JP6622370B2 - 通信システムおよび通信端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は通信システムに関する。
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が、2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(High Speed-Downlink Shared Channel:HS−DSCH)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をより高速化するために、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース10版の規格書がとりまとめられている。
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称し、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、ネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、W−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。例えば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4MHz,3MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの中で基地局毎に選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAとは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
LTEでは、W−CDMAのコアネットワークであるGPRS(General Packet Radio Service)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるので、LTEの無線アクセス網(無線アクセスネットワーク(radio access network))は、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。
したがって、W−CDMAの通信システムと区別するために、LTEの通信システムでは、コアネットワークはEPC(Evolved Packet Core)と称され、無線アクセスネットワークはE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)と称される。また無線アクセスネットワークにおいて、通信端末装置である移動端末(User Equipment:UE)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)と称される。また複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)の機能は、EPCが担う。EPCは、aGW(Access Gateway)とも称される。またEPCとE−UTRANとで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。
LTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)とが提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスである。E−MBMSサービスは、単にMBMSと称される場合もある。E−MBMSサービスでは、複数の移動端末に対してニュースや天気予報、モバイル放送などの大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する決定事項が、非特許文献1(4章)に記載されている。全体的なアーキテクチャについて図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局102で終端するならば、E−UTRANは1つあるいは複数の基地局102によって構成される。
基地局102は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)103から通知されるページング信号(Paging Signal、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)および送信を行う。基地局102は、X2インタフェースにより、互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される。より明確には、基地局102は、S1_MMEインタフェースによりMME(Mobility Management Entity)103に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW(Serving Gateway)104に接続される。
MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は、移動端末が待ち受け状態の際、および、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。
S−GW104は、一つまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は、基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。EPCには、さらにP−GW(PDN Gateway)が存在する。P−GWは、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
移動端末101と基地局102との間の制御プロトコルRRCは、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局と移動端末との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメントなどが行われる。
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、図2を用いて説明する。図2は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。
サブフレーム単位で、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用のチャネルと、MBSFN以外用のチャネルとの多重が行われる。MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、同時に複数のセルから同じ波形の送信により実現される同時放送送信技術(simulcast transmission technique)である。MBSFN領域(MBSFN Area)の複数のセルからのMBSFN送信は、移動端末には、1つの送信と認識される。MBSFNとは、このようなMBSFN送信をサポートするネットワークである。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN subframe)と称する。
非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3に示すように、割当周期(radio Frame Allocation Period)毎にMBSFNサブフレームを含む無線フレームが割り当てられる。MBSFNサブフレームは、割当周期と割当オフセット(radio Frame Allocation Offset)とによって定義された無線フレームにてMBSFNのために割り当てられるサブフレームであり、マルチメディアデータを伝送するためのサブフレームである。以下の式(1)を満たす無線フレームが、MBSFNサブフレームを含む無線フレームである。
SFN mod radioFrameAllocationPeriod=radioFrameAllocationOffset …(1)
MBSFNサブフレームの割当は6ビットにて行われる。1番左のビットは、サブフレームの2番目(#1)のMBSFN割当を定義する。左から2番目のビットはサブフレームの3番目(#2)、左から3番目のビットはサブフレームの4番目(#3)、左から4番目のビットはサブフレームの7番目(#6)、左から5番目のビットはサブフレームの8番目(#7)、左から6番目のビットはサブフレームの9番目(#8)のMBSFN割当を定義する。該ビットが「1」を示す場合、対応するサブフレームがMBSFNのために割当てられることを示す。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)においてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について、図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
図4において、物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)401は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)402は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)403は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述の図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)と、図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)、DL−SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)404は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)405は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)406は、移動端末101から基地局102への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)407は、移動端末101から基地局102への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)408は、基地局102から移動端末101への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)409は、移動端末101から基地局102への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signals:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN reference signals)、UE固有参照信号(UE-specific reference signals)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signals:PRS)、チャネル情報参照信号(Channel-State Information Reference Signals:CSI−RS)。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5(A)には、下りトランスポートチャネルと下り物理チャネルとの間のマッピングを示す。図5(B)には、上りトランスポートチャネルと上り物理チャネルとの間のマッピングを示す。
図5(A)に示す下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。DL−SCHは、移動端末の低消費電力化のために移動端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
図5(B)に示す上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
図5(B)に示されるランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せにより、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
HARQ方式の一例として、チェースコンバイニング(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは、初送と再送とにおいて、同じデータを送信するものであり、再送において初送のデータと再送のデータとの合成を行うことで、利得を向上させる方式である。チェースコンバイニングは、初送データに誤りがあったとしても、部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することで、より高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例として、IR(Incremental Redundancy)がある。IRとは、冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで、初送と組合せて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6(A)には、下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。図6(B)には、上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。
報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、移動端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、移動端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、移動端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identification)のことである。ECGIとは、E−UTRANセルグローバル識別子(E-UTRAN Cell Global Identification)のことである。LTE、後述のLTE−A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGセルについて以下に説明する(非特許文献3 3.1章参照)。
CSGセル(Closed Subscriber Group cell)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のセルを「CSGセル(CSG cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。
CSGセルは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG−ID)を報知し、CSGインジケーション(CSG Indication)にて「TRUE」を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG−IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。LTE方式の通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、移動端末(UE)によって使用される。
移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、移動端末を呼び出す、換言すれば移動端末が着呼することを可能にするために行われる。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIM(Universal Subscriber Identity Module)に格納されることもあるリストである。CSGホワイトリストは、単にホワイトリスト、あるいは許可CSGリスト(Allowed CSG List)と呼ばれることもある。CSGセルを通しての移動端末のアクセスは、MMEがアクセスコントロール(access control)を実行する(非特許文献4 4.3.1.2章参照)。移動端末のアクセスの具体例としては、アタッチ(attach)、コンバインドアタッチ(combined attach)、デタッチ(detach)、サービスリクエスト(service request)、トラッキングエリアアップデートプロシジャー(Tracking Area Update procedure)などがある(非特許文献4 4.3.1.2章参照)。
待受け状態の移動端末のサービスタイプについて以下に説明する(非特許文献3 4.3章参照)。待受け状態の移動端末のサービスタイプとしては、制限されたサービス(Limited service、限られたサービスとも称される)、標準サービス(ノーマルサービス(Normal service))、オペレータサービス(Operator service)がある。制限されたサービスとは、後述のアクセプタブルセル上の緊急呼(Emergency calls)、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)、CMAS(Commercial Mobile Alert System)である。標準サービス(通常サービスとも称される)とは、後述の適切なセル上の公共のサービスである。オペレータサービスとは、後述のリザーブセル上のオペレータのためのみのサービスである。
「適切なセル(Suitable cell)」について以下に説明する。「適切なセル(Suitable cell)」とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するかもしれないセルである。そのようなセルは、以下の(1),(2)の条件を満たすものとする。
(1)セルは、選択されたPLMNもしくは登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること。
(2)NAS(Non-Access Stratum)によって提供された最新情報にて、さらに以下の(a)〜(d)の条件を満たすこと。
(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。
(b)そのセルが「ローミングのための禁止されたLAs」リストの一部でないトラッキングエリア(Tracking Area)の一部であること。その場合、そのセルは前記(1)を満たす必要がある。
(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information:SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること、すなわちUEのCSG WhiteList中に含まれること。
「アクセプタブルセル(Acceptable cell)」について以下に説明する。「アクセプタブルセル(Acceptable cell)」とは、UEが制限されたサービスを受けるためにキャンプオンするかもしれないセルである。そのようなセルは、以下の(1),(2)のすべての要件を充足するものとする。
(1)そのセルが禁じられたセル(「バードセル(Barred cell)」とも称される)でないこと。
(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
「バードセル(Barred cell)」は、システム情報で指示がある。「リザーブセル(Reserved cell)」は、システム情報で指示がある。
「セルにキャンプオン(camp on)する」とは、UEがセル選択(cell selection)または再選択(reselection)の処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報とをモニタするセルを選択した状態になることをいう。UEがキャンプオンするセルを「サービングセル(Serving cell)」と称することがある。
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home−NB;HNB)、Home−eNodeB(Home−eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、およびE-UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献5には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)とが開示されている。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは、通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBは、CSGセルとして操作される。このCSGセルは、CSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、HeNBやHNBは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルとして操作される。ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードとの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)のうち、CSGセルによって使用するためにネットワークによって予約されたPCI範囲がある(非特許文献1 10.5.1.1章参照)。PCI範囲を分割することをPCIスプリットと称することがある。PCIスプリットに関する情報(PCIスプリット情報とも称する)は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知される。基地局の傘下とは、該基地局をサービングセルとすることを意味する。
非特許文献6は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献7、非特許文献8参照)。
LTE−Aシステムでは、高い通信速度、セルエッジでの高いスループット、新たなカバレッジエリアなどを得るために、リレー(Relay)およびリレーノード(Relay Node:RN)をサポートすることが検討されている。中継装置であるリレーノードは、ドナーセル(Donor cell、以下「ドナーeNB(Donor eNB;DeNB)」という場合がある)と呼ばれるセルを介して、無線アクセスネットワークに無線で接続される。ドナーセルの範囲内で、ネットワーク(Network:NW)からリレーノードへのリンクは、ネットワークからUEへのリンクと同じ周波数帯域(周波数バンド(band))を共用する。この場合、リリース8のUEも該ドナーセルに接続可能とする。ドナーセルとリレーノードとの間のリンクをバックホールリンク(backhaul link)と称し、リレーノードとUEとの間のリンクをアクセスリンク(access link)と称する。
FDD(Frequency Division Duplex)におけるバックホールリンクの多重方法として、DeNBからRNへの送信は下り(DL)周波数バンドで行われ、RNからDeNBへの送信は上り(UL)周波数バンドで行われる。リレーにおけるリソースの分割方法として、DeNBからRNへのリンクおよびRNからUEへのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、RNからDeNBへのリンクおよびUEからRNへのリンクも一つの周波数バンドで時分割多重される。こうすることで、リレーにおいて、リレーの送信が自リレーの受信へ干渉することを防ぐことができる。
3GPPでは、通常のeNB(マクロセル)だけでなく、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、HeNB(HNB、CSGセル)、ホットゾーンセル用のノード、リレーノード、リモートラジオヘッド(Remote Radio Head:RRH)、リピータなどのいわゆるローカルノードが検討されている。前述のような各種タイプのセルからなるネットワークは、異機種ネットワーク(heterogeneous network、ヘットネット)と称されることもある。
LTEでは、通信に使用可能な周波数バンド(以下「オペレーティングバンド」という場合がある)が予め決められている。非特許文献9には、該周波数バンドが記載されている。
LTE−Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(アグリゲーション(aggregation)するとも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。
LTE対応であるリリース8または9対応のUEは、一つのサービングセルに相当する一つのCC上のみで送受信可能である。これに対して、リリース10対応のUEは、複数のサービングセルに相当する複数のCC上で同時に送受信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをするための能力(ケーパビリティ、capability)を有することが考えられている。
各CCは、リリース8または9の構成を用いており、CAは、連続CC、非連続CC、および異なる周波数帯域幅のCCをサポートする。UEが下りリンクのCC(DL CC)の個数以上の個数の、上りリンクのCC(UL CC)を構成することは不可能である。同一eNBから構成されるCCは、同じカバレッジを提供する必要は無い。CCは、リリース8または9と互換性を有する。
CAにおいて、上りリンク、下りリンクともに、サービングセル毎に一つの独立したHARQエンティティがある。トランスポートブロックは、サービングセル毎にTTI毎に生成される。各トランスポートブロックとHARQ再送とは、シングルサービングセルにマッピングされる。
CAが構成される場合、UEはNWと唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとサービングセルとの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
一つのUEに対して、一つのPCellと、一つ以上のSCellからなるサービングセルとの組が構成される。
3GPPにおいて、さらに進んだ新たな無線区間の通信方式として、前述のLTEアドヴァンスド(LTE Advanced:LTE−A)が検討されている(非特許文献7および非特許文献8参照)。LTE−Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE−Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献10に記載されている。
CoMPとは、地理的に分離された多地点間で協調した送信あるいは受信を行うことによって、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、および通信システムにおけるスループットの増大を図る技術である。CoMPには、下りCoMP(DL CoMP)と、上りCoMP(UL CoMP)とがある。
DL CoMPでは、一つの移動端末(UE)へのPDSCHを多地点(マルチポイント)間で協調して送信する。一つのUEへのPDSCHを、マルチポイントの一つのポイントから送信してもよいし、マルチポイントの複数のポイントから送信してもよい。DL CoMPにおいて、サービングセルとは、PDCCHによってリソース割当を送信する単独のセルである。
DL CoMPの方法として、結合処理(Joint Processing:JP)と、協調スケジューリング(Coordinated Scheduling:CS)または協調ビームフォーミング(Coordinated Beamforming:CB)(以下「CS/CB」という場合がある)とが検討されている。
JPは、CoMPコオペレーティングセット(CoMP cooperating set)中のそれぞれのポイントでデータが利用可能である。JPには、結合送信(Joint Transmission:JT)と、動的ポイント選択(Dynamic Point Selection:DPS)とがある。DPSは、動的セル選択(Dynamic Cell Selection:DCS)を含む。JTでは、ある時点で複数のポイント、具体的にはCoMPコオペレーティングセット(CoMP cooperating set)の一部あるいは全部から、PDSCHの送信が行われる。DPSでは、ある時点でCoMPコオペレーティングセット内の1つのポイントから、PDSCHの送信が行われる。
CS/CBは、サービングセルからのデータ送信でのみ利用可能である。CS/CBでは、CoMPコオペレーティングセットに対応するセル間での調整と併せて、ユーザスケジューリングまたはビームフォーミングの決定がなされる。
マルチポイントで送受信するポイントとしてユニットおよびセルが、ユニットおよびセルとして基地局(NB、eNB、HNB、HeNB)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)、RRH(Remote Radio Head)、リレーノード(Relay Node:RN)などが検討されている。多地点協調送信を行うユニットおよびセルを、それぞれマルチポイントユニット、マルチポイントセルと称する場合がある。
3GPPにおいて、リリース12版の規格書の策定が進められている。この中で、将来の膨大なトラフィックに対応するため、スモールeNB(セル)を用いた検討がなされている。例えば、多数のスモールeNB(セル)の設置により周波数利用効率を高め通信容量の増大を図る技術などである。
3GPP TS36.300 V11.2.0 3GPP TS36.331 V11.0.0 3GPP TS36.304 V11.0.0 3.1章、4.3章、5.2.4章 3GPP TR 23.830 V9.0.0 3GPP S1−083461 3GPP R2−082899 3GPP TR 36.814 V9.0.0 3GPP TR 36.912 V10.0.0 3GPP TS 36.101 V11.0.0 3GPP TR 36.819 V11.1.0 3GPP TS23.401 V11.2.0 3GPP RWS-120010 3GPP RWS-120006 3GPP TR 36.927 V10.1.0 3GPP TS 36.141 V11.1.0
スモールeNB(セル)(基地局)においても、ハンドオーバについて、従来のセル移行と同様の手続きを実施する必要がある。しかしながら、本手順においては、U−plane/C−Plane双方の制御が必要となり、手順も多く、複数のスモールeNB(セル)が密集しているエリアにおいて、そこをある程度のスピードで移動局が移動する場合、ハンドオーバ手続きに時間がかかると、ハンドオーバ手続きが完了する前に移動局が次のセルエリアに移動してしまい、適切にハンドオーバができない等の問題が発生する。また、このよう場合、ハンドオーバの発生頻度が高くなり、それに伴う処理が非常に多くなり、ネットワークに負荷をかけることとなる。
ところで、UEが複数のeNB(セル)を用いて通信を行なう場合、一つのセルとの通信品質が劣化しても他のセルと通信が可能となる場合がある。例えば、C-plane接続を確立しているeNB(セル)との通信品質が劣化しても、U-planeの接続のみを確立しているeNB(セル)とデータ通信は可能である。
しかし、UEとC-plane確立eNB(セル)間の通信品質が劣化した場合、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定/修正(変更)/削除処理のためのRRCシグナリングはUEへ通知されなくなる。
従って、例えば、UEとC-plane確立eNB(セル)間の通信品質が劣化して通信が行えない状態では、U-plane確立eNB(セル)との通信を終了できず、UEはU-plane確立eNB(セル)との通信用のリソースを保持し続けなくてはならない。
このように、UEは、U-plane確立eNB(セル)に対する制御が不可能となり、データ通信を正常に行えなくなったり、無駄なリソースが発生したりする等の問題が生じる。
一方、従来、UEとセル間の通信品質が劣化した場合の規定として、RLF(Radio Link Failure)に関連する処理が存在する(非特許文献1(TS36.300 10.1.6)、非特許文献2(TS36.331 5.3.11))。RLFに関連する処理を、以降、RLF関連処理と称する。
しかし、従来のRLF関連処理は一つのセル(プライマリセル)に対する規定しかない。
このため、複数の異なるeNB(セル)を用いて通信を行なう場合、従来のRLF関連処理を適用しようとしても単一セルの情報しか規定されていないので正常に動作しないため適用できなくなる。例えば、一つのeNB(セル)とC-plane接続を確立し、複数のeNB(セル)とU-plane接続を確立しているような場合、一つのeNB(セル)との通信品質が劣化しても他のeNB(セル)との通信品質が良好であれば、該eNB(セル)と通信可能である。このように他に通信可能なeNB(セル)が有る場合に従来のRLF関連処理を適用しても、複数のeNB(セル)との通信を考慮していないため、正常に動作しない。
本発明の目的は、通信端末装置が複数の基地局を用いて通信を行う場合のRLF関連処理を実現しうる通信システムを提供することである。
本発明は、複数の基地局と、前記複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置とを備える通信システムであって、前記複数の基地局は、前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局とを含み、前記通信端末装置は、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質の劣化を検出すると、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の離脱処理を行い、前記制御プレイン接続の前記離脱処理に合わせて、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信システムを提供する。
また、本発明は、複数の基地局と、前記複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置とを備える通信システムであって、前記複数の基地局は、前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局とを含み、前記通信端末装置は、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質が所定の閾値以下となる状態を所定の回数、検出すると、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信システムを提供する。
また、本発明は、複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置であって、前記複数の基地局は、前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局とを含み、前記通信端末装置は、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質の劣化を検出すると、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の離脱処理を行い、前記制御プレイン接続の前記離脱処理に合わせて、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信端末装置を提供する。
また、本発明は、複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置であって、前記複数の基地局は、前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局とを含み、前記通信端末装置は、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質が所定の閾値以下となる状態を所定の回数、検出すると、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信端末装置を提供する。
本発明によれば、通信端末装置が複数の基地局を用いて通信を行う場合のRLF関連処理を実現することができる。
LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 MBSFNフレームの構成を示す説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。 LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。 LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。 3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。 本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。 本発明に係るMMEである図7に示すMME部73の構成を示すブロック図である。 本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 図13(A)は、従来のセル構成のイメージ図である。図13(B)は、小セル化を行った場合のイメージ図である。図13(C)は、マクロeNB(セル)とスモールeNB(セル)が混在している場合のイメージ図である。 従来のEPSのアーキテクチャを示す図である。 実施の形態1に係るEPSのアーキテクチャを示す図である。 本アーキテクチャにおける通信の確立及びUE起点のセルの追加のシーケンス例を示す図である。 サービス要求手順の詳細を示すシーケンス図である。 セル追加手順の詳細を示すシーケンス図である。 UE起点によるeNB#3のRRC Connection/S1 bearer を追加するシーケンス例を示す図である。 セル追加手順の詳細を示すシーケンス図である。 eNBの判断によって対象のUEに対しRRC Connection/S1 bearer を追加するシーケンス例を示す図である。 MMEの判断によって、対象のUEに対しRRC Connection/S1 bearer を追加するシーケンス例を示す図である。 UE起点のeNB#1のRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。 eNB起点の自身のRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。 eNB起点の他のeNBのRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。 MME起点のeNBのRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。 タイムアウトを検出した場合においてそのRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す。 複数のRRC Connection/S1 bearerが設定されている場合のデータ伝送におけるシーケンス例を示す図である。 下りトラフィック制御手順の詳細を示すシーケンス図である。 上りトラフィック制御手順の詳細を示すシーケンス図である。 実施の形態2に係るEPSのアーキテクチャを示す図である。 実施の形態2に係るeNBのプロトコルスタックを示す図である。 実施の形態2に係るシーケンス例を示す図である。 実施の形態2に係るU-plane確立eNBを削除する場合のシーケンス例を示す図である。 実施の形態2に係るU-plane確立eNBを削除する場合の他のシーケンス例を示す図である。 実施の形態2に係るU-plane確立eNB間でデータ転送を行う場合のシーケンス例を示す図である。 実施の形態2変形例1に係るアーキテクチャを示す図である。 実施の形態2変形例1に係るシーケンス例を示す図である。 実施の形態2変形例2に係るアーキテクチャを示す図である。 実施の形態2変形例2に係るシーケンス例を示す図である。 実施の形態2変形例3に係る複数のeNBを用いてDRB/S1 bearerを確立/修正する場合のシーケンス例を示す図である。 実施の形態2変形例3に係るU-plane確立eNBを削除する場合のシーケンス例を示す図である。 実施の形態2変形例3に係るU-plane確立eNBを削除する場合の他のシーケンス例を示す図である。 実施の形態2変形例3に係るU-plane確立eNBを削除する場合の更に他のシーケンス例を示す図である。 実施の形態3に係るU-plane確立専用のeNBを構成した場合のアーキテクチャを示す図である。 実施の形態3に係るeNBのプロトコルスタックを示す図である。 実施の形態3に係る複数のeNBを用いてDRBを確立/修正する場合のシーケンス例を示す図である。 実施の形態3に係るU-plane確立eNBを削除する場合のシーケンス例を示す図である。 実施の形態3に係るU-plane確立eNBを削除する場合の他のシーケンス例を示す図である。 実施の形態3変形例1に係るアーキテクチャを示す図である。 実施の形態6に係る共用キャリアの概念図である。 同一eNB内における共用キャリアの構成例を示す図である。 異なるeNB内における共用キャリアの構成例を示す図である。 特定のエリア内で共用キャリアを構成する場合の構成例を示す図である。 図52(a)および図52(b)は、特定のエリア内で共用キャリアを構成する場合の他の例を示す図である。 実施の形態7に係るアーキテクチャを示す図である。 MAC1及びMAC2が行うスケジューリングによるフレームの構成例を示す図である。 通信の確立及びデータの伝送フローのシーケンス例を示す図である。 サービス要求手順の詳細を示す図である。 DLスケジューリング/送信手順の詳細を示す図である。 ULスケジューリング/送信手順の詳細を示す図である。 従来のRLF関連処理について説明するための図である。 実施の形態8に係るRLF関連処理について説明するための図である。 実施の形態8に係るRLF関連処理のシーケンス例を示す図である。 図58における[A]の処理のシーケンス例である。 図58における[A]の処理の他のシーケンス例である。 図58における[B]の処理のシーケンス例である。 図58における[C]の処理のシーケンス例である。 実施の形態9に係るRLF関連処理について説明するための図である。 実施の形態9に係るU-planeのみ確立セルのRLF関連処理のシーケンス例を示す図である。 複数のeNBを一つの集合として扱う場合について説明する図である。 マクロセルと、マクロセルと位置的にオーバレイする複数のスモールセルを用いて通信を行い、マクロセルにおいてCAを行なう場合について説明する図である。
実施の形態1.
図7は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1章参照)。
図7について説明する。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、eNB72−1と、Home−eNB72−2とに分類される。
eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。MME部73は、管理手段に相当する。MME部73は、コアネットワークであるEPCに含まれる。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB72−2が一つのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、一つまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部73およびHeNBGW74は、上位ノード装置であり、基地局であるeNB72−1およびHome−eNB72−2と、移動端末(UE)71との接続を制御する。MME部73、具体的にはMME部73を構成するMMEおよびS−GW、ならびにHeNBGW74は、管理手段に相当する。MME部73およびHeNBGW74は、コアネットワークであるEPCに含まれる。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB72−2間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome−eNB72−2として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。
Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続される場合および直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルで構成される。
基地局装置は、例えばHome−eNB72−2のように唯一のセルで構成されるが、これに限定されず、複数のセルで構成されてもよい。1つの基地局装置が複数のセルで構成される場合、1つ1つのセルが、移動端末と通信可能に構成される。
図8は、本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のように実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
他基地局通信部902は、通知部および取得部に相当する。送信データバッファ部904、エンコーダー部905、変調部906、周波数変換部907、アンテナ908、復調部909およびデコーダー部910は、通信部に相当する。
3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTAC(Tracking Area Code)とPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図7に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。この関係は、例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME73aの中の他の部分で行われてもよい。MME73aの一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
3GPPにおいて議論されているMME73aの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MME73aは、CSG(Closed Subscriber Group)のメンバーの1つあるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MME73aは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME73aとの間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73aからのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME73aの手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME73aとの間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号(RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアの識別子であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
移動端末は、ステップST1206で比較した結果、ステップST1205で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、移動端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワークは、移動端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。移動端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTE、LTE−AおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録した一つまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録された一つまたは複数の移動端末とが一つのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。一つのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれか一つのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにアクセス可能となる。
また、LTEおよびLTE−AでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)またはUSIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、ECGIとが対応付けられていれば、ECGIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、あるサービスでは、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する。
このようなサービスを実現するために、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)は、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。
HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するため(エリア補完型HeNB/HNB)だけでなく、上述したような様々なサービスへの対応(サービス提供型HeNB/HNB)が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
スマートフォンやタブレット端末の普及により、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソース不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し空間分離を進めることが検討されている。
図13(A)は、従来のセル構成のイメージ図である。1301はマクロeNB(セル)が構成するカバレッジを示す。マクロeNB(セル)は比較的広い範囲のカバレッジを構成する。従来は、複数のマクロeNB(セル)による広い範囲のカバレッジによってあるエリアを覆うようにしている。
図13(B)は、小セル化を行った場合のイメージ図である。1302はスモールeNB(セル)が構成するカバレッジを示す。スモールeNB(セル)はマクロeNB(セル)に比べて狭い範囲のカバレッジを構成する。従って、従来にくらべ、あるカバレッジを覆うには、多数のスモールeNB(セル)が必要となる。
図13(C)は、マクロeNB(セル)とスモールeNB(セル)が混在している場合のイメージ図である。1303はマクロeNB(セル)が構成するカバレッジを示し、1304はスモールeNB(セル)が構成するカバレッジを示す。尚、図13(C)においては、あるeNB(セル)のカバレッジが、他のeNB(セル)のカバレッジ内に含まれる場合も存在する。このように、マクロeNB(セル)のカバレッジと、スモールeNB(セル)のカバレッジとが複雑に重複するような場合が生じる。また、重複しない場合も生じる。さらには、多数のスモールeNB(セル)が一つのマクロeNB(セル)のカバレッジ内に構成されるような場合も生じる。
これ以降は、図13(B)及び図13(C)のように、システム内に複数のスモールeNB(セル)が構成される場合について説明する。
図14は、従来のEPSのアーキテクチャを示す図である。1401はP-GW、1402はMME、1403はS-GW、1404はeNB、1405はUEである。1406はP-GWとS-GW間のインタフェース(S5)、1407はMMEとS-GW間のインタフェース(S11)、1408はMMEとeNB間のインタフェース(S1-MME)、1409はS-GWとeNB間のインタフェース(S1-U)、1410はeNBとUE間のインタフェース(Uu)である。実線はユーザトラフィック(U-plane)をサポートするインタフェースを示し、破線はシグナリング(C-plane)をサポートするインタフェースを示す。S5インタフェース1406、Uuインタフェース1410は、ユーザトラフィックとシグナリングの両方をサポートする。図で示すように、従来のEPSでは、通信対象となるUEとの一つの通信に対して、一つのeNBを用いて、C-planeとU-planeの接続を行う。すなわち、一つのeNBを用いて、一つのRRC connection/S1 bearerを確立する。
実施の形態1で解決する課題について、以下に説明する。小セルにおいても、通信中のセル移行(ハンドオーバ)について、非特許文献1(TS36.300) 10.1.2章に示される一般のセル移行と同様の手続きを実施する必要がある。しかしながら、非特許文献1(TS36.300) 10.1.2章に示されるように、U−plane/C−Plane双方の制御が必要となり、手順も多くなる。また、複数の小さいセルが密集しているエリアにおいて、そこをある程度のスピードで移動する場合、ハンドオーバ手続きに時間がかかると、ハンドオーバ手続きが完了する前に次のセルエリアに移行してしまい、適切にハンドオーバができない等の問題が発生する。また、このよう場合、通信中のセル移行(ハンドオーバ)の発生頻度が高くなり、それに伴う処理が非常に多くなり、ネットワークに負荷をかけることとなる。
実施の形態1での解決策を以下に示す。前述の課題を解決するために、1つの通信に対し、複数のRRC Connection/S1 bearer確立を可能とし、非特許文献1(TS36.300) 10.1.2章のセル移行の手順を用いずにセル移行を行うことを可能とする。
図15は、実施の形態1に係るEPSのアーキテクチャを示す図である。図15においては、UE(1501)が、3つのeNB(eNB#1(1502)/eNB#2(1503)/eNB#3(1504))とRRC Connectionを確立し、それぞれのeNBは、一つのS-GWとS1 bearerを確立している。ここにおいて、MME(1505)は、Uu点における送達確認結果、品質情報、受信波の到来情報、UEの位置情報等に基づき、データ振り分け方法及び関連するパラメータの通知を行う。送達確認結果の具体例として、HARQのAck/NackやRLCにおけるARQのAck/Nackがある。品質情報の具体例として、CQI、CSIがある。受信波の到来情報の具体例として、AoA(angle of arrival)がある。UEの位置情報の具体例として、UE Positioning 推定結果がある。
なお、ここでいう、UE(1501)は移動局に、eNB#1(1502)は第1基地局に、eNB#2(1503)は第2基地局に、MME(1505)およびS−GW(1506)は関門局に、それぞれ相当する。また、Cプレーン信号に関して言えば、UE(1501)とeNB#1(1502)との間のRRC Connectionは第1無線通信接続に、UE(1501)とeNB#2(1503)との間のRRC Connectionは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくCプレーン信号に関して言えば、MME(1505)とeNB#1(1502)との間のS1-MME signaling接続は第1通信接続に、MME(1505)とeNB#2(1503)との間のS1-MME signaling接続は第2通信接続に、それぞれ相当する。また、Uプレーン信号に関して言えば、UE(1501)とeNB#1(1502)との間のRadio Bearerは第1無線通信接続に、UE(1501)とeNB#2(1503)との間のRadio Bearerは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくUプレーン信号に関して言えば、S−GW(1506)とeNB#1(1502)との間のS1 bearerは第1通信接続に、S−GW(1506)とeNB#2(1503)との間のS1 bearerは第2通信接続に、それぞれ相当する。
このように、関門局と第1基地局との間に第1通信接続を、前記関門局と前記第2基地局との間に第2通信接続を、第1基地局と移動局との間に第1無線通信接続を、第2基地局と移動局との間に第2無線通信接続を、それぞれ確立することによって、移動局と関門局との間で一つの通信を実行するので、通信接続・無線通信接続の追加・削除によってセル移行を実現することができる。
Uプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第2通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。Cプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第2通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。
また、S-GW(1506)は、RRC Connection/S1 bearerが確立された複数のeNBに対して、パケット(packet)単位でデータを振り分け伝送する。このPacketは、例えば、IP(internet protocol) packetである。IP通信を行う端末における通信単位と一致させることにより、パケットの分割を実施せずにすみ、伝送効率が向上する。1507〜1509は、Uu点におけるeNB#1〜eNB#3のU-plane/C-planeの伝送路である。また、1511、1513、1515は、S-GWとeNB#1〜eNB#3間のU-planeの伝送路である。また、1512、1514、1516は、MMEとeNB#1〜eNB#3間のC-planeの伝送路である。
尚、ある特定のエリアに対して、この一つの通信に対する複数のeNBとのRRC connection/S1 bearerを確立可能とし、特定のエリアとしては、例えば、同一TA内、同一MME内、同一S-GW内等である。同一MME内や同一TA内にすることにより、通信制御において、集中制御が可能となり、通信制御が簡略化できる。同一S-GW内にすることにより、U-planeデータの振り分けをE-UTRANに近いところで実施でき、経路制御が簡略化できる。
そして、本特定エリアにおける通信中のセル移行については、ハンドオーバ手続きは実施せず、RRC Connection/S1 bearerの追加・削除で実施する。
図16は、本アーキテクチャにおける通信の確立及びUE起点のセルの追加のシーケンス例を示す図である。本シーケンスは、初めにベアラを確立するためのService Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>と、確立したベアラに対しeNB#2のRRC Connection/S1 bearer の追加を行うCell Addition Procedure(eNB#2追加) <ステップST1837>とを含んで構成される。
Service Request Procedure(複数RRC)<ステップST1815>において、ベアラを確立したUEは、通常の通信動作と同様に他の周辺セルの検出、モニタを実施する。その検出及びモニタ結果を用いて、ステップST1836において、対象となるeNBの追加判定を実施する。
実施の方法としては、例えば、モニタセルのなんらかのリファレンス信号の品質が、現状のセルのレベルに対し、ある定められた閾値を超える、もしくはUEが測定した位置情報となんらかの方法で事前に入手したeNBの位置情報の距離を算出し、その距離がある定められた閾値内となる等で判定を行う。リファレンス信号の具体例として、トラッキング用RS、復調用RS、CRS、UE-specific RSなどがある。eNBの位置情報を事前に入手する方法として、eNBが自eNBの位置情報をシステム情報に含めて報知する、あるいは該UEにRRCシグナリングで通知する、などとすると良い。
この追加判定において、追加が必要と判定された場合は、Cell Addition Procedure(eNB#2追加) <ステップST1837>が実施される。
図17は、サービス要求手順の詳細を示すシーケンス図である。サービス要求手順(Service Request Procedure)(複数RRC)については、非特許文献11(TS23.401)の5.3.4.1章記載のUE triggered Service Request procedureをベースとしている。ステップST1833において、S-GWがMMEに対しModify Bearer Responseを送信した後に、ステップST1834において、MMEが、対象となるUEを特定する情報とその確立したベアラ情報をConnected UE info Report(UEID,bearer info)とするメッセージを用いて、上記特定エリアの関連するeNBに対し通知している。これは、UEが他のeNBに対し、RRC connection/S1ベアラを確立する際の処理手順を高速化するための方策である。高速化を不要とする場合は、本手順を省略してもよい。その場合は、後に述べるRadio Bearer Establishment procedure<ステップST1856>の実施が必要となる。
尚、Service Request Procedure(複数RRC)を実施するか、通常のUE triggered Service Request procedureを実施するかの判断については、例えば、対象のeNBがシステム情報等で、自身のエリアが、複数のRRC connectionの確立を許容するエリアか、否かを判断できる情報を送信し、UEがその情報を受信してどちらの手順を行うかを判断する。UEでの判断において、UE capability、例えば、複数のeNBと複数のRRC Connection/S1 bearer確立を可能か否かのcapability、あるいは、UEの移動速度などを用いても良い。
図18は、セル追加手順の詳細を示すシーケンス図である。セル追加手順(Cell Addition Procedure)(eNB#2追加)を起動したUEは、ステップST1838において、すでに確立されている被追加対象となるEPSベアラを特定できる情報を含めたRRC connection の要求(RRC connection Request(既存のEPSベアラ)を送信する)をeNB#2に対し行う。
RRC connection Request(既存のEPSベアラ)を受信したeNB#2は、ステップST1839において、Connected UE info Report(UEID,bearer info)等でMMEより予め通知されている情報を検索し、対象となるUEのベアラ情報が存在するか確認をする。この処理は、MME-eNB#1間処理遅延等の影響で、Connected UE info Report(UEID,bearer info)の通知の前に、RRC connection Request(既存のEPSベアラ)を受信してしまった場合や、そもそもConnected UE info Report(UEID,bearer info)が送信されない場合の対策を目的としている。
上記判断において、対象のUEのベアラ情報が確認できた場合は、そのベアラ情報に基づき、ステップST1841において、RRC connection setup(既存ベアラ相当のRAB設定)にて、そのベアラに相当するRRC connectionの情報をUEに送信する。RRC connection setup(既存ベアラ相当のRAB設定)を受信したUEは、設定を行い、ステップST1842において、RRC connection Setup completeをeNBに送信する。RRC connection Setup completeを受信したeNB#2は、ステップST1843において、Connected UE Confirmation(UE ID,既存EPSベアラ)をMMEに送信する。
上記判断において、対象のUEのベアラ情報が確認できなかった場合は、Service Request Procedure(複数RRC) におけるRRC Connection setup procedureと同様に、ステップST1845において、RRC connection setup(暫定)を送信する。RRC connection setup(暫定)を受信したUEは、設定を行い、ステップST1846において、RRC connection Setup completeをeNBに送信する。RRC connection Setup completeを受信したeNB#2は、対象のUEのベアラの設定状況を確認することを目的として、ステップST1847において、UEを特定する情報とその要求のあったEPSベアラ情報をConnected UE Confirmation(UE ID,既存EPSベアラ)を用いてMMEに送信する。
Initial Context Setup CompleteもしくはConnected UE Confirmation(UE ID,既存EPSベアラ)を受信したMMEは、ステップST1850において、本Connectionの追加の判断を行う。[1]の場合<ステップST1840>は、対象となるeNBの位置情報やトラフィック状況等を考慮し、追加の判断を行う。[2]の場合<ステップST1844>は、まず、既存の開設しているベアラの存在を確認し、存在する場合は、[1]の場合と同様の判断基準を用いて更に追加の判断を行う。
本判断において、追加不可の判断を行った場合は、ステップST1851において、Release Reqest(UE ID,既存のEPSベアラ)を対象のeNBに通知し、本通知を受信したeNBは、必要に応じて、ステップST1848において、対象のRRC connectionをReleaseする。本判断において、追加許可の判断を行った場合は、ステップST1852において、Initial Context Setup Requestを対象のeNBに送信すると共に、ステップST1853において、対象のS-GWに対し、Modify Bearer Requestを送信し、S1 bearer追加の設定要求を行う。
Initial Context Setup Requestを受信したeNBは、設定を行い、ステップST1859において、MMEに、Initial Context Setup Completeを送信する。Modify Bearer Requestを受信したS-GWは、設定を行い、ステップST1854において、MMEに、Modify Bearer Responseを送信する。各ベアラの追加を確認したMMEは、ステップST1860〜1862において、Connected UE info Report(UEID,bearer info)を用いて、関連するeNBに対し、ベアラ情報の更新を通知する。
以上により、RRC Connection/S1 bearer の追加が可能となる。
図19(A)は、UE起点によるeNB#3のRRC Connection/S1 bearer を追加するシーケンス例を示す図である。図19(A)の手順は、図18の手順後に、UE起点によるeNB#3のRRC Connection/S1 bearer を追加したものである。
図19(B)は、セル追加手順の詳細を示すシーケンス図である。追加した手順については、図18のeNB#2をeNB#3に読み替えればよく、説明は省略する。
図20は、eNBの判断によって対象のUEに対しRRC Connection/S1 bearer を追加するシーケンス例を示す図である。ここでは、eNB#1が判定を行う場合の例を示す。まず、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させる。eNB#1との接続を行ったUEは、通常通り、ステップST2001において、周辺セル情報をMeasurement Reportにて、eNB#1に通知する。尚、ここで、通常の品質情報だけでなく、UEの位置情報を付加して通知してもよい。
Measurement Reportを受信したeNBは、ステップST2002において、その受信した周辺セルの品質情報やUEの位置情報から、対象となるeNBを追加するか否かの判定を行う。これは、既存のハンドオーバ判定と同様の形でもよいが、複数確立できることを考慮することが望ましい。
本シーケンス例においては、ステップST2002において、eNB#2が追加判定される。追加判定を行ったeNB#1は、ステップST2003において、UEに対し、RRC Connection add Request(eNB2)にて、eNB#2の追加要求を行う。RRC Connection add Request(eNB2)を受信したUEは、図18にて説明したCell Addition Procdure(eNB#2追加)処理<ステップST1837>を行い、eNB#2との接続を確立する。
その後、ステップST2005において、eNB#3が追加判定される。その後は、eNB#2の追加と同様の処理が実施される。尚、本追加判定は、eNB#2で実施されてもよいし、どれか一つのeNBのみで実施することとしてもよい。どちらかのみで実施する場合は、X2Interface等を用いて、eNB間で判定権限の受け渡し処理が必要となる。双方で実施する場合は、UE側で、同一の追加要求は破棄することとなる。
図21は、MMEの判断によって、対象のUEに対しRRC Connection/S1 bearer を追加するシーケンス例を示す図である。まず、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させる。尚、ここにおいて、各eNBに対するConnected UE info Report(UEID,bearer info)の通知は省略してもよい。eNB#1との接続を行ったUEは、ステップST2101において、通常通り、周辺セル情報をMeasurement Reportにて、eNB#1に通知する。尚、ここで、通常の品質情報だけでなく、UEの位置情報を付加して通知してもよい。Measurement Reportを受信したeNB#1は、ステップST2102において、その情報をConnection Quality Report(UEID,Quality(自セル.他セル),Location)にて、MMEに通知する。
Connection Quality Report(UEID,Quality(自セル.他セル),Location)を受信したMMEは、ステップST2103において、その受信した周辺セルの品質情報やUEの位置情報から、対象となるeNBを追加するか否かの判定を行う。本シーケンス例においては、ステップST2103において、eNB#2が追加と判定された場合を示している。
追加判定を行ったMMEは、ステップST2105において、eNB#2に対し、Connected UE info Report(UEID,bearer info)にて既存ベアラの通知を行う。尚、Service Request Procedure(複数RRC)にて、通知している場合は、本メッセージ送信は不要となる。
また、追加判定を行ったMMEは、ステップST2106において、eNB#1に対し、Connection add Request(eNB2)にて、eNB#2の追加要求を通知し、eNB#1は、ステップST2107において、UEに対し、RRC Connection add Request(eNB2)にて、eNB#2の追加要求を通知する。RRC Connection add Request(eNB2)を受信したUEは、ステップST2108において、RRC connection Request(既存のEPSベアラ)をeNB#2に送信し、それを受信したeNB#2は、ステップST2109において、RRC connection setup(既存ベアラ相当のRAB設定)をUEに送信する。設定を完了したUEは、ステップST2110において、RRC connection Setup completeをeNB#2に送信し、RRC connection Setup complete を受信したeNB#2は、ステップST2111において、Connected UE Confirmation(UE ID,既存のEPSベアラ)をMMEに送信する。
以降、eNB#2、MME、S-GW間で、Initial Context Setup Request<ステップST2112>、Modify Bearer Request<ステップST2113>、Modify Bearer Response<ステップST2114>及びInitial Context Setup Complete<ステップST2115>を用いたベアラの設定変更を行い、RRC Connection/S1 bearer の追加を完了する。尚、その後、各eNBに対するConnected UE info Report(UEID,bearer info)の通知を行ってもよい。
以降、eNB#2と同様にeNB#3の追加も行う。
以上により、MME起点によるRRC Connection/S1 bearer の追加が可能となる。
図22は、UE起点のeNB#1のRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。まず、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させ、Cell Addition Procdure(eNB#2追加) <ステップST1837>にて、eNB#2を追加する。
ベアラを確立したUEは、通常の通信動作と同様に他の周辺セルの検出、モニタを実施する。その検出及びモニタ結果において、ステップST2201において、対象となるeNBの削除判定を実施する。実施の方法としては、例えば、モニタセルのなんらかのリファレンス信号の品質が、現状のセルのレベルに対し、ある定められた閾値を下回る、もしくはUEが測定した位置情報となんらかの方法で事前に入手したeNBの位置情報の距離を算出し、その距離がある定められた閾値外となる等で判定を行う。
この削除判定において、削除が必要と判定された場合は、UEは、ステップST2202において、接続している通信環境が良好なeNB(ここではeNB#2)に対し、削除要求(RRC Release Request(eNB#1))を送信する。削除要求を受信したeNB#2は、ステップST2204において、UE Context Release Request(eNB#1)にて、MMEに対し、ベアラの削除要求を行う。UE Context Release Request(eNB#1)を受信したMMEは、ステップST2205において、Connection削除判定を行う。本判定は、例えば、処理遅延等により、追加処理と削除処理が入れ替わり、すべてのベアラが削除されないようにする、もしくは残ベアラのトラフィック過剰を低減する等の対策のために実施する。
MMEのConnection削除判定において、削除不可と判定された場合は、MMEは、eNB#2に対し、ステップST2206において、UE Context Release Response(reject)にて削除不可を通知する。MMEのConnection削除判定において、削除可と判定された場合は、MMEは、ステップST2209において、eNB#1に対し、UE Context Release Commandにてベアラの解放を要求し、解放を完了したeNB#1はステップST2211において、UE Context Release Complete通知する。この際、ステップST2210において、UEに対し、RRC Connection Releaseを送信してもよい。また、S-GWに対しては、ステップST2207において、Modify Bearer Request(削除)にて、対象ベアラの削除を要求し、S-GWは設定完了後、ステップST2208において、Modify Bearer Responseを送信する。ベアラの削除を確認したMMEは、各eNBに対し、ステップST2212〜2214において、Connected UE info Report(UEID,bearer info)にて、ベアラの更新を通知する。
以上により、UE起点のRRC Connection/S1 bearer の削除が可能となる。
図23は、eNB起点の自身のRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。まず、図20と同様、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させ、Cell Addition Procdure(eNB#2追加) <ステップST1837>にて、eNB#2を追加する。eNB#1及びeNB#2との接続を行ったUEは、ステップST2301において、通常通り、周辺セル情報をMeasurement Reportにて、eNB#1(及びeNB#2)に通知する。尚、ここで、通常の品質情報だけでなく、UEの位置情報を付加して通知してもよい。
Measurement Reportを受信したeNBは、ステップST2302において、その受信した周辺セルの品質情報やUEの位置情報及び自身が測定する対象UEのUplinkの品質情報(受信信号の品質、L2再送回数、到来角等)から、自身のリンクを削除するか否かの判定を行う。
この削除判定において、削除が必要と判定された場合は、eNB#1は、ステップST2304において、UE Context Release Requestにて、MMEに対し、ベアラの削除要求を行う。以降の手順は、図20のRB/S1 Release Procedure2 (eNB#1削除)と同様である。
図24は、eNB起点の他のeNBのRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。まず、図20と同様、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させ、Cell Addition Procdure(eNB#2追加) <ステップST1837>にて、eNB#2を追加する。eNB#1及びeNB#2との接続を行ったUEは、ステップST2401において、通常通り、周辺セル情報をMeasurement Reportにて、eNB#2(及びeNB#1)に通知する。尚、ここで、通常の品質情報だけでなく、UEの位置情報を付加して通知してもよい。
Measurement Reportを受信したeNB#2は、ステップST2402において、その受信した周辺セルの品質情報やUEの位置情報から、他のeNB(ここではeNB#1)を削除するか否かの判定を行う。
この削除判定において、削除が必要と判定された場合は、図22のRB/S1 Release Procedure2 (eNB#1削除) <ステップST2203>を起動し、該当ベアラを削除する。
図25は、MME起点のeNBのRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す図である。まず、図20と同様、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させ、Cell Addition Procdure(eNB#2追加) <ステップST1837>にて、eNB#2を追加する。eNB#1及びeNB#2との接続を行ったUEは、ステップST2501において、通常通り、周辺セル情報をMeasurement Reportにて、eNB#2(及びeNB#1)に通知する。尚、ここで、通常の品質情報だけでなく、UEの位置情報を付加して通知してもよい。Measurement Reportを受信したeNB#2は、ステップST2102において、その情報をConnection Quality Report(UEID,Quality(自セル.他セル),Location)にて、MMEに通知する。
Connection Quality Report(UEID,Quality(自セル.他セル),Location)を受信したMMEは、ステップST2502において、その受信した周辺セルの品質情報やUEの位置情報から、対象となるeNBを削除するか否かの判定を行う。
この削除判定において、削除が必要と判定された場合は、MMEは、ステップST2504において、Modify Bearer Request(削除)にて、S-GWに対し、対象のベアラの削除要求を行う。以降の手順は、図20のRB/S1 Release Procedure2 (eNB#1削除)と同様である。
図26は、タイムアウトを検出した場合においてそのRRC Connection/S1 bearer を削除するシーケンス例を示す。まず、図20と同様、UEは、Service Request Procedure(複数RRC) <ステップST1815>にて、eNB#1との接続を完了させ、Cell Addition Procdure(eNB#2追加) <ステップST1837>にて、eNB#2を追加する。その後、ステップST2502において、eNBが対象UEの無線区間におけるデータ伝送が長期間なく、eNB#1がデータタイムアウトを検出(データモニタtimer 満了)した場合は、図21のRB/S1 Release Procedure1 (eNB#1削除) <ステップST2603>の手順を行い、対象ベアラを削除する。UEについても、同様に、ステップST2601において、UEがeNB#1がデータタイムアウトを検出(データモニタtimer 満了)した場合は、対象ベアラを削除する。
図27(A)は、複数のRRC Connection/S1 bearerが設定されている場合のデータ伝送におけるシーケンス例を示す図である。本例では、UEとeNB#1、eNB#2及びeNB#3間で、すでにRRC Connection/S1 bearerが設定されているものとする。ここでは、下りリンクのデータ送信と上りリンクのデータ送信を分けて記載する。下りリンクを先に記載しているが、下りと上りの関連性はない。双方とも定常的に実施されるものとする。
まず、下りリンクのデータ送信について、説明する。eNB#1、eNB#2及びeNB#3との接続を行ったUEは、ステップST2703〜2705において、通常通り、周辺セル情報をMeasurement Reportにて、eNB#1、eNB#2及びeNB#3に通知する。尚、どれか一つのeNBのみでもよい。また、ここで、通常の品質情報だけでなく、UEの位置情報を付加して通知してもよい。
どれか一つのeNBのみに通知する具体例として、以下に3つ開示する。
(1)各eNBにおける全メジャメントの結果を、いずれか一つのeNBに通知する。
(2)各eNBのメジャメントの設定に従い測定を行うが、いずれか一つのeNBにのみ、該設定に従ったレポートを行う。
(3)いずれか一つのeNBのメジャメントの設定に従い測定を行い、該一つのeNBにのみ、その設定に従ったレポートを行う。
いずれもUEは一つのeNBのみに通知することになるので、制御を簡易にでき、送信時間の削減による低消費電力化がはかれる。(2)はメジャメントレポートを行うためのイベントもいずれか一つのeNBのメジャメント設定に限定されるため、さらに送信回数を削減でき、さらに制御を簡易にでき低消費電力化がはかれる。(3)は、メジャメントもいずれか一つのeNBの設定に従って行うだけなので、メジャメント処理も削減でき、さらに制御を簡易にでき低消費電力化がはかれる。
これに続いて、ステップST2706において、下りトラフィック制御手順(DL Traffic Control Procedure)が実行される。これに続いて、ステップST2715において、上りトラフィック制御手順(UL Traffic Control Procedure)が実行される。
図27(B)は、下りトラフィック制御手順の詳細を示すシーケンス図である。Measurement Reportを受信した各eNBは、ステップST2707〜2709において、その情報をConnection Quality Report(UEID,Quality,Location)にて、MMEに通知する。
Connection Quality Report(UEID,Quality,Location)を受信したMMEは、その受信した周辺セルの品質情報やUEの位置情報から、各リンクの品質の比率を算出する。その品質の比率と各セルのTraffc状況を考慮して、ステップST2710において、最終的な各eNBに対するPacketの分配比率を決定し、その比率を、ステップST2711において、Packet DL TX Racio IND(UEID,Connection1,Connection2Connection3)にて、S-GWに通知する。S-GWはその比率に従い、受信Packetを各eNBに分配する。(ステップST2712〜2714)尚、ここで、S-GW が受信したPacketの分離、結合等は行わず、受信PacketとそれぞれのeNBに送信するPacketは1対1対応するものとする。また、分配比率の決定は、各リンクの品質及びTrafficデータの更新に応じて、定常的に実施されるものとする。
次に、上りリンクのデータ送信について、説明する。
図27(C)は、上りトラフィック制御手順の詳細を示すシーケンス図である。eNB#1、eNB#2及びeNB#3との接続を行ったUE(AS)は、ステップST2716において、通常通り、eNB#1、eNB#2及びeNB#3のリンクの品質の測定を行い、ステップST2717において、その情報をUEのNASに通知し、ステップST2718において、各リンクの品質の比率を算出する。そして、その比率を、ステップST2719において、ASに通知し、その比率に従い、ステップST2720〜2721において、送信Packetを各eNBのリンクに分配し、送信を行う。UEは、各eNBに対する送信データ量を、各eNBに対するバッファステータスレポート(BSR)によって通知し、各eNBにおいて該BSRを用いて行われるスケジューリングに従って送信を行う。尚、分配比率の決定は、各リンクの品質の更新に応じて、定常的に実施されるものとする。
前述の各図のシーケンス例はすべて適用してもよいし、一部だけを適用してもよい。
以上の実施の形態1によって、1つのConnectionに対して、複数のRRC Connection/S1 bearerを設定することができ、そのRRC Connection/S1 bearerを追加/削除することにより通信中のセル移行が可能となるため、非特許文献1(TS36.300) 10.1.2章に示されるようなHO手順は不要となり、複数の小さいセルが密集しているエリアにおいて、そこをある程度のスピードで移動する場合においても適切のセル移行が可能となる。また、U-planeの制御が不要となるため、ネットワークに対する負荷も軽減することができる。
実施の形態2.
