以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの多様な無線アクセス(接続)システムに使用することができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術によって実現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術によって実現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi―Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802―20、E―UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術によって実現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E―UTRAを使用するE―UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC―FDMAを採用する。LTE―A(Advanced)は、3GPP LTEの進化されたバージョンである。
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE―Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。また、以下の説明で使用される特定用語は、本発明の理解を促進するために提供されたものであって、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更可能である。
図2は、3GPP無線アクセスネットワーク規格をベースにした端末とE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御プレーン(Control Plane)及びユーザプレーン(User Plane)の構造を示す図である。制御プレーンは、端末(User Equipment;UE)とネットワークが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザプレーンは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体アクセス制御(Medium Access Control、媒体接続制御)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。前記送信チャネルを介して媒体アクセス制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MACの内部の機能ブロックで実現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6などのIPパケットを効率的に送信するために不要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮(Header Compression)機能を行う。
第3層の最下部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御プレーンでのみ定義される。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は、互いにRRCメッセージを交換する。端末とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC connected)がある場合、端末はRRC接続状態(Connected Mode)に置かれ、そうでない場合、端末はRRC休止状態(Idle Mode)に置かれる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.4、3、5、10、15、20Mhzなどの帯域幅のうちの一つに設定され、多くの端末に下り又は上り送信サービスを提供する。別個のセルは、別個の帯域幅を提供するように設定することができる。
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、下りSCHを介して送信されてもよく、又は別途の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
図3は、3GPP LTEシステムに用いられる物理チャネル及びこれらを用いた一般的な信号送信方法を説明するための図である。
電源が消えた状態で再び電源が入ったり、新しくセルに進入したりしたユーザ機器は、段階S301で、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う。そのために、ユーザ機器は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel、P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel、S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得する。その後、ユーザ機器は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内の放送情報を取得することができる。一方、ユーザ機器は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal、DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認することができる。
初期セル探索を終えたユーザ機器は、段階S302で、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)、及び物理下りリンク制御チャネル情報による物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDSCH)を受信し、より具体的なシステム情報を取得することができる。
その後、ユーザ機器は、基地局への接続を完了するために、以降の段階S303〜段階S306などのランダムアクセス過程(Random Access Procedure)を行うことができる。このために、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を介してプリアンブルを送信し(S303)、物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルを介してプリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304)。競合ベースのランダムアクセスの場合、追加的な物理ランダムアクセスチャネルの送信(S305)、及び物理下りリンク制御チャネル及びこれに対応する物理下りリンク共有チャネルの受信(S306)などの衝突解決手続(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
上述の手続を行ったユーザ機器は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手続として、物理下りリンク制御チャネル/物理下りリンク共有チャネルの受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)の送信(S308)を行うことができる。ユーザ機器が基地局に送信する制御情報を上りリンク制御情報(Uplink Control Information、UCI)と称する。UCIは、HARQ ACK/NACK(Hybrid Automatic Repeat and reQuest Acknowledgement/Negative−ACK)、SR(Scheduling Request)、CSI(Channel State Information)などを含む。本明細書において、HARQ ACK/NACKは、簡単にHARQ−ACK或いはACK/NACK(A/N)と称される。HARQ−ACKは、ポジティブACK(簡単に、ACK)、ネガティブACK(NACK)、DTX及びNACK/DTXのうちの少なくとも一つを含む。CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indication)などを含む。UCIは、一般にPUCCHを介して送信されるが、制御情報とトラフィックデータが同時に送信されなければならない場合、PUSCHを介して送信され得る。また、ネットワークの要求/指示によって、PUSCHを介してUCIを非周期的に送信することができる。
図4は、LTEシステムで使用される無線フレームの構造を例示する図である。
図4を参照すると、セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上りリンク/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム単位で行われ、1サブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造をサポートする。
図4の(a)は、タイプ1の無線フレームの構造を例示する。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1サブフレームは時間領域で2個のスロットで構成される。1サブフレームが送信されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)と言う。例えば、1サブフレームの長さは1msで、1スロットの長さは0.5msであり得る。一つのスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で多数のリソースブロック(Resource Block、RB)を含む。3GPP LTEシステムでは下りリンクでOFDMAを使用するので、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を示す。また、OFDMシンボルは、SC―FDMAシンボル又はシンボル区間と称することもできる。リソース割り当て単位としてのリソースブロック(RB)は、一つのスロットで複数の連続的な副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成によって変わり得る。CPには、拡張CP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であり得る。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1OFDMシンボルの長さが増加するので、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は一般CPの場合より少ない。例えば、拡張CPの場合、一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であり得る。ユーザ機器が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合、シンボル間の干渉をさらに減少させるために拡張CPを使用することができる。
一般CPが使用される場合、スロットは7個のOFDMシンボルを含むので、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームの最初の最大3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
図4の(b)は、タイプ2の無線フレームの構造を示す図である。タイプ2の無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、2個のスロットを含む4個の一般サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period、GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む特別サブフレームで構成される。
