JP6631479B2 - 内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置 Download PDF

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本発明は、内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置に関する。
アンモニアを還元剤として使用することで、内燃機関からの排気中に含まれるNOxを浄化する選択還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)が知られている。このNOx触媒よりも上流側には、排気中にアンモニア又はアンモニアの前駆体を添加する添加弁等が設置される。アンモニアの前駆体としては、尿素を例示できる。以下、アンモニアの前駆体またはアンモニアをまとめて「還元剤」ともいう。
ここで、還元剤をタンクに戻すときの還元剤通路内の圧力値を用いて、添加弁に詰まりが生じているか否かを判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、特許文献1には、さらに、還元剤を供給したときの還元剤通路内の圧力低下量に基づいて添加弁に詰まりが生じているか否か判定することも記載されている。
特開2011−117440号公報 特開2008−202469号公報 特開2008−180193号公報
還元剤をタンクに戻すときの還元剤通路内の圧力値を用いて添加弁に詰まりが生じているか否かを判定するときには、添加弁から還元剤を供給することができないため、内燃機関の作動時には還元剤の不足によりNOx浄化率が低下する虞がある。また、還元剤供給時の圧力低下量に基づいて添加弁に詰まりが生じているか否かを判定するときには、還元剤の供給量が少ないときには圧力低下量が少ないために判定精度が低下する虞がある。これらの場合に還元剤供給装置の異常診断を実施しないようにすると、異常診断を実施する機会が減少してしまう。
そこで本発明は、還元剤の供給異常を診断する機会を増やすことを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、内燃機関の排気通路に設けられ還元剤を用いてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、還元剤を前記選択還元型NOx触媒よりも上流側の前記排気通路へ供給する添加弁と、回転速度に応じた還元剤量を前記添加弁へ吐出するポンプと、前記ポンプと前記添加弁とを接続して還元剤が流通する還元剤通路と、前記還元剤通路において還元剤の圧力を検出する圧力検出装置と、還元剤の供給間隔毎に前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx量の総量に基づいて還元剤の供給間隔毎に前記添加弁へ与えられる還元剤供給量の指令値を算出する指令値算出部と、を備えた内燃機関の排気浄化装置の異常を診断する装置である内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置において、還元剤の供給間隔毎に前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx量の総量に基づいて還元剤の供給間隔毎に前記添加弁へ与えられる還元剤供給量の指令値を算出する指令値算出部と、前記圧力検出装置により検出される圧力または該圧力と相関する物理量に基づいて前記還元剤の供給間隔毎の前記添加弁からの還元剤供給量の推定値を算出する推定値算出部と、前記指令値算出部により算出される還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よ
りも多いときの該指令値と相関する判定値の積算値が積算閾値に達すると還元剤の供給異常を診断する条件である診断条件が成立したと判定して、前記指令値算出部により算出された還元剤供給量の指令値が前記指令供給量閾値よりも多いときの該指令値の積算値と、前記指令値算出部により算出された還元剤供給量の指令値が前記指令供給量閾値よりも多いときと同一の時期において前記推定値算出部により算出された還元剤供給量の推定値の積算値と、に基づいて還元剤の供給異常を診断し、前記診断条件が成立しない期間が期間閾値よりも長い場合には、前記診断条件が成立した場合及び前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値以下の場合よりも、前記還元剤の供給間隔を延長する診断部と、を備える。
診断部は、診断条件が成立しているときに、推定値算出部により推定される還元剤供給量の推定値が、指令値算出部により算出される還元剤供給量の指令値から大きく離れた場合に、異常があると診断する。なお、異常診断を実施するときには、同期間における指令値の積算値と推定値の積算値とを比較することにより、異常診断の精度を高めているが、この積算値には1回の還元剤供給における還元剤供給量の推定値と指令値とを含むことができる。
診断条件は、異常診断の精度を高めるための条件として設定されている。ここで、還元剤供給量の指令値が小さい場合には、実際に供給される還元剤量が少なくなるため、還元剤供給量の推定値も小さくなる。この場合、異常の有無による還元剤供給量の差が小さくなる。このため、ポンプの回転速度の誤差やばらつきの影響を受け易くなり、推定値算出部により算出される還元剤供給量の推定値が実際の還元剤供給量を正確に反映できなくなる。したがって、このときの還元剤供給量の指令値及び推定値を用いて異常診断を実施すると異常診断の精度が低下する虞がある。このため、還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よりも多いときの還元剤供給量の指令値の積算値と推定値の積算値とを比較することで異常診断の精度を高めている。したがって、指令供給量閾値は、異常診断の精度が好適な範囲内になる場合の還元剤供給時における還元剤供給量の指令値である。
また、還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よりも多いときの還元剤供給量の指令値の積算値が大きいほど、異常の場合と正常の場合とで還元剤供給量の指令値の積算値と推定値の積算値との差が大きくなるため、異常診断の精度を高めることができる。そこで、還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よりも多いときの還元剤供給量の指令値と相関する値として判定値を設定している。すなわち、異常診断に用いるのは、還元剤供給量の指令値を単に積算した値ではなく、還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よりも多きときの還元剤供給量の指令値の積算値のため、還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よりも多いときの還元剤供給量の指令値と相関する判定値を用いた判定を実施する。そして、判定値の積算値が積算閾値に達したときに、異常診断の精度が高いものとして、診断条件が成立したと判定している。なお、指令値が大きくなるほど判定値が大きくなるようにしてもよい。積算閾値は、異常診断の精度が好適な範囲内となるように決定される。
