JP6618337B2 - 物体検出装置、物体検出方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

物体検出装置、物体検出方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、撮像された画像から特定の物体を検出する物体検出装置及び物体検出方法、並びにコンピュータにその物体検出方法を実行させるためのコンピュータプログラムに関する。
画像中の物体を検出するための技術としては、クロマキー像を用いる方法、及びテンプレートマッチングにより検出対象の物体を識別する方法等が既に周知となっている。しかし、これらの方法は外乱光などの影響を受けやすく、また、処理量が多いために組み込み機器で利用することが困難である。そこで、外乱光などの影響を受けにくく、しかも比較的容易に物体を検出することができる技術として、赤外光を利用した物体検出方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、赤外光を発光可能な照明装置を点灯させた状態で得た画像と消灯させた状態で得た画像との差分画像を用いて物体の検出を行う操作物体検出装置が開示されている。この操作物体検出装置の場合、外乱光の影響を低減させることができ、しかも光学系構成部分の制御範囲を小さくすることができるために安価で小型・軽量な装置とすることができる。
また、特許文献2には、赤外光である照射光の色成分による第1差分画像及び照射光の色成分とは異なる色成分による第2差分画像を生成し、さらにこれらの第1差分画像と第2差分画像とから第3差分画像を生成した上で、この第3差分画像に基づいて対象物を認識する画像処理装置が開示されている。この画像処理装置によれば、照射光の反射のみを検出することができるため、外乱光の影響を低減することが可能になる。
特開2007−272596号公報 特開2010−152791号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている操作物体検出装置では、動きにより生じる差を識別するための時間差分画像に基づいて物体を検出するため、検出対象の物体の後方に他の移動物体が存在する場合、その移動物体まで検出してしまうという問題がある。また、手振れ等によりカメラ自体が動いた場合でも正常に対象の物体を検出することができないという問題もある。
これに対し、特許文献2に開示されている画像処理装置の場合、撮影時に手振れ等が生じたとしても第1及び第2差分画像が生成される際にその影響を除去することができ、さらに、対象物の後方に当該対象物とは異なる移動物体が存在していたとしても第3差分画像が生成される際にその影響を除去することができる。しかしながら、この画像処理装置では、色成分に基づいて物体の検出を行っているため、検出対象の物体の材質及びその色によっては当該物体を正しく検出することができない場合があるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上述した課題を解決することができる物体検出装置、物体検出方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の物体検出装置は、検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出装置において、第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段と、第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段と、前記第1差分画像生成手段によって生成された第1差分画像と、前記第2差分画像生成手段によって生成された第2差分画像との比により得られる差分比画像を生成する差分比画像生成手段と、前記差分比画像生成手段によって生成された差分比画像に基づいて前記物体を検出する物体検出手段とを備えることを特徴とする。
前記態様において、前記第1の照射強度と前記第2の照射強度との差に対する、前記第3の照射強度と前記第4の照射強度との差の比が、1.1以上であることが好ましい。
また、本発明の他の態様の物体検出装置は、検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出装置において、第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段と、第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段と、前記第1差分画像生成手段によって生成された第1差分画像と、前記第2差分画像生成手段によって生成された第2差分画像との論理積により得られる論理積画像を生成する論理積画像生成手段と、前記論理積画像生成手段によって生成された論理積画像に基づいて前記物体を検出する物体検出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の態様の物体検出装置は、検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出装置において、第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段と、第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段と、前記第1差分画像生成手段によって生成された第1差分画像と、前記第2差分画像生成手段によって生成された第2差分画像との排他的論理和により得られる排他的論理和画像を生成する排他的論理和画像生成手段と、前記排他的論理和画像生成手段によって生成された排他的論理和画像に基づいて前記物体を検出する物体検出手段とを備えることを特徴とする。
