JP6619361B2 - IgA腎症を治療するためのジンセノサイドM1の使用 - Google Patents

IgA腎症を治療するためのジンセノサイドM1の使用 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年11月3日に出願された米国仮出願第62/074,247号に対する優先権を主張する。
本発明は、IgA腎症(IgAN)を治療するためのジンセノサイドM1の新規使用に関する。
IgA腎症(IgAN)は、世界的に糸球体腎炎(GN)の最も一般的な形態である。IgANの発症は上気道感染と関連する可能性がある[1、2]。頻繁に、C3および他のクラスの免疫グロブリン沈着がIgAと同様のパターンで検出される。最も一般的な組織病理学的変化には、増殖細胞および細胞外マトリックスによるメサンギウム領域の巣状またはびまん性の拡大が含まれる[3]。さらに、びまん性の毛管内増殖、分節状硬化、分節状壊死、および細胞性半月体形成を含む、より重度の病変を有する患者では、多種多様な病変が見られる可能性がある[4、5]。そして、活性酸素種(ROS)は、IgANを含む広範囲のヒトおよび実験的糸球体障害の発症において主要な病因的役割を果たすことが報告されている[6−8]。IgANはIgA免疫複合体(IgA−IC)糸球体損傷に起因する免疫複合体疾患と考えられているが、この疾患の原因およびこの疾患を伝播する病原性メカニズムは知られていない。
グルココルチコイドステロイドはIgAN患者の一部を治療するために使用されているが、IgANにおける腎機能の低下を維持するそれらの有効性は、依然として大部分が不明であり、これらの薬物の長期間の使用は、潜在的な制御不能な免疫抑制効果のために重度の有害な副作用を引き起こす可能性がある[9−11]。
ニンジン(ginseng)の主要な活性成分であるジンセノサイドは、種々の薬理活性、例えば抗腫瘍活性、抗糖尿病活性、抗疲労(antifatique)、抗アレルギー活性および抗酸化活性を有することが知られている。ジンセノサイドは、17個の炭素原子が4つの環に配置されたゴナンステロイド核からなる基本的な構造を共有する。ジンセノサイドは体内で金属化され、いくつかの最近の研究からは、ジンセノサイド代謝物が、天然に存在するジンセノサイドよりむしろ体内で吸収されやすく、活性成分として働くことが示唆される。中でも、ジンセノサイドM1は、ヒト腸内細菌によるギペノサイド経路を経たプロトパナキサジオール系ジンセノサイドの代謝物の1つとして知られている。これまで、IgANの治療におけるジンセノサイドM1の作用を報告した従来技術の参考文献はない。
本発明において、ジンセノサイドM1がIgA腎症(IgAN)の症状を軽減させるのに有効であることが予想外に見出された。したがって、本発明は対象におけるIgANを治療するための新規手法を提供する。
特に、本発明は、対象を治療するのに有効な量でジンセノサイドM1を対象に投与することを含む、IgANに罹患している対象を治療するための方法を提供する。
具体的には、本発明の方法は、対象の(1)糸球体における、メサンギウム細胞増殖を含む固有細胞増殖、半月体形成、好中球浸潤および分節状硬化、ならびに(2)尿細管間質区画における、間質性(特に糸球体周辺)単核白血球炎症、線維症、およびタンパク円柱を伴う尿細管萎縮からなる群から選択される、対象におけるIgANの1つまたは複数の症状を低減させるのに有効である。また、本発明の方法は、対象において、タンパク尿もしくは血尿を減少させるか、または血清尿素窒素レベルもしくは血清クレアチニンレベルを低下させるのに有効である。
いくつかの実施形態において、ジンセノサイドM1は、非経口または経腸により投与される。
いくつかの実施形態において、ジンセノサイドM1は、限定されないが、コルチコステロイド(例えばプレドニゾロン)、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、細胞障害性薬(例えばシクロホスファミド、クロラムブシル、およびアザチオプリン)、免疫抑制剤(例えばシクロスポリンおよびミコフェノール酸モフェチル)、および血管拡張剤(例えばアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤))を含む、当該技術分野において公知のIgANを治療するための1種以上の治療剤と組み合わせて投与される。
本発明はまた、必要とする対象におけるIgANを治療するための医薬の製造におけるジンセノサイドM1の使用を提供する。