上記のように診断条件が成立した場合に異常診断を実施することで、異常診断の精度を高めることができる。しかし、内燃機関の運転状態によっては、診断条件が成立しない期間が長くなる。そこで、診断部は、診断条件が成立しない期間が期間閾値以上になると、還元剤の供給間隔を延長している。還元剤の供給間隔が長くなるほど、還元剤を供給するまでに選択還元型NOx触媒に流入するNOx量の総量が多くなるため、1回当たりの還元剤供給量の指令値が大きくなる。すなわち、還元剤供給量の指令値は、還元剤の供給間隔が長くなるほど、大きくなる。このように、還元剤の供給間隔を延長することにより、次回の還元剤供給時に供給すべき還元剤量が増加する。すなわち、還元剤供給量の指令値を増加させることができる。このようにしても、排気中のNOx量に応じて還元剤を供給することができるため、NOx浄化率の低下を抑制することができる。そして、1回当た
りの還元剤供給量が増加することで、還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値を超え易くなって診断条件が成立し易くなるため、より速やかに異常診断を開始することができる。したがって、異常診断の機会を増すことができる。なお、期間閾値は、要求される異常診断の頻度を満たすように設定される。
また、前記診断部は、前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値よりも長い場合において、前記選択還元型NOx触媒の温度が所定温度未満の場合には、前記診断条件が成立した場合及び前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値以下の場合よりも前記還元剤の供給間隔を延長し、前記選択還元型NOx触媒の温度が前記所定温度以上の場合には、前記診断条件が成立した場合及び前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値以下の場合と前記還元剤の供給間隔を同一にしてもよい。
NOx触媒の温度が高くなりすぎると、還元剤の吸着可能量が少なくなるため、還元剤の供給頻度を高めないと、NOxを浄化するための還元剤が不足する虞がある。このときに、還元剤の供給間隔を延長してしまうと、還元剤が不足してNOx浄化率が低下する虞がある。これに対して、NOx触媒の温度が所定温度以上の場合には、還元剤の供給間隔を延長しないようにすれば、NOx触媒において還元剤が不足することを抑制できるため、NOx浄化率が低下することを抑制できる。すなわち、NOx触媒の温度が所定温度以上の場合には、異常診断を実施することよりも排気の浄化性能の低下の抑制のほうを優先させる。所定温度は、還元剤の供給間隔を延長するとNOx浄化率が許容範囲よりも低くなる温度である。
本発明によれば、還元剤の供給異常を診断する機会を増やすことができる。
実施例に係る内燃機関と、その吸気系及び排気系と、の概略構成を示す図である。 指令供給量を求めるためのブロック図である。 還元剤供給制御のフローを示したフローチャートである。 添加弁から還元剤を供給したときのポンプの回転速度の推移を示したタイムチャートである。 回転速度カウンタと推定供給量との関係を示した図である。 還元剤供給時の指令供給量とサイクルカウンタとの関係を示した図である。 指令供給量が比較的少ない場合のポンプの回転速度の推移を示したタイムチャートである。 指令供給量が比較的多い場合のポンプの回転速度の推移を示したタイムチャートである。 実施例1に係る還元剤供給装置の異常診断のフローを示したフローチャートである。 還元剤の供給間隔が延長された場合の還元剤供給制御のフローを示したフローチャートである。 実施例2に係る還元剤供給装置の異常診断のフローを示したフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は、本実施例に係る内燃機関と、その吸気系及び排気系と、の概略構成を示す図である。内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。ただし、内燃機関1はガソリンエンジンであってもよい。内燃機関1には排気通路2が接続されている。排気通路2には、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元する選択還元型NOx触媒3(以下、「NOx触媒3」という。)が設けられている。
NOx触媒3よりも上流の排気通路2には、NOx触媒3へ還元剤を供給する還元剤供給装置4が設けられている。還元剤供給装置4は、タンク41、添加弁42、還元剤通路43、ポンプ44、圧力センサ45、リターン通路47、チェック弁48を備えている。
タンク41は、尿素水を貯留している。添加弁42はNOx触媒3よりも上流の排気通路2に取り付けられて尿素水を噴射する。還元剤通路43は、タンク41と添加弁42とを接続して尿素水を流通させる。添加弁42から供給された尿素水は、排気の熱またはNOx触媒3からの熱により加水分解されてアンモニアとなり、NOx触媒3に吸着する。このアンモニアは、NOx触媒3において還元剤として利用される。なお、以下では、アンモニア及び尿素水をまとめて還元剤と称する。
ポンプ44は、還元剤通路43がタンク41に接続される箇所に設けられており還元剤を吐出する。なお、ポンプ44は、タンク41内に設置してもよい。ポンプ44は、電動ポンプであり、電力を供給することで回転する。このポンプ44は、回転速度を変化させることにより還元剤の吐出量を変化させることができる。これにより還元剤の圧力を調整することができる。また、還元剤通路43には、還元剤の圧力を検出する圧力センサ45が設けられている。本実施例においては圧力センサ45が、本発明における圧力検出装置に相当する。ポンプ44には、該ポンプ44の回転速度(1分間あたりの回転回数としてもよい。)を検出するポンプ回転速度センサ46が設けられている。また、リターン通路47は、還元剤通路43とタンク41とを接続している。リターン通路47は、ポンプ44から吐出された還元剤のうち一定の圧力を超える分の還元剤をチェック弁48を介してタンク41へ戻すための通路である。チェック弁48は、リターン通路47に設けられ、一定の圧力になると開弁して還元剤通路43側からタンク41側へ還元剤を流通させる。
