JP6635476B2 - 線量分布予測システム、線量分布予測方法及び線量分布予測プログラム - Google Patents
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Description
治療において、陽子線照射を行なう(ステップS001)。この陽子線照射により、体内に線量分布が生じる。陽子線を物体に照射すると、陽子と物体の原子核との相互作用により、原子核破砕反応が起こり、陽電子放出核(放射化された原子核)が生成される(ステップS002)。この陽電子放出核の分布を3次元アクティビティ分布と呼ぶ。
射能分布と、外部に放出される放射線の計測画像とをシミュレーションにより算出し、前記照射条件、前記放射能分布、前記計測画像を用いて機械学習を行なうことにより、放射能分布学習モデルを生成する学習処理と、実際の照射条件において、照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得し、前記照射条件、前記実測画像を前記放射能分布学習モデルに適用し、放射能分布を予測し、前記予測した放射能分布により、線量分布を予測する予測処理とを実行する。
また、線量分布予測システムは、放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備える。そして、制御部が、患部配置の患部画像、放射能分布を含む教師データを用いて、前記放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを作成する学習処理と、新たな放射能分布を取得した場合に、前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を予測し、前記患部配置に応じた線量分布を算出する予測処理を実行する。
また、線量分布予測システムは、治療計画の線量分布及び放射能分布から、患部配置を考慮した線量分布を予測するための推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備える。そして、制御部が、患部画像、放射能分布、治療計画の線量分布を含む教師データを用いて、前記患部配置に応じた実際の線量分布を予測する推定モデルを作成し、記憶部に記録する学習処理と、新たな放射能分布を取得した場合に、治療計画の線量分布及び前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を考慮した線量分布を予測する予測処理を実行する。
以下、図1〜図13に従って、線量分布予測システム、線量分布予測方法及び線量分布予測プログラムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、粒子線としての陽子を患者の患部に照射した場合に計測したアクティビティ計測画像から線量分布を算出する場合を説明する。
(a)血流による陽電子放出核の拡散:陽電子放出核が、特有の半減期でβ+崩壊するまでに、血流により拡散する場合がある。
(c)低い解像度:計測面の解像度が低いため、情報量が少ない。
(d)先行照射の影響:複数の角度から順番に照射した場合、先行照射の影響が後続の計測に影響を与える場合がある。
そこで、本実施形態では、これらの要因を機械学習により解決する。
画像取得部15は、患者に対する陽子線照射において、γ線を2次元で計測したアクティビティ計測画像を取得する。
学習部211は、学習データを用いた機械学習により、予測を行なうための各種モデル(学習結果)を生成する。
ここで、図2を用いて、この「カップリング学習」について説明する。
図2(a)に示すように、学習部211は、説明変数ベクトル501(予測時に入力する情報)と目的変数ベクトル502(予測する情報)を結合した行ベクトルを作成し、データ数分、縦に並べて行列503を作成する。そして、この行列を主成分分析することで、説明変数と目的変数を同時に表現する基底504を求める。
次に、学習部211は、前半部分(説明変数部分)について直交化して基底Di,jとする。後半部分(目的変数部分)についても、直交化時と同じ線形結合係数で線形変換して基底Ei,kとする。前半部分を直交化しておくことで、予測時に線形結合係数を内積で求めることができる。
残存影響処理部214は、先行照射の影響を排除する処理を実行する。
血流拡散モデルは、実測したアクティビティ計測画像において、陽電子放出核の血流拡散の影響を排除したアクティビティ計測画像を予測するための流体拡散学習モデルである。
ノイズ加算モデルは、ノイズが重畳した実測したアクティビティ計測画像から、ノイズを除去したアクティビティ計測画像を予測するためのノイズ学習モデルである。
アクティビティ分布推定モデルは、治療計画情報(CT画像、照射条件)、アクティビティ計測画像、3次元アクティビティ分布(最適化)から3次元アクティビティ分布(正解)を推定するための放射能分布学習モデルである。
CT画像データ領域には、この患者の3次元コンピュータ断層画像(3次元CT画像)データが記録される。この3次元CT画像により、組織組成を特定したり、血管の配置を予測したりすることができる。
治療予定日データ領域には、この患者に対して、治療計画における陽子線照射による治療の予定日(年月日)に関するデータが記録される。
次に、図3を用いて、ペンシルビーム近似処理を説明する。陽子線照射のシミュレーションにおいては、同一照射位置・同一照射方向・同一エネルギーの複数の陽子線を束ねて計算するペンシルビーム近似を用いる。