本発明の一実施形態または複数の実施形態の詳細は、以下の説明に記載される。本発明の他の特徴または利点は、いくつかの実施形態の以下の詳細な説明、およびさらに添付の特許請求の範囲から明らかになる。
本発明を説明するため、実施形態を図に示す。しかしながら、本発明は、示された好ましい実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。
図1は、尿タンパク質に対するLCHK168の効果を示す。尿タンパク質レベル(クレアチニン[Cr]に対する尿タンパク質の割合)の経時変化研究。**p<0.01、***p<0.005。 図2は、LCHK168による治療がIgA腎症(IgAN)のマウスモデルにおいて腎機能を改善することを示す。(A)血清尿素窒素(BUN)レベル。(B)血清クレアチニン(Cr)レベル。p<0.05、**p<0.01、***p<0.005。 図3は、LCHK168による治療が、IgA腎症(IgAN)のマウスモデルにおける重篤な腎組織病理学的特徴を改善することを示す。(A)H&E染色による腎組織病理学的評価。元の倍率は400倍である。(B)示されたパラメータによって影響を受ける糸球体のパーセンテージのスコア。**p<0.01、***p<0.005、検出不能。 図4は、T細胞浸潤に対するLCHK168の効果を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスにおいて。(A)CD3+T細胞に対する腎組織の染色。(B)糸球体および糸球体周辺における染色細胞のスコア。元の倍率は400倍である。**p<0.01、***p<0.005、検出不能。 図5は、単球/マクロファージ浸潤に対するLCHK168の効果を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスにおいて。(A)F4/80単球/マクロファージに対する腎組織の染色。(B)糸球体および糸球体周辺における染色細胞のスコア。元の倍率は400倍である。p<0.05、***p<0.005、検出不能。 図6は、Th細胞浸潤に対するLCHK168の効果を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスにおいて。(A)CD4+T細胞に対する腎組織の染色。(B)糸球体および糸球体周辺における染色細胞のスコア。元の倍率は400倍である。p<0.05、**p<0.01、***p<0.005、検出不能。 図7は、Tc細胞浸潤に対するLCHK168の効果を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスにおいて。(A)CD8+T細胞に対する腎組織の染色。(B)糸球体および糸球体周辺における染色細胞のスコア。元の倍率は400倍である。p<0.05、**p<0.01、***p<0.005、検出不能。 図8は、樹状細胞浸潤に対するLCHK168の効果を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスにおいて。(A)CD11c+T細胞に対する腎組織の染色。(B)糸球体および糸球体周辺における染色細胞のスコア。元の倍率は400倍である。**p<0.01、***p<0.005、検出不能。 図9は、LCHK168腎線維症関連遺伝子発現の効果を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスにおいて。(A)コラーゲンIVは、処置の14日および28日に腎臓組織の免疫組織化学的染色によって検出された。(B)糸球体および糸球体周辺における染色細胞のスコア。元の倍率は400倍である。**p<0.01、***p<0.005。 図10は、LCHK168が、IgA腎症(IgAN)を有するマウスの腎臓における活性酸素種(ROS)産生を予防することを示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスの腎臓からの組織を、スーパーオキシドアニオンレベル(反応性発光単位[RLU]/15分/乾燥重量mgとして評価した)について処置の14および28日に評価した。p<0.05、***p<0.005。 図11は、LCHK168による処置がIgA腎症(IgAN)を有するマウスにおける細胞性免疫を調節する、フローサイトメトリー分析を示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスでは、処置の14日および28日の免疫応答を記憶CD4T細胞活性化の程度として評価した。