JP6635229B2 - 含フッ素エーテル化合物の製造方法、および物品の製造方法 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物の製造方法、および物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素エーテル化合物の製造方法および物品の製造方法に関する。
含フッ素化合物は、高い潤滑性、撥水撥油性等を示すため、表面処理剤に好適に用いられる。表面処理剤によって基材の表面に撥水撥油性を付与すると、基材の表面の汚れを拭き取りやすくなり、汚れの除去性が向上する。上記含フッ素化合物の中でも、ペルフルオロアルキレン鎖の途中にエーテル結合(−O−)が存在するポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有する含フッ素エーテル化合物は、柔軟性に優れる化合物であり、特に油脂等の汚れの除去性に優れる。
上記含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤は、指で繰り返し摩擦されても撥水撥油性が低下しにくい性能(耐摩擦性)および拭き取りによって表面に付着した指紋を容易に除去できる性能(指紋汚れ除去性)が長時間維持されるのが求められる用途、たとえば、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面処理剤として用いられる。
上記含フッ素エーテル化合物としては、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有する化合物と、アルコキシシランと、を反応させて得られる、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有し、末端にケイ素原子に結合した加水分解性基を有する化合物が広く用いられている(特許文献1)。
国際公開第2014/163004号
近年、含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤を用いて形成されてなる表面層に求められる物性はさらに向上している。
本発明者らが特許文献1に記載される含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤を用いて基材の表面に表面層を形成したところ、表面層の耐摩擦性が不充分である場合、または、凝集物に起因する粒状物が発生して、表面層の外観特性が劣る場合があるのを知見した。
本発明は、上記課題に鑑みて、耐摩擦性に優れ、かつ、粒状物の発生が抑制された表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物の製造方法および物品の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、下記[1]〜[10]の構成を有する含フッ素エーテル化合物の製造方法および物品の製造方法を提供する。
[1] ヒドロシリル化触媒の存在下、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物と、ケイ素原子に結合した水素原子ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する化合物とを反応させて、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する含フッ素エーテル化合物を製造する、含フッ素エーテル化合物の製造方法であって、
前記含フッ素エーテル化合物を得た後、前記含フッ素エーテル化合物と含水率が1.0質量%以下の吸着材とを接触させるか、または、
前記ヒドロシリル化触媒および含水率が1.0質量%以下の吸着材の存在下、前記反応を行うことを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
[2] 前記吸着材の含水率が0.1質量%以下である、[1]の製造方法。
[3] 前記吸着材が、活性炭、モレキュラーシーブ、シリカゲルまたはセライトである、[1]または[2]の製造方法。
[4] 前記ヒドロシリル化触媒が、第8族〜第10族遷移金属触媒である、[1]〜[3]のいずれかの製造方法。
[5] 前記ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物が、下記式(1)で表される化合物である、[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[A−O−Z−(RO)−][−CH=CH (1)
ただし、Aは、ペルフルオロアルキル基または−Q[−CH=CHであり、Aが−Q[−CH=CHである場合jは1であり、
Qは(k+1)価の連結基であり、kは1〜10の整数であり、
は、単結合、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜20のオキシフルオロアルキレン基(ただし、オキシペルフルオロアルキレン基を除く。上記オキシフルオロアルキレン基中の酸素原子は、(RO)に結合する。)、または、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜20のポリ(オキシフルオロアルキレン)基((RO)に結合するオキシフルオロアルキレン基中の酸素原子は、(RO)に結合する。(RO)に結合するオキシフルオロアルキレン基は、1個以上の水素原子を含む。ポリ(オキシフルオロアルキレン)基には、全ての水素原子がフッ素原子に置換されたオキシペルフルオロアルキレン基と、1個以上の水素原子を含むオキシフルオロアルキレン基との両方が含まれていてもよい。)であり、
はペルフルオロアルキレン基であり、mは、2〜200の整数であり、(RO)において炭素数の異なる2種以上のROが存在する場合、各ROの結合順序は限定されず、
は(j+q)価の連結基であり、j、qはそれぞれ1以上の整数である。
[6] 前記ケイ素原子に結合した水素原子ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する化合物が、下記式(3)で表される化合物である、[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
H−SiR3−n (3)
ただし、Rは1価の炭化水素基であり、Lは加水分解性基または水酸基であり、nは0〜2の整数であり、nが0または1である場合1分子中に存在する複数のLは互いに同じであっても異なっていてもよく、nが2である場合1分子中に存在する2つのRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
[7] 前記nが0または1であり、複数のLがいずれも加水分解性基である、[6]の製造方法。
[8] 前記吸着材の使用量が、前記ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物の全質量に対して、1〜30質量%である、[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9] 前記含フッ素エーテル化合物を得た後、前記含フッ素エーテル化合物と含水率が1.0質量%以下の吸着材とを液状媒体中で接触させる、[1]〜[8]のいずれかの製造方法。
[10] 前記[1]〜[9]のいずれかの製造方法により得られた含フッ素エーテル化合物を用いて、基材の表面に表面層を形成することを特徴とする物品の製造方法。
本発明によれば、耐摩擦性に優れ、かつ、粒状物の発生が抑制された表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物の製造方法および物品の製造方法を提供できる。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物1と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。式(1)で表される基を基1と記す。他の式で表される基も同様に記す。
本明細書において、「アルキレン基がA基を有していてもよい」、「A基を有していてもよいアルキレン基」とは、アルキレン基中の炭素原子−炭素原子間にA基を有していてもよいし、アルキレン基−A基−のように末端にA基を有していてもよいことを意味する。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素原子−炭素原子間においてエーテル結合(−O−)を形成する酸素原子を意味する。