ここでは、支援サーバ20の制御部21は、線量分布の算出処理を実行する(ステップS013)。具体的には、シミュレータ210は、処理対象のペンシルビームによる線量分布を算出し、メモリに記憶する。
すべてのペンシルビームについて処理を終了するまで繰り返す。
図4を用いて、高速化処理を説明する。アクティビティ計測では、陽電子放出核が放出した陽電子が電子と対消滅した際に生じるγ線を計測する。各陽電子放出核は、半減期に従ってβ+崩壊するため、通常、その計測には2分程度の時間がかかる。この高速化処理では、計測時間を短縮した初期段階の画像(例えば、計測時間を1分にした画像)に基づいて、将来の画像を機械学習により予測する。
次に、図5を用いて、血管配置の学習処理を説明する。血流拡散の影響を予測するためには、患者における血管の配置情報が必要である。本実施形態では、機械学習を利用してCT画像から血管配置の推測を行なう。
次に、図6、図7を用いて、血流拡散対応処理を説明する。ここでは、血流による陽電子放出核の拡散によるアクティビティ分布の復元を行なう。血管の配置情報を利用し、事前に血流によるアクティビティの拡散についてシミュレーションを行ない、拡散前後のアクティビティ計測画像を仮想的に作成する。作成した拡散前後のアクティビティ計測画像を教師データとして機械学習を用いた学習処理を実行し、拡散後のアクティビティ計測画像から、拡散前のアクティビティ計測画像を推定する予測処理を実行する。
図6を用いて、血流拡散対応の学習処理を説明する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、3次元拡散シミュレーション処理を実行する(ステップS041)。具体的には、制御部21のシミュレータ210は、上述したペンシルビーム近似処理により、各照射条件に応じて、3次元アクティビティ分布を算出する。次に、この患者の血管情報(血管造影画像)に基づいて、血流拡散をシミュレーションする。そして、シミュレータ210は、血流拡散前、第1時刻(例えば、30秒)後、第2時刻(例えば、40秒)後の各アクティビティ計測画像を生成する。
次に、図7を用いて、血流拡散対応の予測処理を説明する。ここでは、血流による拡散の復元を行なう。2つ以上の時間差情報を利用して、拡散前の画像予測を行なう。
次に、図8を用いて、ノイズ対応処理を説明する。ここでは、アクティビティ計測画像をシミュレーションにより作成し、人工的にノイズを加算し、ノイズ加算前後のアクティビティ計測画像を教師データとして機械学習を行なう。そして、ノイズが加算されたアクティビティ計測画像から、ノイズを除去したアクティビティ計測画像を推定する。
次に、図9を用いて、超解像処理を説明する。ここでは、アクティビティ計測画像をシミュレーションにより作成し、縮小することにより、縮小前後のアクティビティ計測画像を教師データとして機械学習を行なう。そして、解像度の低いアクティビティ計測画像から、高精細なアクティビティ計測画像を推定する。
図10を用いて、先行照射の影響排除処理を説明する。陽子線を複数の角度から照射する場合、同時に複数の角度から照射はできないため、角度を変えて照射を繰り返す。この場合、アクティビティ計測画像には、先行照射における前の角度でのアクティビティ(影響)が残存する場合がある。このような場合には、計測画像から、前の角度での影響を差し引く必要がある。
次に、図11を用いて、学習データ生成処理を説明する。ここでは、高画質化したアクティビティ計測画像と、治療計画情報(CT画像、照射条件)から、3次元アクティビティ分布を推定する。治療計画時にシミュレーションした3次元アクティビティ分布と、実際の3次元アクティビティ分布は、以下の変動要因で異なる場合がある。
(b)患者の位置決め条件のずれ変動
(c)患者の体型変動
(d)患者の体内の対象臓器の状態変化(患部の形状変化等)
上記原因で生じた3次元アクティビティ分布のずれは、アクティビティ計測画像に反映される。このため、アクティビティ計測画像から最適化計算により、3次元アクティビティ分布を推定する。そして、推定した3次元アクティビティ分布は、機械学習による本来の3次元アクティビティ分布(正解)を求める際の入力値(初期値)として利用する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、3次元線量分布シミュレーション処理を実行する(ステップS091)。具体的には、シミュレータ210は、治療計画情報(CT画像、照射条件)において、変動バリエーションに基づいて、上述したペンシルビーム近似を行なう。そして、シミュレータ210は、変動バリエーションに応じた3次元線量分布(正解)を算出する。
以上の処理を、予め準備したペンシルビームの変動バリエーションについて繰り返す。
次に、図12を用いて、3次元アクティビティ分布の推定処理を説明する。ここでは、前述した学習データ生成処理において作成したデータを教師データとして用いる。第1の放射能分布としてのアクティビティ計測画像、第2の放射能分布としての3次元アクティビティ分布(最適化)、治療計画情報(照射条件、CT画像)に基づいて、機械学習を行なうことにより、高精度な3次元アクティビティ分布を求める。ここでは、治療計画情報とシミュレーションとにより作成したアクティビティ計測画像から、3次元アクティビティ分布(最適化)を作成する。そして、アクティビティ計測画像、3次元アクティビティ分布(最適化)、治療計画情報から、3次元アクティビティ分布(正解)を推定する予測モデルを機械学習により求める。
