは、給紙トレイ81〜81のシート供給側の近傍に備えられ、給紙トレイ81〜81からシートPを1枚ずつピックアップしてシート搬送路S1に供給する。一対の供給ローラー11b〜11b,11c〜11cは、ピックアップローラー11a〜11aから送られてきたシートPをシート搬送路S1に向けて供給する。
同様に、シート供給装置200のシート供給部210におけるピックアップローラー211aは、シート供給装置200のシート供給側の近傍に備えられ、シート供給装置200からシートPを1枚ずつピックアップしてシート搬送路S1に供給する。一対の供給ローラー211b,211cは、ピックアップローラー211aから送られてきたシートPをシート搬送路S1に向けて供給する。
また、レジストローラー13は、シート搬送路S1に搬送されてくるシートPを一旦保持するものである。そして、レジストローラー13は、感光体ドラム3〜3上のトナー像の先端とシートPの搬送方向Y3の下流側端(先端P1)を合わせるタイミングでシートPを転写ローラー10と中間転写ベルト61との間の転写ニップ部に搬送する。
定着ユニット7は、未定着トナー像をシートPに定着するものであり、定着ローラーとして作用するヒートローラー71及び加圧ローラー72を備えている。ヒートローラー71は、回転駆動されることで、従動回転される加圧ローラー72と共にシートPを挟持しつつシートPを搬送するようになっている。また、ヒートローラー71は、内側に設けられたヒータ71aによって加熱され、温度検出器71bからの信号に基づき所定の定着温度に維持されるようになっている。ヒータ71aにより加熱されたヒートローラー71は、加圧ローラー72と共にシートPに転写された多色トナー像をシートPに熱圧着することにより、多色トナー像を溶融、混合、圧接してシートPに対して熱定着させる。
なお、図1及び図2において説明していない符号の構成要素については、後ほど説明する。
(シート供給装置)
次に、図1及び図2に示すシート供給装置200について、図3から図13を参照しながら以下に説明する。
図3から図5は、図1及び図2に示すシート供給装置200に対するシート補給操作を説明するための説明図である。図3(a)は、開閉カバー201が閉じている状態を示す概略斜視図であり、図3(b)は、開閉カバー201が閉じている状態の内部構成を模式的に示す概略断面図である。図4(a)は、開閉カバー201が開いた状態を示す概略斜視図であり、図4(b)は、開閉カバー201が開いた状態の内部構成を模式的に示す概略断面図である。図5(a)は、開閉カバー201が開いた状態で1束(例えば500枚の束)のシートP〜Pを補給している状態を示す概略斜視図であり、図5(b)は、開閉カバー201が開いた状態で1束のシートP〜Pを補給している状態の内部構成を模式的に示す概略断面図である。
図6は、シート供給装置200における積載トレイ221及び昇降装置230の概略構成を示す概略斜視図である。
図7は、シート供給装置200におけるシート供給部210、接離機構240及び回転駆動装置250(回転駆動部の一例)の概略構成を示す概略斜視図である。
図8は、画像形成装置100における制御部120によりシート供給装置200に対して制御動作を行うシステム構成を示すブロック図である。
図9及び図10は、シート供給装置200において昇降装置230による積載トレイ221の昇降状態を模式的に示す概略断面図である。図9(a)は、積載トレイ221にシートPが無い場合において、開閉カバー201が閉じている状態を示しており、図9(b)は、開閉カバー201が開いた状態を示している。図10(a)は、積載トレイ221に1束のシートP〜Pを収容している途中の状態を示しており、図10(b)は、積載トレイ221に1束のシートP〜Pを収容し終わった状態を示しており、図10(c)は、積載トレイ221が下降して次の1束のシートP〜Pを収容している途中の状態を示している。
図11は、制御部120による昇降装置230の昇降動作の一例を示すフローチャートである。
図12は、図7に示す接離機構240の動作状態を説明するための説明図である。図12(a)は、接離機構240の第1係合部材241が第2係合部材242に係合していない状態を示す概略正面図であり、図12(b)は、第1係合部材241が第2係合部材242に係合している状態を示す概略正面図である。
また、図13は、制御部120による接離機構240の接離動作の一例を示すフローチャートである。
シート供給装置200は、積載トレイ221(図2、図3(b)、図4から図6、図9及び図10参照)と、筐体202(図3から図6、図9及び図10参照)と、位置規制部材222(図3(b)、図4、図5、図9及び図10参照)と、開閉カバー201(図3から図5、図9及び図10参照)(開閉部材の一例)と、昇降装置230(図6参照)(昇降制御部の一例)と、一対の供給ローラー211b,211c(図2、図7、図9、図10及び図12参照)と、搬送ローラー211e(図2、図9及び図10参照)と、接離機構240(図7及び図12参照)と、回転駆動装置250(図7参照)とを備えている。一対の供給ローラー211b,211cは、何れか一方が駆動ローラーとされ、何れか他方が従動ローラーとされていてもよいし、双方が駆動ローラーとされていてもよい。
〔積載トレイ〕
積載トレイ221は、筐体202に昇降可能に設けられてシートP〜Pを積載するものである。
詳しくは、積載トレイ221は、上下方向Zに沿って往復移動自在にシート供給装置200の筐体202に設けられている。積載トレイ221は、予め定めた所定の奥行き方向X及び左右方向Yの双方に沿った板状の部材とされている。積載トレイ221は、平面視で奥行き方向Xに長い長方形状の部材とされている。ここで、奥行き方向Xは、シート供給装置200の正面側(前側、操作側)及び背面側(後側、操作側とは反対側)の方向であり、左右方向Yは、奥行き方向X及び上下方向Zの双方に直交する方向である。この例では、奥行き方向Xは、積載トレイ221に積載されたシートP〜Pのシート供給方向Y1に直交するシートP〜Pのシート面に沿った方向であり、左右方向Yは、積載トレイ221に積載されたシートP〜Pのシート供給方向Y1に沿った方向である。
〔筐体〕
筐体202は、積載トレイ221を昇降可能に収容するものである。筐体202は、上下方向Zに直交する方向の予め定めた所定の面(この例では奥行き方向Xにおける一方側)が正面2021(図3(a)、図4(a)及び図5(a)参照)とされ、筐体202の正面2021に対する左右方向Yにおける一方側(シート供給方向Y1とは反対方向Y2)、この例では、右側面2022(図3(a)、図4(a)及び図5(a)参照)からシートP〜Pが補給されるように構成されている。
詳しくは、筐体202は、予め定めた所定の間隔をおいて左右方向Y及び上下方向Zの双方に沿って設けられた一対の内壁202a,202b(図3(b)、図4、図5、図9及び図10参照)と、一対の内壁202a,202bのシートPの供給側に奥行き方向X及び上下方向Zの双方に沿って設けられた側壁202c(図3(b)、図4(b)、図5、図9及び図10参照)とを備えている。そして、積載トレイ221は、奥行き方向Xにおける両端に設けられて上下方向Zに沿って往復移動するにあたり筐体202における一対の内壁202a,202bにそれぞれ摺接される一対の摺接部221a,221a(図6参照)と、左右方向YにおけるシートPの供給側の一端に設けられて上下方向Zに沿って往復移動するにあたり筐体202における側壁202cに摺接される複数(この例では2つ)の摺接部221b〜221b(図6参照)を備えている。これにより、積載トレイ221は、筐体202に対して上下方向Zに沿って安定的に往復移動することができる。
〔位置規制部材〕
位置規制部材222は、積載トレイ221に積載されるシートP〜Pの位置を規制するものである。
詳しくは、位置規制部材222は、正面側位置規制部材222a(図4(a)及び図5(a)参照)と、背面側位置規制部材222b(図3(b)、図4、図5、図9及び図10参照)とを備えている。
正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bは、それぞれ、積載トレイ221に載置されたシートP〜Pの正面側X1への移動、及び、正面側X1とは反対側の背面側X2への移動を規制してシートP〜Pを位置規制するものである。
正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bは、奥行き方向Xにおいて、予め定めた所定の間隔(シートPの奥行き方向Xのサイズよりも若干、所定の隙間分だけ大きい間隔)をおいて、筐体202の底面202d(図6参照)に対して左右方向Y及び上下方向Zの双方に沿って立設されている。
この例では、正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bは、複数のサイズ(具体的にはA4サイズ、レターサイズ、B5サイズ)のシートPに対応して位置規制位置を奥行き方向Xに調整可能に設けられている。
詳しくは、シート供給装置200の筐体202には、正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bを固定するための固定用ネジ孔(図示せず)及び固定用係合部(例えば係合突起)が上下方向Zに沿って設けられている。一方、正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bには、複数のサイズにそれぞれ対応して奥行き方向Xに並んだ複数の固定用ネジ貫通孔(図示せず)及び固定用係止部(例えば係止孔)(図示せず)が上下方向Zに沿って設けられている。そして、固定用ネジ孔に固定用ネジ貫通孔を一致又は略一致させて、固定用係合部(例えば係合突起)に、積載すべきシートPのサイズに対応した固定用係止部(例えば係止孔)を係止させた状態で、積載すべきシートPのサイズ対応した固定用ネジ貫通孔に固定用ネジ(図示せず)を挿通させて固定用ネジ孔に螺合させる。こうすることで、正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bは、シートPの奥行き方向Xのサイズに応じて奥行き方向Xの規制位置を調整することができる。
また、位置規制部材222は、供給側位置規制部材222c(図3(b)、図4(b)、図5、図9及び図10参照)と、補給側位置規制部材222d(図4(a)及び図5(a)参照)とをさらに備えている。
供給側位置規制部材222c及び補給側位置規制部材222dは、それぞれ、積載トレイ221に載置されたシートP〜Pのシート供給方向Y1への移動、及び、シート供給方向Y1とは反対方向Y2への移動を規制してシートP〜Pを位置規制するものである。
供給側位置規制部材222cは、一対の内壁202a,202bのシートPの供給側に設けられた側壁202cを構成している。補給側位置規制部材222dは、奥行き方向Xにおける中央部において開閉カバー201の内面及び側面カバー203(図4(a)及び図5(a)参照)の内面のそれぞれに分割された状態で設けられている。
