JP6626831B2 - ベータ−クロロシクロペンタンの親水性エステルプロドラッグの使用による角膜中心肥厚の減少 - Google Patents

ベータ−クロロシクロペンタンの親水性エステルプロドラッグの使用による角膜中心肥厚の減少 Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2012年8月27日に出願された米国特許仮出願シリアル番号61/693,437号の利益を主張する2013年8月23日出願された米国出願シリアル番号13/974,975号の一部継続出願であり、これらの全出願の全文が参照により本出願に組み入れられたものとする。
本発明は、アミノ−オキソアルキルエステルプロドラッグ並びに眼圧の低下及び緑内障の治療でのそれらの使用に関する。
緑内障は世界中の失明の主要原因の一つであり、米国では250万人以上がその疾患を患い、更に数百万人が緑内障を発症する危険性がある。人口の高齢化にともない、高齢者がこれに不均衡的に冒されるため、緑内障に苦しむ個体数が増加し続けている。
病因を準拠に緑内障は原発緑内障と続発性緑内障に分類される。また、先天性緑内障としても知られる原発緑内障は、眼の他症状の不在下でも発症する場合があり、その根本原因はわかっていない。しかし、原発緑内障で観察される眼圧(IOP)の上昇は眼からの房水の流れの閉塞に起因することがわかっている。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍、拡大した白内障、網膜中心静脈閉塞、眼の外傷、手術方法及び眼球内出血のような別の既存の眼性疾患に起因する。一般に、後眼房から前房へ、続いてシュレム管への房水の外向きの流れに対するあらゆる妨害が続発性緑内障をもたらし得る。
現在の緑内障の治療法は、発生した房水量を減らすこと、あるいは機械的手段による眼から外への房水の流れ増やすことで眼圧を低下させることを目的とする。緑内障の治療に使用される局所投与用の薬剤としては、流体の排出を増やす縮瞳薬(例えば、イソプトカルピン(Isopto(登録商標)Carpine)、オクセルト(Ocusert(登録商標))、ピロカー(Pilocar(登録商標))及びピロピン(Pilopine(登録商標)))及びエピネフリン(例えば、エピフリン(Epifrin(登録商標))及びプロピン(Propine(登録商標)));流体量を減少させるベータ遮断剤(例えば、ベタガン(Betagan(登録商標))、ベチモル(Betimol(登録商標))、ベトプティック(Betoptic(登録商標))、オキュプレス(Ocupress(登録商標))、チモプトール(Timoptic(登録商標))、Optipranalol(登録商標))、炭酸アンヒドラーゼ阻害剤及びアルファアドレナリンアゴニスト(例えば、アルファガン(Alphagan(登録商標))、アイオピジン(Iopidine(登録商標))、トルソプト(Trusopt(登録商標)));及び、二次的排水経路によって流体の排出を増やすプロスタグランジン類似体(例えば、ルミガン(Lumigan(登録商標))、レスキュラ(Rescula(登録商標))、トラバタン(Travatan(登録商標))、キサラタン(Xalatan(登録商標)))が挙げられる。
緑内障の治療のための眼病薬組成物の局所投与は、薬剤が角膜を介して房水を含む前房へ浸透し、その後に通常の排出経路に排水されることが条件となる。眼圧は、シュレム管及びぶどう膜強膜路で作用する薬剤によって低減される。角膜を介しての薬剤の浸透は疎水性と親水性のバランスが必要である。角膜に拡散するためには薬剤が無極性媒体に十分に溶解し、薬剤が角膜から房水へ拡散するためには水溶性媒体に十分溶解する必要がある。
緑内障の治療に役立つ可能性のある薬剤をプロドラッグエステルとして送達させ得る。酵素的に開裂(例えば角膜で)して活性化合物を再生させるプロドラッグエステルの使用が、角膜を介して前房への浸透を高める場合がある。しかし、多くのエステルは過度に疎水性のため角膜の比較的無極性な外層から外に、そして房水中に拡散することができない。さらに、そのような化合物は、しばしば水溶液で配合するには十分に可溶性でない。当該技術分野では角膜を介して前房に浸透する能力を有する眼病薬組成物のニーズがある。同時に、そのような化合物は、水溶液で調製が可能であり、しかも前房での溶解に十分な親水性を示す必要がある。本明細書で提供するのは、当該技術分野におけるこれら及びその他のニーズに取り組んだ組成物及び方法である。
1態様では、式:
を有する化合物[式中、
Xは、CH2CH2、シス−CH=CH、インターアリレン(interaylene)、CH2S、CH2Oまたはアルキンであり、
Yは、C1−C3アルキル、O、S単結合、2重結合またはチオフェンであり、
Zは、インターアリレン(interarylene)、C1−C3アルキル、SCH2、 OCH2、単結合または2重結合であり、
Uは、O、Cl、H−CL、H−H、H−OH、H−Cl、H−FまたはH−CNであり、点線結合は単結合または2重結合を表し、
からなる群から独立して選択され、
2は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、及び−OHからなる群から独立して選択され、
3は、独立してH、C1−C6アルキル及びC1−C6ヒドロキシアルキル、−OH又はRであり、
nは、0〜8であり、
1は、C=Oまたは単結合であり、
1は、N、NH、NH2、CH2または−OHであり、
n1は、0〜2であり、
Rは、H、アルキル及びCH2OHであり、
Arは、モノ−、ジ−またはトリ−置換され、かつC1−C6アルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、ハロゲン、OR、CF3、C(O)R4、COF3、SO2N(R4)2、SO2NH2、NO2及びCNからなる群から選択されて置換されるアリールまたはヘテロアリールであり、置換化合物は同じでも異なってもよく、
4は、H、C1−C6アルキル及びアルキルアリールであり、またはH、C1−C6アルキル及びアルキルアリールから独立して選択される]。
別の態様では、本明細書で提供される化合物を含む眼病用の医薬組成物及びその実施形態並びに薬剤的に許容される担体が提供される。
別の態様では、ヒトの眼疾患の治療方法が提供される。方法は、本明細書で提供される治療的有効量の化合物及びその実施形態を、それを必要とする対象に投与することを含む。
別の態様では、角膜肥厚の低減方法が提供される。方法は、本明細書で提供される治療的有効量の化合物及びその実施形態を、それを必要とする対象に投与することを含む。
I.定義
本明細書で使用する略語は化学及び生物分野での通常の意味を有する。本明細書で記載する化学構造及び化学式は、化学分野で公知の化学原子価の標準規則に従って構成される。
置換基が通常の化学式によって特定され、左から右に書かれる場合、右から左に構成が書かれることで得られるであろう化学的に同一の置換基を同時に含み、例えば、−CH2O−は−OCH2−と等しい。
それ自身または他の置換基の1部としての用語「アルキル」は、他に断りがない限り、指定炭素数(すなわち、C1−C10は1〜10の炭素を意味する)を持つ直鎖(すなわち、非分岐)若しくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせを意味し、完全飽和(本明細書で「飽和アルキル」と称す)、1価または多価不飽和でもよく、また、2価及び多価ラジカルの場合もある。いくつかの実施形態では、本明細書で提供する化合物の置換基として記載される全アルキルが飽和アルキルである。飽和炭化水素ラジカルの例としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、それらの類似体及び異性体、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどのような基が挙げられる。不飽和アルキル基は、1つ以上の2重結合または3重結合を有するものである。「アルコキシ」は、酸素リンカー(−O−)を介して分子の残りに結合するアルキルである。「アルキルチオ」は、硫黄リンカー(−S−)を介して分子の残りに結合するアルキルである。「ハロアルコキシ」は、ハロゲンで置換されたアルコキシである。ハロゲンがフルオロである場合、本明細書では「フルオロアルコキシ」と称す。用語「アルキル」は飽和アルキル、アルケニル及びアルキニルを含む。飽和アルキルは、1〜10または1〜6の炭素原子を有してもよい。それ自身または他の置換基の1部としての用語「アルケニル」は、他に断りがない限り、1つ以上の2重結合を持つ、直鎖(すなわち、非分岐)または分岐炭化水素鎖(例えば、2〜10個、または2〜6個の炭素原子)を意味する。不飽和アルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)など挙げられる。それ自身または他の置換基の1部としての用語「アルキニル」は、他に断りがない限り、1つ以上の3重結合を持つ、直鎖(すなわち、非分岐)または分岐炭化水素鎖(例えば、2〜10個または2〜6個の炭素原子)を意味する。アルキニル基の例としては、これらに限定されるものではないが、エチニル、1−プロピニル及び3−プロピニル、3−ブチニルなどが挙げられる。
それ自身または他の置換基の1部としての用語「アルキレン」、「アルケニレン」及び「アルキニレン」は、これらに限定されるものではないが、メチレン、エチレン、−CH2CH2CH2CH2−、ビニレンなどによって例示されるようなアルキル、アルケニルまたはアルキニルから派生した2価ラジカルを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「アミノ」は、−NH2を意味する。本明細書で使用するとき、用語「カルボキシ」は、−COOHを意味する。
