JP6628143B2 - 弁機構、減衰力発生装置、及び緩衝器 - Google Patents
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Description
また、弁体はソレノイド可動子の先端部に設けられ、ソレノイド固定子とソレノイド可動子との間に生じさせる電磁力によって、弁体を弁座に接離する方向に駆動する。ソレノイド固定子に印加する電流値を制御し、弁座に対する弁体の位置を変位させることで、流路開口の寸法が可変となっている。
これに対し、特許文献1に開示された構成においては、ソレノイド可動子の先端部に設けられた弁体の弁座に対する位置精度は、ハウジングに対するソレノイド固定子の取付位置精度、ハウジングにおける弁座の位置精度等、機械加工精度に左右される。
そこでなされた本発明の目的は、減衰力を、確実かつ高精度に発生させることができる弁機構、減衰力発生装置、及び緩衝器を提供することである。
本発明に係る弁機構は、流体の流路の一端の開口の径方向外側に形成された弁座を有するハウジングと、前記弁座に対して接離する方向に移動可能に設けられた駆動弁と、前記弁座と前記駆動弁との間に設けられ、前記流体が流通する開口部を有した複数枚のバルブ体と、前記駆動弁を前記弁座に接近する方向に移動させ、複数枚のバルブ体のうち、最も前記駆動弁に近い前記バルブ体を、前記バルブ体の外周部に対して内周部が前記弁座に接近する方向に弾性変形させることで、前記バルブ体の内周部と前記弁座との間の隙間を可変とする駆動弁移動機構と、複数枚の前記バルブ体の前記開口部同士を連通させた状態で、複数枚の前記バルブ体の周方向への相対的な回転を拘束する回転拘束部と、を備えることを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係る緩衝器の全体構成を示す断面図である。
図1に示すように、緩衝器10は、例えば自動二輪車の車体と後輪を支持する後輪支持部との間に設けられ、後輪から入力される衝撃や振動を緩衝する。以下の説明において、緩衝器10は、上下方向に延び、その上端部に設けられた車体側取付部18が車体側に連結され、下端部に設けられた車軸側取付部材20が後輪側に連結される。ただし、本発明は、緩衝器10を例えば横方向(略水平方向)に延びるように設ける場合を排除するものではない。
また、ロッドガイド23には、その上側に、ピストン12が衝突したときの衝撃を吸収するリバウンドラバー24が設けられている。
ダンパーケース16には、油孔104に対向する位置に、後述する減衰力発生装置40の第三油室S13(図3参照)に連通する流路105が形成されている。
図2は、緩衝器に設けられたダンパーケースを示す平面図である。
図2に示すように、リザーバ30は、ダンパーケース16に形成され、例えば円筒状で、その内部に袋状のブラダ31を備えている。ブラダ31はゴム等の弾性体によって袋状に成形されたもので、膨張及び収縮が可能となっている。ブラダ31の内部には、エア等のガスが充填されている。また、リザーバ30内において、ブラダ31の外側の空間は、油溜室S3とされ、連通路107を介して、後述する減衰力発生装置40の第二油室S12(図3参照)に連通している。
図3は、ダンパーケースに設けられた減衰力発生装置を示す断面図である。
減衰力発生装置40は、ダンパーケース16に形成された有底筒状のダンパ保持部27に設けられている。減衰力発生装置40は、全体として円柱状をなし、カートリッジケース41と、メインダンパ(減衰力発生機構)42と、弁座部材(ハウジング)50と、制御弁部(弁機構)60とを、主に備えている。
以下の説明において、減衰力発生装置40において、カートリッジケース41が設けられた側を第一端40aとし、その反対側を第二端40bとし、第一端40aと第二端40bとを結ぶ方向を中心軸C方向とする。
伸側入口油路44tは、伸側弁座部材44の第二端40b側に開口している。伸側減衰バルブ45は、伸側入口油路44tの第一端40a側の出口を塞ぐように設けられている。伸側減衰バルブ45は、複数枚のディスクバルブ45vを積層して構成されている。
圧側出口油路44cは、伸側弁座部材44の第一端40a側に開口している。圧側出口チェック弁43は、ディスクバルブ43vからなり、圧側出口油路44cの第二端40b側の出口を塞ぐように設けられている。
