JP6635286B2 - 測定容器を備える測定装置 - Google Patents

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本発明は、試料分析において、一つの検査液中に含まれる複数の成分の分析に好適な測定容器、及び該測定容器を備える測定装置に関する。
例えば、農業の分野において、農作物の育成状態の管理のため、農作物の生育環境における土壌成分の分析が広く行われている。
一般的に、土壌分析装置は、それぞれの土壌抽出液をその都度複数の試験管に目盛り付のスポイトで計量しながら注入し、その後、土壌成分毎に決められた試薬および希釈液を試験管に注入し発色させる。そして、比色表、比濁表、または、吸光光度法等を用いて数値換算することで測定が行われている。
しかしながら、上述の測定方法は、それぞれの土壌抽出液に試薬を混合する必要があるため、繰り返し作業が多くなる。また、測定したい土壌成分に応じた試薬を準備する必要もあり、煩雑性が高い。
土壌分析を頻繁に行うことにより、圃場ごとの細かい分析や、作付けごとの分析を行うことで、前作の影響を考慮した施肥設計を行うことができる。また、生育期間の長い作物についてはより短いスパンで定期的に分析を行うことで、追肥のタイミングや量を最適化することができる。したがって、このような土壌分析を行うことにより、収穫量の増加や品質の安定化が望める。
しかしながら、上述した煩雑性の高さから分析の頻度を高めることは困難である。
このような繰り返し作業を含む測定方法、同一の検査液から複数の成分に対しアプローチを行う測定方法は、土壌分析に限らずいくつか存在する。近年では、このような煩雑さを解決するための、簡易な方法で検査液と試薬等とを混合し、成分を分析する手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、生化学反応の検出や分析等に用いる試料分析チップが開示されている。図10は、特許文献1に記載の試料分析チップ100を示す平面図である。図10に示すように、試料分析チップ100は、基材101上に、複数のウェル102と、各ウェル102に溶液、例えば液体試料を送液するための流路とを有している。流路は、各ウェル102に送液するために、少なくとも各ウェル102と連絡する一つの主流路103を有し、さらに主流路103とウェル102とをつなぐ側路105を有する。主流路103の端部には注入口(INLET)が、他方の端部には空気の脱出口を兼ねた出口(OUTLET)が形成されている(図中ではINLET/OUTLET107)。
試料分析チップ100では、この注入口(INLET107)から液体試料が導入され、導入された液体試料が、主流路103から検査部であるウェル102に遠心力によって送液される。そして、送液された液体試料と、ウェル102に予め封入された試薬とを反応させて、その反応を観察する。
また、試料分析チップ100では、主流路103とウェル102との連絡口が、試料分析チップ100を回転させる前の段階では、ウェル102に溶液が浸入しない程度の幅及び断面積になっている。さらに、ウェル102の外周側の壁面は内周側の壁面と親水性が異なっている。これにより、ウェル102の外周側に試薬を固定することができるとともに、試料分析チップ100を回転させる前に試薬が液体試料と混ざり、液体試料が汚染されることを防いでいる。また、試料分析チップ100では、主流路103の路幅が主流路山部103aで狭く、主流路谷部103bで広くなっている。このように、主流路谷部103bの路幅を広げることで、各ウェル102への配液量を制御することができる。
このように、特許文献1に記載の試料分析チップ100においては、微量の検査液を用いて、複数種の検体を同じ試薬で同時に処理をしたり、また逆に一種類の検体に同時に複数の処理を施したりすることができ、従来かかっていた時間や手間を大幅に減らすことができる。
特開2012−185000号公報(2012年9月27日公開)
しかしながら、特許文献1に開示されている試料分析チップ100では、液体試料に含まれる複数の成分を分析する際に、下記課題により、測定精度が低くなる場合がある。
すなわち、特許文献1に開示されている試料分析チップ100では、液体試料と試薬とを混合した後、液体試料の光学特性、例えば光の透過強度から吸光度を測定する。しかし、液体試料と試薬とを混合する際に、液体試料と試薬との反応によって気体が発生すると、気泡が発生してしまう。或いは、遠心力や回転方向の加減速を用いて液体試料と試薬とを混合・撹拌する際にも、液体試料内部に気泡が発生してしまう。このため、液体試料中に気泡が存在する状態で、液体試料の光学特性を測定すると、気泡に起因する光の散乱・反射が起こり、測定精度が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体試料中に気泡が存在したとしても、精度の良い測定を行うことができる測定容器及び該測定容器を備える測定装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る測定容器は、液体試料を収容する1つ又は複数の撹拌室を備え、1つの回転軸を中心として回転駆動され、前記回転軸の周りの回転の加減速により、前記撹拌室の内部の前記液体試料を撹拌する測定容器であって、前記撹拌室の内壁が、互いに対向する底面及び天面を含み、前記天面が、前記回転軸に平行な方向に沿って光を透過する低天面と、前記低天面の周辺部に位置する、前記底面に対して前記低天面よりも高い位置に配置された高天面とを有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、液体試料中に気泡が存在したとしても、精度の良い測定を行うことができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る測定容器の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は測定容器を上方からみた正面図であり、(b)は(a)のA−A’矢視断面図である。 