前記特別サブフレームにおいて、DwPTSは、ユーザ機器での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に使用される。UpPTSは、基地局でのチャネル推定とユーザ機器の上りリンク送信同期を取るのに使用される。すなわち、DwPTSは下りリンク送信に、UpPTSは上りリンク送信に使用され、特に、UpPTSは、PRACHプリアンブルやSRS送信の用途で活用される。また、保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間において下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
前記特別サブフレームに関して、現在の3GPP標準文書では、下記の表1のように設定を定義している。表1において、Ts=1/(15000×2048)である場合のDwPTSとUpPTSを示し、残りの領域が保護区間として設定される。
一方、タイプ2の無線フレームの構造、すなわち、TDDシステムにおける上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL configuration)は、下記の表2の通りである。
上記の表2において、Dは下りリンクサブフレーム、Uは上りリンクサブフレームを表し、Sは特別サブフレームを表す。また、上記の表2は、それぞれのシステムでの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において下りリンク−上りリンクスイッチング周期も示している。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎなく、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、及びスロットに含まれるシンボルの数は多様に変更可能である。
図5は、下りリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)を例示する。
図6は、本発明の実施例で使用できる上りリンクサブフレームの構造を示す。
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別される。制御領域には、上りリンク制御情報を搬送するPUCCHが割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを搬送するPUSCHが割り当てられる。LTEシステムでは、単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。しかし、LTE−Aシステムでは、キャリアアグリゲーション技術の導入によってPUCCH信号とPUSCH信号を同時に送信することができる。一つの端末に対するPUCCHには、サブフレーム内にRB対が割り当てられる。RB対に属する各RBは、2個のスロットのそれぞれで異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられたRB対はスロット境界(slot boundary)で周波数ホッピング(frequency hopping)するという。
図7は、本発明の実施例で使用できる下りリンクサブフレームの構造を示す。
図7を参照すると、サブフレーム内の第1スロットで、OFDMシンボルインデックス0から最大3個のOFDMシンボルが、各制御チャネルが割り当てられる制御領域であり、残りのOFDMシンボルは、PDSCHが割り当てられるデータ領域である。3GPP LTEで使用される下りリンク制御チャネルの例としては、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PDCCH、PHICH(Physical Hybrid―ARQ Indicator Channel)などがある。
PCFICHは、サブフレームの第1OFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の各制御チャネルの送信に使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域のサイズ)に関する情報を搬送する。PHICHは、上りリンクに対する応答チャネルであり、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgment)/NACK(Negative―Acknowledgment)信号を搬送する。PDCCHを介して送信される制御情報を、下りリンク制御情報(DCI:downlink control information)と称する。下りリンク制御情報は、上りリンクリソース割り当て情報、下りリンクリソース割り当て情報又は任意の端末グループに対する上りリンク送信(Tx)電力制御命令を含む。
キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)
図8は、キャリアアグリゲーションを説明するための図である。キャリアアグリゲーションを説明する前に、まず、LTE−Aで無線リソースを管理するために導入されたセル(Cell)の概念に対して説明する。セルは、下りリンクリソースと上りリンクリソースとの組合せと理解することができる。ここで、上りリンクリソースは必須要素でないので、セルは、下りリンクリソース単独又は下りリンクリソースと上りリンクリソースで構成することができる。但し、これは、現在のLTE−Aリリース10での定義であり、反対の場合、すなわち、セルが上りリンクリソース単独で構成されることも可能である。下りリンクリソースは下りリンクコンポーネントキャリア(Downlink component carrier、DL CC、構成搬送波)と称し、上りリンクリソースは上りリンクコンポーネントキャリア(Uplink component carrier、UL CC)と称することができる。DL CC及びUL CCは、搬送波周波数(carrier frequency)と表現することができ、搬送波周波数は、該当セルでの中心周波数(center frequency)を意味する。
セルは、プライマリ周波数(primary frequency)で動作するプライマリセル(primary cell、PCell)と、セカンダリ周波数(secondary frequency)で動作するセカンダリセル(secondary cell、SCell)とに分類することができる。PCellとSCellは、サービングセル(serving cell)と総称することができる。端末が初期接続設定(initial connection establishment)過程を行ったり、接続再設定過程又はハンドオーバー過程で指示されたセルがPCellになり得る。すなわち、PCellは、後述するキャリアアグリゲーション環境で制御関連中心となるセルと理解することができる。端末は、自身のPCellでPUCCHを受け取って送信することができる。SCellは、RRC(Radio Resource Control)接続設定が行われた後で構成可能であり、追加的な無線リソースを提供するのに使用することができる。キャリアアグリゲーション環境でPCellを除いた残りのサービングセルをSCellと見ることができる。RRC_CONNECTED状態にあるが、キャリアアグリゲーションが設定されていないか、キャリアアグリゲーションをサポートしない端末の場合、PCellでのみ構成されたサービングセルが一つのみ存在する。その一方で、RRC_CONNECTED状態にあり、キャリアアグリゲーションが設定された端末の場合、一つ以上のサービングセルが存在し、全体のサービングセルにはPCellと全体のSCellが含まれる。キャリアアグリゲーションをサポートする端末のために、ネットワークは、初期セキュリティ活性化(initial security activation)過程が開始された後、接続設定過程で初期に構成されるPCellに加えて一つ以上のSCellを構成することができる。
以下、図8を参照してキャリアアグリゲーションに対して説明する。キャリアアグリゲーションは、高い高速送信率に対する要求に符合するために、より広い帯域を使用できるように導入された技術である。キャリアアグリゲーションは、搬送波周波数が別個の2個以上のコンポーネントキャリア(component carrier、CC)又は2個以上のセルの併合(aggregation)と定義することができる。図8を参照すると、図8(a)は、既存のLTEシステムで一つのCCを使用する場合のサブフレームを示し、図8(b)は、キャリアアグリゲーションが使用される場合のサブフレームを示す。図8(b)には、例示的に20MHzのCCが3個使用され、合計60MHzの帯域幅をサポートすることを示している。ここで、各CCは、連続的であってもよく、非連続的であってもよい。
端末は、下りリンクデータを複数のDL CCを介して同時に受信してモニタすることができる。各DL CCとUL CCとの間のリンケージ(linkage)はシステム情報によって指示することができる。DL CC/UL CCリンクは、システムに固定されているか、半静的に構成することができる。また、システム全体の帯域がN個のCCで構成されるとしても、特定端末がモニタ/受信できる周波数帯域はM(<N)個のCCに限定され得る。キャリアアグリゲーションに対する多様なパラメータは、セル固有(cell−specific)、端末グループ固有(UE group−specific)又は端末固有(UE−specific)方式で設定することができる。
図9は、クロス搬送波スケジューリングを説明するための図である。クロス搬送波スケジューリングとは、例えば、複数のサービングセルのうちのいずれか一つのDL CCの制御領域に他のDL CCの下りリンクスケジューリング割り当て情報を全て含むこと、又は複数のサービングセルのうちのいずれか一つのDL CCの制御領域にそのDL CCとリンクされている複数のUL CCに対する上りリンクスケジューリング承認情報を全て含むことを意味する。
以下では、搬送波指示子フィールド(carrier indicator field、CIF)に対して説明する。
CIFは、上述したように、PDCCHを介して送信されるDCIフォーマットに含まれたり(例えば、3ビットサイズと定義される)又は含まれないこともあり(例えば、0ビットサイズと定義される)、含まれた場合、クロス搬送波スケジューリングが適用されたことを示す。クロス搬送波スケジューリングが適用されていない場合、下りリンクスケジューリング割り当て情報は、現在の下りリンクスケジューリング割り当て情報が送信されるDL CC上で有効である。また、上りリンクスケジューリング承認は、下りリンクスケジューリング割り当て情報が送信されるDL CCとリンクされた一つのUL CCに対して有効である。
クロス搬送波スケジューリングが適用された場合、CIFは、いずれか一つのDL CCでPDCCHを介して送信される下りリンクスケジューリング割り当て情報と関連するCCを指示する。例えば、図9を参照すると、DL CC A上の制御領域内のPDCCHを介してDL CC B及びDL CC Cに対する下りリンク割り当て情報、すなわち、PDSCHリソースに対する情報が送信される。端末は、DL CC Aをモニタし、CIFを通じてPDSCHのリソース領域及び該当CCを知ることができる。
PDCCHにCIFが含まれるか否かは半静的に設定することができ、上位層シグナリングによって端末固有に有効にすることができる。
CIFが無効に(disabled)された場合、特定DL CC上のPDCCHは、該当の同一のDL CC上のPDSCHリソースを割り当て、特定DL CCにリンクされたUL CC上のPUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH構造と同一のコーディング方式、CCEベースのリソースマッピング、DCIフォーマットなどを適用することができる。
