(パチンコ遊技機1の基本構成)
図1は、本実施の一実施形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。
遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技領域は、向かって左側の遊技領域2Aと、向かって右側の遊技領域2Bと、を有する。遊技者は、遊技球を、左側の遊技領域2Aに向かって打ち込んだり(経路L1参照)、右側の遊技領域2Bに打ち込んだり(経路L2参照)することができる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての第1特別図柄(第1特図ともいう。)の可変表示(第1特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4Aと、複数種類の特別識別情報としての第2特別図柄(第2特図ともいう。)の可変表示(第2特図ゲームともいう)を行う第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。なお、「第1特図」及び「第2特図」を総称して単に「特図」又は「特別図柄」ともいい、「第1特図ゲーム」及び「第2特図ゲーム」を総称して単に「特図ゲーム」ともいう。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示(単に導出ともいう。))される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、LCD(液晶表示装置)などの画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、各種の演出画像を表示する。
画像表示装置5では、特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。例えば、画像表示装置5の画面上の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。
また、画像表示装置5では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示と同期して、画像表示装置5の画面上の特定表示領域5Xにおいて、特別図柄や飾り図柄とは異なる複数種類の特殊識別情報としての小図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示も行われる。小図柄の可変表示は、飾り図柄の可変表示と同様に、3つの表示エリアにおいて行われる。
画像表示装置5の画面上の下部には、第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)5HA及び第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)5HBが表示される。第1保留表示画像5HAは、実行が保留されている第1特図ゲームを示す。第2保留表示画像5HBは、実行が保留されている第2特図ゲームを示す。なお、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像5HA及び第2保留表示画像5HBそれぞれの表示数により、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数が表示される。
また、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示する。
画像表示装置5の下方(遊技領域2A)には、普通入賞球装置6Aが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームの実行が開始又は保留され得る。
画像表示装置5の右側(遊技領域2B)には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)及びその上方に位置する板材を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が前記の板材に近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームの実行が開始又は保留され得る。
普通可変入賞球装置6Bの下方(遊技領域2B)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
普図ゲームは、遊技球が遊技盤2の所定位置(画像表示装置5の右側であって、遊技領域2B)に設けられた通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
この実施の形態では、遊技領域2Aと遊技領域2Bとを区分けする釘列PLも設けられている。釘列PLは、遊技盤2に設けられた障害釘の列によって構成され、左打ちされた遊技球の進路を遮り、第2始動入賞口、大入賞口方向への進入を防止する。さらに、釘列PLは、右打ちされた遊技球の進路を遮り、第1始動入賞口に進入することを防止する。従って、遊技領域2Aに向けて打ち込まれた遊技球、つまり、左打ちされた遊技球は、第1始動入賞口には進入し得るが、開放状態の第2始動入賞口及び大入賞口には進入できない。なお、左打ちされた遊技球は、通過ゲート41も通過できない(位置関係から明らか)。遊技領域2Bに向けて打ち込まれた遊技球、つまり、右打ちされた遊技球は、開放状態の第2始動入賞口及び大入賞口に進入し得るが、第1始動入賞口には進入できない。なお、右打ちされた遊技球は、通過ゲート41も通過し得る。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等の音声を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
(パチンコ遊技機1の基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、第1演出制御基板12、演出制御基板12、中継基板15、第2演出制御基板30などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(第1演出制御基板12に向けて第1演出制御コマンド(図4参照。詳しくは後述する)を送信する機能を含む。)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを備える。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターン(図13など。詳しくは後述)、各種テーブルなどを示すデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。なお、遊技用乱数のうちの一部は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新される(例えば、後述の遊技用乱数更新処理で更新される)。
I/O105は、例えばスイッチ回路110から供給される後述の検出信号などが入力される入力ポートと、CPU103による処理により各種信号(第1演出制御コマンドや、後述のソレノイド駆動信号や、各種表示装置4A、4B、20ないし保留表示器25A〜25Cを駆動する信号など)を遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部に出力する出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11から第1演出制御基板12に向けて伝送される第1演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
第1演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板である。第1演出制御基板12は、中継基板15を介して主基板11から第1演出制御基板12に伝送される第1演出制御コマンドに基づいて演出に関する各種の決定を行い、決定結果に応じた第2演出制御コマンド(図5参照。詳しくは後述する)を第2演出制御基板30に供給し、第2演出制御基板30に演出を実行させる。なお、第1演出制御基板12は、第2演出制御基板30が動作しているかを確認し、必要に応じてリセット等する機能も有する。
第1演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、I/O125とが搭載されている。演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、I/O125とは、1チップのマイクロコンピュータとして構成されてもよい。
一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、第1演出制御基板12の機能(演出に関する各種の決定、第2演出制御コマンドの送信、第2演出制御基板30の動作確認やリセット等)などを実現する処理を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(例えば、演出の実行内容を決定するためのテーブルデータ、第2演出制御コマンドのデータなど)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
乱数回路124は、演出の実行内容等の決定に使用される各種の乱数値を示す数値データを更新可能にカウントする。このような乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数の一部は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新される(例えば、後述の演出用乱数更新処理で更新される)。
I/O125は、例えば、各種信号(第1演出制御コマンド、第2演出制御基板30からの各種信号(図6参照。詳しくは後述)など)が入力される入力ポートと、演出制御用CPU120による処理により各種信号(第2演出制御コマンド、後述の冷却ファン駆動信号、リセット信号(図8参照。詳しくは後述)など)を第1演出制御基板12の外部に出力する出力ポートと、を含んで構成される。
第2演出制御基板30は、第1演出制御基板12からの第2演出制御コマンドに基づいて各種の演出を実行する。このとき、第2演出制御基板30は、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などの各種の演出装置を制御して、各種の演出を行う。
第2演出制御基板30には、演出制御部31が搭載されている。演出制御部31は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)などから構成される。VDPは、メインメモリとなるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などを備える。この実施の形態では、VDPが各種の処理を行うことにより、第2演出制御基板30の機能(演出の実行等)を実現する。
演出制御部31のVDPは、CGROMに記憶された画像データに基づいて、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を生成して画像表示装置5に出力し、画像表示装置5に演出画像を表示させる。
CGROMには、演出画像の映像信号を生成するための画像データの他、スピーカ8L、8Rから音声を出力するための音声データ、遊技効果ランプ9を点灯させるための点灯データなどが記憶されている。なお、画像データ以外のデータ(音声データ、点灯データなど)は、CGROM以外の記憶部(演出制御部31の一部として設けられる。)に記憶させるようにしてもよい。
演出制御部31の少なくとも一部は、1チップのプロセッサとして構成されてもよい。例えば、CGROMなどを含む1チップのVDPにより、演出制御部31を形成してもよい。VDPのメインメモリは、演出制御部31の一部として、VDPに外付けされてもよい。
画像表示装置5は、演出制御部123から画像表示装置5に供給される映像信号に基づき、当該映像信号が表す画像(演出画像)を表示する。
パチンコ遊技機1には、さらに冷却ファン40が搭載されている。冷却FAN40は、演出制御部31(特に、VDP)など、第2演出制御基板30のうちの発熱する部分に対して送風を行う。冷却FAN40は、必要に応じて第1演出制御基板12(I/O125)から出力される冷却ファン駆動信号が供給されることで動作し、対象部分を送風によって冷却する。
(遊技の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。遊技者は、打球操作ハンドルの操作量(回転量)を調整することで、左打ち(遊技球を遊技領域2Aに打ち込む操作)又は右打ち(遊技球を遊技領域2Bに打ち込む操作)を行う。
左打ちされた遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、右打ちされた遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(開放状態)に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(現在他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。第1特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される特別図柄(可変表示結果)には、大当り図柄(例えば、「5」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数(カウントスイッチ23により入賞が検出された遊技球の個数)が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。これにより、大当り遊技状態は、多くの賞球が払い出される。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには「5」、「確変」のときには「7」の大当り図柄が導出される。この実施の形態では、大当り種別に応じて、大当り遊技状態の態様(ラウンド遊技の回数や上記所定期間等)は変わらないが、大当り種別に応じて当該態様を変えてもよい。
なお、大当り種別が「非確変」、「確変」のときの「大当り」を、それぞれ、「非確変大当り」、「確変大当り」ということがある。また、「非確変大当り」、「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を、それぞれ、「非確変大当り遊技状態」、「確変大当り遊技状態」ということがある。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続する。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続する。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。
右打ちされた遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御が行われる(これにより、第2始動入賞口は開放状態に変化する。)。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、時短状態は、確変状態と同様に、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変状態」などともいわれる。
この実施の形態では、非時短状態のときに、普図ゲームの可変表示結果は、ほぼ「普図ハズレ」となる。一方で、時短状態のときには、普図ゲームの可変表示結果は、ほぼ「普図当り」となる。つまり、第2始動入賞口は、非時短状態のときは開放状態になりにくいが、時短状態のときは開放状態になりやすい。また、大当り遊技状態中には、大入賞口が開放するが、それ以外のときには開放しない。このため、この実施の形態では、大当り遊技状態中でないとき、かつ、非時短状態のときは、右打ちしても、遊技球を第2始動入賞口や大入賞口に進入させることが困難又はできないので、遊技者は、常時開放された第1始動入賞口に遊技球を進入させようと、左打ちを行う。一方、時短状態や大当り遊技状態のときには、第2始動入賞口や大入賞口に遊技球を進入させることを期待できるため、遊技者は、右打ちを行う。
(遊技の進行に応じて実行される演出など)
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるときには、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがあり、リーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合)である。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(ここでは、「2」〜「7」のいずれか)が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、この実施の形態では、大当り種別に応じて、停止表示される飾り図柄が異なる。具体的には、「確変」のときは奇数の飾り図柄「3」、「5」、「7」、「非確変」のときは偶数の飾り図柄「4」、「6」、「8」のいずれかが揃って表示される。
特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、非リーチハズレの組合せ(リーチが成立しないときの組み合わせ)又はリーチハズレの組合せ(リーチが成立したときの組み合わせ)となる確定飾り図柄が導出される。
また、飾り図柄の可変表示中には、特定表示領域5Xにおいて小図柄(例えば、飾り図柄と同様に、「1」〜「9」の数字の図柄)の可変表示が行われる。小図柄の可変表示は、飾り図柄の可変表示と同様に、3つの表示エリアにおいて行われるが、小図柄の可変表示は、特図ゲームが実行中(飾り図柄が変動中)であることを示すものであり(このため、演出の実行等にかかわらず常時視認可能な位置に表示される。)、3つの表示エリアで変動する各小図柄は、可変表示結果の導出時に同時に停止する。つまり、可変表示される各小図柄は、飾り図柄の可変表示のように、一つずつ停止していくものではなく、リーチ状態等にもならない。特図ゲームの可変表示結果が「大当り」のときには、同一の小図柄が可変表示結果として同時に停止(導出)され、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」のときには、可変表示結果として異なる小図柄が停止される。なお、上記3つの表示エリアは、小図柄の大きさとほぼ同じであり、小図柄の可変表示は、他の演出に邪魔されないように、又は、他の演出を邪魔しないように狭い領域内で実行される。従って、小図柄の可変表示は、例えば、飾り図柄のときに比べて小さく行われるスクロール表示、又は、その場で小図柄を順次更新していく更新表示により行われる。
小図柄の可変表示で導出される可変表示結果としての小図柄の組み合わせ(確定小図柄の組み合わせ)は、大当り時には、「2 2 2」であり、ハズレ時には、「1 5 3」である。「2 2 2」とするのは、この実施の形態では、奇数の数字(「確変」)の方が、偶数の数字(「非確変」)よりも有利度が高く、「非確変大当り」のときに奇数の数字が出て、遊技者が本来の「非確変大当り」を「確変大当り」に誤認してしまうことを防止するためである。
なお、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出以外にも、大当り期待度を予告する予告演出等の各種演出が行われる。大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態に対応した演出が行われる。大当り遊技状態中や時短状態中においては、右打ちをすべきことを報知する右打ち報知の演出が実行される。
(第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30の動作などの説明)
図3に示すように、主基板11は、遊技の進行に応じて第1演出制御コマンドを第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御コマンドは、例えば、図4に示すようなコマンドであり(詳しくは後述する)、遊技の進行状況などを指定するコマンドである。
ここで、第1演出制御コマンドを説明する。図4に主な第1演出制御コマンドを示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。なお、第1演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。第1演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目(上位ビット)はMODE(コマンドの種類(分類))を示し、2バイト目(下位ビット)はEXT(コマンドの詳細な内容など)を表す。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。
コマンド81XX(H)は、可変表示の変動パターン(特図ゲームの実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。「XX」には、各変動パターン(図13参照。詳しくは後述)に対応する数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「00」)。