本発明の実施形態1に係る測定容器の分析セルの構成の概略を模式的に示した図であり、(a)は分析セルを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のB−B’矢視断面図である。 本発明の実施形態1に係る測定容器を用いた測定装置の構成を説明する図である。 本発明の実施形態1に係る測定容器の分析セルの液体試料と試薬とを混合・撹拌した後の様子を示す図であり、(a)は分析セルを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のC−C’矢視断面図である。 本発明の実施形態2に係る測定容器の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は測定容器を上方からみた正面図であり、(b)は(a)のD−D’矢視断面図である。 本発明の実施形態3に係る測定容器の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は測定容器を上方からみた正面図であり、(b)は(a)のE−E’矢視断面図である。 本発明の実施形態4に係る測定容器の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は測定容器を上方からみた正面図であり、(b)は(a)のF−F’矢視断面図である。 本発明の実施形態4に係る測定容器を用いて液体試料を分析している様子を示した図であり、図7の(a)のF−F’矢視断面図である。 本発明の実施形態5に係る測定容器の概略構成を模式的に示す図であり、(a)は測定容器を上方からみた正面図であり、(b)は(a)のG−G’矢視断面図であり、(c)は測定容器の測定室に液体試料が注入されている状態で測定容器が傾いている様子を示す(a)のG−G’矢視断面図である。 従来の測定容器の構成を示す平面図である。
以下、本発明の測定容器及び該測定容器を備える測定装置について図面を参照して説明する。本発明の測定容器は、液体試料の成分濃度を測定するために用いられるものである。
〔実施形態1〕
以下、本実施形態に係る測定容器1Aについて、図1〜図4に基づいて説明する。
(測定容器1Aの構成)
図1は、本実施形態に係る測定容器1Aの概略を模式的に示す図であり、(a)は測定容器1Aを上方(天面側)から見た正面図であり、(b)は(a)のA−A’矢視断面図である。
図1の(a)に示すように、測定容器1Aは、仮想的な線を表す回転軸9を中心として、後述する測定装置21(図3)により回転駆動されるものである。測定容器1Aは、6つの分析セル2Aから構成されており、全体として円盤状の構造となっている。各分析セル2Aは、仮想的な回転軸9を中心とする扇型に形成されている。各分析セル2Aは、図中破線で示すように区画化されており、互いに連通していない。なお、本実施形態では、6つの分析セル2Aが形成されているが、分析セル2Aの数は限定されるものではない。つまり、分析セル2Aの数は、1つであっても、複数であってもよい。
各分析セル2Aの上面には、液体注入口3と天面側測定窓6aとが形成されている。測定容器1Aでは、液体注入口3が内周側に、天面側測定窓6aが外周側に形成されている。全ての液体注入口3は、回転軸9を中心とする第1の円周上(同一円周上)に形成されている。同様に、全ての天面側測定窓6aは、測定容器1Aの外縁に沿って、回転軸9を中心とする第2の円周上に形成されている。分析セル2Aの詳細は後述する。
なお、測定容器1A(分析セル2A)を構成する材料は特に限定されるものではない。測定容器1Aを安価な構成とするためには、全体が透明性の高い合成樹脂から作製されていることが好ましい。本実施形態においては、測定容器1Aは、全体が透明性の高いポリスチレンで作製されている。
測定容器1Aの断面は、図1の(b)に示すように、ハット形状となっており、ハット形状の頭部からフランジ部に亘って空間が形成されている。これにより、分析セル2Aが容器形状となっている。具体的には、分析セル2A内の空間は、上記頭部に対応する分析セル2Aの上面に形成された液体注入口3(液体試料注入口)、上記フランジ部に形成された測定室(撹拌室)4A、及び液体注入口3と測定室4Aとを接続する流路5から形成されている。
各測定室4A内には、液体試料Lに含まれる複数の成分のうちの所定の成分と反応する試薬10が封入されている。流路5には、液体注入口3から外周方向の測定室4Aに向かって下がる傾斜面5aが形成されている。このように、測定容器1Aは、回転軸9の周りに複数の液体注入口3が形成され、各液体注入口3の外周側に流路5を通して連通する測定室4Aが形成された構成となっている。
なお、測定容器1Aの断面の形状はハット形状に限定されるものではなく、例えば、円柱形状等、他の形状であってもよい。
(分析セル2Aの構成)
次に、分析セル2Aの構造の詳細について、図2に基づいて説明する。図2は、分析セル2Aの概略を模式的に示す図であり、(a)は分析セル2Aを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のB−B’矢視断面図である。
以下の説明では、便宜上、液体注入口3が形成される側を上方(上面または天面)、その逆側(測定容器1Aの裏側)を下方(下面または底面)とする。測定容器1Aに対して、重力は上方から下方に向かって作用するものとする。
図2の(a)に示すように、液体注入口3は、測定室4Aに、分析対象となる液体試料Lを導入するための開口部である。液体注入口3は、液体注入口3と測定室4Aとを連通する流路5に接続されており、液体注入口3に導入された液体試料Lは流路5を介して測定室4Aに導入される。