p<0.05。 図12は、LCHK168での処置がIgA腎症(IgAN)における腎TLR2 mRNAレベルを低下させることを示す。ビヒクル処置した疾患対照および正常対照と比較して、LCHK168で処置したIgANを有するマウスでは、TLR2のmRNAレベル(GAPDHと比較して)は、腎組織のリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって決定された。p<0.05。 図13は、LCHK168がIgA免疫複合体(IgA−IC)DCの成熟を減衰させたことを示す。IgA−ICおよび偽と比較して、LCHK168で処置したIgA−ICを有するDCにおいて、(A)CD40;(B)CD80;および(C)CD86の発現レベルをフローサイトメトリーによって決定した。(D)CD40、CD80およびCD86樹状細胞を有する細胞集団のパーセンテージ。 図14は、IgA−ICにより刺激したDCにおけるNLRP3の活性化がLCHK168によって減少したことを示す。IgA−ICおよび偽と比較して、LCHK168で処置したIgA−ICを有するDCにおいて。(A)ローディングコントロールとしてβ−アクチンを用いたNLRP3についての代表的なウェスタンブロットおよび(B)NLRP3についての半定量的分析。
他に記載がない限り、本明細書で使用する技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解している意味を有する。本明細書で使用する場合、以下の用語は、他に記載がない限り、それらに準ずる意味を有する。
本明細書では冠詞「1つの(「a」および「an」)」は、冠詞の文法上の目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)をいうのに使用される。例として、「1つのエレメント(an element)」は1つのエレメントまたは2つ以上のエレメントを意味する。
本発明において、ジンセノサイドM1が、それをIgANマウスに投与することによってIgANの発症を予防できることが予想外に見出された。特に、IgANを有する動物は、(1)糸球体における、メサンギウム細胞増殖を含む固有細胞増殖、半月体形成、好中球浸潤および分節状硬化、ならびに(2)尿細管間質区画における、間質性(特に糸球体周辺)単核白血球炎症、線維症、およびタンパク円柱を伴う尿細管萎縮、またはタンパク尿もしくは血尿、または上昇した血清尿素窒素レベルもしくは血清クレアチニンレベルを含む様々な症状を示すことが見出されている。
したがって、本発明は、対象を治療するのに有効な量のジンセノサイドM1を対象に投与することを含む、IgANに罹患している対象を治療する方法を提供する。本発明はまた、それを必要とする対象におけるIgANを治療するための医薬を製造するためのジンセノサイドM1の使用を提供する。
本発明の方法は、IgANを有する患者におけるこれらの症状のいずれか1つを改善するのに有効である。
ジンセノサイドM1、20−O−β−D−グルコピラノシル−20(S)−プロトパナキサジオールは、当該技術分野において公知のサポニン代謝物の1つである。ジンセノサイドM1の化学構造は、以下の通りである。
ジンセノサイドM1は、ヒト腸内細菌によるギペノサイド経路を経たプロトパナキサジオール系ジンセノサイドの代謝物の1つとして知られている。ジンセノサイドM1は、摂取後に血液中または尿中で見出され得る。ジンセノサイドM1は、その全内容を本明細書に参照により組み込む台湾特許出願第094116005(I280982)号および米国特許第7,932,057号などの当該技術分野において公知の方法により、真菌発酵を介してニンジン植物から調製することができる。ある種の実施形態では、ジンセノサイドM1を調製するためのニンジン植物は、ウコギ(Araliaceae)科、トチバニンジン(Panax)属、例えばチョウセンニンジン(P.ginseng)およびトチバニンジン(P.pseudo−ginseng)(サンシチ(Sanqi)とも呼ばれる)を含む。一般に、ジンセノサイドM1の調製方法は、(a)ニンジン植物材料(例えば葉または茎)の粉末を用意するステップ;(b)ニンジン植物材料を発酵させるための真菌を用意するステップであって、発酵温度は20〜50℃にわたり、発酵湿度は70〜100%にわたり、pH値は4.0〜6.0にわたり、発酵期間は5〜15日にわたるステップ;(c)発酵産物を抽出および採取するステップ;および(d)発酵産物から20−O−β−D−グルコピラノシル−20(S)−プロトパナキサジオールを単離するステップを含む。
