JP6628246B2 - スクラムジェットエンジン、飛しょう体 - Google Patents

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Description

本発明は、スクラムジェットエンジン、飛しょう体に関する。
超音速下で運転可能なジェットエンジンの一種として、スクラムジェットエンジンの研究開発が近年盛んに行われている。スクラムジェットエンジンは、外部の空気を超音速のまま燃焼器に取り入れ、燃料と混合した後、超音速燃焼させることで推力を発生する。すなわち、燃焼器内における空気の滞留時間が非常に短いため、燃焼火炎を保持するためには燃料と空気との混合を速やかに行う必要がある。
スクラムジェットエンジン内における燃料と空気との混合を促進するための技術として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された装置は、燃焼室内に配置された混合器から該燃焼室内に燃料を噴射することで燃焼火炎を形成する構成を採っている。さらに、混合器には凹面が形成されている。この凹面に沿って空気が流れることで縦渦が形成されるため、燃料と空気との混合が促進されるとされている。
特開平6−249068号公報
渦による燃料と空気との混合を図る上では、渦がほどよく発達(成長)した状態であることが望ましい。仮に、未発達な渦に対して燃料を供給した場合、適切な混合促進が望めないのみならず、燃料濃度の偏在化を来す虞もある。
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置では、渦を発生させるための凹面上に燃料噴出口が形成されている。すなわち、渦の形成と燃料の供給とが同一の位置で行われる。このため、上記のように未発達な状態の渦に対して燃料が供給されてしまう。したがって、この装置では燃料と空気とが適切に混合されない可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、燃料と空気との混合を促進することで、効率の向上したスクラムジェットエンジン、飛しょう体を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、スクラムジェットエンジンは、吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路を形成する流路形成面と、前記燃焼領域の上流側で、前記流路形成面から燃料を噴射する燃料噴射部と、該燃料噴射部の上流側に設けられ、前記流路形成面に接続されて下流側に向かうに従って該流路形成面から離れるように曲面状に延びる凹曲面を有するランプ部と、を備え、前記ランプ部は、上下流方向に延びて、前記凹曲面と、前記流路形成面とを接続する一対の側面を有し、上下流方向から見て該側面は、前記流路形成面から前記凹曲面に向かうに従って前記流路形成面から離れるように延びている。
この構成によれば、ランプ部に凹曲面が形成されていることから、吸気側から燃焼流路内に取り入れられた空気が当該凹曲面に沿って流れる際にゲルトラー渦(空気の流れ方向に沿う縦渦)が形成される。このゲルトラー渦は、下流側に向かうに従って徐々に成長した後、燃料噴射部から噴射された燃料を引きちぎるようにして下流側に流れる。これにより、燃料と空気との混合を促進することができる。
さらに、この構成によれば、吸気側から燃焼流路内に取り入れられた空気がランプ部の側面に沿って流れる際にゲルトラー渦が形成される。このゲルトラー渦は、下流側に向かうに従って徐々に成長した後、燃料噴射部から噴射された燃料を引きちぎるようにして下流側に流れる。これにより、十分に発達したゲルトラー渦により燃料と空気との混合を促進することができる。
本発明の第の態様によれば、上記のスクラムジェットエンジンでは、前記流路形成面に直交する方向から見て、上下流方向に直交する方向における前記ランプ部の寸法は、上流側から下流側に向かうに従って次第に小さくなるように構成されてもよい。
この構成によれば、流路形成面に直交する方向から見て、ランプ部の両側を流通する空気の圧力を、ランプ部の上面(凹曲面)を流通する空気の圧力に比べて小さくすることができる。この圧力差に基づいて、ランプ部の下流側で強い渦を形成することができる。
