以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
[ネットワークシステム200の概略構成]
図1は、ネットワークシステム200の概略構成の一例を示すブロック図である。図2は、パチンコ遊技機1の液晶表示器5に表示される二次元コードの構成について説明するための説明図である。本実施形態では、ネットワークシステム200は、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機1と、パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者が所持する二次元コードを読み取り可能なカメラ機能付き携帯電話端末等の携帯通信端末180(本発明の通信端末の一例)と、パチンコ遊技機1で行われた演出を再現した動画を携帯通信端末180に送信する機能を有するWEBサーバ190とを有して構成されている。なお、本実施形態では、WEBサーバ190がパチンコ遊技機1で行われた演出を再現した動画を送信する場合について説明するが、本発明における画像は動画に限定されるものではなく、演出の一場面を再現した静止画であってもよい。
このネットワークシステム200では、概ね以下のような処理が行われる。すなわち、液晶表示器5(本発明の演出手段の一部)によって実行された演出を外部で再現するための情報として、パチンコ遊技機1の演出制御部130(図5参照)が画像音響制御部140(図5参照)に対して発行した演出コマンドが累積記憶される。その一方で、後述する図5及び図6に示されている液晶制御CPU141(下位制御装置の一例)でエラーが発生したときに、液晶制御CPU141が演出制御CPU131(上位制御装置の一例)によってリセットされる。このように液晶制御CPU141がリセットされると、パチンコ遊技機1では、そのエラーを識別するための識別情報が演出制御CPU131によって取得されて累積記憶される。
そして、遊技者によるパチンコ遊技機1での遊技が終了される際に、累積記憶された識別情報及び演出コマンドと、携帯通信端末180がWEBサーバ190にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)とが携帯通信端末180に対して出力される。具体的には、図2に示されるように、識別情報、演出コマンド、及びURLに基づいてQRコード(登録商標)(本発明の二次元コードの一例)が生成されて、生成されたQRコードがパチンコ遊技機1が備える液晶表示器5(本発明の画像表示器の一例)の表示画面に表示される(図13参照)。これに対して、遊技者が携帯通信端末180のカメラ機能を用いてQRコードを撮影すると、携帯通信端末180による撮影で得られたQRコードがデコードされて、携帯通信端末180によってURL、演出コマンド、及び識別情報が取得される。そして、携帯通信端末180は、取得したURLによって特定されるWEBサーバ190に対してインターネット(本発明の通信ネットワークの一例)を介してアクセスして、URLと共に取得した演出コマンド及び識別情報を送信する。
これに対して、遊技機メーカによって管理されているWEBサーバ190は、演出コマンドに対応する動画をその演出コマンドの送信元である携帯通信端末180に対してインターネットを介して送信すると共に、識別情報を蓄積する。このような一連の処理によって、パチンコ遊技機1において実行された演出を携帯通信端末180上で再現することができ、且つパチンコ遊技機1で起こったエラーに関する情報を遊技機メーカが容易に収集することができる。以下、このような機能を実現するためのパチンコ遊技機1、携帯通信端末180、及びWEBサーバ190の構成について、詳細に説明する。なお、携帯通信端末180はカメラ機能を備える一般的な携帯電話端末と同様のハードウエア構成を有し、WEBサーバ190は一般的なWEBサーバと同様のハードウエア構成を有している。このため、本実施形態では、携帯通信端末180及びWEBサーバ190については、ハードウェア構成の図示を省略して、それらの機能構成について主に説明する。
[ネットワークシステム200を構成する各装置の機能構成]
以下、図3を参照しつつ、ネットワークシステム200を構成する各装置の機能構成について説明する。ここで、図3は、パチンコ遊技機1、携帯通信端末180、及びWEBサーバ190の機能構成の一例を示す機能構成図である。
[パチンコ遊技機1の機能構成]
図3に示されるように、パチンコ遊技機1は、機能的に、演出制御部130(図5参照)、第2記憶部1001、リセット部1002、取得部1003、第3記憶部1004、判定部1005、第1記憶部1006、生成部1007、出力部1008、及び削除部1009を備えている。
演出制御部130(本発明の設定手段、演出制御手段の一例)は、パチンコ遊技機1で行われる演出を統括的に制御するものである。具体的には、内部抽選や当選の判定等を行う遊技制御部100(図5参照)からの情報に基づいて演出内容を設定し、その演出内容が示す演出の実行を指示する演出コマンドを演出手段として機能する画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。これにより、パチンコ遊技機1において種々の演出が行われる。これら遊技機制御部100、演出制御部130、画像音響制御部140、及びランプ制御部150については、後に詳述する。
第2記憶部1001(本発明の第2記憶手段の一例)は、演出制御部130から送信された演出コマンドを累積記憶する記憶手段であり、本実施形態では、RAM133(図5参照)によって構成される。なお、第2記憶部1001は揮発性メモリであるRAM133に限定されるものではなく、不揮発性メモリであってもよい。すなわち、本実施形態では、後述するRTC134(図5参照)が不揮発性の記憶領域を有しているので、RAM133に代えて、RTC134等により第2記憶部1001を構成してもよい。
リセット部1002は、下位制御装置として機能する液晶制御CPU141(図6参照)をリセットする上位制御装置であって、本実施形態では、演出制御CPU131(図6参照)によって構成される。なお、このリセット処理については後述する。
取得部1003(本発明の取得手段の一例)は、パチンコ遊技機1でエラーが発生した場合に、そのエラーを識別するための識別情報を取得するものである。このエラーとしては、演出制御CPU131で起こるエラー、液晶制御CPU141で起こるエラー、VDP144で起こるエラー、音響DSP145で起こるエラー等が挙げられるが、説明の便宜上、パチンコ遊技機1で起こるエラーを液晶制御CPU141で起こるエラーとして説明する。本実施形態では、演出制御CPU131がこの取得部1002として機能する。
第3記憶部1004(本発明の第3記憶手段の一例)は、取得部1003によって取得された識別情報を累積記憶する記憶手段として機能するものであり、本実施形態ではRAM133(図5参照)によって構成される。なお、RAM133が揮発性メモリであるために、パチンコ遊技機1の電源断によって、保存されていた識別情報が消去されてしまう場合がある。したがって、パチンコ遊技機1の電源が切られた後も識別情報が保持されるように、例えば不揮発性の記憶領域を有するRTC134(図5参照)を第3記憶手段として用いてもよい。
判定部1005は、遊技者による遊技が終了されるか否かの判定や、後述する図12の取得条件選択画面に対する選択操作が行われたか否かの判定等を行う。後述する生成部1007の処理は、この判定部1005の判定結果に基づいて行われる。
第1記憶部1006(本発明の第1記憶手段の一例)は、WEBサーバ190にアクセスするためのURLを予め記憶する記憶手段であり、本実施形態ではROM142(図5参照)によって構成される。なお、第1記憶部1006は、不揮発性メモリであればROM142に限定されるものではなく、例えばROM132によって構成されてもよい。
生成部1007は、第1記憶部1006に記憶されているURL、第2記憶部1001に記憶されている演出コマンド、及び第3記憶部1004に記憶されている識別情報をコード化してQRコードを生成するものである。本実施形態では、図6に示されている液晶制御CPU141及びVDP144がこの生成部1007として機能する。
出力部1008(本発明の出力手段の一例)は、生成部1007によって生成されたQRコードを出力するものである。本実施形態では、液晶制御CPU141、VDP144、及び液晶表示器5がこの出力部1008として機能するが、出力部1008は、識別情報、演出コマンド、及びURLを例えば赤外線通信により出力するものであってもよい。この場合、出力部1008は赤外線通信手段によって構成され、QRコードを生成する生成部1007は不要である。
削除部1009は、第2記憶部1001に記憶されている演出コマンド、及び第3記憶部1004に記憶されている識別情報を削除するものである。本実施形態では、演出制御CPU131がこの削除部1009として機能する。なお、削除部1009による削除処理は、本実施形態では、出力部1008による演出コマンド、識別情報、及びURLの出力が完了したタイミングで行われるが、その他のタイミングで行われてもよい。
[携帯通信端末180の機能構成]
次に、携帯通信端末180の機能構成について説明する。図3に示されるように、携帯通信端末180は、機能的に、撮像部1801、デコード部1802、表示制御部1803、表示部1804、通信制御部1805、及び無線通信部1806を備えている。
撮像部1801は、パチンコ遊技機1の液晶表示器5に表示されたQRコードを読み取る撮像手段として機能するものである。本実施形態では、図には示されていないが、撮像部1801は、光学フィルタやレンズなどの光学系と、CMOSセンサ或いはCCDセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子から出力されたアナログの画像信号をデジタルデータに変換すると共に、所定の画像処理を施してデコード部1802へ出力する画像処理回路とを有して構成されている。この構成を有していることにより、携帯通信端末180は、二次元コード(本実施形態ではQRコード)の読み取りが可能である。デコード部1802は、撮像部1801から出力されたQRコードの画像データをデコードすることによって、WEBサーバ190のURL、及びパチンコ遊技機1で起こったエラーの識別情報、及び演出制御部130から送信された演出コマンドを取得する。このデコード部1802は、例えば携帯通信端末180が備えるCPU等によって構成される。
