(本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Ha、5Hbも配置されている(図1参照)。表示エリア5Haには、実行が保留されている第1特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が右詰めで表示される。表示エリア5Hbには、実行が保留されている第2特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。
なお、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して、総称して保留表示画像ということがある。
保留されている第1特図ゲームが実行(消化)されたときには、表示エリア5Haに表示されている第1保留表示画像が右にシフトし、最も右の第1保留表示画像(消化される第1特図ゲームに対応した画像)は、消去される。保留されている第2特図ゲームが実行(消化)されたときには、表示エリア5Hbに表示されている第2保留表示画像が左側にシフトし、最も左の第2保留表示画像(消化される第2特図ゲームに対応した画像)は、消去される。
また、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームの実行が開始又は保留され得る。)。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームの実行が開始又は保留され得る。)。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等の音声を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、第1演出制御基板12、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15、第2演出制御基板30などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(第1演出制御基板12に向けて第1演出制御コマンド(図4など。詳しくは後述する)を送信する機能を含む。)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを備える。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターン(図17など。詳しくは後述)、各種テーブルなどを示すデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えばスイッチ回路110から供給される後述の検出信号などが入力される入力ポートと、CPU103による処理により各種信号(第1演出制御コマンドや、後述のソレノイド駆動信号や、各種表示装置4A、4B、20ないし保留表示器25A〜25Cを駆動する信号など)を遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部に出力する出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される第1演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30は、ともに演出の実行や制御を行うものであるが、互いに独立しており、かつ、主基板11とは独立したサブ側の制御基板である。第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、中継基板15を介して主基板11から第1演出制御基板12に伝送される第1演出制御コマンドに基づいて協働して演出を実行する機能を有する。なお、後述のように、この実施の形態では、第2演出制御基板30(特に、後述の表示制御部31)が演出制御を統括している。スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9の制御は、第2演出制御基板30からのコマンドに基づいて第1演出制御基板30が行う。画像表示装置5での演出画面の表示は、第2演出制御基板30により制御される。
第1演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、I/O125とが搭載されている。演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、I/O125とは、1チップのマイクロコンピュータとして構成されてもよい。
一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、第1演出制御基板12の上記機能などを実現する処理を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(例えば、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9を制御するためのパターンデータなど)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
I/O125は、例えば、各種信号(第1演出制御コマンド、第2演出制御基板30からの各種信号(図6参照。詳しくは後述)など)が入力される入力ポートと、演出制御用CPU120による処理により各種信号(第2演出制御コマンド(図5参照。詳しくは後述する)、後述の電飾信号、後述の音声信号、後述の冷却ファン駆動信号、リセット信号(図8など参照。詳しくは後述)など)を第1演出制御基板12の外部に出力する出力ポートと、を含んで構成される。
第2演出制御基板30には、表示制御部31が搭載されている。表示制御部31は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などから構成される。
表示制御部31(ここでは、VDP)は、第2演出制御基板30の上記機能などを実現する処理を行う。なお、この実施の形態では、表示制御部31が、各種演出の実行態様(各種演出の実行の有無などを含む)を決定する処理(例えば、第2演出制御コマンドに基づいて処理を行う。)や、決定した実行態様で演出を実行する処理(演出用の電気部品(画像表示装置5)による演出動作を制御する処理、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9の制御のためのコマンドを第1演出制御基板12に送信する処理などを含む。)を行う。
画像表示装置5による演出動作を制御する場合、表示制御部31(ここでは、VDP)は、CGROMに記憶された画像データに基づいて、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を生成して画像表示装置5に出力し、画像表示装置5に演出画像を表示させる。演出画像は、例えば、複数のレイヤー構造を有するようにしてもよく(例えば、第1のレイヤーで背景画像を表示し、第2のレイヤーで保留記憶表示を表示し、第3のレイヤーで飾り図柄の可変表示を表示し、第4のレイヤーでリーチ演出の画像を表示するなど)、この場合には、各レイヤーについて画像データを用意し、演出画像表示時に、各レイヤーについての画像データに基づいて映像信号(各画像データの画像を組み合わせたものを表す映像信号)を生成して出力するようにしてもよい。
表示制御部31が備えるCGROMには、演出画像の映像信号を生成するための画像データの他、演出の実行態様の決定や演出動作の制御などのために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターン(詳しくは、後述する。)を構成するパターンデータなどが記憶されている。なお、テーブルデータやパターンデータなどの画像データ以外のデータは、CGROM以外の記憶部(表示制御部31の一部として設けられる。)に記憶させるようにしてもよい。また、VRAMは、通常画像データが展開されるためのものであるが、画像データ以外のデータを一時記憶するメインメモリとして使用されてもよい。または、画像データ以外のデータを一時記憶するメインメモリ(RAMなど)をVRAMとは別に表示制御部31の一部として用意してもよい。
演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成され、前記パターンデータを組み合わせて構成され、後述の使用パターンとして設定される。また、そのまま演出制御パターンとなるパターンデータも記憶されており、当該パターンデータがそのまま使用パターンとなる演出制御パターンとして設定されることもある。なお、音声制御データ、点灯制御データは、例えば、第1演出制御基板12に送信するコマンド(後述の音声コマンドやランプコマンド、図6参照)を指定するデータなどであればよい。表示制御データは、表示する画像の画像データを指定するデータなどである(表示制御部31は、当該表示制御データが指定する画像データを用いて映像信号を生成して出力する。)。
また、表示制御部31は、例えば乱数回路などをさらに備え、当該乱数回路により、演出動作を制御するため(演出の実行態様を決定する処理のためなど)に用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、主基板11で使用される遊技用乱数と同様に、乱数回路などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、VDPが所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。
表示制御部31は、処理の進行に応じて第1演出制御基板12と信号(第2演出制御コマンド、リセット信号、図6の各種信号など)をやりとりするためや、後述の映像信号を画像表示装置5に出力するためのI/Oなども備える。なお、リセット信号は、後述のように、第1演出制御基板12から表示制御部31のVDPに入力されるので、I/Oなどを経由せず、第1演出制御基板12から直接当該VDPに入力されてもよい。
表示制御部31の少なくとも一部は、1チップのプロセッサとして構成されてもよい。例えば、CGROM、VRAMのうちの少なくともいずれかなどを含むVDPにより、表示制御部31を形成してもよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの音声信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
画像表示装置5は、液晶パネル、ELパネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部123から画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像などが表示されることになる。
パチンコ遊技機1には、さらに冷却ファン40が搭載されている。冷却FAN40は、表示制御部31(特に、VDP)など、第2演出制御基板30のうちの発熱する部分に対して送風を行う。冷却FAN40は、必要に応じて第1演出制御基板12(I/O125)から出力される冷却ファン駆動信号が供給されることで動作し、対象部分を送風によって冷却する。
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(現在他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。第1特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「2」、「4」、「5」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数(カウントスイッチ23により入賞が検出された遊技球の個数)が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。これにより、大当り遊技状態は、多くの賞球が払い出される。
「大当り」には、「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、「確変B」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変A」のときには「2」、「非確変B」のときには「4」、「確変A」のときには「5」、「確変B」のときには「7」の大当り図柄が導出される。なお、この実施の形態では、大当り種別に応じて、大当り遊技状態の態様(ラウンド遊技の回数や上記所定期間等)は変わらないが、大当り種別に応じて当該態様を変えてもよい。
なお、大当り種別が「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、「確変B」のときの「大当り」を、それぞれ、「非確変A大当り」、「非確変B大当り」、「確変A大当り」、「確変B大当り」ということがある。また、「非確変A大当り」、「非確変B大当り」、「確変A大当り」、「確変B大当り」に基づく大当り遊技状態を、それぞれ、「非確変A大当り遊技状態」、「非確変B大当り遊技状態」、「確変A大当り遊技状態」、「確変B大当り遊技状態」ということがある。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続する。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、50回又は100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続する。なお、時短終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を時短残回数ということがある。
この実施の形態では、非確変A大当り遊技状態や非確変B大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。確変A大当り遊技状態や確変B大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。なお、非確変A大当り遊技状態や確変A大当り遊技状態のあとの時短状態における時短残回数の初期値は、50回であり、非確変B大当り遊技状態や確変B大当り遊技状態のあとの時短状態における時短残回数の初期値は、100回である。なお、時短状態や確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態であるともいえる。
なお、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるときには、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)が用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
また、後で詳述するが、この実施の形態では、始動入賞時における判定(保留された特図ゲームや飾り図柄の可変表示に関する判定であり、以下、先読み判定ともいう。)に基づいて所謂先読み予告が実行される。先読み予告は、先読み判定の対象となった特図ゲーム(以下、ターゲットともいう。)の大当り期待度を予告するものである。この実施の形態では、先読み予告として、先読みチャンス目予告(単に先読みチャンス目ともいう。)と、第1保留変化演出と、第2保留変化演出とが用意されている。
先読みチャンス目予告は、ターゲット前に実行される飾り図柄の可変表示(複数の可変表示が実行される場合には、複数の可変表示それぞれ)の可変表示結果として、予め定められたチャンス目(可変表示においてリーチが成立しない非リーチのときの非リーチチャンス目又は可変表示においてリーチが成立するときのリーチチャンス目)を導出表示する演出である(図35参照)。
第1保留変化演出は、ターゲット前に実行される飾り図柄の可変表示において特殊図柄を含む所定の組合せの飾り図柄(最終的には、最終停止図柄として停止表示される。)を仮停止したあとに、当該ターゲットの特図ゲームに対応する保留表示画像の表示態様(ここでは、表示色であり、通常は白色)を変化させる演出である(図36参照)。
なお、仮停止とは、仮停止表示ともいい、例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態をいう(つまり、1回の可変表示が終了していない状態)。このような表示状態は、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。一方で、可変表示結果を停止表示(導出表示)するとは、飾り図柄などの識別情報を完全停止又は最終停止させて可変表示を終了させることをいう。
第2保留変化演出は、前記特殊図柄の表示を行わず、ターゲットの特図ゲームに対応する保留表示画像の表示態様(ここでは、表示色)を変化させる演出である。
なお、飾り図柄の可変表示中には、上記演出以外にも各種演出が行われる。なお、飾り図柄の可変表示も演出の一種である。
特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「4」〜「7」のいずれか)が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。なお、大当り種別に応じて、停止表示される飾り図柄が異なってもよい(例えば、「確変A」のときは「5」、「確変B」のときは「7」で、「非確変A」のときは「4」、「非確変Bのときは「6」など)。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態に対応した演出が行われる。
特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示結果として、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示結果として、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
(第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30の動作などの説明)
図3に示すように、主基板11は、遊技の進行に応じて第1演出制御コマンドを第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御コマンドは、例えば、図4に示すようなコマンドであり(詳しくは後述する)、遊技の進行状況などを指定ないし通知するコマンドである。第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、主基板11から送信される第1演出制御コマンドに基づいて遊技の進行に合わせた演出を実行する。このようなことによって、主基板11によって制御される遊技の進行と、第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30によって実行される各種演出との同期が取られることになる。
ここで、第1演出制御コマンドを説明する。図4に主な第1演出制御コマンドを示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。なお、第1演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。第1演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目(上位ビット)はMODE(コマンドの種類(分類))を示し、2バイト目(下位ビット)はEXT(コマンドの詳細な内容など)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。つまり、上位と下位のビットで、取り得る値が異なるようになっている。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特図の可変表示を開始するのか第2特図の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。当該コマンドは特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示(特図ゲーム)や飾り図柄の可変表示の変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、各変動パターン(図15参照。詳しくは後述する。)に対応する数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「00」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変A大当り」なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに表示結果を導出表示することを指定するものである。当該コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンド95XX(H)は、現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。当該コマンド中の「XX」には、遊技状態に対応する数値が設定される(例えば、通常状態なら「00」、高確高ベース状態なら「01」など)。遊技状態指定コマンドは、遊技状態が変更され得るタイミング(大当り終了時、可変表示結果導出時など)、特図ゲーム開始時などに送信される。なお、遊技状態に応じて画像表示装置5に表示される演出画面の背景を変えてもよく、この場合には、遊技状態指定コマンドは、背景を指定する背景指定コマンドであってもよい。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される演出であり、大当り遊技状態になったことを報知する演出などである。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA3XX(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される演出であり、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。当該コマンド中の「XX」には、大当り種別に応じた時短回数(時短残回数の初期値)を特定するための値が設定される(例えば、「非確変A」又は「確変A」のとき(時短回数=50回)は「00」が設定され、「非確変B」又は「確変B」のとき(時短回数=100回)は「01」が設定されるなど)。なお、当該「XX」は、時短回数の数値であってもよい。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する第2始動入賞指定コマンドである。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞が発生して第1特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第1特図保留記憶数加算指定コマンドである。コマンドC100(H)は、第2始動入賞が発生して第2特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第2特図保留記憶数加算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数加算指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC200(H)は、第1特図ゲームが実行されることで第1特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第1特図保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2特図ゲームが実行されることで第2特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第2特図保留記憶数減算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数減算指定コマンドは、特図ゲーム開始時に送信される。
コマンドC4XX(H)は、第1始動入賞の発生時の先読み判定(詳しくは後述)の判定結果や先読み判定が無いこと(判定無し)を指定(通知)する第1入賞時判定結果指定コマンドである。コマンドC5XX(H)は、第2始動入賞の発生時の先読み判定(詳しくは後述)の判定結果や先読み判定が無いこと(判定無し)を指定(通知)する第2入賞時判定結果指定コマンドである。これらコマンドを入賞時判定結果指定コマンドと総称することがある。なお、当該先読み判定は、後述のステップS211の入賞時乱数値判定処理にて行われる判定である。先読み判定の判定結果など(入賞時判定結果ともいう。)が、入賞時判定結果指定コマンド中の「XX」に設定される(詳しくは後述する。)。当該コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。入賞時判定結果指定コマンドの内容に応じて、第2演出制御基板30側で先読み予告の実行の有無等が決定される(詳しくは後述)。
コマンドC600(H)は、デモ画面の表示を指定する客待ちデモ指定コマンドである。このコマンドは、特図ゲームを実行しないときに送信される。
第1演出制御基板12は、上記第1演出制御コマンドを受信すると、受信した当該第1演出制御コマンドに基づいて第2演出制御コマンドを生成し、生成した第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信する(図3参照)。
ここで、第2演出制御コマンドは、図5に示すように、ヘッダとフッタとを有する。ヘッダには、第1演出制御コマンドが設定される。フッタには、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)を示すデータが設定される。時短残回数は、第1演出制御基板12でカウントされている。例えば、RAM122に設けたカウンタなどを、可変表示を実行するたびに更新することで、時短残回数をカウントすればよい。なお、時短状態でないときには、当該データは「0回」を示すデータ(「0000(H)」)となる。なお、この実施の形態では、ヘッダ及びフッタは、ともに2バイト構成になっている(第2演出制御コマンドは、全体として合計4バイトになっている)。
