JP6632776B1 - サポートスリーブ保護部材およびこれを備えた固体燃料バーナ - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、全ての固体燃料バーナが、このオイルガン(油バーナ)を備えているとは限らない。しかし、固体燃料バーナの内部には、燃料濃縮器(特許文献3の障害物32)等の部材を支持する図示されない部材が配置されている。また、オイルガンを外周側で支持する図示されない部材が設けられる場合もある。オイルガンの外筒部材や、オイルガンを支持する部材、あるいは燃料濃縮器等を支持する部材は、サポートスリーブと称され、微粉炭ノズル(燃料ノズル)開口部付近まで伸びる長い筒状に形成されている。
一方、特許文献3−7には、微粉炭ノズルの上流側のエルボ(肩形状の屈曲部)の部分に、オイルガン(油バーナ)の外周を覆う短い筒状の部材が配置された構成が記載されており、この部材は前述のサポートスリーブの外周側に設けられるものである。
特許文献1−7に記載の構成では、保護筒はノズルを貫通して固定された構成となっているが、図8に示す従来の例は、保護筒01が、エルボ部傾斜部のフランジ02を介して半円状に設けられる衝突板03と一体の鋳造品となっているものである。
ここで摩耗の進展は、保護筒の長手方向に一様ではなく、かなり局部的に、特定の狭い範囲が集中して浸食されたような形態となるケースも見受けられる。
そのような場合、摩耗していない衝突板を含めて保護筒と一体に全てを交換することは不経済であるため、保護筒の摩耗・浸食された部分にのみスラリ状の耐摩耗材を塗布・肉盛し、硬化させる応急的な補修を行うこともある。しかし、保護筒の材質自体が耐摩耗鋼であり、このスラリ状の耐摩耗材を固定するためのスタッド他の溶接固定ができないため、使用に伴う摩耗等に起因して、当該耐摩耗材が剥落しやすいという問題があった。
固体燃料と空気との混合流体を噴出させる燃料ノズルと同軸上且つ径方向内側に配置されたサポートスリーブに対して、前記サポートスリーブの外周を覆って固体燃料の前記サポートスリーブへの衝突から保護するサポートスリーブ保護部材であって、
前記燃料ノズルにおける前記混合流体の搬送路の途中の屈曲部分に対応する領域に配置され、
前記サポートスリーブに対して着脱可能な筒状に形成され、
前記燃料ノズルの内面に固体燃料が衝突する領域を保護するための衝突保護部材とは別体に構成された、
ことを特徴とする。
前記サポートスリーブの軸方向に沿った断面において、軸方向の中央部を中心とする点対称形状に形成された
ことを特徴とする。
前記サポートスリーブの軸方向の端部に形成されると共に、前記燃料ノズルの屈曲部分の内面に沿った形状に形成され、前記屈曲部分の内面に接触して前記サポートスリーブの周方向への回転を抑制する回り止め機能を有した傾斜部を備えたことを特徴とする。
固体燃料と空気との混合流体を噴出させる筒状の燃料ノズルであって、前記混合流体の搬送経路の途中に屈曲部分が設けられた前記燃料ノズルと、
前記屈曲部分よりも混合流体の流れ方向の下流側において、前記燃料ノズルと同軸上且つ径方向の内側に配置されたサポートスリーブと、
前記屈曲部分に対応する領域に配置され、前記サポートスリーブの外周を覆い且つ前記サポートスリーブに着脱可能な筒状に形成されて、前記固体燃料の前記サポートスリーブへの衝突から保護するサポートスリーブ保護部材であって、前記燃料ノズルの内面に固体燃料が衝突する領域を保護するための衝突保護部材とは別体に構成された前記サポートスリーブ保護部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記燃料ノズルの内面に固体燃料が衝突する領域を保護するための衝突保護部と、前記サポートスリーブの外周を覆う筒部と、を有する衝突保護部材と、
前記衝突保護部材の前記筒部の外周に装着された前記サポートスリーブ保護部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記サポートスリーブ保護部材の軸方向の端部に対応する位置に形成され、前記サポートスリーブ保護部材の端部に接触して位置決めを行う位置決め部、
を備えたことを特徴とする。
また、請求項1,4に記載の発明によれば、サポートスリーブ保護部材が衝突保護部材と一体に構成された場合に比べて、交換時期の判断が容易になる。
請求項2に記載の発明によれば、サポートスリーブ保護部材を一度取り外して、対称点を中心として回転させて装着することができる。したがって、サポートスリーブ保護部材の一面側が摩耗した場合に、対称点を中心として回転させることで、反対側の面を摩耗が顕著な側に対向させることができる。よって、回転させることができない構成に比べて、サポートスリーブ保護部材の寿命を長くすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、サポートスリーブ保護部材が他の衝突保護部材と別体で構成されており、サポートスリーブ保護部材と他の衝突保護部材とを別々に交換することができる。よって、サポートスリーブ保護部材を交換する際に他の衝突保護部材も交換する構成に比べて、部品の無駄を削減し、費用を抑えることができる。