圧側入口油路48cは、圧側弁座部材48の第一端40a側に開口している。圧側減衰バルブ47は、圧側入口油路48cの第二端40b側の出口を塞ぐように設けられている。圧側減衰バルブ47は、複数枚のディスクバルブ47vを積層して構成されている。
伸側出口油路48tは、圧側弁座部材48の第二端40b側に開口している。伸側出口チェック弁49は、ディスクバルブ49vからなり、伸側出口油路48tの第一端40a側の出口を塞ぐように設けられている。
圧側出口チェック弁43、及び伸側出口チェック弁49は、通常時は圧側出口油路44c、伸側出口油路48tを閉塞してオイルの流れを遮断し、圧側出口油路44c、伸側出口油路48tを通るオイルの圧力に応じて撓み変形し、オイルを流通させる。
小径部51は、弁座部材50において第二端40b側に形成されている。小径部51は、減衰力発生装置40の中心軸C方向に沿って延び、円環状のバルブストッパ39、圧側出口チェック弁43、伸側弁座部材44、伸側減衰バルブ45、中間部材46、圧側減衰バルブ47、圧側弁座部材48、及び伸側出口チェック弁49の中心部に形成された開口に挿通されている。小径部51の外径は、円環状のバルブストッパ39、圧側出口チェック弁43、伸側弁座部材44、伸側減衰バルブ45、中間部材46、圧側減衰バルブ47、圧側弁座部材48、及び伸側出口チェック弁49の中心部に形成された開口の直径と略同一の大きさで形成されている。最も第二端40b側に配置されたバルブストッパ39は、小径部51の外周面に設けられたストッパーリング39sにより、小径部51から第二端40b側に抜ける方向への移動が規制されている。
図4に示すように、大径部52には、小径部51側に向かって窪む凹部54が形成されている。大径部52の凹部54の中央部には、凹部54の底面54bから隆起したボス部55が形成されている。
また、大径部52には、第一端40a側に、さらに外周側に拡径して第一端40a(図4の上方、図3参照)側に延びる筒状部52tが形成されている。
このようにしてカートリッジケース41から第二端40b側に突出したメインダンパ42と弁座部材50の大径部52とは、有底筒状のダンパ保持部27の内側に挿入配置されている。
第一油室S11は圧側弁座部材48のシールリング48sよりも第一端40a側に形成されている。第二油室S12は、伸側弁座部材44のシールリング44sと圧側弁座部材48のシールリング48sとの間に形成されている。第三油室S13は、ダンパーケース16の第二端40b側の底部と伸側弁座部材44のシールリング44sとの間に形成されている。
また、ダンパーケース16には、圧側弁座部材48と伸側弁座部材44との間で第二油室S12に臨む位置に、リザーバ30内の油溜室S3に連通する連通路107が形成されている。
コイル66は、円筒状で、プランジャ室69の外周側に配置されている。
ロッド67には、中心軸C方向に貫通する貫通孔67hが形成されている。
また、コア65Aと弁ホルダ64との間には、ロッド67の径方向外側に広がる背圧室65rが形成されている。この背圧室65rは、隙間61aに連通し、さらに連通孔(図示無し)を通してロッド67の貫通孔67h内にも連通している。
図5は、第一バルブ、第二バルブを構成するバルブ体の平面図である。
この図5に示すように、各バルブ体72は、円環状の外枠74と、外枠74の内周側に同心状に設けられた円環状の内枠75と、内枠75の内側に形成された中心孔(貫通孔)76と、を備えている。さらに、第一バルブ71A、第二バルブ71Bは、それぞれ、外枠74と内枠75との間に、周方向に間隔をあけて複数の開口部77が形成されている。開口部77の周方向両側には、周方向において互いに隣接する開口部77,77の間に、外枠74と内枠75とを結ぶスポーク72Sが形成されている。
図5に示した例では、各バルブ体72は、中心軸C回りの周方向に間隔を空けて計3個の開口部77が形成されている。
この図6に示すように、調整バルブ部70は、第一バルブ71A、第二バルブ71Bを形成する2枚のバルブ体72が、中心軸C(図4参照)回りに相対的に回転して周方向に位置ズレするのを防ぐため、バルブ回転拘束部(回転拘束部)80を備えている。本実施形態において、バルブ回転拘束部80は、弁ホルダ64に設けられた係止爪(突起)81からなる。
図7に示すように、弁ホルダ64には、端面64fに対して径方向内側に、周方向に沿って間隔を空けて複数の係止爪81が一体に形成されている。各係止爪81は、弁ホルダ64から第二端40b側に向かって延び、その先端部が、第二端40b側に向かって漸次細くなるよう先細り形状に形成されている。