コマンド8CXX(H)は、可変表示結果を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変大当り」なら「01」など)。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。
コマンド95XX(H)は、現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。「XX」には、遊技状態に対応する数値が設定される(例えば、通常状態なら「00」、高確高ベース状態なら「01」など)。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される演出であり、大当り遊技状態になったことを報知する演出などである。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される演出で、大当り遊技状態の終了を報知する演出などである。
コマンドC0XX(H)は、第1始動入賞が発生して第1特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第1特図保留記憶数加算指定コマンドである。コマンドC1XX(H)は、第2始動入賞が発生して第2特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第2特図保留記憶数加算指定コマンドである。「XX」には、増加後の特図保留記憶数を示す数値が設定される。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1特図ゲームが実行(保留が消化)されることで第1特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第1特図保留記憶数減算指定コマンドである。コマンドC3XX(H)は、第2特図ゲームが実行(保留が消化)されることで第2特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第2特図保留記憶数減算指定コマンドである。「XX」には、減少後の特図保留記憶数を示す数値が設定される。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。
コマンドC500(H)は、右打ちを遊技者に開始させることを指定する右打ち開始指定コマンドである。コマンドC501(H)は、右打ちを遊技者に終了させることを指定する右打ち終了指定コマンドである。
コマンドC600(H)は、デモ画面(客待ちデモ画面)の表示を指定する客待ちデモ指定コマンドである。
第1演出制御基板12は、上記第1演出制御コマンドを受信すると、受信した当該第1演出制御コマンドに基づいて演出に関する各種の決定を行い、決定結果に応じた第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信する(図3参照)。第2演出制御基板30は、第2演出制御コマンドが指定する内容で演出を実行する。
図5に主な第2演出制御コマンドを示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。第2演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目(上位ビット)はMODE(コマンドの種類(分類))を示し、2バイト目(下位ビット)はEXT(コマンドの詳細な内容など)を表す。
コマンドD0XX(H)は、画像表示装置5に表示する演出画像のうちの背景を指定する背景指定コマンドで、「XX」には、背景に対応する数値が設定される。例えば、背景が後述(図23)の背景Aなら「00」、背景Bなら「01」が設定される。
コマンドD1XX(H)は、飾り図柄の可変表示の態様を指定する可変表示態様指定コマンドである。可変表示の態様は、変動パターンにより特定される。「XX」には、変動パターンに応じた数値が設定される。
コマンドD2XX(H)〜D3XX(H)は、飾り図柄の可変表示で導出される可変表示結果(最終停止図柄、つまり、確定飾り図柄の組み合わせ))を指定する最終停止図柄指定コマンドである。「XX」には、可変表示結果に応じた数値(例えば、最終停止図柄が「777」なら、コマンドは「D200」、最終停止図柄が「173」なら、コマンドは「D351」など)が設定される。
コマンドD5XX(H)は、飾り図柄の可変表示中に実行される演出(リーチ演出、予告演出等)の実行開始を指定する可変表示中演出指定コマンドである。「XX」には、指定する演出に対応した数値が設定される(例えば、ハズレ時のノーマルリーチの実行開始を指定するときは「00」、大当り時のノーマルリーチの実行開始を指定するときは「01」など)。
コマンドD600(H)は、小図柄の可変表示(変動)の開始を指定する小図柄変動開始指定コマンドである。
コマンドD7XX(H)は、飾り図柄や小図柄の可変表示を終了して可変表示結果(確定飾り図柄や確定小図柄)を導出することを指定する図柄停止指定コマンドである。「XX」には、可変表示結果(ここでは、大当りであるか否か)を示す数値が設定される(「ハズレ」なら「00」、「大当り」なら「01」など)。
コマンドE100(H)は、大当り遊技状態中に実行される大当り中演出(ファンファーレを含むがエンディングを含まない)の実行開始を指定する大当り中演出開始指定コマンドである。
コマンドE200(H)は、エンディングの演出の実行開始を指定するエンディング開始指定コマンドである。
コマンドE600(H)は、遊技者に右打ちさせるための右打ち報知の開始を指定する右打ち報知開始指定コマンドである。コマンドE601(H)は、右打ち報知の終了を指定する右打ち報知終了指定コマンドである。
コマンドE800(H)は、デモ画面(客待ちデモ画面)の表示の開始を指定するデモ表示指定コマンドである。
コマンドF1XX(H)は、第1保留表示画像5HAを1つ増やすことを指定する第1保留表示画像増加指定コマンドである。コマンドF2XX(H)は、第2保留表示画像5HBを1つ増やすことを指定する第2保留表示画像増加指定コマンドである。「XX」には、増加後の保留表示画像の数を示す数値が設定される。第1保留表示画像増加指定コマンド及び第2保留表示画像増加指定コマンドを総称して、保留表示画像増加指定コマンドともいう。
コマンドF3XX(H)は、第1保留表示画像5HAを1つ減らすことを指定する第1保留表示画像減少指定コマンドである。コマンドF4XX(H)は、第2保留表示画像5HBを1つ減らすことを指定する第2保留表示画像減少指定コマンドである。「XX」には、減少後の保留表示画像の数を示す数値が設定される。第1保留表示画像減少指定コマンド及び第2保留表示画像減少指定コマンドを総称して、保留表示画像減少指定コマンドともいう。
また、第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、他にも信号のやりとりを行う(図3参照)。具体的には、第2演出制御基板30は、図6に示す、正常動作信号及び立ち上がり信号を送信し、第1演出制御基板12は、リセット信号を送信する。
正常動作信号は、第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPから第1演出制御基板12に定期的(ここでは、1秒ごと)に送信される信号である。正常動作信号が定期的に送信されていると、演出制御部31のVDPが正常に動作していることになる。異常(例えば、ノイズ等によるフリーズやダウン)によりVDPの動作が停止すると、正常動作信号は送信されなくなる。例えば、パチンコ遊技機1に隣接する他のパチンコ遊技機又はパチンコ遊技機1が設置される島から発生したノイズの影響により、VDPがフリーズやダウンしてしまう異常が発生する。この実施の形態では、特に、VDPがノイズ等に弱いことがあり、当該VDPは、第1演出制御基板12等に比べて、異常が発生し、動作が停止しやすい。
立ち上がり信号は、第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPが起動(電源投入による起動及びリセット信号の供給による再起動を含む)して通常の動作を行うことが可能になったとき(演出制御部31のVDPにおいて初期設定などが終わり、通常の動作としての演出の実行が可能になったとき)に当該VDPから第1演出制御基板12に送信される信号である。VDPが当該通常の動作(演出の実行等)を行うことが可能になったことを、第2演出制御基板30又はVDPが立ち上がった(起動した)という。
正常動作信号及び立ち上がり信号は、それぞれが第2演出制御コマンドと同様に4バイトのデータを示す情報信号として送信される。
なお、主基板11において、CPU103が初期設定後に通常の動作(遊技の進行の制御)が可能となったことを、主基板11が立ち上がったということがある。第1演出制御基板12において、演出制御用CPU120が初期設定後に通常の動作(演出の実行制御(演出の実行の有無の決定等を含む))が可能となったことを、第1演出制御基板12が立ち上がったということがある。
第1演出制御基板12から送信されるリセット信号(図3参照)は、演出制御部31のVDPに供給される。第1演出制御基板12は、演出制御部31のVDPの動作を監視し(ここでは、立ち上がり信号や正常動作信号の受信監視により行う。)、当該動作が不良と判断できるときに、当該VDPに供給される(図7、図8参照)。
リセット信号は、演出制御部31のVDPが備えるリセット端子に入力される。例えば、演出制御用CPU120の所定端子と、前記リセット端子が、I/O125や演出制御部31のI/Oなどを介して、又は、直接、電気的に接続され、演出制御用CPU120が前記リセット端子の電圧(電位)を制御することでリセット信号を供給する。この実施の形態では、リセット端子の電圧レベルは、通常Highに維持されている。リセット信号は、当該リセット端子の電圧レベルをLowにするLow信号である(つまり、ここでは、リセットがアクティブローになっている)。
リセット信号は、演出制御部31のVDPをハードウェア的かつ強制的にリセットするものである。リセット信号の供給により(リセット端子の電圧レベルがLowになったとき又は所定期間以上Lowレベルが保たれたときに)、演出制御部31のVDPは初期化(一時記憶されているデータが消去されるなど)され、リセット信号供給の終了後(リセット端子の電圧レベルがHighに復帰する立ち上がり後)から、VDPは起動(再起動)する(動作を開始する)。このようなリセット信号により、VDPはリセットされてダウンやフリーズ等から復帰(再度の立ち上がり等)できる。
ここで、リセット信号の供給タイミングなどを図7及び図8を参照して説明する。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、第1演出制御基板12や第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)などが立ち上がる(起動する)。なお、演出制御部31のVDPの立ち上がりは遅く、当該VDPは、第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)よりも7秒ほど遅く立ち上がる。立ち上がり後の第1演出制御基板12は立ち上がり信号の受信監視を行う(ステップS11)。
第1演出制御基板12は、立ち上がり後から10秒間(後述の立ち上がり待ち時間)の間にVDPからの立ち上がり信号を受信できたとき(前記VDPが立ち上がることで、立ち上がり信号を出力できたとき)には、VDPが正常に立ち上がったとして、正常動作信号の受信監視を行う(ステップS12)。なお、前記10秒間は、前記7秒に余裕を持たせて設定されたものである。前記10秒間は、RAM122に設けられるタイマ等で計測すればよい。
第1演出制御基板12は、ステップS12の開始後、VDPからの正常動作信号を定期的に受信しているときには、異常はないとして、ステップS12の受信監視を継続する。一方、第1演出制御基板12は、正常動作信号を5秒間受信できないとき(当該5秒間は、正常動作信号の正常の送信間隔1秒に余裕を持たせて設定されたものである。)、異常が発生したとして、演出制御部31のVDPにリセット信号を1回送信するショートリセットを行う(ステップS13)。前記5秒間は、RAM122に設けられるタイマ等で計測すればよい。
ショートリセットでは、図8に示すように、1msの時間幅を有するリセット信号が1回送信される。1msのリセット信号は、適宜の方法で実現すればよい。例えば、所定のクロック回路から供給されるクロック信号などに基づいて生成されればよい。例えば、1msごとにHighレベルへの立ち上がりタイミングが到来するクロック信号における、ある立ち上がりタイミングから次の立ち上がりタイミングまでリセット端子をLowレベルにする制御により、1msのリセット信号の供給を実現する。演出制御部31のVDPは、リセット信号供給の終了後(リセット端子の電圧レベルがHighに復帰する立ち上がり後)から動作を開始して起動(再起動)する。従って、リセット信号が供給されている1ms間は、VDPがリセット状態(動作しない状態でもある)に保たれる。ショートリセット(リセット解除)後、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)が再度起動(再起動)するので、第1演出制御基板12は、立ち上がり信号の受信を監視すべく、ステップS11の処理を実行する。上記1msは、演出制御部31のVDPをリセットするのに十分な時間として設定されたものである。
第1演出制御基板12は、ステップS11において、立ち上がり後から10秒間の間に立ち上がり信号を受信できなかった(前記VDPが立ち上がることができなかったとき)には、第2演出制御基板30が異常であるとして、演出制御部31のVDPにリセット信号を60000回送信するロングリセットを行う(ステップS14)。前記リセット信号の送信回数は、例えば、RAM122に設けられるカウンタ等でカウントする。
ロングリセットでは、1msの時間幅を有するリセット信号が1ms間隔(リセット信号の立ち下がりが1ms間隔)で60000回連続して送信される(図8参照)。従って、結果的にリセット端子は、60000ms(60秒)の間、Lowに保たれる。上記のように、演出制御部31のVDPは、リセット信号供給の終了後(リセット状態解除後であり、リセット端子の電圧レベルがHighに復帰する立ち上がり後)から動作を開始して起動(再起動)するので、前記の60秒間は、当該VDPは動作しないことになる(60秒間、リセット状態が保たれる)。ロングリセット(リセット解除)後、VDPが再度起動(再起動)するので、第1演出制御基板12は、立ち上がり信号の受信を監視すべく、ステップS11の処理を実行する。
ロングリセットは、例えば、電源投入後最初のステップS11で演出制御部31のVDPの立ち上がりが遅れているときの他、ショートリセット(ステップS11)後に未だ演出制御部31のVDPが動作できないときなどに実行される。このようなとき(特に、ショートリセット後の場合)、当該VDPは、処理負荷の増大による熱暴走等により、実行すべき処理ができないことが想定される。そこでロングリセットにより、つまり、60秒間中リセット状態を維持して当該VDPをリセット解除まで動作させないことにより、当該VDPの冷却期間を設けている。これにより、これからの当該VDPの立ち上がりが正常に行われることを期待できる。また、ロングリセット中(リセット状態を保つ期間中)に冷却ファン40を駆動し、送風によって当該VDPの冷却を早める。上記60秒は、VDPを正常な動作に復帰させるのに十分な時間として設定されたものである。
なお、通常、演出制御部31のVDPがリセットされると、それまで実行されていた演出は、当該リセットのタイミングで中止される。そして、演出制御部31は、当該中止した演出を再開できない。これは、VDPのリセットにより、VDPに内蔵されたメインメモリ(SDRAM)の記憶内容(特に、どこまで演出を実行したかなどを特定できるデータ)が消去される(演出実行のためのデータが消失する)からである。なお、メインメモリが外付けの場合であっても、例えば、VDPがリセット時に当該メインメモリへの電力供給を停止したり、後述の初期設定処理(S71)が実行されたりするなどして、当該メインメモリの記憶内容はリセット時に消去されてしまうので、演出制御部31は、前記で中止した演出を再開できない。演出制御部31は、リセット後に送信されてくる第2演出制御コマンドに基づいて演出を開始することができるが、リセット後から第2演出制御コマンドが送信されてくるまでの期間においては演出を実行できない。従って、当該期間では、画像表示装置5に何も画像が表示されない事態が起こりうる。この実施の形態では、このような不都合を軽減するため、リセットした状況に応じた適宜の第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に供給することで、リセット後に遊技に関する画像(本来の演出画像ではないものの、遊技の状況等を報知できる画像)を好適に表示できる。
例えば、第1演出制御基板12は、デモ期間中(図29参照)にリセットを行ったときには、リセット後に、第2演出制御基板30に、デモ表示指定コマンドを背景指定コマンドとともに送信する。これにより、第2演出制御基板30は、リセット後に、当該コマンドに基づいて、少なくとも背景を画像表示装置5に表示することを開始できる(図30等)。
例えば、第1演出制御基板12は、飾り図柄の可変表示中にリセットを行ったときには、第2演出制御基板30に、小図柄変動開始指定コマンドを送信する。これにより、第2演出制御基板30は、リセット後に、当該コマンドに基づいて小図柄の可変表示を再度開始、実行できる(それ以外の演出は実行されなくてよい。)(図31等)。小図柄の可変表示により、遊技者は変動中であることを認識できる。
例えば、第1演出制御基板12は、大当り遊技状態中にリセットを行ったときには、第2演出制御基板30に、右打ち報知開始指定コマンドを送信する。これにより、第2演出制御基板30は、リセット後に、当該コマンドに基づいて右打ち報知の演出を開始、実行できる(それ以外の演出は実行されなくてよい。)(図32等)。これにより、大当り遊技状態中であるにも関わらず、遊技球を打ち込めない等の不利益をかぶることない。
(パチンコ遊技機の主要な動作)
以下、パチンコ遊技機1の主要な動作をフローチャートなどを参照して説明するが、各動作(各処理)では下記で説明されない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、主基板11では、CPU103が初期設定等の所定の処理を行ってから、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する(これにより、遊技の進行の制御が開始され、主基板11が立ち上がったことになる)。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、大入賞口扉用のソレノイド82の制御を含む。)である(詳しくは後述する)。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて第1演出制御コマンドの送信設定を行う。
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器20、普図保留表示器25C、普通電動役物用のソレノイド81の制御を含む。)である。
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された第1演出制御コマンドを、主基板11から第1演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理)
図9は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図10は、始動入賞判定処理(ステップS101)の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(前記のスイッチ処理の判定結果を参照すればよい。以下、各種スイッチのオン判定について同じ。)(ステップS201)。第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1保留記憶数カウント値により、第1特図保留記憶数を特定する(以下、第1特図保留記憶数について同じ。)。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、第1始動入賞の発生として、RAM102に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2保留記憶数カウント値により、第2特図保留記憶数を特定する(以下、第2特図保留記憶数について同じ。)。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、第2始動入賞の発生として、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。このときには、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104や遊技用乱数更新処理によって更新される数値データのうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1(「1」〜「65535」いずれかの値)、大当り種別決定用の乱数値MR2(「1」〜「100」のいずれかの値)、変動パターン決定用の乱数値MR3(「1」〜「100」のいずれかの値)を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。このようにして、保留された特図ゲームを表す保留データが特図保留記憶部に記憶される。各特図保留記憶部は、例えば、第1始動入賞口又は第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3の数値データを保留データとして記憶する。このようにして、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報)が保留記憶として記憶される。
