JP6628794B2 - クロマトグラフ濃縮を使用する微生物の検出方法 - Google Patents

クロマトグラフ濃縮を使用する微生物の検出方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年10月7日に出願された米国特許仮出願第62/060,621号に基づく優先権を主張するものであり、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一部の場合には、複合マトリックス(例えば、食物、創傷滲出液、唾液、痰、糞便)中の特定の細胞(例えば、微生物)の検出は、そのマトリックスが、検出システムの1種以上の成分を阻害する材料(例えば、生体分子、酵素、化学物質、イオン)を含有するため、困難となる場合がある。それゆえ、一般的には、マトリックス中に見出されるそれらの材料の阻害効果を低減するために、操作者は、様々なプロセスを使用する。マトリックス効果を低減するための1つの手法は、そのマトリックス含有試料を希釈して、阻害材料の濃度を低減することである。しかしながら、この手法は、その試験の全体的な検出感度を制限する恐れがある。
試料マトリックスの効果を低減するための別の手法は、Chenら(「Automated immunomagnetic separation for the detection of Escherichia coli O157:H7 from spinach」;2014;International Journal of Food Microbiology;179:33−37)によって説明されるように、免疫磁気分離法(immunomagnetic separation、IMS)を使用して、対象の細胞を単離及び/又は精製することである。この手法は、マトリックス材料からの標的細胞の有用な分離を達成するための、操作者の介入を要する工程が排除されるように、そのプロセスが自動化されているため、広く普及している。更には、このIMSプロセスの使用は、検出感度の向上をもたらしている。
これらの試料調製の進歩にもかかわらず、標的細胞を検出するための試料の調製に関する、単純で迅速なプロセスが、依然として必要とされている。
全般的に、本開示は、標的細胞(例えば、微生物)を検出するための方法及び装置に関する。具体的には、本開示は、クロマトグラフ装置内部の所定の場所で標的細胞を濃縮し、その後、その所定の場所及び/又は標的細胞を装置から放出するクロマトグラフ装置の使用に関する。所定の場所及び/又は標的細胞を装置から放出した後、当該技術分野において既知の様々な検出手順のうちの1つ以上を使用して、それらの細胞を検出し、任意選択的に同定することができる。有利には、本開示の方法及び装置は、通常であれば標的細胞の検出を阻害する恐れがある、非標的細胞及び他の粒子若しくは分子と比較して、それらの標的細胞を濃縮するものである。更には、これらの方法によって達成される濃縮は、特に標的細胞が試料中に低い濃度で存在する場合に、それらの標的細胞の検出の感度の向上をもたらす。
一態様では、本開示は、標的微生物を検出する第1の方法を提供する。この方法は、液体試料を、試料調製装置の多孔質担体と接触させる工程を含み得るものであり、この装置は、第1の開口部及び第2の開口部を含むケーシングと、多孔質担体とを備える。多孔質担体は、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えると共に第2の所定の場所に標的細胞結合区域を備えており、この多孔質担体は、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域を通って延びる第1の流体経路を画定する。第2の流体経路は、第1の開口部から第2の開口部までケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路は、標的細胞結合区域で多孔質担体と交差している。この第1の方法は、液体試料の少なくとも一部分が、多孔質担体を通って、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に向けて長手方向に移動することを可能にする工程と、その液体の少なくとも一部分が標的細胞結合区域に移動した後に、分離部材を付勢して、第1の開口部から第2の開口部へと、第2の流体経路を通過させることにより、標的細胞結合区域の一部分を排出する工程と、その標的細胞結合区域の一部分、又はその部分から放出された細胞を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程とを更に含み得る。
別の態様では、本開示は、標的微生物を検出する第2の方法を提供する。この方法は、液体試料を、試料調製装置の多孔質担体と接触させる工程を含み得るものであり、この装置は、第1の開口部及び第2の開口部を含むケーシングと、多孔質担体とを備える。多孔質担体は、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えると共に第2の所定の場所に標的細胞結合区域を備えており、この多孔質担体は、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域を通って延びる第1の流体経路を画定する。第2の流体経路が、第1の開口部から第2の開口部までケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路は、標的細胞結合区域で多孔質担体と交差している。この第2の方法は、液体試料の少なくとも一部分が、多孔質担体を通って、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に向けて、長手方向に移動することを可能にする工程と、その液体の少なくとも一部分が標的細胞結合区域に移動した後に、標的放出溶液を付勢して第2の流体経路を通過させることにより、第2の流体経路内に標的微生物が存在する場合には、その標的微生物を含む標的放出溶液の一部を、装置から排出する工程と、その放出溶液の一部を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程とを、更に含み得る。
第1の方法及び第2の方法の上記の実施形態のいずれかでは、液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、その方法は、第2の流体経路を介して、洗浄溶媒を多孔質担体に通過させる工程を、更に含み得る。第1の方法及び第2の方法の上記の実施形態のいずれかでは、その方法は、第2の開口部の近位に容器を位置決めする工程を更に含み得るものであり、標的細胞結合区域の一部分を排出する工程、又は放出溶液の一部を排出する工程は、その容器内に、その標的細胞結合区域の一部分を移動させる工程、又は放出溶液の一部を移動させる工程を更に含む。
更に別の態様では、本開示は、装置を提供する。この装置は、内部、第1の開口部、及び第2の開口部を含む、ケーシングと、試料受け入れ区域及び標的細胞結合区域を含む、多孔質担体とを備え得る。多孔質担体は、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に延びる、第1の流体経路を画定する。多孔質担体の少なくとも一部分は、ケーシングの内部に配設される。中心軸線を備える第2の流体経路が、第1の開口部及び第2の開口部からケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路は、多孔質担体と標的細胞結合区域で交差している。中心軸線は、多孔質担体に直交する向きとすることができる。
上記の実施形態のいずれかでは、ケーシングは、試料ポートからケーシングの内部に至る通路に沿って延びる、第1の導管を更に備え得る。上記の実施形態のいずれかでは、ケーシングは、第1の開口部からケーシングの内部に至る通路に沿って延びる、第2の導管を更に備え得る。上記の実施形態のいずれかでは、この装置は、第2の開口部の近位に配設された、吸収体を更に備え得るものであり、この吸収体は、多孔質担体から離間配置される。上記の実施形態のいずれかでは、この装置は、第1の開口部から第2の開口部まで、第2の流体経路を貫通するように寸法設定された、分離部材を更に備え得るものであり、この分離部材の一部分は、第2の流体経路内に摺動可能に係合されている。上記の実施形態のいずれかでは、この分離部材は、切断構造体を含み得る。上記の実施形態のいずれかでは、この分離部材は、水性液体を付勢して第2の導管を通過させるように、構成することができる。
更に別の態様では、本開示は、キットを提供する。このキットは、上記の実施形態のいずれかの装置を備え得る。いずれかの実施形態では、このキットは、洗液を更に備え得る。いずれかの実施形態では、このキットは、放出溶液を更に備え得る。
用語「備える(comprises)」及びその変化形は、これらの用語が本説明及び「特許請求の範囲」に現れる場合に、限定的な意味を有するものではない。
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換的に使用される。それゆえ、例えば、結合パートナー(a binding partner)は、「1つ以上の」結合パートナーを意味するものと解釈することができる。
用語「及び/又は」とは、列挙される要素のうちの1つ又は全て、あるいは、列挙される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
また本明細書では、端点による数の範囲の言及には、その範囲内に包含される全ての数が含まれる(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる)。
本発明の上記の「発明の概要」は、本発明の、開示される各実施形態又は全ての実装を説明することを意図するものではない。以下の説明は、例示的実施形態をより詳細に例示するものである。本出願の全体を通じたいくつかの箇所では、実施例の列挙を通じて指針が提供されており、これらの実施例を様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合にも、言及される列挙は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。
これらの実施形態及び他の実施形態の更なる詳細を、添付の図面及び以下の説明に記載する。他の特徴、目的、及び利点は、この説明及び図面、並びに「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
本開示による試料調製装置の一実施形態の部分的分解斜視図である。
図1の装置の平面図である。
図1の装置の底面図である。
ケーシングを貫通して延びる第2の流体経路を示すために、カバー要素のうちの2つが取り外された状態の、線4−4に沿った、図2の装置の側断面図である。
本開示による、基材によって支持された多孔質担体の一実施形態の斜視図である。
図5の基材支持多孔質担体の底面図である。
第2の開口部に隣接して配設された吸収体を含む、試料調製装置の一実施形態の断面図である。
本開示による、試料を装填するための導管と、第2の流体経路に沿って延びる導管とを備える、試料調製装置の一実施形態の分解斜視図である。
図8の試料調製装置の平面図である。
線10−10に沿った、図9の装置の側断面図である。
本開示による分離部材を備える試料調製装置の部分的分解側断面図である。
図11Aの分離部材の先端の詳細図である。
第1の動作位置に配置された分離部材を内部に備える、図10の試料調製装置の部分的断面での側面図である。
第2の動作位置に配置された分離部材を内部に備える、図10の試料調製装置の、部分的断面での側面図である。
第3の動作位置に配置された分離部材を内部に備える、図10の試料調製装置の、部分的断面での側面図である。