第1演出制御基板12は、上記のような第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信するが、送信する第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンド(ヘッダに設定された第1演出制御コマンド)が特定コマンドであるときには、当該第2演出制御コマンドについてチェックサムを計算し、計算したチェックサムを当該第2演出制御コマンドに付随させて送信する。特定コマンドは、この実施の形態では、変動パターン指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、及び、客待ちデモ指定コマンドである(図4参照)。第1演出制御基板12は、送信する第2演出制御コマンドのヘッダが前記4つのコマンドのうちのいずれかであれば、チェックサム(コマンドの整合性を確認するもの)を計算して付随させる。チェックサムは、例えば、第2演出制御コマンドを構成するデータの各ビットを加算し、先頭ビットを「0」にしたものである(例えば、7F(H)を加算して先頭ビットを「0」にする(桁あふれは無視する。)。)。
また、第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とは、他にも信号のやりとりを行う(図3参照)。第2演出制御基板30は、図6に示す各種信号を送信する。第1演出制御基板12は、リセット信号を送信する。
第2演出制御基板30が第1演出制御基板12に送信する各種信号としては、コマンド受信信号、音声コマンド、ランプコマンド、正常動作信号、立ち上がり信号などがある(図6)。なお、この実施の形態では、これら信号は、それぞれが第2演出制御コマンドと同様に4バイトのデータを示す情報信号として送信される。
コマンド受信信号は、第2演出制御基板30が、チェックサムが付随した第2演出制御コマンドを受信したときに第1演出制御基板12に送信する信号である。例えば、第2演出制御基板30は、第2演出制御コマンドにチェックサムが付随しているときには、当該第2演出制御コマンドについて第1演出制御基板12と同じ方法でチェックサムを計算し、今回計算したチェックサムと第2演出制御コマンドに付随したチェックサムとを比較する。比較した結果、両者が同じであれば、第2演出制御基板30は、第2演出制御コマンドが整合しているので、整合している旨を示すコマンド受信信号(整合)を送信する。比較した結果、両者が異なっていれば、第2演出制御基板30は、第2演出制御コマンドが非整合なので、非整合の旨を示すコマンド受信信号(非整合)を送信する。
音声コマンドは、演出実行時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力のための処理を第1演出制御基板12に行わせるためのコマンドであり、音声出力の態様を指定したコマンドである。第2演出制御基板30は、演出実行時において、当該コマンドを第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御基板12は、当該コマンドを受信すると、当該コマンドの内容に応じた音声信号を音声制御基板13に供給する。音声制御基板13は、音声信号に応じた音声出力をスピーカ8L、8Rに行わせる。これによって、音声コマンドが指定する態様での音声出力が実現する。
ランプコマンドは、演出実行時に、遊技効果ランプ9を点灯/消灯させるための処理を第1演出制御基板12に行わせるためのコマンドであり、遊技効果ランプ9の点灯態様(消灯も含む。)を指定したコマンドである。第2演出制御基板30は、演出実行時において、当該コマンドを第1演出制御基板12に送信する。第1演出制御基板12は、当該コマンドを受信すると、当該コマンドの内容に応じた電飾信号をランプ制御基板14に供給する。ランプ制御基板14は、電飾信号に基づいて遊技効果ランプ9などを点灯/消灯などさせる。これによって、ランプコマンドが指定する態様での遊技効果ランプ9の点灯/消灯が実現する。
正常動作信号は、第2演出制御基板30の表示制御部31のVDPから第1演出制御基板12に定期的(ここでは、1秒ごと)に送信される信号である。正常動作信号が定期的に送信されていると、表示制御部31のVDPが正常に動作していることになる。
立ち上がり信号は、第2演出制御基板30の表示制御部31のVDPが起動(電源投入による起動及びリセット信号の供給による再起動を含む)してから通常の動作(演出実行のための動作など)を行うことが可能になったとき(表示制御部31のVDPにおいて初期設定などが終わり、演出を実行するための動作などが可能になったとき)に当該VDPから第1演出制御基板12に送信される信号である。
なお、主基板11(CPU103)、第1演出制御基板(第1演出制御用CPU120)、第2演出制御基板(表示制御部31のVDP)において、起動後に通常の動作が可能になったことを、これらが「立ち上がった」と表現することがある。
第1演出制御基板12から送信されるリセット信号(図3参照)は、表示制御部31のVDPに供給される。第1演出制御基板12は表示制御部31のVDPの動作を監視し、当該動作が不良と判断できるとき(ここでは、立ち上がり信号や正常動作信号が正常に送信されてこないとき)に、当該VDPに供給される(図7、図8参照)。
リセット信号は、表示制御部31のVDPが備えるリセット端子に入力される。例えば、演出制御用CPU120の所定端子と、前記リセット端子が、I/O125や表示制御部31のI/Oなどを介して、又は、直接、電気的に接続され、演出制御用CPU120が前記リセット端子の電圧(電位)を制御することでリセット信号を供給する。この実施の形態では、リセット端子の電圧レベルは、通常Highに維持されている。リセット信号は、当該リセット端子の電圧レベルをLowにするLow信号である(つまり、ここでは、リセットがアクティブローになっている)。
リセット信号は、表示制御部31のVDPをハードウェア的かつ強制的にリセットするものである。リセット信号の供給により(リセット端子の電圧レベルがLowになったとき又は所定期間以上Lowレベルが保たれたときに)、表示制御部31のVDPは初期化(一時記憶されているデータが消去されるなど)され、リセット信号供給の終了後(リセット端子の電圧レベルがHighに復帰する立ち上がり後)から、VDPは起動(再起動)する(例えば、プラグラムに従った処理を最初から開始するなど)。
ここで、リセット信号の供給タイミングなどを図7及び図8を参照して説明する。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)や第2演出制御基板30(表示制御部31のVDP)などが起動する。なお、表示制御部31のVDPの立ち上がりは遅く、当該VDPは、第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)よりも7秒ほど遅く立ち上がる。立ち上がり後の第1演出制御基板12は立ち上がり信号の受信監視を行う(ステップS11)。
第1演出制御基板12は、立ち上がり後から10秒間(後述の立ち上がり待ち時間)の間にVDPからの立ち上がり信号を受信できたとき(前記VDPが立ち上がることで、立ち上がり信号を出力できたとき)には、VDPが正常に立ち上がったとして、正常動作信号の受信監視を行う(ステップS12)。なお、前記10秒間は、前記7秒に余裕を持たせて設定されたものである。前記10秒間は、RAM122に設けられるタイマ等で計測すればよい。
第1演出制御基板12は、ステップS12の開始後、VDPからの正常動作信号を定期的に受信しているときには、異常はないとして、ステップS12の受信監視を継続する。一方、第1演出制御基板12は、正常動作信号を5秒間受信できないとき(当該5秒間は、正常動作信号の正常の送信間隔1秒に余裕を持たせて設定されたものである。)、異常が発生したとして、表示制御部31のVDPにリセット信号を1回送信するショートリセットを行う(ステップS13)。前記5秒間は、RAM122に設けられるタイマ等で計測すればよい。
ショートリセットでは、図8に示すように、1msの時間幅を有するリセット信号が1回送信される。1msのリセット信号は、適宜の方法で実現すればよい。例えば、所定のクロック回路から供給されるクロック信号などに基づいて生成されればよい。例えば、1msごとにHighレベルへの立ち上がりタイミングが到来するクロック信号における、ある立ち上がりタイミングから次の立ち上がりタイミングまでリセット端子をLowレベルにする制御により、1msのリセット信号の供給を実現する。表示制御部31のVDPは、リセット信号供給の終了後(リセット端子の電圧レベルがHighに復帰する立ち上がり後)から起動(再起動)する(例えば、プラグラムに従った処理(初期設定などを含んでもよい。)を最初から開始する)。従って、リセット信号が供給されている1ms間は、VDPがリセット状態(動作しない状態でもある)に保たれる。ショートリセット(リセット解除)後、第2演出制御基板30が再度起動(再起動)するので、第1演出制御基板12は、立ち上がり信号の受信を監視すべく、ステップS11の処理を実行する。上記1msは、表示制御部31のVDPをリセットするのに十分な時間として設定されたものである。
第1演出制御基板12は、ステップS11において、立ち上がり後から10秒間の間に立ち上がり信号を受信できなかった(前記VDPが立ち上がることができなかったとき)には、第2演出制御基板30が異常であるとして、表示制御部31のVDPにリセット信号を60000回送信するロングリセットを行う(ステップS14)。前記リセット信号の送信回数は、例えば、RAM122に設けられるカウンタ等でカウントする。
ロングリセットでは、1msの時間幅を有するリセット信号が1ms間隔(リセット信号の立ち下がりが1ms間隔)で60000回連続して送信される(図8参照)。従って、結果的にリセット端子は、60000ms(60秒)の間、Lowに保たれる。上記のように、表示制御部31のVDPは、リセット信号供給の終了後(リセット状態解除後であり、リセット端子の電圧レベルがHighに復帰する立ち上がり後)から起動(再起動)するので、前記の60秒間は、当該VDPは動作しないことになる(60秒間、リセット状態が保たれる)。ロングリセット(リセット解除)後、VDPが再度起動(再起動)するので、第1演出制御基板12は、立ち上がり信号の受信を監視すべく、ステップS11の処理を実行する。
ロングリセットは、例えば、電源投入後最初のステップS11で表示制御部31のVDPの立ち上がりが遅れているときの他、ショートリセット(ステップS11)後に未だ表示制御部31のVDPが動作できないときなどに実行される。このようなとき(特に、ショートリセット後の場合)、当該VDPは、処理負荷の増大による熱暴走等により、実行すべき処理ができないことが想定される。そこでロングリセットにより、つまり、60秒間中リセット状態を維持して当該VDPをリセット解除まで動作させないことにより、当該VDPの冷却期間を設けている。これにより、これからの当該VDPの立ち上がりが正常に行われることを期待できる。また、ロングリセット中(リセット状態を保つ期間中)に冷却ファン40を駆動し、送風によって当該VDPの冷却を早める。上記60秒は、VDPを正常な動作に復帰させるのに十分な時間として設定されたものである。
なお、例えば、第1演出制御基板12が特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信したにも係わらずコマンド受信信号が送信されてこないときなどの他の場合でも、第1演出制御基板12から表示制御部31のVDPにリセット信号が送信されることがある(基本的には、ショートリセットが行われる。)。
(パチンコ遊技機の主要な動作)
以下、パチンコ遊技機1の主要な動作をフローチャートなどを参照して説明するが、各動作(各処理)では下記で説明されない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、主基板11では、CPU103が初期設定等の所定の処理を行ってから、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、大入賞口扉用のソレノイド82の制御を含む。)である。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて第1演出制御コマンドの送信設定を行う。
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器20、普図保留表示器25C、普通電動役物用のソレノイド81の制御を含む。)である。
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された第1演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理)
図9は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図10は、始動入賞判定処理(ステップS101)の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(前記のスイッチ処理の判定結果を参照すればよい。以下、各種スイッチのオン判定について同じ。)(ステップS201)。第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1保留記憶数カウント値により、第1特図保留記憶数を特定できればよい(以下、第1特図保留記憶数について同じ。)。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、第1始動入賞の発生として、RAM102に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2保留記憶数カウント値により、第2特図保留記憶数を特定できればよい(以下、第2特図保留記憶数について同じ。)。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、第2始動入賞の発生として、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したとき(第1始動入賞が発生したとき)には第1特図保留記憶数が1増加するように更新され、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したとき(第2始動入賞が発生したとき)には第2特図保留記憶数が1増加するように更新される。このときには、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1(「1」〜「65535」いずれかの値)や大当り種別決定用の乱数値MR2(「1」〜「100」のいずれかの値)、変動パターン決定用の乱数値MR3(「1」〜「100」のいずれかの値)を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが図11(A)の第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが図11(B)の第2特図保留記憶部にセットされる。このようにして、保留された特図ゲームを表す保留データが特図保留記憶部に記憶される。
図11(A)に示すように、第1特図保留記憶部は、例えば、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3の数値データを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、実行が保留されている第1特図ゲームを示す。
図11(B)に示すように、第2特図保留記憶部は、例えば、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3の数値データを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、実行が保留されている第2特図ゲームを示す。
この実施の形態では、このようにして、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報)が保留記憶として記憶されることになる。
図10に戻り、ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。図10(A)は、入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。
入賞時乱数値判定処理にてCPU103は、まず、始動口バッファ値が「1」であれば、第1始動入賞指定コマンドの送信設定を行なってから第1特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行い、始動口バッファ値が「2」であれば、第2始動入賞指定コマンドの送信設定を行なってから第2特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行う(ステップS401)。
次に、CPU103は、現在が大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS402)。現在が大当り遊技状態であるか否かは、例えば、後述の特図プロセスフラグの値によって特定できる。ここでは、「4」〜「7」であれば大当り遊技状態中である。特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」以外で大当り遊技状態中でない場合(ステップS402;No)、現在が時短状態であるか否かを判定する(ステップS403)。現在が時短状態であるか否かは、時短フラグ(RAM102に設けられ、時短状態中にオン状態になるフラグ)の状態によって特定すればよい(以下、同じ)。
時短フラグがオン状態で現在が時短状態中である場合(ステップS403;Yes)、特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」で現在が大当り遊技状態の場合(ステップS402;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるかを判定する(ステップS404)。
始動口バッファ値が「2」である場合(ステップS404;Yes)、時短状態中でない場合(ステップS403;No)、CPU103は、ステップS209で抽出した乱数値MR1(今回のステップS210で特図保留記憶部に新たに格納された乱数値MR1)に基づいて、今回保留された特別ゲームの表示結果(特別図柄の可変表示結果であり、以下、特図表示結果ともいう。)が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS405)。当該判定では、特図ゲーム開始時(特図ゲームの開始条件が成立したとき)において特図表示結果を決定するときに参照される第1特図表示結果決定テーブル又は第2特図表示結果決定テーブル(図14参照)が参照される。
第1特図表示結果決定テーブル及び第2特図表示結果決定テーブルのそれぞれでは、例えば、図14に示すように、乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられていればよい。遊技状態が確変状態でない非確変状態のときには、第1特図表示結果決定テーブルが参照され、遊技状態が確変状態のときには、第2特図表示結果決定テーブルが参照される。遊技状態が確変状態であるか否かは、RAM102に設けられ確変状態のときにオン状態となる確変フラグに基づいて特定すればよい(以下、同じ)。
ステップS405では、CPU103は、第1特図表示結果決定テーブル(確変フラグがオフ状態のとき)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変フラグがオン状態のとき)において「大当り」に割り当てられている決定値の範囲を大当り判定範囲として設定する。確変状態であれば、大当り判定範囲として、「8000」〜「9899」を設定し、非確変状態であれば、大当り判定範囲として、「8000」〜「8189」を設定する。そして、今回の乱数値MR1が、前記で設定した大当り判定範囲内にあるかを判定する(ここでは、このような判定が先読み判定である)。
今回の乱数値MR1が大当り範囲判定内であり、今回保留された特図ゲームの特図表示結果が「大当り」であると判定した場合(ステップS405;Yes)、大当り判定を入賞時判定結果として指定する入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う(ステップS407)。このときには、大当り判定を示すEXTデータ(ここでは、「02」)を含む入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。また、始動口バッファ値が「1」であれば第1入賞時判定結果指定コマンドを送信設定し、始動口バッファ値が「2」であれば第2入賞時判定結果指定コマンドを送信設定する(他のステップでの送信設定でも同じ)。
乱数値MR1が大当り判定範囲内でなく、今回保留された特図ゲームの特図表示結果が「ハズレ」であると判定した(ステップS405;No)、ハズレ判定を入賞時判定結果として指定する入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う(ステップS408)。このときには、大当り判定を示すEXTデータ(ここでは、「01」)を含む入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。
始動口バッファ値が「1」である場合(ステップS404;No)、先読み予告の実行を制限するため、判定無しを入賞時判定結果として指定する入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う(ステップS412)。これによって、第1演出制御基板12側では先読み予告の実行が制限されることになる。このときには、判定無しを示すEXTデータ(ここでは、「00」)を含む入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。
時短状態中での第1始動入賞や大当り遊技状態中での第1始動入賞について先読み予告の実行を制限することで(判定結果を判定無しとすることで)、不適切なタイミングでの先読み演出の実行を防止することができる。
ステップS407、S408、S412のあとは、入賞時乱数値判定処理は終了する。
なお、当該処理にて送信設定された各コマンド(始動入賞指定コマンド、特図保留記憶数加算指定コマンド、入賞時判定結果指定コマンド)の1セットは、始動入賞時コマンドとして、このあとのコマンド制御処理にて一括送信される(送信順序は、上記送信設定順であり、始動入賞指定コマンド→特図保留記憶数加算指定コマンド→入賞時判定結果指定コマンドの順である。)。なお、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、第1入賞時判定結果指定コマンドのセットを第1始動入賞時コマンドといい、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンド、第2入賞時判定結果指定コマンドのセットを第2始動入賞時コマンドという。
図10に戻り、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204の処理に進む。
図9に示すステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。図9は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233では、合計保留記憶数を1減算するように更新する。そして、RAM102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、第1始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
この実施の形態では、上記処理により第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行される。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(図14(A)参照。非確変状態のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(図14(A)参照。確変状態のときに参照される)が用いられる。図14に示すように、各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。以下同様)。なお、CPU103は、図14に示すように、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する。確変状態であるか否かは、RAM102に設けられた確変フラグの状態により特定すればよい。
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
その後、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101に用意された大当り種別決定テーブル(図15参照)が用いられる。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「非確変A」、「非確変B」、「確変A」、「確変B」のいずれかの大当り種別に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
その後、大当り種別を記憶させる。CPU103は、RAM102に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、デモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。デモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から第1演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。図16は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、大当り時の変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、ハズレ時の変動パターンを決定する(ステップS263)。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
図17は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、ノーマルリーチからスーパーリーチAに発展するリーチ演出の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、ノーマルリーチからスーパーリーチBに発展するリーチ演出の実行を指定する。
