JP6633083B2 - 嚥下運動モニタリングセンサ - Google Patents

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Description

この発明は、被験者の嚥下運動を測定するための嚥下運動モニタリングセンサに関する。
近年の高齢化社会においては、高齢者の寿命が延びている一方で、高齢化に伴う全身機能の低下により様々な影響が高齢者の身体にもたらされている。嚥下障害はそのような影響の一つである。嚥下障害とは、食べ物や飲み物を飲み込む動作である嚥下の機能が損なわれることである。
従来、嚥下機能の評価方法として、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、および嚥下圧検査が普及している。また、嚥下障害のスクリーニングとして、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテストおよびフードテストが行なわれている。
さらに、最近では、顎部嚥下音聴診法およびサチュレーションモニタによる評価なども試みられている(非特許文献1および2参照)。
肥後隆三郎、外3名、「これからの嚥下障害治療−新しい検査法−」、2002年、音声言語医学43、pp.460−466 土師知行、外3名、「耳内より記録した嚥下音について−健常者における予備的研究−」、2015年、日本気管食道科学会会報、66(1)、pp.13−19
上記の嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査および嚥下圧検査は、嚥下機能を客観的に評価することができる一方で、高価な機器や人員を要するとともに、侵襲的な検査に依らなければならない。
一方、反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテストおよびフードテストは、通常、嚥下の検知を喉頭拳上の視認および触知によって行なうため、上記検査に比べて簡便ではあるが、検査の正確性および客観性、特に軽度の嚥下障害に対する感度が低いという点で問題がある。
また、顎部嚥下音聴診法は、非侵襲的な検査法ではあるが、嚥下と無関係な咀嚼音、口内音および喉頭拳上音と嚥下音との鑑別が困難となる場合がある。また、少量の誤嚥を検出することが難しい。そのため、補助的な診断に止まっている。サチュレーションモニタによる評価も非侵襲的かつ簡便ではあるが、サチュレーションの変動と誤嚥との関係性が未だ検討段階にあり、信頼性に欠ける。
本発明の一態様の目的は、簡便な構成にて、非侵襲的かつ客観的に、嚥下運動を感度高く測定することができる嚥下運動モニタリングセンサを提供することである。
本発明の一態様に係る嚥下運動モニタリングセンサは、被験者の嚥下運動を測定するためのセンサである。嚥下運動モニタリングセンサは、被験者の喉頭部に装着される第1の外形変動センサを備える。第1の外形変動センサは、嚥下運動に関連する喉頭部の外形変動を検出するように構成される。
上記によれば、簡便な構成にて、非侵襲的かつ客観的に、嚥下運動を感度高く測定することができる嚥下運動モニタリングセンサを提供することができる。
実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサの概略構成図である。 図1に示される光ファイバシートおよびマイクロフォンを被験者に装着した様子を示す図である。 マイクロフォンによる嚥下音の測定例を示す図である。 図1に示される外形変動センサの一実施例である光ファイバシートの概略構成図である。 光ファイバシートにおける光ファイバの一配設例を示す平面図である。 光ファイバシートによる嚥下運動の測定例を示す図である。 本実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサを用いて構成される嚥下運動モニタリングセンサシステムの一例を示す概略構成図である。 被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果を示す図である。 被験者が少量の水を嚥下したときの測定結果を示す図である。 被験者がゼリーを嚥下したときの測定結果を示す図である。 被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果を示す図である。 図11に示す出力波形を部分的に拡大した波形を示す図である。 POFを用いたときの測定結果を示す図である。 GI−SiOを用いたときの測定結果を示す図である。 HSFFを用いたときの測定結果を示す図である。 光ファイバシートにおける光ファイバの配設例を示す平面図である。 光ファイバシートにおける光ファイバの配設例を示す平面図である。 光ファイバシートにおける光ファイバの配設例を示す平面図である。 光ファイバシートにおける光ファイバの配設例を示す平面図である。 光ファイバシートの装着方法を説明する図である。 図21に示す装着方法による測定結果を示す図である。 光ファイバシートの装着方法を説明する図である。 図22に示す装着方法による測定結果を示す図である。 デジタルオシロスコープで測定された光ファイバシートの検出信号を示す図である。 単純移動平均化処理が施された光ファイバシートの出力波形を示す図である。 第4の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサシステムの概略構成図である。 図26に示す嚥下運動モニタリングセンサシステムによる測定結果を示す図である。 第5の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサシステムの概略構成図である。 第5の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサシステムの概略構成図である。 第6の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサ1Aの構成を示す図である。 図30に示される外形変動センサおよびマイクロフォンを被験者に装着した様子を示す図である。 第6の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサを用いて構成される嚥下運動モニタリングセンサシステムの一例を示す概略構成図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る嚥下運動モニタリングセンサ1(図1参照)は、被験者の嚥下運動を測定するためのセンサである。嚥下運動モニタリングセンサ1は、被験者の喉頭部に装着される第1の外形変動センサ(外形変動センサ5)を備える。第1の外形変動センサ(外形変動センサ5)は、嚥下運動に関連する喉頭部の外形変動を検出するように構成される。このようにすれば、簡便な構成にて、非侵襲的かつ客観的に嚥下運動を測定することができる。
(2)上記(1)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、第1の外形変動センサ(外形変動センサ5)は、光ファイバ14およびそれを支持するシート状体12を有する光ファイバシート10(図4参照)を含む。光ファイバシート10は喉頭部に装着される。光ファイバシート10は、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動に関連して喉頭部から光ファイバ14に加わる側圧により発生する損失に基づく伝送信号光の光量変化を検出するように構成される。このようにすれば、非侵襲的かつ簡便に、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動を測定することができる。
(3)上記(2)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、光ファイバ14(図16参照)は、1本の光ファイバ部分により、互いに第1の方向に延びる複数の直線部14aと、2本の直線部14aの端部間をそれぞれ接続する複数の曲線部14bとを形成するように変形させた蛇行部を構成する。上記蛇行部において、相対的に上流側に位置する第1および第2の直線部14aの間を、相対的に下流側に位置する第3の直線部14aが通るように、光ファイバ部分が変形されている。
このようにすれば、光ファイバの長さ(光路長)を長くできるとともに、隣接する直線部14aの間隔を短くすることができる。その結果、被験者の喉頭部の動きに対する伝送損失の変化が大きくなるため、嚥下運動モニタリングセンサとしての感度を向上させることができる。
(4)上記(3)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、上記蛇行部において、複数の直線部14aのうちの一部の直線部14aにさらに、第1の方向に並ぶ複数の環状部14c(図17参照)が形成されるように、光ファイバ部分が変形されている。
このようにすれば、環状部14c同士が交差する部分、および、環状部14cと直線部14aとが交差する部分において、光ファイバ同士が接する接点が形成される。この接点が作用点となって光ファイバ14に側圧を発生させるため、喉頭部の動きによる側圧がより大きく光ファイバ14に発生することになる。この結果、喉頭部のわずかな動きに対してもより大きな光量変化が生じることになるため、嚥下運動モニタリングセンサとしての感度を向上させることができる。
(5)上記(3)または(4)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、光ファイバシート10C(図18参照)または光ファイバシート10D(図19参照)は、複数の伝送信号光が並列入力される複数の入力端と、複数の伝送信号光を並列出力する複数の出力端とをさらに含む。光ファイバ部分は、一対となる入力端と出力端との間にそれぞれ配設される。
このようにすれば、共通のシート状体12に配設された複数の光ファイバ14にはそれぞれ、喉頭部の動きに応じた側圧を受けて伝送損失が変化する。このとき、複数の光ファイバ14間で伝送損失の変化に時間差が生じる。この伝送損失の偏差の時間差を検出することにより、被験者の喉頭部の拳上運動(嚥下運動)の速度を計測することができる。