さらに、添加弁42よりも上流には、NOx触媒3に流れ込む排気中のNOx濃度を検出する上流側NOxセンサ11が設けられている。また、NOx触媒3よりも下流には、NOx触媒3から流れ出る排気中のNOx濃度を検出する下流側NOxセンサ12と、排気温度を検出する温度センサ13と、が設けられている。
また、内燃機関1には、吸気通路6が接続されている。吸気通路6の途中には、内燃機関1の吸入空気量を調整するスロットル7が設けられている。また、スロットル7よりも上流の吸気通路6には、内燃機関1の吸入空気量を検出するエアフローメータ16が取り付けられている。
そして、内燃機関1には電子制御ユニットであるECU10が併設されている。ECU10は、内燃機関1の運転状態や排気浄化装置等を制御する。ECU10には、上述した上流側NOxセンサ11、下流側NOxセンサ12、温度センサ13、エアフローメータ16、圧力センサ45、ポンプ回転速度センサ46の他、クランクポジションセンサ14及びアクセル開度センサ15が電気的に接続され、各センサの出力値がECU10に渡される。
ECU10は、クランクポジションセンサ14の検出に基づく機関回転速度や、アクセ
ル開度センサ15の検出に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。なお、本実施例では、NOx触媒3に流れ込む排気中のNOxは上流側NOxセンサ11によって検出可能であるが、内燃機関1から排出される排気(NOx触媒3に浄化される前の排気であり、すなわちNOx触媒3に流れ込む排気)に含まれるNOxは、内燃機関1の運転状態と関連性を有することから、上記内燃機関1の運転状態に基づいて、推定することも可能である。また、ECU10は、温度センサ13によって検出される排気温度に基づいて、NOx触媒3の温度を推定することが可能である。また、内燃機関1の運転状態に基づいて、NOx触媒3の温度を推定することも可能である。一方、ECU10には、スロットル7、添加弁42、ポンプ44が電気配線を介して接続されており、該ECU10によりこれらの機器が制御される。
ECU10は、NOx触媒3のアンモニア吸着量が、NOx触媒3におけるアンモニア吸着量の目標値(以下、目標吸着量ともいう。)となるように、添加弁42から還元剤を供給する。この際、ECU10は、前回の還元剤の供給開始時点から今回の還元剤の供給開始時点までの期間(以下、供給間隔ともいう。)に、NOx触媒3においてNOxを浄化するために消費されたアンモニア量(以下、アンモニア消費量ともいう。)と、NOx触媒3から脱離してNOxを浄化することなく減少したアンモニア量(以下、アンモニア脱離量ともいう。)と、を補うことでNOx触媒3のアンモニア吸着量が目標吸着量となるように、添加弁42から添加する還元剤量(以下、還元剤供給量ともいう。)を算出する。このため、ECU10は、NOx触媒3に流入するNOx量(以下、流入NOx量ともいう。)、NOx触媒3の温度(以下、触媒温度ともいう。)、NOx触媒3における目標吸着量に基づいて、供給間隔中に含まれる複数の演算周期毎に繰り返し還元剤供給量を算出し、供給間隔中に算出された還元剤供給量を積算していく。そして、還元剤の供給開始時点における還元剤供給量の積算値が、ECU10から添加弁42へ与えられる指令値となる。この還元剤供給量の指令値は、実際に添加弁42から供給するべき還元剤量である。還元剤供給量と添加弁42の開弁時間と還元剤の圧力とには相関関係があるため、この関係を予め実験またはシミュレーション等により求めておけば、算出された還元剤供給量及び検出された還元剤圧力から添加弁42の開弁時間を決定することができる。ECU10は、還元剤供給量に応じた時間だけ添加弁42を開弁させることにより、還元剤を供給する。なお、還元剤供給量の指令値を以下では、指令供給量ともいう。
還元剤の供給は所定期間毎に実施される。すなわち、還元剤の供給間隔が所定期間に設定されている。したがって、前回の還元剤供給開始時から所定期間に積算された還元剤供給量が、還元剤供給量の指令値となる。ここで、ECU10は、還元剤供給装置4の異常診断を実施するが、この異常診断を実施するときに還元剤の供給間隔を延長することがある。なお、延長する前の還元剤の供給間隔である所定期間を通常の所定期間とする。所定期間を長くし過ぎるとNOx触媒3において還元剤が不足することによりNOx浄化率が低下する虞がある。一方、添加弁42には精度よく還元剤を噴射可能な最低量が設定されている。この最低量は添加弁42の性能によって定まる。したがって、NOx浄化率の低下を抑制し、且つ、還元剤供給量が上記の最低量以上となり得るような還元剤の供給間隔として、通常の所定期間が決定される。通常の所定期間は、実験またはシミュレーション等により還元剤の供給間隔の適正値として決定される。
図2は指令供給量を求めるためのブロック図である。この図2は、ECU10での処理で実現される機能をイメージ化したものである。アンモニア消費量は、流入NOx量、触媒温度、目標吸着量に基づいて得ることができる。また、アンモニア脱離量は、触媒温度及び目標吸着量に基づいて得ることができる。ECU10の演算周期毎にNOx触媒3に流入するNOx量は、排気のNOx濃度と排気の流量とに関連しており、排気の流量はエアフローメータ16により検出される吸入空気量と関連している。したがって、上流側NOxセンサ11の検出値及びエアフローメータ16の検出値に基づいて、演算周期毎にN
Ox触媒3に流入するNOx量を算出することができる。なお、上流側NOxセンサ11の検出値及びエアフローメータ16の検出値は、今回の演算時の値が前回の演算時から今回の演算時まで継続しているものとして扱うか、または、前回の演算時の値が前回の演算時から今回の演算時まで継続しているものとして扱う。また、前回の演算時から今回の演算時までの上流側NOxセンサ11の検出値及びエアフローメータ16の検出値の平均値を夫々求めて、この値が前回の演算時から今回の演算時まで継続しているものとして扱ってもよい。
また、触媒温度は、温度センサ13により検出することができる。指令供給量を算出するときに用いる触媒温度には、前回の演算時のNOx触媒3の温度、今回の演算時のNOx触媒3の温度、または、前回の演算時から今回の演算時までのNOx触媒3の温度の平均値を用いることができる。さらに、目標吸着量は、今回の演算時での内燃機関1の運転状態に基づいて決定されるアンモニア吸着量の目標値、または、前回の演算時での内燃機関1の運転状態に基づいて決定されるアンモニア吸着量の目標値を用いることができる。目標吸着量は、NOx触媒3において所望のNOx浄化率を確保でき、且つ、NOx触媒3からのアンモニアの流出量を許容範囲内に抑制することができる値として、予め実験またはシミュレーション等により求めることができる。アンモニア消費量は、触媒温度が高いほど多くなり、流入NOx量が多いほど多くなり、目標吸着量が多いほど多くなる。アンモニア脱離量は、触媒温度が高いほど多くなり、目標吸着量が多いほど多くなる。そしてECU10は、演算周期毎に、NOx触媒3におけるアンモニア消費量と、NOx触媒3におけるアンモニア脱離量と、の総量を供給すべきアンモニア量として還元剤供給量(以下、演算周期供給量ともいう。)を算出し、この値を供給間隔の期間において積算していく。そして、還元剤の供給時期に至った時点での演算周期供給量の積算値が、指令供給量となる。