一方、CIFが有効に(enabled)される場合、特定DL CC上のPDCCHは、複数の併合されたCCのうちCIFが指示する一つのDL/UL CC上でのPDSCH/PUSCHリソースを割り当てることができる。この場合、既存のPDCCH DCIフォーマットにCIFを追加的に定義することができ、固定された3ビット長のフィールドと定義したり、CIF位置をDCIフォーマットサイズとは関係なく固定することもできる。この場合にも、既存のPDCCH構造と同一のコーディング方式、CCEベースのリソースマッピング、DCIフォーマットなどを適用することができる。
CIFが存在する場合にも、基地局は、PDCCHをモニタするDL CCセットを割り当てることができる。これによって、端末のブラインドデコーディングの負担が減少し得る。PDCCHモニタリングCCセットは、全体の併合されたDL CCの一部分であり、端末は、PDCCHの検出/デコーディングを該当CCセットでのみ行うことができる。すなわち、端末に対してPDSCH/PUSCHをスケジュールするために、基地局は、PDCCHをPDCCHモニタリングCCセット上でのみ送信することができる。PDCCHモニタリングDL CCセットは、端末固有、端末グループ固有又はセル固有に設定することができる。例えば、図9の例示のように、3個のDL CCが併合される場合、DL CC AをPDCCHモニタリングDL CCに設定することができる。CIFが無効にされる場合、それぞれのDL CC上のPDCCHは、DL CC AでのPDSCHのみをスケジュールすることができる。一方、CIFが有効にされると、DL CC A上のPDCCHは、DL CC Aはもちろん、他のDL CCでのPDSCHもスケジュールすることができる。DL CC AがPDCCHモニタリングCCに設定される場合、DL CC B及びDL CC CにはPDCCHが送信されなくてもよい。
送信タイミング調整(Transmission timing adjustments)
LTEシステムにおいて、端末から送信された信号が基地局に到逹するのにかかる時間は、セルの半径、セルでの端末の位置、端末の移動性などによって変わり得る。すなわち、基地局が各端末に対する上りリンク送信タイミングを制御しない場合、端末と基地局が通信する間、端末間に干渉の可能性が存在する。これは、基地局での誤り発生率を増加させ得る。端末から送信された信号が基地局に到逹するのにかかる時間はタイミングアドバンス(timing advance)と称することができる。端末がセル内でランダムに位置すると仮定すると、端末のタイミングアドバンスは端末の位置によって変わり得る。例えば、端末がセルの中心に位置するときより、セルの境界に位置する場合、端末のタイミングアドバンスは遥かに長くなり得る。また、タイミングアドバンスは、セルの周波数帯域によって変わり得る。よって、基地局は、各端末間の干渉を防止するために、セル内にある各端末の送信タイミングを管理又は調整しなければならない。このように、基地局によって行われる送信タイミングの管理又は調整を、タイミングアドバンス(timing advance)又はタイミング調整(time alignment)の維持と称することができる。
タイミングアドバンス維持又はタイミング調整は、上述したようなランダムアクセス過程を通じて行うことができる。ランダムアクセス過程の間、基地局は、端末からランダムアクセスプリアンブルを受信し、受信されたランダムアクセスプリアンブルを用いてタイミングアドバンス値を計算することができる。計算されたタイミングアドバンス値は、ランダムアクセス応答を通じて端末に送信され、端末は、受信されたタイミングアドバンス値に基づいて信号送信タイミングを更新することができる。或いは、基地局は、端末から周期的に又はランダムに送信される上りリンク参照信号(例、SRS(Sounding Reference Signal))を受信してタイミングアドバンスを計算することができ、端末は、計算されたタイミングアドバンス値に基づいて信号送信タイミングを更新することができる。
上述したように、基地局は、ランダムアクセスプリアンブル又は上りリンク参照信号を通じて端末のタイミングアドバンスを測定することができ、タイミング調整のための調整値を端末に知らせることができる。この場合、タイミング調整のための調整値は、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command、TAC)と称することができる。TACは、MAC層によって処理することができる。端末が基地局からTACを受信する場合、端末は、受信されたTACが一定時間の間にのみ有効であると仮定する。前記一定時間を指示するためにタイミング調整タイマー(Time Alignment Timer、TAT)を使用することができる。TAT値は、上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)を通じて端末に送信することができる。
端末からの上りリンク無線フレームiの送信は、対応する下りリンク無線フレームが開始される(NTA+NTAoffset)×Ts秒前に開始することができる。0≦NTA≦20512であってもよく、FDDフレーム構造の場合はNTAoffset=0、TDDフレーム構造の場合はNTAoffset=624であってもよい。NTAは、タイミングアドバンス命令によって指示することができる。Tsはサンプリングタイムを示す。上りリンク送信タイミングは16Tsの倍数単位で調整することができる。TACは、ランダムアクセス応答で11ビットとして与えることができ、0〜1282の値を指示することができる。NTAはTA*16として与えることができる。或いは、TACは、6ビットであり、0〜63の値を指示することができる。この場合、NTAはNTA,old+(TA−31)*16として与えることができる。サブフレームnで受信されたタイミングアドバンス命令はサブフレームn+6から適用することができる。
タイミングアドバンスグループ(TAG:Timing Advace Group)
一方、端末で複数のサービングセルが用いられる場合、類似するタイミングアドバンス特性を示すサービングセルが存在し得る。例えば、類似する周波数特性(例、周波数帯域)を用いたり、類似する伝播遅延を有するサービングセルは、類似するタイミングアドバンス特性を有することができる。よって、キャリアアグリゲーション時、複数の上りリンクタイミング同期化の調整によるシグナリングオーバーヘッドを最適化するために、類似するタイミングアドバンス特性を示すサービングセルをグループとして管理することができる。このようなグループは、タイミングアドバンスグループ(Timing Advance Group、TAG)と称することができる。類似するタイミングアドバンス特性を有するサービングセルは一つのTAGに属することができ、TAGで、少なくとも一つのサービングセルは上りリンクリソースを有さなければならない。各サービングセルに対して、基地局は、上位層シグナリング(例、RRCシグナリング)を通じてTAG識別子を用いてTAG割り当てを端末に知らせることができる。2個以上のTAGを一つの端末に設定することができる。TAG識別子が0を指示する場合、PCellを含むTAGを意味し得る。便宜上、PCellを含むTAGは、プライマリTAG(primary TAG、pTAG)と称し、pTAGでない他のTAGはセカンダリTAG(secondary TAG、sTAG又はsecTAG)と称することができる。セカンダリTAG識別子(sTAG ID)は、SCellの該当sTAGを指示するのに使用することができる。sTAG IDがSCellに対して設定されない場合、SCellはpTAGの一部として構成することができる。一つのTAグループに属した全てのCCには一つのTAを共通に適用することができる。
以下、前記TACを端末に送信するためのTAC MAC CEの構造に対して説明する。
TAC MAC CE(Timing Advance Command MAC CE)
3GPP LTEで、MAC(Medium Access Control) PDU(Protocol Data Unit)は、MACヘッダー、MAC CE(control element)及び少なくとも一つのMAC SDU(service data unit)を含む。MACヘッダーは、少なくとも一つのサブヘッダー(subheader)を含み、各サブヘッダーはMAC CEとMAC SDUに対応する。サブヘッダーはMAC CEとMAC SDUの長さ及び特徴を示す。
MAC SDUは、MAC層の上位層(例えば、RLC層又はRRC層)から来たデータブロックであり、MAC CEは、バッファ状態報告(buffer status report)のようにMAC層の制御情報を伝達するために使用される。
MACサブヘッダーは、次のようなフィールドを含む。
− R(1ビット):予約された(Reserved)フィールド。
− E(1ビット):拡張(Extension)フィールド。次にF及びLフィールドが存在するか否かを知らせる。
− LCID(5ビット):論理チャネル(Logical Channel)IDフィールド。如何なる種類のMAC CEであるのか、又はいずれの論理チャネルのMAC SDUであるのかを知らせる。
− F(1ビット):フォーマット(Format)フィールド。次のLフィールドのサイズが7ビットであるのか、それとも15ビットであるのかを知らせる。
− L(7ビット又は15ビット):長さ(Length)フィールド。MACサブヘッダーに該当するMAC CE又はMAC SDUの長さを知らせる。
固定サイズ(Fixed−sized)のMAC CEに対応するMACサブヘッダーにはF及びLフィールドが含まれない。
図10は、固定されたサイズのMAC CEであって、TAC MAC CEを示す。TACは、端末が適用する時間調節の量を制御するために使用され、MAC PDUサブヘッダーのLCIDによって識別される。ここで、MAC CEは固定されたサイズを有し、図10に示したように、単一オクテット(Octet)で構成される。
− R(1ビット):予約された(Reserved)フィールド
− TAC(Timing Advance Command)(6ビット):端末が適用しなければならないタイミング調整値の総量を制御するために使用されるTAインデックス値(0、1、2、…、63)を示す。
タイミング調整のための調整値は、タイミングアドバンス命令(Timing Advance Command、TAC)を通じて送信されてもよいが、初期アクセスのために端末機が送信したランダムアクセスプリアンブルに対する応答メッセージ(Random Access Response、以下、RARと称する)を介して送信されてもよい。以下、TACを受信するために提案されたランダムアクセス過程を行う方法に対して説明する。
ランダムアクセス過程(Random Access Procedure)
LTEシステムで、端末は、次のような場合にランダムアクセス手続を行うことができる。
− 端末が、基地局との接続(RRC Connection)がないので、初期アクセス(initial access)をする場合
− 端末が、ハンドオーバー手続において、ターゲットセルに最初にアクセスする場合
− 基地局の命令によって要求される場合
− 上りリンクの時間同期が取られないか、無線リソースを要求するために使用される指定された無線リソースが割り当てられていない状況で、上りリンクへのデータが発生する場合
− 無線リンク失敗(radio link failure)又はハンドオーバー失敗(handover failure)時の復旧手続の場合
これに基づいて、以下では、一般的な競合ベースのランダムアクセス手続を説明する。
(1)第1メッセージ送信
まず、端末は、システム情報又はハンドオーバー命令(Handover Command)を通じて指示されたランダムアクセスプリアンブルの集合から任意に(randomly)一つのランダムアクセスプリアンブルを選択し、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACH(Physical RACH)リソースを選択して送信することができる。
(2)第2メッセージ受信
