以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、「遊技機」と省略する。)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」と称する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。
なお、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)や大入賞口(後述)などの入賞口を通過(進入)した遊技球が、夫々の入賞口に対応して設けられたスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23(後述))によって検出されることを「入賞」と称する。「入賞」のうち、始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)への入賞を「始動入賞」と称し、特に、第1始動入賞口への入賞を第1始動入賞と称し、第2始動入賞口への入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞の発生(第1始動口スイッチ22Aによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。
また、第2始動入賞の発生(第2始動口スイッチ22Bによる遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第1特図保留記憶数は、第1開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第1始動入賞による第1始動条件は成立したが、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない当該第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第1始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立する迄、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第1特図保留情報は第1開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第1特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。第2特図保留記憶数は、第2開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
なお、ある第2始動入賞による第2始動条件は成立したが、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない当該第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、当該第2始動入賞による可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立する迄、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。換言すれば、保留されていた第2特図保留情報は、第2開始条件が成立する毎に1つずつ消化され、消化される第2特図保留情報に基づく可変表示ゲームが実行される。
なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」または「保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態と、遊技球が通過(進入)できる開放状態とに変化する大入賞口を形成する。具体的には、特別可変入賞球装置7は、例えば図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、大入賞口扉の開閉によって大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。
一例として、特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態とし、ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態とする。開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。つまり、大入賞口を開放状態とすることによって、大入賞口への入賞が発生する。
大入賞口への入賞の発生(カウントスイッチ23による遊技球の検出)に基づいて、所定個数(例えば12個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば12個)は、第1始動入賞の発生に基づいては払い出される賞球の個数(例えば3個)、第2始動入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数(例えば3個)よりも多い。つまり、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)が、遊技者にとって有利か否かに大きく影響する。即ち、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて多くの賞球が期待できるので、大入賞口が開放状態であるときには大入賞口が閉鎖状態であるときに比べて遊技者にとって非常に有利である。
なお、遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態に加えて、または代えて、遊技球が通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」とも称する。
また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットのLやEのような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器25Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器25Bは、点灯させるLEDの数によって、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ21による遊技球の検出によって、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。普図保留記憶数は、普図開始条件が1つ成立する毎に1つずつ減少する。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として、図1に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄が配置されている。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と連動(対応)して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々の飾り図柄に対応する図柄番号が付されている。一例として、「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されていればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
なお、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。なお、飾り図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングは、特別図柄の変動開始タイミング及び変動終了タイミングと必ずしも一致していなくてもよく、特別図柄の変動時間(特図変動時間)内に、飾り図柄の変動時間が収まっていればよい。
即ち、飾り図柄の変動開始タイミングが特別図柄の変動開始タイミングよりも遅くてもよいし、特別図柄の変動終了タイミング(確定特別図柄の停止表示タイミング)が飾り図柄の変動終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示タイミング)よりも遅くてもよい。例えば、確定飾り図柄の停止表示後に所定演出の実行を開始し、当該所定演出の実行の終了時に確定特別図柄を停止表示させてもよい。
また、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮なども生じさせずに停止表示させるものなどが含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、第1保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が増加したときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第1特図保留情報に対応する保留表示として新たな第1保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の第1保留表示があれば、当該他の第1保留表示の左側(複数の他の第1保留表示があれば最も左側の第1保留表示の更に左側)に上記新たな第1保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第1特図保留情報に対応する保留表示に相当する第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている第1保留表示(一番古くから表示されている第1保留表示)を消去し、他の第1保留表示の夫々を、消去した第1保留表示側(右側)に移動(シフト)する。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、第2保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が増加したときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に増加分の第2特図保留情報に対応する保留表示として新たな第2保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の第2保留表示があれば、当該他の第2保留表示の右側(複数の他の第2保留表示があれば最も右側の第2保留表示の更に右側)に上記新たな第2保留表示を追加するようにしてもよい。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が減少したときは、減少分の第2特図保留情報に対応する保留表示に相当する第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている第2保留表示(一番古くから表示されている第2保留表示)を消去し、他の第2保留表示の夫々を、消去した第2保留表示側(左側)に移動(シフト)する。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消去された(移動された)保留表示(即ち、第1開始条件の成立によって消化される第1特図保留情報や、第2開始条件の成立によって消化される第2特図保留情報に基づき実行される飾り図柄の可変表示に対応する保留表示に応じたアクティブ表示(消化時表示、今回表示などとも称する)を含む情報を表した特別画像を表示するアクティブ表示エリアAHA(消化時表示領域、消化時表示エリア、今回保留表示領域、今回保留表示エリア、アクティブ保留表示領域、アクティブ保留表示エリア、アクティブ表示領域、今回表示領域、今回表示エリア、消化時表示部などとも称する。)が、例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間が配置されている。
本実施形態における遊技機1では、図1に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとの間にアクティブ表示エリアAHAを配置しているが、アクティブ表示エリアAHAは、画像表示装置5の表示領域の何れかの位置に配置されていればよい。また、本実施形態における遊技機1では、アクティブ表示のほかには、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠、アクティブ表示またはアクティブ表示の周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像などのアクティブ表示に応じた情報などが特別画像によって表示される。
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を予告又は示唆する音、声などである。
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音などである。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。ランプ9は、例えば、1以上のLEDから構成されたものであってもよいし、フラッシュランプから構成されるものであってもよい。発光部材9Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)であってもよい。また、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、特別可変入賞球装置7等)の周囲などに、種々の発光部材を設置してもよい。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9などは演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、演出装置として、駆動部を有する演出用模型など他の演出装置を備えていてもよい。
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されていてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。また例えば、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。
次に、遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄や小当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」としてもよい。
本実施形態における遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技機1は、特定遊技状態である大当り遊技状態に制御される。遊技機1は、大当り遊技状態において、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を、所定の回数(所定のラウンド数)、実行する。ラウンドは、大入賞口の開放サイクルである。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、遊技機1は、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である小当り遊技状態に制御される。
遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後の各ラウンド(各回のラウンド)において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉を開閉させて、大入賞口の状態(開放状態、閉鎖状態)を変化させる。例えば、遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させ、その後、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させる。つまり、遊技機1は、ラウンドの開始時に大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて大入賞口を閉鎖状態に維持し、1回のラウンドを終了させる。
遊技機1は、1回のラウンドにつき1回、大入賞口を開放状態に変化させる(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態と変化させる)。なお、遊技機1は、1回のラウンドにつき複数回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい。例えば、遊技機1は、1回のラウンドにつき2回、大入賞口を開放状態に変化させてもよい(1回のラウンド中に、大入賞口を開放状態→閉鎖状態→開放状態→閉鎖状態と変化させてもよい)。
なお、上述のような、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時に大入賞口扉を直ちに開く態様)ではなく、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様(ラウンドの開始時には大入賞口扉を開かない態様)であってもよい。つまり、遊技機1は、ラウンドの開始時には大入賞口扉を開くことなく大入賞口を閉鎖状態に維持し、その後、大入賞口扉を開いて大入賞口を開放状態に維持し、その後、大入賞口扉を閉じて1回のラウンドを終了させてもよい。
大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、固定(一定)の回数(例えば、常に10回)でなくてもよい。例えば、大当り遊技状態においてラウンドが実行される所定の回数(所定のラウンド数)は、複数種類の回数(例えば、2回、8回、16回)のなかから選択(抽選)されたいずれかの回数であってもよい。
つまり、遊技機1は、大当り遊技状態において、ラウンドの実行回数が上限回数(上述所定の回数が固定の回数である場合には当該固定の回数、上述の所定の回数が複数種類から選択される場合には選択された回数)に達するまで、ラウンドを繰り返し実行する。なお、遊技機1は、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行を終了してもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過するか、大入賞口への所定個数(例えば9個)の入賞が発生するか、のいずれかとなるまでの期間、開放状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に29秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が開放状態に維持される所定の時間(開放期間)は、複数種類の時間(例えば、0.1秒間、29秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
ラウンドにおいて大入賞口は、所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態(ラウンドにおける閉鎖状態)に維持される。例えば、大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化してラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、大入賞口扉を閉じた後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。また例えば、大入賞口を閉鎖状態に維持したままラウンドが開始する態様の場合には、大入賞口は、ラウンドの開始した後に所定の時間(閉鎖期間)が経過するまでの期間、閉鎖状態に維持される。ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、固定(一定)の時間(例えば、常に3秒間)でなくてもよい。例えば、ラウンドにおいて大入賞口が閉鎖状態に維持される所定の時間(閉鎖期間)は、複数種類の時間(例えば、1秒間、3秒間)のなかから選択(抽選)されたいずれかの時間であってもよい。
以上から、遊技機1は、大当り遊技状態において、例えば、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したり、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを16回実行したり、大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)→開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを2回実行したりすることができる。また、遊技機1は、大当り遊技状態において、大入賞口を開放状態(29秒間)→閉鎖状態(3秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行した後に大入賞口を開放状態(0.1秒間)→閉鎖状態(1秒間)と変化させる各ラウンドを8回実行したりすることもできる。
なお、大当り遊技状態におけるラウンドのうち、大入賞口を開放状態とする所定の時間(開放期間)が比較的長いラウンド(例えば、開放状態が29秒間であるラウンド)は通常開放ラウンドとも称され、大入賞口を開放状態とする所定の時間(開放期間)が比較的短いラウンド(例えば、開放状態が0.1秒間であるラウンド)は短期開放ラウンドとも称される。
また、大当り図柄である特別図柄のうち、通常開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)は、通常開放ラウンド大当り図柄と称する場合がある。大当り図柄である特別図柄のうち、短期開放ラウンドに対応する大当り図柄(後に短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に制御される大当り図柄)は、短期開放ラウンド大当り図柄と称する場合がある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、通常開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、短期開放ラウンドが所定の回数(所定のラウンド数)、実行される。なお、短期開放大当り状態に比べ通常開放大当り状態の方が通常開放ラウンドの実行回数が多くなるなどしていれば、通常開放大当り状態において通常開放ラウンドの他に短期開放ラウンドを実行し、短期開放大当り状態において短期開放ラウンドの他に通常開放ラウンドを実行してもよい。
以上のように、遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、夫々の大当り遊技状態において遊技者が得る価値、即ち、遊技者から見た有利度(例えば、賞球数(出玉数))を夫々異ならせた多様な大当り遊技状態を用意(実現)することができる。
短期開放ラウンドを用いない場合の一例として、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態と、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、ラウンド(通常開放ラウンド)を16回実行する大当り遊技状態とを用意することができる。なお、上記例において、夫々のラウンド(通常開放ラウンド)において大入賞口を開放状態に変化させる回数や、夫々の開放状態の時間(開放時間)に差異が無ければ、ラウンド(通常開放ラウンド)を16回実行する大当り遊技状態では、ラウンド(通常開放ラウンド)を8回実行する大当り遊技状態の2倍の出玉を期待できる。
短期開放ラウンドを用いる場合の一例として、通常開放ラウンドを8回実行した後に短期開放ラウンドを8回実行する大当り遊技状態(実質8ラウンドの大当り遊技状態)と、実質8ラウンドの大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意することができる。なお、上記例において、夫々の通常開放ラウンドにおいて大入賞口を開放状態に変化させる回数や、夫々の開放状態の時間(開放時間)に差異が無く、且つ、短期開放ラウンドで得られる出玉数が無視できる程度に少なければ、通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態では、実質8ラウンドの大当り遊技状態の2倍の出玉を期待できる。
また、大入賞口扉を開いた後に所定の時間(開放期間)が経過していなくても大入賞口への所定個数の入賞が発生した場合には大入賞口は開放状態から閉鎖状態に変化するが、当該所定個数に差を設けることにより、遊技者が得る価値を異ならせてもよい。例えば、上記所定個数を5個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態と、上記所定個数を5個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、上記所定個数を10個とした通常開放ラウンド(開放時間は29秒間)を8回実行する大当り遊技状態とを用意してもよい。
また、大入賞口への入賞の発生に基づいて払い出される賞球の個数に差を設けることにより、遊技者が得る価値を異ならせてもよい。例えば、賞球数を6個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態と、賞球数を6個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な、賞球数を12個とした通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態とを用意してもよい。
また、当該大当り遊技状態自体によって遊技者が得る価値(当該大当り遊技状態の期間において遊技者が得る価値)に加えて、当該大当り遊技状態の後に制御される遊技機1の状態の種類(例えば、通常状態、時短状態、確変状態の別)や、当該大当り遊技状態の後に制御される遊技機1の状態(例えば、時短状態、確変状態)が維持される期間(例えば、時短回数、ST回数)の長さなどを異ならせることにより、当該大当り遊技状態以降において遊技者が得る価値を異ならせてもよい。
なお、本実施形態では、遊技機1は、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態として、16R確変大当り(後述)となった後に制御される通常開放ラウンドを16回実行する大当り遊技状態と、8R確変大当り(後述)となった後に制御される通常開放ラウンドを8回実行する大当り遊技状態とを用意している。しかし、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後に制御される大当り遊技状態は、16R確変大当り又は8R確変大当りに限定されるものではない、例えば、2R確変大当り等であってもよい。以下の説明では、16R確変大当り及び8R確変大当りの遊技状態における遊技機1の動作を主に説明するものとする。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が特定の可変表示の組み合わせの一部を構成する所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。なお、以下の説明において、リーチ状態となることをリーチが成立(リーチ成立)するとも称する。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。リーチ演出は、リーチ状態になったことに対応して、可変表示結果が大当りとなる可能性を報知する演出態様である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作や、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
なお、リーチ状態となった場合であってもリーチ演出が実行されない場合がある。すなわち、リーチ状態となった場合であって、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されずに飾り図柄の停止表示が実行される場合である。リーチ演出を実行しないことにより、可変表示の時間が短縮されてスピード感を向上させることにより興趣の向上を図ることができる。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、即ち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、飾り図柄の可変表示中には、可変表示演出の一態様として、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される滑り演出や擬似連演出などが実行可能である。滑り演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、滑り演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
擬似連演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目などが飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に表示される)を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、再び、全部の飾り図柄の可変表示を開始させる演出表示である再可変表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。
擬似連演出における再可変表示の回数(再可変表示回数)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、全部の飾り図柄が最初に仮停止するまでの可変表示(初回可変表示)の回数(1回)と、全部の飾り図柄が最後に仮停止した後の再可変表示(最終可変表示)の回数(1回)と、初回可変表示と最終可変表示の間の再可変表示の回数X(Xは0又は1以上)と、を合算した回数(X+2)よりも1回少ない回数(X+1)として把握される。また、再可変表示回数は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて全部の飾り図柄が仮停止表示される回数(仮停止回数)と同数となる。なお、初回可変表示〜1回目の仮停止表示を1回目の擬似連とも称し、2回目の可変表示(1回目の再可変表示)〜2回目の仮停止表示を2回目の擬似連とも称し、3回目の可変表示(2回目の再可変表示)〜3回目の仮停止表示を3回目の擬似連とも称し、4回目の可変表示(3回目の再可変表示)〜4回目の仮停止表示を4回目の擬似連とも称する。また、擬似連演出における擬似連の回数を擬似連変動回数(又は、擬似連回数)とも称する。つまり、擬似連変動回数と再可変表示回数と仮停止回数は同数となる。なお、1回目、2回目、3回目、…と擬似連の回数が増えることを「擬似連が継続する」とも称する。
「擬似連」の可変表示演出において、再可変表示(再変動)が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、本実施形態では、再可変表示(再変動)を1回又は2回行う例を示しているが(図5参照)、再可変表示(再変動)が3回以上行ってもよい。
なお、擬似連演出は、当該変動においてリーチが成立する前(リーチ状態となる前に)に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部または全部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止させてもよいし、リーチが成立した後に、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか一部に擬似連チャンス目が仮停止表示されるように、全ての飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄を一旦仮停止してもよい。つまり、擬似連演出における仮停止表示の演出態様には、少なくとも、リーチ状態となる前に仮停止表示させる演出態様と、リーチと状態となった後にチャンス図柄を仮停止表示させる演出態様とがあってもよい。なお、チャンス図柄はリーチ状態とならないときにも停止表示され得る。
滑り演出(擬似連演出も同様)は、何れかのリーチ演出、若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するものであってもよい。以下、何れかのリーチ演出若しくはあるリーチ演出が実行される可能性があることや大当り期待度が高いことなどを、遊技者に予告又は示唆するための演出を予告演出と総称する場合がある。予告演出には、滑り演出や擬似連演出の他にも、滑り演出や擬似連演出とは異なる可変表示動作を利用するものがあってもよいし、例えば、背景画像の表示、メッセージウィンドウの表示、保留表示、音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)などのように可変表示演出とは異なる演出動作を利用するものがあってもよい。
なお、予告演出は、当該予告演出が予告又は示唆する内容が実現されるか否かを遊技者が判別(実際に確認)できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予告又は示唆する予告演出は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読予告演出の対象とする保留情報をターゲットの保留情報と称し、ターゲットの保留情報に対応する第1保留表示をターゲットの第1保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する第2保留表示をターゲットの第2保留表示と称し、ターゲットの保留情報に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。また、先読予告演出は、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合と、ターゲットの保留情報の消化中、及びターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
なお、先読予告演出(事前判定予告演出)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける第1保留表示や第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける第2保留表示の表示態様による保留演出が用意されていてもよい。保留演出には、第1始動入賞の発生時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する第1保留表示や第2始動入賞の発生時に第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する第2保留表示を予告態様で表示する演出(追加時保留演出)や、既に表示されている第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化(ある予告態様から他の予告態様への変化も含む。以下、同様)する演出(保留変化演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化するときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用演出)や、第1保留表示や第2保留表示が予告態様に変化しないときに実行する演出であって画像表示装置5の表示領域においてキャラクタ等を保留表示に直接的に又は間接的に作用させる演出(保留作用ガセ演出)などが含まれていてもよい。なお、保留作用演出が実行されたときには、作用対象である第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化するが、保留作用ガセ演出が実行されたときには、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様は変化しない。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
本実施形態では、特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄(「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄)のうち、「3」の数字を示す特別図柄または「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「8R確変大当り」とすることができる。また、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、「大当り」の一態様である「16R確変大当り」とすることができる。8R確変大当りとなったときに制御されるラウンドは通常開放ラウンドである。つまり、「3」や「5」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄とすることができる。また、16R確変大当りとなったときに制御されるラウンドは通常開放ラウンドである。つまり、本実施形態では、「7」の数字を示す特別図柄は、通常開放ラウンド大当り図柄である。