図3は、還元剤供給制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、ECU10により、予め定められた演算周期で実行される。
ステップS101では、流入NOx量、触媒温度、目標吸着量が取得される。図2で説明したように、還元剤供給量を算出するためには、流入NOx量、触媒温度、目標吸着量が必要となるため、上記のようにして求められたこれらの値が取得される。
ステップS102では、アンモニア消費量が算出される。すなわち、流入NOx量、触媒温度、目標吸着量に基づいてアンモニア消費量が算出される。
ステップS103では、アンモニア脱離量が算出される。すなわち、触媒温度及び目標吸着量に基づいてアンモニア脱離量が算出される。
ステップS104では、前回の演算周期のフローチャートの実行時から、今回のフローチャートの実行時までの期間において、目標吸着量から減少したNOx触媒3のアンモニア吸着量に対応した演算周期供給量が算出される。アンモニア消費量及びアンモニア脱離量を用いて演算周期供給量が算出される。NOx触媒3から減少したアンモニア吸着量と還元剤(尿素水)の供給量との関係は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。
ステップS105では、前回の演算周期のフローチャート実行時のステップS105で算出された演算周期供給量に今回のフローチャート実行時のステップS104で算出された演算周期供給量が加算される。すなわち、演算周期供給量が積算される。なお、本実施例においてはECU10がステップS105を処理することで、本発明における指令値算出部として機能する。
ステップS106では、前回の還元剤の供給開始時点からの経過期間が所定期間以上であるか否か判定される。所定期間は、還元剤の供給間隔として予め設定されている値である。前回の還元剤の供給開始時点からの経過期間はECU10によりカウントされる。本ステップS106では、還元剤の供給時期であるか否か判定されていることになる。ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。
ステップS107では、添加弁42から還元剤が供給される。ECU10は、ステップS105で算出された演算周期供給量の積算値を指令供給量とし、この指令供給量に応じた時間だけ添加弁42を開弁させる。指令供給量と添加弁42の開弁時間との関係は予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。また、次の還元剤の供給のために、還元剤の供給開始時点から、新たな経過期間のカウントが始まる。ステップS107の処理が終了するとステップS108へ進んで、演算周期供給量の積算値がリセットされる。ただし、指令供給量はECU10に記憶される。
このようにして、所定期間が経過するまで演算周期供給量を算出し、この演算周期供給量を積算していくことにより、還元剤供給時点での指令供給量を算出することができる。そして、この指令供給量にしたがって、所定期間毎に還元剤が供給される。
また、ECU10は、還元剤供給装置4の異常診断を、指令供給量と、還元剤供給量の推定値(以下、推定供給量ともいう。)とを比較することにより実施する。このため、ECU10は、ポンプ44の回転速度の変化量の積算値に基づいて、推定供給量を求めている。ここで、ECU10は、還元剤通路43内の圧力が所定圧力に近づくように、ポンプ44の回転速度をフィードバック制御している。所定圧力は、添加弁42から還元剤を供給するのに適した還元剤の圧力である。添加弁42から還元剤を供給すると還元剤通路43内の圧力が低下する。還元剤通路43内の圧力低下が圧力センサ45により検出された場合には、ポンプ44の回転速度を増加させることにより、還元剤通路43内の圧力を速やかに上昇させる。ここで、添加弁42から実際に供給された還元剤量は、還元剤通路43内の圧力低下量と相関関係にある。すなわち、実際の還元剤供給量が多いほど、還元剤通路43内の圧力低下量が大きくなるため、この関係を予め実験またはシミュレーション等により求めておけば、還元剤通路43内の圧力低下量に基づいて推定供給量を求めることができる。
また、還元剤通路43内の圧力に基づいてポンプ44の回転速度がフィードバック制御されているため、還元剤通路43内の圧力低下量とポンプ44の回転速度の上昇量とには相関関係がある。すなわち、添加弁42からの還元剤供給量が多いほど、還元剤通路43内の圧力低下量が多くなるため、ポンプ44の回転速度はより大きくされる。したがって、還元剤の圧力と相関関係にあるポンプ44の回転速度の変化量に基づいて推定供給量を求めることもできる。このため、本実施例では、還元剤の吐出によるポンプ44の回転速度の変化量に基づいて推定供給量を求めている。推定供給量を求めるために、ECU10は、ポンプ44の回転速度の変化量を積算するための回転速度カウンタを備えている。ポンプ44の回転速度の変化量は、圧力センサ45により検出される還元剤の圧力と相関する物理量であるといえる。
図4は、添加弁42から還元剤を供給したときのポンプ44の回転速度の推移を示したタイムチャートである。添加弁42から還元剤を供給していないときであっても、還元剤を所定の圧力にするために、ポンプ44は基準回転速度(図4の破線参照。)で回転して還元剤を吐出している。添加弁42から還元剤を供給すると還元剤通路43内の圧力が低下するため、この圧力低下を補うようにECU10がポンプ44の回転速度を上昇させて
いる。そして、ECU10は、回転速度カウンタを用いてこのときのポンプ44の回転速度の変化量を積算している。1回の還元剤供給に対応する回転速度カウンタは、図4において実線と基準回転速度とで囲まれる範囲の面積に等しい。なお、基準回転速度により吐出された還元剤のうち、所定の圧力を超える分の還元剤は、チェック弁48を通過し、リターン通路47を流れてタンク41へ戻される。
図5は、回転速度カウンタと推定供給量との関係を示した図である。図5に示されるように、回転速度カウンタが大きくなるほど、推定供給量が大きくなる。このように、回転速度カウンタと推定供給量には相関関係があるため、この関係を予め実験またはシミュレーション等により求めておけば、回転速度カウンタに基づいて推定供給量を求めることができる。