まず、支援サーバ20の制御部21は、機械学習処理を実行する(ステップS101)。具体的には、制御部21の学習部211は、治療計画情報として、CT画像情報記憶部23から患者のCT画像、照射条件情報記憶部24から照射条件を取得する。次に、学習部211は、学習データ生成処理において作成した3次元アクティビティ分布(最適化)、アクティビティ計測画像、3次元アクティビティ分布(正解)を取得する。そして、学習部211は、治療計画情報(CT画像、照射条件)、アクティビティ計測画像、3次元アクティビティ分布(最適化)から生成した説明変数ベクトル、3次元アクティビティ分布(正解)から生成した目的変数ベクトルを用いて、機械学習を行なう。そして、学習部211は、算出したアクティビティ分布推定モデルを学習結果記憶部22に記録する。
次に、支援サーバ20の制御部21は、予測処理を実行する(ステップS102)。具体的には、制御部21の予測部212は、治療計画情報として、CT画像情報記憶部23から患者のCT画像、照射条件情報記憶部24から照射条件を取得する。次に、予測部212は、照射条件に応じたペンシルビーム近似に対して、アクティビティ計測画像(実測、高画質化後)を用いて、ステップS094と同様に最適化した3次元アクティビティ分布(最適化)を算出する。そして、予測部212は、アクティビティ計測画像(実測、高画質化後)、3次元アクティビティ分布(最適化)、治療計画情報(照射条件、CT画像)を説明変数ベクトルとして、学習結果記憶部22に記録されたアクティビティ分布推定モデルに適用する。そして、予測部212は、目的変数ベクトルとして、3次元アクティビティ分布(予測結果)を算出する。
次に、図13を用いて、3次元線量分布の推定処理を説明する。ここでも、前述した学習データ生成処理において作成したデータを教師データとして用いる。ここでは、3次元アクティビティ分布から3次元線量分布を求める。3次元アクティビティ分布から3次元線量分布に直接変換することはできないため、ペンシルビーム近似を通して変換を行なう。
まず、支援サーバ20の制御部21は、3次元アクティビティ分布の取得処理を実行する(ステップS111)。具体的には、制御部21のシミュレータ210は、3次元アクティビティ分布の推定処理で算出した3次元アクティビティ分布を取得する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、3次元アクティビティ分布の取得処理を実行する(ステップS121)。具体的には、制御部21のシミュレータ210は、画像取得部15から取得したアクティビティ計測画像に基づいて、3次元アクティビティ分布の推定処理において算出した3次元アクティビティ分布(予測結果)を取得する。
次に、支援サーバ20の制御部21は、ステップS113と同様に、ペンシルビーム近似の3次元線量分布の算出処理を実行する(ステップS123)。
(1−1)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、ペンシルビーム近似処理を実行する。これにより、計算量を削減し、計算の高速化を図ることができる。また、人体内の各元素の密度(組成密度分布)は一定ではないが、元素毎のペンシルビームシミュレーションを行ない、その結果を合計して、3次元線量分布や3次元アクティビティ分布を求めることができる。
(1−9)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、3次元線量分布の推定処理を実行する。これにより、治療計画情報に基づいて、3次元線量分布を予測することができる。
・上記実施形態では、高速化〜3次元線量分布において機械学習を行ない、この学習結果に基づいて予測を行なう。すべてにおいて機械学習を用いる必要はない。
・上記実施形態では、粒子線として陽子線を用いる。ここで、粒子線は陽子線に限定されるものではなく、例えば、炭素線等を用いることも可能である。
・上記実施形態では、血管配置に基づく血流拡散について拡散前を予測する。拡散の要因は血流に限定されるものではなく、液体等の流体の所在情報(液管情報)を用いて、この流体によるアクティビティ分布の拡散に対応するようにしてもよい。
まず、支援サーバ20の制御部21は、3次元アクティビティ分布シミュレーション処理を実行する(ステップS131)。具体的には、制御部21のシミュレータ210は、血管情報(血管造影画像)を用いて、ペンシルビーム近似シミュレーションにより、アクティビティ計測画像(血流拡散前)、アクティビティ計測画像(血流拡散後)を生成する。
次に、図15、16に従って、線量分布予測システム、線量分布予測方法及び線量分布予測プログラムを具体化した第2の実施形態を説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の機械学習処理、予測処理の手順を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。第1の実施形態では、粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に基づいて、照射対象に対する粒子線の照射時の線量分布と、外部に放出される放射線の計測画像とをシミュレーションにより算出する。照射対象の患部配置、線量分布、外部に放出される放射線の計測画像(放射能分布に応じたアクティビティ計測画像)は相互に影響する。そこで、第2の実施形態では、アクティビティ計測画像から予測した患部配置を用いて、線量分布を算出する。
