JP6632021B2 - 焼酎の製造方法 - Google Patents

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本発明は、焼酎の製造方法に関する。
発酵は、酵母などの微生物が嫌気条件下でエネルギーを得るために有機化合物を酸化して、アルコール、有機酸および二酸化炭素などを生成する過程である。発酵として、生成物の異なるアルコール発酵および乳酸発酵などが知られている。発酵は、酒、茶、魚介類、穀物など多様な食品の製造において古くから用いられている。
発酵を利用する食品の1つが焼酎である。通常の焼酎の製造では、まず、米、麦、芋、蕎麦または黒糖などの主原料に含まれるでんぷんが麹菌によってブドウ糖に分解される。続いて、焼酎酵母によるアルコール発酵によって、ブドウ糖が分解されたアルコールが生成される。さらに、蒸留によってアルコールが抽出され、焼酎が製造される。したがって、酵母によるアルコール発酵を制御することで、焼酎の製造効率を向上させることができる。
酵母のアルコール発酵を制御するために、磁場の利用が提案されている。例えば、特許文献1には、15℃で10テスラの磁場を印加した状態における日本酒用の酵母のアルコール発酵で得られた日本酒が開示されている。当該日本酒は、アルコールの量が少なく、ブドウ糖の量が多く、かつ甘いため、磁場を印加することで酵母の活動が抑制されたことが示唆される。
特開2007−319005号公報
アルコール発酵の制御には、酵母の分裂および成長の制御が重要である。磁場でアルコール発酵を行う場合、酵母の分裂および成長には、酵母が置かれる磁場の磁束密度、温度および時間が大きく影響する。このため、磁場でのアルコール発酵を精密に制御するには、酵母の磁場感受特性に加え、酵母の分裂および成長に対する温度および時間の影響を考慮しなければならない。
上記特許文献1では、酵母の分裂および成長に対する温度および時間の影響が検討されていない。また、上記特許文献1に開示された酵母は、日本酒用の酵母である。酵母などの微生物では、微生物の種類によって分裂および成長に最適な温度およびpHなどが異なることが知られており、焼酎酵母の磁場感受特性が日本酒用の酵母の磁場感受特性と必ずしも一致するとは限らない。このため、焼酎酵母の磁場感受特性についても詳細に検討する必要がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、焼酎酵母によるアルコール発酵を精密に制御できる焼酎の製造方法を提供することを目的とする。
発明者は、焼酎酵母に関して、磁場感受特性およびアルコール発酵の条件について鋭意研究を重ねたところ、焼酎酵母によるアルコール発酵に関する新たな知見を得るに到り、本発明を完成させた。すなわち、
本発明に係る焼酎の製造方法は、
焼酎酵母に、温度26〜35℃の環境で、4〜10テスラの直流磁場を15〜48時間印加して、前記焼酎酵母の分裂及び成長を抑制する工程を含む。
この場合、前記焼酎酵母に8テスラの直流磁場を印加する、
こととしてもよい。
また、前記焼酎酵母の環境の温度を30℃に制御する、
こととしてもよい。
また、前記焼酎酵母は、
鹿児島5号酵母(H5酵母)である、
こととしてもよい。
本発明によれば、焼酎酵母によるアルコール発酵を精密に制御できる。
実施の形態1に係るアルコール製造装置の構成を示す図である。 実施の形態1に係るアルコール製造方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態2に係るアルコール製造装置の構成を示す図である。 実施の形態2に係るアルコール製造方法のフローチャートを示す図である。 磁場を印加せずに24時間培養したH5酵母の個数に対する磁場中で24時間培養したH5酵母の個数の割合を示す図である。 磁場を印加した時間ごとの、磁場を印加せずに培養したH5酵母の個数に対する8テスラの磁場中で培養したH5酵母の個数の割合を示す図である。 磁場を印加せずに培養したH5酵母の個数に対する8テスラの磁場中で培養したH5酵母の個数の割合と磁場を印加した時間との関係を示す図である。
本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施の形態および図面によって限定されるものではない。