ステップS262の処理では、例えば、ROM101に用意された大当り用変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り用変動パターン決定テーブルでは、例えば図18の決定割合を実現するように、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果としての大当り時の各変動パターン(PB3−2〜PB3−4)に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り時の変動パターン(PB3−2〜PB3−4のいずれか)を決定すればよい。
また、ステップS263の処理では、例えばROM101に用意された第1ハズレ用変動パターン決定テーブル又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。第1ハズレ用変動パターン決定テーブルは時短状態でないときに用いられ、第2ハズレ用変動パターン決定テーブルは時短状態のときに用いられる。時短状態であるかは、RAM102に設けられた時短フラグにより特定する。第1ハズレ変動パターン決定テーブルでは、図19(A)の決定割合を実現するように、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果としてのハズレ時の変動パターン(PA1−1、PA3−2〜PA3−4)に割り当てられていればよい。第2ハズレ変動パターン決定テーブルでは、図19(B)の決定割合を実現するように、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果としてのハズレ時の変動パターン(PA2−1、PA3−2〜PA3−4)に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、第1又は第2ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、ハズレ時の変動パターン(PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか、又は、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか)を決定すればよい。
図18及び図19を参照すると、変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(発展無し)の順で大当り期待度が高い。また、時短状態のときには、特図変動時間が短いPA2−1(図17参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(図17参照)を設定する(ステップS266)。例えば、特図変動時間に応じたタイマ初期値をRAM102の所定のタイマに設定する(これ以降、タイマ値がタイマ割り込み毎などに更新されることで、特図ゲーム実行開始からの経過時間が計測されることになる。)。
ステップS266の処理に続いて、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させる(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置4Bに送信する。
ステップS267の処理を実行した後には、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンドの送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数減算指定コマンドの送信設定を行う。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(上記所定のタイマなどによって測定すればよい。)が、上記で設定した特図変動時間に達したか(所定のタイマ値が0になったか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果(大当りフラグや大当り種別バッファに記憶された大当り種別などで特定してもよい。)の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「非確変A」のときには「2」、「非確変B」のときには「4」、「確変A」のときには「5」、「確変B」のときには「7」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のとき(大当りフラグがオンのときなど)は、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」(大当りフラグがオフのときなど)で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、RAM102に設けられた時短回数カウンタ(時短残回数をカウントするためのカウンタ)のカウント値を1減じ、減じた後の値が「0」であるかを判定する)、所定回数の可変表示が実行されている場合(カウント値が「0」のとき)には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間(RAM102に設けられたタイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、図20に示す処理を行い(詳しくは後述)、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
ここで、最後のラウンド遊技のときに実行される処理を、図20を参照して説明する。まず、エンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定する(ステップS601)。例えば、エンディング待ち時間に応じたタイマ初期値をRAM102の所定のタイマに設定する(これ以降、タイマ値がタイマ割り込み毎などに更新されることで、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間が計測されることになる。)(ステップS601)。また、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じた値(「確変A」又は「非確変A」のときは「00」、「確変B」又は「非確変B」のときは「01」)をEXTデータに設定した当り終了指定コマンドを送信する設定を行い(ステップS602)、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理(ステップS603)なども行う。第1演出制御基板12側では、当り終了指定コマンドのEXTデータ(XX)が「00」であれば、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)の初期値として50回が特定される。当り終了指定コマンドのEXTデータ(XX)が「01」であれば、時短残回数の初期値として100回が特定される。
図9に戻り、ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される(図21参照)。大当り終了処理では、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間(上記所定のタイマなどによって測定すればよい。)が、上記で設定したエンディング待ち時間に達したか(所定のタイマ値が0になったか)、つまり、エンディング待ち時間が終了したかを判定する(ステップS611)。エンディング待ち時間が終了していないときには(ステップS611;No)、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。
エンディング待ち時間が終了した場合(所定のタイマのタイマ値が「0」のとき)(ステップS611;Yes)には、エンディングが終了するので、次に、今回の大当り種別が確変(「確変A」又は「確変B」)であるかを判定する(ステップS612)。大当り種別は、大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定すればよい。大当り種別が「確変A」又は「確変B」である場合(ステップS612;Yes)、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS613)。ステップS613のあと、又は、今回の大当り種別が確変でない場合(ステップS612;No)、大当り種別に応じた時短回数を時短回数カウンタに初期値(時短残回数の初期値)として設定するとともに、時短フラグをオン状態にする(ステップS615)。大当り種別が「確変A」又は「非確変A」であれば、時短回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。大当り種別が「確変B」又は「非確変B」であれば、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。時短回数カウンタの値が「0」になったときは、時短状態において実行可能な特図ゲームが全て実行されたことになるので、時短状態は終了する。
以上のような処理によって、大当り種別が「確変A」又は「確変B」のときの大当り遊技状態のあとの遊技状態は、高確高ベース状態となる。また、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)は、「確変A」のときには「50回」が設定され、「確変B」のときには「100回」が設定される(図15参照)。また、大当り種別が「非確変A」又は「非確変B」のときの大当り遊技状態のあとの遊技状態は、低確高ベース状態となる。また、時短残回数は、「非確変A」のときには「50回」が設定され、「非確変B」のときには「100回」が設定される(図15参照)。以上のように、時短残回数の時短開始時の最初の回数は大当り種別に応じた回数で設定される。
ステップS615の後は、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して(ステップS616)、本処理を終了する。
なお、上記一連の処理において、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の可変表示等が終了したことになるので、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(第1演出制御基板12の主要な動作)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、第1演出制御基板12では、演出制御用CPU120が起動して、立ち上がったあと、例えば、所定の演出制御メイン処理(図22)を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また第1演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う(ステップS701)。その後、立ち上がり待ち時間タイマ(RAM122の所定領域に設けられる。)に、予め定められた立ち上がり待ち時間に対応したタイマ初期値を設定する(ステップS702)。立ち上がり待ち時間は、表示制御部31のVDPが起動してから通常の動作を行うことが可能になるまでの期間(すなわち、VDPが立ち上がるまでの時間)に対応した時間(上記の10秒間)である。立ち上がり待ち時間タイマによって当該立ち上がり待ち時間が測定される。
ステップS703のあとは、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS703)。タイマ割込みフラグは、演出制御メイン処理とは別に実行されるタイマ割込処理にて、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、所定時間が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。このため、後述の処理は、タイマ割り込みが発生するごとに実行されることになる。
なお、第1演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの第1演出制御コマンドや第2演出制御基板30からの信号(図6の各種信号)を取り込むため(受信するため)の処理が適宜行われる。受信した第1演出制御コマンドや前記の信号(信号が示すデータ)は、例えばRAM122に設けられた第1演出制御コマンド受信用バッファや信号受信用バッファに格納する。各バッファに格納された第1演出制御コマンドや信号(信号が示すデータ)は、受信確認(後述のステップS706、S710、S716;Yesのあとなど)や当該格納された第1演出制御コマンドや信号(信号が示すデータ)に基づいて所定の処理(ステップS723、S725、S760、S762など)が演出制御用CPU120によって行われたときに当該演出制御用CPU120によって適宜のタイミングで当該各バッファから削除されるものとする。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS703;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS704)、正常動作確認タイマが動作中であるか(例えば、タイマ値が0でなければ動作中とする)を判定する(ステップS705)。正常動作確認タイマは、RAM122の所定領域に設けられ、第2演出制御基板30から定期的に送信される正常動作信号の受信待ち時間を測定するためのタイマである。
正常動作確認タイマのタイマ値が0であり当該タイマが動作中でなければ(ステップS705;No)、第2演出制御基板30からの立ち上がり信号(立ち上がり時に送信される信号)を受信しているかを判定する(ステップS706)。例えば、立ち上がり信号のデータ(上記立ち上がり信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。信号受信用バッファに立ち上がり信号のデータが格納されておらず、立ち上がり信号を受信していない場合には(ステップS706;No)、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値を1減じ(ステップS707)、減じたあとのタイマ値が「0」であるかを判定する(ステップS708)。
1減じたあとのタイマ値が「0」である場合には(ステップS708;Yes)、立ち上がり信号の受信が無いまま、立ち上がり待ち時間(10秒)が経過したことになるので、第2演出制御基板30(表示制御部31のVDP)が正常に立ち上がらなかったとして、当該VDPにリセット信号を60000回送るロングリセット処理(図8の「ロングリセット」参照)を実行し、当該VDPの動作を止めるとともに、冷却ファン40を駆動して(冷却ファン駆動信号を供給する)当該VDPを冷却させる(ステップS709)。これにより、図8のロングリセットが実現し、また、このロングリセット期間中にVDPが冷却される。なお、ステップS709の一例として、演出制御用CPU120は、リセット信号を1回送信するごとにRAM122に設けられたカウンタのカウント値(初期値は0)を1つ増加させ、当該カウント値が60000になったときに、60000回のリセット信号の供給が終わったとしてロングリセットや冷却ファンの駆動を終了させればよい。このようなロングリセットなどにより、熱暴走等がVDPに起こっていたとしても、VDPを正常な状態に復帰させることができる。ステップS709のあと、第2演出制御基板30は再起動するので、再びステップS702の処理から実行する。なお、ステップS709において、演出制御用CPU120は、所定の音声信号や電飾信号を音声制御基板13やランプ制御基板14に供給して、スピーカ8L、8Rから異常を報知する音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を異常報知の態様で点灯させたりしてもよい。
立ち上がり信号の受信がある場合(立ち上がり信号のデータが信号受信用バッファに格納されている場合)(ステップS707;Yes)、第2演出制御基板30(表示制御部31のVDP)が正常に立ち上がったことになるので、今度は、正常動作確認タイマにタイマ初期値を設定する(ステップS714)。なお、ステップS714を実行する前に、立ち上がり待ち時間タイマのタイマ値を0にリセットする。正常動作確認タイマのタイマ初期値は、正常動作信号の送信間隔(ここでは、1秒)に応じた期間(ここでは、上記5秒間など)に対応した値であればよい。
正常動作確認タイマが動作中である場合(タイマ値が0でない場合など)には(ステップS705;Yes)、正常動作信号の受信が有るかを判定する(ステップS710)。例えば、正常動作信号のデータ(上記正常動作信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、正常動作信号の受信が有る場合(ステップS710;Yes)、第2演出制御基板30は正常に動作しており、次の正常動作信号の受信を待つために、上記ステップS714の処理を実行する。
正常動作信号のデータの格納が無いなどして正常動作信号の受信が無い場合(ステップS710;No)、正常動作確認タイマのタイマ値を1減じ(ステップS711)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定する(ステップS712)。0であると判定した場合には(ステップS712;Yes)、表示制御部31のVDPに異常が発生したと考えられるので、当該VDPにリセット信号を1回送るショートリセット処理(図8の「ショートリセット」参照)を実行し、当該VDPをリセットする(ステップS713)。これにより、図8のショートリセットが実現する。ステップS713のあと、第2演出制御基板30は再起動するので、再びステップS702の処理から実行する。なお、ステップS713では、上記ショートリセットの他、実行中の演出などを中止するため、例えば、第1演出制御コマンド受信用バッファや信号受信用バッファに格納されている第1演出制御コマンドや信号(図6の各種信号)を削除したり、演出が実行設定(ステップS723)されている場合には当該演出(例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9の点灯など)の実行をリセットしたり(例えば、ステップS723で使用パターンとして設定されているパターンデータをRAM122から削除するなど)、各種タイマのタイマ値をリセットしたり、各種カウンタのカウント値をリセットしたりする。なお、演出制御用CPU120は、ステップS713において所定の音声信号や電飾信号を音声制御基板13やランプ制御基板14に供給して、スピーカ8L、8Rから異常を報知する音声を出力させたり、遊技効果ランプ9を異常報知の態様で点灯させたりする処理などを実行してもよい(このようにして異常の報知を行ってもよい)。
ステップS714のあと、又は、減じた後のタイマ値が0でない場合(ステップS712;No)、演出制御用CPU120は、受信確認用タイマが動作中であるか(例えば、タイマ値が0でなければ動作中とする。)を判定する(ステップS716)。受信確認用タイマは、RAM122の所定領域に設けられ、第2演出制御基板30に特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信したときに当該第2演出制御基板30から返信されるコマンド受信信号の受信待ち時間を測定するためのタイマである。タイマ値が0で、受信確認用タイマが動作中でない場合(ステップS715;No)、第2演出制御基板30に特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信していないので、ステップS721の処理にスキップする。
タイマ値が0でなく、受信確認用タイマが動作中である場合(ステップS715;Yes)、コマンド受信信号の受信が有るかを判定する(ステップS716)。例えば、コマンド受信信号のデータ(上記コマンド受信信号として設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、コマンド受信信号の受信が有る場合(ステップS716;Yes)、特定コマンドを含む第2演出制御コマンドの送信に対する返答が第2演出制御基板30から返ってきたことになるので、受信確認用タイマをリセットする(ステップS717)。なお、今回のコマンド受信信号が非整合を示すコマンド受信信号(非整合)の場合には、ステップS713と同様のショートリセット処理(上記異常の報知を適宜行ってもよい。ショートリセット処理について同じ)を行ってから、ステップS702の処理を再度実行してもよい。また、コマンドが非整合のときには、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドの削除のみを実行するようにしてもよい。
コマンド受信信号のデータが信号受信用バッファに格納されていないなどして、コマンド受信信号の受信が無い場合(ステップS716;No)、受信確認用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS718)、減じた後のタイマ値が0であるかを判定し(ステップS719)、0であると判定した場合には(ステップS719;Yes)、特定コマンドを含む第2演出制御コマンドの送信に対する返答が第2演出制御基板30から返ってこず、第2演出制御基板30に異常が発生したと考えられるので、ステップS713と同様のショートリセット処理を行って(ステップS720)、その後にステップS702の処理を実行する。
ステップS717のあと、受信確認用タイマのタイマ値が0でない場合(ステップS719;No)、第1演出制御コマンドの解析等を行う第1演出制御コマンド解析等処理を行う(ステップS721)。第1演出制御コマンドでは、例えば、図23の処理を行う。
第1演出制御コマンド解析等処理では、第1演出制御コマンド受信用バッファをチェックし、未解析の受信コマンド(第1演出制御コマンド)があるか否かを判定する(ステップS751)。上述のように、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドは、所定の処理(ここでは、ステップS760、S762)が行われたときに当該各バッファから削除されるので、第1演出制御コマンド受信用バッファに現在格納されている第1演出制御コマンドが未解析の受信コマンドとなる。なお、当該受信コマンドは、受信順に格納されるものとする。
第1演出制御コマンド受信用バッファにコマンドが格納されていない場合には解析すべきコマンドが無いと判定し(ステップS751;No)、本処理を終了する。コマンドが格納されているときには(ステップS751;Yes)、格納されているコマンド(未解析のコマンド)のうち、最も早く受信した最先のコマンドを解析する(ステップS752)。演出制御用CPU120は、最先のコマンドのデータ内容をチェックして、当該コマンドが、第1演出制御コマンドのうちのどれであるかを特定することで、コマンドの解析を行う。例えば、先頭ビットが「1」であるMODEデータを特定し、特定したMODEデータのデータ内容によって、第1演出制御コマンドがどのコマンドであるかを特定する。
ステップS752のあとは、解析した受信コマンドが当り終了指定コマンドであるかを確認する(ステップS753)。当り終了指定コマンドであるときには(ステップS753;Yes)、当該コマンドのEXTデータの「XX」で特定される値に応じた今回の時短状態において実行可能な可変表示の回数(「00」であれば50回、「01」であれば100回)を時短残回数カウンタに初期値としてセットする(ステップS754)。時短残回数カウンタは、時短残回数(時短状態が終了するまでに実行可能な特図ゲームの実行回数)を第1演出制御基板12側でカウントするためのものであり、RAM122の所定領域に設けられる。時短残回数カウンタのカウント値と、主制御基板11側の時短回数カウンタのカウント値は一致する。
当り終了指定コマンドでないときには(ステップS753;No)、解析した受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるかを判定し(ステップS755)、変動パターン指定コマンドである場合には(ステップS755;Yes)、時短残回数カウンタのカウント値を1減じる(ステップS756)。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームの開始時に送信されてくるものであり、このときに当該カウント値を1減じることで、時短残回数カウンタのカウント値は時短残回数を正確に反映したものになる(なお、この実施の形態での時短残回数は、今回実行される可変表示を1回と数えない回数である。)。
なお、時短残回数カウンタのカウント値がすでに「0」であるときは(つまり、非時短状態であるとき)、当該カウント値は「0」のままとする。これによって、時短残回数カウンタによって、時短状態の有無が分かる。なお、現在が時短状態であるかを判定し、時短状態であるときにステップS755やS756を実行するようにしてもよい。時短状態であるか否かは、例えば、遊技状態指定コマンドが送信されてくるごとに、当該コマンドが指定する遊技状態に応じて演出側時短フラグ(時短のときにオンとなるフラグで、RAM122に設けられる。)を切り替えるようにしておき、当該フラグの状態によって特定するようにしてもよい。
ステップS754、S756のあと、又は、解析した受信コマンドが変動パターン指定コマンドでない場合(ステップS755;No)、演出制御用CPU120は、受信コマンド(第1演出制御コマンド)をヘッダとし、時短残回数カウンタのカウント値(つまり、時短残回数)を示すデータ(2バイトで時短残回数を示す数値データ)をフッタとした第2演出制御コマンド(図5参照)を生成する(ステップS757)。なお、時短状態でないときには、時短残回数カウント値は「0」なので「0000(H)」がフッタとして設定される。また、今回解析した受信コマンドが変動パターン指定コマンド以外の第1演出制御コマンドである場合には、時短残回数に係わらずフッタを「0000(H)」(時短残回数=0を示すデータ)としてもよい。時短状態のときには、後述のように、第2演出制御基板30の制御によって時短残回数が表示されるが、第2演出制御基板30は、変動パターン指定コマンドを含む第2演出制御コマンドを受信したときに、時短残回数の表示を更新するからである(詳しくは後述)。
