JP6630046B2 - 疲労限度評価方法および疲労限度評価装置 - Google Patents

疲労限度評価方法および疲労限度評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6630046B2
JP6630046B2 JP2015032784A JP2015032784A JP6630046B2 JP 6630046 B2 JP6630046 B2 JP 6630046B2 JP 2015032784 A JP2015032784 A JP 2015032784A JP 2015032784 A JP2015032784 A JP 2015032784A JP 6630046 B2 JP6630046 B2 JP 6630046B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
surface roughness
evaluation
fatigue limit
target member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015032784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016156630A5 (ja
JP2016156630A (ja
Inventor
嗣彬 西川
嗣彬 西川
有働 竜二郎
竜二郎 有働
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2015032784A priority Critical patent/JP6630046B2/ja
Priority to CN201610090293.6A priority patent/CN105912741A/zh
Publication of JP2016156630A publication Critical patent/JP2016156630A/ja
Publication of JP2016156630A5 publication Critical patent/JP2016156630A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6630046B2 publication Critical patent/JP6630046B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/10Geometric CAD
    • G06F30/17Mechanical parametric or variational design

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pure & Applied Mathematics (AREA)
  • Mathematical Optimization (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computational Mathematics (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Description

本発明は、機器を構成する部材の疲労限度評価方法および疲労限度評価装置に関する。
機器の破損原因の多くは、機器を構成する部材の金属疲労による破壊である。金属疲労とは、荷重が繰返し加えられることよって、機器の部材表面に発生した微小なき裂(亀裂)が部材内部に進展して、最終的には当該部材を貫通して破損に至る現象である。このような金属疲労において、部材が破壊しない限界の応力である疲労限度は、当該部材の表面状態の影響を受けることが知られている。
ところで、実際の機器の部材の表面状態としては、設計・製作時の部材の表面状態だけでなく、供用期間中に付いた想定外の傷や腐食の影響などを考慮する必要がある。すなわち、機器の部材の表面状態は、機器の供用期間中に刻々と変化する。従って、部材の表面状態が経年変化したときの機器の継続運転可否判断のためには、部材の表面状態を定量的に計測し、その計測結果に基づき疲労限度を評価する技術の確立が重要となる。
非特許文献1には、旋盤加工痕のような周期的な微小な切欠きプロファイル(周期的な表面粗さ)を有する部材の疲労限度を定量的に評価する方法が開示されている。すなわち、非特許文献1では、部材表面に形成された周期的な微小な切欠きを部材表面のき裂とみなし、その周期的なき裂の応力拡大係数から疲労限度の支配因子である√areaを求め、当該部材の疲労限度を算出する方法が示されている。
村上敬宜,高橋宏治,山下晃生,「疲労強度に及ぼす表面粗さの影響の定量的評価(粗さの深さとピッチの影響)」,日本機械学会論文集A編,1997年8月,第63巻612号,p.1612−1619
しかしながら、非特許文献1に開示されている疲労限度の評価方法は、周期的な表面粗さプロファイルを有する部材の疲労限度の評価には有効であっても、非周期的な表面粗さプロファイルを有する部材の疲労限度の評価には、必ずしも有効であるとは限らない。
そこで、本発明は、非周期的な表面粗さプロファイルを有する部材に適用可能な疲労限度評価方法および疲労限度評価装置を提供することを目的とする。
本発明に係る疲労限度評価方法は、評価対象部材の表面プロファイルを計測する表面粗さ計測装置に接続されたコンピュータが、
前記表面粗さ計測装置から、前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値を取得するステップと、
前記取得した表面プロファイルの計測値に含まれる山のピーク座標値および谷のピーク座標値を抽出するステップと、
前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値に基づき、前記評価対象部材の表面の粗さの程度を表す表面粗さパラメータの値を求め、前記抽出した山のピーク座標値および谷のピーク座標値からなるデータに対して、互いに隣接する山および谷の高低差が前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値よりも小さい場合にその一方または両方の山または谷のピーク座標値を除去するフィルタリング処理を施し、互いに隣接する山および谷の高低差が前記閾値以上となるような評価用プロファイルのデータを生成するステップと、
前記評価用プロファイルに含まれるそれぞれの谷について前記谷の深さとその谷に隣接する2つの山と山の距離を求め、前記それぞれの谷ごとに前記谷の深さと前記2つの山と山の距離を用いて求められる谷の断面積の平方根のうち、その最大値を前記評価用プロファイルの表面粗さ指標値として算出するステップと、