CPU103は、ステップS210の処理に続いて、特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化し(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化し(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。
図9に示すステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。図11は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することにより、第2特図保留記憶数を1減算させるとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233では、合計保留記憶数を1減算するように更新する。そして、RAM102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、第1始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することにより、第1特図保留記憶数を1減算させるとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。この実施の形態では、上記処理により第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行される。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(非確変状態のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変状態のときに参照される)が用いられる。各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。)。なお、CPU103は、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する。確変状態であるか否かは、RAM102に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態により特定すればよい。なお、上記のように、テーブル(各決定結果に決定値が割り当てられたテーブル)と乱数値とに基づく決定(上記では、特図表示結果の決定)を、以下では抽選ともいう。
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
その後、大当り種別を「確変」又は「非確変」のいずれかに決定する(ステップS242)。当該決定は、予めROM101に用意された大当り種別決定用のテーブルと、大当り種別決定用の乱数値MR2と、を用いた抽選により行う。例えば、「確変」の決定割合は、60/100で、「非確変」の決定割合は、40/100とする。なお、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。例えば、第2特図ゲームの方が「確変」となる割合を高くしてもよい。また、大当り種別により、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数)を異ならせてもよく、第2特図ゲームの方が、ラウンド数が多くなりやすくするようにしてもよい。このように、第2特図ゲームの方が、有利度の高い大当り遊技状態に制御される可能性を高くすることで、遊技者に、時短状態において右打ちする動機を与えることができる。
その後、CPU103は、RAM102に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、デモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。デモ表示設定では、客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から第1演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。図12は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、大当り時の変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、ハズレ時の変動パターンを決定する(ステップS263)。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
図13は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、ノーマルリーチからスーパーリーチAに発展するリーチ演出の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、ノーマルリーチからスーパーリーチBに発展するリーチ演出の実行を指定する。
ステップS262の処理では、例えば、ROM101に用意された大当り用変動パターン決定テーブル(図14の決定割合を実現するテーブル)と変動パターン決定用の乱数値MR3とを用いた抽選により、大当り時の変動パターンが決定される。また、ステップS263の処理では、例えばROM101に用意された第1ハズレ用変動パターン決定テーブル(図15(A)の決定割合を実現するテーブルであり、非時短状態のときに参照される)又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブル(図15(B)の決定割合を実現するテーブルであり、時短状態のときに参照される)と、変動パターン決定用の乱数値MR3とを用いた抽選により、ハズレ時の変動パターンが決定される。なお、時短状態であるかは、RAM102に設けられた時短フラグにより特定する。
図14及び図15を参照すると、変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(発展無し)の順で大当り期待度が高い。また、時短状態のときには、特図変動時間が短いPA2−1(図13参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(可変表示の実行期間)(図13参照)を設定する(ステップS266)。特図変動時間の設定は、例えば、RAM102の所定のタイマに当該時間に応じたタイマ値を設定することで行われる(他の時間の設定についても同様)。
ステップS266の処理に続いて、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させる(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置4Bに送信する。
ステップS267の処理を実行した後には、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンド、遊技状態指定コマンドの送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数減算指定コマンド、遊技状態指定コマンドの送信設定を行う。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、上記で設定した特図変動時間が経過したか(残り時間が0になったか(以下、経過について同じ))を判定し(例えば、タイマ割り込みごとに更新される前記所定のタイマのタイマ値が0になったか否かで判定を行う。他の時間経過についての判定も同様)、経過していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間が経過したときには、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果(大当りフラグや大当り種別バッファに記憶された大当り種別などで特定してもよい。)の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変」のときには「7」、「非確変」のときには「5」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。図16は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
例えば、CPU103は、大当りフラグがオンであるかを判定し(ステップS281)、オンの場合には(ステップS281;Yes)、ファンファーレ待ち時間の設定を行い(ステップS282)、当り開始指定コマンド、右打ち開始指定コマンドの送信設定を行い(ステップS283)、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットし、RAM102に設けられた時短回数カウンタ(時短状態中に実行される可変表示の残り回数である時短残回数(最大100回)をカウントするためのカウンタ)のカウント値を0にリセットする(ステップS284)。その後、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する(ステップS285)。
大当りフラグがオフのとき(「ハズレのとき」)は(ステップS281;No)、時短フラグがオンであるか判定し(ステップS291)、オンのときには(ステップS291;Yes)、時短回数カウンタのカウント値を1減じ(ステップS292)、減じた後の値が「0」であるかを判定する(ステップS293)。「0」のときには(ステップS293;Yes)、時短状態において実行可能な可変表示の回数が上限回数(100回)に達したので、時短状態を終了させるため、所定回数の可変表示が実行されている場合(カウント値が「0」のとき)には、時短フラグをオフにリセットし、遊技状態指定コマンド(非時短状態を指定)、右打ち終了指定コマンドの送信設定を行う(ステップS295)。時短フラグがオフのとき(時短状態でないとき)(ステップS291;No)、時短回数カウンタのカウント値が「0」でないとき(時短状態が続くとき)(ステップS293;No)、ステップS295のあとは、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。なお、ステップS284にて確変フラグや時短フラグをオフにした場合には、オフ後の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行ってもよい。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、上記で設定したファンファーレ待ち時間が経過したかを判定し、経過していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間が経過したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)、開放上限時間(ラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒))の設定などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)に到達したり(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、上記で設定した開放上限期間が経過したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)、ラウンド遊技のインターバルの時間の設定などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、エンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、当り終了指定コマンドを送信設定し、特図プロセスフラグを「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、上記で設定したラウンド遊技のインターバル時間が経過したかを判定し、経過していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。インターバル時間が経過したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。大当り終了処理では、上記で設定したエンディング待ち時間に経過したかを判定する。エンディング待ち時間が経過していないときには、そのまま大当り終了処理を終了する。エンディング待ち時間が経過した場合には、エンディングが終了するので、大当り種別が「確変」であれば、確変フラグをオン状態にセットする。また、大当り種別に関わらず、時短回数カウンタに初期値である100を設定するとともに、時短フラグをオン状態にする。その後、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して、本処理を終了する。なお、大当り種別は、大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定すればよい。また、時短回数カウンタの値が「0」になったときは、時短状態において実行可能な特図ゲームが全て実行されたことになるので、時短状態は終了する(時短フラグがオフとなる)。
(第1演出制御基板12の主要な動作)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、第1演出制御基板12では、演出制御用CPU120が、例えば、第1演出制御メイン処理を実行する。第1演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期設定処理を実行する(ステップS701)。初期設定処理には、RAM122のクリア、各種初期値の設定、また第1演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等が含まれる。また、初期設定処理では、RAM122の所定格納領域に、演出画像における初期背景のデータを格納する(必要なデータはROM121に格納されている。他のデータについても同様)。演出画像における背景としては背景A〜Eがあり(図23。詳細は後述)、初期背景は背景Aである。この初期設定処理の終了により、演出を実行するための制御(演出を実行するための各種の決定等)が可能となり、第1演出制御基板12が立ち上がったことになる。
その後、第1タイマ割込処理、第2タイマ割込処理、コマンド等取込処理、リセット関連処理等の他の処理を開始する(ステップS702)。これ以降、演出制御用CPU120は、これら各処理と、第1演出制御メイン処理と、をそれぞれ並行して実行する。なお、例えば、第1演出制御基板12に他のCPU等の1以上の処理回路を設け、当該1以上の処理回路により、上記各処理を実行してもよい。
第1タイマ割込処理は、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、RAM122に設けられた第1タイマ割込みフラグを第1所定時間が経過するごとにオンにセットする処理である。
第2タイマ割込処理は、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、RAM122に設けられた第2タイマ割込みフラグを第2所定時間(上記第1所定時間と同じであってもよいし、異なってもよい)が経過するごとにオンにセットする処理である。
コマンド等取込処理は、主基板11からの第1演出制御コマンドや第2演出制御基板30からの信号(図6の各種信号)を取り込むため(受信するため)の処理である。受信した第1演出制御コマンドや前記の信号(信号が示すデータ)は、例えばRAM122に設けられた第1演出制御コマンド受信用バッファや信号受信用バッファに格納する。各バッファに格納された第1演出制御コマンドや図6の各種信号(信号が示すデータ)は、適宜のタイミング(それ以降、そのコマンドや信号に基づく処理を実行しないとき)に当該各バッファから削除されるものとする。
リセット関連処理は、コマンド等取込処理で取り込んだ第2演出制御基板30からの信号に基づいて、第2演出制御基板30が正常に動作しているかを監視して、正常に動作していないと考えられる場合に第2演出制御基板30をリセットする処理である(詳細は後述)。
ステップS702のあとは、演出制御用CPU120は、第1タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS703)。第1タイマ割込みフラグは、上述のように第1タイマ割込処理にてオン状態にセットされる。第1タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS703;No)、待機する。このため、以降の処理は、タイマ割り込みが発生するごとに実行されることになる。
第1タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS703;Yes)、当該フラグをクリアしてオフし、第1演出制御コマンド解析等処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行し(ステップS704〜S707)、ステップS703の処理を実行する。
第1演出制御コマンド解析等処理は、コマンド等取込処理で取り込んだ第1演出制御コマンドが図4のどのコマンドであるかを特定する解析や、特定したコマンドに応じた処理を実行する処理である。第1演出制御コマンド解析等処理の詳細は後述する。
演出制御プロセス処理では、主基板11からの第1演出制御コマンド(第1演出制御コマンド解析等処理で特定されたコマンド)に基づいて、第2演出制御基板30に実行させる演出に関する各種決定を行ったり、当該各種決定の結果に応じた第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信して演出を実行させたりする処理である。演出制御プロセス処理の詳細は、後述する。
演出用乱数更新処理では、演出制御プロセス処理で使用する演出用乱数(RAM122に設けられた演出用ランダムカウンタによってカウントされる)をソフトウェアにより更新する処理である。
(リセット関連処理)
リセット関連処理(図18参照)において、演出制御用CPU120は、立ち上がり待ち時間タイマ(RAM122の所定領域に設けられる。)に、予め定められた立ち上がり待ち時間に対応したタイマ初期値を設定する(ステップS731)。立ち上がり待ち時間は、演出制御部31のVDPが電源投入により動作を開始して通常の動作を行うことが可能になるまでの期間(すなわち、VDPが立ち上がるまでの起動時間)に対応した時間(上記の10秒間)である。立ち上がり待ち時間タイマによって当該立ち上がり待ち時間が測定される。
その後は、演出制御用CPU120は、第2タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS732)。第2タイマ割込みフラグは、上述のように第2タイマ割込処理にてオンされる(すでにオンであれば、オンが維持される)。第2タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS732;No)、待機する。
第2タイマ割込みフラグがオンの場合(ステップS703;Yes)、当該フラグをクリアしてオフし、正常動作確認タイマが動作中であるか(例えば、タイマ値が0でなければ動作中とする)を判定する(ステップS734)。正常動作確認タイマは、RAM122の所定領域に設けられ、第2演出制御基板30から定期的に送信される正常動作信号の受信待ち時間を測定するためのタイマである。
正常動作確認タイマのタイマ値が0であり当該タイマが動作中でなければ(ステップS734;No)、第2演出制御基板30からの立ち上がり信号(立ち上がり時に送信される信号)を受信しているかを判定する(ステップS735)。例えば、立ち上がり信号のデータ(上記立ち上がり信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。信号受信用バッファに立ち上がり信号のデータが格納されておらず、立ち上がり信号を受信していない場合には(ステップS735;No)、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値を1減じ(ステップS736)、減じたあとのタイマ値が「0」であるかを判定する(ステップS737)。