表示制御部1803は、液晶ディスプレイ等から構成される表示部1804に各種の画面を表示させるものであり、例えば携帯通信端末180が備えるCPU等がこの表示制御部1803として機能する。表示制御部1803は、WEBページやWEBサーバ190等から受信したデータを表示部1804に表示させるウェブブラウザ機能を有している。
通信制御部1805は、無線通信部1806による外部装置(例えばWEBサーバ190)との通信を制御するものであり、例えば携帯通信端末180が備えるCPU等が通信制御部1805として機能すると共に、送受信データの変調/復調処理等を行う無線モジュールやアンテナが無線通信部1806として機能する。無線通信部1806は、デコード部1802の処理で得られたURLで特定されるWEBサーバ190に対して、同じくデコード部1802の処理で得られた演出コマンド及び識別情報を所定の変調方式による変調処理、無線周波数帯への周波数変換処理、増幅処理等を施して、処理後の演出コマンド及び識別情報を無線信号としてアンテナから出力する。また、無線通信部1806は、WEBサーバ190から送信された動画を受信する。通信制御部1805は、この無線通信部1806によって受信された動画を表示制御部1803へと出力し、表示制御部1803は、その動画を表示部1804に表示させる。
[WEBサーバ190の機能構成]
次に、WEBサーバ190の機能構成について説明する。図3に示されるように、WEBサーバ190は、機能的に、通信部1901、生成部1902、及び蓄積部1903を備えている。
通信部1901は、携帯通信端末180等の外部装置とインターネットを介して通信を行うものであり、WEBサーバ190に対してデータを入出力する入出力回路等により構成されている。携帯通信端末180から送信された演出コマンド及び識別情報は、この通信部1901によって受信され、変調/復調処理等が施される。すなわち、通信部1901は受信手段として機能する。この通信部1901によって受信された演出コマンドは生成部1902に出力され、識別情報は蓄積部1903に出力される。
生成部1902は、通信部1901から入力された演出コマンドに対応する動画を生成する生成手段として機能する。すなわち、演出コマンドに応じて画像音響制御部140(液晶表示器5)によって実行される演出を再現した動画を生成する。本実施形態では、WEBサーバ190は、画像音響制御部140と同様の構成を有している。具体的には、画像音響制御部140のROM142(図5参照)に記憶されているのと同じアルゴリズムのプログラムが記憶され、画像音響制御部140が備える画像用ROM(不図示)に記憶されている素材データ、及び画像音響制御部140が備える音響用ROM(不図示)に記憶されている音響データと同じデータが記憶されており、生成部1902は、演出制御部130から画像音響制御部140に対して送信される演出コマンド、及びWEBサーバ190に記憶されているプログラムや素材データ、音響データ等に基づいて、画像音響制御部140が備える図6のVDP144及び音響DSP145と同様に機能する。すなわち、生成部1902は、画像音響制御部140と同じアルゴリズムで動画を生成する。
生成部1902によって動画が生成されると、通信部1901は、演出コマンド及び識別情報の送信元である携帯通信端末180に対してその動画を送信する。これにより、生成部1902によって生成された動画が携帯通信端末180の表示部1804に再生される。すなわち、通信部1901は送信手段としても機能する。
蓄積部1903は、通信部1901から入力された識別情報を蓄積する蓄積手段として機能するものであり、WEBサーバ190が備えるCPUや識別情報が格納されるデータベース等によって構成される。この蓄積部1903によって携帯通信端末180からの識別情報がWEBサーバ190に蓄積されることによって、ホールに設置されたパチンコ遊技機1におけるエラーの発生状況(例えば各エラーの発生頻度や、各エラーの全エラーに対する発生割合等)を、WEBサーバ190を管理する遊技機メーカが容易に把握することができる。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。図4は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図4に示されるように、パチンコ遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2の表面側(図4の紙面手前側)に遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置された透明なガラス板(不図示)を支持しており、遊技盤2に対して開閉可能に構成されている。
枠部材3に支持されたガラス板と遊技盤2との間には、遊技球が移動する遊技領域20が形成されている。遊技者がハンドル31を握ってレバー32を時計方向へ回転させると、皿39に溜められた遊技球がハンドル31の回転角度に応じた打球力で不図示の発射装置から発射される。発射された遊技球は、遊技領域20の上部位置へ案内され、遊技領域20に配置された不図示の遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、発射装置による遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン33を操作することによって一時的に停止される。また、皿39と近接配置された取り出しボタン34を操作すると、皿39の下面の一部が開口されて、皿39に溜まった遊技球が皿39の下方に配置された不図示の箱へ落下する。
遊技領域20には、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、普通入賞口24、及びゲート25が設けられている。パチンコ遊技機1では、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、又は普通入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した場所に応じた個数の賞球が皿39に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口26を介して遊技領域20の外に排出される。
第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞すると、大当たり抽選(特別図柄抽選)が実行される。この特別図柄抽選に当選することで大入賞口23が開放され、遊技者が多量の賞球を得ることが可能な大当たり遊技を楽しむことができる。また、遊技球がゲート25を通過すると、電動チューリップ27の開閉抽選(普通図柄抽選)が実行される。この普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ27が作動して第2始動口22が一時的に開放される。なお、以下の説明では、第1始動口21への遊技球の入賞を条件として実行される特別図柄抽選を「第1特別図柄抽選」と呼び、第2始動口22への遊技球の入賞を条件として実行される特別図柄抽選を「第2特別図柄抽選」と呼ぶものとする。
遊技盤2又は枠部材3には、各種演出を行う液晶表示器5、盤ランプ8、枠ランプ36、可動役物7、及びスピーカ35が設けられている。
遊技盤2の中央部に液晶表示器5が設けられている。液晶表示器5は、画像を表示する表示画面を有する画像表示器である。この液晶表示器5は、遊技者による遊技中には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄、予告演出を行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等を含む演出画像を表示する。また、本実施形態では、図12に例示されている取得条件選択画面や図13に例示されている撮影指示画面等の表示も行う。なお、画像表示器は液晶表示器5に限定されるものではなく、例えばEL表示器等であってもよい。
盤ランプ8は、遊技者による遊技の進行に応じて発光することで光による演出を行う。枠ランプ36は、発光色、発光パターン、及び光の放射方向を変化させることで光による演出を行う。可動役物7は、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回転することによって可動役物7自体の動きと光による演出を行う。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
皿39と近接する位置に遊技者によって操作される操作手段としての演出ボタン37及び演出キー38が設けられている。演出ボタン37は、遊技者が操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー38は、同じく遊技者が操作情報を入力するためのものであり、十字キーとして機能する4つの周辺キーと、決定ボタンとして機能する中央キーとを有して構成されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側(図4の紙面奥側)には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図5を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置のハードウェア構成について説明する。ここで、図5は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図5に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、遊技制御部100、演出制御部130、画像音響制御部140、ランプ制御部150等を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
この遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び表示器4が接続されている。
遊技球が第1始動口21に入賞すると、その入賞が第1始動口スイッチ111により検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。また、遊技球が第2始動口22に入賞すると、その入賞が第2始動口スイッチ112により検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。これに対して、CPU101は、検出信号が入力されたタイミングで取得した乱数を用いて特別図柄抽選を実行し、特別図柄抽選に当選すると、大入賞口23への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチ115からの検出信号に基づいて、電動ソレノイドを有する大入賞口制御部116を制御して大入賞口23を開閉する。また、CPU101は、演出内容を決定するのに必要な特別図柄抽選の結果を示すデータを演出制御部130へ出力する。