実施の形態1で述べたように、システムとして通信容量の増大が要求されている。通信容量の増大を図るため、小セル化して周波数利用効率を高めることが検討されている。実施の形態1では、小セル化され、複数の小さいセルが密集しているような状況でも適切にセル移行が可能となる方法を開示した。
しかし、実施の形態1で開示した方法の場合、複数のeNB(セル)とRRC connectionの確立を行うための制御処理が必要となり、そのためのシグナリングや制御遅延が発生してしまう。
そこで、実施の形態2では、複数のeNB(セル)とRRC connectionを確立せずに、複数のeNB(セル)を用いて通信を行う方法を開示する。
3GPPにおいて、複数のRRC connectionを確立せずに複数のセルを用いて通信を行なう方法として、C/U plane splitやマルチストリームが提案されている(非特許文献12(RWS-120010)、非特許文献13(RWS-120006)参照)。従来の通信システムにおいて行われている、RRC connectionとU-plane側ベアラの確立を一つのeNB(セル)を用いて行う方法と異なり、複数のeNB(セル)とRRC connectionを確立せずに、複数のeNB(セル)を用いて通信を行なうには、MMEやS-GWを含めたアーキテクチャや、ベアラ確立方法などが必要となる。しかし、いずれもそのようなMMEやS-GWを含めたアーキテクチャや、ベアラ確立方法などはなんら開示されていない。
ここでは、複数のeNB(セル)とRRC connectionを確立せずに、複数のeNB(セル)を用いて通信を行なう方法について開示する。
1つの通信に対し、一つのeNB(セル)を用いてC-planeの接続を確立し、複数のeNB(セル)を用いてU-planeの接続を確立する。以降、C-planeの接続を確立する(確立すべき、確立した、を含む)eNB(セル)をC-plane確立eNB(セル)、U-planeの接続を確立する(確立すべき、確立した、を含む)eNB(セル)をU-plane確立eNB(セル)と称することもある。また、U-planeの接続のみを確立するeNB(セル)をU-planeのみ確立eNB(セル)と称することもある。
C-planeの接続として、RRC connectionの確立を行い、U-planeの接続としてベアラの確立を行う。ベアラとしてDRB(data radio bearer)/S1 bearerとすると良い。DRBは、ユーザデータ用の無線ベアラである。
ベアラのみが確立されたeNBは、少なくともベアラの制御に関する機能を有する。
ベアラの制御に関する機能として、S-GWとUE間のベアラであるE-RABの確立/制御/解放機能がある。具体例として、個別無線ベアラの確立、設定、維持、解放機能(Establishment, configuration, maintenance and release of point to point Radio Bearers)、E-RABサービス管理機能(E-RAB service management function)がある。
セルの運用方法として、基本的なカバレッジを与えることを目的としたカバレッジセルと、通信容量の増大を目的としたキャパシティセル(キャパシティブースタセル)が考えられている(非特許文献14(TR36.927)参照)。C-planeの接続を確立するeNB(セル)をカバレッジセルとし、U-planeの接続のみを確立するeNB(セル)をキャパシティセルとしても良い。
また、C-planeの接続を確立するeNB(セル)をマクロeNB(セル)とし、U-planeの接続のみを確立するeNB(セル)をスモールeNB(セル)としても良い。
マクロeNB は、比較的カバレッジエリアの広いマクロセルを構成するeNBである。Wide Area Base Station(非特許文献15(TS36.141)参照)であっても良い。
スモールeNB は、比較的カバレッジエリアの狭いスモールセルを構成するeNBである。ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであっても良い。あるいは、ピコeNB(セル)、フェムトeNB(セル)、HeNB、RRH、RRM、RNであっても良い。あるいは、Local Area Base Station、Home Base Station(非特許文献15(TS36.141)参照)であっても良い。
なお、U-planeの接続を確立するeNB(セル)は、eNBあるいはセルの機能を全て有しなくても良いので、単にノードと称しても良い。
U-planeの接続のみを確立するeNBをRNとする場合、DeNBをC-plane確立eNBとしても良い。後述の実施の形態2変形例2で開示する方法を適用しても良い。C-plane確立eNBとU-plane確立eNBの間のインタフェースとして、DeNBとRN間で確立されるバックホールリンクを用いても良い。この場合、DeNBとUE間のリンクの周波数レイヤと、RNとUE間のリンクの周波数レイヤを異ならせる構成としても良い。RNの場合、C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間のインタフェースが無線となるので、多数のU-plane確立eNBの柔軟な設置が可能となる。
図28は、実施の形態2に係るEPSのアーキテクチャを示す図である。2801はP-GW、2802はS-GW、2803はMME、2804はC-eNB、2805はU-eNB、2806はUEである。C-planeの接続を確立するeNBをC-eNBとし、U-planeの接続のみを確立するeNBをU-eNBで示す。C-eNBはC-planeの接続を確立するだけでなく、U-planeの接続を確立してもよい。
2807はP-GWとS-GW間のインタフェース(S5)、2808はMMEとS-GW間のインタフェース(S11)、2809、2815はMMEとeNB(C-eNB、U-eNB)間のインタフェース(S1-MME)、2813、2814はS-GWとeNB(C-eNB、U-eNB)間のインタフェース(S1-U)、2810、2811はeNB(C-eNB、U-eNB)とUE間のインタフェース(Uu)、2812はeNB間のインタフェースである。インタフェース2812はX2であってもよいし、新たなインタフェースが設けられても良い。図14と同様に、実線はユーザトラフィック(U-plane)をサポートするインタフェースを示し、破線はシグナリング(C-plane)をサポートするインタフェースを示す。
1つの通信に対して複数のeNBを用いる点は実施の形態1で開示した図15と同じである。しかし本実施の形態では、RRC connectionを確立するのは一つのeNBである。すなわち、一つのeNBを用いてC-planeの接続を確立し、複数のeNBを用いてU-planeの接続を確立する。図の例では、C-planeの接続を確立する一つのeNBがC-eNBで、U-planeの接続を確立する複数のeNBがC-eNBとU-eNBである。
本実施の形態では、C-eNB(2804)と通信対象となるUE(2806)との間のUu(2810)インタフェースを用いて、RRC connectionが確立される。すなわち、図において、C-eNB(2804)とUE(2806)間で、破線で示すC-planeの接続が確立される。一方、U-eNB(2805)と通信対象となるUE(2806)との間のUu(2811)インタフェースを用いて、U-plane側データ(ユーザデータ)の通信のみが行なわれる。すなわち、U-eNB(2805)とUE(2806)間で、実線で示すU-planeの接続のみが確立される。なお、従来と同様にC-eNB(2804)とUE(2806)間にU-planeの接続が確立されても良い。
U-eNB(2805)とUE(2806)間のU-plane接続用インタフェース2811をUuとしたが、Uuではなく、U-plane接続機能のみを有する新たなインタフェースを設けても良い。
本実施の形態では、通信対象となるUE(2806)に対して、U-eNB(2805)とS-GW(2802)間のユーザデータの通信は、インタフェース(S1-U)2813を用いて行われる。通信対象となるUE(2806)に対して、U-eNB(2805)とMME(2803)間のシグナリングの通信は、インタフェース(S1-MME)2815を用いて行われる。ただし、後述するように、通信対象となるUE(2806)に対する、該シグナリングは限定的である。U-eNB(2805)で少なくともベアラ制御を行うために必要なシグナリングであれば良い。
なお、ここでいう、UE(2806)は移動局に、C−eNB(2804)は第1基地局に、U−eNB(2805)は第2基地局に、MME(2803)およびS−GW(2802)は関門局に、それぞれ相当する。また、Cプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRRC Connectionは第1無線通信接続に相当する。同じくCプレーン信号に関して言えば、MME(2803)とC−eNB(2804)との間のS1-MME signaling接続(2809)は第1通信接続に、MME(2803)とU−eNB(2805)との間のS1-MME signaling接続(2815)は第2通信接続に、それぞれ相当する。また、Uプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRadio Bearerは第1無線通信接続に、UE(2806)とU−eNB(2805)との間のRadio Bearerは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくUプレーン信号に関して言えば、S−GW(2802)とC−eNB(2804)との間のS1 bearer(2814)は第1通信接続に、S−GW(1506)とU−eNB(2805)との間のS1 bearer(2813)は第2通信接続に、それぞれ相当する。
このように、関門局と第1基地局との間に第1通信接続を、前記関門局と前記第2基地局との間に第2通信接続を、第1基地局と移動局との間に第1無線通信接続を、第2基地局と移動局との間に第2無線通信接続を、それぞれ確立することによって、移動局と関門局との間で一つの通信を実行するので、通信接続・無線通信接続の追加・削除によってセル移行を実現することができる。
Uプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第2通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。Cプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第2通信接続および第1無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。
図29は、実施の形態2に係るeNBのプロトコルスタックを示す図である。2901はC-eNBである。C-planeとしてS1-MMEインタフェースに接続され、U-planeとしてS1-Uインタフェースに接続される。2902の破線部分はC-plane接続のためのプロトコル、2903の破線部分はU-plane接続のためのプロトコルである。C-eNBにおいて、2904はRRCプロトコル、2907はPDCPプロトコル、2908はRLCプロトコル、2912はMACプロトコル、2911はPHYプロトコルを示す。MACプロトコル2912は、MPX(multiplexing)/Scheduling機能2909とHARQ機能2910を有する。これらのプロトコルはC-plane用とU-plane用の機能を併せ持つ。C-planeにおいて、paging、SI(system information)、およびシグナリング用の無線ベアラであるSRB(signaling radio bearer)による制御情報のシグナリング機能を有する(2905)。U-planeにおいて、ユーザデータ用の無線ベアラであるDRB(data radio bearer)によるユーザデータ運搬機能を有する(2906)。
2913はU-eNBである。C-planeとしてS1-MMEインタフェースに接続され、U-planeとしてS1-Uインタフェースに接続される。
まず、U-eNBに対してC-plane接続を確立するUEに対するプロトコルを示す。2914の破線部分はC-plane接続のためのプロトコル、2915の破線部分はU-plane接続のためのプロトコルである。U-eNBにおいて、2917はRRCプロトコル、2920はPDCPプロトコル、2921はRLCプロトコル、2925はMACプロトコル、2924はPHYプロトコルを示す。MACプロトコル2925は、MPX(multiplexing)/Scheduling機能2922とHARQ機能2923を有する。これらのプロトコルはC-plane用とU-plane用の機能を併せ持つ。
次に、U-plane接続のみを確立するUEに対するプロトコルを示す。C-plane接続のためのプロトコル2914は構成されない。ただし、少なくともベアラの制御に関する機能2916を有する。RRC機能として有すると良い。従って、PDCPプロトコル2920、RLCプロトコル2921、MACプロトコル2922、PHYプロトコル2924は、U-plane用の機能のみを有する。いいかえると、ベアラ確立用の機能のみを有する。
なお、U-plane確立専用のeNBを構成する場合、C-plane接続を確立するためのプロトコル2914をU-eNB2913内に有する必要が無くなるため、簡易な構成とすることが可能となる。
次に、複数のeNB(セル)を用いたベアラ確立方法を開示する。
本実施の形態では、MMEが、通信対象となるUEに対してDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する。
選択する際の指標として、例えば、実施の形態1で開示した、UEのメジャメントリポートで通知される品質情報や位置情報を用いると良い。
選択する際の指標の具体例を以下11項あげる。
(1)UEとセル間の通信品質情報
(2)UEの位置情報
(3)UEとセル間のPath loss
(4)セルにおけるUEからの受信波の到来情報
(5)UEの速度あるいは速度クラス
(6)UEの進行方向
(7)UEとセル間のUu点における送達確認結果
(8)セルの負荷状況
(9)UEの能力情報
(10)UEの種別情報
(11)(1)から(10)の組合せ
(1)に関しては、通信品質情報の具体例として、UEが測定するRSRP、RSRQなどがある。また、セルが測定する上り通信品質でも良い。(2)に関しては、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)を有するUEあるいはGPSと接続可能なUEは、測位によるUEの位置情報を得ることが可能である。このUEの位置情報を用いると良い。別の方法として、ロケーションサービス(LCS)を利用しても良い。ネットワーク側ノードがLCS用サーバから対象となるUEの位置情報を取得すると良い。(3)に関しては、UEが、セルからの受信電力とセルから通知されるセルの送信電力からパスロスを測定することが可能である場合、このパスロス情報を用いると良い。(4)に関しては、セルがUEからの受信波の到来方向(AoA:angle of arival)を測定することが可能である場合に用いると良い。(5)に関しては、GPSを有するUEあるいはGPSと接続可能なUEが、GPSを用いて測定しても良い。また、所定の速度クラスに分割し、速度クラスで表しても良い。また、別の方法として、所定の時間内のマクロセルのHO回数あるいは接続変更回数、あるいはスモールセルの接続変更回数から速度クラスを導出しても良い。該導出はUEではなく、ネットワーク側ノードが行っても良い。(6)に関しても、GPSを有するUEあるいはGPSと接続可能なUEが、GPSを用いて測定しても良い。また、別の方法として、所定の時間内のマクロセルのHO回数あるいは接続変更回数、あるいはスモールセルの接続変更回数から速度クラスを導出しても良い。該導出はUEではなく、ネットワーク側ノードが行っても良い。ネットワーク側ノードはマクロセルあるいはスモールセルの位置を認識し、セルがどの順番で接続変更されたかで、UEの進行方向を測定しても良い。(7)に関しては、UEとセル間で行われるデータの送達確認結果を用いると良い。具体例として、HARQあるいはARQなどがある。eNB(セル)は、UEと自セル間のUu点における送達確認結果を得ることができる。(8)に関しては、各セルが自セルの負荷状況を示す情報をMMEあるいは周辺セルに通知すると良い。セルの負荷状況としてセルのトラフィック状況としても良い。(9)に関しては、UEが有する能力情報は、例えば、DRB/S1 bearerを確立可能なeNB数を示す情報(実施の形態1に適用する場合はRRC connection/S1 bearerを確立可能なeNB数を示す情報)などである。また、規格で規定されるUE capability情報であっても良い。(10)に関しては、UEの種別情報として、例えば、MTC(machine type communication)用端末なのか、通常のUEなのかを示す情報などである。
MMEが通信対象となるUEとDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する際の指標を認識する方法について開示する。
指標としてUEが測定する情報(UEサポーテッド情報とも称する)を用いる場合、該情報をUEからC-plane確立eNBへ通知する。通知にはRRCシグナリングを用いると良い。
通知を行うトリガの具体例を以下3つ示す。
(1)C-plnae確立eNBからの指示
(2)周期的
(3)イベント発生
(2)では例えば、所定の時間周期に従って通知を行う。該周期はあらかじめC-plane確立eNBからUEに通知されると良いし、システムとして規格等によりあらかじめ決められていても良い。
(3)では例えば、測定値が所定の閾値を超えた場合に通知する、など所定のクライテリアに従ってイベントが発生した場合に通知するようにすれば良い。
UEサポーテッド情報の具体例として、
(1)UEが測定する情報。
(2)セル識別子。
(1)は、例えば、上記の、選択する際の指標のうちUEが測定して得た情報などである。(2)は、情報が、どのセルに関するものか識別する必要が有る場合に通知すると良い。
UEサポーテッド情報の通知方法として、従来のメジャメントイベントを用いても良い。メジャメントリポートで通知される情報の具体例として、以下2つ示す。
(1)UEとセル間の通信品質情報。RSRP、RSRQなど。
(2)セル識別子。
これらに加えて、UEサポーテッド情報をメジャメントリポートに含めると良い。UEは、メジャメントリポートにより、これらの情報をC-plane確立eNBに通知する。
該情報を受信したC-plane確立eNBは、MMEに対して該情報を通知する。通知にはS1シグナリングを用いるとよい。この際、どのUEからの情報かが認識できるような情報を含めると良い。MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)とすると良い。あるいは、MMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)でも良い。MME内で用いられるUE識別子、携帯加入者識別子、あるいは、自セル(UEのC-plane確立eNB(セル))の識別子と自セル(C-plane確立eNB(セル))内で用いられるUE識別子とすると良い。
MMEはC-plane確立eNBから受信したUEサポーテッド情報を用いることで、DRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択することが可能となる。
指標としてネットワーク側のノードが測定あるいは取得する情報を用いる場合は、各ノードがMMEに該情報を通知する。ネットワーク側のノードがMMEである場合は、通知は不要である。上述の方法と同様に、どのUEの情報か、どのeNB(セル)との間の情報か、どのeNB(セル)の情報か、が認識できるような情報を含めると良い。
なお、本方法は、実施の形態1で開示した、eNBが他のeNBを選択する場合にも適用できる。また、後述する実施の形態2変形例3から実施の形態3変形例1のC-plane確立RRC connected確立eNBがU-plane確立eNBを選択する場合にも適用可能である。この場合、C-plnae確立eNBからMMEへ上記情報を通知しなくても良い。
本方法は、実施の形態1で開示した、あるいは後述するパケットの割り振りの決定(パケット伝送配分決定)においても適用できる。また、各U-plane 確立eNBとの上りリンクの通信品質情報を利用できる場合は、該情報を用いてパケットの割り振りを決定しても良い。UEとの上りリンク通信品質情報は、U-plnane確立eNBが測定する。U-plane確立eNBは該情報をMMEに通知すれば良い。
MMEは、E-RAB確立のため、選択した各eNBにおけるE-RABを設定する。E-RAB設定の具体例として、E-RABの識別子(E-RAB ID)、QoSパラメータなどがある。
既にE-RABを設定しているeNBが存在する場合、MMEは該eNBに対してはE-RAB設定の修正を行う。
EPS bearerが一つの場合、各eNBに設定するE-RAB設定を同じとしても良い。EPS bearerに変更が無ければ、既にC-plane確立eNBに設定されているE-RAB設定と同じとしても良い。この場合、E-RAB識別子のみ異ならせても良い。各eNBにおけるE-RAB設定を該識別子を用いて個別に扱うことが可能となる。
MMEは選択した各eNBに対して通信対象となるUEとのE-RABを設定するための情報を通知する。通信対象となるUEに関する情報、MMEがE-RAB設定あるいは修正したE-RAB設定などである。MMEがE-RAB修正を行った後のE-RAB設定に変更が無いeNBに対しては、修正されたE-RAB設定の通知を不要としても良い。
シグナリングとして、S1のInitial context setup requestメッセージを用いても良い。Initial context setup requestメッセージの中でE-RABの設定に関する情報のみ通知するようにしても良い。またUEに関する情報の修正には、S1のUE context modifucation requestメッセージを用いても良い。
E-RABの設定にはS1のE-RAB setup requestメッセージを用いても良い。E-RABの修正設定には、E-RAB modify requestメッセージを用いても良い。
また、新たに、各U-plane確立eNBと各U-plane確立eNBのE-RAB設定の対応の一覧表を設けても良い。E-RAB list_U-planeとしても良い。MMEは該一覧表を各U-plane確立eNBに対して通知しても良い。各U-plane確立eNBが他のU-plane確立eNBのE-RAB設定を認識することが可能となる。
また、MMEは各U-plane確立eNBに対して、C-plane確立eNBに関する情報も通知すると良い。該E-RABを設定するための情報と一緒に通知しても良い。C-plane確立eNBに関する情報として、該C-plane確立eNBの識別子あるいはアドレスとすると良い。これにより、各U-plane確立eNBがC-plane確立eNBに必要な情報を通知することが可能となる。例えば、後述の各U-plane確立eNBが設定したDRB設定情報をC-plane確立eNBを介してUEに通知するような場合に、該DRB設定情報をC-plane確立eNBに通知することが可能となる。
各U-plane確立eNBは、MMEより受信したE-RAB設定情報を用いて通信対象となるUEに対するDRB/S1 bearerの確立に必要な処理を行う。無線区間に関しては、DRBの設定を行う。各U-plane確立eNBはRRC機能により、MMEから通知されたE-RAB設定を用いて、通信対象となるUEとの間に確立するDRBを設定する。DRBの設定として、例えば、DRB識別子の設定や下位レイヤの設定がある。下位レイヤの設定として、PDCP設定、RLC設定、MAC設定、PHY設定などがある。
DRBを設定した各U-plane確立eNBは、UEに対してDRB設定情報を通知する。DRB設定情報に、どのU-plane確立eNBのDRB設定情報であるか識別するための自eNB(セル)の識別子、通信対象となるUEの識別子、を含めて通知すると良い。また、各U-plane確立eNBは自eNB(セル)のシステム情報を通知しても良い。また、各U-plane確立eNBが、通信対象となるUEに対するスケジューリングのために、拡張された下り制御チャネルであるePDCCHを構成する場合、ePDCCHの設定情報もあわせて通知すると良い。また、U-plane確立要求である旨の情報をあわせて通知しても良い。
U-plane確立eNBがUEに対してDRB設定情報、システム情報、ePDCCHの設定情報、U-plane確立要求である旨の情報を通知する具体例を2つ開示する。
(1)C-plane確立eNBを介して通知する。
(2)MMEおよびC-plane確立eNBを介して通知する。
(1)のC-plane確立eNBを介して通知する方法について開示する。DRBを設定した各U-plane確立eNBは、C-plane確立eNBに該DRB設定情報などを通知する。この通知に、新たなインタフェースを設けても良いし、X2インタフェースを用いても良い。通知用に新たなメッセージを設けても良い。
該DRB設定情報などをトランスペアレント用のコンテナ情報として設けても良い。トランスペアレント用のコンテナ情報とした場合、C-plane確立eNB(セル)はコンテナ情報のままUEに通知すれば良い。コンテナ情報の中に、U-plane確立eNBのAS-conifgメッセージに含まれる情報をのせてもよい。AS-conifgメッセージ中のRadioResourceConfigDedicated情報中に各U-plane確立eNB毎のDRB設定情報とシステム情報を含めても良い。DRBリストとしても良い。
C-plane確立eNB(セル)は、UEに対して、該UEとの間で確立する全U-plane確立eNBの各DRB設定情報などを通知する。
各U-plane確立eNBと各々のDRB設定の一覧表(DRB list_U-plane)を設けても良い。C-plane確立eNBは該一覧表をUEに対して通知しても良い。
この通知にはRRCシグナリングを用いると良い。新たなメッセージを設けてもよいし、既存のRRCメッセージにU-plane確立eNBのDRB設定情報とシステム情報を含めて通知しても良い。既存のRRCメッセージの具体例として、RRC connection reconfigurationメッセージあるいはAS-conifgメッセージを用いると良い。RRC connection reconfigurationメッセージあるいはAS-conifgメッセージ中のRadioResourceConfigDedicated情報中に各U-plane確立eNB毎のDRB設定情報とシステム情報を含めても良い。DRBリストとしても良い。
(1)の方法は、MMEを介さないで通知できるため、システムとしてシグナリング量の低減が図れる。
(2)のMMEおよびC-plane確立eNBを介して通知する方法について開示する。DRBを設定した各U-plane確立eNBは、MMEに該DRB設定情報などを通知する。
この通知にS1インタフェースを用いると良い。
MMEはC-plane確立eNBにDRB設定情報などを通知する。各U-plane確立eNBと各々のDRB設定の一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeとしても良い。この通知にS1インタフェースを用いると良い。S1インタフェースを用いた通知用に新たなメッセージを設けても良い。
C-plane確立eNB(セル)はMMEから受信したDRB設定情報などを通信対象となるUEに通知する。各U-plane確立eNBと各々のDRB設定の一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeとしても良い。C-plane確立eNBは該一覧表をUEに対して通知しても良い。この通知にはRRCシグナリングを用いると良い。これに関しては(1)の方法を適用できる。
なお、(2)においても、該DRB設定情報などをトランスペアレント用のコンテナ情報として設けても良い。トランスペアレント用のコンテナ情報とした場合、MMEはコンテナ情報のままC-plane確立eNBに通知すれば良い。さらに、C-plane確立eNB(セル)はコンテナ情報のままUEに通知しても良い。コンテナ情報の中に、U-plane確立eNBのAS-conifgメッセージに含まれる情報をのせてもよい。AS-conifgメッセージ中のRadioResourceConfigDedicated情報中に各U-plane確立eNB毎のDRB設定情報とシステム情報を含めても良い。DRBリストとしても良い。
(2)の方法はC-plane確立eNBとU-plane確立eNB間にインタフェースが無い場合でもUEに対してDRB設定情報を通知することを可能とする。
こうすることで、通信対象となるUEは、U-planeを確立するeNBとの間でDRBを確立するためのDRB設定情報を認識することができる。また、U-planeを確立するeNBと接続するためのシステム情報を認識することができる。
通信対象となるUEは、各U-plane確立eNBとのDRB設定を行い、各U-plane確立eNB(セル)との接続処理を行う。
通信対象となるUEは、U-plane確立eNBとの接続が成功した場合、各U-plane確立eNBに対して接続完了メッセージを通知しても良い。このメッセージに、自UEの識別子(通信対象となるUEの識別子)、どのU-plane確立eNBとの接続を完了したかを認識可能とするため、接続完了したU-plane確立eNB(セル)の識別子を含めると良い。
通知方法の具体例を以下3つ開示する。
(1)C-plane確立eNBおよびMMEを経由して各U-plane確立eNBに通知
(2)C-plane確立eNB経由して各U-plane確立eNBに通知
(3)U-plane確立eNBへ直接通知
(1)について開示する。接続完了メッセージは、UEからC-plane確立eNBおよびMMEを経由して各U-plane確立eNBに通知される。UEは、U-plane確立のみのeNBとの間でRRC connectionを確立していないため、U-plane確立のみのeNBに対して該メッセージをRRCシグナリングを用いて直接通知することはできない。従って(1)で開示した、C-plane確立eNBを介して通知する方法は有効である。UEからC-plane確立eNBへの通知はRRCシグナリングを用いると良い。RRCメッセージとして、RRC connection reconfiguration completeを用いても良い。
C-plane確立eNBからMMEへの該メッセージの通知には、S1インタフェースを用いても良い。S1メッセージは新設すると良い。(1)の方法は、X2インタフェースが無い場合にも有効となる。
MMEから各U-plane確立eNBへの該メッセージの通知には、S1インタフェースを用いても良い。
(2)について開示する。接続完了メッセージは、UEからC-plane確立eNBを経由して各U-plane確立eNBに通知される。UEからC-lane確立eNBへの通知はRRCシグナリングを用いると良い。RRCメッセージとして、RRC connection reconfiguration completeを用いても良い。
C-plane確立eNBから各U-plane確立eNBへの通知に、新たなインタフェースを設けても良いし、X2インタフェースを用いても良い。X2インタフェースがある場合は新たなインタフェースを設けること無く通知可能である。
(3)について開示する。接続完了メッセージは、UEから各U-plane確立eNBに通知される。UEは、U-plane確立のみのeNBとの間でRRC connectionを確立していないため、U-plane確立のみのeNBに対して該メッセージをRRCシグナリングを用いて直接通知することはできない。
ここでは、該通知のため、L1/L2制御メッセージを新たに設ける。U-plane確立eNBはL1/L2レイヤのプロトコルを有する。従って、L1/L2レイヤでのシグナリングメッセージを新設することで、UEからU-plane確立eNBに該メッセージを通知することが可能となる。L1/L2レイヤとして、MAC機能あるいはPHY機能として設けると良い。また、L1/L2制御メッセージとともに自UEの識別子を通知しても良い。あるいは、L1/L2制御メッセージに用いられる無線リソースに、自UEの識別子を用いたコードが乗せられるようにしても良い。U-plane確立eNB(セル)は、該コードを用いて復調することで、どのUEからのメッセージかが識別できるようになる。
接続完了メッセージを受信した各U-plane確立eNBは、通信対象となるUEとのDRB/S1 bearerの確立処理を行う。
各U-plane確立eNBは、MMEに対して該処理の完了メッセージを通知しても良い。UEとU-plane確立eNB間でDRBの設定あるいは修正されたDRBの設定が完了した旨を通知しても良い。該通知に、S1のInitial context setup completeメッセージを用いても良い。また、E-RAB設定完了メッセージあるいはE-RAB修正完了メッセージを通知しても良い。
該メッセージに、通信対象となるUEの、MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)を含めると良い。あるいは、MMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)でも良い。また、自U-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。MMEが識別可能なUE識別子として、MME内で用いられるUE識別子とすると良い。あるいは、該UEのC-plane確立eNB(セル)の識別子とC-plane確立eNB(セル)内で用いられるUE識別子としても良い。
MMEは、S-GWに対して、選択したU-plane確立eNBに対してS1 bearerを設定するよう要求する。この要求を通知するために、S11インタフェースを用いても良い。例えば、modify bearer requestメッセージを用いても良い。該要求メッセージに、通信対象となるUEの識別子、選択したU-plane確立eNBの識別子、各U-plane確立eNBのE-RAB設定情報を含めると良い。各U-plane確立eNBと各U-plane確立eNBのE-RAB設定の対応の一覧表であるE-RAB list_U-planeを用いても良い。また、各U-plane確立eNBの識別子として、各U-plane確立eNB に設定されたIPアドレスを用いても良い。
S-GWは、通知された各U-plane確立eNBに対してS1 bearerを設定する。既にS1 bearerが設定されている場合は、S1 bearerの修正を行う。
S1 bearerの設定あるいは修正を行ったS-GWは、MMEにS1 bearerの設定あるいは修正の完了メッセージを通知する。この通知にはS11インタフェースを用いると良い。S11のModify bearer responseメッセージを用いると良い。
これによりS-GWと各U-plane確立eNB間とでS1 bearerが確立される。
複数のeNBを用いて複数のDRB/S1 bearerが確立されている場合のデータ伝送方法を開示する。複数のU-plane確立eNBを用いてDRB/S1 bearerが確立されているため、実施の形態1で開示したデータ伝送方法を適用できる。
下りリンクのデータ送信については、MMEが各リンクの品質の比率を算出する。その品質の比率と各セルのTraffc状況を考慮して、最終的な各eNBに対するPacketの分配比率を決定し、その比率を、Packet DL TX Racio INDにて、S-GWに通知する。S-GWはその比率に従い、受信Packetを各eNBに分配する。尚、ここで、S-GW が受信したPacketの分離、結合等は行わず、受信PacketとそれぞれのeNBに送信するPacketは1対1対応するものとする。また、分配比率の決定は、各リンクの品質及びTrafficデータの更新に応じて、定常的に実施されるものとする。MMEにおいて各リンクの品質の比率を算出する際に、U-plane確立eNBを選択する際の指標を用いると良い。
上りリンクのデータ送信については、UEが、U-plane確立eNBとのリンクの品質の測定を行い、各リンクの品質の比率を算出する。そして、その比率に従い、送信Packetを各eNBのリンクに分配し、送信を行う。UEは、各eNBに対する送信データ量を、各eNBに対するバッファステータスレポート(BSR)によって通知し、各eNBにおいて該BSRを用いて行われるスケジューリングに従って送信を行う。尚、分配比率の決定は、各リンクの品質の更新に応じて、定常的に実施されるものとする。
U-plane確立eNBが通信対象となるUEへデータ送信を開始する方法について開示する。
各U-plane確立eNBは、UEからのU-plane確立eNBとの接続完了メッセージの受信を契機として、UEへのデータ送信処理を開始すると良い。UEは、U-plane確立eNBへの接続完了メッセージの送信を契機に該U-plane確立eNB(セル)からのデータ受信処理を開始すると良い。これにより、UEとU-plane確立eNB(セル)とのデータ送受信処理開始タイミングのずれを低減することが可能となる。
他の方法を開示する。U-plane確立eNBは、S-GWからデータ受信後、UEへのデータ送信処理を開始する。UEは、U-plane確立eNB(セル)を検出し同期を実行した後、該U-plane確立eNB(セル)からの受信処理を開始する。あるいは、UEは、U-plane確立eNB(セル)と RAプロシージャ成功後、該U-plane確立eNB(セル)からの受信処理を開始するとしても良い。たとえば、UEからのU-plane確立eNBとの接続完了メッセージが無い場合に適用できる。この方法はデータ送受信開始に明確な契機を必要とせず、制御が容易になる利点がある。
UEからのU-plane確立eNBとの接続完了メッセージが無い場合、UEがU-plane確立eNBとの接続を完了する前に、S-GWでのS1 bearerの設定/修正が行われ、U-plane確立eNBに下りデータが到着する場合がある。U-plane確立eNBは、S-GWからデータ受信後、UEへのデータ送信処理を開始することになる。UEはまだU-plane確立eNBとの接続を完了できておらず、該データを受信できない。
しかし、U-plane確立eNBにおいて再送制御を用いることで、該データの不達を削減することが可能である。また、あらかじめ、最大再送回数を増大させておくことで、該データの不達を殆ど無くすことも可能となる。従って、ここで開示した方法は、データの不達が殆ど無しに制御を容易にできる効果が得られる。
UEがU-plane確立eNB(セル)とU-planeデータを送受信する方法について開示する。
U-plane確立eNB(セル)は該UEへのスケジューリング情報を物理制御チャネルであるPDCCHあるいはePDCCHにマッピングして通知する。ePDCCHの場合、あらかじめ、U-plane確立eNB(セル)はUEに該ePDCCHの設定情報を通知しておく。該情報の具体例として、使用するリソース(物理リソースブロック(PRB)、シーケンス)情報がある。該ePDCCHの設定はRRC機能としても良い。U-plane確立eNBが有するRRC機能としても良い。該ePDCCHの通知は、前述のようにC-plane確立eNB(セル)を介して通信対象となるUEに通知しても良いし、他の方法として、U-plane確立eNB(セル)からMACを介してRAプロシージャにより通知しても良い。
UEは、U-plane確立eNB(セル)のPDCCHをモニタする。あるいは、ePDCCHでスケジューリングされている場合、ePDCCHをモニタするとしても良い。PDCCHあるいはePDCCHを受信することで、データのスケジューリング情報が得られ、該スケジューリング情報に従って、データを受信すれば良い。データは各U-plane確立eNB(セル)でPDSCHにマッピングされ、物理無線リソースにアロケーションされる。
U-plane確立eNB(セル)のためのDRXを設定しても良い。U-plane確立eNBのためのDRXの設定はRRCが行うと良い。U-plane確立eNBが設定する場合、U-plane確立eNBに設けられたRRCの機能としても良い。DRX設定はU-plane確立eNBが行い、C-plnae確立eNB(セル)を介してUEに通知しても良いし、U-plane確立eNB(セル)からMACを介してRAプロシージャにより通知しても良い。
DRX設定はC-plnae確立eNB(セル)が行い、UEおよび各U-plane確立eNB(セル)に通知しても良い。
DRXのactivation/deactivationはMACが行うと良い。各U-plane確立eNBに設けられたMACの機能とすると良い。
U-plane確立eNB(セル)のためにSPS(semi persistent scheduling)を設定しても良い。SPSの時間設定はRRCが行う。U-plane確立eNBが設定する場合、SPSの時間設定をU-plane確立eNBに設けられたRRCの機能としても良い。SPS設定はU-plane確立eNB(セル)が行い、C-plnae確立eNB(セル)を介してUEに通知しても良いし、U-plane確立eNB(セル)からMACを介してRAプロシージャにより通知しても良い。
SPS設定はC-plnae確立eNB(セル)が行い、UEおよび各U-plane確立eNB(セル)に通知しても良い。
SPSの周波数軸上のスケジューリングはMACが行うと良い。各U-plane確立eNBに設けられたMACの機能とすると良い。周波数軸上のスケジューリング結果は、スケジューリング用の物理制御チャネルであるPDCCHあるいはePDCCHでUEへ通知すれば良い。
各U-plane確立eNB(セル)間でデータのスケジューリングタイミングをずらすようにしても良い。いいかえると、各U-plane確立eNB(セル)間で、データの送受信タイミングを時分割すると良い。送受信機一つのみのUEが、複数のU-plane確立eNBとの通信の両方をサポート可能となる。複数のU-plane設定eNB(セル)におけるデータのスケジューリングタイミングをずらすように、DRXの設定を用いて行っても良い。あるいはSPSの設定を用いて行っても良い。各U-plane確立eNBのDRXの設定あるいはSPSの設定は、C-plane確立eNBが行い、UEおよび各U-plane確立eNB(セル)に通知する方法を適用すると良い。
また、後述の実施の形態7で開示する方法を適用しても良い。実施の形態7ではmaster eNBが各slave eNBの時間設定を行っているが、master eNBをC-plane確立eNBとし、各slave eNBを各U-planeのみ確立のeNBに対応させれば良い。
別の方法として、各U-plane確立eNB(セル)間でデータのスケジューリングタイミングを同一期間内になるよう設定しても良い。同一期間に全U-plane確立eNBのデータスケジューリングおよびデータの送受信が行われるようにする。こうなるよう、上述のDRXの設定あるいはSPSの設定を用いて行っても良い。
また、全U-plane確立eNBではなく、複数のU-plane確立eNB群に分けて、該U-plane確立eNB群毎にデータのスケジューリングタイミングを同一期間内になるよう設定しても良い。
これにより、UEが送受信するタイミングが所定の同一期間内に限定されるため、UEの消費電力低減が図れる。
図30は、実施の形態2に係るシーケンス例を示す図である。一つのeNBを用いてRRC connectionを確立し、複数のeNBを用いてDRB/S1 bearerを確立/修正する場合のシーケンス例である。P-GW、HSSにおける処理については省略する。
通信対象となるUEは3001でRRC_Idle状態にある。UEは、ST3002でサービスリクエスト処理を、RRC connectionを確立するC-eNBを介して、MMEおよびS-GWとの間で行う。この処理により、無線ベアラ1(radio bearer1)(3003)がUEとC-eNB間に確立され、S1 bearer1(3004)がC-eNBとS-GW間で確立される。従って、UEとS-GW間でE-RABが確立される。確立されたベアラを用いて、UEとC-eNB間(ST3005)、C-eNBとS-GW間(ST3006)でU-planeデータ(ユーザデータ)の通信が可能となる。
UEは、ST3007でメジャメントリポートをC-plane確立eNBであるC-eNBに対して通知する。該リポートには、MMEがU-plane確立eNBを選択するための指標を含ませると良い。
UEからのメジャメントリポートを受信したC-eNBは、ST3008で該情報をMMEに通知する。例えば、指標として通信品質情報を用いる場合、新たに、通信品質報告メッセージを設けてもよい。該メッセージに自UEの位置情報を含めても良い。
MMEはST3009で、通信対象となるUEに対してU-plane確立eNBの選択を行う。C-plane確立eNBをU-plane確立eNBとして選択してもよい。選択に、ST3008で受信した指標を用いると良い。
U-plane確立eNBを選択したMMEは、ST3010で各U-plane確立eNBに確立するE-RABの設定を行う。ここでは、C-plane確立eNBも通信対象となるUEに対するU-planeの確立を行うとする。C-eNBに対してはすでにE-RABが確立されているため、E-RAB設定の修正を行う。U-eNBに対しては、新たに、通信対象となるUEとのE-RAB設定を行う。
MMEは、ST3011、ST3012で、各U-plane確立eNBに対して、E-RAB設定情報を含む、E-RAB設定要求メッセージあるいはE-RAB修正要求メッセージを通知する。