1減じたあとのタイマ値が「0」である場合には(ステップS737;Yes)、立ち上がり信号の受信が無いまま、立ち上がり待ち時間(10秒)が経過したことになるので、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)が正常に立ち上がらなかったとして、当該VDPにリセット信号を60000回送るロングリセット処理(図8の「ロングリセット」参照)を実行し、当該VDPの動作を止めるとともに、冷却ファン40を駆動して(冷却ファン駆動信号を供給する)当該VDPを冷却させる(ステップS738)。これにより、図8のロングリセットが実現し、また、このロングリセット期間中にVDPが冷却される。なお、ステップS738の一例として、演出制御用CPU120は、リセット信号を1回送信するごとにRAM122に設けられたカウンタのカウント値(初期値は0)を1つ増加させ、当該カウント値が60000になったときに、60000回のリセット信号の供給が終わったとしてロングリセットや冷却ファンの駆動を終了させる。このようなロングリセットなどにより、熱暴走等がVDPに起こっていたとしても、VDPを正常な状態に復帰させることができる。ステップS738のあと、第2演出制御基板30は再起動するので、再びステップS731の処理から実行する。
立ち上がり信号の受信がある場合(立ち上がり信号のデータが信号受信用バッファに格納されている場合)(ステップS735;Yes)、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)が正常に立ち上がったことになるので、今度は、正常動作確認タイマにタイマ初期値を設定する(ステップS739)。なお、ステップS714を実行する前に、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値を0にリセットする。また、信号受信用バッファに格納されている立ち上がり信号のデータを削除する。正常動作確認タイマのタイマ初期値は、正常動作信号の送信間隔(ここでは、1秒)に応じた期間(ここでは、上記5秒間など)に対応した値であればよい。
正常動作確認タイマが動作中である場合(タイマ値が0でない場合など)には(ステップS734;Yes)、正常動作信号の受信が有るかを判定する(ステップS741)。例えば、正常動作信号のデータ(上記正常動作信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、正常動作信号の受信が有る場合(ステップS741;Yes)、第2演出制御基板30は正常に動作しており、次の正常動作信号の受信を待つために、上記ステップS739の処理を実行する。このとき、信号受信用バッファに格納されている正常動作信号のデータを削除する。
正常動作信号のデータの格納が無いなどして正常動作信号の受信が無い場合(ステップS741;No)、正常動作確認タイマのタイマ値を1減じ(ステップS742)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定する(ステップS743)。0の場合には(ステップS743;Yes)、演出制御部31のVDPに異常が発生したと考えられるので、当該VDPにリセット信号を1回送るショートリセット処理(図8の「ショートリセット」参照)を実行し、当該VDPをリセットする(ステップS744)。これにより、図8のショートリセットが実現する。
ステップS744のあと、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられたデモフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS745)。デモフラグは、主基板11から客待ちデモ指定コマンドを受信したとき(デモ期間中)にオンとなる。デモフラグがオンの場合(ステップS745;Yes)、RAM122の所定領域に設けられたデモ期間中リセットフラグ(デモ期間中にリセットが行われたことを示すフラグ)をオンにする(ステップS746)。
デモフラグがオフの場合(ステップS745;No)、ステップS746のあと、演出制御用CPU120は、現在が飾り図柄の可変表示中であるかを判定する(ステップS747)。例えば、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値が「2」であるとき(可変表示中処理を実行中のとき)に、現在が可変表示中であると判定する(ステップS747;Yes)。この場合、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた可変表示中リセットフラグ(飾り図柄の可変表示(特図ゲームの実行期間)中にリセットが行われたことを示すフラグ)をオンにする(ステップS748)。
可変表示中でない場合(ステップS747;No)、ステップS748のあと、演出制御用CPU120は、現在が大当り遊技状態中であるかを判定する(ステップS749)。例えば、演出プロセスフラグの値が「4」又は「5」であるとき(当り中処理又はエンディング処理を実行中のとき)に、現在が大当り遊技状態中であると判定する(ステップS749;Yes)。この場合、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた大当り中リセットフラグ(大当り遊技状態中にリセットが行われたことを示すフラグ)をオンにする(ステップS750)。
大当り中リセットフラグがオフの場合(ステップS749;No)、ステップS750のあと、再びステップS731の処理を実行する。ショートリセットにより、第2演出制御基板30が再起動するからである。
なお、上記ロングリセットやショートリセットを行った場合、第1演出制御コマンド受信用バッファや信号受信用バッファに格納されている第1演出制御コマンドや信号(図6の各種信号)を削除したり、各種タイマのタイマ値をリセットしたり、各種カウンタのカウント値をリセットしたりしてもよい(これにより、実行中の演出に関する処理を適切に中止できることがある)。
タイマ割込みフラグがオフのとき(ステップS732;No)、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値が「0」でないとき(ステップS737;No)、正常動作確認タイマのタイマ値が「0」でないとき(ステップS743;No)、ステップS739のあとには、ステップS732以降の処理を行う。
上記一連の処理がタイマ割り込み毎に行われることで、第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、第2演出制御基板30の立ち上がりの確認(立ち上がり信号によって確認)、第2演出制御基板30が正常に動作していかの確認(正常動作信号によって確認)、第2演出制御基板30のリセット(リセット信号の送信)などを行える。
(第1演出制御コマンド解析等処理)
第1演出制御コマンド解析等処理では、演出制御用CPU120は、第1演出制御コマンド受信用バッファをチェックし、当該バッファに第1演出制御コマンドが格納されているかを判定する。第1演出制御コマンドが格納されている場合、格納されている第1演出制御コマンドのデータ内容をチェック(解析)して当該第1演出制御コマンドがどのコマンドであるかを特定し、特定したコマンドに応じて図19に示す処理を行う。具体的には、特定したコマンドが図19中左欄のどのコマンドであるかに応じて、対応する図19中右欄の処理を実行する。図19中、各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグをセットするとは、フラグをオンすることである。第1演出制御コマンドは、受信順に格納されるものとし、当該解析等処理では、そのときに格納されている全てのコマンドについて解析及び処理を行う。解析及び処理を行ったコマンドは、第1演出制御コマンド受信用バッファから削除する。
図19に示すように、例えば、解析した第1演出制御コマンドが第1変動開始指定コマンドであれば、第1変動開始指定コマンド受信フラグをオンにする。解析した第1演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドであれば、変動パターン指定コマンド格納領域に当該コマンドを格納する。解析した第1演出制御コマンドが遊技状態指定コマンドであるとき、当該コマンド内容が確変状態を示す場合、高確フラグ(確変状態時にオンするフラグ)をオンにし、当該内容が非確変状態を示す場合、高確フラグをオフにする。当該遊技状態指定コマンドの内容が時短状態を示す場合、高ベースフラグ(時短状態時にオンするフラグ)をオンにし、当該内容が非時短状態を示す場合、高ベースフラグをオフにする。また、遊技状態指定コマンド受信フラグをオンにする。解析した第1演出制御コマンドが第1(第2)特図保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1(第2)保留表示画像増加指定コマンド(特図保留記憶数加算指定コマンドが指定する記憶数と同じ数の画像数をEXTデータ(「XX」に指定したコマンド))を第2演出制御基板30に送信する(第2演出制御基板30は、当該コマンドに基づいて保留表示画像の増加させる)。なお、図19の処理によりセットされたフラグは、適宜のタイミング(そのコマンドの受信を確認する必要がなくなったタイミング)でオフにリセットされ、図19の処理により格納されたコマンドは、適宜のタイミング(そのコマンドの受信やその内容を確認する必要がなくなったタイミング)で消去されるとよい。
(演出制御プロセス処理)
演出制御プロセス処理(図20参照)では、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。図21は、可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。
この可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、まず、変動開始時コマンドを構成する5つのコマンド(第1又は第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数減算指定コマンド、遊技状態指定コマンド)全てを受信しているかを判定する(ステップS751)。各コマンドの受信は、対応する受信フラグがオンになっているか否か、又は、対応する格納領域に当該コマンドが格納しているか否かにより行う。例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグがオンのときには、第1変動開始指定コマンドを受信したと判定できる。例えば、変動パターン指定コマンド受信フラグがオンのときには、変動パターン指定コマンドを受信したと判定できる。このようなコマンドの受信の確認の方法は、他のコマンドの受信の確認でも同様である。
上記5つのコマンド全てを受信していない場合、変動開始時コマンドの受信が未だ無いとして(ステップS751;No)、客待ちデモ指定コマンドを受信しているかを判定する(ステップS752)。客待ちデモ指定コマンドを受信している場合(ステップS752;Yes)、デモフラグをオンにする(ステップS753)。これによりデモ期間(図28参照。機種説明等を含むデモ画面を表示する期間)が開始される。なお、ステップS753では、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをオフにリセットする。
ステップS753のあとは、デモ表示指定コマンドと、RAM122の上記所定格納領域に格納されている背景を指定する背景指定コマンドとを、第2演出制御基板30に送信する(ステップS757〜S758)。所定格納領域に格納されている背景は、ステップS701で初期設定されるか、後述のステップS324で更新されたものである。上記各コマンドの送信により、デモ期間中の画面(図29〜図30)を表示できる。
客待ちデモ指定コマンドを受信していない場合(ステップS752;No)、デモ期間中リセットフラグがオンであるかを判定する(ステップS755A)。オンの場合(ステップS755;Yes)、デモ期間中に第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPをリセット(ショートリセット)したことになる。この場合、まず、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)が立ち上がっているかを判定する(ステップS755B)。当該判定は、例えば、正常動作確認タイマが動作中であるかで判定する(以下、同じ)。または、例えば、立ち上がり信号の送信があったときに所定のフラグをオンし、当該フラグの状態により当該立ち上がりを判定する。第2演出制御基板30が立ち上がっている場合(ステップS755B;Yes)、デモ期間中リセットフラグをオフとし(ステップS756)、ステップS757等の処理を行う。ステップS757〜S758では、所定格納領域に格納されている背景を指定するコマンドが送信されるため、リセット前に表示していた背景の情報を立ち上がり後の第2演出制御基板30に通知できる。これにより、リセット後のデモ期間中で背景を表示できる。第2演出制御基板30が立ち上がっていない場合(ステップS755B;No)、立ち上がりまで待機すべく、可変表示開始待ち処理を終了する。
上記5つのコマンド全てを受信している場合、変動開始時コマンドを受信しているとして(ステップS751;Yes)、飾り図柄の可変表示を開始すべく、デモフラグ、デモ期間中リセットフラグをオフにリセットし、演出プロセスフラグの値を「1」に更新する(ステップS765〜S766)。
デモ期間中リセットフラグがオフの場合(ステップS755;No)、ステップS766のあと、可変表示開始待ち処理は終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図22は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターン)及び今回の表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される表示結果)に基づいて、最終停止図柄(確定飾り図柄の組み合わせ)を決定する(ステップS321)。
例えば、今回の表示結果が「確変大当り」のときは、ROM121に予め用意された第1テーブルと、演出用乱数のうちの乱数値SR1(乱数回路124又は演出用乱数更新処理で更新される乱数値)と、を用いた抽選により、最終停止図柄を「3 3 3」、「5 5 5」、「7 7 7」のいずれかに決定する(決定割合は、任意でよい(例えば均等))。
例えば、今回の表示結果が「非確変大当り」のときは、ROM121に予め用意された第2テーブルと、乱数値SR1と、を用いた抽選により、最終停止図柄を「2 2 2」、「4 4 4」、「6 6 6」のいずれかに決定する(決定割合は、任意でよい(例えば均等))。
例えば、今回の表示結果が「ハズレ」で、今回の変動パターンが非リーチを指定するもの(PA1−1、PA2−1)のときは、ROM121に予め用意された第3テーブルと、乱数値SR1と、を用いた抽選により、最終停止図柄を予め用意された複数の非リーチハズレの組み合わせのうちのいずれかに決定する(決定割合は、任意でよい(例えば均等))。
例えば、今回の表示結果が「ハズレ」で、今回の変動パターンがリーチを指定するもの(PA3−2〜PA3−4)のときは、ROM121に予め用意された第4テーブルと、乱数値SR1と、を用いた抽選により、最終停止図柄を予め用意された複数のリーチハズレの組み合わせのうちのいずれかに決定する(決定割合は、任意でよい(例えば均等))。
ステップS321のあとは、演出の実行の有無や、実行する演出の態様等を決定する(ステップS322)。ROM121に予め用意された各種テーブルと、演出用乱数値のうちの任意の乱数値と、を用いた抽選により、予告演出等の各種演出の実行の有無やその態様等を決定する。このとき、今回の表示結果等に応じて異なるテーブルを参照することにより、予告演出等の実行の有無やその態様に応じて大当り期待度を異ならせるとよい。また、今回の変動パターンがリーチを指定するものである場合には、その変動パターンが指定するリーチ演出(最終停止図柄を構成する飾り図柄でリーチを成立させたときのリーチ演出)を実行すると決定する。
その後、演出制御用CPU120は、演出画像における背景(飾り図柄の可変表示が実行されるときの背景、大当り遊技状態中に実行される演出における背景、デモ期間中の背景などとなる背景)を変更するかを決定し、変更する場合には、変更後の背景の種類を決定する(ステップS323)。
例えば、ROM121に予め用意された第5テーブル(例えば、高確フラグと高ベースフラグの状態に応じて図23の決定割合を実現するテーブル)と、乱数値SR5と、を用いた抽選により、背景を変更するかを決定する。図23に示すように、低確高ベース(非確変状態かつ時短状態)のときには、背景変更が行われず、低確低ベース(通常状態)、高確高ベース(確変状態かつ時短状態)、又は、高確低ベース(確変状態かつ非時短状態)のときには、背景変更が行われる。低確低ベースのときの変更割合(3/100)は、高確高ベース、又は、高確低ベースのときの変更割合(4/100)よりも高い(確変状態のときの方が背景が変わりやすい)。なお、背景を変更するかに応じて大当り期待度を異ならせてもよい。
演出制御用CPU120は、背景を変更すると決定した場合に、ROM121に予め用意された第6テーブル(例えば、図24の決定割合を実現するテーブル)と、乱数値SR6と、を用いた抽選により、これからの背景を決定する。図24に示すように、この実施の形態では、背景A(初期背景でもある)〜背景Eまでが用意されている。なお、ここでは、背景を変更すると決定した場合でも、変更前の背景がこれからの背景になってしまうこと(つまり、背景変更無しの場合)もある。他の例として、背景を必ず変更するようにしてもよい。例えば、決定結果の異なる複数のテーブルを用意し、現在の背景が選ばれないテーブルを参照する。また、高確フラグや高ベースフラグの状態に応じて、変更可能な背景を異ならせてもよい。さらに、高確フラグや高ベースフラグの状態に応じて、表示可能な背景を異ならせてもよい(この場合には、大当り遊技状態終了後において、これらフラグの状態に応じた初期背景を演出画像における背景として設定する)。なお、背景に応じて、大当り期待度を異ならせてもよい(可変表示ごとに背景を決定し、大当り期待度を異ならせてもよいし、背景を変更すると決定したときに変更された背景により大当り期待度を報知してもよい)。
その後、演出制御用CPU120は、上記で決定した背景(背景の変更があった場合)を所定格納領域に上書き格納する(ステップS324)。これにより、所定格納領域に格納された背景が更新される。
その後、演出制御用CPU120は、今回の変動パターン及び上記決定結果に応じた内容を指定する、背景指定コマンド(所定格納領域に格納された背景を指定するコマンド)、可変表示態様指定コマンド(今回の変動パターンを指定するコマンド)、最終停止図柄指定コマンド(上記で決定した最終停止図柄を指定するコマンド)を第2演出制御基板30に送信し、小図柄変動開始指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS325A、S325B)。これにより、飾り図柄の可変表示や小図柄の可変表示が開始される。
ステップS325Bのあと、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM122などの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマに可変表示時間の初期値として設定する(ステップS326)。
その後、演出制御用CPU120は、ステップS322で実行すると決定した演出の開始タイミング(実行する演出と変動パターンとの関係で予め決められている)を設定する(ステップS327)。具体的には、実行すると決定した演出の実行開始を指定する可変表示中演出指定コマンドと、当該コマンドを送信する送信タイミングを示すタイマ値(演出制御プロセスタイマでカウントされるタイマ値。以下、タイマ値ともいう。実行する演出と変動パターンとの関係で予め設定されており、ROM121に用意されている。)とを、対応付けてRAM122のタイマ値格納領域に格納する。演出制御用CPU120は、実行すると決定した演出が複数有る場合には、各演出について、可変表示中演出指定コマンドとその実行タイミングを示すタイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。
そして、今回受信した変動開始時コマンドが第1変動開始指定コマンドを含む場合、当該変動開始時コマンドに含まれる第1特図保留記憶数減算指定コマンドが指定する減算後の保留記憶数と同じ画像数を指定する第1保留表示画像減少指定コマンドを第2演出制御基板30に送信し、今回受信した変動開始時コマンドが第2変動開始指定コマンドを含む場合、当該変動開始時コマンドに含まれる第2特図保留記憶数減算指定コマンドが指定する減算後の保留記憶数と同じ画像数を指定する第2保留表示画像減少指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS328)。これにより、保留された特図ゲームの開始による保留表示画像の画像数の更新が行われる(1つ減算される)。