請求項6に記載の発明によれば、位置決め部を有しない場合に比べて、サポートスリーブ保護部材の位置がずれることを抑制でき固定部品の最小化が可能となる。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1において、実施例1の固体燃料バーナ7は、搬送気体及び固体燃料が流れる燃料ノズル21を有する。燃料ノズル21の下流端の開口は、ボイラの火炉22の壁面(火炉壁、水管壁)23に設けられている。燃料ノズル21は、燃料配管8が上流端に接続される。燃料ノズル21は中空の筒状に形成されており、燃料ノズル21の内部には、固体燃料(微粉炭や粉砕されたバイオマス燃料)と搬送気体とが流れる流路24が形成されている。
なお、上記の説明では、燃焼用空気、燃焼用エア等の語を用いたが、厳密に空気のみに限定されるものではなく、空気と燃焼排ガスや酸素等との混合気体が使用されることを妨げるものではない。
燃料ノズル21の流路断面の中心部には、サポートスリーブ(油バーナ、分散器)32が貫通して配置されている。サポートスリーブ32は、エルボ部21bを貫通した状態で支持されている。
したがって、実施例1のベンチュリ33では、燃料ノズル21に供給された燃料と搬送気体との混合流体が、内径が縮小する領域を通過する際に、径方向の内側に絞られる。したがって、燃料ノズル21の本体部21aの内壁面近傍に偏った燃料を中心側に移動させることが可能である。
したがって、実施例1の燃料濃縮器34では、燃料と搬送気体との混合流体が、外形が拡大する領域を通過する際に、径方向の外側に向かう速度成分が付与される。よって、燃料が燃料ノズル21の内壁面に向かって濃縮される。
なお、本発明は燃料濃縮器34の無いバーナにも適用できる。
図1、図2において、実施例1の固体燃料バーナ7では、サポートスリーブ32に、衝突保護部材41が支持されている。衝突保護部材41は、エルボ部21bに図示しないボルト等で着脱可能に固定される衝突板フランジ(衝突板取付部)41aを有する。衝突板フランジ41aには、サポートスリーブ32が内部を貫通する筒部41bが一体的に形成されている。筒部41bの外周側には保護筒42がサポートスリーブ32および衝突保護部材41とは別の分離独立した部材として設けられている。
さらに、衝突板フランジ41aには、筒部41bの外周側に保護筒42の位置決め部の一例としての位置決めリング41dが一体的に形成されている。
筒部41bの外周には、サポートスリーブ保護部材の一例としての保護筒42が配置されている。保護筒42は、サポートスリーブ32の軸方向に沿って延びる筒状に形成されている。図3(A)において、実施例1の保護筒42は、軸方向に沿った断面図において、平行四辺形状に形成されている。よって、実施例1の保護筒42は、軸方向の中央部の対称点42bを中心とする点対称の形状に形成されている。
保護筒42の軸方向の両端部には、回り止め部の一例としての傾斜面42aが形成されている。傾斜面42aはエルボ部21bの内面(や対面する衝突板フランジ41a)に沿った形状に形成されている。
実施例1の保護筒42と筒部41bとの間には、Oリング43が装着されている。したがって、保護筒42は、装着された状態では、Oリング43の摩擦力で軸方向に移動しにくくなっている。
前記構成を備えた実施例1の固体燃料バーナ7では、燃料配管8から供給される固体燃料が、エルボ部21bにおいてサポートスリーブ32に衝突しようとしても、保護筒42で保護される。したがって、サポートスリーブ32の摩耗が防止される。
ここで、実施例1の保護筒42は、従来構成と異なり、衝突板フランジ41aや衝突板41cとは独立した構成(別体の構成)となっている。したがって、固体燃料の衝突で保護筒42が摩耗した場合に、保護筒42だけを容易に取り外して交換することが可能である。よって、実施例1の保護筒42は、衝突板41c等と一体的に交換する構成に比べて、交換する必要のない部品(衝突板41c等)を交換する無駄や費用の無駄を抑制することができる。
図3、図4において、実施例1の保護筒42は、対称点42bを中心とする点対称形状である平行四辺形状に形成されている。したがって、図4に示すように、固体燃料の搬送方向の上流側である下部が摩耗した場合、保護筒42をサポートスリーブ32から取り外して、対称点42bを中心として回転させて保護筒42に装着することで、摩耗領域51が上方となり、摩耗がほとんどない面が、摩耗が顕著な下面になるように設置することができる。よって、保護筒42の摩耗時でも、対称点42bを中心として回転させて装着しなおすことで、保護筒42を交換しなくても、再使用することが可能である。よって、保護筒42の寿命を延ばすことができ、部品の費用、メンテナンス費用を削減できる。
また、サポートスリーブ32は、衝突保護部材41の筒部41bと、当該筒部とは独立した部材である保護筒42とで二重に保護される。これにより、サポートスリーブ保護部材の摩耗・減肉量の把握、交換・補修の時期判断が容易となる。即ち、保護筒42は衝突保護部材41に比べてバーナからの取り外しが容易なので、定期検査時等に脱着してその摩耗・減肉量を測定しやすい利点がある。また、定期検査時等の都度、毎回保護筒42の摩耗・減肉量を測定しなくても、保護筒42に孔開き(貫通)が生じたことを以って、交換・補修の時期と判断する等の取扱いが可能となる。
(変更例1)
図5は実施例1の変更例1の説明図であり、図5(A)は図3(A)に対応する図、図5(B)は図5(A)のVB−VB線断面図である。
図5において、図3に示す実施例1の構成に変えて、摩耗が顕著な部分を中心として、厚肉部42cを形成することも可能である。図5に示すように、厚肉部42cを設けた場合、固体燃料の衝突に伴う摩耗が顕著な部分において、摩耗代を十分に設けることができる。よって、保護筒42をさらに長寿命化することができる。