前記態様において、前記第1の照射強度及び前記第2の照射強度の何れかと、前記第3の照射強度及び前記第4の照射強度の何れかとが同一であってもよい。
また、前記態様において、前記照射光の照射時間のデューティ比を変化させることによって照射強度を変化させるように構成されていてもよい。
また、前記態様において、前記物体検出手段によって検出された前記物体の輪郭を示す輪郭情報を外部のコンピュータに送信する送信手段を更に備えていてもよい。
本発明の一の態様の物体検出方法は、検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出方法において、第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成するステップと、第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成するステップと、生成された第1差分画像と第2差分画像との比により得られる差分比画像を生成するステップと、生成された差分比画像に基づいて前記物体を検出するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、コンピュータに、検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成するステップと、第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成するステップと、生成された第1差分画像と第2差分画像との比により得られる差分比画像を生成するステップと、生成された差分比画像に基づいて前記物体を検出するステップとを実行させることを特徴とする。
本発明に係る物体検出装置、物体検出方法、及びコンピュータプログラムによれば、外乱光の影響を抑えた上で、画像中の物体を高精度に検出することが可能になる。
本発明の実施の形態1の物体検出装置を含む物体検出システムの構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態1の物体検出装置のハードウェア構成を示すブロック図。 本発明の実施の形態1の物体検出装置が備える制御装置の構成を示す機能ブロック図。 物体検出処理の手順を示すフローチャート。 照射強度の変化の一例を示すグラフ。 反射光の輝度比を説明するための図。 反射光画像の一例を模式的に示す図。 差分比画像の一例を模式的に示す図。 本発明の実施の形態1の物体検出装置によって得られる各画像の一例を示す図。 照射強度の変化の一例を示すグラフ。 本発明の実施の形態2の物体検出装置が備える制御装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明の実施の形態2の物体検出装置によって得られる各画像の一例を示す図。 本発明の実施の形態3の物体検出装置が備える制御装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明の実施の形態3の物体検出装置によって得られる各画像の一例を示す図。 本発明のその他の実施の物体検出装置を含む物体検出システムの構成を示すブロック図。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
(実施の形態1)
[物体検出システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1の物体検出装置を含む物体検出システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、物体検出システムは、物体検出装置1と、この物体検出装置1と通信可能に接続されたホストコンピュータ2とを備えている。物体検出装置1は、検出対象物体3に対して照射光を照射し、その反射光から画像を生成する。そして、物体検出装置1は、この画像から検出対象物体3を検出する。その検出結果を示すデータは物体検出装置1からホストコンピュータ2に対して送信され、これを受けたホストコンピュータ2が各種の処理に利用する。以下、物体検出装置1の詳細な構成について説明する。
[物体検出装置の構成]
図2は、本発明の実施の形態1の物体検出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、物体検出装置1は、制御装置11と、カメラ12と、LED(Light Emitting Diode)装置13とを備えている。カメラ12は、CCD(Charged Coupled Device)等のイメージセンサを用いて構成される撮像装置である。また、LED装置13は、複数のLED素子を用いて構成される照明装置である。ここで、LED装置13が備えるLED素子は、赤外領域の波長の光を発する素子である。
制御装置11は、図2に示すとおり、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、カメラインタフェース(I/F)104、タイマー105、DMAC(Direct Memory Access Controller)106、USB(Universal Serial Bus)ポート107、及びSIO(Serial Input Output)ポート108を備えている。
CPU101は、物体検出装置1全体の動作を制御するとともに、RAM103にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、物体検出装置1が、後述する物体検出処理を含む各種の処理を実行することになる。
ROM102は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU101にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
RAM103は、SRAM又はDRAM等によって構成されており、各種のCPU101がコンピュータプログラムを実行するときに、CPU101の作業領域として利用される。また、このRAM103は、複数の画像を蓄積可能なフレームバッファ103Aを備えている。