ST3013で、C-eNBはMMEより受信したE-RAB設定修正情報を用いて、通信対象となるUEに対するDRBの再設定を行う。
ST3014で、U-eNBはMMEより受信したE-RAB設定情報を用いて通信対象となるUEに対するDRB/S1 bearerの確立に必要な処理を行う。無線区間に関しては、DRBの設定を行う。
ST3014でDRBの設定を行ったU-eNBは、ST3015で、C-eNBに対して自eNBのDRB設定情報などを通知する。本例では、メッセージとして新たにU-plane接続設定メッセージを設けて通知する。
ST3013でDRBの再設定を行ったC-eNBは、ST3016で、UEに対してDRB設定情報などを通知する。U-eNBからST3015でDRB設定情報などを受信している場合は、ST3016に該U-plane確立eNBのDRB設定情報などを含めて通知する。各U-plane確立eNB(セル)のDRB設定情報、各U-plane確立eNB(セル)の識別子、各U-plane確立eNB(セル)のシステム情報、ePDCCHの設定情報を対応づけて通知すると良い。通知には、RRCシグナリングを用い、RRCメッセージを用いる。ここでは、RRC接続再設定メッセージを用いる。このメッセージに、U-plane確立要求である旨の情報を含ませておいても良い。
ST3016でRRC connection reconfigurationメッセージを受信したUEは、該メッセージの中にU-plane確立要求である旨の情報が含まれている場合、メッセージ内にあるU-plane確立eNBのDRB設定情報を用いて各U-plane確立eNBのDRBを設定する。
ST3017でUEは新たに確立するU-plane確立eNBとの接続処理を開始する。
ST3018でU-eNB(セル)の検出、同期を行う。ST3016で受信したU-plane確立eNB(セル)の識別子を用いても良い。
ST3019でUEはU-eNB(セル)に対してPRACHを通知する。ST3016で受信したU-plane確立eNB(セル)のシステム情報の中のPRACHに関する情報を用いても良い。
ST3020でU-eNB(セル)はUEに対して上りのタイミング調整用のTA(timing advanced)を通知する。通常、C-eNB(セル)とUE間の距離とU-eNB(セル)とUE間の距離が異なるため、伝播時間が異なる。従って、U-eNB(セル)の上りタイミング調整用として、C-eNB(セル)の上りタイミング調整用のTAを用いることが出来ず、新たにU-eNB(セル)からUEに対してU-eNB(セル)の上りタイミング調整用のTAを通知する必要があるからである。
以上の処理により、UEはU-plane確立eNBとの接続処理を完了する。
U-plane確立eNBとの接続処理を完了したUEは、ST3021で接続完了メッセージをC-plane確立eNBに対して通知する。ここでは、RRC connection reconfiguration completeメッセージを用いる。
ST3021で、接続完了メッセージを受信したC-eNBは、UEが自eNB(セル)のDRB設定処理を行ったことを認識する。また、UEが他のU-plane確立eNBとの接続を完了させたことを認識する。
UEがU-plane確立eNBとの接続を完了させたことを認識したC-eNBは、ST3022で、UEとの接続を完了したU-eNBに対して接続完了メッセージを通知する。メッセージとして新たにU-plane接続設定完了メッセージを設ける。
C-eNBは、通信対象となるUEとの修正されたDRB設定の処理を行い、ST3037で、MMEに対してE-RAB修正完了メッセージを通知する。
ST3022で、U-plane接続設定完了メッセージを受信したU-eNBは、通信対象となるUEとのDRB/S1 bearerの確立処理を行い、ST3023で、MMEに対してE-RAB設定完了メッセージを通知する。この通知にUE context setup completeメッセージを用いてもよい。
ST3037、ST3023でC-eNBを含めたU-plane確立eNBから、E-RAB設定完了メッセージあるいはE-RAB修正完了メッセージを受信したMMEは各U-plane確立eNBのDRB/S1 bearer設定(修正)が完了したことを認識可能となる。
各U-plane確立eNBのE-RAB設定が完了したことを認識したMMEは、ST3024で、S-GWに対してS1 bearerの設定あるいは修正を要求するメッセージを通知する。ここでは、modify bearer requestメッセージを用いる。
S1 bearerの設定あるいは修正を要求するメッセージを受信したS-GWは、ST3025で、該メッセージ含まれる情報に従って、各U-plane確立eNBとの間のS1 bearerの設定あるいは修正を行う。
S1 bearerの設定あるいは修正を行ったS-GWは、ST3026で、MMEにS1 bearerの設定あるいは修正の完了メッセージを通知する。ここでは、modify bearer responseメッセージを用いる。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間にDRB3027が確立され、U-plane確立eNBとS-GW間にS1 bearer3028が確立される。これにより、UEとU-eNB間、U-eNBとS-GW間でデータ通信が可能となる。
ST3029でUEは、U-plane確立eNBのPDCCHあるいはePDCCHが構成されている場合はePDCCHを受信する。
ST3030でU-plane確立eNBは通信対象となるUEに対するユーザデータのマルチプレクスとスケジューリングを行い、ST3031でスケジューリング情報をPDCCHあるいはePDCCHにマッピングして送信する。
ST3032で、UEあるいはU-eNBとの間でユーザデータの送受信を行う。ユーザデータは、スケジューリング情報に従って、PDSCHあるいはPUSCHにマッピングされ、物理無線リソースにアロケーションされる。
ST3033で、U-eNBはS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
以上の処理により、UEとS-GW間で複数のeNB(C-eNB、U-eNB)を用いてDRB/S1 bearerが確立され、ユーザデータの送受信が可能となる。
通信対象となるUEとの間でU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法について開示する。いいかえると、削除するeNBの通信対象となるUEとの間に確立されているE-RABをリリースする方法、あるいは、削除するeNBの通信対象となるUEとの間に確立されているDRB/S1 bearerをリリースする方法について開示する。
本実施の形態では、MMEが削除するeNBを選択する。選択する指標として、上述の、MMEが通信対象となるUEに対してDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する際の指標を適用すると良い。MMEは該指標を用いて削除するeNBを選択する。例えば、U-plane確立eNBのうち、通信対象となるUEと該U-plane確立eNB(セル)間の通信品質が劣化し、所定の閾値を下回った場合に該eNBを削除するeNBとして選択するとしても良い。
MMEは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するE-RABの設定を行う。MMEは、該各U-plane確立eNBに対してE-RAB設定を通知する。
この通知には、S1のE-RAB修正要求メッセージを用いても良い。MMEがE-RAB修正を行った後のE-RAB設定に変更が無いeNBに対しては、修正後のE-RABの通知を不要としても良い。
MMEは、削除するeNBに対して、通信対象となるUEとの間に確立されているE-RABのリリース指示を通知する。この通知にS1シグナリングを用いると良い。S1のUE contextリリース指示メッセージを用いると良い。E-RABのリリースにはS1のE-RABリリース指示メッセージを用いても良い。リリース指示メッセージに、削除するE-RABの設定情報、どのUEのE-RABをリリースするかを認識可能とするためのUE識別子を含めると良い。
通信対象となるUEとの間に確立されているE-RABのリリース指示を受信したU-plane確立eNBは、自eNBにおいて通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerリリース処理を行う。
E-RAB確立要求メッセージあるいは修正要求メッセージを受信した各U-plane確立eNBに関する処理は上述したE-RABを確立/修正する処理を適用すると良い。
U-plane確立eNBが、自eNBにおいて通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerをリリースする方法を開示する。
DRB/S1 bearerのリリース処理を行うU-plane確立eNBは、UEに対してDRBリリース情報を通知する。DRBリリース情報に、通信対象となるUEの識別子、どのU-plane確立eNBのDRBリリースか識別するための情報、例えばU-plane確立eNB(セル)の識別子を通知すると良い。また、このメッセージに、U-planeリリース要求である旨の情報を含ませておいても良い。
UEに対してDRBリリース情報などを通知する具体例を2つ開示する。
(1)C-plane確立eNBを介して通知する。
(2)MMEおよびC-plane確立eNBを介して通知する。
(1)のC-plane確立eNBを介して通知する方法について開示する。DRB/S1 bearerのリリース処理を行うU-plane確立eNBは、C-plane確立eNBにDRBリリース情報などを通知する。この通知に、新たなインタフェースを設けても良いし、X2インタフェースを用いても良い。通知用に新たなメッセージを設けても良い。
C-plane確立eNB(セル)は、通信対象のUEに対して、DRBのリリースを行うU-plane確立eNBのDRBリリース情報などを通知する。
通信対象となるUEに対して、削除するU-plane確立eNBのDRBリリース情報と各U-plane確立eNBの各々のDRB設定情報を各U-plane確立eNBに対応させた一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeに含めても良い。C-plane確立eNBは該一覧表をUEに対して通知しても良い。
この通知方法は、UEに対してDRB設定情報などを通知する方法を適用すると良い。DRBリリース情報、U-planeリリース要求である旨の情報を含めると良い。
(1)の方法は、MMEを介さないのでシステムとしてのシグナリング量を削減することができる。
(2)のMMEおよびC-plane確立eNBを介して通知する方法について開示する。
DRB/S1 bearerのリリース処理を行うU-plane確立eNBは、MMEにDRBリリース情報などを通知する。この通知にS1インタフェースを用いると良い。
MMEはC-plane確立eNBにDRBリリース情報などを通知する。DRBをリリースするU-plane確立eNBとDRBリリース情報および、各U-plane確立eNBと各々のDRB設定を含めて一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeに含めても良い。この通知にS1インタフェースを用いると良い。S1インタフェースを用いた通知用に新たなメッセージを設けても良い。
C-plane確立eNB(セル)はMMEから受信したDRBリリース情報などを通信対象となるUEに通知する。各U-plane確立eNBと各々のDRB設定を含めて一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeに含めても良い。C-plane確立eNB(セル)は該一覧表をUEに通知しても良い。
この通知方法に関しては(1)の方法を適用できる。
(2)の方法はC-plane確立eNBとU-plane確立eNB間にインタフェースが無い場合でもUEに対してDRBリリース情報を通知することを可能とする。
こうすることで、通信対象となるUEは、削除するU-plane確立eNB間で確立されているDRB/S1 bearerのリリースを認識することができる。
DRBリリース情報などを受信したUEは、DRBのリリースを行うU-plane確立eNB(セル)とのDRB設定リリース処理を行い、該U-plane確立eNB(セル)との接続終了処理を行う。
接続終了処理として、例えば、該U-plane確立eNBとの同期処理や、該U-plane確立eNBからのスケジューリング用のPDCCHあるいはePDCCHのモニタなどを終了するようにする。
該U-plane確立eNBとのDRBリリース処理および接続終了を行ったUEは、該U-plane確立eNBに対して接続終了メッセージを通知しても良い。該メッセージに、通信対象となるUEの、MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)を含めると良い。あるいは、MMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)でも良い。また、自U-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。MMEが識別可能なUE識別子として、MME内で用いられるUE識別子とすると良い。あるいは、該UEのC-plane確立eNB(セル)の識別子とC-plane確立eNB(セル)内で用いられるUE識別子としても良い。
通知方法の具体例を以下3つ開示する。
(1)C-plane確立eNBおよびMMEを経由して削除する各U-plane確立eNBに通知
(2)C-plane確立eNB経由して削除する各U-plane確立eNBに通知
(3)削除する各U-plane確立eNBへ直接通知
これらの方法については、上述した接続完了メッセージを各U-plane確立eNBに通知する方法を適用すると良い。
接続終了メッセージを受信した各U-plane確立eNBは、通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerのリリース処理を行う。
DRB/S1 bearerのリリース処理を行ったU-plane確立eNBは、MMEに対してリリース完了の通知をしても良い。UEとU-plane確立eNB間で確立されているDRBのリリースが完了した旨を通知しても良い。該通知に、S1のUE context release completeメッセージを用いても良い。
MMEは、S-GWに対して、削除するU-plane確立eNBに対してS1 bearerのリリースを要求する。この要求を通知するために、S11インタフェースを用いても良い。例えば、modify bearer requestメッセージを用いると良い。該要求メッセージに、通信対象となるUEの識別子、削除するU-plane確立eNBの識別子、削除するU-plane確立eNBのE-RAB設定情報を含めると良い。各U-plane確立eNBと各U-plane確立eNBのE-RAB設定の対応の一覧表であるE-RAB list_U-planeを用いても良い。また、各U-plane確立eNBの識別子として、各U-plane確立eNB に設定されたIPアドレスを用いても良い。
S-GWは、通知された削除U-plane確立eNBの通信対象となるUEとの間で確立されているS1 bearerをリリースする。
S1 bearerのリリースを行ったS-GWは、MMEにS1 bearerのリリース完了メッセージを通知する。この通知に、この通知にはS11インタフェースを用いると良い。S11のModify bearer responseメッセージを用いると良い。
これにより、削除するU-plane確立eNBを用いてS-GWと通信対象となるUE間に確立されているDRB/S1 bearerがリリースされる。
データ伝送方法については、削除されたeNBを除いて、対象となるUEとの間でDRB/S1 bearerが確立されている複数のU-plane確立eNBを用いて、実施の形態1で開示したデータ伝送方法を適用すれば良い。
図31は、実施の形態2に係るU-plane確立eNBを削除する場合のシーケンス例を示す図である。図31に示すシーケンスは、図30に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3008でC-eNBから通信品質報告メッセージを受信したMMEは、ST3101で、確立されているU-plane確立eNBのうち、一つまたは複数のU-plane確立eNBの削除を決定する。他のU-plane確立eNBの選択とあわせて行っても良い。
ST3101で削除するU-plane確立eNBを決定したMMEは、ST3010で、削除するU-plane確立eNBを除いたU-plane確立eNBの各E-RAB設定を行う。この際、新たに選択したU-plane確立eNBを含めても良い。ここでは、削除するU-plane確立eNBとしてU-eNBとし、削除するU-plane確立eNBを除いたU-plane確立eNB としてC-eNBとする。
U-plane確立eNBの各E-RAB設定を行ったMMEは、図30で説明したのと同様に、ST3011でC-eNBにE-RAB修正要求メッセージを通知する。また、該要求メッセージを受信したC-eNBは、通信対象となるUEに対するDRBの再設定を行う。
一方、ST3101で削除するU-plane確立eNBを決定したMMEは、ST3102で削除するU-plane確立eNBにE-RABリリース指示を通知する。
ST3102でE-RABリリース指示を受信したU-eNBは、ST3103でDRB/S1 bearerのリリース処理を行う。無線区間に関してはDRBのリリース処理を行う。
ST3103でDRB/S1 bearerのリリース処理を行ったU-eNBは、ST3104で、C-eNBに対して、DRB設定のリリース情報を通知する。メッセージとして新たにU-plane接続再設定メッセージを設けて通知する。
ST3104でU-eNBからDRBリリース情報を受信したC-eNBは、ST3105でUEに対してDRB設定情報を通知する。
C-eNBがDRBの再設定を行っている場合、DRB設定情報を含めて通知しても良い。削除するU-plane確立eNB(セル)のDRBリリース情報、設定/修正するU-plane確立eNB(セル)のDRB設定情報、各U-plane確立eNB(セル)の識別子、各U-plane確立eNB(セル)のシステム情報を対応づけて通知すると良い。ここでは通知に、RRC connection reconfigurationメッセージを用いる。
ST3105でRRC connection reconfigurationメッセージを受信したUEは、該メッセージの中にU-planeリリース要求である旨の情報が含まれている場合、メッセージ内にある削除するU-plane確立eNBのDRBリリース情報を用いて該U-plane確立eNBのDRB設定をリリースする。
ST3106でUEは削除するU-plane確立eNBとの接続終了処理を行う。
削除するU-plane確立eNBとの接続終了処理を完了したUEは、ST3107で接続終了処理完了メッセージをC-plane確立eNBに対して通知する。ここでは該メッセージとして、RRC connection reconfiguration completeメッセージを用いる。
なお、このメッセージに、設定/修正するU-plane確立eNB(セル)のDRB設定完了情報を含めても良い。ここでは、C-eNBに対する修正されたDRBの設定が完了した旨の情報を含めても良い。
ST3107で、接続終了処理完了メッセージを受信したC-eNBは、UEがU-plane確立eNBとの接続終了処理を完了させたことを認識する。また、UEが自eNB(セル)のDRB修正処理を行ったことを認識する。
UEがU-plane確立eNBとの接続終了処理を完了させたことを認識したC-eNBは、ST3108で、U-eNBに対して接続終了処理完了メッセージを通知する。このメッセージに、通信対象となるUEの識別子と、自eNB(セル)の識別子を含めると良い。この通知にはX2インタフェースあるいは新たに設けられたインタフェースを用い、メッセージとして新たにU-plane connection reconfiguration completeを設けて通知する。
UEが自eNB(セル)のDRB修正処理を行ったことを認識したC-eNBは、ST3116で、MMEに対してE-RAB修正完了メッセージを通知する。
ST3108で、U-plane接続終了処理完了メッセージを受信したU-eNBは、DRB/S1 bearerのリリース処理を行い、ST3109で、MMEに対してE-RABリリース完了メッセージを通知する。この通知にUE context release completeメッセージを用いてもよい。
ST3116、ST3109でC-eNBを含めたU-plane確立eNBから、E-RAB修正完了メッセージあるいはE-RABリリース完了メッセージを受信したMMEは、各U-plane確立eNBのE-RABリリースおよびE-RAB修正が完了したことを認識可能となる。
各U-plane確立eNBのE-RABリリースが完了したことを認識したMMEは、ST3110で、S-GWに対してS1 bearerのリリースを要求するメッセージを通知する。ここでは、modify bearer requestメッセージを用いる。
S1 bearerのリリースを要求するメッセージを受信したS-GWは、ST3111で、該メッセージに含まれる情報を用いて、削除するU-plane確立eNBとの間のS1 bearerのリリースを行う。
S1 bearerのリリースを行ったS-GWは、ST3112で、MMEにS1 bearerのリリース完了メッセージを通知する。ここでは、modify bearer responseメッセージを用いる。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間にDRBがリリースされ、U-plane確立eNBとS-GW間のS1 bearerがリリースされる。これにより、通信対象となるUEに対するU-plane確立eNBの削除処理が完了する。
以上より、通信対象となるUEのためのU-planeの接続は、UEとC-eNB間の無線ベアラ1(3003)、C-eNBとS-GW間のS1 bearer1(3004)で行われる。ST3005、ST3006で、該ベアラで、UEとS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
通信対象となるUEとの間でU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法について、他の方法を開示する。上述の指標(7)を用いた場合について開示する。
U-planeのみ確立しているeNBが通信対象となるUEとの無線区間(Uu)におけるデータ伝送が長期間なく、タイムアウトを検出した場合において、通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerのリリースを行う。
図32は、実施の形態2に係るU-plane確立eNBを削除する場合の他のシーケンス例を示す図である。図32に示すシーケンスは、図30、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
U-planeを確立しているeNBは、ST3202で、通信対象となるUEとの無線区間(Uu)におけるデータ伝送をモニタする。データ伝送が長期間なく、データタイムアウト(データモニタtimer 満了)を検出した場合において、通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerのリリースを行う。
通信対象となるUEとの無線区間のデータ伝送をモニタし、データタイムアウトを検出したU-plane確立eNBは、ST3203で、MMEに対して、自eNBが通信対象となるUEに対して確立しているE-RABリリースの要求メッセージを通知する。該通知にはS1シグナリングを用いると良い。該要求メッセージに、理由としてデータモニタのタイマが満了した旨、データタイムアウトを検出したUEの識別子、自eNBの識別子を含めると良い。
ST3203で、E-RABリリース要求メッセージを受信したMMEは、通知してきたU-plane確立eNBを削除するeNBとして決定する。
ST3010で、MMEは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するE-RABの設定を行う。
またMMEは、削除するeNBに対して、通信対象となるUEとの間に確立されているE-RABのリリース指示を通知する。これ以降の処理は、図31に示すST3113を行うと良い。
図31では、UEはST3105を受信により、削除するU-plane確立eNBとの接続終了処理を行うこととした。こうすることで、U-plane確立eNBとの判断の食い違い誤動作を回避することが可能となる。
これに限らず、他の方法として、UEが、ST3201でデータタイムアウトを検出した場合に、削除するU-plane確立eNBとの接続終了処理を行うようにしても良い。これにより、UEは早期に該U-plane確立eNBとの接続終了処理を行うことが可能となり、不必要なU-plane確立eNBとの通信維持処理、例えば、同期処理や、スケジューリング用のPDCCHあるいはePDCCHのモニタなど、を行なうことが無くなり、UEの低消費電力化が可能となる。
通信対象となるUEとの間でU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法について、他の方法を開示する。
UEが各U-plane確立eNB(セル)との無線通信区間のモニタ(RLM:Radio Link Monitor)を行う。
UEは、各U-plane確立セルのRSを受信して、該RSの受信結果を用いて無線通信区間の受信品質劣化を判断する。RSの具体例として以下に5つ示す。
(1)トラッキング用RS
(2)復調用RS
(3)CRS
(4)UE-specific RS
(5)(1)から(4)の組合せ
また、RSのかわりに、RS相当の信号を用いても良い。
UEは、無線通信区間の受信品質が、所定の期間、所定の閾値を下回った場合、受信品質劣化と判断する。あるいは、無線通信区間の受信品質が、所定の期間、所定の閾値を下回った場合、再度該U-plane確立eNB(セル)に対して接続しなおすと良い。該U-plane確立eNB(セル)の検出、同期、PRACH送信、TAの受信を行う。再接続試行回数に最大値を設けておき、該最大値の再接続を行っても接続できなかった場合、受信品質劣化と判断しても良い。
受信品質劣化と判断したUEは、無線通信区間の受信品質が劣化したことをC-plane確立eNBに通知する。該通知に、どのU-plane確立eNBの無線通信区間の受信品質が劣化したかがわかるように、U-plane確立eNBの識別子を含めると良い。
該劣化情報をUEから受信したC-plane確立eNB(セル)は、受信品質が劣化したU-plane確立eNBとのRadio Linkの切断要求メッセージを、MMEに通知する。該Radio Linkの切断要求メッセージとして、前述のE-RABリリースの要求メッセージとしても良い。該通知にはS1シグナリングを用いると良い。該要求メッセージに、受信品質が劣化したU-plane確立eNB、通信対象となるUEの識別子を含めると良い。
該要求メッセージを受信したMMEは、通知してきたU-plane確立eNBを削除するeNBとして選択する。
MMEは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するE-RABの設定を行う。MMEは、該各U-plane確立eNBに対してE-RAB設定を通知する。またMMEは、削除するeNBに対して、通信対象となるUEとの間に確立されているE-RABのリリース指示を通知する。これ以降の処理は前述に開示した方法を適用すれば良い。
なお、UEは、RLMを行い、無線通信区間の受信品質が劣化したと判断した時点で、該受信品質が劣化したU-plane確立eNBとの通信を終了するようにしても良い。例えば、該U-plane確立eNBとの同期処理や、該U-plane確立eNBからのスケジューリング用のPDCCHあるいはePDCCHのモニタなどを終了するようにする。
U-planeのみ確立eNBを削除する場合など、UEと該U-plane確立eNB間の接続終了処理と、S-GW間でのS1 bearerのパスの切替えとのタイミングがずれることがある。
例えば、図31に示した、U-planeのみ確立eNBを削除するシーケンス例において、ST3106でUEはU-eNBとの接続終了処理を行う。UEは、このタイミングからU-eNBからの下りユーザデータを受信不可能となる。しかし、このタイミングでは、ST3111のS-GWでのS1 bearerパスの削除/修正処理が行われていない。つまり、もとのパスであるU-eNBの方にユーザデータは送信される。従って、UEのU-eNBとの接続終了処理から、S-GWでのS1 bearerパスの削除/修正処理までの間でU-eNBに送信された下りユーザデータの取扱いが不明となってしまう。
ここでは、この課題を解消する方法を以下2つ開示する。
(1)廃棄する。
(2)U-plane確立eNB間で、ユーザデータの転送を行う。
(1)は、S-GWから削除するU-plane確立eNBに送信されたユーザデータを廃棄する。この処理のための制御を特に行わないので、制御遅延が無く、S1 bearerパスの切替え制御を早くすることが可能となる。
(2)は、S-GWから削除するU-plane確立eNBに送信されたユーザデータを、削除しないU-plane確立eNBに、転送する。該U-plane確立eNB間で転送用の設定を行うと良い。C-plane確立eNBを経由して転送用の設定を行っても良い。これにより、ユーザデータの転送が可能となり、ユーザデータのロス無く、S1 bearerパスの切替え制御を早くすることが可能となる。
図33は、実施の形態2に係るU-plane確立eNB間でデータ転送を行う場合のシーケンス例を示す図である。U-eNBからC-eNB間でデータ転送を行う。図33に示すシーケンスは、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3103でDRBのリリース設定を行ったU−eNBは、ST3301で受信したS−GWからの下りユーザデータを、ST3302でバッファする。
また、ST3103でDRBのリリース設定を行ったU−eNBは、ST3303で、C-eNBとの間で、ユーザデータの転送用の設定を行う。
ここで、C-eNBがU-planeの接続を確立していない場合がある。削除するU-plane確立eNBは、削除されないU-plane確立eNBとの間でユーザデータの転送用の設定を行うようにすれば良い。U-planeの接続を確立しているeNBの識別子は、MMEから通知されると良い。例えば、各U-plane確立eNBと各U-plane確立eNBのE-RAB設定の対応の一覧表を設け、MMEは該一覧表を削除するU-plane確立eNBに対して通知しても良い。削除するU-plane確立eNBも、他のU-plane確立eNBのE-RAB設定を認識することが可能となる。
ST3303でU-eNBとC-eNBとの間でユーザデータの転送の設定が行われた後に、ST3304でU-eNBからC-eNBにS-GWからのユーザデータを転送すれば良い。ユーザデータを受信したC-eNBは自eNB(セル)のU-plane接続ベアラにより、UEに対して該ユーザデータを送信する。
ST3304の処理は、ST3108の後に行われても良い。U-eNBがUEでの接続終了処理完了を認識した後にユーザデータの転送を行う。これにより、まだ接続終了していないのにユーザデータを転送してしまう動作が生じるのを回避できる。
また、S-GWから受信したユーザデータを全て転送したら、ユーザデータの転送を終了するとしても良い。C-eNBとの間の転送設定を解除しても良い。
こうすることで、UEと該U-plane確立eNB間の接続終了処理と、S-GW間でのS1 bearerのパスの切替えとのタイミングがずれることがあったとしても、下りユーザデータを確実に処理することができ、システムとしての誤動作を無くすことができる。
U-plane確立セル(eNB)が一つの場合に、U-plane確立セル(eNB)を変更する際、なんら工夫をしないと、通信対象となるUEに対するU-plane接続が切断される場合が生じる。たとえば、元のU-plane確立セル(eNB)の削除処理を行ってから新たなU-plane確立セル(eNB)の設定処理を行った場合である。U-plane接続が切断されると、ユーザデータの通信が停止してしまい、ユーザにとって不便となる。このような問題を解消するため、上述のユーザデータの転送方法を適用しても良い。元のU-plane確立eNBでユーザデータをバッファしておき、新たなU-plane接続用のeNBが確立された後に、元のU-plane確立eNBと新たなU-plane確立eNB間でユーザデータの転送設定を行う。そして、元のU-plane確立eNBから新たなU-plane確立eNBにユーザデータの転送を行うようにすればよい。こうすることで、ユーザデータの通信が停止することを回避できる。また、UEが一つのU-plane確立eNBと接続する能力しか有さない場合に、この方法は有効である。
UEが複数のU-plane確立セル(eNB)と接続する能力を有する場合、他の方法として、通信対象となるUEに対して、新たなU-plane接続用のeNB(セル)を確立した後、元のU-plane確立セル(eNB)の削除処理を行うようにしても良い。これにより、通信対象であるUEは、複数のU-plane確立eNB(セル)と接続することになるが、U-planeの接続を切断することがなくなり、ユーザデータの通信が停止することを回避できる。
この方法において、U-planeの接続を一旦C-plane確立eNB(セル)を用いて経由させても良い。通信対象となるUEに対して、U-planeの接続を一旦C-plane確立eNB(セル)を用いて確立し、元のU-plane確立eNB(セル)の削除処理を行った後に、新たなU-plane確立eNB(セル)の設定処理を行う。該処理が完了した後に、C-plane確立セル(eNB)におけるU-planeの接続を終了させても良い。同等の効果を得られる。また、C-plane確立セルを経由することで、新たなU-plane確立eNB(セル)の選択が不要となり、低遅延でU-planeの接続をC-plane確立eNB(セル)に変更することが可能となる。従って、新たなU-plane確立セルの選択に時間がかかるような場合に、通信が劣化して停止するようなことを低減でき、有効である。
本実施の形態で開示した方法とすることで、通信対象となるUEに対して、複数のeNBを用いてパケットデータの通信を行なえるため、UEの通信容量を増大することが可能となる。
また、小セル化した場合にも複数のeNBを用いることが可能となり、周波数利用効率を高めることができ、システムとして通信容量を増大することが可能となる。
また、複数のRRC connectionの確立のための制御処理が不要となり、制御処理を容易にすることができ、シグナリング量、制御遅延量を低減できる。
また、U-plane確立eNBのRRC機能は限定可能なため、たとえば、U-plane確立専用のeNBを構成する場合、従来のeNBに比べて簡易に構成することが可能となる。
また、UEのモビリティ制御については、複数のRRC connectionの確立のための制御処理不要のため、C-plane確立eNB(セル)のカバレッジ内であれば、U-plane確立eNBのみの変更(確立/修正/削除)で良いため、制御処理の低遅延、高速化が図れる。例えば、C-plane確立eNB(セル)をカバレッジセル、U-plane確立eNB(セル)をキャパシティセルとした場合など、キャパシティセル間でHO制御を行わなくて済み、U-plane確立eNBのみの変更(確立/修正/削除)で良い。
実施の形態2 変形例1.
従来の方法では、通信対象となるUEに対する制御情報は、MMEと該UEとRRC接続を行った一つのC-plane確立eNB間とで送受信が行われる。しかし、実施の形態2で開示した方法の場合、通信対象となるUEに対する制御情報は、MMEと各U-plane確立eNB間で直接、送受信が行われることとなる。従って、MMEにおける通信対象となるUEに対する制御処理は、従来に比べ複雑になる。
そこで、実施の形態2変形例1では、シグナリングをC-plane確立eNBを経由して行う方法を開示する。
1つの通信に対し、一つのeNB(セル)を用いてC-planeの接続を確立し、複数のeNB(セル)を用いてU-planeの接続を確立する。MMEとU-plane確立eNB間のシグナリングは、C-plane確立eNBを経由して行う。
MMEとU-plane確立eNB間のシグナリングをC-plane確立eNBを経由して行うため、MMEは通信対象となるUEのC-plane確立eNBに対して、該通信対象となるUEの各U-plane確立eNBへのシグナリング転送要求を通知する。シグナリング転送要求メッセージに、通信対象となるUEの識別子(UE-ID)を含めると良い。また、転送先となる各U-plane確立eNB(セル)を特定するための転送先各U-plane確立eNB(セル)の識別子あるいはアドレスを含めると良い。
該シグナリング転送要求を受信したC-plane確立eNBは、通信対象となるUEに対するシグナリングに対して転送処理を行い、MMEからのシグナリングを各U-plane確立eNBに、各U-plane確立eNBからのシグナリングをMMEに転送する。
シグナリング転送要求は、MMEが各U-plane確立eNBのE-RAB設定を各U-plane確立eNBに通知する前に通知しておくと良い。あるいは、MMEが各U-plane確立eNBのE-RAB設定を各U-plane確立eNBに通知するのとともに通知しても良い。MMEが各U-plane確立eNBのE-RAB設定を各U-plane確立eNBに通知するシグナリングに含めて通知しても良い。
本変形例で開示した方法により、通信対象となるUEに対するMMEとU-plane確立eNB間のシグナリングは、C-plane確立eNBを経由して行うことが可能となる。
図34は、実施の形態2変形例1に係るアーキテクチャを示す図である。図34に示すアーキテクチャは、図28に示すアーキテクチャと類似しているので、同一のエレメントについては同一の番号を付して、共通する説明を省略する。
図では、U-plane確立専用のeNBを構成した場合のアーキテクチャを示す。また、このアーキテクチャは、本変形例の通信対象となるUEについてのみ示したアーキテクチャとしても良い。
3401はC-eNBとU-eNBに確立される、S1インタフェースである。C-eNB2804は、通信対象となるUE2806に対するシグナリングに対して、MME2803からのシグナリングを各U-plane確立eNB2805に、各U-plane確立eNB2805からのシグナリングをMME2803に転送する機能を有する。
また、U-plane確立専用のeNBを構成した場合のアーキテクチャのため、図28で示した、MME2803とU-eNB2805間を直接接続するインタフェース2815を無くすことが可能となる。これは、本変形例ではMMEとU-plane確立eNB間のシグナリングをC-plane確立eNBを経由して行うようにしたためである。
なお、U-plane確立専用のeNBを構成した場合で無く、U-eNBとC-plane接続を有するUEが存在する場合は、MME-U-eNB間を直接接続するインタフェース2815を設けると良い。
なお、ここでいう、UE(2806)は移動局に、C−eNB(2804)は第1基地局に、U−eNB(2805)は第2基地局に、MME(2803)およびS−GW(2802)は関門局に、それぞれ相当する。また、Cプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRRC Connectionは第1無線通信接続に相当する。同じくCプレーン信号に関して言えば、MME(2803)とC−eNB(2804)との間のS1-MME signaling接続(2809)は第1通信接続に相当する。また、Uプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRadio Bearerは第1無線通信接続に、UE(2806)とU−eNB(2805)との間のRadio Bearerは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくUプレーン信号に関して言えば、S−GW(2802)とC−eNB(2804)との間のS1 bearer(2814)は第1通信接続に、S−GW(2802)とU−eNB(2805)との間のS1 bearer(2813)は第2通信接続に、それぞれ相当する。
このように、関門局と第1基地局との間に第1通信接続を、前記関門局と前記第2基地局との間に第2通信接続を、第1基地局と移動局との間に第1無線通信接続を、第2基地局と移動局との間に第2無線通信接続を、それぞれ確立することによって、移動局と関門局との間で一つの通信を実行するので、通信接続・無線通信接続の追加・削除によってセル移行を実現することができる。
Uプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第2通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。Cプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第1通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。
各U-plane確立eNB2805でS1インタフェース(S1-MME)2809、3401を終端し、C-plane確立eNB2804がMME2803と各U-plane確立eNB2805間のS1プロキシ機能を与える、としても良い。S1プロキシ機能は、通信対象となるUE2806のS1シグナリングメッセージを転送する。このS1プロキシ機能によって、MME2803は、C-plane確立eNB2804が各U-plane確立eNB2805に見え、各U-plane確立eNB2805はC-plane確立eNB2804がMME2803に見えるようになる。
図35は、実施の形態2変形例1に係るシーケンス例を示す図である。図35に示すシーケンスは、図30に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
U-plane確立eNBを選択したMMEは、ST3010で各U-plane確立eNBに確立するE-RABの設定を行う。
MMEは、ST3501で、C-plane確立eNB(C-eNB)に対して、S1シグナリングの転送設定要求を行う。ここでは、S1-MMEプロキシ設定要求とする。該要求通知を受信したC-eNBは、ST3502で、転送先のU-plane確立eNBとMME間の、通信対象となるUEに対するS1シグナリングの転送処理のための設定を行う。これにより、U-eNBとMME間のS1メッセージはC-eNBを介して転送される。
ST3502で転送処理のための設定を行ったC-eNBは、MMEに対して転送処理設定完了のメッセージを通知しても良い。MMEは、明示的に確認ができ、誤動作を削減できる。ここでは、該メッセージが無い場合について示す。MMEは、ST3011でE-RAB修正要求メッセージを通知する。また、ST3503で、U-plane確立eNBに対する、該U-plane確立eNBのE-RAB設定要求メッセージをC-eNBに通知する。該要求メッセージに、転送先U-plane確立eNBの識別子あるいはアドレスを付加あるいは含めておいても良い。該要求メッセージにS1メッセージを用いるとする。該要求メッセージを受信したC-eNBは、ST3502の転送設定および転送先U-plane確立eNBの識別子あるいはアドレスを用いて、ST3504で、該要求メッセージを、U-plane確立eNB(U-eNB)に転送する。これにより、U-plane確立eNB(U-eNB)は、MMEからE-RAB設定を受信可能となる。
この後、各ノードでST3035の処理を行う。C-eNBから、ST3022で、U-plane接続処理完了通知を受信したU-eNBは、E-RAB設定処理を行い、ST3505、ST3506で、C-eNBを介してMMEに対してE-RAB設定完了メッセージを通知する。S1メッセージを用いるとする。C-eNBは、該UEに対するメッセージ対して転送設定処理がなされているので、ST3505でU-eNBから受信したメッセージをST3506でMMEへ転送する。
この後、ST3024からST3026、および、ST3036の処理を行う。
以上の処理により、UEとS-GW間で複数のeNB(C-eNB、U-eNB)を用いてDRB/S1 bearerが確立され、ユーザデータの送受信が可能となる。
本変形例で開示した方法とすることで、通信対象となるUEに対する制御情報が、MMEと各U-plane確立eNB間で直接送受信が行われることをなくすことができる。従って、MMEにおける通信対象となるUEに対する制御処理が複雑になること抑制することができる。
また、U-plane確立専用のeNBを構成した場合、MMEと該U-plane確立eNB間のシグナリングは全てC-plane確立eNBを介して行うことができるため、MMEと該U-plane確立eNB間のIFを無くすことができる。従って、システム構成が簡易にすることができる。例えば、マクロeNBと、該マクロeNBに直接接続されるU-plane確立専用ノードを構成する際に適用すると良い。
実施の形態2 変形例2.