本開示による、ケーシングの外側に延びる試料受け入れ区域を有する多孔質担体を備える、試料調製装置の部分的分解斜視図である。
図13の装置の平面図である。
線15−15に沿った、図14の装置の側断面図である。
図15の装置の側面図である。
本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されるか、若しくは以下の図面に例示される、構成の詳細及び構成要素の配置に、その適用が限定されるものではない点を理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実践又は実施することが可能である。また、本明細書で使用される表現法及び用語法は、説明を目的とするものであり、限定するものとして見なされるべきではない点も理解されたい。「含む(including)」、「備える(comprising)」、若しくは「有する(having)」、及びこれらの変化形の本明細書での使用は、その後に列挙される項目、及びそれらの等価物、並びに更なる項目を包含することを意味する。別段の指定又は限定のない限り、用語「接続された」及び「結合された」、並びにそれらの変化形は、広義に使用され、直接的並びに間接的な接続及び結合の双方を包含するものである。更には、「接続された」及び「結合された」は、物理的又は機械的な接続若しくは結合に制限されるものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的又は論理的な変更を加えることができる点を理解されたい。更には、「前方」、「後方」、「上部」、「底部」などの用語は、諸要素の互いに対する関係を説明するためにのみ使用されるものであり、装置の特定の向きに言及することも、装置に必須若しくは必要な向きを指示又は暗示することも、あるいは、本明細書で説明される発明が、使用時にどのように使用、装着、表示、又は位置決めされるかを指定することも、決して意味するものではない。
本開示は、全般的に、標的細胞(例えば、標的微生物、又は微生物の群)の検出を促進するための、方法及び装置に関する。「標的細胞」とは、本明細書で使用するとき、その試料中での存在(又は、欠如)が判定される、特定の細胞(例えば、正常細胞、癌細胞)を指す。「標的微生物」とは、本明細書で使用するとき、その試料中での存在(又は、欠如)が判定される、特定の微生物を指す。この標的微生物は、病原体とすることができ、又は、その存在が、一部が病原性であり得る他の生物の存在に関連する非病原体とすることもできる。具体的には、本開示は、クロマトグラフ装置を採用する方法に関し、このクロマトグラフ装置は、そのクロマトグラフ装置を分解するか又は部分的に分解することを必要とせずに、内部に捕捉された標的細胞の取り出しを容易にするように構成される。有利には、本開示の方法及び装置により、操作者は、それらの捕捉細胞のうちの少なくとも1種を、更なる分析のために放出させることが可能となる。更に有利には、少なくとも1種の捕捉細胞は、その部分を潜在的な汚染源に過度に晒すことなく、容器(例えば、反応管)内に、容易かつ直接的に放出することができる。
本発明の一態様は、多種多様な試料材料中に存在する標的細胞を検出するための方法で、使用することが可能なものである。本発明の装置及び方法は、試料材料(例えば、食品試料、土壌試料、水試料、臨床試料)中に存在する細胞(例えば、微生物)を検出することが望ましい、様々な用途に関して使用することができる。いずれかの実施形態では、試料材料は、限定するものではないが、食品表面(例えば、牛枝肉、農産物の外表面)、食品加工表面、水若しくは水膜表面、患者治療表面、病院環境表面、臨床環境表面、及び法医学環境表面を含めた、様々な表面から得ることができる。これらの試料は、固体、半固体、ゼラチン状、又は液体の材料から、単独で、若しくは種々の組み合わせで、実質的になるものとすることができる。本開示の方法のいずれかの実施形態では、試料は、多孔質担体を通って(例えば、毛管力によって)移動することが可能な液体(例えば、水性液体)中に懸濁される。本開示の装置、並びに本発明の方法を使用して、元の試料から、定性的又は定量的に、1種以上の対象の細胞の存在を判定することができる。
試料中で検出される、例示的な対象の細胞は、黄色ブドウ球菌(「S.アウレウス」)である。これは、幅広い感染症を引き起こす病原体であり、それらの感染症としては、皮膚小膿瘍及び創傷感染などの表層病巣;心内膜炎、肺炎、及び敗血症などの全身性で命にかかわる状態;並びに、食中毒及び毒素性ショック症候群などの中毒症が挙げられる。一部の菌株(例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、すなわちMRSA)は、ごく一部の選ばれた抗生物質を除いて、全ての抗生物質に耐性がある。
食品加工領域内及び試料中で検出するための、例示的な対象の検体は、リステリア属のメンバーである。リステリアは、グラム陽性棹状菌として分類され、リステリア・モノサイトゲネス、L.イノキュア、L.ウェルシメリ、L.ゼーリゲリ、L.イバノビイ、及びL.グライイの種からなる。これらの中でも、L.モノサイトゲネスは、ヒトリステリア症の症例の大半に関する原因となっており、免疫不全症者、妊娠女性、高齢者、及び新生児は、感染の感受性が高い。リステリア症の最も一般的な症状は、敗血症、髄膜炎、及び流産である。
分析目的のために特に対象となる他の微生物としては、原核生物及び真核生物、特に、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、真菌、マイコプラズマ、及び酵母が挙げられる。特に関連性のある生物としては、腸内細菌科若しくは球菌科、又はブドウ球菌属の種、連鎖球菌種、シュードモナス種、腸球菌種、サルモネラ種、レジオネラ種、赤痢菌種、エルニシア種、エンテロバクター種、エシェリキア種、バチルス種、ビブリオ種、クロストリジウム種、コリネバクテリア種、並びに、アスペルギルス種、フサリウム種、及びカンジダ種のメンバーが挙げられる。特に悪性の生物としては、黄色ブドウ球菌(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの耐性菌株を含めたもの)、表皮ブドウ球菌、肺炎球菌、S.アガラクチア、化膿レンサ球菌、エンテロコッカス・フィカリス、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、バンコマイシン中間耐性黄色ブドウ球菌(VISA)、炭疽菌、緑膿菌、大腸菌、クロコウジカビ、A.フミガータス、A.クラバタス、フザリウム・ソラニ、F.オキシスポラム、F.クラミドスポルム、コレラ菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ・コレラスイス、チフス菌、ネズミチフス菌、カンジダ・アルビカンス、C.グラブラタ、C.クルセイ、エンテロバクター・サカザキ、大腸菌O157、ESBL含有微生物、及び多剤耐性グラム陰性桿菌(MDR)が挙げられる。
図1〜図4は、本開示による、試料調製装置1000の一実施形態の様々な図を示す。試料調製装置1000は、多孔質担体30の少なくとも一部分を包み込む、ケーシング100を備える。いずれかの実施形態では、ケーシング100は、中空とすることができる(すなわち、多孔質担体30が内部に配設される、空隙部を含み得る)。図1〜図4の例示的実施形態で示されるように、多孔質担体30の少なくとも一部分に隣接して、又は多孔質担体の全体を包囲して、任意選択的なスペーサ40が存在する。本明細書の例示的実施形態では、一体型部品として示されているが、このスペーサは、複数の部品(図示せず)を含み得ることが想到され、それらの部品は、相互接続部を有する場合もあれば、有さない場合もある。スペーサ40は、ケーシング100の部品を離間配置させたまま保つことにより、多孔質担体30が内部に配設される、空隙部を作り出す機能を果たす。
多孔質担体30は、試料受け入れ区域32と、その試料受け入れ区域から離れて配置された、標的細胞結合区域34とを備える。したがって、多孔質担体30は、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に延びる、第1の流体経路70を画定する。それゆえ、液体試料(例えば、水性液体試料(図示せず))が、多孔質担体30に(例えば、試料受け入れ区域32で)接触すると、その試料中の液体の少なくとも一部分は、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域34に移動する。いずれかの実施形態では、液体は、例えば、毛管力、重力、遠心力、又は上述の力のうちの任意の2つ以上の組み合わせを介して、多孔質担体30を通って移動する。いずれかの実施形態では、多孔質担体30は、概して平坦(すなわち、シート状)であることにより、平面を画定し得る。
図1〜図4の例示的実施形態では、ケーシング100は、ケーシングの第1面を画定する第1部片10と、そのケーシングの第1面とは反対側の第2面を画定する第2部片20とを含む、2つの別個に形成された部品の組立体を含む。第1部片10は、外装第1面12、及び内装第2面14を有する。第2面14は、多孔質担体30に向き合う。第2部片20は、外装第4面24、及び内装第3面22を有する。第3面22は、多孔質担体30に向き合う。この例示的実施形態のケーシング100は、多孔質担体30を封入するために役立つ、任意選択的なスペーサ40を更に備える。
いずれかの実施形態では、第1部片10は、当該技術分野において既知のプロセス(例えば、押出成形、鋳造、注型、打抜き加工)を使用して形成された、金属、ガラス、又はポリマー材料(例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、又はこれらの組み合わせ)を含み得る。いずれかの実施形態では、第2部片20は、当該技術分野において既知のプロセス(例えば、押出成形、鋳造、注型、打抜き加工、3D印刷)を使用して形成された、金属、ガラス、又はポリマー材料(例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、又はこれらの組み合わせ)を含み得る。いずれかの実施形態では、第1部片10は、第2部片20と同じ材料、及び/又は第2部片20とは異なる材料を含み得る。いずれかの実施形態では、ケーシング100の、第1部片10の一部分若しくは全体、及び第2部片20の一部分若しくは全体は、光透過性の材料(例えば、ポリマー材料)から作製される。それゆえ、多孔質担体30内に、及び/又は多孔質担体30上に配設された、光学検出可能なインジケータを、ケーシング100を通して観察することによって、光学的に(例えば、視覚的に)検出することができる。
好ましくは、第1部片10及び第2部片20の双方は、耐水材料を含み、かつ/又は、それぞれ第2面14及び第3面22上に配設された、耐水コーティング(例えば、図示されないが、疎水性接着剤のコーティング)を更に含む。任意選択的な疎水性接着剤は、第2面14上に存在する場合には、スペーサ40、多孔質担体30、及び/又は第2部片20に、第1部片10を結合することができる。同様に、任意選択的な疎水性接着剤(接着剤層26)は、第3面22上に存在する場合、スペーサ40、多孔質担体30、及び/又は第1部片10に、第2部片20を結合することができる。いずれかの実施形態では、スペーサ40は、第1部片10及び/又は第2部片20に対するスペーサ40の結合を促進するために、片面又は両面上にコーティングされた、任意選択的な接着剤層(図示せず)を有し得る。
いずれかの実施形態では、この装置のケーシングは、一体型部品(図示せず)とすることができる点が想到される。この一体型ケーシングは、例えば、当該技術分野において周知のプロセス(例えば、射出成形)を使用して、熱可塑性ポリマーを成形することによって形成することができる。この一体型ケーシングは、多孔質担体の一部分又は全体を、そのケーシング内へと挿通させることが可能な、開口部(例えば、封止可能な開口部)を備え得る。