この例では、補給側位置規制部材222d,222dは、複数のサイズ(具体的にはA4サイズ、B5サイズ)のシートPに対応して規制位置を左右方向Yの一方側(シート供給方向Y1)に調整可能に設けられている。
詳しくは、開閉カバー201の内面及び側面カバー203の内面のそれぞれには、補給側位置規制部材222d,222dを固定するための固定用ネジ孔(図示せず)が左右方向Yに沿って設けられている。一方、補給側位置規制部材222d,222dは、上下方向Z(平面)から視た形状が長方形の立方体形状とされている。そして、補給側位置規制部材222d,222dの短手方向で固定する固定部(図示せず)には、短手方向固定用ネジ貫通孔(図示せず)が上下方向Z(平面)から視た形状の短手方向に沿って設けられていると共に、補給側位置規制部材222d,222dの長手方向で固定する固定部(図示せず)には、長手方向固定用ネジ貫通孔(図示せず)が上下方向Z(平面)から視た形状の長手方向に沿って設けられている。そして、最大サイズのシートPに対応するときには、補給側位置規制部材222d,222dを上下方向Z(平面)から視て短手方向が左右方向Yに向くように短手方向固定用ネジ貫通孔に固定用ネジ(図示せず)を挿通させて固定用ネジ孔に螺合させる。最大サイズよりも小さいシートPに対応するときには、補給側位置規制部材222d,222dを上下方向Z(平面)から視て長手方向が左右方向Yに向くように長手方向固定用ネジ貫通孔に固定用ネジを挿通させて固定用ネジ孔に螺合させる。こうすることで、補給側位置規制部材222d,222dは、シートPの左右方向Yのサイズに応じて左右方向Yの規制位置を調整することができる。
また、積載トレイ221には、正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bを挿通する挿通孔221c,221d(図6参照)が設けられている。挿通孔221c,221dは、左右方向Yにおけるサイズが正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bの左右方向Yにおけるサイズよりも若干(正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bが挿通孔221c,221dに円滑に移動できる程度に所定の距離だけ)大きい予め定めた所定のサイズとされている。また、挿通孔221c,221dは、奥行き方向Xにおけるサイズが正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222bの奥行き方向Xへの位置を調整するための予め定めた所定のサイズとされている。
〔開閉カバー〕
開閉カバー201は、筐体202に開閉可能に設けられて積載トレイ221に臨んでいる。この例では、開閉カバー201は、筐体202に開閉可能に設けられて閉じた状態で積載トレイ221を覆うものである。なお、開閉カバー201は、積載トレイ221を覆うものに限定されず、例えば、積載トレイ221の側面側だけに設けられる態様を例示できる。また、開閉カバー201は、筐体202内部にフレーム部材が設けられる場合、該フレーム部材に開閉可能に設けられていてもよい。
開閉カバー201は、筐体202の左右方向Yにおける一方側の側面(この例では右側面2022)に設けられている。開閉カバー201は、筐体202に対して開閉自在に支持されている。開閉カバー201は、位置規制部材222(この例では正面側位置規制部材222a及び背面側位置規制部材222b)によりシートPの位置を規制する規制方向(この例では奥行き方向X)に沿った回動軸線回りに開閉可能とされている。この例では、開閉カバー201が開閉される方向は、シートPのシート供給方向Y1である。
詳しくは、開閉カバー201の奥行き方向Xにおける両端部には、奥行き方向Xにおける外側にそれぞれ突出した回動軸201a,201a(図3(b)、図4(b)及び図5(b)参照)が設けられている。回動軸201a,201aは、筐体202の一対の内壁202a,202bに設けられた回動穴(図示省略)に回動自在に挿通されている。また、筐体202の一対の内壁202a,202bと開閉カバー201との間には、開閉カバー201の全開状態での角度である予め定めた所定の全開角度を超えて回動することを規制する一対の回動規制部材204,204(図4(a)及び図5(a)参照)が設けられている。これにより、開閉カバー201は、一対の回動規制部材204,204にて全開角度を超えた回動が規制されることで、全開状態(図5及び図10参照)が維持されるようになっている。
〔昇降装置〕
図6に示すように、昇降装置230は、筐体202において積載トレイ221を昇降するものである。昇降装置230は、リフト機構231と、リフト駆動部232とを備えている。
リフト機構231は、積載トレイ221を上昇させる上昇動作と積載トレイ221を下降させる下降動作とを行う構成とされている。リフト駆動部232は、リフト機構231を駆動してリフト機構231を上昇動作させる一方、リフト機構231への駆動を解除してリフト機構231を自重で下降動作させる構成とされている。
詳しくは、リフト機構231は、積載トレイ221を吊る複数(この例では4つ)のリフトワイヤー231a〜231aと、積載トレイ221を吊ったリフトワイヤー231a〜231aを巻き取る巻取部231bとを備えている。
この例では、リフトワイヤー231a〜231aは、一端部231a1〜231a1が積載トレイ221の奥行き方向Xにおける両側面において、それぞれ、左右方向Yにおいて所定の間隔をおいて積載トレイ221が水平又は略水平にバランスを保つように接続された一対のリフトワイヤー(231a,231a),(231a,231a)とされている。巻取部231b,231bは、奥行き方向Xにおける正面側X1に設けられた一対の支持プーリー231b1,231b1及び巻取プーリー231b2と、奥行き方向Xにおける背面側X2に設けられた一対の支持プーリー231b1,231b1及び巻取プーリー231b2とを備えている。
具体的には、奥行き方向Xにおける正面側X1に設けられた一対の支持プーリー(231b1,231b1)は、積載トレイ221の正面側X1の一対のリフトワイヤー(231a,231a)との一対の接続部(221e,221e)の上方位置において筐体202にそれぞれ設けられた一対の枢支軸(図示省略)に回転自在に設けられている。同様に、奥行き方向Xにおける背面側X2に設けられた一対の支持プーリー(231b1,231b1)は、積載トレイ221の背面側X2の一対のリフトワイヤー(231a,231a)との一対の接続部(221e,221e)の上方位置において筐体202にそれぞれ設けられた一対の枢支軸(図示省略)に回転自在に設けられている。
奥行き方向Xにおける正面側X1に設けられた巻取プーリー231b2は、積載トレイ221の正面側X1に一端部231a1,231a1が接続された一対のリフトワイヤー231a,231aを上方の一対の支持プーリー231b1,231b1に掛け渡して一対のリフトワイヤー231a,231aの他端部231a2,231a2を巻き取り可能に接続している。同様に、奥行き方向Xにおける背面側X2に設けられた巻取プーリー231b2も同様に、積載トレイ221の背面側X2に一端部231a1,231a1が接続された一対のリフトワイヤー231a,231aを上方の一対の支持プーリー231b1,231b1に掛け渡して一対のリフトワイヤー231a,231aの他端部231a2,231a2を巻き取り可能に接続している。
また、奥行き方向Xの両側に設けられた2つの巻取プーリー231b2,231b2は、筐体202に奥行き方向Xに沿って回転自在に設けられた回転支軸231b3に固定されている。そして、巻取プーリー231b2,231b2は、回転支軸231b3の軸線回りの巻取方向M1(図6の時計方向)に回転することで、奥行き方向Xの両側における一対のリフトワイヤー(231a,231a),(231a,231a)を巻き取って積載トレイ221の姿勢を維持しつつ積載トレイ221を上昇させる一方、回転支軸231b3に軸線回りの巻取方向M1とは反対側の繰出方向M2(図6の反時計方向)に回転することで、奥行き方向Xの両側における一対のリフトワイヤー(231a,231a),(231a,231a)を繰り出して積載トレイ221の姿勢を維持しつつ積載トレイ221を自重で下降させるようになっている。
リフト駆動部232は、リフト駆動モータ232aと、リフト駆動伝達機構232bとを備えている。リフト駆動モータ232aは、リフト機構231の昇降動作を行うために駆動するものである。リフト駆動伝達機構232bは、リフト駆動モータ232aからの回転駆動力をリフト機構231に伝達するものである。
詳しくは、リフト駆動モータ232aは、奥行き方向Xにおける背面側X2に設けられており、回転支軸232a1が奥行き方向Xにおける正面側X1に向くように、筐体202に固体されている。リフト駆動伝達機構232bは、複数(この例では2つ)のギヤ232b1,232b2を備えたギヤ列とされている。
具体的には、2つのギヤ232b1,232b2のうち、一方のギヤ232b1は、リフト駆動モータ232aの回転支軸232a1に固定されており、他方のギヤ232b2は、一方のギヤ232b1に噛合された状態で回転支軸231b3に固定されている。
〔一対の供給ローラー〕
一対の供給ローラー211b,211cは、積載トレイ221に積載されて昇降装置230により予め定めた所定のシート供給位置Q1(図9(a)参照)に上昇させたシートPを予め定めた所定のシート供給方向Y1に供給するものである。
詳しくは、一対の供給ローラー211b,211cは、一対の回転支軸211b1,211c1(図7及び図12参照)にそれぞれ設けられている。
第1の供給ローラー211bを設けた第1の回転支軸211b1は、奥行き方向Xに沿って筐体202に回転自在に支持されている。第2の供給ローラー211cを設けた第2の回転支軸211c1は、奥行き方向Xに沿って接離機構240に回転自在に支持されている。
〔搬送ローラー〕
搬送ローラー211eは、シート供給方向Y1において一対の供給ローラー211b,211cよりも下流側に配設されており、一対の供給ローラー211b,211cから供給されてきたシートPを画像形成装置本体110に供給するものである。
〔接離機構〕
図7及び図12に示すように、接離機構240は、一対の供給ローラー211b,211cを圧接させる圧接状態(図7及び図12(a)参照)と一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態から離間させる離間状態(図12(b)参照)との何れか一方の状態に選択的に切り替えるものである。
詳しくは、接離機構240は、第1係合部材241(具体的には第1係合レバー)と、第2係合部材242(具体的には第2係合レバー)とを備えている。
第1係合部材241は、奥行き方向Xに沿って筐体202に回転自在に支持された回転支軸2411に固定されており、第2係合部材242は、筐体202に回転自在に支持された回転支軸2421に固定されている。