従来の方法では、通信対象となるUEに対するパケットデータは、S-GWと該UEとRRC接続を行った一つのC-plane確立eNB間とで送受信が行われる。しかし、実施の形態2あるいは実施の形態2変形例1で開示した方法の場合、通信対象となるUEに対するパケットデータの通信は、S-GWと各U-plane確立eNB間で直接行われることとなる。従って、S-GWにおける通信対象となるUEに対する制御処理は、従来に比べ複雑になる。
そこで、実施の形態2変形例2では、パケットデータの通信をC-plane確立eNBを経由して行う方法を開示する。
1つの通信に対し、一つのeNB(セル)を用いてC-planeの接続を確立し、複数のeNB(セル)を用いてU-planeの接続を確立する。S-GWと各U-plane確立eNB間のデータ通信は、C-plane確立eNBを経由して行う。
S-GWとU-plane確立eNB間のパケットデータ通信をC-plane確立eNBを経由して行うため、MMEは、通信対象となるUEのC-plane確立eNBに対して、該通信対象となるUEの各U-plane確立eNBへのパケットデータ転送要求を通知する。
パケットデータ転送要求メッセージに、通信対象となるUEの識別子(UE-ID)を含めると良い。また、転送先となる各U-plane確立eNB(セル)を特定するための転送先各U-plane確立eNB(セル)の識別子あるいはアドレスを含めると良い。
該パケットデータ転送要求を受信したC-plane確立eNBは、通信対象となるUEに対するパケットデータに対して、S-GWからのパケットデータを各U-plane確立eNBに、各U-plane確立eNBからのパケットデータをS-GWに転送する。
パケットデータ転送要求は、MMEが各U-plane確立eNBのE-RAB設定を各U-plane確立eNBに通知する前に通知しておくと良い。あるいは、MMEが各U-plane確立eNBのE-RAB設定を各U-plane確立eNBに通知するのとともに通知しても良い。MMEが各U-plane確立eNBのE-RAB設定を各U-plane確立eNBに通知するシグナリングに含めて通知しても良い。
また、MMEはS-GWに対して、通信対象となるUEに対するパケットデータ通信を、C-plane確立eNBを経由して各U-plane確立eNBと行うよう要求する。MMEはS-GWに対して、C-plane確立eNBを経由して各U-plane確立eNBとS1 bearerを設定するよう要求する。
該C-plane確立eNB経由要求を受信したS-GWは、通信対象となるUEに対するパケットデータに対して、S-GWからのパケットデータをC-plane確立eNBを経由して各U-plane確立eNBに送信し、各U-plane確立eNBからのパケットデータをC-plane確立eNBを経由して受信する。
本変形例で開示した方法により、通信対象となるUEに対するS-GWとU-plane確立eNB間のパケットデータの通信は、C-plane確立eNBを経由して行うことが可能となる。
図36は、実施の形態2変形例2に係るアーキテクチャを示す図である。図36に示すアーキテクチャは、図28に示すアーキテクチャと類似しているので、同一のエレメントについては同一の番号を付して、共通する説明を省略する。
図では、U-plane確立専用のeNBを構成した場合のアーキテクチャを示す。また、このアーキテクチャは、本変形例の通信対象となるUEについてのみ示したアーキテクチャとしても良い。
3601はC-eNBとU-eNBに確立される、S1インタフェースである。
C-eNB2812は、通信対象となるUE2806に対するパケットデータに対して、S-GW2802からのパケットデータを各U-plane確立eNB2805に、各U-plane確立eNB2805からのパケットデータをS-GW2802に転送する機能を有する。
また、U-plane確立専用のeNBを構成した場合のアーキテクチャのため、図28で示した、S-GW2802とU-eNB2805間を直接接続するインタフェース2813を無くすことが可能となる。これは、本変形例ではS-GWとU-plane確立eNB間のパケットデータ通信をC-plane確立eNBを経由して行うようにしたためである。
なお、U-plane確立専用のeNBを構成した場合で無く、U-eNBとC-plane接続を有するUEが存在する場合は、S-GW-U-eNB間を直接接続するインタフェース2813を設けると良い。
なお、ここでいう、UE(2806)は移動局に、C−eNB(2804)は第1基地局に、U−eNB(2805)は第2基地局に、MME(2803)およびS−GW(2802)は関門局に、それぞれ相当する。また、Cプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRRC Connectionは第1無線通信接続に相当する。同じくCプレーン信号に関して言えば、MME(2803)とC−eNB(2804)との間のS1-MME signaling接続(2809)は第1通信接続に、MME(2803)とU−eNB(2805)との間のS1-MME signaling接続(2815)は第2通信接続に相当する。また、Uプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRadio Bearerは第1無線通信接続に、UE(2806)とU−eNB(2805)との間のRadio Bearerは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくUプレーン信号に関して言えば、S−GW(2802)とC−eNB(2804)との間のS1 bearer(2814)は第1通信接続に相当する。
このように、関門局と第1基地局との間に第1通信接続を、前記関門局と前記第2基地局との間に第2通信接続を、第1基地局と移動局との間に第1無線通信接続を、第2基地局と移動局との間に第2無線通信接続を、それぞれ確立することによって、移動局と関門局との間で一つの通信を実行するので、通信接続・無線通信接続の追加・削除によってセル移行を実現することができる。
Uプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第1通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。Cプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第2通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。
各U-plane確立eNB2805でS1インタフェース(S1-U)2814、3601を終端し、C-plane確立eNB2804がS-GW2802と各U-plane確立eNB2805間のS1プロキシ機能を与える、としても良い。S1プロキシ機能は、通信対象となるUE2806のパケットデータを転送する。このS1プロキシ機能によって、S-GW2802は、C-plane確立eNB2804が各U-plane確立eNB2805に見え、各U-plane確立eNB2805はC-plane確立eNB2804がS-GW2802に見えるようになる。
図37は、実施の形態2変形例2に係るシーケンス例を示す図である。図37に示すシーケンスは、図30、図35に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
U-plane確立eNBを選択したMMEは、ST3010で各U-plane確立eNBに確立するE-RABの設定を行う。
MMEは、ST3701で、C-plane確立eNB(C-eNB)に対して、ユーザデータの転送要求を行う。ここでは、S1-Uプロキシ設定要求とする。また、ここでは、ユーザデータの要求と共に、S1シグナリングの転送設定要求を行う。該要求通知に、通信対象となるUEの識別子と、転送先のU-plane確立eNB(U-eNB)の識別子を含めると良い。
該要求通知を受信したC-eNBは、ST3502で、転送先のU-plane確立eNBとMME間の、通信対象となるUEに対するS1シグナリングの転送処理のための設定を行う。これにより、U-eNBとMME間のS1メッセージはC-eNBを介して転送される。
また、ST3702で、転送先のU-plane確立eNBとS-GW間の、通信対象となるUEに対するユーザデータの転送処理のための設定を行う。これにより、U-eNBとS-GW間のS1ユーザデータがC-eNBを介して転送される。
ST3502、ST3702でS1シグナリングとS1ユーザデータの転送処理のための設定を行ったC-eNBは、MMEに対して転送処理設定完了のメッセージを通知しても良い。MMEは、明示的に確認ができ、誤動作を削減できる。ここでは、図35と同様に該メッセージが無い場合について示している。
この後、各ノードで、ST3011からST3506の処理を行う。これらの処理に関しては図30、図35に示してあるので説明を省略する。
各U-plane確立eNBのE-RAB設定が完了したことを認識したMMEは、ST3703で、S-GWに対して、S1 bearerの設定あるいは修正を要求するメッセージを通知する。この際、S1 bearerのパスを、C-plane確立eNBを介して設定するよう要求する。このメッセージに、通信対象となるUEの識別子、各U-plnae確立eNBの識別子、各U-plane確立eNBのE-RAB設定情報のほか、転送を行うC-plane確立eNBの識別子を含めると良い。この通知にはS11インタフェースを用いると良い。S11のModify bearer requestメッセージを用いても良い。
C-plane確立eNBを介して、S1 bearerの設定あるいは修正を要求するメッセージを受信したS-GWは、ST3704で、該メッセージに含まれる情報に従って、C-plane確立eNBを介した各U-plane確立eNBとの間のS1 bearerの設定あるいは修正を行う。
S1 bearerの設定あるいは修正を行ったS-GWは、ST3705で、MMEにS1 bearerの設定あるいは修正の完了メッセージを通知する。この通知にはS11インタフェースを用いると良い。S11のModify bearer responseメッセージを用いても良い。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間にDRB3027が確立され、C-eNBを介してU-plane確立eNBとS-GW間にS1 bearer3706が確立される。これにより、UEとU-eNB間、U-eNBとS-GW間でデータ通信が可能となる。
その後、UEとU-plane確立eNBにおいて、ST3029、ST3030、ST3031の各処理が行われる。
ST3707、ST3708で、C-eNBを介して、U-eNBとS-GWとの間でユーザデータの送受信が行われる。この際、C-plane確立eNBsに対して、パケット単位でデータを伝送するとよい。パケットに、C-plane確立eNBが転送する転送先のS-GWあるいはU-plane確立eNBを識別するための情報(識別子あるいはアドレスなど)を付加しても良い。複数の転送先が存在するような場合に各パケットの識別が簡易に行える。
ST3032で、UEあるいはU-eNBとの間でユーザデータの送受信が行われる。
以上の処理により、UEとS-GW間で複数のeNB(C-eNB、U-eNB)を用いてDRB/S1 bearerが確立され、ユーザデータの送受信が可能となる。
本変形例で開示した方法とすることで、通信対象となるUEに対するパケットデータが、S-GWと各U-plane確立eNB間で直接送受信が行われることをなくすことができる。従って、S-GWにおける通信対象となるUEに対するパケットデータの送受信処理が複雑になることを抑制することができる。
また、U-plane確立専用のeNBを構成した場合、S-GWと該U-plane確立eNB間のパケットデータの通信は全てC-plane確立eNBを介して行うことができるため、S-GWと該U-plane確立eNB間のIFを無くすことができる。従って、システム構成を簡易にすることができる。例えば、マクロeNBと、該マクロeNBに直接接続されるU-plane確立専用ノードを構成する際に適用すると良い。
実施の形態2 変形例3.
実施の形態2では、MMEが、通信対象となるUEに対してDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する場合について開示した。本変形例では、別の方法として、C-plane確立eNBが通信対象となるUEに対してDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する。選択する際の指標として、実施の形態2で開示した指標を適用すると良い。
C-plane確立eNBが、通信対象となるUEとDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する際の指標を認識する方法について開示する。
指標としてUEが測定する情報(UEサポーテッド情報とも称する)を用いる場合、該情報をUEからC-plane確立eNBへ通知する。通知方法は実施の形態2で開示した方法を適用すると良い。
指標としてネットワーク側のノードが測定あるいは取得する情報を用いる場合は、各ノードがC-plane確立eNBに該情報を通知する。ネットワーク側のノードがC-plane確立eNBである場合は、通知は不要である。上述の方法と同様に、どのUEの情報か、どのeNBとの間の情報かが認識できるような情報を含めると良い。
該情報を受信したC-plane確立eNBは、通信対象となるUEに対してDRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する。
C-plane確立eNBは、選択したeNB(U-plane確立eNB)を用いてE-RABの確立を要求するメッセージをMMEに対して通知する。該要求メッセージに、通信対象となるUEの、MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)を含めると良い。あるいは、MMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)でも良い。また、自C-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。MMEが識別可能なUE識別子として、MME内で用いられるUE識別子とすると良い。あるいは、該UEのC-plane確立eNB(セル)の識別子とC-plane確立eNB(セル)内で用いられるUE識別子としても良い。該通知にはS1シグナリングを用いると良い。新たなメッセージを設けても良い。
MMEは、E-RAB確立のため、C-plane確立eNBより通知された、通信対象となるUEに対して選択された各U-plane確立eNBにおけるE-RABを設定する。
本変形例におけるアーキテクチャは、実施の形態2で開示した図28のアーキテクチャを適用できる。
図38は、実施の形態2変形例3に係る複数のeNBを用いてDRB/S1 bearerを確立/修正する場合のシーケンス例を示す図である。図38に示すシーケンスは、図30に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3034で、UEとC-eNB間で無線ベアラ1を、C-eNBとS-GW間でS1 bearer1を確立している。
UEは、ST3801でメジャメントリポートをC-plane確立eNBであるC-eNBに対して通知する。これに関しては、実施の形態2で開示した方法を適用できる。
メジャメントリポートを受信したC-eNBは、ST3802で、通信対象となるUEのために、DRB/S1 bearerを確立すべきeNBを選択する。
C-plane確立eNBは、ST3803で、選択したeNB(U-plane確立eNB)を用いたE-RABの確立を要求するメッセージをMMEに対して通知する。本例では、該通知にS1シグナリングを用い、新たなメッセージとして、E-RAB設定要求メッセージを設ける。
MMEは、ST3010で、E-RAB確立のため、C-plane確立eNBより通知された、通信対象となるUEに対して選択された各U-plane確立eNBにおけるE-RABを設定する。
これ以降の処理は、図30のシーケンス例で開示した方法を適用できるので説明を省略する。
以上の処理により、UEとS-GW間で複数のeNB(C-eNB、U-eNB)を用いてDRB/S1 bearerが確立され、ユーザデータの送受信が可能となる。
図39は、実施の形態2変形例3に係るU-plane確立eNBを削除する場合のシーケンス例を示す図である。図39に示すシーケンスは、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3113で、UEとC-eNB間で無線ベアラ1を、C-eNBとS-GW間でS1 bearer1を確立している。また、UEとU-eNB間で無線ベアラ2(DRB)を、U-eNBとS-GW間でS1 bearer2を確立している。
UEは、ST3901でメジャメントリポートをC-plane確立eNBであるC-eNBに対して通知する。これに関しては、実施の形態2で開示した方法を適用できる。
メジャメントリポートを受信したC-eNBは、ST3902で、通信対象となるUEに対する、DRB/S1 bearerをリリースすべきU-plane確立eNBを決定する。決定方法は、実施の形態2で開示した、MMEが削除するU-plane確立eNBを決定する方法を適用できる。
C-plane確立eNBは、ST3903で、削除すると決定したU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対して確立されているE-RABのリリースを要求するメッセージをMMEに対して通知する。本例では、該通知にS1シグナリングを用い、新たなメッセージとして、E-RABリリース要求メッセージを設ける。該要求メッセージに、削除すると決定したU-plane確立eNBの識別子、通信対象となるUEの、MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)あるいはMMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)、自C-plane確立eNB(セル)の識別子を含める。
MMEは、ST3010で、E-RAB確立のため、C-plane確立eNBより通知された、削除するU-plane確立eNBを除いた各U-plane確立eNBにおけるE-RABを設定する。
これ以降の処理は、図31のシーケンス例で開示した方法を適用できるので説明を省略する。
MMEが、削除するU-plane確立eNB(U-eNB)に対してE-RABリリース要求メッセージを通知する。MMEが行うようにすることで、E-RABの設定/修正とリリースを同一ノードが制御することができるため、制御を簡易にすることができる。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間のDRBがリリースされ、U-plane確立eNBとS-GW間のS1 bearerがリリースされる。これにより、通信対象となるUEに対するU-plane確立eNBの削除処理が完了する。
以上より、通信対象となるUEのためのU-planeの接続は、UEとC-eNB間の無線ベアラ1(3003)、C-eNBとS-GW間のS1 bearer1(3004)で行われる。ST3005、ST3006で、該ベアラで、UEとS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
図40は、実施の形態2変形例3に係るU-plane確立eNBを削除する場合の他のシーケンス例を示す図である。図40に示すシーケンスは、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3113で、UEとC-eNB間で無線ベアラ1を、C-eNBとS-GW間でS1 bearer1を確立している。また、UEとU-eNB間で無線ベアラ2(DRB)を、U-eNBとS-GW間でS1 bearer2を確立している。
U-planeを確立しているeNBは、ST4002で、通信対象となるUEとの無線区間(Uu)におけるデータ伝送をモニタする。データ伝送が長期間なく、データタイムアウト(データモニタtimer 満了)を検出した場合において、通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerのリリースを行う。データタイムアウトを検出したU-plane確立eNBは、ST4003で、C-eNBに対して、自eNBが通信対象となるUEに対して確立しているE-RABリリースの要求メッセージを通知する。該通知にはX2シグナリングを用いると良い。該要求メッセージに、データモニタのタイマが満了した旨、データタイムアウトを検出したUEの識別子、自eNBの識別子を含めると良い。
ST4003で、E-RABリリース要求メッセージを受信したC-eNBは、ST4004で、通信対象となるUEに対する、DRB/S1 bearerをリリースすべきU-plane確立eNBを決定する。C-plane確立eNBは、ST4004で、削除すると決定したU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対して確立されているE-RABのリリースを要求するメッセージを、ST4005で、MMEに対して通知する。本例では、該通知にS1シグナリングを用い、新たなメッセージとして、E-RABリリース要求メッセージを設ける。該要求メッセージに、削除すると決定したU-plane確立eNBの識別子、通信対象となるUEの、MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)あるいはMMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)、自C-plane確立eNB(セル)の識別子を含める。
ST4005で、E-RABリリース要求メッセージを受信したMMEは、ST3010で、MMEは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するE-RABの設定を行う。
これ以降の処理は、図31のシーケンス例で開示した方法を適用できるので説明を省略する。
MMEが、削除するU-plane確立eNB(U-eNB)に対してE-RABリリース要求メッセージを通知する。MMEが行うようにすることで、E-RABの設定/修正とリリースを同一ノードが制御することができるため、制御を簡易にすることができる。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間のDRBがリリースされ、U-plane確立eNBとS-GW間のS1 bearerがリリースされる。これにより、通信対象となるUEに対するU-plane確立eNBの削除処理が完了する。
以上より、通信対象となるUEのためのU-planeの接続は、UEとC-eNB間の無線ベアラ1(3003)、C-eNBとS-GW間のS1 bearer1(3004)で行われる。ST3005、ST3006で、該ベアラで、UEとS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
図41は、実施の形態2変形例3に係るU-plane確立eNBを削除する場合の更に他のシーケンス例を示す図である。図41に示すシーケンスは、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3113で、UEとC-eNB間で無線ベアラ1を、C-eNBとS-GW間でS1 bearer1を確立している。また、UEとU-eNB間で無線ベアラ2(DRB)を、U-eNBとS-GW間でS1 bearer2を確立している。
U-planeを確立しているeNBは、ST4102で、通信対象となるUEとの無線区間(Uu)におけるデータ伝送をモニタする。データ伝送が長期間なく、データタイムアウト(データモニタtimer 満了)を検出した場合において、通信対象となるUEとの間で確立されているDRB/S1 bearerのリリースを行う。データタイムアウトを検出したU-plane確立eNBは、ST4103で、MMEに対して、自eNBが通信対象となるUEに対して確立しているE-RABリリースの要求メッセージを通知する。本例では、該通知にS1シグナリングを用い、新たなメッセージとして、E-RABリリース要求メッセージを設ける。該要求メッセージに、削除すると決定したU-plane確立eNBの識別子、通信対象となるUEの、MMEが識別可能なUE識別子(UE-ID)あるいはMMEが識別可能な携帯加入者識別子(mobile subscriber identity)、自C-plane確立eNB(セル)の識別子を含める。また、U-eNBは、ST4104で、C-eNBに対しても、E-RABリリース要求メッセージを通知する。これは、C-eNBがU-plane確立eNBの選択を行うため、C-eNBは、E-RABをリリースしたU-plane確立eNBの情報を認識しておく必要があるからである。該通知にはX2シグナリングを用いると良い。該要求メッセージに、データモニタのタイマが満了した旨、データタイムアウトを検出したUEの識別子、自eNBの識別子を含めると良い。
ST4103で、E-RABリリース要求メッセージを受信したMMEは、ST3010で、削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するE-RABの設定を行う。
これ以降の処理は、図30のシーケンス例で開示した方法を適用できるので説明を省略する。
MMEが、削除するU-plane確立eNB(U-eNB)に対してE-RABリリース要求メッセージを通知する。MMEが行うようにすることで、E-RABの設定/修正とリリースを同一ノードが制御することができるため、制御を簡易にすることができる。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間のDRBがリリースされ、U-plane確立eNBとS-GW間のS1 bearerがリリースされる。これにより、通信対象となるUEに対するU-plane確立eNBの削除処理が完了する。
以上より、通信対象となるUEのためのU-planeの接続は、UEとC-eNB間の無線ベアラ1(3003)、C-eNBとS-GW間のS1 bearer1(3004)で行われる。ST3005、ST3006で、該ベアラで、UEとS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
UEアシステッドの情報は、C-plane確立eNB(セル)が認識する。実施の形態2ではMMEが認識する必要が生じるため制御が複雑になるが、本変形例で開示したように、C-plane確立eNBが通信対象となるUEのためのU-plane確立eNBを選択するので、該選択の際の指標となるUEアシステッド情報をMMEが認識する必要がなくなる。従って、制御処理が簡易になり、シグナリング量を削減できる。
また、U-plane確立eNBの選択判断を、UEアシステッド情報が通知された後、すぐに行うことが可能となる。従って、U-plane確立eNBの選択判断における遅延が少なく、通信対象となるUEとの通信により適切なeNBを選択可能となる。
実施の形態3.
実施の形態1から実施の形態2変形例3では、複数のeNBを用いてU-plane接続用ベアラの確立を行うため、複数のeNB全てが少なくともベアラの制御に関する機能を有する。本実施の形態では、U-plane接続用のeNBの構成をさらに容易にすることを目的とする。
1つの通信に対し、一つのeNB(セル)を用いてC-planeの接続を確立し、複数のeNB(セル)を用いてU-planeの接続を確立する。
C-planeの接続として、RRC connectionの確立を行い、U-planeの接続として、ひとつまたは複数の個別無線ベアラの確立を行う。個別無線ベアラとしてDRBとすると良い。
本実施の形態におけるアーキテクチャは、実施の形態2で開示した図28のアーキテクチャを適用できる。
本実施の形態では、C-eNB(2804)と通信対象となるUE(2806)との間のUu(2810)インタフェースを用いて、RRC connectionが確立される。すなわち、図において、C-eNB(2804)とUE(2806)間で、破線で示すC-planeの接続が確立される。一方、U-eNB(2805)と通信対象となるUE(2806)との間のUu(2811)インタフェースを用いて、データ(ユーザデータ)の通信のみが行なわれる。すなわち、U-eNB(2805)とUE(2806)間で、実線で示すU-planeの接続のみが確立される。なお、従来と同様にC-eNB(2804)とUE(2806)間にU-planeの接続が確立されても良い。
U-eNB(2805)とUE(2806)間のU-plane接続用インタフェース2811をUuとしたが、Uuではなく、U-plane接続機能のみを有する新たなインタフェースを設けても良い。
本実施の形態では、1つの通信に対して、U-plane接続のみ確立するeNBはRRC機能を有しない。いいかえると、通信対象となるUEに対して、U-plane接続のみ確立するeNBはRRC機能を有しない。従って、通信対象となるUE(2806)に対して、U-plane接続のみが確立されるU-eNB(2805)とMME(2803)間のシグナリングの通信は、インタフェース(S1-MME)2815を用いない。通信対象となるUEに対するU-eNB(2805)のRRC機能を無くすことができるので、U-eNBの構成を簡易にできる。
また、通信対象となるUEに対するユーザデータの通信に、S-GWとU-eNB間のS1-Uインタフェースを用いずに、S-GWとC-eNB間のS1-Uインタフェース、およびCeNBとU-eNB間のインタフェースを用いて通信するようにしても良い。通信対象となるUE(2806)に対して、U-plane接続のみが確立されるU-eNB(2805)とS-GW(2802)間のユーザデータの通信は、インタフェース(S1-U)2813を用いない。S-GW(2802)とC-eNB(2804)間のインタフェース(S1-U)2814、および、C-eNB(2804)とU-eNB(2805)間のインタフェース2812を用いる。
図42に、実施の形態3に係るU-plane確立専用のeNBを構成した場合のアーキテクチャを示す図である。図42に示すアーキテクチャは、図28に示すアーキテクチャと類似しているので、同一のエレメントについては同一の番号を付して、共通する説明を省略する。図中、U-plane確立専用のeNBをU-eNB(2805)とする。U-plane確立専用のeNBは、U-planeの接続のみ確立するUEとの通信のみ行なう。
本実施の形態の方法で、U-plane確立専用のeNBを構成した場合、MME(2803)とU-eNB(2805)間のシグナリングは全てC-eNB(2804)を介して行うことができるため、MME(2803)とU-eNB(2805)間のシグナリング用インタフェースを無くすことができる。
また、通信対象となるUEに対するユーザデータの通信に、S-GW(2802)とU-eNB(2805)間のS1-Uインタフェースを用いずに、S-GW(2802)とC-eNB(2804)間のS1-Uインタフェース、およびC-eNB(2804)とU-eNB(2805)間のインタフェースを用いて通信するようにした場合、S-GW(2802)とU- eNB(2805)間のパケットデータの通信は全てC-eNB(2804)を介して行うことができるため、S-GW(2802)とU-eNB(2805)間のインタフェースを無くすことができる。
こうすることで、U-plane確立専用のeNBの構成を簡易にすることが可能となる。さらにMMEとのインタフェースが不要となり、U-plane確立専用のeNBの柔軟な設置を可能とする。また、さらにはS-GWとのインタフェースも不要とすることもできるため、コアネットワーク側のノードとのインタフェースを無くすことができるため、さらにU-plane確立専用のeNBの柔軟な設置を可能とする。
なお、ここでいう、UE(2806)は移動局に、C−eNB(2804)は第1基地局に、U−eNB(2805)は第2基地局に、MME(2803)およびS−GW(2802)は関門局に、それぞれ相当する。また、Cプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRRC Connectionは第1無線通信接続に、UE(2806)とU−eNB(2805)との間のRRC Connectionは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくCプレーン信号に関して言えば、MME(2803)とC−eNB(2804)との間のS1-MME signaling接続(2809)は第1通信接続に相当する。また、Uプレーン信号に関して言えば、UE(2806)とC−eNB(2804)との間のRadio Bearerは第1無線通信接続に、UE(2806)とU−eNB(2805)との間のRadio Bearerは第2無線通信接続に、それぞれ相当する。同じくUプレーン信号に関して言えば、S−GW(2802)とC−eNB(2804)との間のS1 bearer(2814)は第1通信接続に相当する。
このように、関門局と第1基地局との間に第1通信接続を、第1基地局と移動局との間に第1無線通信接続を、第2基地局と移動局との間に第2無線通信接続を、それぞれ確立することによって、移動局と関門局との間で一つの通信を実行するので、通信接続・無線通信接続の追加・削除によってセル移行を実現することができる。
Uプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第1通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。Cプレーン信号は、第1通信接続および第1無線通信接続を含む第1経路と、第1通信接続および第2無線通信接続を含む第2経路とに分配して伝送される。
図43は、実施の形態3に係るeNBのプロトコルスタックを示す図である。図43に示すプロトコルスタックは、図29に示すプロトコルスタックと類似しているので、同一のエレメントについては同一の番号を付して、共通する説明を省略する。
U-eNB(2913)に関して、U-plane接続のみを確立するUEに対するプロトコルを示す。C-plane接続のためのプロトコル2914は構成されない。PDCPプロトコル2920、RLCプロトコル2921、MACプロトコル2922、PHYプロトコル2923は、U-plane用の機能のみを有する。いいかえると、ベアラ確立用の機能のみを有する。また、4301で示すように、C-eNB(2901)、U-eNB(2913)に、U-plane接続のみを確立するUEに対するC-eNB(2901)とU-eNB(2913)間のユーザデータ転送用機能が設けられても良い。
なお、U-plane確立専用のeNBを構成する場合、C-plane接続を確立するためのプロトコル2914をU-eNB2913内に有する必要が無くなるため、簡易な構成とすることが可能となる。また、通信対象となるUEに対するユーザデータの通信に、S-GWとC-eNB間のS1-Uインタフェース、およびCeNBとU-eNB間のインタフェースを用いて通信するようにした場合、S1-Uインタフェースの入出力機能を有する必要が無くなるため、さらに簡易な構成とすることが可能となる。
次に、複数のeNB(セル)を用いたベアラ確立方法を開示する。
本実施の形態では、C-plane確立eNBが通信対象となるUEに対してDRBを確立すべきeNBを選択する。選択する際の指標として、実施の形態2で開示した指標を適用すると良い。
C-plane確立eNBが、通信対象となるUEとDRBを確立すべきeNBを選択する際の指標を認識する方法については、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用すると良い。
該情報を受信したC-plane確立eNBは、通信対象となるUEに対してDRBを確立すべきeNBを選択する。
C-plane確立eNBは、選択したeNB(U-plane確立eNB)のDRBの設定を行う。この設定機能を、新たにC-plane確立eNBのRRC機能として設けると良い。C-plane確立eNBは、MMEから受信したE-RAB設定を用いて、各U-plane確立eNBで確立するDRBの設定を行う。U-plane接続用のDRBの設定を複数のU-plane確立eNBで分担するように設定する。この分担には、上記選択する際の指標を用いると良い。自eNBをU-plane確立eNBとして選択した場合、自eNBも含めた各U-plane確立eNBで確立するDRBの設定を行う。
既にDRBを設定しているeNBが存在する場合、C-plane確立eNBは該eNBに対してはDRB設定の修正を行う。
各eNBに設定するDRB設定を同じとしても良い。E-RABに変更が無ければ、既にC-plane確立eNBのDRB設定と同じとしても良い。DRB設定として、DRB識別子、PDCP設定、RLC設定、MAC設定、PHY設定を同じにしても良い。あるいは、DRB識別子は異ならせても良い。各eNBにおけるDRB設定を個別に扱うことが可能となる。
C-plane確立eNBは、各U-plane確立eNBに、DRB設定要求メッセージを通知する。該要求メッセージに、DRB設定情報を含めると良い。また、通信対象となるUEの識別子、C-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。C-plane確立eNBがDRB修正を行った後のDRB設定に変更が無いU-plane確立eNBに対しては、修正されたDRB設定の通知を不要としても良い。DRB設定要求メッセージの通知に、X2インタフェースを用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。
また、新たに、各U-plane確立eNBと各U-plane確立eNBのDRB設定の対応の一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeとしても良い。C-plane確立eNBは該一覧表を各U-plane確立eNBに対して通知しても良い。各U-plane確立eNBが他のU-plane確立eNBのDRB設定を認識することが可能となる。
DRB設定要求メッセージが通知された各U-plane確立eNBは、自U-plane確立eNBのDRB設定情報を用いて、通信対象となるUEに対するDRB設定を行う。
C-plane確立eNBは、UEに対してDRB設定情報を通知する。C-plane確立eNB(セル)はDRB設定情報として、どのU-plane確立eNBのDRB設定か識別するための情報、例えばU-plane確立eNB(セル)の識別子と、各U-plane確立eNBのDRB設定情報とすると良い。また、各U-plane確立eNB(セル)のシステム情報を通知しても良い。また、各U-plane確立eNBが、通信対象となるUEに対するスケジューリングのために、ePDCCHを構成する場合、ePDCCHの設定情報もあわせて通知すると良い。また、U-plane確立要求である旨の情報をあわせて通知しても良い。各U-plane確立eNB(セル)のシステム情報、ePDCCH構成情報はあらかじめC-plane確立eNBに通知されておくとよい。
各U-plane確立eNBと各々のDRB設定の一覧表を設けても良い。DRB list_U-planeとしても良い。C-plane確立eNBは該一覧表をUEに対して通知しても良い。
この通知にはRRCシグナリングを用いると良い。新たなメッセージを設けてもよいし、既存のRRCメッセージにU-plane確立eNBのDRB設定情報とシステム情報を含めて通知しても良い。既存のRRCメッセージの具体例として、RRC connection reconfigurationメッセージあるいはAS-conifgメッセージを用いると良い。RRC connection reconfigurationメッセージあるいはAS-conifgメッセージ中のRadioResourceConfigDedicated情報中に各U-plane確立eNB毎のDRB設定情報とシステム情報を含めても良い。DRBリストとしても良い。
こうすることで、通信対象となるUEは、U-planeを確立するeNBと該eNB間のDRB設定を認識することができる。
通信対象となるUEは、各U-plane確立eNBとのDRB設定を行い、各U-plane確立eNB(セル)との接続処理を行う。
通信対象となるUEは、U-plane確立eNBとの接続が成功した場合、UEは、各U-plane確立eNBに対して接続完了メッセージを通知しても良い。通知方法については実施の形態2で開示した方法を適用すると良い。(1)の適用も可能だが、MMEを介さない、(2)、(3)を適用すると良い。シグナリング量を削減できる。
UEから接続完了メッセージを受信した各U-plane確立eNBは、通信対象となるUEとのDRBの確立処理を行う。C-plane確立eNBに対して該処理の完了メッセージを通知しても良い。UEとU-plane確立eNB間でDRBの設定あるいは修正されたDRBの設定が完了した旨を通知しても良い。該メッセージに、通信対象となるUEの識別子(UE-ID)を含めると良い。また、自U-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。
これにより通信対象となるUEと各U-plane確立eNBとのDRBが確立される。
C-plane確立eNBと各U-plane確立eNBは、C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間に、通信対象となるUEのためのパケットデータ転送用の設定を行う。パケットデータ転送用に、X2インタフェースを用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。
これにより通信対象となるUEのパケットデータを、C-plane確立eNBと各U-plane確立eNB間で転送可能とする。
次に、複数のeNBを用いて複数のDRBが確立されている場合のデータ伝送方法を開示する。
下りリンクのデータ送信については、C-plane確立eNBが各リンクの品質の比率を算出する。その品質の比率と各セルのTraffc状況を考慮して、最終的な各U-plane確立eNBに対するPacketの分配比率を決定し、その比率に従い、受信Packetを各U-plane確立eNBに分配する。分配比率の決定は、各リンクの品質及びTrafficデータの更新に応じて、定常的に実施されるものとする。C-plane確立eNBにおいて各リンクの品質の比率を算出する際に、U-plane確立eNBを選択する際の指標を用いても良い。
C-plane確立eNBから各U-plane確立eNBへのパケット転送方法を開示する。C-plane確立eNBは、S-GWから受信したパケットをPDCPに入力せずに、各U-plane確立eNBに分配、転送する。いいかえると、C-plane確立eNBは、S-GWから受信したパケットを、各U-plane確立eNBに分配し、透過転送(トランスペアレント)する。この場合、転送されたパケットは、各U-plane確立eNBのPDCPに入力され、PDCPプロトコルによる処理が行われる。PDCPにおけるSN(sequence number)は各U-plane確立eNBによって付加される。
他の方法として、C-plane確立eNBは、S-GWから受信したパケットをPDCPに入力し、SNを付加した後に、SN付加後のデータユニットを、各U-plane確立eNBに分配、転送する。転送されたデータユニットは、各U-plane確立eNBのPDCPに入力され、PDCPプロトコルによる処理が行われる。各U-plane確立eNB のPDCPにおけるSNは付加されなくてもよいし、付加されても良い。C-plane確立eNBのPDCPによりSNが付加されることで、UEにおいて、各U-plane確立eNBから受信したユーザデータを該SNを用いて組み替えることが可能となる。
上りリンクのデータ送信については、UEが、U-plane確立eNBとのリンクの品質の測定を行い、各リンクの品質の比率を算出する。そして、その比率に従い、送信Packetを各eNBのリンクに分配し、送信を行う。UEは、各eNBに対する送信データ量を、各eNBに対するバッファステータスレポート(BSR)によって通知し、各eNBにおいて該BSRを用いて行われるスケジューリングに従って送信を行う。尚、分配比率の決定は、各リンクの品質の更新に応じて、定常的に実施されるものとする。
各U-plane確立eNBからC-plane確立eNBへのパケット転送方法については下りリンクと逆の方法とすれば良い。各U-plane確立eNBは、UEから受信した上りデータについてPDCPプロトコルによる処理まで行いパケットデータを生成し、該パケットデータをC-plane確立eNBに転送する。いいかえると、PDCPプロトコル処理終了後のパケットデータを、C-plane確立eNBはU-plane確立eNBからのパケットデータをS-GWに透過転送(トランスペアレント)する。この場合、転送されたパケットは、C-plane確立eNBのPDCPに入力されず、S-GWに送信される。C-plane確立eNBからパケットデータを受信したS-GWは、パケットデータの順序を組みなおすと良い。また、C-plane確立eNBがS-GWに各U-plane確立eNBからのパケットデータを送信する前に、パケットデータの順番を組みなおしても良い。C-plane確立eNBは順番を組みなおした後のパケットデータをS-GWに通知する。
他の方法として、各U-plane確立eNBは、UEから受信した上りデータについてPDCPプロトコルによる処理までを行い、PDCPのSNを付加した状態で、データユニットをC-plane確立eNBに転送する。C-plane確立eNBは転送された上りデータユニットをPDCPに入力し、PDCPプロトコルの処理を用いて、付加されたSNを用いて順番の組みなおしを行い、パケットデータを生成する。C-plane確立eNBはS-GWに対して、順番が組みなおされたパケットデータを送信する。これにより、S-GWでパケットを組みなおさなくて済む。
U-plane確立eNBから通信対象となるUEへのデータ送信開始方法について開示する。
各U-plane確立eNBは、UEからのU-plane確立eNBとの接続完了メッセージの受信を契機として、あるいは、C-plane確立eNBとのU-planeデータ転送設定完了を契機に、U-plane確立eNBUEへのデータ送信処理を開始すると良い。UEは、U-plane確立eNBへの接続完了メッセージの送信を契機に該U-plane確立eNB(セル)からのデータ受信処理を開始すると良い。これにより、UEとU-plane確立eNB(セル)とのデータ送受信処理開始タイミングのずれを低減することが可能となる。
他の方法を開示する。U-plane確立eNBは、C-plane確立eNBからデータ受信後、UEへのデータ送信処理を開始する。UEは、U-plane確立eNB(セル)を検出し同期を実行した後、該U-plane確立eNB(セル)からの受信処理を開始する。あるいは、UEは、U-plane確立eNB(セル)と RAプロシージャ成功後、該U-plane確立eNB(セル)からの受信処理を開始するとしても良い。たとえば、UEからのU-plane確立eNBとの接続完了メッセージが無い場合に適用できる。この方法はデータ送受信開始に明確な契機を必要とせず、制御が容易になる利点がある。
C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間でデータ転送設定は、各U-plane確立eNBがC-plane確立eNBからDRB設定情報を受信したのを契機として行われても良い。このような場合、UEがU-plane確立eNBとの接続を完了する前に、C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間でデータ転送設定が行われ、C-plane確立eNBからU-plane確立eNBに下りデータが到着する場合がある。U-plane確立eNBは、C-plane確立eNBからデータ受信後、UEへのデータ送信処理を開始することになる。UEはまだU-plane確立eNBとの接続を完了できておらず、該データを受信できない。
しかし、U-plane確立eNBにおいて再送制御を用いることで、該データの不達を削減することが可能である。また、あらかじめ、最大再送回数を増大させておくことで、該データの不達を殆ど無くすことも可能となる。従って、ここで開示した方法は、データの不達が殆ど無しに制御を容易にできる効果が得られる。
UEがU-plane確立eNB(セル)とU-planeデータを送受信する方法、UEがC-plane確立eNB(セル)とC-planeデータ 及び/又は U-planeデータを送受信する方法については実施の形態2で開示した方法を適用すると良い。
図44は、実施の形態3に係る複数のeNBを用いてDRBを確立/修正する場合のシーケンス例を示す図である。図44に示すシーケンスは、図30に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ST3034で、UEとC-eNB間で無線ベアラ1を、C-eNBとS-GW間でS1 bearer1を確立している。
UEは、ST4401でメジャメントリポートをC-plane確立eNBであるC-eNBに対して通知する。これに関しては、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用できる。
メジャメントリポートを受信したC-eNBは、ST4402で、通信対象となるUEのために、DRBを確立すべきeNBを選択する。選択方法は、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用できる。
C-plane確立eNBは、ST4403で、選択した各eNB(U-plane確立eNB)を用いたDRBの設定を決定する。また、この際、既に確立していたU-plane確立eNBについては、DRB設定を修正しても良い。
C-plane確立eNBは、ST4404で、自セルのDRBを設定する。修正の場合は修正されたDRBを設定すれば良い。
C-plane確立eNBは、ST4405で、選択した各U-plane確立eNB(U-eNB)に対して、DRB設定要求メッセージを通知する。該要求メッセージに、DRB設定情報を含めると良い。また、通信対象となるUEの識別子、C-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。DRB設定要求メッセージの通知に、X2インタフェースを用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。ここでは、U-plane connection configurationメッセージを用いる。
DRB設定要求メッセージが通知された各U-eNBは、自eNBのDRB設定を行う。該要求メッセージに各U-eNBで確立するDRBの設定情報が含まれているので、各U-eNB自身がDRBの設定を行う必要が無い。各U-eNBは、通知されたDRB設定情報を用いて、DRBの設定を行う。
ST4404でDRBの設定あるいは修正を行ったC-eNBは、ST4406で、UEに対してDRB設定情報などを通知する。ここでは、通知に、RRC connection reconfigurationメッセージを用いる。
ST4406でRRC connection reconfigurationメッセージを受信したUEは、該メッセージの中にU-plane確立要求である旨の情報が含まれている場合、メッセージ内にあるU-plane確立eNBのDRB設定情報を用いて各U-plane確立eNBのDRBを設定する。
ST4407でUEはU-plane確立eNBとの接続処理を開始する。