図面に戻ると、ケーシング100は、試料ポート50、その試料ポートから離間配置された第1の開口部60、及び、その第1の開口部とは反対側の第2の開口部64を含む。第1の開口部60及び第2の開口部64は、好ましくは、第1の開口部60及び第2の開口部64の双方を通過する実質的な直線(図示せず)に沿って物体が通過することができるように、位置合わせされるか、又は部分的に位置合わせされる。第1の開口部60は、第2の開口部64と同じサイズ、又は異なるサイズとすることができる。試料ポート50は、第1の流体経路(本明細書で説明される、第1の流体経路70)の起点の近位に配設され、この第1の流体経路は、試料ポート50から第1の開口部60まで、及び第1の開口部60を越えて、多孔質担体30を通って延びている。
試料ポート50及び第1の開口部60は、任意選択的に、ケーシング100の同じ側に、及び同じ部片内に配設される。試料ポート50は、多孔質担体30へのアクセスを、多孔質担体の試料受け入れ区域32の近位に提供する。それゆえ、図1〜図4の例示的実施形態では、試料受け入れ区域32は、ケーシング100の内部に配置されている。第1の開口部及び第2の開口部(それぞれ、第1の開口部60及び第2の開口部64)は、ケーシング100を貫通して延びる第2の流体経路の終端を画定する。
第2の流体経路74(図4)は、中心軸線75を備え、多孔質担体30と、所定の場所で(すなわち、本明細書で説明される、標的細胞結合区域34で)交差する。いずれかの実施形態では、第2の流体経路74の進路は、実質的に直線である。したがって、第1の開口部60及び第2の開口部64のそれぞれは、標的細胞結合区域34の近位での、多孔質担体30に対する第2の流体経路74を介した直接アクセスを実現する。本開示による装置のいずれかの実施形態では、第2の流体経路74の中心軸線75は、多孔質担体30によって画定された第1の流体経路に直交する向きである。
第2の流体経路74は、少なくとも2つの機能を果たすものであり、すなわち、i)多孔質担体の標的細胞結合区域34に、液体(例えば、緩衝液などの水性液体)を通過させるための、流体経路を提供し、ii)分離部材(本明細書で説明されるもの)を装置1000内に挿入して、第2の流体経路74を通過させるように付勢することにより、多孔質担体30の標的細胞結合区域34の少なくとも一部分、又は代替的に、標的細胞結合区域34の全体を分離することが可能な、入口(例えば、第1の開口部60)、並びに、その標的細胞結合区域の分離部分を装置から排出することが可能な、出口(例えば、第2の開口部64)を提供する。あるいは、第2の開口部64が、入口として機能し得るものであり、第1の開口部60が、出口として機能し得ることも想到される。
いずれかの実施形態では、第1の開口部60及び第2の開口部64のいずれか一方、若しくは双方は、液体分注器具(例えば、シリンジ)を受け入れるように、成形及び寸法設定することができる。この開口部(一方又は双方)は、液体分注器具と(例えば、摩擦嵌めによって)結合されることにより、その結合部が液体漏出に対して実質的に封止されるように、更に寸法設定することができる。有利には、この構成を有する装置は、正圧、負圧、又はそれらの組み合わせを使用して、多孔質媒体30の標的細胞結合区域34に、液体(例えば、緩衝溶液)を通過させることを促進する。
いずれかの実施形態では、試料調製装置1000は、任意選択的に、試料ポート50、第1の開口部60、及び/又は第2の開口部64を、それぞれ取り外し可能に覆う、1つ以上のカバー要素(例えば、それぞれ、第1のカバー要素68c、第2のカバー要素68a、及び第3のカバー要素68b)を更に備え得る。カバー要素68a〜カバー要素68cは、好適な材料(例えば、プラスチック)から作製することができ、例えば、それらのポート又は開口部に対して、摩擦嵌め、スナップ嵌め、若しくはねじ込み接続を提供するように、寸法設定及び成形することができる。あるいは、いずれかの実施形態では、カバー要素は、例えば、それらのポート又は開口部から延出するフランジ(図示せず)に対して、摩擦嵌め、スナップ嵌め、若しくはねじ込み接続を提供するように、寸法設定することもできる。あるいは、いずれかの実施形態では、カバー要素68a〜カバー要素68cは、図1〜図4に示されるように、開口部に重ね合わされる、プラスチックフィルム、金属箔などの薄層を含み得るものであり、この薄層は、任意選択的に、それらのカバー要素をケーシング100に取り外し可能に固定する接着剤コーティング(図示せず)を含む。
いずれかの実施形態では、それらのカバー要素(カバー要素68a〜カバー要素68c)のうちの1つ以上は、破断可能とすることができる。それゆえ、上述のような、分離部材を付勢して第2の流体経路を通過させる工程は、その分離部材を付勢して、第2のカバー要素68a及び/又は第3のカバー要素68bを通過させる工程を更に含む。
多孔質担体30は、液体試料の可溶化成分及び/又は懸濁成分(例えば、細胞、タンパク質、核酸、塩)が、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に向けて、長手方向に(例えば、側方に)浸透又は流動することを可能にする。一般的に、この側方流動装置は、多孔質材料のストリップの(例えば、寸法が4〜8mm×40〜80mmの)形態である。好ましくは、この多孔質材料は、例えば、ニトロセルロース膜、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ナイロン、又は単一多孔質材料マトリックス(例えば、FUSION 5(商標)(Whatman(Middlesex,UK))、及び米国特許出願公開第2006/0040408号で説明されるようなもの)で構成される。
試料受け入れ区域32は、その上に試料含有液体(図示せず)が適用される、多孔質担体30の領域であり、適用されると、その試料含有液体は、その領域から、担体30を通って標的細胞結合区域34に向けて(例えば、毛作用を介して)長手方向に移動する。例えば、膜フィルタを通過する鉛直流と比較して、多孔質担体30を通過する長手方向の試料の移動は、有利には、標的細胞又は関連する標的分子の検出を通常であれば阻止若しくは阻害する恐れがある、粒子(例えば、土壌、塵、食物粒子、非標的細胞)及び/又は分子(例えば、タンパク質、脂肪、塩、キレート剤)からの、試料中の標的細胞(例えば、微生物)の分離を改善させる。「標的分子」及び「標的生体分子」とは、本明細書で使用するとき、試料中での標的細胞の存在を示す、分子を指す。図1〜図4の例示的実施形態では、試料受け入れ区域は、試料ポート50を介してアクセス可能である。
例えば使用時には、カバー要素68cは、存在する場合には、試料ポート50を露出させるように移動されるか又は取り外され、その露出された多孔質担体30の試料受け入れ区域32上に、一定の体積(例えば、所定の体積)の試料含有液体を注入して、又はピペットで滴下することができる。あるいは、試料(図示せず)中に、その試料の一部が多孔質担体内に吸収されることを可能にする十分な期間にわたって、試料ポート50を浸漬することもできる。
標的細胞結合区域34は、固定化結合パートナー(例えば、抗体、結合タンパク質、レクチン、オリゴヌクレオチド)を含む、多孔質担体30の所定領域である。これらの結合パートナー(図示せず)は、標的細胞(例えば、標的微生物)に関連した標的分子(例えば、表面タンパク質、リポ多糖類、ペプチドグリカン)に優先的に結合する。それゆえ、標的分子との結合を形成することによって、固定化結合パートナーは、多孔質担体30の標的細胞結合区域34に、標的細胞を固定化することになる。これらの結合パートナーは、当該技術分野において周知の方法を使用して、多孔質担体30に、及び/又は多孔質担体30内に固定化される。標的細胞(図示せず)が、多孔質担体30を通って移動する液体と共に、標的細胞結合区域34を通って運搬されると、標的分子が、結合パートナーに結合することにより、標的細胞結合区域34に、その標的細胞を固定化させることになる。それゆえ、それらの標的細胞は、試料調製装置1000の標的細胞結合区域で、効果的に濃縮される。
いずれかの実施形態では、本開示の多孔質担体は、基材によって支持することができる。いずれかの実施形態では、多孔質担体は更に、基材に結合する(例えば、接着結合する)ことができる。有利には、基材に多孔質担体を固定することにより、この装置の組み立てを容易にすることができ、また、多孔質担体の標的細胞結合区域と、ケーシングの第1の開口部及び第2の開口部との、位置合わせを容易にすることができる。更には、この基材は、多孔質担体の膨潤を引き起こし得る液体試料に、多孔質担体が接触した後にも、標的細胞結合区域と、ケーシングの第1の開口部及び第2の開口部との、位置合わせを保持するために役立つ。
図5及び図6は、基材35によって支持された、多孔質担体30の一実施形態の様々な図を示す。基材35は、吸水性ではない材料を使用して作製することができる。好適な材料としては、例えば、ガラス、プラスチックフィルム、金属箔、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いずれかの実施形態では、多孔質担体30は、基材35に(例えば、図示されないが、接着剤を介して)結合することができる。いずれかの実施形態では、基材35は、多孔質担体30の標的細胞結合区域34の近位に脆弱領域36を備え得る。脆弱領域36は、基材35の部分37の分離を容易にする1つ以上の刻み目区画、1つ以上の破断可能接合点、又は穿孔を含み得る。組み立てられた装置内では、この脆弱領域は、好ましくは、第2の流体経路と位置合わせされることにより、分離部材が第2の流体経路を通過するように付勢された場合、その分離部材は、多孔質担体30の(図5では、陰となる領域として示される)標的細胞結合区域34の、一部分(図示せず)又は全体と共に、基材35の部分37を分離する。
図1に戻ると、いずれかの実施形態では、本開示の試料調製装置は、液体試料が、多孔質担体30を通って、試料受け入れ区域32から標的細胞結合区域34まで、又は標的細胞結合区域34を越えて移動していることを示す、流動インジケータ80を任意選択的に含み得る。流動インジケータ80は、側方流動免疫診断装置の分野において既知であり、例えば、微粒子を含み得る。それらの微粒子は、流動インジケータ対照区域38に固定化されている、対応する結合パートナー(例えば、アビジン)に結合することが可能な、表面分子(例えば、ビオチン)を含み得る。多孔質担体30に結合パートナーを固定化する方法は、当該技術分野において周知である。更には、それらの微粒子は、視覚的に観察可能な、有色又は蛍光性の染料若しくは顔料を含み得る。多孔質担体30を通る液体試料によって、流動インジケータ80を、流動インジケータ対照区域38に運搬することができる。流動インジケータ対照区域38は、典型的には、多孔質担体30上、及び/又は多孔質担体30内の場所に配置された、所定の領域であり、標的細胞結合区域34は、試料受け入れ区域32と流動インジケータ対照区域38との間に配置されている。
使用の間に、液体試料は、多孔質担体30を通って、試料受け入れ区域32から標的細胞結合区域34に向けて、及び標的細胞結合区域34を越えて移動することにより、流動インジケータ80を、流動インジケータ対照区域38に向けて移動させる。流動インジケータ80が、流動インジケータ対照区域38に到達すると、それらは、対応する結合パートナーに結合することにより、流動インジケータ80の観察可能な(例えば、有色又は蛍光性の線若しくは点としての)蓄積を引き起こす。
図1に戻ると、本開示による試料調製装置1000のいずれかの実施形態では、この装置は、任意選択的に、1つ以上の印15を備える。印15は、多孔質担体30の任意選択的な流動インジケータ対照区域38と位置合わせされることにより、通常であれば、流動インジケータ80が流動インジケータ対照区域38に結合するまでは、多孔質担体30の他の部分から識別不能となる恐れがある、流動インジケータ対照区域38の場所を示すことができる。いずれかの実施形態では、試料調製装置のケーシングは、流動対照結合区域の近位にその区域に結合した流動インジケータの観察を容易にするための、任意選択的な目視窓(図示せず)を備え得る。