なお、本実施形態では、上述のように「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には8R確変大当りとなる場合を説明したが、「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合に短期開放ラウンドが実行される「2R確変大当り(「突確」とも称する)」となるようにしてもよい。この場合の「5」の数字を示す特別図柄は、短期開放ラウンド大当り図柄となる。「大当り」における、「8R確変大当り」、「16R確変大当り」、「2R確変大当り」の別は、「大当り種別」と称する。
16R確変大当りとなる場合には、具体的には「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。16R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に、図柄番号が奇数であって同一の飾り図柄が3個並んだもの(すなわち、「1」、「1」、「1」と並んだもの、「3」、「3」、「3」と並んだもの、「5」、「5」、「5」と並んだもの、「7」、「7」、「7」と並んだもの)である。
8R確変大当りとなる場合には、具体的には、例えば「3」の数字を示す特別図柄または「5」の数字を示す特別図柄が停止表示されるときに、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。8R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が偶数であって同一の飾り図柄が3個並んだもの(すなわち、「2」、「2」、「2」と並んだもの、「4」、「4」、「4」と並んだもの、「6」、「6」、「6」と並んだもの、「8」、「8」、「8」と並んだもの)とすることができる。
なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに2R確変大当りとなる場合には、飾り図柄の可変表示が開始され、リーチ状態となって所定のリーチ演出が実行されるなどした後に、または、リーチ状態になることなく、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されるようにすればよい。2R確変大当りに対応する大当り組合せの一例は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン上に、図柄番号が奇数であって異なる飾り図柄(少なくとも3個のうち1個が異なる飾り図柄)が3個並んだもの(例えば、「1」「3」「5」と並んだもの、「3」「5」「7」と並んだもの、「5」「5」「7」と並んだもの)や、チャンス図柄などを含む飾り図柄の組合せ(例えば、「1」「突確」「2」の組合せ。「突確」はチャンス図柄の一例)である。
なお、特図ゲームにおいて「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合と、表面上、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される場合とがあってもよい。
16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが16回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。また、8R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われる。
確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定のST回数(確変回数とも称する)の特図ゲームが実行されるときと、可変表示結果が「大当り」となるときとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。従って、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了する。なお、所定のST回数は、例えば50回である。また、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常の遊技状態である。遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
また、時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に、所定の時短回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることとのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。従って、時短制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても、所定の時短回数の特図ゲームを消化した場合には、時短制御は終了する。なお、所定の時短回数は、例えば50回である。
以上のように、本実施形態では、8R確変大当りまたは16R確変大当りとなったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、所定のST回数(例えば50回)の確変制御が行われるとともに、所定の時短回数(例えば50回)の時短制御が行われる。
なお、本実施形態では、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった後の時短回数とST回数(確変回数)とが同一(共に50回)であるが、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった後の時短回数とST回数(確変回数)とを異ならせてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)と16R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)とが同一(共に50回)であるが、8R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)と16R確変大当りとなった後のST回数(確変回数)とを異ならせてもよい。また、本実施形態では、8R確変大当りとなった後の時短回数と16R確変大当りとなった後の時短回数とが同一(共に50回)であるが、8R確変大当りとなった後の時短回数と16R確変大当りとなった後の時短回数とを異ならせてもよい。なお、以下の説明において、大当り遊技状態や、確変制御が行われる状態や、時短制御が行われる状態などを、有利状態と称することがある。
なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けた場合には、2R確変大当りとなったことに基づいて、短期開放ラウンドが2回(ラウンド)実行される短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、16R確変大当りまたは8R確変大当りとなったときと同様、時短制御とともに確変制御が行われるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、確変制御が行われているときに可変表示結果が「大当り」とならなかった場合であっても所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した場合には、確変制御は終了するが、ST回数(確変回数)を設けずに可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が終了しないようにしてもよい。このような態様とするときには、「大当り」の一態様として、終了後に確変制御が行われない通常大当りを設けるとよい。例えば、8R通常大当りを設けた場合には、8R通常大当りとなったことに基づいて、通常開放ラウンドが8回(ラウンド)実行される通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、確変制御を行わない(時短制御は行っても行われなくてもよい)。
また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。このような態様とするときには、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化する迄は確変転落抽選を行わずに、所定のST回数(確変回数)の特図ゲームを消化した後の各ゲームにおいて確変転落抽選を行うようにしてもよい。時短制御についても同様である。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御とがともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
飾り図柄について、再抽選演出が実行されることがある。例えば、再抽選演出として、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、16R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄と、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる飾り図柄のうち何れかを、確定飾り図柄として最終停止表示させるようにしてもよい。
また、8R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、8回目のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、8回目のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが16R確変大当りであることを報知するラウンド数昇格演出が実行されてもよい。なお、本実施形態では2R確変大当りを設けないが、2R確変大当りを設けたときに、2R確変大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された場合も同様である。
また、本実施形態では通常大当りを設けないが、通常大当りを設けたときに通常大当りに対応する大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、最終のラウンドが終了するまでの期間(若しくは、最終のラウンドの終了後、次の可変表示ゲームが開始されるまで期間)にて、当該大当りが確変大当りであることを報知する確変昇格演出が実行されてもよい。
なお、ラウンド中に実行される昇格演出(ラウンド数昇格演出、確変昇格演出)を大当り中昇格演出(大当り中ラウンド数昇格演出、大当り中確変昇格演出)と称し、最終のラウンドが終了してから実行される昇格演出(ラウンド数昇格演出、確変昇格演出)をエンディング昇格演出(エンディングラウンド数昇格演出、エンディング確変昇格演出)と称することもある。
図2は、遊技機1に搭載された各種の制御基板を例示する構成図である。遊技機1には、例えば、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
主基板11には、電源基板(図示略)から電源電圧が入力される。電源基板は、遊技機1に供給される電力によって、所定電圧の電源電圧を供給する。しかし、例えば、停電時には電源基板から供給する電源電圧が低下する。電源基板から出力される電源電圧が所定値以下に低下すると、電源基板は電源電圧が低下したことを示す電源断信号を出力する。主基板11には電源基板から電源断信号が入力される。主基板11は電源断信号が入力されると電源断に対応した処理を実行する。
電源断信号が入力されると、主基板11のCPU103は、電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する。電力供給停止時処理は、電力供給が停止する直前の遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を保存するである。電力供給停止時処理によって遊技状態を保存することにより、電力供給が停止する直前の遊技状態を復旧させることができる。
先ず、CPU103は、RAM102に保存するデータのパリティデータを生成する。生成されたパリティデータは、停電復旧処理時に生成されるパリティデータと比較に利用される。停電前後のパリティデータを比較することにより、電力供給停止時処理が正しく行われたことを確認することができる。
次に、CPU103は、バックアップフラグをオン状態にしてRAM102に記憶する。バックアップフラグは、電力供給停止時処理が実行されたことを示し、停電復旧処理時にRAM102に保存されたデータによる遊技状態の復旧を行うか否かの判断に利用される。
次に、CPU103は、RAN102のアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定し、RAM102のアクセスを禁止して。保存するデータの確定を行う。RAN102に保存されたデータは、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバクアップされる。
以上の処理によって、CPU103は、電力供給停止時処理を終了する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「16R確変大当り」であるか「8R確変大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、確定飾り図柄(最終停止図柄)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えば遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。なお、遊技状態指定コマンドの詳細は図3(C)を用いて後述する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンド9200Hは、停電復旧処理の実行を指定する停電復旧指定コマンドである。停電復旧指定コマンドは、遊技機1が停電状態から電力の供給が再開された後に、停電復旧処理を実行させるためのコマンドである。停電復旧指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、停電復旧処理を実行する。演出制御用CPU120は、停電復旧処理として、例えば画像表示装置5に停電から復帰したことを遊技者に報知する停電復旧画面を表示する。
コマンドA0XXHは、大当り開始指定コマンドである。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する演出制御コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。
コマンドA1XXHは、大入賞口開放中通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドは、大当り遊技状態において大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドの「XX」は、大入賞口が開放状態となっている回数(ラウンド数)を示す。演出制御基板12は、遊技制御用マイクロコンピュータから通知された大入賞口開放中通知コマンドに基づき、例えば、ラウンド数を画像表示装置5に表示する。
コマンドA2XXHは、大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放後通知コマンドは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する演出制御コマンドである。
コマンドA3XXHは、大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する演出制御コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1始動口入賞指定コマンドである。第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口への入賞を通知する演出制御コマンドである。第1始動入賞口への入賞は、図1で説明した普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、図2で説明した第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動入賞が発生すると、第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを第1始動口入賞指定コマンドによって演出制御基板12に通知する。
コマンドB200Hは、第2始動口入賞指定コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口への入賞を通知する演出制御コマンドである。第2始動入賞口への入賞は、図1で説明した普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、図2で説明した第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動入賞が発生すると、第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを第2始動口入賞指定コマンドによって演出制御基板12に通知する。
コマンドB3XXHは、時短回数指定コマンドである。時短回数指定コマンドは、時短状態の残り回数を指定する演出制御コマンドである。時短状態の残り回数とは、時短状態が終了するまでの間の時短状態が継続する変動表示の回数である。時短回数指定コマンドB3XXHにおける「XX」が、時短状態の残り回数を示す。例えば、時短状態の残り回数が30回である場合、時短回数指定コマンドは「B31EH」となる。
コマンドB4XXHは、確変回数指定コマンドである。確変回数指定コマンドは、確変状態の残り回数を指定する演出制御コマンドである。確変状態の残り回数とは、確変状態が終了するまでの間の確変状態が継続する変動表示の回数である。確変回数指定コマンドB4XXHにおける「XX」が、確変状態の残り回数を示す。例えば、確変状態の残り回数が30回である場合、確変回数指定コマンドは「B41EH」となる。
なお、本実施形態では時短回数と確変回数が同じ回数である場合を説明するため、本実施形態における時短回数指定コマンドの「XX」と確変回数指定コマンドの「XX」は同じ値となる。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
コマンドC2XXHは、第2保留記憶数通知コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
例えば、保留記憶情報として送信されるコマンドは、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXHは、図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、変動カテゴリコマンドである。図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。図柄指定コマンドは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す。また、変動カテゴリコマンドは、入賞時判定結果として、変動カテゴリ(「変動パターン種別」とも称する)の判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。変動カテゴリとは、飾り図柄の変動パターンを種類別に分類(集約)したときの名称である。換言すれば、変動カテゴリとは、共通のグループにカテゴライズされる1以上の飾り図柄の変動パターンを含む、各グループのグループ名である。
図3(C)は、遊技状態を指定する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
コマンド9500H〜9504Hは、図3(A)で説明した遊技状態指定コマンドの詳細である。
コマンド9500Hは、通常状態指定コマンドである。通常状態指定コマンドは、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンドである。図3(C)における通常状態とは、以下コマンド9501H及びコマンド9502Hで説明する時短状態(高ベース状態)又は確変状態(高確状態)では無い状態であることを示している。
コマンド9501Hは、時短状態指定コマンドである。時短状態指定コマンドは、遊技状態が時短状態(高ベース)であることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド9502Hは、確変状態指定コマンドである。確変状態指定コマンドは、遊技状態が確変(高確)状態(ST状態)であることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド9503Hは、時短終了指定コマンドである。時短終了指定コマンドは、時短状態が終了したことを通知する演出制御コマンドである。
なお、図3(C)では、遊技状態を指定する演出制御コマンドとして、上記の通り通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド、時短終了指定コマンド、確変終了指定コマンド、時短回数指定コマンド、及び確変回数指定コマンドを例示して説明したが、遊技状態を指定する演出制御コマンドはこれらに限定されない。例えば、図5A等を用いて説明する変動パターンに基づく演出の実行回数を通知する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。変動パターンに基づく演出は、例えば、ST状態におけるスーパーリーチ演出である。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図16)において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当りの種別を判定し、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3に基づいて変動カテゴリ(変動パターン種別)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
なお、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどの演出制御コマンドは、演出制御用CPU120が、1以上の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9など)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置5における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ8からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
また、停電復旧指定コマンドは、他の演出制御コマンドと併せて通知することができる。例えば、停電復旧指定コマンドと併せて遊技状態指定コマンドを通知した場合、演出制御基板12は、演出装置を停電前の遊技状態に復旧させることができる。また、停電復旧指定コマンドと併せて大入賞口開放中通知コマンドを通知した場合、演出制御基板12は、演出装置を停電前の大当り遊技状態における大入賞口の開放状態(例えば、ラウンド数)に合せて復旧させることができる。また、停電復旧指定コマンドと併せて第1保留記憶数通知コマンド又は第1保留記憶数通知コマンドを通知した場合、演出制御基板12は、演出装置を停電前の保留記憶数に合わせて復旧させることができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、各種のテーブルを構成するデータなどが記憶されている。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4、変動パターン決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれてもよい。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図5A〜図5F(以下、「図5A〜F」又は「図5」と省略する。)は、本実施形態における変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図5Aは、第1の変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図である。図5Bは、第2の変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図である。図5Cは、第3の変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図である。図5Dは、第4の変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図である。図5Eは、第5の変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図である。図5Fは、第6の変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図である。図5A〜Fに示す変動カテゴリ及び変動パターンは、始動入賞時処理において、確変状態(大当り終了後の可変表示の実行回数がST回数以内、以下「ST状態」ともいう。)であるか否か等の条件によって図5A〜Fの中から1つの変動カテゴリ及び変動パターンが選択される。始動入賞時処理における変動カテゴリ及び変動パターンの選択方法の詳細は後述する。
図5Aは、第1の変動カテゴリ及び変動パターンとして例示する、遊技状態がST状態ではないときに選択される変動カテゴリ及び変動パターンである。
変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動カテゴリ「PA2」は、非リーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA2」には、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」が属している。変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」と「PA3−2」とが属している。変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」が属している。変動カテゴリ「PA5」は、スーパーリーチβ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA5」には、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」と「PB3−2」とが属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」が属している。変動カテゴリ「PB5」は、スーパーリーチβ(大当り)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB5」には、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」が属している。
変動カテゴリ「PA2」に属する変動パターン「PA2−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−2」の特図変動時間は、滑り演出が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。滑り演出が実行される他の変動パターンについても同様である。また、変動パターン「PA2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA2−3」の特図変動時間は、擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA2−1」の特図変動時間よりも長くなっている。擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。変動カテゴリ「PA1」に属する変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」に属する変動パターン「PA3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PA4」に属する変動パターン「PA4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。なお、変動パターン「PA4−2」の特図変動時間は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるため、変動パターン「PA4−1」の特図変動時間よりも長くなっている。ガセとして擬似連変動(演出)が実行される他の変動パターンについても同様である。 変動パターン「PA4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PA5」に属する変動パターン「PA5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。また、変動パターン「PA5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB3」に属する変動パターン「PB3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB3−2」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるノーマルリーチ(大当り)変動パターンである。変動カテゴリ「PB4」に属する変動パターン「PB4−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB4−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB4−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(大当り)変動パターンである。
変動カテゴリ「PB5」に属する変動パターン「PB5−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。変動パターン「PB5−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。また、変動パターン「PB5−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(大当り)変動パターンである。
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、2R確変大当り(突確)用の変動カテゴリ「PC1」、「PC2」、「PC3」を設けてもよい。変動カテゴリ「PC1」には、変動パターン「PC1−1」〜「PC1−3」が属している。変動パターン「PC1−1」は、特図変動時間が通常の長さである非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−2」は、滑り演出が実行される非リーチ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC1−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行される非リーチ(突確)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC2」には、変動パターン「PC2−1」〜「PC2−4」が属している。変動パターン「PC2−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。変動パターン「PC2−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチα(突確)変動パターンである。
変動カテゴリ「PC3」には、変動パターン「PC3−1」〜「PC3−4」が属している。変動パターン「PC3−1」は、特図変動時間が通常の長さであるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−2」は、ガセとして擬似連変動(演出)が実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−3」は、擬似連変動(演出)が1回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。変動パターン「PC3−4」は、擬似連変動(演出)が2回実行されるスーパーリーチβ(突確)変動パターンである。
図5Bは、第2の変動カテゴリ及び変動パターンとして例示する、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングではないときに選択される変動カテゴリ及び変動パターンである。ここで、リーチタイミングとは、ST状態においてリーチ演出を実行するタイミングをいう。リーチタイミングの詳細は図7を用いて後述する。
変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PB1」は、短縮・非リーチ(大当り)を内容とする変動カテゴリである。
変動パターン「PA1−1」に対応する演出態様として、例えば、飾り図柄の可変表示の図柄を確定するときに、図1で説明した飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rの飾り図柄を一度に停止させて飾り図柄の可変表示の開始から飾図柄確定までの時間を短縮するようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示中の時間を短くして飾図柄確定までの時間を短縮するようにしてもよい。
図5Bでは、図5Aで説明した、変動パターン「PA2−2」〜「PA2−3」、変動パターン「PA3−1」〜「PA3−2」、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」、変動パターン「PB3−1」〜「PB3−2」、変動パターン「PB4−2」〜「PB4−4」、及び、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」は選択されないものとする、すなわち、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングではないときにおいて、ハズレの場合には、リーチ演出、スーパーリーチ演出、及び擬似連演出が実行されないことになる。従って、リーチタイミングではないST状態においてハズレの場合にはリーチ演出等の演出時間が長い演出態様が実行されることがなく、可変表示の時間短縮となるため、興趣の向上を図ることができる。
なお、図5Bでは、大当りの時に選択される変動パターンは、スーパーリーチαを実行させるための変動パターンであるPB4−1が選択される場合を例示したが、大当りのときに選択される変動パターンはこれに限定されない。例えば、スーパーリーチβが実行される変動パターンが選択されるようにしてもよい。また、大当りのときに擬似連演出が実行される変動パターンが選択されるようにしてもよい。
図5Cは、第3の変動カテゴリ及び変動パターンとして例示する、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングがスーパーリーチであるときに選択される変動カテゴリ及び変動パターンである。
変動カテゴリ「PA4」は、スーパーリーチα(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA4」には、変動パターン「PA4−1」が属している。変動カテゴリ「PB4」は、スーパーリーチα(大当り)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB4」には、変動パターン「PB4−1」が属している。
図5Cでは、図5Aで説明した、変動パターン「PA1−1」、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」、変動パターン「PA3−1」〜「PA3−2」、変動パターン「PA4−2」〜「PA4−4」、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」、変動パターン「PB3−1」〜「PB3−2」、変動パターン「PB4−2」〜「PB4−4」、及び、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」は選択されないものとする、すなわち、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつスーパーリーチタイミングであるとき、ハズレの場合であっても大当りの場合であってもスーパーリーチαの演出が実行されることになる。