その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS329)、可変表示開始設定処理を終了する。
図20のステップS172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。図25は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたあとのタイマ値が0であるか否かを判定することで、今回の変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。
タイマ値が0でない場合、つまり、可変表示時間が経過していない場合(ステップS551;No)、可変表示中リセットフラグがオンとなっているかを判定する(ステップS552A)。オンの場合(ステップS552A;Yes)、飾り図柄の可変表示中に第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPをリセット(ショートリセット)したことになる。この場合、まず、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)が立ち上がっているかを判定する(ステップS552B)。
立ち上がっている場合(ステップS552B;Yes)、可変表示中リセットフラグをオフにリセットし(ステップS553)、小図柄の可変表示が実行されるように小図柄変動開始指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS554)。その後、高ベースフラグがオンであるかを判定し(ステップS555)、オンの場合(ステップS555;Yes)、右打ちをすべき期間(時短状態のため)であるので、右打ち報知開始指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS556)。このような処理により、可変表示中にリセットがあっても、小図柄の可変表示や右打ち報知は表示できる。なお、リセット後に右打ち報知を実行できるようにする他の方法として、可変表示開始設定処理において、リセットの有無にかかわらず、高ベースフラグがオンのときに、右打ち報知開始指定コマンドを送信してもよい(第2演出制御基板30は、すでに右打ち報知をしているときに当該コマンドを受信したときには、右打ち報知を継続する)。
可変表示中リセットフラグや高ベースフラグがオフのとき(ステップS552、S555;No)、第2演出制御基板30が立ち上がっていないとき(ステップS552B;No)、ステップS556のあとは、現在が、ステップS327で設定した演出(今回の可変表示で実行すると決定した演出)の開始タイミングであるかを判定する(ステップS557)。上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するタイマ値が格納されているかにより当該判定を行う。
上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するタイマ値が格納されている場合には、対応する演出の開始タイミングであるので(ステップS557;Yes)、当該タイマ値に対応して当該タイマ値格納領域に格納されている可変表示中演出指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS558)。これにより、ステップS327で設定したタイミングで演出を実行できる。なお、ここでは、可変表示中にリセットが行われたときであっても、当該リセット後、かつ、第2演出制御基板30が立ち上がったあとに実行開始のタイミングが到来する演出を実行できる(第2演出制御基板30が立ち上がる前に可変表示中演出指定コマンドが送信されても演出は実行されない)。
演出の実行開始タイミングでない場合(ステップS557;No)、ステップS558のあとは、可変表示中処理を終了する。
ステップS551において、タイマ値が0である場合、つまり、可変表示時間が経過した場合(ステップS551;Yes)、主基板11からの図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中処理を終了して待機する。
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、最終停止図柄の導出タイミングとなったので、可変表示結果導出のため、図柄停止指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS572)。送信される図柄停止指定コマンドは、今回の可変表示結果により特定される「大当り」又は「はずれ」を指定するコマンドである。その後、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。そして、可変表示中リセットフラグをオフにリセットする(ステップS575、すでにオフの場合にはオフを維持する)。これにより、第2演出制御基板30が立ち上がる前に、第2演出制御基板30のVDPをリセットしたときに実行されていた可変表示(特図ゲーム)が終了してしまったときに、その後に実行される新たな可変表示(特図ゲームの実行中)でステップS552A以降の処理が実行されてしまうことを防止できる。なお、リセット時に実行されていた可変表示の後に実行される可変表示(特図ゲーム)で第2演出制御基板30が立ち上がった場合、後の可変表示で飾り図柄の可変表示等が表示されないことが考えられるので、ステップS575の処理を省略し、後の可変表示で第2演出制御基板30が立ち上がるまで可変表示中リセットフラグをオンに維持するようにして、ステップS554の実行により小図柄の可変表示を実行するようにしてもよい。ステップS576のあとは、演出プロセスフラグの値を 「3」に更新し(ステップS576)、可変表示中処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。
特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から当り開始指定コマンドを受信しているかを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信している場合には、「大当り」が発生したことになるので、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行される演出であり、ファンファーレを含む。)を開始させるため、大当り中演出開始指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する。また、主基板11から右打ち指定コマンドを受信している場合、遊技者に右打ちさせるべく、右打ち報知開始指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する。これらにより、大当り中演出が実行されるとともに、右打ち報知も実行される。これらコマンドの送信後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。このとき、主基板11からの右打ち終了指定コマンドを受信している場合、右打ち報知終了指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する。これにより、右打ち報知が終了する。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。図26は、当り中処理の一例を示すフローチャートである。
当り中処理において、演出制御用CPU120は、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したかを判定し(ステップS901)、当り終了指定コマンドを受信していない場合(ステップS901;No)、大当り中リセットフラグがオンであるかを判定する(ステップS902)。オンの場合(ステップS902;Yes)、大当り遊技状態中に第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPがリセット(ショートリセット)されたことになる。この場合、まず、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)が立ち上がっているかを判定する(ステップS903)。
立ち上がっている場合(ステップS903;Yes)、大当り中リセットフラグをオフにリセットし、右打ち報知が再開されるよう、右打ち報知開始指定コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS904〜S905)。これにより、リセットがあっても、右打ち報知が行われる。ステップS903等の処理により、大当り遊技状態中にリセットが生じた後でも、第2演出制御基板30の立ち上がりを待って、右打ち報知開始の指示を行える。大当り中リセットフラグがオフのとき(ステップS902;No)、第2演出制御基板30が立ち上がっていないとき(ステップS903;Yes)、ステップS905のあと、本処理を終了する。
当り終了指定コマンドを受信している場合(ステップS901;Yes)、エンディングを開始するため、エンディング開始指定コマンドを送信し(ステップS911)、エンディングの演出実行時間(エンディング待ち時間)に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定し(ステップS912)、演出プロセスフラグの値を「5」に更新し(ステップS913)、本処理を終了する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。エンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、ステップS902〜S905と同様の処理を行う。タイマ値が「0」のときは、大当り中リセットフラグをオフにリセットし、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。これら処理により、当り中処理と同様に、大当り遊技状態中のリセットがあっても、右打ち報知を適切に再開できる。なお、大当り中リセットフラグのリセットにより、当該フラグのオン状態がエンディング後にも持ち越されてしまうことを防止できる。
なお、上記一連の処理(ステップS170〜S175)において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)の主要な動作)
第2演出制御基板30では、パチンコ遊技機1の電源が投入されたり、リセット信号が供給されたりすると、演出制御部31(ここでは、VDP)が動作を開始して図27の第2演出制御メイン処理を実行する。
演出制御部31は、まず、所定の初期設定処理を実行して、SDRAMなどのクリアや各種初期値の設定、また演出制御部31が備えるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う(ステップS71)。当該処理が終了すると、演出制御部31は、演出を実行可能な状態(つまり、第2演出制御基板30ないしVDPが立ち上がった状態)になるので、立ち上がり信号を第1演出制御基板12に送信する(ステップS72)。なお、上述のように、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)は、主基板11や第1演出制御基板12などに比べ立ち上がり(初期設定等)に時間がかかる場合があり、立ち上がり信号によって、第1演出制御基板12に立ち上がったことを知らせることができる。
ステップS72のあとは、演出制御部31は、信号送信用タイマに予め定められたタイマ初期値を設定する(ステップS73)。信号送信用タイマは、VDPのSDRAMなどに設けられ、正常動作信号の次回の送信タイミングまでの期間を計測するためのものであり、タイマ初期値は、正常動作信号の送信間隔(ここでは、1秒)に対応した値である。
ステップS73のあとは、演出制御部31は、SDRAMなどに設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS74)。タイマ割込みフラグは、第2演出制御メイン処理とは別に実行されるタイマ割込処理にて、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、所定時間が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。このため、ステップS75以下の処理は、タイマ割り込みが発生するごとに実行されることになる。
なお、演出制御部31は、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、第1演出制御基板12からの第2演出制御コマンドを取り込むため(受信するため)の処理が適宜行われる。受信した第2演出制御コマンドは、例えばSDRAMなどに設けられた第2演出制御コマンド受信用バッファに受信順に格納する。なお、第2演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドは、後述のステップS77〜S78で解析等されて使用されたときに適宜のタイミングで削除されるものとする。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS74;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS75)、第2演出制御コマンドを第1演出制御基板12から受信しているかを判定する(ステップS77)。ステップS76では、例えば、第2演出制御コマンド受信用バッファをチェックし、当該バッファ内に第2演出制御コマンドが格納されているかを判定する。
第2演出制御コマンドを受信している場合(ステップS77;Yes)、受信している第2演出制御コマンドを解析し、解析対象の第2演出制御コマンドがどのコマンドであるかを特定し、特定したコマンドに応じた処理を行う(ステップS78)。ここでは、例えば、図28に示す処理を行う。なお、受信しているコマンドが複数ある場合には、各コマンドについて図28に示す処理を行う。
なお、演出制御部31は、図28の処理により、画像表示装置5の各種の画像を表示するが、当該画像は、複数のレイヤーからなるレイヤー構造を有する。具体的には、第1のレイヤーで背景画像を表示し、第2のレイヤーで保留表示画像を表示し、第3のレイヤーで飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を表示し、第4以降のレイヤーでリーチ演出、予告演出等の各種演出の画像を表示する。CGROM等には、各レイヤーについて画像データが用意され、演出画像表示時に、各レイヤーについての画像データに基づいて映像信号(各画像データの画像を組み合わせたものを表す映像信号)が生成され出力される。
特定したコマンドの中に背景指定コマンドが含まれる場合は、当該コマンドが指定する背景の画像(背景画像)を上記第1のレイヤーに表示することを開始する。演出制御部31は、これ以降、当該背景を表示させる処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。なお、すでに表示されている背景と、今回の背景指定コマンドが指定する背景とが同じである場合、すでに表示している背景を維持してもよい。
特定したコマンドの中に可変表示態様指定コマンド及び最終停止図柄指定コマンドが含まれる場合、可変表示態様指定コマンドが指定する可変表示態様(変動パターン)で、最終停止図柄指定コマンドが指定する最終停止図柄を導出する飾り図柄の可変表示の実行を上記第3のレイヤーで開始する。例えば、最終停止図柄が「777」で変動パターンがPB3−4の場合には、「7」でリーチを成立させて、最終的に「777」を導出する飾り図柄の可変表示を実行させる。演出制御部31は、これ以降、当該可変表示を実行する処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。
特定したコマンドの中に可変表示中演出指定コマンドが含まれる場合、当該コマンドが指定する演出の実行を開始する。例えば、第4以降のレイヤーに演出画像を表示する。また、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9の点灯などによる演出を実行してもよい。演出制御部31は、これ以降、当該演出を実行する処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。
特定したコマンドの中に小図柄変動開始指定コマンドが含まれる場合には、小図柄の可変表示の実行を上記第3のレイヤーで開始する。なお、小図柄の可変表示では、飾り図柄の可変表示と違って、可変表示結果が導出される前に、一部の小図柄が停止するようなことは無いので、小図柄の可変表示は、可変表示が導出されるまでのどの時点であっても、見た目がほぼ同じである。演出制御部31は、これ以降、当該可変表示を実行する処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。
特定したコマンドの中に図柄停止指定コマンドが含まれる場合には、実行中の飾り図柄の可変表示や小図柄の可変表示において、可変表示結果を導出する表示制御を行う。このとき、小図柄の可変表示で導出される可変表示結果(確定小図柄の組み合わせ)は、当該コマンドが指定する可変表示結果に応じて異なる(「大当り」の場合は、「222」、「はずれ」の場合は、「153」)。小図柄の可変表示は、3つの小図柄が同時に停止するので(その間、小図柄の変動は一様であり、変動速度等も一定である)、確定小図柄の組み合わせが当該コマンドの受信時にいきなり導出表示される(それまでの小図柄の変動態様は関係無い)。一方、飾り図柄の可変表示は、3つの飾り図柄が順に停止したり、変動速度が変化したりするので、当該コマンドの受信前には一部の飾り図柄が停止している。
特定したコマンドの中に大当り中開始指定コマンド又はエンディング開始指定コマンドが含まれる場合、大当り演出又はエンディングの実行を開始する。例えば、第4以降のレイヤーに演出画像を表示する。また、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9の点灯などによる演出を実行してもよい。演出制御部31は、これ以降、当該演出を実行する処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。
特定したコマンドの中に右打ち報知開始指定コマンドが含まれる場合、右打ち報知の演出の実行を開始する。例えば、第4以降のレイヤーに右打ちを指示する画像を表示する。また、スピーカ8L、8Rからの音声出力により当該報知を行ってもよい。演出制御部31は、これ以降、当該演出を実行する処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。
特定したコマンドの中に右打ち報知終了指定コマンドが含まれる場合、右打ち報知の演出の実行を終了する。
特定したコマンドの中にデモ表示指定コマンドが含まれる場合、デモ期間を開始する。演出制御部31は、デモ期間において、背景画像と停止図柄(可変表示実行後のデモ期間であれば最終停止図柄、そうでない場合(電源投入又はリセット直後のデモ期間)であれば初期停止図柄(停止した飾り図柄の組み合わせ))とを15秒間表示し、その後に、デモ画面(パチンコ遊技機1の機種説明、操作方法等を案内するムービー画面)を15秒間表示することを繰り返す(15秒は、タイマ等により計測する)(図29)。演出制御部31は、デモ期間中の当該処理を第2演出制御メイン処理と並行して行う。
特定したコマンドの中に第1保留表示画像増加指定コマンドが含まれる場合、上記第2のレイヤーにおいて第1保留表示画像5HAを1つ増やす表示制御を行う。特定したコマンドの中に第2保留表示画像増加指定コマンドが含まれる場合、上記第2のレイヤーにおいて第2保留表示画像5HBを1つ増やす表示制御を行う。
特定したコマンドの中に第1保留表示画像減少指定コマンドが含まれる場合、上記第2のレイヤーにおいて第1保留表示画像5HAを1つ減らす表示制御を行う。特定したコマンドの中に第2保留表示画像減少指定コマンドが含まれる場合、上記第2のレイヤーにおいて第2保留表示画像5HBを1つ減らす表示制御を行う。なお、保留表示画像を1つ減らす場合には、これから実行される特図ゲームに対応する保留表示画像を消去するとともに、他の保留表示画像の表示位置を1つずつずらすとよい。
図27に戻り、ステップS78のあと、第2演出制御コマンドを受信していないとき(ステップS77;No)、信号送信用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS81)、減じたあとのタイマ値が0になったかを判定し(ステップS82)、0になった場合には(ステップS82;Yes)、正常動作信号を送信し(ステップS83)、その後に信号送信用タイマに初期値(ステップS73の初期値と同じ)を設定して(ステップS84)、ステップS74の処理を再度実行する(減じたあとのタイマ値が0になっていないときも同様(ステップS82;No))。ステップS81〜S84などによって、正常動作信号が定期的に第1演出制御基板12に送信される。
(演出画面等)