ST3018からST3022の処理は図30で示した処理と同様なので、説明を省略する。
ST3022でDRB確立完了メッセージを受信した各U-eNBは、UEとの間で無線ベアラ(DRB2)(3027)が構成されたことを認識できる。
ST4408で、C-eNBと各U-eNBは、C-eNBとU-eNB間に、通信対象となるUEのためのパケットデータ転送用の設定を行う。この処理によって、C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間にデータ転送用のリンクが確立される。これにより、ST4409で、通信対象となるUEのパケットデータを、C-eNBと各U-eNB間で転送可能とする。
ST3029からST3032の処理は図30で示した処理と同様なので、説明を省略する。
以上の処理により、通信対象となるUEと複数のeNB(C-eNB、U-eNB)間でDRBが確立され、ユーザデータの送受信が可能となる。
通信対象となるUEとの間でU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法について開示する。いいかえると、削除するeNBの通信対象となるUEとの間に確立されているDRBをリリースする方法について開示する。
本実施の形態では、C-plane確立eNBが削除するeNBを選択する。選択する指標として、上述の、C-plane確立eNBが通信対象となるUEに対してDRBを確立すべきeNBを選択する際の指標を適用すると良い。C-plane確立eNBは該指標を用いて削除するeNBを選択する。例えば、UEとeNB(セル)間の通信品質が所定の閾値を下回った場合に該eNBを削除するeNBとして選択するとしても良い。
削除するU-plane確立eNBを選択したC-plane確立eNBは、該U-plane確立eNBへのデータ転送を停止する。
C-plane確立eNBは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するDRBの設定を行う。C-plane確立eNBは、該各U-plane確立eNBに対してDRB設定要求メッセージを通知する。DRB設定要求メッセージの通知に、X2インタフェースを用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。
C-plane確立eNBがDRB設定の修正を行った後のDRB設定に変更が無いeNBに対しては、修正後のDRB設定要求メッセージの通知を不要としても良い。
またC-plane確立eNBは、削除するeNBに対して、通信対象となるUEとの間に確立されているDRBのリリース指示を通知する。該指示メッセージに、通信対象となるUEの識別子、C-plane確立eNB(セル)の識別子を含めても良い。DRBリリース指示メッセージの通知に、X2インタフェースを用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。
X2インタフェースを用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。
C-plane確立eNBから通信対象となるUEとの間に確立されているDRBのリリース指示を受信した削除対象のeNBは、UEへのスケジューリングを停止する。スケジューリングを停止する前に、削除対象のeNBからUEに送信されずに残っているパケットデータを全てUEへ送信するようにすると良い。また、HARQあるいはARQにより再送処理が完了していないパケットデータについて全て再送処理を完了するようにすると良い。
DRB修正要求メッセージを受信した各U-plane確立eNBは、自eNBのDRBを設定する。また、通信対象となるUEとの間に確立されているDRBのリリース指示を受信したU-plane確立eNBは、自eNBにおいて通信対象となるUEとの間で確立されているDRBのリリース処理を行う。
DRB修正要求メッセージを受信した各U-plane確立eNBに関する処理は上述したDRBを確立/修正する方法を適用すると良い。
C-plane確立eNBは、UEに対してDRBリリース情報を通知する。UEに対してDRBリリース情報を通知するC-plane確立eNB(セル)は各U-plane確立eNBのDRBリリース情報と、どのU-plane確立eNBのDRBか識別するための情報、例えばU-plane確立eNBの識別子、をRRCシグナリングで通信対象となるUEに通知する。また、C-eNBが削除するU-plane確立eNBを除いた全U-plane確立eNBの各DRB設定情報を含めてもよい。また、C-eNBが削除すると決定したU-plane確立eNBに対するDRBリリース要求である旨の情報をあわせて通知してもよい。また、各U-plane確立eNB(セル)のシステム情報をあわせて通知しても良い。また、ePDCCHの設定情報をあわせて通知してもよい。削除するU-plane設立eNBを除いたU-plane設立eNBにおいて、システム情報の変更の場合や、新たにU-plane設立eNBが確立される場合にUEが利用可能となる。
RRCメッセージを用いると良い。RRCメッセージの具体例として、RRC connection reconfigurationメッセージあるいはAS-conifgメッセージを用いると良い。RRC connection reconfigurationメッセージあるいはAS-conifgメッセージ中のRadioResourceConfigDedicated情報を用いても良い。
こうすることで、通信対象となるUEは、削除するU-plane確立eNB間で確立されているDRBのリリースを認識することができる。
また、C-plane確立eNBは、UEに対して削除するeNBを除いたU-plane確立eNBのDRB設定あるいは修正情報を通知する。上述のRRCメッセージに含めても良い。DRB設定あるいは修正情報とDRBリリース情報を一つのメッセージに含めて通知しても良い。以降の、削除するeNBを除いたU-plane確立eNBのDRB設定あるいは修正処理は実施の形態2で開示した方法を適用できる。
DRBリリース情報を受信したUEは、DRBリリースを行う各U-plane確立するeNB(セル)との接続を終了する。該eNBのPDCCHあるいはePDCCHのモニタを終了するとしても良い。
該削除するeNBとのDRBリリース処理および接続終了を行ったUEは、該eNBに対して接続終了メッセージを通知しても良い。通知方法については、上述した接続完了メッセージを各U-plane確立eNBに通知する方法の(2)あるいは(3)を適用すると良い。
UEから接続終了メッセージを受信した該削除するeNBは、C-plane確立eNBとの間のデータ転送の設定を解除する処理を起動し、該削除するeNBとC-plane確立eNB間でデータ転送設定の解除処理を行う。C-plane確立eNB がUEから接続終了メッセージを受信する場合は、C-plane確立eNBが該削除するeNBとの間のデータ転送の設定を解除する処理を起動し、該削除するeNBとC-plane確立eNB間でデータ転送設定の解除処理を行う。
これにより、該削除するeNBと通信対象となるUE間に設定されていたDRBがリリースされる。
データ伝送方法については、削除されたeNBを除いて、対象となるUEとの間でDRBが確立されている複数のU-plane確立eNBを用いて、実施の形態1で開示したデータ伝送方法を適用すれば良い。
なお、U-plane確立eNBの削除時におけるデータロスは生じない。これは、C-plane確立eNBが、各U-plane確立eNBのDRB設定、ユーザデータのパス切替え、データ転送制御を行うためである。従って、U-plane確立eNBの削除時におけるデータロスの回避制御など特行う必要が無くなる。
図45は、実施の形態3に係るU-plane確立eNBを削除する場合のシーケンス例を示す図である。図45に示すシーケンスは、図30、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
UEとC-eNB間で無線ベアラ1(3003)が、C-eNBとS-GW間でS1 bearer1(3004)が確立されている。また、UEとU-eNB間で無線ベアラ2(DRB)(3027)が確立されている。本シーケンス例では、C-eNBとU-eNB間でユーザデータの転送設定がなされている。これにより、C-eNBとUE間のユーザデータの通信は、ST3005のC-eNBとUE間の直接の通信と、ST4409のC-eNBとU-eNB間のデータ転送およびST3032のU-eNBとUE間のユーザデータ通信によって行われる。C-eNBとS-GW間のユーザデータ通信は、ST3006で行なわれる。
UEは、ST4501でメジャメントリポートをC-plane確立eNBであるC-eNBに対して通知する。これに関しては、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用できる。
メジャメントリポートを受信したC-eNBは、ST4502で、通信対象となるUEのために、DRBをリリースすべきU-plane確立eNB、すなわち削除すべきU-plane確立eNBを選択する。選択方法は、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用できる。
C-plane確立eNBは、ST4503で、削除するU-plane確立eNBを除いたU-plane確立eNBの各DRBの設定を決定する。また、この際、既に確立していたU-plane確立eNBについては、DRB設定を修正しても良い。
C-plane確立eNBは、ST4504で、自セルのDRBを設定する。修正の場合は修正されたDRBを設定すれば良い。
C-plane確立eNBは、ST4505で、削除するU-plane確立eNBとのユーザデータの転送を停止する。
C-plane確立eNBは、ST4506で、削除する各U-plane確立eNB(U-eNB)に対して、DRBリリース指示メッセージを通知する。ここでは、U-plane connection reconfigurationメッセージを用いる。
DRBリリース指示メッセージが通知された各U-eNBは、自eNBのDRBリリース処理を行う。
DRBリリース指示メッセージが通知された各U-eNBは、ST4507で、ユーザデータのスケジューリングを停止する。
ST4504でDRBの設定あるいは修正を行ったC-eNBは、ST4508で、UEに対してDRB設定情報を通知する。この際、C-eNBが削除すると決定したU-plane確立eNBに対するDRBリリース要求である旨の情報を含める。また、C-eNBが削除するU-plane確立eNBを除いた全U-plane確立eNBの各DRB設定情報を含める。削除するU-plane確立eNBに対するDRBリリース要求である旨の情報、各U-plane確立eNB(セル)のDRB設定情報、各U-plane確立eNB(セル)の識別子、各U-plane確立eNB(セル)のシステム情報、ePDCCHの設定情報を対応づけて通知する。通知には、RRC connection reconfigurationメッセージを用いる。
ST4508でRRC connection reconfigurationメッセージを受信したUEは、該メッセージの中にU-plane確立eNBに対するDRBリリース要求である旨の情報が含まれている場合、メッセージ内にある削除するU-plane確立eNBのDRBに対するリリース処理を行う。
ST4509でUEは削除するU-plane確立eNBとの接続終了処理を開始する。
ST3107からST3108の処理は図31で示した処理と同様なので、説明を省略する。
ST4510で、C- eNBと各U-eNBは、C-eNBとU-eNB間に、通信対象となるUEのためのパケットデータ転送用の設定の解除を行う。この処理によって、C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間にデータ転送用のリンクが解除される。
ST3115の処理は図31で示した処理と同様なので、説明を省略する。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間のDRBがリリースされる。これにより、通信対象となるUEに対するU-plane確立eNBの削除処理が完了する。
以上より、通信対象となるUEのためのU-planeの接続は、UEとC-eNB間の無線ベアラ1(3003)、C-eNBとS-GW間のS1 bearer1(3004)で行われる。ST3005、ST3006で、該ベアラで、UEとS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
通信対象となるUEとの間でU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法について、他の方法を開示する。実施の形態2で開示した指標(7)を用いた場合について開示する。
U-planeのみ確立しているeNBが通信対象となるUEとの無線区間(Uu)におけるデータ伝送が長期間なく、タイムアウトを検出した場合において、通信対象となるUEとの間で確立されているDRBのリリースを行う。
通信対象となるUEとの無線区間のデータ伝送をモニタし、データタイムアウト(データモニタtimer 満了)を検出したU-plane確立eNBは、C-plane確立eNBに対して、自eNBが通信対象となるUEに対して確立しているDRBリリースの要求メッセージを通知する。該通知にはX2を用いても良いし、新たなインタフェースを設けても良い。該要求メッセージに、データタイムアウトを検出したUEの識別子、自eNBの識別子を含めると良い。
該要求メッセージを受信したC-plane確立eNBは、通知してきたU-plane確立eNBを削除するeNBとして選択する。
C-plane確立eNBは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するDRBの設定を行う。C-plane確立eNBは、該各U-plane確立eNBに対してDRB設定を通知する。またC-plane確立eNBは、削除するeNBに対して、通信対象となるUEとの間に確立されているDRBのリリース指示を通知する。これ以降の処理は前述に開示した方法を適用すれば良い。
図46は、実施の形態3に係るU-plane確立eNBを削除する場合の他のシーケンス例を示す図である。図46に示すシーケンスは、図45に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
U-planeを確立しているeNBは、ST4602で、通信対象となるUEとの無線区間(Uu)におけるデータ伝送をモニタする。データ伝送が長期間なく、データタイムアウト(データモニタtimer 満了)を検出した場合、U-plane確立eNBは、ST4603で、ユーザデータのスケジューリングを停止する。ST4604で、C-eNBに対して、自eNBが通信対象となるUEに対して確立しているDRBリリースの要求メッセージを通知する。ST4605で、DRBリリース要求メッセージを受信したC-eNBは、通知してきたU-plane確立eNBを削除するeNBとして決定し、削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するDRBの設定あるいは修正を行う。C-eNBは、ST4606で、ユーザデータの転送を停止する。
これ以降の処理は、図45に示すST4512を行うと良い。
以上の処理によって、UEとU-plane確立eNB間のDRBがリリースされる。これにより、通信対象となるUEに対するU-plane確立eNBの削除処理が完了する。
以上より、通信対象となるUEのためのU-planeの接続は、UEとC-eNB間の無線ベアラ1(3003)、C-eNBとS-GW間のS1 bearer1(3004)で行われる。ST3005、ST3006で、該ベアラで、UEとS-GWとの間でユーザデータの送受信を行う。
これに限らず、他の方法として、UEが、ST4601でデータタイムアウトを検出した場合に、削除するU-plane確立eNBとの接続終了処理を行うようにしても良い。これにより、UEは早期に該U-plane確立eNBとの接続終了処理を行うことが可能となり、不必要なU-plane確立eNBとの通信維持処理を行なうことが無くなり、UEの低消費電力化が可能となる。
通信対象となるUEとの間でU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法について、他の方法を開示する。
UEが各U-plane確立eNB(セル)との無線通信区間のモニタ(RLM:Radio Link Monitor)を行う。UEは、各U-plane確立セルのRSを受信して、該RSの受信結果を用いて無線通信区間の受信品質劣化を判断する。RSの具体例は実施の形態2で開示した例を適用できる。また、RSのかわりに、RS相当の信号を用いても良い。
UEは、無線通信区間の受信品質が、所定の期間、所定の閾値を下回った場合、受信品質劣化と判断する。あるいは、無線通信区間の受信品質が、所定の期間、所定の閾値を下回った場合、再度該U-plane確立eNB(セル)に対して接続しなおすと良い。該U-plane確立eNB(セル)の検出、同期、PRACH送信、TAの受信を行う。再接続試行回数に最大値を設けておき、該最大値の再接続を行っても接続できなかった場合、受信品質劣化と判断しても良い。
受信品質劣化と判断したUEは、無線通信区間の受信品質が劣化したことをC-plane確立eNBに通知する。該通知に、どのU-plane確立eNBの無線通信区間の受信品質が劣化したかがわかるように、U-plane確立eNBの識別子を含めると良い。
該劣化情報をUEから受信したC-plane確立eNB(セル)は、受信品質が劣化したU-plane確立eNBを削除するeNBとして選択する。
C-plane確立eNBは削除するeNBを除いたU-plane確立eNBの、通信対象となるUEに対するDRBの設定を行う。C-plane確立eNBは、該各U-plane確立eNBに対してDRB設定を通知する。またC-plane確立eNBは、削除するeNBに対して、通信対象となるUEとの間に確立されているDRBのリリース指示を通知する。これ以降の処理は前述に開示した方法を適用すれば良い。
なお、UEは、RLMを行い、無線通信区間の受信品質が劣化したと判断した時点で、該受信品質が劣化したU-plane確立eNBとの通信を終了するようにしても良い。
本実施の形態で開示した方法とすることで、通信対象となるUEに対して、複数のeNBを用いてパケットデータの通信を行なえるため、UEの通信容量を増大することが可能となる。
また、小セル化した場合にも複数のeNBを用いることが可能となり、周波数利用効率を高めることができ、システムとして通信容量を増大することが可能となる。
また、複数のRRC connectionの確立のための制御処理が不要となり、制御処理を容易にすることができ、シグナリング量、制御遅延量を低減できる。
また、U-plane確立eNBのRRC機能が不要となり、たとえば、U-plane確立専用のeNBを構成する場合、従来のeNBに比べてさらに簡易に構成することが可能となる。
また、UEのモビリティ制御については、複数のRRC connectionの確立のための制御処理不要のため、C-plane確立eNB(セル)のカバレッジ内であれば、U-plane確立eNBのみの変更(確立/修正/削除)で良いため、制御処理の低遅延、高速化が図れる。例えば、C-plane確立eNB(セル)をカバレッジセル、U-plane確立eNB(セル)をキャパシティセルとした場合など、キャパシティセル間でHO制御を行わなくて済み、U-plane確立eNBのみの変更(確立/修正/削除)で良い。
また、MMEがU-plane確立eNBに関して認識しなくて済むため、U-plane確立eNBの変更において、ネットワーク側の制御処理におけるシグナリング量、制御遅延量を低減できる。このことは、UEのモビリティ制御についてもさらに制御処理の低遅延、高速化が図れることになる。
また、S-GWがU-plane確立eNBに関して認識しなくて済むため、U-plane確立eNBの変更において、ネットワーク側の制御処理におけるシグナリング量、制御遅延量を低減できる。このことは、UEのモビリティ制御についてもさらに制御処理の低遅延、高速化が図れることになる。
本実施の形態3では、C-plane確立eNBが、対象となるUEとDRBを確立すべきeNBを選択決定する方法を開示した。別の方法として、MMEが、対象となるUEとDRBを確立すべきeNBを選択決定する、としても良い。
この場合、MMEが選択決定したU-plane確立eNBを、C-plane確立eNBに通知すれば良い。C-plane確立eNBは、通知されたU-plane確立eNBのDRB構成を設定する。
以降の処理は前述の方法を適用することができる。
ただしこの方法は、MMEがU-plane確立eNBに関して認識しなくて済むという効果を得られない。しかし、それ以外の効果を得られるため有効である。
実施の形態3 変形例1.
実施の形態3では、C-plane確立eNBが通信対象となるUEのための各U-plane確立eNBのDRBの設定を行う。このため、各U-plane確立eNB傘下の他のUEに対するリソース設定とコンフリクトする場合がある。本変形例では、このようなコンフリクトを回避する方法を開示する。
ある特定のエリア内において、特定のひとつまたは複数のeNBを制御する、集中制御用eNB(Master eNBとも称する)を設ける。RRC機能を有するeNBを集中制御用eNBとすると良い。該特定のエリアにおいて、UEは、集中制御用eNBとRRC connectionの確立を行う。このRRC connectionの確立は、集中制御用eNBの他のeNBを介して行われても良い。
通信対象となるUEに対してC-plane確立eNBを集中制御用eNBとし、U-planeのみ確立のeNBを集中制御用eNBによって制御されるeNB(被集中制御用eNB、slave eNB)とすると良い。通信対象となるUEに対して、集中制御用eNBは、全eNB(C-plane確立eNB+U-plane確立eNB)の制御を行う。制御とは、具体的に、RRC、PDCP、RLC、MAC、PHY各プロトコルにおける制御とすると良い。
集中制御eNBが制御を行う際、U-plane確立eNB内の他のUEのDRBとの優先順位に応じた設定を行う。具体例として、以下に3つ開示する。
(1)他eNB(セル)傘下のUEのDRBを優先する。
(2)自eNB(セル)傘下のUEのDRBを優先する。
(3)自eNB(セル)をU-plane確立eNBとしているUEのDRBを優先する。
DRBの設定の具体例としては、DRB識別子の設定や下位レイヤの設定がある。下位レイヤの設定として、PDCP設定、RLC設定、MAC設定、PHY設定がある。
集中制御eNBが制御を行う場合、集中制御eNBと被集中制御用eNBとの間でU-plane側のユーザデータの伝送を行う。この伝送が行われるレイヤの具体例を以下に7つ開示する。
(1)PDCPに入力される前のIPパケットデータ
(2)PDCPでSNが付加されたデータユニット
(3)PDCPとRLC間のデータユニット
(4)RLCとMAC間のデータユニット
(5)MAC内スケジューリング後のデータユニット
(6)MAC内HARQ前のデータユニット
(7)MACとPHY間のデータユニット
集中制御用eNBと被集中制御用eNBとの間でこれらの伝送を行うためのリンクを確立すると良い。これにより、集中制御eNBと被集中制御用eNBとの間でU-plane側のユーザデータの伝送が可能となる。
また、集中制御用eNBは、各被集中制御用eNBにおけるDRB設定のうち、必要なレイヤあるいはプロトコルにおける設定を、各被集中制御用eNBに通知するようにしても良い。シグナリング量を削減できる。
本変形例で開示した方法は、複数eNBではなく、一つのeNB内に複数のノードあるいはセルが構成されるような場合にも適用できる。一つのeNB内で集中制御用のノードあるいはセルを設けると良い。該集中制御用のノードあるいはセルが通信対象となるUEに対してC-plane確立eNB(セル)となり、他のeNB内のノードあるいはセルがU-planeのみ確立eNB(セル)となる。集中制御用のノードあるいはセルが通信対象となるUEに対してC-plane確立eNB(セル)だけでなく、U-plane確立eNB(セル)となっても良い。
図47は、実施の形態3変形例1に係るアーキテクチャを示す図である。一つのeNB内に集中制御用のセルを設けた場合を示す。
4701はeNBである。4702はC-planeの接続を確立するセルで、C-cellと称する。4703はU-planeの接続のみを確立するセルで、U-cellと称する。C-cellとU-cellは同一eNB内に構成される。4704は、C-cellとU-cell間の設けられるU-plane側ユーザデータ伝送用のリンクである。4705は、C-cellとU-cell間に設けられるシグナリング用のインタフェースも設けられる。このインタフェースはX2を用いてもよいし、新たに設けられてもよい。C-cell(4702)が集中制御用のセルとなり同一eNB(4701)内の全セルの制御を行う。
特定のエリア内で集中制御用eNBを設ける場合は、4701内のeNBが特定エリア内のeNBを示し、C-cellが特定エリア内に構成された集中制御用eNBを示し、U-cellが特定エリア内の被集中制御用eNBを示すとすれば良い。
本変形例で開示する方法とすることで、実施の形態3の効果に加えて、以下の効果を得る。
ある特定のエリア内で集中制御用eNBを設けるので、全eNBの全てのリソースおよび全eNB傘下の全てのUEを考慮して、各UEのDRBを構成することが可能となる。
C-plane確立eNBが行なう、通信対象となるUEのための各U-plane確立eNBのDRBの設定と、各U-plane確立eNBが行う各U-plane確立eNB傘下の他のUEに対するリソース設定とがコンフリクトすることを回避できる。
従って、ある特定のエリア内のeNB間で調整が不要となり、低制御遅延やシグナリング量削減を図ることが可能となる。
実施の形態2から実施の形態3変形例1において、通信対象となるUEに対して、C-plane確立セル(eNB)を変更する場合のU-planeの取扱い方法について開示する。C-plane確立eNBの変更に関しては、ハンドオーバ(HO)を適用すれば良い。通信対象となるUEに対して、U-plane接続用のeNBが確立されている場合が問題となる。
通信対象となるUEが、異なるC-plane確立eNB間でハンドオーバが行われる場合の方法を、以下2つ示す。
(1)U-planeの接続を一旦C-plane確立eNBセルにもどす。
U-plane確立eNBがC-plane接続eNBと異なる場合、U-planeの接続を、U-planeのみ確立eNBからハンドオーバ前のC-plane確立eNB(ソースC-plane確立eNB)に変更する。ソースC-plane確立eNBとU-planeの接続を確立あるいは修正し、U-planeのみ確立eNBを削除する。
これにより、通信対象となるUEに対するU-planeの接続もソースC-plane確立eNBにより確立される。
この状態で、ソースC-plane確立eNBからターゲットととなるC-plane確立eNB(ターゲットC-plane確立eNB)へHOが行われる。これは従来の方法を適用すれば良い。
ターゲットC-plane確立eNBへのHOが行われた後に、再度、通信対象となるUEに対して、U-planeの接続を確立する処理が行われれば良い。必要に応じて行われるようにすれば良い。
C-plane確立eNB間でX2のHOが行われる場合、HOプレパレーションの段階ではMMEはHOが行われることを認識しない。従って、MMEがU-plane確立eNBを選択する場合には、HOを決定したソースC-Plane確立eNBは、MMEにU-planeの変更要求を行うと良い。この要求メッセージに、HOにより変更要求で有る旨の情報を含めておくと良い。これに応じてMMEは、C-plane確立eNBをU-plane確立eNBとして設定あるいは修正する処理を行い、もともと確立していたU-planeのみ確立eNBを削除する処理を行うと良い。
こうすることで、通信対象となるUEに対して、U-planeの接続を停止することなく、C-plane確立eNBの変更を行うことが可能となる。
(2)U-planeの接続を確立するeNBを、ターゲットC-plane確立eNBからUEに通知する。
ソースC-plane確立eNBは、ターゲットC-plane確立eNBに、HO要求を通知する。このメッセージに、現在HO対象となるUEに設定しているU-plane確立eNBの情報を含める。
該情報を受信したターゲットC-plane確立eNBは、HO対象となるUEとU-planeの接続を確立するU-plane確立eNBを選択決定する。変更しなくても良い。
ターゲットC-plane確立eNBはHO要求応答メッセージをソースC-plane確立eNBに通知する。このメッセージに、ターゲットC-plane確立eNBが設定したU-plane確立eNBの情報を含める。
ソースC-plane確立eNBは、該情報とともに、HO要求メッセージをUEに通知する。
UEは、ターゲットC-plane確立eNBにC-planeの接続を変更するとともに、該U-plane確立eNB情報を用いてU-planeの接続を変更する。
一方、U-plane確立eNBを選択決定したターゲットC-plane確立eNBは、E-RAB設定要求メッセージで該情報をMMEに通知する。MMEはこれを用いて、U-plane確立eNBのE-RAB設定処理を行う、あるいは修正処理、あるいは削除処理を行う。
こうすることで、通信対象となるUEに対して、C-plane確立eNBの変更と、U-plane確立eNBの変更を行うことが可能となる。
従って、通信対象となるUEに対して、U-planeの接続を停止することなく、C-plane確立eNBの変更を行うことが可能となる。
通信対象となるUEが、C-plane確立eNB内のセル間でハンドオーバが行われる場合は、異なるC-plane確立eNB間でHOが行われる場合の方法を、C-plane確立eNB内のセル間に適用すれば良い。同様の効果が得られる。
実施の形態4.
UEが上り送信のためのスケジューリング要求(SR)を通知する際、従来はUEが接続するeNBが一つであったため、該一つのeNBに通知すればよかった。しかし、実施の形態1から実施の形態3変形例1で開示した方法においては、UEは複数のeNBと接続する。従って、UEはどのeNBにSRを通知したらよいか不明となる。
本実施の形態では、この問題を解決することを目的とする。
UEと接続するeNB(セル)毎にSRを送信する。実施の形態1で開示したトラフィックコントロールに従って、eNB(セル)毎に必要に応じてSRを送信する。これにより、UEにおけるトラフィックコントロールに応じて、ULのデータを各eNB(セル)に送信することが可能となる。
各eNB(セル)における対象となるUEに対するSRの設定情報は、あらかじめ各eNB(セル)から該UEに個別に通知されると良い。
SRの設定を、RRCの機能とすると良い。
実施の形態1では、各eNBが有するRRC機能に含めると良い。UEへの通知は従来の通知方法を適用できる。
実施の形態2では、U-plane設立eNBが有する限定されたRRC機能に含めるとよい。SRの設定情報をUEに通知する方法は、ePDCCH構成情報をUEに通知する方法を適用するとよい。
実施の形態3では、C-plane設立eNBが有するRRC機能とするとよい。各U-plane設立eNB(セル)のSR設定をC-plane設立eNBが決定し、UEおよび各U-plane設立eNB(セル)に通知する。
こうすることで、UEは各eNBのためのSR設定を認識でき、SRを通知することが可能となる。
他の方法について開示する。UEにおける上りデータの取扱い方法とSRの送信方法を開示する。
UEにおいて、U-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離する。
たとえば、U-planeのULデータとしてユーザデータ、C-planeのULデータとしてシグナリングデータがある。UEにおいて、送信するデータがどちらのデータかを判断する。
次に、SRの送信方法として以下に3つ開示する。
(1)C-planeのULデータの場合は、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
(2)U-planeのULデータの場合は、U-plane確立セル(eNB)に送信する。
(3)両方のデータとも、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
(1)では、上りデータがC-planeのULデータであると判断したUEは、C-plane確立セル(eNB)に送信する。SRの設定はC-plane確立セル(eNB)におけるSR設定を用いれば良い。複数のC-plane確立セル(eNB)が存在する場合は、該ULデータが関連する各C-plane確立セル(eNB)に通知するようにしても良い。あるいは、いずれか一つのC-plane確立セル(eNB)を選択し、該一つのC-plane確立セル(eNB)に通知しても良い。一つのC-plane確立セル(eNB)の選択には、所定の選択指標を用いると良い。例えば、実2で開示した指標を用いてもよい。最も良好なセル(eNB)を選択すると良い。これにより、該SRを受信したC-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)で該UEに対する上りデータのスケジューリングを行うことが可能となる。
(2)では、上りデータがU-planeのULデータであると判断したUEは、U-plane確立セル(eNB)に送信する。U-planeのULデータが、データトラフィックコントロールに従って、各U-plane確立eNB(セル)に分配される場合は、各U-plane確立セル(eNB)にSRを送信すれば良い。SRの設定は各U-plane確立セル(eNB)におけるSR設定を用いれば良い。これにより、該SRを受信した各U-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)で該UEに対する上りデータのスケジューリングを行うことが可能となる。
(3)では、上りデータがU-planeのULデータかC-planeのULデータかを判断したうえで、UEはどちらのデータも、C-plane確立セル(eNB)に送信する。SRの設定はC-plane確立セル(eNB)におけるSR設定を用いても良いが、他の方法として、U-planeのULデータ用SR、C-planeのULデータ用SRを設けても良い。U-planeのULデータの場合は、U-planeのULデータ用SRの設定を用いて送信する。C-planeのULデータの場合は、C-planeのULデータ用SRの設定を用いて送信する。
C-planeのULデータ用SR、U-planeのULデータ用SRを設ける方法を開示する。C-planeのULデータ用SRとU-planeのULデータ用SRとを識別可能にすると良い。たとえば、各SRに用いる情報ビット列パターンを異ならせる。あるいは、各SRに乗算される識別用のコードまたはシーケンスを異ならせる。あるいは、各SR通知に用いる周波数軸上かつ/または時間軸上のリソースを異ならせる。あるいは、SR内の情報として、C-planeあるいはU-planeのどちらのULデータであるか識別するための識別子を設けておく、などがある。
これにより、SRを通知されたeNBは、該SRがC-planeのULデータ用なのかU-planeのULデータ用なのか明示的に判断可能となる。
各eNB(セル)における対象となるUEに対する各々のSRの設定情報は、あらかじめ各eNB(セル)から該UEに個別に通知されると良い。上述の方法を用いると良い。
(3)で、C-planeのULデータ用SR、U-planeのULデータ用SRを設けて、UEが各々の上りデータに対応したSRを送信することによって、SRを受信したC-planeセル(eNB)は、C-planeのULデータ用なのかU-planeのULデータ用なのか判断可能である。従って、C-plane確立セル(eNB)上でスケジューリングすれば良いのか、U-plane確立セル(eNB)上でスケジューリングすれば良いのか認識することが可能となる。U-planeのULデータ用のSRの場合は、U-plane確立セル(eNB)に対して、該SRと同等の情報を通知すると良い。該通知に新たなメッセージを設けてもよい。
これにより、UEは、生成されたデータに対して、どのセル(eNB)に対してSRを通知すれば良いか認識可能となる。また、C-plane確立セル(eNB)、U-plane確立セル(eNB)は、何のデータが生成されたのか認識可能となり、SRあるいはSRと同等の情報を受信したセル(eNB)は、上りデータのためのスケジューリングが可能となる。
C-planeのULデータ用SR、U-planeのULデータ用SRを設けて、UEが各々の上りデータに対応したSRを送信する方法は上述の(1)、(2)の方法に適用しても良い。SRを受信したeNBが、該SRによりどちらのデータであるかを、明示的に判断可能となる。
上述では、UEにおいてU-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離する方法を開示したが、UEにおいてU-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離しないとしても良い。
この場合、SRの送信方法として、UEはSRをC-plane確立セル(eNB)に送信する。上りデータが、U-planeのULデータでもC-planeのULデータでも、同一のSRを用いて送信する。SRの設定はC-plane確立セル(eNB)におけるSR設定を用いれば良い。SRを受信したC-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)を用いて該データをスケジューリングする。U-planeが確立されていない場合は、U-plane確立処理を行うとよい。
C-plane確立セル(eNB)がULデータがC-planeあるいはU-planeのどちらのULデータであるかの判断が可能である場合は、SRを受信したC-plane確立セル(eNB)が、U-planeの上りデータが有る場合は、U-plane確立セル(eNB)に該SRと同等の情報を通知すると良い。該通知に新たなメッセージを設けてもよい。該U-plane確立セル(eNB)からスケジューリングするようにすると良い。UEは該U-plane確立セル(eNB)からのスケジューリングに従って、該U-plane確立セル(eNB)からU-planeにデータを送信すると良い。
これにより、UEは、どのセル(eNB)に対してSRを通知すれば良いか認識可能となる。SRあるいはSRと同等の情報を受信したセル(eNB)は、上りデータのためのスケジューリングが可能となる。
なお、通信対象となるUEからSRを受信したC-plane確立セル(eNB)が、MMEに対して、該通信対象となるUEのために新たなDRB設定を行うことを要求しても良い。あるいは、新たにU-plane確立eNBを選択し、DRB設定を行うことを要求しても良い。実施の形態2から実施の形態3変形例1で開示した方法を状況に応じて適用するとよい。通信対象となるUEに対して、通信容量を増大させることが可能となる。
実施の形態5.
UEがBSR(Buffer status report)を通知する際、従来はUEが接続するeNBが一つであったため、該一つのeNBに通知すればよかった。しかし、実施の形態1から実施の形態3変形例1で開示した方法においては、UEは複数のeNBと接続する。従って、UEはどのeNBにBSRを通知したらよいか不明となる。
本実施の形態では、この問題を解決することを目的とする。
UEと接続するeNB(セル)毎にBSRを送信する。実施の形態1で開示したトラフィックコントロールに従って、eNB(セル)毎の送信データ量に応じてBSRを送信する。これにより、各eNBは受信したBSRを用いて該UEに対する上りスケジューリングを行うことが可能となる。
BSRの報告タイミングの設定を、RRCの機能とすると良い。
実施の形態1では、各eNBが有するRRC機能に含めると良い。UEへの通知は従来の通知方法を適用できる。
実施の形態2では、U-plane設立eNBが有する限定されたRRC機能に含めるとよい。BSRの報告タイミングをUEに通知する方法は、ePDCCH構成情報をUEに通知する方法を適用するとよい。
実施の形態3では、C-plane設立eNBが有するRRC機能とするとよい。各U-plane設立eNB(セル)のBSR報告タイミング設定をC-plane設立eNBが決定し、UEおよび各U-plane設立eNB(セル)に通知する。
こうすることで、UEは各eNBのためのBSR報告タイミングを認識でき、BSRを通知することが可能となる。
他の方法について開示する。UEにおける上りデータの取扱い方法とBSRの送信方法を開示する。
UEにおいて、U-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離する。UEにおいて、送信するデータがどちらのデータかを判断する。
BSRの送信方法として以下に3つ開示する。
(1)C-planeのULデータの場合は、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
(2)U-planeのULデータの場合は、U-plane確立セル(eNB)に送信する。
(3)両方のデータとも、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
(1)では、上りデータがC-planeのULデータであると判断したUEは、C-plane確立セル(eNB)に送信する。複数のC-plane確立セル(eNB)が存在する場合は、該ULデータが関連する各C-plane確立セル(eNB)に通知するようにしても良い。あるいは、いずれか一つのC-plane確立セル(eNB)を選択し、該一つのC-plane確立セル(eNB)に通知しても良い。一つのC-plane確立セル(eNB)の選択には、所定の選択指標を用いると良い。これにより、該BSRを受信したC-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)で該UEに対する上りデータのスケジューリングを行うことが可能となる。
(2)では、上りデータがU-planeのULデータであると判断したUEは、U-plane確立セル(eNB)に送信する。U-planeのULデータが、データトラフィックコントロールに従って、各U-plane確立eNB(セル)に分配される場合は、各U-plane確立セル(eNB)にBSRを送信すれば良い。これにより、該BSRを受信した各U-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)で該UEに対する上りデータのスケジューリングを行うことが可能となる。
(3)では、上りデータがU-planeのULデータかC-planeのULデータかを判断したうえで、UEはどちらのデータも、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
UEがBSRを送信する場合のLCG(Logical Channel Group)においてU-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離しても良い。U-planeのULデータ用LCG、C-planeのULデータ用LCGを設ける。U-planeのULデータ用LCGは、U-planeのULデータがマッピングされるLC(Logical Channel)によって構成される。C-planeのULデータ用LCGは、C-planeのULデータがマッピングされるLCによって構成される。
これにより、BSRを通知されたeNBは、該BSRがC-planeのULデータのBSRなのかU-planeのULデータのBSRなのか明示的に判断可能となる。
(3)で、C-planeのULデータ用LCG、U-planeのULデータ用LCGを設けて、UEが各々の上りデータに対応したLCGのBSRを送信することによって、BSRを受信したC-planeセル(eNB)は、C-planeのULデータ用なのかU-planeのULデータ用なのか判断可能である。従って、C-plane確立セル(eNB)上でスケジューリングすれば良いのか、U-plane確立セル(eNB)上でスケジューリングすれば良いのか認識することが可能となる。U-planeのULデータ用のLCGのBSRの場合は、U-plane確立セル(eNB)に対して、該BSRと同等の情報を通知すると良い。該通知に新たなメッセージを設けてもよい。
これにより、UEは、生成されたデータに対して、どのセル(eNB)に対してBSRを通知すれば良いか認識可能となる。また、C-plane確立セル(eNB)、U-plane確立セル(eNB)は、何のデータが生成されたのか認識可能となり、上りデータの情報を受信したセル(eNB)は、上りデータのためのスケジューリング可能となる。
C-planeのULデータ用LCG、U-planeのULデータ用LCGを設けて、UEが各々の上りデータに対応したLCGのBSRを送信する方法は上述の(1)、(2)の方法に適用しても良い。BSRを受信したeNBが、該BSRによりどちらのデータであるかを、明示的に判断可能となる。
UEにおける上りデータの取扱い方法とBSRの送信方法について、他の方法を開示する。
対象となるUEが接続するセル(eNB)毎に取扱いを分離する。セル(eNB)毎にLCGを設定する。あるいは、各セル(eNB)内で一つまたは複数のLCGを設定するとしてもよい。セル(eNB)毎のLCGのBSRは、対応するセル(eNB)に送信されると良い。あるいは、いずれか一つのC-plane確立セル(eNB)に送信されるとしても良い。
具体例として、対象となるUEが一つのC-plane確立セル(eNB)と複数のU-plane確立セル(eNB)と接続される場合について示す。U-plane確立セル(eNB)毎にLCGを設定する。あるいは、各U-plane確立セル(eNB)内で一つまたは複数のLCGを設定するとしてもよい。
BSRの送信方法を開示する。
C-plane確立セル(eNB)のLCGのBSRは、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
U-plane確立セル(eNB)のBSRの送信方法として以下に2つ開示する。
(1)各U-plane確立セル(eNB)のLCGのBSRは、各々のU-plane確立セル(eNB)に送信する。
(2)各U-plane確立セル(eNB)のLCGのBSRは、C-plane確立セル(eNB)に送信する。
(1)で、U-planeのULデータが、データトラフィックコントロールに従って、各U-plane確立eNB(セル)に分配される場合は、UEは、分配された送信データ量に応じて、各U-plane確立セル(eNB)にBSRを送信すれば良い。これにより、該BSRを受信した各U-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)で該UEに対する上りデータのスケジューリングを行うことが可能となる。
(2)では、BSRに、どのU-plane確立セル(eNB)のLCGのBSRであるか識別可能とする情報を含めると良い。例えば、U-plane確立セル(eNB)の識別子とするとよい。BSRを受信したC-planeセル(eNB)は、どのU-plane確立セル(eNB)のULデータのBSRなのか判断可能となる。従って、どのU-plane確立セル(eNB)上でスケジューリングすれば良いのか認識することが可能となる。C-plane確立セル(eNB)は、U-plane確立セル(eNB)に対して、該BSRと同等の情報を通知すると良い。該通知に新たなメッセージを設けてもよい。
これにより、UEは、生成されたデータに対して、どのセル(eNB)に対してBSRを通知すれば良いか認識可能となる。
上述した、UEがBSRを送信する場合のLCG(Logical Channel Group)においてU-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離する方法と、対象となるUEが接続するセル(eNB)毎に取扱いを分離する方法を組合せても良い。各セル(eNB)に対して、セル(eNB)毎に、かつ、U-planeのULデータ用LCG、C-planeのULデータ用LCGを設ける。
これにより、C-plane確立セル(eNB)、U-plane確立セル(eNB)は、何のデータが生成されたのか認識可能となり、上りデータの情報を受信したセル(eNB)は、上りデータに応じたスケジューリングが可能となる。
UEにおける上りデータの取扱い方法とBSRの送信方法について、他の方法を開示する。
U-planeのULデータは、U-plane確立セル(eNB)で設定されるDRB毎に取扱いを分離する。
具体例として、U-plane確立セル(eNB)で設定されるDRB毎にLCGを設定する。あるいは、U-plane確立セル(eNB)で設定される一つまたは複数のDRB内でLCGを設定するとしてもよい。BSRに、どのU-plane確立セル(eNB)のどのDRBのLCGのBSRであるか識別可能とする情報を含めても良い。
BSRの送信方法として以下に2つ開示する。
(1)各U-plane確立セル(eNB)で設定されるDRBのLCGのBSRは、各々のU-plane確立セル(eNB)に送信
(2)各U-plane確立セル(eNB)で設定されるDRBのLCGのBSRは、C-plane確立セル(eNB)に送信
これにより、UEは、生成されたデータに対して、どのセル(eNB)に対してBSRを通知すれば良いか認識可能となる。また、C-plane確立セル(eNB)、U-plane確立セル(eNB)は、何のデータが生成されたのか認識可能となり、上りデータの情報を受信したセル(eNB)は、上りデータに応じたスケジューリング可能となる。
上述では、UEにおいてU-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離する方法を開示したが、UEにおいてU-planeのULデータとC-planeのULデータの取扱いを分離しないとしても良い。
この場合、BSRをC-plane確立セル(eNB)に送信する。C-plane確立セル(eNB)が複数ある場合はいずれか一つのC-plane確立セル(eNB)とすれば良い。
UEにおいて、LCGを設定し、BSRをC-plane確立セル(eNB)に送信する。
BSRを受信したC-plane確立セル(eNB)は、自セル(eNB)を用いて該データをスケジューリングする。U-planeが確立されていない場合は、U-plane確立処理を行う。
C-plane確立セル(eNB)が、ULデータがC-planeあるいはU-planeのどちらのULデータであるかの判断が可能である場合は、BSRを受信したC-plane確立セル(eNB)が、U-planeの上りデータが有る場合は、U-plane確立セル(eNB)に該上りデータの情報を通知し、U-plane確立セル(eNB)からスケジューリングするようにすると良い。UEは該U-plane確立セル(eNB)からのスケジューリングに従って、該U-plane確立セル(eNB)からU-planeにデータを送信すると良い。
これにより、UEは、どのセル(eNB)に対してBSRを通知すれば良いか認識可能となる。上りデータの情報を受信したセル(eNB)は、上りデータのためのスケジューリング可能となる。
なお、通信対象となるUEからBSRを受信したC-plane確立セル(eNB)が、MMEに対して、該通信対象となるUEのために新たなDRB設定を行うことを要求しても良い。あるいは、新たにU-plane確立eNBを選択し、DRB設定を行うことを要求しても良い。実施の形態2から実施の形態3変形例1で開示した方法を状況に応じて適用するとよい。通信対象となるUEに対して、通信容量を増大させることが可能となる。
実施の形態6.