リーチ演出が実行されるリーチタイミングは、図7で後述する通り、ST回数の中で予め定めることができる。リーチタイミングには、ノーマルリーチとスーパーリーチのタイミングをそれぞれ定めることができる。従って、ST状態において実行されるスーパーリーチの上限回数が制限されて、上限回数のスーパーリーチが実行されるときには必ず大当りになるようにすることができる。例えば、スーパーリーチタイミングを3回設定するようにした場合、4回目のスーパーリーチにおいてはリーチタイミングではないため、図3Bで示したように必ず大当りとすることができる。スーパーリーチの上限回数が制限されることにより、興趣の向上を図ることができる。
なお、図5Cでは、大当りの時に選択される変動パターンは、スーパーリーチαを実行させるための変動パターンであるPA4−1又はPB4−1が選択される場合を例示したが、選択される変動パターンはこれに限定されない。例えば、スーパーリーチβが実行される変動パターンが選択されるようにしてもよい。また、大当りのときに擬似連演出が実行される変動パターンが選択されるようにしてもよい。
図5Dは、第4の変動カテゴリ及び変動パターンとして例示する、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングがノーマルリーチであるときに選択される変動カテゴリ及び変動パターンである。
変動カテゴリ「PA3」は、ノーマルリーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA3」には、変動パターン「PA3−1」が属している。変動カテゴリ「PB3」は、ノーマルリーチ(大当り)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB3」には、変動パターン「PB3−1」が属している。
図5Dでは、図5Aで説明した、変動パターン「PA1−1」、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」、変動パターン「PA3−2」、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」、変動パターン「PB3−2」、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」、及び、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」は選択されないものとする、すなわち、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつノーマルリーチタイミングであるとき、ハズレの場合であっても大当りの場合であってもノーマルリーチの演出が実行されることになる。
ノーマルリーチ演出が実行されるノーマルリーチタイミングは、スーパーリーチタイミングと同様にST回数の中で予め定めることができる。従って、ST状態においてノーマルリーチとスーパーリーチをそれぞれ実行することにより演出態様を増やすことができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、図5Dでは、大当りの時に選択される変動パターンは、ノーマルリーチを実行させるための変動パターンであるPB3−1が選択される場合を例示したが、選択される変動パターンはこれに限定されない。例えば、擬似連演出を伴う変動パターンPB3−2が選択されるようにしてもよい。
図5Eは、第5の変動カテゴリ及び変動パターンとして例示する、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数以内であるときに選択される変動カテゴリ及び変動パターンである。本実施形態では、変動回数が所定回数以内にはリーチタイミングが設定されないものとする。
変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PB1」は、短縮・非リーチ(大当り)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PB1」には、変動パターン「PB1−1」が属している。変動パターン「PB1−1」は、変動パターン「PB2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動パターン「PA1−1」及び「PB1−1」に対応する演出態様として、例えば、飾り図柄の可変表示の図柄を確定するときに、図1で説明した飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rの飾り図柄を一度に停止(リーチ状態にしないで停止)させて、飾り図柄の可変表示の開始から飾図柄確定までの時間を短縮するようにしてもよい。また、飾り図柄の可変表示中の時間を短くして飾図柄確定までの時間を短縮するようにしてもよい。本実施形態では、PA1−1及びPB1−1に対応して、飾り図柄を一度に停止させる、リーチ状態にならない演出態様を実施する場合を例示して後述する。なお、飾り図柄をリーチ状態にしないで停止させる演出態様を、大当りの場合「即当り」、ハズレの場合「即ハズレ」と呼んでもよい。
図5Eでは、図5Aで説明した、変動パターン「PA2−1」〜「PA2−3」、変動パターン「PA3−1」〜「PA3−2」、変動パターン「PA4−1」〜「PA4−4」、変動パターン「PA5−1」〜「PA5−4」、変動パターン「PB3−1」〜「PB3−2」、変動パターン「PB4−1」〜「PB4−4」、及び、変動パターン「PB5−1」〜「PB5−4」は選択されないものとする、すなわち、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数以内であるとき、ハズレの場合であっても大当りの場合であっても短縮・非リーチの演出が実行されることになる。
ST状態になってから、可変表示の変動が所定の変動回数になるまで、短縮・非リーチの演出を実行して飾図柄確定までの時間を短縮することにより、スピード感がある演出を行うことができ、興趣の向上を図ることができる。
また、可変表示の変動が所定の変動回数になるまでは特定演出を実行するシナリオの数を削減することが可能となる。可変表示の変動回数が所定回数以内においては図7を用いて説明するリーチタイミングを設定する必要が無い。従って、ST状態の全ての変動回数にリーチタイミングを設定する場合に比べて、リーチ演出に係る演出態様(シナリオ)を削減することが可能となる。
なお、図5Eでは、短縮・非リーチの演出が実行される場合を説明したが、演出態様はこれに限定されない。例えば、特図変動時間内で演出が終了するものであれば、短縮演出又は非リーチ演出のいずれかのみを実行するようにしてもよい。
図5Fは、第6の変動カテゴリ及び変動パターンとして例示する、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングではないときに選択される変動カテゴリ及び変動パターンである。図5Fに示す第6の変動カテゴリ及び変動パターンは、図5Bで説明した第2の変動カテゴリ及び変動パターンの代替である。すなわち、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングではないときには、第2の変動カテゴリ及び変動パターン、又は第6の変動カテゴリ及び変動パターンのいずれか一方が使用されることとなる。
変動カテゴリ「PA1」は、短縮・非リーチ(ハズレ)を内容とする変動カテゴリである。変動カテゴリ「PA1」には、変動パターン「PA1−1」が属している。変動パターン「PA1−1」は、変動パターン「PA2−1」よりも特図変動時間が短縮された非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動カテゴリ「PB1」は、短縮・非リーチ(大当り)を内容とする変動カテゴリである。
図5Fでは、図5Bで説明した変動パターンに対して、変動パターン「PA4−1」が追加されている。すなわち、遊技状態がST状態であって、可変表示の変動回数が所定回数より多く、かつリーチタイミングではないときにおいて、ハズレの場合において、第6の変動カテゴリ及び変動パターンは、第2の変動カテゴリ及び変動パターンでは選択されないスーパーリーチαに対応した変動パターンが選択される場合があるものとする。
なお、本実施形態では、図5Fに示す第6の変動カテゴリ及び変動パターンによってスーパーリーチα(ハズレ)に対応した変動パターンが選択された場合であっても、演出制御基板12において擬似連演出を実行して、スーパーリーチの演出を行わないようにする演出制御を後述する。リーチタイミングではないときのリーチ演出の実行を避けることにより、リーチ演出の上限を管理して報知する演出態様を実行することができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、図5Fでは、選択される変動パターンは、スーパーリーチαを実行させるための変動パターンであるPB4−1が選択される場合を例示したが、選択される変動パターンはこれに限定されない。例えば、スーパーリーチβが実行される変動パターンが選択されるようにしてもよい。また、大当りのときに擬似連演出が実行される変動パターンが選択されるようにしてもよい。
図6は、ROM101に記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。図6に示す表示結果決定テーブル130Aは、例えば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。大当りの種別には、例えば、16R確変大当り、8R確変大当り等である。また、表示結果決定テーブル130Aは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブル130Aでは、遊技機1における遊技状態に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、表示結果決定テーブル130Aでは、低確低ベース状態であるか、高確高ベース状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果決定テーブル130Aでは、遊技状態が高確高ベース状態であるときに、遊技状態が低確低ベース状態であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。具体的には、低確低ベース状態では所定個数(具体的には190個)の決定値(「8000」〜「8189」の範囲の値)が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。一方、高確高ベース状態では所定個数よりも多い個数(具体的には819個)の決定値「8000」〜「8818」が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。このような設定により、遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブルを用い、第1特図用の第1特図表示結果決定テーブルでは、「小当り」の特図表示結果に所定範囲の決定値が割り当てられるようにし、第2特図用の第2特図表示結果決定テーブルでは、第1特図表示結果決定テーブルよりも少ない所定範囲の決定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。
次に、図7を用いて、大当り種別決定テーブルの構成を説明する。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、本実施形態で例示する大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行する場合と、及び第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行する場合とで共通して利用される場合を例示している。しかし、大当り種別決定テーブルは、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの夫々について、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)を割当てて、大当り種別を決定するようにしてもよい。
また、図7で例示する大当り種別決定テーブル131は、大当り種別として16R確変大当りと8R確変大当りを分けず、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームにおいて共通で利用されるものとするが、後述するように大当り種別として16R確変大当りと8R確変大当りを区別して設定するようにしてもよい。
図7において、大当り種別決定テーブル131は、「大当り種別」、「リーチタイミング」、及び「判定値」のフィールド項目を有する。
大当り種別は、大当り1〜大当り10までの10種別があるものとする。1種別の大当りに対して、それぞれリーチタイミングが予め設定されている。大当り種別は、大当りに応じて決定され、決定された大当りの種別に応じてリーチタイミングが決定される。
リーチタイミングとは、大当り終了後のST状態において、可変表示の変動回数が図7に示す値(n回目)になったときに、特定演出が必ず実行されるタイミングである。本実施形態では特定演出としてリーチ演出を例示する。また、図7においては、特定演出が実行されるタイミングとしてリーチタイミングを例示する。リーチタイミングはリーチ演出が実行されるタイミングである。図7は、リーチタイミングとして、リーチ演出が実行されるST状態になってからの可変表示の変動回数を設定するものである。
本実施形態では、上述の通り、特定表示結果が導出表示されたときとして例示する特別図柄が大当りとなったときに、遊技者にとって有利な有利状態として例示する確変状態にDPU103によって制御されたときには、有利状態に応じたタイミングとして例示する大当り種別に応じたリーチタイミングにおいて、特定演出として例示るスーパーリーチを実行する場合を示している。すなわち、リーチタイミングが実行されるタイミングは大当りの種別によって変動するため、スーパーリーチが実行されるタイミングを固定されることがない。したがって、スーパーリーチが実行されるタイミングを固定されることによる興趣の低下を防止することが可能となる。
なお、リーチタイミングは、例えば、図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設定する。
また、本実施形態では、大当りに応じたタイミングで実行される特定演出の種類としてリーチ演出を例示したが、大当りに応じたタイミングで実行される特定演出の種類はリーチ演出に限定されるものではない、特定演出は、特別状態(例えばST状態)において可変表示が変動中に実施される演出であればよく、例えば、擬似連演出等、他の演出の種類を実行するようにしてもよい。また、リーチタイミングでは、スーパーリーチの実施タイミングを定めたが、他の特定演出のタイミングを定めるものであってもよい。例えば、リーチ演出と擬似連演出のそれぞれの実施タイミングを定めてもよい。
図7でリーチタイミングが設定されるリーチ演出には、変動カテゴリがPA3(ハズレ)又はPB3(大当り)のノーマルリーチに対応するノーマルリーチ演出と、変動カテゴリがPA4(ハズレ)、PA5(ハズレ)、PB4(大当り)又はPB5(大当り)のスーパーリーチに対応するスーパーリーチ演出とを含む。図7において図示する*印はノーマルリーチ演出が実行される変動回数であり、無印はスーパーリーチ演出が実行される変動回数を表している。リーチタイミングは、それぞれの大当り種別に対してリーチタイミング1〜3の最大3回まで設定できるものとする。
本実施形態では、第1の特定演出としてノーマルリーチ演出を例示し、第1の特定演出よりも期待度が高い第2の特定演出としてスーパーリーチ演出を例示する。図7で設定されるリーチタイミングには、ノーマルリーチを行うタイミングとスーパーリーチを行うタイミングを含み、CPU103は、リーチタイミングの設定に従い、ノーマルリーチ又はスーパーリーチを実行する。これにより、意図しない特定演出を制限することができる。
例えば、図7において、大当り種別が大当り1の場合リーチタイミングは、リーチタイミング1が設定されている。リーチタイミング1は、大当り終了後のST状態における変動回数が30回目であり、実行されるリーチ演出はスーパーリーチである。すなわち、大当り種別が大当り1の場合、本実施形態におけるST回数50回の中でリーチタイミング1にける30回目のスーパーリーチ1回のみが設定されており、リーチタイミング2〜3は設定されていない。
また、大当り種別が大当り10の場合リーチタイミングは、リーチタイミング1〜3の3回が設定されている。リーチタイミング1は、大当り終了後のST状態における変動回数が14回目のスーパーリーチである。リーチタイミング2は、大当り終了後のST状態における変動回数が20回目のスーパーリーチである。さらに、リーチタイミング3は、大当り終了後のST状態における変動回数が39回目のスーパーリーチである。
判定値は、それぞれの大当り種別に対する大当り種別決定用の乱数値MR2の判定値(判定範囲)である。本実施形態では、乱数値MR2の決定値は0〜99の間で生成されるものとする。例えば、大当り種別が大当り1は、乱数値MR2が0〜9の決定値で生成されたときに決定される。なお、乱数値MR2の生成範囲及びそれぞれの大当り種別に対する判定範囲は任意である。
上述の通り、設定されたリーチタイミングでは、ハズレの場合であっても大当りであっても設定された変動回数でリーチ演出が行われる。また、後述する始動入賞時処理において、リーチタイミングではない可変表示の変動回数においては、ハズレにおけるリーチ演出の実行を禁止するようにする。
ST状態においてリーチタイミングでないときにはスーパーリーチ演出の実行を制限することにより、スーパーリーチ演出の発生を意図して決定できる。
また、リーチタイミングはリーチタイミング1〜3の最大3回設定されるため、ST状態においてハズレのリーチ演出が4回実行されることはなく、4回目のリーチ演出では必ず大当りとなる。すなわち、リーチ演出について4回の天井回数を設けることが可能となる。リーチ演出に天井を設けた場合、ST状態においてリーチ演出が実行された回数を遊技者に認識することにより、大当りに対する期待感を持たせて興趣の向上を図ることが可能となる。
リーチタイミングで設定される変動回数はST回数の中で任意である。本実施形態では、ST回数が50回の場合を例示したのでリーチタイミングとして設定される変動回数は1回目〜50回目で設定することができる。しかし、リーチタイミングが早めの変動回数で終了してしまうように設定された場合、ST回数までの残りの変動回数ではリーチ演出が行われないこととなり、興趣が低下する場合がある。一方、リーチタイミングが遅めの変動回数から開始するように設定された場合、ST回数までの残り回数でリーチ演出の天井まで到達できないとの印象を遊技者に与えてしまい、やはり興趣が低下する場合がある。
また、2回以上のリーチタイミングを設定する場合、リーチタイミングの間隔が短いとリーチ演出を実行しない期間が長くなり興趣が低下する場合がある。
図7で示すリーチタイミングの設定は、上記視点に鑑みて、リーチタイミングを設定している。
先ず、本実施形態では、リーチタイミングの間隔が短くならないように設定している。すなわち、リーチタイミング1とリーチタイミング2の間隔、及びリーチタイミング2とリーチタイミング3の間隔は、連続させることなく、所定の間隔を空けて設定している。リーチタイミングを連続させない等、リーチタイミングの間隔を短くしないことにより、ハズレのリーチ演出が連続する等による興趣の低下を防止することができる。
また、リーチタイミング1のみが設定される大当り種別が大当り1又は大当り2においては、ST回数50回の中で、半分の25回目よりやや遅い30回目及び40回目にリーチタイミングを設定している。また、リーチタイミングが2回設定される大当り種別が大当り3〜5のリーチタイミング1で設定される1回目の変動回数(15回目〜25回目)は、リーチタイミングが1回設定される大当り種別が大当り1〜2で設定される1回目の変動回数(30回目〜40回目)に比べて早めに設定されている。同様に、リーチタイミングが3回設定される大当り種別が大当り6〜10のリーチタイミング1で設定される1回目の変動回数(11回目〜14回目)は、リーチタイミングが2回設定される大当り種別が大当り3〜5で設定される1回目の変動回数(15回目〜25回目)に比べて早めに設定されている。従って、ST回数の中で適切なリーチタイミングでリーチ演出を実行することになり、興趣の向上を図ることができる。
すなわち、大当り種別は、スーパーリーチ演出を第1回数実行する第1の大当り種別と、スーパーリーチ演出を第1回数よりも多い第2回数実行する第2の大当り種別とを含み、第2回数の中で最初に実行されるスーパーリーチ演出は、第1回数の中で最初に実行されるスーパーリーチ演出よりも早いタイミングである。したがって、スーパーリーチ演出を実行する回数が少ない大当り種別であっても、スーパーリーチ演出の実行が早期に終了することによる興趣の低下を防止することができる。
また、図7で示すリーチタイミングの設定では、リーチタイミング1は1〜10回目の変動回数では設定していない。これは、1〜10回目の変動回数では、図5Eで説明した特図変動時間が短縮された変動パターンPA1又はPB1に基づく演出を実施するためである。変動回数が1回目〜10回目では、リーチ演出が行われず特図変動時間が短縮されるため、スピード感のある可変表示を行うことができ、興趣の向上を図ることができる。
以上、説明した大当り種別決定テーブル131は、大当り種別として16R確変大当りと8R確変大当りとを区別せず、また、第1特図ゲーム及び第2特図ゲームにおいて共通で利用する場合を例示した。しかし、大当り種別決定テーブル131は、大当り種別として16R確変大当りと8R確変大当りを区別して設定するようにしてもよい。例えば、乱数値の生成範囲が0〜199の場合、0〜99を16R確変大当り、100〜199を8R確変大当りとして、それぞれ10種別の大当りにおけるリーチタイミングを設定するようにしてもよい。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで大当り種別決定テーブルを別に設定するようにしてもよい。
また、大当り種別として、大当り1〜大当り10までの10種別がある場合を説明したが、大当り種別は10種類に限定されない。例えば、大当り種別として100種別を用意しておいてもよい。
また、リーチタイミングは、それぞれの大当り種別に応じて予め定められる値である場合を説明したが、リーチタイミングを可変とすることもできる。例えば、遊技者によるプッシュボタン31B等の操作に応じてリーチタイミングが異なる設定になるようにしてもよい。
また、リーチタイミングで実行されるリーチ演出は、図5A等で説明したスーパーリーチ演出とノーマルリーチ演出の両方を含むものとして説明した。しかし、リーチ演出には、スーパーリーチ演出とノーマルリーチ演出の両方を含まない場合があってもよい。例えば、スーパーリーチ演出のみのリーチタイミングを定めるようにしてもよい。また、ノーマルリーチ演出のみにリーチタイミングを定めるようにしてもよい。
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合には、第2特図ゲームである場合には、第1特図ゲームである場合よりも少ない個数の決定値を2R確変大当り(突確)に割り当ててもよい。このような設定により、第2特図ゲームでは、第1特図よりも2R確変大当り(突確)となり難いので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2R確変大当り(突確)の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、ROM101には、変動カテゴリを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動カテゴリ決定テーブルにおいて決定され得る変動カテゴリの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。変動カテゴリ決定テーブルには、変動カテゴリの夫々に、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動カテゴリのうち少なくとも1つの変動カテゴリに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動カテゴリ決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動カテゴリ決定テーブルに代えて、全部の変動カテゴリ決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動カテゴリ決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
また、ROM101には、変動パターンを複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM101には、当該変動パターン決定テーブルにおいて決定され得る変動パターンの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。変動パターン決定テーブルには、変動パターンの夫々に、変動パターン決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が割り当てられている。つまり、ROM101には、複数種類の変動パターンのうち少なくとも1つの変動パターンに割り当てられている上記決定値(例えば、決定値の範囲や個数など)が互いに異なる複数の変動パターン決定テーブルが記憶されている。なお、複数の変動パターン決定テーブルに代えて、夫々の変動パターン決定テーブルの情報を含む1つの大きな変動パターン決定テーブルをROM101に記憶してもよい。
以上、図7を用いた、大当り種別決定テーブルの構成の説明を終了する。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、電源基板において作成されるバックアップ電源が供給されてRAM102の記憶内容の一部又は全部がバックアップされる。すなわち、遊技機1に対する電力供給が停止して電源基板から電源電圧の供給が停止した場合であっても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサや電池が放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155と、を備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、遊技制御フラグ設定部152には、遊技状態が高確状態(ST状態)であることを示す確変フラグ、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグ等のそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータなどが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。また、遊技制御カウンタ設定部154には、ST回数(確変回数)および時短回数の一方または両方を計数するための変動数カウンタの格納値である変動数カウント値、なども記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
具体的には、ROM121には、保留演出を実行するための各種のテーブルが記憶されている。例えば、ROM121には、第1保留表示の追加時保留演出を実行するためのテーブルとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される第1保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該第1保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の第1保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の第1保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、追加時の第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の第1保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の第1保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留表示態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第1保留表示の追加時保留演出を実行するためのテーブルとして、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される第2保留表示態様決定テーブルが記憶されていてもよい。
また、ROM121には、第1保留表示の保留変化演出の実行に関するテーブルとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに既に表示されている第1保留表示の表示態様を他の表示態様に変化させるか否かを決定するために参照される第1保留変化有無決定テーブルや、他の表示態様に変化させると決定した場合に更に複数種類のうちのいずれの表示態様に変化させるかを決定するために参照される第1保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、他の表示態様への変化あり、他の表示態様への変化なしの決定割合が互いに異なる複数の第1保留変化有無決定テーブルや、当該第1保留変化態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の第1保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の第1保留変化有無決定テーブルには、変化あり、変化なしの夫々に、変化有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。夫々の第1保留変化態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様の夫々に、変化後の第1保留表示の表示態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。なお、複数の第1保留変化有無決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化有無決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化有無決定テーブルをROM121に記憶してもよい。また、複数の第1保留変化態様決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第2保留表示の保留変化演出の実行に関するテーブルとして、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに既に表示されている第2保留表示の表示態様を他の表示態様に変化させるか否かを決定するために参照される第2保留変化有無決定テーブルや、他の表示態様に変化させると決定した場合に更に複数種類のうちのいずれの表示態様に変化させるかを決定するために参照される第2保留変化態様決定テーブルが記憶されていてもよい。
なお、ROM121には、第1保留表示の保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、当該第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。夫々の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングの夫々に、第1保留変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。また、複数の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルをROM121に記憶してもよい。同様に、ROM121には、第2保留表示の保留変化演出の実行タイミング(何個後の変動において実行するかなどのタイミング)を決定するために参照される第2保留変化演出実行タイミング決定テーブルが記憶されていてもよい。
なお、第1保留表示態様決定テーブル、第1保留変化有無決定テーブル、第1保留変化態様決定テーブル、第1保留変化演出実行タイミング決定テーブルのうちの2以上のテーブルの情報を含む、テーブルをROM121に記憶してもよい。
また、ROM121には、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様を他の表示態様に変化させると決定した場合にキャラクタ等を第1保留表示(または第2保留表示)に直接的に又は間接的に作用させる保留作用演出に関するテーブルとして、保留作用演出を実行するか否かを決定するために参照される作用演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数の作用演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の作用演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしの夫々に、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、保留作用演出の演出態様が複数あるときには、保留作用演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちのいずれの演出態様とするかを決定するために参照される保留作用演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該保留作用演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得る保留作用演出の演出態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留作用演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の保留作用演出演出態様決定テーブルには、演出態様の夫々に、保留作用演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
また、ROM121には、第1保留表示(または第2保留表示)の表示態様を他の表示態様に変化させないと決定した場合にキャラクタ等を第1保留表示(または第2保留表示)に直接的に又は間接的に作用させる保留作用ガセ演出に関するテーブルとして、保留作用ガセ演出を実行するか否かを決定するために参照される作用ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数の作用ガセ演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の作用ガセ演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしの夫々に、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、保留作用ガセ演出の演出態様が複数あるときには、保留作用ガセ演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちのいずれの演出態様とするかを決定するために参照される保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得る保留作用ガセ演出の演出態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数の保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々の保留作用ガセ演出演出態様決定テーブルには、演出態様の夫々に、保留作用ガセ演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