ステップS757のあと、解析した受信コマンド(生成した第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンド)が特定コマンド(変動パターン指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、客待ちデモ指定コマンドのうちのいずれか)であるかを判定する(ステップS758)。
特定コマンドであるときは(ステップS758;Yes)、ステップS757で今回生成した第2演出制御コマンドの数値に基づいてチェックサムを計算し(ステップS759)、第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信するとともに、当該コマンドに付随させてチェックサムも送信する(ステップS760)。その後、受信確認用タイマに初期値を設定する(ステップS761)。初期値は、予め設定されており、特定コマンドを含む第2演出制御コマンドを送信してからその返答としてコマンド受信信号を第2演出制御基板30から正常に受信するまでに必要な期間に対応する値などである。
特定コマンドでないときは(ステップS758;No)、ステップS757で今回生成した第2演出制御コマンドを第2演出制御基板30に送信する(ステップS762)。
ステップS761又はS762のあとは、ステップS751の処理を実行する。なお、上述のように、ステップS760、S762の実行時には、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されている、今回の解析対象の第1演出制御コマンドを消去する。このようにすることで、第1演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンド全てについて解析等の処理を行うことができる。
図22に戻り、第1演出制御コマンド解析等処理(ステップS721)のあとは、音声コマンド又はランプコマンドの受信があるかを判定する(ステップS722)。例えば、音声コマンド又はランプコマンドのデータ(上記音声コマンド又はランプコマンドとして設定されている4バイトのデータ)が信号受信用バッファに格納されているか否かで当該受信を判定する。当該データが格納されているなどして、音声コマンド又はランプコマンドの受信が有る場合(ステップS716;Yes)、音声コマンド又はランプコマンドが指定する態様での演出実行設定を行う(ステップS723)。例えば、音声コマンド又はランプコマンドに対応するパターンデータ(ROM121に記憶されている)を使用パターンとしてセットする(RAM122に読み出すなど)。パターンデータは、例えば、プロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた音声信号のデータや電飾信号のデータなどを含んだプロセスデータから構成される。また、例えば、RAM122に設けられたプロセスタイマに音声コマンド又はランプコマンドに対応する初期値を設定する。なお、音声コマンドとランプコマンドとの両者を受信しているときには、スピーカ8L、8Rでの演出と遊技効果ランプ9での演出との両者について演出実行設定を行う。
ステップS723のあと、音声コマンド及びランプコマンドの受信がない場合(ステップS722;No)、スピーカ8L、8Rでの演出と遊技効果ランプ9での演出との少なくともいずれかの実行設定があるかを判定し(ステップS724)、例えば使用パターンとしてパターンデータがセットされている場合などで実行設定がある場合には、実行設定されている演出について演出動作制御を行う(ステップS725)。例えば、プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応するデータ(使用パターンに含まれるデータ)が示す音声信号及び/又は電飾信号を音声制御基板13及び/又はランプ制御基板14に送信する。これによって、スピーカ8L、8Rでの音声出力や遊技効果ランプ9での点灯などが実行される。このようなステップS725の処理がタイマ割り込みごとに実行されることで、音声コマンドに応じた音声出力による演出をスピーカ8L、8Rで実行でき、ランプコマンドに応じた点灯態様の演出を遊技効果ランプ9で実行できる。
ステップS725のあと、実行設定がない場合には(ステップS724;No)、ステップS704の処理を実行する。
このような一連の処理がタイマ割り込み毎に行われることで、第1演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、第2演出制御基板30の立ち上がりの確認(立ち上がり信号によって確認)、第2演出制御コマンドの生成や送信やサムチェックの付随送信(時短残回数の付加などもある)、第2演出制御コマンドの受信の確認(コマンド受信信号によって確認)、第2演出制御基板30が正常に動作していかの確認(正常動作信号によって確認)、スピーカ8L、8Rや遊技効果ランプ9を用いた演出の実行、第2演出制御基板30のリセット(リセット信号の送信)などを行える。
(第2演出制御基板30(表示制御部31のVDP)の主要な動作)
第2演出制御基板30では、パチンコ遊技機1の電源が投入されたり、リセット信号が供給されたりすると、VDPが図24の第2演出制御メイン処理を実行する。
表示制御部31のVDPは、まず、所定の初期設定処理を実行して、VRAMなどのクリアや各種初期値の設定、また表示制御部31またはVDPが備えるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う(ステップS71)。これによって、当該処理が終了すると、表示制御部31のVDPは、演出実行のための通常の処理を実行可能な状態(つまり、立ち上がった状態)になるので、立ち上がり信号を第1演出制御基板12に送信する(ステップS71)。なお、上述のように、表示制御部31のVDPは、主基板11のCPU103や第1演出制御基板12の演出制御用CPU120などに比べ立ち上がり(初期設定等)に時間がかかる場合があり、立ち上がり信号によって、第1演出制御基板12に立ち上がったことを知らせることができる(なお、立ち上がり後は、デモ表示が行われ、これによって遊技者は遊技を開始する。)。
ステップS72のあとは、表示制御部31のVDPは、動作確認用タイマに予め定められたタイマ初期値を設定する(ステップS73)。動作確認用タイマは、表示制御部31のVRAMなどに設けられ、正常動作信号の次回の送信タイミングまでの期間を計測するためのものであり、タイマ初期値は、正常動作信号の送信間隔(ここでは、1秒)に対応した値である。
ステップS73のあとは、表示制御部31のVDPは、VRAMなどの所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS74)。タイマ割込みフラグは、第2演出制御メイン処理とは別に実行されるタイマ割込処理にて、例えばCTCのレジスタ設定などに基づき、所定時間が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。このため、後述の処理は、タイマ割り込みが発生するごとに実行されることになる。
なお、第2演出制御基板30の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、第1演出制御基板12からの第2演出制御コマンドを取り込むため(受信するため)の処理が適宜行われる。受信した第2演出制御コマンドは、例えばVRAMなどに設けられた第2演出制御コマンド受信用バッファに受信順に格納する(なお、チェックサムが付随しているときには、当該チェックサムも第2演出制御コマンドに対応して格納される)。なお、第2演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドは、後述の第2演出制御コマンド解析等処理で使用されときに適宜のタイミングで表示制御部31によって削除されるものとする。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS74;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS75)、第2演出制御コマンド解析等処理(図25)を実行する(ステップS76)。
第2演出制御コマンド解析等処理において、表示制御部31のVDPは、第2演出制御コマンド受信用バッファをチェックする(ステップS771)。その後、第2演出制御コマンド受信用バッファにデータが格納されていないときには(ステップS771;No)、本処理を終了する。データが格納されているときは(ステップS771;Yes)、当該データが受信コマンドである第2演出制御コマンドとして揃ったデータであるかを判定する(ステップS773)。
上述のように、第2演出制御コマンドのヘッダは、第1演出制御コマンドになっており、第1演出制御コマンドの上位バイトのデータであるMODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となる。一方で、第1演出制御コマンドの下位バイトのデータであるEXTデータの先頭ビット(2進数)は「0」となる。また、第2演出制御コマンドのフッタは、時短残回数を指定するもので、10進数で最大100までしか値を取らないので、当該フッタの上位の1バイト及び下位の1バイトの各データの先頭ビットも「0」である。さらに、サムチェックも上述のように先頭ビットは「0」になる。このため、先頭ビットが「1」となる1バイトのデータは、第2演出制御コマンドのヘッダ(第1演出制御コマンドのMODEデータ)であることが分かる。また、第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンドが上記特定コマンド(変動パターン指定コマンド、当り開始指定コマンド、当り終了指定コマンド、客待ちデモ指定コマンドのうちのいずれか)であるときには(第2演出制御コマンドのヘッダ(第1演出制御コマンドのMODEデータ)により特定できる)、チェックサムがつく。
つまり、第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンドが特定コマンドでないときは、先頭ビットが「0」の1バイトのデータ(以下、後続1バイトデータという。)が3つ続く(ヘッダ下位とフッタとが後続1バイトデータによって構成される。)。第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンドが特定コマンドのときは、後続1バイトデータが4つ続く(ヘッダ下位とフッタとが後続1バイトデータのうちの先頭側の3バイトで構成され、チェックサムが最後の1バイトによって構成される。)。
一方、後続1バイトデータが2つ以下又は5つ以上の場合(例えば、MODEデータに続く後続1バイトデータが1つのみで、その後に続くデータがバッファに格納されていない場合や、MODEデータに続く後続1バイトデータが1つでその後に続くデータが他のMODEデータの場合など)、第2演出制御コマンドを構成するデータが揃っていないことになる。
表示制御部31のVDPは、ステップS773で、第2演出制御コマンド受信用バッファ内のデータ全てが1以上の第2演出制御コマンドとして揃ったデータであるかを判定し(バッファ内の全ての第2演出制御コマンドについて判定する。)、揃っていない場合(例えば、第2演出制御コマンドが特定コマンドを含むときは後続1バイトデータが4つ続いていない場合、第2演出制御コマンドが特定コマンド以外の第1演出制御コマンドを含むときは後続1バイトデータが3つ続いていない場合)(ステップS773;No)には異常受信なので、第2演出制御コマンド受信用バッファ内のコマンド(データ)を全て削除して(ステップS774)、本処理を終了する。
なお、ステップS774では、実行中の演出がある場合、当該演出の実行を中止してもよい(例えば、後述の使用パターンとしてセットされている演出制御パターンをリセットする、演出プロセスフラグを0にリセットするなど)。また、表示制御部31のVDPは、所定の映像信号を画像表示装置5に供給して異常が発生したこと画面を表示するようにしてもよい。
なお、ステップS773では、MODEデータに続く後続1バイトデータが3つ又は4つであるかを判定することで、第2演出制御コマンドを構成するデータが揃っているかを判定してもよい。
第2演出制御コマンド受信用バッファ内のデータ全てが1以上の第2演出制御コマンドとして揃ったデータである場合(例えば、第2演出制御コマンドが特定コマンドを含むときは後続1バイトデータが4つ続いている場合、第2演出制御コマンドが特定コマンド以外の第1演出制御コマンドを含むときは後続1バイトデータが3つ続いている場合)(ステップS771;Yes)、1以上の第2演出制御コマンドのうちでチェックサムが付随したものがあるかを判定する(ステップS781)。例えば、後続1バイトデータが4つのコマンドがあるかを判定すればよい。または、第1演出制御コマンドのMODEデータによって当該第2演出制御コマンドが特定コマンドを含んだものであるかを判定すればよい。
チェックサムが付随している場合には(ステップS781;Yes)、第2演出制御コマンドを構成する各ビットのデータを加算し、先頭ビットを0にするために加算した値に7Fを加算することで、チェックサムを計算する。計算したチェックサムと付随しているチェックサムとが同じになるかで、当該コマンドの整合性を判定する(ステップS782)。その後、非整合と判定した場合には(ステップS783;No)、受信コマンドを全て削除するなどの処理を行い(ステップS784、当該処理はステップS774と同様である。)、第1演出制御基板12にコマンド受信信号(非整合)を送信し(ステップS785)、本処理を終了する。コマンドが整合している場合(ステップS783;No)、コマンド受信信号(整合)を送信する(ステップS786)。
ステップS786のあと、チェックサムが付随した受信コマンド(第2演出制御コマンド)がない場合(ステップS781;No)、受信コマンドの内容(MODEデータ)に応じた処理、つまり、受信コマンドがどの第1演出制御コマンドを含む第2演出制御コマンドであるかに応じて図26に示す処理を行う(ステップS78)。なお、ステップS786では、第2演出制御コマンドが複数ある場合には、全ての第2演出制御コマンドについて図26に示す処理を行う。
図26に、第2演出制御コマンドに含まれる第1演出制御コマンド(第1演出制御コマンド名)と、その第2演出制御コマンドに対応する処理内容と、の関係を示す。なお、図26における各コマンド受信フラグ、各コマンド格納領域、コマンドバッファは、表示制御部31のVRAMなどに設けられる。また、各コマンド受信フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。なお、各コマンド受信フラグの状態や各コマンド格納領域に格納されたコマンド(第2演出制御コマンド)は、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい(フラグの状態やコマンドを確認する必要がないタイミングでリセット又は消去されればよい。)。
遊技状態指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、当該遊技状態指定コマンドが指定する遊技状態に応じて、高確フラグ(高確時にオンとなるフラグであり、VRAMなどの所定領域に設けられる。)の状態や高ベースフラグ(高ベース時にオンとなるフラグであり、VRAMなどなどに設けられる。)の状態を切り替える。遊技状態指定コマンドが確変状態を指定している場合には、高確フラグをオン状態とする(すでにオン状態であれば、その状態を維持する)。遊技状態指定コマンドが時短状態を指定している場合には、高ベースフラグをオン状態とする(すでにオン状態であれば、その状態を維持する)。
図27(A)に示すように、第1始動入賞時コマンドバッファには、バッファ番号となる保留表示番号(第1保留表示番号)が設定されている。第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、第1入賞時判定結果指定コマンドをそれぞれ含む各第2演出制御コマンドの受信時には、当該第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、第1入賞時判定結果指定コマンドからなる第1始動入賞時コマンドを、1セットして第1保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納する。
図27(B)に示すように、第2始動入賞時コマンドバッファには、バッファ番号となる保留表示番号(第2保留表示番号)が設定されている。第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、第2入賞時判定結果指定コマンドをそれぞれ含む各第2演出制御コマンドの受信時には、当該第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数加算指定コマンド、及び、第2入賞時判定結果指定コマンドからなる第2始動入賞時コマンドを、1セットとして第2保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納される。
第1始動入賞時コマンドは、第1特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から第1演出制御基板12を介して第2演出制御コマンドの一部として送信されるので、当該第1特図ゲームの保留の発生時(第1始動入賞発生時)には、第1始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第1始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。第2始動入賞時コマンドは、第2特図ゲームの保留の発生に対応して主基板11から第1演出制御基板12を介して第2演出制御コマンドの一部として送信されるので、当該第2特図ゲームの保留の発生に対応して、第2始動入賞時コマンドバッファに格納される1セットの受信コマンド(第2始動入賞時コマンド)が1つ増えることになる。
また、詳しくは後述するが、第1特図ゲームの実行時には、第1保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第1始動入賞時コマンドがそれぞれ上位の番号の第1保留表示番号「1」〜「3」にシフトする(後述のステップS321参照)。同様にして、第2特図ゲームの実行時には、第2保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第2始動入賞時コマンドがそれぞれ上位の番号の第2保留表示番号「1」〜「3」にシフトする(後述のステップS321参照)。
上記のようなことにより、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号と第1特図保留記憶部の保留番号とで同じ番号に対応して記憶される、第1始動入賞時コマンドと保留データ(及び当該保留データに対応する第1特図ゲーム)とが対応することになり、第1始動入賞時コマンドバッファに格納される第1始動入賞時コマンドの数は、第1特図ゲームの第1特図保留記憶数と同じになる。また、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号と第2特図保留記憶部の保留番号とで同じ番号に対応して記憶される、第2始動入賞時コマンドと保留データ(及び当該保留データに対応する第2特図ゲーム)とが対応することになり、第2始動入賞時コマンドバッファに格納される第2始動入賞時コマンドの数は、第2特図ゲームの第2特図保留記憶数と同じになる。
さらに、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファにおける各保留表示番号は、保留表示画像の各表示位置にも対応する。
具体的には、第1始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号は、表示エリア5Hの領域5Haに設けられている第1保留表示画像の各表示位置に対応し、保留表示番号「1」は領域5Haにおける最も左の表示位置に対応し、保留表示番号「2」は領域5Haにおける左から2番目の表示位置に対応し、保留表示番号「3」は領域5Haにおける左から3番目の表示位置に対応し、保留表示番号「4」は領域5Haにおける左から4番目(最も右)の表示位置に対応する。
具体的には、第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号は、表示エリア5Hの領域5Hbに設けられている第2保留表示画像の各表示位置に対応し、保留表示番号「1」は領域5Hbにおける最も左の表示位置に対応し、保留表示番号「2」は領域5Hbにおける左から2番目の表示位置に対応し、保留表示番号「3」は領域5Hbにおける左から3番目の表示位置に対応し、保留表示番号「4」は領域5Hbにおける左から4番目(最も右)の表示位置に対応する。
さらに、第1始動入賞時コマンドバッファ、第2始動入賞時コマンドバッファそれぞれには、各保留表示番号に対応して、第1保留変化演出を実行することを示す情報である第1保留変化演出情報を格納する格納領域と、先読みチャンス目を実行することを示す情報である先読みチャンス目情報を格納する格納領域とが設けられている。
第1保留変化演出情報は、ここでは、当該情報に対応する保留表示番号に対応する特図ゲームをターゲットとする第1保留変化演出を実行することを示し、かつ、第1保留変化演出の種類(詳しくは後述する。)を示す情報である。
先読みチャンス目情報は、ここでは、当該情報に対応する保留表示番号に対応する特図ゲームをターゲットとする先読みチャンス目を実行することを示し、かつ、先読みチャンス目の種類(詳しくは後述する。)を示す情報である。
詳しくは後述するが、可変表示の実行時に第1保留変化演出情報や先読みチャンス目情報がチェックされて、当該可変表示における第1保留変化演出や先読みチャンス目の実行の有無やその実行する演出の種類が特定される。
なお、図27の始動入賞時コマンドバッファにおいて、「0000(H)」は、コマンドが格納されていないことを示し、第1保留変化演出情報の欄の「−」は、第1保留変化演出情報が格納されていないこと(当該情報に対応する保留表示番号に対応した特図ゲームをターゲットとする第1保留変化演出が実行されないこと)を示す。先読みチャンス目情報の欄の「−」は、先読みチャンス目情報が格納されていないこと(当該情報に対応する保留表示番号に対応した特図ゲームをターゲットとする先読みチャンス目が実行されないこと)を示す。
また、第1特図保留記憶数加算指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、表示エリア5Hの領域5Haに第1保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。第2特図保留記憶数加算指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、表示エリア5Hの領域5Haに第2保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。このようなことによって、第1始動入賞の発生に基づいて第1特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第1保留表示画像が1つ増やされる。また、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第2保留表示画像が1つ増やされる。なお、当該保留表示画像の更新は、後述の先読み予告設定処理にて行うようにしてもよい。
また、客待ちデモ指定コマンドを含む第2演出制御コマンドの受信時には、画像表示装置5を制御して(順次映像信号を送信して)、デモ表示を画像表示装置5に行わせる。なお、デモ表示は、可変表示が開始されるまで行われる。また、表示制御部31は、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9の点灯などによる演出を実行するためのランプコマンドや音声コマンドを第1演出制御基板12に送信してもよい。
図24に戻り第2演出制御コマンド解析等処理(ステップS76)を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS77)。演出制御プロセス処理は後述する。そして、演出用乱数更新処理を実行する(ステップS78)。演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、VRAMなどの演出用ランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、動作確認用タイマのタイマ値を1減じ(ステップS79)、減じたあとのタイマ値が0になったかを判定し(ステップS80)、0になった場合には(ステップS80;Yes)、正常動作信号を送信し(ステップS81)、その後に動作確認用タイマに初期値(ステップS73の初期値と同じ)を設定して(ステップS82)、ステップS74の処理を再度実行する(減じたあとのタイマ値が0になっていないときも同様(ステップS80;No))。ステップS79〜S82などによって、正常動作信号が定期的に第1演出制御基板12に送信される。
次に演出制御プロセス処理を説明する。図28は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す演出制御プロセス処理では、表示制御部31のVDPは、まず、先読み予告設定処理(ステップS161)を実行したあと、VRAMなどの所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
まず、先読み予告設定処理を説明する。図29は、先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。
先読み予告設定処理では、表示制御部31のVDPは、まず、今回新たに始動入賞時コマンドを受信したか否か(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信したか否か。以下、他の第1演出制御コマンドについて同じ。)を判定する(ステップS671)。なお、複数セットの始動入賞時コマンドが始動入賞時コマンドバッファに格納されたときには、各セットの始動入賞時コマンドについて以下の処理を行ってもよい。
新たな始動入賞時コマンドの受信が無い場合(ステップS671;No)、先読み予告を実行することはないので、先読み予告設定処理を終了する。