実施の形態1で述べたように、システムとして通信容量の増大が要求されている。通信容量の増大を図るため、小セル化して周波数利用効率を高めることが検討されている。多数の小セルが存在するようになった場合、それらの小セルを分別して検出やメジャメントをするのは複雑になり、また、制御遅延も大きくなる。従って、小セル間のモビリティ制御にも適さない。
本実施の形態では、上記の課題を低減することを目的とする。
複数のノードのための無線リソースとして、共通に用いられるキャリア(以降、共用キャリアと称する)を構成する。ノードは、eNB(セル)でもよく、また、eNB(セル)の機能を全て有しないノードでも良い。
共用キャリアの有する特徴を以下に8つ示す。
(1)同一周波数レイヤ。
(2)従来のL1/L2制御用物理チャネルはマッピングされない。
(3)UE個別にリソースを割当てるL1/L2制御用物理チャネルのマッピングは許可される。
(4)報知用物理チャネルはマッピングされない。
(5)detection用信号、synchronization用信号、reference信号は、どのノードが構成しようと同一。
(6)ノード識別のための識別子を有しても良い。ただし、同一。
(7)各ノードが構成する共用キャリア間は、厳密な同期。
(8)(1)から(7)の組合せ。
(2)に関して、従来のL1/L2制御用物理チャネルの具体例として、PDCCH、PCFICH、PHICHがある。
(3)に関して、UE個別のL1/L2制御用物理チャネルの具体例として、ePDCCH、ePHICHがある。
(4)に関して、報知用物理チャネルとして、PBCHがある。
(5)に関して、detection用信号、synchronization用信号、reference信号の具体例として、PSS、SSS、CRSがある。また、同一の構成の具体例として、同一コードを用いる、同一シンボル上に構成される、などがある。
(6)に関して、ノード識別のための識別子の具体例として、セルの識別子(cell-ID)としても良い。
(7)に関して、厳密な同期の具体例として、位相同期とすると良い。
共用キャリアには、U-plane側ユーザデータのみがスケジューリングされるようにしても良い。ただし、U-plane側ユーザデータのスケジューリング情報についてはマッピングされても良い。この場合、C-planeのための無線リソースには、他のキャリアを用いると良い。
また、共用キャリアは、U-planeの接続のみ確立するノード(例えば、U-planeのみ確立eNB(セル)など)によって用いられるとしても良い。C-plane確立ノード(例えば、C-plane確立eNB(セル))のためのキャリアは共用キャリアと異ならせる。この場合、共用キャリアと、C-plane確立ノード用キャリアを必ずしも同期させる必要は無い。この運用方法を、実施の形態2から実施の形態3変形例1で開示したC-plane確立eNB(セル)と、U-planeのみ確立eNB(セル)に適用しても良い。
図48は、実施の形態6に係る共用キャリアの概念図である。4801、4802はC-plane確立eNB、4805、4806はU-planeのみ確立eNBである。C-plane確立eNB4801とU-planeのみ確立eNB4805はインタフェース4803で接続されている。また、C-plane確立eNB4802とU-planeのみ確立eNB4806はインタフェース4804で接続されている。インタフェース4803、4804はX2であってもよいし、他のインタフェースであっても良い。
C-plane確立eNB4801は、4808に示すように、周波数レイヤF1のキャリアを構成し、通信対象となるUEに対する無線リソースとして用いる。C-plane確立eNB4802は、4809に示すように、周波数レイヤF2のキャリアを構成し、通信対象となるUEに対する無線リソースとして用いる。
U-planeのみ確立eNB4805は、4810に示すように、周波数レイヤFmの共用キャリアを構成し、通信対象となるUEに対する無線リソースとして用いる。
U-planeのみ確立eNB4806は、4811に示すように、周波数レイヤFmの共用キャリアを構成し、通信対象となるUEに対する無線リソースとして用いる。
U-planeのみ確立eNB4805、4806が構成する周波数レイヤFmのキャリアを共用キャリアとする。
特定のエリア4807内の、U-planeのみ確立eNB4805、4806が構成する共用キャリアは、厳密な同期がとられている。
4812は、共用キャリアのdetection用信号 及び/又は synchronization用信号 及び/又は reference信号で、U-planeのみ確立eNB4805、4806において同一の信号が構成される。
U-planeのみ確立eNB4805と4806において共用キャリアを無線リソースとして用いることで、例えば、U-planeのみ確立eNB4805の通信対象となるUEがU-planeのみ確立eNB4806が構成する共用キャリアの検出、同期を行うこと無く、U-planeのみ確立eNB4806が構成する共用キャリアが該UEに対する無線リソースとして用いられることが可能となる。
例えば実施の形態2で開示した、U-planeのみ確立eNB(セル)を変更する場合にも、キャリアの検出、同期処理を不要とできる。
また、共用キャリアを用いることで、UEのメジャメントにおいても、他のキャリアを検出、測定する必要が無くなり、制御を簡易にすることが可能となる。
例えば実施の形態2で開示した、選択のための指標としてUEのメジャメントによるセルとの通信品質を用いるような場合にも、UEによる自セル、他セルの通信品質のメジャメントにおいても、共用キャリアをメジャメントするだけで済むため、制御を簡易にすることが可能となる。
従って、共用キャリアを構成することで、UEの移動時に、U-plane確立eNB(セル)の変更の制御を容易にすることが可能となる。
スモールセルにおいて、共用キャリアが構成されている場合、多数のスモールセルのキャリアを分別して検出やメジャメントする必要が無くなり、制御を簡易にすることが可能となり、制御遅延を削減することが可能となる。
また、共用キャリアは同一周波数レイヤに構成されるので、小セルに共用キャリを用いることで、小セル化による周波数利用効率を低減させること無く、システムとして高い通信容量を得ることが可能となる。
通信対象となるUEに対してどのU-plane確立eNB(セル)を選択するかの指標として、実施の形態2で開示した指標のうち各U-plane確立eNB(セル)とUE間の通信品質ではなく、その他の指標を用いるとよい。各U-plane確立eNB(セル)とUE間の通信品質として、共用キャリアの通信品質では、各U-plane確立eNB(セル)を区別できなくなるからである。その他の指標として、例えば、UEの位置情報を用いても良い。UEの位置情報と各U-plane設立eNBの位置情報をあわせて用いることで、どのU-plane確立eNB(セル)を選択するか判断すれば良い。
異なるC-plane確立eNBに接続されるU-planeのみ確立eNBにおいて、共用キャリアを構成するような場合、通信対象となるUE間で、共用キャリアに割当てられる無線リソースがコンフリクトする場合がある。例えば、U-planeのみ確立eNB4805で通信対象となるUEに対する無線リソースが割当てられた共用キャリア上のリソースブロックと、U-planeのみ確立eNB4806で通信対象となるUEに対する無線リソースが割当てられた共用キャリア上のリソースブロックが同じになってしまう場合がある。すなわち、コンフリクトが生じる。これは、各U-plane確立におけるスケジューリングが個別に独立に行われるためである。
このような場合、U-planeのみ確立セルにおいて、通信対象となるUEとの間で再送制御、例えばHARQ、ARQなど、を行うようにすると良い。この再送制御において、周波数的、及び/又は 時間的に、再度スケジューリングしなおせるようにしておくと良い。上記のようなコンフリクトが生じたとしても、再送制御によってあらたなリソースブロックにスケジューリングすることで、次の送信でコンフリクトする可能性を低減することができる。従って、上記のようなコンフリクトを低減することが可能となる。
コンフリクトを低減する他の方法として、UEのメジャメントを用いると良い。UEは、U-planeのみ確立eNBとの通信品質のメジャメントを行なう。共用キャリアを構成する場合、共用キャリアにおける通信品質のメジャメントを行なうことになる。自UEに割当てられたリソースブロックの通信品質が悪い場合、他のU-planeのみ確立セルで該リソースブロックを用いている可能性がある。従って、UEからC-plane確立eNBを介して通信品質が悪い旨のメジャメント結果を受信したU-planeのみ確立セルは、該UEに対してこのリソースブロックを割当てないようにすることが可能となる。
こうすることで、各U-planeのみ確立eNB間でスケジューリングされる無線リソースのコンフリクトを低減することが可能となる。
UEによる共用キャリアのメジャメントとして通信品質を開示したが、この他に、共用キャリアにおける熱雑音電力(thermal noise power)であっても良い。所定の数のPRB単位、所定の数のサブキャリア単位などとすると良い。UEが該熱雑音電力を測定し、メジャメント結果としてC-plane確立セルを介してU-planeのみ確立セルに通知すると良い。
他の例として、U-planeのみ確立セルが、下りリンクのメジャメントを行っても良い。いいかえると、共用キャリアのメジャメントを行う。スケジューリングしないサブフレームで測定すればよい。あるいは、該測定を可能とするように、スケジューリングギャップを設けても良い。
これにより、各U-planeのみ確立eNB間でスケジューリングされる無線リソースのコンフリクトを低減することが可能となる。
図49は、同一eNB内における共用キャリアの構成例を示す図である。同一eNB内にC-plane確立セルとU-planeのみ確立セルが構成される場合について示す。4901はC-plane確立セル(C-セル)で、4903はU-planeのみ確立セル(U-セル)である。eNBはC-plane確立セル4901と複数のU-planeのみ確立セル4903から構成される。4902はC-plane確立セル4901によるカバレッジ、4904はU-planeのみ確立セル4903によるカバレッジである。4905はC-plane確立セル4901と各U-planeのみ確立セル間のインタフェースである。
C-plane確立セルにおいて無線リソースとして周波数レイヤF1のキャリアが構成され、各U-planeのみ確立セルにおいて無線リソースとして周波数レイヤFmの共用キャリアが構成される。
従って、各U-セルの通信対象となるUEは、U-セルとの間の無線区間における検出や同期などの再接続の処理を行うことなく、移動することが可能となる。
また、同一eNB内のため、C-セルおよび複数のU-セルにおける無線リソースのスケジューリングは、統一して行われる。例えばC-セルに存在するMACが行っても良い。従って、複数のU-セルにおいて、各U-セルの通信対象となるUEに対する無線リソースの共用キャリアへの割当はコンフリクト無くスケジューリング可能となる。
図50は、異なるeNB内における共用キャリアの構成例を示す図である。eNB内にC-plane確立セルとU-planeのみ確立セルが構成される場合について示す。5002、5003はC-plane確立セル(C-cell)で、5004、5005はU-planeのみ確立セル(U-cell)である。eNB1はC-plane確立セル5002とU-planeのみ確立セル5004から構成される。eNB2はC-plane確立セル5003とU-planeのみ確立セル5005から構成される。
5008、5009はC-plane確立セル5002、5003によるカバレッジ、5010、5011はU-planeのみ確立セル5004、5005によるカバレッジである。
5012、5013はC-plane確立セルとU-planeのみ確立セル間のインタフェースである。
C-plane確立セル5002、5003において無線リソースとして周波数レイヤF1のキャリアが構成され、各U-planeのみ確立セル5004、5005において無線リソースとして周波数レイヤFmの共用キャリアが構成される。
本構成例では、eNB1とeNB2を集中制御するための集中制御用eNB5001を構成する。5006、5007は、集中制御用eNB5001とeNB1のC-plane確立セル5002、eNBのC-plane確立セル5003との間に設けられたインタフェースである。
共用キャリアを用いることで、各U-セルの通信対象となるUEは、U-セルとの間の無線区間における検出や同期などの再接続の処理を行うことなく、移動することが可能となる。
また、集中制御用eNBを構成するため、eNB1およびeNB2のC-セルおよびU-セルにおける無線リソースのスケジューリングは、統一して行われる。集中制御用eNBのMACが行っても良い。従って、各U-セルの通信対象となるUEに対する無線リソースの共用キャリアへの割当はコンフリクト無くスケジューリング可能となる。
図51は、特定のエリア内で共用キャリアを構成する場合の構成例を示す図である。eNB内にC-plane確立セルとU-planeのみ確立セルが構成される場合について示す。
5104、5108はC-plane確立セル(C-cell)で、5105、5106、5107は複数のU-planeのみ確立セル(U-cell)である。
eNB1はC-plane確立セル5104と複数のU-planeのみ確立セル5105、5106から構成される。eNB2はC-plane確立セル5106と複数のU-planeのみ確立セル5106、5107から構成される。
5109、5116はC-plane確立セル5104、5108によるカバレッジ、5110、5111、5112は各U-planeのみ確立セル5105、5106、5107によるカバレッジである。
複数のU-planeのみ確立セル5105は特定のエリア5113に設置され、複数のU-planeのみ確立セル5106は特定のエリア5114に設置され、複数のU-planeのみ確立セルは特定のエリア5115に設置される。
5120、5121、5122、5123はC-plane確立セルとU-planeのみ確立セル間のインタフェースである。
特定のエリア5114に設置される複数のU-planeのみ確立セルは、C-plane確立セル5104、5108の両方に接続される。
C-plane確立セル5104において無線リソースとして周波数レイヤF1のキャリアが構成され、C-plane確立セル5108において無線リソースとして周波数レイヤF2のキャリアが構成され、各U-planeのみ確立セル5105、5106、5107において無線リソースとして周波数レイヤFmの共用キャリアが構成される。
本構成例では、各特定のエリアに設置される複数のU-planeのみ確立セルにおけるU-plane側を集中制御するU-plane集中制御eNBが構成される。U-plane側の集中制御の具体例として、各特定のエリアに設置される各U-planeのみ確立セルのユーザデータのスケジューリングを行う。U-plane集中制御eNBは、物理的に個別に設けられるのではなく、他のノードと一緒に設けられても良い。U-plane集中制御eNBの機能を、他のノードの機能として含めても良い。例えば、U-plane確立セルのいずれか一つに設けても良い。こうすることで、U-plane集中制御eNBの物理的設置を簡易に行うことが可能となる。
U-plane集中制御eNB5101は特定のエリア5113に設置される複数のU-planeのみ確立セル5105のユーザデータのスケジューリングを行う。U-plane集中制御eNB5102は特定のエリア5114に設置される複数のU-planeのみ確立セル5106のユーザデータのスケジューリングを行う。U-plane集中制御eNB5103は特定のエリア5115に設置される複数のU-planeのみ確立セル5107のユーザデータのスケジューリングを行う。
特定のエリア5114に設置される複数のU-planeのみ確立セル5106は、eNB1のCplane確立セル5104にもeNB2のC-plane確立セル5108にも接続される。従って、U-plane集中制御eNB5102は、C-plane確立セル5104とU-planeのみ確立セル5106を用いるC-plane確立セル5104傘下のUEと、C-plane確立セル5108とU-planeのみ確立セル5106を用いるC-plane確立セル5108傘下のUEとの両方のUEに対するスケジューリングを行う。
5117、5118、5119は、U-plane集中制御用eNB5101と各U-planeのみ確立セル5105間、U-plane集中制御用eNB5102と各U-planeのみ確立セル5106間、U-plane集中制御用eNB5103と各U-planeのみ確立セル5107間に各々設けられたインタフェースである。
特定のエリアに設置される複数のU-planeのみ確立セルで共用キャリアを用いることで、各U-セルの通信対象となるUEは、U-セルとの間の無線区間における検出や同期などの再接続の処理を行うことなく、特定エリア内を移動することが可能となる。
本構成例では、特定エリア5113、5114、5115において同じ周波数レイヤFmの共用キャリアを構成しているが、各特定エリアで異なる周波数レイヤの共用キャリアを構成するようにしてもよい。例えば、特定エリア5113に設置される各U-planeのみ確立セル5105で周波数レイヤFlの共用キャリアが、特定エリア5114に設置される各U-planeのみ確立セル5106で周波数レイヤFmの共用キャリアが、特定エリア5115に設置される各U-planeのみ確立セル5107で周波数レイヤFnの共用キャリアが構成されるようにしても良い。異なる周波数レイヤを用いることにより、特定エリア間の干渉を低減することが可能となる。なお、異なる周波数の共用キャリア間では、厳密な同期は不要であり、異なる周波数の共用キャリア間では、detection用信号 かつ/または synchronization用信号 かつ/または reference信号を同一にすることも不要である。
また、特定エリア毎にU-plane集中制御用eNBを構成するため、各特定エリアに設置されたU-planeのみ確立セルの無線リソースのスケジューリングは、統一して行われる。U-plane集中制御用eNBのMACが行っても良い。従って、各特定エリアのU-planeのみ確立セルの通信対象となるUEに対する無線リソースの共用キャリアへの割当はコンフリクト無くスケジューリング可能となる。特に、特定エリア5114に設置されるU-planeのみ確立セル5106の通信対象となるUEは、eNB1傘下のUEとeNB2傘下のUEが存在する。これら両方のUEに対する無線リソースの共用キャリアへの割当をコンフリクト無くスケジューリングすることが可能となる。
図52は、特定のエリア内で共用キャリアを構成する場合の他の例を示す図である。eNB内にC-plane確立セルとU-planeのみ確立セルが構成される場合について示す。図52(a)は、図51で示しているので説明を省略する。図52(b)について説明する。
5202、5203はC-plane確立セル(C-cell)で、5204、5206は複数のU-planeのみ確立セル(U-cell)である。
eNB1はC-plane確立セル5202と複数のU-planeのみ確立セル5204から構成される。eNB2はC-plane確立セル5203と複数のU-planeのみ確立セル5206から構成される。
5205、5207は各U-planeのみ確立セル5204、5206によるカバレッジである。
C-plane確立セル5202、5203によるカバレッジは省略している。
複数のU-planeのみ確立セル5204、5206は特定のエリア5210に設置される。
5208、5209はC-plane確立セルとU-planeのみ確立セル間のインタフェースである。
C-plane確立セル5202、5203において無線リソースとして構成される周波数キャリアの図は省略してある。図51と同様とする。C-plane確立セル5202において無線リソースとして周波数レイヤF1のキャリアが構成され、C-plane確立セル5203において無線リソースとして周波数レイヤF2のキャリアが構成される。
各U-planeのみ確立セル5204、5206において無線リソースとして周波数レイヤFmの共用キャリアが構成される。
U-plane集中制御eNB5201は特定のエリア5210に設置される複数のU-planeのみ確立セルのユーザデータのスケジューリングを行う。
U-plane集中制御eNB5201は、特定のエリア5210に設置される、eNB1のCplane確立セル5202に接続される各U-planeのみ確立セル5204と、eNB2のCplane確立セル5203に接続される各U-planeのみ確立セル5206とに接続される。従って、U-plane集中制御eNB5201は、C-plane確立セル5202とU-planeのみ確立セル5204を用いるC-plane確立セル5202傘下のUEと、C-plane確立セル5203とU-planeのみ確立セル5206を用いるC-plane確立セル5203傘下のUEとの両方のUEに対するスケジューリングを行う。
5211は、U-plane集中制御用eNB5201各U-planeのみ確立セル5204、5206間に各々設けられたインタフェースである。
特定のエリアに設置される複数のU-planeのみ確立セルで共用キャリアを用いることで、各U-セルの通信対象となるUEは、U-セルとの間の無線区間における検出や同期などの再接続の処理を行うことなく、特定エリア内を移動することが可能となる。
また、特定エリアでU-plane集中制御用eNBを構成するため、特定エリアに設置されたU-planeのみ確立セルの無線リソースのスケジューリングは、統一して行われる。U-plane集中制御用eNBのMACが行っても良い。
従って、特定エリアのU-planeのみ確立セルの通信対象となるUEに対する無線リソースの共用キャリアへの割当はコンフリクト無くスケジューリング可能となる。
特に、特定エリア5210に設置されるU-planeのみ確立セル5204、5206の通信対象となるUEは、eNB1傘下のUEとeNB2傘下のUEが存在する。これら両方のUEに対する無線リソースの共用キャリアへの割当をコンフリクト無くスケジューリングすることが可能となる。
特定のエリア内で共用キャリアを構成する場合の同期について説明する。図52(a)の場合、各U-planeのみ確立セル5203で構成する共用キャリアの同期をとる。該同期として、厳密な同期とすると良い。厳密な同期を得る方法の具体例を以下に2つ示す。
(1)基準信号源を設ける。
(2)GPSを具備する。
(1)では、特定のエリア内に一つの基準信号源を設けて、各U-planeのみ確立セルと接続すると良い。各U-planeのみ確立セルが構成する共用キャリアのために該基準信号源を用いるようにする。該基準信号源から基準クロックを生成しても良い。一つの基準信号源は、U-plane集中制御用eNB内に設けても良い。U-plane制御用eNB5201は、インタフェース5208で各U-planeのみ確立eNB5204に接続されるため、物理的に接続される場合が多い。従って、該物理的な接続によって、一つの基準信号源が、各U-planeのみ確立eNBと接続されることができる。
該基準信号源は、U-plane制御用eNB内に設けるのではなく、他のノードを新たに設け、該ノード内に設けても良い。該ノードと特定エリアない各U-planeのみ確立セル間は物理的に接続される。
また、図49のように、同一eNB内の複数のU-planeのみ確立セルで、共用キャリアが構成される場合、該基準信号源がC-plane確立eNB内に設けられても良い。C-plane確立eNBとU-plane確立eNB間は物理的に接続される。
こうすることで、特定のエリア内の各U-planeのみ確立セル間で厳密な同期を得ることが可能となる。
(2)では、特定のエリア内の各U-planeのみ確立セルが各々GPSを具備し、該GPSにより同期を得る。これにより、同一の基準信号源を設けて各U-planeのみ確立セルと物理的に接続る必要が無くなるため、複数のU-planeのみ確立セルを柔軟に設置できる。
実施の形態7.
実施の形態7で解決する課題について、以下に説明する。実施の形態3変形例1に示す構成においては、1つのeNBもしくはセントラルエンティティによって、無線回線上に送信されるデータがスケジューリングされ、送信される。本構成の場合、時間のスケジューリングも実施してしまうため、実際に無線回線に送信するeNB間においては厳密な同期が必要となる。しかしながら、多数のeNBの厳密な同期をとることは困難である。GPSを用いて同期を取ることや、ネットワークのNTP(Network Time Protocol)を用いてとることが一般的には実施されるが、GPS受信機を搭載する必要があったり、GPSの電波を受信できない場所に設置することが困難であったり、また、NTPでは厳密な精度の同期が困難であったりといった課題がある。
実施の形態7での解決策を以下に示す。前述の課題を解決するために、無線回線上へのスケジューリングを、「集中制御を行うノード」と「実際に送信を行うノード」に分離して実装することにより、厳密な同期をとることなく、一元的にスケジューリングを行うことを可能とする。
図53は、実施の形態7に係るアーキテクチャを示す図である。図53においては、eNBをSlaveのeNB5308とMasterのeNB5309に分離し、それぞれにスケジューリングを行うMAC機能を分離して持たせている。そして、UEが、3つのSlaveのeNB(eNB(s)#1(5305)/eNB(s)#2(5307)/eNB(s)#3(5308))と物理リンクを確立し、それぞれのSlaveのeNBは、Master のeNB5309とMaster/Slave eNB LINK5313、5314、5315を確立している。MasterのeNBのMAC(MAC2)5310は、それぞれのSlaveのeNB5305、5307、5308に対し、それぞれ独立した時間枠を設定し、割り当てる。SlaveのeNB5305、5307、5308は、無線物理チャネルにおける設定された時間枠内においてのみ、対象のeNBのデータのスケジューリングを行う。
図54に、MAC1及びMAC2が行うスケジューリングによるフレームの構成例を示す図である。ここでは、MasterのeNBは、それぞれのSlaveのeNBに対し割り当てる時間枠の単位を無線フレームとし、SlaveのeNBは、無線フレーム(5401、5403、5405、5407、5409)の枠内でスケジューリング(5411、5412、5413、5414、5415)を行う。また、厳密に同期がとれていないことを考慮し、フレーム境界にはガードタイム(G) (5402、5404、5406、5408、5410)を設け、そこにはMappingしないこととしている。
尚、ここにおいて、無線フレームはサブフレームであってもよく、もっと小さい単位でもよい。但し、各eNB間の同期の精度を考慮する必要があり、同期の精度に対し、時間枠の単位を小さくしすぎると、ガードタイム(G)比率が大きくなり、無線利用効率が低下することとなる。したがって、この割当時間枠及びガードタイムは、各eNBの同期精度を考慮して設定されなければならない。
図55(A)は、通信の確立及びデータの伝送フローのシーケンス例を示す図である。本シーケンスは、初めにベアラを確立するためのサービス要求手順(Service Request Procedure)(Separate MAC) <ステップST5505>、下りリンクのデータ伝送/スケジューリング手順を示すDLスケジューリング/送信手順(DL Scheduling/Transmit Procedure)<ステップST5542>及び上りリンクのデータ伝送/スケジューリング手順を示すULスケジューリング/送信手順(UL Scheduling/Transmit Procedure)<ステップST5556>を含んで構成されている。
図55(B)は、サービス要求手順の詳細を示す図である。ここで説明するサービス要求手順(Service Request Procedure)(Separate MAC)は、非特許文献11(TS23.401)の5.3.4.1章記載のUE triggered Service Request procedureをベースとしている。初めに、ステップST5506において、UEのNASからService RequestがASに通知されるとUEのASはステップST5508において、eNB#1に対し、RRC connection Requestを送信する。RRC connection Requestのデータを受信したeNB#1は、ステップST5509において、そのデータをMaster eNBに伝送する。RRC connection Requestを受信したMaster eNBは、UE triggered Service Request procedure と同様、ステップST5510およびステップST5511において、RRC connection setupをeNB#1経由でUEに送信し、RRC connection setupを受信したUEは、設定を行い、ステップST5512およびステップST5513において、RRC connection Setup completeをeNB#1経由でMaster eNBに送信する。なおここで、以下、UE triggered Service Request procedureの手順をeNB#1経由で行う。なお、これらの手順は、SlaveのeNBを経由せず、直接MasterのeNBと通信してもよい。
eNB#3は、eNB#1経由でのリンク確立後、Radio Bearer Establishment procedure(複数eNB) <ステップST5534>を起動する。ここでは、eNB#2を追加する場合である。初めに、ステップST5535およびステップST5536において、eNB#2の情報とその接続要求をRRC connection Reconfiguration(eNB#2 Info)にて、eNB#1経由で、UEに送信する。RRC connection Reconfiguration(eNB#2 Info)を受信したUEは、ステップST5537およびステップST5538において、指定のあるeNB#2経由で、RRC connection Reconfiguration completeをMaster eNBに送信する。
これらの手順により、通信リンクは確立される。
図55(C)は、DLスケジューリング/送信手順の詳細を示す図である。まず、ステップST5543において、MasterのeNBは、2つのeNBの時間枠スケジューリングを行う。尚、実施の形態1と同様、無線リンクの品質やトラフィック情報を加味して設定されるべきである。そこで設定された時間枠をステップST5544およびステップST5545において、送信すべきデータをステップST5546およびステップST5547において、それぞれのSlaveのeNBに送信する。それぞれのSlaveのeNBは、ステップST5548およびステップST5549において、選択された時間枠内での送信データのスケジューリングを行い、ステップST5550およびステップST5551においてそのスケジューリング情報と、ステップST5552およびステップST5553、ステップST5554およびステップST5555において、データをUEに送信する。
図55(D)は、ULスケジューリング/送信手順の詳細を示す図である。まず、DLと同様に、ステップST5557において、MasterのeNBは、2つeNBの時間枠スケジューリングを行う。そこで設定された時間枠をステップST5558およびステップST5559において、それぞれのSlaveのeNBに送信する。それぞれのSlaveのeNBは、ステップST5560およびステップST5561において、選択された時間枠内での送信データのスケジューリングを行い、ステップST5562およびステップST5566において、そのスケジューリング情報をUEに送信する。UEはそのスケジューリング情報を受信し、それに基づき、ステップST5563〜ステップST5565、ステップST5567〜ステップST5569において、送信データを送信する。
以上の実施の形態7によって、SlaveのeNBとMasterのeNBに、それぞれに精度の異なるスケジューリングを分担して持たせることが可能となり、またガードタイムを適切に設定することにより、厳密な同期精度が保てない状況でも、複数セルに対する一元的なスケジューリングを可能とすることができる。
実施の形態8.
UEが複数のeNB(セル)を用いて通信を行なう場合、一つのセルとの通信品質が劣化しても他のセルと通信が可能となる場合がある。例えば、C-plane接続を確立しているeNB(セル)との通信品質が劣化しても、U-planeの接続のみを確立しているeNB(セル)とデータ通信は可能である。
しかし、UEとC-plane確立eNB(セル)間の通信品質が劣化した場合、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定/修正(変更)/削除処理のためのRRCシグナリングはUEへ通知されなくなる。例えば、実施の形態2で開示した、図30のST3016、図31のST3105などがC-plane確立eNB(セル)からUEへ通知されなくなる。
従って、例えば、UEとC-plane確立eNB(セル)間の通信品質が劣化して通信が行えない状態では、U-plane確立eNB(セル)との通信を終了できず、UEはU-plane確立eNB(セル)との通信用のリソースを保持し続けなくてはならない。
このように、UEは、U-plane確立eNB(セル)に対する制御が不可能となり、データ通信を正常に行えなくなったり、無駄なリソースが発生したりする等の問題が生じる。
<従来のRLF関連処理>
一方、従来、UEとセル間の通信品質が劣化した場合の規定として、RLF(Radio Link Failure)に関連する処理が存在する(非特許文献1(TS36.300 10.1.6)、非特許文献2(TS36.331 5.3.11))。RLFに関連する処理を、以降、RLF関連処理と称する。
図56は、RLF関連処理について説明するための図である。UEは、normal operation、First Phase、second Phase、RRC_Idleと、4つの状態に分けられる。
UEは、通信を行なう一つのセルに対してRLM(Radio Link Monitor)を行う。
RLMは例えばPDCCHの通信品質を評価することによって実現される。PDCCHの通信品質が、所定の閾値以上の場合をin-syncと称し、所定の閾値以下の場合をout-of-syncと称す。UEは、CRSの受信品質を評価してPDCCHの通信品質とする。
Normal operation状態のUEがout-of-syncを所定の回数(N11)連続で検出(radio problem detection)した場合に、First Phaseに入る。
First Phaseで、UEは、通信を行なう一つのセルとの間でRLMを引続き行い、in-syncを所定の回数(N12)連続で検出した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T11)内に、in-syncを所定の回数(N12)連続で検出されなかった場合、RLFが検出されたものとしてsecond phaseに入る。
second phase で、UEは、RLF情報を記憶し、RRC接続再確立処理(RRC connection re-establishment)を起動する。ASセキュリティが起動されていない場合は、RRC接続離脱処理(leaving RRC_Connected)を行う。ASセキュリティはRRCやU-planeに対するセキュリティである。
RRC接続離脱処理で、UEは、全RBのMAC、RLC、PDCPのリリースを含む、全無線リソースのリリースを行い、RRC_Idle状態に移行する。
RRC接続再確立処理の起動において、UEは、SRB0を除く全RBを停止し、MACのリセット、SCellのリリース、予め決められている(デフォルト)のPHY設定の適用、デフォルトのMAC主設定の適用等を行い、セルセレクション処理を行う。
UEが、RLF検出から所定の期間(T12)内に、セルセレクション処理で適合セル(suitable cell)を選択した場合、該セルに対してRRC接続再確立処理を行う。
UEは、RLF検出から所定の期間(T12)内に、適合セル(suitable cell)を選択できなかった場合、RRC接続離脱処理(leaving RRC_Connected)を行う。
しかし、従来のRLF関連処理は一つのセル(プライマリセル)に対する規定しかない。
このため、複数の異なるeNB(セル)を用いて通信を行なう場合、従来のRLF関連処理を適用しようとしても単一セルの情報しか規定されていないので正常に動作しないため適用できなくなる。例えば、一つのeNB(セル)とC-plane接続を確立し、複数のeNB(セル)とU-plane接続を確立しているような場合、一つのeNB(セル)との通信品質が劣化しても他のeNB(セル)との通信品質が良好であれば、該eNB(セル)と通信可能である。このように他に通信可能なeNB(セル)が有る場合に従来のRLF関連処理を適用しても、複数のeNB(セル)との通信を考慮していないため、正常に動作しない。
本実施の形態では、UEが、複数の異なるeNB(セル)を用いて通信を行なう場合のRLF関連処理の方法を開示する。
<新RLF関連処理>
UEは、C-plane確立eNB(セル)に対してのみRLMを行う。UEは、後述する実施の形態9で開示するU-planeのみ確立eNB(セル)のRLMおよびRLF関連処理を行っていてもよいし、行っていなくても良い。
UEは、U-planeの接続状態によらず、C-planeに対する接続状態に応じて、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理を行う。あるいは、UEは、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続状態によらず、C-plane確立eNB(セル)に対する接続状態に応じて、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理を行う、としても良い。
<U-planeのみ確立eNBとの接続終了処理方法 (a)>
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法の具体例を開示する。
UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてRRC接続離脱処理を起動した場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。RRC接続離脱処理起動時のみならずRRC接続離脱処理のどこにおいても、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了するとしても良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理として、UEは、接続している全U-planeのみ確立eNB(セル)におけるU-planeの全接続の終了処理を行う。全U-planeのみ確立eNB(セル)における、U-planeの全RBのMAC、RLC、PDCPのリリースを含む、U-planeの全無線リソースのリリースを行う。また、U-planeのみ確立eNB(セル)との同期処理や、U-planeのみ確立eNBからのスケジューリング用のPDCCHあるいはePDCCHのモニタなどを終了しても良い。
図57(a)は、本実施の形態に係るRLF関連処理について説明するための図である。
Normal operation状態のUEが、C-plane確立eNB(セル)のRLMを行い、out-of-syncを所定の回数(N21)連続で検出(radio problem detection)した場合に、First Phaseに入る。
First Phaseで、UEは、C-plane確立eNB(セル)とのRLMを引続き行い、in-syncを所定の回数(N22)連続で検出した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T21)内に、in-syncを所定の回数(N22)連続で検出されなかった場合、RLFを検出し、second phaseに入る。期間T21は、例えばradio problem detectionからの時間を計測するタイマによってそれを超過したか否かを管理することができる。
second phase で、UEは、RLF情報を記憶し、RRC接続再確立処理を起動する。
ASセキュリティが起動されていない場合は、RRC接続離脱処理を行うとしてもよい。
RRC接続離脱処理で、UEは、C-plane確立eNB(セル)における、全RBのMAC、RLC、PDCPのリリースを含む、全無線リソースのリリースを行う。
この際、UEとC-plane確立eNB(セル)との間でU-planeの接続が存在する場合は、該U-planeの接続のための全RBも含めて、MAC、RLC、PDCPのリリースを含む、全無線リソースのリリースを行う。
UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてRRC接続離脱処理を起動した場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。RRC接続離脱処理起動時のみならずRRC接続離脱処理のどこにおいても、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了するとしても良い。
<RRC接続再確立処理>
RRC接続再確立処理を起動するにあたって、UEは、C-plane確立eNB(セル)における、SRB0を除く全RBを停止し、MACのリセット、SCellのリリース、デフォルトのPHY設定の適用、デフォルトのMAC主設定の適用等を行い、セルセレクション処理を行う。UEとC-plane確立eNB(セル)との間でU-planeの接続が存在する場合は、該U-planeの接続のための全RBも含めて停止する。
<U-planeのみ確立eNBの処理方法>
RRC接続再確立処理の起動にあたって、UEが行うU-planeのみ確立eNB(セル)の処理方法について、以下2つ開示する。
(1)UEは、全U-planeのみ確立eNB(セル)における、U-planeの全RBを通常動作とする。U-planeのRBを停止しない。
(2)UEは、全U-planeのみ確立eNB(セル)における、U-planeの全RBを停止する。
(1)の処理とすることで、例えば、RRC接続再確立処理後、同じU-planeのみ確立eNB(セル)が構成されるような場合に該U-planeのみ確立eNB(セル)におけるU-plane接続設定処理を簡単化することが可能となる。また、U-planeのみ確立eNB(セル)とのデータ通信は行なわれるため、データ損失の低減、遅延時間の削減が可能となる。
(2)の処理とすることで、U-planeのみ確立eNB(セル)におけるRBの処理をC-plane確立eNB(セル)におけるRBの処理と同じにできるので、UEにおける制御を複数のeNB(セル)で統一化でき制御を簡易にできるという効果がある。
(2)の処理において、各プロトコルの処理の具体例について以下2つ開示する。
(2−1)PHY、MAC、RLC、PDCPの全部あるいは一部をリセットする。
(2−2)PHY、MAC、RLC、PDCPの全部をリセットしない。
(2−1)の処理において、U-planeのみ確立eNB(セル)のためのPHY、MAC、RLC、PDCPの全部あるいは一部について規格等で予め決められた(デフォルト)設定を設けておき、リセットしたプロトコルに該デフォルト設定を適用しても良い。こうすることで、制御を単純化でき、RRC接続再確立の可否にかかわらず、誤動作を低減させることが可能となる。
(2−2)の処理とすることで、例えば、RRC接続再確立処理後、同じU-planeのみ確立eNB(セル)が構成されるような場合に該U-planeのみ確立eNB(セル)におけるU-plane接続設定処理を早期に実行することが可能となる。
RRC接続再確立処理の起動にあたって、U-planeのみ確立eNB(セル)においてCA(carrier aggregation)が構成されている場合は、UEは、該CAのSCellのリリースを行うようにしても良い。
<セルセレクション失敗>
UEは、RLF検出から所定の期間(T22)内に、適合セル(suitable cell)を選択できなかった場合やセルとのRRC接続を再設立できなかった場合、前述のRRC接続離脱処理(leaving RRC_Connected)を行う。期間T22は、例えばRLF検出からの時間を計測するタイマによってそれを超過したか否かを管理することができる。
RRC接続離脱処理を行ったUEはRRC_Idle状態に移行する。
RRC_Idle状態で、UEにおいてU-planeの接続は存在しない状態となる。
前述した、RRC接続再確立処理の起動にあたってUEが行うU-planeのみ確立eNB(セル)の処理方法2つのどちらの場合も、UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてRRC接続離脱処理を起動した場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了すると良い。
<セルセレクション成功>
UEが、RLF検出から所定の期間(T22)内に、セルセレクション処理で適合セル(suitable cell)を選択した場合、該セルに対してRRC接続再確立処理を行う。
RRC接続再確立処理を行うことによって、UEは該セルとC-planeの接続を行う。該セルがC-plane確立eNB(セル)となる。新たにC-plane接続を確立するeNB(セル)を新C-plane確立eNB(セル)と称す。
選択したeNB(セル)がRLF前に接続していたC-plane確立eNB(セル)(元C-plane確立eNB(セル)と称す)であっても良い。元C-plane確立eNB(セル)が新C-plane確立eNB(セル)となる。UEと元C-plane確立eNB(セル)との通信品質が暫時的に劣化するような場合に有効である。
新C-plane確立eNB(セル)においてU-plane接続を確立する場合は従来の方法に従う。
<新C-plane確立eNB(セル)が元C-plane確立eNB(セル)の場合>
選択した新C-plane確立eNB(セル)が、元C-plane確立eNB(セル)であった場合について開示する。
<同じU-planeのみ確立eNB(セル)をそのまま接続>
UEは、すでに接続されているU-planeのみ確立eNB(セル)と引続き接続する。
UEは、RRC接続再確立処理でU-planeのみ確立eNB(セル)においてU-planeのRBを通常動作とした場合、引続きUEは該U-planeのみ確立eNB(セル)と接続し通常動作とする。
UEは、RRC接続再確立処理でU-planeのみ確立eNB(セル)においてU-planeのRBを停止した場合、該停止を解除して通常の動作を行なう。
該停止を解除するトリガとして具体例を以下に3つ開示する。
(1)UEが元C-plane確立eNB(セル)を選択した場合。
(2)UEがRRC接続再確立処理において、新C-plane確立eNB(セル)からRRC connection reestablishmentメッセージを受信した場合。
(3)UEがRRC接続再確立処理後、新C-plane確立eNB(セル)からRRC connection reconfigurationメッセージを受信した場合。
(1)とすることで、UEは元C-plane確立eNB(セル)を選択したことがわかるため、元のU-planeのみ確立eNB(セル)との接続が可能と判断できる。従って、その時点でU-planeのみ確立eNB(セル)において停止していたU-planeのRBを通常動作に戻すと良い。(2)、(3)に比べて新C-plane確立eNB(セル)からのシグナリング無しに、早期にU-planeのみ確立eNB(セル)とのU-plane接続を通常動作に戻すことが可能となる。なお、RRC接続再確立処理においてUEが新C-plane確立eNB(セル)からRRC接続再確立拒否メッセージを受信した場合は、その時点で、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理を行うと良い。
(2)とすることで、UEは、元C-plane確立eNB(セル)である新C-plane確立eNB(セル)とRRC接続再確立が可能であることが判断できる。従って、その時点でU-planeのみ確立eNB(セル)において停止していたU-planeのRBを通常動作に戻すと良い。U-planeのみ確立eNB(セル)との接続処理が簡単になり誤動作を削減することが可能となる。
(3)とすることで、UEは、無線ベアラを設けることが判断できる。従って、その時点でU-planeのみ確立eNB(セル)において停止していたU-planeのRBを通常動作に戻すと良い。必要に応じてU-planeのみ確立eNB(セル)との接続処理を行うことができ、無駄な動作を無くすことが可能となる。
(2)、(3)の方法において、停止していたU-planeのRBを通常動作に戻すことを示す情報を設けて、RRC connection reestablishmentメッセージあるいはRRC connection reconfigurationメッセージ中に含ませるようにしても良い。このように明確にシグナリングすることで、UEは明確に判断でき、誤動作を削減することが可能となる。
<同じU-planeのみ確立eNB(セル)を再設定>
新C-plane確立eNB(セル)から、元C-plane確立eNB(セル)との接続時に接続していたのと同じU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEに新たに設定するようにしても良い。元C-plane確立eNB(セル)と新C-plane確立eNB(セル)とが同じなので可能である。
新C-plane確立eNB(セル)は、UEに対して、RRC接続再確立処理において、同じU-planeのみ確立eNB(セル)の設定を行うと良い。RRC connection reestablishmentメッセージの中の、radio resource config dedicatedで再設定しても良い。これにより、早期に再設定が可能となる。
あるいは、新C-plane確立eNB(セル)は、UEに対して、RRC接続再確立処理後にRRC connection reconfigurationを行い同じU-planeのみ確立eNB(セル)の設定を行うと良い。RRC connection reconfigurationメッセージの中の、radio resource config dedicatedで再設定しても良い。通常のU-planeのみ確立eNB(セル)の設定と同じ処理を用いることができるため制御を容易にすることができる。
このように、UEが、元C-plane確立eNB(セル)との接続時に接続していたのと同じU-planeのみ確立eNB(セル)と接続される場合、MMEに該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続に関する情報を通知する必要はない。元々MMEにおいて対象となるUEと該U-planeのみ確立eNB(セル)が接続されている状態で管理されているため、変更する必要が無いためである。言い換えると、DRB 及び/又は S1ベアラの設定を変更する必要は無い。
MMEに通知が不要となるため、システムとしてシグナリング量の削減を図ることが可能となる。また、U-planeのみ確立eNB(セル)は接続状態を保つことができ、UEおよびNW側の制御を容易にすることが可能となる。
<異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を設定>
新C-plane確立eNB(セル)から、元C-plane確立eNB(セル)と接続時に接続していたのと異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEに新たに設定するようにしても良い。
異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を設定する場合は、MMEが各eNBのE-RAB設定を行うと良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定は、新C-plane確立eNB(セル)が行っても良いし、MMEが行うようにしても良い。
新C-plane確立eNB(セル)が行う場合について開示する。
RRC接続再確立処理後、新C-plane確立eNB(セル)がU-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定を行い、MMEにU-plane設立要求メッセージを送出する。このメッセージを受信したMMEは各eNB(セル)のE-RAB設定を決定して、各eNB(セル)に対してE-RABの設定/修正を行う。
これらの処理から、U-planeのみ設立eNB(セル)設定までの処理は、実施の形態2変形例3の方法を適用できる。
例えば、実施の形態2変形例3で開示した、図38に示すシーケンスを適用すると良い。ST3802以降のシーケンスを適用すると良い。
異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を設定する場合、元のU-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。この具体例も、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用できる。
例えば、図39に示すシーケンスを適用すると良い。ST3902以降のシーケンスを適用すると良い。
こうすることで、元のU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEとNW側とで確実に接続終了することが可能となり、無駄なリソースの使用を低減させることが可能となる。
U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定を、MMEが行う場合について開示する。
RRC接続再確立処理後、新C-plane確立eNB(セル)がMMEにU-plane設立要求メッセージを送出する。U-plane設立要求メッセージは、図38のST3803で開示したものと異なり、MMEに対して、U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定から行うよう、要求するものである。該要求メッセージに、対象となるUEの識別子、自eNB(セル)(新C-plane確立eNB(セル))の識別子を含めておくと良い。該要求メッセージを受信したMMEは、U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定を行い、各eNB(セル)のE-RAB設定を決定して、各eNB(セル)に対してE-RAB設定/修正を行う。
これらの処理から、U-planeのみ設立eNB(セル)設定までの処理は、実施の形態2の方法を適用できる。例えば、図30のシーケンスを適用すると良い。ST3009以降を適用できる。
異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を設定する場合、元のU-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。この具体例も、実施の形態2で開示した方法を適用できる。例えば、図31に示すシーケンスを適用すると良い。ST3101以降を適用できる。
