JP6628486B2 - 金属水銀処理方法 - Google Patents

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本発明は、遊星型ボールミルを用いた金属水銀の処理方法に関するものである。
従来、国内で使用された金属水銀の一部は再利用され、余剰の金属水銀は輸出されてきた。しかし、2013年10月に採択された「水銀に関する水俣条約」により、水銀の輸出の規制強化や環境上適正な保管が求められるようになったが、金属水銀の環境安全な処理技術が構築されていない。
金属水銀の環境安全な処理技術として、例えば特許文献1には、液体水銀および元素硫黄を、化学量論的条件においてミリングプロセスにより反応させる工程を含む、液体水銀を安定化するための方法が開示されている。
特表2013−503729号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、特許文献1の段落[0048]から[0050]に記載されているように、液体水銀と元素硫黄の混合物を調製し、ミリングして硫化水銀である黒辰砂を反応生成物として得ることが記載されている。しかし、この段階で得られた硫化水銀はまだ安定状態にないとして、特許文献1の段落[0056]に記載のように、硫化水銀を、骨材、元素硫黄及び硫黄ポリマを含む混合物に添加させ硫黄ポリマセメントを得る工程を必要としている。このため、液体水銀を安定化させるために、液体水銀を元素硫黄と混合調製しミリングして硫化水銀を得る工程、及びその硫化水銀を骨材などを混合して硫黄ポリマセメントを得る工程が必要になり、製造工程が簡易でないという問題があった。
また、液体水銀と元素硫黄の混合物を調製しミリングして得た硫化水銀は、ミリングをボールミルで実施した場合、ボールミルに設けられた容器の内壁面に硬くなった固形物が密着して固着して、ハンマーとのみを用いて固形物に強い衝撃を与えて粉砕しなければ容器の内壁面から硫化水銀を回収できないという問題があった。また、容器の内壁に密着したままの状態で回収できない硫化水銀が容器内に残存するという問題もあった。
さらに、特許文献1には埋立基準値に対しての記載がなく、最終生成物を埋立することができるかという点が不明確であるという問題があった。
従って、本発明は、硫化水銀を極めて容易に回収でき、金属水銀を埋立処理するためにその水銀溶出濃度を基準値(0.005mg/L)未満に低下させることのできる方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の金属水銀処理方法は、自公転する遊星型ボールミル1を使用して金属水銀Mと硫黄Sから硫化水銀Cを生成する金属水銀処理方法であって、前記遊星型ボールミル1に設けられた金属容器3に金属ボール4と硫黄Sを投入し、前記遊星型ボールミル1を所定時間作動して前記金属容器3の内壁面に硫黄層Lを形成する第一工程と、前記第一工程終了後、前記硫黄層Lが形成された前記金属容器3に硫黄Sを投入しないで金属水銀Mを投入し、前記遊星型ボールミル1を所定時間作動して硫化水銀Cを生成する第二工程とを備える。
請求項1に記載の金属水銀処理方法は、自公転式の遊星型ボールミル1を使用し、遊星型ボールミル1の金属容器3に金属水銀Mと粉末状の硫黄Sを同時に投入し、遊星型ボールミル1を作動させて硫化水銀Cを生成させた場合は、金属容器3の内壁面に硬くなった固形物が密着して固着して、ハンマーとのみを用いて強い衝撃を与えなければ金属容器3の内壁面から硫化水銀Cを回収できないという問題があり、かつ強く固着した硫化水銀Cが金属容器3内に残存するという問題があったが、本発明の金属水銀処理方法では、金属容器3の内壁面に硫化水銀Cが固着せずに、硫化水銀Cがさらさら状で粉末状で生成されることから、硫化水銀Cを金属容器3内からさじで極めて容易に回収できるという効果を奏する。
また、金属水銀Mの水銀溶出濃度を埋立基準値未満に容易かつ確実に低下させることができる。