それ自身または他の用語と組み合わせた用語「ヘテロアルキル」は、他に断りがない限り、少なくとも1個の炭素原子及びO、N、P、SiまたはSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子からなり、窒素及び硫黄原子が任意選択で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子が任意選択で四級化されてもよい安定な直鎖若しくは分岐鎖またはそれらの組み合わせを意味する。ヘテロ原子(複数)O、N、P及びS並びにSiは、ヘテロアルキル基内の任意の位置またはアルキル基が分子の残りに結合する位置に配置されてもよい。例としては、これらに限定されるものではないが、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH33、−CH2−CH=N−OCH3、−CH=CH−N(CH3)−CH3、−O−CH3、−O−CH2−CH3、及び−CNが挙げられる。最大2個のヘテロ原子が、例えば−CH2−NH−OCH3のように連続していてもよい。同様に、それ自身または他の置換基の1部としての用語「ヘテロアルキレン」は、これらに限定されるものではないが、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−及び−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−によって例示されるようなヘテロアルキルから派生した2価ラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基に関しては、ヘテロ原子が一方または両方の鎖末端を占める場合(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)がある。上述のように、ヘテロアルキル基は、本明細書で使用するとき、ヘテロ原子を介して分子の残りに結合する基を含む。
それ自身または他の用語と組み合わせた用語「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」は、他に断りがない限り、「アルキル」及び「ヘテロアルキル」のそれぞれの非芳香族環型(例えば、4〜8個の環原子を有する)を表す。さらに、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は複素環が分子の残りに結合する位置を占める場合がある。ヘテロシクロアルキルは、N、OまたはS(O)n′から選択される1個又は2個の環ヘテロ原子を含んでもよく、n′は0〜2の整数であり、残りの環原子が炭素である。ヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキル環は、本明細書で定義されているように、任意選択で1つ以上のアリールまたはヘテロアリール環(例えば、アリールおよびヘテロアリール環が単環式である場合)と縮合する。単環式アリールまたはへテロアリール環と縮合したヘテロシクロアルキルまたはシクロアルキル環は、本出願では二環式ヘテロシクロアルキル環または二環式シクロアルキル環と称す場合がある。さらに、ヘテロシクロアルキル環の1個または2個の環炭素原子が任意選択で−CO−基によって置換され得る。より具体的には、用語ヘテロシクロアルキルとしてピロリジノ、ピペリジノ、ホモピペリジノ、2−オキソピロリジニル、2−オキソピぺリジニル、モルホリノ、ピペラジノ、テトラヒドロピラニル、チオモルホリノ、ジヒドロインドリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル環が不飽和のとき、環が芳香族でない場合には1個または2個の環2重結合を含み得る。ヘテロシクロアルキル基が少なくとも1個の窒素原子を含むとき、本明細書ではヘテロシクロアミノと称す場合があり、ヘテロシクロアルキル基の部分集合である。ヘテロシクロアルキル基が飽和環であり、かつ上記のようにアリールまたはヘテロアリール環と縮合しない場合、本明細書では飽和単環式ヘテロシクロアルキルと称す場合がある。シクロアルキルの例としては、これらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、これらに限定されるものではないが、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが挙げられる。単独または他の置換基の一部としての「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」は、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルから別々に派生する2価のラジカルを意味する。
それ自身または他の置換基の1部としての用語「ハロ」または「ハロゲン」は、他に断りがない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」のような用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、用語「ハロ(C1-C4)アルキル」としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アシル」は、−C(O)Rを意味し、その場合、Rが置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリールまたは置換若しくは非置換ヘテロアリールである。
用語「アリール」は、他に断りがない限り、互いに縮合または共有結合で結合してもよい単環または多重環(好ましくは1〜3環)であり得る芳香族置換基を意味する。縮合環アリールは、少なくとも1つの縮合環がアリール環(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたは4−ビフェニル)であって、互いに縮合した多重環を指す。用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選択される1個以上(例えば、4個)のヘテロ原子を含むアリール基(または環)であって、窒素と硫黄が任意選択で酸化され、かつ窒素原子(複数)が任意選択で四級化され、残りの環原子が炭素であるアリール基(または環)を指す。ヘテロアリールは、5〜14個(例えば、5〜10個)の環原子の1価の単環式、二環式または三環式(例えば、単環式または二環式)芳香族ラジカルでもよく、その場合、1個以上(例えば1、2、または3個若しくは4個)がN、O、またはSから選択されるヘテロ原子である。例としては、これに限定されるものではないが、チエニル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ベンゾチアゾリル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリルおよび6−キノリルが挙げられる。このように、用語「ヘテロアリール 」は、縮合ヘテロアリール基(すなわち、互いに縮合した多重環であって、少なくとも1つの縮合環がヘテロ芳香族環である)を含む。5,6−縮合環ヘテロアリールは、1つの環が5員を有し、他の環が6員を有し、かつ少なくとも1つの環がヘテロアリール環であって相互に縮合した2環を指す。同様に、6,6−縮合環ヘテロアリールは、1つの環が6員を有し、他の環が6員を有し、かつ少なくとも1つの環がヘテロアリール環であって相互に縮合した2環を指す。そして、6,5−縮合環ヘテロアリールは、1つの環が6員を有し、他の環が5員を有し、かつ少なくとも1つの環がヘテロアリール環であって相互に縮合した2環を指す。ヘテロアリール基は、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りに結合し得る。単独または他の置換基の1部としての「アリーレン」および「ヘテロアリーレン」は、アリールおよびヘテロアリールから別々に派生する2価のラジカルを意味する。
用語「アリールアルキル」および「ヘテロアリールアルキル」は、アリール基またはヘテロアリール基が、炭素原子(例えばメチレン基)が例えば、酸素原子(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)によって置換されているアルキル基を含むアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)に結合しているラジカルを含むことを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「オキソ」は、炭素原子に2重結合した酸素を意味する。本明細書で使用するとき、用語「カルボニル」は、−C(O)−基を指す。
「任意」または「任意選択」は、その後に記載される事象または状況が生じてもよいが生じる必要がないことを意味し、明細書は、事象または状況が生じる事例及び生じない事例を含む。例えば、「任意選択でアルキル基によって置換されるヘテロシクロアルキル基」は、アルキルが存在してもよいが、存在する必要がないことを意味し、明細書は、ヘテロシクロアルキル基がアルキル基で置換されている状態及びヘテロシクロアルキル基がアルキルで置換されていない状態を含む。
本明細書で使用するとき、用語「アルキルスルホニル」は、式−S(O2)−R’を有する部分を意味し、R’は、上記に定義されたように、アルキル基である。R’は、特定の炭素数(例えば、「C1-C4アルキルスルホニル」)を有してもよい。
上記の各用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)は、他に断りがない限り、示されたラジカルの置換及び非置換形態の両方を含むことを意味する。