本発明の第の態様によれば、上記のスクラムジェットエンジンでは、前記燃料噴射部は、上下流方向に直交する方向に配列され、一端が前記流路形成面上に開孔する一対の噴射ノズルを有し、該一対の噴射ノズルは、他端から一端に向かうに従って互いに離間する方向に延びていてもよい。
本発明の第四の態様によれば、スクラムジェットエンジンは、吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路を形成する流路形成面と、前記燃焼領域の上流側で、前記流路形成面から燃料を噴射する燃料噴射部と、該燃料噴射部の上流側に設けられ、前記流路形成面に接続されて下流側に向かうに従って該流路形成面から離れるように曲面状に延びる凹曲面を有するランプ部と、を備え、前記燃料噴射部は、上下流方向に直交する方向に配列され、一端が前記流路形成面上に開孔する一対の噴射ノズルを有し、該一対の噴射ノズルは、他端から一端に向かうに従って互いに離間する方向に延びている。
ランプ部を下流側から見た場合、ランプ部の右側では時計回りに旋回する渦が形成され、ランプ部の左側では反時計回りに旋回する渦が形成される。すなわち、ランプ部の下流側における流路形成面上では、これら渦は互いに近接する方向に向かって流れる。ここで、上記の構成では、噴射ノズルは他端から一端(流路形成面側)に向かうに従って互いに離間する方向に延びていることから、流路形成面上で、上記の渦と噴射ノズルから噴射される燃料の流れ方向とを互いに反対にすることができる。すなわち、空気と燃料とが正面衝突する。これにより、空気と燃料との混合をさらに促進することができる。
本発明の第五の態様によれば、上記のスクラムジェットエンジンでは、前記噴射ノズルは、該噴射ノズルの延びる方向から見て円形の断面を有するとともに、該噴射ノズルの内周面にはねじ溝が形成され、前記一対の噴射ノズル同士で前記ねじ溝の旋回する方向が互いに異なっていてもよい。
この構成によれば、噴射ノズルから噴射される燃料は、ねじ溝によって形成された渦を伴って下流側に流れる。すなわち、ランプ部によって形成された渦と、噴射ノズルによって形成された渦とが互いに衝突するため、空気と燃料との混合をさらに促進することができる。
本発明の第六の態様によれば、上記のスクラムジェットエンジンでは、前記燃料噴射部の下流側に、前記流路形成面から凹没する凹部が形成されていてもよい。
この構成によれば、上流側から流れ込む空気の流れが、凹部によって捕捉されて該凹部内で再循環領域を形成する。再循環領域では、燃料と空気との混合が促進されて混合気が生成される。この混合気によって、燃焼領域中における保炎をより十分に行うことができる。
本発明の第七の態様によれば、上記のスクラムジェットエンジンでは、上下流方向における断面視で、前記燃焼流路の断面積は、吸気側から前記凹部に向かうに従って次第に減少するとともに、前記凹部から排気側に向かうに従って次第に増加してもよい。
この構成によれば、燃焼流路内における吸気側から凹部までの領域では、超音速で流通する空気の流速を下げることができる。これにより、ランプ部及び燃料噴射部による空気と燃料との混合を比較的長時間にわたって行うことができる。一方で、凹部から排気側までの領域では、燃焼によって生じた燃焼ガスの流速を上げることができる。これにより、スクラムジェットエンジンの燃焼が安定し、かつ熱閉塞を防ぐことができる。
本発明の第八の態様によれば、飛しょう体は、上記いずれか一の態様に係るスクラムジェットエンジンと、前記スクラムジェットエンジンの推力によって推進される機体部と、を備える。
この構成によれば、効率的に飛行することが可能な飛しょう体を提供することができる。
本発明によれば、効率の向上したスクラムジェットエンジン、飛しょう体を提供することができる。