本発明ではジンセノサイドM1を「単離された」または「精製された」と記載する場合、完全に単離されたまたは精製されたのではなく、比較的に単離されたまたは精製されたものと理解すべきである。例えば、精製されたジンセノサイドM1とは、その天然に存在する形態と比較してより精製されたものをいう。一実施形態では、精製されたジンセノサイドM1を含む調製物は、全調製物の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超または100%(w/w)の量でジンセノサイドM1を含み得る。本明細書で比率または投与量を示すのに特定の数字を使用する場合、前記数字は一般に、その数字より10%超および未満の範囲内、またはさらに詳しくは5%超および未満の範囲内のものを含むことを理解すべきである。
本明細書に使用される「個体」または「被検体」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物、例えばコンパニオンアニマル(イヌ、ネコおよび同種のものなど)、農用動物(雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよび同種のものなど)、または実験動物(ラット、マウス、モルモットおよび同種のものなど)を含む。具体的には、対象はIgANに罹患しているものである。
「治療すること」という用語は、本明細書で使用する場合、障害、障害の症状もしくは状態、障害により引き起こされた身体障害、または障害の進行を治癒させる、癒やす、軽減する、緩和する、変化させる、改善する、寛解させる、好転させる、またはそれらに作用することを目的として、1種または複数種の活性剤を含む組成物を、障害、障害の症状もしくは状態、または障害の進行に悩む対象に外用または投与することをいう。
本明細書に使用される「治療有効量」という用語は、治療される対象に治療効果を与える活性成分の量をいう。例えば、IgANを治療するための有効量は、IgANを有する対象の(1)糸球体における、メサンギウム細胞増殖を含む固有細胞増殖、半月体形成、好中球浸潤および分節状硬化、ならびに(2)尿細管間質区画における、間質性(特に糸球体周辺)単核白血球炎症、線維症、およびタンパク円柱を伴う尿細管萎縮、またはタンパク尿もしくは血尿、または上昇した血清尿素窒素レベルもしくは血清クレアチニンレベルなどの1つまたは複数の症状または状態を防止する、改善する、軽減するまたは減少させることができる量である。これらの症状は、例えば尿タンパク質、血中尿素窒素または血清クレアチニンの量を解析することにより、または腎臓切片を解析することにより、様々な疾患進行関連指標に基づき、当該技術分野において公知の方法を使用して判定および評価することができる。治療有効量は、投与の経路および頻度、前記薬剤を投与される個体の体重および種、ならびに投与の目的など様々な理由に応じて変化してもよい。当業者は、それぞれの場合に本明細書の開示内容、確立された方法、および当業者自身の経験に基づき投与量を決定してもよい。例えば、特定の実施形態では、本発明に使用されるジンセノサイドM1の経口投与量は、1日10〜1,000mg/kgである。いくつかの例では、本発明に使用されるジンセノサイドM1の経口投与量は、1日100〜300mg/kg、1日50〜150mg/kg、1日25〜100mg/kg、1日10〜50mg/kg、または1日5〜30mg/kgである。さらに、本発明のいくつかの実施形態では、ジンセノサイドM1は、一定期間定期的に投与され、例えば、少なくとも15日間、1ヶ月間または2ヶ月間以上連日投与される。
本発明によれば、ジンセノサイドM1は、IgANを治療するための活性成分として使用することができる。一実施形態では、治療有効量の活性成分は、送達および吸収を目的として、薬学的に許容される担体と共に適切な形態の医薬組成物に製剤化してもよい。投与様式に応じて、本発明の医薬組成物は好ましくは約0.1重量%〜約100重量%の活性成分を含み、重量パーセントは全組成物の重量に基づき計算される。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」は、担体が組成物中の活性成分との適合性があり、好ましくは前記活性成分を安定化でき、治療を受ける個体に安全であることを意味する。