アルキル及びヘテロアルキルラジカルの置換基(多くの場合アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニルと称される基を含む)は、これらに限定されるものではないが、m’がそのようなラジカルの総炭素原子数である場合にゼロ〜(2m’+1)の範囲にある−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R''、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R''R'''、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R''、−OC(O)NR’R''、−NR''C(O)R’、−NR’−C(O)NR''R'''、−NR''C(O)2R’、−NR’−C(NR’R''R''')=NR''''、−NR−C(NR’R'')=NR''''、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R''、−NRSO2R’、−CN及び−NO2から選択される1つ以上の種々の基であり得る。R’、R''、R'''及びR''''は各々が互いに独立して、水素、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリール(例えば、1−3個のハロゲンで置換されるアリール)、置換若しくは非置換アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。発明の化合物が1つ以上のR基を含む場合、例えば、R’、R''、R'''及びR''''が1つ以上存在する場合に各Rは個々のR’、R''、R'''及びR''''であるように互いに独立して選択される。R’とR''が同じ窒素原子に結合する場合、それらが窒素原子と結合して4−、5−、6−、または7−員環を形成し得る。例えば、−NR’R''は、これらに限定されるものではないが、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むことを意味する。上記の置換基の考察から、用語「アルキル」は、ハロアルキル(例えば、−CF3及び−CH2CF3)及びアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3など)のような水素基以外の基と結合した炭素原子を含む基を含むことを意味することを当業者は理解するであろう。
アルキルラジカルに関して記載された置換基と同様に、例えば、アリール及びヘテロアリール基に関する置換基は多種多様であり、例えば、芳香族環系上で自由原子価(open valences)が0〜その合計数の範囲にあるハロゲン、−OR’、−NR’R''、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R''R'''、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R''、−OC(O)NR’R''、−NR''C(O)R’、−NR’−C(O)NR’R''、−NR''C(O)2R’、−NR−C(NR’R''R''')=NR''''、−NR’−C(NR’R'')=NR'''、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R''、−NR’SO2R’、−CN及び−NO2、−R’、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1-C4)アルコキシ、及びフルオロ(C1-C4)アルキルから選択されてもよく、その場合、R’、R''、R'''及びR''''は、好ましくは水素、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリール及び置換若しくは非置換ヘテロアリールから独立して選択される。発明の化合物が1つ以上のR基を含む場合、例えば、R’、R''、R'''及びR''''が1つ以上存在する場合に各Rは個々のR’、R''、R'''及びR''''であるように互いに独立して選択される。
アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、T及びUが独立して−NR−、−O−、−CRR’−または単結合であり、かつqが0〜3の整数である式−T−C(O)−(CRR’)q−U−の環を任意選択で形成してもよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、AとBが独立して−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−または単結合であり、かつrが1〜4の整数である式−A−(CH2r−B−の置換基によって任意選択で置換されてもよい。そのように形成された新たな環の単結合の1つが任意選択で2重結合と置き換えられてもよい。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、sとdが独立して0〜3の整数であり、X’が−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または−S(O)2NR’−である式−(CRR’)s−X’−(C''R''')d−の置換基によって任意選択で置き換えられてもよい。置換基R’、R''、R'''及びR''''は、好ましくは独立して水素、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリールから選択される。
他に断りがない限り、用語「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)、及びケイ素(Si)を含むことを意味する。
本明細書で使用するとき、「置換基」は、
下記の部分:
(A)−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、オキソ、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、並びに
(B)
(i)オキソ、−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、並びに
(ii)
(a)オキソ、−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、
並びに
(b)オキソ、−OH、−NH2、−SH、−CN、−CF3、−NO2、ハロゲン、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、及び非置換ヘテロアリールから選択される少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール
から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリール、
から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール、
から選択される基を意味する。
本明細書中で使用される「サイズが限定された置換基(size−limited substituent)」または「サイズが限定された置換基(size−limited substituent group)」は、「置換基」に関して上記された置換基の全てから選択される基を意味し、ここでそれぞれの置換若しくは非置換アルキルは、置換若しくは非置換C1−C20アルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換ヘテロアルキルは、置換若しくは非置換2〜20員のヘテロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換シクロアルキルは、置換若しくは非置換C4−C8シクロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキルは、置換若しくは非置換4〜8員のヘテロシクロアルキルである。
本明細書中で使用される「低級置換基(lower substituent)」または「低級置換基(lower substituent group)」は、「置換基」に関して上記した置換基の全てから選択される基を意味し、ここでそれぞれの置換若しくは非置換アルキルは、置換若しくは非置換C1−C8アルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換ヘテロアルキルは、置換若しくは非置換2〜8員のヘテロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換シクロアルキルは、置換若しくは非置換C5−C7シクロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキルは、置換若しくは非置換5〜7員のヘテロシクロアルキルである。
他に断りがない限り、本明細書中に示した構造は、構造の全ての立体化学形(stereochemical form)、即ち,それぞれの不斉中心に関してR及びS配置並びにシス及びトランス配置を含むものとする。従って、本化合物の単一の立体化学異性体並びにエナンチオマー及びジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。