本発明の各実施形態に係る飛しょう体の構成を示す模式図である。 本発明の第一実施形態に係るスクラムジェットエンジンの構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るランプ部の構成を示す平面図である。 本発明の第一実施形態に係るスクラムジェットエンジンの構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るランプ部を下流側から見た図である。 本発明の第二実施形態に係るランプ部の構成を示す平面図である。 図6におけるA−A線矢視断面図である。 本発明の第三実施形態に係るランプ部の構成を示す平面図である。 本発明の第四実施形態に係るランプ部の構成を示す平面図である。 図9のB−B線矢視断面である。 本発明の第五実施形態に係る燃料噴射部を下流側から見た断面図である。 本発明の第五実施形態に係る燃料噴射部、及びランプ部の構成を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る飛しょう体1は、機体部2と、この機体部2に取り付けられたスクラムジェットエンジン3と、を備えている。
飛しょう体1は、主として超音速下で運航される輸送機械である。機体部2は、貨客等が搭載される機体本体4と、揚力を発生させるための主翼5と、飛しょう体1の進行方向を案内するための尾翼6と、を有している。スクラムジェットエンジン3は、超音速で飛行する飛しょう体1(機体部2)に推力を与えるための装置である。本実施形態では、1つのスクラムジェットエンジン3が、機体本体4の下部に取り付けられている。なお、スクラムジェットエンジン3の取り付けられる位置や個数は本実施形態によっては限定されず、設計や仕様に応じて適宜決定されてよい。また、飛しょう体1は、超音速状態に遷移するまでの間の推力を得るための他の推進装置を備えていてもよい。
図2に示すように、スクラムジェットエンジン3は、筒状をなすカウル7と、カウル7の内周面に形成された燃料噴射部8及びランプ部9と、を備えている。カウル7は、飛しょう体1の進行方向に延びている。進行方向から見たカウル7の内周面の断面形状は矩形をなしている。さらに、進行方向におけるカウル7の両端部はいずれも外部に開口されている。このうち、進行方向前方側の開口は、外部の空気を取り入れるための吸気口10とされている。一方で、進行方向後方側の開口は、スクラムジェットエンジン3内で生成された燃焼ガスを排気するための排気口11とされている。
カウル7の内周面(流路形成面7A)によって囲まれる空間は、燃料噴射部8によって供給された燃料と空気との混合気を燃焼させるための燃焼流路12とされている。すなわち、この燃焼流路12内では、火炎を伴う燃焼領域が形成される。以降の説明では、燃焼流路12から見て、上記の吸気口10が位置する側を上流側、吸気側等と呼び、上記の排気口11が位置する側を下流側、排気側等と呼ぶ。
上記の流路形成面7Aをなす各面のうち、燃料噴射部8及びランプ部9が設けられる面は、流路底面7Bとされている。なお、ここで言う流路底面7Bとは、流路形成面7Aのうち、機体部2から最も離間する側の面を指す。流路底面7Bの両側の端縁には、機体部2の高さ方向に延びる一対の流路側面7Sが接続されている。また、流路底面7Bと機体部2の高さ方向で対向する面は流路天面7Cとされている。この流路天面7Cは機体部2と一体に形成されている。以降の説明では、流路底面7Bと流路天面7Cとを結ぶ方向を「高さ方向」と呼び、一対の流路側面7S同士を結ぶ方向を「幅方向」と呼ぶ。
流路底面7Bは、上流側から下流側に向かって配列された上流部71と、保炎部72と、下流部73と、を有している。上流部71は、上流側から下流側に向かうに従って次第に流路天面7Cに近接するように傾斜している。保炎部72には、流路底面7B(流路形成面7A)から凹没するように形成された凹部13が形成されている。より詳細には、この凹部13は、流路天面7Cから離間する方向に凹没している。下流部73は、上流側から下流側に向かうに従って次第に流路天面7Cから離間するように傾斜している。すなわち、上流部71と下流部73とでは、その傾斜方向が互いに反対である。これにより、上下流方向から見た燃焼流路12の断面積は、吸気側から凹部13に向かうに従って次第に減少するとともに、凹部13から排気側に向かうに従って次第に増加している。
