JP6628181B2 - 質量分析を用いた試料解析方法及び試料解析システム - Google Patents
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a)解析対象である目的試料と同種の多数の参照試料を事前にそれぞれ質量分析することでマススペクトルを取得する事前測定ステップと、
b)前記事前測定ステップで得られた多数のマススペクトルを集めた母集団スペクトルライブラリに対して所定の統計処理を実施することにより、該母集団スペクトルライブラリにおける中心的傾向を示す代表的なマススペクトルを算出し、その代表的なマススペクトルを母集団統計情報として記憶しておく母集団決定ステップと、
c)目的試料を質量分析することでマススペクトルを取得する目的試料測定ステップと
d)前記目的試料測定ステップで得られたマススペクトルから前記母集団決定ステップにおいて記憶されている母集団統計情報に該当する情報を削除することにより、前記目的試料に含まれる特異的成分に関する情報が反映されていると推測されるマススペクトルを取得する特異的成分情報取得ステップと、
e)前記特異的成分情報取得ステップで得られたマススペクトルに基づいて前記目的試料に含まれる特異的成分を推定する特定成分推定ステップと、
を有することを特徴としている。
a)解析対象である目的試料と同種の多数の参照試料を事前にそれぞれ質量分析することで取得されたマススペクトルを集めた母集団スペクトルライブラリに対して所定の統計処理を実施することにより、該母集団スペクトルライブラリにおける中心的傾向を示す代表的なマススペクトルを算出し、その代表的なマススペクトルを母集団統計情報として記憶しておく母集団決定処理部と、
b)目的試料を質量分析してマススペクトルを取得する測定実行部と、
c)前記測定実行部により得られた目的試料に対するマススペクトルから前記母集団決定処理部により記憶されている母集団統計情報に該当する情報を削除することにより、前記目的試料に含まれる特異的成分に関する情報が反映されていると推測されるマススペクトルを取得する特異的成分情報取得部と、
を備え、前記特異的成分情報取得部により得られたマススペクトルに基づいて前記目的試料に含まれる特異的成分を推定可能としたことを特徴としている。
また、特定成分推定ステップでは、特異的成分情報取得ステップで得られたマススペクトルを表示画面上に表示し、分析者が目視作業で該マススペクトルに基づく特異的成分の推定を行うようにしてもよい。
母集団決定ステップでは、母集団スペクトルライブラリから代表的なマススペクトルを算出するとともに質量電荷比毎に信号強度の標準偏差を求めて母集団統計情報として記憶し、
特異的成分情報取得ステップでは、目的試料測定ステップで得られたマススペクトルから上記代表的なマススペクトルを差し引いて差分マススペクトルを算出するとともに、その差分スペクトル上の各信号強度をそれぞれの質量電荷比における標準偏差で除することで信号強度を補正した差分マススペクトルを求めるようにするとよい。
これにより、解析目的に応じた、或いは目的試料に含まれる成分に応じた、より適切な情報をユーザに提供することが可能となる。
まず、目的試料と同種の参照試料として、過去の様々な日時に河川aから採取した水又は河川a以外の様々な河川から採取した水を用意する。この参照試料の数は多いほどよい。そして、この参照試料をそれぞれ、LC部1、MS部2から成るLC−MSに導入して同一の分離条件の下で測定を実行する(ステップS1)。このとき、MS部2では例えば、所定の時間間隔で所定の質量電荷比範囲のスキャン測定を繰り返し行い、該所定の質量電荷比範囲に亘るイオン強度を示すマススペクトルデータを繰り返し取得する。
以上で、上述した第1段階の作業及び処理が終了する。
また、差分マススペクトルの算出時ではなく、代表マススペクトル自体の質量電荷比毎の信号強度に、統計処理で得られた標準偏差を反映させるようにしても同様の効果が得られる。
例えば、癌などの特定の疾病に罹患したあとに治癒した多数の人から採取した血液を第1群の参照試料、その特定の疾病に罹患している多数の人から採取した血液を第2群の参照試料とし、それら二つの群にそれぞれ対応する母集団スペクトルライブラリを構築する。そして、その二つの母集団スペクトルライブラリに対してそれぞれ統計処理を行って代表マススペクトル等の母集団統計データを求めておく。いま、上記特定の疾病に罹患していて治療中の患者から採取した血液を目的試料としたとき、上記二つの群にそれぞれ対応する母集団統計データを用いて特異的成分を抽出すれば、第1群に対する特異的成分と第2群とに対する特異的成分とが求まる。そこで、それら複数の特異的成分に着目した定量分析などの詳細な分析を行うことで、上記患者における治療の効果や治癒の度合いなどを調べることができる。