本発明の化合物は、不斉中心及び/または幾何異性体を有してもよい。不斉置換原子を含む本発明の化合物は光学活性またはラセミ形でもよい。例えば、物質の分割による光学活性形の調製方法は当該技術分野において周知である。特定の立体化学または異性体形が具体的に示されていない場合は、キラル、ジアステレオマー、ラセミ形の全部が本発明の範囲内である。個体形及びそれらの混合物として、全ての可能性がある全互変異性体並びにシス及びトランス異性体は本発明の範囲内である。更に、本明細書で使用するとき、用語アルキルは、少数の実施例しか記載されていないが、可能性のある全異性体形を含む。更にまた、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルのような環式基が置換される場合、少数の実施例しか記載されていないが、全ての位置異性体が含まれる。更にまた、本明細書で開示される化合物の非晶形、及び水和物を含む全ての多形体が本発明の範囲内である。
本発明の特定化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または2重結合を有し、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体及び個別の異性体はエナンチオマーと同様に本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、非常に不安定で合成及び/または単離できないことが当該技術分野で公知となっている化合物を含まない。
また、他に断りがない限り、本明細書で示した構造は、1つ以上の同位体濃縮原子が存在する点についてのみ相違する化合物を含むことも意味する。例えば、重水素若しくは三重水素による水素の置換または13C−若しくは14C−濃縮炭素による炭素の置換を除く本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
本発明の化合物は、そのような化合物を構成する1個以上の原子で原子同位体の不自然な比率も含有してもよい。例えば、化合物は、三重水素(3H)、沃素125(125I)または炭素14(14C)のような放射性同位元素を使って識別化されてもよい。本発明の化合物の全ての同位体変種は、放射性の有無に関わらず本発明の範囲内に含まれる。
用語「a」、「an」若しくは「a(n)」は、本明細書の置換基群に関して使用される場合、少なくとも1つを意味する。例えば、化合物が「an」アルキルまたはアリールで置換される場合、化合物は任意選択で、少なくとも1つのアルキル及び/または少なくとも1つのアリールで置換される。
他に断りがない限り、本明細書で開示される化合物との関連で、用語「誘導体」は、例えば、本明細書で記載されているような1つ以上の置換基の結合による化学修飾によって与えられる化合物を指す。
部分がR置換基で置換される場合、基は「R−置換」と称される場合がある。部分がR−置換である場合、部分は少なくとも1つのR基で置換され、各R基は任意に異なる。例えば、本明細書で部分がR1A−置換若しくは非置換アルキルの場合、複数のR1A置換基がアルキル基に結合してもよく、各R1A置換基が任意に異なる。R−置換部分が複数のR置換基で置換される場合、各R置換基がR’、R''などのプライム記号(’)を使用して本明細書で識別される場合がある。例えば、部分がR1A置換若しくは非置換のアルキルであり、かつ部分が複数のR1A置換基で置換される場合、複数のR1A置換基がR1A’、R1A''、R1A'''のように識別される場合がある。いくつかの実施形態では、R置換基の複数は3である。いくつかの実施形態では、R置換基の複数は2である。
本発明の化合物の記述は、当業者に公知の化学結合の基本による制限を受ける。従って、基が1つ以上の多数の置換基によって置換され得る場合、そのような置換基が選択された結果、化学結合の原理に従いかつ本質的に不安定ではない化合物を与え、及び/または、そのような置換基が選択された結果、水溶性、中性、及び幾つかの公知な生理学的条件等の周囲条件下で不安定化するおそれが当業者に知られている化合物を与える。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に公知の化学結合の原理に従って環ヘテロ原子を介して分子の残りに結合し、それによって本質的に不安定な化合物を回避する。
用語「プロドラッグ」は、平易な通常の意味に従って使用され、かつ薬理学的効果を産み出す前にインビボで活性な親薬物を放出するために化学的または酵素的な変換を必要とする化合物を意味することが意図される。
「薬剤的に許容される担体」または「薬剤的に許容される賦形剤」は、一般に安全、非毒性及び生物学的にも、それ以外にも不適当でない医薬組成物を調製することに役立つ担体または賦形剤を意味し、家畜用途並びにヒトの製薬学的用途に許容される担体または賦形剤を含む。明細書及び特許請求の範囲で使用される「薬剤的に許容される担体/賦形剤」には、1つ及び2つ以上のそのような賦形剤が含まれる。
用語「治療する(treating)」または「治療(treatment)」は、減退;寛解;病徴の縮小あるいは患者に対し損傷、病理または症状により耐えられるようにする;退化または衰退の速度を遅らせる;退化の最終点で衰弱をより低減させる;患者の身体的または精神的健康を改善する等の客観的または主観的パラメータを含む、損傷、病理または症状の処置または改善におけるあらゆる成功の証拠を意味する。治療または症状の改善は、健康診断、神経精神医学的試験または精神鑑定の結果を含む客観的または主観的パラメータに基づくことができる。例えば、本明細書で提示する特定の方法は、癌の増殖阻害及び/または癌の寛解誘導において癌の発生率を低減することで効率的に癌を治療する。
化合物の「有効量」は、治療、予防または病気の徴候若しくは症状の軽減に寄与するのに十分な量である。疾患治療に関して記載する場合、「有効量」は「治療的有効量」と称されてもよい。徴候または症状(この句の文法的同義語)の「減少」は、症状(複数)の重度または頻度の低下、あるいは症状(複数)の除去を意味する。薬剤の予防的有効量は、対象に投与された場合、例えば、疾患、障害、または症状の発生(再発生)を回避させる、または遅延させる、あるいは疾患、障害、または症状若しくはそれらの兆候の発生(または再発生)の可能性を減少させることを意図した予防的効果を有する薬物の量である。完全な予防的効果が、一回の薬量の投与によって必ずしも発生しない。完全な予防的効果が、一連の薬量を投与した後にのみ発生してもよい。したがって、予防的有効量は1回以上の投与で実施されてもよい。
本明細書で記載される方法の背景での用語「局所的」は、通常の意味で、好適な医薬担体に組み込まれて対象の局所治療部位に投与される化合物および医薬組成物の投与に関連する。したがって、用語「局所医薬組成物」は、化合物が局所治療部位(例えば、目または皮膚)との直接接触によって外部的に投与されるそれらの剤型を含む。用語「局所眼科用医薬組成物」は、眼への直接投与に好適な医薬組成物を指す。用語「局所上皮性医薬組成物」は、例えば、皮膚の表皮層(例えば、眼けん、眉毛、頭皮または身体)を対象とした投与に好適な医薬組成物を指す。用語「局所投与」は、局所治療部位との直接接触によって外部的に投与することを意味する。用語「局所表皮投与」は、表皮との直接接触によって外部的に投与することを意味する。用語「局所点眼」は、眼との直接接触によって外部的に投与することを意味する。
II.組成物
本発明のいくつかの実施形態を次の段落で例示する。
1)式:
を有する化合物[式中、
Xは、CH2CH2、シス−CH=CH、インターアリレン(interaylene)、 CH2S、CH2Oまたはアルキンであり、
Yは、C1−C3アルキル、O、S単結合、2重結合またはチオフェンであり、
Zは、インターアリレン(interarylene)、C1−C3アルキル、SCH2、 OCH2、単結合または2重結合であり、
Uは、O、Cl、H−H、H−OH、H−Cl、H−FまたはH−CNであり、点線結合は単結合または2重結合を表し、
1は、独立してH、C1―C6アルキル及びC1−C6ヒドロキシアルキル、−OH及び
2は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、及び−OHからなる群から独立して選択され、
3は、独立してH、C1−C6アルキル及びC1−C6ヒドロキシアルキル、−OH又はRであり、
nは、0〜8であり、
1は、C=Oまたは単結合であり、
1は、N、NH、NH2、CH2または−OHであり、
n1は、0〜2であり、
Rは、H、アルキル及びCH2OHであり、
Arは、モノ−、ジ−またはトリ−置換され、かつC1−C6アルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、ハロゲン、OR、CF3、C(O)R4、COF3、SO2N(R4)2、SO2NH2、NO2及びCNからなる群から選択されて置換されるアリールまたはヘテロアリールであり、置換化合物は同じでも異なってもよく、
4は、H、C1−C6アルキル及びアルキルアリールであり、またはH、C1−C6アルキル及びアルキルアリールから独立して選択される]。
2.前記Xは、CH2CH2またはCH2CH2CH2である、段落1に記載の化合物。
3.Yは、チオフェンである、段落2に記載の化合物。
4.Zは、単結合である、段落3に記載の化合物。
5.R2とR3はHであり、nは0であり、Y1はOである、段落4に記載の化合物。
6.Z1はNであり、R1はC2ヒドロキシアルキルであり、n1は2である、段落5に記載の化合物。
7.ArはアリールであってClによって二置換され、UはClである、段落6に記載の化合物。
8.Z1はNであり、R1はC3ヒドロキシアルキルであり、n1は1である、段落5に記載の化合物。
9.ArはアリールであってClによって二置換され、UはClである、段落8に記載の化合物。
10.R2はC1ヒドロキシアルキルであり、R3はC1ヒドロキシアルキルである、段落4に記載の化合物。
11.Y1はOであり、Z1はNであり、R1はHでありかつn1は2である、段落10に記載の化合物。