端末は、ランダムアクセスプリアンブルを送信した後、基地局が、システム情報又はハンドオーバー命令を通じて指示されたランダムアクセス応答受信ウィンドウ内で自身のランダムアクセス応答の受信を試みる(S902)。より詳細に、ランダムアクセス応答情報はMAC PDUの形式で送信することができ、前記MAC PDUはPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を介して伝達することができる。また、前記PDSCHで伝達される情報を端末が適切に受信するために、端末はPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)をモニタすることが好ましい。すなわち、PDCCHには、前記PDSCHを受信しなければならない端末の情報、前記PDSCHの無線リソースの周波数、時間情報、及び前記PDSCHの送信形式などが含まれていることが好ましい。一旦端末が自身に送信されるPDCCHの受信に成功すると、前記PDCCHの情報によってPDSCHで送信されるランダムアクセス応答を適切に受信することができる。そして、前記ランダムアクセス応答には、ランダムアクセスプリアンブル識別子(ID;例えば、RAPID(Random Access Preamble IDentifier)、上りリンク無線リソースを知らせる上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子(Temporary C−RNTI)及び時間同期補正値(Timing Advance Command:TAC)を含ませることができる。
上述したように、ランダムアクセス応答でランダムアクセスプリアンブル識別子が必要な理由は、一つのランダムアクセス応答には一つ以上の端末のためのランダムアクセス応答情報が含まれ得るので、前記上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子及びTACがいずれの端末に有効であるのかを知らせる必要があるためである。本段階で、端末は、自身が選択したランダムアクセスプリアンブルと一致するランダムアクセスプリアンブル識別子を選択すると仮定する。これを通じて、端末は、上りリンク承認(UL Grant)、臨時セル識別子(Temporary C−RNTI)及び時間同期補正値(Timing Advance)などを受信することができる。
(3)第3メッセージ送信
端末が自身に有効なランダムアクセス応答を受信した場合は、前記ランダムアクセス応答に含まれた各情報をそれぞれ処理する。すなわち、端末はTACを適用させ、臨時セル識別子を格納する。また、有効なランダムアクセス応答受信に対応して送信するデータをメッセージ3バッファに格納することができる。
一方、端末は、受信されたUL承認を用いて、データ(すなわち、第3メッセージ)を基地局に送信する。第3メッセージには、端末の識別子が含まれなければならない。これは、競合ベースのランダムアクセス手続では、基地局でいずれの端末が前記ランダムアクセス手続を行うのかを判断できないが、今後、衝突を解決するためには端末を識別しなければならないためである。
端末の識別子を含ませる方法としては二つの方法が議論された。第一の方法は、端末が前記ランダムアクセス手続前に既に該当セルで割り当てられた有効なセル識別子を有していた場合、端末は、前記UL承認に対応する上りリンク送信信号を通じて自身のセル識別子を送信する。その一方で、ランダムアクセス手続前に有効なセル識別子の割り当てを受けていない場合、端末は、自身の固有識別子(例えば、S−TMSI又は任意のID(Random Id))を含ませて送信する。一般に、前記固有識別子はセル識別子より長い。端末は、前記UL承認に対応するデータを送信した場合、衝突解決のためのタイマー(contention resolution timer;以下、「CRタイマー」と称する)を開始する。
(4)第4メッセージ受信
端末が、ランダムアクセス応答に含まれたUL承認を通じて自身の識別子を含むデータを送信した後、衝突解決のために基地局の指示を待つ。すなわち、特定メッセージを受信するためにPDCCHの受信を試みる(S904)。前記PDCCHを受信する方法においても二つの方法が議論された。上述したように、前記UL承認に対応して送信された第3メッセージが、自身のセル識別子を用いて送信された場合は、自身のセル識別子を用いてPDCCHの受信を試み、前記識別子が固有識別子である場合は、ランダムアクセス応答に含まれた臨時セル識別子を用いてPDCCHの受信を試みることができる。その後、前者の場合、前記衝突解決タイマーが満了する前に自身のセル識別子を通じてPDCCHを受信したとき、端末は、正常にランダムアクセス手続が行われたと判断し、ランダムアクセス手続を終了する。後者の場合、前記衝突解決タイマーが満了する前に臨時セル識別子を通じてPDCCHを受信した場合、前記PDCCHが指示するPDSCHが伝達するデータを確認する。前記データの内容に自身の固有識別子が含まれている場合、端末は、正常にランダムアクセス手続が行われたと判断し、ランダムアクセス手続を終了する。
一方、非競合ベースのランダムアクセス手続での動作は、図7に示した競合ベースのランダムアクセス手続と異なり、第1メッセージ送信及び第2メッセージ送信のみでランダムアクセス手続が終了する。但し、端末が基地局に第1メッセージとしてランダムアクセスプリアンブルを送信する前に、端末は、基地局からランダムアクセスプリアンブルの割り当てを受けるようになり、この割り当てられたランダムアクセスプリアンブルを基地局に第1メッセージとして送信し、基地局からランダムアクセス応答を受信することによってランダムアクセス手続が終了する。
本発明と関連して、同期を確保するために基地局は、PDCCHを介してPDCCH命令でPRACHをトリガーすることができる。すると、端末はPRACHプリアンブルを基地局に送信する。端末が初期に同期を取るために行うPRACHプリアンブル伝送は競合ベースPRACHプリアンブル伝送である。基地局は、受信した第1メッセージに対する応答としてランダムアクセス応答メッセージを端末に送信する。
ランダムアクセス応答グラント(random access response grant)
上位層は、20ビット上りリンクグラント(UL Grant)を物理層に指示する。これは、物理層でのランダムアクセス応答グラント(random access response grant)を示す。
ここで、上記ランダムアクセス応答メッセージにはTACを含めて次の表3のような内容が含まれている。次の表7には、3GPP LTE TS36.213でランダムアクセス応答グラント(RA response grant)に含まれた情報を示す。
すなわち、20ビットは、最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)から始めて最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)まで次のように構成される。
− ホッピングフラグ(Hopping flag):1ビット
− 固定サイズリソースブロック指定(fixed size resource block assignment):10ビット
− 切断した(truncated)変調及びコーディング方式(MCS:Modulation and Coding Scheme):4ビット
− スケジューリングされたPUSCHのための伝送パワー制御(TPC:Transmission Power Control)命令:3ビット
− 上りリンク遅延(UL delay):1ビット
− チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)要求:1ビット
端末は、該当のランダムアクセス応答グラント内の単一ビットの周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping)フィールドが1に設定され、上りリンクリソースブロック指定がタイプ0であれば、PUSCH周波数ホッピングを行う。そうでない場合には、PUSCH周波数ホッピングを行わない。ホッピングフラグが設定されると、端末は固定サイズリソースブロック指定(fixed size resource block assignment)フィールドで示されたとおりにPUSCHホッピングを行う。
固定サイズリソースブロック指定(fixed size resource block assignment)フィールドは次のとおりである。
まず、上りリンクリソースブロック個数が
である場合、固定サイズリソースブロック指定においてb個のLSBを切断し(truncate)、一般的な(regular)DCIフォーマット0の方式によって、切断されたリソースブロック指定を解釈する。ここで、bは、下記の数式1のとおりである。
一方、そうでない場合、固定サイズリソースブロック指定内のNUP hop個のホッピングビットの次に0に設定されたb個のMSBを挿入し、一般的な(regular)DCIフォーマット0の方式によって、拡張されたリソースブロック指定を解釈する。ここで、ホッピングフラグが1に設定されると、ホッピングビットの個数(NUP hop)は0であり、bは下記の数式2のとおりである。
また、切断された変調及びコーディング方式(truncated MCS)フィールドは、ランダムアクセス応答グラントに該当するMCSと解釈することができる。
TPC命令(δmsg2)はPUSCHのパワーを設定するために用いられるものであり、次の表2によって解釈することができる。
表2には、スケジューリングされたPUSCHのためのTPC命令(δmsg2)を示す。
非競合ベースランダムアクセス手順(non−contention based random access procedure)において、CSI要求フィールドによって、非周期的CQI、PMI、RI報告が該当のPUSCH伝送に含まれるか否かが決定されてもよい。一方、競合ベースランダムアクセス手順(contention based random access procedure)においてCSI要求フィールドは予約されている。
上りリンク遅延(UL delay)はTDD及びFDDシステムのいずれにも適用され、PUSCHの遅延が導入されるか否かを示すために0又は1に設定されてもよい。
複数のTAを有する場合
図11には、個別の周波数特性を有する複数のセルが併合される例を例示する。LTE Release 8/9/10システムでは、端末が複数個のCCを集合(aggregation)する場合にも、一つのCC(例えば、Pセル又はPキャリア)に適用可能なTA(Timing Advance)値を複数個のCCに「共通」適用してUL伝送時に適用した。LTE−Aシステムでは、端末が互いに異なる周波数バンドに属している(すなわち、周波数上で大きく離隔されている)、或いは伝搬(propagation delay)特性が異なる、或いは個別のカバレッジを有する複数のセルを併合(aggregation)することが許容されてもよい。また、特定セルの場合には、カバレッジ(coverage)を拡大したり或いはカバレッジ隙間(coverage hole)を除去するために、リピータ(repeater)のようなRRH(Remote Radio Head)装置がセル内に配置(deploy)される状況を考慮することができる。例えば、互いに異なる場所に形成されるセル間にキャリアアグリゲーションされてもよい(inter−site carrier aggregation)。RRHをRRU(Remote Radio Unit)と呼ぶことができ、基地局(eNB)とRRH(又はRRU)をいずれもノード又は伝送ノードと呼ぶことができる。
一例として、図11の(a)を参照すると、端末が2個のセル(セル1、セル2)を併合(aggregation)しており、セル1(又はCC1)はRRHなしで基地局(eNB)と直接通信をするように形成され、セル2は制限されたカバレッジ(coverage)などの理由でRRHを用いて形成されるようにすることができる。この場合、端末からセル2(又はCC2)を介して送信されるUL信号の伝搬遅延(propagation delay)(或いは、eNBでの受信タイミング)とセル1を介して送信されるUL信号の伝搬遅延(或いは、eNBでの受信タイミング)は、端末位置及び周波数特性などの理由で互いに異なることがある。このように複数のセルが個別の伝搬遅延特性を有する場合には複数TAを有することが不可避である。