遊技球がゲート25を通過すると、その通過がゲートスイッチ114により検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。これに対して、CPU101は、検出信号が入力されたタイミングで取得した乱数を用いて普通図柄抽選を実行する。そして、この普通図柄抽選に当選すると、電動ソレノイドを有する電動チューリップ開閉部113を制御して電動チューリップ27を動作させる。
遊技球が普通入賞口24に入賞すると、その入賞が普通入賞口スイッチ117により検出されて、遊技制御部100へ検出信号が出力される。CPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、又は普通入賞口スイッチ117からの検出信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを不図示の払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、CPU101は、特別図柄抽選の結果、普通図柄抽選の結果、これらの抽選の保留数、及びパチンコ遊技機1の遊技状態を表示器4(図4参照)に表示させる。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、演出制御CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。演出制御CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、演出制御CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。このRTC134は、時刻情報等の情報を記憶するための不揮発性の記憶領域を有している。
演出制御CPU131は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン37又は演出キー38からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御CPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する。また、演出制御CPU131は、画像音響制御部140の液晶制御CPU141にリセット信号を出力して、液晶制御CPU141をリセットするリセット部1002(図3参照)としても機能する。なお、この演出制御CPU131による液晶制御CPU141のリセット処理については、図6〜図8に基づいて後に詳述する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、液晶制御CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。液晶制御CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)144、及びスピーカ35から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)145を備えている(図6参照)。液晶制御CPU141は、演出制御部130からのコマンド及びROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP144及び音響DSP145へ出力することにより、VDP144及び音響DSP145の動作を制御する。また、ROM142には、液晶制御CPU141によって実行されるプログラムの他に、WEBサーバ190のURLが記憶されている。
図には示されていないが、音響DSP145には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSP145によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSP145は、液晶制御CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ35へ出力する。
また、図には示されていないが、VDP144は、液晶表示器5に表示される演出画像の生成に必要な素材データや、QRコードを生成するために必要なデータ等を記憶する画像用ROM、演出画像やQRコードの描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像やQRコードを液晶表示器5へ出力する出力回路を有している。描画エンジンは、液晶制御CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、フレームバッファに描画された演出画像を所定の表示タイミングで液晶表示器5へ出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、盤ランプ8、枠ランプ36、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM152には、CPU151によって実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータ、及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ36、盤ランプ8、可動役物7に設けられた役物ランプのそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプ制御部150のCPU151は、ROM152に記憶されている発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータを読み出して、盤ランプ8、枠ランプ36、及び役物ランプの発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶されている動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータを読み出して、可動役物7の動作を制御する。
[リセット処理]
次に、図6を参照しつつ、パチンコ遊技機1で行われるリセット処理について説明する。ここで、図6は、パチンコ遊技機1で行われるリセット処理について説明するための説明図である。
図6において、リセットIC135は、演出制御部130を構成する演出制御基板、及び画像音響制御部140を構成する画像音響制御基板への供給電圧を監視し、電源投入時にこれらの基板が正常に動作できるようになるまでの間(すなわち、これらの基板への印加電圧が正常レベルまで上昇し、これらの基板におけるPLL(Phase Locked Loop)の動作が安定するまでの間)、演出制御CPU131、液晶制御CPU141、VDP144、及び音響DSP145をリセット(パワーオンリセット)するための回路である。リセットIC135から出力されるリセット信号(RESET)は、演出制御CPU131、液晶制御CPU141、VDP144、及び音響DSP145に入力される。電源投入直後はリセットIC135からLOWレベルのリセット信号が入力され、電源投入時点から例えば10ミリ秒後にリセット信号の信号レベルがHIGHレベルに変化する。これにより、演出制御CPU131等のリセットが解除され、これらの動作が開始される。
リセットIC135は、上記のようなパワーオンリセットだけでなく、演出制御CPU131等が正常に動作しているか否かを監視して、演出制御CPU131等が異常状態(例えば、暴走やハングアップ)になっていること検知したときに、演出制御CPU131等をリセット(ウォッチドッグリセット)する機能も有している。具体的には、リセットIC135にはウォッチドッグタイマ(第1のウォッチドッグタイマ)が設けられており、演出制御CPU131からウォッチドッグタイマクリア信号(WDTCLR)が入力されない状態が一定時間以上続くと、リセットIC135は、演出制御CPU131が異常状態になっていると判断して、演出制御CPU131等をウォッチドッグリセットする。このウォッチドッグリセット時には、まずリセットIC135から出力されるリセット信号がHIGHレベルから一旦LOWレベルに変化してHIGHレベルに戻る。これにより、演出制御CPU131等のリセットが解除されて、これらの動作が再開される。
演出制御CPU131は、正常に動作している間、リセットIC135に対して、一定周期でウォッチドッグタイマクリア信号(パルス信号)を出力する。これにより、演出制御CPU131は、リセットIC135に対して、自身が正常に動作していることを通知する。
演出制御CPU131から液晶制御CPU141へは、リセット信号(RESET)と送信データ信号(TXD)が入力される。そして、液晶制御CPU141から演出制御CPU131へは、状態信号(READY/BUSY)とウォッチドッグタイマクリア信号(WDTCLR)が入力される。
送信データ信号は、演出制御CPU131が液晶制御CPU141を制御するためのコマンド(例えば、演出内容を示す演出コマンド)を含む信号である。状態信号は、液晶制御CPU141が演出制御CPU131からの新たなコマンドを直ぐに処理可能な状態であるか否かを示す信号であって、例えば、新たなコマンドを直ぐに処理可能なREADY状態である場合にはHIGHレベルとなり、直ぐに処理できないBUSY状態である場合にはLOWレベルとなる。状態信号がLOWレベルとなる典型的な状況は、液晶制御CPU141が、演出制御CPU131によるリセットが解除された直後の初期処理を行っているときや、演出制御CPU131から直前に受け取ったコマンドに応じた処理が完了していないとき等である。逆に、状態信号がHIGHレベルとなる状況は、演出制御CPU131からの新たなコマンドを受け取ってそのコマンドに応じた処理を直ちに実行可能なときである。演出制御CPU131は、液晶制御CPU141に対して新たなコマンドを送信する際に、液晶制御CPU141からの状態信号の信号レベルを判別し、LOWレベルであれば、HIGHレベルに変化するのを待ってからそのコマンドを送信する。