第1係合部材241は、回転支軸2411から径方向の外方に突出した第1係合部241aを有している。第2係合部材242は、回転支軸2421から径方向の外方に突出した第2係合部242aと、回転支軸2421から径方向の外方に第2係合部242aとは所定の角度だけずれた位置で突出した支持部242bとを有している。支持部242bは、先端部で第2の回転支軸211c1を軸線回り回転自在に支持している。また、第2係合部材242は、奥行き方向Xにおける第1係合部材241の第1係合部241aに対応した位置(オーバーラップする位置)に配設されている。
そして、接離機構240は、第1係合部材241が回転支軸2411の軸線回りの予め定めた所定の第1回動方向(後述する逆回転方向W2)に回動して第1係合部材241における第1係合部241aが第2係合部材242における第2係合部242aに係合することで、第2係合部材242を回転支軸2421の軸線回りの第1回動方向(逆回転方向W2)に回動させ、ひいては、第2の供給ローラー211cを第1の供給ローラー211bから離間させるようになっている。
また、接離機構240は、第1付勢部材243及び第2付勢部材244のうち少なくとも一方(この例では第1付勢部材243及び第2付勢部材244の双方)を備えている。
第1付勢部材243は、第2係合部材242と係合する側とは反対側に回動するように第1係合部材241を付勢するものであり、この例では直巻きスプリングとされている。第1係合部材241には、第2係合部材242とは反対側において径方向の外方に突出した突起部2412が設けられている。第1係合部材241は、第1係合部241aと突起部2412とにより正面視で略L字状の形状を有している。第1付勢部材243は、第1係合部材241における突起部2412と筐体202との間に接続されている。
第2付勢部材244は、一対の供給ローラー211b,211cの何れか一方の供給ローラー(この例では第2の供給ローラー211c)を他方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)に対して圧接する側に回動するように第2係合部材242を付勢するものであり、この例では直巻きスプリングとされている。第2付勢部材244は、第1の供給ローラー211bに向けて第2の供給ローラー211cを圧接する圧接部材を兼ねている。第2付勢部材244は、回転支軸2421の軸線回りの第1回動方向とは反対側の第2回動方向(後述する正回転方向W1)に付勢するように、第2係合部材242の第1係合部材241とは反対側と筐体202(図12参照)との間に接続されている。
そして、接離機構240は、第1係合部材241の第1回動方向(逆回転方向W2)への回動が停止して第1付勢部材243により第1係合部材241における第1係合部241aの第2係合部材242における第2係合部242aへの係合が解除されることで、第2係合部材242を第2回動方向(正回転方向W1)に回動させ、ひいては、第2付勢部材244により第2の供給ローラー211cを第1の供給ローラー211bに圧接させるようになっている。
また、接離機構240は、第1係合部材241の所定の非係合位置(一対の供給ローラー211b,211cを圧接させる圧接位置)(図7及び図12(a)参照)からの第2回動方向(正回転方向W1)へのさらなる回動を規制する第1規制部材245と、第1係合部材241の所定の係合位置(一対の供給ローラー211b,211cを離間させる離間位置)(図7及び図12(b)参照)からの第1回動方向(逆回転方向W2)へのさらなる回動を規制する第2規制部材246とをさらに備えている。
この例では、第1係合部材241における突起部2412が第1規制部材245及び第2規制部材246に規制されるようになっている。
具体的には、第1係合部材241及び第2係合部材242は、奥行き方向Xにおいて回転支軸2411に所定の間隔をおいて複数(この例では2つ)設けられている。それに伴い、第1付勢部材243及び第2付勢部材244は、第1係合部材241及び第2係合部材242に対応してそれぞれ複数(この例では2つ)設けられている。
〔回転駆動装置〕
図7に示すように、回転駆動装置250は、一対の供給ローラー211b,211cのうち少なくとも一方の供給ローラー(この例では一対の供給ローラー211b,211cの双方)を回転駆動するものである。また、回転駆動装置250は、接離機構240(この例では第1係合部材241の回動)も駆動する。
詳しくは、回転駆動装置250は、単一の駆動モータ251と、第1駆動伝達機構252と、第2駆動伝達機構253とを備えている。第1駆動伝達機構252は、単一の駆動モータ251からの回転駆動力を一対の供給ローラー211b,211cの少なくとも一方の供給ローラー(この例では一対の供給ローラー211b,211cの双方)に伝達するものである。第2駆動伝達機構253は、単一の駆動モータ251からの回転駆動力を接離機構240に伝達するものである。
回転駆動装置250は、単一の駆動モータ251を予め定めた所定の正回転方向W1に回転させることにより、第1駆動伝達機構252を介して一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラー(この例では一対の供給ローラー211b,211cの双方)を正回転方向W1に回転させてシートPをシート供給方向Y1に供給し、且つ、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態にする構成とされている。一方、回転駆動装置250は、単一の駆動モータ251を正回転方向W1とは逆方向の逆回転方向W2に回転させることにより、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にする構成とされている。なお、回転駆動装置250の詳しい構成については、後述する。
(制御部)
図8に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置100全体の制御を司る制御部120をさらに備えている。なお、制御部120はシート供給装置200に備えられていてもよい。
制御部120は、昇降装置230による積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。また、制御部120は、接離機構240の接離動作を制御する構成とされている。
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部121と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部122と、タイマー機能を有するタイマー部123とを有している。制御部120は、処理部121が記憶部122のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部122のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部122のRAMは、それぞれ、処理部121に対して作業用のワークエリア及び画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
シート供給装置200は、下降検知部261(図8から図10参照)と、開閉カバー検知部262(図4(a)、図5(a)及び図8参照)(開閉部材検知部の一例)と、シート有無検知部263(図3(b)、図4(b)、図5(b)及び図8から図10参照)と、シート補給位置検知部264(図3(b)、図4(b)、図5(b)、図8から図10参照)と、下限位置検知部265(図8から図10参照)とを備えている。
下降検知部261は、積載トレイ221のシート供給位置Q1からの下降動作、具体的には積載トレイ221のシート積載面2211(図3(b)、図4から図6、図9及び図10参照)がシート供給位置Q1に位置しているか否かを検知するものである。下降検知部261は、制御部120の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部120は、下降検知部261からの検知信号により積載トレイ221のシート供給位置Q1からの下降動作、具体的にはシート積載面2211がシート供給位置Q1に位置しているか否かを検出(認識)することができる。この例では、下降検知部261は、ピックアップローラー211aの近傍に設けられたアクチュエータ付光透過型検知スイッチであり、第1の供給ローラー211bの軸線回りのピックアップローラー211aの昇降位置を検知する。
開閉カバー検知部262は、開閉カバー201の開閉状態、具体的には開閉カバー201が開いているか否かを検知するものである。開閉カバー検知部262は、制御部120の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部120は、開閉カバー201の開閉状態、具体的には開閉カバー201が開いているか否かを検出(認識)することができる。この例では、開閉カバー検知部262は、筐体202の右側面2022に設けられたマイクロスイッチであり、開閉カバー201に設けられた突起2011(図5(a)参照)により開閉カバー201が開いているか否かを検知する。
シート有無検知部263は、積載トレイ221におけるシートPの有無を検知するものである。シート有無検知部263は、制御部120の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部120は、シート有無検知部263からの検知信号により積載トレイ221におけるシートPの有無を検出(認識)することができる。この例では、シート有無検知部263は、筐体202内の上部位置に設けられた光反射型検知スイッチであり、積載トレイ221上のシートP(シートPが有るとき)又は積載トレイ221の上面(シートPが無いとき)に光を照射して積載トレイ221上のシートP(シートPが有るとき)又は積載トレイ221の上面(シートPが無いとき)から反射する反射光の有無を検知する。
シート補給位置検知部264は、積載トレイ221のシート積載面2211が予め定めた所定のシート補給位置Q2(図3(b)、図4(b)、図5(b)、図9及び図10参照)よりも上にあるか否かを検知するものである。シート補給位置検知部264は、制御部120の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部120は、シート補給位置検知部264からの検知信号により積載トレイ221のシート積載面2211がシート補給位置Q2よりも上にあるか否かを検出(認識)することができる。この例では、シート補給位置検知部264は、筐体202のシート補給位置Q2よりも上か或いは下かの境界位置に設けられたアクチュエータ付光透過型検知スイッチであり、積載トレイ221のシート積載面2211が境界位置よりも上になったか否かを検知する。シート補給位置検知部264は、従来構成のものと同じものを用いることができ、ここでは詳しい説明を省略する。