なお、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出(後述)を実行する場合には、ROM121には、アクティブ表示変化演出に関するテーブルとして、アクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。具体的には、ROM121には、実行あり、実行なしの決定割合が互いに異なる複数のアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々のアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルには、実行あり、実行なしの夫々に、実行有無決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。また、アクティブ表示変化演出の演出態様が複数あるときには、アクティブ表示変化演出を実行すると決定した場合に更に複数の演出態様のうちのいずれの演出態様とするかを決定するために参照されるアクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルをROM121に記憶してもよい。具体的には、当該アクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルにおいて決定され得るアクティブ表示変化演出の演出態様の種類や夫々の決定割合などが互いに異なる複数のアクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルが記憶されていてもよい。夫々のアクティブ表示変化演出演出態様決定テーブルには、演出態様の夫々に、アクティブ表示変化演出の演出態様決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割り当てられていてもよい。
アクティブ表示変化演出とは、特別画像を予告態様に変化させる演出である。つまり、アクティブ表示や、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠や、アクティブ表示に応じた情報(例えば、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像など)などを予告態様に変化させる演出である。なお、アクティブ表示変化演出と少なくとも一部が共通する演出態様であるアクティブ表示変化ガセ演出を実行する場合があってもよい。なお、ステップアップ予告演出などの主予告演出として、アクティブ表示変化演出やアクティブ表示変化ガセ演出を実行してもよい。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、飾り図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
各種演出制御パターンは、遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作(例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示の表示態様に対する保留演出や、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留表示の表示態様に対する保留演出など)といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される、操作が有効な期間である操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。具体的な一例として、演出制御フラグ設定部191には、確変フラグや時短フラグなどのそれぞれについて、確変フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータなどが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。また、演出制御カウンタ設定部193には、時短回数および確変回数の一方または両方を計数するための演出数カウンタの格納値である演出数カウント値を示すデータなども記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図10(B)に示すような第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞時に受信した順番でコマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。第1始動入賞時には、第1始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図10(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」にシフトされる。
また、本実施形態では、図10(C)に示すような第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bには、これらのコマンドのうち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、第2始動入賞時に受信した順番でコマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bの空き領域における先頭から格納していく。第2始動入賞時には、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図10(C)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(C)では、バッファ番号「1」〜「2」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(C)に示す第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドは、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。
例えば、図10(C)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされる。
また、本実施形態では、図10(D)に示すような第1先読予告バッファ194Cを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第1先読予告バッファ194Cには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第1先読予告バッファ194Cには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(B)の第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第1先読予告バッファ194Cにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
また、本実施形態では、図10(E)に示すような第2先読予告バッファ194Dを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。第2先読予告バッファ194Dには、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bを構成する各データに対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。即ち、第2先読予告バッファ194Dには、演出制御用CPU120などによって決定された夫々の保留情報に関する先読予告演出に関する決定内容などが、バッファ番号「1」〜「4」に対応付けて記憶される。飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も削除される。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、図10(C)の第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおいて、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、第2先読予告バッファ194Dにおいて、当該バッファ番号に対応付けられている内容も当該他のバッファ番号にシフトされる。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
先ず、図11を用いて、遊技機1に対して電力供給が開始されたときの遊技制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
図11において、遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS001以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS001)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS002)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS003)。そして、RAM102をアクセス可能状態に設定する(ステップS005)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU103は、I/O105の入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号(クリア信号)がオン状態であるか否かを判断する(ステップS006)。クリアスイッチは、例えば、電源基板に搭載されている。CPU103は、クリアスイッチがオン状態であると判断した場合(ステップS007;YES)、通常の初期化処理(ステップS010〜ステップS014)を実行する。
一方、CPU103は、クリアスイッチがオン状態でないと判断した場合には(ステップS007;NO)、電力供給停止時処理が行われたか否かを判断する(ステップS008)。電力供給停止時処理とは、遊技機1への電力供給が停止したときに、遊技機1の遊技状態、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部状態等を復旧させるために、遊技機1の状態等のデータを一時的にバックアップするデータ保護処理である。データのバックアップは、例えばバックアップ電源から電力が供給されるRAM102の記憶領域(バックアップRAM領域)に保護するデータを記憶することにより行われる。データのバックアップは、遊技機1への電力供給が停止したことを検出したときにバックアップRAM領域にデータを退避させることにより行ってもよい。電力供給停止時処理が行われたか否かは、例えばバックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かによって判断できる。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えばデータをバックアップするときに立てるバックアップフラグの有無によって判断できる。また、バックアップRAM領域にパリティデータの付加がされているか否かによって判断できる。
電力供給停止時処理が行われていないと判断したときには(ステップS008;NO)、CPU103は、ステップS010から始まる初期化処理を実行する。
一方、電力供給停止時処理が行われたと判断した場合(ステップS008;YES)、CPU103は、バックアップRAM領域に記憶されているバックアップデータに対してパリティチェックを行い、チェック結果がOKであるか否かを判断する(ステップS009)。ステップS009の処理では、電力供給停止時におけるRAM102に記憶されているデータから算出したチェックサムと、電力供給停止時処理でバックアップしたデータから算出されて保存されているチェックサムとを比較して、両者の一致によりチェック結果を判断する。電力供給停止時処理が正しく行われた場合には、バックアップRAM領域に保存されているチェックサムは、電力供給開始後にバックアップRAM領域に保存されているデータから算出されたチェックサムと一致する。一方、電力供給停止時処理が正しく行われていない場合には、両チェックサムは一致しない。パリティチェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、遊技機1の遊技状態等を電力供給停止時の状態に戻すことができない。パリティチェック結果がOKでない場合(ステップS009;NO)、CPU103は、電力供給停止処理による復旧でない、電源投入時に実行される通常の初期化処理を実行する(ステップS010〜ステップS014)。
一方、パリティチェック結果がOKの場合(ステップS009;YES)、CPU103は、遊技機1の遊技状態等を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S44の処理)を行う。
ステップS41において、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によってバックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化しない部分は、記憶されていたデータがそのまま残る。初期化しない部分とは、例えば、電力供給停止時の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
ステップS42の処理を実行後、CPU103は、ROM101に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS43)、バックアップ時コマンド送信テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定し、バックアップ時コマンド送信テーブルに記憶されたコマンドを送信可能にする。
ステップS43の処理の実行後、CPU103は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンド(9200H)を送信する(ステップS44)。CPU103は、バックアップRAM領域にバックアップされているデータを停電復旧指定コマンドと共にコマンド送信するようにしてもよい。停電復旧指定コマンドと共に送信するコマンドとしては、例えば、図3で説明した可変表示結果コマンド(8CXXH)、図柄確定コマンド(8F00)、遊技状態指定コマンド(95XX)、当り開始指定コマンド(A0XX)、大入賞口開放中通知(A1XX)、大入賞口開放後通知(A2XX)、時短回数指定コマンド(B3XX)、確変回数指定コマンド(B4XX)等である。停電復旧指定コマンドと共にこれらのコマンドを送信することにより、電力供給停止時の遊技機の状態を復旧することが可能となる。
ステップS44の処理を実行後、CPU103は、ステップS015の処理を実行する。
ステップS008の処理において、電力供給停止時処理が行われていないと判断したとき(ステップS008;NO)、又はステップS009の処理でパリティチェックのチェック結果がOKではないと判断したとき(ステップS009;NO)、CPU103は、ステップS010から始まる初期化処理を実行する。
初期化処理では、CPU103は、先ず、RAMクリア処理を行う(ステップS010)。RAMクリア処理によって、RAM102に記憶されたデータは初期化される。初期化されるデータとしては、例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータである。データの初期化は、データの値を0にするが、例えば予め定められた初期値をデータとして設定するようにしてもよい。また、初期化はRAM102の全記憶領域に対して行われる。しかし、RAM102の所定の記憶領域のみを初期化するようにしてもよい。初期化しない領域としては、例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータが記憶された領域としてもよい。
ステップS010の処理を実行した後、CPU103は、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域の初期値に設定する(ステップS012)。
ステップS011およびS012の処理によって、例えば、遊技制御フラグ設定部152に設定される、遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグに対して初期値が設定される。また、遊技制御タイマ設定部153に設定される、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマに対して初期値が設定される。また、遊技制御カウンタ設定部154に対して設定される、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタに対して初期値が設定される。さらに、遊技制御バッファ設定部155に設定される、遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファに対して初期値が設定される。
ステップS012の処理を実行後、CPU103は、初期化時コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして(ステップS013)、初期化時コマンド送信テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定し、初期化時コマンド送信テーブルに記憶されたコマンドを送信可能にする。
ステップS013の処理を実行後、CPU103は、演出制御基板12等のサブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ100が初期化処理を実行したことを示すコマンド)をサブ基板に送信する(ステップS014)。例えば、演出制御用CPU120は、初期化指定コマンドを受信すると、画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための初期画面表示、すなわち初期化報知を行う。
ステップS014の処理を実行後、又はステップS44の処理を実行後、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS015)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に所定の乱数値の範囲においてランダムな値を更新させるための設定を行う。
さらに、ステップS015において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用タイマのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるものとする。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100にはCTC(カウンタ/タイマ回路)が内蔵されている。遊技制御用タイマは遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCを用いることができる。
初期化処理の実行(ステップS010〜S016)が完了すると、CPU103は、メイン処理において、初期値用乱数更新処理(ステップS018)及び表示用乱数更新処理(ステップS019)を繰り返し実行する。初期値用乱数更新処理及び表示用乱数更新処理を実行するときには割込禁止処理を実行し(ステップS017)、遊技用制御用タイマによる割込み処理を禁止する状態に設定する。また、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可の処理を実行し(ステップS020)、割込み禁止状態を解除する。
本実施形態において、ステップS019で更新処理が実行される表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数である。表示用乱数更新処理では、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する。
また、ステップS018で更新処理が実行される初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。初期値用乱数更新処理では、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する。
以上で、図11を用いたメイン処理の説明を終了する。
次に、図12を用いて、遊技制御用タイマ割込み処理を説明する。図12は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
CPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えば遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値を遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にすることができる。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
以上で、図12を用いた遊技制御用タイマ割込み処理の説明を終了する。
図13は、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。ステップS15の特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。先ず、図14〜図19Fを用いて、ステップS101の始動入賞判定処理を説明する。
図14は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図15は、図14に示す始動入賞判定処理(ステップS101)のステップS208、ステップS211にて実行される始動入賞時処理の一例を示すフローチャートである。図16(A)は、図15に示す始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す始動入賞判定処理(ステップS101)において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば(ステップS201;YES)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフ状態であるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;YES)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば(ステップS203;YES)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;NO)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図14)を実行し(ステップS208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS209)、ステップS203の処理に進む。ステップS210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図15)を実行し(ステップS211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
CPU103は、図15に示した始動入賞時処理(ステップS208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部151における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
次に、図16を用いて、ステップS220の入賞時乱数値判定処理を説明する。
CPU103は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグの状態を確認することなどにより、確変フラグがオン状態であるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であるときには時短状態であることを特定する。すなわち、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグと時短フラグとのそれぞれのフラグがオン状態であるかオフ状態であるかによって、例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオン状態である場合には、遊技状態が高確高ベース状態であると特定し、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態である場合には、遊技状態が高確低ベース状態であると特定し、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態である場合には、低確高ベース状態であると特定し、確変フラグと時短フラグとがともにオフ状態であるときには低確低ベース状態(通常状態)であると特定する。つまり、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグと時短フラグとのそれぞれの状態によって、現在の遊技状態がいずれの状態であるかを特定する。
ステップS401の処理に続いて、表示結果決定テーブル130Aを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応するテーブルデータをセットする(ステップS402)。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、始動口バッファ値が「1」である場合には、第1特図表示結果決定テーブルを使用し、始動口バッファ値が「2」である場合には、第2特図表示結果決定テーブルを使用すればよい。その後、図15に示した始動入賞時処理のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理によりセットされた特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)することができる。
ステップS403にて大当り判定範囲内(大当り)であると判定した場合には(ステップS403;YES)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、図7に示す大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。なお、本実施形態においては、大当りと判定された場合には、必ず高確状態(ST状態)になるものとする。
図7に示すとおり、決定された大当りの種別には、それぞれリーチタイミングが定められている。選択された大当りの種別に基づくリーチタイミングは、図24を用いて後述する大当り終了処理(ステップS117)におけるステップS320のリーチタイミングを設定する処理において、遊技制御カウンタ設定部154に設定される。したがって、ステップS409の処理においては、CPU103は、決定された大当りの種別を、大当り終了処理(ステップS117)において読出し可能にして、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値に記憶する。
CPU103は、ステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定した場合(ステップS403;NO)、又はステップS410の処理を実行した場合、CPU103は、変動カテゴリ判定を実行する(ステップS412)。即ち、変動カテゴリを図5A〜Fに示す複数種類の何れかに決定する。ステップS412の変動カテゴリ判定は、図17を用いて後述する。
ステップS412の処理を実行後、CPU103は、ステップS412の処理による変動カテゴリの判定結果(変動カテゴリの決定結果)に応じて、図16(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行い(ステップS413)、ステップS220の入賞時乱数値判定処理を終了する。
以上で、図16を用いたステップS220の入賞時乱数値判定処理の説明を終了する。
図17は、図16のステップS412における変動カテゴリ判定の一例を示すフローチャートである。変動カテゴリ判定は、変動カテゴリ決定テーブルを選択するために用いられる判定テーブルを選択し、選択した判定テーブルを用いて変動カテゴリ決定テーブルを選択して、さらに変動カテゴリを決定する処理を実行する。
図17において、CPU103は、遊技機1の遊技状態がST状態であるか否かを判断する(ステップS4121)。遊技状態がST状態であるか否かは、図8で説明した遊技制御フラグ設定部152に設定される遊技状態がST状態であることを示す確変フラグの状態(オン状態又はオフ状態)によって判断することができる。
ステップS4121の処理において、遊技状態がST状態ではないと判断した場合(ステップS4121;NO)、CPU103は、判定テーブルaを選択して(ステップS4129)、変動カテゴリを決定する(ステップS4130)。判定テーブルaは、ST状態で無い場合に選択される判定テーブルであり、図5Aで説明した変動パターンを決定するための変動カテゴリ決定テーブルを選択するものである。なお、判定テーブルa〜fの詳細は、図18を用いて後述する。
一方、遊技状態がST状態であると判断した場合(ステップS4121;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値が10以内であるか否かを判断する(ステップS4122)。変動数カウンタの値が10以内であるかは、図8で説明した遊技制御カウンタ設定部154に設けられる変動数カウンタの値によって判断することができる。変動数カウンタは、大当り終了後から可変表示の回数をカウントする。変動数カウンタは、カウント数がST回数(例えば、50回)に到達してST状態でなくなるか、又は大当りになるまで変動表示の回数をカウントする。
ステップS4122の処理において、変動数カウンタの値が10以内であると判断した場合(ステップS4122;YES)、CPU103は、判定テーブルeを選択して(ステップS4128)、変動カテゴリを決定する(ステップS4130)。判定テーブルeは、ST状態における変動数が10回以内に選択される判定テーブルであり、図5Eで説明した変動パターンを決定するための変動カテゴリ決定テーブルを選択するものである。
一方、変動数カウンタの値が10以内であると判断した場合(ステップS4122;YES)、CPU103は、リーチタイミングであるか否かを判断する(ステップS4123)。リーチタイミングであるか否かは、遊技制御カウンタ設定部154に設けられる変動数カウンタの値と、図7で説明した大当り種別決定テーブル131で決定された大当り種別に応じて定められるST状態における可変表示の回数とによって判断することができる。例えば、図7に示す大当り10では、リーチタイミングは、14回目、20回目、及び39回目である。ステップS4123の処理において、CPU103は、変動カウンタの値が14、20、又は39であるときにリーチタイミングであると判断する。
ステップS4123の処理において、リーチタイミングではないと判断した場合(ステップS4123;NO)、CPU103は、判定テーブルbを選択して(ステップS4127)、変動カテゴリを決定する(ステップS4130)。判定テーブルbは、ST状態において、設定されたリーチタイミングではないタイミング(リーチが制限されるタイミング)で選択される判定テーブルであり、図5Bで説明した変動パターンを決定するための変動カテゴリ決定テーブルを選択するものである。
一方、リーチタイミングであると判断した場合(ステップS4123;YES)、CPU103は、リーチタイミングはスーパーリーチであるか否かを判断する(ステップS4124)。スーパーリーチタイミングであるか否かは、遊技制御カウンタ設定部154に設けられる変動数カウンタの値と、大当り種別決定テーブル131で決定された大当り種別に応じて定められるST状態における可変表示の回数とによって判断することができる。例えば、図7に示す大当り10では、ノーマルリーチタイミングは14回目であり、スーパーリーチタイミングは20回目及び39回目である。ステップS4124の処理において、CPU103は、変動カウンタの値が14であるときはスーパーリーチタイミングでないと判断し、変動カウンタの値が20、又は39であるときにスーパーリーチタイミングであると判断する。
ステップS4124の処理において、スーパーリーチタイミングではないと判断した場合(ステップS4124;NO)、CPU103は、判定テーブルdを選択して(ステップS4126)、変動カテゴリを決定する(ステップS4130)。判定テーブルdは、ST状態において、設定されたスーパーリーチタイミングではないノーマルリーチが決定されるタイミングで選択される判定テーブルであり、図5Dで説明した変動パターンを決定するための変動カテゴリ決定テーブルを選択するものである。
一方、スーパーリーチタイミングであると判断した場合(ステップS4124;YES)、CPU103は、判定テーブルcを選択して(ステップS4125)、変動カテゴリを決定する(ステップS4130)。判定テーブルcは、ST状態において、設定されたスーパーリーチタイミングでスーパーリーチが決定されるタイミングで選択される判定テーブルであり、図5Cで説明した変動パターンを決定するための変動カテゴリ決定テーブルを選択するものである。
以上で、図17を用いた、変動カテゴリ判定の説明を終了する。
次に、図18を用いて、図17におけるステップS4125〜ステップS4129の処理で選択される、ステップS4130の処理において変動カテゴリの決定に用いられる、判定テーブルa〜fの詳細を、説明する。図18は、変動カテゴリ決定テーブルの選択例を示す図である。図18(A)は、図17のステップS4129の処理において選択される判定テーブルaである。また、図18(B)は、図17のステップS4127の処理において選択される判定テーブルbである。また、図18(C)は、図17のステップS4125の処理において選択される判定テーブルcである。また、図18(D)は、図17のステップS4126の処理において選択される判定テーブルdである。また、図18(E)は、図17のステップS4128の処理において選択される判定テーブルeである。さらに、図18(F)は、図17のステップS4127の処理において、図18(B)の判定テーブルbの代わりに選択される、代替判定テーブルである。
なお、判定テーブルa〜fはROM101に記憶しておくことができる。
図18(A)〜(F)において、判定テーブルa〜fは、それぞれ複数の変動カテゴリ決定テーブルを含む。変動カテゴリ決定テーブルは、図16のステップS403において判定される特図表示結果(「ハズレ」、又は「大当り」)と、保留記憶数(1、2若しくは3、又は4)とによって選択される。すなわち、CPU103は、特図表示結果と保留記憶数によって1つの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。保留記憶数は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値に基づく。
図18(A)において、判定テーブルaは、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11、C−TBL21、C−TBL31、及びC−TBL41の4種類の変動カテゴリ決定テーブルを含む。また、図18(B)において、判定テーブルbは、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12、C−TBL22、C−TBL32、及びC−TBL42の4種類の変動カテゴリ決定テーブルを含む。また、図18(C)において、判定テーブルcは、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13、C−TBL23、C−TBL33、及びC−TBL43の4種類の変動カテゴリ決定テーブルを含む。また、図18(D)において、判定テーブルdは、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14、C−TBL24、C−TBL34、及びC−TBL44の4種類の変動カテゴリ決定テーブルを含む。また、図18(E)において、判定テーブルeは、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15、C−TBL25、C−TBL35、及びC−TBL45の4種類の変動カテゴリ決定テーブルを含む。また、図18(F)において、判定テーブルfは、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16、C−TBL26、C−TBL36、及びC−TBL46の4種類の変動カテゴリ決定テーブルを含む。
判定テーブルfは、判定テーブルbの代替手段である。本実施形態では、図17で説明した通り、ステップS4123の処理において、リーチタイミングでない場合には判定テーブルbが選択される。判定テーブルbは、図19Bを用いて後述する通り、スーパーリーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA4又はPA5が決定されない判定テーブルである。しかし、変動カテゴリPA4又はPA5が決定された場合であっても演出制御用CPU120によってスーパーリーチの演出を制限できる場合を示すために、変動カテゴリPA4が決定され得る判定テーブルfを例示する。演出制御用CPU120の処理の詳細は後述する。
