以下、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例である多眼光学群を有する撮像装置を説明するための図である。そして、図1(a)は撮像装置を正面側からみた斜視図であり、図1(b)は撮像装置を背面側からみた斜視図である。
図示の撮像装置1は、例えば、デジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、このカメラ1は複数の光学系(レンズ群)を備える撮像光学群(撮像光学系ともいう)2を有している。そして、カメラ1の筐体(カメラ筐体)の正面には撮像光学系2に備えられたレンズ群のうち最前部に位置するレンズが露出するようにして配置されている。また、カメラ筐体の上面には撮影命令を行うためのレリーズ釦16が配置されている。
ユーザがレリーズ釦16を所謂半押しすると、カメラ1は撮影前の焦点検出動作などを行う。一方、ユーザがレリーズ釦16を全押しすると、カメラ1は撮影のための露光動作を行う。
カメラ筐体の背面には撮影の設定および撮影の結果得られた画像を表示するための表示部14が配置されるともに、撮影の設定および画像に関して操作を行うための画面操作部17が配置されている。
図示の例では、撮影光学系2は第1〜第4の光学系(レンズ群)2a〜2dを有しており、カメラ筐体には2×2=4個の光学系(レンズ)2a〜2dがマトリックス状に配置され、その焦点距離が異なる。図1(a)においては、第1〜第4の光学系2a〜2dの焦点距離は、第1の光学系2a<第2の光学系2b<第3の光学系2c<第4の光学系2dの順である。例えば、第1の光学系2aの焦点距離=28mm、第2の光学系2bの焦点距離=35mm、第3の光学系2cの焦点距離=50mm、第4の光学系2dの焦点距離=70mmである。
図2は、図1に示すカメラの構成についてその一例を示すブロック図である。
図示のカメラ1に備えられた撮像光学系2は前述の第1〜第4の光学系2a〜2dの他にレンズ駆動部7およびシャッター駆動部9を有している。なお、図示の例では、説明の便宜上、第1の光学系2aおよび第2の光学系2bのみが示されているが、ここでは、図1(a)に示す第1〜第4の光学系2a〜2dが備えられている。そして、これら第1〜第4の光学系2a〜2dは同一の構成を有している。
第1の光学系2aおよび第2の光学系2bはレンズ群とも呼ばれ、第1の光学系2aおよび第2の光学系2bはそれぞれフォーカスレンズ4aおよび4bと絞り5aおよび5bを備えている。そして、第1の光学系2aおよび第2の光学系2bの後段にはそれぞれシャッター8aおよび8bを介して撮像素子6aおよび6bが配置されている。
フォーカスレンズ4aおよび4bは、カメラシステム制御部11の制御下でレンズ駆動部7によってそれぞれ光軸3aおよび3bに沿って駆動される。また、絞り5aおよび5bは、カメラシステム制御部11の制御下でレンズ駆動部7によってそれぞれその開口が調整されて、これによって、撮像素子6aおよび6bに入射する光量が調整される。
フォーカルプレーンシャッター(以下単にシャッターと呼ぶ)8aおよび8bは、カメラシステム制御部11の制御下でシャッター駆動部9によって開閉制御される。つまり、カメラシステム制御部11はシャッター駆動部9によってシャッター8aおよび8bを駆動して撮像素子6aおよび6bの露光タイミングを制御する。
なお、シャッター8aおよび8bの各々は先幕および後幕(図示せず)を有しており、先幕および後幕を走行させることによってシャッター8aおよび8bの各々についてその開口部の開閉が行われる。
第1の光学系2aおよび第2の光学系2bを介して入射した被写体像(光学像)は、それぞれ撮像素子6aおよび6bに結像する。そして、撮像素子6aおよび6bはそれぞれ光学像に応じたアナログ信号(画像信号)出力する。以下の説明では、撮像素子6aの出力である画像信号を第1の画像信号と呼び、撮像素子6bの出力である画像信号を第2の画像信号と呼ぶ。
なお、図2に示す例では、第1の光学系2aおよび第2の光学系2bに対してそれぞれ撮像素子6aおよび6bが備えられているが、第1の光学系2aおよび第2の光学系2bの結像領域を有する単一の撮像素子を設けて、撮像の後、これら結像領域から出力される画像信号を信号処理するようにしてもよい。
図示のカメラ1は、さらに、カメラシステム制御部11、画像処理部12、メモリ部13、表示部14、および操作検出部15を有している。カメラ1では、第1の光学系2aおよび第2の光学系2bと撮像素子6aおよび6bとによって撮像系が構成され、画像処理部12によって画像処理系が構成される。そして、メモリ部13および表示部14によって記録再生系が構成され、カメラシステム制御部11、操作検出部15、レンズ駆動部7、およびシャッター駆動部9によって制御系が構成される。
図示はしないが、画像処理部12は、A/D変換器、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、および補間演算回路などを有しており、前述の第1および第2の画像信号を受けて記録用の画像データを生成する。
メモリ部13は記録部に加えて画像の記録に必要な処理回路を備えている。そして、メモリ部13は記録部に画像データを記録するとともに、処理回路によって表示部14に出力する表示用画像を生成して保存する。ここでは、第1および第2の画像信号を画像処理した結果得られる画像データをそれぞれ第1および第2の画像データと呼ぶ。