まず、支援サーバ20の制御部21は、学習データの取得処理を実行する(ステップS141)。具体的には、制御部21のシミュレータ210は、カルテ情報、陽子線照射条件、アクティビティ計測画像、線量分布、患部配置のデータセットを取得する。この場合、データセットのアクティビティ計測画像には、陽子線照射条件で陽子線の照射を行なった場合に実測したアクティビティ計測画像を用いる。なお、データセットのアクティビティ計測画像には、第1の実施形態と同様に、「解像度が低い実測したアクティビティ計測画像」から、「超解像モデルを用いて予測した高解像度のアクティビティ計測画像」を用いてもよい。また、データセットの線量分布には、第1の実施形態と同様に、陽子線照射条件に基づいて、CT画像から算出した組成密度分布に応じたペンシルビームを用いたシミュレーションにより算出した線量分布を用いる。データセットの患部配置には、CT画像において特定した患部領域を用いる。なお、学習データのデータセットについては、複数の患者のデータを用いることができる。
例えば、図16に示すように、同一患者における異なる時期(t1,t2)のデータセット(601,602)が存在する場合には、これらを用いて新たなデータセット603を生成して、データセット数を増やしてもよい。
この場合、支援サーバ20の制御部21は、補間処理を実行する(ステップS151)。具体的には、データセット603のカルテ情報、陽子線照射条件については、制御部21のシミュレータ210は、データセット(601,602)と同じデータを用いる。
また、患部配置については、制御部21のシミュレータ210は、時期(t1、t2)のCT画像の画像変換(例えば、モーフィング技術)を用いて、時期(t1、t2)の中間状態の画像(中間画像)を作成して用いる。ここで、時期t2のCT画像として、患部が完治している場合を想定して、CT画像において患部が消滅している画像を用いてもよい。
また、線量分布については、シミュレータ210は、陽子線照射条件に基づいて、中間画像から算出した組成密度分布に応じたペンシルビームを用いたシミュレーションにより算出した線量分布を用いる。
また、アクティビティ計測画像については、学習データ生成処理(図11)を用いて、線量分布及び患部配置に基づいたシミュレーションにより作成する。なお、ここで、3次元アクティビティ分布の推定処理(図12)を用いて生成した3次元アクティビティ分布(放射能分布)を用いてもよい。
上述した処理により、データセット603を作成し、学習データのデータセット数を増やすことができる。
(2−1)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、学習データの取得処理を実行する(ステップS141)。この場合、支援サーバ20の制御部21は、補間処理を実行する(ステップS151)。これにより、学習データの不足を補うことができる。
(2−2)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、機械学習処理(ステップS142)、予測処理(ステップS143)、線量分布の計算処理(ステップS144)を実行する。これにより、アクティビティ分布(放射能分布)、カルテ情報に基づいて、患部配置を予測し、予測した患部配置を用いて線量分布を算出することができる。
(2−3)本実施形態では、支援サーバ20の制御部21は、シュリンク確認処理を実行する(ステップS145)。これにより、患部の形状変化を把握し、治療の効果を確認することができる。また、患部の形状変化に応じて、粒子線の照射条件を変更することができる。
次に、図17に従って、線量分布予測システム、線量分布予測方法及び線量分布予測プログラムを具体化した第3の実施形態を説明する。なお、第3の実施形態は、第2の実施形態の機械学習処理、予測処理の手順を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。第2の実施形態では、アクティビティ画像から予測した患部領域を用いて、線量分布を算出する。第3の実施形態では、アクティビティ画像から患部領域や線量分布を予測する。この場合にも、上記第2実施形態と同様に、支援サーバ20に、カルテ情報記憶部を設ける。
支援サーバ20の制御部21は、ステップS141と同様に、学習データの取得処理を実行する(ステップS161)。
次に、支援サーバ20の制御部21は、機械学習処理を実行する(ステップS162)。具体的には、制御部21の学習部211は、学習データを用いて、患部配置及び患部配置を予測するための推定モデルを作成する。この場合には、データセットの中で、アクティビティ分布(放射能分布に応じたアクティビティ計測画像)、カルテ情報、治療計画線量分布(第1の線量分布)を入力層(説明変数ベクトル)として用いる。この第1の線量分布は、治療計画の陽子線照射条件に基づいて算出される線量分布である。そして、患部配置(CT画像)、第2の線量分布を出力層(目的変数ベクトル)として用いる。この第2の線量分布は、患部配置を考慮して線量分布を想定した分布である。学習部211は、この入力層及び出力層を用いた機械学習を行なうことにより、患部配置及び線量分布の推定モデルを生成し、学習結果記憶部22に記録する。
次に、支援サーバ20の制御部21は、ステップS145と同様に、シュリンク確認処理を実行する(ステップS164)。
