JP6620302B1 - 医療システム - Google Patents

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Abstract

【課題】地域の医療機関が連携して共通で利用できる医療システムを導入しやすく、ランニングコストを抑え、更に医薬品の在庫管理を最適化できる技術を提供する【解決手段】地域医療連携システム1において、シンクライアント端末として機能する情報処理端末(医療施設端末20、薬局端末60、介護施設端末80)と、医療情報共有サーバ10とを有する。医療情報共有サーバ10の事業者システム支援サーバ13は、シンクライアント管理サーバとして機能し、シンクライアント環境において電子カルテシステム等の医療系システムが稼働する。医療系システムによる医療提供時に使用される医薬品の在庫管理を行う在庫管理装置19と、医薬品の在庫状態を記録する医薬品在庫データベース(共通在庫DB138)とを有する。在庫管理装置19の処方情報管理部193は、複数の医療機関から処方情報を取得し処方情報蓄積情報として共通在庫DB138に蓄積する。【選択図】図3

Description

本発明は、医療システムに係り、例えば、医療・福祉に関わる複数の医療機関が連携して医療を提供する際に用いる医療システムに関する。
近年、医療の分野では、地域における医療機関等の間で必要な情報連携を進めていくことが求められている。そのような地域医療連携ではICT(Information and Communication Technology)が重要な役割を果たすことになり、様々な技術が提案されている。例えば、地域医療連携に参画する医療機関の医療系システム(電子カルテシステム、処方システム、検査システム、医事会計システム等)を仮想デスクトップ環境(シンクライアント環境)で構築した技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような地域医療連携において、医療情報の共有だけでなく、医薬品を共同購入する際に用いる技術を導入し医薬品の購入コスト削減を行うことも提案されている(例えば特許文献2参照)。具体的には、ネットワークを介して地域内の医薬品の流通、発注及び配送支援をする。このとき、調剤薬局の調剤報酬明細書(レセプト)発行管理情報と在庫管理情報に基づいて流通量を予測し、この予測に基づいて配送計画を立てる。また、病院から送られた処方せんデータに基づいてレセプトを発行するとともに、在庫情報を管理し、在庫情報に基づいて医薬品を発注する。さらに、地域内の病院・調剤薬局から送られた医薬品発注情報に基づいて医薬品卸業者に共同発注し、納入された医薬品を配送する。
特許第6384847号 特開2003−6344号公報
特許文献1に開示の技術は、医療機関において稼働する医療系システムをシンクライアント環境、特にバーチャルデスクトップ環境で構築することで、システムの利便性の向上、高いセキュリティ、及び導入・運用コストの大幅削減を実現した。しかしながら、医療機関で使用される医薬品のコスト削減に関しては改善の余地があり、新たな技術が求められていた。特許文献2に開示の技術では、個々の薬局が医薬品の発注処理を行い、複数の薬局の発注処理を取りまとめて共同発注処理を行っている。すなわち、医薬品の在庫管理は個々の医療機関(ここでは薬局)が行っているにすぎず、地域医療連携で導入するシステムにおいて実現可能と見込まれるコスト削減には限度が有り、別の技術が求められていた。
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたもので、その目的は、地域の医療機関が連携して共通で利用できる医療システムを導入しやすく、また、導入後においてランニングコストを抑える技術を提供することにある。また、連携する医療機関において使用される医薬品の在庫管理を最適化でき、かつ調達コストを削減する技術を提供することにある。
(1)本発明は、複数の医療機関が連携して所定の地域において医療を提供する医療システムであって、
前記医療機関が使用する電子カルテシステムと、
前記電子カルテシステムを用いて医療を提供する際に、処方される医薬品の在庫管理を行う在庫管理装置と、
前記医薬品の在庫状態を記録する医薬品在庫データベースと、
を有し、
前記在庫管理装置は、複数の前記医療機関の前記在庫管理を統括的に行う全体管理機能を備え、
前記電子カルテシステムは、患者に対する処方せんを出力した場合に前記処方せんの情報を前記在庫管理装置に通知し、かつ、患者に対して実際に提供された医薬品に関する医薬品提供情報を前記在庫管理装置に通知し、
前記在庫管理装置は、
前記医薬品提供情報を前記医薬品在庫データベースに反映させ在庫情報を管理する在庫情報管理機能と、
前記処方せんの情報を前記医薬品在庫データベースに処方せん蓄積情報として蓄積し前記処方せん蓄積情報を前記医薬品の供給者に開示する処方情報管理機能と、を有し、
前記電子カルテシステムにおいて、医師が処方する医薬品を選択可能に表示する際に、前記医薬品在庫データベースを参照して、その医薬品と同一または類似の効能を有する医薬品をグループ化してグループ単位での在庫状況が把握可能に表示する。
この医療システムは、近年推進されている地域医療連携システムに好適である。医療機関は、医療施設(病院、診療所、歯科医院、眼科等)、薬局、老人介護施設のように医療法で医療機関として定義されているものを想定するが、医療法で定義されていない機関であっても、これら医療機関と連携し地域医療に貢献する機関も含まれる。このように、地域医療連携システム全体で、処方情報を蓄積して所定機関の医薬品の使用状況を把握できるので、医薬品の在庫管理・発注処理を効率に行うことができ、発注処理の工数低減、それに伴う経費削減、一括発注が可能になることによる調達コストの低減を実現できる。
なお、医薬品の供給者とは、製薬会社や薬品卸を想定するものであり、また、実際に供給する契約を有する供給契約者のみでなく、供給を希望する供給希望者も該当する。供給契約は、例えば、1年単位で価格・数量等に関して更新される。同一医薬品については、複数の供給者と契約されてもよい。実際の供給契約者は、自身が供給する医薬品の在庫状況を把握できるだけでなく、当該システムに参画する医療機関において、他者の医薬品も含め、同一・類似効能の医薬品(新薬、ジェネリック、同一系統医薬品等)が、どのように処方されているかを把握できる。すなわち、マーケット全体の動向把握、供給体制の準備等を行え、供給の最適化を行える。また、医師が処方を決定する際に表示された電子カルテで、処方しようとする医薬品の在庫状況を、同一・類似効能の医薬品の在庫状況を合わせて表示することで、患者が向かうと想定さえる薬局において在庫不足の虞がある医薬品を処方することを回避できる。
グループは階層化されてもよい。例えば、鎮痛薬のように同じ様な効能・目的を有する医薬品を同じグループとする。さらに、商品名が異なるが一般名が同じ医薬品を同じグループに属させる。より具体的には、例えば鎮痛剤は、具体的な成分や効能によって、(A)NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、(B)下行性抑制系活性化薬、(C)電位依存性Ca2+チャネル遮断薬、(D)オピオイド関連薬、といった分類が可能であり、更にそれらの中でも幾つかに分類可能(すなわち階層化可能)である。さらにまた、先発医薬品やジェネリック医薬品の様に具体的な商品によって分類可能である。このようにグループ単位で蓄積することで、その地域でどのような種類の医薬品がどの程度使用される傾向があるかを把握できる。
(2)前記処方情報管理機能は、前記供給者に前記処方せん蓄積情報を開示するにあたり、前記供給者自身が提供する医薬品の処方状況とともに、その医薬品と同一又は類似の効能を有する医薬品を前記グループ単位で処方状況を開示してもよい。
在庫だけでなく処方状況を表示することで、在庫が反映させる前の状態をいち早く確認できる。
(3)前記電子カルテシステムは、医師が処方する医薬品を選択可能に表示する際に、その医薬品の在庫状況と、代替薬品の在庫状況とを比較できる態様で表示してもよい。
例えば、病院等において、電子カルテシステムで、医師が処方する医薬品を選択する際に、グループ単位で在庫状況を分かるように表示する。鎮痛薬のように同じ効能を有し代替可能な医薬品があれば、電子カルテシステムにおいて医師が処方する鎮痛剤のリストを表示させ選択する際に、表示する鎮痛剤を在庫順に並べ替えたり、在庫量が少ない医薬品を赤で表示する等を行う。特に指定が不要な場合に、医師は在庫が多いものを選択することができ、システムの在庫最適化を行うことができる。