いずれかの実施形態では、本開示の試料調製装置は、任意選択的に、第2の開口部に隣接して配設された吸収体を備え得る。図7は、吸収体85を備える試料調製装置1001の一実施形態を示す。装置1001は、本明細書でそれぞれ説明されるような、第1部片10、第2部片20、及び任意選択的なスペーサ40を含む、ケーシング100を備える。装置1001は、本明細書でそれぞれ説明されるような、試料ポート50、第1の開口部60、第2の開口部64、及び第2の流体経路74を更に備える。吸収体85は、第2の開口部64の近位に配設され、第2の流体経路74と流体連通している。したがって、液体(例えば、洗浄液)が、第2の流体経路74を介して、多孔質担体30の標的細胞結合区域(図7には示さず)を通過するように付勢されると、その液体は、吸収体85によって吸収及び保持される。いずれかの実施形態では、吸収体85は、任意選択的に、ケーシング100に(例えば、図示されないが、接着剤を介して)結合することができる。更には、又は代替的に、第2の開口部64を覆うカバー要素(例えば、図1の例示的実施形態に示される、第3のカバー要素68b)によって、吸収体85を適所に保持することができ、また任意選択的に、そのカバー要素に結合することもできる。
吸収体85は、その吸収体が、多孔質担体によって画定された第1の流体経路70を通過する液体と流体連通しないように、多孔質担体30から離れて配置されている。しかしながら、吸収体85は、第2の流体経路74とは流体連通しているため、第2の流体経路を介して装置1001を通過するように付勢された液体を受け取る。
吸収体85は、第2の流体経路74を介して装置1001を通過するように付勢された液体(例えば、水性液体)を吸収することが可能な、任意の吸収材料を使用して作製することができる。好適な材料の非限定的な例としては、発泡体(例えば、連続気泡発泡体)、スポンジ、ガーゼ、綿などが挙げられる。いずれかの実施形態では、この材料は、高吸収性ポリマー(例えば、ポリアクリレート/ポリアクリルアミドのコポリマー)及び/又はその粒子を含み得る。
いずれかの実施形態では、本開示の試料調製装置は、任意選択的に、開口部から多孔質担体に延びる、少なくとも1つの導管を備え得る。図8〜図10は、複数の導管を備える試料調製装置1002の一実施形態を示すものであり、各導管は、ケーシング101内の開口部から、多孔質担体30に延びている。ケーシング101は、本明細書で説明されるような、第1部片10’、第2部片20、及び任意選択的なスペーサ40を含む。多孔質担体30は、試料受け入れ区域32、標的細胞結合区域34を備え、その試料受け入れ区域32から標的細胞結合区域34まで、及び標的細胞結合区域34を越えて延びる、第1の流体経路70を画定する。第2部片20は、第3面22と、第1面の反対側の第4面24とを有する。第2部片20は、本明細書でそれぞれ説明されるような、第2の開口部64と、第1部片10’及び/又はスペーサ40に第2部片を結合することが可能な、任意選択的な接着剤層26とを更に含む。装置1002は、ケーシング101の外側に、第2の開口部64に隣接して配設された、吸収体85を更に備える。
試料調製装置1002の第1部片10’は、その第1部片10’から延出する2つの導管(例えば、それぞれ、第1の導管52及び第2の導管62)を備える。任意選択的な第1の導管52は、ケーシング101から遠位の端部に、試料ポート50を含む。第1の導管52は、その中に液体試料を(例えば、注入又はピペット滴下によって)堆積させることが可能な、内部容積部を有する。この内部容積部は、第1の導管52の長さ及び直径によって規定されるため、操作者が多孔質担体30に通過させることを所望する任意の液体体積を保持するように適合させることができる。有利には、第1の導管52により、操作者は、その導管内に試料を分注して、多孔質担体30内に液体が移動する間、その場から離れることが可能となる。いずれかの実施形態では、任意選択的な第3の導管(図示せず)が、第2の開口部64から延出し得る。
任意選択的な第2の導管62は、ケーシング101から遠位の端部に、第1の開口部60を含む。第2の導管62もまた、その中に液体を(例えば、注入又はピペット滴下によって)堆積させることが可能な、内部容積部を有する。例えば、洗浄液を使用することにより、標的細胞結合区域34に存在してはいるが、その標的細胞結合区域に固定化された結合パートナーには特異的に結合されていない、非標的生体分子、破片、及び/又は化学物質を、洗浄することができる。この内部容積部は、第2の導管62の長さ及び直径によって規定されるため、操作者が多孔質担体30に通過させることを所望する任意の液体体積を保持するように適合させることができる。有利には、第2の導管62により、操作者は、第1の開口部60内に液体(例えば、洗浄液、指示試薬)を分注することが可能となり、第2の流体経路74を介して、その液体を多孔質担体30に通過させることが可能となる。例えば、その液体は、負圧によって、自然流下によって、多孔質担体30に通過させることができ、又は代替的に、本明細書で説明されるような分離部材を使用する正圧を介して、多孔質担体を通過するように付勢することもできる。
第2の流体経路と位置合わせされた第2の導管を備える、本開示の装置により、操作者は、(多孔質担体の標的細胞結合区域の空隙容積に対して)実質的な体積の洗浄溶媒を、プラグ流プロセスで、標的細胞結合区域に通過させることが可能となる点が、特に有利である。例えば、多孔質担体が、厚さ約0.2mmであり、標的細胞結合区域が、約6mmの領域内に配置される場合には、その標的細胞結合区域の空隙容積は、約5〜25μLとすることができる。この実施例では、500μLの洗浄溶媒を、その多孔質担体の標的細胞結合区域に通過させることにより、約20〜100の体積の液体で、多孔質担体を洗浄する結果がもたらされる。このことにより、標的細胞結合区域からの、非結合材料の実質的な希釈及び/又は除去がもたらされる。
いずれかの実施形態では、本開示の試料調製装置は、任意選択的な分離部材を更に備える。図11Aは、本開示による、分離部材500を備える試料調製装置1003の一実施形態を示す。分離部材500は、第2の流体経路74内に摺動可能に係合されており、本明細書で説明されるように、多孔質担体30の一部分(例えば、図示されないが、標的細胞結合区域を含む部分)を分離して、その部分を装置1003から排出するために使用することができる。分離部材500は、先端592を含むシャフト591を備える。シャフト591は、少なくとも第2の流体経路74の長さを、第1の開口部60から第2の開口部64まで貫通するように寸法設定されている。更には、分離部材500は、任意選択的に、シャフト591の先端592を(例えば、手動圧力を使用して)付勢して、装置1003の第2の流体経路74を通過させるために使用することが可能な、ハンドル595を備える。
分離部材500は、限定するものではないが、プラスチック、ガラス、木材、金属、及びこれらの組み合わせを含めた様々な材料から、当該技術分野において周知のプロセス(例えば、押出成形又は鋳造プロセス)を使用して形成することができる。
図11Bは、図11Aの分離部材500の先端592の詳細図を示す。いずれかの実施形態では、この先端は、その装置の第2の導管62と、実質的に液密の封止を形成するように構成することができる。有利には、これらの実施形態では、分離部材500を使用して、第2の導管62内に配置された液体(図示せず)を付勢して、第2の流体経路74を通過させることができる。いずれかの実施形態では、分離部材500のシャフト591は、分離部材500と第2の導管62の壁部との、摺動可能な接触を容易にするための、任意選択的なシール593(例えば、ゴム、Oリング)を備え得る。
いずれかの実施形態では、分離部材500の先端592は、試料調製装置の多孔質担体の一部分の分離を容易にするように、構成することができる(すなわち、先端592は、切断構造体を備え得る)。例えば、先端592を凹状(図示せず)にすることにより、多孔質担体の切断を容易にする外周縁部を形成することができる。あるいは、先端592は、多孔質担体の切断を容易にする切断特徴部(例えば、図示されないが、鋸歯状縁部)を備え得る。あるいは、先端592は、切断特徴部を実質的に有さない場合もある(すなわち、先端592は、丸みを帯びたものとすることができる)。
分離部材を使用して、本開示の試料処理装置における複数の機能を実行することができる。したがって、それらの様々な機能は、分離部材を、試料調製装置のケーシングに対して、1つの動作位置から別の動作位置に移動させることによって、達成することができる。図12A〜図12Cは、本開示の試料処理装置内での、分離部材のいくつかの動作位置を示す。
図12Aは、試料調製装置1003に対して第1の動作位置に配置された、分離部材500の一実施形態を示す。この例示的実施形態の装置1003は、本明細書で説明されるような、多孔質担体30を包み込むケーシング101を備える。ケーシング101は、本明細書で説明されるように、一方の側に第1の開口部60を有し、その第1の開口部の反対側に、第2の開口部64を有する。第1の開口部60は、本明細書で説明されるような、ケーシング101から延出する第2の導管62の端部に配設されている。この実施形態では、分離部材500の先端(すなわち、図11Aに示されるような、シャフト591の先端592)は、装置1003の第1の開口部60内に、摺動可能に係合されている。第1の動作位置では、この分離部材は、第1の開口部60を通って外部の材料が装置1003に入り込み、試料調製装置1003の多孔質担体30の一部分(例えば、図示されないが、標的細胞結合区域)を潜在的に汚染して、又は他の方式で阻害することを防止するための、閉鎖具として機能する。
図12Bは、分離部材500が第2の動作位置に配置されている状態の(すなわち、分離部材の先端が、多孔質担体30に隣接して配置されている状態の)、図12Aの試料調製装置1003を示す。第1の動作位置から第2の動作位置への、分離部材500の移動は、少なくとも2つの機能を達成し得るものであり、すなわち、i)分離部材を移動させることにより、多孔質担体の一部分を切断及び/又は分離するために分離部材を使用する前に、分離部材500を、多孔質担体30の近位に位置決めし、ii)分離部材を移動させることにより、第2の導管62の内部容積部内に液体が存在する場合には、その液体(例えば、本明細書で説明されるような、洗液)を付勢して、第2の流体経路(図11Aに示される、第2の流体経路74)を介して、多孔質担体を通過させることができる。液体を付勢して、第2の流体経路を介して多孔質担体を通過させることによって、操作者は、この方法の後続の工程で、通常であれば標的細胞の検出を阻止若しくは阻害する恐れがある、非標的粒子及び/又は分子(例えば、タンパク質、脂肪、核酸、塩、キレート剤)を、希釈若しくは洗い流すことができる。
図12Cは、分離部材500が第3の動作位置に配置されている状態の(すなわち、分離部材の先端が、第2の開口部64の近位に配置されている状態の)、図12Aの試料調製装置1003を示す。第1又は第2の動作位置から第3の動作位置への、分離部材500の移動は、多孔質担体の一部分(例えば、多孔質担体30の標的細胞結合区域の少なくとも一部分又は全体を含み得る、分離部分30a)を分離するように機能する。更には、第3の動作位置への分離部材500の移動は、任意選択的に、標的細胞に関連した標的分子を検出する更なる処理のために、その多孔質担体の分離部分30aを、ケーシング101から排出させる。図12Cはまた、第2の開口部64の近位に位置決めすることが可能な、容器600(例えば、反応管)も示すものであり、分離部材500によって、この容器600内に分離部分30aを排出することができる。