カメラI/F104は、カメラ12と接続するためのインタフェースである。また、タイマー105は、LED装置13と接続されており、照射光を照射することを指示するための指示信号を所定のタイミングでLED装置13に対して出力する。これにより、LED装置13の照射時間を制御することができる。本実施の形態では、このようにしてLED装置13の照射時間を制御することによって照射時間のデューティ比(LEDのON期間とOFF期間との比)を変化させ、これにより照射強度を調整する。PWM(Pulse Width Modulation)を用いたデューティ制御によってLEDの点灯間隔を変化させることで任意の照明強度が得られるほか、動的にデューティ比を小さくすることで消費電力を低減し、LEDの長寿命化を図ることも可能となる。なお、このように照射時間のデューティ比を変化させる方法の他、例えば、点灯するLEDの数を変更させたり、駆動電流値を変化させたりすることによって、照射強度を調整するようにしてもよい。
DMAC106は、CPU101の制御の下、カメラ12により得られた撮像画像をフレームバッファ103Aに転送する等、各デバイスとRAM103との間のデータ転送を行う。また、USBポート107は、外部機器とUSBを用いて接続するためのインタフェースであり、SIOポート108は、外部機器とSIOを用いて接続するためのインタフェースである。例えば、物体検出装置1とホストコンピュータ2との間の通信は、USBポート107を介して行われる。
図3は、上記の制御装置11の構成を示す機能ブロック図である。制御装置11は、制御部111、カメラ12により得られた撮像画像を取得する画像取得部112、LED装置13を駆動する照明駆動部113、及び画像から検出対象物体3を検出する物体検出部114を備えている。制御部111は、これら画像取得部112、照明駆動部113及び物体検出部114の動作を制御する。物体検出部114は、第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段115、第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段116と、これらの第1差分画像及び第2差分画像の比である差分比画像を生成する差分比画像生成手段117とを備えている。以下では、図3及び図4のフローチャートを参照しながら、物体検出装置1の動作について説明する。
[物体検出装置の動作]
図4は、物体検出装置1によって実行される物体検出処理の手順を示すフローチャートである。まず、照明駆動部113による駆動動作にしたがって、LED装置13が検出対象物体3に対して第1照射強度で照射光を照射し、この照射光の反射光を受けてカメラ12にて生成された第1画像を、画像取得部112にて取得する(S101)。次に、同様にしてLED装置13が検出対象物体3に対して第2照射強度で照射光を照射し、この照射光の反射光を受けてカメラ12にて生成された第2画像を、画像取得部112にて取得する(S102)。ここで、第1照射強度と第2照射強度とは異なっており、LED装置13の照射時間のデューティ比を変化させることにより設定される。その後、第1差分画像生成手段115が、上述したようにして取得された第1画像と第2画像との差分である差分画像を生成する(S103)。
次に、照明駆動部113による駆動動作にしたがって、LED装置13が検出対象物体3に対して第3照射強度で照射光を照射し、この照射光の反射光を受けてカメラ12にて生成された第3画像を、画像取得部112にて取得する(S104)。また、同様にしてLED装置13が検出対象物体3に対して第4照射強度で照射光を照射し、この照射光の反射光を受けてカメラ12にて生成された第4画像を、画像取得部112にて取得する(S105)。ここで、第3照射強度と第4照射強度とは異なっており、LED装置13の照射時間のデューティ比を変化させることにより設定される。なお、第3照射強度と第4照射強度との差は、第1照射強度と第2照射強度との差と異なる必要がある。その後、第2差分画像生成手段116が、上述したようにして取得された第3画像と第4画像との差分である差分画像を生成する(S106)。
図5は、照射強度の変化の一例を示すグラフである。このグラフには、LED装置13の照射時間のデューティ比を0%、20%、0%、100%と順次変化させることによって、第1照射強度、第2照射強度、第3照射強度及び第4照射強度を実現する例が示されている。物体検出装置1は、このように照射強度を変化させながら、上記のとおり第1画像乃至第4画像を取得し、第1差分画像及び第2差分画像を生成する。
次に、差分比画像生成手段117が、ステップS103にて生成された第1差分画像とステップS106にて生成された第2差分画像との比である差分比画像を生成する(S107)。
次に、物体検出部114が、ステップS107にて生成された差分比画像に対して、公知の2値化及びラベリング等の処理を施すことによって、検出対象物体3の輪郭を検出する(S108)。
上述したようにして検出された検出対象物体3の輪郭点の座標を示す輪郭情報は、USBポート107を介して、ホストコンピュータ2に対して出力される(S109)。これにより、ホストコンピュータ2は、検出対象物体3の検出に関する処理を実行することなく、検出対象物体3の輪郭を得ることができ、その輪郭を利用した各種の処理を実行することができる。このように、本実施の形態の場合、物体検出装置1によって物体の検出を行い、その結果をホストコンピュータ2が利用することによって、負荷分散が図られることになる。なお、輪郭情報は、画像情報等と比べて小さいサイズのデータであるため、物体検出装置1とホストコンピュータ2との間の通信データ量を抑制することができる。そのため、高速な通信インタフェースを用いる必要がなく、また、システム全体の低消費電力化を図ることができる。