「2価のオルガノポリシロキサン残基」とは、下式で表される基である。下式におけるRは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、または、フェニル基である。また、g1は、1以上の整数であり、1〜9の整数が好ましく、1〜4の整数が特に好ましい。
Figure 0006635229
「シルフェニレン骨格基」とは、−Si(RPhSi(R−(ただし、Phはフェニレン基であり、Rは1価の有機基である。)で表される基である。Rとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)が好ましい。
「ジアルキルシリレン基」は、−Si(R−(ただし、Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)である。)で表される基である。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解性基が結合したケイ素原子からなる基である。
「シラノール基」とは、ケイ素原子に結合した水酸基である。
「表面層」とは、基材の表面に形成される層を意味する。
含フッ素エーテル化合物の「数平均分子量」は、NMR分析法を用い、下記の方法で算出される。
H−NMRおよび19F−NMRによって、末端基を基準にしてオキシペルフルオロアルキレン基の数(平均値)を求めることによって算出される。
本発明の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)では、所定の含水率を示す吸着材を用いることを特徴としている。
従来技術の製造方法によって得られた含フッ素エーテル化合物を用いた場合に、所望の効果が得られない理由として、本発明者らは水が関連していることを知見している。より具体的には、特許文献1に記載の方法では含フッ素エーテル化合物を製造後に活性炭等の吸着材と接触させている。この吸着材中の含水率が高い場合、含フッ素エーテル化合物中のケイ素原子に結合した加水分解性基の加水分解反応が進行して、その後、縮合反応を経て凝集物が形成される。結果として形成される表面層に粒状物が観察されて外観特性が悪化すると共に、耐摩擦性も悪化する。本発明者らは、上記知見を基に、吸着材の含水率を制御することにより、上記課題を解決している。
本製造方法は、ヒドロシリル化触媒の存在下、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物(以下、「化合物A」ともいう。)と、ケイ素原子に結合した水素原子ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する化合物(以下、「化合物B」ともいう。)とを反応させて、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖ならびに加水分解性シリル基およびシラノール基の少なくとも一方を有する含フッ素エーテル化合物(以下、「化合物C」ともいう。)を製造する、化合物Cの製造方法であって、上記化合物Cを得た後、化合物Cと含水率が1.0質量%以下の吸着材(以下、「特定吸着材」ともいう。)とを接触させるか、または、ヒドロシリル化触媒および特定吸着材の存在下、上記反応を行う、ことを特徴とする。
つまり、本製造方法の第1態様としては、ヒドロシリル化触媒の存在下、化合物Aと化合物Bとを反応させて化合物Cを製造し、得られた化合物Cと特定吸着材とを接触させる態様が挙げられる。
また、本製造方法の第2態様としては、ヒドロシリル化触媒および特定吸着材の存在下、化合物Aと化合物Bとを反応させて化合物Cを製造する態様が挙げられる。
以下では、まず、本製造方法で使用される材料について詳述し、その後、各態様の手順について詳述する。
[化合物A]
化合物Aが有するポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖としては、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、(RO)(ただし、Rはペルフルオロアルキレン基であり、mは2〜200の整数であり、炭素数の異なる2種以上のROからなるものであってもよい。)が好ましい。
(RO)の定義は、後段で詳述する。
化合物Aはω−アルケニル基を複数有していてもよい。化合物A中のω−アルケニル基の数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
ω−アルケニル基としては、アリル基、ビニル基、3−ブテニル基が挙げられる。
化合物Aとしては、表面層の撥水撥油性がより優れる点で、化合物1が好ましい。
[A−O−Z−(RO)−][−CH=CH (1)
は、ペルフルオロアルキル基または−Q[−CH=CHである。
ペルフルオロアルキル基中の炭素数は、表面層の耐摩擦性がより優れる点から、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。
ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
ただし、Aが−Q[−CH=CHである場合、jは1である。
ペルフルオロアルキル基としては、CF−、CFCF−、CFCFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCF−、CFCF(CF)−等が挙げられる。
ペルフルオロアルキル基としては、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、CF−、CFCF−、CFCFCF−が好ましい。
Qは、(k+1)価の連結基である。kは1〜10の整数である。よって、Qとしては、2〜11価の連結基が挙げられる。
Qとしては、たとえば、エーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子、2〜8価のオルガノポリシロキサン残基、および、後述する式(2−1)、式(2−2)、式(2−1−1)〜(2−1−6)から−CH=CHを除いた基が挙げられる。
は、単結合、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜20のオキシフルオロアルキレン基(ただし、オキシペルフルオロアルキレン基を除く。上記オキシフルオロアルキレン基中の酸素原子は、(RO)に結合する。)、または、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜20のポリ(オキシフルオロアルキレン)基((RO)に結合するオキシフルオロアルキレン基中の酸素原子は、(RO)に結合する。(RO)に結合するオキシフルオロアルキレン基は、1個以上の水素原子を含む。ポリ(オキシフルオロアルキレン)基には、全ての水素原子がフッ素原子に置換されたオキシペルフルオロアルキレン基と、1個以上の水素原子を含むオキシフルオロアルキレン基との両方が含まれていてもよい。)である。オキシフルオロアルキレン基またはポリ(オキシフルオロアルキレン)基の炭素数は1〜10が好ましい。
としては、化合物を製造しやすい点から、単結合、−CHFCFOCHCFO−、−CFCHFCFOCHCFCFO−、−CFCFCHFCFOCHCFO−、−CFCFOCHFCFOCHCFO−、−CFCFOCFCFOCHFCFOCHCFO−、−CFCHOCHCFO−、−CFCFOCFCHOCHCFO−が好ましい(なお、上記式中、左側がA−Oに結合する。)。Zとしては、単結合、−CHFCFOCHCFO−が特に好ましい。
は、ペルフルオロアルキレン基である。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、1〜6が好ましい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよいが、表面層の撥水撥油性により優れる点から、直鎖状が好ましい。
なお、複数のRは、同一であっても異なっていてもよい。つまり、(RO)は、炭素数の異なる2種以上のROから構成されていてもよい。
mは、2〜200の整数であり、5〜150の整数が好ましく、10〜100の整数が特に好ましい。mが上記範囲の下限値以上であれば、表面層の撥水撥油性がより優れる。mが上記範囲の上限値以下であれば、表面層の耐摩擦性がより優れる。