前記算出した表面粗さ指標値を用いて前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出するステップと、
を実行することを特徴とする。
本発明によれば、非周期的な表面粗さプロファイルを有する部材に適用可能な疲労限度評価方法および疲労限度評価装置が提供される。
本発明の実施形態に係る疲労限度評価装置の機能構成の例を示した図。 (a)は、評価対象部材の表面プロファイルの例を模式的に示した図、(b)は、表面プロファイル計測値のデータ構造の例を示した図。 (a)は、評価対象部材の表面プロファイルにおけるピーク点の例を模式的に示した図、(b)は、ピーク座標値のデータ構造の例を示した図。 (a)は、評価用プロファイルの例を模式的に示した図、(b)は、評価用プロファイルデータのデータ構造の例を示した図。 本実施形態に係る表面粗さ指標値√areaAを算出するのに必要なき裂(谷)の大きさを評価するパラメータaおよび2bを説明するための表面プロファイルの例を示した図。 評価対象部材で実測された表面プロファイルおよびその表面プロファイルから生成された評価用プロファイルの例を示した図。 各種評価対象部材の疲労限度推定値と疲労限度実測値との関係の例を表した図であり、(a)は、閾値H(=C・R)の定数C=0.1のときの疲労限度推定値と疲労限度実測値との関係を表した図、(b)は、定数C=0.3のときの疲労限度推定値と疲労限度実測値との関係を表した図。 本実施形態に係る疲労限度評価装置を評価対象部材の疲労限度の定期検査に適用した場合の検査手順の例を示した図。 本発明の実施形態の第1の変形例に係る疲労限度評価装置の機能構成の例を示した図。 本発明の実施形態の第2の変形例に係る疲労限度評価装置の機能構成の例を示した図。 本発明の実施形態の第3の変形例に係る疲労限度評価装置の機能構成の例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る疲労限度評価装置10の機能構成の例を示した図である。図1に示すように、疲労限度評価装置10は、表面プロファイル計測値取得部11、ピーク座標値抽出部12、評価用プロファイルデータ生成部13、表面粗さ指標値算出部14、疲労限度推定値算出部15、疲労限度診断部16、表面プロファイル計測値記憶部21、ピーク座標値記憶部22、評価用プロファイルデータ記憶部23、入力装置25、出力装置26などの機能ブロックを含んで構成される。
以上のような機能構成を有する疲労限度評価装置10は、ハードウエア的には、図示しない中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)と記憶装置とを備えた一般的なコンピュータによって実現される。その場合、表面プロファイル計測値取得部11、ピーク座標値抽出部12、評価用プロファイルデータ生成部13、表面粗さ指標値算出部14、疲労限度推定値算出部15および疲労限度診断部16のそれぞれ機能は、前記コンピュータの中央演算処理装置がその記憶装置に格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。また、表面プロファイル計測値記憶部21、ピーク座標値記憶部22および評価用プロファイルデータ記憶部23は、前記記憶装置の一部に割り当てられた記憶領域として実現される。また、入力装置25は、キーボード、マウス、タッチパネルなどによって構成され、疲労限度評価装置10のユーザが様々な情報を中央演算処理装置に入力するのに用いられる。また、出力装置26は、液晶表示装置などによって構成され、中央演算処理装置が所定のプログラムを実行して得られた結果などを表示するのに用いられる。
さらに、疲労限度評価装置10は、図示しない評価対象部材の表面プロファイルを計測する表面粗さ計測装置31、同評価対象部材の硬さを計測する硬さ計測装置32、同評価対象部材の残留応力を計測する残留応力計測装置33などに通信ケーブルを介して接続されている。なお、通信ケーブルは、コンピュータとの間の情報通信を可能にするものであれば、LAN(Local Area Network)ケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなど、どのようなものであってもよい。
以下、疲労限度評価装置10の各機能ブロックの機能について、図1に加え、図2以下の図面も参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明では、表面粗さプロファイルを、表面プロファイル、または、単に、プロファイルという。
図2(a)は、評価対象部材の表面プロファイルの例を模式的に示した図、図2(b)は、表面プロファイル計測値のデータ構造の例を示した図である。評価対象部材の表面プロファイルとは、同評価対象部材の表面の凹凸の高さ方向の断面形状を意味し、その計測値(表面プロファイル計測値211)は、通常、評価対象部材の表面に平行なx軸方向の座標値と同評価対象部材の表面に垂直なy軸方向の座標値とによって表される。
すなわち、表面粗さ計測装置31は、評価対象部材の表面に平行な直線(x軸)に沿って所定の間隔(例えば、10μm間隔)で、同評価対象部材の表面に垂直な方向(y軸方向)の表面の位置(被計測点の位置)を計測する。図2(a)の例では、評価対象部材の表面の凹凸の高さ方向(y軸方向)の断面形状が実線で表され、被計測点p,p,p,・・・が黒丸印で表されている。
従って、表面プロファイル計測値取得部11(図1参照)は、次の[1],[2]の処理を実行する。
[1]表面粗さ計測装置31から、被計測点p,p,p,・・・の座標値(x,y),(x,y),(x,y),・・・を取得する。
[2]前記取得した被計測点p,p,p,・・・の座標値(x,y),(x,y),(x,y),・・・を、評価対象部材の表面プロファイル計測値211として表面プロファイル計測値記憶部21に格納する(図2(b)参照)。
図3(a)は、評価対象部材の表面プロファイルにおけるピーク点の例を模式的に示した図、図3(b)は、ピーク座標値のデータ構造の例を示した図である。ここで、ピーク点とは、表面プロファイル計測値211が表す表面プロファイルにおいて、凹凸の谷または山のピークに該当する点をいう。すなわち、被計測点pのy軸方向の座標値yが、隣接する被計測点pn−1,pn+1のy軸方向の座標値yn−1,yn+1のいずれよりも大きいか、または、いずれよりも小さい場合、その被計測点pをピーク点Pという。なお、図3(a)では、ピーク点P,P,P,・・・は白丸印で表されている。
従って、ピーク座標値抽出部12(図1参照)は、次の[1]〜[3]の処理を実行する。
[1]表面プロファイル計測値記憶部21から被計測点p,p,p,・・・の座標値(x,y),(x,y),(x,y),・・・を読み出す。