本発明の金属水銀処理方法のフローチャートである。 本発明に係る金属水銀処理方法の第一工程を金属容器の断面図により示す説明図で、(a)が金属容器内に金属ボールと硫黄を投入した状態の図で、(b)が遊星ボールミルを作動させて硫黄層を形成させた図である。 本発明に係る金属水銀処理方法の第二工程を金属容器の断面図により示す説明図で、(a)が金属容器内に金属水銀を投入した状態の図で、(b)が遊星ボールミルを作動させて硫化水銀を生成させた図で、(c)が金属容器内から硫化水銀を回収した後の金属容器内の図である。 本発明の実施形態に係る金属水銀処理方法で使用する自公転式の遊星型ボールミルを示す概略平面図である。 使用した金属水銀の物性を示す図である。 金属水銀及び硫黄を同時に投入し粉砕した場合の金属容器の断面図により示す硫化水銀の形態の説明図で、(a)が混合モル比(S/Hg)が1.05の場合で、(b)が混合モル比(S/Hg)が1.5の場合である。 本発明における実施例1の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例2の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例3の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例4の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例5の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例6の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例7の実験結果を示すグラフである。 本発明における実施例8の実験結果を示すグラフである。
本発明である金属水銀処理方法は、図1のフローチャートに示すように、自公転する遊星型ボールミル1を使用して金属水銀Mと硫黄Sから硫化水銀Cを生成する金属水銀処理方法であって、前記遊星型ボールミル1に設けられた金属容器3に金属ボール4と硫黄Sを投入し、前記遊星型ボールミル1を所定時間作動して前記金属容器3の内壁面に硫黄層Lを形成する第一工程10と、前記第一工程終了後、前記硫黄層Lが形成された前記金属容器3に金属水銀Mを投入し、前記遊星型ボールミル1を所定時間作動して硫化水銀Cを生成する第二工程20とを備える。
遊星型ボールミル1は、図4に示すように、平板状の回転テーブル2と、外観形状が円筒形の金属容器3と、複数の球形の金属ボール4を備える。回転テーブル2は円形平板状であり、モーターによってその中心を軸にして回転する。金属容器3は回転テーブル2より上方に前記回転テーブル2の中心から外れた箇所に2か所(図4では2箇所であるが、一般的には回転テーブル2の大きさによって数が増減する。)設けられており、それぞれが回転する。当該金属容器3の上端開口部には密閉蓋3aが設けられている。そして、回転テーブル2と金属容器3は相反する方向に回転する(例えば、回転テーブル2が時計回り方向であれば、金属容器3は反時計回り方向)。複数の金属ボール4は、金属容器3に投入され、当該遊星型ボールミル1が作動中に回転力や遠心力によって金属容器3の内部を転動する。
金属水銀処理方法を図1、図2及び図3で説明する。第一工程10では、金属容器3に複数の金属ボール4と粉末状の硫黄Sを投入するステップ11(図2(a))を実施し、遊星型ボールミル1を所定時間作動させるステップ12を実施する。これによって金属容器3の内面に硫黄Sによって形成される硫黄層Lを形成する(図2(b))。なお、この硫黄層Lは、金属ボール4が回転テーブル2と金属容器3の回転によって得られる回転力や遠心力により、金属容器3の内面を転動することによって金属ボール4同士の衝突や金属ボール4と金属容器3の内面との衝突により硫黄Sが押し潰され、そして硫黄Sに対する遠心力により形成される。
また、第二工程20では、第一工程10が終了した後に、硫黄層Lが形成された金属容器3に金属水銀Mを投入するステップ21(図3(a))を実施し、遊星型ボールミル1を所定時間作動させるステップ22を実施する。これによって金属水銀Mを硫化水銀Cに変換させる(図3(b))。このときの化学式は、Hg+S=HgSで表される。そして、その生成された硫化水銀C(HgS)の水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下できる。そして、生成された硫化水銀Cを金属容器3内から取り出す(ステップ23)。生成された硫化水銀Cはさらさら状で粉末状になることから、金属容器3の内面に固着せず、従って、当該金属容器3からさじで容易に取り出すことができる。硫化水銀Cを取り出した後の金属容器3内にはほとんど硫化水銀Cが残存していない(図3(c))。
次に、本発明に係る金属水銀処理方法による効果を複数の実験によって確認した。これらの実験には、フリッチュ社製の自公転式の遊星型ボールミル(Pulverisette7)1を使用した。金属容器3はステンレススチール製で47mlの容量を持つものを使用した。また、金属ボール4もステンレススチール製のものを使用した。