(実施の形態1)
実施の形態1について詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係るアルコール製造装置100を示す。アルコール製造装置100は、保持部1と、磁場印加部2と、温度制御部3と、温度監視部4と、を備える。
保持部1は、焼酎酵母を保持する。例えば、保持部1は、焼酎酵母が入れられた容器5を挿入可能な中空の筒状に形成される。容器5は、焼酎酵母に加え、アルコール発酵に使用する糖および水などの原料が入れられる容器である。容器5は、合成樹脂などで形成される。
保持部1は、焼酎酵母が入れられた容器5を支持することで、焼酎酵母を保持する。好ましくは、保持部1を発泡プラスチックなどの断熱材で形成する、あるいは少なくとも保持部1の外周面を断熱材で覆うことで、容器5が挿入される保持部1の内部の温度は一定に保たれる。なお、容器5を介さずとも、保持部1を容器とすることで、保持部1が焼酎酵母を保持できるようにしてもよい。
なお、アルコール製造装置100は、CPU(Central Processing Unit)と、外部記憶装置と、RAM(Random Access Memory)と、時間を計測するタイマーと、を備え、CPUが外部記憶装置に記憶されたソフトウェアプログラムをRAMに読み出して、ソフトウェアプログラムを実行制御することにより、以下で説明する磁場印加部2、温度制御部3および温度監視部4の機能を実現する。
磁場印加部2は、保持部1に保持された焼酎酵母に直流磁場を印加する。より詳細には、磁場印加部2は、保持部1の配置に合わせて設置される超伝導マグネット6を介して所定の磁束密度の直流磁場を保持部1に印加する。磁場印加部2が印加する直流磁場の磁束密度は、超伝導マグネット6が印加可能な磁束密度であれば任意であるが、2〜15テスラ、好ましくは、4〜10テスラである。
磁場印加部2が焼酎酵母に直流磁場を印加する時間は、特に限定されず、使用する焼酎酵母によるアルコール発酵に要する時間に応じて決定される。磁場印加部2は、タイマーを参照することにより、直流磁場を印加してからの経過時間などを取得できる。これにより、磁場印加部2は、直流磁場を印加してから所定時間が経過後、焼酎酵母への直流磁場の印加を停止する。
温度制御部3は、保持部1に保持された焼酎酵母の環境の温度を制御する。温度制御部3は、焼酎酵母はもちろん、容器5に入れられた糖および水などの温度を制御する。温度制御部3は、焼酎酵母の環境の温度を、23〜39℃、好ましくは26〜35℃に制御する。
温度制御部3は、例えば、低温恒温水循環装置で焼酎酵母の環境の温度を制御する。低温恒温水循環装置は、0.1〜0.5℃の温度調節精度で、循環水の温度をあらかじめ設定された所定の温度に維持する。本実施の形態では、循環水として0℃でも凍結しない塩水などの不凍液を使用する。低温恒温水循環装置は、循環水ホース7と接続され、不凍液を循環水ホース7内に循環させる。
循環水ホース7は、保持部1の内部を通るように配置される。低温恒温水循環装置から送り出された不凍液は、循環水ホース7を介して、保持部1の内部を通過し、低温恒温水循環装置に流入する。循環水ホース7の外周面は、保温性を有するシートで被覆されており、内部を通る不凍液の温度が維持される。ただし、保持部1の内部にある循環水ホース7の外周面は、当該シートで被覆されていない。このため、保持部1の内部の温度は、循環水ホース7内を通る不凍液との間の熱伝導によって、低温恒温水循環装置から供給された不凍液の温度とほぼ等しくなる。このように温度制御部3によって、保持部1に保持された焼酎酵母の環境の温度が制御される。
温度監視部4は、焼酎酵母の環境の温度を監視する。例えば、温度監視部4は、温度センサ8を備える。温度センサ8は、保持部1の内部、好ましくは容器5の中に設置される。温度センサ8としては、磁場印加部2によって印加される直流磁場の影響をほとんど受けない白金ロジウム製の熱電対を用いたものが好ましい。温度監視部4は、温度センサ8で検出した温度を、例えばデータロガーなどに記録するようにしてもよい。温度監視部4が焼酎酵母の環境の温度を監視することで、使用者は、保持部1に保持された焼酎酵母の環境の温度を確認することができる。