[2]前記読み出した被計測点p,p,p,・・・の座標値(x,y),(x,y),(x,y),・・・から、ピーク点P,P,P,・・・に該当する座標値(X,Y),(X,Y),(X,Y),・・・を抽出する。
[3]前記抽出した座標値(X,Y),(X,Y),(X,Y),・・・を、ピーク座標値221としてピーク座標値記憶部22に格納する(図3(b)参照)。
図4(a)は、評価用プロファイルの例を模式的に示した図、図4(b)は、評価用プロファイルデータのデータ構造の例を示した図である。ここで、評価用プロファイルとは、図4(a)に示すように、表面粗さ計測装置31で計測された表面プロファイルにおける互いに隣接するピーク点P,PN+1の高低差が所定の閾値Hよりも小さい場合、一方または両方のピーク点P,PN+1の存在を無視し、高低差が所定の閾値H以上になるようなピーク点Q,Q,Q,・・・で構成される表面プロファイルのことをいう。なお、図4(a)では、評価用プロファイルは太い実線で表され、表面粗さ計測装置31で計測された表面プロファイルは、破線で表されている。また、図4(b)に示すように、評価用プロファイルデータ231は、評価用プロファイルにおけるピーク点Q,Q,Q,・・・の座標値(X’,Y’),(X’,Y’),(X’,Y’),・・・により構成される。
従って、評価用プロファイルデータ生成部13(図1参照)は、次の[1]〜[4]の処理を実行する。
[1]ピーク座標値記憶部22からピーク点P,P,P,・・・の座標値(X,Y),(X,Y),(X,Y),・・・を読み出す。
[2]前記読み出したピーク点P,P,P,・・・に対して、互いに隣接するピーク点P,Pi+1の高低差が所定の閾値Hよりも小さい場合、そのピーク点P,Pi+1の一方または両方の座標値(X,Y),(Xi+1,Yi+1)を除去するフィルタリング処理を施す。
[3]前記フィルタリング処理後に互いに隣接するピーク点Q,QN+1の高低差が所定の閾値H以上となるような評価用プロファイルデータ231を生成する。
[4]前記生成した評価用プロファイルデータ231であるピーク点Q,Q,Q,・・・の座標値(X’,Y’),(X’,Y’),(X’,Y’),・・・を、評価用プロファイルデータ記憶部23に格納する。
また、本実施形態では、以上の処理で用いられる閾値Hは、評価対象部材の表面プロファイル計測値211から得られる表面粗さパラメータRに正の定数Cを乗じた値、すなわち、H=C・Rと表されるものとする。そして、その表面粗さパラメータRとしては、例えば、日本工業規格(JIS B0601「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」)で、その算出法が規定されている十点平均粗さRzjis、算術平均粗さR、最大高さRなどから1つを選んで採用するのが好ましい。
なお、表面粗さパラメータRとして、10点平均粗さRzjisまたは最大高さRを採用した場合には、定数Cの値は、通常、1以下になるが、算術平均粗さRを採用した場合には、1を超える場合もある。いずれにせよ、定数Cの適切な値は、表面粗さパラメータRの種類に応じて実験的または経験的に定められる。
また、日本工業規格(JIS B0601)では、十点平均粗さRzjisの計算方法については言及される一方で、例えば、8点平均粗さや20点平均粗さなどについては言及されていない。しかしながら、8点平均粗さや20点平均粗さなどn点平均粗さについても、十点平均粗さRzjisと同様にして計算することができる。従って、表面粗さパラメータRとしては、十点平均粗さRzjisの代わりにn点平均粗さを用いるものとしてもよい。ただし、ここでいうnは、正の整数である。
ところで、非特許文献1によれば、周期的なき裂(凹部)を有する評価対象部材の表面粗さ指標値√areaは、その周期的なき裂のピッチ2bおよびき裂の深さaを変数とする関数fで表わされるとしている。すなわち、√area=f(a,2b)と表される。
さらに、非特許文献1では、この表面粗さ指標値√areaを用いれば、疲労限度σは、次の式(1)によって精度よく推定されるものとしている。
Figure 0006630046
ここで、σ:疲労限度の推定値
Hv:ビッカース硬さ
Ro:応力比(=σmin/σmax
σmax:最大応力
σmin:最小応力
そこで、本実施形態では、表面粗さ指標値算出部14(図1参照)は、非特許文献1でいう表面粗さ指標値√areaに対応する表面粗さ指標値√areaAを算出する。次に、疲労限度推定値算出部15は、前記により算出された表面粗さ指標値√areaAを用いて疲労限度推定値σを算出する。以下、表面粗さ指標値算出部14および疲労限度推定値算出部15の処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る表面粗さ指標値√areaAを算出するのに必要なき裂(谷)の大きさを評価するパラメータaおよび2bを説明するための表面プロファイルの例を示した図である。図5において、破線は、表面粗さ計測装置31で計測された表面プロファイルを表し、太い実線は、評価用プロファイルを表している。
ここで、表面粗さ指標値算出部14は、評価用プロファイルデータ231を用いて当該評価用プロファイルにおけるパラメータaおよび2bに相当するデータを求め、その後、これらのデータを用いて表面粗さ指標値√areaAを算出する。
すなわち、表面粗さ指標値算出部14は、次の[1]〜[4]の手順に従って表面粗さ指標値√areaAを算出する。
[1]評価用プロファイルデータ231を参照し、評価用プロファイル(図5に描かれた太い実線)における山のピーク点Q,QN+2を抽出し、さらに、谷のピーク点QN+1,QN+3を抽出する。ここで、Nは2から始まる偶数(N=2,4,・・・)であるとする(以下、同様)。
[2]前記抽出した山のピーク点Q,QN+2のx方向の座標値を用いて、2つの山のx方向のピッチ2bを算出する。すなわち、2b=X’N+2−X’を算出する。
[3]前記抽出した山のピーク点Q,QN+2とその中間の谷のピーク点QN+1のy方向の座標値を用いて、それぞれの谷の深さaを算出する。このとき、谷の深さaは、隣接する山のうち、高いほうの山と当該谷との高低差であるとする。すなわち、谷のピーク点QN+1の谷の深さa=max(Y’,Y’N+2)−Y’N+1を計算する。ここで、maxは、最大値を求める関数を表す。
[4]以上のようにして求めた{(a,2b):N=2,4,・・・}を用いて、次の式(2)に従って√areaAを計算する。
√areaA=max{f(a,2b):N=2,4,・・・} (2)
また、式(2)では、√areaAとして、値の集合{f(a,2b):N=2,4,・・・}のうちから最大値を求めているが、これに限定されず、例えば、最大値と2番目に大きい値の平均値をとるなどとしてもよい。