(RO)において、炭素数の異なる2種以上のROが存在する場合、各ROの結合順序は限定されない。たとえば、2種のROが存在する場合、2種のROがランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
(RO)としては、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、{(CFO)m11(CFCFO)m12(CFCFCFO)m13(CFCFCFCFO)m14}、(CFCFO)m16、(CFCFCFO)m17、(CFCFO−CFCFCFCFO)m15(CFCFO)、(CFO−CFCFCFCFCFO)m18(CFO)または(CFCFO−CFCFCFCFCFCFO)m19(CFCFO)が好ましく、{(CFO)m11(CFCFO)m12(CFCFCFO)m13(CFCFCFCFO)m14}、(CFCFO−CFCFCFCFO)m15(CFCFO)、(CFO−CFCFCFCFCFO)m18(CFO)、(CFCFO−CFCFCFCFCFCFO)m19(CFCFO)が特に好ましい。
ただし、m11およびm12は、それぞれ1以上の整数であり、m13およびm14は、それぞれ0または1以上の整数であり、m11+m12+m13+m14は2〜200の整数であり、m11個のCFO、m12個のCFCFO、m13個のCFCFCFO、m14個のCFCFCFCFOの結合順序は限定されない。m16およびm17は、それぞれ2〜200の整数であり、m15、m18およびm19は、1〜99の整数である。
は、(j+q)価の連結基である。
は、たとえば、エーテル性酸素原子または2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子、2〜8価のオルガノポリシロキサン残基、および、後述する式(2−1)、式(2−2)、式(2−1−1)〜(2−1−6)から−CH=CHを除いた基が挙げられる。
jは、1以上の整数であり、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、1〜5の整数が好ましく、化合物を製造しやすい点から、1が特に好ましい。
qは、1以上の整数であり、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、2〜4の整数が好ましく、2または3がより好ましく、3が特に好ましい。
化合物1としては、表面層の撥水撥油性がより優れる点から、化合物1−1が好ましい。 A−O−Z−(RO)−Z (1−1)
式(1−1)中、A、Z、Rおよびmの定義は、式(1)中の各基の定義と同義である。
は、基2−1または基2−2である。
−Rf7−Q−X(−Q−CH=CH(−R (2−1)
−Rf7−Q71−[CHC(R71)(−Q72−CH=CH)]−R72 (2−2)
f7は、ペルフルオロアルキレン基である。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜6が特に好ましい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
f7としては、化合物を製造しやすい点から、−CFCFCFCF−または−CFCFCFCFCF−が好ましい。
は、単結合または2価の連結基である。
2価の連結基としては、たとえば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。2価の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状または環状であってもよく、たとえば、アルキレン基が挙げられる。炭素数は1〜20が好ましい。また、2価の芳香族炭化水素基は、炭素数5〜20が好ましく、たとえば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO−、−N(R)−、−C(O)−、−Si(R−および、これらを2種以上組み合わせた基が挙げられる。ここで、Rは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、または、フェニル基である。Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)である。
なお、上記これらを2種以上組み合わせた基としては、たとえば、−OC(O)−、−C(O)N(R)−、アルキレン基−O−アルキレン基、アルキレン基−OC(O)−アルキレン基、アルキレン基−Si(R−フェニレン基−Si(Rが挙げられる。
Xは、単結合、アルキレン基、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子または2〜8価のオルガノポリシロキサン残基である。
なお、上記アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有していてもよい。アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基およびジアルキルシリレン基からなる群から選択される基を複数有していてもよい。
Xで表されるアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10が特に好ましい。 2〜8価のオルガノポリシロキサン残基としては、2価のオルガノポリシロキサン残基、および、後述する(w+1)価のオルガノポリシロキサン残基が挙げられる。
は、単結合または2価の連結基である。
2価の連結基の定義は、上述したQで説明した定義と同義である。
は、水酸基またはアルキル基である。
アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。
Xが単結合またはアルキレン基の場合、hは1、iは0であり、
Xが窒素原子の場合、hは1〜2の整数であり、iは0〜1の整数であり、h+i=2を満たし、
Xが炭素原子またはケイ素原子の場合、hは1〜3の整数であり、iは0〜2の整数であり、h+i=3を満たし、
Xが2〜8価のオルガノポリシロキサン残基の場合、hは1〜7の整数であり、iは0〜6の整数であり、h+i=1〜7を満たす。
(−Q−CH=CH)が2個以上ある場合は、2個以上の(−Q−CH=CH)は、同一であっても異なっていてもよい。Rが2個以上ある場合は、2個以上の(−R)は、同一であっても異なっていてもよい。
71は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、化合物を製造しやすい点から、単結合が好ましい。
アルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
71は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、化合物を製造しやすい点から、水素原子が好ましい。
アルキル基としては、メチル基が好ましい。
72は、単結合またはアルキレン基である。アルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。化合物を製造しやすい点から、Q72は、単結合または−CH−が好ましい。
72は、水素原子またはハロゲン原子であり、化合物を製造しやすい点から、水素原子が好ましい。
yは、1〜10の整数であり、1〜6の整数が好ましい。
2個以上の[CHC(R71)(−Q72−CH=CH)]は、同一であっても異なっていてもよい。
基2−1としては、基2−1−1〜2−1−6が好ましい。
−Rf7−(X−Q−CH=CH (2−1−1)
−Rf7−(Xr1−Q21−N[−(Q22r2−CH=CH (2−1−2)
−Rf7−Q31−G(R)[−(Q32−CH=CH (2−1−3)
−Rf7−[C(O)N(R)]−Q41−(O)−C[−(O)u1−(Q42u2−CH=CH (2−1−4)
−Rf7−Q51−Si[−(Q52−CH=CH (2−1−5)
−Rf7−[C(O)N(R)]v1−Q61−Z[−(Q62v2−CH=CH (2−1−6)
なお、式(2−1−1)〜(2−1−6)中のRf7の定義は、上述した通りである。
は、−O−、または、−C(O)N(R)−である(ただし、式中のNはQに結合する)。
の定義は、上述した通りである。
pは、0または1である。
は、単結合、または、アルキレン基である。なお、アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有していてもよい。アルキレン基は、−O−、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基およびジアルキルシリレン基からなる群から選択される基を複数有していてもよい。