(4) 前記在庫管理装置の前記処方情報管理機能は、前記処方せん蓄積情報をもとに、前記地域の前記医薬品の消費予測を行うとともに、前記消費予測から感染症の流行予測をして、前記電子カルテシステムは、予測結果を表示してもよい。
医師は感染症等の発生を早期に把握できる。例えば感染症の急激な発症に対して迅速に対応可能である。インフルエンザや感染性胃腸炎等の感染症では、その発生状況に地域性が現れる場合がある。したがって、当該システムが稼働している地域において、傾向を早く把握できれば、医師や病院は感染症の拡大を防ぐ対処ができる。薬局においては、該当医薬品を切らすことを防止でき、また、一時的に在庫が切れるような場合でも、実際の在庫反映(変動)前に処方情報から在庫予測ができるので、供給者は薬局からの連絡前に予め手配が可能となり、患者を薬局で待たす時間を抑制できる。
(5)前記在庫管理装置は、前記全体管理機能と個々の医療機関の在庫管理を行う個別管理機能とを有し、
前記医薬品は、それぞれの医療機関において前記複数の医療機関の共通に管理される共通在庫と、それぞれの医療機関で個別に管理される個別在庫とに分かれており、
前記個別管理機能にて在庫が不足していると判断された医薬品について、その医薬品の共通在庫から不足している医療機関の在庫に充当されてもよい。
本発明によると、地域の医療機関が連携して共通で利用できる地域医療共有システムを導入しやすく、また、導入後においてランニングコストを抑える技術を実現できる。また、連携する医療機関から処方情報を取得して蓄積することで、全体において使用される医薬品の在庫管理を最適化でき、かつ調達コストを削減する技術を実現できる。
本実施形態に係る、地域医療連携システムの概略構成を示す図である。 本実施形態に係る、地域医療連携システムのブロック図である。 本実施形態に係る、医療情報共有サーバのブロック図である。 本実施形態に係る、患者DBの例を示す図である。 本実施形態に係る、医療関係者DBの例を示す図である。 本実施形態に係る、薬剤師DBの例を示す図である。 本実施形態に係る、介護士DBの例を示す図である。 本実施形態に係る、事業者DBの例を示す図である。 本実施形態に係る、共通在庫DBに保持される在庫テーブルの一例を示した図である。 本実施形態に係る、患者が患者用サイトにアクセスして利用できるサービスの例を示した図である。 本実施形態に係る、医療機関端末のシンクライアント端末に表示される電子カルテの画面例である。 本実施形態に係る、電子カルテのORDER記載領域に処方する薬を記入する際の処理例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る、電子カルテシステムにおいて処方する薬のリスト表示の際に、在庫状態を含めて表示する画面例を示す図である。 本実施形態に係る、患者が処方せんを薬局へ持参した際の処理を説明するチャート図である。 本実施形態に係る、製薬会社等が製薬機関用サイトにアクセスして利用できるサービスの例を示した図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態の概要は次の(1)〜(3)の通りである。
(1)システムをシンクライアント環境で構築
地域医療連携システムにおいて、医療機関の端末をシンクライアント環境(仮想デスクトップ環境)で構築し、その環境で各種のサブシステムである医療系システムを稼働させる。仮想デスクトップ環境の技術は、本出願人の特許第6384847号(上記の特許文献1)に開示されているものを前提とする。この技術により、地域医療連携システムは、サブシステムである医療系システムとして、電子カルテシステム、医事会計システム、医薬品管理システム、検体検査システム、生理検査システム、医療用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)、看護管理システム、リハビリシステム、輸血管理システム、放射線科情報システム(RIS:Radiology Information Systems)、栄養管理システム、診療予約システム及び労務・給与システム等を稼働させている。
(2)処方情報の蓄積と全体予測
地域医療連携システムの医療機関が使用する医薬品について、医療施設(病院、医院等)が患者に処方せんを出した場合に、その処方せんの情報を処方せん蓄積情報として蓄積する。処方せん蓄積情報は、地域医療連携システムの医療機関に開示するとともに、医薬品の供給者(製薬会社、薬品卸等)にも開示する。一般には、製薬会社等は、自社の個々の製品の在庫を管理するだけで、他社の製品を含め、同一・類似の医薬品がどのように処方されているかを把握することはできなかった。しかし、在庫のみでなく地域医療連携システム全体の処方状況(すなわち消費傾向)を把握できるので、製薬会社等も地域医療連携システムの全体像を把握でき、医薬品の供給における契約条件(量・価格等)の提示において、また、供給時の供給体制(需要予測・製造・物流の確保等)を適切にすることができる。なお、開示にあたり、提供される情報において、個人情報保護の観点から、適切な情報範囲のみ、またはそれら情報を省いたものが利用されるものである。
(3)医薬品の共通在庫管理
地域医療連携システムの医療機関が使用する医薬品の在庫管理を共通に管理する全体在庫管理機能と、個々の医療機関の在庫を管理する個別在庫管理機能とを持たせる。これにより、地域医療連携システム全体での医薬品の在庫最適化を図り、医薬品の一括発注による大幅なコスト削減を図る。さらに、在庫の偏在状況を明確にし、在庫状況に応じて代替品を選択・推奨することで、在庫水準を低く維持することを図る。なお、以下の実施形態では、説明を分かりやすくする観点から、在庫管理の対象品として、医師の処方せんをもとに薬局で患者に処方する医薬品(すなわち処方せん医薬品と)について例示する。当然に、他の医療機関に適用範囲を拡大することができる。
以下、具体的に説明する。
図1は本実施形態において実現する地域医療連携システム1の概略構成を示し、図2はその機能ブロック図である。図3は医療情報共有サーバ10の概略構成を示す機能ブロック図である。
地域医療連携システム1では、ある範囲の地域において複数の医療機関(ここでは医療施設92、薬局96、介護施設98を運営する事業者及び製薬会社97)は、医療情報共有サーバ10を用いて、患者94等の利用者に対して、医療・福祉の商品・サービスを提供する。なお、医療・福祉の商品・サービスを提供する者として、これらに限る趣旨ではなく、ここでは特に説明していないが、例えば、医療用品、歯科材料、衛生用品などの医療機器を提供するものについても適用でき、その場合には製薬会社97と同様の位置づけとすることができる。
「利用者」とは、医療施設92や薬局96を利用する患者94や、介護施設98を利用する高齢者を想定するが、それらに限る趣旨ではなく、事業者の商品・サービスを利用する全ての者を含むものであるが、以下では便宜的に「患者94」として説明する。医療施設92は、病院や診療所、歯科医院や眼科院等を含む広い概念である。なお、法令・ガイドライン等で定められているものについては、当然にそれらに則った処理を行うものであり、例えば、電子カルテや電子処方せん(処方せんデータ)において、医師等の電子署名、タイムスタンプが必須のデータについては、必要とされるタイミングにおいて電子署名等が付与、参照されるものである。
図1や図3に示すように、医療情報共有サーバ10は、統括装置11と、地域共有DB12と、在庫管理装置19と、医療情報共有サイト100と、通信IF17を備える。統括装置11は、医療情報共有サーバ10の構成要素を統括的に制御する。
医療情報共有サイト100は、ポータルサイト101と、患者94と事業者のそれぞれのアクセス先となる医療機関用サイト110、患者用サイト140、薬局用サイト160、製薬機関用サイト170、介護施設用サイト180が設けられている。
ポータルサイト101は、医療情報共有サイト100の玄関として機能し、外部からアクセスする患者94や事業者は、それぞれの情報処理端末でこのポータルサイト101を経由してそれぞれ目的のサイトにアクセスする。