以上の手順により、表面粗さ指標値√areaAが求められると、疲労限度推定値算出部15は、前記の式(1)または式(1)の一部を現実に合せた修正した式に従って、疲労限度推定値σを算出する。なお、式(1)を用いる場合、√area=√areaAとする。
また、疲労限度推定値σを算出するに当たっては、評価対象部材の硬さ(ビッカース硬さHv)や評価対象部材に加える応力比Roが必要となる。その場合、評価対象部材の硬さは、硬さ計測装置32で計測した値を用いるものとする。また、応力比Roの計算に必要な評価対象部材における残留応力は、残留応力計測装置33で計測した値を用いるものとする。
図6は、評価対象部材で実測された表面プロファイルおよびその表面プロファイルから生成された評価用プロファイルの例を示した図である。なお、図6において、細い実線は実測された表面プロファイルを表し、太い実線は評価用プロファイルを表す。また、白の四角印は、評価用プロファイルの山または谷のピーク点を表し、黒丸印は、√areaAが最大となる谷のピーク点を表している。
なお、図6の例では、実測された表面プロファイル(細い実線)における互いに隣接するピーク点の高低差を判定する閾値H(=C・R)の基準となる表面粗さのパラメータRとしては、日本工業規格でいう十点平均粗さRzjisが用いられ、定数Cの値としては、0.3が用いられている(すなわち、C=0.3)。
以上、図6の例からも分かるように、評価用プロファイルとは、実測された表面プロファイルから小さな山と谷をフィルタリングにより除去したもの、すなわち、実測されたいわばミクロな表面プロファイルを大きな山と谷からなるマクロな表面プロファイルに変換したもの、ということができる。さらに、図6、式(2)などによれば、疲労限度推定値算出部15で算出される疲労限度推定値σは、√areaAが最大となる、マクロな谷(き裂)とその隣接する谷の影響によって決まると仮定するものである。
これは、評価用プロファイルにおける谷のうち、最も応力集中の大きい谷の応力に、その谷に隣接する谷の応力の干渉を考慮した値が疲労限度の決定要因となっていることを意味する。普通、切欠きなどの応力集中部が隣接すると、干渉によって応力は分散し、応力集中の影響は相対的に小さくなるため、この解釈は、自然といえる。しかしながら、実測された表面プロファイルにおける小さな山と谷を適切にフィルタリングできなければ、適切な評価用プロファイルを得ることができない。そこで、発明者らは、次に示すような様々な評価試験を行った。ここでは、その結果だけを示す。
図7は、各種評価対象部材の疲労限度推定値と疲労限度実測値との関係の例を表した図であり、(a)は、閾値H(=C・R)の定数Cが0.1のときの疲労限度推定値と疲労限度実測値との関係を表した図、(b)は、定数Cが0.3のときの疲労限度推定値と疲労限度実測値との関係を表した図である。なお、このときに採用した表面粗さのパラメータRは、十点平均粗さRzjisである。
図7(a),(b)のグラフにおいて、横軸は疲労限度実測値、縦軸は疲労限度推定値を表し、その値は相対化されている。また、そのグラフの左下から右上に対角線状に描かれた直線は、疲労限度実測値と疲労限度推定値とが一致することを意味する。また、この直線に沿って上下に描かれた一点鎖線は、疲労限度推定値が疲労限度実測値に対し、プラスまたはマイナス10%外れていることを表している。
また、図7(a),(b)のグラフにおいて、白または黒の丸印、四角印、三角印は、それぞれ異なる評価対象部材の異なる表面状態に異なる応力を加えた場合の評価試験結果を示したものである。ここで、表面状態とは、評価対象部材の材料や加工条件(例えば、グラインダ加工、ブラスト加工)などで決まる状態をいう。また、ここでは、応力比Ro(=σmin/σmax)が0および−1の応力条件についてのみ評価されている。
図7(a)、すなわち、C=0.1である場合には、評価対象のほとんどの部材の表面状態および応力条件について、疲労限度推定値と疲労限度実測値とが10%以上乖離している。一方、図7(b)、すなわち、C=0.3である場合には、評価対象のほとんどの部材の表面状態および応力条件について、疲労限度推定値と疲労限度実測値との乖離は、10%以内に収まっている。このことは、疲労限度推定値の推定精度を向上させるには、適切な評価用プロファイルを得るための適切な閾値H(=C・R)、すなわち、表面粗さパラメータRに応じて適切な定数Cの値またはその範囲を定めることが重要であることが分かる。
また、本実施形態に係る疲労限度評価装置10において、定数Cの値を、評価対象部材の表面プロファイル計測値211から得られる表面粗さパラメータRに基づいて定めるとしていることは、閾値Hを決定する基準が明確化されるという効果をもたらす。すなわち、定数Cの値またはその範囲が実験的あるいは経験的に予め求められていれば、疲労限度評価装置10のユーザは、評価対象部材の表面プロファイルを計測し、その表面粗さパラメータを求めることによって、誰であっても容易に閾値Hを決定することができる。従って、どのようなユーザであっても、本実施形態に係る疲労限度評価装置10によって適切な評価用プロファイルを得ることができ、高精度な疲労限度の推定が可能となる。
以上のような疲労限度評価装置10に、さらに、疲労限度診断部16(図1参照)を追加することによって、その疲労限度評価装置10を疲労限度検査装置として用いることができる。その場合、疲労限度診断部16は、例えば、次の[1]〜[3]の処理を実行する。
[1]別途評価された評価対象部材が受ける負荷応力値を、キーボードなどの入力装置25を介して読み込む。
[2]疲労限度推定値算出部15で算出された評価対象部材の疲労限度推定値を、前記読み込んだ負荷応力値と比較する。
[3]前記比較の結果、負荷応力値が疲労限度推定値以下であった場合には、液晶表示装置などの出力装置26に当該評価対象部材が「継続使用可」であることを表示し、また、負荷応力値が疲労限度推定値を超えていた場合には、同様の出力装置26に当該評価対象部材が「補修」または「交換」すべきものであることを表示する。
図8は、本実施形態に係る疲労限度評価装置10を評価対象部材の疲労限度の定期評価に適用した場合の検査手順の例を示した図である。ただし、この検査手順は、主として検査員の作業手順として示されており、疲労限度評価装置10が実行する処理については、とくに破線で囲って示されている。
図8に示すように、検査員は、まず、表面粗さ計測装置31を用いて評価対象部材の表面プロファイルを計測する(ステップS21)。この際、表面プロファイルの計測は、可搬式の粗さ計で計測してもよいし、現地で評価対象部材の表面形状を転写したレプリカの表面を検査室などに据え付けられた表面粗さ計測装置31で計測してもよい。