そして、ECU10は、原則として、上記のようにして求めた指令供給量と、推定供給量とを比較することにより、還元剤供給装置4の異常診断を実施する。この場合の異常は、添加弁42の詰まり等により、指令供給量よりも実際の還元剤供給量が少なくなる異常を指している。還元剤供給装置4に異常があると、指令供給量よりも推定供給量が少なくなる。このため、異常診断を実施する条件である診断条件が成立している場合であって、指令供給量と推定供給量との差が所定量以上の場合、または、指令供給量に対する推定供給量の比が所定比以下の場合には、供給装置に異常があると診断することができる。この所定量または所定比は、還元剤供給装置4に異常があるときの値として予め実験またはシミュレーション等により求めておく。診断条件については後述する。
ところで、指令供給量が少ない場合には、推定供給量を求めるにあたりポンプ44の回転速度のばらつき等の影響が相対的に大きくなるため、推定供給量に誤差が生じやすくなる。このため、還元剤供給装置4の異常を正確に診断することが困難になり得る。そこで本実施例では、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きいときの推定供給量を用いて、還元剤供給装置4の異常診断を実施している。さらに、1回の還元剤の供給ではポンプ44の回転速度のばらつき等の影響を受けている場合も考えられるため、複数回の還元剤の供給を行って、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きいときの指令供給量及び推定供給量の総量(積算値)を比較することにより異常診断を実施する。このように、指令供給量及び推定供給量を積算するための条件として指令供給量閾値が設定される。この指令供給量閾値は、異常診断の精度が好適な範囲内若しくは許容範囲内になる還元剤供給時における還元剤供給量の指令値ともいえる。したがって、ECU10は、指令供給量が指令供給量閾値以下の場合には、指令供給量及び推定供給量の積算は行わない。このように、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きなときの、指令供給量及び推定供給量を用いて異常診断を実施することにより、異常診断の精度を高めることができる。また、複数回の還元剤供給時の指令供給量の積算値及び推定供給量の積算値を用いて異常診断を実施することによっても、ポンプ44の回転速度のばらつきの影響を小さくすることができるため、異常診断の精度を高めることができる。一方、以下のように、異常診断を実施するか否かを判定するときにおいても指令供給量閾値を用いている。
ここで、図6は、還元剤供給時の指令供給量とサイクルカウンタとの関係を示した図である。サイクルカウンタは、還元剤の供給異常を診断する条件である診断条件が成立しているか否かを判定するための判定値であり、異常診断の精度を高めるために設定している。サイクルカウンタは、添加弁42からの1回当たりの指令供給量が指令供給量閾値以下の場合には0であり、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなると指令供給量に比例して大きくなる。すなわち、サイクルカウンタは指令値と相関する値といえる。なお、図6に示したサイクルカウンタは一例であって、これに限るものではない。例えば、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きな場合のサイクルカウンタは、0よりも大きな値であって指令供給量によらない一定の値としてもよい。ここで、添加弁42からの1回当たりの
指令供給量が指令供給量閾値以下の場合のサイクルカウンタを0としているのは、指令供給量が少ない場合には、推定供給量を求めるときにポンプ44の回転速度のばらつきの影響が大きくなって異常診断の精度が低下する虞があるので、このときの指令供給量及び推定供給量を無視するためである。すなわち、1回当たりの指令供給量が指令供給量閾値よりも大きいときの指令供給量と推定供給量とを比較することにより、誤差等の影響を小さくすることができるため、異常診断の精度を高めることができる。
そして、サイクルカウンタの積算値が、サイクルカウンタの積算値の閾値であるサイクルカウンタ閾値を超えた場合に、還元剤供給装置4の異常診断を実施する。すなわち、サイクルカウンタの積算値がサイクルカウンタ閾値を超えた場合に、ECU10は、診断条件が成立したと判定する。サイクルカウンタ閾値は、異常診断の精度が好適な範囲内若しくは許容範囲内となるサイクルカウンタの値として予め実験またはシミュレーション等により求めておく。すなわち、サイクルカウンタの積算値がサイクルカウンタ閾値を超えた場合には、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きな還元剤の供給が、高い精度の異常診断が可能なほど実施されたことを意味しており、この場合には、精度の高い異常診断を実施することができる。なお、異常診断を実施するまでに複数回の還元剤供給を必要とすることは必須ではない。すなわち、指令供給量がある程度大きければ、ポンプ44の回転速度のばらつきの影響が小さいため、そのときのサイクルカウンタがサイクルカウンタ閾値よりも大きくなるようにサイクルカウンタと指令供給量との相関、及びサイクルカウンタ閾値を設定しておけば、1回の還元剤の供給によっても診断条件が成立する。なお、本実施例においてはサイクルカウンタが、本発明における判定値に相当する。また、本実施例においてはサイクルカウンタ閾値が、本発明における積算閾値に相当する。
ここで、図7は、指令供給量が比較的少ない場合のポンプ44の回転速度の推移を示したタイムチャートである。また、図8は、指令供給量が比較的多い場合のポンプ44の回転速度の推移を示したタイムチャートである。図7及び図8において、実線は還元剤供給装置4が正常の場合であり、破線は還元剤供給装置4が異常の場合である。図7及び図8に示した「開弁期間」は、添加弁42が開弁されている期間であり、還元剤が供給されている期間である。図7及び図8において、添加弁42の開弁期間は指令供給量に比例しており、開弁期間は指令供給量に応じて決定される。ポンプ44が1回転するときの還元剤の吐出量及び吐出圧は、図7及び図8において同じである。図7に示されるように、指令供給量が比較的に少ない場合には、還元剤供給装置4が正常の場合と異常の場合とでポンプ44の回転速度の変化量の差が比較的小さい。すなわち、還元剤供給装置4が正常の場合と異常の場合とで回転速度カウンタの差が比較的小さい(実線と破線とで囲まれる面積が小さい。)。一方、図8に示されるように、指令供給量が比較的多い場合には、還元剤供給装置4が正常の場合と異常の場合とでポンプ44の回転速度の変化量の差が比較的大きい。すなわち、還元剤供給装置4が正常の場合と異常の場合とで回転速度カウンタの差が比較的大きい(実線と破線とで囲まれる面積が大きい。)。