なお、メモリ部13は、予め定められた記録方式を用いて画像(静止画像)、動画、および音声などの圧縮処理を行ってこれら静止画像、動画、および音声の記録を行う。図2に示すカメラ1においては、音声の記録に係るブロックは省略されている。
カメラシステム制御部11はカメラ1全体の制御を司る。そして、カメラシステム制御部11は外部操作(つまり、ユーザ操作)に応じて撮像系、画像処理系、および記録再生系を制御する。
例えば、図1(a)に示すレリーズ釦16の押下(例えば、全押し)を操作検出部15が検出すると、カメラシステム制御部11はシャッター駆動部9によってシャッター8aおよび8bの先幕をシャッター開口部で光束を遮光するように走行させる。続いて、カメラシステム制御部11は、先幕をシャッター開口部から退避するように走行させる。これによって、撮像素子6aおよび6bの露光が開始される。なお、シャッター開口部から先幕および後幕が退避している状態を開状態と呼ぶ。
さらに、カメラシステム制御部11は、後幕をシャッター開口部を塞ぐように走行させて、撮像素子6aおよび6bの露光を終了する。なお、シャッター開口部を先幕又は後幕が遮光している状態を閉状態と呼ぶ。
また、カメラ制御部11は撮像素子6aおよび6bを駆動制御するとともに、画像処理部12の動作およびメモリ部13における圧縮処理などを制御する。さらに、さらに、カメラシステム制御部11はメモリ部13から読み出した表示用画像を表示部14に表示制御するとともに、撮影に係る各種情報を表示部14に表示制御する。
なお、ここでは、レリーズ釦16の押下に応じて、予め設定された絞り値および露光時間などに応じて撮像素子6aおよび6bを駆動して静止画を撮影することを本撮影と呼ぶ。
さらに、カメラシステム制御部11は、撮像素子6aおよび6bにおける露光時間を決定する露光時間制御を行うとともに、シャッター8aおよび8bを駆動するタイミングを制御する露光タイミング制御を行う。
図3は、図1に示すカメラによる撮影の結果得られる画像およびその表示を説明するための図である。そして、図3(a)は撮影動作を行う際のフレーミング中に表示部に表示される画像(ライブビュー画像)の一例を示す図であり、図3(b)は図1(a)に示す第1の光学系2aで撮影した画像を示す図である。また、図3(c)は図1(a)に示す第2の光学系2bで撮影した画像を示す図であり、図3(d)は図1(a)に示す第3の光学系2cで撮影した画像を示す図である。さらに、図3(e)は図1(a)に示す第4の光学系2dで撮影した画像を示す図である。
いま、図3(a)においては、第1の光学系2a(つまり、最も焦点距離が短い光学系)で撮影された画像が表示部14にライブビュー(LV)表示されているとする。そして、表示部14には第1の光学系2aで撮影した場合の画像の画角範囲が第1の画角フレーム40aで表示される。
この際、カメラシステム制御部11は第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の2dで撮影した際の画像の画角範囲をそれぞれ第2の画角フレーム40b、第3の画角フレーム40c、および第4の画角フレーム40dで表示部14に表示する。
このようにして、最短の焦点距離である第1の光学系2aで得られた画像をLV表示し、当該LV表示において、第1〜第4の画角フレーム40a〜40dを表示すれば、ユーザは他の焦点距離の第2〜第4の光学系2b〜2dの画角範囲を確認して撮影を行うことができる。
なお、図3(a)に示す例では、カメラシステム制御部11は第2〜第4の光学系2b〜2dに係る第2〜第4の画角フレーム40b〜40dを表示部14に表示するようにしたが、第2〜第4の画角フレーム40b〜40dの全てを表示しなくてもよい。さらには、カメラシステム制御部11は、第1の画角フレーム40aの他に第4の画角フレーム40dのみを表示するなど、第1の画角フレーム40aの他に一部の画角フレームのみを表示するようにしてもよい。
図3(a)に示す状態で撮影が行われると、第1〜第4の光学系2a〜2dに対応する撮像素子の出力に応じて、画像処理部12はそれぞれ図3(b)〜図3(e)に示す画像を生成する。図3(b)〜図3(e)に示す画像はそれぞれ第1〜第4の光学系2a〜2dに対応する撮像素子の出力に応じて得られた画像であるので、電子ズームなどの拡大処理と異なって、各画像の解像度は同様であり、焦点距離が長い光学系で得られた画像についても高精細な画像が得られる。
なお、LV表示又は本撮影の後の再生表示の際には、第1の光学系2aで得られた画像(第1の画角フレーム40a)に、第2〜第4の光学系2b〜2dで得られた画像をはめ込み合成して一枚の合成画像を表示するようにしてもよい。
例えば、画像処理部12は、カメラシステム制御部の制御下で、少なくとも2つの光学系で得られた画像を合成して1枚の合成画像を生成する。これによって、画角が広い画像でありながらも、画像の中央に行くほど高精細な画像を再生表示することができる。