次に、検査員は、硬さ計測装置32を用いて評価対象部材の硬さを計測し(ステップS21)、さらに、残留応力計測装置33を用いて評価対象部材の残留応力を計測する(ステップS23)。続いて、検査員は、別途、実験やシミュレーションなどの評価で得られた評価対象部材が受ける負荷応力値を、キーボードなどの入力装置25を介して疲労限度評価装置10へ入力する(ステップS24)。
以上のような検査員による作業が行われると、その作業の進行とともに、疲労限度評価装置10は、表面プロファイル計測値取得部11、ピーク座標値抽出部12、評価用プロファイルデータ生成部13、表面粗さ指標値算出部14および疲労限度推定値算出部15がなすべき処理を順次実行し、これらの処理結果として、疲労限度推定値を算出する(ステップS25)。
以下、疲労限度診断部16の処理として、疲労限度評価装置10は、前記算出された疲労限度推定値を、ステップS24で入力した負荷応力値と比較する(ステップS26)。その比較の結果、負荷応力値が疲労限度推定値以下であった場合には(ステップS26でYes)、疲労限度評価装置10は、当該評価対象部材が「継続使用可」であることを示すメッセージなどを、液晶表示装置などの出力装置26に表示する(ステップS27)。また、負荷応力値が疲労限度推定値を超えていた場合には(ステップS26でNo)、当該評価対象部材が「補修」または「交換」すべきものであること示すメッセージなどを、液晶表示装置などの出力装置26に表示する(ステップS28)。なお、この場合の出力装置26は、「補修」または「交換」を音声や警報ランプなどで報知するものであってもよい。
以上のように、本実施形態に係る疲労限度評価装置10を評価対象部材の疲労限度の定期検査に適用した場合には、検査員は、とくに判断が伴うような作業をしなくても済むので、その作業効率を向上させることが可能になるとともに、作業員に依存しない検査結果を得ることが可能になる。
以上に説明した実施形態では、疲労限度評価装置10の評価用プロファイルデータ生成部13は、表面粗さ計測装置31で計測された評価対象部材の表面プロファイルにおける小さな山や谷をフィルタリングして除去し、いわば、評価対象部材のマクロな粗さを表す評価用プロファイルを生成する。そして、表面粗さ指標値算出部14は、その評価用プロファイルに含まれるすべてのき裂(谷)について算出した表面粗さ指標値のうち、最大のものを表面粗さ指標値√areaAとして算出し、疲労限度推定値算出部15は、その表面粗さ指標値√areaAを用いて疲労限度推定値を算出する。
従って、本実施形態に係る疲労限度評価装置10では、評価対象部材から得られる表面プロファイル計測値211が非周期的な表面粗さプロファイルを表すものであっても、その表面プロファイル計測値211からその評価対象部材の疲労限度推定値を算出することができる。よって、本実施形態により、非周期的な表面粗さプロファイルを有する機器の部材に適用可能な疲労限度評価方法および疲労限度評価装置が提供される。
(実施形態の第1の変形例)
図9は、本発明の実施形態の第1の変形例に係る疲労限度評価装置10aの機能構成の例を示した図である。この第1の変形例に係る疲労限度評価装置10aは、外部の硬さ計測装置32および残留応力計測装置33に代わって、その内部に硬さ・残留応力データベース24を備えている点で、図1に示した疲労限度評価装置10と相違している。
一般に、評価対象部材の硬さや残留応力は、主に部材の材料や表面の加工条件などに依存してほぼ一意的に決まるので、本変形例に係る疲労限度評価装置10aは、部材の材料や表面の加工条件などにその部材の硬さおよび残留応力が対応づけられて構成された情報が登録される硬さ・残留応力データベース24を備えている。そして、疲労限度評価装置10aには、硬さ計測装置32および残留応力計測装置33は接続されていなくてもよいものとしている。
以上のような構成の疲労限度評価装置10aでは、硬さ計測装置32を用いた評価対象部材の硬さの計測作業や残留応力計測装置33を用いた残留応力の計測作業をしなくても済む。その結果、疲労限度推定値を算出する疲労限度の評価作業や疲労限度の定期検査作業の効率が向上する。
(実施形態の第2の変形例)
図10は、本発明の実施形態の第2の変形例に係る疲労限度評価装置10bの機能構成の例を示した図である。この第2の変形例に係る疲労限度評価装置10bは、その内部に表面粗さ計測装置31が取り込まれている点で、図1に示した疲労限度評価装置10と相違している。
すなわち、図1に示した疲労限度評価装置10は、ハードウエア的には、いわゆるコンピュータだけで構成されたものであるが、本変形例に係る疲労限度評価装置10bは、コンピュータとそのコンピュータに接続された表面粗さ計測装置31によって構成される。近年のコンピュータは、高性能化とミニサイズ化が進行しているので、本変形例は、表面粗さ計測装置31を内蔵した疲労限度評価装置10bというよりも、疲労限度評価機能を有する表面粗さ計測装置を実現可能にするものともいえる。
(実施形態の第3の変形例)
図11は、本発明の実施形態の第3の変形例に係る疲労限度評価装置10cの機能構成の例を示した図である。この第3の変形例に係る疲労限度評価装置10cは、その内部に表面粗さ計測装置31に加え、硬さ計測装置32および残留応力計測装置33が取り込まれている点で、図1に示した疲労限度評価装置10と相違している。
本変形例は、いわば、オールインワンの機能を備えた疲労限度評価装置10cが実現されたものといえる。従って、本変形例に係る疲労限度評価装置10cでは、評価対象部材の硬さや残留応力が、例えば、経時変化などで変化した場合でも、その硬さや残留応力を素早く計測できるので、より高精度の疲労限度推定値を素早く得ることが可能になる。
なお、本発明は、以上に説明した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態および変形例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態や変形例の構成の一部を、他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態や変形例の構成に他の実施形態や変形例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態や変形例の構成の一部について、他の実施形態や変形例に含まれる構成を追加・削除・置換することも可能である。
10,10a,10,b,10c 疲労限度評価装置
11 表面プロファイル計測値取得部
12 ピーク座標値抽出部
13 評価用プロファイルデータ生成部
14 表面粗さ指標値算出部
15 疲労限度推定値算出部
16 疲労限度診断部
21 表面プロファイル計測値記憶部
22 ピーク座標値記憶部
23 評価用プロファイルデータ記憶部
24 硬さ・残留応力データベース
25 入力装置
26 出力装置
31 表面粗さ計測装置
32 硬さ計測装置