患者94は、自身のPC(パーソナルコンピュータ)やタブレット端末、スマートフォン等の患者端末40を用いて医療情報共有サーバ10にアクセスする。患者端末40がタブレット端末、スマートフォンの場合、専用のアプリケーションが導入され用いられてもよい。患者端末40は、患者用サイト140にアクセスして、事業者が提供する商品・サービスを利用する。例えば、医療施設92において診察を受ける場合に、医療施設92のWEBページにアクセスして診察を予約することができる。また、患者端末40には、例えば「お薬手帳」アプリが導入され、医療情報共有サーバ10と同期されて処方履歴を参照することができる。
医療施設92は、医療機関端末20を備え、ネットワーク2を介して医療情報共有サーバ10に接続する。ここでは、図2に示すように、複数の医療施設92のそれぞれに医療機関端末(1)20_1〜医療機関端末(n)20_nが設置されている。医療機関端末(1)20_1〜医療機関端末(n)20_nを区別しない場合は、単に「医療機関端末20」として説明する。
このとき、医療機関端末20は、ポータルサイト101から医療機関用サイト110にアクセスして、医療施設92用に用意された機能を利用する。医療施設92用に用意された機能とは、例えば、電子カルテシステム、臨床検査システム、医療会計システム、レセプト支援システム等の医療系システムがある。以下では、主に電子カルテシステムに着目して説明する。詳細は後述するが、電子カルテシステムやその他の機能は、例えば、シンクライアント環境(特にVDI(バーチャルデスクトップ環境)方式)として医療情報共有サーバ10と協働で実現している。医療施設92は、自己の診療において作成した電子カルテ30を地域共有DB12に記録し、各医療施設92は地域共有DB12に記録されている電子カルテ30を相互に参照して利用可能になっている。また、電子カルテシステムは、医療情報共有サーバ10がASP(アプリケーションサービスプロバイダー)として提供する電子処方せんシステムと連係しており、処方せんを出力する際に、電子処方せんとして出力することができる。さらに、他の事業者が医療情報共有サーバ10の地域共有DB12に記録したデータを一定条件下で参照することができる。
薬局96は、薬局端末60を備え、ネットワーク2を介して医療情報共有サーバ10に接続する。ここでは、図2に示すように、複数の薬局96のそれぞれに薬局端末(1)60_1〜薬局端末(n)60_nが設置されている。薬局端末(1)60_1〜薬局端末(n)60_nを区別しない場合は、単に「薬局端末60」として説明する。
このとき、薬局端末60は、ポータルサイト101から薬局用サイト160にアクセスして、薬局96用に用意された機能を利用する。薬局96用に用意された機能とは、例えば、電子処方せんシステムがある。電子処方せんシステムは、医療情報共有サーバ10がASPサーバとして機能し、医療施設92が電子処方せんを登録し、薬局96が電子処方せんを取得する。
製薬会社97は製薬機関端末70を備え、ポータルサイト101から製薬機関用サイト170にアクセスして、製薬会社97用に用意された機能を利用する。製薬会社97用に用意された機能とは、医薬品の在庫管理・受発注機能、処方せん蓄積情報、薬事情報の登録機能、医療関係者への通知機能などである。ここでは、図2に示すように、複数の製薬会社97のそれぞれに製薬機関端末(1)70_1〜製薬機関端末(n)70_nが設置されている。製薬機関端末(1)70_1〜製薬機関端末(n)70_nを区別しない場合は、単に「製薬機関端末70」として説明する。
介護施設98は介護施設端末80を備え、ポータルサイト101から介護施設用サイト180にアクセスして介護施設98用に用意された機能を利用する。介護施設98用に用意された機能とは、例えば、ケアマネジメントシステム(アセスメント・計画書・月間計画を一体入力;介護支援経過記録の取込み機能)、訪問介護・看護支援システム、通所介護・看護支援システム、介護老人ホーム支援システムなどがある。
上述の事業者の情報処理端末、すなわち、医療機関端末20、薬局端末60、製薬機関端末70、介護施設端末80がシンクライアント端末として、医療情報共有サーバ10がその管理サーバとして、シンクライアント環境が構成される。
そのシンクライアント環境は、例えば、管理サーバの医療情報共有サーバ10上に仮想デスクトップ環境を生成し事業者の情報処理端末から仮想デスクトップ環境を操作する仮想化技術(以下、「VDI方式」)により構築されていることがより好ましい。適用される具体的な仮想化技術として、上述のように本出願人による特許第6384847号に開示の技術を用いる。なお、全てがシンクライアント環境として実現される必要はなく、例えば、製薬会社97はその業態の性質上特定の地域医療に特化されないことから、製薬機関端末70は一般的なPCで構成され、ウェブ上で所定の機能が実行されてもよい。なお、地域医療連携システム1の一部又は全てがクラウド環境にて構築されても一定の効果を実現できる。
つづいて図3を参照して医療情報共有サーバ10の特に地域共有DB12及び在庫管理装置19に着目して説明する。地域共有DB12は、事業者システム支援サーバ13と、クライアント用共通ソフトウェア14と、登録管理部15と、認証部16と、人DB120と、事業者DB130と、技術情報DB135と、共通在庫DB138と、機器管理DB139とを備える。
事業者システム支援サーバ13は、シンクライアント環境のシンクライアントサーバ(管理サーバ)として機能する。シンクライアント環境として様々な形式のものが提案されているが、上述のようにVDI方式を採用する。VDI方式は、1台の高性能なサーバ上にハイパーバイザーを導入し、その上で仮想デスクトップ用の仮想マシンを利用者数分動かす。シンクライアント端末は、認証サーバおよび接続ブローカーを経由して、各ユーザに割り当てられた仮想デスクトップに接続する。
クライアント用共通ソフトウェア14は、シンクライアント環境における各事業者のシンクライアントの情報処理端末(例えば医療機関端末20)に用いられる各種ソフトウェア(アプリケーション)を保持する。すなわち、事業者システム支援サーバ13がシンクライアントサーバとして仮想デスクトップを稼働させる場合に、その仮想デスクトップ上で稼働させるアプリケーションを保持する。
登録管理部15は、地域医療連携システム1を利用する患者94や、医療施設92や薬局96等の事業者や、それら事業者に所属する医師、薬剤師等を登録する。より具体的には、患者94の患者情報(利用者情報)については、患者94自身が登録するか、医療施設92や薬局96等の事業者を利用する場合に、患者94の同意のもと、それら事業者が登録する。
なお、登録する患者情報、事業者およびそれに所属する者の登録情報・登録処理の具体例については、図4〜図8で後述する人DB120や事業者DB130等の説明とともに行う。
認証部16は、事業者(医療施設92、薬局96、製薬会社97、介護施設98)や患者94が地域医療連携システム1にアクセスする際に、登録管理部15で登録された認証情報(認証手段の種類およびそれによる登録情報)にもとづき、認証処理を行う。
人DB120は、地域医療連携システム1を使用する者、すなわち利用者である患者94および事業者に所属する者の各種情報を記録し保持する。具体的には、人DB120は、患者DB121と、医療関係者DB122と、薬剤師DB123と、介護士DB124と、電子カルテDB125と、処方せんDB126とを備える。
図4に示す患者DB121の例を参照して、患者94の利用者情報の具体的な内容及び登録管理部15による登録処理について説明する。
患者94自身が登録する場合は、患者94は地域医療連携システム1が運営するポータルサイト101から患者用サイト140の登録用ページにアクセスすることで、登録管理部15による登録処理が行われ、人DB120の患者DB121に所定事項が登録される。また、未登録の患者94が医療施設92等を利用した場合に、その医療施設92等が登録してもよい。
図4の患者DB121に示すように、患者94が登録する患者情報の項目として、「名前(氏名)」「社会保障番号」「生年月日」「住所・電話番号」「認証情報」を必須登録情報とし、必須登録情報が登録されると、患者共通IDが付される。また、任意登録情報として、例えば「緊急連絡先」「延命治療意思」「臓器提供意思」「要注意事項」「注意薬情報/副作用情報」「ヘルパー」「介護先」「かかりつけ薬局」などがある。「延命治療意思」「臓器提供意思」について登録があることで、患者94が死亡した場合等に、医療施設92においてそれら意思の確認が円滑になる。また、「緊急連絡先」「ヘルパー」「介護先」が登録されていることで、患者94に確認が難しい状態でも、家族・親類等への連絡が可能となる。また、「要注意事項」として既往症や手術歴等を登録することで、患者94に確認が難しい状況において、医療施設92にて避けるべき処置を把握でき、治療を円滑にできる。「注意薬情報/副作用情報」では、患者94が自身の薬の履歴から副作用等により避けたいと考える薬があれば理由とともに登録する。「かかりつけ薬局」があることで、医師が処方せんを出す場合に、薬の在庫状況を事前に把握できたりする。また、後述の医療機関端末20で稼働する電子カルテシステムや薬局端末60で稼働する処方せんシステムにおいて、医師や薬剤師が登録してもよい。このとき登録者の情報(医師IDや薬剤師ID)も関連づけて登録される。