保持部1に保持された焼酎酵母は、特に限定されず、日本醸造協会が頒布している焼酎酵母である焼酎用1号、焼酎用2号および焼酎用3号に加え、鹿児島2号酵母および鹿児島4号酵母などである。好適には、容器5に入れられる焼酎酵母は、鹿児島5号酵母(H5酵母)である。
本実施の形態に係るアルコール製造装置100によれば、使用する焼酎酵母の磁場感受特性に応じて、磁場印加部2が焼酎酵母に印加する直流磁場の磁束密度および直流磁場を印加する時間と、温度制御部3が制御する焼酎酵母の環境の温度とを適宜設定することができる。
一例として、焼酎酵母として鹿児島5号酵母を用いる場合、磁場印加部2は、鹿児島5号酵母に、磁束密度8テスラの直流磁場を15〜48時間印加する。このとき、温度制御部3は、鹿児島5号酵母の環境の温度を30℃に制御する。こうすることで、鹿児島5号酵母の分裂および成長を抑制することができる。この結果、直流磁場を印加しない場合と比較して、アルコールの生成量を抑制することができる。
次に、焼酎酵母として鹿児島5号酵母の磁場感受特性を利用して、アルコールの生成量を抑制する場合を例に、図2のフローチャートを参照しながらアルコール製造装置100の動作について説明する。
まず、磁場印加部2は、鹿児島5号酵母を含む原料を収容した容器5を挿入された保持部1に、8テスラの直流磁場を印加する(ステップS1)。次に、温度制御部3は、鹿児島5号酵母の環境の温度を30℃に制御する(ステップS2)。ここで、アルコール製造装置100は、24時間経過するまで待つ(ステップS3;No)。24時間経過後(ステップS3;Yes)、磁場印加部2が直流磁場の印加を停止し、アルコール製造処理を終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るアルコール製造装置100は、焼酎酵母に直流磁場を印加しながら、焼酎酵母の環境の温度を制御するため、焼酎酵母によるアルコール発酵を精密に制御できる。アルコール発酵を精密に制御することで、焼酎の製造において、アルコール量を制御できるので、焼酎の風味、口当たりなどを容易に調整できる。
なお、本実施の形態では、磁場印加部2は、焼酎酵母に4〜10テスラの直流磁場を印加し、温度制御部3が焼酎酵母の環境の温度を26〜35℃に制御してもよいこととした。当該磁束密度および温度によれば、磁場の強度および磁場を印加する時間を調整することで焼酎酵母の分裂および成長を抑制または促進することができる。
また、焼酎酵母は、鹿児島5号酵母であってもよいこととした。鹿児島5号酵母は、焼酎、特に芋焼酎の製造に汎用される酵母であるため、鹿児島5号酵母によるアルコール発酵を精密に制御することで、焼酎を効率よく製造することができる。
なお、容器5は、上述の合成樹脂の他に、磁場印加部2によって印加される直流磁場に影響しない任意の物質で形成されてもよい。また、保持部1は、焼酎酵母を含むアルコール発酵の原料が循環する流路を備えてもよい。該流路を、磁場印加部2による磁場の空間の大きさに応じて形成することで、焼酎酵母に直流磁場を効率よく印加することができる。
また、磁場印加部2は、直流磁場を印加できるものであれば、超伝導マグネット6に限らず、電磁石、永久磁石磁気回路などを使用して、焼酎酵母に直流磁場を印加してもよい。なお、上記の低温恒温水循環装置では、不凍液を使用したが、これに限らず、水、エタノールなどを用いてもよい。
また、アルコール製造装置100によれば、アルコール発酵に磁場感受特性および温度感受性の異なる複数種の酵母を使用することができる。この場合、アルコール製造装置100は、磁場の磁束密度、磁場を印加する時間および焼酎酵母の環境の温度を、該焼酎酵母の磁場感受特性および温度感受性に応じて制御することで、第1の焼酎酵母のアルコール発酵を促進させつつ、第2の焼酎酵母のアルコール発酵を抑制したり、第1の焼酎酵母と第2の焼酎酵母のアルコール発酵とを同時に促進または抑制させたりできる。