以下、差分比画像による物体検出の優位性について説明する。図6は、反射光の輝度比を説明するための図である。図6において、Irは拡散反射による物体表面での反射光の輝度を、Iは光源の輝度を、nは単位法線ベクトルを、rは光源から検出対象物体までの距離を、θは入射光が法線ベクトルとなす角を、それぞれ示している。ランバート反射により反射された場合の物体表面での反射光の輝度Irは、以下の式1によって表すことができる。
ここで、ρは反射率を示している。
また、照射強度を変えて照射された光の反射光の輝度比Ir’/ Irは、次の式2によって表すことができる。
Ir’/ Ir =I’/I ・・・ 式2
これらの式1及び2によれば、反射光の輝度比の値は、距離r、角度θ、及び反射率ρに依存せずに定まることが分かる。そのため、この反射光の輝度比を用いることによって、光源から検出対象物体までの距離の大小等によらず当該物体の輪郭を精度良く得ることができ、また、物体の材質の影響を受けにくくすることができる。
図7Aは、人間の手を検出対象物体3とした場合の反射光画像の一例を模式的に示す図である。また、図7Bは、同じく差分比画像の一例を模式的に示す図である。ここで、図7Aに示す反射光画像は、上述した物体検出処理におけるステップS101、S102、S104及びS105のいずれかで取得される画像に相当し、反射光強度に応じた画素値により表されている。また、図7Bに示す差分比画像は、ステップS107で生成される差分比画像に相当し、反射光強度の比に応じた画素値により表されている。なお、説明の便宜上、図7A及び図7Bでは検出対象物体である手以外の領域(背景部分)に着色が施されていないが、実際には当該領域は手の部分と比較すると暗くなっている。
図7A及び図7Bを比較すると、反射光画像では指先部分等の反射光強度が弱く且つ一様ではないのに対して、差分比画像では指先部分を含め手全体の反射光強度がほぼ一様となっていることが分かる。光源から等距離にある物体であっても、その物体の色及び材質等によって反射光強度は変化する。そのため、図7Aに示す反射光画像のように、指先部分の反射光強度が弱く且つ一様ではない等の現象が見られる。他方、反射光強度の比は、物体と光源との間の距離によって定まるため、照射強度を変化させた場合の光源から等距離にある物体からの反射光強度の比はほぼ一様となり、図7Bに示す差分比画像のようになる。この場合、手全体の輪郭を精度良く検出することができる。
また、LED装置の配光特性等に起因して、イメージセンサの画角内での照射光の照射が均一とならない場合、画角の周辺部において反射光強度が弱くなる。そのため、図7Aに示す反射光画像のように、指先部分の反射光強度が弱く且つ一様ではない等の現象が見られる。他方、反射光強度の比の場合は上述したとおりほぼ一様となるため、物体検出の精度を高めることができる。
なお、第1の照射強度と第2の照射強度との差(又は第3の照射強度と第4の照射強度との差)に対する第3の照射強度と第4の照射強度との差(又は第1の照射強度と第2の照射強度との差)の比(以下「照射強度の比」という)の値が小さい場合、物体の輪郭が不明瞭になりやすく、その場合精度良く物体を抽出することが困難になるおそれもある。他方、照射強度の比の値が大きくなると、照明強度が小さい場合に暗くなりすぎる場合があるため、物体の抽出が困難になることがある。そのため、照射強度の比は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上10以下であることがより好ましい。
次に、本実施の形態の物体検出装置1によって得られる各画像の具体例について、図8を参照しながら説明する。図8に示す例では、3フレームの撮像画像(「第1画像」、「第2画像」及び「第3画像」)から2つのフレーム間差分画像(「第1差分画像」及び「第2差分画像」)を取得し、それらの差分画像の比である「差分比画像」を生成し、その差分比画像から物体の輪郭の検出結果である2値化画像を得ている。この場合、第1差分画像は第1画像と第2画像との差により得られ、第2差分画像は第2画像と第3画像との差により得られる。このように、第1差分画像及び第2差分画像において、それらの基になる2つの撮像画像のうちの1つが共通の撮像画像であっても構わない。この場合、4フレームの撮像画像を基にする場合と比べると、簡易な処理で足りるというメリットがある。なお、ここでの第1画像乃至第3画像は、図9のグラフで示されているように、LED装置13の照射時間のデューティ比を0%、100%、20%と順次変化させながら取得されている。
図8に示すように、差分比画像から得られた2値化画像では、円形状の物体及び矩形状の物体の輪郭が明瞭となっており、これらの物体を高精度に検出できることが確認できる。なお、このように物体を高精度に検出することができるため、所望の物体以外の情報を削除する等の処理を容易に行うことが可能になる。
(実施の形態2)
実施の形態1の場合、2つの差分画像の比をとることにより得られる差分比画像に基づいて物体を検出している。これに対し、実施の形態2では、2つの差分画像の論理積をとることにより得られる論理積画像に基づいて物体の検出を行う。