12.ArはアリールであってClによって二置換され、UはClである、段落11に記載の化合物。
13.R2はC1ヒドロキシアルキルであり、R3はRである、段落4に記載の化合物。
14.RはH、アルキル及びCH2OHからなる群から選択される、段落13に記載の化合物。
15.nは0であり、Y1は単結合でありかつZ1はCH2である、段落14に記載の化合物。
16.R1は−OHであり、n1は1である、段落15に記載の化合物。
17.ArはアリールであってClによって二置換され、UはClである、段落15に記載の化合物。
18.以下からなる群から選択される段落1に記載の化合物:






20.式:
を有する段落1に記載の化合物[式中、
Xは、CH2CH2またはシス−CH=CHであり、
Yは、単結合、2重結合、またはチオフェンであり、
Zは、C1−C3アルキル、SCH2、OCH2、単結合または2重結合であり、
Uは、ハロゲンまたはClであり、
1は、H、−OHおよびC1−C3ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択され、
2は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、及び−OHからなる群から独立して選択され、
3は、H、C1−C6アルキル及びC1−C6ヒドロキシアルキル、−OHまたはRからなる群から独立して選択され、
nは、0〜3であり、
1は、C=Oまたは単結合であり、
1は、N、NH2、CH2または−OHであり、
n1は、0〜2であり、
Rは、H、アルキルおよびCH2OHであり、かつ
Arは、モノ−、ジ−またはトリ−置換され、かつハロゲン及びClからなる群から選択されて置換されるアリールまたはヘテロアリールである]。
21.Xは、CH2CH2である、段落20に記載の化合物。
22.Yは、チオフェンである、段落21に記載の化合物。
23.Zは、単結合である、段落22に記載の化合物。
24.R2は−OHであり、R3はHであり、nは1であり、Y1は単結合であり、Z1は−OHでありかつn1は0である、段落22に記載の化合物。
25.R2は−OHであり、R3はCH3であり、nは1であり、Y1は単結合であり、Z1は−OHでありかつn1は0である、段落22に記載の化合物。
26.R2は−OHであり、R3はCH2OHであり、nは1であり、Y1は単結合であり、Z1は−OHでありかつn1は0である、段落22に記載の化合物。
27.R2はC1ヒドロキシアルキルであり、R3はC1ヒドロキシアルキルであり、nは1であり、Y1は単結合であり、Z1はNH2でありかつn1は0である、段落22に記載の化合物。
28.R2はC1ヒドロキシアルキルであり、R3はC1ヒドロキシアルキルであり、nは2であり、Y1は単結合であり、Z1はNH2でありかつn1は0である、段落22に記載の化合物。
29.R2はC1ヒドロキシアルキルであり、R3はC1ヒドロキシアルキルであり、nは3であり、Y1は単結合であり、Z1はNH2でありかつn1は0である、段落22に記載の化合物。
30.R2はHであり、R3はHであり、nは0であり、Y1はC=Oであり、Z1はNであり、R1はC2ヒドロキシアルキルでありかつn1は2である、段落22に記載の化合物。
31.R2はHであり、R3はHであり、nは0であり、Y1はC=Oであり、Z1はNであり、R1はC2ヒドロキシアルキルでありかつn1は2である、段落22に記載の化合物。
32.UはClであり、Arはアリールである、段落22〜31に記載の化合物。
33.アリールは、Clで置換される、段落32に記載の化合物。
34.アリールは、Clで二置換される、段落33に記載の化合物。
35)式:
を有する化合物[式中、
Xは、C1−C3アルキル、シス−CH=CH、インターアリレン(interarylene)、CH2S、CH2Oまたはアルキンであり、
Yは、C1−C3アルキル、O、S、単結合、2重結合またはチオフェンであり、
Zは、インターアリレン(interarylene)、C1−C3アルキル、SCH2、OCH2、単結合または2重結合であり、
Uは、O、H−H、H−OH、H−Cl、H−FまたはH−CNであり、点線結合は、単結合または2重結合を表し、
からなる群から独立して選択され、
2は、H、C1−C6アルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、及び−OHからなる群から独立して選択され、
3は、独立してH、C1−C6アルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、または−OHであり、
nは、0〜3であり、
1は、C=O、C1−C3ヒドロキシアルキルまたは単結合であり、
n1は、0〜2であり、
Arは、モノ−、ジ−またはトリ−置換され、かつC1−C6アルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、ハロゲン、OR、CF3、C(O)R4、COF3、SO2N(R4)2、SO2NH2、NO2およびCNからなる群から選択されて置換されるアリールまたはヘテロアリールであり、置換化合物は同じでも異なってもよく、
4は、H、C1−C6アルキル及びアルキルアリールであり、またはH、C1−C6アルキル及びアルキルアリールから独立して選択される]。
36.Xは、CH2CH2である、段落35に記載の化合物。
37.Yは、チオフェンである、段落36に記載の化合物。
38.Zは、単結合である、段落37に記載の化合物。
39.R2は−OHであり、R3はHまたはCH3であり、nは0であり、Y1は単結合であり、Z1は−OHでありかつn1は0である、段落38に記載の化合物。
40.Uは、H−Clである、段落39に記載の化合物。
41.ArはアリールであってClによって二置換される、段落40に記載の化合物。
42.R2とR3はHであり、nは0であり、Y1はC=Oであり、Z1はNであり、R1はCH2CH2OHでありかつn1は2である、段落41に記載の化合物。
43.ArはアリールであってClによって二置換され、UはH−Clである、段落42に記載の化合物。
44.R2とR3はHであり、nは0であり、Y1はC=Oであり、Z1はNHであり、
45.ArはアリールであってClによって二置換され、UはH−Clである、段落44に記載の化合物。
46.R2とR3はCH2−OHであり、nは1であり、Y1はC=Oであり、Z1はNH2であり、n1は0であり、ArはアリールであってClによって二置換されかつUはClである、段落45に記載の化合物。
47.R2とR3はCH2−OHであり、nは2であり、Y1はC=Oであり、Z1はNH2であり、n1は0であり、ArはアリールであってClによって二置換されかつUはClである、段落46に記載の化合物。
48.R2とR3はCH2−OHであり、nは3であり、Y1はC=Oであり、Z1はNH2であり、n1は0であり、ArはアリールであってClによって二置換されかつUはClである、段落47に記載の化合物。
49.以下からなる群から選択される、段落48に記載の化合物:








50.式:
を有する、段落1又は35に記載の化合物[式中、
Xは、C1−C3アルキル及びCH2CH2CH2であり、
Yは、単結合、2重結合、またはチオフェンであり、
Zは、C1−C3アルキル、または単結合であり、
Uは、ハロゲンまたはH−Clであり、
る群から独立して選択され、
2は、H、C1−C6アルキル、C1−C3ヒドロキシアルキル、または−OHからなる群から独立して選択され、
3は、H、C1−C6アルキル及びC1−C6ヒドロキシアルキル、−OHまたはRからなる群から独立して選択され、
nは、0〜3であり、
1は、C=O、C1−C3ヒドロキシアルキル、CH2OHまたは単結合であり、
1は、N、NH、NH2、−OHであり、
n1は、0〜2であり、
Arは、モノ−、ジ−またはトリ−置換され、かつハロゲン及びClからなる群から選択されて置換されるアリールまたはヘテロアリールである]。
51.XはCH2CH2CH2であり、Yはチオフェンであり、かつZは単結合である、段落50に記載の化合物。
52.R2は−OHであり、R3はHまたはCH3であり、nは0であり、Y1は単結合であり、Z1は−OHでありかつn1は0である、段落51に記載の化合物。
53.R2とR3はCH2−OHであり、nは1〜3であり、Y1はC=Oであり、Z1はNH2であり、n1は0であり、ArはアリールであってClによって二置換されかつUはClである、段落52に記載の化合物。
54.以下からなる群から選択される化合物:










一実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
化合物が式(III)の構造を有する場合、nは1〜10であり、各出現(each occurrence)においてR2Dは独立して水素またはヒドロキシルである。式(III)において、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10でもよい。1実施形態では、1、2、3、4、5または6個のR2D置換基は水素ではない。1実施形態では、2個のR2D置換基が水素ではない。1実施形態では、3個のR2D置換基が水素ではない。1実施形態では、4個のR2D置換基が水素ではない。1実施形態では、5個のR2D置換基が水素ではない。1実施形態では、6個のR2D置換基が水素ではない。1実施形態では、1個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、2個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、3個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、4個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、nは1より大きく、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10である。1実施形態では、nが3であり、2個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、nが4であり、3個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、nが5であり、4個のR2D置換基がヒドロキシルである。1実施形態では、R2がヒドロキシエチルではない。