新たな始動入賞時コマンドの受信が有る場合(ステップS671;Yes)、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」であるかを判定し(ステップS672)、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号が「1」でない場合(「2」〜「4」の場合)には(ステップS672;No)、先読み予告の実行禁止条件が成立しているかを判定する(ステップS673)。当該実行禁止条件は、先読み予告の実行を禁止するときの条件であり、ここでは、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに含まれる入賞時判定結果指定コマンドが「判定無し」を指定しているとき、ターゲット前に実行される可変表示において「大当り判定」の判定があるとき(始動入賞時コマンドバッファの内容をチェックし、当該新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号よりも前の保留表示番号の各入賞時判定結果指定コマンドや、当該新たに受信した始動入賞時コマンドが第1始動入賞時コマンドのときに第2始動入賞時コマンドバッファに格納された各入賞時判定結果指定コマンドに「大当り判定」の入賞時判定結果を指定しているコマンドがあったときなど)に成立する条件である。
先読み予告の実行禁止条件が成立していない場合(ステップS673;No)、第1保留変化演出が実行予定であるかを判定する(ステップS674A)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、各コマンドバッファのいずれかに第1保留変化演出情報が格納されている場合に第1保留変化演出が実行予定であると判定する(ステップS674A;Yes)。
第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファのいずれにも第1保留変化演出情報が格納されておらず、第1保留変化演出を実行予定でない場合(ステップS674A;No)、先読みチャンス目が実行予定であるかを判定する(ステップS674B)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、各コマンドバッファのいずれかに先読みチャンス目情報が格納されている場合に先読みチャンス目が実行予定であると判定する(ステップS674B;Yes)。
第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファのいずれにも先読みチャンス目情報が格納されておらず、先読みチャンス目を実行予定でない場合(ステップS674B;No)、先読みチャンス目の実行の有無などを決定する(ステップS675)。
ステップS675において、表示制御部31のVDPは、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等(VRAMなどに設けられる、演出用乱数更新処理で乱数値が更新されるカウンタ。)により更新される先読みチャンス目の実行有無の決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR1に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意された先読みチャンス目実行決定テーブルを参照して先読みチャンス目の実行の有無などを決定する。
先読みチャンス目実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、入賞時判定結果指定コマンドが指定する入賞時判定結果に応じて異なる範囲(図30の決定割合を実現するような数値範囲)で、決定結果となる「実行無し」、「先読みチャンス目A」、「先読みチャンス目B」に割り当てられていればよい。
この実施の形態では、2種類の先読みチャンス目が用意されており、一方が「先読みチャンス目A」で、他方が「先読みチャンス目B」である。「先読みチャンス目A」と「先読みチャンス目B」とでは、ターゲットの大当り期待度が異なり、かつ、停止するチャンス目が異なる(図19のように、先読みチャンス目Aでは偶数の所定チャンス目が停止し、先読みチャンス目Bでは奇数の所定チャンス目が停止する。)。なお、チャンス目停止時において、飾り図柄を発光させるようにしてもよく、この場合には、「先読みチャンス目A」と「先読みチャンス目B」とで異なる発光色とすることで、両者を区別するようにしてもよい。
表示制御部31のVDPは、先読みチャンス目実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR1に合致する決定値に入賞時判定結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であれば先読みチャンス目を実行しないと決定し、「先読みチャンス目A」であれば先読みチャンス目Aを実行すると決定し、「先読みチャンス目B」であれば先読みチャンス目Bを実行すると決定する(決定結果はVRAMなどの所定領域に格納しておけばよい。他の決定についても同様)。
図30の決定割合から分かるように、入賞時判定結果が「大当り判定」のときには、「先読みチャンス目B」、「先読みチャンス目A」、「実行無し」の順で決定されやすくなっており、「ハズレ判定」のときはその逆になっている。このため、大当り期待度は、「先読みチャンス目B」が実行されたときが最も高く、先読みチャンス目を実行しないときが最も低くなっている。このように、先読みチャンス目は、ターゲットの大当り期待度が高いことを予告し、かつ、先読みチャンス目Bの方が先読みチャンス目Aよりも大当り期待度が高いことを予告する。
ステップS675のあと、第1保留変化演出の実行の有無などを決定する(ステップS676)。ステップS676において、表示制御部31のVDPは、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等により更新される第1保留変化演出の実行有無の決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR2に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意された第1保留変化演出実行決定テーブルを参照して第1保留変化演出の実行の有無などを決定する。
第1保留変化演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、入賞時判定結果指定コマンドが指定する入賞時判定結果に応じて異なる範囲(図31の決定割合を実現するような数値範囲)で、決定結果となる「実行無し」、「保留→青」、「保留→赤」に割り当てられていればよい。
この実施の形態では、2種類の第1保留変化演出が用意されており、一方が保留記憶画像の色を白色(通常時の色)から青色に変化させる演出(「保留→青」の演出であり、以下、第1保留変化演出(青)ともいう。)で、他方が保留記憶画像の色を白色から赤色に変化させる演出(「保留→赤」の演出であり、以下、第1保留変化演出(赤)ともいう。)である。なお、特殊図柄は両者で共通である。
表示制御部31は、第1保留変化演出実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR2に合致する決定値に入賞時判定結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であれば第1保留変化演出を実行しないと決定し、「保留→青」であれば第1保留変化演出(青)を実行すると決定し、「保留→赤」であれば第1保留変化演出(赤)を実行すると決定する。
図29の決定割合から分かるように、入賞時判定結果が「大当り判定」のときには、「保留→赤」、「保留→青」、「実行無し」の順で決定されやすくなっており、「ハズレ判定」のときはその逆になっている。このため、大当り期待度は、「第1保留変化演出(赤)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が赤色になったとき)が最も高く、「第1保留変化演出(青)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が青色になったとき)が次に高く、第1保留変化演出を実行しないときが最も低くなっている。このように、第1保留変化演出は、保留表示画像の表示色を変化させることで、ターゲット(保留表示画像に対応する可変表示)の大当り期待度が高いことを予告し、かつ、保留表示画像が赤色に変化したときの方が、保留表示画像が青色に変化したときよりも大当り期待度が高いことを予告する。
ステップS676のあと、表示制御部31のVDPは、ステップS675及びS676により、先読みチャンス目B及び第1保留変化演出を実行すると決定したか否かを判定し(ステップS677)、両者を実行すると決定している場合に(ステップS677;Yes)、第1保留変化演出のキャンセルの有無を決定する(ステップS678)。
ステップS678において、表示制御部31のVDPは、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等により更新される第1保留変化演出のキャンセル有無の決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR3に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意されたキャンセル有無決定テーブルを参照して第1保留変化演出のキャンセルの有無を決定する。
キャンセル有無決定テーブルでは、例えば、乱数値SR3と比較される数値(決定値)が図32の決定割合を実現するような数値範囲で決定結果となる「実行キャンセル」、「キャンセル無し」に割り当てられていればよい。
表示制御部31のVDPは、キャンセル有無決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR3に合致する決定値に割り当てられた決定結果が「実行キャンセル」であれば第1保留変化演出の実行をキャンセルすると決定し、「キャンセル無し」であれば第1保留変化演出の実行をキャンセルしないと決定する。
図32に示すように、第1保留変化演出と先読みチャンス目とを実行すると決定した場合には、高い割合で第1保留変化演出の実行をキャンセルする。
先読みチャンス目B及び第1保留変化演出のいずれも実行すると決定していない場合(ステップS677;No)、ステップS678のあとは、上記の決定結果を、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに、今回の新たな始動入賞時コマンドの保留表示番号に対応させて記録する(ステップS679)。
例えば、先読みチャンス目Aを実行すると決定している場合には、先読みチャンス目Aを実行することを示す情報(例えば、「先読みチャンス目A」)を先読みチャンス目情報として記録する。例えば、先読みチャンス目Bを実行すると決定している場合には、先読みチャンス目Bを実行することを示す情報(例えば、「先読みチャンス目B」)を先読みチャンス目情報として記録する。
なお、先読みチャンス目を実行しないと決定したときには、先読みチャンス目情報を記録しないことになるが、先読みチャンス目を実行しない旨の情報(先読みチャンス目情報が格納されていないことを示す情報でもある。)を、先読みチャンス目情報の格納領域に格納するようにしてもよい。
また、第1保留変化演出(青)を実行すると決定している場合には、第1保留変化演出(青)を実行することを示す情報(例えば、「保留→青」)を第1保留変化演出情報として記録する。例えば、第1保留変化演出(赤)を実行すると決定している場合には、第1保留変化演出(赤)を実行することを示す情報(例えば、「保留→赤」)を第1保留変化演出情報として記録する。但し、第1保留変化演出の実行がステップS678でキャンセルされているときには第1保留変化演出情報は記録されない。
なお、第1保留変化演出を実行しないと決定したときや前記のキャンセルがあったときには、第1保留変化演出情報を記録しないことになるが、第1保留変化演出を実行しない旨の情報(第1保留変化演出情報が格納されていないことを示す情報でもある。)を、第1保留変化演出情報の格納領域に格納するようにしてもよい。
先読みチャンス目が実行予定である場合(ステップS674B;Yes)、第2保留変化演出の実行の有無などを決定する(ステップS681)。
ステップS681において、表示制御部31のVDPは、まず、乱数回路または演出用ランダムカウンタ等により更新される第2保留変化演出の実行有無の決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出する。続いて、当該乱数値SR4に基づいて、CGROMなどに予め記憶されて用意された第2保留変化演出実行決定テーブル(図31)を参照して第2保留変化演出の実行の有無などを決定する。
第2保留変化演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、入賞時判定結果指定コマンドが指定する入賞時判定結果に応じて異なる範囲で、決定結果となる「実行無し」、「保留→青」、「保留→赤」に割り当てられていればよい。
この実施の形態では、2種類の第2保留変化演出が用意されており、一方が保留記憶画像の色を白色から青色に変化させる演出(「保留→青」の演出であり、以下、第2保留変化演出(青)ともいう。)で、他方が保留記憶画像の色を白色から赤色に変化させる演出(「保留→赤」の演出であり、以下、第2保留変化演出(赤)ともいう。)である。
表示制御部31のVDPは、第2保留変化演出実行決定テーブルにおいて、今回抽出した乱数値SR4に合致する決定値に入賞時判定結果に応じて割り当てられた決定結果が「実行無し」であれば第2保留変化演出を実行しないと決定し、「保留→青」であれば第2保留変化演出(青)を実行すると決定し、「保留→赤」であれば第2保留変化演出(赤)を実行すると決定する。
図31の決定割合から分かるように、入賞時判定結果が「大当り」のときには、「保留→赤」、「保留→青」、「実行無し」の順で決定されやすくなっており、「ハズレ」のときはその逆になっている。このため、大当り期待度は、「第2保留変化演出(赤)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が赤色になったとき)が最も高く、「第2保留変化演出(青)」が実行されたとき(つまり、保留表示画像が赤色になったとき)が次に高く、第2保留変化演出を実行しないときが最も低くなっている。このように、第2保留変化演出は、保留表示画像の表示色を変化させることで、ターゲット(保留表示画像に対応する可変表示)の大当り期待度が高いことを予告し、かつ、保留表示画像が赤色に変化したときの方が、保留表示画像が青色に変化したときよりも大当り期待度が高いことを予告する。
ステップS681のあとは、第2保留変化演出の実行を決定したかを判定し(ステップS682)、第2保留変化演出を実行すると決定している場合には(ステップS682;Yes)、決定した種類の第2保留変化演出を実行する(ステップS683)。例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることなどによって、ターゲットの保留表示画像(今回の新たに受信した始動入賞時コマンドに対応する保留表示番号に対応した保留表示画像)の色を変化させることで、第2保留変化演出を実行する。第2保留変化演出(青)を実行する場合にはターゲットの保留表示画像を青に変化させ、第2保留変化演出(赤)を実行する場合にはターゲットの保留表示画像を赤に変化させる。
このように第2保留変化演出は、保留表示画像の表示後すぐに実行される(見た目上は、第2保留変化演出実行後の色で保留表示画像の表示が開始されたように見える)。一方で、第1保留変化演出は、保留表示画像を表示後すぐには実行されず、そのあとに開始される可変表示で実行される(詳しくは後述する)。第1保留変化演出で保留表示画像の色を変化させたあとの色と、第2保留変化演出で保留表示画像の色を変化させたあとの色とは、共通であり、各色の大当り期待度も同様であり、第1保留変化演出と第2保留変化演出とでは、特殊図柄の表示の有無や実行タイミングが異なり、保留表示画像を変化させる点で共通する。
ステップS679のあと、ステップS683のあと、保留表示番号が「1」のとき(ステップ672;Yes)、先読み予告の実行禁止条件が成立したとき(ステップ673;Yes)、第1保留変化演出の実行予定があるとき(ステップS674A;Yes)、新たな始動入賞時コマンドの受信が無いとき(ステップS671;No)、第2保留変化演出を実行しないと決定したとき(ステップS682;No)には、先読み予告設定処理を終了する。
図30及び図31に示すように、先読みチャンス目B>第1保留変化演出(赤)及び第2保留変化演出(赤)>第1保留変化演出(青)及び第2保留変化演出(青)>先読みチャンス目Aの順で大当り期待度が高くなっている。また、先読みチャンス目Bと第1保留変化演出とを実行されると決定した場合には、図32に示すように、第1保留変化演出の実行がキャンセルされる可能性が高い。このため、先読みチャンス目Bと第1保留変化演出とは、同じターゲットについて実行されにくくなっている。なお、第1保留変化演出は、後述のように、次に開始される可変表示で実行される。また、先読みチャンス目は、後述のように、次の開始される可変表示からターゲット前に実行される可変表示までの各可変表示で実行されることになる。なお、第1保留変化演出と大当り期待度の低い先読みチャンス目Aとを実行すると決定したときには、次に開始される可変表示(最初の可変表示)において、先読みチャンス目のチャンス目に特殊図柄が差し替えられて表示され(特殊図柄以外は、先読みチャンス目の種類に応じたチャンス目を構成する飾り図柄が導出表示される。)、ターゲットの保留表示画像の色を変化させることが行われ、第1保留変化演出が優先して実行される。
次にステップS170〜S175の処理(図28)を説明する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。
この可変表示開始待ち処理では、表示制御部31のVDPは、主基板11からの変動開始指定コマンド(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信したか否か。以下、他のコマンドについても適宜同じ。)を受信したか否かを判定する。なお、当該判定は、例えば、第2演出制御コマンド解析等処理にて制御される第1又は第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態になっているか否かによって判定すればよい。なお、他のコマンドについて受信の有無を確認する場合についても例えば同様であり、確認対象のコマンドに対応する受信フラグの状態に基づいて当該コマンドの受信の有無の確認を行えばよい。
変動開始指定コマンドを受信している場合、特図ゲームの開始に同期して飾り図柄の可変表示を開始するため、演出プロセスフラグの値を“1”に更新してから、可変表示開始待ち処理は終了する。変動開始指定コマンドを受信していない場合、可変表示開始待ち処理はそのまま終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図33は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、表示制御部31のVDPは、まず、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をシフトさせるとともに、シフト後の記憶内容をチェックする(ステップS321)。記憶内容のシフトでは、第1変動開始指定コマンドを受信しているときには、第1始動入賞時コマンドバッファの第1保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第1始動入賞時コマンド、先読みチャンス目情報、第1保留変化演出情報をそれぞれ上位の番号の第1保留表示番号「1」〜「3」にシフトさせる(シフト前の第1保留表示番号「1」に対応した記憶内容は削除される)。第2変動開始指定コマンドを受信しているときには、第2始動入賞時コマンドバッファの第2保留表示番号「2」〜「4」に対応して記憶されている第2始動入賞時コマンド、先読みチャンス目情報、第2保留変化演出情報をそれぞれ上位の番号の第2保留表示番号「1」〜「3」にシフトさせる(シフト前の第2保留表示番号「1」に対応した記憶内容は削除される)。
ステップS321のあと、シフト後の第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに先読みチャンス目情報が格納されているかを判定する(ステップS323)。先読みチャンス目情報が格納されている場合(ステップS323;Yes)、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドで指定される)と、今回の先読みチャンス目の種類(前記先読みチャンス目情報により示される)とに応じたチャンス目を最終停止図柄(確定飾り図柄)として決定する(ステップS324)。例えば、変動パターンがリーチ変動パターンである場合には、「4 2 4」(「先読みチャンス目A」の場合)又は「5 3 5」(「先読みチャンス目B」の場合)のリーチチャンス目を最終停止図柄として決定する。例えば、変動パターンが非リーチ変動パターンである場合には、「4 4 2」(「先読みチャンス目A」の場合)又は「5 5 3」(「先読みチャンス目B」の場合)の非リーチチャンス目を最終停止図柄として決定する。ステップS324のあとは、後述のステップS330が実行される。
一方、先読みチャンス目情報が格納されていない場合(ステップS323;No)、シフト後の第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに第1保留変化演出情報が格納されているかを判定する(ステップS325)。
第1保留変化演出情報が格納されている場合(ステップS325;Yes)、今回の変動パターンに応じた組合せであって、特殊図柄を含む飾り図柄の組合せを最終停止図柄(確定飾り図柄)として決定する(ステップS326)。例えば、変動パターンがリーチ変動パターンである場合には、「6 保 6」又は「7 保 7」を最終停止図柄として決定する(どちらにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)。例えば、変動パターンが非リーチ変動パターンである場合には、「6 保 4」又は「7 保 5」を最終停止図柄として決定する(どちらにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)。「保」は、保留が変化すること示す、第1保留変化演出で使用される特殊図柄である。上記のように、ここでは、最終停止図柄を構成する飾り図柄のうち特殊図柄以外の図柄は、チャンス目を構成しないようになっている。つまり、チャンス目崩れが最終停止図柄に決定されることはない。ステップS326のあとは、ステップS331の処理が行われる。
なお、チャンス目崩れとは、最終停止図柄停止前(最後の飾り図柄の停止前)にチャンス目を期待させる組合せをいい、この実施の形態では、「左」→「右」→「中」の順に飾り図柄が停止するので、最終停止図柄のうちの「左」の飾り図柄(飾り図柄表示エリア5Lに表示される飾り図柄)と「右」の飾り図柄(飾り図柄表示エリア5Rに表示される飾り図柄)とが先読みチャンス目のチャンス目と一致する組合せをいう。
第1保留変化演出情報が格納されていない場合(ステップS325;No)、今回の変動パターン及び今回の表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される表示結果)に応じた飾り図柄の組合せを最終停止図柄(確定飾り図柄)として決定する(ステップS327)。例えば、今回の表示結果が「大当り」のときには、「4 4 4」、「5 5 5」、「6 6 6」、「7 7 7」のいずれかを最終停止図柄として決定する。今回の表示結果が「ハズレ」のときは、今回の変動パターンがリーチ変動パターンであれば、予め用意された複数のリーチハズレ組合せのうちのいずれかを最終停止図柄として決定し(どのリーチハズレ組合せにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)、今回の変動パターンが非リーチ変動パターンであれば、予め用意された複数の非リーチ組合せのうちのいずれかを最終停止図柄として決定する(どの非リーチ組合せにするかは、乱数値とテーブルとを用いてランダムに決定すればよい。)。ここで最終停止図柄として決定され得るリーチハズレ組合せと非リーチ組合せとしては、上記チャンス目崩れが含まれる(上記チャンス目そのものは除外される。)。これによって、「左」の停止図柄と「右」の停止図柄とが停止したときに、これら停止図柄がチャンス目の一部を構成していた場合に、チャンス目が成立する場合(ステップS324を実行した場合)と成立しない場合(ステップS327を実行した場合)とを存在させることができる(「左」と「右」で図柄が停止したタイミングでチャンス目が確定してしまうことを防止できる(特に非リーチの場合))。
なお、最終停止図柄をランダムに決定するときには、偶数の飾り図柄が停止表示されるよりも、奇数の飾り図柄が停止するときの方が大当り期待度が高くなるような決定を行ってもよい。
ステップS330では、シフト後の第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファに第1保留変化演出情報が格納されているかを判定する。
第1保留変化演出情報が格納されている場合(ステップS330;Yes)、また、ステップS326のあとは、第1保留変化演出情報が示す種類の第1保留変化演出を実行することを決定する(ステップS331)。ステップS331では、ステップS324又はS326で決定した最終停止図柄のうち、「中」の位置の停止図柄を特殊図柄に差し替えるとともに(ステップS326の処理によって、すでに特殊図柄になっているときには、差し替え不要である。)、第1保留変化演出情報が第1保留変化演出(青)を実行することを示す場合には、第1保留変化演出情報に対応する保留表示番号に対応した保留表示画像(ターゲットの保留表示画像)を青に変化させる第1保留変化演出を実行すると決定し、第1保留変化演出情報が第1保留変化演出(赤)を実行することを示す場合には、第1保留変化演出情報に対応する保留表示番号に対応した保留表示画像(ターゲットの保留表示画像)を赤に変化させる第1保留変化演出を実行すると決定する。その後、当該第1保留変化演出情報を削除する(ステップS332)。これによって、第1保留変化演出は、当該演出の実行決定後に最初に実行される可変表示のみで実行されることになる。