認証情報は、複数種類の認証手段で登録できる。例えば、「パスワード」(図中「pass」と表記する)、「指紋認証」、「顔認証」、「声紋認証」などがある。スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末では、「指紋認証」、「顔認証」「声紋認証」などの様々な認証機能を利用できる。
社会保障番号として、例えば、健康保険番号や政府管理の個人番号があり、その他の公的番号として運転免許証番号が用いられてもよい。現実の運用を考慮すると、健康保険番号が医療施設92を利用した場合にのみ保険証による確認後に正式登録されることが望ましい。それまでの期間、社会保障番号は未登録状態で利用者情報は仮登録とする運用が想定できる。正式登録に移行することができる場所(機関)として、公的な身分証明書の提示が必要とされる上記の医療施設92や薬局96等がある。また、地方公共団体が地域医療連携システム1へ参加する場合には、地方公共団体事務所(役所)で正式登録がなされてもよい。
図4の例では、患者共通ID「C0002」の患者94の利用者情報は、必須登録情報として名前「EFGI」、社会保障番号「11112223−123」、生年月日「1999年01月23日」、住所・電話番号「△○区×□9−9」、認証情報「パスワード、指紋」であることが分かる。さらに、任意登録情報として、緊急連絡先「03−234−xxxx/子」、生活状況「一人暮らし、施設入居」、認知症「〇」、感染症「C型、×(無)」、延命治療意思「×(無し)」、臓器提供意思「角膜」、要注意事項「ボルト」が登録されている。この患者94を初めて治療する際に、要注意事項「ボルト」とあることから、例えば、MRI治療時にMRI適合か否かを事前に確認することができる。また、注意薬情報「アレロック/頭痛」とあることから、この患者94がアレロックを服用した際に頭痛が発生する副作用があることが分かる。
なお、患者94は、登録時に、名前等の所定の必須開示項目以外について開示範囲を設定可能にしてもよく、どの項目をどの種の事業者(医療施設92、薬局96、製薬会社97、介護施設98)、さらに事業者のどのような属性の人(医者、看護師、薬剤師、事務担当者など)に開示するかを決めることができる。例えば、医療施設92に対しては全ての項目を開示し、薬局96に対して必須開示項目以外は開示しないとすることができる。また、医療施設92のうち医師には全ての事項を開示し、看護師について必須開示項目以外は開示しないとすることができる。
つづいて、図5〜図7を参照して、事業者における登録情報について説明する。医療施設92や薬局96、製薬会社97、介護施設98が登録する場合は、あらかじめ地域医療連携システム1の管理者から所定の権限を与えられた者が、それぞれの機関の所属者を登録する。地域医療連携システム1の管理者として、例えば、その地域の医師会(またはそれから委任された者)がある。
図5に示す医療関係者DB122の例を参照して、医療関係者の登録情報(事業者情報)を具体的に説明する。医療施設92に所属する者(すなわち医療関係者)の登録項目として、「名前」「属性(医師、看護師、その他等)」「所属(所属1、所属2、・・・)」、「専門」、「認証情報」、「モバイル端末ID(MACアドレス)」があり、登録されると医療関係者IDが付与される。他の事業者に移動した場合は、所属変更処理がなされる。また、複数の事業者に所属することもでき、「所属1」「所属2」のように所属先が複数登録される。医師に関しては「専門分野」を登録できる。なお、医師や看護師、薬剤師のように国家資格等によって定められる職種については、医師会等の所定の機関によって登録されるようにしてもよい。
図5の例では、医療関係者ID「D0003」で示される者について、名前「CCDD」、属性「医師」、所属1「Aクリニック」、所属2「Bクリニック」、専門「内科」、認証情報「パスワード、顔認証、指紋認証」、モバイル端末ID「21:43:65:87:09:BA」となっている。この情報から、医療関係者ID「D0003」の者は、内科の医師であり、「Aクリニック」と「Bクリニック」に所属することが分かる。また、MACアドレス「21:43:65:87:09:BA」のモバイル端末でシンクライアント端末21と接続して、または、インターネット等のネットワーク2を経由して直接アクセス可能である。
図6に示す薬剤師DB123の例を参照して、薬局96の従業者の登録情報(事業者情報)を具体的に説明する。薬局96に所属する者の登録項目として、「名前」「所属」、「認証情報」があり、登録後に薬剤師IDが付与される。例えば、薬剤師ID「F0001」の薬剤師について、名前「GGHH」、所属「A薬局」、認証情報「パスワード、指紋」が登録されていることが分かる。他の事業者に移動した場合は、所属変更処理がなされる。なお、薬剤師以外についても登録可能としてもよいが、その場合、アクセス可能な患者94の利用者情報について制限を持たせてもよい。
つぎに、図7の介護士DB124を参照して、介護施設98の従業者(介護士やケアマネージャ等)の登録情報(事業者情報)を具体的に説明する。介護施設98に所属する者の登録情報として、「名前」「所属」「属性」「認証情報」があり、登録後に介護士IDが付与される。例えば、介護士ID「G0004」の従業者について、名前「QQRR」、所属「B老人ホーム」、属性「ケアマネ、介護士」、認証情報「パスワード、指紋」が登録されていることが分かる。他の事業者に移動した場合は、所属変更処理がなされる。
図3に戻り、電子カルテDB125は、医療施設92で作成された電子カルテのデータが、その患者94と関連づけられて記録される。処方せんDB126は、医療施設92で作成された処方せんのデータが患者94及び管理番号と関連づけられて記録される。処方せんDB126は、薬局96が薬を患者94に出すときに薬局端末60で参照され、実際に出した際の具体的な情報(日時、薬名、メーカ、量等)が追記される。患者94の電子カルテや処方履歴が記録されているため、後述の診療等の際に医師の判断が容易になるだけでなく、意識不明の状態の患者94が救急車等で搬送されてきた場合に、本人確認さえできればどのような治療がなされてどのような薬が処方されているかが分かるため、無駄な検査を省き、早急な処置が可能となる。
技術情報DB135は、薬事情報DB136と、医療情報DB137とを備える。薬事情報DB136には、医薬品に関する安全情報が記録されている。安全情報は、該当の製薬会社97によって登録・更新されたり、地域医療連携システム1の管理者等によって登録・更新される。医療情報DB137には、公的機関や医師会による感染症の情報や、地域医療連携システム1に参加している事業者による情報が記録・更新される。
つづいて、図3と図8を参照して事業者DB130を説明する。事業者DB130は、事業者自体の情報を登録・記録するものであり、地域医療連携システム1の管理者によって登録される。具体的には、事業者DB130は、病院DB131と、薬局DB132と、製薬機関DB133と、介護施設DB134とを備える。
図8(a)の病院DB131に示すように、医療施設92の登録情報として、「医療機関ID」「名称」「種別」「診療科」「予約連携」「住所」「電話番号」「代表者(ID)」「所属者(ID)」「登録端末(MAC)」「予約」「申請」がある。「種別」とは医療施設92の種別であり、病院であるか診療所(種別:04)であるかの種別や、病院であれば特定機能病院(種別:01)、地域医療支援病院(種別:02)、その他の一般病院(種別:03)等の種別である。「予約連携」とは、救急患者等が発生した場合等に、電話等の従来の連絡手段の他に、地域医療連携システム1を用いて医療施設92同士が連絡を取り合う緊急連携機能(連携:11)や医療施設92間での予約機能(連携:12)に参加するか否かである。その他に、医療施設92のホームページアドレス等が登録されてもよい。「予約」は、患者94がその医療施設92を予約する機能の有無を示す。なお、「申請」は、患者94が各種申請を行う機能を提供する機能の有無を示す。