測定室4Aは、液体試料Lを収容し、液体試料Lの吸光度を測定するための空間である。各測定室4A内には、液体試料Lに含まれる複数の成分のうちの所定の成分と反応する試薬10が封入されている。各測定室4A内の試薬10は、各分析セル2Aで測定したい液体試料Lの成分に対して反応する試薬である。試薬10は、液体試料Lの測定しようとする成分に応じて任意に設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、土壌分析においてMg成分の濃度を測定したい場合の試薬10として、「キシリジルブルー+Triton X−100+トリエタノールアミン+硫酸ナトリウム+GEDTA+テトラエチレンペンタミン+リン酸水素2ナトリウム+水酸化ナトリウム溶液」混合溶液等を挙げることができる。液体試料Lの他の成分について測定する場合は、その成分に対応する市販の試薬10、または、開発した試薬10を用いることができる。なお、試薬10は、保存性の観点から、固体で経時変化が少ないものであることが好ましい。
測定室4Aの内壁は、図2の(b)に示すように、互いに対向する天面7Aと底面8とを含んでいる。
さらに、測定室4Aの天面7Aは、高天面7Aaと低天面7Abとから構成されている。高天面7Aaは、低天面7Abよりも上方に位置している。つまり、高天面7Aaと低天面7Abとの間には段差が設けられている。低天面7Abは、測定室4Aの天面7Aのうち、円周方向の中央部に設けられており、高天面7Aaは、低天面7Abの円周方向の両側に設けられている。
天面7Aの低天面7Abには、天面側測定窓6aが設けられている。また、測定室4Aの底面8には、底面側測定窓6bが設けられている。天面7Aには段差が形成されており、測定室4Aの天面7Aは、光透過部である天面側測定窓6aの部分がその周囲よりも掘り下がった形状になっている。つまり、底面8からの高さが相対的に低い低天面7Abの周辺に、底面8からの高さが低天面7Abよりも高い高天面7Aaが形成されている。天面側測定窓6aと底面側測定窓6bとは、上方(または下方)から見ると、互いに重なるように設けられている。各分析セル2Aの天面側測定窓6a及び底面側測定窓6bは、測定容器1Aの外縁に沿って、回転軸9を中心とする同一円周上(第2の円周上)に形成されている(図1参照)。
測定容器1Aは、天面側測定窓6aから底面側測定窓6bへ透過した光に基づいて液体試料Lを分析するために設けられる。このため、少なくとも天面側測定窓6a及び底面側測定窓6bが、シリコーン、ガラス、ポリカーボネート、アクリル等の透明材から作製されていればよい。なお、上述のように、本実施形態では測定容器1Aの全体が透明性の高いポリスチレンで作製されている。このように、測定容器1Aが光透過性材料(特に透明材料)から形成されている場合、天面側測定窓6a及び底面側測定窓6bを別途設ける必要はなく、天面側測定窓6a及び底面側測定窓6bが測定容器1Aと一体となっている。
流路5は、一端が液体注入口3に、他端が測定室4Aに接続されている。流路5には、液体注入口3から外周方向の測定室4Aに向かって下がる傾斜面5aが形成されている。傾斜面5aは、液体注入口3から測定室4Aの底面8まで形成されている。すなわち、傾斜面5aの高さは、液体注入口3から、測定室4Aが形成される分析セル2Aの外周方向に向かって、次第に低くなっている。これにより、液体注入口3から導入された液体試料Lを、液体注入口3の直下付近に溜まることなく、スムーズに傾斜面5aに沿って測定室4Aに導くことができるようになっている。さらに、後述する測定容器1Aの回転の遠心力によって液体試料Lと試薬10とを混合する際に、液体試料Lが、測定室4Aから液体注入口3へと逆流することを防ぎ、液体試料Lが測定容器1Aの外部へ飛散することを防ぐことができるようになっている。
(測定装置21の構成)
次に、図3を用いて、測定容器1Aを用いた測定装置21の構成について説明する。図3は測定容器1Aを用いた測定装置21の構成を説明する図である。
測定装置21は、回転軸9を中心に測定容器1Aを回転させることで、測定室4A内の液体試料Lと試薬10とを撹拌および混合するものである。さらに、測定装置21は、液体試料Lの光学特性を測定し、液体試料L中の成分を分析する機能も有する。測定装置21によると、後述のように、気泡の存在による測定精度の低下を防ぎ、精度の良い測定を行うことができる。
測定装置21は、測定容器1Aと、テーブル22と、駆動機構23と、液体試料注入装置24と、光学測定機構27とを備えている。
テーブル22は、測定容器1Aを載置するためのものである。テーブル22は、駆動機構23の頭頂部に配置されることで支持されている。テーブル22の表面には、いわゆるDカットされた円柱状の回転軸部材と、測定容器1Aを固定するためのストッパーおよび爪などが配置されている。測定容器1Aの中心部が、テーブル22の上記回転軸部材に挿入される。上記回転軸部材は回転軸9と同軸に配置される。テーブル22には、測定容器1Aが表面にセットされた状態で各測定室4Aの下方に位置する領域に開口部が形成されている。
駆動機構23は、測定装置21の制御部(不図示)からの指示により、テーブル22を回転駆動する。一例として、駆動機構23は、パルス制御可能なステッピングモーターから構成することができる。
液体試料注入装置24は、測定容器1Aに液体試料Lを注入する。具体的には、液体試料注入装置24は、各分析セル2Aの液体注入口3(図1、図2参照)から測定室4Aに液体試料Lを注入する。液体試料注入装置24は、後述のように、テーブル22に測定容器1Aが静置された状態で、測定室4A内部の液体試料Lの液面が、測定室4Aの底面8に対して低天面7Abよりも高い位置に形成されるように、液体試料Lを液体注入口3から測定室4Aに注入する。
液体試料注入装置24は、各分析セル2Aの液体注入口3に順次個別に液体試料Lを注入してもよいし、全ての分析セル2Aの液体注入口3に同時に液体試料Lを注入してもよい。
光学測定機構27は、測定容器1Aの測定室4A内で撹拌された液体試料Lの光学特性を測定し、液体試料L中の成分を分析するものである。一例として、光学測定機構27は、吸光光度法により液体試料Lの成分を測定する。光学測定機構27は、発光部25と、受光部26とを備えている。