こうすることで、元のU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEとNW側とで確実に接続終了することが可能となり、無駄なリソースの使用を低減させることが可能となる。
RLF関連処理により、UEが、U-planeのみ確立eNB(セル)とのU-planeのRBを停止する場合、U-planeのみ確立eNB(セル)において、該停止期間中U-planeデータをバッファするようにしても良い。UEが、再度同じU-planeのみ確立eNB(セル)に接続した場合、バッファされたデータも通信するようにするとよい。U-planeのRBを停止した場合もデータのロス無く通信が可能となる。
元のU-planeのみ確立eNB(セル)の接続を終了し、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の接続を確立する場合、UEと各U-planeのみ確立eNB(セル)間の処理と、S-GW間でのベアラのパス切り替えとのタイミングがずれることがある。このような場合、実施の形態2で開示した方法を適用しても良い。実施の形態2における、UEのU-eNBとの接続終了処理から、S-GWでのS1beareパスの削除/修正処理までの間でU-eNBに送信された下りユーザデータの取扱いが不明となる課題を解消する方法を適用すると良い。システムとしての誤動作を低減させることが可能となる。
例えば、元のU-planeのみ確立eNB(セル)で、接続していたUEとのU-planeデータをバッファしている場合に、実施の形態2で開示した方法のうち、転送する方法を適用する場合、図33に開示した、ST3302からST3304の処理を新たなU-planeのみ確立eNB(セル)と元のU-planeのみ確立eNB(セル)とで行うと良い。ST3302からST3304のC-eNBの処理を新たなU-planeのみ確立eNBに適用し、ST3302からST3304のU-eNBの処理を元のU-planeのみ確立eNB(セル)に適用すれば良い。下りデータのロス無く異なるU-planeのみ確立eNB(セル)の設定および接続を行うことができる。
MMEは、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)に、元のU-planeのみ確立eNB(セル)に対する転送設定指示のメッセージを通知すると良い。該メッセージに元のU-planeのみ確立eNB(セル)の識別子、通信対象となるUEの識別子などを含めると良い。こうすることで、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)は元のU-planeのみ確立eNB(セル)に対して、U-planeデータの転送設定を要求でき、転送処理を行うことが可能となる。
また、逆に、MMEは、元のU-planeのみ確立eNB(セル)に、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)に対する転送設定指示のメッセージを通知すると良い。該メッセージに新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の識別子、通信対象となるUEの識別子などを含めると良い。該メッセージの通知にはS1インタフェースを用いると良い。こうすることで、元のU-planeのみ確立eNB(セル)は新たなU-planeのみ確立eNB(セル)に対して、U-planeデータの転送設定を要求でき、転送処理を行うことが可能となる。
また、C-plane確立eNB(セル)が、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)と元のU-planeのみ確立eNB(セル)の識別子を認識している場合、C-plane確立eNB(セル)が、新たな、あるいは元の、U-planeのみ確立eNB(セル)いずれかに、転送設定指示のメッセージを通知行っても良い。該メッセージにはeNB間のインタフェース、例えばX2などを持ちいれば良い。こうすることで、前述と同様の効果が得られる。またこの場合、MMEとのシグナリングが不要となる。
新C-plane確立eNB(セル)から、元C-plane確立eNB(セル)と接続時に接続していたのと異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEに新たに設定する他の方法を開示する。
RRC接続再確立処理後、U-planeの接続が必要な場合に、UEあるいはNWからU-plane接続要求を行っても良い。このU-plane接続要求として、サービスリクエストを行っても良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)の設立が必要か否かは、MMEあるいは新C-plane確立eNB(セル)が判断(選択・決定)する。新C-plane確立eNB(セル)が判断する場合は、該U-plane接続要求に引き続き、新C-plane確立eNB(セル)からMMEにU-plane設立要求メッセージを送出すると良い。
これ以降の処理については前述の方法を適用できる。
なお、元C-plane確立eNB(セル)と接続時に接続していたのと異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEに新たに設定する方法について開示したが、元のU-planeのみ確立eNB(セル)の一部を含んでいても良い。前述の方法を適用できる。
こうすることで、新C-plane確立eNB(セル)から、元C-plane確立eNB(セル)と接続時に接続していたのと異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEに新たに設定することが可能となる。UEと新C-plane確立eNB(セル)との新たな接続状況に応じたU-planeのみ確立eNB(セル)を選択、設定することが可能となるため、新C-plane確立eNB(セル)選択時に、通信速度の低下を回避することが可能となる。
前述した方法において、新C-plane確立eNB(セル)あるいはMMEが、U-planeのみ確立eNB(セル)を選択・決定すると開示したが、選択・決定の際に、優先順位を設けても良い。対象となるUEと接続されていた元のU-planeのみ確立eNB(セル)を優先的に選択・決定するようにしても良い。
こうすることで、設定が元のU-planeのみ確立eNB(セル)と同じセルになるため、該U-planeのみ確立eNB(セル)の再設定に必要となる設定パラメータが同じ場合、該パラメータは不要となる。MMEから各eNB(セル)へ、及び/又は U-planeのみ確立eNB(セル)からC-planeのみ確立eNB(セル)へ、及び/又は C-planeのみ確立eNB(セル)からUEへの再設定のシグナリングとして、再接続を要求する情報のみで良い。これによって、システムとしてシグナリング量を削減できる。
該再接続を要求する情報の具体例として、接続を要求することを示す情報、対象となるUEの識別子、対象となるU-planeのみ確立eNB(セル)の識別子、C-planeのみ確立eNB(セル)の識別子、E-RAB番号などとしても良い。
また、選択・決定の際の他の方法として、新C-plane確立eNB(セル)で構成可能なU-planeのみ確立eNB(セル)を選択・決定する、としても良い。UEに確実に接続可能なU-planeのみ確立eNB(セル)を設定可能となる。
後述のC-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理における、元C-plane確立eNB(セル)におけるタイマT32あるいはT33は、UEからのRRC接続再確立処理でストップすると良い。具体例として、RRC connection reestablishment requestの受信、あるいは、RRC connection reestablishment completeの受信でストップすると良い。これにより、タイマ満了によるNW側のU-planeのみ確立eNB(セル)の接続リリース処理は行わない。こうすることで、UEと元C-plane確立eNB(セル)間でRRC接続が再設立されたのに、元C-plane確立eNB(セル)間でC-planeおよびU-planeの接続が終了されてしまうのを回避することが可能となる。
前記所定の期間として、UEからのRRC接続再確立処理が行われる可能性がある期間を考慮した値とすると良い。
<新C-plane確立eNB(セル)が元C-plane確立eNB(セル)と異なる場合>
UEが選択した新C-plane確立eNB(セル)が、元C-plane確立eNB(セル)と異なる場合について開示する。
新たにU-planeのみ確立eNB(セル)を設定する。この場合、MMEが各eNB(セル)のERAB設定を行うと良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定は、新C-plane確立eNB(セル)が行っても良いし、MMEが行うようにしても良い。
これらの方法は、前述の、新C-plane確立eNB(セル)から、元C-plane確立eNB(セル)と接続時に接続していたのと異なるU-planeのみ確立eNB(セル)を、UEに新たに設定する方法を適用すると良い。
こうすることで、UEが、セル選択で、異なるC-plane確立eNB(セル)を選択した場合も、前述の効果と同等の効果を得られる。
<同じU-planeのみ確立eNB(セル)を選択・決定>
UEから新C-plane確立eNB(セル)に対して、元U-planeのみ確立eNB(セル)の情報を通知しても良い。
通知方法として、例えば、UEがセル選択した新C-plane確立eNB(セル)とのRRC接続再確立処理において該情報を通知しても良い。RRC接続再確立処理のRRC connection reestablishment request、あるいは、RRC connection reestablishment completeメッセージに含めて通知しても良い。
元U-planeのみ確立eNB(セル)の情報として、例えば、セル識別子、MMEが認識可能なセル識別子などがある。また、UEと各U-planeのみ確立eNB(セル)との間の通信品質を含めても良い。
UEから元U-planeのみ確立eNB(セル)の情報を受信した新C-plane確立eNB(セル)は、UEがどのU-planeのみ確立eNB(セル)と接続していたかを認識できるようになる。
これにより、UEが、新C-plane確立eNB(セル)として元C-plane確立eNB(セル)を選択した場合の方法を適用することができる。
新C-plane確立は、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定において、UEがどのU-planeのみ確立eNB(セル)と接続していたかを考慮して行っても良い。元U-planeのみ確立eNB(セル)を優先的に選択・決定するようにしてもよい。
新C-plane確立が選択・決定したU-planeのみ確立eNB(セル)に変更が無ければ、MMEに選択・決定したU-planeのみ確立eNB(セル)の通知を省略しても良い。
新C-plane確立eNB(セル)からUEに対して、同じU-planeのみ確立eNB(セル)と接続することを通知すれば良い。
該通知を受信したUEは、該U-planeのみ確立eNB(セル)と引続き通常動作により送受信を行う、あるいは、該U-planeのみ確立eNB(セル)のRBの停止を解除して通常動作に戻り送受信を行うようにすれば良い。
<C-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理>
C-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理を開示する。
C-plane確立eNB(セル)は対象となるUEとの接続状況を評価して、接続に問題があると判断した場合、UEとのRadio problem detectionを検出する。
C-plane確立eNB(セル)が対象となるUEとの接続を評価する方法について、接続に問題があると判断される事象の具体例を以下6つ開示する。
(1)PDSCHに対するAck/Nackが不達。
(2)PUSCHが不達。
(3)SRSが不達。
(4)PUCCHが不達。
(5)周期的CQIあるいは周期的CSIが不達。
(6)(1)から(5)の組合せ。
(1)は下り通信に対してUEから送信されたAck/Nackを受信できない場合に接続に問題があると判断しRadio problem detectionを検出する。Ack/Nackを連続してN31回受信できない場合としても良い。
(2)、(3)は上り通信に対してUEから送信されたPUSCHあるいはSRS(sounding reference signal)を受信できない場合に接続に問題があると判断しRadio problem detectionを検出する。PUSCHあるいはSRSを各々連続してN31回受信できない場合としても良い。
(4)は上り通信に対してUEから送信されたPUCCHを受信できない場合に接続に問題があると判断しRadio problem detectionを検出する。PUCCHを連続してN31回受信できない場合としても良い。
(5)は上り通信に対してUEから送信された周期的CQIあるいは周期的CSIを受信できない場合に接続に問題があると判断しRadio problem detectionを検出する。周期的CQIあるいは周期的CSIを各々連続してN31回受信できない場合としても良い。
また、(1)から(6)について、不達ではなく、通信品質が劣化した場合にRadio problem detectionを検出するとしても良い。Radio problem detection検出のため通信品質に所定の閾値を設けておくと良い。C-plane確立eNB(セル)は、UEから各チャネルあるいは信号とともに送信されるリファレンスシグナル(RS)あるいはRS相当の信号の受信品質を評価して、所定の閾値を下回った場合に、通信品質が劣化したと判断し、Radio problem detectionが検出されたとしても良い。
こうすることで、C-plane確立eNB(セル)においても、対象となるUEとの接続状況を評価でき、接続に問題があると判断した場合に、UEとの間でRadio problem detectionが検出されたとすることが可能となる。
なお、各項目(1)〜(5)において、閾値となる連続受信回数をN31回と同じにしたが、項目毎に異ならせても良い。これによって、通信環境に応じた調整が可能となる。
C-plane確立eNB(セル)は、対象となるUEとのRadio problem detectionを検出後、UEでのRLF関連処理と同様に時間で管理する。
C-plane確立eNB(セル)がradio problem detectionを検出した場合、C-plane確立eNB(セル)は、対象となるUEとの接続状況を引続き評価し、前記(1)から(6)における各信号がN31回連続して到達(受信)した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T31)内に、到達を所定の回数(N31回)連続で検出されなかった場合、RLFを検出したものとする。期間T31は、例えばradio problem detectionからの時間を計測するタイマによってそれを超過したか否かを管理することができる。
RLF検出した場合、所定の期間(T32)内にUEからRRC接続再確立要求メッセージを受信した場合、該UEとRRC接続再確立処理を行う。
所定の期間(T32)内にUEからRRC接続再確立要求メッセージを受信しない場合、UEとC-plane確立eNB(セル)との接続終了処理を行う。期間T32は、例えばRLF検出からの時間を計測するタイマによってそれを超過したか否かを管理することができる。
また、この際に、該UEとU-planeのみ確立eNB(セル)との接続が存在する場合は、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する処理を行う。
接続終了処理として、C-plane確立eNB(セル)およびU-planeのみ確立eNB(セル)とUEとの接続のためのリソースのリリースや、接続のための情報の削除を行う。
UEとの接続のためのリソースや情報として、RB/S1ベアラを設定するためのリソースや情報などがある。例えばUE contextなどがある。
UEとの接続終了処理を行うと判断したC-plane確立eNB(セル)は、該UEとのRB/S1ベアラのリリースや接続のための情報の削除を行う。該UEとの間に設定されているC-planeおよびU-plane接続用リソース(RB/S1)のリリース、接続のためのの削除を行う。
C-plane確立eNB(セル)は、これらの処理を完了した後、MMEにE-RABリリース完了メッセージを通知するようにしても良い。
なお、C-plane確立eNB(セル)におけるUEとのU-plane接続用無線リソース(DRB/S1)のリリースや接続のための情報の削除は、MMEからE-RABリリース要求により行うようにしても良い。この場合、MMEはU-plane確立eNBに対してE-RABリリース要求メッセージを通知すると良い。
また、C-plane確立eNB(セル)におけるUEとの間のRB/S1ベアラのリリースや接続のための情報の削除は、MMEからのE-RABリリース要求により行うようにしても良い。この場合、MMEはU-plane確立eNBに対して、ベアラのリリースが全RB/S1ベアラを対象とする旨の情報を含めたE-RABリリース要求メッセージを通知すると良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)とUEとの間のRB/S1ベアラのリリースや接続のための情報の削除を行う方法の具体例を開示する。
UEとの接続終了処理を行うと判断したC-plane確立eNB(セル)は、MMEに対して、該UEのためのU-plane接続リリース要求メッセージを通知する。
U-plane接続リリース要求メッセージに、対象となるUEの識別子を含めておくと良い。また、C-plane確立eNBが、該UEと接続しているU-planeのみ確立eNBを認識している場合は、U-planeのみ確立eNBの識別子を含めても良い。また、接続終了処理を行う理由を通知しても良い。この理由情報の通知により、MMEがどのような処理を行えば良いか判断することが可能となる。
該メッセージを受信したMMEは、該UEのために設立しているU-planeのみ確立eNBに対して、該UEとの全RB/S1ベアラのリリースや接続のための情報の削除を要求するための、接続リリース要求メッセージを通知する。接続リリース要求メッセージとして、E-RABリリース要求メッセージを適用しても良い。接続リリース要求メッセージに、対象となるUEの識別子を含めておくと良い。
また、MMEは、S-GWに対して、該UEのために設立しているU-planeのみ確立eNBに対する設定の削除を要求する。この方法として、実施の形態2の図31で開示したST3110からST3112を適用すると良い。該要求メッセージとして、modify bearer requestを適用し、該メッセージを受信したS-GWは、対象となるUEと接続しているU-planeのみ確立eNBに対する設定、例えばS1ベアラのパス設定などを、削除する。削除後、S-GWはMMEに対して削除完了メッセージを通知しても良い。modify bearer responseを適用しても良い。
接続リリース要求信号を受信したU-planeのみ確立eNB(セル)は、通知されたUEの識別子を用いて、該UEとの間に設定されているU-plane接続用無線リソース(DRB/S1)のリリース、接続のための情報の削除を行う。
U-planeのみ確立eNB(セル)は、これらの処理を完了した後、MMEにU-plane接続リリース完了メッセージを通知するようにしても良い。U-plane接続リリース完了メッセージとして、E-RABリリース完了メッセージを適用しても良い。各U-planeのみ確立eNBにおいて対象となるUEのU-plane接続用リソースや情報がリリースや削除されたことを、MMEは、確実に認識できる。
これらの接続終了処理は、実施の形態1や実施の形態2や実施の形態2変形例3で開示したeNBを削除する場合の方法を適用できる。ただし、UEとC-plane確立eNBとの間の接続が不可能な状態のため、該方法の中で、UEとRRC接続を有するeNBとの間で行なわれるシグナリングなどの処理は行わない。
例えば、実施の形態1で開示した方法を適用する場合は、例えば、図23のシーケンスのST2302を適用するとよい。この場合、ST2310は行わないとすれば良い。
例えば、実施の形態2で開示した方法を適用する場合は、例えば、図31のシーケンスのST3101からST3112までの処理を適用するとよい。この場合、ST3105、ST3106、ST3107は行わないとすればよい。さらに、ST3104、ST3108についても、UEとU-planeのみ確立eNBとの間で行われるシグナリングに関するものであることから、これらの処理を行わないとしても良い。
例えば、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用する場合は、例えば、図39のシーケンスST3902からST3112までの処理を適用するとよい。この場合もST3114の中のST3105、ST3106、ST3107、ST3104、ST3108は行わないとすれば良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)とUEとのRB/S1ベアラのリリースや接続のための情報の削除を行う方法の他の具体例を開示する。
UEとの接続終了処理を行うと判断したC-plane確立eNB(セル)は、該UEのために設立しているU-planeのみ確立eNBに対して直接、接続リリース要求メッセージを通知しても良い。X2インタフェースを用いても良いし、他のインタフェースを用いても良い。
該接続リリース要求信号に、対象となるUEを識別するための識別子を含めると良い。
接続リリース要求信号を受信したU-planeのみ確立eNB(セル)は、通知されたUEとの間に設定されているU-plane接続用無線リソース(DRB/S1)のリリース、接続のための情報の削除を行う。U-planeのみ確立eNB(セル)は、これらの処理を完了した後、MMEにU-plane接続リリース完了メッセージを通知する。U-plane接続リリース完了メッセージとして、E-RABリリース完了メッセージを適用しても良い。
U-plane接続リリース完了メッセージを受信したMMEは、S-GWに対して、該UEのために設立しているU-planeのみ確立eNBに対する設定の削除を要求する。この方法は前述の方法を適用するとよい。これにより、S-GWにおける設定の削除を行うことが可能となる。
このような方法とすることで、C-plane確立eNB(セル)およびU-planeのみ確立eNB(セル)とUEとの接続のためのリソースのリリースや、接続のための情報の削除を行うことが可能となる。
NW側で不要となったリソースのリリースおよび情報の削除を実行できるので、NW側のノードにおいて無駄なリソースを保持し続けたり、無駄な情報を記憶し続けたりする必要が無くなるため、リソースの使用効率の向上が可能となる。
また、NW側においてもリリース処理を行うことで、UEとNW側とでの状態の不一致を極力回避することが可能となる。従って、システムとしての誤動作を低減することができる。
前述の方法では、所定の期間としてT31とT32を設けたが、他の例として、一つの所定期間で判断するようにしても良い。
例えば、C-plane確立eNB(セル)がradio problem detectionを検出してから所定の期間(T33)内に、到達を所定の回数(N32回)連続で検出されなかった場合、あるいは、RRC接続再確立要求メッセージを受信できなかった場合、UEとC-plane確立eNB(セル)および、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する処理を行う。
所定の期間(T33)内に、到達を所定の回数(N32回)連続で検出した場合、あるいは、RRC接続再確立要求メッセージを受信できた場合は、前述の方法を適用すれば良い。期間T33は、例えばradio problem detectionからの時間を計測するタイマによってそれを超過したか否かを管理することができる。
設定する所定の期間を一つにすることで制御を単純にすることが可能となる。
図58は実施の形態8に係るRLF関連処理のシーケンス例を示す図である。UEでのRLF関連処理とC-plane確立セルでのRLF関連処理があわせて示されている。
RRC_Connected状態に移行したUEは、ST5801でC-eNBとのRLMを開始する。C-eNBとの接続において、ST5802でN21回連続してout-of-syncとなったかどうか判断する。N21回連続してout-of-syncとなった場合radio problem detectionを検出(ST5803)してFirst Phaseに移行する。N21回連続してout-of-syncとならない場合はRLMを行い、再度ST5802を実行する。ST5803でradio problem detectionを検出したUEは、次のST5804においてタイマT21をスタートさせる。First Phaseでは引続きRLMを行う。ST5805でN22回連続してin-syncとなったかどうかを判断する。N22回連続してin-syncとなった場合、normal operationに戻り引続きRLMを行い、ST5802を実行する。N22回連続してin-syncとならなかった場合、ST5806でタイマT21が満了したか否かを判断する。まだ満了していない場合は、引続きRLMを行い、ST5805を実行する。タイマが満了した場合は、ST5807でRLFを検出する。ST5807でRLFを検出したUEは、Second Phaseに入り、ST5808でタイマT21をストップし、タイマT22をスタートさせる。図58で示した例では、Second PhaseでUEはU-planeのみ確立セル(U-eNB)とのRBを停止せず、通常動作とする。Second PhaseでUEはセル選択処理を起動してセルサーチを行う(ST5809)。ST5810でUEはセル選択できたか否かを判断し、選択できない場合は、ST5811でタイマT22が満了したか否かを判断する。タイマT22がまだ満了していない場合は、ST5809のセルサーチを引続き行う。ST5811でタイマT22が満了した場合は、ST5812でRRC接続離脱処理を行い、ST5813で、UEとU-eNBとの接続を終了させる。RRC接続離脱処理を行うことで、UEは、3001でRRC_Idleに移行する。3001のRRC_Idleでは、UEとU-eNBとの接続が終了した状態となるため、RRC_Idleで接続しているU-eNBは存在しない。
これにより、UEが複数eNBを用いて通信しているような場合に、UEがRRC_Idle状態に移行した場合にU-plane接続のための無線リソースを無駄に保持してしまう問題を回避でき、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
ST5810でUEがセル選択をできた場合は、ST5814でタイマT22をストップし、ST5815で選択したセルが元のC-eNB(元C-eNB)か否かを判断する。元C-eNBでない場合は、[B]の処理を行う。[B]の処理の具体例は後述する図61に開示する。選択したセルが元C-eNBである場合は、選択した元C-eNBとの間で、ST5816で示す一連のRRC接続再確立処理を行う。ST5817でUEは元C-eNBに対してRRC connection reestablishment requestメッセージを通知し、ST5821で元C-eNBはUEに対してRRC connection reestablishmentメッセージを通知する。RRC connection reestablishmentメッセージを受信したUEは、元C-eNBとの間でRRC接続再確立処理を行う。元C-eNBとRRC接続再確立処理を完了したUEは、ST5823で元C-eNBに対してRRC connection reestablishment completeメッセージを通知する。このRRC connection reestablishment処理により、UEと元C-eNBとS-GWとの間にRadio bearer1(3003)およびS1 bearer1(3004)が再設定される。また、second phaseで、UEとU-eNBとの接続は通常動作としていたため、UEとU-eNB(元U-eNB)とS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)(3027)およびS1bearer2(3028)は引続き設定される。このため、ST3005、ST3006でU-planeデータが元C-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となり、ST3032、ST3033でU-planeデータが元U-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。これにより、UEは、元C-eNBおよび元U-eNBを用いて通信できるようになる。
図58では、Second PhaseでU-planeのみ確立セル(U-eNB)とのRBを停止せず、通常動作とした場合を示した。Second PhaseでU-planeのみ確立セル(U-eNB)とのRBを停止とする場合は、ST5808の後、ST5809の前にU-eNBとのRB停止処理を加えれば良い。さらに、ST5815で元C-eNBを選択した場合に、元C-eNBは、UEに対して停止していたU-planeのRBを通常動作に戻すことを示す情報(例えばU-eNB再起動情報とする)を、RRC connection reestablishment処理中のRRC connection reestablishmentメッセージ(ST5812)に含ませて、UEに通知すると良い。あるいは、元C-eNBは、U-eNB再起動情報をRRC connection reconfigurationメッセージ中に含ませて、RRC connection reestablishment処理後に、UEに通知すると良い。U-eNB再起動情報を受信したUEは、停止していたU-eNBのRBを再起動させ、通常動作に戻す。これにより、UEとU-eNB(元U-eNB)とS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)(3027)およびS1bearer2(3028)が設定され、U-planeデータが元U-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。従って、UEは、元C-eNBおよび元U-eNBを用いて通信できるようになる。
次に、C-eNBでのRLF関連処理について示す。
UEとC-plane接続をしているC-eNBは、ST5826でUEとの間でRLMを開始する。UEとの間の接続において、ST5827でN31回連続して上り信号あるいはチャネルが不達となったかどうか判断する。上り信号として、例えば、周期的CQIとする。N31回連続して周期的CQIが不達となった場合radio problem detectionを検出(ST5828)する。N31回連続して周期的CQIが不達とならない場合はRLMを行い、再度ST5827を実行する。ST5828でradio problem detectionを検出したC-eNBは、ST5829においてタイマT31をスタートさせ、引続きRLMを行う。ST5830でN32回連続して周期的CQIを受信できたかどうかを判断する。N32回連続して周期的CQIを受信できた場合、normal operationに戻り引続きRLMを行い、ST5827を実行する。N32回連続して周期的CQIを受信できなかった場合、ST5831でタイマT31が満了したか否かを判断する。まだ満了していない場合は、引続きRLMを行い、ST5830を実行する。タイマが満了した場合は、ST5832でRLFを検出する。ST5832でRLFを検出したC-eNBは、ST5833でタイマT31をストップし、タイマT32をスタートさせる。C-eNBは、ST5818でUEからRRC connection reestablishment requestを受信したかどうかを判断する。受信した場合は、ST5819でタイマT32をストップする。ST5820で元のU-eNBを選択するか否かを判断し、選択する場合は、ST5821、ST5823の処理へ移行する。ST5820で元のU-eNBを選択しなかった場合は、ST5822でRRC connection reestablishmentメッセージをUEに通知する。RRC connection reestablishmentメッセージを受信したUEは、元C-eNBとのRRC接続再接続処理を行う。元C-eNBとのRRC接続再接続処理を完了したUEは、ST5824で、元C-eNBに対してRRC connection reestablishment comleteメッセージを通知する。RRC connection reestablishment comleteメッセージを受信した元C-eNBは[A]の処理を行う。[A]の処理の具体例は後述する図59あるいは図60に開示する。
ST5818で、UEからRRC connection reestablishment requestを受信しない場合は、ST5825でタイマT32が満了したか否かを判断する。満了していない場合は戻ってST5818の判断を継続する。ST5825において、タイマT32が満了したと判断した元C-eNBは、UEとの接続終了処理を起動する。接続終了処理の起動により、UEと元C-eNBとの接続終了処理およびUEとU-eNBとの接続終了処理が行われる。この処理は[C]以降に示す。[C]の処理の具体例は後述する図62に開示する。
図59は、図58における[A]の処理のシーケンス例である。元C-eNBが新たなU-planeの確立eNB(セル)(新U-eNB)を選択・決定する場合について開示する。
図58のST5820で元U-eNBを選択しない場合、元C-eNBはUEに対してRRC connection establishment処理を行い、[A]の処理に移行する。元C-eNBはUEに対してRRC connection establishment処理を行うことで、図59に示す通り、UEと元C-eNBとS-GWとの間にRadio bearer1(3003)およびS1 bearer1(3004)が再設定される。これにより、ST3005、ST3006でU-planeデータが元C-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
RRC接続再確立処理後、元C-eNBが新U-eNBの選択・決定を行い、該新U-eNBとのU-plane接続処理を行う。この一連の処理は図38のST3802からST3036で開示した処理を適用する。こうすることで、UEと新U-eNBとS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)およびS1 bearer2が設定され、U-planeデータが新U-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
これにより、UEは、元C-eNBおよび新U-eNBを用いて通信できるようになる。
元U-eNBの削除処理は、実施の形態2変形例3の図39で開示した方法を適用すると良い。図39のST3902からST3115を適用できる。なお、ST3010で、MMEは新U-eNBを設定するため、元U-eNBを削除することも可能である。この場合は、ST3011からST3115を適用すると良い。新U-eNBの設定のシーケンスと元U-eNBの削除のシーケンスは継続して行われても良いし、並列に行われても良い。
図60は、図58における[A]の処理の他のシーケンス例である。MMEが新たなU-planeの確立eNB(セル)(新U-eNB)を選択・決定する場合について開示する。
図58のST5820で元U-eNBを選択しない場合、元C-eNBはUEに対してRRC connection establishment処理を行い、[A]の処理に移行する。元C-eNBはUEに対してRRC connection establishment処理を行うことで、図60に示す通り3003および3004で、UEと元C-eNBとS-GWとの間にRadio bearer1(3003)およびS1 bearer1(3004)が再設定される。これにより、ST3005、ST3006でU-planeデータが元C-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
RRC接続再確立処理後、ST6001で、元C-eNBは、MMEに対してU-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定から行うよう要求するための、U-plane設立要求メッセージを通知する。U-plane設立要求メッセージを受信したMMEは、U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定を行い、各eNB(セル)のE-RAB設定を決定して、各eNB(セル)に対してE-RAB設定/修正を行う。これらの処理から、U-planeのみ設立eNB(セル)設定までの処理は、図30のST3009からST3036で開示した処理を適用する。こうすることで、UEと新U-eNBとS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)およびS1 bearer2が設定され、U-planeデータが新U-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
これにより、UEは、元C-eNBおよび新U-eNBを用いて通信できるようになる。
元U-eNBの削除処理は、実施の形態2の図31で開示した方法を適用すると良い。図31のST3101からST3115を適用できる。新U-eNBの設定のシーケンスと元U-eNBの削除のシーケンスは継続して行われても良いし、並列に行われても良い。
図61は、図58における[B]の処理のシーケンス例である。MMEが新たなU-planeの確立eNB(セル)(新U-eNB)を選択・決定する場合について開示する。
図58のST5815で、UEが、新C-plane確立eNB(セル)(新C-eNB)として元C-eNBとは異なるセルを選択した場合、[B]の処理に移行する。図61のST5816で、UEは選択した新C-eNBとRRC接続再確立処理を行う。ST5816でRRC接続再確立処理が完了した後、UEは、U-plane接続が必要な場合に、U-plane接続を行うため、ST6101でサービスリクエスト処理を行う。すでにST5816のRRC接続再確立処理によりRRC接続が設立されているので、ST6101のサービスリクエスト処理では、RRC接続setup処理は不要である。ST6101のサービスリクエスト処理により、UEと新C-eNBとS-GWとの間にRadio bearer1(3003)およびS1 bearer1(3004)が再設定される。これにより、ST3005、ST3006でU-planeデータが新C-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
ST6101のサービスリクエスト処理に引き続いて、ST6001で、新C-eNBは、MMEに対してU-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定から行うよう要求するための、U-plane設立要求メッセージを通知する。U-plane設立要求メッセージを受信したMMEは、U-planeのみ確立eNB(セル)の選択・決定を行い、各eNB(セル)のE-RAB設定を決定して、各eNB(セル)に対してE-RAB設定/修正を行う。これらの処理から、U-planeのみ設立eNB(セル)設定までの処理は、図30のST3009からST3036で開示した処理を適用する。こうすることで、UEと新U-eNBとS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)およびS1 bearer2が設定され、U-planeデータが新U-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
これにより、UEは、新C-eNBおよび新U-eNBを用いて通信できるようになる。
図62は、図58における[C]の処理のシーケンス例である。元C-eNBがU-plane設立eNBの削除を決定する場合について開示する。図58のST5825で、タイマT32が満了したと元C-eNBが判断した場合、[C]に移行し、元C-eNBはUEとの接続終了処理を起動する。これにより、UEと元C-eNBおよびU-eNBとの接続終了処理が行われる。
図62では、元C-eNBはUEとの接続終了処理として、実施の形態2変形例3で開示した方法を適用する場合について示す。図39のシーケンスST3902からST3112までの処理を適用する。ただし、UEへのシグナリングに関するものは無くす。
ST3902で元C-eNBは自セルも含めて対象となるUEに対してU-planeを設立している全eNBの削除を決定する。この際に、タイマT32の満了による接続終了処理であることを判断指標としても良い。ST3903で、元C-eNBはMMEに対してE-RABリリース要求を通知する。E-RABリリース要求を受信したMMEは、ST3010で該要求メッセージに含まれている対象となるUEの識別子、元e-NBの識別子、削除するeNBの識別子などを用いて各eNBのE-RABリリースを決定する。MMEは、ST6201で、元C-eNBに対してE-RABリリースを要求するメッセージを通知する。MMEから元C-eNBに対して通知するE-RABリリースの要求メッセージには、ベアラのリリースが全RB/S1ベアラを対象とする旨の情報を含めておくとよい。MMEは、ST3102で、元U-eNBに対して、E-RABリリースを要求するメッセージを通知する。E-RABリリースを要求するメッセージを受信した元C-eNBは、ST6202で対象となるUEに対して設定されていた全RB/S1ベアラのリリースおよびUEに関する情報を削除する。ST6202の処理を完了したUEはST6203でMMEにE-RABリリースの完了を通知する。また、E-RABリリースを要求するメッセージを受信した元U-eNBは、ST3103で対象となるUEに対して設定されていたDRB/S1ベアラのリリースおよびUEに関する情報を削除する。ST3103の処理を完了したUEはST3109でMMEにE-RABリリースの完了を通知する。
これにより、元C-eNBはUEとのRRC接続を終了でき、6204でUEとの状態をRRC_Idle状態にすることができる。また、元C-eNBおよび元U-eNBで、全RB/S1ベアラのためのリソースのリリースやUEに関する情報の削除が行われる。従って、接続終了処理が完了する。
本実施の形態で開示した方法とすることで、C-plane確立eNB(セル)との通信品質が劣化して通信が不可能になったとしても、UEは、U-plane接続のための無駄なリソースの保持を回避することか可能となる。このため、無線リソースの使用効率を向上させることができる。
また、UEとNW側との間での処理の曖昧さを無くすことで、U-plane接続の設立/削除を行うことが可能となり、正常なデータ通信を行うことが可能となる。
また、システムとしての誤動作を低減することができる。
元C-plane確立eNB(セル)のタイマT32あるいはT33は、UEから新C-plane確立eNB(セル)へのRRC接続再確立処理ではストップされない。
NW側の、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理は、元C-plane確立eNB(セル)のタイマT32あるいはT33の満了で起動する。
新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の設定タイミングと、NW側のU-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理のタイミングとが前後してしまう問題が生じる場合がある。
この問題を解消するため、MMEが調整をはかる。
タイマT32あるいはT33の満了により接続終了処理が起動された場合、U-plane接続リリース要求メッセージを受信したMMEが、新C-plane確立eNB(セル)で、該UEに対して、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定を行っているか否かをチェックする。
行っている場合は、リリース処理を破棄する。行っていない場合は、リリース処理を実行する。
こうすることで、例えば、新たに設定されたU-planeのみ確立eNB(セル)がリリースされてしまう、などの問題の発生を回避することが可能となる。システムとして誤動作を低減でき安定した動作にする事が可能となる。
元C-plane確立eNB(セル)からMMEに、MMEによる判断の誤動作を低減するための情報を通知しても良い。
該情報を、元C-plane確立eNB(セル)からMMEに、U-plane接続リリース要求メッセージに含めて通知する。
該情報の具体例を以下に3つ開示する。
(1)該タイマ満了によるリリース処理要求か否か。
(2)タイマ満了した元C-plane確立eNB(セル)の識別子。
(3)対象となるUEの識別子。
他の方法として、MMEによる判断の誤動作を無くすため、RLFによる再設定か否かの情報を設けても良い。該情報を、UEからMMEに、あるいは、UEから新C-plane確立eNB(セル)に、あるいは、新C-plane確立eNB(セル)からMMEに通知する。
これにより、MMEはU-planeのみ確立eNB(セル)の設定の原因がRLFか否かを判断できる。従って、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定後にU-plane接続リリース要求メッセージを受信した場合、すでに設定したU-planeのみ確立eNB(セル)がRLFによる場合は、該U-plane接続リリース要求メッセージを破棄し、RLFで無い場合は、該U-plane接続リリース要求メッセージに従って、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了(リリース)処理を行うようにすれば良い。
このような方法をとることで、MMEにおける判断の誤動作を低減することが可能となる。
新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の設定タイミングと、NW側のU-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理のタイミングとが前後してしまう問題を回避する他の方法として、UEから新C-plane確立eNB(セル)へのRRC接続再確立処理を契機に、新C-plane確立eNB(セル)から元C-plane確立eNB(セル)へ、元C-plane確立eNBにおける、タイマT32あるいはT33の満了でのU-planeのみ確立eNBの接続終了処理の終了を指示するシグナリングを設けると良い。該シグナリングを、新C-plane確立eNB(セル)から元C-plane確立eNB(セル)へ、MMEを介して通知するようにしても良い。例えば、元C-plane確立eNBにおいて設定されていたU-planeのみ確立eNB(セル)と新C-plane確立eNB(セル)で設定されるU-planeのみ確立eNB(セル)が同じ場合に適用することで、該U-planeのみ確立eNB(セル)の設定後に削除されることを無くすことができる。
また、該シグナリングに、新C-plane確立eNB(セル)で設定するU-planeのみ確立eNB(セル)に関する情報、例えば識別子を含めても良い。これにより、元のC-plane確立eNB(セル)は、タイマT32あるいはT33の満了でのU-planeのみ確立eNBの接続終了処理の終了を実行するか否かを判断可能となる。あるいは、同じU-planeのみ確立eNB(セル)のみ接続終了処理を終了するようにしても良い。
こうすることで、システムとして誤動作を低減でき安定した動作にする事が可能となる。
実施の形態8変形例1.
<U-planeのみ確立eNBとの接続終了処理方法 (b)>
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法の他の具体例を開示する。
UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてRLFを検出した場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理として、UEは、接続している全U-planeのみ確立eNB(セル)におけるU-planeの全接続の終了処理を行う。全U-planeのみ確立eNB(セル)における、U-planeの全RBのMAC、RLC、PDCPのリリースを含む、U-planeの全無線リソースのリリースを行う。
図57(b)は、本変形例に係るRLF関連処理について説明するための図である。図57(b)は、図57(a)と類似しているので、同一のエレメントに関しては共通する説明を省略する。
Normal operation状態のUEが、C-plane確立eNB(セル)との間でRLMを行い、out-of-syncを所定の回数(N21)連続で検出(radio problem detection)した場合に、First Phaseに入る。
First Phaseで、UEは、C-plane確立eNB(セル)との間でRLMを引続き行い、in-syncを所定の回数(N22)連続で検出した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T21)内に、in-syncを所定の回数(N22)連続で検出されなかった場合、RLFを検出し、second phaseに入る。
UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてRLFを検出した場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
second phase で、UEは、RLF情報を記憶し、RRC接続再確立処理を起動する。
ASセキュリティが起動されていない場合は、RRC接続離脱処理を行うとしても良い。
<RRC接続再確立処理>
RRC接続再確立処理の起動において、UEは、C-plane確立eNB(セル)における、SRB0を除く全RBを停止し、MACのリセット、SCellのリリース、デフォルトのPHY設定の適用、デフォルトのMAC主設定の適用等を行い、セルセレクション処理を行う。UEとC-plane確立eNB(セル)との間でU-planeの接続が存在する場合は、該U-planeの接続のための全RBも含めて停止する。すなわち、C-plane確立eNB(セル)との間のU-planeの接続に関しては、U-planeのみ確立eNB(セル)に対する処理ではなく、C-plane確立eNB(セル)に対する処理に従う。
U-planeのみ確立eNB(セル)においてCA(carrier aggregation)が構成されている場合は、該CAのSCellのリリースを行うようにしても良い。
<実施の形態8との比較>
UEが、RRC接続離脱処理(leaving RRC_Connected)を行う場合や、RRC接続再確立処理を行う場合のU-planeのみ確立eNB(セル)の取扱い方法について開示する。
実施の形態8で開示した方法と異なり、UEは、Second Phaseでセル選択成功した場合、すでに、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了(リリース)している。このため、UEがセル選択でどのC-plane確立eNB(セル)を選択しても、また、RRC接続再確立したC-plane確立eNB(セル)あるいはMMEによってどのU-planeのみ確立eNB(セル)を選択・決定されても、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の設定になる。
従って、MMEが各eNB(セル)のE-RAB設定を行うと良く、このため、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定要求をMMEに通知する必要が有る。
この場合のU-planeのみ確立eNB(セル)の設定および削除の方法は、実施の形態8で開示した、元C-plane確立eNB(セル)を選択した場合の異なるU-planeのみ確立eNB(セル)と接続する場合の方法を適用すると良い。
あるいは、実施の形態8で開示した、異なるC-plane確立eNB(セル)を選択した場合の方法を適用すると良い。
本変形例で開示した方法とすることで、実施の形態8で開示した方法に比べ、UEは、second Phaseの間もU-plane接続用無線リソースの無駄な保持を回避することが可能となる。すなわち、早期にU-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理を行うことで、無線リソースの使用効率を向上させることができる。
また、RLF後のsecond Phaseはセル選択処理を行うフェーズである。つまり、たとえリカバリしたとしても、他のセル(異なるC-plane確立eNB(セル))との接続になる可能性が大きい。他のセルとの接続になった場合、該セルとの接続状況におけるU-planeの設定が必要となる場合が生じてしまう。それを考慮して、UEはRLF検出の時点でU-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理を行うようにすることで、新C-plane確立eNB(セル)との通信環境を反映することが可能となり、RRC接続再確立した場合の通信品質が低下するのを回避することが可能となる。
<設定と削除のタイミングずれ>
本変形例における、NW側によるU-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了(リリース)は、C-plane確立eNB(セル)のRLF関連処理におけるタイマT31で管理され、タイマT31満了で接続終了処理が行われるようにする。UEにおけるRLFとともに、NW側でのRLFで接続終了処理が行われるようにすると良い。
しかし、UEとNW側とで完全に同じタイミングで行われるとは限らない。
元C-plane確立eNB(セル)のタイマT31は、UEから新C-plane確立eNB(セル)へのRRC接続再確立処理でリセットできない。
新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の設定タイミングと、NW側のU-planeのみ確立eNB(セル)のリリースのタイミングが前後する場合がある。
この場合、新たに設定されたU-planeのみ確立eNB(セル)がリリースされてしまう、という問題が発生する場合がある。
この問題を解消するため、MMEが調整をはかる。
MMEにおける調整方法は、実施の形態8で開示した方法を適用すると良い。同等の効果が得られる。
このような方法をとることで、MMEにおける判断の誤動作を低減することが可能となる。
実施の形態8変形例2.