(6)上記(3)〜(5)のいずれかに係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、光ファイバ14は、プラスチック光ファイバ、石英系光ファイバ、または、プラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバである。このようにすれば、喉頭部から光ファイバに加わる側圧により伝送光に損失を発生させることができる。光ファイバは、より好ましくはグレーディドインデックス型石英系光ファイバである。
(7)上記(6)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、光ファイバ14は、ステップインデックス型、グレーデッドインデックス型、または、単一モード型からなる。
(8)上記(3)〜(7)のいずれかに係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、光ファイバシート10,10A〜10Dは、第1の方向における幅が30mm以上500mm以下であり、第1の方向に垂直な第2の方向における幅が30mm以上150mm以下である。第1の方向は喉頭部の動きに対して垂直な方向であることが好ましく、第2の方向は喉頭部の動きに対して平行な方向であることが好ましい。このようにすれば、被験者の性別や頸部の長さの個人差を問わず、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動を高い感度で測定することができる。
(9)上記(8)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、光ファイバシート10(図20参照)は、固定バンド300を用いて、喉頭部を中心に首回りに装着される。このようにすれば、光ファイバシート10を喉頭部に密着させることができるため、喉頭部の外形変動を高い感度で測定することができる。
(10)上記(8)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、光ファイバシート10(図22参照)は、光ファイバシートの横両側面に取り付けられた紐状の弾性部材(ゴム紐310,320)を用いて、喉頭部を中心に首回りに装着される。このようにすれば、光ファイバシート10を喉頭部に密着させることができるため、喉頭部の外形変動を高い感度で測定することができる。
(11)上記(8)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、光ファイバシート10は、伸縮性を有する材料からなる環状のネットを用いて、喉頭部を中心に首回りに装着される。このようにすれば、光ファイバシート10を喉頭部に密着させることができるため、喉頭部の外形変動を高い感度で測定することができる。
(12)上記(1)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、第1の外形変動センサ5(図28参照)は、静電容量型感圧素子およびそれを支持するシート状体を有し、喉頭部に装着される感圧センサシート90を含む。このようにすれば、非侵襲的かつ簡便に、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動を測定することができる。
(13)上記(1)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、第1の外形変動センサ5(図29参照)は、感圧ゴムおよびそれを支持するシート状体を有し、喉頭部に装着される感圧ゴムセンサシート92を含む。このようにすれば、非侵襲的かつ簡便に、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動を測定することができる。
(14)上記(1)〜(13)のいずれかに係る嚥下運動モニタリングセンサ1は好ましくは、被験者の耳内に装着されるマイクロフォン20をさらに備える。マイクロフォン20は、嚥下運動に関連して耳内に発生する嚥下音を検出するように構成される。このようにすれば、簡便な構成にて、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動と、嚥下音とを同時に捉えることができる。よって、非侵襲的および客観的に、嚥下運動を感度高く測定することができる。
(15)上記(14)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、マイクロフォン20は、径が1.5mm以上5.0mm以下であるラベリア型コンデンサマイクにより構成される。このようにすれば、嚥下音を高い感度で採取することができる。
(16)上記(14)または(15)に係る嚥下運動モニタリングセンサにおいて好ましくは、嚥下運動モニタリングセンサ1は、第1の外形変動センサ(外形変動センサ5)およびマイクロフォン20の各々から出力される検出信号を処理する信号処理部30をさらに備える。
このようにすれば、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動および嚥下音の測定結果を解析することで嚥下機能を客観的に評価することができる。したがって、嚥下運動モニタリングセンサシステムを用いて、正常例および嚥下障害例の嚥下運動を測定することにより、嚥下スクリーニングにおける客観的な指標を提示することが可能となる。この結果、臨床使用での利便性を向上させることができる。
(17)上記(16)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、信号処理部30(図7参照)は、マイクロフォン20からの検出信号の出力波形と、第1の外形変動センサ(外形変動センサ5からの検出信号の出力波形とを同一時間軸上に並べて表示可能に構成された表示部(デジタルオシロスコープ70およびPC80)を含む。このようにすれば、2つの出力波形を比較することにより、嚥下運動の検出および解析を正確に行なうことができる。
(18)上記(17)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、表示部(デジタルオシロスコープ70およびPC80)は、第1の外形変動センサ(外形変動センサ5)からの検出信号を単純移動平均処理して得られた出力波形を表示する。このようにすれば、検出信号に重畳したノイズを除去することができるため、嚥下運動を感度高く測定することができる。
(19)上記(17)または(18)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1において好ましくは、信号処理部30(図26参照)は、マイクロフォン20からの検出信号をディジタルサンプリングが可能なように構成されたオーディオ入力部を含む。オーディオ入力部には、マイクロフォンからの検出信号とともに、第1の外形変動センサからの検出信号に、オーディオ入力部が取扱可能な周波数を有するダミー信号を重畳させた信号が入力される。マイクロフォンからの検出信号および第1の外形変動センサからの検出信号の出力波形は、オーディオ入力部にてディジタルサンプリングされた後、表示部において同一時間軸上に並べて表示される。
デジタルオシロスコープを使用しない場合、信号処理部30は、オーディオミキサ62によって、交流信号であるダミー信号を第1の外形変動センサ(外形変動センサ5)からの検出信号に重畳させて表示部(PC80)のオーディオ入力部の第1のオーディオ入力に入力する。ダミー信号は、オーディオアンプで取扱い可能な周波数を有する。信号処理部30はさらに、マイクロフォン20からの検出信号を表示部(PC80)のオーディオ入力部の第2のオーディオ入力に入力する。これにより、表示部(PC80)には、これら2つの信号をそれぞれディジタルサンプリングして得られた出力波形が同一時間軸上に並べて表示される。このようにすれば、簡便な装置の組合せによって2つの出力波形を比較できるため、嚥下運動の検出および解析を容易に行なうことができる。なお、表示部(PC80)がオーディオ入力部を備えていない場合には、外付けのオーディオ入力ユニットを用いることで、同様の機能を実現することができる。
(20)上記(1)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1A(図30参照)は、好ましくは、被験者の胸部または腹部に装着される第2の外形変動センサ6をさらに備える。第2の外形変動センサ6は、嚥下運動に関連する胸郭の外形変動を検出するように構成される。
このようにすれば、簡便な構成によって、被験者の嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動および嚥下音に加えて、嚥下運動に伴う胸郭の外形変動を同時に非侵襲的に捉えることができる。これにより、非侵襲的および客観的に、嚥下運動および嚥下時の呼吸パターンを測定することができる。この結果、嚥下機能の客観的な評価が可能となる。
(21)上記(20)に係る嚥下運動モニタリングセンサ1A(図30参照)において好ましくは、第2の外形変動センサ6は、光ファイバおよびそれを支持するシート状体を有する光ファイバシートを含む。光ファイバシートは胸部または腹部に装着される。光ファイバシートは、嚥下運動に伴う胸郭の外形変動に関連して胸部または腹部から光ファイバに加わる側圧により発生する損失に基づく伝送信号光の光量変化を検出するように構成される。このようにすれば、非侵襲的かつ簡便に、嚥下運動に伴う胸郭の外形変動を測定することができる。なお、第2の外形変動センサ6は、第1の外形変動センサ5と同様、光ファイバシートに代えて、感圧センサシートまたは感圧ゴムセンサシートを用いることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
<嚥下運動モニタリングセンサの構成>
図1は、実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサの概略構成図である。
図1を参照して、実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサ1は、外形変動センサ5と、マイクロフォン20と、信号処理部30とを備える。