例えば、医療機関ID「20001」の医療機関端末20について、名称「Aクリニック」、種別「04:診療所」、診療科「内科、アレルギー科」、連携「11:緊急連携、12:予約連携」、住所「○○市××8−7」、電話番号「XX−123−34XX」、代表者の名前(ID)「AABB(D0001)」、所属者(ID)「BBCC(D0002)、CCDD(D0003)、・・・」、登録端末のMACアドレス「12:34:56:78:90:12、・・・」、予約「〇」、申請「〇」であることが分かる。したがって、例えば、登録端末の情報から、医療機関ID「2001」の病院では、MACアドレス「12:34:56:78:90:12」の端末(医療機関端末20)がシンクライアント端末として、医療情報共有サーバ10にアクセスすることになる。また、医療機関ID「2001」の医療機関端末20は、地域医療連携システム1が提供する緊急連携機能及び医療施設92間での予約機能に参加していることが分かる。緊急連携機能及び医療施設92間の予約機能については後述する。さらに、患者94は、Aクリニックの診療予約や各種の申請を利用することができる。「予約」「申請」の具体的な機能については、図15で後述する。
図8(b)の薬局DB132、図8(c)の製薬機関DB133、図8(d)の介護施設DB134についても同様に、各事業者の登録情報として、「事業者(薬局ID、製薬機関ID、介護施設ID)」「名称」「住所」「電話番号」「代表者(ID)」「所属者(ID)」「登録端末(MAC)」がある。それらの事業者からは、登録端末(MAC)の情報処理端末(薬局端末60、製薬機関端末70、介護施設端末80)からのみ医療情報共有サーバ10にアクセスできる。なお、上述したように、地域医療連携システム1では、薬局96で処方する医薬品について、共通して在庫管理を行っている。そこで、それぞれの薬局96では、在庫管理の責任者として在庫管理者(およびそのID)が指定され、薬局DB132に登録されている。例えば、薬局ID「60001」の薬局96では、在庫管理者(ID)「GGHH(F0001)」が登録されている。登録されている在庫管理者のみが、医薬品の発注に関して権限を有しており、そのIDでログインしている場合にのみ、発注処理を行うことができる。
図3及び図9を参照して、地域医療連携システム1で使用される医薬品の在庫管理・処方せん蓄積情報について説明する。図3は、在庫管理装置19の概略構成を示す。図9は、共通在庫DB138の在庫テーブルの一例を示す。
図3に示すように、在庫管理装置19は、在庫管理部191と、処方情報管理部193と、発注部194と、在庫警告部195と、在庫調整部196とを備える。
在庫管理部191は、共通在庫DB138を参照して、地域医療連携システム1で使用・在庫する医薬品それぞれについて全体として統括的に管理する全体在庫管理機能と、薬局96のそれぞれにおいて医薬品が適正な在庫となっているか否かを判断する個別在庫管理機能とを有する。全体在庫管理機能と個別管理機能の詳細は、図9の在庫テーブルの一例とともに後述する。
また、在庫管理部191は、在庫推移状況をもとに在庫予測を行う在庫予測機能を備える。在庫予測には、公知の技術、例えば統計的手法(時系列分析法、移動平均法、加重移動平均法)や深層学習による予測(AI予測)手法等を用いることができる。予測結果は、地域医療連携システム1を管理する管理者や薬局96の在庫管理者が、それぞれが利用できる端末で閲覧することができる。また、在庫管理部191は、予測の結果、所定の基準在庫より不足すると判断すると、その旨を発注部194や在庫警告部195に通知する。発注部194に通知する場合には、需要予測(消費予測)から最適と想定される発注量を算出して、推奨発注量としてあわせて通知する。
処方情報管理部193は、医師が医療施設端末20で出力した処方せんの情報を取得して、処方せんDB126へ記録するとともに、処方した医薬品の情報を共通在庫DB138に処方せん蓄積情報として蓄積する。処方せん蓄積情報は、処方せんの情報から、地域医療連携システム1における医薬品の使用状況を把握可能に、個人情報を適切に取り除いた(又は編集した)ものである。また、製薬会社97等から処方せん蓄積情報の開示要求があった場合に、要求元の権限に応じて、処方せん蓄積情報を開示する。処方せん蓄積情報およびその開示態様については後述する。また、処方情報管理部193は、処方せんの情報から処方予測(消費予測)を行うこともできる。すなわち、処方せん蓄積情報から感染症等の流行予測を行い、地域医療連携システム1上で関係者に開示する。予測手法は、上述の在庫予測と同様の手法を用いる。
発注部194は、管理者の指示で、または在庫管理部191の予測により発注が必要となった場合に自動で、不足する医薬品の発注処理を行う。自動発注の場合、在庫管理部191から取得する推奨発注量を所定の発注先に発注する。
在庫警告部195は、在庫管理部191の予測結果や実際の在庫が、所定の在庫水準以下になった場合に、所定の警告を出力する。例えば、全体在庫量が不足する場合には、地域医療連携システム1の在庫管理責任者に電子メール等で通知する。個々の薬局96の在庫が不足する場合には、図8で示した薬局96の在庫管理者に電子メール等で通知する。自動発注処理が設定されている場合には、在庫警告部195は、発注部194での発注処理の内容を通知する。
在庫調整部196は、それぞれの医薬品について、地域医療連携システム1の全体在庫が潤沢であるが、個々の薬局96を見た場合に適切な在庫水準に達していない場合に、他の在庫が潤沢な薬局96から回す調整を行う。この場合、共通在庫としている部分が他へ回す対象となる。
つぎに図9を参照して共通在庫DB138について説明する。共通在庫DB138は、地域医療連携システム1に参加している事業者で共通で使用し調達している物品の在庫に関するデータが図9に示すような在庫テーブルに記録される。対象となる物品として、例えば、医薬品(処方箋医薬品及び一般用医薬品)、包帯やマスク等の医療品等がある。処方箋医薬品については、薬局96で患者94に出されると、そのデータが共通在庫DB138に反映される。また、医師が医療施設端末20で処方せんを出力した際に、その情報から所定の項目(例えば処方医薬品名、処方日時、数量、住所、患者の年齢等)が抽出され処方せん蓄積情報として記録・更新される。
図示の在庫テーブルは、処方箋医薬品のうち鎮痛剤の一部について示している。ここでは、理解を容易にするために、医薬品の剤形や包装単位の違い、製造ロット番号等は考慮せず簡略化して示している。図示のように、在庫テーブルの項目として、「商品情報」、「在庫情報」及び「処方せん蓄積情報」が設けられている。商品情報としては、更に「一般名」「商品名」「管理コード」「グループ」「発注先」が設けられている。在庫情報としては、「基準在庫」「全体在庫」「個別在庫」が設けられている。在庫情報として、一般には、より詳細な管理がなされ、発注量、受注残、発送状態(物流状態)等の項目が含まれるが、それら一般的な発注処理であって本実施形態において特に特徴的なもの以外については、説明を適宜省略している。「処方せん蓄積情報」として、それぞれの医薬品(商品)について、処方の累計、週ごとの処方量が記録されている。
商品情報について、医薬品の有効成分の一般的名称を基本とした製剤名であって一部簡略したものであり、例えば図示のように「ロキソプロフェンナトリウム水和物錠」や「アセトアミノフェン錠」などである。商品名は、医薬品が新薬であればその名称、ジェネリックであればその旨(複数の場合はABC等の記号や製薬会社名により識別可能としたもの)が記載される。管理コードは、商品を識別可能とするものえ、例えば、JANコード、HOTコード、レセプト電算コード等である。これらコードは、図示しない所定のコード対応変換テーブル(ファイル)にて相互に変換可能である。
「グループ」は、同一または類似の効能を有する医薬品をグループ分けが複数の階層で示されている。したがって、同じような効能を有する医薬品の在庫状態を、グループをキーとして管理・参照することができる。例えば、グループ「A−01」では、「A」が鎮痛剤のグループに付され、さらにその後の枝番「01」が一般名「ロキソプロフェンナトリウム水和物錠」のものに付されている。また、枝番「05」は一般名「アセトアミノフェン錠」のものに付される。グループ化において、どのような基準とするかは任意であるが、グループをキーとして代替可能な医薬品の在庫状況を参照することができるグループ分けとなる。