前記担体は、活性成分に対する希釈剤、ビヒクル、賦形剤またはマトリックスであってもよい。適切な賦形剤の一部の例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルボース、マンノース、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップおよびメチルセルロースが挙げられる。組成物は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油など滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエートなどの防腐剤;甘味料;ならびに着香剤をさらに含んでもよい。本発明の組成物は、患者への投与後の活性成分の迅速放出、持続放出または遅延放出の作用を持たせてもよい。
本発明によれば、前記組成物の形態は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、パケット(packet)剤、トローチ、エリキシル剤(elixers)、懸濁剤、ローション、溶液剤、シロップ、軟質および硬質ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射液、ならびに分包散剤であってもよい。
本発明の組成物は、経口法、非経口法(筋肉内、静脈内、皮下および腹腔内など)、経皮法、坐剤法および経鼻法などの任意の生理学的に許容される経路により送達することができる。非経口投与については、本発明の組成物は好ましくは、溶液を血液に対して等張にするのに十分な塩またはグルコースなどの他の物質を含んでもよい滅菌水溶液の形態で使用される。水溶液は、必要に応じて(好ましくは3〜9のpH値で)適切に緩衝化してもよい。滅菌条件下での適切な非経口組成物の調製は、当業者によく知られている標準的な薬理学的技法を用いて達成することができ、追加の創造的労力は必要としない。
本発明によれば、ジンセノサイドM1またはジンセノサイドM1を活性成分として含む組成物は、IgANを有する個体を治療するのに使用してもよい。具体的には、ジンセノサイドM1またはジンセノサイドM1を活性成分として含む組成物は、疾患の発症を予防するため、または症状を改善させるため、または症状の悪化を遅延させるためIgANを有する個体またはIgANに罹患するリスクがある個体に投与してもよい。
さらに、本発明によれば、ジンセノサイドM1またはジンセノサイドM1を活性成分として含む組成物は、既存の治療方法または医薬、例えば、薬物治療、以下に限定されるものではないが、コルチコステロイド(プレドニゾロンなど)、非ステロイド性(non−steriodal)抗炎症薬(NSAID)、細胞傷害性薬(シクロホスファミド、クロラムブシルおよびアザチオプリンなど)、免疫抑制剤(シクロスポリンおよびミコフェノール酸モフェチルなど)、および血管拡張薬(アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤など))と組み合わせて使用してもよい。一実施形態において、組み合わせて使用される薬物または治療方法は、同時に(並行)使用しても、あるいは連続的に使用してもよい。医薬が組み合わせて使用される場合、医薬は同じ処方中で混合しても、あるいは別のカプセル、丸剤、錠剤および注射薬など異なる処方に別々に組み込んでもよい。
本発明について、限定ではなく実証を目的として提供する以下の例によりさらに説明する。
1.材料および方法
1.1 動物モデルおよび実験プロトコル
B細胞欠損マウスは、Academia Sinica(Professor John T.Kung、Institute of Molecular Biology、台北、台湾)から得、国防医療センター(National Defense Medical Center)(台北、台湾)の動物センターで維持した。IgANは、精製したIgA抗ホスホリルコリン抗体および肺炎球菌C−多糖類抗原(PnC)の連日注射によって誘導した[14]。全ての動物実験は、国防医療センター(National Defense Medical Center)の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)の承認を得て行われ、実験動物のケアおよび使用のためのNIHのガイドラインと一致していた。
1.2 ジンセノサイドM1