いずれかの実施形態では、この試料調製装置は、試料受け入れ部分のみを液体試料中に浸漬することによって試料を得るように、特異的に適合させることができる。図13〜図16は、浸漬することによって試料を得るように特異的に適合された、試料調製装置1004の一実施形態の様々な図を示す。装置1004は、本明細書で双方とも説明されるような、第1部片10及び第2部片20と、任意選択的なスペーサ41とを含む、ケーシング102を備える。任意選択的なスペーサ41は、開放端部42を含む。装置1004は、本明細書で説明されるような、標的細胞結合区域34を含む多孔質担体30を備える。多孔質担体30の試料受け入れ区域32は、スペーサ41の開放端部42を通って、ケーシング102の外側に延出している。それゆえ、試料受け入れ区域32は、多孔質担体30内に、及び多孔質担体30を通って試料を移動させるために、液体試料(図示せず)内に容易に浸漬することができる。装置1004は、本明細書で説明されるような、第2の流体経路74の終端を形成する第1の開口部60及び第2の開口部64を備える。
別の態様では、本開示は、試料中の標的細胞を検出するための、キットを提供する。このキットは、本明細書で開示される試料調製装置の、いずれかの実施形態を備え得る。いずれかの実施形態では、このキットは、本明細書で説明される分離部材の、いずれかの実施形態を更に備える。この分離部材は、本明細書で説明されるように、第1の開口部から第2の開口部に至る、潜在通路を貫通するように寸法設定されている。いずれかの実施形態では、この分離部材は、試料調製装置の第2の流体経路内に、摺動可能に係合されている。いずれかの実施形態では、この分離部材は、水性液体を付勢してケーシングを通過させる(例えば、ケーシングの第2の導管を通過させる)ように構成される。いずれかの実施形態では、このキットは、洗液及び/又は核酸増幅用の試薬(例えば、プライマー、リボヌクレオチド三リン酸、デオキシリボヌクレオチド三リン酸、ポリメラーゼ酵素)を更に備える。いずれかの実施形態では、このキットは、以降で説明されるような、放出溶液を備え得る。
別の態様では、本開示は、試料中の標的細胞(例えば、標的微生物)を検出する第1の方法を提供する。この第1の方法は、液体試料を、本明細書で開示される試料調製装置のいずれかの実施形態の、多孔質担体と接触させる工程を含む。第1の方法のいずれかの実施形態では、試料調製装置は、第1の開口部及び第2の開口部を含むケーシングと、多孔質担体とを備える。多孔質担体は、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えると共にその第1の所定の場所から離間配置された、第2の所定の場所に標的細胞結合区域とを備える。更には、多孔質担体は、試料受け入れ区域と標的細胞結合区域との間に延びる、第1の流体経路を画定する。多孔質担体の少なくとも一部分は、ケーシング内に配設される。第2の流体経路が、第1の開口部及び第2の開口部からケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路は、多孔質担体と標的細胞結合区域で交差している。
第1の方法のいずれかの実施形態では、液体試料を多孔質担体と接触させる工程は、その液体試料を、本明細書で説明されるように、多孔質担体の試料受け入れ区域と接触させる工程を含む。第1の方法のいずれかの実施形態では、液体試料を多孔質担体と接触させる工程は、濃縮培養株からの液体試料を、多孔質担体と(例えば、試料受け入れ区域で)接触させる工程を含む。有利には、濃縮培養株の一部分を、試料調製装置内に直接装填することができ、その濃縮培養株中に存在する標的細胞(例えば、微生物)を、本明細書で説明されるような更なる分析のために、標的細胞結合区域で捕捉することができる。
この第1の方法は、液体試料の少なくとも一部分が、多孔質担体を通って、試料受け入れ区域から少なくとも標的細胞結合区域まで(例えば、長手方向に)移動することを可能にする工程と、その液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、分離部材を付勢して、第1の開口部から第2の開口部へと、第2の流体経路を通過させることにより、標的細胞結合区域の一部分又は全体を排出する工程と、その標的細胞結合区域の部分を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程とを、更に含む。
液体が標的細胞結合区域に移動する際、試料中に標的細胞が存在する場合には、その液体は、標的細胞を運搬して多孔質担体を通過する。更には、その液体は、標的細胞に関連しない他の粒子(例えば、土壌、塵、食物粒子、非標的細胞)及び分子(例えば、タンパク質、脂肪、核酸、塩、キレート剤)も運搬し得る。これらの非標的粒子及び分子は、試料中に存在する標的細胞を検出するために後に使用することが可能な、分析プロセス(例えば、核酸増幅プロセス)を、潜在的に阻害する恐れがある。
液体試料が、多孔質担体の標的細胞結合区域を通過して移動する際、標的細胞は、存在する場合には、本明細書で説明されるような、多孔質担体の標的細胞結合区域に付着された結合パートナー(例えば、抗体、レクチン、核酸)に結合することができる。試料中に存在する非標的粒子及び分子の少なくとも一部は、液体が多孔質担体を通過する際に、標的細胞と比較して遅延する可能性があり、それゆえ、標的細胞結合区域で、標的細胞と共に蓄積することがない。更には、非標的粒子及び分子の少なくとも一部は、液体と共に流動し続けて、標的細胞結合区域を通り過ぎることにより、これらの非標的粒子及び分子は、標的細胞から分離される。したがって、この第1の方法は、標的細胞が存在する場合には、それらの標的細胞を検出するために使用されるプロセス(例えば、核酸増幅検出プロセス)を阻害して、若しくは他の方式で阻止する恐れがある、非標的粒子及び分子から、標的細胞を分離する。
第1の方法のいずれかの実施形態では、液体の少なくとも一部分が、試料調製装置を通って標的細胞結合区域まで移動した後に、この方法は、分離部材を付勢して、第1の開口部から第2の開口部へと、第2の流体経路を通過させることにより、標的細胞結合区域の一部分を分離して排出する工程を含む。第1の方法のいずれかの実施形態では、標的細胞結合区域の一部分を分離して排出する工程は、その標的細胞結合区域の全体を分離して排出する工程を含み得る。
標的細胞結合区域の一部分を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程は、限定するものではないが、培養法、生化学的方法(例えば、標的微生物に関連する酵素活性の検出)、免疫学的方法(例えば、免疫染色、ELISA)、組織学的方法(例えば、組織学的染色)、及び遺伝学的方法(例えば、核酸増幅、ハイブリダイゼーション)を含めた、当該技術分野において既知の任意の好適な検出プロセスを使用して、実行することができる。いずれかの実施形態では、核酸配列を増幅する工程は、標的微生物に関連するヌクレオチド配列を増幅する工程を含み得る。核酸増幅の特に好ましい方法としては、3M Company(St.Paul,MN)より入手可能な3M(商標)Molecular Detection Systemで具現化される、等温DNA増幅及び生物発光検出法が挙げられる。
第1の方法のいずれかの実施形態では、液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、この方法は、任意選択的に、第2の流体経路を介して、多孔質担体に洗浄溶媒を通過させる工程を、更に含み得る。この洗浄液の目的は、標的細胞に関連しない、あらゆる非結合不純物(例えば、粒子(例えば、土壌、塵、食物粒子、非標的細胞)及び/又は分子(例えば、タンパク質、脂肪、核酸、塩、キレート剤))を、標的細胞結合区域から流し去ることである。多孔質担体に洗浄溶媒を通過させる工程は、例えば、洗浄溶媒(例えば、滅菌水、緩衝溶液)を(例えば、シリンジ又はピペットを介して)付勢して第2の流体経路を通過させることによって、実行することができる。有利には、試料調製装置の第2の流体経路は、第1の流体経路に直交する向きであるため、洗浄溶媒が、非結合材料(例えば、タンパク質、核酸、細胞小片、食物粒子、塩)を、多孔質担体の標的細胞結合区域から流し去ることにより、通常であれば標的細胞結合区域に結合された標的検体の検出を阻害する恐れのある材料が、排除される。本明細書で説明されるような装置内に、第2の導管が存在する場合、洗浄溶媒は、その第2の導管内に装填することができ、その溶媒は、例えば自然流下によって、又は、本明細書で説明されるような、プランジャ若しくは分離部材を介して液体に加えられる正圧を介して、多孔質担体を通過するように付勢することができる。この任意選択的な工程により、標的微生物の兆候を検出するための、標的細胞結合区域の一部分を処理する後続のプロセスの感度を、阻害するか又は他の方式で低減する恐れがある、元の試料中に存在していた物質の量を、著しく低減することができる。
第1の方法のいずれかの実施形態では、第2の流体経路を介して、多孔質担体に洗浄溶媒を通過させる工程は、その多孔質担体の一部分が、試料処理装置から排出される前、又は排出された後に実行することができる。
代替的実施形態(図示せず)では、洗浄溶媒を、第2の流体経路を通過するように引き込むために、負圧源(例えば、真空ホース)を、任意選択的に第2の開口部に適用することができる。
本開示の第1の方法のいずれかの実施形態では、この方法は、任意選択的に、多孔質担体の排出部分、又は、その排出部分から放出された任意の細胞を処理して、細胞溶解を引き起こす工程を含む。細胞溶解を引き起こすための様々な好適な手段は、当該技術分野において既知であり、それらの手段としては、限定するものではないが、物理的溶解法(例えば、煮沸、超音波処理、フレンチプレスを介したキャビテーション)及び化学的溶解法(例えば、洗剤、界面活性剤、第四級アミン、カオトロピック試薬、又は有機溶媒との、試料の接触)が挙げられる。したがって、標的細胞の存在を示す検出可能生体分子(例えば、タンパク質、酵素、多糖類、核酸などの、内部又は外部の生体分子)を放出させるために、又は、細胞を透過化処理して、検出部分(例えば、プライマー、ポリメラーゼ、標識抗体)に、その細胞内の検出可能分子と相互作用するためのアクセスを実現するために、多孔質担体の排出部分、又は、その排出部分から溶出された任意の細胞は、細胞溶解を引き起こすための手段で処理することができる。有利には、標的細胞は、その場で(すなわち、多孔質担体の排出部分内で)溶解することができ、又は代替的に、それらの細胞は、細胞溶解を引き起こすように処理される前に、多孔質担体の標的細胞結合区域から放出させることもできる。
当該技術分野において既知の、任意の好適な方法によって、標的細胞結合区域から細胞を放出させることができる。例えば、標的細胞を捕捉する結合パートナーが、抗体である場合には、標的細胞結合区域の排出部分を、好適な放出溶液(例えば、その抗体に結合されている標的細胞抗原の放出を引き起こす、適切なpH及び/又はイオン強度を有する水溶液)と接触させることによって、標的細胞を放出させることができる。それゆえ、標的細胞が結合されている標的細胞結合区域を、その放出溶液が通過する際に、その標的細胞が、放出溶液内に放出される。