上流部71には、上流側から下流側に向かって順に、ランプ部9と、燃料噴射部8と、が設けられている。ランプ部9は、燃焼流路12内の空気の挙動を変化させることで空気と燃料との混合を促進するために設けられる。具体的にはランプ部9は、流路形成面7A(流路底面7B)から流路天面7C側に向かって高さ方向に突出している。
図3に示すように、ランプ部9は4つの面によって形成されている。これら4つの面のうち、上流側を臨む面(凹曲面91)は、上流側から下流側に向かうに従って流路底面7Bから離れるように曲面状に延びている。凹曲面91の上流側の端縁は流路底面7Bに連続的に接続されている。すなわち、凹曲面91と流路底面7Bとの間には段差等が形成されていない。さらに、凹曲面91の幅方向の寸法は、上流側から下流側に向かうに従って次第に縮小している。すなわち、流路底面7Bに対する平面視で、凹曲面91は上流側の端縁を下底とし、下流側の端縁を上底とする台形状をなしている。
ランプ部9の各面のうち、幅方向両側を臨む一対の面(側面92)は、凹曲面91における幅方向両側の端縁から流路底面7B側の端縁に向かって平面状に延びている。幅方向から見て、側面92は三角形状をなしている。さらに、側面92と流路底面7Bとが接する端縁は、上下流方向に平行に延びている。ランプ部9の各面のうち、凹曲面91、及び一対の側面92を除く残余の面は下流面93とされている。下流面93は、凹曲面91の下流側の端縁から流路底面7B側の端縁に向かって平面状に延びている。
燃料噴射部8は、燃焼流路12中に燃料を供給するための装置である。具体的には図4に示すように、燃料噴射部8は、ランプ部9の下流側であって、凹部13の上流側の領域に設けられた一対の噴射ノズル14を有している。それぞれの噴射ノズル14は、内部に燃料が流通する流路である。噴射ノズル14の開孔形状は円形である。噴射ノズル14の一端は、流路底面7B上で幅方向に間隔をあけて開孔している。一方で、噴射ノズル14の他端は、燃料を貯留するタンク、及びタンク中の燃料を圧送するための燃料ポンプ(いずれも図示省略)に接続されている。
本実施形態では、各噴射ノズル14は、上記ランプ部9の側面92と流路底面7Bとが交差する線の延長線上に設けられている。言い換えると、一対の噴射ノズル14の中心点同士は、幅方向におけるランプ部9の寸法の分だけ互いに離間している。また、噴射ノズル14はランプ部9の下流面93から上下流方向に離間した位置に設けられている。上下流方向における一対の噴射ノズル14の位置は互いに同一である。
続いて、上記のスクラムジェットエンジン3、及び飛しょう体1の動作について説明する。
飛しょう体1は、離陸後の加速を経て、超音速状態(一例として、マッハ5以上)に至る。超音速状態下では、スクラムジェットエンジン3に対して、吸気口10を通じて超音速の空気流が連続的に流入する。
上記の状態で、燃料噴射部8は、空気流に対して燃料を供給する。この燃料が燃焼流路12中で空気と混合されることで混合気が生成される。次いで、混合気に対して着火器(図示省略)による着火を施すことで、上記の燃焼流路12中には、超音速燃焼を伴う燃焼領域が形成される。燃焼領域中では高温高圧の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスを上記の空気流とともに排気口11から噴射することで、スクラムジェットエンジン3は機体部2に推力を与える。
ここで、スクラムジェットエンジン3では、外部の空気を超音速のまま燃焼器に取り入れ、燃料と混合した後、超音速燃焼させることで推力を発生する。すなわち、燃焼器内における空気の滞留時間が非常に短いため、燃焼火炎を保持するためには燃料と空気との混合を速やかに行う必要がある。
そこで、本実施形態に係るスクラムジェットエンジン3には、凹曲面91を有するランプ部9が設けられている。この構成によれば、ランプ部9に凹曲面91が形成されていることから、吸気側から燃焼流路12内に取り入れられた空気が当該凹曲面91に沿って流れる際にゲルトラー渦が形成される。ゲルトラー渦とは、凹型をなす曲面に沿って流体が流れる場合に、流体に働く遠心力によって当該曲面の表面近傍に形成される渦を指す。より具体的には図5に示すように、ランプ部9の凹曲面91上では、上流側から下流側に向かって延びる複数のゲルトラー渦が形成される。同図中では、互いに旋回する方向が異なる一対の渦が三対(計6個)形成されている例を示している。