また、各開口部77において、その周方向両端部に配置された係止爪81,81の間には、バルブ体72の両面を連通し、オイルの流路となる流通路82が形成されている。
この状態で第一バルブ71A及び第二バルブ71Bは、内枠75の内周縁部75eが、弁座63よりも中心軸C側(径方向内側)に突出している。
スリーブ78は、弁座部材50のボス部55の外周側の凹部54内に収容され、凹部54の底面54bから弁ホルダ64側に向かって中心軸C方向に沿って移動可能に設けられている。スリーブ78の第一端40a側の端部78aは、第一バルブ71Aの外枠74に突き当たっている。また、スリーブ78の端部78aの内側には、中心軸C側(径方向内側)に張り出すリング状のリブ78rが形成されている。
ピストン12がシリンダ11内で車体側に移動する圧側行程においては、ピストン側油室S1内のオイルがピストン12により圧縮される。すると、ピストン側油室S1内のオイルは、ダンパーケース16に形成された油孔102から、ダンパ保持部27内に形成された第一油室S11に送り込まれる。図3の矢印C1に示すように、第一油室S11に送り込まれたオイルは、メインダンパ42の圧側弁座部材48に形成された圧側入口油路48cを通り、その出口側に設けられた圧側減衰バルブ47を押し開き、第二油室S12へと流れ込む。このとき圧側減衰バルブ47を押し開いて、圧側入口油路48cの出口と圧側減衰バルブ47との間に形成された隙間をオイルが通ることで、減衰力が発生される。
図8に示すように、ソレノイドアクチュエータ62のコイル66に印加する電流を増加させて駆動弁61を弁座63側(第二端40b側)に突出させると、第二バルブ71Bのスポーク72Sが、外枠74側を中心として内枠75側が第一バルブ71Aに接近する方向に撓み変形する。すると、第一バルブ71Aの内枠75の内周縁部75eと第二バルブ71Bの内枠75の内周縁部75eとの間に形成される隙間流路110の開口寸法が、スペーサ73の板厚寸法よりも小さくなる。これにより、絞り部Sの開口面積を小さくし、オイルが隙間流路110(絞り部S)を通過する時に生じる減衰力を増加させることができる。
このように、第二バルブ71Bの撓み変形量をソレノイドアクチュエータ62で制御することで、制御弁部60が発生する。減衰力を調整することができる。
図9に示すように、路面の凸凹等によって車輪が急激に上下方向に変位し、ピストン12がシリンダ11内で高速に変位すると、メインダンパ42を経て弁座部材50の中央流路106を通って制御弁部60に到達したオイルの流れC6の圧力によって、第一バルブ71Aの内枠75において弁座63よりも中心軸C側(径方向内側)に突出した部分が受圧部P1となり、駆動弁61側(第一端40a側)に押圧される。このときのオイルの圧力が大きければ、第一バルブ71Aと、スペーサ73と、第二バルブ71Bと、駆動弁61とが、ソレノイドアクチュエータ62で発生する付勢力に抗して押圧され、第一端40a側に変位する。このとき、第一バルブ71Aの駆動弁61側にはオイルが回り込むため、第一バルブ71Aの弁座63側と駆動弁61側とは同圧である。これにより、第一バルブ71Aは、撓まないまま、第二バルブ71B、駆動弁61とともにリフトする。その結果、第一バルブ71Aと第二バルブ71Bとの間の隙間流路110による絞り部Sに加えて、第一バルブ71Aの内枠75と弁座63との間にも絞り部Sが形成される。これらの絞り部S,Sをオイルが通り抜けるときに、減衰力を発揮する。
これらの隙間流路110を通り抜けたオイルは、弁座部材50の大径部52に形成された流路孔56を通って第一油室S11へと流れ込む。なお、流路孔57は、流路孔56よりも内径が小さく、通常動作時には、オイルは流路孔57を流通しない。
車輪の上下動によってピストン12がシリンダ11内で車輪側に移動する伸側行程においては、ロッド側油室S2内のオイルがピストン12により圧縮される。すると、ロッド側油室S2内のオイルは、内筒14の下端部に形成された油孔103を通り、内筒14と外筒15との間に形成された円筒状の流路101へと流れ込む。この流路101を流れるオイルは、外筒15の上端部に形成された油孔104から、ダンパーケース16に形成された流路105を通り、減衰力発生装置40の第三油室S13へと送り込まれる。