下限位置検知部265は、積載トレイ221の下限位置Q3(図9及び図10参照)を検知するものである。下限位置検知部265は、制御部120の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部120は、下限位置検知部265からの検知信号により積載トレイ221の下限位置Q3を検出(認識)することができる。この例では、下限位置検知部265は、筐体202内の底面に設けられたアクチュエータ付光透過型検知スイッチであり、積載トレイ221が下限位置Q3に到来したか否かを検知する。
また、シート供給装置200には、シートP〜Pの積載トレイ221への最大積載量を超える積載を禁止することを示すシート最大積載位置Qmax(図3(b)、図4(b)、図5(b)、図9及び図10参照)が表示されている。この例では、シート最大積載位置Qmaxを付したラベルLB(図3(b)、図4(b)、図5(b)、図9及び図10参照)が背面側位置規制部材222bの内側面に貼り付けられている。
[開閉カバーの最高部位の高さ位置について]
そして、シート供給装置200は、開閉カバー201が開いているときに、シート供給装置200の上下方向Zにおいて、シートPを積載するためのシート積載面2211は、開閉カバー201の上下方向Zにおける最も高い部位(以下、最高部位という。)よりも高い位置に位置するように構成されている。詳しくは、シート供給装置200は、開閉カバー201が開いているときに、シートPを積載するためのシート積載面2211は、開閉カバー201の開いた状態(この例では全開状態)での開閉カバー201の上下方向Zにおける最も高い最高部位201b(この例では断面視L字状の開閉カバー201の先端部)(図5(b)及び図10参照)よりも高い位置に位置するように構成されている。ここで、開閉カバー201の開いた状態(この例では全開状態)でのシート積載面2211の位置は、シートPを補給する位置であるシート補給位置Q2とされている。
ここで、シート積載面2211は、積載トレイ221にシートPが無い状態における積載トレイ221の上面である(図3(b)、図4(b)、図5(b)、図9及び図10(a)参照)。また、シート積載面2211は、積載トレイ221にシートPが載置された状態における最上位のシートPの上面である(図10(b)及び図10(c)参照)。
図8に示すように、リフト駆動モータ232aは、制御部120の出力系に電気的に接続されている。これにより、リフト駆動モータ232aは、制御部120から制御信号により作動制御される。
制御部120は、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が閉じていることを検出したときには、シート積載面2211が予め定めた所定のシート補給位置Q2よりも高い上方位置に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。ここで、上方位置は、シート補給位置Q2とシート最大積載位置Qmaxとの間の位置である。この例では、上方位置は、シート供給位置Q1とされており、制御部120は、下降検知部261の検知によりシート積載面2211がシート供給位置Q1に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する。
また、制御部120は、シート有無検知部263の検知により積載トレイ221にシートPが有ることを検出した場合において、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が閉じていることを検出したときには、シート積載面2211が上方位置(この例ではシート供給位置Q1)に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。
また、制御部120は、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたことを検出したときには、シート積載面2211が上方位置(この例ではシート供給位置Q1)から下降してシート補給位置検知部264の検知によりシート補給位置Q2に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。
また、制御部120は、シート有無検知部263の検知により積載トレイ221にシートPが無いことを検出した場合において、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が閉じていることを検出したときには、シート積載面2211がシート補給位置検知部264の検知によりシート補給位置Q2に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。
また、制御部120は、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたことを検出したときには、シート積載面2211がシート補給位置検知部264の検知によりシート補給位置Q2に維持するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。
また、制御部120は、シート有無検知部263の検知により積載トレイ221にシートPが無いことを検出した場合において、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が閉じていることを検出したときには、シート積載面2211がシート補給位置Q2よりも低い下方位置に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。ここで、下方位置は、シート補給位置Q2と下限位置Q3との間の位置である。例えば、下方位置は、下限位置Q3とすることができ、制御部120は、下限位置検知部265の検知により積載トレイ221が下限位置Q3に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御することができる。
また、制御部120は、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたことを検出したときには、シート積載面2211が下方位置(例えば下限位置Q3)から上昇してシート補給位置検知部264の検知によりシート補給位置Q2に位置するように昇降装置230により積載トレイ221の昇降動作を制御する構成とされている。
また、制御部120は、シート補給位置検知部264の検知によりシート積載面2211がシート補給位置Q2よりも上にあることを検出した場合には昇降装置230により積載トレイ221の下降動作を行う一方、シート補給位置検知部264によりシート積載面2211がシート補給位置Q2からシート補給位置Q2以下になったことを検出した場合には昇降装置230により積載トレイ221の下降動作を停止する構成とされている。
(昇降装置の昇降動作の制御例について)
次に、制御部120による昇降装置230の昇降動作の制御例について図9から図11を参照しながら以下に説明する。
図11に示すように、昇降装置230の昇降動作では、先ず、制御部120は、画像形成装置100が起動中において(ステップS101:Yes)、シート有無検知部263の検知により積載トレイ221にシートPが有るか否かを判断し(ステップS102)、積載トレイ221にシートPが無いと判断した場合には(ステップS102:No)、シートPの供給動作を停止し(ステップS103)、シート無しの表示を行う(ステップS104)。また、制御部120は、シート補給位置検知部264によりシート積載面2211がシート補給位置Q2に位置するように昇降装置230の昇降動作を制御し(ステップS105)(図9(a)参照)、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたか否かを判断する(ステップS106)。制御部120は、開閉カバー201が開いたと判断した場合には(ステップS106:Yes)、ステップS110に移行する(図9(b)参照)。
一方、制御部120は、積載トレイ221にシートPが有ると判断した場合には(ステップS102:Yes)、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたか否かを判断する(ステップS107)。制御部120は、開閉カバー201が閉じていると判断した場合には(ステップS107:No)、下降検知部261の検知によりシート積載面2211がシート供給位置Q1に位置するように昇降装置230の昇降動作を制御し(ステップS108)、シートPの供給起動中とし(ステップS109)、ステップS101に移行する一方、開閉カバー201が開いたと判断した場合には(ステップS107:Yes)、ステップS110に移行する。
次に、制御部120は、昇降装置230により積載トレイ221を下降させ(ステップS110)、シート補給位置検知部264の検知によりシート積載面2211がシート補給位置Q2まで降下したか否かを判断し(ステップS111)、シート積載面2211がシート補給位置Q2まで降下していないと判断した場合には(ステップS111:No)、ステップS110に移行する一方(図10(a)及び図10(c)参照)、シート積載面2211がシート補給位置Q2まで降下したと判断した場合には(ステップS111:Yes)、昇降装置230による積載トレイ221の下降動作を停止する(ステップS112)。
次に、制御部120は、シートPが補給されたか否かを判断し(ステップS113)、シートPが補給されたと判断した場合には(ステップS113:Yes)、ステップS110に移行する一方、シートPが補給されていないと判断した場合には(ステップS113:No)、ステップS114に移行する。
次に、制御部120は、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が閉じたか否かを判断し(ステップS114)、開閉カバー201が開いていると判断した場合には(ステップS114:No)、ステップS110に移行する一方、開閉カバー201が閉じたと判断した場合には(ステップS114:Yes)、昇降装置230により積載トレイ221を上昇させる(ステップS115)。
次に、制御部120は、シート補給位置検知部264の検知によりシート積載面2211がシート供給位置Q1に位置しているか否かを判断し(ステップS116)、シート積載面2211がシート供給位置Q1に位置していない場合には(ステップS116:No)、ステップS115に移行する一方、シート積載面2211がシート供給位置Q1に位置している場合には(ステップS116:Yes)、昇降装置230による積載トレイ221の上昇動作を停止する(ステップS117)。
そして、制御部120は、画像形成装置100の起動が停止すると(ステップS101:No)、処理を終了する。
なお、図11に示す制御例では、積載トレイ221にシートPが無い場合において、開閉カバー201が閉じているときには、シート積載面2211がシート補給位置Q2に位置するように積載トレイ221の昇降動作を制御したが、シート積載面2211がシート供給位置Q1を維持するように、或いは、シート補給位置Q2よりも低い下方位置(例えば下限位置Q3)に位置するように積載トレイ221の昇降動作を制御してもよい。シート積載面2211がシート供給位置Q1を維持する場合、開閉カバー201が開いたときには、シート積載面2211がシート供給位置Q1から下降してシート補給位置Q2に位置するように積載トレイ221の昇降動作を制御することができる。また、シート積載面2211がシート補給位置Q2よりも低い下方位置に位置する場合、開閉カバー201が開いたときには、シート積載面2211が下方位置(例えば下限位置Q3)から上昇してシート補給位置Q2に位置するように積載トレイ221の昇降動作を制御することができる。