上記一連の処理で実現される演出画面(特にリセットを行ったときの演出画面)の一例について説明する。
(デモ期間中における演出画面等)
図29に示すように、デモ期間では、停止図柄(前回の可変表示における最終停止図柄、又は、電源投入後又はリセット後、可変表示が未実行の場合には初期停止図柄(ここでは、「123」。図30(D)))が背景(背景指定コマンドで指定される。)とともに15秒間表示され(図30(A))、その後、デモ画面(パチンコ遊技機1の機種説明、操作方法等を案内するムービー画面)を15秒間表示すること(図30(B))が繰り返される。なお、リセット後、可変表示が未実行の場合のデモ期間において、初期停止図柄が表示されることにより、遊技者は、停止図柄によって可変表示が未実行であるか否かを確認できる。
デモ期間中にリセットが行われると、リセット信号の供給から立ち上がりまで、演出制御部31(特にVDP)は動作できない。第1演出制御基板12の演出制御用CPU120は、第2演出制御基板30がリセット後に立ち上がると、デモ指定コマンド及び背景指定コマンドを送信する(ステップS755A〜S758参照)。演出制御部31は、立ち上がり後にデモ表示指定コマンド及び背景指定コマンドを受信することで、デモ期間を開始し(最初から開始される)、背景を表示することができる。従って、リセットから背景指定コマンド等の受信までは、画像表示装置5に何も表示されず、画像表示装置5の画面は真っ暗(黒画面)となる(図30(C))。デモ期間が開始されると(画像表示の復帰)、背景指定コマンドに基づいて背景が表示されることとなる(最終停止図柄は、リセットによるデータ消失により表示されない。)。
なお、電源投入直後やリセット直後のデモ期間(可変表示が1回も実行されないで到来するデモ期間)において、停止図柄を表示しなくてもよい。これにより、デモ期間中の画面を見ただけで、可変表示が未実行か、1回でも実行されたかが分かる。また、第1演出制御基板12側の上記所定格納領域に最終停止図柄(ここでは、最初の初期停止図柄も含む)を格納しておき(可変表示の実行のたびに更新される)、第1演出制御基板12は、デモ表示指定コマンド及び背景指定コマンドを送信するとき(ステップS757、S758)、当該所定格納領域に格納された最終停止図柄(可変表示を実行していないときに表示する飾り図柄の組み合わせ)を指定するコマンド(最終停止図柄指定コマンドを流用してもよい)を送信し、演出制御部31にて当該コマンドが指定する最終停止図柄をデモ期間中において表示しても良い。このようなことによっても、電源投入直後やリセット直後のデモ期間(可変表示が1回も実行されないで到来するデモ期間)において最終停止図柄(初期停止図柄を含む)を表示できる。なお、リセットが無い場合、デモ期間における停止図柄と背景は、従前で表示していたものを継続表示するようにしてもよい(背景指定コマンド等で背景等を確認する必要がない)。
なお、背景指定コマンドや、最終停止図柄指定コマンドなどは、リセット時にのみ送信するようにしてもよい。つまり、図21において、ステップS753のあと(非リセット時)は、ステップS757を実行する一方で、ステップS758は実行しないようにしてもよい(この場合、背景や停止図柄は第2演出制御基板30側で従前のものを引き継いで表示するとよい)。また、リセット後(つまり、ステップS756の後)では、予め設定されている初期背景を指定する背景指定コマンドを送信してもよい(最終停止図柄指定コマンドを送信するときには、予め設定されている初期停止図柄を指定する最終停止図柄指定コマンドを送信する)。なお、デモ期間中、最終停止図柄指定コマンドの代わりに、図柄停止指定コマンドを送信してもよい(この場合、図柄停止指定コマンドが「大当り」を指定しているか、「はずれ」を指定しているかで、予め定められた最終停止図柄が表示される(直前の最終停止図柄と異なることがある))。
(可変表示中の演出画面等)
図31(A)に示すように、可変表示の実行期間では、背景(背景指定コマンドで指定される。)が表示され、飾り図柄が可変表示され(可変表態様等は、可変表示対象指定コマンド及び最終停止図柄指定コマンドにより決定される)、小図柄が可変表示される(小図柄変動開始指定コマンドにより開始される)。
可変表示実行中にリセットが行われると、リセット信号の供給から立ち上がりまで、演出制御部31(特にVDP)は動作できない。第1演出制御基板12の演出制御用CPU120は、第2演出制御基板30がリセット後に立ち上がると、小図柄変動開始指定コマンドを送信する(ステップS552A〜S554参照)。演出制御部31は、小図柄変動開始指定コマンドを受信することで、小図柄の可変表示を開始できる(画面の復帰)(小図柄の可変表示は、途中で停止等せず、一様に小図柄を変動させるものなので、途中で小図柄の可変表示が開始されても違和感がない)。従って、リセットから小図柄変動開始指定コマンドの受信までは、画像表示装置5に何も表示されず、画像表示装置5の画面は真っ暗(黒画面)となる(図31(B))。演出制御部31側で小図柄変動開始指定コマンドの受信があると、小図柄の可変表示が表示される(画像表示の復帰)(図31(C))。その後、図柄停止指定コマンドを受信すると、当該コマンドが指定する可変表示結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかに応じた確定小図柄の組み合わせを可変表示結果として導出する(図31(D))。なお、飾り図柄や背景はリセットによるデータ消失により表示されない。
第1演出制御基板12から小図柄変動開始指定コマンドを送信するときに、背景指定コマンドも送信し、復帰時おいて背景も表示するようにしてもよい。また、図柄停止指定コマンドとともに最終停止図柄指定コマンドを送信し、可変表示結果導出時において、確定飾り図柄の組み合わせを導出してもよい。または、図柄停止指定コマンドに基づいて、当該コマンドが指定する「大当り」又は「はずれ」に応じた、予め定められた確定飾り図柄の組み合わせを導出してもよい(この場合、「大当り」のときは、本来非確変のはずなのに、遊技者が確変と誤認することがないよう、非確変大当りの最終停止図柄を必ず導出するようにする)。
(大当り遊技状態中の演出画面等)
図32(A)に示すように、大当り遊技状態中では、大当り遊技状態中であることを報知する大当り中演出と、右打ち報知の演出(右打ち報知の画像(「右打ちしてね!」及び右方向への矢印画像Y1)の表示等)が実行される(大当り演出開始指定コマンド、右打ち報知開始指定コマンドの受信により実行される)。
大当り遊技状態中にリセットが行われると、リセット信号の供給から立ち上がりまで、演出制御部31(特にVDP)は動作できない。第1演出制御基板12の演出制御用CPU120は、第2演出制御基板30がリセット後に立ち上がると、右打ち報知開始指定コマンドを送信する(ステップS902〜S905参照)。演出制御部31は、右打ち報知開始指定コマンドを受信することで、右打ち報知を開始できる(画面の復帰)。従って、リセットから右打ち報知開始指定コマンドの受信までは、画像表示装置5に何も表示されず、画像表示装置5の画面は真っ暗(黒画面)となる(図32(B))。演出制御部31側で右打ち報知開始指定コマンドの受信があると、右打ち報知の画像(「右打ちしてね!」及び右方向への矢印画像Y1)が表示される(画像表示の復帰)(図32(C))。その後、エンディング開始指定コマンドを受信すると、エンディングが開始される(図32(D))。なお、大当り中演出の画像や背景はリセットによるデータ消失により表示されない。
第1演出制御基板12から右打ち報知開始指定コマンドを送信するときに、背景指定コマンドも送信し、復帰時おいて背景も表示するようにしてもよい。また、最終停止図柄指定コマンドを送信し、確定飾り図柄の組み合わせを表示してもよい。
なお、第1保留表示画像5HAや第2保留表示画像5HBもリセット時にはデータ消失により表示されない。これらの表示は、保留表示画像増加指定コマンド、保留表示画像現象指定コマンドなどが送信されたときに、これらコマンドが指定する数の保留表示画像が表示されることで復帰する。なお、大当り中、弟1保留表示画像5HAや第2保留表示画像5HBは表示されないように制御されてもよい。
(本実施形態の効果1)
(1)この実施の形態では、デモ期間中に、第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPをリセットすると(上述のように、VDPは、第2演出制御基板30に比べ動作が停止しやすいことがある。)、当該VDP(第2演出制御基板30)の立ち上がり後に、第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に少なくとも背景指定コマンドが送信される(なお、上記では、ショートリセットのときのみ、当該コマンドの送信がなされるが、ロングリセットのあとに当該コマンドの送信がなされてもよい。この場合、ステップS738のあとにステップS745以降の処理を行う)。VDPは、当該コマンドの受信により、現在のパチンコ遊技機1の状態(表示すべき背景)を認識でき、背景指定コマンドが指定する背景を画像表示装置5に表示する。これにより、VDP(第2演出制御基板30)は、立ち上がり後、早急に背景を画像表示装置5に表示できる。通常、リセットが生じると、次のコマンドが供給されるまで、演出画面は表示されないことになる。特に、デモ期間中にリセットが生じると、可変表示が開始されるまで、画像表示装置5には何も表示されない状態が続いてしまう。この実施の形態では、デモ期間中にリセットが生じても、リセット前の背景を指定する背景指定コマンドが演出制御部31に供給されるため、画像表示装置5には何も表示されない状態が長時間続くことを防止できる。このように、この実施の形態では、デモ期間中にリセットが発生したときにであっても、画像(ここでは、背景)を好適に表示できる。なお、この実施の形態では、リセット時と、非リセット時で、背景を通知するコマンドを共通化しており、コマンドの節約にもなっている(リセット用の特別コマンドを用意してもよい)。
(2)また、この実施の形態では、可変表示の実行中に、第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPをリセットすると、当該VDP(第2演出制御基板30)の立ち上がり後に、第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に少なくとも小図柄開始指定コマンドが送信される(なお、上記では、ショートリセットのときのみ、当該コマンドの送信がなされるが、ロングリセットのあとに当該コマンドの送信がなされてもよい。この場合、ステップS738のあとにステップS745以降の処理を行う)。VDPは、当該コマンドの受信により、現在のパチンコ遊技機1の状態(可変表示中であること)を認識でき、小図柄の可変表示を画像表示装置5に表示する。これにより、VDP(第2演出制御基板30)は、立ち上がり後、早急に現在が可変表示中であることを示す画像(小図柄の可変表示の画像)を画像表示装置5に表示できる。通常、リセットが生じると、次のコマンドが供給されるまで、演出画面は表示されないことになるので、可変表示期間中にリセットが生じると、例えば当該可変表示が終了するまでや次の可変表示が開始されるまで、画像表示装置5には何も表示されない状態が続いてしまう。この実施の形態では、小図柄開始指定コマンド(可変表示期間中であることを示す情報でもある。)が演出制御部31に供給されるため、画像表示装置5には何も表示されない状態が長時間続くことを防止しできる。このように、この実施の形態では、可変表示中にリセットが発生したときにであっても、画像(ここでは、小図柄の可変表示)を好適に表示できる。なお、この実施の形態では、リセット時と、非リセット時で、小図柄の開始を指定するコマンドを共通化しており、コマンドの節約にもなっている(リセット用の特別コマンドを用意してもよい)。また、小図柄の可変表示は、上記のように、変動と停止しかなく(途中で、一部の小図柄が停止することもない)、いきなり可変表示結果を導出できるので、リセット後に当該小図柄の可変表示を行った方がリセット後に飾り図柄の可変表示を行ったときよりも演出の違和感が少ない。
(3)また、この実施の形態では、大当り遊技状態中に、第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPをリセットすると、当該VDP(第2演出制御基板30)の立ち上がり後に、第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に少なくとも右打ち報知開始指定コマンドが送信される(なお、上記では、ショートリセットのときのみ、当該コマンドの送信がなされるが、ロングリセットのあとに当該コマンドの送信がなされてもよい。この場合、ステップS738のあとにステップS745以降の処理を行う)。VDPは、当該コマンドの受信により、現在のパチンコ遊技機1の状態(大当り遊技状態中)を認識でき(なお、上記では、右打ち報知開始指定コマンドと、小図柄開始指定コマンドとを受信したときには、時短状態の可変表示中であると認識でき、右打ち報知開始指定コマンドのみを受信したときには、大当り遊技状態中であると認識できるが、可変表示中と大当り遊技状態中で、右打ち開始指定コマンドの内容を分けてもよい(EXTデータを異ならせるか、別コマンドとして用意する))、右打ち報知の画像を画像表示装置5に表示できる。従って、VDP(第2演出制御基板30)は、立ち上がり後、早急に現在が右打ち報知の画像を画像表示装置5に表示できる(つまり、右打ちを遊技者に知らせ、大当り遊技状態での大入賞口への入賞を遊技者が逃してしまうことを軽減できる。なお、右打ち報知の画像のみを表示し、他の画像(特に大当り中であることを報知する画像等)を表示しないことで、VDPの復旧時の画面を地味にすることができ好適なものとすることができる)。通常、リセットが生じると、次のコマンドが供給されるまで、演出画面は表示されないことになるので、大当り遊技状態中にリセットが生じると、画像表示装置5に何も表示されない状態が長時間続くおそれがある。この実施の形態では、右打ち報知開始指定コマンド(大当り遊技状態中であることを示す情報でもある。)が演出制御部31に供給されるため、画像表示装置5には何も表示されない状態が長時間続くことを防止しできる。このように、この実施の形態では、大当り遊技状態中にリセットが発生したときにであっても、画像(ここでは、右打ち報知の画像)を好適に表示できる。なお、この実施の形態では、リセット時と、非リセット時で、右打ち報知の開始を指定するコマンドを共通化しており、コマンドの節約にもなっている(リセット用の特別コマンドを用意してもよい)。
なお、大当り遊技状態中の各ラウンド遊技の開始時(大入賞口開放時)や終了時(大入賞口閉鎖時)それぞれに、これらを指定する第1演出制御コマンドを主基板11から第1演出制御基板12に伝送し、第1演出制御基板12は、これらコマンドに基づいて、大入賞口開放や閉鎖の報知を指示する第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信してもよい。そして、演出制御部31のVDPは、これらコマンドに基づいて、大入賞口の開放又は閉鎖を報知する画像を表示するようにしてもよい。このような場合、リセット後、最初の大入賞口の開放又は閉鎖により、大入賞口の開放又は閉鎖を報知する画像が表示され、遊技者に大当り遊技状態中であることを報知できる。このような場合、大入賞口の開放又は閉鎖の度に、右打ち開始指定コマンドを主基板11から送信し、右打ち報知開始指定コマンドを第1演出制御基板12から送信するようにしてもよい。このような場合、ステップS902〜S905を省略することもでき、これにより、リセット後の次の大入賞口の開放又は閉鎖から右打ち報知を開始できる。なお、ステップS902〜S905を省略しないことで、リセット後の右打ち報知の開始を少しでも早くすることができる。
(本実施形態の効果2)
この実施の形態では、演出制御部31のVDPが立ち上がったときに、立ち上がり信号を当該VDPから第1演出制御基板12に送って、立ち上がりを知らせる。画像処理系のVDPは、立ち上がりが遅い場合があるが、前記のように立ち上がりを第1演出制御基板12に知らせるので、第1演出制御基板12は、当該立ち上がりを把握でき、VDPが立ち上がる前に第1演出制御基板12が通常動作を開始してしまう(例えば、第2演出制御コマンドを送信してしまう)といった不都合を解消できる。また、演出制御部31のVDPは、第1演出制御基板12に正常動作信号を定期的に送信するので、第1演出制御基板12側で当該VDPが正常に動作しているかを監視できる。
(本実施形態の効果3)
(1)この実施の形態では、ショートリセットにより、第2演出制御基板30の演出制御部31のVDPを異常時等にリセットできる。このため、適切に異常から復帰できる。また、電源投入時に立ち上がり信号が送信されてこないときに、ロングリセットが行われるので、電源投入時にVDPが異常であっても、当該VDPをリセットできる。このため、適切に異常から復帰できる。また、VDPが高温となっているときなどは、ショートリセットを1回行っても、VDPが正常状態に復帰できないことがある。このようにショートリセットが行われてもVDPがいまだ異常のときには(リセット後、立ち上がり信号を10秒間受信できないときには)、ロングリセットが行われる。これにより、この期間中において、VDPに負担のかかる処理を行わせることを抑制でき(つまり、当該VDPを好適に動作させることができる)、効果的にVDPの異常からの復帰を促すことができる。例えば、VDPが高温になったときには、VDPが冷えるまでVDPの動作を停止させることができ、これにより、負荷が大きい処理の実行を禁止でき、VDPの冷却を促進させることができる。この実施の形態は特にVDPが高温になって熱暴走等が起こったときに有効である。なお、正常に立ち上がったあとのVDPについて正常動作信号を受信できないときにロングリセットを行ってもよいが、この実施の形態では、正常動作信号を受信できないときには、ショートリセットを1回行い、その後に立ち上がり信号を受信できないときにロングリセットが行われる。これにより、例えば、ノイズなどにより正常動作信号が正常に入力されなかったときなど、本来異常でないタイミングでロングリセットを行ってしまうことを防止でき、適切なタイミングでロングリセットを行うことができる。
(2)また、この実施の形態では、VDPをリセットするときに使用される(通常、どのようなプロセッサでも使用される)リセット信号によりロングリセットを行うことで、VDPの動作を一定期間(長期間)停止させるので、簡単な処理によりVDPの動作を停止させることができる(熱暴走等からの復帰を簡単な処理で行える。)。
(3)また、ロングリセット中は、冷却ファン40を動作させるので、VDPの冷却を促進させることができる。
(上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成など)
次に、上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成またはその変形の構成などについて説明するが、下記の構成は、適宜一部省略してもよいし、一部のみを採用してパチンコ遊技機1を構成してもよい。また、下記構成のうちの一の構成の説明は、他の構成の説明を兼用できる(重複の説明は省略する。)
(構成1)
(1)可変表示(例えば、特別図柄の可変表示)を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12)と、
前記第1制御手段からの情報(例えば、第2演出制御コマンド)に基づいて遊技に関する画像を表示手段に表示する第2制御手段(例えば、演出制御部31のVDP)と、を備え、
前記第1制御手段は、可変表示が実行されていない期間(例えば、デモ期間中)において前記第2制御手段に異常が発生して復旧したとき(例えば、リセットされたとき)に、遊技機の状態(例えば、背景)を特定可能な特定情報(例えば、背景指定コマンド)を前記第2制御手段に出力する(例えば、図21のステップS755A〜S758)、
ことを特徴とする遊技機。
上記実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を例示しているが、上記遊技機として、例えば、スロットマシンを採用してもよい。また、第1制御手段と第2制御手段とは、異なる基板や、同じ基板における異なる部分(例えば、異なるチップ)などであってもよい。例えば、演出制御用CPU120などと演出制御部31などを同じ基板に設けてもよい。また、第1制御手段を主基板11として、第2制御手段を第1演出制御基板としてもよい。
上記実施の形態では、第2制御手段としてVDPを採用しているが、第2制御手段は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。第2制御手段は、どのようなタイプのものであってもよく、プログラムを内蔵したもの、所定の記憶装置に記憶されたプログラムを実行するものなどであってもよい。また、演出の実行態様を決定する処理などを実行するため、第2制御手段の一部又は他の手段の構成として、CPU、ROM(CPUが実行するプログラムやCPUが使用するデータなどが記憶される。)、RAM(CPUのメインメモリとなる。)などの少なくとも1つを上記VDPなどとは別に用意してもよい。第2制御手段は、GCROMなどを含むVDPなどワンチップのプロセッサで構成されてもよい。