外形変動センサ5は、被験者の喉頭部に装着される。外形変動センサ5は、嚥下運動に関連する喉頭部の外形変動を検出するように構成される。外形変動センサ5の詳細については後述する。
マイクロフォン20は、径1.5〜5.0mm程度の大きさを有する小型のマイクロフォンである。マイクロフォン20には、たとえばラベリア型コンデンサマイクを用いることができる。
信号処理部30は、外形変動センサ5およびマイクロフォン20の各々から出力される検出信号を処理する。信号処理部30の詳細については後述する。
図2は、図1に示される外形変動センサ5およびマイクロフォン20を被験者100に装着した様子を示す図である。図2には被験者100の頭蓋部が模式的に示されている。咽頭部106は、鼻腔102から食道112および気管110までの空気および食べ物の通り道である。喉頭部108は、喉仏辺りで声帯を含む気道の一部を指す。
図2に示されるように、外形変動センサ5は、喉頭部108を中心に被験者100の首回りに装着される。外形変動センサ5には、たとえば光ファイバシートを用いることができる。光ファイバシートは、光ファイバおよびそれを支持するシート状体を含んでおり、嚥下運動に関連する喉頭部108の外形変動を検出するように構成される。すなわち、光ファイバシートは「外形変動センサ」の一実施例に対応する。
マイクロフォン20は、被験者100の耳114の内部(外耳道116内)に装着される。マイクロフォン20は、嚥下運動に関連して耳内に発生する嚥下音を検出するように構成される。
外形変動センサ5により検出された喉頭部108の外形変動を示す検出信号、および、マイクロフォン20により検出された嚥下音を示す検出信号はともに、信号処理部30(図1)に入力される。
本発明者らは、嚥下の際に耳管が瞬間的に開放することに関連して、高周波成分を含むクリック音とそれに続く低周波成分を多く含んだ音群との2峰性の音を特徴とする嚥下音が発生することを見出した。本発明者らはさらに、嚥下音を耳内より記録することに成功している(たとえば非特許文献2参照)。
図3は、マイクロフォン20による嚥下音の測定例を示す図である。
図3には、マイクロフォン20からの検出信号の出力波形が示されている。図3の縦軸は、マイクロフォン20からの検出信号として、ラベリア型コンデンサマイクの出力電圧を示す。図3の横軸は時間を示している。
図3の出力波形は、一人の被験者(成人男性)が10回連続して唾液を嚥下したときの測定結果である。具体的には、径2.5mmのラベリア型コンデンサマイク(製品名:COUNTRYMAN B06、COUNTRYMAN製)を被験者の耳内に挿入し、コンデンサマイクロフォンの出力信号をオーディオミキサ(製品名:Mackie402-VLZ3、MACKIE社製)で音量調整したものである。
図3に示されるように、マイクロフォン20の出力波形には、合計10回において、鋭い音声波形(クリック音)が観測されている(図中矢印を参照)。よって、嚥下回数とクリック音回数とが一致していることが分かる。
本実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサ1では、耳内より嚥下音を記録することと同時に、嚥下運動に関連する喉頭部の外形変動を検出する。これにより、非侵襲的かつ客観的な測定方法で嚥下運動を正確に測定することを可能とする。
(光ファイバシートの構成)
図4は、図1に示される外形変動センサ5の一実施例である光ファイバシート10の概略構成図である。
図4を参照して、光ファイバシート10は、光ファイバ14と、シート状体12とを含む。シート状体12は、平面視において矩形状に形成されている。光ファイバ14は、シート状体12上に配設される。
光ファイバ14は、たとえば両面粘着テープを用いて、シート状体12に部分的に固定されている。シート状体12は、光ファイバ14を支持することが可能であれば、その素材は特に限定されるものではない。なお、光ファイバ14は、シート状体12の上に配設される場合のみならず、シート状体12に内部に埋設させることもできる。
シート状体12は、幅方向(図中左右方向)における長さが30mm以上500mm以下であり、長さ方向(図中上下方向)における長さが30mm以上150mm以下であることが好ましい。このようにすれば、被験者の性別や頸部の長さの個人差を問わず、嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動を高い感度で測定することができる。
光ファイバ14は、コアと呼ばれる芯と、その外側のクラッドと呼ばれる外層と、外層を被覆する被覆層とを有する光伝送媒体である。光ファイバ14には、プラスチック光ファイバ、石英系光ファイバ、または、プラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバを用いることができる。プラスチック光ファイバは、コア材にアクリルを使用し、クラッド材にフッ素樹脂を用いた光ファイバである。石英系光ファイバは、コア材およびクラッド材に石英ガラスを用いた光ファイバである。プラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバは、コア材に石英ガラスを使用し、クラッド材に樹脂を用いた光ファイバである。
光ファイバ14の入力端14iには、図示しない光源部から連続的に供給される一定光量の光が入射される。光ファイバ14の入力端14iに入射された光は、光ファイバ14により伝送された後、光ファイバ14の出力端14oから出射される。光ファイバ14の出力端14oには、図示しない光パワーメータ(受光部)が接続されている。光パワーメータは、光ファイバ14から出射した光の光量を測定する。
図2に示されるように、光ファイバシート10を被験者100の喉頭部108に装着させた状態においては、喉頭部108の動き(外形変動)に応じて光ファイバ14に対して側圧が加わる。被験者100が嚥下運動を行なった場合、喉頭部108は、図4中に矢印で示すような動き(喉頭部108の拳上および下垂)を示す。したがって、光ファイバ14に加わる側圧は、被験者100の嚥下運動に伴う喉頭部108の動きに応じて変化する。
光ファイバ14は、側圧による応力負荷によりマイクロベンディング損失が発生するために、光ファイバ14の伝送損失に過剰損失が発生する。本実施の形態に係る光ファイバシート10は、この特性を利用するものであって、嚥下運動に起因する光ファイバ14への側圧変化による伝送損失の変化を計測することによって、被験者100の嚥下運動を測定可能にしている。
図5は、光ファイバシート10における光ファイバ14の一配設例を示す平面図である。
図5を参照して、光ファイバ14は、シート状体12上に、一筆書き状に配設される。光ファイバ14は、一筆書き状であればその配設態様はいかなるものであってもよい。
図5の例では、シート状体12に、1本の光ファイバ部分を変形させることによって形成された蛇行部が配設されている。蛇行部は、シート状体12の幅方向(図中左右方向)に互いに延びる複数の直線部14aを有する。シート状体12の幅方向は「第1の方向」に対応する。第1の方向は、たとえば喉頭部の動き(図4の矢印方向)に対して垂直な方向に設定される。
複数の直線部14aは、シート状体12の長さ方向(図中上下方向)に間隔を隔てて並べて配置されている。シート状体12の長さ方向は「第2の方向」に対応する。第2の方向は、たとえば喉頭部の動き(図4の矢印方向)に対して平行な方向に設定される。隣接する直線部14aの間隔は、喉頭部の動きに対して少なくとも2本以上の直線部14aに側圧が加わるように調整されている。蛇行部は、隣り合う直線部14aの端部間を接続する複数の曲線部14bをさらに有する。
上記のように、本実施の形態に係る光ファイバシート10は、側圧による伝送損失の変化を利用しているため、感度向上には光路長が長いほど有利である。図5に示す配設例によると、光路長が長くなるため、嚥下運動モニタリングセンサとしての感度を向上させることができる。
図6は、光ファイバシート10による嚥下運動の測定例を示す図である。図6には、光ファイバシート10からの検出信号の出力波形が示されている。この出力波形は、一人の被験者(成人男性)が連続して唾液を嚥下したときの測定結果である。
具体的には、横幅が100mm、縦幅が500mmの矩形状のシート状体12に、プラスチック光ファイバを図5の配設例に従って配設することにより光ファイバシート10を構成した。この光ファイバシート10を、伸縮性を有する材料からなる環状のネット(医療用ネット包帯)を用いて、喉頭部を中心に被験者の首回りに装着した。この状態で、プラスチック光ファイバの入力端に、光源部から一定光量の光を連続的に入射し、プラスチック光ファイバの出力端から出射される光の光量を光パワーメータを用いて測定した。
図6の縦軸は、光ファイバシート10からの検出信号として、光パワーメータにより計測された受光量(電圧)を示し、横軸は時間を示している。
図6では、被験者が唾液を嚥下したタイミングを丸印で表している。被験者が唾液を嚥下するたびに、出射光の光量が低下していることが分かる。図6ではさらに、試しに光ファイバシート10を指で触れてみたときのタイミングをバツ印で表している。光ファイバシート10を指で触れたときには、嚥下のときは異なる急峻な波形の変化(出射光量の低下)が観測された。これにより、光ファイバシート10が被験者の喉頭部の動きに対して良好な感度で応答していることが確認された。
(嚥下運動モニタリングセンサシステム)
以下では、本実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサ1を用いた嚥下運動モニタリングセンサシステムによる嚥下運動の測定方法および測定結果について説明する。
<嚥下運動モニタリングセンサシステムの構成>
図7は、本実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサ1を用いて構成される嚥下運動モニタリングセンサシステムの一例を示す概略構成図である。