(3−1)本実施形態では、アクティビティ分布(放射能分布)、カルテ情報、治療計画に基づいて、線量分布や患部配置を予測することができる。
・第2、第3の実施形態では、粒子線として陽子線を用いる。ここで、粒子線は陽子線に限定されるものではなく、例えば、炭素線等を用いることも可能である。
(a)放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムであって、
前記制御部が、
患部配置の患部画像、放射能分布を含む教師データを用いて、前記放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを作成する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を予測し、前記患部配置に応じた線量分布を算出する予測処理を実行することを特徴とする線量分布予測システム。
これにより、放射能分布から患部配置を予測し、この患部配置から線量分布を算出することができる。
前記制御部が、
患部画像、放射能分布、治療計画の線量分布を含む教師データを用いて、前記患部配置に応じた実際の線量分布を予測する推定モデルを作成し、記憶部に記録する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、治療計画の線量分布及び前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を考慮した線量分布を予測する予測処理を実行することを特徴とする線量分布予測システム。
これにより、放射能分布、治療計画の線量分布から、患部配置における線量分布を予測することができる。
これにより、患部配置を予測することができる。
(d)学習処理において、患者のカルテ情報を更に用いることを特徴とする(a)〜(c)に記載の線量分布予測システム。
これにより、患者のカルテ情報を用いて、より的確な予測を行なうことができる。
(e)治療前の患部配置に基づいて、治療後の患部配置を想定し、
前記推定モデルを用いて予測した患部配置と、前記想定した患部配置等が異なる場合には、注意喚起を出力することを特徴とする(a)〜(d)に記載の線量分布予測システム。
これにより、患部配置における変化を確認することができる。
Claims (25)
- 粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に関する情報を記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムであって、
前記制御部が、
粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に基づいて、前記照射対象に対する粒子線の照射時の放射能分布と、外部に放出される放射線の計測画像とをシミュレーションにより算出し、
前記照射条件、前記放射能分布、前記計測画像を用いて機械学習を行なうことにより、放射能分布学習モデルを生成する学習処理と、
実際の照射条件において、照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得し、
前記照射条件、前記実測画像を前記放射能分布学習モデルに適用し、放射能分布を予測し、
前記予測した放射能分布により、線量分布を予測する予測処理とを実行することを特徴とする線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
前記予測した放射能分布をペンシルビームの配置に変換し、前記ペンシルビームによる近似線量分布を予測することを特徴とする請求項1に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
照射条件により生成した本来のペンシルビームに対して、位置をずらしたペンシルビームによりバリエーションを生成し、
前記バリエーションにより、第1の放射能分布を予測し、
前記予測した第1の放射能分布に基づいて計測画像を予測し、
前記予測した計測画像を得られるように、最適化した第2の放射能分布を予測し、
前記照射条件、前記予測した計測画像、前記第1、第2の放射能分布を用いて機械学習を行なうことにより、前記放射能分布学習モデルを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
前記予測した放射能分布をペンシルビームの配置に変換し、前記ペンシルビームによる近似線量分布と、照射条件に基づいて生成した3次元線量分布と、照射条件とを用いて、線量分布推定モデルを生成し、
前記線量分布推定モデルを用いて、前記放射能分布から3次元線量分布を予測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
液管が配置された照射対象において、液流がある照射対象及び前記液流がない照射対象に粒子線を照射して取得した放射線の計測画像と、前記液管の配置情報とを用いて、機械学習を行なうことにより、流体拡散学習モデルを生成し、
前記流体拡散学習モデルを用いて、前記放射線の実測画像の高画質化処理を行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
放射線の計測画像と、前記放射線の計測画像にノイズを付加したノイズ加算計測画像とを用いて、機械学習を行なうことにより、ノイズ学習モデルを生成し、