このゲルトラー渦は、凹曲面91からさらに下流側に向かうに従って徐々に成長した後、燃料噴射部8(噴射ノズル14)から噴射された燃料を引きちぎるようにして下流側に流れる。これにより、燃焼領域中における燃料と空気との混合が促進されるため、スクラムジェットエンジン3の効率を向上させることができる。
さらに、燃料噴射部8の下流側には上記の凹部13が形成されている。この構成によれば、上流側から流れ込む空気の流れが、凹部13によって捕捉されて該凹部13内で再循環領域を形成する。再循環領域では、燃料と空気との混合が促進されて混合気が生成される。この混合気によって、燃焼領域中における保炎をより十分に行うことができる。
さらに、本実施形態に係るスクラムジェットエンジン3では、燃焼流路12の断面積が、吸気側から凹部13に向かうに従って次第に減少するとともに、凹部13から排気側に向かうに従って次第に増加している。したがって、燃焼流路12内における吸気側から凹部13までの領域では、超音速で流通する空気の流速を下げることができる。これにより、ランプ部9及び燃料噴射部8による空気と燃料との混合を比較的長時間にわたって行うことができる。一方で、凹部13から排気側までの領域では、燃焼によって生じた燃焼ガスの流速を上げることができる。これにより、スクラムジェットエンジン3の推力を確保するとともに、効率を向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図7に示すように、本実施形態に係るランプ部9では、凹曲面91に加えて、一対の側面92も曲面状に形成されている点で上記第一実施形態とは異なっている。上下流方向から見て、これら側面92は幅方向中央側に向かって凹没している。言い換えれば、これら側面92は、上下流方向から見て、流路形成面7A(流路底面7B)側から凹曲面91側に向かうに従って、流路形成面7Aから離れる方向に湾曲している。
このような構成によれば、凹曲面91上でのゲルトラー渦の形成に加えて、側面92上でも同様のゲルトラー渦を形成することができる。より具体的には、吸気側から燃焼流路12内に取り入れられた空気がランプ部9の側面92に沿って流れる際にゲルトラー渦が形成される。このゲルトラー渦は、下流側に向かうに従って徐々に成長した後、燃料噴射部8から噴射された燃料を引きちぎるようにして下流側に流れる。これにより、十分に発達した燃料と空気との混合を促進することができる。
[第三実施形態]
続いて、本発明の第三実施形態について図8を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図8に示すように、本実施形態では、ランプ部9の平面形状が上記各実施形態とは異なっている。具体的には、このランプ部9は、上流側から下流側に向かうに従って次第に先細りとなるように形成されている。言い換えると、流路形成面7Aに直交する方向から見て(平面視で)、上下流方向に直交する方向(幅方向)におけるランプ部9の寸法が、上流側から下流側に向かうに従って次第に小さくなっている。さらに言い換えると、側面92の流路底面7B側における一対の端縁は、凹曲面91の幅方向両側における一対の端縁と同一の方向に延びている。また、上記の第二実施形態と同様に、凹曲面91及び側面92は曲面状に形成されている。
このような構成によれば、ランプ部9が上流側から下流側にかけて先細りとなっていることで、側面92と流路形成面7A(流路側面7S)との間に形成される空間は、上流側から下流側に向かうに従って幅方向に次第に拡大する。これにより、超音速下では当該空間を流通する空気の圧力をさらに下げることができる。すなわち、ランプ部9の両側を流通する空気の圧力を、ランプ部9の上面(凹曲面91)を流通する空気の圧力に比べて小さくすることができる。この圧力差に基づいて、ランプ部9の下流側で強い渦を形成することができる。したがって、上述したゲルトラー渦に加えて、この渦が形成されることで、ランプ部9の下流側における空気と燃料との混合をさらに促進することができる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について図9及び図10を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。これらの図に示すように、本実施形態では、ランプ部9は上記第三実施形態と同一の構成を有している一方で、燃料噴射部8は上記各実施形態とは異なる構成を有している。