33 残留応力計測装置
211 表面プロファイル計測値
221 ピーク座標値
231 評価用プロファイルデータ

Claims (13)

  1. 評価対象部材の表面プロファイルを計測する表面粗さ計測装置に接続されたコンピュータが、
    前記表面粗さ計測装置から、前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値を取得するステップと、
    前記取得した表面プロファイルの計測値に含まれる山のピーク座標値および谷のピーク座標値を抽出するステップと、
    前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値に基づき、前記評価対象部材の表面の粗さの程度を表す表面粗さパラメータの値を求め、前記抽出した山のピーク座標値および谷のピーク座標値からなるデータに対して、互いに隣接する山および谷の高低差が前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値よりも小さい場合にその一方または両方の山または谷のピーク座標値を除去するフィルタリング処理を施し、互いに隣接する山および谷の高低差が前記閾値以上となるような評価用プロファイルのデータを生成するステップと、
    前記評価用プロファイルに含まれるそれぞれの谷について前記谷の深さとその谷に隣接する2つの山と山の距離を求め、前記それぞれの谷ごとに前記谷の深さと前記2つの山と山の距離を用いて求められる谷の断面積の平方根のうち、その最大値を前記評価用プロファイルの表面粗さ指標値として算出するステップと、
    前記算出した表面粗さ指標値を用いて前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出するステップと、
    を実行することを特徴とする疲労限度評価方法。
  2. 前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値は、
    前記表面粗さパラメータの種類が十点平均粗さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数で0.3程度の定数を乗じた値であり、
    前記表面粗さパラメータの種類が算術平均粗さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数を乗じた値であり、
    前記表面粗さパラメータの種類が最大高さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数を乗じた値であること
    を特徴とする請求項1に記載の疲労限度評価方法。
  3. 前記コンピュータは、
    入力装置を介して入力される前記評価対象部材が受ける負荷応力値を前記算出した疲労限度推定値と比較し、前記負荷応力値が前記疲労限度推定値を超えていた場合には、前記評価対象部材の補修または交換を促すメッセージを出力装置に出力するステップをさらに実行すること
    を特徴とする請求項1に記載の疲労限度評価方法。
  4. 前記コンピュータは、
    前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出するステップにおいて、
    前記表面粗さ指標値を算出するステップで算出される表面粗さ指標値に加え、硬さ計測装置で計測される前記評価対象部材の硬さの値および残留応力計測装置で計測される前記評価対象部材の残留応力の値を用いて、前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の疲労限度評価方法。
  5. 前記コンピュータは、
    前記評価対象部材の加工条件に硬さと残留応力とを対応づけて構成された硬さ・残留応力データベースをさらに備え、
    前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出するステップにおいて、
    前記表面粗さ指標値を算出するステップで算出される表面粗さ指標値に加え、前記評価対象部材の加工条件に応じて前記硬さ・残留応力データベースから得られる前記評価対象部材の硬さおよび残留応力を用いて、前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の疲労限度評価方法。
  6. 評価対象部材の表面プロファイルを計測する表面粗さ計測装置から、前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値を取得する表面プロファイル計測値取得部と、
    前記取得した表面プロファイルの計測値に含まれる山のピーク座標値および谷のピーク座標値を抽出するピーク座標値抽出部と、
    前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値に基づき、前記評価対象部材の表面の粗さの程度を表す表面粗さパラメータの値を求め、前記抽出した山のピーク座標値および谷のピーク座標値からなるデータに対して、互いに隣接する山および谷の高低差が前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値よりも小さい場合にその一方または両方の山または谷のピーク座標値を除去するフィルタリング処理を施し、互いに隣接する山および谷の高低差が前記閾値以上となるような評価用プロファイルのデータを生成する評価用プロファイルデータ生成部と、
    前記評価用プロファイルに含まれるそれぞれの谷について前記谷の深さとその谷に隣接する2つの山と山の距離を求め、前記それぞれの谷ごとに前記谷の深さと前記2つの山と山の距離を用いて求められる谷の断面積の平方根のうち、その最大値を前記評価用プロファイルの表面粗さ指標値として算出する表面粗さ指標値算出部と、
    前記算出した表面粗さ指標値を用いて前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出する疲労限度推定値算出部と、
    を備えることを特徴とする疲労限度評価装置。
  7. 前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値は、
    前記表面粗さパラメータの種類が十点平均粗さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数で0.3程度の定数を乗じた値であり、
    前記表面粗さパラメータの種類が算術平均粗さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数を乗じた値であり、