次に、使用した金属水銀の物性について説明する。金属水銀の環告13号法溶出試験、およびpH依存性試験結果を図5に示す。環告13号法溶出試験では、pH6.5で水銀溶出濃度は0.14mg/Lであり、水銀の埋立基準値である0.005mg/Lを約28倍上回っていた。また、pH依存性試験より、中性側で溶出しやすく濃度は0.1〜0.2mg/Lとなった。これは、pH4での溶解度に比べ約2.8倍、pH12での約3.6倍であった。
また、以下の各実施例における図に記載の「処理時間(分)」は、第二工程20における処理時間を意味する。ちなみに、それぞれの第一工程10の処理時間は30分とした。また、以下の各実施例において、第二工程20終了後の硫化水銀Cはさらさら状の粉末状であるから金属容器3内に固着しておらず、従って、当該金属容器3から容易に取り出すことができた。
まず、比較例として、自公転する遊星型ボールミル1を使用して、金属容器3内に、金属水銀M、硫黄S及び金属ボール4を投入し、遊星型ボールミル1を所定時間作動させた。条件として、金属ボール径10mm、公転数200rpm、自転/公転数を1.8、1バッチの処理水銀量20g、及びボール個数12で、混合モル比(S/Hg)を1.05で処理時間60分の場合を図6(a)に示し、混合モル比(S/Hg)を1.5で処理時間60分の場合を図6(b)に示す。
その結果、混合モル比(S/Hg)を小さくした場合は図6(a)に示すように金属容器3内に硫化水銀が薄厚で強く固着してしまい、ほとんど回収できない状態となり、金属容器3の洗浄に多大の時間を要した。また、混合モル比(S/Hg)を大きくした場合は図6(b)に示すように硫化水銀が大きな固形物となりその固形物は金属容器3に強く密着して固着しているのでハンマーとのみで衝撃を加えながら破砕し剥いていった。しかし、金属容器3の内壁面に強固に固着した固形物が取りきれずに残った。
金属水銀Mと硫黄Sを同時に投入して遊星型ボールミル1を作動させた比較例の場合は、10回の試作を実施してハンマーとのみで衝撃を加えながら破砕し剥いて回収した、10回実施した分のそれぞれの回収率の分布は、重量比で13〜46%であった。このように、回収作業が困難な作業であるのに加えて回収率が低かった。本発明における回収率は、投入した金属水銀Mと硫黄Sとの総重量を100%とした場合に、回収した硫化水銀Cの重量の比率を意味する。例えば、金属水銀20gと硫黄60gの合計80gを投入した場合に、回収した硫化水銀の重量が80gならば回収率は100%となる。
次に、本発明の金属水銀処理方法で金属水銀Cの回収率を検証した。条件として、自公転する遊星型ボールミル1を使用して、金属ボール4径10mm、公転数200rpm、自転/公転数を1.8、1バッチの処理水銀量20g、及び金属ボール4個数12で、混合モル比(S/Hg)を3として実施した。金属容器3内に、硫黄S及び金属ボール4を投入し、遊星型ボールミル1を30分間作動させた第一工程10後の金属容器3内の状態を図2(b)に示し、さらに金属水銀Mを投入して遊星型ボールミル1を90分間作動させた第二工程11後の金属容器3内の状態を図3(b)に示し、その後金属容器3内の硫化水銀C取り出し後の状態を図3(c)に示す。
図2(b)に示すように、第一工程10後は金属容器3の内壁面に硫黄層Lが付着した状態になる。そして、第二工程11後は、図3(b)に示すように金属容器3の底面及び側面に黒色の硫化水銀Cのさらさら状の粉体が生成されており、さじで容易にすくって取り出しできる。この結果、図3(c)に示すように金属容器3内には硫化水銀Cがほとんど残存しておらず、金属容器3の内面は金属容器3本来のステンレススチールの色で白く輝いている。この試験を42試料分実施した結果、42回分のそれぞれの回収率の分布は重量比で94〜99%であった。このことは、硫黄Sを投入する第一工程10と、金属水銀Mを投入する第二工程11のステップを実施することにより、硫黄Sと金属水銀Mを同時に投入した場合に比較して生成された硫化水銀Cの回収率が大きく改善させたことが示された。
次に、混合モル比(S/Hg)別の処理時間と水銀溶出濃度の経時変化を調べた。条件として、公転数200rpm、自転/公転数を1.8及び1バッチの処理水銀量20gとし、金属ボール径及びその個数を変えて実施した。金属容器3の容量は47mlのものを使用した。
金属ボール径を15mm、その個数を7個の場合で、混合モル比を1.5、2又は3とした実施結果を図7に示す。