このようにグループ分類することで、例えば、在庫管理部191が在庫予測をする場合に、グループ単位で予測することができる。すなわち、ある医薬品の在庫不足が予測される場合であっても、グループ単位では十分に確保できる場合もある。そのような場合に、急いで発注をする必要がないため、在庫の最適化が一層効果的に行える。
在庫情報に関して「基準在庫」は、地域医療連携システム1全体での目標在庫量であり、在庫管理の基準値となる。例えば、この目標在庫量の50%となった時点で自動発注処理したりする。なお、ここでは、個々の医薬品に基準在庫を設定しているが、グループ単位で設定してもよい。
「全体在庫量」は、地域医療連携システム1の全ての薬局96での在庫量の総計である。なお、在庫量は、地域医療連携システム1全体の薬局96で利用可能で薬局96間で融通することも想定する在庫量を示す「共通」(共通利用在庫)、それぞれの薬局96でのみ利用することを前提とした「個別」(個別利用在庫)、「共通」と「個別」とを合算した「総計」に分けて管理されている。薬局96は、それぞれの在庫管理者が個別基準在庫を設定する。発注部194が、一括発注する際に、例えば個別基準在庫になるように発注した医薬品を分配する。「個別在庫」は、個々の薬局96に関する在庫量を「共通」「個別」「総計」について管理している。
例えば、「ロキソプロフェンナトリウム水和物錠」について在庫情報を見てみると、商品名「ロキソニン」「ジェネリックA」「ジェネリックB」のいずれの3商品も、基準在庫に対して全体在庫量の総計が不足していることが分かる。逆に、アセトアミノフェンの3商品は、基準在庫に対して超過していることが分かる。また、処方せん蓄積情報について見ると、商品名「ロキソニン」では、累計「5000」、第1週「300」、第2週「200」、・・・となっている。製薬会社97は、在庫情報については自社商品について取得することができ、処方せん蓄積情報については、自社商品と、グループ単位で取得することができる。なお、処方せん蓄積情報として週単位で取りまとめているが、日単位でもよく、適宜設定可能である。
以上の構成の地域医療連携システム1によって提供されるサービス等の具体例を説明する。図10は、患者94が医療機関用サイト110にアクセスして利用できるサービスの例を示した図である。患者94は、患者端末40でネット閲覧用アプリケーションを起動し、医療機関用サイト110のポータルサイト101にアクセスする。患者94がサイト一番上に設けられた「患者/一般」ボタンを押下することで、表示は患者/一般用ポータルサイトへ遷移する。
患者/一般用ポータルサイトでは、画面上部に「病院リスト」「薬局リスト」「マイページ」の選択ボタンが設けられている。「病院リスト」が選択されると、地域医療連携システム1に参加している医療施設92が、診療科毎にリスト表示される。「薬局リスト」が押下されると、同様に、地域医療連携システム1に参加している薬局96の一覧が表示される。なお、患者94が登録済みで認証処理を行ってアクセスしている場合には、患者94の住所から近い順や、利用履歴が多い医療施設92の順で表示されようにすることができる。
図示の病院リスト画面A11の例では、内科の病院一覧が示されている。一覧では、病院名、住所が記載されており、さらに、一部の病院名の横には予約ボタンと申請ボタンが設けられている。例えばAクリニックの予約ボタンが押下されると、Aクリニックに関する病院個別予約画面A12に遷移する。図示の病院個別予約画面A12では、予約登録タブが選択されており、数日間(ここでは1/23〜1/26)の予約状況(混雑状況)が「〇(予約枠有り)」、「△(予約枠少)」、「×(予約不可)」、「−(休診)」で示されている。「〇」「△」については押下可能になっており、押下することで、所定の予約画面(図示せず)に遷移する。なお、予約確認タブが選択されると、予約済みの場合には、予約した内容が表示される。
病院リスト画面A11の下側には、予約可能病院リストボタンが設けられている。このボタンを押下することで、予約可能病院リスト画面A13が表示される。診療科毎の予約可能病院の予約可能状況/混雑状況が「〇」「△」「×」「−」で選択可能に一覧表示されており、所望の病院/日時を押下することで、所定の予約画面に遷移する。
このように、ポータルに実装し地域の外来予約システムを地域でシェアするサービスを実現できる。患者94は、初診外来を希望する日に他の患者の予約状況から混んでいる時間帯を目視で判明でき、また、混み具合から比較的空いている時間帯を選んで予約することができる。地域連携のオーダリングであるため、同じ科の病院一覧から現在の病院の混み具合や患者94の待ち時間が目視でき、空いている病院をリアルタイムで探すことが簡単にできる。医療施設92は、予約データから多角的に経営の分析・改善を行うことができる。
また、病院リスト画面A11において、病院名の横に「申請ボタン」が設けられている場合、そのボタンを押下することで、申請画面A14に遷移する。申請画面A14では、申請書関係タブが選択されている場合には、診断書、証明書、紹介状等の申請が可能であり、領収関係タブが選択されている場合には、診療明細書や領収証明書等の申請が可能である。
「マイページ」が選択されると、その患者94の利用者情報が表示される。すなわち、通院履歴、薬の処方履歴、登録事項を表示させることができる。図示のマイページ画面A15の例では通院タブが選択されており、「2018年1月23日 Aクリニック」の利用を先頭にして4件の通院履歴が表示されている。それぞれのリストを押下することで、利用時の電子カルテ(医療施設92が閲覧可とした事項)や処方せんを閲覧することができる。すなわち、患者94は、電子カルテDB125や処方せんDB126に記録されている自身のデータを全て又は一定範囲において閲覧することができる。また、マイページ画面A16の例では薬の処方履歴を示す薬タブが選択されており、「2018年1月23日」に、「XY調剤薬局」で「Aクリニック」で出された処方せんにより薬を受け取ったことが表示されている。このマイページ画面A16で下段領域の「一覧表示」ボタンを押下することで、直近の所定期間の処方履歴の一覧が表示される。
つぎに、図11〜図13を参照して医療施設92における医師の電子カルテシステム使用例を説明する。図11は医療機関端末20のシンクライアント端末21に表示される電子カルテ30の画面例である。画面上側領域301に、ログインユーザとして担当医の名前「AABB」及び医療者ID「D0001」が表示されている。その下には、患者プロフィール領域302が設けられており、患者94の名前「EFGI」、生年月日/年齢/性別「2000.01.01生/18歳/男性」、患者ID「C0002」、その医療施設92の診察券番号「00035」、既往歴「高血圧」、アレルギー「−(無し)」が表示されている。
患者プロフィール領域302の下側には、「受付」「診察」「会計」の3つのボタン303が設けられており、ここでは「診察」が選択されている。さらにそれらボタンの下側領域には、診療記録領域304が設けられている。診療記録領域304の左1/3が前回診療領域311、右2/3が今回診療領域で、その左半分がSOAP記載領域312、右半分がORDER記載領域313である。ORDER記載領域313では、薬選択欄を表示させて処方する薬をリストから選択記入する。詳細は後述するが、薬選択のときに、電子カルテDB125や処方せんDB126が参照されて、患者94に対して重複処方や忌避薬の処方が直ちに選択できないようになっている。
診療記録領域304の右側には、利用履歴領域305が設けられている。利用履歴領域305では、タブ選択により自病院履歴領域306と他診察等領域307とを指定して表示できる。ここでは他診察等領域307が選択されており、他診察等領域307では、他診察履歴領域308と、処方せん履歴領域309が設けられている。
他診察履歴領域308には、同じ患者94の患者ID(ここでは「C0002」)をキーとして電子カルテDB125から電子カルテのデータが参照・抽出され、他の医療施設92の診察履歴が過去所定期間(例えば1年間)について表示される。処方せん履歴領域309には、同じ患者94の患者IDをキーとして処方せんDB126から処方せんのデータが参照・抽出される他の医療施設92による処方履歴が過去所定期間(例えば1年間)について表示される。