1実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:


の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:



の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:
の構造を有する。
1実施形態では、化合物が式:






の構造を有する。
本発明の他の化合物は以下:
を含む。
いくつかの実施形態は以下:

を含む。
本発明の他の化合物は以下:
を含む。
1実施形態では、化合物が構造:




を有する。
本明細書に記載される化合物は、それらの実施形態(例えば、式I−XIVまたはそれらの誘導体、異性体若しくはエナンチオマーの任意の1つの構造をもつ化合物)を含む化合物が提供され得る。
III.医薬組成物
別の態様では、本明細書で提供される化合物を含む眼病用の医薬組成物及びその実施形態(例えば、式I−XIVの化合物、またはそれらの誘導体、異性体若しくはエナンチオマー)が提供される。1実施形態では、化合物が式(I)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(III)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(IV)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(IVa)−(IVb)の1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(V)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(Va)−(Vd)の1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(X)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(Xa)−(Xc)の1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(XI)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(VIIa)−(VIIp)、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIVの1つの構造を有する。
1実施形態では、医薬組成物が溶液、エマルション、ゲルまたはフォーム(foam)である。1実施形態では、医薬組成物が溶液である。1実施形態では、医薬組成物がエマルションである。1実施形態では、医薬組成物がゲルである。1実施形態では、医薬組成物がフォームである。
A.製剤
本明細書で開示される化合物及び医薬組成物は、溶液、エマルション、ゲルまたはフォームを含む様々な形で調製して投与することができる。従って、本明細書で考察される医薬組成物は、薬剤的に許容される担体または賦形剤及び本明細書で記載される1つ以上の化合物を含む。「溶液」は、通常の意味で、化合物(例えば、本明細書で記載される化合物)が部分的に溶解し、好ましくは完全に溶解し、液体として投与され得る液体医薬組成物を指す。「エマルション」は、通常の意味で、1つの化合物(例えば、本明細書に記載されている化合物またはその溶液)が他の化合物(例えば、本明細書に記載されているような担体)を介して分散している2つまたはそれ以上の非混和性液の混合物を指す。「ゲル」は、通常の意味で、粘性のある半剛性液を生じる連続液相中の化合物の高粘度溶液、エマルションまたはコロイド懸濁を指す。「コロイド」は、通常の意味で、重力の影響下で沈降しない分散された小粒子が全体にある連続媒体を含む組成物を指す。「フォーム」は、通常の意味で、ガスが分散されている連続媒体(すなわち、溶液、エマルション、ゲル等)を含む組成物を指す。
本明細書で考察される医薬組成物は、治療的有効量の、活性成分として本明細書に記載されているような少なくとも1つの化合物を1つ以上の従来型の薬剤的に許容される賦形剤と一緒に組み合わせることによって、また局所使用に適した単位剤形の調製によって調製されてもよい。治療的有効量は、一般的に溶液、エマルション、ゲルおよびフォームを含む液剤で約0.0001〜約5%(w/v)、好ましくは、約0.001〜約1.0%(w/v)である。本発明での使用に適した医薬混合剤としては、例えば、本明細書に参照として全体が組み込まれている両教示、PHARMACEUTICAL SCIENCES(17th Ed., Mack Pub. co., Easton, PA)及びWO96/05309に記載されているものが挙げられる。
医薬品製剤は、好ましくは単位剤形である。そのような剤形の場合、適量の有効成分を含有する単位投薬量に製剤を小分けする。単位剤形は、パッケージ化した製剤、すなわち個別量の製剤を含む包装(例えば、錠剤、カプセル、ガラス瓶またはアンプル中の粉末など)でもあり得る。また、単位剤形は、カプセル、タブレット、カシェ剤、またはトローチ剤自体の場合もあり、あるいは、これらの任意の適正数が包装の形態をとってもよい。
いくつかの化合物が水への溶解度に限界があってもよく、従って組成物中に界面活性剤または他の適切な共溶媒を必要としてもよい。そのような共溶媒としては、ポリソルベート20、60及び80、プルロニックF-68、F-84およびP-103、シクロデキストリン及びポリオキシル35ヒマシ油が挙げられる。そのような共溶媒は、約0.01%〜約2重量%のレベルで一般的に使用される。
単純な水溶液の粘度より大きい粘度が、製剤の調剤における変動の減少、懸濁またはエマルション製剤の成分の物理的分離の減少、及び/または、それ以外に製剤の改良のために望ましい場合がある。そのような粘度構成剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸およびそれらの塩、ヒアルロン酸及びその塩、並びに前述の組み合わせが挙げられる。そのような薬剤は、一般的に約0.01%〜約2重量%のレベルで使用される。
本発明の組成物は、持続的な放出及び/または快適さを提供するために追加的に成分を含んでもよい。そのような成分としては、高分子量、アニオン性ムコ擬高分子物質(mucomimetic polymer)、ゲル化多糖類、及び微粉砕薬剤キャリヤ基質(finely−divided drug carrier substrate)が挙げられる。これらの成分は、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,911,920号、第5,403,841号、第5,212,162号、及び第4,861,760号でより詳細に考察されている。これらの特許の全ての記載内容が、引用することによって全体があらゆる目的で本明細書に組み入れられる。米国特許出願シリアル番号12/940,711にも対応する米国特許出願公開第US2011−0124736 A1が参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
眼科投薬のために好ましくは、主要媒体に生理的食塩水を使って溶液を調製する。そのような点眼液のpHは、好ましくは適切な緩衝液系によって4.5〜8.0に維持される必要があり、中性pHが好ましいが重要ではない。製剤は、従来型の薬剤的に許容される防腐剤、安定剤及び界面活性剤を含有してもよい。
結果物の製剤が眼科的に容認される限り、pHを調製するための種々の緩衝剤及び手段が使用されてもよい。従って、緩衝剤としては、酢酸緩衝液、クエン酸塩緩衝液、リン酸緩衝液及びホウ酸塩緩衝液が挙げられる。必要に応じてこれらの製剤のpHを調節するために酸または塩基が使用されてもよい。
本発明の医薬組成物に使用可能な好ましい防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい界面活性剤は、例えばTween 80である。同様に、本発明の点眼剤に種々の好ましい媒体が使用されてもよい。これらの媒体としては、これらに限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロクサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースシクロデキストリン及び精製水が挙げられる。
等張化剤は、必要に応じてまたは便利に加えられてもよい。等張化剤としては、これらに限定されるものではないが、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリ、マンニトールおよびグリセリン、または任意の他の好適な眼科的に許容される等張化剤が挙げられる。
本発明で用いる眼科的に許容される抗酸化剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ソーダ、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソール及びブチルオキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されない。