図17で説明した判定テーブルの選択、特図表示結果、及び保留記憶数に基づき、CPU103は、図18に示すいずれかの変動カテゴリ決定テーブルを選択する。例えば、図17のステップS4129の処理において、判定テーブルaが選択された場合を説明する。図18(A)において、特図表示結果がハズレで、保留数が1である場合、CPU103は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11を選択する。同様に、図18(A)において、特図表示結果が大当りの場合、CPU103は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL41を選択する。
なお、本実施形態では図18(A)〜(F)において、特図表示結果が大当りの場合、保留記憶数に拘わらず変動カテゴリ決定テーブルが選択される場合を例示した。しかし、特図表示結果が大当りの場合に、保留記憶数に応じて異なる変動カテゴリ決定テーブルが選択されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、保留記憶数の最大値を4として、保留記憶数を3つの分類に分けて変動カテゴリ決定テーブルを選択する場合を例示した。しかし、保留記憶数の最大値は4に限定されない。例えば、保留記憶数の最大値を8とすることもできる。また、保留記憶数の分類も3つには限定されない。例えば、保留記憶数を2つ又は4以上の分類に分けてもよい。
また、本実施形態では、変動カテゴリ決定テーブルを特図表示結果及び保留記憶数に基づき選択する場合を例示したが、特図表示結果及び保留記憶数以外の条件で変動カテゴリ決定テーブルを選択するようにしてもよい。例えば、大当りの種類等、他の遊技状態に応じて変動カテゴリ決定テーブルを選択するようにしてもよい。
以上で、図18を用いた、判定テーブルの説明を終了する。
次に、図19A〜図19F(以下、「図19」と省略する。)を用いて、図17及び図18で説明した処理において選択された変動カテゴリ決定テーブルの詳細を説明する。CPU103は、選択された変動カテゴリ決定テーブルと乱数値MR3に基づき、図17のステップS4130の処理において変動カテゴリを決定する。
先ず、図19Aを用いて、第1の変動カテゴリ決定テーブルの構成例を説明する。
図19A(A)〜(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11〜決定テーブルC−TBL41は、図18(A)で示した判定テーブルaによって選択される変動カテゴリ決定テーブルである。図19A(A)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11を示し、図19A(B)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL21を示し、図19A(C)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL31を示し、また、図19A(D)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL41を示す。
変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11〜変動カテゴリ決定テーブルC−TBL41は、それぞれ、変動カテゴリとその内容、及び変動カテゴリ決定用の乱数値MR3と比較される数値の範囲(判定値)の割り当てを含み、乱数値MR3によって決定される変動カテゴリを示している。本実施形態では、図5Aに示す通り、特図表示結果がハズレの場合には、変動カテゴリはPA1〜PA5の5種類の中から決定される。また、特図表示結果が大当りの場合には、変動カテゴリはPB3〜PB5の3種類の中から決定される。
図19A(A)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11は、図18(A)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が1の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11の設定例では、乱数値MR3の決定値0〜99の範囲のうち、変動カテゴリPA1には判定値の割り当て無し、変動カテゴリPA2には0〜69の判定値が割り当てられ、変動カテゴリPA3には70〜96の判定値が割り当てられ、変動カテゴリPA4には97〜98の判定値が割り当てられ、さらに、変動カテゴリPA5には99の判定値が割り当てられている。すなわち、図19A(A)の変動カテゴリ決定テーブルC−TBL11の設定例では、変動カテゴリPA1が0%、変動カテゴリPA2が70%、変動カテゴリPA3が27%、変動カテゴリPA4が2%、変動カテゴリPA5が1%の割合で決定される。
図19A(B)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL21は、図18(A)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が2又は3の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL21の設定例では、変動カテゴリPA1には0〜3、変動カテゴリPA2には4〜88、変動カテゴリPA3には89〜96、変動カテゴリPA4には97〜98、さらに、変動カテゴリPA5には99の判定値が割り当てられている。
図19A(C)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL31は、図18(A)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が4の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL31の設定例では、変動カテゴリPA1には0〜63、変動カテゴリPA2には64〜88、変動カテゴリPA3には89〜96、変動カテゴリPA4には97〜98、さらに、変動カテゴリPA5には99の判定値が割り当てられている。
図19A(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL41は、図18(A)に示す通り、保留記憶数に拘わらず、特図表示結果が大当りの場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL41の設定例では、変動カテゴリPB3には0〜19、変動カテゴリPB4には20〜59、さらに、変動カテゴリPB5には60〜99の判定値が割り当てられている。
以上で、図19Aを用いた第1の変動カテゴリ決定テーブルの構成例の説明を終了する。
次に、図19Bを用いて、第2の変動カテゴリ決定テーブルの構成例を説明する。なお、以下の説明において、図19Aにおいて説明した事項の説明は省略する。
図19B(A)〜(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12〜決定テーブルC−TBL42は、図18(B)で示した判定テーブルbによって選択される変動カテゴリ決定テーブルである。図19B(A)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12を示し、図19B(B)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL22を示し、図19B(C)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL32を示し、また、図19B(D)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL42を示す。
図19B(A)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12は、図18(B)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が1の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12の設定例では、変動カテゴリPA2に0〜99の乱数値MR3の判定値が割り当てられている。一方、PA1、及びPA3〜PA5には判定値が割り当てられていない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12が選択された場合には、常に非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA2が決定される。
なお、判定テーブルbは、図17で説明した通り、ST状態においてリーチタイミングでは無いときに選択されるため、判定テーブルbから選択される変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12〜決定テーブルC−TBL42においては、ノーマルリーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA3、及びスーパーリーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA4及びPA5は選択されないように判定値が割り振られている。従って、ST状態においてリーチタイミングでは無いときには特図表示結果がハズレにおいて特図変動時間を短くすることができ、特図ゲームのスピード感を向上させることにより興趣の向上を図ることができる。
図19B(B)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL22は、図18(B)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が2又は3の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL22の設定例では、変動カテゴリPA1には0〜19、変動カテゴリPA2には20〜99の判定値が割り当てられている。一方、変動カテゴリPA3、変動カテゴリPA4、及び変動カテゴリPA5には判定値が割り当てられていない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL22が選択された場合には、短縮・非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA1又は非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA2が決定される。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL22は保留記憶数が2又は3であり、保留記憶数が1である変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12の場合に比べて短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やしている。短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やすことにより、特図変動時間を短縮することができる。
図19B(C)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL32は、図18(B)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が4の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL32の設定例では、変動カテゴリPA1には0〜89、変動カテゴリPA2には90〜99の判定値が割り当てられている。一方、変動カテゴリPA3、変動カテゴリPA4、及び変動カテゴリPA5には判定値が割り当てられていない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL32が選択された場合には、短縮・非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA1又は非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA2が決定される。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL32は保留記憶数が4であり、保留記憶数が1である変動カテゴリ決定テーブルC−TBL12、保留記憶数が2又は3である変動カテゴリ決定テーブルC−TBL22の場合に比べて短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やしている。短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やすことにより、特図変動時間を短縮することができる。
図19B(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL42は、図18(B)に示す通り、保留記憶数に拘わらず、特図表示結果が大当りの場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL42の設定例では、変動カテゴリPB4には0〜99の判定値が割り当てられ、変動カテゴリPB3及び変動カテゴリPB5には判定値は割り当てられない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL42が選択されて特図表示結果が大当りのときにはスーパーリーチαの変動カテゴリが選択されることになる。
図19Bにおいて説明した変動カテゴリ決定テーブルによって、ST状態においてリーチタイミングでない場合には、特図表示結果がハズレの場合は非リーチが決定されるとともに、大当りの場合にはスーパーリーチαの演出が実行されることになる。従って、特図表示結果がハズレの場合には特図変動時間を短縮して特図ゲームのスピード感を高めるとともに、特図表示結果が大当りの場合にはスーパーリーチを決定して興趣の向上を図ることができる。
以上で、図19Bを用いた第2の変動カテゴリ決定テーブルの構成例の説明を終了する。
次に、図19Cを用いて、第3の変動カテゴリ決定テーブルの構成例を説明する。
図19C(A)〜(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13〜決定テーブルC−TBL43は、図18(C)で示した判定テーブルcによって選択される変動カテゴリ決定テーブルである。図19C(A)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13を示し、図19C(B)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL23を示し、図19C(C)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL33を示し、また、図19C(D)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL43を示す。
図19C(A)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13は、図18(C)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が1の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13の設定例では、変動カテゴリPA4に0〜99の乱数値MR3の判定値が割り当てられている。一方、PA1、PA2、PA3、及びPA5には判定値が割り当てられていない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13が選択された場合には、常にスーパーリーチα(ハズレ)の変動カテゴリPA4が決定される。
なお、判定テーブルcは、図17で説明した通り、ST状態においてスーパーリーチのリーチタイミングのときに選択されるため、判定テーブルcから選択される変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13〜決定テーブルC−TBL33においては、特図表示結果がハズレの場合であっても常にスーパーリーチα(ハズレ)の変動カテゴリPA4が決定される。スーパーリーチα(ハズレ)のリーチタイミングを予め定められたリーチタイミングにおいて実行することにより、ST状態におけるスーパーリーチαに対応したリーチ演出に実行の上限回数を設けることが可能となり、スーパーリーチαの実行回数によって大当りの期待度を高めることにより興趣の向上を図ることができる。
なお、図19C(B)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL23、図19C(C)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL33は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13と同一である。すなわち、判定テーブルcが選択されたときには、特図表示結果がハズレであるときには常に変動カテゴリPA4が決定されてスーパーリーチαに対応した演出が実行される。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL23及び変動カテゴリ決定テーブルC−TBL33は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL13と同一であるので、説明は省略する。
図19C(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL43は、図18(C)に示す通り、保留記憶数に拘わらず、特図表示結果が大当りの場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL43の設定例では、変動カテゴリPB4には0〜99の判定値が割り当てられ、変動カテゴリPB3及び変動カテゴリPB5には判定値は割り当てられない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL43が選択されて特図表示結果が大当りのときにはスーパーリーチαの変動カテゴリが選択されることになる。
以上で、図19Cを用いた第3の変動カテゴリ決定テーブルの構成例の説明を終了する。
次に、図19Dを用いて、第4の変動カテゴリ決定テーブルの構成例を説明する。
図19D(A)〜(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14〜決定テーブルC−TBL44は、図18(D)で示した判定テーブルdによって選択される変動カテゴリ決定テーブルである。図19D(A)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14を示し、図19D(B)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL24を示し、図19D(C)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL34を示し、また、図19D(D)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL44を示す。
図19D(A)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14は、図18(D)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が1の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14の設定例では、変動カテゴリPA3に0〜99の乱数値MR3の判定値が割り当てられている。一方、PA1、PA2、PA4、及びPA5には判定値が割り当てられていない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14が選択された場合には、常にノーマルリーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA3が決定される。
なお、判定テーブルdは、図17で説明した通り、ST状態においてノーマルリーチのリーチタイミングのときに選択されるため、判定テーブルdから選択される変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14〜決定テーブルC−TBL34においては、特図表示結果がハズレの場合であっても常にノーマルリーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA3が決定される。ノーマルリーチ(ハズレ)のリーチタイミングを予め定められたリーチタイミングにおいて実行することにより、ST状態におけるスーパーリーチαの演出と合せてリーチ演出の実行の上限回数を設けることが可能となり、リーチ演出の実行回数によって大当りの期待度を高めることにより興趣の向上を図ることができる。
なお、図19D(B)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL24、図19D(C)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL34は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14と同一である。すなわち、判定テーブルdが選択されたときには、特図表示結果がハズレであるときには常に変動カテゴリPA3が決定されて、ノーマルリーチに対応した演出が実行される。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL24及び変動カテゴリ決定テーブルC−TBL34は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL14と同一であるので、説明は省略する。
図19D(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL44は、図18(D)に示す通り、保留記憶数に拘わらず、特図表示結果が大当りの場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL44の設定例では、変動カテゴリPB3には0〜99の判定値が割り当てられ、変動カテゴリPB4及び変動カテゴリPB5には判定値は割り当てられない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL44が選択されて特図表示結果が大当りのときにはノーマルリーチの変動カテゴリが選択されることになる。
以上で、図19Dを用いた第4の変動カテゴリ決定テーブルの構成例の説明を終了する。
次に、図19Eを用いて、第5の変動カテゴリ決定テーブルの構成例を説明する。
図19E(A)〜(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15〜決定テーブルC−TBL45は、図18(E)で示した判定テーブルeによって選択される変動カテゴリ決定テーブルである。図19E(A)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15を示し、図19E(B)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL25を示し、図19E(C)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL35を示し、また、図19E(D)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL45を示す。
図19E(A)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15は、図18(E)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が1の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15の設定例では、変動カテゴリPA1に0〜99の乱数値MR3の判定値が割り当てられている。一方、PA2、PA3、PA4、及びPA5には判定値が割り当てられていない。すなわち、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15が選択された場合には、常に短縮・非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA1が決定される。
なお、判定テーブルeは、図17で説明した通り、ST状態における変動数が10回以内に選択されるため、判定テーブルeから選択される変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15〜決定テーブルC−TBL35においては、常に短縮・非リーチ(ハズレ)の変動カテゴリPA1が決定される。ST状態における変動数が10回以内において特図表示結果がハズレの場合に、10回連続して特図変動時間が短縮されることとなり、スピード感が向上することにより興趣の向上を図ることができる。
なお、図19E(B)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL25、図19E(C)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL35は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15と同一である。すなわち、判定テーブルeが選択されたときには、特図表示結果がハズレであるときには常に変動カテゴリPA1が決定されて、短縮・非リーチに対応した演出が実行される。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL25及び変動カテゴリ決定テーブルC−TBL35は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL15と同一であるので、説明は省略する。
図19E(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL45は、図18(E)に示す通り、保留記憶数に拘わらず、特図表示結果が大当りの場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL45の設定例では、変動カテゴリPB1には0〜99の判定値が割り当てられ、変動カテゴリPB4及び変動カテゴリPB5には判定値は割り当てられない。PB1に対応した演出は、図5Eで説明した通り、即当りの演出が実行される。ST状態における変動数が10回以内において即当りの演出を実行することにより、スピード感を向上させることができ、興趣の向上を図ることができる。
以上で、図19Eを用いた第5の変動カテゴリ決定テーブルの構成例の説明を終了する。
次に、図19Fを用いて、第6の変動カテゴリ決定テーブルの構成例を説明する。
図19F(A)〜(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16〜決定テーブルC−TBL46は、図18(F)で示した判定テーブルfによって選択される変動カテゴリ決定テーブルである。図19F(A)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16を示し、図19F(B)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL26を示し、図19F(C)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL36を示し、また、図19F(D)は、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL46を示す。
図19F(A)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16は、図18(F)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が1の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16の設定例では、変動カテゴリPA2に0〜69、変動カテゴリPA4に70〜99の乱数値MR3の判定値が割り当てられている。一方、PA1、PA3、及びPA5には判定値が割り当てられていない。
なお、変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16に基づいて変動カテゴリPA4が決定された場合には、演出制御用CPU120はスーパーリーチαの演出を実行する代わりに擬似連演出を実行して、リーチ演出の実行を禁止する処理を行う。演出制御用CPU120の処理内容については後述する。
なお、判定テーブルfは、図17で説明した通り、ST状態においてリーチタイミングでは無いときに、判定テーブルbの代わりに選択されるが、判定テーブルfから選択される変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16〜決定テーブルC−TBL46においては、スーパーリーチα(ハズレ)の変動カテゴリPA4は決定されるものとする。変動カテゴリPA4が決定された場合であっても演出制御用CPU120によってスーパーリーチの演出を制限することにより、実質的にスーパーリーチの演出を実行しないようにすることができる。したがって、リーチ演出の実行の上限回数を設けることが可能となり、リーチ演出の実行回数によって大当りの期待度を高めることにより興趣の向上を図ることができる。
図19F(B)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL26は、図18(F)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が2又は3の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL26の設定例では、変動カテゴリPA1には0〜3、変動カテゴリPA2には4〜88、変動カテゴリPA4には89〜99の判定値が割り当てられている。変動カテゴリPA3及び変動カテゴリPA5には判定値が割り当てられていないのは変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16と同様である。
変動カテゴリ決定テーブルC−TBL26は保留記憶数が2又は3であり、保留記憶数が1である変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16の場合に比べて短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やしている。短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やすことにより、特図変動時間を短縮することができる。
図19F(C)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL36は、図18(F)に示す通り、特図表示結果がハズレ、保留記憶数が4の場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL36の設定例では、変動カテゴリPA1には0〜63、変動カテゴリPA2には64〜88、変動カテゴリPA4には89〜99の判定値が割り当てられている。変動カテゴリPA3及び変動カテゴリPA5には判定値が割り当てられていないのは変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16と同様である。
変動カテゴリ決定テーブルC−TBL36は保留記憶数が4であり、保留記憶数が1である変動カテゴリ決定テーブルC−TBL16、保留記憶数が2又は3である変動カテゴリ決定テーブルC−TBL26の場合に比べて短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やしている。短縮・非リーチ(ハズレ)の決定割合を増やすことにより、特図変動時間を短縮することができる。
図19F(D)に示す変動カテゴリ決定テーブルC−TBL46は、図18(F)に示す通り、保留記憶数に拘わらず、特図表示結果が大当りの場合に選択される変動カテゴリ決定テーブルである。変動カテゴリ決定テーブルC−TBL46の設定例は、図19B(D)で説明した変動カテゴリ決定テーブルC−TBL42の設定例と同一であるため、説明を省略する。
以上で、図19Fを用いた第6の変動カテゴリ決定テーブルの構成例の説明を終了する。
以上で、図14〜図19Fを用いた、図13におけるステップS101の始動入賞判定処理の説明を終了する。
再び図13に戻り、ステップS101の始動入賞判定処理を実行後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。特別図柄通常処理については後述する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。変動パターンの設定については後述する。なお、ステップS111の変動パターン設定処理では、以下のように変動パターンを決定してもよい。すなわち、始動入賞時処理のステップS218において記憶した変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を用いて、入賞時乱数値判定処理のステップS412と同様、変動カテゴリを判定する。続いて、判定結果である変動カテゴリに基づいて、ROM101に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのなかから使用テーブルとしてセットする何れかの変動パターン決定テーブルを選択する。続いて、CPU103は、使用テーブルとしてセットされた変動パターン決定テーブルと、新たに抽出した変動パターン決定用の乱数値MR5を示す数値データとに基づいて、複数種類の変動パターンのなかから何れかの変動パターンを決定してもよい。なお、始動入賞時処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3の抽出等に加え、変動パターン決定用の乱数値MR5を抽出し、記憶しておくことにより、ステップS111の変動パターン設定処理において、始動入賞時処理において記憶した変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて、変動パターンを決定してもよい。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。また、遊技状態が低確低ベース状態(通常モード)以外である場合、すなわち、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方である場合における特別図柄停止処理には、遊技制御カウンタ設定部154による変動数カウンタのカウンタ値を加算する処理やリセットする処理、確変状態(高確状態)での特図ゲームの実行回数や時短状態(高ベース状態)での特図ゲームの実行回数が所定回数となったか否かを判定する処理、確変状態(高確状態)および時短状態(高ベース状態)の一方または両方に制御する確変制御や時短制御を終了して低確状態または低ベース状態の一方または両方に設定する処理などの変動時遊技状態遷移処理も含まれている。
そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオン状態となっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオン状態である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、大当りフラグがオフ状態である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「16R確変大当り」、「8R確変大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「16R確変大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「8R確変大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「8回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための設定を行うための後述する大当り後遊技状態遷移処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図20は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2をそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定したときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図16(A)に示した入賞時乱数値判定処理(ステップS220)のステップS402の処理と同様に、表示結果決定テーブルのデータをセットする(ステップS239)。なお、第1特図と第2特図とで異なる表示結果決定テーブル(第1特図表示結果決定テーブル、第2特図表示結果決定テーブル)を用いる場合、ステップS402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)を参照したが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値(「1」又は「2」)を参照すればよい。