医師は、患者94を診察する場合や薬を処方する場合に、他の医療施設92の診察履歴や薬の処方履歴を同一画面で参照することができる。患者94がどのような治療を受けてきたのかを知ることで、適切な治療方法を選択できる。特に、原因が不明の病気にかっていたような場合、紹介状があれば過去の治療履歴をその内容から又は患者94から確認できる。しかし、紹介状が無い場合や患者94が今回の治療で特にその病気とは異なり意識していない場合でも、診療に当たる医師が、過去の病気を考慮に入れて適切な治療法、処方する薬を選択することができる。古い薬を使用している場合や既に無くなってしまった場合に、新たに患者94に処方する薬を絞り込む参考になる。
また、様々な疾患を抱えている高齢者等の患者94では、複数の薬が処方され多剤服用や多剤併用の状態(いわゆるポリファーマシー)の場合がある。例えば、複数の医療施設92から合計で5種類の薬が処方されていた場合に、ある医療施設92の医師は総合的に勘案した場合に3種類で充分と判断し、処方を変更することで、処方量を抑制させることができ、最終的には薬剤費用を低減できる。このようなときに、医療機関端末20の電子カルテシステムの機能として、先に処方している医療施設92に対して変更を通知・受信する機能を付与することで、その患者94に対する最新の治療方針、処方方針を先の医療施設92も把握することができる。また、患者94が介護施設98を利用している場合に、介護施設98の介護施設端末80においても、そのような通知を受信する機能を有することで、患者94に関連する人の間で薬の変更を共有することができる。
患者94は、過去の治療履歴について、記憶が曖昧になって正確な情報(病気名や薬名)を伝えることが出来ないこともあり、場合によっては、誤った不適切な情報を伝える虞もあるが、そのような状況を防止することができる。さらに、同一・類似の薬効の薬が別の医療施設92で重複して多く処方されていることを発見しやすい。この種の状況は、不法な薬の転売を目的としたことも多くあるため、医師が早期に不法な処方を防止することができる。なお、処方せんDB126に、不適切な処方の有無を判断する監視機能を設けてもよい。転売目的となる薬は一定程度判明しているので、監視対象となる薬を登録し、重複処方が発生した場合に、医療施設92の電子カルテシステムや薬局96の処方せんシステムで警告を出し、医師等の確認を取るようにしてもよい。
つづいて図12のフローチャートを参照して、上述の電子カルテ30においてORDER記載領域313に処方する薬を記入する際の処理例を説明する。医師がORDER記載領域313において、薬選択欄を表示させ薬名を入力開始すると(S100)、入力文字に応じた候補となる薬名が選択可能にリストとして表示される(S101)。なお、リスト表示の際に、在庫状態を含めて表示する画面例を図13で後述する。
医師が所望の薬を選択すると(S102)、患者94の忌避チェックがなされる(S103)。例えば、アレルギー、年齢、既往症から忌避される薬か否かがチェックされる。忌避の該当がある場合(S104のY)、警告が表示され(S105)、医師による警告確認が要求される(S106)。医師が別の薬を処方する場合は、別な薬の選択処理に戻る(S100)。
自医院のカルテチェックで忌避該当が無い場合(S104のN)、または警告確認がなされた場合(S106)、他の医療施設92での電子カルテのチェックがなされ、同じく忌避チェックがなされる(S107)。忌避の該当がある場合(S108のY)、警告が表示され(S109)、医師による警告確認が再度要求される(S110)。医師が別の薬を処方する場合は、別な薬の選択処理に戻る(S100)。
他医院のカルテチェックで忌避該当が無い場合(S108のN)、または警告確認がなされた場合(S110)、他の医療施設92で出され薬局96で処理された処方せんのチェックがなされる(S111)。重複・忌避の該当ありの場合(S112)、警告が表示され(S113)、医師による警告確認が再度要求される(S114)。医師が別の薬を処方する場合は、別な薬の選択処理に戻る(S100)。医師が確認後、必要に応じて数量を調整すると(S115)、また、重複・忌避が無い場合(S112のN)、処方する期間(すなわち薬の量)が確定する(S116)。
例えば、処方する期間が重複する場合に、同一の薬又は薬効が同一・類似の薬が処方されていれば、処方が不要となったり、処方する期間(すなわち数量)を少なくする。より具体的には、歯科医院で抜歯した患者94が痛み止めとしてロキソプロフェンが処方されており、1週間分の薬が残っていると想定され、内科医が今回の診察で1週間分の痛み止めの処方が適切と判断した場合であっても、既に処方している同じ薬効(痛み止め)があることから、痛み止めの処方を行わない、といった処置ができる。また、他の医療施設92である抗生物質の薬が処方されている場合、抗生物質の重複処方は禁止されていることから、今回の診察に関連した抗生物質の処方は行わないという決定ができる。自らの医療施設92の過去の履歴であれば自らの電子カルテを参照することでチェックは可能である。本実施形態のように、他の医療施設92による同一の患者94の電子カルテや処方せんの内容が、電子カルテDB125や処方せんDB126から参照することができるので、患者94が医師に認識・通知しないような場合であっても、適切な医療サービスの提供及び医療費の低減を実現できる。また、重複処方に伴う処方量の調整等を行った際に、処方せんにその旨を注記してもよい。
図13は、電子カルテシステムにおいて処方する薬のリスト表示の際に、在庫状態を含めて表示する画面例を示す。電子カルテ30のORDER記載領域313において図中の吹き出しの中に示すような薬選択フレーム341を表示させ、薬名入力欄342に所望の薬名を入力すると、その右側に薬候補リスト343が表示される。このとき、薬の一般名、商品名の他にそれらの在庫状態が「〇(適正)」「△(要注意)」「×(不足)」で示される。在庫状態は共通在庫DB138から該当する薬のデータ(すなわち、図9に示した在庫テーブル)が参照される。
ここでは、鎮痛剤の一種のロキソプロフェンナトリウム水和物錠がリスト表示されている。上二つの商品(薬)の在庫状態は、「△(要注意)」状態であり、下の商品(薬)は「×(不足)」であることが分かる。ここで、電子カルテシステムを操作している医師が、別の鎮痛剤に代替可能であると判断すると、フレーム下側領域のグループ検索ボタン345を押下する。その操作により、同一効能薬リストフレーム351が表示され、図9の在庫テーブルで説明したように、予め同じ効能であるとしてグループ化されている医薬品が、上述の指定医薬品リスト353とともに、代替可能医薬品リスト354がその在庫状況とともに表示される。ここでは、代替可能医薬品リスト354の一例として「アセトアミノフェン錠」の3商品の在庫状態が「〇(適正)」であることが分かる。医師は、「アセトアミノフェン錠」が処方するのに適当であると判断すれば、3商品のうちいずれかを選択する。
なお、在庫状態として、全体在庫量を反映しているが、例えば、予め登録した近隣の薬局96や、患者94の処方履歴から「かかりつけ薬局」と判断できる薬局96の在庫状態を表示させてもよい。また、医師が、患者94の希望する薬局96を選択可能としてもよい。薬を取りに薬局96に出向いた患者94が、その薬局96に在庫がなく別の薬局96に行ったり、薬局96で取り寄せの間待つといった無駄を排除できる。
つづいて、図14のフローチャートを参照して、患者94が処方せんを薬局96へ持参した際の処理を説明する。患者94が医療施設92で診察を受けると、医療施設92は処方せん50を発行するとともに、患者94の処方せんの内容を処方せんDB126に、処方した医薬品の情報を処方せん蓄積情報として共通在庫DB138に記録する(S21)。処方せん50には、処方せん情報が暗号化された二次元コード51が付されている。処方せん情報として、患者94の識別情報(例えば名前、患者ID)及び処方せんDB126に記録した際に付されている管理番号である。なお、二次元コード51自体に具体的な処方内容(薬名、処方量等)が含まれてもよい。
患者94が処方せん50を受け取り薬局96に持参すると(S22)、薬局96では、薬局端末60に設けられたコードスキャナー55で処方せん50の二次元コード51の読み取り復号が行われる(S23)。薬局端末60は、復号したデータをもとに、処方チェックを行う(S24)。より具体的には、薬局端末60は、処方せんDB126にアクセスし、処方履歴を行い、医療施設92で処方された内容のチェックとともに、別の診療の際に処方された処方せんとの重複処方等の確認を行う(S24a)。さらに、薬局端末60は、薬事情報136にアクセスして処方する薬の併用等に忌避・注意すべき事項があるか否かをチェックする(S24b)。薬局96の薬剤師は、必要に応じて処方した医療施設92に疑義参照をする。