[切り欠き部について]
シート供給装置200において、左右方向Yにおける一方側からシートPが補給されるように開閉カバー201が開閉可能に構成され、積載トレイ221を収容する筐体202を備え、筐体202の正面2021の一方側には、一部を切り欠いた切り欠き部2023が設けられている。詳しくは、シート供給装置200において、筐体202における正面2021の左右方向Yにおける一方側(シート供給方向Y1とは反対方向Y2)(この例では右側面2022)には、一部を切り欠いた切り欠き部2023(図4(a)及び図5(a)参照)が設けられている。
切り欠き部2023は、筐体202の正面2021における上辺2023a(図4(a)及び図5(a)参照)と一方側(具体的には左右方向Yにおける一方側)(この例では右側面2022)の側辺2023b(図4(a)及び図5(a)参照)とのコーナー部分に設けられている。この例では、切り欠き部2023は、上辺2023aと側辺2023bとが直角又は略直角になるように形成されている。
シート供給装置200は、開閉カバー201が閉じているときに開閉カバー201が切り欠き部2023を覆う構成とされている(図3(a)参照)。すなわち、開閉カバー201は、開閉カバー201が閉じているときに切り欠き部2023を隠蔽する。
また、切り欠き部2023は、背面側位置規制部材222bを視認するための開口部を兼ねている。すなわち、切り欠き部2023は、開閉カバー201が開いた状態(この例では全開状態)で筐体202を正面から視たときに、切り欠き部2023を介して背面側位置規制部材222b及び積載トレイ221に対するシートP〜Pの積載状況を視認できる程度に筐体202に対して切り欠かれている。
[開閉カバーの最高部位の開放位置について]
シート供給装置200において、位置規制部材222及び開閉カバー201は、開閉カバー201が開いているときに、位置規制部材222の開閉カバー側の端部2221(図10(a)参照)と、開閉カバー201(具体的には開閉カバー201の開いた状態での開閉カバー201)の上下方向Zにおける最も高い最高部位201bとの距離L1(図10(a)参照)がシートPのサイズL2(図10(a)参照)よりも大きくなるように構成されている。
詳しくは、位置規制部材222及び開閉カバー201は、開閉カバー201が開いているときに、規制方向(この例では奥行き方向X)に直交するシートPのシート面に沿った方向である直交方向(この例では左右方向Y)における位置規制部材222の開閉カバー側の端部2221(図10(a)参照)と、開閉カバー201の開いた状態(この例では全開状態)での開閉カバー201の上下方向Zにおける最も高い最高部位201b(この例では断面視L字状の先端部)との直交方向(この例では左右方向Y)における距離L1(図10(a)参照)が積載トレイ221に積載されるシートP(この例では最大サイズのシートP)の直交方向(この例では左右方向Y)におけるサイズL2(図10(a)参照)よりも大きくなるように構成されている。
[開閉カバーが開閉される方向について]
シート供給装置200において、開閉カバー201が開閉される方向は、シートPが供給されるシート供給方向Y1である構成とされている。
[本実施の形態の構成]
シート供給装置200は、シートPを補給するためのシート補給状態にするにあたり、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える構成とされている。
ここで、シート補給状態としては、積載トレイ221がシート供給位置Q1から下降している状態、詳しくは、積載トレイ221がシート供給位置Q1から下降してシート補給位置Q2に位置している状態、さらには、積載トレイ221が露出した状態(具体的には、開閉カバー201が開いた状態)を例示できる。
また、一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えるタイミングとしては、積載トレイ221がシート供給位置Q1から下降するタイミングと同じ若しくは略同じ又は所定時間経過後のタイミングや、既に積載トレイ221がシート供給位置Q1から下降していて(具体的にはシート補給位置Q2に位置していて)開閉カバー201が開いたタイミングと同じ若しくは略同じ又は所定時間経過後のタイミングを例示できる。
また、一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える態様としては、積載トレイ221が下降したときに(例えば下降検知部261の検知により積載トレイ221の下降動作を検出して、或いは、積載トレイ221の下降動作に連動して)一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える態様、積載トレイ221がシート供給位置Q1から下降している状態で開閉カバー201が開いたときに(例えば、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたことを検出して、或いは、開閉カバー201の開放に連動して)接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える態様を例示できる。
(第1実施形態)
制御部120は、シートPをシート供給方向Y1に供給するときに(すなわち積載トレイ221をシート供給位置Q1に位置させる、或いは、位置させているときに)、単一の駆動モータ251を正回転方向W1に回転させる。これにより、第1駆動伝達機構252を介して一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラー(この例では一対の供給ローラー211b,211cの双方)を正回転方向W1に回転させてシートPをシート供給方向Y1に供給し、且つ、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態にすることができる。一方、制御部120は、シート補給状態にするにあたり、単一の駆動モータ251を逆回転方向W2に回転させる。これにより、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にすることができる。
(第2実施形態)
また、第1係合部材241は、単一の駆動モータ251からの回転駆動力が第2駆動伝達機構253を介して伝達されることにより一対の供給ローラー211b,211cの回転軸線に沿った第1回動軸線回り(具体的には回転支軸2411の軸線回り)に回動される。また、第2係合部材242は、第1係合部材241に係合可能で、且つ、一対の供給ローラー211b,211cの回転軸線に沿った第2回動軸線回り(具体的には回転支軸2421の軸線回り)に回動自在とされている。
そして、第1係合部材241及び第2係合部材242は、単一の駆動モータ251が正回転方向W1に回転するときには、第1係合部材241が第2係合部材242に係合することなく、一対の供給ローラー211b,211cの何れか一方の供給ローラー(この例では第2の供給ローラー211c)を他方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)に対して圧接させる一方、単一の駆動モータ251が逆回転方向W2に回転するときには、第1係合部材241が第2係合部材242に係合して、一方の供給ローラー(この例では第2の供給ローラー211c)を他方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)に対して離反させる構成とされている。
(第3実施形態)
また、シート供給装置200は、単一の駆動モータ251を逆回転方向W2に回転させることにより、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にするときに、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)を逆回転方向W2に回転させる。
具体的には、図7に示すように、第1駆動伝達機構252は、一対の電磁クラッチ252a,252bと、第1ギヤ機構252cと、第2ギヤ機構252dと、第3ギヤ機構252eとを備えている。
一対の電磁クラッチ252a,252bのうちの第1の電磁クラッチ252aは、単一の駆動モータ251から第1の供給ローラー211bに回転駆動力を伝達する駆動伝達状態と、単一の駆動モータ251から第1の供給ローラー211bへの回転駆動力の伝達を遮断する駆動遮断状態とを切り替える切り替え動作を行うようになっている。第1の電磁クラッチ252aは、駆動側ギヤ252a1及び伝達側ギヤ252a2を備え、制御部120の指示の下、駆動側ギヤ252a1と伝達側ギヤ252a2とを接続する一方、駆動側ギヤ252a1と伝達側ギヤ252a2との接続を遮断する構成とされている。
一対の電磁クラッチ252a,252bのうちの第2の電磁クラッチ252bは、単一の駆動モータ251から第1の供給ローラー211b及び第2の供給ローラー211cの双方に回転駆動力を伝達する駆動伝達状態と、単一の駆動モータ251から第1の供給ローラー211b及び第2の供給ローラー211cの双方への回転駆動力の伝達を遮断する駆動遮断状態とを切り替える切り替え動作を行うようになっている。第2の電磁クラッチ252bは、駆動側ギヤ252b1及び伝達側ギヤ252b2を備え、制御部120の指示の下、駆動側ギヤ252b1と伝達側ギヤ252b2とを接続する一方、駆動側ギヤ252b1と伝達側ギヤ252b2との接続を遮断する構成とされている。
単一の駆動モータ251は、回転軸251aが奥行き方向Xに沿うように筐体202に固定されている。
第1ギヤ機構252cは、単一の駆動モータ251からの回転駆動力を一対の電磁クラッチ252a,252bの双方に伝達するものであり、第1ギヤ252c1から第5ギヤ252c5を備えている。
第1ギヤ252c1は、単一の駆動モータ251の回転軸251aに固定されている。第2ギヤ252c2は、第1ギヤ252c1に噛合するように、奥行き方向Xに沿って筐体202に回転自在に支持された回転支軸250aに後述するワンウェイクラッチ253aを介して設けられている。第3ギヤ252c3は、第2ギヤ252c2に噛合するように、奥行き方向Xに沿って筐体202に固定された回転支軸250bに回転自在に支持されている。第4ギヤ252c4は、第3ギヤ252c3及び第2の電磁クラッチ252bにおける駆動側ギヤ252b1の双方に噛合するように、奥行き方向Xに沿って筐体202に固定された回転支軸250cに回転自在に支持されている。第5ギヤ252c5は、第4ギヤ252c4及び第1の電磁クラッチ252aにおける駆動側ギヤ252a1の双方に噛合するように、奥行き方向Xに沿って筐体202に固定された回転支軸250dに回転自在に支持されている。