したがって、指令供給量が指令供給量閾値よりも多い場合の指令供給量の積算値と推定供給量の積算値とを比較することで、還元剤供給装置4が正常の場合と異常の場合とで回転速度カウンタの差を大きくすることができるため、還元剤供給装置4の異常診断の精度を高めることができる。
しかし、内燃機関1の運転状態によっては、例えば内燃機関1からのNOx排出量が少ない場合もあり、この場合には、指令供給量が指令供給量閾値よりも少なくなる。このような運転状態が継続した場合には、サイクルカウンタが増加しないために、還元剤供給装置4の異常診断の診断条件が成立しないため、異常診断を実施することが困難となる。
そこで本実施例では、診断条件が成立しない期間を積算し、この積算期間が期間閾値よ
りも大きくなった場合には、サイクルカウンタが増加し易くなるように、還元剤の供給間隔を通常の所定期間よりも長くする。この長くした後の所定期間を、延長後の所定期間とする。
このように、還元剤の供給間隔を延長することにより、アンモニア消費量の積算値及びアンモニア余剰量の積算値がより大きくなるため、1回当たりの指令供給量が増加する。そして、指令供給量が増加することにより、サイクルカウンタが増加し易くなる。したがって、還元剤供給装置4の異常診断を実施するまでの期間を短縮することができるため、異常診断を実施する機会を増すことができる。
図9は、本実施例に係る還元剤供給装置4の異常診断のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは添加弁42からの還元剤の供給があった後にECU10により実行される。すなわち、図3に示したフローチャートのステップS107の終了後にECU10により実行される。
ステップS201では、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きいか否か判定される。ここでいう指令供給量は、図3のステップS107での還元剤供給時の指令供給量であり、ECU10が記憶している。指令供給量閾値は、図6において説明した値でありECU10に記憶させておく。本ステップS201では、サイクルカウンタの増加量が0よりも大きくなるか否か判定している。指令供給量が指令供給量閾値以下の場合には、ポンプ44の回転速度のばらつき等により異常診断の精度が低下する虞があるため、このときのデータは用いない。さらに、このときには、異常診断は実施されない。ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS211へ進む。
ステップS202では、回転速度カウンタに基づいて推定供給量が算出される。ECU10は、還元剤供給毎にポンプ44の回転速度の変化量を積算して回転速度カウンタを算出している。ECU10は、この回転速度カウンタを記憶している。そして、図5に示した関係を予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておけば、回転速度カウンタから推定供給量を求めることができる。なお、本実施例においてはECU10がステップS202を処理することで、本発明における推定値算出部として機能する。
ステップS203では、指令供給量が積算される。ECU10は、前回の演算周期のステップS203の処理時に算出された指令供給量の積算値に、今回の還元剤供給時に算出された指令供給量を加算することにより、指令供給量を積算する。
ステップS204では、サイクルカウンタが積算される。ECU10は、前回の演算周期のステップS204の処理時に算出されたサイクルカウンタの積算値に、今回の還元剤供給時に算出されたサイクルカウンタを加算することにより、サイクルカウンタを積算する。今回の還元剤供給時に算出されたサイクルカウンタとは、今回の還元剤供給時に算出された指令供給量に基づいて、図6に示した関係から求められるサイクルカウンタである。
ステップS205では、推定供給量が積算される。ECU10は、前回の演算周期のステップS205の処理時に算出された推定供給量の積算値に、今回のステップS202の処理時に算出された推定供給量を加算することにより、推定供給量を積算する。
ステップS206では、サイクルカウンタがサイクルカウンタ閾値よりも大きいか否か判定される。本ステップS206では、還元剤供給装置4の異常診断を実施する条件が成
立しているか否か判定している。すなわち、本ステップS206では、還元剤供給装置4の異常診断の精度が好適な範囲内若しくは許容範囲内であるか否か判定される。したがって、サイクルカウンタ閾値は、還元剤供給装置4の異常診断の精度が好適な範囲内若しくは許容範囲内となるサイクルカウンタの値として予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS206で肯定判定がなされた場合にはステップS207へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS211へ進む。
ステップS207では、ステップS205で算出される推定供給量の積算値をステップS203で算出される指令供給量の積算値で除算した値が診断閾値よりも大きいか否か判定される。診断閾値は、0以上で且つ1以下の値であって、還元剤供給装置4が異常である場合の指令供給量の積算値に対する推定供給量の積算値の比として予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。本ステップS207では、還元剤供給装置4が正常であるか否か判定している。ステップS207で肯定判定がなされた場合には、ステップS208へ進んで、還元剤供給装置4が正常であると診断される。一方、ステップS207で否定判定がなされた場合には、ステップS209へ進んで、還元剤供給装置4が異常であると診断される。
ステップS208またはステップS209の処理が終了すると、ステップS210へ進んで、ステップS204で積算されたサイクルカウンタ、ステップS202で積算された回転速度カウンタ、ステップS203で積算された指令供給量、ステップS205で積算された推定供給量、ECU10により算出されている積算期間がリセットされ、還元剤の供給間隔が通常の所定期間に設定される。ステップS210の処理が終了すると本フローチャートが終了する。