図7から、混合モル比が3の場合には、処理時間(第二工程11)が30分で水銀溶出濃度が埋立基準値(0.005mg/L)未満に低下させることができることを確認した。また、混合モル比が1.5および2.0の場合には第二工程11の処理時間60分で、水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることが示された。
金属ボール径を15mm、その個数を2個で混合モル比を3とした場合、その個数を4個で混合モル比を1.5及び3とした場合の実施結果を図8に示す。
図8から、混合モル比が3で金属ボール4の数が4個の場合には、30分の処理時間(第二工程)で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることを確認できた。また、混合モル比が3で金属ボール4の数が2個と、混合モル比が1.5で金属ボール4の数が4個の場合には、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができることが示された。
次に、金属ボール径が10mmの場合で、その個数を12個として混合モル比を1.05、1.5、2又は3とした実施結果を図9に示す。
図9から、混合モル比が3および2の場合には第二工程11が30分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下できることを確認した。また、混合モル比が1.5の場合では、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができた。また、混合モル比が1.05の場合には、埋立基準値にまで低下させるためには、90分の処理時間が必要なことも確認できた。
次に、金属ボール径が10mmの場合で、その個数を3個で混合モル比を3とした場合、その個数を6個で混合モル比を1.5及び3とした場合の実施結果を図10に示した。
図10から、混合モル比が3でボールの数が6個の場合には、第二工程11が30分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることを確認した。また、混合モル比が3で金属ボール4の数が3個の場合には、水銀溶出濃度を埋立基準値未満まで低下させるためには90分では安定しないことが確認でき、混合モル比が3で金属ボール4の数が6個の場合には、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることを確認した。
図7乃至図10から、金属ボール径15mmを使用した場合、金属ボール数を2〜7個に変化させて混合モル比(S/Hg)を1.5〜3に変化させても、いずれも処理時間を必要な時間分要するようにすれば水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができる。また、金属ボール径10mmを使用した場合、金属ボール4数が12の場合には混合モル比が1.05〜3に変化させてもいずれも処理時間を必要な時間分要するようにすれば水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができる。しかし、金属ボール径10mmを使用した場合に、金属ボール4の数が6以下になりかつ混合モル比(S/Hg)が3以下になると水銀溶出濃度が安定しない。
また、複数の金属ボール4が金属容器3内で十分に転動可能な範囲内であれば、金属ボール4径が大きくなるほど、金属ボール4数が増加するほど、混合モル比(S/Hg)が大きくなるほど、第二工程11の処理時間を短くして水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができる。
これらから、金属容器3の内容積を決めて、生成させた硫化水銀Cの水銀溶出濃度が埋立基準値未満に低下できるように、金属ボール4径、金属ボール4数及び混合モル比(S/Hg)を設定することにより、本発明である金属水銀処理方法は、金属水銀の硫化水銀への変換に対して十分に機能し有効であることが示された。
次に、金属ボール4径、及びその個数別の第二工程11における処理時間と、水銀溶出濃度の経時変化を調べた。条件として、公転数200rpm、自転/公転数を1.8及び1バッチの処理水銀量20gとし、混合モル比(S/Hg)を変えて試験した。金属容器3の容量は47mlのものを使用した。
金属ボール4径を15mm、混合モル比を3とし、金属ボール4個数を2個、4個及び7個の場合の実施結果を図11に示す。