第2ギヤ機構252dは、第1の電磁クラッチ252aからの回転駆動力を第1の供給ローラー211bに伝達するものであり、ギヤ252d1を備えている。
ギヤ252d1は、第1の電磁クラッチ252aにおける伝達側ギヤ252a2に噛合するように、第1の供給ローラー211bが設けられた第1の回転支軸211b1に固定されている。
第3ギヤ機構252eは、第2の電磁クラッチ252bからの回転駆動力を第1の供給ローラー211b及び第2の供給ローラー211cの双方に伝達するものであり、第1ギヤ252e1から第3ギヤ252e3を備えている。
第1ギヤ252e1は、第2の電磁クラッチ252bにおける伝達側ギヤ252b2に噛合するように、奥行き方向Xに沿って筐体202に固定された回転支軸250eに回転自在に支持されている。第2ギヤ252e2は、第1ギヤ252e1に噛合するように、第1の供給ローラー211bが設けられた第1の回転支軸211b1に固定されている。第3ギヤ252e3は、第1ギヤ252e1に噛合するように、第2の供給ローラー211cが設けられた第2の回転支軸211c1に固定されている。
また、シート供給部210は、トルクリミッター211dをさらに備えている。
トルクリミッター211dは、第1の供給ローラー211bと第2の供給ローラー211cとの間で予め定めた所定の圧力(具体的には第1の供給ローラー211bとの間で1枚のシートPが通過する程度の圧力)の負荷がかかるまでは、第2の回転支軸211c1から第2の供給ローラー211cへの回転駆動力の伝達を解除する(具体的には第2の回転支軸211c1に対して、第1の供給ローラー211bの正回転方向W1への回転に伴う第2の供給ローラー211cの逆回転方向W2への従動回転を許容する)。一方、トルクリミッター211dは、所定の圧力以上(具体的には第1の供給ローラー211bと第2の供給ローラー211cとの間で2枚以上のシートPが通過する程度の圧力)の負荷がかかると、第2の回転支軸211c1からの回転駆動力を第2の供給ローラー211cに伝達する(具体的には第2の回転支軸211c1の正回転方向W1への回転と共に第2の供給ローラー211cを正回転方向W1へ回転させる)。これにより、シートPのシート供給方向Y1への重送を回避することができる。
第2駆動伝達機構253は、ワンウェイクラッチ253aと、トルクリミッター253bと、第4ギヤ機構253cとを備えている。
ワンウェイクラッチ253aは、単一の駆動モータ251の回転軸251aが正回転方向W1に回転するときには、第1ギヤ機構252cにおける第2ギヤ252c2からの回転駆動力を第4ギヤ機構253cへ伝達せず、且つ、単一の駆動モータ251の回転軸251aが逆回転方向W2に回転するときには、第2ギヤ252c2からの回転駆動力を、回転支軸250aを介して第4ギヤ機構253cへ伝達する構成とされている。具体的には、ワンウェイクラッチ253aは、単一の駆動モータ251の回転軸251aが正回転方向W1に回転するときには、回転支軸250aに対して第2ギヤ252c2を回転自在とする一方、単一の駆動モータ251の回転軸251aが逆回転方向W2に回転するときには、第2ギヤ252c2と回転支軸250aとを連結する。
トルクリミッター253bは、回転支軸250aの逆回転方向W2への回転を遮る(具体的には第1係合部材241が第2規制部材246で規制された状態で)予め定めた所定の圧力の負荷がかかるまでは、回転支軸250aからの回転駆動力を第4ギヤ機構253cへ伝達する。具体的には、トルクリミッター253bは、回転支軸250aの逆回転方向W2への回転と共に第4ギヤ機構253cにおける第1ギヤ253c1を逆回転方向W2へ回転させる。一方、トルクリミッター253bは、所定の圧力以上(具体的には第1係合部材241が第2規制部材246で規制された状態での圧力)の負荷がかかると、第1ギヤ機構252cにおける第2ギヤ252c2から第4ギヤ機構253cへの回転駆動力の伝達を解除する。具体的には、トルクリミッター253bは、第1係合部241aが第2規制部材246で規制された第4ギヤ機構253cにおける第1ギヤ253c1に対して回転支軸250aの逆回転方向W2への回転を許容する。
第4ギヤ機構253cは、トルクリミッター253bからの回転駆動力を第1係合部材241に伝達するものであり、第1ギヤ253c1及び第2ギヤ253c2を備えている。
第1ギヤ253c1は、トルクリミッター253bに連結されている。第2ギヤ253c2は、第1ギヤ253c1に噛合するように、第1係合部材241が設けられた回転支軸2411に固定されている。
この例では、ワンウェイクラッチ253aとトルクリミッター253bとは、別々に設けられている。但し、それに限定されるものではなく、ワンウェイクラッチ253aとトルクリミッター253bとが一体的に設けられていてもよい。
図8に示すように、単一の駆動モータ251、第1の電磁クラッチ252a及び第2の電磁クラッチ252bは、制御部120の出力系に電気的に接続されている。これにより、単一の駆動モータ251、第1の電磁クラッチ252a及び第2の電磁クラッチ252bは、制御部120から制御信号により作動制御される。
以上説明したシート供給装置200では、一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態にしてシートPをシート供給方向Y1に供給するときには、単一の駆動モータ251の回転軸251aを正回転方向W1に回転させる。
単一の駆動モータ251の回転軸251aを正回転方向W1に回転させるにあたり、先ず、第1の電磁クラッチ252a及び第2の電磁クラッチ252bを駆動遮断状態にし、単一の駆動モータ251の回転軸251aから第1駆動伝達機構252における第1ギヤ機構252cを介して第1の電磁クラッチ252aにおける駆動側ギヤ252a1及び第2の電磁クラッチ252bにおける駆動側ギヤ252b1を正回転方向W1に回転させる。
このとき、単一の駆動モータ251の回転軸251aが正回転方向W1に回転しているので、ワンウェイクラッチ253aにより第2駆動伝達機構253には単一の駆動モータ251からの回転駆動力を伝達しておらず、従って、回転支軸2411は回転せず、ひいては、第1係合部材241は所定の非係合位置(圧接位置)を維持している。これにより、一対の供給ローラー211b,211cは、第2付勢部材244の第2係合部材242への付勢力により圧接状態となっている。
次に、単一の駆動モータ251の単位時間当たりの回転数が安定する予め定めた所定の時間経過後に、第1の電磁クラッチ252a及び第2の電磁クラッチ252bを駆動伝達状態にする。こうすることで、第1の電磁クラッチ252aにおける駆動側ギヤ252a1及び第2の電磁クラッチ252bにおける駆動側ギヤ252b1から伝達側ギヤ252a2及び伝達側ギヤ252b2並びに第2ギヤ機構252dを介して第1の回転支軸211b1と共に第1の供給ローラー211bを正回転方向W1に回転させる。
また、第2の電磁クラッチ252bにおける駆動側ギヤ252b1から伝達側ギヤ252b2並びに第3ギヤ機構252eを介して第1の供給ローラー211b及び第2の回転支軸211c1を正回転方向W1に回転させる。
そして、ピックアップローラー211aから1枚のシートPが第1の供給ローラー211bと第2の供給ローラー211cとの間に供給されるときには、トルクリミッター211dが作動せず、第1の供給ローラー211bが第2の供給ローラー211cと共に1枚のシートPを挟持しながら第2の供給ローラー211cが従動回転して逆回転方向W2に回転する。
また、ピックアップローラー211aから2枚以上のシートP〜Pが第1の供給ローラー211bと第2の供給ローラー211cとの間に供給されるときには、トルクリミッター211dが作動し、第2の供給ローラー211cが第1の供給ローラー211bと同方向の正回転方向W1に回転して第2の供給ローラー211c側のシートPの供給を阻止する。
一方、シートPをシート供給方向Y1に供給することなく、一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にするときには、第1の電磁クラッチ252aを駆動伝達状態にする一方、第2の電磁クラッチ252bを駆動遮断状態にし、単一の駆動モータ251の回転軸251aを逆回転方向W2に回転させる。
そうすると、単一の駆動モータ251の回転軸251aが逆回転方向W2に回転しているので、ワンウェイクラッチ253aにより単一の駆動モータ251からの回転駆動力を第2駆動伝達機構253に伝達し、従って、回転支軸2411は逆回転方向W2に回転し、ひいては、第1係合部材241は所定の係合位置(離間位置)に向けて逆回転方向W2に回動する。これにより、一対の供給ローラー211b,211cは、第2係合部材242により離間状態となる。
また、第1の電磁クラッチ252aにおける駆動側ギヤ252a1から伝達側ギヤ252a2及び第2ギヤ機構252dを介して第1の回転支軸211b1と共に第1の供給ローラー211bを逆回転方向W2に回転させる。そうすると、第2の供給ローラー211cが従動回転して正回転方向W1に回転する。これにより、一対の供給ローラー211b,211cのニップ部N(図12(a)参照)にシートPが滞留している場合に、ニップ部Nに滞留していたシートPを積載トレイ221側に戻すことができる。
ここで、第1係合部材241は、第2規制部材246により係合位置(離間位置)に維持しており、回転支軸2411の逆回転方向W2への回転が遮られるが、トルクリミッター253bにより回転支軸250aの逆回転方向W2への回転が許容される。
このとき、一対の供給ローラー211b,211cの離間状態を解除する(圧接状態にする)ときには、単一の駆動モータ251の回転軸251aの逆回転方向W2への回転を停止することで、或いは、単一の駆動モータ251の回転軸251aを正回転方向W1に第1係合部材241が非係合位置(圧接位置)に戻る程度に回転することで、第1付勢部材243の第1係合部材241への付勢力により非係合位置(圧接位置)に戻る。このとき、第1係合部材241は、第1規制部材245により正回転方向W1への回動が規制される。
また、制御部120は、シートPの種類(この例では薄手紙、標準紙、厚手紙の3種類)を設定する設定手段ST(図8参照)を備えている。設定手段STは、記憶部122に設けられている。
制御部120は、設定手段STにて設定したシートPの種類(この例では薄手紙、標準紙、厚手紙の3種類)に基づいて、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)を逆回転方向W2に回転させるか否かを制御する。詳しくは、シートPが予め定めた所定の厚さ或いは重さ以下のときには(例えば標準紙の厚さ或いは重さ以下のシートP、具体的には標準紙及び薄手紙のときには)、少なくとも一方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)を逆回転方向W2に回転させる(この例では第1の電磁クラッチ252aを駆動伝達状態にし、第2の電磁クラッチ252bを駆動遮断状態にする)一方、シートPが所定の厚さ或いは重さより大きいときには(例えば標準紙の厚さ或いは重さより大きいシートP、具体的には厚手紙のときには)、少なくとも一方の供給ローラー(この例では一対の供給ローラー211b,211cの双方)を逆回転方向W2に回転させない(この例では一対の電磁クラッチ252a,252bの双方を駆動遮断状態にする)。