図7を参照して、嚥下運動モニタリングセンサシステム200は、光ファイバシート10(外形変動センサ)と、マイクロフォン20と、光源部40と、光パワーメータ50と、オーディオミキサ60と、デジタルオシロスコープ70と、PC(パーソナルコンピュータ)80とを備える。光パワーメータ50、オーディオミキサ60、デジタルオシロスコープ70およびPC80は、図1に示される「信号処理部30」の一実施例を構成する。
図2で説明したように、嚥下運動の測定にあたって、被験者の喉頭部に外形変動センサ5である光ファイバシート10が装着されるとともに、被験者の耳内にマイクロフォン20が装着される。
光源部40は、一定光量の光を連続して出力する。出射光を安定して供給できること、小型軽量であること、および、発熱量および消費電力が少ないことから、光源部40にはLED(Light Emitting Diode)が好適に用いられる。
光パワーメータ50は、光ファイバ14から伝送された出射光を受光し、受光した光量を計測する。計測される受光量(減衰量)は、被験者の喉頭部の動きに応じて光ファイバシート10に加わる側圧に応じて変化する。したがって、受光量の変化が大きいと喉頭部の動きが大きく、受光量の変化が小さいと喉頭部の動きが小さいと判断することができる。光パワーメータ50は、計測された受光量を電気信号に変換し、変換した電気信号をデジタルオシロスコープ70のチャネルCH1に入力する。
マイクロフォン20により検出された嚥下音を示す検出信号は、オーディオミキサ60に入力される。オーディオミキサ60は、検出された嚥下音の音量を調整し、調整後の検出信号をデジタルオシロスコープ70のチャネルCH2に入力する。
デジタルオシロスコープ70は、チャネルCH1に光パワーメータ50の出力信号を受け、チャネルCH2にオーディオミキサ60の出力信号を受ける。デジタルオシロスコープ70は、光パワーメータ50の出力信号およびオーディオミキサ60の出力信号の時間的変化(出力波形)を、たとえば電圧波形データとして保持する。デジタルオシロスコープ70は、2つの出力波形をPC80に送信する。
デジタルオシロスコープ70は、2つの出力波形を同一時間軸上に並べて表示することもできる。すなわち、デジタルオシロスコープ70は、マイクロフォン20からの検出信号の出力波形と、光ファイバシート10からの検出信号の出力波形とを同一時間軸上に並べて表示可能に構成された「表示部」の一実施例に対応する。
PC80は、予めインストールされている解析ソフトを駆動することにより、デジタルオシロスコープ70から送信される2つの出力波形データを解析する。PC80による解析結果は、CRTやプリンタなどの表示装置(図示せず)に表示される。PC80は「解析部」の一実施例に対応する。
<嚥下運動測定方法および測定結果>
図7に示す嚥下運動モニタリングセンサシステム200を用いて、被験者の嚥下運動を測定した。以下、測定結果の一例を説明する。
(測定結果1)
測定では、嚥下障害のない22歳の成人男性を被験者とし、被験者の喉頭部に光ファイバシート10を装着した。光ファイバシート10は、横幅が80mm、縦幅が100mmの矩形状のシート状体12に、プラスチック光ファイバを図5の配設例に従って配設した構成とした。この光ファイバシート10を、気管カニューレを固定するための気管カニューレホルダを用いて、喉頭部を中心に被験者の首回りに装着した。
さらに、被験者の耳内にはマイクロフォン20を装着した。マイクロフォン20は、径2.5mmのラベリア型コンデンサマイク(製品名:COUNTRYMAN B06、COUNTRYMAN製)を用いた。コンデンサマイクを耳栓の中に通し、各被験者の耳内に挿入して嚥下音を録音した。コンデンサマイクをオーディオミキサ60(製品名:Mackie402-VLZ3、MACKIE社製)に接続した。
また、嚥下用飲食物には、飲料水(例えば水)および柔らかい食べ物(例えばゼリー)を選定した。
嚥下運動モニタリングセンサシステム200において、光ファイバ14の入力端に、光源部40からの赤色LED光(波長650nm)を入射し、光ファイバ14から出射した光の光量を光パワーメータ50で測定した。
光ファイバシート10からの検出信号およびマイクロフォン20からの検出信号を、デジタルオシロスコープ70(製品名:UDS-5202、日本データシステム社製)のチャネルCH1,CH2にそれぞれ入力した。PC80では、上記2つの検出信号を同一時間軸上で測定することができる解析ソフトを起動することにより、2つの検出信号の出力波形の対応関係を測定した。
図8〜図10に測定結果を示す。各図において、縦軸は光パワーメータ50により計測された受光量(電圧)およびラベリア型コンデンサマイクの出力電圧を示し、横軸は時間を示している。光パワーメータ50により計測された受光量(電圧)は、光ファイバシート10からの検出信号に相当する。ラベリア型コンデンサマイクの出力電圧は、マイクロフォン20からの検出信号に相当する。
図8は、被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果である。図9は、被験者が少量の水を嚥下したときの測定結果である。図10は、被験者がゼリーを嚥下したときの測定結果である。各図とも、上側にはチャネルCH1(光ファイバシート10からの検出信号)の出力波形が示され、下側にはチャネルCH2(マイクロフォン20からの検出信号)の出力波形が示されている。
図8〜図10の各々において、光ファイバシート10の出力波形およびマイクロフォン20の出力波形に、それぞれ変動が生じている。光ファイバシート10の出力波形に変動が生じるタイミングと、マイクロフォン20の出力波形に変動が生じるタイミングとは互いに良く一致している。よって、光ファイバシート10およびマイクロフォン20がそれぞれ、被験者の嚥下運動を捕捉していることが確認された。
さらに、図9および図10に示される光ファイバシート10の出力波形を比較すると、液体(水)を嚥下したときと固形物(ゼリー)を嚥下したときとでは、出力波形の変動の様子が異なることが確認された。詳細には、固形物を嚥下したときよりも液体を嚥下したときの方が鋭い波形変動を捕捉できることが確認された。
(測定結果2)
次に、嚥下運動モニタリングセンサシステム200において、デジタルオシロスコープ70を、上記測定結果1で用いたデジタルオシロスコープ(製品名:UDS-5202、日本データシステム社製)とは異なるデジタルオシロスコープ(製品名:OWON VDS3104、Lilliput社製)に変更した。変更後のデジタルオシロスコープのチャネルCH1,CH2に、光ファイバシート10からの検出信号およびマイクロフォン20からの検出信号をそれぞれ入力した。
測定では、嚥下障害のない4人の成人男性を被験者とし、各被験者の喉頭部に光ファイバシート10を装着した。
光ファイバシート10の光ファイバ14には、グレーディドインデックス型石英系光ファイバ(GI−SiO)を用いた。GI−SiOは、屈折率がコアの中心からクラッド方向へ中心軸対称の分布形状を有する屈折率分布(Graded Index)を有する石英系光ファイバである。
また、嚥下用飲食物には、飲料水(例えばお茶)および柔らかい食べ物(例えば杏仁豆腐)を選定した。
図11に、一人の被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果を示す。図11の縦軸は、光パワーメータ50により計測された受光量(電圧)およびラベリア型コンデンサマイクの出力電圧を示す。図11の横軸は時間を示している。
図11を参照して、CH1は光ファイバシート10からの検出信号の出力波形を示し、CH2はマイクロフォン20からの検出信号の出力波形を示している。
マイクロフォン20の出力波形には、時間T1,T2,T3の合計3回において、鋭い音声波形(クリック音)が観測されており、嚥下回数とクリック音回数とが一致していることが分かる。
一方、光ファイバシート10の出力波形には、クリック音が観測された時間T1,T2,T3の各々において、受光量の低下が見られた。これにより、被験者が唾液を嚥下するたびに光ファイバ14の伝送損失が変化していることが分かる。
このように、マイクロフォン20の出力波形と光ファイバシート10の出力波形とを比較すると、波形が変動するタイミングが互いに良く一致していることが確認された。図12には、図11に示す出力波形のうち、3番目の嚥下運動(図11中の時間T3に相当)に対応する部分を拡大した波形を示す。
図12に示す波形は、図11に示す出力波形データをCSV(Comma−Separated Values)形式で保存してグラフ化したものから、データ番号3500〜4300区間(データ数800)を抽出したものである。図中に破線で囲まれた領域において、マイクロフォン20が捉えた嚥下音と、光ファイバシート10が捉えた喉頭部の動きとが良好に対応していることが分かる。
上述のように、本実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサ1は、光ファイバシート10が被験者の喉頭部の動きを捉える一方で、マイクロフォン20が耳内で耳管開放の瞬間に発するクリック音(嚥下音)を捉えるように構成されている。図11および図12に示す嚥下運動モニタリングセンサシステム200での測定結果からは、光ファイバシート10およびマイクロフォン20が互いに良く一致して被験者の嚥下運動を捉えていることが確認された。
(測定結果3)
測定ではさらに、上記測定結果2における4人の被験者を対象として、使用される光ファイバが異なる3種類の光ファイバシート10について、唾液嚥下に対する感度の比較を行なった。
比較では、図7に示す嚥下運動モニタリングセンサシステム200において、プラスチック光ファイバ(POF)、グレーディドインデックス型石英系光ファイバ(GI−SiO)、および、ステップインデックス型プラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバ(HSFF:High Sensitive F-SAS Fiber)のいずれかを用いた3種類の光ファイバシート10を準備した。ステップインデックス型プラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバとは、コア内の屈折率分布が一様であるプラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバである。