一方、ステップS206において否定判定がなされた後のステップS211では、前回の還元剤供給装置4の異常診断を実施してから経過した積算期間が期間閾値よりも大きいか否か判定される。積算期間は、ECU10により随時算出されている。期間閾値は、要求される異常診断の頻度を満たすように設定され、ECU10に記憶されている。すなわち、サイクルカウンタの積算値がサイクルカウンタ閾値以下の状態が長く続くと、還元剤供給装置4の異常診断を実施することができない期間が長くなるため、異常診断を実施する機会が減少する。この場合には、異常診断の機会を増やすように、添加弁42からの還元剤の供給間隔を延長する。なお、本ステップS211では、積算期間に代えて走行距離に基づいた判定を行ってもよい。すなわち、前回の還元剤供給装置4の異常診断を実施してからの車両の走行距離が所定距離以上であるか否か判定してもよい。所定距離は、要求される異常診断の頻度を満たすように設定される。ステップS211で肯定判定がなされた場合にはステップS212へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS213へ進んで還元剤の供給間隔が通常の所定期間に設定される。
ステップS212では、還元剤の供給間隔が延長される。すなわち、還元剤の供給間隔を通常の所定期間よりも長くして、延長後の所定期間とする。この場合、図3に示したフローチャートのステップS106における所定期間が延長後の所定期間となるように、該所定期間を変更する。ここで、所定期間を長くすることにより、ステップS106で肯定判定がなされるまでの期間が長くなる。すなわち、ステップS107において還元剤が供給される間隔が長くなる。したがって、還元剤供給時の指令供給量も多くなるため、サイクルカウンタが上昇し易くなる。これにより、還元剤供給装置4の異常診断の機会を増やすことができる。延長後の所定期間は、サイクルカウンタが上昇し得る値として実験またはシミュレーション等により最適値を求めてECU10に記憶させておく。なお、ステップS212において還元剤の供給間隔が1度延長された後に、ステップS212が再度処理された場合には、還元剤の供給間隔をすでに延長された供給間隔のまま維持してもよいし、還元剤の供給間隔をさらに延長してもよい。ただし、還元剤の供給間隔を延長しすぎ
るとNOx浄化率が低下する虞があるため、延長する期間に上限を設けることが好ましい。ステップS212またはステップS213の処理が終了すると本フローチャートが終了する。なお、本実施例においてはECU10がステップS201、ステップS206、ステップS207、ステップS211、ステップS212を処理することで、本発明における診断部として機能する。
以上説明したように本実施例によれば、還元剤の供給間隔を延長することにより、還元剤供給時の1回当たりの指令供給量が多くなるため、サイクルカウンタが増加し易くなる。これにより、サイクルカウンタの積算値がサイクルカウンタ閾値よりも早期に大きくなる。したがって、還元剤供給装置4の異常診断を実施する際の診断条件がより速やかに成立するようになるため、異常診断を実施する頻度を高めることができる。すなわち、本実施例によれば、還元剤供給装置4の異常診断を実施する機会を増すことができる。また、指令供給量が比較的多い状態のときのデータを用いて還元剤供給装置4の異常診断を実施するため、異常診断の精度を高めることができる。
(変形例)
実施例1の第一の変形例について説明する。上記のように延長後の所定期間は予め実験またはシミュレーション等により求めた固定値であってもよいが、本変形例では、延長後の所定期間を可変とし、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなるまで還元剤の供給を行わないようにする。
ここで、還元剤の供給間隔を延長した場合に、図2において流入NOx量がこの後にどのように変化するのか予測することは困難であるため、1回当たりの還元剤供給時の指令供給量が、指令供給量閾値よりも大きくなるまでの期間を予め知ることは困難である。すなわち、延長後の所定期間が固定値である場合には、還元剤の供給間隔を延長したとしても、サイクルカウンタの積算値が増加するとは限らない。例えば、現時点での内燃機関1の運転状態が継続すると仮定して流入NOx量を求めることもできるが、その後に内燃機関1の運転状態が変化することも考えられるため正確とは言えない。このため、本変形例では、サイクルカウンタが確実に増加するように、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなるまで待つことにした。すなわち、アンモニア消費量とアンモニア余剰量とから求まる演算周期供給量を積算していき、この演算周期供給量の積算値、すなわち指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなった後に添加弁42から還元剤を供給する。この場合、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなった時点が、延長後の所定期間が終わる時点となる。このように、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなるまで還元剤の供給間隔を延長することにより、還元剤供給時にはサイクルカウンタが確実に増加する。したがって、サイクルカウンタがサイクルカウンタ閾値よりも、より早く大きくなるため、還元剤供給装置4の異常診断を実施する機会を増加させることができる。このように、指令供給量が指令供給量閾値よりも大きくなるまで還元剤の供給間隔を延長する場合には、図9におけるステップS212が実行されると、図3に示したフローチャートに代えて以下の図10に示したフローチャートが実施される。
図10は、還元剤の供給間隔が延長された場合の還元剤供給制御のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは、ステップS211で肯定判定がなされた後に、ECU10により、図3に示したフローチャートに代えて実施される。例えば、還元剤供給制御を図3に示した制御から図10に示した制御に切り替える切替フラグを設定しておき、ステップS212において切替フラグがONとなり、その後の還元剤供給制御では図10に示した制御が実施されるようにしてもよい。なお、図10に示したフローチャートでは、図3に示したフローチャートのステップS106に変えて、ステップS301が処理される点のみが異なるため、他の同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図10に示したフローチャートでは、ステップS105の処理が終了するとステップS301へ進む。ステップS301では、ステップS105で算出される演算周期供給量の積算値が指令供給量閾値よりも大きいか否か判定される。なお、指令供給量閾値はステップS201と同じ値でもよいが、ステップS201よりも大きな値に設定すれば、より速やかにサイクルカウンタを増加させることができる。そして、ステップS301で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本フローチャートを終了させる。本ステップS301を処理することにより、演算周期供給量の積算値が指令供給量閾値よりも大きくなるまで還元剤が供給されないので、サイクルカウンタを確実に増加させることができる。したがって、ステップS206において早期に肯定判定がなされるようになるため、還元剤供給装置4の異常診断を速やかに実施することができる。異常診断が実施された後には、ステップS210において還元剤の供給間隔が通常の間隔に戻されるため、図10に示したフローチャートに代えて、図3に示したフローチャートが実行される。このようにすることで、本変形例においてもECU10がステップS201、ステップS206、ステップS207、ステップS211、ステップS212を処理することで、本発明における診断部として機能する。