一方、図11の(b)は、個別のTAを有する複数のセルを例示する。端末が2個のセル(例えば、PCell、SCell)を併合(aggregation)しており、各セルに対して個別のTAを適用してUL信号(例えば、PUSCH)を送信することができる。
端末が複数のTAを受信する場合、特定セルの(例えば、PCell)の上り信号伝送時点と他のセルの上り信号伝送時点間との差が大きすぎる場合、該当のセルの上り信号伝送を制限する方法を考慮することができる。例えば、伝送時点のギャップ(Gap)が特定の閾値を超える場合、該当のセルの上り信号伝送を制限する方法を考慮することができる。特定の閾値は上位信号で設定されてもよく、端末があらかじめ知っている値であってもよい。このような動作は、例えば、端末機が上りリンクで送信するシグナルの伝送時点が大きく外れる場合、基地局と端末間の上りリンク/下りリンク信号伝送タイミング関係が一定とならず、誤動作が起きることを防止するために用いることができる。
また、一つの端末が同一サブフレームで別々のセル(CC)に対してPUSCH/PUCCHなどを送信するタイミング差が大きい場合、端末の上りリンク信号構成及び下りリンク−上りリンク間の応答時間調節の複雑度が非常に大きくなり得る。
したがって、複数のセル間の上りリンク伝送タイミングが独立したTA動作によって大きく外れる場合、端末の上りリンク信号(例えば、PUSCH、PUCCH、SRS、RACHなど)伝送をドロップ(Drop)したり又は伝送タイミングを制限する方式を考慮することができる。具体的には、本発明では次のような方式を提案する。
方式1)
端末が上りリンク伝送を行うべき複数のセル間のTA差が閾値(threshold)以上である場合には、任意のセルの上りリンク伝送を常にドロップして、実際に送信する上りリンク信号間のTA差が常に閾値以内となるように調整することができる。この場合、特定セルを基準に、TA差が閾値を超えるセルに対する上りリンク信号の伝送をドロップすることができる。さらに具体的に、特定セルはPCell或いはPCellグループであってもよい。又は、ネットワークがRRCシグナリングなどを用いて上記特定セルを設定することもできる。ここで、上りリンク信号伝送をドロップする動作は、あらかじめ送信するように設定された信号を送信しない動作であってもよく、TA差が閾値を超える場合、該当のセルに対するPUSCHなどのスケジューリング命令を期待しないか無視する動作であってもよい。
方式2)
端末が上りリンク伝送を行うべき複数のセル間のTA差が閾値以上である場合には、任意のセルの上りリンク伝送タイミングを、他のセルとの伝送タイミングに比べてTA以内となるように調整して送信する。この場合、特定セルを基準にTA差が閾値を超えるセルに対する上りリンク信号の伝送タイミングを調整することができる。ここで、特定セルは、PCell或いはPCellグループであってもよい。又は、ネットワークがRRCシグナリングなどを用いて上記特定セルを設定することもできる。
方式3)
端末は、上りリンク伝送を行うべき複数のセル間のTA差が閾値以上となるTAC(Timing Advance Command)を受信した場合、当該TACを無視したり、又はTA差が閾値以内となる場合に限って適用する。この場合、特定セルを基準にTA差が閾値を超えるTACを受けた場合に上記方式を適用することができる。ここで、特定セルは、PCell或いはPCellグループであってもよい。又は、ネットワークが上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを用いて上記特定セルを設定することもできる。
これらの方式において、TA閾値は、ネットワークが上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを用いて設定することができる。また、上記セルは、複数のセルグループ、より特徴的には同一TACが適用されるセルグループであってもよい。上記TAの差は、端末が管理しているTA値の差だけでなく、端末が特定サブフレームで送信に適用すべきTA値の差、端末が受信したTAC値の差、或いは端末が送信に適用する伝送タイミング(transmission timing)の差であってもよい。また、上記方式においてPRACHのように、TAC値によって管理されるTA適用の例外となる信号の伝送時には、上記TA差制限方式が適用されなくてもよい。
機器間(D2D:Device to Device)通信
前述したような無線通信システム(例えば、3GPP LTEシステム又は3GPP LTE−Aシステム)にD2D通信が導入される場合、D2D通信を行うための具体的な方法について以下に説明する。
以下では、本発明で用いられる機器間通信環境について簡略に説明する。
機器間(D2D:Device to Device)通信とは、言葉の通り、電子装置と電子装置間の通信を意味する。広義には、電子装置間の有線或いは無線通信、又は人が制御する装置と機械間の通信を意味する。しかし、最近では、人の介入無しで行われる電子装置と電子装置間の無線通信を指すのが一般的である。
図12は、D2D通信を概念的に説明するための図である。図12は、D2D通信の一例として機器間(D2D)又は端末間(UE−to−UE)の通信方式を示す図であり、端末間のデータ交換が基地局を介さずに行われている。このように装置間に直接設定されるリンクをD2Dリンクと呼ぶことができる。D2D通信は、既存の基地局中心の通信方式に比べて遅延(latency)が低減し、より少ない無線リソースを必要とするなどの長所を有する。ここで、UEはユーザの端末を意味するが、eNBのようなネットワーク設備がUE間の通信方式にしたがって信号を送受信する場合には、それも同様に一種のUEと見なされてもよい。
D2D通信は、基地局を介さずに装置間(又は端末間)の通信をサポートする方式であるが、既存の無線通信システム(例えば、3GPP LTE/LTE−A)のリソースを再使用して行われるため、既存の無線通信システムに干渉又は撹乱を起こしてはならない。同じ文脈から、既存の無線通信システムで動作する端末、基地局などによってD2D通信が受ける干渉を最小化することも重要である。
一般に、D2D信号は上りリンク(UL)リソースで送信される。既存のeNBとの通信において個別位置のUE信号を同一時点にeNBへ到達させるために、TA(Timing advance)を適用する。図13は、伝搬遅延(propagation delay)が異なる2つのUEに対して適用されるTAを例示する図である。図13を参照すると、eNBとの伝搬遅延(propagation delay)が異なる2つのUEの上りリンク(UL)信号が同時にeNBに到着するようにTAが適用される。
一方、D2D信号もULリソースを用いて送受信されるが、これは、UEの送信リソースを維持することによって干渉問題を緩和するなどの目的に基づく。このとき、UEの送信するD2D信号は2種類に大別され、一つの種類は、既存のUL TAをそのまま適用する信号であって、主にeNBの直接指示によって送信リソースが決定される信号である。他の種類は、既存のUL TAを用いることく送信される信号(例えば、固定された特定値のTAを用いる信号)であって、主にeNBの直接指示ではなくUEの独自判断によって送信リソースが決定される信号、或いはeNBの直接指示が適用されても、そうでない信号との円滑な多重化(multiplexing)のためにUL TAを用いない信号に該当する。
D2D信号がUL TAを用いる場合には、既存のUL信号と同じサブフレーム境界を有するので、既存UL信号とのオーバーラップ(overlap)が発生しない。これに対し、場合によって、図示のように、D2D信号がUL TAを用いない場合には既存のUL信号とサブフレーム境界が変わり、一部の時点ではD2D信号送信とUL信号送信とが重なる場合が発生し得る。
図14には、このように、D2D信号送信とUL信号送信とが重なる場合を例示する。図14を参照すると、サブフレーム#nでTAを0(TA=0)としてD2D信号を送信する場合、当該D2D信号が、0よりも大きい値のTA(すなわち、TA>0)が適用されたサブフレーム#n+1におけるUL信号とオーバーラップすることがが発生する。この場合、サブフレーム#n+1におけるUL信号送信を保証するために、サブフレーム#nの最後のシンボルはギャップ(gap)又は保護区間(Guard period)として設定されてD2D送信が起きないようにすることができる。図14では、D2D信号ギャップがD2Dサブフレームの最後に現れる場合を示しているが、仮にサブフレームn+1もD2Dサブフレームであるとすれば、サブフレームnにおける信号ギャップは省略されてもよい。この場合には、連続した2サブフレームにおけるD2D送信は1つの送信と見なされ、1つの送信の最後にのみ信号ギャップが現れると解釈してもよい。
前述したように、D2D信号ギャップは、UL信号送信が発生し得る場合にのみ必要である。一例として、特定UEがeNBカバレッジ(coverage)外でD2D信号を送信する場合には、後続するサブフレームでUL信号を送信する場合がないため、このようなD2Dギャップをおく必要がない。
受信UEがこれを把握するためには、該当のD2D信号がeNBカバレッジの外部で送信されるか或いは内部で送信されるかを把握する必要があるが、各UEのカバレッジ状態をそれぞれ他のUEに知らせることは過度なシグナリングオーバーヘッドを招き得る。ただし、該当のD2D信号がカバレッジの外部で送信されたか或いは内部で送信されたかを知らせるための情報は、D2D信号の時間/周波数同期化のために送信されるD2D同期化信号(D2DSS)又は各種の同期情報を伝達するために送信されるD2D同期化チャネル(D2DSCH)から誘導することができる。送信UEは自身の伝送信号に対して他のUEが同期を取るようにD2DSS/D2DSCHを送信してもよいが、この送信UEのカバレッジ状態によって異なるD2DSS/D2DSCHを送信することができる。例えば、送信UEが使用するD2DSSシーケンスの集合がeNBの内部で生成されたD2DSSであるか又は外部で生成されたD2DSSであるかによって差別化されてもよい。これに基づいて受信UEは、特定D2DSSがeNBの内部で発生したものか否かを判別し、eNBの内部で発生したものをより安定したD2DSSと見なして、優先的に同期を取るように動作することができる。
ここで、このようなD2DSSのカバレッジをさらに拡大するために、D2DSSがUEによって中継されることもある。例えば、特定UEがたとえカバレッジの外部にいるとしても、該当のUEがカバレッジの内部で使用するD2DSSを検出した場合には、それに同期を合わせ、またそのD2DSSを再び送信するように動作してもよい。
この場合、万一、他のUEがカバレッジの内部で生成されたD2DSSに同期を合わせてD2D信号を受信すると、このD2DSSはeNBカバレッジ内のUEが送信したものであるかもしれなく、カバレッジ外のUEによって中継されたものであるかもしれない。このため、送信UEのカバレッジ状態を正確に知らせることには限界がある。この場合には、より安全した動作のために、受信UEは、同期の基準となるD2DSSがeNBカバレッジの内部で生成されたものだと判断されると、該当の同期を用いた全てのD2D信号が常に最後にギャップを有すると見なすように動作することを提案する。一方、受信UEは同期の基準となるD2DSSがeNBカバレッジの外部にいるUEから生成されたものだと判断されると、該当の同期を用いたD2D信号に対しては後続するUL信号送信が確実にないため、最後にギャップが用いられないという仮定下で動作することを提案する。
また、それに合わせるために、送信UEはたとえ自身がカバレッジの外部にいても、送信の基準となるD2DSS/D2DSCHがeNB内部のUEから生成されたものであれば(或いは、自身がeNB内部のUEから生成されたD2DSS/D2DSCHを中継していると)、同様にD2D送信信号の最後にD2D信号ギャップを設定するように動作することができる。一方、送信の基準となるD2DSS/D2DSCHがeNB外部のUEから生成されたものであれば(或いは、自身がeNB外部のUEから生成されたD2DSS/D2DSCHを中継していると)、同様にD2D送信信号の最後にギャップを設定しないように動作することができる。
以下では、UEがD2D信号を送信するにあって、サウンディング参照信号(Sounding Referene Signal;SRS)に関連したD2D信号送信動作を説明する。