    前記表面粗さパラメータの種類が最大高さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数を乗じた値であること
    を特徴とする請求項6に記載の疲労限度評価装置。
  8. 入力装置を介して入力される前記評価対象部材が受ける負荷応力値を前記算出した疲労限度推定値と比較し、前記負荷応力値が前記疲労限度推定値を超えていた場合には、前記評価対象部材の補修または交換を促すメッセージを出力装置に出力する疲労限度診断部を、さらに、備えること
    を特徴とする請求項6に記載の疲労限度評価装置。
  9. 前記疲労限度推定値算出部は、
    前記表面粗さ指標値算出部で算出される表面粗さ指標値に加え、硬さ計測装置で計測される前記評価対象部材の硬さの値および残留応力計測装置で計測される前記評価対象部材の残留応力の値を用いて、前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出すること
    を特徴とする請求項6に記載の疲労限度評価装置。
  10. 前記評価対象部材の加工条件に硬さと残留応力とを対応づけて構成された硬さ・残留応力データベースをさらに備え、
    前記疲労限度推定値算出部は、
    前記表面粗さ指標値算出部で算出される表面粗さ指標値に加え、前記評価対象部材の加工条件に応じて前記硬さ・残留応力データベースから得られる前記評価対象部材の硬さおよび残留応力を用いて、前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出すること
    を特徴とする請求項6に記載の疲労限度評価装置。
  11. 評価対象部材の表面プロファイルを計測する表面粗さ計測装置と、
    前記表面粗さ計測装置から、前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値を取得する表面プロファイル計測値取得部と、
    前記取得した表面プロファイルの計測値に含まれる山のピーク座標値および谷のピーク座標値を抽出するピーク座標値抽出部と、
    前記評価対象部材の表面プロファイルの計測値に基づき、前記評価対象部材の表面の粗さの程度を表す表面粗さパラメータの値を求め、前記抽出した山のピーク座標値および谷のピーク座標値からなるデータに対して、互いに隣接する山および谷の高低差が前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値よりも小さい場合にその一方または両方の山または谷のピーク座標値を除去するフィルタリング処理を施し、互いに隣接する山および谷の高低差が前記閾値以上となるような評価用プロファイルのデータを生成する評価用プロファイルデータ生成部と、
    前記評価用プロファイルに含まれるそれぞれの谷について前記谷の深さとその谷に隣接する2つの山と山の距離を求め、前記それぞれの谷ごとに前記谷の深さと前記2つの山と山の距離を用いて求められる谷の断面積の平方根のうち、その最大値を前記評価用プロファイルの表面粗さ指標値として算出する表面粗さ指標値算出部と、
    前記算出した表面粗さ指標値を用いて前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出する疲労限度推定値算出部と、
    を備えることを特徴とする疲労限度評価装置。
  12. 前記表面粗さパラメータの種類およびその値に応じて定められる閾値は、
    前記表面粗さパラメータの種類が十点平均粗さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数で0.3程度の定数を乗じた値であり、
    前記表面粗さパラメータの種類が算術平均粗さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数を乗じた値であり、
    前記表面粗さパラメータの種類が最大高さの場合、前記表面粗さパラメータの値に1以下の正の定数を乗じた値であること
    を特徴とする請求項11に記載の疲労限度評価装置。
  13. 前記評価対象部材の硬さを計測する硬さ計測装置と、前記の評価対象部材の残留応力を計測する残留応力計測装置と、をさらに備え、
    前記疲労限度推定値算出部は、
    前記表面粗さ指標値算出部で算出される表面粗さ指標値に加え、前記硬さ計測装置で計測される前記評価対象部材の硬さの値および前記残留応力計測装置で計測される前記評価対象部材の残留応力の値を用いて、前記評価対象部材の疲労限度推定値を算出すること
    を特徴とする請求項11に記載の疲労限度評価装置。
JP2015032784A 2015-02-23 2015-02-23 疲労限度評価方法および疲労限度評価装置 Active JP6630046B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015032784A JP6630046B2 (ja) 2015-02-23 2015-02-23 疲労限度評価方法および疲労限度評価装置
CN201610090293.6A CN105912741A (zh) 2015-02-23 2016-02-18 疲劳限度评价方法以及疲劳限度评价装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015032784A JP6630046B2 (ja) 2015-02-23 2015-02-23 疲労限度評価方法および疲労限度評価装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016156630A JP2016156630A (ja) 2016-09-01
JP2016156630A5 JP2016156630A5 (ja) 2018-03-01
JP6630046B2 true JP6630046B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=56744411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015032784A Active JP6630046B2 (ja) 2015-02-23 2015-02-23 疲労限度評価方法および疲労限度評価装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6630046B2 (ja)
CN (1) CN105912741A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106596307B (zh) * 2016-12-26 2019-05-17 西北工业大学 基于残余应力层和显微硬度层的Ti1023构件疲劳极限分布计算方法