被験者ごとに、3種類の光ファイバシート10およびマイクロフォン20を用いて嚥下運動を測定した。図13〜図15に測定結果の一例を示す。
図13は、POFを用いたときの測定結果である。図14は、GI−SiOを用いたときの測定結果である。図15は、HSFFを用いたときの測定結果である。各図(a)には被験者がお茶を嚥下したときの光ファイバシート10の出力波形が示され、各図(b)には被験者が杏仁豆腐を嚥下したときの光ファイバシート10の出力波形が示されている。
次に、測定結果に基づいて、マイクロフォン20の出力波形と同じタイミングで光ファイバシート10の出力波形に変動が表れているかどうか、および、光ファイバシート10の出力波形の変動の大きさについて評価した。
評価では、マイクロフォン20の出力波形と同じタイミングで光ファイバシート10の出力波形に変動が表れており、かつ、その変動の大きさが閾値以上である場合を「感度良」と判断した。一方、マイクロフォン20の出力波形が変動するタイミングで光ファイバシート10の出力波形に変動が表れていない場合、あるいは、光ファイバシート10の出力波形に表れた変動の大きさが閾値未満である場合を「感度不良」と判断した。表1に比較結果を示す。表1では、各光ファイバの感度を、4件の測定結果のうち「感度良」と評価された件数の頻度で表わしている。
表1を参照して、POFを用いた場合、光ファイバシート10の出力波形に変動が表れるものの、その変動の大きさが閾値に満たないケースが観測された。また、被験者によっては、光ファイバシート10の出力波形に変動が表れないケースが観測された。その結果、感度良の発生頻度は25%であった。
一方、GI−SiOを用いた場合には、4人の被験者全員に対して、光ファイバシート10の出力波形の変動を明瞭に捉えることができた(発生頻度100%)。また、HSSFは、POFとGI−SiOとの中間に位置する感度(発生頻度50%)を示した。この結果、嚥下運動への感度はGI−SiOを用いた光ファイバシート10が最も高いことが確認された。
[実施の形態の変形例]
以下、本実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサ1および嚥下運動モニタリングセンサシステム200の変形例について説明する。各変形例は例示であり、異なる変形例で示した構成の部分的な置換または組合せが可能であることは言うまでもない。
[変形例1]
第1の変形例では、光ファイバシートにおける光ファイバの配設例について説明する。
図16〜図19はそれぞれ、光ファイバの配設例を示す平面図である。なお、図16〜図19に示す光ファイバシート10A〜10Dはいずれも、喉頭部を中心に被験者の首回りに装着される(図2参照)。また、光ファイバシート10A〜10Dはそれぞれ、光ファイバシート10に代えて、図7に示す嚥下運動モニタリングセンサシステム200に適用可能である。
図5で説明したように、光ファイバ14は、シート状体12上に、一筆書き状に配設される。図16に示す配設例では、光ファイバシート10Aは、図5に示す光ファイバシート10と同様に、シート状体12に、1本の光ファイバ部分を変形させることによって形成された蛇行部が配設されている。
具体的には、蛇行部は、横幅が85mm、縦幅が65mmの矩形状のシート状体12の幅方向(第1の方向)に互いに延びる複数の直線部14aと、2本の直線部14aの端部間をそれぞれ接続する複数の曲線部14bとを有する。
複数の直線部14aは、シート状体12の長さ方向(第2の方向)に間隔を隔てて並べて配置されている。図16の例では、複数の直線部14aのうち相対的に上流側に位置する第1および第2の直線部14aの間を、相対的に下流側に位置する第3の直線部14aが通るように、光ファイバ部分が変形されている。
このような構成とすることにより、光ファイバシート10Aでは、光ファイバシート10に比べて、光ファイバの長さ(光路長)がより長くなっている。また、直線部14aの本数が増えたことで、隣接する直線部14aの間隔がより短くなっている。その結果、光ファイバシート10Aは、光ファイバシート10に比べて、被験者の喉頭部の動きに対する伝送損失の変化がより大きくなるため、嚥下運動モニタリングセンサとしての感度を向上させることができる。
図17に示す配設例では、光ファイバシート10Bは、光ファイバシート10と同様に、シート状体12に、1本の光ファイバ部分を変形させることによって形成された蛇行部が配設されている。具体的には、蛇行部は、横幅が85mm、縦幅が80mmの矩形状のシート状体12の幅方向に互いに延びる複数の直線部14aと、2本の直線部14aの端部間をそれぞれ接続する複数の曲線部14bと、複数の環状部14cとを有する。
複数の環状部14cは、複数の直線部14aのうちの一部の直線部14aに、シート状体12の幅方向に並ぶように形成されている。なお、環状部14cは、真円である必要はなく、楕円のように扁平したものであってもよい。
環状部14cは、隣接する環状部14cと交差するとともに、一部の直線部14aと交差するように配置されている。なお、交差とは、シート状体12の平面視において光ファイバ同士が交差しており、シート状体12の面に垂直な方向に力が加えられたときに、一方の光ファイバが他方の光ファイバに側圧を与え得ることをいう。光ファイバは側圧が与えられることにより伝送損失を生じる。よって、交差部の数は多いほど好ましい。
図17の例では、環状部14c同士が交差する部分、および、環状部14cと直線部14aとが交差する部分において、光ファイバ同士が接する接点が形成される。この接点が作用点となって光ファイバ14に側圧を発生させる。その結果、光ファイバシート10Bでは、光ファイバシート10に比べて、喉頭部の動きによる側圧がより大きく光ファイバ14に発生する。したがって、喉頭部のわずかな動きに対してもより大きな光量変化が生じることになるため、嚥下運動モニタリングセンサとしての感度を向上させることができる。なお、環状部14cの径、交差部の数、および交差部の位置は、光ファイバ14の素材、外形等を考慮して、光ファイバシート10Bの感度が上昇するように決められる。
図18および図19に示す配設例では、シート状体12上に、2本の光ファイバ14U,14Dがそれぞれ一筆書き状に配設される。光ファイバシートは、2つの伝送信号光が並列入力される2つの入力端14i1,14i2と、当該2つの伝送信号光を並列出力する2つの出力端14o1,14o2とを有する。一対となる入力端と出力端との間には、1本の光ファイバ部分を変形させることによって形成された蛇行部がそれぞれ配設される。
具体的には、図18に示す光ファイバシート10Cでは、横幅が85mm、縦幅が100mmの矩形状のシート状体12の長さ方向(第2の方向)に、2個の蛇行部が間隔を隔てて並べて配設されている。一方の蛇行部は光ファイバ14Uによって形成され、他方蛇行部は光ファイバ14Dによって形成される。2個の蛇行部は構成が同じである。
図18の例では、各蛇行部は、図16に示す光ファイバシート10Aにおける蛇行部と類似した構成を有している。すなわち、蛇行部は、シート状体12の幅方向に互いに延びる複数の直線部14aと、2本の直線部14aの端部間をそれぞれ接続する複数の曲線部14bとを有する。
図19に示す光ファイバシート10Dでは、横幅が85mm、縦幅が75mmの矩形状のシート状体12の長さ方向(第2の方向)に、2個の蛇行部が間隔を隔てて並べて配置されている。一方の蛇行部は光ファイバ14Uによって形成され、他方蛇行部は光ファイバ14Dによって形成される。2個の蛇行部は構成が同じである。
図19の例では、各蛇行部は、図17に示す光ファイバシート10Bにおける蛇行部と類似した構成を有している。すなわち、蛇行部は、シート状体12の幅方向に互いに延びる2本の直線部14aと、2本の直線部14aの端部間を接続する曲線部14bと、直線部14aにシート状体12の幅方向に並ぶように形成された3つの環状部14cとを有する。
図18および図19に示す配設例では、光ファイバ14U,14Dの入力端14i1,14i2にそれぞれ入射された光は、光ファイバにより伝送された後、出力端14o1,14o2からそれぞれ出射される。光ファイバ14U,14Dの出力端14o1,14o2にはそれぞれ、図示しない光パワーメータ(受光部)が接続されている。
光ファイバ14U,14Dの蛇行部にはそれぞれ、被験者の喉頭部の動きに応じた側圧が加わる。被験者の喉頭部の拳上および下垂に応じて側圧が変化することにより、光ファイバ14U,14Dのそれぞれの伝送損失が変化する。
図18および図19の配設例では、光ファイバ14Uの蛇行部と光ファイバ14Dの蛇行部とは、喉頭部の動き(図4の矢印方向)に対して平行な方向に並んで配置されている。そのため、光ファイバ14Dの伝送損失は、光ファイバ14Uの伝送損失よりも遅れて変化することになる。この伝送損失の変化の時間差を検出することにより、被験者の喉頭部の拳上(嚥下)の速度を計測することができる。
特に、図19に示す光ファイバシート10Dによれば、被験者が、嚥下運動が鈍い高齢者や、喉頭部の突出しが成人男性よりも低い女性である場合においても、被験者の喉頭部の嚥下運動の速度を精度良く計測できることが確認されている。
なお、図18および図19では、一枚のシート状体12に2本の光ファイバ14U,14Dを配設する構成について例示したが、シート状体12に3本以上の光ファイバを配設する構成としてもよい。具体的には、シート状体12の長さ方向に、3個以上の蛇行部を間隔を隔てて並べて配設する。3個以上の蛇行部のそれぞれに、被験者の喉頭部の動きに応じた側圧が加わることにより、3本以上の光ファイバのそれぞれの伝送損失が変化する。3本以上の光ファイバ間で伝送損失の変化の時間差を検出することにより、2本の光ファイバ間で伝送損失の変化の時間差を検出する構成に比べて、より正確に嚥下運動の速度を計測することができる。
[変形例2]
第2の変形例では、光ファイバシートの装着方法について説明する。図2に示したように、光ファイバシートは、喉頭部を中心に被験者の首回りに装着される。光ファイバシートの装着には、例えば、図20に示されるような固定バンド300が用いられる。固定バンド300としては、頸椎を一定圧で固定するための頸椎固定装具、気管カニューレホルダ、または、伸縮性のある医療用ネット包帯などを適用することができる。