SRSは、eNBがUL信号のチャネル情報を取得するための目的でUEに伝送を指示する信号であり、LTEシステムではULサブフレームの最後のシンボルで送信される。この構造は、上述したD2D信号ギャップと関連性があるが、サブフレームの最後のシンボルで行われる動作という点がそれに当たる。仮に、特定サブフレームnでSRS信号の送信が上位層シグナリングなどによって設定され、D2DサブフレームとSRSを含む上りリンクサブフレームとが重なる場合にUEがD2D送信を行うことができるか否か、D2D送信を行うことができる場合に、SRSとの関係においてどのような動作を行うかについては定められていない。以下、SRSが設定された場合におけるUEのD2D動作を、TAが適用されるか否か、適用されるCP(Cyclic prefix)、上記SRSがセル固有SRSかUE固有SRSかなどを考慮して説明する。
A.実施例1
まず、他のUEのSRS送信可能性を保護するためにeNBが設定するセル固有SRS(cell−specific SRS)の場合について説明する。UEは、セル固有SRS設定(configuration)を受信すると、上記セル固有SRS設定に含まれる該当のサブフレームの最後のシンボルでは他のUEがSRSを送信する可能性があるという事実がわかる。
以下、特定UEがUL TAを用いるか否かによるUEの動作に関して説明する。まず、UL TAを用いる場合について説明する。
特定UEが特定サブフレームでUL TAを用いるD2Dを送信する場合に、上記サブフレームがセル固有SRS設定に含まれると、UEは上記特定サブフレームの最後のシンボルにギャップを設定して他のUEのSRS送信を保護するように動作することができる。又は、D2D信号のリソースを極力保証するために、セル固有SRS設定にかかわらず、D2D信号ギャップ無しでD2D信号を送信するように動作することもできる。又は、他のセルに属したUEがセル固有SRS設定を知らない場合の誤動作を防ぐために、UL TAを用いるD2Dでも常に毎サブフレームの最後にギャップをおくように動作することもできる。
一方、特定UEが特定サブフレームでUL TAを用いないD2Dを送信する場合には、上記特定UEは下記のように動作することができる。
特定UEが特定サブフレームでUL TAを用いないD2Dを送信する場合には、該当のサブフレームにおけるD2D信号送信を全て省略してもよい。具体的に、該当のサブフレームがセル固有SRS設定に含まれると、同様に、他のUEのSRS送信を保護するように動作することができる。ただし、この場合、問題は、サブフレーム境界がD2DとUL間で一致しないという点である。すなわち、ULサブフレーム観点では、最後のシンボルに該当する位置にセル固有SRSが設定されるが、D2Dサブフレームの観点ではそれ以外の位置となってD2D信号ギャップと一致しないことがあり得る。この場合には、最後のシンボルにのみD2D信号ギャップが位置する通常のD2Dサブフレームの構造を維持することが不可能であり得る。したがって、このような状況、すなわち、UEがUL TAを用いないD2Dを送信する場合に該当のサブフレームがセル固有SRS設定に含まれる状況では、UEは該当のサブフレームにおけるD2D信号送信を全て省略してもよい。特に、このような送信の省略は、一つのサブフレームを全て占めるUEのD2Dメッセージを送信する場合に、より好ましいだろう。
このような動作は、一般のUL信号とD2Dとが重なる場合には、D2D送信を中止し、UL信号を送信する原理からさらに進んで、他のUEのSRSの送信が可能なサブフレームに対してもさらに、上記SRSの送信を保護するためにD2D送信を中断するという点で差異点がある。
一方、D2DSSのような信号は、特に、サブフレーム内の一部のシンボルでのみ送信される場合には、その伝送がセル固有SRS設定上の最後のシンボルと重ならない限り、送信を行うように動作することができる。
勿論、例外として、該当のUEのTA値が非常に小さいため、D2Dサブフレーム境界とULサブフレーム境界との差が一定レベル以内であれば(例えば、CP長以内である場合、又は予め設定された閾値以内である場合)、依然として同一のサブフレーム境界を有すると見なし、D2D信号ギャップに該当する最後のシンボルを除く残りのシンボルでD2D信号を送信するように動作することができる。
或いは、セル固有SRSとUL TAを用いないD2Dサブフレームと重なる場合にD2Dを送信中断する原理をさらに一般化して、UL TAの使用にかかわらず、特定D2Dサブフレームがセル固有SRS設定と重なるようになるとD2D送信が中断されるように規定されてもよい。この場合には、UL TA使用の有無によるセル固有SRS設定処理過程が不要なため、UEの実装及びシステム動作が単純化するという長所がある。
上述した方式は、つまり、UEがD2Dサブフレームとセル固有SRSサブフレームのオーバーラップを確認し、それに基づいて適切な動作を行わなければならないということを意味する。このような動作の複雑さを避けるために、eNBは最初からD2Dサブフレームとセル固有SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレームを設定するよう規定されてもよい。特に、UL TAを用いないD2Dサブフレームの場合には、UL TAを用いないD2Dサブフレームとセル固有SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレーム設定をするように規定されてもよい。
B.実施例2
以下、SRS送信をUEに指示するためにeNBが設定する端末固有(UE−specific)SRSの場合について説明する。UEは端末固有(UE−specific)SRS設定を受信すると、該当のサブフレームの最後のシンボルでは自身のSRSを送信する。
以下、特定サブフレームでUL TAを用いるD2Dを送信する場合についてまず説明する。特定UEが特定サブフレームでUL TAを用いるD2Dを送信する場合に、該当のサブフレームが端末固有(UE−specific)SRS設定に含まれると、UEは最後のシンボルでD2D送信を中断し、SRSを送信することができる。
一方、特定サブフレームでUL TAを用いないD2Dを送信する場合には、上記特定UEは次のように動作することができる。特定UEが特定サブフレームでUL TAを用いないD2Dを送信する場合に、該当のサブフレームが端末固有(UE−specific)SRS設定に含まれると、上記UEは、同様に、該当のSRSを送信する。ただし、上述したように、ULサブフレーム境界とD2Dサブフレーム境界とが一致しないことがあり得るため、この場合には、該当のサブフレーム全体におけるD2D送信を省略し、SRSのみを送信するように動作することができる。
ただし、D2DSSのように、一つのサブフレームの一部のシンボルのみを使用する場合には、上記D2DSSが送信される該当のシンボルがSRS送信シンボルと重ならない限り、D2DSSを送信するように動作することもできる。
勿論、例外として、該当のUEのTA値が非常に小さいため、D2Dサブフレーム境界とULサブフレーム境界との差が一定レベル以内であれば(例えば、CP長以内である場合、又は予め設定された値以内である場合)、上記特定UEは、上記D2Dサブフレームと上記ULサブフレームとが依然として同一のサブフレーム境界を有すると見なし、D2D信号ギャップに該当する最後のシンボルを除く残りのシンボルでD2D信号を送信すると共に、最後のシンボルでSRSを送信するように動作することもできる。
或いは、端末固有SRSとUL TAを用いないD2Dサブフレームが重なる場合にD2Dを送信中断する原理をさらに一般化して、UL TAの使用にかかわらず、特定D2Dサブフレームが端末固有SRS設定と重なるとD2D送信が中断されるように規定されてもよい。この場合には、UL TA使用の有無による端末固有SRS設定処理過程が不要なため、UEの実装及びシステム動作が単純化するという長所がある。
上述した方式はつまり、UEがD2Dサブフレームと端末固有(UE−specific)SRSサブフレームのオーバーラップを確認し、それに基づいて適切な動作を行わなければならないということを意味する。このような動作の複雑さを避けるために、eNBは最初からD2Dサブフレームと端末固有(UE−specific)SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレーム設定をするように規定されてもよい。特に、UL TAを用いないD2Dサブフレームが設定された場合には、上記UL TAを用いないD2Dサブフレームと端末固有(UE−specific)SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレーム設定をするように規定されてもよい。
C.実施例3
以下では、D2DとSRSのCPが異なる状況でD2DサブフレームとSRSサブフレームとが衝突する場合についてより詳しく説明する。D2D信号とSRSを含むeNBへのWAN信号はカバレッジ(coverage)が異なり、UE間の時間同期レベルが異なるため、独立したCPが用いられてもよい。このとき、特定時点でD2DサブフレームとSRSサブフレームとが重なる場合の処理方法は、CP(又はCP長)が互いに同じ場合とは異なり得る。また、この場合にも、上記UL TAの使用の有無によるUE動作に関する説明を適用することができる。
場合1)D2DサブフレームのCPが拡張CPであり、SRSサブフレームのCPが一般CPであり、且つ該当のサブフレームがセル固有SRS設定にのみ含まれる場合
場合1−1)D2DがUL TAを用いる場合
図15は、本発明の一実施例であり、上記の場合1−1)に対するUEの動作を説明するための図である。図15を参照すると、この場合には、拡張CPの最後のシンボルが一般CPの最後のシンボル区間全体をカバー(cover)するので、一般的なSRSの実装が可能である。すなわち、UEはセル固有SRSサブフレームでは最後のシンボルにおけるD2Dを中断し、他のUEのSRS送信を保護することができる。
場合1−2)D2DがUL TAを用いない場合
図16は、本発明の他の実施例であり、上記場合1−2)に対するUEの動作を説明するための図である。図16を参照すると、この場合には、たとえ拡張CPにおける一つのシンボルが一般CPの一つのシンボルより長くても、サブフレーム境界の不一致から、UL TAによって最後のシンボルを空にしておく動作が他のD2D信号に影響を及ぼし得る。この場合には、上述したように、該当のサブフレームにおけるD2D信号送信を全て省略してもよい。特に、このような送信の省略は、一つのサブフレームを全て占めるUEのD2Dメッセージを送信する場合に、より好ましいだろう。
一方、D2DSSのような信号は、特に、サブフレーム内の一部のシンボルでのみ送信される場合には、その伝送がセル固有SRS設定上の最後のシンボルと重ならない限り、送信を行うように動作することもできる。
勿論、例外として、該当のUEのTA値が非常に小さいため、D2Dサブフレーム境界とULサブフレーム境界との差が一定レベル以内であれば(例えば、CP長以内である場合、又は予め設定された閾値以内である場合)、D2D信号が送信されるように設定されてもよい。図17は、このような場合に、本発明の一実施例としてUEの動作を説明する図である。図17を参照すると、UEは、上記D2DサブフレームとULサブフレームとが依然として同じサブフレーム境界を有すると見なし、D2D信号ギャップに該当する最後のシンボルを除く残りのシンボルでD2D信号を送信するように動作することができる。
この場合、UL TA値が小さいため、UL TAを適用した状態における一般CPの最後のシンボルが始まる時点が、UL TAを適用しない状態で拡張CPの最後のシンボルが始まる時点よりも遅く現れるので、UEは、拡張CPとして設定されたD2Dの最後のシンボル送信を中断することによって、他のUEのSRSを保護することができる。これは、UL TAを適用したSRSサブフレームの最後のシンボルの開始時点がUL TAを適用しないD2Dサブフレームの最後のシンボルの開始時点以降に現れる場合にのみ、該当のサブフレームにおけるD2D送信を省略すると解釈してもよい。