さらに、画像処理部12は、はめ込み合成ではなく、互いに重なり合う画角の範囲について複数枚の画像の出力を加算処理するようにしてもよい。これによって、画像のダイナミックレンジの拡大およびS/Nの改善がなされた合成画像を生成することができる。なお、互いに異なる複数の焦点距離の光学系で得られた画像を加算合成する際には、加算する画素数を合わせるための補正処理が必要である。
図4は、図1に示すカメラにおいて光学系の被写界深度が同等になる絞り値の組み合わせが登録された絞り値テーブルの一例を説明するための図である。そして、図4(a)は絞り値テーブルを示す図であり、図4(b)は図4(a)に示すパターン”1”において第1の光学系レンズ2aの露光時間が1/1000secに設定された際の第2〜第4の光学系2b〜2dの絞り値Fnと露光時間SH[sec]との関係を示す図である。
図4(a)に示す例では、第1の光学系2a、第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dの焦点距離fをそれぞれ28mm、35mm、50mm、および70mmとした際の絞り値が12通りの組み合わせ(パターン)で示されている。LV表示中にユーザが絞り値優先焦点距離の光学系として第1の光学系2aを選択すると、カメラシステム制御部11は本撮影動作において第1の光学系2aの露光が適正となる絞り値Fnを算出する。
第1の光学系2aの絞り値Fnが”1.8”であるとすると、カメラシステム制御部11は、図4(a)に示す絞り値テーブルにおけるパターン”3”に応じて、第2の光学系2bの絞り値Fnを”2.8”、第3の光学系2cの絞り値Fnを”5.6”、そして、第4の光学系2dの絞り値Fnを”11”とする。そして、カメラシステム制御部11は、これら絞り値Fnに基づいてレンズ駆動部7を制御して第1〜第4の光学系2a〜2dの絞りを調整する。
なお、絞り値優先焦点距離の光学系に係る絞り値はカメラシステム制御部11が適正露光になるように決定するようにしてもよく、ユーザが直接絞り値を選択して設定するようにしてもよい。ユーザが、絞り値優先焦点距離の光学系に係る絞り値を選択・設定する際には、図4(a)に示すテーブルに登録された絞り値から選択するようにする。
ところで、カメラ1を用いて撮影を行う際には、第1〜第4の光学系2a〜2dの焦点距離がそれぞれ異なるので、第1〜第4の光学系2a〜2d毎に露光時間、絞り値、およびISO感度などの撮影条件を設定することがある。例えば、第1〜第4の光学系2a〜2dを用いて、同一の被写体の範囲を撮影する際、第1〜第4の光学系2a〜2dの被写界深度を合わせようとする場合には、第1〜第4の光学系2a〜2d毎に絞り値を設定する必要がある。さらに、第1〜第4の光学系2a〜2dにおいて撮像素子に入射する光量を合わせる場合には、絞り値に合わせて露光時間を変更することになる。
そこで、カメラシステム制御部11は、次のようにして第1〜第4の光学系2a〜2dについてその露光時間を制御する。
前述の図4(a)に示す絞り値テーブルは、例えば、メモリ部13に記憶されており、カメラシステム制御部11は絞り値テーブルを参照して第1〜第4の光学系2a〜2d毎のレンズ駆動部7を制御する。例えば、図4(a)においてパターン1が選択され、第1の光学系2aの露光時間が1/1000secに設定されたとする。この場合、図4(b)に示すように、カメラシステム制御部11は第2の光学系2b、第3のレンズ2c、および第4の光学系4dの絞り値Fnおよび露光時間SH[sec]を設定する。
ここでは、カメラシステム制御部11は第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dについてその露光時間をそれぞれ、1/400sec、1/100sec、1/25secに設定する。このように、第1〜第4の光学系2a〜2dについて絞り値および露光時間を設定すれば、第1〜第4の光学系2a〜2dにおいてその被写界深度がほぼ同等となる画像を得ることができる。
ところが、第1〜第4の光学系2a〜2dについて露光時間が異なる場合において、露光時間中に被写体が動くなどの画像に変化があると、第1〜第4の光学系2a〜2dで得られた画像間に差異が生じる。さらに、露光開始が同一のタイミングであると、露光時間の短い光学系と露光時間が長い光学系とでは、露光終了直前における画像の変化が大きい。
図5は、図1に示すカメラにおいて第1〜第4の光学系による露光開始タイミングを一致させた際の動作を説明するためのタイミングチャートである。そして、図5(a)は第1の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図5(b)は第2の光学系の動作を示すタイミングチャートである。また、図5(c)は第3の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図5(d)は第4の光学系の動作を示すタイミングチャートである。
図5において、横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれシャッターの開閉を示す。そして、シャッターが開状態となると露光動作中となる。また、露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdは、それぞれ第1の光学系2a、第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dによる露光時間を示す。