図20(a)に示されるように、固定バンド300の一方の主面上には光ファイバシート10が載置される。光ファイバシート10に代えて、上記の光ファイバシート10A〜10Dのいずれかを載置してもよい。図20(b)に示されるように、固定バンド300は、光ファイバシート10が喉頭部に接触するように、被験者100の首回りに巻回される。これにより、光ファイバシート10を一定圧で喉頭部に密着させることができる。
固定バンド300を用いて光ファイバシート10が装着された被験者の嚥下運動を測定した。測定では、嚥下障害のない成人男性を被験者とし、被験者の喉頭部に、頸椎固定装具を用いて光ファイバシート10を装着した。
光ファイバシート10の光ファイバ14には、GI−SiOを用いた。図21に、被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果を示す。図21の縦軸は、光ファイバシート10からの検出信号として、光パワーメータ50により計測された受光量(電圧)を示し、図21の横軸は時間を示す。
図21を参照して、CH1は光ファイバシート10からの検出信号の出力波形を示している。光ファイバシート10の出力波形には、合計3回において受光量の低下が見られている。頸椎固定装具により装着された光ファイバシート10が、被験者が唾液を嚥下するときの喉頭部の動きを捉えていることが確認された。
図20に示す固定バンド300に代えて、図22に示されるような紐状の弾性部材を用いて光ファイバシート10を装着させることも可能である。具体的には、図22(a)に示されるように、光ファイバシート10の幅方向の両端面には、70〜140mm程度の長さのゴム紐310が取り付けられている。ゴム紐310は長さ方向の両端が光ファイバシート10に接続されることによって、輪状になっている。この輪状の部分を通るようにゴム紐320がさらに取り付けられている。
図22(b)に示されるように、ゴム紐320を被験者100の首回りに巻回することによって、光ファイバシート10が喉頭部に密着する。光ファイバシート10に代えて、上記の光ファイバシート10A〜10Dのいずれかを用いてもよい。
ゴム紐310,320を用いて光ファイバシート10が装着された被験者の嚥下運動を測定した。被験者は、図21の測定結果における被験者と同一である。光ファイバシート10の光ファイバ14には、GI−SiOを用いた。図23に、被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果を示す。図23の縦軸は、光ファイバシート10からの検出信号として、光パワーメータ50により計測された受光量(電圧)を示し、図23の横軸は時間を示す。
図23を参照して、CH1は光ファイバシート10からの検出信号の出力波形を示している。光ファイバシート10の出力波形には、合計3回において受光量の低下が見られている。ゴム紐310,320により装着された光ファイバシート10が、被験者が唾液を嚥下するときの喉頭部の動きを捉えていることが確認された。
ここで、図21に示す測定結果と図23に示す測定結果とを比較すると、光ファイバシート10の出力波形に表れた変動の大きさは、図23に示す測定結果の方が大きくなっている。したがって、今回の測定結果からは、紐状の弾性部材を用いて光ファイバシート10を装着することで、固定用バンドを用いて光ファイバシート10を装着するよりも、嚥下運動に対する感度が高いことが確認された。
[変形例3]
上述した実施の形態では、光ファイバシート10およびマイクロフォン20からの検出信号をデジタルオシロスコープ70で測定する構成について説明したが、デジタルオシロスコープ70内部で発生するノイズが検出信号に重畳することによって正確な測定が困難となる場合がある。
図24は、デジタルオシロスコープ(製品名:OWON VDS3104、Lilliput社製)で測定された光ファイバシート10の検出信号(電圧波形データ)をCSV形式で保存しグラフ化したものである。図24において、縦軸は光パワーメータ50により計測された受光量(電圧)を示し、横軸はデータ件数を示している。出力波形にノイズが重畳しているために、グラフからは受光量の低下を正確に検出することが難しくなっている。
そこで、第3の変形例では、デジタルオシロスコープ70で測定される出力波形に対して単純移動平均化処理を施すことにより、出力波形に重畳するノイズを除去する。図25に、単純移動平均化処理が施された光ファイバシート10の出力波形を示す。図25に示す出力波形は、直近の複数個(たとえば128個)のデータを平均した値に基づくものである。図25に示す出力波形では、ノイズが除去されたことにより、図24に示す出力波形に比べて、3回の嚥下運動がより明瞭に表現できていることが確認された。これにより、嚥下運動への感度をさらに向上させることが可能となる。
[変形例4]
第4の変形例では、信号処理部30の構成例について説明する。図26は、第4の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサシステムの概略構成図である。
図26に示されるように、嚥下運動モニタリングセンサシステム210は、図7に示す嚥下運動モニタリングセンサシステム200と基本的構成が同じである。相違点は、光パワーメータ50の出力信号がオーディオミキサ62を経由してPC80のオーディオ入力部(第1のオーディオ入力CH1)に入力されている点、および、オーディオミキサ60の出力信号がデジタルオシロスコープ70を経由せずにPC80のオーディオ入力部(第2のオーディオ入力CH2)に入力されている点にある。
本変形例では、デジタルオシロスコープ70に代えて、PC80上に、周波数帯域が異なる2つの出力信号の波形を同一時間軸上に並べて表示することを試みた。すなわち、PC80は「表示部」に対応する。PC80は、その内部にマイクロフォン20からの検出信号をディジタルサンプリングが可能なように構成されたオーディオ入力部を有している。表示部がオーディオ入力部を備えていない場合には、外付けのオーディオ入力ユニットを用いることで、同様の機能を実現することができる。
具体的には、まず、音声解析ソフトを用いて、オーディオミキサ60の出力信号を、複数の異なるサンプリング周波数で録音し、クリック音(嚥下音)が鮮明に取得されるサンプリング周波数の下限を設定した。実験では、44.1kHz、32kHz、22.05kHz、16kHz、11.025kHz、8kHz、4kHzの計7つのサンプリング周波数で録音したクリック音を比較した。比較結果から、16kHzがサンプリング周波数の下限であることが判明した。そこで、サンプリング周波数を16kHzに設定した。
次に、この実験結果を基に、オーディオミキサ62において、10Hz前後の周波数成分を持つ光パワーメータ50の出力信号に、サンプリング周波数とほぼ同一の周波数のダミー信号を重畳させた。
ここで、光パワーメータ50の出力信号(アナログ信号出力)は直流電圧成分を多く含んでいる。そのため、光パワーメータ50の出力信号をそのままPC80内部のオーディオ入力部に入力すると、直流電圧成分が失われてしまう可能性がある。ダミー信号は、このような不具合を避けるための搬送波として用いるものである。
具体的には、光パワーメータ50の出力信号は、ダミー信号が重畳されることによって、オーディオアンプで扱うことができる交流信号に変換される。これにより、光パワーメータ50の出力信号を、PC80に内蔵されたオーディオ入力機能もしくは外付けのオーディオ入力ユニットを通じてPC80に入力することが可能となる。
なお、ダミー信号の周波数は、オーディオ入力部またはオーディオ入力ユニットの周波数特性に基づいて決定される。通常、ダミー信号の周波数は16kHz以上40kHz以下の周波数に決定されるが、嚥下運動の解析に影響を与えない限りにおいてオーディオ入力できる範囲の周波数であればよく、16kHzよりも低い周波数(例えば100Hz)であってもよい。
このダミー信号が重畳された光パワーメータ50の出力信号と、オーディオミキサ60の出力信号とを、PC80のオーディオ入力部にてディジタルサンプリングすることにより、WAV(RIFF(Resource Interface File Format)Waveform Audio Format)形式のデータに変換した。変換したデータを音声解析ソフトを用いて同一時間軸上に並べて表示した。図27に測定結果を示す。
図27を参照して、CH1(1ch−InfdB)は光パワーメータ50により計測された受光量を示し、CH2(2ch−InfdB)はラベリア型コンデンサマイクの出力電圧を示す。これらの出力波形は、一人の被験者が3回連続して唾液を嚥下したときの測定結果である。
図27に示されるように、光パワーメータ50の出力信号は、ダミー信号に重畳される形でCH1に表示されている。同一時間軸上にはオーディオミキサ60の出力信号がCH2に表示されている。
搬送波(ダミー信号)の周波数がサンプリング周波数と同一の場合、原理上は搬送波を正確に計測できないはずである。図27に示すCH1に搬送波が表示されているのは、サンプリング周波数とダミー信号の周波数との間に若干の差異があるか、あるいは、オーディオミキサの特性によりダミー信号の波形が変形したことに起因するものと考えられる。
本変形例においても、クリック音が観測されるタイミングで受光量の低下が観測されており、光ファイバシート10およびマイクロフォン20が互いに良く一致して被験者の嚥下運動を捉えていることが確認された。これによれば、デジタルオシロスコープ等の高価な装置を用いることなく、通常のオーディオ入力機能を備えたPCを用いて2つの出力波形を比較することができる。よって、簡易な装置構成で、嚥下運動の検出および解析を正確に行なうことが可能となる。
[変形例5]
第5の変形例では、外形変動センサ5の他の構成例について説明する。上記のように、外形変動センサ5は、嚥下運動に関連する喉頭部の外形変動を検出するように構成されている。
図28に示される嚥下運動モニタリングセンサシステム220は、外形変動センサ5として、感圧センサシート90を備える。