CN110455563A (zh) * 2019-07-24 2019-11-15 上海市市政公路工程检测有限公司 基于实测应力谱的公路钢桥疲劳分析方法
CN115164768B (zh) * 2022-07-04 2023-04-25 深圳职业技术学院 三维表面粗糙度应力集中及疲劳缺口系数测量方法与应用
CN116818290B (zh) * 2023-05-15 2024-07-12 江苏科技大学 一种综合考虑硬度、残余应力和粗糙度的磨削加工试件疲劳强度预测方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5814722A (en) * 1997-01-17 1998-09-29 Eastman Kodak Company System for measurement of peaks on surfaces
JP2000180307A (ja) * 1998-12-14 2000-06-30 Advantest Corp 部材検査方法、部材製造方法、icソケット
JP5109234B2 (ja) * 2004-03-18 2012-12-26 Jfeスチール株式会社 固体高分子型燃料電池セパレータ用金属材料,それを用いた燃料電池用セパレータ,その燃料電池および固体高分子型燃料電池セパレータ用金属材料の表面粗さ調整処理方法
JP5370022B2 (ja) * 2009-09-07 2013-12-18 株式会社Ihi 低サイクル疲労特性の推定方法及び装置
JP5139409B2 (ja) * 2009-12-18 2013-02-06 株式会社神戸製鋼所 純AlまたはAl合金スパッタリングターゲット

Also Published As

Publication number Publication date
CN105912741A (zh) 2016-08-31
JP2016156630A (ja) 2016-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6630046B2 (ja) 疲労限度評価方法および疲労限度評価装置
US8532941B2 (en) Fatigue life estimation method and system
JPWO2016002880A1 (ja) 伸びフランジ割れ予測方法、伸びフランジ割れ予測装置、コンピュータープログラム、及び記録媒体
Lingard et al. If you cannot measure it, you cannot improve it: Measuring health and safety performance in the construction industry
KR20120123724A (ko) 파단 판정 방법, 파단 판정 장치, 프로그램 및 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체
Wang et al. Quantitative evaluation of pit sizes for high strength steel: Electrochemical noise, 3-D measurement, and image-recognition-based statistical analysis
JP2016161524A (ja) 残留応力推定方法及び残留応力推定装置
KR20150054794A (ko) 균열 진전 추정 방법 및 정보 처리 장치
CN103620338A (zh) 表面测量系统以及方法
JP2008128699A (ja) 寿命試験のワイブルスロープ見積もり方法および装置
Hola General model of accident rate growth in the construction industry
Abshirini et al. Interaction of two parallel U-notches with tip cracks in PMMA plates under tension using digital image correlation
Matvienko Two-parameter fracture mechanics in contemporary strength problems
Jin et al. Mixed-mode I&II fatigue crack growth behaviors of 16MND5 steel: The role of crack driving forces and crack closure
Golden et al. Probabilistic fretting fatigue life prediction of Ti–6Al–4V
Kang et al. Uncertainty studies of topographical measurements on steel surface corrosion by 3D scanning electron microscopy
Ren et al. Stochastic modeling and diagnosis of leak areas for surface assembly
JP2013072866A (ja) 欠陥検出方法
Lucadamo et al. Characterization and simulation methods applied to the study of fretting wear in Zircaloy-4
JP2017090238A (ja) 予測方法
Su et al. Uncertainty for fatigue life of low carbon alloy steel based on improved bootstrap method
Karganroudi et al. Assessment of the robustness of a fixtureless inspection method for nonrigid parts based on a verification and validation approach
CN110926328A (zh) 一种用于测量岩石裂缝缝面特征的方法及装置
CN204943046U (zh) 一种智能可视化管道缺陷诊断仪
JP2015161614A (ja) 腐食検出装置及び腐食検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190528

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6630046

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350