図5に示すように、第1〜第4の光学系2a〜2dによる露光開始タイミング(露光開始時間)は同一であるが、その露光時間はSHa<SHb<SHc<SHdである。このように光学系毎に露光時間が異なる結果、再生の際に第1〜第4の光学系2a〜2dによって得られた画像を比較すると、ユーザが意図しない画像になっている可能性がある。そして、これらの画像を合成する際には、画像の差異によって合成画像の画質が低下してしまう。
そこで、ここでは、カメラシステム制御部11は第1〜第4の光学系2a〜2dにおいてその露光時間の中央値(中央時刻)におけるタイミングが一致するように、第1〜第4の光学系2a〜2dの露光開始タイミングを制御する。
図6は、図1に示すカメラにおいて第1〜第4の光学系においてその露光時間の中央値(中央時刻)を一致させた際の動作を説明するためのタイミングチャートである。そして、図6(a)は第1の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図6(b)は第2の光学系の動作を示すタイミングチャートである。また、図6(c)は第3の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図6(d)は第4の光学系の動作を示すタイミングチャートである。
図6において、図5に示す例と同一の要素については同一の参照符号を付す。図示の例では、露光時間はSHa、SHb、SHc、およびSHdにおける中央時刻がTcで示されており、カメラシステム制御部11は、第1〜第4の光学系2a〜2dにおいて中央時刻Tcが一致するように、露光開始タイミングを制御する。
ここでは、カメラシステム制御部11は、第1の光学系2aについては、中央時刻Tcから時間SHa/2前を露光開始タイミングとし、中央時刻Tcから時間SHa後を露光終了タイミングとする。同様に、カメラシステム制御部11は、第2の光学系2aについては、中央時刻Tcから時間SHb/2前を露光開始タイミングとし、中央時刻Tcから時間SHb後を露光終了タイミングとする。そして、カメラシステム制御部11は第3の光学系2cおよび第4の光学系2dについても、同様にして、露光開始タイミングおよび露光終了タイミングを制御する。
このように、図6に示す例においては、露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdにおける中央時刻を一致させる結果、第1〜第4の光学系2a〜2dの順に露光開始タイミングが遅くなり、第1〜第4の光学系2a〜2dの順に露光終了タイミングが速くなる。
このように、露光開始タイミングおよび露光終了タイミングを制御すると、露光動作中に被写体に動きがあったとしても、第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光時間の中央時刻が揃っているので画像間における相違を小さくすることができる。
図7は、図2に示すカメラにおける撮影動作を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理は、カメラシステム制御部11の制御下で行われる。
撮影が開始されると、カメラシステム制御部11はシャッターを開状態として第1〜第4光学系2a〜2dに対応する撮像素子を所定の時間露光する。そして、第1〜第4の光学系2a〜2dに対応する撮像素子の出力は画像処理部12で処理されて、それぞれ第1〜第4の画像データとされる。カメラシステム制御部11は最も焦点距離の短い第1の光学系2aで得られた第1の画像データに応じた画像を表示部14に表示してLV表示を開始する(ステップS1001)。なお、撮像素子から画像信号を読み込む周期は、例えば、30fpsなどの所定のフレームレートで行われる。
続いて、カメラシステム制御部11は、操作検出部15によってレリーズ釦16が半押しされたこと(S1)が検出されたか否かを判定する(ステップS1002)。レリーズ釦のS1が検出されないと(ステップS1002において、NO)、カメラシステム制御部11は待機する。
一方、レリーズ釦のS1が検出されると(ステップS1002において、YES)、カメラシステム制御部11は第1〜第4の画像データにおいて焦点状態を検出して第1〜第4の画像データにおける主被写体を決定する(ステップS1003)。ここでは、カメラシステム制御部11はカメラ側(至近側)に存在する被写体を主被写体として検出する。
焦点検出の際には、例えば、別に備えられた位相差検出ユニットを用いて一対の光学像の位相差に応じて焦点検出を行う位相差焦点検出手法が用いられる。さらには、レンズ駆動部7によってフォーカスレンズを光軸に沿って移動しつつ得られた画像データのコントラストに応じて焦点検出を行うコントラスト焦点検出手法を用いるようにしてもよい。
なお、主被写体を選択する際、ユーザがLV表示を確認しつつ画面操作部17によって主被写体を選択するようにしてもよい。
次に、カメラシステム制御部11はレンズ駆動部7を制御して、主被写体が合焦状態になるように第1〜第4の光学系2a〜2dに備えられたフォーカスレンズ4を光軸に沿って駆動させる(ステップS1004)。そして、カメラシステム制御部11は、操作検出部15によってレリーズ釦16が全押しされたこと(S2)が検出されたか否かを判定する(ステップS1005)。レリーズ釦のS2が検出されないと(ステップS1005において、NO)、カメラシステム制御部11はステップS1002の処理に戻る。