図6は変更例2,3の説明図であり、図6(A)は変更例2の説明図、図6(B)は変更例3の説明図である。
図6において、図5(B)に示す形態に限定されず、図6(A)に示すように、下方から送られてくる固体燃料を含む流体を外側に案内する形状(整流形状)42dを設けることで、固体燃料が保護筒42に真正面から接触しにくくして、保護筒42が受ける力を低減することも期待できる。
また、図6(B)に示すように、流線形状とすることも可能である。
図7は変更例4の説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
図2に示す実施例1では、衝突保護部材41に位置決め部の一例としての位置決めリング41dを形成する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、位置決め部の一例としての位置決め凹部41eを形成する構成とすることも可能である。
なお、図2の位置決めリング41dと図7の位置決め凹部41eの両方を備えた構成とすることも可能である。
また、衝突保護部材41(衝突板フランジ41a)と保護筒42の傾斜面により回り止めもされており、かつ軸方向の動きも保護筒42自重による摩擦力にて動きが拘束されていることから、位置決め部41d,41eを設置しない構成とすることも可能である。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、保護筒42の形状は、点対称の形状であることが望ましいが、これに限定されない。非対称の形状であってもよいし、線対称形状であってもよい。また、点対称形状も断面が平行四辺形状に限定されず、断面ひし形、六角形状等、任意の形状とすることが可能である。
(H02)前記実施例において、厚肉部42c,42dを設ける場合、例示した形状に限定されず、任意の形状とすることが可能である。
(H04)前記実施例において、位置決め部41d,41eを例示したが、設けない構成とすることも可能である。また、位置決め部41d,41eの形状も例示した形状に限定されず、嵌め合いや爪形状、ネジ止め形状等、任意の位置決め形状に変更可能である。
21…燃料ノズル、
21b…屈曲部分、
24…搬送路、
32…サポートスリーブ、
41…衝突保護部材、
41a…衝突板フランジ、
41b…筒部、
41c…衝突保護部、
41d,41e…位置決め部、
42…サポートスリーブ保護部材、
42a…回り止め部、
42b…中央部。
Claims (6)
- 固体燃料と空気との混合流体を噴出させる燃料ノズルと同軸上且つ径方向内側に配置されたサポートスリーブに対して、前記サポートスリーブの外周を覆って固体燃料の前記サポートスリーブへの衝突から保護するサポートスリーブ保護部材であって、
前記燃料ノズルにおける前記混合流体の搬送路の途中の屈曲部分に対応する領域に配置され、
前記サポートスリーブに対して着脱可能な筒状に形成され、
前記燃料ノズルの内面に固体燃料が衝突する領域を保護するための衝突保護部材とは別体に構成された、
ことを特徴とするサポートスリーブ保護部材。 - 前記サポートスリーブの軸方向に沿った断面において、軸方向の中央部を中心とする点対称形状に形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のサポートスリーブ保護部材。 - 前記サポートスリーブの軸方向の端部に形成されると共に、前記燃料ノズルの屈曲部分の内面に沿った形状に形成され、前記屈曲部分の内面に接触して前記サポートスリーブの周方向への回転を抑制する回り止め機能を有した傾斜部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のサポートスリーブ保護部材。
- 固体燃料と空気との混合流体を噴出させる筒状の燃料ノズルであって、前記混合流体の搬送経路の途中に屈曲部分が設けられた前記燃料ノズルと、
前記屈曲部分よりも混合流体の流れ方向の下流側において、前記燃料ノズルと同軸上且つ径方向の内側に配置されたサポートスリーブと、
前記屈曲部分に対応する領域に配置され、前記サポートスリーブの外周を覆い且つ前記サポートスリーブに着脱可能な筒状に形成されて、前記固体燃料の前記サポートスリーブへの衝突から保護するサポートスリーブ保護部材であって、前記燃料ノズルの内面に固体燃料が衝突する領域を保護するための衝突保護部材とは別体に構成された前記サポートスリーブ保護部材と、
を備えたことを特徴とする固体燃料バーナ。 - 前記燃料ノズルの内面に固体燃料が衝突する領域を保護するための衝突保護部と、前記サポートスリーブの外周を覆う筒部と、を有する衝突保護部材と、
前記衝突保護部材の前記筒部の外周に装着された前記サポートスリーブ保護部材と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の固体燃料バーナ。 - 前記サポートスリーブ保護部材の軸方向の端部に対応する位置に形成され、前記サポートスリーブ保護部材の端部に接触して位置決めを行う位置決め部、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の固体燃料バーナ。
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