発光部25は、回転駆動されるテーブル22にセットされた測定容器1Aの各分析セル2Aのうち何れかに光を照射するものである。発光部25は、回転駆動されるテーブル22にセットされた測定容器1Aの各分析セル2Aのうち何れかの上方に位置するように配置されている。そして、発光部25は、下方に配置された分析セル2Aの天面側測定窓6aに光を照射する。
受光部26は、発光部25から天面側測定窓6aに照射され、測定室4Aおよび底面側測定窓6bを透過した光を受光し、当該受光した光のスペクトルをデータとして、図示しない制御部などに出力するものである。当該制御部は、受光部26から取得したスペクトルデータを基に、測定室4A内の液体試料Lの成分の測定結果を得る。受光部26は、発光部25の下方に配されている。
このように、測定装置21は、テーブル22に測定容器1Aがセットされると、テーブル22および測定容器1Aの一部が、受光部26と、発光部25との間に配置されることになる。さらに、測定装置21は、回転軸9を中心に測定容器1を回転させることで、測定室4Aに封入された試薬10と、液体試料注入装置24によって液体注入口3から測定室4Aに注入された液体試料Lとを撹拌する。
(測定装置21を用いた液体試料Lの測定)
次に、図1〜図4を用いて、測定容器1Aを備えた測定装置21を用いた液体試料Lの成分濃度の測定方法について説明する。
まず、測定容器1Aを、測定装置21にセットする。次に、分析対象となる液体試料Lを各液体注入口3から注入する。上述したように、各分析セル2Aの流路5は、内周側から外周側へ向かって高さが低くなるような傾斜面5aを有している。これにより、液体注入口3から注入された液体試料Lは、傾斜面5aに沿って測定室4A内に導入される。この際、測定室4A内の液体試料Lの液面が、天面側測定窓6aよりも高くなるように、注入する液体試料Lの量が設定されている。
次に、液体試料Lを測定室4Aに導入した測定容器1Aを回転軸9の周りに回転運動させる。例えば、液体試料Lの導入後、測定装置21の駆動機構23を用いて、測定容器1Aを回転軸9の周りに加減速させながら回転駆動させる。これにより、測定室4Aは、回転軸9の周りを公転し、測定容器1Aに遠心力が作用する。その結果、測定室4Aに導入された液体試料Lと、測定室4Aに予め封入された試薬10とが混合・撹拌される。測定容器1Aは、液体試料Lと試薬10とが十分反応するまで、回転駆動される。
液体試料Lと試薬10との撹拌の態様は、測定容器1Aが回転軸9の周りの一方向に一定速度で回転して撹拌する態様でもよいし、加速、減速を伴って回転して撹拌する態様でもよい。また、一方向と逆方向とに交互に回転して撹拌する態様でもよい。
なお、傾斜面5aは、測定室4Aから液体注入口3に向かって高さが高くなっている。このため、液体試料Lと試薬10との撹拌時に、注入された液体試料Lが測定室4Aから液体注入口3へ逆流することを防ぎ、注入された液体試料Lが測定容器1Aの外部へ飛散することを防ぐことができる。
次に、反応させた液体試料Lと試薬10との混合液の光学測定により、液体試料Lの成分濃度の測定を実施する。具体的には、上記駆動機構23により回転軸9の周りに回転する測定容器1Aの測定室4Aを透過した光の吸光度を測定する。より詳細には、上記測定装置21の発光部25から射出された光を、天面側測定窓6a、測定空間S、底面側測定窓6bの順に透過させ、透過した光を上記測定装置21の受光部26に入射させる。そして、受光部26が受光した光の強度(光透過量)に基づいて吸光度を算出する。これにより、算出した吸光度に基づいて、液体試料Lの成分濃度を算出することが可能となる。
測定容器1Aは、6つの分析セル2Aから構成されているため、1つの測定容器1Aで同時に複数の成分の濃度を測定することができる。これにより、成分濃度の測定時間を短縮することができる。
ここで、液体試料Lと試薬10とを混合・撹拌した後の測定室4Aの状態について、図4に基づいて説明する。図4は、液体試料Lと試薬10とを混合・撹拌した後の、測定室4Aの状態を模式的に示す図であり、(a)は分析セル2Aを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のC−C’矢視断面図である。
液体試料Lと試薬10とを混合するにあたって、液体試料Lと試薬10との反応によって気体が発生すると、液体試料L中に気泡Bが発生する。或いは、測定容器1Aを回転させて液体試料Lと試薬10とを混合・撹拌する際にも、液体試料L内部に気泡Bが発生してしまう。しかし、液体試料L中に気泡Bが存在する状態で、液体試料Lの光学特性を測定すると、気泡Bに起因する光の散乱・反射が起こり、測定精度が低下するという問題が生じる場合がある。特に、図4の(b)に示す天面側測定窓6a及び底面側測定窓6b(底面8)との間の測定空間Sに気泡Bが存在すると、測定精度が著しく低下してしまう。つまり、天面側測定窓6a(低天面7Ab)への気泡Bの噛み込みは、測定精度の低下を招来する。
この問題を解決するために、本実施形態の測定容器1Aでは、測定室4Aの天面7Aが、回転軸9に平行な方向に沿って光を透過する低天面7Abと、低天面7Abの周辺部に位置すると共に、測定室4Aの底面8に対して低天面7Abよりも高い位置に配置されている高天面7Aaとを有する。これにより、測定容器1Aを回転軸9の周りに回転させることによって測定容器1A内に気泡Bが発生しても、図4の(b)に示すように、発生した気泡Bは、高天面7Aaと液体試料Lの液面との間に形成される空間に容易にトラップされる。その結果、低天面7Abと底面8との間の空間(天面側測定窓6a及び底面側測定窓6bとの間の測定空間S)への気泡Bの噛み込みが低減される。したがって、低天面7Abに光を透過させて液体試料Lの光学特性を測定する際に、気泡Bの存在による測定精度の低下を防ぐことができる。それゆえ、精度の良い測定を行うことができる測定容器1Aおよび測定装置21を提供することができる。