一方、レリーズ釦のS2が検出されると(ステップS1005において、YES)、カメラシステム制御部11は第1の光学系2aにおいて適正露光となる絞り値と露光時間とを算出する(ステップS1006)。例えば、カメラシステム制御部11は第1の光学系2aに対応する撮像素子から得られる第1の画像データがダイナミックレンジに収まるように絞り値および露光時間を決定する。以下この絞り値および露光時間を第1の絞り値および第1の露光時間と呼ぶ。
次に、カメラシステム制御部11は第1の絞り値に応じて、図4(a)に示す絞りテーブルを参照して、第2〜第4の光学系2b〜2dにおける絞り値を決定する(ステップS1007)。ここでは、第2〜第4の光学系2b〜2dにおける絞り値をそれぞれ第2〜第4の絞り値と呼ぶ。そして、カメラシステム制御部11は第2〜第3の絞り値において、第1の光学系2aと同等の露光量となるように、第2〜第4の光学系2b〜2dによる露光時間を決定する(ステップS1008)。
さらに、カメラシステム制御部11は、第1〜第4の露光時間における中央時刻が一致するように、第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光開始時間(露光開始タイミング)を決定する(ステップS1008)。以下、第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光開始タイミングをそれぞれ第1〜第4の露光開始タイミングと呼ぶ。
その後、カメラシステム制御部11は、上述のようにして得られた第1〜第4の絞り値に応じてレンズ駆動部7を制御して第1〜第4の光学系2a〜2dに備えられた絞り(絞り機構ともいう)を駆動する(ステップS1009)。
続いて、カメラシステム制御部11は、第1〜第4の露光開始タイミングおよび第1〜第4の露光時間に基づいてシャッター駆動部9によって第1〜第4の光学系2a〜2dに備えられたシャッターを駆動制御して、露光動作を行う(ステップS1010)。露光動作の際には、カメラシステム制御部11は、まず第1〜第4の光学系2a〜2dに備えられたシャッター6を一度閉状態にする。そして、カメラシステム制御部11は第1〜第4の露光開始タイミングおよび第1〜第4の露光時間に応じてシャッター駆動部9を駆動制御してシャッターの先幕および後幕を走行させ撮像素子の露光を行う。
その後、カメラシステム制御部11は第1〜第4の光学系2a〜2dに対応する撮像素子の出力に応じて得られた第1〜第4の画像データをメモリ部13に記録するとともに、第1の画像データに応じた画像を表示部14に表示する(ステップS1011)。そして、カメラ制御部11は撮影動作を終了する。
なお、上述の例では、シャッターとしてフォーカルプレーンシャッターを用いたが、例えば、撮像素子6のリセットタイミングおよび読み込みタイミングによって露光時間を制御する電子シャッターを用いるようにしてもよい。そして、電子シャッターとして、撮像素子の端の画素列から順次読み込み動作を行う所謂ローリング電子シャッター又は撮像素子の全画素を同時に読み込み可能なグローバル電子シャッターが用いられる。
さらに、上述の例では、第1の光学系2aが適正露光量となる第1の絞り値および第1の露光時間に応じて、第2〜第4の光学系2b〜2dの絞り値および露光時間を求めるようにしたが、例えば、ユーザが表示部14に表示された設定画面によって第1〜第4の光学系に係る絞り値および露光時間を設定するようにしてもよい。
ここで、図1に示すカメラ1が、被写体を照明する発光部であるストロボを備えている場合の撮影動作について説明する。なお、ここでは、カメラシステム制御部11は、発光撮影モードが設定された際にストロボの発光タイミングを制御する。
図8は、図1に示すカメラにおいて発光撮影モードが設定された際の第1〜第4の光学系の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。そして、図8(a)は第1の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図8(b)は第2の光学系の動作を示すタイミングチャートである。また、図8(c)は第3の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図8(d)は第4の光学系の動作を示すタイミングチャートである。さらに、図8(e)はストロボの発光動作を示すタイミングチャートである。
まず、ユーザは発光撮影モードを設定した後、ストロボの発光タイミングを設定する。例えば、発光タイミングの設定として、露光動作の終了直前にストロボの発光タイミングを合わせる所謂後幕シンクロ設定がある。さらに、露光動作の開始直後にストロボの発光タイミングを合わせる所謂先幕シンクロ設定がある。また、第1〜第4の光学系2a〜2dの露光時間の中央時刻にストロボの発光タイミングを合わせる中央シンクロ設定を行うようにしてもよい。