より具体的には、本実施形態では噴射ノズル14の延びる方向が上記各実施形態と異なっている。図10に示すように、上下流方向から見て、これらの噴射ノズル14は、他端から一端に向かうに従って互いに離間する方向に延びている。すなわち、各噴射ノズル14の延びる方向は、流路形成面7Aに対して直交することなく交差している。これにより、各噴射ノズル14から噴射される燃料は、上下流方向から見て互いに離間する方向に向かう。
ここで、ランプ部9の側面92上では、上述のゲルトラー渦が形成されている。このゲルトラー渦は、下流側から見て右側の側面92上では時計回りに旋回し、左側の側面92上では反時計回りに旋回する。すなわち、ランプ部9の下流側における流路形成面7A上では、ゲルトラー渦を伴う空気の流れと、噴射ノズル14から噴射された燃料の噴流とが互いに対向する。すなわち、空気と燃料とが正面衝突する。これにより、空気と燃料との混合をさらに促進することができる。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態について図11を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態では、ランプ部9は上記第三実施形態と同一の構成を有している一方で、燃料噴射部8は上記各実施形態とは異なる構成を有している。
より具体的には、本実施形態では各噴射ノズル14の内周面にねじ溝Tが形成されている。さらに、一対の噴射ノズル14同士では、ねじ溝Tの旋回する方向が互いに異なっている。下流側から見て左側に位置する噴射ノズル14の内周面には、右ねじ溝TRが形成されている。一方で、下流側から見て右側に位置する噴射ノズル14の内周面には、左ねじ溝TLが形成されている。なお、右ねじ溝TRとは、噴射ノズル14を一端側(流路形成面7A上の開孔側)から見た場合に、一端側から他端側に向かうに従って時計回りに旋回する溝である。反対に左ねじ溝TLとは、噴射ノズル14を一端側から見た場合に、一端側から他端側に向かうに従って反時計回りに旋回する溝である。
このような構成によれば、図12に示すように、噴射ノズル14から噴射される燃料は、ねじ溝Tによって形成された渦を伴って下流側に流れる。より詳細には、燃料を含む渦(図12中の鎖線矢印)は、噴射ノズル14の一端から流路形成面7Aに直交する方向に向かって燃焼流路12内に流れ出た後、該燃焼流路12内を流通する空気と合流することで次第に下流側に向かって向きを変える。
このように、本実施形態では、噴射ノズル14の内周面にねじ溝Tが形成されるとともに、各噴射ノズル14におけるねじ溝Tの旋回方向が互いに異なっている。より具体的には、下流側から見て左側に位置する噴射ノズル14の内周面には、右ねじ溝TRが形成されている。下流側から見て右側に位置する噴射ノズル14の内周面には、左ねじ溝TLが形成されている。
他方で、下流側から見てランプ部9の左側に位置する側面92上では反時計回りに旋回するゲルトラー渦が形成され、右側に位置する側面92上では時計回りに旋回するゲルトラー渦が形成される。すなわち、図11に示すように、燃料噴射部8の下流側では、燃料を含む渦(図11中の鎖線矢印)と、ランプ部9によって形成されたゲルトラー渦(図11中の実線矢印)とが互いに対向する方向に旋回している。したがって、ランプ部9によって形成された渦と、噴射ノズル14によって形成された渦とが互いに衝突するため、空気と燃料との混合をさらに促進することができる。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して説明した。なお、上記の各実施形態で示した構成は一例であって、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて上記の構成に種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の各実施形態では、流路底面7B上に保炎部72としての凹部13が形成されている例について説明した。しかしながら、保炎部72としては他の構成を有する装置を用いることが可能である。