図11から、金属ボール4の数が4個と7個の場合には、30分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることを確認できた。また、金属ボール4の数が2個の場合には、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることが示された。
金属ボール径を15mm、混合モル比を1.5とし、金属ボール4個数を4個及び7個の場合の実施結果を図12に示す。
図12から、金属ボール4の数が4個の場合には、水銀溶出濃度を30分の処理時間で埋立基準値未満に低下させることを確認できた。また、金属ボール4の数が7個の場合には、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができた。
次に、金属ボール径を10mm、混合モル比を3とし、金属ボール4個数を3個、6個及び12個の場合の実施結果を図13に示す。
図13から、金属ボール4の数が12個の場合に、水銀溶出濃度を約30分の処理時間で埋立基準値未満に低下させることを確認でき、金属ボール4の数が6個の場合には、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満にすることができた。また、金属ボール4の数が3個の場合には、30分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満にすることができたが60分後に不安定状態になった。
次に、金属ボール径を10mm、混合モル比を1.5とし、ボール個数を6個及び12個の場合の実施結果を図14に示す。
図14から、金属ボール4の数が12個の場合には、60分の処理時間で水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができた。また、金属ボール4の数が6個の場合に、水銀溶出濃度を約30分の処理時間で埋立基準値未満に一旦低下させることができたがその後不安定状態になった。
図11乃至図14から、金属ボール4径15mmでは、混合モル比(S/Hg)が3又は1.5で金属ボール4の数を7個から4または2個に減らしても、処理時間90分までにすべての場合において水銀溶出濃度を埋立基準値未満に低下させることができた。しかし、金属ボール径10mmの場合では、混合モル比(S/Hg)が3又は1.5で、ボール数を12個から6または3個に減らすにつれて水銀溶出濃度が不安定になり,埋立基準値を超過する場合も認められた。
上記8回の実施例から、自公転式の遊星型ボールミル1を用いた本願発明の金属水銀Mの処理方法が有効であることを確認した。また、実施に当たっては、使用する自公転式の遊星型ボールミル1の型式が異なり金属容器3の内容積が異なることから、まず金属容器3の内容積を決めて、生成させた硫化水銀Cの水銀溶出濃度が埋立基準値未満に低下できるように、金属ボール4径、金属ボール4数及び混合モル比(S/Hg)を設定すればよい。
また、遊星型ボールミル1に設けられた金属容器3に金属ボール4と硫黄Sを投入し、遊星型ボールミル1を所定時間作動して金属容器3の内壁面に硫黄層Lを形成する第一工程10と、第一工程10終了後、硫黄層Lが形成された金属容器3に金属水銀Mを投入し、遊星型ボールミル1を所定時間作動して硫化水銀Cを生成する第二工程11とを備える本発明の金属水銀Mの処理方法により、金属容器3内から硫化水銀Cを極めて容易に取り出すことができ、金属水銀Mと硫黄Sとの生成物である硫化水銀Cの回収率を飛躍的に改善ざせることができた。
1 遊星型ボールミル
2 回転テーブル
3 金属容器
3a 密閉蓋
4 金属ボール
10 第一工程
11 第二工程
M 金属水銀
S 硫黄
L 硫黄層
C 硫化水銀

Claims (1)

  1. 自公転する遊星型ボールミルを使用して金属水銀と硫黄から硫化水銀を生成する金属水銀処理方法であって、
    前記遊星型ボールミルに設けられた金属容器に金属ボールと硫黄を投入し、前記遊星型ボールミルを所定時間作動して前記金属容器の内壁面に硫黄層を形成する第一工程と、
    前記第一工程終了後、前記硫黄層が形成された前記金属容器に硫黄を投入しないで金属水銀を投入し、前記遊星型ボールミルを所定時間作動して硫化水銀を生成する第二工程と、を備えることを特徴とする金属水銀処理方法。
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