図8に示す例では、横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれシャッターの開閉又はストロボの発光を示す。また、第1の光学系2a、第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dによる露光時間はそれぞれ露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdで示されている。そして、ストロボの発光時間をStとする。
図8においては、前述の後幕シンクロ設定が行われており、ここでは、カメラシステム制御部11は第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光終了タイミングが露光終了時刻Teに一致するように露光動作を制御する。さらに、カメラシステム制御部11はストロボの発光開始タイミングを露光終了時刻Teの直前となるようにストロボを制御する。つまり、カメラシステム制御部11はストロボの発光終了タイミングを露光終了時刻Teに一致させる。
上述のようにして、露光終了タイミングおよび発光開始タイミングを制御すると、動きのある主被写体と動かない背景被写体とを同時に撮影した場合には、後幕の動きに同期した(シンクロした)画像を得ることができる。
図9は、図1に示すカメラにおいて発光撮影モードが設定された際の第1〜第4の光学系の動作の他の例を説明するためのタイミングチャートである。そして、図9(a)は第1の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図9(b)は第2の光学系の動作を示すタイミングチャートである。また、図9(c)は第3の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図9(d)は第4の光学系の動作を示すタイミングチャートである。さらに、図9(e)はストロボの発光動作を示すタイミングチャートである。
図9に示す例では、横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれシャッターの開閉又はストロボの発光を示す。また、第1の光学系2a、第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dによる露光時間はそれぞれ露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdで示されている。そして、ストロボの発光時間をStとする。
図9においては、前述の先幕シンクロ設定が行われており、ここでは、カメラシステム制御部11は第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光開始タイミングが露光開始時刻Tsに一致するように露光動作を制御する。さらに、カメラシステム制御部11はストロボの発光終了タイミングを露光開始時刻Tsの直後となるようにストロボを制御する。つまり、カメラシステム制御部11はストロボの発光開始タイミングを露光開始時刻Tsに一致させる。
上述のようにして、露光開始タイミングおよび発光終了タイミングを制御すると、動きのある主被写体と動かない背景被写体とを同時に撮影した場合には、先幕の動きにシンクロした画像を得ることができる。
図10は、図1に示すカメラにおいて発光撮影モードが設定された際の第1〜第4の光学系の動作のさらに他の例を説明するためのタイミングチャートである。そして、図10(a)は第1の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図10(b)は第2の光学系の動作を示すタイミングチャートである。また、図10(c)は第3の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図10(d)は第4の光学系の動作を示すタイミングチャートである。さらに、図10(e)はストロボの発光動作を示すタイミングチャートである。
図10に示す例では、横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれシャッターの開閉又はストロボの発光を示す。また、第1の光学系2a、第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dによる露光時間はそれぞれ露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdで示されている。そして、ストロボの発光時間をStとする。
図10においては、前述の中央シンクロ設定が行われており、ここでは、カメラシステム制御部11は露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdの中央時刻を時刻Tcに揃えて、第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光動作(つまり、露光開始タイミング)を制御する。さらに、カメラシステム制御部11は発光時間Stの中央時刻を時刻Tcとしてストロボの発光開始タイミングを制御する。
上述のようにして、露光開始タイミングおよび発光開始タイミングを制御すると、動きのある主被写体と動かない背景被写体とを同時に撮影した場合には、発光開始タイミングに基づいて、少なくとも最も焦点距離が短い光学系(第1の光学系2a)の露光時間に発光開始タイミングが入るように第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光開始タイミングを制御することができる。