ステップS332のあと、ステップS327のあと、第1保留変化演出情報が格納されていない場合(ステップS330;No)、今回の変動パターンや上記の決定結果などに応じた演出制御パターンを今回の飾り図柄の可変表示に使用する使用パターンとして設定する(ステップS333)。具体的には、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄(特殊図柄への差し替えがあったときには、差し替え後の最終停止図柄)を確定飾り図柄として導出表示させる態様で飾り図柄の可変表示を実行する演出制御パターンを今回の使用パターンとして設定する。また、上記第1保留変化演出を実行すると決定した場合には、決定した種類の第1保留変化演出を実行する演出制御パターンを今回の使用パターンとして設定する。
ステップS333のあとには、表示制御部31のVDPは、例えば今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、VRAMなどの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマに初期値として設定する(ステップS334)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄の変動を開始させる(ステップS327)。このときには、例えばステップS333にて使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて、画像表示装置5を制御し(映像信号の送信等。以下制御について同じ。)、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させる。
その後、保留表示画像の表示の更新設定を行う(ステップS336)。例えば、第1特図保留記憶数減算指定コマンドを受信しているとき(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信しているとき)には、画像表示装置5を制御して表示エリア5Hの左の領域5Haの最も左の第1保留表示画像を消去し、他の第1保留表示画像それぞれを左隣の表示位置にシフトさせる(第1保留表示画像が一つのときは、当該第1保留表示画像の消去のみが行われる。)。例えば、第2特図保留記憶数減算指定コマンドを受信しているとき(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信しているとき)には、画像表示装置5を制御して表示エリア5Hの右の領域5Hbの最も左の第2保留表示画像を消去し、他の第2保留表示画像それぞれを左隣の表示位置にシフトさせる(第2保留表示画像が一つのときは、当該第2保留表示画像の消去のみが行われる。)。
その後、高ベースフラグがオン状態であるかを判定し(ステップS337)、オン状態のときには(ステップS337;Yes)、時短残回数が表示されているので(図38)、変動パターン指定コマンド格納領域に格納された第2演出制御コマンド(変動パターン指定コマンドをヘッダとして有する第2演出制御コマンド)のフッタによって特定される時短残回数(時短状態中に実行可能な可変表示の残りの実行回数)を画像表示装置5に更新表示する制御を行う(ステップS338)。
ステップS338、高ベースフラグがオフ状態のとき(ステップS337;No)、演出プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS339)、可変表示開始設定処理を終了する。
図28のステップS172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図34は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、表示制御部31のVDPは、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、今回の変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在が第1保留変化演出実行期間であるかを判定する(ステップS552)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい(例えば、前記プロセスタイマのタイマ値と演出制御パターンとの比較によって当該期間を特定する。以下、他の期間についても同じ)。現在が第1保留変化演出実行期間である場合(ステップS552;Yes)、表示制御部31のVDPは、例えば、現在設定されている演出制御パターンに含まれる、第1保留変化演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)のうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに基づいて、第1保留変化演出を実行する演出動作制御(基本的には、画像表示装置5を制御して演出画像を表示させる制御であるが、スピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、遊技効果ランプ9などに点灯/消灯駆動を行なわせたりする演出を実行するためにランプコマンドや音声コマンドを第1演出制御基板12に送信してもよい。以下、演出動作制御について同じ。)を行う。タイマ割り込み毎にステップS552が繰り返し実行されることで、第1保留変化演出の実行が実現される。
なお、第1保留変化演出では特殊図柄を含む最終停止図柄を一端仮停止させたあと(例えば、わずかに揺動させながら停止させるなど)、ターゲットの保留表示画像の表示色を変化させる(図34)。なお、仮停止させた最終停止図柄はその後に完全停止し、可変表示が終了する(後述のステップS572)。このように、第1保留変化演出では、特殊図柄が、第1保留変化演出が実行されないときによりも、仮停止によって早く停止するので、最終停止図柄の導出前において保留表示図柄を変化させる期間を確保することができる。なお、第1保留変化演出の実行時、特殊図柄以外の飾り図柄(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rで可変表示される飾り図柄)の停止タイミング(仮停止タイミング)は、第1保留変化演出を実行していないときと同じとするとよい。また、特殊図柄の停止タイミングを第1保留変化演出を実行していないときと同じとしてもよい(この場合、当該停止タイミングは、後述のステップS572の最終停止図柄停止タイミングなどになる)。
ステップS553のあと、現在が第1保留変化演出実行期間でない場合(ステップS552;No)、表示制御部31のVDPは、現在がリーチ演出実行期間であるかを判定する(ステップS554)。当該実行期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該実行期間である場合(ステップS554;Yes)、表示制御部31は、例えば、現在設定されている演出制御パターンに含まれる、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)のうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データに基づいて、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS555)。タイマ割り込み毎にステップS555が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現される。
ステップS555のあと、又は、リーチ演出実行期間でない場合(ステップS554;No)、表示制御部31のVDPは、現在設定されている演出制御パターンに従ったその他の演出動作制御(例えば、飾り図柄の可変表示を実行するための演出動作制御など)を行う(ステップS556)。ステップS556のあと、可変表示中処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信があったか否か)(対応する受信フラグがオンであるか否かなど)を判定する(ステップS571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS571;No)、可変表示中処理を終了して待機する。なお、特図変動時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS571;Yes)、例えば画像表示装置5を制御して、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる(ステップS572)。最終停止図柄は、ステップS171で決定した最終停止図柄(特殊図柄の差し替え処理が行われたときには特殊図柄を含む)である。最終停止図柄が先読みチャンス目のチャンス目であるときには、当該チャンス目の停止によって先読みチャンス目が実行される。第1保留変化演出を実行しているときには、仮停止させている最終停止図柄(特殊図柄を含む組合せの飾り図柄)を完全停止させて停止図柄を確定させる(例えば、揺動を停止させて完全停止させる)。なお、導出表示の制御内容は例えば演出制御パターンにて規定されていればよいが、例えば最終停止図柄のデータをVRAMなどに保持しておき、保持したデータに基づいて最終停止図柄を導出表示してもよい。ステップS572のあとには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS573)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS574)、可変表示中処理を終了する。
なお、ステップS572において、特殊図柄を初めて停止させてもよい。この場合、当該可変表示終了後に保留表示画像を変化させるようにしてもよい。
タイマ割り込み毎にステップS172が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、第1保留変化演出、リーチ演出などの各種演出の実行が実現する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。
特図当り待ち処理において、表示制御部31のVDPは、当り開始指定コマンドの受信があったか否か(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信があったか否か)を判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行される演出)の実行設定を行う。当該大当り中演出は、大当り遊技状態中に実行される演出のうちファンファーレ開始からエンディングの前までの演出である。大当り中演出の実行設定では、例えば、上記大当り中演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定し、使用パターンとして設定した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、本処理を終了する。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。
当り中処理において、表示制御部31のVDPは、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。
当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したか(第2演出制御コマンドのヘッダとして受信があったか)を判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して当り中処理を終了する。
なお、上記更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして設定し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。エンディングの演出制御パターンは、予め設定されていればよい。
タイマ割り込み毎にステップS174(特に上記演出動作制御)が繰り返し実行されることで、ステップS173で実行設定した大当り中演出の実行が実現する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。
エンディング処理において、表示制御部31のVDPは、エンディング実行期間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、エンディング期間が経過したかを判定する。
前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードでなく、エンディング実行期間が経過していない場合、使用パターンとして設定された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、前記で1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、エンディングの演出動作制御を行い、本処理を終了する。前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであり、エンディング実行期間が経過した場合、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、本処理を終了する。
タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、当り中処理で実行設定されたエンディングの演出の実行が実現する。
なお、上記一連の処理において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(演出画面等)
上記一連の処理で実現される演出画面の一例について説明する。
まず、図35を参照して先読みチャンス目について説明する。先読みチャンス目の実行が決定されたあと(ターゲットの保留発生後)、次の可変表示が開始されると(図35(A)、保留表示画像Tがターゲットである。)、これ以降で先読みチャンス目が実行される。前記次の可変表示が非リーチであるとすると、非リーチチャンス目(5 5 3)が最終停止図柄(確定飾り図柄)として導出表示される(図35(B))。その後、次変動(次の可変表示)が開始される(図35(C))。当該可変表示でリーチ成立があるとすると、リーチチャンス目(5 3 5)が最終停止図柄(確定飾り図柄)として導出表示される(図35(D))。その後、ターゲットの変動(可変表示)が開始される(図35(E))。このように、ターゲット前の各可変表示でチャンス目が導出表示されることで、先読みチャンス目が実行される(なお、図35では先読みチャンス目Bが実行されている)。
次に、図36を参照して第1保留変化演出について説明する。第1保留変化演出の実行が決定されたあと(ターゲットの保留発生後)の次の可変表示(図36(A))において、図柄確定指定コマンド受信前に特殊図柄を含む最終停止図柄を仮停止する(図36(B))。このとき、各図柄は、揺動等して完全に停止はしていないものとする。その後、ターゲットである保留表示画像Tの表示色が赤又は青に変化し(図36(C))、その後、特殊図柄を含む最終停止図柄は完全停止して停止図柄として確定する(図36(D))。
次に、図37を参照して第1保留変化演出と先読みチャンス目Bとの関係を説明する。この実施の形態では、同じターゲットについて第1保留変化演出と先読みチャンス目Bとを実行すると決定した場合には、高い確率で第1保留変化演出の実行がキャンセルされる(ステップS678など)。一方、第1保留変化演出の実行時の飾り図柄の可変表示の最終停止図柄は、先読みチャンス目Bとともに実行されない限りチャンス目崩れとならない(ステップS331、S326など)。上記のように、第1保留変化演出は、ほとんどの場合、先読みチャンス目Bとともに実行されないので、第1保留変化演出の実行時の最終停止図柄がチャンス目崩れとなる割合はチャンス目崩れとならない割合よりも低い。このように、この実施の形態では、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R(特殊図柄が停止する「中」の飾り図柄表示エリアを5Cとは異なる位置)にて先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されたときには(先読みチャンス目Bのチャンス目発生の可能性があるとき)(図35(A))、先読みチャンス目Bのチャンス目が最終停止図柄として導出表示される可能性(先読みチャンス目Bのチャンス目が成立する可能性)が、当該チャンス目が成立せずに特殊図柄を含むチャンス目崩れの組合せが最終停止図柄として導出表示される可能性よりも高くなっている(図35(B)及び(C))。また、別の観点から捉えると、特殊図柄が表示されるときには、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄(ここでは、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて表示される飾り図柄)が停止する可能性が低くなっているともいえる。
また、図38に示すように、この実施の形態では、時短状態のときに、時短残回数が表示され、可変表示が実行されるごとに、当該表示された回数が減っていく。
(他の例1)
なお、先読みチャンス目Bを実行する場合には、第1保留変化演出を実行しないようにしてもよい。この場合、表示制御部31のVDPは、例えば、図29のステップS675の処理にて先読みチャンス目Bを実行すると決定したときに、ステップS676などの処理を実行せず、先読みチャンス目を実行しない又は先読みチャンス目Aを実行すると決定した場合に、ステップS676などの処理を行う。このような場合、ステップS677、S678を省略してもよい。このような場合、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R(特殊図柄が停止する「中」の飾り図柄表示エリアを5Cとは異なる位置)にて先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されたときには、特殊図柄を含むチャンス目崩れの組合せが最終停止図柄として導出表示されることが禁止されている。また、特殊図柄が表示されるときには、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて表示される飾り図柄)が停止されなくなっているともいえる。
(他の例2)
また、第1保留変化演出を実行するときには先読みチャンス目を実行ないようにしてもよい。この場合、表示制御部31のVDPは、先に第1保留変化演出の実行の有無などを決定する。その後、第1保留変化演出を実行しない場合に先読みチャンス目の実行の有無などを決定する。このように、この例では、特殊図柄が表示されるときには、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が停止されなくなっている。また、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R(特殊図柄が停止する「中」の飾り図柄表示エリアを5Cとは異なる位置)にて先読みチャンス目のチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されたときに、特殊図柄を含むチャンス目崩れの組合せが最終停止図柄として導出表示されることが禁止されているともいえる。
(上記実施形態等の効果その1)
上記実施形態等では、先読みチャンス目のチャンス目を構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止されたときにおいて(当該チャンス目が導出表示される可能性があるときにおいて)、第1保留変化演出の実行(特殊図柄の停止)が制限(上記のように、実行割合を下げることを含むし、実行割合を「0」にする禁止も含む。制限について同じ。)される(図37など)。さらに、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止されたときにおいて(当該チャンス目が導出表示される可能性があるときにおいて)、第1保留変化演出の実行(特殊図柄の停止)が制限される(図37など)。また、特殊図柄が停止するときには、特殊図柄の停止位置(「中」の飾り図柄表示エリア5C)以外で、先読みチャンス目Bのチャンス目を構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて停止されることが制限される(図37など)。このため、先読みチャンス目(特に先読みチャンス目B)が実行される可能性があるときに、先読みチャンス目Bよりも大当り期待度の低い第1保留変化演出が実行されて遊技者が落胆してしまうことを抑制(防止、軽減を含む。)できる。
また、先読みチャンス目が実行されるときには、他の保留記憶をターゲットとした第1保留変化演出の実行が制限されるので、他の契機によって特殊図柄が停止して先読みチャンス目が実行されないことを防止でき、遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。
(上記実施形態等の効果その2)
上記実施形態等では、第2演出制御コマンドのヘッダとして特定コマンドを第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に送信するときにのみ、チェックサムを付随して送信する。このため、全てのコマンドについてチェックサムを計算する必要がないので処理負担が軽減する。また、第1演出制御コマンド12で管理する時短残回数の情報を第1演出制御コマンドとともに第2演出制御コマンドに含ませて一緒に第2演出制御基板30に送信する。一般に同じデータ量の情報を送信する場合には、複数回で送信するよりも1回で送信した方が処理負担は少ない。この実施の形態では、時短残回数の情報を第1演出制御コマンドとともに送信するので、時短残回数の情報と第1演出制御コマンドとを個別に送信するよりも処理負担を軽減できる。
また、この実施の形態では、表示制御部31のVDPが立ち上がったときに、立ち上がり信号を当該VDPから第1演出制御基板12に送って、立ち上がりを知らせる。画像処理系のVDPは、立ち上がりが遅い場合があるが、前記のように立ち上がりを第1演出制御基板12に知らせるので、第1演出制御基板12は、当該立ち上がりを把握でき、VDPが立ち上がる前に第1演出制御基板12が通常動作を開始してしまうといった不都合を解消できる。また、第1演出制御コマンドは、上位と下位との数値データの取り得る範囲が異なるので、当該コマンドの上位及び下位を明確に把握できる。また、表示制御部31のVDPは、第1演出制御基板12に正常動作信号を定期的に送信するので、第1演出制御基板12側で当該VDPが正常に動作しているかを監視できる。また、表示制御部31のVDPは、チェックサム付きの第2演出制御コマンドを受信したときに、当該コマンドの整合性をチェックサムに基づいて確認し、整合の有無に応じたコマンド受信信号(整合)又は(非整合)を第1演出制御基板12に送信し、第1演出制御基板12は、チェックサム付きの第2演出制御コマンドを送信したあとにコマンド受信信号を受信できないときに表示制御部31のVDPにリセット信号を供給する。このようにすることで、第1演出制御基板12側では、送信したコマンドが異常であるか、第2演出制御基板30(VDP)が異常であるかを特定できる。そして、第1演出制御基板12側では送信コマンドが異常であるか、第2演出制御基板30(VDP)が異常であるかに応じて異なる処理(異常やその異常がコマンド異常なのか第2演出制御基板30のVDPの異常なのかなどを報知する処理などであってもよい。)を実行することもできる。
(上記実施形態等の効果その3)
上記実施の形態では、ショートリセットにより、第2演出制御基板30の表示制御部31のVDPを異常時等にリセットできる。このため、適切に異常から復帰できる。また、電源投入時に立ち上がり信号が送信されてこないときに、ロングリセットが行われるので、電源投入時にVDPが異常であっても、当該VDPをリセットできる。このため、適切に異常から復帰できる。また、VDPが高温となっているときなどは、ショートリセットを1回行っても、VDPが正常状態に復帰できないことがある。このようにショートリセットが行われてもVDPがいまだ異常のときには(リセット後、立ち上がり信号を10秒間受信できないときには)、ロングリセットが行われる。これにより、この期間中において、VDPに負担のかかる処理を行わせることを抑制でき(つまり、当該VDPを好適に動作させることができる)、効果的にVDPの異常からの復帰を促すことができる。例えば、VDPが高温になったときには、VDPが冷えるまでVDPの動作を停止させることができ、これにより、負荷が大きい処理の実行を禁止でき、VDPの冷却を促進させることができる。この実施の形態は特にVDPが高温になって熱暴走等が起こったときに有効である。なお、正常に立ち上がったあとのVDPについて正常動作信号を受信できないときにロングリセットを行ってもよいが、この実施の形態では、正常動作信号を受信できないときには、ショートリセットを1回行い、その後に立ち上がり信号を受信できないときにロングリセットが行われる。これにより、例えば、ノイズなどにより正常動作信号が正常に入力されなかったときなど、本来異常でないタイミングでロングリセットを行ってしまうことを防止でき、適切なタイミングでロングリセットを行うことができる。
また、この実施の形態では、VDPをリセットするときに使用される(通常、どのようなプロセッサでも使用される)リセット信号によりロングリセットを行うことで、VDPの動作を一定期間(長期間)停止させるので、簡単な処理によりVDPの動作を停止させることができる(熱暴走等からの復帰を簡単な処理で行える。)。
また、ロングリセット中は、冷却ファン40を動作させるので、VDPの冷却を促進させることができる。
(上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成など)
次に、上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成などについて説明するが、下記の構成は、適宜一部省略してもよいし、一部のみを採用してパチンコ遊技機1を構成してもよい。