いずれかの実施形態では、この第1の方法は、第2の開口部の近位に容器を位置決めする工程を更に含み得る。いずれかの実施形態では、この容器は、実質的に、生物学的材料を含まないものとすることができる。これらの実施形態では、標的細胞結合区域の少なくとも一部分を分離するために、分離部材を付勢して第2の流体経路を通過させる工程は、図12Cに示されるように、多孔質担体の一部分(例えば、標的細胞結合区域の少なくとも一部分又は全体)を、その容器内に移動させる工程を更に含み得る。有利には、この方式で、多孔質担体の一部分の移送を実行することにより、その多孔質担体の一部分と、ケーシングの外部の生物学的材料の潜在源との、接触の可能性を排除することができる。標的細胞結合区域の排出部分を処理する好ましい方法は、3M Company(St.Paul,MN)より入手可能なMolecular Detection System(以降では「MDS」)を使用して、その部分を処理する工程を含む。したがって、その標的細胞結合の部分を、MDS溶解管内に直接排出することができ、得られた溶解物のアリコートを処理して、標的微生物の存在を示す核酸を増幅させて検出することができる。
別の態様では、本開示は、試料中の標的細胞(例えば、標的微生物)を検出する第2の方法を提供する。この第2の方法は、液体試料を、本明細書で開示される試料調製装置のいずれかの実施形態の、多孔質担体と接触させる工程を含む。第2の方法のいずれかの実施形態では、試料調製装置は、第1の開口部及び第2の開口部を含むケーシングと、多孔質担体とを備える。多孔質担体は、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えてると共にその第1の所定の場所から離間配置された、第2の所定の場所に標的細胞結合区域とを備える。更には、多孔質担体は、試料受け入れ区域と標的細胞結合区域との間に延びる、第1の流体経路を画定する。多孔質担体の少なくとも一部分は、ケーシング内に配設される。第2の流体経路が、第1の開口部及び第2の開口部からケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路は、多孔質担体と標的細胞結合区域で交差している。
第2の方法のいずれかの実施形態では、液体試料を多孔質担体と接触させる工程は、その液体試料を、本明細書で説明されるように、多孔質担体の試料受け入れ区域と接触させる工程を含む。第2の方法のいずれかの実施形態では、液体試料を多孔質担体と接触させる工程は、濃縮培養株からの液体試料を、多孔質担体と(例えば、試料受け入れ区域で)接触させる工程を含む。有利には、濃縮培養株の一部分を、試料調製装置内に直接装填することができ、その濃縮培養株中に存在する標的細胞(例えば、微生物)を、本明細書で説明されるような更なる処理及び分析のために、標的細胞結合区域で捕捉することができる。
この第2の方法は、液体試料の少なくとも一部分が、多孔質担体を通って、試料受け入れ区域から少なくとも標的細胞結合区域まで(例えば、長手方向に)移動することを可能にする工程と、その液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、放出溶液を付勢して第2の流体経路を通過させることにより、第2の流体経路内に標的微生物が存在する場合には、その標的微生物を含む放出溶液の一部を、装置から排出する工程と、標的細胞結合区域の一部分を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程とを、更に含む。
液体が標的細胞結合区域に移動する際、試料中に標的細胞が存在する場合には、その液体は、標的細胞を運搬して多孔質担体を通過する。更には、その液体は、標的細胞に関連しない他の粒子(例えば、土壌、塵、食物粒子、非標的細胞)及び分子(例えば、タンパク質、脂肪、核酸、塩、キレート剤)も運搬し得る。これらの非標的粒子及び分子は、試料中に存在する標的細胞を検出するために後に使用することが可能な、分析プロセス(例えば、核酸増幅プロセス)を、潜在的に阻害する恐れがある。
液体試料が、多孔質担体の標的細胞結合区域を通過して移動する際、標的細胞は、存在する場合には、本明細書で説明されるような、多孔質担体の標的細胞結合区域に付着された結合パートナー(例えば、抗体、レクチン、核酸)に結合することができる。試料中に存在する非標的粒子及び分子の少なくとも一部は、液体が多孔質担体を通過する際に、標的細胞と比較して遅延する可能性があり、それゆえ、標的細胞結合区域で、標的細胞と共に蓄積することがない。更には、非標的粒子及び分子の少なくとも一部は、液体と共に流動し続けて、標的細胞結合区域を通り過ぎることにより、これらの非標的粒子及び分子は、標的細胞から分離される。したがって、この第2の方法は、標的細胞が存在する場合には、それらの標的細胞を検出するために使用されるプロセス(例えば、核酸増幅検出プロセス)を阻害して、若しくは他の方式で阻止する恐れがある、非標的粒子及び分子から、標的細胞を分離する。
それゆえ、第2の方法のいずれかの実施形態では、液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、この方法は、任意選択的に、第2の流体経路を介して、多孔質担体に洗浄溶媒を通過させる工程を含む。この洗浄液の目的は、標的細胞に関連しない、あらゆる非結合不純物(例えば、粒子(例えば、土壌、塵、食物粒子、非標的細胞)及び/又は分子(例えば、タンパク質、脂肪、核酸、塩、キレート剤))を、標的細胞結合区域から流し去ることである。多孔質担体に洗浄溶媒を通過させる工程は、例えば、洗浄溶媒(例えば、滅菌水、緩衝溶液)を(例えば、シリンジ又はピペットを介して)付勢して第2の流体経路を通過させることによって、実行することができる。有利には、試料調製装置の第2の流体経路は、第1の流体経路に直交する向きであるため、洗浄溶媒が、非結合材料(例えば、タンパク質、核酸、細胞小片、食物粒子、塩)を、多孔質担体の標的細胞結合区域から流し去ることにより、通常であれば標的細胞結合区域に結合された標的細胞の検出を阻害する恐れのある材料が、排除される。本明細書で説明されるような装置内に、第2の導管が存在する場合、洗浄溶媒は、その第2の導管内に装填することができ、その溶媒は、例えば自然流下によって、又は、本明細書で説明されるような、プランジャ若しくは分離部材を介して液体に加えられる正圧を介して、多孔質担体を通過するように付勢することができる。この任意選択的な工程により、標的微生物の兆候を検出するための、標的細胞結合区域の一部分を処理する後続のプロセスの感度を、阻害するか又は他の方式で低減する恐れがある、元の試料中に存在していた物質の量を、著しく低減することができる。
代替的実施形態(図示せず)では、洗浄溶媒を、第2の流体経路を通過するように引き込むために、負圧源(例えば、真空ホース)を、任意選択的に第2の開口部に適用することができる。
本開示の第2の方法は、放出溶液を付勢して第2の流体経路を通過させることにより、第2の流体経路内に標的微生物が存在する場合には、その標的微生物を含む放出溶液の一部を、装置から排出する工程を含む。当該技術分野において既知の、任意の好適な放出溶液を使用して、標的細胞結合区域から細胞を放出させることができる。例えば、標的細胞を捕捉する結合パートナーが、抗体である場合には、好適な放出溶液(例えば、その抗体に結合されている標的細胞抗原の放出を引き起こす、適切なpH及び/又はイオン強度を有する水溶液)を(例えば、正圧、負圧、又は自然流下を介して)付勢して、第2の流体経路を通過させ、第2の開口部を介して第2の流体経路から流出するその放出溶液の一部を(例えば、反応管内に)回収することによって、標的細胞を放出させることができる。それゆえ、標的細胞が結合されている標的細胞結合区域を、その放出溶液が通過する際に、その標的細胞が、放出溶液内に放出され、第2の開口部を介して装置から流出する放出溶液と共に、回収される。
いずれかの実施形態では、この第2の方法は、第2の開口部の近位に容器を位置決めする工程を更に含み得る。いずれかの実施形態では、この容器は、実質的に、生物学的材料を含まないものとすることができる。これらの実施形態では、放出溶液を付勢して第2の流体経路を通過させることにより、第2の流体経路内に標的微生物が存在する場合には、その標的微生物を含む放出溶液の一部を、装置から排出する工程は、その放出溶液の一部を、第2の開口部を介して試料処理装置から流出する際に、回収する工程(図示せず)を更に含み得る。有利には、この方式で、放出溶液の一部を回収することにより、その試料調製装置から流出する放出溶液と、その装置のケーシングの外部の生物学的材料の潜在源との、接触の可能性を排除することができる。回収された放出溶液を処理する好ましい方法は、3M Company(St.Paul,MN)より入手可能なMolecular Detection System(以降では「MDS」)を使用して、その回収された溶液(及び、その中の標的細胞)を処理する工程を含む。したがって、その回収された放出溶液を、MDS溶解管内に直接排出することができ、得られた溶解物のアリコートを処理して、標的微生物の存在を示す核酸を増幅させて検出することができる。
本開示の第2の方法のいずれかの実施形態では、この方法は、任意選択的に、放出溶液によって放出された細胞を溶解する工程を含む。細胞溶解を引き起こすための様々な好適な手段は、当該技術分野において既知であり、それらの手段としては、限定するものではないが、物理的溶解法(例えば、煮沸、超音波処理、フレンチプレスを介したキャビテーション)及び化学的溶解法(例えば、洗剤、界面活性剤、第四級アミン、カオトロピック試薬、又は有機溶媒との、試料の接触)が挙げられる。したがって、標的細胞の存在を示す検出可能生体分子(例えば、タンパク質、酵素、多糖類、核酸などの、内部又は外部の生体分子)を放出させるために、又は、細胞を透過化処理して、検出部分(例えば、プライマー、ポリメラーゼ、標識抗体)に、その細胞内の検出可能分子と相互作用するためのアクセスを実現するために、放出溶液によって放出された細胞は、細胞溶解を引き起こすための手段で処理することができる。
第2の方法のいずれかの実施形態では、放出溶液によって放出された細胞を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程は、限定するものではないが、培養法、生化学的方法(例えば、標的微生物に関連する酵素活性の検出)、免疫学的方法(例えば、免疫染色、ELISA)、組織学的方法(例えば、組織学的染色)、及び遺伝学的方法(例えば、核酸増幅、ハイブリダイゼーション)を含めた、当該技術分野において既知の任意の好適な検出プロセスを使用して、実行することができる。いずれかの実施形態では、核酸配列を増幅する工程は、標的微生物に関連するヌクレオチド配列を増幅する工程を含み得る。核酸増幅の特に好ましい方法としては、3M Company(St.Paul,MN)より入手可能な3M(商標)Molecular Detection Systemで具現化される、等温DNA増幅及び生物発光検出法が挙げられる。
例示的実施形態
実施形態Aは、標的細胞を検出する方法であって、
液体試料を、試料調製装置の多孔質担体と接触させる工程であって、この装置が、
第1の開口部及び第2の開口部を含む、ケーシングと、
多孔質担体とを備え、
多孔質担体が、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えると共に第2の所定の場所に標的細胞結合区域を備えており、この多孔質担体が、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域を通って延びる、第1の流体経路を画定し、
多孔質担体の少なくとも一部分が、ケーシング内に配設され、
第2の流体経路が、第1の開口部から第2の開口部にケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路が、多孔質担体と標的細胞結合区域で交差している、工程と、
液体試料の少なくとも一部分が、多孔質担体を通って、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に向けて、長手方向に移動することを可能にする工程と、
その液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域まで移動した後に、分離部材を付勢して、第1の開口部から第2の開口部へと、第2の流体経路を通過させることにより、標的細胞結合区域の一部分を排出する工程と、