続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定した場合には(ステップS241;YES)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「16R確変大当り」、「8R確変大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「16R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値を「1」とし、「8R確変大当り」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定した場合(ステップS241;NO)やステップS245の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
以上で、図20を用いた、ステップS110の特別図柄通常処理の説明を終了する。
再び図13に戻り、ステップS110の特別図柄通常処理に続くステップS111の変動パターン設定処理では、CPU103は、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5を用いて、変動パターンを決定する。
なお、変動パターン設定処理(ステップS111)では、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)と同様に乱数値MR3を用いて変動カテゴリを決定するが、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)の実行時と当該変動パターン設定処理(ステップS111)の実行時とで保留記憶数が大きく異なっていたとしても、入賞時乱数値判定処理で抽出された乱数値MR3は、変動パターン設定処理においても同じ決定値が用いられる。
図21は、変動パターンの決定割合の設定例を示す図である。
なお、図21に示す変動パターンの決定割合の設定例は、図19Aに示した変動カテゴリ決定テーブルを用いて変動カテゴリが決定された場合に適用される。すなわち、21に示す変動パターンの決定割合の設定例は、図17で説明したステップS4121においてST状態ではないと判断されたときに適用される。例えば、図5B〜図5Fで説明した変動カテゴリ及び変動パターンを例示する図では、1つの変動カテゴリには1つの変動パターンのみが設定される場合を例示した。したがって、ST状態においては乱数値MR5による変動パターンの決定を行わなくてもよい。しかし、図5B〜図5Fにおいて1つの変動カテゴリに2つ以上の変動パターンが設定される場合には、以下に説明する変動パターンの決定割合の設定例を適用するようにしてもよい。
また、ROM101には、変動カテゴリに応じた8種類の変動パターン決定テーブルが記憶されているものとする。図21(A)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA1(短縮・非リーチハズレ)」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図21(B)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA2(非リーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。図21(C)は、上述の8種類のうち、変動カテゴリ「PA3(ノーマルリーチ(ハズレ))」であるときに選択される変動パターン決定テーブルによる変動パターンの決定割合の設定例である。以下、図21(D)〜図21(H)についても同様である。
図22は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS291)。大当りフラグがオン状態であれば(ステップS291;YES)、CPU103は、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理においては、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、CPU103は、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理においては、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、CPU103は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフ状態である場合には(ステップS291;NO)、CPU103は、変動時遊技状態遷移処理を行う(ステップS296)。続いて、CPU103は、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS297)、特別図柄停止処理を終了する。
図23は、図22に示す特別図柄停止処理(ステップS113)のステップS296にて実行される変動時遊技状態遷移処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す変動時遊技状態遷移処理において、CPU103は、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS451)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態である場合、現在の遊技状態が低確低ベース状態であると判定する。ステップS451において、現在の遊技状態が低確低ベース状態であると判定した場合(ステップS451;YES)、CPU103は、そのまま変動時遊技状態遷移処理を終了する。一方、ステップS451において、低確低ベース状態でないと判定した場合(ステップS451;YES)、変動数カウンタの値を1加算する(ステップS452)。変動数カウンタとは、低確低ベース状態に制御された後の特図ゲームの実行回数であって、ST回数(確変回数)や時短回数と比較される回数である。ST回数(確変回数)とは、確変制御を実行する特図ゲームの実行回数である。時短回数とは、時短制御を実行する特図ゲームの実行回数である。ST回数(確変回数)や時短回数は、当り終了処理(図13、図24)において設定される。
ステップS452の処理に続いて、CPU103は、ST回数(確変回数)を読み出し(ステップS453)、時短回数を読み出す(ステップS454)。ステップS454の処理に続いて、CPU103は、現在の遊技状態が高確状態(確変状態)であるか否かを判定する(ステップS455)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオン状態である場合、現在の遊技状態が高確状態であると判定する。ステップS455において、現在の遊技状態が高確状態であると判定した場合(ステップS455;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値が、ステップS453で読み出したST回数(確変回数)によって示される値(例えば、50回)より大きい値であるか否かを判定する(ステップS456)。変動数カウンタの値がST回数(確変回数)によって示される値より大きい値であると判定した場合(ステップS456;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態にするなどして、遊技状態を低確状態に設定し(ステップS457)、確変制御を終了する。
ステップS457の処理を実行した後や、現在の遊技状態が高確状態でないと判定した場合(ステップS455;NO)や、変動数カウンタの値がST回数(確変回数)によって示される値より大きい値でないと判定した場合(ステップS456;NO)には、CPU103は、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるか否かを判定する(ステップS458)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオン状態である場合、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であると判定する。ステップS458において、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)であると判定した場合(ステップS458;YES)、CPU103は、変動数カウンタの値が、ステップS454で読み出した時短回数によって示される値(例えば、50回)より大きい値であるか否かを判定する(ステップS459)。変動数カウンタの値が時短回数によって示される値より大きい値であると判定した場合(ステップS459;YES)、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグをクリアしてオフ状態にするなどして、遊技状態を低ベース状態に設定し(ステップS460)、時短制御を終了する。
ステップS460の処理をした後や、現在の遊技状態が高ベース状態(時短状態)でないと判定した場合(ステップS458;NO)や、変動数カウンタの値が時短回数によって示され値より大きい値でないと判定した場合(ステップS459;NO)には、CPU103は、遊技状態が低確低ベース状態になったか否かを判定する(ステップS461)。CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグおよび時短フラグの両方がオフ状態である場合、遊技状態が低確低ベース状態になったと判定する。
ステップS461において、低確低ベース状態になったと判定した場合(ステップS461;YES)、CPU103は、ST回数(確変回数)の設定値を“0”にクリアし(ステップS462)、時短回数の設定値を“0”にクリアし(ステップS463)、変動数カウンタの値を“0”にクリアする(ステップS464)。
ステップS464の処理を実行後、CPU103は、リーチタイミングの設定をクリアするリーチタイミング設定クリアを実行する(ステップS465)。リーチタイミングは、図7で説明した大当り種別決定テーブルに基づき、図8の遊技制御カウンタ設定部154に設定されている。ステップS465の処理において、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設定されているリーチタイミングをクリアする。なお、リーチタイミングの設定処理については、図24を用いて後述する。
ステップS465の処理を実行後、又はステップS461において、低確低ベース状態になっていないと判定した場合(ステップS461;NO)、ステップS462、S463、S464を実行することなく変動時遊技状態遷移処理を終了する。
以上で、図23を用いた、ステップS296の変動時遊技状態遷移処理の説明を終了する。
図24は、図13に示す特別図柄プロセス処理(ステップS15)のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図13に示す大当り開放後処理(ステップS116)においては、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理においては、CPU103は、例えば、遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;NO)、CPU103は、そのまま大当り終了処理を終了する。一方、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;YES)、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS312)。続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグをオン状態にするなどして、高確状態(確変状態)に設定する(ステップS314)。続いて、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグをオン状態にするなどして、高ベース状態に設定する(ステップS315)。つまり、ステップS314、ステップS315の処理によって、大当り遊技状態の終了時には、遊技状態が高確高ベース状態に設定される。
ステップS315の処理に続いて、CPU103は、ST回数(確変回数)の設定値を50回に設定し(ステップS316)、時短回数を50回に設定する(ステップS317)。続いて、CPU103は、変動数カウンタの値を“0”にクリアし(ステップS318)、特図プロセスフラグの値を“0”にクリアする(ステップS319)。
ステップS319の処理の実行後、CPU103は、リーチタイミングを設定する(ステップS320)。リーチタイミングは、図7を用いて説明したリーチ演出を実行する変動数を定めるものであり、図16の入賞時乱数値判定処理(ステップS220)におけるステップS409の大当り種別を判定する処理において決定された大当りの種別に基づき定められる。CPU103は、決定された大当りの種別に基づき、図7に示すリーチタイミングを遊技制御カウンタ設定部154に設定する。
なお、本実施形態では、大当り終了後は、常にST状態となって、リーチタイミングが設定される場合を例示した。しかし、大当り終了後に所定の条件を満たす場合にST状態とすることができる。その場合、ステップS320のリーチタイミングを設定する処理は、ST状態となったときに実行されればよい。
また、本実施形態では、リーチタイミングを設定する処理をステップS117の大当り終了処理において実行する場合を例示した、しかし、リーチタイミングを設定する処理を実行するのは大当り終了処理に限定されない。例えば、特別図柄停止処理(ステップS113)におけるステップS291の大当りフラグがオン状態か否かの判断において、大当りフラグがオン状態であるときに、リーチタイミングを設定する処理を実行するようにしてもよい。
ステップS320の処理を実行後、CPU103は、ステップS117の大当り終了処理を終了する。
なお、本実施形態では、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を50回の設定値とを同一の値(共に50回)としたが、ST回数(確変回数)の設定値と時短回数を50回の設定値とを異なる値としてもよい。また、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを同一の値(共に50回)としてもよい。また、8R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値と、16R確変大当りの場合のST回数(確変回数)の設定値とを異なる値としてもよい。また、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを同一の値(共に50回)としてもよい。また、8R確変大当りの場合の時短回数の設定値と、16R確変大当りの場合の時短回数の設定値とを異なる値としてもよい。なお、CPU103は、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値が「1」である場合には16R確変大当りであると判断し、大当り種別バッファ値が「2」である場合には8R確変大当りであると判断してもよい。
以上のように、主基板11では、ステップS101の始動入賞判定処理において、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS219)、ステップS403などにおいて判定された特図表示結果に応じた図柄指定コマンドを送信するための送信設定が行われ(ステップS410)、ステップS412において決定された変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを送信するための送信設定(ステップS413)が行われ、保留記憶数通知コマンドを送信するための送信設定が行われる(ステップS221)。これらの処理が実行されてから、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。
また、主基板11では、ステップS110の特別図柄通常処理において、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2などを用いて特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が決定され、ステップS111の変動パターン設定処理において、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3や変動パターン決定用の乱数値MR5などを用いて飾り図柄の変動パターンが決定される。
更に、ステップS111の変動パターン設定処理では、上述の如く決定された確定特別図柄を指定する可変表示結果通知コマンドや上述の如く決定された飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる。これらの処理が実行されてから、図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理のコマンド制御処理(ステップS17)のコマンド制御処理を実行することにより、可変表示を開始するときには、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、1タイマ割込内に一括して送信される。 なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングで、特別図柄通常処理(ステップS110)にて特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われ、変動パターン設定処理(ステップS111)にて飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。また、これに先立って、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)により、「大当り」として大当り遊技状態に制御されるか否かの判定や、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などが行われ、夫々の演出制御コマンドによって決定された内容が演出制御基板12に送信される。
また、大当り(8R確変大当り、16R確変大当り)となった場合には、ステップS117の大当り終了処理において、ST回数(確変回数)及び時短回数が共に50回である、遊技状態が高確高ベース状態に設定される。また、遊技状態が高確高ベース状態であるときの各変動において変動数カウンタがカウントアップされ(ステップS452)、変動数カウンタがST回数(確変回数)を超えたときに遊技状態が低確状態に設定され(ステップS457)、変動数カウンタが時短回数を超えたときに遊技状態が低ベースに設定される(ステップS460)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフ状態であれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオン状態である場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図26は、図25に示す演出制御メイン処理のステップS74にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;NO)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、例えば受信コマンドのMODEデータを確認する。
受信コマンドがある場合(ステップS501;YES)、演出制御用CPU120は、停電復旧処理を実行する(ステップS520)。ステップS520の停電復旧処理の詳細を、図27を用いて説明する。図27は、停電復旧処理の一例を示すフローチャートである。
図27において、演出制御用CPU120は、受信コマンドが停電復旧指定コマンドであるか否かを判断する(ステップS5201)。停電復旧指定コマンド(9200H)は、図11を用いて説明したとおり、遊技機への電力供給が停止した後に所定の条件(ステップSS007〜S009)を満たす場合に、主基板11から演出制御基板12に送信される(ステップS44)。停電復旧指定コマンドを送信するときに、CPU103は、図3で説明した複数のコマンドを併せて送信できるものとする。本実施形態では、停電復旧指定コマンドと併せて送信されるコマンドとして、遊技状態指定コマンド(95XXH)、大入賞口開放中通知コマンド(A1XXH)、大入賞口開放後通知コマンド(A2XXH)、保留記憶数通知コマンド(C1XX、C2XX)を送信する場合を説明する。なお、停電復旧指定コマンドと併せて送信されるコマンドは上記に限定されない。例えば、図7で説明したリーチタイミング1〜リーチタイミング3を指定するリーチタイミング指定コマンドが送信されるようにしてもよい。受信したコマンドは、演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納されているため、演出制御用CPU120は。以下の処理において演出制御コマンド受信用バッファから受信したコマンドを読み出す。
受信コマンドが停電復旧指定コマンドでない場合(ステップS5201;NO)、演出制御用CPU120はステップS520の停電復旧処理を終了する。
一方、受信コマンドが停電復旧指定コマンドである場合(ステップS5201;YES)、演出制御用CPU120は、ステップS5202〜ステップS5206において受信コマンドによる復旧処理を実行する。
先ず、演出制御用CPU120は、受信コマンドに遊技状態指定コマンド(95XXH)が含まれていた場合には、遊技状態指定コマンドに応じた復旧処理を行う(ステップS5202)。遊技状態指定コマンドには、図3で説明したように遊技機1の遊技状態を指定する複数種類のコマンドが含まれる。例えば、時短状態指定コマンド(9501H)を受信した場合、演出制御用CPU120は、演出装置を時短状態に応じた演出装置の設定に復旧させることができる。また、確変状態指定コマンド(9502H)を受信した場合、演出制御用CPU120は、演出装置を確変状態に応じた演出装置の設定に復旧させることができる。
ステップS5202の処理において、確変状態指定コマンドを受信したときには、遊技機1への電力供給が停止する前には遊技機1の遊技状態が確変状態(ST状態)であったことを示す。演出制御用CPU120は、確変状態指定コマンドを受信した場合には、後述するリーチ履歴表示を復旧させるための処理を実行する。なお、本実施形態では、停電復旧指定コマンドと併せて確変状態指定コマンドを受信する場合を例示した。しかし、確変状態指定コマンドの受信はステップS520の停電復旧処理において確認しなくてもよい。演出制御用CPU120は、例えば、図30で説明するステップS171の可変表示開始設定処理において確変状態指定コマンドを受信したか否かの判断を実行してもよい。
ステップS5202の処理の実行後、演出制御用CPU120は、受信コマンドに大入賞口開放中通知コマンド(A1XXH)が含まれていた場合には、大入賞口開放中通知コマンドに応じた復旧処理を行う(ステップS5203)。ステップS5203の処理の実行後、演出制御用CPU120は、受信コマンドに大入賞口開放後通知コマンド(A2XXH)が含まれていた場合には、大入賞口開放後通知コマンドに応じた復旧処理を行う(ステップS5204)。ステップS5204の処理の実行後、演出制御用CPU120は、受信コマンドに保留記憶数通知コマンド(C1XXH又はC2XXH)が含まれていた場合には、保留記憶数通知コマンドに応じた復旧処理を行う(ステップS5203)。ステップS5205の処理の実行後、演出制御用CPU120は、受信コマンドにその他演出制御コマンドが含まれていた場合には、その演出制御コマンドに応じた復旧処理を行う(ステップS5203)。ステップS5206で受信される演出制御コマンドとは、図3で説明した他のコマンド、あるいはその他のコマンドであり、コマンドの種類は任意である。
ステップS5206の処理を実行後、演出制御用CPU120は、停電復旧フラグをオン状態にする(ステップS5207)。停電復旧フラグは停電復旧指定コマンドを受信したことを記録するフラグであり、オン状態で停電復旧中であることを示す。本実施形態では、後述する、リーチ履歴表示を復旧し再度画像表示装置5に表示を行うためのリーチ履歴表示設定処理を含む可変表示復旧処理を停電復旧処理として例示するので、可変表示復旧処理を実行するときに停電復旧フラグをオフ状態とするものとする。しかし、他の停電復旧処理を実行したときに停電復旧フラグをオフ状態にしてもよい。
以上で、図27を用いた、ステップS520の停電復旧処理の説明を終了する。
再び、図26に戻り、ステップS520の処理を実行後、演出制御用CPU120は、受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;YES)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;NO)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;YES)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;NO)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;NO)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;NO)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;NO)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;YES)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;YES)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;YES)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第1保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
また、ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;YES)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;YES)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、当該受信コマンドの1つ前に受信した受信コマンドに対するステップS503の処理において、第2保留記憶数通知待ち時間が設定されている場合、当該受信コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、第1変動開始コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
また、第2変動開始コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;NO)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。例えば、受信コマンドが遊技状態指定コマンドである場合、その遊技状態指定コマンドを解析して、現在の遊技状態を特定する。また、例えば、受信コマンドが当り終了指定コマンドである場合、その当り終了指定コマンドを解析して、時短であるか否かを特定する。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドや第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
また、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
以上で、図26を用いたステップS74のコマンド解析処理の説明を終了する。
図28は、図25に示す演出制御メイン処理のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(ステップS150)。入賞時演出決定処理では、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ(第1始動入賞時受信コマンドバッファ194A又は第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B)における記憶内容をチェックする処理や、受信コマンドとして、始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する処理や、始動入賞記憶表示エリア5Hに追加表示させる際の保留表示の表示態様(追加時表示態様とも称する)を決定する処理などが実行される。
ステップS150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理や、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)を実行する処理を表示する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理や、各種の演出(例えば、主予告演出)を決定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読み出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読み出した制御データ(プロセスデータ)に基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理は、ST回数(確変回数)や時短回数をカウントする処理や、演出数カウンタの値を更新する処理や、演出数カウンタの値に応じて遊技状態を変更する処理などを含んできる。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、停止図柄が大当り図柄であるときは、ファンファーレ演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“4”に更新し、停止図柄が大当り図柄でないときは、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り開始処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態となる前に実行され、ファンファーレ演出を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このラウンド中処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行され、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときの演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を実行する処理や、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となったときに実行する演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を設定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このラウンド後処理は、特別可変入賞球装置7が開放状態であるときに実行される。主基板11からの大入賞口開放中通知コマンドを受信したときは、特別可変入賞球装置7が開放状態となったときに実行する演出(例えば、通常曲に対応する演出や、特別曲に対応する演出など)を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。また、主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したときは、エンディング演出を設定するとともに、演出プロセスフラグの値を“7”に更新する。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り終了後処理は、特別可変入賞球装置7が閉鎖状態となる前に実行され、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を設定する処理や、ST回数(確変回数)や時短回数を設定する処理などを含んできる。その後、演出プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図29は、図28に示す演出制御プロセス処理(ステップS75)のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)の受信があるか否かを判定する(ステップS1000)。
ステップS1000において第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)の受信がないと判定した場合(ステップS1000;NO)、演出制御用CPU120は、デモ演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1002)。デモ演出中フラグは、客待ちデモンストレーション表示が行われているか否かを示すフラグである。デモ演出中フラグがオン状態(例えば、値「1」)であるときは客待ちデモンストレーション表示が行われていることを示し、デモ演出中フラグがオフ状態(例えば、値「0」)であるときは客待ちデモンストレーション表示が行われていないことを示す。デモ演出中フラグの値は、例えば、演出制御フラグ設定部191に記憶されていればよい。
ステップS1002においてデモ演出中フラグがオン状態でないと判定した場合(ステップS1002;NO)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS1004)。ステップS1004において客待ちデモ指定コマンドの受信がないと判定した場合(ステップS1004;NO)、可変表示開始待ち処理を終了する。一方、ステップS1004において客待ちデモ指定コマンドの受信があると判定した場合(ステップS1004;YES)、デモ演出中フラグをオン状態にセットし(ステップS1006)、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)に応じたプロセスデータ(演出制御パターン)を選択し(ステップS1008)、演出制御プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1010)。これにより、客待ちデモ指定コマンドの受信にもとづいて、デモ演出(客待ちデモンストレーション表示)が開始される。
その後、可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、本実施形態では、デモ演出を開始する条件としてステップS170の可変表示開始待ち処理において、客待ちデモ指定コマンドの受信があるか否かを判定する場合を説明したが、デモ演出を開始する条件はこれに限定されない。例えば、可変表示停止から所定の時間が経過したときにデモ演出を開始してもよい。また、センサ等により遊技者が遊技状態ではないことを検出してデモ演出を開始してもよい。
ステップS1002においてデモ演出中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS1002;YES)、つまり、デモ演出が既に行われている場合、演出制御用CPU120は、所定の操作(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどによる所定の操作)があるか否かを判定する(ステップS1012)。ステップS1012において所定の操作がないと判定した場合(ステップS1012;NO)、可変表示開始待ち処理を終了する。つまり、デモ演出を続行する。
一方、ステップS1012において所定の操作があると判定した場合(ステップS1012;YES)、演出制御用CPU120は、演出調整表示を表示する(ステップS1013)。
演出調整表示は、演出調整手段の一態様である。演出調整表示は、演出手段の調整を「表示」によって行う。演出調整表示は、例えば、画像表示装置5の表示画面に演出手段の設定状況を示すアイコン等を表示させることにより実行される。
演出手段は、例えば、スピーカ8等の音出力手段、LED9等の発光手段である。演出手段が音出力手段である場合、演出調整表示は、例えば、画像表示装置5に表示される音量調整用のアイコン表示である。また、演出手段が発光手段である場合、演出調整表示は、例えば、画像表示装置5に表示される輝度調整用のアイコン表示である。