ところで、路面の凸凹等によって車輪が急激に変位し、ピストン12がシリンダ11内で高速に変位すると、図10に矢印T7に示すように、弁座部材50の大径部52に形成された流路孔56から、大径部52の内側に流れ込んだオイルの一部は、駆動弁61のテーパ部61tに強く衝突する。
ここで、駆動弁61には、第一端40a側から駆動弁61を弁座63側に押圧する背圧が作用している。これは、駆動弁61に形成された貫通孔61h、ロッド67の貫通孔67hを通し、背圧室65rにオイルが流れ込むことによる。この背圧により、駆動弁61のテーパ部61tにオイルが衝突することで発生する圧力の大部分は相殺される。その結果、駆動弁61のテーパ部61tにおいて、駆動弁61においてロッド67の外径よりも外周側で、第二バルブ71Bの内枠75の内周縁部75eよりも外周側の部分が受圧部P2となり、この受圧部P2に作用する圧力によって、駆動弁61が弁座63から離間する方向に押圧される。
この受圧部P2に作用するオイルの圧力が、ソレノイドアクチュエータ62による付勢力を上回ると、駆動弁61が第二バルブ71Bから第一端40a側に離間する方向に移動する。すると、第一バルブ71Aの内枠75と第二バルブ71Bの内枠75との間の隙間流路110による絞り部Sに加え、駆動弁61のテーパ部61tと第二バルブ71Bの内枠75の内周縁部75eとの間にも絞り部Sが形成される。つまり、制御弁部60に形成される絞り部Sの流路面積が増大する。これらの絞り部S,Sをオイルが通り抜ける時に減衰力を発揮する、これらの絞り部S,Sを通り抜けたオイルは、弁座部材50の中央流路106を通って第三油室S13へと流れ込む。
このような構成によれば、ソレノイドアクチュエータ62により駆動弁61を弁座63側に移動させることで、複数枚のバルブ体72のうち、最も駆動弁61に近いバルブ体72である第二バルブ71Bを弾性変形させると、バルブ体72の内周部と弁座63との隙間流路110が狭まる。オイルは、この隙間流路110(絞り部S)を通ることで、減衰力を発生する。さらに、駆動弁61でバルブ体72の弾性変形量を調整することによって、隙間流路110で発生する減衰力を調整することができる。ここで、隙間流路110(絞り部S)の開口寸法は、最も駆動弁61に近いバルブ体72、すなわち第二バルブ71Bと、弁座63との間隔によって決まる。上記実施形態のごとく、バルブ体72をスペーサ73によって位置決めすることで、バルブ体72を高精度に設ければ、他の様々な部位の加工精度による影響を受けない。したがって、制御弁部60において、減衰力を高精度に発生させることができる。
このような構成によれば、弁ホルダ64に形成された係止爪81を、複数枚のバルブ体72に係合させることで、これら複数枚のバルブ体72を、開口部77同士を連通させた状態で拘束することができる。
このような構成によれば、開口部77に係止爪81を挿入することで、複数枚のバルブ体72を、開口部77同士を連通させた状態で拘束することができる。また、開口部77内において、係止爪81が挿入された部分以外がオイルの流通路82となるので、開口部77は、係止爪81を係合させる機能と、オイルの流通路82を形成する機能とを兼ね備えたものとなる。したがって、開口部77の他に、係止爪81を係合させるための被係合部を別途形成する必要が無く、バルブ体72をシンプルな形状として容易に製作することができる。
このような構成によれば、複数枚のバルブ体72同士の間に形成された隙間流路110をオイルが通ることで、減衰力を発揮することができる。スペーサ73は、板材をプレス加工等によって打ち抜くことで形成することができ、その板厚精度を容易に高くすることができる。これにより、複数枚のバルブ体72同士の隙間流路110の寸法は、スペーサ73によって正確に規定することができるので、オイルが隙間流路110を通るときに発生する減衰力を高精度に調整することができる。また、スペーサ73は、その板厚や枚数を異ならせることで、絞り部Sの隙間寸法を容易に調整することができる。
また、このような構成によれば、上記したような制御弁部60を備えることで、複数枚のバルブ体72の開口部77が連通した状態を維持し、オイルの流路を確保することができる。したがって、制御弁部60において、オイルの流路が隙間流路110以外で不用意に絞られることがなく、減衰力を確実に発揮することができる。