前記ノイズ学習モデルを用いて、前記放射線の実測画像の高画質化処理を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
先行照射において予測した放射能分布に基づいて、後続の計測画像に影響する先行影響画像を生成し、
放射線の実測画像の計測点から前記先行影響画像の計測点を差し引くことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
放射線の計測画像と、前記放射線の計測画像を圧縮した圧縮計測画像とを用いて、機械学習を行なうことにより、超解像学習モデルを生成し、
前記超解像学習モデルを用いて、前記放射線の実測画像の高画質化処理を行なうことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
粒子線の照射後の第1時刻の第1実測画像と、前記第1時刻よりも後の第2時刻の第2実測画像とを用いて、画像予測モデルを生成し、
前記画像予測モデルを用いて、粒子線の照射後の第1時刻の実測画像から、第2時刻の第2画像を予測することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムであって、
前記制御部が、
患部配置の患部画像、放射能分布を含む教師データを用いて、前記放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを作成する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を予測し、前記患部配置に応じた線量分布を算出
する予測処理を実行することを特徴とする線量分布予測システム。 - 治療計画の線量分布及び放射能分布から、患部配置を考慮した線量分布を予測するための推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムであって、
前記制御部が、
患部画像、放射能分布、治療計画の線量分布を含む教師データを用いて、前記患部配置に応じた実際の線量分布を予測する推定モデルを作成し、記憶部に記録する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、治療計画の線量分布及び前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を考慮した線量分布を予測する予測処理を実行することを特徴とする線量分布予測システム。 - 前記制御部が、前記線量分布の予測時に患部配置を出力する処理を実行することを特徴とする請求項11に記載の線量分布予測システム。
- 前記制御部が、前記学習処理において、患者のカルテ情報を更に用いることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。
- 前記制御部が、治療前の患部配置に基づいて、治療後の患部配置を想定し、
前記推定モデルを用いて予測した患部配置と、前記想定した患部配置とが異なる場合には、注意喚起を出力することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
液管が配置された照射対象において、液流がある照射対象及び前記液流がない照射対象に粒子線を照射して取得した放射線の計測画像と、前記液管の配置情報とを用いて、機械学習を行なうことにより、流体拡散学習モデルを生成し、
照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得した場合、前記流体拡散学習モデルを用いて、前記放射線の実測画像の高画質化処理を行なった画像を生成して前記放射能分布を取得することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
放射線の計測画像と、前記放射線の計測画像にノイズを付加したノイズ加算計測画像とを用いて、機械学習を行なうことにより、ノイズ学習モデルを生成し、
照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得した場合、前記ノイズ学習モデルを用いて、前記放射線の実測画像の高画質化処理を行なった画像を生成して前記放射能分布を取得することを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
先行照射において予測した放射能分布に基づいて、後続の計測画像に影響する先行影響画像を生成し、
照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得した場合、放射線の実測画像の計測点から前記先行影響画像の計測点を差し引いた画像を生成して前記放射能分布を取得することを特徴とする請求項10〜16のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
放射線の計測画像と、前記放射線の計測画像を圧縮した圧縮計測画像とを用いて、機械
学習を行なうことにより、超解像学習モデルを生成し、
照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得した場合、前記超解像学習モデルを用いて、前記放射線の実測画像の高画質化処理を行なって、前記放射能分布を取得することを特徴とする請求項10〜17のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 前記制御部が、
粒子線の照射後の第1時刻の第1実測画像と、前記第1時刻よりも後の第2時刻の第2実測画像とを用いて、画像予測モデルを生成し、