なお、アルキレン基が−O−を有する場合、炭素原子−炭素原子間に−O−を有することが好ましい。また、アルキレン基が、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有する場合、炭素原子−炭素原子間または(Xと結合する側とは反対側の末端にこれらの基を有することが好ましい。
で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
としては、pが0の場合は、単結合、−CHOCH−、−CHOCHCHOCH−、−CHCH−、−CH−、−CHOCHCHCHSi(CHOSi(CH−が好ましい。(Xp1が−O−の場合は、−CH−、−CHCHOCH−が好ましい。(Xp1が−C(O)N(R)−の場合は、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい(ただし、式中のNはQに結合する)。Qがこれらの基であると化合物が製造しやすい。
基2−1−1の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006635229
は、−O−、−NH−、または、−C(O)N(R)−である。
の定義は、上述した通りである。
21は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−もしくは−NH−を有する基である。
21で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
21で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−または−NH−を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
21としては、化合物を製造しやすい点から、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHOCHCH−、−CHNHCHCH−、−CHCHOC(O)CHCH−が好ましい(ただし、右側がNに結合する。)。
r1は、0または1(ただし、Q21が単結合の場合は0である。)である。化合物を製造しやすい点から、0が好ましい。
r2は、0または1である。
22は、2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基である。
なお、アルキレン基が2価のオルガノポリシロキサン残基を有する場合、炭素原子−炭素原子間またはNと結合する側とは反対側の末端にこの基を有することが好ましい。
22で表される2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
22で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子または−NH−を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
22としては、化合物を製造しやすい点から、−CH−、−CHCHOCH−が好ましい(ただし、右側が−CH=CHに結合する。)。
2個の[−(Q22r2−CH=CH]は、同一であっても異なっていてもよい。
基2−1−2の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006635229
31は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、化合物を製造しやすい点から、単結合が好ましい。
31で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
31で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
Gは、炭素原子またはケイ素原子である。
は、水酸基またはアルキル基である。Rで表されるアルキル基の炭素数は、1〜4が好ましい。
cは、0または1である。
G(R)としては、化合物を製造しやすい点から、C(OH)またはSi(R3a)(ただし、R3aはアルキル基である。アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、メチル基が特に好ましい。)が好ましい。
32は、2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
なお、アルキレン基が2価のオルガノポリシロキサン残基を有する場合、炭素原子−炭素原子間またはGと結合する側とは反対側の末端にこの基を有することが好ましい。
32で表される2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
32で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
32としては、化合物を製造しやすい点から、−CH−、−CHCHCHCHCHCH−が好ましい。
2個の[−(Q32−CH=CH]は、同一であっても異なっていてもよい。
基2−1−3の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006635229
式(2−1−4)中のRの定義は、上述した通りである。
sは、0または1である。
41は、単結合、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
41で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
41で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
tは、0または1(ただし、Q41が単結合の場合は0である。)である。
−Q41−(O)−としては、化合物を製造しやすい点から、sが0の場合は、単結合、−CHO−、−CHOCH−、−CHOCHCHO−、−CHOCHCHOCH−、−CHOCHCHCHCHOCH−が好ましく(ただし、左側がRf7に結合する。)、sが1の場合は、単結合、−CH−、−CHCH−が好ましい。
42は、アルキレン基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基であり、上記アルキレン基は−O−、−C(O)N(R)−〔Rの定義は、上述した通りである。〕、シルフェニレン骨格基、2価のオルガノポリシロキサン残基またはジアルキルシリレン基を有していてもよい。
なお、アルキレン基が−O−を有する場合、炭素原子−炭素原子間に−O−を有することが好ましい。また、アルキレン基が−C(O)N(R)−、ジアルキルシリレン基または2価のオルガノポリシロキサン残基を有する場合、炭素原子−炭素原子間または(O)u1と結合する側の末端にこれらの基を有することが好ましい。また、アルキレン基がシルフェニレン骨格基を有する場合、炭素原子−炭素原子間または(O)u1と結合する側とは反対側の末端にこれらの基を有することが好ましい。
42で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
u1は、0または1である。
u2は、0または1である。
−(O)u1−(Q42u2−としては、化合物を製造しやすい点から、単結合、−CH−、−CHOCH−、−CHOCHCHCH−、−OCH−、−OSi(CHCH−、−OSi(CHOSi(CHCH−、−CHCHCHSi(CHPhSi(CH−が好ましい(ただし、右側が−CH=CHに結合する。)
3個の[−(O)u1−(Q42u2−CH=CH]は、同一であっても異なっていてもよい。
基2−1−4の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006635229
51は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
51で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
51で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
51としては、化合物を製造しやすい点から、−CHOCHCHCH−、−CHOCHCHOCHCHCH−、−CHCH−、−CHCHCH−が好ましい(ただし、右側がSiに結合する。)。
eは、0または1である。