場合2)D2DサブフレームのCPが一般CPであり、SRSサブフレームのCPが拡張CPであり、且つ該当のサブフレームがセル固有SRS設定にのみ含まれる場合
図18は、本発明の更に他の実施例であり、上記の場合2)に対するUEの動作を説明するための図である。この場合には、たとえUEがUL TAを用いるとしても最後の一般CPシンボルが始まる前に最後の拡張CPシンボルが始まるため、他のUEのSRSを完全に保護することができない。すなわち、上記D2Dサブフレームの最後のシンボル開始時点以前に上記SRSサブフレームの最後のシンボル開始時点が位置する場合である。この場合には、図18に示すように、該当のサブフレームにおける全てのD2D送信を省略してもよい。
場合1−1)と1−2)、そして場合2)間の動作を区分することが、UEの実装を過度に複雑にするとすれば、より単純な動作のためにUL TAの使用の有無及び/又は適用されるCP(又はCP長)にかかわらず、D2DとSRSが別個のCPを用いる場合に、常にセル固有SRS設定サブフレームにおけるD2D送信は全サブフレームで中断されるように動作することができる。或いは、CP(又はCP長)が同じ場合にはSRSとD2D送信を行うことができるが、残りの場合にはD2D送信が中断されるように(又はD2D送信全体がドロップされるように)動作してもよい。ただし、この場合にも、TAが用いられる場合にのみSRSとD2D送信を行うことができ、残りの場合にはD2D送信が中断されるように(又はD2D送信全体がドロップされるように)動作することができる。この場合には、UL TA使用の有無及び/又はCP(又はCP長)によるセル固有SRS設定処理過程が不要なため、UEの実装及びシステム動作が単純化するという長所がある。
勿論、上述したD2DSSのように、一部のシンボルでのみ送信される信号は例外とすることができる。
上述した方式はつまり、UEがD2Dサブフレームとセル固有SRSサブフレームのオーバーラップを確認し、それに基づいて適切な動作を行わなければならないということを意味する。このような動作の複雑さを避けるために、eNBは最初からD2Dサブフレームとセル固有SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレーム設定を行うように規定されてもよい。特に、D2DとSRSのCPが異なる場合に上記D2Dサブフレームとセル固有SRSサブフレームとがオーバーラップしないように、eNBが適切にサブフレーム設定を行うように規定されてもよい。
場合3)D2DサブフレームのCPが拡張CPであり、SRSサブフレームのCPが一般CPであり、且つ上記SRSサブフレームが端末固有(UE−specific)SRS設定に含まれる場合
場合3−1)D2DがUL TAを用いる場合
この場合には、拡張CPの最後のシンボルが一般CPの最後のシンボル区間をカバーできるので一般的なSRSの実装が可能である。すなわち、UEは、端末固有(UE−specific)SRSサブフレームに対しては、D2Dサブフレームの最後のシンボルにおけるD2Dを中断し、CP長を変更した後にUE自身のSRSを送信することができる。
場合3−2)D2DがUL TAを用いない場合
この場合には、たとえ拡張CPにおける一つのシンボルが一般CPの一つのシンボルよりも長いとしても、サブフレーム境界の不一致から、UL TAによって最後のシンボルでSRSを送信する動作が、該当の位置で他のD2D信号の送信に影響を及ぼし得る。したがって、この場合には、上述したように、該当のサブフレームにおけるD2D信号送信を全て省略してもよい。特に、このような送信の省略は、一つのサブフレームを全て占めるUEのD2Dメッセージを送信する場合に、より好ましいだろう。
一方、D2DSSのような信号は、特に、サブフレーム内の一部のシンボルでのみ送信される場合には、その伝送が端末固有SRS設定上の最後のシンボルと重ならない限り、送信を行うように動作することもできる。
勿論、例外として、該当のUEのTA値が非常に小さいため、D2Dサブフレーム境界とULサブフレーム境界との差が一定レベル以内であれば(例えば、CP長以内である場合、又は予め設定された閾値以内である場合)、依然として同じサブフレーム境界を有すると見なし、D2D信号ギャップに該当する最後のシンボルを除く残りのシンボルでD2D信号を送信するように動作することができる。
場合4)D2DサブフレームのCPが一般CPであり、SRSサブフレームのCPが拡張CPであり、且つ特定サブフレームが端末固有(UE−specific)SRS設定に含まれる場合
この場合には、たとえUEがUL TAを用いるとしても一般CPサブフレームの最後のシンボルが始まる前に拡張CPサブフレームの最後のシンボルが始まるため、SRSを正常に送信することができない。すなわち、上記D2Dサブフレームの最後のシンボルが始まる前に上記SRSサブフレームの最後のシンボルが始まる場合には、該当のサブフレームにおける全てのD2D送信を省略してもよい。
場合3−1)と3−2)、そして場合4)間の動作を区分することがUEの実装を過度に複雑にするとすれば、より単純な動作のために、UL TAの使用の有無及び/又はCP(又はCP長)にかかわらず、D2DとSRSが個別のCPを用いる場合には、常に端末固有(UE−specific)SRS設定サブフレームにおけるD2D送信は全サブフレームで中断されるように動作することができる。すなわち、CPが同一である場合にはSRSとD2D送信を行うことができるが、残りの場合にはD2D送信が中断されるように(又はD2D送信全体がドロップされるように)動作することができる。ただし、この場合にも、TAが用いられる場合に限ってSRSとD2D送信を行うことができ、残りの場合にはD2D送信が中断されるように(又は、D2D送信全体がドロップされるように)動作することができる。
勿論、上述したD2DSSのように、一部のシンボルでのみ送信される信号は例外とすることができる。
上述した方式はつまり、UEがD2Dサブフレームと端末固有(UE−specific)SRSサブフレームのオーバーラップを確認し、CPにしたがって適切な動作を行わなければならないということを意味する。このような動作の複雑さを避けるために、eNBは最初からD2Dサブフレームと端末固有(UE−specific)SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレーム設定を行うように規定されてもよい。特に、D2DとSRSのCPが異なる場合、eNBはD2Dサブフレームと端末固有(UE−specific)SRSサブフレームとが重ならないように適切にサブフレーム設定を行うように規定されてもよい。
一方、SRSは、一つのサブフレームの全RBで設定されるのではなく、一部のRBでのみ設定されてもよい。したがって、このような場合に、上述したD2DサブフレームとSRSサブフレーム間の衝突の問題は、実際にD2D送信が起きるRBの一部或いは全てが、SRSが設定されるRBに含まれる場合に限って適用され得る。或いは、UEがそれぞれの状況でSRS RB設定とD2D RB設定を比較して異なる動作を行う複雑性を避けるために、たとえD2D RBとSRS RBとが重ならなくても、D2DサブフレームとSRSサブフレームとがオーバーラップする場合には、上述した方式を適用して一括的に衝突の問題を解決することも可能である。
上述した方式によってeNB動作に対する規定が定義される場合、UEは、そういう規定にしたがってeNBが適切な設定を行うという仮定下で動作が設計されてもよい。
以下では、上述したD2D送信シンボルとセル固有或いは端末固有(UE−specific)SRSが設定されたシンボルとのオーバーラップについてさらに詳しく説明する。
図19は、本発明に適用可能な、ON/OFF(オン/オフ)タイムマスクを説明するための図である。図19を参照して、ON/OFF(オン/オフ)タイムマスクについて説明する。
ON/OFFタイムマスク
送信機は典型的に、出力電力をオンに(turn−on)するためにだけでなく、出力電力をオフに(turn−off)するためにも一定時間を必要とする。これは、出力電力をオン及びオフにすることが即座に発生しないことを意味する。その上、オン状態及びオフ状態間の非常に急な転移は、隣接したチャネル干渉を発生させる隣接したキャリア(carrier)において不所望の信号放出を発生させることがあり、これは特定のレベルに制限されなければならない。したがって、送信機がオフ状態からオン状態にスイッチングされたり、これと逆にスイッチングされる区間である転移区間(transient period)が存在する。また、上りリンクの場合、PUSCH、PUCCH、SRSのような物理層チャネル(或いは、信号)によってサブフレーム別に電力割り当てを異なるように設定し、連続するチャネル間に電力差が発生する場合にも、同様に転移区間(transient period)が存在する。
図19Aは、一般的なON/OFFタイムマスクを例示する図である。
図19Aを参照すると、一般的なON/OFFタイムマスク(time mask)は、オフパワー(OFF power)からオンパワー(ON power)への出力パワーをオンに(turn−on)する時に観察される区間、及び逆にオンパワー(ON power)からオフパワー(OFF power)への出力パワーをオフに(turn−off)する時に観察される区間と定義される。このようなON/OFFタイムマスクは、DTX(Discontinued Transmission)区間、測定ギャップ(measurement gap)、隣接する/隣接しない伝送の開始或いは終了時に発生し得る。
OFFパワー測定期間(OFF power measurement period)は、転移区間(transient period)を除いた少なくとも一つのサブフレームの区間と定義される。また、ONパワーは、転移区間を除いた一つのサブフレームにわたる平均パワーと定義される。ここで、OFFパワー区間及びONパワー区間ではそれぞれOFFパワー及びONパワー要求事項を満たさなければならないが、転移区間では上りリンク伝送パワーに対する要求事項が定義されていない。
以下の説明で、オン(ON)とオフ(OFF)との間の転移区間(transient period)として20usが消費されると仮定したが、これは許容される最大の区間(duration)であり、UEの実装によっては、より速いオン/オフ間の変換も可能である。
図19Bは、単一のSRSタイムマスクを例示する図であり、図19Cは、二重(dual)のSRSタイムマスクを例示する図である。
図19Bを参照すると、SRSシンボル(SRS ONパワー区間)とOFFパワー区間との間でそれぞれ20μsの転移区間が設定される。単一のSRS伝送の場合、SRS ONパワーは、転移区間を除いたSRS伝送のためのシンボル区間における平均パワーと定義され、SRS ONパワー要求事項を満たさなければならない。
一方、図19Cを参照すると、二重のSRS伝送の場合(例えば、UpPTS伝送の場合)、二重のSRSシンボルとOFFパワー区間との間でそれぞれ20μsの転移区間が設定される。ここで、二重のSRSシンボル間に設定される転移区間は、二重のSRSシンボル間に周波数ホッピングが適用される場合或いは伝送パワーが変更される場合にのみ適用することができる。二重のSRS伝送の場合、SRS ONパワーは転移区間を除いたSRS伝送のための各シンボル区間における平均パワーと定義され、SRS ONパワー要求事項を満たさなければならない。
図19Dは、スロット/サブフレーム境界におけるタイムマスクを例示する図である。
図19Dを参照すると、サブフレーム境界タイムマスクは、以前或いはその次のサブフレームと(参照)サブフレームとの間で観察される区間と定義される。図19Dの例示で、N0サブフレームとN+1サブフレームとの間、及びN+1サブフレームとN+2サブフレームとの間でそれぞれ40μs転移区間(20μs+20μs)が設定される。ここで、サブフレーム内のスロット境界における転移区間は、イントラサブフレーム周波数ホッピング(hopping)の場合でのみ設定され、スロット境界の両側に20μsずつ設定される。
ただし、サブフレームがSRSタイムマスクを含む場合にはこれと異なるように定義されてもよく、これについて図19E乃至図19Hを参照して説明する。