点眼剤に含まれてもよい他の賦形剤成分はキレート化剤である。好ましいキレート化剤はエデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート化剤を代替して使用または組み合わせて使用してもよい。
本発明の眼科製剤は、眼への適用を楽にするためにオリフィスを備えた容器などの定量適用に最適な形で便利に包装される。単位投薬量適用に好適な小瓶は、通常適切な不活性で無毒性の塑性材料から作られており、一般に約0.5〜約15mlの溶液、エマルション、ゲルまたはフォームを収容する。1つのパッケージが1つ以上の単位投薬量を収容してもよい。
防腐剤を含まない溶液は大抵、最大約10、好ましくは最大約5単位投薬量を収容する非再シール性容器で調製されており、典型的な単位投薬量は1〜約8滴、好ましくは、1〜約3滴である。
一般的に、化合物は治療対象の身体の一部(例えば、眼)に長時間、局所的に繰り返し適用される。好ましい投与計画は一般に、少なくとも一月、より好ましくは少なくとも三月、最も好ましくは少なくとも六月の治療期間に対し規則的な投与を含む。規則的投与は1日当たり1、2、3、4またはさらに多くの回数が可能である。
IV.治療方法
別の態様では、ヒトの眼疾患の治療方法が提供される。前記方法は、治療的有効量の本明細書で提供される化合物及びその実施形態(例えば、式I−XIVの化合物、またはそれらの誘導体、異性体若しくはエナンチオマー)を、それを必要とする対象に投与することを含む。1実施形態では、投与は局所投与である。1実施形態では、疾患は黄斑部変性である。1実施形態では、疾患は眼圧に起因する。1実施形態では、疾患は緑内障である。
1実施形態では、カルテオロール、レボブノロール、メチパラノロール(metiparanolol)、チモロール半水化物、マレイン酸チモロール、1−選択的拮抗薬(例えば、ベタキソロール)などを含む遮断薬(または、アドレナリン拮抗薬)との組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、エピネフリンボラート、塩酸エピネフリン、及びジピベフリンなどのような非選択的アドレナリン作動薬、またはアプラクロニジン、ブリモニジンなどのような2−選択的アドレナリン作動薬を含むアドレナリン作動薬との組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、アセタゾラミド、ジクロルフェナミド、メタゾラミド、ブリンゾールアミド、ドルゾラミドなどを含む炭酸アンヒドラーゼ阻害剤との組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、カルバコール、塩酸ピロカルピン、硝酸ピロカルピン、ピロカルピンなどのような直接作動するコリン作動薬を含むコリン作動薬との組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、デメカリウム、エコチオフェート、フィゾスチグミンなどのようなコリンエステラーゼ阻害剤との組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、グルタミン酸拮抗薬または、Ca2+チャンネル遮断薬のような他の神経保護薬(例えば、メマンチン、アマンタジン、リマンタジン、ニトログリセリン、デキストロルファン、デキストロメトルファン、CGS-19755、ジヒドロピリジン、ベラパミル、エモパミル、ベンゾチアゼピン、ベプリジル、ジフェニルブチルピペリジン、ジフェニルピペラジン、HOE166及び関連薬、フルスピリレン、エリブロジル、イフェンプロジル、CP−1 01,606、チバロシン、2309BT、及び840S、フルナリジン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、バルニジピン、ベラパミル、リドフラジン、乳酸プレニルアミン、アミロライドなど)との組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、ビマトプロストのようなプロスタミドとの組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、トラボプロスト、UF0−21、クロプロステノール、フルプロステノール、13,14−ジヒドロ-クロプロステノール、イソプロピルウノプロストン、ラタノプロストなどを含むプロスタグランジンとの組み合わせ治療が提供される。
1実施形態では、WIN−55212−2およびCP−55940などのようなCB1アゴニストを含むカンナビノイドとの組み合わせ治療が提供される。
別の態様では、角膜肥厚の低減方法が提供される。前記方法は、治療的有効量の本明細書で提供される化合物及びその実施形態(例えば、式I−XIVの化合物、またはそれらの誘導体、異性体若しくはエナンチオマー)を、それを必要とする対象に投与することを含む。1実施形態では、対象が緑内障を患っている。1実施形態では、対象が高眼圧症を患っている。
1実施形態では、緑内障または高眼圧症の治療用薬剤の製造のための本明細書で開示した化合物の使用方法を提供する。1実施形態では、化合物が式I−XIVのいずれか1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(I)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(Xa−Xc)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(XI)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(XIIa)−(XIIc)の1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(XIII)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(XIV)の1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(VI)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(VIa)−(VIh)の1つの構造を有する。1実施形態では、化合物が式(VII)の構造を有する。1実施形態では、化合物が式(VIIa)−(VIIp)の1つの構造を有する。
V.実施例
本明細書で使用する略語は化学技術分野における通常の意味を有する。具体的な略語としては、以下のTBDMSO:(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ;DMF:ジメチルホルムアミド;EDC:1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;THF:テトラヒドロフラン;Bu4NF:フッ化テトラブチルアンモニウムが挙げられる。
実施例1.
(R)−2,3−ジヒドロキシプロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物3)の合成。
化合物3の例示的な合成が下記のスキーム1で提供される。
((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物2)。
(R)−(−)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール(572.2mg、4.33mmol)を、化合物1のカルボン酸(200mg、0.433mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(55.3mg、0.453mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.3mg、0.476mmol)のDMF(3mL)溶液に23℃で加えた。16時間撹拌した後、反応溶液をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、2:1ヘキサン/EtOAc)によって精製すると、透明な粘性油として211.7mg(85%)のアセトニド保護エステル2が得られた。エステル2(249.0mg、0.433mmol)を1N HCl:THF(1:1、3.0mL)の混合物中で24時間、23℃で撹拌した。次に、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1ヘキサン/EtOAc、次いで100%EtOAc)によって精製すると、透明な粘性油として158.8mg(68%)のビスヒドロキシエステル化合物3が得られた。
スキーム1:
実施例2.
((S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物4)の合成。
上記化合物2の調製のために記載した手順に従って、化合物1のカルボン酸100mg(0.216mmol)と42.8mg(0.324mmol)の(S)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールを使用し、72.3mg(58%)のアセトニド保護エステル化合物4を得た。
実施例3.
(S)−2,3−ジヒドロキシプロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物5)の合成。
上記化合物3の調製のために記載した手順に従って、72.3mg(0.125mmol)のエステル4を使用し、透明な粘性油として43.5mg(65%)のビスヒドロキシエステル化合物5を得た。
実施例4.