感圧センサシート90とは、シート状に成形された静電容量方式の感圧センサである。静電容量方式の感圧センサは、外部からの圧力によってコンデンサの可動極が変形して発生する静電容量の変化を電気信号に変換する。図28の例では、感圧センサに加わる圧力は、被験者の喉頭部の動きに応じて変化する。
感圧センサシート90は、計測された圧力を電気信号に変換して出力する。感圧センサシート90の出力信号は、電気アンプ95によって増幅された後、オーディオミキサ62においてダミー信号が重畳される。ダミー信号が重畳された出力信号は、PC80のオーディオ入力のチャネルCH1に入力される。
PC80のオーディオ入力のチャネルCH2には、オーディオミキサ60を介してマイクロフォン20により検出された嚥下音を示す検出信号が入力される。PC80は、予めインストールされている解析ソフトを駆動することにより、チャネルCH1、CH2にそれぞれ入力される2つの出力波形データを解析する。
図29に示される嚥下運動モニタリングセンサシステム230は、外形変動センサ5として、感圧ゴムセンサシート92を備える。
感圧ゴムセンサシート92とは、シート状に成形された感圧ゴムである。感圧ゴムは、外部からの圧力によって導電性ゴムが変位して発生する電気抵抗値の変化を電気信号に変換する。図29の例では、感圧ゴムに加わる圧力は、被験者の喉頭部の動きに応じて変化する。
感圧ゴムセンサシート92は、計測された圧力を電気信号に変換して出力する。感圧ゴムセンサシート92の出力信号は、電気アンプ95によって増幅された後、オーディオミキサ62においてダミー信号が重畳される。ダミー信号が重畳された出力信号は、PC80のオーディオ入力のチャネルCH1に入力される。
PC80のオーディオ入力のチャネルCH2には、オーディオミキサ60を介してマイクロフォン20により検出された嚥下音を示す検出信号が入力される。PC80は、予めインストールされている解析ソフトを駆動することにより、チャネルCH1、CH2にそれぞれ入力される2つの出力波形データを解析する。
[変形例6]
食物の嚥下と呼吸とは精細に協調していることが知られている(例えば、Harold G. Preiksaitis et al., J Appl Physiol 81:1707-1714, 1996)。これによれば、通常、嚥下時において一時的に呼吸が止まる状態が現われる。このように嚥下に伴って呼吸が一時的に停止する状態は「嚥下性無呼吸」と呼ばれている。嚥下性無呼吸は、気管または気管支内に食塊が入り込む(誤嚥)のを防ぐために働く機能である。
嚥下機能が正常である場合には、通常、呼気から嚥下に伴って一旦呼吸が停止し、嚥下後再び呼気を生じる、すなわち、呼気→嚥下(無呼吸)→呼気という順序からなる呼吸パターンが観測される。これに対して、嚥下機能が低下している場合には、この嚥下前後の呼吸パターンに乱れが生じる場合がある。例えば、嚥下後に呼気に代えて吸気が生じれば、それだけ誤嚥のリスクが高まることになる。したがって、嚥下の動態とともに嚥下時の呼吸パターンを正確かつ簡便に検出することができれば、嚥下障害の診断および誤嚥性肺炎の予防に大いに役立つと考えられる。
一方、現在のところ、嚥下時の呼吸パターンの検出には、Respitrace Calibratorを用いた誘導体積変動記録法が採用されている。この手法は、比較的高価な装置を要するため、一般の臨床場面において使用することが必ずしも容易でない。
本発明者らは、これまでに、睡眠時無呼吸症候群の診断装置として、光ファイバシートを用いて、呼吸によって生じるわずかな身体の動きを検出することに成功している(例えば、Seiko Mitachi et al., APSS-SLEEP2010, Vol.33, A139, 2010)。当該診断装置によれば、寝具上に載置された光ファイバシートを通過することにより生じた光量の変化に基づいて、無呼吸状態であるか、低呼吸状態であるか、あるいは、呼吸に無関係な体動(例えば寝返り)であるかを判定することができる。
そこで、第6の変形例では、光ファイバシートを用いて、嚥下運動に関連する胸郭の外形変動を検出する。具体的には、光ファイバシートを被験者の胸部に圧着させることにより、胸郭の拡大、縮小および停止、すなわち、吸気、呼気および呼吸停止期を捉える。
これによれば、非侵襲的かつ簡便に嚥下時の呼吸パターンを検出することができる。そして、検出された嚥下時の呼吸パターンと、上記の実施の形態に係る嚥下運動モニタリングセンサによって検出された嚥下運動の動態とを組み合わせることによって、嚥下機能を客観的に評価することが可能となる。
図30は、第6の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサ1Aの構成を示す図である。図30を参照して、嚥下運動モニタリングセンサ1Aは、2台の外形変動センサ5,6と、マイクロフォン20と、信号処理部30とを備える。
第6の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサ1Aは、図1に示す嚥下運動モニタリングセンサ1に、外形変動センサ6を付加したものである。以下の説明では、外形変動センサ5を「第1の外形変動センサ5」とも称し、外形変動センサ6を「第2の外形変動センサ6」とも称する。
図31は、図30に示される外形変動センサ5,6およびマイクロフォン20を被験者100に装着した様子を示す図である。図31には被験者100の上半身部分が模式的に示されている。
第1の外形変動センサ5は、喉頭部を中心に被験者100の首回りに装着される。第1の外形変動センサ5には、光ファイバシート(図4参照)、感圧センサシート(図28参照)、または、感圧ゴムセンサシート(図29参照)を用いることができる。第1の外形変動センサ5は、嚥下運動に関連する喉頭部の外形変動を検出するように構成される。
マイクロフォン20は、被験者100の耳の内部(外耳道内)に装着される。マイクロフォン20は、嚥下運動に関連して耳内に発生する嚥下音を検出するように構成される。
第2の外形変動センサ6は、被験者100の胸部に装着される。第2の外形変動センサ6には、光ファイバシートが用いられる。第2の外形変動センサ6は、嚥下運動に関連する胸郭の外形変動を検出するように構成される。第2の外形変動センサ6は、胸部に代えて、もしくは胸部に加えて腹部に装着してもよい。また、第2の外形変動センサ6に、感圧センサシートまたは感圧ゴムセンサシートを用いてもよい。
第1の外形変動センサ5により検出された喉頭部の外形変動を示す検出信号、マイクロフォン20により検出された嚥下音を示す検出信号、および、第2の外形変動センサ6により検出された胸郭の外形変動を示す検出信号はともに、信号処理部30に入力される。信号処理部30は、外形変動センサ5,6およびマイクロフォン20の各々から出力される検出信号を処理する。
図32は、第6の変形例に係る嚥下運動モニタリングセンサ1Aを用いて構成される嚥下運動モニタリングセンサシステムの一例を示す概略構成図である。
図32を参照して、嚥下運動モニタリングセンサシステム240は、光ファイバシート10α(第1の外形変動センサ)と、光ファイバシート10β(第2の外形変動センサ)と、マイクロフォン20と、光源部40α,40βと、光パワーメータ50α,50βと、オーディオミキサ60と、デジタルオシロスコープ70と、PC80とを備える。
図31で説明したように、嚥下運動の測定にあたって、被験者の喉頭部に第1の外形変動センサ5である光ファイバシート10αが装着されるとともに、被験者の耳内にマイクロフォン20が装着される。さらに、嚥下時の呼吸パターンの測定にあたって、被験者の胸部に第2の外形変動センサ6である光ファイバシート10βが装着される。光ファイバシート10βの装着方法は、光ファイバシート10αの装着方法と同様である。
光ファイバシート10α,10βの基本的構成は、上記実施の形態における光ファイバシート10,10A〜10Dと同じである。すなわち、図5および図16〜図19に示したように、矩形状のシート状体上に、1本または複数本の光ファイバ14が一筆書き状に配設されている。
光ファイバシート10αの光ファイバ14の入力端には、光源部40αから連続的に供給される一定光量の光が入射される。光パワーメータ50αは、光ファイバ14から伝送された出射光を受光し、受光した光量を計測する。計測される受光量(減衰量)は、被験者の喉頭部の動きに応じて光ファイバシート10αに加わる側圧に応じて変化する。光パワーメータ50αは、計測された受光量を電気信号に変換し、変換した電気信号をデジタルオシロスコープ70のチャネルCH1に入力する。
光ファイバシート10βの光ファイバ14の入力端には、光源部40βから連続的に供給される一定光量の光が入射される。光パワーメータ50βは、光ファイバ14から伝送された出射光を受光し、受光した光量を計測する。計測される受光量(減衰量)は、被験者の胸郭の動きに応じて光ファイバシート10βに加わる側圧に応じて変化する。光パワーメータ50βは、計測された受光量を電気信号に変換し、変換した電気信号をデジタルオシロスコープ70のチャネルCH3に入力する。
光ファイバシート10βにより計測される受光量(減衰量)の変化は、胸郭の動きに応じて光ファイバ14に加わる側圧とほぼ比例関係になる。したがって、受光量の変化が小さいと胸郭の動きが小さく、受光量の変化が大きいと胸郭の動きが大きいと判断できる。本変形例では、受光量の変動に基づいて、胸郭の拡大、縮小、停止、すなわち吸気、呼気、呼吸停止期を判定する。
マイクロフォン20により検出された嚥下音を示す検出信号は、オーディオミキサ60に入力される。オーディオミキサ60は、検出された嚥下音の音量を調整し、調整後の検出信号をデジタルオシロスコープ70のチャネルCH2に入力する。
デジタルオシロスコープ70は、チャネルCH1に光パワーメータ50αの出力信号を受け、チャネルCH2にオーディオミキサ60の出力信号を受け、チャネルCH3に光パワーメータ50βの出力信号を受ける。デジタルオシロスコープ70は、光パワーメータ50α,50βの出力信号およびオーディオミキサ60の出力信号の時間的変化(出力波形)を、たとえば電圧波形データとして保持する。デジタルオシロスコープ70は、3つの出力波形をPC80に送信する。