なお、下記実施例に示すように、磁場の印加による焼酎酵母の分裂および成長の抑制は、磁場によって焼酎酵母が死滅するためではなく、焼酎酵母の成長の速度を遅らせるためであると考えられる。したがって、例えば、焼酎酵母が増殖しすぎたら、磁場印加部2が焼酎酵母に磁場を印加することで焼酎酵母の増殖を抑制し、再び焼酎酵母を増殖させたい場合は、磁場印加部2が焼酎酵母への磁場の印加を停止したり、磁束密度を小さくしたりして焼酎酵母の増殖を促進してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2について説明する。本実施の形態に係るアルコール製造装置200の構成は、上記実施の形態1と同様であるが、温度制御部3および温度監視部4の機能がさらに追加されている。以下では、本実施の形態について、上記実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図3に示すように、温度監視部4は、タイマーを参照し、温度センサ8で検出した温度を示すデータを、一定の時間間隔で温度制御部3に出力する。温度制御部3は、温度監視部4から出力されたデータに基づいて、保持部1に保持された焼酎酵母の環境の温度を制御する。より詳細には、温度制御部3は、温度監視部4から出力されたデータに基づいて、焼酎酵母の環境の温度が設定された温度であるか否かを判定する。焼酎酵母の環境の温度が設定された温度でない場合、温度制御部3は、焼酎酵母の環境の温度を設定された温度に制御する。
ここで、設定された温度が30℃であるとして、アルコール製造装置200によるアルコール製造処理の一例を、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS11およびステップS12は、上記ステップS1およびステップS2と同じである。ステップS12の後、温度制御部3は、温度監視部4から出力されたデータに基づいて焼酎酵母の環境の温度が30℃であるか否かを判定する(ステップS13)。焼酎酵母の環境の温度が30℃でない場合(ステップS13;No)、温度制御部3は、焼酎酵母の環境の温度を30℃に制御する(ステップS12)。一方、焼酎酵母の環境の温度が30℃の場合(ステップS13;Yes)、アルコール製造装置200は、24時間経過するまで待つ(ステップS14;No)。24時間経過後(ステップS14;Yes)、磁場印加部2が直流磁場の印加を停止し、アルコール製造処理を終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るアルコール製造装置200によれば、焼酎酵母の環境の温度変化に応じて焼酎酵母の環境の温度を制御できる。これにより、例えば、アルコール発酵の反応によって焼酎酵母の環境の温度が上昇した場合、温度制御部3は、焼酎酵母の環境の温度を低下させ、焼酎酵母の環境を適切な温度に制御できる。逆に、焼酎酵母の環境の温度が低下した場合、温度制御部3は、焼酎酵母の環境の温度を上昇させるので、アルコール発酵への温度変化の影響を極力抑えることができる。
なお、上記各実施の形態において、実行されるソフトウェアプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto−Optical disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の動作を実行するシステムを構成することとしてもよい。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(アルコール製造装置の作製)
通気性のある培養栓で栓をした試験管(以下、「試料用容器」とする)を挿入可能に形成した内径約45mmの中空の発泡プラスチックの内部に、循環水ホースを試料用容器と同一空間内に配置されるように挿入し、恒温試料室を作製した。恒温試料室は、直径50mm以内とした。なお、同様の構成で、磁場を印加しない恒温試料室を独立して作製した。上記発泡プラスチック内部の部分を除く循環水ホースの外周面を、保温シートで被覆した。循環水ホースを温度コントローラ付恒温水循環装置(NCB−1200、東京理化器械社製)に接続し、温度コントローラ付恒温水循環装置で温度が制御された不凍液が循環水ホース内を循環できるようにした。
試料用容器内の温度を検出できるように、温度センサとしてR熱電対(太さ1mmかつ長さ300mmを2本および太さ1mmかつ長さ400mmを1本、CHINO社製)をデータロガー(midiLOGGER、GL200A、グラフィック社製)と接続した。一方、磁場を印加しない恒温試料室の挿入される試料用容器内の温度は、K熱電対(太さ1mmかつ長さ300mmを3本、CHINO社製)で検出した。また、K熱電対(太さ3mmかつ長さ100mmを1本、CHINO社製)を用いて、室温を測定した。