このように、本発明の第1の実施形態では、互いに焦点距離が異なる複数の光学系を有するカメラにおいて、光学系毎にその露光時間を異ならせた場合に、これら露光時間の中央時刻が一致するように露光動作を制御する。これによって、露光動作中に被写体に動きがあったしても、複数の光学系で得られた画像において相違が少なくなる。その結果、画像再生の際に違和感が低減されるばかりでなく、画像合成の際において画質の劣化を低減することができる。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、第2の実施形態によるカメラの構成は、図1および図2に示すカメラと同様である。
第2の実施形態によるカメラは、露光時間を短く設定した光学系における露光動作を、露光時間を長く設定した光学系における露光動作中に複数回行わせる連続露光モードを有している。連続露光モードにおいて、露光時間が短い光学系で複数回の露光動作を行う際、カメラシステム制御部11は一回の露光動作における露光時間の中央時刻を、他の光学系における露光時間の中央時刻と揃えるように露光制御を行う。
その後、カメラシステム制御部11は複数回の露光動作で得られた複数の画像を、画像マッチングによって位置合わせを行った後、加算合成および平均化処理によって画像合成処理を行う。なお、異なる光学系で得られた画像を合成する処理を異光学系画像合成と呼び、同一の光学系で得られた複数の画像を合成する処理を同光学系画像合成と呼ぶ。
図11は、本発明の第2の実施形態によるカメラにおいて露光時間が最も短い第1光学系で複数の露光動作を行った際の第1〜第4の光学系の露光動作を説明するためのタイミングチャートである。そして、図11(a)は第1の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図11(b)は第2の光学系の動作を示すタイミングチャートである。また、図11(c)は第3の光学系の動作を示すタイミングチャートであり、図11(d)は第4の光学系の動作を示すタイミングチャートである。
図示の例では、横軸は時間を示し、縦軸はそれぞれシャッターの開閉を示す。また、第1の光学系2a、第2の光学系2b、第3の光学系2c、および第4の光学系2dによる露光時間はそれぞれ露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdで示されている。そして、カメラシステム制御部11は露光時間SHa、SHb、SHc、およびSHdの中央時刻を時刻Tcに一致させて露光動作を制御する。
さらに、カメラシステム制御部11は、第4の光学系2dの露光開始時刻である時刻Td1から露光終了時刻である時刻Td2の間において、第1の光学系2aについて複数回の露光動作を行う。そして、カメラシステム制御部11は第1の光学系2aにおける複数回の露光動作のうち一回について、露光時間SHaの中央時刻を時刻Tcと一致させる。
なお、カメラシステム制御部11は、第1の光学系2aにおける露光動作の回数を、第4の光学系2dの露光時間SHd、第1の光学系2aの露光時間SHa、そして、第1の光学系2aにおける露光動作間のインターバル時間を考慮して決定する。
上述のようにして、露光時間の最も短い第1の光学系2aについては複数回の露光を行って複数回の画像を得て、これら画像について同光学系画像合成を行う。これによって、第1の光学系2aで得られる画像についてはS/N比を向上させることができる。
さらに、中央時刻を時刻Tcに揃えた露光時間SHaにおいて第1の光学系2aで得られた画像を、他の光学系で得られた画像と合成する異光学系画像合成を行えば画質の劣化を低減することができる。
なお、連続露光モードにおいて、同光学系画像合成を行った後、当該合成後の画像を用いて異光学系画像合成を行うようにしてもよい。つまり、第1の光学系2aにおいて複数回の露光動作を行って得られた複数の画像を同光学系画像合成して、当該合成画像を、第2〜第4の光学系2b〜2dで得られた画像と異光学系画像合成を行うようにしてもよい。
図12は、本発明の第2の実施形態によるカメラで行われる同光学系画像合成の一例を説明するための図である。そして、図12(a)は図11(a)に示す露光”51”で得られた画像を示す図であり、図12(b)は図11(a)に示す露光”52”で得られた画像を示す図である。また、図12(c)は図11(a)に示す露光”53”で得られた画像を示す図であり、図12(d)は図12(a)〜図12(c)に示す画像を合成処理した結果得られる合成画像を示す図である。
図12(a)〜図12(c)においては、図11(a)に示す時刻Td1から時刻Td2において、被写体は図中右側に移動している。カメラシステム制御部11は、図12(a)〜図12(c)に示す画像においてマッチング処理を行う。ここでは、カメラシステム制御部11は、例えば、図12(b)に示す画像を基準として、被写体の位置が一致するように画像をシフトして加算合成を行う。これによって、図12(d)に示す合成画像が得られる。そして、上述の同光学系画像合成で得られた合成画像についてはS/N比が改善される結果、当該合成画像を用いて異光学系画像合成を行えば、その結果得られた合成画像についてはさらにS/N比が改善されることになる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、第3の実施形態によるカメラの構成は、図1および図2に示すカメラと同様であるが、第3の実施形態においては、第1〜第4の光学系2a〜2dの焦点距離は同一である。