台湾特許出願第094116005(I280982)号および米国特許第7,932,057号に記載されているような当該技術分野で公知の方法により、ジンセノサイドM1である、20−O−β−D−グルコピラノシル−20(S)−プロトパナキサジオール(以下、LCHK168と称する)を調製した。実験の間の全体を通して、マウスを強制経口投与によって60mg/kgのLCHK168またはビヒクルで毎日処置し、最初の用量は疾患誘導の2日前に与えた。
1.3 尿タンパク質および腎機能の分析
体重を毎週測定した。尿試料を毎週代謝ケージにおいて採取し、尿タンパク質を測定した。血清試料を14および28日に採取して、血液尿素窒素(BUN)およびクレアチニン(Cr)の血清レベルを測定した。腎臓の組織病理に関して、組織を10%の緩衝ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、次いで切片(3μm)を調製し、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。増殖、好中球浸潤、硬化症、または糸球体周辺炎症を示す糸球体のパーセンテージを、無作為にサンプリングした糸球体50個を光学顕微鏡によって400倍の倍率で計数することによって決定した。
1.4 病理学的評価
IHCに関して、ホルマリン固定およびパラフィン包埋した組織切片または凍結切片を、DAKO抗体希釈緩衝液(DAKO)で希釈した、CD3、F4/80、CD4、CD8、CD11c、コラーゲンIVに対する抗体で4℃にて一晩インキュベートし、次いで同じ緩衝液中の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合2次抗体(DAKO)と室温にて1時間インキュベートした。HRP結合抗体の場合、DAB(DAKO)も添加した。ヘマトキシリンを使用して核を対比染色した。陽性細胞は、Pax−It定量的画像分析ソフトウェアにより400倍の倍率で、20個の連続した糸球体において、または皮質領域における尿細管間質区画の20個のランダムに選択した視野において計数した。
1.5 活性酸素種(ROS)の測定
腎組織中のROSレベルを測定するために、試料を、基質として1.25mMのルシゲニン(Sigma、St.Louis、MO、USA)を含有するKrebs−Hepes緩衝液と室温にてインキュベートし、マルチラベルマイクロプレートリーダー(Hidex)上で15秒間隔にて2連で発光数を測定した。ROS活性は、相対発光単位(RLU)/15分/器官乾燥重量mg(すなわち、RLU/15分/mg)またはRLU/15分/mlとして表した。
1.6 フローサイトメトリー
マウス由来の脾細胞をトリス緩衝化塩化アンモニウムで処理して赤血球を除去し、洗浄し、10%のウシ胎仔血清、Hepes緩衝液、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを補足したRPMI1640培地中に再懸濁した。細胞を、FITC結合抗マウスCD44、フィコエリトリン結合抗マウスCD62抗体、およびアロフィコシアニン結合抗マウスCD4を使用して活性化T細胞サブタイプについて三重染色し、FACSCaliburを使用して分析した。
樹状細胞(DC)成熟を共刺激分子発現の上方制御によって決定した。細胞をIgA−IC、LCHK168(1.2μM)で処理し、マウスCD40、CD80およびCD86に特異的なmAbで染色し、次いでフローサイトメトリーにより分析した。
1.7 リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)
製造業者の指示書に従ってTRIzol試薬を使用して腎皮質RNAを抽出し、RT−PCRを使用してTLR2遺伝子発現を測定した。以下のプライマー:TLR2について、5’−GTCTCTGCGACCTAGAAGTGGA−3’(配列番号1)および5’−CGGAGGGAATAGAGGTGAAAGA−3’(配列番号2)、ならびにGAPDHについて、5’−TCCGCCCCTTCTGCCGATG−3’(配列番号3)および5’−ACGGAAGGCCATGCCAGTGA−3’(配列番号4)を使用した。製造業者の指示書に従ってApplied Biosystemsを使用してリアルタイム定量を実施した。増幅は、2−ΔCt法を使用してGAPDHについての値に正規化した。
1.8 ウェスタンブロット分析