処方チェックが終わり患者94に薬が渡されると、実際に処方した日付、薬名、処方量、担当薬剤師等の情報が処方せんDB126の処方データに反映されるとともに、共通在庫DB138にも反映される(S25)。患者94は、患者端末40で「お薬手帳」アプリを用いて、または、ポータルサイト101経由で自身の処方履歴を閲覧することができる(S26)。なお、処方せんが出されても、他の地域の薬局96で医薬品を受け取ったり、処方せんの有効期限に受け取らない患者94も存在するため、実際に地域医療連携システム1の薬局96でデータ処理することで、正確な在庫管理が可能となる。
つづいて、図15に基づいて製薬会社97が地域医療連携システム1における自社製品の在庫状況及び処方せん蓄積情報を確認する技術について説明する。製薬会社97は製薬機関端末70を用いてポータルサイト101にアクセスする。サイトに設けられた「製薬会社関係者」ボタンを押下することで、表示は製薬関係者用ポータルサイトA16、A17へ遷移する。図示では、F製薬会社の例を説明する。
在庫タブが選択された状態の製薬関係者用ポータルサイトA16では、自社商品の在庫状況が、図9に示した共通在庫DB138を参照して表示される。ここでは、「ロキソプロフェンナトリウム水和物錠(ジェネリックB)」について、基準在庫、全体在庫量、薬局別在庫量が表示されている。
また、処方情タブが選択された状態の製薬関係者用ポータルサイトA16では、共通在庫DB138を参照して、自社商品である「ロキソプロフェンナトリウム水和物錠(ジェネリックB)」と同一グループ(同一又は類似効能の薬品群)の処方せん蓄積情報が表示されている。なお、処方せん蓄積情報については、商品を供給していない製薬会社97についても地域医療連携システム1の運営側と契約することで、開示可能である。
供給契約は、例えば、1年単位で価格・数量等に関して更新される。同一医薬品については、複数の供給者と契約されてもよい。実際の供給契約者は、自身が供給する医薬品の在庫状況を把握できるだけでなく、当該システムに参画する医療機関において、他者の医薬品も含め、同一・類似効能の医薬品(新薬、ジェネリック、同一系統医薬品等)が、どのように処方がなされているかを把握できる。すなわち、マーケット全体の動向把握、供給体制の準備等を行え、供給の最適化を行える。
また、病院等の医療施設において処方せんが出力された段階で、データが更新され、供給者は処方情報を把握できる。そのため、例えば感染症の急激な発症に対して迅速に対応可能である。インフルエンザや感染性胃腸炎等の感染症では、その発生状況に地域性が現れる場合がある。したがって、当該システムが稼働している地域において、傾向を早く把握できれば、薬局において該当医薬品を切らすことを防止でき、また、一時的に在庫が切れるような場合でも、実際の在庫反映(変動)前に処方情報から在庫予測ができるので、供給者は薬局からの連絡前に予め手配が可能となり、患者を薬局で待たす時間を抑制できる。
一方、供給希望者は、対象エリアにおける処方状況を把握しておくことで、次回の契約時の判断の助けになる。すなわち、現実に近い想定供給量を事前に把握できるので、契約入札の際に、戦略的な価格設定が可能となる。また、単純に医薬品の在庫ではないため、同一・類似の効能を有する医薬品がどのように処方されているのかを判断できる。すなわち、医薬品の供給者は、自社が供給する医薬品のみでなく他社が供給する同一・類似の効能の医薬品についても把握でき、直近の供給体制の構築や、次回の契約条件(数量・価格)提示の参考とすることができる。開示の方法としては、医薬品の供給者がアクセス可能なウェブサイト(ポータルサイト)を用意し、そのウェブサイトに所定の認証手段を用いて所望の情報を参照可能とする方法がある。その他に、電子メール等により通知する方法でもよい。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 地域医療連携システム
2 ネットワーク
10 医療情報共有サーバ
11 統括装置
12 地域共有DB
13 事業者システム支援サーバ
14 クライアント用共通ソフトウェア
15 登録管理部
16 認証部
19 在庫管理装置
20 医療施設端末
21 シンクライアント端末
30 電子カルテ
40 患者端末
50 処方せん
51 二次元コード
55 コードスキャナー
60 薬局端末
70 製薬機関端末
80 介護施設端末
92 医療機関
94 患者
96 薬局
97 製薬会社
98 介護施設
100 医療情報共有サイト
101 ポータルサイト
110 医療機関用サイト
120 人DB
121 患者DB
122 医療関係者DB
123 薬剤師DB
124 介護士DB
125 電子カルテDB
126 処方せんDB
130 組織DB
131 病院DB
132 薬局DB
133 製薬機関DB
134 介護施設DB
135 技術情報DB
136 薬事情報DB
137 医療情報DB
138 共通在庫DB
140 患者用サイト
160 薬局用サイト
170 製薬機関用サイト
180 介護施設用サイト
191 在庫管理部
193 処方情報管理部
194 発注部
195 在庫警告部
196 在庫調整部
307 他診察等領域
308 他診察履歴領域
309 処方せん履歴領域

Claims (5)

  1. 複数の医療機関が連携して所定の地域において医療を提供する医療システムであって、
    前記医療機関が使用する電子カルテシステムと、
    前記電子カルテシステムを用いて医療を提供する際に、処方される医薬品の在庫管理を行う在庫管理装置と、
    前記医薬品の在庫状態を記録する医薬品在庫データベースと、
    を有し、
    前記在庫管理装置は、複数の前記医療機関の前記在庫管理を統括的に行う全体管理機能を備え、
    前記電子カルテシステムは、患者に対する処方せんを出力した場合に前記処方せんの情報を前記在庫管理装置に通知し、かつ、患者に対して実際に提供された医薬品に関する医薬品提供情報を前記在庫管理装置に通知し、
    前記在庫管理装置は、
    前記医薬品提供情報を前記医薬品在庫データベースに反映させ在庫情報を管理する在庫情報管理機能と、
    前記処方せんの情報を前記医薬品在庫データベースに処方せん蓄積情報として蓄積し前記処方せん蓄積情報を前記医薬品の供給者に開示する処方情報管理機能と、を有し、
    前記電子カルテシステムにおいて、医師が処方する医薬品を選択可能に表示する際に、前記医薬品在庫データベースを参照して、その医薬品と同一または類似の効能を有する医薬品をグループ化してグループ単位での在庫状況が把握可能に表示する
    ことを特徴とする医療システム。
  2. 前記処方情報管理機能は、前記供給者に前記処方せん蓄積情報を開示するにあたり、前記供給者自身が提供する医薬品の処方状況とともに、その医薬品と同一又は類似の効能を有する医薬品を前記グループ単位で処方状況を開示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の医療システム。
  3. 前記電子カルテシステムは、医師が処方する医薬品を選択可能に表示する際に、その医薬品の在庫状況と、代替薬品の在庫状況とを比較できる態様で表示することを特徴とする請求項1または2に記載の医療システム。
  4. 前記在庫管理装置の前記処方情報管理機能は、前記処方せん蓄積情報をもとに、前記地域の前記医薬品の消費予測を行うとともに、前記消費予測から感染症の流行予測をして、
    前記電子カルテシステムは、予測結果を表示することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の医療システム。
  5. 前記在庫管理装置は、前記全体管理機能と個々の医療機関の在庫管理を行う個別管理機能とを有し、
    前記医薬品は、それぞれの医療機関において前記複数の医療機関の共通に管理される共通在庫と、それぞれの医療機関で個別に管理される個別在庫とに分かれており、
    前記個別管理機能にて在庫が不足していると判断された医薬品について、その医薬品の共通在庫から不足している医療機関の在庫に充当されることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の医療システム。
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