なお、演出制御部31の上記CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。これら記憶手段は、第2制御手段の一部であってもよい。
遊技に関する画像は、演出画像などであればよく、上記のような背景画像なども含む。背景画像も遊技するとき(デモ期間中に画面を見ることを含む。)に視認されることがあるので、遊技に関する画像に含まれる。
上記遊技機は、上記実施形態のように、主基板11のような制御手段を有してもよい。つまり、遊技機は、遊技の進行を制御し、遊技の進行に応じて情報を出力する遊技制御手段(例えば、主基板11)をさらに備え、第1制御手段は、遊技制御手段が出力する情報に基づく情報を第2制御手段に送信するものであってもよい。なお、前記の各情報は、コマンドの他、コマンド形式を取らない制御信号等であってもよい。上記実施形態のように、第1制御手段(第1演出制御手段ともいえる)は、遊技制御手段からの情報に基づいて演出を第2制御手段に実行させるための処理を行い、当該処理は第2制御手段(第2演出制御手段ともいえる)をリセットしているときでも継続して行うようにしてもよく(例えば、リセット関連処理と第1演出制御メイン処理とを並行して実行する)、これにより、第1制御手段は、リセットがあっても待機等せず、遊技の進行に即した処理を継続できる。
遊技機の状態は、遊技状態等であってもよい。この場合、特定情報は、遊技状態指定コマンド等になる。
第2制御手段は、上記実施の形態のように、前記の特定情報に基づいて、当該特定情報により特定される遊技機の状態に応じた画像を遊技に関する画像として表示してもよいし(これにより、第2制御手段復旧後に好適に画像を表示できる)、他の例として、前記の特定情報に基づいて、遊技機の状態を説明する音声を出力するようにしてもよいし、前記の特定情報を受信してから所定期間経過後に当該特定情報に基づく処理を行ってもよい。
第2制御手段が復旧したときとは、例えば、第2制御手段が、リセット等されたあと起動して立ち上がった後(受信したコマンド等に基づき演出実行のための動作が可能なったとき)などであればよい。
上記実施の形態では、立ち上がり信号の受信により、第1制御手段が、第2制御手段に異常が発生して復旧したときを認識し、特定情報を出力するが、第1制御手段は、第2制御手段をリセット後(第1制御手段以外の手段によりリセットしてもよい。)、所定期間経過後(例えば、予め設定された、必ず立ち上がっているであろう時間の経過後)に、特定情報を出力してもよい。つまり、上記構成(前記第1制御手段は、・・・・前記第2制御手段に異常が発生して復旧したときに、・・・特定情報を前記第2制御手段に出力する)は、第1制御手段が第2制御手段の復旧を認識する必要はない。
上記構成(前記第1制御手段は、・・・・前記第2制御手段に異常が発生して復旧したときに、・・・特定情報を前記第2制御手段に出力する)は、上記実施形態のように、第2制御手段が、異常からの復旧時(リセット時)に、実行中の演出等のデータを消失させてしまうように構成されているときに有効であるが、第2制御手段が当該データを消失させないように構成されていても、復旧時にデータ損失等が考えられるので、上記構成のように特定情報を送信するとよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。例えば、隣接する他の遊技機又は遊技機が設置される島から発生したノイズの影響により第2制御手段がフリーズやダウンしてしまってから当該第2制御手段が復旧できた場合に、復旧できた第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記第1制御手段は、
前記第2制御手段から所定信号(例えば、正常動作信号)が出力されたかを判定する判定手段(例えば、図18のステップS741〜S743)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記第2制御手段をリセット(例えば、ショートリセット)するリセット手段(例えば、図18のステップS744)と、
前記リセット手段によるリセット後に前記特定情報(例えば、背景指定コマンド)を出力する特定情報出力手段(例えば、図21のステップS755A〜S758)と、を備える、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2制御手段を適切に異常から復旧させることができ、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
前記特定情報は、前記第2制御手段が前記異常となる前の遊技に関する画像の少なくとも一部を指定するコマンド(例えば、背景指定コマンド)を含む、
ようにしてもよい。
遊技機に関する画像の少なくとも一部は、背景以外の部分であってもよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、
前記特定情報は、前記表示手段にデモ表示を指定するコマンド(例えば、デモ表示指定コマンド)と、遊技に関する画像の少なくとも一部を指定するコマンド(例えば、背景指定コマンド)と、を含む、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。特に、上記二つのコマンドにより、第2制御手段は、現在が可変表示中でないことを認識できる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段と所定の通信ができない期間が特定期間を超えたとき(例えば、立ち上がり信号を10秒間受信できないとき)に、当該第2制御手段に対して特定信号(例えば、リセット信号)を所定期間にわたって連続して出力する(例えば、ロングリセット)、
ようにしてもよい(詳細な説明は、構成4で説明する)。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
(6)なお、遊技機を以下のように構成してもよい。
可変表示(例えば、特別図柄の可変表示)を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12)と、
前記第1制御手段からの情報(例えば、第2演出制御コマンド)に基づいて遊技に関する画像を表示手段に表示する第2制御手段(例えば、演出制御部31のVDP)と、を備え、
前記第2制御手段は、可変表示が実行されていないときに異常から復旧した場合(例えば、リセット後に立ち上がったとき)に、遊技機の状態に依らない共通の遊技に関する画像を表示する(例えば、図33参照)、
を特徴とする遊技機。
例えば、第1制御手段は、非リセット時である通常時には、リセットしたことを指定する所定コマンドを出力せず、デモ表示指定コマンド(上記遊技機の状態に依らない共通の遊技に関する画像の表示を指定する情報)を出力し、リセット後には、所定コマンド及びデモ表示指定コマンドを出力し、第2制御手段は、デモ表示指定コマンドのみを受信しているときには、背景や停止図柄の表示(可変表示が未だ実行されていない場合初期の背景や停止図柄を表示し、可変表示が実行された場合には、従前の背景と停止図柄を引き継ぐ)と、デモ表示とを交互に行い、デモ表示指定コマンドの他、所定コマンドも受信しているときには(リセットがあったとき)、デモ表示を繰り返すようにしてもよい(図33参照)。これにより、上記の特定情報が不要となる場合がある。なお、リセットの有無によらず、デモ表示を繰り返すようにしてもよい(この場合、背景や停止図柄が表示されない)。これにより、リセットの有無の判断等が不要になる。
このような構成によれば、異常から復旧したあとに好適な画像を表示できる。
(構成2)
(1)可変表示(例えば、特別図柄の可変表示)を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12)と、
前記第1制御手段からの情報(例えば、第2演出制御コマンド)に基づいて遊技に関する画像を表示手段に表示する第2制御手段(例えば、演出制御部31のVDP)と、を備え、
前記第1制御手段は、可変表示中に前記第2制御手段に異常が発生して復旧したとき(例えば、リセットされたとき)に、可変表示中であることを特定可能な特定情報(例えば、小図柄変動開始指定コマンド)を前記第2制御手段に出力する(例えば、図25のステップS552A〜S554)、
ことを特徴とする遊技機。
特定情報は、可変表示中を特定可能な情報であればよく、その旨の専用コマンドを用意してもよい。また、可変表示開始時に出力される飾り図柄の可変表示用のコマンド(可変表示態様指定コマンドなど)を特定情報としてもよい(この場合、当該コマンドと、リセットした旨のコマンドとを第2制御手段に供給し、第2制御手段は、当該コマンドに基づいて小図柄の可変表示を行ったり、可変表示中であることをメッセージ等の表示や音声出力で報知してもよい)。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。例えば、隣接する他の遊技機又は遊技機が設置される島から発生したノイズの影響により第2制御手段がフリーズやダウンしてしまってから当該第2制御手段が復旧できた場合に、復旧できた第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。
(2)上記(1)の遊技機において、
遊技に関する画像の表示には、装飾識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示と、装飾識別情報よりも小さく、遊技者が常時視認可能な位置に表示される特殊識別情報(例えば、小図柄)の可変表示と、が含まれ、
前記第1制御手段は、
前記第2制御手段から所定信号(例えば、正常動作信号)が出力されたかを判定する判定手段(例えば、図18のステップS741〜S743)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて前記第2制御手段をリセット(例えば、ショートリセット)するリセット手段(例えば、図18のステップS744)と、
前記リセット手段によるリセット後に前記特定情報を出力する特定情報出力手段(例えば、図25のステップS552A〜S554)と、を備え、
前記特定情報は、特殊識別情報の可変表示を開始させるコマンド(例えば、小図柄変動開始指定コマンド)を含む、
ようにしてもよい。
例えば、表示手段の前方に進出する可動部材を設ける場合であっても、特殊識別情報を、当該可動部材によって覆われない位置に表示することで、遊技者が常時視認可能な位置に表示するとよい。
特殊識別情報の可変表示を開始させるコマンドは、上記実施の形態(小図柄変動開始指定コマンド)のように、復旧時と可変表示開始時とで共通としてもよいし、リセットの有無に応じて異なるコマンド(リセット時に、小図柄の変動を行わせることを指定する専用コマンドを用意するなど)としてもよい。復旧時と可変表示開始時とでコマンドを共通とする方が、コマンドの削減等が実現でき、好ましい。
このような構成によれば、第2制御手段を適切に異常から復旧させることができ、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。また、特殊識別情報の可変表示により、可変表示中であることを遊技者が認識できる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
遊技に関する画像の表示には、装飾識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示と、装飾識別情報よりも小さく、遊技者が常時視認可能な位置に表示される特殊識別情報(例えば、小図柄)の可変表示と、が含まれ、
前記第1制御手段は、特殊識別情報の可変表示を開始させる第1コマンド(例えば、小図柄変動開始指定コマンド)と、可変表示の表示結果が、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御される特定表示結果(例えば、「大当り」)であるか、非特定表示結果(例えば、「はずれ」)であるかを特定する第2コマンド(例えば、図柄停止指定コマンド)と、を送信し、
前記特定情報は、前記第1コマンドを少なくとも含み、
前記第2制御手段は、前記第1コマンドに基づいて特殊識別情報の可変表示を開始し(例えば、ステップS78において小図柄変動開始指定コマンド(例えば図25のステップS554で送信されるコマンド)に基づいて小図柄の可変表示を開始し(図28))、前記第2コマンドに基づいて特殊識別情報の可変表示の表示結果を導出表示する(例えば、ステップS78において図柄停止指定コマンド(例えば図25のステップS572で送信されるコマンド)に基づいて小図柄の可変表示の表示結果を送出する(図28))、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。また、特殊識別情報の可変表示により、可変表示中であることを遊技者が認識できる。なお、このような構成は、小図柄や飾り図柄の可変表示結果を第2制御手段側で決定する場合(特に、異常から復旧時にこれらのデータが消失してしまう場合)にも有効である(例えば、第1演出制御基板12は第2演出制御基板30に可変表示結果(「確変大当り」、「非確変大当り」、「はずれ」のいずれか)を指定するコマンドを送信し、第2演出制御基板30は、当該コマンドに基づいて抽選等により最終停止図柄や確定小図柄の組み合わせを決定する)。
なお、上記図柄停止指定コマンド、最終停止図柄指定コマンドに関し、これらコマンドを飾り図柄用と、小図柄用とに分けて使用してもよい。この場合、飾り図柄用の図柄停止指定コマンドは、可変表示結果を指定しなくてもよい。また、図柄停止指定コマンドの代わりに、最終停止図柄指定コマンドを用いてもよい。この場合、小図柄の可変表示結果は、最終停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄であってもよい。このように、小図柄の可変表示の表示結果(確定小図柄の組み合わせ)を最終停止図柄(確定飾り図柄の組み合わせ)と同じにしてもよい(小図柄の変動態様も、飾り図柄の可変表示と同じにしてもよい。例えば、飾り図柄でリーチが成立した場合、小図柄の可変表示時でも同期して同じリーチを成立させるなど)。また、最終停止図柄指定コマンドを、「左」の図柄を指定するコマンド、「中」の図柄を指定するコマンド、「右」の図柄を指定するコマンドの三つのコマンドとしてもよい(これにより、図柄の組み合わせを多くできる)。なお、小図柄変動開始指定コマンドで、確定小図柄の組み合わせ(停止図柄)を指定してもよい。また、可変表示態様指定コマンドで、最終停止図柄等の可変表示結果を指定してもよい。
また、確定小図柄の組み合わせを、大当りの種類(例えば、「確変大当り」と「非確変大当り」と)で異ならせてもよい(例えば、「確変大当り」なら「7」が揃った組み合わせ、「非確変大当り」なら「6」が揃った組み合わせなど)。この場合、演出制御部31は、例えば、最終停止図柄指定コマンド等により(つまり、変動開始時において)、停止図柄、つまり、確定小図柄の組み合わせを特定し(当該組み合わせをSDRAM等に保持しておく。)、図柄停止指定コマンド等の受信により、特定した確定小図柄の組み合わせを導出してもよい。この場合、リセット時には、例えば、上記確定小図柄の組み合わせが消失してしまうので、上記実施の形態と同様に、図柄停止指定コマンドに基づいて、「大当り」(「2 2 2」)か「はずれ」(「1 5 3」)かの確定小図柄の組み合わせを導出するようにしてもよい(リセットがされたか否かは、確定小図柄の組み合わせがSDRSAM等の記憶手段に格納されているかで判定すればよい。格納されていなければ、当然リセット有りとなる。)。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、
遊技に関する画像の表示には、装飾識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示と、装飾識別情報よりも小さく、遊技者が常時視認可能な位置に表示される特殊識別情報(例えば、小図柄)の可変表示と、が含まれ、
特殊識別情報の可変表示は、表示色の異なる複数種類の特殊識別情報を変動させる可変表示である(例えば、変形例参照)、
ようにしてもよい。
例えば、「1」〜「9」の数字の小図柄を変動させる場合、奇数を赤にし、偶数を黒等にして、色分けする。これにより、赤と青が交互に表示されるので、他の演出を邪魔しないように小さく表示される小図柄の可変表示であっても、小図柄が変動していることを遊技者が認識しやすい(小図柄の可変表示において色が変化して見えるため、変動を認識しやすい)。
このような構成によれば、特殊識別情報が可変表示中であることを認識しやすくすることができる。なお、表示色の異なる複数種類の特殊識別情報とは、各種類の特殊識別情報それぞれの表示色を異ならせたものの他、全ての種類のうちの複数の種類ごとに表示色を異ならせたものなども含む。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、
遊技に関する画像の表示には、装飾識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示と、装飾識別情報よりも小さく、遊技者が常時視認可能な位置に表示される特殊識別情報(例えば、小図柄)の可変表示と、が含まれ、
特殊識別情報の可変表示は、大きさの異なる複数種類の特殊識別情報を変動させる可変表示である(例えば、変形例参照)、
ようにしてもよい。
例えば、「1」〜「9」の数字の小図柄を変動させる場合、「7」(大当り時の図柄の「2」などであってもよい)等の一以上の図柄を他の図柄よりも大きくする。これにより、定期的に大きな「7」が表示されることになり、小図柄が変動していることを遊技者が認識しやすい(小図柄の可変表示において、大きさが他と異なる小図柄が一定間隔で表示されるため、変動を認識しやすい)。
このような構成によれば、特殊識別情報が可変表示中であることを認識しやすくすることができる。なお、大きさの異なる複数種類の特殊識別情報とは、各種類の特殊識別情報それぞれの大きさを異ならせたものの他、全ての種類のうちの複数の種類ごとに大きさを異ならせたものなども含む。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段と所定の通信ができない期間が特定期間を超えたとき(例えば、立ち上がり信号を10秒間受信できないとき)に、当該第2制御手段に対して特定信号(例えば、リセット信号)を所定期間にわたって連続して出力する(例えば、ロングリセット)、
を特徴とする(詳細な説明は、構成4で説明する)。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
(構成3)
(1)可変表示(例えば、特別図柄の可変表示)を実行し、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12)と、
前記第1制御手段からの情報(例えば、第2演出制御コマンド)に基づいて遊技に関する画像を表示手段に表示する第2制御手段(例えば、演出制御部31のVDP)と、を備え、
前記第1制御手段は、有利状態中に前記第2制御手段に異常が発生して復旧したとき(例えば、リセットされたとき)に、有利状態中であることを特定可能な特定情報(例えば、右打ち報知開始指定コマンド)を前記第2制御手段に出力する(例えば、図26のステップS902〜S905)、
ことを特徴とする遊技機。
特定情報は、有利状態中を特定可能な情報であればよく、その旨の専用コマンドを用意してもよい。また、大当り時に出力されるコマンド(大当り中演出開始指定コマンドなど)を特定情報としてもよい(この場合、当該コマンドと、リセットした旨のコマンドとを第2制御手段に供給し、第2制御手段は、当該コマンドに基づいて大当り中であることを報知してもよい)。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。例えば、隣接する他の遊技機又は遊技機が設置される島から発生したノイズの影響により第2制御手段がフリーズやダウンしてしまってから当該第2制御手段が復旧できた場合に、復旧できた第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記遊技機は、有利状態中に通常状態とは異なる特別操作(例えば、右打ち)が行われ、
前記特定情報は、遊技に関する画像として前記特別操作を行う旨の画像(例えば、右打ち報知の演出画像)を表示させる特定コマンド(例えば、右打ち報知開始指定コマンド)を有する、
ようにしてもよい。
特別操作は、右打ち以外であってもよい。遊技機の構成に応じた特別な操作(例えば、遊技盤の所定領域を狙うなど)であればよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が復旧したときに遊技機の状態を認識できる。また、特別操作を遊技者に促すことができる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
遊技に関する画像の表示には、装飾識別情報(例えば、装飾図柄)の可変表示と、装飾識別情報よりも小さく、遊技者が常時視認可能な位置に表示される特殊識別情報(例えば、小図柄)の可変表示と、が含まれ、
前記遊技機は、有利状態(例えば、大当り遊技状態)中と当該有利状態後の特別状態(例えば、時短状態)中とにおいて、通常状態(例えば、非時短状態)とは異なる特別操作が行われ、