各タンパク質試料を8%SDS−PAGEゲル上に流し、タンパク質をポリビニリデンジフルオリド膜上にエレクトロブロットし、次いでブロッキング緩衝液(5%スキムミルクを含有するトリス緩衝生理食塩水)中で室温にて1時間、次いで4℃にて一晩、NLRP3またはβ−アクチンに対するウサギ抗体とインキュベートした。洗浄後、膜を、同じ緩衝液中のHRP結合ヤギ抗ウサギIgG抗体と室温にて1時間インキュベートし、次いでUVP Biospectrumを使用して結合した抗体を検出した。
1.9 統計的解析
値は平均±SEである。2つの群間の比較はスチューデントのt検定を使用して実施した。P値>0.05は統計的に有意であるとみなした。
2.結果
2.1 ジンセノサイドM1によるIgAマウスにおけるタンパク尿および血尿の有意な減少ならびに腎機能の保護
疾患対照マウス、すなわち、ビヒクルで処置したIgANマウス(対照IgANマウス)は、疾患誘導の14日から尿タンパク質レベルが増加し、これらは28日目の研究終了まで上昇した(図1)。この作用はLCHK168(IgAN+LCHK168)によって顕著に阻害されたが、マウスは依然として正常な未処置の対照と比較して軽度のタンパク尿を示した。さらに、28日目にBUN(図2A)およびCr(図2B)の血清レベルが有意に増加したことを示している疾患対照マウスと比較して、IgAN+LCHK168マウスは、より良好な腎機能を示した。14日目に、BUNおよびCrの血清レベルは、疾患対照、IgAN+LCHK168、および正常対照マウスの間に有意な差はなかった。
2.2 LCHK168で処置したマウスにおける重度の腎臓の組織病理学的特徴の予防
図3に示すように、28日目に、疾患対照IgANマウスは、病巣に関連したびまん性増殖であるが、典型的な半月体;糸球体における分節状硬化および/または好中球浸潤、尿細管間質区間における激しい糸球体周辺単核白血球浸潤、およびタンパク円柱を伴う散在性尿細管萎縮を示したが、この腎障害はLCHK168の投与によって有意に阻害された。
2.3 LCHK168で処置したマウスにおける腎炎症および線維症の阻害
さらに、IHCを実施してマウスにおける腎臓に浸潤した単核白血球の表現型および分布を評価した。CD3T細胞(図4)、F4/80単球/マクロファージ(図5)、CD4T細胞(図6)、CD8T細胞(図7)、CD11c樹状細胞(図8)およびコラーゲンIV(図9)に関して、局所的であるが、強い染色が、正常対照と比較して28日目に疾患対照マウスにおける腎間質組織、大部分は糸球体周辺パターンにおいて見られたが、14日目に腎臓において炎症細胞および線維症はほとんど見られなかった。対照的に、IgAN+LCHK168マウスは、28日目の疾患対照マウスと比較して、これらの炎症細胞の浸潤および腎臓における線維症の有意な減少を示した(p<0.05、**p<0.01、***p<0.005)。
2.4 LCHK168によるROS産生の阻害
ROSは、IgANを含む様々な種類の腎障害における加速および進行を導く主要な有害因子であると考えられている。したがって、腎臓組織におけるROSレベルを全身的に測定した。疾患対照マウスは、正常対照と比較して28日目に腎組織において上昇したROSレベルを示した(図10)。LCHK168投与は、疾患対照マウスと比較して、14日目の腎組織のROSレベルの増加を大きく阻害し、28日目の腎組織におけるROSレベルの増加を実質的に阻害した(p<0.05、***p<0.005)。
2.5 LCHK168による全身性免疫の調節
細胞性免疫はIgANの病因に長く関係しているので、フローサイトメトリーによって脾細胞におけるT細胞活性化を調べた。図11に示すように、正常対照と比較して、疾患対照マウスにおいて記憶CD4T細胞の明らかな増加が観察された。LCHK168投与は、疾患対照マウスと比較して、記憶CD4T細胞の有意な減少を誘導した。(p<0.05)。
2.6 LCHK168によるTLR2発現の阻害
研究者らは、TLR2の発現レベルがIgANにおける腎炎症および線維症と相関することを実証した。したがって、リアルタイムRT−PCRによって腎臓におけるTLR2 mRNAレベルを測定した(図12)。28日目に有意に増加したTLR2 mRNAレベルを示したIgAN対照マウスと比較して、IgAN+LCHK168群のマウスはTLR2 mRNAレベルを有意に低下させたが、14日での差は統計的に有意ではなかった(p<0.05)。
2.7 LCHK168によるDC成熟の阻害