また、測定容器1Aでは、6つの測定室4Aが、回転軸9の周りであって、回転軸9から離れていた位置に設けられている。そのため、測定室4Aが、回転軸9の周りを公転する。これにより、測定室4Aが、回転軸9を中心に自転する場合と比べて、測定室4Aは回転軸9との距離が離れて配置されるため、測定室4Aにはより強い遠心力が作用する。この結果、液体試料Lをより効率よく撹拌することができる。
また、測定容器1Aでは、6つの分析セル2Aを備えており、各分析セル2Aの測定室4Aが、回転軸9の周りの1つの回転平面において円周状に配置されている。これにより、回転軸9の周りに測定容器1Aを回転させることにより、1つの光学測定系(光学測定機構27)で6つの分析セル2Aの測定を行うことが可能になる。
さらに、測定容器1Aは、6つの分析セル2Aを備えており、各分析セル2Aの天面側測定窓6a及び底面側測定窓6bは、測定容器1Aの外縁に沿って、回転軸9を中心とする同一円周上(第2の円周上)に形成されている。これにより、駆動機構23により、測定容器1Aを回転軸9の周りに回転移動させることで、6つの分析セル2Aの測定を1つの光学測定系(光学測定機構27)で測定することができる。
ところで、測定容器1Aは、回転軸9の周りの回転の加減速により、測定室4Aの内部の液体試料Lを撹拌する。このため、撹拌時に発生した液体試料L中の気泡Bは、回転軸9の周りの周方向に移動する。
そこで、測定容器1Aでは、撹拌時に発生した気泡Bが移動する位置である、回転軸9の周りの周方向の両側に、高天面7Aaが配置されている。これにより、高天面7Aaと液体試料Lの液面との間に形成される空間に、気泡Bを容易にトラップすることができる。その結果、低天面7Abと底面8との間の測定空間Sへの気泡Bの噛み込みがより確実に低減され、その測定空間Sを液体試料Lで満たすことができる。したがって、気泡Bの存在による測定精度の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態の測定装置21は、測定装置21に設けられた液体試料注入装置24から、測定室4Aと対応して配置された液体注入口3へと液体試料Lが注入される。これにより、測定室4Aにおいて、液体試料Lと、測定室4Aに予め封入されていた試薬10とを撹拌することができる。
また、測定装置21では、液体試料注入装置24が、図4の(b)に示すように、液体試料Lの液面が底面8に対して低天面7Abよりも高い位置になるように、液体試料Lを測定室4Aに注入する。これにより、低天面7Abと底面8との間の測定空間Sが、液体試料Lによって満たされる。さらに、低天面7Abと底面8との間の測定空間Sへの気泡Bの噛み込みが発生しても、発生した気泡Bは、高天面7Aaと液体試料Lの液面との間に形成される空間に容易にトラップされる。したがって、気泡Bの存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態において説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る測定容器1Bは、分析セル2Bの測定室4Bの構造が、実施形態1に係る測定容器1Aの分析セル2Aの測定室4Aの構造と異なる。
本実施形態に係る測定容器1Bについて、図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係る測定容器1Bの概略を模式的に示す図であり、(a)は測定容器1Bを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のD−D’矢視断面図である。なお、図5の(b)は、液体試料Lを注入した後の様子を示している。
実施形態1の測定容器1Aでは、低天面7Abは、測定室4Aの天面7Aのうち、円周方向の中央部に設けられており、低天面7Abの円周方向の両側に高天面7Aaが設けられていた。
本実施形態の測定容器1Bの分析セル2Bでも、測定室4Bの天面7Bは、図5の(b)に示すように、高天面7Baと低天面7Bbとから構成されている。しかし、本実施形態の測定容器1Bでは、低天面7Bbの円周方向の一方の側のみに高天面7Baが設けられる。
測定容器1Bの場合、撹拌時に発生した気泡Bが移動する位置である、回転軸9の周りの周方向の両側の位置のうちの一方に、高天面が配置されている。これにより、高天面7Baと液体試料Lの液面との間に形成される空間に、気泡Bを容易にトラップすることができる。その結果、低天面7Bbと底面8との間の測定空間Sへの気泡Bの噛み込みがより確実に低減され、その測定空間Sを液体試料Lで満たすことができる。したがって、気泡Bの存在による測定精度の低下を防ぐことができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態において説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る測定容器1Cは、分析セル2Cの測定室4Cの構造が、実施形態1に係る測定容器1Aの分析セル2Aの測定室4Aの構造と異なる。
本実施形態に係る測定容器1Cについて、図6に基づいて説明する。図6は、測定容器1Cの概略を模式的に示す図であり、(a)は測定容器1Cを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のE−E’矢視断面図である。なお、図6の(b)は、液体試料Lを注入した後の様子を示している。
実施形態1の測定容器1Aでは、低天面7Abは、測定室4Aの天面7Aのうち、円周方向の中央部に設けられており、低天面7Abの円周方向の両側に高天面7Aaが設けられていた。また、高天面7Aaと低天面7Abとを接続部分(段差部)は、垂直になっていた。
これに対し、本実施形態に係る測定容器1Cでも、低天面7Cbは、測定室4Cの天面7Cのうち、円周方向の中央部に設けられており、低天面7Cbの円周方向の両側に高天面7Caが設けられている。ただし、高天面7Caと低天面7Cbとを接続する接続部11(段差部)が、下方を凸面とした曲面になるように形成されている。