52は、2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
なお、アルキレン基が2価のオルガノポリシロキサン残基を有する場合、炭素原子−炭素原子間またはSiと結合する側とは反対側の末端にこの基を有することが好ましい。
52で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
52で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
52としては、化合物を製造しやすい点から、−CH−、−CHCHOCH−が好ましい(ただし、右側が−CH=CHに結合する。)。
3個の[−(Q52−CH=CH]は、同一であっても異なっていてもよい。
基2−1−5の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006635229
式(2−1−6)中のRの定義は、上述の通りである。
v1は、0または1である。
61は、アルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
61で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
61で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
61としては、化合物を製造しやすい点から、−CHOCHCHCH−、−CHOCHCHOCHCHCH−、−CHCH−、−CHCHCH−が好ましい(ただし、右側がZに結合する。)。
は、(w+1)価のオルガノポリシロキサン残基である。
wは、2〜7の整数である。
(w+1)価のオルガノポリシロキサン残基としては、下記の基が挙げられる。ただし、下式におけるRは、上述の通りである。
Figure 0006635229
v2は、0または1である。
62は、2価のオルガノポリシロキサン残基を有していてもよいアルキレン基、または、炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基である。
なお、アルキレン基が2価のオルガノポリシロキサン残基を有する場合、炭素原子−炭素原子間またはZと結合する側とは反対側の末端にこの基を有することが好ましい。
62で表されるアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。
62で表される炭素数2以上のアルキレン基の炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6が特に好ましい。
62としては、化合物を製造しやすい点から、−CH−が好ましい。
w個の[−(Q62v2−CH=CH]は、同一であっても異なっていてもよい。
[化合物B]
化合物B中におけるケイ素原子に結合した水素原子の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。
化合物Bとしては、化合物3が好ましい。
H−SiR3−n (3)
Rは、1価の炭化水素基であり、1価の飽和炭化水素基が好ましい。炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
Lは、加水分解性基または水酸基である。
Lの加水分解性基は、加水分解反応により水酸基となる基である。すなわち、加水分解性シリル基から、加水分解反応によりシラノール基が形成される。シラノール基は、さらにシラノール基間で反応してSi−O−Si結合を形成する。また、シラノール基は、基材の表面の水酸基(基材−OH)と脱水縮合反応して、化学結合(基材−O−Si)を形成できる。
Lとしては加水分解性基が好ましく、加水分解性基としてはアルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
Lとしては、工業的な製造が容易な点から、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。Lとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物3の保存安定性がより優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物3の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
nは、0〜2の整数である。
nは、0または1が好ましく、0が特に好ましい。Lが複数存在することによって、表面層の基材への密着性がより強固になる。
nが0または1である場合、1分子中に存在する複数のLは互いに同じであっても異なっていてもよい。原料の入手容易性や製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。nが2である場合、1分子中に存在する2つのRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
化合物3としては、H−Si(OCH、H−SiCH(OCH、H−Si(OCHCH、H−SiCl、H−Si(OC(O)CH、H−Si(NCO)が好ましい。
[化合物C]
化合物Cは、化合物の保存安定性がより優れる点から、加水分解性シリル基を有することが好ましい。
化合物Cの数平均分子量は、500〜20,000が好ましく、800〜10,000がより好ましく、1,000〜8,000が特に好ましい。数平均分子量が該範囲内であれば、表面層の耐摩擦性に優れる。
化合物Cとしては、化合物4が好ましい。
[A−O−Z−(RO)−][−C−SiR3−n (4)
式(4)中、Aは、ペルフルオロアルキル基または−Q[−C−SiR3−nである。
ただし、Aが−Q[−C−SiR3−nである場合、jは1である。
他の各基の定義は、上述した通りである。
化合物4としては、化合物4−1が好ましい。
−O−Z−(RO)−Z (4−1)
式(4−1)中、A、Z、R、および、mの定義は、上述した通りである。
は、基5−1または基5−2である。
−Rf7−Q−X(−Q−C−SiR3−n(−R (5−1)
−Rf7−Q71−[CHC(R71)(−Q72−C−SiR3−n)]−R72 (5−2)
なお、式(5−1)および(5−2)中の各基の定義は、上述した通りである。
さらに、基5−1としては、基5−1−1〜5−1−6が好ましい。
−Rf7−(X−Q−C−SiR3−n (5−1−1)
−Rf7−(Xr1−Q21−N[−(Q22r2−C−SiR3−n (5−1−2)
−Rf7−Q31−G(R)[−(Q32−C−SiR3−n (5−1−3) −Rf7−[C(O)N(R)]−Q41−(O)−C[−(O)u1−(Q42u2−C−SiR3−n (5−1−4)
−Rf7−Q51−Si[−(Q52−C−SiR3−n (5−1−5)
−Rf7−[C(O)N(R)]v1−Q61−Z[−(Q62v2−C−SiR3−n (5−1−6)
なお、式(5−1−1)および(5−1−6)中の各基の定義は、上述した通りである。
[ヒドロシリル化触媒]
ヒドロシリル化触媒は、遷移金属触媒が好ましく、第8族〜第10族遷移金属触媒がより好ましく、白金(Pt)触媒、ルテニウム(Ru)触媒、ロジウム(Rh)触媒、鉄(Fe)触媒がさらに好ましく、ヒドロシリル化反応がより進行する観点から、白金触媒および鉄触媒が特に好ましい。なお、第8族〜第10族とは、IUPAC無機化学命名法改訂版(1989年)による族番号である。
白金触媒の具体例としては、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体、ジビニルテトラメチルジシロキサンのPt錯体、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンのPt錯体、塩化白金酸、酸化白金が挙げられる。
鉄触媒の具体例としては、国際公開第2016/027819号公報に記載のヒドロシリル化鉄触媒が挙げられる。
[吸着材]
吸着材の含水率は1.0質量%以下であり、表面層の粒状物の発生がより抑制される点および耐摩擦性がより優れる点の少なくとも一方が得られる点(以下、「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。また、吸着材の含水率は、0.001質量%以上の場合が多い。
吸着材の含水率は、吸着材全質量中における水の質量割合であり、乾燥減量法等によって測定できる。