(構成その1)
可変表示(例えば、飾り図柄の可変表示など)を実行し、所定条件が成立したとき(例えば、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されたときなど)に遊技者にとって有利な特定状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
可変表示に対応する特定表示(例えば、保留表示画像)を表示する特定表示手段(例えば、保留表示画像を表示する表示制御部31など)と、
可変表示において特殊識別情報(例えば、特殊図柄など)を停止させてから前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出(例えば、第1保留変化演出など)を実行する変化演出実行手段(例えば、ステップS172を実行する表示制御部31など)と、
可変表示を特定態様(例えば、チャンス目など)により停止させ、前記所定条件の成立期待度を予告する予告演出(例えば、先読みチャンス目など)を実行する予告演出実行手段(例えば、ステップS172を実行する表示制御部31など)と、
可変表示が前記特定態様により停止する可能性がある状態において、前記変化演出の実行を制限する変化演出実行制限手段(例えば、ステップS677、S678や、他の例2の処理などを実行する表示制御部31など)と、
を備える遊技機。
なお、上記特定表示は、実行中の可変表示に対応して表示されるアクティブ表示(例えば、実行中の可変表示を表す表示)などであってもよい。例えば、画像表示装置5の表示画面にアクティブ表示を表示する表示領域を設け、実行が開始される保留表示画像が当該表示領域に移動してアクティブ表示として表示されるようにすればよい。つまり、アクティブ表示は、保留表示画像が移動したものであってもよい(このとき、表示態様は引き継ぐとよい。)。なお、アクティブ表示は、当該対応する可変表示の実行中に表示が終了してもよいし、可変表示終了時まで表示されてもよいし、途中で消えて再度表示されてもよい。
上記特定表示の表示態様は、表示色の他、形状、大きさ、点滅/非点滅、文字や記号の有無などであってもよい。
上記特殊識別情報(特殊図柄)の停止は、完全停止(導出表示)の他、仮停止も含む。例えば、特定表示がアクティブ表示のときには、変化演出において、特殊識別情報を仮停止(例えば、擬似連変動における仮停止など)してアクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい(この場合、例えば、先読み判定結果の他、変動開始時に、変動パターンや可変表示結果に基づいて変化演出(この場合、変化演出は、例えば実行中の可変表示の大当り期待度(所定条件の成立期待度)などを予告する。)の実行の有無やその種類(実行する変化演出の種類であり、特定表示の表示態様など)を決定するようにしてもよい。)。特定表示が保留表示画像のときにも、特殊識別情報を仮停止してアクティブ表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。このようなことは、演出制御パターンなどで規定されていればよい。特殊識別情報(上記特殊図柄)は、普段から変動するものでなく、可変表示において停止時(停止前の所定期間を含む。)に初めて登場するものであってもよい(上記実施形態における特殊図柄についても同様)。可変表示(識別情報の可変表示)で仮停止又は完全停止される識別情報(特殊識別情報を含む。)は、可変表示当初から変動するものであってもよいし、途中から登場するものであってもよい。
なお、上記擬似連変動とは、飾り図柄の可変表示などを仮停止(仮停止される図柄は、可変表示中に変動していた図柄でなくてもよく、仮停止専用の図柄が使用されてもよい。)させてから、当該可変表示を再開させる演出である。擬似連は、変動パターンによって指定してもよいし、第1演出制御基板12側で実行の有無などを決定してもよい。なお、擬似連は、一般的には、仮停止の数が多いほど大当り期待度が高い。
特殊識別情報は、上記では「保」の特殊図柄であるが、他の識別情報(キャラクタ、図形など)であってもよい。但し、可変表示される他の識別情報とは異なる特殊な識別情報(特殊な飾り図柄)であることが望ましい(例えば、特定表示の表示態様を変化させることを遊技者に認識させることが可能な態様のものなど)。特殊図柄などの特殊識別情報を複数種類用意してもよく、この場合、特殊識別情報の種類(例えば、複数種類の特殊図柄のうちのどれで停止させるか)に応じて大当り期待度などの前記成立期待度を異ならせるように、特殊識別情報の種類(変化演出の種類)を決定するようにしてもよい(例えば、テーブルの決定値等で調整すればよい。他の場合でも同じ。)。特殊識別情報が停止しても、特定表示の表示態様を変化させない所謂ガセの演出パターンがあってもよい。
予告演出での前記特定態様は、チャンス目などであればよく、特定態様の停止も完全停止(導出表示)と仮停止とを含む。仮停止の場合には、予告演出は、擬似連(識別情報を一度仮停止させ、再度可変表示を再開する演出)のチャンス目仮停止などであればよい。擬似連のチャンス目仮停止では、実行中の可変表示での所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告してもよいし(この場合には、変動パターンなどに基づいて、擬似連のチャンス目仮停止の実行の有無などを決定すればよい。)、保留中のターゲットの可変表示での所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告してもよい。予告演出での可変表示が特定態様で停止するとは、変動している識別情報が特定の組合せで停止する他、前記特殊識別情報とは異なる特別な特別識別情報を含む組合せで停止することなどを含む。
成立期待度は、上記特定状態になる割合などである。なお、特定状態は、確変状態、時短状態などの遊技状態であってもよく、この場合の成立期待度は、確変期待度や時短期待度になる。成立期待度は、上記でも言及したように、スーパーリーチの実行など可変表示が特定態様になることの期待度(所定条件の成立期待度に依存する期待度など)によって表されてもよい。
変化演出における特殊図柄の停止と、予告演出における特定態様による停止とのうち、一方を仮停止、他方を完全停止(導出表示)としてもよいし、両方を仮停止又は完全停止としてもよい。特殊識別情報を完全停止させる変化演出の場合には、特定表示の表示態様を可変表示終了後に変化させればよい。また、特殊識別情報を仮停止させる変化演出の場合には、特定表示の表示態様を可変表示終了前(完全停止前)に変化させてもよく、特定表示の表示態様を可変表示終了後(完全停止後)に変化させてもよく、特定表示の表示態様を可変表示終了前後(完全停止前後)に亘る一定期間かけて、徐々に変化させたり、キャラクタなどの所定画像を表示してから変化させたりしてもよい。
なお、上記可変表示は、識別情報などを複数箇所で変動させることのほか、識別情報などを一箇所で変動させることであってもよい。
上記では、予告演出及び変化演出についてそれぞれ2種類用意したが、少なくとも一方を1種類又は3種類以上としてもよい。
また、上記実施の形態では、先読み判定は、ターゲットの可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定となっているが、スーパーリーチが実行されるか否かの判定などであってもよく(例えば、入賞時乱数値判定処理にて、乱数値MR3に基づいて図18、図19のテーブルを参照して当該判定を行えばよい)、上記各先読み予告は、スーパーリーチが実行される可能性(期待度)を予告するものであってもよい。先読み予告(特に上記予告演出など)は、スーパーリーチなどが実行される可能性(可変表示が所定の態様になる可能性)などを予告することで、上記所定条件の成立期待度(特定状態に制御される期待度)(大当り期待度など)を予告するものであってもよい。上記予告演出や変化演出が実行中の可変表示の所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告する場合であっても、スーパーリーチなどが実行される可能性(可変表示が所定の態様になる可能性)などを予告することで(変動パターン等に基づいて予告演出や変化演出の実行の有無や種類を決めるとよい。)、上記所定条件の成立期待度(大当り期待度など)を予告するものであってもよい。先読み判定結果は、ターゲットの可変表示が特定態様(大当り、スーパーリーチの実行などを含む)になる期待度を予告ないし示唆するものであればよい。
上記変化演出実行制限手段は、上記のように、予告演出の実行の有無などを優先して変化演出の実行を制限することで実現され、変化演出の実行の有無などを決めてから予告演出の実行を制限することで実現され、変化演出の実行時に特定態様の一部が停止しないようにすることによって実現される(以下、同様。)。
可変表示が特定態様で停止する(特定態様により停止する)可能性がある状態は、可変表示が、特定態様の一部を構成する態様となっている状態であればよい。特に、可変表示が、複数箇所で識別情報を可変表示するものであるときには、可変表示が特定態様で停止する可能性がある状態は、例えば、複数箇所の一部(特殊識別情報が停止しない箇所など)で前記特定態様の一部を構成する識別情報が停止している状態であればよい。可変表示が特定態様で停止する(特定態様により停止する)可能性がある状態は、上記実施の形態では、チャンス目を構成する2つの飾り図柄が停止している状態(特定態様(チャンス目)のリーチ(テンパイ)の状態)であるが、例えば、チャンス目を構成する1つの飾り図柄が停止している状態であってもよい(この場合には、例えば、ステップS326などで特殊図柄を含む停止図柄(仮停止図柄であってもよい。)の組合せを決定するときなどに、チャンス目を構成する1つの飾り図柄を停止図柄として決定しないようにする。)。
上記構成のパチンコ遊技機1によれば、可変表示が特定態様で停止する可能性があるのに(予告演出が実行される可能性があるにも係わらず)、特殊識別情報の停止によって、当該可能性が無くなるという遊技者の落胆を抑制(軽減も含む。抑制について同じ。)できる。これは、特に特定態様が所定条件の成立期待度が変化演出よりも高い予告演出のものであるときに言える。
特殊図柄(特殊識別情報)は、他の識別情報が全て停止(仮停止も含む。)し、最後に停止するものでなくてもよい。例えば、2つ目の停止図柄(「右」の飾り図柄表示エリア5Rの停止図柄)として特殊図柄を停止してもよい。この場合、1つ目の停止図柄(「左」の飾り図柄表示エリア5Lの停止図柄)によりチャンス目(特定態様)の一部が構成されることが分かることが望ましい。例えば、チャンス目としては、「3 2 1」(例えば、先読みチャンス目Bのチャンス目)と「1 2 3」(例えば、先読みチャンス目Aのチャンス目)としかないようなときには、最初に「1」又は「3」が停止することで、チャンス目成立の可能性があることが分かる。可変表示が前記特定態様で停止する可能性がある状態は、例えば、特殊図柄が停止し得る前のタイミングでの状態であればよい。また、変化演出では、特殊識別情報の停止位置以外の位置での識別情報の停止に係わらず、特殊識別情報の停止(仮停止であってもよい。)によって特定表示の表示態様を変化させてもよいし、特殊識別情報を含む全て識別情報が停止(仮停止であってもよい。)したことに基づいて特定表示の表示態様を変化させてもよい。また、変化演出は、特殊図柄(特殊識別情報)が複数箇所で停止したときに特定表示の表示態様を変化させるものであってもよい。このとき、特殊図柄の数や組合せ(表示箇所の組合せ及び/又は特殊図柄の種類の組合せ)によって、大当り期待度などを異ならせてもよい。
なお、上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記変化演出実行手段は、前記所定条件の成立期待度が異なる複数種類の前記変化演出(例えば、第1保留変化演出(青)、第1保留変化演出(赤)など)を実行可能であり、前記変化演出実行制限手段は、実行される可能性がある前記予告演出によって予告される前記所定条件の成立期待度よりも低い前記所定条件の成立期待度の前記変化演出の実行を制限する(例えば、ステップS677、S678及びステップS326や、他の例1の処理などを実行する表示制御部31など)、ことにもなっている。
この構成によれば、可変表示が特定態様で停止する可能性があるのに(前記特定態様により停止する可能性がある状態によって所定条件の成立期待度の高い予告演出が実行される可能性があるにも係わらず)、特殊識別情報の停止によって、当該可能性が無くなるという遊技者の落胆を抑制できる。なお、上記実行される可能性がある前記予告演出によって予告される前記所定条件の成立期待度よりも高い前記所定条件の成立期待度の前記変化演出の実行については、実行を制限しないようにする又は制限度合いを前記の場合よりも小さいものとするとよい。これによって、成立期待度の高い変化演出の実行機会を確保でき遊技興趣を向上させることができる。なお、上記実行される可能性がある前記予告演出によって予告される前記所定条件の成立期待度よりも高い前記所定条件の成立期待度の前記変化演出の実行については、実行を制限しないようにするとよい。
上記実施の形態などでは、上記構成によって、可変表示において前記特殊識別情報が停止するときには当該特殊識別情報が停止しない場所において前記特定態様を構成する識別情報が停止することを制限する停止制限手段(ステップS677、S678及びステップS326や、他の例1及び2の処理などを実行する表示制御部31など)が構成されることになる。
さらに、上記実施の形態などでは、上記構成によって、可変表示において前記特定態様を構成する識別情報が停止するときには前記特殊識別情報が停止することを制限する停止制限手段(ステップS677、S678及びステップS326や、他の例1及び2の処理などを実行する表示制御部31など)が構成されることになる。
なお、上記構成などの一例として、ステップS171の最初に飾り図柄の最終停止図柄(特にハズレの最終停止図柄)を変動パターンに応じてランダムなどで決定してもよい。この場合、先読みチャンス目を実行すると決定しているとき以外には、チャンス目にならないように最終停止図柄を決定するとよい。また、決定した最終停止図柄がチャンス目崩れの場合には、第1保留変化演出の実行を一定割合で又は必ずキャンセルするようにしてもよい。同様に、例えば、ステップS326にて決定する最終停止図柄がチャンス目崩れであってもいいようにしてもよく、チャンス目崩れになったときには、第1保留変化演出の実行を一定割合で又は必ずキャンセルするようにしてもよい。第1保留変化演出の実行をキャンセルしても、特殊図柄の停止のみをキャンセルし、保留表示画像の表示態様は変化させるようにしてもよい(変化タイミングは可変表示開始など適宜のタイミングでよい。)。
これら構成によれば、上記構成と同様の理由で遊技者の落胆を抑制できる。特に、上記構成のように、所定条件の成立期待度の高い予告演出が実行される可能性があるときに、上記2つのいずれかの構成を採用することによって、遊技者の落胆を抑制できる。
さらに、上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記予告演出は、未だ開始されていない可変表示での前記所定条件の成立期待度を予告する演出であることになり、この構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記特定表示は、未だ開始されていない可変表示に対応し、前記予告演出は、未だ開始されていない可変表示での前記所定条件の成立期待度を予告する演出であり、前記変化演出実行制限手段は、前記予告演出が実行されるときに、当該予告演出の対象となる可変表示以外の可変表示に対応する前記特定表示を対象とした前記変化演出の実行を制限する(例えば、ステップS674Bを実行する表示制御部31など)、ことになる。
この構成によれば、他の契機によって特殊識別情報が停止して予告演出が実行されないことによって遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。また、上記実施の形態では、予告演出の実行時には、他のターゲットについて特殊識別情報の停止無しに特定表示の表示態様を変化させる第2変化演出(第2保留変化演出)を実行するようにしているので、特定表示の表示態様を変化させる機会を確保できる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(構成その2)
(1)遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
第1制御手段(例えば、第1演出制御基板12など)と、
前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段(例えば、表示制御部31のVDPなど)と、を備え、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段と所定の通信ができない期間(例えば、立ち上がり信号を受信できない期間など)が特定期間(例えば、10秒間など)を超えたときに、当該第2制御手段に対して特定信号(例えば、リセット信号など)を所定期間(例えば、60秒間など)にわたって連続して供給する(例えば、ロングリセットなど)、
ことを特徴とする遊技機。
なお上記実施の形態では、第2制御手段としてVDPを採用しているが、第2制御手段は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。第2制御手段は、どのようなタイプのものであってもよく、プログラムを内蔵したもの、所定の記憶装置に記憶されたプログラムを実行するものなどであってもよい。また、演出の実行態様を決定する処理などを実行するため、第2制御手段の一部又は他の手段の構成として、CPU、ROM(CPUが実行するプログラムやCPUが使用するデータなどが記憶される。)、RAM(CPUのメインメモリとなる。)などの少なくとも1つを上記VDPなどとは別に用意してもよい。第2制御手段は、GCROMなどを含むVDPなどワンチップのプロセッサで構成されてもよい。
なお、表示制御部31の上記CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。これら記憶手段は、第2制御手段の一部であってもよい。
前記所定の通信は、上記実施形態のような、一方から他方への信号(情報)の送信の他、双方向の通信(信号の送受信など)であってもよい。例えば、第1制御手段が、所定信号の送信を要求する要求信号を第2制御手段に供給し、第2制御手段が、当該要求信号に応答して第1制御手段に前記所定信号(正常に動作しているときに出力される信号など)を送信し、これら信号の送受信を所定の通信としてもよい(所定の通信ができないとは、前記所定信号が送信させてこないときなどである)。
上記所定の通信は、上記実施形態では立ち上がり信号の受信であるが、正常動作信号の受信であってもよい。つまり、正常動作信号が受信できないときに、ロングリセットを実行してもよい。また、立ち上がり信号を省略して、正常動作信号のみで、第2制御手段(表示制御部31のVDP)の動作確認を行ってもよく(例えば、第2制御手段の立ち上がりが早い場合に有効である)、この場合、正常動作信号の受信が複数できない場合(ある期間、正常動作信号が受信できないことが所定回数(複数回)発生した場合、ショートリセットを所定回数(複数回)実行した場合など)に、ロングリセットを実行してもよい。正常動作信号の受信が複数できない場合に、ロングリセットを実行することで、ノイズなどを原因として誤ってロングリセットを実行してしまう可能性を低くすることができる。
前記所定の通信は、例えば、第2制御手段が正常に動作しているときに行うことが可能であり、動作できないときに行うことができないものであればよい。前記特定期間も任意の期間であればよい。
なお、特定信号としては、上記リセット信号の他、他の信号であってもよい。特定信号は、連続的に供給することで第2制御手段の動作を停止させることができる信号などであるとよい。なお、特定信号は、ローアクティブではなく、Highアクティブの信号でもよい。なお、DSPのリセット端子を例えば60秒間Lowにすること(例えば、タイマなどにより60秒を計測し、60秒の間リセット端子の電圧レベルをLowに保つなど)により、特定信号を所定期間にわたって連続して供給することを実現してもよい。特定信号を所定期間にわたって連続して供給するとは、特定信号を、間隔を開けずに複数回連続して供給する場合(図8のロングリセット参照)、リセット端子をLowレベルに保つことを所定期間行うことで結果的に所定の時間幅の特定信号を間隔を開けずに連続して供給することに場合、特定信号を間隔を開けて複数回連続して供給する場合(後述の図42などを参照)を含む。
前記特定信号は、他の場面において第2制御手段の動作を停止(リセットによって動作しない場合など、再起動時時に動作をしない停止状態を含む)させたり、第2制御手段を特定の動作をさせたりするものであり、上記のような所定の場合に、上記のように連続的に供給することで、第2制御手段の動作を一定期間停止させたり、第2制御手段を特定の動作を一定期間にわたって繰り返し行わせたりするものであるとよい。特定信号を所定期間にわたって連続して供給することで、第2制御手段に、そのときにおいて求められる好適な動作を行わせることができる。
上記構成によれば、第2制御手段を好適に動作させること(熱暴走などから好適に復帰させることができるなど)ができる。
なお、上記実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を例示しているが、上記遊技機として、例えば、スロットマシンを採用してもよい。また、第1制御手段と第2制御手段とは、異なる基板や、同じ基板における異なる部分(例えば、異なるチップ)などであってもよい。例えば、演出制御用CPU120などと表示制御部31などを同じ基板に設けてもよい。また、第1制御手段を主基板11として、第2制御手段を第1演出制御基板としてもよい。
(2)前記第1制御手段は、前記第2制御手段に対して前記特定信号を所定間隔で複数回供給する(例えば、1ms又はそれ以下の時間幅のリセット信号を1ms間隔で複数回供給するなど)。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。なお、このような構成は、図8のようなロングリセットの他、図42に示すように、リセット信号を間欠的に繰り返し送信するリセットによって実現してもよい(VDPなどの動作を停止させることが継続される間隔又はVDPなどが所定処理(負担の少ない処理など)のみを行ってその後にリセットする間隔などで繰り返し送信するとよい)。
(3)前記第2制御手段が熱暴走したときに、前記所定の通信を行うことができない期間が前記特定期間を超える。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
(4)前記特定信号は、リセット信号である。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
前記所定期間において、前記第2制御手段を冷却する冷却手段(例えば、冷却ファン40など)をさらに備える。
(5)このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。特に、第2制御手段を好適に冷却することができる。なお、冷却手段は、水などの冷媒により冷やすものであってもよい。また、冷却ファン40などは、ロングリセットの期間(上記所定期間)以外の期間でも動作してもよい。例えば、パチンコ遊技機1が動作中ずっと冷却ファン40が動作してもよい。
(6)前記第2制御手段を冷却する冷却手段(例えば、冷却ファン40など)をさらに備え、
前記冷却手段は、前記所定期間以外の期間よりも前記所定期間の方が、前記第2制御手段を強く冷却する(例えば、図41など)ようにしてもよい。
例えば、第1演出制御手段(演出制御用CPU120)が、冷却ファンの送風の強さ(回転速度など)を複数段階(「強」、「弱」など)に調整可能とし、上記所定の期間のときには、冷却ファンの送風の強さを最大にするようにしてもよい(図41など)。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
(7)可変表示を実行する可変表示手段(例えば、画像表示装置5など)と、
少なくとも可変表示の実行中に、遊技者による調整動作(例えば、音量調整など)に応じて演出設定を調整可能な調整手段(例えば、第1演出制御基板12など)と、
前記調整手段による調整に対応する調整画像(例えば、音量画像VLなそ)を所定期間表示する調整画像表示手段(例えば、第1演出制御基板12など)と、を備え、
前記調整画像表示手段は、前記所定期間のうち、可変表示において可変表示結果が導出表示される期間で前記調整画像を視認不可又は視認困難とする(例えば、図40など)、
ようにしてもよい。
このように、演出設定を遊技者が調整できるようにしてもよい。演出設定としては、例えば、演出音の音量、表示画面の輝度などがある。例えば、遊技者の動作を検出する検出部(操作ボタン、赤外線センサ、動作を検知するためのカメラなど)を設け、検出した動作に基づいて演出の設定を調整するようにする。例えば、検出部が検出した動作を示す信号を第1演出制御基板12又は第2演出制御基板30に送信し、第1演出制御基板12又は第2演出制御基板30は、送信されてきた当該信号により特定される動作に応じて演出設定を変更(調整)する(例えば、音量調整の信号が第2演出制御基板30に供給される場合には、音声コマンドに音量を指定する情報を含ませる)。また、第1演出制御基板12又は第2演出制御基板30は、現在の演出設定(変更があったときには、変更後の演出設定)で演出を実行する。
第2演出制御基板30は、演出設定の変更があったときに、当該変更後の演出設定を画像表示装置5の画面に所定期間表示するようにしてもよい(音量調整等による信号が第1演出制御基板12に入力されるときには、音量を第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に通知するものとする)。例えば、可変表示の実行中に演出設定の変更を受け付け可能としてもよく、この場合には、可変表示の実行中に変更後の演出設定に対応した演出設定画像を所定期間表示する。但し、当該所定期間内に可変表示結果が導出表示されたときには、当該演出設定画像を視認不可又は視認困難にする。これによって、可変表示結果の視認性を確保することができる。