その標的細胞結合区域の一部分、又はその部分から放出された細胞を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程とを含む、方法である。
実施形態Bは、装置が、第1の開口部を覆う第1のカバー要素、又は第2の開口部を覆う第2のカバー要素を更に備え、分離部材を付勢して第2の流体経路を通過させる工程が、その分離部材を付勢して、第1のカバー要素又は第2のカバー要素を通過させる工程を含む、実施形態Aの方法である。
実施形態Cは、担体が、基材によって支持され、分離部材を付勢して第2の流体経路を通過させることにより、標的細胞結合区域の少なくとも一部分を分離する工程が、その分離部材を使用して、基材の一部分を分離する工程を更に含む、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Dは、標的細胞を検出する方法であって、
液体試料を、試料調製装置の多孔質担体と接触させる工程であって、この装置が、
第1の開口部及び第2の開口部を含む、ケーシングと、
多孔質担体とを備え、
多孔質担体が、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えると共に第2の所定の場所に標的細胞結合区域を備えており、この多孔質担体が、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域を通って延びる、第1の流体経路を画定し、
多孔質担体の少なくとも一部分が、ケーシング内に配設され、
第2の流体経路が、第1の開口部及び第2の開口部からケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路が、多孔質担体と標的細胞結合区域で交差している、工程と、
液体試料の少なくとも一部分が、多孔質担体を通って、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に向けて、長手方向に移動することを可能にする工程と、
その液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、放出溶液を付勢して第2の流体経路を通過させることにより、第2の流体経路内に標的微生物が存在する場合には、その標的微生物を含む放出溶液の一部を、装置から排出する工程と、
その放出溶液の一部を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程とである、方法である。
実施形態Eは、液体の少なくとも一部分が、標的細胞結合区域に移動した後に、その方法が、第2の流体経路を介して、多孔質担体に洗浄溶媒を通過させる工程を更に含む、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Fは、第2の開口部の近位に容器を位置決めする工程を更に含み、標的細胞結合区域の一部分を排出する工程、又は放出溶液の一部を排出する工程が、その容器内に、標的細胞結合区域の一部分を移動させる工程、又は放出溶液の一部を移動させる工程を更に含む、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Gは、液体試料を多孔質担体と接触させる工程が、濃縮培養株からの液体試料を、多孔質担体と接触させる工程を含む、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Hは、検体結合区域の一部分を処理して、又は放出溶液の一部を処理して、標的微生物の兆候を検出する工程が、検体結合区域の一部分を処理して、又は放出溶液の一部を処理して、標的細胞に関連する生体分子を検出する工程を更に含む、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Iは、標的細胞に関連する生体分子を検出する工程が、核酸、酵素、又は抗原性生体分子を検出する工程を含む、実施形態Gの方法である。
実施形態Jは、標的細胞結合区域の一部分を処理する工程、又は放出溶液の一部を処理する工程が、核酸配列を増幅する工程を含み、その核酸配列が、標的細胞に関連するヌクレオチド配列を含む、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Kは、標的細胞を検出する方法が、標的微生物を検出する方法である、先行の実施形態のうちのいずれか1つの方法である。
実施形態Lは、装置であって、
内部、第1の開口部、及び第2の開口部を含む、ケーシングと、
試料受け入れ区域及び標的細胞結合区域を含む、多孔質担体とを備え、
多孔質担体が、試料受け入れ区域から標的細胞結合区域に延びる、第1の流体経路を画定し、
多孔質担体の少なくとも一部分が、ケーシングの内部に配設され、
中心軸線を備える第2の流体経路が、第1の開口部及び第2の開口部からケーシングを貫通して延び、この第2の流体経路が、多孔質担体と標的細胞結合区域で交差し、
中心軸線が、第1の流体経路に直交する向きである、装置である。
実施形態Mは、試料受け入れ区域へのアクセスを実現する試料ポートを更に備え、試料受け入れ区域が、ケーシングの内部に配置されている、実施形態Lの装置である。
実施形態Nは、ケーシングが、試料ポートからケーシングの内部に延びる、第1の導管を更に備える、実施形態L又は実施形態Mの装置である。
実施形態Oは、ケーシングが、第1の開口部からケーシングの内部に延びる、第2の導管を更に備える、実施形態L〜実施形態Nのうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Pは、多孔質担体内で第1の流体経路内に配設された、流動インジケータを更に備える、実施形態L〜実施形態Oのうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Qは、流動インジケータ対照区域を更に備え、この流動インジケータ対照区域が、多孔質担体内で第1の流体経路内に配置され、標的細胞結合区域が、第1の流体経路内で、試料受け入れ区域と流動インジケータ対照区域との間に配置されている、実施形態Pの装置である。
実施形態Rは、取り外し可能に第1の開口部を覆う、取り外し可能な第1のカバー要素を更に備える、実施形態L〜実施形態Qのうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Sは、取り外し可能に第2の開口部を覆う、取り外し可能な第2のカバー要素を更に備える、実施形態L〜実施形態Rのうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Tは、取り外し可能に試料ポートを覆う、取り外し可能な第3のカバー要素を更に備える、実施形態L〜実施形態Sのうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Uは、第2の開口部の近位に配設された、吸収体を更に備える、実施形態L〜実施形態Tのうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Vは、吸収体が、第2のカバー要素に結合されている、実施形態Sに従属するような、実施形態Uの装置である。
実施形態Wは、吸収体が、多孔質担体から離間配置されている、実施形態T又は実施形態Uの装置である。
実施形態Xは、装置が、第1の開口部から第2の開口部まで、第2の流体経路を貫通するように寸法設定された、分離部材を更に備え、この分離部材の一部分が、第2の流体経路内に摺動可能に係合されている、先行の実施形態のうちのいずれか1つの装置である。
実施形態Yは、分離部材が、切断構造体を含む、実施形態Xの装置である。
実施形態Zは、分離部材が、水性液体を付勢して第2の導管を通過させるように構成される、実施形態X又は実施形態Yの装置である。
実施形態AAは、実施形態L〜実施形態Wのうちのいずれか1つの装置を備える、キットである。
実施形態ABは、第1の開口部から第2の開口部まで、第2の流体経路を貫通するように寸法設定された、分離部材を更に備える、実施形態AAのキットである。
実施形態ACは、分離部材が、切断構造体を含む、実施形態ABのキットである。
実施形態ADは、分離部材が、水性液体を付勢してケーシングを通過させるように構成される、実施形態AB又は実施形態ACのキットである。
実施形態AEは、洗液を更に備える、実施形態AA〜実施形態ADのうちのいずれか1つのキットである。
実施形態AFは、放出溶液を更に備える、実施形態AA〜実施形態AEのうちのいずれか1つのキットである。
実施形態AGは、核酸増幅用の試薬を更に備える、実施形態AA〜実施形態AFのうちのいずれか1つのキットである。
本発明の目的及び利点が、以下の実施例によって更に示されるが、これらの実施例で言及される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に限定するものとして解釈されるべきではない。別段の指示がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は蒸留水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。
参照実施例1.側方流動多孔質支持体内に捕捉された微生物からの核酸の検出。
迅速サルモネラ側方流動ディップスティック(部品番号3000034)を、Romer Labs(Union,MO)より入手した。サルモネラの菌株を、緩衝ペプトン水中で一晩増殖させ、Butterfields緩衝液中に希釈した(すなわち、段階10倍希釈)。1ミリリットルの10−7希釈物を使用して、PETRIFILM(商標)腸内細菌科計数プレート(3M Company(St.Paul,MN))に接種した。このプレートを製造元の説明書に従ってインキュベートし、110のコロニー形成単位を含むことを見出した。
ディップスティックのうちの1つを、これらのサルモネラ培養株の10−3、10−4、10−5、10−6、及び10−7段階希釈物のそれぞれの中に定置し、それらのディップスティックを、製造元の説明書に従って処理した。各ディップスティックからの「対照」ライン及び(サルモネラ微生物に結合する)「標的」ラインを、カミソリ刃で切除した。交差汚染を回避するために、未使用の手袋及びカミソリ刃を使用して、各ラインを切除した。切除した各ラインを、1.5mLの微小遠心管内で、100μLのSS2緩衝液(3.19g/LのKCl;1.41g/Lの(NH4)2SO4;2.72g/Lのトリス塩基;0.526g/LのProClin(登録商標)950;0.43g/Lのポリビニルピロリドン、80g/LのTriton(商標)X−100)中に再懸濁させた。これらの管を、100℃の加熱ブロック内に10分間にわたって定置することにより、そのラインに結合されている、あらゆる細胞を溶解した。煮沸した後、その試料を(マイクロピペットを使用して)混合して、20μLのアリコートを吸引し、3M Molecular Detection Systemの別個のサルモネラ試薬錠(部品番号MDAS96NA、3M Company(St.Paul,MN)より入手可能)を復元するために使用した。
比較のために、サルモネラ培養株の10−3、10−4、10−5、10−6、及び10−7段階希釈物の、20μLのアリコートを使用して、3M Molecular Detection Systemの別個のサルモネラ試薬錠を復元した。復元されたアッセイの全てを、3M Molecular Detection System機器(3M Company(St.Paul,MN)より入手可能)内で、製造元の説明書に従って処理した。各アッセイ中の検出可能なサルモネラの有無を、表1に示す。
Figure 0006628794
これらの結果は、側方流動装置の標的細胞結合区域内の標的微生物を濃縮する方法が、少なくとも約10倍の、その標的微生物の検出の増大をもたらしたことを示す。