なお、上記吸着材は、本製造方法の使用時に上記含水率の範囲を満たしていればよく、保管時等の使用前においては吸着材の含水率は上記範囲外(たとえば、2〜3質量%)であってもよい。
吸着材を使用する際には、たとえば、含水率が上記範囲超(1.0質量%超)の吸着材に対して脱水処理を施して、所定の含水率の吸着材とした後、本製造方法に適用してもよい。
上記脱水処理の方法としては、たとえば、吸着材に対して水含有量が少ないガス(たとえば、露点が0℃以下の窒素)を吹き付ける方法、吸着材を加熱する方法等が挙げられる。
吸着材の具体例としては、活性炭、モレキュラーシーブ、シリカゲル、セライトが挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる点で、活性炭が好ましい。
活性炭は、主として炭素原子から構成される材料であり、たとえば、木質材、椰子殻、石炭等の天然材料を焼成して得られる活性炭でもよいし、合成有機高分子化合物等の人工材料を焼成して得られる活性炭でもよい。
活性炭の粒度は、5〜50メッシュが好ましく、10〜30メッシュが特に好ましい。活性炭の粒度は、JIS K1474:2014に記載の方法に準じて求められる。
活性炭は市販品であってもよく、たとえば、日本エンバイロケミカル社製の白鷺G2c、白鷺GM2x、白鷺GH2x、白鷺WH2C、クラレ社製のクラレコールが挙げられる。
[その他の成分]
本製造方法においては、上述した成分以外の成分を用いてもよい。
たとえば、本製造方法においては、溶媒等の液状媒体を用いてもよい。つまり、液状媒体の存在下にて、化合物Aと化合物Bとの反応を実施してもよい。液状媒体としては、化合物A、化合物Bおよび化合物Cを溶解しうる溶媒が好ましい。
溶媒としては、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、フッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒の含水率は、100ppm以下が好ましく、20ppm以下がより好ましい。
フッ素系有機溶媒の具体例としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコールが挙げられる。
フッ素化アルカンは、炭素数4〜8の化合物が好ましく、たとえば、C13H(AC−2000:製品名、旭硝子社製)、C13(AC−6000:製品名、旭硝子社製)、CCHFCHFCF(バートレル:製品名、デュポン社製)が挙げられる。
フッ素化芳香族化合物の具体例としては、ヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロトルエン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンが挙げられる。
フルオロアルキルエーテルは、炭素数4〜12の化合物が好ましく、たとえば、CFCHOCFCFH(AE−3000:製品名、旭硝子社製)、COCH(ノベック−7100:製品名、3M社製)、COC(ノベック−7200:製品名、3M社製)、CCF(OCH)C(ノベック−7300:製品名、3M社製)が挙げられる。
フッ素化アルキルアミンの具体例としては、ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミンが挙げられる。
フルオロアルコールの具体例としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノールが挙げられる。
非フッ素系有機溶媒としては、水素原子および炭素原子のみからなる化合物、および、水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物が好ましく、具体的には、炭化水素系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒が挙げられる。
炭化水素系有機溶媒の具体例としては、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサンが挙げられる。
ケトン系有機溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
エーテル系有機溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
エステル系有機溶媒の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
また、本製造方法においては、転位防止剤を用いてもよい。つまり、転位防止剤の存在下にて、化合物Aと化合物Bとの反応を実施してもよい。転位防止剤としては、WO2014/069592号の段落0115に記載の化合物が挙げられる。
[第1態様]
本製造方法の第1態様は、ヒドロシリル化触媒の存在下、化合物Aと化合物Bとを反応させて化合物Cを製造し、得られた化合物Cと特定吸着材とを接触させる態様である。
まず、化合物Aと化合物Bとを反応させる際には、ヒドロシリル化触媒と化合物Aと化合物Bとを混合して、必要に応じて、加熱処理を施して、反応を行う。
ヒドロシリル化触媒と化合物Aと化合物Bとの混合方法は、一括して各成分を混合してもよいし、分割して各成分を混合してもよい。
なお、成分の混合順も特に限定されない。
ヒドロシリル化触媒の使用量としては、化合物Aおよび化合物Bの合計量に対して、0.00001〜0.1質量%が好ましく、0.001〜0.02質量%が特に好ましい。
化合物Aと化合物Bの混合比としては、化合物の構造によって最適な比が選択されるが、化合物A中のω−アルケニル基のモル数に対する、化合物B中のケイ素原子に結合した水素原子のモル数の比(水素原子/ω−アルケニル基)が1.0〜3.0であることが好ましい。
化合物Aと化合物Bとを反応させる際の反応温度としては、0〜100℃が好ましく、50〜80℃が特に好ましい。反応時間としては、30〜600分間が好ましく、60〜300分間が特に好ましい。
なお、化合物Aと化合物Bとを反応させた後、必要に応じて、得られた化合物C中の加水分解性基の種類を変更する反応を実施してもよい。たとえば、化合物Aと化合物Bとを反応させて加水分解性基としてハロゲン原子を有する化合物Cを得た後、ハロゲン原子をアルコキシ基に変更する反応を実施してもよい。
次に、得られた化合物Cと特定吸着材とを接触させる。
接触させる方法としては、化合物Cと特定吸着材とを混合する方法や、特定吸着材が充填されたフィルタに化合物Cを流通させる方法が挙げられる。
化合物Cと特定吸着材とを接触させる際には、化合物Cと特定吸着材とを直接接触させてもよいし、化合物Cを溶媒に溶解させた溶液または分散媒に分散させた分散液を調製し、得られた溶液や分散液と特定吸着材とを接触させてもよい。好ましくは、化合物Cを溶媒に溶解させた溶液と特定吸着材とを接触させる。
使用される溶媒や分散媒は化合物Cを溶解または分散できる液状媒体であればよく、有機溶媒が好ましく、フッ素系有機溶媒が特に好ましい。フッ素系有機溶媒の具体例は上述した通りである。
化合物Cと特定吸着材とを接触させる際に、特定吸着材の使用量は、化合物Cの全質量に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
接触時間としては、本発明の効果がより優れる点で、0.1〜180分間が好ましく、1〜60分間が特に好ましい。
接触時の温度としては、本発明の効果がより優れる点で、0〜40℃が好ましく、10〜30℃が特に好ましい。
[第2態様]
本製造方法の第2態様は、ヒドロシリル化触媒および特定吸着材の存在下、化合物Aと化合物Bとを反応させて化合物Cを製造する態様が挙げられる。
本態様の手順としては、ヒドロシリル化触媒、特定吸着材、化合物Aおよび化合物Bを混合して、必要に応じて、加熱処理を施して、反応を行う。
ヒドロシリル化触媒と特定吸着材と化合物Aと化合物Bとの混合方法としては、一括して各成分を混合してもよいし、分割して各成分を混合してもよい。
なお、成分の混合順も特に限定されない。
また、化合物Aと化合物Bとの反応条件(使用量、反応温度、反応時間等)は、第1態様と同様である。
特定吸着材の使用量は、化合物Aと化合物Bとの合計質量に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
接触時間としては、本発明の効果がより優れる点で、0.1〜180分間が好ましく、1〜60分間が特に好ましい。
接触時の温度としては、本発明の効果がより優れる点で、0〜40℃が好ましく、10〜30℃が特に好ましい。