上位制御装置として機能する演出制御CPU131は、下位制御装置として機能する液晶制御CPU141が正常に動作しているか否かを監視して、液晶制御CPU141が異常状態になっていることを検知したときに、液晶制御CPU141に対してリセット信号を出力して液晶制御CPU141をリセット(ウォッチドッグリセット)する。演出制御CPU131は、液晶制御CPU141が正常に動作しているか否かを、液晶制御CPU141からの状態信号(READY/BUSY)とウォッチドッグタイマクリア信号(WDTCLR)に基づいて判断する。具体的には、演出制御CPU131は、基本的に常に一定の周期(例えば10ミリ秒)でタイマ(第2のウォッチドッグタイマ)をカウントアップしており、液晶制御CPU141からウォッチドッグタイマクリア信号(パルス信号)が入力されると第2のウォッチドッグタイマをクリアする。本実施形態では、第2のウォッチドッグタイマは、演出制御CPU131がRAM133を用いて所定の周期(例えば10ミリ秒間隔)で数値をインクリメントすることによって実現される。液晶制御CPU141からウォッチドッグタイマクリア信号が入力されない状態が一定時間以上続くと、第2のウォッチドッグタイマの値が所定の閾値を超え、演出制御CPU131は、液晶制御CPU141が異常状態(例えば、暴走やハングアップ)になっていると判断し、リセット信号(RESET)を出力して液晶制御CPU141をリセット(ウォッチドッグリセット)する。ただし、演出制御CPU131が第2のウォッチドッグタイマをカウントアップするのは、液晶制御CPU141からの状態信号がHIGHレベルであるとき(液晶制御CPU141がREADY状態のとき)のみとし、液晶制御CPU141からの状態信号がLOWレベルのとき(液晶制御CPU141がBUSY状態のとき)には第2のウォッチドッグタイマをカウントしない(もしくは、第2のウォッチドッグタイマのカウントを一時停止する、もしくは、第2のウォッチドッグタイマによる監視を無効にする)。したがって、液晶制御CPU141は、LOWレベルの状態信号を出力している間(自身がBUSY状態である間)はウォッチドッグタイマクリア信号の出力を中断する。
なお、液晶制御CPU141からの状態信号がLOWレベルになってから(液晶制御CPU141がBUSY状態になってから)所定時間(例えば5秒間)が経過してもその信号レベルがHIGHレベルに変化しない場合には、液晶制御CPU141がBUSY状態のまま異常状態になっていると推定されるので、演出制御CPU131は、液晶制御CPU141に対してリセット信号を出力して液晶制御CPU141をリセット(ビジーリセット)する。
なお、液晶制御CPU141とVDP144との間で入出力される信号や、液晶制御CPU141と音響DSP145との間で入出力される信号は、演出制御CPU131と液晶制御CPU141との間で入出力される信号と同様であり、これらの信号については特開2010−227377号公報に示されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
[リセット処理に関する一連の処理]
以下、図7及び図8を参照しつつ、リセット処理に関して画像音響制御部140及び演出制御部130において行われる一連の処理について説明する。ここで、図7は、リセット処理に関して画像音響制御部140によって実行される一連の処理を例示するフローチャートである。図8は、リセット処理に関して演出制御部130によって実行される一連の処理を例示するフローチャートである。なお、図7のフローチャートに基づいて説明する液晶制御部140の処理は、ROM142に記憶されているプログラムに基づいて液晶制御CPU141が発行する命令に従って行われる。また、図8のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130の処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいて演出制御CPU131が発行する命令に従って行われる。また、ここでは、演出制御CPU131が液晶制御CPU141をリセットする処理に関連する処理について説明し、本発明に特に関係の無いその他の処理の説明については省略する。また、液晶制御CPU141がVDP144及び音響DSP145をリセットする処理に関連する処理については、以下に説明する演出制御CPU131と液晶制御CPU141による処理の説明から当業者であれば容易に類推できるため、その説明を省略する。
演出制御基板及び画像音響制御基板に電源が供給され、リセットIC135によるリセットが解除される(すなわち、リセットIC135から出力されるリセット信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化する)と、液晶制御CPU141は、演出制御CPU131に対して、BUSY状態であることを通知するためのLOWレベルの状態信号の出力を開始する(ステップS11)。
次に、液晶制御CPU141は、演出制御CPU131からのコマンドを処理可能な状態になるための準備処理である初期処理を実行して(ステップS12)、初期処理が完了したか否かを判定する(ステップS13)。ここで、初期処理が完了していないと液晶制御CPU141によって判定された場合(ステップS13:NO)、処理がステップS12に戻される。
液晶制御CPU141は、初期処理が完了したと判定した場合(ステップS13:YES)、演出制御CPU131からのコマンドを処理可能なREADY状態になったことを演出制御CPU131に通知するために、演出制御CPU131に対して出力している状態信号の信号レベルをLOWレベルからHIGHレベルに変更する(ステップS14)。
このステップS14の処理に続いて、液晶制御CPU141は、送信データ信号(TXD)の有無に基づいて、演出制御CPU131から新たなコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS15)。
液晶制御CPU141は、新たなコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS15:NO)、演出制御CPU131に対してウォッチドッグタイマクリア信号を出力する(ステップS16)。このステップS16の処理が行われた場合、処理がステップS15に戻される。
液晶制御CPU141は、新たなコマンドを受信したと判定した場合(ステップS15:YES)、そのコマンドに応じた処理を実行するために自身がBUSY状態となることを演出制御CPU131に通知するために、演出制御CPU131に対して出力している状態信号の信号レベルをHIGHレベルからLOWレベルに変更する(ステップS18)。そして、液晶制御CPU141は、演出制御CPU131から受信したコマンドに応じた処理を実行する(ステップS19)。具体的には、受信したコマンドに対応する演出を実現するための制御信号をVDP144及び音響DSP145に出力する。ステップS19の処理を実行すると、液晶制御CPU141は、このコマンドに応じた処理が完了したか否かを判定し(ステップS20)、コマンドに応じた処理が完了していないと判定した場合(ステップS20:NO)、コマンドに応じた処理が完了するまでステップS19の処理を継続する。
液晶制御CPU141は、コマンドに応じた処理が完了したと判定した場合(ステップS20:YES)、ステップS19の処理が完了して演出制御CPU131からの新たなコマンドに応じた処理を実行可能なREADY状態になったことを演出制御CPU131に通知するために、演出制御CPU131に対して出力している状態信号の信号レベルをLOWレベルからHIGHレベルに変更する(ステップS21)。そして、このステップS21の処理が行われると、処理がステップS15に戻される。
一方の演出制御CPU131は、演出制御基板及び画像音響制御基板に電源が供給されてリセットIC135によるリセットが解除されると、図8に示されるように、第2のウォッチドッグタイマのカウントアップを開始する(ステップS31)。
次に、演出制御CPU131は、上記ステップS16の処理によって液晶制御CPU141から出力されたウォッチドッグタイマクリア信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。ここで、ウォッチドッグタイマクリア信号を受信したと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS32:YES)、液晶制御CPU141が正常な状態であると判断できるので、処理がステップS31に戻される。この場合、第2のウォッチドッグタイマのカウントアップが改めて開始されるので、それまでにカウントアップされていた第2のウォッチドッグタイマはクリアされる。
一方、演出制御CPU131は、ウォッチドッグタイマクリア信号を受信していないと判定した場合(ステップS32:NO)、液晶制御CPU141から出力される状態信号がLOWレベルか否か(液晶制御CPU141がBUSY状態か否か)を判定する(ステップS33)。
演出制御CPU131は、状態信号がLOWレベルではない(液晶制御CPU141がREADY状態である)と判定した場合(ステップS33:NO)、第2のウォッチドッグタイマの値が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS34)。ここで、第2のウォッチドッグタイマの値が所定の閾値を超えていないと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS34:NO)、液晶制御CPU141をリセットする必要がないと判断されて、処理がステップS32に戻される。
演出制御CPU131は、第2のウォッチドッグタイマの値が所定の閾値を超えたと判定した場合(ステップS34:YES)、液晶制御CPU141がREADY状態であることを示す情報をRAM133に記憶し(ステップS35)、液晶制御CPU141をリセット(ウォッチドッグリセット)する(ステップS36)。具体的には、液晶制御CPU141に対して出力するリセット信号を一旦LOWレベルに変化させてから所定時間が経過した後にHIGHレベルに戻す。これにより、液晶制御CPU141が異常状態から正常状態へと復帰する。このステップS36の処理が行われると、処理がステップS31に戻される。
演出制御CPU131は、状態信号がLOWレベルである(液晶制御CPU141がBUSY状態である)と判定した場合(ステップS33:YES)、液晶制御CPU141から出力される状態信号がLOWレベルである(液晶制御CPU141がBUSY状態である)継続時間をカウントする(ステップS38)。