このような緩衝器10は、メインダンパ42においても、オイルが油溜室S3と流通可能である。詳しくは、メインダンパ42は、圧側行程時に減衰力を発生させる圧側減衰バルブ47と、圧側行程時に圧側減衰バルブ47の下流側に設けられた圧側出口チェック弁43と、伸側行程時に減衰力を発生させる伸側減衰バルブ45と、伸側行程時に伸側減衰バルブ45の下流側に設けられた伸側出口チェック弁49と、圧側減衰バルブ47と圧側出口チェック弁43との間が油溜室S3と連通され、伸側減衰バルブ45と伸側出口チェック弁49との間が油溜室S3と連通されている。
このような構成によれば、シリンダ11内へのピストンロッド13の進入体積に応じてシリンダ11内の油量が油溜室S3とのやりとりによって補償される。シリンダ11内におけるロッド側油室S2の圧力は、油溜室S3の圧力だけにほぼ依存するため、圧縮行程から伸長行程への移行時にロッド側油室S2の圧力が即座に上昇しないため所要の減衰力が正常に発生しない所謂「減衰力のさぼり」という現象を回避することができる。
また、このような構成によれば、上記したような制御弁部60を備えることで、複数枚のバルブ体72の開口部77が連通した状態を維持し、オイルの流路を確保することができる。したがって、制御弁部60において、オイルの流路が隙間流路110以外で不用意に絞られることがなく、減衰力を確実に発揮することができる。
上記実施形態では、2本の係止爪81,81を、バルブ体72を各開口部77に挿入することで、その回転を拘束するようにしたが、これに限らない。
例えば、図11に示すように、複数の開口部77に対し、周方向一方の側で開口部77の周方向端縁部77fに突き当たる係止爪81と、周方向他方の側で開口部77の周方向端縁部77gに突き当たる係止爪81とを備えていてもよい。
バルブ体72に、係止爪81を係合させる孔と、オイルの流通路とを、別々に設けてもよい。
例えば、図12に示すように、複数枚のバルブ体72のうちの一枚のバルブ体72Aに、他のバルブ体72B側に突出する突起85を備え、他のバルブ体72Bに形成された係合穴86に係合させるようにしてもよい。
このような構成によれば、複数枚のバルブ体72のうちの一枚のバルブ体72Aに形成された突起85を、他のバルブ体72Bの係合穴86に係合させることで、これら複数枚のバルブ体72を、開口部77同士を連通させた状態で拘束することができる。
例えば、図13に示すように、第一バルブ71Aと第二バルブ71Bとの間に2枚のスペーサ73が設けられ、中心軸C方向において互いに隣り合うスペーサ73,73の間に、バルブ体72からなる第三バルブ71Cを設けるようにしてもよい。
これにより、制御弁部60は、第一バルブ71A、第二バルブ71B、第三バルブ71Cの三枚のバルブ体72を備え、第一バルブ71Aと第三バルブ71Cとの間、第三バルブ71Cと第二バルブ71Bとの間に、それぞれ絞り部Sを形成する隙間流路110を形成することができる。
これにより、制御弁部60は、第一バルブ71A、第二バルブ71B、2枚の第三バルブ71C、の計4枚のバルブ体72を備え、第一バルブ71Aと第三バルブ71Cとの間、第三バルブ71Cと第三バルブ71Cとの間、第三バルブ71Cと第二バルブ71Bとの間に、それぞれ絞り部Sを形成する隙間流路110を形成することができる。
図13、図14に示したように、3枚以上のバルブ体72を備える場合においても、上記実施形態と同様の構成によって複数枚のバルブ体72の相対的な回転を拘束することで、オイルの流路を確保し、減衰力を確実に発揮することができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、第一バルブ71A,第二バルブ71B,第三バルブ71Cは、それぞれ、複数枚のバルブ体72を積層して形成してもよい。この場合も、第一バルブ71A,第二バルブ71B,第三バルブ71Cを構成する複数枚のバルブ体72の相対的な回転を拘束することで、オイルの流路を確保し、減衰力を確実に発揮することができる。
また、外枠74は、周方向全周に連続する環状に限らず、周方向に間隔を空けて複数個所のみに形成されていてもよい。
さらに、第一バルブ71Aは、スリーブ28と一体に形成してもよい。さらには、第一バルブ71Aを廃した構成としてもよい。
また、第二バルブ71Bは、中心孔76を有さない形状としてもよい。
また、第一バルブ71A、第二バルブ71Bは、同一形状に形成されているが、これに限定されることなく、例えば、開口部77の数や形状、大きさが異なったりする等、同一形状でなくてもよい。