この例では、制御部120は、シート種類選択モードを有している。シート種類選択モードでは、表示部109(図1参照)に表示される設定画面に表示された表示ボタンへの選択操作によって、使用者によりシートPの種類(この例では標準紙、薄手紙、厚手紙の3種類のうち何れか1種類)が選択されることで、設定手段STに設定するようになっている。
また、制御部120は、下降検知部261の検知にて下降動作(具体的にはシート供給位置Q1からの下降動作)を検出した場合に、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える構成とされている。ここで、制御部120は、下降検知部261の検知にて下降動作を検出した時点と同時又は略同時に接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えてもよいし、下降検知部261の検知にて下降動作を検出した時点からタイマー部123により計測した予め定めた所定の時間が経過した後に接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えてもよい。
また、制御部120は、シート有無検知部263にて積載トレイ221にシートPが有ることを検出した場合に、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える一方、シート有無検知部263にてシートPが積載トレイ221に無いことを検出した場合には、接離機構240による一対の供給ローラー211b,211cの圧接状態を維持する構成とされている。
また、制御部120は、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えた後、予め定めた所定の条件が満たされたときに、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態から圧接状態に戻す構成とされている。
ここで、所定の条件としては、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えた時点からタイマー部123により計測した予め定めた所定の時間が経過したときや、シートP〜Pの補給の際に開閉する開閉カバー201を閉じたとき(具体的には制御部120が開閉カバー検知部262による検知により開放されている開閉カバー201が閉じられたことを検出したとき)を例示できる。
(接離機構の接離動作の制御例について)
次に、制御部120による接離機構240の接離動作の制御例について図12及び図13を参照しながら以下に説明する。
図13に示すように、接離機構240の接離動作では、先ず、制御部120は、画像形成装置100が起動中において(ステップS201:Yes)、シートP〜Pがシート供給位置Q1に位置して一対の供給ローラー211b,211cが圧接状態にあるときに(図12(a)参照)、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が開いたか否かを判断し(ステップS202)、開閉カバー201が閉じていると判断した場合には(ステップS202:No)、ステップS201に移行する一方、開閉カバー201が開いたと判断した場合には(ステップS202:Yes)、下降検知部261の検知により積載トレイ221が下降しているか否かを判断する(ステップS203)。制御部120は、積載トレイ221が下降していないと判断した場合には(ステップS203:No)、ステップS201に移行する一方、積載トレイ221が下降していると判断した場合には(ステップS203:Yes)、ステップS204に移行する。
次に、シート有無検知部263の検知により積載トレイ221にシートPが有るか否かを判断し(ステップS204)、積載トレイ221にシートPが無いと判断した場合には(ステップS204:No)、ステップS211に移行する一方、積載トレイ221にシートPが有ると判断した場合には(ステップS204:Yes)、ステップS205に移行する。
次に、制御部120は、設定手段STで設定されたシートPの種類が厚手紙であるか否かを判断し(ステップS205)、シートPの種類が標準紙又は薄手紙である場合には(ステップS205:No)、第1の電磁クラッチ252aを駆動伝達状態にして第2の電磁クラッチ252bを駆動遮断状態にし(ステップS206)、ステップS208に移行する一方、シートPの種類が厚手紙である場合には(ステップS205:Yes)、一対の電磁クラッチ252a,252bを駆動遮断状態にし(ステップS207)、ステップS208に移行する。
次に、制御部120は、単一の駆動モータ251をタイマー部123により計測した予め定めた所定の第1時間(具体的には一対の供給ローラー211b,211cが離間状態になったとみなせる時間)だけ逆回転方向W2に回転させる(ステップS208)(図12(b)参照)。このとき、一対の供給ローラー211b,211cが圧接状態から離間状態に移行すると共に、シートPの種類が標準紙又は薄手紙である場合には、一対の供給ローラー211b,211cが逆回転方向W2に回転する一方、シートPの種類が厚手紙である場合には、一対の供給ローラー211b,211cが回転しない。
次に、制御部120は、所定の条件が満たされると(ステップS209:Yes)、この例では、タイマー部123により計測した予め定めた所定の第2時間(具体的には一対の供給ローラー211b,211cのニップ部Nで滞留していたシートPが積載トレイ221側に戻ったとみなせる時間)だけ待機し(ステップS209:No)、所定の第2時間が経過すると(ステップS209:Yes)、ステップS210に移行する。
次に、制御部120は、単一の駆動モータ251をタイマー部123により計測した予め定めた所定の第3時間(具体的には一対の供給ローラー211b,211cが圧接状態になったとみなせる時間)だけ正回転方向W1に回転させる(ステップS210)。
次に、制御部120は、開閉カバー検知部262の検知により開閉カバー201が閉じたと判断するまで待機し(ステップS211:No)、開閉カバー201が閉じたと判断した場合には(ステップS211:Yes)、積載トレイ221を上昇させ(ステップS212)、ステップS201に移行する。
なお、図13に示す制御例では、接離機構240により一対の供給ローラー211b,21cを離間状態から圧接状態に戻す所定の条件として、一対の供給ローラー211b,211cが逆回転方向W2に回転した時点から所定の第2時間が経過したときとしたが、開閉カバー201を閉じたとき(具体的には制御部120が開閉カバー検知部262による検知により開閉カバー201を閉じたことを検出したとき)としてもよい。
また、この例では、開閉カバー検知部262及び下降検知部261の検知に起因して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えたが、開閉カバー検知部262又は下降検知部261の検知に起因して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えてもよい。また、積載トレイ221の下降動作に連動して、或いは、開閉カバー201の開放動作に連動して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えてもよい。
(本実施の形態について)
本実施の形態によれば、シートPがシート供給位置Q1に位置して一対の供給ローラー211b,211cが圧接状態にあるときに、積載トレイ221に積載されている最上位のシートPが一対の供給ローラー211b,211cにより供給されて、たとえ、次のシートPが一対の供給ローラー211b,211cのニップ部N(図12(a)参照)に滞留したとしても、シートPを補給するためのシート補給状態にするにあたり、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えることができる。従って、積載トレイ221が下降するとき或いは下降しているときに、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にすることができ、これにより、ニップ部Nで滞留していたシートPを積載トレイ221に確実に戻すことができ、ひいては、シートPの詰まりの発生を効果的に防止することが可能となる。
本実施の形態において、積載トレイ221のシート供給位置Q1からの下降動作に連動して、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えることで、ニップ部Nで滞留していたシートPを積載トレイ221にさらに確実に戻すことができる。
本実施の形態において、積載トレイ221がシート供給位置Q1から下降している状態で開閉カバー201が開いたときに、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えることで、シート補給操作が行われるときに、一対の供給ローラー211b,211cを確実に離間状態に切り替えることができる。
ところで、一対の供給ローラー211b,211cの少なくとも一方の供給ローラーと接離機構240とを駆動するにあたっては、一対の供給ローラー211b,211cの少なくとも一方の供給ローラーと、接離機構240とをそれぞれ独立して駆動する2つの駆動モータを用いることが考えられるが、この場合、それだけ構成が複雑化する。従って、一対の供給ローラー211b,211cの少なくとも一方の供給ローラーと接離機構240とを駆動する構成の簡素化を実現させることが望まれる。
この点、本実施の形態において、回転駆動装置250は、単一の駆動モータ251を予め定めた所定の正回転方向W1に回転させることにより、第1駆動伝達機構252を介して一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラー(この例では一対の供給ローラー211b,211cの双方)を正回転方向W1に回転させてシートPをシート供給方向Y1に供給し、且つ、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態にする一方、単一の駆動モータ251を正回転方向W1とは逆方向の逆回転方向W2に回転させることにより、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にする構成とされていることで、一対の供給ローラー211b,211cの少なくとも一方の供給ローラーと接離機構240とを単一の駆動モータ251で駆動することができ、それだけ構成を簡素化することができ、これにより、一対の供給ローラー211b,211cの少なくとも一方の供給ローラーと接離機構240とを駆動する構成の簡素化を実現させることができる。