そして、演出制御CPU131は、液晶制御CPU141からの状態信号がLOWレベルである継続時間が所定時間を超えたか否かを判定する(ステップS39)。ここでの所定時間は、液晶制御CPU141が正常に動作している状態ではあり得ないような時間であり、本実施形態では5秒に設定されている。演出制御CPU131は、継続時間が所定時間を超えていないと判定した場合(ステップS39:NO)、状態信号がHIGHレベルになったか否か(液晶制御CPU141がREADY状態になったか否か)を判定する(ステップS40)。
状態信号がHIGHレベルになっていないと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS40:NO)、液晶制御CPU141のBUSY状態が継続中であると判断できるので、処理がステップS38に戻される。
一方、状態信号がHIGHレベルになったと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS40:YES)、液晶制御CPU141がREADY状態になったと判断できるので、ウォッチドッグリセットを行うか否かを判断するために、処理がステップS31に戻される。
演出制御CPU131は、LOWレベルの継続時間が所定時間を超えたと判定した場合(ステップS39:YES)、液晶制御CPU141がBUSY状態であることを示す情報をRAM133に記憶し(ステップS41)、液晶制御CPU141をリセット(ビジーリセット)する(ステップS42)。具体的には、演出制御CPU131は、液晶制御CPU141に対して出力するリセット信号を一旦LOWレベルに変更してから所定時間後にHIGHレベルに戻す。これにより、液晶制御CPU141は異常状態から正常状態へと復帰する。
このように、演出制御CPU131は、液晶制御CPU141のエラー発生時(液晶制御CPU141が異常状態になったとき)に液晶制御CPU141をリセットする機能を有している。なお、本実施形態における構成では、演出制御CPU131が液晶制御CPU141のみをリセットして正常状態に復帰させることができる。したがって、例えばVDP144や音響DSP145が正常に動作しているのに対して液晶制御CPU141だけが異常状態となった場合には、VDP144による画像表示や音響DSP145による音声出力を中断させることなく、液晶制御CPU141を正常状態に復帰させることができる。ただし、液晶制御CPU141が異常状態となった場合には、VDP144や音響DSP145も正常ではなくなっている可能性があるため、液晶制御CPU141をリセットした場合には、正常状態に復帰した液晶制御CPU141にVDP144及び音響DSP145をリセットさせるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、演出制御CPU131が上位制御装置で液晶制御CPU141が下位制御装置である場合を例に説明したが、上位制御装置及び下位制御装置の組み合わせはこれに限定されるものではない。すなわち、上位制御装置及び下位制御装置は、液晶制御CPU141とVDP144であってもよいし、液晶制御CPU141と音響DSP145であってもよい。
また、各種信号の形状(パルス信号)や状態(HIGHレベル、LOWレベル)は単なる一例に過ぎず、同様の情報を伝えることができるのであれば、各種信号の形状や状態は特に限定されるものではない。
[演出制御部130による保存処理]
以下、図9を参照しつつ、演出制御部130によって実行される保存処理について説明する。ここで、図9は、演出制御部130によって実行される保存処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130の処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいて演出制御CPU131が発行する命令に従って行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動口21又は第2始動口22への遊技球の入賞が第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112によって検出されると、遊技制御部100によって特別図柄抽選に必要な各種乱数が取得される。そして、特別図柄抽選として、取得された各種乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する処理、大当たりである場合にはその種類を判定する処理、大当たり図柄又はハズレ図柄を設定する処理、特別図柄の変動パターンを設定する処理が遊技制御部100によって実行され、これらの一連の処理の結果を示す情報を含む変動開始コマンドが演出制御部130へ送信される。
図9に示されるように、演出制御部130の演出制御CPU131は、例えば遊技制御部100から送信された変動開始コマンドを受信してからの経過時間に基づいて、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS51)。
設定手段として機能する演出制御CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS51:NO)、装飾図柄の変動表示の開始を指示する変動開始コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS52)。そして、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS52:YES)、変動開始コマンドを解析する(ステップS53)。このステップS53の処理が行われることにより、表示器4の特別図柄表示器(不図示)において特別図柄が変動表示される変動時間が取得される。後述するステップS55の演出パターン決定処理では、この変動時間と同一の再生時間を有する演出パターンが決定される。その結果、特別図柄の変動表示/停止表示に伴って、液晶表示器5において装飾図柄が変動表示/停止表示されることになる。
ステップS53の処理に続いて、演出制御CPU131は、演出パターンを決定するために必要な演出乱数を取得してRAM133に格納する(ステップS54)。具体的には、演出制御CPU131は、保存処理を実行する周期であるCTC周期よりも短い周期で演出乱数を「1」ずつ加算して更新する乱数更新処理を実行しており、このステップS54において、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を演出乱数として取得する。
ステップS54の処理に続いて、演出制御CPU131は、変動開始コマンドに含まれている情報、ステップS54の処理で取得した演出乱数に基づいて、演出パターンを決定する(ステップS55)。
図には示されていないが、演出制御部130のROM132には、長当たり演出テーブル、短当たり演出テーブル、小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチなし演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御部100で決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、4秒用、8秒用、12秒用のテーブルが設けられており、長当たり演出テーブルには、1分、1分30秒、2分のテーブルが設けられている。演出制御CPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報(図柄、変動パターン等)に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「ハズレ」を示す情報、「リーチ無し演出」を行うことを示す情報、特別図柄の「変動時間」が4秒であることを示す情報が含まれている場合、演出制御CPU131は、4秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。演出制御CPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS54の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出す。これにより、液晶表示器5に表示される装飾図柄の変動パターン、可動役物7を作動させる場合には可動役物7の動作パターンや発光パターン、盤ランプ8や枠ランプ36の発光パターン、スピーカ35から出力される音声の出力パターンといった遊技演出の内容が決定される。
演出制御CPU131は、このようにして演出パターンを決定する際に演出抽選を行って、液晶表示器5等の演出手段によって実行される演出の内容を設定する。
続いて、演出制御手段として機能する演出制御CPU131は、ステップS55の処理によって演出パターンを決定した後、この演出パターンに対応する演出の開始を指示する変動演出開始コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する(ステップS56)。これにより、ステップS55の処理で決定された演出パターンに対応する演出が、画像音響制御部140及びランプ制御部150によって開始される。
このように、演出制御CPU131は、ステップS53〜ステップS55の処理による演出抽選の結果に応じた演出の実行を指示する演出コマンド(ここでは変動演出開始コマンド)を画像音響制御部140及びランプ制御部150にへ送信して、特別図柄の変動表示に伴う演出を液晶表示器5やスピーカ35、可動役物7、枠ランプ36、盤ランプ8等に実行させる。
ステップS56の処理に続いて、演出制御CPU131は、ステップS56の処理で送信した変動演出開始コマンドを、液晶表示器5によって実行された演出を携帯通信端末180上で再現するための演出コマンドとして、第2記憶手段として機能するRAM133の所定領域に記憶させる(ステップS57)。
演出制御CPU131は、装飾図柄の変動表示を伴う演出の実行中であると判定した場合(ステップS51:YES)、装飾図柄の変動表示の停止を指示する変動停止コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS58)。演出制御CPU131は、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS58:YES)、画像音響制御部140を介して液晶表示器5に特別図柄抽選の結果を示す装飾図柄を停止表示させると共に、ステップS56の処理に応じて開始された演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に終了させる(ステップS59)。このステップS59の処理が行われた場合、又は変動停止コマンドを受信していないと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS58:NO)、一連の演出制御処理が終了して、処理がステップS51に戻される。