図19E乃至図19Hは、PUCCH/PUSCH/SRSタイムマスクを例示する図である。
図19Eは、SRSシンボル以前には伝送があるが、SRSシンボル以降には伝送がない場合にPUCCH/PUSCH/SRSタイムマスクを例示している。この場合、PUSCH/PUCCHシンボルとSRS伝送シンボルとの間には40μs転移区間(20μs+20μs)が設定されるが、N+1サブフレームの次のサブフレームで上りリンク伝送がないため、次のサブフレームの開始地点から20μs転移区間が設定される。
図19Fは、SRSシンボル以前及びSRSシンボル以降に伝送がある場合にPUCCH/PUSCH/SRSタイムマスクを例示している。この場合、PUSCH/PUCCHシンボルとSRS伝送シンボルとの間には40μs転移区間(20μs+20μs)が設定され、SRSシンボルの次のサブフレーム(N+2サブフレーム)で上りリンク伝送があるため、SRSシンボル以降に40μs転移区間が設定される。
図19Gは、SRSシンボル以降には伝送があるが、SRSシンボル以前には伝送がない場合にPUCCH/PUSCH/SRSタイムマスクを例示している。この場合、SRSシンボルとOFFパワー区間との間に20μsの転移区間が設定され、SRSシンボルの次のサブフレーム(N+2サブフレーム)で上りリンク伝送があるため、SRSシンボル以降に40μs転移区間が設定される。
図19Hは、FDDシステムにおけるSRS消去(blanking)が存在する場合、SRSタイムマスクを例示している。SRS消去(blanking)が存在する場合、SRS消去の以前及び以降の両方で上りリンク伝送があっても、それぞれ20μsの転移区間が設定される。
上述したように、PUCCH/PUSCH/SRSタイムマスクは、SRSシンボルとそれに隣接したPUSCH/PUCCHシンボルとの間、或いはSRSシンボルとそれに隣接したサブフレームとの間で観察される期間と定義される。
イントラバンド隣接キャリアアグリゲーション(intra−band contiguous CA)の場合、前述した一般的な出力パワーON/OFFタイムマスクを、ONパワー期間及び転移区間の間に各コンポーネントキャリア別に適用することができる。前述したOFF期間は、全てのコンポーネントキャリアがOFFである場合にのみ各コンポーネントキャリア別に適用することができる。
以上述べたように、UEが送受信間の切替を行う時には一定の転移区間が必要である。例えば、図19Aを参照すると、SRSシンボル区間におけるUE送信電力を安定的に維持するために、UEはSRSシンボル前後の一定時間(最大20us)の転移区間を有する。
加えて、UEの送信するパラメータ(例えば、RB位置又は伝送パワー(transmission power)など)が連続した2つの伝送間において異なると、この場合にも転移区間が必要である。、例えば、図19Fを参照すると、UEはPUSCH/PUCCH伝送以降に一定時間(最大40us)の転移区間をおき、異なったパラメータを有し得るSRS伝送を準備することができる。ここで、最大転移区間が2倍に増えたのは、PUSCH/PUCCH伝送からオフ状態に進行するために最大20usが必要であり、オフ状態からSRS伝送に進行するために最大20usが必要であることを勘案したわけである。
セル固有SRSだけが設定された場合に、図19Hを参照すると、同様に、UEは、UE自身が送信しないSRS周辺で転移区間をおき、オフ電力(OFF power)を維持するために動作する。
一般に、D2D送信とSRS送信(ここで、SRS送信は、SRSを送信しなかったため、0の電力で送信するオフ状態を含む。)は個別のパラメータを有するため、上記の本発明で説明した動作を行う際に「D2D送信とSRSシンボルが重なる」ということは、上記転移区間を勘案したものと解釈することができる。
例えば、次の状況を仮定する場合に、「D2D送信とシンボルが重なる」ということは、下記の動作を意味することができる。D2D送信とSRSが同一にULタイミングに従い、CPも同一であり、この場合には図19B乃至図19Hに示したような時間マスクを用いるものの、PUSCH/PUCCHをD2D送信に置き換え可能であると仮定する場合、上記オーバーラップは下記の動作を意味することができる。
1)D2D送信サブフレームの最後のシンボルにセル固有SRSが設定された場合、UEはSRSシンボル以前に転移区間を有し、SRSシンボル位置からはオフ状態を維持しなければならない。SRSシンボルの開始時点から20us以前までは正常のD2D送信電力を維持しなければならない。
2)D2D送信サブフレームの最後のシンボルにセル固有SRSが設定された場合、UEは、SRSシンボル以前に転移区間を有し、SRSシンボル位置からはSRS伝送のオン状態を維持しなければならない。SRSシンボルの開始時点から40us以前までは正常のD2D送信電力を維持しなければならない。
図20は、本発明の一実施例に適用可能な、転移区間及びオーバーラップの関係を説明するための図である。
D2D送信サブフレームの最後のシンボルにセル固有SRSが設定された場合、万一、該当のUEがオンからオフへの状態転換に必要な転移区間がX(us)であるとすれば、これは、D2D送信終了シンボルとSRSシンボル開始シンボル間のオーバーラップが(20−X)(us)以下である場合には、依然としてシンボルオーバーラップがないと見なしてもよいことを意味することができる。これは、図20に示すように、UEが、D2D送信終了シンボルの20us以前になる時点まではD2D送信を行い、X(us)の間にオフ状態に遷移すると、SRSシンボルが始まり、SRSシンボルの開始時点からはオフ状態を維持できるためである。勿論、最大許容転移区間の長さは20us以外の値に設定されてもよく、上述したように、UEが送信する信号の種類及び順序によって異なってもよい。
図20を参照すると、D2D送信シンボルがSRSシンボルと重なるということは、与えられた状況で許容された最大転移区間においてオーバーラップ領域を除いた残りの区間が、実際にUEがSRSシンボルで必要な動作への転移区間よりも小さくなり、SRSシンボル開始時点からUEが正常の動作を行うことのできない状態を意味できることが分かる。ここで、正常の動作とは、セル固有SRSのみが設定された場合には、オフ状態を維持する動作を意味することができる。また、端末固有(UE−specific)SRSが設定された場合には、SRSパラメータに合わせてオン状態を維持する動作を意味することができる。
次に、D2DサブフレームとSRSサブフレームとが重なって問題が発生する場合に、D2D送信を中断する具体的な方法を図21を参照して説明する。
方法1)問題が発生するサブフレームにおける全D2Dシンボルで伝送を中断することができる。上述したように、ここで、D2DSSのように一部のシンボルでのみ送信される信号は例外とすることができる。
方法2)他の方法として、UEは、問題が発生するD2Dシンボルでのみ信号伝送を中断することができる。この場合は、問題とならないシンボルではD2D送信を維持できるため、該当のシンボルのみを用いたD2D送信を持続できるという長所がある。ただし、この場合、受信UEは、いかなるシンボルでD2D送信が中断されるかをさらに把握する機能を備えなければならない。例えば、UEはD2Dシンボル別受信電力の検出を試みることができる。
方法3)更に他の方法として、D2Dシンボル送信に連続性を保証して、最初から問題の発生するD2Dシンボル以前までは信号を送信するようにすることができる。この方法は、部分的なD2Dサブフレームを使用しながらも、可能な組み合わせの個数を減らすという点で、2つの方法の折衷案であるといえる。
勿論、UEは、上記の方法1)、2)、3)を状況に応じて選択して動作することができる。一例として、オーバーラップの結果、実際にD2D伝送に使用可能なシンボルの個数が一定の個数以下であれば、UEは、方法2)乃至3)によって該当のシンボルでD2D信号を送信するが、実際にD2D伝送に使用可能なシンボルの個数が一定の個数を超えると、UEは上記D2D信号を送信することが実際のD2D性能に役立たないと判断し、方法1)によってサブフレーム全体における送信を中断するように動作することができる。
図22には、本発明の実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する。リレーを含むシステムの場合、基地局又は端末をリレーに取り替えることができる。
図22を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手続及び/又は方法を実装するように構成することができる。メモリ114は、プロセッサ112と接続され、プロセッサ112の動作と関連する多様な情報を格納する。RFユニット116は、プロセッサ112と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手続及び/又は方法を実装するように構成することができる。メモリ124は、プロセッサ122と接続され、プロセッサ122の動作と関連する多様な情報を格納する。RFユニット126は、プロセッサ122と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局110及び/又は端末120は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
以上で説明した実施例は、本発明の構成要素と特徴が所定形態に結合されたものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する各動作の順序は変更可能である。いずれかの実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含ませることができ、又は、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えることができる。特許請求の範囲で明示的な引用関係のない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含ませ得ることは自明である。
本文書において、本発明の実施例は、主に端末と基地局との間のデータ送受信関係を中心に説明した。本文書で基地局によって行われると説明した特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行うことができる。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作が、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行えることは自明である。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に取り替えることができる。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に取り替えることができる。
本発明に係る実施例は、多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実装することができる。ハードウェアによる実装の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実装することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる実装の場合、本発明の一実施例は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手続、関数などの形態に実装することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納してプロセッサによって駆動することができる。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の多様な手段によって前記プロセッサとデータをやり取りすることができる。
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できることは当業者にとって自明である。よって、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。