2…MS部
3…データ処理部
31…データ収集処理部
32…マススペクトル作成部
33…スペクトルライブラリ構築部
34…母集団スペクトルライブラリ
35…母集団統計データ算出部
36…母集団統計データ記憶部
37…特異的成分推定部
4…入力部
5…表示部
Claims (5)
- 試料に含まれる特異的成分を質量分析を利用して調べる試料解析方法であって、
a)解析対象である目的試料と同種の多数の参照試料を事前にそれぞれ質量分析することでマススペクトルを取得する事前測定ステップと、
b)前記事前測定ステップで得られた多数のマススペクトルを集めた母集団スペクトルライブラリに対して所定の統計処理を実施することにより、該母集団スペクトルライブラリにおける中心的傾向を示す代表的なマススペクトルを算出し、その代表的なマススペクトルを母集団統計情報として記憶しておく母集団決定ステップと、
c)目的試料を質量分析することでマススペクトルを取得する目的試料測定ステップと
d)前記目的試料測定ステップで得られたマススペクトルから前記母集団決定ステップにおいて記憶されている母集団統計情報に該当する情報を削除することにより、前記目的試料に含まれる特異的成分に関する情報が反映されていると推測されるマススペクトルを取得する特異的成分情報取得ステップと、
e)前記特異的成分情報取得ステップで得られたマススペクトルに基づいて前記目的試料に含まれる特異的成分を推定する特定成分推定ステップと、
を有することを特徴とする質量分析を用いた試料解析方法。 - 請求項1に記載の質量分析を用いた試料解析方法であって、
前記代表的なマススペクトルは、複数のマススペクトルに対する平均値、中央値、又は最頻値を求めることで得られるものであることを特徴とする質量分析を用いた試料解析方法。 - 請求項1又は2に記載の質量分析を用いた試料解析方法であって、
前記母集団決定ステップでは、前記母集団スペクトルライブラリから代表的なマススペクトルを算出するとともに標準偏差を求めて母集団統計情報として記憶し、
前記特異的成分情報取得ステップでは、前記目的試料測定ステップで得られたマススペクトルから前記代表的なマススペクトルを差し引いて差分マススペクトルを算出するとともに、その差分スペクトル上の各信号強度を前記標準偏差で除することで該信号強度を補正することを特徴とする質量分析を用いた試料解析方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の質量分析を用いた試料解析方法であって、
目的試料と同種であって異なる特徴を有する複数の群にそれぞれ含まれる多数の参照試料をそれぞれ質量分析することで複数の母集団スペクトルライブラリを作成し、
前記特異的成分情報取得ステップでは、その複数の母集団スペクトルライブラリにそれぞれ基づく母集団統計情報を利用して目的試料に含まれる特異的成分に関する情報が反映されていると推測されるマススペクトルをそれぞれ求める、又はその複数の母集団スペクトルライブラリのうちの一つに基づく母集団統計情報を利用して目的試料に含まれる特異的成分に関する情報が反映されていると推測されるマススペクトルを求めることを特徴とする質量分析を用いた試料解析方法。 - 試料に含まれる特異的成分を質量分析を利用して調べる試料解析システムにおいて、
a)解析対象である目的試料と同種の多数の参照試料を事前にそれぞれ質量分析することで取得されたマススペクトルを集めた母集団スペクトルライブラリに対して所定の統計処理を実施することにより、該母集団スペクトルライブラリにおける中心的傾向を示す代表的なマススペクトルを算出し、その代表的なマススペクトルを母集団統計情報として記憶しておく母集団決定処理部と、
b)目的試料を質量分析してマススペクトルを取得する測定実行部と、
c)前記測定実行部により得られた目的試料に対するマススペクトルから前記母集団決定処理部により記憶されている母集団統計情報に該当する情報を削除することにより、前記目的試料に含まれる特異的成分に関する情報が反映されていると推測されるマススペクトルを取得する特異的成分情報取得部と、
を備え、前記特異的成分情報取得部により得られたマススペクトルに基づいて前記目的試料に含まれる特異的成分を推定可能としたことを特徴とする質量分析を用いた試料解析システム。
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JP2015246040A JP6628181B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 質量分析を用いた試料解析方法及び試料解析システム |
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