成熟は、免疫応答のDCにより媒介される調節における重要な段階である。DC成熟に対するLCHK168の効果を調べるために、フローサイトメトリーによってDCにおけるCD40、CD80およびCD86の発現レベルを調べた。そして、ウェスタンブロットによってNLRP3インフラマソーム発現を検出した。偽と比較したIgA−IC刺激により、DCにおけるCD40、CD80、およびCD86の発現が増大した。対照的に、LCHK168処置により、これらの分子の発現レベルは有意に低下した(図13)。さらに、LCHK168で処置したDCにより、NLRP3タンパク質発現の有意な減少が示された(図14)。
要約すると、本発明者らの研究により、ジンセノサイドM1がIgANの処置およびIgANの発症を予防するのに有効であることが示される。特に、その結果は、(1)腎臓の組織病理学的特徴の減少、(2)T細胞および単球/マクロファージの浸潤の予防、(3)腎間質組織における線維症およびコラーゲン沈着の予防、(4)活性酸素種の産生の阻害、(5)全身性記憶CD4+T細胞の減少、(6)樹状細胞の成熟の阻害、および(7)ジンセノサイドM1での治療によるNLRP3インフラマソーム発現の阻害を示す。これらの見解の全てにより、ジンセノサイドMが、IgANの治療または予防のための候補新規薬物にさらに開発できることを示唆している。
本発明が属する技術分野の当業者は、さらに詳細な説明を必要とせずに、本発明を本明細書の説明に基づいて利用することができると考えられる。したがって、提供される説明および特許請求の範囲は、本発明の範囲を決して制限するものではなく、例示的な目的として理解されるべきである。
参考文献

Claims (12)

  1. 治療に有効な量のジンセノサイドM1を含む、必要とする対象におけるIgA腎症(IgAN)を治療するための組成物
  2. 記対象の(1)糸球体における、メサンギウム細胞増殖を含む固有細胞増殖、半月体形成、好中球浸潤および分節状硬化、ならびに(2)尿細管間質区画における、間質性(特に糸球体周辺)単核白血球炎症、線維症、およびタンパク円柱を伴う尿細管萎縮からなる群から選択されるIgANの1つまたは複数の症状を低減または軽減させるのに有効である、請求項1に記載の組成物
  3. 記対象の腎組織において、活性酸素種(ROS)レベルを減少させ、全身性記憶CD4+T細胞を減少させ、樹状細胞の成熟を阻害し、および/またはNLRP3インフラマソーム発現を阻害するのに有効である、請求項1に記載の組成物
  4. 記対象において、タンパク尿もしくは血尿を減少させるか、または血清尿素窒素レベルもしくは血清クレアチニンレベルを低下させるのに有効である、請求項1に記載の組成物
  5. 前記ジンセノサイドM1は、非経口または経腸により投与される、請求項1に記載の組成物
  6. 前記ジンセノサイドM1は、コルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、細胞障害性薬、免疫抑制剤、および血管拡張剤からなる群から選択される、IgANを治療するための1種以上の治療剤と組み合わせて投与される、請求項1に記載の組成物
  7. 必要とする対象におけるIgA腎症(IgAN)を治療するための医薬を製造するためのジンセノサイドM1の使用。
  8. 前記医薬は、前記対象の(1)糸球体における、メサンギウム細胞増殖を含む固有細胞増殖、半月体形成、好中球浸潤および分節状硬化、ならびに(2)尿細管間質区画における、間質性(特に糸球体周辺)単核白血球炎症、線維症、およびタンパク円柱を伴う尿細管萎縮からなる群から選択されるIgANの1つまたは複数の症状を低減または軽減させるのに有効である、請求項7に記載の使用。
  9. 前記医薬は、前記対象の腎組織において、活性酸素種(ROS)レベルを減少させ、全身性記憶CD4+T細胞を減少させ、樹状細胞の成熟を阻害し、および/またはNLRP3インフラマソーム発現を阻害するのに有効である、請求項7に記載の使用。
  10. 前記医薬は、前記対象において、タンパク尿もしくは血尿を減少させるか、または血清尿素窒素レベルもしくは血清クレアチニンレベルを低下させるのに有効である、請求項7に記載の使用。
  11. 前記ジンセノサイドM1は、非経口または経腸により投与される、請求項7に記載の使用。
  12. 前記ジンセノサイドM1は、コルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、細胞障害性薬、免疫抑制剤、および血管拡張剤からなる群から選択される、IgANを治療するための1種以上の治療剤と組み合わせて投与される、請求項7に記載の使用。
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