このように、下方を凸面とした曲面構造の接続部11を設けることにより、測定容器1Cを回転させて混合・撹拌する際に発生した気泡Bが、高天面7Caと低天面7Cbとを接続する接続部11に近づくと、接続部11に設けられた曲面にそって高天面7Caへと移動しやすくなる。つまり、低天面7Cbと底面8との間の測定空間Sへの気泡Bの噛み込みが発生しても、その気泡Bが、高天面7Caに向かって移動しやすくなる。その結果、高天面7Caと液体試料Lの液面との間に形成される空間に、より確実に気泡Bをトラップすることができる。したがって、低天面7Cbと底面8との間の測定空間Sを液体試料Lで満たすことができるので、気泡Bの存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図7及び図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態において説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る測定容器1Dは、分析セル2Dの測定室4Dの構造が、実施形態1に係る測定容器1Aの分析セル2Aの測定室4Aの構造と異なる。
本実施形態に係る測定容器1Dについて、図7に基づいて説明する。図7は、測定容器1Dの概略を模式的に示す図であり、(a)は測定容器1Dを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のF−F’矢視断面図である。なお、図7の(b)は、液体試料Lを注入した後の様子を示している。
本実施形態の測定容器1Dの分析セル2Dでは、図7の(b)に示すように、測定室4Dの天面7Dが、高天面7Daと低天面7Dbとから構成されている。
天面側測定窓6cは、図7の(a)に示すように、上方から見ると円状に構成されている。低天面7Dbは、測定室4Dの天面7Dのうち円周方向の中央部に設けられている。高天面7Daは、低天面7Dbの周辺部の位置であって、かつ、低天面7Dbにおける回転軸9の周りの周方向の両側の位置に設けられている。
低天面7Dbは、中央部から、高天面7Daに近づくに従って、底面8からの位置が高くなるように構成されている。換言すれば、低天面7Dbは、下側(底面8側)に凸状の曲面形状になっている。また、低天面7Dbが、天面側測定窓6cとなっている。
このように、測定容器1Dでは、低天面7Dbは、高天面7Daに近づくに従って、底面8からの位置が高くなる傾斜面となっている。これにより、低天面7Dbと底面8との間の測定空間Sへの気泡Bの噛み込みが発生しても、その気泡Bが、低天面7Dbの傾斜面に沿って、高天面7Daに向かって移動しやすくなる。その結果、高天面7Daと液体試料Lの液面との間に形成される空間に、より確実に気泡Bをトラップすることができる。したがって、低天面7Dbと底面8との間の測定空間Sを液体試料Lで満たすことができるので、気泡Bの存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
また、低天面7Dbを下側に凸状の曲面形状の傾斜面に構成することにより、低天面7Dbに設けられた天面側測定窓6cにレンズ機能を付与することが可能になる。天面側測定窓6cのレンズ機能について、図8に基づいて詳細に説明する。図8は、測定容器1Dを用いて液体試料Lを分析している様子を示した図であり、図7の(a)のF−F’矢視断面図である。
図8に示すように、測定時には、発光部25(図3参照)から光Xが出射される。発光部25から出射された光Xは、天面側測定窓6c、測定室4C、及び底面側測定窓6bを透過し、受光部26(図3参照)によって受光される。ここで、液体試料Lの光学測定、例えば吸光度計測によって液体試料Lの成分分析を行う場合、発光部25に用いられる光源として、一般的に、LED(Light Emitting Diode)が用いられる。LEDは、コスト、消費電力、及びサイズの観点から光源として用いるのに好適である。しかしながら、LEDから出射された光Xは、光源から拡がり角を持って伝搬する。そのため、液体試料Lの分析精度が低下してしまう。この問題を解決するために、一般的には、光Xが通過する光路中にレンズを設け、光Xの広がりを抑制している。
本実施形態の測定容器1Dでは、光Xの光源からの広がり角、及び光源と上記受光部26との光路長に基づいて、低天面7Dbの曲率半径が最適になるように、低天面7Dbを下側に凸状の曲面形状に形成している。これにより、天面側測定窓6cにレンズ機能を付与することができる。したがって、光Xが通過する光路中にレンズを設けることなく、光Xの広がりを抑制することができ、安価でかつ測定精度を向上させることができる測定容器1Dとすることができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態において説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る測定容器1Eは、分析セル2Eの測定室4Eの構造が、実施形態1に係る測定容器1Aの分析セル2Aの測定室4Aの構造と異なる。
本実施形態に係る測定容器1Eについて、図9に基づいて説明する。図9は、本実施形態に係る測定容器1Eの概略を模式的に示す図であり、(a)は測定容器1Eを上方から見た正面図であり、(b)は(a)のG−G’矢視断面図であり、(c)は測定室4Eに液体試料Lが注入されている状態において測定容器1Eが傾いている様子を示す(a)のG−G’矢視断面図である。
本実施形態の測定容器1Eの測定室4Eでは、図9の(b)に示すように、測定室4Eの天面7Eが、高天面7Eaと低天面7Ebとから構成されている。
低天面7Ebは、測定室4Eの天面7Eにおける径方向の内側に設けられており、高天面7Eaは、測定室4Eの天面7Eにおける径方向の外側に設けられている。