遊技者は、画像表示装置5の表示画面に表示される演出調整表示を目視で確認しながら、例えば図2で説明したスティックコントローラ31A、プッシュボタン31B、あるいは図示しない十字キー等で演出手段の音量、輝度等を調整する。
演出手段としてのスピーカ8等から出力される適切な音量や、演出手段としてのLED9の適切な輝度は、遊技者に対して演出効果を向上させるものである。一方、スピーカ8等から出力される不適切な音量やLED9の不適切な輝度は、遊技者に対して不快感を与える等の不利益を与える場合がある。
演出調整表示は、図9で説明したプロセスデータに基づき演出制御用CPU120によって表示が制御される。すなわち、演出調整表示の表示、変更、消去等の演出動作の制御内容はプロセスデータに予め設定されている。例えば、プロセスデータには、演出手段の音量や輝度の設定状況をアイコン等によって表示する制御内容を設定することができる。また、プロセスデータには、遊技者がプッシュボタン31Bや十字キー等を操作して音量や輝度の設定を変更したときの演出調整表示を変更(ボリューム表示の増減等)する制御内容を設定することができる。また、プロセスデータには、遊技者がプッシュボタン31Bや十字キー等を操作したとき又は所定の時間が経過したときに画像表示装置5の表示画面に表示されている演出調整表示を消去する制御内容を設定することができる。
ステップS1013の処理の処理を実行後、可変表示開始待ち処理(ステップS170)を終了する。
ステップS1000において第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)の受信があると判定した場合(ステップS1000;YES)、演出制御用CPU120は、デモ演出中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS1022)。ステップS1022においてデモ演出中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS1022;YES)、つまり、デモ演出が既に行われている場合、デモ演出中フラグをオフ状態にリセットする(ステップS1024)。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS1026)、可変表示開始待ち処理を終了する。一方、ステップS1022においてデモ演出中フラグがオン状態でないと判定した場合(ステップS1022;NO)、ステップS1024の処理を省略(飛ばして)して、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS1026)、可変表示開始待ち処理を終了する。
図30は、図28に示す演出制御プロセス処理(ステップS75)のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522において特図表示結果が「ハズレ」であると判定した場合(ステップS522;YES)、演出制御用CPU120は、ハズレ組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。
次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる確定飾り図柄を決定してもよい。
ステップS522において特図表示結果が「ハズレ」でないと判定した場合(ステップS522;NO)、すなわち、特図表示結果が「大当り(16R確変大当り、8R確変大当り)」である場合、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
なお、ステップS528において確定飾り図柄の組合せを決定するときには、演出制御用CPU120は、大当り種別(16R確変大当り、8R確変大当り)がいずれであるかや、昇格演出の有無などに応じて、確定飾り図柄を決定してもよい。
具体的な一例として、例えば、16R確変大当り専用の大当り組合せ(例えば、奇数の同一の飾り図柄が3個並んだもの)と、8R確変大当り専用の大当り組み合せ(例えば、偶数の同一の飾り図柄が3個並んだもの)とする態様において、16R確変大当りである場合には、16R確変大当り専用の大当り組合せ、または、8R確変大当り専用の大当り組み合せかのいずれかを確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、8R確変大当り専用の大当り組み合せを確定飾り図柄に決定した場合には、昇格演出として、8ラウンドが終了する迄の間に16R確変大当りである旨が報知されればよい。他方、8R確変大当りである場合には、8R確変大当り専用の大当り組み合せかを確定飾り図柄に決定すればよい。
なお、本実施形態では2R確変大当り(突確)を設けないが、2R確変大当り(突確)を設ける場合において、特図表示結果が「大当り(2R確変大当り(確変))」である場合、演出制御用CPU120は、2R確変大当り(突確)に対応した確定飾り図柄(最終停止図柄)の組合せを決定してもよい。
ステップS524の処理又はステップS528の処理の何れかを実行した後には、演出制御用CPU120は、可変表示復旧処理を実行する(ステップS529)。可変表示復旧処理は、遊技機1への電力供給が停止した後に、遊技機1への電力供給が再開されたときに、リーチ履歴表示の復旧を含む、飾図柄の可変表示の演出態様を復旧させる処理である。図31を用いて、ステップS529における可変表示復旧処理を説明する。
図31は、可変表示復旧処理の一例を示すフローチャートである。
図31において、演出制御用CPU120は、停電復旧フラグがオン状態であるか否かを判断する。停電復旧フラグは、図27の停電復旧処理(ステップS520)のステップS5207の停電復旧フラグオンの処理でオン状態にされる。すなわち、停電復旧フラグは、停電復旧指定コマンドを主基板11から受信したときにオン状態となるフラグである。
停電復旧フラグがオン状態ではないと判断したときには(ステップS520;NO)、演出制御用CPU120は、ステップS529の可変表示復旧処理を終了する。
一方、停電復旧フラグがオン状態であると判断したときには(ステップS520;YES)、演出制御用CPU120は、停電復旧フラグをオフ状態とする(ステップS5292)。ステップS5292の処理を実行後、演出制御用CPU120は、可変表示の復旧処理を実行する(ステップS5293)。可変表示の復旧処理は、図27の停電復旧処理(ステップS520)におけるステップS5202〜ステップS5206の処理で設定された遊技状態、大入賞口開放の状態、保留記憶数等の情報に基づき、画像表示装置5に表示する演出画面を復旧するものであり、後述するST状態におけるリーチ履歴を表示するときの背景の画像等の表示画面を復旧させることを含んでもよい。
ステップS5293の処理を実行後、演出制御用CPU120は、遊技状態がST状態であるか否かを判断する(ステップS5294)。ST状態であるか否かの判断は、演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに受信した遊技状態指定コマンド(確変状態指定コマンド9502H)が記録されているか否かによって判断をすることができる。
ST状態でないと判断した場合(ステップS5294;NO)、演出制御用CPU120は、ステップS529の可変表示復旧処理を終了する。
一方、ST状態であると判断した場合(ステップS5294;YES)、演出制御用CPU120は、リーチ履歴を復旧させるリーチ履歴表示設定を実行する(ステップS5295)。ステップS5295のリーチ履歴表示設定の処理は、図35を用いて後述するリーチ履歴表示演出で使用する演出制御パターンをセットするものである。リーチ履歴を表示するリーチ履歴表示演出とは、遊技状態がST状態であるときに、スーパーリーチ(α)の演出を実行したときにスーパーリーチが実施されたことを遊技者に報知する演出態様である。例えば、スーパーリーチ(α)の演出態様(例えば、画像表示装置5に表示される画像)が4種類あった場合、リーチ履歴は実施された(実施済みの)演出態様に所定の表示を行い、遊技者に対して実施済みのリーパーリーチαの演出態様と未実施のリーパーリーチαの演出態様とを報知するものである。リーチ履歴を表示することにより、遊技者は実行されたスーパーリーチ演出を確認することができ、興趣の向上を図ることができる。
リーチ履歴表示演出は、スーパーリーチの演出と同様に、設定される演出制御パターンに基づき、演出装置を用いた演出が実行される。演出装置は、例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材である。すなわち、リーチ履歴表示演出は、画像表示装置5を用いた画像の表示、スピーカ8を用いた音出力、ランプ9を用いた点灯表示、演出用模型の可動部材の動作を単独で、あるいは組み合わせて実行されるものとする。
演出制御基板12は、リーチ履歴を表示するためのデータをバックアップしていいない場合、遊技機1への電療供給が停止するとリーチ履歴を表示するためのデータは失われてしまう。遊技機1への電力供給が再開され、停電復旧指定コマンドと確変状態指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120はステップS5295の処理においてリーチ履歴を復旧するための設定を行う。
なお、本実施形態では、可変表示開始処理(ステップS171)のステップS529の可変表示復旧処理においてリーチ履歴表示設定の処理を実行する場合を例示した。しかし、リーチ履歴表示設定の処理は、例えば、図28で説明した、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)受信後に実行される可変表示開始待ち処理(ステップS170)において実行するようにしてもよい。
以上で、図31を用いた、ステップS529の可変表示復旧処理の説明を終了する。
再び、図30に戻り、ステップS529の処理を実行後、演出制御用CPU120は、保留消化処理を実行する(ステップS530)。具体的には、当該変動に対応する保留表示に応じたアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(換言すれば、当該変動に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。例えば、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。
より詳細には、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに移動させてアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる。なお、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示は、保留表示と同じ態様で表示してもよいし、保留表示に対応するが保留表示とは異なる表示態様で表示されてもよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、ステップS530の処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて、消化する保留表示(アクティブ表示)の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいてシフトし、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいて、アクティブ表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいてシフトする。
ステップS530の保留消化処理を実行後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンセットの処理を実行する(ステップS532)。演出制御パターンセットの処理では、当該変動の変動パターン等に対応する、演出制御パターンを使用パターンとしてセットする。すなわち、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンを使用パターンとしてセットする。ステップS532の演出制御パターンセットの詳細を図32を用いて説明する。
図32は、演出制御パターンセットの一例を示すフローチャートである。
図32において、演出制御用CPU120は、遊技状態がST状態であるか否かを判断する(ステップS5321)。ST状態であるか否かの判断は、図31で説明したステップS5294の処理と同様に、演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに受信した確変状態指定コマンドが記録されているか否かによって判断をすることができる。なお、ステップS5294の処理は、停電復旧時の1回のみ実行されるのに対して、ステップS5321の処理は停電復旧時でない場合においても繰り返し実行される処理である。
ST状態でないと判断した場合(ステップS5321;NO)、演出制御用CPU120は、変動パターンに対応した演出制御パターンをセットする(ステップS5322)。変動パターンに対応した演出制御パターンをセットするとは、以下に説明するステップS5326及びステップS5328の処理でセットされる特定の演出を実行するための演出制御パターンではない演出制御パターンをセットすることである。
なお、ステップS5322においてセットされる演出制御パターンには、識別情報の可変表示に対応した特殊識別情報として例示する小図柄の変動表示を実行するためのプロセスデータが含まれてもよい。小図柄とは、飾図柄の代わりに画像表示装置5に表示される、飾り図柄が可変表示中であることを示すものである。小図柄は、例えば、画像表示装置5において所定演出によって所定の画像が表示されることによって飾図柄の表示と干渉するときに、飾り図柄の代わりに画像表示装置5の一部に飾り図柄が縮小されて表示されるものである。小図柄を表示することにより、所定演出によって飾り図柄が表示できない場合であっても、遊技者に飾図柄の可変表示中であることを認識させることが可能となる。小図柄の変動表示を実行するためのプロセスデータは、ステップS529でセットされる所定演出の演出制御パターンに含まれていてもよい。
一方、ST状態であると判断した場合(ステップS5321;YES)、演出制御用CPU120は、当該変動がスーパーリーチであるか否かを判断する(ステップS5323)。当該スーパーリーチであるか否かの判断は、主基板11から送信された変動カテゴリコマンドに含まれる変動パターンによって判断することができる。なお、本実施形態では、図5で説明したとおり、ST状態でない場合にはスーパーリーチαに対応した変動パターンが送信される。
スーパーリーチでないと判断した場合(ステップS5323;NO)、演出制御用CPU120は、ステップS5322の変動パターンに対応した演出制御パターンセットの処理を実行する。
一方、スーパーリーチであると判断した場合(ステップS5323;YES)、演出制御用CPU120は、リーチタイミングであるか否かを判断する(ステップS5324)。リーチタイミングであるか否かは、例えばリーチタイミングを示すリーチタイミング指定コマンドを停電復旧指定コマンドと併せて受信することにより判断してもよい。なお、リーチタイミング指定コマンドを使用しない場合には、演出制御用CPU120はリーチタイミングを知ることはできない。したがって、リーチタイミング指定コマンドを使用しない場合は、リーチタイミングであると見做すものとする。リーチタイミング指定コマンドを使用するか否かは、例えば演出制御フラグ設定部191に設定しておくことができる。
リーチタイミングであると判断した場合、(ステップS5324;YES)、演出制御用CPU120はスーパーリーチαの変動パターンに対応したスーパーリーチ演出の種別を決定するリーチ演出種別決定の処理を実行する(ステップS5325)。ここで図33及び図34を用いて、ステップS5325のリーチ演出種別決定の詳細を説明する。
図33は、ステップS5325のリーチ演出種別決定の一例を示すフローチャートである。
図33において、演出制御用CPU120は、リーチ履歴を読込む、リーチ履歴読込み処理を実行する(ステップS5325)。ステップS5325で実行されるリーチ履歴読込み処理は、遊技状態がST状態であるときに、スーパーリーチの演出を実行したことを記録したリーチ履歴を読込む処理である。リーチ履歴には、例えば、図34を用いて後述するリーチ演出種別毎にそのリーチ演出種別が実行されたか(実行済みであるか)否かが記録されている。リーチ履歴は、例えば図10(A)で説明した演出制御フラグ設定部191に記録しておき、ステップS5325の処理では、演出制御フラグ設定部191に記録されたリーチ履歴を読込むようにすることができる。演出制御用CPU120はリーチ履歴を読込むことによって、どのリーチ演出種別が実行済みであるか否かを判断することができる。
ステップS53251の処理を実行後、演出制御用CPU120は、リーチ演出種別を決定する(ステップS53252)。ステップS53252のリーチ演出種別を決定する処理では、ステップS53251の処理で読込んだリーチ履歴から、1つのリーチ演出種別決定割合テーブルを選択し、選択されたリーチ演出種別決定割合テーブルで設定された決定割合に基づき、1のリーチ演出種別を決定する。本実施形態では、スーパーリーチA〜スーパーリーチDの4種別のリーチ演出種別の中から1のリーチ演出種別を決定する場合を示す。
ステップS53252の処理の実行後、演出制御用CPU120はリーチ履歴を更新する、リーチ履歴更新処理を実行する(ステップS53253)。ステップS53253のリーチ履歴更新処理は、ステップS53252の処理で決定されたリーチ演出種別について、実行されたことを記録するものである。リーチ履歴更新処理は、例えば、演出制御フラグ設定部191に記録されたリーチ履歴を更新することにより実行することができる。ステップS53253の処理を実行後、演出制御用CPU120は、リーチ演出種別決定の処理(ステップS5325)を終了する。
以上で、図33を用いた、リーチ演出種別決定の説明を終了する。
次に、図34を用いて、リーチ演出種別決定割合テーブルを説明する。図34は、リーチ履歴に対応したリーチ演出種別決定割合テーブルを例示する図である。
図34において、図34(A)〜(D)は、スーパーリーチの演出を、スーパーリーチB→スーパーリーチA→スーパーリーチDの順で実行するときのリーチ演出種別決定割合テーブルの選択の推移を示している。なお、本実施形態では、スーパーリーチの演出は、スーパーリーチB→スーパーリーチA→スーパーリーチDの順で実行されてリーチ履歴が記録される場合におけるリーチ演出種別決定割合テーブルを例示したが、スーパーリーチの演出が他の順番で実行される場合には、リーチ履歴に応じてリーチ演出種別決定割合テーブルが選択される。
図34(A)〜(D)の各テーブルにおいて、リーチ演出種別はスーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチC、及びスーパーリーチDの4種別がある場合を示している。本実施形態では、図7で説明した通り、リーチタイミングをリーチタイミング1〜3の3回設定する。したがって、リーチタイミングではない変動回数においてハズレでのスーパーリーチ演出の実行を制限した場合、4回目のスーパーリーチの演出では必ず大当りとなる。
図34(A)は、遊技状態がST状態となってから一度もスーパーリーチの演出が実行されていないときのリーチ演出種別決定割合テーブルを示している。すなわち、遊技状態がST状態となってから一度もスーパーリーチの演出が実行されていないときには、図34(A)に示すリーチ演出種別決定割合テーブルが選択される。同様に、図34(B)は、遊技状態がST状態となってからスーパーリーチBの演出が実行されたときに選択されるリーチ演出種別決定割合を示している。図34(C)は、遊技状態がST状態となってからスーパーリーチA及びスーパーリーチBの演出が実行されたときに選択されるリーチ演出種別決定割合を示している。さらに、図34(D)は、遊技状態がST状態となってからスーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチDの演出が実行されたときに選択されるリーチ演出種別決定割合を示している。本実施形態では図34(A)〜(D)に例示したリーチ演出種別決定割合テーブル以外に、リーチ履歴に応じた図示しないリーチ演出種別決定割合テーブルがそれぞれ選択されるものとする。すなわち、スーパーリーチのリーチ演出種別が4種類の場合、選択0→1種類、選択1→4種類、選択2→6種類、選択3→4種類の計15種類のリーチ演出種別決定割合テーブルが存在し得る。また、リーチ演出種別が3種類の場合、同様に計7種類のリーチ演出種別決定割合テーブルが存在し得る。
図34(A)では、ST状態となってから一度もスーパーリーチの演出が実行されていないので、スーパーリーチA〜Cのリーチ履歴は、まだ実行されていないことを示す「0」が記録されている。図34(A)における決定割合は、リーチ演出種別毎に、スーパーリーチAが40%、スーパーリーチBが30%、スーパーリーチCが20%、また、スーパーリーチDが10%と設定されている。すなわち、ST状態となってからスーパーリーチの演出がまだ実行されていない場合には、図34(A)で示した決定割合でリーチ演出種別が決定される。
なお、本実施形態では、リーチ演出種別に応じて決定割合が異なるように設定する場合を例示したが、決定割合はリーチ演出種別で同じ割合となるように設定してもよい。
また、本実施形態では、リーチ履歴をリーチ演出種別毎に記録して、4種別のスーパーリーチはそれぞれ1回のみ実行される場合を例示した。しかし、同じリーチ演出種別が2回以上実行されるようにしてもよい。その場合、リーチ履歴は実行回数のみが記録される。また、リーチ履歴に実行回数のみを記録する場合、リーチ演出種別は1種別であっても複数種別であってもよい。
図34(B)は、遊技状態がST状態となってからスーパーリーチBの演出が実行されたときに選択されるリーチ演出種別決定割合テーブルを示している。すなわち、図34(B)に示すリーチ演出種別決定割合テーブルは、図33のステップS53251の処理において読込まれたリーチ履歴がスーパーリーチBの演出が実行済みであることを示す場合に選択される。スーパーリーチBのリーチ履歴には、スーパーリーチBの演出が実行されたことを示す「1」が設定されており。演出制御用CPU120は、ステップS53251の処理において読込まれたリーチ履歴とリーチ履歴とを照合することができる。
図34(B)における決定割合は、リーチ演出種別毎に、スーパーリーチAが50%、スーパーリーチBが0%、スーパーリーチCが30%、また、スーパーリーチDが20%と設定されている。演出制御用CPU120は、例えば生成された乱数値と決定割合に従いリーチ演出種別を決定することができる。ここで、スーパーリーチBの決定割合は「0%」であるので、一度実行されたスーパーリーチBの演出はリーチ履歴が図23のステップS465の処理においてクリアされるまで、実行されないことになる。
すなわち、ST状態において一度実行されてリーチ履歴で実行済みとして表示されたスーパーリーチ演出は実行が制限される。したがって、一度実行されたスーパーリーチ演出を再度実行しないことにより、興趣の向上を図ることができる。
図34(C)は、遊技状態がST状態となってからスーパーリーチB及びスーパーリーチAの演出が実行されたときに選択されるリーチ演出種別決定割合テーブルを示している。スーパーリーチA及びスーパーリーチBのリーチ履歴には、スーパーリーチA、スーパーリーチBの演出が実行されたことを示す「1」が記録されている。すなわち、図34(C)に示すリーチ演出種別決定割合テーブルは、図33のステップS53251の処理において読込まれたリーチ履歴がスーパーリーチA及びスーパーリーチBの演出が実行済みであることを示す場合に選択される。
図34(C)における決定割合は、リーチ演出種別毎に、スーパーリーチAが0%、スーパーリーチBが0%、スーパーリーチCが55%、また、スーパーリーチDが45%と設定されている。演出制御用CPU120は、例えば生成された乱数値と決定割合に従いリーチ演出種別を決定することができる。ここで、スーパーリーチA及びスーパーリーチBの決定割合は「0%」であるので、一度実行されたスーパーリーチA及びスーパーリーチBの演出はリーチ履歴が図23のステップS465の処理においてクリアされるまで、実行されないことになる。
図34(D)は、遊技状態がST状態となってからスーパーリーチB、スーパーリーチA、及びスーパーリーチDの演出が実行されたときに選択されるリーチ演出種別決定割合テーブルを示している。スーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチDのリーチ履歴には、スーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチDの演出が実行されたことを示す「1」が記録されている。すなわち、図34(D)に示すリーチ演出種別決定割合テーブルは、図33のステップS53251の処理において読込まれたリーチ履歴がスーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチDの演出が実行済みであることを示す場合に選択される。
図34(D)における決定割合は、リーチ演出種別毎に、スーパーリーチAが0%、スーパーリーチBが0%、スーパーリーチCが100%、また、スーパーリーチDが0%と設定されている。演出制御用CPU120は、例えば生成された乱数値と決定割合に従いリーチ演出種別を決定することができる。ここで、スーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチDの決定割合は「0%」であるので、一度実行されたスーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチDの演出はリーチ履歴が図23のステップS465の処理においてクリアされるまで、実行されないことになる。また、図7で説明した通り、リーチタイミングは3回設定されてリーチタイミングではない変動回数ではハズレのスーパーリーチの演出は制限されるため、図34(D)に示すスーパーリーチCが実行されるときには必ずスーパーリーチ(大当り)の変動パターンに基づくスーパーリーチの演出となる。
なお、図34で例示したリーチ演出種別決定割合テーブルは、スーパーリーチA〜Dの4種類のスーパーリーチが選択される場合を例示した。しかし、選択されるスーパーリーチは4種類に限定されない。例えば、選択されるスーパーリーチを1〜3種類、又は5種類以上としてもよい。
また、図7の大当り種別決定テーブルでは、リーチタイミングが最大4回である場合、図34で示したスーパーリーチA〜Dのスーパーリーチの全種類が実施される。しかし、例えば、設定されるリーチタイミングが最大3回又はそれ以下である場合、図34の中で実施されるスーパーリーチも最大3種類又はそれ以下となる。一方、リーチタイミングが5回以上である場合、少なくともスーパーリーチA〜Dのいずれかが2回実施されることになる。
また、図34で例示したリーチ演出種別決定割合テーブルは、少なくともスーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチDの中で3種別のスーパーリーチの演出が実行されたときリーチ演出種別決定割合テーブルの推移を示している。しかし、リーチ演出種別決定割合テーブルは、ST回数(50回)の中でスーパーリーチの演出が全く実行されない場合、若しくはスーパーリーチの演出が1回又は2回実行される場合であってもよい。リーチ演出種別決定割合テーブルは、それらの場合において、それぞれ選択されるものとする。例えば、ST状態においてスーパーリーチの演出が1回しか実行されない場合は、リーチ演出種別決定割合テーブルの選択は1回となる。
また、本実施形態では、リーチ履歴に応じて決定割合が予め定められた固定の割合である場合を示したが、所定の条件によって決定割合を可変としてもよい。例えば、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作等の状況に応じて決定割合を可変としてもよい。
以上で、図34を用いた、リーチ演出種別決定割合テーブルの説明を終了し、ステップS5325のリーチ演出種別決定の説明を終了する。
再び、図32に戻り、ステップS5325の処理を実行後、演出制御用CPU120は、リーチ履歴表示演出に対応した演出制御パターンをセットする(ステップS5326)。リーチ履歴表示演出に対応した演出制御パターンには、図37を用いて例示する画像表示装置5にリーチ履歴を表示するための演出制御データを含む。すなわち遊技者にリーチ履歴を報知するための演出制御パターンがセットされる。
一方、ステップS5324の処理において、リーチタイミングでは無いと判断したとき(ステップS5324;NO)、演出制御用CPU120は、大当りが否かを判断する(ステップS5327)。大当りか否かの判断は、可変表示結果通知コマンドによって判断することができる。大当りと判断した場合(ステップS5327;YES)。演出制御用CPU120は、リーチ演出種別決定処理(ステップS5325)が実行される。
一方、ステップS5324の処理において、リーチタイミングでは無いと判断したとき(ステップS5324;NO)、演出制御用CPU120は、大当りが否かを判断する(ステップS5327)。大当りか否かの判断は、可変表示結果通知コマンドによって判断することができる。大当りと判断した場合(ステップS5327;YES)。演出制御用CPU120は、リーチ演出種別決定処理(ステップS5325)が実行される。
一方、大当りではないと判断した場合(ステップS5327;NO)。演出制御用CPU120は、擬似連演出に対応した演出制御パターンをセットする(ステップS5328)。
擬似連演出は、スーパーリーチの演出の実行を避けるために実行される演出として例示している。本実施形態では、ST状態において、リーチタイミングでない変動回数において、スーパーリーチ(ハズレ)の変動パターンを示す変動カテゴリコマンドを受信した場合であっても、演出制御用CPU120においてスーパーリーチの演出の実行を制限するものである。すなわち、図18(F)で説明した判定決定テーブルfが、図17のステップS4127で選択される判定テーブルbの代わりに選択される代替実施例において、図5Fに示す変動パターンが選択される場合、演出制御用CPU120は、PA4−1(スーパーリーチα(ハズレ))の変動パターンを示す変動カテゴリコマンドを受信する場合がある。図32のステップS5324のリーチタイミングであるか否かの判断、及びリーチタイミングで無い場合(ステップS;NO)のステップS5327の大当りであるか否かの判断は、図5Fに示す変動パターンが選択される場合において行われる処理であり、判定テーブルbが使用されて変動パターンが決定される場合には、ステップS5323の処理においてスーパーリーチであると判断した場合(ステップS5323;YES)、演出制御用CPU120がステップS5324及びステップS5327の処理を行うことなくステップS5325の処理を実行するようにしてもよい。
本実施形態では、ST状態において、リーチタイミングでない変動回数でスーパーリーチ(ハズレ)の変動パターンを受信した場合であっても、スーパーリーチの演出の実行回数に上限を設定している場合において、リーチタイミングではない変動回数ではスーパーリーチを実行しないことにより、スーパーリーチの演出の上限値を超えないようにすることができる。
ST状態中に、特定可変表示パターンが決定された場合においては、演出用識別情報の可変表示を開始してから表示結果が導出されるまでに、擬似連変動の演出を実行することにより、スーパーリーチ演出の実行を制限する。ここで、特図変動時間はスーパーリーチ演出の特図変動時間であるため、例えば、スーパーリーチ演出の代わりにノーマルリーチ演出や非リーチ演出を実行すると、無駄に長い可変表示を伴なう違和感のある演出を実行することになり、興趣が低下してしまうことがある。そこで、本実施形態では、スーパーリーチ演出の代わりにハズレの可変表示を何度も繰り返す擬似連演出を実行することにより、違和感のない演出を実行して、興趣の低下を防止することが可能となる。
ステップS5322の処理、ステップS5326の処理、又はステップS5328の処理を実行後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンセット(ステップS532)の処理を終了する。
以上で、図32を用いた、演出制御パターンセット(ステップS532)の処理の説明を終了する。
再び、図30に戻り、ステップS532の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ステップS532においてセットした演出制御パターンのプロセスデータの演出制御プロセスタイマの初期値を設定し(ステップS534)、演出制御プロセスタイマをスタートさせて(ステップS535)、プロセスデータの内容に従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う(ステップS536)。
続いて、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間(図5に示した特図変動時間)に相当する値を設定する(ステップS537)。
続いて、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ194Bに格納されているコマンドを消化する(ステップS538)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。また、ステップS538の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる第1先読予告バッファ194Cまたは第2先読予告バッファ194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS539)、可変表示開始設定処理を終了する。
以上で、図30を用いた、可表示開始設定処理の説明を終了する。
次に、図35を用いて、図28のステップS75の演出制御プロセス処理で実行されるステップS172の可変表示中演出処理について説明する。図35は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
図35に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS601)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS602)。可変時間タイマは、変動時間を計測するためのタイマであり、図5で説明したそれぞれの変動パターンに応じて設定される特図変動時間である。
ステップS602の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する。(ステップS603)。演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には(ステップS603;YES)、演出制御用CPU120は、ステップS532においてセットした演出制御パターンにおける、次のプロセスデータの演出制御プロセスタイマの設定値を設定し、演出制御プロセスタイマをスタートさせて(ステップS604)、次のプロセスデータの内容に従って、演出装置制御処理を実行する(ステップS605)。
ステップS605の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、リーチ履歴表示演出を実行する(ステップS605−1)。ステップS605−1のリーチ履歴表示演出は、演出装置を用いてリーチ履歴を遊技者に報知する処理である。演出装置は、例えば、画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材である。すなわち、リーチ履歴表示演出は、画像表示装置5を用いた画像の表示、スピーカ8を用いた音出力、ランプ9を用いた点灯表示、演出用模型の可動部材の動作を単独で、あるいは組み合わせて実行されるものとする。本実施形態では、画像表示装置5にリーチ履歴報知する画像を表示する場合を例示して説明する。
なお、ステップS605の演出装置制御処理及びステップS605−1のリーチ履歴表示演出における演出装置制御処理は、それぞれのプロセスデータに従った演出の実行を開始するものであり、プロセスタイマがタイムアウトして次のプロセスデータに基づく演出装置制御処理が開始されるまで、繰り返し実行されるものとする。すなわち、ステップS603の処理で演出制御プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、処理が開始されたステップS605の演出装置制御処理は、繰り返して実行されるものとする。