実施例1.側方流動試料調製装置の構築
図11Aに示されるものと同様の装置を構築したが、ただし、ケーシングの第1部片とスペーサ要素との間に、3M両面テープの層を挿入した。両面テープ内に、第1の導管及び第2の導管と位置合わせされることが可能となるように、穴を開けることにより、第1の導管及び第2の導管から多孔質担体への、液体の通過を可能にした。スペーサ要素は、多孔質担体を包囲するために十分に大きい開口部を有するPETフィルム(厚さ0.254mm)のストリップとした。
ケーシングの第1部片は、PETフィルム(厚さ0.254mm)を使用して構築した。この第1部片を貫通して、2つの穴を穿孔した。反転させた微小遠心管の開口部を、それらの穴の一方に(3M Company(St.Paul,MN)より入手可能な、3M(商標)接着剤転写テープ6035PCを使用して)接着することにより、第1の導管を形成した。この管の底部は、その管を中空の円筒へと改造するために、切り落とされていた。1ミリリットルの使い捨てプラスチックシリンジのバレルを、他方の穴に(3M(商標)接着剤転写テープ6035PCを使用して)接着することにより、第2の導管を形成した。この使い捨てシリンジのプランジャを、分離部材として使用した。多孔質担体は、Whatman製のFUSION 5(商標)側方流動材料のストリップ(幅4mm)とした。第2部片は、スペーサ要素に第2部片を結合する接着剤(3M(商標)接着剤転写テープ6035PC)でコーティングされた、PETフィルム(厚さ0.254mm)のストリップとした。この第2部片は、第2の導管と位置合わせされた、鋸歯状の穴を有することにより、分離部材を付勢して、その先端が多孔質支持体に接触するまで、第2の導管を通過させた場合、分離部材に対する更なる圧力が、その鋸歯状縁部に対して多孔質担体を付勢することにより、その多孔質担体の一部分を切断して、その部分を、鋸歯状の穴に通過させて排出するものとした。
この装置を組み立てた後、各多孔質担体の標的細胞結合区域を調製した。2マイクロメートルのBACTRACE(商標)抗大腸菌O157ラテックス凝集ビーズ(KPL(Gaithersburg,MD)より入手)の懸濁液2μLを、500μLの脱イオン水に添加して混合し、この装置の第2の導管(すなわち、シリンジのバレル)に添加した。この導管内に、分離部材(すなわち、シリンジのプランジャ)を挿入して、緩徐に押下することにより、多孔質担体内にビーズを付勢した。ブランジャを装置から引き抜き、その装置を、真空下で2時間にわたって40度で乾燥させた。これにより、多孔質マトリックス内にビーズを固定化した。
実施例2.試料を調製し、その調製された試料中の微生物を検出する方法における、側方流動試料調製装置の使用。
試料調製装置を、実施例1に従って調製した。大腸菌O157の細菌のコロニー(血液寒天平板から採取)をButterfield’s緩衝液中に懸濁することによって、細菌懸濁液を調製し、その初期懸濁液を、Butterfield’s緩衝液中に段階希釈(10倍希釈)した。3M Molecular Detection Systemを、製造元の説明書に従って使用して、10−2希釈物〜10−6希釈物のそれぞれの、6つの20μLのアリコートを、大腸菌O157の存在に関して分析した。それらの結果は、表2に示されるものであり、この細菌懸濁液の10−2〜10−5希釈物から分取されたアリコート中での、大腸菌O157の再現可能な検出を示すものであった。それらの結果はまた、この細菌懸濁液の10−6希釈物から分取されたアリコート中での、大腸菌O157の再現可能な検出の欠如も示すものであった。
Figure 0006628794
10−5、10−6、及び10−7段階希釈物の250μLのアリコートを、大腸菌O157を検出するように構成された個々の試料処理装置の、第1の導管内に装填し、その試料液体を、10分間にわたって、多孔質担体に通過させて流した。10分後、分離部材(すなわち、プランジャ)を使用して、各装置から、多孔質担体の標的細胞結合部分を排出した。各標的細胞結合部分は、別個の反応管内に排出させた。100μLのSS2溶液を各反応管に添加して、それらの管を、100℃の加熱ブロック内に10分間にわたって定置することにより、その標的細胞結合部分に結合されている、あらゆる細胞を溶解した。これらの管を冷却した後、その反応管から20μLを取り出して、3M Molecular Detection Systemの大腸菌O157試薬錠を復元するために使用した。復元された溶液の全てを、3M Molecular Detection System機器内で、製造元の説明書に従って処理した。各アッセイ中の検出可能な大腸菌O157の有無を、表3に示す。
Figure 0006628794
表2に示される結果と表3に示される結果との比較は、本開示の試料処理装置を使用して微生物を検出する方法が、従来の検出の方法よりも感度が高いことを示すものである。
実施例3.側方流動装置内での洗浄工程を含む、試料を調製する方法における、側方流動試料調製装置の使用。
試料調製装置を、実施例1で説明されるように調製した。一方の装置は、標的細胞結合区域内に抗大腸菌O157ラテックス凝集ビーズ(KPLより入手)を備えるように調製し、他方は、標的細胞結合区域内に抗大腸菌O26ラテックス凝集ビーズ(KPLより入手)を備えるように調製した。大腸菌O157及び大腸菌O26の純培養懸濁液を、それぞれ、実施例2で説明されるように、調製及び希釈した。各細菌懸濁液の10−5希釈物の、250μLのアリコートを、対応する細菌を検出するように構成された試料処理装置内に装填し、それらの試料を、10分間にわたって、多孔質担体に通過させて浸透させた。10分後、500μLの洗浄溶媒(Butterfield’s緩衝液)を、第2の導管内にピペット滴下し、その後、分離部材(すなわち、プランジャ)を使用して、多孔質担体の標的細胞結合を通過するように付勢した。洗浄溶媒を多孔質部材に通過させた後、多孔質部材の一部分(標的細胞結合区域)が、その装置から反応管内に排出されるまで、分離部材を、多孔質部材に対して付勢した。100μLのSS2溶液を各反応管に添加して、それらの管を、100℃の加熱ブロック内に10分間にわたって定置することにより、その標的細胞結合部分に結合されている、あらゆる細胞を溶解した。これらの管を冷却した後、その反応管から20μLを取り出して、3M Molecular Detection Systemの対応する試薬錠(すなわち、大腸菌O157試薬錠、又は大腸菌O26試薬錠)を復元するために使用した。復元された溶液の全てを、3M Molecular Detection System機器内で、製造元の説明書に従って処理した。各アッセイ中の検出可能な大腸菌の有無を、表4に示す。
Figure 0006628794
これらの結果は、試料処理装置内で、標的細胞結合領域を、その場で洗浄した後であっても、その標的細胞結合領域に結合されていた大腸菌O157微生物を、この装置が検出することが可能であったことを示すものである。
本明細書に引用される、全ての特許、特許出願、及び公開公報の開示内容の全体、並びに電子的に入手可能な資料が、参照により組み込まれる。本出願の開示と、参照により本明細書に組み込まれているいずれかの文書の開示との間に、何らかの矛盾が存在する場合には、本出願の開示が優先されるものとする。上述の「発明を実施するための形態」及び「実施例」は、理解を明瞭にするためにのみ与えられている。それらにより、不要な限定をするものと理解されるべきではない。本発明は、図示及び説明された厳密な詳細に限定されるものではないが、これは、当業者には明白な変形形態は、「特許請求の範囲」によって定義される本発明の範囲に包含されるためである。
全ての見出しは、読者の便宜を図るためのものであり、特に指定のない限り、その見出しの後に続く文面の意味を限定するために使用されるべきではない。
本明細書で例示的に説明される本発明は、本明細書で具体的に開示されない任意の要素が存在しない場合も、好適に実践することができる。それゆえ、例えば、本明細書のいずれの場合にも、用語「備える」、「〜から本質的になる」、及び「〜からなる」のうちのいずれも、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。採用されている用語及び表現は、限定ではなく説明として使用されるものであり、そのような用語及び表現を使用する際には、図示及び説明された特徴若しくはその諸部分の、いずれの等価物も除外することを意図するものではなく、特許請求される本発明の範囲内で、様々な修正形態が可能であることが認識されよう。それゆえ、本発明は、好ましい実施形態及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の修正形態及び変形形態を、当業者によって行使することができ、そのような修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、本発明の範囲内であると見なされることを理解されたい。

Claims (4)

  1. 標的微生物を検出する方法であって、
    液体試料を試料調製装置の多孔質担体と接触させる工程であって、前記試料調製装置は、
    第1の開口部及び第2の開口部を含むケーシングと、
    前記多孔質担体と、を備え、
    前記多孔質担体は、第1の所定の場所に試料受け入れ区域を備えると共に第2の所定の場所に標的細胞結合区域を備えており、前記多孔質担体は、前記試料受け入れ区域から前記標的細胞結合区域を通って延びている第1の流体経路を画定し、
    前記多孔質担体の少なくとも一部分は、前記ケーシング内に配設され、
    第2の流体経路は、前記第1の開口部から前記第2の開口部まで前記ケーシングを貫通して延び、前記第2の流体経路は、前記標的細胞結合区域で前記多孔質担体と交差している、工程と、
    前記液体試料の少なくとも一部分が、前記多孔質担体を通って、前記試料受け入れ区域から前記標的細胞結合区域に向けて、長手方向に移動することを可能にする工程と、
    前記液体の前記少なくとも一部分が前記標的細胞結合区域まで移動した後に、分離部材を付勢して、前記第2の流体経路を前記第1の開口部から前記第2の開口部へと通過させることにより、前記標的細胞結合区域の一部分を排出させる工程と、
    前記標的細胞結合区域の前記一部分、又は前記一部分から放出された細胞を処理して、前記標的微生物の兆候を検出する工程と、を含む、方法。
  2. 前記第2の開口部の近位に容器を位置決めする工程を更に含み、前記標的細胞結合区域の一部分を排出する工程は、前記容器内に、前記標的細胞結合区域の前記一部分を移動させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 内部、第1の開口部、及び第2の開口部を含むケーシングと、
    試料受け入れ区域及び標的細胞結合区域を含む多孔質担体と、
    前記第1の開口部から前記第2の開口部まで、第2の流体経路を貫通するような寸法にされた分離部材であって、前記第2の流体経路は、中心軸線を備えるとともに、前記第1の開口部から前記第2の開口部まで前記ケーシングを通じて延び、前記分離部材の一部分は、前記第2の流体経路内に摺動可能に係合されている、分離部材と、を備える装置であって、
    前記多孔質担体は、前記試料受け入れ区域から前記標的細胞結合区域まで延びる第1の流体経路を画定し、
    前記多孔質担体の少なくとも一部分は、前記ケーシングの前記内部に配設され、
    記第2の流体経路は、前記標的細胞結合区域で前記多孔質担体と交差し、
    前記中心軸線は、前記多孔質担体に直交する向きである、装置。
  4. 請求項3に記載の装置と、核酸増幅用の試薬とを備えているキット。
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