図10は、実施の形態2の物体検出装置が備える制御装置の構成を示す機能ブロック図である。この制御装置21は、実施の形態1における制御装置11の物体検出部114に対応する物体検出部214を備えている。この物体検出部214は、物体検出部114と同様に、第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段115及び第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段116を備えており、また、これらの第1差分画像及び第2差分画像の論理積である論理積画像を生成する論理積画像生成手段217を備えている。制御装置21のその他の構成については制御装置11の場合と同様であるので同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の物体検出装置においても、実施の形態1の場合と同様にして、図4に示すフローチャートにおけるステップS101乃至S106が実行される。その後、論理積画像生成手段217が、第1差分画像と第2差分画像との論理積である論理積画像を生成する。その後は、実施の形態1の場合と同様に、物体検出部214がその論理積画像に対して公知の2値化及びラベリング等の処理を施すことによって検出対象物体3の輪郭を検出し(S108)、検出された検出対象物体3の輪郭点の座標を示す輪郭情報がホストコンピュータ2に対して出力される(S109)。
図11は、実施の形態2の物体検出装置によって得られる各画像の一例を示す図である。この図11に示す例では、3フレームの撮像画像(「第1画像」、「第2画像」及び「第3画像」)から2つのフレーム間差分画像(「第1差分画像」及び「第2差分画像」)を取得し、それらの差分画像の積である「論理積画像」を生成し、その論理積画像から物体の輪郭の検出結果である2値化画像を得ている。なお、ここでの第1画像乃至第3画像は、図9のグラフで示されているように、LED装置13の照射時間のデューティ比を0%、100%、20%と順次変化させながら取得されている。
図11に示すように、論理積画像から得られた2値化画像では、図面に向かって左から右方向へ移動している円形状の物体の輪郭が明瞭となっている。このように、論理積画像を用いる場合では、特に動いている物体を高精度に検出することが可能になる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1及び2の場合と異なり、2つの差分画像の排他的論理和をとることにより得られる排他的論理和画像に基づいて物体の検出を行う。
図12は、実施の形態3の物体検出装置が備える制御装置の構成を示す機能ブロック図である。この制御装置31は、実施の形態1における制御装置11の物体検出部114に対応する物体検出部314を備えている。この物体検出部314は、物体検出部114と同様に、第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段115及び第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段116を備えており、また、これらの第1差分画像及び第2差分画像の排他的論理和である排他的論理和画像を生成する排他的論理和画像生成手段317を備えている。制御装置31のその他の構成については制御装置11の場合と同様であるので同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の物体検出装置においても、実施の形態1の場合と同様にして、図4に示すフローチャートにおけるステップS101乃至S106が実行される。その後、排他的論理和画像生成手段317が、第1差分画像と第2差分画像との排他的論理和である排他的論理和画像を生成する。その後は、実施の形態1の場合と同様に、物体検出部314がその排他的論理和画像に対して公知の2値化及びラベリング等の処理を施すことによって検出対象物体3の輪郭を検出し(S108)、検出された検出対象物体3の輪郭点の座標を示す輪郭情報がホストコンピュータ2に対して出力される(S109)。
図13は、実施の形態3の物体検出装置によって得られる各画像の一例を示す図である。この図13に示す例では、3フレームの撮像画像(「第1画像」、「第2画像」及び「第3画像」)から2つのフレーム間差分画像(「第1差分画像」及び「第2差分画像」)を取得し、それらの差分画像の排他的論理和である「排他的論理和画像」を生成し、その排他的論理和画像から物体の輪郭の検出結果である2値化画像を得ている。なお、ここでの第1画像乃至第3画像は、図9のグラフで示されているように、LED装置13の照射時間のデューティ比を0%、100%、20%と順次変化させながら取得されている。
図13に示すように、排他的論理和画像から得られた2値化画像では、図面に向かって左から右方向へ移動している円形状の物体の移動前後の輪郭が明瞭となっている。そのため、排他的論理和画像を用いる場合では、動いている物体の移動量を検出することが可能になる。
(その他の実施の形態)
上述した各実施の形態では、物体検出装置自体が、撮像装置であるカメラと光照射装置であるLED装置とを備えているが、物体検出装置が、外部に設けられた撮像装置及び光照射装置と接続されている構成であってもよい。図14は、そのような場合の物体検出装置を含む物体検出システムの構成を示すブロック図である。図14に示すとおり、物体検出装置100は、撮像素子及び発光素子を備えるカメラモジュール4、並びに外部照明装置5と接続されている。ここで、カメラモジュール4としては、例えば市販の赤外線ウェブカメラ等を用いることができる。このような構成の場合、カメラモジュール4の発光素子のON/OFF制御をすることができないが、外部照明装置5の点滅動作を物体検出装置100が制御することによって、上述した各実施の形態と同様に物体検出処理を実行することが可能になる。
なお、上述した実施の形態では、物体検出装置が単一のコンピュータで構成されているが、複数のコンピュータで構成された分散システムにより物体検出装置が実現される等、様々な機器構成が想定され得る。
本発明の物体検出装置、物体検出方法、及びコンピュータプログラムはそれぞれ、ユーザインタフェース装置等の各種の装置に適用可能な物体検出装置、物体検出方法、及びコンピュータプログラム等として有用である。
1 物体検出装置
11,21,31 制御装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 カメラインタフェース
105 タイマー
106 DMAC
107 USBポート
108 SIOポート