照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得した場合、前記画像予測モデルを用いて、粒子線の照射後の第1時刻の実測画像から、第2時刻の第2画像を予測した画像を生成して前記放射能分布を取得することを特徴とする請求項10〜18のいずれか一項に記載の線量分布予測システム。 - 粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に関する情報を記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムを用いて、線量分布予測を行なう方法であって、
前記制御部が、
粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に基づいて、前記照射対象に対する粒子線の照射時の放射能分布と、外部に放出される放射線の計測画像とをシミュレーションにより算出し、
前記照射条件、前記放射能分布、前記計測画像を用いて機械学習を行なうことにより、放射能分布学習モデルを生成する学習処理と、
実際の照射条件において、照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得し、
前記照射条件、前記実測画像を前記放射能分布学習モデルに適用し、放射能分布を予測し、
前記予測した放射能分布により、線量分布を予測する予測処理とを実行することを特徴とする線量分布予測方法。 - 放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムを用いて、線量分布予測を行なう方法であって、
前記制御部が、
患部配置の患部画像、放射能分布を含む教師データを用いて、前記放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを作成する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を予測し、前記患部配置に応じた線量分布を算出する予測処理を実行することを特徴とする線量分布予測方法。 - 治療計画の線量分布及び放射能分布から、患部配置を考慮した線量分布を予測するための推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムを用いて、線量分布予測を行なう方法であって、
前記制御部が、
患部画像、放射能分布、治療計画の線量分布を含む教師データを用いて、前記患部配置に応じた実際の線量分布を予測する推定モデルを作成し、記憶部に記録する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、治療計画の線量分布及び前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を考慮した線量分布を予測する予測処理を実行することを特徴とする線量分布予測方法。 - 粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に関する情報を記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムを用いて、線量分布予測を行なうプログラムであって
、
前記制御部を、
粒子線の照射条件、照射対象の元素組成に基づいて、前記照射対象に対する粒子線の照射時の放射能分布と、外部に放出される放射線の計測画像とをシミュレーションにより算出し、
前記照射条件、前記放射能分布、前記計測画像を用いて機械学習を行なうことにより、放射能分布学習モデルを生成する学習処理と、
実際の照射条件において、照射対象に対する粒子線の照射時に外部に放出された放射線の実測画像を取得し、
前記照射条件、前記実測画像を前記放射能分布学習モデルに適用し、放射能分布を予測し、
前記予測した放射能分布により、線量分布を予測する予測処理とを実行する手段として機能させることを特徴とする線量分布予測プログラム。 - 放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムを用いて、線量分布予測を行なうプログラムであって、
前記制御部を、
患部配置の患部画像、放射能分布を含む教師データを用いて、前記放射能分布から患部配置を予測する推定モデルを作成する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を予測し、前記患部配置に応じた線量分布を算出する予測処理を実行する手段として機能させることを特徴とする線量分布予測プログラム。 - 治療計画の線量分布及び放射能分布から、患部配置を考慮した線量分布を予測するための推定モデルを記憶する記憶部に接続された制御部を備えた線量分布予測システムを用いて、線量分布予測を行なうプログラムであって、
前記制御部を、
患部画像、放射能分布、治療計画の線量分布を含む教師データを用いて、前記患部配置に応じた実際の線量分布を予測する推定モデルを作成し、記憶部に記録する学習処理と、
新たな放射能分布を取得した場合に、治療計画の線量分布及び前記新たな放射能分布を、前記記憶部に記憶された前記推定モデルに適用して、患部配置を考慮した線量分布を予測する予測処理を実行する手段として機能させることを特徴とする線量分布予測プログラム。
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