上記第1態様または第2態様の方法によって得られた化合物C(特定吸着材と接触後の化合物C)と、液状媒体とを混合して、組成物を製造してもよい。
液状媒体の具体例としては、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、前記フッ素系有機溶媒および前記非フッ素系有機溶媒が挙げられる。有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒の具体例は、上述した通りである。
また、上記第1態様または第2態様の方法において液状媒体を使用して得られた、化合物Cと液状媒体とを含む組成物を、上記組成物とすることもできる。さらに、得られた化合物Cと液状媒体とを含む組成物から化合物Cの濃度を調整して新たな組成物としてもよく、上記第1態様または第2態様の方法において使用された液状媒体を別の液状媒体に変換して新たな組成物としてもよい。
組成物中の化合物Cの含有量は、組成物の全質量に対して、0.01〜50.00質量%が好ましく、1.00〜30.00質量が特に好ましい。
組成物中の液状媒体の含有量は、組成物の全質量に対して、50.00〜99.99質量%が好ましく、70.00〜99.00質量%が特に好ましい。
本製造方法によって得られた化合物Cを用いて、基材の表面に表面層を形成できる。
より具体的には、上記化合物Cまたは組成物を用いることにより、基材の表面に、耐摩擦性に優れ、かつ、粒状物の発生が抑制された表面層を形成できる。つまり、基材と、基材の表面に配置された上記化合物Cまたは組成物から形成されてなる表面層と、を有する物品を製造できる。
基材は、撥水撥油性の付与が求められている基材であれば特に限定されない。基材の材料の具体例としては、金属、樹脂、ガラス、サファイア、セラミック、石、および、これらの複合材料が挙げられる。ガラスは化学強化されていてもよい。基材は、SiO等で表面処理されていてもよい。
基材としては、タッチパネル用基材およびディスプレイ基材が好ましく、タッチパネル用基材が特に好ましい。タッチパネル用基材は、透光性を有するのが好ましい。「透光性を有する」とは、JIS R3106:1998(ISO 9050:1990)に準じた垂直入射型可視光透過率が25%以上であるのを意味する。タッチパネル用基材の材料としては、ガラスまたは透明樹脂が好ましい。
上記物品は、たとえば、下記の方法で製造できる。
・化合物Cまたは組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、上記物品を得る方法。
・ウェットコーティング法によって組成物を基材の表面に塗布し、乾燥させて、上記物品を得る方法。
ドライコーティング法の具体例としては、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法が挙げられる。これらの中でも、化合物Cの分解を抑える点、および、装置の簡便さの点から、真空蒸着法が好適である。真空蒸着時には、鉄や鋼等の金属多孔体に化合物Cまたは組成物を含浸させたペレット状物質を使用してもよい。
ウェットコーティング法の具体例としては、スピンコート法、ワイプコート法、スプレーコート法、スキージーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法、フローコート法、ロールコート法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法、グラビアコート法が挙げられる。
上記手順によって形成される表面層には、化合物Cの加水分解反応および縮合反応を介して得られる化合物が含まれる。
表面層の膜厚は、1〜100nmが好ましく、1〜50nmが特に好ましい。表面層の膜厚は、薄膜解析用X線回折計(RIGAKU社製、ATX−G)を用いて、X線反射率法によって反射X線の干渉パターンを得て、この干渉パターンの振動周期から算出できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、各成分の使用量は、質量基準を示す。例1〜7のうち、例1〜4、6〜7が実施例、例5が比較例である。
[評価方法]
(吸着材の含水率)
試料をオーブンにより加熱(180℃、2時間)し、加熱前後の質量を測定して算出した。
(外観特性)
評価サンプルの表面層を目視にて確認して、表面層における粒状物の有無に基づいて外観特性の評価を実施した。評価基準は次の通りである。
A:表面層に100μm程度の粒状物が無い。
B:表面層に100μm程度の粒状物が有る。
(耐摩擦性)
耐摩擦性の試験前後の評価サンプルについて、水接触角を測定した。摩擦後の水接触角の低下が小さいほど、摩擦による性能の低下が小さく、耐摩擦性に優れる。
<水接触角の測定方法>
表面層の表面に置いた約2μLの蒸留水の接触角(水接触角)を、接触角測定装置(協和界面科学社製、DM−500)を用いて測定した。表面層の表面における異なる5箇所で測定し、その平均値を算出した。接触角の算出には2θ法を用いた。
<耐摩擦性の試験方法>
表面層について、JIS L0849:2013(ISO 105−X12:2001)に準拠して往復式トラバース試験機(ケイエヌテー社製)を用い、スチールウールボンスター(#0000)を圧力:98.07kPa、速度:320cm/分で1万回往復させた。
[合成例1]
WO2014/069592号の合成例15に記載の方法に従って、化合物C−1を合成した。具体的には、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物(下記式(5)で表されるパーフルオロポリエーテル基含有アリル体)と、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有する化合物であるトリクロロシランとを、ヒドロシリル化触媒である1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体存在下で反応させ、次いで得られた化合物の塩素原子をメトキシ基に置換させて下記式(6)で表される化合物C−1を得た。得られた化合物C−1を、濃度20質量%になるように、ノベック−7200(スリーエム社製)(含水率:10ppm)に溶解させて、組成物1の100gを調製した。
Figure 0006635229
なお、上記化合物C−1においては、平均組成としては、(CFCFCFCFO)の繰り返し単位が0.17個および(CFCFCFO)の繰り返し単位が0.18個含まれていたが、微量のため省略した。
[合成例2]
WO2017/022437号の合成例3に記載の方法に従って、化合物C−2を合成した。具体的には、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物(下記式(7)で表されるパーフルオロポリエーテル基含有アリルオキシ体)と、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有する化合物であるトリクロロシランとを、ヒドロシリル化触媒である1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのPt錯体存在下で反応させ、次いで得られた化合物の塩素原子をメトキシ基に置換させて下記式(8)で表される化合物C−2を得た。得られた化合物C−2を、濃度20質量%になるように、ノベック−7200(スリーエム社製)(含水率:10ppm)に溶解させて、組成物2の100gを調製した。
Figure 0006635229
[例1]
活性炭(クラレ社製、クラレコールGLC、標準粒度:10〜30メッシュ)の5gをろ過器に充填し、露点−20℃の窒素を1分間流通させた。窒素流通後の活性炭の含水率は0.9質量%であった。
次に、得られた活性炭を、組成物1の100gに添加して、25℃にて5分間撹拌した後、活性炭をろ別し、組成物11を得た。
得られた組成物11を用いて、以下のドライコーティング法により基材(化学強化ガラス)の表面に表面層を形成した。まず、真空蒸着装置(ULVAC社製、VTR−350M)内のモリブデン製ボードに組成物11の0.5gを充填し、真空蒸着装置内を1×10−3Pa以下に排気した。組成物11を配置したボードを昇温速度10℃/分以下の速度で加熱し、水晶発振式膜厚計による蒸着速度が1nm/秒を超えた時点でシャッターを開けて基材の表面への成膜を開始した。膜厚が50nmとなった時点でシャッターを閉じて基材の表面への成膜を終了した。得られた基材を200℃で30分間加熱処理して、アサヒクリンAK−225(商品名、旭硝子社)にて洗浄することによって、基材の表面に表面層が配置された物品を得た。物品の外観特性および耐摩擦性の評価を行い、結果を表1に示す。