ところで、特別図柄抽選に当選すると、大当たり遊技中の演出の実行を指示する大当たり開始コマンドが遊技制御部100から送信される。これに対して、演出制御部130の演出制御CPU131は、ステップS52で「NO」と判定した場合、又はステップS57の処理を実行した場合、遊技制御部100から大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS61)。演出制御手段として機能する演出制御CPU131は、大当たり開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS61:YES)、大当たり開始コマンドに含まれている情報に基づいて大当たりの種類を判別して、その大当たりに応じた当たり演出の開始を指示する当たり演出開始コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する(ステップS62)。これにより、大当たりの開始を示すオープニング演出、大当たり中にラウンド数や演出画像を液晶表示器5に表示する演出、スピーカ35、盤ランプ8、可動役物7等による演出が開始される。
このように、演出制御CPU131は、大当たり遊技中の演出の実行を指示する演出コマンド(ここでは当たり演出開始コマンド)を画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信して、大当たり遊技に伴う演出を液晶表示器5やスピーカ35、可動役物7、枠ランプ36、盤ランプ8等に実行させる。
ステップS62の処理に続いて、演出制御CPU131は、ステップS57の処理と同様に、ステップS62の処理で送信した当たり演出開始コマンドを、演出コマンドとして、RAM133の所定領域に記憶させる(ステップS63)。
図10は、コマンド情報テーブル138の一例を示す説明図である。演出制御部130のRAM133には、演出コマンドとしての変動演出開始コマンド及び当たり演出開始コマンドと共に、これらのコマンドに関する情報を格納するためのコマンド情報テーブル138が設けられている。
図10に示されるように、コマンド情報テーブル138は、「番号」フィールド、「演出コマンド」フィールド、「リーチ」フィールド、「大当たり確率」フィールド、「当選」フィールド、「プレミアム演出」フィールド、「コマンド種別」フィールドを有して構成されている。「番号」フィールドには、演出制御部130が演出コマンドとして変動演出開始コマンド又は当たり演出開始コマンドを送信した時間順に付けられた番号が格納される。「演出コマンド」フィールドには、ステップS56の処理で送信された変動演出開始コマンド、又はステップS62の処理で送信された当たり演出開始コマンドが格納される。「リーチ」フィールドには、演出コマンドとして変動演出開始コマンドが格納された場合に、その変動演出開始コマンドに応じてリーチ演出が行われるか否かを示す情報が格納される。
「大当たり確率」フィールドには、変動演出開始コマンド又は当たり演出開始コマンドが格納されたときの特別図柄抽選の当選確率が相対的に高いか低いか、つまり高確率状態であるのか或いは低確率状態であるのかを示す情報が格納される。「当選」フィールドには、「演出コマンド」フィールドに変動演出開始コマンドが格納された場合に、その変動演出開始コマンドに応じた装飾図柄の変動表示が行われた変動回に大当たりとなったか否かを示す情報が格納される。「プレミアム演出」フィールドには、変動演出開始コマンド又は当たり演出開始コマンドに応じて実行された演出に出現頻度が極めて低いプレミアム演出が含まれているか否かを示す情報が格納される。「コマンド種別」フィールドには、「演出コマンド」フィールドに格納された演出コマンドが変動演出開始コマンドであるか、或いは当たり演出開始コマンドであるかを示す情報が格納される。
演出制御CPU131は、ステップS57において、変動演出開始コマンドと共に、ステップS55の結果に基づいて、その変動演出開始コマンドに関連する各種情報をコマンド情報テーブル138の同一レコードに格納する。これにより、変動演出開始コマンドとそのコマンドに関連する情報とが対応付けられた形でRAM133に記憶されることになる。
また、演出制御CPU131は、ステップS63において、当たり演出開始コマンドと共に、ステップS61の処理で受信したと判定した大当たりコマンドを解析した結果に基づいて、その当たり演出開始コマンドに関連する各種情報をコマンド情報テーブル138の同一レコードに格納する。これにより、当たり演出開始コマンドとそのコマンドに関連する情報とが対応付けられた形でRAM133に記憶されることになる。
なお、ステップS57の処理又はステップS63の処理で記憶された演出コマンド(変動演出開始コマンド又は当たり演出開始コマンド)は、演出制御部130が画像音響制御部140及びランプ制御部150に対してコマンドを送信する毎に記憶され、後述するステップS94の処理(図11参照)が行われるまで保持される。すなわち、遊技者による遊技が開始されたこと(パチンコ遊技機1が客待ち状態のときに第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したこと)を契機として演出コマンドをRAM133に累積記憶する処理が開始され、その遊技者による遊技が終了されるときにそれまでに累積記憶された演出コマンドが破棄される。ただし、遊技者の遊技中に必ずしも特別図柄抽選に当選する訳ではないので、当たり演出開始コマンドについては、必ずしもRAM133に記憶される訳ではない。
演出制御CPU131は、ステップS61の処理で「NO」と判定した場合、又はステップS63の処理を行った場合、大当たり遊技の終了を通知する大当たり終了コマンドを遊技制御部100から受信したか否かを判定する(ステップS64)。演出制御CPU131は、大当たり終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS64:YES)、ステップS62の処理に応じて開始された当たり演出を終了させるための当たり演出終了コマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150へ送信する(ステップS65)。このステップS65の処理が行われることにより、大当たり遊技に伴う演出が終了する。
演出制御CPU131は、ステップS64の処理で「NO」と判定した場合、又はステップS65の処理を行った場合、上記ステップS36又はステップS42の処理によって液晶制御CPU141をリセットしたか否かを判定する(ステップS67)。ここで、液晶制御CPU141をリセットしていないと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS67:NO)、一連の保存処理が終了して、処理がステップS51に戻される。
取得手段として機能する演出制御CPU131は、液晶制御CPU141をリセットしたと判定した場合(ステップS67:YES)、リセットの原因となったエラーを識別するための識別情報を取得して(ステップS68)、その識別情報をRAM133に記憶する(ステップS69)。具体的には、液晶制御CPU141のリセットに伴う上記ステップS35又はステップS41の処理によって、RAM133には、液晶制御CPU141のリセット時(正確にはリセットの直前)に液晶制御CPU141がBUSY状態であったか或いはREADY状態であったかを示す情報が記憶されている。このため、演出制御CPU131は、RAM133に記憶されている液晶制御CPU141のリセット時の状態を示す情報に基づいてエラーを識別して、その識別情報をRAM133の所定領域に格納する。
なお、ここでは、説明を容易にするために、パチンコ遊技機1で起こるエラーを、液晶制御CPU141がREADY状態のまま異常状態となったエラーと、液晶制御CPU141がBUSY状態のまま異常状態となったエラーの2つのエラーに識別しているが、VDP144又は音響DSP145のリセット時におけるVDP144又は音響DSP145の状態(READY状態又はBUSY状態)を示す情報を液晶制御CPU141を介して取得して、演出制御CPU131が3種類以上のエラーを識別してもよいことは言うまでもない。
[演出制御部130による出力処理]
次に、図11を参照しつつ、演出制御部130によって実行される出力処理について説明する。ここで、図11は、演出制御部130によって実行される出力処理を例示するフローチャートである。
演出制御CPU131は、図11に示されるように、遊技制御部100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS81)。ここで、客待ちコマンドは、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選がいずれも保留されていない状態になったことを契機として、この保留がない状態を通知するために遊技制御部100から送信されるコマンドである。演出制御CPU131は、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS81:YES)、RTC134を用いて、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測を開始する(ステップS82)。
演出制御CPU131は、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS81:NO)、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS83)。
演出制御CPU131は、上記ステップS82の処理を既に実行しており、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であると判定した場合(ステップS83:YES)、客待ちコマンドを受信してから第1設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS84)。具体的には、遊技者による遊技が終了されるか否かを判定するための第1設定時間(例えば5秒)がROM132に予め記憶されており、演出制御CPU131は、ステップS82の処理で計測を開始した経過時間がこの第1設定時間以上になったか否かを判定する。第1設定時間を経過していないと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS84:NO)、又は上記ステップS83で「NO」と判定された場合、一連の演出制御処理が終了して処理がステップS81に戻される。