また、上記の各実施形態では、流路底面7B上にのみ、ランプ部9、燃料噴射部8が設けられている例について説明した。しかしながら、流路底面7B以外の面(流路天面7C、流路側面7S)に他のランプ部9、燃料噴射部8が設けられていてもよい。すなわち、流路形成面7Aの周方向に間隔をあけて複数のランプ部9、燃料噴射部8が配列される構成を採ることも可能である。
1…飛しょう体
2…機体部
3…スクラムジェットエンジン
4…機体本体
5…主翼
6…尾翼
7…カウル
7A…流路形成面
7B…流路底面
7C…流路天面
7S…流路側面
8…燃料噴射部
9…ランプ部
10…吸気口
11…排気口
12…燃焼流路
13…凹部
14…噴射ノズル
71…上流部
72…保炎部
73…下流部
91…凹曲面
92…側面
93…下流面
T…ねじ溝
TL…左ねじ溝
TR…右ねじ溝

Claims (8)

  1. 吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路を形成する流路形成面と、
    前記燃焼領域の上流側で、前記流路形成面から燃料を噴射する燃料噴射部と、
    該燃料噴射部の上流側に設けられ、前記流路形成面に接続されて下流側に向かうに従って該流路形成面から離れるように曲面状に延びる凹曲面を有するランプ部と、
    を備え
    前記ランプ部は、上下流方向に延びて、前記凹曲面と、前記流路形成面とを接続する一対の側面を有し、上下流方向から見て該側面は、前記流路形成面から前記凹曲面に向かうに従って前記流路形成面から離れるように延びているスクラムジェットエンジン。
  2. 前記流路形成面に直交する方向から見て、上下流方向に直交する方向における前記ランプ部の寸法は、上流側から下流側に向かうに従って次第に小さくなる請求項1に記載のスクラムジェットエンジン。
  3. 前記燃料噴射部は、上下流方向に直交する方向に配列され、一端が前記流路形成面上に開孔する一対の噴射ノズルを有し、該一対の噴射ノズルは、他端から一端に向かうに従って互いに離間する方向に延びている請求項1又は2に記載のスクラムジェットエンジン。
  4. 吸気側から燃焼領域を経て排気側へ至る燃焼流路を形成する流路形成面と、
    前記燃焼領域の上流側で、前記流路形成面から燃料を噴射する燃料噴射部と、
    該燃料噴射部の上流側に設けられ、前記流路形成面に接続されて下流側に向かうに従って該流路形成面から離れるように曲面状に延びる凹曲面を有するランプ部と、
    を備え、
    前記燃料噴射部は、上下流方向に直交する方向に配列され、一端が前記流路形成面上に開孔する一対の噴射ノズルを有し、該一対の噴射ノズルは、他端から一端に向かうに従って互いに離間する方向に延びているスクラムジェットエンジン。
  5. 前記噴射ノズルは、該噴射ノズルの延びる方向から見て円形の断面を有するとともに、該噴射ノズルの内周面にはねじ溝が形成され、前記一対の噴射ノズル同士で前記ねじ溝の旋回する方向が互いに異なる請求項3又は4に記載のスクラムジェットエンジン。
  6. 前記燃料噴射部の下流側に、前記流路形成面から凹没する凹部が形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載のスクラムジェットエンジン。
  7. 上下流方向における断面視で、前記燃焼流路の断面積は、吸気側から前記凹部に向かうに従って次第に減少するとともに、前記凹部から排気側に向かうに従って次第に増加する請求項6に記載のスクラムジェットエンジン。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のスクラムジェットエンジンと、
    前記スクラムジェットエンジンの推力によって推進される機体部と、
    を備える飛しょう体。
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