具体的には、音量変更(輝度変更でもよい)の操作があったときに、表示制御部31は、画像表示装置5の画面上に変更後の音量に対応した音量画像VL(変更後の音量を示す音量画像VL)(輝度変更のときには、変更度の輝度を示す画像となる。)を表示し、所定期間経過後に消去する(図40(A)〜(C))。但し、所定期間内に、飾り図柄の可変表示の可変表示結果が導出されるとき(第2演出制御コマンドとして図柄確定指定コマンドを受信したときなど)には、表示している音量画像VLを可変表示結果の導出の際に消去する(図40(D)〜(E))。例えば、ステップS572の前で音量画像VLを消去させる。なお、音量画像VLを半透過表示や縮小表示にして視認困難としてもよい。これによって、可変表示結果の視認性を確保することができる。特に、音量画像VLが可変表示結果に重畳する位置に表示されるときにおいて音量画像VLを表示したままだと、停止した飾り図柄の上に音量画像VLが位置して、停止した飾り図柄(可変表示結果)の視認性が損なわれる。しかし、音量画像VLを非表示としたり、半透過としたり縮小表示したりすることで、当該視認性を確保できる。
なお、擬似連等により仮停止態様になるときに、音量画像VLなどを本来の表示期間中であっても、消去するようにしてもよい。
このような構成によれば、可変表示結果の認識性の低下を低減できる。
(8)前記第1制御手段は、コマンド(例えば、第1演出制御コマンドなど)を送信し、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段が送信したコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた制御を行い、
前記第1制御手段は、送信対象のコマンドに当該送信対象のコマンドの整合性を確認するための所定情報(例えば、チェックサムなど)を付随させて送信可能であり、
前記第2制御手段は、前記所定情報に基づいて、当該所定情報が付随するコマンドの整合性を判定可能であり(例えば、ステップS74の処理など)、
前記第1制御手段は、送信可能な複数種類のコマンドのうちの一部の特定コマンド(例えば、図4の特定コマンド参照)にのみ、前記所定情報を付随させて送信する、
ようにしてもよい。
この構成によれば、例えば全てのコマンドについて所定情報を付加するときよりも第1制御手段や第2制御手段の処理負担を軽減できる。
第1制御手段を主基板11として、第2制御手段を第1演出制御基板として、第1演出制御コマンドのうちの特定コマンドを送信するときにのみチェックサムを付随させて送信させるようにしてもよい。
前記所定情報は、上記実施の形態では、チェックサムとしたが、他の誤り検出符号などを採用してもよい。またチェックサムの算出方法も任意のものを使用できる。但し、上記実施の形態のように、コマンドの所定部分(上記第1演出制御コマンドのヘッダの上位バイト、又は、コマンド全体などであってもよい。)の先頭ビットのデータとは異なるように、所定情報を計算することで、コマンドの所定部分と、所定情報との区別をしやすくするとよい。なお、所定情報を付随させて送信する他の例として、所定情報と特定コマンドとを一つのコマンドとして送信してもよい。チェックサムなど所定情報の計算方法などは、任意のものを使用できる。
特定コマンドは、遊技の進行の上で特に整合性を確認する必要のある、遊技の進行において重要度の高いコマンドであることが望ましい。例えば、特定コマンドとしては、停電復旧コマンド(停電復旧時に主基板11から第1演出制御基板12に送信されるコマンド)、電源投入コマンド(停電復旧時に主基板11から第1演出制御基板12に送信されるコマンド)、大入賞口開放又は閉鎖指定コマンド(大入賞口が開放したこと又は閉鎖したことを通知するコマンド)などであってもよい。特定コマンドは、大入賞口が開放又は閉鎖したとき、可変表示が開始されるときなどに送信される遊技の進行に関連して送信されるコマンドであることが望ましい。特定コマンドは、例えば、送信可能な複数種類のコマンドのうち、遊技の進行において使用される(例えば、遊技の進行において使用されるコマンドのうちの一部(例えば重要度の高い)コマンドを少なくとも含む1種類以上のコマンド(前記複数種類のうちの一部の種類のコマンド)であればよい。このような特定コマンドにチェックサムなどを付随させることで、コマンドを誤認識したまま遊技が進行してしまうこと(誤った演出が実行されることなども含む。)を防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。さらにいうと、チェックサムなどによってコマンドの整合性を確認しながら演出を実行するとともに、チェックサムなどを送信可能なコマンドのうちの一部の種類のコマンドにのみ付随させることで、遊技が正常に進行すること(演出が正確に実行されることなど)を担保しながら、チェックサムなどの演算等による処理負担を軽減することができる。
前記第1制御手段は、前記特定コマンドに基づいて第1の演算(例えば、チェックサムの算出など)を行い、当該第1の演算の結果を前記所定情報として送信し、前記第2制御手段は、前記特定コマンドを受信したときに、受信した前記特定コマンドに基づいて第2の演算(例えば、チェックサムの算出など)を行い、当該第2の演算の結果と当該特定コマンドに付随する前記所定情報とを比較して前記特定コマンドの整合性を判定する(例えば、ステップS784など)。
この構成によれば、コマンドの整合性を担保できる。
なお、コマンドが整合していないときの対処法は任意である。上記実施の形態では、第2制御手段は、コマンドが整合していなときには、現在受信しているコマンドを全て削除しているが(この場合、例えば新たなコマンドの受信まで演出がしばらく実行されないことになる。)、これに加えて又は代えて、所定期間が経過するまで(例えば、新たな変動パターン指定コマンドが送信されて新たな可変表示の実行が開始されるまで)、演出の実行を禁止してもよいし、整合していないコマンドのみを削除するようにしてもよい。コマンドに基づく演出が実行されないときは、第2演出制御基板30は、演出が実行できない旨など(「しばらくお待ちください」などの表示)を画像表示装置5に表示するようにしてもよい。
前記複数種類のコマンドは、それぞれ、上位ビット(例えば、上位バイトのデータなど)と下位ビット(例えば、上位バイトのデータなど)とを含み(例えば、図5など)、前記上位ビットが取り得る数値範囲と前記下位ビットが取り得る数値範囲とは異なる(例えば、図4、上位のMODEデータと下位のEXTデータとで数値範囲が異なるなど)。
この構成によれば、第2制御手段においてコマンドの上位ビット及び下位ビットを明確に把握できる。
特に上記実施の形態などのように、コマンドを複数のビット(上記実施の形態では8ビット)のグループに分割可能な場合に、コマンドの先頭のビットのグループ(上記実施の形態では、ヘッダの上位バイト)の先頭ビットを他のグループの先頭ビットとは異なる値にすることによって、他のビットのグループと、先頭のビットのグループとの区別を付けやすくすることができる。所定情報の先頭ビットも、コマンドの先頭のビットのグループの先頭ビットと異なるようにすることで、所定情報との区別も用意になる。このようなことは、各基板間などでやりとりされる信号、コマンドなど全ての情報について言える。
前記第2制御手段は、前記特定コマンドを受信したときに、受信した前記特定コマンドの整合性を当該特定コマンドに付随する前記所定情報により判定し(例えば、ステップS784など)、当該特定コマンドが整合している場合には第1情報(例えば、コマンド受信信号(整合)など)を前記第1制御手段に送信し、当該特定コマンドが整合していない場合には第2情報(例えば、コマンド受信信号(非整合)など)を前記第1制御手段に送信し、前記第1制御手段は、前記第1情報と前記第2情報とのいずれも受信しなかったときに、前記第2制御手段をリセットするリセット信号を前記第2制御手段に送信する(例えば、図6、ステップS719、S702など)。
この構成によれば、第2制御手段が異常のときに適切な対応ができる。
なお、第2情報を受信したときに第1制御手段が実行する処理は任意のものでよい。上記実施の形態で説明したような、コマンドなどの削除や異常報知の他、演出を一定期間実行しないなどであってもよい。
前記第2制御手段は、前記遊技機の電源投入後に動作可能なったときに動作可能になったことを示す所定信号(例えば、立ち上がり信号など)を前記第1制御手段に送信する(例えば、図6、ステップS72など)。
この構成によれば、第2制御手段が動作可能となったことを第1制御手段が把握できる。
なお、「第2制御手段が動作可能」とは初期設定等が終了して演出を実行できる状態などであればよい。第2制御手段は、「動作可能」になったときに所定信号を送信し、第1制御手段は、当該所定信号を受信してから演出制御を開始するようにすると、第2制御手段が動作可能な状態になるまでに時間が掛かったとしても、演出制御を適切に行える。
前記第2制御手段は、正常に動作していることを示す動作確認信号(例えば、正常動作信号など)を所定の周期毎に前記第1制御手段に送信する(例えば、図6、ステップS81など)。
この構成によれば、第2制御手段が正常に動作していることを第1制御手段が確認できる。
遊技の進行を制御し、遊技の進行に応じてコマンドを送信する遊技制御手段(例えば、主基板11など)をさらに備え、前記第1制御手段は、前記遊技制御手段から受信したコマンド(例えば、ヘッダに設定された第1演出制御コマンドなど)に当該第1制御手段が管理する情報(例えば、時短残回数を示すデータなど)を付加して1つのコマンド(例えば、第2演出制御コマンドなど)として前記第2制御手段に送信する(図5、ステップS757など)。
第1制御手段が管理する情報は、どのような情報(第1制御手段が記憶するコマンドなどでもよい。)であってもよい。例えば、第1制御手段も演出の実行の有無やその態様などを決定できるようにし、決定した当該演出の実行の有無などの情報を前記「第1制御手段が管理する情報」として第1制御手段から第2制御手段に送信するようにしてもよい。第2制御手段は、例えば、第1制御手段からの情報を元に演出制御(所定の演出の実行の有無などの決定を含む。)を行うようにしてもよい。
また、第1制御手段が管理する情報を、確変残回数を示すデータとしてもよい(第2演出制御基板30では、確変残回数を表示してもよい。)。例えば、パチンコ遊技機1をST機とし(例えば、確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにし)、第1演出制御基板12では、確変終了条件が成立するまでの特図ゲームの残りの実行回数を確変残回数として時短残回数と同様の方法でカウントしてもよい。例えば、第1演出制御基板12では、当り終了指定コマンド(大当り種別に応じた値がEXTデータで設定されていればよい。)や表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別などに応じて確変残回数の初期値をカウンタなどに設定すればよい。このような場合、また、第2演出制御コマンドのフッタの上位バイトを、確変残回数を示すデータとし、フッタの下位バイトを、時短残回数を示すデータとしてもよい(第2演出制御基板30では、確変残回数及び時短残回数を表示してもよい。)。なお、確変残回数や時短残回数は、大当り種別によらず固定でもよく(時短と確変で異なる回数でもよい。)、この場合には、第1演出制御基板12では、大当り終了時に固定値を確変残回数や時短残回数の初期値として設定すればよい。
この構成によれば、第1制御手段が管理する情報をコマンドとは別に個別に送信するよりも第1制御手段や第2制御手段の処理負担を軽減できる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
冷却ファン40を設けず、又は、ロングリセット中でも冷却ファンを動作させず、VDPを自然に冷却するようにしてもよい。
(変形例2)
リセット信号の時間幅は適宜のものを採用できる。また、パチンコ遊技機1に電源を投入した直後にリセット信号(ショートリセット)を供給して表示制御部31のVDPを最初にリセットしてもよい。なお、ロングリセット中、第1演出制御基板12は、当該ロングリセットの処理と並行して適宜必要な処理を実行してもよい。
(変形例3)
上記実施の形態では、第1演出制御基板12側で実行される演出は、第2演出制御基板30側からのコマンドに基づいて実行していたが、所定の演出については第1演出制御基板12で実行の有無の決定、演出の実行などを行ってもよい。上記実施の形態では、第1演出制御基板12は、スピーカ8L、8Rからの音声出力の制御や遊技効果ランプ9の点灯などの制御を行うので、これらを用いた演出(特に画像表示を行わない演出)については、第1演出制御基板12側で演出実行の有無の決定、演出の実行などを行ってもよい。このように、第1演出制御基板12が制御可能な電気部品を使用する演出については、第1演出制御基板12で演出の実行等を決定してもよい。また、第1演出制御基板12側で演出の実行のためのコマンドを第2演出制御基板30に供給して、第1演出制御基板12の制御のもとで第2演出制御基板30が演出画像を表示してもよい。
(変形例4)
第1演出制御コマンドは、主基板11から第1演出制御基板12を経由せずに第2演出制御基板30に送信されてもよい。但し、第1演出制御基板12を経由させた方が、例えば、上記実施の形態のように、第1演出制御基板12から送信すべき情報を第1演出制御コマンドとともに送信できたり、第1演出制御基板12でチェックサムなどを付随させることで、コマンドの誤送信があったときの対応がとれたりするので、より望ましい。また、主基板11と第1演出制御基板12とについては既存のものを使用し、第2演出制御基板30については新製品を使用する場合、主基板11と第1演出制御基板12とを使用することで、主基板11からのコマンドの送信経路について従前使用していた仕様を使用でき、第2演出制御基板30の導入が容易になる。
(変形例5)
主基板11、第1演出制御基板12、第2演出制御基板30は、互いにシリアル通信するものであっても、パラレル通信するものであってもよい。リセット信号については、専用の通信ポートを用意してもよい。第2演出制御基板30は、一連の演出についての音声出力パターンや点灯パターンを指定する音声コマンドやランプコマンドを演出の開始時に第1演出制御基板12に送信し、第1演出制御基板12による音声出力や遊技効果ランプ9の点灯と、第2演出制御基板30による画像表示とを並行して行って演出を実行するようにしてもよい。また、第2演出制御基板30は、音声出力するタイミング毎、遊技効果ランプ9を点灯させるタイミング毎に、その態様を指定する音声コマンドやランプコマンドを送信するようにしてもよい。
(変形例6)
スピーカ8L、8Rからの音声の音量、遊技効果ランプ9の点灯輝度、画像表示装置5の画面の明るさなどを調整可能な操作手段をパチンコ遊技機に設けてもよい。この場合、当該操作手段の操作信号は、第1演出制御基板12に供給され、第1演出制御基板12は、前記画面の明るさを指定する情報を第2演出制御コマンドに含ませて第2演出制御基板30に送信してもよい(又は別コマンドとして送信してもよい。)。第2演出制御基板30は、当該情報が指定する明るさで画面を表示する。なお、音声の音量、点灯輝度、画面の明るさの少なくとも2つをそれぞれ一つのコマンド(例えば、ヘッダとフッタとに分けて設定するなど)に含ませて、第1演出制御基板12から第2演出制御基板30に送信するようにしてもよい。また、プッシュボタンなどの演出用の操作手段を設けてもよい。この場合、当該演出用の操作手段の操作信号は、第1演出制御基板12に供給され、第1演出制御基板12は、操作に応じた第2演出制御コマンドに含ませて第2演出制御基板30に送信してもよい(又は別コマンドとして送信してもよい。)。第2演出制御基板30は、操作(コマンド)に応じた演出を実行する。また、電源投入後所定期間経過後までに、第1演出制御基板12が主基板11からコマンドを受信しなかったときには、第1演出制御基板12は、ロムチェック、チェックサムなどによる所定のチェックを行うようにして、その旨を第1演出制御基板12から第2演出制御基板30にコマンドとして送信してもよい(この場合、第2演出制御基板30では、ロムチェックなどをしている旨を表示するようにしてもよい。)。なお、第1演出制御基板12と第2演出制御基板30とでやりとりされるコマンドや信号などは上位の情報を固定とするなどして、コマンドや情報の種類を受信側で認識しやすくするとよい。また、第1演出制御基板12及び第2演出制御基板30は、動作確認用のLEDなどを備えるようにしてもよく、電源投入時などにおいて、当該LEDなどを所定態様で点灯等(点滅等を含む)させることで、正常に動作していることを報知するようにしてもよい。また、コマンドや各種信号の受信時に当該LEDなどを所定態様で点灯等(点滅等を含む)させることで、人間に視覚的に正常動作(コマンドなどの送受信が行われていることなど)を報知してもよい。
(変形例7)
第2演出制御基板30は、例えば、ある第2演出制御コマンドのヘッダとフッタとの間に他の第2演出制御コマンドを受信した場合など(MODEデータ(先頭ビットが「1」のデータ)と後続1バイトデータ(先頭ビットが「0」のデータ)との位置関係で分かる。)、第2演出制御コマンドを構成するデータを本来の並び順序で受信できなかったときには、現在受信している全てのコマンドをバッファなどから消去して、これらコマンドに基づいて処理しないようにするとよい。これによって、間違った演出を実行するなどの不都合を防止できる。なお、正常な順序でデータを受信したコマンドについては削除せず、非正常な順序で受信したデータのコマンドのみを削除してもよい。
(変形例8)
なお、ステップS713やS720でのショートリセット処理を所定期間内に所定回数(2回以上の任意の回数)実行したとき、第2制御手段が異常である旨の報知を行ってもよい。例えば、第1演出制御基板12では、ステップS720の処理をステップS717の処理を挟まず所定回数(2回以上の任意の回数)だけ実行した場合に、第2演出制御基板30が異常である旨の報知(スピーカ8L、8Rからの音声出力及び/又は遊技効果ランプ9の点灯態様などによる報知)を行ってもよい。例えば、ステップS720を実行するごとにカウントするカウンタであって、ステップS717を実行するとカウント値がリセットされる所定のカウンタを設け、当該カウンタが所定値に達したときに報知を行う。また、第1演出制御基板12では、ショートリセット処理を実行すると、所定のタイマを用いて当該ショートリセット処理の実行タイミングからの経過時間を計測するとともに、計測する経過時間が所定期間に達するまでのその後のショートリセット処理の実行回数をカウントし、当該実行回数が予め定められた所定回数に達したときに、第2演出制御基板30が異常である旨の報知(スピーカ8L、8Rからの音声出力(例えば、警報音の出力)及び/又は遊技効果ランプ9の点灯態様(点滅など)などによる報知)を行ってもよい(このとき、各ショートリセット処理の実行ごとに、前記経過時間の計測を個別に始めて、それぞれの経過時間についてショートリセット処理の実行回数をカウントするようにしてもよい)。
上記の構成の他、第1演出制御基板12は、例えば、第2演出制御基板30の異常を所定期間内に所定回数検知したときに(コマンド受信信号の受信がない、正常動作信号の受信がないなど)、異常の報知(音声出力などによる報知)を行うようにすればよい。また、パチンコ遊技機1の電源投入後、異常の検知が所定回数に達したときに異常の報知を行うようにしてもよい。
また、各ショートリセット処理における異常の報知態様と、ショートリセット処理の回数が所定回数に達したときの報知態様とを異なるようにしてもよい。さらに、各ショートリセット処理における異常の報知を行わず、ショートリセット処理の回数が所定回数に達したときにのみ異常の報知を行うようにしてもよい。
(変形例9)
上記実施の形態などでは、上記構成によって、前記変化演出を実行するか否かを決定する変化演出決定手段(例えば、ステップS161を実行する表示制御部31など)と、前記予告演出を実行するか否かを決定する予告演出決定手段(例えば、ステップS161を実行する表示制御部31など)と、をさらに備えることになるが、前記変化演出実行制限手段は、前記予告演出決定手段により前記予告演出を実行すると決定されたときに、前記変化演出決定手段により前記変化演出を実行すると決定されることを禁止する、ようにしてもよい(例えば、先読みチャンス目を実行すると決定したときには第1保留変化演出を実行すると決定しないなど)。この構成によれば、特殊識別情報の停止のための処理を容易化できる。
(変形例10)
また、前記特定表示を新たに表示するときに当該特定表示の表示に伴う表示演出(例えば、保留表示演出など)を実行可能な表示演出実行手段(例えば、保留表示演出を実行する表示制御部31など)をさらに備えるようにしてもよく、前記表示演出実行手段は、前記表示演出の実行中に新たな前記特定表示が表示されるときに、当該新たな特定表示の表示に伴う表示演出を実行する(例えば、図39参照)、ようにしてもよい。
上記表示演出としては、図39に示す保留表示演出などがある。保留表示演出は、保留表示画像を徐々に表示する演出である。例えば、表示制御部31は、保留表示画像を表示するときに、徐々に保留表示画像が現れるように保留表示画像を表示す保留表示演出を実行するようにする(例えば、第2演出制御コマンド解析等処理で保留表示画像を表示する制御を行うときに保留表示演出の実行を開始するように表示制御部123に所定の制御指令を送る。又は、タイマ割り込みごとに表示制御部123に所定の制御指令を送って保留表示演出を実行する。)。そして、この保留表示演出の実行中に、新たな始動入賞があり、新たな保留表示画像を表示することになったときには、実行中の保留表示演出は中止して保留表示画像を表示させ、そして、新たな保留表示画像について保留表示演出を実行する(例えば、第2演出制御コマンド解析等処理で新たな保留表示画像を表示する制御を行うときに、実行中の保留表示演出を中止して最終形態の保留表示画像を表示させるとともに、新たな保留表示画像について保留表示演出を開始するように表示制御部123に所定の制御指令を送る。又は、表示制御部123に所定の制御指令を送って保留表示演出を実行することを中止して最終形態の保留表示画像を表示させるとともに、新たな保留表示画像についてタイマ割り込みごとに表示制御部31に所定の制御指令を送って保留表示演出を実行する。)。この構成によれば、演出が不自然になることを抑制できる。
上記のように、表示演出実行手段は、表示演出の実行中に新たな保留記憶(未だ開始されていない可変表示(例えば、可変表示を実行するための保留データなど)を保留記憶として記憶したもの。)が記憶されたときに、実行中の表示演出を中断し、該保留記憶に対応した新たな特定表示の表示に伴う表示演出を実行することで、保留表示(特定表示)の状態を分かりやすくすることができる。
(変形例11)
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(変形例12)
先読み判定は、第1演出制御基板12側で行っても良い。例えば、始動入賞時の各乱数値を示すコマンドを始動入賞時に主基板11から第1演出制御基板12に送信し、第1演出制御基板12において先読み判定を行ってもよい。
(変形例13)
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
(変形例14)
上記実施の形態では、始動入賞が発生して新たな保留が発生したときに、第2演出制御コマンド解析等処理にて保留表示画像を表示しているが、ステップS161の先読み予告設定処理にて保留表示画像を表示してもよい(先読み予告設定処理時において複数の保留が発生している場合には、各保留について保留表示画像を表示する。)。この場合、ステップS161で第2保留表示変化演出を実行すると決定したときには、ターゲットの保留表示画像を表示開始時から白色以外の色にしてもよい(つまり、赤や青で保留表示画像の表示を開始するようにしてもよい。)。
(変形例15)
保留表示画像は、通常、白色であり、第1保留変化演出又は第2保留変化演出によって、白色から赤色や青色に変化するが、先読みチャンス目や第1保留変化演出を実行すると決定したときには、ターゲットの保留表示図柄の表示態様を通常とは異なる特殊態様(例えば、点滅等)として、当該保留表示画像がターゲットであることを遊技者に分かり易く知らせてもよい。なお、上記のようにステップS161で新たな保留表示画像を表示する場合には、ターゲットの保留表示画像の表示開始時から当該保留表示画像を前記特殊態様とするようにしてもよい(特殊態様で保留表示画像の表示を開始するようにしてもよい。)。
(変形例16)
ステップS161において、ステップS675やステップS676の決定結果をVRAMなどに保持し、ステップS679において、キャンセル有りかを判定して、第1保留変化演出情報となる決定結果を始動入賞時コマンドバッファ(今回のターゲットの保留表示番号に対応する格納領域)に格納してもよいが、例えば、ステップS678でキャンセル有りを決定した場合にはVRAMなどに保持した決定結果(第1保留変化演出を実行すると決定したときの決定結果)を消去又は第1保留変化演出を実行しない旨の情報に書き換えておき、ステップS679では保持している決定結果をキャンセルの有無の判定無しでそのまま記録するようにしてもよい(第1保留変化演出を実行すると決定したときの決定結果を消去したときには情報が記録されないことになる。)。
(変形例17)
先読みチャンス目は、最後の飾り図柄(特殊図柄が停止する位置の飾り図柄)が停止する前までの停止図柄は、先読みチャンス目の種類によらず共通であってもよい。これによって遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような場合には、先読みチャンス目の種類(大当り期待度)によらず、上記のように変化演出の実行を制限することで、遊技者の落胆を防止できる。
(変形例18)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを第1演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを第1演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、第1演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については第1演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例19)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。