このように測定容器1Eを構成することにより、駆動機構23(図3参照)によって測定室4Eに導入された液体試料Lと、測定室4Eに予め封入された試薬10とを混合・撹拌する際に、発生する気泡Bに遠心力が作用し、気泡Bが外周側に移動する。このため、高天面7Eaと液面との間に形成された空間に、より容易にトラップすることができ、測定空間Sをより確実に液体試料Lによって満たすことが可能になる。その結果、気泡Bによって測定精度が低下することを防ぐことができる。
さらに、液体試料Lの成分濃度の測定の際に、図9の(c)に示すように、図示しない傾斜機構によって測定容器1Eを、測定容器1Eの光学測定機構27に対応する箇所の外周側が内周側よりも上方になるように傾斜させることにより、気泡Bを、低天面7Ebの外周側に設けられた高天面7Eaと液面との間に形成された空間に、より容易にトラップすることができる。その結果、高天面7Eaと液体試料Lの液面との間に形成される空間に、より確実に気泡Bをトラップすることができる。したがって、低天面7Ebと底面8との間の測定空間Sを液体試料Lで満たすことができるので、気泡Bの存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
なお、傾斜機構により測定容器1Eを傾ける方法は、測定容器1Eのみを傾ける方法でもよいし、測定容器1Eを含む駆動機構全体を傾ける方法でもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る測定容器1A〜1Eは、液体試料Lを収容する1つ又は複数の撹拌室(測定室4A〜4E)を備え、1つの回転軸9を中心として回転駆動され、前記回転軸9の周りの回転の加減速により、前記撹拌室(測定室4A〜4E)の内部の前記液体試料Lを撹拌する測定容器1A〜1Eであって、前記撹拌室(測定室4A〜4E)の内壁が、互いに対向する底面8及び天面7A〜7Eを含み、前記天面7A〜7Eが、前記回転軸9に平行な方向に沿って光を透過する低天面7Ab〜7Ebと、前記低天面7Ab〜7Ebの周辺部に位置する、前記底面8に対して前記低天面7Ab〜7Ebよりも高い位置に配置された高天面7Aa〜7Eaとを有することを特徴としている。
この特徴によれば、撹拌室の天面が、回転軸に平行な方向に沿って光を透過する低天面と、低天面の周辺部に位置すると共に、撹拌室の底面に対して低天面よりも高い位置に配置されている高天面とを有する。これにより、測定容器を回転軸の周りに回転させることによって測定容器内に気泡が発生しても、発生した気泡は、高天面と液体試料の液面との間に形成される空間に容易にトラップされる。その結果、低天面と底面との間の空間への気泡の噛み込みが低減される。したがって、低天面に光を透過させて液体試料の光学特性を測定する際に、気泡の存在による測定精度の低下を防ぐことができる。それゆえ、精度の良い測定を行うことができる測定容器を提供することができる。
本発明の態様2に係る測定容器1A〜1Eは、上記態様1において、前記1つ又は複数の撹拌室(測定室4A〜4E)は、前記回転軸9の周りであって、前記回転軸9から離れた位置に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、1つ又は複数の撹拌室は、回転軸周りであって、回転軸から離れた位置に配置されているため、1つ又は複数の撹拌室は、回転軸の周りを公転する。これにより、1つ又は複数の撹拌室は、回転軸を中心に自転する場合と比べて、回転軸との距離が離れて配置されるため、1つ又は複数の撹拌室にはより強い遠心力が作用する。この結果、撹拌室内の液体試料をより効率よく撹拌することができる。
本発明の態様3に係る測定容器1A〜1Eは、上記態様1または態様2において、前記1つ又は複数の撹拌室(測定室4A〜4E)は複数の撹拌室(測定室4A〜4E)であり、前記複数の撹拌室(測定室4A〜4E)は、前記回転軸9の周りの1つの回転平面において円周状に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、複数の撹拌室が、回転軸の周りの1つの回転平面において円周状に配置されている。これにより、回転軸周りに測定容器を回転させることにより、1つの光学系で複数の測定を行うことが可能になる。
本発明の態様4に係る測定容器1Bは、上記態様1において、前記高天面7Baは、前記低天面7Bbの周辺部の位置であって、かつ、前記低天面7Bbにおける前記回転軸9の周りの周方向の両側の位置のうちの少なくとも一方の位置に配置されている構成であってもよい。
本発明の測定容器は、回転軸の周りの回転の加減速により、撹拌室の内部の液体試料を撹拌する。このため、撹拌時に発生した液体試料中の気泡は、回転軸の周りの周方向に移動する。
上記の構成によれば、撹拌時に発生した気泡が移動する位置である、回転軸の周りの周方向の両側の位置のうち少なくとも一方に、高天面が配置されている。これにより、高天面と液体試料の液面との間に形成される空間に、気泡を容易にトラップすることができる。その結果、低天面と底面との間の空間への気泡の噛み込みがより確実に低減され、その空間を液体試料で満たすことができる。したがって、気泡の存在による測定精度の低下を防ぐことができる。
本発明の態様5に係る測定容器1A・1C・1Dは、上記態様1において、前記高天面7Aa・7Ca・7Daは、前記低天面7Ab・7Cb・7Dbの周辺部の位置であって、かつ、前記低天面7Ab・7Cb・7Dbにおける前記回転軸9の周りの周方向の両側の位置に配置されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、撹拌時に発生した気泡が移動する位置である、回転時の周りの周方向の両側に、高天面が配置されている。したがって、回転時の周りの周方向の片側に高天面が配置されている場合よりも、気泡の存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