例えば、図15に示すように、オイルによる受圧面積が確保できるよう、オイルの流れ方向に交差する受圧面120、121を有しているのであれば、駆動弁61は適宜他の形状としてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
11…シリンダ
12…ピストン
13…ピストンロッド
40…減衰力発生装置
42…メインダンパ(減衰力発生機構)
50…弁座部材(ハウジング)
60…制御弁部(弁機構)
61…駆動弁
62…ソレノイドアクチュエータ(駆動弁移動機構)
63…弁座
64…弁ホルダ(ホルダ部材)
71A…第一バルブ
71B…第二バルブ
71C…第三バルブ
72…バルブ体
73…スペーサ
74…外枠
75…内枠
76…中心孔(貫通孔)
77…開口部
80…バルブ回転拘束部(回転拘束部)
81…係止爪(突起)
82…流通路
106…中央流路(流路)
107…連通路
110…隙間流路(隙間)
C…中心軸
S…絞り部
S3…油溜室
Claims (9)
- 流体の流路の一端の開口の径方向外側に形成された弁座を有するハウジングと、
前記弁座に対して接離する方向に移動可能に設けられた駆動弁と、
前記弁座と前記駆動弁との間に設けられ、前記流体が流通する開口部を有した複数枚のバルブ体と、
前記駆動弁を前記弁座に接近する方向に移動させ、前記複数枚のバルブ体のうち、最も前記駆動弁に近い前記バルブ体を、前記バルブ体の外周部に対して内周部が前記弁座に接近する方向に弾性変形させることで、前記バルブ体の内周部と前記弁座との間の隙間を可変とする駆動弁移動機構と、
前記複数枚のバルブ体の前記開口部同士を連通させた状態で、前記複数枚のバルブ体の周方向への相対的な回転を拘束する回転拘束部と、
を備える弁機構。 - 前記バルブ体に対して前記駆動弁側に、前記駆動弁を移動可能に保持するホルダ部材を備え、
前記回転拘束部は、前記ホルダ部材から前記バルブ体側に突出し、前記複数枚のバルブ体に係合するよう形成された突起である、
ことを特徴とする請求項1に記載の弁機構。 - 前記回転拘束部は、前記複数枚のバルブ体のうちの一の前記バルブ体に形成され、他のバルブ体側に突出し、前記他のバルブ体に係合するよう形成された突起である、
ことを特徴とする請求項1に記載の弁機構。 - 前記突起は、前記複数枚のバルブ体の前記開口部に挿入される、
請求項2に記載の弁機構。 - 前記複数枚のバルブ体同士の間に挟み込まれ、前記複数枚のバルブ体同士の隙間を規定するスペーサをさらに備える、請求項1〜4の何れか一項に記載の弁機構。
- 前記バルブ体は、環状の内枠及び外枠と、前記内枠と前記外枠との間に形成された開口部と、前記内枠の内側に形成された貫通孔と、を有し、
前記駆動弁の先端部は、前記弁座側に向かって縮径され、前記先端部が、前記内枠に着座することによって前記貫通孔が閉塞される
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の弁機構。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載の弁機構と、
前記弁機構とは独立して設けられ、前記流体の流通による減衰力を発生する減衰力発生機構とを備える
ことを特徴とする減衰力発生装置。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載の弁機構と、
流体が封入されたシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、
前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、
前記シリンダ内に前記ピストンロッドが進入する場合に前記ピストンロッドの進入体積分の油量を補償する油溜室と、
前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体が前記弁機構に流れることにより減衰力を発生し、前記弁機構を経た前記流体が前記油溜室と流通可能である
ことを特徴とする緩衝器。 - 前記弁機構とは独立して設けられ、前記流体の流通による減衰力を発生する減衰力発生機構をさらに備え、
前記減衰力発生機構を経た前記流体が前記油溜室と流通可能である
ことを特徴とする請求項8に記載の緩衝器。
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