<U-planeのみ確立eNBとの接続終了処理方法 (c)>
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法の他の具体例を開示する。
UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてRadio problem detectionした場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理として、UEは、接続している全U-planeのみ確立eNB(セル)におけるU-planeの全接続の終了処理を行う。全U-planeのみ確立eNB(セル)における、U-planeの全RBのMAC、RLC、PDCPのリリースを含む、U-planeの全無線リソースのリリースを行う。
図57(c)は、本変形例に係るRLF関連処理について説明するための図である。図57(c)は、図57(a)と類似しているので、同一のエレメントに関しては共通する説明を省略する。
Normal operation状態のUEが、C-plane確立eNB(セル)との間でRLMを行い、out-of-syncを所定の回数(N21)連続で検出(radio problem detection)した場合に、First Phaseに入る。
UEは、C-plane確立eNB(セル)との接続においてradio problem detectionを検出した場合に、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
First Phaseで、UEは、C-plane確立eNB(セル)との間でRLMを引続き行い、in-syncを所定の回数(N22)連続で検出した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T21)内に、in-syncを所定の回数(N22)連続で検出されなかった場合、RLFを検出し、second phaseに入る。
second phase で、UEは、RLF情報を記憶し、RRC接続再確立処理を起動する。
ASセキュリティが起動されていない場合は、RRC接続離脱処理を行うとしてもよい。
<RRC接続再確立処理>
RRC接続再確立処理の起動において、UEは、C-plane確立eNB(セル)における、SRB0を除く全RBを停止し、MACのリセット、SCellのリリース、デフォルトのPHY設定の適用、デフォルトのMAC主設定の適用等を行い、セルセレクション処理を行う。UEとC-plane確立eNB(セル)との間でU-planeの接続が存在する場合は、該U-planeの接続のための全RBも含めて停止する。すなわち、C-plane確立eNB(セル)との間のU-planeの接続に関しては、U-planeのみ確立eNB(セル)に対する処理ではなく、C-plane確立eNB(セル)に対する処理に従う。
U-planeのみ確立eNB(セル)においてCA(carrier aggregation)が構成されている場合は、該CAのSCellのリリースを行うようにしても良い。
<実施の形態8変形例1との比較>
UEが、RRC接続離脱処理(leaving RRC_Connected)を行う場合や、RRC接続再確立処理を行う場合のU-planeのみ確立eNB(セル)の取扱い方法は実施の形態8変形例1で開示した方法を適用すれば良い。同等の効果を得られる。
<実施の形態8、実施の形態8変形例1との比較>
UEが、radio problem detectionを検出後、再同期(in-syncを所定の回数(N22)連続で検出)してNormal operation状態に戻った場合のU-planeのみ確立eNB(セル)の取扱い方法について開示する。
実施の形態8、実施の形態8変形例1で開示した方法と異なり、UEが、first Phaseで再同期した場合に、すでにU-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了(リリース)している。このため、再同期した(元)C-plane確立eNB(セル)あるいはMMEによって、どのU-planeのみ確立eNB(セル)が選択・決定されても、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の設定になる。
従って、MMEが各eNB(セル)のE-RAB設定を行うと良く、このため、元C-plane確立eNB(セル)がU-planeのみ確立eNB(セル)の設定要求をMMEに通知する必要が有る。
この場合のU-planeのみ確立eNB(セル)の設定および削除の方法は、実施の形態8で開示した、元C-plane確立eNB(セル)を選択した場合の異U-planeのみ確立eNB(セル)と接続する場合の方法を適用すると良い。
本変形例で開示した方法とすることで、実施の形態8あるいは実施の形態8変形例1に比べてさらに早くリソースのリリースを行うことが可能となる。このため、結果的にリカバリ(再同期、RRC接続再確立)ができなかった場合などにおいて、リソースの無駄を無くすことが可能となり、リソースの利用効率を向上させることができる。
<設定と削除のタイミングずれ>
本変形例における、NW側によるU-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了(リリース)は、C-plane確立eNB(セル)のRLF関連処理において、UEとのradio problem detectionが検出された場合に行われるとよい。
しかし、UEとNW側とで完全に同じタイミングでradio problem detectionを検出するとは限らない。
NW側の、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理は、元C-plane確立eNB(セル)のradio problem detection検出で起動される。
新たなU-planeのみ確立eNB(セル)の設定タイミングと、NW側のU-planeのみ確立eNB(セル)のリリースのタイミングが前後する場合がある。
この場合、新たに設定されたU-planeのみ確立eNB(セル)がリリースされてしまう、という問題が発生する場合がある。
この問題を解消するため、MMEが調整をはかる。
radio problem detectionによる接続削除処理が起動された場合、MMEが、元C-plane確立eNB(セル)で、該UEに対して、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定を行っているか否かをチェックする。
行っている場合は、リリース処理を破棄する。行っていない場合は、リリース処理を実行する。
元C-plane確立eNB(セル)からMMEに、MMEによる判断の誤動作を低減するための情報を通知しても良い。
該情報を、元C-plane確立eNB(セル)からMMEに、リリース要求メッセージに含めて通知する。
該情報の具体例を以下に3つ開示する。
(1)radio problem detectionによるリリース処理要求か否かを示す情報。
(2)radio problem detectionした元C-plane確立eNB(セル)の識別子。
(3)対象となるUEの識別子。
他の方法として、MMEによる判断の誤動作を無くすため、再同期後の再設定か否かの情報を設けて通知しても良い。UEからMMEに、あるいは、UEから元C-plane確立eNB(セル)に、あるいは、元C-plane確立eNB(セル)からMMEに通知する。
これにより、MMEはU-planeのみ確立eNB(セル)の設定の原因が再同期か否かを判断できる。従って、U-planeのみ確立eNB(セル)の設定後にリリース要求メッセージを受信した場合、すでに設定したU-planeのみ確立eNB(セル)が再同期による場合は、該リリース要求メッセージを破棄し、再同期で無い場合は、該リリース要求メッセージに従って、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了(リリース)処理を行うようにすれば良い。
このような方法をとることで、MMEにおける判断の誤動作を低減することが可能となる。
実施の形態8から実施の形態8変形例2において、C-plane確立eNBにおけるRLF関連処理におけるU-planeのみ確立eNBの接続終了処理の起動をUEにおけるRLF関連処理におけるU-planeのみ確立eNBの接続終了処理の起動よりも十分遅く開始するようにするため、C-plane確立eNBにおけるRLF関連処理で設定する所定の期間T31を、UEにおけるRLF関連処理で設定した所定の期間T21よりも長く設定すると良い。及び/又は、同様にT32が設定される場合、T22よりも長く設定すると良い。及び/又は、T33が設定される場合、T21とT22の合計よりも長く設定すると良い。
こうすることで、C-plane確立eNBにおけるRLF関連処理におけるU-planeのみ確立eNBの接続終了処理の起動をUEにおけるRLF関連処理におけるU-planeのみ確立eNBの接続終了処理の起動よりも十分遅く開始することが可能となるため、例えば、UEがまだU-planeのみ確立eNBの接続終了処理を行っていないのに、NW側で先にU-planeのみ確立eNBの接続終了処理を行ってしまう、という誤動作を低減することが可能となる。NW側でのU-planeのみ確立eNBの接続終了処理にともなうシグナリングを削減することも可能となる。
<HOF>
実施の形態2から実施の形態3変形例1で、U-planeのみ確立eNB(セル)の変更はHOではなくU-planeのみ確立eNB(セル)の追加/削除/修正で行われることを開示した。一方、C-plane確立セルの変更についてはHOを適用すればよいことを開示した。また、C-plane確立セル間でHOが行われる場合のU-planeのみ確立セルの取扱い方法を開示した。
C-plane確立セル間でHOが行われる場合のU-planeのみ確立セルの取扱い方法として、(2)にU-planeの接続を確立するeNBを、ターゲットC-plane確立eNBからUEに通知することを開示したが、U-planeのみ確立セルがHO前後で同じであった場合、UEへの通知を行わなくても良い。UEはHOの際に該通知がない場合、U-planeのみ確立セルの接続変更を行わなくて良いとすれば良い。
こうすることで、U-planeのみ確立セルに関する情報を、ターゲットC-plane確立セルからソースC-plane確立セルを介してUEに送信しなくて済むため、シグナリング量あるいはメッセージに含まれる情報量を低減することが可能となる。
また、他の方法として、U-planeのみ確立セルがHO前後で同じであった場合、UEにHO前後で確立するU-planeのみ確立セルが同じ旨を示す情報を通知するようにしても良い。ターゲットC-plane確立セルからソースC-plane確立セルを介してUEに送信する。U-planeのみ確立eNBに関する情報に比べて情報量は少なくて済むため、シグナリング量あるいはメッセージに含まれる情報量を低減することが可能となる。
C-plane確立セルのHOの際にUEがHO失敗(HO failure、HOF)を検出した場合のU-planeのみ確立セルの取り扱い方法について、以下に2つ開示する。
(1)UEがC-plane確立セルのHOFを検出した場合、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了方法は、実施の形態8で開示した方法を適用すれば良い。
(2)UEがC-plane確立セルのHOFを検出した場合、UEがRLFを検出したとみなし、UEがRLFを検出した場合のU-planeのみ確立セルの取扱いとする。UEがRLFを検出した場合のU-planeのみ確立セルの取扱い方法は、実施の形態8あるいは実施の形態8変形例1で各々開示した方法を適用すれば良い。
なお、HOプロシージャにおいてRLFを検出した場合、HOFを検出するとしても良い。この場合も、UEがRLFを検出した場合と同じU-planeのみ確立セルの取扱いとするとよい。
こうすることで、UEが複数のeNB(セル)と通信を行なう場合のHOFにおいて、U-planeのみ確立eNB(セル)の取扱い方法を規定することが可能となり、正常なデータ通信を行うことが可能となる。また、システムとしての誤動作を低減させることが可能となる。また、UEとU-planeのみ確立eNB(セル)間の接続のための無駄なリソースの保持を回避することが可能となるため、無線リソースの使用効率を向上させることができる。
実施の形態9.
<U-planeのみ確立eNBのRLF関連処理>
本実施の形態では、UEが複数の異なるeNB(セル)を用いて通信を行なう場合のRLF関連処理の他の方法を開示する。ここでは、U-planeのみ確立eNB(セル)のRLF関連処理と称する。
U-planeのみ確立eNB(セル)との間でRLMを行う。
UEは、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続状態に応じて、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理を行う。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法を以下に3つ開示する。
(1)UEは、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続において、radio problem detectionを検出した場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
(2)UEは、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続において、RLFを検出した場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
(3)UEは、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続において、再接続できなかった場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
いずれの方法についても、UEが接続しているU-planeのみ確立eNB(セル)毎にRLMおよびRLF関連処理を行う。
図63(a)は、(1)の方法に係るRLF関連処理について説明するための図である。
Normal operation状態のUEが、U-planeのみ確立eNB(セル)のRLMを行い、out-of-syncを所定の回数(N41)連続で検出(radio problem detection)した場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)の接続を終了する。U-planeのみ確立eNB(セル)のout-of-syncについては後述する。
本方法とすることにより、他の二つの方法よりも早期にU-planeのみ確立eNB(セル)と接続を終了することが可能となる。このため、U-planeのみ確立eNB(セル)に対する無線リソースを長期に保持する必要が無いため、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
図63(b)は、(2)の方法に係るRLF関連処理について説明するための図である。
図63(b)は、図63(a)と類似しているので、同一のエレメントに関しては共通する説明を省略する。
Normal operation状態のUEが、U-planeのみ確立eNB(セル)との間でRLMを行い、out-of-syncを所定の回数(N41)連続で検出(radio problem detection)した場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続状態をFirst Phaseに移行させる。
First Phaseで、UEは、該U-planeのみ確立eNB(セル)との間でRLMを引続き行い、in-syncを所定の回数(N42)連続で検出した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T41)内に、in-syncを所定の回数(N42)連続で検出されなかった場合、RLFを検出し、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。U-planeのみ確立eNB(セル)のin-syncについては後述する。
本方法とすることにより、first phaseで良好な通信品質に戻った場合に、normal operation状態に戻ることも可能となるため、一時的な通信品質の劣化に対して接続終了処理を起動しなくて済むため、制御が簡易になり、誤動作を低減させることができる。
図63(c)は、(3)の方法に係るRLF関連処理について説明するための図である。
図63(c)は、図63(b)と類似しているので、同一のエレメントに関しては共通する説明を省略する。
Normal operation状態のUEが、U-planeのみ確立eNB(セル)との間でRLMを行い、out-of-syncを所定の回数(N41)連続で検出(radio problem detection)した場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続状態をFirst Phaseに移行させる。
First Phaseで、UEは、該U-planeのみ確立eNB(セル)との間でRLMを引続き行い、in-syncを所定の回数(N42)連続で検出した場合、Normal operation状態に戻る。radio problem detectionから所定の期間(T41)内に、in-syncを所定の回数(N42)連続で検出されなかった場合、RLFを検出し、second phaseに入る。
second phaseで、UEは、U-planeのみ確立eNB(セル)との再接続処理を起動する。
UEは、RLF検出から所定の期間(T42)内に、U-planeのみ確立eNB(セル)との再接続処理により再接続できた場合、Normal operation状態に戻る。RLF検出から所定の期間(T42)内に、再接続できなかった場合、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
Second Phaseでの再接続処理は、RLFを検出したU-planeのみ確立eNB(セル)と同じU-planeのみ確立eNB(セル)に対して行うようにしても良い。
ここでは、second phaseにおいて所定の期間満了で該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了するとしたが、他の方法として、second phaseにおいて所定の再接続試行回数を設けておき、該所定の再接続試行回数を行っても再接続できなかった場合に、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了するとしても良い。この方法の具体例については、実施の形態2の、UEが各U-plane確立eNB(セル)とのRLMを行いU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法で開示した。
再接続処理の起動にあたって、UEは、当該U-planeのみ確立eNB(セル)におけるU-planeの全RBを停止しても良い。この処理方法については、実施の形態8で開示した方法を適用すると良い。通常動作のままだと同じU-planeのみ確立eNB(セル)に再接続処理を行う場合、制御が複雑になり誤動作を生じる可能性が高くなる。こういった問題を回避できる。
(3)の方法とすることにより、再接続が不可能と判断するまで接続終了処理を起動しなくてよいため、さらに制御が簡易になり、誤動作を低減させることができる。
また、second phaseで、UEが、RLFを検出したU-planeのみ確立eNB(セル)と異なるU-planeのみ確立eNB(セル)に対して再接続処理を行うことを許可しても良い。この場合は、C-plane確立eNB(セル)あるいはMMEが、新たなU-planeのみ確立eNB(セル)を選択・決定して、UEに対して設定するようにすれば良い。この場合は、実施の形態2、実施の形態2変形例3の方法を適用できる。
RLF関連処理において、UEが、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了すると判断した場合、該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を終了する。
NW側における、当該U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理方法を以下に2つ開示する。
(1)UEが、当該U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了要求を、C-plane確立eNB(セル)に通知することで、NW側の終了処理を行う。接続終了要求として、受信品質の劣化を通知しても良い。
この方法の具体例については、実施の形態2のUEが各U-plane確立eNB(セル)とのRLMを行いU-planeのみを確立しているeNBを削除する方法で開示した。
(2)NW側の終了処理は、U-planeのみ確立eNB(セル)におけるRLF関連処理に従って行う。
NW側におけるU-planeのみ確立eNB(セル)におけるRLF関連処理は、実施の形態8から実施の形態8変形例2で開示した、C-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理を適用できる。C-plane確立eNB(セル)が行う処理をU-planeのみ確立eNB(セル)が行うようにすれば良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法が(1)の場合には、実施の形態8変形例2で開示したC-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理を適用すれば良い。U-planeのみ確立eNB(セル)が、UEとの接続においてradio problem detecion検出した場合に、当該U-planeのみ確立eNB(セル)は、MMEに接続終了要求を通知する。接続終了要求メッセージは、C-plane確立eNB(セル)を介して通知しても良い。接続終了要求として、受信品質の劣化を通知しても良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法が(2)の場合には、実施の形態8変形例1で開示したC-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理を適用すれば良い。U-planeのみ確立eNB(セル)が、UEとの接続においてRLFを検出した場合に、当該U-planeのみ確立eNB(セル)は、MMEに接続終了要求を通知する。接続終了要求メッセージは、C-plane確立eNB(セル)を介して通知しても良い。接続終了要求として、受信品質の劣化を通知しても良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法が(3)の場合には、実施の形態8で開示したC-plane確立eNB(セル)におけるRLF関連処理を適用すれば良い。U-planeのみ確立eNB(セル)が、UEとの接続においてタイマT32が満了、あるいはタイマT33が満了したと判断した場合に、当該U-planeのみ確立eNB(セル)は、MMEに接続終了要求を通知する。接続終了要求メッセージは、C-plane確立eNB(セル)を介して通知しても良い。接続終了要求として、受信品質の劣化を通知しても良い。
この方法は、実施の形態2、実施の形態2変形例3、実施の形態3で開示した、データモニタタイマを用いて行う、U-planeのみ確立eNB(セル)の接続終了処理を適用できる。具体例として、図32、図40、図41、図46のシーケンスにおいて、U-eNB(セル)におけるデータモニタタイマ満了で、U-plane終了(リリース)処理を行うシーケンスを適用すると良い。
U-planeのみ確立eNB(セル)との再接続処理により再接続できた場合の処理は、再接続処理の起動にあたって停止していた無線リソースを再スタートし、通常動作に戻す。
U-planeのみ確立eNB(セル)が再設定あるいは接続終了されるまで、該U-planeのみ確立eNB(セル)におけるDRBベアラの設定、S1ベアラの設定、パス設定に変更は無い。従って、各ノードは元の設定を保持しているため、元の設定を用いて再接続することが可能となる。
図64は実施の形態9に係るU-planeのみ確立セルのRLF関連処理のシーケンス例を示す図である。U-planeのみ確立eNB(セル)との接続終了処理方法が(3)の場合について示す。UEでのRLF関連処理とU-planeのみ確立セルでのRLF関連処理とがあわせて示されている。
U-eNBとの接続を開始したUEは、ST6401でU-eNBとのRLMを開始する。U-eNBとの接続において、ST6402でN41回連続してout-of-syncとなったかどうか判断する。N41回連続してout-of-syncとなった場合radio problem detectionを検出(ST6403)してFirst Phaseに移行する。N41回連続してout-of-syncとならない場合はRLMを行い、再度ST6402を実行する。ST6403でradio problem detectionを検出したUEは、ST6404においてタイマT41をスタートさせる。First Phaseでは引続きRLMを行う。ST6405でN42回連続してin-syncとなったかどうかを判断する。N42回連続してin-syncとなった場合、normal operationに戻り引続きRLMを行い、ST6402を実行する。N42回連続してin-syncとならなかった場合、ST6406でタイマT41が満了したか否かを判断する。まだ満了していない場合は、引続きRLMを行い、ST6405を実行する。タイマが満了した場合は、ST6407でRLFを検出する。ST6407でRLFを検出したUEは、Second Phaseに入り、ST6408でタイマT41をストップし、タイマT42をスタートさせる。ST6409でUEはU-planeのみ確立セル(U-eNB)とのRBを停止する。Second PhaseでUEはU-eNBと再接続処理を起動して再接続を行う(ST6410)。ST6411でUEは再接続できたか否かを判断し、再接続を完了できない場合は、ST6412でタイマT42が満了したか否かを判断する。タイマT42がまだ満了していない場合は、ST6410のU-eNBとの再接続処理を引続き行う。ST6412でタイマT42が満了した場合は、ST6413でU-eNBとの接続終了処理を行う。
ST6411でUEがU-eNBと再接続できた場合は、ST6414でタイマT42をストップし、ST6415で、停止していたU-eNBのRBを再スタートさせる。これにより、U-eNBとの接続が通常動作となり、UEとU-eNB(元U-eNB)とS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)(3027)およびS1bearer2(3028)は引続き設定され、ST3032、ST3033でU-planeデータがU-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
次に、U-eNBでのRLF関連処理について示す。
UEとU-plane接続をしているU-eNBは、ST6416でUEとの間でRLMを開始する。UEとの接続において、ST6417でN31回連続して上り信号あるいはチャネルが不達となったかどうかを判断する。上り信号として、例えば、周期的CQIとする。N31回連続して周期的CQIが不達となった場合radio problem detectionを検出(ST6418)する。N31回連続して周期的CQIが不達とならない場合はRLMを行い、再度ST6417を実行する。ST6419でradio problem detectionを検出したU-eNBは、タイマT31をスタートさせ、引続きRLMを行う。ST6420でN32回連続して周期的CQIを受信できたかどうかを判断する。N32回連続して周期的CQIを受信できた場合、normal operationに戻り引続きRLMを行い、ST6417を実行する。N32回連続して周期的CQIを受信できなかった場合、ST6421でタイマT31が満了したか否かを判断する。まだ満了していない場合は、引続きRLMを行い、ST6420を実行する。タイマが満了した場合は、ST6422でRLFを検出する。ST6422でRLFを検出したU-eNBは、ST6423でタイマT31をストップし、タイマT32をスタートさせる。RLFを検出したU-eNBは、UEとの間でST6410で示す再接続処理を行う。U-eNBは、ST6424でUEと再接続が完了したか否かを判断する。再接続が完了した場合は、ST6425でタイマT32をストップさせる。これにより、UEとの接続が通常動作となり、UEとU-eNB(元U-eNB)とS-GWとの間でRadio bearer2(DRB)(3027)およびS1bearer2(3028)は引続き設定され、ST3032、ST3033でU-planeデータがU-eNBを介してUEとS-GWとの間で通信可能となる。
ST6424でUEとの再接続が完了しなかった場合は、ST6426で、タイマT32が満了したか否かを判断する。タイマが満了していない場合は、再度UEからの再接続処理を行う。タイマが満了した場合は、図32のST3203からST3115に示す、タイマ満了によるU-eNB削除処理を行う。図32のST3114の中のST3106における、削除するU-eNBとの接続終了処理は、既にST6413で行われている場合は省略しても良い。
こうすることで、UEとU-eNBとの接続終了処理が行われる。
本実施の形態で開示した方法とすることで、U-planeのみ確立eNB(セル)との接続を保持し続ける状態を回避することができる。
このため、無線リソースの無駄な保持を無くすことが可能となり、無線リソースの使用効率を向上させることができる。
また、UEおよびNW側の動作の曖昧さを無くし、システムとしての誤動作を低減することができる。
RLMの方法については、実施の形態2で開示したが、ここではさらに詳細について開示する。
実施の形態2では、RLMのため各U-planeのみ確立eNB(セル)のRSの受信結果を用いることを開示した。(1)から(4)である。このほかにも、CSI-RSを用いても良い。また、組み合わせても良い。
RLMとして、PDCCHの受信品質を評価しても良い。
UEは、U-planeのみ接続用セルのPDCCHの受信品質を評価する。UEは、PDCCHの受信品質と前記RSの受信品質(例えばRSRP、RSRQなど)とをあらかじめ関連付けておく。UEは、U-planeのみ接続用セルのRSの受信品質を測定して、前記関連付けにもとづいて該セルのPDCCH受信品質を評価する。
受信品質に二つの所定の閾値を設けておき、PDCCHの受信品質が、所定の閾値以上の場合はin-sync、もう一つの所定の閾値以下の場合はout-of-syncとする。
U-planeのみ接続用セルのRLMとしてPDCCHの受信品質を評価する方法は、従来のRLMと同様の制御で行えるため、制御が単純になる。
RLMとして、ePDCCHの受信品質を評価しても良い。
UEは、U-planeのみ接続用セルのePDCCHの受信品質を評価する。
UEは、ePDCCHの受信品質と、ePDCCHに用いられるRSの、及び/又は ePDCCHが用いられるサブフレームに用いられるRSの、受信品質(例えばRSRP、RSRQなど)とをあらかじめ関連付けておく。
UEは、U-planeのみ接続用セルの、ePDCCHに用いられるRSの、及び/又は ePDCCHが用いられるサブフレームに用いられるRSの、受信品質を測定して、前記関連付けにもとづいて該セルのePDCCH受信品質を評価する。
受信品質に二つの所定の閾値を設けておき、ePDCCHの受信品質が、所定の閾値以上の場合はin-sync、もう一つの所定の閾値以下の場合はout-of-syncとする。
このように、RLM にePDCCHの受信品質を用いることで、ePDCCHを用いる場合にも適用可能となる。PDCCHの使用が困難な場合に適用することで、確実なRLMを行うことが可能となる。
実施の形態9変形例1.
<C-plane確立セルのRLFとU-planeのみ確立セルのRLFの協調>
UEが、C-plane確立eNBおよびひとつまたは複数のU-planeのみ確立eNBと接続している場合、実施の形態8で開示したC-plane確立eNBのRLF関連処理の方法と実施の形態9で開示したU-planeのみ確立eNBのRLF関連処理の方法とを組み合わせても良い。
C-plane確立eNBのRLF関連処理において、U-planeのみ確立eNBとの接続を終了する場合には、各U-planeのみ確立eNBのRLF関連処理において各U-planeのみ確立eNBの接続状態が何であれ接続を終了する。
これにより、UEがRRC_Idleに移行した場合に、U-planeのみ確立eNBとの接続は存在しないことになる。UEがRRC_IdleでU-planeのみ接続するような状態を無くすことが可能となる。
C-plane確立eNBのRLF関連処理において、U-planeのみ確立eNBとの接続が終了されない間は、各U-planeのみ確立eNBのRLF関連処理における各U-planeのみ確立eNBの接続状態に従うと良い。
これにより、UEは、U-planeのみ確立eNB毎の接続状態に応じた接続を可能とする事ができる。従って、無駄なU-planeのみ確立eNBとの接続を無くすことが可能となり、無線リソースの使用効率を向上させることができる。
また、C-plane確立セルの接続状態は、U-planeのみ確立セルの接続状態に依存しない、とすると良い。
UEは、C-plane確立セルによりRRC接続を行っている。従って、U-planeのみ確立セルの接続状態に依存させないことで、UEは安定なRRC接続を行うことが可能となる。例えば、UEが移動し、U-planeのみ確立セル各々の通信品質が時々刻々大きく変動する場合でも、RLF関連処理はC-plane確立セル一つとの通信品質に従うことになるため、RRC接続が安定して行われ、UEの移動制御を堅固に行うことが可能となる。
実施の形態10.
<スモールセルクラスタ>
実施の形態1から実施の形態9変形例1では、UEが一つの通信に対して、複数のeNB(セル)を用いて通信を行なう方法について開示している。
システムとして、制御の簡易化、シグナリング量の削減のため、複数のeNBを一つの集合として扱っても良い。本実施の形態では、複数のeNBを一つの集合として扱う方法を開示する。
一つの集合として扱う複数のeNBについて以下に4つ開示する。
(1)ある特定のエリア内のeNBの集合。
(2)一つの集中制御ノード(コンセントレータ)により制御される複数のeNBの集合。
(3)同じ周波数レイヤに属するeNBの集合。
(4)(1)から(3)の組合せ。
これらの集合を、グループあるいはクラスタと称しても良い。例えば、eNBグループ、ノードクラスタ、などと称しても良い。集合内のeNBがスモールセルである場合は、スモールセルグループ、あるいはスモールセルクラスタと称しても良い。
(1)は、ある特定のエリア内のeNBを一つの集合とすることで、該特定のエリアにおける通信制御を簡略化することが可能となる。例えば、実施の形態1で開示した特定のエリアのeNBが相当する、としても良い。
(2)については、グループとして扱う複数のeNBの集合に一つの集中制御ノードを設けるとしても良い。(2)により、複数のeNBの集中制御が可能となり、制御を簡略化することが可能となる。スモールセルグループの場合、位置的にオーバレイするマクロセルをコンセントレータとしてもよい。また、マクロセルとは独立にコンセントレータを設けても良い。また、マクロセルとは独立にスケジューリングするようにしても良い。例えば、実施の形態3変形例1で開示した集中制御用eNBと被集中制御用eNBが相当する。
(3)は、集合内のeNBが同じキャリア周波数を持つキャリアを構成する。いいかえると、同じ周波数レイヤで動作する。こうすることで、集合内のセルの変更を容易にすることが可能となる。
図65は、複数のeNBを一つの集合として扱う場合について説明する図である。
図65(a)は、一つの集合として扱う複数のeNBを、ある特定のエリア内のeNBの集合とした場合について説明する図である。6501はマクロセル、6502はマクロセルにより構成されるカバレッジ、6506はスモールセル、6503はスモールセルにより構成されるカバレッジである。スモールセルは複数個存在する。6504は特定のエリアを示す。6505はスモールセルグループを示す。特定のエリア(6504)に存在するスモールセル(6503)をスモールセルグループ(6505)として取り扱う。
図65(b)は、一つの集合として扱う複数のeNBを、コンセントレータにより制御されるeNBの集合とした場合について説明する図である。図65(a)と同一のエレメントは同一の番号を付して説明を省略する。6507はコンセントレータである。コンセントレータ(6507)に制御されるスモールセル(6506)の集合をスモールセルグループ(6505)として取り扱う。
図65(c)は、一つの集合として扱う複数のeNBを、同じ周波数レイヤに属するeNBの集合とした場合について説明する図である。図65(a)と同一のエレメントは同一の番号を付して説明を省略する。マクロセルが構成するキャリアのキャリア周波数はF1である。キャリア周波数Fmのキャリアを構成するスモールセル(6506)の集合をスモールセルグループ(6505)として取り扱う。
次に、各実施の形態において、複数のeNBの集合、例えばスモールセルグループとして扱う場合の設定方法について開示する。
スモールセルグループの設定情報として、スモールセルグループ識別子、スモールセルグループ内セルの識別子などとすれば良い。また、スモールセル共通のシステム情報、各スモールセル個別のシステム情報を含めてもよい。また、スモールセルグループ内セルの周波数キャリアや、コンセントレータが存在する場合は該コンセントレータの識別子を含めても良い。
実施の形態1において、UEにおけるセルセレクション時に、選択するセルを所定のスモールセルグループ内に限定すると良い。
セルセレクションのため、該スモールセルグループの設定情報を、あらかじめ、RRCシグナリングで、RRC接続しているセルからUEに通知すると良い。一つのメッセージに内に含めると良い。新たなメッセージを設けてもよいし、既存のRRCメッセージに含めて通知しても良い。既存のRRCメッセージの具体例として、RRC connection reconfigurationメッセージを用いると良い。RRC connection reconfigurationメッセージ中のRadioResourceConfigDedicated情報中に該スモールセルグループの設定情報を含めても良い。
実施の形態2から実施の形態3において、MMEあるいはC-plane確立セルからUEに設定するU-plane確立セルあるいはU-planeのみ確立セルを、スモールセルグループとして設定してもよい。実施の形態2で、DRB listを用いる方法を開示したが、このリストを、スモールセルグループのセルリストとしても良い。
実施の形態6において、MMEあるいはRRC接続するセルからUEに設定するセルを、所定のスモールセルグループ内に限定すると良い。UEに、RRCシグナリングで、スモールセルグループの設定情報を通知すると良い。また、UEに、MACシグナリングで、スモールセルグループ内のactivateあるいはdeactivateするセルを通知しても良い。
UEは、RRCシグナリングで通知されたスモールセルグループ内のスモールセルに対して設定を行い、MACシグナリングでactivateを通知されたスモールセルと通信を行う。
このように複数のeNBを一つの集合としてUEに設定を行うことで、複数のeNBの設定を複数回別々にRRCシグナリングで別々にUEに通知する必要が無くなる。このため、シグナリング量を削減することが可能となる。
複数のeNBの集合を一つのグループとして扱う場合、設定情報として、該グループの識別子のリストを設けて、RRCシグナリングでUEに通知するとしても良い。グループを複数構成するような場合に、リスト化することで、シグナリングにおけるオーバヘッドを削減することが可能となる。
次に、各実施の形態において、複数のeNBの集合、例えばスモールセルグループとして扱う場合のメジャメント方法について開示する。
RRM(radio resource management)メジャメントに関して開示する。隣接セルのメジャメントとして、同一周波数レイヤ内のセルを測定するとしても良い。
例えば、スモールセルグループとして、同一周波数レイヤに属するスモールセルの集合とした場合、該集合内のスモールセルの変更を行う場合は、特に他の周波数を測定する必要は無くなる。従って、RRMメジャメントを同一周波数レイヤ内のセルに限定することで、UEのメジャメント処理を簡略化でき、短時間および低消費電力でメジャメントを行うことが可能となる。
RRMメジャメントとして、スモールセルグループ内のセルに限定しても良い。スモールセルグループ内のセルのCRSを測定しても良い。該集合内でスモールセルの変更を行う場合に集合外のセルを測定する必要は無くなる。従って、RRMメジャメントを所定のスモールセル内のセルに限定することで、UEのメジャメント処理を簡略化でき、短時間および低消費電力でメジャメントを行うことが可能となる。
RRC接続しているeNB(セル)は、UEに対して、RRMメジャメントのメジャメント設定(measurement configuration)を通知する。メジャメント設定に所定のスモールセルグループの周波数レイヤ内を測定する旨の情報を含ませる。例えば、測定する周波数情報を含ませても良い。
また、メジャメント設定に、所定のスモールセルグループを測定する旨の情報を通知しても良い。例えば、測定するスモールセルグループの識別子を含ませても良い。スモールセルグループの設定情報とあわせて用いることで、測定対象となるスモールセルグループ内セルを特定することが可能となる。これにより、メジャメント設定に、測定対処とするセル毎に個別に情報を含める必要が無くなるため、メッセージ内の情報量を削減することが可能となる。
CQI/CSIリポートのためのメジャメントに関して開示する。
activateセルを測定するとしても良い。この場合、deactivateセルを測定する必要はない。また、この場合、スモールセルグループ内のコンセントレータは、RRMメジャメントにより、activate/deactivateするセルを決定するようにしても良い。CQI/CSIリポートのためのメジャメントとして、CSI-RSあるいは、CRSを測定するとしても良い。
このように、グループの扱いに応じてメジャメント方法を設定することで、メジャメント処理を簡略化することができる。
各実施の形態において、複数のeNBの集合、例えばスモールセルグループとして扱う場合、スモールセルグループ内の各eNBにおいてRB/S1ベアラを設定するためのリソースや接続のための情報を同じとしても良い。例えば、UE contextを同じにしても良い。
C-plane確立eNBとU-planeのみ確立eNBを用いて通信を行なう場合、全U-planeのみ確立eNBにおいてDRB/S1ベアラを設定するためのリソースや接続のための情報を同じとしても良い。
特に実施の形態3変形例1において、集中制御用eNBが被集中制御用eNBに対して同一とする制御および管理を行うと良い。集中制御用eNBが被集中制御用eNBの制御を行なうため、該制御および管理を容易に行うことが可能である。
こうすることで、UEはスモールセルグループ内の全eNBにおけるeNB毎のベアラ設定のためのリソース情報や接続のための情報を受信する必要がなくなる。スモールセルグループとして一つだけ情報を受信すれば良い。このため、シグナリング量あるいはメッセージの情報量の低減や制御の簡易化が図れる。
実施の形態11.
<CA+セルアグリゲーション>
本実施の形態では、さらに通信容量を増大させる方法を開示する。
一つの通信に対して、UEが複数のeNB(セル)を用いて通信を行ない、かつ該複数のeNB(セル)のうちの一つまたは複数のeNB(セル)においてキャリアアグリゲーション(CA)を行う。
具体例として、マクロセルと、マクロセルと位置的にオーバレイする複数のスモールセルを用いて通信を行い、マクロセルにおいてCAを行なう。
他の具体例として、マクロセルと、マクロセルと位置的にオーバレイする複数のスモールセルとを用いて通信を行い、マクロセルとスモールセルとでCAを行なう。
他の具体例として、C-plnae確立セルとU-planeのみ確立セルとを用いて通信を行ない。U-planeのみ確立セルにおいてCAを行う。
CAを行う場合、スケジューラを共通にする必要があるため、一つの通信に用いる複数のeNB(セル)を集中制御するコンセントレータを設けると良い。
図66は、マクロセルと、マクロセルと位置的にオーバレイする複数のスモールセルとを用いて通信を行い、マクロセルにおいてCAを行なう場合について説明する図である。6601はUEで、6602はマクロセルがUE(6601)に対して構成するコンポーネントキャリア(CC)で、6603、6604、6605は各々スモールセル#1、スモールセル#2、スモールセル#3が構成するキャリアである。マクロセルは、キャリア周波数がF1のCC1、キャリア周波数がF2のCC2、キャリア周波数がF3のCC3をUE(6601)に対して構成している。スモールセル#1、#2、#3のキャリア周波数はFmである。UE(6601)は、マクロセル(6602)、スモールセル#1(6603)、スモールセル#2(6604)、スモールセル#3(6605)を用いて通信を行ない、マクロセル(6602)において、CC1、CC2、CC3を用いてCAを行う。
UEが複数のeNB(セル)を用いて通信を行ない、かつ該複数のeNB(セル)のうちの一つまたは複数のeNB(セル)においてCAを行うのに必要な設定情報を、UEが認識する方法について開示する。
PCellからUEに、該設定情報を通知する。該設定情報として、CAの設定情報、通信を行なうeNB(セル)の設定情報とすると良い。PCellが複数存在する場合は、複数のPCellからUEに設定情報を通知しても良い。また、設定情報を分割して複数のPCellからUEに通知しても良い。あるいは、一つのPCellからUEに該設定情報を通知するとしても良い。一つのPCelとして、CAを構成するPCellとしても良い。また、一つのPCelとして、複数のeNB(セル)を用いて通信を行なうための設定を通知するセルとしても良い。
なお、先に示した具体例のうち、U-planeのみ確立セルにおいて行うCAのようにRRC接続を持たないセルを用いてCAを行う場合、CAの対象となるUEとRRC接続を行うセルから、UEに該設定情報を通知するとしてもよい。また、CAの対象となるUEとRRC接続を行うセルをPCellとしても良い。この場合、あらかじめ、RRC接続をもたないセルからRRC接続を行うセルに、設定情報を通知しておくと良い。具体例として、実施の形態2で開示したU-planeのみ確立セルはC-plane確立セルに該設定情報を通知しておくと良い。U-planeのみ確立セルはC-plane確立セルを介してUEに該設定情報を通知するとしても良い。
CAの設定情報として、CAを行うeNB(セル)の識別子、CAを構成するコンポーネントキャリアのキャリア周波数情報、CCのシステム情報などがある。
複数のeNB(セル)を用いて通信を行なうための設定情報は、実施の形態1から実施の形態10で開示した情報を適用すると良い。実施の形態10で開示した、複数のeNBの集合を一つのグループとして扱う方法を適用しても良い。例えば、該グループの識別子、該グループ内eNB毎の識別子、該クループ内eNB毎のシステム情報などである。
PCellからUEに設定情報を通知するとしたが、他の方法として、C-plane確立セルからUEに、該設定情報を通知するとしても良い。U-planeのみ確立セルにおいてCAを行うような場合に有効である。あらかじめU-planeのみ確立セルはC-plane確立セルに該設定情報を通知しておくと良い。U-planeのみ確立セルはC-plane確立セルを介してUEに該設定情報を通知しても良い。
該設定情報は、RRCシグナリングでUEへ通知されると良い。
CAの設定情報と通信を行なうeNB(セル)の設定情報との両方からなる設定情報を含ませた一つのメッセージを設け、該メッセージをRRCシグナリングで通知すると良い。これによって、シグナリング量を低減できる。
あるいは、CAの設定情報と通信を行なうeNB(セル)の設定情報を各々個別のメッセージとし、RRCシグナリングで通知しても良い。CAを構成する必要がある場合や、複数のeNBを構成する必要がある場合など、個別の場合に対応できる。
これらは、適宜組合せて用いるようにしても良い。
CAでは、MACにおいて各CCのactivate/deactivateを行い、MACシグナリングでUEに各CCのactivate/deactivateを通知する。複数のeNBに対しても、これと同様に行うようにしても良い。MACにおいて、RRCで設定された各eNBのactivate/deactivateを行い、MACシグナリングでUEに各eNBのactivate/deactivateを通知する。UEはRRCシグナリングで通知されたeNBの無線リソースの設定を行い、MACシグナリングでactivateされたeNBのみと通信を行なうようにすれば良い。UEは、activateされたeNBのPDCCHあるいはePDCCHを受信し、スケジューリング情報を得ると良い。
通信に用いるeNBおよびCAを構成するCCに一連の番号をつけて、該番号と、該番号と各eNB、CCとの対応付け情報を、RRCシグナリングでUEへ通知される設定情報として含めても良い。eNBなどのセル識別子を用いるよりも情報量が少ない情報に基づいて制御を行うことが可能となる。
MACから通信に用いるeNBおよびCAを構成するCCをactivate/deactivateを一括してUEに通知しても良い。個別に行うよりもMACシグナリングのオーバヘッドを削減することが可能となる。また、この際、該一連の番号を用いて、通信に用いるeNBおよびCAを構成するCCを指示するようにしても良い。これによって、シグナリングの情報量を削減することが可能となる。
複数のセルを用いた通信方法は実施の形態1から実施の形態10で開示した方法を適宜適用すると良い。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。これによって、スモールeNB(セル)の設置により、高い通信容量を得、かつ、正常に、またネットワークに負荷をかけることなく、通信中のセルの移行を行えるようにする通信システムを提供することができる。
1501 移動局、1502 第1基地局、1503 第2基地局、1506 関門局。

Claims (4)

  1. 複数の基地局と、
    前記複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置と
    を備える通信システムであって、
    前記複数の基地局は、
    前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、
    前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局と
    を含み、
    前記通信端末装置は、
    前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質の劣化を検出すると、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の離脱処理を行い、
    前記制御プレイン接続の前記離脱処理に合わせて、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信システム。
  2. 複数の基地局と、
    前記複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置と
    を備える通信システムであって、
    前記複数の基地局は、
    前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、
    前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局と
    を含み、
    前記通信端末装置は、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質が所定の閾値以下となる状態を所定の回数、検出すると、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信システム。
  3. 複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置であって、
    前記複数の基地局は、
    前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、
    前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局と
    を含み、
    前記通信端末装置は、
    前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質の劣化を検出すると、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の離脱処理を行い、
    前記制御プレイン接続の前記離脱処理に合わせて、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信端末装置。
  4. 複数の基地局と通信可能に構成された通信端末装置であって、
    前記複数の基地局は、
    前記通信端末装置と制御プレイン接続を介して通信を行う第1基地局と、
    前記通信端末装置とユーザプレイン接続のみを介して通信を行う複数の第2基地局と
    を含み、
    前記通信端末装置は、前記第1基地局との間の前記制御プレイン接続の通信品質が所定の閾値以下となる状態を所定の回数、検出すると、前記複数の第2基地局との間の前記ユーザプレイン接続を終了することを特徴とする、通信端末装置。
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