以上説明したように本変形例によっても、還元剤の供給間隔を延長することにより、還元剤供給装置4の異常診断を実施する機会を増すことができる。また、指令供給量が比較的多い状態のときのデータを用いて還元剤供給装置4の異常診断を実施するため、異常診断の精度を高めることができる。
(実施例2)
ここで、NOx触媒3の温度が高くなると、NOx触媒3にアンモニアが吸着し難くなり、アンモニア吸着量が減少する。このような状態のときに還元剤の供給間隔を延長すると、次の還元剤を供給するまでの間にアンモニアが不足する虞がある。したがって、NOx浄化率が低下する虞がある。このため、本実施例では、NOx触媒3の温度が所定温度(例えば、摂氏350度)以上の場合には供給間隔の延長を実施しない。これにより、NOx浄化率の低下を抑制する。その他の装置等は実施例1と同じため説明を省略する。
図11は、本実施例に係る還元剤供給装置4の異常診断のフローを示したフローチャートである。本フローチャートは添加弁42からの還元剤の供給があった後にECU10により実行される。すなわち、図3に示したフローチャートのステップS107の終了後にECU10により実行される。なお、図9に示したフローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図11に示したフローチャートでは、ステップS211で肯定判定がなされた場合にはステップS401へ進む。ステップS401では、触媒温度が所定温度未満であるか否か判定される。所定温度は、還元剤供給間隔を延長するとNOx浄化率が許容範囲よりも低下する虞がある温度として予め実験またはシミュレーション等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS401で肯定判定がなされた場合にはステップS212へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS213へ進む。なお、本実施例においてはECU10がステップS201、ステップS206、ステップS207、ステップS211、ステップS401、ステップS212を処理することで、本発明における診断部として機能する。
以上説明したように本実施例によれば、NOx浄化率が低下する虞のない場合に限り還元剤の供給間隔を延長することにより、NOx浄化率の低下を抑制しつつ還元剤供給装置4の異常診断を実施する機会を増すことができる。また、指令供給量が比較的多い状態のときのデータを用いて還元剤供給装置4の異常診断を実施するため、異常診断の精度を高
めることができる。
1 内燃機関
2 排気通路
3 選択還元型NOx触媒
4 還元剤供給装置
6 吸気通路
7 スロットル
10 ECU
11 上流側NOxセンサ
12 下流側NOxセンサ
13 温度センサ
14 クランクポジションセンサ
15 アクセル開度センサ
16 エアフローメータ
41 タンク
42 添加弁
43 還元剤通路
44 ポンプ
45 圧力センサ
46 ポンプ回転速度センサ
47 リターン通路
48 チェック弁

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ還元剤を用いてNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、
    還元剤を前記選択還元型NOx触媒よりも上流側の前記排気通路へ供給する添加弁と、
    回転速度に応じた還元剤量を前記添加弁へ吐出するポンプと、
    前記ポンプと前記添加弁とを接続して還元剤が流通する還元剤通路と、
    前記還元剤通路において還元剤の圧力を検出する圧力検出装置と
    備えた内燃機関の排気浄化装置の異常を診断する装置である内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置において、
    還元剤の供給間隔毎に前記選択還元型NOx触媒に流入するNOx量の総量に基づいて還元剤の供給間隔毎に前記添加弁へ与えられる還元剤供給量の指令値を算出する指令値算出部と、
    前記圧力検出装置により検出される圧力または該圧力と相関する物理量に基づいて前記還元剤の供給間隔毎の前記添加弁からの還元剤供給量の推定値を算出する推定値算出部と、
    前記指令値算出部により算出される還元剤供給量の指令値が指令供給量閾値よりも多いときの該指令値と相関する判定値の積算値が積算閾値に達すると還元剤の供給異常を診断する条件である診断条件が成立したと判定して、前記指令値算出部により算出された還元剤供給量の指令値が前記指令供給量閾値よりも多いときの該指令値の積算値と、前記指令値算出部により算出された還元剤供給量の指令値が前記指令供給量閾値よりも多いときと同一の時期において前記推定値算出部により算出された還元剤供給量の推定値の積算値と、に基づいて還元剤の供給異常を診断し、前記診断条件が成立しない期間が期間閾値よりも長い場合には、前記診断条件が成立した場合及び前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値以下の場合よりも、前記還元剤の供給間隔を延長する診断部と、
    を備える内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置。
  2. 前記診断部は、前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値よりも長い場合において、
    前記選択還元型NOx触媒の温度が所定温度未満の場合には、前記診断条件が成立した場合及び前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値以下の場合よりも前記還元剤の供給間隔を延長し、
    前記選択還元型NOx触媒の温度が前記所定温度以上の場合には、前記診断条件が成立した場合及び前記診断条件が成立しない期間が前記期間閾値以下の場合と前記還元剤の供給間隔を同一にする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置。
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