しかも、本実施の形態では、シートPをシート供給方向Y1に供給するときに、単一の駆動モータ251を正回転方向W1に回転させる一方、シート補給状態にするにあたり、単一の駆動モータ251を逆回転方向W2に回転させることで、シートPをシート供給方向Y1に供給するときに、或いは、シート補給状態にするにあたり、一対の供給ローラー211b,211cの圧接状態と離間状態との切り替え動作を簡単な構成で実現させることができる。
また、本実施の形態では、第1係合部材241及び第2係合部材242は、単一の駆動モータ251が正回転方向W1に回転するときには、第1係合部材241が第2係合部242aに係合することなく、一対の供給ローラー211b,211cの何れか一方の供給ローラー(この例では第2の供給ローラー211c)を他方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)に対して圧接させる一方、単一の駆動モータ251が逆回転方向W2に回転するときには、第1係合部材241が第2係合部材242に係合して、一方の供給ローラーを他方の供給ローラーに対して離反させる構成とされていることで、第1係合部材241に第2係合部材242を係合させるといった簡単な構成で、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態及び離間状態にすることができ、これにより、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを圧接状態及び離間状態にする構成を容易に実現させることができる。
また、本実施の形態では、第1付勢部材243を備える場合、接離機構240に対して単一の駆動モータ251からの回転駆動力が伝達されていないときに、第1付勢部材243により、第1係合部材241を第2係合部材242と係合する側とは反対側に回動させることができ、これにより、第1係合部材241を第2係合部材242と係合する側とは反対側に戻すことができる。また、第2付勢部材244を備える場合、接離機構240に対して単一の駆動モータ251からの回転駆動力が伝達されていないときに、第2付勢部材244により、第2係合部材242を一方の供給ローラー(この例では第2の供給ローラー211c)を他方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)に対して圧接する側に回動させることができ、これにより、第2係合部材242を介して一方の供給ローラーを他方の供給ローラーに対して圧接させることができる。
また、本実施の形態では、積載トレイ221に積載されている最上位のシートPが一対の供給ローラー211b,211cにより供給されて、たとえ、次のシートPが一対の供給ローラー211b,211cのニップ部Nに滞留したとしても、シート補給状態にするにあたり、単一の駆動モータ251を逆回転方向W2に回転させることにより、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えると共に、第2駆動伝達機構253を介して接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にするときに、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラー(この例では第1の供給ローラー211b)を逆回転方向W2に回転させることができる。従って、シートP〜Pの補給の際には、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態にするだけでなく、ニップ部Nで滞留していたシートPを積載トレイ221に、より一層確実に戻すことができ、ひいては、シートPの詰まりの発生を効果的により一層防止することが可能となる。
ところで、シートPは、例えば、予め定めた所定の厚さ或いは重さの標準紙の他、標準紙より厚い或いは重い厚手紙、標準紙よりも薄い或いは軽い薄手紙がある。例えば、薄手紙や標準紙は、一対の供給ローラー211b,211cのニップ部Nに滞留したときに、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cが離間状態に切り替わっても、積載トレイ221に戻り難い。これに対し、厚手紙は、一対の供給ローラー211b,211cのニップ部Nに滞留したときに、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cが離間状態に切り替わると、積載トレイ221に戻り易い。そうすると、厚手紙が積載トレイ221に戻り易いにも拘わらず、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラーを逆回転方向W2に回転させると、それだけ無駄な動作を行うことになる。従って、シートPの種類に応じて、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラーを逆回転方向W2に回転させる無駄な動作を行うことを回避することが望まれる。
この点、本実施の形態では、設定手段STにて設定したシートPの種類に応じて、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラーを逆回転方向W2に回転させるか否かを制御することで、例えば、画像形成動作の際に、シートPとして薄手紙や標準紙が設定されていると、薄手紙や標準紙が積載トレイ221に戻り難いものの、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラーを逆回転方向W2に回転させることで、薄手紙や標準紙を積載トレイ221に確実に戻すことができる。一方、画像形成動作の際に、シートPとして厚手紙が設定されていると、厚手紙が積載トレイ221に戻り易いことから、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラーを逆回転方向W2に回転させなくても、支障がない。従って、シートPの種類に応じて、一対の供給ローラー211b,211cのうちの少なくとも一方の供給ローラーを逆回転方向W2に回転させる無駄な動作を行うことを回避することができる。
ところで、シート補給状態にするにあたり、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える場合、積載トレイ221が下降したか否かの検出を簡単な構成で行うことが望まれる。
この点、本実施の形態では、下降検知部261の検知にて下降動作を検出した場合に、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えることで、積載トレイ221が下降したか否かの検出を簡単な構成で行うことが可能となる。
ところで、そもそも、シートP〜Pの補給の際に、積載トレイ221にシートPが1枚も存在しない場合には、次のシートPが一対の供給ローラー211b,211cのニップ部Nまで到達することがなく、ましてやニップ部Nで滞留することもない。そうすると、シートPがニップ部Nで滞留しておらず、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える必要がないにも拘わらず、シート補給状態にするにあたり、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えると、それだけ無駄な動作を行うことになる。従って、接離機構240による一対の供給ローラー211b,211cの離間状態への無駄な切り替え動作を行うことを回避することが望まれる。
この点、本実施の形態では、シート有無検知部263にて積載トレイ221にシートPが有ることを検出した場合に、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替える一方、シート有無検知部263にて積載トレイ221にシートPが無いことを検出した場合には、接離機構240による一対の供給ローラー211b,211cの圧接状態を維持することで、接離機構240による一対の供給ローラー211b,211cの離間状態への無駄な切り替え動作を回避することが可能となる。
ところで、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えた後、直ちに接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態から圧接状態に戻したのでは、シートPが積載トレイ221に戻らない可能性がある。従って、シートPが積載トレイ221に戻らない可能性を低くすることが望まれる。
この点、本実施の形態では、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えた後、予め定めた所定の条件が満たされたときに、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態から圧接状態に戻すことで、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えた後、しばらく時間をおいて接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態から圧接状態に戻すことができ、これにより、シートPが積載トレイ221に戻らない可能性を低くすることができる。
本実施の形態において、所定の条件とは、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態に切り替えた時点から予め定めた所定の時間が経過したときである構成とされていることで、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態から圧接状態に確実に戻すことができ、これにより、シートPが積載トレイ221に戻らない可能性をさらに低くすることができる。
本実施の形態において、所定の条件とは、開放された開閉カバー201が閉じられたときである構成とされていることで、接離機構240により一対の供給ローラー211b,211cを離間状態から圧接状態に確実に戻すことができ、これにより、シートPが積載トレイ221に戻らない可能性をさらに低くすることができる。
(その他の実施の形態)
なお、本実施の形態では、シート供給装置200を大容量給紙装置としたが、積載トレイ221に積載されて昇降装置230によりシート供給位置Q1に上昇させたシートPを一対の供給ローラー211b,211cによりシート供給方向Y1に供給するものであれば、何れのものであってもよい。例えば、シート供給装置200は、画像形成装置本体110に設けられた給紙装置であってもよい。また、かかる給紙装置は、リフト駆動モータを使用したものであってもよいし、リフト駆動モータを使用することなくバネ等の付勢部材を使用した給紙装置であってもよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。