((4R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物6)の合成。
上記化合物2の調製のために記載した手順に従って、100mg(0.216mmol)のカルボン酸1と52.5mg(0.324mmol)の(4R,5R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4、5−ジメタノールを使用し、41.5mg(31%)のアセトニド保護エステル化合物6を得た。
実施例5.
(2R,3R)−2,3,4−トリヒドロキシブチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物7)の合成。
上記化合物3の調製のために記載した手順に従って、41.5mg(0.069mmol)のエステル6を使用し、透明な粘性油として27.6mg(71%)のトリスヒドロキシエステル化合物7を得た。
実施例6.
((4S,5S)−5−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物8)の合成。
上記化合物2の調製のために記載した手順に従って、100mg(0.216mmol)のカルボン酸1と52.5mg(0.324mmol)の((4S,5S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノールを使用し、71.9mg(55%)のアセトニド保護エステル化合物8を得た。
実施例7.
(2S,3S)−2,3,4−トリヒドロキシブチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物9)の合成。
上記化合物3の調製のために記載した手順に従って、71.9mg(0.118mmol)のエステル8を使用し、透明な粘性油として39.2mg(59%)のトリスヒドロキシエステル化合物9を得た。
実施例8.
((4R,4′S,5R)−2,2,2′2′−テトラメチル−[4,4′−ビ(1,3−ジオキソラン)]−5−イル)メチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物10)の合成。
上記化合物2の調製のために記載した手順に従って、100mg(0.216mmol)のカルボン酸1と60.1mg(0.259mmol)の((4S,4′S,5R)−2,2,2′,2′−テトラメチル−[4,4′−ビ(1,3−ジオキソラン)]−5−イル)メタノールを使用し、79.2mg(52%)のビスアセトニド保護エステル化合物10を得た。
実施例9.
(2R,3R,4S)−2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(11)の合成。
上記化合物3の調製のために記載した手順に従って、79.2mg(0.117mmol)のエステル10を使用し、透明な粘性油として11.8mg(17%)のエステル化合物11を得た。
実施例10.
(S)−2−ヒドロキシ−2−((4R,4′R,5R)−2,2,2′,2′−テトラメチル−[4、4′−ビ(1,3−ジオキソラン)]−5−イル)エチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物12)の合成。
上記化合物2の調製のために記載した手順に従って、100mg(0.216mmol)のカルボン酸1と67.9mg(0.259mmol)の(S)−1−((4R,4′R,5R)−2,2,2′,2′−テトラメチル−[4,4′−ビ(1,3−ジオキソラン)]−5−イル)エタン−1,2−ジオールを使用し、90.1mg(59 %)のビスアセトニド保護エステル化合物12を得た。
実施例11.
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物13)の合成。
上記化合物3の調製のために記載した手順に従って、65.8mg(0.093mmol)のエステル12を使用し、透明な粘性油として43.5mg(75%)のエステル13を得た。
実施例12.
3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物14)の合成。
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)メタノール(126.6mg、0.866mmol)を、カルボン酸1(200mg、0.433mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(55.3mg、0.453mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.3mg、0.476mmol)のDMF(3mL)溶液に23℃で加えた。48時間撹拌した後、反応溶液をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮し、透明な粘性油を得た。
上記で得られたエステルを1N HCl:THFの混合物(1:1、4mL)中、23℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1ヘキサン/EtOAc、次いで100%EtOAc)によって精製すると、無色透明の油として57.0mg(24%)の純粋なジヒドロキシエステル14が得られた。
実施例13.
3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物15)の合成。
5−ヒドロキシメチル−2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン(0.26mL、1.73mmol)を、カルボン酸1(200mg、0.433mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(55.3mg、0.453mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.3mg、0.476mmol)のDMF(3mL)溶液に23℃で加えた。48時間撹拌した後、反応溶液をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮し、透明な粘性油を得た。
上記で得られたエステルを1N HCl:THFの混合物(1:1、4mL)中、23℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1ヘキサン/EtOAc、次いで100%EtOAc)によって精製すると、無色透明の油として22.4mg(9%)の純粋なジヒドロキシエステル15が得られた。
実施例14.
(5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサン−5-イル)メチル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物16)の合成。
(1,3−ジオキサン−5,5ジイル)ジメタノール(256.6mg、1.73mmol)を、カルボン酸1(200mg、0.433mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(55.3mg、0.453mmol)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.3mg、0.476mmol)のDMF(3mL)溶液に23℃で加えた。48時間撹拌した後、反応溶液をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、2:1ヘキサン/EtOAc、次いで1:1ヘキサン/EtOAc)によって精製すると、無色透明の油として205.7mg(80%)の純粋なヒドロキシメチルエステル16が得られた。
実施例15.
3−(ビス(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)アミノ)−3−オキソプロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物17)の合成。
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.3mg、0.476mmol)を、カルボン酸1(200mg、0.433mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(55.3mg、0.453mmol)及び3−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)プロパンアミド(597.6mg、1.73mmol)のDMF(4.5mL)溶液に23℃で加えた。48時間撹拌した後、反応液をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1ヘキサン/EtOAc)により無色透明の油として、120.4mg(35%)の純粋なエステル17が得られた。
実施例16.
3−(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−3−オキソプロピル5−(3−((1R、2R、3R、5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物18)の合成。
ピリジニウムp−トルエンスルホナート(38.2mg、0.152mmol)を、エステル17(120mg、0.152mmol)のMeOH(3.0ml)溶液に加えた。反応液を23℃で48時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%のEtOAc、次いで39:1EtOAc/MeOH)によって精製すると、無色透明の油として54.0mg(57%)の純粋なジヒドロキシエステル18が得られた。
実施例17.
3−((1,3−ビス((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロパン−2−イル)アミノ)−3−オキソプロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)−プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物19)の合成。
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N´−エチルカルボジイミド塩酸塩(91.3mg、0.476mmol)を、カルボン酸1(200mg、0.433mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(55.3mg、0.453mmol)及びN−(1,3−ビス((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)プロパン−2−イル)−3−ヒドロキシプロパンアミド(574mg、1.73mmol)のDMF(4.5mL)溶液に23℃で加えた。48時間撹拌した後、反応液をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1:1ヘキサン/EtOAc)により無色透明の油として、60.7mg(18%)の純粋なエステル19が得られた。
実施例18.
3−((1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)アミノ)−3−オキソプロピル5−(3−((1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−2−(3,5−ジクロロフェネチル)−3−ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン−2−カルボキシラート(化合物20)の合成。
ピリジニウムp−トルエンスルホナート(19.6mg、0.078mmol)を、エステル19(60.7mg、0.078mmol)のMeOH(3.0mL)溶液に加えた。反応液を23℃で48時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAcで希釈し、1N HCl、NaHCO3飽和水溶液、次いで塩水で洗浄した。有機部分を乾燥(MgSO4)し、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100%EtOAc、次いで19:1のEtOAc/MeOH)によって精製すると、無色透明の油として37.2mg(79%)の純粋なジヒドロキシエステル20が得られた。

Claims (4)

  1. 以下からなる群から選択される化合物:


  2. 請求項1に記載の化合物を含み及び任意に医薬的に許容可能な担体を含んでも良い医薬組成物。
  3. ヒトにおける眼性疾患の治療の為の請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 角膜肥厚の低減の為の、請求項2に記載の医薬組成物。
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