[例2〜5]
窒素の流通時間、組成物の種類を変更した以外は例1と同様の手順に従って、表面層を形成した。物品の外観特性および耐摩擦性の評価を行い、結果を表1に示す。
[例6]
活性炭のかわりに、モレキュラーシーブ4A(純正化学社製)を用いた以外は、例1と同様の手順に従って、表面層を形成した。物品の外観特性および耐摩擦性の評価を行い、結果を表1に示す。
[例7]
活性炭のかわりに、シリカゲル(AGC Sitech社製 M.S.GEL(型番:D−75−60A(N)平均粒径75ミクロン、平均細孔径60オングストローム)を用いた以外は、例1と同様の手順に従って、表面層を形成した。物品の外観特性および耐摩擦性の評価を行い、結果を表1に示す。
Figure 0006635229
上記表1のように、含水率が1.0質量%以下の吸着材を用いた例1〜4、6〜7の場合、粒状物が発生せず外観が優れると共に初期の撥水性および耐摩擦性に優れた表面層が得られた。
また、例1〜3の比較より、吸着材の含水率が0.1質量%以下の場合、より効果が優れることが確認された。
一方、含水率が1.0質量%超の吸着材を用いた例5の場合、粒状物が発生して外観が不充分であり、また、耐摩擦性が不充分な表面層が得られた。
WO2017/022437号の合成例3に記載の方法に従って化合物C−2を合成する際に、例4で使用した含水率0.9質量%の活性炭をさらに使用して、上記活性炭およびヒドロシリル化触媒の存在下にて、WO2017/022437号の合成例3で使用される前記式(7)で表されるパーフルオロポリエーテル基含有アリルオキシ体とトリクロロシランとを反応させて、化合物C−2を得た。得られた化合物C−2を用いて、例4と同様の手順に従って表面層を形成したところ、例4と同様の結果(外観特性および耐摩擦性)が得られた。
本製造方法で得られた含フッ素エーテル化合物は、潤滑性や撥水撥油性の付与が求められている各種の用途に用いることができる。たとえば、タッチパネル等の表示入力装置のコート、透明なガラス製または透明なプラスチック製部材の表面保護コート、キッチン用防汚コート、電子機器、熱交換器、電池等の撥水防湿コートや防汚コート、トイレタリー用防汚コート、導通しながら撥液が必要な部材へのコート、熱交換機の撥水・防水・滑水コート、振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート等に用いることができる。より具体的な使用例としては、ディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板、あるいはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの、携帯電話、携帯情報端末等の機器のタッチパネルシートやタッチパネルディスプレイ等の人の指または手のひらで画面上の操作を行う表示入力装置を有する各種機器のコート、トイレ、風呂、洗面所、キッチン等の水周りの装飾建材のコート、配線板用防水コーティング、熱交換機の撥水・防水・滑水コート、太陽電池の撥水コート、プリント配線板の防水・撥水コート、電子機器筐体や電子部品用の防水・撥水コート、送電線の絶縁性向上コート、各種フィルタの防水・撥水コート、電波吸収材や吸音材の防水性コート、風呂、厨房機器、トイレタリー用防汚コート、振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート、機械部品、真空機器部品、ベアリング部品、自動車部品、工具等の表面保護コート等が挙げられる。
なお、2017年08月18日に出願された日本特許出願2017−157902号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. ヒドロシリル化触媒の存在下、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物と、ケイ素原子に結合した水素原子ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する化合物とを反応させて、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する含フッ素エーテル化合物を製造する、含フッ素エーテル化合物の製造方法であって、
    前記含フッ素エーテル化合物を得た後、前記含フッ素エーテル化合物と含水率が1.0質量%以下の吸着材とを接触させるか、または、
    前記ヒドロシリル化触媒および含水率が1.0質量%以下の吸着材の存在下、前記反応を行うことを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
  2. 前記吸着材の含水率が0.1質量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記吸着材が、活性炭、モレキュラーシーブ、シリカゲルまたはセライトである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ヒドロシリル化触媒が、第8族〜第10族遷移金属触媒である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
    [A−O−Z−(RO)−][−CH=CH (1)
    ただし、Aは、ペルフルオロアルキル基または−Q[−CH=CHであり、Aが−Q[−CH=CHである場合jは1であり、
    Qは(k+1)価の連結基であり、kは1〜10の整数であり、
    は、単結合、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜20のオキシフルオロアルキレン基(ただし、オキシペルフルオロアルキレン基を除く。上記オキシフルオロアルキレン基中の酸素原子は、(RO)に結合する。)、または、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜20のポリ(オキシフルオロアルキレン)基((RO)に結合するオキシフルオロアルキレン基中の酸素原子は、(RO)に結合する。(RO)に結合するオキシフルオロアルキレン基は、1個以上の水素原子を含む。ポリ(オキシフルオロアルキレン)基には、全ての水素原子がフッ素原子に置換されたオキシペルフルオロアルキレン基と、1個以上の水素原子を含むオキシフルオロアルキレン基との両方が含まれていてもよい。)であり、
    はペルフルオロアルキレン基であり、mは、2〜200の整数であり、(RO)において炭素数の異なる2種以上のROが存在する場合、各ROの結合順序は限定されず、
    は(j+q)価の連結基であり、j、qはそれぞれ1以上の整数である。
  6. 前記ケイ素原子に結合した水素原子ならびにケイ素原子に結合した加水分解性基およびケイ素原子に結合した水酸基の少なくとも一方を有する化合物が、下記式(3)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
    H−SiR3−n (3)
    ただし、Rは1価の炭化水素基であり、Lは加水分解性基または水酸基であり、nは0〜2の整数であり、nが0または1である場合1分子中に存在する複数のLは互いに同じであっても異なっていてもよく、nが2である場合1分子中に存在する2つのRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
  7. 前記nが0または1であり、複数のLがいずれも加水分解性基である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記吸着材の使用量が、前記ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖およびω−アルケニル基を有する化合物の全質量に対して、1〜30質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記含フッ素エーテル化合物を得た後、前記含フッ素エーテル化合物と含水率が1.0質量%以下の吸着材とを液状媒体中で接触させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法により得られた含フッ素エーテル化合物を用いて、基材の表面に表面層を形成することを特徴とする物品の製造方法。
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