このように、演出制御CPU131は、客待ちコマンドを受信してからの経過時間が第1設定時間に達したか否かに基づいて、遊技者による遊技が終了されるか否かを判定する。
演出制御CPU131は、第1設定時間を経過したと判定した場合(ステップS84:YES)、液晶表示器5に客待ち画面が表示されるのに先立って遊技者による遊技が終了されるものと判断して、取得条件が選択済みであるか否かを判定する(ステップS85)。具体的には、遊技者が携帯通信端末180で再現したい演出に関する演出コマンドだけを携帯通信端末180で取得するための取得条件を演出キー38の操作により遊技者が選択できるように構成されており(図12参照)、演出制御CPU131は、このステップS85において、この取得条件を選択するための操作が既に行われているか否かを判定する。ここで、取得条件が選択済みであると演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS85:YES)、処理が後述するステップS90へ進められる。
演出制御CPU131は、取得条件が選択済みではないと判定した場合(ステップS85:NO)、取得条件の選択を促す報知処理を実行する(ステップS86)。具体的には、演出制御CPU131は、画像音響制御部140を介して液晶表示装置5を制御して、液晶表示器5に取得条件選択画面を表示させる。
図12は、液晶表示器5に表示される取得条件選択画面の一例を示す画面図である。図12に示されるように、取得条件選択画面には、再現したい演出の種類の選択を促すメッセージと、複数の取得条件と、取得条件の選択後にQRコードが表示されることを通知するメッセージとが表示される。遊技者は、この取得条件選択画面が液晶表示器5の表示画面に表示された状態で、演出キー38の周辺キー及び中央キーを操作することによっていずれかの取得条件を選択することができる。ここで、本実施形態では、取得条件として、「全ての演出」、「プレミアム演出のみ」、「大当たりとなった変動の演出のみ」、「確変中の演出のみ」、及び「リーチ以上の演出のみ」の計6つの取得条件のいずれかを選択することが可能である。
演出制御CPU131は、ステップS86の処理に続いて、演出キー38に対する取得条件の選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS87)。選択操作が行われていないと演出制御CPU131によって判定された場合(ステップS87:NO)、処理が後述するステップS91へ進められる。
演出制御CPU131は、選択操作が行われたと判定した場合(ステップS87:YES)、演出キー38からの操作情報に基づいて、6種類の取得条件の中からいずれかの取得条件の選択を受け付けて、ステップS88以降の処理を実行する。すなわち、演出制御CPU131は、RAM133の所定領域に記憶されている全ての演出コマンドの中から、演出キー38の操作によって選択された取得条件に該当する演出コマンドを抽出する(ステップS88)。
具体的には、取得条件として「全ての演出」が選択された場合、演出制御CPU131は、RAM133に記憶されている全ての演出コマンドを抽出する。例えば図10に例示されるように5つの演出コマンドが記憶されている場合、演出制御CPU131は、これら5つの演出コマンドの全てを抽出する。また、取得条件として「プレミアム演出のみ」が選択された場合、演出制御CPU131は、RAM133に記憶されている全ての演出コマンドの中から、プレミアム演出を含む演出の実行を指示する演出コマンドのみを抽出する。例えば図10に例示されるように5つの演出コマンドが記憶されている場合、コマンド情報テーブル138の「プレミアム演出」欄を参照して、プレミアム演出が「あり」となっているレコードに格納されている演出コマンド(ここでは通番が「004」である変動演出開始コマンド)を抽出する。
また、取得条件として「大当たりとなった変動の演出のみ」が選択された場合、演出制御CPU131は、コマンド情報テーブル138の「当選」欄を参照して、当選が「○」となっているレコードに格納されている演出コマンド(ここでは通番が「004」である変動演出開始コマンド)を抽出する。また、「確変中の演出のみ」が選択された場合、演出制御CPU131は、コマンド情報テーブル138の「大当たり確率」欄を参照して、大当たり確率が「高」となっているレコードに格納されている演出コマンドを抽出する。また、「リーチ以上の演出のみ」が選択された場合、演出制御CPU131は、コマンド情報テーブル138の「リーチ」欄を参照して、リーチが「あり」となっているレコードに格納されている演出コマンド(ここでは通番が「001」である変動演出開始コマンドと、通番が「004」である変動演出開始コマンド)を抽出する。
なお、本実施形態では、上述した6種類の取得条件のいずれか1つを選択可能である場合について説明したが、複数の取得条件を選択できるようにしてもよい。また、取得条件は本実施形態に例示したものに限定されるものではなく、他のものであってもよい。取得条件の変形例としては、「図柄変動の1回転目から50回転目の演出」といった取得条件が挙げられる。
演出コマンドを抽出すると、演出制御CPU131は、ステップS88の処理で抽出した演出コマンド、識別情報、及びWEBサーバ190のURLをコード化してQRコードを生成する処理を画像音響制御部140に実行させる(ステップS89)。具体的には、演出制御CPU131は、ステップS88の処理で抽出した1又は複数の演出コマンドと、ステップS69の処理でRAM133に記憶された全ての識別情報を含むQRコード生成コマンドを画像音響制御部140へ送信する。これに対して、出力手段として機能する画像音響制御部140のCPU141は、予めROM142に記憶されているWEBサーバ190のURLと、演出制御部130から受信した演出コマンド及び識別情報とをコード化してQRコードを生成する。なお、各種情報をコード化してQRコードを生成する処理は公知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
演出制御CPU131は、ステップS85で「YES」と判定した場合、又はステップS89の処理を行った場合、ステップS89の処理に応じて生成されたQRコードを液晶表示器5に表示させる(ステップS90)。具体的には、演出制御CPU131は、ステップS89の処理に応じて生成されたQRコードの表示を指示するQRコード表示コマンドを画像音響制御部140へ送信する。これにより、図13に例示されるように、画像音響制御部140によって生成されたQRコードを含む撮影指示画面が液晶表示器5の表示画面に表示される。この撮影指示画面には、QRコードの撮影を指示するメッセージと、QRコードと、撮影が可能な残り時間とが表示される。
このように、画像音響制御部140は、遊技者が選択した取得条件に該当する演出コマンド、パチンコ遊技機1で起こったエラーを識別するための識別情報、及びWEBサーバ190にアクセスするためのURLを、遊技者によって操作される携帯通信端末180により取得可能に出力する。
演出制御CPU131は、ステップS87で「NO」と判定した場合、又はステップS90の処理を行った場合、客待ちコマンドを受信してから第2設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS91)。具体的には、パチンコ遊技機1が客待ち状態に移行したか否かを判定するための第2設定時間(例えば40秒)がROM132に記憶されており、演出制御CPU131は、ステップS82の処理で計測を開始した経過時間がこの第2設定時間以上になったか否かを判定する。このように、演出制御CPU131は、客待ちコマンドを受信してからの経過時間に基づいて、パチンコ遊技機1が客待ち状態に移行したか否かを判定する。
パチンコ遊技機1が客待ち状態に移行した場合、パチンコ遊技機1が客待ち状態であることを遊技者に対して報知するための客待ち画像を液晶表示器5に表示させる必要がある。このため、演出制御CPU131は、客待ちコマンドを受信してから第2設定時間が経過したと判定した場合(ステップS91:YES)、画像音響制御部140に液晶表示器5への客待ち画像の表示を開始させるといった客待ち演出を開始する(ステップS92)。
このステップS92の処理が行われることにより、液晶表示器5に表示されていた撮影指示画面(図13参照)が客待ち画面に切り替わる。つまり、遊技者が取得条件を選択してからパチンコ遊技機1が客待ち状態に移行するまでの間、液晶表示器5の表示画面にQRコードが表示される。
演出制御CPU131は、ステップS92の処理に続いて、ステップS82の処理で開始した経過時間の計測を終了する(ステップS93)。このステップS93の処理が行われることにより、RAM133に一時的に記憶されていた経過時間を示す情報が破棄される。
ところで、パチンコ遊技機1が客待ち状態に移行した場合、遊技者が変わる可能性が高い。このような状況下において、RAM133に累積記憶された演出コマンドをパチンコ遊技機1が客待ち状態に移行した後もRAM133に保持しておくようにすると、例えば前の遊技者が遊技した際に行われた演出の演出コマンドが次の遊技者に取得されてしまうおそれがある。また、RAM133に累積記憶された識別情報をパチンコ遊技機1が客待ち状態に移行した後もRAM133に保持しておくようにすると、前の遊技者が遊技していたときに発生したエラーの識別情報が、次の遊技者によって取得されてしまい、その結果、同じエラーの識別情報がWEBサーバ190に重複送信されてしまうおそれがある。
そこで、演出制御CPU131は、ステップS93の処理に続いて、RAM133に保持されていた演出コマンド及び識別情報を削除する(ステップS94)。
[携帯通信端末180によるコマンド送信処理]