室温実験空間を有する超伝導マグネット(MINI−CFM−8T−50、日本オートマチック・コントロール社製)の磁場が適正に及ぶ位置に上記で作製した恒温試料室を設置した。磁場を印加しない恒温試料室は、当該超伝導マグネットの磁場の影響を受けない位置に設置した。
上記の温度コントローラ付恒温水循環装置によって、恒温試料室内の温度は、0.5℃の温度調節精度で0〜40℃に24時間以上制御されることを確認した。
(実験方法)
まず、グルコース、ペプトンおよび乾燥酵母を2:2:1の割合で混合撹拌し滅菌処理を行うことでYeast Peptone Dextrose培地(以下、「YPD培地」とする)を調製した。YPD培地に鹿児島5号酵母(H5酵母)を植菌した。前培養として、30℃で2日培養することで酵母液を調製した。3mlの新たなYPD培地に、調製した酵母液30μlを植菌し、以下、これを試料として使用した。
次に、超伝導マグネットによる磁場が目標の磁束密度に達してから、試料を含む試料用容器を恒温試料室に挿入した。これと同時に磁場を印加しない恒温試料室にも試料を含む試料用容器を挿入した。続いて、30分間で試料を30℃に昇温し、H5酵母を30℃で所定の時間培養した。
培養後、血球計算盤を用いて、磁場中で培養したH5酵母の個数および磁場を印加せずに同じ条件で培養したH5酵母の個数を、それぞれ計数した。
(結果)
図5は、24時間培養後における、磁場を印加せずに培養したH5酵母の個数に対する磁場中で培養したH5酵母の個数の割合を示す。H5酵母は、磁束密度8テスラの磁場によって、分裂および成長(発酵)が抑制された。
図6は、磁束密度8テスラの磁場を印加した時間ごとの、磁場を印加せずに培養したH5酵母の個数に対する磁場中で培養したH5酵母の個数の割合を示す。H5酵母は、磁束密度8テスラの磁場で培養した場合、24時間の磁場の印加において、分裂および成長が最も抑制されることが示された。また、H5酵母は、24時間の磁場印加後、磁場を印加せずに24時間さらに培養することで、磁場を印加せずに24時間培養した場合と同等かそれ以上の分裂および成長を示した。このため、8テスラの磁場によってH5酵母が死滅したのではなく、H5酵母の分裂および成長が遅くなっていることが示唆された。
図7に示すように、H5酵母の個数は、8テスラの磁場を15〜48時間印加した場合に、磁場を印加しない場合の約80〜85%に抑制されることが示唆された。特に24時間の磁場の印加でH5酵母の分裂および成長が最も抑制された。
本実施例により、H5酵母の磁場感受特性に関する知見が得られた。磁場感受特性に応じてH5酵母に印加する磁場、印加する時間およびH5酵母の環境の温度を制御することで、H5酵母によるアルコール発酵を精密に制御することができる。これにより、磁場を用いた所望の風味を有する焼酎の製造が可能になる。
上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、焼酎酵母によるアルコールの製造および焼酎の製造に好適である。
1 保持部
2 磁場印加部
3 温度制御部
4 温度監視部
5 容器
6 超伝導マグネット
7 循環水ホース
8 温度センサ
100、200 アルコール製造装置

Claims (4)

  1. 焼酎酵母に、温度26〜35℃の環境で、4〜10テスラの直流磁場を15〜48時間印加して、前記焼酎酵母の分裂及び成長を抑制する工程を含む、
    焼酎の製造方法。
  2. 前記焼酎酵母に8テスラの直流磁場を印加する、
    請求項1に記載の焼酎の製造方法。
  3. 前記焼酎酵母の環境の温度を30℃に制御する、
    請求項1または2に記載の焼酎の製造方法。
  4. 前記焼酎酵母は、
    鹿児島5号酵母(H5酵母)である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の焼酎の製造方法。
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