デジタルオシロスコープ70は、3つの出力波形を同一時間軸上に並べて表示することもできる。すなわち、デジタルオシロスコープ70は、マイクロフォン20からの検出信号の出力波形と、光ファイバシート10α,10βからの検出信号の出力波形とを同一時間軸上に並べて表示可能に構成される。
PC80は、予めインストールされている解析ソフトを駆動することにより、デジタルオシロスコープ70から送信される3つの出力波形データを解析する。PC80による解析結果は、CRTやプリンタなどの表示装置(図示せず)に表示される。
以上のような構成とすることにより、嚥下運動モニタリングセンサシステム240によれば、簡便な構成にて、被験者の嚥下運動に伴う喉頭部の外形変動および嚥下音とともに、嚥下運動に伴う胸郭の外形変動を同時に非侵襲的に捉えることができる。これにより、非侵襲的および客観的に、嚥下運動および嚥下時の呼吸パターンを測定することができる。この結果、十分な医療設備や人員が揃わない施設であっても、嚥下機能の客観的な評価が可能となるため、医療の発展に大きく貢献し得る。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A 嚥下運動モニタリングセンサ、10,10A〜10D,10α,10β 光ファイバシート、12 シート状体、14 光ファイバ、14a 直線部、14b 曲線部、14c 環状部、14i,14i1,14i2 入力端、14o,14o1,14o2 出力端、20 マイクロフォン、30 信号処理部、40,40α,40β 光源部、50,50α,50β 光パワーメータ、60,62 オーディオミキサ、64 ダミー信号発生器、70 デジタルオシロスコープ、80 PC、90 感圧センサシート、92 感圧ゴムセンサシート、95 電気アンプ、100 被験者、102 鼻腔、104 舌、106 咽頭部、108 喉頭部、110 気管、112 食道、114 耳、116 外耳道、200,210,220,230,240 嚥下運動モニタリングセンサシステム

Claims (18)

  1. 被験者の嚥下運動を測定するための嚥下運動モニタリングセンサであって、
    前記被験者の喉頭部に装着される第1の外形変動センサを備え、
    前記第1の外形変動センサは、嚥下運動に関連する前記喉頭部の外形変動を検出するように構成され
    前記第1の外形変動センサは、光ファイバおよびそれを支持するシート状体を有し、前記喉頭部に装着される光ファイバシートを含み、
    前記光ファイバシートは、嚥下運動に伴う前記喉頭部の外形変動に関連して前記喉頭部から前記光ファイバに加わる側圧により発生する損失に基づく伝送信号光の光量変化を検出するように構成され、
    前記光ファイバは、1本の光ファイバ部分により、互いに第1の方向に延びる複数の直線部と、2本の前記直線部の端部間をそれぞれ接続する複数の曲線部とを形成するように変形させた蛇行部を構成し、
    前記光ファイバシートは、
    複数の伝送信号光が並列入力される複数の入力端と、
    前記複数の伝送信号光を並列出力する複数の出力端とをさらに含み、
    前記光ファイバ部分は、一対となる前記入力端と前記出力端との間にそれぞれ、前記喉頭部の垂直な動きに対して平行な方向に並べて配置される、嚥下運動モニタリングセンサ。
  2. 記蛇行部において、相対的に上流側に位置する第1および第2の直線部の間を、相対的に下流側に位置する第3の直線部が通るように、前記光ファイバ部分が変形されている、請求項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  3. 前記蛇行部において、前記複数の直線部のうちの一部の前記直線部にさらに、前記第1の方向に並ぶ複数の環状部が形成されるように、前記光ファイバ部分が変形されている、請求項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  4. 前記光ファイバは、プラスチック光ファイバ、石英系光ファイバ、または、プラスチッククラッド石英ガラスコア光ファイバである、請求項から請求項のいずれか1項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  5. 前記光ファイバは、ステップインデックス型、グレーデッドインデックス型、または、単一モード型からなる、請求項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  6. 前記光ファイバシートは、前記第1の方向における幅が30mm以上500mm以下であり、前記第1の方向に垂直な第2の方向における幅が30mm以上150mm以下である、請求項から請求項のいずれか1項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  7. 前記光ファイバシートは、固定バンドを用いて、前記喉頭部を中心に首回りに装着される、請求項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  8. 前記光ファイバシートは、前記光ファイバシートの横両側面に取り付けられた紐状の弾性部材を用いて、前記喉頭部を中心に首回りに装着される、請求項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  9. 前記光ファイバシートは、伸縮性を有する材料からなる環状のネットを用いて、前記喉頭部を中心に首回りに装着される、請求項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  10. 前記被験者の耳内に装着されるマイクロフォンをさらに備え、
    前記マイクロフォンは、嚥下運動に関連して耳内に発生する嚥下音を検出するように構成される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  11. 前記マイクロフォンは、径が1.5mm以上5.0mm以下であるラベリア型コンデンサマイクにより構成される、請求項10に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  12. 前記第1の外形変動センサおよび前記マイクロフォンの各々から出力される検出信号を処理する信号処理部をさらに備える、請求項10または請求項11に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  13. 前記信号処理部は、前記マイクロフォンからの前記検出信号の出力波形と、前記第1の外形変動センサからの前記検出信号の出力波形とを同一時間軸上に並べて表示可能に構成された表示部を含む、請求項12に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  14. 前記表示部は、前記第1の外形変動センサからの前記検出信号を単純移動平均処理して得られた前記出力波形を表示する、請求項13に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  15. 前記信号処理部は、前記マイクロフォンからの前記検出信号をディジタルサンプリングが可能ように構成されたオーディオ入力部をさらに含み、
    前記オーディオ入力部には、前記マイクロフォンからの前記検出信号とともに、前記第1の外形変動センサからの前記検出信号に、前記オーディオ入力部で取扱可能な周波数を有するダミー信号を重畳させた信号が入力され、
    前記マイクロフォンからの前記検出信号および前記第1の外形変動センサからの前記検出信号の出力波形は、前記オーディオ入力部にてディジタルサンプリングされた後、前記表示部において同一時間軸上に並べて表示される、請求項13または請求項14に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  16. 前記被験者の胸部または腹部に装着される第2の外形変動センサをさらに備え、
    前記第2の外形変動センサは、嚥下運動に関連する胸郭の外形変動を検出するように構成される、請求項1に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  17. 前記第2の外形変動センサは、光ファイバおよびそれを支持するシート状体を有し、前記胸部または前記腹部に装着される光ファイバシートを含み、
    前記光ファイバシートは、嚥下運動に伴う前記胸郭の外形変動に関連して前記胸部または前記腹部から前記光ファイバに加わる側圧により発生する損失に基づく伝送信号光の光量変化を検出するように構成される、請求項16に記載の嚥下運動モニタリングセンサ。
  18. 被験者の嚥下運動を測定するための嚥下運動モニタリングセンサであって、
    前記被験者の喉頭部に装着される第1の外形変動センサと、
    前記被験者の耳内に装着されるマイクロフォンと、
    前記第1の外形変動センサおよび前記マイクロフォンの各々から出力される検出信号を処理する信号処理部とを備え、
    前記第1の外形変動センサは、嚥下運動に関連する前記喉頭部の外形変動を検出するように構成され、
    前記マイクロフォンは、嚥下運動に関連して耳内に発生する嚥下音を検出するように構成され、
    前記信号処理部は、
    前記マイクロフォンからの前記検出信号の出力波形と、前記第1の外形変動センサからの前記検出信号の出力波形とを同一時間軸上に並べて表示可能に構成された表示部と、
    前記マイクロフォンからの前記検出信号をディジタルサンプリングが可能なように構成されたオーディオ入力部とを含み、
    前記オーディオ入力部には、前記マイクロフォンからの前記検出信号とともに、前記第1の外形変動センサからの前記検出信号に、前記オーディオ入力部で取扱可能な周波数を有するダミー信号を重畳させた信号が入力され、
    前記マイクロフォンからの前記検出信号および前記第1の外形変動センサからの前記検出信号の出力波形は、前記オーディオ入力部にてディジタルサンプリングされた後、前記表示部において同一時間軸上に並べて表示される、嚥下運動モニタリングセンサ。
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