以下、図14を参照しつつ、携帯通信端末180及びWEBサーバ190によって実行される処理について説明する。ここで、図14は、携帯通信端末180及びWEBサーバ190において実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14のフローチャートに基づいて説明する携帯通信端末180の処理は、携帯通信端末180に記憶されているプログラム、及びパチンコ遊技機1から取得したQRコードに基づいて、携帯通信端末180のCPU(不図示)が発行する命令に従って行われる。また、WEBサーバ190の処理は、WEBサーバ190に記憶されているプログラム、及び携帯通信端末180から取得した識別情報及び演出コマンドに基づいて、WEBサーバ190のCPU(不図示)が発行する命令に従って行われる。
携帯通信端末180のデコード部1802は、撮像部1801によってQRコードが撮像されたか否かに基づいて、QRコードを取得したか否かを判定する(ステップS201)。QRコードを取得していないとデコード部1802によって判定された場合(ステップS201:NO)、処理がステップS201へ戻される。
デコード部1802は、撮像部1801によってQRコードを取得したと判定した場合(ステップS201:YES)、そのQRコードをデコードする(ステップS202)。このステップS202の処理によって、WEBサーバ190にアクセスするためのURLと、演出制御部130から画像音響制御部140へ送信された全ての又は一部の演出コマンドと、パチンコ遊技機1で起こったエラーの識別情報とが得られる。なお、パチンコ遊技機1の液晶表示器5に表示されたものと異なるQRコードが取得された場合には、URLが得られるとしても識別情報及び演出コマンドが得られないので、この場合、本フローの処理とは異なる処理が行われることは言うまでもない。
次に、表示制御部1803は、図15に例示されるようなアクセス確認画面188を表示部1804に表示させる(ステップS203)。このアクセス確認画面188には、WEBサーバ190のURLを取得したことを通知する旨のメッセージ、及びWEBサーバ190にアクセスするか否かを選択するための選択ボタン等が含まれる。
ステップS203の処理に続いて、通信制御部1805は、携帯通信端末180の操作部(不図示)に対する遊技者(携帯通信端末180のユーザ)の操作に基づいて、WEBサーバ190に対するアクセスが指示されたか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、アクセス確認画面188に含まれる「はい」の文字が付された選択ボタンを押下するための操作が操作部に対して行われたか否かを判定する。アクセスが指示されなかったと通信制御部1805によって判定された場合(ステップS204:NO)、一連の処理が終了する。
なお、パチンコ遊技機1からQRコードを取得した際に遊技者がWEBサーバ190へのアクセスを指示しなかったとしても、QRコードの読み取りによって取得されたURL、識別情報、及び演出コマンドは携帯通信端末180の記憶手段に記憶されるので、遊技者が所望のタイミングでWEBサーバ190にアクセスすることが可能である。
表示制御部1803は、WEBサーバ190へのアクセスが指示されたと通信制御部1805によって判定された場合(ステップS204:YES)、図16に例示される再生演出選択画面189を表示部1804に表示させる(S205)。具体的には、パチンコ遊技機1における取得条件の選択結果によっては、QRコードに複数の演出コマンドが含まれている場合がある。このような場合、表示制御部1803は、遊技者が選択可能な演出を再生演出選択画面189により一覧表示する。これに対して、遊技者は、自身が見たいと考える演出を選択するための選択操作を操作部に対して行うことができる。
通信制御部1805は、ステップS205の処理に続いて、操作部からの操作情報に基づいて、再生演出選択画面189に表示されているいずれかの演出を選択するための選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS206)。ここで、選択操作が行われていないと通信制御部1805によって判定された場合(ステップS206:NO)、処理が後述するステップS210へ進められる。
通信制御部1805は、選択操作が行われたと判定した場合(ステップS206:YES)、URLにより特定されるWEBサーバ190にアクセスし、ステップS206の処理で選択された演出に対応する演出コマンド、及びパチンコ遊技機1から取得した全ての識別情報をWEBサーバ190へ無線通信部1806を介して送信する(ステップS207)。
なお、遊技者が再見したい演出を選択すると、その都度演出コマンドがWEBサーバ190へ送信されるが、これら全ての演出コマンドに対して識別情報を一緒に送信すると、同じ識別情報がWEBサーバ190に繰り返し送信されてしまい、その結果、パチンコ遊技機1で起こったエラーの状況を正確に判断できなくなるおそれがある。このため、携帯通信端末180では、例えばWEBサーバ190への初回アクセス時にだけ識別情報が送信されて、送信された識別情報は携帯通信端末180のメモリから削除される。
これに対して、WEBサーバ190の通信部1901(受信手段)は、携帯通信端末180から送信された演出コマンド(及び識別情報)を受信したか否かを判定する(ステップS301)。演出コマンドを受信していないと通信部1901によって判定された場合(ステップS301:NO)、処理がステップS301に戻される。
逆に、通信部1901は、演出コマンドを受信したと判定した場合(ステップS301:YES)、その演出コマンドに対応する演出を再現した動画を携帯通信端末190に送信する(ステップS302)。具体的には、生成部1902(生成手段)は、画像音響制御部140で行われる処理と同様の処理を行って、演出コマンドに応じて画像音響制御部140及び液晶表示器5によって実行される演出を再現した動画を生成する。そして、通信部1901(送信手段)は、生成部1902によって生成された動画を演出コマンドの送信元である携帯通信端末180に送信する。
ステップS302の処理に続いて、蓄積部1903は、通信部1901によって受信された識別情報をデータベースに蓄積する(ステップS303)。
一方、ステップS207の処理に続いて、携帯通信端末180の通信制御部1805及び表示制御部1803は、演出を再現した動画をWEBサーバ190からダウンロードしながら表示部1804を用いて再生(ストリーミング再生)する(ステップS208)。これにより、遊技者が選択した演出が携帯通信端末180上で再現される。なお、表示部1804で再生される演出の音声を携帯通信端末180が備える不図示のスピーカから出力するようにしてもよい。
通信制御部1805は、ステップS208の処理に続いて、動画の再生が完了したか否かを判定する(ステップS209)。ここで、再生が完了していないと通信制御部1805によって判定された場合(ステップS209:NO)、処理がステップS208に戻されて、再生が完了するまでステップS208の処理が継続される。
通信制御部1805は、再生が完了したと判定した場合(ステップS209:YES)、又はステップS206で「NO」と判定された場合、操作部に対して終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS210)。ここで、終了操作が行われていないと通信制御部1805によって判定された場合(ステップS210:NO)、処理がステップS205に戻される。
一方、通信制御部1805は、終了操作が行われたと判定した場合(ステップS210:YES)、WEBサーバ190との接続を終了して、一連の処理が終了する。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯通信端末180を用いてパチンコ遊技機1から演出コマンド、識別情報、及びURLを取得し、そのURLに対応するWEBサーバ190にアクセスして演出コマンド及び識別情報を送信することにより、WEBサーバ190にエラーを特定可能な識別情報が蓄積されると共に、パチンコ遊技機1で行われた演出を再現した動画が携帯通信端末180に送信される。このため、WEBサーバ190を管理する遊技機メーカがエラーに関する情報をホール店員に何ら負担をかけることなく容易に収集することができ、且つ遊技者がパチンコ遊技機1で行われた演出を再見することができる。
また、本実施形態では、演出制御部130から送信された全ての演出コマンドがRAM133に記憶されるので、例えばRAM133に記憶されている全ての演出コマンドを識別情報及びURLと一緒に出力することで、遊技者が一度見た演出の全てを携帯通信端末180上で再現することが可能である。
また、本実施形態では、演出制御部130によって取得された全ての識別情報がRAM133に記憶されるので、RAM133に記憶されている全ての識別情報を演出コマンド及びURLと一緒に出力することで、パチンコ遊技機1で起こったエラーに関する情報を漏れなく出力することができ、エラーに関するより正確な情報収集に寄与することができる。
また、本実施形態では、URL、識別情報、及び演出コマンドがQRコードとして出力されるので、遊技者が例えばカメラ機能を備えた携帯電話端末を用いて、URL、識別情報、及び演出コマンドを容易に取得することができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、遊技者による遊技が開始されてから終了されるまでに演出制御部130から送信された全ての演出コマンドをRAM133に記憶しておく場合について説明したが、特定の演出(例えばプレミアム演出)の演出コマンドだけをRAM133に記憶しておくようにしてもよい。
また、上記実施形態では、遊技者による遊技が開始されてから終了されるまでにパチンコ遊技機1で起こった全てのエラーの識別情報をRAM133に記憶しておく場合について説明したが、特に情報の収集が不要なエラーに関する識別情報は取得せずに、一部のエラーに関する識別情報だけを取得してRAM133に記憶しておくようにしてもよい。
また、上記実施形態では、URL、演出コマンド、及び識別情報をQRコードとして出力する場合について説明したが、URL、演出コマンド、及び識別情報を例えば赤外線通信により携帯通信端末180に出力するようにしてもよい。また、URL、演出コマンド、及び識別情報を所定の場所(例えば遊技者の自宅)に固定設置されたパーソナルコンピュータ、或いは持ち運び可能なノートパソコンにインターネットを介して送信するようにしてもよい。すなわち、本発明の通信端末は、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯通信端末に限定されるものではなく、非携帯型の通信端末であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。