第3の実施形態では、輝度値の変化が大きい被写体については第1〜第4の光学系2a〜2dについて露光時間を変更して撮影を行って得られた画像を合成するようにする。例えば、カメラシステム制御部11は、輝度値の最も高い被写体の範囲が撮像素子のダイナミックレンジに入るように、第1の光学系2aにおける露光時間を設定する。さらに、カメラシステム制御部11は、輝度値の最も低い被写体の範囲が撮像素子のダイナミックレンジに入るように、第4の光学系2dにおける露光時間を設定する。
この際、カメラシステム制御部11は第4の光学系2dにおける露光時間は、第1の光学系2aにおける露光時間よりも長く設定する。そして、カメラシステム制御部11は第2および第3の光学系2bおよび2cにおける露光時間を第1および第4の光学系2aおよび2dにおける露光時間の間に設定する。さらに、カメラシステム制御部11は光学系毎の露光時間の中央時刻が一致するように、第1〜第4の光学系2a〜2dにおける露光動作を制御する。
その後、カメラシステム制御部11は、光学系毎に得られた画像について異光学系画像合成を行う。この際、カメラシステム制御部11は光学系毎の露光時間の比率に応じて画像の輝度値に所定の割合を乗算して正規化を行う。
例えば、第1の光学系2aの露光時間が第4の光学系2dの露光時間の1/n倍(nは1よりも大きい数)であるとすると、第1の光学系2aで得られた画像の輝度値はn倍される。第2および第3の光学系2bおよび2cで得られた画像についても、露光時間が最も長い第4の光学系2dを基準として、露光時間の比率で正規化される。
続いて、カメラシステム制御部11は、正規化された画像について加算合成および平均化処理を行う。これによって、輝度の最も高い被写体の範囲がレンジオーバーすることなく、さらには、輝度の最も低い被写体の範囲も輝度値がゼロとなることがなく、擬似的にダイナミックレンジを拡大した画像を得ることができる。
図13は、本発明の第3の実施形態によるカメラで行われる異光学系画像合成の一例を説明するための図である。そして、図13(a)は全ての被写体における輝度値がダイナミックレンジに入った状態の画像を示す図であり、図13(b)は露光時間が短い場合の画像を示す図である。また、図13(c)は露光時間が長い場合の画像を示す図である。
撮像素子のダイナミックレンジが大きい場合に適正露光で撮影を行うと、被写体の輝度値がダイナミックレンジに入った状態の画像を得ることができる(図13(a)参照)。ここでは、被写体64、63、62、および61はこの順で輝度値が高いものとする。
被写体64、63、62、および61を、撮像素子のダイナミックレンジが小さいカメラで撮影すると、露光時間が最も短い第1の光学系2aにおいては図13(b)に示す画像が得られる。一方、露光時間が最も長い第4の光学系2dにおいては図13(c)に示す画像が得られる。
図13(b)に示す画像においては、被写体62,63、および64についてはその輝度値がダイナミックレンジに入っているものの、被写体61については露光時間が足りない結果、適正な輝度値が得られず、所謂黒つぶれの状態となる。
一方、図13(c)に示す画像においては、被写体61,62、および63についてはその輝度値はダイナミックレンジに入っているものの、被写体64について露光時間が長すぎて輝度値が飽和した状態となって、所謂白とびの状態となる。
そこで、カメラシステム制御部11はダイナミックレンジにある被写体62および64の輝度値が揃うように、図13(b)および図13(c)に示す画像全体の輝度値に所定の係数を乗算する。例えば、第4の光学系2dの露光時間が第1の光学系2aの2倍であれば、カメラシステム制御部11は第1の光学系2aで得られた画像の輝度値を2倍にする。
そして、カメラシステム制御部11は、図13(b)において黒つぶれしている被写体61の輝度値については図13(c)に示す画像から得る。さらに、カメラシステム制御部11は、図13(c)において白とびしている被写体64の輝度値については図13(b)の画像から得て画像合成を行う。
これによって、ダイナミックレンジが小さい撮像素子を用いた際においても、図13(a)に示すように擬似的にダイナミックレンジが拡大した画像を得ることができる。
上述の説明から明らかなように、図2に示す例においては、撮像素子6aおよび6bと画像処理部12とが撮像手段として機能する。そして、カメラシステム制御部11は制御手段として機能し、カメラシステム制御部11および画像処理部12は合成手段として機能する。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を撮像装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、当該制御プログラムを撮像装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。