一方、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(ステップS603;NO)、又はステップS605の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS606)。変動時間タイマがタイムアウトした場合には(ステップS606;YES)、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS607)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS606;NO)、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を更新せずに、可変表示中演出処理を終了する。
以上で、図35を用いた、可変表示中演出処理の説明を終了する。
次に、図36を用いて、特図当り待ち処理を説明する。
図36は、図28のステップS173にて実行される特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS720)。図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていないと判断した場合(ステップS720;NO)、演出制御用CPU120は、特図当り待ち処理を終了する。
一方、図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていると判断した場合(ステップS720;YES)、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS721)、確定飾り図柄を停止表示する(ステップS722)。ステップS722の処理を実行後、演出制御用CPU120は、確定飾り図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS723)。確定飾り図柄が大当り図柄でないと判断した場合(ステップS723:NO)、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に対応する“0”に更新し(ステップS726)、特図当り待ち処理を終了する。
一方、確定飾り図柄が大当り図柄であると判断した場合(ステップS723:YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS730)。即ち、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドを受信したか否かを判断する。当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていないと判断した場合(ステップS730;NO)、演出制御用CPU120は、特図当り待ち処理を終了する。
一方、当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていると判断した場合(ステップS730;YES)、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンド受信フラグをクリアする(ステップS731)。
ステップS731の処理を実行後、演出制御用CPU120は、リーチ履歴をクリアするリーチ履歴クリアの処理を実行する(ステップS732)。ステップS732のリーチ履歴クリアの処理は、図33のリーチ演出種別決定(ステップS5325)のステップS53253のリーチ履歴更新の処理で更新されたリーチ履歴をクリアする処理である。すなわち、特図当り待ち処理(ステップS173)において、確定飾り図柄が大当り図柄となった場合(ステップS723;YES)、ST状態において記録していたリーチ履歴をクリアするものである。
ステップS732の処理を実行後、演出制御用CPU120は、ファンファーレ演出を設定し(ステップS733)、演出プロセスフラグの値を大当り開始処理(ステップS174)に対応する“4”に更新し(ステップS734)、特図当り待ち処理(ステップS173)を終了する。
以上で、図36を用いた、特図当り待ち処理の説明を終了する。
次に、図37を用いて、画像表示装置5に表示されるリーチ履歴表示を説明する。図37は、リーチ履歴表示の第1の表示例を示す図である。
図37(A)〜(L)は、画像表示装置5に表示されるリーチ履歴を時系列で表したものである。図37(A)〜(K)において、画像表示装置5の表示画面の図示左上には、リーチ履歴表示5HRが表示されている。リーチ履歴表示5HRは、スーパーリーチAの演出の実施状況を表示するリーチ履歴表示5HRAと、スーパーリーチBの演出が実施済みか否かを表示するリーチ履歴表示5HRBと、スーパーリーチCの演出の実施状況を表示するリーチ履歴表示5HRCと、スーパーリーチDの演出の実施状況を表示するリーチ履歴表示5HRDを有する。本実施形態におけるリーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDは、それぞれのリーチ演出種別のスーパーリーチの実施状況として、それぞれのリーチ演出種別のスーパーリーチを実施中であることを示す表示態様と、それぞれのリーチ演出種別のスーパーリーチが実施済みである(演出が終了している)ことを示す表示態様を行うことができる場合を例示する。それぞれのリーチ演出種別のスーパーリーチが実施済みであることを報知することにより、遊技者は未実施のリーチ演出種別のスーパーリーチを認識することができるため、興趣の向上を図ることができるとともに、実施中のスーパーリーチのリーチ演出種別を報知することにより、遊技者は新たに実施されたスーパーリーチのリーチ演出種別を認識することができるため、興趣の向上を図ることができる。
図37(A)は、ST状態となってから一度もスーパーリーチの演出が実行されていない場合のリーチ履歴表示5HRが表示されていることを示している。リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDは、それぞれスーパーリーチ(A〜D)のリーチ演出種別が実施されていないことを報知する表示状態を示す。本実施形態では、それぞれのリーチ演出種別が実施されていないことを報知する表示態様として、白色の背景にA〜Dの文字が表示される場合を例示している。しかし、それぞれのリーチ演出種別が実施されていないことを報知する方法はこれに限定されない。例えば、A〜Dの文字の色、文字の濃さ、文字の形状等を実施状況に応じて変えるようにしてもよい。
画像表示装置5には、飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rには、それぞれ可変表示中の飾図柄が表示されている。すなわち、図37(A)は、ST状態となってから一度もスーパーリーチの演出が実行されていない状況において飾り図柄が変動中であることを示している。
図37(B)は、図37(A)に示した表示から、飾り図柄表示エリア5Lと5Rが停止図柄として「7」を表示して飾り図柄表示エリア5Cが可変表示中となるリーチ状態として表示され(図示せず)、その後、小図柄5KL、5KC及び5KRがリーチ状態で表示されていることを示す図である。画像表示装置5にはリーチ演出種別がスーパーリーチBであるリーチ演出に基づく画像が表示されているものとする。
リーチ履歴表示5HRBには、スーパーリーチBのリーチ演出種別を実施中であることを報知する網掛けが表示されている。したがって、遊技者は現在実施中のリーチ演出種別を認識することができる。リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDは、図37(A)と同様に、リーチ演出種別が実施されていないことを報知する表示がされている。
図37(C)は、図37(B)に示した表示から、リーチ演出種別がスーパーリーチBの演出が終了して、飾り図柄がハズレを表示していることを示す図である。リーチ履歴表示5HRの表示は、図37(B)に示したものと同じである。なお、スーパーリーチBの演出は、停止した飾り図柄の表示までを含んでいてもよい。
図37(D)は、図37(C)に示した表示から、変わり図柄が再び可変表示中になったことを示す図である。図37(D)において、リーチ履歴表示5HRBには、スーパーリーチBのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示されている。したがって、遊技者は実施済みのリーチ演出種別を認識することができる。
なお、リーチ演出種別が実施済みであることを報知する表示は丸印の表示に限定されない。例えば、丸印を表示する代わりに、×印を表示してもよい。また、実施済みのリーチ演出種別を消去したり、塗りつぶしたりする表示をしてもよい。また、リーチ演出種別が表示される四角の枠を塗りつぶすように表示してもよい。
また、本実施形態では、実施済みのリーチ演出種別を報知するときについても網掛けが表示される場合を例示しているが、網掛けなしの表示としてもよい。
図37(E)は、図37(D)に示した表示から、飾図柄がリーチ状態を表示した後に、リーチ演出種別がスーパーリーチBの演出を実施していることを示す図である。画像表示装置5には小図柄5KL、5KC及び5KRがリーチ状態で表示されている。
リーチ履歴表示5HRAには、スーパーリーチAのリーチ演出種別を実施中であることを報知する網掛けが表示されている。リーチ履歴表示5HRBには、図37(D)と同様に、スーパーリーチBのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示されている。したがって、遊技者は現在実施中のリーチ演出種別がスーパーリーチAであるを認識することができるとともに、実施済みのリーチ演出種別がスーパーリーチBであるを認識することができる。リーチ履歴表示5HRC及びリーチ履歴表示5HRDは、リーチ演出種別が実施されていないことを報知する表示がされている。
図37(F)は、図37(D)に示した表示から、リーチ演出種別がスーパーリーチAの演出が終了して、飾り図柄がハズレを表示していることを示す図である。リーチ履歴表示5HRの表示は、図37(E)に示したものと同じである。なお、スーパーリーチAの演出は、停止した飾り図柄の表示までを含んでいてもよい。
図37(G)は、図37(F)に示した表示から、変わり図柄が再び可変表示中になったことを示す図である。図37(G)において、リーチ履歴表示5HRAとリーチ履歴表示5HRBには、スーパーリーチA及びスーパーリーチBのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示されている。したがって、遊技者は実施済みのリーチ演出種別がスーパーリーチA及びスーパーリーチBであることを認識することができる。
図37(H)は、図37(G)に示した表示から、飾図柄がリーチ状態を表示した後に、リーチ演出種別がスーパーリーチDの演出を実施していることを示す図である。画像表示装置5には小図柄5KL、5KC及び5KRがリーチ状態で表示されている。
リーチ履歴表示5HRDには、スーパーリーチDのリーチ演出種別を実施中であることを報知する網掛けが表示されている。リーチ履歴表示5HRA及びリーチ履歴表示5HRBには、図37(D)と同様に、スーパーリーチA及びスーパーリーチBのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示されている。したがって、遊技者は現在実施中のリーチ演出種別がスーパーリーチDであることを認識することができるとともに、実施済みのリーチ演出種別がスーパーリーチA及びスーパーリーチBであることを認識することができる。リーチ履歴表示5HRCは、リーチ演出種別が実施されていないことを報知する表示がされている。
図37(I)は、図37(H)に示した表示から、リーチ演出種別がスーパーリーチDの演出が終了して、飾り図柄がハズレを表示していることを示す図である。リーチ履歴表示5HRの表示は、図37(F)に示したものと同じである。なお、スーパーリーチDの演出は、停止した飾り図柄の表示までを含んでいてもよい。
図37(J)は、図37(I)に示した表示から、変わり図柄が再び可変表示中になったことを示す図である。図37(J)において、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、及びリーチ履歴表示5HRDには、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチDのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示されている。したがって、遊技者は実施済みのリーチ演出種別がスーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチDであることを認識することができる。
図37(K)は、図37(J)に示した表示から、飾図柄がリーチ状態を表示した後に、リーチ演出種別がスーパーリーチCの演出を実施していることを示す図である。画像表示装置5には小図柄5KL、5KC及び5KRがリーチ状態で表示されている。
リーチ履歴表示5HRCには、スーパーリーチCのリーチ演出種別を実施中であることを報知する網掛けが表示されている。リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、及びリーチ履歴表示5HRDには、図37(J)と同様に、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチDのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示されている。したがって、遊技者は現在実施中のリーチ演出種別がスーパーリーチCであることを認識することができるとともに、実施済みのリーチ演出種別がスーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチDであることを認識することができる。
なお、本実施形態ではスーパーリーチが実施される上限回数の上限を4としている。したがって、遊技者はスーパーリーチCが実施されることにより大当りが確定することを認識することができるので興趣の向上を図ることができる。すなわち、遊技者は、リーチ履歴の状態を報知するリーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC及びリーチ履歴表示5HRDによってスーパーリーチの上限回数と実施状況を認識することが可能となる。
図37(L)は、図37(K)に示した表示から、飾り図柄が大当りで停止したことを示す図である。本実施形態では、飾り図柄が大当りで停止した場合には、リーチ履歴表示5HRの表示を消去する場合を例示している。停止図柄が大当りの場合には、ST状態が終了し、リーチ履歴はクリアされる。
以上で、図37を用いた、画像表示装置5に表示されるリーチ履歴表示の説明を終了する。
次に、図38を用いて、停電復旧されたリーチ履歴表示の表示例を説明する。図38は、停電復旧されたリーチ履歴表示の表示例を示す図である。
図38(A)〜(C)において例示する停電復旧されたリーチ履歴表示は、図31の表示復旧処理(ステップS529)におけるステップS5295のリーチリーチ履歴表示設定の処理で設定されて、図35の可変表示中演出処理(ステップS172)におけるステップS605−1のリーチ履歴表示演出の処理で表示される。停電時において遊技機への電力供給が停止されるときには、前述のとおり、演出制御基板12においてリーチ履歴はバックアップされない。一方、主基板11から停電復旧指定コマンドを受信していから実行される停電復旧処理(ステップS520)においては、遊技状態指定コマンドによってST状態は復旧させることができる。したがって、停電復旧時にはリーチ履歴表示を何らかの表示として復旧させることが望ましい。図38(A)〜(C)において例示する停電復旧されたリーチ履歴表示は、停電前のリーチ履歴に拘わらず表示されるものとする。
なお、図38(A)〜(C)は、飾り図柄が可変表示中である場合を例示したが、リーチ履歴表示の表示タイミングは飾り図柄が可変表示中に限定されるものではない。
図38(A)において、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC及びリーチ履歴表示5HRDは、それぞれのリーチ演出種別が実施済みであることを報知する丸印が表示された状態で復旧される場合を示している。
遊技機1への電力供給が停止した場合には、リーチ履歴の表示を、スーパーリーチ演出が所定の回数実行されたものとして復旧することにより、停電からの復旧後、予め定められた回数より多くスーパーリーチ演出が実行されてしまうことを防止することができる。
また、停電前に、スーパーリーチA〜Dのリーチ演出種別のいずれか一つ又は複数が実施済みであった場合、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、又はリーチ履歴表示5HRDに表示される実施済みを示す丸印が停電前と違っていたり、停電前より少なかったりした場合、遊技者は停電によって大当りへの期待値が低下してしまったものと感じてしまう場合がある。
本実施形態では、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDの全てを実施済みとして復旧することにより、遊技者に対して停電前に比べて大当りへの期待値が低下したとは感じさせないことにより興趣の低下を防止することができる。
しかし、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDの全てが実施済みとすると、次にスーパーリーチの演出が実行された場合、遊技者は大当りを確信してしまう場合がある。そこで、図38(A)に例示する表示態様でリーチ履歴表示を復旧させるときには、大当りではないときにスーパーリーチ(ハズレ)の演出を制限するようにしてもよい。
図38(B)において、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC及びリーチ履歴表示5HRDは、それぞれのリーチ演出種別が実施済みであるか否かが不明であることを報知する?印が表示された状態で復旧される場合を示している。
例えば、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDに表示される実施状況が停電前と停電後で異なった場合、遊技者に期待度の低下を感じさせてしまい、興趣が低下してしまう場合がある。
本実施形態では、リーチ演出種別が実施済みであるか否かが不明であることを報知する?印を表示することにより、遊技者に対して大当りへの期待値が低下したとは感じさせず、興趣の低下を防止することができる。
図38(C)において、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC及びリーチ履歴表示5HRDは、それぞれのリーチ演出種別が実施されていないことを報知する表示された状態で復旧される場合を示している。
遊技機への電力供給が停止した場合に、リーチ履歴の表示を、スーパーリーチ演出が実行されていないものとして復旧することにより、復旧後、一度もリーチが実行されないことを防止して、興趣の向上を図ることができる。
例えば、停電前に、スーパーリーチA〜Dのリーチ演出種別のいずれか一つ又は複数が実施済みであった場合、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、又はリーチ履歴表示5HRDに表示される実施済みを示す丸印が停電前より多かった場合、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDの全てが実施済みとなっても大当りにならず、興趣が低下してしまう場合がある。
本実施形態では、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDの全てを実施されていないものとして復旧することにより、リーチ履歴表示5HRA、リーチ履歴表示5HRB、リーチ履歴表示5HRC、及びリーチ履歴表示5HRDの全てが実施済みとなっても大当りにならず、興趣が低下してしまうことを防止することが可能となる。
なお、図3で説明したとおり、演出制御基板12は、主基板11から確変回数指定コマンドを受信することにより、ST状態において残りの変動数を知ることができる。演出制御用CPU120は、残りの変動数に応じてリーチ履歴表示5HRの実施済みを報知する表示の数を変更するようにしてもよい。例えば、残りの変動数が25回以上の場合リーチ履歴表示5HRの実施済みを報知する表示の数を2とし、残りの変動数が25回未満の場合リーチ履歴表示5HRの実施済みを報知する表示の数を3としてもよい。
以上で、図38を用いた、停電復旧されたリーチ履歴表示の表示例の説明を終了する。
次に、図39及び図40を用いて、リーチ状態とならない可変表示を説明する。図39は、リーチ状態とならない可変表示の表示例を示す図である、図40は、リーチ状態となる可変表示の表示例を示す図である。図39と図40を対比することにより、リーチ状態とならない可変表示を説明する。リーチ状態とならない可変表示は、図5Eで説明した通り変動パターンがPA1−1又はPB1−1の場合に実行される演出態様である。図5EのPA1−1又はPB1−1が決定されるのは、ST状態において変動数カウンタが10回以内の場合である。リーチ状態とならない可変表示によって変動数カウンタが10回以内において変動時間を短縮してスピード感を向上し、興趣の向上を図ることが可能となる。
図39(A)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rに飾り図柄が可変表示されている。なお、図39及び図40においては、画像表示装置5の図示左上に表示されるリーチ履歴表示5HRはST状態であることを示し、リーチ履歴表示5HRの動作については特に説明しない。
図39(B)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rにはハズレの飾り図柄が停止表示されている。飾り図柄は、図39(A)の表示状態から図39(B)の表示状態に遷移するまでの間に、飾り図柄表示エリア5Lと5Rに同じ図柄が停止して飾り図柄表示エリア5Cが可変表示中となるリーチ状態をとらない。すなわち、図39(B)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rの図柄が一斉に停止する「即ハズレ」の演出態様が実施されることを示している。
図39(C)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rには、図39(B)に示した飾り図柄の停止表示から、再び飾り図柄が可変表示される。
図39(D)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rには大当りの飾り図柄が停止表示されている。飾り図柄は、図39(C)の表示状態から図39(D)の表示状態に遷移するまでの間に、飾り図柄表示エリア5Lと5Rに同じ図柄が停止して飾り図柄表示エリア5Cが可変表示中となるリーチ状態をとらない。すなわち、図39(D)は、飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rの図柄が一斉に停止する「即当り」の演出態様が実施されることを示している。
図40(A)は、図39(A)と同じ表示状態をしめしている。すなわち、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rには飾り図柄が可変表示されている。
図40(B)は、飾り図柄表示エリア5Lと5Rに同じ図柄が停止して、飾り図柄表示エリア5Cが可変表示中となるリーチ状態であることを示している。図40に示す飾り図柄の表示の演出態様は、飾り図柄の可変表示の開始から停止図柄を表示するまでの間にリーチ状態となる点において、即ハズレ又は即当りの演出を実施する図39に示す飾り図柄の表示の演出態様と異なる。リーチ状態になった後、所定のリーチ演出を実施する場合もある。
図40(C)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rにはハズレの飾り図柄が停止表示されている。図40(C)は、図40(A)の表示状態から図40(B)のリーチ状態を示す演出態様を経由して表示される。したがって、図39に示す演出態様に比べて飾り図柄の変動時間が長くなる場合を示している。
図40(D)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rには、図40(C)に示した飾り図柄の停止表示から、再び飾り図柄が可変表示される。図40(D)の表示態様は、図39(C)の表示態様と同じである。
図40(E)は、飾り図柄表示エリア5Lと5Rに同じ図柄が停止して、飾り図柄表示エリア5Cが可変表示中となるリーチ状態であることを示している。図40(E)に示す飾り図柄の表示の演出態様は、図40(B)に示した飾り図柄の表示の演出態様と同じであるため説明を省略する。
図40(F)において、画像表示装置5には飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rには大当りの飾り図柄が停止表示されている。図40(F)示は、図40(D)の表示状態から図40(E)のリーチ状態を示す演出態様を経由して表示される。したがって、図39に示す演出態様に比べて飾り図柄の変動時間が長くなる場合を示している。
以上説明したとおり、図39に示す即ハズレの演出態様を繰り返すと変動時間が短縮されるため、図40に示す演出態様に比べてスピード感が向上する。しかし、ST回数全てにおいて変動時間を短縮する短縮演出を実行するとスーパーリーチの演出が実行されず、興趣が低下する場合もある。本実施形態では、ST状態となってから最初の10回の変動回数で短縮演出を実行するとともに、所定のリーチタイミングでリーチ演出を実行できるので、興趣の向上を図ることができる。
以上で、図39及び図40を用いた、リーチ状態とならない可変表示の説明を終了する。
以上、本実施形態における遊技機を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
本実施形態においては、識別情報の可変表示を実行し、特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、前記有利状態に制御された後に、特別状態に制御する特別状態制御手段と、前記有利状態に制御されるか否かを示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段とを備え、前記特定演出実行手段は、制御された有利状態に応じたタイミングで、前記特別状態において前記特定演出を実行する場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
例えば、本実施形態では、有利状態に制御されるか否かを示唆する演出としてリーチ演出を例示した。リーチ演出は、リーチ状態となった後に、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作を実行するものとして説明したが、リーチ状態となる前に上記の様な演出を実施するものであってもよい。
また、前述の通り、特定演出は擬似連演出であってもよい。擬似連演出には、擬似連変動が1回のもの、あるいは2回以上のものであってもよい。また、特定演出は、図5Aで説明した擬似連演出にスーパーリーチを組み合わせた演出(例えば、PA4−3、4等)であってもよい。
また、本実施形態では、ST回数(確変回数)が50回又は100回等、予め定められた固定回数である場合を説明した。しかし、例えば、ST回数が所定の条件において変更される場合であってもよい。その場合、図7で説明したリーチタイミングについてもST回数に併せて変更するようにしてもよい。例えば、ST回数が50回又は100回のいずれかに制御される場合、ST回数が100回の場合のリーチタイミングをST回数が50回の場合の2倍とするようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機において。前記特定演出実行手段は、前記特別状態において前記タイミングでないときには前記特定演出の実行を制限するものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
例えば、本実施形態では、特定演出の実行を制限する方法として、特定演出の実行をしない場合を例示したが、制限する方法はこれに限定されない。例えば、特別状態においてリーチタイミングでないときに特定演出が決定される割合を下げるようにしてもよい。本実施形態では、図19Bに示す変動カテゴリ決定テーブルにおいて、PA4又はPA5が決定される割合は0%である場合を例示したが、例えば、PA4が決定される割合を数%とすることにより、図19Cに示すリーチタイミングにおいて変動カテゴリ決定テーブルに比べてスーパーリーチが実行される割合を下げて特定演出の実行を制限するようにしてもよい。
また、特定演出の実行を制限する方法として、特定演出の代わりに他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、特定演出としてのスーパーリーチ演出を実行する代わりに、擬似連演出を実行することにより、特定演出の実行を制限するようにしてもよい。
また、本実施形態では、特定演出の実行を制限する方法として、主基板11においてCPU103が特別状態においてタイミングでないときには特定演出を実行しない変動パターンを決定する場合を例示した。しかし、特定演出の実行を制限する方法はこれに限定されない。例えば、リーチタイミングを演出制御基板12において把握しておき、主基板11からの変動パターンに応じて特定演出を実行するか特定演出ではない演出を実行するかを判断するようにしてもよい。
また本実施形態の遊技機において、前記特定演出は、第1の特定演出と、前記第1の特定演出よりも期待度が高い第2の特定演出とを含み、前記特定演出実行手段は前記第1の特定演出又は前記第2の特定演出を実行するものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
例えば、本実施形態では、第1の特定演出と第2の特定演出の2種類の特定演出を含む場合を説明したが、特定演出は2種類に限定されず、3種類以上であってもよい。例えば、第2の特定演出よりも期待度が高い第3の特定演出をさらに含み、特定演出実行手段は、第1の特定演出、第2の特定演出及び第3の特定演出を実行するものであってもよい。
また、本実施形態の遊技機において、前記特別状態において実行された特定演出を報知するものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
例えば、本実施形態では、特別状態において実行された特定演出の報知として、画像表示装置5へのリーチ履歴の表示をする場合を例示したが、特定演出の報知は、画像表示装置5へのリーチ履歴の表示、スピーカ8を用いたリーチ履歴の音出力、ランプ9を用いたリーチ履歴の点灯表示、演出用模型の可動部材のリーチ履歴を示す動作を単独で、あるいは組み合わせて実行してもよい。さらに、特定演出の報知は、ST状態において飾り図柄の可変表示中又は停止表示中に行う場合を例示したが、特定演出の報知を行うタイミングはこれに限定されない。例えば、遊技終了後に画像表示装置5に表示される設定画面から実行された特定演出を表す2次元コードを画像表示装置5に表示させて報知するようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機において、前記特別状態において実行されて報知された特定演出の実行を制限するものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
本実施形態では、特定演出の実行を制限する方法として、実行されて報知された特定演出を実行しない場合を例示したが、特定演出の実行を制限する方法はこれに限定されない。例えば、実行されて報知された特定演出の実行回数を制限するものであってもよい。例えば、所定の特定演出の実行回数を2回に制限した場合、3回目の実行をしないように制限してもよい。
また、本実施形態では、特定演出の実行を制限する方法として、特定演出の中から実行されていない特定演出を抽選して実行する場合を例示したが、特定演出の実行順序を予め定めておき、定められた順序で特定演出を実行することにより、実行されて報知された特定演出の実行を制限してもよい。
また、本実施形態の遊技機において、遊技機への電力供給が停止した場合には、前記特定演出の報知を、前記特定演出が所定の回数実行されたものとして復旧するものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
本実施形態は、特定演出が予め定められた回数実行されたものとして特定演出の報知を復旧する場合を例示した。しかし、例えば、復旧するときの回数を抽選によって変動させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図38に示す様に復旧した特定演出の報知は、通常の特定演出の報知と同じ表示態様とする場合を例示したが、例えば、復旧された特定演出に復旧されたことを示す所定の表示をするようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機において、遊技機への電力供給が停止した場合には、前記特定演出の報知を、前記特定演出が実行されていないものとして復旧するものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は上記実施例に限定されるものではない。
また、本実施形態の遊技機において、前記特別状態に制御されてから、可変表示の変動が所定の変動回数になるまで前記特定演出を実行しないものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
例えば、本実施形態では、所定の変動回数になるまで特定演出を実行しないものとして、リーチ状態を伴わない即当たり又は即ハズレの短縮・非リーチの変動パターンを決定する場合を例示したが、特定演出を実行しないものはこれに限定されない。例えば、リーチ状態を伴う短縮・非リーチの変動パターンを決定するようにしてもよい。また、非リーチの変動パターン(変動カテゴリPA2、PB2)を決定するものであってもよい。また、ノーマルリーチの変動パターン(変動カテゴリPA3、PB3)を決定するものであってもよい。
また、本実施形態の遊技機において、前記大当り種別は、特定演出を第1回数実行する第1の大当り種別と、特定演出を第1回数よりも多い第2回数実行する第2の大当り種別とを含み、前記第2回数の中で最初に実行される特定演出は、前記第1回数の中で最初に実行される特定演出よりも早いタイミングであるものであってもよい場合を説明したが、本実施形態の遊技機は以下のようなものであってもよい。
例えば、本実施形態では、第2回数の中で最初に実行される特定演出は、第1回数の中で最初に実行される特定演出よりも早いタイミングであるものである場合を説明したが、第2回数の中で最後に実行される特定演出が、第1回数の中で最後に実行される特定演出よりも遅いタイミングであるものであってもよい(例えば、図7の大当り1の最後のリーチタイミングが30回目であるのに対して大当り10の最後のリーチタイミングはそれより遅い39回目である等)。
また、第1の大当り種別における特定演出を実行するタイミングの早さと第2の大当り種別における特定演出を実行するタイミングの早さの比較を、特定演出を実行するリーチタイミングの平均値で行ってもよい例えば、図7の大当り10の平均値は、(14+20+39)/3≒24回目であり、大当り1の30回目より早いタイミングで特定演出が実行される等)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合」とは、例えば、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係であり、割合が異なる場合には、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なる場合(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるような場合)も含む。
その他にも、遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与すると共に、付与された遊技得点、又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、確変大当りに決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
また、上記の実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の特別図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、変動する特別図柄と、可変表示結果として導出表示される確定特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄の中に、可変表示結果として導出表示される確定特別図柄が含まれていなくてもよい。
また、上記の実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、変動する飾り図柄と、可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の飾り図柄の中に、可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄が含まれていなくてもよい。