111 制御部
112 画像取得部
113 照明駆動部
114,214,314 物体検出部
115 第1差分画像生成手段
116 第2差分画像生成手段
117 差分比画像生成手段
217 論理積画像生成手段
317 排他的論理和画像生成手段
12 カメラ
13 LED装置
2 ホストコンピュータ
3 検出対象物体
4 カメラモジュール
5 外部照明装置

Claims (9)

  1. 検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出装置において、
    第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段と、
    第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段と、
    前記第1差分画像生成手段によって生成された第1差分画像と、前記第2差分画像生成手段によって生成された第2差分画像との比により得られる差分比画像を生成する差分比画像生成手段と、
    前記差分比画像生成手段によって生成された差分比画像に基づいて前記物体を検出する物体検出手段と
    を備えることを特徴とする物体検出装置。
  2. 前記第1の照射強度と前記第2の照射強度との差に対する、前記第3の照射強度と前記第4の照射強度との差の比が、1.1以上である、
    請求項1に記載の物体検出装置。
  3. 検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出装置において、
    第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段と、
    第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段と、
    前記第1差分画像生成手段によって生成された第1差分画像と、前記第2差分画像生成手段によって生成された第2差分画像との論理積により得られる論理積画像を生成する論理積画像生成手段と、
    前記論理積画像生成手段によって生成された論理積画像に基づいて前記物体を検出する物体検出手段と
    を備えることを特徴とする物体検出装置。
  4. 検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出装置において、
    第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成する第1差分画像生成手段と、
    第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成する第2差分画像生成手段と、
    前記第1差分画像生成手段によって生成された第1差分画像と、前記第2差分画像生成手段によって生成された第2差分画像との排他的論理和により得られる排他的論理和画像を生成する排他的論理和画像生成手段と、
    前記排他的論理和画像生成手段によって生成された排他的論理和画像に基づいて前記物体を検出する物体検出手段と
    を備えることを特徴とする物体検出装置。
  5. 前記第1の照射強度及び前記第2の照射強度の何れかと、前記第3の照射強度及び前記第4の照射強度の何れかとが同一である、
    請求項1乃至4の何れかに記載の物体検出装置。
  6. 前記照射光の照射時間のデューティ比を変化させることによって照射強度を変化させるように構成されている、
    請求項1乃至5の何れかに記載の物体検出装置。
  7. 前記物体検出手段によって検出された前記物体の輪郭を示す輪郭情報を外部のコンピュータに送信する送信手段
    を更に備える、請求項1乃至6の何れかに記載の物体検出装置。
  8. 検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出する物体検出方法において、
    第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成するステップと、
    第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成するステップと、
    生成された第1差分画像と第2差分画像との比により得られる差分比画像を生成するステップと、
    生成された差分比画像に基づいて前記物体を検出するステップと
    を有することを特徴とする物体検出方法。
  9. コンピュータに、検出対象の物体に対して赤外領域の波長の照射光が照射されたときに得られた当該物体を含む領域の撮像画像に基づいて、前記物体を検出させるコンピュータプログラムにおいて、
    前記コンピュータに、
    第1の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第1の撮像画像と、前記第1の照射強度とは異なる第2の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第2の撮像画像との差により得られる第1差分画像を生成するステップと、
    第3の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第3の撮像画像と、前記第3の照射強度とは異なる第4の照射強度で前記波長の照射光が照射されたときに得られた第4の撮像画像との差により得られる第2差分画像を生成するステップと、
    生成された第1差分画像と第2差分画像との比により得られる差分比画像を生成するステップと、
    生成された差分比画像に基づいて前記物体を検出するステップと
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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