前記第1制御手段は、
特殊識別情報の可変表示を開始させる第1コマンド(例えば、小図柄変動開始指定コマンド)と、遊技に関する画像として前記特別操作を行う旨の画像を表示させる第2コマンド(例えば、右打ち報知開始指定コマンド)と、を送信可能であり、
有利状態中に前記第2制御手段が異常から復旧したときには、前記第1コマンドと前記第2コマンドとのうちの前記第2コマンドのみを出力し(例えば、ステップS174)、
特別状態中に前記第2制御手段が異常から復旧したときには、前記第1コマンドと前記第2コマンドとを出力する(例えば、図25のステップS554、S556)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。また、特別操作を遊技者に促すことができる。また、それぞれの状態において、好適なコマンド(上記特定情報の一部として捉えてもよい)を送信できる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、
前記遊技機は、有利状態中に通常状態とは異なる特別操作(例えば、右打ち)が行われ、
前記特定情報は、遊技に関する画像として前記特別操作を行う旨の画像を表示させる特定コマンド(例えば、右打ち報知開始指定コマンド)を含み、
前記第2制御手段は、前記特定コマンドに基づいて、前記表示手段の一部に、前記特別操作を行う旨を示す画像を表示する(例えば、図32)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常から復旧した第2制御手段が遊技機の状態を認識できる。また、特別操作を遊技者に促すことができる。なお、前記表示手段全体に、前記特別操作を行う旨を示す画像を表示してもよい
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段と所定の通信ができない期間が特定期間を超えたとき(例えば、立ち上がり信号を10秒間受信できないとき)に、当該第2制御手段に対して特定信号(例えば、リセット信号)を所定期間にわたって連続して出力する(例えば、ロングリセット)、
ようにしてもよい(詳細は構成3で説明する。)。
このような構成によれば、可変表示中であることを認識しやすくすることができる。
(6)上記(2)〜(4)のいずれかの遊技機は、
遊技媒体が流下可能な経路として、少なくとも第1経路(例えば、経路L1)と第2経路(例えば、経路L2)とがあり、
通常状態においては遊技媒体(例えば、遊技球)を前記第1経路で流下させる方が有利であり(例えば、第1始動入賞口に遊技球を進入させることができる)、
有利状態(例えば、大当り遊技状態)においては遊技媒体を前記第2経路で流下させる方が有利であり(例えば、大入賞口に遊技球を進入させることができる)、
前記特別操作は、遊技媒体を前記第2経路で流下させるための操作である(例えば、右打ち)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(構成4)
(1)遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12など)と、
前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段(例えば、演出制御部31のVDPなど)と、を備え、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段と所定の通信ができない期間(例えば、立ち上がり信号を受信できない期間など)が特定期間(例えば、10秒間など)を超えたときに、当該第2制御手段に対して特定信号(例えば、リセット信号など)を所定期間(例えば、60秒間など)にわたって連続して供給する(例えば、ロングリセットなど)、
ことを特徴とする遊技機。
前記所定の通信は、上記実施形態のような、一方から他方への信号(情報)の送信の他、双方向の通信(信号の送受信など)であってもよい。例えば、第1制御手段が、所定信号の送信を要求する要求信号を第2制御手段に供給し、第2制御手段が、当該要求信号に応答して第1制御手段に前記所定信号(正常に動作しているときに出力される信号など)を送信し、これら信号の送受信を所定の通信としてもよい(所定の通信ができないとは、前記所定信号が送信させてこないときなどである)。
上記所定の通信は、上記実施形態では立ち上がり信号の受信であるが、正常動作信号の受信であってもよい。つまり、正常動作信号が受信できないときに、ロングリセットを実行してもよい。また、立ち上がり信号を省略して、正常動作信号のみで、第2制御手段(演出制御部31のVDP)の動作確認を行ってもよく(例えば、第2制御手段の立ち上がりが早い場合に有効である)、この場合、正常動作信号の受信が複数できない場合(ある期間、正常動作信号が受信できないことが所定回数(複数回)発生した場合、ショートリセットを所定回数(複数回)実行した場合など)に、ロングリセットを実行してもよい。正常動作信号の受信が複数できない場合に、ロングリセットを実行することで、ノイズなどを原因として誤ってロングリセットを実行してしまう可能性を低くすることができる。
前記所定の通信は、例えば、第2制御手段が正常に動作しているときに行うことが可能であり、動作できないときに行うことができないものであればよい。前記特定期間も任意の期間であればよい。
なお、特定信号としては、上記リセット信号の他、他の信号であってもよい。特定信号は、連続的に供給することで第2制御手段の動作を停止させることができる信号などであるとよい。なお、特定信号は、ローアクティブではなく、Highアクティブの信号でもよい。なお、DSPのリセット端子を例えば60秒間Lowにすること(例えば、タイマなどにより60秒を計測し、60秒の間リセット端子の電圧レベルをLowに保つなど)により、特定信号を所定期間にわたって連続して供給することを実現してもよい。特定信号を所定期間にわたって連続して供給するとは、特定信号を、間隔を開けずに複数回連続して供給する場合(図8のロングリセット参照)、リセット端子をLowレベルに保つことを所定期間行うことで結果的に所定の時間幅の特定信号を間隔を開けずに連続して供給することに場合、特定信号を間隔を開けて複数回連続して供給する場合(後述の図36などを参照)を含む。
前記特定信号は、他の場面において第2制御手段の動作を停止(リセットによって動作しない場合など、再起動時時に動作をしない停止状態を含む)させたり、第2制御手段を特定の動作をさせたりするものであり、上記のような所定の場合に、上記のように連続的に供給することで、第2制御手段の動作を一定期間停止させたり、第2制御手段を特定の動作を一定期間にわたって繰り返し行わせたりするものであるとよい。特定信号を所定期間にわたって連続して供給することで、第2制御手段に、そのときにおいて求められる好適な動作を行わせることができる。
上記構成によれば、第2制御手段を好適に動作させること(熱暴走などから好適に復帰させることができるなど)ができる。
(2)前記第1制御手段は、前記第2制御手段に対して前記特定信号を所定間隔で複数回供給する(例えば、1ms又はそれ以下の時間幅のリセット信号を1ms間隔で複数回供給するなど)。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。なお、このような構成は、図8のようなロングリセットの他、図36に示すように、リセット信号を間欠的に繰り返し送信するリセットによって実現してもよい(VDPなどの動作を停止させることが継続される間隔又はVDPなどが所定処理(負担の少ない処理など)のみを行ってその後にリセットする間隔などで繰り返し送信するとよい)。
(3)前記第2制御手段が熱暴走したときに、前記所定の通信を行うことができない期間が前記特定期間を超える。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
(4)前記特定信号は、リセット信号である。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
前記所定期間において、前記第2制御手段を冷却する冷却手段(例えば、冷却ファン40など)をさらに備える。
(5)このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。特に、第2制御手段を好適に冷却することができる。なお、冷却手段は、水などの冷媒により冷やすものであってもよい。また、冷却ファン40などは、ロングリセットの期間(上記所定期間)以外の期間でも動作してもよい。例えば、パチンコ遊技機1が動作中ずっと冷却ファン40が動作してもよい。
(6)前記第2制御手段を冷却する冷却手段(例えば、冷却ファン40など)をさらに備え、
前記冷却手段は、前記所定期間以外の期間よりも前記所定期間の方が、前記第2制御手段を強く冷却する(例えば、図35など)ようにしてもよい。
例えば、第1演出制御手段(演出制御用CPU120)が、冷却ファンの送風の強さ(回転速度など)を複数段階(「強」、「弱」など)に調整可能とし、上記所定の期間のときには、冷却ファンの送風の強さを最大にするようにしてもよい(図35など)。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
(7)可変表示を実行する可変表示手段(例えば、画像表示装置5など)と、
少なくとも可変表示の実行中に、遊技者による調整動作(例えば、音量調整など)に応じて演出設定を調整可能な調整手段(例えば、第2演出制御基板30又は第1演出制御基板12など)と、
前記調整手段による調整に対応する調整画像(例えば、音量画像VLなそ)を所定期間表示する調整画像表示手段(例えば、第2演出制御基板30など)と、を備え、
前記調整画像表示手段は、前記所定期間のうち、可変表示において可変表示結果が導出表示される期間で前記調整画像を視認不可又は視認困難とする(例えば、図37など)、
ようにしてもよい。
このように、演出設定を遊技者が調整できるようにしてもよい。演出設定としては、例えば、演出音の音量、表示画面の輝度などがある。例えば、遊技者の動作を検出する検出部(操作ボタン、赤外線センサ、動作を検知するためのカメラなど)を設け、検出した動作に基づいて演出の設定を調整するようにする。例えば、検出部が検出した動作を示す信号を第2演出制御基板30に送信し、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)は、送信されてきた当該信号により特定される動作に応じて演出設定を変更(調整)する。第2演出制御基板30は、現在の演出設定(変更があったときには、変更後の演出設定)で演出を実行する。
第2演出制御基板30は、演出設定の変更があったときに、当該変更後の演出設定を画像表示装置5の画面に所定期間表示するようにしてもよい。例えば、可変表示の実行中に演出設定の変更を受け付け可能としてもよく、この場合には、可変表示の実行中に変更後の演出設定に対応した演出設定画像を所定期間表示する。但し、当該所定期間内に可変表示結果が導出表示されたときには、当該演出設定画像を視認不可又は視認困難にする。これによって、可変表示結果の視認性を確保することができる。
具体的には、音量変更(輝度変更でもよい)の操作があったときに、演出制御部31は、画像表示装置5の画面上に変更後の音量に対応した音量画像VL(変更後の音量を示す音量画像VL)(輝度変更のときには、変更度の輝度を示す画像となる。)を表示し、所定期間経過後に消去する(図37(A)〜(C))。但し、所定期間内に、飾り図柄の可変表示の可変表示結果が導出されるときには、表示している音量画像VLを可変表示結果の導出の際(第2演出制御コマンドとして図柄停止指定コマンドを受信したときなど)に消去する(図37(D)〜(E))。なお、音量画像VLを半透過表示や縮小表示にして視認困難としてもよい。これによって、可変表示結果の視認性を確保することができる。特に、音量画像VLが可変表示結果に重畳する位置に表示されるときにおいて音量画像VLを表示したままだと、停止した飾り図柄の上に音量画像VLが位置して、停止した飾り図柄(可変表示結果)の視認性が損なわれる。しかし、音量画像VLを非表示としたり、半透過としたり縮小表示したりすることで、当該視認性を確保できる。
なお、リセット後の、飾り図柄の可変表示を表示せずに、小図柄の可変表示を表示しているとき(図31(C)の状態。例えば、演出制御部31のVDPは、可変表示態様指定コマンド等を受信せずに小図柄変動開始指定コマンドを受信したときに、現在が当該状態であると判定できる)に、音量変更(輝度変更でもよい)の操作があったときには、当該操作を受け付けなくてもよいし、当該操作を受け付けて音量等を変更するが音量画像VLを表示しないようにしてもよいし、これらの禁則をかけずに通常通り音量等を変更し、音量画像VLを表示してもよい。前記の禁則をかけた方が、第2演出制御基板30の動作が安定する可能性が高くなる一方、禁則をかけない方が、遊技者の好みに応えられる。なお、飾り図柄の可変表示を表示せずに、小図柄の可変表示を表示しているときであって、音量画像VLの表示中に可変表示結果の導出タイミングが到来した場合には、上記「音量画像VLを可変表示結果の導出の際に消去する」処理を行わなくてもよい(つまり、このときには、音量画像VLが表示され続けてもよい)。これにより、音量画像VLの表示時間を確保できる。
例えば、検出部が検出した動作を示す信号を第1演出制御基板12に送信し、第2演出制御基板12は、送信されてきた当該信号により特定される動作に応じて演出設定を変更(調整)するコマンドを第2演出制御基板30に送信し、第2演出制御基板30(演出制御部31のVDP)は、送信されたコマンドに基づいて演出設定を変更し、現在の演出設定(変更があったときには、変更後の演出設定)で演出を実行する。また、第1演出制御基板12は、音量画像VLの表示開始及び表示終了を指示するコマンドを第2演出制御基板30に送信することで音量画像VLの表示を制御する(例えば、図柄確定指定コマンドの受信により音量画像VLの表示終了を指示するコマンドを送信することなどにより、図37(D)〜(E)を実現する)。
上記同様、リセット後の、飾り図柄の可変表示を表示せずに、小図柄の可変表示を表示しているとき(図31(C)の状態。第1演出制御基板12がリセット等を行うので、第1演出制御基板12は、適宜この状態を把握できる)に、音量変更(輝度変更でもよい)の操作があったときには、第1演出制御基板12は、当該操作を受け付けなくてもよいし、当該操作を受け付けて音量等を変更するが音量画像VLを表示しないようにしてもよいし(例えば、演出設定を変更(調整)するコマンドを送信するが、音量画像VLの表示開始を指示するコマンドを送信しないなど)、これらの禁則をかけずに通常通り音量等を変更し、音量画像VLを表示するようにコマンドを出力してもよい。前記の禁則をかけた方が、第2演出制御基板30の動作が安定する可能性が高くなる一方、禁則をかけない方が、遊技者の好みに応えられる。なお、飾り図柄の可変表示を表示せずに、小図柄の可変表示を表示しているときであって、音量画像VLの表示中に可変表示結果の導出タイミングが到来した場合には、音量画像VLの表示終了を指示するコマンドを送信せず、音量画像VLを表示させ続けてもよい。これにより、音量画像VLの表示時間を確保できる。
なお、擬似連等により仮停止態様になるときに、音量画像VLなどを本来の表示期間中であっても、消去するようにしてもよい。
このような構成によれば、可変表示結果の認識性の低下を低減できる。
(8)なお、変形例として、
前記第1制御手段は、コマンド(例えば、第1演出制御コマンドなど)を送信し、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段が送信したコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた制御を行い、
前記第1制御手段は、送信対象のコマンドに当該送信対象のコマンドの整合性を確認するための所定情報(例えば、チェックサムなど)を付随させて送信可能であり、
前記第2制御手段は、前記所定情報に基づいて、当該所定情報が付随するコマンドの整合性を判定可能であり、
前記第1制御手段は、送信可能な複数種類のコマンドのうちの一部の特定コマンド(例えば、遊技状態指定コマンドなど)にのみ、前記所定情報を付随させて送信する、
ようにしてもよい。
この構成によれば、例えば全てのコマンドについて所定情報を付加するときよりも第1制御手段や第2制御手段の処理負担を軽減できる。
なお、第1演出制御基板12は、第2演出制御基板30に第1演出制御コマンドをそのまま第2演出制御コマンドとして出力するようにしてもよい(例えば、客待ちデモ指定コマンド、右打ち開始指定コマンドなど)。この場合、第1演出制御コマンドをヘッダとし、第2演出制御基板30で管理するデータをフッタとして第2演出制御コマンドを生成して出力してもよい(図34)。また、表示する背景を、遊技状態(遊技状態指定コマンド)と、背景種別(第2演出制御基板30が抽選で決定)とに基づき、第2演出制御基板30が抽選で決定してもよい。この場合には、図35のように、遊技状態指定コマンドをヘッダとし、背景種別をフッタとした第2演出制御コマンドを出力するとよい。なお、第2演出制御基板30は、遊技状態のみで背景を決定してもよく、この場合にはフッタは不要である。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
冷却ファン40を設けず、又は、ロングリセット中でも冷却ファンを動作させず、VDPを自然に冷却するようにしてもよい。
(変形例2)
リセット信号の時間幅は適宜のものを採用できる。また、パチンコ遊技機1に電源を投入した直後にリセット信号(ショートリセット)を供給して演出制御部31のVDPを最初にリセットしてもよい。なお、ロングリセット中、第1演出制御基板12は、当該ロングリセットの処理と並行して適宜必要な処理を実行してもよい。
(変形例3)
演出の実行の有無の決定等は、第2演出制御基板30が抽選により行ってもよい。この場合、第1演出制御基板12は、主基板11からの第1演出制御コマンドの内容を第2演出制御基板30に通知(例えば、第2演出制御コマンドにより行う。第1演出制御コマンドをそのまま第2演出制御コマンドとして送信してもよい。)するとよい。
(変形例4)
画像表示装置5の画像の制御は、第2演出制御基板30が行い、スピーカ8L、8R及び/又は遊技効果ランプ9の制御は、第1演出制御基板12が行ってもよい。
(変形例5)
特図保留記憶数加算指定コマンドと、特図保留記憶数減算指定コマンドとの代わりに、特図保留記憶数を指定するコマンドを用意してもよい。この場合には、当該コマンドに基づいて、第1演出制御基板12側で、保留記憶数の増減をカウンタ等により管理するとよい。
(変形例6)
上記実施の形態では、右打ち報知のコマンドを主基板11が出力しているが、当該コマンドを無くし、右打ち報知の有無の判定を第1演出制御基板12側で行ってもよい。例えば、高ベースフラグの状態や、大当り中演出の実行中であるか等により、右打ち報知開始指定コマンドや右打ち報知終了指定コマンドの送信の有無を決定してもよい。
(変形例7)
なお、ステップS713やS720でのショートリセット処理を所定期間内に所定回数(2回以上の任意の回数)実行したとき、第2制御手段が異常である旨の報知を行ってもよい。例えば、第1演出制御基板12では、ステップS720の処理をステップS717の処理を挟まず所定回数(2回以上の任意の回数)だけ実行した場合に、第2演出制御基板30が異常である旨の報知(スピーカ8L、8Rからの音声出力及び/又は遊技効果ランプ9の点灯態様などによる報知)を行ってもよい。例えば、ステップS720を実行するごとにカウントするカウンタであって、ステップS717を実行するとカウント値がリセットされる所定のカウンタを設け、当該カウンタが所定値に達したときに報知を行う。また、第1演出制御基板12では、ショートリセット処理を実行すると、所定のタイマを用いて当該ショートリセット処理の実行タイミングからの経過時間を計測するとともに、計測する経過時間が所定期間に達するまでのその後のショートリセット処理の実行回数をカウントし、当該実行回数が予め定められた所定回数に達したときに、第2演出制御基板30が異常である旨の報知(スピーカ8L、8Rからの音声出力(例えば、警報音の出力)及び/又は遊技効果ランプ9の点灯態様(点滅など)などによる報知)を行ってもよい(このとき、各ショートリセット処理の実行ごとに、前記経過時間の計測を個別に始めて、それぞれの経過時間についてショートリセット処理の実行回数をカウントするようにしてもよい)。
上記の構成の他、第1演出制御基板12は、例えば、第2演出制御基板30の異常を所定期間内に所定回数検知したときに(コマンド受信信号の受信がない、正常動作信号の受信がないなど)、異常の報知(音声出力などによる報知)を行うようにすればよい。また、パチンコ遊技機1の電源投入後、異常の検知が所定回数に達したときに異常の報知を行うようにしてもよい。
また、各ショートリセット処理における異常の報知態様と、ショートリセット処理の回数が所定回数に達したときの報知態様とを異なるようにしてもよい。さらに、各ショートリセット処理における異常の報知を行わず、ショートリセット処理の回数が所定回数に達したときにのみ異常の報知を行うようにしてもよい。
(変形例8)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。