本発明の態様6に係る測定容器1Dは、上記態様1〜5のいずれか一態様において、前記低天面7Dbは、前記高天面7Daに近づくに従って前記底面8からの位置が高くなる傾斜面を有する構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、低天面は、高天面に近づくに従って、底面からの位置が高くなるように傾斜面を有している。これにより、低天面と底面との間の空間への気泡の噛み込みが発生しても、その気泡が、低天面の傾斜面に沿って、高天面に向かって移動しやすくなる。その結果、高天面と液体試料の液面との間に形成される空間に、より確実に気泡をトラップすることができる。したがって、低天面と底面との間の空間を液体試料で満たすことができるので、気泡の存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
本発明の態様7に係る測定装置21は、態様1から6のいずれか一態様に記載の測定容器1A〜1Eと、前記測定容器1A〜1Eに前記液体試料Lを注入する液体試料注入装置とを備えた測定装置であって、前記測定容器1A〜1Eには、前記撹拌室(測定室4A〜4E)に連通する液体試料注入口(液体注入口3)が、前記撹拌室(測定室4A〜4E)と対応して配置されており、前記撹拌室(測定室4A〜4E)には試薬10が予め封入されており、前記撹拌室(測定室4A〜4E)に封入された試薬10と、前記液体試料注入装置によって前記液体試料注入口(液体注入口3)から前記撹拌室(測定室4A〜4E)へ注入された液体試料Lとが撹拌されることを特徴としている。
上記の構成によれば、測定装置に設けられた液体試料注入装置から、撹拌室と対応して配置された液体試料注入口へと液体試料が注入される。これにより、撹拌室において、液体試料と、予め封入されていた試薬とを撹拌することができる。さらに、液体試料と試薬との反応または撹拌によって、測定容器内に気泡が発生しても、発生した気泡は、高天面と液体試料の液面との間に形成される空間に容易にトラップされる。その結果、低天面と底面との間の空間への気泡の噛み込みが低減される。したがって、低天面に光を透過させて液体試料の光学特性を測定する際に、気泡の存在による測定精度の低下を防ぐことができる。それゆえ、精度の良い測定を行うことができる測定容器を提供することができる。
本発明の態様8に係る測定装置は、上記態様7において、前記液体試料注入装置は、前記撹拌室(測定室4A〜4E)内部の液体試料Lの液面が前記底面8に対して前記低天面7Ab〜7Ebよりも高い位置に形成されるように、前記液体試料Lを前記液体試料注入口(液体注入口3)から前記撹拌室(測定室4A〜4E)に注入する構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、液体試料注入装置は、液体試料の液面が底面に対して低天面よりも高い位置になるように、液体試料を撹拌室に注入する。これにより、低天面と底面との間の空間が、液体試料によって満たされる。さらに、低天面と底面との間の空間への気泡の噛み込みが発生しても、発生した気泡は、高天面と液体試料の液面との間に形成される空間に容易にトラップされる。したがって、気泡の存在による測定精度の低下をより確実に防ぐことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、液体試料の成分分析のための測定容器及び該測定容器を備える測定装置、特に機械により自動化された土壌成分の分析に好適な測定容器及び該測定容器を備える測定装置を提供する。
1A〜1E 測定容器
2A〜2E 分析セル
3 液体注入口(液体試料注入口)
4A〜4E 測定室(撹拌室)
6a、6c 天面側測定窓
6b 底面側測定窓
7A〜7E 天面
7Aa〜7Ea 高天面
7Ab〜7Eb 低天面
8 底面
9 回転軸
10 試薬
24 液体試料注入装置
B 気泡
L 液体試料
S 測定空間

Claims (5)

  1. 液体試料を収容する1つ又は複数の撹拌室を備え、1つの回転軸を中心として回転駆動され、前記回転軸の周りの回転の加減速により、前記撹拌室の内部の前記液体試料を撹拌する測定容器と、
    前記撹拌室の内部で撹拌された前記液体試料の光学特性を測定し、前記液体試料中の成分を分析する光学測定機構と、を備える測定装置であって、
    前記測定容器は、
    前記撹拌室の内壁が、互いに対向する底面及び天面を含み、
    前記天面が、前記回転軸に平行な方向に沿って光を透過する低天面と、前記低天面の周辺部に位置する、前記底面に対して前記低天面よりも高い位置に配置された高天面とを有し、
    前記低天面は、前記天面における径方向の内側に設けられており、前記高天面は、前記天面における径方向の外側に設けられており、
    前記測定装置は、前記液体試料の成分を分析する際に、前記測定容器を、前記測定容器の前記光学測定機構に対応する箇所の外周側が内周側よりも上方になるように傾斜させる、測定装置。
  2. 前記1つ又は複数の撹拌室は、前記回転軸の周りであって、前記回転軸から離れた位置に配置されている請求項1に記載の測定装置
  3. 前記1つ又は複数の撹拌室は複数の撹拌室であり、
    前記複数の撹拌室は、前記回転軸の周りの1つの回転平面において円周状に配置されている請求項1または2に記載の測定装置
  4. 記測定容器に前記液体試料を注入する液体試料注入装置をえ、
    前記測定容器には、前記撹拌室に連通する液体試料注入口が、前記撹拌室と対応して配置されており、
    前記撹拌室には試薬が予め封入されており、
    前記撹拌室に封入された試薬と、前記液体試料注入装置によって前記液体試料注入口から前記撹拌室へ注入された液体試料とが撹拌される請求項1から3のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 前記液体試料注入装置は、前記撹拌室内部の液体試料の液面が前記底面に対して前記低天面よりも高い位置に形成されるように、前記液体試料を前記液体試料注入口から前記撹拌室に注入する請求項に記載の測定装置。
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